420: 名無しさん 2016/08/03(水) 22:54:02.29 ID:Rjt4sYDU0


 ○月○日 
 後輩 


 こんにちは。如月千早です。 
 今日は、我が765プロの新しい挑戦についてお話したいと思います。 

 「765ライブシアター」 
 専用の劇場で定期的にライブを開催し、その実践の中で新人アイドルを育てて行くという試みです。 
 かなり以前から社長が思い描いていた計画なのだそうで。 
 765プロが大きくなり、ネームバリューも認められるようになって、ようやく実現することができたのだと喜んでいました。 
 舞台の数が成長に比例する、というのはさすがに言い過ぎかもしれませんが、ファンの皆様の前に立った経験が、実力や自信、あるいは次の努力に繋がっていくのは間違いのないことだと思います。 
 新人の時からアイドルのために用意された劇場でライブができるというのは、とても素晴らしいことであり、素直に羨ましいことでもありますね。 


 この試みに伴い、当然のことながら、765プロに新しいアイドルたち(まだしばらくは候補生という形なのだけれど)が仲間入りしました。 
 そうです。 
 とうとう、私たちに後輩ができたのです。 

 入社に多少の早い遅いはありましたが、元々いるメンバー12人(律子も含めるなら13人ですね)はほとんど同期のようなもので、先輩後輩といった関係性はほとんどありませんでした。 
 だからでしょうか。 
 如月先輩、という響きに何だかくすぐったさを覚えたり。 
 最近親交の増えた346プロのあの子にもそう呼ばれているのだけれど、やっぱり自分のところの後輩からそう呼ばれるのは、またちょっと違うものがありますね。 

 そしてもちろん、先輩と呼ばれるのは私だけのことではなくて。 
 真美や亜美、高槻さん、それに美希も先輩と呼ばれているのですよ。 
 亜美は素直に嬉しそうというか楽しそうで、真美の方はそれよりも照れとか恥ずかしさの方が勝っているみたい。 
 高槻さんは、意外と言っては失礼かしら、自然と受け入れている感じ。さすがは大家族のお姉ちゃんです。 
 ふふ、面白いのが美希で、美希のことを先輩先輩ってすごく慕っている子がいるのだけれど、多分どう対応したらいいのか分からないのでしょうね、美希ったらすぐその子から逃げちゃうんですよ。 
 そんな様子も「先輩のクールなとこもかっこいい」になっちゃうみたいで、ますます慕われるようになって……と、傍から見ているとなかなか面白い状況です。 


 嬉しいことに、私の歌を参考にしてくれる子たちもいます。 
 なんでしょうね、先輩として、あの子たちの目標であり続けたい、という気持ち。 
 今まで見たことのなかった、新しい自分を感じています。 
 例えば歌のレッスンの時。 
 後輩に聞かせることを意識して歌うことが増えました。 
 お客様のために歌う時とも、自分の向上のためだけに歌う時とも、またちょっと違う歌。 
 この子にはこんな歌い方が合うのかな、とか。 
 こういう風に歌いたいんじゃないかな、とか。 
 時にはもっと挑発的に、これぐらい歌ってみなさい、とか。 
 きちんと伝わっているのかは分からないのだけれど、そうやって色々な歌を示しているつもりです。 

 ……考えてみれば、高校の合唱部は一年の時に辞めてしまったから、高校生活の中でも先輩と呼ばれたことはほとんどないのよね。 
 もし合唱部を続けていて、後輩ができたらこんな感じだったのかしら、なんて思ってみたりして。 
 こういうの、悪くないわね、うん。 

 誰かのために歌う。 
 よく言われることですし、私も心がけていることですが、その言葉の、またちょっと違う意味を見つけた気がします。 

 私の歌が誰かの歌の一部になって。 
 そしてその誰かの歌が、また別の誰かの力になって。 
 そうやってどこまでも繋がっていけたら素敵だな、と。 

 そんなことを、思っています。 




引用元: ・如月千早の今日思ったこと (2)

421: 名無しさん 2016/08/03(水) 23:03:57.71 ID:Rjt4sYDU0


1.春香さん 
 たくさん仲間が増えて、とっても楽しい! 
 みんないい子たちばっかりで、可愛いし、面白いし、個性的だし、すぐに人気出ちゃいそうだよねー 
 先輩って呼ばれるのは、私もまだちょっと慣れないけど…あはは 
 私たちも、追い抜かれないようにがんばらなきゃだね! 


2.萩原雪歩 
 魅力的な子がいっぱいで、私たちも負けてられないよね。 
 そんな中で、千早ちゃんの、目標であり続けたいって気持ち、私もよく分かる気がします。 
 慕ってくれる人に対して誠実でありたいっていうのかな。 
 私なんか、はもう使わないって決めたんだ。 


3.名無しの双子姉 
 冗談で言われるなら楽しーんだけど、マジメに先輩って言われるとちょっとハズいYO 
 年下の子もそれなりに入ってきたし、ちゃんと先輩しなきゃってのは分かんだけどねー。 
 今まで亜美と一緒にずーっと一番下だったから、やっぱ慣れにゃいのだZE 


4.響 
 しかしうちの社長も思い切ったことするよな。 
 何も一度にあんな人数入れなくても……。 
 プロデューサーとか小鳥たちひーひー言ってたぞ。 
 ま、真と自分のダンスに混ざって来られるのもいるし、仲間が増えてこっちは楽しいんだけどね。 


5.ミキなのー 
 うー 
 面白くないよー 
 助けて欲しいの… 
 ミキにセンパイは似合わないって思うな… 


422: 名無しさん 2016/08/03(水) 23:10:16.38 ID:Rjt4sYDU0


6.名無しさん 
 千早ちゃんの1げと 


7.名無しさん 
 1 


8.名無しさん 
 千早ちゃんのブログが更新されたと聞いて 


9.名無しさん 
 >>6-8 
 先輩方今日もありがとうございます 

 765はアイドル増やさないのかとずっと疑問だったけど、そういう計画があったのか 
 確かに新人の時から765の名前で集まったファンを相手にできるのはいい経験になるだろうね 


10.名無しさん 
 先輩扱いに慣れない美希ちゃん真美ちゃんかわいい 


11.名無しさん 
 雪歩ちゃんの言葉に軽く感動を覚えた 


12.名無しさん 
 自前の劇場とかすげー 
 いやでもトップアイドルが10人以上いるんだから、それぐらいいけちゃうな 


13.名無しさん 
 あの千早ちゃんが先輩してるんだもんな 
 昔なら、ってのは野暮な話か 



424: 名無しさん 2016/08/03(水) 23:25:24.61 ID:Rjt4sYDU0


ある日の765プロの光景 


真美「うぃぃ……」ダラーン 

千早「ふふ、随分お疲れのようね、真美先輩」 

真美「うわ、止めてよ、千早お姉ちゃん……」 

千早「くすくす、やっぱり先輩扱いには慣れないみたいね」 

真美「だってさー、あの子らすっげー目輝かせて真美センパイ真美センパイって来るんだもん。真美ってばそんなキャラじゃないっしょー」ウヘー 

千早「そう? あの子たちからしたら、自分たちと同じか、それより小さいくらいの時からアイドルやってるのよ、真美は。活動の幅も広いし、年も近いし、憧れの対象になるのも当然のことじゃないかしら?」 

真美「うげぇ……」 

千早「美希もそうだけど、そこまで恥ずかしいものなの?」 

真美「……だってずっと765では年下だったし、亜美のお姉ちゃんって程、真美お姉ちゃんしてるわけでもないし」 

千早「そうかしら」 


425: 名無しさん 2016/08/03(水) 23:32:00.43 ID:Rjt4sYDU0


真美「……真美ね、ちょっと分かった気がすんだ」 

千早「ええ」 

真美「真美たち、多分、ムイシキの内に、ずっと甘えてたんだな、って」 

千早「……聞かせてくれる?」 

真美「うん。……あのね、真美たちは一番年下で、そばに千早お姉ちゃんたちがいて、真美たちが何やっても、最後にはみんなが何とかしてくれるっしょ?」 

真美「怒られたりはするけど、ごめんなさいって謝れば許してくれんじゃん?」 

千早「そうね」 

真美「でも、新人の子たちが入って来て、年下の子もいっぱいいて、センパイって呼ばれて……」 

千早「ええ」 

真美「あれ、じゃあこの子たちは、何かあった時、誰が『何とかしてくれる』のかな、って」 

真美「誰に怒られて、誰にごめんなさいするのかな、って」 

千早「うん」 



426: 名無しさん 2016/08/03(水) 23:38:50.17 ID:Rjt4sYDU0


真美「なんかね、考えてたら、怖くなっちって」 

真美「真美にはそんなことできない! って」 

千早「……ふふ、くふふ」 

真美「うぅ、何で笑うんだYO」 

千早「だって、真美は自覚しているわけでしょう?」 

真美「うぇ?」 

千早「真美が、『何とかして』、怒って、謝罪を受け入れてあげなきゃいけないって。真美にはそんなことできないっていうのは、そんなことをやらなきゃいけない自覚があるから出てくる考えじゃない」 

真美「うー、そうなのかな……」 

千早「ええ。大丈夫よ、真美。あなたは、きっと、大丈夫」 

真美「うーん……」 

千早「ふふ、真美、考え過ぎてるみたい。別に、後輩ができたからって、今までみたいに誰かに頼っちゃ駄目なんてことないのよ?」 

真美「あ」 

千早「いつでも、頼ってくれていいからね?」 



427: 名無しさん 2016/08/03(水) 23:45:37.87 ID:Rjt4sYDU0


真美「……ち」 

千早「ち?」 

美希「千早お姉ちゃーん!」ダキッ 

真美「千早お姉ちゃ、って、ミキミキ!? なんで!?」 

美希「あの子から逃げてきたら、何か二人が話してるのが聞こえたの。ずるいの。美希だって悩んでるんだよ?」ムー 

真美「ぐぬぬ……」 

千早「はいはい……ごめんね、美希……はい、真美もぎゅってしてあげるから」ギュッ 

真美「わーい」 

美希「ぐぬぬ……」 

春香「ほら美希、終わったらちゃんと後ろに並んで」 

響「そうだぞー」 

雪歩「ごめんね、美希ちゃん、順番だから」 

真美美希「「なんで(なの)っ!?」」 


428: 名無しさん 2016/08/03(水) 23:46:03.45 ID:Rjt4sYDU0

(千早たちが数年アイドル活動を重ねた後の劇場完成ということで、本家とシアター組の年齢のずれや立場の違い、などの差異があることを想定しています) 


461: 名無しさん 2016/08/18(木) 23:00:35.24 ID:dm9LHPvU0
(オリジナルキャラが登場する回となっております。苦手な方はご注意ください)

462: 名無しさん 2016/08/18(木) 23:01:27.17 ID:dm9LHPvU0


 ○月○日 
 お盆 


 こんにちは。如月千早です。 
 昨日は、午前中に家族三人でお墓参り、夕方からは高校の時の友人と夏祭りと、密度のある充実した一日でした。 

 父と母、それに私、みんなで顔を合わせるのは果たして何時以来のことでしょうか。 
 口下手が三人も集まるのですから、やっぱり最初は多少のきまずさみたいなものはあったのだけれど。 
 なにより、家族みんなで優に会いに行けたということが嬉しかったですね。本当に、嬉しかった。 
 いつの日か優の墓前で誓ったことがありました。 
 お姉ちゃん、ちゃんと約束を守ったわよ? えらい? 
 なんてね、ふふ。 

 お盆は亡くなった方が帰ってくる時期。 
 お墓には優の写真を持って行ったので、これでしばらくはあなたと一緒にいられるかしら。 
 予約していた駅前のお店で家族四人お昼を食べて、少しゆっくりと話をしました。 
 私の活動のこともそうですが、新しい仕事に就いた父のことも、母はとても気になっていたみたい。 
 私よりもむしろ父のことを心配しているようでした。 
 そんな両親の様子を見るのは、ちょっと気恥ずかしいものもあったのだけれど、それよりも嬉しいという気持ちが大きかったですね。 
 優もきっと喜んでるわよ。 
 お父さん、お母さん。 


 この後も二人でどこかに向かうという両親と別れ、私は優と一緒に一度家に帰ってお祭りの準備です。 
 去年と同じく、今年も部長の家に集まって、浴衣に着替えてからお祭りに向かうことになっていました。 
 部長、ソプラノの子、アルトの子、みんなと会うのは久しぶりでした。 
 ふふ、でもみんな全然変わってなかったっていうと失礼になるのかしら。 
 ちょっと話せば、すぐにかつての時間が戻って来るようで、懐かしさを感じる暇もなかったわね。 

 それから。 
 ……これからお祭りだというのに心苦しかったのだけれど、今まできちんとしたことのなかった優の話を聞いてもらって。 
 今日のお祭りに優も連れて行きたいということを伝えて。 
 幸せなことに、みんな、本当に快く了承してくれました。 
 優君と一緒に千早っちは今日を思いっきり楽しまないと駄目なんだぜ。 
 そんな言葉を、かけてくれました。 
 良かったね、優。 
 私たちのことを大切にしてくれる人が、ここにもいるよ。 



463: 名無しさん 2016/08/18(木) 23:07:02.64 ID:dm9LHPvU0


 浴衣に着替えて、みんなでお祭りの行われる神社へと向かいます。 
 視界いっぱいに広がる提灯の柔らかな赤と、身体全体で感じる祭囃子。 
 去年も思ったことなのだけれど、まるで私たちを別の世界へと誘っているかのような、不思議な空間です。 
 そんな情緒の中、やっぱり一年経ってもそれぞれの好みは変わっていないようで、ソプラノの子は綿菓子が気になって仕方ないようでしたし、アルトの子は絶対焼きそばを食べるんだと意気込んでいて、部長は焼きとうもろこしこそが人生なのだと相変わらずよく分からないことをしきりに主張していました。 
 もちろん、私も全部美味しく頂いたのだけれど。 

 そうそう、去年ソプラノの子がくじで当てたポーチを女の子にあげるということがあったのですが、今回偶然その子と再会できたのも嬉しいサプライズでしたね。 
 実は知り合いの家族であることが判明して、そのまま一緒にお祭りを見て回ることに。 
 ソプラノの子にすっかり懐いちゃって、何をやるにもずっと手を繋いでいたのが印象的でしたね。 
 アルトの子に射的を教わったり。 
 部長と一緒に金魚すくいに熱中したり。 
 ふふ、私ともとっても仲良くしてくれて、色々なものを一緒に食べて、遊んで、すごく楽しい時間を過ごすことができました。 
 またねー、と元気よく手を振ってくれたあの子の笑顔は、今も心に残っています。 

 お祭りを楽しんだ後は、部長の家に戻ってパジャマパーティーです。 
 いつでも寝られるように用意した布団の横で、お菓子やジュースを食べ飲みしながらだらだらと過ごす時間。 
 ……深夜の飲食はあまりよくないと言うけれど、ま、たまにはいいわよね。 
 今日のこと、高校を卒業してからこれまでのこと、高校の時のこと、そして、これまであまり話題にしてこなかった家族のこと。 
 話したいことはいくらでもあって、眠りについたのは果たして何時頃のことだったのかしら。 
 とうにお日様の高く昇った頃、誰からともなくおずおずと起き出して、お昼だねー、お昼だなーと意味の無い会話を交わしたりして。 
 みんな特に予定も無かったから、そのままごろごろとしたり。 
 お腹減ったー千早っちご飯作ってー私も千早ちゃんのご飯が食べたいですーと本当に布団の上をごろごろ転がり出す困った子たちがいたりはしなかったわ、ええ。 


 去年に引き続き、今年もたくさんの写真を残すことができました。 
 見比べてるみると、多少は上手に撮れるようになったような気がします。 
 祭りの後、というような言葉がありますが、去年今年と収めた写真を眺めていると、寂しさよりも、来年再来年の楽しみの方が大きいみたい。 
 来年も、その先も、みんなと、優と一緒に楽しめるといいな。 
 そんなことを思う、今日の如月千早です。 



464: 名無しさん 2016/08/18(木) 23:13:32.52 ID:dm9LHPvU0


1.萩原雪歩 
 家族みんなで優君に会いに行けたんだね。 
 良かった。私も嬉しいです。 
 お姉ちゃんと一緒にお祭りにも参加できて、きっと優君も喜んでるよ。 
 来年は、私も参加させてもらえるといいな。なんて。 


2.春香さん 
 浮気だー 
 うわーん 
 て、これ前にもやったよね、えへへ 
 夏祭り楽しそうだなー 
 いいなー 
 ちなみに来週春香さんの家の近くでもお祭りがあるんだよ! 
 優君と一緒にどうですか? 


3.ミキなのー 
 ミキも千早さんとお祭り行きたいの! 
 たこ焼きとか一緒に食べたいなー 
 …去年も同じこと言った気がするの… 
 うー、今年はまだチャンスあるかな? 


4.名無しの双子妹 
 真美んとこもお祭りあったよん☆ 
 やっぱ同じ時期にあるもんなんだねー。 
 お祭りもそうだけど、お泊りも羨ましいYO! 
 この前から亜美がめっちゃ自慢して来て、ぐぬぬって感じなんだZE 


5.響 
 自分のとこでもお祭りあって、貴音とあずささんと一緒に行ってきたんだ。 
 貴音は食べるしあずさは飲むしで、あっちにふらふらそっちにふらふら、ちょっと大変だったな… 
 ま、二人を追っかけてあちこち回るの楽しかったんだけどね。 
 今度は千早とも一緒に楽しみたいぞ! 


466: 名無しさん 2016/08/18(木) 23:21:37.30 ID:dm9LHPvU0


14.名無しさん 
 千早ちゃんの浴衣…よし 


15.名無しさん 
 今年は部長の子金魚取れたのかな? 


