606:2017/06/19(月) 01:39:25.82 ID:
…夕食後・バーカウンター…

提督「ふー…今日の夕食も美味しかったわ。…ところでカヴール。午後は片づけを手伝ってくれてありがとう♪」

カヴール「ふふ…提督のためですもの、いいですよ……ちょっと恥ずかしかったですけれど///」

提督「あー…まぁ、そうよね。…今度、何でもしてあげるから♪」

カヴール「お気になさらず…でも、そう言ってくれるのなら……また、ベッドに誘ってくださいね♪」頬に軽くキスをすると、にっこりと微笑んだ…

提督「ふふっ、毎日でもいいわよ♪」…また視線を感じた提督は、そちらを向いてウィンクを送り、手を振った

カミチア・ネラ(ソルダティ級)「///」

バンデ・ネーレ(ジュッサーノ級軽巡)「///」


…窓辺で喘いでいた提督の「昼下がりの情事」は当然見られていて、夕食時はずっと熱っぽい視線(多数)と非難するような視線(ほんの少し)を浴びていた…特に庭で花壇の手入れをしていたソルダティ級駆逐艦の数人と、海軍だけではなく高級な色街も有名だったヴェネチアの提督たちであるマルチェロ級大型潜、美麗な姿と美しい言葉使い…そして美女と美少女が好きなフルット級中型潜は余すところなくそれを見ていた…


提督「もう♪さっきから視線が集まって来てるけど、どうしたのかしらね」分かっていながら冗談めかす提督

…昼下がりで窓を開け放ち、しかも「聞こえるように」窓辺でまぐわっていた提督たちなので、当然声も響いていた…部屋の近いドリアやエウジェニオはわくわくしながら提督とリットリオの痴態を想像し、ライモンやアオスタのような真面目な艦娘たちは恥ずかしいやら、うらやましいやらで真っ赤になっていた…

カヴール「ふふ…もう、提督ったら分かっているでしょうに♪」

提督「えー?何の事かしら♪」

トーティ(バリラ級大型潜)「あらあら…提督ったら。いやらしい声で、お母さんもむらむらしちゃったわ♪」

デルフィーノ(スクアロ級中型潜)「ええ、本当に…お昼は提督のお声で…デルフィーノ……何回も…イっちゃいました…ぁ///」

提督「うふふっ、そう?じゃあ、デルフィーノ…今度は、私が気持ちよくしてあげましょうか?」

デルフィーノ「あっ、あっ♪…そんなこと言われたらぁ…デルフィーノ、くちゅくちゅしたくなっちゃいます…ぅ♪」グラスを置いて、右手を脚の間にそろそろと伸ばしていく…

エウジェニオ「あらぁ、可愛いイルカさん…よかったら手伝ってあげるわよ♪」肩に手を回して、反対の手で滑らかな腰を撫でつつ顔をのぞきこんだ

デルフィーノ「いいんですか…じゃあ、お願いします…ぅ///」

エウジェニオ「いいわよ♪…それじゃあ、提督…お休み♪」デルフィーノの腰に手を回し、さっそうと出て行った…

提督「あらら…取られちゃったわね♪」

バリラ「提督さんは、お母さんじゃ嫌かしら?」メロンの目方を計るように下からずっしりした乳房を揺すってみせた…

ドリア「もう、提督ったら…ドリアは熱々ですよ、夜食にいかがですか♪」スリットの深いカクテル・ドレスをちらりとめくってみせた…

提督「んふふっ…もう、目移りしちゃうわ。どうしようかしら♪」にやけきったままカクテルをすすっている

カヴール「ふぅ、まったく…提督ったら♪」ブランデーをちびちび舐めながらくすくす笑った…

………


………
607: :2017/06/19(月) 02:30:45.49 ID:
…一方・食堂の反対側… 

セラ「もう一杯行きましょう♪」…駆逐艦たちと乾杯をくり返していたセラ級の二人…最初は周囲の駆逐艦たちも気分よく唱和していたが、時間がたつにつれて次第に退席していき、残っている艦娘たちもすっかりげんなりしている… 

クリスピ(セラ級)「うん…もう一杯♪」とく、とく、とくっ…と何本目かの「リモンチェーロ」を注いで、レモンを絞った…グラスを電燈にかざして黄色を楽しむと、きゅーっと飲み干した… 

セラ「んー、美味しいっ♪」 

サウロ「私は…もう、いいわ……」 

カルドゥッチ(オリアーニ級)「私も…身体が熱い……」 

セラ「えー、そうですか?…美味しいのに♪」 

オリアーニ「もう…セラ、クリスピ、割ってみたり氷を入れたりしてたにしても、いい加減多いわよ」 

カラビニエーレ(ソルダティ級)「その通り、飲み過ぎは罪よ!」 

セラ「こんな甘いお酒が、そんなに強いわけないじゃないですか♪…真面目で可愛いカラビニエーレに、乾杯っ♪」(※リモンチェーロ…度数約30%) 

クリスピ「乾杯♪」 

カラビニエーレ「もう、人の話を聞きなさいよ…!」 


……… 

…同じ頃・アメリカ艦の部屋… 


フレッチャー「ワッツァ・ファック!(マジなの!?)」部屋でミッチャー提督に借りたカタログをめくっていたフレッチャーがいきなり叫んだ 

エンタープライズ「何、どうしたの!?」慌てて本を閉じ、駆け寄ったエンタープライズ… 

フレッチャー「何なのこれ!?…ほとんど着てないじゃない!…こっちだってまるで紐よ!?」フレッチャーが見ていたのは新しい「ヴィクトリアズ・シークレット」のカタログだった(※「ヴィクトリアズ・シークレット」…アメリカで有名な女性向けセクシー下着のカタログ。下着だけでなくモデルも魅力的だと、たいていのアメリカ軍艦の士官室には常備されている…らしい) 

エンタープライズ「あぁ、ヴィクトリアズのカタログ…40年代の下着と見比べると良識がないわよね」 

フレッチャー「本当よね…もう、最高♪」食い入るようにページをめくりながら、煽情的なモデル…と下着を眺めている 

エンタープライズ「どれどれ……ヒューゥ♪」褐色で肌がてらてらしているようなモデルが、紫やピンク色のランジェリーを着ている…エンタープライズも時々ミッチャー提督から借りて眺めてはいたが、今回のはなおの事派手だった… 

フレッチャー「これなんて透けてるじゃない!」 

エンタープライズ「こっちは肝心な部分がほとんど隠れてないわね♪」 

フレッチャー「うん…イカしてるわ♪」興奮して次々とページをめくった… 

エンタープライズ「ま、楽しんでちょうだい♪」 

フレッチャー「ええ。すっごい…わ♪」 

………
608: :2017/06/20(火) 00:47:40.04 ID:
…同じ頃・日本艦の部屋… 

百合姫提督「さ、すわって座って♪」…足柄と龍田の部屋にお邪魔している百合姫提督は紫陽花模様の浴衣で髪を結い上げて、「何でも入っている」ような巾着袋を小さい丸テーブルの上に置いた 

龍田「準備できたわよぉ…♪」衛星放送にチャンネルを替えると、畳の上でよいしょ…と座りなおす 

足柄「何だかんだで好きなのよね、この番組」 

百合姫提督「そうね、数日遅れだけど…あ、始まったわ」…三人で肩を寄せ合ってテレビに向かった 


…テレビには瓢箪を半分に切ったような島が映っている。海辺で数人の艦娘と提督らしい一人の女性が火をおこし、取ってきた貝や魚を炙っている… 


テレビ「んー、おいしいもんやねぇ♪」提督らしい女性が柔らかい関西弁で焼き貝をほじくり出している 

テレビ「リーダー(提督)のお肌にもいいんじゃない?」艦娘の一人が自分の貝を食べながら言った 

テレビ「そうやねぇ…ありがとうな♪」 

テレビ「…貝の栄養が疲労気味のアラフォーに染みる…が、今回は更なる恵みを求めて提督が奮闘する!」(ナレーター…平野義和) 

テレビ「艦娘島…TAKAOは無人島を開拓できるか!!」 


…企画で無人島を開拓することになった重巡系アイドルグループの「TAKAO」……関西弁でお疲れ気味のリーダー(提督)、何でも器用で頼れる姉貴分の高雄、人好きのする笑みで何となく憎めない愛宕、意外と不器用な鳥海に、かっこいい事をいうが結構適当な摩耶。この五人が作物を作ったり、焼き物を焼いたり、魚を取ったりするこの番組は、アイドルらしくないほど熱心に作業をする様子が受けて人気だった…… 


百合姫提督「始まったわね」 

龍田「ふふ、今回も面白そう♪」 

足柄「重巡つながりなのか、なんか親近感あるのよねぇ」…そう言っている間にも、漁をしたり小屋を作ったりと忙しい「TAKAO」とリーダーの提督 


テレビ「高雄はさすがねぇ…私たちなんてなにもしてないもん」 

テレビ「ね…あたしたちなんて口だけだもんね」 

テレビ「いやさ、でも結構頑張ってない?…マジで」 

テレビ「て言うかリーダー、もうへばってるし…しっかりしてよね」 


足柄「確かに、もうへろへろじゃない」 

龍田「それでも仲のいい雰囲気なのが面白いわよねぇ…♪」 

百合姫提督「そうね…私もはたから見たら頼りない感じなのかしら?」 

龍田「そんなことないわよぉ?」 

足柄「そうよ!提督は最高なんだから自信を持ちなさい!」 

百合姫提督「あら…嬉しい…///」 


………
609: :2017/06/20(火) 01:27:10.40 ID:
…その時・フランス艦の部屋… 


ジャンヌ・ダルク「おぉ…相変わらず面白かったです」…本を読み終え、一人で感心している 

リシュリュー「ほう…何を読んでいたのです?」 

ジャンヌ「はい、フランスの生んだ大傑作…「ダルタニヤン物語」です!」…銃士隊見習いの田舎剣士から元帥に至るダルタニヤンの栄達を描く長い物語…その最初の部分「三銃士」は特に痛快な歴史・剣豪小説で、フランス以外でも愛読者が多い… 

リシュリュー「なるほど…」それを聞いてもいまいちさえない表情をしているのは、艦名の由来になった「リシュリュー」が敵の黒幕扱いだからか……リシュリュー自身は歴史に残る名宰相である…が、老練な策略家のイメージが強すぎるのか、あまりいい人間として描かれないのが気になるらしい…… 

ジャンヌ「あ…その、申し訳ありません」 

リシュリュー「いやいや…お気になさるな」…謝ろうとするジャンヌに「気にしていない」と、鷹揚に手を振ってみせた 

ジャンヌ「……リシュリュー殿は何を読んでいたのです?」 

リシュリュー「わたくしめはこれですよ」持ち上げて表紙を見せた… 

ジャンヌ「えー…と「夜間飛行」ですか」 

リシュリュー「サン・テグジュペリの短編ですが、味わい深い、いい文章ですよ」 

ジャンヌ「読んだことはあります…短い中に濃縮された言葉はフランス語の精緻を極めた素晴らしいものでした!」 

リシュリュー「ふふ…他のもお読みになるといいでしょう」 

ジャンヌ「はい、そうします!」 

リシュリュー「あぁ、結構ですな♪」 

ジャンヌ「…ところで提督は何をなさっているのでしょうね?」 

リシュリュー「ふむ…おおかたイタリアの提督と戦術論でも戦わせているのでしょう」 

ジャンヌ「!…ならばこのジャンヌが助けに行かなくては!」 

リシュリュー「少しお待ちなさい、ジャンヌ…提督が貴女を必要とする時は必ず呼んでくれます。早まっては戦を失いますよ」 

ジャンヌ「む…それもそうですね」 

リシュリュー「さよう。…切り札は最後まで取っておくから切り札なのです」 

ジャンヌ「…ですが、わたくしはたかだか練習巡洋艦……提督の切り札になっているでしょうか?」 

リシュリュー「無論ですとも…提督は貴女を一番大事に思っていますよ」 

ジャンヌ「…わ、わたくしがコマンダン(司令官)の一番…っ///」 

リシュリュー「ええ…そうですとも」 

ジャンヌ「わたくしが…提督の…っ///」 

リシュリュー「ふふ…確かにジャンヌは「一番」ですよ……わたくしめは提督の「特別」ですから…♪」優越感に浸りながら、小声でつぶやいた… 

611
:2017/06/21(水) 01:42:02.62 ID:
…ある日…

提督「んー…執務なしの朝はいいわね♪」

カヴール「ええ、頑張ったかいがあります」にこやかにうなずくカヴール

提督「そうね。…あ、せっかくだから訓練の様子を見に行きましょう♪」…前夜にコンピューターとにらめっこしながら任務報告や新着艦リストを作り上げ、専用のアタッシュケースに入れておいた提督……時間もあるので午前中は訓練の様子を確認しようと思い立った…


………

…波止場…

提督「おはよう、みんな」…カヴールを連れて提督が波止場に行くと、ソルダティ級駆逐艦第一グループの「アルピーノ」「アヴィエーレ」「ベルサリエーレ」「ランチエーレ」の四人が準備をしていた…


アルピーノ「おはようございます。山に登りたくなるようないい天気ですね♪」そう言って「アルピーノ」(山岳兵)は羽飾り付きのチロル帽をかぶりなおした…

ランチエーレ「おはよう、提督…波もないし、これなら転覆しないで済むよ!」…42年3月、マエストラーレ級の「シロッコ」と一緒に荒天下で転覆したことがある「ランチエーレ」(槍騎兵)はそう言ってからからと笑って見せた

アヴィエーレ「うん…確かにいい天気だ。こんなにいい天気だと飛びたくなるね」サングラス、後ろに撫でつけた髪、斜に被った軍帽にお洒落なスカーフと「アヴィエーレ」(航空兵)らしく小粋にめかしこんでいる…

ベルサリエーレ「ふふ…駆け足なら任せておいてね」…頭には雄鶏の黒い尾羽で作った羽飾り「ピウーメ」を付けた特徴的な熱帯帽をかぶり、軍用ラッパを腰から提げた「ベルサリエーレ」(狙撃兵…選抜された歩兵の事で「スナイパー」ではない。軽装甲部隊の意味合いもある)


提督「調子もよさそうね…ところで、だれか私を乗せてくれない?」

アルピーノ「えっ?」

提督「訓練を直接体験してみたいのだけど…どうかしら?」

アルピーノ「いや…まぁ、艤装を完全展開すれば当時の大きさになる訳だし、それなら乗れないこともないけど……」

カヴール「訓練弾なら危険も少ないでしょうし…乗せてあげてもらえませんか?」

ベルサリエーレ「うーん、乗せるのはいいけど……誰が乗せる?」

アヴィエーレ「なら私が波に乗せてあげるよ…提督♪」

ランチエーレ「ちょっと待った!…提督、私と48000馬力の馬に乗って海原を駆けてみない?」

アルピーノ「ねぇ、提督♪このアルピーノがアルプスより白い波の頂を見せてあげるけど?」

ベルサリエーレ「ちょっと、三人とも!…提督、この戦場を駆けるベルサリエーレが貴女を乗せてあげるわ♪」

提督「あら…どうしようかしら♪」

カヴール「困りましたね…」





612:2017/06/23(金) 01:04:05.69 ID:
ランチエーレ「…この「槍騎兵」に文句があるなら、槍でぶすりと貫いてあげるけど?」短槍をきゅっ…としごき、小脇に抱えた

アルピーノ「ソ連軍さえ恐怖した「白い悪魔」こと、「モンテ・チェルビーノ大隊」は山岳兵だけど?」

ベルサリエーレ「ふーん…軍の華、「ベルサリエーリ」にかなうと思ってるの?」

アヴィエーレ「はいはい…こっちは空の上から高みの見物としゃれこむよ」そう言いながら提督の側に一歩近寄った

カヴール「…提督」

提督「…そうね」

アルピーノ「決まったの!?」

提督「ええ…カヴール」

カヴール「はい、何でしょう?」

提督「…乗せて?」

カヴール「えっ、ええ?」

アルピーノ「待って、戦隊司令は私よ!?」

提督「言い争いをするようでは訓練に支障が出るし…喧嘩した罰として貴女たちの誰にも乗りません」

ベルサリエーレ「そんなのってないわよぉ!」

アルピーノ「そうよ…みんな提督を乗せたいだけなの!」

アヴィエーレ「参ったな……とばっちりを食らうとはね」

ランチエーレ「…悪かったわ…謝るから許して?」

提督「私に謝る前に、姉妹同士で謝りなさい?」

アルピーノ「う……みんな、私が先任として治めなきゃいけなかったのに…悪かったわ」

ランチエーレ「いえ、こっちも槍を構えたりしてごめんね」

ベルサリエーレ「こっちも悪かったわ…」

アヴィエーレ「すまないね…澄ました態度でさ」

提督「はい、よろしい……訓練が終わったら順繰りに乗ってあげるから、ね?」

アヴィエーレ「本当かい?」

提督「嘘は言わないわ」

アルピーノ「やった♪…じゃあ、手早く片付けるわよ!」

ランチエーレ「任せて!」

ベルサリエーレ「なら、駆け足で行こうか!」

提督「じゃあ私はカヴールから観戦させてもらうわ…頑張ってね♪」

アルピーノ「了解っ!…各艦、抜錨!…前進微速、沖合にて艤装を完全展開!」

提督「…じゃあカヴール、沖合まで連れて行って?」カヴールの首に手を回し、「お姫様抱っこ」の形でつかまる提督

カヴール「は、はい///」…一部の艤装を展開しつつ、頬を赤らめている…

………





613:2017/06/23(金) 02:31:40.35 ID:
…沖合数キロ…

カヴール「さぁ、提督。私の中へどうぞ…///」脇に立って艦橋に案内する…高さ数十メートルにそびえるプリエーゼ式円筒型艦橋は堂々としていながら、モダンで美しい…

提督「ええ……意味深に言わないで欲しいわね?」

…艤装を「完全展開」した各艦はありし日の艦影そのままで、白黒写真でしか見たことのなかったその姿に感動しつつ、提督は艦橋に入った…

提督「…こんなふうになっていたのね」広い艦橋には、舵輪、羅針盤、伝声管、敵味方識別表……操艦と艦隊指揮に欠かせない機材が並び、双眼鏡や連絡板をもった白い詰襟姿の海軍士官たちの姿が見える…

カヴール「ええ…きっと私の記憶が再現されているのだと思います……だから現代の艦は「艦娘」になれないのでしょうね」

提督「ワインと同じで「熟成」していないといけないのね…」

カヴール「ええ…さぁ、こちらへどうぞ?」

提督「ありがとう」艦隊司令官の立ち位置に案内され、双眼鏡をつかんで周囲を眺めた…アルピーノをはじめとする駆逐隊は白波を切り、単縦陣で進んでいる……

提督「見事なものね…」

カヴール「ええ、見るたびにそう思います」…と、先頭のアルピーノから信号旗が揚がった

提督「…戦隊司令よりカヴールへ、これより訓練水域…対潜訓練を開始す」

カヴール「了解。潜水艦たちにはすでに伝えてありますから、私たちに向かって魚雷は来ません…このまま艦橋で観戦なさっては?」

提督「そうね、司令塔は周囲が見にくいものね」

カヴール「ええ」


…待ち受けるフルット級中型潜水艦は四隻で、どこかに潜んで駆逐隊を待ち受けている。…とはいえ、同数の潜水艦と駆逐艦では潜水艦に分があるので、潜水艦側は二隻づつの交代で仮想敵を務めることになっていた…


提督「んー…散開して対潜スクリーンを形成するつもりね」…残念なことに大戦中のイタリア艦は電子兵装の開発が遅れていて、性能の悪い音波探知機しか備えていなかったので、米・英艦のように手際よく見つけるという訳にはいかない

