※前作
ハルヒ「キョンってなんだか大人だな…」前編

34: ◆r3yksmPHg2 2009/02/09(月) 01:24:28.34 ID:pf7DTAIy0
ハルヒ「パスタね。悪くないわ、さっさと行きましょう」 

キョン「そう走るな。俺ももう若くないんだ」 

ハルヒ「なに老けた事言ってんの、まだ30過ぎでしょ!ほら急ぐ!」 

キョン「…やれやれ」 

ウィーン 

ハルヒ「すいません、4人喫煙席で」 

店員「かしこまりました。テーブル席にどうぞ」 

ハルヒ「よし、キョンはここ」 

キョン「で、隣に涼宮さんか?」 

みくる「す、涼宮さんずるいですぅ!!」 

長門「…平等にじゃんけんで決めるべき」 

キョン「…待ってくれ。俺はカウンターで食うよ、タバコ吸うしな。お前達に受動喫煙は良くないだろう」


引用元: ・ハルヒ「キョンってなんだか大人だな…」2

63: ◆r3yksmPHg2 2009/02/09(月) 01:32:27.53 ID:pf7DTAIy0
ハルヒ「…午後こそはキョンと一緒になるわよ」

長門「彼と図書館に」

みくる「…もう一回おねがいします…」

ばっ

ハルヒ「よっし、アタシがキョンとね!」

キョン「みたいだな。よろしく涼宮さん」

ハルヒ「ふふん、さぁ行くわよキョン!」ぐいっ

キョン「おい、ちょっと待て。先に出ててくれるか」

ハルヒ「なによ?みくるちゃん達に別れの挨拶でもしたいの?」

キョン「涼宮さん、頼む」

ハルヒ「…むぅ。わかったわよ」トテトテ

ウィーン…

キョン「やれやれだ。さて、俺も行くか。じゃあな長門さん、朝比奈さん」ぱっ

長門「あ」
みくる「私達の伝票を…」

90: ◆r3yksmPHg2 2009/02/09(月) 01:37:38.65 ID:pf7DTAIy0
トテトテ

スタスタ

ハルヒ「ねぇキョン。あたし、こういう街中にこそ不思議ってあると思うのよね」

キョン「どうしてだ?」

ハルヒ「んん、なんとなく。意外に身近なところに居るんじゃないかなって」

キョン「そうだな。あながち間違いでもないさ」

ハルヒ「え?それってどういう…」

警察官「すみません、ちょっと良いですか?職務質問をさせていただきたいのですが」

ハルヒ「!」

106: ◆r3yksmPHg2 2009/02/09(月) 01:42:28.86 ID:pf7DTAIy0
キョン「…」

警察官「親子ですか?今日はショッピングに?」

ハルヒ「ちょっとアンタ、何の権限があってあたし達を…」

キョン「こら、涼宮さん。警察官に食って掛かってどうする」

ハルヒ「む…だってコイツが貴重な時間を…」

キョン「コイツじゃない。俺の後輩だ」

警察官「え?」

ハルヒ「え?」

キョン「久しぶりじゃないか。頑張ってるようだな」ニコ

警察官「キョンさん!お久しぶりです!まだ高校生だったんですね」

キョン「ああ、おかげさまでな。この子は同級生だ。許してやってくれ」

警察官「いえいえ、全然気にしてないですよ。いやぁでも久しぶりですね」

ハルヒ「…」

129: ◆r3yksmPHg2 2009/02/09(月) 01:48:44.80 ID:pf7DTAIy0
キョン「ま、頑張れよ。時間取らせて悪かった」

警察官「いえ、僕のほうこそ」

キョン「またいつでも連絡して来い。飯でも行こう」

警察官「はは、高校生に飯連れてってもらう警察官もなかなか居ませんよ」

キョン「まったくだ」ニコ

警察官「あ、お嬢ちゃん、さっきは失礼したね」

ハルヒ「良いのよ、キョンの後輩なら」

警察官「この人は僕が世話になった人でね。人物は保障するよ」

キョン「こら、その辺にしとけ」

ハルヒ「アンタに言われなくてもわかってるわよ!」いー

警察官「はは。それじゃあキョンさん、また」

キョン「ああ、またな」ニコ

142: ◆r3yksmPHg2 2009/02/09(月) 01:58:32.89 ID:pf7DTAIy0
ハルヒ「…キョンってさ」

キョン「うん?」

ハルヒ「後輩から尊敬されてんのね」

キョン「はは、そんな器じゃない」

ハルヒ「でもあんな若い人にも顔知れてるじゃない」

キョン「まぁ…慕ってくれる後輩は可愛いもんだ」

ハルヒ「キョンにとって、私たちもただの可愛い後輩なの?」

キョン「うん?そりゃあ可愛いさ」

ハルヒ「そうじゃなくて!その…女の子として見てくれてんのかってこと!」かぁぁ

キョン「はは、そっちか」

ハルヒ「わかってるくせに言わせるな!」かぁぁ

キョン「後輩だなんて思ってないさ」

ハルヒ「…え」

キョン「俺にとって大切な同級生だからな」

160: ◆r3yksmPHg2 2009/02/09(月) 02:05:53.04 ID:pf7DTAIy0
トテトテ
スタスタ

ハルヒ「ねぇキョン」

キョン「うん?」

ハルヒ「アンタってさ、どんなのが好みなの?」

キョン「わからんな」

ハルヒ「…じゃあ、どんな人と付き合ってきたの?」

キョン「色々さ」

ハルヒ「……多いんだ?」

キョン「多くはないと思うぞ」

169: ◆r3yksmPHg2 2009/02/09(月) 02:11:44.73 ID:pf7DTAIy0
ハルヒ「……」

キョン「涼宮さんはどんな男が好きなんだ?」

ハルヒ「大人な人よ」

キョン「うん、良いじゃないか。涼宮さんには合いそうだ」

ハルヒ「そう思う!?」

キョン「ああ。涼宮さんは本当に誰かに引っ張って欲しいんだろう?」

ハルヒ「…そう、かも。そうなのかしら。なんでそう思うの?」

キョン「そんな顔をするからさ」

ハルヒ「…!」

177: ◆r3yksmPHg2 2009/02/09(月) 02:16:50.83 ID:pf7DTAIy0
ハルヒ「そんな人、なかなか居なかったけどね」