16.名無しさん 
 >>14 
 おい、胸の話はやめろよ 


17.名無しさん 
 だからしてねーよww 


18.名無しさん 
 この流れ見覚えがあるぜw 


19.名無しさん 
 響ちゃんとこの祭りの様子も気になる 
 いや、なんとなく想像はつくんだけど 


20.名無しさん 
 両親の仲いいとこ見るとやっぱ恥ずかしいよなー 
 嬉しいことには違いないんだけど 


21.名無しさん 
 合唱部の子たちの話が出てくるとなんか嬉しい 
 アイドルから離れた千早ちゃんの一面が見られるからかな 


468: 名無しさん 2016/08/18(木) 23:29:43.12 ID:dm9LHPvU0


22.名無しさん 
 俺の千早ちゃんのお母さんが… 
 千早ちゃんのお父さん羨ましい… 


23名無しさん 
 私の千早ちゃんのお父様が千早ちゃんのお母様に取られた… 


24.名無しさん 
 もう何言ってるか分からんw 


25.名無しさん 
 >>22-23 
 お前らで結婚すればええやん 


26.名無しさん 
 こんなん草生えますわ 


27.名無しさん 
 たくさんの提灯と沈みかけの太陽が作り出すオレンジ色の世界の中うんうんと金魚掬いに夢中になる彼女の浴衣の袖が水に触らないよう支えてあげてありがとと言われたいだけの人生だった 


28.名無しさん 
 やめれ 


29.名無しさん 
 お前それ経験あるだろ絶対 


30.名無しさん 
 だから俺の心のやわらかい部分を責め立てるのはやめてくれませんか… 


   ・ 
   ・ 
   ・ 



473: 名無しさん 2016/08/18(木) 23:37:35.60 ID:dm9LHPvU0


ある日の神社の光景 


部長「よーし、じゃあまずは何から攻めて行こっか」 

アルト「攻めるって」 

千早「制圧してあげましょう」フンス 

アルト「ちょ」 

ソプラノ「うふふ、千早ちゃんもノリ気ですね」 

??「おねーちゃーん!」 

ソプラノ「?」 

??「えへへ、やっぱりおねーちゃんだー」 

ソプラノ「あ、もしかして……」 

女の子「うん、ほら見て、おねーちゃんにもらったポーチ!」 

部長「あー、あの時の子かー。こんなに大きくなっちゃって!」ワー 

女の子「へへーん」フンス 

千早「……部長はすごいわね。私にはあまり変わっていないようにしか見えなかったのだけれど」ボソボソ 

アルト「いやいや、あいつテキトウに喋ってるだけだから、まともに聞いてちゃ駄目だよ」ハァ 



476: 名無しさん 2016/08/18(木) 23:42:21.47 ID:dm9LHPvU0


ソプラノ「今も使ってくれてるんですね。ありがとうございます」 

女の子「とくべつな時だけ、たいせつにつかってるの!」 

ソプラノ「ふふ、嬉しいです」 

千早「……あら、そういえば、今日はお母さんと一緒じゃないのかしら?」 

女の子「えとね、今日はおねーちゃんといっしょなんだよ!」 

アルト「お姉さん?」 

女の子「うん、あ、おねーちゃん、こっちこっちー」ヒラヒラ 

??「もう、急に走ったりしちゃ駄目だって……」 

千早「先生?」 

部長「ほんとだ、姉ちゃん先生じゃん。おひさっ」 

先生「え、え、部長さんたち? どうして?」 

アルト「部長の家がこの近くで。去年も来てたんですよ」 

先生「そうなんだ。偶然ねー」 

女の子「おねーちゃんしりあいなの?」ハテナ 

先生「ええ。みんな、おねーちゃんの元生徒さん。おねーちゃんが教えてたのよ?」フンス 

女の子「すごーい。おねーちゃん本当にせんせーだったんだ!」ワー 

先生「え、ちょっと、え?」 



477: 名無しさん 2016/08/18(木) 23:52:58.46 ID:dm9LHPvU0


ソプラノ「それにしても、すごい偶然です。お姉さん先生の妹さんだったんですね」 

先生「……いや、あのね、妹じゃなくて、私のお姉ちゃんの娘なの。今日はちょっと都合がつかなくて、代わりに私が、ね」 

部長「つまり本当はおねーちゃんじゃなくておばs」 

先生「やめて! 言わないで!」ヤー 

千早「くすくす、そんなに気にしないでも」 

アルト「そうですよ。過剰に反応し過ぎでは?」 

先生「あなたたちはまだ若いからいいわ。でもね、私ぐらいになってくると、その言葉はずっしりと響いてくるのよ……」 

ソプラノ「お姉さん先生は十分若いと思いますよ?」 

先生「ありがとう、ソプラノさん。お世辞でも嬉しい」 

ソプラノ「お世辞ではないのですが……」 

女の子「ねー、おねーちゃん!」ハイ 

先生「はいはい、どうしたの?」 

女の子「わたしね、おねーちゃんたちといっしょにあそびたい!」 

先生「こら、そんなわがまま言わないの」 

女の子「やだー、いっしょにあそぶのー!」 

ソプラノ「ふふ、私たちは構いませんよ? ねぇ?」 

千早「ええ、喜んで」 

アルト「というか、むしろソプラノが離れたくなさそうですし」 

部長「だから姉ちゃん先生も一緒に回ろうぜー」イェーイ 

先生「……はぁ、分かったわ。ありがとう。それじゃあ今日はよろしくね?」 

女の子「わーい! おねーちゃんといっしょー」ギュッ 

ソプラノ「うふふ、わーい」ギュッ 

先生「くすくす。いーい、楽しむのはいいけど、お姉ちゃんたちに迷惑かけないようにするのよ」 
  


    「――ゆう」 




478: 名無しさん 2016/08/19(金) 00:00:58.28 ID:C733X6Li0


千早「!」 

部長(……千早っち) 
ソプラノ(……千早ちゃん) 
アルト(……千早) 

女の子「どーしたの? おねーちゃん?」ハテナ 

千早「……ううん、ちょっとびっくりしただけ。あなた、ゆうってお名前なの?」 

女の子「うん、ゆうはゆうって言うんだよ!」 

千早「そう……ふふ、いいお名前ね」 

女の子「えへへー。ゆうもねゆうもね、ゆうっておなまえだいすきなの! あのね、ゆうって、やさしいっていみなんだよ!」 

千早「そうなんだ。ふふ、あなたにぴったりのお名前ね」 

女の子「ほんとっ!? やったー!」 

千早「……今日はいっぱい一緒に遊びましょう。よろしくね、ゆうちゃん」 

女の子「うん! よろしくおねがいします!」 

千早「ふふ、いい子ね」ナデナテ 

女の子「ほんと? ゆう、いい子?」 

千早「ええ、とっても」 

女の子「えへへー」 


千早(今日この日に、こんな素敵な偶然。 
   優、あなたがめぐり合わせてくれたのかしら? 
   ……ありがとう、優。あなたも一緒に、お祭りを楽しんでね) 

ソプラノ(千早ちゃんの優しい笑顔。素敵です) 
アルト(こんな風に笑う千早は初めて見たな) 
部長(くぁwせdrftgyふじこlp) 



497: 名無しさん 2016/08/23(火) 22:30:45.65 ID:rkQY+1fZ0


 ○月○日 
 律子と食事 


 こんにちは。如月千早です。 
 今日は久しぶりに律子と二人でご飯を食べて来ました。 

 以前、まだ765プロのお仕事があまり多くなかった頃のことですが、互いに一人暮らしを始めたばかりの私と律子、たまに一緒に夕食を取ることがありました。 
 当時私はお料理なんてできなかったし、律子はあれで結構面倒くさがりなので、外食が常でしたけれど。 
 たまたま帰るタイミングが合った時に、だいたい律子の方から声をかけてくれるのでした。 
 千早、一緒にご飯どう、と。 

 今思えば、まだあまり周囲に馴染めていなかった私を気にかけてくれていたのだと思います。 
 私としても、その頃から、律子と過ごす時間は嫌いではありませんでした。 
 先の言葉と矛盾するようですが、彼女は私に対してあまり気を使わないので、私も楽に接することができたのです。 
 他の子たちが聞いてこないようなこと、例えば両親の様子や高校のこと、私の生活のことを平気で尋ねてくるので、最初の方は困惑やそれこそ憤りさえ感じていたのだけれど。 
 悪意があるわけでもなく、二人だけの時にしか話題にしてこないので、その内に私も慣れてきて、むしろ自分の方から愚痴をこぼすようになっていきました。 

 まぁ、その辺りはお互い様というか、私の方も律子には、きついことや、周りが遠慮して言わないようなことを躊躇無く口にしていたから、結局、私たちは似たもの同士だったということなのでしょう。 
 彼女も彼女で、「律子さんには何も言えない」みたいな空気を感じていたようだから。 
 秋月さん、と呼んでいたのを「律子」と呼び捨てするようになったのも、この頃のことだったわね。 
 あんたとは対等でいたいから、と律子の方から呼び捨てにするよう言われたのでした。 


 あれからもう3年以上が経ちました。 
 幸いなことに765プロのお仕事も増え、特に最近の律子はライブシアターの方のこともあって、社長や事務の女性、プロデューサーと共に毎日毎日とても忙しそうにしています。 
 心配、というのが正直なところでしょうか。 
 社長、事務の女性、プロデューサーについても心配な気持ちはあるのだけれど、三人については、変な表現ですが手の抜きどころをわきまえている印象があります。 
 一方、律子はというと……あれでかなり不器用というか愚直というか猪突猛進なところがあるので、多分限界まで進んでしまうことでしょう。 
 だって、私ならきっとそうするもの。 

 と、いうわけで、社長と社長の秘書のような方(最近新しく所属されたんです)、さらに事務の女性とプロデューサーにもお願いして、今日は律子を早めに持って帰ることしました。 
 何だかわーわー言ってる眼鏡には構わず、強制的に連行です。 
 かつて律子と何度も行った食事処。 
 居酒屋なのですが、ご飯ものや定食もありますし、何より私たちに理解のあるお店なので今でも贔屓にさせていただいています。 
 ここに至ってはさすがの律子も反抗する気は失せたようで、ため息をついて、大人しくメニューを眺め始めるのでした。 


 さて、そんな律子ですが、実は私の家まで持って帰って来てます。 
 まだまだ溜まったものがありそうでしたし。 
 お酒が入って普段見られないテンションの律子が面白いという理由ではありません。ええ、ありませんとも。 
 シャワーを浴びながら上機嫌でキラメキラリを歌う律子のことは本人の名誉のためにも内緒にしておこうと思います。 
 さ、誰かと似て普段なかなか羽目をはずせない面倒な彼女のために、簡単なおつまみでも用意してあげようかしら。 
 明日からまた頑張れるようにね。 



498: 名無しさん 2016/08/23(火) 22:39:17.41 ID:rkQY+1fZ0


1.名無しの双子姉 
 ぐぬぬ、亜美に続いてりっちゃんもお泊りとは…… 
 それにしてもりっちゃん、最近イタズラしても反応薄いし、やっぱり疲れてるみたいだNE 
 真美もりっちゃんをイタワるとするYO 
 はっ、ここは真美と亜美の必殺ダブルマッサージの出番!? 


2.響 
 律子はなー、抱え込んじゃうとこあるからね。 
 千早が今日吐き出させてあげて、本当に良かったと思う。 
 分かってると思うけど、千早も気をつけるんだぞ? 
 自分たちでよければ、いつだって話聞くからな。 


3.春香さん 
 律子さんのキラメ! 
 聞きたい聞きたいっ! 
 千早ちゃん録音とかしてる? 
 信じてるよ千早ちゃん! 
 あと寝顔とかもよろしく! 


4.ミキなのー 
 にゅふ 
 律子の弱み握ったり! 
 これで明日からミキがゆーいに立ってやるの! 
 …でも、ちょっと疲れてそうだから、元気になってからにするの 


5.萩原雪歩 
 言われてみれば、千早ちゃんと律子さんは似たところがあるかもしれないね。 
 責任感が強いところとか、こうと決めたら曲がらないところとか。 
 律子さんも最近本当に大変そうだったから、今日はいい息抜きになったんじゃないかな。 
 私も、明日はとっておきのお茶とお茶菓子を用意しよっと。 



499: 名無しさん 2016/08/23(火) 22:49:41.01 ID:rkQY+1fZ0


6.名無しさん 
 千早ちゃんの1げと 


7.名無しさん 
 1 


8.名無しさん 
 千早ちゃんのブログが更新されたと聞いて 


9.名無しさん 
 >>6-8 
 毎度です 

 律子ちゃんあの年で売れっ子Pだからね 
 俺らには想像もできないぐらい大変なんだろうな 


10.名無しさん 
 りっちゃんのキラメキラリとか超見たいんですけどなにそれ 


11.名無しさん 
 美希ちゃん可愛すぎて辛い 


12.名無しさん 
 千早ちゃんと律子さんいい関係だな 
 俺もそういう友人が欲しかった… 


13.名無しさん 
 真ちゃんの時もそうだったけど、相手によって時々雑になる千早ちゃん好き 


14.名無しさん 
 ↑それな 
 >今日は律子を早めに持って帰ることしました。 
 >何だかわーわー言ってる眼鏡 
 この辺とか最高すぎるw 


15.名無しさん 
 そいえば千早ちゃんは律子ちゃん呼び捨てだったっけ 
 そういう理由があったんだ 



500: 名無しさん 2016/08/23(火) 22:56:13.63 ID:rkQY+1fZ0


16.名無しさん 
 気遣いのできるちーちゃん優しい子 


17.名無しさん 
 春香さん自重ww 


18.名無しさん 
 ※このコメントは削除されました 


19.名無しさん 
 さすがにアウトじゃろ 


20.名無しさん 
 俺もちょっと思ったけど! 
 思ったけど、表にしちゃ駄目だよ! 


21.名無しさん 
 はいアウトー 


22.名無しさん 
 相変わらず仕事はえーな 


23.名無しさん 
 千早ちゃんたちが行った店ってどこだろ? 


24.名無しさん 
 知ってる人は知ってる 
 でも口外はしない 


25.名無しさん 
 ま、一部では有名な話だよね 
 でも検索してもその辺の情報が出てこないところにファンの紳士度を感じる 


   ・ 
   ・ 
   ・ 



501: 名無しさん 2016/08/23(火) 23:01:44.62 ID:rkQY+1fZ0



ある日のたるき亭の光景 


律子「まったく、無理やりにも程があるわよ」 

千早「だからごめんって謝ってるじゃない」 

律子「……今初めて聞いたけど?」ジト 

千早「そうだったかしら、ごめんなさい」シラー 

律子「もう。いつから千早はそんなにふてぶてしくなっちゃったのかしら」 

千早「みんなのお陰よ」 

律子「よく言うわ。はぁ……お、このメニュー知らない」 

千早「久しぶりだものね……あ、これ美味しそう」 


502: 名無しさん 2016/08/23(火) 23:07:36.06 ID:rkQY+1fZ0


律子「一応聞くけど、お酒飲んでもいい?」 

千早「どうぞ。元から律子には飲んでもらうつもりだったわ」 

律子「なに、あんた、私を酔わせてどうするつもりなの」ウワー 

千早「どうして欲しいの?」 

律子「酔ったら家まで送って行って欲しいわね」 

千早「……年下の女の子に頼むことかしら、それ」ハァ 

律子「千早じゃなかったら言わないし、そもそもここに無理やり連れて来たのはあんたの方でしょ。責任持って介護なさい」 

千早「まぁ、いいのだけれど」 

律子「よろしくね。よし、すいませーん、グレープフルーツサワーくださーい。あ、千早は?」 

千早「緑茶で」 

律子「緑茶もお願いしまーす。あ、あととりあえず唐揚げと卵焼きともつ煮込み!」ワー 

千早「それに油揚げ納豆もお願いします。……ふふ、何やかやでノリノリじゃない」クスクス 



503: 名無しさん 2016/08/23(火) 23:11:22.38 ID:rkQY+1fZ0


律子「もう仕事のことなんて忘れた! 今日は久しぶりにがっつり飲む!」 

千早「……忙しいのは分かるのだけれど、仕事終わりに音無さんやプロデューサーと飲みに行ったりはしないの?」 

律子「んー、合間を見つけて飲みには行くんだけど、ほら、やっぱり気を使っちゃってね。私、一応年下だし」 

千早「へぇ……」 

律子「それに、あずささんとかもそうなんだけど、うちの人たちって結構がんがん飲むのよねー。そういうの見てると、自分は酔わないで、平静でいないといけない、って」 

千早「一緒に酔っちゃえばいいのに、相変わらず難儀な性格してるわね」 

律子「あんたには一番言われたくないわよ」クス 

千早「そうね。私も多分律子にだけは言われたくないわ」クスクス 



504: 名無しさん 2016/08/23(火) 23:20:18.06 ID:rkQY+1fZ0


律子「だ、か、ら! 今日は遠慮しないで飲むわよ! 介護人もいるし、あんた相手に気なんて使わなくていいし!」 

千早「別に、私にも気を使ってくれてもいいのだけれど」 

律子「何を今更」 

千早「ま、確かに、そんな律子気持ち悪いかしら」 

律子「言うじゃない。……ふふ、ありがとね、千早。そのつもりで連れて来てくれたんでしょ?」 

千早「さぁ、なんのことかしら」 

律子「くすくす。……あ、飲み物来たわね……はい、ありがとうございます。よし、乾杯しましょ!」 

千早「はいはい」 

律子「それじゃ、素直じゃない友人に」 

千早「面倒な友人に」 

律子千早「「乾杯!」」 



528: 名無しさん 2016/09/07(水) 00:00:21.41 ID:wb+vUXfK0


 ○月○日 
 おでん 


 こんにちは。如月千早です。 
 今日はおでんを作ってみました。 

 朝、コンビニの店頭で「おでんはじめました」という旗(のぼり、と呼ぶのでしょうか)を見かけたのが原因です。
  久しぶりに見た「おでん」という言葉が、一日中頭から離れなくて。 
 まだまだ暑い日が続きますが、クーラーの効いた部屋の中で熱々のおでんを食べるのも、それはそれで悪くないと思います。 
 真冬にこたつでアイスを食べる、に近いものがあるかしら。 

 午後の早くからフリーになったので、普段なら自主練を考えるところですが、今日に限ってはせこせこと事務所を後に。 
 電車の中携帯電話をいじっておでんの作り方を調べ、駅前のスーパーで材料を揃え、どきどきわくわくしながら帰って来ました。 
 初めて作る料理には、いつもどきどきとわくわくがありますね。 

 材料を切るのはもちろんのこと、大根とじゃがいもの下茹で、こんにゃくのあく抜き、厚揚げの油抜き、そうそう、ゆで卵も忘れずに作っておかないと。 
 おでん作りは簡単なようで、煮込む前の下準備がたくさんありました。 
 本当は、おだしも昆布やかつおぶし、鶏がらなどから自作できるといいのだけれど、ちょっとそこまでは手が届きそうもないので、今回は白だしの力に頼ることに。 

 ……下準備をしながら実は気づいていたのですが、改めてタネを並べてみると、うん、なかなかものすごい量になるわね。 
 ここは今年の冬にみんなでお鍋をつついて以来となる、土鍋様に登場願います。 
 白だしを薄めておだしを作って、火にかけ、沸騰したら弱火にしてタネを入れていきます。 
 さすが大人数用の土鍋様、何とかタネを並べることができました。 
 ぐらぐらと煮立たないよう火を調節して、あとは見守るだけ! 


529: 名無しさん 2016/09/07(水) 00:09:50.07 ID:wb+vUXfK0


 というところで、助っ人を要請することにします。 
 さすがにこの量を一人で食べるのは遠慮したいわ。 
 一人暮らし組に適当に連絡をばら撒いてみると、あずささん、四条さん、そして某正体不明のお姉さんを釣り上げることに成功しました。 
 ……こちらから連絡した身でなんですが、とても不安な面子になった気がするのだけれど。 

 律子、そう、律子はどうなのかしら。 
 と、メールを確認してみると。 


『 お誘いありがとう。 
  でも今日は家でゆっくりすることにするわ。 
  がんばって。 
  がんばって。 

   P.S.  
   あずささんが誰かと楽しそうに電話していました。 
   お酒という単語が何度か出てきました。 
   貴音はまだお酒にあまり慣れていないので気をつけてあげて。 
   私は家でゆっくりしています。 
   何かあっても連絡はしないでください。             』 


 とのことで。 
 仲間って素敵ですね。 

 冗談はさておき、お客様のために色々と準備をしておかないと。 
 おでん以外にも簡単につまめるものと、それに一応ご飯も炊いておきましょうか。 
 お風呂も沸かしておいて、着いた人から順に入ってもらって。 
 タオルは大丈夫。着替えは……持って来てないようだったら、Tシャツとジャージで我慢してもらいましょう。 
 どこかの酒飲みさんたちが突然寝転がっても大丈夫なように、掃除機もしっかりとかけておいた方がいいわね。 

 ふふ、こうやって誰かを迎える準備をするのって、私、嫌いじゃないみたいです。 
 さあ、もう一頑張りしてきましょうか。 



530: 名無しさん 2016/09/07(水) 00:17:46.49 ID:wb+vUXfK0


1.響 
 ロケ中じゃなければなー、残念。 
 そういえばこれ話したら貴音とか驚いてたんだけど、沖縄って結構おでん食べるんだよね。 
 こっちみたいに冬だけじゃなくて、一年中いつでも気が向いた時に食べに行ったり作ったりする感じ。 
 豚足(テビチっていうんだ)は欠かせないな! 
 あとウィンナーと青梗菜とかの葉物。 
 うー、話してたら久しぶりに食べたくなってきたぞ…… 


2.名無しの双子姉 
 ぐぬぬ、今度はあずさお姉ちゃんたちが千早お姉ちゃんの家に…… 
 次、次こそは真美がお邪魔するんだZE 
 真美はおでんならやっぱり卵! 
 何個でも食べられる気がするYO 


3.萩原雪歩 
 おでんかぁ。 
 私は牛すじとか手羽とかウィンナーが好きです。 
 それ自体も美味しいんだけど、スープにいい味が出るんだよね。 
 昆布とか鰹節と違う、ガツンと来る感じ。 
 スープだけでご飯が食べられちゃうような、濃厚な味になるからおすすめだよ。 


4.ミキなのー 
 ミキ、そういえばおでんって食べたことないの 
 家でも出たことないし、コンビニで買ったこともないな 
 もしかして、これって変なのかな? 
 千早さん、今度食べさせて欲しいのー 


5.春香さん 
 冬になると、帰る途中のコンビニでちょくちょく買っちゃうなー 
 美味しいし、ヘルシーだし! 
 春香さんは大根が好き! 
 しっかり味の染みた大根って何であんなに美味しいんだろうね 
 お酒飲めるようになったらもっと美味しく感じるのかなー? 



