2:2016/12/28(水) 00:14:28.14 ID:
女提督(以下提督)「はぁぁ…」

イタリア海軍最大の拠点タラントに向かう高速道路、運転手つきランチアの後部座席に座った提督はほほに手を当ててため息をついていた

提督「まあ、そうなるわよね…」

提督は新しい配属先に向かっていた。突然現れた謎の「深海棲艦」に対抗するべく、「艦娘」を指揮する「提督」
その中でも彼女は二十代後半でありながらすでに少将、将来はローマの海軍司令部で総司令官を務めてもおかしくはない。

が、今度の配属先は聞いたこともない鎮守府である

もっともその理由は提督自身のせいでもあったのだが…

6: :2016/12/28(水) 00:39:20.54 ID:
数週間前、ローマ… 

初老の提督「わかっているとは思うが、私もこうしたくはないのだよ」 

提督「わかっています」 

腕を組んでいる大将は提督の上官で、優しくしてくれるお爺ちゃん提督である 

老提督「私は君が女性どうしで仲良くしてもいっこうにかまわん。しかし…」 

提督「イタリアはカトリックの国です、ゆるくなってきたとはいえ問題になるのですね」 

老提督「うむ…きみの交友関係はちと…なんというか、華やかだったからな。海軍憲兵隊から束になって書類が届いているぞ。えーと、‘風紀びん乱、国家に対する不穏な言動、わいせつで破廉恥な…」 

提督「それではどこかの飛行艇乗りの映画ですよ」 

老提督「あー、とにかくだ。公式に罰することはしない。そのかわり、昇進してここに行ってもらいたい。ローマにいてはきみ自身が辛いだろう」 

一枚の立派な賞状のような紙に書かれているのは、「配属先として、タラント第六鎮守府を任せるものとする」 

提督「タラント第六鎮守府?どこでしょうか」 

老提督「タラントの衛星基地だよ。すまんな、できるだけがんばってみたのだが、ここしか選べなかった」 

提督「いえ、お気遣いありがとうございます。スイス大使館付海軍武官とかでなくて」 

老提督「そう言ってくれて助かるよ。まあ、なぐさめになるかはわからんが、例の‘艦娘’たちは、とてもかわいらしい女の子だそうだよ。仲良くしてやってくれたまえ」 

提督「(可愛らしい女の子…)はい!」 

7: :2016/12/28(水) 01:06:08.28 ID:
運転手「ここです、少将閣下」ブロロ…キィ 

提督「結構かかったわね…って、ここ?」 

提督はローマから国営鉄道でも使おうかと思っていたが、近くには駅もないという。海軍の護衛兼運転手が走らせてくれたランチアを降りると、提督は軽く伸びをして、長いまつげをぱちぱちさせた 

提督「ほんとにここなのね…」 

周囲は白い砂浜、寄せては返す青い波。松林の生えた緩やかな山並みは観光か保養地としてならすばらしい。 

そのなかにぽつんとあるのが、大戦中の建物らしいレンガ造りの小ぶりな軍港。きっと戦前は小型艦艇のいこいの場所だったのだろう。一応新設されたらしいレーダーサイトが見えるが、それをのぞけばローマ帝国時代の別荘といわれても信じそうだ。 

提督「とりあえず、正門はあっちね。でも、私はいいけどあなたはどうやって帰るの?」 

どう見ても「電車はねェ!バスもねェ!」である 

運転手「は、海軍の補給トラックが来ますので、それで戻るようにと」 

提督「そう、ありがとう」ギュッ 

運転手「あ//…いえ、志願者が多くて大変だったほどですから、ごほうびみたいなものです。それと…」 

提督「なぁに?」 

彼女の手には小さな包みが握られている 

運転手「ローマのみんなから渡すように頼まれました、ぜひ、身に付けて下さい」 

提督「ありがとう、開けるわね」 

そっと包み紙をめくって、ケースを開けた。入っていたのはきれいなエメラルドの首飾り。シンプルだが、どんな装いにも合いそうなものである 

提督「わぁ…綺麗ね!こんなに素敵な首飾り、高かったでしょうに」 

運転手「みんなで出し合いました。私たちのこと、これを見て思い出してくれれば嬉しいです」 

提督「ありがとう。みんなにもよろしくね」 

運転手「はい!少将閣下…いえ、お姉さま//」 

提督「ふふ、ありがとう。可愛い妹」 

8
:2016/12/28(水) 01:37:41.19 ID:
提督「さて…」

運転手に軽くお別れのキスをし、正門にランチアを乗り入れると、正面の車止めにぴたりと停めた。

提督「第一印象は大事よね」

制服のしわを伸ばし、長い栗色の髪を整える。軽く香水を吹いて、戦闘準備は整った。
車を降りると、正面玄関で待っている一人の女の子がいる。少し大人びた感じの高校生くらいで、高めに結いあげたポニーテールが、華奢な感じに明るさを与えている。

すらりとした少女「着任された提督さんですか?」

提督「ええ、そうです。あなたは?」ニコッ

少女「はい、わたしは軽巡洋艦、モンテクッコリ級一番艦、ライモンド・モンテクッコリです。わたしがあなたの秘書を務めることになっております。よろしくお願いします」

提督「R・モンテクッコリ級…円筒型艦橋が特徴の軽巡、戦後も長くイタリア海軍を支えてくれた功績艦よね。貴女が秘書役だなんて、私にはもったいないくらいね」

モンテクッコリ(以下ライモン)「そんなにお褒めいただいて、わたし嬉しいです//」

提督「ふふ、事実を言っただけよ?さぁ、施設を案内してもらえる?」

ライモン「はい、私についてきて下さい」

ライモン「ここが建造ドックです。いわゆる‘妖精さん’が建造や改修を行ってくれます」

レンガ造りのドックが二隻分。戦中の軍艦ならやはり駆逐艦サイズだ。艦娘とそれまでの軍艦は違うけれど、しばらくは同時に二隻建造する程度にしておこう。

提督「人類をはるかに超越した技術力…甘いもので働いているのかしら…?」

ライモン「…?」






9:2016/12/28(水) 02:01:43.22 ID:
ライモン「ここが提督ご自身の執務室兼居室になっています」

提督「まぁ…」案内された執務室は古めかしいが大変立派で、いわくつきの少将ふぜいには不釣り合いなほどである

提督「ずいぶん立派な執務室ね…」

ライモン「戦前の王国海軍時代のものですからね。それと隣は浴室と化粧室です。反対側が寝室ですよ」

浴室と寝室も開けてのぞいてみる。浴室には四つ足のバスタブに真鍮のシャワーヘッドが取り付けられている。寝室はダブルサイズの屋根付きベッド、いわゆる「お姫様の寝室」にありそうなベッドで、淡い桃色と水色で統一されたメルヘンな寝室である。

ライモン「寝室の家具は何もなかったので、とりあえず経費から用意できるだけ用意しました。足りないものがあれば改めて申請できますよ」

提督「…このままでもローマの海軍司令部より立派に見えるわ。今は提督が多すぎるから、少将ふぜいでは小部屋一つなんてざらにあったし」

ライモン「そうらしいですね。わたしは秘書艦として今の世情についてひととおり教育を受けましたので、そう聞いています」

提督「やっぱり時代の差は感じた?」

ライモン「ええ、電子機器の発達や文化の変わりかたには驚きました。わたしは大丈夫ですが、いきなり数十年分の知識を浴びせられては艦娘たちも混乱します。ですからこの鎮守府ではあえて古いまま残してある施設も多いんです」

提督「そうね。今どきあんな壁掛け式の電話とか初めて見たわ。でも、便利なものや素敵なものもあるし、みんなにもそのうち慣れてもらえるといいわね」

ライモン「そうですね。では、次は食堂に行きましょう。その‘みんな’が待っていますから」
10:名前:自動あぼーん : 自動あぼーん
12:2016/12/28(水) 14:37:32.93 ID:
しばらくはなごやかな(?)食事風景です。食卓のマナーとか間違っているかもしれませんが気にしないで下さい(なかなか百合にたどり着けない…期待している方はゴメンなさい!)

もうちょっと細かく描写したいのですがなかなか難しいですね…温かく見守ってくれればうれしいです


提督「食前酒は…リモンチェーロ?」細いグラスに黄色いリキュールが入っている。食堂の担当はおしゃれな人なのだろう、ふちにレモンが一切れ差してある

ライモン「ええ、シチリアから届いたので、「せっかくなら提督との最初の昼食時に開けよう」とみんなで決めました」

提督「えーと、飲酒の規則とかはどうなっているのかしら。今の海軍はなにかとうるさいけど…見た所けっこう小さい娘もいるようだし」

ライモン「そこは規則があいまいでして、一般家庭でいう世帯主、つまり司令官裁量に任されています。戦前の娘たちはこうしたぜいたくもなかなか出来なかったですし…まぁ、あまり飲み過ぎなければいいのではないでしょうか。ちなみに駆逐艦の子たちは強くなり過ぎないようソーダ水で割ってあります」

提督「そう、そうよね。私もそんなことまでしばるような事はしたくないわ…ん、おいしい」

シチリア特産のレモンリキュール「リモンチェーロ」は少し甘苦い。氷で冷たく冷やされていて、味も爽やかでべたべたと甘すぎず、ローマで飲めるものより断然おいしい。一杯飲むと食欲が刺激される。食卓はタラントやナポリのようなえらそうな鎮守府ではないので給仕係りなどいない。大皿から取り分ける和気あいあいとしたものだ

ライモン「サラダをどうぞ、提督」朝露がまだのこっているような新鮮なレタスのサラダは、農業の盛んな南部ならではで、ほのかに甘く歯切れもいい。
ガラスの器に銀のスプーンと置かれているドレッシングはアンチョビやオリーブを混ぜたピリッと辛みの効いたもので、レモンピールのおかげで後味も油っこくない

提督「おいしい…野菜が新鮮でしゃきしゃきしてる」

ライモン「気に入ってくれましたか?契約農家から送って来るものなんですよ。そろそろ主菜にしましょうか?」

提督「そうね。いい匂いがするけどなにかしら?」

ライモン「いきなり野菜づくしの南部料理ばかりでは落ち着かないでしょうから、北部風のドリアにしてみましたよ」

提督「ドリアね。私ドリアは好きよ」

?「ドリアがお好き…?提督が、ドリア…」ガタッ

提督「?…あの娘、どうしたの?急に身悶えてるけど…」

視線の先には長い茶色の髪をセミロングに伸ばした大人のお姉さんが座っている。大柄な姿はおそらく戦艦…少なくとも重巡だろう。頭には帽子のような重厚な司令塔が載っていて、バランスよく、それでいて豊満な体つきは、ミラノやローマの洒落たお姉さんたちとのお付き合いがあった提督が見てもぼーっとなるような美人である…が、彼女は淡い灰色のタートルネック姿を妙にくねくねさせて頬を赤らめている

ライモン「あぁ…彼女、アンドレア・ドリアです。提督が‘ドリア’がお好きとおっしゃったから…」ヒソヒソ

提督「なるほど。案外初々しいのね、なんだかこっちまで照れるわ…//でも、いきなり戦艦がいるなんてスゴイわね。普通は駆逐艦数隻に軽巡一隻とかだって聞いていたから…ここ、明らかに二、三十人はいるわよね」

ライモン「それは提督の戦績が素晴らしいからですよ。いくら何でも新米の少佐や中佐に大艦隊は任せられませんから」

提督「それだけ期待されているのね…頑張らなきゃ。ふー、ふーっ…熱っ。でもおいしい」
ドリアはしっかり味が付いているのに濃すぎないし、うまくソースが重ねてある

提督「ホワイトソースねぇ…昔はうまく作れなくてよくダマにしちゃってたっけ…」

ライモン「提督もお料理をされるのですか?」

提督「するわよ。やっぱり美味しいものは食べたいじゃない?似合わないって笑うかもしれないけど、家ではよくフリルのついた白いエプロンで料理したものよ。お家にお友達を呼ぶことだってあったし、おいしいものは人を仲良くさせるものよ?」

ライモン「そうですね、おいしいものはわたしも好きです。今はいい時代ですよね、物価統制とかそんなのもないですし…?」

?「フリルのついたエプロン…可愛いじゃない//」?「まぁまぁまぁ…提督さんってば//」ザワザワ

提督「モンテクッコリ?もうちょっとドリアを取ってもらえる?」

ライモン「はい、このくらいでいいですか?」

提督「ありがとう。うーん、この濃密なソースがうまく合わさって…舌に絡みついてくるのがとってもいいわね…//」ニヤァ

ドリア「ああ…まぁ、提督ったら//提督と…はぁぁ//」

13:2016/12/28(水) 15:14:32.31 ID:
ライモン「ワインはどれにしましょうか?」

提督「本当にぜいたくね…昼からワインを頂けるなんてローマじゃありえなかったわ」

ライモン「何しろわたしたち艦娘の経費と言っても、住居はありますし、出かけることはあまりないので衣服はそこまで買いませんし、物を買うにしても近くにお店がないもので…結局食事が一番わかりやすいぜいたくになるんですよ」

提督「なるほど…、それにしてもコクのあるいい赤ね、どこの銘柄なのかしら…っ!?」

ライモン「どうかしましたか?」

提督「いえ、あのね…瓶に、‘バローロ’って書いてあるような気がするのは気のせい…?」

ライモン「ええ、書いてありますが。お気に召しませんでしたか?」

提督「いや、とっても美味しいわよ…でも、お昼にテーブルワイン扱いで出すワインじゃないでしょう…!?「ワインの王様」よ!?」

ライモン「いえ、ご心配には及びません、これには‘裏’がありまして…」

提督「何?…お願いだからこれ以上心臓に悪いことは言わないでね」

ライモン「重巡のところにいるふわふわした彼女。ザラ級重巡のポーラですが。彼女が先頃、深海側の攻撃を受けた客船を救ったことに船会社が大変感謝して、お礼にとワインセラー一杯のワインを提供してくれたんです…なんでも偉い人が乗船していたとかで」

(艦これはよくわかっていないので、ポーラはワイン好きのほんわかしたキャラで書きます。他にも登場している艦娘たちの違和感はオリジナルということでお許しいただければ…)

提督「それにしても、こんなにいるんだし飲んでいけばすぐなくなっちゃうでしょうに…」

ライモン「いえ、定期的に補充が来ますからご心配なく」

提督「こんな高級ワインが?海軍大将でもそうできないぜいたくよ?」

ライモン「それがさっき言おうとした‘裏事情’でして。こちらに回ってくる資材やぜいたく品は、たいてい脱税や横領で捕まった実業家やお金持ちの押収品なんです。鎮守府への引き渡しはバザーみたいになっているのですが、うちのポーラが目利きのおかげでハズレをつかんだことはありませんよ。もちろん車やお屋敷みたいなものは使えませんから、これは競売にかけられるそうですが」

提督「なるほどね…。財務警察が最近仕事熱心なのはそのせいだったのね。でもおかげで美味しいワインが飲めたわ。あとでポーラにはお礼をしないと」(ベッドの上でね…なんて//)
14:2016/12/28(水) 15:54:42.19 ID:
提督「ふー、おいしかったわ。最後にでたチョコレートも、こう、甘すぎるくらいかと思ったらワインに合わせてみるとちょうどいい甘さで、バローロの深みのある木の実や樫の木の香りをうまく引き立ててくれて…最後に出してくれたコーヒーのいい苦味が口の中をさっぱりさせてくれたわ。…アメリカ海軍ではブラックコーヒーに塩を入れるっていうけど、えぐみは消えるけど味覚がおかしくなりそうだったのよ…」

ライモン「提督はアメリカ海軍に派遣されたことがおありなのですか?」

提督「海外派遣はないわ。昔ナポリで知り合ったアメリカ海軍の女性士官が淹れてくれたの」(あの時は名前を間違えて気まずかったっけ…その後のコーヒーに死ぬほど塩入れられてたのよね…)

ライモン「誰とでも仲良く出来るなんて素敵ですね。わたしたちは戦中の印象が強いので、どうしても連合国側と仲良くしているのが腑に落ちないというか…フランスやイギリスが味方になったのも驚きですし、そもそもわたしたちが再び太陽の下で海を見られたのが一番の驚きです」

提督「そうよね。まぁ、フランスとはまだギクシャクしているけれどね…」(あのお嬢様みたいな少佐…「おいしいのよ」とかいってエスカルゴとか食べさせてきたし…なんで十六世紀までフォークもなかったような野蛮な国に食文化を教えてもらう必要があるのよ…だいたいしとやかなふりして口移しだけで食べさせるとか露骨すぎてあぜんとしたわ…)

提督「それに…新しい敵が生まれたとはいえ、前よりは全然いい条件で戦えるんだもの。私、みんなと一緒に頑張るわ!それで、楽しいこととか、素敵な経験とか、たくさんさせて可愛がってあげるから…!」ギュッ

ライモン「あっ///…提督…暖かくて、柔らかいです…///こんなこと、「艦娘」にならないとできませんでしたから…うれしいし、不思議な気持ちです」

提督「いいのよ、いつでも甘えてくれて。私でよければ全部受け止めてあげるから、ね…?」

ライモン「はい!そう言ってもらえて、わたし、本当にうれしいです!」キラキラ

提督(あぁ…可愛いわ///私を見上げる瞳がきらきらしてて、もうこんなに信頼してくれている///)チュッ

15:2016/12/28(水) 16:57:12.90 ID:
はぁぁ…これだけ書くのにもずいぶんかかっていますが、気長に待っていてくれればうれしいです

とりあえず人物紹介や補足の説明です

提督…二十代から三十代に手が届くくらい。すでに少将だが、その「華麗な百合遍歴」がカトリックのイタリアでは問題視されてタラント第六鎮守府に「栄転」させられた。(単に「モテない野郎たちのひがみ」とも)長い栗色の髪と金色の瞳、つやつやの唇がチャームポイント。
高身長で豊満な体つきは超ド級戦艦並み。士官学校時代から「来るもの拒まず、去るものは出さない」を貫き、同期、先輩、後輩、教官まで構わずとりこにしてまわった。
いわく「愛情に階級も人種もない」ため、艦娘でも求められれば愛し合いたいと思っているし、積極的に愛していきたいとも思っている

老提督…提督の上官。温厚なお爺ちゃんで、提督の「百合遍歴」を問題視する海軍憲兵隊から提督の事をかばってくれた。駐ネパール海軍武官や、「この世の果て基地」の司令にならずにすんだのはこの人のおかげ。「艦娘」の以前の姿を知っていて、「艦娘」を孫のように思っている

タラント…イタリア半島で「長靴」の土踏まずの位置にある。海軍の重要拠点。数も少なく頼りにならないギリシャ海軍をカバーするため拡大され続けている。地中海中央、いわゆるイオニア海の要

R・モンテクッコリ…モンテクッコリ級軽巡のネームシップ。瀟洒(しょうしゃ)なデザインがイタリアらしい1930年計画の軽巡。
約7400トン、152ミリ連装砲四基、533ミリ連装魚雷二基、100ミリ連装高角砲三基などをもつ(長くなるので細かいスペックは飛ばします)
そこそこの軽防御にバランスよく兵装を積んだスマートな軽巡で以後のイタリア軽巡の基準になった。1964年まで練習艦になったりと長命だった。
妹のムツィオ・アッテンドーロがいるが43年のナポリ空襲で失われた。
艦娘としては高校生くらいの細身の女の子。明るい金髪を高めのポニーテールにしている。
19:2016/12/29(木) 01:17:57.61 ID:
更新遅くてごめんなさい…その分言葉を選んで書いているつもりです。これで百合成分を補給してもらえればと…百合成分多めにしたいのですがどうも真面目になりすぎているような…もうちょっと待っていてください、すぐ甘さ倍増になる(予定)ので

艦娘の略称は基本このSSのオリジナルです、史実でも略称があった場合は「人物紹介」にそう書き加えておきます(ごっちゃにしては混乱するでしょうし、何隻か実際に長い名前の艦がいますので…)
では続けます

ライモン「午後はどうなさいます?」

提督「そうね、なら執務…するほど書類は来てないし、出撃…しようにも艦隊の把握はまだしてないし…、お昼寝…は気持ちいいでしょうけど食べたばかりに寝るのはよくないし…。そうね、とにかく艦隊の把握に努めたいわ。ライモン、お願いね」

ライモン「ライモン…ですか」

提督「ごめんなさい!嫌だったかしら…?もし嫌ならちゃんと名前で呼ぶわよ?」

ライモン「いえ、あだ名とか、なんだかちゃんと「艦娘」として認めてもらえているというか、ただの「兵器」や「駒」として見られていないと思ったら…」(うるっ)

提督「あぁ、ライモン!泣かないで?私はあなたの事「兵器」だとか「替えがきく」なんて思っていないのよ?ね、ほら、抱きしめてあげるからおいでなさい?」

ライモン「すみません…ぐすっ…。わたし…この鎮守府で一番の古参だったから、相談相手も…頼れる人もいなくて…海軍の担当官には冷たい人も何人かいて…わたしたちの存在って何なんだろう、なんて考えると不安で…」

提督「そう、よくがんばったわね。でもこれからは私があなたたちの提督で、母親で、お姉さんになってあげるわ。ね、ライモン?」

ライモン「はい…なんだか、提督の前ではわたし、ずいぶん泣いたり笑ったりしています…きっと、提督のおかげです。それに、感情って、こんなに激しいものなんですね…この姿になって、やっとわかった気がします…」

提督「そうね、数十年ぶりに空を見て、身体も、時代も、こんなに変わったんだもの。ちょっと起伏が激しくなることもあるはずよ。ゆっくり、馴染んでいきましょう?」

ライモン「はい。でも、凛々しいわたしを見せたかったのに、ずいぶん情けないところを見せてしまいましたね。ちょっとくやしいです。これからはうんと活躍して驚かせてみせますね!」ちゅっ

提督「ふふ、ライモンのキス、ちょっと塩の味がしたわ」

ライモン「海軍ですからね///…では、作戦室にご案内します、ついてきてください」(なんだか勢いでしちゃったけど恥ずかしい///…でも、提督の唇、柔らかくて甘かったな…さっき抱きしめてもらった時も、胸、すごく大きくて柔らかかったし…けど、提督も女どうしだからこんなことを許してくれているのかな…それとも、わたしのこんな考え、認めてくれる人なのかな…もしそうなら…///)

提督「そうね、案内をおねがいするわ」(ライモン、大変だったのね。邪険に扱った担当官とかいうの…調べてローマにそれとなく伝えておこう…海軍長官の秘書さん、電話番号は登録してあるし…ああ、でもライモンのキス!初々しいのに結構熱いキス…とっても良かった///…まだ百合とか許されない時代に生まれた娘たちだし、抵抗はあるはずなのにこれなら…将来が期待できるわね///)


カツッ、カツッ、カツッ…木張りの床に足音が響く。あたりは大戦中の施設というだけあって古めかしいが、改修は済ませてあるらしく、ほこりっぽかったり、壁紙が剥がれていることもない。南向きの鎮守府は日当たりもよく、廊下の開け放たれた窓からさわやかな地中海の海風が入ってくる。眺めも抜群で、小さな岬に挟まれた、くぼんだ湾は波も穏やかで、施設の左右にはなだらかな砂浜が弧を描いている。前庭には、はたはたと風になびくイタリア国旗が掲揚され、周囲には花や灌木が植えられている。

提督「いい眺めねー。それにこんな気持ちのいい風は久しぶり。なんだか別荘にでもきたみたい」

ライモン「さすが提督ですね。ここ、昔は本当に別荘だったらしいですよ。大戦中に海軍が整備しかけたところで敗戦になって、結局倉庫にしていた時に「艦娘」と「深海棲艦」のことがあって、急遽整備したんだそうです」

提督「そうなの。でもこの大きさの別荘なら、きっと政治家とかのものだったのでしょうね」

ライモン「さあ、そこまでは…なにしろローマ帝国時代の別荘ですからね。でも、もしかしたらカトー(ローマの政治家で文章家「大カトー」とも。ポエニ戦争でハンニバルを下した。ひ孫に「小カトー」がいる)がここを散策したりしたかもと思うと、なんだか歴史を感じますよね」

提督「え、ここってローマの遺跡なの…鎮守府なんかにしていいのかしら…」

ライモン「いえ、遺跡はもっと裏山の方です。でも温泉施設なんかは再生してここまで引いてあるんですよ。薬効もあって、なんでも、「艦娘の修復効果」とかなんとか、とにかくわたしたちの傷が治るようになるんです。それに提督、ローマ時代の遺跡に遠慮していたら、わたしたちどこにも住めなくなっちゃいますよ?」

提督「確かに…実家にもあったもの、ローマ時代のアンフォラ(壺)とか…でもねぇ…」

ライモン「まあまあ。ちゃんと遺跡はよけてありますし、心配しなくて大丈夫ですよ。…ここです」
20:2016/12/29(木) 02:06:15.21 ID:
ガチャ…ライモンがドアを開けてくれる。