カヴール「フルット級は小回りも効きますし、見つけてからもなかなかの難敵でしょうね」

提督「そうね……んっ?」くさび型に近い陣形で側方警戒をしている駆逐隊の斜め後方、穏やかな波の間に揺れる黒い物がちらりと見えた…フルット級の潜望鏡は駆逐隊を認めると素早く沈んだ……

カヴール「…アルピーニたちは気づくでしょうか?」

提督「どうかしら。…あっ!」四本の白い雷跡が駆逐隊の斜め後方から扇型に伸びていく…と、ぐーっと艦首波を上げて四隻が急回頭した。信号旗がマストにするするっ…と揚がり、アルピーノたちは悠々と魚雷をかわした…

カヴール「あら、フルットたちにしては焦り過ぎな気もしますね…駆逐艦相手では真横でも命中は難しいはずですが」

提督「そうね…素早い駆逐艦相手には不意打ちしかないけど……ちょっと角度が悪かったわね」


…アルピーノたちは雷跡から発射位置を推定すると二隻が全速で向かい、高速では自艦のノイズで聞こえなくなってしまう音波探知機のために、二隻が低速で左右から網を狭めていく…直上まで来ると少量の火薬のみでできた、ドラム缶型の訓練用爆雷をゼロ深度で投下する…


提督「うん…いい動きね」艦尾の航跡に交じって訓練用爆雷の水柱が上がる…二隻は回り込みつつ、三角形の効果範囲をつくるよう爆雷を投下する……

カヴール「そうで…提督っ」カヴールが駆逐艦の奥を指差した

提督「あっ!」双眼鏡の視界に映っているのはするすると伸びていく雷跡で、低速で索敵している方の駆逐艦を狙っていた…

提督「…やられたわね」弾頭なしの訓練用魚雷がごつんとぶつかり、ベルサリエーレから「戦闘不能」の旗が揚がる…

カヴール「撃った方は囮ですか…なるほど」駆逐艦が最初に撃った潜水艦に向かうことを読んだ上で、その側面、しかも音波探知機の探知距離外に潜んでいた手際の良さに感心している…

提督「フルットはヴェネチアでずいぶん鍛えられているから…さぁ、アルピーノは三隻でどう反撃するかしら?」

…見ている間にもアルピーノは白波を蹴立て、全速で回頭すると発射点に向かい爆雷を投下した…その間もアヴィエーレは音波探知を続け、二隻の潜水艦を失探しないよう押さえ込む…が、爆雷が投下されると音波探知機は役に立たなくなるので、その間にアルピーノと役割を交代し、加速して爆雷を連続投下する…

提督「あら…アヴィエーレが一隻仕留めたみたいね」見ている間にもざーっと海水をどけながら潜水艦の黒っぽいシルエットが出てきて、マストに「戦闘不能」の旗を揚げた…

614:2017/06/24(土) 00:07:24.35 ID:
カヴール「さて、一隻だけでどう戦うのか…興味はありますね」

提督「そうね…フルットたちの訓練でもある訳だし」…そう言っている間にも急回頭に次ぐ急回頭、爆雷投下に次ぐ爆雷投下が続いたが、なかなか成果が出ない…

カヴール「きっと下では頭痛がひどいでしょうね」訓練用爆雷とはいえ航跡の中に次々と水柱が噴き上がると、カヴールは同情的になってつぶやいた…

提督「そうね…大戦中は七時間以上も爆雷攻撃を受けたっていう話も聞いたことがあるし……潜水艦じゃなくてよかったわ」

カヴール「全くですね…あっ、信号旗です」…アルピーノから信号旗が揚がる

提督「…なるほど、爆雷の残りが少ないから、一回の投下を二発ずつに絞るつもりね」


…駆逐艦二隻が追尾と攻撃を請け負い、一隻がその外側で警戒に当たる…青い海に白い水柱が鍾乳石のように次々と立ち上がっては消えていく…


提督「さぁ、どうなるかしら…」

………

615:2017/06/24(土) 01:47:55.09 ID:
…数十分後…


カヴール「とうとう捉まってしまったようですね」

…狭められていく包囲網に次々と投下される爆雷…と、どーっと海面をかき分けて潜水艦のシルエットが浮上し、するすると信号旗を掲げると100ミリ主砲をランチエーレに向けた

提督「潜航不能の信号旗…浮上しての砲戦までやるつもりね」砲弾抜きの空砲とはいえ重々しい砲声が響き、ランチエーレも主砲と対空機銃を最大俯角にとって応戦する。当然アルピーノとアヴィエーレも支援に入りたいが、二隻が近過ぎてうかつに砲撃できない…

カヴール「むぅ…なかなかどうして……」浮上したフルット級は小さいシルエットをさらに小さくするため駆逐艦に正面を向け、次々と主砲を放つ

提督「大したものね…」とはいえ、駆逐艦と浮上潜水艦では喧嘩にならない……すぐに「戦闘不能」の旗が揚がり、最初の訓練は終わった…フルット級の二隻は仲良く並ぶと、司令塔を開けてアルピーノに敬礼した…

提督「あぁ、ナウティロとマレアだったのね」…頭のオウムガイが肩にずり落ちていて、オウムガイの脚をほうふつとさせる白と赤の髪もすっかり乱れているナウティロと、貴婦人風の水色の髪が解けて、汗をかいているマレア…アルピーノ以下の四隻もナウティロたちに答礼し、それから手を振った…

カヴール「でも、ナウティロがあんなに積極的に攻勢をかけてきたのは意外でしたね」

提督「そうね、でもアルピーノたちも素晴らしかったわね」

カヴール「ええ、四隻の駆逐艦で二隻の潜水艦を仕留めるのは並大抵の努力ではできませんものね」

提督「そうね…あとでごほうびをあげないと♪」


…そうほめていた提督だったが、フルット・ヴォルティーチェ組を相手にしたときのアルピーノたちは散々で、扇状に斉射された魚雷を浴びて早々に二隻が「戦闘不能」、残ったアルピーノ、ベルサリエーレの二隻ではフルットとヴォルティーチェを追い切れず、結局時間切れを迎えた…


………

…訓練終了後・沖合…

アルピーノ「…くやしいわね」

フルット「仕方ないですよ…最初の斉射で二隻に命中するなんてこちらも思っていませんでしたから」

ベルサリエーレ「だからなおの事「してやられた」って気分なの」

アヴィエーレ「うむ…全く。…いくら駆逐艦四隻に二隻の潜水艦とはいえ、バリラ級やピサニ級相手ならもうちょっと見せ場を作れるんだけどな」

ナウティロ「でも、最初の雷撃をかわしてからの反撃は早くてびっくりでした…」

マレア「そうね…射点を近くに取り過ぎて補足されたのは私のミスだったわ」

ヴォルティーチェ「…ちょっと慢心したわ」

フルット「訓練でそれが分かれば大した成果ですよ、ヴォルティーチェ…あとで私からごほうびをあげましょう」優しく諭すような声で言うと、ヴォルティーチェは頬を染めた…

ヴォルティーチェ「え、ええ…待っています、お姉様///」

フルット「はい。それにアルピーノたちも素晴らしい動きで、いい刺激になりました……また「補習」にいらっしゃいね…♪」アルピーノたちににっこりと微笑みかけると、駆逐艦たちはそれぞれ顔を赤らめたり、もごもごと返事をした…

提督「…補習?」

カヴール「ああ、あれですか……///」

………

631:2017/06/28(水) 00:43:37.83 ID:
…帰投後…

提督「お疲れさま」

アルピーノ「うーん…」

提督「どうしたの?」

アルピーノ「いや…やっぱり対潜水艦戦は難しいから」

提督「でも、「補習」とやらで教えてもらっているんでしょう?」

アルピーノ「…まぁね」

提督「とはいえ、なかなか覚えきれるものでもない…」

アルピーノ「…そういうことね。まぁいいわ、フルット級の部屋に行ってくるから」

提督「ええ」

ランチエーレ「じゃあね」

アヴィエーレ「また後で♪」

ベルサリエーレ「チャオ」

提督「はいはい」

フルット「それで、提督はどう思ったのかしら…」

提督「いいと思うけど…射点の取り方も、タイミングも」

フルット「そう言ってもらえてよかったわ…それじゃあ…」軽く手を振って優雅に歩いて行った…

ナウティロ「また夕食の時に」

ヴォルティーチェ「じゃあね」

マレア「ん♪」


…フルット級・居室…


アルピーノ「お邪魔するわよ?」

フルット「はい、いらっしゃい…」

アルピーノ「じゃあ座らせてもらうわよ…っと」

フルット「大丈夫?」

アルピーノ「大丈夫、ちょっとよろめいただけ…」

フルット「そう…?」白い細い手を伸ばし、そっと頬をさすった…

アルピーノ「そ…そういうのはいいから///」

フルット「ふふ…あれだけ勇敢なアルピーノでも、こんなことで赤くなるの?」

アルピーノ「仕方ないでしょうが…慣れないものは慣れないし……」

フルット「そう…みんなも座ってちょうだい?立っていられると首が疲れるから」











632:2017/06/28(水) 01:06:17.41 ID:
アルピーノ「それで…と」

フルット「今日の反省点?…ちょっと勇み足だったことくらいでしょうね」

アルピーノ「…それだけ?」

フルット「他に言えることがあるとすれば……「提督が観戦していたから集中しきれなかった」…とか?」

アルピーノ「う…それはあるかもしれないわ……「見られている」って思うと、なんか落ち着かなかったのはあるわ」

フルット「でしょうね…動揺していた感じがにじんでいたから……でも、少し悔しい」

アルピーノ「何が?結果はそっちの勝ちだった訳だし、そんなに落ち込むような失敗もなかったと思うけど?」

フルット「そうじゃなくて…」

アルピーノ「じゃあ何が?」

フルット「こうして、向かいあって話しているって言うのに…顔色一つ変えてくれるでもなし……そんなに魅力が足りない?」

アルピーノ「そんなことはないけど……綺麗だし」

フルット「本当に…そう思っている?そうやって視線をずらして、見てくれようともしない……」

アルピーノ「それは…だって、直接見ると……瞳に吸いこまれそう…で」

フルット「そう…?なら、まだ脈はあるってことでいいの?」

アルピーノ「…もちろん」

フルット「じゃあ…指を重ねて……?」

アルピーノ「う…うん」

フルット「いい?」

アルピーノ「もし「ダメ」…って言ったら?」

フルット「そう言うつもりなの?」

アルピーノ「……いや」

フルット「…なら」フルットの薄い唇がそっと触れる…

アルピーノ「ん…んっ///」

フルット「ん…ちゅ……ちゅっ…」

アルピーノ「ん…ぷは…ぁ…///」

フルット「恥ずかしかった?」

アルピーノ「思っていたよりは平気だったわ…」

フルット「で、お味はいかが?」

アルピーノ「……しょっぱかった」

フルット「…ふふっ、何それ?」

アルピーノ「まだ、海水の飛沫がついていたみたいで…」

フルット「甘くなかった?」

アルピーノ「いや、そういう意味で言ったわけじゃないんだけど…!」

フルット「いいの…黙って」アルピーノの唇に指を当てた…

フルット「塩抜きできるまで……キスしてあげるから…」

アルピーノ「…そっちがしょっぱくなっちゃうけど///」

フルット「…私は平気」…ちゅ…ちゅぷ…っ…



633:2017/06/28(水) 01:33:58.80 ID:
フルット「…そんなに気になる?」

アヴィエーレ「い、いや!」

フルット「そう?」

ナウティロ「…アヴィエーレ、こっちに来て?」個室のドアを開けた…

アヴィエーレ「待った!……君はいいのかい?」

ナウティロ「何考えてるの?…単に「補習」するだけよ?」

アヴィエーレ「おっと…そうだったのか///」

ナウティロ「ふふ…アヴィエーレったらお茶目なんだから」

アヴィエーレ「オウムガイを乗せてる君に言われたくはないかな」

ナウティロ「もう……さぁ、来て♪」

アヴィエーレ「…あ、ああ///」

ランチエーレ「///」

マレア「あら、恥ずかしいの?」

ランチエーレ「誰がよ…一番槍を決められなかったのがちょっとくやしいだけ!」

マレア「みんなの一番ではないかも知れないけど……私の一番ならなれるわよ?」

ランチエーレ「うっ…そ、そうね///」

マレア「…突撃の時はあんなに勇ましいのに、子猫みたいに震えちゃってどうしたの?」

ランチエーレ「っ…いいわよ、行きましょうよ!…キスでも何でもしてあげるから、その時になってからひぃひぃ言わないでよね!」

マレア「ふふ…怖い怖い」

ヴォルティーチェ「あーあ…「そして誰もいなくなった」と」

ベルサリエーレ「残ったのは私たちだけね…どうする?」

ヴォルティーチェ「…こんな雰囲気で勉強もないでしょう?せっかくだし、私の部屋に来たら?」

ベルサリエーレ「私はいいけど…「残り物」どうしみたいな感じでくっ付くのは嫌じゃない?」

ヴォルティーチェ「あらま、お気遣いありがとう…でも平気。ちゃんとそう言ってくれたから」

ベルサリエーレ「そう…なら案内してくれる?」

ヴォルティーチェ「ええ…さぁ、どうぞ♪」


………


フルット「ふふ…アルピーノも山じゃないとてんで頼りないのね♪」

アルピーノ「あ…あぁ…ふぅ……だって、フルットのキスが…甘いから///」

フルット「あらあら…そんなにすぐ、波に呑まれちゃって…ふーっ…♪」

アルピーノ「あっ、あっ、あぁぁぁっ///」

フルット「背筋がぞくぞくした?」

アルピーノ「した…したからぁ///」

フルット「それは何より…ふー…♪」

アルピーノ「だから…っ、耳に息を吹きかけないで…っ///」

フルット「注文が多いのね。……分かりました…では……「愛してるわ」…♪」

アルピーノ「そ…それも反則ぅ…っ///」

フルット「ふふ、時間はたっぷりあるし、防音も効いているから安心してちょうだい…」

アルピーノ「あっ…ぁぁ……///」
634:2017/06/28(水) 02:01:04.86 ID:
………

ナウティロ「いらっしゃい…どう?」

アヴィエーレ「海辺の小屋って感じがする部屋だね…好みだよ」机の上に置かれた白い巻貝や、壁には古い投網の切れ端でできたタペストリー…

ナウティロ「どうぞ、座って?…お茶でも淹れる?」

アヴィエーレ「平気だよ、気を使わなくたっていい」椅子に座ると、つい足を組んで机の上に乗せた…

ナウティロ「…」

アヴィエーレ「おっと…すまないね。つい癖でやっちゃうんだ」軍帽を脱いで頭をかいた

ナウティロ「いいけど…」

アヴィエーレ「悪かったよ、操縦士たちってよくそうするからさ」

ナウティロ「ううん、気にしてないから…それより……」

アヴィエーレ「なんだい?」

ナウティロ「…キス……しないの?」

アヴィエーレ「…して欲しいのかい?」

ナウティロ「私はしてほしい…の」

アヴィエーレ「そっか…私もだよ……っん……///」

ナウティロ「んっ…ん……んぅぅ…///」

アヴィエーレ「んんっ…はぁ…」

ナウティロ「…ふぅ…ふぅ……柔らかかった…」

アヴィエーレ「そいつは良かった…リップクリームだのなんだのって、存外効果があるもんだね」

ナウティロ「…黙って///」

アヴィエーレ「おっと…何か悪い事を言ったかな」

ナウティロ「…わざと軽いふりをしているのが分かるの……そんなのいいから」

アヴィエーレ「そうかな?……ま、内心では怖がっていても、こうやって軽口きいていればへっちゃらだから…つい、ね」

ナウティロ「…むしろ一緒に怖がっていて欲しい……って気持ち、分かる?」

アヴィエーレ「分かるさ……じゃあ、しばらくは怖がらせてもら…」

ナウティロ「ん…ちゅぅ……///」

アヴィエーレ「んっ!……んんぅ…んっ…ん……///」

ナウティロ「んちゅ…ちゅぅ…ぅ……ちゅるっ……///」

アヴィエーレ「ん…ふぅ……ん、ちゅ…ちゅっ…///」

ナウティロ「んんぅ…ちゅぅぅ…ちゅっ……くちゅっ///」

アヴィエーレ「んっ!…んんぅ、んぅ……っ!」

ナウティロ「んっ…ちゅぅ……///」

アヴィエーレ「んーっ……ぷはぁ!…窒息させるつもりかい?」

ナウティロ「あ!…ごめんなさい」

アヴィエーレ「いいさ…幸福だったからね///」

ナウティロ「ならよかった…もう一度……する?」

アヴィエーレ「ちょっと恥ずかしいけどね…あぁ、いいよ///」

………
637:2017/06/30(金) 01:06:35.64 ID:
ランチエーレ「…お、お邪魔するわよ?」

マレア「ようこそ♪…コーヒーでいい?」

ランチエーレ「いいわよ」

マレア「じゃあ、ちょっと待ってて?」ふんふんと何かの曲をハミングしながらコーヒーを淹れる…コトリと置かれたカップのコーヒーには、ミルクと砂糖が入れてある…

マレア「さぁどうぞ、召し上がれ?」

ランチエーレ「…ありがと」コーヒーをすすり、頬を赤らめたままお菓子をつまむ…

マレア「ところで…」

ランチエーレ「な、なに?」

マレア「ひぃひぃ言わせるんじゃなかったの?」

ランチエーレ「けほっ!…あのねぇ、いくら私でもそんな理由だけで人の唇を頂こうなんて思わないわよ!」

マレア「…私も…貴女の唇が欲しい…」

ランチエーレ「じょ、冗談は止しなさいよ!…ナポリ人じゃあるまいし、からかうのはなし!」

マレア「私は…本気よ?」整った顔のマレアが四つんばいでゆっくりとにじり寄ってくる…緩いキャミソールから引き締まった小ぶりな胸がのぞき、ランチエーレは耳まで真っ赤になった…

