1: ◆cgcCmk1QIM 2017/12/10(日) 22:17:52.64 ID:oxurAuRs0
・事務所が潰れて路頭に迷ったほたると地下アイドル時代の菜々さんが同居しています
・白菊ほたる、安部菜々のコミュ1以前の話として書いています
・以前投稿した「ほたると菜々のふたりぐらし」と地続きですが、読んでいなくても問題ありません。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1512911872

引用元: ・ほたると菜々のふたりぐらし・おまけ

2: ◆cgcCmk1QIM 2017/12/10(日) 22:18:13.97 ID:oxurAuRs0


『しんちょうさ』

菜々「一緒に外出したら妹と間違えられた方、安部菜々です」

ほたる「…一緒に外出したら姉と間違えられた方、白菊ほたるです」

菜々「もうまったく!い、いくら何でもほたるちゃんより幼く見えるはずは…!」

ほたる(菜々さんの表情が複雑なことに…!)

3: ◆cgcCmk1QIM 2017/12/10(日) 22:19:13.40 ID:oxurAuRs0


『ぶーめらん』

菜々「ほたるちゃんは、ご両親に電話とかしませんね」

ほたる「…声を聞いたら、帰りたくなっちゃうかもしれないですから」

菜々「それでも、時々電話したり、帰ってあげた方がいいですよ」

菜々「心配してるでしょうし、親にだって色々な事が起きるんです。後になって、聞いておけば良かった、助けられたらよかったなんて思う事が…」

菜々「…」

ほたる「…菜々さん?」

菜々「この話、むしろナナの方に刺さってますね!?」

4: ◆cgcCmk1QIM 2017/12/10(日) 22:19:43.03 ID:oxurAuRs0


『まっさーじ』

菜々「はい、マッサージ終わりです」

ほたる「ありがとうございます。だけどやっぱり、人に体を触られるのって慣れないです」

菜々「慣れておいたほうがいいです。マッサージされたりする機会は増えますからね」

菜々「ナナと暮らしている間はナナがやったげますから」

ほたる「あ、ありがとう、ございます」

菜々(ほたるちゃんの若さを直に感じると、スキンケアにホント気合いが入りますしね!)

