提督「」高雄「」愛宕「」シリーズ 目次

465: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/17(水) 22:28:57.25 ID:J4rF8s+KO

< 割とうるさい > 






高雄「二月十七日の誕生石はカテドラルクォーツ。 
石言葉は“ 歓喜 ”、“ 興奮 ”、そして“ 愉快 ”」 

雲龍「相変わらず外には面白いサービスがあるのね」 

漣「あー、コンビニのコラボ商品」 

高雄「物凄い早さで無くなるのですね」 

漣「そりゃあその為の端末とかネットですから」 

雲龍「……私はどん兵衛そのものの方がいいわね。ICカードなんて持ってないし 

高雄「……相変らず好きですね、レトルトとかカップ麺」 

漣「便利ですもんねー。なんてったって片付けが楽ですし」 

雲龍「それだけじゃないのよ。あの安さと素材であの味と品質をーー」


引用元: ・【艦これ】愛宕「私と」提督「俺と」高雄「私」

466: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/17(水) 22:29:55.38 ID:J4rF8s+KO

< サラ柳 > 






高雄「今日の誕生花はソラマメ。花言葉は“ 憧れ ”」 

江風「部下の言う 『課長やばい』 は褒め言葉」 

提督「俺は中間管理職ではないぞ」 

高雄「むしろ階級や立場で言えば私や愛宕ですね」 

漣「はははー、ご主人様やばーい」 

明石「やばーい」 

愛宕「やばーい」 

提督「やばくない海軍軍人がいるとでも? 」 





海風「憧れてますけどね、普通に」 

瑞穂「……憧れって二つありますよね、尊敬と思慕と」 

海風「…………憧れは、憧れですから」 

467: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/17(水) 22:30:51.68 ID:J4rF8s+KO

< 馴染む、ということ > 







龍田「はーい、カシマール」 

鹿島「は、はい? 」 

龍田「私のことは龍田、でいいわよ? 」 

鹿島「以前と同じですね」 

龍田「そうねぇ、カシマール」 

鹿島「……その呼び名はちょっと」 

龍田「カトリーヌは笑ってOK出してくれたわよ?」 

鹿島「か、香取姉はなにやってるの……」 



468: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/17(水) 22:31:37.72 ID:J4rF8s+KO

< 一応去勢はしているのだが > 






愛宕「発情期ですってー」 

提督「お前が? 」 

愛宕「んーん、あなたの実家の猫ちゃん」 

提督「へぇ。まぁ、毎年のことだしなぁ」 

愛宕「そうね」 

提督「ってよりも俺はあいつらがあとどれだけ生きるかの方が気になるよ。 
俺が帰れるまで生きていてくれるのか」 

愛宕「まだそんなに老猫じゃあないでしょう? 」 

提督「まぁな」 


469: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/17(水) 22:33:23.06 ID:J4rF8s+KO

< 不携帯携帯 > 






明石「ちょ、ちょっと待ってください」 

愛宕「うん? 」 

明石「愛宕さんって提督のお母様と連絡取ってるんですか? 」 

愛宕「いいえ? 」 

提督「まだ会わせるわけにもね」 

明石「じゃあ、どうして猫のは、発情期のことを? 」 

提督「俺のスマホのロック画面だろ? 」 

愛宕「うん。ちゃんと携帯しなさいよね」 

提督「うぃーっす。……パスコードもおしえてるし中身も見れるぜ? 」 

明石「えっ」 

提督「別に見られて困るものなんてねぇしな」 

愛宕「でも中見たことなんて無いわよ? 」 

提督「だからおしえられるんだろ? 」 

愛宕「それもそうね」 






明石「…………唐突に惚気エピソードって、まったくやぶ蛇もいいとこ」 


470: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/17(水) 22:34:34.92 ID:J4rF8s+KO

< 恋は盲目とはよく言ったもの > 







提督「今日のカクテルはロイヤルカルテット。 
カクテルワードは“ 心安らぐ場所を求める文学少女 ”、だ」 

愛宕「私文学少女ではないけど」 

提督「うん? 」 

愛宕「いつでも発情期といえば発情期よ? 安らぐ場所もいつでも欲しいし」 

提督「人間はまぁそうだな」 

愛宕「これでもオスがいないと発情しないの。普通の猫ちゃんと違って」 

提督「……メス猫の発情臭は高層マンションの最上階からでもオス猫に届くらしいが」 

愛宕「私は……どう? 」 

提督「発情臭は知らないけどとりあえず男は寄ってくるだろうね」 

愛宕「そ…………ん」 

提督「ん…………猫耳でも付ける? 」 

愛宕「付けて欲しいなら付けるにゃん? 」 

提督「うわき…………なんかお前がしてもきつくねぇな、なんでだろう」 

476: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/18(木) 22:36:48.71 ID:iufKguUGO

< まぁ、そのうちね、うん > 






高雄「おはようございます」 

提督「ん、おはようにゃん」 

高雄「……は? 」 

提督「や、冗談冗談」 

高雄「……そういうの、好きなんですか? 」 

提督「嫌い、なんて断言できる男はそんなにいないと思うよ」 

高雄「…………」 

提督「…………」 

高雄「…………た、たかおもやった方が、いいにゃん? 」 

477: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/18(木) 22:37:32.93 ID:iufKguUGO

< 熱心かつ純粋でそして真面目 > 






高雄「二月十八日の誕生石はローゼライトガーネット。 
石言葉は“ 熱心 ”、“ 純粋 ”、そして“ 真面目 ”」 

雲龍「ローズヒップのヒップがなにか分かる? 」 

高雄「ローズヒップは薔薇の果実という意味でしょう? 」 

雲龍「ええ。でもそもそもヒップ、という単語だけで薔薇の果実って意味なのよ」 

高雄「なるほど」 

雲龍「形も細長くてヒップには見えないしね」 

高雄「はい」 

雲龍「これ、ヒップについて調べていて知ったの」 

高雄「……よ、世の中分からないものですね」 


478: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/18(木) 22:38:31.59 ID:iufKguUGO

< どっちも悪い、なんて結論には滅多にならない > 







高雄「今日の誕生花はタンポポ。花言葉は“ 思わせ振り ”」 

明石「そういう意味で言えば提督はいいですね」 

高雄「? 」 

明石「思わせ振りどころか好き嫌いはっきりしてますし線引きははっきりしてますから」 

高雄「してますか? 線引き」 

明石「少なくとも軽巡未満と寝た話は聞いてませんよ? 」 

高雄「……それは割と別の線引きでは」 

明石「でも見境いなくても仕方ないような人ですから」 

高雄「確かに目立つような気もしますね」 

明石「はい」 





提督「…………思わせ振りな女の子が悪い、とか言おうと思ったのに」 

479: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/18(木) 22:39:12.61 ID:iufKguUGO

< こんなCMもあった > 







提督「結婚したのか、俺以外のヤツと……」 

明石「うわぁ……似合い過ぎ。本当に言いそう」 

愛宕「サイッテー」 

高雄「擁護できませんね」 

漣「きんも」 

叢雲「しね」 

提督「…………言えって言われたから言っただけなんだけどなにこの仕打ち」 





雲龍「というか漣と叢雲以外はこの場合何も言えないような」 


480: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/18(木) 22:39:50.92 ID:iufKguUGO

< 嫌いなものなど何一つとしてないけれど > 






提督「まぁ、80とか120かな。濃い方が好きだよ」 

雲龍「ふーん? 」 

提督「生足は生足でいいけどね」 

雲龍「……そう」 

提督「というか薄いと割とこう……な」 

雲龍「破ける? 」 

提督「そ、気を付けてはいるし120とかでも破けることあるんだけど」 

雲龍「それはまぁ私たちでもあることだから」 

提督「そう言ってくれると少し楽ですよ、お姉さん」 

叢雲「…………デニールについて語るのがコーデとかファッションのことじゃなくてある一定のシチュエーションのことっておかしいでしょ」 




481: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/18(木) 22:41:20.18 ID:iufKguUGO

< オーロラの様に掴めないものは沢山ある > 







提督「今日のカクテルはチョコレートサワー。 
カクテルワードは“ オーロラのように心が静かで美しい森の精霊 ”、だ」 

叢雲「オーロラっていいものなのかしらね」 

提督「まぁ、他に類を見ない情景ではあるだろ」 

叢雲「そうね」 

提督「…………」 

叢雲「…………」 

提督「…………見てみたいか? 」 

叢雲「別に。興味無いわ」 

提督「そ。…………今は何に興味あるんだよ」 

叢雲「あんた」 

提督「へ? 」 

叢雲「がまともな軍人として、人として幸せになれるか、よ」 

提督「……俺のママか何かですか、叢雲さん」 

叢雲「あんた程関わった存在なんて他にいないのよ、私には。 
だからこれくらい考えたりはするわ」 

提督「…………」 

叢雲「…………おかしい? 」 

提督「…………いや、ありがたいと思うよ、本気で」 



485: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/20(土) 13:11:39.99 ID:osaujVSCO

< 弱いという強さを持つ弱さを > 






高雄「ん……」 

提督「…………Zzz」 

高雄「…………」 

提督「…………Zzz」 

高雄「…………少しでも楽になれたでしょうか」 

提督「…………Zzz」 

高雄「…………」 

提督「…………Zzz」 

高雄「…………これで満たされてしまうのも悔しいような気もしますけれど、ね」 

486: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/20(土) 13:12:21.65 ID:osaujVSCO

< いつの間にか現れて消えるのが煙草 > 






雲龍「っ……フ-」 

天城「…………珍しいですね、姉様」 

雲龍「……戯れよ。勝手に借りてきちゃった」 

天城「借りる? 」 

雲龍「どうせ対価なんて受け取ってくれないもの」 

天城「はぁ。……LONGTIME? 」 

雲龍「セッタよ、セッタ」 

天城「雪駄? 土の味でもするんですか? 」 

雲龍「え? 」 

天城「? 」 

雲龍「…………なんでこれ北海道限定なのかしら」 

天城「誤魔化さないでくださいよ」 

487: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/20(土) 13:16:32.94 ID:osaujVSCO

< 想像だけで止まればどれだけ > 






高雄「二月二十日の誕生石はスノーフレークオブシディアン。 
石言葉は“ 妄想 ”、“ 想像 ”、そして“ 脳内変換 ”」 

天城「煙草のことはよく分かりません」 

高雄「私もよく分かりませんよ。あの人の吸っている銘柄しか知りません」 

天城「でも時々別のもの吸っていたりはしますよね」 

高雄「戯れでしょう。あれで好みのものばかり選ぶ人ですから」 

天城「…………」 

高雄「…………」 

天城「…………煙管でも試してみましょうか」 

高雄「止めはしませんよ、ここでは誰も、ね」 

488: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/20(土) 13:17:13.51 ID:osaujVSCO

< 罵倒でもないが > 






高雄「今日の誕生花はカルミア。花言葉は“ 賞賛 ”」 

漣「ねむねむ」 

提督「そっすねー」 

漣「そっすよー」 

提督「そっすかー」 

漣「っす」 

提督「…………」 

漣「…………」 

高雄「…………唐突に始めて唐突に終わるのはなんなのです」 

提督「いやぁ」 

高雄「褒めてません」 

489: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/20(土) 13:18:28.23 ID:osaujVSCO

< 有ってもあまり、でも無いと寂しいそれが歴史 > 






江風「叢雲とか雲龍さンは自然とか神話系じゃン? 」 

瑞穂「名前、ですか」 

江風「ン、逆に加賀さンとか高雄さンたちは地名が由来じゃン」 

瑞穂「ですね」 

江風「それはそれでカッコいいよな。地元の大名とかいたりしてさ」 

高雄「京都、ですか」 

愛宕「松永とか斎藤とか細川? 全部山城だけど」 

加賀「本願寺、畠山、佐久間……ま、加賀といえば前田氏ですか」 





提督「なんなの? コシャマインなの? シャクシャインなの? まさか蠣崎ってことにしろと? 」 

海風「……海風も由来的には雑な部類に思えますけどね」 

Littorio「……ファシズム関係なのはどうすれば」 


490: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/20(土) 13:19:02.15 ID:osaujVSCO

< まぁ、今があればいいんだけど > 






明石「私なんてそのまま地名ですけどね。正確には明石の浦」 

提督「……兵庫はいいだろ、色々いて」 

明石「山名とか荒木ですね」 

提督「羽柴も国主だったりしたし」 

明石「そういえば明石藩もありましたしね」 

提督「…………」 

明石「…………」 

提督「…………もうロマノフ朝でいいや」 

明石「ちょ、帝国軍人としても歴史としてもどうなんですそれ」 

491: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/20(土) 13:20:05.70 ID:osaujVSCO

< 老成か老化か > 







提督「今日のカクテルはティップントップ。 
カクテルワードは“ 妄想力と想像力を育むロマンティスト ”、だ」 

愛宕「夢見がちな少女、みたいな」 

提督「ってよりはただの男子学生みたいな感じじゃないの」 

愛宕「ロマンティストだったの? 」 

提督「そりゃね。今とは比較にならないくらいロマンも理想もあったよ」 

愛宕「ふーん? 」 

提督「…………つまんない大人になったよ」 

愛宕「そうは思わないけど」 

提督「さんきゅ。……他人の面白さ吸い取って依存しないと生きられないんだ、この歳になると」 

愛宕「歳? 」 

提督「いや、性格かな。……うん、性格かも」 


492: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/20(土) 13:20:47.94 ID:osaujVSCO

< The Winner Takes It All ♪ > 






提督「明日の夜はブリッジ大会だぞ、張り切れ」 

明石「また面倒なことを。……賞品は? 」 

提督「全員何か用意しとけ。勝者総獲りな」 

漣「そういうことはもっと早くですね……」 

雲龍「私身体の柔さには割と自信あるわ」 

提督「そうじゃねぇよ」 

高雄「……これでも賭けます? 」 

愛宕「そうね、ブリッジならどうせチーム戦だし」 

提督「俺を賞品にすんなよ。つーかこれとかやめろ」 

497: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/21(日) 12:29:21.62 ID:33Ug6rNOO

< やはり、姉妹 > 






山城「姉さま、あぁ姉さま」 

時雨「……突然なんだい山城」 

山城「あなたは無いの? 急に姉妹のことが胸を締め付けること」 

時雨「無い、かな。普通無いと思うよ」 

山城「そんな馬鹿な」 

時雨「……まぁ、時々海風や江風に会いたいとは思うけど」 

山城「そう、そういうことよ時雨」 





時雨「たまにでいいんだけど」 

扶桑「ええ」 

時雨「不意に山城のことを考えてしまうのとなんてあるかい? 」 

扶桑「? いつも考えているけれど」 

時雨「…………」 

498: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/21(日) 12:29:54.46 ID:33Ug6rNOO

< キョトン > 






雲龍「対象の幼児化、なんてできないのかしら」 

明石「できるわけ無い、とはまぁ私の存在自体が否定しきれない材料ですね」 

雲龍「ええ」 

明石「仮にできたとして何に使うんです。提督でも攫いますか? 」 

雲龍「悪くないけどショタ趣味は無いの。……私が使うわ」 

明石「はぁ」 

雲龍「幼児化した私なんて絶対美少女だと思うのよね」 

明石「あぁそっちの」 

雲龍「問題はあの人がペドもロリもあんまり好きじゃなさそうなところね」 

明石「まぁ…………今の雲龍さんは相当好かれてると思いますけど」 

雲龍「え、本当に? 」 

明石「…………」 

499: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/21(日) 12:31:28.84 ID:33Ug6rNOO

< プライドが低いというプライド > 






高雄「二月二十一日の誕生石はピーコックカラーオパール。 
石言葉は“ 快活 ”、“ 明るい ”、“ 優しい ”、そして“ 前向き ”」 

天城「姉様もあれでかなり自分に自信の無い方ですし」 

高雄「はい」 

天城「ここに集まった人は共依存すべくしてしているのかもしれませんね」 

高雄「そう、ですね。なにも否定できません」 

天城「はい」 

高雄「…………」 

天城「…………」 

高雄「…………もしかするとその雰囲気を嫌う方がいるのかもしれませんね」 

天城「あぁ」 


500: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/21(日) 12:32:31.92 ID:33Ug6rNOO

< 決め角度は大事に > 






海風「ん…………む」 

提督「うん? 」 

海風「スマートフォンというのは少しだけ、扱いにくいですね」 

提督「そうか? 」 

海風「提督は手が大きいですから」 

提督「あぁ、機能とかそういうのじゃなくて」 

海風「そちらはなんとなく分かりますよ」 

提督「まぁ、俺は男だし身体でかいからな。……スマホ買おうか? 」 

海風「あれば便利ですが……今はいいです」 

提督「ふぅん? 」 

海風「時々こうして、提督のフォルダに海風の写真が入れば、それだけでいいんです」 

提督「そうか。…………皆そういうことするから俺のフォルダ猫とお前らばっかだよ」 


501: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/21(日) 12:33:36.78 ID:33Ug6rNOO

< 歩く機密 > 







海風「でもそのおかげで眺めているの、楽しいです」 

提督「そのスマホを外で紛失したらヤバいけどな。軍機の固まりだよそれ」 

海風「……Bismarckさん」 

提督「Bismarckだね」 

海風「……こんなに着崩して」 

提督「その辺はまぁこの国の民族性から見ると異質かもな」 

海風「こんなにお酒飲んで」 

提督「それも彼らの、うん」 

海風「…………明らかにBismarckさんの私室でツーショット? 」 

提督「…………まぁ、ほら。そういうこともあるよね、時々は」 

502: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/21(日) 12:35:50.96 ID:33Ug6rNOO

< 花にも、そして人にも歴史がある > 







高雄「今日の誕生花はネモフィラ。花言葉は“ 私はあなたを許す ”」 

愛宕「こんなの渡されても正直皮肉としか受け取れないわよね」 

高雄「そういうものでしょう、花言葉って」 

愛宕「そうなの? 」 

高雄「相手が理解できるかも分からず自己満足で渡す。 
完璧に皮肉や嫌味と同じじゃない」 

愛宕「あぁ……確かに」 

高雄「……花言葉は十七世紀のトルコ、まぁオスマン帝国が発祥だと言われているのだけれど」 

愛宕「うん」 

高雄「当時のイスタンブール大使夫人が自国に持ち帰って広めたのが現在の原型なのよ」 

愛宕「自国? 」 

高雄「紳士と淑女の国英国に」 

愛宕「……あぁ」 

503: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/21(日) 12:37:06.61 ID:33Ug6rNOO

< 運転って結局個人で楽しむものだから > 






江風「……酔った」 

加賀「私や提督でも日中からは滅多に酔わないわよ」 

江風「いや、酒じゃなくて車酔い」 

加賀「……」 

江風「明石さンの魔改造単車の後ろに乗せてもらったンだ」 

加賀「……」 

江風「……」 

加賀「……あなたLittorio側だったかしら」 

江風「や、あそこまで運動音痴ではないと思うけど」 






Littorio「……何も言えない立場ですけれど人外としては乗り物酔いくらいは避けたいものですね」 

504: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/21(日) 12:37:53.09 ID:33Ug6rNOO

< さぁ、戦争だ > 






明石「提督って歴史好きですよね」 

提督「まぁ、ちいさい頃から本好きだったから」 

明石「その割に歴史の話しませんね」 

提督「だって歴史なんて結局好みだもん。 
議論が前提なら兎も角喧嘩にしかならないよ、大体は」 

明石「はぁ」 

提督「明石もさ、RXの7か8かで結構意見あるだろ? 」 

明石「なるほど、よく分かりました。……マツダですか」 

提督「マツダでもいいじゃん……」 

明石「例にするなら普通S30かZ32か、とかでしょう? 」 

提督「は? 」 

明石「ふん」 

提督「…………」 

明石「…………」 

提督「…………ほら、こうなるだろ? 」 

明石「…………本当に心から同意できましたよ」 


505: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/21(日) 12:38:32.17 ID:33Ug6rNOO

< こちらでも戦争を > 






GZ「彼に祖国のコーヒーを味わっていただきたかったのだが」 

鹿島「サンドウィッチを差し上げる約束があったのに」 

GZ「それくらい高雄や愛宕がだな」 

鹿島「それならコーヒーなんて提督さん本人が」 

GZ「……英国生まれの所詮簡易食ではないか」 

鹿島「……提督さんはドイツ駐在経験がある武官ですよ? 」 

GZ「…………」 

鹿島「…………」 

GZ「…………とびきりのコーヒーを、淹れようか」 

鹿島「私もサンドウィッチ、用意してきますね」 

506: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/21(日) 12:39:50.02 ID:33Ug6rNOO

< 何に縛られ、何から解き放たれるのか > 







提督「今日のカクテルはエルプレジデンテ。 
カクテルワードは“ 束縛されず解放感を求める自由人 ”、だ」 

Littorio「ワードの割にカクテルネームは大統領、なんてものなのですね」 

提督「求めるようになるんじゃない、たぶん」 

Littorio「……分かりませんね。縛られるものがあった方が幸せなのに」 

提督「それは俺たちの考え方だろう? 割と、特殊だと思うよ」 

Littorio「…………」 

提督「…………」 

Littorio「…………女は皆自分だけの特別を普遍なものだと思い、求めるもの。違いますか? 」 

提督「…………違わないね。男とか女とか関係なく人間ってそういうものだ」 

507: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/21(日) 12:40:57.11 ID:33Ug6rNOO

< とりあえず遊べればいいや > 







提督「くっそ眠い」 

漣「ブリッジとはなんだったのか」 

提督「……かったる」 

漣「で、なんで麻雀」 

提督「眠いときは麻雀の方がいい」 

漣「普通逆じゃないですかね」 

提督「…………」 

漣「…………」 

提督「…………誰勝つかな」 

漣「…………さぁ、勝ってもよく分からない賞品なんで皆さんgdgdですけど」 

511: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/22(月) 23:15:41.82 ID:cEuFqYVlO

< 朝はダメなんだ、朝は > 







江風「短パンTシャツって」 

雲龍「……歯磨いてシャワー浴びてこの後着替えるわよ」 

江風「いや、自堕落でもサマになるって言いたいンだよ」 

雲龍「…………」 

江風「…………? 」 

雲龍「……なんの話だったかしら」 

江風「えぇ……」 

512: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/22(月) 23:16:56.85 ID:cEuFqYVlO

< わいるど > 






提督「えーっと、今日は」 

加賀「ええ」 

提督「……猫の日だな」 

加賀「そうね」 

提督「猫の日っていっても母親から写メくるだけだが」 

加賀「今ここであなたの猫になりましょうか? 」 

提督「ライオンとかの間違いじゃねぇのそれ」 

加賀「猫は猫でしょう」 

提督「……猫化、どうぞ」 

加賀「了解しました」 

提督「そんなすぐ慣れるものなの……いやいやいや、なんで猫化の手始めが脱衣なんだよ、おい! ……おい! 」 



513: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/22(月) 23:17:40.41 ID:cEuFqYVlO

< 似た者先/後輩 > 






Littorio「今日は忍者の日なのですよね? 」 

雲龍「そうなの? ……ニンニンニンだから、かしら」 

Littorio「……」 

雲龍「そんなワクワクされても困るわ」 

Littorio「え……」 

雲龍「私ができる忍者は捕縛されたくノ一くらいよ」 

Littorio「はぁ」 

雲龍「やってみましょうか? 」 

Littorio「すぐにできるのなら」 

雲龍「そう。あまり露出趣味は無いのだけれど…………提督ー」 


514: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/22(月) 23:18:16.95 ID:cEuFqYVlO

< 共感は求めないけれど > 






高雄「二月二十二日の誕生石はスターベリル。 
石言葉は“ 思い遣り ”、“ 素直 ”、そして“ 正直者 ”」 

提督「ふぅ……疲れた」 

高雄「何故いつの間にか服を脱ぎかけた女性二人に囲まれていたんです」 

提督「あいつらの頭の中のことなんて知らないよ俺」 

高雄「はぁ」 

提督「俺正直くノ一コスはどうかと思うんだよね、プレイも。拷問っぽいのはちょっと」 

高雄「……いつだったかの正月頭から和服で」 

提督「いや、悪代官と忍者は違うだろ全然」 

高雄「…………」 


515: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/22(月) 23:19:41.72 ID:cEuFqYVlO

< 寂し気な女を最も見ているのは > 






高雄「今日の誕生花はローダンセ。花言葉は“ 終わりの無い友情 ”」 

明石「思ったんですけど」 

高雄「ええ」 

明石「Littorioさんってあんまりあちらのお友達とかっていないんでしょうかね」 

高雄「横須賀や帝都では何人か親しそうな方にお会いしましたよ」 

明石「LibeccioとかZaraとかって人たちでしたっけ」 

高雄「そのはずです」 

明石「…………私なら今更ここを離れたりはできませんからね。 
想像より凄いですよ、Littorioさん」 

高雄「彼女もああ見えて寂しかったりするでしょう。 
……あの人に聞いたほうがよく分かるかはず」 

明石「あぁ」 

516: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/22(月) 23:21:44.90 ID:cEuFqYVlO

< 忙しいのもそれはそれで嫌 > 






提督「あぁぁぁ……」 

愛宕「睡眠でも取ったら? 」 

提督「だるい、だる過ぎる。寝るのも面倒い。麻雀なんてやらなきゃよかった」 

愛宕「結局天城の総獲りだったし。……ま、お仕事終わらせてるから誰も何も言わないわよ」 

提督「あぁ。……泳ぎに行かね? 」 

愛宕「プール? 」 

提督「そう、今の時間は誰も使ってないはずだし」 

愛宕「うーん……私はいいかな。ちょっとそんな気分じゃないし」 

提督「そうか。雲龍でも誘……待てよ? 」 

愛宕「うん? 」 

提督「戦闘中も大概だけどあの髪水泳中にどうやって邪魔にならないようにするんだ? 」 

愛宕「確かに謎ね……そのまま下ろすんじゃないの? 」 

517: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/22(月) 23:22:26.39 ID:cEuFqYVlO

< 言い出せないとき > 






加賀「一人部屋なのはここでは私とLittorioだけね」 

Littorio「そうですね」 

加賀「……」 

Littorio「……」 

加賀「……この前のことだけれどーー」 






Littorio「ということが……あれはもしや相部屋にしようというお話だったのでは」 

提督「いや……そんな気もするけどさ。なに? 中学生男子か何かなの? あいつ」 

518: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/22(月) 23:23:29.60 ID:cEuFqYVlO

< あのデザイン創った人は結構凄いと思う > 






提督「今日のカクテルはゴールデンマルガリータ。 
カクテルワードは“ 理想像をはっきり持つ創造者 ”、だ」 

愛宕「さすがにコンビニの制服は難しいわねぇ」 

雲龍「そもそもあれのどこがいいのかしら」 

愛宕「必ずしもミニスカと合わせるわけじゃないみたいだし」 

雲龍「身体のラインもそこまでは出ないわよね」 

愛宕「うーん……コンビニ店員の立場があまり強くない、って考える男性が多いとか? 」 

雲龍「あぁ。だからこう、強くものを言えるみたいな? 」 

愛宕「その延長線上でえっちな目線を向けてるのかも」 

雲龍「なるほど。……そうなの? 」 

提督「知るかよそんなの。真面目に議論する話でもないだろそれ」 



519: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/22(月) 23:24:22.02 ID:cEuFqYVlO

< まぁ、割とそんなものだよね > 






雲龍「……ねむ」 

提督「五月まではまだ大分あるぞ」 

雲龍「五月病は年中無休なのよ、きっと」 

提督「ついに五月病も概念を脱却か」 

雲龍「一応病の一種じゃないの? 」 

提督「詳しくは俺も知らないけど」 

雲龍「…………疲れることしましょう? 」 

提督「この話の流れで? 」 

雲龍「どう誘えばいいの? 」 

提督「…………外でも行く? 」 

雲龍「飲酒運転」 

提督「む」 

雲龍「……早くヤりたいだけだから。雰囲気なんて、いいわ」 

提督「女の子がそれでいいのかよ」 

520: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/22(月) 23:28:30.14 ID:cEuFqYVlO

< カーテンフォール。あるいは幕開け > 






肩に、確かな重みと幼い頃から長く親しんだような暖かさを感じる。 

その自分よりは硬く、それでいてなんであれ受けて入れて、優しく迎えてくれるような手の平が私の肩を撫で、鎖骨を滑る。 

チリチリと焦げたような感覚を覚える首筋を優しく、そして確かに愛撫しながら身体を這い登り顎先を指先が掴む。 

その間左手は私の腰やや上を抱き寄せ身体を密着させ二人の体温を確かに感じさせていた。 

ゼロ距離の近さで残り触れていないのは、きっと唇と心だけ。 

心は、彼の愛だけは絶対に私には与えられない至高のものだけれど。 

絡み合わせた粘付く視線とまだ足りないとばかりに強く互いに抱き寄せたその腕と。 

それからキスが待ち遠しくて微かに震えるこの唇だけは。 

今の私にだって許されたものなんだ。 

それがある限り、それだけで、私は明日も生きていけるのだ、きっと。 




「……キスしても、いいかな」 




答えは分かっているはずなのに。 

それでもわざわざ訊ねてくる意地の悪さすら私たちには遊びのアクセント。 

手に入らないものをそれでも求める哀れな女。 

手に入れる気の無いものをそれでも手元に置く男。 

そんな私たちの夜がこれから何度あるかは分からないけれど。 

その価値はこれまでも、そしてこれからも私たちにだけ尊くて、私にとっては最高のものなのだろう。 




「…………答えなんて、決まっているでしょう? 」 




私たちの夜は、短い。 

彼の生は、短い。 

だけれど 

だからこそ、それはきっと価値を持つ。 

キスを待つ間だけ、益体もないつまらないことを考えた。 

その時間が、実は嫌いではない。 

これはそんな自らも認める、つまらない女のそんな一幕。 


521: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/22(月) 23:30:03.96 ID:cEuFqYVlO

< 舞台袖にて > 






叢雲「なにあの茶番」 

漣「うわぁ……」 

江風「ヒュー……江風でもカッコいいと思うぜ、今のテートク」 

海風「…………」 

叢雲「やってもいいけどやるなら寝室とかでやりなさいよね」 

漣「なーんでこんな談話スペースであんなこと」 

江風「まぁ、バーがある場所だとありがちなンじゃない? 知らないけど」 

海風「…………」 

叢雲「…………こっちでも一人毒気に当てられてるし」 

漣「漣と叢雲ちゃんが慰めてあげようか? 」 

海風「……え? 」 

漣「漣と叢雲ちゃんのコンビの手にかかれば墜とせない女の子はいないんですよー? ね? 」 

叢雲「私あなたと寝るのなんて嫌よ、漣」 

漣「えぇ、そんなぁ。……ま、冗談だけど」 

江風「…………もし姉貴が望むなら江風はいいけどね」 

海風「そう。……………………え? 」 

526: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/23(火) 22:50:45.72 ID:aJ1jjLBSO

< 朝の一幕 > 






雲龍「……空き部屋で起きるなんてほんとにそれっぽいわね」 

提督「ん……まぁ、お前以外の気配許せない気分だったし」 

雲龍「…………」 

提督「…………なんでこういうので照れんの? もっと他にさぁ」 

雲龍「照れてな、くはないけれど。……悪い? 」 

提督「んーん、可愛いって言ってんの」 

雲龍「…………」 

提督「…………」 

雲龍「…………緑茶でいい? 」 

提督「頼む」 

527: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/23(火) 22:51:47.52 ID:aJ1jjLBSO

< 普通に店の方が早い > 






愛宕「朝からラーメンってのもどうなのかしらね」 

高雄「好きな人なら。……私は遠慮したいけれど」 

愛宕「私もちょっと嫌ね」 

高雄「……そもそもあなたまともなラーメンつくれる? 」 

愛宕「んー……上に載せるものとか餃子みたいなサイドで誤魔化しちゃうかも」 

高雄「…………やはりここは麺とスープから」 

愛宕「えっ? 」 

高雄「冗談、冗談よ」 

528: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/23(火) 22:52:28.70 ID:aJ1jjLBSO