キョン「まだ15年しか生きてないんだ。まだまだ世間は広い」

ハルヒ「そうね。15年目にしてまさかの出会いだわ」

キョン「そうか」ニコ

ハルヒ「…そうよ」

キョン「…」カチ シュボ…

ハルヒ「なんでその後は聞かないのよ!?」

キョン「大事にして欲しいからだ。軽々しく人に言うもんでもないだろう」ふぅ…

ハルヒ「…あんまり女を手玉にとってると痛い目見るわよ」

キョン「はは、気をつけるよ」ニコ

184: ◆r3yksmPHg2 2009/02/09(月) 02:23:38.44 ID:pf7DTAIy0
キョン「もうこんな時間か。そろそろ集合時間だ」

ハルヒ「…ねぇ、解散してからどっか連れてって」

キョン「遊びに行きたいのか?明日は学校だぞ」

ハルヒ「休んだって良いわ」

キョン「…やれやれ。勉強は俺達学生の本分だぞ」

ハルヒ「関係ないわ!ね、行くでしょう?」

キョン「そうだな、皆に聞いてみよう」

ハルヒ「なんではぐらかすの、卑怯者!」

キョン「卑怯?」

ハルヒ「卑怯よ。大人は皆卑怯。アンタも一緒だわ!」

キョン「……そうだな。なら言おうか」

ハルヒ「なにをよ」

キョン「今日は帰りなさい」

190: ◆r3yksmPHg2 2009/02/09(月) 02:28:50.49 ID:pf7DTAIy0
ハルヒ「…!」

キョン「そんな顔しないでくれ」

ハルヒ「だってアンタが…!」

キョン「もう暗くなる。親御さんが心配するだろう」

ハルヒ「親なんて…」

キョン「本当にどうでも良いか?」

ハルヒ「……良くない」

キョン「よし。だったら今日は帰りなさい。また明るいうちにどこか遊びに行こう」

ハルヒ「絶対よ!?約束しなさい!」

キョン「約束は守るさ。指きりでもするか?」ニコ

ハルヒ「する!」

キョン「はは、ほら、もう皆集まってるぞ。解散の合図をかけてやれ」

198: ◆r3yksmPHg2 2009/02/09(月) 02:34:56.37 ID:pf7DTAIy0
【次の日・授業中】

キョン「…」かりかりかり

ハルヒ「すーっ…ぐぅ…」

キョン「…」かりかりかり





キョン「先生」

先生「ん?どうしたキョンさん」

キョン「便所に行ってきます」

先生「…わかった、行きなさい」

キョン「失礼します」

スタスタ

ガラガラ

208: ◆r3yksmPHg2 2009/02/09(月) 02:40:03.60 ID:pf7DTAIy0
キョン「…」スタスタ

古泉「こんにちは、やっとお話する事ができましたね」

キョン「こんにちは。古泉君か」ニコ

古泉「おや、僕の事をご存知でしたか」

キョン「涼宮さんがしきりに気にしていたからな。学校にはもう慣れたかい?」

古泉「おかげさまで。いやはや、貴方には驚かされます」

キョン「うん?」

古泉「少しお話したいことがありまして。ここではなんですし、場所を変えましょう」

キョン「わかった。その前に便所だ」

古泉「おっと、これは失礼しました。どうぞお済ませください」ニコ

219: ◆r3yksmPHg2 2009/02/09(月) 02:45:16.51 ID:pf7DTAIy0
ざざぁー…

キョン「待たせたな、少しついてきてくれ」

古泉「どちらまで?」

キョン「教室だ。便所と言って出てきたから断りを入れておくよ」

古泉「律儀ですね」

キョン「当然だ。俺のせいで授業がストップしていたらどうする」

古泉「正論ですね」

キョン「まして今の授業の担当教員は若い。俺に気を使わせたら悪いしな」

古泉「なるほど。そういうことでしたら付き合いましょう」

キョン「うん、助かるよ」ニコ

ガラガラ

キョン「先生、少し空けます。授業は出られません」

先生「…早く帰って来るんだぞキョンさん」

キョン「わかりました。すみません」


233: ◆r3yksmPHg2 2009/02/09(月) 02:50:26.67 ID:pf7DTAIy0
古泉「先ほどの教師は変わった方ですね。さん付けなのに敬語を使わないとは」

キョン「ああ、あれは俺がそうしてくれるよう頼んだんだ」

古泉「あなたが?」

キョン「ああ。いくら年上とは言え立場はあちらが上だ」

キョン「俺は教えを請う者としての礼儀を弁えたいし、敬語を使われては周りの学生の混乱も招くだろう」

キョン「それでも呼び捨てにはできない、と言ってさん付けにされたけどな」

古泉「なるほど。納得しましたよ」

239: ◆r3yksmPHg2 2009/02/09(月) 02:56:07.47 ID:pf7DTAIy0
古泉「それで、話ですが」

キョン「まぁ食堂で話すことでもないだろう。飯行くか?」

古泉「良いんですか?ではご一緒させてもらいましょう」

キョン「この近くに行きつけの蕎麦屋があるんだ。そこで良いかな」

古泉「ええ、ぜひ」





【蕎麦屋】

キョン「親父、ざる大盛りを二つくれ」

親父「あいよぉ。いつもありがとなキョンさん!」

古泉「…ご馳走様です」

キョン「良いさ。まぁ食べなさい」ニコ

243: ◆r3yksmPHg2 2009/02/09(月) 03:00:24.24 ID:pf7DTAIy0



古泉「いやぁ、こんなに美味しいそばやさんがあるとは知りませんでしたよ」

キョン「喜んでもらえたようで良かった」

カチ カチ…シュボッ…

キョン「よし。話を聞かせてくれるか?君は一体何者だろう」

古泉「…僕は、超能力者です」

キョン「なるほど。面白いな、続けてくれ」

古泉「簡潔に言いましょう。涼宮さんには、願望を実現する能力があります」

キョン「おお、やっと繋がったな」

246: ◆r3yksmPHg2 2009/02/09(月) 03:04:51.62 ID:pf7DTAIy0
古泉「繋がった?という事は、あの二人からもアプローチを?」

