【艦これ】総司令部の日常(前編)

374: 名無しさん 2015/10/23(金) 20:56:13.46 ID:L9SDqN0d0
こんばんは、>>1です。

今日は、リクエストにありました電&深雪の話を書いていきます。

>>372-373
  港湾棲姫、伊勢、了解しました。

それでは、投下いたします。

引用元: ・【艦これ】総司令部の日常

235: 名無しさん 2015/10/10(土) 09:48:44.62 ID:Guya93FSO
乙です
1が見てみたいな

375: 名無しさん 2015/10/23(金) 21:03:42.53 ID:L9SDqN0d0
 ―1時過ぎ、演習海域―

深雪「はははは!いいぜ、こんなに楽しい演習は初めてだぁ!」ザザザザ

霧島「ちょっと深雪、1人で突っ込み過ぎよ。少し皆とスピードを合わせて…」

深雪「あ、そっか…危ない危ない…」ザザザ

榛名「まあ、久々の夜間演習にはしゃぐ気持ちはわかりますけど…」

吹雪「敵艦隊メンバーは確か…扶桑さん、山城さん、五十鈴さん、由良さん、雷ちゃん、そして電ちゃんだったよね?」

霧島「ええ、その通りよ。よく覚えていましたね」

吹雪「いやぁ、それほどでも…」テレ

深雪「電……電……」ガクブルガクブル

霧島「み、深雪?どうかしたの?」

比叡「あちゃー、深雪のトラウマスイッチ押しちゃいましたか~」

深雪「だ、大丈夫大丈夫、問題にゃし」

霧島「あるの?無いの?」

深雪「と、とりあえず……想定敵艦隊は、この島の裏側あたりにいるんだろ?じゃあ、島を回り込んで―」ザザザ


電「あ」

深雪「え」


ドカッ

深雪「ぎゃふん!?」

電「へぶっ!?」

霧島「深雪!!」

扶桑「電ちゃん!!」


零式水上偵察機『演習中止。演習中止。負傷者は直ちに鎮守府へ帰投せよ』

376: 名無しさん 2015/10/23(金) 21:10:58.75 ID:L9SDqN0d0
【衝突、トラウマ注意】

 ―6時過ぎ、執務室―

霧島「……と言うわけで、演習は中断となりました」

提督「分かりました……それにしても、また衝突ですか」

霧島「また、とは?」

北上「ちょっと前にね、最上さんと三隈さんがぶつかっちゃって、途中撤退を余儀なくされちゃったんだよ~」

霧島「そんな事が……」

提督「それにしても、霧島さんのリフレッシュも兼ねて夜間演習を行ったというのに……」

霧島「あ、そんな目的だったんですか?ありがとうございます……」

提督「今日はお休みください。と言うか休め」

霧島「ええ…そうさせていただきます」

提督「それにしても、電さんと深雪さんが衝突するのって、今日が初めてではありませんよね?」

北上「あー、そうだねぇ。確か、あたしが記憶している限りだと~……」


 ―数日前、食堂―

深雪「吹雪~、あっちで食べようぜ~」

吹雪「うん、いいよ」

深雪「いやぁ、それにしても間宮さんのご飯はいつも美味しそう―」

電「ああっ!?」

深雪「げっ」

ドカッ

電&深雪「あぅっ!?」ガシャーン

吹雪「誰か、衛生兵!衛生へーい!!」

377: 名無しさん 2015/10/23(金) 21:17:21.81 ID:L9SDqN0d0
 ―昨日15時過ぎ、広場―

深雪「あー、草原に寝っ転がるのって、すげー気持ちいい~」ゴローン

初雪「…同じく、同意」ゴローン

深雪「あー、なんだか眠くなってきた……寝ようかな…ふわぁ」

初雪「…賛成」

電「ごろごろごろごろ~、なのですうううう」ゴロゴロゴロ

深雪「え?」

ゴスッ

深雪「げうっ!?」

初雪「あ」


北上「とかあったね~」

提督「なんだこのデジャヴ」

北上「それだけたくさん衝突してるって事じゃないの~?」

提督「衝突と言うか殺しにかかっていませんか」

北上「実際…どうすればこんな事ってなくなるのかなぁ~…」

提督「…大体、こういう事象って、個人の中にあるトラウマが根幹なんだと思いますけどね」

北上「?どーゆーこと?」

提督「電さんと深雪さんは、それぞれ相手にぶつかったことがトラウマであるから、そうならないように注意しようとしているのでしょう。しかし、

   それと同時に、そのトラウマに気を取られてしまっている…」

北上「?」

提督「つまり、2人は無意識の間にそれぞれ相手の事を意識してしまい、結果的にまた同じことを繰り返してしまうというわけですよ」

378: 名無しさん 2015/10/23(金) 21:27:30.58 ID:L9SDqN0d0
北上「あ?えー…うーん……」

提督「…高速道路で隣の車線を走っている車に気を取られていると、自然とその車の方に向かって行ってしまう、と言った感じですかね」

北上「余計わからない……」

提督「まあ、ぶつかりたくないと意識していると、逆にぶつかってしまうというわけですよ」

北上「なるほどね~……」

提督「トラウマと言うものは、中々忘れる事ができないものです。赤城さんも、ミッドウェーのトラウマを忘れるのに、何年かかった事か…」

北上「え、そんなにかかったの?」

提督「…電さんと深雪さんの事も考えていましたよ?衝突させないために、部屋割りや遠征艦隊、出撃艦隊、果ては入浴する順番も調整したりして……」

北上「そんな事してたんだ…。じゃあ、何で今回の夜間演習でお互いを別々の艦隊に配備したの?余計ぶつかる可能性も高かったのに…」

提督「…2日連続の徹夜で疲れてて、気が回りませんでした」

北上「提督も休みなよ……」

提督「しかし、いつまでもこんな風に調整していると、色々面倒なんですよね…編成を考えたり生活関係を変えたりするのが…」

北上「だろうね……」

提督「……と、もうすぐ朝礼の時間です。そろそろ向かいましょう」

北上「あ、そうだね。いやあ、朝ごはん何かな~」

提督「コッペパンと目玉焼きだそうですよ」



 ―14時過ぎ、執務室―

提督「支援部隊の要請?」

北上「うん。第質鎮守府から、長距離出撃をするんだけど、支援をしてほしいんだって」

提督「ああ……囮機動部隊支援作戦ですか」

北上「そそ、明日のフタロクマルマル(26時00分)にお願いしたいんだって」

提督「……それなら、ちょうどいい」

北上「え?」

379: 名無しさん 2015/10/23(金) 21:42:33.83 ID:L9SDqN0d0
 ―15時過ぎ、執務室―

深雪「はぁ!?あたしと電が同じ艦隊で遠征!?」

提督「ええ。出撃要請が出た、囮機動部隊支援作戦は、駆逐艦2隻を編成する必要があるんです。その2隻を、貴女と電さんに任せたいと思いまして」

深雪「待て待て待て!電とあたしが何度もぶつかっている事はわかっているよな!?」

提督「もとより承知の上です。そしてそれは、貴女と電さんの心の底にあるトラウマが原因という事も分かっています」

深雪「…トラウマ……」

提督「そのトラウマを克服するためにも、早く電さんと良好な関係を結べれば、艦隊の士気も上がると思いましたから」

深雪「………うう…」

提督「嫌でしたら別に断っていただいても……」

深雪「…いいぜ」

提督「お」

深雪「いいぜ、やってやる!この際だ、トラウマなんて吹っ飛ばしてやるぜ!」

提督「おお、すごい気力ですね」

深雪「任せとけって!この深雪様がいれば百人力―」ガチャ

電「あっ」

ゴスッ

深雪「うそん!?」

ドサッ

提督「コントか」

北上「まったく笑えないけどね…」


電「深雪ちゃんと電が同じ艦隊で遠征、ですか」

提督「ええ。貴女たちのトラウマを治す事も目的としたのですが、嫌でしたら断っていただいても構いませんけど」

電「いえ、やります。電、この心の奥底に燻ぶるトラウマを何とかしたいと日々思っていたのです。ですから、この機会に克服しようと思います」

提督「…電さんは、存外意志の強いお方なのですね」

電「よく言われるのです」

380: 名無しさん 2015/10/23(金) 21:50:49.93 ID:L9SDqN0d0
 ―翌日21時、執務室―

祥鳳「ではこれより、祥鳳率いる第二艦隊、囮機動部隊支援作戦へ向かいます!」

提督「よろしくお願いします。それと、深雪さんと電さんには十分に注意を払ってください」

祥鳳「…味方の艦隊に十分注意を払うって、どういうことですか…」

パタン

提督「ふぅ。旗艦に祥鳳さん、後は瑞鳳さんに妙高さんと那智さん……しっかり者をそろえる事で衝突を未然に防ぐ…」

北上「うまくいけばいいね~」

提督「そうあってもらいたいですけどね」



 ―2時過ぎ、支援海域―

妙高「電ちゃん!こっちよ、こっち!」

電「え、でもそっちの敵艦隊は向こうの艦隊より数が少ないんじゃ……」

那智「こっちは危険だ!私と深雪でやる!」

妙高「那智の言う通りよ、電ちゃん!あの艦を叩くのを手伝って!」

電「は、はいなのです!」

妙高(意図的に2人を離す事で、2人の意識からお互いを遠ざけさせる)

那智(そして徐々に距離を縮めていけば、いずれ問題なく2人は接せられるはず!)


 ―数時間後―

電&深雪「やああああああああああああっ!!」ズッドオオオオオン

空母ヲ級「グオオオオオオ…」撃沈

電「やったのです!」ハイタッチ

深雪「いえー!!」ハイタッチ


 ―7時過ぎ、執務室―

提督「うまくいったようですね」

北上「そうみたいだねー」

提督「……まあ、2人がぶつかって支援どころじゃ無くなれば、前に私の艦隊を演習でぼこぼこにしたうえで私の事をバカにしてきた愚かな提督に、

   一矢報いる事ができたんですがね」

北上「この提督最低だっ!?」


【終わり】

381: 名無しさん 2015/10/23(金) 21:59:04.71 ID:L9SDqN0d0
【キャラクター紹介】

≪深雪≫

吹雪型駆逐艦四番艦。艦娘No.14。いつでも元気溌剌な、ポジティブな女の子。場の雰囲気を盛り上げてくれるムードメーカーであり、士気高揚の役目も。

かつて電と衝突して沈んでしまった事がトラウマとなっていて、日常的に電と衝突する事が多々あったが、囮機動部隊支援作戦によって克服する事に成功。

普段は吹雪型の皆と一緒に行動していることがあり、遠征や演習も大体同じ艦隊。突っ走り過ぎて失敗する事もよくある。けどへこたれない。

好きな言葉は『猪突猛進』。


≪電≫

暁型駆逐艦四番艦。艦娘No.74。ちょっとおどおどした雰囲気の、ドジっ子な女の子。普段は意志薄弱な感じの発言が目立つが、その意思は結構強い。

かつて深雪に衝突してしまった事がトラウマで、深雪と衝突する事が頻繁に起こっていたが、囮機動部隊支援作戦をきっかけに克服、深雪と仲良くなる。

暁型の末妹という事もあってか、他の3人の後ろからついていくという感じのポジションだが、ぷらずまモード(>>0�になると誰もが怯える存在に。

好きな言葉は『汝平和を欲さば、戦への備えをせよ』。


[ぷらずまモード]

電の黒い一面。普段は沈んだ敵も助けたいと言っているが、その言葉とは裏腹に敵を容赦なく沈める姿を見て、響がこう名付けた。このモードになると、

普段の電からは認められないようなどぎつい発言、凶悪な行動が目立つようになる。

382: 名無しさん 2015/10/23(金) 22:00:50.99 ID:L9SDqN0d0
今日はここまでにします。

>>333
 電&深雪の話、いかがでしたか?お気に召さないようでしたら申し訳ございません。


明日は>>1の都合上、投下できません。次の投下は、明後日の10月25日の午後9時以降、リクエストにありましたビスマルクの話を書いていく予定です。

>>1の都合で投下できず、申し訳ございません。


感想・リクエスト等があればお気軽にどうぞ。

それではまた明日。



もう、MVPは敵艦隊旗艦を撃沈したキャラにしてくれませんかね……。

387: 名無しさん 2015/10/25(日) 21:07:39.10 ID:E4DwzEgl0
こんばんは、>>1です。

今日は、リクエストにありましたビスマルクの話を書いていきます。

>>384
  電(ぷらずま)、了解しました。

それでは、投下いたします。

388: 名無しさん 2015/10/25(日) 21:11:45.24 ID:E4DwzEgl0
 ―11時過ぎ、倉庫付近―

白露「それでねー」

時雨「そうなんだ…知らなかったよ」

村雨「それで気づいたら臭くってさ~」

夕立「あははっ」

提督「ほらほら、貴女たち」パンパン

白露「あ、提督…」

提督「貴女たちには確か、資材倉庫の中身を整理するように言いましたよね?終わりましたか?」

白露「あ、ごめんなさい、まだです!」

時雨「ちょと休憩のつもりでお話をしてたら…」

提督「では、今すぐに始めなさい。そして、12時までに終わらせてください」

村雨「了解~…」

夕立「あと一時間しかないよ…頑張らなきゃいけないっぽい…」


提督「仲が良いのは良い事ですが、度が過ぎるとだらけてしまいますね…」

提督「どう思いますか、ビスマルクさん?」

Bismarck(以下ビスマルク)「そうね………」

ビスマルク「一度、鍛えなおした方が良さそうね」

389: 名無しさん 2015/10/25(日) 21:21:50.72 ID:E4DwzEgl0
【生真面目ドイツ艦】

 ―7時過ぎ、講堂―

提督「最近、皆さんの行動に若干のだらけが見られるようになってきました」

ざわざわ……

提督「戦闘における弾薬の無駄撃ち及び命中率と敵艦撃滅率の低下、さらに報告書提出の遅れに個々人の仕事の進捗率の遅さ……。それらの裏側には、

   皆さんの怠けがあると思われます」

加賀「……一理あるわね」

提督「艦娘の体や海軍の仕事に慣れてきた頃になって、気が緩んでしまうものです。そして、とんでもないような事故につながる…」

提督「それを防ぐために、本日から一部の艦娘に対して再教育を実施する事になりました」

『え~…マジかよ~…』

『教育って、勉強?』

『うわぁ~…眠くなる自信ある…』

提督「再教育を受ける対象は、艦種を問わずネームシップ(一番艦)全員と、私が再教育を必要とすると判断した方となります。再教育を受けるメンバーは、

   後ほど食堂前の掲示板に掲示いたします。また、講師の方はビスマルクさんと加賀さんとなりますので、ご了承ください」

ざわっ!?

『ビスマルクさんって…マジかよ』

『ぜってー厳しいぞ……』

提督「では、よろしくお願いいたします」

390: 名無しさん 2015/10/25(日) 21:32:58.56 ID:E4DwzEgl0
 ―10時過ぎ、会議室―

ビスマルク「と言うわけで、再教育の指導をするビスマルクよ。ビシバシ行くから、覚悟しなさいね」

初雪「もう……モチベーション下がる…」

望月「だよなー…あー、かったりー…」

ビスマルク「ほらそこの2人!机に顔をつけない!」

初雪&望月「あーい…」

ビスマルク「返事は‶はい‶でしょ!」

初雪&望月「はい…」

天龍「うわ…厳しいな……」

ビスマルク「天龍!」

天龍「お、おう?」

ビスマルク「頬杖を突かない!」

天龍「お…は、はい」

ビスマルク「それじゃあ最初は12時まで座学と行くわよ。休憩時間は1回だけ、5分間よ」



 ―13時過ぎ、演習海域―

ビスマルク「まずは港湾淵を10周!周回遅れになった者は5周追加!」

初雪「……………疲れた…帰りたい……」ザザザザ

望月「……めんどくせー……」ザザザザ

ビスマルク「ほらほら、そこの2人!あんまりだらけてると、一カ月テント生活にするわよ!」

初雪&望月「!!!」ザザザザザザザザザザザザザザザザザザザザ

天龍「なんつー殺し文句を…」

391: 名無しさん 2015/10/25(日) 21:53:06.52 ID:E4DwzEgl0
 ―18時過ぎ、執務室―

提督「いかがでしたか?」

ビスマルク「初日からきっつい子が何人もいたわね…。初雪と望月のダウナーコンビはもちろんだけど…講義中におしゃべりをしだす子もいたり…」

提督「思ったより深刻ですね……」

ビスマルク「ここの鎮守府は規律が緩いみたいじゃない。ドイツの決まりも取り入れたらどうかしら?」

提督「いえ、前にも言いましたがここは総司令部の仕事もありますから、規律は少し緩くしないと心の余裕が無くなってしまいますので……」

ビスマルク「そんな事を言ってるから、今みたいな状況になったんじゃないの」

提督「まあ、そうですけどね……」

司令長官「いいんじゃないの?今のままでいても」

提督&ビスマルク「?」

司令長官「あんまり規律とかで抑え込んじゃうと、本当に心の余裕が無くなっちゃって、ただ命令に従って働くだけの存在になっちゃうよ?」

提督「…………………」

司令長官「皆がだらけてるのは儂の目から見ても明らかだけど、最後には『今後は気を付けるように』って注意した方がいいと思うよ」

ビスマルク「…………そうね、そうした方がいいかしら」

提督「…確かに、人間である以上、怠けるって事もありますよね」

司令長官「……それにしても、ビスマルク君は規律に厳しいね」

ビスマルク「厳しいというか、規律に従っていないと何だか気が済まないのよね」

提督「その辺は、勤勉で真面目なドイツ人と同じと言う感じですね」

ビスマルク「日本はドイツに負けず劣らず真面目って聞いてたけど、案外そうでもないようね。あの怠けようを見たら」

提督「あの年代の子供たちは、あれくらい自由な方がいいんですけど、ここは海軍ですからそうもいかないんですよね…」

司令長官「そう言えば、ビスマルク君は長門君に似てるって、黎明君前に言っていたよね?」

ビスマルク「?どういう事?」

提督「ビスマルクさんは、どこか長門さんと似ていると少しだけ思ったんですよ」

392: 名無しさん 2015/10/25(日) 22:08:50.17 ID:E4DwzEgl0
提督「戦闘では、旗艦としての任務を全て一任できるほどの頼れる指揮能力と観察眼、先ほどは厳しい態度を見せていましたが、本当は優しく、

   みなさんを気遣う心を持っている、など長門さんと似ているんですよね」

ビスマルク「へー?長門も、そんな風なんだ?」

提督「ええ。さらに、ビスマルクさんはヨーロッパ最強の戦艦と謳われていたそうですし、日本の誇りである長門さんとも、どこかしら似ていますからね」

司令長官「ああ、確かに。それに、艦娘になった今の姿も、どこか似ている感じがするしねぇ」

提督「ビスマルクさんの指揮能力はとにかくすごいですよ?この前の西方海域でも…」


 ―数日前、カレー洋制圧戦―

吹雪「で、電探に感あり!」

飛鷹「え、嘘!?まだ会敵予想区域に入っていないじゃない!」

蒼龍「やだやだ、こんなとこでハプニング!?」

叢雲「ちょっ、どうすんのよ!?」

ビスマルク「皆落ち着きなさい!!」カッ

全員「!!」ビクッ

ビスマルク「吹雪、敵艦隊の編成はわかる?」

吹雪「は、はい!空母ヲ級3隻、重巡リ級1隻、軽巡へ級2隻です!」

ビスマルク「なるほど……空母中心の艦隊か……。よし、全員輪形陣。中心は蒼龍と私で、前方に古鷹、後方に叢雲。左舷に飛鷹、右舷に吹雪。

      輪形陣を軸とし、複縦陣を取る場合は私が合図を出すわ。それと、敵艦隊の位置はわかってるわね?」

吹雪「はい!」

ビスマルク「飛鷹と蒼龍は烈風と彩雲を飛ばして、敵艦のクラス(elite、flagship)を確認。確認次第報告して」

飛鷹&蒼龍「了解!」

ビスマルク「かかるわよ!」


ビスマルク「ああ、あの時の事ね。別に大したことはなかったわ」

提督「素晴らしい、これこそ戦艦に求められる能力の1つですね」

司令長官「そうだねぇ。そんな風にスパッと指示を出せる子ってそういないからねぇ」

ビスマルク「あら、そうなの?」

提督「ええ。シスコン過ぎて姉を守る事を第一にしか考えていない方や、食べ物事しか考えていない方なども…あ、よろしければその方たちの再教育、

   お願いしてもよろしいでしょうか?」

ビスマルク「ばっちこいよ」

司令長官(ある意味この2人って、混ぜたら危険なんだよなぁ~)


【終わり】

393: 名無しさん 2015/10/25(日) 22:18:08.29 ID:E4DwzEgl0
【キャラクター紹介】

≪Bismarck/ビスマルク≫

Bismarck級戦艦一番艦。艦娘No.171(改はNo.172、zweiはNo.173、dreiはNo.178)。長い金髪と引き締まったボディが特徴の頼れるお姉さん。勤勉な国、

ドイツの艦であるためか、本人もとても真面目で勤勉な性格で、緩んだ規則が大嫌い。しかしルールやマニュアルに固執してしまうところもあるため、

たまにひどい目に遭うことも。ビールが大好きで、いくら飲んでも酔わない。だが日本酒はあまり好きではない様子。料理は全体的に‶素材で食え‶。

好きな言葉は『勤勉無しに賞はない』。

394: 名無しさん 2015/10/25(日) 22:20:10.69 ID:E4DwzEgl0
今日はここまでにします。

>>345
 ビスマルクの話、いかがでしたか?少々疲れてしまっていたため、話が短めになってしまいました。

  お気に召さないようでしたら申し訳ございません。


明日は、憲兵に関する話を書いてきます。

感想・リクエスト等があればお気軽にどうぞ。

それではまた明日。



艦これをやっていると、好きな艦娘がコロコロ変わってしまう…。

398: 名無しさん 2015/10/26(月) 21:02:21.36 ID:gaocQxJO0
こんばんは、>>1です。

今日は、憲兵に関する話を書いていきます。

それでは、投下いたします。

399: 名無しさん 2015/10/26(月) 21:04:29.08 ID:gaocQxJO0
 ―10時過ぎ、執務室―

天龍「提督、通信が届いたぜ」

提督「ご苦労様です。では、確認させていただきます」

天龍「おう、よく読んどけよ」

提督「当然です」ペラッ

天龍「さてと、この書類こっちの棚に入れておくぜ」

提督「お願いします」

天龍「どっこいせっと……」

提督「………………」

天龍「よっと…」

提督「…………事案発生か」

天龍「はっ!?」

400: 名無しさん 2015/10/26(月) 21:10:54.21 ID:gaocQxJO0
【憲兵団】

天龍「い、今なんつった?事案?」

提督「ええ、それも、よろしくないものです」

天龍「何があったんだよ?」

提督「第肆拾玖鎮守府にて、工廠の整備員が艦娘に対して乱暴をしたとの報告がありました」

天龍「ん?整備員っているのか?ここにはいないが」

提督「整備員は、各鎮守府の提督が総司令部の許可を取れば雇う事が許されているんです。まあ、その鎮守府への資金の数パーセントは、

   整備員の給料となります」

天龍「はーん…ウチは雇えないんだっけ?」

提督「世間の目も気にしなければいけませんからね」

天龍「…艦娘への乱暴って……」

提督「まあ、ええ…はい。女性への乱暴って言ったら…アレしかありませんが」

天龍「……第肆拾玖鎮守府の資料を持ってくる」

提督「お願いします」


 ―数分後―

天龍「持ってきたぜ」

提督「ご苦労様です。さて……」ペラペラ

天龍「…………………どうだ?」

提督「資料によれば、2年前に第肆拾玖鎮守府の提督は、工廠で働いている明石さんの負担を減らすために総司令部に整備員を雇う許可をもらい、

   十名ほどの男性整備員を雇ったようです」

天龍「…………」

提督「…で、今回乱暴をされたのは明石さんと、そのほか数名の艦娘の方です。まったく、これでは本末転倒もいいところですね」

天龍「なんツー提督だそいつ…」

401: 名無しさん 2015/10/26(月) 21:19:47.92 ID:gaocQxJO0
提督「おまけにこの提督、整備員への給料を、明石さんやそのほかの艦娘の体を明け渡す事で減らしていたようです」

天龍「うわ……」

提督「これは看過できません。憲兵団に調査を依頼したうえで、こちらでも調査をし、なおかつその提督をクビにします」

天龍「ん?憲兵団?」

提督「何か?」

天龍「…前々から気になってたんだが、憲兵団って何なんだ?」

提督「憲兵団は、陸軍大臣の管轄に属していますが、海軍における軍事警察や行政警察、司法警察も職務としています」

天龍「????」

提督「…まあ、陸海軍直属の警察と思ってもらって構いません」

天龍「お、おう……」

提督「…まあ、鎮守府側がしらを切ろうとしても、絶対と言われている妖精さんネットワークでリークされてきた情報に偽りはありえませんし、

   それをたたきつける事にしましょう」

天龍「妖精さんネットワークって……」

提督「詳細は省きますが、各鎮守府の事情を監視している妖精さんから総司令部に情報がリークされますので、その情報は絶対と言える信頼性があります」

天龍「へー…」

提督「そう言えば……憲兵団の本部も視察に行かなければなりませんね…」

天龍「ん?憲兵って陸軍直属なんだろ?それなのに視察に?」

提督「ええ。一応、決まりですから」

天龍「……なあ、俺も行っていいか?」

提督「?」

天龍「話に訊いてた憲兵ってやつがどんなのかが見てみてぇ!」

提督「まあ、構いませんけどね。では、憲兵司令官と掛け合ってみましょうか」

天龍「頼むぜ」

提督「……ああ、一応言っておきますけど、現在の憲兵司令官って女性で私の高校時代の同級生なんですよ」

天龍「!?」

402: 名無しさん 2015/10/26(月) 21:31:00.14 ID:gaocQxJO0
 ―数日後、憲兵本部・玄関口―

憲兵司令官(以下城)「どうも~、憲兵司令官の城 瑠璃(じょう るり)でーす」

天龍(こんな奴が、憲兵司令官?)

