1: 名無しさん 2017/03/23(木) 08:45:15.21 ID:2ryAOY/e0

-エンジェル珈琲-


マスター「……」




マスター(今日は静かだねぇ……)




マスター(お客さんは誰も来ないし、天真くんのシフトもない……)




マスター(なんだかちょっと寂しいけど……それでも私のやることはただひとつ)




マスター(ここに訪れたお客様に、最高のコーヒーを振る舞うことだ)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1490226314

引用元: ・マスター「いらっしゃいませ」 グラサン「……」

2: 名無しさん 2017/03/23(木) 08:46:27.02 ID:2ryAOY/e0




カランコロン…




マスター(おや、噂をすればお客様が1人……)






グラサン「……」ゴゴゴ…






マスター「」






マスター「!」ハッ

マスター「い、いらっしゃいませ。お好きな席へどうぞ」スッ

グラサン「……」スタスタ

3: 名無しさん 2017/03/23(木) 08:47:49.65 ID:2ryAOY/e0


グラサン「……」ドスン

マスター「こちら、メニュー表です。御注文が決まりましたらお呼びください」

グラサン「……」コクッ


マスター「……」スタスタ













マスター(怖ぃぃぃいいいい!!怖すぎる!!誰なのあれ!?)ヒィィ

マスター(ヤクザ?ヤクザなの!?何かただならぬオーラを感じるんだけど!!)

マスター(ま、まさかこんなとてつもないお客様が来るなんて……天真君が休みで本当に良かった!)

4: 名無しさん 2017/03/23(木) 08:49:56.94 ID:2ryAOY/e0

マスター(……)

マスター(だ、大丈夫。いざとなったら私がこの店を守って……)チラッ





グラサン「……」ゴゴゴ…





マスター(無理無理無理無理!!あんなの絶対に勝てる訳がない!)

マスター(手を出した瞬間に跡形も無く消されちゃうよ!)

マスター(あ、あわわわ……私の店が……!)






グラサン「マスター」ゴゴゴ…

マスター「は、はいっ!?」



5: 名無しさん 2017/03/23(木) 08:51:34.79 ID:2ryAOY/e0









グラサン「……ブレンドコーヒーをひとつ」

マスター「えっ」

グラサン「……」

マスター「……あ、はい!ただいまお持ちします!」




コポポ……




マスター「……どうぞ。当店自慢のブレンドコーヒーです」スッ

グラサン「……」カチャ…



グラサン「……」ズズッ

6: 名無しさん 2017/03/23(木) 08:53:53.36 ID:2ryAOY/e0



グラサン「……」

マスター「……い、いかがでしょうか?」













グラサン「……美味い」

マスター「!!」


マスター「あ、ありがとうございます」ペコリ

グラサン「……」ズズッ

7: 名無しさん 2017/03/23(木) 08:55:50.13 ID:2ryAOY/e0







マスター(なんということだ……私は大変な勘違いをしていた)

マスター(この男性は決してヤクザなどではない。この店のブレンドコーヒーを味わうためにやって来た、歴としたお客様なのだ)

マスター(彼はコーヒーを楽しむ心も、コーヒーを愛しむ心も持っている、素晴らしい男性に違いない)

マスター(それに気付かず、よもや外見だけで全てを判断しようとは……なんと恥ずかしいことだろうか)





グラサン「……」ズズッ

マスター「ブレンドコーヒー、気に入って頂けたようで何よりです」

グラサン「……ああ」

8: 名無しさん 2017/03/23(木) 08:57:41.33 ID:2ryAOY/e0

マスター「私、このブレンドコーヒーにはこだわりがありましてね。実は昔、ブラジルに行ったとき……」












マスター「ありがとうございました。またお越しください」

グラサン「……」コクッ




カランコロン…




マスター(……)

9: 名無しさん 2017/03/23(木) 08:58:47.03 ID:2ryAOY/e0




マスター(……ああ、今日はなんと素晴らしい日だろうか)




マスター(私のコーヒーを美味しいと言ってくれるお客様がまた一人、増えてくれた)




マスター(喫茶店のマスターとして、これ以上に嬉しいことはない……)




マスター(ふふふ……彼がまた来てくれる日が楽しみだ)



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

10: 名無しさん 2017/03/23(木) 08:59:55.86 ID:2ryAOY/e0



マスター(あれから、彼は毎週決まった曜日に私の店へ訪れるようになった)



マスター(最初の頃は無口だった彼も、だんだんと私に世間話をしてくれるようになってきた)



マスター(どうやら彼は、高校の教師をしているそうだ。どこの高校かまでは流石に教えて貰えなかったが……)



マスター(彼に教えて貰える生徒達は、きっと幸せものだろう。……何故なら)





マスター(コーヒーが好きな人に、悪い人は居ないのだから)

11: 名無しさん 2017/03/23(木) 09:00:58.51 ID:2ryAOY/e0


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



マスター「……♪」フンフン

ガヴ「マスター、最近ご機嫌っすね」

マスター「ん?そう見えるかな」

ガヴ「いや、見るからに上機嫌じゃないっすか。そりゃ分かりますよ」

マスター「ふふふ……私としたことが、つい顔に出てしまっていたようだね」

ガヴ「何か良いことでもあったんすか?」

マスター「実はね……明日は彼が来る日なんだ」

ガヴ「彼?誰っすかそれ」

12: 名無しさん 2017/03/23(木) 09:02:08.73 ID:2ryAOY/e0

マスター「私のブレンドコーヒーを美味しいと言ってくれる人だ」

ガヴ「はあ……あのコーヒーを」

マスター「どうだい、天真君。久しぶりに、私のブレンドコーヒーを飲んでみるかい?」

ガヴ「いや、いいっすよ別に」

マスター「もしかしたら、今の天真君なら美味しく感じるかもしれないよ?」

ガヴ「……じゃあ、一杯だけ」

マスター「よし。少し待ってて貰えるかな」




コポポ……




マスター「どうぞ、天真君」スッ

ガヴ「あざっす」カチャッ…

13: 名無しさん 2017/03/23(木) 09:03:06.08 ID:2ryAOY/e0

ガヴ「……」ズズッ

マスター「どうだい?美味しいかい?」

ガヴ「んー……」









ガヴ「いや、やっぱよく分かんないっすね」

マスター「は、ははは……だよねぇ」


-おしまい-

14: 名無しさん 2017/03/23(木) 09:04:34.65 ID:2ryAOY/e0
グラサンはきっと、ブラックがお好き

ガヴリール×ヴィーネやラフィエル×サターニャなどのSSは沢山あるのに、マスター×グラサンのSSが無いのはどう考えてもおかしいと思い、書いてみました

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