キョン「ああ。偶然で済ますにはあまりにもと思っていた」

古泉「…まったく、貴方には驚かされてばかりです」

キョン「『人間原理』というものがあってな」

古泉「え」

キョン「知っているか?」

古泉「…はい、知ってます」

キョン「博識だな君は」ニコ

古泉「恐れ入ります…」

キョン「要するに、涼宮さんの前では確率論は成立しない…で良いか?」

古泉「仰る通りでございます」

255: ◆r3yksmPHg2 2009/02/09(月) 03:09:52.71 ID:pf7DTAIy0
キョン「素晴らしいな。本当に」

古泉「ええ。それと同時に危険でもあります」

キョン「危険?どうしてだ?」

古泉「願望が実現する…それは同時に、彼女の機嫌一つで世界崩壊の危険性すら孕んでいるのです」

キョン「はは、なるほどな」

古泉「笑い事ではありませんよ。もしかしたらこの世界自体がすでに…」

キョン「はは…」

カチッ シュボ…
すぅー…ふぅぅ…

キョン「古泉君」

古泉「はい」

キョン「大丈夫だ」ニコ

265: ◆r3yksmPHg2 2009/02/09(月) 03:17:29.09 ID:pf7DTAIy0
古泉「…貴方が言うのならば大丈夫なのでしょうが…なぜ確信がもてるのでしょうか」

キョン「彼女はそんなに子供じゃない」ふぅぅ…

古泉「しかし」

キョン「古泉君」

古泉「…」

キョン「小心者は男を下げるぞ」ニコ

キョン「俺はこの学校で長いこと過ごしたが…彼女ほど純粋で優しい子はなかなか見ない」

キョン「あの子が世界を崩壊させるような事はないさ」

古泉「確かに…ここ最近はほとんど閉鎖空間も発生していませんしね」

キョン「少しは彼女を信用してくれたかな?」

古泉「ええ。しかし、可能性はゼロではありませんよ」

キョン「心配ないよ」

古泉「なぜ」

キョン「俺がいる」ニコ

275: ◆r3yksmPHg2 2009/02/09(月) 03:24:09.97 ID:pf7DTAIy0
古泉「いや、参りました。心配はなさそうだ」

キョン「彼女はそんなに子供じゃないさ」

古泉「そのようですね。…一つお願いがあるのですが」

キョン「なんだ?言ってみなさい」

古泉「僕もぜひ、SOS団に入団させてもらえませんか」

キョン「それは涼宮さんに言ってみると良い。彼女が団長だ」

古泉「では今日の放課後、部室に行っても良いですか?」

キョン「もちろんだ。彼女も喜ぶだろう」ニコ


403: ◆r3yksmPHg2 2009/02/09(月) 10:55:47.90 ID:pf7DTAIy0
古泉「今日はご馳走様でした」ペコ

キョン「ああ、俺も面白い話を聞かせてもらって満足だ。じゃあ授業に戻ろう」

古泉「そうですね。涼宮さんの機嫌を損ねるのも良くないですし」

prrrrr
古泉「!」

キョン「出て良いぞ」

古泉「はい、すみません。……もしもし」

キョン「…」

古泉「わかりました。…久しぶりですね、すぐに向かいます」

ピッ

キョン「?」

古泉「ちょうど良い機会です。もう少しお時間頂いてもよろしいですか?」

キョン「俺は良いけど、何かあったのか?」

古泉「どうやら貴方の帰りが遅いので彼女の機嫌を損ねてしまったようですよ」

キョン「ああ、さっき話してた閉鎖空間か」

古泉「ええ、では外に迎えが来ます。僕の能力をお見せしましょう」

412: ◆r3yksmPHg2 2009/02/09(月) 11:03:40.29 ID:pf7DTAIy0
ブゥゥゥゥン…キキッ

古泉「どうぞ、キョンさん」

キョン「うん、ありがとう」

バタン

新川「お待たせいたしました」

キョン「おう、新川」

古泉「!」

新川「うん?おう、キョンさんか!久しぶりだな」

キョン「まったくだ。元気にやってるか?」

新川「見ての通りさ。忙しい毎日を送ってるよ」

キョン「はは、みたいだな。車内は禁煙か?」

新川「一応禁煙車だが構わんよ」

キョン「禁煙ならやめとくよ」

古泉「…」

419: ◆r3yksmPHg2 2009/02/09(月) 11:11:14.20 ID:pf7DTAIy0
古泉「キョンさん、新川さんとはどういった間柄で…?」

