1: ◆DpM/5nZU1E 2015/08/06(木) 15:05:15.48 ID:EGPX2vfa0


提督がおかしな言動をとるお話






5: ◆DpM/5nZU1E 2015/08/06(木) 15:16:15.42 ID:EGPX2vfa0

しとしと…しとしと… 

提督「天気雨か…」 

大規模作戦が終わり、その際に生じた書類にも一息ついた昼下がり 
俺は少し外を歩いていた 
久しぶりの時間だ、無為な時間だ 
何のためにも使わずにただ時が過ぎる 

そう言えばこんな時間は久しぶりであったように感じる 
私が生まれた時にはもう深海棲艦と艦娘は戦っており 
海軍将校の親父の背中を追い続け、私も将校への道を進み 
ただひたすらに艦娘と共に戦ってきた 

そして今 
その甲斐もあってか少しの暇ができた 

この際自分を見つめるのもいいかもしれない 

そんなことを考えていた時、不意に背中から声が聞こえた 


祥鳳「提督?傘も差さずに…風邪をひいてしまいますよ?」 

提督「祥鳳か…」 


軽空母祥鳳 
比較的初期に配属される部下 
おそらくもっとも共に戦場を駆けた信頼のおける部下だ 

6: ◆DpM/5nZU1E 2015/08/06(木) 15:26:40.53 ID:EGPX2vfa0

提督「なぁ祥鳳…君たちの目に私はどう映る?」 


私は不意に彼女に尋ねた 
常に軍人であろうと気を張りに張り続けた 
私としては真面目に振る舞い、他の模範たろうとしてきたつもりであるが 
他人から見て間違いなくそうであるとは言えない 

祥鳳「…どうされたんですか?」 

提督「ふとな…」 

祥鳳「勇猛果敢にして冷静沈着…模範的な軍人であると言えます」 

提督「そうか…」 

祥鳳「皆頼りにしてますよ?」 

提督「…」 

祥鳳「ご不満ですか?」 

提督「いや…そう言うわけではない」 


本当に不満というわけではないのだ 
ただ、我が鎮守府は他に比べ笑いが少ないとよく言われる 
戦時中に不謹慎であると思うが、現にそう言った鎮守府は大概強いのだ 

提督「なぁ…君はこの鎮守府にいて楽しいか?」 

祥鳳「楽しい…と言いますと?」 

提督「そのままの意味にとってもらって構わない」 

祥鳳「…」 

私はただ、彼女の返答を待った 














7: ◆DpM/5nZU1E 2015/08/06(木) 15:36:17.19 ID:EGPX2vfa0

祥鳳「楽しい…という感情をこの鎮守府には感じません」 

提督「…」 

祥鳳「我々は…深海棲艦と戦う特殊な軍人職場で楽しむなんて言うのは言語道断かと…」 

祥鳳「勝利の美酒に酔えど、平和の日常におぼれることはあり得ません」 

祥鳳「貴方の下であればなおさらです」 

提督「他の鎮守府は和気藹々としている、その点についてはどう思う」 

祥鳳「他は他です」 

提督「そうか…随分と肩ぐるしい思いをさせていたのだな…」 

祥鳳「ち!ちがいます!今のは悪い意味ではなく!」 

祥鳳「現に貴方の姿勢は軍にも間違いなく評価され、艦娘の間でもその誠実な人柄は…」 


祥鳳のフォローは耳には入っていなかった 
それよりも、いかにして現状を打破するかを考えていた 
和気藹々とした鎮守府 
いきなり変わることはできないが、少しの間ぐらいは空気を柔らかくは出来ないものか 
そう言えば組織は率いる者により、いかようにも変わるという 

…まずは私からというわけか…… 












8: ◆DpM/5nZU1E 2015/08/06(木) 15:46:55.89 ID:EGPX2vfa0

提督「ズズッ…」 
(うむ…やはり味噌汁はあおさに限る) 

ではいかにして私は変わるか… 
こういってはなんだが、私は自他ともに認める堅物である 
人を笑わせる道化など演じた事が無い 
そんな人間が中途半端に演じても雰囲気はますます硬直するだろう 