< チャレンジした結果が今と言えないこともない > 






高雄「二月二十三日の誕生石はアレキサンドライトガーネット。 
石言葉は“ 才能 ”、“ チャレンジ ”、そして“ ポジティブシンキング ”」 

提督「あぁ……たゆんたゆんの夢が詰まったおっぱいを支える仕事がしたかった」 

高雄「突然呟く内容はではありませんね」 

愛宕「ブラになりたいとかそういう? 」 

提督「いや、仕事だよ仕事。時給764円でいいから」 

高雄「詳しくはないですけど低くありませんか、それ」 

提督「北海道の最低賃金なんすよ、これ。 
最低賃金でもいいからおっぱいサポーターやりたかった」 

愛宕「それ夢ってより詰まってるのは現実と脂肪ね」 

提督「リアルだからいいんだよ、リアルなおっぱいにはリアルな楽しさがあるんだ」 






雲龍「私も金」 

明石「あのですね……いい加減もういいですってその流れ」 

雲龍「む……」 


529: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/23(火) 22:53:07.90 ID:aJ1jjLBSO

< いつからが老後なのか > 






高雄「今日の誕生花は辛夷。花言葉は“ 友情 ”と“ 乙女のはにかみ ”」 

愛宕「辛夷ってどんな花だったかしら」 

高雄「モクレン科の花でこう……少し長めの花弁の」 

愛宕「あー……分かったかも北国の春の歌詞にも出てくるわよね」 

高雄「えーっと……」 

愛宕「それはまぁいいわよ。……あとお酒も飲んだことあるはず」 

高雄「綺麗な色の甘い果実酒だったわね」 

愛宕「…………いつかあの人が楽しめる梅酒をつくれたらいいと思わない? 」 

高雄「…………やりたいことばかりが増えていくわね、生きていると」 

愛宕「いいのよ、きっとそれで」 

530: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/23(火) 22:53:53.37 ID:aJ1jjLBSO

< カランカランと紙袋 > 






天城「今日は満月でしたか」 

加賀「……久方振りにあなたの部屋にお邪魔してもいいかしら」 

天城「構いませんよ、姉様もどなたかの部屋にいますし」 

加賀「そう。十四代でも持っていくわ」 

天城「はい。では日本酒に合う肴でも用意しておきましょう」 

加賀「ええ」 






瑞穂「あの」 

加賀「なにかしら。あなたも天城の部屋に? 」 

瑞穂「はい。…………一升瓶って抱えられない程持ち運ぶものでしたっけ? 」 

加賀「? 」 

531: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/23(火) 22:56:31.97 ID:aJ1jjLBSO

< ビタミンとか使い過ぎたからね、変なこと言うのかも > 






提督「外歩いててレンガ降ってくるとか御免だよな」 

愛宕「服が汚れるものね」 

提督「は? 」 

愛宕「だってたぶん死なないもの」 

提督「いや、そうだろうけどさ」 

愛宕「さっきのニュースの女性だって軽傷だったんでしょう? 
むしろその程度の怪我で煩わしい聴取だとかは面倒だと思うわ」 

提督「言いたいことは分かるが」 

愛宕「……だから、もっと酷いことしても、いいのよ? 」 

提督「……この手首紐で縛ったのも割と怖いくらいには小心者なんだよね、俺」 

532: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/23(火) 22:57:41.57 ID:aJ1jjLBSO

< 暗い所だと本気で怖かったりする > 






江風「ハイライトってあるじゃン? 」 

海風「提督ってハイライトだっけ? 」 

江風「え? 」 

叢雲「あいつのは違う銘柄よ。……それで? 」 

江風「? ……江風が言ってるのはアニメとかのあの目のやつなンだけどさ」 

海風「あぁ」 

江風「あれってリアルにはできないよな? 」 

叢雲「……………………どう? 」 

江風「ひぃっ」 

海風「あー……上手いね、叢雲ちゃん」 

叢雲「あそこまで露骨にはできないけどこんなの雰囲気よね、実際。 
目付き悪くして伏し目がちにすれば雰囲気はなんとかなるわよ」 

江風「へぇ……マジで怖ぇ」 

叢雲「あなたも覚えた方がいいんじゃない? 男捕まえる為に」 

江風「いやぁ……そんなことしないと手に入らない男なら縁が無いンだよ、諦めるって」 

海風「…………」 

叢雲「…………」 

江風「……? 」 

海風「…………本当にそう思えればいいね」 

叢雲「…………達観するよりは苦しむ方がマシかもしれないわよ」 


533: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/23(火) 22:58:46.08 ID:aJ1jjLBSO

< 自分すら認められない自分をだれが認めてくれるだろうか > 






提督「今日のカクテルはレモンハートオレンジ。 
カクテルワードは“ 人に認めてもらいたい自信家 ”、だ。……だった」 

愛宕「最近緩んできたんじゃない? 」 

提督「歳もあるから多少はあるだろうね」 

愛宕「別に私は多少太っててもいいけど? 」 

提督「……分かってる。自分が一番嫌なものだよな、こういうのって」 

愛宕「ええ」 

提督「……腹筋くらい死ぬまで維持したいものだが」 

愛宕「くらい、とか言ってるから」 

提督「あぁ」 

愛宕「……増えてない? 」 

提督「それこそ気にしないけどな。……ま、増えてないと思うよ、少なくとも、あー」 

愛宕「ヤった感じは? 」 

提督「まぁ……うん」 


538: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/24(水) 23:08:31.28 ID:ZTnZbrHIO

< 毒気を抜かれる、というかなんというか > 






加賀「ん……天城たちの部屋」 

雲龍「…………Zzz」 

加賀「…………何故いつの間にかこの子と寝ているのかしら」 

雲龍「…………Zzz」 

加賀「…………瑞穂は明石が連れて帰ったのだったわね」 

雲龍「…………Zzz」 

加賀「…………入れ違いで帰ってきひゃうっ」 

雲龍「んー……可愛い声…………Zzz」 

加賀「…………起きたのなら離れなさい、雲龍」 

雲龍「…………Zzz」 

加賀「…………」 

雲龍「…………Zzz」 

加賀「…………案外と幼い寝顔というか。無防備な寝方をするのね」 

539: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/24(水) 23:09:33.84 ID:ZTnZbrHIO

< 切り替え◯ > 






天城「シャワーを浴びている間に一体何が」 

雲龍「ん…………Zzz」 

加賀「……あなたの姉が抱き着いて離れないのだけれど」 

天城「……天城にはどうしようも。突き落として構いませんよ」 

加賀「…………別に今日は急用があるわけでもないし」 

天城「はぁ」 

雲龍「…………Zzz」 

加賀「…………」 

雲龍「…………Zzz」 

加賀「…………」 

天城「…………いや、だからといって今から2人で寝ないでくださいよ」 


540: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/24(水) 23:10:09.67 ID:ZTnZbrHIO

< 複雑な > 






高雄「二月二十四日の誕生石はホワイトオパール。 
石言葉は“ 高貴 ”、“ 品位 ”、“ 安定感 ”、そして“ 落ち着き ”」 

Littorio「高貴、といえば」 

高雄「ええ」 

Littorio「帝都でお見かけしたあの方、そのような方なのでしょう? 」 

高雄「この国の歴史の中では一応常に敬されてきた血筋の方ですね」 

Littorio「まさにnoblesse obligeを地で行く方でした」 

高雄「でしょうね」 

Littorio「……」 

高雄「……」 

Littorio「……? 」 

高雄「…………あの方のお蔭で私はあの人に出会ってあの方の所為でこんな目に遭っているのよ」 

Littorio「…………なるほど」 


541: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/24(水) 23:11:10.87 ID:ZTnZbrHIO

< 桜舞い散った後には会えるだろうか > 






高雄「今日の誕生花は桜草。花言葉は“ 青春の悲しみ ”」 

明石「Iowaって発音もよく分かりませんね」 

叢雲「北米インディアンの言葉を英語に無理矢理合わせてるからでしょ」 

明石「はぁ」 

叢雲「“ 眠い人 ”、って意味もよくわからないけど」 

雲龍「つまりあの金髪女は睡姦が好き? 」 

愛宕「んー? 」 

高雄「あなたじゃないわ」 

天城「睡眠が好きなのはむしろ姉様のような」 

瑞穂「桜並木は……ワシントンD.Cでしたっけ」 


542: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/24(水) 23:13:23.65 ID:ZTnZbrHIO

< 人と人とを繋ぐ人を繋ぐ人を繋ぐ…… > 






漣「というかIowaって人と会ったことが? 」 

雲龍「海上ではね」 

漣「なるほど」 

雲龍「そのときこっちの艦隊代表の一人だったのがあの人よ」 

漣「ふーん? 」 

雲龍「ああいう人種と初対面で話せるのって凄いわよね」 

漣「どういう人かは分かりませんけど……まぁ、それが取り柄みたいなものですし」 

雲龍「だからこそ私にも気さくに話しかけてくれたわけだけれど」 

漣「はぁ。……雲龍さんとかってご主人様のこと大事にし過ぎて自分のこと疎かにしてません? 」 

雲龍「それが価値ってものよ、世の中にとっても、私にとっても」 

漣「……」 

雲龍「……あなただって彼以上の人間には出会ったこと、無いでしょう? 」 

漣「……ノーコメントで」 

543: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/24(水) 23:14:49.39 ID:ZTnZbrHIO

< どうしようもないこと > 






漣「ここで一番真っ平らなのって」 

江風「漣じゃン? 」 

海風「うん」 

叢雲「少なくともこの四人の誰かよね」 

漣「叢雲ちゃんは明らかに違うでしょ……畜生ォォォ! 」 

叢雲「そもそもあなた欲しいの? これ」 

漣「これって言えるものがある人には分からないでしょうねぇ、オンナジオンナジヤオモデェー! ンァッ! ハッハッハッハー! この」 

叢雲「うっさいわね。別に同じだとも思ってないわよ」 

江風「同じじゃない発言いただきましたー」 

漣「ひ、ひでぇ……せめてネタは最後までさせてよおねーさーん」 


544: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/24(水) 23:15:37.92 ID:ZTnZbrHIO

< 少しだけ気にしていること > 






Littorio「声がやや幼いような」 

天城「一人だけ和服で浮いているような」 

愛宕「お尻の大きさが、うん」 

高雄「ロングにしても似合うでしょうか」 

雲龍「私は逆にショートにしてみたいけれど……うーん」 






提督「幸せ者ばっかだな、まったく」 

明石「それ提督が一番言っちゃいけないやつでしょう……」 

545: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/24(水) 23:17:03.88 ID:ZTnZbrHIO

< 長い女と初めての酒と > 






提督「今日のカクテルはカルーアオレンジ。 
カクテルワードは“ 発想力豊かな文学少女 ”、だ」 

高雄「いいカクテルでした、飲みやすくて美味しい」 

提督「ん……俺と飲んでるからな」 

高雄「そうですね」 

提督「…………注ぐよ」 

高雄「ありがとう、ございます」 

提督「…………」 

高雄「…………」 

提督「…………初めて空けたウィスキーだけど当たりかな、これは」 

高雄「初めてならトゥワイスアップから始めては? 」 

提督「そんな高尚な作法守る気は端から無いっていうか」 

高雄「ええ」 

提督「普段飲む飲み方じゃないと合う合わないって分からないと思うんだよね」 

高雄「…………」 

提督「…………」 

高雄「…………ふふ」 

提督「ん…………なんか楽しい? 」 

高雄「あなたと飲んでいますから」 

提督「…………注ぐよ」 

高雄「ええ」 

546: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/24(水) 23:20:34.43 ID:ZTnZbrHIO

< 結局この後開き直って潰した > 






鹿島「えへへ……へへー」 

龍田「失敗したわねぇ」 

時雨「……龍田のペースで飲ませたら誰でもこうなるよ」 

龍田「天龍ちゃんはいつも付き合ってくれるから……」 

時雨「夫婦並に相性いい人たちと比べられてもね」 

鹿島「うふっ……龍田さぁん」 

龍田「はいはいなぁに? 」 

鹿島「だっこぉ」 

龍田「……天龍ちゃーん」 

時雨「……今日は僕の姉妹たちが借りてるよ、彼女」 

547: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/24(水) 23:23:24.33 ID:ZTnZbrHIO

< 女二人、バーカウンターにて頬杖ついて > 






天城「甘いですね……なんという? 」 

愛宕「ズブロッカ。飲んだこと無かった? 」 

天城「舌は覚えている気もしますけれど……うーん」 

愛宕「ここだといつの間にか飲んでることなんてザラだものねぇ」 

天城「ええ」 

愛宕「ポーランドのウォッカで世界遺産の森が関係してるのよ」 

天城「はぁ」 

愛宕「安くて甘くて好きなのよね。……どう? 」 

天城「悪くは、ありませんが」 

愛宕「ふーん? 」 

天城「天城、あまり甘いものは」 

愛宕「そ。……私も普段はそんなに飲まないんだけどね。あの人もあんまり甘いお酒好きじゃないから」

548: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/24(水) 23:24:52.00 ID:ZTnZbrHIO

< 人は行為の先にあるものを毎夜探しているのかもしれない > 






高雄「……手、握ってください」 

提督「……うん」 

高雄「…………注ぎますよ」 

提督「ありがと。……手繋ぐ前にしなよ」 

高雄「繋ぎたかったから」 

提督「…………」 

高雄「…………」 

提督「…………惚れるのは状態であり」 

高雄「愛するのは行為である。……ドニ・ド・ルージュモン」 

提督「過去の偉人が言いたいこととは違うが…………そろそろ何かするときではございませんか? 」 

高雄「ふぅ、今でも十分その行為だと思うけれど…………連れてってください、どこまでも」 

提督「あぁ。…………手を」 


552: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/25(木) 23:50:07.22 ID:iNSvNyMaO

< 貧乏性というか庶民的というか > 






高雄「二月二十五日の誕生石はファントムアメジスト。 
石言葉は“ 美貌 ”、“ 根性 ”、“ しなやかさ ”、そして“ 思い遣り ”」 

漣「優しさ成分オモイヤリンを含んだ漣ちゃんですよー、お安いですよー」 

高雄「はぁ」 

提督「嫁で足りてるんだが」 

高雄「よ、嫁……嫁」 

漣「まぁまぁそう言わず。ご主人様ならお安くしときますよ? 」 

提督「あぁん? オモイヤリン漣の効果はなんなんだよ」 

漣「漣ちゃんを撫で倒して湯水の如くお金を使いたくなっちゃいまーす」 

提督「へぇ……」 

漣「はいっ」 

提督「まぁ、お前には結構世話になってるからな。 
……で? 何が欲しいんだ? 資産がマイナスにならない限りはいいぞ」 

漣「えっ」 

提督「うん? 」 

漣「…………ちょっと考えときます、じゃっ」 

提督「…………」 

高雄「…………」 

提督「…………ふっ、勝ったな」 


553: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/25(木) 23:51:12.28 ID:iNSvNyMaO

< 嘘吐く者と嘘吐かせる者と > 






明石「やーっとできましたよ報告書ー」 

提督「おうお疲れ」 

明石「……なんで一々ネジ一本単位でくだらない報告書書かなきゃいけないんですかね」 

提督「書いたのはプリンタだろ」 

明石「あんまりキーボード得意じゃないんですよ、実は」 

提督「あれで得意じゃないとか嫌味かよ。……こういう風にきっちり書いとくとな」 

明石「はい」 

提督「いざ誤魔化す時に楽なんだよ」 

明石「は? 」 

提督「自分でやったことだから覚えやすいし相手の印象もいいからな。なんとかなりやすい」 

明石「あぁ。…………処世術ですねぇ」 

提督「誰がお前の研究の為の改竄してると思ってんだ」 

明石「いや、そんなこと堂々と言われても……感謝はもちろんしてますけどね」 


554: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/25(木) 23:52:05.82 ID:iNSvNyMaO

< 私、とあなたとあなたの私 > 







提督「じゃ、ちょっと明石と出てくるわ」 

高雄「はい。……今日の誕生花はカランコエ。 
花言葉は“ 沢山のちいさな想い出 ”、“ 幸せをつくる ”、そして“ あなたを守る ”」 

天城「……雲龍姉様は」 

高雄「ええ」 

天城「天城よりも辛い思いをしたはずなのです」 

高雄「……」 

天城「天城がまだ天城として存在しなかった頃。 
燃費以外に然程長所が無いと看做されていた雲龍型の地位を姉様が実力で上げるまでは」 

高雄「……」 

天城「直接非直接問わず罵倒されたことも、人間では無い者としての差別も。 
それを合わせて無価値である、という自己嫌悪とも」 

高雄「……」 

天城「……天城は、いい姉を持ちました。あんなにも他人のことを想える人がいてくれて」 

高雄「……」 

天城「そんな人だからいつか、葛城たちと暮らしてみたいのです。姉様のしたいことをして」 

高雄「…………素敵な夢、ですね」 

天城「…………はい」 





提督「……だってさ」 

雲龍「……あなたがタイミング悪く出てこなければ」 

提督「話しかけてきたお前が悪い」 

雲龍「……居心地悪くて入れないじゃない」 

提督「俺は関係無い。……ま、明石に聞かれなくてよかったな。あいつすぐ顔に出るし」 


555: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/25(木) 23:52:48.79 ID:iNSvNyMaO

< こんな世界が一番の幸せ > 







提督「今日のカクテルはイェーガーオレンジ。 
カクテルワードは“ 自らの世界をつくる発想力豊かな人 ”、だ」 

愛宕「明日のお昼何食べたい? 」 

提督「んー……麺類」 

愛宕「パスタね」 

提督「まぁ、無理にとは言わないよ。なんでもいい」 

愛宕「じゃあフォーでも食べる? 」 

提督「なんでフォーなんだよ……確かに麺類だけどさ」 

愛宕「じゃあとんぺい焼」 

提督「もう麺類ですらねぇよ」 


559: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/26(金) 22:50:06.22 ID:ky2IY288O

< 引き摺り下ろす楽しみが増えるから > 






愛宕「一週間後会食」 

提督「あ? 」 

愛宕「県知事からね」 

提督「知るかそんなもん、断っとけ」 

愛宕「はいはーい」 

高雄「いい加減また会わないと面倒なことになると思いますが」 

提督「もう十分なってるし行けるところまで行こうかな、と」 

高雄「はぁ」 

愛宕「しつこい男は嫌われるのにねぇ~ 」 

提督「ねー? 」 

高雄「……お高くとまった女が嫌われないとでも? 」 

560: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/26(金) 22:51:14.65 ID:ky2IY288O

< 面子は大事だからね、仕方ないね > 







漣「たかが新幹線のチケットが二十五秒で完売って」 

明石「よく並びますよね。私も乗り物好きですけどさすがにあれは」 

漣「というか今更ですけど」 

明石「ええ」 

漣「あの不思議に長い駅名ってなんとかならなかったんですかね」 

明石「あぁ、あれ」 

漣「はい」 

明石「……提督」 

提督「なんで俺なんだよ」 

明石「北海道トークのチャンスを譲って差し上げてるんですよ」 

提督「…………言おうと思えば結構言えるけど地元の悪口になるから言わない」 

漣「はーん……なんとなく方向性は分かったような」 

提督「やっぱさ、帝国軍人としてあるまじきことはできないから」 

明石「いやいやいや……」 

提督「面子は大事だよ、面子は。せめて表向きは、ね」 

561: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/26(金) 22:52:08.71 ID:ky2IY288O

< 正直理由がよく分からない > 






明石「セイコーマートがセコマに」 

提督「いいんじゃない、どっちでも」 

明石「中身が変わるわけでもないですしね」 

提督「略称だってセコマでもセイコマでもなんでもいいしな、俺は」 

明石「ちなみに? 」 

提督「セコマ派。特に意味も無いけど」 

明石「ハンバーガーのお店なら? 」 

提督「マック」 


562: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/26(金) 22:52:43.27 ID:ky2IY288O

< まぁ、嫌がってないし > 






高雄「二月二十六日の誕生石はクリアクォーツ。 
石言葉は“ 繊細 ”、“ 敏感 ”、“ 表現豊か ”、そして“ ナイーヴ ”」 

雲龍「一番敏感なところは? 」 

海風「……内腿です」 

雲龍「撫でられたい? それとも唇でスウィープ? 」 

海風「……ど、どっちも」 

雲龍「そう……じゃあ」 

江風「いい加減やめてくれよ……姉貴困って、はいないけどさ」 

高雄「これで見た目が中年男性なら確実にセクハラなのですが」 

雲龍「いいのよ、女同士だし」 

叢雲「…………同性でもセクハラは成立するけど」 


563: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/26(金) 22:53:31.49 ID:ky2IY288O

< どちらもあって困るものでは無いはずだけれど > 






高雄「今日の誕生花は福寿草。 
花言葉は“ 幸福 ”、“ 幸せを招く ”、“ 回想 ”、そして“ 想い出 ”」 

Littorio「招く、といえば招き猫にも意味があったのですね」 

高雄「右手が金運で左手が千客万来、でしたか」 

Littorio「さらに右手の方が雄猫で左手の方が雌猫だとか」 

高雄「両手を上げていると欲張り過ぎでお手上げ状態、みたいにも言いますね」 

Littorio「まぁ、どちらかだけでも十分ですし。……高雄はどちらが? 」 

高雄「断然右手ね」 

Littorio「へぇ……少し以外」 

高雄「これ以上あの人の周りに女が集まるのはさすがに……」 

Littorio「……あぁ」 


564: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/26(金) 22:54:11.77 ID:ky2IY288O

< どうやってアンケしたのかとかは考えないように > 






提督「自分より変態な人がここにいると思うかどうか」 




Yes…………9 
No…………3 





提督「いや、まーじ? これ、えぇ……」 

雲龍「割と私が一番驚いています」 

提督「思わずお前が敬語に戻るくらいにはやべぇな」 

雲龍「……誰だと思う? 」 

提督「……加賀と海風? 」 

雲龍「もう一人は? 」 

提督「え? 」 

雲龍「? 」 

提督「……えっ? 」 

565: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/26(金) 22:55:13.39 ID:ky2IY288O

< 地上のパライソはそれなりに身近に > 






提督「今日のカクテルはパライソオレンジ。 
カクテルワードは“ 発想力豊かで元気な文学少女 ”、だ」 

愛宕「どうしてライチリキュールが楽園なの? 」 

提督「さぁ、俺も知らない」 

愛宕「ま、なんでもいいけど。ライチっていえば楊貴妃よね」 

提督「シミを無くすとかなんとか。楊貴妃は豊満トルコ系だったって言われてるな」 

愛宕「好きでしょ、そういうタイプ」 

提督「まぁね」 

愛宕「むしろ嫌いなタイプの女の子がいるのかどうか分からないけど」 

提督「いるよ? 苦手な子は」 

愛宕「ふーん……? 」 

提督「……お前が好き、それじゃあダメか? 」 

愛宕「今はだーめ。女の子は移り気なんですー」 


566: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/26(金) 22:55:50.30 ID:ky2IY288O

< 夜の煙もまたいいもの > 






あきつ丸「ふぅ……」 

龍田「喫煙する女は嫌われるらしいわよ? 」 

あきつ丸「面倒な女が。……別に男に好かれたいわけではないでありますから」 

龍田「あの人はむしろ煙草吸う女の子好きだしねぇ~ 」 

あきつ丸「…………ス-……はぁ」 

龍田「私にも頂戴? 」 

あきつ丸「……普段吸っているところは見ないが」 

龍田「あの人以外に貰うの初めてだもの。…………けほ」 

あきつ丸「なんとも可愛らしい」 

龍田「こんな感じだったかしらね……美味しくない」 

あきつ丸「自分も特段美味いとは」 

龍田「ふぅん? 」 

あきつ丸「……ある将校殿との付き合いで買ったものが必要無くなったから消費しているだけだ」 

龍田「手向け? 」 

あきつ丸「…………ス-……………………けほっ」 


571: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/27(土) 13:31:45.15 ID:ykKlOCbXO

< ぐっもーにん! > 






提督「おはよう」 

天城「おはようございます」 

提督「この後なんかある? 」 

天城「いえ、特に予定は」 

提督「そっか。……風呂入るぞ」 

天城「ふぇ? 」 





天城「…………」 

雲龍「似合ってるわよ? 三つ編み」 

天城「……ありがとうございます」 

雲龍「……」 

天城「……」 

雲龍「……今、ニヤけたわ」 

天城「! 」 

572: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/27(土) 13:32:49.33 ID:ykKlOCbXO

< 何が生まれるかはお楽しみ > 






高雄「二月二十七日の誕生石はアメトリン。 
石言葉は“ 第六感 ”、“ 波長が合う ”、そして……」 

愛宕「うん? 」 

高雄「“ 二人の間のケミストリー ”」 

愛宕「……うん? 」 

高雄「分かるような分からないような」 

愛宕「まぁ、言いたいことはね。単語センスはよく分からないけど」 

高雄「ある意味羨ましいですけどね。私には思いつけないものですから」 

愛宕「本当に羨ましい? 」 

高雄「私が私でしかない、と思えばなんでも羨ましいものよ」 

愛宕「ふーん? 」 

高雄「こう見えて欲深い、ってことでもあるけれど」 


573: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/27(土) 13:33:17.10 ID:ykKlOCbXO

< 生命の水と御一緒でも > 






高雄「今日の誕生花はマドンナリリー。花言葉は“ 汚れの無い心 ”」 

瑞穂「それでお茶請けがマドンナだんごなんですか? 」 

高雄「いえ、これは愛宕がいつの間にか買っていたんです。偶然ですね」 

瑞穂「はぁ。……美味しいですね」 

高雄「ええ」 

瑞穂「……」 

高雄「……」 

瑞穂「……これが浄化される、という気持ちでしょうか」 

高雄「違うと思いますけど……」 


574: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/27(土) 13:34:51.27 ID:ykKlOCbXO

< 興味が無いというわけでもないけれど > 






提督「今日のカクテルはセントアンドリューズ。 
カクテルワードは“ 色々なことに興味を持ち工夫する創作者 ”、だ」 

加賀「スコットランド? 」 

提督「そうだな。ベースもスコッチだしドランブイも使ってるし」 

加賀「……その割に飲みやすいわね、オレンジの甘さで」 

提督「あぁ」 

加賀「ゴルフ、なんてやるのかしら? 」 

提督「うん? なんで? 」 

加賀「セントアンドリューズといえばゴルフだと思っていたけれど」 

提督「へぇ? ……いや、しないなぁ。付き合いで行くことあるから一式はあるけど」 

加賀「接待プレーなんて得意そうね、あなた」 

提督「まぁ、否定はしない。……単純に経験不足なだけだけどな、ゴルフは」 

579: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/28(日) 21:44:56.29 ID:hJ58WQ7/0

< ごほーびday > 






提督「じゃ」 

高雄「今日中にお戻りに? 」 

提督「さぁ? 加賀次第だね、それは」 

高雄「はぁ……では明日ということにしておきます」 

提督「はいよ」 

愛宕「お土産よろしくね」 

提督「別に観光地行くわけでもないんだけどな。了解」 

高雄「……では、お気を付けて」 

愛宕「楽しんできてー」 

明石「はーやーくー! エンジンも私も待ちきれませーん」 

提督「ん。……事故ったらガチで張っ倒すからな」 

580: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/28(日) 21:45:41.15 ID:hJ58WQ7/0

< 鳥籠の鳥たちはきっと幸せだと思うけれど > 






江風「いいなー、江風も外で遊ンできたい」 

海風「明石さんみたいに着いていけばよかったのに」 

江風「あの人車乗りたいだけじゃン。テートクと加賀さン降ろして一人でとばしてくる方がメインだし」 

海風「そうだけど外で自由行動じゃん。江風はどこか行けたとしてどこ行くの? 」 

江風「野球かサッカー観に行きたいな」 

海風「なるほど。……頼めば許可出してくれると思うよ、提督なら」 

江風「や、なンかそこまでの気力も無いンだよね。かったるい」 

瑞穂「提督と出るかもしくは二人以上、が条件らしいですよ。外出」 

海風「それでも破格ですよね、条件」 

江風「横須賀だと外出許可なンてまず下りないしなぁ……」 

海風「そうだね」 

瑞穂「正規の兵員とすら殆ど接点なんてありませんしね」 

江風「…………やっぱ今度は着いて行こっかなー」 

581: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/28(日) 21:46:43.81 ID:hJ58WQ7/0

< 割と否定できない > 






江風「お好み焼きィ! 」 

漣「いぇーい! 」 

高雄「……単にやる気がないだけよね」 

愛宕「……高雄がつくればいいじゃない、オムライスでもパスタでも」 

高雄「イヤ。……気が乗らないわ」 

愛宕「……」 

高雄「……」 

叢雲「……関西風でしょ」 

漣「でましたー、藤永田女」 

叢雲「……キャベツの千切り盛りとか薄焼き玉子とか、ハン」 

漣「ktkr。ご主人様風女」 

叢雲「…………」 


582: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/28(日) 21:47:48.74 ID:hJ58WQ7/0

< 適材適所、とも違うか > 






高雄「二月二十八日の誕生石はコーラル。 
石言葉は“ 熱意 ”、“ 活発力 ”、そして“ やる気 ”」 

天城「あれで何故かサド、とも言えないですよね」 

雲龍「まぁ、ヤってるときにわざと他の女の話をするくらいには意地が悪いけれど」 

天城「え? 」 

明石「えっ……そんな経験ないです」 

雲龍「……うそ」 

高雄「……雲龍さんだから、なのかもしれませんね」 

583: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/28(日) 21:49:14.15 ID:hJ58WQ7/0

< 世界に私とあなただけならば > 






高雄「今日の誕生花はヘリクリサム。花言葉は“ 永遠の愛 ”」 

雲龍「はっ」 

高雄「……あると信じますけれどね」 

雲龍「馬鹿馬鹿しい。男が女に飽きないわけが無いじゃない」 

高雄「自信が無いんですね」 

雲龍「」 

高雄「……」 

雲龍「……」 

高雄「……」 

雲龍「……悪い? 自己評価が低くて。__さんと釣り合うわけ無いじゃない、私なんて」 

高雄「雲龍さんレベルで自己評価が低いのは嫌味でしょう、と言いたいんですよ」 


584: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/28(日) 21:50:27.15 ID:hJ58WQ7/0

< 最近はAmazonかドンキでしか見ない > 






漣「雲龍さんって煙草似合いますよね」 

雲龍「そう? 」 

漣「目細めるとことか無造作な立ち振る舞いとか」 

雲龍「……特に意識はしていないけれど」 

漣「意識してないからこそ、じゃないです? 」 

雲龍「…………」 

漣「…………」 

雲龍「…………ココアシガレットって美味しいのね。気に入ったわ」 

漣「ですねー」 



585: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/28(日) 21:51:37.19 ID:hJ58WQ7/0

< カルパスとかも好き > 






漣「まぁ、ココアシガレットは置いといて」 

雲龍「ええ」 

漣「ここの人って結構煙草似合いますよね」 

雲龍「……あなたは似合わないこと甚だしいわ」 

漣「このなりですから。……あんまり好きじゃないですし」 

雲龍「そう……」 

漣「愛宕さんとか滅茶苦茶似合いそうですもん。 
ラフな格好で半眼とかの目付き悪い感じで」 

雲龍「あれのテンション低いときね。大体そうなる前にあの人か高雄に甘えてるけれど」 

漣「あくまでイメージですから。雲龍さんが吸ってるのも一度しか見たことないですし」 

雲龍「…………」 

漣「…………」 

雲龍「…………シガレットチョコって美味しいのね、気に入ったわ」 

漣「ですねー」 


586: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/28(日) 21:52:31.99 ID:hJ58WQ7/0

< 嘘っぽい嘘の嘘みたいな嘘的嘘の…… > 






提督「んー……たまにはいいね、他人のカクテル飲むの」 

加賀「ええ。さすがプロ、という味わいね」 

提督「…………」 

加賀「…………」 

提督「本当うんざりするね。左後ろとあっちの男、お前見てる」 

加賀「………あなたを見ているのかも」 

提督「女の子でも嫌だね、そんなの。今はお前しか見てないから」 

加賀「それなら他人は気にならないのじゃなくて? 」 

提督「……」 

加賀「……ま、女としてはあなたを見られた方が満足ではあるけれど」 

提督「……俺はそう思わないぜ? 見せびらかす趣味は無いから」

587: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/28(日) 21:53:28.50 ID:hJ58WQ7/0

< 何故世界には男と女がいるのだろうか > 






鈴谷「カレシは女のステータス、みたいな」 

金剛「? 」 

鈴谷「横須賀の君とか提督がカレシなら自慢できるよね、って」 

金剛「自慢するためのボーイブレンド? 」 

鈴谷「だって仕方ないじゃん。提督は高雄さんと愛宕と他にも。横須賀の君は三笠一筋だし」 

金剛「それなら鈴谷が一途であればいいじゃないデスカ」 

鈴谷「……鈴谷そんな強くない」 

金剛「強くなければイイ男は選んでくれませんヨ? 」 

鈴谷「一人の男しか眼中に無いクセに」 

金剛「…………」 


588: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/28(日) 21:54:25.02 ID:hJ58WQ7/0