キョン「ああ、済まん。新川には昔良く遊びに連れてってもらってな」

新川「ははは、昔の話だ」

キョン「まぁそうだな。俺が若かった頃の話だ」

古泉「はぁ…」

新川「どうだキョンさん、今日仕事が終わったら一杯」

キョン「良いぞ。久しぶりに街に出るか」

新川「相変わらず元気だな。さっさと終わらせよう」

キョン「そうだな。古泉君、目的地はどこだ?」

古泉「あ、もうすぐです……」

425: ◆r3yksmPHg2 2009/02/09(月) 11:18:16.20 ID:pf7DTAIy0
古泉「ここです」

キョン「…普通の街並みだな」

古泉「ええ。それではお連れしましょう。手をつないでいただけますか」

キョン「うん、これで良いかな」

ギュ

古泉「!」

キョン「ん?」

古泉「いえ、手…おおきいんですね。まるで父親のような…」

キョン「君の父親にしては若すぎるさ」

古泉「…失礼しました。それでは目を瞑ってください」

キョン「はは、何が始まるんだろうな」

すっ

433: ◆r3yksmPHg2 2009/02/09(月) 11:27:13.55 ID:pf7DTAIy0
【閉鎖空間】

キョン「すごい。これが閉鎖空間か」

古泉「そう。どうですか、感想は」

キョン「素晴らしい。俺の人生で初めての経験だ」

古泉「…嬉しそうですね」

キョン「嬉しいさ。今まで有り得ないと思ってたものが目の前にある。ロマンじゃないか」

古泉「キョンさんって、意外と子供みたいな一面もあるんですね」

キョン「勿論だ。高校生だからな」

古泉「ふふ、ごもっともです」

437: ◆r3yksmPHg2 2009/02/09(月) 11:33:54.34 ID:pf7DTAIy0
古泉「それではお見せしましょう、僕達の能力を」

キョン「ここでだけ発動される超能力、か」

古泉「そう。あれを倒すのが僕達の役目です」

神人「ぐおおおおお」

ズガーン

キョン「…凄いな」

古泉「では、少しここで見ていてください」

キョン「頑張ってな」ニコ

古泉「ありがとうございます。すぐに戻りますよ」

ひゅーん

469: ◆r3yksmPHg2 2009/02/09(月) 11:45:49.19 ID:pf7DTAIy0




古泉「お待たせしました、ただいま帰りましたよ」

キョン「うん、お疲れさん」

古泉「驚かれたでしょう?」

キョン「ああ。君が羨ましい」

古泉「…貴方に羨ましいなんて言われるとくすぐったいですね」

キョン「羨ましいさ。俺も憧れていたことがある。世界を救うスーパーヒーローってもんにな」

古泉「ふふ、苦労もしますけどね」

キョン「そうだな、軽率だった。すまん」

古泉「いえ。それに、僕は貴方が羨ましいですよ」

キョン「俺はしがないおっさんだ。若いうちからそんなもんに憧れるもんじゃない」ニコ

482: ◆r3yksmPHg2 2009/02/09(月) 11:54:46.57 ID:pf7DTAIy0
【学校】

キョン「すっかり遅くなったな」

古泉「付き合っていただいてありがとうございました」ペコ

キョン「礼を言うのは俺のほうだよ」ニコ

古泉「…すごい人ですね」

キョン「ありがとう。部室に来るんだろ?」

古泉「ええ。迷惑でなければ是非行かせてください」

キョン「俺は大歓迎だ。じゃあ後でな」

古泉「はい!」

490: ◆r3yksmPHg2 2009/02/09(月) 12:14:50.88 ID:pf7DTAIy0
【放課後】

コンコン

キョン「…」

みくる「はーい。どうぞぅ」

ガチャ

キョン「遅くなってすまん。皆揃ってるな」

ハルヒ「ちょっとキョン!アンタどこ行ってたのよ?」

キョン「すまん、少し知り合いと出かけてたんだ」

ハルヒ「人に学校は休むなーなんて言ってたくせに」

キョン「はは、すまん。許してくれ」

ハルヒ「しょうがないわね…今回限りよ!」

キョン「気をつけるよ。ところで涼宮さん、面白い話があるんだが」

ハルヒ「なになに?」

キョン「入団希望者が居るんだが」ニコ

495: ◆r3yksmPHg2 2009/02/09(月) 12:20:07.65 ID:pf7DTAIy0
ハルヒ「ふぅーん。どんな人?」

キョン「有能な子だよ」

ハルヒ「あんたが言うなら大丈夫でしょうね。今日来るの?」

キョン「来るはずだぞ」

ハルヒ「女の子?」

キョン「気になるか?」

コンコン

キョン「噂をすればだな。空いてるよ」

ガチャ

古泉「失礼します。すみません、急にお邪魔して」

キョン「涼宮さんに話はしてあるよ」

ハルヒ「へぇ、男の子ね。良いわよ、キョンのお墨付きだし」

502: ◆r3yksmPHg2 2009/02/09(月) 12:31:19.45 ID:pf7DTAIy0
キョン「よかったな」

古泉「ええ、おかげさまで。よろしくお願いします」

キョン「さて…涼宮さん。俺は悪いが先に帰らせてもらって良いか?」

ハルヒ「えー?なんでよ?」

キョン「古い友人と飯に行く約束してるんだ。もうじき迎えに来る」

ハルヒ「あたしも行って良い?」

キョン「今日はなぁ…大人の話もあるから」

ハルヒ「…うー…」

キョン「…」

ハルヒ「…」

キョン「…やれやれ。一緒に行くか?皆も」

みくる「ふぇ?い、良いんですか?」

長門「行く。ぜひ」

古泉「すみません、ご一緒させていただきます」

511: ◆r3yksmPHg2 2009/02/09(月) 12:47:07.05 ID:pf7DTAIy0



キョン「というわけだ。すまんな」

新川「はは、相変わらずだな。構わんよ」

キョン「ほら、お前達は後ろに乗せてもらいなさい」

ハルヒ「ん、よろしくねおじさん!」

みくる「し、失礼しまぁす…」

長門「…」ペコ

古泉「お願いします」

バタン

ブゥゥン…

キョン「すまんな、久しぶりなのに」

新川「良いさ。キョンさんは後輩の頼みは断れないもんな」

キョン「後輩じゃない、同級生だよ」

新川「はは」

514: ◆r3yksmPHg2 2009/02/09(月) 12:55:54.36 ID:pf7DTAIy0



キョン「で、最近はどうなんだ」

新川「落ち着いたもんさ。キョンさんはどうだ」

キョン「楽しい学生生活を送ってるよ、この子達のおかげでな」

新川「みたいだな。前会った時より若々しいよ」

キョン「新川には敵わないよ」

新川「それは褒めてるのか?」

キョン「はは、当然だろ。さて、そろそろ行くか。遅くなっても良くない」

新川「そうだな。この子達は送ってくのか?」

キョン「そうしよう。親御さんに心配かけてもいけないしな」

ハルヒ「キョン!あたし達も行くわよ!」

新川「…だそうだぞ」クス

キョン「……やれやれだ」はぁ

516: ◆r3yksmPHg2 2009/02/09(月) 13:01:33.89 ID:pf7DTAIy0
キョン「俺達は風呂でも入りに行くつもりなんだが、行くのか?」

ハルヒ「行くわ!有希もみくるちゃんも行くわよね?」

みくる「はい、行きますぅ!」

長門「行く」

新川「まぁ風呂くらい良いんじゃないか?そんなに遅くもならんだろうし」

キョン「…すまんな、じゃああそこの温泉で良いか?」

新川「あそこか。懐かしいな」

キョン「よし、決まりだな。古泉、お前達は先に車乗っててくれ」

古泉「はい、わかりました。どうもご馳走様です、お昼に続いて…」

キョン「はは、気にするな」

518: ◆r3yksmPHg2 2009/02/09(月) 13:04:58.17 ID:pf7DTAIy0



【温泉】
キョン「じゃあまた後でな」

ハルヒ「うん。ゆっくり入ってても良いよね?」

キョン「ああ、ゆっくりしてきなさい」ニコ

ハルヒ「じゃあまた後でね!」

トテトテ

トテトテ

スタスタ

スタスタ

521: ◆r3yksmPHg2 2009/02/09(月) 13:08:34.06 ID:pf7DTAIy0
>>519
ごめん、ミスです…古泉君、で脳内変換よろしく