ランチエーレ「あ…あのっ!」

マレア「ねぇ…いいでしょう?」

ランチエーレ「ああ…もうっ!……んっ///」そっと目をつぶって、顔を近づけて行った…

マレア「ん…んっ……んんぅ…ふぅ…っ……ちゅ…♪」

ランチエーレ「んぅ///…ちゅぅ…ぴちゃ…っ……ちゅぷ…っ……ん、ふぅ///」

マレア「んふ…っ、んっ……ちゅ…っ、ちゅるっ……♪」

ランチエーレ「ちゅ…ぷは…ぁ。……ど、どうなの?」

マレア「ふふ…とっても良かった……さすがね…でも、ひぃひぃ言わせるのよね?」

ランチエーレ「あ、あれは「言葉のあや」ってやつで…ねぇ、ちょっと待って!」

マレア「…待てないわ」

ランチエーレ「んんっ!…んぅ!…ん、んんぅ…ん、ふぅ…ちゅるっ…ちゅっ///」

マレア「んっ…ちゅぷ…っ、ちゅるぅぅ…っ…くちゅっ、んちゅっ♪」

ランチエーレ「んはぁ!……もう、待って…ってば…ぁ///」

マレア「だって…とろけた表情が……可愛い……んっ♪」

ランチエーレ「も…もう……そんな顔して言われたら…断れないじゃない…んちゅっ…ちゅっ///」

マレア「んふ…っ…脱がせるわね……」

ランチエーレ「言わないでよ…恥ずかしいから///」

マレア「そう、なら黙ってするわ」

ランチエーレ「そう言う問題じゃなくて…///」

マレア「大丈夫、私に任せていればいいから♪」

ランチエーレ「そ…それもなんかしゃくにさわるのよね……」

マレア「そう…でも、今は私の番♪」

ランチエーレ「ちょっと…どこ触っ…んぅっ///」

マレア「ふふ、槍騎兵さんは突撃は得意でも…責められるのには弱いのね♪」

ランチエーレ「…い、言ってなさいよ…反撃に入ったら…んぁっ、あぁぁっ♪…膝が震えるくらいがくがくにし…あぁぁぁっ!」



638:2017/06/30(金) 01:49:05.06 ID:
ヴォルティーチェ「向こうでは始まってるみたいね…」

ベルサリエーレ「…こうやって聞いていると…その…結構恥ずかしいと言うか…///」

ヴォルティーチェ「んー…ならキスしましょう?こっちもしてれば気にならないでしょうし」

ベルサリエーレ「いや…そんな軽い感じには……私は普通におしゃべりしててもいいし…」

ヴォルティーチェ「まぁ…そう言うならそれでもいいけど……正直…私はベルサリエーレの事、けっこう好きよ?」

ベルサリエーレ「嬉しいけど…///」

ヴォルティーチェ「…だから…一緒になれて、正直……期待しているの///」渦をかたどったような難しい結い方の髪をほどくと、ぱさり…と髪の房が肩から垂れた…

ベルサリエーレ「そ、そう…なら、期待に応えないと…んっ///」

ヴォルティーチェ「ん…ちゅ♪」

ベルサリエーレ「…どう、かな?」

ヴォルティーチェ「…まだ分からないわ……普段は「ヴォルティーチェ」の私が巻きこむ方だけど、今日は私の事を……渦に巻き込んで欲しいの///」

ベルサリエーレ「了解…なら、駆け足で行くよ……ちゅぅぅっ、ちゅるぅ…ちゅぷぅぅ…っ///」

ヴォルティーチェ「んっ、んんっ…んぁぁ……甘くてとろけそう…でも……もっと♪」

ベルサリエーレ「分かりましたよ、お嬢さん……ん、ちゅぅ…ちゅるっ……ぴちゃ…っ///」

ヴォルティーチェ「んぅぅっ…んっ、んっ、んんぅ♪……舌が…入って…///」

ベルサリエーレ「んちゅ…ちゅぷ…っ……ちゅぅぅ…♪」

ヴォルティーチェ「んっ、ふ……んぅ…暖かくて…優しいのね♪」

ベルサリエーレ「そう……いいかな?」

ヴォルティーチェ「ええ…こっちにも…キスして?」

ベルサリエーレ「…こんなところにキスしたら…跡が見えちゃうけど?」

ヴォルティーチェ「それでも…いいの♪」

ベルサリエーレ「…こっちの方が恥ずかしいけど……行くよ…んぅぅっ、ぷは…ぁ!」

ヴォルティーチェ「んんっ…跡になってればいいけど♪」

ベルサリエーレ「…じゃあ、甘噛みさせてもらおうかな……///」

ヴォルティーチェ「ふともも?首筋?…それとも胸?」

ベルサリエーレ「…なら全部に…ん、かぷっ……///」

ヴォルティーチェ「んんぅ♪…んっ、んっ、んんんっ♪」

ベルサリエーレ「この…白いふともも……んぅ」

ヴォルティーチェ「んぁぁっ、あんっ♪」

ベルサリエーレ「柔らかくて…甘い……かぷ…っ///」

ヴォルティーチェ「あぁぁっ、んぅ…もっと♪」

ベルサリエーレ「この桜色の先端も…っ♪」…こりっ♪

ヴォルティーチェ「ひぁぁぁっ!んぅ♪」

ベルサリエーレ「…すべすべの陶器みたいな……丘の方も…///」

ヴォルティーチェ「ひぃぅぅ…んっ♪」

ベルサリエーレ「首筋も白くて……かぷり…っ///」

ヴォルティーチェ「あぁぁぁんっ…いいっ、いいのぉ♪」

ベルサリエーレ「じゃあ…こんどは……反対側を…♪」

ヴォルティーチェ「あっ、あっ、あぁぁぁっ♪」

ベルサリエーレ「ヴォルティーチェ……もっと…しようか///」

ヴォルティーチェ「え、ええ♪」

………
639:2017/07/02(日) 01:16:28.20 ID:
ベルサリエーレ「…じゃあ、こっちも舐める…よ……脚、開いて…?」

ヴォルティーチェ「…ん///」

ベルサリエーレ「…では、失礼して……んっ、んっ…くちゅ…っ……れろっ///」頭を脚の間に突っこみ、ふっくらした秘所を優しく舐めあげ、舌をさしいれてくすぐる…

ヴォルティーチェ「…あっ…ん、んっ…くぅっ…んっ///」

ベルサリエーレ「とっても綺麗だよ…桃色の真珠みたいで……ぴちゃっ、くちゅ…♪」

ヴォルティーチェ「…んんっ、んっ、あぁぁ…んっ♪」

ベルサリエーレ「ふふ…しっとり濡れてて…暖かい…♪」

ヴォルティーチェ「ひぅ…っ♪……そこ…っ、舌が這入ってくる…と……じんじん…しびれて……ん、あぁぁっ♪」

ベルサリエーレ「どんどん濡れてきてるもの…ね……とろとろで……甘酸っぱい蜜が…いっぱい♪」

ヴォルティーチェ「だって…そこ……良いのっ……あっ、あっ、あっ♪」

ベルサリエーレ「ん……じゅるっ、じゅぷ…っ、ぐちゅ…っ♪」

ヴォルティーチェ「ひぅっ!…んぁぁっ♪」

ベルサリエーレ「…じゅる…ちゅるっ……ふぅ。…舌が疲れたから、今度は指でいかせてもらうよ?」

ヴォルティーチェ「…じゃあ、キス///」

ベルサリエーレ「分かった…よいしょ……っとと!」無理な姿勢で脚がしびれ、身体を動かそうとして倒れ込んだ…

ヴォルティーチェ「きゃ…っ!」どさり…とのしかかってきたベルサリエーレの身体は火照っていて、汗でしとどに濡れた額に髪が張りつき、頬を紅潮させて見おろしている…

ベルサリエーレ「…綺麗だ……アドリア海の輝きも、勝利の栄光も…君の前では蜃気楼に過ぎないね…」

ヴォルティーチェ「もう…上手なんだから///」

ベルサリエーレ「…事実だからね。…ん♪」

ヴォルティーチェ「んっ♪…ん、ん、んんっ♪」

ベルサリエーレ「じゃあ、いくよ?」…くちゅ、くちゅっ…じゅぶっ!

ヴォルティーチェ「あっ…あぁぁっ♪…ん、くぅ…っ♪」

ベルサリエーレ「…指に吸いついてくるみたいだね……とろっとしてて、気持ちいいよ///」

ヴォルティーチェ「ひぅっ!あぁっ…ん♪……身体が…うずいて……熱いの…ぉ///」

ベルサリエーレ「あぁ…こっちも。…脱がせてあげよう///」

ヴォルティーチェ「お願い…///」

ベルサリエーレ「…ん」しゅる、しゅるっ……ぱさっ…普段は真っ白い細雪のようなヴォルティーチェの、火照って桜色になった肌があらわになる…

ヴォルティーチェ「じゃあ…貴女のは……私が…///」しゅるり…しゅる…っ…

ベルサリエーレ「…こうしていると……結構恥ずかしいね///」…花模様のレースをあしらった桃色のブラと、半分脱げた薄いブラウスから、汗ばんだ肌がのぞく…

ヴォルティーチェ「そうね…でも…///」ぺろっ…れろっ…

ベルサリエーレ「…汗ばんでるから、止めた方がいいよ///」

ヴォルティーチェ「いいの…ベルサリエーレの汗だもの……でも、しょっぱい♪」

ベルサリエーレ「ふふっ♪だから言ったろう?……そっちもしょっぱいな♪」れろっ…ぴちゃ…

ヴォルティーチェ「んんっ♪……ねぇ、せっかくだからこっちも…重ねてみて♪」

ベルサリエーレ「あぁ……んっ、んっ…くぅぅ…んぅ♪」くちゅ、くちゅり…じゅぶ…じゅぶっ…♪

ヴォルティーチェ「んぁぁっ…んっ、んぁぁ、んぁぁぁぁっ♪」ぐちゅっ…くちゅっ♪

ベルサリエーレ「も、もう…んぁぁぁっ♪」

ヴォルティーチェ「…私も……んっ、はぁぁんっ♪」

642:2017/07/04(火) 11:30:34.79 ID:
…しばらくして…

ベルサリエーレ「ふぅ…っ……もう、身体中べとべとだし…力は入らないし…///」

ヴォルティーチェ「私も……膝が笑って…立てないの///」

ベルサリエーレ「ん…しょ……大浴場で汗を流そう」濡れ布巾と大して変りなくなった下着を脱ぎ捨て、足下がおぼつかない様子でスカートだけ履いた

ヴォルティーチェ「そうしましょう…歩けるならね」

ベルサリエーレ「…ちょっと無理かも」

ヴォルティーチェ「くすくすっ…だろうと思ったわ、あれだけよがってたもの…ね♪」

ベルサリエーレ「…い、言いっこなし///」

ヴォルティーチェ「…ふふふ、そうね。私だってあんなに叫んじゃったし///」

ベルサリエーレ「…でも困ったな…どうやって大浴場まで行こうか?」

ヴォルティーチェ「誰か呼びましょう…姉上、マレア、ナウティロ……誰でもいいけど手伝って?」

ベルサリエーレ「…また適当な」

ヴォルティーチェ「大丈夫、来てくれるから」そう言った矢先にドアをノックしてナウティロが顔をのぞかせた

ナウティロ「なーに?」

ヴォルティーチェ「ああ、ナウティロ…悪いけど大浴場まで行きたいの、手を貸してくれない?」

ナウティロ「いいですよ…ちょうど私たちも行こうとしてたし♪」

ベルサリエーレ「…「私たち」ってことはアヴィエーレも……」

ナウティロ「んふふっ…とっても良かった♪」

ベルサリエーレ「…はぁ、フルットたちには調子を狂わされるな…とりあえず、曳航の方はお願い」

ナウティロ「はいはい…ヴォルティーチェ、あなたは立てる?」

ヴォルティーチェ「立てるわ…よいしょ……」テーブルに手をつき、慎重に立ち上がる…

ナウティロ「ふふ、お婆ちゃんみたい♪」

ヴォルティーチェ「誰がおばあちゃんよ…もう♪」ナウティロの乳房に手をついて立った

ナウティロ「あんっ♪もう、ヴォルティーチェったら♪」

ヴォルティーチェ「仕返しよ♪…さ、行きましょう」

ベルサリエーレ「…ナウティロ、アヴィエーレはいいの?」

ナウティロ「大丈夫、今来るから…ほら」

アヴィエーレ「…お待たせ///」

ナウティロ「ん…じゃあ、いきましょう♪」アヴィエーレの腰にさりげなく手を回し、反対側の腕でベルサリエーレを支えた…同時に、スカートの下に手を入れて、きゅっと引き締まったヒップを下から撫でた…

ベルサリエーレ「///」

ナウティロ「…下着、洗濯しないといけなくなっちゃった?……それとも、ずっと履いてなかったの?」耳元でささやいた…

ベルサリエーレ「そんな変態じゃないから…濡れて気持ち悪かったから脱いだだけ…///」

ナウティロ「そうなの?…あのね、アヴィエーレも実は…」

アヴィエーレ「おいおい…二人には内緒だろう///」

ナウティロ「残念♪」

ヴォルティーチェ「…取らないでよ?」

ナウティロ「大丈夫、アヴィエーレがいるから」

アヴィエーレ「…あ、ああ///」

ベルサリエーレ「すっかり骨抜きにされてるし……もっとも、私もアヴィエーレの事は言えないか///」愛おしげにヴォルティーチェの方に視線を向けた…

………

643:2017/07/05(水) 01:25:38.91 ID:
…大浴場…

ベルサリエーレ「ふー、気持ちいい……あれ、ヴォルティーチェ?ナウティロ?」

アヴィエーレ「二人ともいなくなったね…なんだい、私たちの端正な裸体を見て鼻血でもだしたのかな?」

ベルサリエーレ「まさか?ヴォルティーチェたちの方がしなやかで綺麗だし、それにいやらしく触りに来るっていうならまだしも…」

アヴィエーレ「ははは、違いないね♪」

ベルサリエーレ「それにしたってどこに行ったの…うわ!」ごぼごぼ…と空気の泡が湧きあがってくると同時に、ヴォルティーチェがお湯から飛び出してきた

ヴォルティーチェ「ぷはぁ!…ナウティロは?」

アヴィエーレ「ええ?…なんだい、潜水の勝負かな?」

ヴォルティーチェ「そうなんだけど…負けちゃったかしらねぇ」

アヴィエーレ「また、くだらない…」

ヴォルティーチェ「くだらなくないの…負けるたびにお皿片づけたりするんだから」

ベルサリエーレ「賭け?」

ヴォルティーチェ「そう。…でも、また負けちゃったみたいね」両手を上げるとベルサリエーレの肩に頭を乗せ、腕にすがりついた

ベルサリエーレ「…///」

アヴィエーレ「それにしても…ナウティロは大丈夫なのかい?お湯だし、のぼせているんじゃないか?」

ヴォルティーチェ「…じゃあ、呼んでみる?」そう言っていると、湯気の向こうから二人のシルエットが近づいてきた…

提督「あら、ヴォルティーチェ、アヴィエーレとベルサリエーレも…「補習」はもういいの?」長身を傾けていたずらっぽく尋ねた

カヴール「補習ですか…成果はありました?」こちらは温和な笑みを浮かべ、目尻を下げて言った

ベルサリエーレ「それは…///」

ヴォルティーチェ「ばっちりでした♪」

アヴィエーレ「あぁ、まぁね///」

提督「それは良かったわね。それにしてもいいお湯で……ひぅっ!?」ちゃぽん…とお湯に脚を入れた瞬間、毒グモにでも刺されたように飛び上がった

カヴール「どうしました!?」

提督「今、お湯の中でぬめっとしたものに…脚を撫でられて」今日は源泉の影響か緑白色の濁り湯になっていて、提督はじっと水面を見おろした…

ベルサリエーレ「…」

ヴォルティーチェ「…」

アヴィエーレ「あー…」

ナウティロ「…ぷはぁ!ふふ…アヴィエーレ、いきなり脚舐められて驚いたでしょ?それにヴォルティーチェ、また私の勝ちみたい…ね」

提督「…♪」

カヴール「…あらあら」

ナウティロ「……あの…もしかして、さっきの脚って」

提督「私のよ。…ずいぶんと潜りがお上手ねぇ…♪」

ナウティロ「…失礼して、もう一度「深く静かに潜航せよ」ということで…!」

提督「待ちなさいっ!…この可愛いいたずら娘♪」

ナウティロ「きゃあっ!」

提督「この…ぉ♪」

ナウティロ「ひぅぅっ♪」







644:2017/07/05(水) 01:54:18.57 ID:
カヴール「それはそうと」…しばらくきゃあきゃあと嬌声をあげていたナウティロたちだったが、提督がお湯に入るとようやく落ち着き、隣に浸かっているカヴールがそれを見て声をかけた…

提督「んー?」

カヴール「日曜日はどうされます?」

提督「そう言えばもう週末だものね…どうしようかしら。月ごとの書類は…」

カヴール「決済済みです」

提督「足りないものは…」

カヴール「ありません」

提督「新着艦の居室に必要な家具は…」

カヴール「私とドリア、ザラ級とボルツァーノで運んでおきました」

提督「そう…なら暇な一日を過ごせ……あ」

カヴール「?」

提督「ライモンと出かけることにするわ…ここの所どうしても新着艦のみんなにばかりかまけていて、すっかりごぶさたしていたから…」

カヴール「あぁ…それはいいですね♪彼女は奥ゆかしい性格で、あんまり言い出せないでいたようですから…ぜひ連れて行ってあげてください♪」

提督「そうね…うん、そうするわ」

アヴィエーレ「いいことだね…ライモンドは優しいし、提督にぞっこんだからね♪」

カヴール「本当に。もう、嫉妬しちゃいます♪」そう言いつつもちっともそう思っていないのは、目を細めて慈愛に満ちた笑みを浮かべていることからも明らかで、単にからかっているだけらしい

提督「怖いわ…後ろから刺されないようにしないと♪」

アヴィエーレ「さっきのナウティロみたいに下からかもしれないね♪」

カヴール「それに、私だったら刺したりしませんよ?」

提督「あら優しい♪」

カヴール「ふふ、「年増の魅力」というものをたーっぷり教えて差し上げるだけですから♪」

ベルサリエーレ「それは…優しくないねぇ…」

提督「…ごくっ」

カヴール「ほら…提督…こうやって、若い女の子にはない魅力というのも……あるんです…よ♪」豊かな胸に手を導いていく…

提督「柔らかい…///」

カヴール「…ふふっ、冗談です♪…ライモンドと二人で、水入らずのお出かけを楽しんできて下さいね♪」

提督「ありがとう、カヴール…その気持ち、とっても嬉しいわ」

カヴール「いいんですよ、私は普段から良くしてもらっていますから。……さっきだって、あんなに可愛い声で…うふふっ♪」

提督「あぁ…まぁ、それは……その///」

アヴィエーレ「ヒューゥ♪」

提督「からかわないで…とにかく、日曜日はライモンとお出かけするから。カヴール、留守の方は任せていいかしら?」

カヴール「無論ですとも♪」

提督「ありがとう…ふふ、楽しみね♪」

………


645:2017/07/05(水) 02:44:28.20 ID:
…土曜日・夜…

ディアナ「わたくしに御用とのことですが…何でございましょう?」昼食後、厨房にやって来た提督から「相談がある」と聞かされていたディアナは、改めて用向きを尋ねた…

提督「明日、ライモンを誘ってお出かけするから、バスケットに素敵なお昼を用意したいの。それで…」

ディアナ「あぁ、でしたらわたくしが……」

提督「ううん、気持ちは嬉しいけど私が作るの…で、何がいいかしら…と、思って」

ディアナ「なるほど…ライモンドさんは好き嫌いも少ないですし…バスケットに詰めるのでしたらサンドウィッチが無難でしょうが…」

提督「ええ、何かひと味違うのが欲しいの」

ディアナ「なるほど…でしたら……」献立の本を棚から取り出し、ページをめくった…

提督「どう?」

ディアナ「これはいかがでしょう?「胡椒を利かせたパストラミハムとオリーブのサンドウィッチ」と「サーディンとスライス玉ねぎ、フレンチ・マスタードのサンドウィッチ」…あとは、「トマトスライスとモッツァレラ、フレッシュバジルのイタリア三色旗サンドウィッチ」…彩りも綺麗ですし、なかなかお洒落ですよ?」

提督「いいわね…あとは、コールドチキンでも……」

ディアナ「さっき熱心に鶏をローストなさっていたのはそのためでしたか」

提督「ええ…「明日の分」以外に理由があるかしら?」

ディアナ「てっきりお夜食かと♪」

提督「…」

ディアナ「冗談です」

提督「ええ、そうよね…」思わず脇腹をつまんでみて、つかめないことに安堵した…

ディアナ「…それと、デザートのお菓子ですか?」

提督「そうね、常温でも美味しいのがいいわ」

ディアナ「でしたら…ビスコッティでしょうか」

提督「なるほど、いいわね」

ディアナ「ふふ…ライモンドさんがうらやましくなってしまいますね」

提督「ごめんなさいね、つきあわせちゃって」

ディアナ「いえいえ…よしなに♪」

提督「さて…と、それなら準備に取りかかりましょうか」

ディアナ「はい♪」


………


提督「まずは…材料を切る」…トマトは断面が見えるよう、ダルマ落としのように横からスライスしていく…透明なゼリーの部分は水っぽいので取り除いて、水気を切る…玉ねぎはまだ新玉ねぎで辛くないので、薄切りにしてから軽く数分水にさらすだけでボウルから上げる

