1: 名無しさん 2017/05/25(木) 09:43:30.52 ID:gxwjg2Cqo
ミリマス、みななおの百合SSです。

前作
【ミリマス】ファーストキスは突然に【みななお】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1495543562/

の続編的位置づけとなりますが、
みななおがなんやかんやでちゅっちゅした
ってことだけ覚えておけば問題ないと思います。

キャラ崩壊等含まれる恐れがありますので、百合的描写含め、そういったものが苦手な方は回れ右をお願いいたします。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1495673010

引用元: ・【ミリマス】セカンドキスは何度でも【みななお】

2: 名無しさん 2017/05/25(木) 09:44:08.02 ID:gxwjg2Cqo
 彼女、横山奈緒は一人暮らしである。
 大阪から東京に出てきて一人暮らしを始め、元々母親から家事全般に関しては教わっていたこともあり、特に不都合はなく暮らしていた。
 それでも劇場に仕事にレッスンと、奈緒の体力をもってしてもヘトヘトになるような日々を送っていれば、まあ多少家事が滞るのも致し方ないことといえるだろう。
 事実、オフの日にはまとめて部屋を片付けたりだとか、作り置きの料理を作ったりだとか、なんとも主婦スキルの高い行動はしていたのだから。

 そんな彼女の暮らしが一変してから、はやくも一ヶ月が過ぎようとしていた。

「奈緒ちゃんおはよー!」

 時刻は朝の7時きっかり。奈緒の部屋に元気な声が響くのと同時、未だうつらうつらとまどろみから抜け切らない奈緒の体から、布団が勢いよく引き剥がされる。

3: 名無しさん 2017/05/25(木) 09:44:33.79 ID:gxwjg2Cqo
「う~、美奈子~……今日オフやねんからもっと寝かせてぇやー」

 美奈子の手によって開け放たれていた窓からは、朝のまだ涼しげな空気が流れ込んでいて、その外気に触れれば否が応にも奈緒の意識は現実世界へと浮上せざるを得ない。
 それが奈緒にとって好ましいかどうかは、また別問題ではあるのだが。

「ダメだよー、ちゃんと朝ごはんいっぱい食べて、元気出さないと!」

「わかった、起きる。起きるから先に用意しとって~」

 そう言いながらふらふらと寝ぼけ眼で洗面所へと向かう奈緒を見届けてから、美奈子はキッチンへと戻る。
 奈緒を起こしに来た時点でほとんどの調理は完了している。あとは仕上げと、盛り付けだけだ。

4: 名無しさん 2017/05/25(木) 09:45:12.92 ID:gxwjg2Cqo
(奈緒ちゃん低血圧なのかな……やっぱりたくさん食べてもらわないと!)

 美奈子がまた少しずれた方向に決意を固めたことは、今は本人しか知るよしもないことであった。

「「いただきます!」」

 白い湯気の中に煌く中華粥。鶏がらスープの香りが漂い、散らされたネギの緑色が鮮やかだ。さらにザーサイと白髪ネギが添えられ、この粥一つとっても食感で飽きることはないように工夫されている。
 見るからに熱々だと分かる小龍包。蒸しあげられたぷりぷりの生地を一度噛めば、中からは肉汁の旨みがふんだんに染み出た熱々のスープが口内を満たすだろう。
 さらに焼き餃子。パリッと焼き上げられた表面は絶妙な焼き加減の焦げ目に彩られ、見ただけでその美味しさが伝わるかのようだ。
 加えてテーブルに彩りを添えるのはクラゲとキュウリの和え物。瑞々しいキュウリの緑色が目に眩しいばかりでなく、口の中に入れればキュウリのシャキシャキ感とクラゲのコリコリ感が合わさって舌を楽しませようことは想像に難くない。

5: 名無しさん 2017/05/25(木) 09:45:39.09 ID:gxwjg2Cqo
 とまあ、ここまではいい。ボリュームに目を瞑れば普通の中華風朝食である。
 テーブルに乗り切らなかったため横に置かれている、エビチリと、ホイコーローと、卵とキクラゲの中華炒めを見なければ、であるが。

「ごちそうさまでした!」

「うん、お粗末様!」

 しかしこれが普通に全て空になるのが、この横山家の日常でもあるのだった。
 もちろんそれには美奈子によってバランスを考えられた味付けであったり、普段から体力を使う二人の仕事内容によるものだったり、様々な理由があるわけなので、よい子はまねしてはいけない。