< 天程高く > 






天城「今日のカクテルはスカイソルティドック。 
カクテルワードは“ 多くの人の後ろ盾となる女神様 ”、です」 

雲龍「ふーん? ……下手ね」 

天城「……スノースタイルなんて提督がいないと天城も飲みませんから」 

雲龍「……」 

天城「……」 

雲龍「……これからテスト、またあると思う? 」 

天城「さぁ……天城はあれ以来勉強してますけれどね」 

雲龍「ふぅん? 」 

天城「……天城もあの人、好きですから、大好きと言っても」 

雲龍「言うわね」 

天城「天城でもイカれてしまう方ということです。姉様だって理想は高い方でしょう? 」 

雲龍「……彼と横須賀の君にしか惹かれないくらいの理想だけれど、ね」 

589: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/28(日) 21:55:14.09 ID:hJ58WQ7/0

< エンドレスルーティン > 






雲龍「それはそうと……ムラつくわ」 

天城「……天城は今日そういう気分ではありません」 

雲龍「……なんだかもう誰でもいい気がしてきたわ」 

天城「……漣さん」 

漣「はいはーい。女性用風俗でも探せばいいんです? 」 

雲龍「は? 」 

天城「は? 」 

漣「え? 」 

雲龍「……男はあの人しかいないのだけれど」 

天城「……天城は漣さんが姉様と同衾すれば、と」 

漣「えぇ……雲龍姉妹謎ぉ」 

雲龍「あなたでしょう。意味がわからないのは」 

天城「雲龍姉様は兎も角葛城への侮辱は許しませんよ」 

雲龍「えっ」 

漣「え? 」 

天城「え? 」 

590: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/28(日) 21:56:09.71 ID:hJ58WQ7/0

< 今夜は帰さない、そう言ってほしい > 






加賀「帰らなくてもいいの? 」 

提督「もう酒飲んだし」 

加賀「最初から車じゃないじゃない」 

提督「まぁね。……帰りたいなら帰るけど」 

加賀「…………」 

提督「…………」 

加賀「…………あなたと二人になるとそのまま逃げたくなるわ」 

提督「理由がそれなりなら喜んで着いていくけど」 

加賀「つまらない嘘を」 

提督「嘘でもねぇんだけど……」 

加賀「違うわ」 

提督「うん? 」 

加賀「……私が頼めばあなたなら必ず着いてきてくれる。理由を全く語らなくても」 

提督「……随分な自信だ」 

加賀「……そうかしら」 

提督「…………ま、ここの上の部屋もう取ってるんだけどね」 

加賀「……そう」 

596: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/29(月) 22:12:46.45 ID:Q+cqPwpNO

< そういう顔に弱い > 






加賀「朝ね」 

提督「…………」 

加賀「……朝よ」 

提督「…………」 

加賀「……起きているでしょう。さっき唾液を飲み下していたわ」 

提督「…………よく見てるな」 

加賀「ええ」 

提督「…………」 

加賀「…………起きなさい、クズ」 

提督「…………クズなら寝過ごすしてもいいだろ、チェックアウトまでまだ大分ある」 

加賀「……」 

提督「……」 

加賀「……行きたいところがあるのよ、あなたと」 

提督「……」 

加賀「……駄目、かしら。普段あなたと外出なんて滅多にできないから」 

提督「……」 

加賀「……」 

提督「…………バスローブ取って」 


597: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/29(月) 22:13:36.41 ID:Q+cqPwpNO

< 落ち着いて激情的に > 






高雄「二月二十九日の誕生石はペリドット。花言葉は“ 協調 ”と“ 落ち着き ”」 

提督「……おう」 

高雄「眠いなら」 

提督「いや、駄目だ」 

高雄「はぁ」 

提督「昨日と今日の午前まで遊んでたからな……仕事しねぇと」 

高雄「……コーヒーのお代わり淹れてきますね」 

提督「はいよ。……砂糖とミルク頼む」 

高雄「はい」 






提督「…………これ砂糖五個くらい入ってんだろ」 

高雄「何個、とは指定されませんでしたから」 

提督「…………」 


598: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/29(月) 22:14:10.15 ID:Q+cqPwpNO

< 忘れた方がいいこと程 > 






高雄「今日の誕生花は勿忘草。花言葉は“ 私を忘れないで ”」 

愛宕「あの子どうなったのかしらね」 

高雄「あの子? 」 

愛宕「私の腕吹き飛ばして高雄に腕吹き飛ばされた軽巡の子」 

高雄「……話を全く聞かなくなりましたね」 

愛宕「そう、全く。普通噂なりとも聞こえてくるわよね、近況とか」 

高雄「……」 

愛宕「……」 

高雄「……」 

愛宕「……あんまり考えてて楽しい答えは出てこなさそうね」 

高雄「……そうね」 


599: ◆5z7C0EoTrg 2016/02/29(月) 22:15:30.26 ID:Q+cqPwpNO

< 独り寝もまぁ悪くない > 






提督「今日のカクテルはスクリュードライバー。 
カクテルワードは“ 人生の質を上げる技量を持った敏腕家”、だ」 

漣「よく分かんないですね」 

提督「ファイナンシャルプランナーとかその辺だろ、うん」 

漣「そんな適当な」 

提督「……眠い」 

漣「普段の夜戦ではどうともないのに……あっ」 

提督「なに察したんだよ……」 

漣「いーえー? 」 

提督「…………くっそ眠い。寝るわ」 

漣「誰と? 」 

提督「お前指名できんの? 」 

漣「漣に人生を捧げられる方しか漣は指名できませんね」 

提督「そうかい。……賢明だよ、それ」 

漣「最高の反面教師だらけですからねー」 


603: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/01(火) 22:57:53.13 ID:NdUBr59RO

< 風速35mとか意味分かんない > 







江風「わーお、風つっよ」 

海風「提督のお友達とかご両親のお家は大丈夫なんですか? 」 

愛宕「札幌だから余裕とか言ってたし大丈夫でしょ、たぶん」 

江風「これはあれだな」 

海風「? 」 

江風「テートクは絶対やったことあるぜ、WHITE BREATHごっこ」 

海風「あぁ……」 

愛宕「……それは外で馬鹿やるってこと? 冬のせいにして暖め合ったってこと? 」 

江風「そりゃどっちもだよ、当然」 

604: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/01(火) 22:59:17.71 ID:NdUBr59RO

< shiso > 






提督「驚く程全くやる気が起きない」 

高雄「特に驚く程でも」 

提督「もう立ち上がるのも嫌だね」 

高雄「そうですか」 

提督「…………もう座ってるから仕事する方が楽とかいう嫌な考え方に支配されてるんですよ、高雄さん」 

高雄「素晴らしいじゃないですか。早く終わらせましょう」 

提督「…………」 

高雄「…………」 

提督「…………今日は? 」 

高雄「し……オムレツにしようかと」 

提督「? そうか、ふーん? 」 

高雄「はい。……………………我ながら今のは無いわね」

605: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/01(火) 22:59:55.42 ID:NdUBr59RO

< 水着で勝てれば世話ないね、うん > 







高雄「三月一日の誕生石はフローライト。 
石言葉は“ 気さく ”、“ 親しみやすさ ”、そして“ 世話好き ”」 

雲龍「今日はビキニ・デーなのよ」 

高雄「ビキニ環礁のビキニ、ですけれどね」 

雲龍「……つまらないわね、あなた」 

高雄「雲龍さんの面白いは少し特殊でしょう」 

雲龍「そんなこと言われても」 

高雄「そもそも水着の方のビキニ・デーは確か七月でしたよ」 

雲龍「そうなの」 

高雄「……去年雲龍さんに言われた気がしますが」 

雲龍「そうだったかしら。覚えてない」 

高雄「ま、覚えている意味もないですか」 

雲龍「ええ。……今年は海に行けるかしら」 

高雄「行けはするでしょうね。うんざりする程」 

雲龍「…………いっそ水着で出撃しようかしら」 

高雄「止めはしませんよ、止めは」 



606: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/01(火) 23:01:09.49 ID:NdUBr59RO

< ハニカミ王子とかいましたね > 






高雄「今日の誕生花は杏。花言葉は“ 乙女のはにかみ ”」 

愛宕「ん……ーー」 

高雄「? 」 

愛宕「……こんな感じじゃない? はにかみって」 

高雄「いえ…………ーー、ん」 

愛宕「……」 

高雄「……こうでは? 個人差はあるにしても」 

愛宕「えー、目はつぶらない方がいいと思うの。目線って大事よ? 」 

高雄「私は首を動かし過ぎる方がどうかと思うけれど」 





叢雲「……嫌ね、女って」 

Littorio「捨てるよりはよっぽどマシかと」 







607: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/01(火) 23:01:48.79 ID:NdUBr59RO

< なんとなく突っ掛かりたい気分のとき > 






提督「今日のカクテルはサザンスパークル。 
カクテルワードは“ 心に響く言葉で感動させる歌姫 ”、だ」 

漣「アヤ・エイジアみたいな」 

提督「うん? 」 

漣「なんでもないです。……歌姫といえば? 」 

提督「んー、中島みゆきの曲とか中森明菜のアルバムとか」 

漣「や、個人でですよ、個人。いないならいないでいいですけど」 

提督「セリーヌ・ディオンとかマライア・キャリーとかじゃねぇの。 
あと最近ならアリアナ・グランデとか」 

漣「ふーん? 」 

提督「俺そんなに沢山聴くわけじゃないし。それっぽい一般論しか言えないよ」 

漣「いやー、てっきり高雄さんとか愛宕さんの名前が出るかと」 

提督「あいつらは歌姫ってより楽器だしな」 

漣「えぇ……」 

提督「あ? 」 

漣「……そんな真顔で即答って」 

提督「誘導してきたのはお前だろうが。満足だろ? ん? 」 


608: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/01(火) 23:02:18.13 ID:NdUBr59RO

< どんなときでも変わらぬ日々を > 






明石「もう三月ですかー……」 

瑞穂「時の流れは早いものですね」 

明石「一週間前くらいな気がしますよ、ここに来たの」 

瑞穂「楽しいことは早く過ぎていきますから」 

明石「ですねー」 

瑞穂「……」 

明石「……」 

瑞穂「……何食べます? 」 

明石「牛丼、じゃなくて蜜柑とか苺とか、フルーツがいいです」 


609: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/01(火) 23:03:14.66 ID:NdUBr59RO

< どいつくーる > 







GZ「私は怖くないらしい」 

金剛「What? 」 

GZ「怖い必要も無いのだが。……Bismarckのことを恐ろしい、と言っている者がいてな」 

金剛「怖い? 彼女が? 」 

GZ「あぁ。私としては無愛想な私とどこでも溶け込める彼女、比べようも無いように思うのだが」 

金剛「Hmmm……私があなたと出撃して思ったのは」 

GZ「あぁ」 

金剛「あまり変わらないな、くらいデスネー」 

GZ「つまり? 」 

金剛「逆にBismarckは普段笑っているか笑っているか笑っているか酔っているくらいデス」 

GZ「お、おう……」 

金剛「でも戦場では、あー……修羅、みたいナ? 」 

GZ「? 」 

金剛「たぶんその人はギャップが凄い、と言いたいんだと思いマース」 

GZ「ギャップ……」 

金剛「あれだけ怠惰な割に戦場では氷の女神、とかなんとか言われてましたしネ」 

GZ「なるほど、分かった気がする。……ありがとう、金剛」 

金剛「ノンノン。私たち友達、ですからネー」 

GZ「そうか。……なぁ、金剛」 

金剛「ンー? 」 

GZ「non、はフランス語だろう? いいのか? 」 

金剛「…………」 

610: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/01(火) 23:04:09.13 ID:NdUBr59RO

< 可愛い顔ってどんな顔? > 






提督「んー……」 

高雄「っ…………ん」 

提督「……いいね」 

高雄「……あ、く趣味な」 

提督「昼からノーパンだったの、どうだった? 」 

高雄「……後悔してますよ、あなたの前で隙を見せたこと」 

提督「白も肌色も変わらないじゃん? ……ほら」 

高雄「! …………ゃんっ」 

提督「…………叢雲とかに気付かれてたかも」 

高雄「そ、んなことは」 

提督「クク……そういう顔好きだよ。不安そうな切なそうな顔」 

高雄「…………ん」 

616: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/02(水) 21:40:32.42 ID:XxWsbelOO

< くんれん > 






雲龍「……日の出前」 

天城「そうですね」 

雲龍「……頭おかしいんじゃないの」 

天城「提督本人に言ってきたらどうです」 

雲龍「言えるわけないじゃない。頭おかしいんじゃないの」 

天城「……兎に角油断していました。昨夜も普段通りでしたし」 

雲龍「そうね。……これなら寝ない方がよかったわ」 

天城「……」 

雲龍「……」 

天城「……早朝訓練どころか深夜ですよね」 

雲龍「本当。……頭おかしいわよこれ」 

617: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/02(水) 21:42:04.03 ID:XxWsbelOO

< 寒空の下で > 






提督「……真面目過ぎ」 

叢雲「突発的に出撃させられるのは私みたいな駆逐なのよ? 
それなら後援がしっかりしてる保証が欲しいじゃない」 

提督「それでもね。……及第点か? 」 

叢雲「全員まともに起きて海に浮かんでるの見て満足よ。……また寝れば? 」 

提督「示しがつかねぇよそれ。……俺が言うんじゃ駄目なのか? あいつら信じてやれよ」 

叢雲「あんたは海に出ないじゃない」 

提督「…………」 

叢雲「あんたが海に出てまともに私に着いてこられるなら考えてもいいけど? 」 

提督「…………そうしたいのはやまやまなんですがねぇ」 



618: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/02(水) 21:42:51.28 ID:XxWsbelOO

< 寒空と波の間で > 






愛宕「……メイク」 

高雄「……私よりいいじゃない。突然隣で寝ていたはずの人間に叩き起こされたのよ」 

愛宕「……テンション下がるぅ」 

高雄「その割に楽しそうだけれど」 

愛宕「んー、遠足とか部活の朝練みたいな? 遠足も朝練も行ったことないけど」 

高雄「はぁ」 

愛宕「…………」 

高雄「…………」 

愛宕「…………あの二人、ある意味私たちよりよっぽど深いわよね、関係」 

高雄「…………ええ、妬く気も湧かないほどには」 


619: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/02(水) 21:43:30.42 ID:XxWsbelOO

< 良心と誘惑と > 







明石「これよく考えなくても私だけ無駄な感じなんじゃ」 

明石「…………」 

明石「…………」 

明石「…………」 

明石「…………」 

明石「今日は徹夜してましたし……工具とか設備の点検を早朝から一人でするってのも、うーん」 

明石「…………」 

明石「…………」 

明石「…………」 

明石「…………」 

明石「…………誰も見てないし勝手に部屋で寝てきても暴露ませんよね、しませんけど」 



620: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/02(水) 21:44:16.37 ID:XxWsbelOO

< 皮肉くらい受け止められる程ののんびりさを > 






高雄「三月二日の誕生石はモルガナイト。 
石言葉は“ 陽気 ”、“ のんびり ”、そして“ 外向的 ”」 

瑞穂「……のんびりありたいものですね」 

高雄「ええ」 

瑞穂「まさか早朝からいきなり警報が鳴るとは……心臓が止まるかと」 

高雄「それでも総員集まったのは凄いことです。ただのんびりしていたわけではなかった」 

瑞穂「はい」 

高雄「……そもそも瑞穂さんはいいんです。だらけるのとのんびりは違いますから」 

瑞穂「……ま、瑞穂には同衾してくださる殿方がいませんから」 

高雄「…………」 

621: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/02(水) 21:45:15.64 ID:XxWsbelOO

< 愛の種類を数えてみよう > 






高雄「今日の誕生花はストック。花言葉は“ 永遠の美しさ ”、“ 愛の絆”、そして“ 豊かな愛 ”」 

叢雲「悪かったわね、今日は」 

高雄「いえ、必要なことでしたから」 

叢雲「……せめて知らせておくべきだったわ、二人には」 

高雄「まぁ、さすがに隣に寝ていたはずの相手に、というのは少し驚きましたけれど」 

叢雲「……」 

高雄「……恨むなら適任が他にいますから、やつあたりも甘えも受け入れてくれる人が」 

叢雲「……そ」 

622: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/02(水) 21:46:04.18 ID:XxWsbelOO

< 心があるからこその問題 > 






江風「そろそろだと思うンだよね」 

海風「何が? 」 

江風「江風たちがここから異動になるの」 

海風「あぁ……」 

江風「横須賀なのか呉なのか佐世保なのかどこなのかは分かンないけど」 

海風「……シーレーンの方じゃない? その為に叢雲ちゃんと漣ちゃんだったんでしょ、教師役」 

江風「なるほどな。……それまでにさ」 

海風「うん」 

江風「テートクに、抱いてもらいなよ」 

海風「……海風の問題じゃないから」 

江風「力付くでやっちゃえばなンとかなるじゃン? それにたぶンテートクも抵抗しないよ」 

海風「…………海風ここの人皆好きだから。嫌われたくないもん」 

江風「…………そっか」 



623: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/02(水) 21:46:47.41 ID:XxWsbelOO

< 墓場まで持って行きたいモノが多過ぎる > 






提督「今日のカクテルはソコスパークル。 
カクテルワードは“ 物事をテキパキとこなす多芸多才な人 ”、だ」 

叢雲「……問題なのは」 

提督「あぁ」 

叢雲「私が憎まれ役をしても憎まれないことね」 

提督「そりゃまぁ……あの程度で恨むレベルの女なら俺もそこまで好きにはならないし」 

叢雲「女は兎も角部下なんて好みで選べないでしょう、特に軍組織では」 

提督「結構選べるものだろ。正規の方法かどうかは別にして」 

叢雲「…………」 

提督「…………」 

叢雲「…………あんたまさか私や漣の異動にも」 

提督「さぁ? 関わってたとして、どうなんだ? 」 


628: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/03(木) 23:02:18.17 ID:CnvdWBJoO

< 飾りをつけましょー > 






雲龍「桃の節句」 

天城「雛祭りですね」 

雲龍「……女の子の日」 

天城「……女の子の日ですね」 

雲龍「……今月どう? 」 

天城「…………」 

雲龍「…………」 

天城「…………」 

雲龍「? 」 

天城「…………あの、ドン引きしてるんですけれど」 


629: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/03(木) 23:03:26.27 ID:CnvdWBJoO

< 大体そこそこ恐らく冗談 > 






漣「雛人形とか無いんですか? 」 

提督「無いね」 

愛宕「白酒とあられなら用意したわよ? あとちらし寿司」 

漣「わーい」 

提督「わーい」 

愛宕「ちらし寿司は高雄と雲龍担当だからどうなるかは知らないけど」 

漣「楽しみですねー。……ご主人様は白酒が本命でしょうねぇ」 

提督「ばーか。コスプレした女の子に決まってんだろ」 

愛宕「え? 」 

提督「え? 」 

愛宕「……天城? それとも瑞穂? 」 

提督「…………してくれないの? 」 

愛宕「…………馬鹿なの? どれだけ用意が面倒だと思ってるのよ。そもそも脱衣自体ーー」 


630: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/03(木) 23:04:15.15 ID:CnvdWBJoO

< 人は皆できないことを望むもの > 






明石「あれ片付けが遅れると結婚できないとか遅れるとか誰が考えたんでしょう」 

漣「さぁ……叢雲ちゃんとか天城さんなら知ってるかもですけど」 

明石「まぁ、別に興味もないんですが。……最初から結婚できないですし」 

漣「ですねぇ」 

明石「……フランスとかだと事実婚とかの方が多いらしいですよ。 
それでも必要な福祉は受けられるとか」 

漣「はぁ。……でも漣たちかなり高給取りですしお金は」 

明石「…………」 

漣「…………」 

明石「…………好きなものを嫌いになる方法知りません? 」 

漣「嫌という程近くに感じるとか? 」 

明石「……それができればねぇ……溺れる方が早そうです」 


631: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/03(木) 23:05:23.49 ID:CnvdWBJoO

< 禍福と人は糾える縄の如し > 






高雄「三月三日の誕生石はルチルクォーツ。石言葉は“ 幸せ ”と“ 明るい ”」 

愛宕「幸せ、ってなんなのかしらね」 

高雄「は? 」 

愛宕「どんなものが、じゃなくて。どうして人によって幸せって違うのかなって」 

高雄「それが違うからこそ人間なのでは」 

愛宕「人間じゃなくても同じだけど? 」 

高雄「出来損ないが本物を夢見るのは当然でしょう? 」 

愛宕「あぁ。……本当そうね」 


632: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/03(木) 23:06:18.11 ID:CnvdWBJoO

< 桃のように甘い一夜を毎晩 > 






高雄「今日の誕生花は桃。花言葉は“ あなたに夢中 ”、“ 気立ての良さ ”、そして“ 愛の幸福 ”」 

提督「ピーチリキュールならあるんだけどな」 

高雄「早いです」 

提督「陽が落ちかけてればもう夜みたいなものだろう? 」 

高雄「早く酔ってしまうとあなたとお喋りしても記憶が」 

提督「記憶なんて何度も繰り返して刻み付けるものだろ」 

高雄「だとしても……一つとして忘れたくありませんから」 

提督「…………」 

高雄「…………夢中、ということは。夢と現実の区別がつかない、ということなんですよ、女にとってはね」 

633: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/03(木) 23:07:19.38 ID:CnvdWBJoO

< 迷える程深く興味深い女 > 






提督「今日のカクテルはスプリングオペラ。 
カクテルワードは“ 期待に夢を膨らませる夢見る乙女 ”、だ」 

高雄「その乙女の期待をどれだけ裏切ってきたことか」 

提督「……」 

高雄「そしてそれ以上にどれだけ堕落させてきたことか」 

提督「……お前らが外の世界にいればその比じゃないくらいの男迷わせると思うが」 

高雄「それで? 私はそんなことしてませんけれど」 

提督「…………」 

高雄「…………」 

提督「…………俺はお前に迷わされたと思うぜ? ガチで」 

高雄「だとして。何か問題が? 」 

提督「あるに決まっ…………うーん」 

634: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/03(木) 23:08:20.48 ID:CnvdWBJoO

< けー年齢っか > 






愛宕「頑張るから、捨てないで……お願い」 

提督「いや、そういう問題じゃない」 

愛宕「やっぱり若い子がいいの? 」 

提督「普通そうだと思うよ」 

愛宕「少し傷があるからって……新品には負けてないつもりよ? 」 

提督「愛着と現実はまた違うものだろ」 

愛宕「そんなぁ……くすん」 

提督「……」 

愛宕「……」 

提督「……あのさ、耳の日だからって高雄がシャワー浴びてる間に耳掻きして俺の耳掻き折ったのお前だよな」 

愛宕「てへっ」 

提督「……あれ結構長く使ってたんだけど。愛着あったんだけど」 

愛宕「……ごめんなさい」 



635: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/03(木) 23:09:00.65 ID:CnvdWBJoO

< 勝つのではなく負けないことこそ > 






加賀「この国にとっての勝利、とは」 

明石「ええ」 

加賀「……何なのかしらね」 

明石「さぁ? 私はただの一歯車ですから」 

加賀「……戦争を始めることがそもそもの勝利であり終点であり意義だとしたら」 

明石「はい」 

加賀「…………」 

明石「…………」 

加賀「…………ま、そんなことを考える必要もなくすることは変わらないのだけれど」 

明石「変わらないことが問題なのでは? 」 

加賀「……解決方が無いもの。考えない方がいいわ」 

636: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/03(木) 23:10:06.86 ID:CnvdWBJoO

< 林檎を勧めた蛇の瞳は何色だったろうか > 






提督「高雄の目、好きだよ」 

高雄「はい? 」 

提督「気にしてるみたいだから」 

高雄「……赤目、なんてアルビノみたいで気持ち悪いでしょう」 

提督「気持ち悪い女好きになる男に見えるのか? 」 

高雄「正直に言えば。趣味が良いとは言えませんね」 

提督「そ。……ま、俺はお前の目が気持ち悪いなんて思ったことはないよ。 
ましてやアルビノがどうとかも思わないさ」 

高雄「…………」 

提督「…………」 

高雄「…………私はあなたみたいな深い黒の目が好きですけれどね」 

提督「さんきゅ。……さんきゅ? 」 

高雄「褒めてますよ。……最高に」 

643: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/04(金) 23:32:55.55 ID:Nf6YbDq7O

< ペアルックって気分でもない > 







提督「雛祭りは女の子を愛でる日、うん、間違ってないはず」 

高雄「……タートルネックを着るつもりではなかったのですけれど」 

提督「……似合うしいいじゃん? 」 

高雄「まだあなたにも見せていない服だったのに」 

提督「……」 

高雄「……」 

提督「……じゃあ俺の首筋にも跡付けてく? 」 

高雄「……ばか」 


644: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/04(金) 23:34:16.07 ID:Nf6YbDq7O

< 暇を無駄にはしない、ということ > 






雲龍「今日も今日とて暇ね」 

天城「はぁ」 

雲龍「もちろん暇に越したことは無いけれど」 

天城「……いつまでこの平穏が続くのか」 

雲龍「さぁ」 

天城「……葛城といつか肩を並べて戦うことになるのでしょうか」 

雲龍「あるかもしれないわね。……だとしても」 

天城「はい」 

雲龍「それを望むのは間違ってると思うわ」 

天城「……そうですね」 

645: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/04(金) 23:35:06.23 ID:Nf6YbDq7O

< 言わなくてもいいことって最初は名案に思えるものなんだ > 






海風「好きな人、できそう? 」 

江風「さぁ、できてほしい? 」 

海風「別に。でもなんとなくいてほしいかなって」 

江風「っても相手がね。……あぁ」 

海風「うん? 」 

江風「テートクの子供が男の子だったらいいかもな」 

海風「あっ」 

江風「……うン? 」 

海風「似てるといいね、提督とお子さん。…………ふふ」 



646: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/04(金) 23:36:19.24 ID:Nf6YbDq7O

< シェイクの手捌きを眺めるところから > 






高雄「三月四日の誕生石はブルーサファイヤ。 
石言葉は“ 文化的 ”、“ 表現豊か ”、そして“ 微笑み ”」 

加賀「同じ名前のカクテルがあったわね」 

高雄「それってどんなカクテルですか? 」 

加賀「覚えてないわ。甘かった気もするし、酸味が効いていた気もするし」 

高雄「……加賀さんでも味を覚えていないことなんてあるんですね」 

加賀「それよりも夢中になれることが目の前にあるときには」 


647: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/04(金) 23:36:50.47 ID:Nf6YbDq7O

< 自慢できるもの、こと > 






提督「まぁ、単純に嫁」 

高雄「料理、でしょうか」 

愛宕「料理は被るとして編み物とか」 

天城「和琴ですね」 

雲龍「……歌」 

加賀「利き酒」 

明石「大特とか牽引とか持ってます」 

Littorio「……明石」 

明石「いや、分かってますけどね、大特とか大して難しいわけでもないことなんて」 

Littorio「あの、そうではなくてですね……」 

648: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/04(金) 23:37:26.50 ID:Nf6YbDq7O

< どう考えても届かないのにやってしまうことがある > 






高雄「今日の誕生花はラズベリー。花言葉は“ 深い後悔 ”と“ 愛情 ”」 

提督「ん、後悔といえばさ、なんかあれだな」 

Littorio「ええ」 

提督「……不味いとは言わないけど色々足りなかったよな」 

Littorio「そうですね」 

提督「今思えばなんであんな安ワイン買ったんだろう」 

Littorio「さぁ? あのときはLittorioもあなたも酔っていましたし」 

提督「確か唐突に安ワイン飲みたいって思って通販したんだよな」 

Littorio「サイトを見ているときがピークでしたね」 

提督「あぁ」 

高雄「…………愛すべき馬鹿、にも限度があるんですよ」 

649: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/04(金) 23:37:54.11 ID:Nf6YbDq7O

< 二人で選んだのなら二人で楽しむべきで > 






提督「今日のカクテルはテキーラサンライズ。 
カクテルワードは“ 新しいものを思い付く想像力豊かな人 ”、だ」 

Littorio「高雄はもう? 」 

提督「部屋に戻ったんじゃないか、たぶん」 

Littorio「……そう」 

提督「お前は? 戻るか? 」 

Littorio「いえ……失せろと言われれば失せますけれど」 

提督「そ。……安ワインも飽きたし。ネモでも飲むか。この前一緒に買ったんだよね」 

Littorio「あらあら……」 

650: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/04(金) 23:38:32.17 ID:Nf6YbDq7O

< 行き詰まったときは > 






漣「ふぁっきゅークソプレイヤー」 

明石「やっぱり最大の敵は味方なんですねぇ」 

漣「明石さんもやってくれません? これさすがに漣ひとりだけだとしんどいんですけど」 

明石「や、これからお風呂行かなきゃですし。 
今バトルフロント始めるとそれ行けなくなっちゃいますから」 

漣「……ルーム変えよ」 

明石「それがいいですよー。ゲームでも現実でも」 

651: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/04(金) 23:39:52.28 ID:Nf6YbDq7O

< 酔ってるから。きっと、そう > 







提督「……? 」 

Littorio「……? 」 

提督「…………お前こんな童顔だったっけ」 

Littorio「特に変わりは無い筈ですけれど」 

提督「……」 

Littorio「……合法ですよ? たぶん」 

提督「そういうことじゃないんだが。…………なんでお前を嫌うやつがいたのかなって」 

Littorio「……その話、したくありません」 

提督「……綺麗なものを綺麗と言えない心を」 

Littorio「__さん」 

提督「……ん」 

Littorio「そういう顔をあなたがしてくれる、それだけで満足できる浅い女がまともなはず、ないでしょう? 」 


652: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/04(金) 23:40:19.76 ID:Nf6YbDq7O

< 似合うのもそれはそれで > 







明石「ひえー」 

漣「おかえりなさい明石さ……なんで泥酔してんのこの人」 

瑞穂「お風呂に加賀さんと天城さんがいまして」 

漣「あぁ……お風呂で回り早かったんですね」 

明石「えへへー……漣ちゃーん」 

漣「はいはい、なんですかー? 」 

明石「イ・イ・コ・ト、しましょ? 」 

瑞穂「……お部屋に戻りますよ、明石さん」 

明石「ふえー? 」 

漣「……………………似っ合わな」 


653: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/04(金) 23:40:59.78 ID:Nf6YbDq7O

< なまなま > 






愛宕「二人でいるのってもしかして久し振り? 」 

高雄「そう、かもしれないわね」 

愛宕「んー……シスターズトークでもしちゃう? 」 

高雄「いいけれどそれはどういう」 

愛宕「彼氏の好きなところ? 」 

高雄「顔ね」 

愛宕「へぇ? 」 

高雄「性格なんて合うのが前提だし……そういうものじゃないかしら」 

愛宕「否定はしないけど」 


657: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/05(土) 22:19:56.90 ID:yYSQ0cREO

< アシュラマンかグリーヴァスか > 






Littorio「手」 

提督「うん? 」 

Littorio「手、何本あるんですか? 凄過ぎません? 」 

提督「二本じゃない? 見た感じ」 

Littorio「はぁ……握ってください」 

提督「ん……」 

Littorio「……」 

提督「……」 

Littorio「……何人の女の情念が染み付いているのでしょうね」 

提督「いやいやいや……うーん」 


658: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/05(土) 22:20:43.59 ID:yYSQ0cREO

< どうするのがいいのか > 






高雄「三月五日の誕生石はアンバー……なのですけれど」 

提督「うん? 」 

高雄「よくよく思い出してみると昨日で一周してるんですよね」 

提督「はーん……」 

高雄「全て覚えているわけでもないですけれど……また続けます? 」 

提督「どっちでも。ティータイムの適当な話題作りの為に始めたんだしな」 

高雄「はぁ」 

提督「……世の中には誕生鳥とか誕生星とかあるらしいぞ。あと果物とかも」 

高雄「……考えておきますね」 


659: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/05(土) 22:21:27.99 ID:yYSQ0cREO