ディアナ「サーディンの方は出来ましたよ」…オイルサーディンは缶から取り出し、軽く油をきる。パストラミは冷蔵庫から塊を出してきて、端から薄切りにしていく…しっとりとしたモッツァレラは厚めに切って、バジルは「ポンッ」と手の中で軽く叩き、香りを出す…オリーブの瓶詰めはオリーブの円形をした断面が見えるように薄くスライスする…

提督「ありがとう…パンは……」…普通の食パンと胚芽入りのパンは耳を落とし、バターと、一部にフレンチ・マスタードを塗る…円盤状のもっちりしたパンは半分に裂いてオリーブオイルを塗り、バジルを乗せた…

ディアナ「あぁ、いい具合ですね…では、のせていきましょうか」


…胚芽と普通のパンを合わせたサーディンのサンドウィッチに、円盤状のパンに合わせたモッツァレラとトマト、バジリコのサンドウィッチ、それに黒胡椒を利かせたパストラミとオリーブのサンドウィッチがまな板の上に並ぶと、もう一枚のまな板で重しにした…


ディアナ「できましたね…しばらくしたらバスケットに詰めていきましょう。終わったらバスケットには濡れ布巾をかけておくので、パンがぱさぱさになることもないですよ」

提督「ありがとう、ディアナ…今度、機会ができたら貴女ともお出かけしたいわね」

ディアナ「ふふ、ありがとうございます…明日は頑張ってくださいね」

提督「ええ、頑張るわ♪」


………
647:2017/07/07(金) 00:45:23.48 ID:
…日曜日・朝…

提督「おはよう、ライモン。似合っているわよ♪」黒に近い濃い青色のランチア・フラミニアを玄関に寄せた

ライモン「そうですか?嬉しいです///」白いワンピースに青いスカーフ、サンダルを履いた夏っぽいスタイルのライモンは、にこやかに応じた

提督「そう、じゃあ乗って?」一旦降りるとライモンをエスコートして助手席のドアを開けた

ライモン「そこまでしなくてもいいですよ…///」

提督「気にしないで…さぁ♪」

ライモン「は、はい///」嬉しげに乗り込み、律儀にシートベルトを締める

提督「準備いい?」

ライモン「はい、できました」

提督「結構、じゃあ行きましょう♪」ヴォ…ンとエンジンをふかし、鎮守府を出た


…国道…


ライモン「…というようなことがありまして」

提督「そうなの、続きを聞かせて?」

ライモン「はい、そうしたらあまりの事に動きが止まってしまって…大変だったんですよ」

提督「ふふ、そうだったの♪」しっかりしたエンジン音を響かせるランチアのハンドルをしっかりと握りつつも、たわいないおしゃべりに笑みを浮かべる提督と、久しぶりに二人きりで話したいことがたくさんあるライモン…

ライモン「ええ、そうしたらもうオイルは噴き出す、警告灯は点く、アラームは鳴るで…」

提督「あらあら…」滑らかにカーブをクリアしていくと、海沿いの眺めのいい辺りにでた…きらきらと照り返す夏の海に、白いカモメ…

ライモン「こうやって提督が一緒だと、海もまたひと味違う感じがします」

提督「あら、ありがとう……っ!」ぎりぎりのところをかすめて、後ろから来た別の車が抜いて行った…

ライモン「…全く、危ないですね……って、提督?」

提督「…ちょっと速度上げるわね」…ヴォォォ…ン!

ライモン「え、何もあんなのと張り合わなくても…!」

提督「…せっかくの雰囲気に水を差されたのが…ね」…あっという間に加速して相手の車…現行モデルの「ジュリエッタ」に並ぶと、一気に追い越した

ライモン「そんな、ラリーじゃないんですから…」ライモンが呆れたように言った…

提督「向こうがそのつもりだったようだから…旧式とでも思ったのかしらね」

ライモン「…まぁ、少しすっきりした気分にはなりましたが……でも、危ないですよ」

提督「そうね、大事なライモンを乗せているんだもの…以後気を付けるわ」

ライモン「はい、お願いします」

提督「さてと…目的地まではあと少し……いい天気でよかったわ♪」

ライモン「ですね。お天道様も祝福してくれているんでしょうか?」

提督「もちろん、神様から優しいライモンへのごほうびよ♪」

ライモン「///」

提督「…ふふ♪」





648:2017/07/07(金) 01:15:12.31 ID:
提督「さぁ、着いたわよ♪」道路の端にランチアを停めると、坂になっている細い道を二人で下った…たどり着いたのは雑木林にかこまれた小さい海岸で、波が静かに寄せては返していた…

ライモン「わぁぁ…綺麗な海岸///」

提督「海は見飽きているでしょうけど、ここの海岸は人もめったに来ないし、とっても綺麗だから…どう?」

ライモン「とっても素敵です…白い砂浜と緑の木が鮮やかで…波も穏やかですし」

提督「この前タラントに出かけた時、ふっと気がついて坂を下りてみたらここがあったの…で、いつかライモンと来ようと思って…///」

ライモン「///」

提督「……さ、シートでも敷きましょうか!」

ライモン「は、はい///」

提督「じゃあ、そっちをもって?」

ライモン「はい♪」

提督「そっちにそれを置いて?」

ライモン「これですか?」

提督「そう、それ」

ライモン「置きました」

提督「じゃあ私はこっちに…あ、それはこっちに…」

ライモン「はい…ふふっ♪」

提督「何かおかしい?」

ライモン「はい…だってさっきから「あれ」とか「これ」で意味が分かるなんて…長年連れ添っているみたいで///」

提督「ふふ、言われてみればそうね♪……さてと、これでくつろぐ準備はできたわ…さぁ、どうぞ?」

ライモン「あの、提督……嬉しいですけど…その」

提督「…「お出かけ」するからには、買い物とか、映画とかに連れて行かれると思ってた?」

ライモン「あっ、いえ!……ここはとっても静かで、素敵な場所です…でも、提督はつまらないんじゃないか…って」

提督「お気遣いありがとう♪…でも、ライモンは普段から忙しくしているし…たまには二人きりで「何にもしない」って言うのもいいんじゃないかしら?」

ライモン「…それもそうですね……なんだか、ふふ…納得しました♪」

提督「そう、よかった♪」

ライモン「では、せっかくなので…よいしょ…♪」柔らかい砂の上に敷いたシートの上に座った…

提督「ふふ…では私も♪」隣に座って、そっと手を重ねた…

ライモン「あ…///」

提督「しばらく…こうしていましょうか…」

ライモン「はい…提督の手、すべすべで暖かいです……」

提督「そう?…ライモンこそ、陶器みたいに滑らかね♪」

ライモン「…///」

提督「…」

ライモン「…あの」

提督「?」

ライモン「提督は…私でよかったのですか?」

提督「…今日のお出かけ?」

ライモン「はい」

提督「…もちろん♪」
649:2017/07/07(金) 01:43:34.27 ID:
ライモン「でも…カヴールさんとか、ドリアさんとか……他にもいっぱ…!」…ライモンの唇に人差し指を当てて黙らせた

提督「今は…他人の名前は言わないで?…せっかく二人なんだもの」

ライモン「…はい」

提督「それに、他人は他人、ライモンはライモン……他のみんなにはない魅力がいっぱいあるから♪」

ライモン「…そ、そうですか///」

提督「ええ♪」

ライモン「……提督は」

提督「ん?」

ライモン「具体的に…わたしのどこが好きですか?」

提督「そうねぇ…律儀な性格も、しなやかな姿も、爽やかな声も…全部好きよ?」

ライモン「……では…その…いつ頃からでしょうか…///」

提督「好きになったの?…着任早々に、目を潤ませて取りすがってきたころから…かしらね」

ライモン「そ…それってほとんど最初じゃありませんか///」

提督「ええ…けなげで、真っ直ぐないい娘だなって思ったの」

ライモン「///」

提督「…な、なにも真っ赤になる事じゃないでしょうに……こっちまで恥ずかしくなってくるわ///」

ライモン「だって、提督がその頃から…思ってくれていたかと思うと……///」

提督「だって…あぁ…ぁ、なんだかこそばゆいというか…くすぐったいというか///」

ライモン「…提督が…言ったんですよ……「好き」って///」

提督「あぁぁ…もう///」

ライモン「提督…///」

提督「…なぁに」

ライモン「…もう一回、あの時みたいな……キスを///」

提督「…じ、じゃあ…目をつぶって///」

ライモン「ん…///」

提督「すー…はー…///」

ライモン「…」

提督「ふー…///」

ライモン「…ま、まだですか?」

提督「ちょっと待って……じゃあ、キス…するわよ///」

ライモン「…ん///」

提督「んっ…♪」

ライモン「……優しい…キスですね///」

提督「…ま、まぁ…そうね///」

ライモン「その…素敵なキスでしたよ///」

提督「あ…ありがとう///」

ライモン「でも…まだまだ時間はありますし…もうちょっとだけ……///」

提督「え、ええ…なら……ん♪」

ライモン「…んっ♪」
650:2017/07/08(土) 09:29:21.37 ID:
提督「…///」

ライモン「月並みな言い方ですが……とっても…よかったですよ///」

提督「…泳ぎましょう///」

ライモン「えぇ?水着なんて持ってきてないですよ?」

提督「急に泳ぎたくなったの♪」

ライモン「分かりました、じゃあ…」するする…っ、ぱさり…

提督「えっ、ライモン…ちょっといきなり///」

ライモン「泳ごう、って言ったのは提督ですよ?さぁ、提督も…♪」(…照れ隠しのつもりだったのでしょうが、逆効果でしたね♪)

提督「…ええ、分かったわ///」する…っ、しゅる…っ

ライモン「じゃあ、行きましょう♪」白い肌を惜しげなく見せつけ、提督を引っ張るライモン…

提督「…ごくっ///」ライモンのヒップが小気味よく揺れている…

ライモン「どうしたんです?さぁ、早く泳ぎましょうよ♪」

提督「…あぁ、はいはい///」

ライモン「わぁ…水が暖かいですね♪」

提督「そ…そうね///」

ライモン「…」

提督「…///」

ライモン「…えいっ♪」バシャ!

提督「きゃっ!…もう、いきなり何をするの♪」

ライモン「だって、さっきから私の胸ばっかり見てて…きゃぁ!」

提督「お返し♪」

ライモン「やってくれましたね…反撃です♪」

提督「うわ…ぷ!…もう♪」バチャ、バシャッ!

ライモン「ひゃあっ♪」

提督「…ふふ」

ライモン「ふふ…っ、楽しいですね♪」

提督「よかった…♪」

ライモン「じゃあ、今度は少し泳いでみます?」

提督「んー…遠浅みたいだし、まぁ大丈夫そうね……行きましょう♪」

ライモン「じゃあ、湾につき出しているあの岩の所まで競争ですよ♪」

提督「む…泳ぎなら負けないから♪」


…しばらくして…


提督「ふー…はー…ふぃー…」

ライモン「はぁ…はぁ…ほぼ、互角でしたね…」

提督「ふー…ライモンがこんなに…ふぅ…速いとは…思わなかったわ…」

ライモン「提督こそ…私も結構速い方だと思うのですが…ふぅぅ…よく追いつけましたね…」

提督「…はぁぁ…止せばよかったわ…ふぅ……疲れた…」

ライモン「…楽しかったですけどね♪」
651:2017/07/08(土) 10:21:22.75 ID:
提督「それならよかったけど…ふー…」

ライモン「ふふっ…♪」

提督「何かおかしい?」

ライモン「ええ、二人でお出かけするのだから、お洒落なお店で買い物をして、静かなカフェでコーヒー…それから高級レストランできりりと冷えたワイン付きのランチタイム…なんて思っていたので」

提督「ふふ…がっかりしちゃった?」

ライモン「いいえ…提督の裸が見られただけでおつりが来ます♪」隣り合って脚を投げだし、シートに座る二人…

提督「…もう、からかわないの///」

ライモン「…本気ですよ」提督をじっと見つめ、指を絡ませる…

提督「///」

ライモン「ここなら…誰も見てないですよ……」

提督「…そ、そうね///」

ライモン「…ん…んちゅ…っ♪」

提督「んっ、んっ…///」

ライモン「ちゅ…っ♪…ふふ、もしかして期待してます…?」

提督「…それは…その///」

ライモン「なら、期待に応えないといけませんね♪」ぐいっ、どさっ…

提督「あ///」

ライモン「提督の瞳に空が映って…まるで青い目みたいです♪」

提督「…ライモン///」

ライモン「ん…ちゅっ…ちゅる…っ、ちゅぷっ♪」

提督「んっ、んっ……はぁ///」

ライモン「ふふ…塩辛いです♪」

提督「え…ええ///」

ライモン「もう…我慢できませんから……♪」

提督「…来て///」

ライモン「…ん、ちゅっ…ちゅぅぅ♪」

提督「んぅぅ…舌…入ってきた///」

ライモン「提督の…乳房……柔らかい……でも、ここは硬いですね♪」むにゅ…ぐにっ……こりっ

提督「あっ、あっ♪…先端はつまんじゃ駄目…っ♪」

ライモン「…と、言いつつ押し付けてくるのはどうしてですか♪」

提督「…だって///」

ライモン「こっちだって、すっかり濡れそぼっていますし…♪」くちゅっ、くちゅり…

提督「んっ、んぅ…あぁぁ♪」

ライモン「とろけたお顔も…素敵ですよ…っ♪」…くちゅっ♪

提督「あっ、あぁぁぁっ♪」




652:2017/07/08(土) 11:15:04.44 ID:
ライモン「ふふ、こんなに乱れた提督は初めてです…ね♪」くちゅっ、じゅぶっ…ぐちゅ♪

提督「んんぅ、だって…ライモン……いいの……続けて…っ♪」

ライモン「こんなにとろとろで…シートがびしょびしょですよ?」

提督「ビニールなんだし…水で流せば……んぁぁぁっ♪」とろっ…

ライモン「そろそろ、わたしも……っ♪」くちゅり…

提督「……んっ、あぁぁっ♪ライモンの…肌……火照ってる…♪」

ライモン「重くないですか…?」

提督「大丈夫だから…じらさないで……♪」ぷるっとした艶やかな唇が開き、甘ったるくねだる

ライモン「そうですか?では…♪」くちゅっ、ぐちゅっ…ぐちゅっ♪

提督「んぁぁぁ…っ♪」ライモンが重なり合った秘所を滑らかに動かすと、ため息のような声をもらした…

ライモン「…愛してます♪」身体を重ねつつ、こっそりと耳打ちするようにささやいた

提督「あぁぁんっ♪…そういうのは反則…///」

ライモン「恋と戦争は手段を選びませんから…ふー…♪」

提督「あっ、あっ、あぁぁぁっ♪…もう、どこでそんなこと覚えたのっ♪」

ライモン「提督からですよ…っ♪…ん、ちゅっ♪」

提督「んっ、ふぅぅ…ちゅる…ん、んぅ♪……そういえばそうかも…んっ、あぁぁっ♪」

ライモン「…ちゅっ♪」

提督「はぁぁ…ん♪」

ライモン「こっちも…すっかりとろとろで……♪」

提督「ひぅっ、んぁぁぁっ♪……ライモン…もっ…と///」

ライモン「はい…では、わたしに身体を預けて…♪」ちゅぷっ、じゅぷっ…

提督「あっ、あぁぁ…ぁっ♪」

ライモン「とろけた表情も可愛いですよ…♪」胸を合わせ、濡れた身体をゆっくりと動かしつつ、そっと顔を撫でた…

提督「あんっ…ライモン……れろっ、ちゅぱ…っ///」顔を撫でる指をそっとつかんで引き寄せ、優しく舐めた…

ライモン「ふふ…せっかく濡らしてくれたので……好きですよ、提督」くちゅっ♪…濡れた指を愛おしげに見つめていたが、耳元でささやくと手をゆっくりと降ろして、とろりと蜜を垂らす提督の花芯に滑り込ませた…

提督「んっ…それ、いいっ♪……ライモンの…指が…ひぅぅぅっ♪…入ってきて…んっ、あぁぁぁ♪」くちゅ、くちゅっ…とろっ…♪

ライモン「…すごい濡れて…ねっとりしてます……♪」

提督「…だって……ライモンに「好き」って言われたら…んっ、ああっ!」

ライモン「でしたら……愛してます♪」かぷ…り

提督「あっ、あっ、あっ…あぁぁぁっ♪」とろ…っ、ぶしゃぁぁ…っ

ライモン「ふふ、提督の乱れた顔…♪」

提督「…あんまり見ないで♪」

ライモン「いいえ…わたしだけに見せてくれたんですから…♪」

提督「もう、仕方ないんだから♪」

ライモン「…ふふ、提督のとろけたお顔…わたしには一番のごほうびです♪」

提督「気に入った?」

ライモン「はい…でももうちょっと……♪」

提督「あっ…んんっ♪」

654:2017/07/12(水) 00:50:01.20 ID:
ライモン「…その」二人で甘い一時を過ごし、しばらく無言だったがライモンがぽつりと切りだした

提督「な、なに…///」

ライモン「…可愛かったですよ///」

提督「そ…そう///」冷静になってみるとかなり大胆だった行為が恥ずかしく、視線をあわせられずにいた…

ライモン「はい…♪」


…手を重ねた二人が座っているひと気のない海岸にざぁぁ…っと波が打ち寄せては引いていく…時々カモメが甲高い声で鳴きながら上空を飛び、沖合には貨物船らしい船の小さくかすんだシルエットが見える…


提督「んー…一万トンクラスのバラ積み貨物船……」隣に裸の美少女が座っていてもつい沖を行く船を識別しようとしてしまう…というより、白い肌をさらした裸のライモンを直視できないので、照れ隠しに目をこらして沖を眺めている…

ライモン「……船体は緑で白い縁取り、赤い煙突にデリックが二基…喫水線が高く見えるので積み荷は空…速度は大体十ノットくらいですか」

提督「よく見えるわね…」

ライモン「ええ…視力は良い方で……」そこまで言ったところでお腹がぐー…と鳴った

ライモン「っ///」

提督「…ふふ、お昼にしますか♪」

ライモン「…は、はい///」

提督「じゃあ、それを取って?」

ライモン「はい…って、これ全部お昼ですか?」

提督「え、ええ…嬉しくてつい作り過ぎたのは認めるわ」

ライモン「…いくらなんでもこれは…一個小隊をまかなう訳じゃないんですから」柳のバスケットを二人の間に置いた

提督「ま、まぁ…いっぱい食べて?」

ライモン「そうします」

提督「見た目はどう?」

ライモン「どれどれ…わぁ、豪華ですね♪」

提督「さ、どうぞ?」ウェットティッシュを渡し、皿を並べた…

ライモン「ありがとうございます、ではさっそく……んむ…もぐ…」

提督「……ど、どう?」

ライモン「とっても美味しいですよ…はい、あーん♪」

提督「あーん///」

ライモン「提督はお料理も上手なんですね♪」

提督「あ、ありがとう……「あーん」してもらったら二割増しくらい美味しい…わ///」

ライモン「そ、そうですか///」

提督「ええ……あ、そういえば飲み物もあるのよ?」一応水筒にアイスティーを詰めては来たが、直前になって二人の「お出かけ」を聞きつけたポーラから渡されたクーラーボックスがあったので開けてみた

