85: 名無しさん 2016/12/28(水) 00:15:25.68 ID:OstJYgH+o

【連合軍 本陣】 

沙織「あ!ノンナさんたちが移動開始したって!」 

みほ「!よかった……」 

みほ(でもカバさんチームが蝶野さんと戦闘を始めてから時間が経ってる。すでにカバさんチームのみなさんがやられてたとしたら、ノンナさんたちが間に合わずに蝶野さんに本陣を突かれる危険がある。それなら……) 

みほ(……お姉ちゃんが出てくるまで温存しておきたかったけど……) 

みほ「…………沙織さん、連絡をお願いします。まずは……――――」


引用元: ・しほ「裏西住流によって他校を制圧する」

86: 名無しさん 2016/12/28(水) 00:17:08.85 ID:OstJYgH+o

【連合軍本陣後方】 

亜美「……ふう。なんとか全員片付いたわね」 

カエサル・エルヴィン・左衛門佐・おりょう「………………」 

亜美「意外とデキる子たちだったわ。ワンコインで楽勝と思っていたけれど」 

エルヴィン「まだ……だ……」グググ 

亜美「あら。まだ起き上がるなんてすごい元気ね。毎朝ケロッグコーンフレークを食べてるのかしら?」 

エルヴィン「食べてない……だが……食べたい」グググ... 

亜美「無理しない方がいいわ。意外と食費がかさむから」 

黒森峰生徒たち「蝶野様。そろそろ……」 

亜美「そうね。本陣にドドーンって向かって、シュビーンと立ち回り、ワーッと驚かせるサプライズイリュージョンといきましょう」フフフ 

エルヴィン「させ……るかっ!」ヒュン! 

コツッ..コツ.. 

亜美「……服のボタン?小さくて見にくいけど何か書いてあるわね」 


ボタン『これと同じ大きさ』 


亜美「……なるほど。あなたのはこのボタンと同じサイズというわけね。確かに意味深だわ。どこの部位を言っているのか、想像させられるわね」 

エルヴィン(っ……ダメージなしか)ガクッ 

ポトン.. 

エルヴィン(あ……帽子が落ちた……) 

亜美「ん?」 


帽子の裏『母の女友達と私の顔が似てる』 


亜美「ぐあっ!?」ガクン! 

エルヴィン「!」 

エルヴィン(効いた!)

87: 名無しさん 2016/12/28(水) 00:19:00.68 ID:OstJYgH+o

亜美「……ふ、ふふっ……やるわね。女性同士で子供ができるという設定とは。くっ……その女友達とあなたの絡みまで頭の中に浮かべてしまったわ。そして最後は三人でハッピーライフ、ハッピーホーム、タマホームってね」 

エルヴィン(これは……かなりのダメージだ。もしかしたらここからの逆転も…) 

亜美「でも!」グッ 

エルヴィン「ぎぃっ!?」 

亜美「アイアンクローには勝てない!」ギリギリギリ! 

エルヴィン「あいたたたた!!」 

亜美「手の平の匂いを嗅ぎなさい!色んなものを触り、握り、混ぜてきたのよ!時にはこねたりもね!」 

エルヴィン「~~~~っ…………ぁ……」ガクッ 

亜美「…………喜びなさい。今をもって、あなたの匂いもこの手は覚えた」フッ 

黒森峰生徒たち「蝶野様」 

亜美「ええ、急ぎましょう。これ以上時間をとられたら、しほさんに対してスタンディングダウンも同然よ」 

??「そ、そうはさせない」ザッ 

亜美「さあ行くわよ」 

黒森峰生徒たち「はい!」 

??「あ、あの……そうはさせないんです、けど……」 

亜美「ふう……さすがに疲れたわ。トレーニングで泳ぐことはあるけど、海とスイミングスクールのプールでは雲泥の差ね」 

??「む、無視されてる……ど、どうしよう」 

??「気付かれてないだけなり。もっと大きい声を出すなり」 

??「それしかないっちゃ」 

亜美「このまま大洗のストリートをテクテク進んで、ハルクのように圧倒的な力で敵を蹂躙し、スクデットを獲得するわよ」 

黒森峰生徒たち「はい!」 

??「そ、そうは!!させなっ……けほっ!けほっ!」 

??「大丈夫なりか?」 

??「う、うん……ボク、あんまり大きい声出さないから、のどがびっくりしただけだと思う」 

亜美「……ん?あなたたちは……」 

??「ねこにゃー」ビシッ! 

??「ももがー!」シュバッ! 

??「ぴよたん!」シャキーン! 

ねこにゃー「三人揃って!せーの…」 

亜美「一体なんの用かしら?」 

ねこにゃー「あ……!」 

ももがー「最後まで名乗らせてくれないなり……」 

ぴよたん「大人って怖い……」 

亜美「これからしほさんの命令を遂行しようという時に邪魔するなんて……少し痛い目を見る必要があるわね。軽くほっぺたちぎってあげる」 

ももがー「お、大人の中でもより怖い人だったなり!」 

ぴよたん「ちぎられたくないっちゃ!」 

ねこにゃー「………………」

88: 名無しさん 2016/12/28(水) 00:20:04.68 ID:OstJYgH+o


~~~~~~~~~~~~~~~ 

夜 

【ねこにゃーの部屋】 

ねこにゃー「…………はぁぁ……ステージクリア……」 

ねこにゃー「一息つこう……」ダラーン 

ガチャ! 

ねこにゃー「えっ」 

みほ「わぁー、ねこにゃーさんのお部屋っぽいですね~。お邪魔します」トテトテ 

ねこにゃー「感想が先で挨拶が後!?」 

ねこにゃー(な、な、な、なに?どうして西住さんがボクの部屋に!?突然すぎてテンパる!約束なんてして……ないはず) 

沙織「ちょ、ちょっとみぽりん。あ、ねこにゃーさん、私もお邪魔していいかな?」 

ねこにゃー「え?あ、ど、どぞ」 

沙織「ありがとー」ニッコリ 

ねこにゃー「あ、えと……ふ、二人はなんで……ぼ、ボクの部屋に来たの?あ、お、お茶……出さないと」ワタワタ 

沙織「あ、大丈夫だよー。気を遣わなくて」 

みほ「うん。それより急に来ちゃってごめんなさい。事前に連絡できない事情があったから」 

ねこにゃー「??」 

ねこにゃー(どんな事情なんだろう?まさか……ネトゲのやりすぎを取り締まるために!?) 

みほ「裏西住流に関する話なんだけど」 

ねこにゃー「あ、そっち……」ホッ 

みほ「とりあえず……ちょっとゴミ箱漁らせてもらうね?」ゴソゴソ 

ねこにゃー「ええっ!?あ、あのっ!」 

沙織「み、みぽりん!?」 

みほ「ティッシュだけ確認させて」 

ねこにゃー「え?ティッシュ?」 

みほ「これは丙…………こっちは丁…………乙………うーん、丙……」ガサゴソ 

沙織「採点してる!?しかも何で戦前の評価法なの!?」 

みほ「こっちも乙……」 

ねこにゃー「あ、あっ……だ、だめっ……見ないで///」

89: 名無しさん 2016/12/28(水) 00:21:34.01 ID:OstJYgH+o

みほ「…………なんでダメなのかな?」クス 

ねこにゃー「っ……それは……//」 

みほ「世の中色んなティッシュがあるよね?でも……見られちゃダメなティッシュってなんなのかな?」 

ねこにゃー「ぅ……///」 

みほ「……ねこにゃーさんに教える技は、ティッシュを使った技なんだ。いわくつきのティッシュを相手にぶつける技」 

沙織「………………裏西住流ってホントに……誰が思い付いたのよそんな技」ハァ.. 

ねこにゃー「で、でも……///」 

みほ「……なんだけど、安心して。実物を使うつもりはないよ」 

ねこにゃー「え?」 

みほ「実際はそれっぽく装飾したティッシュを使うから」 

ねこにゃー「……じゃあどうしてゴミ箱を……」 

みほ「ねこにゃーさんが使用済みのティッシュを見られたり触られたりするのが恥ずかしいと思える人かを試したかったの。沙織さんみたいにオープンな人だと技の威力が半減しちゃうから」 

沙織「ちょっと!私だって恥ずかしいよ!」 

みほ「アハハハ……」 

沙織「愛想笑い!?なんで信じてないの!?」 

ねこにゃー「…………そこのティッシュは使わないのか……よかった」ホッ 

みほ「うん」ニッコリガサゴソ 

ねこにゃー「あ、あれ?西住さん?どうしてゴミ箱を……」 

みほ「……あー……これはこれは…………まさしく甲だ」ヒョイ 

ねこにゃー「!!!」 

みほ「……なかなか大きな塊ティッシュ。ねこにゃーさん、これって?」 

ねこにゃー「あ、あうぅ……///」 

みほ「何重包囲だろう?」 

ねこにゃー「に、西住さん……///」 

みほ「ん?」 

ねこにゃー「……や、やめて……お願い……//」 

みほ「……メガネとって」 

ねこにゃー「え」 

みほ「メガネとってお願いしてくれる?」 

ねこにゃー「…………う、うん」サッ

90: 名無しさん 2016/12/28(水) 00:22:54.09 ID:OstJYgH+o

みほ「………………」 

ねこにゃー「に、西住さん……や、やめて……///」ウルウル 

みほ「……何をやめてほしいの?」 

ねこにゃー「……その……ティッシュ……///」 

みほ「どうしてこのティッシュがダメなのかな?」 

ねこにゃー「それは……///」 

みほ「このティッシュがダメな理由を私の耳元で囁いてもらえる?ストレートな単語を使って」 

ねこにゃー「うぅ……///」 

沙織「ちょ、ちょっとみぽりん。完全にセクハラだよそれ。満場一致レベル」 

みほ「う………でも裏西住流を会得するために必要な質問で……」 

沙織「だからって…………ねえみぽりん、裏西住流って言えばなんでも通るって思ってない?」 

みほ「それは…………思ってるけど」 

沙織「認めちゃった!?潔いねみぽりん!でもダメだよ?ほら、ねこにゃーさんを見て」 

ねこにゃー「…………///」ウルウル 

沙織「すっごく恥ずかしそうな顔してるでしょ?涙目ですがるような視線を向けてるもん。それに両手を胸の前で組んで跪いて……メガネをとった超美人なねこにゃーさんが……子犬みたいに震えて………」 

沙織「……………………」 

沙織「……………………そそる、かも」ボソッ 

ねこにゃー「武部さん!?」 

みほ「沙織さん!」パァァァ.. 

沙織「……みぽりんがねこにゃーさんに意地悪したくなる気持ち、ちょっとわかる」ウズウズ 

ねこにゃー「!!」 

みほ「私、沙織さんと友達になれてよかった!」 

沙織「今それを実感されるのは引っかかるけど……まいっか!」 

みほ「うんっ!」 

ねこにゃー「あ、あ……」 

沙織「ねこにゃーさん……このティッシュについてちょっと話してみない?」ハァ..ハァ.. 

ねこにゃー(悪夢だ……) 

~~~~~~~~~~~~~~~

91: 名無しさん 2016/12/28(水) 00:24:16.45 ID:OstJYgH+o


ねこにゃー「………………」 

ももがー「どうしたなり?」 

ねこにゃー「え?あ、なんでもない……よ」 

ねこにゃー(結局あのあといっぱい恥ずかしいセリフを言わされた……あぁぁ……///) 

ぴよたん「しっかりするっちゃ」 

ねこにゃー「あっ……だ、だ、大丈夫。西住さんに頼まれてるのは、時間稼ぎ……だから」 

亜美「タイムイズマネー、タイムセール、ブライアンズタイム……時間は無駄にできないわ」ジリッ.. 

ねこにゃー「き、来た……!み、みんな!準備いい?」 

ももがー「もちろんなり!」 

ぴよたん「いつでもオッケーっちゃ!」 

ねこにゃー「っ!」バッ! 

亜美「?」 

亜美(あれは……大きな筒のような物をショルダーに抱えた?何をするつもり?) 

ねこにゃー「…………」 


スズキ『ほいこれ。西住隊長に頼まれてたやつが完成したから置いとくね。あ、使い方だけど、この筒の部分にティッシュを入れて、このトリガーを引くと飛び出す仕組みになってるから。名付けてティッシュ砲』 


ねこにゃー(使用済み風ティッシュを込める。あとは狙いを定めて………)チャッ.. 

ねこにゃー「………………発射!」 

ももがー・ぴよたん「!」 

シュパパパパ! 

亜美「!?」 

亜美(何かが飛んでくる……これは…………この子たちの使ったティッシュ!?) 

亜美(……いや、違うわ。これは裏西住流の技が記されている『蹂躙書(じゅうりんのしょ)』で『ティッシュの巻』に記されていたもの。となればこのティッシュは実物じゃないわね) 

亜美(なら避けるまでもない。手で叩き落とすのみ。ハンドパワーで十分よ)スッ.. 

亜美「」パシッ! 

ビキィイ! 

亜美「!?」 

亜美(な……触れただけで衝撃が……何故!?) 

ねこにゃー「………………」 

亜美(凄まじいほどの強い想いが込められている……知り合いの前で使用済みティッシュを暴かれた思い出でもない限り、ここまでの威力は出せないはず……つまりそれに似たことをやったというわけね) 

亜美(……しほさんの娘さんなだけはある。血は争えないわね)

92: 名無しさん 2016/12/28(水) 00:25:40.93 ID:OstJYgH+o

ねこにゃー「ど、どう?効いてる?」 

亜美「ええ、少しだけ。でも私を倒すほどのダメージはないわ」 

ももがー「う……」 

亜美「時間が惜しい。見逃してあげるから、無駄な抵抗はやめなさい。戦闘を放棄してスポッチャにでも遊びに行ってきなさい」 

ぴよたん「あんなリア充なところ行けないっちゃ」 

ももがー「そういう問題じゃないなり!私たちがここで頑張らないと負けちゃうなり!」 

ねこにゃー「…………こうなったら……」 

亜美「?」 

ねこにゃー「く、くらええ~!」バシュッ! 

亜美「……私には通用しないと言っ…」パシ 

ズビビーン! 

亜美「っ!?ぐぁ……!?」 

亜美(な、なによこれ……さっきのティッシュと威力が違いすぎる!このハイスクールスチューデント、まさか……) 

ねこにゃー「……………」 

亜美「…………本物の使用済みティッシュを使ったわね」 

ねこにゃー「っ……///」 

亜美「度胸があるのね。インディ・ジョーンズとかに影響されたのかしら?」ズイ.. 

ねこにゃー「う、うごくとまた撃つよ!?」 

亜美「どうぞ。あなたが本物のティッシュを使う気なら、こちらも気持ちを切り替えるだけよ。なるべくケガはさせたくなかったけど仕方がない。確実に勝利を得るため、ソバットやシャイニングウィザードも辞さない覚悟よ」 

ねこにゃー「っ……」ビクン 

亜美「…………」ジリ 

ねこにゃー「う……」タジッ 

亜美「……………」ジリ 

ねこにゃー「わ、わ、わああ!」バシュ!バシュ!バシュ!バシュ! 

亜美「ふふ……脅えているのね?てんで見当違いのところに飛んだわ…………よっ!」ダッ! 

ねこにゃー「!!」 

亜美「次ティッシュを装填させる隙はあたえナッシング!」ヒュバ! 

ももがー「危ない!援護!」バシュ 

ぴよたん「くっ!」バシュ 

亜美「っ……うっとうしいわね……あなたたたち!この子たちを…………え?」 

カエサル「なんとか……」ググ.. 

エルヴィン「助かった」スクッ 

左衛門佐「いつの間にやられていたんだ私は……」ムクリ 

おりょう「記憶が飛んでいるぜよ」グググ.. 

亜美「な、何故あの子たちが復活してるの!?」 

ねこにゃー「…………今飛ばしたティッシュのおかげ」 

亜美「?」

93: 名無しさん 2016/12/28(水) 00:30:45.92 ID:OstJYgH+o

ねこにゃー「あのティッシュはいいティッシュ。回復力のあるティッシュ……」 

亜美「……なるほど。私に当てるフリをして仲間を復活させたわけね。彼女たちからすればサンキューベリーマッチョでしょうね」 

ねこにゃー「あ、あなたには……悪いティッシュをおまみまっ…する!」バシュッ! 

亜美「ちっ……!」サッ 

亜美(『お見舞いする』を噛んで言えてないような子にてこずるとは……) 

ねこにゃー「………………」バシュバシュ! 

ねこにゃー(少しでも時間を稼ぐんだ!) 

亜美「……面倒だわ。まとめて落としてあげる」 

カエサル「!まさか」 

エルヴィン「あれをやるつもりか」 

亜美「…………ガールズネクストドア!」バッ!(地面にあぐらをかいて座る) 

亜美(さあ!私の膝に吸い込まれなさい!) 

ねこにゃー「!」ビクッ 

左衛門佐「っ……この技は一度受けた!」バッ 

おりょう「二度目はないぜよ!」バッ 

亜美「なに?」ピク 

亜美(ティッシュを飛ばしてくる子たちの前に立った?身代わりになるつもり?) 

左衛門佐「あの膝の魅力にやられないためには!」 

おりょう「それ以上の魅力的なシチュエーションを想像すればいいぜよ!」 

エルヴィン「そうか!よぉし……カエサル!」 

カエサル「ああ!」 

エルヴィン「………………」 


優花里『え、エルヴィン殿?どうして私の服を脱がすのですか?』 

エルヴィン『グデーリアンの健康面が心配でな。戦場での体調不良は即命取りになる』 

優花里『わ、わかりました……では……お、お願いします///』 


カエサル「………………」 


カルパッチョ『たかちゃん?どうしてそんなにくっつくの?』 

カエサル『だってひなちゃんってあったかいから♪』 

カルパッチョ『もー、たかちゃんったらぁ♪これじゃあお料理が作れないよぉ~//』 

カエサル『……今は』サスサス 

カルパッチョ『あっ……///』 

カエサル『調理されるものより……生のモノが食べたい』 

カルパッチョ『………………///』コクリ

94: 名無しさん 2016/12/28(水) 00:31:33.18 ID:OstJYgH+o

左衛門佐「………………」 

おりょう「………………」 


左衛門佐『あの二人には懸想する相手がいるが、私たちはいないなあ』 

おりょう『しいて言えば歴史ぜよ?』 

左衛門佐『それは確かだが少し寂しい』 

おりょう『…………だったら私たちがくっつく、とか?なーんて……』 

左衛門佐『………………え///』カァァ.. 

おりょう『…………え、ええと…//』 

左衛門佐『……お、おりょうがそうしたいなら…………私は……///』モジモジ 

おりょう『…………かわいい』 

左衛門佐『え……//』 

おりょう『本当に……私がしたいようにして……いい?』 

左衛門佐『………………』コクリ 

おりょう『じゃ、じゃあ…………ちゅ』 

左衛門佐『ん……っ……///』 



亜美「………………なっ?」 

亜美(私の膝枕にまったく吸い寄せられない!?今日はエイプリルフールではないのに!) 

エルヴィン「……おお、作戦成功だ」 

カエサル「やったぞ」 

亜美「…………この子たち……」 

亜美(思った以上にやるじゃない。でもこのまま終わる私だと思わないでほしいわね)ギロリ

95: 名無しさん 2016/12/28(水) 00:32:34.37 ID:OstJYgH+o
続きは今夜か明日書き込みます

103: 名無しさん 2016/12/28(水) 22:10:38.42 ID:OstJYgH+o

【連合軍 本陣】 

みほ「………………よし」ホッ 

みほ(ねこにゃーさんたちとカバさんチームの復活で後方はなんとかなるかな。ノンナさんたちの到着までもう少しだろうし) 

みほ(戦場全体でいえば、ケイさんとかアンチョビさんたちの配置を変更したことでバランスがとれて上手く対抗できてる。少なくともどこか一ヶ所を突破される心配はない) 

みほ(あとはこっちが相手をどう崩すかだけど………特に重要なのは蝶野さんと逸見さん) 

みほ(お姉ちゃんが出てくるまでに倒すのが理想だけど……どうも攻め手に欠ける。無理に人数を割くと薄くなった箇所を崩されるし)ウーン 

沙織「みぽりん!」 

みほ「?」 

沙織「連絡来たよ!準備できたって!」 

みほ「!」 

沙織「どうする?」 

みほ「すぐに出陣してもらうように伝えてください!」 

沙織「わかった!」 

みほ(よおし、これで攻勢に出られる!)グッ..

104: 名無しさん 2016/12/28(水) 22:12:00.20 ID:OstJYgH+o

【戦闘エリア】 

杏「はっ!」ピョン! 

黒森峰生徒T「!?」 

杏「それっ」ガシッ! 

黒森峰生徒T「あっ……」 

黒森峰生徒T(だいしゅきホールドされた!まずい……!)チラ 

杏「にひひ」ニコーッ 

黒森峰生徒T「っ……//」 

黒森峰生徒T(だ、だめっ!可愛すぎて……それに……感触が…………あぁ……//)ガクッ 

杏「よっし。もひとり倒したぞ~、かぁしま」 

桃「………ぁ………は、はい……」グッタリ 

杏「って、気が付いたらやられてるし」 

桃「すみません……会長…………柚子も……」 

柚子「私は気にしてないけど……本当にいつの間にやられたの桃ちゃん。もしかして戦闘始まる前とか?」 

桃「そんなわけないだろ!だとしたら病気だ私は!」 

黒森峰生徒U「か、覚悟しろぉ~」 

杏「ん?また来た。それーい」ピョン 

黒森峰生徒U「あぁぁあぁ………///」 

桃「……すごいな会長は」 

柚子「うん。かなりの人数を倒してる。でもそれ以上に、会長にだいしゅきホールドされたくて敵が列を作ってる方が驚愕だよ。もはや敵なのかお客さんなのかわからないくらい」 

桃「……会長ほどではないにしろ、柚子も何人か敵を撃破してる。それに比べて私は……なんて情けないんだ」 

柚子「桃ちゃん落ち込まないで。桃ちゃんが情けないのは今に始まったことじゃないんだよ?あ、気付く遅さに落ち込んでるなら納得だけど」 

桃「うぐっ!」グサリ 

柚子「でもね?人には神様から与えられた役割ってあると思うんだ。だから桃ちゃんが会長みたいにできなくても気にする必要なんてない。桃ちゃんらしければそれでいいの」 

桃「……私の役割ってなんだ」 

柚子「え?それは…………よく怒鳴ることとか?」 

桃「怒鳴ること!?なんだその役割は!いらないものよこすな神!」 

柚子「うん、その調子。桃ちゃんっぽいよ」 

桃「あ…………」 

桃「……………ぅ」 

桃「………………いやだ」 

柚子「え?」 

桃「怒鳴るのが役割なんて……そんなの…………やだよぅ」グス 

柚子「…………大丈夫。私はどんな桃ちゃんでも受け入れるよ」ダキッ 

桃「ぁ……柚子ちゃぁん……//」 

柚子「桃ちゃん……//」ナデナデ

105: 名無しさん 2016/12/28(水) 22:14:20.07 ID:OstJYgH+o

エリカ「………………なんなのよあれ」 

杏「あっはは。あれも愛の形だよぅ」 

エリカ「おかしな形ね。別にいいけど」 

杏「そだねぃ」 

エリカ「…………って」ハッ 

エリカ「のんびりしてる場合じゃかった!ついこいつらのペースに乗せられてたわ……」チッ 

杏「ありゃ。バレたか」 

杏(もうちょっと時間稼ぎしたかったけどなー) 

エリカ「私が相手をするわ」ザッ 

黒森峰生徒V「あ、横入り……みんな並んでるのに」 

エリカ「なに!?」キッ! 

黒森峰生徒V「い、いえ……どうぞ」 

エリカ「ふん」 

杏「…………」 

杏(どうしよっかな……っていうか、抱きつく技しか教わってないからやることは一緒だけどね。もう少し距離が詰まったら飛び込もう) 

エリカ「……私の名前は『ベベツニ・ベベツニ・ベベツニ』。母の名は『ベッツーニ・カラネッ・ベベツニ』、父は『カラネット・ベーベツニ・ベベツニ』……」コォォォ.. 

杏「なんでもありか」 

エリカ「つまりベベツニ家の娘なんだからねっ!べ、別にベベツニだからって特別扱いしないでほしいんだからねっ!」 

杏(やっば。結構『べ、別に』が溜まってるなー……よし、ここはデレられる前に潰す!)ダッ! 