532: 名無しさん 2016/09/07(水) 00:28:26.38 ID:wb+vUXfK0


18.名無しさん 
 おでん自分で作るとどうしても量多くなっちゃうのはあるあるだなw 


19.名無しさん 
 面子が不穏過ぎるw 
 千早ちゃんのストレスマッハ 


20.名無しさん 
 律子さんのメールで草 
 大事なことだから二回言ったんですねわかります 


21.名無しさん 
 白だし便利だよなぁ 
 困ったら白だし安定だわ 


22.名無しさん 
 雪歩ちゃんが相変わらず肉食系で安心した 


23.名無しさん 
 千早ちゃんの嫁スキルがどんどん上がっておる 


24.名無しさん 
 律っちゃんww 


25.名無しさん 
 千早ちゃんにおかえりなさいって言って欲しいだけの人生だった 


26.名無しさん 
 千早ちゃんにただいまって伝えたいだけの人生だった 


27.名無しさん 
 >>>25-26 
 二人はどういう 


28.名無しさん 
 >>>25-26 
 結婚すればいいじゃない 


   ・ 
   ・ 
   ・ 



533: 名無しさん 2016/09/07(水) 00:36:22.61 ID:wb+vUXfK0


ある日の如月家の光景 


貴音「ふぅ、良き湯にございました。食事の前にこのような歓待、千早、真、感謝いたします」 

あずさ「うふふ、貴音ちゃんおかえりなさーい」 

お姉さん「お先に頂いてます、ふふ」 

貴音「なっ! そんな、ご無体な……わたくしのおでんが……」ガーン 

千早「くすくす、安心してください。先に簡単なおつまみを出してるだけですから。おでんにはまだ手をつけていませんよ」 

お姉さん「そうなんです。お風呂から上がったら、ほら、この子たち(たこぶつ、卵焼き大根おろし添え、ウィンナー入りポテトサラダ)がテーブルの上に並んでいて」 

あずさ「ごめんなさい。我慢できずに、その……飲んじゃったわ♪」 

千早「ふふ、お風呂上がりのお酒は特に美味しいと聞くものですから。余ったもので簡単に作ってみたんです」 

あずさ「千早ちゃん、本当にお料理が上手になったわね~」 

貴音「ふむ、なるほど。これも千早の歓待の一部であるのですね。生憎、酒のことにはわたくしも詳しくはありませんが……お二人の様子を見る限り、ふふ、真、素晴らしき心遣いであると言えましょう」 

千早「そ、そんな大層なものでは……」テレ 

お姉さん「お風呂を頂いて、この子たちが目に入った瞬間、私は決めました。千早ちゃんを私のお嫁さんにします」 

あずさ「あら~、千早ちゃんは765プロ(うち)の秘蔵っ子ですから、あげられませんよ~?」 

貴音「左様。番組の大事な相方でもあります故、まだ嫁に行かせるわけにはいきません」 

千早「ちょ、ちょっと、みんなしてからかわないでよ……」ホホソメ 

お姉さん(かわいい) 
あずさ(かわいい) 
貴音(かわいい) 



564: 名無しさん 2016/09/15(木) 21:59:59.23 ID:XbOHFyeV0


 ○月○日 
 高槻さんのお家で 


 こんにちは。如月千早です。 
 今日は高槻さんのお家にお邪魔してきました。 

 妹さんが私のことを応援してくれているようで、かなり以前からお誘いを頂いていたのです。 
 だけれど、なかなか踏ん切りがつかなくて。 
 家族……特に兄弟姉妹という関係を近くで見るのが恐かった。 
 今改めて考えると、多分、そういうことだったのだと思います。 

 さてさて。 
 そんな昔のことは割とどうでもよくて、大切なのは、本日高槻さんのお家が、たこ焼き・お好み焼き祭りの日だということです。 
 去年だったかしら、高槻さんと水瀬さん、それに私の三人でお好み焼きを食べに行ったことことがあって、あの時は水瀬さんも私も上手に焼くことができなかったのよね。 
 リベンジというわけではないのだけれど、あれから何度かメンバーは違えどお好み焼き屋さんに行くことがありました。 
 素直にお店の人に教えてもらったりして、今では上手く生地をひっくり返すことができます。 
 あの時とは違うのだということを、高槻さんにも是非見てもらいたいものです。 

 というわけで、普段より少し早く事務所を出て、高槻さんと一緒にお買い物に行きました。 
 行き着けだというスーパー、実に手馴れた様子で食材をカートに入れていく高槻さん。 
 驚くべきことに、店員さんや他のお客さんに何度も声をかけられて、しかもその内容が、「そろそろ割引シール行くよ」とか、「今日はあれが安かったわよ」とか、おおよそアイドル活動と無関係のことばかり。 
 何というか、アイドルである前にただの一人の女の子として、本当に高槻さんは地元の方に愛されているのだなと、しみじみ感じる光景でした。 


 両手に荷物をぶら下げて、高槻さんと二人、ゆっくりと家路を歩きます。 
 あそこの家のお姉ちゃんによく遊んでもらった、あのお店は大盛りサービスしてくれる、そこのおばあさんにおはぎを貰った、この公園をよく散歩してる仲良しの老夫婦がいる、向こうの角に前は豆腐屋さんがあったけど無くなってしまって寂しい、そこの道をまっすぐ行くと学校がある、などなど。 
 高槻さんの話を聞いていると、まるで私もこの町で育ったような気さえしてくるのだから不思議なものです。 
 高槻さんがこの町から愛されているように、高槻さんもこの町を心から愛しているのでしょうね。 
 ……ちょっと、羨ましいかも。 



565: 名無しさん 2016/09/15(木) 22:11:10.94 ID:XbOHFyeV0


 高槻さんのお家では、お母様と弟妹さんたちが玄関で揃ってお出迎えしてくれました。 
 お父様はもう少し遅くに帰って来るとのこと。 
 私のことを応援してくれているという妹さんが、多分恥ずかしがっていたのかしら、お兄ちゃんの背中にくっついて隠れていたのが何だか微笑ましかったですね。 
 二人で買ってきたものを台所に運んで、私も準備を手伝おうとしたのですが、丁重にお断りを頂いてしまいました。 
 同じく手伝おうとした高槻さんも台所から追い出されてしまい、二人顔を見合わせて何だか吹き出しちゃって。
  ご飯の用意ができるまで遊ぼう、という二番目のお兄ちゃんに誘われるまま、みんなでわいわいと時間を過ごしました。 
 ふふ、紙飛行機や輪ゴムの鉄砲なんて、いつ以来かしら。 
 久しぶりにキャッチボールが出来たのも嬉しかったわ。 


 準備ができたとのことで、みんなで手を洗って、テーブルに集合です。 
 大きなホットプレートとたこ焼き器が鎮座なさっています。 
 早速両方のスイッチが入り、どうやらお好み焼きを高槻さんと妹さん、たこ焼きをお母様と一番上のお兄ちゃんが担当するようです。 
 慣れているのでしょう、二組のコンビネーションといったら、そのまま動画に収めてしまいたいぐらい見事なものでした。 
 焼く時こそ手伝うんだと意気込んでいた私ですが、見る限り、邪魔にしかならなそうで、他の子たちと一緒に大人しく拝見していることにしました。 

 お好み焼きはお店で何度か焼いたことがあるのだけれど、たこ焼きを作っているところをちゃんと見るのって、そういえば初めてかもしれません。 
 何となく想像はついていたのだけれど、その想像以上に大変というか手のかかる作業でした。 
 お好み焼きと違って一つずつ育てなければならないのだから、当然といえば当然なのだけれど、これはなかなか休まる暇がないわね。 
 だからこそかしら、だんだん見慣れたたこ焼きの形になって行くのには、軽く感動を覚えてしまったり。 
 最後の方、形の整ったたこ焼きをくるくる回しながら火を通すのはとても楽しそうというか気持ち良さそうで、ちょっとやらせてもらったりもしました。 
 上手にくるんと回転させられると、何だか職人さんになった気分。ふふ。 
 お兄ちゃんのピック裁きにはとても勝てる気はしなかったけれど。 

 たこ焼きの味付けには、定番のソース、マヨネーズの他にポン酢やお出汁も用意されていて、いくら食べても飽きる気がしませんでした。 
 たこ焼きを食べながらお好み焼きの完成を待ったり。 
 逆にお好み焼きを食べながらたこ焼きが育っていくのを眺めたり。 
 残りを誰が食べるかでじゃんけんをしたり。 
 私や二番目のお兄ちゃんも作るのに挑戦してみたり。 
 途中で帰って来られたお父様もノリノリでヘラとピックを構えたり。 


 賑やかで、本当に、お祭りのように楽しい時間でした。 
 またお邪魔できたらいいな、と今から思っています。 
 その時はよろしくね、高槻さん? 



566: 名無しさん 2016/09/15(木) 22:19:50.48 ID:XbOHFyeV0


1.ミキなのー 
 やよいずるいのー 
 千早さん、今度はミキのうちにも来てほしいな! 
 ご飯は、えーと、ママが美味しいの作ってくれるの! 
 ミキ、ちゃんとお手伝いもするよ? 


2.響 
 自分も何度か行ったことあるけど、やよいん家楽しかったなー。 
 やよいのお姉ちゃんぶりも可愛かったしね! 
 兄弟たちが元気みたいで良かったぞ。 
 話聞いてたら自分もまたお邪魔したくなって来た! 
 みんな覚えてくれてるかな? 


3.萩原雪歩 
 私もやよいちゃんからお誘いは頂いてるんだけど、なかなか都合が合わなくて…… 
 すごく楽しかったみたいで羨ましいです。 
 やよいちゃんの家族はみんなで助け合ってて凄いよね。 
 年下の女の子があんなにしっかりしてて、私、いつもやよいちゃんから勇気を貰うんだ。 


4.春香さん 
 うーむ、お好み焼きはまだしもたこ焼きかー 
 さすがの春香さんもちょっと自信無いな… 
 まずはたこ焼き器を買うところからだね 
 あ、千早ちゃんの家に置いて、たまにみんなで集まるのも楽しいかも! 
 たこパですよ、たこパ! 


5.名無しの双子姉 
 んっふっふ~。 
 実は家にたこ焼き器がある真美に隙は無かった! 
 チマタでウワサの夢幻二刀流ピックとは真美のことだZE 
 今度千早お姉ちゃんに披露したげるから、うちに来るべし来るべし☆ 



567: 名無しさん 2016/09/15(木) 22:25:05.03 ID:XbOHFyeV0


6.名無しさん 
 千早ちゃんの1げと 


7.名無しさん 
 1 


8.名無しさん 
 千早ちゃんのブログが更新されたと聞いて 


9.名無しさん 
 >>6-8 
 今日も安心した 

 やよいちゃんの住んでる町はすごく暖かい所なんだな 
 あるいはやよいちゃんが暖かくしてるのか 


10.名無しさん 
 俺もやよいちゃんの家に行きた過ぎて死ぬ 


11.名無しさん 
 明石焼きとは高槻家も通だな 


12.名無しさん 
 たこ焼き家で作ったこと無いけど面白そう 


13.名無しさん 
 お好み焼きは広島風が好きなんだけど、如何せん面倒で… 
 大人数で食べるのにも向いてないしなー 


14.名無しさん 
 やよいちゃんの妹とか絶対天使に決まってる 


569: 名無しさん 2016/09/15(木) 22:40:59.65 ID:XbOHFyeV0


ある日の高槻家の光景 


長介「ほら、かすみ。いつまでも隠れてないで」 

かすみ「……千早ちゃん? 本当に千早ちゃんなの?」 

千早「ええ。高槻さんと同じ765プロの、如月千早よ。かすみちゃん……で良かったかしら?」 

かすみ「わ、わ~、千早ちゃんが、私のこと呼んでるー」ワー 

長介「すいません、如月さん。かすみのやつ、如月さんの大ファンで。普段はちゃんと挨拶とかできる子なんですけど」 

千早「ふふ、大丈夫よ。偉いわね、長介君は」 

長介「いえ、そんな……」 

かすみ「長介ばっかりずるいー。わたしも千早ちゃんとお話するー」ウー 

千早「ええ、いっぱいお話しましょうね」 

かすみ「やった~! えへへっ」ワーイ 

長介「……あの、如月さん」オズ 

千早「? どうしたの?」 

長介「……あの、その、今日は、いおr……水瀬さんは……」 

千早「水瀬さんは、ロケの遠征中なの。参加できなくてとっても残念がってたわ。あ、そうそう、長介君によろしくってメールが来てたわね」 



570: 名無しさん 2016/09/15(木) 22:46:47.23 ID:XbOHFyeV0


長介「そ、そうですか」 

かすみ「あー、長介照れてるんだ~」エヘヘー 

千早「胸張って前を向いてるか、ですって。よく分からなかったのだけれど、伝えればきっと分かるからって」 

長介「……へへ。あの、俺は大丈夫ですって、良かったら伝えてもらえますか? あの日貰ったプライド、今もここに残ってるから、って」 

千早「ええ。伝えておくけれど……やっぱり私には分からない内容みたいね」 

長介「ごめんなさい。やよい姉ちゃんにもこれは秘密なんです」 

千早「ふふ、秘密にしておきたいことなんて、誰にだってあるもの。構わないわ」 

かすみ「長介、なんかかっこつけてる?」 

長介「そ、そんなんじゃないやい」プイ 

かすみ「ふ-ん。ま、いっか。ねーねー、千早ちゃん、あっちでお話しよ~」 

千早「ええ、ほら、長介君も行きましょう?」 

長介「はいっ」 




598: 名無しさん 2016/10/03(月) 00:29:40.31 ID:RVLLxtcn0


 ○月○日 
 温泉旅館 


 こんにちは。如月千早です。 
 昨日は温泉旅館に泊まって来ました! 

 とはいっても、プライベートではなくてお仕事の一環というかそれ自体がお仕事だったというか。 
 四条さんとの番組『まかないお願いします!』での特別企画で、温泉旅館ロケが行われたのです。 
 ご存知ない方のために簡単に説明させていただきますと…… 
 この番組は、四条さんと私の二人が様々なお店にお邪魔してお手伝いをさせてもらって、それがきちんと認められれば、そのお店の「まかない」をいただくことできる。 
 と、いうような番組です。 

 今回はそのスペシャルバージョン。 
 毎週、無理難題(という程のこともないのだけれど)をクリアして来た四条さんと私へのご褒美として、温泉旅館に! 
 ということらしく。 
 実に素晴らしいですね。 
 このチームもたまにはいいことをする、と珍しく感心していたのですが…… 
 宿に着いて挨拶をすると、女将さんに連れられ従業員用の更衣室へ、旅館の制服を渡される四条さんと私。 
 そして始まる女将さんのレクチャー。 
 あ、これいつものやつだ。 
 ご褒美だなんて言うから、今回は温泉旅館でゆっくりするだけだなんて思っていたのに…… 

 しかも、しかもですよ! 
 そんな私たちに「がんばってー」と声をかけるや、タオルと浴衣を手に手に温泉へと向かうスタッフさんたち。(さすがに撮影のために二人残っていましたが) 
 信じられますか? 
 私は信じられませんでした。 

 さらに! そう、さらにです! 
 今回四条さんと私とが仲居役としておもてなしをするのは、あのいい年した大人たちだと言うではありませんか! 
 信じられますか? 
 私は信じたくありませんでした。 


 さすがにそれは不平等というか、スタッフのみんなだけずるいのではないかと思い、小型カメラを構える女性スタッフさんに訊ねてみました。 
 すると、驚くべきことに、 
 スタッフさんたちは今日のためにみんなお休みを取っていて。(つまり今日は撮影しながらも休日扱いです) 
 旅費及び旅館への謝礼金は自分たちで負担。 
 だけれど、もし自分たちを相手にするのが面倒なら、普段通り一般のお客さんを対象にしてもいいよ。 
 とのことで。 
 ちなみに、通常、お店でのロケに特別に謝礼金などを払うことはあまりありません。 
 メディアで放送することによる宣伝効果についてお店の方とお話をして、ロケの許可をいただくことがほとんどです。 
 だけれど、今回はスタッフのみんなが規定の代金を払って「お客」として伺うという前提で。撮影の許可や機材の持ち込み、四条さんや私への指導のお願いなど、本来一般のお客さんを相手とするのに必要のない手間に対して「謝礼金」という形を取ったそうです。 

 またこの人たちは……と呆れずにはいられませんでした。 
 温泉に行きたいがために、私たちにお給仕をさせたいがために、身を切ってそこまでするのかと。 
 でも、話を聞いた四条さんのぽかんとした顔はちょっと面白かったですね。 
 ここの人たちは、だいたいいつも私たちの想定した少し斜め下を行くんですよ。 
 私、このチームとは少し長い付き合いだから分かるんです。 
 ……なんて、あまり自慢になることでもないわね、ふふ。 

 結局、一般のお客さんを相手にするよりは幾分も気が楽だということで、予定通りスタッフさんたちをおもてなしすることに。 
 それを伝えた時のみんなの喜びようといったら。 
 大の大人がこの程度のことで歓声を上げるなんて、恥ずかしくないのかしら。 
 ある程度のお給仕をこなしたら、今回ばかりは私たちもまかないではなくて旅館本来のお料理を用意していただけるとのことなので、ま、普段以上にがんばってあげましょうか。 


 さて。 
 そんないい大人たちと作り上げる 
 『四条貴音と如月千早の まかないお願いします! 』 
 毎週金曜23時より放送中です。 
 今回撮影したものは、恐らく再来週の放送になるだろうと聞いています。 
 湯上り美しい四条さんに注目の温泉旅館特別回。 
 乞うご期待、です。 



599: 名無しさん 2016/10/03(月) 00:37:42.42 ID:RVLLxtcn0


1.春香さん 
 うー、いいなー 
 私も千早ちゃんと一緒に温泉に行きたいよぅ 
 そうだ! 
 今度765プロみんなで社員旅行に行こうよ、社員旅行! 
 て、さすがにスケジュール的に無理だよね、あはは 


2.萩原雪歩 
 仲居さんって大変だと思います。 
 心遣いって、決まった正解があるわけじゃないし、ここまでっていうゴールもないんだよね。 
 年に一度家族で旅行するんだけど、素敵な仲居さんに担当してもらうと、お宿の満足感が全然違うんです。 
 私も一度勉強してみたいなぁって。 


3.響 
 またあのスタッフたちか。 
 自費でロケ組むとか正気とは思えないな。 
 ……思えないんだけど、でも貴音と千早がお世話してくれるなら、自分もスタッフの立場で参加してもいいかも。 
 おーい見てるかー? 
 次回あったらよろしく頼むぞー。 


4.名無しの双子姉 
 千早お姉ちゃんとお姫ちんに仲居さんさせるとは! 
 さすがはあのにーちゃんねーちゃんたち、よく分かっておるわ…… 
 いや、もう素直に羨ましいんだZE 
 そーいえば、あの番組のゲストに真美まだ呼ばれてないんだけど、ねーねーいつ呼んでくれんのー? 


5.ミキなのー 
 千早さんの仲居さん! 
 うー、とっても似合いそう! 
 スタッフの人たち羨ましいな… 
 ミキも千早さんにお世話されたいのー 
 …でもよく考えたら普段からお世話してもらってるから、逆にミキがお世話してあげたいかも! 