提督「へえぇ…」

作戦室は他の部屋よりずっと近代的で、電子機器に悪い影響がないように冷房がきいている。周囲には鎮守府のフェーズド・アレイ・レーダーのディスプレイ、最高司令部や各地に向けた軍用通信機器、民間船舶向けの一般通信機器、中央には古めかしい大きな机をいっぱいに占領している地中海の地図。壁には「艦娘」たちの一覧が並んでいる。

ライモン「どうですか?一通りの機器はそろっているかと思いますが」

提督「十分すぎるくらいよ。こんなに立派な設備、自由に使わせてもらったことなんてないもの。それにほとんど自動化されているのね…すごいわ」

ライモン「ええ、わたしたちは自分のことで精一杯ですし、「妖精さん」はどうもこういった電子機器は不得手のようで…」

提督「それに少しでも指揮能力がある士官は、軒並み鎮守府に派遣されているものね…深海側の数の多さにはあきれるしかないわ」

ライモン「まあ、ここはタラント基地のおかげで制海権を取っていますから、たいていは静かなものですが」

提督「そうらしいわね。タラントにいる同期が言ってたわ…それで、と」

ライモン「あ、はい。艦娘のリストでしたね。こちらです」

提督「どれどれ…空母は…なし、と。まあ大戦中には一隻も完成しなかったし、太平洋みたいな空母決戦はあまりなかったものね」

ライモン「ですが、建造すれ正規空母アクィラと補助空母スパルヴィエロが仲間に加わりますよ」

提督「二隻とも元は客船なのよね。そうね…艦娘としていろいろさせてあげたいし、資源が溜まり次第建造しましょう」

提督「では戦艦は…コンテ・ディ・カブール級の二隻にアンドレア・ドリア級の二隻、と。新戦艦のリットリオ級はいないけど、まぁ、しばらくはこれで充分ね」

ライモン「クスッ…きっとドリアさんはもう見分けられますね」

提督「ふふふ、そうね。それと、彼女の隣にいたのは妹のカイオ・デュイリオね。なんだか優しそうな顔の娘だったわね」

ライモン「大戦中は大して損害も受けなかったですし、A・ドリア級は戦後もイタリア海軍を支えてくれましたからね。落ち着いた方ですよ。わたしとも仲良くしてくれます」

提督「でもあの若々しさ…第一次大戦型の戦艦には見えなかったわ…」(すごい「わがままボディ」っていう感じだったもの)

ライモン「何しろ1916年生まれですもんね…同年代でいうと日本の金剛型くらいですか?彼女も日本の「艦娘」として生まれ変わったそうですが、いったいどんな感じの人なんでしょうね?…それにしても、1930年代に大改装したとはいえうらやましいです…脚も長いし、女優さんみたいですよね。ソフィア・ローレンみたいな色っぽさです」

提督「ソフィア・ローレン…なかなか古いわね…じゃあ、ジーナ・ロロブリジーダとか知っているのかしら」

ライモン「もちろんです。彼女、とっても色っぽくて、当時の水兵さんたちはみんなブロマイドとかもっていたんですよ」

提督「私のお父さんの世代だわ…さ、続けましょう」

ライモン「次は巡洋艦ですね。対フランス戦を意識して、巡洋艦は優勢を維持していたんですよ」

提督「士官学校時代の教科書に書いてあったわ。圧倒的なイギリス地中海艦隊相手によく戦ったものよね」

ライモン「全くです…でもなんか変なかんじですね。自分たちの過去を振り返れるなんて」
21:2016/12/29(木) 02:42:09.07 ID:
提督「そうね。今度は失敗しないようにしないと…力を貸してね、ライモン?」

ライモン「はい、提督///」

提督「では重巡洋艦からいきましょうか…まずトレント級の二隻、と…戦中はどちらも戦没しているのよね。軽防御がたたったのと、当時の戦況が厳しすぎたせいね」

ライモン「本人たちは気にしていないようですが…もしかしたら心では悩んでいるかもしれません、あと、「軽巡、重巡どっちなのか」とよく冗談をいっていますよ」

提督「最初は軽巡扱いだったものね…そのうち話を聞いてあげることにするわ。それから…ザラ級の四隻、と…ポーラの鑑定眼が確かなのはわかったけど、やっぱりマタパン岬沖のことはつらかったでしょうね」

ライモン「三隻同時に撃沈ですから…のこされたゴリツィアさんもかわいそうでした。最後も悲しいものでしたし…」

提督「ラ・スペチア軍港でわが軍の潜水工作員に沈められたのよね…当時のドイツ海軍に渡さないために。でも、今度は絶対に沈ませはしないから」

ライモン「提督ならできると思います。あと、彼女たちは四隻ごとに微妙に艤装が違うんです」

提督「建造中に改良点を加えていったのよね。よく違いを理解してあげないと。…あら、ボルツァーノはいないのね」

ライモン「ええ、彼女は単艦なので艦隊編成しづらいだろうと建造されていないようなんです」

提督「まあ…そんなのはかわいそうよね…ザラ級の改型なんだし、ザラたちも受け入れてくれるはずよね」

ライモン「そうですね。姉妹を失う悲しさはザラたちが一番よくわかっていますし…その反動かここではお互い甘やかしがすごいですが…」

提督「そうなの?まあ、可愛いものじゃない。仲良く出来て私はうれしいわ」(甘やかし…こう、姉妹で「あーん」して食べさせあったり、一緒に添い寝したりとか?…いや、もっと甘々な姉妹愛で…一隻になったゴリツィアと再会できた姉妹が、こう…「さみしかったでしょう?姉さま…?」とか言って、うるんだ瞳が見つめあって…あ、でもゴリツィアは次女なわけだし、お姉ちゃんと妹二人に挟まれて、白い肌を撫で上げる姉妹の指がそのうちに…///)

ライモン「提督?」

提督「あ、ああ!いいの、気にしないで?続けましょう」

提督「次は軽巡、と。ふふ、あなたがいれば私はもう充分うれしいけど、そういうこと言ってはほかの娘がかわいそうよね?ちゃんと見てあげないと、ね?」

ライモン「そうですね///…これが軽巡のリストです」

22:2016/12/29(木) 11:21:45.14 ID:
しばらくは二人が解説を加えながらの艦娘紹介が続きます…詳しくはおいおい追加していきますので…

提督「ええと…軽巡は、まずジュッサーノ級軽巡四隻…知っている限りでは軽巡というか大型駆逐艦って感じがするわね。大柄だけど装甲はほぼないし…それに重さの割には兵装過大なのよね」

ライモン「そうですね、序盤に相次いで戦没したのもそのせいでしょう。無理している艦というのが妥当な評価みたいですし…もっとも艦娘としては問題ありません。スマートでモデルさんみたいな先輩方です」

提督「撃ちあいには向かないわね…それから、カドルナ級の二隻。まあ、ジュッサーノ級の改型よね。カドルナの方は無事に大戦を生き抜いているし、改修は妥当だったのね」

ライモン「何しろジュッサーノ級は艦橋が大きすぎましたからね…やっぱり防御は期待できませんが、速度はありますし兵装もバランスがとれていますよ」

提督「そうね。でもみんなきゃしゃな身体でよく頑張ったものね…次は、ライモン、あなたのクラスね」

ライモン「はい、モンテクッコリ級ですね。妹のアッテンドーロもいます。やっぱり沈んだ時の気持ちは不安で辛かったと聞きました。でも「ナポリでよかった。ベネチアならもっと良かったけど、海の片隅じゃなかっただけまだ幸運だったわ」と…提督?」

提督「いえ、…さっきから聞いているとみんなけなげで…なんだか泣けてきたわ…無策だった私たちに恨み言の一つもあるかとおもったのに…」(ぐすん…)

ライモン「そんな、泣かないで下さい!当時の敗戦は別に提督のせいじゃないですし、私たち、こうやってまたお日様を見られて、あの時できなかったこととか、上手く出来なくてやり直してみたかったこととか…、とにかくやりたいことがいっぱいあって、それができるこの姿に満足しているんですよ」

提督「…ありがとう、ライモン。お互いに、泣き顔をみちゃったわね」提督はハンカチを出して涙を拭いた

ライモン「ええ、でも優しい顔の提督も好きですけど、泣いているお顔も純粋で綺麗だとおもいます///」

提督「っ///…ありがとう、ライモン。今のはすごい口説き文句だったわ」キュン

ライモン「くどっ…!?いえ!わたし、そんなつもりではなくて…いえ、まあ、提督さん綺麗だとは思いますが、わたし…それに神様も見ていらっしゃいます…そんなのいけません…」

提督「今の法王猊下(げいか)は同性愛にも理解を示してくれているわよ?私も女の子どうし、全然かまわないと思っているわ」

ライモン「え!?…時代が変わったとは思っていましたけど…それに、提督さんも構わない…って」ブツブツ

提督(やっぱり脈あり…ね)「ライモン、続きは?」

ライモン「ああ!はい、次がデュカ・ダオスタ級です。わたし、R・モンテクッコリ級をベースに改良を加えた艦です。艦形が一回り大きくなって装甲が増加し、雷装も533ミリ連装魚雷から三連装魚雷になっています」

提督「二隻とも無事に大戦を終えて、戦後は姉がソ連、妹がギリシャへ引き渡されているのね。当時から艦名が長いって言われて、姉が「アオスタ」で妹が「エウジェニオ」って略されていたのは知っているわ…今でもそう呼んでいいのかしら?」

ライモン「はい、みんなそう呼んでいますよ。あと、戦後の影響か、アオスタはロシアっぽいところがありますし、エウジェニオはギリシャ人にあてられたのか、かなり激しい同性愛にめざめているようですね」

提督「ふふ、ライモン?女の子どうしの恋はね、百合っていえばいいのよ?日本ではそう言うって、向こうの提督がそう教えてくれたわ」(あの人もいまでははるかかなたの横須賀に帰ってしまったけど…海はつながっているもの、きっとまた会えるわ。それに、年上なのになんだかあどけなくて可愛かった///)

ライモン「百合…花言葉は「神秘的な美」に「純粋」ですか。何だか、ちょっと大人っぽい秘め事を想像してしまいますね///」

提督「かもしれないわね?で、次は…アブルッツィ級二隻ね。あなたたちを基本にしたとはいえ、ずいぶん成長したものよね…」

ライモン「全くです、姉と言うか先輩というか…とにかく尊敬されるんですが、むしろこっちが妹みたいな気分にさせられます…あと、妹の方はすごく立派な方で、戦艦たちもなんだか一目おいているというか…」

提督「ああ…「ジュセッペ・ガリバルディ」だものね。もしかして、食堂の真ん中あたりにいた、きりっとした感じの娘がそう?」

ライモン「そうです、彼女です。まぁとにかくイタリアを代表する偉人ですし、彼女自身も1972年まで長く就役していましたからね。私たち巡洋艦の司令塔みたいな感じです。それでも偉そうにしたりしないし、気さくな方ですよ。だからなおのこと人気があるんですが」

提督「なるほどね…ところで、カピターニ・ロマーニ級はいないの?」

ライモン「計画途中で敗戦、完成しなかった娘が多いですから…四隻完成したとはいえ、三隻は戦局に影響を与えられず、「ジュリオ・ジェルマニコ」は戦後もだいぶ経ってからの完成ですし…それに「装甲なしの大型駆逐艦みたいな軽巡では使いどころに困るだろう」というのもあるみたいです」

提督「そんなの運用の下手な提督たちの言い訳にすぎないわ。日本のことわざにも「古井戸はハシゴの入れ物、ネズミの尻尾は錐の鞘」って言って、どんなものにも使いどころがあるものよ。まあいいわ…建造のやり方を覚えたら、早めに呼んであげましょう」

ライモン「そうですね、ではいったん休憩にしましょうか。このあと、まだ駆逐艦、潜水艦に補助艦艇が待っていますから」
23:2016/12/29(木) 11:56:35.97 ID:
はあー…連合艦隊ほどではないですが書いていくとすごく多いですね…しばし解説です



戦艦…コンテ・ディ・カブール級。1914~15年生まれのド級戦艦。
金剛型より年上だが、33年から艦の七割を大改装、大戦に突入。プリエーゼ防御構造や主砲の削りなおしで320ミリ主砲に改正するなど、努力とアイデア満載の戦艦。
コンテ・ディ・カブールは45年ドイツ艦として失われ、妹のジュリオ・チェザーレ(ユリウス・カエサル)は「ノヴォロシースク」となりソ連に引き渡されたが、55年ごろ戦中の遺物である機雷に触れ失われた。三番艦レオナルド・ダ・ビンチは1916年改装前に爆発事故で沈没した。

艦娘としては色っぽい美魔女、緩く内側にカールさせた髪はよく似あっている。姉は政治家の名だけありいいまとめ役、妹は天才政治家で軍人の「チェザーレ」だけあってカリスマ性がすごいが、皇帝になれなかったことをまだ悔やんでいるらしく、艦隊の皇帝になろうと奮闘中。彼女がきみにため口をきいても決して怒ってはいけない

アンドレア・ドリア級。カブール級とほぼ同型の二隻、やはり大改装で大戦を迎えたご長寿艦。空母のアウトレンジ戦法が無効になる地中海で、戦艦として活躍できるはずだったが、資源不足のイタリアでは燃料が続かず、途中からはほぼ隠居状態。90ミリ高角砲がすごくおしゃれなデザイン賞級の戦艦。戦後の56年までイタリア海軍を支えた。
艦娘としてはむっちりド級戦艦ボディのみずみずしい体に、隠居生活が響いたのか妙に枯れたところもある艦。戦後も長かったためまとめ役的なところもある

戦中に燃料をもらえなかった反動か、それとも美食家ドリア公の影響か食通。ただ燃料搭載の少ないイタリア艦の常で胃が小さいらしく、思っているほど大食漢ではない。近距離では燃費のいいバランス型



24:2016/12/29(木) 23:16:12.51 ID:
空母…アクィラ(鷲)。
1941年改装開始。単艦。2万トンクラスの豪華客船「ローマ」(戦艦「ローマ」とは関係ない)を改造、正規空母並みにする予定だったが、改造箇所の多さと資材不足で進まず、43年敗戦時には七割程度しか完成していなかった。ドイツに利用されることを防ぐため主要部は破壊され、ドイツ海軍も入手、完成させようとしたが間に合わなかった。敗戦時に解体されてしまった。完成しても空軍・海軍の仲たがいで艦載機型のレジアーネRe2001戦闘機が出来ていなかったので戦力になりえたかは微妙…後ろに傾斜させたマストがおしゃれなイタリアらしい艦

艦娘としてはえんじ色の服に明るい茶色の髪を結い上げているらしい…

スパルヴィエロ(ハイタカ)…単艦。1941年改装開始。時間のかかりそうな「アクィラ」の完成を待つより、改造を最小限にして早く戦力にしようという補助空母のアイデアで生まれた軽空母。客船「アウグストゥス」をもとに改造を始めたが、あれもこれもと追加要素が増やされ、資源不足もたたってこちらも完成しなかった。44年にドイツ側に渡るも、結局完成せず失われた。客船時代の機関をそのまま受け継いだので速度は遅くなったと思われる。

艦娘としては黒地に白ふちがついたシックな衣装に片側に横ロールの金髪を垂らしているらしい…

(アクィラが「艦これ」に実装されているそうなので、キャラはそれを活かすことにしました。アクィラが空母の名前として通じるなんていい時代ですね…一応オリジナル設定ですが、なにか気になるところがあれば教えてくださいね)
25:2016/12/30(金) 00:13:16.87 ID:
重巡…トレント級。1928~29年生まれの重巡。二隻
兵装は203ミリ連装砲四基を前後に二基づつ備え、533ミリ連装魚雷発射管(横向き固定)四基や100ミリ連装高角砲、メリジオナリRo43水偵(最初はマッキM41やカント25戦闘飛行艇を搭載していた)三機などをバランスよく積んだが、最初36ノットを目指した軽巡としていたため大きさの割に装甲が薄く、潜水艦や空襲によって二隻とも失われた。艦首に航空兵装があるが、イタリアでは当時普通だった。(某「飛行艇乗りの豚」が出てくる映画で客船が繰り出していた、あれを想像してもらえれば…)

艦娘のトレント、トリエステは背が高いがきゃしゃで、表情もどこかあどけなく、重巡と軽巡の間くらいに見える。頭の測距儀、マストはかなり高く安定が悪そう。

ザラ級。1931~32年生まれ。四隻。艦名は「仇敵」オーストリア・ハンガリー帝国から取り返した南チロルの地名

軽巡思想のトレント級では戦艦不在の海戦で撃ちあえないと、高速好きのイタリア海軍が泣く泣く低速を我慢した本格派重巡。一万トンオーバーの重量は日本の「最上型」に近く、本当は海軍軍縮条約違反だったが、多少のオーバーはごまかした。
203ミリ連装砲四基、100ミリ高角砲六基に対空機銃、水偵二基と兵装はトレント級とあまり変化がない。その分を150ミリの装甲に振り向け、一隻ごとに取り入れられる新技術を次々取り入れていった。そのせいか一隻ごとに姿が違う。
損傷した「ポーラ」を救助しに戻った「ザラ」「フィウメ」が深夜イギリス海軍のレーダー射撃を受け、駆逐艦二隻とともに戦没した「マタパン岬沖海戦」の悲劇は有名。

鎮守府にいる彼女たちはいずれも高校生~大学生くらいで意外と胸が大きい。ポーラはワイン好きで鑑定眼も確か。史実で一人残された次女「ゴリツィア」のこともあって、再会できた喜びはひとしお。悲劇的な最期だった分の反動からか、四人ともかなりのシスコンを患っている。

ボルツァーノ。単艦。1933年生まれ。

ザラ級の次女「ゴリツィア」と同じ29年計画の重巡。やっぱり遅いのは耐えられなかったのか、速度重視で軽装甲にもどったが、ザラ級のいいところは取り入れた従姉妹(いとこ)と言ってもいい艦。兵装はトレント級とそっくりで、一番煙突と艦橋構造がつながっているのは「ポーラ」と同じ。
砲戦時に発艦できない艦首のカタパルトは中央部配置になった。42年に損傷し、空母にする案もあったが、巡洋艦不足と「アクィラ」「スパルヴィエロ」の建造が進んでいたため改装はされなかった。
数回損傷し、最後は1944年ラ・スペチアでドイツ軍の手に渡ったが、イタリア・イギリス連合の人間魚雷(水中スクーターのようなもの。時限式の機雷を船底にくっつけて爆破する。「回天」などと違ってクルーは脱出できる)チームによって破壊された

鎮守府には「単艦で編成に困るから」との判断で来ていないが、提督は「艦娘として楽しめること、やれなかったことをやらせてあげたい」と、ぜひよんであげようと考えている。トレント級のように細身だが、顔立ちはポーラに似ているらしい…
26:2016/12/30(金) 02:43:35.35 ID:
説明が続いてなかなか進みませんが、これがおわれば百合百合したいとおもっています…気長にお待ちください


軽巡…ジュッサーノ級。1931~32年生まれ。四隻

30年代に建造されたフランス駆逐艦に対抗するため生まれた軽巡。
5100トンの排水量は日本の「球磨型」とほぼ同じだが、そこに152ミリ連装砲四基(背負い式に前後二基づつ)、100ミリ連装高角砲三基、37ミリ連装機銃四基、533ミリ連装魚雷二基、艦橋下の格納庫に水偵二機と盛りだくさんに兵装を積んだ軽巡。大きさも球磨型より一回り大きく、その分防御は薄く、バランスが悪かった。オーストラリア軽巡「シドニー」と交戦した三番艦「バルトロメオ・コレオーニ」を始め、四隻とも交戦して失われている。

艦娘としてのジュッサーノたちは、背の高さにくらべて細身のきゃしゃな身体に、多すぎる艤装をつけているため振り回され気味で、頭の艦橋構造が重いせいで肩がこるらしい


カドルナ級。1933年生まれ。二隻

ジュッサーノ級のバランスが悪かったことを反省し、上部構造を減らしてバランスを取った軽巡。砲戦が始まると発進できない艦首カタパルトは中央部に移動したが、サイズが小さいため右斜めに固定されていて旋回しない。「ルイジ・カドルナ」「アルマンド・ディアス」のうち、カドルナは無事に大戦を生き残り51年に除籍された。

ジュッサーノの改良型らしく、ジュッサーノたちに良く似ている。艤装のバランスがとれたおかげで動きやすくなったとか。背が高くきゃしゃな身体は相変わらず。他の軽巡に心配され、かばわれることもしばしば


モンテクッコリ級。1935年生まれ。二隻

詰め込みすぎでバランスの悪かったジュッサーノ級、その改良でとどまっていたカドルナ級の問題点を克服した新型軽巡。
兵装はそのままで、7400トンに拡大した船体は防御の強化にあて、大型化したことでカタパルトが左右に旋回できるようになった。出力も増したため速度低下もなかった。
特徴は灯台みたいな円錐型艦橋。シンプルかつスマートでイタリア海軍も気に入り、以後の艦はたいていこの形を受け継いでいる。
ナポリ空襲で失われた二番艦「ムツィオ・アッテンドーロ」の分も「ライモンド・モンテクッコリ」が活躍し、改装を重ねて64年まで練習艦として在籍していた。

鎮守府では戦後も長かったため、文化や知識のギャップを埋めるために初期から在籍、戸惑うことも多い艦娘たちのフォローと海軍の担当官からの連絡役に当たっていた。提督に不安を打ち明け、優しく抱きしめてもらったことで、「頼られる側」から「頼る側」になれたことを実感し、ほっとした。
優しいキスを交わし、姉のようであり母のようでもある提督に恋心を抱いているが、まだ古い考えが残っていて、百合に対して少し奥手になっている。


いったんここまでで…軽巡の紹介はもう一レスぶんくらい続きます

28:2016/12/31(土) 00:12:52.27 ID:
あー…戦艦リットリオ級を書き入れていませんでした…。
この鎮守府にはまだ来ていない設定ではあるのですが、紹介に書き込んだ気になって忘れていました。彼女たちが好きだという方はごめんなさい

リットリオ級。1940~42年生まれ。計画四隻、完成三隻。

フランスの新戦艦「ダンケルク級」に遅れまいと建造した新戦艦。資源の少ないイタリアが威信をかけたためか、艦名は戦勝地「ヴィットリオ・ヴェネト」など国威発揚も意識している。主砲は381ミリ三連装を前部二基、後部一基に搭載。副砲は152ミリ三連装四基を前後の主砲脇に二基づつ配置、中央部には流麗なデザインの90ミリ対空砲を左右六基づつ備え、対空機銃も37ミリ20基に20ミリ32基と航空攻撃を強く意識している。水偵は三機。
三番艦「ローマ」と未完成に終わった四番艦「インペロ」は改修を加え、第二グループを形成する予定だった。

主砲381ミリは削る機械と鉄資源の都合で406ミリ砲が作れず泣く泣く我慢したためだが、その分口径を50口径と高初速の砲撃を撃ちこめるようになった。(単純に「砲弾の大きさ×速度=威力」で計算すると400ミリ並みの威力ということになる)

連合軍に降伏するため艦隊旗艦として航行中にドイツ空軍機の誘導爆弾「フリッツX」二発を浴び、轟沈した「ローマ」は「初めてミサイル攻撃で失われた艦船」ともいわれる。残る二隻の「イタリア」(当初はファシスタ党とベニート・ムッソリーニの気に入るように「リットリオ」とつけられていたが降伏とムッソリーニの失脚に伴い改名された)と「ヴィットリオ・ヴェネト」は無事で、戦後の1948年まで就役していた。


艦娘としての彼女たちは明るい栗色の髪を結い上げ、白地のブラウスに赤のスカートと上着姿。高速戦艦らしく脚が速いが、軍縮条約をかいくぐった史実通りに体重をごまかしているらしいとか…?
29:2016/12/31(土) 01:53:35.61 ID:
やっとモンテクッコリ級以降の新型軽巡の紹介です、これが済んだらいったん本編に戻ってまったりします…。

軽巡…デュカ・ダオスタ級。1935~36年生まれ。二隻

モンテクッコリ級のバランスの良さをさらに極めようと、1000トン分の重量で装甲強化と連装魚雷二基を三連装二基に改修した軽巡。
大きさも一回り大きくなって全体的に余裕ができた。モンテクッコリ級と違い艦橋の円錐上に展望台のような上部艦橋がついた。

大戦中は北アフリカへの物資補給に駆け回り、その速度を発揮した。姉妹ともに大戦を生き抜き、戦後姉はソ連、妹はギリシャに賠償として引き渡された。
偉人の名前を敬称こみで付けたので、一番艦「エマニュエレ・フィリベルト・デュカ・ダオスタ」二番艦「エウジェニオ・ディ・サヴォイア」と長く、当時から「アオスタ」「エウジェニオ」と略されていた。


艦娘としての彼女たちは、顔立ちはライモンたちに似ていて、雰囲気は大人っぽい高校生くらいに見えるが、ライモンたちより背が高い。
衣装はライモンたちと同じくライトグレーのワンピーススタイルで、黒いニーソックスは喫水線下をイメージしたものらしい。胸元のデコルテには艦首波をイメージした白いフリルがあしらわれている。
姉のアオスタはソ連暮らしが影響したのか理詰めで赤い星のペンダントをしている。妹のエウジェニオは「レズの聖地」レスボス島があるギリシャですっかり百合に目覚め、「離れ離れだったさみしさを埋める」ためといって姉のアオスタやライモンたちを誘惑したり迫ったりしている。