< 無限のパワー > 






雲龍「馬力はパワー、パワーは性力。つまり性欲の強さは実艦の馬力に左右されていたのよ」 

明石「なんですそのトンデモ論」 

雲龍「私は15.2万、Littorioは14万、高雄たちは13万、加賀さんは12.5万。ね? 」 

明石「ね? じゃないです。……さすがに私が1万と少しってことはないでしょう」 

天城「しかもその理論で言えば天城も姉様と同じ、ということに」 

雲龍「? 違うの? 」 

天城「違います、絶対に」 






叢雲「……5万馬力」 

漣「漣も叢雲ちゃんと同じってのは不服ですねー」 

叢雲「あぁん? 」 

海風「海風たちは4.2万馬力だね。……微妙? 」 

瑞穂「…………1.5万ってやや枯れているんでしょうか。 
明石さんと同じってのもよく分かりませんし」 


660: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/05(土) 22:22:16.68 ID:yYSQ0cREO

< 実に説得力のある > 






GZ「20万馬力だ。今の私にはそれ程の力は無いが」 

龍田「あらぁ~ ……」 

GZ「……む」 

龍田「……腕相撲でもする? 」 

GZ「腕相撲? 」 

時雨「arm wrestling……Armdrückenのことだよ」 

GZ「なるほどな。……したいのか? 」 

龍田「全く」 

GZ「……」 

時雨「……面倒な性格なのは大体提督の所為だよ」 

GZ「……あぁ」 

661: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/05(土) 22:23:29.12 ID:yYSQ0cREO

< バイト巫女も侮れない > 






GZ「今日はこの国では巫女の日らしい」 

霧島「なるほど」 

GZ「あぁ」 

霧島「……巫女? 」 

金剛「巫女じゃないデース」 

GZ「そうか……違うのか」 

霧島「落ち込む意味が……巫女って海外でも人気なんでしょうか。さすがにNINJAよりは弱いような」 

金剛「この国でもシスター……修道女とか人気じゃないデスカ。マイシスター」 

霧島「……なるほど」 


662: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/05(土) 22:24:05.36 ID:yYSQ0cREO

< 一周したし……本当どうしようか > 






提督「とりあえず俺の好きな銘柄でも紹介していくか」 

明石「そんなの一緒に飲んでるんだから普通に分かりますけど」 

提督「まぁまぁ。どうせ飲むのは変わらないんだからトークの肴だと思って」 

明石「はぁ」 

提督「ま、初回だし……シングルモルト余市15年で」 

明石「45度ってそれ……あぁ」 

提督「香るだろ? 酸味と甘みが半々に」 

明石「……香りだけで酔えますね」 

提督「トリップ、と言ってもらおうか。……ピート香とか最高だね」 






雲龍「…………値段が」 

愛宕「そういえば貧乏設定だったわねぇ~ 」 

雲龍「は? 設定とか言うんじゃないわよ、まったく」 

663: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/05(土) 22:24:55.45 ID:yYSQ0cREO

< ウイスキーNINJA > 







提督「高雄」 

高雄「ここに」 

提督「……宮城峡SHERRY&SWEET」 

高雄「分かりました」 

提督「頼む。……吸いたくなってきた」 

愛宕「吸えばいいじゃない」 

提督「我慢するのが習慣っていうか。……我慢して我慢して極限まで我慢していいセックスした後まで残しておくんだ」 

愛宕「……それは欲望に忠実なのか違うのか」 

提督「欲望を満足させることに忠実なんだよ」 



664: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/05(土) 22:25:24.58 ID:yYSQ0cREO

< まぁ、それが翌日の命取りなんですけどね > 






雲龍「ウイスキーはラッパ飲みするものじゃないわよ」 

提督「最後の一杯分だし許してくれ」 

雲龍「……今日はもうやめた方が」 

提督「んー……やばそう? 」 

雲龍「いえ、まだいけそうには見えるけれど」 

提督「……あと少し、少しだけ」 


665: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/05(土) 22:26:08.87 ID:yYSQ0cREO

< パーソナルスペース > 







江風「テートクって本当に人間なのかよ」 

海風「今日はいつになく飛ばしてるよね」 

江風「結構一緒に飲んでるはずなのに江風、テートクが酔い潰れてるの見たこと無いし」 

叢雲「無い方が幸せよ、そんなの」 

江風「ン? 」 

叢雲「意味不明なジョーク飛ばしてぶっ倒れたときなんて最悪だったわ」 

海風「そんなことが……」 

江風「江風は見てみたいけどな。どうせ介抱するのは江風じゃないし」 

漣「高雄さんか愛宕さんか、それか叢雲ちゃんだもんねー。ご主人様の寝室入るの許されるのって」 

叢雲「私は入ったことないわよ? ……これからも入る予定なんて無いし」 

672: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/06(日) 22:59:29.34 ID:EYFhposRO

< あと少し、とかもうちょっと、とかいう曖昧さ > 







雲龍「ん……この歯ブラシ寿命かも」 

天城「ですね」 

雲龍「……」 

天城「……」 

雲龍「……」 

天城「……替えないんですか? 」 

雲龍「何故? 」 

天城「…………いえ」 


673: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/06(日) 23:00:50.43 ID:EYFhposRO

< 花を見ながらあなたとでも、団子を食べながらあなたとでも > 






高雄「誕生花って」 

提督「うん」 

高雄「何種類かあるので被らせなければ数年できそうですよ」 

提督「へぇ……」 

高雄「ま、今日は調べてもいないのですけれど」 

提督「別に、お前とお喋りできればいいし……好きな花は? 」 

高雄「……アザレア、でしょうか。白と赤のコントラストが強い種のが特に」 

提督「そっか」 

高雄「はい」 

提督「……俺は花より団子だけどな」 

高雄「団子」 

提督「団子。……高雄はどっちも兼ねててお得だね」 

高雄「……なんと答えればいいのか」 

674: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/06(日) 23:03:06.52 ID:EYFhposRO

< さて、何の色だろうか > 






提督「じゃあ、好きな色は? そういや聞いてない」 

高雄「黒ですね」 

提督「即答か」 

高雄「あなたの瞳の色が好きですから」 

提督「……」 

高雄「もちろん、私自身の髪色も気に入ってますけれど」 

提督「……俺は」 

高雄「水色と赤と白と紫と黒、でしたっけ? 」 

提督「…………その理論なら大概の色好きだけどな」

675: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/06(日) 23:03:41.37 ID:EYFhposRO

< つまりそういうこと > 






漣「高雄、雲龍、明石、瑞穂、Littorio……あと場合によっては海風」 

瑞穂「? 」 

漣「愛宕、天城、ときどき江風」 

瑞穂「……? 」 

漣「結論。長女はエロい、次女もエロい」 

瑞穂「……」 

叢雲「馬ッ鹿じゃないの。…………ちなみに私は五女だけど? 」 

漣「そんなに盛った両親の子がエロくないわけないね。つまり叢雲ちゃんはむっつり」 


676: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/06(日) 23:04:54.92 ID:EYFhposRO

< 結局どちらも褒めてない > 






雲龍「今日は弟の日らしいわ」 

天城「姉様に弟がいなくてよかったです」 

雲龍「え? 」 

天城「教育に悪いですからね」 

雲龍「そう? 」 

天城「……天城は嫌ですよ。近親で何かあるのなんて」 

雲龍「何を今更。……じゃああの人に姉妹がいるのとどちらが心配? 」 

天城「そんなの姉様に決まっているでしょう。 
いくら彼が考えられない程のクズだとしても考えるまでもありませんね」 

雲龍「…………」 


677: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/06(日) 23:06:31.23 ID:EYFhposRO

< アイラのクイーンとかなんとか > 






提督「今日の銘柄」 

江風「ン」 

提督「ボウモア12年」 

江風「まーたウィスキー」 

提督「ジャンル指定してくれれはそこから探すけど? 」 

江風「や、別に江風もウィスキー嫌いじゃない」 

提督「嫌いだとここでは生きていけないからな」 

江風「たかが酒で、……なンて言えないのが困るね、ここ」 

提督「困るか? とりあえずそこそこリーズナブルだから買いやすいぞこれは。 
ピート香も弱めだから飲み始めには割と飲みやすい」 

江風「ふーン? 」 

提督「ニッカじゃなくてサントリー傘下。スコッチだぞ」 

江風「江風はそンなこと興味ないよ。美味いか不味いか、それしか意味なンて無い」 

提督「正論だな。……乾杯」 

江風「……ン」 

678: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/06(日) 23:07:42.51 ID:EYFhposRO

< 割と反応が面倒なとき > 






漣「明石さんに言いたいネタがあるんだよね」 

叢雲「はい? 」 

漣「ピンクは淫乱ってやつ」 

叢雲「またネット? 」 

漣「そう。でもさー」 

叢雲「あなた自分もそうだものね」 

漣「現在進行形実体験で否定できちゃってるんだよー」 

叢雲「……そう? 」 

漣「叢雲ちゃんが淫乱だって認めるなら認めてもいいよ? 」 

叢雲「はいはい、清楚清楚。むっつりの私より可愛らしい子ですねー」 

漣「む……」 


679: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/06(日) 23:09:39.19 ID:EYFhposRO

< 好みだからね、仕方ないね > 






提督「これでも俺さ」 

海風「はい」 

提督「酒飲み始めは焼酎とかの匂いきつ過ぎて苦手だったんだぜ」 

海風「それは……意外ですね」 

提督「あの頃はハイボールとかビールばっかだったなぁ」 

海風「今では全くそんなことありませんけど」 

提督「……ハイボールからのウィスキーにハマってさ。 
ウィスキーの匂いに比べれば焼酎なんて香り高いジュースみたいなものだし」 

海風「ジュース? 」 

提督「焼酎好きには悪いけどさ。俺根っからのウィスキー好きだし」 

海風「んー……」 

提督「海風もさ、本当に好きなもののことって他人事を慮る余裕無いだろ? 」 

海風「……お酒は提督の好きなものが好きですけど? 」 

提督「…………そっか」 


684: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/07(月) 23:17:21.60 ID:ucVgHcLfO

< ニットミニワンピとかエロいからね、仕方ないね > 






愛宕「ん……まだ昼前よ? 」 

提督「それで? 」 

愛宕「……夜になって揶揄われるじゃない」 

提督「嫌? 」 

愛宕「嫌じゃないけど。……いやらしいわねぇ~ 」 

提督「卑しくはないし、うん」 

愛宕「んー……」 






海風「…………」 

江風「…………」 

海風「…………セクハラってなんなんだろうね」 

江風「…………そのまま次のステップ行けばセクハラじゃないンじゃないか?」 

685: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/07(月) 23:18:39.71 ID:ucVgHcLfO

< なんともいえない > 






高雄「三月七日の誕生色はサーモンピンクです」 

雲龍「誕生なんとかって色々あるのね」 

高雄「人は何でも当てはめたい生き物なのでしょう」 

雲龍「……それは構わないけれどレッテル貼りはやめてほしいものね」 

高雄「……色言葉は“ 優しさ ”、“ 気遣い ”、そして“ 感性”」 

雲龍「……サーモンピンク」 

高雄「はい」 

雲龍「…………そういえば心なしか黒ずんだ気もするわ」 

高雄「…………」 


686: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/07(月) 23:19:06.10 ID:ucVgHcLfO

< いっきにカゴ埋めた方がいいから仕方ない > 






提督「本日のカクテルでございますお嬢さん」 

Littorio「ネタが尽きてしまったのでは? 」 

提督「あぁ。だから適当に飲んだこと無いカクテルとか好きなカクテルをネタにしてみる」 

Littorio「はぁ」 

提督「ってことで今日はオリンピックだ」 

Littorio「オリンピック……へぇ」 

提督「別に含みはないぜ? ただ最近よく聞くしね、単純に」 

Littorio「何も言ってませんよ。……ブランデーベースですか」 

提督「スクリュードライバーのウォッカをブランデーにした、と言えないこともない」 

Littorio「そんな大雑把な。ブランデーは? 」 

提督「ドンピエールV.S.O。ちなみに」 

Littorio「ニッカ? 」 

提督「おう。よく分かってるじゃないか」 



687: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/07(月) 23:19:58.59 ID:ucVgHcLfO

< 今日も他愛無き会話が世界を彩る > 






提督「俺らって」 

愛宕「ええ」 

提督「なんか話が合って盛り上がるようなことあったっけ? 」 

愛宕「……無いわね。お酒くらい? 」 

提督「だよな。……なんでまともに付き合い続くんだ? 」 

愛宕「さぁ? 好きだから、じゃ駄目なの? 
私あなたといてつまんなかったことなんて殆ど無いわよ」 

提督「ありがと。……殆ど? 」 

愛宕「私が北海道住めばそれも楽しく思うかもしれないけどね」 

提督「……あぁ」 


688: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/07(月) 23:21:05.57 ID:ucVgHcLfO

< 理由や切掛はなんだっていいんだ > 






愛宕「でもあなたがあなたでよかったわ」 

提督「うん? 」 

愛宕「隣歩くにしてもヤるにしても抱き枕にするにしても身長が合うもの」 

提督「そうか。……抱き枕? 」 

愛宕「私女だとかなり身長高い方だし。ヒール履いても余裕で私より高いのはなかなか」 

提督「他の男の隣歩いたこと無いだろうが」 

愛宕「無いと思う? 本当に」 

提督「……無いだろ? 」 

愛宕「さてさて……不安なら訊いてみる? 」 

提督「あん? 」 

愛宕「カ・ラ・ダに」 


692: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/08(火) 22:50:03.12 ID:5jt5vGgjO

< 代表も通販も凄いと思う > 






叢雲「卓球? 」 

江風「しようぜ! 」 

叢雲「構わないけど殆ど経験なんて無いわよ」 

江風「いいっていいって。江風もやったこと無いし」 

叢雲「まぁ、いいわよ」 

江風「いやー、世の中凄いもンだな。テレビで卓球観て注文したらすぐ届いたよ」 

叢雲「そ、確かに凄…………は? 」 

693: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/08(火) 22:50:52.70 ID:5jt5vGgjO

< さもなくば昼間からつまみばかり並ぶ > 






提督「炒飯? いいけど唐揚げかなんか頼む」 

愛宕「えー、揚げ物めんどーい。つくるなら自分で揚げてよ」 

提督「あのさ……いや、普段全部任せてるから大きなこと言えないけど」 

愛宕「というか炒飯とのコンボで重いのは兎も角餃子とかじゃない? 炒飯には」 

提督「そうか? 」 

愛宕「別にどっちでもいいけど」 

提督「うん。……つーかさ」 

愛宕「ええ」 

提督「俺が副菜まで自由につくっていいのか? いいならつくるが」 

愛宕「……唐揚げね、唐揚げ。あとサラダでも」 


694: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/08(火) 22:52:16.95 ID:5jt5vGgjO

< 達観と諦念の違いとは > 






高雄「今日の誕生色は紅梅色。色言葉は“ 愛情 ”、“ 安定 ”、そして“ 女性らしさ ”」 

天城「雲龍姉様にはもう少し女性らしさというものをですね」 

雲龍「え? 」 

天城「はい」 

雲龍「スタイル良し、料理もまぁ並以上、ベッドでも楽しめる。……どこが女らしくないの? 」 

高雄「自己評価が……間違ってはいませんけれど」 

天城「女性らしさ、の理想形を目指してほしい、と言いたいのですよ、天城は」 

雲龍「理想形じゃないの? 」 

提督「……都合の良い女止まりでいいなら理想の女かもな」 

雲龍「そ、私はそれでいいわよ。弁えないと」 

高雄「……」 

天城「……」 

提督「……そっか」 

雲龍「ええ」

695: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/08(火) 22:53:06.82 ID:5jt5vGgjO

< まぁ、事実だし > 






雲龍「イカ臭いわね」 

天城「肴が烏賊ですからね」 

雲龍「そんなに似てると思う? 」 

天城「天城の話を……まぁ、似ていないこともないのでは」 

雲龍「そう……」 

加賀「イカ刺しには生姜でしょう。生姜になさい」 

海風「別に山葵でいいと思いますけど」 

加賀「分かってないわね、実によろしくない」 

瑞穂「……瑞穂はお刺身より炒めてマヨネーズを絡めた方が」 

明石「それ絶対邪道ですよぉ、イタリアではどうだか知りませんけど」 

江風「…………なンにせよ議論とか趣味がおっさンくさいな」 

愛宕「ん? だってそれは」 

江風「それは? 」 

愛宕「ボスがおじさんだもの」 

江風「あぁ。……本人が聞いたら割とヘコみそうだなぁ」 


696: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/08(火) 22:53:48.95 ID:5jt5vGgjO

< おーしゃーんぜりーぜー > 






提督「今日のカクテルはシャンゼリゼだ」 

Littorio「……フランスの」 

提督「そうだな。……ブランデーベースにシャルトリューズ・ヴェール、レモンジュースとビターズ。 
結構面倒と言えば面倒なカクテルかな」 

Littorio「シェークのカクテルは大体面倒に見えますね」 

提督「実際慣れるとそうでもないけどな。俺なんてプロじゃないから見様見真似だし」 

Littorio「……辛いのね」 

提督「まぁ、ブランデーベースな上にヴェールはミント系のハーブリキュールだからな」 

Littorio「……こういうとき、甘いものが欲しくなりますね」 

提督「ふーん? 冷やしたチョコとかアイスならあるけど」 

Littorio「もっと甘いもの、あるでしょう? ここに」 

提督「……ん」 

Littorio「ん…………では、今夜はこれで。美味しいカクテルととても甘いものをありがとう」 

提督「…………いーえ。またどうぞ、signorina」 


701: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/10(木) 22:18:51.34 ID:Gt0Zrn26O

< 3月9日なので > 






漣「瞳をとーじれーば」 

雲龍「見える灯り? 」 

天城「あなたがまぶたのうらに? 」 

明石「きこえてくるあなたの声? 」 

雲龍「……明石のそれ瞳じゃなくて目じゃなかった? 」 

明石「あれ、そうでしたっけ」 

天城「JUJUのただいま、でしょう? 目、ですよ」 

明石「なるほど。……雲龍さんのやつ分からないんですけど」 

雲龍「カサリンチュ、知らない? 」 

明石「いやあ、ちょっと知らないです」 

漣「ひーとみーをとーじてー……はちょっと違うか」

702: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/10(木) 22:19:37.89 ID:Gt0Zrn26O

< リメイク版も割と観てみたい > 






海風「そういえば日蝕見た? 」 

江風「あっ」 

海風「残念、というか見えたのかな。帝都は雨だったみたいだし」 

江風「さぁね。……よく考えたらどうせ夜のニュースとかで見れるじゃン」 

海風「うん。……時代が時代なら海風たちなんて恐れられたり不吉な存在として生贄になってた日かも」 

江風「あぁ、ギガゾンビみたいな祭司とかが」 

海風「ギガゾンビ? 」 

江風「そうギガゾンビ。ギガゾンビ知らない? 」 

海風「知らないけど。FPSかなんかの敵? 」 

江風「oh……これがジェネレーションギャップ」 

海風「海風も大して変わらないじゃん……」 


703: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/10(木) 22:20:19.76 ID:Gt0Zrn26O

< 難しいようで実は簡単な話 > 






高雄「三月九日の誕生色は珊瑚色。色言葉は“ 意欲 ”、“ 勇猛 ”、そして“ 外交的 ”」 

Littorio「珊瑚、なんて見ない方がいいですよね」 

高雄「まぁ、遊びにでも行かない限り沈むということですから」 

Littorio「ええ。……珊瑚色? 」 

高雄「一応ピンクっぽい感じの色ね。珊瑚には紫とかオレンジもあるけれど」 

Littorio「wheatなのかfleshなのかpale orangeなのか、みたいな」 

高雄「肌色の話ですか。……しかし私の感覚としてはあなたの肌も肌色と形容してしまいますけれどね。面倒ですし」 

Littorio「それはそうでしょう。whitishなんて言われてもそちらの方が不愉快ですから、Littorioは」 


704: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/10(木) 22:20:54.98 ID:Gt0Zrn26O

< こそこそ話 > 






加賀「軽巡と潜水艦が足りないわ」 

明石「や、軽巡は兎も角潜水艦とかいてもね」 

雲龍「でも潜水艦が着任すればそれを働かせてここのポイントにできるんじゃ」 

明石「わーお、ブラックぅ」 

瑞穂「しかし何故帝都は戦力をわざわざ分散しせるのでしょうね。 
これでは勝てる戦闘も勝てません」 

加賀「勝つ気なんてないのよ、そもそもね」 

瑞穂「え? 」 

加賀「なんでもないわ」 






雲龍「…………私はそれでいいですけど。死にたくなんてないですから」 

加賀「まったくね」 

705: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/10(木) 22:21:34.31 ID:Gt0Zrn26O

< !owa > 






提督「今日のカクテルはアメリカン・ビューティーだ」 

愛宕「ふーん? 」 

提督「や、特にchoiceに意味は無いわ! 」 

愛宕「そう」 

提督「brandyをbaseにvermouthなどを混ぜる難しいcocktailよ! 」 

愛宕「納得できるまで五杯も駄目にしたものね」 

提督「自分で飲んだしいいだろ。……lastのport wineが難しいの! 」 

愛宕「……」 

提督「……」 

愛宕「……それ男がやっても鬱陶しいだけだからやめたら? 」

706: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/10(木) 22:22:20.94 ID:Gt0Zrn26O

< 面倒でも反応はしてくれる > 






提督「たかおーん、愛宕がいじめるー」 

高雄「あなたが悪いのでは」 

提督「冷たい……愛、愛ってなんだ」 

愛宕「好きな人が馬鹿なことしてたら止める勇気でしょ」 

高雄「ですね」 

提督「えぇ……」 

高雄「それより寝ましょう。今日は少し、疲れました」 

愛宕「そうね」 

提督「あたごーん、たかおーん」 


707: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/10(木) 22:22:51.74 ID:Gt0Zrn26O

< 3/10 > 






瑞穂「東京大空襲から七十一年」 

加賀「そうね」 

瑞穂「瑞穂たちが言うのはおかしいかもしれませんけれど」 

加賀「ええ」 

瑞穂「敵が人間で、民間人を標的にする作戦が無いのは不幸中の幸いに思います」 

加賀「……」 

瑞穂「……」 

加賀「……もしそれが任務になれば、あなたは従えるかしら」 

瑞穂「……さぁ、でもできればできない方が嬉しいですよ、今の瑞穂には」 


708: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/10(木) 22:23:28.79 ID:Gt0Zrn26O

< あり過ぎるのも困りもの > 






高雄「三月十日の誕生色はシグナルレッド。 
色言葉は“ 持続力 ”と“ 指導者 ”」 

雲龍「欲を言えば持続力をもう少しどうにかしてほしいね」 

提督「いや、割と長い方だと思うよ、俺は」 

雲龍「一度挿れたら三時間くらいは」 

提督「ばっかじゃねぇの」 

雲龍「……そう思わない? 」 

高雄「何故私に。……私は嫌ですね」 

提督「ふーん? まぁ無理だけど女の子はやっぱ長い方がいいんじゃないの? 」 

高雄「短いのはさすがにあれですけれど……あなたが一度に三時間もかけていては私が死にます」 

提督「あー……」 

雲龍「それがいいと思うの」 

高雄「一年に一度くらいなら構いませんけれどね。毎回では執務もままなりませんよ、本当に」

709: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/10(木) 22:24:10.14 ID:Gt0Zrn26O

< ある意味救世主 > 






提督「今日のカクテルはホワイト・レディ、だ」 

天城「やはり強めのカクテルが好きなのですね」 

提督「まぁ、ジュースっぽいの飲むならジュース飲んだ方がいいと思うたちではあるよ」 

天城「……長生きできそうもありませんね」 

提督「したいとも思わないからな。……仮にお前らの年齢がそれ以上変わらないとすればさ」 

天城「ええ」 

提督「一番悲惨なのは俺だぜ? 俺だけが年老いて身体が不自由になっていくなんてのは」 

天城「高雄さんたちは嫌がらないでしょう。仮に介護が必要になったとしても」 

提督「だから、俺の問題なんだよ」 

天城「……お気持ちは分かりますけれど」 

雲龍「介護プレイができるんじゃない? 」 

提督「……」 

天城「……」 

雲龍「……」 

提督「……ビーフィーターベースにホワイトキュラソーとレモンジュースだぞ、これ」 

天城「……もう一杯、いただきます」 


713: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/11(金) 23:04:44.79 ID:saAVeCUdO

< 3/11 > 






江風「あれ、テートクは? 」 

愛宕「知事とお話」 

江風「ンー? 」 

愛宕「会食のお誘いは何度もきてたのよねぇ~ 」 

江風「はぁ」 

愛宕「今日が今日だし。あんまり断る理由もこれ以上思い付かなかったの」 

江風「今日が今日? 」 

愛宕「311だからそっち関係の話にどんどん誘導してって他の面倒な話させないようにしようってこと」 

江風「うわぁ……」 

愛宕「でもそっちの方がいいでしょう? 
少なくとも誰かの為にはなるかもしれないじゃない」 

江風「そうだけどさ。……うーン」 

714: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/11(金) 23:06:39.11 ID:saAVeCUdO

< 誰かに会うのっていつになっても緊張するもの > 






提督「なに、なんなのなの。俺が何したっていうの? 」 

高雄「色々と理由を付けて会談も何もかも断っていたでしょう」 

提督「……」 

高雄「……」 

提督「……軍装かったるい」 

高雄「お似合いですよ? 」 

提督「そりゃ俺だしな。……気合い入れよ」 

高雄「……」 

提督「……少し上向いて」 

高雄「……ん」 


715: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/11(金) 23:07:42.90 ID:saAVeCUdO

< なにもかも自分次第だけれど > 






提督「今日の酒はサンテミリオン、だ」 

高雄「部屋に戻ってすぐルームサービスというのはどうなのです」 

提督「今更取り繕う関係でもないだろ。……くっそ疲れた」 

高雄「そうですけれど。……お疲れ様でした」 

提督「もう本当お疲れ、滅茶苦茶眠い」 

高雄「はい」 

提督「……寝るの? 」 

高雄「寝たいのでは? 」 

提督「外の、しかもホテルに宿泊して何もシないのとかありえるの? 」 

高雄「あり得ても良いことかと」 

提督「マジ? 」 

高雄「マジ、ですよ」 

提督「あっそ。……シャワー浴びてくるわ。それ飲んどいていいぞ」 

高雄「ええ。…………ワインという気分でもないのですが」 



716: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/11(金) 23:09:05.01 ID:saAVeCUdO

< 今の性格を知っているからこそ、ではある > 






雲龍「好きな男が他の女の子と楽しんでそうなときにカルパスをつまむ女」 

明石「悲しいですねぇ」 

雲龍「これが中々馬鹿にできない味で」 

明石「別にカルパスが美味しくないとは言いませんけど」 

雲龍「……テンション下がる」 

明石「あなたいつもそうでしょう、ダウナー系っていうか」 

雲龍「アッパー系よりマシだと思うけれど」 

明石「アッパー系の雲龍さんですか……」 

雲龍「我ながら気持ち悪いと思うわ」 

明石「そんなことは。…………ただの危ない人ですね」 

雲龍「でしょう? 」 

717: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/11(金) 23:10:01.46 ID:saAVeCUdO

< 羊の居ぬ間に > 






漣「魔王ってより女王様じゃ……」 

叢雲「あん? 」 

漣「目付き目付きー」 

叢雲「……ふっつーに悪酔いしそう」 

漣「もうしてると思う」 

叢雲「……」 

漣「……」 

叢雲「……無い? 」 

漣「漣は喫煙者じゃないんでー」 

叢雲「……ま、私も違うと思ってるけど。あいつがいないとなんだか吸いたくなるわね」 

漣「……………………変に飲んで悪酔いするしね」

718: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/11(金) 23:11:08.26 ID:saAVeCUdO

< 現で舞い、夢で踊ろう > 






「もっと近付きたいのにこれ以上近付けないときはどうすればいいんだろうな」 

「皮でも剥いでみる、とか」 

「それで近付けんならいいけどさ……たぶん遠去かってるよ、それ」 

「…………この腕の温かみも、胸板の熱さも分からなくなりますものね」 

「ん……」 

「…………」 

「…………」 

「…………何時です」 

「さぁ? ……ま、どうでもいいだろ、時間なんて」 

「…………」 

「…………」 

「…………」 

「……じゃ、また朝に」 

「……いえ」 

「うん? 」 

「夢で、また会えるかもしれないでしょう? 」 

「そう、だな、うん。……またあとで」 

「はい。……また」 

723: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/12(土) 22:58:54.21 ID:PEj1K5KKO

< 忘れ物はせぬように > 






提督「朝はシャワー浴びてぼんやりして飯食わないとやる気出ない」 

高雄「どれもしましたね」 

提督「で、最後に……ん」 

高雄「ンッ……っ…………っはぁ」 

提督「……これで、よし」 

高雄「なにも、よく……垂れてきたじゃないですか」 

提督「股座から? 」 

高雄「ハンッ、シャワー浴びたでしょうが、しかも一緒に」 

提督「そうだっけ? 」 

高雄「アルコールの摂り過ぎで健忘症でも患いましたか? 」 

提督「アルコールってよりヤリ過ぎ出し過ぎかな」 

高雄「まったく……」 

提督「…………」 

高雄「…………」 

提督「…………もう一回、そしたら、帰ろうか」 

高雄「…………ん」

724: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/12(土) 22:59:54.04 ID:PEj1K5KKO

< 全て本音だけれどその割合というものは > 






高雄「三月十二日の誕生色はオレンジヴァーミリオン。 
色言葉は“ 無邪気 ”、“ 感性 ”、そして“ 純粋 ”」 

提督「たまには街の食堂で昼ってのもいいな」 

高雄「……その所為で運転役の方は」 

提督「適当に金握らせたし暇潰しくらい見つけられるだろうよ、大人なんだし」 

高雄「……」 

提督「そもそもこれくらい許されるだろ、ある意味高級軍人としては我儘の少ない優等生だからな」 

高雄「はぁ、しかしこういうことから立場というものは」 

提督「悪くなるかもね」 

高雄「……」 

提督「……」 

高雄「……次は」 

提督「ん? 」 

高雄「あなたの運転で来ましょうね」 

提督「……ん」 

725: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/12(土) 23:00:33.69 ID:PEj1K5KKO

< 強いて言えば自分を見失ってしまったときの指標 > 






山城「他人の為に生命を擦り減らして一体何の意味があるのかしら」 

時雨「そうしないと扶桑と一緒に生きられないじゃないか」 

山城「そういうことをしないと生きられない姉さまが不憫だとは思わないの? 」 

時雨「……自分を憐れむ趣味は無いものでね」 

山城「……」 

時雨「……山城は本当に扶桑が好きだね」 

山城「ええ。……好き? 」 

時雨「うん? 」 

山城「……好き、なのかしら。もちろん嫌いなわけはないのだけれど」 

時雨「…………」 

山城「…………」 

時雨「…………別に姉妹愛だとか恋愛に結び付けなくても在る所には在るものだよ、そういうのって」 

726: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/12(土) 23:01:20.64 ID:PEj1K5KKO

< つまりそんな程度 > 






提督「今日の酒はモーツァルト、だ」 

Littorio「チョコレートそのものの味ですね、このリキュール」 

提督「それはチョコ。ほかにホワイトとビターもある」 

Littorio「へぇ。……外は楽しかった? 」 

提督「今日はな。……俺はこれソーダで割ったりミルクで割るのが好き」 

Littorio「それはよかった。……オーストリア、ですか」 

提督「イタリアから見れば複雑かい? 」 

Littorio「あなたと高雄の関係を眺めるLittorio、程度の複雑さなんて別に」 

提督「……そ」

727: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/12(土) 23:02:20.51 ID:PEj1K5KKO

< 優しさが罪になる世界なんて無くなってしまえばいいのに > 







雲龍「口汚く罵ってほしいし打擲してほしいし首絞めしてほしいの」 

提督「口汚く罵りたくないし打擲したくないし首絞めしたくないの」 

雲龍「誰彼構わず優しさを向けても存在承認は得られないし罪そのものは消えないわよ? 」 

提督「…………なに、怒らせたいの? 」 

雲龍「衝動に身を任せてもいい、ってこと」 

提督「…………」 

雲龍「…………」 

提督「…………誰彼構わずじゃないから。身内と可愛い女の子だけだから」 


728: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/12(土) 23:03:44.48 ID:PEj1K5KKO

