1: 名無しさん 2017/05/31(水) 01:57:06.08 ID:+OAsuDQd0
※ミリシタでの新登場キャラが出てくるSSです。口調、呼称などは想像で書いていることをご了承ください





P「バカぁ?」

紬「失礼しました。でも、そう言いたくなるくらいおかしなイベントだと思います、これ」

P「え? 南海の孤島に9日間、最低限の装備でアイドルを放り出して衣・食・住を整えることから始めさせ極限状態を生き残れるか試す『極限! サバイバルアイランド』の企画のどこがそんなにおかしいんだ?」

紬「全部ですよ!」

P「そうかなぁ……。アイドルやタレントのサバイバル生活って流行ってるし、イケると思うんだけどな……」

紬「限度というものを知らないんですか? もしかして、あなたは……バカなのですか?」


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1496163425

引用元: ・【ミリマス】白石紬「もしかして、あなたは……バカなのですか?」

2: 名無しさん 2017/05/31(水) 01:58:42.94 ID:+OAsuDQd0
「もしかして、あなたは……バカなのですか?」





P「バカって?」

紬「あのですね……。プロデューサーさんは、クリスマスというのがどういう時期なのかご存知ですよね?」

P「もちろん! 聖なる日を祝って、家族や恋人同士でごちそうを食べたりプレゼントを贈ったりして楽しむ日だろ!」

紬「それなら、どうしてこの時期にこんなイベントを実施してしまったのですか!?」

P「えっ?」

紬「なんですかこの


『クリスマス=聖誕祭の夜に、天使と悪魔の最終戦争が勃発!

人間の信仰を勝ち取り、次の千年を支配するため、皆ではりきってアルマゲドン!

人知を超えた壮絶バトルが、いまはじまる…!』


とかいうイベント告知は?」 


紬「普通の事務所ならこんなイベント考えられませんよ!」

P「そうかなぁ……。クリスマスにぴったりだと思ったんだけどなぁ……」

紬「……もしかして、あなたは……バカなのですか?」

3: 名無しさん 2017/05/31(水) 02:00:31.42 ID:+OAsuDQd0
「もしかして、あなたは……バカなのですか?」





紬「プロデューサーさん、どういうことですかこのイベント内容は。どう考えてもおかしくはありませんか?」

P「? どこか変なところでも?」

紬「変なところも何も、生っすかサンデーの『ミリオンチャレンジ』の企画内容を一から読み上げてみてください!」

P「……えーと、

1日目:沖縄1周走れるかチャレンジ!
2日目:リフティング765回連続でできるかチャレンジ!
3日目:リズムゲームでノーミス連続10曲できるかチャレンジ!
4日目:バスケのシュート連続で10回できるかチャレンジ!
5日目:カラオケで100点出せるかチャレンジ!
6日目:765枚! 的抜きチャレンジ!
7日目……」

紬「どうですか?」

P「なにが?」

紬「……はぁ」

4: 名無しさん 2017/05/31(水) 02:02:16.21 ID:+OAsuDQd0
紬「チャレンジごとに難易度の差が激しすぎるどころか、一日のうちに達成することがとても無理な企画があることにお気付きにならなかったのですか?」