エリカ「む……!」 

杏「エリカちゃんだーーーーいすきっ♪」ダキッ! 

エリカ「っ!」 

杏「ぎゅーーーーっ!」 

黒森峰生徒V「あっ……名前呼びオプション付き!?副隊長羨ましい……」 

杏(これでどう?)チラ 

エリカ「………………なによ」 

杏「?」 

エリカ「……ツンの時に抱きついてきたりして。私がデレるのが嫌なの?他に好きな子がいるの?そんなの嫌……あんたは私だけ見てればいいのよっ///」 

杏「!!!」ズキューン! 

杏(こっちの攻撃を利用してデレの破壊力を上げてきた!?一撃でこのダメージは……)ガクン 

柚子「ああっ!?会長のだいしゅきホールドが解けた!このままじゃ危ない!私が助けないと!」 

桃「柚子ちゃん?」グス.. 

柚子「桃ちゃんごめんね?私はこれから『会長職の人を助ける時の白ビキニ』に着替えないといけないから!」シャーッ..(裏西住流簡易更衣室に入る) 

桃「あっ……柚子ちゃん…………」 

更衣室「すぐ着替えるから。寂しいかもしれないけど、今は衣擦れの音でも聞いて我慢しててね?」 

桃「う、うん……」 

杏「………………」チラ 

更衣室「」ガサゴソモゾモゾ 

杏(わかってたことだけど……小山の技は一分一秒を争う場に向かないね……)

106: 名無しさん 2016/12/28(水) 22:15:36.84 ID:OstJYgH+o

エリカ「さて、とどめを刺しましょうか」クスッ 

杏「………………」 

杏(何か手はないか?) 

エリカ「べ、別に名残惜しくなんてないんだからねっ!あんたなんかどっか行っちゃえばいいって思ってるんだからねっ!」 

杏「………………」 

エリカ「……でも」 

杏「っ……」 

??「おめでとーーーー!!」 

エリカ「え?」 

杏「?」 

アズミ「合格おめでとー!」 

メグミ「やったね!」 

ルミ「それじゃいくよ?」 

エリカ「え?え?」 

アズミ・メグミ・ルミ「わーっしょい!わーっしょい!」 

エリカ「ちょ、ちょっと!なに勝手に胴上げしてんのよ!」 

アズミ「大学って言ったら胴上げでしょ?」ポーンポーン 

エリカ「そうでもっ……ないっ……わよっ!」 

杏「は、はは……お姉さんたちが来たってことは……」 

ルミ「そ。待たせてごめんね?裏島田流には神聖な儀式があるから、時間かかっちゃったの」 

杏「ほんっと、待ちかねたよ」チラ 


柚子「………………」ザッ 


杏「白ビキニの小山を………………じゃなくて!」 

柚子「?」 

杏「後ろ後ろ」 

柚子「?」ジーッ.. 

杏「私の後ろじゃないよ。小山、ベタな感じのやってる場合じゃないからさー。ちょっとどいて」 

柚子「」サッ 

杏「………ふふ」 


愛里寿「」ザッ! 


杏「ついにご登場ってね」ニヤリ

107: 名無しさん 2016/12/28(水) 22:17:55.94 ID:OstJYgH+o

エリカ「!島田っ……愛里っ…寿っ……って!そろそろっ!胴上げ!やめなっ!さいよ!」 

愛里寿「遅れてごめんなさい」テクテク 

杏「やー、別にいーよー。むしろいいタイミングで来てくれてよかっ…」ドクン! 

杏(な……なんだこれ?島田愛里寿を見ただけで……心が締め付けられる……!?) 

ルミ「ふふふ……あなたも隊長の可愛らしさが身に染みてわかったようね」 

アズミ「そして裏島田流の恐ろしさもね!」 

杏(どこが裏島田流?ただ歩いただけでなんの技も…………あっ!) 

メグミ「気付いたようね」 

杏(島田愛里寿の服……いつも着てる服に比べてひらひらがやけに多い。しかもそのひらひらの部分に……) 

愛里寿「………………」テクテク.. 

杏(島田愛里寿の幼少時の写真が……ひらひら一ヶ所につき一枚貼られてる!) 

アズミ「現時点でも可愛すぎる隊長。そんな隊長の子供の頃なんていったらもう……キュートの原液みたいなものよ」 

メグミ「隊長が写っているというだけで、背景の木まで可愛く見えるわ」 

杏(そんなわけないっしょ、ってつっこみたいけど……確かに木も可愛く見えるなぁ) 

ルミ「戦闘前には写真一枚一枚にお祈りを捧げ、服に貼りつける儀式がある。だから遅れてしまったのよ。ふふ、ままならないところも可愛いわよね」 

杏(確かに…………ままならないところも可愛いかも) 

柚子「会長」 

杏「え」ハッ 

柚子「あまり島田愛里寿さんを見ない方がいいです。会長までやられちゃいますよ」 

杏「そ、そだね」 

愛里寿「…………胴上げをやめて」 

アズミ「はい!」 

メグミ「気を付けてね」 

ルミ「下りる時が特に危ないわ。ゆっくり足を着いて。そうそう」 

エリカ「いきなり胴上げしておきながら下ろす時に急に優しくなるのはなんなのよ!」ストン 

ルミ「隊長!下ろしました」 

愛里寿「ありがとう」 

アズミ・メグミ・ルミ「はいぃぃ///」 

エリカ「……ふん。余裕のつもり?」 

愛里寿「?」 

エリカ「胴上げしたまま移動して私を遠くに連れて行けば、わざわざ危険を冒して戦わずにすむのよ?」 

愛里寿「……確かに。学園艦のフチまで運んで海に投げ込めば不戦勝だったかも」 

エリカ「それはやりすぎよ!13歳で怖い発想を持つんじゃないわ!」 

愛里寿「え?でもボコならきっと大丈夫だけど……」 

エリカ「ボコ基準で行動するなら誰でもタコ殴りにしていい理屈になるわよ!この子、見かけによらずバイオレンスな…………うっ!これは……っ」ガクン! 

アズミ「やったわ!隊長の写真を見てダメージを受けてる!」 

メグミ「ええ!何眼レフで撮っても隊長の写真は芸術!モデルがいいからね!」 

ルミ「見れば傷付くとわかってても見たくなる。隊長の可愛さは一級品だわ!」

108: 名無しさん 2016/12/28(水) 22:19:39.87 ID:OstJYgH+o

エリカ「ふ、ふん!確かに見た目はまぁまぁだわ。でも……隊長の方が素敵よ!」 

愛里寿「西住まほ?」 

エリカ「そうよ!隊長の方が……ぐぁっ……!」 

メグミ「ふふふふ……目が離せないでしょう?もはやあなたは隊長の虜よ」 

エリカ「…………だったら」 

メグミ「?」 

エリカ「目を閉じればいいってわけよね!」 

メグミ「あ……っ……!」 

アズミ「あの子……!もう気付いた!!」 

ルミ「隊長IQが高いわ!」 

愛里寿「………………こっちを見ないなら、こうする」ポチッ 

ザザ..ザ.. 

??『うん!わたし、くまさんがすき~!』 

エリカ「!この声は……?」 

メグミ「幼い頃の隊長よ!」 

アズミ「服の中に仕込んであるテープレコーダー……写真を防いでも終わりじゃない!」 

ルミ「裏島田流を甘く見ないことね」フフ 

愛里寿(幼女時代)『くまさん♪くまさん♪おとうさんよりくまさんがすき~♪』 

エリカ「くっ……!これを父親が聞いていると思うと辛さも倍増だわ……っ!でも……耳を塞げばこれも防げる!」ガシッ! 

愛里寿「…………」テクテク 

エリカ「ふ、ふふふ……島田愛里寿!あんたの攻撃なんてもう私には……」 

フワッ.. 

エリカ「!!」 

エリカ(この匂い……!腹立つほどの甘い匂いは……島田愛里寿!?うっ、体が…………)ゴフゥ! 

アズミ「効いてるわ!さすが隊長!」 

ルミ「隊長の匂いの素晴らしさは手記を出してほしいほどだもの。当然よ」 

メグミ「『おかずの匂いだけでご飯何杯でも食べられる』って言ったりするけど、隊長の場合は次元が違う。夏休みの宿題である絵日記が白紙の状態で8月31日を迎えたとしても、隊長の匂いを嗅ぐだけで、そこからみるみる埋まるもの。思い出せるもの。その時を!」 

杏(………この人たち、なーんかよくわっかんないこといっぱい言ってんなぁ……味方だからいいけど) 

エリカ「……っ……悔しいけど、その通りだわ。隊長の匂いとはまた違うベクトルで強力だと認めるわ」 

愛里寿「………………」 

エリカ「でも……だからといって私は負けない!」ギラリ 

愛里寿「!」 

エリカ「っ……!」クルッ! ダダダダ! 

アズミ「あっ!逃げた!?」 

メグミ「……逃げれば負けはないのは確かだけど……」 

エリカ「勘違いするんじゃないわよ!」クルッ! 

ルミ「向き直った……あくまで戦うつもりなのね」

109: 名無しさん 2016/12/28(水) 22:22:07.70 ID:OstJYgH+o

エリカ「当然よ」フン 

エリカ(ここから突撃……すれ違いざまにデレて攻撃、そしてまた離れる。これを繰り返せばいい) 

エリカ「…………あなた、こっち来なさい」 

黒森峰生徒V「は、はい」テテテテ 

エリカ「……例の技、やるわよ」 

黒森峰生徒V「!わ、わかりました!」 

エリカ「………………」フウゥゥ.. 

愛里寿「雰囲気が変わった……」 

エリカ「…………私の最強技をお見舞いするわ」 

杏(!まだ手の内を全部見せてなかったんだねー……) 

エリカ「……ほら、始めて」 

黒森峰生徒V「はい」 

黒森峰生徒V「………………副隊長」 

エリカ「なに?」 

黒森峰生徒V「ちょっとしたゲームをしましょう。『べ、別に』って十回言ってもらえます?」 

エリカ「え?いいけど……『べ、別にべ、別にべ、別にべ、別にべ、別にべ、別にべ、別にべ、別にべ、別にべ、別に』」 

杏「……それずるくね?」 

黒森峰生徒V「……あの人への気持ちは?」 

愛里寿「?」 

エリカ「っ!」ダッ! 

アズミ「ああっ!?」 

メグミ「隊長の元へ!?すれ違いざまに攻撃する気よ!」 

エリカ「…………っ、好き//」 

愛里寿「!!」 

エリカ(やった!完璧なタイミング!手応えあったわ!)タタタタ! 

愛里寿「…………」 

エリカ(でも念のためさっきの位置に戻って……と)タタッタタ 

愛里寿「…………」 

エリカ(…………反応はない。でも確実に効いてるはず。だって十点分の力なんだから……) 

愛里寿「…………て」 

エリカ「?」 

愛里寿「え?なんだって?」 

エリカ「な……っ!!」 

メグミ「で、出たーーーー!!隊長の聞こえてない攻撃!」 

アズミ「私たちが目の前でどんなに愛を囁いても聞こえず、フラグをへし折る!」 

ルミ「山場を作りつつ長期連載できるテクニック!これぞ裏島田流よ!」 

杏(耳塞ぐだけでよかったの?いや、違うか。耳を塞ぐより、心に響かせない精神力が重要っぽいもんねー) 

エリカ「そんなバカな……」ヨロッ.. 

エリカ(って、何を弱気になっているの私は!一回でダメなら二回!繰り返し攻めて突き崩せばいいだけの話よ!) 

110: 名無しさん 2016/12/28(水) 22:23:41.40 ID:OstJYgH+o

エリカ「……次はパターンBよ」 

黒森峰生徒V「は、はい」 

黒森峰生徒V「副隊長。ちょっとした息抜きをしましょう。『うるさいうるさいうるさい』って十回言ってもらえます?」 

エリカ「しょうがないわねぇ」 

エリカ「こほん。『うるさいうるさいうるさい!うるさいうるさいうるさい!うるさいうるさいうるさい!うるさいうるさいうるさい!うるさいうるさいうるさい…』」 

愛里寿「………………」 

杏(長い……これ言い終わるの待たずに攻撃しちゃえばいい気がするんだけど……) 

エリカ「『…うるさいうるさいうるさい!』、言ったわよ?」 

黒森峰生徒V「あの子、うるさいですよねぇ?」 

エリカ「っ!」ダダッ! 

エリカ(これなら……『うるさいうるさいうるさい!』自体が叫び系だから聞こえないふりをしても貫通できるはず!) 

愛里寿「………………」 

エリカ(今度こそ!)タッ! 

エリカ「だけど…………でも好き////////」カァァァァ!!! 

愛里寿「!!」 

エリカ(よしっ!今度は顔も真っ赤にできたわ!多分今年で一番赤くできた!)グッ!

111: 名無しさん 2016/12/28(水) 22:25:29.34 ID:OstJYgH+o

愛里寿「………………」 

エリカ「……どう?」 

愛里寿「…………ン」 

エリカ「?」 

愛里寿「『素手のゴロフキン』なんて……もっと真剣なこと言うかと思ったのに…」?? 

エリカ「!!!!」 

メグミ「ま、またも出たーーっ!今度は聞き間違いよ!」 

アズミ「間違いは誰にでもある。しょうがないわ!」 

ルミ「ええ!その通りだわ!隊長を責められない」ウンウン 

エリカ「ちょ、ちょっと!今のタイミングでボクシングのミドル級チャンピオンの名前が出るわけないでしょうがあ!!強引すぎるのよ!」 

愛里寿「?」 

エリカ「何をきょとんとした顔を…………っ、ぐぅあ!?」 

エリカ(しまった……目を真正面から見たせいで……視界の端には写真、そして甘い匂いまで………に、逃げないと!)スッ 

杏「よいしょー!」ダキッ 

エリカ「なっ!?」 

杏「エ・リ・カ♪にーがーさーなーいーぞー」ニヒヒ 

黒森峰生徒V「!二回目の名前呼び!?ね、ねえ、このオプションって一回ごとの料金設定?それとも回数無制限!?」 

黒森峰生徒W「無制限は虫が良すぎじゃない?その場では何も言わないけど加算されてるパターンとか」 

エリカ「オプションとかどうでもいいから助けなさいよ!」 

黒森峰生徒たち「は、はい!今す…」 

アズミ・メグミ・ルミ「させないわ」スッ 

黒森峰生徒たち「う……」 

黒森峰生徒V「す、すみません副隊長……大学生に道を塞がれたら高校生にはどうにもできません……」 

杏「そうでもなくない?や、助かるからいいんだけどさ」 

エリカ「くっ……」 

エリカ(ダメ……意識がだんだん……遠くなって…………いい匂い……いい…………感触………………ぁ)ガクッ 

エリカ「………………………………」 

杏「お、倒した?おーいこやまー!やったぞー!」 

更衣室「」ガサゴソ ガサゴソ 

杏「何を着替えることがあんだい」 

桃「柚子ちゃぁん……」 

愛里寿「………………」 

杏(…………ま、いっか。心強い助っ人も戦闘参加してくれたことだし)ウンウン

112: 名無しさん 2016/12/28(水) 22:26:12.83 ID:OstJYgH+o

【連合軍 本陣】 

みほ「あっ……来た!」 

沙織「え?何が?」 

みほ「会長からの連絡!逸見さんを撃破したって!」 

華「まあ!」 

優花里「さすが会長ですねぇ!あ、いえ!西住殿の方が会長以上のさすがですが!」 

沙織「逸見さんがいなくなった……だったらそこは隙になるってことだよね?」 

みほ「うん。これでようやく目途が立った」 

みほ(勝利はまだ遠いけど……少なくとも連合軍にとって理想的な状況を作り出せる) 

みほ「沙織さん!カモさんチームに手はず通り作戦を遂行するよう連絡お願いします!」 

沙織「わかった!」 

麻子「そど子たちか」フム 

みほ「ここまで動かずにいてもらったから戦況を見てやきもきしてたと思うけど、温存したおかげで最上の成果が得られそう」 

みほ(愛里寿さんが間に合ったこともそうだけど、運が向いてきたかも)

113: 名無しさん 2016/12/28(水) 22:28:18.72 ID:OstJYgH+o

【戦闘エリア】 

ケイ「ホイップクリームって甘くて美味しいわよね~♪ねぇねぇ、ちょっと食べてみる?」 

黒森峰生徒X「えっ?その……む、胸の上のを?い、いいんですか?」 

ケイ「いいよー?」 

黒森峰生徒X「で、では………///」ドキドキドキドキ 

黒森峰生徒X(…………ほ、本当にいいのかしら?)チラ 

ケイ「うふん♪」ウィンク 

黒森峰生徒X「あっ……!」ドキーン! 

バターン! 

ケイ「ワオ!ピュアでかっわい~♪」 

黒森峰生徒たち「くっ……!押されっぱなしのままで終われないわ!一気に……」 

ワアァァァ!キャァァア! 

黒森峰生徒たち「え?なによこの叫び声は。背後から聞こえたけど……」チラ 

風紀委員たち「」ダダダダダ! 

黒森峰生徒たち「っ!?な、なんなの!?おかっぱ頭ばかりの軍団が駆け込んできてる!?」 

ケイ「アッハ!最高にクールだわ!みんな同じ髪型なんて鳳仙学園みたい!」 

ナオミ「例えで鳳仙が出てくる方がクールだよ。髪型も含めてね」 



カルパッチョ「♪手術後の傷開くまで人の家の犬逃す 飼い主がいつになく乳首立つ ヒルみたく」YO! 

黒森峰生徒Y「ああああ……!」バターン! 

カルパッチョ「…………ふう……なんとかなりました」ホッ 

ペパロニ「アンチョビ姐さん!カルパッチョがまた勝ったっすよ!」 

アンチョビ「……なんだかカルパッチョのイメージが変わりそうだ。いくらワルい言葉を使う技とはいえ犬を逃がすとか……それでチェケラッチョとか言われてもなぁ」 

カルパッチョ「実体験とかじゃないですからね!イメージですイメージ!それに逃がしたワンちゃんは帰巣本能がすごいワンちゃんだけです!」 

アンチョビ「そんな裏設定は知らん」 

ペパロニ「えー?アンチョビ姐さん、しらばっくれるのはいい加減にしたらどうっすか?」 

アンチョビ「お前こそ何を知ってるんだよ!あといい加減にってなんだ!いつからの話だ!」 

ペパロニ「まぁまぁ。カルパッチョはみんなのためにあえてワルぶって頑張ってるんすから。もっと仲間を信用するべきだと思うっすよ?」 

アンチョビ「む……そう言われたら確かに……」 

ペパロニ「ほんとアンチョビ姐さんは困った人っすね~!そんなんじゃワルパ…カルパッチョも悲しむっすよ?」 

アンチョビ「お前、今完全にワルパッチョって言おうとしたろ!」 

ペパロニ「それのどこが悪いんすか!」 

アンチョビ「そこで逆ギレするのか!?お前の方がワルだぞ!」 

ワァァァァ.. 

アンチョビ「んぁ?なんだ?ずいぶん騒がしいな」 

ペパロニ「そっすねぇ、アンチョビ姐さんには及ばない程度にはうるさいっす」 

アンチョビ「私はうるさくなーい!」 

カルパッチョ「あれは……大洗のカモさんチーム?の方々ですね。あら?でもずいぶん数が……」 

ペパロニ「多いっすねー」 

アンチョビ「なんにせよ助っ人はありがたいな!」

114: 名無しさん 2016/12/28(水) 22:29:07.30 ID:OstJYgH+o



オレンジペコ「…………んーーーっ」ノビー 

アッサム「オレンジペコ?何をしているの?」 

オレンジペコ「ストレッチです。ダージリン様を膝枕していたら足が痺れてしまったので」 

アッサム「ダージリンはまだ起きないの?」 

オレンジペコ「はい。長いですよね」 

アッサム「長い……かしら?まあいいわ。それでダージリンは?」 

オレンジペコ「別の場所で寝ています。あ、でも安心してください。モデルルーム案内とかで使うのぼり旗用の重しを膝枕の代わりにしてきましたから」 

アッサム「そ、そう……でもあれって野外に置いてあるものでしょう?雨風やホコリをふんだんに浴びているはず。雑菌とか大丈夫なの?」 

オレンジペコ「ダージリン様ですから」ニコリ 

アッサム「……雑菌とかはダージリンサイドの努力や素質でなんとかなるものではない気がするけれど……」 

オレンジペコ「いえ、ダージリン様ならきっと平気です」ニコリ 

アッサム「それは思考放棄ではないかしら」ハァ 

ワアアアア! 

アッサム「これは……」 

オレンジペコ「すごい大声。ダージリン様が起きちゃいますよもう……」 

アッサム「起きていいのよ。みんなで戦っているのだから。ダージリンだけよ寝てるのは」

115: 名無しさん 2016/12/28(水) 22:30:18.02 ID:OstJYgH+o

【戦闘エリアの端】 

そど子「次!こひるいま樹、かくたのぶ子!突撃しなさい!」 

パゾ美「そど子。和た美と魚た美が準備完了したって」 

そど子「二人も出撃!自動車部の付近から進入!」 

ゴモヨ「オルトロス子とケルベロス子は?」 

そど子「少し待たせて。Fふじ子とAふじ子と一緒に行動してもらうわ」 

ゴモヨ「わかった」 

そど子(まったく!こんな時間まで私たちの出番を引っ張るなんて!大洗の危機だっていうのに!) 

そど子(……なんて、文句も言いたいところだけど、それも私たちが勝つために西住さんが立てた作戦なのよね。だったらできることを全力で実行するだけだわ) 

そど子「いい?みんな!絶対に大洗を守るわよ!」 

オオオオオオ! 

そど子「……よし!いい元気よ!その調子!じゃあ次!ホドリ子、ノゲイラ子、出て!」

116: 名無しさん 2016/12/28(水) 22:31:27.79 ID:OstJYgH+o

【連合軍 本陣】 

みほ「…………やった。作戦成功」 

みほ(黒森峰を分散させて食い止め、ある程度しのいでから、風紀委員のみなさんが黒森峰の背後を突く。相手の意識を本陣側に向けさせてたから効果はてきめん!) 

沙織「すごい!挟まれた敵が大慌てで、一気にこっちが優勢だって!」 

優花里「おおお!西住殿の作戦は神懸かり的ですねぇ!」 

華「のとわあくりかめた……」 

麻子「な、なんだ?どうした五十鈴さん」 

華「いえ、みほさんの軍略が相手の動きを読み切った素晴らしいものでしたので『花を生ける気持ち』のそれぞれ一つ前の文字を言うことですごさを表現してみました」 

麻子「…………そ、そうか」 

華「はい!」 

麻子「いい笑顔……」 

みほ「………………」 

みほ(形勢逆転したのはいいけど、不安材料がないわけじゃないんだよね……蝶野さんがいるエリアが特に心配。海から上がってくるなんて行動は完全に想定外だったし、園さんたちのいる場所からは最も遠い。援軍は相当遅れちゃう……レオポンさんチームとカバさんチームのみなさんが頑張ってくれてるし、ノンナさんたちはもう到着してると思うけど……大丈夫かな)

117: 名無しさん 2016/12/28(水) 22:32:52.99 ID:OstJYgH+o

【戦闘エリア】 

亜美「ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター……あなたみたいなハイスクールスチューデントがいるとは……びっくりドンキーだわ」 

ノンナ「……ありがとうございます」 

カチューシャ「ノンナ……」 

クラーラ「心配するカチューシャ様も可愛いです。お風呂の残り湯をお茶漬けとして京都で出されてカチューシャ様と一緒に胎内へ還りたいです(ロシア語)」 

カチューシャ「え…っと………ノンナ!」 

ノンナ「『な、なんて激しい戦いなんだ。動きがまるで見えない……』と言っています」 

カチューシャ「そう……クラーラ!日本語でヤムチャみたいなこと言いなさいよ!」 

クラーラ「はい」 

ノンナ「カチューシャ。それはイメージの産物です。本編でヤムチャはそのようなセリフは言っていませんよ?」 

カチューシャ「そ、そんなのどうでもいいでしょ!というかクラーラ!あなたもノンナと一緒に戦いなさい!私を守らなくていいから!」 

ノンナ「それはなりません。私に万が一があった場合、カチューシャを守る人間が必要ですから」 

カチューシャ「でも……」 

ノンナ「私は大丈夫です。それに…」 

ねこにゃー・ももがー・ぴよたん「」 

カエサル・エルヴィン・左衛門佐・おりょう「」 

ノンナ「これだけの人数がいますから」 

カチューシャ「そ、そうね。まぁ別に?心配してたわけじゃないけどね!ノンナなら平気だって思ってたもの」 

亜美「確かに。私の連れてきたメンバーはドカンと全滅……つまり今は1対8。こちらが圧倒的不利ね」 

エルヴィン「はははは!観念するがいい!」 

亜美「…………でも私は負けない。何故なら!」 

亜美「迷彩服着てベレー帽&カーゴパンツ履きサバイバルだからミリタリーブーツ、ワッペン、キャンプ。撃墜率ならおまかせを!」 

亜美「……だからよ」 

カチューシャ「意味わかんないわ!気持ちいいリズムやめなさいよ!」 

亜美「ふふっ……」スッ 

ノンナ「?」 

ノンナ(裾をめくった?お腹を出して何をする気なのでしょう……) 

亜美「ぬんっ!」ピキッ! 