アブルッツィ級。1937年生まれ。二隻。

モンテクッコリ級に始まった新型軽巡の集大成にあたる艦。デュカ・ダオスタ級をさらに1000トン拡大し、「最上型」に匹敵する一万トン級になった。

兵装はモンテクッコリ級以来変わらない152ミリ連装砲四基を前後に二基づつ背負い式で装備。
100ミリ連装高角砲はアオスタたちと同じく四基(モンテクッコリ級は三基)、37ミリ連装機銃四基に533ミリ三連装魚雷二基(モンテクッコリ級は連装二基)、水偵二機とほぼ同じだが、装甲は空間を挟んで100ミリと30ミリを装備し、艦橋構造を大きくしたことで重心バランスが崩れないよう船体も大型化した。
第二次大戦中のイタリア軽巡で最良と言われる、攻・防・走のバランスがとれた優秀艦。姉妹ともに大戦から無事生還し、姉は61年、妹は72年まで活躍して除籍された。
一番艦はやはり人名で艦名が長く「ルイジ・ディ・サヴォイア・デュカ・デリ・アブルッツィ」という。
二番艦はイタリア統一の英雄で海軍伝統の名前「ジュセッペ・ガリバルディ」と名付けられた。

艦娘のアブルッツィたちはライモンたちの後輩、あるいは年下の従姉妹(いとこ)にあたるが、その大人びた姿と能力の高さから、軽巡たちからはむしろ先輩のように扱われ、尊敬されたりすると気恥ずかしいとか。
妹のガリバルディは偉大な人物と伝統ある艦名に負けない勇敢さと機敏さで艦隊のエース。
パールグレイの髪をセミロングに伸ばしていて、しっかりした性格は軽巡たちの良き相談相手でまとめ役。
ワンピース型の服は濃淡二色のグレーで、姉のアブルッツィは折れ線模様、妹は幾何学模様の柄だが、これは戦中に施された迷彩を意識したものらしい。


カピターニ・ロマーニ級。1942~43年(一隻は戦後の56年)。計画十二隻、うち完成四隻(一隻は戦後)

大型駆逐艦「ル・ファンタスク級」の建造を続けるフランスに対抗して、駆逐艦隊を率いる軽巡として建造された艦。
やりたいことは日本の5500トン型の軽巡に似ているが兵装はより強力である。しかし、「天龍型」程度の3600トン程度に抑えて隻数を増やそうとしたため、防御は40ノットの高速を活かすことにし、弾片防御以上の防御を持たない。守りは捨てた大型駆逐艦と考えていい。

主砲は専用の135ミリ連装砲四基を前後に二基づつ。533ミリ四連装魚雷二基の強雷装をほどこした。が、開戦後は資源不足と既存艦の修理で作業が進まず、結局一番艦「アッティリオ・レゴロ」九番艦「ポンペオ・マーノ」十番艦「スキピオーネ・アフリカーノ」の三隻しか完成しなかった。
「カピターニ・ロマーニ」とは「ローマの指揮官」くらいの意味で、古代ローマ帝国の名将や指揮官の名前がついている。
ポエニ戦争でハンニバルと戦ったスキピオが歴史上一番有名なため「スキピオーネ・アフリカーノ級」とも呼ばれる

戦後はレゴロ、スキピオーネの二隻がライバルだったフランスに賠償として渡され「シャトールノー」「ギシャン」と改名された。
また「ポンペオ・マーノ」は戦後に完成、その際に大改造のうえ嚮導駆逐艦(同型の駆逐艦より少し大型で指揮能力や通信能力が高いもの)「サン・ジョルジョ」になった。

艦娘としてはまだ未配属であるが、古代ローマをほうふつとさせるファッショ(束稈。棒と斧を束ねたもので団結を意味し、ローマ元老院や皇帝の象徴。「ファシスタ」の語源でもある)などを持っている。小柄な割に性格は古風で威風堂々としているが、レゴロ、スキピオーネは仇敵フランスに渡されたためか金髪縦ロールに青い目と古代ローマ帝国らしくないことに悩んでいるとか…?


装甲巡洋艦…サン・ジョルジョ。1910年生まれ。一隻。

日露戦争の時活躍した「日進」「春日」のもとである装甲巡洋艦「ジュセッペ・ガリバルディ級」の後継。大戦時は浮き砲台として北アフリカにいた。最後はトブルク港でイギリスの手に渡すまいと自沈。

戦前イタリア国民に人気があり、空軍に理解のあった政治家・探検家のイタロ・バルボが乗った飛行機を撃墜したことがあり、ムッソリーニによる暗殺ではないかと疑われた。

鎮守府にはいないが艦娘としては丸っこいお母さん。
装甲が厚く旧式のため脚が遅いが、「あらあらうふふ」と言われながら後ろに立たれると言いようのない恐ろしさを感じるらしい。噂では暗殺者ではないかとも言われている。北アフリカ暮らしが長かったためか褐色で頭にはヴェールをかぶっている。


はぁ…とりあえず巡洋艦までの紹介は以上で…第一次大戦で得た賠償艦もいますが、そこまで書くと収拾がつかないとおもうのでやめておきます…。
しばらくは本編を進めます…駆逐艦と潜水艦はもっと多いのでそのうち…
30:2016/12/31(土) 02:45:38.38 ID:
提督「はあ、結構読み込んでいると時間がかかるわね…」

ライモン「確かに、もう1500時(午後三時)をまわっていますね…いったん休憩にしませんか?お茶でも飲みましょう」

提督「いいわね。部屋にもティーセットとコーヒーのサイフォンはあったけど、みんなのことも知りたいし、お茶は食堂で飲みましょうか」

ライモン「それがいいと思います。じゃあ、艦名簿はしまっておきます」ライモンは黒地に金文字で書かれた立派な名簿を棚に戻した。

提督「じゃあ、いきましょうか?ライモン」(スッ)

ライモン(わ、提督が手をつないで…しかも指を絡めてきた///ほっそりしていてきれいな指だなぁ…///)

提督「あら、顔が赤いわよ?疲れちゃった?」(まあまあ…うぶで可愛いこと///)

ライモン「いえ、平気です。少し暑いのかもしれません」

提督「そうね、ぽかぽかと暖かいものね。特に今日はとってもいい天気だもの」

ライモン「ええ、そのせいですよ。さあ、つきました」(スルッ)

提督(私と「恋人つなぎ」で入るのは恥ずかしいようね…むしろ見せつければいろいろ変わるでしょうに。まぁ、それはこれからこれから)


昼下がりの大食堂はお茶やおしゃべりに集まっている艦娘たちで意外に盛況で、カウンター奥の厨房からお菓子やお茶が運ばれてくる。

提督「うーん…やっぱりローマより待遇がいい気がする…。三食にお茶の時間つき、秘書艦に豪華な執務室と寝室。温泉付き。やっぱり保養地で執務しているような感じがするわ…」

ライモン「提督みたいな優しい方が、そんな待遇を受けられないほうがおかしいと思いますが。それだけの責任を負っておられるのですし…」

提督「ありがとう、ライモン…っ!」(むにゅっ)

話し込んでいた提督は右舷側のライモンに顔を向けていたせいで、左舷側の見張りがおろそかになり、コーヒーカップを受け取って席に歩いていた戦艦と見事に衝突した。大柄な戦艦は決して小柄ではない提督と衝突しても、ちょうど胸が提督の顔に衝角攻撃を加える位置で、ライトグレーのタートルネックセーターの大きなふくらみで提督の顔を挟み込む体勢になった。

ライモン「提督!?」

戦艦「きゃっ!って、提督!大丈夫ですか?おけがは?」

提督「大丈夫大丈夫、こちらこそぶつかってごめんなさい。あなたは大丈夫だった?」(ぐにゅっ…むにゅっ)←深い谷間に挟まれている

戦艦「ええ、コーヒーを少しこぼしたくらいで…提督におけががなくて幸いでした」

提督「ありがとう。えーと、あなたは…」

デュイリオ「A・ドリア級戦艦二番艦、カイオ・デュイリオです。以後お見知りおきを」

提督「こちらこそ、デュイリオ。大人っぽくて素敵ね、わたしみたいな小娘だけど、頼ってくれればうれしいわ」(急にぶつかって驚いてたけど、私この戦艦のお姉さんに挟まれてる…すごい大きい///もちもちで柔らかいし、着ててこれって…脱いだらきっと///)

デュイリオ「お褒めにあずかり恐縮です。それはそうと、あの…胸に提督の吐息が当たっていて…くすぐったいです///」

提督「ああ、ごめんなさい。今どくわね」(ふーっ)

デュイリオ「まあまあ提督ったら。息を吹きかけるなんて。そういうイタズラをなさると、こうですよ?」(むぎゅうう)

提督「きゃっ…っん///」
31:2016/12/31(土) 17:17:26.18 ID:
ライモン「あわわ…///」(すごい、デュイリオさんってば積極的…やっぱりド級戦艦はすごいなぁ…)

提督「んむむ…む、むーっ///」(すっごい抱きしめられてる///…窒息しそうだけど暖かくて柔らかい…左手は頭にまわされてるし、右手は腰を支えて…って、ちょっと…どこ撫でてるのよ///)

デュイリオ「うふふ///私にイタズラしたいならもっと大胆でないとだめですよ?」ヒソヒソ

デュイリオ「さ、おしおきはここまでにしておきましょうか。提督もお茶しに来たのでしょう?一緒にどうですか?ライモンド、あなたもどう?」

ライモン「え?あ、はい…。ご一緒させていただきます」

デュイリオ「よかった。…って、あら。こぼしたコーヒーでストッキングが濡れちゃったわ。仕方ないわよ…ね?」(スルッ…ぬぎっ)

提督「ちょ…ちょっと///」(なにこれ…///…片脚ずつ持ち上げて腰をくねらせながら脱ぐなんて…見えちゃいそうで見えない///すっごくみだらな感じ…///…さっきのイタズラくらいでは驚きもしないわけね…)

ライモン「うわわ…」(やっぱりデュイリオさんって大人なんだ…色っぽいなぁ///わたしまで変な気分になってきちゃう…///)

デュイリオ「さあ、お茶にしましょう?私はストッキングを洗濯場にもっていくから、ライモンド、提督をドリア姉さまのところに案内してあげて?提督は厨房の具合もわからないでしょうし、お世話もお願いね?」(パチッ…パチパチッ、パチッ)
(ふふ、偶然とはいえしばらく提督と二人になれるわよ、ドリア姉さま?機会を逃さないようにね?)

ライモン「はい、もちろんです。提督はコーヒーと紅茶、どちらにしましょうか?」
(デュイリオさんがまばたきでモールス信号を送ってきた…「提督ヲ‘ドリア’ト接触サセルベク、尽力サレタシ」ですか。まあ、さっきはわたしがいい目を見ましたから、今度はドリアさんに譲るべきですね…。わたしが準備に時間をかければいいですね?「了解」、っと)パチパチ

提督「お菓子によりけりね。それにコーヒーメーカーがあるならそっちの方が楽でしょう?コーヒーでいいわよ?」

ライモン「そうですか…?お菓子はクッキーですし、せっかくなので紅茶を淹れようかと思ったのですが…」しょんぼり

提督「あら、そう?なら紅茶にしましょう?おいしい紅茶に期待しているわ」

ライモン「はい!」(接敵して主力の到着まで時間をかせぐのは軽巡の十八番です。任せて下さい、デュイリオさん)

よく見ると食堂は昔の別荘だったころのままで、濃いえんじ色とクリーム色の床には丁寧なモザイク画(細かく割ったタイルを並べる絵。古代ローマや地中海のミケーネ文明が有名)が施されている。長テーブルには裾の長い白いテーブルクロスがかけられていて、端の方でアンドレア・ドリアがお菓子を前にコーヒーを待っている。
午後の陽ざしがしなやかな金茶色の髪に照り映えていて、タートルネックの首には対空識別帯を模した紅白の斜線がワンポイントで入っている

提督「お向い、いいかしら?」

ドリア「あら、提督♪向かいですか?もちろんいいですよ。鎮守府めぐりは済みまして?」

提督「まだ半分くらいね、時間ばかりかかっているわ」

ドリア「まあまあ、時間はたくさんありますもの。この辺りは制海権を取っておりますし、急な出撃もまずありませんし」

提督「そういってもらえると何だか安心するわね。ところで、昼のドリアはおいしかったわね?」いたずらっぽい微笑を浮かべてドリアをからかう提督

ドリア「…///おいしかったですか、よかったです///…でも、昼のドリアもおいしいですが、「ドリア」は夜もおいしいですよ///」頬を赤らめて髪をいじりながら、誘うような様子
35:2016/12/31(土) 21:25:24.57 ID:
前言撤回…時間ができましたのでちょっとだけ早めに投下します、見たいテレビ番組とかないなぁ、という方はお付き合いください


提督「そうね、今度は夜に「ドリア」を頂きたいわねぇ」

ドリア「ええ、そうしましょう。私、がんばりますね///」

提督「楽しみにしているわ」にこぉ

提督「それはそうと、紅茶がくるまでお菓子でもつまんでいましょうか…ライモンのはこの小皿にとっておいて…って、またなのね…」

ドリア「どうしたのです?焼き菓子はお嫌いですか?」

提督「いえ、お昼のワインもそうだったけれどね、この鎮守府ぜいたくすぎじゃないかしら」提督が指差したのはお菓子を取り分けようと取り上げた小皿で、黄色いふちに果物の柄が入ったしゃれた陶器のものである

ドリア「リチャード・ジノリのお皿ですね、華やかな色と可愛い柄で、私は好きですよ」

提督「かわいいのは分かっているわよ、イタリアを代表するブランドよね。でも普段使いにするお皿ではないでしょうが…」

ドリア「まあまあ。普段からいいものを使っている方が嫌いな食器を無理して使っているよりいいですよ」

提督「もう気にしないことにするわ、無理だろうけど…そこのパイを取ってくれる?」

ドリア「はいどうぞ。まだ温かくておいしいですよ♪」

編んだカゴに入れてある手のひらくらいの小さな丸いパイを一つ二つと、市松模様のクッキーを取ってもらう。

提督「ありがとう、いただくわ…ん、おいしい」表面にツヤのあるさくさくした皮にくるまれていたのは、ひと粒の栗の甘煮とアーモンドのきいたスポンジで、ほのかに温かく、甘い味の中身と皮目のバターの塩味とがまじりあってとてもおいしい。

提督「とてもおいしいわね。どこのお菓子屋さんのかしら?」

ドリア「地元のケーキ屋のおじ様が作っているんですよ。私たちの経費といっても使い余すことの方が多いので、時々買いに行くんです」

提督「ローマやミラノだったらきっと有名になっていたわね、地味な見かけなのに手が込んでいて、とっても丁寧でおいしい。…ではクッキーも」

さくっ…チョコレートの生地とプレーンの生地を市松模様に合わせて作るクッキーは、甘めのマロンパイと違ってほのかな塩味とビターなチョコレートが抑えめなココナッツチップを引き立て、地味ながら何かひきつける後味を残す。

提督「あら、こっちもおいしい。いい職人さんなのね、基本に忠実で律儀な仕事ぶりだわ」

ドリア「そうですね、飾りさえ載せればそこそこおいしく見えてしまうものですから、最近は派手好みな菓子舗が多いのですが、ここは本当に地道で、私のお気に入りです」

提督「そうね。あら、なくなってしまったわ…」

ドリア「まあ、本当ですね。…私ったら、おいしくて三つも食べてしまったのね」

提督「ふふ、食べ過ぎて超ド級戦艦にならないようにね…っ///」

ドリア「あら、どうしました?わたしの身体がどうかしましたか?」ニコニコ

提督「ドリア、あなたってば…///ちょっとからかっただけじゃないの…」(ドリアの脚が…っ、私の脚の間にっ///ちょ…ちょっと、なぞったりしないで///)

ドリア「女性に体重と年齢のことを聞いてはだめですよ?提督?からかうならそれ相応に覚悟してくださらないと、ね?」(あら、顔を赤くして横をむいちゃって♪可愛い、可愛い、かわいいっ///…あぁ、もうこのまま脱がして今すぐいただきたいわ///)

提督「ん…くぅ///…あんっ///」

ドリア「どうなさいました?具合でもわるいのですか?」ニヤニヤ

提督「平気よ、お気遣いありがと…う…っん///」(くっ、でもねドリア、私もやられっぱなしじゃないのよ?やり返してあげるわ…)

ドリア「ふふふ?お行儀の悪いおみ足ですこと、テーブルマナーを教えて差し上げましょう♪」ぐりぐり…

提督「んぁあ…はぁん!ひぅん!…わかった、わかったわ!もう言わないから、ね?」(ドリアが大きいから脚が届かないっ…!私の脚先がドリアの太腿までしか行かないのに、ドリアのつま先はぐりぐりえぐりこんでくる…///)

ドリア「でしたらおわび次第で許してあげます、提督のお返事を聞かせてもらえますか?」ぐりっ…くちゅっ

提督「ご、ごめんなさい…ドリア、私にできることなら何でもしてあげるから、ね?…ん///…ひぁん!」(あっ…ちょっと濡れて…///何人も食堂にいるのに…いけないのに、気持ちいいっ…///)

ドリア「そうですか、「何でも」ですね?それなら充分です。私、今度までその権利はとっておきますから、忘れないで下さいね、提督?」くちゅ…すっ

提督「ええ、忘れないわ///」(つい「何でも」って言っちゃったわ…なにされるのかしら…でも気持ちよかった…///)
36:2017/01/01(日) 20:16:20.14 ID:
明けましておめでとうございます、よかったらおせちと一緒にお付き合いください

※一つ訂正です…A・ドリア級戦艦としてきましたが、資料によってばらつきがあって、進水は後なのですがどうやらデュイリオ級とする方が正しいみたいですね…鎮守府ではデュイリオがドリアを姉扱いしていることにしてあげてください(しかも時々間違えるかもしれません)…

では投下します


……数分後……

ライモン「‘紅茶のシャンパン’というだけあって、ダージリンはいい香りですね…四分たったし、そろそろいい頃合いでしょう」

ライモン「よいしょ。ポットにミルク入れに砂糖つぼ…揃えるとなかなか重いですね、転ばないようにしないと。よかった…提督、仲よさそうにドリアさんとお話しているようですが…何を話しているんでしょう?」

ライモン「あれ…?提督もドリアさんも顔が赤いような…日なただからでしょうか?いや、何だか妙な雰囲気ですね…」

ドリア「あら、ライモンド、持ってきてくれたの?ありがとう」

ライモン「いえいえ、お二人のためになれて嬉しいです。さぁ、どうぞ?」

ドリア「いい香り。ダージリンね?ほら、せっかく淹れてもらったのだし、提督もお飲みになったら?」

提督「はー…はーっ…ふぅ///…そ、そうね。いただくわ///」

ライモン(何…わたしが紅茶を淹れている間に、なんだか危ない雰囲気に…提督ってば顔を火照らせて、色っぽい顔///)

提督(…おいしいけど、味が全然入ってこない…ああ、もう、ライモンが隣にいるのに、いきかけたせいで身体が熱い…)

ドリア「ライモンド。もう一杯注いでもらえる?」(ふふ、提督かわいい…今度はベッドの上で愉しませてもらいましょう♪)

三人はとりとめのない話をしながら紅茶を飲み終え、ライモンがティーセットを厨房に片づけに行った。
戻ってくるとドリアが微笑して言った。

ドリア「ごちそう様。おいしかったわ、ライモンド、提督♪私も堪能したから失礼するわね」

提督「そう、またね///」

ライモン「?…はい、ではまた後で」

上機嫌のドリアが立ち去ると、ライモンは腑に落ちない様子で彼女を見送った。(うーん、やっぱり何かあったような…ただ上機嫌って言うのとも違うし…提督と何かしたのかな…キスとか…)

提督「…ライモン?聞いてるかしら?」

ライモン「あぁ!はい、何でしょうか?」

提督「いえ、施設の案内ついでに少しシャワーでも浴びたいのだけど…この時期に冬服は暖か過ぎるわ」(濡れた下着も替えたいし、汗もかいたから…///)

ライモン「でしたらついでに大浴場へ案内しますよ。さっきも言ったように立派な古代ローマ風の浴場なんですよ」

提督「そう、それはいいわね…ならいったん部屋に戻って着替えを取ってきましょう」

ライモン(提督、身体の前で手を組んで、しとやかな貴婦人みたいで素敵です…唇も艶っぽくて…///)

提督(染みちゃったの隠すにはこうするしかないわよね…ライモンに「手をつないで下さい」とか言われたらどうしよう…お願いだから言わないで…)

ライモン「着きました。わたしはここでお待ちしていますね?」

提督「ええ、着替えてくるから少しまっていて?」…バタン


37:2017/01/01(日) 20:45:29.83 ID:
…ALIQVANTO POST…
   (しばらくして)


途中にある洗濯場の洗濯機に、ドリアのおしおきで「濡れた」服を入れ、二人は「大浴場」と書かれた入口をくぐった。中の脱衣所にはカゴやロッカーが並び、天井には木製の扇風機がゆっくり回っている。

提督「本当に水着とかいらないのね…?」

ライモン「はい、わたしたちが「損傷」した身体をいやす目的もあるので、裸で入るんですよ」

提督「日本ではお風呂は裸だって聞いたけど…実際にやるとなると結構恥ずかしいわね…」

ライモン「かもしれませんね、でもローマ帝国では裸で入ったんですよ?」

提督「ローマ時代のことを言われてもね…」しゅるっ…ぱさっ。ゆるい普段着を脱いでたたみ、黒い下着を重ねる。

ライモン「…///」(制服の時も思ったけど、すごく大きい…黒いレースの下着も似合ってて良いなぁ…わたしがつけると背伸びしすぎにみえるし…って、てっぺんは桃色なんだ…とってもおいしそう///…いけないいけない!あぁ…でもきれいな肌…白くて陶器みたいだけど、日焼けなのかな…少し金色がかってる…)

提督「着替えないの?見られるの恥ずかしいなら先に入っているわよ?」

ライモン「いえ!そういうわけでは…別にみられて恥ずかしいほどの身体ではありませんし…」

提督「そう言うこと言わないの、せっかく自由にできる自分の身体じゃない」

ライモン「そ、そうですね…///」(提督…上半身傾けて叱らないで下さい…!ち、近いですから///…胸が誘ってるみたいで、理性飛びそう…///)

提督「わかったならいいわ。さ、着替えて入りましょう?」

ライモン「は、はい…」



39:2017/01/02(月) 01:23:55.68 ID:
確かになんか食べられてばかりですが…やるときはやるので安心してください。
食べられるのが見たい方も食べ散らかすのが見たい方も安心の提督クオリティですので(たぶん…)

まずは提督がお風呂で少しいちゃついて、寝て…それからやる予定のネタをとりあえず(お題だけでも)投下しておきます

………

ライモン「それにしても、工兵の方がこの温泉を見つけてくれたのは良かったです。なんでも測量中に発見したんだとか…」するっ…しゅるっ

提督「そうね、回復効果があるというのはありがたいわね。もっとも、大破してまで戦わせるなんて、そんな無理はさせないつもりよ?被害を受けたら戻すようにするわ」

ライモン「優しいんですね。でも、先の大戦でイタリアが負けてしまったのは、肝心なところで戦艦の損失を恐れたためだと聞きました…大事にしてくれるのは嬉しいですが、負けてしまってはそれも意味がありません…ドリアさんたちやカブールさんたちも「もっと戦えていればイギリスにも負けなかったろう」と悔やんでいるようでした」

提督「うーん…そうねぇ…確かに当時のイタリア艦隊が「好天艦隊」とイギリスに皮肉られたのも事実よ。…ただ、ライモンも知っているでしょうが、イタリアには国力がなかったの。同盟国だった日本と同等くらいね。
日本はその中でもアメリカを敵として見ていたから、無理なほど兵力拡張をしたけど、私たちイタリア海軍の仮想敵はフランスだったから、イギリス地中海艦隊を相手にするなんて考えてもいなかったのよ」

ライモン「それはわかります。でもどうして当時の提督たちはあんなに及び腰の戦闘をしていたんでしょう…わたしたちや駆逐艦の娘たち、MAS(マス。「モトスカーフィ・アンティ・ソマージビリ」‘機動駆潜艇’の略。戦中に大活躍したイタリア魚雷艇のこと)の娘たちだってもっと援護があれば…」


提督「それはね…イタリアは貧乏で、第一次大戦型の改装戦艦四隻に新戦艦四隻を計画するのでやっとだったから、戦艦を大事に残しておいて、「いつでも出撃して戦えるぞ」って、アピールできなければならなかったの。
実際、ドイツの「ティルピッツ」がノルウェーのフィヨルドで居座っていただけで、イギリスはあんなに大騒ぎしていたでしょう?
それが、生きている戦艦にはそれだけで抑止力がある「フリート・イン・ビーイング」の考えかたで、その考えに取りつかれると、必要な時さえ戦艦の出し惜しみをするようになるわ…。あとは、ドゥーチェ(ムッソリーニ)が海軍に無理解だったせいと…もちろん当時の提督たちが無能だったこともあるでしょう」