P「難易差はともかく、達成できないってことはないよ。ウチのアイドルならなんとかしてくれるさ」

紬「はぁ? プロデューサーさん、もしかして、あなたは……バカなのですか?」

P「ほぅ。そこまで言うなら、もしも全てのミリオンチャレンジが達成されたら、紬には小学生メイドの演技に挑んでもらっても構わないな?」

紬「!?」

P「無理な企画が混ざってるなら、そんな約束しても紬に損はないだろ?」

紬「……かっ、構いませんとも! あなたの考えが間違っていることはおのずと証明されますから!」



~後日~



志保「まんまとあの人に乗せられて……あなたは、バカなんですか?」

紬「……くすん」

5: 名無しさん 2017/05/31(水) 02:04:46.20 ID:+OAsuDQd0
「もしかして、あなたは……バカなのですか?」





P「なんだよ、急に」

紬「だって、タイムマシンですよ? 律子さんが作り上げてしまったそうですけど、常識的に考えて勘違いかなにかに決まってます」

P「でも本当にタイムマシンができていたら夢があるだろ? 今まで誰も撮れなかったような写真が宣材に使えるかもしれないよ」

紬「確認しますけど、『そういう設定』で宣材を撮るのではないんですよね? そうでないなら、早坂さんに無駄足をさせることになりますよ」

P「律子が作り上げたって言ったんだから、プロデューサーの俺が信頼しなくてどうするのさ。紬こそ、本当にタイムマシンが実現していたら律子に謝るんだぞ!」

紬「もしかして、あなたは……バカなのですか? 私は忠告したということを覚えていてくださいね」



~後日~



律子「本当に早とちりよねぇ。……あんた、もしかしてバカ?」

紬「…………」

律子「とにかく、あの人相手に軽々しく口約束とかしたらダメよ。私のことはいいから、それだけ気を付けることね」

紬「……ぐすん。すみません、でした……」

6: 名無しさん 2017/05/31(水) 02:05:49.58 ID:+OAsuDQd0
「もしかして、あなたは……バカなのですか?」





紬「アイドルたちに幼稚園児の格好をさせてライブだなんて……おかしいとしか思えません」

P「子供たちと触れ合う機会を作るのは大事だよ。他の事務所だと、幼稚園で劇の上演をする企画もあったんだしさ」

紬「それは否定しませんけど、大人のファンは、特殊な性癖の方々以外は喜ばないと思います」

P「そうかなぁ。春香たちも幼稚園に出張したり園児の格好でライブしていたりしたんだけども」

紬「それはこの事務所がおかしいだけです。そんなこともわからないなんて、もしかして、あなたは……バカなのですか?」

7: 名無しさん 2017/05/31(水) 02:07:05.68 ID:+OAsuDQd0


~後日~



愛梨「十時と~?」

きらり「きらりのぉ~?」



「とときら学園!!」





P「なるほどなるほど。どうやら、紬の基準だと大手の346プロも頭がおかしいということになりそうだ」

紬「…………そ、そんな……」

P「今なら、アイドル業界全体がおかしいという言い訳を使ってもいいんだぞ」

紬「そっ、そんなこと言いません!」

P「しっかし、単発じゃなくてレギュラー企画でこんな格好させるなんてあそこも大分変……面白いプロデューサーがいるんだなぁ~」

紬(くっ……悔しい……。こんなはずじゃなかったのに……!)

8: 名無しさん 2017/05/31(水) 02:08:02.60 ID:+OAsuDQd0
「もしかして、あなたは……バカなのですか?」





紬「プロデューサーさん。春香さんたちが主役の映画が上映される時期に、SF映画の撮影をイベントに仕立てて公開していたというのを覚えていらっしゃいますか?」

P「ああ。そっちの映画は可奈や響が主役だったね」

紬「……まぁ、終わってしまったことなのでどうしてその時期にそんなイベントを実施したのかは訊きませんが」

P「うん? 何が言いたいんだ」

9: 名無しさん 2017/05/31(水) 02:08:55.77 ID:+OAsuDQd0
紬「プロデューサーさん。明日、春香さんたちが主役の映画がテレビで初放映されることはご存知ですよね」

P「当たり前だろ」

紬「ということは、これを機会に春香さんたちのファンがシアター組にも興味を持ってくれるよう、映画に出ていた春香さんや志保ちゃんたちをプッシュしていくのが重要ですよね?」