提督「お久しぶりです、瑠璃さん」

城「久々だねぇ、黎明君。私が憲兵司令官になった時以来かな?」

提督「大体その時ぐらいですね。と、それより例の案件ですけど」

城「あー、はいはい。あのブラック鎮守府の話ね」

提督「こちらが、その第肆拾玖鎮守府の資料及び、そこに雇われている整備員たちのリストです」

城「ご苦労様ね~。それにしても、まーたこんな事件か」

提督「最近、多くなってきましたからねぇ。動物における発情期でしょうか」

天龍「発情期って……」

城「ホントだよね、まったく、そんな奴ら全員死ねばいいのに」

提督「同感です」

天龍「死っ…!?」

城「あ、そっちのケモミミの子は艦娘の子かな?」

天龍「ケモミミじゃねえ!天龍だ。よろしくな」

城「よろしく、天龍ちゃん」ニコ

提督「ああ、それと先日述べた通り憲兵本部の視察もしたいのですが」

城「あ、それはオッケーだよ。入って入って~」

提督「では、失礼いたします」

天龍「失礼するぜ~…」


 ―1階―

城「1階は主に、歩兵科、砲兵科、騎兵科の部署があるね。それと、食堂と酒保。24時間オープンだね」

天龍「え、酒保もあるのか。それに、24時間?」

城「うん、私らは仕事上決まった時間に食事を取る事が難しいからね。そんなわけで、食堂酒保は24時間。私がそうさせたんだ」

天龍「へー…なんか、提督と同じような感じだな」

403: 名無しさん 2015/10/26(月) 21:39:47.09 ID:gaocQxJO0
 ―2階―

城「2階は、獣医部、経理部、軍学部、衛生部の部署があるよ」

提督「皆さん、静かに自分の仕事に取り組んでいますね」

城「いやー、普段はもっとみんなわいわいしているんだけど、私が昨日『明日海軍の司令長官補佐官が来るからね』って言ったら、

  皆急に自分のデスク回りとか掃除し始めちゃって」

提督「貴女が原因ですか」

城「あ、勘違いしないでね?皆普段はふざけてるってわけじゃないから。そりゃあ、皆には個性ってものがあるから、皆の個性は大切にしているし…。

  だからってふざけすぎるのはいけないけど」

ピリリリ

提督「あ、すみません。司令長官からです。ちょっと、席外しますね」タタタ

城「はいはーい、ごゆっくり~」

天龍「…なんだか、城さんって俺たちの提督と似ているな」

城「?どうして?」

天龍「俺たちの提督は、俺たちの個性をちゃんと理解したうえで、俺たちの事を指揮してくれてる。自己中心的な規則を押し付けたりはしないでな」

城「…そっか、私は黎明君と似ているのか」

天龍「?」

城「…嬉しいな」

天龍「……へ?」

城「あ、ごめんね?変な事言っちゃって」

提督「すみません、お待たせいたしました」

城「いいっていいって。じゃ、次行こうか」

404: 名無しさん 2015/10/26(月) 21:46:48.01 ID:gaocQxJO0
 ―寮付近―

城「ここが憲兵たちの寮。こっちが男子寮で、向こうが女子寮。それぞれの寮の中に、浴場があるよ。ここは流石に、中は案内できないかな」

提督「…一応確認しておきますが、中は散らかり放題なんてことはないですよね?」

城「いやぁ…それは私も分からないかな…。よく点検で女子寮の方は行くけど……」

憲兵「司令官。今、お時間よろしいでしょうか?」

城「あ、呼ばれちゃった。ちょっとゴメンね」タタタ

提督「分かりました」

天龍「……なあ、提督」

提督「はい?」

天龍「…あの城さん、過去になんかあったのか?」

提督「?」

天龍「…いや、何か色々と発言に何か引っかかるものがあるような気が……」

提督「……実は、これはあまり言いふらしていい内容ではないのですが…」

天龍「…?」


提督「……城さん、高校時代の頃に男子生徒に犯されかけた事がありまして」


天龍「!?」

提督「まあ私があの時助けに入った事で未遂で終わりましたし、その男子生徒は退学処分を受けましたが、城さんは心に大きな傷を負ってしまいました…」

天龍「………………」

提督「私があの時、あの人を励ましたので何とか立ち直りました……そして、その男性に対するトラウマを胸に、彼女は憲兵を目指したそうです」

天龍「……だから、女性に乱暴する提督なんて死ねばいいのに、何て言ってたのか」

提督「ええ。察してあげてください」

天龍(じゃあ、提督はあの人のそばについていてあげたから…)

城『…嬉しいな』

天龍(……つまり、城さんは提督の事を…)

405: 名無しさん 2015/10/26(月) 22:00:55.75 ID:gaocQxJO0
城「ごめんねー、ちょっと遅れちゃった」

提督「いえ、お気になさらず」

城「それで、さっきあの子から誘われたんだけど、今夜一緒に飲まない?」クイクイ

提督「?いいんですか?憲兵も多忙でしょう?」

城「いやいや、そんなことないって。そんなしょーもない理由で通報してくるバカな輩もいないし」

提督「でしょうね。憲兵と警察は違いますし。アホな通報をしてくる奴もいないでしょうしね」


 ―19時半過ぎ、食堂(居酒屋モード)―

ワイワイ、ガヤガヤ

城「はっはっはー!今日はこの私のおごりだぞー!皆存分に飲むがいい~!」

『うおおおお!流石司令官!』

『俺たち、一生ついていきまーす!!』

『太っ腹~!!』

城「だーれが太ってるって~!?」

ハハハハハ

天龍「城さんのモチベーションアップスキル、ぱねぇ…」

提督「元々、彼女は皆を盛り上げるような立ち位置でしたからねぇ」

天龍「…こんな事言うのもアレだけど、城さんって……」


城「ほら君君~!もっと食わんといかんぞ~!男の子はもっと食べないとなぁ~!!」

憲兵「えー、ちょっともう食えないし飲めません…」

城「なーに言ってんの!若いんだからもっと行ける行ける!」


天龍「もう過去のトラウマ忘れちまってるんじゃ……」

提督「……憲兵の皆さんの大半は、彼女のトラウマを知っています。そして、それを知ったうえで彼女に付いて行っているんです。ですから―」


憲兵「おーい!駆逐艦娘に乱暴をしようとした提督がいるって通報があったぞー!!」

城「出動可能な憲兵は直ちに準備して出動!そのくそったれな提督を私の前に連れて来い!引導を渡してやる!!必要なら撃ち殺しても構わん!!

  女性に乱暴する輩など、地獄に落としてしまうのだ!!!」

『うおおおおおおおおおお!!!』

『やったるでえええええええ!!!』

『ヒャッハー!汚物は消毒だぁ!!』


天龍「……ああ、城さんのトラウマと、みんなのモチベーションを上げるスキルがあって、憲兵団の結束力は強まっていくんだな…」

提督「ちょっと待て、駆逐艦娘に乱暴しようとしたクソ提督どいつだ」


【終わり】

406: 名無しさん 2015/10/26(月) 22:05:40.17 ID:gaocQxJO0
【キャラクター紹介】

≪城 瑠璃(じょう るり)≫

陸軍憲兵司令官。年齢は26歳。皆のモチベーション上げる統率力を併せ持つ、元気はつらつな女性。高校生時代は3年間、斑提督と同じクラスだった。

その明るい性格と裏腹に、過去に男子生徒に犯されかけたというトラウマを持っている。そのトラウマを胸に抱いて憲兵になる。女性に乱暴する輩は、

全員滅んでしまえと考えている。その事もあり憲兵団の皆は彼女の事をとても尊敬している。トラウマの一件以来、提督に想いを寄せている。

好きな言葉は『言わぬが花』。

407: 名無しさん 2015/10/26(月) 22:10:11.61 ID:gaocQxJO0
今日はここまでにします。

憲兵の話、いかがでしたか?


明日は>>1の都合上、おそらく投下できません。

次の投下は、明後日の10月28日の午後9時以降、リクエストにありました赤城の話を書いていく予定です。

>>1の都合で投下できず、申し訳ございません。


感想・リクエスト等があればお気軽にどうぞ。

それではまた明日。




艦これではよくある事。

1戦目で中破に追い込まれてしまった艦娘が、2戦目で空母にピンポイントで攻撃されて大破になり、撤退せざるを得なくなる。

(そして悔しさにまみれて机を叩き、手が痛くなる)

411: 名無しさん 2015/10/28(水) 21:37:00.89 ID:crjCJz7T0
こんばんは、>>1です。遅くなってしまい、申し訳ございません。

今日は、リクエストにありました赤城の話を書いていきます。

>>408
  香取、了解しました。

それでは、投下します。

412: 名無しさん 2015/10/28(水) 21:43:38.77 ID:crjCJz7T0
 ―13時過ぎ、ジャム島攻略作戦・Dマス(東方派遣艦隊)―

赤城「第一次攻撃隊、発艦してください!」ビシュッ!

キイイイイイイイインン

隼鷹「はー、いつ見ても綺麗なV字だねぇ」

響「…空ぁに~、憧れて~♪」

金剛「その歌は割とシャレにならないネー…」

バババババババババ

重巡リ級flagship「グオオオオオオ……」中破

軽母ヌ級elite×2「ガアアアアアア…!!」大破

隼鷹「よっし、敵の空母の無力化に成功っと!」

赤城「気を抜いてはいけません。いくら空からの脅威を消したとしても、私達の身が安全とは言えませんから」


 ―数時間後―

赤城「第二次攻撃隊、発艦!!」ビシュゥッ!!

キイイイイイイイイイイイイン

重巡リ級flagship「!!」ギロッ

ダダダダダダダダダダダダ

ズッドオオオオン

重巡リ級「ガ…アアアア…」撃沈

赤城「…よし、敵艦隊の撃滅に成功しました!」

隼鷹「いやー、疲れたねぇ~帰ったら酒でも飲みたいなぁ」

赤城「私はおやつが欲しいですけどね」

413: 名無しさん 2015/10/28(水) 21:53:29.49 ID:crjCJz7T0
【一航戦の代表】

 ―16時過ぎ、執務室―

赤城「―報告は以上になります」

提督「ご苦労様です、損傷を負った方の入渠は済んでいますか?」

隼鷹「ああ、響と金剛さんは、もう入渠ドックへ向かわせたよ」

提督「結構です。では、損傷を負わなかった貴女たちも、補給を済ませたら休んで構いません。詳細な報告書は、明日の夜フタマルマルマル(20時00分)

   までに、お願いします」

赤城「はい、分かりました!」

隼鷹「あー…今夜は祝杯上げようかなぁ~」

赤城「私もお腹が空いてしまいました……」

提督「…それは、暗に私に奢れと言っているんですか」

隼鷹「うん」

赤城「あ、気づきました?」

提督「……まあ、貴女方空母のおかげで目立った損傷も負わずに済みましたし、いいでしょう。今夜は奢って差し上げます」

隼鷹「っしゃー!そんじゃ、明日も頑張るからねぇ~。赤城さんも居酒屋でいい?」

赤城「ええ、構いませんよ?」

提督「…手持ちは、ありますね」


 ―20時過ぎ、≪居酒屋・匠≫―

隼鷹「外の居酒屋ってのも、またいいもんだねぇ」

提督「今日は鳳翔さんの店がお休みですし、仕方がありませんね」

赤城「居酒屋って好きなんですよねぇ~。色々なメニューがありますし、雰囲気も好きですし…」

414: 名無しさん 2015/10/28(水) 22:02:04.62 ID:crjCJz7T0
 ―数分後―

隼鷹「そんじゃ、かんぱーい!」つ焼酎

赤城「かんぱーい!」つビール

提督「乾杯」つコーラ

隼鷹「んぐっ、んぐっ。ぷはぁ!!」

赤城「………………ふぅ。提督は、お酒は嗜まないのですか?」

提督「いえ、別に問題なく飲めますけど、明日もまた執務がありますし。貴女たちは明日は休みですけど」

赤城「あ、そうでしたね…って、ほら料理が来ましたよ!」ギラン

提督&隼鷹(戦場で弓を引くときと同じ目をしている…)

店員「お待たせしましたぁ!串焼き盛り合わせと、鶏のから揚げ、ポテトフライになりまーす!」コトッ、コトッ、コトッ

赤城「わぁ……!」キラキラ

店員「ごゆっくりどうぞー!」

提督「では、いただきましょう」

赤城「いただきます!」

隼鷹「いただきまーす」

赤城「ん~…!美味しい…!鶏のから揚げの肉汁が口の中にあふれて…!」キラキラキラ

隼鷹「まったく……昼の戦闘見てからこの赤城さん見ると、全然一航戦って感じがしないぜ」

提督「まあ、威厳のある一航戦とはいいがたいですね」

赤城「もう、何ですか2人とも私の事を食いしん坊みたいな言い方…」

隼鷹「……いや、串焼きと唐揚げの大半を1人で食っちまうあたり食いしん坊だろ」

提督「私と隼鷹さんの分もちゃんと取っておいてくださいね」

赤城「分かっていますって、私もそこまで鬼ではありませんから」

415: 名無しさん 2015/10/28(水) 22:11:05.81 ID:crjCJz7T0
 ―数十分後―

提督「まあ、赤城さんの艦載機運用能力は、まさに一航戦の名にふさわしいと思いますが」

隼鷹「ああ、それはアタシもそう思ったな」

赤城「でも、私だって最初からあんな風に自由自在に艦載機を操れたわけじゃないんですよ」

隼鷹「え、そうだったの?」

提督「…そうでしたね。赤城さん、着任当初は艦載機の運用がダメダメでしたからね」

隼鷹「うーん……いまいち想像できない」

赤城「それで、私より先に着任していた祥鳳さんに艦載機の動かし方を教わったんですよ」

隼鷹「はぇ~、意外!赤城さんみたいな空母みんなの憧れが、祥鳳から教わったなんて」

提督「誰しも、最初から才能を発揮できるというわけではありません。才能と言うのは、おのずと開花していくものですからね」

隼鷹「それは、まあ分かるかな」

赤城「ええ、提督の言う通りです。かつての軍艦だった赤城は一航戦として名を馳せていましたが、着任したての時なんて……」


 ―約4年前、練習場―

赤城「うう……弓が引けない……」キリ・・・キリ・・・

祥鳳「もう少し…右腕と左腕を一直線に……」

赤城「…ぐぬぬ……」ギリギリ・・・


赤城「はぁッ!」ビシュッ

ヒイイイイイイイ

バルルルルルル

赤城「や、やりました!やっと矢が艦載機に変化しました!!」

祥鳳「それよりも、艦載機の操作に専念してください。実際に艦載機を操作しているのは妖精さんですけど、指示を送るのは赤城さん自身なんですから」

赤城「あ、そ、そうでした!」

バルルルルル

ヒュンヒュン

赤城「って…ああ!?どうして九七艦攻はそっちへ行ってしまうのですか!?ととと、九九艦爆はそっちじゃありませんって!もー!」

416: 名無しさん 2015/10/28(水) 22:20:14.48 ID:crjCJz7T0
提督「何てこと、ありましたよね」

赤城「ああ、懐かしいですねぇ~…」

隼鷹「そう言えば…あたし達、よくあんなに操作が複雑な艦載機操れてるよな…」

提督「…冷静に考えれば、元々人じゃなかった軍艦が、突然人の体を持った上に弓を引いて艦載機に乗っている妖精さんに脳内イメージで指示を送り、

   敵を撃滅するなんて、人間にも難しい事をしているんですから、驚きですよね」

赤城「ええ…そう言えば、そうですね…」

隼鷹「あー、はいはい!こんな難しい話は居酒屋には合わないって!飲もう飲もう!」

赤城「ええ、そうですね。すみませーん、もつ煮込みと冷奴を」

隼鷹「焼き鳥の砂肝!!」

提督「あ、すみません、たこわさを」


 ―数時間後―

隼鷹「ういいいい~……///」

赤城「隼鷹さん、やっぱり酔ってしまいましたね」

提督「まあ、予想通りと言うかなんというか」

赤城「私も少し、お腹がいっぱいになってしまいましたし、少ししたら店を出ましょうか」

提督「…………………」ジー

赤城「?何か?」

提督「…赤城さんとか隼鷹さんとか空母を運用すると、ボーキサイトが減るじゃないですか」

赤城「ええ、そうですよ。落としてしまった艦載機を補充するために、ボーキサイトを必要とするんですよ。それが何か?」

提督「……いえ、よく赤城さんや加賀さんなどの空母勢は、ボーキサイトを食べている、という噂を聞いた事があるんですけど…艦載機を補充するために、

   ボーキサイトを消費しているという事は、別に食べているというわけではないですよね?」

赤城「…………………………………食べていませんよ」

提督「今の間は何ですか」


【終わり】

417: 名無しさん 2015/10/28(水) 22:26:37.93 ID:crjCJz7T0
【キャラクター紹介】

≪赤城≫

赤城型正規空母一番艦。艦娘No.6。長い栗色の髪と、穏やかで優しげな雰囲気が印象的な、頼りになるお姉さん。食べ物を食べる事がとても大好きで、

休日は食べ歩きなどをしているし、食堂のメニューはいつも大盛り。頼れる一航戦として他の空母の皆から信頼されているが、着任当初艦載機の扱いは、

下手な方だった。そして、古参の祥鳳に教えてもらい腕をめきめき上げた。普段は穏やかだが、本気でキレると大爆発。ミッドウェーの記憶はトラウマ。

好きな言葉は『油断大敵』。

418: 名無しさん 2015/10/28(水) 22:29:27.84 ID:crjCJz7T0
今日はここまでにします。

>>359
  赤城の話、いかがでしたか?お気に召さないようでしたら申し訳ございません。


明日は>>1の都合上、また投下する事ができません。

次の投下は明後日の10月30日、午後9時以降にリクエストにありました港湾棲姫の話を書いていく予定です。

>>1の都合で投下できず、申し訳ございません。


感想・リクエスト等があればお気軽にどうぞ。

それではまた明日。



居酒屋は色々な食べ物が食べられるし、飲み物も結構種類があるし、雰囲気も含めて好き(ただし上司と行く場合は除く)。

421: 名無しさん 2015/10/30(金) 20:42:20.10 ID:24JQJafL0
こんばんは、>>1です。

今日は、リクエストにありました港湾棲姫の話を書いていきます。

それでは、投下いたします。

422: 名無しさん 2015/10/30(金) 20:45:29.07 ID:24JQJafL0
 私の名前は港湾棲姫。深海棲艦の1人です。

 今日は、総司令部から少し離れて、私達の話をしたいと思います。

 と言うわけで、今日のお話は、私と深海棲艦の話です。

423: 名無しさん 2015/10/30(金) 20:59:30.94 ID:24JQJafL0
【深海棲艦・港湾棲姫】

 ―15時過ぎ、カレー洋リランカ島沖・Mマス(リランカ島港湾守備隊)―

港湾棲姫「クルナ…ト…イッテイル…ノニ…」ビシュシュシュ

ズドドドッドオン

金剛「Shit!!テートクにもらった、大切な装備ガ!!」中破

利根「大丈夫か、金剛!」

摩耶「ちっ、あんの野郎…倍にして返してやる!」

港湾棲姫「ナニモ…ナニモ…ワカッテイナイ…」

 私のホームグラウンドはここ、カレー洋のリランカ島沖。ここでカレー洋の海路を寸断する役目を担っています。しかし、艦娘達も馬鹿ではありませんし、

日に日に学習して、私達を撃滅しにかかっています。死にかける事だってしばしばあります。

護衛要塞「……………」ニヤリ

港湾棲姫「護衛要塞、逸ッテハダメ。奴ラノ力ハ計リ知レナイノダカラ」

戦艦ル級flagship「シカシ、敵ノ戦艦ヲ潰シタ今、奴ラノ戦力モ半減シテイルノデハ?」

港湾棲姫「イイエ、マダ夜戦ガ残ッテイル…ソコデ倒サレテハ元モ子モナイワ…」

 私のおともには主に、護衛要塞と戦艦ル級、重巡ネ級がいます。彼女たちは、よく働いてくれる頼もしい子たちだけれど、よく艦娘の力を侮り、

見下す傾向がある、それはあまり褒められたものではありません。

 ですけど、私が説明すると…

護衛要塞「………」シュン

戦艦ル級flagship「確カニ……失礼シマシタ」

港湾棲姫「分カレバ良イノヨ」

 ちゃんと学習し、自分の非を認めます。皆、本当はいい子たちですよ?

424: 名無しさん 2015/10/30(金) 21:09:10.64 ID:24JQJafL0
 ―18時過ぎ、深海棲艦拠点―

 さて、突然ですが。皆さんは深海棲艦に対して、どのようなイメージを抱いていますか?

深海棲艦「スクラップの時間だぜェェェェェェェェェ!」

 とか。

深海棲艦「てめえらの血は何色だーっ!!」

 とか、大体こんな感じのイメージを抱いている人も少なくないはずです。

 ですが実際は……


戦艦棲姫「アッ、ばななハ卑怯ヨ!」キュキュキュ

戦艦レ級「フフーン、ばななダケジャナイヨ。ぼむ兵ダッテアルモンネ!」ピューン、ドーン

戦艦棲姫「アーッ!?こーすあうと…」

離島棲鬼「アーア、戦艦棲姫弱ーイ」

泊地水鬼「ア、アノ…皆さん夕飯何ニシマスカ…?」

北方棲姫「私、おむらいす!」

装甲空母姫「すてーきヲ希望スルワ」

港湾棲姫「ア、私手伝イマス…」


 大体こんな感じです。普通にマリ○カートをやったり、皆でご飯を食べたり、お風呂に入ったり、テレビを見て腹を抱えて笑ったり…そんな感じです。

ね?怖くなんてないでしょう?

 あ、そう言えば。深海棲艦の本拠地はどこかの深海にありますけど、中は地上の建物と同じように、海水はなく、ちゃんと空気が入ってきています。

 本拠地に帰れるのは週に3~4日程度ですけど、そのたびに皆さんが快く迎えてくれます。本拠地に常駐しているのは、大規模作戦でしか出番のない、

空母棲姫さんや離島棲鬼さん、泊地水鬼さんなどがいらっしゃいます。

425: 名無しさん 2015/10/30(金) 21:23:12.68 ID:24JQJafL0
 私の本拠地での役割は、主に炊事洗濯といった家事全般です。また、けんかの仲裁に入る事もよくあります。

防空棲姫「初陣ノ私ノ出番ヲ取リヤガッテ!ロクニぎゃらモモラエナカッタワヨ!」

空母棲姫「イイジャナイノ!初陣ダカラコソ、アンタニ負担ガカカラナイヨウニ前ノ海域デ潰シテオイタノヨ!ムシロ感謝シテモライタイワネ!」

防空棲姫「余計ナオ世話ヨ!」

 ちなみにこの2人の喧嘩の原因は、『防空棲姫ちゃんは前の大規模作戦の最終海域で初陣を迎える事になったのだけれど、その1つ前の海域で、

空母棲姫さんが艦娘をばっかばっか倒して、提督たちの心を折らせて最終海域まで艦娘が出撃してこない事になり、防空棲姫ちゃんのギャラが減った』

と言った感じです。

港湾棲姫「チョット2人トモ…落チ着イテ…」

防空棲姫&空母棲姫「港湾棲姫サンハドウ思ウ!?」

港湾棲姫「ア、エート…ウウ…」

 そして喧嘩の仲裁に入ると、大体こんな感じで意見を聞かれ、困惑すると言った感じがほとんどです。


 まあ、私の心労は他にもありますけど…。

 例えば、およそ1年前に、私と同じ港湾系の深海棲艦が仲間に加わるという事で、私が先輩として色々教える事になりました。しかし、

実際に着任したのは…。


港湾水鬼「私ガ今回仲間ニ加ワルコトニナッタ港湾水鬼ダ。同ジ港湾系トシテ、仲良クヤロウジャナイカ」

港湾棲姫「」


 何なのあの不運と踊っちまったような顔は!?初対面の人にいきなりメンチ斬られるって、相当なモンですよね!?