5: ◆cgcCmk1QIM 2017/12/10(日) 22:20:10.14 ID:oxurAuRs0
『ふうん』

菜々「ほたるちゃんの噂は、知ってます」

ほたる「…はい」

菜々「それを気に病んでいるってこともです」

ほたる「…」

菜々「でも朝の星座占いで牡羊座が一位になったからってそんな喜ぶのはどうでしょう」

ほたる「だってやっぱりちょっと気持ちが明るくなるんです…」

6: ◆cgcCmk1QIM 2017/12/10(日) 22:20:44.64 ID:oxurAuRs0

『ちょこ』

菜々「ナナはこれで充分。残りはほたるちゃん、どうぞ?」

ほたる「そんな…菜々さんまだ二粒しか」

菜々「ナナはもういいですかから」

ほたる「私だけ沢山貰っても嬉しくないです…!」

菜々「ほたるちゃんにもいずれ解るときが来ますよ…」

ほたる「菜々さん…」

菜々「大人になるって事は、チョコ食べ過ぎるとすぐ吹き出物出来ちゃうようになることなんだって…」

ほたる「菜々さん…!」

7: ◆cgcCmk1QIM 2017/12/10(日) 22:21:21.07 ID:oxurAuRs0

『らぶれたー』

ほたる「学校でラブレターを貰ってしまって」

菜々「あら素敵。それにしては浮かない顔ですね」

ほたる「みんな解っていないんです…!」

菜々「ほうほう」

ほたる「私が下手に見目がいい物だからって不幸を甘く見て…!」

菜々「ほたるちゃんはネガティブなのかポジティブなのかどっちなの?」



8: ◆cgcCmk1QIM 2017/12/10(日) 22:21:48.78 ID:oxurAuRs0

『おさけ』

ほたる「菜々さんはどんな風にお酒を飲まれるんですか?」

菜々「うーん。たいてい一人でビデオとか見ながら黙って呑んでますねー」

ほたる「意外です。菜々さんは、お友達と一緒なのかなって思ってました」

菜々「うーん、友達との飲みも多いんですが…」

ほたる「?」

菜々「ナナ、そういう時はいつの間にかお鍋の世話したり取り分けたりお酒補充したりササッとおつまみ作ったりに集中しちゃって自分が飲むのが後回しになっちゃって…」

ほたる「その場面が目に浮かぶようです…」

ほたる「いつか私が大人になったら、菜々さんと二人でお酒、呑んでみたいです。二人でアイドルの話して…」

菜々「…(ほたるちゃんが13歳だから7年後…ななねんごかあ…)」

ほたる「どうしたんですか菜々さん、遠い目をなさって」

菜々「ハッ!?ああいえいえ。そうですねナナガンバリマス!」

ほたる(なにを頑張るんだろう…)

9: ◆cgcCmk1QIM 2017/12/10(日) 22:22:19.32 ID:oxurAuRs0

『さんぱつ』

ほたる(今日は、菜々さんが私の髪を切ってくれています)

ほたる(鏡台の縦長の鏡に、菜々さんの顔と、私の顔が写っています)

ほたる(にこにこと笑って、色々話しながらハサミを動かす菜々さんを見ていると、お母さんを思い出します)

ほたる(菜々さんとお母さんは、顔も仕草も似ていません)

ほたる(だけど時々、菜々さんとお母さんが重なって見えるのです…)


10: ◆cgcCmk1QIM 2017/12/10(日) 22:23:05.68 ID:oxurAuRs0


『いろいろ』

ほたる「きゃあ、天ぷら油から火が…!!」

菜々「ほたるちゃん火元から離れて!」

ほたる「あ…」

菜々「大丈夫ですよー。はい火を止めて、サッとフタをして」

ほたる(あ、消えた…)

菜々「ほたるちゃん、火傷とかしてないですか?」

ほたる「…何故、怒らないんですか?」

菜々「?」

ほたる「優しく、してくれるのはうれしいです。けど、迷惑をかけた時は怒ってくれた、方が…」

菜々「いやあ…優しくっていうか…」

ほたる「?」

菜々「一人暮らし始めたばかりのころにナナがやったドジの数々を考えるととても怒れないって言うか…」

ほたる(菜々さんが遠い眼を…!)



11: ◆cgcCmk1QIM 2017/12/10(日) 22:23:33.22 ID:oxurAuRs0

『せつやく』

ほたる「菜々さんは家事万能です」

菜々「えへへ、それほどでも」

ほたる「それにとっても節約上手です。私も、菜々さんみたいになれるでしょうか」

菜々「なりますよ。下積みが、長いと、イヤでも、上手に…!!」

12: ◆cgcCmk1QIM 2017/12/10(日) 22:24:02.85 ID:oxurAuRs0

『よふかし』

菜々「まだ寝ないんですか?」

ほたる「はい、このページの問題だけ、解いてしまいたくて」

菜々「学校の試験近いんでしたっけ。懐かしいなあ、ナナも深夜まで、ラジオ聴きつつ試験勉強を・・・あれっ!?」

ほたる「菜々さん…?」

菜々(そういえばこのごろ夜更かしがキツくなってる気がする…!!)

13: ◆cgcCmk1QIM 2017/12/10(日) 22:24:31.75 ID:oxurAuRs0

『ははごころ』

ほたる「おかあ…さん…」

菜々(ほたるちゃんと二人、一緒の布団で寝ていたら)

菜々(ほたるちゃんがそんな寝言言って、ナナのパジャマの裾をきゅって握りました)

菜々(これはやばいです!破壊力あります)

菜々(ちょっと寂しそうなほたるちゃんの寝顔とか見ていると、うっかり何かの感情が溢れそうになります!)

菜々(もしかしてこれは…母性…!!)