< 一人でシャンパン空けるのも虚しいといえば虚しい > 






漣「ホストねぇ」 

加賀「あんなにも人が多いと、酔うかもしれないわね」 

漣「でも大体イケメンですよ? 」 

加賀「それで? 」 

漣「……まぁ、ここの人には無意味なことですけど」 

加賀「むしろ身の危険が」 

漣「身の危険? そのホストたちにですか? 」 

加賀「不快感、という意味よ」 

漣「はぁ。……あ、じゃあいっそ逆に漣たちでキャバでもすれば」 

加賀「風営法……以前の問題が山積みね、それは」 


731: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/13(日) 19:31:21.49 ID:t/HEpMxuO

< エロい目で見ないとまぁ大したことないのかもしれない > 







天城「朝から大浴場で入浴というのも」 

雲龍「今からでも出て行けばいいじゃない」 

天城「そんな無体な」 

雲龍「…………」 

天城「…………」 

雲龍「…………浮くわね」 

天城「…………脂肪ですもの」 


732: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/13(日) 19:32:11.36 ID:t/HEpMxuO

< いつでも寄って来るわけでもない > 






提督「…………♪ 」 





愛宕「まーた……」 

高雄「今回は人数も格段に増えていますし」 

愛宕「そうだけど。私は白ければあっちでもいいのに」 

高雄「はぁ」 

愛宕「……」 

高雄「……」 

愛宕「……」 

高雄「……」 

愛宕「……おかしいわね。どうして雲龍来ないのかしら」 

高雄「そんな理不尽な」 


733: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/13(日) 19:33:17.10 ID:t/HEpMxuO

< でも結局 > 






雲龍「呼んだかしら」 

愛宕「ほらー、やっぱり来たじゃない」 

高雄「……」 

雲龍「あれ何やってるの? 」 

愛宕「明日ホワイトデーだから」 

雲龍「あぁ」 

愛宕「でもお返しくれるのはいいけどニヤつきながらボウル混ぜるのはやめてほしいわねぇ」 

雲龍「身体に塗るところでも想像してるのかしら」 

愛宕「こっちに? 本人に? 」 

雲龍「どっちでも。……チョコのディルド、は菌が怖いわね」 

高雄「…………さらっと参加して場を掻き回すのはやめていただけませんか」 


734: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/13(日) 19:33:51.33 ID:t/HEpMxuO

< 何と返せば > 






高雄「三月十三日の誕生色は柿色。色言葉は“ 健やか ”、“ 組織力 ”、そして“ 大望 ”」 

江風「ここの組織系統ってぐだぐだそうに見えてそうでもないよな」 

高雄「まぁ、一番上もそんな感じですからね」 

江風「あれで有能っぽいもンなぁ」 

高雄「自称有能な怠け者だそうです」 

江風「ゼークト……相変わらずゲルマン狂いか」 

高雄「Bismarckさんと何かあったのか邪推してしまいますね」 

江風「はは……」 

高雄「邪推というより最早何をしていたか、の推測の域ですけれど」 

江風「…………」 

735: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/13(日) 19:34:18.38 ID:t/HEpMxuO

< だからなんと返せば > 






加賀「よく考えてみると」 

明石「ええ」 

加賀「駆逐艦、重巡、工作艦、空母と乗艦していると思えば真っ当な出世なのかもしれないわね」 

明石「それ乗艦するの意味……」 

加賀「スピード出世には違いないけれど」 

明石「…………」 


736: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/13(日) 19:34:59.86 ID:t/HEpMxuO

< こう……その日の旬みたいな > 






提督「あぁ……おっぱいには勝てなかったよ……」 

愛宕「んー? 」 

提督「おっぱいカウンセラーになりたかったのにおっぱいにカウンセリングされてるぅ」 

愛宕「何の話? 」 

提督「ちいさいのに悩んでる子とか大きいのに悩んでる子を導きたかった」 

愛宕「悩んでない女は駄目なの? 」 

提督「駄目じゃないけどさ」 


737: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/13(日) 19:38:36.93 ID:t/HEpMxuO

< もちろん冗談 > 






提督「今日のカクテルは……あー、カルーアでいいや」 

高雄「投げ遣りな」 

提督「ちょっと今日はおっぱいについて考えてて余裕がね」 

高雄「はぁ」 

提督「もしおっぱい出たらおしえてね」 

高雄「そりゃあ伝えますけれど……出ませんよ確実に」 

提督「まぁまぁ。そのときはカルーアでもつくろうかと」 

高雄「…………ドン引きですよ」 

提督「あぁ、母乳は殆ど血液だ、みたいな話? 」 

高雄「違います。もっと根本的な部分でおかしいでしょうが」 




741: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/14(月) 22:12:11.14 ID:Am7sVhJCO

< 一月越しのお返しを > 






提督「ホワイトデーだいぇーい」 

江風「いぇーい」 

提督「おう」 

江風「ン」 

提督「……」 

江風「……」 

提督「……お前普段からこんな早く起きてるのか?」 

江風「や、なンかいい匂いするからつい」 

提督「つい、ね。……スポンジでも食べる? 」 

江風「ン」 


742: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/14(月) 22:12:57.92 ID:Am7sVhJCO

< ヘェ……シッテルンダァ…… > 






高雄「ん……物凄い匂いですね」 

提督「うん? ……朝餉までには片付けるよ」 

高雄「別に構いませんけれど」 

提督「……」 

高雄「……」 

提督「……クリームパイのスラング知ってる? 」 

高雄「普段からしてるでしょう。今更ですね」 

提督「知ってるのか、へぇ」 

高雄「なんです」 

提督「…………」 

高雄「…………」 

提督「…………」 

高雄「…………なんです」 


743: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/14(月) 22:13:32.14 ID:Am7sVhJCO

< 割とよくある > 






高雄「三月十四日の誕生色はスカーレッド。 
色言葉は“ エネルギー ”、“ 明朗 ”、そして“ 情熱 ”」 

漣「ご主人様もよくあれだけつくるエネルギーありますね」 

高雄「お料理は好きなタイプですから」 

漣「それにしても……ケーキにアイアーシュッケにパイに……はぁ」 

高雄「漣さんもやろうと思えばできるでしょう? 」 

漣「いやいやいや……高雄さん基準で言われても」 

高雄「? ……愛宕」 

愛宕「……我ながら私たちってハイスペックだと思うわよ」 

高雄「はぁ」 

漣「……なんなの、本当なんなのこれ」 



744: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/14(月) 22:14:04.30 ID:Am7sVhJCO

< イメージなんて > 






雲龍「む…………ん」 






漣「」 

叢雲「こんなところで突っ立って何し……はぁ」 

漣「…………まぁ、漣も小銭落としたら拾うけどさ」 

叢雲「…………あのなりで這いつくばって自販機の前にいるのは」 

江風「ン? 二人揃って何し、て……」 

海風「江風? ……あぁ」 

雲龍「……取れた。…………なに? 」 


745: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/14(月) 22:14:39.19 ID:Am7sVhJCO

< 好きな人が私の好きな > 






提督「今日のカクテルはジェントルマンズショコラ、だ」 

愛宕「あっま」 

提督「一応ウィスキーベースなんだけどな、まぁ甘いっちゃ甘い」 

愛宕「ありがと? 」 

提督「どういたしまして。ありがとう? 」 

愛宕「こちらこそ」 

提督「……私はジェントルマンでいられてますか」 

愛宕「私にとっては」 

提督「……そ」 

愛宕「紳士の定義からは外れるかもしれないけど……あなたが、あなたでいいの」 

提督「……ありがとう? 」 

愛宕「こちらこそ」 

746: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/14(月) 22:15:12.91 ID:Am7sVhJCO

< 割とへこむ > 






提督「ん……」 

愛宕「……」 

提督「……む」 

愛宕「……」 

提督「……うーん」 

愛宕「……」 

提督「……」 

愛宕「……」 

提督「…………はぁ」 

愛宕「なに? いい加減寝たいんだけど」 

提督「いや、なんかどの姿勢になってもしっくりこないっていうか」 

愛宕「はぁ」 

提督「…………」 

愛宕「…………」 

提督「…………んー」 

愛宕「……いや、もう寝たいのよ。明日相手してあげるから」 

提督「…………」 

750: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/15(火) 22:37:16.60 ID:cO2O9OuVO

< まだ、あなたという揺籠の中で > 






愛宕「んー……」 

提督「……なんだよ」 

愛宕「……今日寒くない? 」 

提督「そうかもな」 

愛宕「…………」 

提督「…………」 

愛宕「……………………Zzz」 

提督「…………あ? 」 

愛宕「…………Zzz」 

提督「…………仕方の無いやつ」 

751: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/15(火) 22:37:56.30 ID:cO2O9OuVO

< 確認 > 






高雄「三月十五日の誕生色はルージュ。色言葉は“ 活発 ”、“ 健康 ”、そして“ 外向性 ”」 

提督「ルージュ、変えた? 」 

高雄「ええ。意図したわけでもありませんけれど」 

提督「そうか。……ん」 

高雄「ん……」 

提督「…………うん、いいルージュだね」 

高雄「……もっと他に」 

提督「ん? 」 

高雄「……いえ、似合っているなら、よかった」 

752: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/15(火) 22:38:34.84 ID:cO2O9OuVO

< 待ち遠しい、あなたとの夏 > 






提督「今年は遊びに行けるかな、海」 

高雄「さぁ……行きたいんですか? 」 

提督「そりゃね。どんなお前もいいけどどんなお前も知りたいからさ」 

高雄「もうあなたに見せるものなんて殆どありません」 

提督「そんなこと」 

高雄「他に残っているのはあなたには見せられない醜い部分だけ」 

提督「女の子のそういうところ嫌いじゃないけどね。俺が関わる限りでは」 

高雄「……悪い答えですね」 

提督「……悪い男だからな。仕方ない」 

753: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/15(火) 22:40:22.70 ID:cO2O9OuVO

< あなたとなら限界を超えたいけれど > 






提督「今日のカクテルはレッド・バード、だ」 

高雄「……真っ赤」 

提督「レッド・アイにさらにウォッカだからな。ま、レッド・アイより飲みやすいはずだ」 

高雄「それはあなただからでしょう……私もそう思いますが」 

提督「何事も程度だよな。アルコールだって低過ぎても高過ぎてもよくない」 

高雄「量も」 

提督「あぁ。……紫のルージュも悪くないと思う、高雄には」 

高雄「……そのうちに」 

提督「楽しみにしとく」 

754: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/15(火) 22:41:56.22 ID:cO2O9OuVO

< 娯楽の線引きとは > 






漣「漣たちは賭博も恋愛も自由にできていいですねー」 

瑞穂「刑法185条が」 

漣「賭けるものが軽度の価値しか持たないからダイジョーブ」 

瑞穂「お酒は明らかに財物なような……瑞穂もお菓子持ち寄ってますし今更なのですけれど」 

漣「大体漣たちを刑法で裁けるのかどうか分からないですし」 

叢雲「それよりあなた恋愛なんて自由にできてるの? 」 

漣「漣の自由でしてないんだよ? 」 

叢雲「ふーん? 」 

提督「小学生の初恋も恋愛は恋愛だろうよ」 

叢雲「あぁ、そういうこと」 

漣「ふえぇ……」 

瑞穂「……今日も皆さん楽しそうですね」 


755: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/15(火) 22:42:36.38 ID:cO2O9OuVO

< たまには趣向を変えて > 







高雄「あの」 

提督「ん? 」 

高雄「……こんなに優しくしなくても、いいんですよ」 

提督「……どっかの誰かに影響されたのか? 」 

高雄「……いえ」 

提督「優しくされるのは嫌い? 」 

高雄「……苦手、なのかも。今更ですけれど」 

提督「本ッ当今更だな」 

高雄「ええ」 

提督「…………」 

高雄「…………」 

提督「…………はぁ」 

高雄「ふふ…………ん、んぅ……っ! 」 


760: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/16(水) 22:33:59.63 ID:Atn7+WVK0

< いいわけないけれどそれはそれ、これはこれ > 






江風「もうなンなのこれぇ」 

雲龍「愉快なことになってるのね」 

江風「全ッ然楽しくないンだけど……もうセンバツに切り替えよ」 

雲龍「優勝校でも賭ける? 」 

江風「ふえぇ……まぁ、やればテートクは勝手に負けてくれるだろうけど」 

雲龍「今年の北海道代表は駄目なの? 」 

江風「少なくとも優勝候補ではないね」 

雲龍「……ふむ」 






提督「ベスト4以上じゃなかったら外デートォ? やーってやろうじゃねぇか、へーい」 

雲龍「そう。待ってるわね」 

高雄「……デートが罰ゲーム扱いでいいんですか雲龍さんは」 


761: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/16(水) 22:34:54.15 ID:Atn7+WVK0

< さてさて、地上戦の訓練は受けていないのだが > 






雲龍「よく考えると」 

加賀「なにかしら」 

雲龍「私たちのこの状況も週刊誌になんてリークされたら大変なことになりますよね」 

加賀「そうね」 

雲龍「そもそもが最重要機密扱いで通常将兵が特殊な訓練を受けた、ということになってはいますけど」 

加賀「ええ。……でももし週刊誌に載ったとして」 

雲龍「はい」 

加賀「その出版社、どうなるかしらね」 

雲龍「…………」 

762: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/16(水) 22:37:13.81 ID:Atn7+WVK0

< あなたという世界にて > 






提督「なぁ」 

雲龍「? 」 

提督「屋上行かないか」 

雲龍「いいけれど……なに? 」 

提督「いや、特に理由は無いよ。なんとなく空見たくなっただけ」 

雲龍「随分唐突ね。……っと」 

提督「……ん」 

雲龍「……あったかい」 

提督「お前の手が冷た過ぎるんだよ。……離すなよ」 

雲龍「もちろん。外は……外の世界は寒いから」 

763: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/16(水) 22:38:20.88 ID:Atn7+WVK0

< 好みな子を好きになるわけでもなく、その逆も > 






高雄「三月十六日の誕生色は薄紅藤。色言葉は“ 想像力 ”、“ センス ”、そして“ 魅惑的 ”」 

海風「あの」 

高雄「なんでしょう」 

海風「高雄さんみたいに魅惑的になるにはどうすればいいですか? 」 

高雄「……私が魅惑的、というのを肯定したとして」 

海風「はい」 

高雄「特にどうしようもありませんね。海風さんは今でも人並にファッションだとかメイクには注意しているでしょう? 」 

海風「……」 

高雄「…………あの人の好みで言えば髪はロング、肌に気を付ける、くらいでしょうけれど」 

海風「でも高雄さんはロングじゃないです…………はぁ」 

764: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/16(水) 22:38:52.61 ID:Atn7+WVK0

< 脱がしやすいジーンズとか開発してください > 






提督「ジーンズいいよな。最近人生で七回目くらいのハマり中」 

雲龍「私もスキニーとか好きなんだけれど……」 

提督「うん? 」 

雲龍「脱がしにくいでしょう? 」 

提督「そうだけどそんなこと女の子が気にすんなよ」 

雲龍「セックスって二人のものでしょう? レイプじゃないのよ? 」 

提督「お前がそれ言うのか……」 

雲龍「乱暴願望とレイプ願望は全く違うわよ」 

提督「お、おう……」 

765: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/16(水) 22:39:47.90 ID:Atn7+WVK0

< あー、憧れのーブラジャーマスターにー > 






提督「つーか脱がしにくいといえばさ」 

雲龍「ええ」 

提督「どう考えてもスキニーよりホック多いブラだろ」 

雲龍「そうなの? 」 

提督「まぁ、俺の女の子の好みがあれだからか結構遭遇するんだけどさ」 

愛宕「ふーん? 」 

高雄「なるほど」 

Littorio「へぇ」 

天城「……」 

提督「……」 

明石「……なんか微妙にハブられてる気がしないでもないですね」 


766: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/16(水) 22:40:37.16 ID:Atn7+WVK0

< 徹底討論! > 






愛宕「こうなったら上と下どっちが弱いかガールズトークしましょ? 」 

高雄「なにがどうこうなったらなのかしら」 

雲龍「下でしょ? 」 

明石「や、上も悪くないというか、ね」 

Littorio「そもそもどこまでが上なの? 下は分かるとして」 

天城「臍よりも上、とかでしょうか」 





愛宕「ふふ……ちなみにわたしが言ってたのは上唇と下唇どっちをはみはみされるのが弱いかでしたー。みーんなえっちぃわねー」 

海風「それがそもそもえっちぃんじゃ……」

767: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/16(水) 22:41:28.04 ID:Atn7+WVK0

< 年に二、三回あるかないかの > 






叢雲「あんたも飽きないわよね」 

提督「うん? 」 

叢雲「いい加減女も酒も飽きないの? 同じタイプばっかだし」 

提督「死んでも飽きねぇよ。……俺の守備範囲ってかなり狭い代わりに深くまで堕ちてるからな」 

叢雲「それ守備範囲じゃなくて許容範囲の間違いでしょ」 

提督「守備範囲ってそういうことだろ? 」 

叢雲「……私があと少し年嵩だったとして、抱ける? 」 

提督「結婚しようか」 

叢雲「そ。……………言ってから思ったけど酷い自意識過剰だったわね。嫌んなるわ」 

768: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/16(水) 22:42:09.59 ID:Atn7+WVK0

< ちなみに大体いつも付き合ってる > 






雲龍「雌豚と雌牛と雌犬はどれが一番卑猥かしら」 

天城「そういうのは天城以外にお願いしたいです」 

雲龍「今はあなたしかいないじゃない」 

天城「はぁ……さっきまであんなにいたのに」 

雲龍「お酒の誘惑には勝てないのね、猥談も」 

天城「……天城も飲みに行きたいのですけれど」 

雲龍「たまには付き合いなさいよね。私ともお酒くらい飲めるのだし」 

769: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/16(水) 22:43:32.56 ID:Atn7+WVK0

< 死が我らを別つとも > 






提督「今日の酒は北の錦。まぁ、リーズナブルだし道内だとそれなりのだな」 

叢雲「本ッ当にアルコールか女に殺されそうね」 

提督「本望だし。……俺お前には殺されてもいいよ、本気で」 

叢雲「あん? 」 

提督「理由なんて訊かない。俺が道を踏み外したか叢雲にそこまでさせる理由があるんだろうからな」 

叢雲「そ。……人の道ならもう外れてると思うけど? 」 

提督「殺してみるかい? 」 

叢雲「私としては世界からクズを一人消せて嬉しいけど……今更しないわよ。私もクズの仲間だし」 

提督「はーん? 」 

叢雲「どうせやろうとした途端四方八方から攻撃されるでしょうしね」 

774: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/17(木) 23:22:20.97 ID:2RPEIneX0

< トンネルを抜けるとそこは > 






提督「ス-……ふぅ」 

高雄「何かありましたか? 」 

提督「ん? ……まぁ、ちょっとテンション上がっちゃったからさ、クールダウン中」 

高雄「妬けますね、あなたにらしくないことをさせるなんて」 

提督「……叢雲は許してくれよ」 

高雄「やはり叢雲さんでしたか」 

提督「…………ス-…………はぁ」 

高雄「引っ掛けたわけではありませんよ? たとえその相手が物だとしても妬いてしまいますから、あなたのことならね」 

提督「…………」 

高雄「…………」 

提督「…………地元帰りたいなぁ」 

高雄「そのときは、是非私も」 


775: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/17(木) 23:23:28.85 ID:2RPEIneX0

< 最短距離を > 






雲龍「む……櫛が」 

雲龍「…………」 

雲龍「…………」 

雲龍「…………」 

雲龍「…………」 

雲龍「…………取れないし髪抜けるのは嫌だし、よし」 

雲龍「…………」 

雲龍「…………」 

雲龍「…………」 

雲龍「…………」 

雲龍「…………ん、ちゃんと折れたわね」 



776: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/17(木) 23:25:11.96 ID:2RPEIneX0

< 納得してはいけない気もする > 






天城「と、いうことが先程」 

Littorio「まざまざと浮かぶ光景ですね」 

天城「でしょう? 」 

瑞穂「でも身体は復元するのだし髪を切った方がエコな気も」 

天城「あぁそれはきっと」 

雲龍「あの人が褒めてくれたものを傷付けろというの? 」 

天城「……そういうことです」 

瑞穂「……なるほど。確かに、それはそうですね」 

777: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/17(木) 23:25:51.52 ID:2RPEIneX0

< 何か恨まれる心当たりでも? > 






明石「この人数だともし旅行とか行ったら凄いことになりそうですね」 

愛宕「って言ってもグループ行動で部屋も分けるでしょ、修学旅行みたいな」 

雲龍「他人から見ると金持ちの三代目が遊んでるように見えるかもしれないわね」 

明石「遊ばれちゃってますか」 

雲龍「遊ばれてるわね」 

明石「やりきれないです」 

雲龍「そうね」 

提督「お前ら旅行の話はどこいったんだよただの恨み辛みじゃねぇか」 


778: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/17(木) 23:26:34.23 ID:2RPEIneX0

< ちなみにモーブは薄めの紫色 > 







高雄「三月十七日の誕生色はモーブ。色言葉は“ 直観力 ”、“ 精神高揚 ”、そして“ 気高さ ”」 

漣「愉快な駄洒落外人タレント? 」 

江風「それはデーブ」 

漣「じゃあシュートの逆? 」 

江風「それはカーブ」 

漣「それなら何故か最近見ない心霊写真のあれ? 」 

江風「それはオーブ」 

漣「えーっと無限のパワーとか言っちゃう銀河皇帝のファーストネーム? 」 

江風「それはシーヴ」 

漣「うーん……」 

江風「もうやめない? いい加減江風も分からなくなってきそうなンだけど」 


779: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/17(木) 23:27:54.45 ID:2RPEIneX0

< 逃げるが勝ち > 






提督「今日のカクテルはジャングル。 
ビーフィーターにチンザノ、シェリーを等分でできる」 

明石「これはどういうチョイスなんですか? 」 

提督「珍しめでかつスーパーでギリギリ揃えられそうなライン」 

明石「なるほど……学生時代とかこんなお洒落なの飲んでました? 」 

提督「海大時代はまぁ店では。学生とはまた違うかもしれないが」 

明石「ふーん? 」 

提督「つーか兵学校時代なんて未成年だぞ、未成年」 

明石「でも飲んでたんでしょう? 」 

提督「飲んでまーせーん。俺はこれでも優等生だからな」 

明石「またまたー」 

提督「そもそもこの嗜好はシーレーンでの任官時代にだな」 

叢雲「あんたあっちで会ったときはもう酒と女と車が趣味だったじゃない」 

明石「だそうですが? 」 

提督「…………次何飲みたい? 」 

780: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/17(木) 23:28:36.33 ID:2RPEIneX0

< だからそういうのが > 






高雄「何を読んでるんですか? 」 

提督「『陰摩羅鬼の瑕』」 

高雄「好きですね、そういうの」 

提督「そういうのって? 」 

高雄「そういうのはそういうの、ですよ」 

提督「ふーん? …………もしここや他の基地から生涯出れなかったとして」 

高雄「はい」 

提督「お前はいつか外を持ち込んだ俺を恨むかもな」 

高雄「恨むことなく後を追いますよ」 

提督「…………」 

高雄「……恨むことがあったとして、それは黄泉で再会したときにでも語らえばよいのです」 

提督「…………そう、そうだな」 

786: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/18(金) 22:15:14.06 ID:gfIwV7IWO

< 力こそパワー、パワーは高貴なり > 






高雄「三月十八日の誕生色はカンパヌラパープル。 
色言葉は“ 鋭敏 ”、“ 高貴 ”、そして“ 神秘的 ”」 

提督「陸奥がさ」 

高雄「ええ」 

提督「暫く呉に異動らしい」 

高雄「はぁ」 

提督「どうせならここ来てもよかったんだけどなー」 

高雄「過剰戦力なのは置いておくとしても彼女自身が全力で避けるでしょうね」 

提督「うん。……なーんであんなに嫌われてるんだろ。俺は好きなのに」 

高雄「そういうところだと思いますよ。逆に何故長門さんとは良好なんです」 

提督「お互い気兼ねなく罵倒できるし戦闘については本気で会話できるし、あとは」 

高雄「あとは? 」 

提督「筋力にブーストかけられなければ柔道で俺の方が強いからかな」 

高雄「はぁ……? 」 

787: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/18(金) 22:16:07.78 ID:gfIwV7IWO

< 授かりもの、っていうからね > 






愛宕「子供は何人欲しいの? 」 

提督「その話何度目? 」 

愛宕「さぁ? まぁ、いいでしょ何回でも」 

提督「まぁな。……お前の子供で? 高雄のと合わせて? 」 

愛宕「酷い話」 

提督「今更」 

愛宕「そうね。……合わせてじゃない? 一緒に住むことになるだろうし」 

提督「ママが二人みたいだ」 

愛宕「実際そうでしょ。さすがに叔母さんとか伯母さん呼びはまだ嫌ね」 

提督「……男の子と女の子一人ずつかな」 

愛宕「ふーん? 」 

提督「あんまり沢山いても愛情注げる自信が無い。五人家族くらいがバランスいいと思うし」 

愛宕「そ」 

提督「あぁ」 

愛宕「…………」 

提督「…………」 

愛宕「…………無いものねだりよねぇ」 

提督「…………明石に期待、だな」 

788: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/18(金) 22:16:57.72 ID:gfIwV7IWO

< 徐々に誤魔化していくという手が > 






明石「雲龍さんはこう、虐げてほしいんですよね? 」 

雲龍「虐げる……まぁ、間違いではないわね」 

明石「でも提督はどちらかというと少しだけ嫌がるようなことのボーダーを越えさせるのが好き、と」 

雲龍「ええ。本当に嫌がることはしたくないとかなんとか」 

明石「その演技、というかシチュが限界みたいな? 」 

雲龍「たぶん。……何が言いたいの? 」 

明石「いえ、それなら永遠に雲龍さんの望みは叶えられそうも無いなーって」 

雲龍「…………」 

明石「…………たぶんヤってるときにそういう絶望の顔見たくないんだと思いますよ、あの人」 

789: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/18(金) 22:17:23.69 ID:gfIwV7IWO

< 愛好者を否定まではしないが > 






提督「今日のカクテルはパナシェ。ビアカクテルだな」 

漣「これゲロ甘ですねー。嫌いじゃないですけど」 

提督「ビールにC.C.レモンだし。そんなもんだろ」 

漣「なるほど? いつも思うんですけどしーしーで黄色の液体ってヤバいですよね」 

提督「はぁ? ……そういやそうかもな」 

漣「そういうのしないんですか? 」 

提督「しないね。したいとも思わない」 

漣「なんで? 」 

提督「なんでって……お前は適当に生えてる草が美味いってその辺のやつに言われたからって食うのか? 」 

漣「……なるほど。確かにそう言われると」 


790: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/18(金) 22:18:23.08 ID:gfIwV7IWO

< 藪に龍でもいたのか > 






加賀「軍の記録を見返してみたのだけれど」 

叢雲「? 唐突ね」 

加賀「あなた意外なことに上官や出撃随伴の不慮の事故、少ないのね」 

叢雲「失礼な。無能を消すなら大本営なり海軍省になり上申した方が早いわよ」 

加賀「そう言うってことはその経験はあるのね」 

叢雲「私自信が何かしたことは無いけど……あくまで見てきた感想ね」 

加賀「そう」 

叢雲「そっちこそ何人か消してそうだけど? 」 

加賀「…………」 

叢雲「…………」 

加賀「…………失礼なこと言ってごめんなさい。私は行くわ」 

叢雲「そう。……………………元横須賀鎮守府トップの直隷だったかしらね」 

791: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/18(金) 22:18:51.73 ID:gfIwV7IWO

< 期待の目 > 






雲龍「っ……いたっ」 

提督「……こうされたいんじゃなかったのか」 

雲龍「…………」 

提督「ふーん? 目、逸らすんだ。……おい」 

雲龍「……無理矢理覗いた瞳、嬉しい? 」 

提督「嬉しいよ? その反抗的な……反抗的な」 

雲龍「…………どうしたの? 」 

提督「…………喜色に塗れた瞳過ぎて雰囲気保てないんだけど」 

792: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/18(金) 22:19:30.68 ID:gfIwV7IWO

< 満足のMだとかなんとか > 






雲龍「でも今のはよかったわ。無理矢理壁に押し付けられて顎掴まれるの。濡れそう」 

提督「俺は今のだけで精神的に疲弊したぞ」 

雲龍「…………なるほど」 

提督「ひっ」 

雲龍「可愛らしい声ね? 」 

提督「いきなり股間弄られたらこんな声も出るだろ」 

雲龍「……本当に変化無し、か」 

提督「今ので興奮はしないなぁ、さすがに」 

雲龍「…………なんでもしていいのに」 

提督「そんなのされる方がマシに決まってるだろばーか」 

797: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/19(土) 20:51:27.51 ID:4ZgeHUxW0

< 別れと出会いの季節だからこそ > 






高雄「福岡で桜が咲いたそうで」 

提督「マジ? 」 

高雄「ええ」 

提督「もうそんな時期か」 

高雄「早いものですね」 

提督「ん。桜の違いとかもよくわからないんだけど……とりあえず地元はまだまだだなぁ」 

高雄「GW頃でしたっけ、あちらでは」 

提督「最近はその前に散ったりするけどな」 

高雄「今年はしますか? この基地を少し下ったところに咲きますけれど」 

提督「したい? 」 

高雄「したいですね。この面子で次にいつ大騒ぎできるかも分かりませんし」 

提督「高雄が言うんならなぁ、しないわけにもいかない」 

高雄「ありがとうございます」 

提督「俺なんて別になんも。……絶対いなり寿司は詰めてくれよな、頼んだぞ」 

高雄「もちろん腕によりをかけて」 


798: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/19(土) 20:52:31.15 ID:4ZgeHUxW0

< 頬を赤らめた女の子という芸術 > 






提督「お前がショーパン履いてるとさ」 

雲龍「? 」 

提督「なんつーかエロいってより綺麗だなって。それだけだけど」 

雲龍「……」 

提督「身長高いだけじゃなくてスタイルもモデル体型だよな」 

雲龍「……やけに、褒めるわね」 

提督「そうだな。特に意味もないが」 

雲龍「…………」 

提督「…………」 

雲龍「…………今酷い顔してるでしょう、絶対」 

提督「や、可愛いけどね」 

799: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/19(土) 20:52:57.80 ID:4ZgeHUxW0

< 違うそうじゃない > 






提督「こう、目の前を歩いててさ、できれば階段で」 

雲龍「ええ」 

提督「脹脛とかが絶妙に揺れてるようで揺れてないようで揺れてる感じがいいのよ」 

雲龍「……よくわからないわね」 

提督「俺も正直よくわからない」 

雲龍「それは……なに? 」 

提督「お前の足が好きってこと」 

雲龍「……ごめんなさい」 

提督「うん? さすがにキモかっ」 

雲龍「踏まれるのは兎も角踏む趣味は無いの」 

提督「…………」 


800: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/19(土) 20:55:40.86 ID:4ZgeHUxW0

< 健康美とか機能美って好き嫌いがね > 






高雄「三月十九日の誕生色はビオレ。色言葉は“ 落ち着き ”、“ 健康 ”、そして“ 安定感 ”」 

Littorio「ずい、うん? 」 

明石「はいっ」 

愛宕「データを取りたいんですって、協力してあげてくれる? 」 

Littorio「もちろん構いませんけれど……」 

愛宕「どしたの? 」 

Littorio「……Ro.44では駄目なの? 」 

明石「それのデータはもう戴いてますし」 

Littorio「むぅ……」 

愛宕「まぁまぁ。…………水偵なんて戦えればなんでもいいと思うんだけど」 

高雄「まったくですね」 

801: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/19(土) 20:57:08.82 ID:4ZgeHUxW0

< 情熱を注ぐものを見つけたものこそ果報の最たる > 






提督「今日のカクテルはベッリーニ、だ」 

Littorio「あらあら……また面倒なものを」 

提督「お前に飲んでもらう為なら手間なんて手間じゃなくなるさ」 

Littorio「お上手ですね、相変わらず」 

提督「これで生きてきたもので」 

Littorio「本当にそれだけ? 」 

提督「他にも少々嘘と建前を」 

Littorio「ふふ……白桃、ですか」 

提督「かったるい時はネクターにワイン突っ込んでシロップ垂らして桃缶でも食べれば大体合ってる、が」 

Littorio「ちゃんとピューレを使っているんですね」 

提督「別にプロなんて目指してないけどさ、結構ハマるものなんだよ、カクテルって」 

Littorio「夢中になったらそればかりですものね、あなたは」 

提督「そうだな。……あぁ、本当にその通り」 

802: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/19(土) 20:58:36.03 ID:4ZgeHUxW0