ノンナ(!見事な腹筋ですね……六つに割れています) 

クラーラ「カチューシャ様のぽんぽんをさすさすしてナデナデしてスリスリすることでクラクラできたらとワクワクします(ロシア語)」 

カチューシャ「えっ?の、ノンナ!」 

ノンナ(意味もなくお腹を見せるとは思えません。どんな狙いが……?) 

カチューシャ「聞こえてない……クラーラ!ロシア語は訳してもらえる時に喋りなさいよ!じゃなくて、そもそも日本語で喋りなさい!」 

クラーラ「はい」

118: 名無しさん 2016/12/28(水) 22:34:03.57 ID:OstJYgH+o

亜美「………ねえみんな!」 

ノンナ「?」 

亜美「……住みたくない?」 

ノンナ「???」 

ノンナ(住みたい?何がでしょうか) 

ねこにゃー「ぁ……」 

ももがー・ぴよたん「う……」 

おりょう「っ……」 

ドサドサドサ.. 

ノンナ「!?」 

ノンナ(急に倒れた……何故?) 

亜美「不思議そうね。特別にティチャーッと教えてあげる。私の割れた腹筋……それをマンションとして貸し出したのよ。『シックスパック蝶野』としてね。部屋は六部屋。鍵は二つずつの安心設計」 

ノンナ「???」 

亜美「鍛え上げられ、割れた腹筋に憧れた者が私の問いに心動かされた時、その相手の心を奪う技よ」 

ノンナ「………ようはその腹筋を羨んだ人は負けるというわけですか」 

カエサル「な、なるほど……確かねこにゃーさんたちは体を鍛え始めてたから……」 

エルヴィン「教官の筋肉に憧れるのも無理はない、か。だがおりょうは?」 

左衛門佐「……おりょうは体型を気にしていた」 

エルヴィン「なるほど……」 

亜美「シックスパック蝶野はまだ二部屋空いているわ。誰か住まない?パーテーションで区切ってルームシェアならもっと住めるわよ?」 

カエサル「あいにくだが、私が同居するとしたらひなちゃんしか……」 

亜美「」ダッ! 

ノンナ「っ!?」 

カエサル「え?」 

エルヴィン「こっち来た!?」 

亜美「」シュババッ! 

カエサル・エルヴィン「むごぅ!?」 

ドサドサ.. 

ノンナ「!!」 

左衛門佐「カエサル!エルヴィン!」 

亜美「シッ!」シュッ 

左衛門佐「あいたたたたた!」ギリギリギリ(アイアンクロー) 

ドサッ.. 

亜美「……チャンピオンシップロードランナー」フゥ 

ノンナ「…………」 

ノンナ(二人の顔を腹筋に押し付けてシックスパック蝶野に入居させ、さらに残った一人をアイアンクロー…………あっという間に三人を倒した。驚異的な身体能力ですね)

119: 名無しさん 2016/12/28(水) 22:37:54.51 ID:OstJYgH+o

ノンナ(……今のでわかったのは、腹筋に憧れずとも、直接押し当てれば技は成立するということ。となるとアイアンクローでなくとも掴まれるのは危険……シックスパック蝶野は六部屋と言っていましたが、今の二人を一部屋に押し込んでいたなら空き部屋が存在しますし、A棟・B棟のように複数あるかもしれません……) 

亜美「これで残りは三人……」 

ノンナ「…………」 

ノンナ(とにかく、こちらから攻めるしかないですね。カチューシャを狙われたらまずい) 

ノンナ(しかし、睨み付けても彼女には効果なし……直接ぶつかるしか手段はない!)ダッ! 

亜美「っと」サッ 

ノンナ「…………」シュシュッ! 

亜美「あくまで打撃は使わず投げ技狙い?スポーツマンシップでトロフィーな感じね」 

ノンナ「はあっ!」ヒュバ! 

亜美「でも……まだまだ未熟!」グリュン! 

ノンナ「あっ…………ぐっ!」ドズン! 

ノンナ(逆に投げ返された……っ) 

亜美「私はベッドの上での経験が十分。レスリングもこなせる。投げ・舐め・撫での三つをことも無げ、にできる」フフフ 

亜美「こうして逃げられないように抑え込むこともね」ギュゥゥゥ.. 

ノンナ「……離して……っ!」ジタバタ 

亜美「ノーノ―。それじゃバッドコミュニケーションね。ギューッてされたらキューンと感じてアーンって喘ぎなさい」 

ノンナ「くっ!」 

カチューシャ「の、ノンナ!」 

ノンナ(まずいです……肉感がすごくアピールしてきます……私がカチューシャ以外に落とされるわけにはいかないというのに……!) 

亜美「快楽よ!スタジオパークカラコニチワ!さあ受け入れなさい!」 

ノンナ(っ……このままでは……私は負け、クラーラも敗北。そしてこの人はカチューシャを好き勝手にするでしょう……) 

ノンナ(………………カチューシャがそのような目に遭うくらいなら……)ギラリ 

ノンナ「……クラーラ!最終手段です!私の代わりに戦ってください(ロシア語)」 

クラーラ「!わかりました(ロシア語)」 

カチューシャ「えっ?な、なに?」 

クラーラ「はああ!」ダッ 

亜美「……あら?動けないわけじゃなかったのね」スッ 

ノンナ(……っ、解かれた) 

クラーラ「…………」タタタッ! 

亜美「二人がかりでもいいわ。来なさい」 

ノンナ「っ!」ダッ 

亜美「あら?逃げるの?」 

ノンナ(お願いしますクラーラ) 

クラーラ「カチューシャ様のお尻!(ロシア語)」ヒュッ! 

亜美「いい足技」サッ 

クラーラ「八重歯ぁぁぁ!!(ロシア語)」ヒュヒュン! 

亜美「あなたは完全に打撃系?それとも、隙を見て顔を挟む系かしら?」フフ

120: 名無しさん 2016/12/28(水) 22:38:58.83 ID:OstJYgH+o

カチューシャ「クラーラ……」ハラハラ 

ノンナ「か、カチューシャ……」 

カチューシャ「ノンナ、大丈夫!?」 

ノンナ「え、ええ。それより……カチューシャ」 

カチューシャ「なに?」 

ノンナ「今から寝ましょう」 

カチューシャ「…………は?」 

ノンナ「寝ましょう」 

カチューシャ「な、何を言ってるのよ!クラーラが頑張ってるのに寝れるわけないじゃない!今の私はザンギエフのスクリューパイルドライバーみたいにクルクルしてるんだから!」 

ノンナ「クルクルの意味はわかりませんが……とにかく寝ましょう」 

カチューシャ「嫌よ!」 

ノンナ「♪Спи, младенец мой прекрасный,(おやすみ、私のかわいい赤ちゃん)」 

カチューシャ「子守唄なんて歌われても眠れるわけないわ!ザンギエフって言ったの聞こえてたでしょ!」 

ノンナ「♪Баюшки-баю.(ねんねん、おころりよ)」 

カチューシャ「ZZZZ……」グースピー 

ノンナ「ふふふ……」ナデナデ 

ノンナ(愛しいカチューシャ……私がいつまでも守りたかった) 

クラーラ「はっ!」パチン!キュキュッ!(自分の太ももを二本の指で叩き、爪で十字の痕をつける) 

亜美「?あぁ……叩いて赤くなった部分を見せつけ、私が蚊としてその部分の血を吸ったという気持ちにさせてトリップを狙うつもりですね?裏西住流『蹂躙書』の『太ももに赤の巻』に載っていました」 

クラーラ「…………見抜かれてますか」 

亜美「ええ。モスキートパターンは裏西住流では常道だもの。その技では私を倒せない。見立てが甘いわね。その甘さ、ジャイアントカプリコのよう」 

クラーラ「何味…………ですかッ!」シュバッ(ハイキック) 

亜美「クッキー&クランチ!!」バシッ!(足を掴む) 

クラーラ「!!」 

亜美「ふッ!」グイッ 

クラーラ「ぁ……!しまっ…」フラフラ... 

亜美「ガパオライス!!」ギリギリギリ!(アイアンクロー) 

クラーラ「カチューシャさ……ま…………吸い……た…………い…………(ロシア語)」ガクッ 

亜美「ふふ」ニヤリ

121: 名無しさん 2016/12/28(水) 22:40:38.44 ID:OstJYgH+o

ノンナ「」ダッ! 

亜美「!背後に……」 

ノンナ(チョークスリーパーを決めれば……胸の感触との合わせ技で勝てる) 

亜美「ナン!」グンッ! 

ノンナ「!」 

ノンナ(クラーラから手を離し、しゃがんだ!?) 

亜美「フォー!」グペーン! 

ノンナ「ごふっ!」 

ノンナ(しゃがんだ体勢のままエビのようにバックしてきたせいで……お腹にぶつかって……)ケホ 

亜美「タイ…」ツツイ(ノンナの両胸を下から引っかけるように触れ…) 

亜美「カレー!」ブォン!(背負い投げ) 

ノンナ「!!」ドシン! 

亜美「トドメよ!手の平の匂いを!」グリグリ! 

ノンナ「むぐぐ……………………ぁ……」ガクッ 

亜美「………ヴィクトリーね」フフ 

ノンナ「う……く……っ」 

亜美「!サンテメディカルアクティブ。まだ意識があるのね。驚異的だわ。でももう動けないでしょう?そこで見ていなさい。私がカチューシャさんを落とすところをね」 

ノンナ「っ……!」 

クラーラ「カチュー……シャ……様……」 

亜美「!その子もなの?プラウダはアーノルド・シュワルツェネッガーの集まりかしら?でもあなたも見ているしかできないでしょう?」フフン 

クラーラ「っ……」 

亜美「さて」テクテク 

カチューシャ「ZZZZ……」 

亜美「可愛い隊長さんをいただくとするわね。ふふ、あどけない寝顔。ほっぺも柔らかいわ」ツンツン 

カチューシャ「むにゅ…………ん?」パチリ 

亜美「ハローワールド!ごきげんブランニュ」 

カチューシャ「ぁ……」 

亜美「もはやプラウダはあなたしか残ってないの。残念だっ…」 

カチューシャ「えへへ♪」ニパー 

亜美「…………へ?」 

カチューシャ「おねーさん、すき!だいだいだ~いすき!」ニコー 

亜美「……………………」?? 

ノンナ「っ……」ギリ..

122: 名無しさん 2016/12/28(水) 22:45:15.30 ID:OstJYgH+o

クラーラ「の、ノンナ様……あれはどういう……」グググ.. 

ノンナ「…………カチューシャは……寝起きに見た人物のことを好きになってしまうのです」 

クラーラ「……………………え?」 

ノンナ「ひな鳥の刷り込みと同じようなものです」※刷り込み・・・鳥などが、生まれてから一定の時期の間に初めて見た動くものを親と認識すること 

クラーラ「……………」 

ノンナ「そして好きになる効果は次に寝るまで続き、寝た瞬間にリセットされます。その間の記憶は刷り込み相手と関係のない出来事のみ残ります」 

クラーラ「………………」 

ノンナ「だから私は、カチューシャが寝ている時には私以外の人間をなるべく近付けさせないようにしていたのです」 

クラーラ「で、では、カチューシャ様は刷り込みによってノンナ様のことを?」 

ノンナ「……いえ、そのようにして好かれるのは私の望むところではありません。ですので、カチューシャが起きた時には鏡で自分の顔を見せていました。その場合は刷り込みは起こらず、普段通りのカチューシャでいられますから」 

クラーラ「…………しかし、どうしてカチューシャ様はそのような体質に?」 

ノンナ「さあ?わかりません。おそらくクセなのでしょう」 

クラーラ「そんな……まばたきが多い、みたいな軽いニュアンスで……」 

ノンナ「カチューシャが生きていく上で大した問題ではありませんから。私は一生カチューシャと共にいますから、全て私がサポートします」 

クラーラ「!そうですね……私も加わりますし、確かにさして問題ではないですね」 

ノンナ「はい。ただ……できることなら、あの状態のカチューシャを誰にも見せたくなかった……でもここで彼女に力づくで落とされるくらいなら、と」 

クラーラ「わかります」 

123: 名無しさん 2016/12/28(水) 22:46:30.74 ID:OstJYgH+o

カチューシャ「えへへ♪」 

亜美「う、うっ……」タジッ 

亜美(な、なんなのよこの子!可愛いのは認める!でもだからって……母性本能を引っこ抜くような……) 

カチューシャ「ぎゅってして?い~~っぱい、ぎゅうううって」 

亜美「かはっ……///」 

亜美(か、体が震えてきた……このままじゃまずい!逃げないと……って思うのに……この子の愛らしさによって動けない!ソニックブームハメ!) 

亜美(でも……私は負けるわけにはいかない!そこらのパーリ―ピーポーとは違うのよ!) 

亜美(私は……サーティーワンアイスクリームを食べ、ジョンソン・エンド・ジョンソンの化粧水を使い、パブリックビューイングを楽しむウーマンなのよ!?それがこんな……) 

カチューシャ「……だきしめてくれないの?かちゅーしゃさみしい……」ウルウル 

亜美「!!!!」グワァァン!! 

亜美「……………………」 

亜美「……………………」 

亜美「……………………」 

亜美「……………………………………………………ビス」 

バターーーン!!! 

亜美「」ホワイトアイズ 

ノンナ「………………どうやら」 

クラーラ「決着のようですね」 

カチューシャ「お、おねーさん?かちゅーしゃをおいてかないで!」 

クラーラ「……ノンナ様、このあとは…」 

ノンナ「♪Спи, младенец мой прекрасный,(おやすみ、私のかわいい赤ちゃん)」 

カチューシャ「ふぇ?」 

ノンナ「♪Баюшки-баю.(ねんねん、おころりよ)」 

カチューシャ「………………」 

カチューシャ「ZZZZ……」 

ノンナ「……これでまた、いつものカチューシャに戻ってくれます」ホッ 

ノンナ「一時的とはいえ、カチューシャが誰かを好きになる瞬間を見てしまいました……お互い、ストレスで血尿確実ですね」チラ 

クラーラ「ZZZZ……」 

ノンナ「あなたも寝るんですか」 

ノンナ「………………」 

ノンナ(……私たちの役目は果たしました。あとはあなたたちに任せますよ。みほさん)

124: 名無しさん 2016/12/28(水) 22:47:42.61 ID:OstJYgH+o

【黒森峰 本陣】 

まほ「………………」 

まほ「む」ピク 

小梅「どうしました?」 

まほ「…………今、蝶野さんが負けた」 

小梅「え?なんでわかるんですか?」 

まほ「感覚、としか言えないな」 

小梅「感覚ですか……」 

黒森峰通信手「隊長!斥侯より連絡!蝶野様が敗北したとのことです」 

小梅「!」 

まほ「……そうか」 

小梅(西住隊長すごい……ピッタリ当てちゃった) 

黒森峰通信手「前線では、背後から大規模急襲を仕掛けてきた風紀委員たちに手間取り、隊列は乱れ、崩れ始めています!」 

まほ「……頃合いだな」 

小梅「え?」 

まほ「私が出る」 

小梅「あ、はい」 

小梅(……いくら隊長がすごいと言っても、今からじゃどうにもならないんじゃないかな?だいぶ負けムードだし……) 

まほ「赤星」 

小梅「は、はい?」 

まほ「今、『西住隊長が出たらあっという間に黒森峰が優勢になっちゃうんだろうなぁ』と思っただろう?」 

小梅「……………………はい!思いました!」 

まほ「やはりな。よし、私の感覚は今日もちょうどいい。では行ってくる。赤星はここで留守番だ。何かあれば連絡をくれ」ザッ 

小梅「了解しました!」 

小梅「…………………」 

小梅(西住隊長が出発したってみほさんに連絡だ。あと西住隊長の感覚はちょうどよくはないことも伝えよう)

125: 名無しさん 2016/12/28(水) 22:49:25.12 ID:OstJYgH+o

【連合軍 本陣】 

みほ「お姉ちゃんが来る……」 

麻子「こちらが優勢だしな。そろそろ来る頃だと思っていたが……しかしやけに遅かったな」 

優花里「確かに。指揮官は西住殿の……こほん。お義母様でしょうから、まほ殿はもっと早く出てきてもいいはずでしたよねぇ」 

沙織「言えてるー!だって風紀委員のみんなが挟み撃ちにする前とか、こっち結構やばかったもん!」 

みほ「うん……それもそうなんだけど、こうも言えるよ。『私たちが手の内をさらけ出すのを待ってた』」 

沙織「え、な、なにそれ」 

みほ「黒森峰もうちと同様、ヘリを飛ばしてるし偵察部隊も放ってる。だからこっちの戦力でまだ見えてないのはあんこうチームだけ」 

華「あ……」 

みほ「そして少なくとも、小さい頃から裏西住流を習ってた私以上の実力者はいないと考えられる。ということは……」 

麻子「こちらの全戦力の目途が立った」 

みほ「うん。そして風紀委員のみなさんが各部隊と連携して挟み撃ちをしている今、お姉ちゃんが狙うのは……」 

優花里「!その背後ですか!?」 

みほ「…………」コクリ 

みほ「挟み撃ちされてる黒森峰と連携しての挟み撃ち。つまりビッグマックみたいなこと」 

優花里「…………あれ?うちの先鋒、黒森峰、風紀委員、まほ殿……ビッグマックだと一層足りませんよ西住殿?」 

みほ「……………………………………………………………………………………………………………………………………」 

優花里「た、足りないなんて幻想ですぅ!」 

みほ「そうだね」ニッコリ 

優花里「はっ、はい!」 

麻子「無言の威圧はやめよう西住さん」 

みほ「……とにかくお姉ちゃんの動向には細心の注意を払いましょうフォー!」

126: 名無しさん 2016/12/28(水) 22:50:30.30 ID:OstJYgH+o

【戦闘エリア】 

スズキ「ふぃーっ。いやぁ、ずいぶん走ったなぁ」 

黒森峰生徒たち「」グッタリ 

ナカジマ「ああ。人を運転するなんて初めてだけど、気持ちいいね」 

ホシノ「なんせ壁がないからオープンカー以上に風に当たれる」 

ツチヤ「でもドリフトはムズイね。すぐ靴が脱げちゃう」 

マホ「もう少し練習すればもっと上手に運転できると思うな」 

ホシノ「そうだな。なんたって練習時間が短かっ………………え?」 

マホ「…………」 

ナカジマ「あ、あ、あんたは……黒森峰の!?いつの間に!」 

まほ「気配を教えなかったからな」 

ナカジマ「み、みんな!逃げっ…」 

まほ「………………」チュ..(自分の右手中指にキス) 

まほ「っ」ヒュン! 

チョチョチョチョーン...(その指でナカジマたちの唇に触れる) 

ナカジマ・ツチヤ・ホシノ・スズキ「!!!!」ビキーン! 

ナカジマ(ただの関節キス……なのに) 

ツチヤ(すごい馬力……っ) 

ホシノ(欲情がフルスロットルになる……///) 

スズキ(今すぐピットインしないと我慢が…………ぅ) 

ナカジマ・ツチヤ・ホシノ・スズキ「」ドサドサドサ.. 

まほ「……次」ザッ..

127: 名無しさん 2016/12/28(水) 22:52:24.28 ID:OstJYgH+o



典子「うーん」 

あけび「どうしたんですかキャプテン」 

典子「や、風紀委員の人たちがあっちの方に行ったのを追いかけて行ったから敵がいなくなったでしょ?根性を持て余してさー」 

忍「敵がいるよりよくないですか?」 

典子「そうだけど…………あ!」 

黒森峰生徒Z「」ザッ! 

典子「なんて言ってたら敵が来た!」 

妙子「バレーで撃退しましょう!そーれっ!」ポーン 

忍「よいしょ」ポン 

典子「ほいっ」トンッ 

あけび「アターック!」バシィ! 

黒森峰生徒Z「きゃああ!」バターン! 

典子「ナイス!」 

あけび「やった!キャプテンナイストス…………あれ?」 

まほ「………………」ザッ 

あけび「あっ!?あの人は」 

まほ「」ピィッ! 

あけび「笛……?」 

まほ「」サッ(右手を伸ばし、腰の少し下辺りの高さまで上げる) 

まほ「この腕で抱いてやる」キリッ! 

あけび「ぁ……///」フラッ..ドサッ! 

妙子「ああっ!?」 

忍「いつの間に!?しかもボールインの判定を下しがてら落とすなんて!審判&ドンファンだ!」 

128: 名無しさん 2016/12/28(水) 22:53:40.98 ID:OstJYgH+o

まほ「……もちろん」スッ(右手を顔の位置まで上げ…) 

まほ「お前たち四人ともをな!」サッ(指を四本立てる) 

典子・妙子・忍「!!!」ズキューーン! 

妙子(フォアヒットのハンドサインで口説くなんて……すごく……バレーチック・ロマンス……///)※フォアヒット・・・三回で相手チームにボールを返せずに四回触ること 

忍(審判になることで一瞬のうちにバレー部側につく……これが裏西住流の後継者、西住まほ……!ダメだ、もう限界が近い……おそらく耐えられるのは根性のあるキャプテンしか……)チラ 

典子「だ、抱くとか言われても………私、どうしたらいいのかな……///」モジモジ 

忍「キャプテン!?根性はどこに!?女の顔を見せないでくださいよ!」 

典子「そう言われても……だ、抱かれる時のこと考えたら……///」 

まほ「心配はいらない。タッチはネットリとするさ。そして一人時間差攻撃で反則的な快感をあげよう。記録員は見ていないから、思う存分『OH』と声を上げるといい」キリッ 

典子「っ……う、うん……///」 

忍「あぁぁあ……」 

忍(あんな口説き文句にうっとりするキャプテンは見たくなかった………………ぁ…)フラッ 

バターン! 

まほ「………………」 

典子「わ、私……全然知識ないから……その……」 

まほ「ああ。私がリードするさ。でもそれは後での話。今はとりあえず深呼吸しようか」 

典子「え?は、はい。すぅぅうーーーーーーっ………………う゛!?」 

典子(な、なんだこの匂い………幸せぇ……)フラッ.. 

ドサ... 

まほ「………………」 

まほ「」ピィーッ! 

まほ「セット」 

まほ「………………」ザッ!

129: 名無しさん 2016/12/28(水) 22:56:01.99 ID:OstJYgH+o

【連合軍 本陣】 

みほ「レオポンさんチームとアヒルさんチームのみなさんが!?それじゃあお姉ちゃんは挟み撃ちせずに風紀委員さんたちを突破して突き進んでる……?」 

優花里「さっき出撃したばかりなのに!早すぎますぅ!」 

華「この強さ……隣の人が調子に乗って替え玉を頼んだはいいけれど残すのでは?という不安感と似ています」 

沙織「ここにきてラーメンに戻った!?麺だいぶ伸びてるよ!」 

麻子「西住まほ……さすがだな。裏西住流もお手の物というわけか」 

みほ「うん……」 

優花里「元さすが、現さすがの西住殿。どうしましょうか?」 

みほ「……私たちが行こう」 

沙織「えっ!?」 

華「よろしいのですか?」 

みほ「うん。ここから指示しても対応が追いつかないから。しゃふ子さん、しゃふ美さん、お願いします!」 

しゃふ子・しゃふ美「任せて!私たち以上に人力車の扱いに長けた風紀委員はいないんだから!」 

麻子「そもそも風紀委員に人力車は関係ないだろう」 

みほ「では行きます!人力フォー!」 

麻子「もはや号令というよりギャグに近いな」 

ガラガラガラ! 