 まあ、そんな衝撃的な出会いもあり、当初はあまり仲良くなれないと思っていたんですけど、それから数週間後に…。


港湾水鬼「……友達デキナイ…寂シイヨォ…」シクシク


 うん、部屋の片隅で体育座りで泣きながらそんな言葉つぶやかれたら、抱きしめるしかありませんよね。そんなわけで抱きしめて、すっかり仲良く…。

そして今は…。

港湾水鬼「港湾棲姫サン、ジャガイモハコンナ感ジデイイデスカ?」

港湾棲姫「エエ、おーけーデス。ジャア、次ハにんじんヲオ願イシマスネ」

 と言った感じで私の手伝いをしてくれています。あ、今日は金曜日でしたので、夕飯はカレーになりました。

426: 名無しさん 2015/10/30(金) 21:35:22.96 ID:24JQJafL0
 まだ私の心労は他にもあります。

 この前、カレー洋リランカ島沖で、いつものように艦娘達を迎撃していたところ……。

バルルルルルルル

ドドドドドド

港湾棲姫「クッ………!?」混乱

戦艦ル級改flagship「ドウイウコトデショウ…ナゼカ港湾棲姫サンバカリ狙ッテキマスネ…」

重巡ネ級「先ニ旗艦ヲ潰セバ、最低デモA勝利ハ確定スルカラデショウ?」

戦艦ル級改flagship「確カニソウダガ…ソレナラバ向コウノ艦隊ハ全員港湾棲姫サンヲ狙エバイイハズ…。ナノニ、港湾棲姫サンヲ攻撃シテイルノハ、

          ナゼカ艦載機ニヨル攻撃ノミ…。戦艦ヤ重巡ハ普通ニ我々を狙ッテ攻撃シテイル…ット」

護衛要塞「\(^〇^)/」撃沈

輸送ワ級flagship「<(^q^)>」撃沈

 この時、確かにル級ちゃんの言う通りでした。なぜか、私を狙ってきているのは敵の艦載機のみで、戦艦や重巡は私のお供の皆しか攻撃しません。

これが、奇異に思えて仕方がないのです。

瑞鶴「………………………乳のお化けめ」

大鳳「………………………死ねばいいのに」

榛名「…このお二人、大丈夫でしょうか」

那智「いつもの事だ、気にするな」

 私には、どうしてこうなるのかが気になって、あまり眠る事ができません。一体、何が原因なのでしょうか……。


 ―20時過ぎ、港湾棲鬼の自室―

港湾棲姫「ハア……疲レタ…」

 そんな心の悩みを抱えて部屋に戻ります。そして、ここにいると大体あの子が来ます。

北方棲姫「オネーチャン、遊ボー!」

 この子は北方棲姫。見た目は子供で可愛らしいけれど、北方AL海域のボス手前のマスを陣取る実力のある子でもあります。

 そしてこの子は、私にとって…

北方棲姫「?オネーチャン、ドウカシタノ?オ腹デモ痛イノ?」

港湾棲姫「ア、ウウン…大丈夫ヨ」

 娘みたいな子です。

 この子と一緒に遊んでいると、なんだか心が癒されて、日頃の疲れが消えていくような感じがします…。

 ああ、和やか…。

427: 名無しさん 2015/10/30(金) 21:43:49.81 ID:24JQJafL0
 そうそう、最近のマイブームは、地上のスーパー銭湯や温泉に行くことです。

 温泉に入ると、疲れが取れますし、ダイエットにもつながりますので、最近は深海棲艦たちの一部の間でもブームが広がっています。

 地上に行くときは、角は隠しています。常に帽子をかぶり、風呂の中では頭にタオルを巻いて何とか隠していますが…それでもばれそうになった場合は…。

港湾棲姫「ふんっ!!」バキィ

北方棲姫「オネーチャン!?大丈夫!?」

 もう、折っちゃいます。

 折った瞬間だけ痛いですけど、後は痛みもなくなり…少し経てばすぐに再生するので、問題ありません。

 ですけど、この前ハプニングが起きました…。

熊野「もしかして、港湾棲姫と北方棲姫?」

 まさかの、行った先のスーパー銭湯で艦娘に会い、挙句に正体がばれました。この時はもう私達は終わりだと思いましたが、なぜか温泉では戦わない、

という事になりました。

 それ以来…

熊野「あら、港湾棲鬼さんに北方棲姫ちゃん、ごきげんよう」

港湾棲姫「ゴキゲンヨウ、熊野サン」

北方棲姫「熊野オ姉チャン、コンニチハ!」

 一緒に温泉に入る仲になってしまいました。



 さて、大体こんな感じで私の事や深海棲艦の事を話しましたが、いかがでしたでしょうか?全然、怖くないでしょう?

 我々深海棲艦は、新たに人材を募集しています。

 と言うか、私達を指揮してくれる提督を欲しております。今私達は、ただ自分の思うように戦っていますから…。

 気になる方は、お電話、FAX、メール、お手紙をどうぞ!

南方棲戦鬼「イヤ、無理デショウ。トイウカ、何コノCMミタイナ終ワリ方」


【終わり】

428: 名無しさん 2015/10/30(金) 21:49:04.39 ID:24JQJafL0
【キャラクター紹介】

≪港湾棲姫≫

深海棲艦の上位個体『姫』級の一種。艦種は港湾基地。長く白い髪と、とても大きな胸と腕が特徴の薄幸系の女性。カレー洋リランカ島沖を持ち場とし、

西方海域の海路掌握を主な任務としている。たまに大規模作戦にも駆り出されるが、大体かませ役になってしまうのが少し悩み。本拠地では家事等をこなし、

仲間同士の喧嘩の仲裁も務めている。マイブームは温泉。腕の爪は取り外し可能で、あの中身は普通の手。北方棲姫は娘のようで、港湾水鬼は後輩。

好きな言葉は『一衣帯水』。

429: 名無しさん 2015/10/30(金) 21:51:37.94 ID:24JQJafL0
今日はここまでにします。

>>372
 港湾棲姫(深海棲艦)の話、いかがでしたか?お気に召さないようでしたら申し訳ございません。

明日はハロウィンという事で、ハロウィンに関する話を書いていこうと思います。

感想・リクエスト等があればお気軽にどうぞ。

それではまた明日。



秋刀魚が7尾しか取れなかった…。どうしよう…。

433: 名無しさん 2015/10/31(土) 21:11:33.90 ID:mLxXJYFw0
こんばんは、>>1です。

今日は、ハロウィンに関する話を書いていきます。

>>430
 出そうかと考えて結局やめてしまいましたが…検討しておきます。


それでは、投下します。

434: 名無しさん 2015/10/31(土) 21:13:44.63 ID:mLxXJYFw0
 ―昨日19時過ぎ、食堂―

TV『明日はハロウィンという事で、百貨店やショッピングモールも装飾をハロウィン風にしたり、商品がハロウィン風となっており…』

衣笠「へぇ~、ハロウィンか…」

提督「そう言えば、もうそんな季節なんですね…」

衣笠「ハロウィン、楽しそうだな~。ね、提督。ウチの鎮守府でもやるんでしょ?」

提督「え、やりませんよ?」

衣笠「……え?」

435: 名無しさん 2015/10/31(土) 21:23:18.70 ID:mLxXJYFw0
【ハッピーハロウィン】

衣笠「え、ハロウィンやらないの!?」

提督「はい」

衣笠「ちょちょちょ、ちょっと待って!青葉から聞いたよ、この鎮守府ってクリスマスも節分もやったっていうのに、ハロウィンはしないの!?なぜに!?」

提督「なぜって…やる必要ないでしょう」

衣笠「ええ?そうかなぁ…」

提督「…衣笠さんは、ハロウィンとはどういうものか、ご存知ですか?」

衣笠「え?うーん…そうだなぁ……。子供たちがお化けの格好して、色々な家を回って『トリック・オア・トリート!』って言いながらお菓子ねだる…

   って感じかな?」

提督「まあ、大体の方たちはそう考えますよね」

衣笠「え、違うの?」

提督「…冷静に考えてください」

衣笠「?」


提督「家の人からすれば、見ず知らずの子供がいきなりお化けの格好で突然訪ねてきて菓子よこせと押しかけて来たら誰だって嫌がるもんでしょう」


衣笠「あー…確かにそう考えればそうだね……って、そんな理由?」

提督「いえ、ちゃんとした理由もありますよ」

衣笠「ほうほう」

提督「元々、ハロウィンと言うものは秋の収穫を祝い、悪霊などを追い払う宗教的な意味合いの強い行事だったんですよ。そして今、アメ…某国で、

   民間行事として定着し、それに伴って宗教的意味合いもほぼなくなってしまったんです」

衣笠「へぇ……そうだったんだ」

提督「つまり、日本でよく見る子供たちがお化けの格好して菓子をねだるというのは、間違っているものなんです」

衣笠「なるほどね…」

436: 名無しさん 2015/10/31(土) 21:36:37.54 ID:mLxXJYFw0
提督「悪霊払いがあるんでしたら、2月の節分の豆まきや柊鰯で厄除けをしたり邪気払いをしてますから事が足りていますし」

衣笠「節分ってそういう意味もあったんだ…」

提督「まあ、日本人は普段から仕事とか交友関係とかでストレスが溜まっていますから、仮装などをしてはっちゃけたいと言う意味もあるんでしょう」

衣笠「あー、それはまあ確かに分かるな~」

提督「まったく、そもそも日本は他の国の文化を取り入れて発展してきたというのに、なぜこのような無駄な習慣ばかり取り入れてしまうのか…。いっそ、

   イタリアやスペインの‶仕事中でもシエスタを取る‶という習慣も取り入れてもらいたいもんです」

衣笠「ありかもしれないけど、仕事が完全にストップして会社的にもアウトなんじゃないかな…」

提督「…ま、ハロウィンなんてこの鎮守府には関係のない話ですよ」

衣笠「むぅ……」


 ―22時前、重巡洋艦寮・青葉&衣笠の部屋―

衣笠「…って事があってさ~」

青葉「あー、そうだね。ウチって、ハロウィンは一度もやったことが無いな~」

衣笠「そうだったの?」

青葉「青葉、司令官が着任した時からの付き合いだけど、クリスマスや節分はやったことがあっても、ハロウィンは一度もしたことが無いもん」

衣笠「…逆に、何で豆まきやクリスマスはやるんだろ…。いや、豆まきはわかるけど」

青葉「えっと、前に司令官が―」


 ―1年前、クリスマス―

提督『クリスマスとは本来、イエス・キリストの生誕を祝う日なんですよ?よく街で見かけるカップルがイチャコラしているようなクリスマスは、

   まったくもって別物ですよ』

青葉『ほうほう?その割には、なにやらクリスマスツリーやプレゼント交換会など楽しんでいるようにも見られますが?』ニヤニヤ

提督『こういう時しか皆さん楽しめないですし』


青葉「って」

衣笠「あー、確かにあの提督なら言いそう…」

青葉「それより衣笠、あした秘書艦でしょう?早く寝なくていいんですか?」

衣笠「あ、そうだった!おやすみ!」

437: 名無しさん 2015/10/31(土) 21:53:30.37 ID:mLxXJYFw0
 ―翌日9時過ぎ、執務室―

提督「今日は確か、演習が入っていましたっけ」

衣笠「あ、はい。えーっと、相手艦隊は第壱拾参鎮守府だね」

提督「…ちっ、あのクソ野郎の艦隊か」

衣笠「ひぃ…」

提督「あ、申し訳ございません。続けてください」

衣笠「は、はい。えーっと……編成は、睦月、如月、皐月、長月、文月、菊月です。相手方の艦隊がこっちに赴いてくるそうだよ」

提督「駆逐艦だけの艦隊か……」

衣笠「どうする?手加減した方が…」

提督「こちらの編成は金剛、赤城、古鷹、神通、伊勢、加賀で行きましょう。装備は標準装備。赤城さんと加賀さんの余った装備枠には零式艦戦21型、

   伊勢さんには12.7cm連装高角砲、古鷹さんと神通さんにはそれぞれ61cm四連装(酸素)魚雷を装備してください」

衣笠「うわっ、えげつない…」

提督「あいつはどうせ、こっちの保護欲を掻き立て手加減させようとしているのでしょうが、その手は食いません。むしろ、烈風や流星を起用しない、

   私の優しさを知ってもらいたいです」

衣笠「優しさ…ね」


 ―13時過ぎ、執務室―

金剛『演習が終了したネー!結果はこっちの勝利デース!』

提督「了解しました。では、こちらへ帰投した後は補給を―』

金剛『あ、ちょっと待ってくださいネ…。Hm…、OKデース。Hey,テートク。どうやら相手方のDestroyer Girlたちがテートクに話がある、

   そうですヨ』

提督「私に?分かりました、通してください」

金剛『了解デース!』


 ―数十分後、―

提督「それで、私に話とは何ですか?」

睦月「えっと…あの、私達の提督からの伝言で…その」

提督「あいつから?何をですか?」

睦月「…ねえ、言った方がいいと思う?」ヒソヒソ

如月「でも、提督は言ってくれって頼んでたし…」ヒソヒソ

皐月「言った方がいいと思うかな…」ヒソヒソ

文月「私も言った方がいいと思うよぉ~。言わないと、提督からお菓子貰えないしぃ~」ヒソヒソ

長月「ううむ…」ヒソヒソ

菊月「言ってしまおうか!」

提督「?」

睦月型「……と」

提督&衣笠「と?」

438: 名無しさん 2015/10/31(土) 22:04:02.46 ID:mLxXJYFw0


睦月型「トリック・オア・トリート!!お菓子をくれないといたずらしちゃうぞ!!具体的には、秘密のルートで手に入れた斑提督の恥ずかしい黒歴史を、

    鎮守府回覧で暴露しちゃうぞー!!」


提督&衣笠「」

ぶちっ!

睦月型「!?」

衣笠(あ、この音知ってる。頭の中で何かが切れた音だ)

提督「……………………………」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

睦月型「………」ビクビク

提督「……本来、‶トリック・オア・トリート‶の‶トリート‶って、おもてなしって意味なんですよね」

衣笠「?それがどうかしたの?」

提督「…さて、第壱拾参鎮守府の皆さん」

睦月型「…は、はい?」

提督「演習でお疲れでしょう。ウチで少し休憩していっては?よろしければ、間宮さんや伊良湖さんのスイーツをご馳走します。お代は結構ですので」

睦月「え、いいんですか!?」

提督「ええ、大丈夫です」

衣笠「えっ、なんで!?」

提督「それと、皆さんの補給資材も、こちらから用意いたしますので」

如月「あらぁ、司令官ったら、ダ・イ・タ・ン♪」

皐月「わーい!間宮さんのスイーツがタダで食べられるぞー!」

菊月「いいのか?斑提督よ」

提督「大丈夫です、問題はございません。その代り、こちらからも少しお願いがございます」

長月「お願いとは何だ?まあ、スイーツを奢ってもらえるうえに資材もいただけるのであれば、お安い御用だが…」

文月「わ~い、文月アイス食べたいなぁ~」

衣笠(…なんで、こんなに優しいのかな?侮辱的な仕打ちを受けたのに…)


 ―数分後、食堂―

ワイワイ、キャッキャッ

提督「では、衣笠さん。私は少し、明石さんに用がございますので、少し席をはずします」

衣笠「あ、うん。分かったー」

439: 名無しさん 2015/10/31(土) 22:16:23.86 ID:mLxXJYFw0
 ―17時過ぎ、波止場―

提督「では、この箱を瑞理提督に渡してください。貴女たちは、この箱は絶対に開けてはいけません。分かりましたね?」スッ

睦月「睦月、了解!」ビシッ

長月「何から何まで世話になって済まない…」

提督「いえ、お気になさらず。では、お気をつけて」

睦月型「今日はありがとうございましたー!!」ペコリ

衣笠「…で、一体何を渡したのさ?」

提督「……あのような仕打ちを受けて、何もしないほど私は優しくはありません」

衣笠「ですよね」


 ―19時過ぎ、第壱拾参鎮守府・執務室―

瑞理「で、貰った箱がこれ?」

睦月「はい!」

瑞理(ま、ハロウィンにかこつけてあいつに精神的ダメージを与えられたし、へへっ。ざまーみろ)

睦月「それでは、睦月たちは補給してきます!」

瑞理「ああ、お疲れさま♪」

榛名「では、榛名も夕食を摂らせていただきます」

瑞理「うん、ごゆっくり~」

パタン

瑞理「…しかし、あいつからプレゼントか…。なんだろ、一体。手紙には『ハッピーハロウィン』…。気持ち悪いけど、とりあえず開けてみよう」パカッ


ピンッ←箱の中のスタングレネードのピンが取れた音


ビッカアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!

ドギイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイン!!!

瑞理「ボケタレ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――ッ!!!!」


[スタングレネード]

爆発時の爆音と閃光により、一時的に周囲の人間に失明、眩暈、難聴、耳鳴りの症状とそれに伴うパニックや見当識失調を誘発させる、手榴弾の一種。

今回使用したものは明石さん特製であるため、爆音の高さと閃光の明るさは、通常のスタングレネードよりも滅茶苦茶高い。


 ―同時刻、食堂―

提督「明石さん特製スタングレネード。間宮さんのスイーツと補給資材6人分であのバカの視覚、聴覚を奪えるのでしたら、安いものです」

衣笠「ホントに提督って、あの人の事嫌いだね…」


【終わり】

440: 名無しさん 2015/10/31(土) 22:20:43.10 ID:mLxXJYFw0
【キャラクター紹介】

≪衣笠≫

青葉型重巡洋艦二番艦。艦娘No.120(改二はNo.142)。ショートヘアと明るい性格が特徴の、ムードメーカー的な存在の女の子。あの青葉の妹だからか、

噂話が大好き。しかし新聞は発行せず、たまに青葉の作る新聞の印刷や編集の手伝いをするくらい。青葉の妹であるが、それはなかなか皆気づかない。

着任したのはつい最近なため、鎮守府の事は大体情報屋の青葉から把握している。提督とは、友達のようなノリで付き合っている。明るくて元気な子。

好きな言葉は『火のない所に煙は立たぬ』。

441: 名無しさん 2015/10/31(土) 22:23:22.75 ID:mLxXJYFw0
今日はここまでにします。

ハロウィンの話、いかがでしたか?


明日は、リクエストにありました伊勢の話を書いていく予定です。

感想・リクエスト等があればお気軽にどうぞ。

それではまた明日。



衣笠って、触ったら触り返してくるんだし、もしかして隠れ提督LOVE勢?

>>1提督、サブ島沖海域で心が折れる。

445: 名無しさん 2015/11/01(日) 21:01:20.21 ID:gSmMz9vL0
こんばんは、>>1です。

今日は、リクエストにありました伊勢の話を書いていきます。

それでは、投下いたします。

446: 名無しさん 2015/11/01(日) 21:03:14.97 ID:gSmMz9vL0
 ―16時過ぎ、波止場―

伊勢「いやー、疲れたねぇ…」

祥鳳「やはり潜水艦討伐任務はきついですね…」中破

五十鈴「祥鳳さん集中攻撃食らっちゃってたもんね…」

伊勢「大丈夫だって、あたしがちゃんと敵取っといたから!」

祥鳳「あ、ありがとうございます…」

伊勢「さてと、じゃああたしは提督に報告してくるから、皆は先に休んでていいからね~」フリフリ

名取「あ、ありがとうございます!」

447: 名無しさん 2015/11/01(日) 21:09:29.30 ID:gSmMz9vL0
【過剰防衛】

 ―数分後、執務室―

伊勢「…ってわけで、報告は以上ね」

提督「お疲れ様です。祥鳳さんはもう入渠ドックへ?」

伊勢「うん、さっき五十鈴たちに任せてきたから大丈夫だと思うよ」

提督「分かりました。では、伊勢さんも休憩を取ってもらって結構です」

伊勢「りょーかいっと。あー、疲れた~。日向誘って間宮さんのところにでも行こうかな」

提督「あ、日向さんは今資料室に…」

伊勢「え、日向資料室にいるの?分かった、ありがとねー」パタン

提督「……日向さん、すみません」


 ―19時半過ぎ、食堂―

日向「まったく、ひどい目に遭ったぞ…」

提督「あれの原因の一端には私も含まれていますから、すみませんでした」

日向「せっかく本を読みふけっていたというのに、突然来たと思ったら『疲れたからアイス食べよう!』と言って、私の返事も聞かずに腕を引っ張り、

   間宮さんの所へ連行された…」

提督「重ねて言いますが、申し訳ございません」

日向「あ、済まないな、愚痴ってしまって…。君のせいとは思っていないさ」

448: 名無しさん 2015/11/01(日) 21:16:24.83 ID:gSmMz9vL0
提督「…それにしても、伊勢さんと日向さんは仲が良いのですね」

日向「いや、結構伊勢の方から絡んでくることが多いのだが…」

提督「…食事は一緒じゃないんですか」

日向「アイスを食べた後で『ご飯も一緒に食べよう!』と誘ってきたので、『うざい』と一蹴したら泣いてしまった」

提督「姉を泣かせる妹っていうのも意外と少ないですよね」

日向「いや、伊勢は何かと私に絡んでくるし、よく物をくれるし、入渠も先にしてくれるし…///」

提督「なんだ、日向さんも伊勢さんの事を気に入っているんじゃないですか」

日向「なっ、違う!なぜ、そう言い切れる!?」

提督「…顔赤らめてほほえみながらそう伊勢さんの事を説明されると、完全に『恋した人の恋人の話』にしか聞こえないんですよ」

日向「く……!」

提督「まあ、日向さんは口や態度では伊勢さんの事を邪険にしてますけど、本当は伊勢さんの事が好きなんですよ」

日向「…………………」

提督「?」

日向「……そうかもしれない。私は、存外伊勢の事が好きなのかもな。あ、LoveじゃなくてLikeの方で」

提督「むしろLoveじゃ問題です。というか、現にLoveの妹もいますけど」


 ―同時刻、駆逐艦寮・休憩室―

伊勢「むっ?」ピクッ

深雪「伊勢先輩?どしたんですか?」

伊勢「いや、なんだか私に有利な状況が作られているような気がする」

深雪「?」

449: 名無しさん 2015/11/01(日) 21:27:47.28 ID:gSmMz9vL0
 ―食堂―

提督「でも、伊勢さんみたいな優しい姉がいて、日向さんもうらやましいですね」

日向「そう言えば君、兄弟は…」

提督「いません。みなしごでしたし…兄弟の関係っていうのがあまり理解しがたいんですよね」

日向「…すまないな。何か、傷を抉ってしまうような事を言って…」

提督「いえ、大丈夫です」

日向「…さっきの話だが、伊勢が優しいというのはわかっている。駆逐艦の子たちにはいつも優しく接しているし、軽巡や重巡の皆とも同じように話し、

   空母や戦艦の先輩方にも礼儀正しい。そして、私には過剰と言えるほどに引っ付いてくる」

提督「伊勢さんはデスクワークとかが苦手ですけど、こういった社交性はありますから、ありがたいですね」

日向「…だが、優しいだけじゃない。伊勢には怖い面もあるさ」

提督「?伊勢さんが?あまり想像できませんが…」

日向「ああ。これは、つい3か月ぐらい前の話なんだが……」


 ―18時半過ぎ、沖ノ島海域・Jマス(敵侵攻中核艦隊)―

ズドゴオオン

伊勢「くっ……皆、無事!?」

日向「私は何とか……」中破

赤城「私はもう……飛行甲板が使い物になりません……」大破

祥鳳「私も赤城さんと同じ……もう艦載機は飛ばせませんね…」大破

青葉「うーん…どのみちもうすぐ日没ですから、艦載機は飛ばせませんね……」小破

古鷹「もう私達しか、動けませんね…」

伊勢「えっと、向こうの艦隊の戦力はあとどのぐらいだったっけ?」

日向「戦艦ル級が3隻だけ…だが、1隻はflagship、もう2隻はeliteだ」

伊勢「あちゃー…なんでこう面倒な編成とかち合っちゃうのかなー…」

450: 名無しさん 2015/11/01(日) 21:35:30.99 ID:gSmMz9vL0
青葉「まあ、後の3隻は撃沈しましたし、夜戦に持ちこめば勝てるはずですよ」

古鷹「そうだね、夜戦に入った方がいいと思います、伊勢先輩」

伊勢「…うん、分かった。夜戦をしよう」

日向「了解。じゃあ、赤城さんと祥鳳さんは、戦闘海域から離脱してくれ」

赤城「ええ、分かったわ」

祥鳳「赤城さん、私が支えます」グッ

赤城「申し訳ないわ…」


伊勢「さーって、夜戦と行きましょうか!まずはあたしから!うおおおおおおおおおおお!!!」ズドドドドドドドド

ドッゴォォォォォォン

戦艦ル級elite「ゴハッ!?」撃沈

伊勢「よっしゃ!どーよ、日向―」


戦艦ル級改flagship「オラァ!!」ズドオオオオオン

ズゴシイイイイイイイイイイイイイイイイイイン

日向「ぎあああ…ああっ…!!」大破



伊勢「!!!」ビクン

日向「ぐお……あ…」

青葉「日向さん!大丈夫ですか!?しっかり!」

日向「……私の事は、いい……それより、敵の攻撃がまだ…ごほっ」

戦艦ル級elite「ハッ!!」ズッドオオオオオオオン

青葉「―――――――――――――――――――!!」

古鷹「青葉、危ないっ!!」ザザザアッ

青葉「ふ、古鷹!?」

ドゴゴオオオオオオオオ

古鷹「きゃあああああああっ!?」大破

青葉「古鷹…青葉のことをを護って……?」

古鷹「……けほっ」

伊勢「………………………………………」

青葉「……今のは流石に頭に来ました………!!」

451: 名無しさん 2015/11/01(日) 21:42:01.17 ID:gSmMz9vL0
青葉「…青葉、皆さんの恨みを……」ガシャン

伊勢「まって、青葉」

青葉「伊勢さん………」

伊勢「…皆の敵は、私が討つから…………………邪魔はしないで」

青葉「!!!………わ、分かりました」

伊勢「………………………」ザザザザザザザザザザ

戦艦ル級elite「!?」ズドオン

ドォン、ドォン

伊勢「………………………」ヒュン、ヒュン

戦艦ル級elite「全テ…避ケタダト…!?」

伊勢「………………………」ズドオオン

ドッゴオオオオオンン

戦艦ル級elite「バカナ……ナゼ……」撃沈

伊勢「………………………」ギロッ

戦艦ル級改flagship「ク、来ルナ……」ガシャン

伊勢「………………………」ザザザザザザザザザザ

戦艦ル級改flagship「く、来ルナアアアアアアアア!!!」ドドドドドド

伊勢「………………………発射」ヒュン、ヒュン

ズドオオオオオオオオオオオ

戦艦ル級改flagship「ゴ……ガ……」撃沈

伊勢「………………………」ガシッ

戦艦ル級改flagship「……ア?」

伊勢「………………………」バキッ

戦艦ル級改flagship「ゴブッ!?」


ドカッ、ゴシャッ、ガシィッ、バキィ、ベキャッ、ズドス


戦艦ル級改flagship「…………………………ウ、ア…」

伊勢「……………………ふん」ブンッ

バッシャアアアアアアアアアアアアン

伊勢以外「……………………………」

日向「……伊勢…」

452: 名無しさん 2015/11/01(日) 21:48:51.13 ID:gSmMz9vL0
日向「その時、ただ伊勢がル級を殴っている時の肉を打つ音しかしなかった……。古鷹は、吐き気を催していたし、祥鳳は目を逸らしていた…」

提督「……あの時、そんな事が……」

日向「あの時の伊勢は、おそらく仲間が傷ついていくことが悲しくて、元凶であるル級を砲撃して倒すだけでは飽き足らず、殴り続けて恨みを晴らし……。

   興味が無くなったら海へ投げつける…。伊勢は、本来冷酷でもあるのだろう」

提督「……それは恐らく、貴女がル級によって大破させられたこともあったのでしょう」


伊勢「お、何何?なんの話してんの?」


提督&日向「!!」クルッ

伊勢「まさか、誰かの噂話?誰の誰の?」

日向「……伊勢、前に沖ノ島海域で、戦艦ル級flagshipに対して、過剰なくらい攻撃していたよな…」

伊勢「え?あああ、あの時の事ね。それがどうかした?」

日向「伊勢は……私が傷ついて…それで…」

伊勢「あー、それもあるけど、理由はいくつもあるんだよね」

提督&日向「?」

伊勢「まず、あたしが旗艦だったのに皆を守れなかった事に対する不満、次にさっきも日向が言っていたように日向が大破させられたことへの怒り…。

   そして何より……」

提督&日向「………………」


伊勢「赤城さんに祥鳳さん、それに加えて日向も古鷹も大破しちゃって鎮守府の資材がマッハで消費されるからなんかムカついちゃって」


提督&日向「」

伊勢「いやー、一通りボコったらなんかすっきりしちゃったからね。って、どうしたの日向?無言で立ち上がって……」

日向「私の感動の心を返せえええええええええええええええええええ!!」ブン

伊勢「なにゆべっ!?」ゴシャッ

提督(伊勢さん………敵をぼこぼこにしてくれて…グッジョブ)


【終わり】

453: 名無しさん 2015/11/01(日) 21:52:35.01 ID:gSmMz9vL0
【キャラクター紹介】

≪伊勢≫

伊勢型戦艦及び航空戦艦一番艦。艦娘No.3(改はNo.102)。ポニーテールと明るい社交的な性格が特徴的な、頼れる優しいお姉さん。駆逐艦の教育係を

努めていて、駆逐艦の子たちとは皆仲が良い。さらに、ほとんどの艦娘とも仲が良いくらい社交的。妹の日向を溺愛しているが、日向からすればウザい。

本気でキレると戦艦ル級を過剰なまでに攻撃するほど残虐になる。それが彼女の本性なのかもしれない。スタイルは結構いい方。

好きな言葉は『終わり良ければ総て良し』。

454: 名無しさん 2015/11/01(日) 21:57:39.40 ID:gSmMz9vL0
今日はここまでにします。

>>373
 伊勢の話、いかがでしたか?お気に召さないようでしたら申し訳ございません。

>>442
 春雨、了解しました。


ここで訂正するべきところがございます。

途中で戦艦ル級flagshipの表記が『戦艦ル級改flagship』に変わっていました。申し訳ございません。


明日はリクエストにありました電(ぷらずま)の話を書いていく予定です。

感想・リクエスト等があればお気軽にどうぞ。

それではまた明日。



ホント、戦艦・空母を大破させた敵艦って、沈めるだけじゃ足りないんですよねぇ…。

458: 名無しさん 2015/11/02(月) 20:34:28.73 ID:TJ28jSjs0
こんばんは、>>1です。

今日は、リクエストにありましたぷらずまの話を書いていきます。

>>455
  伊勢、了解しました。

それでは、投下します。

459: 名無しさん 2015/11/02(月) 20:37:27.14 ID:TJ28jSjs0
 ―15時過ぎ、執務室―

ギャワーン!!!