ライモン「ポーラさんから受け取ってましたよね…なんでしょう?」

提督「おおかたお酒だとは思うけど…ほら、やっぱり」クーラーボックスの中は氷が詰めてあり、ワイングラス二つとキァンティ葡萄酒ひと瓶が行儀よく収まっている…

ライモン「ポーラさん、優しいですね」

提督「気持ちは嬉しいけど、飲んで運転するつもりはないから困ったわね…」

ライモン「…かといって開けないのも悪いですし」

提督「分かったわ、一杯だけね…あとはライモンが好きなだけ飲んで、残ったら持って帰りましょう」

ライモン「わたしそんなに飲めませんよ…?」

提督「無理に飲まなくていいから…さ、グラスを出して?」


655:2017/07/12(水) 01:52:24.10 ID:
提督「あ…いい香り」きゅっ、ぽん♪…と軽い音がしてコルクが抜け、露が降りたグラスに紅いワインをとくとくとく…と注いだ

ライモン「本当ですね…さ、提督の分はわたしが」

提督「ありがとう、形だけいただくわ」

ライモン「はい…これでいいですか?」

提督「ん…じゃあ、乾杯♪」こんっ…

ライモン「乾杯♪…んっ…こく、こくん…」

提督「美味しい…良いワインね」

ライモン「ええ、美味しいです…きっとポーラさんのとっておきだったんじゃないでしょうか」

提督「かもね…銘柄は書いてないけど…」口の中で転がしつつ、ほど良い酸味と渋みを味わった…

ライモン「チキンを切りましょうか?」

提督「あぁ、いいの…私がやってあげる。ライモンは食べる方をお願い♪」小さいナイフで器用に骨からチキンを削ぎ、皿に盛った

ライモン「じゃあ…お言葉に甘えて……」塩とニンニク、少しエスニックな雰囲気にしようとクミンとチリ・パウダーをまぶした変わり種のコールド・チキンにライモンは驚いた表情を浮かべたが、すぐその可愛らしい口で鶏の脚一本分を平らげた

提督「…美味しい?」答えは分かっているが、ライモンから直接聞きたくてたずねた

ライモン「はい、とっても…中東風で美味しいです♪」

提督「よかった…普通のもあるから、よかったらこっちも食べて?」

ライモン「ええ、それより提督も召し上がって下さい」

提督「ありがと♪…でも、ライモンが食べているところを見ているとこっちまで幸せになってくるわ♪」

ライモン「///」

提督「ふふ…でも私もお腹が空いたし、いただくわね」パストラミのサンドウィッチを取り、かぶりついた…

ライモン「ん、こっちのも美味しいです♪」サーディンのサンドウィッチをぱくつき、ワインを傾けた

提督「うん…自分で作っておいてなんだけど、美味しい♪」

ライモン「…特に青い空の下でいただくと格別ですね、ワインも美味しいですし♪」キァンティとチキン、サンドウィッチでほどよくお腹がくちくなったライモンはいつもより気楽な具合で、頬を桜色にしていた

提督「そうね♪」パンの耳をのんきにカモメに放ってやりながら、にっこりしてうなずいた

ライモン「ふー、ふーふーんー…いい気持ちですね…ぇ♪」今度はひと昔前のカンツォーネをハミングしながら、機嫌よく身体を揺らしている…

提督「気に入った?」

ライモン「もちろん…青空の下で愛し合って、美味しいお昼にキァンティまでついて、言うことなしです♪」またワインを注いでもらい、くーっと傾ける…

提督「ふふ、まさかお昼を裸でいただくとは思わなかったけど…♪」

ライモン「たまにはいいじゃありませんか、目の保養になりましたよ…ひっ…く♪」

提督「あら、少し飲み過ぎちゃった?」

ライモン「どうでしょう…そんなに傾けたつもりはなかったんですが……ひゃっ…く♪」

提督「そうよね…大瓶だけどまだ残っているくらいだし……暑いから酔いが回ったのかしら?…はい、お水」

ライモン「ふふ…ありがとうござい……ひっく」

提督「もう少し水を飲んで、少し日陰で休めば良くなるわ」そう言ってチキンの油が付いたナイフと皿を紙で拭い、バスケットに放り込んだ

ライモン「そうですね…あぁ、でもふわふわして…気持ちいいです…♪」軽くあくびをしながら日陰に敷き直したシートに座ると、とろんとした目つきでうつらうつらし始めた…

提督「ほら、おいで?」

ライモン「ふわ…ぁ、膝枕ですか……ありがとうございます…♪」とろとろした口調でそれだけ言うと、ぽすっ…と頭を乗せて、規則正しい寝息を立てはじめた

提督「あらあら…寝顔も可愛い♪」提督はすーすーと穏やかな寝息を立てるライモンの頬にそっとキスをして、頭を撫でながら海を眺めた…

656:2017/07/15(土) 01:32:49.98 ID:
…しばらくして…

提督「…そろそろ帰らないと」…金色に輝くような午後の日差しはまだ明るかったが、提督は時間を考えてそろそろ帰ろうと考えた…が、膝枕の上ですやすやと眠っているライモンを見ると起こすのはしのびない……

ライモン「すぅ…むにゃ…」

提督「ふふ…♪」そっと膝枕からライモンを下ろすと、バスケットや荷物を先に車の後部座席に載せた

ライモン「…ん…提督……すぅ…」

提督「はいはい…ここにいますよ…♪」ライモンを起こさないよう静かに浜辺の草原に移すと、敷いていたビニールシートの砂を払ってくるくると丸め、それからライモンを「お姫様抱っこ」の形で抱き上げた…

ライモン「ん…んぅ…」

提督「いい子ね……っと」坂になっている小道で少しよろめきながらも、助手席にそっとライモンを乗せるとシートベルトを締め、こんどは額にキスをした…

ライモン「すぅ…すぅ……ふふっ♪…」いい夢でも見ているのか、穏やかな寝顔に小さな笑みを浮かべた…

提督「また来ましょうね、ライモン…♪」小声でそうつぶやくと、大きい音を立てないようにドアを閉めてキーを回した


…国道…


提督「ラジオでもつけようかしら…小さい音ならライモンも起きないわよね?」…提督のクラシカルなランチアにカーラジオはついていない。少し音楽が欲しくなった提督は紅いポータブル・ラジオの電源を入れて、小物入れに押し込んだ……ラジオからはパーソナリティの落ち着いた声が聞こえてくる

ラジオ「……えー、この時間は「懐かしのメロディ」、50年代、60年代、70年代に一世を風靡したカンツォーネをお送りします。ミーナ、ミルバ、ジャンニ・モランディ、ドメニコ・モドゥーニョ……黄金時代を彩ったカンタウトーレたちの歌声をどうぞ」

提督「あら、いいわね…直接は知らない世代だけど…♪」

ラジオ「最初は59年の映画「刑事」の主題歌、「死ぬほど愛して」(SINNO ME MORO)をお送りします…」

提督「…この曲なら知ってるわ…あぁ、だめ、もう泣けてきた……」慌てて速度を落とし、目尻を拭った…

ラジオ「…貧しかったイタリアの世相と悲恋を描いた映画を象徴するように、アリダ・ケッリが切なく歌いあげるこの曲は当時大変に人気を博しました…ちなみに当時のアリダ・ケッリはまだ16歳、彼女の透明感ある歌声をお楽しみください…では、どうぞ」…前奏が流れ、さみしげに震えるような声が響く…


ラジオ「♪~アモーレ…アモーレ…アモーレ、アモーレ・ミーオ…(愛する、愛する、愛する…愛する人)」

ラジオ「インブラッチァ、テメ、スコォルド…ニドローレ…(あなたの腕の中ならば、どんな悲しみでも忘れられる…)」

ラジオ「ヴォイオレスタ、コテ…シノ、メ、モーロ…(あなたといられないのなら死ぬわ…)」

ラジオ「ヴォイオレスタ…コッテ…シノン、メ、モーロ…(あなたといられないのなら死ぬわ…)」


提督「…う…ぐすっ……」

ラジオ「二番まで流したいところですが、次が控えておりますので、一番だけにしておきましょう…では次の曲を……」

提督「よかった…うぅ…」

ラジオ「お次は言わずと知れた名曲、ドメニコ・モドゥーニョの「ヴォラーレ」(VOLARE)を送ります…最近では「ジプシー・キングス」のカバー版の方が有名ですが、元はといえば58年に大ヒットした曲…当時全米でも人気一位を記録、正確なタイトルは「青く塗られた青さの中に」(NEL BLU DI PINTO DI BLU)ですが、こちらの方が知名度が高いですね…では、ドメニコ・モドゥーニョで「ヴォラーレ」です♪」


ラジオ「♪~ヴォー…ラーァレー!オー、オー!…カーーンターレーェェ!オー、オ、オオー!!」(飛ぶ!オー、オー!…歌う!オー、オー、オオー!)

ラジオ「ネル、ブルゥ、ディ、ピント、ディ、ブルゥー…フェリィーチェ、ディ、スタレ、ラ、スゥ」(青く塗られた青さの中…空を飛ぶ幸せ)

ラジオ「エ、ヴォラヴォ、ヴォラーヴォー、フェリーチェ、ピゥ、ナルト…デル、ソレ、アンコラ、ピゥ、スゥ」(太陽の高さ…もっと高くまで幸せに飛ぶ、飛ぶ)

ラジオ「メントーレ、イルモンド、ピァン、ピアノ…スパリヴァ、ロタント、ラ、ジゥ…」(地球は遥か下…静かに静かに消える)

ラジオ「ウナ、ムージカ、ドルチェスォヴァナ、ソレタント、ペルメ…」(私だけのため、奏でられる甘い音楽…)


提督「ヴォーラーレ…オー、オー……カーンターレー…オーオーオー…」青い海と空が見える景色にぴったりの曲で、提督はライモンを起こさないよう小声で口ずさんだ…

提督「あら…もう着いちゃうわね。でも、もう少しだけ、こうしていたいから……」しばらくすると入ってくるのは雑音だけになり、提督はラジオを切るとそっと「ヴォラーレ」を口ずさみながらアクセルをゆるめた…



657:2017/07/15(土) 02:10:43.07 ID:
…鎮守府…

提督「着いちゃったわね…」名残惜しげに入り口まで車を回すと、カヴールと数人が迎えに来ていた

カヴール「お帰りなさい、提督♪」提督が運転席から降りると、さっそく左右の頬にキスを浴びせてきた

ポーラ「うまくいった~?」

セラ「お帰りなさいっ♪」

クリスピ「待ってたよ♪」

提督「ん、お出迎えありがとう♪…だけど、しーっ…」

セラ「?」

クリスピ「どうかしたの…?」

提督「ライモンが寝ちゃったから…ね♪」

カヴール「あらあら…ふふ♪……ライモンド、昨日は「提督と二人きりでお出かけ」だって、すごく喜んでいましたし…きっと寝つけなかったのでしょうね♪」

提督「ふふ…そんなに喜んでもらえてよかったわ……さてと、じゃあ私はライモンを部屋まで運んでいくから」

カヴール「…私が運んであげましょうか?」

提督「気持ちは嬉しいけどいいわ…だって「私の王女さま」だもの♪」

カヴール「ふふ…妬けてしまいます♪」

提督「ごめんなさいね、カヴール」

カヴール「いいえ…その分、埋め合わせをしてもらいますから♪」

提督「はいはい♪…あ、セラ、クリスピ」

セラ「はい、なんでしょうか?」

提督「これ…残り物で悪いけど、持って行ったお菓子食べなかったから、よかったらどうぞ?」

セラ「わぁぁ…セラは、これで十分です♪」

クリスピ「グラツィエ、提督…ちゅ♪」二人はつま先立ちすると両方の頬にキスをして、お菓子の袋を持って駆けて行った…

ポーラ「じゃあ~、こっちはぁ…ポーラが片づけて…あ!せっかくのキァンティがまだ残ってますねぇ~♪」クーラーボックスの中に残っていたキァンティを目ざとく見つけるとグラスにたっぷりと注ぎ、きゅーっ…と飲み干した

提督「…お片付けありがとう」

ポーラ「いいえ~、せっかくのキァンティを残しちゃったらもったいないですし~…それでは~♪」空いた瓶とクーラーボックスを持って歩いて行った…

提督「…」

カヴール「でしたら私は残っている物を片づけておきますから、提督は可愛い眠り姫を運んであげて下さい♪」

提督「ええ、そうする…よいしょ」


…鎮守府・階段…


提督「…よっ……こらせ…」ライモンは軽い方とはいえ、お姫様抱っこで階段を上がるのはなかなか難儀で、足下を確かめつつ慎重に上って行った

提督「うん…しょ…」

ライモン「すぅ…すぅ……」

提督「っ…///」お姫様抱っこで運んでいると、ライモンの甘い香水と寝息が鼻と耳をくすぐる…そのたびに優しく愛撫されたようなぞわぞわした感覚が背筋に登り、腕の力が抜けそうになる…

提督「…ライモンの部屋まで…もう…少し…」





658:2017/07/16(日) 00:31:22.82 ID:
…モンテクッコリ級軽巡・居室…

提督「ムツィオ、いる?」ライモンを抱えつつ左手を伸ばし、どうにかノックする…

アッテンドーロ「いるわよ…ちょっと待ってね」ナポリ訛のさばさばした声が聞こえ、ドアが開いた

アッテンドーロ「お帰りなさい、提督……って、姉さんってば寝ちゃったの?」

提督「そうなの…起こすのも悪いから…運んできたんだけ……ど…」腕が小刻みに震えだし、顔を真っ赤にしている…

アッテンドーロ「あっ、あぁ!…いけない、早く入って」

提督「あ…ありがとう……ふー…」ライモンを個室のベッドに下ろすと、肩と手首を回しつつ息を吐いた…

アッテンドーロ「もう、無理しないでドリアとかカヴールにでも運んでもらえばよかったのに…まぁいいわ。ちょうど誰かとおしゃべりしたかったし、座って?」

提督「ええ、そうさせてもらうわ」

アッテンドーロ「ちょっと待ってね…はい、コーヒー」手際よく淹れたコーヒーを提督に渡した

提督「あら、いい香り♪」

アッテンドーロ「ふふん…新しい豆だもの、そりゃいい香りよね♪」

提督「そうね……んー、味もいいわ」

アッテンドーロ「でしょうね…ところで…」

提督「?」

アッテンドーロ「なんで姉さんに泣かされたの?…まぁ、あの姉さんに限って無理やり「事に及んだ」訳ないわよね……まさか喧嘩でもしたの?」

提督「え、一体何のこと?…泣くような事なんてなかったわよ?楽しく過ごしたもの」

アッテンドーロ「嘘言わないで、泣いた跡があるじゃない」目の端を指差した…

提督「あぁ…これ?……笑わない?」

アッテンドーロ「まだ聞いてないから保証はしないけど…まぁ、努力はするわ」

提督「…それでいいわ。…あのね、帰りにライモンが寝ちゃって、少し音が欲しくてラジオをかけたの…」

アッテンドーロ「それで?」

提督「流れてきた歌の曲調が…」

アッテンドーロ「悲しい調子の曲だった?…提督も結構おセンチなのね」

提督「だって…あれを聞いたら鼻の奥がじーんと熱くなって……」

アッテンドーロ「…ふふ…あははっ♪」

提督「もう…だから「笑わない?」って聞いたのに…///」

アッテンドーロ「だって、ねぇ♪…普段はあれだけ包容力たっぷりで鷹揚に構えているのに、歌の一つや二つで涙ぐむなんて可愛いじゃない♪」

提督「仕方ないでしょう?…泣けてくるんだもの」

アッテンドーロ「ふふ…ま、そういう所も好かれる理由じゃない?」

提督「…そう?」

アッテンドーロ「じゃなきゃ、これだけの娘っ子たちを上手くさばける訳ないわ……ま、とにかく」

提督「?」

アッテンドーロ「今日は姉さんとデートしてくれてありがとう…姉さん、緊張と期待で昨日は一睡もしてなかったんじゃないかしら…」

提督「そうだったのね…じゃあ、やっぱり街でお洒落なブティックとか巡った方がよかったかしら…」

アッテンドーロ「もう…提督ったら何言ってるの。…姉さんのあの寝顔を見ればとっても楽しかったって分かるわよ♪」

提督「ふふ…それもそうね♪」

アッテンドーロ「そうよ…さてと、姉さんはすっかりお休みだし……提督も着替えて来たら?」

提督「そうね、コーヒーをごちそうさま。…あ、その前に……」ライモンの個室にそっと入って、サイドテーブルの上に何かを置いてメモを書き残した…

アッテンドーロ「姉さんへのお土産?」

提督「ええ、これくらいしか思いつかなくて…それじゃあ、また後で」


659:2017/07/16(日) 01:32:28.25 ID:
アッテンドーロ「じゃあ夕食時に」提督を見送ると、ライモンが寝冷えしないようタオルケットを掛けてあげようと部屋に入った…

ライモン「…すぅ……ん…む…♪」

アッテンドーロ「ふふ、姉さんったら少し真面目過ぎるのよ…♪」無邪気な笑みを浮かべたライモンを見てアッテンドーロは軽く微笑み、そっとタオルケットを掛けた…と、ベッド脇の小机に置かれた提督の「プレゼント」が視線に入った

アッテンドーロ「これが姉さんへの贈り物ね?…ごめん、姉さん。先に見ちゃうわね」しげしげとのぞきこむと、首を振りながらくすりと笑った

アッテンドーロ「…ふふ、全く。……気の効いた贈り物だこと♪」

…ベッドサイドのテーブルには白い巻き貝の殻が置かれていて、その下に敷いた青い便箋には斜めに「これを耳に当てれば、きっと今日の波音が聞こえてくるでしょう。愛を込めて……フランチェスカ」と書き添えてある…

アッテンドーロ「宝石よりずっといいものをもらったわね…姉さん♪」そっと個室のドアを閉めて出て行った…


…しばらくして・食堂…


カヴール「…それで、いかがでした?」ズッキーニとパプリカ、トマトの入った牛の煮込みを味わいつつカヴールがたずねた

提督「楽しかったわ♪」

カヴール「ふふ…はぐらかしても駄目ですよ♪」向かいからつま先を伸ばしてふくらはぎを撫で上げた…

提督「もう…お行儀が悪いわよ?」

カヴール「あらあら…叱られてしまいました♪」そう言いつつも止める気はさらさらない…

提督「…カヴール♪」

カヴール「はいはい、分かりました♪」

提督「ところでみんな、もう少しいかが……あの、もしもし?」

リットリオ「…はぁぁ…提督と二人きりの波打ち際……あこがれちゃいます///」

ボルツァーノ「耳元でささやく提督の甘い声…///」

ミラベロ「きっと頬に手をあてて……」

リボティ「…こう言うんだろうね「キス、しましょう」…って♪」

スクアロ「それは…我慢できないな♪」

デルフィーノ「…んっ♪……ちょっと化粧室に行ってきます///」

提督「…ふぅ…過度な期待をされても困るのだけど」

カヴール「でも提督、今日のお出かけではライモンドと……うふふっ♪」

提督「…ノーコメント」

カヴール「まぁ、残念♪」

チェザーレ「…カヴール、あまりそういうことを聞き出そうとするな。提督とライモンド、二人だけの秘密なのだから」

カヴール「ふふ、それもそうですね…ですが、私のようなおばあちゃんはうわさ話が大好きなので♪」

チェザーレ「その容姿でどこが「おばあちゃん」なものか…全く」

カヴール「あら、嬉しい…でも、そう言うチェザーレだって凛々しくて素敵ですよ♪」

チェザーレ「う……あまりチェザーレをからかわないでくれ///」

カヴール「ふふ♪」

提督「ふふふっ…チェザーレでも動揺することがあるのね♪」

チェザーレ「まぁな…さてと、その煮込みをもらおうか///」

ミラベロ「チェザーレがごまかすなんて、よほど恥ずかしかったのね♪」

リボティ「ふふ…わざと素っ気ない態度を取っているんだろうね♪」

チェザーレ「…何か言ったか?」

ミラベロ「何も?」

チェザーレ「…よろしい」

リボティ「仕方ない、黙っているよ…お仕置きされるのはご免だからね」

660:2017/07/18(火) 10:09:25.98 ID:
提督「ふふっ…さすがのミラベロとリボティもチェザーレにはかなわないわけね?」

カヴール「うふふっ♪」

チェザーレ「む…別にそう言うつもりではないのだが……怖がらせてしまったか?」

ミラベロ「ううん…平気よ」

リボティ「おっかないようでチェザーレは優しいもんね…ところで今日のデザートは何かな?」

提督「夜になってもまだ暑いし…ひんやりしたものがいいわね」

ジュセッペ・フィンチ(カルヴィ級大型潜)「そう言うと思ってな、今日は日本風の氷菓を用意してある!」バーカウンターになっている食堂の片隅から声が飛んできた

提督「あら、フィンチ…何を用意してくれたの?」

フィンチ「私は日本通だからな…屋台の「かき氷」というものを提供するぞ!みんな、ぜひこっちにきて堪能してもらおう」

…戦中、日本に派遣される予定がおじゃんになったせいか、間違った日本の知識を色々仕込んでいるフィンチだが、今日は浴衣にねじり鉢巻き、手元には「祭」と書いてある赤いうちわを置いて屋台を「開店」している。カウンターの上にはブルーに塗られ、手回しハンドルの付いた古めかしい削り器が鎮座していて、脇には色鮮やかな液体の瓶と、アイスクリーム用のガラス器、足りない分のカクテルグラスが並べてある…