「美奈子ありがとな~、今日もこんな早くから来てもろて」

「大丈夫だよ~! お店の仕込みで元々朝は早いし、何より奈緒ちゃんのためだし!」

「こそばいからやめぇや~、そういう言い方」

 そういう奈緒ではあるが、声色も表情も、全くもって嫌そうな欠片もない。

6: 名無しさん 2017/05/25(木) 09:46:05.31 ID:gxwjg2Cqo
 あの出来事があってから一ヶ月、美奈子は週に二日ほどのペースで奈緒の部屋に通っている。
 それは今日のように朝早くであったり、仕事の合間であったり、仕事が終わったあとの夜であったりと時間は様々だが、とにかく奈緒の部屋に寄ってご飯を作り、時にはゴミをまとめ、食器を洗い、なくなりそうな日用品を買い足している。
 その様子を聞いた事務所一のセクシーアイドル(自称)、馬場このみさんはこう評したという。

『それ……ただの通い妻じゃない』

 そう、今や美奈子は自他共に認める奈緒の通い妻状態であった。

「奈~緒ちゃん」

「ん、なんや? 美奈子ー」

「私、今日のご褒美が欲しいな~」

7: 名無しさん 2017/05/25(木) 09:46:31.22 ID:gxwjg2Cqo
 朝食を終え、食器を全て洗い終わった後、ソファに座って雑誌に目を通す奈緒の横に、美奈子が座る。
 体重を預けるように奈緒の肩に頭を乗せながら、美奈子はいつもの声色とは少し違う、甘えたような声でそうつぶやいた。

「んー、せやったらなんか買い物にでもいこか。ちょうどほら、新しくオープンした雑貨屋さんがあるんやて」

「むぅ~、意地悪……」

 美奈子の甘えたおねだりをさらりと流すように、手元の雑誌に掲載された雑貨屋の記事を指差す奈緒の顔は、なんとも悪戯っぽく、意地の悪い笑みであった。
 その笑みを見て奈緒の思うところを悟った美奈子は不満そうに唇を尖らせて、身体を預けている奈緒の腕をぐいぐいと引っ張っている。

「なーんてな。ちゃんと分かっとるから、そんな顔せんで?」

 言葉とは裏腹に、存分に美奈子の不満顔を堪能してから、奈緒は雑誌を一度閉じて美奈子の方へと視線を移す。
 その細められた瞳は、一瞬美奈子の脳裏にあの夜の奈緒を想起させた。

8: 名無しさん 2017/05/25(木) 09:47:02.51 ID:gxwjg2Cqo
 体重を預けている美奈子の身体を少しだけ離し、奈緒はその頬に手を沿わせる。
 ピクン、と微かに肩を震わせる美奈子の顎先を指で軽く上向かせ、真っ直ぐに瞳を見つめながら、奈緒は美奈子の唇に自分の唇をゆっくりと重ねた。

「ん……これでええんやろ?」

 一瞬のキスの後唇を離した奈緒は、満足そうな表情でそう美奈子に問いかける。
 正確には、問いではなく確認であるのだが。

「奈緒ちゃんって、こういうときだけ意地悪だよね」

 頬を赤く染めながらもまだ少し不満げな表情の美奈子だったが、その表情がネガティブなものでないことは、奈緒もわかっている。
 結果として奈緒の手玉に取られたような形になっているのが、嬉しいようで悔しいようで、なんともいえない表情になっているだけだ、と。

「なんでなんかな~、美奈子にはなんでか意地悪したくなんねん」

 そんな表情をされるから、意地悪したくなるんやけどな。
 と心の中で付け足しながら、意地悪のお詫びに何かプレゼントでもしたろかな、とこれからさっきの雑貨屋へと向かう算段を立て始める奈緒であった。

9: 名無しさん 2017/05/25(木) 09:49:02.12 ID:gxwjg2Cqo
以上です。

今回ちょっと続き物にチャレンジしてみるつもりなので、今回はここまで。
とりあえずみななおがラブラブしてるところを不定期更新で書いていくつもりです。

お読みいただきありがとうございます。
願わくば、今後も宜しくお願いいたします。

10: 名無しさん 2017/05/25(木) 10:22:17.45 ID:saXAfhgt0
本当付き合いたてのカップみたいだ
乙です

>>2
横山奈緒(17)Da
no title

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>>3
佐竹美奈子(18)Da
no title

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