ライモン「なるほど…改めて考えてみると、わたしたちはずいぶん無理な戦いを挑んだんですね…」

提督「そうね…まぁ、こんな真面目な話、裸で話すものじゃないわね。さっきからそのかわいらしい胸が揺れていて、話に集中できないわ」(きれいなピンクね…///)

ライモン「…///そういうことは早く言ってください!」

提督「ごめんなさい。真面目に聞かれるとつい真剣に答えてしまいたくなるの。さ、お風呂に行きましょう?タオルは持って入ってもいいのよね?」

ライモン「はい、身体を洗うタオルを。さあ、どうぞ満喫してくださいね」…がらがらっ


かぽーん……

提督「わぁぁ…大きい…やっぱりぜいたく施設だけ充実しすぎているような…査察とか来たら返事に困るわ…」

浴場はローマの公衆浴場のようでもあり、皇帝の浴場のようでもある。周囲には湯気に煙るヤシの木が数本生えていて、北アフリカのようなエキゾチックさをかもしだしている。滝を模した岩に彫られた樋から緑色がかったお湯が湯気をたてて、円形のプールのような大きな浴槽に流れ込んでいる。
分岐したお湯の注ぎ口は分岐していて、大浴場の他にもあずまや風の小部屋や数個の小さい浴槽にお湯が流れている。
奥の壁面には青空と松の木、ヴェスヴィアス(ベスビオ火山)が描かれている。


ライモン「ええ、わたしもびっくりしたんですよ。工兵隊の方と打ち合わせたときは普通の四角い湯船一つの予定だったんですから…ところが変なローマ人みたいな技師だか、建築家だかわからない人が工兵隊の測量中に源泉から飛び出してきて、掘削道具とか測量道具に異様な関心を示したかと思うとデザインを書き残して行って、そのままお湯に浸かったかと思うとどこかに消えてしまったんだとか…でもアイデア自体は良かったので、気に入った指揮官の大尉さんがやってくれたんです」


提督「ふーん。そうなの?でも、その人って地元の変わった人とかじゃないのかしら?時々いるでしょう?」

ライモン「さあ、何でも、「ルシウス」って名前だけは聞き取れたそうですが、あまりに変な状況で、誰もまともに質問しようとさえ思わなかったみたいですね…浴場自体は素晴らしいので文句はありませんが」

提督「そうねぇ…変な話ね…まあ入るとしましょうか。先に軽く流した方がいいわよね…」…ざ、ざあっ…ちゃぷっ…

提督「あぁー、身体に心地よく染みるわねぇ…歩き回ったからなおさら」

ライモン「普通の沸かしたお湯と違って肌に当たる感じが柔らかで気持ちいいですよね…ふぅ」




42:2017/01/02(月) 02:31:56.83 ID:
書き間違えました「お湯の注ぎ口は分岐していて…」ですね。訂正します…


提督「洗い場のカランもすごい数があるわね…」

ライモン「髪の長い方も多いですし、多めになっているんです」…しゃーっ

提督「シャンプーは…やっぱり高級品ね…見なかったことにするわ…」わしゃわしゃ…

ざぁーっ…

提督「ふう…頭がさっぱりしたわ、オートストラダ(高速道路)の排気ガスとか髪に付いていたんじゃないかしら…ライモン、洗ってあげましょうか?」頭にくるりとタオルを巻く

ライモン「そんな、提督にですか…?わたしのような軽巡にはもったいないですよ」

提督「いろいろ教えてくれたお礼よ?あなたの準備がよかった分、私は楽できそうだもの。遠慮なんてしないでほしいわ?」

ライモン「…そう言ってくださるのなら、お願いします」

提督「はいはい♪じゃあ石けん泡立てるわ…百合とバニラのいい香り…」もこもこ…さわっ♪

ライモン「ひゃあっ!?提督、なんで身体を洗うのに手なんですか!?」

提督「いえ、タオル頭に巻いちゃったもの。あなたのも巻いてあるでしょう?だから手で洗うしかないわけ」(ライモン、肩からすべすべ…もっと柔らかいところだったら…うふふ///)

ライモン「なら、わたし外しますから!恥ずかしいじゃありませんか…こんないきなり///」(提督の指、細くてしなやか…たまっていた疲れがほぐされていくみたい…こんなの、抵抗できなくなっちゃう…)

提督「まあまあ。本当に嫌なら止めるけど…でもせっかくの機会よ?きっと頑張っていたあなたへの、神様からのごほうびじゃないかしら?」

ライモン「提督…///」キュン

提督「じゃあ続けるわね?腕を伸ばして?」すっ、すっ…もにゅ

ライモン(背中に…背中に提督の胸が///先端の感触が背中に当たって…///)

提督(真っ赤になってる、では、お待ちかねの…♪)

提督「汗がたまるし、ここもしっかり洗いましょうね♪」…むにゅ、もみっ

ライモン「え…?ちょ、ひゃあぁぁ!」…するっ、どしーん!

ライモン「いったぁ…提督ってば、それじゃ悪ふざけです…よ?」むにっ、ぐにゅっ…

提督「まぁまぁまぁ…♪積極攻撃にでるのはイタリア軽巡の美点よねぇ♪…いいのよ?ほぉら、もっと揉んでみる?」ぐいっ!

ライモン「いや、あのっ!そういうつもりでは…決して!きゃあっ!」

提督「…ライモン、そんな悲しいこと言わないで?私だって、提督以前に一人の女性よ?水も滴るような美少女に求められればうれしいのよ?」
(いいわね、こういうの!押し倒してきたライモンのうるんだ瞳が、しっとり艶めいた唇が、形のいい乳房が零距離にあって♪長い脚も絡めてくれてるし…このまま交戦、なんて♪)

ライモン「あっ…いえ…その、提督は…そういうの、平気なんですか…?女性どうし、とか…」

提督「もちろん♪…だって女の子っていいじゃない?髪はさらさらで、唇はぷるぷるでみずみずしいし、胸はもっちり柔らかくて指が吸い込まれるし、ふとももとかすべすべで、ヒップラインも丸くって、撫でると吸いつくようだし、喘ぎ声もかわいいし…♪」

ライモン「な、なるほど…でも…おかげで安心しました。わたしが変なのかなって、思っていましたから…他の娘たちにさわられたり、ふざけ合っている時に、変な気分になっているのはわたしだけなのかな…って。そうじゃないんですね」

提督「もちろん、ちっとも変じゃないわ。むしろ女の子として当たり前のことよ?…ライモン、あなた、さっきはドリアと二人きりにしてくれたでしょう?熱っぽい視線でこっちを見てるのに、機会をゆずってあげるなんて奥ゆかしい娘だと思ったわ。でも、たまには積極的になっていいのよ?さぁ、来て?」

ライモン「提督…提督っ!」ちゅっ…んちゅ…っ…ちゅるっ…

提督「ライモン…私の可愛い妹…」ちゅるぅぅ…くちゅうっ…じゅるっ…

………

提督「とってもよかったわ♪…しなやかで、なんだか「軽巡らしさ」って感じがしたもの♪それにずいぶん積極的だったわね?どこかおずおずしてたのが嘘みたい…またしましょうね?」ちゅっ

ライモン「ええ、また…したいです///…なんだか提督に抱きしめられたら、理性の糸がぷっつりと切れた感じがして…柔らかくて熱くって、とっても素敵でした///」

提督「ふふ、うれしい感想ね。じゃあ、着替えたらいきましょう?そろそろ夕食の時間よ?運動のおかげでおなかが空いたわ♪」

ライモン「はい、提督♪」
45:2017/01/03(火) 00:28:21.22 ID:
映画は見てないので原作のイメージでした…他にも思いついたらちょくちょく小ネタは入れていきます。それと、ほめて下さる皆様、グラーチェ!ありがとうございます。こちらもほめてもらえるとやる気がでます

資料や史実の方は長くなりがちで読むのがおっくうかもしれませんが、興味を持てるようちゃんと艦娘の方にも小ネタを反映させるようにしてます…もちろん面倒だったら読み飛ばしてくれてもかまいませんよ?


では参りましょう


…食堂…

日も傾いてきたころで、食堂の灯りはともり、多くの艦娘が席についている。まだ湯のぬくもりを残している提督とライモンは、お互いに甘い時間を過ごした者どうし、はにかんだような笑みを浮かべて手をつなぎ、食堂の入り口をくぐった。
入り口ではドリアがにこやかに笑みを浮かべ提督を待っていた。

ドリア「お待ちしていましたよ、提督?さっそくですが夕食は提督のおっしゃるとおり、席次を決めず、自由に座ることにしました。よかったらご一緒にいかがですか?」

提督「そう言ってもらえてうれしい。ありがとう、ドリア。もうイタズラはしないからお手柔らかにね?」

ドリア「うふふっ♪…ではどうぞ私たちの席へ。ライモンド、戦艦ばかりで構わなければ、あなたもご一緒する?」

ライモン「ありがとうございます。では提督の右舷側にいいですか?」(ドリアさん、お茶の時にやっぱりなにか仕掛けたのね…でも、わたしが鎮守府で一番最初ですよ?提督にすっかりやられちゃいました…♪)

ドリア「いいわよ?なんだか雰囲気が変わったわね?」(しどけない顔というか…とろけたような甘い表情が出てるわね……数日以内にうまく口説いて一戦交えるつもりでいたのに、少し出遅れたかしら…?…まぁ、軽巡だけあって脚は早いということね。でも、破壊力はこちらが上よ?…すぐ提督のこと、めちゃくちゃにして燃え上がらせてあげるから♪)

提督「さぁ、二人とも立ってないで座りましょう?」(ドリア、ほんの少し香水の香りがする…下品にならない程度に首筋につけて、ほのかに香らせるなんて…なかなか上手ね…初々しいライモンとはまた違う、すべてをゆだねられる良さがあるわ///)


提督が席に座ると、戦艦の中から一人が立ち上がった。そのまま部屋の片側にある演説台に向かうと、マイクを取り上げた。

戦艦「えー、コホン…食事の前に、まずは本日着任された提督に改めて歓迎の意を表したいと思う」

演説台に立つ戦艦はきりりとした武人のような表情で、リボンで一本にまとめた長い赤茶色の髪は艶やかだが、ローマの街の屋根の色に似ている。その髪型は機能性重視で、帆船時代の海軍軍人に見えなくもない。
格好は白いブラウスに、当時の軍艦をほうふつとさせる淡い灰色のシックな上着、膝丈で淡い灰色のプリーツスカート。
肩には金のエポレット(肩章)がきらめいている。
足元の黒いストッキングに軍人風の革のハイブーツはミラノあたりのおしゃれなレディたちのようで大人っぽい。
しめている青いネクタイに小さい金の星が斜めに三つ入っているのは、戦前の「艦隊司令長官旗」を意味し、鎮守府での旗艦の意味があるのは提督も知っている。

そこまでは戦艦としてわかるが、彼女が妙なのは紅いマントを羽織っていることで、話し方もずいぶんと古風で朗々とした演説調である。

提督「ドリア、彼女は?」ヒソヒソ

ドリア「カブール級二番艦、ジュリオ・チェザーレですよ。艦隊で一、二を争う実力者です」ヒソヒソ

提督「あぁ…道理で」

チェザーレ「改めて、チェザーレを始めこの鎮守府の諸君、提督に歓迎の意を表しようではないか」提督に対し、身体の前で手のひらを向けるローマ風敬礼

わぁー!ぱちぱちぱち!(大きな歓声と拍手)

提督「ありがとう、チェザーレ、それと、艦隊のみんな。昼もいったけれど、私はここに着任することができて、本当にうれしく思っています。改めて、よろしくお願いしますね」

わぁぁー!!(大歓声)

チェザーレ「提督、どうぞおかけになってくれ。そして、諸君。もう一つ大事な話がある」ザワザワ…

チェザーレ「提督をお迎えした最初の夕食に、我々としても歓迎に値するものをお出しするべきと諸君も考えたはずだ。…そして嬉しいことに、今日の夕食には初物のアスパラガスを提供することができる!」

わぁぁぁ!!!!(割れんばかりの大歓声)
※イタリアの一部では初鰹のように初物のアスパラガスを珍重し、お祭りまで開く風習があるそうなので、小ネタとして採用しました。

チェザーレ「提督もぜひ、チェザーレ以下艦娘たちからの歓迎を受けてほしい、以上である!」

脚付きのガラスの器に盛った新鮮なアスパラガスが運ばれてくる。ほどよく冷やしてあるのか器には露がおりている
銀のドレッシンングいれにはシーザードレッシングらしい白いソースが入っていて、横に置かれた。

47:2017/01/03(火) 01:43:20.11 ID:
食事前にちょっと解説を…

解説

チェザーレの話し方…鎮守府のチェザーレが自分のことをいちいち「チェザーレは~」と話すのは、ユリウス・カエサル(ジュリオ・チェザーレ)の書いた遠征報告「ガリア戦記」で彼が自分のことを第三者視点で「カエサルは~」と書いていたことによるもの。
教養がある分、時おりラテン語で話しそうになり、いちいち気を付けなければいけないのでイタリア語のもとを作った「ダンテ・アリギエーリ」をうらめしく思っている。


ド級戦艦…イタリア海軍の造船大佐クニベルティが発表した「主砲を一種類の大口径砲でまとめた戦艦」についての論文と、日露戦争で中・小口径の砲が戦艦の装甲を貫通できなかったことから、イギリスがクニベルティの論文に目をつけて建造した新戦艦。
この「ドレッドノート級」が世界最初であることからド級(弩級)と言われる。
日露戦争後(1905年)から第一次大戦前後(1914~18年)まで流行し、一気に旧型の戦艦が時代遅れになった。超ド級というのは「すごいド級」のことではなく「ドレッドノートの時代のド級を超えるド級戦艦」(より強力なド級戦艦)の意味。その後対空戦や、やはり速射できる副砲も必要であることから徐々にすたれていった。


では、本編を

………

ドリア「あら、アスパラガスはお嫌いですか?」

提督「いえ、嫌いというほど嫌いではないけれど…どうも青い味が好きになれないというか…実家では「なら他の野菜を食べればいいわ」って言われてきたから…」

デュイリオ「ならドレッシングを付けて召し上がったら?どうぞ?」

提督「ありがとう、デュイリオ」しゃくしゃく…

デュイリオ「で、どうですか?」

提督「新鮮でおいしいわよ…おいしいけど、やっぱり苦手というか…」

チェザーレ「ふうむ。それは済まないことをしたな…チェザーレは喜ぶかと思って用意したのだが…実際、物欲しそうにしている者たちもいるぞ?」

提督「ごめんなさい…せっかく用意してくれたのに」

チェザーレ「チェザーレは構わんよ、提督。しかし、苦手があると困ることもあろう。チェザーレは髪用のオイルでドレッシングを出されても文句は言わんし、どうしても文句があるなら食べないが」
(カエサルはうっかりな料理人が間違えて髪用オリーブ油で作ったドレッシング(当時はどっちも天然なので、香料など以外は同じようなものだったらしい)にも文句を言わなかったという。部下が食べながら文句をいうと「食べるなら文句はいうな。文句をいうなら食べるな」と言ったとか)

提督「そうね…せっかくだものね」もそもそ…

チェザーレ「なら好きなものを考えてみたらどうだろうか?アスパラガスではなくブロッコリーのつもりで食べるとかな」

提督「なるほどね…ドレッシングを付けて…うん、おいしいわ///」

チェザーレ「ふむ…。チェザーレが言ったのだが、そんな子供だましのようなやり方で平気だったか…?」

提督「ええ、シーザードレッシングの白いのを、可愛い女の子の母乳だと思ってかけたらおいしくいただけたわ///」

デュイリオ「げほっ!ごほっ!」ワインにむせる

ドリア「まぁ///…私は出ませんよ?」

ライモン「て、提督…///」

カブール「そう、よかったですね」(なるほど…ドリア姉さんの見立ては正しいですね。これは興味深い♪)

チェザーレ「ふぅむ。チェザーレも女性は嫌いではないから、それはわからんでもないぞ。極東のことわざにも「英雄、色を好む」というそうだからな」

提督「なら私はどうかしら?あなたは抱きたいと思う?」首をかしげてチェザーレにささやく提督

チェザーレ「ふむ…悪くないと思うぞ?スタイルもいいし、顔立ちも優しげで実にいい。匂い立つような色気は女どうしとはいえそそるものがあるぞ…提督が望むならまぐわってもいいと思うほどだ…」あごに指をあてて、そっと頬まで撫で上げる。

提督「うれしいわ、かのチェザーレのおめがねにかなうなんて///」頬を赤らめる

ライモン「提督?」じとーっ…

提督「ああ、いえ。ちょっとした言葉のあやよ?ライモン?」

ライモン「そうですか。まあ、気持ちはわかりますが、いきなりされるとそういう方なのかと思ってしまいますよ?」

チェザーレ「と、新妻がそう言っているぞ。チェザーレとの交戦はまた今度にしようではないか。…ライモンド、提督はどうやら色を好まれる方のようだが、貴様をないがしろにしているつもりはないはずだ。安心するといい。少しばかり「恋多き女」というだけであろう」

ライモン「はぁ、誘惑は多そうですね…ひとりじめさせろとは言いませんが…」

提督「ごめんなさい、ライモン。私、甘えるのも甘えられるのも好きなの。でも鎮守府のみんなに理解があるようでうれしいわ」

ライモン「色恋沙汰のタネが増えそうです…」

チェザーレ「ふふふっ。なかなか楽しみな提督だ。このチェザーレを、公私ともに役立ててもらいたい」

提督「ええ、よろしくね♪」
48:2017/01/03(火) 02:00:48.74 ID:
食事風景をしっかり書くつもりもあるので、飯テロ(提督や艦娘を考えるとむしろ飯エロ?)はあるかと…

とりあえずある程度話が出来ているものから、ぼんやりと書きたいと思っているものまでネタを上げておきます、期待してもらえれば嬉しいです。

書けるかはともかく希望もあれば聞きますから、よかったら書き込んでください。
ただ残虐なのとかシリアス過ぎるのは検閲にかけられて削除されます。深夜にカラビニエーリが玄関をノックするかもしれませんよ…


とりあえず

ポーラのおねだり(強)
ドリアのごちそう(夜のドリア)(中)
普段の食事風景(弱)
提督の百合遍歴(過去編というか各国提督との小ネタを…中)
フランス提督の来訪(強)
甘えるエウジェニオ(強~中)
ライモンとおでかけ(中)
駆逐艦・潜水艦・補助艦艇紹介(弱)←これは駆逐艦などを出す都合上避けては通れないので早めにやる予定です
浴場の個室にて…(強)
寝る時は…?(中~弱)
ごほうびいろいろ(強~弱)

とタイトルだけは期待できるはず…ちなみに(強)とか(弱)は百合度です。(強)はかなりやってくれます(※個人の感想です)
49:2017/01/03(火) 02:15:33.75 ID:
追加の解説をしばし…

大浴場…遺跡に残っていた源泉を引き、工兵隊が普通に作る予定だった浴場。正体不明のローマ人「ルシウス」なるものによってぜいたくなローマ風の設計がされた。世界一と言われるイタリア軍工兵隊も触発されて建築魂に火がついたのか、これを見事に作り上げた。
艦娘の回復、修理効果のあるお湯らしい


提督…早くもライモンと一戦交え、百合属性を隠す気がさらさらない「恋多き」提督。
長い髪に優しげな顔は一見しとやかそうだが、かなりの色好み。据え膳はもちろんいただくが、据えてない膳は持ってきて据えるタイプ。
甘えるのも甘えられるのも好き。艦隊指揮、海軍史、料理、「イタリア人の色男でも言えないような」甘い口説き文句、となんでもこなせる万能人だが、運動は多少苦手らしい。
むっちりした戦艦体型が好みだが、求められれば駆逐艦から潜水艦まで選り好みしない
50:2017/01/03(火) 02:36:37.48 ID:
これから提督が就寝します(やっと…)、まだ艦娘たちの夜襲はないので普通に過ごします

………

ライモン「今日は着任したばかりでお疲れかと思います、お邪魔はしませんのでごゆっくりお休みください」

提督「あら、お邪魔してくれてもいいのよ?寝起きのコーヒーを一緒に頂くとか…」

ライモン「いえ、それはっ///…そういうのは準備がありますから、まだ待ってください」

提督「わかったわ。ではお休み」

ライモン「おやすみなさい」

……………

提督「初日からいろいろあったわね…少なくとも、たいていの娘は抵抗がない、と…楽しみね♪…歯もみがいたし、着替えて寝ましょうか」しゅるっ…

提督「えーと、寝間着の衣装箱は…」がさごそ…

提督「あぁ、あった。そういえば、気に入ってるとはいえ、結構こればっかり着ているわね。そのうち新しいの買いに行こうかしら」

提督は制服を寝室のクローゼットにかけると、ふかふかのベッドの上で着替えた。薄い桃色のネグリジェはほとんど透けていて、前のひもをとめると肝心な所だけレースの花柄が重なって、かろうじて見えないようにしてある。

提督「ふわぁぁ…。寝る前にもう少し整理しておくつもりだったけど、もう眠いし、明日にしましょう」ぽふっ…

卓上スタンドを消して、天蓋付きのダブルベッドにもぐり込む。そんなつもりはなかったが、意外に疲れていたのか、提督はあっという間に眠りにひきずりこまれていった…



…今日は以上で、次回からさっきのネタを消化していきます…

53:2017/01/04(水) 00:38:23.45 ID:
期待してくださってグラーチェ(ありがとう)です。よかったら付き合って下さい…


とりあえずポーラのおねだり編から投下します…オリジナル設定なので「ポーラはこんな娘じゃない!」という方がいたらゴメンなさい…艦これ未プレイなもので…


着任数日後…朝の執務室

提督「…雑務にかまけて駆逐艦や潜水艦の娘たちのリストまだ見てなかったけれど、そろそろ覚え始めてあげないと…ね、ライモン?」

ライモン「そうですね…しかし何しろ大所帯ですから…おいおい覚えていきましょう」

提督「そうねぇ…なにしろ開戦前は世界一の潜水艦大国だったものね」

ライモン「確か百隻以上ですか?当初のドイツUボートが57隻だったことを考えるとすごいですね」
(Uボート。ウンター・ゼー(水面下)・ボートの略。通商破壊に猛威を振るった)

提督「戦艦を出し惜しみする分、大物殺しが出来る小型艦艇の整備には熱心だったものね…」


ジリリンッ…ジリリリンッ!なごやかな会話を邪魔するように、古めかしい内線電話が鳴り出し、提督は受話器を取り上げた。

提督「はい、司令室」

カブール「こちら作戦室。イオニア海管区司令部より入電あり。出撃要請です」

提督「了解。詳しくはそっちで聞くわ、すぐ行く。カブール、艦隊を警戒態勢に移行。…ライモン、行きましょう」

ライモン「はい!」

………

作戦室…

提督「なるほど…」

カブール「内容は何でした?敵艦隊とか…?」

提督「いいえ、「ギリシャ沖にて航行中の漁船より通報。船員が深海棲艦らしき姿を視認したとのこと。詳細は不明ながら軽巡C級一、駆逐ハント級三隻程度で構成された水雷戦隊と推測される。タラント第六鎮守府は適切な艦隊をもって出撃し、これを捜索、迎撃せよ」だそうよ」

カブール「偵察艦隊程度ですね…こちらも水雷戦隊一隊で充分でしょう」

提督「本来ならそうね…でも、民間船の通報だから見間違えもあるでしょうし、第二隊が控えている可能性もあるわ…。ギリシャ海軍のレーダーと艦娘たちがあてにならないのは分かっているから、多少大き目の戦力を出撃させましょう」

ライモン「戦艦の皆さんにお願いしますか?」

提督「戦艦…は言い過ぎでしょうから、重巡二隻に軽巡四隻の編成で行くわ。…ある程度水雷戦も意識しているから、軽巡は外せないわね」

カブール「了解。でしたら編成をお願いします」

提督「ええ。…ここで出す初めての出撃命令ね、少し緊張しているわ」

カブール「それではいけませんね。では、私から緊張をほぐすおまじないです♪」ちゅぅぅ…っ、んちゅっ♪

提督「んっ…ぷはぁ///…舌、舌が…っ。…緊張はなくなったけど、かわりに胸がドキドキしてるわ…でも、ありがとう///」

ライモン「…提督、編成してください」じとーっ…


出撃は六隻までの戦隊を最大四つ(24隻)まで出撃できることにしています。それだとバランスよく豪華な艦隊が編成できますので…
今回は哨戒と小艦隊との交戦ですので一個戦隊のみ出撃ですが…