提督「?何の騒ぎでしょうか」

高雄「さあ……」

ドタドタドタ

バァン!!

雷「司令官!じれいがあああん!!」

提督「どうしたんですか急に。そんな泣きじゃくって」

雷「ヤツが…ヤツが現れたの…!」

提督「誰?」

雷「Gよ!!」

高雄「!」ビクッ

提督「何かと思えば……スリッパで潰せばいいでしょう」

ガチャ

響「あ、それなんだけど、どうやら電が踏みつぶしちゃったみたいだよ」

提督&雷&高雄「」

460: 名無しさん 2015/11/02(月) 20:43:12.12 ID:TJ28jSjs0
【黒き駆逐艦】

 ―数分後、駆逐艦寮・休憩室―

※お見せできません。

ザワ・・・ザワザワ・・・

鳳翔「はいはい、Gぐらいで怯えないで大丈夫よ~(後始末中)」

提督「それにしても電さん、よく踏みつぶせましたね。私でも躊躇するのに…」

電「えへへ…咄嗟に足が出ちゃって……」

提督「褒めていませんよ」

響「あれ、暁は?」

雷「暁なら、部屋で布団にくるまってたわよ」

響「まあ、目の前で電がGを踏みつぶしたらそうなるよね」

提督「それより、電さん。そのスリッパはちゃんと洗ってくださいね」

電「あ、はいなのです」タタタ

響「それにしても、最近電の行動には目を見張るものがあるよね」

雷「そうね、悪い意味でね」

提督「?」

響「いや、電って戦闘から帰ってきたら、『あの時、敵を倒さない方法もあったのではないのでしょうか…』ってよく言うんだよ」

提督「…電さんは、芯の強い方ですし、心の底では戦争を望んでいませんから、まあ当然と言える言葉ですよね」

雷「いや、その話には続きがあるのよ」

提督「?」

461: 名無しさん 2015/11/02(月) 20:55:24.30 ID:TJ28jSjs0


響「その時の戦闘で電、昼戦で駆逐イ級eliteと駆逐ロ級後期型eliteを1隻ずつ撃沈して、そのうえ夜戦で戦艦タ級flagshipを撃沈してたんだよ」


提督「」

雷「心の底で戦いを望んでいないような子が、普通そんな戦果を挙げられるかしら?」

提督「……まあ、私にも思うところはありますけど」

響&雷「?」

提督「電さんって、よく深雪さんとぶつかるんですよね」

響「ああ……その話か」

提督「私も話を聞いたりその現場を実際に見たりすると、どうも電さんの方からぶつかりに行っている回数が多い気がするんです」

雷「でも、深雪の方もぶつかってるじゃない」

提督「あくまで、推測です。2人の心の中にあるトラウマが無意識に2人を引き合わせているようにも見えますが…。意図的にぶつかっているようにも、

   見ようによっては見えるんですよ」

響「うーん……」

提督「とはいえ、少し電さんを監視する必要がありますね。度が過ぎると、タダじゃすまないようなケガもしかねませんから」

響「うん、分かった」

雷「任せて!」

提督「……少々やりすぎかもしれませんが、ちょっと確かめないといけないんですから」


 ―翌日10時過ぎ、執務室―

提督「では、貴女たち第一艦隊はカレー洋へLittorioさんの練度向上を含めて、再結集しつつある深海棲艦の撃滅をお願いします」

Littorio(以下リットリオ)「はい、分かりました」

提督(それと、少し電さんの行動を見張ってください)ボソボソ

リットリオ(?は、はい。分かりました)ボソボソ

電「?」

462: 名無しさん 2015/11/02(月) 21:05:34.08 ID:TJ28jSjs0
 ―数時間後、カレー洋制圧戦・Fマス(敵潜水艦教導艦隊)―

ズドオオオオン

潜水カ級elite「ヒヒヒ……」小破

雷「あーん、もうソナーだけじゃ倒せないわよ~!」

電「大丈夫なのです、雷ちゃんの敵は電が討つのです!」バシュッ

摩耶(いや、敵って別に雷死んだわけじゃねぇぞ…)

ゾドオオン

潜水カ級elite「ゴブッ!?」撃沈

電「?ソナーだけでも問題ないですよ?」

リットリオ「うーん……あ、向こうにも潜水艦がいるよ?」

電「あ、ほんとなのです!てーい!!」

ドドオン

潜水ヨ級elite「グエアッ!?」撃沈

電「どーよ、なのです!」

雷「あ、じゃああたしは向こうの潜水艦を…」バシュッ

ドオオン

潜水カ級「…ッ!」中破

雷「……………あれ~?」

電「もう、雷ちゃんはもっと訓練をした方がいいと思うのです」←練度42

雷「そ、そうね…あはは…」←練度45


 ―さらに数時間後、Dマス(東方主力艦隊)―

ズドゴオオオン

雷「きゃああっ!?」大破

リットリオ「雷ちゃん!?大丈夫!?」

雷「う、うん…なんとか…」

戦艦ル級flagship「フフフ…」

電「……どうして、争いはなくならないのでしょう……」

摩耶「…争いを完全になくすなんて不可能だと思うぜ」

リットリオ「戦わない道を見つけたいけど…」

電「できれば、戦いたくないのです……」

摩耶(この道中で潜水艦2隻と駆逐艦2隻撃沈した奴が言うセリフか)

463: 名無しさん 2015/11/02(月) 21:13:43.50 ID:TJ28jSjs0
リットリオ「……依然、敵艦隊旗艦の戦艦ル級flagshipは健在…これでは勝利できませんね…」

摩耶「しゃーねー…夜戦するか」

飛龍「仕方ないね…じゃ、私と瑞鳳は後ろに下がってるね」

リットリオ「では、夜戦突入します!」


※実際の時間は昼でも夜戦をする方法……妖精さんの技術によって開発したお札に、旗艦が力を込めて握ると、一定時間の間周りが夜のように暗くなる。


リットリオ「よし、では私から―」

電「雷ちゃんの敵は、十倍、いや、千倍にして返してやるのです!!」

リットリオ「ふぇ?」

バシューーーーーーーーーーン

ズッドオオオオオオオン

戦艦ル級flagship「ゴッヘエエエエエエエ……」撃沈

リットリオ「……電ちゃん、戦いたくないんじゃなかったの?」

電「一応、敵はとっておかないとと思いまして」

リットリオ&摩耶&雷「」


 ―15時過ぎ、執務室―

提督「…どうでした?」

リットリオ「なんか…発言が矛盾しているというか…なんというか……」

雷「そうね……」←高速修復剤使用

提督「……あれですか、俗にいう闇落ちですか」

雷「いや、あれでノーマルっぽいけど……」

464: 名無しさん 2015/11/02(月) 21:23:45.84 ID:TJ28jSjs0
提督「……あれですね。たまに優しい人格の人がドSな一面を見せる感じですね」

雷「他の鎮守府でも同じような事象が見られるらしいわね……」

リットリオ「あ、じゃあその時の電じゃなくて‶ぷらずま‶って呼んだらいいんじゃないかしら?」

雷「…それ、もう他の鎮守府でもそう呼ばれてるわよ」

リットリオ「えー」

提督「もういっそ、ボルテックスとでも呼びましょうよ」


電「あ、それはかっこよさそうなのです!」


提督&雷&リットリオ「!!!」

ぷ…電「…それにしても皆さん、電の事を好き勝手言っていたようですね」

雷&リットリオ「……………………………」

ぷら…電「電だって悲しいんですよ……戦いである以上、敵は沈めないといけないのに…電が沈めたら皆さん寄ってたかって電の事をぷらずまだのなんだの…」

雷&リットリオ「……………………………」

ぷらず…電「こうなったらもう……皆さんに一度電の怖さを思い知らせて、たてつく事ができないようにしなきゃいけないじゃあないですか…」ゴゴゴゴ

雷&リットリオ「………ひっ」

ぷらずま「電にたてつく輩は……皆沈めて差し上げるのです!」ドオオッ

雷&リットリオ「ひいいいいいいいいいいいいいい!!」


提督「破ァァァァァァァァァッ!!!」


ぷらずま「!!」ビクッ

電「はっ!?ここは誰?電はどこ?」

提督「明石さん、メンタルケアをお願いします」パチン

明石「お任せあれ」ガシッ

電「ああれ~……」ズルズルズル

バタン

雷「……こ、怖かった…」

リットリオ「危うく、おもらししてしまうところでした……」

提督「……………もう、ぷらずまさんの事を話すのはやめましょう。消されかねません」

雷&リットリオ「!!」コクコクコクコク

 それ以来、ぷらずまの話は鎮守府から消えた。まあ、戦闘後にぷらずまの姿を見た者がその場でヒソヒソ話す、ぐらいの話はあったが。


【終わりなのです】

465: 名無しさん 2015/11/02(月) 21:28:56.07 ID:TJ28jSjs0
【キャラクター紹介】

≪ぷらずま≫

その姿は、暁型駆逐艦四番艦の電に似ているとも言われているし、電の暗黒面が表に出てきた姿とも言われている。彼女が出現すると敵は全滅し、

戦艦でさえも一撃で沈められてしまうと言われている。いかなる敵も容赦なく攻撃し、敵の懺悔も聞かずにそのまま沈めてしまうほど冷酷である。

その上、自分にたてつく者は皆沈めてしまうぐらい残虐非道。だがその存在は、ごく一部の者しか認識しておらず、その存在は定かではない。

という謎の設定をつけられた電。

466: 名無しさん 2015/11/02(月) 21:32:25.02 ID:TJ28jSjs0
今日はここまでにします。

>>384
  ぷらずまの話、いかがでしたか?お気に召さないようでしたら申し訳ございません。


明日は>>1の都合上、投下できません。次の投下は明後日の11月4日、リクエストにありました香取の話を投下する予定です。

>>1の都合で投下できず、申し訳ございません。


また、香取のリクエストを消化後、以下の話から1つを書こうと思いますので、読みたい話がありましたらご希望の番号をお書きください。

①意外な提督の採用基準

②対人恐怖の提督

③のんびり屋さんの提督


また、感想・リクエスト等があればお気軽にどうぞ。

それではまた次回。




え?秋雲って、通常建造できたの…?(本日デイリー通常建造にて秋雲着任)

470: 名無しさん 2015/11/04(水) 19:13:24.66 ID:Z7QUGfQp0
こんばんは、>>1です。

本日の投下ですが、>>1の体調が優れないため、中止とさせていただきます。申し訳ございません。

明後日の11月6日、午後9時以降に改めて香取の話を書いていく予定です。


また、香取の話の消化後の話は、『提督の採用基準』になりました。

>>468
  秋雲、了解しました。


>>1の都合で投下できず、大変申し訳ございません。

475: 名無しさん 2015/11/06(金) 20:58:59.32 ID:vGWqns8p0
 ―13時過ぎ、会議場―

香取「………というように、深海棲艦の行動パターンは、ある程度一定となっており……」

『あの講師、めっちゃ美人じゃね?』

『ああ……おまけに胸も大きいし……どんぐらいある?』

香取「さらに、最近は深海棲艦にも新たな艦種が増えてきて……」

『なんか……そそるよな……』

香取「こほん。そこの提督さん?」

モブ提督「は、はいっ!」ガタッ

香取「先ほどから私の話を聞いていないように見えますが……」

モブ提督「す、すみません!」

香取「これは、お仕置きが必要みたいですね…?」ニコッ


『なんか、叱られたいよな…』

476: 名無しさん 2015/11/06(金) 21:09:52.32 ID:vGWqns8p0
【優しい教え方】

 ―14時過ぎ、執務室―

提督「……まったく…。提督技能講習会を開いたというのに……」

鳥川「あ?なんだそりゃ」

提督「すべての提督の方に、改めて深海棲艦や艦娘に関する講義を開くというものです。というか、貴方の鎮守府にも通達があったでしょう」

鳥川「あー…そういや、そんな手紙来てたような…。で、それについてなんかあったのか?」

提督「いえ…その講習会の講師は、私の鎮守府の艦娘の方を採用しているのですが、香取さんが講師の日に限って、希望者がやたら多いんです」

鳥川「うちの鎮守府には香取なんていないからなぁ……どんな奴なんだ?」

提督「一言で言うならば……」

鳥川「?」


提督「‶男なら誰でも一度は想像するイケナイ女教師‶、ですかね」


鳥川「よっし俺もそいつをゲットする!まずは大型建造だ!!」

提督「香取さんは建造できませんよ」

鳥川「じゃあドロップだ!どこにいる!?サブ島か!カスガダマか!」

提督「ドロップもできません」

鳥川「なんだよ補佐官様!お前の力で何とかなんねえのかよ!?」

提督「補佐官だからって艦娘を通常建造、ドロップできるようにすることなんてそうそうできませんよ」

477: 名無しさん 2015/11/06(金) 21:24:33.89 ID:vGWqns8p0
鳥川「ああくそっ……ショック…」

提督「それで、なぜか講習会が終わるとドMが量産されてしまうという…」

香取「あら、私がどうかしましたか?」

鳥川「ほわっ!?」

提督「あ、香取さん。講習会、お疲れ様です」

鳥川「え、アンタが香取!?」

香取「はい、私が練習巡洋艦・香取です。よろしくお願いします」ペコリ

鳥川「お、あ、はい。俺が、木更津第鉢鎮守府の鳥川です。よろしく」ペコリ

提督(いきなり他人行儀になった)

香取「それで、私についてのお話をしていたようでしたけど?」

提督「ええ、講習会に関しての話なんですけど、貴女が講師を務める日に限って、なぜか受講希望者が馬鹿みたいに多いんですよ」

香取「さあ……なぜでしょうか?」

鳥川(この人、自覚がないのかな…)

提督「ただ一方で、香取さんの講習内容については、アンケートで高く評価されていますけれどね」

香取「あら、それはありがたいですね」

鳥川「香取さんの授業って、そんなに評判良いのか?(単に香取さんの容姿とかに気を取られていたからとかもありそうだが…)」

提督「香取さんは、教員免許を取得しておりますから、教え方は一級とも言えます」

鳥川「え、艦娘って教員免許取れるの!?」

提督「取得する事も可能です。専用の偽名を用意しなければなりませんけどね」

鳥川「香取さんって…どうやって教えてるんだ?」

香取「コツがいくつかあるんですよ。たとえば…」

478: 名無しさん 2015/11/06(金) 21:38:28.59 ID:vGWqns8p0
≪その1:最低3回は同じことを教える。≫

鳥川「3回?何で?」

香取「例えば、ある事柄を教えるとしましょう。1回目の説明で、教わっている人は大まかな内容を理解できます。そして、2回目の説明で、

   1回目の説明で分からなかった部分を理解する事ができ、3回目の説明で全てを理解する事ができるようになる、という事です」

鳥川「あ、そういう事?」

提督「まあ、3回目以降でも理解できなかったら、さすがに怒りますが」

鳥川「確かに…1~2回の説明じゃ理解できないような事もあるしな…。連合艦隊の話とか」

提督「大淀さんの説明の仕方、少々変えるべきですかね……


≪その2:質問攻めにしない≫

鳥川「どういう事?」

香取「例えば……」


香取『じゃあ暁ちゃん、ここはどういう事か分かるかしら?』

暁『えっと…それは、あーでこーで…こういうわけです!』

香取『それはどういう事かしら?』

暁『え、それは…その…こういう事です』

香取『で?』

暁『だ、だからその…それで……こんな感じです』

香取『それで?』

暁『う……うううう……』


香取「ただひたすら聞き返すだけだと、答えている人はどんどん不安になっていき、最終的には答えられることでも答えられなくなってしまうんです」

鳥川「あー、確かにそれは感じ悪いな」

提督「でしょう?」

479: 名無しさん 2015/11/06(金) 21:42:06.87 ID:vGWqns8p0
≪その3:言い方を変える≫

鳥川「???」

香取「そうですね…『どういう事?』と『意味が分からないんだけど?』って言葉、意味は大体似ているけど、どちらの方が感じがいいかしら?」

鳥川「そりゃ……『どういう事?』の方だけど」

香取「他にも、自分の教えたいことがうまく伝わらない時は、『どう教えたらいいのかな

480: 名無しさん 2015/11/06(金) 21:56:18.28 ID:vGWqns8p0
≪その3:言い方を変える≫

鳥川「???」

香取「…ある説明を受けた時、『どういう事?』と聞き返すのと『言ってる意味が分からないんだけど?』と聞き返すのは意味は大体似ていますけど、

   どちらの方が感じがいいですか?」

鳥川「そりゃ…『どういう事?』の方が」

香取「他にも、自分の教えたいことが上手く伝わらない時は、『どう教えたらいいのかな』と自分の方に非があることを認めた方がいいですね。逆に、

   『どうしてわからないのかな』と、教えられる側の方に非があるような言い方をしてはいけませんから」

鳥川「そりゃ、俺も言われたらイラッと来るぜ」

香取「後は、ちゃんと褒めてあげる事が大事ですね。アメとムチでも大丈夫です。一番いいのは、叱るだけ叱ってフォローをしないという事です」

提督「まさに、‶落として上げる‶ではなく‶落として上げない‶ですね」

鳥川「褒めてやらないのか……いや、これはゆとりって言われそうだけどな」


提督「それより、鳥川さんってこの後別の鎮守府と演習でしたよね?こんなところで油売ってていいんですか?」

鳥川「おっと、そうだった!あ、俺も提督講習会に参加するんだったら、香取さんが講師の日にしといてくれ!じゃあ!」

パタン

香取「あら、私の授業を受けたいんですか。嬉しいですね」

提督「……で、どう思いますか?彼」

香取「そうですね……」

ピシィン

香取「矯正のし甲斐がありそうです♪」ニコッ

提督「やったれ」


【終わり】

481: 名無しさん 2015/11/06(金) 22:00:37.94 ID:vGWqns8p0
【キャラクター紹介】

≪香取≫

香取型練習巡洋艦一番艦。艦娘No.154。穏やかな雰囲気と先生のような雰囲気が特徴的なお姉さん。鎮守府では艦娘達に数学や国語などの一般知識や、

戦闘に関する講義を行っている。また、提督たちを対象とした講習会ではその風貌によって多くの提督を落とした。提督曰く香取に対するイメージは、

‶男なら誰でも一度は想像するイケナイ女教師‶。得意料理はカレーで、舞風からの評判も良い。‶ン熱血指導ゥ‶ではなく‶じっくり指導‶タイプ。

好きな言葉は『聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥』。

482: 名無しさん 2015/11/06(金) 22:03:15.71 ID:vGWqns8p0
今日はここまでにします。

>>408
  香取の話、いかがでしたか?お気に召さないようでしたら申し訳ございません。

明日は、提督の採用基準に関する話を書いていきます。


また、このスレの話の量が多くなってきましたので、次スレ(今度はage進行)を立てようと思っているのですが、どうでしょうか…。

感想・意見・リクエスト等があればお気軽にどうぞ。

それではまた明日。



香取……今頃になってきて、すごい欲しくなってきた。

489: 名無しさん 2015/11/07(土) 20:56:48.12 ID:gP/5R7v10
こんばんは、>>1です。

今日は、提督の採用基準に付いての話を書いていきます。

>>486
  すみません、やはり1000まで行くことにします。一番上から最新のレスに行くまでのスクロールに手間がかかるんじゃないかと少し考えたんですが…。


それでは、投下します。

491: 名無しさん 2015/11/07(土) 21:00:45.51 ID:gP/5R7v10
 ―14時過ぎ、司令長官執務室―

コンコン

提督「失礼します、司令長官」

司令長官「おや、黎明君。どうしたのかな?」

提督「浦賀の海軍学校から、来年度から新たに提督となる生徒のリストが送られてきましたので、ご確認をお願いします」バサ

司令長官「へぇ、来年度は何人?」

提督「浦賀は2人ですね」

司令長官「分かった、確認しておくよ。ありがとうね」

提督「はい、では私はこれで」

パタン

492: 名無しさん 2015/11/07(土) 21:06:29.75 ID:gP/5R7v10
>>490
  忘れてました、まだsageで行きます。


【新提督】

 ―20時過ぎ、司令長官執務室―

司令長官「うーん……」

コンコン

司令長官「どうぞ~」

川内「失礼するよ、司令長官~」ガチャ

司令長官「川内君か。どうしたのかな?何か用?」

川内「ううん、ちょっと来てみただけ。何してたの?」

司令長官「ああ、来年度から提督になる海軍学校の生徒のリストを見てたんだよ」

川内「もうそんな時期なの?」

司令長官「あと1カ月で今年も終わるからね」

川内「そっかー…もうそんな時期か…。それより、今度提督になる人って、どんな感じの人なの?」

司令長官「そうだねぇ……儂は直に会った事がわからないけど…資料によれば……」

川内「うんうん」


司令長官「1人は……成績がほぼ底辺。もう1人は……オカマだね」


川内「……………………………は?」

司令長官「だから、成績底辺と、オカマ」

川内「ちょちょちょ、ちょっと待って!?何でそんな人が提督になれるの!?」

494: 名無しさん 2015/11/07(土) 21:17:39.33 ID:gP/5R7v10
司令長官「何でって……実際に提督になれる適性があるわけだし…」