< ナイトキャップの代わりにあなたを > 






提督「ってことで今日のワインはプロセッコだな。ベッリーニより俺は単体の方が好きだ」 

Littorio「ぁ」 

提督「そういうこと。プロセッコはヴェネト州特産の白ワインなんだろ? 」 

Littorio「ええ。……WW1末期、イタリア戦線の結果を決定付けたのがそこ周辺で行われたヴィットリオ・ヴェネトの戦いで」 

提督「それを記念して付けられた数々の名前のうちの一つがヴィットリオ・ヴェネト級、だな」 

Littorio「……よく調べましたね」 

提督「酒ってのは会話と雰囲気を楽しむツールだろ? 」 

Littorio「……」 

提督「……」 

Littorio「……Littorioのお部屋にお招きしても?Signore」 

提督「……喜んで、 Signorina」 


807: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/20(日) 17:21:23.10 ID:lVs3mX3F0

< 何事も無き朝をいつまでも > 






提督「んあ……? 」 

Littorio「……おはようございます? 」 

提督「んー…………Buon giorno」 

Littorio「Buon giorno。……ふふ、変な跳ね方してますよ」 

提督「みっともなくて悪いな。……シャワー借りる」 

Littorio「タオルは用意しておきましたから」 

提督「さんきゅ」 


808: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/20(日) 17:21:57.08 ID:lVs3mX3F0

< 開け放った窓から燦々と、みたいな感じだろうか > 






Littorio「ある意味で地中海的、というか」 

Littorio「…………」 

Littorio「…………」 

Littorio「…………」 

Littorio「…………」 

Littorio「まぁ、地中海の男を本当の意味で知っているわけでもありませんけれど」 

Littorio「…………」 

Littorio「…………」 

Littorio「…………」 

Littorio「…………」 

Littorio「…………櫛とドライヤーでも用意しておきますか」 

809: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/20(日) 17:22:49.76 ID:lVs3mX3F0

< どこにいたって人はあまり変わらないと思う > 






提督「ありがとな」 

Littorio「いえ、お構いなく」 

提督「……エスプレッソか」 

Littorio「たまにはミルクと砂糖をたっぷり楽しんではいかがかと」 

提督「そうだな、んー、美味いね」 

Littorio「…………」 

提督「…………」 

Littorio「…………」 

提督「…………ん? 」 

Littorio「いえ、あなたがもし祖国の人間であったのならば」 

提督「あぁ」 

Littorio「Littorioは高雄たちに会うことも、ましてやあなた以外の誰かに心を開くこともなかったのでしょうね」 

提督「…………そのときは俺がなんとかしてやってたよ。どこにだって気のいいやつはいるものだし」 

810: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/20(日) 17:23:57.84 ID:lVs3mX3F0

< 本当にするとは言わない > 






海風「ぁ」 

提督「ん? 海風か、おはよう」 

海風「おはよう、ございます」 

提督「悪いな、醜いところ見せちゃって」 

海風「……いえ」 

提督「女の子の部屋から朝帰りするのを見られるってのはまぁ……クズらしいっちゃらしいな」 

海風「……なら」 

提督「あぁ」 

海風「海風の部屋に、来ませんか? 」 

提督「いいけど……江風まだ寝てるんじゃないの? 」 

海風「そのときは叩き起こすので」 

提督「ひっでぇ。……ま、そのうちな。俺この後少しやりたいことあるから」 

海風「絶対ですよ? 絶対、絶対に」 

提督「ん、嘘にはしないさ。……嘘にはね」 



811: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/20(日) 17:25:14.96 ID:lVs3mX3F0

< 望みって尽きないもの、男も女もね > 







愛宕「そういえば聞いたことなかったけど」 

高雄「ええ」 

愛宕「高雄の好みの男ってどんなタイプ? 」 

高雄「……それはあの人以外で、という? 」 

愛宕「好みと好きになる相手は違うって言うじゃない? 」 

高雄「……ふむ」 

愛宕「私も今じゃあの人が好みになりつつあるけど会う前とかこんな関係になる前は少し違った気がするのよね、好み」 

高雄「…………身長が同じくらい、というのは面白いかもしれないわね」 

愛宕「ふーん? 」 

高雄「あの人は圧倒的に高いし……同じくらいなら一緒に歩いているときもすぐ顔が見れるし」 

愛宕「なるほどね。……でも同じくらいだと夜は少し関節とか筋肉が痛くなりそう」 

高雄「それなら逆に自分よりも低い人ならーー」 






提督「いっそ身長可変式の男でも探せば? って思ったけどバスト可変式の女の子ってのも普通に面白そうだな」 

812: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/20(日) 17:26:05.57 ID:lVs3mX3F0

< 人には誰しも > 






高雄「三月二十日の誕生色は古代紫。色言葉は“ 落ち着き ”、“ 品位 ”、そして“ 高貴 ”」 

瑞穂「紫の着物だとやはりクリーム系や金でしょうか」 

天城「帯ですか? そうですね……紫の濃さにもよりますけれど」 

瑞穂「緑や黒も悪くはないのですけれど生地や柄の関係で浴衣に見えたりもしてしまいますし」 

天城「ええ。それは少し嫌ですものね。季節感が無いように見えたり」 

瑞穂「品位が無いと思われるのはいくら一期一会と言われても、はい」 

天城「一応草履などの小物で落ち着かせることもできますよ? 」 

瑞穂「それは分かっているのですが……中々難しくて」 

天城「天城も未だに帯の選び方を間違えたな、なんてことありますよ」 

江風「…………ここまで疎外感あるといっそ清々しいな」 


813: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/20(日) 17:27:50.42 ID:lVs3mX3F0

< 好きなものは好きなんだから仕方ない > 






提督「今日のカクテルはワード・エイト。アメリカのカクテルだな」 

加賀「……ワイルドターキー? 」 

提督「そ、なんとなくバーボンって言ったら俺はそれ思い浮かべる」 

加賀「……そう」 

提督「バーボンベースにレモンとオレンジ。ま、飲みやすいバランスだな」 

加賀「確かに。……でもあなたウィスキー以外のカクテルは無いの? 」 

提督「や、他も勧めてると思うんだけど」 

加賀「そうかしら」 

提督「そうだよ。……じゃあ加賀は何のカクテル飲みたいんだよ」 

加賀「それくらい考えてみたら? 得意でしょう、そういうの」 

提督「へいへい。……次回までには考えとくよ、我儘お姉さんの為にね」 

817: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/21(月) 22:39:11.21 ID:Vf5M4jAS0

< ま、祝日だしね > 






江風「テートクー」 

提督「ん? 」 

江風「こっからちょっと行ったところにラーメン屋できたみたいなンだけどさ」 

提督「いいぞ」 

江風「え、あー、マジ? 」 

提督「その代わり誰か連れてけよ。一人ではさすがに行かせられない」 

江風「や、江風そンなガキじゃないけど」 

提督「違う。お互いに監視し合うって名目を守る振りとこっちからの連絡を確実にする為だ」 

江風「あ、そういう」 

提督「まぁ、お前が外で問題起こしても困るのは大体俺だけだ、楽しんでこいよ」 

江風「いや、そンなこと言われたら楽しむもンも楽しめないじゃン……」 


818: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/21(月) 22:40:21.29 ID:Vf5M4jAS0

< 行かねばならぬ戦いがここにはある > 






愛宕「一応確認ね、外出初めてでしょ? 」 

江風「うン」 

愛宕「住所とか連絡先を書かないと駄目なところではこの連絡先を書くこと」 

江風「ほーい。……北海道? 」 

愛宕「私設私書箱。そこからあの人の実家に纏めて転送されてここに送ってもらうことになってるから」 

江風「ひえー……滅茶苦茶回りくどいンだな」 

愛宕「それくらいしか軍を誤魔化しつつ普通の戸籍が無いのをどうにかする方法が、ね」 

江風「なンという……しかも偽名か」 

愛宕「身分証無くさないでよ? これは一応軍がつくったもので本物なんだから。 
名前は限りなく偽名に近い本名みたいなものね」 

江風「へぇ……」 

愛宕「あと間違ってもローカル局の取材だとかカメラの見切りだとかーー」 






漣「ここまでして食べに行かなきゃいけないラーメンなんてあるんですかね……」 

819: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/21(月) 22:41:16.59 ID:Vf5M4jAS0

< 役得 > 






明石「あれ、でも江風さん野球はいいんですか、野球」 

江風「や、別に観ないと死ぬわけでもないし……ちょっと外出たくなっちゃったンだよ」 

明石「はぁ」 

江風「ま、姉貴とかと四人で行ってくるし、そっちの方が単純に楽しみなンだよ」 

明石「あれ、叢雲さんとかも? 」 

江風「そ、なンだかンだ付き合いいいよな」 

明石「ですね。……ん? 」 






叢雲「まぁ、ここ小高い丘だし坂降りるの面倒だからありがたいといえばありがたいけど」 

海風「……単に明石さんが車乗りたいだけなんじゃ」 

820: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/21(月) 22:41:55.59 ID:Vf5M4jAS0

< 負荷にもならない > 






提督「ふぅ……お前相変わらず軽いな」 

愛宕「適度に運動してるもの」 

提督「はーん? 」 

愛宕「訓練のことだけどね」 

提督「……俺も同じメニューこなせればいいんだが」 

愛宕「私は毎回ランニングして筋トレするのなんて嫌ねぇ」 

提督「俺だってそこまでトレーニング自体は好きでもないが」 

愛宕「……ね」 

提督「ん? ……汗臭いぞ、今」 


821: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/21(月) 22:42:40.15 ID:Vf5M4jAS0

< 才能が無いのは諦めた方がいい > 






高雄「三月二十一日の誕生色はペールオーキッド。 
色言葉は“ 天賦の才 ”、“ 神秘的 ”、そして“ 無関係 ”」 

Littorio「Romaは」 

高雄「ええ」 

Littorio「あのままの子なのです」 

高雄「あのまま? 」 

Littorio「他人に厳しく、自分にはさらに厳しい」 

高雄「あぁ」 

Littorio「でもそれは自分に自信が無いから。Littorioとは別の方向に逃げているの」 

高雄「……」 

Littorio「……と、いうのは前置きで」 

高雄「……はい」 

Littorio「…………お部屋の片付けはどうすれば上手くなるのかしら。 
Romaがいたときはなんとかなっていたのだけれど」 

高雄「は? 」 


822: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/21(月) 22:44:32.47 ID:Vf5M4jAS0

< 臭いは兎も角感覚はね…… > 






愛宕「高雄ー、歯ブラシのストック切れたー」 

高雄「そう。確か倉庫にまだあったはず」 

愛宕「あ、じゃあまだ大丈夫ね」 

高雄「丁度用が……箒を取ってくるから私が一緒に取っておくわ」 

愛宕「ん、ありがと」 

高雄「お構いなく」 

明石「というかなんでこの時間? もう昼食後の歯磨きでもないですし三時のおやつには早いような」 

愛宕「えー、それは、ほら」 

明石「? 」 

愛宕「……喉に絡まっちゃったのよねー。そのままだと気分が悪いでしょう? 」 

明石「は、はぁ……? 」 


823: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/21(月) 22:45:16.88 ID:Vf5M4jAS0

< ばったり > 






加賀「……あら」 

あきつ丸「……久方振りでありますな」 

加賀「そうね」 

あきつ丸「……」 

加賀「……」 

あきつ丸「……ココアとはまた可愛らしいチョイス」 

加賀「麻雀で負けたのよ。飲むのは漣」 

あきつ丸「あの加賀をパシリ扱いでありますか」 

加賀「次は勝ちます」 

あきつ丸「はぁ」 

加賀「……あなたもしていく? 」 

あきつ丸「まさか。……いつかできるといいでありますなぁ」

824: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/21(月) 22:47:04.70 ID:Vf5M4jAS0

< カルーアのように甘い判断が、いつか > 






提督「今日のカクテルは……何がいい? 」 

あきつ丸「勝手に好きなものを飲んでいればよろしい。……随分と勝手なことを」 

提督「悪いな。……つーか偶然にしてもこっちに来てたってのが凄い」 

あきつ丸「連れ立って街に繰り出す海軍最高機密を見たときは本当に驚いたであります」 

提督「告げ口するかい? 報告面倒だろ」 

あきつ丸「…………任務外でありましたし、今回は許しましょう。今回だけ」 

提督「さんきゅ」

825: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/21(月) 22:47:51.15 ID:Vf5M4jAS0

< 積むのならいっそ買わない方が > 






漣「ふふふふふふふふ……」 

明石「何気持ち悪い笑い声出してるんですかね……」 

漣「あと三日、あと三日ですよぉ」 

明石「あぁダクソ……よかったですね」 

漣「え? 」 

明石「はい? 」 

漣「……買わないんですか? 」 

明石「あまりにもゲームばっかしてると研究が進まないんで今回は見送りです」 

漣「えぇ……心折れたクソニートになりましょうよー」 

明石「それじゃあゲームも無理じゃないですかね……私も遊びたいですけど」 


826: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/21(月) 22:48:46.83 ID:Vf5M4jAS0

< そこまでいけるなら苦労はしない > 






提督「で、どうする? 寄ってく? 」 

あきつ丸「……これを」 

提督「真顔スルー。……んー? 」 

あきつ丸「呉の大将閣下からの書状であります。確かに渡しましたからな」 

提督「おう。……呉? 」 

あきつ丸「呉ですが」 

提督「むっちゃん元気だった? 」 

あきつ丸「陸奥のことでありますか? 相変わらずでありましたよ」 

提督「ふーん。なるほどね」 

あきつ丸「……何か? 」 

提督「いや、単純に興味。好きな子の健康が知りたかっただけ」 

あきつ丸「……如何に提督殿でもあの女は」 

提督「いや、別にヤろうってわけじゃないし。いつかはまぁ酒くらい楽しんで飲みたいなって」 

あきつ丸「はぁ。……………………そんな飲み方ができるならベッドまで持ち込めているでしょうな」 

提督「ん? 」 

あきつ丸「いえ。……では自分は横須賀に戻らねばなりませんので」 

提督「ばーい。気を付けてね」 


832: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/22(火) 23:05:55.98 ID:CoSPSHJA0

< 各自で楽しむ人たち > 






高雄「三月二十二日の誕生色はディープモーべット。 
色言葉は“ 品格 ”、“ 控えめ ”、そして“ デリケート ”」 

愛宕「……控えめってなんだっけ? 」 

高雄「……」 





提督「ほーら、四球だぞ四球」 

雲龍「別に一勝くらい構わないし……アウト」 

江風「一緒に楽しンでくれる人がいるのはいいンだけどさぁ」 

海風「どうして反時計回りなの? 時計回りの方が分かりやすくない? 」 

加賀「テレビを観ていると茶請けの減りが早いわね」 

瑞穂「カステラ切ってきました」 

明石「三時のおやつはー、にはまだ早いですね」 

叢雲「馬鹿ばっか」 

漣「駄洒落? 駄洒落かな叢雲ちゃーん」 

Littorio「…………Zzz」 

高雄「Littorio、顔に跡が……ま、時々ならいいでしょう、こういうのも」 

愛宕「食堂にわざわざ集まって騒ぐのが? これ絶対そのまま宴会パターンで片付け面倒なやつじゃない」 

高雄「…………」 

833: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/22(火) 23:06:47.22 ID:CoSPSHJA0

< 本当に興味が無い人たち > 






愛宕「まぁ、いいけど……あら」 

高雄「? あぁ」 

愛宕「相手に鳥海くんいるじゃない」 

高雄「そうね」 

愛宕「……聴いてた? 私真面目に観てなかったから」 

高雄「“ ちょうかい ”なのか“ とりみ ”なのか? 」 

愛宕「そ」 

高雄「……次いつ回ってきそうかしら」 

愛宕「さぁ? ……読みかけの本でも取ってくるわ」 

高雄「あ、では私も……」 






提督「あれ、俺が持ってきたえび煎……」 

加賀「なにか? 」 

提督「……この回終わったらなんか持ってこよ」 

834: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/22(火) 23:07:28.94 ID:CoSPSHJA0

< 後ろめたさならエッセンスにもなろうが > 






提督「今日のカクテルは白い恋人」 

Littorio「ふーん? Littorio、知っていますよ、その名前」 

提督「そう? その菓子つくってるメーカーとか札幌のバーが関係してるカクテルだよ」 

Littorio「……名前の通り、甘いですね」 

提督「記念カクテルできついってのもな。一応ベースはウォッカだけど」 

Littorio「……白い、というのは何かLittorioに」 

提督「無い。本当に偶然だから。なんとなく野球観てて北海道っぽいもの、って思っただけ」 

Littorio「…………」 

提督「…………」 

Littorio「…………やはりコンプレックスはあるものなんでしょうか」 

提督「さぁね。完全に否定はできないけど……それだけだよ。 
俺コンプレックスがある相手と寝たりは絶対にできないから」」 

Littorio「そう。……後ろめたさとは似て非なるものですものね」 

835: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/22(火) 23:08:19.85 ID:CoSPSHJA0

< 北海道代表負けたしね、自棄酒的な > 






天城「……つらいです」 

雲龍「何時間飲んでいたのよ」 

天城「……」 

雲龍「……あなたはまともなのに」 

明石「いやぁ、最初からセーブしてましたし。いい加減ゲロ女の汚名は」 

雲龍「返上できるわけないでしょう」 

明石「デスヨネー」 

天城「……雲龍姉様、お願いします」 

雲龍「仕方ないわね。……腕は外さないこと」 

天城「はい」 

雲龍「ん」 

明石「お姫様抱っこって……」 

雲龍「あなたもしてほしい? 」 

明石「や、結構です。…………雲龍さんあの人いなかったらお姉さまとか言われてましたよね、絶対」 

836: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/22(火) 23:09:03.03 ID:CoSPSHJA0

< バトフロ > 






漣「なんだ、なんだこのアプデ」 

明石「ナイン・ナンて」 

漣「……ナイン・ナンはあれでしょ、ミレニアムファルコン乗ってた」 

明石「や、それは分かりますけどね、それならランドさんでしょ」 

漣「まぁ」 

明石「……」 

漣「……」 

明石「……で、ルーク」 

漣「やっぱ辻斬りですよねー」 

840: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/23(水) 22:14:36.31 ID:ko9O9k9k0

< 対価には何を? > 







高雄「三月二十三日の誕生色は江戸紫。色言葉は“ 安定 ”、“ 洗練 ”、そして“ 芸術的才能 ”」 

Littorio「提督は何か得意なものが? 」 

高雄「……本人は自分の唯一の欠点が芸術的才能だと言っていましたよ」 

Littorio「歌は下手というわけでもありませんでしたが」 

高雄「絵は壊滅的らしいわね。落書き一つ見せてくれたことも無いわ」 

Littorio「徹底しているのね」 

高雄「ま、見たければそのうち麻雀かカードで賭けでもすれば」 

Littorio「……あの人がそこまでして隠したいものを暴くというのは中々」 

高雄「そうよね。……それだけに物凄く気になるけれど」 


841: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/23(水) 22:16:04.66 ID:ko9O9k9k0

< 外は暖かくなっても心は > 







提督「今日のカクテルはビッグ・アップル。 
スクリュードライバーのオレンジをアップルにしたやつだな」 

明石「……ねぇ、提督」 

提督「うん? 」 

明石「最近私と遊んでないです、はい」 

提督「……」 

明石「……」 

提督「……こういうとき何て言えば女の子は嬉しいの? 」 

明石「何も。……私は黙って抱き締めてくれれば」 


842: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/23(水) 22:17:00.05 ID:ko9O9k9k0

< お風呂での出来事 > 







高雄「ひっ」 

愛宕「あらあら……お姉さんここ弱い? 」 

高雄「…………」 

愛宕「なぁに? ひゃっ」 

高雄「……あなたでもここは同じね」 

愛宕「そりゃあ……」 

高雄「…………」 

愛宕「…………」 

高雄「…………二人で指を這わせ合うなんて」 

愛宕「アブノーマル? おかしい? 」 

高雄「寂しいことね」 

愛宕「…………」 


843: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/23(水) 22:17:47.56 ID:ko9O9k9k0

< あなたに愛を、私に温もりを > 






明石「好きです」 

提督「……うん」 

明石「……」 

提督「……」 

明石「……あなたをクズだとも思いませんし嫌いになれたらいい、なんて考えられません」 

提督「……」 

明石「……」 

提督「……それは俺にとってあまりにも」 

明石「都合のいい女でいいんです、あなただから」 

提督「……」 

明石「……強いて言うなら、こういうことを言ってあなたを困らせるのが、復讐です。 
私の心に棲み着いたことに対しての」 

提督「…………そっか」 

明石「はい。…………ん」 

848: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/24(木) 23:19:56.84 ID:PsyLdqttO

< いつもとは違うあなたをつくりたい > 






天城「おはようございます、明石さん」 

明石「あ、おはようです」 

天城「……今日はポニーテイルですか」 

明石「はは……なんか少し違和感あるんですけどね」 

天城「お似合いですよ。……それにしても」 

明石「はい? 」 

天城「まとめ方、上手いですね」 

明石「まぁ……私の前に沢山経験あるんでしょうし」 

天城「高雄さんや愛宕さん以外に、ですね」 

明石「ええ。別にどうでもいいですけどね。……何か手伝いましょうか? 」 

天城「ではお味噌汁をよそってお魚のお皿をーー」 

849: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/24(木) 23:24:16.99 ID:PsyLdqttO

< まぁ、それも主観に過ぎないのだが > 






高雄「三月二十四日の誕生色はマロー。色言葉は“ 直感的 ”、“ 主観的 ”、そして“ 高尚 ”」 

愛宕「高尚? 」 

高雄「最近だとむしろ皮肉でしか使われていないような感じかもしれないわね」 

愛宕「高尚な趣味、とかそういうの? 」 

高雄「ええ。そもそも趣味なんて全て高尚ではないと思うけれど」 

愛宕「でも低俗な趣味はあるじゃない? 」 

高雄「何かがあってそれの反対が常に無ければならない、なんてナンセンスだと思うわ」 

愛宕「ふーん……? 」 

850: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/24(木) 23:24:54.78 ID:PsyLdqttO

< 自分は嫌な思いしてないから > 






提督「今日の酒は貴妃ライチだ」 

加賀「なんのことはないただの茘枝酒ね」 

提督「ま、一応楊貴妃の愛した茘枝を、ってウリにしてるってことで」 

加賀「……確かに他の茘枝酒よりも少しとろみがある気もするけれど」 

提督「あぁ。ミルク割でそれも分かりにくいかもしれないな」 

加賀「楊貴妃は茘枝が若さと美肌を保つと考えていたみたいね」 

提督「想像だけどな。……まぁ、彼女じゃなくてもお前らを知ったら死ぬ気で解剖くらいはするかもしれない」 

加賀「自分がなろうとはしないくせに」 

提督「そりゃあそうだろうよ。……次ロックにする? 」 

加賀「ええ」 

851: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/24(木) 23:25:38.51 ID:PsyLdqttO

< 那珂が……仲がいいからこその > 






雲龍「那珂の進水日ね」 

瑞穂「そうでしたっけ」 

雲龍「あれは面白い子だったわ」 

瑞穂「はぁ」 

雲龍「あの姉妹の中で一番重要と言っても過言じゃないわね」 

瑞穂「そうなんですか? 」 

雲龍「ええ、最重要人物よ」 

瑞穂「……次に会うときまでよく覚えておきますね」 





天城「……単に神通さんにはくだらないことを頼みにくくて川内さんはつかまえにくかっただけでは」 

852: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/24(木) 23:26:04.95 ID:PsyLdqttO

< 最後の一つ > 






加賀「なに? 」 

提督「なんだろうね」 

加賀「……欲しいの? 」 

提督「分かるだろう? 」 

加賀「……」 

提督「……」 

加賀「……」 

提督「……そのオレンジ寄越せよ」 

加賀「イヤ」 



853: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/24(木) 23:27:16.18 ID:PsyLdqttO

< 目的とかおまけとか些末なこと > 






提督「オレンジ一つ程度でだな」 

加賀「それはあなたも同じね」 

提督「……寄越せよ」 

加賀「奪ってみなさんっ、……よ」 

提督「ん……オレンジってより荔枝の味だな」 

加賀「酒の味の方が強いもの。……私の部屋にオレンジがあったわね」 

提督「ふーん? 」 

加賀「今ならわたしがカットしてあげるわ、お詫びに」 

提督「詫びなんていらねぇけどな。オレンジは欲しいし……十四代でいい? 」 

加賀「構わないけれど、オレンジと日本酒? 」 

提督「それが目的じゃないからな、なんでもいいんだよ」 

加賀「オレンジが? 日本酒が? 」 

提督「さぁ……? 」 


857: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/25(金) 23:02:38.93 ID:CJd2A+skO

< あなたを朝見送ることが > 






加賀「どうぞ」 

提督「んー? オレンジか、さんきゅ」 

加賀「結局昨日は食べなかったから」 

提督「……」 

加賀「……」 

提督「……日本酒にオレンジは合わないみたいな話したけどさ」 

加賀「ええ」 

提督「あったかい緑茶にも合わなくない? 蜜柑じゃねぇんだぞ」 

加賀「そうかしら」 

提督「違わない? 」 

加賀「……それが、主目的ではないから、いいのよ」 

提督「ふーん? 」 

858: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/25(金) 23:03:15.27 ID:CJd2A+skO

< もういっそ生足で > 






愛宕「あら……ここ伝線してる」 

高雄「薄いデニールだから仕方ないわね」 

愛宕「納得いかなーい。別に変な動きしてないし引っ掛けたりしてないのに」 

高雄「ということはつまりあなたがそう、大きくなったという」 

愛宕「……」 

高雄「……」 

愛宕「……トレンカにすればいいの? 」 

高雄「……それはあなたの足が太くなっていた場合根本的には変わらないのでは」 


859: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/25(金) 23:04:28.21 ID:CJd2A+skO

< いつか翔び立つ日まで > 






加賀「提督」 

提督「ん? 」 

加賀「無理にここに置いて下さらなくて構わないんですよ、私は」 

提督「……真面目な話? 」 

加賀「それなりには」 

提督「……」 

加賀「……ここに過剰戦力を置くメリットが帝都には全く」 

提督「まぁ、待て。……帝都が積極的にはこの戦争に勝とうとしていないように見えるのはお前も同じだよな? 」 

加賀「はい」 

提督「……そういうことだよ。他の泊地や基地からは要請がいったりしてるみたいだけどな。横須賀とか呉は黙りさ」 

加賀「……」 

提督「……もちろん俺が許可を出せばお前も前線に立てるよ? 
そこには赤城もいないしそれどころか神経を磨り減らすだけだが」 

加賀「…………」 

提督「…………もう少し休んでようぜ。お前は十分働いたよ」 

860: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/25(金) 23:05:26.36 ID:CJd2A+skO

< 朝から酔える幸せを > 






高雄「三月二十五日の誕生色はワインレッド。 
色言葉は“ 個性 ”、“ 自信 ”、そして“ 主役の風格 ”」 

明石「やっぱ赤ってことなんでしょうか」 

高雄「でしょうかね」 

叢雲「アカっていったら社会主義か共産主義じゃないの? 」 

明石「いやいやいや……」 

高雄「確かにそちらの方が一般的な気も」 

叢雲「そうよね」 

明石「そんなわけありますか。どう考えても戦隊モノの赤の方がメジャーでしょう」 

叢雲「でもそれ男の子だけじゃない? 女はそういうのは」 

明石「それなら女の子が何故アカに精通していると言えるかですねーー」 






提督「これだろ」 

高雄「赤玉スイートワインのカクテルですか」 

叢雲「あんたならそう……っていうかどさくさ紛れに午前中から酒飲むんじゃないわよ馬鹿」 

861: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/25(金) 23:06:10.05 ID:CJd2A+skO

< 寒空が妙に暖かい夜に > 






あきつ丸「醜い嫉妬をいくら積み重ねても、か」 

龍田「どうしたの? 」 

あきつ丸「……忍者か何かなのでありますか」 

龍田「私も屋上好きなだけよぉ。というか気配感じたから独りごちたんでしょ。……で? 」 

あきつ丸「……死ぬ間際の人間はどうも鋭い言葉を放つ」 

龍田「……? 」 

あきつ丸「まぁ、人間に限った話でもないが」 

龍田「…………つまり慰めてほしいってこと? 」 

あきつ丸「……一本付き合ってくれればそれで」 

龍田「ん、いいわよ。……火、頂戴? 」 



862: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/25(金) 23:08:23.89 ID:CJd2A+skO

< 面子を争う面子 > 






提督「今日の酒はジャポネの〈桜〉。そのうち咲くだろうからこれで」 

叢雲「そんなことより意味わかんないんだけど」 

提督「ん? だから十日くらい呉に行くんだよ、海風と江風が」 

叢雲「……だからそれなんで私と漣じゃないわけ? 」 

提督「なんでって言われてもね」 

叢雲「あれに呉なんて行かせても」 

提督「嬲られて終わるって? 」 

叢雲「は? そんなわけないじゃない。仮にも私が基礎から叩き込んで戦場も経験してるのに」 

提督「……はぁ? 」 

叢雲「あぁん? 仮にもあんたの面子背負って行くんだからあの子たちじゃなくて」 

提督「背負って行くのはお前の名前だろうが。だからこれはお前の戦闘以外のだなーー」 






愛宕「あれ何やってるの? 」 

高雄「さぁ? 遊んでるんじゃないですか、知りませんけど」 

863: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/25(金) 23:09:27.83 ID:CJd2A+skO

< 風が吹く空を見上げて > 






あきつ丸「……一度でも」 

龍田「んー? 」 

あきつ丸「一度でも自分たちが人間に嫉妬しているが故に人間に従っている、と考えたことはあるか」 

龍田「……初めて聞いたわ、そんな考え方」 

あきつ丸「自分もそうだった、が」 

龍田「一理あると思っちゃったのね」 

あきつ丸「あぁ。他人の言葉に引き摺られては生きていけない道を選んだはずなのに」 

龍田「……憧れるものの近くにいたい、近くにいることによって同化意識を持つ、みたいな? 」 

あきつ丸「…………」 

龍田「…………」 

あきつ丸「…………こういうときあの男なら」 

龍田「黙って抱き締めてくれそうね。……いないけれど」

864: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/25(金) 23:10:34.17 ID:CJd2A+skO

< 救われぬ者にこそ救いを > 






龍田「なーんでなのかしらねぇ。私やあなたの方が強い筈なのに」 

あきつ丸「あの男は確かに自分の女も守れない程、弱い」 

龍田「ええ」 

あきつ丸「しかし、救える。それが、それこそが重要だ」 

龍田「……」 

あきつ丸「守れないが、救える。自分たちにとっては他の人間よりもさらに重要でありますよ、救いとは」 

龍田「…………救われないわねぇ」 

あきつ丸「まったくもって。…………ス-……ふぅ」 

龍田「あらあら……私ももう一本頂戴? 」 


870: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/27(日) 01:28:17.66 ID:Uq3lZeluO

< 訊ねる間なんて与えない > 






Littorio「んー……提督? 」 

提督「うん? 」 

Littorio「今晩は如何? 」 

提督「いいけど……わざわざ言わなくても」 

Littorio「言わないと誰かに取られてしまいますからね」 

提督「ははは……」 

Littorio「ま、今更ですけれど。……白がいいですか? それとも赤? 」 

提督「白かな、なんとなく」 

Littorio「白ですね……分かりました。それでは」 

提督「ん。……………………待てよ? ワインの話だよな、これ。あれ? 」 


871: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/27(日) 01:29:30.14 ID:Uq3lZeluO

< 藪から蛇に睨まれた気がしたので > 






雲龍「なんだか最近気付けば入浴している気が」 

天城「そうですか? 」 

雲龍「別に構わないけど。……このお湯もあの人が他の女とヤった垢が溶け出したものなのよね」 

天城「……」 

雲龍「別にだからどうだというわけでもないけれど……天城? 」 

天城「い、いえ、なんでもありませんよ」 

雲龍「そう? ……さすがに自分でも気持ち悪い話だと思ったわ、ごめんなさいね」 

天城「はぁ。……………………気付かれていて嫌味を言われたのかと」 


872: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/27(日) 01:30:27.24 ID:Uq3lZeluO