ライモン「では、提督。誰を編成に加えますか?」

提督「そうね、重巡は…ポーラ、フィウメ。旗艦はポーラ。軽巡は、ジュッサーノ級の四隻で揃えるわ」

カブール「了解。では、行きましょう」

食堂…

提督「第一戦隊、編成は重巡ポーラ。フィウメ。軽巡、アルベリコ・ダ・バルビアーノ。アルベルト・ディ・ジュッサーノ。バルトロメオ・コレオーニ。ジョバンニ・デッレ・バンデ・ネーレ。以上。旗艦ポーラ。敵は小艦隊という情報ですが、第二艦隊の出撃、情報の間違いもあり得ます、よく注意すること!」

第一戦隊「了解!」

提督「では、出撃準備にかかれ」


54:2017/01/04(水) 01:18:59.64 ID:
ポーラの口調って、「こ~んな感じでぇ~、伸ばせばいいんですよねぇ~?間違ってたらぁ~、ごめんなさぁい、えへへぇ~♪」

※深海側の艦は戦中に敵だったイギリス艦に似ているという設定で、級名もそれに近いものをつけているということで…つまりその国の艦娘にとっての敵艦に似るらしいということにしておきます…


…鎮守府、埠頭…

提督「今回の出撃は、ここにおける私の最初の出撃です。戦果も重要だけど、全員必ず戻ってくるように!…待っているから」

ポーラ「はぁーい、ポーラに任せてくださいねぇ」

提督(おっとりした雰囲気だけど…実力は相当だってライモンたちからも聞いているし、期待できそうね)

提督「それと、一番頑張った娘には、何でも好きなごほうびをあげるわ♪…もちろん撃沈も大事だけど、仲間を助けたり、上手な回避だって対象になるから、決して火力だけでは決まらないわよ?」ウィンク

ざわっ…!ざわざわ…ひそひそ…


提督「では、出撃、お願いね!」

ポーラ「りょ~うか~い、第一巡洋艦戦隊、抜錨ぉ~」

………

…海上…

ポーラ「Ro43水偵、お願いねぇ~」グォォォン…

フィウメ「さっきから水偵を飛ばしているけど、まるで見当たらないわね…本当にいるのかしら?」

トトン・ツー・トトト・ツー・ツー…

コレオーニ「…!ポーラ、当たりだ!ボクの水偵が捉えたよ!入電中!「敵艦視認!軽巡一、駆逐四!」位置は…ここから近い!」

ポーラ「了解ぁ~い。では、回頭ぉ~、最大戦速ぅ~!」


……鎮守府、作戦室……

カブール「第一戦隊、接敵、交戦中とのこと!敵、軽巡一、駆逐四!」

提督「一隻の違い程度で済んでよかったわ。ただ、まだ安心はできないけれど…どう?」

カブール「現在ポーラより入電中…ポーラ、砲撃により軽巡一、撃沈!ジュッサーノ、雷撃により駆逐艦一を大破、敵航行不能!」

ライモン「わぁ、すごいですね」

提督「いい調子だけど……お願い、油断しちゃだめよ…」…小声で祈る

カブール「さらに入電、ポーラ、駆逐艦一、撃沈!バルビアーノ、砲撃を受けるも被害軽微、反撃により敵駆逐艦、中破」

ライモン「…提督、大丈夫ですよ」ぎゅっ…(後ろから抱きしめる)

提督「ありがとう、確かにね。私が一番信頼してあげなくてはいけないもの…」

カブール「バンデ・ネーレの砲撃により中破の敵駆逐艦、撃沈!…フィウメ、コレオーニ、共同にて敵駆逐艦、撃沈!バルビアーノ、大破の敵艦、撃沈!…やりましたね、敵全滅です!我が方、バルビアーノに微弱な損害、後は無傷です。……提督、良かったですね」

提督「ええ、本当に。さぁ、後は無事に帰って来るだけね」

ライモン「ここまで帰還するのに一時間はかかります、到着は午後になってからですね」

提督「そうね、気をつけて帰ってきて…ね」

………
55:2017/01/04(水) 02:12:47.44 ID:
ジュッサーノ級は中性的な顔立ちで、髪は肩くらいで軽いボブヘアーみたいな感じの艦娘ということで想像してもらえれば…


……鎮守府、埠頭……

ポーラ「第一巡洋艦戦隊、無事帰還しましたぁ~」

提督「ご苦労様、よくやってくれたわ。バルビアーノ、損傷は大丈夫?」

バルビアーノ「平気です。ちょっと駆逐艦の砲撃がかすめただけなので、心配かけてごめんなさい」

提督「そんなのはいいの、あなたが無事でよかったわ…!」ぎゅっ…

バルビアーノ「うわわっ…そんな大げさです」

提督「いいえ、わたしのバルビアーノはあなたしかいないのよ?替えがきくものじゃないの」

バルビアーノ「///…そういってもらえると何だかうれしいです。あの時は敵艦から逃げ切れなくて、なすすべもなく沈んでしまったから…」

提督「つらかったわね…でも、今は違うわ。私がそんな無謀なことには使わせないから。さぁ、大浴場で損傷をいやしてきて?」

バルビアーノ「うん。…ありがとう…私の提督///」


…しばらくして、執務室…

提督「報告は以上ね。さっき言ったけど、やっぱり今日の一番はポーラね。さ、何でも欲しいものを言って?…あ、宝石とかあんまり高いものは買えないからダメよ?」

ポーラ「そうですねぇ~、それならぁ~、ポーラ、ワインが欲しい!」

提督「いいわね、ワインならあるし、あなたの目利きのおかげでいいのがいっぱいあるものね。好きなの飲んでいいわよ?」

ポーラ「うれしいっ♪…でもぉ、一人で飲むのは面白くないからぁ~、提督も付き合ってぇ?」

提督「そうね、出撃も無事こなしたし、バルビアーノの損傷ももう治ったから、祝杯をかねていただきましょうか♪」

ポーラ「はぁ~い♪では~、ポーラぁ、準備しますねぇ~」


……夕食後、寝室の丸テーブル……

ポーラ「じゃ~ん♪バルバレスコのぉ~、一番おいしいの!えへへぇ♪さぁ~、提督もぉ~、お付き合いして下さいねぇ~」きゅぽっ!…とくとくとくっ…

数本置かれたワインからまずポーラが開けたのは北部の有名ワイン「バルバレスコ」。年号も豊作のもので、提督といえどもちょくちょく飲むというわけにはいかないぜいたくな一本。
上手に栓を抜くと、丸みを帯びた口の広いワイングラスに、少しづつ常温に近い赤ワインがそそがれる。お供に並ぶのは楕円の皿に乗った濃い味のチーズいくらかと、多少甘味の強いチョコレート。

提督「あら、確かにいい香り。濃密で芳醇な香りはさすが「バローロ」の対になるだけのことがあるわね…。じゃあ、「カサブランカ」じゃないけど、「君の瞳に乾杯」なんて♪」
(※「カサブランカ」有名な恋愛映画。粋な名台詞と戦中のフランス領カサブランカでの人間模様を描いた傑作)

ポーラ「提督ったら~、お上手ぅ~。かんぱぁ~い」…コンッ♪…くうーっ

ポーラ「う~ん、おいし~いっ♪濃くってぇ~、持ってきたチョコレートにもぉ、ぴったりぃ~♪もう一杯いただきまぁ~す」

提督「ふふっ、確かによく合うわね。樫やクルミの香ばしい風味がチョコレートを引き立てるわ」

ポーラ「さすが提督ぅ~♪よくわかっててぇ、ポーラ、うれしいっ!」

提督「ポーラ、もう酔ってるの?」

ポーラ「ぜ~んぜん?ポーラはぁ、いつもこんななのぉ~」

提督「そう、ならいいわ。酔って流し込むだけなんて、ワインに失礼だものね?」

ポーラ「そうですねぇ~。せっかく~ぅ、楽しめるようになったんだものぉ~、おいしく飲まなきゃ~、いけないですよねぇ~?」
56:2017/01/04(水) 02:42:44.62 ID:
ポーラ「えへへぇ♪三本目ぇ~、いきまぁ~す♪」ぽんっ♪

提督「ポーラ、強いのね…もうその位にしておきましょう?あんまりいっぺんに飲んだらもったいないわ」(ローマの高級レストランなら数千ユーロ分くらいがいっぺんにふっとんだもの…)

ポーラ「じゃあ~、これで最後にするからぁ~、別なごほぉ~びぃ、ポーラにちょうだいっ?」

提督「いいわよ…でも高級ワイン三本って、これだけで結構なごほうびなのよ?」

ポーラ「えへへぇ♪でもぉ~、ポーラぁ、わがままだからぁ、もっと提督のごほうびがほしいっ♪」とくとくとくっ…

提督「え?…って、ちょっとポーラ、こぼしてるわよ!」

ポーラ「ちがうのぉ、提督ぅ、よく見てぇ~」

提督「違う…?って、ポーラっ…まさか///」

ポーラ「えへへぇ♪めしあがれぇ~」ポーラはハイヒールを脱ぎ捨てると伸ばした脚にどぼどぼとワインを注ぎ、たっぷりとワインが染みて濡れたストッキングを提督につき出した。普段のあどけなく可愛い顔はそのままだが、どこかサディスティックな愉悦を感じているような表情が混じっている

提督「え、ええ///いただくわ…///」ぺろっ…ぴちゃっ…れろっ…。提督は床にひざまづいて両手でポーラのすんなりした足を包み込み、くるぶしから舌をはわせた。

ポーラ「えへへぇ♪おいしいでしょ~?」

提督「れろっ…じゅるっ…ええ、おいしいわよ///ポーラって甘いのね…んちゅっ…ちゅるっ、ちゅぷっ…///」

ポーラ「ポーラ、うれしいっ!もっとめしあがれぇ~♪」片手を頬にあてて、軽く首をかしげて提督を見下ろしているポーラは、徐々にワインをふとももの方まで注ぎはじめた。
57:2017/01/04(水) 11:29:37.99 ID:
提督「はぁっ…っん///んちゅ…ぴちゃ…れろっ…///」片手をふとももにずらし、提督は脚を舐めあげていく。すっかり火照ったその表情はしどけなく、瞳だけが熱っぽく、電光を発しそうなほどらんらんときらめいている。

ポーラ「んんっ…ふぅん…///提督ぅ~、いい調子ですよぉ~。ポーラ、ごほうびあげちゃいます♪」そういうとワインの染みこんだ白いストッキングを提督の口元に近づけた。

ポーラ「提督ぅ、脱がせてぇ?ただしぃ~、手は使っちゃだめっ♪えへへぇ♪」

提督「ん…///」提督はいったん脚から手を離すと片手を床について、もう片方の手で髪をかきあげると、ストッキングのつま先をくわえて、ゆっくり引きおろしはじめた。

ポーラ「ベーネ、よくできましたぁ~♪」脱がされたストッキングをみて「えへへぇ」と笑うポーラ。

ポーラ「提督ぅ、目をつぶってぇ~?ポーラ、気分いいからぁ~、もっとごほうびあげちゃう♪」提督は素直に目をつぶる。すると彼女はイスに腰掛けたままひざ上丈のプリーツスカートをたくし上げ、サイドにリボンのついた白い下着をするりと脱ぎ、手でくるくるっと丸めた。

ポーラ「提督ぅ~、あ~ん♪」

提督「ん…ん、ぐっ?!…ん、んーっ///」口にポーラの下着を詰め込まれ、ポーラがそこにワインを注ぎこむ。

ポーラ「どうぞぉ~?めしあがれぇ~♪」にこにこしながら提督のあごに足をあて、くいっと顔をもちあげる。

提督「んっ…///じゅぅ、ちゅう…じゅうっっ…///」絞り出すように下着を吸う提督に、ポーラはけらけらと楽しそうな笑い声をあげる。

ポーラ「はぁい、ごちそうさまぁ~♪よくできましたぁ♪」しばらくワインを染ませた下着をしゃぶらせてから、ポーラは下着を口から取り出した。

提督「けほっ…こほっ、ポーラ、ポーラぁ///」少しむせたのかうるんだ瞳と、口のはたからしたたる銀色の唾液が誘うような色気をかもしだす。

ポーラ「なぁに?提督ぅ~?ポーラはここですよぉ~?」ポーラは言いながら提督の肩に足を当て、起こすように押し当てた。

提督「んっ…」尻もちをついたような姿勢の提督は、はだけ気味のシルクのバスローブから胸元がのぞき、内またにした脚は投げ出され、抑えたライトスタンドのほの暗い灯りで影になっているが、もう少しで大事なところが見えそうになっている
58:2017/01/04(水) 16:52:05.04 ID:
ポーラ「えへへぇ!提督、かわい~ぃ♪」そう言ってポーラはすんなりと長い脚を伸ばして、提督の脚を広げさせた。

提督「ポーラ…?え、ちょっと…ん、あぁっ!あっ、くぅぅ…ひぃ、ん!」優しく、しかし抵抗を許さないように押し広げられた脚の間に、ポーラのつま先がねじ込まれる。提督が驚いて反応できないでいた一瞬の間に、提督の濡れた花芯をポーラの柔らかい足先がなぞり、ぐりぐりとえぐりはじめた。

ポーラ「えへぇ♪気持ちいいでしょ~?そーれぇ、ぐ~りぐりぃ♪」ポーラは片手にワイングラスを持ったまま、にこにこと笑みを浮かべ、容赦なく提督を蹂躙していく

提督「んっ…///んはぁ…ひぃん♪…あっ、あっ、あ…ん♪」ぐちゅり、じゅぶっ…んちゅ…。水音が次第に激しさを増していき、提督の肌に赤みが増していく。ポーラに責めたてられ、提督は汗をしたたらせ、呼吸もかすれたように浅く、時折ねだるような吐息が混じる。

提督「ポーラ…したいなら…私のこと…めちゃくちゃにして…いいのよ?」誰かに甘えたくて、また、「艦娘」として手に入れた身体で覚え、これまで許されなかった甘い欲望をぶつけたくて仕方なかったポーラの気持ちを汲んで、提督は秘所を責めたてられつつも優しく言った。
59:2017/01/04(水) 17:33:17.58 ID:
ポーラ「えへへぇ~、提督ぅ、優しい~っ♪ポーラぁ、うれしくなっちゃう!」提督の誘いの言葉に、ポーラの理性の糸の最後の一本がぶつんと切れた。

ぐちゅっ、ぐじゅっ…!吸いつくようなみだらな音をたてて、ポーラの足先が強く提督の花芯をえぐる。

提督「んあぁぁ!ひぐっ、ポーラぁ!私、いくっ、いくからぁぁ!」ポーラの責めに提督の身体がビクンと跳ねると、優しい声で甘く喘いだ。乱れた髪を床に広げ瞳をうるませ、涎をたらしながら仰向けになった身体をひくひくと震わせているさまは、普段大人の余裕を見せる提督とはかけ離れた乱れ方で、ポーラの欲望を刺激した。

ポーラ「わぁ、提督ぅ、いやらしくてかわいいっ♪ではぁ~今度はぁ~、こっち!」ポーラはイスを降りると、ひざをついた姿勢であおむけになって床に転がっている提督の顔にまたがった。

提督「ええ…もっと気持ちよくしてあげるわね…ポーラ///」顔をあげて、提督はしっとりと濡れたポーラのふとももに吸いつき、跡が残るような強いキスを浴びせると、こんどはそのままポーラの秘部まで舐めあげていった。

ポーラ「うぅん、はぁぁ♪いいのぉ~、ポーラぁ、とっても気持ちいいっ!」ポーラはたくし上げて誘っていたスカートの両手を離すと、提督の後頭部に優しく手を回し、そのまま押さえつけ、さらにもっちりしたふとももで挟み込んだ。提督の上手な舌がポーラの花芯を奥まで差しこまれると、赤ワインと蜜の混じりあった甘露が、提督の顔にしたたった。
60:2017/01/05(木) 01:28:07.54 ID:
提督「じゅるっ…じゅぅぅっ♪…ぬちゅっ…れろっ…んんっ、ぷはぁ♪」提督はポーラのふとももに挟まれ、押さえつけられて、それでも嬉しそうにポーラの花芯を舌でなぞりつづけ、その初々しい奥を探った。提督が舌先で探り当て、ポーラの鋭敏な場所をかき回すと、ポーラの身体がびくっとけいれんし、ひときわ高い嬌声と一緒に、粘っこい蜜が提督にとろとろと垂れてきた。
ぬるりと舌を抜くと、提督はポーラの花開いたみずみずしい花芯を優しく舐め、自分の顔に垂れた蜜も嬉しそうに指で拭い、見せつけるようにきれいに舐めとった。

ポーラ「ん、んぁぁあっ!はぁ、はぁ…熱い…のぉ~♪…提督ぅ…ポーラもぉ、いっちゃったみたい…♪」白いブラウスをはだけさせ、その白いふくよかな胸をあらわにしたポーラは半開きの口で息を荒げ、髪の毛を振り乱して、切ない声をあげた。

提督「ええ、私も…まだうずいてるわ♪…もう気持ち良すぎて、おかしくなりそうだったもの…ポーラ///…ね、もう一戦いきましょうか♪」経験豊富な提督はいたずらっぽい笑みを浮かべ、肩で息をしているポーラの背中に手を回すと、そのまま引き倒した。

ポーラ「気持ちはうれしいけどぉ、ポーラはぁ~、もう息切れしてるのぉ~…あっ、ひぃっん!」ぐちゅっ、ぬちゅっ、ぢゅぷっ!…ポーラの下敷きになった形の提督は、そのままポーラと脚を絡め、互いの秘部を重ね合わせた。とろけたような笑みを浮かべる提督は、ポーラの滑らかなヒップラインをそっと撫で、自分から激しく責めたてていった。

提督「ほぉら、ポーラぁ♪ああ、かわいいっ♪…私にもっと、よがっている顔を見せて?」ぐちゅっ、ぴちゃっ!提督の上に乗せられて、気持ちよくて喘ぎ声の止まらないポーラを、大きな胸にうずめさせて抱きしめ、髪にキスをし耳たぶに甘噛みをし、耳の中まで舐めまわした。
最後は谷間に顔を埋めたまま、こもった甘ったるい叫び声をあげたポーラと一緒に果てた。

提督「はぁぁっ…もう、身体がまだがくがくしてるわ♪ポーラってば、どこでこんなこと覚えたの?ふふ、お姉ちゃんたちといろいろ試したりしたのかしら…///」疲れ果てて提督にのしかかったまま寝息を立てているポーラを、提督は優しく撫でながら、そうは見えない穏やかな微笑をうかべながら妄想にふけった。

提督「さて、と…お姫様をベッドにお連れしないといけないわね…風邪を引いてはいけないもの」提督は半分ほど服の脱げたポーラをお姫様抱っこで持ち上げ、豪華なダブルベッドに寝かせた。それから散らばった下着やら、二人分の蜜でべたべたの身体をどうにかしようと思ったが、ベッドの上に座り込むと、どっと倦怠感が押し寄せてきて、結局ポーラの隣に寝そべった。

ポーラ「えへへぇ…もう飲めませんよぉ、提督ぅ…提督のおっぱいはもういいですからぁ~…」いやらしい夢を楽しんでいるらしいポーラを見ながら、提督はナイトテーブルのスタンドを切り、ポーラの安心しきった寝顔に笑みを浮かべ、ふわふわの布団をかけた。

提督「おやすみ、ポーラ。またしましょうね…♪」さわっ…ポーラの柔らかい身体を抱き枕にして、提督は眠りに落ちた
61:2017/01/05(木) 01:32:52.62 ID:
………

…翌朝…

ライモン「おはようございます、提督。0700時です。そろそろ起床の時間です…よ?」

軽いノックのあと、寝室に入ったライモンは眉をひそめた。普段物を散らかしたままにしたことなどない提督にしては、ずいぶんと物が散乱していた。ワインの空き瓶に転がっているグラス、食べかけたままのチーズとチョコレート。他にもくしゃくしゃになったまま放り出されたブラウスやらストッキングやら…


ライモン「まぁ、昨日は初出撃も成功しましたし、祝杯を兼ねて飲み過ぎた、といったところですか…」散らかったものを片づけようとして、ライモンは黒いレースのと、白に赤いサイドリボンつきの下着があることに気が付いた。

ライモン「提督の下着だけではないような…」予感がしたライモンはベッドのカーテンを開けた。

ライモン「…そういうことですか。はぁ…全く…」あきれたように両手を上に向け、ため息をついた。


こんなことだろうとは思っていたが、普段から機会さえあれば甘い言葉を優しくささやき、しぐさの端々に誘うような態度が表れる提督ゆえに、その気がある艦娘たちはうずうずし、そこまで大胆に振る舞えない娘たちさえ、寝台の中でいけない妄想にふけっては悶々としていることは知っていた。むしろ提督、艦娘ともによく我慢していたものだと、ライモンは妙に感心した。


ライモン「提督、おはようございます」服を乱れさせたまま、隣ですやすやと寝息をたてているポーラは見ないことにする。

提督「うーん…おはよう、ライモン…っ」しっかり目がさめたのか、微妙にこわばった微笑で答える提督

ライモン「おはようございます、0700時です。お目覚めのためにコーヒーでもお持ちしましょうか?ポーラさんの分も淹れてきますよ?」

提督「あ、えーと…その、ライモン、あのね…」(あー…これ、ベネチアの時もこんなことあったような…あの時は平謝りして許してもらったのよね…)

ライモン「ええ、わかっています。わたしも提督と楽しませていただいたことがありますから…ですがこれは、少し…きゃあ!?」

ポーラ「おはよ~ぅ。提督ぅ、それにライモンド♪ポーラはぁ、まだ足りないのぉ~。ライモンドも味見しちゃお~ぅ♪」いたずらっぽく笑いながらライモンをベッドに引きずりこもうとする

ライモン「ポーラさんっ、わたしはそんなつもりありませんし、そもそも朝からなんて…っ?」

提督「ふふふっ、そうね♪どうせなら、朝からもう一戦いってみましょうか♪」ニヤリ

ポーラ「決まりぃ~♪さぁ~、ライモンドぉ~、おいでぇ~?」ぐいぐぃっ

ライモン「しません…ってば!もう、提督も早く着替えてくださいね」

ポーラ「あらぁ~、きらわれちゃったぁ~」

ライモン「別にポーラさんのことは嫌いではありませんよ。ただ、わたしはわがままなので…提督と目の前でいちゃいちゃされるのが少し妬けてきちゃうだけです」

ポーラ「…ライモンドぉ~、ごめんねぇ~。ポーラはぁ、新しいこの身体でぇ、提督に甘えてみたかったのぉ~」

提督「…ごめんなさい、ライモン。不愉快な気分よね。私に平手打ちしてくれて構わないわ。でもポーラは本当に甘えてみたかっただけなの、私から言うのもおこがましいけれど、できれば許してあげてほしいわ」

ライモン「はぁ…わかっています。そのうちこうなるだろうなとは思っていましたから。…でも、今度ポーラさんとするときはわたしも呼んで下さいね。ポーラさんの味見、私もしてみますから///」

ポーラ「えへへぇ♪ポーラ、頑張ってぇライモンドにぃ~、いっぱいしてあげるっ♪」

提督「ありがとう、ライモン。…今度は二人きりで、好きなだけさせてあげるからね///」ぼそっ

ライモン「約束ですからね?では、食堂で待っています」パタン…

ポーラ「提督ぅ~、ライモンドってぇ~、本当にいい娘ねぇ~?」

提督「そうね。みんないい娘で、私にはもったいないくらい。…目移りしそうだけど」くすっ

ポーラ「もうしてるわよぉ~、でもぉ、提督はぁ、優しいからぁ~、ポーラ大好きっ!」

提督「ありがとう、ポーラ。今後ともよろしくね♪」
62:2017/01/05(木) 01:45:58.23 ID:
はぁぁ…ちょっと気合いいれて書いてみましたが、どうだったでしょうか。イメージでは出来上がっていても書いてみるとありふれた表現だったり、描写が丁寧じゃないなー…と思ったりしてます

おっとりな感じのS気質キャラはなかなか面白かったです、そのうちまたポーラを活かす機会を作りたいですね

ライモンはもっと何でもそつなくこなすタイプのつもりでいたのが、いつの間にか良くできた苦労人気質に…報われる機会も設けてあげる予定です


甘い糖衣の後は苦い薬という訳で、そろそろ苦行の駆逐艦、潜水艦紹介に入ろうかなと思ってます。級がおおいので書くのが…でもアメリカじゃなくてよかったです…フレッチャー級駆逐艦だけで(たしか)175隻ですからね…

63:2017/01/05(木) 02:36:44.70 ID:
では、いよいよ駆逐艦紹介を…二、三回に分けてちょっとづつ投下していきます。あと、補助艦艇は何隻かだけピックアップしてそのうち…たいてい厨房の担当をしてくれていると思って下さい


……鎮守府、作戦室……

ライモン「提督、駆逐艦のリストです」

提督「ありがとう、ライモン。多いけど、それぞれに人格があって、戦中の歴史があるんだもの。おろそかにはできないわね」

ライモン「はい。提督のその気持ち、言葉にしなくてもきっとみんなに伝わっています」

提督「そう思うけど、でも、できるだけ言葉にしていくわ…さて、と」



駆逐艦リスト…(未配属艦は特に書き込んでおきます)