川内「適性って…提督になれる適性って何なの!?というか、提督の採用基準ってどうなってるの?」

司令長官「そうだねぇ……普通の会社みたいに、ペーパーテストと、面接があって、それと1つ特別な試験があるから……」

川内「特別な試験?」

司令長官「……ま、実際に見てみないと分かりにくいかな。川内君って、3日後と4日後の予定はどうなってるの?」

川内「え、3日後と4日後?えーっと…確か、お休みだったはずだけど」

司令長官「実は、3日後に鳥羽の海軍学校で提督適性試験が行われるんで、そこに行くことになってたんだ。よかったら、川内君も来る?」

川内「え、いいの?」

司令長官「ああ、別に構わないよ。まだ旅館も取っていないし、新幹線の席もまだ空いていると思うから、大丈夫だと思うよ。料金は儂が出すから」

川内「行く!是が非でも!ほとんど旅行って事じゃない!」

司令長官「じゃあ、黎明君にも外出届を出しておいてね」

川内「はーい、分かった!」


 ―21時前、執務室―

提督「……はい、分かりました。行き先が鳥羽という事は、司令長官の付き添いですか?」

川内「うーん…正確には、司令長官に付いて行くって感じ?私も提督の適性試験見てみたいし」

提督「分かりました。では、ごゆっくりとお休みください」

川内「はーい、それじゃ、失礼しまーす」パタン

鬼怒「…………ふぅ」

提督「?鬼怒さん、どうかしたんですか?」

鬼怒「……3日後の夜は、軽巡寮が静かになるね!」

提督「…ああ」

495: 名無しさん 2015/11/07(土) 21:24:49.33 ID:gP/5R7v10
 ―3日後8時過ぎ、新幹線内(小田原付近)―

川内「駅弁おいし~♪(私服)」モクモク

司令長官「列車の中で食べるごはんって、なんだか一味違うよね、なんでかな?」

川内「さあ……分からないな~…」

司令長官「ふわ……それじゃ、儂はひと眠りするから…名古屋の手前になったら起こしてね」

川内「えー、どうしようかな~」

司令長官「ちょっと」


 ―10時過ぎ、名古屋駅―

司令長官「さてと、次は近鉄に…」

川内「また速い列車?」

司令長官「ああ、それも、列車の名前を聞いたら驚くと思うよ」

川内「?」

司令長官「特急‶しまかぜ‶」

川内「」


 ―12時前、鳥羽駅―

川内「すごい速かった……」

司令長官「うん、今度島風君も乗せてあげたいね」

川内「……その時は、ちゃんとした格好して乗せないと、通報されかねないね」

司令長官「そこは掘り下げなくていいんじゃないかな…いや、一応考えなくちゃだけど」

496: 名無しさん 2015/11/07(土) 21:36:58.80 ID:gP/5R7v10
 ―14時過ぎ、鳥羽海軍学校・応接室―

教官「司令長官、これは…ご足労いただきありがとうございます!」ビシッ

司令長官「ははは、そんなにかしこまらなくても大丈夫ですよ。あ、この子はこの前連絡したけど、一緒に付いてくることになった川内君」

川内「川内です。よろしくお願いします」ビシッ

教官「はい、よろしくお願いします」ビシッ

司令長官「それで、適性試験の方はどんな感じですかな?」

教官「はい、今は大体面接試験が終わったところでして…そろそろ、特別適性試験に入ろうかと言う時間です」

司令長官「そうか、じゃあその様子を見せてもらっても大丈夫かな?」

教官「もちろんでございます」

川内「やっぱり、東京から出てくると、ここに来るまでには時間がかかるよねぇ~」

司令長官「そうだねぇ…鎮守府を出たのが大体7時ごろで、新幹線に乗ったのが8時前だから…大体6時間ぐらいかかってるね」

教官「やはり、東京と三重は離れていますからね…。あ、そうだ。川内さん」

司令長官「?」

教官「こちら、本年度の当海軍学校の提督適性試験のテスト用紙でございます。よろしければご覧ください」

川内「いいんですか?ありがとうございます!どれどれ…」

ペラ、ペラ

川内「うーん…海軍関係の問題と、それに近い雑学系の問題が多いね…あとは一般常識?」

教官「ええ、提督たる者、あらゆる知識を持っていなければなりませんからね」

川内「………何、この問題」


問『女性が自分の事を見てにこりと笑った。この時考えられる女性の笑顔の意味を述べよ』


教官「艦娘を率いて戦う提督たる者、女性の事も分かっていなけれななりませんから」

川内(……司令長官、これ、いいの?)ヒソヒソ

司令長官(うん……儂もどうかと思っているんだけど、一応問題を考えているのは各海軍学校の校長だし……あちらの言っている事も一理あるから、

     一概に子否定できなくて)ヒソヒソ

川内(……女の私から言わせてもらうけど、この問題、相当ひどいね)ヒソヒソ

497: 名無しさん 2015/11/07(土) 21:48:09.55 ID:gP/5R7v10
 ―数十分後、適性試験室前―

教官「この部屋が、提督としての第三適性試験を行っている部屋です。提督適性試験は、第一試験で筆記、第二試験で面接、そして第三試験で特別試験、

   と言う流れです」

川内「その、特別試験の内容ってどんな感じなんですか?」

司令長官「口で説明するよりも、実際に見てもらった方がいいんじゃないかな?」

教官「そうですね、ではこちらの部屋へどうぞ」ガチャ


 川内達が入った部屋は、向かって左側の壁に横長のガラスがはめてある細長い部屋だった。その幅は大人が2人ぐらいしか並べないくらい狭い。そして、

ガラスの向こうには広い部屋が見える。こちらに背を向けて試験官らしき男性が椅子に座り、その男性のそばのテーブルには、鳥かごが置いてあった。


川内「この部屋は?」

教官「こちらは、試験を行っている様子を実際に見る事ができる部屋です。このガラスはマジックミラーになっていて、向こうの部屋からはこちらは見えず、

   こちらからは部屋の内容が見えるようになっているんです」

川内「へぇ…それで、あの鳥かごは何ですか?」

司令長官「よく見てごらん、あの鳥かごの中」

川内「んん~……?」ジー


エラー娘『…………………』ゴローン


川内「妖精さんじゃん!何であんなところに!?」

教官「あ、試験を受ける生徒が入ってきますよ」

生徒『失礼します!』ガチャ

試験官『では、貴方の生徒番号とお名前を教えてください』

生徒『はい!生徒番号、第1989番、○○○○です!』

498: 名無しさん 2015/11/07(土) 21:53:23.58 ID:gP/5R7v10
教官「あの部屋は完全防音性になっておりまして、外の音は一切聞こえてきません。向こうの部屋のやり取りは、スピーカーを通してこちらから聞けます」

川内「ここまでのやり取りは、普通の面接と同じですね」

教官「ここからですよ。この試験の本番は」

川内「?」

試験官『それでは、こちらに鳥かごがございますね?』

生徒『はい』

試験官『この鳥かごの中には何か入っていますか?』

生徒『……は?』

試験官『何か入っていますか?』

生徒『……いえ、自分には何もないように見えますが…』

試験官『…分かりました。では、試験はこれにて終了です。お疲れさまでした』

生徒『は、はい!では失礼いたします!』パタン

川内「え?え?」

司令長官「これが、第三の試験の内容だよ」

教官「試験を受けた生徒は、あの鳥かごの中に何が入っているかを聞かれます。何も入っていないと答えた生徒は提督となり得る適性が無いため、

   試験には不合格となります」

川内「え、それじゃ……提督に慣れる資格って…」

499: 名無しさん 2015/11/07(土) 22:01:18.84 ID:gP/5R7v10


教官「妖精さんが見えるか見えないか、それだけです。後は別に関係ありません」


川内「ええっ!?」

司令長官「ぶっちゃけね、それだけあれば十分なんだよ。どれだけ性格が破綻していようが、成績が悪かろうがね。まあ、さすがにダメダメすぎている子は、

     採用できないけど。勉強とかは艦娘の子たちに教えてもらうのも大丈夫だし、面接何てほぼ基礎中の基礎の事しか聞かないしね」

試験官『この鳥かごの中には何が入っていますか?』

生徒『ええと……何か、小さい人のようなものが入っています』

川内「あ、あの人妖精さんが見えてる!?」

教官「いえ、ただ当てずっぽうを言っているだけかもしれませんので、妖精さんに少しアクションをとらせます」

エラー娘『いっちに、いっちに』

試験官『それでは、今この鳥かごの中にあるモノは、何をしていますか?』

生徒『……体操をしている、ように見えます』

エラー娘『ごろごろごろごろ~』

試験官『今度は何をしていますか?』

生徒『……鳥かごの中をごろごろ転がっています…』

試験官『……分かりました。では、これで試験は終了です。お疲れさまでした』

生徒『は、はい!では、失礼いたします!』パタン

教官「彼は、提督の適性ありですね。合格です。成績は問題ありませんが、性格はリア充大嫌いな某FFF団団長みたいな人です」

川内「」

司令長官「これが、提督を決める基準だよ。分かったかな?」

川内「……………案外、いい加減なんだね」

司令長官&教官「それを言われると正直耳が痛い」


【終わり】

500: 名無しさん 2015/11/07(土) 22:08:12.15 ID:gP/5R7v10
【キャラクター紹介】

≪川内≫

川内型軽巡洋艦一番艦。艦娘No.46(改二はNo.158)。ツーサイドアップの髪が特徴の、明るく活発な女の子。夜戦…というか夜が大好きで夜が訪れると、

テンションがハイになって大いにはしゃぐ。そして他の艦娘達から文句を言われる。非常に好奇心旺盛なところもあり、新しいものには目が無い。神通、

那珂の事は放っておいているように見えるけど、案外ちゃんと見てる。仕事は一応する方だけど、その仕事のスピードは日没以降から早くなっていく。

好きな言葉は『夜道に日は暮れぬ』。

501: 名無しさん 2015/11/07(土) 22:10:53.34 ID:gP/5R7v10
今日はここまでにします。

>>490,>>493
  ありがとうございます。


明日は>>1の都合上投下できません。次回の投下は明後日の11月9日の午後9時以降、リクエストにありました春雨の話を書いていく予定です。

>>1の都合で投下できず、申し訳ございません。

感想・リクエスト等があればお気軽にどうぞ。

それではまた明日。



イベント前だけど、久々に大型建造まわしてみようかな…。

505: 名無しさん 2015/11/09(月) 20:51:42.81 ID:yU9JlAEr0
こんばんは、>>1です。

今日は、リクエストにありました春雨の話を書いていきます。

>>504
  瑞鳳、了解しました。

それでは投下いたします。

506: 名無しさん 2015/11/09(月) 20:55:32.93 ID:yU9JlAEr0
 ―19時過ぎ、駆逐艦寮―

白露「あー、お腹空いたな~…」

時雨「遠征帰りだからね…大分遅くなっちゃったよ…」

春雨「皆、演習お疲れさま!」

村雨「あ、春雨ちゃん」

春雨「晩御飯を作っておきましたから、皆で食べましょう!」

白露「おっ、やったー!メニューは?」

春雨「麻婆―」

時雨「あ、やっぱり…」

春雨「豆腐!」

村雨「わーい!」

507: 名無しさん 2015/11/09(月) 21:04:15.35 ID:yU9JlAEr0
【必殺料理人】

 ―翌日19時過ぎ、駆逐艦寮―

磯風「何故だろうか……」

浦風「……………………」

磯風「しっかりとレシピ本を見て…」

谷風「……………………」

磯風「ちゃんと内容を理解したというのに…」

浜風「……………………」


磯風「なぜ失敗してしまうのだろうか…」

浦風&谷風&浜風「」チーン


提督「なんですか、このダークマターは」

磯風「あ、司令。駆逐艦寮に何か用が?」

提督「いえ、ただ他の駆逐艦の方から‶駆逐艦寮で異臭がする‶という報告があったんですが」

磯風「?」

提督「…大体理解できました。また作ったんですか?」

磯風「いや、ちゃんと手順通りにやったんだが、それでも上手くいかなかったんだ…」

提督「…で、なぜこの方たちは気絶しているんですか?」

磯風「いやあ、せっかくこの磯風が作ったのだから、食べてもらおうと思って」

提督(この様子じゃ今日はもう起きませんね…)

508: 名無しさん 2015/11/09(月) 21:13:13.26 ID:yU9JlAEr0
 ―同時刻、戦艦寮―

比叡「さあ、比叡特製カレーです!皆さん、たんと食べてください!」

金剛「……………………Oh,とても個性的な色をしていますネ…まさか、青いカレー何て…」

榛名「あはは…榛名、初めて見ましたね……」

伊勢(霧島……記録課でラッキーだったね…)

金剛「Ah,ヒエー?チョットいいですカ?」

比叡「はい?なんでしょうか?」

金剛「ティーセットをMeの部屋から取ってきてくれませんカ?」

比叡「?分かりました、ちょっと待っててください」タタタ

金剛「さあハルナ、今の内デス!このバイオ兵器をすぐに処理するのデス!」

榛名「は、はい!」

日向「後の事に関しては安心しろ!私がそっくりに作ってあるものがあるから!」

扶桑(青いカレーを意図的に作るって…どうやって…?)

比叡「お待たせしましたー…って、なんで皆さん汗かいてるんですか?」

金剛「あ、Ah…み、皆おなかが空いてて我慢してたんデース…」

比叡「ふーん………」

509: 名無しさん 2015/11/09(月) 21:26:07.98 ID:yU9JlAEr0
 ―翌日10時過ぎ、執務室―

提督「…事情は大体わかりました」

浜風「磯風も努力している事は間違ってはいないのですが、あの失敗作に毎回つき合わされると、さすがに体がもちません…」

金剛「ヒエーも、ヒエーなりに頑張ってはいるんですガ、どうしても失敗してしまうんデス……」

提督「……健康状態も芳しくない方も増えていますからね……というか、貴女たちは磯風さんや比叡さんが料理している隣で見ているのでは?」

浜風「途中までは見ているのですが、『じろじろ見られると集中できない』と言われて台所から締め出されるんです……」

金剛「ヒエーも同じ感じデース…」

提督「おそらく貴女たちが見ていないところで失敗するのでしょう。しかし、磯風さんも比叡さんも、ちゃんとできないなりに努力をしているんですよね?

   ですから、努力しているところは褒めてあげたいところなのですが……」

浜風&金剛「…………………」

提督「一番いいのは、料理の上手な人に教えてもらうのが一番なのですが……」

浜風「間宮さんは食堂の切り盛りで手一杯ですし……」

金剛「鳳翔さんハ、普段から鎮守府の家事をしているから忙しいでしょうシ……」

提督「……要は、料理が上手な人でしたらいいんですよね?」


 ―数分後、駆逐艦寮―

提督「…と言うわけで、貴女の力を借りたいんです。春雨さん」

春雨「それは構いませんけど……どうして私が?」

提督「春雨さんは普段から自炊しておりますし、その料理の腕は他の駆逐艦の皆さんからも上々です。その腕を見込んで、磯風さんと比叡さんに、

   料理を教えてもらいたいんです」

春雨「……分かりました。この春雨、不肖ながら、頑張ります!」

510: 名無しさん 2015/11/09(月) 21:36:54.85 ID:yU9JlAEr0
 ―16時過ぎ、特別艦寮・キッチン―

春雨「では、頑張りましょう!」

磯風「うむ、よろしく頼む」

比叡「むー…戦艦のお姉さんが駆逐艦の子に料理を教わるのって、なんだか不満……」

提督「貴女の料理の腕ってそんな事にこだわっていられないくらい絶望的なんですから、少しは我慢してください」

比叡「私の料理って、そこまでだめですかね?皆さん、食べた後は涙ながらに『美味しい』って言ってましたよ?」

提督「その涙は別の意味でしょう…。では、春雨さん、よろしくお願いします」

春雨「はい、分かりました!では、始めましょう!」

磯風&比叡「はーい」

春雨「今回のメニューはカレーですね。定番中の定番です」

磯風「私は作れない事はないが…」

比叡「私だって、カレー何てお茶の子さいさいですよ」

提督「普通カレーはピンクだの青だの奇抜な色はしていませんよ」


春雨「材料の切り方が雑ですよ?もっと丁寧に切ってください」

磯風「しかし、戦場ではそんな時間と手間を掛けるわけには…」

春雨「今は戦場の事を気にしないでください」


春雨「あ、比叡さん。そのタバスコはどうするつもりなんですか?」

比叡「あ、いえ。アレンジを……」

春雨「アレンジは料理ができるようになってからにしてください。不慣れな間はレシピ通りに作ればいいんですよ」

511: 名無しさん 2015/11/09(月) 21:54:26.55 ID:yU9JlAEr0
 ―数時間後―

磯風「ううむ…今回は一段と疲れたぞ……」

比叡「はー…いつも通り作ってたらこんなに疲れたりはしないのに……」

春雨「今回の料理で分かった事があります」

磯風&比叡「?」

春雨「磯風ちゃんは材料の切り方や分量が雑ですし、比叡さんはやたらアレンジをしたがるって感じですね」

磯風「え、私はそんなに雑だったか?」

春雨「雑でしたよ。ほとんど目分量だったでしょう?今まで美味しくできなかったのはそれが原因です」

磯風「むぅ…分かった。以後、気を付けよう」

春雨「比叡さんも、かつては御召艦で、料理は老舗ホテル並みだって話だったのに、なんで今はこうなっているんですか」

比叡「それはその……レシピ通りに作るんじゃ、他人の敷いたレールの上を走っているだけでつまらない、と思ってしまったから…」

春雨「そんな事は、料理がしっかりできるようになってからにしてください」

提督「あ、終わりました?」

春雨「はい、終わりました。2人とも、まだ上手とは言えませんが、前よりはマシになったと思います」

提督「春雨さんは、料理に関しては手加減とかしませんね」

春雨「そうですね……料理は、食べてくれた人に‶美味しい‶って言ってもらいたいし、自分の作った料理で皆が笑顔になってくれるのでしたら、

   それほどまでに嬉しい事はありませんから…」

磯風&比叡「……………………」

春雨「ですから、2人とも、食べてくれる人が笑顔になってくれるように、料理は愛情と丹精を込めて作りましょうね」ニコ

磯風「……ああ、そうだな」

比叡「そう…ですね」

春雨「……さて、このお2人の作った失敗作はどうしましょうか……」

提督「当然、本人に食べてもらいましょう」

磯風&比叡「えっ」


【終わり】

512: 名無しさん 2015/11/09(月) 22:01:40.77 ID:yU9JlAEr0
【キャラクター紹介】

≪春雨≫

白露型駆逐艦五番艦。艦娘No.205。優しい笑顔と長い薄ピンクの髪がトレードマークの、おとなしめな女の子。白露型の姉妹艦とは仲が良く、その中でも

村雨や夕立とは特に仲が良い。由良や明石とも仲良し。料理が得意で、その腕は駆逐艦の中でもトップクラス、鎮守府でも評判が良い。出撃も遠征も、

そつなくこなす事ができるが、特に鼠輸送任務は大得意。

好きな言葉は『無病息災』。

513: 名無しさん 2015/11/09(月) 22:04:32.33 ID:yU9JlAEr0
今日はここまでにします。

>>442
  春雨の話、いかがでしたか?春雨は>>1が持っておらずキャラもつかみにくかったので、妙な感じの話になってしまいました。

  お気に召さないようでしたら申し訳ございません。


明日は、リクエストにありました伊勢の話を書いていく予定です。

感想・リクエスト等があればお気軽にどうぞ。

それではまた明日。



今更ながら気づいた事。

制空権を喪失すると、空母が艦載機を飛ばせなくなる。

519: 名無しさん 2015/11/10(火) 20:58:51.79 ID:Qd53wLe20
こんばんは、>>1です。

今日は、リクエストにありました伊勢の話を書いていきます。

>>515-517
  瑞鶴、愛宕、ダメ提督製造機連中(雷、浦風、夕雲でよろしいでしょうか?)了解しました。

それでは、投下いたします。

520: 名無しさん 2015/11/10(火) 21:03:00.06 ID:Qd53wLe20
 ―15時過ぎ、カレー洋制圧戦・Dマス(東方主力艦隊)―

ズッドオオオオオオオン

戦艦ル級flagship「グオオオオオオ……」撃沈

伊勢「よっしゃ、敵艦隊旗艦撃滅成功っと!祥鳳、古鷹、援護ありがとね!」

祥鳳「え、ええ…」

古鷹「こ、こちらこそ」

伊勢「?2人ともどうしたのさ?」

祥鳳&古鷹「い、いえ。なんでもないです」

伊勢「???」

521: 名無しさん 2015/11/10(火) 21:13:11.39 ID:Qd53wLe20
【仲直り】

 ―19時過ぎ、食堂―

伊勢「うーん……」

日向「伊勢?どうかしたのか?」

伊勢「あ、日向聞いてよ!それがさ~、祥鳳と古鷹がなんだか冷たいんだよ、最近」

日向「?どういう事だ?」

伊勢「詳しくはね、これこれしかじかなんだよ」

日向「なるほどな……それはつまり、あれだ」

伊勢「?」


日向「沖ノ島の一件で、2人は伊勢に対して恐怖を抱いているんだ」


伊勢「……………………」

日向「……どうした?」

伊勢「そっか……皆の敵を、と思ってやったんだけど……余計なお世話だったのかな…」

日向「いや、そうは言ってないさ。ただ、あの時のお前の行動が、私を含めて、あの時あの場にた皆を恐怖させたんだ。特に、繊細な性格をしている、

   古鷹と祥鳳は特にな」

伊勢「……別に、恐怖を植え付けるつもりはなかったんだよ」

日向「伊勢にその気はなくても、あの2人は心に相当な傷を負っているぞ」

伊勢「………どうすればいいのかな」

日向「簡単だ。2人の誤解を解けばいいのさ」

522: 名無しさん 2015/11/10(火) 21:24:39.50 ID:Qd53wLe20
 ―20時過ぎ、戦艦寮―

伊勢「誤解を解く……つまり、仲直りって事だよね…。どうすればいいんだろ…」

金剛「Oh,イセ?そんな悩んだ顔して、どうしたんデスカー?」

伊勢「あ、金剛…。実はね、ちょっと仲直りしたい人がいるんだけど、どうやって仲直りすればいいのか困っちゃって」

金剛「Ah,そんな事デスカー?ならバ、簡単デース!お茶に誘うのデース!」

伊勢「お茶?」

金剛「そうデース!お茶を飲んで気分が落ち着いたところデ、仲直りの話を切り出せバ、関係がこじれる可能性は低くなりマース!」

伊勢「そうか……なるほど…」

金剛「ワタシのティーセットをお貸ししますのデ、頑張ってくださいネ!」

伊勢「金剛……ありがと、やってみる!」


 ―翌日10時過ぎ、休憩室―

伊勢「ごめんね、休日なのに呼び出しちゃって…」コポコポ

祥鳳「いえ……お気になさらず…」

古鷹「それで、私達に話とは…?」

伊勢「まま、まずは一杯飲んでみて」

祥鳳「では……」スッ

古鷹「いただきます……」スッ

ゴクッ

祥鳳&古鷹「!!」ドクン

伊勢「?どうかしたの?」

祥鳳「……ちょっと、お花を摘んできます…」ガタッ

古鷹「……ちょっと、神様のいる場所に行ってきます…」ガタッ

伊勢「?」

 結局、祥鳳と古鷹は腹痛で寝込むこととなった。

524: 名無しさん 2015/11/10(火) 21:39:55.04 ID:Qd53wLe20
 ―19時過ぎ、食堂―

伊勢「結局、祥鳳と古鷹、戻ってこなかったな……」モクモク

伊勢「…そう言えば、今日日向は遠征だったっけか……」

リットリオ「伊勢さん、失礼します。お隣、よろしいですか?」

伊勢「リットリオ……別にいいよ、どうぞ」

リットリオ「それでは、失礼しますね」ガタッ

伊勢「あ、そうだリットリオ。ちょっと聞きたいんだけどいいかな?」

リットリオ「はい、何でしょう?」

伊勢「仲直りしたい人がいるんだけど、どうすればいいのかな」

リットリオ「……仲直り、ですか」

伊勢「そ、仲直り」

リットリオ「……それならば、拳で語りましょう!」

伊勢「…え、拳?」

リットリオ「日本の漫画には、喧嘩してしまった時は拳をぶつけ合い、お互いを理解するシーンが良くあります。それにあやかって、殴り合いましょう!」

伊勢「う、うーん……」

伊勢(たまに川内や秋雲から借りる漫画にも、それっぽいシーンがあるし…間違ってはいないのかな…)