死8菓子私が口火を切らなければ… 

何か無いか… 

提督「…ん?」 

酒「」 

提督「酒か…」 


そう言えば一度も飲んだことは無い 
酒に酔った勢いという免罪符を得れば、多少のおふざけは許されるかもしれない 

提督「やってみる価値はあるかもな…」 

提督「鳳翔!!」 


スタスタ 


鳳翔「はい?どうしましたか?」 

提督「一杯くれ」 

鳳翔「はい、わかりました」 

彼女は慣れた手つきで味噌汁の椀を… 

提督「違うんだ鳳翔」 

鳳翔「え?」 

提督「酒だ」 

鳳翔「…え?」 


時が止まる

9: ◆DpM/5nZU1E 2015/08/06(木) 15:56:51.99 ID:EGPX2vfa0

鳳翔「それでは…私は部屋に戻りますが」 

鳳翔「くれぐれも飲み過ぎには注意してください」 

提督「うむ」 

鳳翔「お肴の食器は、うるかすだけで構いませんからね?」 

提督「ありがとう鳳翔、おやすみ」 

鳳翔「おやすみなさい」 


酒を飲むことを伝えた時、酷く動揺した彼女 
しかし私が本当に飲みたいという事を伝えると、慣れた手つきでおかずを用意してくれた 

鳳翔「隼鷹さんや千歳さんによく作りますので…」 

そう言いながら作る彼女 
そう言えば彼女が 
料理を作るところをまじまじと見たことは無い 
彼女なら良い嫁になるだろう 

そのような事を言うと、彼女は頬を染め私を睨んだ 
年頃の娘に言うべきことではないな 
というと 

鳳翔「二つしか違いません…子供みたいに言わないでください」 

と返された 

女心と秋の空・・・・ 
女性との会話はまるで気難しい上司との会議のようだ 

そんなことを思い返しながら私は酒で唇を濡らす 

提督「ん?これは中々…」 


11: ◆DpM/5nZU1E 2015/08/06(木) 16:10:20.89 ID:EGPX2vfa0

22:00 

提督「食堂の電気代がもったいないな…執務室に移動しよう」 


23:00 

提督「刺身を含み…酒を…」 


00:00 

提督「冷酒というのもいいものだ」グビグビ 


01:00 

提督「んぅ……小便…の前にもう一杯」グビグビグビ 


02:00 

提督「・・・・・・・・・・・・うまい…美味すぎる!!」グビグビグビグビ 

提督「こんなものが在ったなんて!私の人生はまるでクソじゃあないか!!」 


03:00 

提督「ヨーソローwwwヨーソローwww」グビグビ 


04:00 

提督「鎧袖一触です」キリッ 

提督「強がんなwww大飯ぐらいがwww」 

提督「赤城にあwwやwまwれw群青の姫か貴様はwww」 


05:00 

提督「シュピツアーレwwwチュリンゥツーネwwww」 

提督「ウェベルフティーノwwwwwチュリアデンプルシュウィンタスィゥwwwww」 


06:00 

・・・・

14: ◆DpM/5nZU1E 2015/08/06(木) 16:33:46.89 ID:EGPX2vfa0

しとしと…しとしと… 


提督「…」 

祥鳳「提督…またこのような」 

祥鳳「これからまた雨脚が強くなります、さぁ…もうもど…」 

そう言いかけた彼女の手を取り、男は自らの方に強く引き寄せた 

祥鳳「きゃ…」 

手に持つ傘を落とし、倒れ込む彼女を男は両手で強く抱きしめた 
それはもう、強く強く抱きしめている 
そのか細い腰と彼女の後頭部に手を回し、顔は首元にうずめている 
抱きしめられた彼女はつま先立ちになっており、いかに強く引き寄せられているかがよくわかる 