沙織「わわ、速い!」 

華「新三郎より速いです。しゃふ子さんとしゃふ美さんすごい」 

麻子「命名した両親の理想通りに育っている」 

優花里「……私たちが行くまで、他の方々は大丈夫でしょうか?」 

みほ「…………お姉ちゃんの現在位置を考えると多分大丈夫だと思うけど……」

130: 名無しさん 2016/12/28(水) 22:57:22.61 ID:OstJYgH+o

【戦闘エリア】 

ペパロニ「うぐっ……」 

アンチョビ「ペパロニ!?どうした!」 

ペパロニ「ぁ……体が…………熱い……っす……///」フラッ! 

バタッ! 

カルパッチョ「ペパロニさん!」 

アンチョビ「やられたのか!?て、敵はどこだ!ペパロニのカタキをとってやる!」 

カルパッチョ「見当たりませんが……どういう状況だったのですか?」 

ペパロニ「そ……それを食べたら…………急に体が熱くなって…………」 

アンチョビ「それ?それって…………」キョロキョロ 

看板『ご自由にお食べください』 

アンチョビ・カルパッチョ「………………」 

ペパロニ「そのカゴの中のクッキーを食べたら…………うぅ……」 

アンチョビ「あ、アホかーーー!!説明忘れたのか!?」 

ペパロニ「え?」 

カルパッチョ「これは武部さんの【RWA(料理は愛情)】という技で作られたクッキーです!」 

アンチョビ「最初の作戦会議で言ってただろ!武器として使えるように設置するって!」 

ペパロニ「……アンチョビ姐さん、バカにしないでほしいっす。確かに私は忘れっぽい性格っす。でも武器がどうとかいう話は聞いてないってのはしっかり憶えてるっす」 

アンチョビ「それをお前は忘れてるんだよ!忘れっぽいからな!」 

ペパロニ「えー……でも『っぽい』よりも『しっかり』の方が強くないっすか?じゃあ憶えてるの勝ちっすよ」 

アンチョビ「それはお前の表現の仕方だ!大体、雑貨品が入った箱に『ご自由にお持ちください』ならともかく、クッキーを『ご自由にお食べください』は怪しすぎるだろ!誰がいつ作ったのかもわからないのに!」 

ペパロニ「問題ないっす。武部さんが今日作ったって言ってたっすから」 

アンチョビ「それは憶えてるのかよ!!」 

ペパロニ「もちろんっすよ。だから…………がくっ」 

アンチョビ「今気絶!?タイミングが……っ!けほっ、けほっ!」

131: 名無しさん 2016/12/28(水) 22:58:13.83 ID:OstJYgH+o

カルパッチョ「あぁ……大声出すからですよ。お水どうぞ」 

アンチョビ「ん、ありがとう…………」 

カルパッチョ「?なんで飲まないんですか?」 

アンチョビ「……いや、カルパッチョはワルのイメージがついてるから…」 

カルパッチョ「ちゃんと水です!ワルなのは戦いの時だけですっ!」 

アンチョビ「んぐ、んぐっ、んぐっ………………ぷはぁ!しっかし、ペパロニにも困ったもんだ。これから西住姉と勝負するっていう大事な時にこんなに心配させて」 

カルパッチョ「そうですね」クス 

アンチョビ「な、なんだよ」 

カルパッチョ「いえ、さっきペパロニさんが倒れた時のドゥーチェ、悲壮な顔してたなー、と」 

アンチョビ「あ、あれはっ……!いっつもヘラヘラ笑ってるのに急に苦しみだしたから……よっぽどなんだって怖くなっただけで……//」 

カルパッチョ「うふふ」 

アンチョビ「っ……それよりこのあとどうするかだ!ペパロニをこのまま置いていくわけにいかないから、どこかベッドにでも休ませてやらないと」 

カルパッチョ「そうですね。さすがに地面に寝かせたままというのは……」 

アンチョビ「ダメだ。カルパッチョのラップじゃないんだから」 

カルパッチョ「……わ、私のはあくまで絞り出したワルですから!」 

アンチョビ「しかし……みほに報告しづらいな。こんなアホな理由で脱落とか、アンツィオの恥だぞ……」 

カルパッチョ「ま、まぁまぁ。人間誰しもミスはありますから」 

アンチョビ「そんな人間そういないぞ……」ハァ

132: 名無しさん 2016/12/28(水) 23:06:21.59 ID:OstJYgH+o



ローズヒップ「ぐ……おおお…………」バターン! 

アッサム「ローズヒップ!?」 

ローズヒップ「体が……熱い……ですわぁああ……まさか大洗に……ローズヒップホイホイがあったとわ……」ジタバタ 

アッサム「説明があったでしょう!?それなのに……いえ、そもそも道端のクッキーをどうして食べるの!聖グロリアーナとしての自覚はないの!?」 

ローズヒップ「あるでございますわー……でも小腹が空いて……」 

アッサム「小腹!?切羽詰まってもいないじゃないの!それくらい我慢できるでしょう!?」 

ローズヒップ「我慢を興味と食欲が上回ったのですわー……おほほほ」 

アッサム「きちんと自制しなさい!聖グロリアーナの生徒として!」 

ローズヒップ「でもクッキーは聖グロに入学する前から好きでしたわー。聖グロ歴よりながーい!おほほほほ!」 

アッサム「………………人が心配しているというのにこの子は……」ギロリ 

ローズヒップ「あ、あら?アッサム様が怖めですわー?」 

オレンジペコ「…………お二人は仲良しですねぇ」 

アッサム「……べ、別に普通です」 

ローズヒップ「えー?わたくしはアッサム様のこと…」 

アッサム「……な、なに?」 

ローズヒップ「……………………」 

アッサム「?」 

オレンジペコ「……気を失ってるみたいですね」 

アッサム「今!?タイミングが…………もうっ!」 

ダージリン「…………う、うぅん…………あら?」パチリ 

オレンジペコ「あ、ダージリン様が目を覚ましました」 

ダージリン「………………」 

オレンジペコ「おはようございます」ニコリ 

アッサム「……ローズヒップが気を失ってすぐにダージリンが目覚めるなんてね」 

ダージリン「……どうしてわたくしがあっちで寝てるんですのー?」 

オレンジペコ「…………はいー?」 

ダージリン「アッサム様ぁー!教えてほしいですわー!」 

アッサム「ま、まさか……」 

オレンジペコ「ダージリン様とローズヒップさんが入れ替わった!?」 

ダージリン「………………なんてね」クスッ 

オレンジペコ「え?」 

ダージリン「面白そうだったからローズヒップの真似をしてみたわ。起き抜けにふざけちゃった」クス 

オレンジペコ「もう……ビックリするじゃないですか」 

アッサム「ダージリン、あなたって人は……」ハァ

133: 名無しさん 2016/12/28(水) 23:08:05.33 ID:OstJYgH+o

ダージリン「うふふ。ごめんなさい……あら?起き上がったら葉っぱが……これは?」 

オレンジペコ「あ、ダージリン様が気を失われている時に寒くてはいけないと思いまして。体全体にざっくばらんに葉っぱを乗せておいたんです」 

ダージリン「そう……少しチクチクした夢を見たのはそのせいかしら…………ん?頭上にのぼり旗があるわ」 

オレンジペコ「モデルルームのです。高いマンションらしいですよ」 

ダージリン「そ、そう。まぁいいわ。体が結構固くなっているのも……まぁ想定内ね」 

オレンジペコ「そう考えるとベッドって偉大ですね」 

ダージリン「……そうね」 

ケイ「あ!ダージリン起きたの?グッモーニン♪」 

ダージリン「おはよう」 

ナオミ「目覚めのコーヒーはどう?それとも紅茶がいいかな?」 

ダージリン「コーヒーをいただくわ。今はわけあって紅茶を受け付けるコンディションにないの」 

ナオミ「?ではコーヒーをどうぞ」 

ダージリン「ありがとう」 

ダージリン「……………………」 

ナオミ「?飲まないのかい?」 

ダージリン「……つかぬことを聞くけれど……これ、ゴリラコーヒーではないですわよね?」 

ナオミ「違うけど?」 

ダージリン「そう、それならいいわ」フゥ 

アッサム「……ゴリラコーヒーと言ってもゴリラのエキスが入ってるわけじゃないですわよ?」 

ダージリン「念のためよ。あとエキスとか言わないでちょうだい。考えてしまうから。私の想像力を侮らないで」 

ケイ「ゴリラコーヒー美味しいわよねっ♪」ニコニコ 

ダージリン「……ところで、今はどういう状況なのかしら?こんな寛いでいてもいいの?」 

ケイ「ミホから待機してって言われてるのよねー。ちょっと前にマホが出てきたんだけどー、バラバラで当たったら勝てないから一斉攻撃ってわけ」 

ナオミ「あんこうチーム待ちだ。連絡が入り次第、全部隊が西住まほに向かって進む」 

ダージリン「なるほど」 

ダージリン(戦車道大会に続き、姉妹対決というわけね……なんの因果かしら)フム

134: 名無しさん 2016/12/28(水) 23:10:16.75 ID:OstJYgH+o



まほ「………………」テクテクテク 

まほ「………………」テクテクテク 

まほ「…………む?」 

愛里寿「………………」 

まほ「島田……愛里寿」 

アズミ「だけじゃないわよ」 

メグミ「隊長のおそばには」 

ルミ「私たちがいる」 

まほ「キミたちは……デデデの…」 

アズミ「ミミミ!」 

メグミ「大王じゃないから!」 

まほ「……四人だけか?情報では、キミたちは大洗の生徒会メンバーと行動していたはずだが」 

愛里寿「私がお願いして下がってもらった」 

まほ「何故だ?」 

愛里寿「あなたと戦うため」 

まほ「…………目的は?」 

愛里寿「生半可な力であなたに当たっても返り討ちにあうだけ。戦力を残した状態で西住しほと戦ってほしいから」 

まほ「お母様に不満があるようだな」 

愛里寿「……みほさんたちには言ってないけど、西住しほや蝶野亜美によってうちの大学の子たちも迷惑を被ってるから」 

メグミ「合コンに乱入して女子全員をお持ち帰りなんてのは序の口」 

ルミ「ミスコン常連の美女をことごとくモノにして……ミスコン荒らし落としとでも言うのかしら」 

愛里寿「大学以外でもそう。ボコミュージアムでバイトしてる女の子を口説き落として、アトラクションでエッチなことしたりしてると聞いた。ついこの間も、私が寄贈したヴォイテクを使って色々したみたい。毛がカピカピになってた」シュン 

まほ「お母様らしいな。拭かないんだあの人は。後片付けなど眼中にない」フッ 

アズミ「ダメ人間じゃないの……!」 

愛里寿「そういう問題がいっぱいあった。だからさすがに怒った」プン 

まほ「ではその怒り、私にぶつけるといい。戦力を残すために自分を犠牲にして散るつもりではないのだろう?私を倒せばお母様と戦うチャンスが得られるぞ」 

愛里寿「もちろん……最初からそのつもり」バサッ! 

アズミ「隊長が可愛い服を可愛く翻したわ!」 

メグミ「可愛すぎる隊長の写真がはためいてる……あぁ……可愛い///」 

まほ「む……確かに可愛い」 

ルミ「先手必勝で足止め成功したわ!」

135: 名無しさん 2016/12/28(水) 23:11:19.10 ID:OstJYgH+o

愛里寿「………………」スーーーッ 

メグミ「その流れでゆっくりしゃがんで…」 

愛里寿「………………」ジィーッ 

アズミ「上目遣い!!角度を付けた!」 

愛里寿「むぅーーー」プクー 

ルミ「ほっぺた膨らませたァ!怒ってる!隊長のプンスカよ!」 

まほ「っ……裏島田流……侮れないな」 

アズミ「効いてる!」 

ルミ「言っておくけど、隊長は自分を可愛いと自覚してあざとくやってるわけじゃないからね!そういう技だと教わったからやってるの。それを忘れないでよ!」 

メグミ「ルミ。わざわざ言わなくてもみんなわかってるわよ。『裏島田流はぶりっこに非ず』。隊長の家の掛け軸に書いてあったでしょ」 

愛里寿「んむぅーっ!」スッ 

まほ「ぐぁあ!!」ビキーン! 

アズミ「ああ!ほっぺを膨らませたまま拳を振り上げた!」 

メグミ「『もう!怒っちゃったゾ』的な!?」 

ルミ「隊長にぶたれたい……腕力ないのが絶対可愛い……///」 

愛里寿「…………」シュン 

アズミ「あ、落ち込んだ」 

愛里寿「」クルッ 

ルミ「手を後ろで組んで背中向けて……」 

愛里寿「」コツーン 

メグミ「小石を蹴った!」 

アズミ「本当は怒りたくないのに怒っちゃったのが嫌で落ち込んだのね!」 

ルミ「そして嫌われちゃったらどうしようって寂しくなった!あるいは自暴自棄でふてくされた!ああああ!!」 

まほ「っ……!」 

愛里寿「…………」トテトテ 

アズミ「歩き出した」 

まほ「!まさか……」 

愛里寿「…………」スッ 

ルミ「しゃがみこんだ?」 

まほ「やめろ……!」 

愛里寿「…………私ね?本当は素直になりたいのになれないの。どうしたらいいのかな?お花さん」 

アズミ・メグミ・ルミ「な、なんだって――――!!」

136: 名無しさん 2016/12/28(水) 23:12:28.04 ID:OstJYgH+o

アズミ「花に喋りかけた!?メルヘンがやばいわ!」 

ルミ「可愛さのストップ高無視やーーー!」 

メグミ「る、ルミ!落ち着きなさい!」 

ルミ「そんなの無理よ!可愛すぎるもの!」 

まほ「………………」ガクン 

ルミ「ほら!西住まほも膝をついた!」 

まほ「…………その年齢でここまで力を付けるとは……あっぱれハンコを押してあげたいくらいだ」 

愛里寿「………………」 

まほ「だが……私を倒すにはまだ早い」スクッ 

愛里寿「!」 

まほ「これを見ろ!」シュバッ! 

バサッ 

愛里寿「……ラミネート加工された写真?」 

愛里寿「!!!」 

アズミ「隊長?どうしたんですか?」 

愛里寿「これは…………どうしてあなたがこんな写真を持っているの?」ワナワナ 

ルミ「??」 

メグミ「話が見えないわ。あの写真は一体……」 

まほ「私のお母様と島田愛里寿の母がベッドの上で撮った写真だ」 

アズミ・メグミ・ルミ「な、なんだって――――!!」 

まほ「当然、二人とも全裸だ」 

ルミ「な、なんてこと……」

137: 名無しさん 2016/12/28(水) 23:13:28.39 ID:OstJYgH+o

まほ「……どうして私が持っているか、と言ったな。答えは簡単だ。お母様からいただいた」 

愛里寿「!!!」 

まほ「お母様は思い出が大好きだ。交際相手と撮ったきわどい写真やデータは大切に保存している」 

ルミ「な、なんだって――――!!」 
アズミ「いい話ね」 
メグミ「ダメでしょそれ」 

アズミ・メグミ・ルミ「…………え?」 

ルミ「今のは驚くところでしょ?」 

アズミ「感動的な話なんだからしんみりじゃない?」 

メグミ「いやいや。そんな写真残されるの嫌でしょ?」 

愛里寿「おかあさま…………」ガクガク.. 

まほ「いい笑顔だろう?」 

愛里寿「はだか………ベッドに…………カミソリが…………何に使ったの……」ガクガクガクガク.. 

まほ「すまない。使用中の写真はないな」 

愛里寿「あ……あぁ……あぁ……」 

まほ「そうだ。赤ちゃんプレイをしているものはあったな。『ちよきち出産記念!』と書いてあった」 

愛里寿「うわあああああああああ!!!!!」 

愛里寿「……っ」フラッ.. 

ドサッ... 

愛里寿「……………………」ガクーン.. 

アズミ「隊長!?」 

メグミ「なんてことを……!隊長のカタキ!」 

ルミ「はあああああ!」 

まほ「」スッ! 

アズミのおでこ『』チュ 

メグミのおへそ『』チュ 

ルミの手の甲『』チュ 

まほ「…………」 

アズミ・メグミ・ルミ「……………………」 

ドサドサドサッ.. 

まほ「………………さて」 

まほ(そろそろ敵の本隊と交戦になるだろうな………む?あれは……――――)

138: 名無しさん 2016/12/28(水) 23:14:13.59 ID:OstJYgH+o



みほ「………………」 

しゃふ子・しゃふ美「わっせ、わっせ」ガラガラガラ! 

みほ「…………あの……ここで止めてください」 

しゃふ子「ここでいいの?」 

みほ「はい。戦う前の準備がありますから。この辺がお姉ちゃんに気付かれないくらいのちょうどいい距離なので……」 

しゃふ美「了解!じゃあ止めるわね」ピタッ 

みほ「よいしょ……っと」 

沙織・華・優花里・麻子「」トン.. 

しゃふ子「じゃあ私たちは行くわね」 

みほ「はい。ありがとうございました」ペコリ 

しゃふ子・しゃふ美「ええ!」ガラガラー! 

みほ「………………」 

沙織「いよいよお姉さんとの勝負だね」 

華「ドキドキします」 

みほ「沙織さん。他の部隊のみなさんに連絡をお願いします」 

沙織「みんなで囲むんだよね?了解。今送るね」ポチポチ 

麻子「あっ!」 

優花里「どうされたのですか?冷泉殿」 

麻子「そど子だ」 

優花里「え?」 


そど子「」 


麻子「何故あんなところにいるん…………あっ!?」 

沙織「ど、どうかしたの?」 

麻子「そ、そど子が…………」

139: 名無しさん 2016/12/28(水) 23:15:17.48 ID:OstJYgH+o


そど子「……っ……」タジッ 

まほ「………………」ジリ.. 


沙織「あっ!?みぽりんのお姉さんに迫られてる……!」 

華「何故園さんが……?」 

みほ「………私たちと合流しようとした時にたまたまお姉ちゃんと会っちゃったんだと思う」 

優花里「西住殿!どうしましょう?このままでは園殿が……」 

沙織「で、でもみぽりんのお姉さんはすっごく強いんでしょ?私たちだけで助けられるかな?」 

華「みなさんが来てくれるのを待つしかないのでしょうか?」 

麻子「そど子っ!」ダッ! 

みほ「麻子さん!?一人で突っ込んだら危ないよ!」 

麻子「でもそど子がっ!」タタタ 

みほ「……無理に助けに行こうとすると高いところに連れていかれた上に怒ってる麻子さんのおばあさんが来てお化けも出てきて甘いものが世の中から消えるよ!」 

麻子「っ!?」ピタッ.. 

みほ「…………だから麻子さん、とりあえず落ち着こう?園さんを見捨てる気はないから。ただ少しだけ準備が必要なの」 

麻子「……わかってる。だが……そど子を放ってはおけない。お化けも高いところも怒ったおばあも苦手だが…………それでもそど子は見捨てられない!」ダッ! 

140: 名無しさん 2016/12/28(水) 23:16:24.39 ID:OstJYgH+o


そど子「うぅ……ゴモヨ、パゾ美……」チラ 

ゴモヨ・パゾ美「///」ダラーン 

そど子「セコ夢、アルソッ玖……」 

セコ夢・アルソッ玖「///」グテーン 

まほ「残るはキミだけだな」 

そど子「う……」 

麻子「そど子!」バッ! 

そど子「え!?冷泉さん……!」 

麻子「ここは私に任せて逃げろ」 

そど子「で、でも……あなたはどうするのよ!」 

麻子「私がここで食い止める。西住さんに技を教わってるから大丈夫だ」 

そど子「だったら二人で……」 

麻子「そど子がやられたら風紀委員の指揮がとれない。それに…………その……」 

そど子「なによ?」 

麻子「……そど子が落とされるのは見たくない……//」 

そど子「なっ……///」 

麻子「だ、だから逃げろ」 

そど子「………………わ、わかったわ。冷泉さん、気を付けなさいよ」 

麻子「わかってる」 

そど子「………………っ!」ダッ! 

まほ「………………」 

麻子「………………」 

麻子(……素人目に見てもまるで隙がない……もしここで私が背を向けて逃げたらあっという間に捕まるだろう)

141: 名無しさん 2016/12/28(水) 23:17:23.76 ID:OstJYgH+o

麻子(この場を乗り切るには戦うしかない、か。単純明快でいい)バッ 

まほ「枕?」 

麻子(私のアイデンティティである睡眠にスポットを当てた【そいね!スリープウェル】。相手に添い寝を催促する技……) 

麻子(……正直、練習の段階から恥ずかしくてしょうがなかったが……今は本番。気合いを入れるぞ)ウム 

麻子「………………」 

麻子「……な、なぁ」 

まほ「………………」 

麻子「ひ、一人で寝るのが寂しいんだ。わ、私と一緒に寝てくれないか?一緒のお布団で……その……ぎゅっ、て抱きしめて……ほしい……////」カァァァ... 

まほ「………………」 

麻子(予想以上に恥ずかしいぞこれ!) 

まほ「……私と寝るということは」スッ 

麻子「え」 

まほ「こうして」サワサワ 

麻子「あ……っ……//」ビクン 

まほ「あれして」モニュモニュ 

麻子「ひぅ!?」ビクン 

まほ「これもんだぞ?」ズビビビビ! 

麻子「んぁっ……///」ビクーンド 

麻子(な、んだこれは……頭が……真っ白に……なる……) 

まほ「この程度で頭の中が雪景色みたいになっちゃうならやめちゃうほうがいいな」フッ 

麻子「え?あ……ぁ?」 

麻子(なにをいってるのか……ぜんぜんわからない……)ボーッ 

まほ「………………」ツン 

麻子「っ!」ビクン! 

麻子「ぁ………………」フラッ.. 

まほ「…………」サッ(麻子から枕を奪い、地面に放る) 

麻子「………………」ボフッ(枕の上に倒れる) 

まほ「大洗の大地を枕にさせても良かったが……せっかく持参したんだ。使っておけ」

142: 名無しさん 2016/12/28(水) 23:18:45.62 ID:OstJYgH+o


沙織「麻子!」 

優花里「冷泉殿がやられてしまいましたぁ!」 

華「麻子さん…………悲しいです。花尾イケルという人が存在し、かつ悪者だった場合くらい悲しいです」 

そど子「わ、私のせいだわ」シュン 

みほ「……いいえ、園さんのせいではありません」 

そど子「え?」 

みほ「麻子さんがやられちゃったのはすごく残念です。でも、お姉ちゃんに勝てなかったのには明確な理由があります」 

そど子「理由?」 

みほ「それは……麻子さんが『こんな恥ずかしいことをして、私は何やってるんだリョク(力)』を出していたからです」 

沙織「つまり……技を出す時、照れてた?」 

みほ「うん。裏西住流を扱う時に照れは厳禁。そして変なリョクは持っちゃダメなんだ」 

優花里「変なリョク…………な、なるほど。わかりますぅ!」 

みほ「今のもホラァ!『あんまりよくわかってないけどとりあえずわかるって言っておこリョク』だよ」 

優花里「う……す、すみませんでした西住殿ぉ!」 

みほ「ううん、いいの。気にしてないリョクを出すから大丈夫。みんなも気を付けて。リョクはちゃんとしたのを出さないと十分な威力を発揮できないから」 

♪~ 

沙織「あっ、みんな準備できたって」 

みほ「ありがとう。でもこっちの準備がまだ……」 

華「何かあるのですか?」 

みほ「ある物を持ってきてもらうようお願いしてたんだけど……」 

そど子「私のところに連絡は来てるわ。もう着く頃だと…………あ、来たわ!」 

みほ「!よかった……」ホッ 

クロネ子「荷物……」 

にっつ羽「お待たせしました!」 

みほ「ありがとう!沙織さん、みなさんに戦闘開始を合図してください!」 

沙織「わかった!」 

優花里「西住殿?この荷物は一体……」 

みほ「武器だよ」 

優花里「武器……?」 

みほ「うん。これはお姉ちゃん相手でも威力を発揮してくれると思う」 

みほ「そう……このティッシュ砲ならね」フフフ

143: 名無しさん 2016/12/28(水) 23:21:12.67 ID:OstJYgH+o


まほ「む」 

ケイ・ナオミ・ダージリン・オレンジペコ・アッサム「」ザッ 

アンチョビ・カルパッチョ「」ザッ 

杏・柚子・桃「」ザッ 

みほ・沙織・華・優花里・そど子「」ザッ... 