伊勢「そ、そうだね。やってみるよ」

リットリオ「あ、でも流石に殴り合うのはやりすぎだと思うんで、演習でもいいと思いますね」

伊勢「……分かった、やってみる。ありがとね」

525: 名無しさん 2015/11/10(火) 21:51:05.17 ID:Qd53wLe20
 ―翌日10時過ぎ、演習海域―

祥鳳「一体どういう事でしょう…」武装済み

古鷹「昨日はお茶に誘ってくれて、今日は演習……」武装済み

伊勢「よーっし、じゃあ始めようか!」武装済み

祥鳳「…何か考えがあっての事でしょう。私達の練度を上げるためとか…」

古鷹「…そっか。じゃあ、伊勢さんのその考えに応えられるように、勝ちましょう!」


 ―1時間後―

祥鳳&古鷹「」撃沈判定

伊勢「あれ?手加減したはずなんだけど…」


 ―数十分後、執務室―

提督「そりゃ、46cm砲+12mm30連装噴進砲+32号水上電探+15.2cm三連装副砲を装備してたら、手加減してても軽空母・重巡洋艦は容易く沈められますよ」

伊勢「そっか……装備がいけなかったか……」

提督「というか、昨日あたりから、祥鳳さんや古鷹さんにやたら接触してますけど、どうしたんですか?」

伊勢「……実は、沖ノ島での一件で祥鳳と古鷹が私に恐怖してるって日向が言うから、何とか仲良くしようと考えて…色々仲良くなれる方法を模索して…」

提督「演習で一方的なリンチで仲良くなれるはずがないでしょう」

伊勢「でも、リットリオから『喧嘩した時は拳で語れば仲直りできる』っていうから…」

提督「それは二次元上での話だけですし、日本の文化を微妙にはき違えているイタリアの知識を鵜呑みにしないでください」

伊勢「無駄だったのか……」

提督「というか、何を謝るためだけに苦労しているんですか」

伊勢「へ?」

提督「ぶっちゃけた話……」

526: 名無しさん 2015/11/10(火) 22:05:00.05 ID:Qd53wLe20
 ―18時過ぎ、休憩室―

伊勢「……あの時私は、皆がやられたこと、それと旗艦である私の不甲斐なさにカッと来て、あのル級flagshipを倒す事にしか頭になくて…」

祥鳳&古鷹「………………」

伊勢「……それで、私はル級をただただ潰して潰してとにかくつぶした……だから、あそこまでむごいことを…」

祥鳳&古鷹「………………」

伊勢「だから、それで2人に恐怖を植え付けちゃったのなら……ごめんなさい」

祥鳳&古鷹「………………」

伊勢「2人を怖がらせちゃって、ごめんなさい」

祥鳳「………あの時、てっきり私は、伊勢さんは『やられたらやり返す』精神の持ち主だったのかと思ってました」

伊勢「どこの半沢直樹…」

古鷹「私も、伊勢さんは本当は残虐な性格なんだと思ってました……」

伊勢「…確かに、そう思われてもいいような事をしちゃったよ」

祥鳳「でも、私達の事を思ってくれたのでしたら、それは嬉しい限りです」

古鷹「ええ。祥鳳さんの言う通りです。今まで伊勢さんに対して恐怖していたことを、私達が逆に謝りたいくらいですね」

伊勢「祥鳳…古鷹……」


提督「最初から、真向に謝ればいいだけの話ですよ」

日向「確かに、何かの形で示すより、言葉で示した方がいいからな」



 ―同時刻、沖ノ島海域・Jマス(敵侵攻中核艦隊)―

戦艦ル級flagship「伊勢……恐ロシイ子ッ…!」

駆逐二級elite「ドウシマシタ急ニ!?」


【終わり】

527: 名無しさん 2015/11/10(火) 22:20:58.21 ID:Qd53wLe20
今日はここまでにします。

>>455
  伊勢の話、いかがでしたか?お気に召さないようでしたら申し訳ございません。


明日はリクエストにありました秋雲の話を書いていく予定です。

また、秋雲のリクエスト消化後に、以下の話の中から1つを書きますので、見たい話がありましたらその番号をお書きください。

①対人恐怖の提督

②のんびり屋さんの提督

③地味な提督


アルペジオイベントもやろうかと考えていますが、まだ未定です。また、次のスレはこのシリーズの続きか、【遊戯王×艦これ】になるかもしれません。


感想・リクエスト等があればお気軽にどうぞ。

それではまた明日。



>>1における艦娘の年齢の見解。

・駆逐艦…11~15歳  ・軽巡洋艦&速吸…16~18歳  ・重巡洋艦&一部戦艦…19~22歳

・空母&一部戦艦&明石&あきつ丸…21~25歳  ・潜水艦…中学生と高校生の中間ぐらい

532: 名無しさん 2015/11/11(水) 21:03:44.11 ID:KLZNe0uf0
こんばんは、>>1です。

今日は、リクエストにありました秋雲の話を書いていきます。

また、明日に投下する話は、『対人恐怖の提督』になりますので、よろしくお願いします。

それでは、投下します。

533: 名無しさん 2015/11/11(水) 21:10:24.84 ID:KLZNe0uf0
 ―13時過ぎ、資料室―

提督『この資料を取ってきてください』

秋雲「まったくもー……オータムクラウド先生も冬に向けて頑張らなくちゃあいけないというのに、それでもあの提督は無条件で秘書艦指名とか……。

   ま、いいけどね」ウロウロ

秋雲「えーっと…どこにあるんだろ、一体……ん?」


『この箱、開けるべからず』


秋雲「……開けるなって言われると、開けてみたくなっちゃうんだよね~」ゴソゴソ

秋雲「でも、何が入ってるんだろ……提督秘蔵のエロ本?なわけないよ―」パカッ


(箱一杯に詰め込まれている薄い本)ギッチリ


秋雲「ね……………………………」

534: 名無しさん 2015/11/11(水) 21:20:39.16 ID:KLZNe0uf0
【同人誌と鎮守府事情】

 ―数分後、執務室―

秋雲「提督、これは一体何なのかな~?」

提督「その前に、頼んだ資料を持ってこなかった上に開放厳禁の箱を勝手に開けた挙句持ち出してきた貴女を呵責したいんですけど」

秋雲「今の秋雲からすれば、提督の言葉が完全に‶親にエロ本が見つかった時に言い訳をする中学生‶にしか聞こえないんだけど~」

提督「解体してやろうか」

秋雲「それは勘弁して。んで、真面目な話、この薄い本って何?」

提督「その同人誌は、内容が海軍の機密にかかわっていたり、一般読者に対して間違った海軍の常識を吹聴するような内容のものです」

秋雲「一通り表紙を見てみたけど、『削除対象』ってハンコが押されているのもその理由?」

提督「はい。ちなみに、貴女の作成した同人誌に削除対象のものはありませんでした」

秋雲「ま、秋雲も曲がりなりにも海軍総司令部で働いているからね。下手な事はそうそう書けないよ」

提督「本当なら、海軍を淫らに描写するこのような同人誌は全て規制したいものなんですけど、それは流石に厳しすぎるという意見が多かったので、

   却下となりました」

秋雲「それってつまりあれでしょ?18禁の同人誌は全部ダメー!って事でしょ?」

提督「そうなりますね」

秋雲「そうなったら困るよ~。秋雲の同人誌のほとんどって、そっち方面のが多いんだし~」

提督「まあ、海軍の機密に関する事を書いていなければいいんですけど」

535: 名無しさん 2015/11/11(水) 21:30:24.73 ID:KLZNe0uf0
秋雲「そう言えば、ショタ・ロリ提督とかの本は規制してないんだね。間違っているのに」

提督「ええ、ロリショタ提督とかも間違っているんですよ、海軍としては。提督となれるのは、海軍学校で2年間の教育期間を経て、提督の適性あり、

   と判断された者のみです。そして、海軍学校には18歳以上の人しか入学できませんし、飛び級で入学する事も不可能です。つまり単純計算で、

   提督になれる方の最低年齢は20歳です。ですから、これらの本も規制したいんですけど…」

秋雲「でも、規制はしないんだね。どうして?」

提督「………一部の需要が多かったから、ですね」

秋雲「ああ………陸奥さん、自分がモデルの同人誌がショタ提督との絡みか凌辱系しかないって怒ってたから、純愛系描いてあげようかな…」

提督「ぜひそうしてあげてください」

秋雲「ところで提督、その書類は?さっきは無かったけど」

提督「ああ、これですか。つい先ほど、新たにブラック鎮守府の報告がありましたので」

秋雲「また見つかったの~?もうこれでいくつ目?」

提督「さあ、私がここに就いてから実に十幾つ目でしょうか」

秋雲「…今さらなんだけど、ブラック鎮守府の定義って何なの?同人誌でもたまに見るけど」

提督「艦娘の心身状態を顧みずに出撃や演習を繰り返す鎮守府ですね」

秋雲「もちっと分かりやすくお願いします…」

提督「……まず、分かりやすく言いますと……損傷を負っていても無理に出撃させる鎮守府です。具体的には、中破、小破などの万全ではない状態で、

   深海棲艦と戦わせる感じですね」

秋雲「そう言えば……ウチって、体力がマックスの状態じゃなきゃ出撃させてくれないよね」

提督「万が一で、沈んでしまう可能性もありますから」

536: 名無しさん 2015/11/11(水) 21:45:03.71 ID:KLZNe0uf0
秋雲「うーん……でも、それって難しいんじゃないかな?資材とかの関係で入渠に手が回らない鎮守府もあるし…」

提督「そうであれば、その艦娘を出撃させないか、出撃自体を控えればいいだけの話です。資材が少ないからと言う理由で入渠させずに出撃させるのは、

   許される理由にはなりません。まあ、手持ちの艦娘が少ない、と言う理由であれば仕方がありませんけど」

秋雲「確かにねぇ……」

提督「他には、艦娘の生活環境が著しく低い、ですね」

秋雲「え?」

提督「最低限度の食事も睡眠も与えず、昼夜ぶっ続けで艦娘を運用する鎮守府です」

秋雲「そんな鎮守府あるんだ……」

提督「残念ながら、あるんです」

秋雲「あ、艦娘に暴力を振るうのも、ダメなんでしょ?」

提督「当たり前です。艦娘に暴力と言うのは、拳で殴るか、性的な暴行を加えるかのどちらかに大きく分かれます。つまり……」ガサゴソ


『ほぉら、もっといい感じで泣けよ一航戦様ァ!』

『だめ…やめ……』

『まだまだ満足できねえんだよ、メス豚ぁ。もっとアソコ締めろぉ!』

『もう…らめぇ……』


提督「こういうことしてる鎮守府大体アウト!!」パシコンパシコンパシコン

秋雲「うわぁ……凌辱系って、見てるだけでも結構クる……同人誌書いてる秋雲が言うのもあれだけど…」

提督「まあ、ブラック鎮守府の提督は大体ろくな末路をたどりませんから」

537: 名無しさん 2015/11/11(水) 21:55:26.97 ID:KLZNe0uf0
秋雲「ブラック鎮守府の提督や、加害者ってどうなっちゃうの?」

提督「加害者が艦娘だった場合は即刻解体、提督や整備員などの人間の場合は…」マドノソトミル

秋雲「?」


提督「シベリア送りです」


秋雲「刑罰ひどくない!?」

提督「ロシア側との協定でもあるんです、これ。もしロシアが深海棲艦の襲撃を受けた場合日本は全面的に協力する代わりに、ブラック鎮守府の連中を、

   シベリアの強制労働施設で死ぬまで働かせるという協定が」

秋雲「えらいひどい協定だな!」

提督「ロシア側は大いに喜んでいましたよ。『日本に守ってもらえる上に労働力をこちらに流してくれるとは、日本はなんて優しいんだろう』、と」

秋雲「あー…最近になってロシアがやけに友好的になったのってそれが理由か……」

提督「……話が少しそれますが、凌辱系も需要があるせいで規制する事が困難なんです」

秋雲「…仮に、仮にだよ?海軍の凌辱系の薄い本見て興奮した奴が海軍に入ってきたら、どうするの?」

提督「まず、そのような輩が海軍に入る事自体あり得ません。話したかどうかはわかりませんが、提督に慣れる資格があるのは妖精さんが見える人で、

   勉強は二の次です。そして、邪な心を持っているものに妖精さんを見る事はできません。妖精さんが見えるのは、優しい心を持つ人だけですよ」

秋雲「それでも、ブラック鎮守府っていうのはできちゃうんだよね…」

提督「ええ、やはり、艦娘が自分の思うような戦果を挙げられない、連日の資材消費や書類整理で心が荒んでいき、最後にはブラック鎮守府になってしまう、

   と言う感じです」

秋雲「……前々から気になってたんだけど、ブラック鎮守府ってどうして分かるの?」

提督「それにもまた、妖精さんが関わってくるんです」

秋雲「妖精さんが?」

538: 名無しさん 2015/11/11(水) 22:05:38.76 ID:KLZNe0uf0
提督「…実は、この事実を知っているのは海軍総司令部のわずかな人だけなんですが……」ヒソヒソ

秋雲「ほほう……」


提督「海軍総司令部を含む全ての鎮守府には、提督にも艦娘にも見えない謎の妖精さんが住んでいるんです」


秋雲「え、そんな妖精さんがいるんだ…」

提督「ただ、私と司令長官だけが見る事ができます。そしてその妖精は、各鎮守府にそれぞれ2~3人いて、そこの提督や整備員の様子を監視しているんです。

   まさに、海軍の007」

秋雲「秋雲達には見えないの?」

提督「残念ながら。話を戻して、その妖精さんが、監視している提督や整備員がブラック鎮守府に値するアクションを取った場合、妖精さんネットワーク、

   まあ独自の情報伝達網を用いて、各鎮守府に情報をリーク、最終的には総司令部に情報が上がってくるんです。そして、その情報を参照にして、

   ブラック鎮守府の摘発をするんです。その後のブラック鎮守府の調査は、憲兵団の仕事ですね」

秋雲「はー……鎮守府の事は、妖精さんがみんな見ているんだねぇ…」

提督「その妖精さんは、鎮守府に提督が着任した瞬間から生まれ、今日この日まで監視しているんです」

秋雲「…そのことを知ってたら、下手なことできないね」

提督「まあ、これは海軍でも最重要機密事項ですから。下手に言いふらしたら更迭/解体モノですからね」

秋雲「おお…怖いね…」


提督「ですよね、青葉さん」


秋雲「えっ」

青葉「青葉、ナニモキイテナイデスヨー」


【終わり】

539: 名無しさん 2015/11/11(水) 22:11:41.11 ID:KLZNe0uf0
【キャラクター紹介】

≪秋雲≫

陽炎型駆逐艦十九番艦。艦娘No.132。ドヤ顔とその口から除く白い歯が眩しい好奇心旺盛な女の子。制服は夕雲型のものだが、秋雲自身は陽炎型。ゆえに、

秋雲は夕雲型と間違われてしまう事が多々あるが、秋雲自身は気にしていない。イラストを描くのが大好きで、鎮守府の皆をモデルによく絵を描いている。

同人誌も書いており、夏と冬のイベントには毎回参加している。よく巻雲や他の艦娘を巻き込んで同人誌作成をしている凄い迷惑イラストレーター。

好きな言葉は『芸は身を助ける』。

540: 名無しさん 2015/11/11(水) 22:16:39.31 ID:KLZNe0uf0
今日はここまでにします。

>>468
  秋雲の話、いかがでしたか?ブラック鎮守府・同人誌・妖精さんの認識はあくまで>>1個人の見解ですので、あしからず。

  お気に召さないようでしたら申し訳ございません。


明日は、対人恐怖の提督の話を書いていく予定です。

感想・リクエスト等があればお気軽にどうぞ。

それではまた明日。



艦これプレイヤーあるある?

艦娘の名前ゆかりの場所へ行くと、心が躍る。ソースは、東名高速・足柄SAに止まると心が少し踊る>>1。

(本当に陸奥の純愛系同人誌が全くと言っていいほど無いのはなぜなのか)

545: 名無しさん 2015/11/12(木) 21:27:24.64 ID:T4CJMEww0
こんばんは、>>1です。

今日は、対人恐怖の提督の話を書いていきます。

>>544
  五月雨、了解しました。


それでは、投下いたします。

546: 名無しさん 2015/11/12(木) 21:30:43.06 ID:T4CJMEww0
 ―16時過ぎ、執務室―

提督「羽黒さん」

羽黒「は、はい?」

提督「明日、いすみ第壱拾鎮守府へ向かいますが、ご一緒しますか?」

羽黒「?なぜ、私を誘ったんですか?」

提督「そこの提督は、前にも少し話した提督がいるんです」

羽黒「前に話た方、ですか?」

提督「ええ、対人恐怖症の提督です」

羽黒「……あ」

547: 名無しさん 2015/11/12(木) 21:34:49.39 ID:T4CJMEww0
【対人恐怖、疑心暗鬼】

 ―翌日10時過ぎ、いすみ第壱拾鎮守府正門―

提督「さあ、着きましたよ」

羽黒「対人恐怖なのに、会う事ができるんですか……」

提督「ええ。ある条件が付いてきますが」ピンポーン

羽黒「?」

ガチャリ

『はい』

提督「海軍司令本部の斑です。視察に参りました」

『分かりました、少々お待ちください』

ガチャン

羽黒「今の方が、ここの司令官さんですか?」

提督「はい」

羽黒「なんだか、普通そうですし、会うのを拒むような感じもありませんでしたけど…」

提督「今は、大丈夫なんでしょう」

羽黒「今は?」

ガチャ

扶桑「お待たせいたしました、斑提督」

提督「ありがとうございます。では、入りましょう」

548: 名無しさん 2015/11/12(木) 21:44:27.12 ID:T4CJMEww0
 ―数分後、執務室前―

コンコン

扶桑「提督、斑補佐官がいらっしゃいました」

??『ありがとうございます、では、入ってください』

扶桑「では、どうぞ」ガチャ

提督「失礼します」

羽黒「し、失礼します」

 執務室に入った提督と羽黒の目の先には、こちらに背を向けて座っている男がいた。その男は、くるりと椅子を回してこちらに顔を向ける。しかし…

羽黒「………え?」


 その提督は、顔が見えなかった。首から上が、機械のようなもので覆われていたからである。

 首の部分は、青を基調とした機械で大きく覆われており、喉仏があるあたりにはスピーカーが付いていた。

 そして提督の顔は、白を基調とした機械的なマスクで髪の毛まで覆われている。目の部分に青く光るレンズがはめられていて、顔の下半分には、

弧を描くように透明なアクリル板がはめ込まれている。そのアクリル板の奥に見える提督の口は、少し笑っているようにも見えた。


いすみ鎮守府提督『お久しぶりです、斑提督。そして、そちらの羽黒さんは、初めましてですね』

 その提督の声は、どこか機械じみていて、首を覆っている機械のスピーカーの部分から聞こえていた。

羽黒「は、初めましてっ!羽黒です」

臨憧『私は、いすみ第拾鎮守府の提督、臨憧 夕(りんどう ゆう)と申します。以後、お見知りおきを』

羽黒「は、はい」

 羽黒は、不思議な気分だった。まるで、ロボットと会話しているようだったのだから。

549: 名無しさん 2015/11/12(木) 21:53:24.60 ID:T4CJMEww0
臨憧『それにしても、斑提督とお会いするのは、いつぶりでしょうか』

提督「そうですねぇ……前に、一度司令本部に来た時以来ですかね?」

 提督と、臨憧と名乗る男(?)が話している様子を見て、羽黒は違和感を覚えた。

羽黒「……あれ?」

 そう、この臨憧提督がはめているマスクのアクリル板から覗く唇が、ピクリとも動いていない。提督と話しているのに、ただ唇は笑っているだけだ。

提督「?どうしました?」

羽黒「あの…臨憧司令官って、口が動いてないのに、話せてる…?」

臨憧『ああ、これですか。気にしないでください。私は声帯を潰してしまっているので、口を動かして話す必要が無いんです。私が今話しているのは、

   脳の信号を読み取って、このスピーカーで音声を発しているだけです』

羽黒「声帯が潰れてるって……深海棲艦にやられたんですか?」


臨憧『いえ、これは自分からやった事です』


羽黒「へっ…!?」

提督「………………………」

臨憧『理由は……聞かない方がいいでしょう。聞いたところで、貴女方に私の人生を分かるはずもない』

扶桑「………お茶を、淹れて来ます」

臨憧『ああ、すみませんね、扶桑さん』

パタン

提督「……貴方の性格、やはりまだ直っていないんですね」

臨憧『性格というより、性根でしょうか。治そうとしても、治せないものなんです』

550: 名無しさん 2015/11/12(木) 22:07:00.65 ID:T4CJMEww0
羽黒「司令官……なぜ、この臨憧司令官は、こんな機械を身に着けているんでしょうか…」

提督「…それは、臨憧提督自身の口から聞くといいかもしれませんね」

臨憧『………貴方は、前からそう言う方でしたね』

提督「これが私の主義でもありますので」

臨憧『…最初に言っておきますが、話したところで同情を誘うつもりもありません。それだけは、理解しておいてください』

羽黒「…はい」

臨憧『……私はこれまでの人生で、「人間はそう簡単に信じられるものではない」という事を骨の髄まで思い知らされました』


 臨憧夕の人生は、裏切りと失望の連続でしかなかった。

 親しくなった友人は、簡単に臨憧を裏切り、別の者とつるんで臨憧を蹴落とした。成績が上で、人望もあった臨憧を妬んだその『親友』は、

クラスの連中に偽りの情報を流して臨憧をクラスから孤立させた。それが結果的に、恩師でもある先生から得ていた信頼を失う事にもなった。

 臨憧は、親友などと言うものは信じられないと悟った。


 恋心を抱いた女性は、簡単に他の男と寝るような尻軽だった。甘い言葉で臨憧を誘惑し、臨憧の心に付け入って抱いていた淡い恋心を大いに弄んだ。

その『恋人』の本性に気づく事ができなかった臨憧自身にも非はあると言えるが、臨憧の気持ちを分かっているような事を言っていただけにショックだった。

 臨憧は、恋人などと言うものは偽りでしかないと悟った。


 社会人で先輩と仰いだ人は、自分に過酷な仕事ばかりを任せる外道だった。自分に対して好印象を持たれるような言動を臨憧が入社した時から繰り返し、

確固たる信頼関係を築く事ができたと臨憧が認識してきた頃になり、その男は林道を蹴落とすような言動をし始めた。

 臨憧は、先輩などと言うものはただの上下関係を表す言葉でしかないと悟った。

551: 名無しさん 2015/11/12(木) 22:15:22.39 ID:T4CJMEww0
 その繰り返しの中で、臨憧は最後に悟った。

 人間など、信じられないと。

 両親はそれでも臨憧の味方をしてくれたが、その時の臨憧には、それすらも疑わしいとしか思えなかった。ただ、自分を利用するために味方している、と。

 臨憧は、多くの人間から裏切られたことで心が腐り、自殺を図った。

 包丁を喉に突き立てて死のうと考えたが、なぜか死ぬ事ができなかった。


臨憧「…………………ぅ」

 臨憧が目を覚ましたのは、どこかの病室だった。目だけを動かして周りを見ると、部屋には自分しかいないようだった。そして体を起こそうとすると、

首が動かない。それと同時に、首に鋭い激痛が走る。

臨憧「………………ぁ……ぇ……!!」

 そこで気づく。ろくに声も出せない事に。声帯が潰れてしまったのだろう。

臨憧「……………………ぉ………」

 しかし、臨憧はそんな事がどうでもよかった。死ねなかったことに対して、臨憧は落胆する。そして、ふと窓の外に体を向ける。

 すると……

臨憧「…………!?」

 窓の外に見える木の枝に、何か、小さな人間が見えるではないか。

臨憧「…………な…………ぃ……」

 その小さな人間は、こちらを見てひそひそと何かを言っている。

 その直後、外からバタバタというあわただしい足音が聞こえてきた。臨憧は反射的に病室の入り口を見る。そして、ガラッと扉が開かれた。

医師「目を覚ましたのかね!?」

 その医師と臨憧の目があった瞬間。

臨憧「……………………………」

 臨憧の意識は突然途切れた。

552: 名無しさん 2015/11/12(木) 22:22:55.58 ID:T4CJMEww0
 次に目を覚ますと、意識が途切れたのと同じ時間のように見えたが、日にちは結構進んでいるようだった。

臨憧「…………………」

 臨憧は体を起こす、前に起きた時に比べると、痛みは幾分かは和らいでいた。

 そして、脇の机に置いてある『臨憧 夕殿へ』と書かれている手紙に気づく。

臨憧「………………?」

 臨憧は、その手紙を取って中身を確認する。

 一通り読んだ後で、臨憧はその手紙の内容を理解して……。

臨憧「………………………」ニヤ

 かすかに笑った。



臨憧『その手紙は、特例で海軍学校への入学を許可するものでした』

羽黒「特例?」

提督「基本的に、身体に著しい障害を持つ者は提督として着任できません。臨憧さんは、声帯が潰れて声も発する事ができない上に、人間と肉眼で、

   目を合わせるとアレルギーが発生するような方ですから…しかし」

臨憧『私が病室で見た、木の枝に立っている小さな人間、あれは妖精さんでした』

提督「そして、妖精さんネットワークで海軍総司令部へ臨憧さんの事が伝わり、妖精さんが見えるという事で特例で海軍学校入学が許可された…」

臨憧『その恩恵で、この首の装置と顔のマスクを得る事ができました。言葉を話せないというのは、とても不便ですし、人と顔を合わせられないのも、

   また不便でしたから』

羽黒「……人と顔を合わせられないって……」

553: 名無しさん 2015/11/12(木) 22:34:38.03 ID:T4CJMEww0
臨憧『これまで何人もの人間に裏切られ、だまされてきたことで、私は人間と言うものを信じる事ができなくなってしまいました。そして、対人恐怖症に…。

   私の症状は、肉眼で人の顔を見ると、脳が勝手に意識を途切らせてしまう、と言うものです』

提督「要するに、人の顔を直に見ると気絶する、と言うわけです」

臨憧『この症状は、私が眠っている間に脳のスキャンをされ、発見されたそうです。現代では治療法は存在しません。ですが、海軍学校に入学する事で、

   そのお詫びと言う形でこのマスクと首の装置をいただけたのです』

羽黒「そのマスクにはどんな意味が……」

臨憧『人の顔を見ても失神する事が無いように、脳に特殊な信号とリラックスを与える電波を与えているんです。まあ、この方が過ごしやすいですから』

提督「つまり、今ここでマスクを外せば…」

臨憧『おそらく、失神してしまうでしょう。失神しない可能性は0とも言えませんが。なぜか、信頼できる方に関しては肉眼で顔を見ても失神しません。

   まあ、親ぐらいしかいませんが』

羽黒「……つまり、貴女にとって司令官さんは、信頼できない、と」

臨憧『……はい』

羽黒「そんな、誰も信用できないような方が、どうして提督を……?」

臨憧『私も元々、提督になることに関してはあまり乗り気ではありませんでした。海軍に入ったのも、私のこの不自由な体を補助してくれる機器目当てと、

   何かをしていなければすぐにまた、人を疑いすぐに自殺するような人生を送りそうな気がして』

羽黒「……………」

臨憧『ですが、提督となって艦娘の子たちと接しているうちに、私は少しだけ変わる事ができたような気がしたのです』

羽黒「?」

臨憧『これまで接してきた人間は、私を裏切るような方たちで、腹の内に何をため込んでいるかわからないような人間ばかりでしたが、艦娘は違いました。

   皆、裏表のない感情と言葉で私に接してきてくれて、こんな姿の私にも優しく接してくれている方ばかりでした』

提督「…………ですけど、それで解決したわけじゃないんでしょう?」

554: 名無しさん 2015/11/12(木) 22:45:53.09 ID:T4CJMEww0
臨憧『最初の内は、優しく接してくれている皆さんに対して、私も心を開こうとしたのですが、そこで思い出したのです。これまでに私を裏切った者たちも、