601: 名無しさん 2016/10/03(月) 00:53:06.75 ID:RVLLxtcn0


17.あずさです 
 千早ちゃんと貴音ちゃん、温泉に行ってきたのね。 
 羨ましいわ~。 
 そうだ、今度私たちのラジオでも温泉回をやりましょう? 
 ふふ、こちらのスタッフさんたちもきっと賛成してくれると思うの。 


18.名無しさん 
 再来週が楽しみすぎて辛い 


19.正体不明のお姉さん 
 あずさちゃん、その時は絶対に私をゲストに呼んで下さいね。 
 絶対ですよ! 


20.四条貴音 
 昨日はお疲れ様でございました。 
 温泉だ酒だとはしゃぐスタッフの方々に微笑ましいものを感じたのは、きっとわたくしだけのことではなく。 
 そして、口では辛辣なことを言いながら甲斐甲斐しく皆の給仕を務める千早の姿に暖かいものを感じたのも、きっとわたくしだけのことではなかったのだと。 
 番組が始まり、はや半年が過ぎようとしております。 
 千早、今後とも皆の力で良い番組を作り上げて参りましょう。 
 それと、その、美しいなどとお戯れはお止めください…… 


21.名無しさん 
 出たぞー 


22.名無しさん 
 囲め囲めー 


23.名無しさん 
 出合え出合えー 


24.名無しさん 
 千早ちゃんのツンデレ美味しいです 


25.名無しさん 
 お姉さんがいつもの冗談を忘れるくらい必死で草 


26.名無しさん 
 千早ちゃんとスタッフさんたちの気心知れた関係が感じられていいね 


27.名無しさん 
 貴音ちゃんぐうかわ 


   ・ 
   ・ 
   ・ 



602: 名無しさん 2016/10/03(月) 00:58:29.32 ID:RVLLxtcn0


ある日のある温泉での光景 


貴音「ほぅ……ふぅ、ようやく落ち着けましたか。千早、真、お疲れ様でした」 

千早「んー! はぁ……ちょっと熱いけれど、気持ちいいですね。四条さんも、お疲れ様です」 

貴音「今回の企画、驚きも多くありましたが……斯様に喜んで頂けると、ふふ、悪い気はしないものですね」 

千早「私は正直呆れましたけれど。大の大人がみんなしてはしゃいじゃって」ハァ 

貴音「それ程に、楽しみだったということなのでしょう」 

千早「くす、私たちに給仕させるのが、ですか?」 

貴音「それも含めて、ですよ。あんなに嬉しそうで、楽しそうで、スタッフの皆様もわたくしたちのファンでいてくれているのだと。今日ほど強く感じたことは記憶にございません」 



603: 名無しさん 2016/10/03(月) 01:02:32.38 ID:RVLLxtcn0


千早「まぁ、確かに、悪い気はしなかったですけれど」 

貴音「ふふ、そうは言いながら、千早、給仕を務める貴女は実に楽しそうでしたよ?」 

千早「そうですね。あれだけ嬉しそうにしてもらえれば、こちらだって少しは嬉しくなるものでしょう?」 

貴音「千早は、世話好きなところがありますから」 

千早「……最近、自分でもそんな気がしてきて。春香なんかには以前から言われていたのだけれど」 

貴音「ええ、流石は春香といったところでしょうか」 

千早「そうですね。あの子には敵いません」 

貴音「……ふふ、嬉しそうですね、千早」 

千早「そ、そうでしょうか?」 



604: 名無しさん 2016/10/03(月) 01:08:53.34 ID:RVLLxtcn0


貴音「ええ、とても良い顔をしています。ふぅ……さて、そろそろ良き頃合でしょうか」 

千早「お腹の具合が、ですか?」 

貴音「こら、千早、またそうやって私を食いしん坊扱いして!」 

千早「くすくす、違うんですか? 美味しそうなお料理を見て配るばかりで、私はもうお腹ペコペコなんですけれど」 

貴音「……わたくしも、 空腹でないとは申しておりません」 

千早「くすくす、ええ、それではそろそろ行きましょうか。美味しいお料理が待っています。……お酌させて下さいね、四条さん」 

貴音「なんと」 

千早「ふふ。私、こう見えて、上手だって言われるんです」 

貴音「……なるほど。スタッフの皆様や、あずさたちの気持ちが少し分かった気がします」 

千早「?」 

貴音「わたくしも、如月千早のファンの一人なのだと。ふふ、ただそれだけのことですよ」 


617: 名無しさん 2016/10/07(金) 22:00:10.12 ID:bH/POLBK0


 ○月○日 
 風邪 


 こんにちは。如月千早です。 
 最近、朝晩と冷えることが多くなってきました。 
 季節の変わり目は体調を崩しやすいので、皆様、どうかお気をつけください。 

 ……というのも、私、風邪をひいて昨日今日とお休みしてしまったのです。 
 関係者の皆様には大変なご迷惑をおかけしてしまいました。 
 明日から謝罪とお礼のご挨拶に向かわないとね。 


 一昨日の朝、目覚めたときから何だか身体に違和感があったのだけれど、元々寝起きに強い方ではないので、あまり気にすることなくお仕事へと向かいました。 
 でも、お昼ぐらいからどんどん体調が悪くなっていって、顔にも出ていたのでしょう、会う方会う方心配させてしまったみたいです。 
 連絡を受けて様子を見に来てくれたプロデューサーの顔を見ると、ほっとしたのか何だか身体から力が抜けてしまって、ソファーからなかなか立ち上がれなかったのを覚えています。 

 その場で二日間の休養を言い渡されて、家まで送って頂きました。 
 明日一日安静にして、もし熱が下がらないようなら病院に連れて行くから絶対に正直に連絡するように、と何度も念を押されて。 
 途中コンビニで買って頂いたポカリスエットを飲んで、ベッドに入って、心配してくれるみんなに大丈夫とメッセージを送って。 

 気がついたら、軽く眠っていたようです。 
 携帯電話の着信音で目が覚めました。 
 画面を確認すると、我那覇さんの名前。 
 お見舞いに行ってもいいか、ということでした。 
 申し訳なくて最初は遠慮したのだけれど…… 
 以前、我那覇さんが体調を崩した時に私がお見舞いに行ったことがあったのですが、その時のことに触れて、今度は自分の番だ、と言われると強く断ることもできず。 
 一人で心細いのも事実でしたし、お見舞いに来てもらうことになりました。 


618: 名無しさん 2016/10/07(金) 22:08:26.52 ID:bH/POLBK0


 我那覇さんは既に家の近くまで来ていたみたいで、到着の連絡まで十分とかかりませんでした。 
 扉を開けると、見慣れたスーパーの袋を手に持った彼女の姿。 
 袋から長葱が出ているのが見えて、何だか家庭的な感じです。 

 ふふ、そうそう、我那覇さんって、765の中でも高槻さんと並んでものすごく家庭的な女の子なんですよ。 
 お料理はもちろん、掃除、洗濯、編み物まで得意で、たくさんの家族(動物たちのことです)と仲良く一緒に住んでることからも分かる通り、とてもお世話好きな性格をしています。 
 ……書いてて改めて思ったのだけれど、非の打ち所がないわね。 
 よく半分冗談みたいな感じで「自分カンペキだからなー」と口にする我那覇さんなのだけれど、冗談になってないわよね。 
 765の仲間内でお嫁さんにしたい人ランキングとかのアンケートを取れば、多分我那覇さんが一位になるんじゃないかしら。 
 少なくとも私は投票します。 
 一昨日、昨日と面倒を見てもらって、私はそう決めました。 
 なんて、ふふ。 

 でも、そんなことを考えてしまうぐらい、我那覇さんは優しく私のお世話をしてくれて、申し訳ない気持ちもあったのだけれど、それ以上にとっても暖かい気持ちで養生することができました。 
 特に一昨日の夜作ってくれたお粥の味は忘れられそうにありません。 
「お粥だからって飲み込むように食べるんじゃなくて、ちゃんと噛むんだぞ。そうしないと、お腹に負担がかかっちゃうからな」 
 隣で林檎を切りながら、そう言って、私の食べ方を注意してくれた我那覇さんに母性を感じたのは、きっと当然のことだったのでしょう。 
 もっと食べたいだなんて言葉にしていないのに、お粥のおかわりも作ってくれましたし。 
 どうして分かったのかしらね。 


 おかげ様で、病院のお世話になることもなく、無事元気になりました。 
 本当は今日もお見舞いにと言ってくれたのだけれど、朝の段階でもう今からお仕事ができそうなぐらい体調が良かったので、さすがに今日は遠慮させてもらいました。 
 昨日作ってくれた野菜と鶏団子のスープもまだ冷蔵庫に残っていますしね。 
 一昨日、昨日と傍にいてくれた我那覇さんがいなくて、少し寂しい気がするのは正直な気持ちだけれど、今も携帯電話に届くみんなのメッセージが、寂しさなんてどこかに吹き飛ばしてくれます。 
 ありがとう、みんな。 

 体調を崩してこんなことを言うのはとても不謹慎だと分かっているのだけれど。 
 私、幸せだなって。 
 そんなことを、思っています。 




619: 名無しさん 2016/10/07(金) 22:15:30.94 ID:bH/POLBK0


1.萩原雪歩 
 千早ちゃん、体調良くなったみたいで本当に良かったです。 
 私たちアイドルの仲間も、765の従業員の方も、現場のスタッフの方も、ファンの方も、みんなみんな心配してたんだよ。 
 会う度に千早ちゃんのことを聞かれて、私もちょっと不謹慎だけど、何だか嬉しかったな。 
 これだけの人が千早ちゃんのことを大切に思ってるんだ、って。 
 明日が楽しみです。 
 私も早く千早ちゃんに会いたいな。 


2.春香さん 
 千早ちゃーーーん 
 心配したよーーーーーー 
 元気になって良かった! 
 うー、本当は私がみんなの代表でお見舞いに行きたかったんだけど、スケジュールとか色々な都合で響ちゃんになったんだ 
 ちょっと悔しいけど、響ちゃんなら適任だからね 
 悔しいけど! 
 いいもーん、私は明日千早ちゃんのお世話するんだもーん 


3.ミキなのー 
 千早さんが元気になったの! 
 あのね、ミキもお見舞いしたかったんだけど、プロデューサーが一人しか行っちゃダメだって 
 ミキ、おかゆぐらいは作れるようになったんだけど、響には勝てないの… 
 早く元気な千早さんの顔見せてね 
 千早さんがいないとミキ寂しいよ 


4.名無しの双子姉 
 復活! 
 千早お姉ちゃん復活! 
 医者の娘として真美が千早お姉ちゃんをかんびょーするって言っても、誰も認めてくれなかったんだZE 
 確かにひびきんは嫁スキル高いよねー。 
 真美もお嫁さんにするならひびきんがいいかも☆ 
 あ、千早お姉ちゃんは旦那さんでよろよろ→ 


5.響 
 ふふん、自分カンペキだからな! 
 でも正面から褒められるとちょっと恥ずかしいな…… 
 千早にはさ、前自分が風邪引いた時に家に来てもらって、看病してもらって、それがすっごく嬉しかったから、今回は絶対自分が行きたかったんだ。 
 みんなの代表で、自分ちゃんと看病できたかな? 
 千早の元気に自分がなれたなら嬉しいぞ。 



620: 名無しさん 2016/10/07(金) 22:22:30.46 ID:bH/POLBK0


6.名無しさん 
 千早ちゃんの1げと 


7.名無しさん 
 1 


8.名無しさん 
 千早ちゃんのブログが更新されたと聞いて 


9.名無しさん 
 >>6-8 
 いつも乙です 

 千早ちゃんが元気になって良かった 
 響ちゃんの看病は正直うらやましい… 


10.名無しさん 
 響ちゃんいい嫁過ぎるだろ 


11.名無しさん 
 体調崩した時の他人の優しさって本当に嬉しいよね 


12.名無しさん 
 一人暮らしで寝込んだ時の絶望感な 
 気持ちも落ち込んでいってハンパない 


13.名無しさん 
 やっぱり風邪の時はポカリだよねー 


14.名無しさん 
 ポカリとお粥とすりおろし林檎があれば戦える 


15.名無しさん 
 気温の変化が激しくてなかなか身体が追いつかないわ 


16.名無しさん 
 ちょっと響ちゃんスペック高過ぎね 


17.名無しさん 
 カンペキだから 



621: 名無しさん 2016/10/07(金) 22:29:31.12 ID:bH/POLBK0


18.名無しさん 
 体調管理に人一倍気をつけてそうな千早ちゃんでも風邪引くんだ 
 俺が風邪引いてるのも仕方ないことなんだ 


19.名無しさん 
 美希ちゃんがおかゆ作れるようになってる! 


20.名無しさん 
 >もっと食べたいだなんて言葉にしていないのに、お粥のおかわりも作ってくれましたし。 
 多分ものすごく物欲しそうな顔をしてたんだなw 


21.名無しさん 
 そうそう、お粥って噛まないと逆に消化に悪いからね 
 響ちゃんはいいお母さんになりそうだ 


22.名無しさん 
 千早ちゃんが幸せだと俺も幸せ 


23.名無しさん 
 >袋から長葱 
 なんだろうなあれ、確かにすごい家庭的な感じがある 


24.名無しさん 
 旦那さんランキングをまこりんとちーちゃんで争うんですね分かります 


25.名無しさん 
 贅沢言わないから風邪引いた時にお見舞いに来てくれる女友達が欲しい 


26.名無し 
 贅沢言うな 


27.名無しさん 
 >>25-26 
 急に笑かしに来るのやめてもらえないすかw 


   ・ 
   ・ 
   ・ 



622: 名無しさん 2016/10/07(金) 22:37:25.56 ID:bH/POLBK0


ある日の如月家の光景 


千種「もしもし、どうしたの……え、千早が体調を崩したっ!?」バッ 

如月父「ああ、スタッフから連絡を受けたプロデューサーがすぐに対応してくれたから心配はいらない。明日明後日と最低でも休ませるそうだ」 

千種「ち、千早は、どんな様子で?」アワアワ 

如月父「多少熱があるようだが、意識もはっきりしていて、痛みを訴えることもその素振りも無かった、と。まあ恐らく風邪だろう。明日一日休んで、もし熱が引く様子が無いようなら、こちらでかかりつけの病院に連れて行くよ」 

千種「それじゃあ、私は千早の家に行って、看病を……」 

如月父「いや、止めておいた方がいい。うちのアイドルたちが、誰が千早の世話をするかで盛り上がっているところだ。はは、本当に、優しい子たちだよ」 

千種「だけれど……」 

如月父「気持ちは分かる。だが、ここは千早の友人に任せておこう。せっかく千早が築き上げた関係なんだ、邪魔をしたくはないだろう?」 

千種「……千早も、こんな時ぐらい頼ってくれればいいのに」 

如月父「そうさせなかったのは、俺たち……いや、すまん、俺が原因だな」 

千種「あなた一人のせいではないわ。私も、あの子に親らしいことなんて何も……」 

如月父「……幸い、俺たちにはまだこれからの時間がある。少しずつ、取り戻して行けばいい」 

千種「ああ、千早、ちゃんとご飯は食べられるのかしら。繊細なあの子のことだから、食欲が落ちて何も食べられないんじゃ……」 

如月父「……」 

千種「あなた?」 

如月父「あ、ああ、その辺りもうちの子たちがしっかりやってくれるさ」 

千種「そうだといいのだけれど……ああ、心配だわ……」ハラハラ 



623: 名無しさん 2016/10/07(金) 22:38:08.91 ID:bH/POLBK0


ある日の如月家の光景(2) 


千早「おいひい」ハフハフ 

響「そうか? 良かった。ちょっと薄めの味付けにしたんだけど、ちゃんと味を感じられるなら治りも早そうだな」ズリズリ 

千早「優しい味がするわ」ハフハフ 

響「あはは。前に千早が作ってくれたお粥も、優しい味がしたなー」ズリズリ 

千早「……あの頃はまだちゃんとお料理の勉強をしてなかったから、きっとイマイチだったと思うわ」ハフハフ 

響「そんなことない。自分にとって、今までで一番美味しいお粥だったぞ」ズリズリ 

千早「ふふ、ありがとう」ハフハフ 

響「よし、すりおろし林檎もできた」 

千早「……ぁ(もう食べ終わっちゃった)」ズーン 

響「皮に栄養があるからね。皮ごと食べるのがいいんだ」 

千早「……」 

響「……千早?」 

千早「え、ええ、そうね、皮がいいのよね」 

響「……お粥のおかわり、いる?」 

千早「ええと、その、」モジ 

響「千早?」 

千早「……はい、お願いします」カァ 

響「あはは、風邪引いた時こそ、いっぱい食べて早く治さないとな!」 



638: 名無しさん 2016/10/13(木) 23:00:13.89 ID:I4kZfZoC0


 ○月○日 
 運動会 


 こんにちは。如月千早です。 
 昨日は事務所対抗大運動会が行われました。 
 竜宮小町を除いてまだまだ無名だった765プロ、その躍進のきっかけの一つとなった思い出の大会ですね。 

 連覇中の765プロですが、以前から告知していた通り、今回はシアター組のみんなに出場してもらうことになりました。 
 私たち先輩アイドルは、みんなの応援と。 
 休憩中にサプライズゲストとして歌わせていただきました。(本当に飛び込みでびっくりしました) 
 私たちが競技に出場しないということで、他の事務所から「菊地も我那覇もいない、今年はもらった」などといった声が聞こえてきたのですが…… 
 ふふ、その二人に勝るとも劣らない身体能力を持った子が何人かいると知ったら、一体どんな顔をするのかしらね。 


 さて。 
 応援するにあたり、真っ先に私たちが考えたのは、お弁当のことでした。 
 自分たちが参加する前回までは、さすがに朝お弁当を用意する暇もなくて仕出しのお弁当を食べていたのだけれど。 
 今回は競技に出ない分、多少時間のゆとりがあります。 
 シアター組のみんなにお弁当を作って行こうと言い出したのは誰だったかしら。 
 特に誰ということもなく、自然とそういう流れになっていたような気もします。 

 以前、お花見をした時と同じように、今回も水瀬さんのお家の厨房をお借りさせていただきました。 
 あの時よりもずっとたくさんの量を作る必要があるので、前日の夕方、手が空いた子から集まって準備を進めていきます。 
 唐揚げ用の鶏肉や海老フライの海老の下準備をしたり、おにぎりの具材の用意をしたり、ハンバーグに使う玉ねぎを炒めておいたり。 
 四条さんの「たいたん」は火まで入れてしまいます。 
 冷蔵庫で一晩寝かせると更に味が染みるのだとか。 
 みんなで準備している間に楽しくなっちゃって、予定していなかったものも用意し始めたり。 

 本当はある程度のところで解散して、翌朝また集合するつもりだったのだけれど、 
「朝も早いんだし、みんなうちに泊まっていけばいいじゃない」 
 という神、いえ、水瀬さんの提案はあまりにも魅力的過ぎて、水瀬さんのご両親も是非にと言ってくださるものだから、昨日は急遽みんなでお泊り会となってしまいました。 
 みんなでお風呂に入って、一つの部屋にお布団を敷かせてもらって、ふふ、合宿みたいでとても楽しかったわ。 


639: 名無しさん 2016/10/13(木) 23:09:03.11 ID:I4kZfZoC0



 朝起きて、夜更かしで眠い目をこすりこすりみんなでお弁当作り。 
 前日の用意の甲斐あって、三段の重箱十個が見事に埋まりました。 
 自分たちでやっておいて何ですが、すごい量を用意したものだなぁと改めて思いましたね。 
 楽しくて、全然苦ではありませんでしたけれど。 

 シアター組のみんなの驚いた顔を見れたのも良かったわ。 
 普段そんな顔を見せない子たちまで唖然としていて、悪戯好きな某双子の気持ちが何だかちょっとだけ分かったかも。 
 先輩組で顔を見合わせて笑っちゃったりして。 

 観客席から競技に参加するみんなを応援するのも楽しかったですね。 
 関係者席とはいっても一般の方もすぐ近くにいらっしゃるし、応援の熱のようなものを正に応援の中で感じられて新鮮でした。 
 正直なところ、自分で競技に参加している時は、「運動をしているだけで、ファンの皆様に本当に楽しんでもらえてるのだろうか」と疑問に思うことがあったのですが…… 
 応援しているチームのアイドルが勝てば嬉しいのはもちろん、例え負けても一生懸命な姿は微笑ましかったり、時には心打たれることもありました。 
 765以外でも、仲の良い子や顔見知りの子、気になっている子は応援したくなりますし、大会の中で意外な一面を見ることも。 
 なるほど。 
 これは間違いなく楽しいわね。 
 あれだけたくさんの方が詰め掛けるのも分かる気がします。 


 大会の結果は、皆様ご存知の通り、見事連覇を果たしました。 
 頑張ったシアター組のみんなには大きな拍手を送りたいのと共に、これが彼女たちの飛躍のきっかけになることを祈らずにはいられません。 

 皆様。 
 どうか私たちの可愛い後輩もよろしくお願いしますね? 