522: ◆r3yksmPHg2 2009/02/09(月) 13:12:31.56 ID:pf7DTAIy0
ヌギヌギ ヌギヌギ

古泉「…キョンさんって結構筋肉質なんですね」

キョン「そうか?まぁスポーツも色々経験したからな」

ヌギヌギ ヌギヌギ

パサッ

古泉「おぉ…」

キョン「じゃあ行くか」

新川「おう。懐かしいな、よく昔は二人で飲んでから来たもんだ」

キョン「そういえば泥酔してて追い出されたこともあったよな」

新川「あったあった。若かったな…」

549: ◆r3yksmPHg2 2009/02/09(月) 14:04:30.77 ID:EH8fer1HO
【女湯】

ハルヒ「結局お風呂までついて来ちゃったわね」

みくる「気持ち良いなぁ…」ぽーっ

長門「……良い気持ち」

ハルヒ「キョンってさ、はじめはいけ好かないおっさんだったけど」

ハルヒ「…やっぱり、カッコイイわよね」

みくる「はい。私も…憧れちゃいます」

ハルヒ「憧れかぁ…。やっぱり、ただの年上に対する憧れなのかしら」

みくる「え?もしかして涼宮さん…」

ハルヒ「べ、別に変な意味じゃないわよ?あたし達の倍も生きてるおっさんなんだし…」

長門「…」

554: ◆r3yksmPHg2 2009/02/09(月) 14:13:03.92 ID:EH8fer1HO
長門「この仕切りの向こう」

みくる「ふぇ?」

長門「彼が居ると予想される」

ハルヒ「な!なに言ってんのよ有希!修学旅行に来た中学生じゃないんだから」ドキドキ

長門「…登る事は可能。そして他の客はいない」

みくる「…なに言ってるんですか長門さん、ダメですよぅ」ドキドキ

長門「…興味深い」

ハルヒ「登れるかしら…」

みくる「涼宮さんまで…バレたらキョンさんに怒られますよ」

560: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/02/09(月) 14:20:08.34 ID:EH8fer1HO
ハルヒ「あら、じゃあみくるちゃんは見たくないのね?」

みくる「み、見たくありません」かぁぁ

ハルヒ「わかったわ。有希、登るわよ」

長門「わかった」コク

みくる「…ちょっと待ってぇ。私も行きます!」

ハルヒ「やっぱり見たいんじゃない。大丈夫、チラッとだから怒られないわよ」

よじ…
よじよじ…



618: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/02/09(月) 17:07:43.84 ID:EH8fer1HO
【男湯】

かぽーん…

キョン「どうした古泉君。さっきから静かだな」

古泉「すみません、少し尻込みしてしまって」

キョン「はは、何をだ。遠慮する事ないぞ?」

新川「らしくないじゃないか、古泉」

古泉「貴方達のような大人の男性に挟まれるとどうも緊張してしまって…」

キョン「俺達はまだ子供だよ。なぁ新川?」

新川「はは、まったくだなキョンさん」

古泉「…」

627: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/02/09(月) 17:20:44.21 ID:EH8fer1HO
新川「古泉、前を隠すな」

古泉「え?いや、そういう訳にも…」

新川「恥ずかしいか?」

キョン「おい、あんまり虐めてやるなよ新川」

新川「はは、すまんすまん」

古泉「はぁ…助かりますキョンさん」

キョン「良いさ。でもな古泉君」

古泉「なんでしょう」

キョン「タオルを湯舟に浸けるのはマナー違反だな」

古泉「…いや、貴方達のを見せられた後には出せませんよ」

キョン「なんだ、そんな事を気にしてたのか?」

新川「男の価値はそんなもんで決まらんよ。なぁキョンさん」

キョン「こら新川、なんて事言うんだ。仕切りの向こうには女の子も居るんだぞ」

ハルヒ・長門・みくる『!?』ギクッ

630: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/02/09(月) 17:25:33.63 ID:EH8fer1HO
【女湯】

つるっ

ハルヒ「!」

みくる「きゃあーー!!」

長門「…っ!」

ボッチャーン!!!

【男湯】

『きゃー!』

『ぎゃー!!』

ボッチャーン!

キョン「…」

新川「…」

古泉「…」

キョン「はは、若いなぁ」

新川「良いじゃないか、青春真っ只中で」

631: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/02/09(月) 17:29:16.08 ID:EH8fer1HO
【30分後】

古泉「ふぅ…すみません、先に上がっていいですか」

キョン「のぼせたか?良いよ、上がりなさい」

新川「すまんキョンさん、先にあがる」

キョン「新川もか。俺はもう少し暖まってくよ」

新川「おう、お先」

古泉「お先です」ペコ

キョン「おー」ひらひら

キョン「…」

キョン「…あぁ、良い湯だ」

かぽーん…

632: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/02/09(月) 17:32:50.66 ID:EH8fer1HO
【20分後】

キョン「…そろそろ上がるか」

ざばぁっ

ガラガラ

キョン「…」

ふきふき

キョン「涼宮さん達を待たせてしまったかな…行くか」

スタスタ

スタスタ

スタスタ

「おや、珍しい事もあるものだね」

キョン「!」

640: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/02/09(月) 17:40:27.07 ID:EH8fer1HO
キョン「おう佐々木」

佐々木「くつくつ、相変わらずだね君は。久しぶりの再会なのに昨日別れたばかりのような挨拶だ」

キョン「そりゃ悪かったな」

佐々木「悪くないさ。僕は好きだよ。僕達の間だからこそ許される行為がね」

キョン「俺もお前じゃなかったらきちんと挨拶するさ」

佐々木「くつくつ、嬉しいね」

キョン「お前も風呂上がりか?」

佐々木「そうなんだ。どうかな、少しは女が上がって見えるだろう」

キョン「ああ、見違えたよ」ニコ

647: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/02/09(月) 17:46:58.04 ID:EH8fer1HO
佐々木「今日は一人かい?」