   同じように最初は優しく接して最終的には裏切り蹴落としてきた…。もしかすると、ここの艦娘の方たちも同じなのではないか?そう一度疑い始めると、

   その可能性をぬぐえなくなってしまったんです』

提督&羽黒「………………………」

臨憧『ですから、今この鎮守府にいる艦娘の方々を私は真に信頼しているわけではありません。まあ、本当に信頼している方もいますけど』

提督「……それは、先ほどからお茶を淹れに行ったまま帰ってこない扶桑さんですか?」

臨憧『…………………………人の心を見透かす能力をお持ちですか』

提督「私にはマインドスキャンはできません。あくまで、この前の貴方と扶桑さんのやり取りを見て予測したまでです」

臨憧『ふふっ…………扶桑さんは、今休憩室で待機させています。この私の過去を聞かれて私から離れられても困りますから。必要でしたら、

   呼び戻しましょうか』

提督「いえ、結構です。今回の目的は、あくまでここの視察ですから」

臨憧『ああ、そうでしたね。私の過去を聞かせるために招いたわけではありませんでした。では、早速参りましょう』

提督「お願いします」

羽黒「……………」


 ―数時間後、帰り道―

羽黒「……あのような方も、提督になる事ができるんですね」

提督「提督と言うものは、みな何かしらのトラウマやつらい過去を抱えているものです。みなしごである私や、両親がいない提督もたくさんいますし、

   あの瑞理提督もまた、過去に傷を負っているんです」

羽黒「………あの司令官は、いつか自分の症状を克服できる時が来るんでしょうか……」

提督「彼は一応、あれでも人を信じられるように努力はしているんです。その努力が報われれば、症状は回復するでしょう」

羽黒「……司令官さんは、私達の事を信じてくれているんですか?」

提督「私ですか?もちろんですよ」

羽黒「…そうですか」ニコ


【続く?】

555: 名無しさん 2015/11/12(木) 22:55:05.23 ID:T4CJMEww0
【キャラクター紹介】

≪臨憧 夕(りんどう ゆう)≫

関東・いすみ第壱拾鎮守府提督。年齢は21歳。常にマスクとマフラー型装置を装着している、対人恐怖症(肉眼で信頼できる者以外の顔を見ると気絶)の男性。

子供の時から、親友、恋人、先輩など親しい人間から裏切られて蹴落とされた経験があり、それの積み重ねによって対人恐怖症になる。提督になった事で、

多少回復してきたがそれでもまだ艦娘の事は完全には信用できていない。鎮守府で最も信頼できる艦娘は扶桑。趣味は読書。

好きな言葉は『晴耕雨読』。


[マスク]

臨憧夕が常時顔に装着している装置。臨憧が人の顔を見てもすぐに気絶しないように、脳に特別な電気信号とリラックス効果のある電気信号を送っている。

この装置をつけてずに臨憧が人の顔を見ると、脳が勝手に意識を途絶させてしまう。


[マフラー型装置]

臨憧夕が常時首に装着している装置。自殺未遂によって声帯を潰してしまったために喋れなくなったので、会話をサポートするために海軍が開発した。

脳に取り付けた端子で脳からの信号を受け取り、受け取った信号を人工音声に切り替えてスピーカーから発する。この装置が無ければ臨憧は会話が行えない。

556: 名無しさん 2015/11/12(木) 22:57:29.09 ID:T4CJMEww0
今日はここまでにします。

臨憧夕の話は、おそらく続きます。


明日は>>1の都合上、投下できません。

次回の投下は、明後日の11月14日、午後9時以降に、リクエストにありました瑞鳳の話を書いていく予定です。

>>1の都合で投下できず、申し訳ございません。


感想・リクエスト等があればお気軽にどうぞ。

それではまた明日。



いよいよイベントまであと1週間。

2つ前のイベントで入手した艦娘(葛城、早霜、野分)が1度も改造できてないってどういう事…

559: 名無しさん 2015/11/14(土) 21:12:50.24 ID:6rwxVxPy0
こんばんは、>>1です。

今日は、リクエストにありました瑞鳳の話を書いていきます。

それでは、投下いたします。

560: 名無しさん 2015/11/14(土) 21:17:33.07 ID:6rwxVxPy0
 ―23時過ぎ、空母寮・祥鳳&瑞鳳の部屋―

瑞鳳「うーんっと……」カチャカチャ

祥鳳「……すー…すー…」

瑞鳳「このパーツを取り付ければ……」カチャリ、カチャリ

祥鳳「……すー…すー…」

瑞鳳「…できたっ!フレーム完成!」

祥鳳「むにゃ……むにゃ……」

瑞鳳「さて、次は色を付けないと…」

561: 名無しさん 2015/11/14(土) 21:23:04.80 ID:6rwxVxPy0
【空に憧れて】

 ―翌日8時過ぎ、食堂―

瑞鳳「うー………」ズズズ

龍驤「どないしたん、瑞鳳?えらい眠そうやな」

祥鳳「また昨日、夜遅くまでプラモを作っていたのよ」

龍驤「また徹夜したんかいな」

瑞鳳「一度作り始めると……途中で終わらせるのがなんか…」

龍驤「今度は何を作ったん?」

瑞鳳「…九七式艦攻(村田隊)……」

龍驤「あんたも好きやなぁ……」

瑞鳳「あ、そう言えば龍驤。この前頼まれてたの、できたよ」

龍驤「お、ホンマか?じゃあ後で、運動場でやってみよ!」

瑞鳳「うん、わかった!」

祥鳳「もう……ほんとに2人とも好きね……」

562: 名無しさん 2015/11/14(土) 21:44:07.10 ID:6rwxVxPy0
 ―10時過ぎ、執務室―

提督「新しい装備の提案、ですか」

赤城「ええ、詳細はそちらを」

提督「…………デコイの艦載機?」

赤城「具体的には、デコイの艦載機を飛ばして敵の目を引き付け、敵がそちらに気を取られているすきに反対方向から艦載機や他の皆さんで攻撃する、

   と言った形です」

提督「…確かに、そうすればいいかもと思いますが…それでしたら、攻撃を終えた艦載機や、運用している艦載機を別個で操れば…」

赤城「…提督、艦載機の運用は、提督が思っているほど簡単ではありません。自分の脳内で指示を構築し、艦載機に乗っている妖精さんへ伝える……。

   言ってしまえば簡単ですが、実際にやるのはとても困難です。艦載機1機ずつに指示を出すのはとても難しいですし……その中の数機の艦載機に、

   『敵を引き付けるように操縦しろ』と指示するのも、難しいんです」

提督「……あれですか。同じ九七式艦攻の妖精さんに、『敵を攻撃しろ』と言う指示と『敵を引き付けろ』と言う指示を同時にするのは難しい、と」

赤城「そういう事です。艦爆も艦攻も艦戦も、敵艦載機と戦ったり敵の艦を沈めたりと、役割はあります。仮に艦爆に敵を引き付ける役割を任せると、

   敵艦を沈められる可能性も低くなってしまいますから……。それならばいっそ…」

提督「初めからデコイ用の艦載機を用意し、そのデコイには初めから『敵を引き付けろ』と指示を出しておけば、後は艦攻などの攻撃用艦載機の運用に、

   意識を集中できるというわけでですか」

赤城「はい」

提督「……分かりました。しかし、この赤城さんの新装備案を承認するにしても、新装備開発担当の夕張さんは、次の大規模作戦に向けての新装備開発で、

   てんてこ舞いですし、明石さんも多忙です…。申し訳ございませんが、この艦載機が実現するのは少し先になってしまいますが……」

赤城「…仕方ありませんね。本来は、大規模作戦に備えて提案するつもりでしたし…」

バルルルルルルルル!!!

提督「?」クルッ

赤城「…窓の外の……天山(六〇一空)の艦載機でしょうか……」

提督「……………………」

563: 名無しさん 2015/11/14(土) 21:49:58.30 ID:6rwxVxPy0
 ―数分後、運動場―

ブーン

龍驤「おー…さすがは瑞鳳やなぁ~……扱いがホンマに上手いわ~」

瑞鳳「え~、それほどでもないって~」


提督「瑞鳳さん、龍驤さん」スタスタ


龍驤「あ、提督」

瑞鳳「て、提督…どうしたんだろ…怒ってるみたい…」

提督「今日、私は艦載機の練習運用を認めた覚えはありませんが」

瑞鳳「へ?」

提督「あれですよ、あれ。天山(六〇一空)。勝手に装備倉庫から持ち出したんですか。でしたら厳重注意を…」

龍驤「あー、ちゃうちゃう!あれ、ニセモンや!」

提督「偽物?」

瑞鳳「ちょっとまってね……よい、しょ」ガチャガチャ

提督(リモコン?)

キイイイイン

瑞鳳「これ、ラジコンなんです」

提督「あ、そうだったんですか」

龍驤「にしても、キミが見間違えるくらい精巧に作られてるんやから、やっぱ瑞鳳はすごいなぁ~」

瑞鳳「それほどでもないよ~」

提督「え、これ瑞鳳さんが作ったんですか?」

564: 名無しさん 2015/11/14(土) 21:58:31.87 ID:6rwxVxPy0
瑞鳳「流石にモーターとリモコンは違うけど、フレームは私が作ったんだよ」

提督「フレームなんて作れるんですか」

瑞鳳「ホビーショップによく売ってるよ?自分で色を塗って組み立てて……」

龍驤「瑞鳳、趣味が艦載機プラモづくりなんやから、部屋がプラモでいっぱいや!でも、瑞鳳の作るプラモって本物そっくりやし…」

提督「………なるほど」

瑞鳳「?どうかしましたの?」

提督「瑞鳳さん、よろしければ、貴女の部屋のプラモデルも見せていただいてもよろしいでしょうか」

瑞鳳「へ、別に構わないけど?」


 ―十数分後、軽空母寮・祥鳳&祥鳳の部屋(祥鳳は演習中)―

提督「…これは、すごい数ですね」

龍驤「お、これは朝話してた、九七式艦攻(村田隊)か?」

瑞鳳「そう、上手くできてる?」

提督「そうですね……本物そっくりです」

瑞鳳「でも、あんまり増えすぎちゃって、祥鳳から『いい加減にして』って言われちゃって…」

提督「でしょうね。部屋の半分が艦載機のプラモとかで埋まってますし」

瑞鳳「それで、他の空母の皆におすそ分けをしてるんだけど、それでも減らなくて…」

龍驤「うちの部屋にもあるで。零式艦上戦闘機が」

提督「…それらすべて、瑞鳳さんが作ったんですか?」

瑞鳳「何度も言うけど、フレームやパーツは市販のを買って、それに自分で色を塗って、それを組み立てて、こんな感じにできるの」

提督「……瑞鳳さん、今後、お仕事を任せる可能性がありますので、お願いします」

瑞鳳「へ?」

565: 名無しさん 2015/11/14(土) 22:10:32.67 ID:6rwxVxPy0
 ―15時過ぎ、工廠―

提督「明石さん、今お時間よろしいでしょうか?」

明石「はい?どうしました?」

提督「1つ、作ってもらいたいものがあるんですが」

明石「何を作ってほしいんです?大きさによって、時間が大体変わりますけど…」

提督「これを…」スッ

明石「これ……九九式艦爆の矢?まさか、開発ですか?」

提督「いえ、この九九式艦爆と同じ大きさの艦載機のフレームとパーツを、作ってもらいたいんですけど」

明石「????」

提督「…要するに、組み立てたらこの九九式艦爆と同じぐらいの大きさになるようなプラモデルのパーツ部分を、作ってもらいたいんです」

明石「あ、あー…えー……はい。分かりました!それぐらいでしたら、ちゃちゃっとできちゃいますから」

提督「ああ、それと材料にはボーキサイトを使ってください」

明石「えっ」


 ―数日後、執務室―

瑞鳳「…これは?」

提督「艦載機プラモデルのパーツです」

瑞鳳「いや、それはわかるんだけど…具体的には…」

提督「赤城さんから、新装備の提案として‶デコイ艦載機‶がありまして、それの試作品と言った感じです。もともと敵の目を引き付けるのが目的ですから、

   通常の艦載機装備と同じように精巧に作る必要はありませんし、さらにプラモデルのようにすれば他の皆さんも手軽に作れるようになります。

   まずは、プラモデル作りが得意な瑞鳳さんに作って運用してもらい、感想を聞かせてもらえればと」

瑞鳳「なるほど…ちなみに材料は何?プラスチックの重さじゃないけど…」

提督「一応、それっぽさは分かるように、ボーキサイトを使っています。しかし、通常の艦載機を開発するより、はるかに資材の量は少なめです」

瑞鳳「ハイブリッドだね…色は?」

提督「貴女のご自由にどうぞ」

567: 名無しさん 2015/11/14(土) 22:17:33.38 ID:6rwxVxPy0
 ―21時過ぎ、空母寮・祥鳳&瑞鳳の部屋―

祥鳳「は~…今日も疲れた…」ガチャ

瑞鳳「………うーん…」

祥鳳「瑞鳳?またプラモデル?」

瑞鳳「ううん、新しい艦載機の試作品のテスト」

祥鳳「へ?」

瑞鳳「色は……敵を引き付けやすい赤にしようかな……」

祥鳳(色!?赤!?)


 ―試験運用後―

提督「いかがでしたか?」

瑞鳳「うーん…やっぱり、普通の艦載機とは違う感じがしたけど、扱いやすいって感じはあったよ」

提督「なるほど……その辺りはまた試行を繰り返さないと…」

バァン

提督&瑞鳳「?」

夕張「提督、新装備の開発にどうして一枚噛ませてくれなかったの!?」

提督「いえ、貴女には次の大規模作戦報酬となる新装備の開発と研究を任せたからですけど」

夕張「どうして、新しい艦載機開発試験何て面白そうなイベントに、参加させてくれないの~……」


【終わり】

568: 名無しさん 2015/11/14(土) 22:22:19.27 ID:6rwxVxPy0
【キャラクター紹介】

≪瑞鳳≫

祥鳳型軽空母二番艦。艦娘No.112(改はNo.113)。栗色の長い髪と、屈託のない明るい笑顔が特徴の優しい女の子。艦載機が大好きで、休日のほとんどを

艦載機のプラモ作成に費やしている。料理が得意で、その中でも得意な料理は卵焼き。その腕は、鳳翔や間宮も認めるほどである。同型艦のはずなのに、

祥鳳より胸が小さい…というか胸が小さい事が悩み。よくつるんでいる龍驤は親友。最近、新しい装備のテストという仕事を提督から任される。

好きな言葉は『青天白日』。

569: 名無しさん 2015/11/14(土) 22:24:13.25 ID:6rwxVxPy0
今日はここまでにします。

>>504
  瑞鳳の話、いかがでしたか?お気に召さないようでしたら申し訳ございません。

  ちなみに、夕張が新装備開発担当と言う事に関しては、夕張がリクエストされた際に書く予定です。


明日はリクエストにありました瑞鶴の話を書いていく予定です。

感想・リクエスト等があればお気軽にどうぞ。

それではまた明日。



次のイベントの報酬新装備がデコイ艦載機、なんてことはないはず、です。

573: 名無しさん 2015/11/15(日) 21:02:44.55 ID:V3DGdNGs0
こんばんは、>>1です。

今日は、リクエストにありました瑞鶴の話を書いていきます。

それでは、投下いたします。

574: 名無しさん 2015/11/15(日) 21:08:41.95 ID:V3DGdNGs0
 ―16時過ぎ、珊瑚諸島沖・Dマス(敵機動部隊本隊)―

ズドオオオン

装甲空母姫「クウ…ッ!」大破

瑞鶴「よっし、あと少しよ!」

装甲空母鬼「フン、馬鹿メ」バシュシュ

キイイイン

翔鶴「まず……っ、全員対空姿勢―」

バババババババ

ドオオオン

翔鶴「きゃあああっ!?」大破

瑞鶴「あっ、翔鶴姉!?」

575: 名無しさん 2015/11/15(日) 21:19:38.13 ID:V3DGdNGs0
【幸運の女神】

 ―17時過ぎ、執務室―

瑞鶴「……装甲空母姫の撃沈には成功。なお、我が艦隊の被害は、飛鷹さんが小破、古鷹さんが中破、翔鶴姉が大破です」

提督「また翔鶴さんが大破ですか……。青葉さん、今のドックの空き状況は?」

青葉「えーっとですね、今は第一ドックと第二ドックは前の出撃で被弾した飛龍さんと長門さんが使用してまして、第三ドックと第四ドックは空いています」

提督「飛龍さんと長門さんの残り入渠時間は?」

青葉「飛龍さんが残り1時間と13分、長門さんが2時間と24分です」

提督「瑞鶴さん、先ほど述べた被弾者の入渠時間は?」

瑞鶴「妖精さんからの報告だと、飛鷹さんが1時間46分、古鷹さんが2時間28分で、翔鶴姉は12時間以上だね」

提督「もう今日は出撃する予定はないが…。翔鶴さんには申し訳ないですが、高速修復剤でを使って回復してもらいましょう。その後第三ドックに飛鷹さん、

   第四ドックに古鷹さんを入居させて下さい。申し訳ございませんが、4時間以上入渠する艦娘に高速修復剤を使うわけにはいきませんから…」

瑞鶴「分かりました」

提督「それと、翔鶴さんは明日の出撃を蒼龍さんに代わってもらいましょう。…それにしても……また翔鶴さんが大破ですか」

瑞鶴「そうなのよ……もう大破しないで帰ってきた日なんてないくらい……」

青葉「青葉の記録だと、最後に大破せずに帰ってきたのは今から1年前ですね。それも、中破」

提督「結局被弾する事には変わらないんですか」

瑞鶴「なにせ、鎮守府正面海域に出撃しても、敵のラッキーパンチでワンパン大破させられたもん」

提督「ラッキーにもほどがあるでしょう」

576: 名無しさん 2015/11/15(日) 21:24:39.43 ID:V3DGdNGs0
瑞鶴「…じゃあ、報告も終わったし、失礼するね」

提督「ええ、お疲れさまでした。詳細な報告書は、明日の夕方まででお願いします」

瑞鶴「りょーかい」

パタン

提督「……翔鶴さんは、日頃から不幸にさいなまれていますからねぇ。出撃でもこれじゃ、心が疲れるでしょうに」

青葉「ホントですねぇ。青葉だったら耐えられません」

提督「それより……気になる事があるんですが」

青葉「なんでしょうか?」

提督「………青葉さん、すみませんが3日間の間、翔鶴さんと瑞鶴さんの生活を監視していただけませんか」

青葉「見返りは?」

提督「新しいカメラと、有給休暇3日でどうでしょう」

青葉「青葉にお任せーっ!」


 ―19時過ぎ、食堂―

瑞鶴「翔鶴姉、あっちのテーブルで食べよ!」

翔鶴「ええ、構いませんよ」

ズルッ

翔鶴「きゃあっ!?」

瑞鶴「翔鶴姉!?」

鳳翔「あ、床に油のぬめりが。掃除のし直しですね」

577: 名無しさん 2015/11/15(日) 21:30:17.52 ID:V3DGdNGs0
 ―20時半過ぎ、浴場―

カポーン

翔鶴「はぁ……出撃した後のお風呂って、気持ちいい…」

瑞鶴「翔鶴姉、背中洗ってあげるよ!」

翔鶴「あら、いいのかしら?じゃあ……」ザバァ

ズルッ

翔鶴「へぶっ!?」ゴチン

瑞鶴「ああっ、翔鶴姉!お湯に沈んでいく!」

蒼龍「あー、湯船で足が滑ったのか…」


 ―22時過ぎ、空母寮・翔鶴&瑞鶴の部屋―

翔鶴「はあ、疲れた…」バサッ

瑞鶴「それじゃ、お休み。翔鶴姉」バサッ

翔鶴「ええ、お休み。瑞鶴」

バキィッ

翔鶴「ぎゃっ!?」ドサッ

瑞鶴「翔鶴姉~!?」

翔鶴「ベットの底が抜けるなんて……現実でもあるのね…」


 ―翌日10時過ぎ、ショッピングモール―

翔鶴「あっ、財布が無い!鞄に穴が…!!」

瑞鶴「ええっ!?それじゃ何も買えないじゃない!」

翔鶴「もういやぁ……」メソメソ

578: 名無しさん 2015/11/15(日) 21:39:13.98 ID:V3DGdNGs0
 ―数日後、執務室―

提督「3日間の間、貴女たちの行動を監視させていただきました」

瑞鶴「は、はあ!?何それ、もろプライバシーの侵害じゃない!」

翔鶴「瑞鶴、少し落ち着いて……」

提督「直接監視してたのは青葉さんです。私は別に何も見ていません」

瑞鶴「じゃあ何のために青葉に監視を…?」

提督「翔鶴さんが普段から運が無い、不幸だと言っている上に、出撃でも被弾率が高いので、少し確かめたいことがあったんです」

瑞鶴&翔鶴「?」

提督「翔鶴さんが不幸になるときは、大体瑞鶴さんが一緒にいるという事です」

翔鶴「なっ…?」

瑞鶴「ちょ、それって私が翔鶴姉の運を吸い取ってるって言い方じゃない!」

提督「……そもそも、艦娘の運と言うのは、まだ未解明な部分が多いんですよ。艦娘のステータスの1つとして‶運‶と言うものがありますけど、それが何か、

   影響を及ぼしているのかどうかもまだ分かっていません。一部の提督は、『被弾率が低い』『攻撃の命中率が高い』『夜戦で強くなる』といった噂が

   横行していますが、それらはまだ実証されていません」

翔鶴「確かに……私や扶桑さんに山城さん、陸奥さんも『運が悪い』って言うだけで…」

提督「分からないゆえに、運がどういうシステムなのかもわかりません。運のいい艦娘と一緒にいると運を吸われるとか、それとは逆に、運の悪い艦娘が

   1艦隊に2人以上いると、逆に運が上がる、とかそういう話も出てきますが。それもまた未解明です」

瑞鶴「そっか……じゃあ、運が高い私が翔鶴姉と一緒にいたから翔鶴姉の運がどんどん悪くなっていくって事か…」

579: 名無しさん 2015/11/15(日) 21:48:22.97 ID:V3DGdNGs0
提督「まあ、私も『運の悪い翔鶴さんと運のいい瑞鶴さんが一緒の艦隊に居たらトントンで運が普通並みになるんじゃ?』と思って一緒の艦隊にしたんですが」

瑞鶴「この提督さん意外とあほだ!?」

提督「まあ、姉妹艦同士の方が色々やりやすいというのもありますし……。そこで、1つ提案があります」

翔鶴&瑞鶴「?」

提督「しばらくの間、翔鶴さんと瑞鶴さんは離れて生活してもらいたい」

瑞鶴「ええっ!?」

提督「これは、先ほど言った‶艦娘の運‶の実態を探るためでもあります。具体的には、翔鶴さんを運の値が平均程度の方ばかりの艦隊に組み込んで、被弾率が

   下がるかどうかを確かめ、なおかつ翔鶴さんが不幸な目に遭う事態が怒らなくなるかどうかを確かめようと」

翔鶴「……分かりました」

瑞鶴「翔鶴姉!?」

翔鶴「期間はどれぐらいでしょうか?」

提督「大体1週間ほどでしょうか」

瑞鶴「ええええ………」

提督「では、寝る時は翔鶴さんは飛龍さんと部屋を代わってください」

翔鶴「分かりました」

瑞鶴「うぇぇ…翔鶴姉……」

提督「………………」


 ―数分後、廊下―

提督「……本当によかったんですか?」

翔鶴「ええ」

提督「一応、今回の‶運の実証‶という事で瑞鶴さんと引き離しましたけど、瑞鶴さんは相当悲しがっていましたよ」

580: 名無しさん 2015/11/15(日) 21:54:00.75 ID:V3DGdNGs0
翔鶴「ですけど、瑞鶴は私に依存しているところが若干ありますし、ここで少し、姉離れをさせた方がいいかと思いまして」

提督「…素直に『私と離れて生活して』と言えないあたり、翔鶴さんも甘いですね」

翔鶴「ええ。自覚しています」


 ―数日後―

飛龍「提督に言われた通り、翔鶴と瑞鶴は引き離して、出撃・演習・食事・入浴・入渠・睡眠を全て別々にさせてみたけど…」

提督「結果はどうでしたか?」

飛龍「うーん…翔鶴は被弾率が下がった感じがしなくもないし、不幸に見舞われることも少なくなったって本人は言ってたけど……」

提督「なるほど…」

飛龍「でも瑞鶴がね…」

提督「?」

飛龍「瑞鶴がなぜか敵への命中率が下がったり、毎日毎日溜息をついてたりして、なんかいつもの瑞鶴じゃないなーって」

提督「………………」


 ―20時過ぎ、中庭―

瑞鶴「………はぁ」

提督「瑞鶴さん」スタスタ

瑞鶴「あ、提督さん……」

提督「どうかしましたか?」

瑞鶴「べ、別になんでも…」プイッ

提督「…明らかに何かある感じでしょう?」

瑞鶴「……聞いてもらえる?」

提督「もちろん」

581: 名無しさん 2015/11/15(日) 22:03:21.87 ID:V3DGdNGs0
瑞鶴「…私が着任したのって、翔鶴姉より後じゃない?」

提督「ええ。先に翔鶴さんが着任してました」

瑞鶴「で、翔鶴姉は運が低くていつも不幸な目に遭って、私は幸運の空母……。それで、翔鶴姉が少しでも不幸な目に遭わないように私が翔鶴姉のそばにいる、

   そう決めた」

提督「………………」

瑞鶴「……でも、この前の提督の説明で、私が翔鶴姉の運を吸っている、って事だったんだと思うと…すごくいやで…」

提督「……あれは、あくまで一説です。本気にしてはいけませんよ」

瑞鶴「うん…そうも思っているけど……。翔鶴姉とはずっと一緒にいたから、こうして別々で生活しているのもなんだかつらいなあ、って」

提督「………………」


 ―翌日9時過ぎ、執務室―

提督「やはり、運に関しては分からずじまいという事で、2人の別居生活は終了とします」

瑞鶴「はぁ~…よかったぁ~…」

翔鶴「私がいなくて寂しかったかしら?」

瑞鶴「そりゃもう…!」

提督「今後は、運の解明にはもう少し他の鎮守府の協力も仰ぐ必要がありますか……」


翔鶴「………また、大破してしまいました…」

瑞鶴「あれれ~…」

提督「…ぶっちゃけ、出撃する度に被弾して帰ってくると、資材を半端なく消費するんで何とかしてもらいたいんですが……」スッ

翔鶴「?」

提督「なぜか最近、翔鶴さんに限っては無いと思いますけど、自らが不幸という事を利用して多少注意や戦闘を怠っている、と私は思うんですが?」ゴゴゴ

翔鶴「ありませぇん!」


【終わり】

582: 名無しさん 2015/11/15(日) 22:07:39.16 ID:V3DGdNGs0
【おまけ】

提督「ちなみに…」

翔鶴&瑞鶴「?」

提督「運の低い方たちが大破で帰ってくることが多いので、冗談で『いっそ、まるゆさんを近代化改修に使ってしまおうか』と言ったら…」

翔鶴&瑞鶴「?」


提督「近くにいた木曾さんに、喉元に刀を突き付けられて『お前が永遠の闇を見る事も辞さないなら、やってもいい』と脅されました」


翔鶴&瑞鶴「」

提督「あの時の木曾さんの目、flagship並みの邪悪な目つきでした」

翔鶴「木曾ちゃん……まるゆちゃんのこと好きすぎでしょう…」

瑞鶴「というか、この提督さんがそんな状況に陥る事自体が驚きなんだけど…」

583: 名無しさん 2015/11/15(日) 22:12:03.99 ID:V3DGdNGs0
【キャラクター紹介】

≪瑞鶴≫

翔鶴型正規空母二番艦。艦娘No.107(改はNo.108、改二はNo.262、改二甲はNo.207)。ツインテールが特徴の、さばっとした性格の親しみやすいお姉さん。

幸運の空母と言われているが、本人は『ただ一生懸命に戦ってきただけ』と言っている。姉の翔鶴とは常に一緒にいるくらい仲良しで、翔鶴が姉として好き。

五航戦をバカにする加賀とは前まで仲が悪かったが、今では和解している。七面鳥(ターキー)は禁句。龍驤、瑞鳳、大鳳とは仲が良い。

好きな言葉は『青天の霹靂』。

584: 名無しさん 2015/11/15(日) 22:16:38.79 ID:V3DGdNGs0
今日はここまでにします。

>>515
  瑞鶴の話、いかがでしたか?お気に召さないようでしたら申し訳ございません。


明日は>>1の都合上投下できません。次回の投下は明後日の11月17日の午後9時以降に、リクエストにありました愛宕の話を書く予定です。

>>1の都合で投下できず、申し訳ございません。


また、愛宕のリクエスト消化後に、以下のタイトルの話から1つを書こうと思います。

①のんべんだらり(のんびり屋の提督)

②地味鎮守府(地味な提督)

③深き海で(深海提督登場)

読みたい話がございましたら、その話の番号をどうぞお書きください。

また、感想・リクエスト等があればお気軽にどうぞ。

それではまた明日。




試製甲板カタパルトなんて知らんがな。

587: 名無しさん 2015/11/16(月) 10:52:24.31 ID:a5uKYfOSO
乙です
3でお願いします

588: 名無しさん 2015/11/17(火) 20:55:29.69 ID:JWin6EFx0
こんばんは、>>1です。

今日は、リクエストにありました愛宕の話を書いていきます。

また、愛宕の話の後の話は、深海提督の話になりました。

>>585
  祥鳳、了解しました。

それでは、投下していきます。

589: 名無しさん 2015/11/17(火) 21:00:13.06 ID:JWin6EFx0
 ―3日前、重巡洋艦寮・高雄&愛宕の部屋―

愛宕「うちの提督ったら、釣れないわよね~」

高雄「それ、どういう意味で言ってるのかしら?」

愛宕「いや、ことあるごとにアプローチしてるんだけどぉ、全然反応してくれないのよ~」

高雄「それ自分で言うのって……。それに、反応を示さないのなら、アプローチ止めちゃえばいいじゃない」

愛宕「でもね、理性に耐えているようにも見えて、それがまた可愛いのよ~♪」

高雄(ダメだこの高雄型二番艦)

高雄「もう、そんなにアプローチして提督の反応を見るのが楽しいんだったら、いっそデートにでも誘えばいいじゃない」

愛宕「……………………」

高雄(あら?)