640: 名無しさん 2016/10/13(木) 23:19:32.47 ID:I4kZfZoC0


1.名無しの双子姉 
 め→っちゃ盛り上がったNE 
 観客席から応援するのもたまにはいいもんだ☆ 
 お弁当も、前の時より真美ちゃんとできたし、お泊りも楽しかった! 
 打ち上げも楽しかったし、最高だったYO 


2.ミキなのー 
 昨日はすっごく楽しかったの! 
 お弁当も応援も全部全部楽しくて、お昼寝する暇もなかったの 
 その分今日はお昼寝たくさんしちゃったけど、あはっ 
 シアターの子たちもこれでお仕事いっぱい来るようになるかな? 
 早く一緒にお仕事できるようになるといいって思うな 


3.春香さん 
 シアターのみんなすごかったねー 
 途中から明らかに声援も大きくなってたし、みんなにとっていい大会になったんじゃないかなぁ 
 お弁当も喜んでもらえて嬉しかった! 
 驚いてもらえたのも何だか楽しかったー 
 だって自分たちで作ってて驚いてたからね、えへへ 


4.響 
 うー 
 応援も楽しかったけど、やっぱり自分も出たかったな。 
 シアター組にも機会をっていうのは分かってるんだけどね。 
 いっそ別事務所の助っ人として、て真と話してたらプロデューサーが結構マジで焦ってて面白かったぞ。 
 引き抜きの話はいくらでもあるんだから冗談でも止めてくれ、だってさ。 
 ふふん、自分たちが出て行くわけないのになー。 


5.萩原雪歩 
 お弁当作り楽しかったな。 
 私、やっぱりああやってみんなでお料理するの、すごく好きみたいです。 
 お料理するのも楽しいし、みんなのお料理を見るのも好き。 
 シアターのみんな、本当に頑張ってて、私たちも負けてられないよね。 
 先輩として、いつまでもお手本でありたいって思います。 



642: 名無しさん 2016/10/13(木) 23:32:44.08 ID:I4kZfZoC0


16.名無しさん 
 重箱十個とか完全に業者の仕事で草 


17.名無しさん 
 アイドルたちのお泊り会…そうか、天国は実在したのか 


18.名無しさん 
 >>16 
 765プロのアイドルはどこへ行こうとしているのか 


19.名無しさん 
 ちーちゃんのお弁当… 
 よし、俺ちょっと765のアイドルになってくる 


20.名無しさん 
 はいはい 


21.名無しさん 
 ところがどっこい、ファンから本当にアイドルになった子もいてだな 


22.名無しさん 
 ガタッ 


23.名無しさん 
 座ってろw 


   ・ 
   ・ 
   ・ 



643: 名無しさん 2016/10/13(木) 23:41:35.86 ID:I4kZfZoC0


ある日の765プロの光景 


春香「みんなー、お疲れ様ー」 

シアター組「「「お疲れ様です」」」 

春香「頑張ってるみんなに、じゃじゃーん! 私たちでお弁当を作って来ましたー!」 

伊織「よいしょ、と。ふぅ、結構な重さよね。にひひ、私たちの手作りを食べるんだから、あんたたち、分かってるわよね?」 

やよい「駄目だよ、伊織ちゃん、そんな言い方したら。みなさん、いーっぱい食べて、お昼からもいーっぱいがんばって下さいね!」 

響「やよいは可愛いなー。そうだ、自分たちの分まで、ファイトだぞ!」 

真「ボクたちがいないから、なんて言わせないようにね」 

雪歩「お茶もありますから。一度リラックスして、もう一勝負です」 

真美「えへん。この唐揚げは、真美が作ったんだZE」 

美希「おにぎりは美希が監督なの!」 

亜美「んっふっふ~、当たりなんて入ってないから、安心したまえ!」 

あずさ「亜美ちゃんったら。あの~、本当に変なものは入ってないから、安心して食べてね~?」 

貴音「我ながら、まこと良い出来のたいたんにございます」 

シアター組「「「……」」」ポカーン 

千早「疲れて食欲が無い人用に、さっぱりとサラダうどんも用意しt」 

ガタッ 
ワワ オチツイテー 

千早「ふふ、良かった、喜んでもらえると思ったの。さあ、みんなしっかり食べて、午後からもがんばりましょう」 



659: 名無しさん 2016/10/19(水) 00:09:55.92 ID:3xGCrwDB0
今週投稿できそうに無いのでちょっと小ネタでも。某所より。 
#物書きのみんな自分の文体でカップ焼きそばの作り方書こうよ 



 こんにちは、如月千早です。 
 突然ですが、今日のお昼はカップ焼きそばを食べました。 
 何だか無性に食べたくなって、久しぶりにわざわざコンビニで買って来たのです。 
 ……帰ってから思ったのだけれど、出かける前に電気ポットでお湯を沸かして行けば効率が良かったわね。 
 規定の時間より少し早めにお湯を切るのは、早く食べたくて我慢できないからではないわ、ええ。 
 ソースを麺に絡めてから、そして、からしマヨネーズをいかに速く細く美しくかけることができるか。 
 ここがカップ焼きそばの醍醐味と言っても過言ではないと思うのだけれど、どうしてかしら、春香は微妙な顔をしていたわね。 
 職人さんになったみたいでちょっと楽しいのに。 
 あ、ちょっと、春香、こら、これは私のよ、取っちゃダメだってば! 


674: 名無しさん 2016/10/26(水) 23:02:02.96 ID:VXaIMMfk0


 ○月○日 
 ドラマの撮影 


 こんにちは。如月千早です。 
 今日はドラマの収録に行って来ました。 
 萩原さんがメインキャストを務める人気ドラマに、一話限りのゲストキャラとして出演させていただくのです。 
 ふふ、去年も同じようなことがあった気がしますね。 

 以前にも触れたことがあると思いますが、萩原さんはお芝居がとても上手です。 
 最近では、アイドルでありながら、若手女優のトップとして名前が挙がることも珍しくありません。 
 場を支配する、呑み込んでしまう、そういう凄みが彼女の演技にはある―― 
 とは、以前別のドラマの監督からお聞きした話ですが、今回の現場でもやはりそれを強く感じることが出来ました。 

 目を閉じて、撮影の開始を待つ萩原さん。 
 開始の合図と共に目を開いた時、もはやそこにアイドル萩原雪歩の姿は無くて。 
 全く別の誰かが立っているかのような。 
 周囲の空気さえ入れ替わったかのような。 
 まだ何か喋ったわけでもない、特別に動いたわけでもない、それなのに、ただ目線を向けられただけで私は圧倒されてしまって、本来口にしなければならない台詞はいつまで経っても出てきませんでした。 
 カット、という言葉が聞こえてきて、ようやく現状を思い出した私でしたが、言い訳のしようもなく、ただ申し訳ありませんと謝ろうとして…… 
 突然、演者さん、スタッフさんたちの笑い声が聞こえてきたのです。 

 そうだよな、そりゃそうなるよな 
 ごめんね、如月さん、うちの監督性格悪いからさ 
 ゲストさん毎回固まらせて楽しんでるんだよ。嫌な人だろ 
 あ、これNG大賞に回すから 
 どうどう? うちの雪歩ちゃんすごいでしょ 
 ちょっと待てお前ら俺だけ悪者にするなよ 
 いやー懐かしい、俺も最初固まったんだ 
 あんたは今でもたまになるけどね 
 うるせー 


 なるほど。 
 要するに、ここの現場も駄目な大人の集まりだというわけね。 
 よく分かりました。 
 嫌いじゃないわ。 
 あと、萩原さんはうちのですからね。 


675: 名無しさん 2016/10/26(水) 23:10:33.71 ID:VXaIMMfk0


 そんな楽しい現場での撮影だったのですが、個人的に一つ触れておきたいことがあります。 
 これぐらいのことなら情報を出してもいい、とお許しを頂いたので書いてしまいますが、今回の私の配役のことです。 
 少し年の離れた妹を持つちょっと過保護な姉。 
 それが私の演じたキャラクターです。 

 少し前――それこそ去年萩原さんと共演した時の私なら、きっと受け入れられなかったのではないかと思います。 
 弟を失った私に、姉としての演技なんてできるわけがない。 
 そう考えたでしょうし、きっと口にも出していたことでしょう。 

 だけれど。 
 今回、プロデューサーはこのお仕事を私に説明するなり 
「やれるな?」 
 と、ただ一言。 
  
 それが、私にはどうしようもなく嬉しかった。 
 かつての如月千早を理解してくれているということ。 
 今の如月千早を理解してくれているということ。 

 そして、その上で私を信頼してくれているということ―― 


 肝心の演技が上手くいったのかは、正直あまり自信は無いのだけれど。 
 監督にも共演した方にも良かったと声をかけていただけたので、最低限のところはこなすことができたのかな、と考えています。 
 そうそう、妹役を演じた子とも仲良くなれたんです。 
 妹の気持ちになるですよ! 
 って、撮影の時以外も、千早おねーさん千早おねーさんと私の相手をしてくれました。 
 今度遊びにいってもいいでごぜーますか、ですって、ふふ。 
 いいでごぜーますよ、って答えたら、わーい、ってとっても喜んでくれました。 
 新しく妹ができたみたいで私も嬉しいですね。 

 だから……誰とは言わないけど、仲良くしなくちゃ駄目なんだからね? 



676: 名無しさん 2016/10/26(水) 23:17:54.91 ID:VXaIMMfk0


1.響 
 雪歩の芝居はちょっと特別だな。 
 あれ完全に別人っていうか、何か入ってるよね。 
 妹役の子、自分よく仕事一緒になるんだ。 
 すこーし変わってるけどとってもいい子だから、自分からもみんなに仲良くして欲しいって思うぞ! 


2.名無しの双子姉 
 そう言われてしまってはしょうがない。 
 熱烈に歓迎してやるZE 
 ゆきぴょんはねー、今の真美の目標の一つなのだ! 
 いつか演技で真美ちゃんすごいって言わせるYO 


3.ミキなのー 
 はいなの! 
 ミキ、仲良くするのー 
 プロデューサーは、不思議な人なの 
 いないところでもミキたちを守ってくれてるって感じ! 
 だからがんばれるって、雪歩も言ってたよ 


4.春香さん 
 千早ちゃんよく言った! 
 雪歩はうちのだよ! 
 どこにもあげないんだから! 
 千早ちゃんもお芝居上手になってるし、ドラマ楽しみだなー 


5.萩原雪歩 
 うぅ、恥ずかしいです…… 
 でも、嬉しい…… 
 それに、雪歩は私の、だなんて…… 
 はぅ…… 



677: 名無しさん 2016/10/26(水) 23:25:16.90 ID:VXaIMMfk0


6.名無しさん 
 千早ちゃんの1げと 


7.名無しさん 
 1 


8.名無しさん 
 千早ちゃんのブログが更新されたと聞いて 


9.名無しさん 
 >>6-8 
 おはようございます 

 あの記事からもう一年以上経ったのか 
 雪歩ちゃんは不動の地位築いた感があるなー 


10.名無しさん 
 千早ちゃんがお姉さんしてる… 
 とてもいいと思います 


11.名無しさん 
 おーい、雪歩ちゃーん、正気に戻ってー 


12.名無しさん 
 なんて楽しそうな現場なんだ 


13.名無しさん 
 あの、萩原さん、何かが違います… 


14.名無しさん 
 覚えがあるぞ、この光景 


15.名無しさん 
 765のプロデューサーはさすがだな 


678: 名無しさん 2016/10/26(水) 23:29:48.14 ID:VXaIMMfk0


16.名無しさん 
 千早ちゃんが姉役とかそれだけで涙不可避 


17.名無しさん 
 雪歩ちゃんは憑依型だよな 
 響ちゃんの言う通り、完全に何か入ってきてる 


18.名無しさん 
 妹役あの子か! 
 ……てことは、千早ちゃんも俺の娘ってことになるのか、なるほど 


19.名無しさん 
 千早おねーさんは本当にいいお姉さんだね 


20.名無しさん 
 >>>18 
 などと供述しており 


21.名無しさん 
 >>>18 
 いいから病院行こう? な? 


22.名無しさん 
 なるほど、じゃねーよw 


23.名無しさん 
 病院さんに迷惑かけるのやめーや 



   ・ 
   ・ 
   ・ 



679: 名無しさん 2016/10/26(水) 23:36:55.55 ID:VXaIMMfk0


ある日の765プロの光景 


春香「千早ちゃんのお姉さんの気持ちになるですよ!」 

千早「くす、なによそれ」 

春香「あの子の真似!」 

千早「で? 私の姉の気持ちになってどうするの?」 

春香「えーと、それは、そう! さあ、千早ちゃん、存分に私に甘えていいよ!」 

千早「……普段の春香とどう違うの?」 

春香「えっ!? うーん、えーと、はっ! まさか、私は既に千早ちゃんのお姉さんになっていたということ……」 

千早「はいはいそうねそうね」 

春香「うぇーん、千早ちゃーん、もっとちゃんと構ってよー」 


680: 名無しさん 2016/10/26(水) 23:44:09.19 ID:VXaIMMfk0


美希「千早さんの妹になるの!」 

千早「え?」 

美希「千早お姉ちゃん!」 

千早「ええ、どうしたの?」 

美希「千早お姉ちゃん!!」 

千早「え、ええ」 

美希「むー、だから、千早お姉ちゃんなの! 普段と違うの! 美希は今千早お姉ちゃんの妹なの」 

千早「ええ、と。おいで、美希?」 

美希「わーい」 

千早「……今日はどんなお仕事だったの?」 

美希「今日はね……」 

千早(普段と何か違うのかしら) 



681: 名無しさん 2016/10/26(水) 23:50:04.44 ID:VXaIMMfk0


響「ねぇねの気持ちになるんだぞ!」 

千早「我那覇さん?」 

響「今自分は千早のねぇねだからな、自分のことねぇねって呼んで欲しいぞ」 

千早「……」 

響「ほら、千早遠慮しないで!」 

千早「がな……響ねぇね」ボソ 

響「!」 

千早「響ねぇね」 

響「おふっ」 

千早「……響ねぇね?」ウワメヅカイ 

響「だ、ダメだ、これは自分には刺激が強過ぎるぞ……」 

千早「響ねぇね? どうしたでごぜーますか、響ねぇね、千早のこと嫌いになりやがったですか?」 

響「う、うがー、勘弁してくれー!」ウガー 

千早「……ふふふ、妹の気持ちになるですよ、なんてね」 


682: 名無しさん 2016/10/26(水) 23:55:32.20 ID:VXaIMMfk0


真美「千早お姉ちゃんの気持ちになるんだYO」 

千早「……へ?」 

真美「んっふっふ~。あーあー、こほん」 

千早(お得意のモノマネ?) 

真美「あら、おはよう、真美」 

千早(似てる……のかしら? 外から聞く自分の声ってよく分からないわね) 

真美「ふふ、真美は今日も可愛いわね」 

千早(!?) 

真美「あおいーとりーもししあわせー♪」 

千早(突然歌いだした!?) 

真美「そういえばお腹が空いたわね、真美、一緒に何か食べに行く?」 

千早(……これはひどい) 

真美「……」 

千早「真美?」 

真美「……はい」 

千早「ご飯に行きたいなら、素直にそう言えばいいのに」クス 

真美「……うー」 

千早「ふふ、それじゃ、行きましょう?」 

真美「いいの? やったー!」 



683: 名無しさん 2016/10/27(木) 00:03:06.59 ID:pZRSN8nH0


雪歩「お疲れ様、千早ちゃん」 

千早「萩原さん」 

雪歩「ふふ、今日は大変だったね」 

千早「もう、見てたなら助けてくれてもいいのに……」 

雪歩「ごめんね。でも、千早ちゃんも楽しそうだったし」 

千早「……まぁ、退屈はしなかったかしら」 

雪歩「ふふ、それじゃあ、私は何の気持ちになろうかなぁ」 

千早「……何となくそんな気はしてたわ」 

雪歩「うーん、あ、そうだ。ちょっと待っててね」トコトコ 



雪歩「……はい、お待たせ」コト 

千早「お茶?」 

雪歩「あのね、千早ちゃんとお話してたら、お茶の気持ちになっちゃったから。千早ちゃんも、良かったらどうかな?」 

千早「お茶の気持ちになったですよ?」 

雪歩「お茶の気持ちになったですよ」 

千早「くすくす」 

雪歩「ふふふ」 


春香(おのれ、雪歩め……) 
美希(むー、雪歩ずるいの……) 
響(なるほど、そういう手があったんだな……) 
真美(ゆきぴょんにオイシイとこ持ってかれた感じ、ぐぬぬ……) 



700: 名無しさん 2016/11/02(水) 21:00:28.16 ID:GjoWrjbH0


 ○月○日 
 ラジオ公開生放送 


 こんにちは。如月千早です。 
 今日は、あずささんと私のラジオ番組の、公開生放送が行われました。 
 たくさんの方にお越しいただき、お陰様でとても楽しい時間を過ごすことができました。 
 もしかすると、今ここをご覧の皆様の中にも、会場でお会いした方がいらっしゃるかもしれませんね。 


 このラジオ番組は、あずささんと私がリスナーの皆様から頂いたお手紙を読んでお喋りをしたり、リクエスト頂いた曲を歌ったり、特にリクエストされていない曲を歌ったり、そもそも予定に無かった曲を突然歌ったり、リスナーの方から頂いた文章をアドリブで歌にしてみたり、カラオケの採点で勝負したり、私が勝てば美味しいものが、あずささんが勝てば美味しいお酒が出てきたりする、いたって普通のラジオ番組です。 
 ゲストの方をお招きして、歌って欲しい曲を歌ってもらったり、企画に巻き込んだりもしちゃったり。 
 今日も、何度かゲストに来てくれた某蒼いRさんをお呼びしての公開放送でした。 

 ふふ、会場にお越しいただいた方、そうでなくとも放送を視聴して下さった方はお気づきになったかもしれませんが…… 
 Rさん、緊張でガチガチでした。 
 それはもう、ガチガチでした。 

 幾度かアイドルとしてのライブを経験している彼女ですが、他所のラジオの公開生放送で、二人とも別の事務所の年上で、しかも片方は「女王」三浦あずさですからね。 
 気持ちはとても分かる気がします。 
 私だって、765プロに所属していなければ、こんなに気安くあずささんとお喋りできるとは思わないわ。 

 でも面白いもので、会場の声援を一番浴びていたのは、何を隠そう、そのRさんでした。 
 普段はクールでしっかりとした印象の彼女が、何でもない言葉を噛んでしまったり、顔にはあまり出ないのだけれど耳が赤くなっていたり、という姿はとても可愛らしいものでしたし。 
 出だしこそ硬さがあったものの、歌い始めればどんどんその世界に入って行く様子は、なるほど、さすがは歌を高く評価されるアイドルだと納得させられるものでした。 
 ……だけれど、それより何より、あずささんと私の賞賛に、「ひゃぅ!」と普段聞かないような声を上げた彼女を忘れられそうにありませんね、ふふ。 