< なんだかそれはそれで似合っている気もしてしまったり > 






高雄「三月二十六日の誕生色はシルバーグリーン。 
色言葉は“ 可能性 ”、“ 行動力 ”、そして“ 明哲 ”」 

愛宕「可能性といえば」 

高雄「ええ」 

愛宕「私たちに会う前に叢雲と懇ろになっていた可能性もあるのよね」 

高雄「無いとは言えないというか……今でも十分懇ろなような」 

愛宕「彼女、所謂改二で劇的に変わったっていうじゃない? 大人っぽくなったみたいな」 

高雄「らしいですね」 

愛宕「あの人が誰にも頼れないときにあの叢雲がいたら? どうかしら」 

高雄「…………あー」 

愛宕「ね? 」 

873: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/27(日) 01:31:32.99 ID:Uq3lZeluO

< 可愛い嫉妬くらいならば受け止めるから、せめて > 






提督「っと、ほい」 

高雄「……よろしい」 

提督「面倒くせぇなぁ。物資の確認とか猿にもできるだろ」 

高雄「本営はあなたを猿並だと思っているのでは? 」 

提督「せめて馬並と言ってほしいね。……まぁ、任せてくれるお陰で誤魔化せるんだけどな、色々と」 

高雄「暴露ないようにしてくださいよ、特にあきつ丸さんには」 

提督「分かってるさ。なんせ横須賀の黄身直属だもんな」 

高雄「……それもありますけれど」 

提督「うん? 」 

高雄「それをネタに何かを要求してくるかもしれませんでしょう? 」 

提督「……陸軍として? 」 

高雄「女としてかも」 

提督「…………俺はむしろあいつに女としての要求くらいしてほしいけどな。さすがにあれは自分を殺し過ぎてるだろう」

874: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/27(日) 01:32:49.17 ID:Uq3lZeluO

< 赤い頬はアルコールの所為だろうか > 






提督「今日の酒は? 」 

Littorio「最初はモスカート・ローザですね。入りには無難かと」 

提督「ふーん? ……香りも舌触りも甘いね」 

Littorio「dolcissimo……数ヶ月の陰干しで甘さが凝縮されるのです。甘さの割にアルコールが高いのもポイントでしょうか」 

提督「へぇ、気に入ったよ」 

Littorio「それは何より」 

提督「…………赤ワインか」 

Littorio「え? 」 

提督「いーえ。……注いでくれるかな、もう一杯」 

875: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/27(日) 01:33:44.23 ID:Uq3lZeluO

< 重ねられた手の温かさに酔いつつ > 






提督「……赤、か」 

Littorio「? 赤はお嫌いでした? 」 

提督「いや、何でもない。白と同じくらい好きだよ」 

Littorio「そう」 

提督「……ほら、朝にさ」 

Littorio「ええ」 

提督「白と赤どっちが好き? みたいな話したじゃん」 

Littorio「……あぁ」 

提督「色々想像できるなーと思って。ワインは白じゃなかった」 

Littorio「……ちなみにLittorioはあなたの望みに背くことはありませんよ? 」 

提督「だろうね。……まぁ、まだ夜は長いし。飲もっか」 

Littorio「はい。…………ふふ」 

881: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/27(日) 20:40:56.21 ID:c3lPKO0JO

< 普通に美味しかった > 






Littorio「今日はPasqua……イースターなわけです」 

提督「そうだね」 

Littorio「なので」 

提督「なので? 」 

Littorio「コロンバ、です。エッグはありませんけれどね」 

提督「コロンバ? 」 

Littorio「鳩の形をした焼き菓子です。……朝なので少し重いかもしれません」 

提督「そんなの気にしないけど。……アーモンドペーストか。美味しいよ」 

Littorio「はい。朝から焼き上げた甲斐がありました」 

提督「まーじ? 悪いな」 

Littorio「いえ……後ろめたかったのもありますから。差し引きではゼロです」 

提督「うん? 」 

Littorio「他の皆さんはPasquaに興味なんてありませんから昨晩は簡単にあなたを誘えました。……コロンバを二人で食べたのは秘密ですよ? 」 

提督「……なるほど」 

Littorio「Littorio自身Pasquaに思い入れもありませんしね……あぁ、コーヒーお注ぎします」 

882: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/27(日) 20:42:33.15 ID:c3lPKO0JO

< 誰かの幸せを不条理に感じる不幸せをどうか忘れないで > 






GZ「兎が卵を産む日、か」 

時雨「ん? 」 

GZ「いや……復活祭でもここでは静かなものなのだな」 

時雨「そうだね。あちらでは違うのかい? 」 

GZ「それはもう。子供たちが遊び、大人たちがそれを穏やかに眺める。 
朝から数時間の食事をする国もあれば夜になってから家族団欒を過ごす人々もいる」 

時雨「そっか。楽しそうだね」 

GZ「まぁ、な」 

時雨「……? 」 

GZ「……なんでもない。Bismarckでも探してくるよ、私は。どうせ復活祭に託けて朝から飲んでいるだろう」 

時雨「ふふ、そうかもね。いくら彼女でも止めないといけ」 

GZ「こんな日くらいは……朝から飲まなくてはな」 

時雨「……え? 」 


883: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/27(日) 20:43:42.79 ID:c3lPKO0JO

< 割と世間は興味が無いらしい > 






漣「Bloodborneボードゲーム化……? 」 

明石「いいんじゃないですか、TRPGみたいで」 

漣「これ絶対ユーザーの求めるものできませんって」 

江風「つーかそンなのいいから。無事開幕したプロ野球を今年こそ皆でだな」 

提督「それより昨日開業した北海道新幹線のだな」 

漣「あ、それはいいです」 

江風「うン、いいわ」 

明石「……」 

提督「……本当なんなの」 


884: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/27(日) 20:44:33.51 ID:c3lPKO0JO

< 遠く、遠く > 






鹿島「はいっ、どうぞ」 

龍田「ありがと。……配膳? 」 

鹿島「やることがなかったのでお手伝いです」 

龍田「ふぅん? お疲れ様」 

鹿島「いーえ、誰かの為になるのは嬉しいことですから」 

龍田「……そ」 






あきつ丸「……で、また屋上に来た、と」 

龍田「あれ本気で言ってるみたいなのよねぇ……」 

あきつ丸「……そういう存在がいてもおかしくは」 

龍田「そうだけど。……眩しくて眩しくて」 

あきつ丸「年寄り染みたことを言うでありますな」 


885: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/27(日) 20:45:52.21 ID:c3lPKO0JO

< あなたといるから輝ける > 






高雄「三月二十七日の誕生色はオパールグリーン。 
色言葉は“ 美貌 ”、“ 陶冶 ”、そして“ 自己表現 ”」 

提督「ルックスレベル高い人は結構いるけどさ」 

高雄「はい」 

提督「美貌、って言葉が似合う人ってなると滅多にいないよな」 

高雄「言葉の意味としては美しい顔やかたち、という程度の意味なのですけれどね」 

提督「印象っていうかさ、うん」 

高雄「言いたいことは分かりますよ」 

提督「あぁ。……ま、それは身近で見てるからそれが基準になってるのかもな、なんて」 

886: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/27(日) 20:46:36.54 ID:c3lPKO0JO

< 芯をつくらない、という信念 > 






龍田「信念が強いとあぁも頼もしく見えるのね~ 」 

あきつ丸「皮肉にしか聞こえないが」 

龍田「三割くらいよ。あとは全部本音」 

あきつ丸「……」 

龍田「……」 

あきつ丸「…………龍田も」 

龍田「あら~? 久し振りじゃない? 名前呼んでくれたの」 

あきつ丸「…………信念があるように見えるでありますよ」 

龍田「うそぉ、私なんか全然よ。流されてるだけ。何か決めてるようでいてぜーんぶ天龍ちゃん任せ」 

あきつ丸「…………」 

龍田「…………」 

あきつ丸「…………」 

龍田「……嘘じゃないのよ? 本当でもないけど」 

887: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/27(日) 20:47:38.55 ID:c3lPKO0JO

< 男の場合は……なんだ? > 






提督「今日のカクテルはインペリアル・フィズ、だ」 

雲龍「マゾのMは実はメスのMなのよ」 

提督「いやいやいや……なんなのいきなり」 

雲龍「“ 楽しい会話 ”」 

提督「あん? 」 

雲龍「カクテルワード」 

提督「マジかよよく知ってんな、じゃなくてさ」 

雲龍「ええ」 

提督「Mの話が楽しい会話になると思ってんのか? 」 

雲龍「なるじゃない。あなたは絡んでくれるもの」 

提督「……」 

雲龍「照れてる? 」 

提督「ちげーよ。どう反応すればいいのか迷ってんの」 

891: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/29(火) 06:19:21.36 ID:HrakYFDQO

< 色気なんか無くたって嬉しいもの > 






提督「やっぱ耳掻きは昼間にやるものだな。夜は駄目だ」 

愛宕「やらしいわねぇ」 

提督「や、違うから。単に耳の中見えなくなるって意味だから」 

愛宕「まぁ昼日中でもやらしいのは変わらないものね」 

提督「そっすね」 

愛宕「……ん、いいわよ」 

提督「さんきゅ」 

892: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/29(火) 06:20:28.78 ID:HrakYFDQO

< 成した事柄の正邪を判じよう > 






明石「私たちが戦わないと人間が生きていけない、かどうかは分かりませんけど文明レベルは確実に落ちるでしょうし」 

加賀「私たちは彼らが齎す化石燃料等の資源が必要、と」 

明石「さすがに世界中の艦娘だけで採掘から精製までってのは無理ですからね」 

加賀「……」 

明石「ま、ガチで共依存の関係なわけです」 

加賀「そうね」 

明石「……ただですね」 

加賀「ええ」 

明石「よくよく考えれば奴隷制でも復活させちゃえばいいんですよ、何人か有力者を取り立ててみればいいでしょう」 

加賀「いいわね」 

明石「まぁ、冗談ですけ……いい? 」 

加賀「少なくともくだらない争いの幾つかは減って集約されるでしょう? 」 

明石「……間違ってもないですけど絶対正しくもないですよね、それ」 

893: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/29(火) 06:20:58.67 ID:HrakYFDQO

< 教養とは何か > 






高雄「三月二十八日の誕生色はペールアクア。色言葉は“ 感謝 ”、“ 教養 ”、そして“ 思い遣り ”」 

天城「どこをおねだりするんですか? 」 

雲龍「え? 」 

天城「提督と約束なさったでしょう? 野球で北海道代表がベスト4まで行かなければ、という」 

雲龍「あぁ、賭博」 

江風「…………」 

天城「……わざわざ言い換えたのですけれど」 

雲龍「言葉は正しく使うものよ。……考えてなかったわ」 

天城「どうせなら高雄さんたちが行ったことのない場所でも探ってみてはどうでしょう」 

雲龍「…………」 

天城「…………」 

雲龍「…………河川敷の橋の下とか? 」 

天城「」 

高雄「…………無いですけどね、確かに」 



894: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/29(火) 06:21:58.04 ID:HrakYFDQO

< 可も無く不可も無くな感じ > 






提督「今日のカクテルはドクペサワー、だ」 

漣「お、雑ゥー! 」 

提督「もうなんか色々面倒なんだよ……察っせ」 

漣「仕ッ方ないですねー、まったくこれだからご主人様は」 

提督「へいへい」 

漣「……マジ? 」 

提督「マジマジ。なんか泥酔して電柱に頭ぶつけてテンション下がったような気分」 

漣「やけに具体的な……いい子いい子してあげましょうか? 」 

提督「本気で虚しくなるからやめろ。……別の慰め方されてくるから、じゃ」 

漣「はいはーい」 

895: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/29(火) 06:22:53.39 ID:HrakYFDQO

< こんな夜も許してほしい > 






金剛「眠いデース」 

霧島「眠ればいいのでは」 

金剛「寝たくないデース」 

霧島「では眠らなければいいのでは」 

金剛「でも眠いデース」 

霧島「それならばやはり眠ればいいのでは」 

金剛「だから寝たくないんデース」 

霧島「……ならば」 

金剛「ンー? 」 

霧島「私が眠らせて差し上げましょうか? 」 

金剛「ね、寝るデース」 

霧島「よろしい。……起こすならそこのひえーとかいう寝言の人にすればいいのに」 


896: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/29(火) 06:23:27.91 ID:HrakYFDQO

< 女の生命 > 






提督「髪、綺麗だよね」 

天城「ありがとうございます。……何人の方にそう言ったか覚えていますか? 」 

提督「覚えてるぜ? 」 

天城「は、はぁ。そう、ですか」 

提督「そりゃ片手には収まらないけどね、俺髪と瞳が魅力的な女の子しか好きになれない病気だから」 

天城「その代わり髪と瞳が魅力的な方なら誰でも好きになってしまう病気なのですよね」 

提督「よく分かってるじゃん」 

天城「……分からされましたから」 



897: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/29(火) 06:25:06.30 ID:HrakYFDQO

< 裏が無いということこそ最凶の > 






金剛「……あきつ丸? 」 

あきつ丸「ん? ……服や髪に臭いが着く。あまり近寄らない方がいい」 

金剛「いつもここにいるデース? 」 

あきつ丸「……ま、気が向いたときには」 

金剛「…………夜更かしデスネ」 

あきつ丸「そちらも」 

金剛「my sisterに怒られてしまいましタ」 

あきつ丸「……寝ていられるうちに寝た方が賢明だと思うが」 

金剛「私は馬鹿なのでno problem」 

あきつ丸「…………吸うでありますか? 」 

金剛「煙草は嫌いデース。お気持ちだけ」 

あきつ丸「…………」 

金剛「…………」 

あきつ丸「…………貴殿も気持ちが本音に聞こえる女だな、まったく忌々しい」 

金剛「ふふーん、それは最高の褒め言葉デース」 

898: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/29(火) 06:26:15.25 ID:HrakYFDQO

< まぁ、全部推測 > 






漣「ご主人様って修羅場に巻き込まれたこと沢山ありそうですよね」 

愛宕「そう? 」 

漣「そう思いません? 」 

愛宕「あぁいう人ってね、遊び方も上手いものなのよ」 

漣「はぁ」 

愛宕「そもそもあのレベルのクズで修羅場なんてやってたら今ごろ針山みたいになってると思わない? 」 

漣「あー、確かに」 

愛宕「それにきっと私たちに会ってからよ? おかしくなったのって」 

漣「でもそれは……や、確かに漣が見ていた感じでは常に一人しか口説いてませんでしたね」 

愛宕「ね? 」 


899: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/29(火) 06:27:09.21 ID:HrakYFDQO

< 太陽みたいな女の子がいたら振り向くに決まってる > 






提督「いや、こう、なんつーかな。最初は自制してるんだけどいつの間にか」 

天城「好きになっている、と」 

提督「うん。しかもそれで終わればいいんだけどさ」 

天城「相手からも好かれてしまう? 」 

提督「はい」 

天城「……」 

提督「無意識にしちゃってるんだよね、好かれよう好かれようって」 

天城「…………食虫植物と向日葵の混合種みたいですね」

900: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/29(火) 06:28:04.42 ID:HrakYFDQO

< 先、とはいつからか > 






加賀「あなたこの先どうするつもり? 」 

雲龍「この先? 」 

加賀「もし明石の研究が進まなければいつかは提督だけが老いて死ぬ。 
それどころか遅くとも数年で別々の場所に配置転換されるのよ? 」 

雲龍「……私は明石を信じていますし、明石以外の研究者も」 

加賀「私たちを人並の寿命と耐久力にする研究を? 
少なくともこの国を含めた保有国は完成させても公にはしないでしょうね」 

雲龍「……」 

加賀「……覚悟はしておきなさい」 

雲龍「そんなことはとうにして」 

加賀「今までの世界を敵に回す覚悟をね」 

雲龍「…………え? 」 

901: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/29(火) 06:28:55.08 ID:HrakYFDQO

< 屋上ぱーりーないと > 






あきつ丸「まったくどうでもいいが」 

金剛「ンー? 」 

龍田「ええ」 

あきつ丸「祖師谷をぞうしがやだと思っていた、最近まで」 

龍田「痴漢されそうねぇ」 

金剛「いいカモデース」 

あきつ丸「……」 

龍田「でもあなたもよね? 」 

金剛「強気な女程そういうのの獲物になるって聞いたことがありマース」 

あきつ丸「…………これはさらにどうでもいいが海軍は暇なのでありますか? 今は一体何時だと」 


902: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/29(火) 06:30:22.59 ID:HrakYFDQO

< そんな顔をさせてしまった自分が嫌になる > 






天城「……あなたが一途な、普通の恋愛感覚を持っていたとしたら」 

提督「あぁ」 

天城「辛かったでしょうね。そんなに完璧な殿方に愛してもらえないなんて」 

提督「……」 

天城「……」 

提督「それは悪いと思……あ? スマホ取ってくれ」 

天城「どうぞ」 

「あぁぁぁぁぁぁ……! 終電ねぇよ馬鹿ぁぁぁぁぁ……! 」 

提督「……ビジネスホテルなりカプセルホテルなりに宿泊することをお勧めいたしますけれど」 

「あぁ? ……なに、女といんの? 」 

提督「あぁん? 」 

「お前が適当な返事返すときは大体そうだろうよ」 

提督「はぁ」 

「頼む、時刻表見るのかったるいしそもそも終電消えたし代替の移動方法をタクシー以外で探し」 

提督「はいはいはい……今時期の関東なら死なねぇだろ。ばーい」 

天城「ぁ……」 

提督「……」 

天城「……大丈夫なんですか? 」 

提督「知らねぇよそんなの。女の子といるときに巫山戯た電話してくるやつに慈悲は無い」 

天城「…………」 

提督「…………」 

天城「…………」 

提督「…………分かったよ、分かった。まともなプラン提案するからさぁ……そんな顔しないでくれよ」 

907: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/30(水) 23:07:16.70 ID:AG2NeL9jO

< 腹が立つほど似合うなんて > 






山城「…………」 

扶桑「山城? 」 

山城「……なんでしょう、扶桑姉さま」 

扶桑「なんでもないけれど……ずっと黙りしてたから」 

山城「……その髪飾り」 

扶桑「これ? 提督にいただいたのよ。昨日は小包受け取れなかったからさっき見たの」 

山城「でしょうね」 

扶桑「? 」 

山城「お似合いですから、こと女、というか姉さまの見た目のことに関してはセンスが合うんですよ、あの男と」 

扶桑「へぇ? 」 

山城「…………本当に似合っていて少しだけ腹が立ちますけれど、ね」 


908: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/30(水) 23:08:50.27 ID:AG2NeL9jO

< いつまでも一緒に寝ていられるならそれもいいけれど > 






提督「へろー」 

天城「へ、へろー」 

提督「……なーんで女の子の部屋行くと皆早起きなんだろう」 

天城「殿方に寝顔を見られ続けるのはあまり……」 

提督「もっと恥ずかしいことを、ってのはまた違うか」 

天城「違いますね」 

提督「……シャワー借りるよ」 

天城「どうぞ、お湯も張っておきましたから」 

提督「わーお、至れり尽くせり過ぎてもう……ありがとう」 


909: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/30(水) 23:09:28.45 ID:AG2NeL9jO

< まぁ、割とそんなものだよね > 






提督「今日はマリモの日でーす」 

愛宕「ふーん」 

高雄「はぁ」 

提督「……興味無い? マリモ」 

愛宕「正直別に」 

高雄「アイスランドの球状マリモは壊滅的な被害を受けたのですよね、水質汚染で」 

提督「そ、アイスランドとかエストニアではもうほぼ見られない。阿寒湖だけなんだぞ」 

愛宕「へぇ……」 

高雄「……」 

提督「…………マリモ育成キットでも買うかな、そのうち」 


910: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/30(水) 23:10:26.18 ID:AG2NeL9jO

< 長く見てると愛嬌とか感じてきたりする > 






高雄「三月二十九日の誕生色はスプレーグリーン。 
色言葉は“ 謙虚 ”、“ 生真面目 ”、そして“ 専門的 ”」 

提督「ほらこれ、よくない? 」 

高雄「わざわざスマホでマリモって……」 

愛宕「うーん……インテリアとしてならお魚とかが欲しいところじゃない? 」 

提督「や、あいつら藻なんて食べちゃうからさ」 

愛宕「なるほどね」 

高雄「……そもそもマリモに何か思い入れでもあるんですか? こんなに食い下がるなんて」 

提督「んー? 別に特には。所詮ただの珍しい藻だし富士五湖とか琵琶湖にもいるしな」 

愛宕「そうよね」 

高雄「…………なんだか私はむしろ可愛らしく、というか可哀想に思えてきましたよ、マリモ」 


911: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/30(水) 23:11:46.59 ID:AG2NeL9jO

< 記憶の面白いところかもしれない > 






提督「今日の酒はサングリアだ、任せた」 

Littorio「殆ど飲んでいませんね」 

提督「や、こんな甘いと思ってなくてさ。予想外予想外」 

Littorio「見通しが甘いというか……そもそもがかなり甘いものですよね」 

提督「久々に飲もうと思ってね……無理だったけど」 

Littorio「Littorioもあまり得意な方ではないのですけれどね……あぁ」 

提督「うん? 」 

Littorio「……こんなに、甘いものでしたっけ? 」 

提督「だろ? 」 


912: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/30(水) 23:27:48.03 ID:AG2NeL9jO

< 型とかステレオなんてつまらないものだけどね > 






高雄「三月三十日の誕生色はパステルブルー。 
色言葉は“ トレンド ”、“ 情熱 ”、そして“ 安らぎ ”」 

提督「安らぎといえば葛城だが」 

天城「はい? 」 

雲龍「名前だけね」 

天城「まったく雑な……そういえば」 

提督「うん? 」 

天城「葛城が横須賀に、というお話結局提督から聞いてませんよね、天城たち」 

雲龍「ええ」 

提督「え? ん、あー……そうだっけ」 

天城「別にしっかりと会えましたし構いませんけれどね、一言くらいは言っていただきたかったな、と」 

提督「悪い、今度から気を付ける」 

天城「お願いしますね。……ずっと想っていたのですから、知らずに沈んでいたらと思うと恐ろしいです」 






提督「……やっぱあいつの方が姉っぽくね? 」 

雲龍「さぁ? ……棒的な意味なら私が正しく姉だけど」 


913: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/30(水) 23:29:50.89 ID:AG2NeL9jO

< 酔い潰すよりも遥かに難しい > 






提督「今日のカクテルはキール。カクテルワードは“ 陶酔 ”、だ」 

叢雲「一応言葉の意味的には気分良く酔う、なんて意味もあるのよね、陶酔って」 

提督「ある意味最高のワード? 」 

叢雲「ええ……カシスねぇ、嫌いじゃないけど」 

提督「カシスと白ワインなんてすっげぇ女子力高そうだよな、なんとなく一般論的に」 

叢雲「そうかもね」 

提督「……カシオレとかソーダでも飲む? 」 

叢雲「なんでも。……気持ち良く酔わせてくれるなら、ね」 

918: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/31(木) 23:31:01.57 ID:iCUVBmYlO

< 指標 > 






江風「この基地でさ」 

海風「なに? 」 

江風「相手によって態度が変わらない人選手権をやったとして」 

海風「う、うん? 」 

江風「やったとして」 

海風「……やったとして? 」 

江風「絶対に江風は上位だよな」 

海風「そう? 」 

江風「なンてったってテートクに対して態度が変わらないから」 

海風「あぁ……物凄く説得力あるかもそれ」 

江風「な? 」 


919: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/31(木) 23:32:06.23 ID:iCUVBmYlO

< 割といつもあっという間に > 






江風「センバツも今日で終わり」 

雲龍「奈良と香川……関東は蚊帳の外ね」 

江風「去年は逆に北海道と福井だったし? 」 

雲龍「福井は……中部北陸? 」 

江風「なンか嶺北と嶺南で違ったりするらしいけどね、江風は知らない」 

雲龍「へぇ」 

江風「ちなみに優勝した奈良代表は一回戦で福井代表に勝ってたりする」 

雲龍「そう」 

江風「そうなンだよ」 

雲龍「……」 

江風「……」 

雲龍「……デートはどこねだればいいと思う? 」 

江風「知らないよそンなの……江風ならスポーツ観に行かせてもらうけどさ」

920: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/31(木) 23:32:48.37 ID:iCUVBmYlO

< 言われたら普通にヘコむかもしれない > 






提督「クソ提督ってあるじゃん」 

漣「あー、はいはい、聞いたことありますね、なんとなくどこぞで」 

提督「俺はあれ言われたことないしそんな仲でもなかったんだけどさ」 

漣「はい」 

提督「なんとなくセンコーに近いものを感じるんだよね」 

漣「や、そこまで侮辱的な意味とか考えてもいないと思いますけど」 

提督「荒れた高校生だってその辺は適当だよ。彼女に対しておい、とか呼ぶくらいの感じ」 

漣「ふーん? 」 

提督「俺は無いけどね? 俺は」 

漣「はぁ。……で? 」 

提督「いや、それだけだよ。本当のクソ提督はそう呼ばれないんだなって」 

漣「なるほど? ……まぁ、クソってよりクズですしね」 

921: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/31(木) 23:33:19.02 ID:iCUVBmYlO

< いっそ感動する程の先回り > 






高雄「三月三十一日の誕生色はストロー。色言葉は“ 激励 ”、“ 感動 ”、そして“ 歓喜と悲哀 ”」 

提督「まーた……」 

愛宕「うん? 」 

提督「扶桑から。この前の誕生日のお礼の手紙」 

愛宕「あぁ」 

提督「……筆字上手いなぁ。字下手な身からすると尊敬できる」 

愛宕「通信講座でも初めてみる? 」 

提督「それなら筆以外のにするよ、漢検とか」 

愛宕「そうねぇ」 

提督「英検とか独検の言語系は持ってるし歴史検定とかも面白……あ」 

愛宕「北海道関連の検定は通信に無いと思うわよ」 

提督「…………」 

922: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/31(木) 23:34:46.10 ID:iCUVBmYlO

< 暖かさより身軽さを選んでしまう人だから > 






天城「お花見、ですか」 

提督「そ、夜桜だけどな。陸軍のやつらからトラックでも借りてちょっと行ってこよう」 

天城「いいですね」 

提督「三月、っていうか年度の変わり目だしなんかやっとこうかなって」 

天城「……いつも何がしかしているような」 

提督「や、理由は違うし? ね? 」 

天城「もちろん天城も嫌なわけではありませんよ? ……雲龍姉様の上着を用意しておかないと」 

923: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/31(木) 23:35:50.05 ID:iCUVBmYlO

< 七不思議の一つにでもしておこう > 






江風「へーい、テートクー」 

提督「うん? ビールケースは適当に乗っけといてくれ」 

江風「ン。……こンなに消費するっておかしいよな」 

提督「お前ら酒強いやつばっかだもん」 

江風「テートクも」 

提督「俺はあくまで人間基準だし。加賀とか化物レベルじゃねぇか」 

江風「あれなンなンだろうな……消化が異常に早いとかそンなレベルじゃないけど」 

924: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/31(木) 23:36:49.84 ID:iCUVBmYlO

< 結局体質としか > 






加賀「アルコールの分解は」 

江風「! ……びっくりしたぁ」 

加賀「胃と小腸からの吸収後、始まるわ。 
だから基本的には誰しも空腹であるより満腹時の方がお酒に強いと言われています」 

提督「つまり小腸の方が吸収が早いから早く回って悪酔いするってことで……いや」 

加賀「? 」 

提督「お前の場合食事量もおかしいからな? しかもちょっと腹に溜まってるからってワクにはならねぇよ」 


925: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/31(木) 23:38:05.94 ID:iCUVBmYlO

< 愉快な団欒へようこそ > 






提督「えー、花見ですね、はい。もう始めているようですが各自適当に楽しんでください、以上」 

明石「相変わらず雑ですねぇ」 

提督「酒飲んで美味いもの食う前に面倒なことなんてしてられねぇよ」 

明石「そうですけど」 

加賀「そういえば一昨日は焼肉の日だったのに」 

提督「あん? 」 

瑞穂「これだけ並んでいてなお、ですか」 

加賀「一昨日食べられたかもしれないことと今のことは別よ」 

瑞穂「はぁ」 

天城「そう言うと思いまして」 

雲龍「七輪とお肉、持ってきましたよ」 

海風「塩おにぎりも、です」 

加賀「……そう」 






提督「なんかもう……俺と加賀はなんもしなくてもいいよな? これ」 

明石「……察しが良過ぎるというか加賀さん大好きというか」 

926: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/31(木) 23:39:11.04 ID:iCUVBmYlO

< そして誰かを見守ることができるのなら > 






天城「櫻の樹の下には屍体が埋まつてゐる」 

叢雲「梶井基次郎ね」 

天城「はい。……天城たちの死体が埋まっていればそれはそれは綺麗なものが咲きそうです、この桜のように」 

叢雲「笑えない冗談ね」 

天城「冗談というか……叢雲さんは知っていますか? 天城たちが死ぬとどうなるか」 

叢雲「……朽ちて土に還って終わりじゃないの? 」 

天城「それを見たことがあるとでも? 」 

叢雲「……今のところ地上で死ねた艦娘はいないからだれも知らないわね、そんなこと」 

天城「でしょう? ……だから、せめて化け物の身体から解放された後は、桜の色付きになれたら、なんて」 

叢雲「…………」 

天城「…………」 

叢雲「…………鉄分の摂り過ぎはよくないと思うわ、植物でも人でも」 

天城「そうですね。……ふふ、ビール? それとも日本酒にしますか? 」 


927: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/31(木) 23:40:21.55 ID:iCUVBmYlO

< あなたに幸せであって欲しいというエゴすらも > 






龍田「そうねぇ、くだらない話といえば」 

山城「突然、なによ」 

龍田「何もかも上手くいって周りから称賛されつつ海軍の箱庭を出て扶桑と外で生活できるとしたら」 

山城「はっ、周りから称賛? 本当にくだらない戯れ言ね」 

龍田「そう言ったわ。……何をしたいとかってあるかしら」 

山城「……分かってて訊いてる? 」 

龍田「さぁ? 」 

山城「じゃああなたはどうなのよ、天龍と外で暮らせるなら」 

龍田「分かってて訊いてる? 私のこともう少し知ってるでしょう? 」 

山城「……所詮似た者同士、同族嫌悪ってことよ。鏡としてしか知らないわ」 

龍田「ふーん? 結局あなたも一緒にいられればなんでもいいってこと? …………たとえ相手が不幸のどん底だとしても」 

928: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/31(木) 23:41:02.37 ID:iCUVBmYlO

< 眼光って割と大事 > 






江風「ビール、ビールを持ってこーい」 

愛宕「んー……ビールケースは? 」 

雲龍「空になってしまったからあの人と高雄が取りに行ったわ。二十分は前に」 

愛宕「あ、そう……」 

雲龍「ええ」 

愛宕「……」 

雲龍「……」 

江風「ンっ、ビール、ビーひいっ」 

海風「……今のは江風が悪いと思うよ、どう考えても」 

929: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/31(木) 23:41:52.00 ID:iCUVBmYlO

< 反応してしまう、サガ > 






提督「今日の酒は……ま、考えるまでもなくビールだな。次点で日本酒」 

高雄「そうですね」 

提督「高雄たちは品が無いとか思わないのか? 結構ビールとか日本酒って女の子避けたりするんだけど」 

高雄「私は特には。……そういう女はお嫌い? 」 

提督「いーや? 品が無いとも思わないし……それにさ」 

高雄「はい」 

提督「下品、って言われる酒もファッションも仮に苦手だとしてもね、まぁ、その……少なからずクるんだよ、男としては」 

高雄「……なるほど」 

930: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/31(木) 23:43:47.61 ID:iCUVBmYlO