提督「かき氷器?あんなの、厨房にあったかしら?」

ディアナ「ええ、ありましたよ。あんまり使わないのでしまってあったのですが、かき氷に使うと言うので出してきました」さりげなく並んで、子供のようににこにこしている

フィンチ「さぁ、お嬢ちゃんたち、並んで並んで!」うちわをパタパタやりながらべらんめえでまくしたてる…

百合姫提督「あら、本格的…♪」

足柄「いいわねぇ、夏らしくて……ちょっと間違ってるけど」

龍田「ふふ、私にも一つ下さいな♪」

フィンチ「へい、毎度!どれにしやしょう?赤、青、黄色、緑とございやすが!」

龍田「味じゃなくて色で言うの?…そうねぇ、なら「赤」がいいわぁ♪」

フィンチ「へい、なら赤を一丁!」

リベッチオ「リベッチオには緑をちょうだい!」

フィンチ「あいよっ!」

百合姫提督「私は…青がいいわ」

足柄「なら黄色にするわ…一口ずつ味見できるように」

フィンチ「へい!」…かき氷器のハンドルを回し、器にガリガリと削った氷を盛っていく…仕上げに液体をたっぷりとかけると、脇にスプーンを突きさした

フィンチ「お待たせでござんす!はい、次の方!」

龍田「美味しそうねぇ♪」

百合姫提督「ふふ、イタリアでかき氷が食べられるなんて…では」

足柄「いただきます…と♪」しゃりっ…

龍田「!?」

百合姫提督「けほっ!?」

足柄「んっ!?」

提督「どうしたの?」









661:2017/07/18(火) 10:47:07.76 ID:
龍田「何…これ……うぅ、イチゴ味かと思ったのに…すごく苦いのだけど…ぉ」

百合姫提督「…これ、お酒の味がするわ」

足柄「こっちはレモン味だけど…確かにリキュールみたいな味がするわね」

リベッチオ「うー…こっちもなんだか苦いかも……」

提督「…フィンチ、一体何のシロップを使ったの?」

フィンチ「え?…普通にあるもので」

提督「シロップなんてあった?」

フィンチ「いいえ?…ですから「赤」はカンパリ、「緑」はミントリキュール、「青」はブルーキュラソー、「黄色」はリモンチェーロで……」

提督「…」

フィンチ「あー…それだと間違ってるのか?」

提督「んー…まぁ…」渋いグレープフルーツそこのけに苦いカンパリの味に顔をしかめている龍田…それを見てけなげにも百合姫提督が龍田の分まで助けている…

フィンチ「そうか…映像では味までは分からんからな」

龍田「でも…屋台の看板にも果物の絵があったはずよ…ぉ」顔をしかめたままぼやいた

フィンチ「あれは…なんというか、にぎやかになるように描いてあるのかと」

提督「あー…まぁ、ほら……そういうこともあるわよ…って…」

チェザーレ「ふむ…カンパリ味も爽やかな苦みでなかなかいいと思うがな」しゃり…しゃりっ

ポーラ「えへへぇ…ミントリキュールもさっぱりしておいしいです~♪」…しゃくっ

提督「…」

サウロ「苦いのは…あんまり好きじゃないわ…」

デルフィーノ(スクアロ級)「デルフィーノも苦手です…スクアロ、助けて下さいぃ…」

スクアロ「仕方ないな、ほら……しかし、赤いのを食べたら血みたいで…がぁぁ!」大きく口を開けてみせる…

デルフィーノ「ひぅ!」

ムレーナ(フルット級)「おいおい…あんまりいじめるなよ、なぁ?」後ろから近付いてぽんぽんと肩を叩く

デルフィーノ「ムレーナ…ありがとうございますぅ」

ムレーナ「なぁに…気にするなよ♪」口の端から真っ赤なカンパリをたらりと垂らしている…

デルフィーノ「ひぃぃ…!」

ムレーナ「あっはははっ!」

提督「こら、あんまりからかわないの!」

デルフィーノ「うー…提督ぅ…」

提督「はいはい…こっちにおいで?」

デルフィーノ「もう、あの二人はいじわるです」

提督「あとで叱っておくから…それより、どうしようかしら…」

ドリア「フィンチ、カンパリも大人の味で美味しいですよ?」

ザラ「今度はブルーキュラソーでお願い」

フィンチ「へい!さて器に盛りましたるこの姿はまるでヴェスビアス……もとい、フジヤマの形で、日本ではこれを食べると無病息災…上にかけたシロップは日本の四季を表す縁起物だよ!」

百合姫提督「…今度は「ガマの油売り」の真似かしら?」

足柄「別に四季はあらわしてないわよね…」

662:2017/07/18(火) 11:21:51.29 ID:
提督「一部には好評みたいだけど…んー…」

セラ「苦いです……デュイリオ、食べてくれませんか?」

デュイリオ「助けてあげたいのはやまやまですが…でも、さっきからたくさんもらってしまって……チェザーレ?」

チェザーレ「シャーベットは好きだが、こんなには食べきれないぞ…ドリア、少しどうだ?」

ドリア「もう五つ目ですよ…さすがにお腹が冷たくて」

リットリオ「私もちょっと…」

エウジェニオ「…キス一回で食べてあげるとは言ったものの…ちょっと欲張り過ぎちゃったわ」

提督「…フィンチ」

フィンチ「あぁ、提督。どうかしたのか?」

提督「カンパリじゃなくて、これならどう?」バーカウンターの後ろに並べてある瓶の中から、綺麗な紅い液体の入った瓶を取り出した

フィンチ「それは?」

提督「グレナデンシロップ…甘いからカンパリよりいいと思うの」

フィンチ「おぉ…なるほど」

提督「セラ。別なものに変えてみたけど、これでどう?」

セラ「苦くないですか?」

提督「ええ、甘いシロップにしてみたわ」

セラ「でしたら頂きます…ん」しゃり、しゃく…

提督「どう?」

セラ「んー、甘くて美味しいです♪」

提督「よかった…って、あんまり勢いよく食べると」

セラ「っ!…頭が痛いです……っ」

提督「あー…アイスクリーム頭痛ね、しばらくそっとしておけばすぐよく治るから…クリスピはどう?」

クリスピ「あぁ。…んむ…甘くて美味しいな」

提督「よかった…って、またポーラは……」フィンチが椅子に腰かけてリモンチェーロかき氷をしゃくっている間にカウンターにやってきて、勝手にかき氷器を回し始めた…

ポーラ「片方にカンパリ、反対側にはぁ~…ミントリキュールで…イタリア国旗のかき氷です~♪」

マメリ(マメリ級中型潜)「おぉ!素晴らしく愛国的な色合いだ!」

バンディエラ(バンディエラ級中型潜)「私は…この瞬間に立ち会えて感動している!」

ポーラ「はい、どうぞ~♪」

マメリ「美味い…カンパリは独立までの苦い味、そしてミント・リキュールが国家が一つになったときの爽やかさ…そして何もかかっていないところは無垢で純粋なイタリアへの愛……素晴らしい!」

バンディエラ「うむ…これこそイタリアだ!」

提督「…そこまで言う?」

ポーラ「んー…でもぉ…もうちょっとピリッとした……ありましたぁ~♪」透明な瓶には緑の字で「スピリタス」とある…

提督「!?」

ポーラ「ちょっとかけて…軽くライムを絞ってぇ……れろっ…お塩を縁に…」かき氷は少な目で、カクテルグラスの縁を一回り舐めると塩を上手くまぶし、スノウスタイルにして味をみた…

ポーラ「ん~っ!まろやかなのに喉にか~っと来ますねぇ~…♪」

提督「ちょっとポーラ!そんなに度数高いのは駄目よ!」

663:2017/07/18(火) 11:58:50.33 ID:
ポーラ「えへへぇ…ポーラはぁ、だいじょーぶです♪」

提督「…本当に?指は何本?」二本の指を立ててみた

ポーラ「あー…提督のお顔、可愛いですねぇ~…♪」

提督「そ、そう…って、ごまかさないの///」

ポーラ「もちろん両手合わせて十本ですよぉ~…それくらいポーラはぁ…分かってますよぉ~…」くぴっ、くぴっ…きゅーっ…♪

提督「あっ…もう、口当たりがいいからっていい気になって飲むと、後でひどいわよ?」

ポーラ「ちゃんとお水も飲んでますよぉ~…それより~…♪」

提督「?」

ポーラ「この部屋は暑いですねぇ~…ふぅ…」ぱさっ、しゅるしゅるっ…

提督「わわっ!…ちょっとポーラ、脱いじゃ駄目よ!」

ポーラ「え~…?でもぉ、暑いですからぁ♪」ぽーっと火照った頬を置いてある「祭」うちわであおぎつつ、あっという間に上半身裸になった…

提督「あの…お願いだから何か着て」白い乳房と汗ばんだ谷間を見てごくりと生唾を飲み手を伸ばしたが、頭をごんごん叩いて理性を取りもどした

ポーラ「はぁ~い♪」ポーラはとろんとした酔眼でグラスの残りを一息に空けると、ゆるみきった笑みを浮かべつつ白いレースのブラを取り上げた…

ポーラ「ん~…?おかしいですねぇ~…このブラ、急にきつくなったみたいです~…」

提督「あー…上下逆よ」

ポーラ「面倒なのでぇ、提督がつけてくださいっ…えへへぇ♪」

提督「あー…そう来ると思ったわ、よいしょ」

ポーラ「さわってもいいですよぉ~?」

提督「いいの?…じゃなかった……こほん!…ちゃんと服着ないと駄目よ?風邪引いちゃうでしょう?」

ポーラ「ポーラはぁ~、アルコールで消毒しているので大丈夫です~♪」

提督「またそういうことを…心配して言っているのよ?」

ポーラ「提督は…ポーラの事、心配してくれているのですか…?」

提督「なんで?当然じゃない?」

ポーラ「…ポーラはぁ……こんなに優しくしてもらって…ぇ……♪」

提督「おかしいこと言った?」

ポーラ「おかしくないです~…むしろポーラ、嬉しいですっ♪えへへっ、ポーラはぁ…えへへぇ♪」

提督「ポーラ、ちょっと…もしもし?」

ザラ「あー、提督…うちの妹が迷惑をかけて……どうも申し訳ありません…」

提督「いえいえ…って、ザラ?」

ゴリツィア「あの、姉さまたちはちょっとお酒をいただきすぎたようなので…この辺で……ほら、ポーラ姉さま…」

ポーラ「え~…ポーラはぁ、もう一杯飲むのっ♪」

ボルツァーノ「ほら、ポーラ…行こう?」

ポーラ「あれぇ?…いつの間に妹が増えたのぉ?」

ボルツァーノ「私はボルツァーノよ。…もう、私そっくりな従姉妹がこんなにへべれけで…困ったものだわ……ふふ♪」

提督「仲いいのね♪」

ボルツァーノ「ええ、姉妹みたいなものですし…一人っ子の私を混ぜてくれるので」

提督「そう、じゃあお願いしていい?」

ボルツァーノ「もちろんです♪さぁ、ポーラ、背中に乗って下さい…よい…しょ……」

ゴリツィア「上着は持ったわ」

提督「じゃあ、また後で♪」

ゴリツィア「はい♪」
664:2017/07/20(木) 00:55:48.29 ID:
提督「ふー…」

百合姫提督「ふふ、これだけの大所帯だと大変ね?」

提督「んー…でもいい娘たちだし、楽させてもらってるわ」

百合姫提督「フランチェスカは優しいのね…はい、どうぞ♪」小皿に黒くて丸い飴玉と、小豆色をしたクランチチョコレートのようなお菓子を差しだした…

提督「嬉しい事を言ってくれるわね?…これはなぁに?」

百合姫提督「こっちが和歌山名物「那智黒」…まぁ、黒飴ね。和歌山県で採れる「那智黒」っていう碁石を模したからそう言う名前がついているの…それとこっちは大阪銘菓の「村雨」…小豆と米粉を蒸しあげたふんわりしたお菓子よ」

提督「ありがと…でも急にどうしたの?」

百合姫提督「ああ、それはね…さっきの「カンパリ味」のかき氷で龍田が渋い顔しているから口直しに……ごめんなさい。せっかく用意してくれたのに失礼よね…」

提督「ううん…気にしないで?…とりあえずいただいてみるわね……ん、ちゅぱ…」黒糖でできた「那智黒」は深みのある甘さで、白砂糖とクリームに慣れた口には少し違和感があったが、香ばしいような風味が口に広がり、何となく「日本らしい」味がした…

提督「んむ…んちゅ……」

百合姫提督「どう?」

提督「美味しいわ。ちょっとカラメルみたいに焦がしたような風味がして…」紅茶を軽く口に含んでゆっくりと味わうと、今度は「村雨」に取りかかった

提督「あら…軽く切れた……もっと固いものかと思ったわ」すっとフォークを入れ、ほろほろと崩れていく「村雨」をこぼさないよう慎重に口に運んだ…

提督「…んむっ……うん…」

百合姫提督「美味しい?」

提督「美味しいわ…ふっ、と口の中で崩れていく感じ…すごく日本的なお菓子ね」

百合姫提督「ふふ、けっこう古くからあるお菓子だもの。それに全国からいいものがどんどん入ってくる「商業の街」大阪で残っている…つまりそれだけの価値があるのね」

提督「確かに結構な味だったわ…しとやかで繊細……こう、抹茶とかそういうのが欲しくなるような…ね♪」

百合姫提督「…お茶はこの間で使い切ってしまったから。ごめんなさい」

提督「あぁ、いいの!…マリーにもらった紅茶も美味しいし、文句はないわ…で、その龍田は?」

百合姫提督「苦いのは収まったみたいで、向こうでおしゃべりしているわ」

提督「というより、フィンチに捕まったみたいね…」


…窓際の席…


フィンチ「…最近の「ゲイシャ」は「カロリーメイト」で体重をコントロールしているのは知っているぞ」

龍田「えーと…そうねぇ…」

フィンチ「何しろ日本派遣の予定があったのでな、日本の文化風習はある程度押さえてある」

龍田「んー、まぁ…よく勉強したのねぇ……」…かなり偏り、間違っている日本の知識ばかりだが、自慢げに話しているのでばっさりと切り捨てるのもかわいそうだと口ごもる…

フィンチ「うむ…かき氷が果物のシロップとは知らなかったが、これもまたいい勉強になった」

龍田「ところで、日本の知識はどうやって得たのかしらぁ?」

フィンチ「ふむ、外国語は聞いて覚えるのが一番だという…したがって会話は映画とアニメ、文字は漫画で覚えたぞ」

龍田「そうなの…」

フィンチ「うむ♪だが、もし間違っているようなことがあったらぜひ教えて頂きたいのだ、よろしく頼む」

龍田「まぁ…おいおい教えていくわぁ…」

665:2017/07/20(木) 01:49:45.79 ID:
百合姫提督「あらあら…♪」くすくすと笑って口元を袖で押さえた

提督「まぁ、あんまり気にしないで?」

百合姫提督「いいじゃない…派遣予定があったから勉強したなんて可愛いわ♪」

提督「まぁ…そうねぇ……」

百合姫提督「ふふ♪…あ、そういえばもう一つ」

提督「なに?」

百合姫提督「これ…せっかく夏だから鎮守府のみんなに」巾着から取り出したのは十センチくらいの立方体をした紙箱で、表には墨で何やら書いてある…

提督「これは?」

百合姫提督「日本の夏といえば…を持って来たの。お菓子とは別で、これはこちらの鎮守府全体への手土産♪」

提督「わざわざありがとう…開けていいかしら?」

百合姫提督「ええ、どうぞ♪」

提督「それでは…」箱を開けると中に入っていたのはリンドウの形をした鉄の小さい置物で、内側は小さい重しと短冊形の紙がひもで通してある…

提督「えーと…これ、「風鈴」だったかしら?」

百合姫提督「そう♪…これは「南部鉄器」の風鈴だから、見た目こそ地味だけど涼やかでいい音がするの。窓際に吊るしてね♪」

提督「なるほどね、こんなに素敵なものをわざわざ日本から…本当にありがとう」

百合姫提督「いえいえ…♪」

提督「相変わらず奥ゆかしいことで…みんな、ちょっと静かにして?」ざわざわしていた食堂が静かになる…

提督「はい、ありがとう…えーと、ただいま百合野提督から、みんなのために日本から持ってきてくれたお土産をいただきました。…まずはお礼の拍手をお願い♪」拍手喝采に答えて百合姫提督はぺこりと頭を下げた

提督「で、その品物ですが…窓際に吊るして涼しい音を楽しむ「風鈴」というものです」

シロッコ「…風鈴?」

提督「んー…まぁ、鳴っているところを見ればよく分かるわ。…姫、どこに吊るせばいいかしら?」風鈴を持って窓を見渡した…

百合姫提督「そうね…あそこはどう?」カーテンレールの空きに近寄っていった

提督「そうね、そこならよく開けるし…あ、誰か椅子を持ってきて?」床から天井まで届くような大きい窓を前に、大柄な提督も手が届かなない…

カヴール「…椅子を持ってくるほどでもありませんよ、私が肩車してあげます♪」

ドリア「!…なら私の方が適任ですよ、提督♪」

リットリオ「お二人より私の方が背は高いですよ、提督、私が肩車してあげます♪」

提督「…姫にやってもらうわ」

カヴール「むー…」

ドリア「あら…」

リットリオ「残念です…」

百合姫提督「じゃあ、私が…っと……んー、よいしょ…」小柄な百合姫提督は椅子の上に立ち、つま先立ちで手を伸ばしているが窓枠に手が届かない…

足柄「もう、仕方ないわね…ほら、私が肩車してあげるわよ」百合姫提督を肩車したまま椅子に乗った

百合姫提督「もうちょっと…左」

足柄「分かったわ…って///」肩車している百合姫提督のすべすべしたふとももが優しく足柄の頬を挟み込む…おまけに浴衣の裾がめくれて「生の」柔肌がしっとりと張りついてくる…