キョン「いや、古いダチとな。あと同級生も連れて来てる」

佐々木「残念だよ。学校は楽しいかい?」

キョン「皮肉たっぷりだな。ああ、今年は入学して1番の年になりそうだ」

佐々木「僕としてはあまり面白くない話だね。僕と過ごした青春は楽しくなかったかい?」

キョン「楽しかったさ。お前は俺の初めての同級生だからな」

佐々木「あれからもう何年経つのかな。……若かったね」

キョン「ああ、若かった」

669: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/02/09(月) 18:03:48.25 ID:EH8fer1HO
佐々木「今は何年生なんだ?」

キョン「一年生さ。今年は進級できると良いな」

佐々木「いくら誘っても進級しようとしなかった君がそんな事を言うとはね」

キョン「ああ…。お前には悪い事をしたな」

佐々木「殊勝だね。良いんだ。君の生き方を許容できなかった僕が悪いんだよ」

キョン「佐々木」

佐々木「許容じゃないな。僕は普通の人間だからね。君のように社会に刃向かう事は出来なかった」

682: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/02/09(月) 18:21:45.29 ID:EH8fer1HO
佐々木「進級するつもりと言う事は、君は見つけたのか」

キョン「ああ。やっと見つけた」ニコ

佐々木「くつくつ。嬉しそうな顔をして。心はあの時のままのようだね」

キョン「身分も高校生だがな」

佐々木「それもそうだ。その少年ぽさも含めて、僕は君が好きだった」

キョン「佐々木」

佐々木「そんな顔をしないでくれ。君の選択は正しかった。そうだろう?」

キョン「ああ。高校生で本当によかったと思ってる」ニコ

696: ◆r3yksmPHg2 2009/02/09(月) 18:40:37.69 ID:pf7DTAIy0
佐々木「時間が経つのは早いね」

キョン「はは、まったくだ」

トテトテ

ハルヒ「キョーン!なにやってんの!?遅い!」

佐々木「おや、あれが今の君の女神さまだね」

キョン「はは、そうかもな」

トテトテ

ハルヒ「キョン!ん?……誰それ」

キョン「こらこら、失礼なことを言うんじゃない。コイツは佐々木だ。すまんな佐々木」

佐々木「構わないよ。よろしくね、お嬢さん。私は佐々木。キョンの最初の同級生です」ニコ

ハルヒ「む…」

ハルヒ(綺麗……)

ハルヒ(キョンの事を呼び捨てに…)