まほ「ほう……勢ぞろいだな。豪華だ。しかし……」 

みほ「………………」 

まほ「豪華な相手に勝ってこそ裏西住流と言ってもいいかもしれないかも」 

沙織「どっち!?あやふやなんだけど!」 

みほ「………………」 

みほ(これだけの人数で囲んだ上、黒森峰の生徒は連合軍と風紀委員のみなさんが食い止めてくれてるから、お姉ちゃんに加勢はない。お母さんも……まだ出てくる気配なし) 

みほ(敵はお姉ちゃんのみ。人数的にはこっちが断然有利だけど……) 

沙織「な、なんか空気が重いね?」 

みほ「うん。相手が相手だから。気が抜けないリョクがすごいリョク。お姉ちゃんの切れ味は北極レベルだから一瞬の隙が命取りになっちゃう」 

沙織「北極レベルってどういう意味?全然わかんないリョクだよー」 

みほ「沙織さん、そんなリョクはないよ?勝手に作るのはちょっと……」 

沙織「そ、そうなんだ。ごめんね……」 

まほ「……………………」 

みほ「……………………」 

シーーーーン.. 

みほ(静まり返ってる……これは西部劇の撃ち合いみたいに、何かきっかけがないと始まらない。だったら……) 

みほ「………………」 

まほ「………………」 

みほ「…………フォー!!」 

まほ「ッ!」ダッ! 

みほ「みなさん、作戦通りお願いします!」 

沙織「わわっ、始まった!」 

アンチョビ「アヴァンティ(前進)!!」ダッ! 

カルパッチョ「はい!」タタッ! 

アンチョビ(私の技の性質上、とにかく触れないと。危険は承知だ!えーい!) 

まほ「!」チョン 

アンチョビ「よしっ!触ったぞお!」 

アンチョビ(ラブホテルまでの距離……つまり西住姉を倒すために必要な距離は………) 

『42.195キロ』 

アンチョビ「いや無理だろ!『いいとこ連れてってあげる』とか言ってフルマラソンの距離を引っ張れるかぁ!」 

アンチョビ(それだけの実力差だというのかぁ……くそぅ……)

144: 名無しさん 2016/12/28(水) 23:22:19.32 ID:OstJYgH+o

まほ「わざわざやられに来たのか?」 

アンチョビ「あっ……に、逃げないと!」アワワ 

カルパッチョ「ドゥーチェはやらせません!」 

まほ「……だったらお前からだ」 

カルパッチョ「♪YO!YO!」 

まほ「ん?」 

アンチョビ「カルパッチョ!」 

カルパッチョ「♪安心して任せてくださいドゥーチェ でもあとで奢ってねフルーチェ 私が夢中でこの人倒すスチューデント スウェーデンの国旗を避けるスウェーで」 

アンチョビ「後半何を言っているんだ」 

まほ「………………」 

カルパッチョ「私には切り札がありますから大丈夫ですよドゥーチェ」ニコリ 

アンチョビ「切り札?あ……」ハッ 


カルパッチョ『一番強力なのは、悪い人だと思ってたのに実は優しい、ってパターンです。【ワルモテラッパー】でもその公式を踏襲すればダメージが増すんです』 


アンチョビ「あれか……」 

カルパッチョ「はい。ですからドゥーチェは下がってください」 

アンチョビ「わかった」ザッ 

まほ「…………」 

カルパッチョ「では行きます!」 

カルパッチョ「♪エイヨー!チェケラッチョ!カルパッチョ!」 

まほ「……なるほど。【ワルモテラッパー】か。確かにアンツィオの校風に合っている」

145: 名無しさん 2016/12/28(水) 23:25:01.44 ID:OstJYgH+o

カルパッチョ「♪恩師の寝床に毒サソリ 八匹ぶん投げるのがハッピー気分」 

そど子「ちょっと!そんな幸せの感じ方はナンセンスだわ!大体…」 

優花里「そ、そういう技ですぅ!落ち着いて」ガシッ 

カルパッチョ「♪手抜きせずにそこでコブラ、マムシ 私は帰宅後ブラタモリ」 

そど子「あなた!せめて報道とかを観なさいよ!」 

優花里「フィクションですよぅ!」 

カルパッチョ「♪だけど本当は刺されないでほしい 噛まれないでほしい 無事で長生きしてほしい どうかあなたの今後に幸せな出来事が訪れますように……」 

そど子「な、なによ……思ってたよりいい子じゃないの。怒鳴って悪かったわね」フン 

沙織「納得するの!?寝室には毒サソリやコブラが残ってるんだよ!?」 

華「花を生けにくい寝室ですね。刺されないように気を遣います」 

まほ「っ……やるな」 

カルパッチョ(…………さあ、どう返しますか?) 

まほ「…………いくぞ」スッ 

まほ「♪私なら恩師から金借りてデート 踏み倒す代わりに渡すプリザS 恋人との待ち合わせは朝六時 私はずっと家 美味しいご飯 静かな腹の虫」 

カルパッチョ(な……っ!恩師と恋人を同時に傷付けるとは!) 

まほ「♪待ち合わせ場所は異常なほどに遠い離島 飛行機禁止 徒歩及びヒッチハイクで移動させる 超々距離もドンウォーリー当然トイレも我慢させるご機嫌な極限状態へ」 

カルパッチ(!!すっぽかすつもりなのにそこまでさせるなんて!!) 

まほ「♪つまり恋人を膀胱炎にするのが生きがい お見舞いに行かない叙々苑に行きたい 膀胱炎&膀胱炎たまに突き指 むち打ちの状態で振り向きを要求」 

カルパッチョ(っ……ぐ……) 

まほ「♪……だけど止まらない感謝 とめどなく溢れる涙を拭いながらキミに言うよ…………そう、生まれてきてくれてありがとう」 

カルパッチョ「きゃああ!」ビクン! 

カルパッチョ(この人すごい……結局恩師からお金もらったのにデートに一銭も使ってないし、その他諸々ワルが光ってます) 

カルパッチョ(……でも……私のラップの方が命に関わるワルなはずなのに、膀胱炎に気後れさせられる迫力はなんなのでしょうか?)タジッ.. 

146: 名無しさん 2016/12/28(水) 23:27:34.40 ID:OstJYgH+o


みほ「……ナオミさんと華さんはこれでお姉ちゃんを撃ってください」 

華「ティッシュを詰めて撃つのですね」 

みほ「うん。カルパッチョさんが戦っているうちに準備をすませよう」 

ナオミ「このティッシュを使うのか。これは……湿っているが?」 

優花里「新品のティッシュを濡らしてそれっぽく見せてあるんです。そうですよね?西住殿」 

みほ「ううん?これはお姉ちゃんとお母さん専用のだから本物を使ってるの」 

優花里「本物?」 

みほ「そう。ねこにゃーさんの場合は一部だったけど、こっちは全部本物。あ、言い忘れてたけど優花里さんの使用済みティッシュだから」 

優花里「うえええええええ!?どっ、どどっ、ど、どういうことですかぁ!?」 

みほ「言ったままリョク」 

優花里「それじゃわかりません!」 

みほ「でも本当に言葉通りだよ?優花里さんのご両親に許可をもらって優花里さんの部屋に入ってゴミ箱からティッシュを回収して……それがこれ」 

優花里「いつの間に!?私、全然聞いてませんよぅ!?」 

みほ「事後承諾という形になるのかな?」 

優花里「なるのかな?って……しょ、承諾なんてできません!こんな………恥ずかしい……///」 

みほ「…………優花里さん」 

優花里「な、なんでしょう」 

みほ「優花里さんは、見られて恥ずかしいようなティッシュの使い方をしてるの?」 

優花里「………………い、いえ………………そのようなことは…………しかし……」 

みほ「だったら使ってもいいよね?」 

優花里「え、いや、その……」 

みほ「…………」ニコニコ 

優花里「…………………………はい」 

みほ「ありがとう優花里さん!」 

優花里「にしず みどの によろ こんで もらえ るのな らふし ょうあ きやま ゆかり なにを されて ももん くなど ありま せんに しずみ どのの ちから になれ ること こそが しこう のよろ こびで すから」 

ナオミ「……ふっかつのじゅもんみたいな喋り方になってるな」 

沙織「なんかみぽりんの言い分、浮気を疑って携帯を見せてもらおうとするカップルのやりとりっぽかったよね。『浮気してないなら見せられるよね?』的な。ティッシュの場合は条件が違う気もするけど……」 

華「カップルのようなやりとりなら優花里さんも本望でしょうね」 

沙織「……そうかな?」 

みほ「とにかく急いでティッシュを詰めてください!中身は気にしないで!」 

華「はい!」ギュッギュッ.. 

ナオミ「……そう言われてもなぁ」チラ 

優花里「あっ……そのティッシュは……///」カァァ.. 

ナオミ(普通気になるだろ)ギュッギュッ..

147: 名無しさん 2016/12/28(水) 23:29:36.00 ID:OstJYgH+o

みほ「……詰め終わりましたね。じゃあダージリンさん、格言をお願いします」 

ダージリン「されちゃった」ウフフ 

オレンジペコ「すぐ言いましょう。さあ」 

ダージリン「え?せ、急かされると少し焦るわね。リラックスするために紅茶を…………いえ、まだゴリラが潜んでいるかもしれないのでやめましょう」 

オレンジペコ「とにかくどうぞ」 

ダージリン「え、ええ。そうね………決まったわ」 

ダージリン「」コホン 

ダージリン「『根本的な才能とは、自分に何かが出来ると信じることだ』」 

オレンジペコ「ジョン・レノンですね」 

パアアァァァ.. 

みほ「!」 

華「あらあらあら。力が飛び出てきます」 

沙織「と、飛び出てくるの?溢れるじゃなくて」 

ケイ「んー♪なんかすっごく踊りたい気分!エナジードリンクよりパワフルだわ!」 

ナオミ「ああ、いつもより調子がいい。射撃の精度も上がるだろう。もう撃っていいのか?」 

みほ「はい。カルパッチョさんがラップを切り上げ次第、撃ってください。園さん、カルパッチョさんに合図をお願いします」 

そど子「シャウ子!デスボイ須!」 

シャウ子「ィエァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」 

デスボイ須「ヴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオウ!」 

沙織「風紀委員の人たちって何人いるんだろ……」 


カルパッチョ「合図……!退却します!」サッ! 

まほ「勝負放棄か?」 

カルパッチョ「放棄ではなく一時撤退です!」タタタ 

まほ「なるほど。ためになる」 

ヒュヒュン! 

まほ「!ティッシュ……」 

ヒュン!ヒュン! 

まほ「手で弾……けない威力か。よほどの強い想いがくるまれているようだ……しかし……」チラ 


ナオミ「」 

華「」 


まほ「撃っているのは二人。集中して見ていれば避けるのは容易だ」

148: 名無しさん 2016/12/28(水) 23:33:04.22 ID:OstJYgH+o

ケイ「だ~か~ら~」 

まほ「ん?」 

ケイ「私がマホの視線を独り占めしちゃうよ~♪」ウッフーン! 

まほ「!バニーガールか」 

ケイ「イエス!これ着てみたかったんだよね~♪ちょーっと胸元がパカパカして危ないけど。あっはは!」 

まほ「っ……となれば当然……」 

ケイ「うなぎを入れちゃうよね!」 

まほ「だろうな。裏西住流『蹂躙書』、『コスの巻』の20頁。『バニースーツにうなぎを入れる。これもすなわちギャンブルであり、ディーラーや客と同化する効果もある』と記載されているからな」 

ケイ「ねー!?私どうなっちゃうのかなー?あははは!楽しみねっ♪」ヌメヌメ 

柚子「わ、私もお手伝いします」 

ケイ「ユズィー!ナイスなプロポーション!白のビキニが映えてるよー!」 

柚子「あ、ありがとうございます」 

優花里「小山殿すみません!状況が変わったみたいです!『助っ人に行くまでの白ビキニ』から『さあ頑張るぞの白ビキニ』に着替えてください!」 

柚子「ええっ!?わ、わかった!更衣室を出して……と」 

更衣室「」ガサゴソ 

まほ「スタイルいい新手か……その技を使うのなら……」サッサッ(両手でケイたちを手招きする) 

優花里「!!」 

優花里「小山殿!また状況が変わりました!『両手で手招きされた時の白ビキニ』にチェンジを!」 

更衣室「ええっ!?ドラマや映画のBGMじゃないんだから、場面ごとにコロコロ変わったら着替えられないよ!」 

まほ「残念だったな。シチュエーションは頭に入っている。防ぐのは容易だ」 

優花里「っ……け、ケイさん!もっとまほ殿の目を惹けますか?」 

ケイ「ンー、じゃあ胸元ギリギリまで下げるね?んっ……しょ」 

まほ「なんとも景気のいい話じゃないか」 

ケイ「でしょ!?でもこれ以上は見せられないよー?もし見たかったら、私と特別な関係にならないとね♪」 

まほ「さもありなん。とりあえず……変な意味ではないんだが、あとで携帯の番号を交換しようか」 

ケイ「オーケー♪」 

まほ「よし」 

??「………………」コソッ.. 



沙織「……みぽりんと同じようなこと言ってる。やっぱり姉妹なんだね」 

華「まあ!沙織さん、花を生けるような感想ですね」 

沙織「そうでもないよ」

149: 名無しさん 2016/12/28(水) 23:34:02.62 ID:OstJYgH+o

まほ「別に電話番号を交換したとしても何かをするわけではない。だがそれでも連絡先をお互い知っているという状況こそ、現代の日本で失われつつある人情の大切さを再確認するきっかけになるかもしれないからな。うん」 

??「………………」コソコソ.. 

??(完全に油断してる……今だ!)ダッ! 

まほ「…………などと隙を見せたのは!この不意打ちを返り討ちにするためだ!」シュッ! 

??「!?」 

まほ「はあっ!」ガシッ(相手の両腕を掴む) 

??「っ……!」 

まほ「……みほ。まだまだ甘いな。私を…………え?」 

杏「ざ~んねん!西住ちゃんじゃありませんでしたぁ」 

まほ「な……」 

まほ(先ほどからみほが指揮をとっていなかったのは、私の目をケイに引き付けている間に近付き、狙うためではないのか!?ではなぜ指揮を秋山優花里に任せた!?) 

??「さすがお姉ちゃん」 

まほ「!?」 

みほ「シンプルな作戦は通用しないと思ってた」タタタ 

まほ「こっちにいたのか!」 

まほ(私の考えはあながち間違いではなかった!ただ違うのは不意打ちが二段構えだということ!角谷杏と共に潜み、角谷杏を囮にして隙を突く作戦……!) 

まほ「っ!」グィッ! 

杏「おおっと!両手は使わせないよー」ガッチリ 

まほ「!!」 

みほ「」タタタッ! 

まほ(!防御が間に合わない!)

150: 名無しさん 2016/12/28(水) 23:34:57.22 ID:OstJYgH+o

みほ「ッ!」ダンッ! 

まほ「!!」 

みほ「ん……っ……」チュ 

まほ「んうぅっ!」 

杏「ぅわあお!口いった!?大胆だねぇ西住ちゃん」 

みほ「れろ……」 

まほ(!みほ……舌を…………) 

みほ(舌に感情を乗せる……!お姉ちゃんにエッチな行為をするイメージを浮かべて……舌を通して伝える!キスをしている二人の間でその映像を共有する!)レロレロロ 

まほ(な!?みほ……っ!私にそのようなプレイをさせるのか!!姉に対してよくも……いや違う…………かわりばんこだと!?公平じゃないか!) 

みほ(……お姉ちゃんの感情が……想いが流れてくる……)レロロ 

まほ(みほ……指二本分右にズラした方がいいのか……細かいおねだりだ)ンチュ.. 

みほ(もっとくっついて。ね?その方が気持ちいいよ?) 

まほ(……あぁ……そうだな) 

みほ(お姉ちゃん) 

まほ(みほ) 

みほ(お姉ちゃん) 

まほ(みほ) 

みほ・まほ(……………………) 

杏(………………な、なんかこの距離で見てるの恥ずいんだけど///) 

テュポン.. 

杏(あ、やっとキス終わった) 

みほ「………………」 

まほ「………………」 

杏(…………一体、どっちが勝ったんだろ?) 

みほ「っ……」フラッ..ガクッ 

杏「西住ちゃん!?」 

みほ「だ、大丈夫です。ただちょっと息が……苦しかっただけです」 

杏「そっか」ホッ 

杏「……ということは……」チラ 

まほ「………………」ガクン! 

杏「おわぁ!?倒れる!」ガシッ 

まほ「……………………」ダラーン.. 

杏「……ふー、あっぶねー」 

みほ「はぁ……はぁ……はぁ……」 

杏「……さすが西住ちゃん。勝ったね」ニッ 

みほ「え?あ……はい。でも紙一重でした」 

杏「それでも勝ちは勝ちっしょ?」 

みほ「あはは……そうですね」

151: 名無しさん 2016/12/28(水) 23:37:48.35 ID:OstJYgH+o


沙織「すごいっ!!みぽりんが勝ったよ!」 

華「お見事ですみほさん!ですよね?優花里さん…………あら?」 

優花里「」コソコソ 

オレンジペコ「秋山さんは飛ばされたティッシュを回収してるみたいです」 

沙織「わかる。私がゆかりんでもそうするよ。だって恥ずかしいもん」 

ナオミ「うわー……隊長、ここから見てもうなぎでぬっるぬる。早くシャワー浴びないと大変だ」 

アンチョビ「……それにしても西住姉妹は………なんて情熱的な…………き、き、き……///」 

ダージリン「きまぐれオレンジロード?」 

アンチョビ「なわけないだろ!久しく忘れてたよ!思い出させてくれてありがとうな!!」 

カルパッチョ「キス、してましたね//」 

アンチョビ「おっ、おい!そんなはっきりと!エロパッチョって言われるぞお!」 

カルパッチョ「い、言われませんよ!」 

華「ディテクティブな口づけでしたね」 

アッサム「探偵のような口づけってどういう意味ですか。インタラクティブならともかく」 

そど子「……あなたたち。少し気が緩んでるわよ」 

アンチョビ「ん?別にいいじゃないか。勝った時は仲間と喜びを分かち合うのがアンツィオの流儀だ!」 

そど子「ここは大洗よ!それにまだ終わったわけじゃないわ!」 

アンチョビ「う……確かにみほのマンマがまだ残っているが……」 

カルパッチョ「まほさんを倒したことでホッとしちゃいましたね」 

ナオミ「強敵だったからな。あ、そういえば西住さんから頼まれ事があったんだった。今のうちにやっておかないと」 

そど子「最善を尽くしておかないと後悔するわよ。他のみんなも準備はいい?」 

沙織「………………?」ゾク 

沙織(あれ?なんか体が……) 

そど子「?武部さん?ボーっとしてどうしたの?」 

沙織「え?あ、いえ……なんだか体が急にダルくなってきたっていうか……寒気がして……」 

アンチョビ「大丈夫か?それって、か…」 

ダージリン「快獣ブースカ?」 

アンチョビ「風邪だよ!いや、まだわかんないけどな!?そしてまた古いなあ!」 

カルパッチョ「あ、あれ?私もなんだか寒気が……」 

ダージリン「それを言うなら私なんてずっと前からですわ。もっと言うと、あまり寝ていませんの」 

アッサム「何故張り合うのですか」ハァ 

オレンジペコ「さっき寝てましたよね。モデルルームの重しなんかの上で」 

ダージリン「ペコが犯人と聞いたわ」 

アンチョビ「うーん……今になって急に体調が悪くなる……少し引っかかるな」

152: 名無しさん 2016/12/28(水) 23:38:46.60 ID:OstJYgH+o

♪~ 

沙織「あれ?電話?優季ちゃんから?もしもし」 

優季『あ、せんぱ~い!紗希が先輩たちに何か言いたそうな表情してたから電話しましたぁ』 

沙織「え?紗希ちゃんが?」 

優季『電話代わりますね~。はい、紗希』 

沙織「喋ってくれるかなぁ?」 

紗希『』ゴソッ.. 

沙織「あ、もしもし紗希ちゃん?」 

紗希『………………………………………………………………………………………………………………………………』 

沙織「………………………………」 

紗希『………………………………………………………………………………………………………………………………』 

紗希『………………………………………………………………………………………………………………………………』 

ダージリン「たけしの挑戦状?」 

アンチョビ「違う!確かに地図で待つけど!というかさっきからずっと古いな!お前いくつだ!」 

ダージリン「いくつだと思う?」ウフフ 

アンチョビ「タメだよ!聞いといてなんだけど知ってる!」 

紗希『…………………………………………………………蝶々』 

沙織「え?」 

優季『……なんかぁ、空見ながら蝶々って言うんですよぉ』 

沙織「でもそれっていつも通りじゃ……今の空が普段の空と違うならともか…………く?」 

沙織「…………あれ、なに?」 

アンチョビ「ん?空がどうかしたのか?」 

ダージリン「あら?何か飛んでいるわ」 

オレンジペコ「蝶々、でしょうか?」 

優季『とにかくそれだけ教えたくて電話しましたぁ。失礼しま~す』 

沙織「あ、うん。ありがとう……」 

アッサム「……蝶々に見えますが違うと思います。あの高さまで飛べないでしょうから」 

カルパッチョ「それじゃあれはなんなのでしょう?」 

みほ「み、みなさん!」ザッ 

華「みほさん?どうしました?」 

みほ「これからが本番です!気合いを入れてください!」 

優花里「え?」 

みほ「ついに……お母さんが来ました」 

沙織「ど、どこ!?」 

みほ「……クウ」 

カルパッチョ「クウ?」 

みほ「」スッ(人差し指を上に向ける) 

みほ「……クウからです」 

アンチョビ「空でいいだろ!なんでちょっと気取るんだ!大事な場面なのに力抜けるだろ!」

154: 名無しさん 2016/12/28(水) 23:41:25.31 ID:OstJYgH+o

カルパッチョ「ま、待ってください。じゃあ、あの蝶々に見えるのは……」 

みほ「……ヘリから飛び出して、ガニ股で降下してるお母さんです」 

アンチョビ「な、なにっ!!」 

華「蝶々の羽に見えたのはパラシュートだったのですね」 

みほ「うん。だからみんなの体調に影響が出てるの」 

優花里「え?どういうことですか?」 

みほ「お母さんがパラシュートを広げたおかげで、私たち……ううん、大洗の街の人も含めた全員とお母さんの相合パラシュートが成立しちゃったの」 

ダージリン「相合パラシュート?相合傘のようなものかしら?」 

みほ「はい」 

アッサム「それはつまり、この場にいるだけで裏西住流の技を受けてしまっているということ?」 

みほ「はい。対象が多すぎるせいでダメージはかなり軽減されていますけど、注意を怠らないようにしてください」 

アンチョビ「ううう……ついに総大将の登場か……みほ!どうすればいい!?」 

みほ「とりあえず落下地点を予測してから、囲むように布陣します。まとまっていると一気にやられちゃいますので。それとダージリンさん」 

ダージリン「何かしら」 

みほ「格言をできるだけ多くお願いします。少しでも強化しておきたいので」 

ダージリン「うふふ、任せなさいな。格言といえば私。私と言えば紅茶よ」 

アンチョビ「復路で別の道行っちゃったぞ。いや、構わないが」 

ダージリン「さあ、レッツ格言!」 

アンチョビ「……なんか軽いな」 

ダージリン「格言格言格言格言格言格言格言格言格言格言」 

オレンジペコ「○○ですね○○ですね○○ですね○○ですね○○ですね○○ですね――――」 



みほ(ダージリンさんの格言によって強化された私たち) 

みほ(裏西住流独自の計算などもあり、お母さんの正確な落下位置を割り出せた。偶然にもお姉ちゃんを倒した場所から数十メートル先だった) 

みほ(そのため、私たちあんこうチームはこのままの位置で待機。他のみなさんは落下予測地点を囲むような配置についてもらった) 

みほ(あとはお母さんが降りてきたら総攻撃を仕掛けるだけ) 

みほ(お母さんを相手に勝つのはかなり難しいと思うけど……) 

みほ(力を合わせればきっとなんとかなる……!)

155: 名無しさん 2016/12/28(水) 23:45:07.39 ID:OstJYgH+o

一分後 

みほ「フォー!」 

沙織「っ!?び、ビックリした。急にどうしたのみぽりん」 

みほ「ちょっと気合いを入れたの。それより沙織さん、体調の方は大丈夫?」 

沙織「うん。ダージリンさんの格言で大分マシになったよ」 

みほ「よかったぁ」 

華「みほさん!お母様が!」 

みほ「え?」 

しほ「」ギュイン! 

華「急に落下角度を変えました!」 

みほ「!!」 

沙織「予測してた位置より大分手前だよ!?包囲の外に着地されちゃう!」

156: 名無しさん 2016/12/28(水) 23:47:48.21 ID:OstJYgH+o



しほ「」グワァッ! 