 ゲストを迎えて一時間の生放送。 
 実は話がかなり盛り上がってしまい、実際に生放送された一時間の後にも、おしゃべりと突発的な歌とで三十分程会場の皆様にはお付き合いいただきました。 
 枠の関係でどうしても放送することはできなかったのですが、撮影は行われているとのことですので、後日発売されるラジオCDのおまけとして収録される……予定です。 
 会場にお越しになった皆様には恐らくご理解いただけると思いますが、なかなか面白い話に面白い歌となっています。 
 即興でよくあれだけのものを、と自分たちでも感心したものです。 
 いえ、咄嗟にあのメインのメロディーを紡いだあずささんがちょっと素敵過ぎたのだけれど。 
 でも、そもそもRさんの入りが…… 

 と、あまりここでネタ晴らししても面白くありませんね。 
 続きは是非ラジオCDを買っていただいてから、ということで。 
 どうぞよろしくお願いします。 
 ふふ、最近ちゃんと販促もできるようになった如月千早です。 
 ……なんてね。 



701: 名無しさん 2016/11/02(水) 21:12:16.68 ID:GjoWrjbH0


1.ミキなのー 
 会場には行けなかったけど、ミキも生放送見てたの! 
 ファンのみんなもいい雰囲気だったし、千早さんたちもすっごく楽しそうだったって思うな! 
 うー、でも生放送の後のことが気になるの… 
 CDはいつ出るの? 
 早く見たいのー 


2.萩原雪歩 
 ふふ、Rちゃん可愛かったね。 
 それに、その様子を見守る千早ちゃんとあずささんも素敵でした。 
 千早ちゃん気づいてたかな? 
 とっても優しい顔をしてたよ。 


3.響 
 関係者席にいた自分は勝ち組。 
 いやーしかし相変わらず千早とあずささんは歌上手いよなー。 
 こういう言い方は千早嫌がるかもしれないけど、元々持ってるセンスが違う気がする。 
 自分も歌には自信ある方だけど、ああ咄嗟にメロディーが出てくるかってなると、うーん…… 
 その辺、蒼のあいつも感覚持ってるんだろうな。 
 ちょっと羨ましいぞ。 


4.春香さん 
 会場も生放送も無理でした… 
 春香さん一生の不覚! 
 タイムシフトで二回見たんだけど、やっぱり生で観たかったなー 
 今度こういうイベントある時は、三ヶ月ぐらい前に教えてもらえるとばっちりスケジュール調整できるんだけど… 
 なんて、さすがに無理だよね、えへへ 


5.名無しの双子姉 
 ひびきんゆきぴょんと一緒にカンケー者席で見てたよん☆ 
 トーク苦手だったあの千早お姉ちゃんが、あんなに楽しそうにファンのにーちゃんねーちゃんの前でお喋りしてるなんて…… 
 真美は感動した! 
 何度もランニューしようとしたのは秘密だZE 



703: 名無しさん 2016/11/02(水) 21:29:00.28 ID:GjoWrjbH0


18.蒼を継ぐ者 
 今日は本当にありがとうございました。 
 如月先輩と三浦先輩、尊敬する御二方とご一緒させていただいて、とても嬉しかったですし、また勉強になりました。 
 御二方とご一緒に歌わせていただくと、自分の「歌」が高みへと引っ張られていくような、そんな感覚を覚えます。 
 次の機会には、更に成長した私を見ていただけるよう、努力を重ねていきたいと思います。 
 どうかよろしくお願いいたします。 


19.名無しさん 
 出たぞー 


20.名無しさん 
 囲め囲めー 


21.名無しさん 
 慣れない敬語で一生懸命な蒼さんかわいい 


22.あずさです 
 千早ちゃん、今日はとっても楽しかったわね。 
 ゲストに来てくれたRちゃんとも、今日一日でもっと仲良くなれて嬉しかったわ~ 
 うふふ、若い子ってすごいわ。 
 歌いながら、どんどん成長して行くんですもの。 
 あ、でもね、それは、私や千早ちゃんが若くないってことじゃなくてね、その……千早ちゃんなら、私の言いたいこと、分かってもらえるわよね? 


23.名無しさん 
 こっちも出たぞー 


24.名無しさん 
 わーわー 


25.名無しさん 
 合戦じゃー 


26.名無しさん 
 相変わらずお前ら楽しそうだなww 


27.名無しさん 
 一体何と戦ってるんだ 


28.名無しさん 
 己自身…かな 


29.名無しさん 
 己自身…かな? 


30.名無しさん 
 己自身…かな 


31.名無しさん 
 こんなん笑うわww 


32.名無しさん 
 だからその適当かつ蒼さんチックな答えやめれww 


   ・ 
   ・ 
   ・ 



704: 名無しさん 2016/11/02(水) 21:39:35.21 ID:GjoWrjbH0


ある日の765プロの光景 


春香「ちーはーやーちゃん!」 

千早「春香?」 

春香「昨日はお疲れ様! それで、あのね、その」 

千早「? どうしたの?」 

春香「……会場に行けなくて、生放送も見れなくて、ごめんね」 

千早「ふふっ、何よ春香、そんなの、謝ることじゃないでしょう?」 

春香「だって、みんなちゃんと見てるのに、私だけ……」 

千早「もう。春香は気にし過ぎよ」 

春香「うー、だってー」 

千早「……そうね、じゃあ次の時には春香をゲストに呼んでもらうように、お願いしてみるから」 

春香「え?」 

千早「そうすれば、今度は一緒の時間を過ごせるでしょう?」 

春香「ち、千早ちゃーん!! うわーん、愛してるよぅ!!」 

千早「はいはい」 


真美「すかさずここで真美登場! ゲストと聞いて!」 

美希「ミキも! ミキもゲストに呼んで欲しいの!」 

響「自分参上! 自分も行きたいぞ!」 

雪歩「あの、良かったら、私も……」 


千早「くす、困ったわ。これじゃあ、ゲストの方が多くなっちゃうわね」 



734: 名無しさん 2016/11/18(金) 20:29:46.00 ID:v/oT6yNn0

 ○月○日 
 真美とこたつの日 


 こんにちは。如月千早です。 
 寒い日が続く中、我が家もとうとう最終兵器を投入することにしました。 
 そうです、こたつの出番です! 

 元々出不精の私が更に外に出なくなるという危険な兵器なのですが……って、同じようなことを去年も書いた気がするわね。 
 今年はそもそも引きこもりでも問題無い、という簡単な結論に辿り着いたので、去年のようにギリギリまで我慢することもありません。 
 この記念すべき日、今回は真美が同席してくれることに。 
 そろそろこたつを出そうか、という話をしていた時に、お手伝いを申し出てくれたのです。 
 一人でも十分可能な作業ではありますが、二人なら随分楽になりますし、こたつデビューの日を誰かと共に迎えられるのは幸せなことではないでしょうか。 


 手土産を持って昼過ぎにやってきた真美。 
 中身がみかんとは、さすが真美は分かっているわね。 
 真美が来るまでに簡単に部屋の掃除は終わらせていたので、早々にこたつの設置へと取り掛かります。 
 カーペットを干しておいた冬用の物と取り替えて、そこに二人でこたつを運んで来ます。 
 この時とても大事なのが、こたつを置く角度です。 
 四辺のどこからでもきちんとテレビが見られるように、慎重に設置しなければいけません。 
 ……そんなことを心配するなんて、ふふ、昔の私が見ていたら驚くことでしょうね。 

 カーペットと同じく朝から干しておいたこたつ布団を掛けて、天板を置いて、さあ、完成です! 
 何となく真美とハイタッチしてみたり。 
 真美が持って来てくれたみかんをこたつの上に置いて、萩原さんから貰ったお茶を淹れて、テレビをつけて、準備は万端。 
 千早お姉ちゃんからどうぞ、という真美の言葉に甘えて、私の方からこたつの中に収まります。 
 はぁー、とため息が自然と出てしまうのは、仕方ないことよね、ええ。 
 続いて入って来た真美も、ふぁー、と蕩けていたから、これは多分誰もが経験することなのだと思います。 


 ぼんやりとテレビを眺めていたり、中身の無い会話をしたり、こたつに伏せてうとうとしたり。 
 特に何をする、ということも無かったのですが、気が付いたらもうこんな時間です。 
 真美は退屈じゃなかったかしら、と少し心配だったのですが、退屈だったら退屈って言ってるよー、とのこと。 
 確かにそうよね。 
 真美も亜美もそういう所で変な我慢はしない素直な子ですからね。 

 さて、もう夕食のことを考えなければいけない時間なのだけれど。 
 真美はどうするのか聞いてみたところ、今日は夕食要らないとお母様に伝えて来たらしく。 
 加えて、お泊りの準備もして来たらしく。 
 ……まったく、困った子です。 
 しょうがないので、今からこき使ってやることにします。 

 ほら、まずは買い物に行くわよ。 
 食べたい物を考えて、真美も作るのを手伝うこと。 
 いいわね? 



735: 名無しさん 2016/11/18(金) 20:42:03.83 ID:v/oT6yNn0


1.名無しの双子姉 
 はーい☆ 
 真美、シチューが食べたいYO 
 あと、さっきテレビでやってた鮭のホイル焼き?も作ってみたい! 


2.春香さん 
 ぐぬぬ… 
 どうして今私は遠征中なんだろ… 
 いや、お仕事だからありがたいことなんだけど、うー、私も一緒にいたかったよー 
 千早ちゃーん、帰って来たら、私もこたつ入らせてね! 
 絶対だよ! 


3.ミキなのー 
 うー、真美うらやましいの… 
 ミキも千早さんちのこたつ入りたいのー 
 ミーキはこーたつーでまーるくーなるーよ! 
 …千早さん、今年もお世話してくれる? 


4.萩原雪歩 
 ふふ、真美ちゃんも千早ちゃんも幸せそうで、何だか私まで幸せな気分。 
 二人でどんな料理を作ったのか、良かったら後で教えてね。 
 私も、早く千早ちゃんのお家のおこた入りたいなぁ。 
 またみんなで集まって、わいわいだらだらしたいです。 


5.響 
 おー、千早こたつ出したんだな! 
 これは自分も近い内に堪能しに行かないと。 
 ていうか、真美はここで返事するなよ。 
 直接千早に言えばいいだろー。 
 それともなんだ、間接的に自慢してるのか、このやろー。 


736: 名無しさん 2016/11/18(金) 20:50:30.97 ID:v/oT6yNn0


6.名無しさん 
 千早ちゃんの1げと 


7.名無しさん 
 1 


8.名無しさん 
 千早ちゃんがこたつを出したと聞いて 


9.名無しさん 
 >>6-8 
 いつもお疲れ様で……その変化は読めていたわ! 

 去年のこたつの記事から、もう一年近く経つのか 
 この前の雪歩ちゃんの時も思ったことだけど、あっという間だなー 


10.名無しさん 
 相変わらず雪歩ちゃんのおこたが可愛い 


11.名無しさん 
 響ちゃんの言う通り、わざわざここで会話せんでもw 
 いや、俺らは見てて楽しいからもっとやって欲しいけどさ 


12.名無しさん 
 これは巧妙なこたつのステマ 


13.名無しさん 
 千早ちゃんの家にアイドル集合待ったなし 


14.名無しさん 
 去年の記事にあてられてこたつを買った俺に隙は無かった 


15.名無しさん 
 千早ちゃん丸くなったよな、ほんと 


16.名無しさん 
 ミキちゃんちょっと可愛すぎひん? 


17.名無しさん 
 今日シチューと鮭のホイル焼きを食べれば実質千早ちゃんと双子姉さんと一緒に食べてることになるのか 


18.名無しさん 
 !? 


19.名無しさん 
 その発想はなかっ…いや、本当にねーよw 


20.名無しさん 
 天才なのか変態なのか 


21.名無しさん 
 変態です 


22.名無しさん 
 きてー、病院早くきてー 


737: 名無しさん 2016/11/18(金) 20:58:18.65 ID:v/oT6yNn0


23.名無しさん 
 千早ちゃんすごく優しい目で真美ちゃんのこと見てそう 


24.名無しさん 
 こたつ…それは悪魔の発明… 


25.名無しさん 
 ひゅるひゅると外の木枯らしが聞こえる中こたつから出たもこもこの上半身をださいださいと笑い合いながらたまに足と足が触れてそこから攻撃合戦をしたいだけの人生だった 


26.名無しさん 
 やめれ 
 やめれ 


27.名無しさん 
 だからお前はどうしてそう俺の中の柔らかい部分を責め立てるのか 


28.名無しさん 
 あ、それ経験あるわ 
 男友達と 


29.名無しさん 
 そ、そうすか 


30.名無しさん 
 >>28がおなごである可能性 


31.名無しさん 
 無いと思います 


   ・ 
   ・ 
   ・ 



738: 名無しさん 2016/11/18(金) 21:07:38.53 ID:v/oT6yNn0


ある日の如月家の光景 


真美「ふぃー、食べたー。余は満足じゃー」 

千早「ふふ、パンも全部食べちゃったわね」 

真美「シチューにフランスパンは相性良すぎだよー」 

千早「ホイル焼きはちょっと難しかったわね」 

真美「焼き加減がねー。色々いっぱい入れすぎたのが原因だと思うけどさ」 

千早「そうね。普通は一人分ずつ包むものみたいだから」 

真美「でも、おっきい方が楽しいじゃん?」 

千早「否定はしないわ」 

真美「今度はもっともっとおっきいの作って、みんなで突っつこうよ」 

千早「くす、いいわね、楽しそう」 

真美「あ、でもでも、真美、チーズフォンデュってのもやってみたい!」 

千早「いきなりね。チーズフォンデュ……食べたことはないのだけれど、私も興味はあるわ」 

真美「なんか如何にも女子って感じだよね」 

千早「ええ、確かにそういうイメージがあるわね」 

真美「うむす。アイドルたるもの、一度はチーズフォンデュを食す必要があるのである!」 

千早「ふふ。それじゃあ、やり方を調べておかないと」 

真美「いえーい! みんなに連絡入れとくねー」 

千早「まだ何も決めてないのに、気が早いんじゃない?」 

真美「いいのいいの、こーゆー楽しいのは、みんなできょーゆーしないと!」 

千早「……そうね。ふふ、みんなでわいわい計画を立てて行きましょうか」 



759: 名無しさん 2016/11/28(月) 21:00:21.05 ID:ZfSTCYbb0


 11月○日 
 舞台稽古 


 こんにちは。如月千早です。 
 今日は来月行われる765全体ライブの舞台稽古の日でした。 

 これまでも一人一人レッスンは重ねていましたが、アイドルみんなが集まるのは今日が始めてのこと。 
 今まで出来なかった全体の進行の確認や調整、多人数で歌う曲の合わせなどが行われました。 
 とはいえ、本番までまだ時間のあるこの時期なので、あまり緊迫したものでもありません。 
 所々冗談も飛び交う穏やかな空気の中、わいわいと稽古が進められていったのですが…… 

 後半、私のソロ曲のパートで、サプライズというのでしょうか、今まで私には知らされていなかった演出が突然行われまして。 
 驚いて周囲に目をやると、アイドルもスタッフさんたちもみんな笑顔でこちらを見ているものですから、なるほど、知らなかったのは私だけだったのね。 
 別にわざわざ隠すことでもあるまいし、やることが子供染みているというか、なんというか。 
 まぁ、私にとってとても嬉しい演出だったのは間違いないのだけれど。 
 具体的なことは残念ながらまだ皆様に公表できないのですが、どうかライブ本番を楽しみにして頂けたら、と思います。 
 ヒントは……私の夢だったことの一つ、です。(ここまでは書いてもいいとプロデューサーに確認してあります) 

 ライブまで後一月。 
 日毎に寒さも厳しくなり、特に朝晩の冷え込みが身に沁みる時期になっています。 
 皆様、体調の管理をしっかりと、どうぞお身体を大切になさってください。 
 元気な皆様と、もちろん元気な如月千早で、お会い出来ることを楽しみにしています。 


 さて。 
 実は今日我が家にお客さんが来ていて、さっきまで後ろから覗きこんでいたりしました。 
 真面目な文章を書いているところも見せたし、そろそろ夕食、お鍋の準備を手伝おうかしら。 
 ……と思ったのだけれど、どうやらもう終わるみたいです。 
 座ってるだけでお料理が出てくるというのも、たまにはいいわね。 
 さあ、こたつでお鍋、と至福の時間。 
 如月千早、行って参ります! 



760: 名無しさん 2016/11/28(月) 21:12:44.35 ID:ZfSTCYbb0


1.春香さん 
 秘密にしててごめんねー 
 でも千早ちゃんすごく嬉しそうで、私も嬉しかった! 
 ライブ本当に楽しみだね! 
 千早ちゃんの歌に感動して泣いちゃわないようにしないと 
 なんてね、えへへ 


2.萩原雪歩 
 ふふ、驚いてきょろきょろしてる千早ちゃん可愛かったな。 
 それでもすぐに歌いだしたのは流石だと思いました。 
 今日の舞台稽古、何だかお祭りみたいだったね。 
 私たちもスタッフさんたちもみんな忙しくてなかなか集まれないから、みんなが揃って楽しかったし、嬉しかったです。 


3.響 
 自分はサプライズなんてしないで普通にやればいいって言ったんだぞーほんとだぞー 
 でも千早、夢だったこと、一つ叶って良かったな。 
 ここからまたレッスンを重ねて、本番がどうなっちゃうのか今から楽しみだぞ。 
 それにしてもこたつで鍋とかいいな。 
 今から行っちゃおうかな……いや、冗談だけどな。 


4.ミキなのー 
 良かったね、千早さん 
 あんなに嬉しそうに歌う千早さん、久しぶりに見たかも! 
 ミキもあんな風に歌ってみたいって思うな 
 千早さんに負けないように、ミキももうちょっとがんばってみるの! 


5.名無しの双子姉 
 あそこまで大掛かりなイタズラを今まで隠し通したにーちゃんたちはスゴイといわざるを得ない…… 
 さすがは真美たちとの付き合いが長いだけのことはあるZE 
 真美もライブで何かやりたいなー。 
 ファンのにーちゃんねーちゃんをあっ!て言わせたいんだよね。 
 何がいっかなー、亜美とそーだんしよーっと☆ 


762: 名無しさん 2016/11/28(月) 21:30:26.96 ID:ZfSTCYbb0


16.名無しさん 
 いつものアニキたちはチケット取れたのかな 
 羨ましい… 


17.名無しさん 
 え、一人鍋とか普通じゃね? 