???『ねえ菜々ー、やっぱり、子供は女の幸せだよ』

???『あたしも子供が出来てわかった感じ。菜々だっていい人見つけてさー・・・』

菜々(ああっ!?ずいぶん前にアイドル諦めちゃった友達の言葉がナナを惑わせる!?)

菜々「おねえさんぐらいで手を打ってください…」

14: ◆cgcCmk1QIM 2017/12/10(日) 22:25:07.52 ID:oxurAuRs0

『むかし』

ほたる「菜々さんは、中学生のころって、どんな感じだったんですか?」

菜々「そうですねー。カワイイ女の子でしたよ。アイドルが好きで、歌が好きで、学生時代をエンジョイしてました」

菜々「それで、『いつかアイドルになれたらいいな』って思ってたりして」

ほたる「昔から、なんですね」

菜々「『なれたらいいな』じゃダメなんだ、行動しなきゃ、って思ったのはもっと後でしたけどね」

ほたる「…」

菜々「ほたるちゃんはあのころのナナより、おねえさんかもしれませんね」

菜々「色っぽいし!!」

ほたる「それ関係ありませんよね(///)」

15: ◆cgcCmk1QIM 2017/12/10(日) 22:25:38.64 ID:oxurAuRs0

『いろけ』

ほたる「そもそも私、いろっぽくなんてない、です」

ほたる「菜々さんの方がずっと女性らしくて…」

菜々「色気というのは自然とにじみ出るものなのです」

菜々「ふっと伏せる目、濁す語尾。どこか引いた感じ。ほたるちゃんの振る舞いはその『奥』を想像させるものがあります」

菜々「そういう奥行き、歳に不相応なオトナっぽさが人をドキッとさせるのです…二人並んだらほたるちゃんのほうがお姉さんに見えるぐらいですしね!」

ほたる「気にしてたんですか菜々さん…」

16: ◆cgcCmk1QIM 2017/12/10(日) 22:26:04.12 ID:oxurAuRs0

『ふうん2』

ほたる「ダメです菜々さん。私、できません」

菜々「そんな事言わず来てください。ね?」

ほたる「だって…だって無理です」

ほたる「私が福引き引いて、何か当たったりするわけが…!」

菜々「ティッシュが残り少ないので、むしろ残念賞のボックステイッシュが欲しいんです。一人一回引けるから二人居ればティッシュが二つ!!ね!?」

ほたる「は、はい…!」

ほたる(二人とも残念賞でした)

ほたる(でも、ふたつのボックスティッシュを抱えて菜々さんはご満悦で)

ほたる(私はなんだか不思議な気持ちでアパートへの帰り道を歩いたのです…)

17: ◆cgcCmk1QIM 2017/12/10(日) 22:26:35.34 ID:oxurAuRs0


『すべすべ』

ほたる「私が菜々さんのボディソープ倒して中身かぶっちゃったこと、あったじゃないですか」

菜々「ありましたねえ」

ほたる「あの後肌がすごくすべすべになって…スーパーにいくたびあのボディソープ探してるけど見つからないんです」

菜々「あー中々見つからないですよねぇ(通販でしか売ってないちょうお高いヤツだったことは黙ってよう…)」

18: ◆cgcCmk1QIM 2017/12/10(日) 22:27:06.17 ID:oxurAuRs0

『だめです』

ほたる「実は、学校の友達と、お出かけすることになったんです…」

菜々「ほたるちゃん可愛がられてそうですものね!」

ほたる「でも、東京での移動にはまだ慣れなくて…私が一緒だとトラブルもありそうだし、菜々さんのアドバイスがいただければと」

菜々「まず、移動法をいくつか事前に考えておくことが大事です」

ほたる(メモメモ)