ミラベロ級。1916~17年生まれ。二隻
第一次大戦時の最新鋭であった嚮導駆逐艦で、元は三隻いたが1920年に一隻が触雷、沈没。
当時としては破格の大きさだった1300トン級で、兵装も102ミリ単装砲八門、舷側配置の450ミリ連装魚雷発射管二基、40ミリ機銃二基と強力だった。第二次大戦にも駆逐艦不足から投入され、徐々に対空機銃を増やした船団護衛用の兵装に換装されながら戦った。
ネームシップの「カルロ・ミラベロ」は戦没しているが、「アウグスト・リボティ」は戦中を生き抜き、賠償でソ連に引き渡される予定だったが旧式だったので廃棄された。


鎮守府では旧式で二隻のみと艦隊行動には向かないので、近海の哨戒、鎮守府の護衛を行っている。二人とも中学生くらいに見える白に三色旗の細い縁取りが施されたセーラー服スタイルだが、艦齢が高いせいか妙に耳年増で、提督の言葉やしぐさに悶々としている。



レオーネ級。1924年生まれ。三隻
ミラベロ級と同時期に生産する予定が資源不足で起工できず、戦後改めて生産した駆逐艦。
兵装の改良と船型の拡大で余裕ができ、120ミリ連装砲四基、40ミリ機銃二基、13ミリ機銃四基と増強。特に中心線上に配置できた533ミリ連装魚雷発射管二基は左右両方に向けられる分戦闘力が増した。
戦中はアビシニア(今のエチオピア)のイタリア植民地で孤立。最後は港を出て英艦隊相手に突撃を試みるも、レオーネは座礁、残る「パンテーラ」「ティグレ」は航空攻撃で大破、自沈した。それぞれ艦名は「ライオン」「豹」「虎」と肉食獣の名前がついている


鎮守府では金色のたてがみのような髪のレオーネ、忍びあしと木登りが得意で身軽、ヒョウ柄のストッキングを良く身に付けているパンテーラ、大きさの割に堂々としたティグレと、艦名が性格に反映されている。いずれも遠く離れたアビシニアにいたせいか褐色で、どんな敵にも向かっていく勇敢さは頼もしいがハラハラするほど。提督の思わせぶりな言動のせいで発情期だとか…



セラ級。1926~27年生まれ。二隻(未配属)
第一次大戦型駆逐艦の改良型。本来四隻いたが二隻はスウェーデンに売却された。
120ミリ連装砲二基、533ミリ連装魚雷発射管二基、40ミリ機銃、13ミリ機銃それぞれ二基とかなりの兵装を、955トンの小さい船体に搭載した。
二隻とも戦没しているが、「フランチェスコ・クリスピ」はドイツに接収され、TA15として戦没した。


二隻で艦隊編成が難しいうえ、小柄で戦闘には向かないとの司令部判断で鎮守府には配属されていない。が、提督は建造して活躍の場を見つけてあげるべきと考えている。小学生と言われてもおかしくない小柄な娘だが、艦齢の高い分意外とに物知りで知り合いも多い。



…つかれたので今日はここまで…またお会いしましょう

65:2017/01/05(木) 19:33:48.41 ID:
期待してくれる皆さまありがとうございます、やっぱり感想があるとうれしいです…遅くてごめんなさいね

…投下します


提督「次は…」提督は艦艇簿をめくった


サウロ級。1926~27年生まれ。四隻
セラ級の拡大型。重量が1000トンまで増え、533ミリ魚雷発射管が三連装二基になっている。
120ミリ連装砲二基、533ミリ三連装魚雷二基、40ミリ機銃二基、13ミリ機銃二基の兵装はしばらく駆逐艦の標準装備として定着していた。

四隻とも紅海アビシニアに配属されていたが、それ以前に交戦し失われた三番艦「フランチェスコ・ヌロ」以外はレオーネ級と同じくイギリス軍の攻撃を受け、軍港から強行突撃をかけ戦没・自沈した。


小柄な身体に強力な兵装、額でぱっつんにしたおかっぱ風の髪型にカチューシャやリボンでアクセントをつけている。
「死なばもろとも」と負けそうになると目のハイライトが消えて熱くなることが多いが、提督の教育のおかげで、刺し違え以外の方法も模索中。
66:2017/01/05(木) 19:38:46.42 ID:
駆逐艦と交流()する提督…胸が熱くなるな
67:2017/01/05(木) 20:19:48.61 ID:
戦闘ばかりで酷使されてきた戦中の駆逐艦にいろいろ教えて堕落させることもきっとあるはずなのでご期待下さい…

タイトルはきっと
Torpedo Slinger Girl「…少女たちに与えらえたのは、大きな魚雷と、小さな幸せ」(ゴメンなさい)


投下します


トゥルビーネ級。1927~28年生まれ。八隻。
サウロ級の速度向上型。セラ級からレイアウトも性能も少しづつ向上しているが、そこまで変わらない。
いずれも風に関係のある艦名で、「ネンボ」(雨雲。英語でいうニンバス)などもある。兵装はサウロ級と変わらず。
戦中はリビア向け船団の護衛や輸送任務に明け暮れ、いずれも撃沈された。

ネームシップ「トゥルビーネ」(タービン。むしろ旋風の意味?)はイタリア休戦時にドイツに接収、最後ドイツ駆逐艦TA14として戦没した。


鎮守府ではまた会えた喜びから八隻で楽しくわいわいやっている。
折れ線迷彩風の服と、風に関係ある装身具を持っている。よく走り回り手伝ってくれるいい子たち。噂では風を呼ぶことがあるとも…



ナヴィガトリ(航海者)級。1929~31年生まれ。十二隻
第一次大戦後、フランス海軍の大型駆逐艦「シャカル(ジャッカル)級」に対抗するため、レイアウトを変更して建造された駆逐艦。
兵装はサウロ級とほぼ同じだが、120ミリ連装砲が前後の二基から、艦首、中央部プラットホーム上、艦尾の三基に増えた。
イタリアの航海者の名を取っていることから「ナヴィガトリ」級と言われる。

「アントニオ・ピガフェッタ」は43年休戦時ドイツに渡すまいと自沈したものの、ドイツ海軍に浮揚されTA44となりドイツ艦として、また「アントニオット・ウソディマーレ」は友軍潜水艦に誤射されいずれも撃沈された。無事だったのは三番艦「ニコロソ・ダ・レッコ」だけと、厳しい戦闘に投入されたイタリア駆逐艦をよく表している。


鎮守府では当時の航海者風で裾の長い上着にハイブーツ。マスト、測距装置をよけて斜めにかぶった三角帽子に、小脇に挟んだ望遠鏡がトレードマーク。
そんなことはもうないとわかっているが、ウソディマーレは潜水艦が苦手で避け気味。
あちこち航海して回っただけあり海に詳しく、知らないことにも興味深々。「百合」なるものも気になるお年頃か
68:2017/01/05(木) 20:53:03.28 ID:
駆逐艦紹介はまだ続きます…似たような性格の艦を数隻づつ作っていたのがイタリア艦の特徴で、兵装が強力な割に大きさが小さいので、長距離の航海には向かない感じです。やっぱり地中海だったので…



フレッチア(電光)級。1931~32年生まれ。四隻
当時の新型軽巡(ジュッサーノ級)についていけるよう設計された艦隊駆逐艦。兵装はサウロ級以来大して変化がない分、1200トンで高速が出せるようレイアウトを改めた。しかし設計に無理がありバラストを積んだせいで、結局想定していた速度は出せなくなった。
いずれも雷や電光といった艦名がついている。
四隻とも戦没しているが、「ダルド」(矢・稲妻)はドイツ海軍駆逐艦TA31として敗戦時自沈、「ストラーレ」は42年座礁沈没と異色。


鎮守府にいる四隻は電光と言うだけあって、雨雲をイメージした黒と灰色の制服によく映える雷の形をしたピアスや飾り物をしている。黄色っぽい金髪もはねていてどこか稲妻に見える(種デスティニーの「タリア艦長」みたいな髪型だったり妙な稲妻みたいなアホ毛)。どうやってセットするのかは謎。



フォルゴーレ(稲妻)級。1932年生まれ。四隻
フレッチア級が言うほど速度を出せなかったので、幅を細めて速度を高めようとした。ほとんど同じなのでフレッチア第二グループとして扱われることも。
結局フレッチア級のトップヘビーを改善しなかったので結果は変わらず、やっぱりバラストを積んだりして速度の低下をおこした。41年に戦没した「バレーノ」「フルミーネ」の二隻をのぞいて対空兵装強化を行い、輸送船団の護衛に従事していずれも戦没した。


フォルゴーレは稲妻というだけあって、金髪が日に当たるときらりと光って見える。普段は出来のいい姉をやっているが、フレッチア第二グループとされるとお姉ちゃんに甘えられるかわりネームシップでなくなってしまうので複雑。
みんな怒ると大きさに似合わず怖いが、すぐ収まってしまうのは稲妻だからか。
末妹「ランポ」は一度浮揚され、今度は航空攻撃で撃沈されたためか、「二度あることは三度ある」を恐れている。かなりの怖がり
69:2017/01/05(木) 21:18:56.53 ID:
マエストラーレ級。1934年生まれ。四隻
フレッチア・フォルゴーレ級で失敗した分、慎重にバランスをとって設計した駆逐艦。
無理に小型にしようとせず、排水量が1600トンまで増えたが、その分余裕ができたことで改造の余地が生まれ、速度低下の原因になる安定性低下やバラスト搭載もせずに済んだため高速を出すことができた。120ミリ連装砲二基、533ミリ三連装魚雷二基とごく標準の兵装だった。

以後の駆逐艦はこの級をベースにしたくらいの安定感で、戦中は機会の少なかった雷装や砲を対空機銃に変えて護衛任務や戦闘に駆け回った。
64年除籍の「グレカーレ」を除いていずれも戦没。


鎮守府では明るい灰色のセーラーに三色旗の縁取りと、中学生くらいに見える駆逐艦らしい格好をしている。北アフリカ船団援護が多かったせいかリベッチオをはじめ褐色だが、他の級も北アフリカ援護をこなしていたのになぜマエストラーレたちだけ褐色なのかは不明。
グレカーレは除籍が同年という関係からライモンと付き合いがある。



オリアーニ級。1937年生まれ。四隻。
マエストラーレ級のバランスの良さを引き継ぎ、ほぼ変化なしで建造された駆逐艦。公称39ノットだが、実際は(イタリア艦のだいたいは)造船所のごまかしで33ノットがせいぜい。艦の割に艦橋構造や探照灯の台が大きい。
戦中にドイツのレーダーを搭載したというが詳しくは不明。

三隻は戦没したが、ネームシップ「アルフレド・オリアーニ」は戦後賠償でフランスにわたっている。


マエストラーレの四人にそっくりだが褐色ではないので見分けは付く。オリアーニは金髪にフランス海軍の赤・白・青の三色リボンをつけていて、気に入らないから外したいが、姉妹と見分けがつかないのも困るだろうと我慢してつけている。そのうちに提督がリボンを外せるアイデアを出す予定。

70:2017/01/05(木) 21:39:54.41 ID:
ソルダティ(兵士・兵種)級。1938~42年生まれ。第一グループ十二隻・第二グループ七隻(うち完成五隻)
第二次大戦前に建造した最後の駆逐艦。兵種を艦名にとったことから「ソルダティ」級と言われる。

機関換装でマエストラーレ・オリアーニ級より高速を目指しただけでそこまで大きく変化はない。戦中生まれの第二グループは対空機銃を増備し兵装が違うが、結局第一グループも対空機銃の増備をしたので変わらなくなった。第一グループの「カミチア・ネラ」は救助にあたった「アルティリエーレ」の名を受け継ぎ「アルティリエーレ」(Ⅱ)となり、「フチリエーレ」と共に戦後ソ連に渡された。
戦中開発していたEC3レーダー「グフォ」を搭載する予定だったが結局ほとんど搭載されなかった模様。

第一グループでは軍警察を意味する「カラビニエーレ」と擲弾兵「グラナティエーレ」の二隻が無事戦中を生きのび65年、58年にそれぞれ除籍された。
第二グループでは「レジオナリオ」「ミリタリエーレ」「ヴェリーテ」が戦後フランスに渡された。


一番大きな駆逐艦グループを形成するだけあり、個々の来歴や戦後の落ち着き先の影響から格好が様々。1600~1900トン級と大きさもバラバラだったため、身長が近い割に豊満体型だったりスマートだったりする。複雑な折れ線迷彩も多く、艦隊駆逐艦のお洒落担当。兵装バランスもよく、巡洋艦との組み合わせは良好
71:2017/01/06(金) 01:34:14.81 ID:
やっと駆逐艦が終わりました…第二次大戦当初に負けたフランスから鹵獲した駆逐艦や第一次大戦の賠償でオーストリアから得た駆逐艦も数隻ありますが、その辺は止めておきます…

駆逐艦とおねロリしてほしいという声が聞こえてきたような気がしたので、次は提督と駆逐艦で一つ…


………

また数日たったある日…鎮守府・食堂…


ライモン「提督、出来ましたよ?そうまずくはないはずです」

提督の前に出されているのは遅い昼食。1400時にもなって昼食というのはいくら何でも遅すぎるが、この日は朝からどっと送られてきた着任関係の書類整理に追われていたので、まともに時計を見ている暇もなかった。

提督は「行ってきていいわ」と言ったのだが、まるで当然のことのようにライモンは付き合ってくれ、書類の山をさばくのを手伝ってくれた。
もちろん厨房の艦娘たちは作りおいてくれようとしたが、後からあとからわいてくる皿を片づける、その面倒さをわかっている提督は片づけていいと先に言っておいたので、数人がお茶を楽しむだけの閑散とした食堂で、二人きりの昼食を迎えていた。



提督「さすがにお腹がすいたわ…」そのメリハリの効いた体型のため意外とわからないが、提督の食道楽はかなりのもので、栄養が胸と頭脳と百合的欲求に行かなくなったら、あっという間にサラダだけの食生活を送るハメになるのは間違いないほど、おいしいものを頂くことに関してはうるさかった。

ライモン「全くです…一気に送ってこないでくれれば助かるのですが…」一方のライモンもこの姿になってから様々な味を楽しむことができるようになり、なんでもそつなくこなせることもあって、料理が得意といえるほどになっていた。

提督「まぁ、九月の新年度を待たないで(欧米は新年度が九月から)中途半端な時期に来たから…まぁ、そんなことはいいわ。おいしそうよ、ライモン」


提督の前に置かれているのは若草色の縁取りも鮮やかなパスタ皿で、きれいにひねって盛り付けたパスタが湯気をたてて鎮座している。
淡い緑のものは春キャベツで、輪切りのトウガラシがあちこちに散らばって、春の地面に咲いた早咲きの花のように見える。

ライモン「冷めないうちにどうぞ」

提督「そうね。ん…」するっ…。くるくるとフォークでパスタを巻き取り、口に運び入れた。


濃いソースのかかっていないパスタは南部のパスタ、アーリオ・オーリオ・イ・ペペロンチーニ(いわゆるペペロンチーノ)のアレンジ版で、ニンニクと唐辛子をオリーブオイルの中でゆっくり温め、風味が染みだしたところでアンチョビをくわえてほぐし、そこにパスタと、途中でパスタ鍋に入れて一緒に茹でた若いキャベツを湯切りして入れ、軽く火をかけながら和えたもので、ふんわり柔らかく甘いキャベツと、ピリリと辛みの効いた唐辛子オイルの刺激、ニンニクの香ばしさがほどよく合わさり、シンプルで難しいのによくできていた。


提督「おいしい。パスタがフェデリーニ(細めのパスタ)だからうまく絡んで…いいわね」

ライモン「よかったです。ではわたしも…もくもく…む、ん…こくん…ああ、前回よりおいしくできました、前回は塩を遠慮しすぎて薄かったので…」

提督「そう?でも今回はちょうどよかったわ、満点ね♪それと、ライモン。味付けは薄いくらいでちょうどいいのよ?濃かったら手におえないし、薄かったらそれぞれで調整できるもの」

ライモン「確かにそうですね、これからは薄めに作るようにします」

提督「それがいいわ…どうしたの?」提督が視線を向けた先には、駆逐艦が二人座っていて、物欲しそうに提督を見ている。

提督「よかったらここに座る?」ポンポンと隣の椅子を軽く叩く

駆逐艦「いいの?ライモンドお姉ちゃんの邪魔にならない?」

提督「ライモン?いいかしら?」小首を傾げてライモンを見る

ライモン「いけないというのは酷でしょう…普段は二人きりでいさせてもらえるのですし…二人とも、ライモンドは構いませんよ?提督の横に座ったらどうですか?」

駆逐艦「ありがとう、お姉ちゃん。…よいしょ!」ふたりはぽふっと可愛らしい音を立てて提督の左右の席に飛び乗ると、それぞれ提督の方を向いた。

駆逐艦「提督、朝から晩まで大変ね。尊敬しちゃうなぁ…そういえば、私たちのこともう覚えてくれた?いっぱいいるからまだかな…」

提督「ふふ、ミラベロ級でしょう?二人でいるし、その迷彩に頭文字も入っているじゃない?」
(※戦中イタリア駆逐艦には艦首に頭文字のアルファベット二文字が入っていた。艦娘の駆逐艦も襟元や裾に刺繍がされている)


ミラベロ級「そうだったね。私はミラベロ級一番艦、カルロ・ミラベロ。小さいからあんまりお役には立てないけど、よろしくね、提督」

ミラベロ級「そして私が妹のアウグスト・リボティ。こちらもよろしくね」

提督「よろしくお願いするわね。なりこそ大きいけれど、経験は二人のほうがずっと上だもの。いろいろ教えてくれると嬉しいわ?」

ミラベロ「いろいろ…「いろいろ」って…しかも「経験豊富」…私たちが…///」かぁぁ…

リボティ「姉さんと…私で、提督に「いろいろ」…教える…///」ぽっ…
72:2017/01/06(金) 02:23:10.99 ID:
ライモン「あまりからかうものではありませんよ…提督。二人とも、提督の思わせぶりな台詞はいつものことですから、あまり真に受けちゃだめですよ」

ミラベロ「そう?でもライモンドお姉ちゃんがわざわざそういうってことは、嫉妬してるからじゃないの?」

ライモン「嫉妬、って…。あの、ミラベロ?私の方が確かに生まれは遅いですよ、でも年下相手だからってそういうからかい方はするものじゃないと思います」

提督「そういえばそうね…ライモンの方がミラベロ級より年下なのね…」ふたりを交互に見る

ライモン「ええ、そうです。ミラベロ級のお二人は生まれが古いので、むしろ年上を探すのが難しいくらいですよ」

リボティ「おばさん扱いはやめてほしいな、ライモンドお姉ちゃん。身体には張りがあるし、肌だってつやつやでしょ?」自分の頬を指でつつく

ライモン「お姉ちゃん…って、わたしの妹はアッテンドーロだけだし、大きく含めてもアオスタたちくらいなものです。あんまりからかわないでください」

リボティ「いいじゃない。結局大きさで行けばお姉ちゃんはライモンドだし?…って、二人ともおいしそうなもの食べてるねぇ!」きらきらした目で皿を見つめる

ミラベロ「本当だわ、おいしそう!いい匂いがしていると思ったらこれだったのね」身を乗り出してパスタを眺める

提督「味見する?ライモンのお手製で、とってもおいしいわ」二人の子供みたいな行動にふふっ、と微笑む

ミラベロ「うーん…いえ、遠慮しておくわ」あきらめたように肩をすくめた

提督「どうして?唐辛子が入ってるから?」

ミラベロ「ライモンドお姉ちゃんが提督だけに食べさせたかったんでしょ?私たちが食べたら横取りになっちゃうもの」わかり切っているという口調で言い切った

リボティ「それに提督と熱い午後を過ごしたいから、ライモンドお姉ちゃんが「特別なスパイス」でも入れてあるかもしれない。身体の奥がじんじんするような、ね?」ライモンをからかうようにつぶやく

ライモン「そんなことしませんよ、むしろ提督の色欲を減退させるような薬でも盛りたいくらいです」はぁ…

ミラベロ「あらまぁ。提督ったら、もうお嫁さんと倦怠期?」

リボティ「ちょっと早過ぎない?一週間たったか経たないかだよ?」

ライモン「お嫁さんではなく秘書艦ですし、倦怠期もまだです!」

提督「そうね、まだまだ熱いわ♪」パチッと一つウィンクを送る

ライモン「…///」顔を赤らめて少しうつむく

ミラベロ「みたいね…じゃあ、一口ちょうだい?」

リボティ「こんなに熱々なら一口くらい取ったって大丈夫だろうし…あーん」

提督「仕方ないわね。はい、あーん♪」交互に二人の口に入れてあげる

リボティ「うん、おいしいよ。ライモンドお姉ちゃんが愛をこめているんだもの。…一口分盗んじゃったけどね?」

ミラベロ「ニンニクの香りがよくきいていてよかったわ。もっとも甘すぎたけど…。ライモンドお姉ちゃんの愛がこもりすぎてて砂糖みたい」

ライモン「あぁ、もう…口が減らないのは相変わらずですか」

リボティ「その分お腹がへっているよ?だからもう一口、その愛を盗ませてくれない?」

提督「仕方ないわね…私の恋人の愛なんだから、よく味わって食べて?本当は全部独り占めしたいのだから、ね?」

ライモン「けほっ…!もう、提督まで…///」

ミラベロ「ふふ。…でもこれ以上お邪魔したら愛を育めなくなるわね。…提督、ライモンドお姉ちゃん、チャオ!」

リボティ「そうだね。ではごちそうさま。ついでにこちらもごちそうさま」そう言ってリボティは口元をナプキンで拭うと、提督の唇ぎりぎりのところにキスをした。それからふたりは椅子から跳ねるようにして降りると出口まで行き、ミラベロは投げキッスを、リボティは指をピストルの形にして「バーン」とジェスチャーをつけて出て行った。





74:2017/01/06(金) 14:00:36.53 ID:
感想ありがとうございます、せっかくなのでそのコメントも使わせてもらいます…では、参ります

………


提督「おませさんな駆逐艦ね…♪かわいいこと」

ライモン「いつもああですから、時々持て余すんですが…年上だし、駆逐艦とはいえ子供扱いも失礼ですから何とも…」やれやれと言った具合に肩をすくめた

提督「ふぅん…?私のライモンを振り回すようなら、お茶目さんたちにも少し教育してあげないとね…♪」ボソッ


提督はなにやらつぶやいて、それから残っていたパスタを冷めないうちに頂いた。
最後は紅茶で口の中をさっぱりさせて、片づけもしようとするライモンを抑えてエプロンを借り、制服の上着を脱いだブラウス姿でお皿を洗った。それから首を回して伸びをすると、まだ少し残っている執務の続きに戻った。




……その日の夜。鎮守府・ミラベロ級の部屋……


コンコン…

ミラベロ「はぁい?どなた?」

提督「私だけど…お邪魔していいかしら?」

リボティ「あとは寝るだけだし、むしろうれしいよ、どうぞ?」


ガチャ…

二人の部屋に入ってきた提督は、貴婦人みたいな長い白のナイトガウンをきっちりと着込み、ふわふわのスリッパをはき、二人の可愛らしい部屋を微笑みながら見回すと、ドアを閉めて鍵をかけた。

ミラベロ「鍵はかけなくてもいいのに。物をとるような人はいないわよ?」

提督「そうかしら、私は取られたのだけど?」

リボティ「それは聞き捨てならないね?提督のためだし、よかったら犯人探しを手伝おうか?」

提督「ありがとう、リボティ。でもね、犯人も取られたものも、もうわかっているのよ…?」ぱさっ…

ミラベロ「そうなの…っ!?」

75:2017/01/07(土) 01:33:42.77 ID:
…ナイトガウンをするりと脱ぎ捨てた提督が下に着ていたのは妖しげな黒いベビードールにランジェリー、レースのストッキングとガーターベルトで、下が透けて見えるほど薄く、その艶のある白っぽい肌を生地の下からのぞかせていた。

ベビードールの胸元は細いリボンで寄せられていて、もとより大きい胸をさらに強調し、ふともものガーターからはみずみずしく滑らかな肌がはち切れそうになって見せつけられている。


リボティ「いったい…どういうつもりなのかな」リボティは顔を真っ赤にしてそっぽを向きつつも、そのもっちりした身体のラインに視線は釘付けのまま、絞り出すように言った。

提督「ふふ、お昼に取られたライモンの愛の一口、やっぱり惜しくなったから取り返しにきたわ♪」ベッドに腰掛けていたリボティににじり寄る。

ミラベロ「そんなこと言っても、もう私の一部になっちゃったもの、返してはあげられないわ」恥ずかしげに手で顔を覆いつつも、ミラベロは指の隙間から提督の魅惑的な身体を凝視した。


提督「大丈夫…♪アモーレ・ミオ(愛しい人)の愛のかけら、ちゃあんと…返してもらうわ♪」ぐいっ…どさっ!

