1: 名無しさん 2017/07/24(月) 00:13:10.11 ID:+L2K/4Rz0
堕天使探偵ヨハネ
https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1500303309/
の続編です。
読まなくてもこの話を読むのに支障はないですが読んで下さると嬉しいです。

とある日

善子「暑い」

花丸「さっきからそれしか言ってないよ?」

善子「だって暑いんだもん」

花丸「暑いのは分かるけどレポートやらないと終わらないよ?」

善子「はいはい」

と、善子がしぶしぶペンを手に取った時だった。

?「すいませーん」

善子「あっ、依頼人来たみたいだからレポートは後でね」

花丸「(絶対やらないパターンずら)」

善子「探偵事務所にようこそ…って、リリー!?」

梨子「久しぶり、よっちゃん、花丸ちゃん」

花丸「久しぶりずら!」

善子「半年ぶりぐらいね…ってあれ?リリー少し髪短くなった?」

梨子「実は今回の依頼はそれなのよ」

善子「え?」

梨子「髪切り魔を捕まえて、よっちゃん!」


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1500822789

引用元: ・堕天使探偵ヨハネ2

2: 名無しさん 2017/07/24(月) 00:18:24.18 ID:+L2K/4Rz0
善子「連続髪切り事件?」

梨子「そうなの。私が大学で入ってるサークルの女性メンバーが次々と。」

善子「何人やられたの?」

梨子「サークルの女性メンバーは5人いるんだけどそのうち私を入れて3人やられたわ。」

花丸「一体なんでそんなこと…」

梨子「分からないわ。でも犯人がサークルの中にいる可能性は高いと思う。」

善子「分かった。その髪切り魔とやら、私が取っ捕まえてやるわ!」

花丸「女の子の髪を切るなんて許せないずら!」

梨子「ありがとう、よっちゃん、花丸ちゃん」

梨子「ところで…」ヒソヒソ

善子「何?」ヒソヒソ

梨子「花丸ちゃんには告白したの?」ヒソヒソ

善子「なっ…してないわよ!っていうか今それ聞く?」ヒソヒソ

梨子「ずっと気になってたから。」ヒソヒソ

花丸「(あの二人何をひそひそ話してるんだろう?)」

3: 名無しさん 2017/07/24(月) 00:36:01.36 ID:+L2K/4Rz0
善子「とりあえずサークルの女性メンバーに話を聞きたいわね。」

梨子「じゃあ部室にでも集まってもらう?」

善子「いや、出来れば一人ずつ話を聞きたいわ。」

花丸「取り調べみたいだね。」

善子「その方が正確に話を聞けると思うのよ。」

花丸「なるほど。」

梨子「じゃあ部室に一人ずつ来てもらうわね。」

善子「そうと決まれば行くわよ、ずら丸!」ガシッ

花丸「善子ちゃん引っ張らないで~」

梨子「なんでナチュラルに手は繋げるのに告白できないのかしらねぇ…」

4: 名無しさん 2017/07/24(月) 00:55:03.29 ID:+L2K/4Rz0
尋問一人目 田中

善子「あなたが最初の被害者、四年生の田中さんね。」

田中「堕天使探偵なんて名乗ってるって聞いたからどんな人かと思ったら意外と可愛い子ね。」

善子「えっ」

花丸「(何言ってるずらこの人)」

善子「えっと、襲われた時の状況を話してもらえる?」

田中「大学の駐輪場でいきなりローブみたいの着たやつが襲って来て、逃げようとしたけど追いつかれて髪を切られたわ。」

田中「顔は分からなかったし、無言で襲って来たから男か女かも分からないわ。」

花丸「なるほど」

5: 名無しさん 2017/07/24(月) 01:11:03.11 ID:+L2K/4Rz0
尋問二人目 鈴木

善子「あなたが二人目の被害者、二年生の鈴木さんね。(すごい金髪…)」

鈴木「そうだけど、特に話せることないわよ?背後からいきなりやられたから髪切り魔の姿とか見てないし」

花丸「襲われた場所はどこですか?」

鈴木「部室棟の近く」

善子「何か襲われる心当たりは?」

鈴木「…ないわよ、そんなもん」

花丸「(今の間は何ずら?)」


6: 名無しさん 2017/07/24(月) 01:33:02.28 ID:+L2K/4Rz0
尋問三人目 加藤

善子「あなたがリリーと同学年の加藤さんね。」

加藤「梨子本当にリリーって呼ばれてるんだ」

善子「あっ、つい…」

加藤「梨子と仲良いんだね。」

善子「まあね。付き合い長いし。」

花丸「…」ジーッ

善子「(なんかずら丸がこっち見てる…)」

花丸「善子ちゃん話が脱線してるよ」

善子「そうそう、何か髪切り魔について知ってることはある?」