杏「……こっち来てるっぽいね」 

柚子「わ、私たちを通り過ぎるって言ってたのに!」 

桃「に、逃げるんだ!」 

しほ「」グワァァァ! 

杏「かぁしま!伏せろっ!」 

桃「は、はい!」ガバッ! 

杏「小山、逃げるぞ!」ダダッ! 

柚子「はいっ!」ダッ! 

桃「へ?あ、あれ?二人はどこに……」 

杏「かぁしま!忘れないよ!」 

桃「えっ?」 

柚子「桃ちゃんファイト!」 

桃「ちょ、二人とも!?わ、私も逃げっ…」ガバッ! 

しほ「」ゴォォオォ.. 

桃「!!」 

しほ「」カパーン(足を広げる) 

桃「な……!」 

しほ「ぬぅん!」ガシッ! 

桃(ぐっ!?顔を両足で挟まれた!) 

しほ「ふううううう」スィーーー 

桃「うお、お、お、お……体が浮い……わあああああ!」ゾリゾリゾリゾリ! 

桃(地面が擦れて痛…………くない?) 

桃(いやむしろ気持ちいい…………この……挟まれている感触の良さが痛みをどこかにやっているのだろうか?) 

しほ「…………着地成功」カパッ 

桃「」ドサッ 

杏「かぁしま、平気かー?」 

柚子「ドンマイだよ!桃ちゃん!」 

桃「ぁ……ぁ……///」 

桃(もっと……もっと挟んでくれぇ……) 

しほ「パラシュートを外して、と」カチャカチャ.. 

しほ「…………なかなか外れないわね……っ!これだから文明は……」カチャチャチャ 

ケイ「っ……パラシュートを外すのにもたついてるのにこのプレッシャーってどうなの?」 

ナオミ「ゆ、指が震える……本能が彼女を恐れているのか……」 

しほ「…………外れた」フゥ 

ケイ「………………」 

しほ「…………さて」チラ 

ケイ・ナオミ「っ……」ゴクリ

157: 名無しさん 2016/12/28(水) 23:49:04.56 ID:OstJYgH+o

しほ「…………私が出るまでもなく勝利を収めると思っていたけれど…………まほも甘いわね」ハァ.. 

アンチョビ「お、臆するな!気持ちで負けたら終わりだ!美味いパスタを作ろうと思って厨房に立たなければダメなのとおんなじだ!」 

カルパッチョ「は、はい!では……私が行きます!」ダッ! 

ナオミ「これだけのプレッシャーの中で飛び出せるとは……ナメられたら終わりというワル魂か」 

カルパッチョ「よ、YO!YO!いくぜレッツゴー!」 

しほ「………………」 

カルパッチョ「♪買い物でレジ打ちの子に対し攻撃 一品ごとに舌打ち 威嚇し 名札に近付き 名前確認」 

カルパッチョ(ラップ勝負の間は攻撃されない。ここで時間をとってみんなに落ち着いてもらえば体勢が整うはずです。あとはこの人がラップでどう返してくるか……) 

しほ「…………知らない!!!!」 

カルパッチョ「!!!」ビリビリビリ! 

しほ「ラップしたくない!!!!」 

カルパッチョ「…………そ、それが通るのですか?」 

しほ「うるさい!!」 

カルパッチョ「ひっ……!」ガクン 

カルパッチョ(あ……腰が抜けた……) 

しほ「…………それ」ビシッ(カルパッチョを指さす) 

カルパッチョ「え?」 

しほ「私のテクよ」 

カルパッチョ「??」 

ドクン! 

カルパッチョ「ぁ……!!」 

カルパッチョ(体が……え、なにこれ…………や、やだ……///)ガクガク.. 

アンチョビ「カルパッチョ!?」 

カルパッチョ「あ……ぁあ……///」ガクッ

158: 名無しさん 2016/12/28(水) 23:52:06.74 ID:OstJYgH+o

アンチョビ「くっ!うおおおおおーーーっ!カルパッチョのカタキ!」ダッ! 

しほ「………………」チラ 

アンチョビ(うっ……こっち見てるぞおお!でも突っ込む!とにかく触るんだあ!) 

チョン 

アンチョビ「……よし!」 

アンチョビ(触れた!ラブホテルまではどれぐらいの距離だ!?) 

『768,800km』 

アンチョビ「地球と月を往復の距離!?無理だろ!もうその場でしてしまえ!」 

しほ「なくていい」スッ 

アンチョビ「へ?」 

しほ「マントなど着なくていい」シュバ! 

アンチョビ「っ…………え?」 

しほ「………………」ヒラヒラ 

アンチョビ(マントを奪われただけ?なぁんだ、何をされるのかと思ったら……ビックリさせ…………っ)ドクン 

アンチョビ「な、な……///」ガタガタガタ.. 

アンチョビ(わ、私…………丸裸だ!?そんな……制服を着てたはずなのに……こんな……街中で裸になってるなんて!?) 

アンチョビ「は、恥ずかしすぎる…………ぅぅ……////」ペタン 



みほ「………………」 

沙織「な、なにがどうなってるの!?」 

みほ(河嶋先輩には両足で挟んで離さない【良心的UFOキャッチャー】を決め、カルパッチョさんには、腰が抜けた人に対して自分がそうさせたと言い切る【言論の自由】を。これによってカルパッチョさんが腰を抜かしたのは私とエッチな行為をしたからである、と思考と歴史を無理矢理捻じ曲げ、肉体に快感を呼び起こさせて落とした) 

みほ(そしてアンチョビさんには【服ヌード】。服やストールを一枚脱いだだけで裸になったと思い込ませる技で恥ずかしさのリングに沈めた) 

みほ(……やっぱりお母さんは強い。強すぎる……)

159: 名無しさん 2016/12/28(水) 23:53:40.50 ID:OstJYgH+o



しほ「………………」チラ 

杏「う……」 

柚子「か、会長……」 

杏「………逃げ切るのは無理っぽいね。だったらいっそ…」 

柚子「戦うしかないですね」 

しほ「覚悟を決めたのね。ならかかってきなさい」 

杏「お言葉に甘え……てッ!」タタタ..ギュルン 

しほ「あら」 

柚子(相手の目の前で体を捻って背後に回り込んだ!ここぞって時の会長は神懸ってます!あとは抱きつくだけ!) 

杏「もらった!」ガバッ! 

ダキッ 

しほ「っ…………ふふふ。なかなかやるわね」 

杏(……全然効いてないわけじゃないけど……大したダメージを与えられてない) 

しほ「」グリュン! 

杏(わあっ!?振りほどかれた!あっぶね!とりあえず距離をとろう!)タタッ 

しほ「…………」チュ 

杏(投げキッス?全然違う方向にやってるけど……目的は…) 

ズドン!!! 

杏「ごほぅ!?」 

杏「ど……して…………」ガクッ 

柚子「会長!!わ、私がなんとかします!会長の分も!」シャーッ! 

更衣室「ええと……長い付き合いの人が負けた時の白ビキニは…………ない。じゃあツインテールの人が傷付いてから数分以内の…」 

シャーッ 

柚子「え」 

しほ「……………………」 

柚子「…………あ、あの……着替え中なんですけ…ど……」 

しほ「………………」ギュゥウゥゥ!(柚子の左胸を掴む) 

柚子「いたたたた!強いです!」 

しほ「2時!5時6時!10時!1時!8時9時8時!!」グイグイグイグイ! 

柚子「ね、捩じらないで!時計を模さないでくださぁい!」 

しほ「………………」パッ 

柚子「ぁ……」ペタン 

しほ「安心しなさい。アザはおろか、痛みも残らないわ。それどころかお肌がツヤツヤになる」 

柚子「………………」ハァ..ハァ.. 

しほ「ただ…………もう私の手でなければ気持ちよくなれないけれどね」 

柚子「っ……」 

しほ「もう……前には戻れない。あなたという時計は、私という時計職人がネジをあれこれしちゃったから。ならばいっそAMもPMも海の藻屑と化せばいい」 

柚子(うぅ……変な口説き文句なのに……体が疼くよぉ……桃ちゃん……////)

160: 名無しさん 2016/12/28(水) 23:57:51.88 ID:OstJYgH+o



沙織「み、みぽりん!今のなに!投げキッスしただけだよね!?しかも会長と全然違う方に!それなのにどうして会長やられちゃったの!?」 

みほ「そこが間違ってるんだ。ほとんどの人が投げキッスは真っ直ぐに進むと思ってる」 

沙織「違うの?」 

みほ「うん。投げキッスは風とか気温、湿度、他にも色んなものに影響されるの。だから狙って相手に当てるのはかなり難しいんだ。近くでバッタが飛んだだけで曲がったりするし。お母さん以外でちゃんと投げキッスが相手の唇に届いた人を見たことがないもん」 

沙織「そんなに難しいんだ……」 

みほ「その難易度を例えるなら、学校で同じクラスにワニが転校してきて、しかも隣の席になるくらい。ちなみに窓際の子だから右隣しか空いてない。確率が半分」 

沙織「……隣の席とか以前に、転校生がワニっていうのがありえないと思うよ?アンパンマンみたいな世界観じゃない限り」 

みほ「それぐらいありえないレベルなの。投げキッスを当てるのは」 

沙織「そうなんだ……あ、じゃあ小山先輩には何をしたの?」 

みほ「わかんない」 

沙織「わかんないの!?なんか色々時計みたいなのされてたけど!」 

みほ「あれは『蹂躙書』の何かの巻で、最後の方にあるQ&Aコーナーとか節約術のページにちらっと載ってた技だと思うけど……」 

優花里「に、西住殿!解説はありがたいのですが、今は大変な状態ですぅ!打開策を提示してください!」 

みほ「そ、そうだったね」 

華「どうしましょう?みなさんで包囲して一斉攻撃という作戦でしたが、包囲の輪の外に着地され、各個撃破されている状態です」 

みほ「……うん」チラ 


しほ「………………」 


みほ「っ……」ブルッ.. 

優花里「西住殿?」 

みほ「………………と、とりあえずみなさんを全員ここまで退却させます!」 

優花里「足止めに人数を割かなくてもよいのですか?退却を追撃する形で西住殿のお義母様もこちらに近付いてしまいますが……」 

みほ「それは…………でもお母さんが足止め部隊を無視してこっちに突っ込んでくるかもしれない。そうなったら人数を割いた分だけここの守りが薄くなっちゃうから……」 

優花里「ですが……やすやすと近付けてしまうのも問題があるのではないでしょうか……」 

みほ「……じゃ、じゃあこうする。お母さんには風紀委員の人たちに当たってもらうか、あるいは他の…」 

そど子「なんですって!?」 

みほ「っ!?ど、どうしたんですか?」 

そど子「…………風紀委員内部で謀反が起きたわ」 

みほ「えっ!?」 

沙織「むほん!?それって裏切ったってこと!?」 

そど子「ええ。スパ依、ねがえ理の二人が敵についたわ」 

沙織「名前からして予測できたでしょ!絶対裏切るよ!」 

そど子「おかげで風紀委員は大慌てよ。もう戦闘どころじゃないわ!下手したら敵がこっちに来ちゃう。騒ぎを食い止めに行ってくるわね!」タタタ! 

みほ「そんな……」 

沙織「どうするの!?早く決めないとみんなやられちゃうよ!?」 

優花里「西住殿……!」 

みほ「た、退却です!全員ここまで退かせてください!」 

沙織「わ、わかった!合図出すね!ライトで…………」パッパッ..

161: 名無しさん 2016/12/28(水) 23:58:30.59 ID:OstJYgH+o



ケイ「退却命令よ!ナオミ!」 

ナオミ「わかった!しかし見逃してもらえるとは思えないな」 

しほ「好きに逃げなさい」 

ナオミ「え」 

しほ「私はただ勝利を得るために戦っているのではない。みほと、みほの仲間が、みほの立てた作戦通りに動いて私に立ち向かってくるところを…………ねじ伏せたいの」 

ナオミ「っ……」ゾッ 

しほ「だからみほがあなたたちを退かせるのなら邪魔はしないわ」 

ケイ「……ナオミ」 

ナオミ「あ、ああ!」 

ダダダダ.. 

しほ「………………」 

しほ(ここで退却させるくらいなら、落下予測地点を誤った時点で退くべきだったわね) 

しほ(次にみほがとる策は……本隊と合流後、私が自由に動き回れない狭いエリアで決戦を挑むと言ったところでしょうね) 

しほ(しかし、この段階でようやく退却命令を出したことから考えれば、積極策ではなく消去法の結果というニュアンスが強そうだわ。自信のなさが判断力を鈍らせているのかしら?ならば少し揺さぶってみましょうか) 

しほ「……みほ!!!!!!!」

162: 名無しさん 2016/12/29(木) 00:00:16.54 ID:S/QPe1ITo


みほ「!!」 

沙織「っ!なんて大きい声なの!?あんな遠くから届くなんて……」 

みほ「……お母さんが本気になったら、ドーム球場で流れるウグイス嬢のアナウンス以上の大音量を出せるんだ」 

沙織「ええっ!?色々とありえない人だね……」 

みほ「…………うん、本当にそう思う」 

沙織「え……」 

華「みほさん?」 

みほ「……………私、お姉ちゃんには勝てたけど………お母さんを相手に勝つなんて…………無理だよ……」シュン 

沙織「みぽりん………こ、こんな時にそういうこと言っちゃダメだよ!」 

華「みなさん一生懸命戦っているんですよ?弱気な発言はいけません」 

みほ「……うん、それはわかってるけど……」 


しほ「みほ!!!聞こえているならオーケーサインを出しなさい」 


みほ「………………」サッ..(オーケーサイン) 


しほ「しょぼくれたオーケーサインね!!指揮官がそのザマでは周りも動きにくいでしょうね!!」 


みほ「………………」 

優花里「っ……!」 


しほ「……でも自業自得よ!無能な指揮官についた自分たちが愚かだったと諦めなさい!」 


みほ「………………」 

優花里「西住殿……!あんな……あんな風に言われて悔しくないのですか!」 

みほ「……それは…………でも…………しょうがないよ」 

優花里「どうして……!」 

みほ「だって……今までお母さんに勝ったことなんて一度もないんだよ?」 

華「みほさん……」 

みほ「こっちから打って出ても歯が立たないだろうし……」 

沙織「で、でもさ、さっき風紀委員で裏切った人が出たって言ってたでしょ?そのせいで風紀委員と黒森峰の人たちと連合軍の子たちで大混戦になってるみたいで……その争いの中心が私たちの後ろの方みたいなの。だからこれ以上退けないよ?」 

優花里「……それどころか、風紀委員が抑えていた黒森峰の生徒たちがこちらになだれ込んでくるかもしれません」 

みほ「……う、うん…………どうしよう……」 

沙織・華・優花里「………………」 



しほ「………………ふん」 

しほ(ここから見る限り、みほは戦意喪失。そんなみほに仲間たちも戸惑っている、といったところね) 

しほ(……私との実力差を考えれば無理もない。とはいえ失望の念を禁じえないわ)ハァ 

しほ(どれだけ仲間を引き連れようと私が勝つに決まっているけれど、その前提でどこまでやってくれるかを楽しみにしていたのに) 

しほ(……もういい。長引かせるのも面倒だわ。全員片付けて帰るとしましょう)テクテク..

163: 名無しさん 2016/12/29(木) 00:01:06.98 ID:S/QPe1ITo


ケイ「ミホ!ただいま!」 

ダージリン「ここで最終決戦かしら?地形的にあまりよくないと思うけれど」 

アッサム「私のデータ的にもそう出てますね」 

みほ「それは……」 

沙織「わ!みぽりんママがゆっくり近付いてくるよ!?どうするのみぽりん!」 

ナオミ「まさか無策なのか?」 

みほ「………………」 

優花里「……西住殿ッ!!」 

みほ「……優花里さん……」 

優花里「どうしてしまったのですか西住殿!さっきからずっとうつむいて!諦めてしまったのですか!」 

みほ「………………」 

優花里「あれだけさすがだった西住殿なんです!お義母様相手でもきっとなんとかなります!」 

みほ「ありがとう優花里さん。でも私じゃお母さんには……」 

優花里「や、やめてください!そんなの……さすがな西住殿じゃありません!」 

みほ「……ごめんなさい。じゃあせめて今までの分を返すね。さすがさすがさすがさすがさすが……」 

優花里「西住殿…………」 

沙織「ゆかりん……」 


しほ「………………」テクテク 


オレンジペコ「!もうすぐそこまで来てます」 

みほ「………………」 

優花里「っ……!」ダッ! 

華「優花里さん!?」 

優花里「西住殿が……お義母様相手に戦えないなら……私が代わりに戦います!」ダダダッ 

みほ「!」 

優花里「私がお義母様に勝てば、西住殿の勝ちです!決して無能な指揮官ではありません!!」 

みほ「!!」

164: 名無しさん 2016/12/29(木) 00:01:57.34 ID:S/QPe1ITo


優花里「うわああああああ!!!」ダダダダ! 

しほ「……大した忠義ね。でも……」クス 

優花里「………はあっ!」ヒュッ! 

しほ「…………」サッ 

優花里「!避けられ……」 

しほ「…………」シュバババ!(優花里の髪の毛をくしゃくしゃに撫でる) 

優花里「!?」サラサラ.. 

優花里(私のくせっ毛が…………直毛に!!) 

しほ「……ねじれた毛があるのは一ヶ所になったわね」クス 

優花里「っ……///」カァァ 

しほ「…………さよなら」チュ 

優花里「!投げキッ…」 

ズドン!! 

優花里「ほぐぅう!!」バタン! 



沙織「ゆかりん!!」 

みほ「あ……ぁ……」 

しほ「みほ。この子はあなたを無能ではないと証明するために特攻した。よほどあなたを慕っているのね」 

みほ「…………」グッ 

しほ「でも、これでは無駄死によ」 

みほ「!?」 

しほ「もし私がみほの立場なら、こんな場所ではなく入り組んだ住宅地に陣取り、常に私の死角を狙う戦術をとったでしょう。そうすればまぎれの起こる確率が上がる」 

しほ「この子の力でも私に一矢報いる可能性があった。しかしそれもあなたが潰したのよ」 

みほ「……ごめんね優花里さん」

165: 名無しさん 2016/12/29(木) 00:02:59.84 ID:S/QPe1ITo

みほ「でも…………おかげで目が覚めたよ」 

沙織「みぽりん?」 

みほ「そうだよね……勝ち目がないからって諦めるなんて絶対ダメ」 

みほ「最後まで諦めなかったから、大洗は戦車道で優勝できた」 

華「……ええ!その通りです」 

みほ「……みなさん、ごめんなさい。情けないところを見せちゃって」 

ケイ「ぜんっぜんいいよー♪弱々しくて支えてあげたくなっちゃう感じがキュートだったし♪」 

ナオミ「相手が相手だ。怯むのは恥じゃない」 

ダージリン「その通りよ。こんな格言を知ってる?」 

オレンジペコ「『恐怖の経験は、さらなる恐怖にうち勝つための勇気に変わる』。漫画『保健室の死神』にあるセリフです」 

ダージリン「…………そういうことよ」 

みほ「みなさん……」 

アッサム「私たちは最初から西住さんと共に戦う意思を持っています。ですから『元気を出しなさい。今日の失敗ではなく、明日訪れるかもしれない成功について考えるのです』というヘレンケラーの言葉にあるように、これからどうするかに焦点を絞りましょう」 

ダージリン「………………それも言おうとしたわ」 

みほ「ありがとうございます。私、もう迷いません。勝ちを目指します!私たちの全力をぶつけます!」 

ワアアアア.. 

しほ「…………へえ」 

しほ(すっかりやる気ね)チラ 

優花里「………………」 

しほ(この子の頑張りもあながち無駄でなかった、か) 

しほ「………………」フフ 

しほ(全力をぶつける………か。いいでしょう。受けて立つわ。見せてもらおうじゃない。あなたたちの力を)ギラリ 

166: 名無しさん 2016/12/29(木) 00:04:18.73 ID:S/QPe1ITo


みほ「最終決戦フォー!ケイさん、ナオミさん、お願いします!」 

ケイ「オーケー!」ウッフーン! 

ナオミ「任せろ!」タタタ 

しほ「………………」 

しほ(一直線に突っ込んでくるとはね。投げキッスで軽く蹴散らすわ) 

みほ「ケイさん、ナオミさん!キスを狙ってください!お母さんに勝てるとしたらキスしかありません!」 

しほ「…………なんですって?」 

みほ「技で勝つのは不可能!でもキスなら……若さと魅力で逆転が狙えるかもしれません!」 

しほ(……みほ。あなたはわかっていないわね。キスこそ私が一番得意とするものよ。投げキッスされるのを嫌がっての挑発でしょうけど、まんまと乗ってあげるわ。その上で潰します!) 

ケイ「キス……それって口よね?任せてっ!私は幼女も熟女もウェルカムだよー!下は8歳から上は80歳までがストライクゾーンよ!」 

ナオミ「絶対フォアボールにならないね」フフ 

しほ「………………」 

ケイ「ミホのマザー、いただきまーす♪」 

チュ.. 

しほ「………………」 

ケイ(ワオ!結構みずみずしいね!もっと砂漠みたいにカッサカサを想像してたけど!もうけものね!) 

ヂュ.. 

ケイ(!舌を吸ってきた?大胆♪でもこんなの慣れっこよ!)

167: 名無しさん 2016/12/29(木) 00:09:33.14 ID:S/QPe1ITo

ヂュヂュヂュ.. 

ケイ(あ、あれ…………ちょっと強くない?あっ、あっ……) 

ヂュゥゥゥゥゥゥウ!! 

ケイ「~~~~~!!」ジタバタ! 

しほ「ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛!!!」グイイイイ!!! 

ナオミ「!!た、隊長が……持ち上げられた!?手も使わず、キスだけで!!」 

しほ(私にとってキスは愛情表現であると同時に物体を移動させる手段でもある。吸い口さえあれば100キロ程度までなら余裕のよっちゃん!) 

ケイ「~~~~~!!!」 

しほ「…………ポッ!」ヂュパッ! 

ケイ「………………」ドサッ.... 

ナオミ「た、隊長…………気絶している……それでもセクシーなのはさすがだが……」 

しほ「残念だったわね。たとえストライクゾーンであろうと、私の球は消える魔球……いえ、消えてなくなる魔球。打つのは不可能よ」 

ナオミ「っ…………」 

みほ「ナオミさん!キスをお願いします!お母さんに休ませるタイミングを与えないで!」 

ナオミ「……ああっもう!わかった!やぶれかぶれだ!」ダッ 

しほ「………………」 

チュッ.. 

ナオミ(こっちから攻めてやる!舌のテクニックなら私がサンダース1なんだ!)レロロロロ 

しほ「」レロロロロ 

ナオミ「っ……」レオロロロオロロ 

しほ「」レオロロロオロロ 

ナオミ「!!」 

ナオミ(私の舌をことごとくブロックしている!?フェイントにも全く引っかからない!バカな!?) 

しほ「」レロ! 

ナオミ(!?しまった!ガードを破られた!) 

しほ「」レロロロ! 

ナオミ(うっ!?なんだこの快感は!こんなのサンダースにはなかった!あっ、そんな…………だ、だめだ……)ドクン... 

ナオミ「………………はぁう……」ガクン..ドサッ.. 

しほ「……なかなかやるわね。でもまだまだ」

168: 名無しさん 2016/12/29(木) 00:10:35.65 ID:S/QPe1ITo


みほ「次、お願いします!」 

ダージリン「……まさかキスすることになるなんて、ね」 

オレンジペコ「裏西住流自体がおかしな技だらけですし、この展開は予想できましたけど……」 

ダージリン「でも……ファーストキス……」 

オレンジペコ「……………………ダージリン様」 

ダージリン「なにかしら?」 

オレンジペコ「んっ……」チュ 

ダージリン「っ!?」 

オレンジペコ「………………これでファーストキスの相手は私、ですね///」 

ダージリン「え、あ、え、ええ……///」 

オレンジペコ「最初が西住しほさんよりはマシですよね……//」 

ダージリン「も、もちろんよ。その……う、嬉しかっ……///」 

しほ「ヂュポッ!」 

ダージリン「もごぅ!?」 

オレンジペコ「ダージリン様!」 

アッサム「早い!近付くスピードとキスまでの時間両方とも!」 

しほ(!この子の舌……紅茶属性ね。でも、私にかかれば…………) 

しほ「ヴォウ!ヴォヴォ!ジュルルル!!」 

ダージリン「~~~~~~っ…………」ガクッ.. 