ミラベロ「きゃっ!何をするのっ…!?ん…んーっ!」ちゅうぅぅ…


提督はリボティに向かうと見せかけてミラベロをベッドに押し倒し、あおむけになったミラベロの上で四つんばいになると、驚いて半開きになったミラベロの口に軽くキスをし、そのまま舌を滑り込ませた。


ミラベロ「ぅ…んんっ!はぁ…はぁ…はぁ、はひぃぃ…///」(あぁ、すごい、すごいっ!こんなの知らないっ!…大人のキスってこうなのね…!もう、身体がうずいて…いきそう…っ///)

提督は脚をバタバタさせるミラベロにのしかかり、両の頬を手でしっかり押さえ、数分はかかった長い熱いキスを終えると舌を抜き、どこか甘ったるいような笑みを浮かべながら、唾液の糸を引いた口元をじゅるりと舐めた。

一方のミラベロの両脚をだらんと投げ出したまま、身体をひくひくと引きつらせ、焦点の合わない瞳はぼーっと天井に向けられ、半開きの口からはだらしなく銀色のよだれを垂らし、その垂れた唾液が鎖骨にこぼれていた。


提督「んふふっ♪…ぺろっ…んちゅっ…れろっ…」無抵抗になったのをいいことに、提督はそのまま舌をはわせて鎖骨の唾液を舐め、さらに首筋まで舐めあげた。(可愛い反応♪…もっとお姉さんがいろいろ教えて、めくるめく「百合の花園」に連れて行ってあげるわね…♪)

ミラベロ「ひぅ…!あっ…あっ…あっ♪」かすれたような声で喘ぐミラベロは、寝間着のネグリジェから伸びるほっそりした脚をこすり合わせて、切ない声を上げた。最後に一つかん高い喘ぎ声をあげると、くたっとなってベッドに身体を投げ出した。


提督「♪…さあ、今度はリボティの番よ?私、昼に「バーン」ってされて、ハートを撃ち抜かれたもの♪我慢していた七時間分のキスをもらうわね?」


すっかりとろけきっているミラベロを離すと、提督はベッドから四つんばいになってリボティに近づいた。

一方、ミラベロがあっという間にとろけた様子で堕ちたのを見たリボティは、少しおびえたような顔をしているものの、見聞きしているだけで味わったことのない快感を体験できるとあって、恥ずかしげにしながらも瞳を輝かせていた。


提督「いけない怪盗さんね?人のハートを撃ちぬいておきながら、お礼もせずに去っていくなんて。そういういけない人には、ちゃんとお仕置きが必要よね?」

リボティ「仕方ないよ。何しろ恋は疾風のように吹き荒れ、蜃気楼のようにつかみどころがないんだから、ね…っ!?」んちゅぅぅ…くちゅっ♪


大人な口説き方はなかなかよくできるリボティだが、こちらも耳年増というだけで、実戦の経験はまるでない。
それが提督には子供の背伸びに見えて、母性愛的な愛情と、自分の娘に手をかけるような背徳感が混じりあった、理性を失わせるほどの欲望を感じさせた。

…結果、提督はベッドに腰掛けていたリボティを押し倒し、自分は床に膝立ちのまま、舌を絡める濃厚なキスを浴びせた。


リボティ「んぁ…んちゅぅ…くちゅ…ちゅるっ…///はぁぁ、すごいねぇ…下半身が…甘くしびれているよ…まるで、人魚姫だ…///」んちゅぅ…くちゅり…

提督「でも、人魚姫は痛みを覚えるのよ?それに声も出なくなるってお話にはあったわよ?」れろっ…じゅるっ、ぴちゃっ…

リボティ「そうだろうね…ああっ、ひぐっ!…こんなに気持ちいいことだったら、人魚姫も…っん、ひぁぁ!…すぐ…脚を生やしてもらっちゃうだろうし…こんなに責められたら…声も…でなくなるよ……っ、んぁぁっ!」くちゅっ…れろっ。年の差を考えないような熱っぽいキスを続けると、リボティもすっかりとろけたような表情でベッドに倒れ込んだ。


すると提督は普段の愛おしむような微笑ではなく、むしろいやらしい笑みを浮かべ、二人を引っ張って立たせると首筋にしがみつかせ、ベビードールの前を開くと、胸に吸いつかせた。


76:2017/01/07(土) 02:37:12.15 ID:
提督「ほぉら、吸ってみて♪…好きなだけ揉んでもいいし、甘噛みしてもいいわよ?」


ミラベロ「う…っん///ちゅぷっ…ちゅうっ…///」くにっ…もみっ…

リボティ「ん…ふ…ちゅうぅ…///」むにっ…むにゅっ…

提督「あらあら…可愛い娘が二人できたみたい…でもね…♪」


提督は小柄とはいえしがみつかせた二人をいっぺんに持ち上げようとして少しふらつき、それでも倒れることなく持ち上げると、そのまま腰に脚を絡めている二人の花芯を左右の人差し指で同時にまさぐり始めた。くちゅりと水音が響き、二人が次第にひくついてしっとりと汗を流し始めた。

…提督は時々二人の頭にキスしたり、頬を舐めたりしながら、次第に水音を増していく花芯を人差し指でかき回した。秘所を巧みに責められて二人は息が続かなくなり、提督の柔らかい胸から口を離し、はぁはぁと激しく息を継いだ。
その間も提督は花芯を撫でたり、指をえぐり込んだりしながら二人の柔い肌の感触を楽しみ、次第に大きくなっていく二人の水音に、純粋なものを汚すようないけない悦びを覚えていた。


ミラベロ「てい…とくっ…もう、無理っ…んぁぁっ♪」

リボティ「私もっ…そんなに…激しく…されたらっ…ふぁぁっ♪」


提督にすっかりいかされた二人は、呆けたようなとろけ顔で舌を出し、秘所からしたたるねっとりとした蜜はふとももまでとろりと垂れて、二人の脚と提督の手をべとべとにしていた。
二人が吸いついて舐めていた提督の胸はよだれでべちゃべちゃで、ストッキングは二人を支えていたせいで蜜が染み、冷たく肌に張り付いていた。

とろとろと蜜を垂らしながら床に倒れ込んだ二人を熱っぽく眺めていた提督だったが、すっと黒レースのランジェリーを脱ぎ捨て、ミラベロのふとももを広げると、自分のふとももに乗せて、それから濡れた秘所に自分の花芯をあてがった。


ミラベロ「はぁ…はぁ……提督、なに…して…ひぐぅぅ!」くちゅっ、ぐちゅっ!

提督「はぁぁ、可愛いわ♪でも、もっと可愛い顔できるでしょう?お姉さんに見せてみて?」



提督はミラベロと重ね合い、腰を滑らかに動かした。ミラベロは喘ぎながら徐々に甘い声を上げていく。


ミラベロ「もう…ひっ、ぐぅ!」硬直したように頭を天井に向け、かすれたような叫び声をあげながら、とろりとした蜜をまたたっぷりと流したミラベロを床に優しく寝かせると、提督はリボティを抱き寄せた。


提督「ほら、リボティも…ミラベロみたいに気持ちいいこと、教えてあげるから…♪」

リボティ「まだ…無理だ…よ…せめて…一息、つかせて…んぁぁっ!あっ、あぁんっ!」ぐちゅり、ぬちゅっ!


力のない「いやいや」を無視して、提督は濡れそぼった柔らかい花芯を擦り付けた。嫌がっているのは形だけで、ミラベロと一緒にすでに一回達しているリボティはすっかり提督の虜で、ねだるようにくたりともたれかかって、とろけた花芯をねだるように擦りつけて甘えてくる。

一方の提督も小さくて滑らかな身体を楽しみつつ、巡洋艦クラスでは味わえない優越感に浸りながら責めたてた。


しばらくして、二人がぐったりと床に倒れこんで、全身くまなくべたべたのどろどろになっているのを見ると、提督はいたずらっぽいチャーミングな笑みを浮かべた。
提督「はぁぁ、たまらないわね♪とろけた顔のふたり…♪…二人とも、これで分かったでしょう?大人のお姉さんをからかうと、こうなるのよ?これからはあんまりみんなをからかったりしないこと。いいわね?」
78:2017/01/10(火) 01:00:40.57 ID:
お待たせしました、これから不定期更新になるかとは思いますが、出来るだけ間を空けないようにしますので…

いつの間にかリボティがボクっ娘キャラみたいになってしまいました…予定では会話とかから妄想して真っ赤になるような娘をイメージしていたのですが…

では投下します



………

…少しあと・廊下…



すっかり腰の抜けた二人を支えるようにしながら、提督は大浴場に向かった。静かな廊下を歩くたびに「にちゃっ…ぬちゃっ…」とふとももが擦れて卑猥な水音を立て、二人が力ない様子で提督にもたれかかる。

ミラベロ「こんなところを誰かに見つかったら大変ね?」

リボティ「そうだね…提督に死ぬほどめちゃくちゃにされたって言おうか。本当のことだものね」…くすっ


提督「今度は廊下でお仕置きしましょうか?…私はいいのよ、見られたって。むしろごほうびですもの♪」
口だけは減らない二人に相づちを打ちながら引っ張り上げるように身体を支え、提督は大浴場にたどり着いた。

二人(と一部提督)の、ぐっちょりと濡れた洗濯物は隣の洗濯場に並ぶ、自動の洗濯乾燥機に放り込んでスイッチを入れた。


提督「お待たせ。さぁ、入りましょう」


…大浴場…


ざぁぁぁ…ざぁぁっ…

深夜とはいえ大浴場は開けられていて、帰投時刻がずれこんだり、執務や用事で早くに入れない艦娘や提督にも使えるようにしてあった。


提督「はぁい、目をつぶって。いくわよぉ?」しゃーっ…

身体中がべっとりと涎や蜜にまみれたミラベロとリボティを腰掛けに座らせると、提督はシャワーのお湯をかけ、シャンプーを泡立てて二人を頭からわしゃわしゃと洗った。


ミラベロ「あぁー、とっても気持ちいいわ」

リボティ「くたくただから洗ってもらって助かるよ…なにしろとっても激しかったからね…///」

提督「そう言うことは言わないって、さっき言ったばかりでしょう?」

リボティ「そんな昔のことは覚えちゃいないさ…」キリッ

提督「…カサブランカの台詞はかっこいい人が言うから似合うのよ?」

リボティ「私は格好よくないかな…?」しゅん…

提督「そうね…格好よくはないわね。…とっても可愛いけど♪」

リボティ「そうか…///ありがとう、提督」…ぱぁぁ♪

提督「私ももう一度身体を洗うわ…もう手とかふとももがべっとべと…うれしいけれどね♪」

ミラベロ「もう…///」

リボティ「そう、なら提督は流さなくてもいいかもね?」もにゅっ…♪

提督「もう♪まったくイタズラ好きなこと…♪」むにむに…
柔らかな双丘をリボティの小さな手の揉むに任せ、提督は身体を洗った。

リボティ「ふぅむ…反応がないとつまらないな…」

提督「今はもうおしまい。でないと一晩中終わらないでしょう?…また機会があったらお仕置きでなしに、たくさんしてあげるから♪」

ミラベロ「うれしい。…でも、さっきのってライモンドお姉ちゃんをからかった事のお仕置きだったのよね?…なのに、私すっかり提督の虜よ?イタズラして、「して」もらえるならごほうびになっちゃうわ…♪」さわっ…♪

提督「あら。それならそれで…「してあげない」っていうお仕置きにしましょう」

リボティ「それじゃ、提督もつらいんじゃないかな?一緒にいられないさみしさはロメオとジュリエッタ(ロミオとジュリエット。もとはイタリアの話)もかなわないよ?」

提督「ふふ?なら貴女が可愛いジュリエッタね?」

ミラベロ「なら私はどうなるの?」むすっ

提督「もちろん貴女もジュリエッタ♪…私ったらぜいたくね♪」
79:2017/01/10(火) 01:35:31.81 ID:
ミラベロ「悲恋にならないように気をつけないとね?」

提督「そんな目には合わせないわ。そこは信用してくれていいわ」

リボティ「どうかな?嫉妬の炎で燃え上がるライモンドお姉ちゃんが見えるようだよ」

提督「大丈夫。ライモンは許してくれるわ。ただし、あんまりそのことでからかわないように。彼女のためにもね」

ミラベロ・リボティ「はぁーい」

提督「よろしい。なら、そろそろ出ましょうか」


ガラガラッ…

…湯上り…

提督「ふぅ…」バスタオルを巻いて籐の腰掛けに座り、妖精さんが補充してくれているガラスの水差しに入った冷たいレモン水を軽くあおった。…さりげなく置かれた水差しがボヘミアンガラスなのは見ないでおく。

ミラベロ「おいしいわ」

リボティ「まったく」

三人はしばらく扇風機の風で涼んで、提督は汚れていないナイトガウンだけを羽織った。

ふたりは大浴場に備え付けられているマリンブルーのバスローブを着て、あまり騒がないように部屋へ戻った。

提督「二人とも、お休みなさい。いい夢をね」

ミラベロ・リボティ「はい。おやすみなさい」ちゅっ…♪

部屋に入る瞬間に、二人は両方から頬にキスをし、軽く手を振って部屋のドアを閉めた。


提督「…うふふ♪」
頬を緩めきったまま、提督はそっと自室に戻った。
柔らかい布団にもぐりこむとあっという間に眠りに落ち、一晩中いい夢をみてぐっすりと寝た。



…翌朝・食堂…

提督「おはよう。みんな、気分はいかが?」

レオーネ「あぁ…大変にいいよ」…かぁぁ

フレッチア「げ…元気ですよ?」…ぽっ…

提督「あっ…あー…そう、よかったわね」

席に座り、熱っぽいものから、恥ずかしげに頬を赤らめているものまでさまざまな艦娘たちの視線を気にしないよう、無心に朝食のコンソメスープをすすっていると、となりのライモンが話しかけてきた。

ライモン「あの…提督…。その、別に構いませんが…あー…えーと…ほどほどにお願いします…」

提督「まぁ…そうね。…努力はしてみるわ……た、たぶん…」

ライモン「たぶん無理そうですね…はぁ」


………
81:2017/01/10(火) 02:17:11.25 ID:
…ライモンはいい娘ですが、そろそろ変えてみてもいいかな…なんて思っています。今度は戦艦とか…

とりあえずゆるいの投下します。数日かけてのんびり付き合って下さい


………

…鎮守府・庭…

提督「うーん…いい天気」

着任してからというもの、大量に回ってきた着任関係の書類を片づけ、ようやく暇が出来た提督は、天気もいいので庭をじっくり見て回ることにした。
ライモンは珍しく他の用があるというので、お供するのは戦艦のカブール。大柄な身体を提督の歩く速度に合わせ、その丁寧な口調で詳しく説明してくれる。

カブール「ここが前庭ですね。海が見えて気持ちいいですから、用事がない時はここで休憩する方も多くいます」

提督「そうね。海風が爽やかで気持ちいい…」

正面玄関と堅苦しい施設はあくまでも入口に過ぎず、奥に伸びている道の先に本当の施設がある鎮守府は海に面し、正面の一階からそのまま出られる前庭は、いくつかの黄色っぽい岩の間に水仙と百合の花がうまく伸び、芝生や野の花が混じりあった平らな場所には、アマルフィ海岸にでもありそうなお洒落な白いデッキチェアと、日差しを遮るように白と青に色分けされたパラソルが立ててある。
周囲には小さな灌木もうまく散らばっていて、人工的な庭ではなく、本当に野山にいる気分にさせてくれる

景色もよく、海岸沿い、南向きのなだらかな斜面には心地よい海風とゆったり波打つ地中海の見事な眺めが広がり、今も数人が寝そべったり、座ったりして日光浴や昼寝を楽しんでいる。

提督「本当に保養地みたい…いいところねぇ」

カブール「全くです、こんなにいいところはなかなかないでしょうね…周囲は鎮守府の敷地、ということでうるさくなることもありませんし」

提督「素晴らしいわね。そのうちにみんなで海岸ピクニックでもしましょうか」

カブール「いいですね。何か機会があったら私から提案してみましょう」

提督「ええ、よろしくね」



………


82:2017/01/11(水) 01:29:42.38 ID:
提督「へぇ…」鎮守府の本棟を回り込むと、東側に面した横手にも緑が広がっている。前庭から曲がりくねった散歩道が伸びていて、「オズの魔法使い」のジュディ・ガーランドが歩いてきそうな明るい黄色の敷石が緑に映えて何とも美しい。

よく見ると、この辺りに生えているのはバジルやパセリのような香草が多く、茂みは小さい柵で囲まれ、それぞれに名前の書かれた小さいプレートが立てられている。
この姿になるまで陸上で過ごすことはなかった艦娘たちにとってこうした園芸作業は目新しく面白いもので、今も数人が柳のバスケットとハサミを持って、食事に必要な数種類のハーブを摘み取っている。

もちろんこうした香草や香辛料になる作物も農家から送られてくるもので充分まかなえるが、自分で摘み取った野菜を食べる醍醐味を楽しむ、ある種の娯楽として艦娘たちの間に定着していた。


提督「こんにちは、トレント。作業はどう?」提督は茂みの一つにかがみこんで、脇にバスケットを置いて作業をしている重巡トレントに声をかけた。

トレント「あっ、提督。ここに来るなんて珍しいですね」振り向いたきゃしゃな姿の彼女は、普段着の白いブラウスと薄緑のスカート姿で、アクセントにした薄桃色のリボンがウェーブの効いた長い黒髪をうまく引き立てている。

提督「そうねぇ、何しろ書類が山みたいに積もってたから…着任関連の書類をいっぺんに送ってくるなんて、海軍司令部に私のこと嫌いな誰かがいるんじゃないかと疑いたくなるわ。どうせ処理には数カ月かかるくせに…まぁそんなことはいいわ。せっかくいい天気なんだから、もっと楽しいお話でもしましょう?」

トレント「そうですね…。楽しいお話…と言っても、私たちはここの暮らしを十分楽しんでいますから、格別話の種になるようなものはありませんよ?…提督が来てからはますます面白いことがいっぱいで」

提督「///…そう?うれしいことを言ってくれるわ。じゃあ、お邪魔するのはやめておきましょうか。ところでお昼のためのハーブなのよね?献立はなぁに?」

トレント「えーと…今日は言えないことになっているので。ごめんなさい」

提督「そうなの…これでもだめ?」トレントに近づいてささやき、撫でるように頬に手を当てる

トレント「…だ、ダメです…私、そんなことには慣れていないんです…」貴婦人が身体をそらすような姿勢で距離を空ける

提督「そう、残念…。だんだん慣らしていきましょうね、チャオ♪」軽く手を振ってトレントの脇を通り抜ける


トレント「…甘くて、いい匂いです……私みたいな中途半端な重巡でも、いつか、月夜の海岸みたいにロマンチックなところで二人きりになれたら…」

………

…鎮守府・裏手…


カブールと連れだってやって来た鎮守府の裏手は、松の木の香りも爽やかな丘のふもとに続いていて、散歩道は夕涼みや思索にふさわしいあずまやに続いていた。丘を少し登ったところにあるあずまやの先には、崩れた古代ローマの別荘跡が、歴史を感じさせる形で静かにたたずんでいる。


提督「また違った空気…、涼しくて夏はよさそうね」円を描くような緩い階段を登りながら、提督は長い髪をさぁっ…と払った

カブール「そうですねぇ。昼もきれいな眺めですが、夕方は金色に輝く海が見えて、本当に素敵な場所ですよ」ふふ、と大人びた笑みを浮かべたカブールは提督の歩幅に合わせてゆっくりと歩く。

提督「そうね、今度は夕方に来てみましょう…」…ピタッ

カブール「あら、どうしました、提督?」数段先に登りかけたカブールが振りむいて尋ねた。

提督「しーっ…。こっちに来て…」小声でカブールを呼ぶと、階段を外れ、松林をそっと歩く提督。

カブール「?…どうしました?」何かいるのかと警戒するように小さく聞く

提督「いいから…。声は出さないで、静かに…」


提督が抜き足差し足でそっと松林を進むのに合わせ、カブールも大柄な身体で静かに歩いた。
あずまやがはっきり見えるところまで来ると、提督は脚を止めてそっと木の幹に手を当て、木陰から顔をのぞかせた。
いぶかしげなカブールも提督の頭越しに顔をのぞかせて、そっとあずまやの様子を見た。

提督「まぁぁ…やっぱり…♪」小声で歓喜の声を上げる提督

カブール「…えっ?…あっ。あぁ…///」恥ずかしげに顔を赤らめながらも、じっくりとあずまやをのぞくカブール

二人の視線の先には、丸屋根と石造りのしっかりした柱でできたあずまやが見える。
丸いあずまやには石のベンチが据えられているが、視線の先では今まさに濃厚なキスが交わされていた。

斜めに座って相手のふとももに手を置き、肩に手を回しているのは鎮守府でもレズっ気の強い軽巡エウジェニオ。
戦後ギリシャに渡った影響か、だれでもときめくようなギリシャ彫刻みたいな端正な顔にイタリア風の甘いささやきを使いこなし、いく人もの「愛人」を作っているとの噂が絶えないイケナイ艦娘である。

そのエウジェニオにそっと抱きしめられ、うるんだ瞳で崩れるようにもたれかかっているのは姉のアオスタ。
戦後はソ連にわたり、普段は理詰めで生真面目な所があるが、姉妹離ればなれだったせいか、「あの時のさみしさを埋めるため」の、妹の過剰な愛情表現の餌食になってもうれしく思っているネコ気質な所がある。


のぞいているところに声こそ届かないが、すっかり火照った様子のアオスタが、エウジェニオにじらされて愛撫をせがんでいる様子ははっきりと見える。
一方のエウジェニオはすっかり腰が砕けた様子の姉を見て、抱きしめたままでじらすようにキスの雨を降らせた。軽い触れるだけのキスから、見ている提督まできゅん、とうずいてきそうな熱いキスまで、巧みに姉を責めあげると、両手を流れるように滑らせ、そっとふとももを触り、デコルテの中に手を入れた…


提督「…カブール、行きましょう」

カブール「あっ…はい。のぞくのはいけませんものね」小声で返事をし、名残惜しそうに提督についてくる



83:2017/01/11(水) 02:16:33.21 ID:
提督「昼から…こう、静まり返った庭園の裏…あずまやの聖マリア像だけが見ている中、重なり合う姉妹の唇…禁断の愛って甘美でいいわね///」

カブール「えーと、まぁ…アオスタたちに限らず、一部の娘たちはあのあたりで逢引したり何かしたりしているようですから。ああいう場面もないわけではないでしょう」

提督「そう、ならこれからあのあたりに行くときはちょっと気をつけていかないと。邪魔してはいけないものね」

カブール「あら、意外ですね。てっきり参加でもするのかと」

提督「そんな無粋なことしないわ。してもいいって言ってくれるならぜひお邪魔したいけれどね♪」

カブール「でしょうね。ライモンドの苦労がわかります」首を振ってあきれたような口調のカブール

提督「仕方ないでしょう?恋の矢はいつでもいきなり胸を撃ちぬくのよ?…それに我慢や遠慮が出来るような恋なんて本当の恋じゃないわ。その人と過ごせるのなら、火傷しても構わないって思うものなのよ」きっぱりと言い切る提督

カブール「説得力はありますが…節操がないと言ってもいいでしょうね」

提督「仕方ないでしょう。十人いれば十人それぞれに可愛いところや愛おしいところがあるのよ…?そのうち私が好きなものを選んでも、十人のうち五人は残ってしまうの。でも私は選んだみんなを公平に愛するようにしているし、求められればたいていのことはしてあげるわ」(上級者向けのことでも…ね♪)

カブール「ある種すばらしい才能ですが、正直そう熱っぽく語られても…」

提督「そう…カブールは私のこと嫌い?」手を握って、じっとカブールを見る

カブール「いいえ、むしろ好きな方ですよ?関係を持ちたいかどうかはまだ決めかねる所ですが、そうした付き合いも決して嫌ではない、とだけ言っておきます」(まぁ…確かに可愛い娘よね。何だかんだで、チェザーレたちが狙うのもわからなくはないわ)

提督「まぁ、うれしい。なら頑張って「欲しい」って思われるようにするわね」

カブール「そうですね。私だけでなく、みんなに「欲しい」と思われるような提督は、きっとみんなのことを良くわかっている提督でしょうから、提督はぜひみんなから「欲しいと思われる提督」を目指してください」

提督「カブール…それでいいのかしら?」

カブール「別にいいのではないでしょうか?私はみんなが無事に帰ってきて、楽しい暮らしがここでできれば十分だと思いますよ?」

提督「そう…そうね♪なんだか暗闇に一筋の明かりが差したみたい。…ありがとう、カブール」ちゅっ…♪

カブール「はい。…さぁ、そろそろ一周しましたよ。時間もいいころですし、そろそろお昼です。私は他に用事があるので、提督は先に食堂に向かって下さい」

提督「あら、そう?なら先に行っているわ。貴女もあまり遅れないようにね、冷めちゃうもの」

カブール「はい。では、失礼します」

………


84:2017/01/13(金) 00:42:09.23 ID:
お待たせしている方ごめんなさい…なにぶん遅いもので…あと、ザラ級の順番がたぶん違ってたので訂正を…「ザラ」「フィウメ」「ゴリツィア」「ポーラ」の順番が正しいと思います