祥鳳「提督!?…くりゅし…」 

提督「嫌か?」 

祥鳳「やっ…その・・・・・雨が・・・・」 

提督「…」 

祥鳳「あのっ…その…朝からこのようなことは・・・・」 

どうしたらいいかわからない 
そのような態度を示しつつも、拒否しない彼女 

提督はそんな彼女を 



提督「…」ガブッ 

祥鳳「いっ!!いたい!!!提督!?」 


噛んだ 


提督「・・・・」グムグム 

祥鳳「やっ!!提督!!なに、何しているんですか!!!」ベシベシ 


彼女は抵抗するも、艦娘の力は艤装が無ければただの少女と変わらない 
故に彼女は彼の拘束から離れる事が出来ない 
ただ、噛まれ続ける 

提督「・・・・」ムグムグ 

祥鳳「もう・・・・なんなの・・・・」 


数分後 


提督「・・・・」スッ 

祥鳳「んぁ…」 

提督の白い歯が彼女の白い首筋から離れた 
その肌には赤い歯型が残っていた 
しゃがみ込む彼女 
提督はそんな彼女を気にすることなく去って行った 


祥鳳「なんなのさ…」 

不意に噛まれた後を手でさする 

祥鳳「お酒臭い・・・・」 

祥鳳「提督お酒なんて飲んでたかなぁ…」

15: ◆DpM/5nZU1E 2015/08/06(木) 16:46:58.41 ID:EGPX2vfa0


古鷹「ふんふふんふ~ん♪」 

重巡洋艦古鷹 
頼れるお姉さんな彼女は、艦種を問わず頼りにされている 
そんな彼女もまた、暇を謳歌していた 
真面目で包容力な彼女…そんな頼りになるお姉さんも 


提督「…」ダダダダダ 

古鷹「あっ、おはようございます!」 

提督「ヘェイ!!」スッ 

古鷹「いたぁい!」オデコペチーン 

古鷹「!!?!!?」 

ハプニングにはそこまで強くない 


だがしかし提督はそんなのを気にすることは無い 
彼の愛は中押し、ダメ押しと理想的な展開で現状を進める 

提督「ウェーイwww」スカートヒラリ 

古鷹「きゃ!!」オサエ 

提督「真の青空はスカートの中にあったのだ!!!」 

古鷹「//////見ないでください!!!」 

提督「うひゃうひゃうひゃ!!」オナカサワリサワリ 

古鷹「ちょ!!どこを触ってるんですか!もう!!提督!!」 

提督「すげー柔らかい!日本一!!」 


しかしお姉さんは怒ると 

古鷹「提督!!風穴開けますよ!!!」 

提督「どひゃあ!!」スタコラサッサ 

古鷹「こらっ!!待ちなさい!!!」ダダダダ 



すごく恐い 

19: ◆DpM/5nZU1E 2015/08/06(木) 17:51:12.71 ID:EGPX2vfa0

提督「ヘ~い!!」 

怜「なんや馴れ馴れしいな自分…」ペシン 

提督「…」 

怜「なんやねん」 

提督「…」スッ 

怜「やめぃっちゅーに」ペシ 

提督「さわらせろよぅ!!」ガバァ!!! 

怜「ふぅ…あほやなぁ、救えんわぁ」 

怜「せめて奥義で葬ったる…痛みも知らずになぁ…」 

提督「きええええぇぇいいいいいいい!!!」 

怜「北斗!!有情断迅拳!!!」 

提督「いやあああぁぁぁぁぁぁん!!!」バリバリバリ 

怜「ふぅ…哀れな男や・・・・・・うっ!!ゲホッ!!ゲホッ!!」 

怜「なんや…むかむかするわぁ…」 


ラオウ「トキ…病んでさえいなければ…」 


怜「見えるはずや…あの死兆星が…」カッ!!! 

怜「北斗ォ!!有情破顔拳!!」(死体蹴り) 

提督「…」ぐちゃぁ 

怜「汚い花火やなぁ…ぐほおおっぉぉぉおおぉお!!!!」ビチャビチャビチャ 


ラオウ「うぬうううぅぅうぅうぅ!!!!!」 












23: ◆DpM/5nZU1E 2015/08/06(木) 18:07:43.08 ID:EGPX2vfa0

吹雪「♪」テコテコ 

提督「吹雪!!!」 

吹雪「ひぇっ!?って…司令官?」 

提督「吹雪ちゃん可愛い!!」 

吹雪「えっ!??いきなり何を!!」 

提督「吹雪ちゃん可愛いいい言いいいいいいいいい!!!!!」 

吹雪「ちょ!!声が大きいですよ!!!」 



ナンダナンダ? 



提督「イモ臭いパンツの吹雪ちゃん可愛い!!」 

吹雪「やだっ!!何を!!」 

提督「わたわたしてる磯波を冷めた目で見る吹雪ちゃん可愛い!!」 

磯波「…吹雪ちゃん」 

吹雪「ち、違うよ磯波ちゃん!司令官!!デタラ…」 

提督「電の事あざといとか言って舌打ちする吹雪ちゃん可愛い!!」 

電「・・・・」 

吹雪「ちがっ!!」 

提督「アニメ化が決まってどうしよう…自信ないよ・・・・とか言いながら工廠の鏡で自分の可愛い角度確認しつつだっしゃらーとか言いながらがっつッポーズする吹雪ちゃん腹グロかわいい!!!」 

皆「…」シラー 

吹雪「いい加減にしろよぉ!!!」 

提督「冷静じゃなくなると素が出る吹雪ちゃんマジおちゃめ!!」 

提督「赤城さん赤城さんとか言ってるけど実は第一艦隊旗艦の座を狙ってるという野心を隠してるんだけど実は赤城にはもうばれてるのにそれに気付かず犬のように目を輝かせる吹雪ちゃんまじサボテンダー!!」 