愛宕「それ、いいわね!」

高雄「あ、しまった」

590: 名無しさん 2015/11/17(火) 21:07:47.42 ID:JWin6EFx0
【ショッピングと女】

 ―翌日11時過ぎ、執務室―

提督「…………………」カリカリカリカリ

コンコン

提督「………どうぞ」

愛宕「失礼しま~す」ガチャ

提督「無駄なアプローチでしたら勘弁してください。大規模作戦前で書類が山積してるんですから」

愛宕「聞きましたよ、提督?最近また徹夜が続いているとか」

提督「そうですね……もう徹夜何日目だったか。まあ、理由はさっき言った通り、大規模作戦前だからですよ」

愛宕「気分転換に、出かけましょうよ?」

提督「だめです。外出できるほど余裕がないんですよ」

愛宕「んもう、そんな事ばっかり言って~。私みたいな金髪美人と一緒に出掛けられるのよ~?光栄でしょ?」

提督「それを自分で言うんですか。というかあなたと一緒に出掛けるんですか。ですけどさっき言った通り、大規模作戦前で休めないんですよ」

ガチャ

提督&愛宕「?」

司令長官「そんな事言って、黎明君は全然休まないんでしょ?大規模作戦中はもちろんだけど、大規模作戦が終わった後は後始末が忙しくて休めないとか、

     結局休まないじゃない」

加賀「大規模作戦中に連日徹夜が原因で倒れてもらっては、こちらとしても困るわ」

提督「…………………」

591: 名無しさん 2015/11/17(火) 21:15:25.00 ID:JWin6EFx0
司令長官「大規模作戦は明後日からだし、今日か明日に気分転換に休んだらどう?愛宕君の言う通り、一緒に出掛けるのもよしだし」

加賀「その間の業務は、私が代行しておくから心配はいらないわ」

提督「………………………」

愛宕「ね、提督~?」

提督「…………分かりました、愛宕さんの提案に乗りましょう」

愛宕「やった!」

提督「ただし、出かけるのは明日です。今日はまだ仕事が残っていますので、これだけはやらせていただきます。加賀さん」

加賀「はい」

提督「明日の業務への引継ぎは、今日のフタマルマルマル(20時00分)に、執務室で行いますので、よろしくお願いいたします」

加賀「分かったわ」

愛宕(働き過ぎの提督を休ませるって名目でデートに誘う作戦、大成功~♪)


 ―翌日10時過ぎ、正門―

提督「では、加賀さん、司令長官。留守の間はよろしくお願いいたします」

司令長官「うん、分かった」

加賀「任されたわ。できれば、お土産の1つでも欲しいところね」

提督「考えておきます」

愛宕「じゃ、行ってきま~す♪」


司令長官「愛宕君も、やるようになったねぇ」

加賀「…あの人、前に‶アプローチを断る提督の反応が面白い‶って言って提督にちょっかいをかけてるらしいけれど、彼女提督に対する好意に

   気づいていないんじゃないかしら?」

司令長官「愛宕君、そんな感じあるからねぇ」

592: 名無しさん 2015/11/17(火) 21:22:22.93 ID:JWin6EFx0
提督「で、行き先は?」

愛宕「最近できた話題のショッピングモールよ。電車で1時間ぐらいの場所」


 ―約1時間後、ショッピングモール―

提督「で、何で貴女は自然に腕に抱き付いているんですか」

愛宕「え~、だって人が多いし~」

提督「暑苦しいんですけど、正直」

愛宕(素直じゃないんだから~)

提督「…それにしても、大規模作戦前に鎮守府を空けて、提督代理の加賀さんに仕事を任せてしまって大丈夫だったのだろうか…。いかん不安になって来た…」

愛宕「も~、せっかく楽しいショッピングなのに、仕事の事は忘れましょうよ~」

??「提督~」

提督&愛宕「?」クルッ


夕張「提督、次はあの店に行こ!」

瑞理「任せて~、何でも買ってあげちゃうよ~」


提督「(ゴミ虫を見る目)」

愛宕「あら、あの人って確か第壱拾参鎮守府の提督さんじゃ…」

提督「見なかったことにして行きましょう」

愛宕「挨拶しなくていいのかしら~?」

提督「誰が休日に、好き好んで犬猿の仲の奴と話さなくちゃならないんですか」


夕張「でも、大規模作戦前日に鎮守府を休みにしちゃっていいの?」

瑞理「大丈夫大丈夫。鎮守府が1日休みなったくらいで別に死ぬわけじゃないんだし、書類がちょっと増えるくらいだから別に問題ないよ~」

593: 名無しさん 2015/11/17(火) 21:29:37.11 ID:JWin6EFx0
提督「ふん」バキィ

瑞理「ぶへぼっ!?」

夕張「!?えっ、提督!?」

愛宕「さっき話したくないって……」

提督「こちとら3日連続徹夜で書類を片付けてる身だというのに、この男の言い分がなんかムカつきました。反省も後悔もしていません」

瑞理「完全に八つ当たりじゃねえかこの冷血提督!」

提督「作戦要領を全て考案して決定するこちらの身にもなって下さい。」

瑞理「まったく……ところで、お前と愛宕ちゃんは何?デート?」

提督「いえ、そういうわけでは」

瑞理「ふーん、やっぱ結局お前も巨乳派だったのか。やーい、巨乳派のむっつり提督~」

提督「……………いますよねぇ、男女が一緒にいると『お前ら付き合ってんの~』ってバカにしてくる思考回路が子供みたいな男」

瑞理「」ピクッ

提督「女と見れば誰彼見境なく侍らせるろくでなしのスケコマシハーレムクソ野郎に、むっつりとは言われたくありません」

瑞理「………ああ、そっか。お前枯れてんのか」

提督「刻んで魚の餌にしてやろうか」

瑞理「やってみろ、返り討ちにしてやるよ」

愛宕「ハイハイ2人ともストーップ!!」

夕張「ここ公共の場だから!そういういざこざは勘弁して!!」

ザワ・・・ザワ・・・

愛宕「まったくこの2人ときたら……少しは仲良くできないの?」

提督&瑞理「こんな奴と仲良くなれる可能性なんてこれっぽっちもない」

提督&瑞理「……………………………」ギリギリギリギリ

夕張「おお、綺麗にシンクロしたわね」

594: 名無しさん 2015/11/17(火) 21:34:10.31 ID:JWin6EFx0
愛宕「まあまあ2人とも……そうだ、ここで会ったのも何かの縁だし、ここは皆で一緒にショッピングしましょ?ね?」

夕張「そ、そうしよう!ね、提督?」

瑞理「夕張ちゃんがそう言うんなら……仕方ないかな」

提督「…仕方ないですねぇ」

瑞理「まったく、今日は何て日だ。せっかくの休日だというのに、こんな奴と会うなんて」

提督「最強の雪風提督が何言ってるんですか」


 ―数分後、アクセサリー店―

愛宕「色々な種類があるわね~…」

提督「私は男性ですから、こういったもののセンスは分かりかねますが…

夕張「わ~、このリボン可愛い~欲しいな~」キラキラ

瑞理「買ってあげようか?」

夕張「え、いいの?」

提督「ああ、夕張さん。そのリボン、貸していただいてもいいですか?」

夕張「え、あ、はい」スッ

提督「どうも」スタスタ

夕張&瑞理&愛宕「?」

提督「すみません、これ1つ」

店員「はーい。650円になりまーす」

夕張&瑞理&愛宕「!?」

店員「ありがとうございました~」

提督「夕張さん、これどうぞ」

夕張「あ、ありがとうございます…」

595: 名無しさん 2015/11/17(火) 21:49:15.91 ID:JWin6EFx0
瑞理「お前っ!何他人の鎮守府の艦娘たぶらかしてんだ!?」

提督「いえ、こういった時は女性の買いたいものを男性が買ってあげるべきなのでしょう?そのルールに乗っかったわけです。それに、貴女も前に一度、

   私の鎮守府の方をたぶらかしたでしょう」

瑞理「こんの…いけしゃあしゃあと……愛宕ちゃん!」

愛宕「へっ、な、何かしらぁ?」

瑞理「僕が買ってあげるから、何でも欲しいもの言ってみて!」

愛宕「え、ええっ?」

瑞理「あっちの方かな?あっちの方に色々あるから行ってみよう!女の子は男に欲しいものをおねだりしていいって特権があるんだから!」スタスタ

愛宕「ちょ、あれ~?」グイグイ

提督&夕張(何言ってんだかわからない…)

提督「まったくあの男は……」

夕張「あはは…でも、あれがデフォですから…」

提督「…夕張さんも大変でしょう?」

夕張「?何がですか?」

提督「あんな女たらしが提督じゃ、貴女もセクハラされたりするのでは?」

夕張「あー……確かにそういう事もされますけど…」

提督(否定はしないのか)

夕張「あの人は、ちゃんと私達の個性を把握してくれていますし、私達にできない事はやってくれます。そして何より、あの人はとても優しい方です。

   セクハラでエロいところが目立つ提督ですけど、本当は優しい方です」

提督「………………………………」

夕張「斑提督も、少しはあの人と仲良くした方がいいと思いますよ」

提督「……考えておきます」

596: 名無しさん 2015/11/17(火) 21:56:41.20 ID:JWin6EFx0
 ―同時刻―

瑞理「まったくあの男は……」

愛宕「あはは…でも、あれがデフォだから…」

瑞理「…愛宕ちゃんも大変でしょ?」

愛宕「?何がかしら?」

瑞理「あんなドS冷血堅物が提督じゃ、愛宕ちゃんも退屈してるんじゃないの?」

愛宕「あー……確かにそういうところはあるけど…」

瑞理(否定はしないのか)

愛宕「あの人は、ちゃんと私達の個性を把握してくれて、私達にできない事はやってくれているわ。そして何より、あの人はとっても優しい方よ。 ドSで、

   冷血堅物なところが目立つけど、本当は優しい方よ」

瑞理「………………………………」

愛宕「瑞理提督も、少しはあの人と仲良くした方がいいと思うわ」

瑞理「……考えておくよ」


 ―数十分後―

夕張「あ、お帰りなさい~」

提督「愛宕さん、どうでしたか?」

愛宕「結構楽しめたわよ~。話もいろいろ聞いてもらったし」

瑞理「夕張ちゃん、こいつに何かされなかった?」

夕張「ううん、色々話を聞いてもらったから」

提督&瑞理「でも、こいつと仲良くした方がいいって、100%不可能だ」

提督&瑞理「………………………………」フンギイイイイイイイイイイイイイイイイイ

愛宕&夕張(絶対この2人仲が良いでしょ)

597: 名無しさん 2015/11/17(火) 22:07:38.64 ID:JWin6EFx0
 ―14時過ぎ―

ざわ……ざわ…

提督「?何かあったんですか?」

愛宕「なんかぁ、カップルの痴話喧嘩みたい」


『あんたってサイテー!私のほかに彼女が10人もいたなんて!』

『待ってくれ、俺には11人の中から1人を選ぶなんてできなかったんだ!皆、魅力的で可愛かったから…!』

『そんな都合のいい事言って責任逃れしようとするなんて……クズ!下種の極み!!もう知らない!』

『ま、待って、話を聞いてくれ~!!』


夕張「なんか、あの男の人が11股してたみたい」

愛宕「あらあら~…」

提督&瑞理「………………………」

提督「……女性ばかりの鎮守府でも、このような問題が起こりかねないんですよね」

瑞理「……うん、僕の鎮守府でも怒り得るってことだよね」

提督「……このような事が無いよう、お互い気を付けましょう」

瑞理「……そうだね、そうしよう」

愛宕&夕張(共感した!?)


 ―帰り道・列車内―

提督「今日はいい気分転換になりました。誘ってくださってありがとうございます」

愛宕「い、いえいえ、別にいいのよ~?」

提督「明日からの大規模作戦、頑張りましょう」

愛宕「そ、そうね…」

愛宕(2人の仲が少しだけ縮まったのはいいことだけれど、それの原因が女性との交際問題って、女の私からしたら凄い微妙な気持ちなのよね…)


【終わり】

598: 名無しさん 2015/11/17(火) 22:12:10.36 ID:JWin6EFx0
【キャラクター紹介】

≪愛宕≫

高雄型重巡洋艦二番艦。艦娘No.60。大きな胸と艦橋が特徴の、色々ふかふかしているお姉さん。普段は穏やかに振る舞い、ぱんぱかぱーんと開放的に皆と

接している。身体のフカフカは駆逐艦の皆に人気。提督に対してはアプローチを仕掛けているが全く報われない。しかし反応を示さない事についても、

面白がっている。それが好意からくる行動という事に本人は気付いていない。若干太っているようにも見えるが実際はただの着ぶくれ。

好きな言葉は『後は野となれ山となれ』。

599: 名無しさん 2015/11/17(火) 22:15:52.05 ID:JWin6EFx0
今日はここまでにします。

>>516
  愛宕の話、いかがでしたか?お気に召さないようでしたら申し訳ございません。


明日は、深海提督の話を書いていく予定です。

感想・リクエスト等があればお気軽にどうぞ。

それではまた明日。



明日からの大規模作戦、頑張っていきましょう。

このイベントで、清霜や翔鶴、長門がドロップできるのならドロップしたいです…。

イベント開始前の>>1鎮守府資材状況。これがどこまで下がっていくのか……。

燃料:111920  弾薬:75622  鋼材:278884  ボーキ:209090  高速修復剤:754

604: 名無しさん 2015/11/18(水) 21:30:28.20 ID:ylGlsAM20
こんばんは、>>1です。遅くなってしまいました。

今日は、深海提督の話を書いていきます。

>>603
  利根、了解しました。

それでは、投下いたします。

605: 名無しさん 2015/11/18(水) 21:33:44.46 ID:ylGlsAM20
 ―20時過ぎ、深海棲艦・本拠地―

装甲空母姫「ツイニ、我ラガ艦隊ニ、人間ノ提督ガ着任スル事トナッタノカ」

港湾棲姫「ハイ……地上世界ニテ、我々ノ提督トナル素質ノアル者ヲ探シ、見ツケタノデス」

装甲空母姫「ソウカ……期待シタイモノダ」

南方棲戦鬼「デハ……早速、ソノ者ヲ迎エル準備ヲスルトシマスカ」

装甲空母姫「無論ダ。快ク、‶我ラノ世界‶へ迎エヨウ」

606: 名無しさん 2015/11/18(水) 21:39:12.06 ID:ylGlsAM20
【深き海で】

 ―翌日12時―

男「………………」

装甲空母姫「ヨウコソ、深海棲艦ノ世界ヘ」

港湾棲姫「我々ハ、アナタノ事ヲ快ク迎エルワ」

南方棲戦鬼「コレカラ我々ハアナタノ駒……。好キナヨウニ使ッテクダサイ」

男(以下深海提督)「……なら、1つだけ質問させてくれ」

装甲空母姫「何カ?」

深海提督「……なんだ、この雰囲気」


レ級「はっはっは!このターキーもーらった!」

北方棲姫「あっ、それほっぽの分!」

泊地水鬼「こらこら……まだいただきますも言ってないのに…」

空母棲姫「ねえ、早く食べちゃわない?私特製のケーキが美味しくなくなっちゃう」


港湾棲姫「?何、とは?」

深海提督「これが人類の敵・深海棲艦の雰囲気か!全然イメージと違うよ!なんだこのほのぼのとした雰囲気!というか、この転校生歓迎会みたいな雰囲気!」

南方棲戦鬼「言っただろう?快く迎えるって」

港湾棲姫「新しく来た人を迎えるために、パーティを開くのは当然でしょう?」

深海提督「……一理あるから反論できないんだよな…」

607: 名無しさん 2015/11/18(水) 21:44:35.27 ID:ylGlsAM20
深海提督「そもそも……お前ら本当に深海棲艦なのか?」

レ級「もぐもぐ……そだよ~。君みたいな元一般人にはなじみが無いかな?」

深海提督「新聞とかでチラッと見たことがある程度だよ……ていうか、俺が元一般人だって事を知ってんの?」

北方棲姫「昨日、こーわんから教えてもらった」

深海提督「………そもそも、昨日ひどい目に遭ったんだぞ?」


 ―昨日、海沿いの道―

男「へー…深海棲艦によって沿岸都市が襲撃…か」

男「………ふん」

ザバァ

男「ん?」クルッ

??「ソノ目……気ニ入ッタ…」

男「なん、お前っ―!?」

ガスッ


深海提督「いきなり誰かが俺を殴ったと思ったら、目覚めたら薄暗い部屋だったんだぞ…」

港湾棲姫「あ、貴方を殴ったの、私…」

深海提督「お前かよ!」

港湾棲姫「ご、ごめんなさい……痛かった?」

深海提督「痛いよそりゃ……殴られただけで気絶するなんて経験、初めてだったからな…」

港湾棲姫「提督の初めて……きゃっ///」

深海提督「何想像してるんだお前」

608: 名無しさん 2015/11/18(水) 21:51:33.56 ID:ylGlsAM20
深海提督「そもそも、なんで俺を深海棲艦の提督に何て仕立て上げるんだ?」

装甲空母姫「そうね……まあ、大きな理由は……」チラッ

深海提督「?」

装甲空母姫「……貴方のその瞳の奥に、何かどす黒い感情が見えたから、かしら」

深海提督「………………」

装甲空母姫「その感情は、そうね……何か、悲しみとか痛みとか、そんな感じの感情が色々混じったようなものね」

深海提督「…………分かったような口を」

泊地水鬼「装甲空母姫さんは、人を見る目がありますから」

南方棲戦鬼「あー、じゃあつまり、装甲空母姫の言ってる事はあたりって事かな?」

深海提督「帰るぞ」ガタッ

港湾棲姫「あーあー、待って待って!」

空母棲姫「帰ろうとしても、無駄よ」

深海提督「なんで」

空母棲姫「ここ、深海2000mよ」

深海提督「まて、その理屈だと俺は水圧で死んでる事になる!」

空母棲姫「大丈夫よ。この本拠地はそういう物理法則が通用しない造りになってるから」

深海提督「流石は深海棲艦……何でもありって事か」

装甲空母姫「それと、貴方の脳内には特殊な装置が埋め込んである。貴方が我々の支配下から逃れようとした瞬間に、その脳内の装置が作動して、

      貴方の脳を破壊するわ」

深海提督「くっ……いつの間にそんなことを……」

609: 名無しさん 2015/11/18(水) 21:56:41.03 ID:ylGlsAM20
北方棲姫「ねー、それよりターキー、ケーキ!」

レ級「早くしないと私が全部食べちゃうぞ~」

深海提督「…敵陣地のど真ん中で…なんか食欲湧かないな……」

装甲空母姫「あら、もしかして菜食主義者だったかしら?」

港湾棲姫「えっそんな…せっかく丹精込めて作ったのに……」シュン

深海提督「そういう問題じゃねえよ!あーもー、分かった!食うよ!食えばいいんでしょ!」

港湾棲姫「………」パアアア

深海提督「まったく……」パクッ

深海提督「……………うめぇ」

港湾棲姫「!!」パアアアアアア

空母棲姫(あの子分かりやすいわねぇ)

レ級「じゃあこの唐揚げは私のもの!」

泊地水鬼「あっ、レ級ちゃん、ちゃんとサラダも食べてね?」

レ級「えー、野菜きらーい」

南方棲戦鬼「じゃあレ級はサラダを食べるまでケーキ無しな」

レ級「な、なにいい!?」

北方棲姫「じゃあ、レ級の分のケーキもほっぽがもらう!」

港湾棲姫「ええ、いいわよ。たんと食べてね」

レ級「わー、分かった分かった!サラダ下さい食べるから!」


深海提督「………………」

深海提督(……なんだこの………家族みたいな感じは……)

610: 名無しさん 2015/11/18(水) 22:04:00.01 ID:ylGlsAM20
 ―18時過ぎ、執務室―

装甲空母姫「……って感じ、大体わかったかしら?」

深海提督「…大体わかったよ。ただ……」

装甲空母姫「?」

深海提督「お前らが、何で提督を求めてるんだ?お前らは今のままでも十分強いだろう?」

装甲空母姫「そうね……艦娘達は、提督と言う司令官がいるから、新たな戦術を次々学ぶ事ができて強くなれる。そして、提督を信じる事でまた強くなる。

      そして、今の深海棲艦と艦娘の戦力の差は同等かこちらが若干劣るほど……。そこで、よ」

深海提督「?」

装甲空母姫「もし私達に、艦娘と同じく司令官と言う信じられる者がいたら、私達はもっと強くなれるんじゃないか、って思ったの」

深海提督「…つまり、俺はただお前らが強くなるためのダシって事じゃんか。下らない…」

装甲空母姫「そうでもないわ。現に、レ級も北方棲姫も港湾棲姫も、今日会ったばかりの貴方に親しくしてくれたでしょう?」

深海提督「……………」

装甲空母姫「まあ、あれよ。皆、異性が見てくれてると頑張れるじゃない?」

深海提督「俺は男だから女の感情なんざまったくわからん」

装甲空母姫「でも、貴方もここが気に入ったんじゃないかしら?さっきの歓迎会で、貴方は私達に優しい目を向けてくれてたから」

深海提督「…自分でもわからなかったが気づいてたのか」

装甲空母姫「私はこれでも、人を見る目はあるから」

深海提督「泊地水鬼の言った通りか……。まあ、悪くはないかな」

装甲空母姫「なら、しばらくの間はここに居たら?私達を指揮するというのは楽しいだろうし、貴方も退屈しないと思うわよ」

深海提督「……そうだな」


【終わり】

611: 名無しさん 2015/11/18(水) 22:08:22.67 ID:ylGlsAM20
【キャラクター紹介】

≪深海提督≫

深海棲艦本拠地に、提督として着任した男。本名は不明。年齢は27歳。海沿いの道を歩いていたところを、装甲空母姫の命で地上世界近くに来ていた、

港湾棲姫に襲撃され、深海棲艦本拠地に連れてこられる。過去に何らかの経験を持ち、悲しみや痛みなどの様々な負の感情が混ざったような心を持ち、

それが深海提督に選ばれた理由だと、装甲空母姫は言っている。おそらく深海棲艦の提督という事を除けば、本作で一番まともな人かもしれない。

好きな言葉は『深謀遠慮』。

612: 名無しさん 2015/11/18(水) 22:10:18.02 ID:ylGlsAM20
今日はここまでにします。

深海提督の話、いかがでしたか?深海棲艦組は、一番書きやすいかもしれません。


明日は、リクエストにありましたダメ提督製造機連中(雷、夕雲、浦風)の話を書いていきます。

感想・リクエスト等があればお気軽にどうぞ。

それではまた明日。



>>1提督、E-1を丙作戦・空母機動部隊で攻略する事に決定(しょっぱなから弾薬消費が半端ない)。

とりあえず目標はE-4クリアを目安に、堅実に行こうかと。



【艦これ】総司令部の日常(後編)