702: ◆r3yksmPHg2 2009/02/09(月) 18:51:42.04 ID:pf7DTAIy0
ハルヒ「で?」ムスッ

キョン「で?どうした?」

ハルヒ「この佐々木さんとはどういう間柄なのよ」

佐々木「ふふ、親友よ」

ハルヒ「親友…友達じゃないの?」

キョン「ほら涼宮さん。そんなに突っかからない」ニコ

佐々木「くつくつ。これ以上彼女を妬かせると罰が当たりそうだ」

キョン「帰るのか?」

佐々木「ああ。積もる話もあるが、また今度」ニコ

キョン「ああ、これが番号だ。またいつでも連絡してくれ」すっ

佐々木「ありがとう。また会おうね」

ハルヒ「…」

709: ◆r3yksmPHg2 2009/02/09(月) 18:57:57.43 ID:pf7DTAIy0
ハルヒ「…」トテトテ

キョン「…」カチッ シュボ…

ハルヒ「…」トテトテ

キョン「…」ちり…

ハルヒ「綺麗な人ね」

キョン「綺麗だな」

ハルヒ「…高校の頃は世話になったんでしょ?帰らせてよかったの?」

キョン「…」ちり…

ハルヒ「……ねぇ」

キョン「…昔の女だ」ふぅ…

ハルヒ「…そっか。うん…そっかぁ…」

724: ◆r3yksmPHg2 2009/02/09(月) 19:11:01.56 ID:pf7DTAIy0
ちり…

チリ…

ポロ…

ハルヒ「キョンのそんな顔、初めて見る」

キョン「…!」

ハルヒ「…ごめんね」

キョン「すまんすまん。怖い顔してたか?」ニコ

ハルヒ「うん。ちょっとだけ」

キョン「はは…ごめんな。さぁ帰ろうか。皆待ってる」

ハルヒ「そ、そうね。遅くなっちゃったな。あはは」

726: ◆r3yksmPHg2 2009/02/09(月) 19:14:40.96 ID:pf7DTAIy0
ハルヒ「皆、キョン出てきたわよ!」

みくる「もう。遅いですよぅキョンさん」

長門「…ゆっくり」

キョン「はは、すまん。皆怪我しなかったか?」

みくる「ふぇ?」

長門「…!」

みくる「あ…だ、大丈夫です」かぁぁ

キョン「そりゃよかった」ニコ

新川「さぁ、皆さん。もう10時です。自宅までお送りしましょう」

732: ◆r3yksmPHg2 2009/02/09(月) 19:18:20.65 ID:pf7DTAIy0




ハルヒ「今日はありがとう、キョン」

キョン「ああ、遅くなってしまってすまんな」

ハルヒ「おやすみなさい」

キョン「ああ、お休み」ニコ

ハルヒ「…あたしにはやっぱり、子供を見る目なの?」

キョン「うん?」

ハルヒ「ううん、なんでもない。おやすみ!」




744: ◆r3yksmPHg2 2009/02/09(月) 19:27:04.16 ID:pf7DTAIy0
【深夜1時・居酒屋】

新川「…なるほどねぇ。佐々木さんか」

キョン「ああ。もう会うこともないと思ってた」

新川「人生は長い。いくらでもめぐり合わせはあるさ」

キョン「…そうだな。アイツのおかげで今の俺がある」

新川「佐々木さんか。高校の頃から良い女だったんだな」

キョン「…」カチ…

新川「…どうした?」

キョン「アイツの過去を語る資格なんてない」

新川「キョンさん」

キョン「うん?」

新川「タバコ。火ぃ付いてないぞ」カチッ

キョン「…すまん」シュボッ

763: ◆r3yksmPHg2 2009/02/09(月) 19:45:01.57 ID:pf7DTAIy0
キョン「…」ふぅ…

新川「今でも好きなのか?」

キョン「それはない。俺が拒絶したんだ」

新川「彼女は?キョンさんの事を忘れて生きてるのか」

キョン「…忘れてるさ」チリ…ちり…

新川「…そうか」

キョン「人生ってやつは、一度選択肢から外したら二度と選べない道があると思わないか?」

新川「難しい質問だな」

キョン「俺にはもう選べない道がある。そして俺にはもう新しい道がある」

新川「それもまた人生だろうよ。飲もうぜキョンさん」

キョン「そうだな。すまん、魔王ロックを頼む」

783: ◆r3yksmPHg2 2009/02/09(月) 20:14:21.48 ID:pf7DTAIy0




キョン「久しぶりに酔った。新川、今日はありがとうな」

新川「ああ、久しぶりにキョンさんと飲めて楽しかったよ」

キョン「ふぅ…昔を思い出した。今日は色んな巡り会わせがあった。これだから高校生は良い」

新川「はっは。じゃあな、また近いうちに」

キョン「うん、またな。お休み」

785: ◆r3yksmPHg2 2009/02/09(月) 20:18:45.63 ID:pf7DTAIy0
ガチャ

キョン「…ただいま」

シーン…

キョン「もう寝てるか。…今日は疲れたな」

スタ…

スタ…

カチャ…

ぽふっ

キョン「……」

カチ

カチ

キョン「ライター…つかない…な……」

キョン「……」

キョン「…」

790: ◆r3yksmPHg2 2009/02/09(月) 20:32:02.98 ID:pf7DTAIy0
【閉鎖空間・北高グラウンド】

キョン「…」

キョン「閉鎖空間か…」

キョン「俺の学校が閉鎖空間になってる」

キョン「やれやれだ…ん?」

ハルヒ「…」

キョン「涼宮さん?…おい、大丈夫か」

ゆさ  ゆさ

ハルヒ「…んんぅ…」ぴく

キョン「よかった、寝てるだけか」ほっ…

797: ◆r3yksmPHg2 2009/02/09(月) 20:40:35.54 ID:pf7DTAIy0
カチ カチ

キョン「お、ライターが付くようになってるな」

シュボッ…

キョン「…」チリ…ちりちり…

キョン「ふぅ…」

ハルヒ「…ふぇ?キョン…?あたしの家…来て…あれ?」

キョン「大丈夫か?」

ハルヒ「うん…え?ここは?」

キョン「俺達の学校だ」

ハルヒ「あたし…夢見てるのかしら?」

キョン「夢だと良いと思うか?」

ハルヒ「……ううん」

802: ◆r3yksmPHg2 2009/02/09(月) 20:52:54.94 ID:pf7DTAIy0
スタスタ

トテトテ

キョン「…」

ハルヒ「暗い…なんなのこれ」ぎゅ

キョン「涼宮さん」

ハルヒ「…なによ」

キョン「心配するな」

ハルヒ「…うん」

スタスタ

トテトテ

キョン「!」

ハルヒ「なにこれ?壁?」ぷにぷに

キョン「みたいだな。ここからは出られないみたいだ」

ハルヒ「…みたいね」

815: ◆r3yksmPHg2 2009/02/09(月) 20:59:36.87 ID:pf7DTAIy0
キョン「仕方ない。携帯電話は持っているか」

ハルヒ「ないわ。寝る前は持ってたんだけど…」

キョン「ついてきなさい。学校の中に入ってみよう」

ハルヒ「…はい」

ガチャ

スタスタ

キョン「…ダメだ。電話も通じないな」

ハルヒ「どうするの?ねぇ…」

キョン「よし、部室に行くぞ。大丈夫か?」

ハルヒ「…一緒だから」

キョン「よし、良い返事だ。行こう」

824: ◆r3yksmPHg2 2009/02/09(月) 21:07:44.26 ID:pf7DTAIy0
ハルヒ「ねぇキョン」トテトテ

キョン「どうした?怖いか?」

ハルヒ「…楽しいね」ぎゅ

キョン「…」

ハルヒ「えへへ」トテトテ

キョン「…さぁ部室だ。涼宮さん、ここでしばらく待っててくれ」

ハルヒ「え?なんでよ?あたしも行く!」

キョン「何があるかわからん。とにかく様子を見てくる。待てるな?」

ハルヒ「…でも」

キョン「女の子に怪我をさせたくないんだ。頼む」

ハルヒ「…はい」

ガチャ

バタン!

839: ◆r3yksmPHg2 2009/02/09(月) 21:22:08.78 ID:pf7DTAIy0



キョン「遅かったな、古泉君」

古泉「すみません。予想外の出来事です」

キョン「予想外?」

古泉「ええ、新川さんから聞きましたよ。貴方の昔の恋人との再会、それを涼宮さんが目撃したことも」

キョン「…すまん、迷惑をかけたな」

古泉「いえ、とんでもない。…どうやらそちらの世界にはお二人しか居ません」

キョン「古泉君たちはどうなる」

古泉「どうでしょう。消滅するのか、それとも彼女とキョンさんを除いた世界が続くのか」

キョン「…そうか」

古泉「いわばアダムとイヴですよ。産めや増やせでもよろしいのでは?」

キョン「古泉君」

古泉「…はい」

キョン「その冗談はいただけない」

古泉「……すみません」

855: ◆r3yksmPHg2 2009/02/09(月) 21:38:11.07 ID:pf7DTAIy0
古泉「朝比奈みくると長門有希から伝言があります」

キョン「あの子達から?…なんだ」

古泉「あくまで伝言です。強制ではありません」

キョン「言ってみなさい」

古泉「『帰ってきて』と」

キョン「…」

古泉「そして新川さんと…これは僕からの伝言でもあります」

古泉「貴方を支えた佐々木さん、貴方が待っていた涼宮さん。どちらの道を選んでも、貴方を恨みはしない」

古泉「ここまですべて自分で決めてきた貴方です」

古泉「貴方の決断にすべて委ねます」

古泉「以上です。それでは…またご縁があれば」

キョン「古泉君、ありがとうな」

古泉「これくらいの事しかできませんが…どういたしまして」

ふっ…

860: ◆r3yksmPHg2 2009/02/09(月) 21:45:40.56 ID:pf7DTAIy0
キョン「…」カチ

シュボッ…

コンコン

ハルヒ「キョン?」

ガチャ

キョン「待たせたな。大丈夫だったか?」

ハルヒ「うん。怖かったけど…」

キョン「すまなかった。ハルヒ、大事な話がある」

872: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/02/09(月) 21:55:04.31 ID:EH8fer1HO
ハルヒ「え…え?キョン、今ハルヒって」ドキドキ