菜々「たとえば地下鉄とバスと路面電車の時刻表を先にチェック。予定通りに行かないとき別の乗り物に切り替られるようにしておけば、トラブルがあっても安心でしょ?」

ほたる「あの…」

菜々「?」

ほたる「…地下鉄もバスも路面電車もダメだったときは…?」

菜々「ほたるちゃん」

ほたる「は、はい」

菜々「地下鉄とバスと路面電車がいっぺんに止まるような日に外出しちゃダメです」


19: ◆cgcCmk1QIM 2017/12/10(日) 22:27:32.71 ID:oxurAuRs0


『あめぞら』

ほたる「『雨に唄えば』って映画がありますよね」

菜々「古い映画知ってますねえ」

ほたる「私、雨に降られることが多いから…ああやって思い切って歌って踊るのに少し憧れてて…」

菜々「いいなあ、それ菜々もちょっとやって見たい!」

ほたる「それでこの前の雨の日、思い切ってやってみたんです」

菜々「それでそれで?」

ほたる「ちょうど担任の先生に見つかってしまって『白菊、悩みがあれば相談に乗るから』って深刻な顔で…」

菜々「うわあ…」

20: ◆cgcCmk1QIM 2017/12/10(日) 22:27:58.72 ID:oxurAuRs0


『どじではない』

ほたる「厄払落しってありますよね」

菜々「ありますね」

ほたる「身につけている小物をわざと落として、一緒に厄を落す、という方法もあるんですよ」

菜々「なるほどなるほど」

ほたる「つまり、今日財布を落としたのはウッカリじゃなくて厄落しなんです」

菜々「じゃあ今日のお弁当代助けてあげなくていいですね」

ほたる「ごめんなさいウッカリでした助けてください」

菜々「素直でよろしい」

21: ◆cgcCmk1QIM 2017/12/10(日) 22:28:27.92 ID:oxurAuRs0

『まっさーじ2』

ほたる「菜々さんて、すごくマッサージとか大事になさるのに、何故そんなに腰を…?」

菜々「イヤですねえほたるちゃん。ナナはピチピチの女子高生ですからそんな腰なんて」

ほたる「…」

菜々「若いころって回復力凄いじゃないですか。小さな傷なんて一晩でふさがっちゃうし」

ほたる「塞がらなくなるものなんですか?」

菜々「なるものなんです―――でも忙しいー、とかお金が無いーとか言って、若さに任せてケアを怠ってると、ある日気がつくのです」

ほたる「…(ゴクリ)」

菜々「そういうのって実は借金みたく積み重なってて、取り返しがつかないんだってことに…!」

ほたる「わ、私はマッサージとか柔軟とかがんばります…!」

菜々「ほんとそうしてください…!」


22: ◆cgcCmk1QIM 2017/12/10(日) 22:29:03.46 ID:oxurAuRs0

『えいえんの』

ほたる「何故ウサミンは永遠の17歳、なんですか?」

菜々「ミンッ!?そ、それはどういう意味ですか」

ほたる「あの…だって、菜々さんはとっても若々しいから」

菜々「微妙に喜びづらい気もしますが、それで?」

ほたる「何歳でも、いいのではないですか?たとえば15歳でも、18歳でも、菜々さんなら」

菜々「ああ、17歳わかんない年代ですか・・・」

ほたる「?」

菜々「18歳は色々な国で『大人』と認められる年齢。日本でも18歳までは青少年という分類ですね」

ほたる「はい」

菜々「そのことから17歳は大人の一歩手前。女の子で言えばつぼみから大人の女性へと花開く直前の貴重な一瞬、ととらえる事が出来るわけです。アイドルは成長を見守る楽しみもありますから、これから開花する…という年齢設定は魅力的だったのかもしれません」

菜々「そのためか、まさに『セブ●ティーン』なんて名前のアイドル誌がありますし、そこが主催したミス・セブンティ●ンコンテストは昭和平成に燦然と輝くアイドルを生み出してきたのです」

ほたる「そうだったんですか…」

菜々「だから17歳というのは往年のアイドルを知るものには特別な響きがあるんです。ナナはそれを大事にしたい…だからウサミンは17歳なんですよ」

ほたる「そんな意味があったんですか…私はてっきり、おなじく永遠に17歳の声優さんの影響があったものとばかり…」

菜々「…ごめんなさい正直かなり影響あります」

23: ◆cgcCmk1QIM 2017/12/10(日) 22:29:34.85 ID:oxurAuRs0

『ていでん』

菜々「やっぱり今日は1日停電だそうですよ。修理に時間かかるそうです」

ほたる「そうなんですか…」

菜々「突然電気消えちゃったときはどうしようかと思いましたが、まあ、あちこち古いですからねえ」

ほたる「私の不幸のせいで…」

菜々「このアパートが築■7年なのがほたるちゃんのせいだったらびっくりです」

ほたる「あ、じゃあこのアパート菜々さんと同い歳…」

菜々「ノウッ!!ナナは17歳!17歳!!