では投下します


………

提督「こんな昼時に用事なんて大変ね…でもお願いごとや訓練はしてなかったはずだし…どっちにしろお昼の後にすればいいのに」

小声でつぶやきながら食堂のドアを開けると、食事は始まっておらず、数人が提督を待ち受けるように、意味深な笑みを浮かべて立っていた。

トレント「お待ちしていましたよ?提督」

ポーラ「そうですねぇ~。ポーラ、ずいぶん待ちましたぁ」

フォルゴーレ「もう、ずいぶん待ちましたよ?」

提督「え、今日って何かあったかしら?」

ポーラ「どうでしょう~?とにかくぅ~、こっちに来てぇ」

手をひかれて連れてこられた席には普段のものよりさらに上等な皿が並べられている。他の艦娘たちとは明らかに違う献立のようで、そばには辛口な白ワイン「エスト!エスト!エスト!」が露を垂らすほどキリリと冷やして置かれている。

提督「えーと、どうしたのかしら?」いきなりのぜいたくに戸惑い、かたわらのポーラに聞く。

ポーラ「それはぁ~、秘密♪」

提督「本当にどうしてかしら…」そう言って首をかしげていると、厨房からライモンが現れた。
普段のきりっとした雰囲気ではなく、どこかイタズラをたくらんでいるようなおどけた様子である。と、にっこりと笑ってライモンが言った。

ライモン「提督!初出撃成功、おめでとうございます!」彼女が拍手すると同時に、あちこちにいた艦娘たちが隠していたクラッカーを鳴らし、紙テープが辺りに舞った。

提督「え、えっ?…でも、かれこれ一週間くらい前のことよ?」

ライモン「ええ。そうなんですが、計画に時間がかかってしまったんです。それにどうせなら日曜日にやりたいな、と思いまして。皆さんの協力もあってきょう開催することになりました」

提督「そうだったの…それで「庭を見て来たらどうか」、なんて言って表に追い出したわけね?」くすくす

ライモン「はい。せっかくですからびっくりさせようと思いまして。では、お料理を持ってきますね」
そう言ってくるりと背を向け、厨房に戻ろうとするライモンを何人かが押さえつけた。

チェザーレ「まあ待てライモンド。提督のもとで一番かいがいしく執務をこなしているのは貴様ではないか。同席して一緒に楽しむがいい。チェザーレが料理を持ってきてやるから」

フィウメ「そうね。ポーラもそう思うでしょ。ねっ?」

ポーラ「ポーラはぁ、フィウメ姉の言うとおりだと思うのぉ~♪」

ダルド「私もそう思います!フレッチア姉さんもそう思いますよねっ?」

フレッチア「そうね。いま私の心にも雷がピカッと来たもの。間違いないわ」

ライモン「そこまでみなさんがおっしゃるなら…では提督、隣、失礼します」すっ

隣の席にそっと腰を下ろし、いかにも遠慮がちに座ったライモンに、あたりの全員が歓声をあげた。提督もにっこりとほほ笑んで、軽く手を差し伸べ、指を絡めてぎゅっと握った。

「わーっ!」と歓声と拍手が上がり、ライモンが顔を赤らめてもじもじしている中、チェザーレが一品目を持ってきた。

チェザーレ「まずは鮪のカルパッチョである。ローマではなかなか賞味できない新鮮なマグロだ。今日マルタから送られてきた」

提督「まぁ…おいしそう。ライモンのお皿もお願い」

フレッチア「持ってきてますよ。フレッチアは地中海にひらめく電光ですから!」

提督「ふふ、ありがとう。フレッチア。さ、ライモンも付き合って?まずは乾杯ね?」ポーラが栓を開けてくれ、ほどよく冷えたワインを注いでくれる。

86:2017/01/13(金) 01:35:39.53 ID:
提督「乾杯♪」コンッ。軽くワイングラスを当て、香りを少し楽しんでから口に含む。


…辛口のきりっとしたワインは、確かに美酒のある店に「エスト!」(ここに!)と書くべきところを「エスト!エスト!エスト!」と三回も書いてしまうだけのことはある。少し若いが、その青っぽさもさっぱりした魚料理によく合う。

提督「では、ライモンの愛情たっぷりのカルパッチョを……おいしいわ♪」
新鮮で汁気たっぷりのマグロでしか味わえない赤味ならではのうまみと、搾り過ぎないで作ったオリーブオイルの組み合わせがさっぱりした味わいながら、頬の内側にくすぐったくなるようなおいしい後味を残す。


ライモン「ん…おいしいです。新鮮だったのでカルパッチョかな、って思ったのですが、正解でした♪」嬉しそうに微笑むライモンに、提督も笑い返す。

ザラ「お熱いこと。よかったわね、ライモンド?…さて、と。私たちはもう用がないし、一緒にお部屋に行きましょうか?ポーラ?」そばで見ていたザラは無邪気な妹、ポーラに向かって言った。

ポーラ「はぁ~い。ザラ姉さま♪…ポーラ、ザラ姉さまたちと一緒に「お昼寝」でもしようかなぁ~、なんて。えへへぇ♪」大人しい姉の何気ない言葉に妹は意味深な一言を返し、素直に赤くなる姉をからかった。

ザラ「///…いいわよ?フィウメ、ゴリツィア、あなたたちも来る?」ザラは四姉妹の他の二人も巻き込むと、恥ずかしげに食堂を出て行った。


提督「……次の料理は何かしら?」

ライモン「あー…もう来ますよ、もう一杯いかがですか?」ザラたちの甘すぎる時間の過ごし方を知っている艦娘たちは顔を赤らめたり、あるいは顔を赤らめつつもお互いに指を絡めてそっと出て行ったりした。
妙に期待するような甘い雰囲気が漂ってきた中、提督とライモンは気まずい会話を続けていた。


チェザーレ「お待たせしたな。おや、ザラたちはもう帰ってしまったのか。飽きっぽいことだ。それとも、二人の仲睦まじい様子にあてられたか?」

ライモン「いえ、そんな。チェザーレさんは冗談が厳しすぎます」

チェザーレ「そうか?チェザーレには二人の仲はそう浅くないようにみえるのでな。おっと、いけない。次の料理だ」


サラダの次はスープ扱いになるパスタ。落ち着いた緑色のソースが絡んでいるパスタの中央にはバジルの葉がきれいに乗せてある。


提督「ジェノベーゼ?」

チェザーレ「さよう。ライモンドがフレッシュバジルで一から作った手間のかかった一品だ」

提督「ジェノベーゼソースを一から作ったの?ライモン、大変だったでしょう?」

ライモン「いえ、提督においしいジェノベーゼを味わってほしかったので、ちっとも苦にはなりませんでした」

提督「///…ありがとう、私は幸せ者ね♪では、苦労した力作を…」くるくる…っ、んむ……


…ライモンが手作りしたジェノベーゼは「ジェノヴァ風の」という意味で、バジルと松の実、ニンニクをすりつぶして、そこにチーズを加えて作る、大変に手間のかかるパスタである。
今では市販品も多いが、本来は石のすり鉢で根気よく作る一品で、緑の色味とニンニクのいい香り、松の実とチーズのこっくりした濃厚な味わいと、それをうまく打ち消すバジルの風味が大変においしい。新鮮なバジルで作るジェノベーゼは季節のぜいたくで、素晴らしい味に提督の顔も思わずほころんだ。




…とりあえず今日はこの辺で…週末にかけて少しづつ投下していきますので、読んで下さっている方はもう少し待っていて下さい

90:2017/01/14(土) 00:09:44.07 ID:
お腹を減らして待ってくれている皆さま、遅筆でゴメンなさい…日常描写はとっつきやすいかなと思って多めに入れるようにしてます。


※まず訂正を入れます、ジェノベーゼを作るときはバジルやニンニクをすりつぶしながらオリーブオイルで伸ばしてください。そうでないとソースになりませんから…つい忘れてしまいました、日本ではバジルが育つ夏しか作れないもので…、ちなみに「青○洞窟」でも結構おいしいですから一度試してみると雰囲気が味わえるかと…


…ちなみに日常風景が多いのは設定的には、「‘一級百合フラグマスター’の提督がこれ以上目立つことがないよう、安定した海域の鎮守府で鳴かず飛ばずの状態にしよう」という上層部の考えがある、ということにしてます。


イタリアに詳しいほどではありませんが…イタリア海軍は前から好きでしたので…艦これ以前はイタリア艦(?)みたいな感じだったので、これで史実も調べてくれる方が広まれば嬉しい限りです。何しろ軍艦のデザイン的にも設計的にも優れたものが多いですし。

イタリア艦は狭い地中海だけに燃料搭載を減らして、その分のステータスを他に回しているというのも多いですが、日本と同じで後発列強だった分、一隻づつに新技術を盛り込んでイギリスやフランスに遅れを取らないよう一生懸命だったんです…

…戦争になってからは、燃料と資源はないし、スペイン内乱で資金を使い過ぎて兵器の更新は出来ないし、たいていの提督はやる気がなかったし、兵隊たちも「ムッソリーニのお遊びなんかにつき合ってられるかよ…けっ!」って感じだったのであっさり負けてしまいましたが、「おれの故郷はやらせねぇぜ!」とか、「おれがやらねえで誰がやるんだよ!」ってなるとものすごく強いんです…江戸っ子かたぎというか…何しろ「十二人以下のイタリア軍は最強」ですから…


これからも小ネタでイタリア感を出していくつもりです。「ガンスリ」的なおしゃれ感が出せればな、と思っています。

では食事の続きから…
91:2017/01/14(土) 01:16:37.42 ID:
提督「おいしいわよ、ライモン。ジェノバでもこんなにおいしいのはあんまり見かけなくなったもの」

ライモン「そうなんですか?」

提督「アメリカからの観光客が増えたからどうしようもないチェーンのピザ屋が増えてるの。べたべたと味付けの濃いあれを「ピッツァ」とは言いたくないわね…」

ライモン「…これだけ深海棲艦が増えて大変なのに、ですか」

提督「ほら、空路は別に何ともなってないし、ハワイやカリブ海のマリンレジャーやクルージングが低調になった分、どっとこっちに流れてきているのよ。まぁ、おみやげ物の店はもうかっているけどね」言いながらくるりとパスタを巻き取り、口に入れた。

ライモン「なるほど…」

チェザーレ「…そんな重い話をしながら食事をとると消化に悪いぞ?さぁ、メインディッシュ、鶏モモ肉のローストだ」


…二人の前に置かれたのは皮目が金色でパリパリとしたチキンのローストで、横にこんがりとしたポテトとローズマリーが乗せてある。

提督「まぁ、おいしそう」さっそく熱そうに湯気を立てている鶏肉にナイフを入れる。軽くふーっと冷まし、口に運んだ。塩、胡椒とニンニク、パセリを組み合わせた控えめな塩味が、いい鶏肉ならではの甘味のある肉汁にしみ込んで、じゅーっと口の中に広がった。

提督「おいしい…、幸せ…」提督は最低限の反応以外はしないでせっせと鶏肉を切り分け、それでも一切れ、二切れ目まではおしとやかにしようと、小さく切って口に運んでいたが、素晴らしい味付けと食欲のせいで我慢ができなくなり、三切れ目から大きく切り出してかぶりついた。


チェザーレ「ふふ。いいことだ…美味いものをうまそうに食べる。健康でなければ美食もうまくないし、健康でもまずい食事ではこうはいかない。よかったな、ライモンド」

ライモン「はい♪しっかり準備してよかったです」

提督「んむ……はぁぁ、おいしかったわよ♪ライモン。…とっても幸せ♪」

ライモン「早いですね…わたしはまだ半分くらい残っていますよ…」

提督「あら…いくらおいしいにしても早すぎるわ…体重計を考えるとよくないわね…」

チェザーレ「ふぅ…どうして戦時下でもなく、昔のように飢饉や不作もないこのご時世で好きなように食べられるというのに、最近の娘たちは多少の体重を気にするのだ?チェザーレは鶏ガラのようなやせこけた娘より、むっちりと肉付きのいい娘の方が健康的でいいと思うが?」

提督「いろいろあるのよ…それにここに来てから……キロも増えたわ…」

チェザーレ「そんな程度だろう?誤差みたいなものではないか。第一、提督の体重は全部胸やふとももに行っているようだぞ?触り心地がよさそうで、ますます魅力的ではないか」

ライモン「…確かに、提督、胸…大きくなりましたよね…」じーっ…

提督「いえ。まぁ…最近下着がきつい感じがするからきっとそうだと思うけど…乳房が垂れたら嫌だもの」

ライモン「いえ、提督の胸は柔らかいですが張りがありますから大丈夫ですよ」


ざわざわっ…!きゃー!(嬌声や歓声)


提督「うれしいけど…ここで言われると少し恥ずかしいわ///」

ライモン「あっ…!ご、ごめんなさい…恥ずかしくて死にそうです…」

チェザーレ「ははは。気にするな、ライモンド。貴様の夜這いなどザラたちの乱痴気騒ぎに比べればしとやかで可愛いものよ」

ライモン「それは比較対象が悪い…と言いますか…一緒にされても…」

提督「…そうね。ライモンのおねだりは可愛いわ。もっと積極的になってくれてもいいのに?」

ライモン「提督!わたしは秘書艦であって、提督の愛人になったつもりはありません!」

提督「もちろん愛人じゃないわ?私の愛しい恋人の一人♪」パチンッ♪(ウィンクを飛ばす)

ライモン「///…チェザーレさん、提督の口を黙らせるので次の料理をお願いします!」

チェザーレ「承知した。まったく、そんな一言で真っ赤になって可愛いことよ」

ライモン「はぁ…もう」ごくっとワインをあおり、首を振るライモン

チェザーレ「パンとチーズをお持ちした。そろそろお開きというわけだ」

提督「ありがとう。…わ、焼き立てなのね。香ばしい香りがする」


パンは小さな丸いパンにケシの実を散らした香ばしいものと、チーズを練り込んだ円盤状のもので、横には軽めのチーズが並べてある。
香ばしいパンを一つ二つ取り、黄色っぽいチーズとアンズジャムでいただき、手を軽くはたいた。







92:2017/01/14(土) 02:06:15.09 ID:
提督「はぁぁ…おいしかった。でも甘いものがまだあるのよね?楽しみにしているわ」

ライモン「はい、期待していて下さい」


チェザーレ「お待たせした。…これは、シャーベットだな」ガラスの脚付きの皿に三角錐型に盛られて、シロップが入った銀の小さい水差しがついている。

ライモン「ただ昔風なだけのシャーベットではありませんよ?シチリアから来たレモンを絞ってシロップを作り、氷もスイス国境のアルプスから来た天然氷ですから」

提督「手間をかけているのね…爽やかでおいしそう」

チェザーレ「ほう?シャーベットか…」

提督「一口食べる?シャーベット、懐かしいんじゃないかしら?」(ユリウス・カエサルは最盛期のころアルプスから氷を取り寄せてかき氷を食べたとか)

チェザーレ「チェザーレは戦艦「ジュリオ・チェザーレ」だから直接懐かしく思う、ということはないな。しかし何となくルーツのようなものを感じるというか…一口だけ頂戴しよう。ライモンド、許せよ?」あーん…

ライモン「…一口くらいで怒りませんよ。わたし、そんなに嫉妬深く見えますか?」

チェザーレ「いや、だが以前ミラベロたちの身に起こったことを考えるとな……ふむ、美味いな。さっぱりしていて、強調しすぎないレモンの風味が豊かだ」

提督「どれどれ…本当ね。口の中がさっぱりしておいしい」しゃく…

チェザーレ「チェザーレの唇が触れたスプーンに提督の唇も触れる…これが「間接キス」というやつか。別段大騒ぎするほどのことではない気がするが」

提督「!…間接キス、しちゃったわね……ライモン、ごめんなさい」

ライモン「…別に構いませんよ。何度も言いますが、わたし、そんなに嫉妬深い性格じゃないです」

提督「でも悪かったわ…。お詫びするわね」ちゅっ…♪


わぁーっ!

鎮守府の艦娘十数人が見ているなかでの、唐突な唇へのキスに辺りは湧いた。チェザーレは「良かったな」、と言うようにライモンにウィンクを送り、食後のコーヒーを用意しに厨房へ戻って行った。ライモンは嬉しいが真っ赤になって、提督は可愛らしい反応にくすくす笑った。


ライモン「て、提督…!みんなの前ではしない、って決めたはずです…///」

提督「いきなりで驚いたわよね、ライモン。…でもね、もうそろそろいいんじゃないかしら。数日前から言おうかなとは思っていたのだけれど、艦娘たちにもある程度理解があるようだし、全然隠していない娘たちもいるから…ね♪」

ライモン「…それにしても事前に言ってほしかったです…心臓が飛び上がりそうでした」

提督「ごめんなさい。それに、そろそろ自制がきかなくなってきて…。でも、秘書艦交代に重ねる形になって悪かったわね。本当なら貴女と昼からいちゃいちゃする気だったのだけど…交代制にするって言ってしまった手前、ひるがえす訳にもいかなくて…」

ライモン「まぁ、提督もよく耐えたのではないでしょうか。…それに、わたしは大丈夫です。こうやって大っぴらにして下さったのですから、もう遠慮したり、気おくれしたりせずに迫ることができます…」ん、ちゅぅぅぅ…♪

提督「……んっ…ふぁぁっ……ぷはぁ♪…では、改めて仲良くしましょうね、ライモン。みんなも、ね♪」提督が辺りの艦娘たちにぱちりとウィンクを送ると、甘い歓声の嵐が沸き起こった。
93:2017/01/15(日) 01:18:57.49 ID:
…しばらくして・食堂…

ライモンの心づくしの昼食と濃厚なキスをすっかり堪能した提督は、軽く昼寝を取り、きりりと引き締まった表情を浮かべて演台に立っていた。
食堂に集まった艦娘たちは提督の大胆な百合告白を噂し、なかなか静まらない。
とうとうチェザーレとガリバルディが周囲を叱りつけ、ようやく期待に満ちた静寂が訪れた。


提督「えー、前から言っていた通り、秘書艦の交代をしたいと思います。まずはライモン、着任以来ご苦労様。また秘書艦をお願いする機会もあると思うわ。その時はまた右腕としてよろしくね」

ライモン「は、ありがとうございます」あくまでも正式な行事としてふるまい、きっちりと敬礼を行うライモンに、提督も答礼を返した。


周囲から拍手が起こると一礼してライモンは段を下り、妹、ムツィオ・アッテンドーロの隣に戻った。


提督「それで、次の秘書艦を決めるに際して、私は出来るだけ公平にしようと、条件を決めて選びました。正直、最後まで悩まされたわ」
ちょっとはにかんだような笑顔を浮かべる提督。

提督「艦隊にある程度馴染んでいて、指揮能力にも不足なし。もちろん、艦の大小は関係なしで厳密に選ばせてもらいました」


ざわざわ……期待するようなひそひそ話で辺りがざわめく。あればドラムロールでも響きそうな間が生まれ、一瞬の間をおいて、提督の声が響いた。


提督「新しい秘書艦は…、戦艦、アンドレア・ドリア」


わぁーっ!歓声があがり、ドリアは驚いたように口を片手でおおった。


ドリア「え…え?私が?秘書艦ですか?」

チェザーレ「そうだと言っているぞ、早く行ってくるがいい」

デュイリオ「よかったわね。ドリア。さぁ、いってらっしゃい」


戦艦たちに押し出されるようにしてドリアが出てくる。左右の艦娘たちは道を空けてやり、拍手を送る。演台まで来たドリアは、嬉しそうに笑みを浮かべたが、すっと真面目な表情に戻り、壇上の提督を見た。

ドリア「戦艦、アンドレア・ドリア。秘書艦の役目、仰せつかりました!」かつっ!とかかとを鳴らし敬礼したドリアに、提督は敬礼を返し、それからうって変わったようににっこりした。

提督「これからよろしくお願いね。ドリア?」

ドリア「はい、お任せください」ドリアも柔らかな笑みを浮かべ、それから提督を引き寄せ、頬に軽くキスをした。


わぁーっ!歓声と拍手の嵐が巻き起こり、奥手気味なドリアを心配していたデュイリオはほっとして、隣のチェザーレにささやいた。


デュイリオ「よかったわ。これでドリアと提督の仲が少しでも進展してくれればいいのだけど…」

チェザーレ「心配はいるまい。提督はあれをかなり好いているようだ。むしろ、貴様はいいのか?」

デュイリオ「気にしないでいいわ。ドリアと私は一心同体。彼女の喜びは私の喜びですもの」

チェザーレ「ふむ…。貴様のその姉らしさ、ドリアもそうだが…。チェザーレは好ましく思っているぞ。しかし貴様はドリアではない、カイオ・デュイリオという一個の感情を持つ立派な艦娘だ。遠慮ばかりでなく、たまにはわがままを言っていいのだぞ?」

デュイリオ「ふふふ、ありがとう。チェザーレ。そうね、そのうちに私もわがままを言ってみるわ」

チェザーレ「そうとも。…お、あいさつが始まるぞ」











94:2017/01/15(日) 01:50:38.19 ID:
ドリアは演台のマイクを借り、少し高さを調節した。


ドリア「こほん…。まずはライモンド、提督の支えとしてよく頑張ってくれました。私を始め艦隊のみんなが、あなたのおかげでいろいろ助けてもらいました…ありがとう」ライモンに頭を下げ、ライモンは「そんな」と言うように手を振る。あたりの艦娘もかいがいしく秘書艦を務めたライモンに再び惜しげない拍手を送った。


ドリア「次に、提督。私を選んでくれてありがとうございます。このドリア、貴女のために尽くし、秘書艦としての責務を果たし、期待に応えてみせます」

ドリア「最後になりましたが、艦隊のみなさん。私も力を尽くしますが、もし至らないところがあったら、どんなことでも教えて下されば助かります。私たちのためになることは、提督のためにもなります。助け合ってがんばりましょう」


わぁーっ!拍手と応援の声が上がり、ドリアは恥ずかしげに微笑んだ。


提督「みんな、暖かい拍手をありがとう。秘書艦交代の式はこれで終わります。……ところで」提督の意味深な口調に、周囲の和やかな雰囲気がまた静まり返った。

提督「えー…私の…その、あー…いわゆる、まぁ、その…いままで隠すような形になっていましたが、ここではっきり明言しておいた方がいいかと思い…この場を借りてみんなに言うことにします…」妙にもじもじした様子の提督に辺りがざわめく。察しのいい数人はわくわくしながら提督を見ている。

提督「要は、私の個人的嗜好の話ですが……その…私は百合…つまり、同性が大好きです…実はローマからここに転属になったのも、スキャンダルを警戒した海軍司令部の配慮によるものです。艦隊でもし「気持ち悪い」と思う方がいれば…それはしかたな……」


うわぁぁぁっ!(大歓声)


提督「…え?」

ライモン「いまさら何を、ですよ」はぁ…

ポーラ「すっかり~、バレバレだったものねぇ~」くすくす

チェザーレ「着任後数日で噂になっていたぞ」

エウジェニオ「素晴らしいわ!一緒に愛を育みましょうね♪」


提督「ばれてたの…そう」ある程度拒否反応もあるかと身構えていた分、あまりの抵抗のなさに拍子抜けした提督

ドリア「当たり前ではありませんか…初日のお茶の時間、忘れたとは言わせませんよ?」くすっ

提督「あー…私にできることなら「何でもしていい」って言ったものね…お手柔らかに…」

ドリア「はい♪」

提督「えー…と、まぁ、その。そういうことですので、任務に差支えが出るとか、度が過ぎていない限りは、私は歓迎しますから。お互い最低限のルールは守るようにしましょう…以上、解散!」


ざわざわ…がやがや…


提督の発表に刺激を受け、数人は明らかに今までと違った目で提督を見て出て行った。中には投げキッスやウィンクを送ったり、明らかに熱っぽい視線を送ってくる艦娘もいた。提督はふふっ、と微笑み、今までよりずっと気楽に構えて見送った。


ドリア「提督///やっと私も…待っていましたよ?」

提督「そうね。よろしく、ドリア。大人の女性の扱い方、私に教えてね?…ん、ちゅぅぅ…れろっ…ちゅるぅぅ…♪」大柄なドリアを見上げるようにしていた提督は急に腰に手を回し、食堂の真ん中で深いキスを交わした。

ドリア「…んん…ちゅぅ…ぷはぁ♪…急に積極的になりましたね?でも、まずは執務ですよ?お楽しみは夜までとっておきましょう?」ある程度キスに応えてから、つと唇を離し、ドリアは甘やかすような口調でいった。

提督「もっとしたいけれど、そうね…。では、改めてよろしくね、ドリア?」

ドリア「はい。こちらこそ♪」



…今日はここまでで。今度の投下ではドリアといちゃいちゃし始める予定です、お楽しみに…