加藤「私は襲われてないから姿も見てないし、特に知ってることはないかなぁ。」

加藤「にしても髪切り魔は女の人の髪を切って何が楽しいんだろうね。」

善子「さあね。正直分かりたくもないわ。」

7: 名無しさん 2017/07/24(月) 01:52:20.66 ID:+L2K/4Rz0
尋問四人目 山本

善子「一年生の山本さん、何か知ってることはある?(ダイヤさんみたいな黒髪ね…)」

山本「えっと…事件に関係あるか分からないんですけど」

善子「何?話してみてちょうだい。」

山本「田中先輩と鈴木先輩が加藤先輩をいじめてるって噂が少し前にあったんです。現場を見たわけじゃないので本当かどうかは分かりませんけど…」

山本「でも多分関係ないと思います。桜内先輩も襲われてますし…」

花丸「他には何かある?」

山本「後は特に…」

善子「そう。ありがとう。」

9: 名無しさん 2017/07/24(月) 16:23:52.66 ID:lZ49LM+j0
尋問五人目 梨子

善子「リリーにも話聞かせてもらうわ。」

梨子「(よっちゃんが刑事に見えてきた)」

善子「リリーが襲われた時の状況を話してもらえる?」

梨子「大学の構内歩いてたら突然後ろから襲われたの。捕まえようと思って追いかけたけど見失っちゃって…」

梨子「確かローブのようなものを着てたわ。」

善子「田中さんもローブを着たやつに襲われたって言ってたわね…」

花丸「どうしてローブなんて着てるんだろう?」

善子「多分正体を隠すためと、切った髪が付くのを防ぐためだと思うわ。」

花丸「なるほど、さすが善子ちゃん。」

善子「そういえば山本さんからいじめ疑惑の話を聞いたんだけど、リリー知ってる?」

梨子「いじめ?」

善子「そう。田中さんと鈴木さんが加藤さんをいじめてたって噂が少し前にあったらしいのよ。」

梨子「何それ、私初耳よ?」

善子「加藤さんと仲良いんじゃないの?」

梨子「仲は良いけどそんな話聞いてないわ。」

善子「そう…」

10: 名無しさん 2017/07/24(月) 16:25:33.00 ID:lZ49LM+j0
善子「とりあえず一通り話は聞いたわね。」

花丸「話の内容はバッチリメモしておいたよ、善子ちゃん。」

善子「ありがとずら丸。さすが私の助手ね!」

花丸「えへへ…」

善子「(やばい、ずら丸が可愛い)」

花丸「それで、これからどうする?」

善子「山本さんが言ってたいじめ疑惑をもうちょっと調べたいわね…」

梨子「私何人か聞き込みしてくるわ。よっちゃん大学関係者じゃないからあまりうろちょろしない方がいいと思うし。」

善子「それもそうね。リリー、お願いしていい?」

梨子「任せて!」

そういって梨子は走っていった。

11: 名無しさん 2017/07/24(月) 16:27:09.37 ID:lZ49LM+j0
善子「リリーはやっぱり頼りになるわね。」

花丸「善子ちゃんって本当梨子さんと仲良いんだね」

花丸「(はあ…やっぱり善子ちゃんはおらのことなんて…)」

善子「ずら丸危ない!」

花丸「え?」

花丸が顔を上げると、ローブを纏いハサミを持った人物-髪切り魔が、今まさに襲いかかろうとしていた。

花丸「うわあああっ!?」

善子「ずら丸に何すんのよっ!」ドスッ

髪切り魔「ぐっ!?」カラン

善子が一発蹴りを入れると、髪切り魔はハサミを落とし後退した。

善子「ハサミは回収したわ。さぁ、正体見せなさい!」

髪切り魔「…」タタッ

善子「あっ、逃げるな!待ちなさい!」

善子「はあっ…見失っちゃった。ずら丸だいじょう…」

花丸「」ギュッ

善子「えっと、花丸さん?」

花丸「ありがと、善子ちゃん。おらは大丈夫。善子ちゃんこそ、大丈夫?」

善子「わ、私は堕天使よ!そんな簡単にやられたりしないわ!」

田中「今悲鳴みたいなのが聞こえたけど!?」

よしまる「わっ!」パッ

二人はとっさに離れた。

山本「大丈夫ですか、国木田さん!?」

鈴木「サークルのメンバー以外が狙われるなんて…」

加藤「髪切り魔は何考えてるの?」

善子「……!」

花丸「善子ちゃん、とりあえず事務所に帰ろう?」

花丸「善子ちゃん?」

善子「ずら丸、私髪切り魔の正体分かったかもしれない」

12: 名無しさん 2017/07/24(月) 16:28:36.50 ID:lZ49LM+j0
事務所

花丸「善子ちゃん誰なの?髪切り魔の正体は」

善子「まだ言えない」

花丸「そのハサミは証拠にならないの?」

善子「犯人はゴム手袋してたから指紋はついてないと思うわ」(ハサミは布でくるんである)

花丸「そっか…」 

その時だった。


~♪(着信音)