24: ◆cgcCmk1QIM 2017/12/10(日) 22:30:04.34 ID:oxurAuRs0

『ていでん2』

ほたる「私、丸1日の停電なんて初めてです。どうしましょう」

菜々「そうですねー。ちょっと忙しくなりますよ」

ほたる「忙しい?」

菜々「まずローソクとかの備蓄を確認」

ほたる「確認」

菜々「夜寒いのは辛いですから、明るいうちに湯たんぽとか用意して、布団やおこたの中をぬくぬくにしておきましょう」

ほたる「なるほど」

菜々「それと明るいうちに料理大会です!」

ほたる「え、ど、どうして」

菜々「だって冷蔵庫止まっちゃいますからね。冷凍庫にあるものは全部ダメになっちゃいます。日持ちするように料理して―――あ、ローソクの明かりで食事するんですから、小さいケーキ買ってきてパーティーっぽくしたいですね!」

ほたる「ロマンチック…!」

菜々「お風呂だけは暗いと危険ですからね。今日はスーパー銭湯行きましょう。で、帰りにケーキ買ってー」

ほたる「……」

菜々「ほたるちゃん?」

ほたる「菜々さんといると、まるで停電が楽しいことみたいです」

菜々「そうでしょうか」

ほたる「私、何かあるとすぐ、慌てちゃって…」

菜々「慌ててるほたるちゃん、可愛いです」

ほたる「(///)」

菜々「起こったことは変えられないけど、そのあとどうするかは選べますから。どうせなら、楽しみたいじゃないですか」

ほたる「菜々さん…」

菜々「まあ、今月いろいろ忙しかったし、ひょっとして電気代払い忘れて止められたんじゃないかとドキドキしてたからその反動というのもありますね…!」

ほたる「明るいうちに支払いいろいろチェックしましょうね…」

25: ◆cgcCmk1QIM 2017/12/10(日) 22:30:54.39 ID:oxurAuRs0


『どっち?』

ほたる「菜々さん大変です!菜々さんのご実家から送られてきた落花生の段ボールの中に、こんなものが…!」

菜々「これは、お見合い写真…!やだけっこうハンサム」

ほたる「ほんとだ…」

菜々「まあスパッと断るんですけどねーお母さんごめんなさい…!」

ほたる「…菜々さんは、結婚したいなって思ったりすること、ないんですか」

菜々「そりゃまあ、『花嫁さん』はアイドルと並ぶ女の子の憧れですから?ちょっと想像したりすることはありますよ」

ほたる「…」

菜々「でもナナって、人間があんまり器用にできてないと思うんです」

ほたる「…?」

菜々「どっちも同じだけ、なんて、きっと出来ないから。いつか選ばなくちゃいけなくなると思うんです。『アイドルかあの人か、どっち?』って」

ほたる「どちらかを…」

菜々「ほたるちゃんなら、どっちを選びますか?」

ほたる「私は…」


ほたる(そのあとすぐ、菜々さんが『冗談です』って笑って、このお話はそれで終わりました)

ほたる(でも、私は考えます。もしとても大事なものとアイドルを天秤にかける日が来たら、私はどちらを選ぶんだろう)

ほたる(菜々さんも、色々なものとアイドルを天秤にかけてきたのでしょうか)

ほたる(そうして、アイドルへの道を歩いてきたのでしょうか)

ほたる(その重さを想像して、私は、少しだけ震えたのです…)



(おしまい)