キョン「そうだな」

ハルヒ「もう一回…もう一回呼び捨てにして」

キョン「ハルヒ。聞いてくれ」

ハルヒ「…はい」きゅん

キョン「俺が高校に入学したのはもうずいぶん昔、まだハルヒが生まれてない時だ」

ハルヒ「…うん」

キョン「正直に言う。実は俺はいつでも進級は出来たんだ。だがしなかった」

ハルヒ「そう、そうよ。なんで?だってキョンは頭良いのに」

キョン「待ってたんだ」

ハルヒ「待ってた?」

877: ◆r3yksmPHg2 2009/02/09(月) 22:01:23.65 ID:EH8fer1HO
ハルヒ「待ってたって…何」

キョン「ハルヒと同じだ」ニコ

ハルヒ「…不思議?」

キョン「宇宙人、未来人、異世界人、超能力者…。きっと居るはずだ、ってな」

キョン「そんな事を言ってる間に周りの友人は卒業していき、そして離れて行った。…恋人もだ」

ハルヒ「佐々木さん…?」

キョン「…そして十数年、やっと見つけた。ハルヒ、お前を見つけたんだ」

ハルヒ「あたしを?でも、あたしなんか普通の人間…」

884: ◆r3yksmPHg2 2009/02/09(月) 22:08:49.69 ID:EH8fer1HO
キョン「これから俺が話す内容を信じるか?」

ハルヒ「…うん。信じます」

キョン「ハルヒ。お前には願望を実現する能力がある」

ハルヒ「………え?」

キョン「信じてくれるか?」

ハルヒ「キョンの言う事なら…。でも…本当なの?」

キョン「本当だ。その証拠に、俺が今ここにお前と居る」

ハルヒ「あたしがキョンと一緒に居たいって思いながら寝たから?」

キョン「そうか。…これだけじゃまだ信じられないな」

ハルヒ「…うん」

キョン「信じさせてやろう。目を閉じなさい」

ハルヒ「…はい」

896: ◆r3yksmPHg2 2009/02/09(月) 22:14:18.73 ID:EH8fer1HO
ハルヒ「…ん」ぴく

キョン「信じたか?」

ハルヒ「……信じた」

キョン「…願望の続きを叶えてあげよう。こっちに来なさい、ハルヒ」ニコ

ハルヒ「…はい」

911: ◆r3yksmPHg2 2009/02/09(月) 22:22:25.68 ID:EH8fer1HO




キョン「…」カチ

シュボ…

ハルヒ「…」

キョン「…」チリ…ちり…

ハルヒ「…あたし、ずっとここに居たい」

キョン「…ハルヒ。俺にとってお前は…」

キョン「卒業を避け続けて待っていた女性だ」

ハルヒ「…うん。ありがとう」

キョン「帰って、一緒に卒業しよう。ハルヒ」

918: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/02/09(月) 22:27:59.01 ID:EH8fer1HO
ハルヒ「わかったわ。もう留年しないのよね?」

キョン「はは、努力はするさ」ニコ

ハルヒ「…連れて帰ってあげる。でも…」

キョン「うん?」

ハルヒ「もうちょっとこうしてて」

キョン「はは。疲れただろ?少し寝なさい」

ハルヒ「…夢の中で寝るなんて、変な感じね…」

キョン「夢、か。そうかもな」なでなで

ハルヒ「おやすみなさい、キョン」

キョン「おやすみ」ニコ

チリ…ちり…

925: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/02/09(月) 22:35:52.80 ID:EH8fer1HO
【次の日・学校】

古泉「おはようございます、キョンさん」

キョン「古泉君、おはよう」ニコ

古泉「朝目覚めた時は思わず自分が生きているか確認してしまいましたよ。…ありがとうございます」

キョン「礼を言うのは俺の方だ」ニコ

古泉「貴方には本当に助けられますよ。ではまた放課後に」

932: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/02/09(月) 22:40:49.68 ID:EH8fer1HO
ハルヒ「キョン、おはよ」

キョン「ああ、おはよう。気分はどうだ?」

ハルヒ「すごく良いわ。良い夢を見たからかしら」

キョン「そうか、そりゃよかった」ニコ

ハルヒ「…」チラ

キョン「うん?どうした?」

ハルヒ「一回、呼び捨てで呼んでみて」

キョン「はは、なんだそりゃ」

キョン「……綺麗になったな、ハルヒ」



キョン「………」カチ

シュボッ…

キョン「やっと卒業だ」ふぅ…

938: ◆r3yksmPHg2 2009/02/09(月) 22:43:15.57 ID:EH8fer1HO
終わりです。保守thxでした。
長くなってしまい申し訳ありません。
本当はもっと書きたい事あったけどレス足りないし自重します。鶴谷さんとか
長い事お付き合いありがとうございましたー

961: ◆r3yksmPHg2 2009/02/09(月) 22:45:20.02 ID:EH8fer1HO
オチについては済まんかったとしか言いようがないな。
ギャグオチかハルヒエンド(事後orキス)か佐々木エンドで迷ったんだけど
期待裏切ってすいませんでした。

951: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/02/09(月) 22:44:30.21 ID:0kvwY6p+0
渋い かっこいい 紳士
の3拍子そろったおっさんだったのに
最後の最後でやっちまったか・・・

986: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/02/09(月) 22:47:49.56 ID:vyW7ktYL0
面白かった。乙

995: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/02/09(月) 22:48:44.53 ID:EH8fer1HO
けして手を出さなかったキョンがハルヒを抱いた事に意味を感じとってほしかった!
力量不足すまん

996: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/02/09(月) 22:48:46.54 ID:YEku3l0T0
>>985
多分心理的な葛藤とかがあれば紳士らしさが際立った気がする
なんかアッサリだったからじゃないの。それが良くも悪くもあるかもしれないけど

999: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/02/09(月) 22:48:56.04 ID:z///xYloO
乙。これでやっと勉強を再開できる

1000: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2009/02/09(月) 22:48:57.32 ID:ghZI2mJ00
1000なら佐々木は俺の嫁