P「うん。そういう考え方もあるな」

紬「だというのに、どうしてこの時期にやるイベントが例のSF映画の続編なんですか!?」

P「主役は可奈だよ? 向こうの映画にも出演したしPR効果はバッチリさ!」

紬「そういう次元の話ではないということにお気付きでないのですか!?」

紬「プロデューサーさん。もしかして、あなたは……バカなのですか?」

10: 名無しさん 2017/05/31(水) 02:11:29.78 ID:+OAsuDQd0
「もしかして、あなたは……バカなのですか?」





紬「『アイドルが小さくなっちゃった!?』と言われても……こんな設定、セットや道具を工夫しただけの子供だましだってみんな分かりますよ?」

P「子供だましじゃないぞ。本当に小さくなっていたときに撮った写真なんだから」

紬「まあ、今回は大人げないことを言うつもりはありません。ただ、関係者の私にすら強弁するのは少々みっともないかと」

P「本当なんだけどなぁ。ハム蔵だってこんなに大きく写ってるんだし」

紬「わかりました。わかりましたから……もう」





杏奈「…………いきなり、アイドルが小さくなる、なんて……ありえない、よね?」

ジュリア「あ? なんでアタシに訊くんだよ?」

杏奈「……ありえない……よね?」

ジュリア「???」

11: 名無しさん 2017/05/31(水) 02:12:52.18 ID:+OAsuDQd0
「もしかして、あなたは……バカなのですか?」





P「紬―。今度やる『生っすか!? Revolution』の特別企画だけど……」

紬「わかりました。大丈夫です。私には見せていただかなくても結構です」

P「いや、でも、いつもみたいにどこかおかしいと思えたら指摘してほしいなと」

P「もしも達成できない企画があったら……」

紬「もっ、もうその手には乗りませんからね!」

P「……チッ」

12: 名無しさん 2017/05/31(水) 02:14:22.24 ID:+OAsuDQd0
「もしかして、あなたは……バカなのですか?」





紬「…………」

P「ん? 紬、なに読んでるんだ?」

紬「あっ、プロデューサーさん。じつは、麗花さんから絵日記を渡されて……」

P「あー、もしかして麗花がオフの日にみんなと会ってきた……ってやつか? 事務所のみんなの一面を知るには、ある意味役立つし面白い日記だと思うよ」

紬「あの、プロデューサーさん。……もしかして、麗花さんは……」

P「まあ、うん。想像力豊かだよね」

紬「ですよね。あの人、まるで本当にあったことのように日記に書いた出来事について語ってきたのでまさかと思っちゃって」

P「ははは。そんなのを信じるなんて、もしかして紬はおバカさんなんじゃないか?」

紬「なっ……! し、信じかけただけでそんな言い方、失礼ですよプロデューサーさん!」

13: 名無しさん 2017/05/31(水) 02:15:54.81 ID:+OAsuDQd0



~どこかの高原・どこかの牧場~



麗花「へくちっ」

歌織「麗花ちゃん、大丈夫? 寒くない?」

麗花「ううん、なんでもないっ♪ このくらい、大気圏を出るちょっと前の寒さに比べたら全然平気♪」

歌織「大気……? 面白い冗談ね~」

麗花「それより、せっかくの乗馬なんだし楽しまなくっちゃ! いけいけゴーゴー、麗花号!」

ウマ「ぶひひーん」

14: 名無しさん 2017/05/31(水) 02:17:04.01 ID:+OAsuDQd0
「もしかして、あなたは……バカなのですか?」





美也「みなさ~ん、トレジャーをハンティングしに行きましょう~」

紬「はぁ? 美也ちゃん、もしかして、あなたは……」

美也「?」

紬「……ううん、なんでもない。本当に行くなら、危険かもしれないし気を付けて」

美也「はい~。アイドルは体が資本のお仕事ですから健康には気を付けて行きますよ~」

紬「そ、そういうことじゃなくて……」

P「……ふっ」

15: 名無しさん 2017/05/31(水) 02:17:50.43 ID:+OAsuDQd0
紬「? プロデューサーさん、なに笑ってるんですか」

P「ん? 紬も、なんだか変わったなぁと」

紬「なんだか、ってなんですか」

P「いや、少し前の紬なら、美也にぴしゃりと『バカなのですか?』と言ってるだろうなって」

紬「……正直、口にしないだけで少なからず心の中では叫んでますよ。でも、いちいち言ったって、美也さんが宝の地図らしきものを持ってきたことは変わりませんから私が言ってもトレジャーハントに出発してたと思います」

紬「それに、その…………。……本当に、そういう夢みたいなことが現実にあったなら……すごく…………」

P「……すごく、楽しそう?」

紬「…………はい」

16: 名無しさん 2017/05/31(水) 02:19:14.47 ID:+OAsuDQd0
P「それでいいんだよ。早とちりで色々なことを決め付けるんじゃなくて、見守ってみるなり、自分で飛び込んでみるなりしないと楽しいことや面白いことには出会えないからさ」

紬「……な、なんですか急に。お説教みたいなこと言いだして」

P「説教というか、一般論としてね。騙されたり本当は面白くなかったりしたら、そのときに初めて文句を言えばいい話だと思わないか?」

紬「思いません。騙されたときは既に遅いってこともありますし、全然一般論なんかじゃないですよ」

P「え、そ、そう? ……ま、まあそうか。宝さがしに行って何も見つからなかったら、文句言うだけじゃ気分が収まらないかも…………」

紬「まったく……。自分で言い出したことなのに、すぐに論破されてどうするんですか?」

P「いや~。面目ない……」

17: 名無しさん 2017/05/31(水) 02:21:53.28 ID:+OAsuDQd0
P「とはいえ、見方を変えればプロデューサーを正面から言い負かせるくらい頭の回るアイドルがいるということだからな。これは、心強いといえるんじゃないか?」

紬「ただの言い訳です」

P「……まあ、単純に言えばアイドルに言い負かされる人間がプロデューサーやってていいのかという話になるか……。頼りないプロデューサーで、ごめんな」

紬「……別に、プロデューサーさんが相応しくないなんてことはないですよ。頼りないというわけでも、ないですし」

P「……ふぅーん?」

紬「……!!」

18: 名無しさん 2017/05/31(水) 02:22:54.05 ID:+OAsuDQd0
紬「あっ、あくまで『相応しくないことはない』、『頼りなくはない』ということですからね! 勘違いしないでください!」

P「お、おう。わかってるとも」

紬「わかってないです! もう、わかりやすく変な笑い方して……」

P「へ、変な笑い方なんてしてないっての!」

紬「もう、プロデューサーさん? たったこれだけの言葉でそこまで勘違いするだなんて、もしかして……」

P「もしかして……?」

19: 名無しさん 2017/05/31(水) 02:24:30.66 ID:+OAsuDQd0



「もしかして、あなたは……バカなのですか?」







(おしまい)


20: 名無しさん 2017/05/31(水) 02:28:05.84 ID:+OAsuDQd0
このSSは以上になります。現行のミリマスとミリシタではパラレルになるようですが、このSSもまたパラレル時空の765プロということで楽しんでいただけたなら嬉しいです

たったあれだけの情報でこのようなものを書いてしまった自分は、紬ちゃん以上に早とちりで紬ちゃんに指摘されるまでもなくバカだと思っています……



読んでいただき、ありがとうございました