18.名無しさん 
 チケット爆死の俺氏 
 隣県まで泊りがけでライブビューイング遠征の予定 


19.名無しさん 
 >>6-9は関係者説まであるからな 
 例えそうでなくてもチケット確保してそうだけどw 


20.名無しさん 
 千早ちゃんの夢の一つ 
 お嫁さんだな!(錯乱) 


21.名無しさん 
 最近飯テロ多くて困る 
 白菜もっと安くなんねーかなー 


22.名無しさん 
 サプライズだったって演出気になるな 
 ま、本番まで楽しみにしてよう 


23.名無しさん 
 千早ちゃんが俺の心配してくれた! 
 これは好き合ってるといってもいいのでは 



764: 名無しさん 2016/11/28(月) 21:45:41.34 ID:ZfSTCYbb0


ある日の舞台裏の光景 


社長「……ここにいたか」 

如月父「……社長」 

社長「さて、如月君」 

如月父「はい」 

社長「……ここから見る光景はどうかね?」 

如月父「……そうですね。まるで……まるで、遠い世界のことのようです。夢でも見ているのかと、今でも感じています」 

社長「ふむ。君にとって初めてとなる大規模ライブだ。そう感じるのも仕方の無いことだろう」 

社長「だが、それを作り出す工程に、確かに君は関わって来たのだ。そして、これから本番まで、いや、演者たちにとっての本番が終わった後も、関わり続けて行く」 

如月父「……はい」 

社長「怖いかね?」 

如月父「……はい。私の身には余り過ぎるように思います」 


765: 名無しさん 2016/11/28(月) 21:52:21.49 ID:ZfSTCYbb0

社長「正直でよろしい。だが、もう止まることは許されない。そのことも、分かっているね?」 

如月父「ええ、それは、もちろん」 

如月父「今更逃げようなどとは考えていません。もう私は逃げないと決めた。……ただ、どうやら、まだ実感が追いついていないようなのです」 

社長「なるほど。ならば話は簡単だ」 

如月父「簡単、とは?」 

社長「立場上仕方の無いことだが、君は少しばかり視野が広過ぎる。たまには、もっと小さなものの見方をしても良いのだよ」 

如月父「……と、仰いますと」 

社長「今、舞台を見る君の目には何が映っている?」 

如月父「? それはもちろん、全体ライブの舞台稽古の様子です」 

社長「ふむ。もっとシンプルに行こうか。では、今歌っているのは?」 

如月父「……千早です」 

社長「彼女はどんな表情をしている?」 

如月父「とても、嬉しそうな顔に見えます」 

社長「それはどうしてかね?」 

如月父「千早の願いが叶ったからではないでしょうか」 



766: 名無しさん 2016/11/28(月) 22:00:39.02 ID:ZfSTCYbb0


社長「それを企画したのは誰だったかな?」 

如月父「プロデューサーです」 

社長「では、実現のために実際に指揮を取ったのは?」 

如月父「……私です」 

社長「ならば、如月君のあの笑顔は、君によってもたらされたものだ。もちろん、君以外にもたくさんの人間が関わっているわけだが……」 

社長「分かるかね? 君の行いが、今、確実に舞台の一欠片となっていることが」 

如月父「……はい」 

社長「どれだけ規模の大きなイベントであろうと、結局は、そういったものの積み重ねに過ぎない。自分の関わった一つ一つを思えば、目の前の光景が、決して別の世界のことでも、ましてや夢などではないと自覚することができるだろう」 

如月「はい」 

社長「さて、もう一度聞こう」 

社長「ここから見る光景はどうかね?」 

如月父「……この場にいる全員が、それぞれの役割を果たしながら、楽しんでいる。素晴らしい光景です」 

社長「ふむ。……君もちゃんと楽しんでいるかな?」 

如月父「ふふ、社長。私は、『全員』と申し上げました」 

社長「はは! そうだったな、これは失礼した。それでは、今しばらく、私も楽しませてもらうとしよう」 



790: 名無しさん 2016/12/12(月) 00:00:12.90 ID:JMhMiOjS0


 12月○日 
 写真 


 こんにちは。如月千早です。 
 いよいよ12月が始まり、今年も残すところあと一月を切りました。 
 あけましておめでとうございます、とこの場で挨拶をしたのがおよそ一年前だなんて、ちょっと信じられません。 
 それだけ毎日が充実していた、ということなのかもしれませんね。 

 その証拠というわけでもないのですが……。 
 私の新しい趣味となった写真も、この一年でかなりの数となりました。 
 今日は、お休みが重なって我が家のこたつに引き寄せられた子たちと、それらの写真を見返しながらだらだらと過ごすことに。 
 本当は集合した後にどこかに遊びに行く予定だったのだけれど、話の流れで何となくアルバムを開いたら、そのまま止まらなくなってしまって。 
 こたつの力も相まって、気が付けばお昼さえデリバリーをお願いしてしまうという、実にぐうたらな休日ができあがりました。 

 前述の通りかなりの数の写真があるのだけれど、自分の撮ったものはだいたいその時のことを覚えているのだから、人間の記憶力とは侮れないものです。 
 逆に誰かに撮ってもらった写真の方が記憶が曖昧だったりして、何だかちょっと面白かったり。 
 そんな時でも、みんなと話していると次々と思い出すことは増えていくものだから、いつまで経っても私たちのお喋りが尽きることはありませんでした。 

 そうやって改めて振り返ってみると、この一年、本当に色々なことがあったものだとつくづく実感します。 
 そしてそのほとんどの思い出が、誰かの笑顔と共に今も形として残っているということ。 
 とても嬉しくて、幸せなことです。 
 その幸せをこれからも積み重ねて、如月千早という人をもっともっと好きになってあげたい。 
 そんなことを、今、思っています。 



791: 名無しさん 2016/12/12(月) 00:10:41.71 ID:JMhMiOjS0


1.萩原雪歩 
 ふふ、こんなにゆっくりしたのは久しぶりでした。 
 たまにはこういうお休みもいいなぁ。 
 みんなの写真を見ながらのんびりお喋りできて、たくさん元気を補充できた気がします。 
 ライブまであと少し。 
 がんばろうね、千早ちゃん。 


2.ミキなのー 
 今日はすっごく幸せだったな! 
 ミキ、今日みたいにあったかいこたつの中でみんなから甘やかされて生きてくの… 
 でも千早さんにミキのキラキラしてるところ見たいって言われたから、もうちょっとがんばるの… 
 千早さん、ライブ終わったらまたお世話になってもいい? 


3.名無しの双子姉 
 びっくりするぐらい何もしない一日だったねー。 
 まさかあのはるるんがデリバリー取ろうなんて言うとは思わなかったZE 
 やはりKOTATSUには恐るべき力があるのだ……。 
 もういっそあのままお泊りしちゃいたかったけど、それはまた次の楽しみってことでよろん☆ 


4.響 
 こたつに入っちゃうとなー、もうふにゃーってなっちゃうよね。 
 このままここに住むとか言い出す美希の気持ちも正直分かるぞ。 
 それにしても本当にたくさんの写真があったな。 
 その一枚一枚思い出を話す千早が楽しそうで、何だか自分嬉しかったんだ。 
 これからもいっぱい自分たちと思い出を残して行こうな! 


5.春香さん 
 千早ちゃーん! 
 今日は楽しかったね! 
 あのね、千早ちゃんの撮る写真がみーんな笑顔ばっかりなのは、写真を撮ってる千早ちゃんのこと、みーんな大好きだからなんだよ! 
 なんて、根拠は無いけど私そう思うんだ、えへへ… 
 千早ちゃんが、千早ちゃんのこともっと好きになってくれたら、私もすっごく嬉しいな 
 そしたら私も負けないようにもっともっと千早ちゃんのこと好きになるからね! 


793: 名無しさん 2016/12/12(月) 00:30:16.02 ID:JMhMiOjS0


16.名無しさん 
 趣味でカメラかじってる俺参上 
  春香ちゃんの言う通り、本当にいい笑顔って撮る側と撮られる側の信頼が無いと生まれないものなんだよ 
 だから家族の写真には素敵なものが多いんだと思う 


17.名無しさん 
 >>16 
  ガッちゃ○乙 


18.名無しさん 
 違う、そうじゃない 


19.名無しさん 
 くそ、こんなのでww 


20.名無しさん 
 前も見たぞこの流れw 


21.名無しさん 
 春香さんが天使過ぎて辛い 
 てかみんな天使過ぎて辛い 


22.名無しさん 
 >如月千早という人をもっともっと好きになってあげたい。 
 涙不可避 


23.名無しさん 
 それな、マジで 


24.名無しさん 
 昔から千早ちゃん追ってるから余計胸に来るものがある 


25.名無しさん 
 ※このコメントは削除されました 


26.名無しさん 
 おまww 
 空気読めww 


27.名無しさん 
 これは削除やろな 


28.名無しさん 
 さすがの仕事の早さに感心する 


   ・ 
   ・ 
   ・ 


794: 名無しさん 2016/12/12(月) 00:38:28.41 ID:JMhMiOjS0


ある日の如月家の光景 


春香「あ、これ懐かしい! 確か福岡のイベントの時の……」 

響「あー、あったあった。雪降って、すごく寒かったんだよなー」 

真美「南に来たのにどーして寒くなってるのー! って、ミキミキが騒いでたねー」 

美希「だってあれは仕方ないの。九州はもっとあったかくないとウソって思うな!」 

雪歩「ふふ、でもその分、夜に食べたもつ鍋はあったかくて美味しかったね」 

千早「ええ、もつは勿論なのだけれど、旨味を吸ったキャベツがとにかく美味しくて、あれならいくらでも食べられる気がするわ」 

響「自分でも作りたいと思ったんだけど、こっちだとなかなかもつって売ってないんだよね」 

千早「そうなの。もつ鍋のスープは置いてあるのに、肝心のもつが売られていないのはちょっと納得がいかないわ」 

雪歩「うーん、お肉屋さんとかに行けば扱ってるのかな?」 

春香「どうなんだろ……って、美希、その写真は!」 

美希「……春香って、寝てる時はけっこー色っぽいの」 

真美「え、真美も見たい見たい! ……うわ、ホントだ、はるるん寝てるとせくしーじゃん! 寝てると!」 

春香「よーし戦争の始まりだー」 


795: 名無しさん 2016/12/12(月) 00:46:49.88 ID:JMhMiOjS0


千早「くすくす。でももう一年近く前のことなのよね。あっという間だった気もするし、逆にずっと前みたいな感じもあるかしら」 

響「今年も自分たちみんな忙しかったからね。特に、千早は色々とあっただろうし」 

雪歩「そうだね。千早ちゃんがご家族と仲直り出来て、本当に良かった」 

美希「千早さんのお母さんの写真もあるの!」 

真美「流石は千早お姉ちゃんのお母さん、美人さんだ!」 

春香「……でもまだちょっと表情が硬いのかな?」 

千早「ふふ、誰かさんと似て、カメラを向けられると顔に力が入っちゃうみたい」 

響「あはは、そこは今後の努力次第だと思うぞ。撮る方も、撮られる方もな」 

千早「ええ、来年はここにお母さんとお父さんの写真をもっと増やしたいわね」 

春香「私たちの写真も!」 

真美「はいはーい、真美、千早お姉ちゃんの写真ももっと撮ったげるかんね!」 

美希「ミキも! ミキも千早さんの写真いっぱい撮りたいし、いっぱい撮って欲しいの!」 

雪歩「ふふふ、今でもこんなにたくさんあるのに、来年はもっとすごいことになりそう」 

響「見返すのに、一日じゃ足りなくなったりしてな」 

千早「そうね。それじゃあ、今の内から、来年のスケジュールを押さえておきましょうか。……なんて、ふふ」 


春香「それだ!」 
美希「それなの!」 
響「それだぞ!」 
真美「それ!」 
雪歩「それだね!」 


千早「え、ちょっと、え、冗談、よね? ねぇ、ちょっと、みんなー?」 


812: 名無しさん 2016/12/21(水) 21:00:11.42 ID:ZaNhly5K0


 12月○日 
 ライブ 


 こんにちは。如月千早です。 
 昨日は765プロ全体ライブでした。 
 応援してくださったファンの皆様、企画・設営をしてくださったスタッフのみんな、本当にありがとうございました! 

 会場は日本で最も名前の知られたドーム。 
 そんな所でライブが出来るなんて、以前の私たちにはとても考えられなかったことです。 
 ……いえ。 
 一人、信じ続けた子がいましたね。 
 仕事が無かった時、苦しかった時、辛かった時、どんな時だってその子は私たちを信じてくれた。 
 きっと今回のライブに一番の思い入れがあったのは彼女だと思います。 

 だからこその、第一声。 
 恐らくはファンの皆様が期待されて、同じように私たちも期待していた言葉。 
 ここまで歩いてきた日々が思い出されて、開始の時点で既に涙が出そうになっていたのは、どうやら私だけではなかったようです。 
 アイドルのみんなはもちろん、後から聞いた話なのですが、社長とプロデューサーは二人して裏で号泣していたそうで。 
 しばらく姿が見えないと思ったら、そういうことだったのね、ふふ。 


 今回は私たち去年までのメンバーに加え、シアター組のみんなにもゲストのような形で参加してもらいました。
  バックダンサーを務めてくれたり、曲によっては私たちと一緒に歌ったり、シアター組だけの曲もあったり、特別にソロを用意された子もいたり。 
 まだまだ荒削りな彼女たちですが、それぞれ光るものを皆様にお見せすることができたのではないでしょうか。 
 この貴重な経験を糧として、今後、私たちに追いつき、そして追い越して行く姿を期待せずにはいられません。
  もちろん、そう簡単に追いつかせる気もないのだけれどね。 

 最高は塗り替えるもの。 
 シアター組のある子がそう発言していたのだけれど、今回は正にそんなライブになったのではないかと思います。 
 去年の全体ライブの後、「文句無しに過去最高の盛り上がりとなりました」と、私はこの場に書きました。 
 今回のライブでは、その最高を塗り替えて、また新しい最高を生み出すことができました。 
 アイドル一人一人のパフォーマンスにも更に磨きがかかり、ファンの皆様の盛り上がりはかつて無い程のもので。 

 私、如月千早個人としても。 
 今まで生きてきた中で、一番満足のいく歌を歌うことができた。 
 そう、胸を張りたいな、って。 



813: 名無しさん 2016/12/21(水) 21:09:41.13 ID:ZaNhly5K0


 私に任されたソロは続けての三曲でした。 
 『細氷』 
 『約束』 
 そして、新曲『Just be myself!!』 


 細氷。 

 壮大で、美しく、そして少しの切なさを伴った曲です。 
 メロディーに力のある素晴らしい曲であり、またとても歌うのが難しい曲でもあります。 
 この曲を渡された時、今年の初めだったでしょうか、比喩でなく身体が震えたのを覚えています。 
 私の歌。 
 「蒼い鳥」を頂いた時以上の衝撃がありました。 
 この歌は、私のために生まれた歌なんだ、と。 
 泣き続けて、もがき続けて、それでも小さな光を信じて歌い続けることを選んだ如月千早。 
 彼女の姿が、そこにはあったのだから。 
 プロデューサーによると、しばらく前に曲自体は完成していて、私が歌える時を待っていたのだそうです。 
 なるほど、確かに、過去の私――弱かった私を拒絶したままでは、この曲を歌うことはできなかったでしょう。 
 以前の私を、私の持つ弱いところを受け入れ、認めてあげて、初めて歌うことができる曲。 

 だからでしょうか、昨日は、二人の如月千早でこの「細氷」を歌っていたような感覚がありました。 
 かつてない程充実した気持ちで歌う私の横、もう一人、必死に、それだけを信じているかのような懸命さで歌うかつての私。 
 それが何だか悲しいというよりは微笑ましくて。 
 彼女に今の私を見て欲しい、そう思いながら歌っていました。 
 結果、私の中で最高の歌を歌うことが出来て、ふふ、歌い終わった後、予定には無かった小さなガッツポーズが自然と出てしまいましたね。 
 正直なところ、あれは決して曲に合う仕草ではなかったと思うのだけれど、皆様からの盛大な拍手を頂いて、ああ、これで良かったのかな、と開き直ることにしました。 
 プロデューサーも、今までの「細氷」で一番良かったと褒めて下さったし。 
 きっと問題無いわね、ふふ。 


814: 名無しさん 2016/12/21(水) 21:15:12.11 ID:ZaNhly5K0


 約束。 

 歌えなくなった私のために765のみんなが作ってくれた思い出の曲。 
 一応私の曲ということになっているのだけれど、どちらかというと765みんなの曲というイメージが強いですね。 
 ……私にメインで歌わせて欲しいというのは、間違いないのだけれど。 
 どこまでも優しい曲です。 
 あの時の私のために用意された、みんなと前を向くための曲。 
 歌っていると、今でもみんなの優しさを思い出して泣きそうになってしまうのは内緒です……なんて。 

 今回、サビの部分で765のみんなが一緒に歌ってくれる、という演出がありました。 
 あの時のことが思い出されて、とても感慨深く、嬉しい流れでした。 
 そして。 
 二回目のサビでは、何と、高校の時の合唱部のみんなが現れて歌を引き継いでくれたのです。 

 考えの違いから、一度は疎遠になってしまった私と合唱部との関係。 
 だけれど、みんなは、この「約束」を歌うことを選んで。 
 練習を重ねて、他の常連校を抑えて全国大会にまで出場して。 
 その姿を見に来て欲しい、と私に言ってくれました。 
 私に負けないよう、自分たちも頑張っているから、って。 
 そんなみんなと話をして、わだかまりの解けた私に生まれたのは、 

 いつかみんなと一緒のステージで歌いたい。 

 そんな強い願いでした。 
 みんなが歌うあの場所、どうして私は一緒にいられなかったのか、という悔しさ。 
 いつか、どうかいつか同じステージに立ちたい! 
 あの時からずっと、そう思っていました。 
 それが、その夢が、まさか本当に叶うなんて! 

 765のみんな、合唱部のみんな、これだけたくさんの仲間と一緒に歌う「約束」 
 最後はファンの皆様も加わって、会場全体で一つの歌を作り上げることができたような気がします。 
 文句無しに過去最高の「約束」を、皆様と共有できた。 
 そう、思っています。 


815: 名無しさん 2016/12/21(水) 21:22:09.46 ID:ZaNhly5K0


 Just be myself!! 

 昨日が初お披露目となる、私の新曲です。 
 これまであまり歌ったことのない、とても明るく前向きな曲となっています。 
 だけれど、「細氷」「約束」とはまた違う意味で、この歌も間違いなく私のために生まれた歌。 
 家族のこと、優のこと、あるいは支えてくれるみんなのこと。 
 私は今まで「歌う理由」を、常に自分以外の何かに求めて来たような気がします。 
 家族以外の居場所を、優が褒めてくれた歌に縋ったり。 
 例えば周囲のみんなやファンの皆様の期待に応えたい、ということ。 
 みんなが好きだと言ってくれる如月千早でありたい、ということ。 
 何かを理由にすることで、歌に対する気持ちを強くする。 
 それがこれまでの私だったのだと思います。 

 でも、この歌は。 
 どこまでも、自分のための歌で。 
 自分らしく、ただ、自分らしく。 
 言ってしまえばそれだけの歌なのだけれど、確かに響くものがありました。 
 先の二曲のような衝撃は無い、だけれど、少しずつ私の中に沁み込んでいくような感覚。 
 私の望んだ私。 
 もしかすると、今の私は、それに近づけているのかもしれない。 
 歌いこんで行くにつれ、そんな気持ちが強くなってきて。 

 迎えた、昨日。 
 前を見れば、応援して下さるたくさんのファンの皆様。 
 そっと目を瞑れば、765のみんな、合唱部のみんながくれた熱を胸の奥に感じることができて。 
 関係者席に目をやれば、二人並んでこちらを見つめる父と母の姿。 
 そして、二人の間に―― 

 ――楽しそうな優の姿が、見えたような気がして。 

 私が求めた、全てが、そこにあるような。 
 あんなに、あんなに、幸せな気持ちで歌えたのは、初めての経験でした。 
 歌うことが楽しい。 
 歌えることが、こんなにも嬉しい! 
 ただ、歌いたいから、歌うということ。 
 歌が好きだから、私は歌っているんだ、って。 
 そんな、簡単なこと。 
 私らしく。 
 私が――私が好きな、如月千早の歌を! 



816: 名無しさん 2016/12/21(水) 21:31:29.46 ID:ZaNhly5K0


 最後のソロ曲を終えて舞台裏に戻ると、待っていた765のみんなから、もみくちゃにされてしまいました。 
 私自身、過去最高のパフォーマンスができたと思っていたので、されるがまま幸せな気持ちを噛み締めることに。 
 そうしてしばらく、少し離れた所でその様子を見守ってくれていた合唱部のみんなに気が付きました。 
 そちらに向かうと、楽しそうな顔をした部長と目が合います。 
 どちらからともなく右手を上げて、ハイタッチ。 
 それを合図にしたように、今度は合唱部のみんなから囲まれて、いつの間にかそこに765のみんなもまた加わって。 
 みんな好き勝手にするものだから、全体曲に向けて、本来要らない所でメイクさんのお世話になってしまいました。 
 まったく、いい迷惑だったわ。 
 なんてね、ふふ。 



 最後にみんなで歌った「M@STERPIECE」 
 正に会場が一体となって、昨日、いえ、これまでのライブで一番の盛り上がりでしたね。 
 みんなで歌うことがとにかく楽しくて、正直、細かなことはあまり覚えていません。 
 まるで、夢のような時間でした。 
 いつまでも続いて欲しい。 
 歌えば歌うほど、もっと、もっと、という気持ちは強くなります。 
 だけれど、曲の終わり、そしてライブの終わりは必ず訪れるもので。 
 やりきったという満足感。 
 あるいはそれ以上の、 
 終わってしまったという寂寥感。 

 でも。 
 隣の子が、涙を溢れさせた笑顔でファンのみんなに「またね」と手を振っていて、そうだ、まだまだこれで終わりじゃないんだって気づいたんです。 
 また新しい幕を開けたところなんだ、って。 


『 STAGE 
  歌いたいから 
  LIVE 
  踊りたいから 
  新しい幕を開けよう 
  NEVER END IDOL 
  M@STERPIECE!! 