吹雪「いやあああああああああぁぁぁぁあぁぁぁ!!!!!」 

提督「吹雪ちゃんの箪笥の三段目には自作の主人公セリフ集がはいってるううううぅぅぅうぅx!!!!」ダダダダqダ 

吹雪「やめろよぉ!!!!」 

提督「特型駆逐艦の特は特異の特で…私…片目が見えないんだ!!!ここで目を逸らすウウウウうぅうぅぅぅう!!!!!」ダダダダダダダ 

吹雪「あああああああああああああああぁっぁあぁぁぁぁ!!!!!!」ガンガンガンガンガンガンガンガン 


26: ◆DpM/5nZU1E 2015/08/06(木) 18:24:34.42 ID:EGPX2vfa0

提督「うへぇ・・・・なんだか楽しくなってきたwww」 

提督「ん?あれは…」 

赤城「…」モグモグ 

提督「第一航空戦隊!旗艦赤城!!」 

赤城「!」バッ 

提督「うむ!食事中と言えど決して集中を切らさないその姿勢!あっぱれである!!」 

赤城「提督?・・・・酔ってますか?」 

提督「酔ってなどいない!!」 

提督「強いて言うならば!赤城!俺を惑わせるのは君だ!」 

赤城「…は?」 

提督「戦場においては凛とした姿で艦隊を率い、普段は清廉な乙女」 

提督「立てば芍薬座れば牡丹!貴殿はまさしく戦場に咲く華よ!!!」 

赤城「はいはい…肩をお貸ししますので、部屋で休みましょう?ね?」 

提督「赤城ぃ!!」ガバッ 

赤城「なっ!!」 

男に肩を貸すために近寄った彼女を男は抱き寄せた 
いきなりの事に思考が追い付かない彼女は、驚きの表情で固まる 

赤城「あ…こ…困ります!!」 

提督「忘れるな」ボソッ 

赤城「ひゃん!」 

男は耳元でささやく 

提督「お前が死ぬとき、俺も死ぬ」 

提督「ゆめゆめ忘れるな…必ず生きて帰ってこい」 

提督「決して俺を一人にするな」 

提督「愛している」 

赤城「」///// 


提督「…」スタスタスタスタ 


赤城「…」ヘタリ 


俗にいう女の子座り 
腰が抜けたのか、彼女は動かない 

赤城(なんて勝手な言い分…やだ!なんか熱い!!) 

頬に手を当て俯く彼女 
その姿を新聞に載せられて赤城がブチギレるのはまた別の話 


27: ◆DpM/5nZU1E 2015/08/06(木) 18:50:01.26 ID:EGPX2vfa0

提督「加賀ぁ!!!」ダダダダダダ 

加賀「え?提督?」 

提督「鎧袖一触ってのはこうするんだよぉ!!」ブン 

加賀「ガッ!!!!」 

加賀「」 

提督「またつまらぬものを・・・・」 

祥鳳「おやめください」ベシッ 

提督「うきゅ」 

祥鳳「まったく…よいしょっと」スザッ 

祥鳳「加賀さん、すぐに漣ちゃんが来ると思うので…悪しからず」 


28: ◆DpM/5nZU1E 2015/08/06(木) 19:25:50.61 ID:EGPX2vfa0

提督「んぅ…頭が痛い・・・・・・俺はなにを・・・・」 

ひどい頭痛で目が覚める 
後頭部には柔らかい感触 

祥鳳「目が覚めましたか?」 

提督「祥鳳か…」 

私を見下ろす笑顔 
彼女自慢の濡れ髪が頬にかかりくすぐったい 

提督「私は何をしていたんだ…」 

祥鳳「覚えてないんですか?」 

提督「あぁ…何かまずい事でも?」 

祥鳳「…今はお休みください・・・・・・」 

そう言って俺の頬を両手で包み込む彼女 
程よい冷たさが心地よい 
それでいてゆっくりと撫でるものだから眠気も襲ってくる 

提督「そう言えば祥鳳…その首、どうしたんだ?」 

祥鳳「これも覚えていないんですか?」 

提督「あぁ…さっぱりだ……」 

祥鳳「むー」プクー 

不満げにほっぺたを膨らます彼女 
そうして祥鳳は僕の頬を軽くつねる 

提督「…いはいんだが・・・・・・」 

祥鳳「乙女の純情を弄んだ罰です」 

提督「何のことやら・・・・そうだ・・・・」 

提督「お詫びと言ってはなんだが…今度の休暇に…」 

提督「珊瑚を見に行かないか?」 

祥鳳「もう!!」 

祥鳳「提督のバカァ!!」 



女心と秋の空 
女性というのは難しい 


艦!!これ