提督「…♪」夜の窓に反射している百合姫提督のめくれた浴衣、そこからのぞく清楚ながら艶やかなふとももに、笑みがこぼれっぱなしの提督…

カヴール「まぁ…まぁ♪」

エウジェニオ「うふふ…いい眺め♪」

百合姫提督「もう…ほんの少し……かかった♪」カーテンレールに適当なフックを引っかけ、そこに風鈴を吊るした…涼しい夜風と一緒にリーン…と透明な音色が響く…

提督「うん、いいわね♪」

カヴール「色々な意味で…ですか♪」

足柄「提督、早く降りて!…あぁ、もう…すべすべでおかしくなりそう///」

百合姫提督「あっ…ええ、すぐ降りるわ///」

666:2017/07/21(金) 11:18:25.97 ID:
…しばらくして…


提督「…いい音」チリン、リリーン…と柔らかい音を立てる風鈴を楽しもうと窓際の席に座った…近くにはミッチャー提督とフレッチャー、エクレール提督が座って、飲み物片手にゆったりと時間を過ごしている

ミッチャー提督「本当ね、涼しい感じがするわ」ちびちびとブランデーを舐めながら風鈴を眺めた

フレッチャー「なんていうか…教会のハンドベルみたいじゃない?」アイスミルクを片手に目を閉じ、風流な音に耳を傾けた…

ミッチャー提督「そうね、まぁそんな感じにも聞こえるわね…夏の小さい虫みたいな儚さがいいわね」

エクレール提督「あら…アメリカ人というのは虫の音が理解できないと聞きましたが?」コニャックの入ったカットグラスを置くと、いつものように皮肉を言う…

提督「ジェーンは特別なのよ…ねっ♪」ミッチャー提督のグラスを持っていない方の手を撫でた

ミッチャー提督「…ウェ…ル(そうねぇ)、私が特別って言うよりか…たいていのアメリカ人には虫と接するような機会がないから理解できないんじゃない?」

エクレール提督「恋に生き、小さい体を震わせて鳴きかわす昆虫たちを見たこともなければ、その詩情も理解できないとは…大国とはいえ文化的にはお寒い限りですわね」

フレッチャー「…むっ」

ミッチャー提督「そうかもね…まぁ、ニューヨークやシカゴには虫なんていないから……まぁ、「街のダニ」って言う虫ならいるけどね」エクレール提督のイヤミをさらりと受け流し、オチを付けて返した

提督「…それにフランスじゃなかったかしら、「昆虫記」のアンリ・ファーブルをほとんど知らないのは。レジオン・ドヌール勲章をもらった学者なのにね」

エクレール提督「わたくしは存じております、あれはパリの連中が物を知らないだけですわ!」

提督「あら…マリーってパリジェンヌじゃなかったの?意外ねぇ…♪」田舎出身を気にしているエクレール提督を黙らせる切り札をとり出した

エクレール提督「…ぐっ」

フレッチャー「…イェス♪」机の下で小さくガッツポーズを決める

ミッチャー提督「まぁまぁ…風鈴の音を楽しもうじゃないの♪」目を細めて夜風と風鈴を楽しんでいる…

ディアナ「みなさん、そろそろ食堂の灯りを落としますよ?」食事時が終わるとバーカウンターの周囲と常夜灯以外は消され、ほのかな明るさがしっとりとした大人の時間を演出する…

提督「いいわよ…ディアナもお疲れさま、ゆっくり休んで♪」

ディアナ「はい、ではお休みさせていただきますね」しゃなりしゃなりと優雅な足取りで近づいてきて提督の頬にお休みのキスをすると、ミッチャー提督たちには小さく頭を下げて出て行った…

提督「…ふふっ♪」

ミッチャー提督「顔がにやけてるわよ?」

提督「いえ…だって、ねぇ♪」水色のルージュをひいた少し冷たいディアナの唇…柔らかくしっとりとした感触が頬に残っている……

エクレール提督「…わたくしとのキスでもそんな甘い顔をしたことなどありませんのに……」

提督「ん?何か言った?」

エクレール提督「な、何でもありませんわっ!」

提督「…ふふ、ならマリーのキスで私の表情……とろけさせて?」そっとエクレール提督の指に自分の指を絡ませ、上目遣いでまつげをぱちぱちさせた

エクレール提督「もう!…聞こえているじゃありませんの///」

提督「あらそう?……ふー…♪」顔を近寄せ、耳元に息を吹きかける…

エクレール提督「あっ…あっ……///」

提督「ほら…どうしたの……?」妖しげに頬を撫であげ、テーブルの下ではほっそりした脚をつま先でくすぐった…と、笑顔のカヴールがやってきて提督の腕を取った…

カヴール「あら、提督。こちらでしたか……明日もありますし、そろそろお休みになりませんと♪」

提督「え…いえ、だってまだ……」腕の時計に目をやったが、そう遅い時間でもない…

カヴール「ふふ、夜更かしはお肌に悪いですから……ほーら、行きますよ♪」

提督「あ…ちょっと……じゃ、じゃあジェーン、マリー、フレッチャー…また明日♪」大柄なカヴールに引っぱられるようにして出て行く…

エクレール提督「え…あの…」あまりのことにきょとんとした表情で二人を見送った

ミッチャー提督「…ぷっ…ふふっ」

フレッチャー「ふふ…あははっ!」

ミッチャー提督「ふふ…あはははっ!」

エクレール提督「もう、笑わないでくださいます!?」
667:2017/07/21(金) 14:35:30.16 ID:
…一方…

提督「…カヴール、そんなに怒らないで?」

カヴール「怒ってなんかいませんよ♪」

提督「あの…だったらどうして腕を離してくれないの?」

カヴール「私が腕を組んでいたいので♪」

提督「そ、そう…///」

カヴール「はい♪…さぁ、お部屋に着きましたよ」

提督「ありがとう、じゃあ私はお休みさせてもらうからカヴールもお部屋に戻って…」

カヴール「お召し物は私が脱がせて差し上げます♪」にこにこと微笑みつつ寝室に入ってくる…

提督「いえ…別に自分で着替えられるから……」

カヴール「まぁまぁ、そうおっしゃらずに♪」さわっ…

提督「あの…ちょっと///」くすぐるような触り方に身をよじらせた…そのうちに手つきがいやらしくなってくる

カヴール「まぁまぁ…相変わらず白くて柔らかいお肌で♪」むにっ、むにゅ…♪

提督「ちょっと、どこ触ってるの…///」

カヴール「うふふっ…提督の柔らかな双丘を♪」

提督「あんっ、もう♪…仕方ないわね、一緒に寝たいの?」

カヴール「はい、準備は万端です…さぁさぁ♪」するりとナイトガウンを脱ぐと、下は面積の小さい黒いランジェリーだけで、腕を引っ張ってベッドに引き寄せた…

提督「あー…ちょっと待って?」…天蓋付きベッドのふんわりしたシーツと涼しいタオルケットがいつもと違って妙に盛り上がっている……

カヴール「……誰です?」

提督「怒らないから出ていらっしゃい…ね?」

声「はい…その、ごめんなさい…」ベッドの中からもそもそ言うと、リットリオがひょっこり顔を出した

提督「あら、リットリオ…どうして私のベッドに?」

リットリオ「はい…リットリオ級はまだ私一人ですし、静かなお部屋がさみしかったので……提督と一緒のベッドでお休みさせてもらおうと」

提督「ふふっ…そう言うことならいつでもいらっしゃい。カヴール、また今度でいい?」

カヴール「もう、せっかくの機会だったのに仕方ないですね……提督がお入りになるのにどうしてタオルケットをめくってくれないのです?」

リットリオ「いえ、だって…カヴールが見ていると……恥ずかしいですし///」

カヴール「お互いに裸も見ているのに恥ずかしいこともないでしょう?さぁ、提督を入れてあげて下さい」

リットリオ「///」そっとかけていたタオルケットを持ち上げた…と、提督は唾をのみ込んだ…

提督「まぁ…リットリオったら///」…たいていは裸で寝ている提督や艦娘たちなので、一糸まとわぬ姿なら驚きもしなかったが、リットリオが着ていたのは透け透けのベビードールで、薄いピンク色と縁取りの紅いリボン、肝心な所を隠すように入っている花模様の柄が刺激的だった…

カヴール「あらまぁ…本当に添い寝だけのつもりだったのでしょうか♪」

リットリオ「…それは、その///」

提督「ふー…リットリオ」

リットリオ「何でしょう…」

提督「ちょっとベッドが狭くなるけど、いい?」

リットリオ「はい///」

カヴール「…ふふ、リットリオはいけない娘ですね…いろいろ教えてあげませんと♪」提督をベッドに引っ張り込んであちこち撫で回しつつ、同時にリットリオのずっしりした乳房を揉みしだいた…

リットリオ「きゃん…っ♪」リットリオもいたずらっぽいチャーミングな笑みを浮かべると提督の柔肌に手を伸ばした…

提督「あんっ…もう、二人ともいやらしいんだから…っ♪」

………
668:2017/07/21(金) 15:39:47.29 ID:
…あくる日…


提督「うー…」一晩中ド級戦艦と超ド級戦艦の相手をして、結局ほとんど寝ていない提督はかすれた声でうめいた……起きたくても両腕をそれぞれカヴールとリットリオに押さえられているので身動きひとつ出来ない…

提督「んっ…!」枕を抱き寄せるようにして胸の谷間に腕を抱え込んでいるカヴールから腕を引き抜こうとした…

カヴール「んぅ…♪」いやいやをするようにぎゅーっと押さえこまれた…

提督「はぁ…じゃあこっちは……ふうっ!」今度は提督の腕枕でぐっすり眠っているリットリオの頭をどかそうとした…

リットリオ「ん…んんぅ…行っちゃ…嫌……むにゃ…♪」むにゃむにゃと寝言を言いながら、腕を回し、脚を絡めてしがみついてきた…

提督「もう、困ったわね…♪」そうつぶやいたものの、リットリオとカヴールの柔肌に挟まれてまんざらでもない提督…

ガリレイ「おはようございます、提督♪…ライモンドは提督の朝食を作っていますから、かわりに私が起こしに来ましたよ」アルキメーデ級潜水艦「ガリレイ」の声がする…

提督「あー…どうしよう…」全裸のリットリオと、半分脱げたあられもない格好でしがみついているカヴールに挟まれている提督…

ガリレイ「まだお休みですか?仕方ないですねぇ…ここは一つとっておきの錬金アイテムで……」

提督「おはよう、ガリレイ…起きてはいるのよ」このままいくと物騒なものを投げ込まれる気がしたので、仕方なく返事をした

ガリレイ「あぁ、起きていたのですね…なら話は早い……さぁ、朝食を食べに食堂ま…で?」ベッドのカーテンを開け、しばらく硬直した…

提督「お、おはよう…今日もいい天気ね…」

ガリレイ「おはようございます…気圧は上昇中、風は南風で……抜けるような快晴が予想されます」

提督「そう、ありがとう…で、朝食は欲しいけどこの状態だから動けないの……腕を引き抜きたいから手伝って?」

リットリオ「…んぅ♪……もっ…と♪」愉しい夢をむさぼっているらしいリットリオの寝言を聞いて、ガリレイのこめかみに青筋が立った…

ガリレイ「提督の…」

提督「な、なぁに…?」

ガリレイ「提督のすけこましっ!…食らえっ、カガクチョーップ!!」額にびしりと強烈なチョップを浴びせられた…

提督「あ痛っ!」

ガリレイ「もう、信じられない…お嫁さんが朝食を作っている時に二人も引っ張り込んでいるなんて!」

提督「あいたた…脳天に抜けるような痛さだったわ……目に星が飛び散ったわよ…」

ガリレイ「当然です、反省しなさい!」

提督「いえ、だって……百合的な万有引力の法則が働いたのよ…ね♪」

ガリレイ「…へぇ、そういえばちょうどピサの斜塔の石膏像がありますが…それでがつんとやれば違う法則が導き出せますか?」

提督「…はい、ごめんなさい」

ガリレイ「なら結構です…じゃあ、起きるのを手伝って……ひゃあっ!」

カヴール「提督に手を上げるのは感心しませんよ…♪」赤と金の錬金術士風ケープに手を入れ、胸をわしづかみにしてこね回した…

リットリオ「ふわぁぁ……もう…大声で目がさめちゃいました……あら、ガリレイったら可愛いです♪」色欲も超ド級なのか、カヴールに触られて息を荒くしているガリレイににじり寄った…

ガリレイ「うわぁぁ…んっ、んぁぁっ!」

提督「ちょっと、二人とも…」

カヴール「ふふ、提督ったら妬いているんですか…いいですよ、ならもう一戦……しましょうか♪」身体をくねらせみだらな手つきで愛撫してくる…

リットリオ「もう、朝からしたいなんて♪…でも、リットリオはいつでもいけますよ♪」可愛い笑顔に似合わない爛々とした目つきでのしかかる…

提督「ちょっと…もう朝だから///」

カヴール「朝だと提督のお顔がよく見えて…たまりません♪」

リットリオ「頬を赤らめた提督…可愛い…っ♪」

提督「あっ、あっ、あっ、あぁぁぁっ…!」

ガリレイ「…と、とりあえずライモンドを呼んできます///」
671:2017/07/25(火) 01:02:09.03 ID:
…しばらくして・食堂…

ライモン「…で、なにか言うことはありますか」口元は笑っているが目が笑っていない…

提督「えーと…その……ごめんなさい」

カヴール「ライモンド、提督は悪くないんです…私、提督がフランスの提督さんたちと楽しく話しているのを見て「うらやましい」って思ったの…だから無理にベッドに連れ込むような真似までして……」

ライモン「なるほど…で、リットリオさんは?」

リットリオ「うーん…と、私だけ妹たちが来てなくてちょっとさみしかったのと……あとは、なんだか昨夜はムラムラしちゃって…」

ライモン「ふーん…そうですか」

提督「あ、あのね?…リットリオも悪気があったわけじゃないのよ。…その、追い出せなかった私も悪いから……」

ライモン「はぁ…まぁいいです……日曜日にデートしてもらったわけですし…ただし、今度こういうことがあったら……」

提督「あったら…?」

ライモン「…」

提督「…こういうことが起きないよう努力します」

ライモン「はい、結構です…さぁ、では気持ちを切り替えて朝食をどうぞ♪」提督の好みに合わせたライモンお手製の朝食が置かれる…熱いものは湯気を立て、冷たいものは露が降りていて、大変美味しそうに見える…空腹を刺激された提督はさっそくフォークとナイフを取り上げた

カヴール「まぁ、美味しそうですね…私の分はあります?」

ライモン「…何か言いましたか」

カヴール「…冗談です。では提督、また後で」

リットリオ「私も朝食をとってきますので…それでは」

提督「ええ、また後でね♪」

ライモン「はぁぁ…やっと提督とご一緒できます…」

提督「ごめんなさいね…ん、美味しい♪」とろりと黄身がこぼれるような半熟のゆで卵にフルーツの盛り合わせ、パンとコーヒー…

ライモン「美味しいですか?…よかった♪」

提督「ふふ…ライモンの作るご飯はどれも美味しいわよ♪」口もとを拭ってから頬にキスをした

ライモン「もう…またそんなことを言って…///」

提督「本当の事だもの♪」

ライモン「ふふっ…嬉しいです……きゃっ!」パシャ!…突然焚かれたフラッシュに目をつぶった…

提督「眩しい…っ、誰?」

フィリッポ・コリドーニ(ブラガディン級中型潜)「いやぁ、朝から巻き起こった大変な修羅場と、そこからの見事な関係修復…提督、この時の心境についてぜひ一言お願いします!」艦名に記者(作家)の名を取ったと言うだけあって、コリドーニが勢いよく畳みかけてくる…

提督「えーと…」

コリドーニ「あぁ、いい顔ですねぇ!」カシャ、カシャッ!…ライカを首から提げ、メモ帳に手早く筆記していく…

ライモン「あの…ちょっと」

コリドーニ「お、ライモンドさん。ぜひ提督の浮気について一言!」クリーム色のスーツに中折れのソフト帽をかぶり、ぐいと顔を近づける…

ライモン「…提督は綺麗な女性、可愛い女の子とみればすぐ口説きにかかって、全くアテになりませんが…」

提督「う…」

ライモン「それも優しすぎるほどの愛のためだと思っています…それに、必ずわたしのもとに帰って来てくれるとも///」

コリドーニ「おぉ…!まさに正妻ならではのこの発言…提督、いかがですか!?」

提督「その…嬉しいです///」

コリドーニ「はい、どうもありがとうございました…ぜひ記事にさせていただきます!」

提督「え?…ちょっと!?」

ライモン「行っちゃいましたね……でも、提督が「嬉しい」って…あぁぁ///」頬に手を当てて珍しいほどにやけている…

提督「ま、まぁライモンが喜んでくれたのなら…良しとしましょう」

672:2017/07/25(火) 02:13:42.70 ID:
…朝食後・執務室…

提督「はい、どうぞ?」書類をめくっていたが、ノックの音を聞いてファイルを閉じると返事をした

マルチェロ(マルチェロ級大型潜)「失礼…提督、折り入って要望があるのだが」金モールと燕尾のある上着に腰のサーベル…三角帽子を脇に抱え執務机の前に立った…

提督「えぇ、何かしら」中世の提督たちを名前に取ったマルチェロ級は貫禄充分で、少し姿勢を正した…

マルチェロ「うむ…実を言うと大型潜の拡充をお願いしに来た」

提督「んー…でも、最近は貴女たちマルチェロ級9隻に、フォカ級3隻を一気に呼んだけど…そんなに足りない?」

マルチェロ「ああ…言いたいことは分かる。しかしだ…」

提督「なぁに?」

マルチェロ「ここにいる大型潜のうち、フィエラモスカは単艦で編成が難しい…単艦のミッカとフォカ級の3隻は機雷敷設潜…カルヴィ級も途中から輸送任務を予定されていたせいか雷撃はいまいちの成績だ」

提督「まぁ、確かに…」

マルチェロ「それにだ…」

提督「?」

マルチェロ「戦友(カメラータ)が増えるのは愉快だからな、ぜひまた顔を合わせたいと思っているのだ」

提督「なるほど…分かったわ、頑張ってみるわね」

マルチェロ「あぁ、頼む……ふぅ」

提督「どうかしたの、疲れているようだけど?」

マルチェロ「いや…少し寝不足で……バリラ級の色欲はどうにかならんのか…」肩をすくめてため息をついた

提督「あー…なんていうか、欲求不満の人妻というか…」

マルチェロ「うむ…最初はこちらも愉しんでいたところがあったのだが…さすがに付き合い切れん……翌日に訓練なんぞあった日にはたまったものじゃない」

提督「それは災難というか…」

マルチェロ「他の連中は私たちがいい気になって付き合っていたから手をひいてしまうし…バリラたちは毎夜のようにやって来るし…なんだあれは、サッキュバスか何かか?」

提督「でも、リットリオやデュイリオもたいがいだと思うけど…」

マルチェロ「戦艦クラスならわからんでもないが、バリラ級は28年組の大型潜だぞ…どこにそんな体力があるのだ?」

提督「あの…もしかして大型潜の拡充って……」

マルチェロ「まぁ…少しでも興味が分散してくれれば……というのもある」

提督「なるほど…私からバリラたちにそれとなく言っておくわ」

マルチェロ「頼む…アルキメーデ級の二人に栄養剤をもらう始末だからな」

提督「了解。…ほどほどにするようにマルチェロたちからも頼んでみて?」

マルチェロ「うむ。無駄だろうがやってみる…では」かちりとかかとを合わせると出て行った…

カヴール「…うふふっ…バリラたちは確かに色っぽいですものね♪」マルチェロが出て行くなりくすくす笑いを始めたカヴール

提督「笑いごとじゃないわよ…任務に差しさわりが出るのはいただけないわ」

カヴール「なら提督がお相手して差し上げればいかがでしょう…バリラたちはむっちりしていて美味しそうですし♪」

提督「特にあの胸が…ね♪」冗談めかしてウィンクをした

カヴール「浮き燃料タンクだったのですものね……母乳は出るんでしょうか?」

提督「…いや、出る訳ないでしょう」

カヴール「あら…てっきり出るものかと♪」

提督「あのねぇ……それに私はライモンに油を絞られたばかりだもの、止めておくわ」

カヴール「ふふ、珍しいこともありますね…傘を用意しておかないと♪」

提督「ふぅ……ほら、おしゃべりはこの辺にして、書類の整理を手伝って?」

カヴール「はいはい♪」
673:2017/07/26(水) 00:49:15.06 ID:
…数十分後…


提督「えーと…これでだいたいは出来たわね」

カヴール「そのようですね…お疲れさまでした♪」と、またしてもノックの音がした…

提督「今度は誰かしら……どうぞ?」

コリドーニ「失礼します!」入ってきたのは記者で活動家のコリドーニで、片手に刷ったばかりらしい印刷物を持っている

提督「いらっしゃい。それは?」

コリドーニ「よくぞ聞いてくれました…これが前から言っていた鎮守府の新聞です!」タブロイド判くらいで裏表一枚きりだが、結構凝ったデザインになっている。提督は受け取ってさっと眺めた…