  夢を初めて願って 
  今日までどの位経っただろう 
  ずっと一日ずつ繋げよう 
  夢は自分を叶える為に 
  生まれた証だから 
  きっとこの心で 
  私のM@STERPIECE  』 





   みんな! 



     私、――――――――、――――!! 





817: 名無しさん 2016/12/21(水) 21:38:50.41 ID:ZaNhly5K0


1.響 
 昨日は最高だったな! 
 もちろん自分はカンペキだったし、他のみんなも、ファンのみんなもカンペキだったぞ! 
 特に千早はすごかったな…… 
 細氷はカンペキな自分でもちょっとあれは歌える気がしないレベルだったし、新曲の方はあんたに楽しそうに歌う千早が何だか嬉しかった。 
 千早の言う通り、自分たち、まだまだ始まったばかりだぞ! 
 これからも、一緒に進んでいこうね! 


2.萩原雪歩 
 昨日はお疲れ様でした。 
 ライブ、すっごく楽しかったね。 
 私も昨日を通してまた一つ成長できたのかな、って。 
 あんなにたくさんのファンの方が来て下さって、でも一人一人と目を合わせることができた気がするんです。 
 会場は大きくなったけど、今までよりずっと近くにファンの方を感じたんだ。 
 次のライブが待ち遠しいな、待ち遠しいね、千早ちゃん。 


3.名無しの双子姉 
 ライブめーっちゃ楽しかったね! 
 個人的には気になってた合唱部の人たちと絡めたのも楽しかったZE 
 ぶちょーたちによろしく言っといてねん☆ 
 真美、千早お姉ちゃんが楽しそうだったのが、何よりも嬉しかったなー。 
 亜美とも千早お姉ちゃんとも歌えたし、サイコーだったYO 


4.ミキなのー 
 千早さん、すっごくすっごくキラキラしてたの! 
 それに今まででイチバン笑ってた! 
 ミキ、アイドルのお仕事楽しいって思うけど、昨日の千早さんを見てたら、今よりもっともっと楽しくできるんじゃないかなって思ったの 
 千早さん、またミキにいろいろ教えて欲しいな! 


5.春香さん 
 千早ちゃーん! 
 楽しかったねー! 
 あんなに楽しそうな千早ちゃんを近くで見られて、一緒に歌うことができて、私も幸せだった! 
 それに、最後の一言がすごく嬉しい… 
 これからもずっとずーっと一緒にがんばろうね、千早ちゃん! 


819: 名無しさん 2016/12/21(水) 21:47:10.36 ID:ZaNhly5K0


16.名無しさん 
 やっぱり先輩組のパフォーマンスは圧巻ものだったけど、シアターの全体曲もすごく良かった 
 千早ちゃんの後で可哀想とか思ったけど、むしろいい刺激になったのかな、強い子たちだ 


17.名無しさん 
 新曲歌う千早ちゃんが可愛すぎて辛かった 
 でも幸せだった 


18.名無しさん 
 765プロに出会えてよかった… 


19.名無しさん 
 細氷なにあれ 
 会場内暑いはずなのにあの時は指先が冷たくなってたわ 


20.名無しさん 
 成仏してくれ 


21.名無しさん 
 くそw 
 笑ってしまった自分が悔しいww 


22.名無しさん 
 響ちゃんの曲、観客の完成度ハンパ無かったな 
 ファンにまでカンペキが求められるのか… 


23.名無しさん 
 半年前から言ってたのにどうしても仕事休めなかったんだ 
 映像化はよ、マジではよ 


24.名無しさん 
 ライブビューイングだったけど、女の人も結構いてびっくりした 


25.名無しさん 
 >>23 
 年末だからね、どうしようもないこともあるさ 
 まぁ俺は現地にいたけど 


26.名無しさん 
 鬼かよw 



822: 名無しさん 2016/12/21(水) 21:58:45.92 ID:ZaNhly5K0


ある日の舞台裏の光景 


千早「ふぅ……もう、みんなのお陰で髪がぐちゃぐちゃじゃない……ふふ、メイクさんに直してもらわないと」 

千早「……あっ」 

千種「……千早」 

千早「お母さん!」 

千種「……あの、ね」 

千早「うん」 

千種「……まだ本番中だから、良くないとは思ったのだけれど」 

千種「……その、あなたの歌う姿を見ていたら、どうしても我慢ができなくて」 

千早「……うん」 

千種「……あの人がね、社長さんに許可を取って、特別に連れて来てくれたの」 

千早「そう、お父さんが……」 

千種「……あ、千早、髪が」 

千早「ええ、ふふ、さっき戻って来たら、みんなが盛大に歓迎してくれてね」 

千種「そうなの……その、千早」 

千早「?」 

千種「……」ナデ 

千早「!」 

千種「……良かった、凄かったわ」ナデ 

千早「……」 

千種「あなたの、あんなに楽しそうな姿が見られるなんて……」ナデ 

千早「……うん」 

千種「……いいお友達が、たくさん出来たのね」ナデ 

千早「……うん」 

千種「……優も……優も、きっと、喜んでくれたわね」ナデ 

千早「……うん、うん!」グス 

千種「……本当に良かったわ」ナデ 

千早「……」グス 

千種「……ありがとう、千早、あなたは私たちの誇りよ」ナデ 

千早「…………お母さんっ」グス 

千種「……ええ」ナデ 

千早「……私……私っ!」 




823: 名無しさん 2016/12/21(水) 22:02:32.62 ID:ZaNhly5K0






no title




















                               アイドルになって、良かった―― 










824: 名無しさん 2016/12/21(水) 22:04:57.60 ID:ZaNhly5K0

本日はここまでとさせていただきます。 
 お付き合いいただき、ありがとございました。 

今回、以前に続き、不気味遺産様 http://www.pixiv.net/member.php?id=231628 
 から許可を頂き、 
http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=41850255 
こちらの絵をお話に盛り込ませていただきました。 
 物語のクライマックスはここでこの絵だと勝手に思い込んでので、いざたどり着いてみると感慨深いものがあります。 

不気味遺産様、こんなにも素敵な絵を生み出していただき、また二度も作中での使用許可をいただき、本当にありがとうございます。 

次回、最終話は年内、26,7,8辺りの予定です。 
今回のような盛り上がりはない、緩やかなエピローグのようなものとなります。 
これまで長くに渡りお付き合いいただきありがとうございました。 
最後まで、どうかよろしくお願いいたします。 
それでは、また。 

844: 名無しさん 2016/12/29(木) 01:08:11.11 ID:PhL/69a40

 12月○日 
 一年 


 こんにちは。如月千早です。 
 12月も残すところあと僅か。 
 もう、今年も終わりですね。 
 この一年、みんなにとって、どんな年になりましたか? 
 いい年であったのなら、そしてその一部に如月千早という存在が……って、同じことを去年も書いた気がするわね、ふふ。 
 今年も、みんなの「楽しい」や「嬉しい」に少しでも関わることができているといいな、と思っています。 

 去年に負けず劣らず、今年も色々なことがありました。 
 高校を卒業したことはもちろん大きな変化でしたし、それに伴ってお仕事も増やすことができました。 
 ありがたいことに冠番組もいくつかいただいて、更に活動の幅が広がって。 
 泊りがけのお仕事や、遠出のロケなんかもこれまでよりずっと多く経験させていただきました。 
 765のみんなと一緒のお仕事も多かったですし、プライベートでも私の家に誰かが来たり、あるいはお邪魔したり、ということも増えましたね。 
 一層、みんなとの仲が深まったように思います。 
 そうそう、765プロの新しいプロジェクトとして、後輩がたくさんできたのも今年のことです。 
 みんないい子たちばかりですし、それぞれが光るものを持っているので、私もうかうかしてはいられません。 
 年末のライブでは、高校の時の合唱部のみんなと歌う、という密かな念願も叶いました。 
 希望として言葉にしたことは確かにあったのですが、まさか本当に実現されるなんて! 


 あとは、完全に私事となりますが……母と父との関係を改善できたこと。 
 これが、私の中で、今年一番大きかったことです。 
 優を失って以来、ずっと行き違っていた私たち三人ですが、ようやく、家族としての再スタートを切ることができた気がします。 
 揃いも揃って不器用な三人です。 
 焦らず、ゆっくりと進んで行こうと思っています。 
 お互いが望む限り、これから先、時間はいくらでもあるのですから。 


845: 名無しさん 2016/12/29(木) 01:10:39.34 ID:PhL/69a40


 このブログを始めてから、早いものでもう二年近くが経ちました。 
 最初はキーボードとにらめっこしながらぽちぽちと打っていた文字ですが、今では大分スムーズに文章を書くことができるようになった気がします。 
 ……その分、書いては消して書いては消して、という作業が多くなったので、相変わらずゆっくりの進行なのだけれど。 
 その日あったこと、思ったことを自分なりの言葉にして。 
 それに対して、様々な方が共感や感想、ご意見など、私に対するお言葉をくださる。 
 今では既に私の中で当たり前になっていることなのですが、改めて考えてみると、これはとても恵まれた環境なのだと思います。 

 以前から言われることなのですが、どうやら私は大変内向きな人間らしく、一人で完結しようとすることがよくあるようです。 
 結果、間違った方向に進んでしまうことも多く、誰かに迷惑をかけていたり、あるいは心配をさせてしまったり、と。 
 今でもそういう面があるのは多少なりとも自覚していますが、このブログを始めて、みんなに言葉を伝えて、みんなから言葉をいただくようになってからは、少しはそんな気質も改善できているのではないかな、と思っています。 

 一つ、昔の私が大きく勘違いしていたことがありました。 
 如月千早という存在は、如月千早一人だけで構成されたものではない、ということです。 
 様々な方から影響を受けて、言い方を変えれば、様々な方の一部を受け取って、如月千早という人間はできているのだということ。 
 私の中に、確かにみんなが存在していて。 
 同じように、みんなの中に、如月千早が存在しているのだということ。 

 だとすれば、みんなが私を支えてくれているように、私も少しはみんなの支えになれているのかもしれない。 
 そんなことを、最近思うようになりました。 

 そして。 
 きっと、それがアイドルというものなのかな、と。 
 ようやく、分かり始めた気がします。 


 如月千早というアイドル。 
 みんなのお陰で、今年を楽しく過ごすことができました。 
 これからもどうかよろしくお願いいたします。 

 みんなの新しい一年が、素晴らしいものとなりますように! 


   如月千早 



846: 名無しさん 2016/12/29(木) 01:19:33.76 ID:PhL/69a40


1.春香さん 
 千早ちゃーん! 
 千早ちゃーーーーん!!! 
 私も、千早ちゃんやみんなのおかげで今年も楽しかった! 
 ずっと、ずっと、ずーーーっと、一緒に素敵な年を続けて行こうね! 


2.ミキなのー 
 ミキ的には、もっと千早さんのおうちに行きたかったのー 
 こたつにもまだ三回ぐらいしか入れてないし… 
 でも今年はね、千早さんの笑った顔が今までよりたくさん見れて嬉しかったの! 
 今年もお世話になりました。来年もミキのこと、よろしくお願いします、なの! 


3.名無しの双子姉 
 んっふっふ~、真美、気付いてるんだZE 
 千早お姉ちゃん、最近はムツカシイ顔すること、なくなってるってこと! 
 真美、千早お姉ちゃんの笑った顔がいっちばん好きだから、いつも笑ってて欲しい! 
 毎日みんなで笑って過ごせるように、真美これからもガンバルYO 


4.響 
 千早が両親と仲直りできたこと、これが何より自分には嬉しかったな。 
 家族はね、仲良しでいるべきだって自分思うんだ。 
 千早たちの家族、これからもっともっと仲良しになれるといいね。 
 それで、千早にはもっと幸せになって欲しいぞ! 


5.萩原雪歩 
 この一年、それぞれ色々なことがあったけど、多分、私たち以上に、千早ちゃんにとってすごく大きな年だったんだと思います。 
 千早ちゃんはいつも謙遜するんだけど、今の千早ちゃんの環境は、千早ちゃん自身が作ってきたものなんだよ。 
 千早ちゃんがずっと頑張ってたこと、私たち知ってるんだから。 
 新しい一年が、千早ちゃんにとって、もっと幸せなものになりますように! 


847: 名無しさん 2016/12/29(木) 01:23:35.66 ID:PhL/69a40


6.名無しさん 
 千早ちゃんの1げと 


7.名無しさん 
 1 


8.名無しさん 
 千早ちゃんのブログが更新されたと聞いて 


9.名無しさん 
 >>6-8 
 今年最後まであなたたちとご一緒できて嬉しいです 

 この一年もここが楽しみで頑張って来れたよ 
 本当にありがとう 
 来年も楽しみにしてます 


10.名無しさん 
 やばい、別に何かが終わるってわけでもないのに画面がにじんでる 
 千早ちゃんが望んでくれる限り、ずっと応援してるよ 


11.名無しさん 
 支えになれているのかもしれない、どころか、千早ちゃんとこの場所のお陰で今の自分があるようなものです 
 こんな自分でも千早ちゃんの支えの一部になれてるなら本当に本当に嬉しい 


12.名も無き千早っちの親友 
  へい、千早っち! 
 来年も、大人になっても、ずっと仲良くしてこ! 
 まずは新年遊ぶところからスタートだーぜ! 
 約束だ! 


13.通りすがりの千早ちゃんのお友達 
  みんな卒業して別々の場所に進みましたが、今でも私たち、繋がってるって信じています。 
 私にとってとても大切な繋がり。 
 ずっとずっと大切にしていきます。 
 それが私の、約束です。 


14.とある千早の友人 
  四人揃って会うこともなかなか難しくなったけど、会えばすぐにいつも通り。 
 そんな関係が、私にはすごく嬉しいんだ。 
 ずっと、そんな私たちでいよう。 
 約束だよ、千早。 


850: 名無しさん 2016/12/29(木) 01:36:33.56 ID:PhL/69a40


40.名無しさん 
 なんだこれオールスターかよ 


41.名無しさん 
 >>37 
 わーわー 


42.名無しさん 
 合戦じゃー 
 大戦じゃー 


43.名無しさん 
 相変わらずお前らときたら… 


44.名無しさん 
 一体何と戦ってるんだ 


45.名無しさん 
 己自身…かな 


46.名無しさん 
 己自身…かな 


47.名無しさん 
 己自身…かな 


48.名無しさん 
 己自身…かな 


49.名無しさん 
 己自身…かな 


50.名無しさん 
 wwwwwwww 


51.名無しさん 
 くそ、やっぱりこの流れ俺弱いわww 


52.名無しさん 
 着実に増えてやがる… 


53.名無しさん 
 だからお前らその適当かつ蒼さんチックな答えやめれww 



851: 名無しさん 2016/12/29(木) 01:40:28.57 ID:PhL/69a40


54.名無しさん 
 >如月千早という存在は、如月千早一人だけで構成されたものではない、ということです。 
 このコメント欄見てると本当にその通りだと思う 


55.名無しさん 
 結局、みんな千早ちゃんのことが好きで集まってるわけで 


56.名も無き千早っちの親友 
 ※このコメントは削除されました 


57.名無しさん 
 ちょww 
 だからまた消されるってww 
 でもありがとうございます! 


58.名無しさん 
 やばいにやにや止まらない 


59.管理人 
 ちょっと! 
 だからなんでそういうことここに書くの! 
 削除…できてるかしら 


60.名無しさん 
 くっ 
 今年も間に合わなかった… 


61.名無しさん 
 なんか去年も同じようなことあったような気が 


62.春香さん 
 部長さん、お願い、もっかい、もっかいだけ書いて! 


63.名無しさん 
 ww 


64.名無しさん 
 春香さんさん相変わらずで草生える 


65.名無しさん 
 楽しいな、やっぱりここは 


66.秋月律子 
 一年間お疲れさま、 


   ・ 
   ・ 
   ・ 


852: 名無しさん 2016/12/29(木) 01:49:55.18 ID:PhL/69a40


千早「ふふ、春香ったら、今から着物着てどうするのよ……」 

千種「千早ー、そろそろお蕎麦できるわよー」 

千早「はーい、もうちょっと、もうちょっと待ってー」 

千種「もう、ずっと携帯とにらめっこしちゃって……」 

如月父「はは、それだけ挨拶したい相手がいるということだろう?」 

千種「でも、せっかくこうやって三人で新年を迎えられるのに……」 

如月父「……そうだな。おーい、千早」 

千早「はーい」 

如月父「母さんが寂しがってるから、そろそろ相手してやってくれないか」 

千種「え、ちょっと……」 

千早「ふふ、そうね。ごめんね、お母さん」 

千種「べ、別に私は……そんな……もう、あなた!」 

如月父「はいはい、悪かった悪かった」 

千早「ふふ」 

千種「もう! 二人とも、お蕎麦出来たから、運ぶの手伝って!」 

千早「はーい」 

如月父「お、飯もあるのか」 

千種「かしわご飯、だったかしら。千早がどうしても食べたいって言うから」 

千早「ど、どうしてもなんて言ってないもん!」 


853: 名無しさん 2016/12/29(木) 01:54:00.84 ID:PhL/69a40


千種「はいはい、それじゃあ早く持って行って。……あなた、飲み物はどうするの? お酒にする?」 

如月父「いいのか?」 

千種「今日ぐらい、うるさいことは言わないわ。でも、飲み過ぎは駄目よ?」 

如月父「ああ、分かってるよ。じゃあ、せっかくだからあいつを開けるかな」 

千早「Kさんからいただいたお酒のこと?」 

如月父「そうそう、それだ。千早にいつもお世話になっているから、とな」 

千早「ふふ、お父さん、すごく嬉しそうだったわ。Kさん、本当に綺麗な方だから」 

如月父「お、おい、ちょっと、千早っ」 

千種「……はいはい、私は綺麗でもないし、もう若くもありませんからね」 

如月父「か、母さん、誤解は良くない。別に俺はだな……」 

千種「ふふ、冗談よ。まさか現役のアイドルの子に対抗しようなんて思ってもないわ」 

千種「はぁ……まったく、心臓に悪い……」 

千早「あら、でもお父さん、Kさんと連絡先を交換……」 

千種「あ な た ?」 

如月父「してないしてない、そんなことしてないぞ! こら、千早っ、どういうつもりだっ!」 

千早「ふふ、ごめんなさい、冗談よ、お母さん。……安心して。実際は、緊張して碌に言葉も出ていなかったから」 

如月父「ち、千早、何でわざわざそういうことを……」 

千種「そうよね。ふふ、この人はそういう人ですものね」 

如月父「ちょっと、なぁ、それはいったいどういう意味で……」 

千種「はいはい、お酒注いであげるから。……はい、それじゃあ、いただきましょうか」 

如月父「……いただきます」 

千早「ふふ、とっても美味しそう! いただきます!」 




  ある日の如月家の光景 




854: 名無しさん 2016/12/29(木) 01:56:12.44 ID:PhL/69a40

本作はここまでとさせていただきます。 
皆様の中の如月千早は今どんな顔をしているでしょうか。 
もし笑っているのだとすれば、それをこれまで書いてきた成果と誇っても良いでしょうか。 
長い間お付き合いいただき、本当にありがとうございました。 
それでは、いつかまたお会いできることを願って。 
重ね重ね、ありがとうございました。