しほ「……美味」

169: 名無しさん 2016/12/29(木) 00:12:54.78 ID:S/QPe1ITo

オレンジペコ「あ……あ…………」タジッ.. 

アッサム「ひ、退いてはダメよ。覚悟を決め…」 

しほ「」ギラッ 

アッサム・オレンジペコ「ひいっ!!!」 

ヂュルルルルルルルルル!!! 

アッサム・オレンジペコ「…………」ドサッ.. 

しほ「…………これらも美味。聖グロリアーナは好みの味だわ」フフッ 

しほ(さて、残りは三人だけ…………む?) 

ドドドドドド! 

風紀委員たち「」タタタタ! 

そど子「待たせたわね!連れて来られるだけ連れてきたわ!でもそのせいで後方の混戦はかなり劣勢になった……もう少ししたら敵がなだれ込んでくるわ!そうなったら終わりよ!」 

みほ「覚悟の上です!その前にお母さんを倒します!風紀委員のみなさんもキスを狙ってください!そろそろお母さんも息切れするはずです!」 

しほ「………………ふ、ふふふ」 

しほ(息切れですって?みほ、侮ってくれるわね。私は過去、意味もなくキスしたままマラソンをした経験があるのよ?それに若い子とキスできるメリットが、体を頑張らせるリョクを高めてくれる!) 

ヂュルルルルル! 

でんげきぶん子・しゅうえい紗「あぁあ……」バタバタ 

セガ代・ナム子「ぅぅう……」ドサドサ.. 

びゃっ子・すざ玖「………………っ」ド..ッ... 

ターン恵・ダブル緒「ひゃう……///」バタバタッ! 

しほ「ふむ……同じような髪型でも味は個性的ね。サクマドロップスのよう」 

みそ子・しお美「か、かくごぉーっ!」タタッ 

しほ「まだ来るの?ふっ」 



みほ「………………」 

沙織「みぽりん……」 

みほ「うん。次で……」 

華「大丈夫でしょうか……」 

みほ「……わかんない。でも……成功を信じるしかない」 

みほ「………………」 


みそ子・しお美「…………ぁ」ドシャァ! 

しほ「ごちそうさま。しょうゆ味で美味だったわ」 

タタタタッ! 

しほ「ふふ……どんどん来なさい」 



みほ「…………っ」グッ..

170: 名無しさん 2016/12/29(木) 00:14:10.78 ID:S/QPe1ITo

【連合軍本陣付近にある休憩所】 

妙子「……今頃西住隊長たちは黒森峰側のキャプテンと戦ってるのかぁ……」 

あけび「キャプテンというか大将?違うかな?一番偉い人ってなんて呼ぶんだろう?」 

エルヴィン「大元帥だろう」 

左衛門佐「いやいや、殿様じゃないか?」 

おりょう「当然将軍ぜよ」 

典子「根性!」 

エルヴィン・左衛門佐・おりょう「いやいやいや」 
カエサル「それだーっ!」 

カエサル「あっ……」 

エルヴィン「…………カエサル……」 

カエサル「ち、違うんだ!あまりにも自然に入ってきたから!」 

忍「……賑やかだなぁ」クス 

優季「ここ、負けちゃった子たちの集まりなのにねー♪」 

あや「でも楽しくていいかも!」 

桂利奈「紗希ちゃんもそう思うよね?アーイ?」 

紗希「………………」 

桂利奈「………………」 

あゆみ「多分紗希もそう思ってるから安心して!」 

梓「あれ?ノンナさんたちがいない……どこ行ったんだろう?」 

ねこにゃー「な、なんかカチューシャさんがお昼寝するから別の場所で休むって言われた」 

ぴよたん「ちゃちゃっと顔だけ見せて行っちゃったっちゃ」 

梓「……ちゃが多くてよくわからない……」 

ニーナ「副隊長はいっつもあんな感じだぁ」 

アリーナ「下手に首突っ込むと怖えんだー」 

ねこにゃー「し、島田愛里寿と大学生の人たちも違うところで休む、みたい」 

あけび「そうなんだー」 

忍「自分たちの隊長が弱っている姿を見せたくないのかもしれないね」 

ももがー「あれ?そういえば……」 

ぴよたん「どうしちゃったっちゃ?」 

ももがー「……あの二人が来てないなり」 

忍「あの二人?」 

典子「根性のある?」 

ももがー「た、多分。やられたって連絡があったなり。でも姿が見えないもも」 

ねこにゃー「あ……それなら話は聞いてる。復活させて連れてくって言ってた」 

典子「復活!?それは根性あるな!」

171: 名無しさん 2016/12/29(木) 00:15:27.28 ID:S/QPe1ITo

妙子「どういうこと?」 

ねこにゃー「あ、えと……ぼ、ボクたちが使ってたティッシュ砲には、攻撃だけじゃなくて、補助的な役割もあって………『いいティッシュ』を使えば体力を回復できるんだ」 

カエサル「蝶野亜美との戦いで我々に使ったティッシュだな。しかしあの二人だけ連れて行く理由がわからないな」 

エルヴィン「ああ。私たちは蝶野亜美に敗れ、心を奪われた。だがそのあと蝶野亜美が負けたことで、私たちの心を支配していた裏西住流の力は消えた。残る敵が西住しほのみであるのだから…」 

おりょう「私たち全員が裏西住流の支配から逃れられたぜよ。黒森峰に利用される心配もない。それならここにいるより戦闘参加した方が勝率が上がるぜよ」 

ねこにゃー「あ、うん。ボクもそう思ったんだけどいいティッシュは数に限りがあるみたいで」 

ホシノ「そうか。意識が戻ったとはいえ、私たちは戦えるほど体力は回復してないから……」 

ナカジマ「ティッシュで復活させた二人だけ戦闘参加させたわけか」 

スズキ「……でもなんであの二人なんだろ?」 

ツチヤ「確かに。ノンナさんやクラーラさんを復活させた方が良さそうだよな。あの二人より戦力的に優れていると思うけど……」 

ねこにゃー「ぼ、ボクもそう思う……けど……西住隊長はあの二人しかいないって言ってた。それで……最後の戦いの前に、ナオミさんに回復させるように頼んだ、って」 

カエサル「うーむ。何故なんだ?」 

おりょう「……わからんぜよ」 

エルヴィン「だなぁ」 

左衛門佐「なに、気にする必要あるまい。我々にできるのは信じて待つだけだからな」 

エルヴィン・カエサル・おりょう「それだー!!」

172: 名無しさん 2016/12/29(木) 00:17:15.07 ID:S/QPe1ITo

【戦闘エリア】 

ペパロニ「次は!」ダダダダ! 

しほ「む」 

ローズヒップ「復活したわたくしたちが相手ですわー!!」ダダダダ! 

しほ「復活?あぁ、なるほど。いいティッシュを使ったのね」 

ペパロニ「いくっすよー!キスしてやるっす!」 

ローズヒップ「聖グロ流のキスを見せてやりますですわー!!」 

しほ「そう……」 

ヂュパァァァン! 

ローズヒップ「もごごごご!れふ……わー……」ガク 

ペパロニ「あん……ちょび……ねえ…………さ……」バタン! 

しほ「他愛もない」フン 

しほ(こんな二人を蘇らせる必要がどこにあるというの?まぁ、どうでもいいことね) 

しほ「さあ、次の相手は…………っ!?」フラッ.. 

しほ(な、これは…………【RWA(料理は愛情)】!?どうして…………) 



みほ「かかった!!!」 

みほ(一度やられたローズヒップさんとペパロニさんを復活させた甲斐があったよ!) 

みほ(沙織さんの【RWA(料理は愛情)】を食べてダウンした二人とキスしたことによる間接的ダメージ!沙織さんが健在な以上はティッシュによる復活でも【RWA(料理は愛情)】は完全に消せないし、お母さんの鋭敏な舌なら微量でも十分な威力になる) 

みほ(もともとは私が【RWA(料理は愛情)】を食べてからお母さんにキスをしてダメージアップを狙う作戦だったけど……間違って食べちゃった二人のおかげでもっといい作戦になった) 

みほ(いくらお母さんでも二人分の【RWA(料理は愛情)】を受けた今、どうしたって動きが鈍る!勝機はここしかない!)ダッ! 

173: 名無しさん 2016/12/29(木) 00:19:58.47 ID:S/QPe1ITo

しほ「ぐっ……は……ぁ」 

しほ(みほ……あなたはこれを狙っていたのね)ギリ.. 

しほ(キスなら私を倒せると挑発した真の狙いは……投げキッス封じではなくこっち!) 

しほ(犠牲を覚悟でキスしてくる連中を倒し、私が油断するのを待ち、風紀委員軍団を投入することでこの場にいなかった二人が紛れ込んでいても違和感を抱かれないようにする……) 

しほ(これまでの流れで自然とキスをしてしまった私の不覚だわ…………たくさんの若い子とキスできるという滅多にない神イベントに浮かれていたわ……) 

しほ(……でも、【RWA(料理は愛情)】を食らったとはいえ、一分もあれば私の体は回復する。鍛え方が違う。年季が違う) 

しほ(だからこそ……) 


みほ「」タタタ 


しほ(この隙を逃すわけないわよね)フフッ 

みほ「裏西住流……【ほうようのまい】!!」 

しほ(……なるほど。抱きついた上でキスを狙うつもりね……成長した娘の唇に触れた母親は思い出補正によってダメージが増す……正しい判断だわ、みほ) 

しほ(いいわ!来なさい!あなたの全てをぶつけなさい!私は正面から受け止める!そして耐えきってみせ…) 

ガシッ 

しほ「え……?」 

しほ(後ろから抱きつかれた!?背後には誰もいないはず!一体誰が……!?)

174: 名無しさん 2016/12/29(木) 00:20:57.81 ID:S/QPe1ITo

まほ「………………」ググググ.. 

しほ「ま、まほ!?」 

まほ「お母様…………すみま……せん…」 

しほ「何故まほが……みほにやられたのでは……いえ、そもそもどうして私に…………ぁ」ハッ 

みほ「ええいっ!」ガバッ! 

しほ「しまった!」 

ダキッ! 

しほ「くっ……!まほに気を取られて……」 

みほ「…………っ」ギュゥゥゥ.. 

まほ「……………」キュッ.. 

しほ(娘二人に……前後から抱きしめられている……) 

しほ(……親にとってこれほどの喜びはないわ。幼い頃の二人を思い出して感動と幸福感に浸って落ちてしまいそう) 

しほ(………………でも……)ギラリ! 

みほ「っ!?」ビク 

しほ「……残念だったわね!もし私が全米だったら泣いていたかもしれない!でも私は全米じゃない!西住しほはこの程度で落ちるほどヤワじゃないわ!」 

みほ「…………うん、そう思った」 

しほ「ん?」 

みほ「だから…………」スッ 

しほ(?背中に回してた手を私の肩に置いて離れた?何故?勝利を諦めた?)

175: 名無しさん 2016/12/29(木) 00:22:47.97 ID:S/QPe1ITo

みほ「…………ごめんなさい」 

しほ「?」 

みほ「フッ!」タンッ! 

しほ(みほが力強く地面を蹴った。そして反動をつけた状態で膝を曲げ、その膝を私のあごに…………え) 

ガツーーン! 

しほ「ヘンム!」 

しほ(膝蹴り……!?)グラッ.. 

まほ(……戦車道全国大会決勝で見せたみほの八艘飛び。あの跳躍力を生かした膝蹴りの威力は想像しただけで恐ろしい) 

しほ「ペーンチ……」フラ.. 

まほ(しかし……お母様に勝つには他に手がなかった。生みの親のあごを膝蹴りしてしまった自分を責めるな、みほ。お菓子を添えて謝ればきっと許してもらえるさ) 

しほ「……アポロ……」フラァァ.. 

みほ「…………っ」ハァ..ハァ.. 

みほ(これでダメなら……もう勝てない。生みの親のあごを膝蹴りし続けるメンタルは私にはないよ……)ハァ..ハァ.. 

しほ「……………………………………」 

みほ(…………お願い!) 

176: 名無しさん 2016/12/29(木) 00:25:16.02 ID:S/QPe1ITo

しほ「……………………………………」 

みほ「……………………………………」ハァ..ハァ.. 

しほ「……………………………………」 

みほ「……………………………………」ハァ..ハァ.. 

しほ「……………………………………」 

みほ「……………………………………」ハァ..ハァ.. 

しほ「……………………………………」 

みほ「……………………………………」ハァ..ハァ.. 

しほ「………………………………………………!」ガクッ! 

みほ「!!」 

まほ「!」 

みほ「か、勝った……?」 

みほ「………………」ササッ(しほの目の前で手を振る) 

しほ「………………」シーン.. 

みほ「……ちゃんと白目むいてる……私、勝ったんだ」 

まほ「…………あぁ、お前の……お前たちの勝ちだ」 

みほ「………………はあぁ~……」ペタン 

みほ「勝てた……お母さんに………」グッタリ 

沙織「みぽり~ん!」タタタ 

華「みほさ~~ん!」タタタ 

みほ「あ……」 

華「とても力強い膝蹴りでした。花を生ける気持ちでした?」 

みほ「ううん、全然」 

沙織「すごいよみぽりん!でもみぽりんママは大丈夫?鈍い音が私たちのところまで聞こえたけど」 

みほ「平気。お母さんの丈夫さはデニム並みだから」 

沙織「そ、そう」 

みほ「あ、でも……お姉ちゃん、お母さんをこっちに」 

まほ「?ああ」 

みほ「よいしょ……っと。これでよし」(しほを膝枕) 

華「まあ」 

みほ「いくら勝負とはいえ、あごを蹴っちゃったから。マイナス分を帳消しにしないとね」 

まほ「そうか。確かにな。膝枕ならプラスだ」フッ 

沙織(気絶するほどの膝蹴りの対価としては足りてない気がするけど……) 

沙織「……というか、どうしてみぽりんのお姉さんが協力してくれたの?」 

みほ「あ、ええとね。お母さんが着地する前に……――――」

177: 名無しさん 2016/12/29(木) 00:27:54.22 ID:S/QPe1ITo


~~~~~~~~~~~~~~~ 

みほ「……お母さんとの戦いには、みなさんの力が不可欠です」 

沙織「う、うん!頑張る!」 

みほ「その力というのは、純粋な戦闘だけじゃなくて、演技力が必要なんです」 

華「演技力?どうしてでしょう?」 

みほ「ざっと流れを言うね?まず、私たちはお母さんが着地したところを包囲するような陣形を敷く。そして着地した瞬間に一斉攻撃する……と思わせる」 

ケイ「思わせるだけなの?」 

みほ「はい。お母さんはまず間違いなく包囲陣の外に着地します。そして一番近くの相手を攻撃すると思います」 

杏「ま、わざわざ待ち構えてるど真ん中に降りてこないかぁ」 

みほ「……申し訳ないんですが、何人かの方はここでやられてもらいます。あ、もちろん勝つ気で戦っていただきますけど」 

みほ「そして何人かが倒されたあと、風紀委員内部で裏切り者が出た、という報告をしてください。同時に、風紀委員が私たちの後ろで大慌て状態という風を装います」 

そど子「どうして?」 

みほ「私たちがこれ以上退けなくするため……いえ、退けない理由を作るためです」 

そど子「??」 

みほ「……風紀委員からの報告を受けた私は、みなさんに退却を指示しますが、その前後辺りから私はお母さんの強さに恐れを抱いてるフリをします」 

沙織「怖がってるフリするの?なんで?」 

みほ「お母さんを誘い込むためです。怪しまれずにここまで連れてくるには侮らせるのが一番ですから。でも私一人で演技してもあんまり意味がないので、みなさんにも演技をお願いします」 

ナオミ「作戦上は誘い込むのが狙いだが、私たちは全力で倒すつもりでいる……という風にかな?」 

みほ「はい。それと私の消極的な態度に若干不満を抱いている感じですね。で、風紀委員の裏切りの報告後、退却指示を出しますのでそこは素直に退いてください」 

桃「んーー、いまいち何がなんだかわからんな」 

柚子「桃ちゃんはそれで大丈夫だよきっと」 

桃「そうか?それならいいが」 

みほ「この時点で私がお母さんを怖がっていると思わせられるはずです。でもそこから急に反撃に転じたら、誘い込まれたと気付き、何か狙いがあるとバレちゃいます」 

みほ「なので、ここで優花里さんに一芝居打ってもらいます」 

優花里「わ、私ですかぁ!?」 

みほ「うん。優花里さんは私の消極的な態度に業を煮やして愛想を尽かしたように振る舞ってほしいの。その姿を見て私は戦う意思を固めたっていう流れにすれば自然だから」 

優花里「!?そんな!私が西住殿に愛想を尽かすなんてありえません!絶対に!」 

みほ「ありがとう。でもそんな優花里さんだからこそ、私がお母さんに挑む覚悟を決めるきっかけにふさわしいんだ」 

優花里「でも無理ですぅ!西住殿にそんな態度はとれませんよぅ!」 

みほ「うん、嫌な役だと思う。でもこの作戦のキモなんだ。だから…」 

優花里「西住殿は素晴らしいですぅ!愛想尽かしません!無限に!来世も!」 

みほ「………………そう言わずに。ね?秋山さん」 

優花里「あっ……名字呼び!?こ、好感度が下がってますぅ!これ以上断ったらまずいっ!わかりました西住殿!不肖秋山優花里、精一杯演じさせていただきますぅ!」 

みほ「ありがとう、優花里さん」ニッコリ 

優花里「あ……元に戻りました……よかった」ホッ 

みほ「攻勢に出てからの動きは私が指示を出しますので、すぐ動けるようにお願いします」 

~~~~~~~~~~~~~~~

178: 名無しさん 2016/12/29(木) 00:31:01.00 ID:S/QPe1ITo


みほ「――――っていう話をしたよね」 

沙織「うん。演技するの大変だったよ~。みぽりんママにバレないようにしなきゃだし、緊張したぁ」 

みほ「でもみんな上手だったよ?」 

華「宴会で戦隊ショーをやった経験が生きたのでしょうか?」 

みほ「そうかも」 

沙織「?それがみぽりんのお姉さんとどう繋がるの?」 

みほ「この作戦の狙いは、お母さんを誘い込むってところに集中してるよね?」 

沙織「うん」 

みほ「でもそれは誘い込むこと自体が大事なんじゃなくて、この場所にお母さんを連れてくるのが重要なポイントなの」 

沙織「??」 

みほ「……お姉ちゃんとの戦いで、私はお姉ちゃんとキスした。その時、お姉ちゃんの想いが私の中に流れ込んできたの」 

沙織「え!?そ、そんなのできるの?」 

まほ「裏西住流ならではの意思疎通さ」 

みほ「……私はそのキスでお姉ちゃんの思惑を知った。それは…」 

みほ「『二人で協力してお母さんを倒す』ということ」 

沙織・華「えっ!?」 

みほ「……正直、不思議に思ってたの。この戦いが始まってからのお姉ちゃんの動きは緩慢すぎたから。それに……赤星さんの件もあったし」 

沙織「……赤星さんがどうかしたの?」 

みほ「いくらなんでも情報が漏れすぎだと思って。お姉ちゃんが赤星さんの動きに全く気付かなかったとは考えにくい。それはつまり……」 

華「あえて情報を流させていた、と?」 

みほ「うん。お姉ちゃんからしたら、お母さんが出てくる前に私たちがやられちゃったら意味がない。だから赤星さんを通じて黒森峰の裏西住流の習得状況とかを私たちに伝わるようにした。そうすれば私がそれに合った対抗策を練れるから」 

沙織「んー?でもさ、黒森峰対連合軍みたいになる前に協力してみぽりんママを倒すって風にはできないの?」 

まほ「無理だな。なんでもありな状態ではお母様を倒すなんて到底不可能だ。だからこそ今回のように、大まかとはいえルールがある戦いの中で勝機を見出した。お母様の思考をルールの範囲内に縛るためにな」 

みほ「お母さん的には私たちを王道で叩き潰すっていうスタンスだから、ルールがあればそれに従う」 

沙織「なるほど……」 

みほ「……そんなわけで、お互いの利害が一致した私たちは、それぞれが勝者と敗者を演じた。お姉ちゃんはやられたフリをして倒れたまま、ずっと隙を窺うことに…」 

沙織「あ!もしかして、みぽりんママをここに誘い込んだのって……お姉さんがここにいるから!?」 

みほ「うん」 

沙織「そうだったんだ……お姉さんが倒れてるの全然気付かなかったよ。いつの間にかいなくなってるって思ってた」 

まほ「裏西住流で気配を遮断していたからな」 

沙織「そんな技もあるんですか」 

まほ「ああ。浮気相手と街をブラついている時に本命と鉢合わせになったら使う技だ。一緒にいた浮気相手も見失うほど気配を消せる。あとは何食わぬ顔して帰宅するのみだ」ウン 

沙織「……最低なことをドヤ顔で語ってる……」 

みほ「あとはペパロニさんとローズヒップさん経由で体内に取り込んだ【RWA(料理は愛情)】で弱ってるお母さんを二人で相手して……って感じだね」 

沙織「あの……お姉さんはみぽりんママをその……裏切った形になっちゃいましたけど……大丈夫ですか?」 

まほ「問題ない。お母様なら、私がこうせざるを得なかった理由を考え、行動が行き過ぎていたと気付いて反省してくださるだろう。私が今回お母様に楯突いたのは、裏西住流を否定するためではないしな」 

沙織「そうですか……よかった」ホッ 

まほ「…………さて。私はもう行く。お母様は黒森峰の生徒が連れて行くからそれまで膝を貸してやってくれ」 

みほ「あ、うん……」

179: 名無しさん 2016/12/29(木) 00:31:48.77 ID:S/QPe1ITo

まほ「………………」 

みほ「………………」 

まほ「……みほ。裏西住流も西住流と同じだ」 

みほ「え?」 

まほ「みほの好きなように選べばいい」 

みほ「ぁ……」 

まほ「裏西住流も私が継ぐつもりだが、みほがその気なら譲ってもいい」 

みほ「………………私は」 

まほ「……考える時間はまだある。焦ることはないさ」 

みほ「……うん。ありがとう」 

まほ「ああ」ザッ.. 

沙織「………………なんかみぽりんのお姉さん、かっこいいね」 

華「はい。まさに花器のようですね」 

沙織「ちょっと意味わかんないかな」

180: 名無しさん 2016/12/29(木) 00:34:12.43 ID:S/QPe1ITo

【黒森峰学園艦 まほの部屋】 

まほ「……もしもし…………ああ、赤星か。各部隊に連絡を頼む。全員揃い次第出港する旨を伝えてくれ」 

まほ「それと……キミのおかげで目的を果たせた。礼を言う……………ふふ、その通り。最初から気付いていた。だから気にすることはない。ではな」ピッ 

まほ「ふう………」 

ミカ「あ…………」 

まほ「……気分はどうだ?」 

ミカ「え?」 

まほ「私はみほに負けた……いや、正確に言うと負けを認めたという形だが、それでも結果は同じ。私が敗者となった瞬間に、キミに注いだ裏西住流の力は霧散したはず。もはやキミは私の支配下にない。解放された気分はどうだという意味さ」 

ミカ「…………少し前から体が軽くなったのはそういう理由だったんだね」 

まほ「……すまなかったな」 

ミカ「っ……!」ビクン 

まほ「お母様の命令に従い、キミには嬉し恥ずかしなイベントが盛りだくさんの日々をプレゼントしてしまった」 

ミカ「っ……そ、れは……//」 

まほ「だがそれももう終わりだ。キミは私の呪縛から解き放たれた。自由を謳歌できる。さあ、フリマとかに行くといい」 

ミカ「…………確かに、キミにはひどいことをされた」 

まほ「………………」 

ミカ「……けれど…………私はやっぱり……キミのそばにいたい///」 

まほ「それはどういう意味でだ?これからも犬として飼ってほしいといいうことか?」 

ミカ「その……せ、性癖の話ではないんだ。大体、私はその……そこまで重度の被虐嗜好はない」 

まほ「……では何故?」 

ミカ「今……キミに謝られた時、恐怖を覚えた。私は用済みで捨てられるのではないかと」 

まほ「………………」 

ミカ「……私の心と体は…………キミのそばにいるのが当たり前だと感じているんだ///」 

まほ「…………」 

ミカ「裏西住流の力にではなく、西住まほの魅力に……私は……参ったのさ」 

まほ「そう、か」

181: 名無しさん 2016/12/29(木) 00:35:11.49 ID:S/QPe1ITo

ミカ「……こ、こんな私にしたのはキミだ。その……せ、責任をとってもらいたい……///」 

まほ「………………ふっ」 

ミカ「な、何故笑う?」 

まほ「いや、かわいいと思っただけさ」 

ミカ「っ……そ、それは光栄だね//」カァァ.. 