善子「リリーからだわ!もしもし?」

梨子「もしもしよっちゃん?髪切り魔に襲われたって聞いたけど大丈夫?」

善子「襲われたのはずら丸だけどね。大丈夫、二人とも無事よ。」

梨子「良かった。それで聞き込みの結果だけど…」

善子「やっぱりね。」

梨子「えっ、やっぱり?」

善子「リリー、部室にメンバーを集めてくれる?」

梨子「犯人が分かったの?」

善子「ええ。」

梨子「分かった。部室で待ってるね。」プツッ

花丸「善子ちゃん?」

善子「見てなさいずら丸。アンタを襲った犯人を今から捕まえるから。」

13: 名無しさん 2017/07/24(月) 16:30:33.26 ID:lZ49LM+j0
サークル部室

田中「犯人が分かったって本当?」

鈴木「どこの誰なんだ?」

善子「皆さんお待たせしました。」

梨子「よっちゃん!」

善子「単刀直入に言います。髪切り魔の正体は………あなたよ、山本さん!」

加藤「ええっ!?」

鈴木「嘘でしょ?」

山本「ちょっと待ってください。なんで私が犯人なんですか?」

善子「あなた花丸が襲われた後姿を見せたわよね。」

山本「それがなんですか?他の人もいたと思いますけど。」

善子「あなたあの時確か“国木田さん大丈夫?”って言ったわよね?」

加藤「えっ、襲われたのって国木田さんだったの?」

善子「そう、いきなり花丸に襲いかかって来たから私が守ったのよ。皆が来たのは髪切り魔が逃げた後だからそこは見てないだろうけど。」

善子「でも山本さん、あなたは”国木田さん大丈夫?“と花丸の名前を出した。私と花丸の名前を両方出すなら分かるけど、花丸だけ出したのは不自然よ。」

善子「あと例のいじめの噂、あれ嘘でしょ。
リリーが聞き込みしたら誰も聞いたことないって」

14: 名無しさん 2017/07/24(月) 16:32:01.09 ID:lZ49LM+j0
山本「証拠はあるんですか?私が犯人だって証拠は?」

善子「花丸、あれ出して」

花丸「はい、善子ちゃん。」

そういって花丸は善子に例のハサミを渡した。

田中「そのハサミもしかして…」

善子「そう、髪切り魔から取って来たハサミよ。このハサミの指紋を調べればあなたのものと一致するはずよ」

山本「指紋なんて出るわけない!だって髪切り魔はゴム手袋してたんでしょ?指紋なんて付いてるわけない!」

善子「完全に墓穴を掘ったわね。」

山本「え?」

善子「なんでゴム手袋してたって知ってるの?」

花丸「あっ!」

善子「ゴム手袋のことは私と花丸しか知らないはずよ。もしかしたら田中さんやリリーは襲われた時に見たかもしれないけど、襲われてないあなたが知ってるわけないわよね。」

善子「あなたが知っていた理由は一つ。他ならぬあなたが髪切り魔だから。違う?」

15: 名無しさん 2017/07/24(月) 16:33:18.27 ID:lZ49LM+j0
山本「あーあ、結構楽しかったんだけどなぁ」

花丸「え?」

山本「だってさ、私以外の女の髪が短くなっていくんだよ?見てて面白くない?」

鈴木「はぁ?」

山本「あとあたし黒髪ロングだから他の人が短くなったらあたしの髪目立つじゃん」

善子「そんな理由でリリー達の髪を?」

山本「そう。あ、あとそこの国木田さんを狙ったのは髪がきれいでむかついたから。そのきれいな髪切り刻みたかったな~」

善子「ふざけてんじゃないわよ!」ブン

花丸「善子ちゃん!」ガッ

梨子「よっちゃん!」ガッ

善子「ちょっ、二人とも離して!一発ぶん殴んなきゃ気がすまない!」

花丸「殴っても意味ないずら!」

梨子「よっちゃん落ち着いて!」

善子「いくら髪がきれいでも心が醜かったら何の意味もないのよ!」

こうして、髪切り魔の事件は終わった。
その後山本は逮捕され、彼女の家からローブ等が見つかったという。

16: 名無しさん 2017/07/24(月) 16:34:49.05 ID:lZ49LM+j0
その後

梨子「よっちゃん、今回はありがとう。あと花丸ちゃんごめんね?怖い目に合わせて…」

花丸「梨子さんが謝ることじゃないずら。」

善子「そうよ。リリーは何も悪くない。」

梨子「ありがとう、二人とも。」

梨子「でもよっちゃんが花丸ちゃんを守るとこ、ちょっと見たかったかも」

花丸「あの時の善子ちゃんすごくかっこよかったずら」

善子「大切な人を守るのは当たり前でしょ」

花丸「えっ、大切な人って…」

善子「お、幼馴染みとして大切ってことよっ///」

梨子「(この二人はまだまだ時間かかりそうね)」

おしまい

17: 名無しさん 2017/07/24(月) 16:37:51.32 ID:lZ49LM+j0
ありがとうございました。
途中でレス下さった方、ご指摘ありがとうございます。
次回はもうちょいクオリティ上げたい