< 一方櫻の樹の下では > 






雲龍「誰が運転するの? 」 

天城「ぁ」 

加賀「……誰かが体内の回復機能を励起させてアルコールを消化するとか」 

江風「江風は嫌だぜ? 折角いい酔い方してンのに」 

明石「というか提督以外で免許持ってるの私だけですし……この際無免ですけど誰か運転できます?」 

Littorio「Littorioは彼らを待つべきかと」 

江風「でももうよくない? 結構経ったけどテートクたち戻ってこないし江風たちにまともな法律が適用されるとも思わないし」 

天城「それは……」 

漣「ですねー、正直寒くなってきましたしお風呂入りたいですしテレビはリアタイで観る派ですし」 

雲龍「……どう? 」 

愛宕「私に決めさせないでよ……馬鹿じゃないんだからそのうち戻ってくるでしょ。 
お酒もまだあるし私はまだ飲んでいたい気分です」 

明石「……トラックは最悪提督が陸軍の人呼べばいいですしね。落ちる評判も既にありません」 

加賀「……そうしましょうか? 」 

叢雲「いいと思うわ。……決定権強いのが上から二人いないと辛いわね」 


931: ◆5z7C0EoTrg 2016/03/31(木) 23:45:03.96 ID:iCUVBmYlO

< あなたの胸に縋らせてほしい、優しいキスをもらいたい、それから > 






高雄「少し、寒くなってきましたね」 

提督「ん? ほら」 

高雄「……ありがとう」 

提督「いーえ」 

高雄「あなたが風邪を引けばそれだけ軍や国に迷惑がかかるのに」 

提督「それは高雄の心配することじゃない。高雄が何か言われる筋合いも無い」 

高雄「……」 

提督「でもお前が風邪を引いたらおれが心配する」 

高雄「…………あなたの匂いがします」 

提督「嫌? 」 

高雄「……整髪料とお酒と煙草と、時々ペンやオイル、髪の匂い、それから女の、他の女の匂い」 

提督「……嫌? 」 

高雄「…………少しだけ」 

提督「…………」 

高雄「…………」 

提督「…………今なら何言われても受け入れちゃいそうだよ。どうする? 」 

高雄「…………それならーー」 


938: ◆5z7C0EoTrg 2016/04/01(金) 23:42:48.08 ID:8luMkJqE0

< 盛り上がりそうでそうでもないイベント > 






提督「エイプリルフールっすね」 

漣「そっすね」 

提督「なんか嘘ある? 」 

漣「実は僕明石さんの隠し子なんすよ」 

提督「髪色しか無いじゃないっすか」 

漣「そんなこと言われても……あなたはどーなんですあなたは」 

提督「俺? ……実は俺もう籍入れてるんだよね」 

漣「誰と? 」 

提督「地元の子」 

漣「へぇ……なんかリアルだし瑞穂さんくらいなら騙せそうですね」 

提督「リアルとか言うなよ馬鹿」 

939: ◆5z7C0EoTrg 2016/04/01(金) 23:43:48.33 ID:8luMkJqE0

< 嘘ならばどんなにか > 






雲龍「これから辛い時期ね」 

Littorio「? 」 

明石「梅雨が来て台風が来て蒸し暑さが来て酷暑がきて残暑が来て」 

雲龍「油断するとパスタに黴が生えたりするわよ」 

Littorio「え……」 

明石「あとブラが蒸れて酷かったり」 

雲龍「この世のものとは思えない日が続くわね」 

Littorio「……あっ、今日はエイプリルフールでしたね、そういえば、ええ」 

明石「…………」 

雲龍「…………」 


940: ◆5z7C0EoTrg 2016/04/01(金) 23:44:35.05 ID:8luMkJqE0

< 集中力が云々は負け > 






加賀「…………っ」 






雲龍「外したわね」 

天城「一応一の黒に当ててますけど」 

雲龍「加賀さんにとっては違うんでしょ、あれは思ったところに行かなかった反応」 

天城「はぁ、的中制でいいと思いますけれどね、敵にだって基本的に当てればいいわけですし」 

雲龍「でも戦場だとそのまま矢を当てる、なんてことはまずないじゃない」 

天城「む……」 

雲龍「……」 

天城「……的場の隅っこで覗くのやめません? 今明らかにこっち睨んでましたよ」 

雲龍「……そうね」 

941: ◆5z7C0EoTrg 2016/04/01(金) 23:45:39.23 ID:8luMkJqE0

< 道着とか着てもあんまり…… > 






高雄「四月一日の誕生色は薄桜。色言葉は“ 洗練 ”、“ 友人 ”、そして“ 微笑み ”」 

明石「提督にコスプレしてもらえるなら? 」 

雲龍「ええ、私たちの方はたまに求められることあるけれど逆は無いじゃない」 

明石「それファッションジャンルって意味ではないんですよね」 

雲龍「そうね」 

明石「……コスプレ」 

雲龍「コスプレ」 

明石「…………高雄さんはあります? 」 

高雄「バニーにしろと言われたので戯れに燕尾服を、と言ったら本当に着てきたことなら」 

明石「はぁ」 

高雄「そもそも軍服からしてコスプレのような気もしますし」 

雲龍「確かに。……やはりスキモノの上官が一番現実的かしら」 

明石「……現実的? 」 


942: ◆5z7C0EoTrg 2016/04/01(金) 23:46:18.00 ID:8luMkJqE0

< 蛙の姉は蛙 > 






鈴谷「そーいや最近山城不幸不幸言わないね」 

扶桑「え……? 」 

時雨「え……? 」 

鈴谷「え? 」 

扶桑「……四月馬鹿、というやつね? 」 

鈴谷「や、割と本音っていうか普通にそう思ったんだけど」 

扶桑「……言うわよ? 今日の朝マルナナサンマル頃だとか昨日のフタフタマルサン頃だとかそれから」 

時雨「僕も昨日の朝頃聞いたはずだよ」 

鈴谷「そ、そうなんだ」 

扶桑「ええ」 

時雨「あぁ」 

鈴谷「知らなかったなー。あ、でもさーー」 






鈴谷「…………やっぱあの姉妹おかしいよ絶対、おかしいの鈴谷じゃないって」 

あきつ丸「……それを自分に言われましても」 


943: ◆5z7C0EoTrg 2016/04/01(金) 23:46:54.12 ID:8luMkJqE0

< これ、としか > 






提督「今日のカクテルはネグローニ。ま、メジャーなカクテルだな」 

Littorio「そう、でしょうか」 

提督「少なくともこの国ではそこそこ」 

Littorio「祖国のカクテルですのにね」 

提督「意外なところで意外なものが求められるものだよ」 

Littorio「……以外なものといえば」 

提督「あぁ」 

Littorio「どこぞの国の艦娘は喫煙者が殆どを占めているとかいないとか」 

提督「へぇ? 」 

Littorio「戦闘よりも哨戒が多いので海上で嗜める数少ない娯楽なんだとか」 

提督「なるほどね。……これとかやればいいのに、飽きるかな? 」 

Littorio「これ? 」 

提督「これ」 

Littorio「……両人差し指を突き出して何をするんですか? 」 

提督「なんというかゲームなんだけどね……名前何ていうのかなこれ」 


944: ◆5z7C0EoTrg 2016/04/01(金) 23:47:35.47 ID:8luMkJqE0

< たまには待たせてみたいもの > 






提督「今日はあれか、全国で入社式とかやってたのか」 

愛宕「そうねぇ……行ったことないけど」 

提督「俺も無いぞ」 

愛宕「……私これ既卒扱いなのかしら、それとも中卒? 義務教育すら無し? 」 

提督「え、いやどうかな……帝都が一番やりそうなのは海軍三校のどれか卒業扱いな気がするけど」 

愛宕「あぁ、海経とかありそうね」 

提督「つーか就職しなくていいだろ? 」 

愛宕「面白そうじゃない? 折角外に出るなら色々行ってみたいわ」 

提督「そんなものかな」 

愛宕「そんなものなのよ。……少しくらい妬いたり不安になってほしいしね」 


945: ◆5z7C0EoTrg 2016/04/01(金) 23:48:59.68 ID:8luMkJqE0

< 人の心が読める、なんて勇気のいること > 






雲龍「結局エイプリルフールでもなんでもイベントごとなんてカップルがイチャつく道具よね」 

天城「さすがにそれは捻くれ過ぎでは」 

雲龍「そう思うわ、自分でも」 

天城「自覚あるんですね」 

雲龍「さすがにね。……それで思ったのだけれど」 

明石「はい」 

雲龍「結構前にネタで処女かどうか分かる眼鏡、なんてつくっていたじゃない」 

明石「あぁ。あれは単に顔を認識するだけで私が知ってる限りのを適当に割り振っただけの玩具ですけどね」 

雲龍「あれどうせなら好感度にすればもっと面白いと思わない? 」 

明石「……仮にやるなら数値は雲龍さんが決めてくださいね」 

雲龍「嫌よそんなの」 

明石「私だって嫌ですよ……自分のだけ高めにしちゃいそうですし」 


951: ◆5z7C0EoTrg 2016/04/02(土) 23:39:05.22 ID:+NcEM8XA0

< 相手が相手だからこそ言えるけれど > 






高雄「四月二日の誕生色はシェルピンク。色言葉は“ 詩的情緒 ”、“ 頭脳明晰 ”、そして“ 純粋 ”」 

Littorio「詩的情緒? 」 

高雄「私も意味はよく分からないわ」 

Littorio「……言わんとするところは分かるような気もしますけれど」 

高雄「たとえば? 」 

Littorio「心に残るような風景だとかでは? 」 

高雄「あぁ」 

Littorio「あとは」 

高雄「あとは? 」 

Littorio「事後、とか」 

高雄「……自意識過剰、ではないわね。私も正直絵にはなると思うわ」 

952: ◆5z7C0EoTrg 2016/04/02(土) 23:40:57.46 ID:+NcEM8XA0

< 旅行気分、ってわけにもいかないが > 






江風「呉ェ? 」 

提督「そ、来週からな」 

江風「随分突然な話だな」 

提督「まぁね。たぶん十日くらいだから」 

海風「……よかった、帰って来れるんですね」 

提督「帰るっていうかまぁ、そうかな」 

海風「海風の帰るところは提督のいるところですから」 

提督「……そうか」 

江風「我が姉ながら重いぜ姉貴、ってのは置いとくとしてもいいのか? 配置転換」 

提督「お前が心配することじゃないさ」 

江風「そうだけど……江風が心配なのはテートクのことだよ」 

953: ◆5z7C0EoTrg 2016/04/02(土) 23:41:31.13 ID:+NcEM8XA0

< それから少しして > 






提督「俺もお前ら手放したくないってことだよ」 

江風「あン? 」 

提督「こんなにさ、俺と気が合う子ばっかなのって割とマジに奇跡だと思うんだよね」 

江風「……それ姉貴に言ってやりなよ。喜ぶぜ」 

提督「言えると思うか? 」 

江風「言えるだろ? テートクなら」 

提督「……本当にそれ言えるだけじゃねぇかそれ」 

954: ◆5z7C0EoTrg 2016/04/02(土) 23:42:18.46 ID:+NcEM8XA0

< そもそも娯楽なんて概念あるんだろうか > 






漣「深海の方で捕虜にされたらさ」 

叢雲「捕虜なんて取らないと思うけど、なに? 」 

漣「やっぱりエロいことされるのかな? エロ同人みたいに」 

叢雲「……そんなことより艤装外されて嬲られる方が現実的でしょ」 

漣「や、だからその嬲るってのが性的拷問かもしれないじゃん? 」 

叢雲「じゃあ雲龍でも偵察に行かせればいいのかしら? 」 

漣「まぁ、あの人だけダメージ低いかもね……』 

955: ◆5z7C0EoTrg 2016/04/02(土) 23:43:39.59 ID:+NcEM8XA0

< 実際割と童顔だったりするんだけどね > 






江風「ルックスと表面的な性格だけ見たら一番家事出来なさそうなのって愛宕さンだよな」 

愛宕「そんなこと言われてもね」 

江風「納得いかねぇ、なンで江風は、江風は」 

海風「正直運だよね、憑子がなんなのかは知らないけど」 

明石「憑くモノだって艦の魂、なんていいますけど実際は人々の怨念だとか無念だとか、 
もしくは行き過ぎた美化だとか理想の意識ですもんね」 

愛宕「そこはせめて八百万的なモノとか付喪神的なモノって言ってほしかったなぁ」 

明石「ま、それも間違ってませんよ、たぶん。実際のところはよく分かりませんから」 

海風「難しいですよね、その辺の線引きは」 

明石「しなくてもいいですしね……私以外は」 

愛宕「大変ねぇ」 

明石「好きでしてますしね。この意志が艦に引っ張られてるとしたらどうしようもありませんけど」 

海風「あ、でも江風? 」 

江風「ン? 」 

海風「愛宕さんも海風もそれから努力したから今があるのは本当だよ? 
運に上乗せされてるから才能があるんだからね? 」 

江風「わーってるよ姉貴。……分かってるンだよ、江風が一番、さ」 

956: ◆5z7C0EoTrg 2016/04/02(土) 23:44:14.65 ID:+NcEM8XA0

< これさえあれば幸福なモノ > 






愛宕「愛、っていうのはあれだから……無いわね」 

高雄「同じく。何か一つの物に執着した覚えがありません」 

雲龍「元々物なんて割とどうでも」 

天城「一番好きなのは日本酒ですけど選べませんね」 

Littorio「さすがにピザやワインだけでは生きていけません」 

漣「ネットだけあってもたぶんつまんないですよね」 






加賀「……食べ物、では駄目? 」 

957: ◆5z7C0EoTrg 2016/04/02(土) 23:45:23.02 ID:+NcEM8XA0

< 過去を愛で、今を楽しみ、そして > 






提督「今日のカクテルはオリンピック。カクテルワードは“ 待ち焦がれた再会 ”」 

叢雲「ふーん? 」 

提督「あぁ」 

叢雲「……今だから言うけど」 

提督「うん? 」 

叢雲「あんたとまた会えるとは思ってなかったわ。 
悪くない関係だと思ってたけどあれから全然会えなかったし」 

提督「手紙と誕生日欠かさなかったのなんて叢雲だけなんだけどな」 

叢雲「冷たいのね」 

提督「知ってるだろ? 」 

叢雲「ええ」 

提督「……ま、正直俺も期待はしてなかった」 

叢雲「本当に? 」 

提督「本当に。……たぶんね」 

叢雲「そ」 

提督「…………まだお前に司令官って呼んでもらえる男でよかったよ、掛け値無しに」 

叢雲「…………私もまだそう呼ばせてもらえて嬉しいわよ、司令官」 

961: ◆5z7C0EoTrg 2016/04/03(日) 15:45:24.21 ID:DfzjP3QC0

< 素敵なパーティーにも段取りがある > 







高雄「四月三日の誕生色はフクシャピンク。 
色言葉は“ 思い遣り ”、“ 無邪気 ”、そして“ 想像力 ”」 

愛宕「そういえばあの人は夕立が実は色々考えてるって言ってたけど実際どうなの? 」 

江風「あぁ、無邪気のワードで……どうかな」 

海風「江風よりは考えてるんじゃない? 」 

江風「は? 」 

海風「うん? 」 

江風「……まぁ、正直江風もそンな気がしてきたけどさ」 

海風「冗談なんだけど……そう? 」 

江風「本能だけであの戦闘力とか逆にヤバいだろ……頭の回転が早いからであってほしい」 

海風「……そうだね」 


962: ◆5z7C0EoTrg 2016/04/03(日) 15:46:08.94 ID:DfzjP3QC0

< それは言わない約束 > 






提督「今日は神武天皇祭の日なわけだが」 

江風「はぁ」 

加賀「隼鷹にとってはいいお酒の理由ね」 

江風「え、なンで? 」 

提督「橿原丸って知らない? 」 

江風「橿原丸級貨客船の橿原丸だろ? 飛鷹型二番艦隼鷹の前の名前」 

加賀「そう。橿原は神武が橿原の宮で即位したという由緒ある場所なのよ。つまり皇紀始まりの地ね」 

江風「あぁ、そういう」 

提督「まぁ、今日は崩御なさった日なんだけどな……あいつにはそんなこと関係無いし」 

加賀「いつでも飲んでるものね」 

江風「ははは……あれ、でもそれなら別にいい理由も何も無いンじゃ」 


963: ◆5z7C0EoTrg 2016/04/03(日) 15:46:59.17 ID:DfzjP3QC0

< 大人になんて何故なってしまったのか > 







提督「今日のカクテルは抹茶ミルク。甘いな」 

明石「甘いですねー」 

提督「……これスーパーとかで大体売ってるんだけどさ」 

明石「はい」 

提督「何故か居酒屋とかではあんまり置いてないんだよな、なんでだろう」 

明石「なんででしょうね。女性とか結構頼みそうですけど」 

提督「別に保管とかも面倒そうじゃないしな。カルーアみたいなもんだし」 

明石「というかカルーアってそんなに頼むものなんです? ここだとそんなに皆さん飲みませんけど」 

提督「女の子はカシスとかピーチフィズとか飲むし……男が飲む方が多いかも」 

明石「なるほど? 」 

提督「しょっぱいつまみ頼みまくったときとかのクールダウンみたいな? まぁ、俺の周りの印象だけど」 

明石「へぇ……周り? 」 

提督「……地元とか海兵の同期とか。最近は飲んでないけど」 

明石「やっぱり帰りたくなるものですか? そういうの」 

提督「当然。お前がこれから佐世保配属になってここから離れたら分かるよ」 


969: ◆5z7C0EoTrg 2016/04/04(月) 23:18:03.22 ID:LG5zd2kc0

< 楽しい我が家 > 






漣「あーん、おいしーですよー」 

提督「じゃねぇよ馬鹿。トーストまるまるとか嫌がらせか。味どころじゃねぇよ」 

漣「えー」 

提督「えー、じゃねぇよ」 

漣「全くご主人様は仕方ないなぁ。こんな美少女があーんしてるのに」 

提督「仕方なくないから」 

愛宕「あーん」 

提督「ほらこういうのが愛のあるあー……ピーナッツクリームだけとか悪ノリやめろ。 
味どころじゃないってそういうことじゃねぇよ」 

970: ◆5z7C0EoTrg 2016/04/04(月) 23:19:32.35 ID:LG5zd2kc0

< どちらにせよ情緒なんて > 






高雄「四月四日の誕生色はディープオーキッドピンク。 
色言葉は“ 情緒 ”、“ 目標 ”、そして“ 社交的 ”」 

Littorio「あなたも愛宕も」 

高雄「? 」 

Littorio「指輪、指には嵌めませんよね」 

高雄「いつか本当に彼が選んだものを戴く、そういう約束をしたのよ」 

Littorio「それは、素敵ね」 

高雄「ええ。……明石さんには悪いけれどこれに特に思い入れは無いの」 

Littorio「ふーん? 」 

高雄「結局これは想いの増幅装置でしょう? その為に感情を煽りやすい形状をしているだけ」 

Littorio「……」 

高雄「……そう思うようにしていたら本当にそう思うようになってしまったのよね」 

Littorio「え? 」 

高雄「私も愛宕も指輪は増産されると思っていたのよ。だから他の人にも与えられる覚悟が必要だった」 

Littorio「あぁ」 

高雄「でも何故かされなくて。……というか帝都がストップをかけたらしいわ」 

Littorio「……」 

高雄「……自国の軍事力が強くなり過ぎることを避ける。愉快な話よね」 

Littorio「……祖国が知れば恨まれること間違い無し、ですね」 

971: ◆5z7C0EoTrg 2016/04/04(月) 23:20:32.52 ID:LG5zd2kc0

< ツッコミ切れない > 






加賀「あんぱんの日なのよ、今日は」 

天城「はぁ」 

雲龍「あんぱんってあれでしょう? シンナー」 

天城「いやいやいや……」 

加賀「……あれ美味しいのかしら」 

雲龍「え……」 

天城「美味しいというか……味覚ではないと思いますけれど」 

加賀「試す気は無いわ。……ハーブだとか麻薬も代謝を異常励起させられる私たちなら余裕よね」 

雲龍「確かにそうですね……あれ? それならキメセクを」 

天城「いやいやいや……」 

972: ◆5z7C0EoTrg 2016/04/04(月) 23:21:53.76 ID:LG5zd2kc0

< 藪から大蛇 > 






漣「え、そんなの知らないけど」 

江風「やっぱりかぁ」 

漣「こういうときは……叢雲たーん」 

叢雲「……なによ」 

漣「キーマカレーのキーマってなに? 」 

叢雲「知らないけど」 

漣「えっ」 

江風「えっ、マジかよ」 

叢雲「ふざけた呼び方した挙句勝手に落胆ね。……司令官? 」 

提督「なんだ」 

叢雲「最近陣形訓練などしか行っていませんでしたね。そろそろ実弾訓練、具申致します」 

提督「いいぞ」 

叢雲「ありがとう。……三十分後、ドックに集合ね、海風も。呉行く前に色々確認しといてあげる」 

海風「えっ」 

漣「」 

江風「」 

海風「…………なにこの理不尽過ぎるとばっちり」 

973: ◆5z7C0EoTrg 2016/04/04(月) 23:23:12.16 ID:LG5zd2kc0

< 誕生日だとネタにされそうではある > 






漣「そんなのあるか知らないけどオカマの日だよね」 

叢雲「? ……あぁ、三月三日と五月五日の間だから」 

漣「そ、適当な話だけど」 

叢雲「……一応世間的には似たような理由でトランスジェンダーの日だったりするみたいだけど」 

漣「駄目駄目、そういうのは。笑い話とか冗談にできないもん」 

叢雲「まぁ、確かに面倒な話ではあるわね」 

漣「うん」 

叢雲「……で? 準備は終わった?」 

漣「準備より覚悟が……や、終わりましたけれどもー」 


974: ◆5z7C0EoTrg 2016/04/04(月) 23:23:51.07 ID:LG5zd2kc0

< 自嘲か冷笑か、それとも > 






龍田「横須賀鎮守府所属人型艦船軽巡洋艦クラス天龍型二番艦龍田改、だって」 

あきつ丸「ん? 」 

龍田「こーれ」 

あきつ丸「…………士官から士官への報告書ではないか」 

龍田「廊下でその人にもらったの。いらないから破棄してきてって」 

あきつ丸「……それはつまり中身を見ずに破棄せよ、という意味だと思うが」 

龍田「そんなこと言われなかったし」 

あきつ丸「…………」 

龍田「改、ってところが最高に兵器って感じよね~ 」 

あきつ丸「…………そう、でありますね」 


975: ◆5z7C0EoTrg 2016/04/04(月) 23:24:36.83 ID:LG5zd2kc0

< 国民性って割と馬鹿にできない > 






提督「今日のカクテルはウイスキー・サイドカー、だ」 

Littorio「ん……飲みやすいです」 

提督「癖のあるやつは使ってないしな」 

Littorio「まるでここの面子とは真逆ですね」 

提督「そうだな」 

Littorio「コアントローと言えば」 

提督「うん? 」 

Littorio「どうもフランス女とは合いませんでしたね、ドイツ女の方がまだ」 

提督「……そう? 」 

Littorio「違う? 」 

提督「……まぁ、俺はドイツの知り合いの方が多いから贔屓になっちゃうし」 

Littorio「合う合わないなんて贔屓と同じでしょう。……コアントローでしたよね? 」 

提督「あぁ。ホワイトキュラソーのときは大体これだよ、俺」 


976: ◆5z7C0EoTrg 2016/04/04(月) 23:26:05.85 ID:LG5zd2kc0

< 二人になれるところへ > 






明石「あの、お時間いただけますか? 」 

提督「んー……」 

明石「んー? 」 

提督「酒飲んだ? 」 

明石「いえ、先程までお風呂だったのでまだですけど」 

提督「……」 

明石「? 」 

提督「……よし、運転は任せた」 

明石「へ? 」 

提督「十五分後、基地正門な。キーはこれ」 

明石「は? 」 

提督「俺は煙草でもゆっくり吸ってるから。……問題無いよな? 」 

明石「無いですけど」 

提督「ん、じゃあ頼むな」 

明石「はぁ。…………はぁ? 」 


977: ◆5z7C0EoTrg 2016/04/04(月) 23:27:06.30 ID:LG5zd2kc0

< 絡みウーロン茶 > 






龍田「結局信頼とか裏切りなんてつまらないものよねぇ~ 」 

あきつ丸「……肯定も否定もできないであります」 

龍田「好きな人がやったことを自分の正義に照らして公正に糾弾できる? 」 

あきつ丸「……そうせねば」 

龍田「そりゃあね? でも好きになるってそういうこと。私を縛って盲目にして足枷を嵌めてしまうもの」 

あきつ丸「……」 

龍田「そういう意味で、誰かを信頼したり好きになるって負けよね」 

あきつ丸「……それが強みになることもあろう」 

龍田「そうね、そう。それも信頼や裏切りと同じ。なんだって二元論の世界に落ちちゃう」 

あきつ丸「……その中間は」 

龍田「無いのよ、そんなもの。あるのはプラスとマイナス、それから全く無関係の何か」 

あきつ丸「…………」 

龍田「…………」 

あきつ丸「…………で、何が言いたいでありますか」 

龍田「甘いこと、理想的なことを吐けるような存在でありたかったなって」 

あきつ丸「…………意味が分からない。脈絡はしっかりしてほしいものだ」 

龍田「いいのよそれで。賢しらに語って愚痴りたいだけだし」 

978: ◆5z7C0EoTrg 2016/04/04(月) 23:27:51.17 ID:LG5zd2kc0

< あなたがいれば行き先なんて > 






提督「灰皿の飴はご自由に」 

明石「はーい。……どこまで? 」 

提督「お前が行きたいとこ。行き先はドライバーに任せる主義なんで」 

明石「はぁ……ま、とりあえず出しますか」 

提督「ん」 

明石「…………」 

提督「…………」 

明石「…………」 

提督「…………」 

明石「…………」 

提督「…………帰らなくてもいいようにしてきたから」 

明石「! 」 


979: ◆5z7C0EoTrg 2016/04/04(月) 23:28:58.21 ID:LG5zd2kc0

< まぁ、結局やりたかっただけだけど > 






愛宕「で、どうして麻雀? 」 

高雄「一番ギスギスするので」 

愛宕「うん? 」 

高雄「本音で、語れるでしょう? あの人もいませんしストレス解消にいいかと」 

愛宕「……なるほど。溜め込んだものを、ってやつ」 

加賀「刺身、盛ってきたわ」 

漣「わーお、きっれーい」 

叢雲「……なんだか負けた気分ね、というか負けた」 

愛宕「鰹のたたき……」 

江風「おっさンかよ」 

愛宕「うん? 」 

江風「ンー? 」 

瑞穂「……無理にギスギスさせる必要は無いような」 

980: ◆5z7C0EoTrg 2016/04/04(月) 23:30:22.92 ID:LG5zd2kc0

<Love looks not with the eyes but with the mind > 






明石「あなたは私を手放せませんよね」 

提督「そうだな」 

明石「使い勝手がいいですから」 

提督「あん? 」 

明石「帝都への鬼札。好きなときにヤれますしね」 

提督「……運転中でよかったな、明石」 

明石「殴りますか? 殴れませんよね、あなたには」 

提督「……」 

明石「私の心はその程度じゃ離れませんけど……あなたからすればリスクはリスクですから」 

提督「…………離れたいわけ? 俺から」 

明石「別に。本当のことです」 

提督「…………」 

明石「…………」 

提督「…………何? 言いたいことって結構ガチなやつ? 寂しかったとかじゃなくて」 

明石「…………よく分かりましたね」 

提督「恋は目ではなく」 

明石「心で見るもの。……『ロミオとジュリエット』にしては薹が立ち過ぎてますが」 


981: ◆5z7C0EoTrg 2016/04/04(月) 23:32:22.46 ID:LG5zd2kc0

< 愛というのは確認作業の多いもの > 






明石「…………ねぇ、__さん」 

提督「ん? 」 

明石「…………」 

提督「…………」 

明石「…………」 

提督「…………なに? 」 

明石「……………………私たち、やっぱり人間じゃなかったかもしれません」 

提督「あん? 」 

明石「なんとなく、掴めてきた気がします」 

提督「……そっか」 

明石「……どう思いますか? 」 

提督「明石がそう結論したならそうなんだろう。それ以外は特には」 

明石「はぁ」 

提督「お前が仮に塩基配列からして違う化物だって今更言われたとしても見る目なんて変わらないよ」 

明石「…………」 

提督「…………」 

明石「…………そう、ですか」 

提督「あぁ」 


982: ◆5z7C0EoTrg 2016/04/04(月) 23:33:46.47 ID:LG5zd2kc0

< ある始まりという何かの終わり > 






明石「……妊娠とはつまり子を成すことで、子を成すということは殖やす、ということです」 

提督「あぁ」 

明石「説明は今度基地でするとして。私はそういうアプローチを続けていました」 

提督「…………」 

明石「…………」 

提督「…………」 

明石「…………まだ子供をつくる、というのはなんとなくの道筋しかつけられていませんけど」 

提督「あぁ」 

明石「同じ存在の複製、なら可能になってしまうかもしれません」 

提督「……クローン? 」 

明石「いえ、クローンはその時点での存在を複製するものです。 
今のあなたのクローンはあなたと同じだけの寿命しか持たない」 

提督「テロメアとかの話かな。 ……お前らには寿命が無いからそれには当てはまらないって意味? 」 

明石「それもありますが……端的に言えば今の私を複製すると私がこの世界に顕れたときの私が生まれるんです」 

提督「……は? 」 

明石「私とあなたが出会う以前の私がこの世界に無数に顕れるかもしれない、ということですよ」 

提督「…………」 

明石「…………」 

提督「…………頭おかしくなりそう」 

明石「私もです」 

988: ◆5z7C0EoTrg 2016/04/05(火) 23:41:34.06 ID:ffhcHTKt0

< 信頼しているからこその > 







提督「いってらー」 

江風「雑だなぁ……滅茶苦茶堅苦しくても嫌だけどさ」 

海風「それでは海風、行って参ります」 

提督「ん、まぁ気負い過ぎんなよ」 

江風「これ渡せばいいンだな? 」 

提督「あぁ。大将閣下によろしく」 

江風「ン、江風に万事任せときな。呉での印象もばっちりにしとくぜ」 

海風「……海風がいるのでご安心を」 

江風「どーいう意味ですかー、おねーちゃン? 」 

海風「そういう意味だよ。……海風がいなくても体調に気を付けてくださいね? 」 

提督「母親かよ……分かってる。海風たちもな」 

989: ◆5z7C0EoTrg 2016/04/05(火) 23:42:27.04 ID:ffhcHTKt0

< ツーカーとかニコイチとか > 







高雄「四月五日の誕生色は青藤色。色言葉は“ 情熱 ”、“ 洗練 ”、そして“ 人付き合い ”」 

明石「江風ちゃんたち大丈夫ですかねー」 

愛宕「大丈夫でしょ。特に不安も無いわ」 

高雄「あれでやることはやれる子ですから。海風さんもいますし」 

明石「あぁ、やっぱりそういう評価なんですね」 

愛宕「評価っていうか……二人でいるからこそ、みたいな? 」 

高雄「海風さんだけではそこまで安心していられませんね。 
彼女たちが二人でいるからこそ良さが出るのです」 

明石「なるほど? …………ここにも母親ですか」 



990: ◆5z7C0EoTrg 2016/04/05(火) 23:43:48.74 ID:ffhcHTKt0

< 堕とした代償、堕とされた罪 > 






提督「今日のカクテルはノックアウト。カクテルワードは“ 悩殺 ”」 

高雄「ん……」 

提督「どうした? 」 

高雄「……? 」 

提督「スリット、いいね」 

高雄「…………あなたが遠くに行ってしまいそうな気がして」 

提督「んー……? 」 

高雄「……それに、時々着てあげないと」 

提督「そうだね」 

高雄「…………お酒、まだ欲しいですか? 」 

提督「…………」 

高雄「んっ……手、冷たいです」 

提督「ボトルの所為だな。……高雄が暖めてよ」 

高雄「…………喜んで」 



991: ◆5z7C0EoTrg 2016/04/05(火) 23:45:07.87 ID:ffhcHTKt0

< 誕生日、あと何度共に > 







高雄「ん……」 

提督「鳥海にはどうしたの? 」 

高雄「……っ、あの子の、好きそうなものを」 

提督「ふーん? そう」 

高雄「……、ぁ」 

提督「……再来週は期待しても、いいかな」 

高雄「ど、うでしょうね。……あなたの、甲斐性次第、でしょうか」 

提督「…………今晩で、足りるかな」 

高雄「満たして、ください。……私も、期待してますから」 


992: ◆5z7C0EoTrg 2016/04/05(火) 23:55:48.42 ID:ffhcHTKt0



次の方でもよろしくお願いします 

ありがとうございました 


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