まほ「…………出港まで時間があるな……それじゃあ……」 

ミカ「?」 

まほ「ミカ」 

ミカ「っ……な、なんだい?」 

まほ「好きな方を選べ。優しくされるのと……」 

ミカ「…………」 

まほ「…………たっぷりいじめられるの…」 

ミカ「っ……///」 

まほ「どっちがいい?」 

ミカ「……………………」 

ミカ「………………ぃ、ぃじめて……ほしい///」 

まほ「そうか」フフフ 

ミカ「///」モジモジ 

まほ「では……優しくしてやる」 

ミカ「えっ?そ、そんな…………あっ」 

まほ「ふふっ……いじめてもらえないのが不満とはな。重度の被虐嗜好はないと言っておきながら大したものだ」 

ミカ「うぅ……///」 

まほ「まぁいいさ。トゥー太の前で派手に声を上げさせてやる」サワ 

ミカ「ぁ……っ……//」ビクン.. 

まほ「お前は素直に自分を解放すればいい……」フフフ... 



黒森峰と連合軍の戦いは、 

黒森峰の総大将西住しほが娘二人によって倒されるという結末で幕を閉じた。 

こうして、 

黒森峰を全国大会で優勝させるために裏西住流で他校を制圧するという、 

しほのうるとら作戦は失敗に終わったのだった――――

182: 名無しさん 2016/12/29(木) 00:37:36.63 ID:S/QPe1ITo

数週間後 

【大洗女子学園 体育館】 

桃「これより合同練習後恒例の交流会を行う!」 

柚子「今日のお食事は、農業科と水産科の食材を栄養科が料理したものです。たくさん用意してますので、たっぷりと召し上がってください」 

ワァァァァ.. 

桃「それでは乾杯の音頭は……会長、お願いします」 

杏「あいよー」 

杏「えー、今日はみんなお疲れ~!そんじゃカンパーイ!」 

全員「カンパーイ!!」 

ワイワイガヤガヤ.. 

優花里「いやぁ、今日の合同練習も良かったですねぇ!大変勉強になりましたぁ!」 

みほ「うん。メンバーも戦車もすっごく豪華だもんね」 

華「サンダース、聖グロリアーナ、プラウダ、アンツィオ。そして大学選抜の島田愛里寿さんと……ええと……むむむの…」 

沙織「ミミミね」 

麻子「むむむだと馬超になってしまう」 

華「ばちょう?……はともかく、みなさんとても華やかで、まるで…」 

沙織「花を生けたみたい、だよね」 

華「沙織さん!?どうして私の心が読めたのですか!?」 

沙織「いやわかるよいい加減」 

華「まさか沙織さんはエスパー?エスパーだからモテないのでは……」 

沙織「も、モテなくないもん!というかエスパーがモテないってどういう決め付け!?」 

麻子「……しかし、これだけのメンツが毎回集まるようになったのも、裏西住流のあれこれがあったからだな」 

優花里「確かに。みなさん全国大会で戦ったという繋がりはありましたが、こうして合同練習や交流会を定期的に行うようになったのは間違いなくあの戦いがきっかけですねぇ」 

沙織「あ、そういえばみぽりん。お母さんとかお姉さんとはその後どう?親子関係に問題が起きたりとか……」 

みほ「……ちょうど一週間前くらいにお姉ちゃんから電話がきたんだ。実家に様子を見に行ってきたみたい」 

沙織「それで?」 

みほ「最初に行った時にはお母さんは留守で、居間のテーブルに『ラブホテルに行ってきます。帰りが遅くなるのでご飯は先に食べてください』ってお父さん宛ての書き置きがあったんだって」 

沙織「ええっ!?」 

みほ「二度目に行った時は無事会えたみたい。裏切るっていうサプライズのあとだったけど、全然ぎくしゃくすることもなく自然な感じで……多分お母さんなりに思うところがあったんだろうね。気まずくなるどころか会話も増えて、親子関係がすごく良くなったって言ってた」

183: 名無しさん 2016/12/29(木) 00:40:57.06 ID:S/QPe1ITo

優花里「戦いの先にある親子の絆……というやつですねぇ!さすが西住殿!のお姉さんであるまほ殿!とお義母様ですぅ!さすがが勢ぞろい!」 

沙織「お姉さんの場合はそれでいいかもだけど……ラブホテルはちょっと…………み、みぽりんパパはどうしてるの?」 

みほ「最近は将棋にハマってるみたい」 

沙織「いやだから近況じゃなくて!心情とかそうゆーの!前もこんなやりとりしたよね!?」 

みほ「?でもお父さんはいつも通りだよ。自動車いじりが好きで、お母さんがラブホテルから帰ってきたら笑顔で『おかえり』って」 

沙織「ええー……みぽりんのお父さん心が広すぎるよ……前世お坊さんだったんじゃないの?」 

みほ「前世のことはわかんないかな……ごめんなさい」ペコリ 

沙織「知ってる!真面目だねみぽりんは!」 

みほ「とにかくお父さんは何があっても普段と変わらないよ。それが持ち味だもん」ニコリ 

沙織「…………持ち味なんだ」 

華「他の方はどうしているのでしょう?蝶野教官や逸見エリカさんなどは……」 

みほ「蝶野さんも今まで通りみたい。戦車にあぐらかいて座るし、擬音が多くて英語もいっぱい言うって。あ、でも前以上のペースでお母さんとラブホテルに行くようになったみたい」 

沙織「…………そう」 

みほ「きっと色んな部屋でオーイエスって言ってるんだろうなぁ。うちではいつも居間で…」 

沙織「ストップ。そこまででいい。逸見さんは?」 

みほ「え?」 

沙織「だから、逸見エリカさん」 

みほ「あー…………逸見さんも多分将棋にハマってるんじゃないかな?」 

沙織「……知らないなら知らないでいいんだよ?」 

みほ「……うん。逸見さんは知らない。でもきっとお姉ちゃんの近くで何かを支えてくれてると思う」 

沙織「お姉さんを、でしょ?変なのを支えてもしょうがないもん」 

優花里「忠犬っぽい方ですよねぇ」 

華「優花里さんみたいです」ニコニコ

184: 名無しさん 2016/12/29(木) 00:44:57.64 ID:S/QPe1ITo

麻子「………………」 

沙織「麻子はどう思……って、え?ちょ、ちょっと麻子?何してるの?」 

麻子「……そど子に料理を食べさせてもらってる」モグモグ 

そど子「ち、違うわ!私が冷泉さんを好きになったから世話を焼いてるわけじゃないし、冷泉さんのだらしないところも好きだけど、健康でいてほしいから食事は栄養バランスを考えて、私が厳選したものを責任を持ってあーんして食べさせたいとか思ってなんかないんだから!」 

沙織「…………へぇー」 

麻子「おいしいぞそど子ー」 

そど子「そ、そう!?よかっ……」 

みほ・沙織・優花里・華「………………」 

そど子「ぜ、全然よくないわ!冷泉さんに美味しいなんて言われてもなんにもならないもの!世界は悲惨なニュースで溢れているし、風紀は乱れっぱなし!冷泉さんの言葉で癒されたりキュンってしたり、ほっぺが赤くなったりなんてするわけないって、そうは問屋が卸さないわけないんだからっ!」 

沙織「……なんか解読が面倒だよぉ……結局どっちなの?」 

華「最終的に花を生けるということでは?」 

沙織「もうそれでいいや」 

優花里「それにしても……冷泉殿と園殿がこのような関係になるとは思いも寄りませんでしたぁ」 

そど子「べ、別に私は冷泉さんと……」 

みほ「ま、まぁまぁ。悪いことじゃありませんから照れなくても……」 


ケイ「ミホーーーー!」 


みほ「え?あ、ケイさん……」 

優花里「呼んでるみたいですねぇ」 


ケイ「こっちのテーブル、油ギトギトだったりカロリーオバケなアメリカっぽい食べ物が……なにもないよーーーーー!!!」 


みほ「……えっと……そう言われてもどうしたらいいんだろう?生徒会に言った方が?」 

麻子「いや、西住さんに来てほしいと遠回しに催促してるんだろう」 

優花里「な、なるほど……」 

みほ「そう、なのかな?とりあえず行ってくるね?」タタタ 

優花里「は、はい。お気をつけて」 

優花里「………………」 

優花里「ううぅ……西住殿ぉ……もっと一緒にいたかったですぅ……」 

華「……優花里さん。サルスベリの木は花がとてもキレイな上にサイズがあまり大きくならないため、公園などに植えられることが結構あるそうです。その幹はすべすべで、猿も滑って登れないという意味で『猿滑』と漢字で表記される場合もあります。しかし実際のところ、猿はスルスルと登れるそうです…………なので、優花里さんも気を落とさずに」 

優花里「……五十鈴殿。慰めてくださっているのかもしれませんが、その花は絶対にチョイスミスですぅ……心に響きません……にしずみどのぉ……」ハァ.. 

麻子「そど子ぉ~、のどが渇いた……ジュースが飲みたい」 

そど子「し、仕方ないわね!ストローを咥えてチューチュー飲んでる姿が可愛くて抱きしめたいなんて思ってないんだからね!勘違いしないでよ!」 

ワイワイガヤガヤ 

沙織「………………」 

沙織(ホント、あんこうチームもだけど、会場全体が賑やかだなぁー)チラ

185: 名無しさん 2016/12/29(木) 00:46:41.41 ID:S/QPe1ITo



ダージリン「こんな格言を知ってる?『自分に打ち勝つことが、最も偉大な勝利である』」 

オレンジペコ「古代ギリシアの哲学者、プラトンですね。そして次はチャーチルですよね?どうぞ」 

ダージリン「え?チャーチル?ちょっと待って。何がいいかしら……えーと」 

オレンジペコ「早くどうぞ」 

ダージリン「え、ええ」 

アッサム「先導されてますね……」 

ローズヒップ「先導されててもダージリン様は気品ありますわー!わたくしはダージリン様みたいに先導されてても優雅な方になりたいですわー!なのでジョギングで体力をつけますわー!ごめんあそばせー!」ダダダダ! 



アリーナ「もぐもぐ……あぁ~幸せ……」 

ニーナ「うめぇだぁ……」ハフゥ 

カチューシャ「ホントね。確かにこのピロシキは結構美味しいわ!シェフにいーこいーこしてあげてもいいくらいね!」 

ナオミ「頭に手が届けばいいですね」 

カチューシャ「届くわよ!ノンナに肩車してもらうんだから!」 

ノンナ「はい」ニッコリ 

クラーラ「その時、サポートすると見せかけてさりげなくカチューシャ様のお尻を両手で押したいです(ロシア語)」 

カチューシャ「え?く、クラーラはなんて言ったの?」 

ノンナ「『カチューシャ様に美味しいと言っていただけたと知ったら、シェフは喜びのあまり昏倒するでしょう』と言っています」 

カチューシャ「そ、そう?ま、当然だけどね!でもクラーラ、日本語でこんとーを予想しなさいよ!」 

クラーラ「はい」 



カルパッチョ「んー……美味しい。これはパスタに応用できそうですね」 

ペパロニ「うんうん!マジでうめーっすねーこれ!なんかもう……美味すぎて何もかもぶっ壊してやりたくなるっす!」 

アンチョビ「危険すぎるぞその思考!しっかりしろ!」 

ペパロニ「姐さ~ん、ジョークっすよジョーク。信じやすいんだからもー」 

アンチョビ「お前のジョークは本当か嘘か怪しい時があるからなぁ」

186: 名無しさん 2016/12/29(木) 00:48:13.30 ID:S/QPe1ITo



愛里寿「わ。このおにぎりかわいい。ボコになってる。海苔に明太子を塗ることで、腕に巻いた包帯に血がにじんでるどす黒さを表現してるんだ。すごい」 

愛里寿「写真に撮ろう…………写真………………う、ううん、これはいい意味での写真だもの」パシャ 

アズミ・メグミ・ルミ「………………」 

アズミ「隊長、ようやく少し元気が出てきたわね。この間までは見てられないほど落ち込んでいたけど」 

メグミ「ええ。母親のエッチ後の写真なんて見せられたんだもの。ティーンエイジャーにとっては辛いわよね」 

ルミ「それだけじゃないわよ?ついこないだ、お母さんが電話で西住しほとラブホテルに行く約束してたのを聞いちゃったらしいわ」 

アズミ「えええええ!?」 

メグミ「どうしてそんなことに!?」 

ルミ「理由はよくわからないわ。もともとそういう関係があったっていうから……慰めるためとか?」 

アズミ「……と、とにかく、母親のそんな話を聞いちゃったらへこむわよね……」 

ルミ「ええ。でも……今日の合同練習の日取りを聞いてから少し元気が出た。つまり、西住みほと会えるという喜びによって隊長は元気を取り戻した」 

メグミ「また西住……っ!目玉焼きハンバーグより強いなんて卑怯よ……!自分たちの無力さが身に染みるわね」ハァ 

アズミ「『愛里寿隊長のことをもっと知り隊』として悔しいわ……」 

ルミ「でも……落ち込んでる隊長も可愛いのよね……」 

アズミ・メグミ「わかる!」 

ルミ「はぁあぁ……隊長を元気にしたい、支えたいと思う反面……しゅんとしてる姿も見てみたい」 

アズミ「この二律背反……」 

メグミ「私たちは一体どうすればいいの……」ハァァ...

187: 名無しさん 2016/12/29(木) 00:49:47.61 ID:S/QPe1ITo



ケイ「ミホもどんどん食べちゃって~!食べ物ならいっっっぱいあるから!」 

ナオミ「大洗の人たちが用意してくれたご馳走がね」 

みほ「あ、はい」モグモグ 

ケイ「………………」 

みほ「…………?あの……」 

ケイ「OH!じーっと見ちゃってソーリー!ミホの食べてる姿がかっわいくて!」ウィンク 

みほ「そ、そんなことありません……///」 

アリサ「隊長。見つめられたら食べにくいと思いますけど」 

ケイ「ええーっ!しょうがないなぁ!ミホ。私があっち向いてる間に急いで食べちゃって!」 

アリサ「そこまでしなくてもいいですから普通にしましょう」 

みほ「あはは」 

アリサ「ふぅー……頼りになるけど、危なっかしいのよねぇ隊長は」ハァ.. 

みほ「あ、そういえば……アリサさん、この前の黒森峰との戦いではありがとうございました」 

アリサ「え?い、いいわよ別に……お礼なんか//」 

みほ「いえ、アリサさんが安全圏から偵察してくれたおかげで助かりましたから」 

アリサ「安全圏は余計よ!ずっとヘリに乗ってるのも大変なんだからね!大体…」 

みほ「ん、これおいしー」モグモグ 

アリサ「食べるの早い!会話のラリー途中じゃないの!」 

みほ「ご、ごめんなさい。私の食い気が…」 

ナオミ「あ、口の周りにソースが付いてる」フキフキ 

みほ「ふぁ……ありがとうございます」 

杏「やあやあ西住ちゃん」 

みほ「あ、会長」 

桃「今日の合同練習、お疲れだったな」 

柚子「桃ちゃんが砲撃をいっぱい外しちゃってごめんね?桃ちゃん、八つ当たりは得意なんだけど……」 

桃「柚子ちゃぁぁん」

188: 名無しさん 2016/12/29(木) 00:52:01.65 ID:S/QPe1ITo



沙織「………………」 

華「うふふ。みほさん大人気ですね」 

優花里「や、やっぱり私も行ってきますぅ!」タタタタ 

沙織「あ……ゆかりん行っちゃった。うわ、ウサギさんチームとカバさんチームも集まってきた」 

華「あらあらあら。他のみなさんもどんどんみほさんの周りに……私たちも行きましょう」テクテク.. 

沙織「え?あ、うん」 

沙織「……………………」チラ 



典子・妙子・忍・あけび「」 

エルヴィン・左衛門佐・カエサル・おりょう「」 

杏・柚子・桃「」 

ケイ・ナオミ・アリサ「」 

みほ「」 

スズキ・ナカジマ・ホシノ・ツチヤ「」 

桂利奈・優季・あや・梓・あゆみ「」 

ねこにゃー・ももがー・ぴよたん「」 

ゴモヨ・パゾ美「」 

優花里・華「」 



沙織「………………」 

沙織(……みぽりん囲まれてる……大人気だ) 

沙織(裏西住流との勝負に負けた場合、大洗どころか他の学校も大ピンチになってたらしいから、その危機を救ったみぽりんがみんなに慕われるのは不思議じゃないか) 

沙織(…………だけど……ああやってたくさんの人に囲まれてるみぽりんを見てると、なんか違和感があるんだよね……) 

沙織(どうしてだろ?なんで私はそんなに引っかかるの?理由がわからない……嫉妬してるのとも違うし……) 

沙織(みぽりんがみんなに好かれて、人気者になるのはいいと思う……んだけど) 

沙織(私は…………一体何が……気になるんだろう?) 

麻子「そど子~!とんかつが食べたい~」 

そど子「ちょっと!私はあんたのメイドじゃないのよ!わかってる!?ほら、とっとと口を開けなさいよ!ふん!大口開けちゃって可愛いじゃないの!」 

沙織「……とんかつ………」 

沙織(そういえば……全国大会の決勝前、みぽりんの家でとんかつ食べたっけ。あの時みぽりん…) 


みほ『私は……みんなと一緒にいるのが、今すごく楽しいから。沙織さん、華さん、麻子さん、優花里さん……みんなのことが大好きだから』 


沙織(……なんて言って。照れくさかったけど、嬉しかったな)

189: 名無しさん 2016/12/29(木) 00:52:49.60 ID:S/QPe1ITo

ザァッ.. 

沙織「っ!」 

沙織(あ、あれ?今…………何か……思い出しそうな……) 

ザザッ.. 


みほ『裏西住流は人心掌握に長けた恐るべき流派だから。心を奪われたことにすら気付かせないようにもできる』 


沙織「ぁ……」 

沙織(今のは……確か……赤星さんからメールが来て、裏西住流についてみぽりんが説明した時の……だよね?どうして今になって……) 

沙織(…………人心掌握……心を奪われたことにすら気付かせない…………) 

沙織「………………」チラ 



典子・妙子・忍・あけび「」 

エルヴィン・左衛門佐・カエサル・おりょう「」 

杏・柚子・桃「」 

ケイ・ナオミ・アリサ「」 

みほ「」 

スズキ・ナカジマ・ホシノ・ツチヤ「」 

桂利奈・優季・あや・梓・あゆみ「」 

ねこにゃー・ももがー・ぴよたん「」 

ゴモヨ・パゾ美「」 

優花里・華「」 



沙織「………………」 

沙織(……急にみんなに好かれた…………人心掌握………心を奪う………) 

沙織(う、ううん!戦いで活躍したんだから好かれてもおかしくないよ!戦車道だって頑張ってたし!) 

沙織(そもそも、みぽりんは裏西住流のやり方に否定的だったもん!確か前に……) 


沙織『それで……みぽりんはその裏西住流を継ぐの?』 

みほ『ううん、私は裏西住流の理念には疑問があるんだ。まず誰か一人と恋人になって、そこから複数に……って感じなんだけど、本命の子がいるのに他の子に手を出すようなひどいことはしたくないから』 


沙織(…………うん、そう言ってた。はっきりと。みぽりんが大真面目な顔で私たちに嘘つくはずない)

190: 名無しさん 2016/12/29(木) 00:54:42.61 ID:S/QPe1ITo


みほ『本命の子がいるのに他の子に手を出すようなひどいことはしたくないから』 


沙織「………………」 

沙織「……………?」 

沙織(なんで?みぽりんは嘘つかないって結論が出たのに…………この言葉が気になってしょうがない) 


みほ『私は……みんなと一緒にいるのが、今すごく楽しいから。沙織さん、華さん、麻子さん、優花里さん……みんなのことが大好きだから』 


沙織「……………?」 


みほ『みんなのことが大好きだから』 


沙織「…………!?」ドクン.. 


みほ『みんなのことが大好き』 


沙織「っ……!」ドクン..ドクン.. 


みほ『みんな』 


沙織(……ち、ちょっと待って。本命の子がいる状態で他の子に手を出したくない……って言ってたけど……) 

沙織(だったら…………『みんなが本命』の場合は……!?)ドクン.. 

沙織(一人一人に愛情を注ぐんじゃなくて、みんなをいっぺんに好きになる……ううん、好みの子を全員手に入れたいという願望を持ってたとしたら……) 

沙織「………………」ドクン..ドクン.. 

沙織(でも……そんなまさかみぽりんに限って……大体そんな機会なんて……) 


みほ『本番に向けて鋭気を養うためにどうかなって思ったんだ。西住流特製鍋』 


沙織「!!!」ドクン! 

沙織(もし……あの時食べた鍋に【RWA(料理は愛情)】を使っていたとしたら……?ううん、この交流会の料理にも使ってたとしたら?) 

沙織(私が正気なのは、【RWA(料理は愛情)】を覚える時に散々味見したせいで耐性が付いているからで……) 

沙織(……いや、でもこの料理を作ったのはみぽりんじゃないし、コソッと【RWA(料理は愛情)】を使うことなんて……) 


まほ『裏西住流で気配を遮断していたからな』 


沙織「……………………」ゴクリ.. 

沙織(気配を消して厨房に入ることもできる……ううん、それ以前に、私たちが知らない裏西住流の技を使われてたり……) 

沙織(……あと、最近やけに合同練習で他校の人たちが大洗に来るけど、これもよく考えたら違和感があるかも……) 

沙織(大洗の子たちと違って、一緒に過ごす時間が少なかったから、交流するという名目で人心掌握するために……とか?) 

191: 名無しさん 2016/12/29(木) 00:56:43.97 ID:S/QPe1ITo

沙織「………………」ゴクリ.. 

沙織(ど、どうしよう……) 

沙織(考えれば考えるほど……当てはまっちゃう) 

沙織(みぽりんがそんなことするはずないのに!どうして私は……) 

沙織(…………でも…………考えてみたらみぽりんママとの決戦の時も『キスしてください』なんて指示にもみんな当然のように従ってた……これって……この時点ですでにみぽりんに……いや、でもあれは切羽詰まってたって理由があるし) 

沙織(それに……みんながみんなみぽりんを大好きになってるわけじゃない。麻子はそど子先輩と、だし。ダージリンさんたちもそう) 

沙織「………………」 

沙織(…………時間がかかりそうな人たちは後回しとかそういう話じゃない、よね?外堀を埋めてから、じっくりと狙うなんてことは…………) 

みほ「沙織さん」 

沙織「ひっ!?」ドキン!! 

みほ「………………」 

沙織(みぽりん!?いつの間に!全然気付かなかった!)ドキドキドキドキ... 

みほ「……元気ないけど、何かあったの?」 

沙織「え?」 

みほ「私……沙織さんには元気でいてほしいんだ。大切な友達だから」ニッコリ 

沙織「あ…………///」 

みほ「………………」 

沙織「………………」 

沙織「……………ありがとう」ニッコリ 

沙織「みぽりんがみんなのところ行っちゃってて寂しかっただけ。全然元気だよっ!」 

みほ「よかった……」ホッ 

沙織「ふふっ」 

みほ「じゃあ沙織さんも行こう?あっちのテーブルの料理も美味しいよ」キュッ..(沙織の手を引く) 

沙織「みぽりんったら~、そんな急かさないでよー」アハハ 

みほ「ごめんね」エヘヘ 

沙織「………………」 

沙織(私ったら、なんて変なこと考えちゃってたんだろう?) 

沙織(みぽりんはこんなに私を想ってくれてるのに) 

沙織(あれ以上考え込んでたら、変な疑いを抱えたままになるところだったよ~)ウフフ 

みほ「?どうかした?」 

沙織「ううん、なんでもないよー」エヘヘ 

沙織(おかしなこと考えちゃってごめんねみぽりん。私にとっても、みぽりんは大切な友達だよ!) 

みほ「………………」ニコッ 


【おわり】 

192: 名無しさん 2016/12/29(木) 01:02:47.24 ID:S/QPe1ITo
以上です 

こんな長すぎるSS?を読んでくれた人マジでありがとう