提督「あら、なかなか良くできた……」

コリドーニ「そうでしょう!今朝のもばっちり現像して一面に掲載させてもらいましたよ!」

提督「…ちょっと、何これ?…「提督とカヴール、リットリオの爛れた夜…怒り狂うライモンドの主砲が火を噴いた!」って……」

カヴール「え?…あら、こちらの記事は「ザラ級四姉妹、ボルツァーノを交えみだらな昼下がり…柔肌をさらして乱れる重巡を激写!」とありますね」

コリドーニ「いかがですか!…どうです、読みたくなる記事が満載でしょう?」

提督「…却下します」

コリドーニ「えー!?」

提督「えー…じゃないでしょう。これじゃあ鎮守府の新聞というより、ゴシップ記事の週刊誌よ?」

コリドーニ「うーん、そう言われても…やっぱり読者をひきつけるにはセンセーショナルな記事でないと!」

提督「だめです。もうちょっとちゃんとした記事なら発行してもいいわ…ただし、その場合も事前に持ってきて私に見せること。いいわね?」

コリドーニ「仕方ないですね…じゃあ没になったそれは捨てちゃってください。…またインタビューしにお邪魔しますよ、それでは!」小粋な帽子を持ち上げて挨拶すると、メモ帳に何か書きながら出て行った…

提督「ふぅ…やれやれね」

カヴール「ふふっ…♪」

提督「全く朝から疲れるわ…あ、このライモンの顔…上手に撮れてる……」ハサミを取り出し、写真の部分を切り取って机の引き出しに入れた…

カヴール「あらあら…ライモンドは愛されてますね♪」

提督「ライモンだけじゃないわ…貴女のことも好きよ、カヴール♪」頬に軽くキスをした

カヴール「まぁ…うふふ♪」

提督「さてと…じゃあ、そろそろ建造・開発の方に取りかかりましょうか」

カヴール「でしたら工作室の方は準備しておきます」

提督「お願いね♪」

674:2017/07/26(水) 02:34:46.03 ID:
…工作室…


提督「さてと、今日の建造は潜水艦ね。頑張りましょう」


…夏季略装の白い制服とタイトスカートでやって来た提督を出迎えたのは、問題のバリラ級大型潜のうち二人…「バリラ」と「アントニオ・シエスタ」で、バリラは目を細め、頬に手を当ててにこにこしている。一方お昼寝が好きなシエスタは工作室の腰掛けに座ってうつらうつらしている…


バリラ「ええ、頑張りましょうね♪……建造、お母さんが手伝ってあげるから♪」薄手のセーターごしでも分かる、少し垂れ気味で大きく柔らかそうな乳房…先端の突起もはっきりとセーターの生地から浮かび上がっている……

提督「ええ、ありがとう…ところで」

バリラ「なーに?お母さんにお願いごと?…何でも聞いてあげるわよ♪」

提督「お願い…になるのかしらね?風の便りに聞いたのだけど…」

バリラ「うんうん♪」

提督「その……ちょっと夜の営みが激しいんじゃないかしら?声が響いて困るって意見がちらほらと…ね?」

バリラ「あらぁ……そう言われるとお母さん、返事に困っちゃうわぁ♪」

シエスタ「…むにゃ……可愛い娘がいっぱいだから…我慢できないの…よ……ぐぅ……」

提督「別にしちゃいけないとは言わないわ…その、少し頻度を落としてもらえれば助かるのだけど」

バリラ「んー…でもここの女の子たちを見ていると、お母さんむらむらしちゃって……うずいちゃうの♪」

提督「まぁ、なるべくでいいから……さてと、建造の方に取りかかりましょう?…えーと、建造リストは……」キャビネットの下の段を見ようとしゃがみこむと、タイトスカートがぴちっと張りつめ、裾が上がってふとももがのぞく…

バリラ「…えいっ♪」…さわっ♪

提督「ひうっ!?」いきなりヒップを撫でられ、おかしな声が出た提督…

バリラ「あらあらぁ…むっちりしてて触り心地がいいわぁ♪」両のヒップを撫でつつスカートをずり上げた…

提督「ち、ちょっと…///」

バリラ「あん…提督ってば可愛いわぁ♪」バリラにヒップを優しくつかまれてこね回されると、今度は腰を当ててきてねちっこく動かしてきた…

提督「バリラ…今「控えめにして」って言ったばかりで……あんっ♪」耳たぶを甘噛みされ、工作室の大きな戸棚に優しく押し付けられる。固くなった乳首の感触が背中に伝わり、耳元にはとろりと甘いバリラの声がささやいた…

バリラ「お母さんね……もうとろとろに濡れちゃってるの♪」そう言いながら提督の下着を脱がしにかかる…

提督「あぁ、もう…人の話……全然聞いてないじゃない…んっ♪」くちゅり…くちゅ……

バリラ「だって…ぇ♪」甘えたような声をあげつつ濡れた秘所を擦り付けてくる…

提督「あっ、あっ…あんっ♪」

シエスタ「…ふわぁ……さてと、そろそろ起きようかしら♪」むっくりと起き上がると近寄ってきてメロンの重さでも量るように、提督の乳房の下から手を回した

提督「んんっ…あっ、あぁぁっ♪」シエスタに胸を揉まれ、膣内にはバリラの指が入ってきて、とろけた表情の提督は内股になって棚にもたれかかった…

バリラ「あらあらぁ…♪」くちゅ…くちゅ…っ

シエスタ「んふふっ…大きいし、触り心地も抜群……枕にしたいかも…♪」

提督「あ、あっ、あん…っ♪」とろとろっ…と蜜を垂らすと、力なく床にへたり込んだ…

バリラ「…やっぱり提督は可愛いわぁ♪」

シエスタ「そうねぇ…じゃあ、お休み……すぅ…」好きなだけ触ると、また椅子に戻ってうつらうつらし始めた…

提督「もう…建造するのに毎回こんなことしてたら私の身体が持たないじゃない……んっ///」文句を言いながらも濡れた秘所に指を入れて、上目遣いのとろけた表情でバリラを見た…


………
675:2017/07/28(金) 01:40:46.81 ID:
…しばらくして…

提督「はぁ…まさか建造するのに着替えることになるとは思わなかったわ……」

バリラ「だって…提督、可愛かったんだもの♪」ぺろりと舌をだしてみせるバリラ…

提督「もう……ばか///」

バリラ「あらあら、お母さんにそんな口聞いちゃだめよぉ…んー♪」ちゅっ…とキスをすると、提督が建造装置にかけた手に自分の手を乗せた…

提督「…いい、行くわよ?」バリラと、まだ眠そうなシエスタの手が重なった…

バリラ「いいわよぉ♪」

提督「建造…開始っ」レバーを引くと機械がゴトゴト言い出した…

バリラ「それじゃあ、あとはしばらく待つばかり…ね♪」

提督「そうなるわね…じゃあお菓子でもつまんで待ちましょう」そう言ってコーヒーセットが置いてあるガラス扉の食器棚に近寄ったが、急に振り向いた

提督「…二回目はなしよ」

バリラ「あらら…残念♪」わざといやらしく両手を動かした…

提督「…」

バリラ「冗談よぉ♪」

提督「そうは思えなかったわ…」セージグリーンの縁取りが落ち着いた雰囲気のコーヒーセットを取り出し、皿にお菓子を乗せた

バリラ「あら、このお菓子はなぁに?」…白い和紙の包み紙から出てきたのは揚げ餃子のような見た目をしたお菓子で、表面には軽く粉砂糖を振ってあり、狐色に揚がっている

提督「待ってね…今読むわ」百合姫提督が辞書と首っ引きで書きあげた解説を読んだ…

提督「えーと、奈良県銘菓「ぶと饅頭」……「ぶと」とは奈良県に古くからある「春日大社」に納めるお供え物のことで、そのお供えの「お下がり」を模した銘菓……お菓子としては「あんドーナツ」のようなもの…だそうよ」

バリラ「あら、困ったわ…お母さん「あんドーナツ」って何か知らないの」

提督「説明したいけど難しいわね……とにかく食べてみて?ほら、シエスタも起きて?」

シエスタ「ふわぁぁ…んー、美味しそうに揚がったお菓子ねぇ…」

バリラ「ふふ、頂くわぁ…んっ」

提督「どう?」

バリラ「あらぁ、美味しい♪」

シエスタ「日本の「あんこ」って風味が面白いわよねぇ……むにゃ…ふわぁ…ぁ…」

提督「じゃあ、私も一つ……ん…」香ばしく揚がった素朴なあんドーナツと言ったシンプルさが美味しい…提督たちはあえて砂糖なしのミルクコーヒーと一緒につまんだ

バリラ「ふぅ…美味しかった♪」

提督「そうね…姫が持ってきてくれた日本のお菓子はどれも安心感があるわね」

シエスタ「美味しかったです…よ……ぐぅ…」

提督「ふふ…また寝ちゃった……♪」

バリラ「シエスタも可愛いわ…もちろん、提督も可愛いわよ♪」

提督「ありがとう♪…でも、今度から工作室では止めてね?」

バリラ「そうするわ♪」

提督「よろしい♪」


………


676:2017/07/29(土) 01:32:29.86 ID:
…数時間後…

バリラ「……それで、「お母さんだって戦前は長距離航海の記録持ちだったのよ?」って…」

提督「ふふっ、そうよね…っと、そろそろ時間ね。…さぁシエスタ……起きて?」バリラとたわいない話をしていた提督だが、タイマーの残り時間が少ないのを見て、机に突っ伏して寝息を立てているシエスタを揺すり、ぽんぽんと軽く頭を叩き、声をかけたが全く起きない……

シエスタ「…すー…むにゃ……♪」

提督「…ふぅ…起きないわね」

バリラ「あら、そんなの簡単よ?」

提督「そうなの?」

バリラ「見ててね…♪」耳元に口を寄せた…

提督「?」

バリラ「ふー…れろっ♪」そっと息を吹きかけ、ついでに耳の穴まで舐めた

シエスタ「ふわぁぁっ♪……お、おはよう///」

バリラ「はい、見ての通り♪」

提督「…なかなか敷居が高いわね…さぁ、並んで?」シエスタの乱れた髪を直してやり、バリラがお尻に伸ばしてくる手をいなすと出迎えの体勢をとった


…出てきたのは大型潜らしい七人で、二人と五人に分かれて並んでいる。二人組の方は古いタイプの海軍制服を羽織り、特に片方はドイツ風なのか革のブーツにUボート記章、さらりと腰まで伸ばした銀髪、さらに日本風の髪飾りをつけている…頭にはやたら目立つイタリア潜の特徴、司令塔の中央上部からつき出した烏帽子のような潜望鏡支柱が帽子のように載っている…


提督「ボンジョルノ。タラント第六鎮守府の司令官、カンピオーニ少将です…よろしくね♪」真面目に敬礼を交わすと、一転してにっこりと笑いかけた

大型潜「ボンジョルノ、グーテンターク、こんにちは…大型潜カッペリーニ級、コマンダンテ・カッペリーニです。いろいろあって最後は日本の呉鎮守府所属、伊五〇三として敗戦を迎えました…長距離輸送は得意ですが、今回はタラントでよかったです♪」

提督「そうね。久々のイタリアを楽しんで♪」

カッペリーニ「グラツィエ♪」

大型潜「同じくカッペリーニ級大型潜、コマンダンテ・ファー・ディ・ブルーノです…今度はファー・ディ・ブルーノ大佐のように頑張りたいです」

提督「大丈夫、きっとできるわ♪」…そう言うと提督は軽く頬にキスをし、五人が並んでいる方に向かって進んだ

提督「…さてと、貴女たちも自己紹介をよろしくね」


…五人の大型潜は格好がバラバラで、下に着ている灰色の「競泳水着風」艤装以外は、一人が中将の制服、一人が神父様のような僧服、残る三人は実験器具を持って錬金術士風の格好に身を固めている…


大型潜「大型潜ブリン級、ネームシップのブリン…ベネデット・ブリン中将の名に恥じぬようがんばるのでな、よろしく頼む」

提督「こちらこそ…お迎えできて光栄です」

大型潜「同じくブリン級、ガルヴァーニ…神経って電気で動くのよ?知ってた?」にこにこしながら手からカエルをぶるさげて、金属板をあててひくひくさせている…

大型潜「私も同じくブリン級、グリエルモッティ…神のお導きがありますよう」紺色の修道女風の服装に似合う敬虔な表情で十字を切り、合掌した

大型潜「私はアルキメーデ(Ⅱ)、ブリン級大型潜よ…物理と数学は得意よ、よろしくね♪」三角定規とコンパスをもち、クリーム色と若草色のケープをふわりと払うと笑みを浮かべた…ふわりと結い上げた髪、それに干渉しないよう傾けた潜望鏡支柱…左の側頭部には「Ⅱ」のような髪留めを付けている

大型潜「そして、私がトリチェリ(Ⅱ)…最後はペロシ中佐の指揮下で、英艦相手に水上で華々しく暴れてあげたわ♪」紫のケープと羽飾りの付いた帽子、手には小手のようにはめた主砲の飾りをつけている

バリラ「…!」

シエスタ「…ト、トリチェリって、「潜水艦教本」に出てた、あの……」

提督「名前はうかがっているわ…よく奮戦してがんばったわね」

トリチェリ(Ⅱ)「ふふ、ありがと…お嬢さん♪」提督のあごに手をあて、唇の近くにキスをした

提督「グ…グラツィエ……///」

トリチェリ「いいのよ…これからよろしくね♪」

提督「ええ…とりあえず、お昼が準備されてるわ。食堂まで行きましょう」

ブリン「承知した…みんな、行こう」

………
677:2017/07/29(土) 02:16:26.37 ID:
…新着艦紹介…


大型潜…カッペリーニ級。1939年生まれ、二隻


中世の提督から名を採った大型潜「マルチェロ級」9隻に一年遅れて建造された大型潜。排水量1043トン/1290トン

性能はマルチェロ級とほぼ同じで、最初は地中海で戦っていたが、開戦当初のドイツ・Uボートの不足を受けフランス・ボルドーに進出、大西洋でも戦った。しかしドイツ潜との連携不足や性能、戦術の差から協同しづらくなり「コマンダンテ・カッペリーニ」はマルチェロ級「バルバリゴ」と同じく日本への輸送任務に就くことになった。

…この輸送任務で「バルバリゴ」は撃沈されたが「カッペリーニ」は優れた腕前でボルネオ・サバンまで到着…が、43年のイタリア降伏で現地の日本軍に接収され、一部乗員と共にドイツ軍の東南アジア艦隊「モンスーン・グルッペ」に参加「UIT.24」になった…ところがこんどは45年にドイツが降伏、また日本軍が接収して呉鎮守府所属「伊五○三」として整備中に敗戦、最後は46年に海没処分と、数奇な運命に翻弄された大型潜だった


性能は3600馬力(ディーゼル)/1100馬力(電動機)で17.4ノット/8ノット。兵装は533ミリ魚雷発射管4門(艦首)/4門(艦尾)に100ミリ単装砲二基(司令塔前後に各1基)、司令塔後部に13ミリ連装機銃二基と豊富…が、日本への航海時は魚雷発射管にまで荷物を詰め込んだため魚雷なし、45年の「伊五○三」時には弾薬の互換性がない100ミリ主砲を降ろし機銃のみとされる

………

…艦名は1866年普墺(プロイセン・オーストリア)戦争時に火事場泥棒的に手に入れようとした島「リッサ島」への上陸作戦中、迎撃にきたオーストリアの木造艦と交戦した艦長たちから…この「リッサ海戦」時の指揮官ペルサーノ中将はいきなり旗艦を変える意味不明の行動をとり、あげく木造オーストリア艦の衝角攻撃で二隻も装甲艦を失い、リッサ島への上陸も不成功と無能をさらし、後の軍法会議で軍籍剥奪の刑を受けた……以後しばらくはイタリア海軍は「不要」と予算を減らされ暗黒時代を送ることになる…

…一方艦名の由来になった「コマンダンテ・カッペリーニ」(カッペリーニ中佐)は、装甲艦「パレストロ」艦長で、炎上する自艦から退艦するよう勧められるのを断り、志願した乗組員たちと消火作業中に爆沈、戦死した「海軍軍人の鑑」

「コマンダンテ・ファー・ディ・ブルーノ」はリッサ海戦時の(当初の)旗艦「レ・ディタリア」(イタリア王)号の艦長。最後は二隻から衝角攻撃を受け撃沈された

………


艦娘「コマンダンテ・カッペリーニ」はイタリア・ドイツ・日本に所属しただけあって革のブーツはドイツ風、髪のかんざしは日本風。長い銀髪をなびかせ、言語、文化の知識も抜群と「泳ぐ外交官」的才能のもちぬし。妹「ファー・ディ・ブルーノ」は大戦時活躍する機会を得る前に撃沈されたので「デキる」姉に気おくれしている…

678:2017/07/29(土) 03:10:39.08 ID:
大型潜…ブリン級。1938~39年生まれ。五隻


スペイン内乱時にこっそりフランコ側に提供され、学者の名前をもつ「アルキメーデ級」潜水艦の発展型。1000トン/1245トン

長距離航海に適した大型航洋型の潜水艦で、「アルキメーデ級」よりデザインが洗練された分性能が向上、優れた大型潜水艦とされる。

39年生まれの「アルキメーデ(Ⅱ)」と「トリチェリ(Ⅱ)」はフランコに渡された「アルキメーデ」「トリチェリ」の代艦。戦時中は強力な英海軍を相手に「ブリン」を除く四隻が撃沈。


性能は3400馬力(ディーゼル)/1300馬力(電動機)で17.3ノット/8ノット。533ミリ魚雷発射管4門(艦首)/4門(艦尾)、120ミリ単装砲1基(司令塔前)、13.2ミリ連装機銃二基(司令塔後部)


全体的に優れた潜水艦だったが、特にトリチェリ(Ⅱ)はサルヴァトーレ・ペロシ中佐の指揮下で英駆逐艦「カンダハール」「カルトゥーム」「キングストン」、およびスループ「ショアハム」からなる英艦グループに捕捉され、潜航できない状況だったため浮上砲戦を敢行、英駆逐艦「カルトゥーム」を撃沈している…最後は艦を自沈させ、艦長ペロシ中佐も捕虜になったが、戦後は中将にまでなった…勇敢だったイタリア潜水艦隊を代表するような痛快なエピソードである。


………

艦名は「ブリン」が「リッサ海戦」後、1873年の初代「カイオ・デュイリオ級」から長く1889年まで設計を担当し、イタリア海軍を列強に追いつかせた天才造船家「ベネデット・ブリン」造船監

「ガルヴァーニ」はカエルを使い「生き物の筋肉は電気で動く」ことを実験、ヴォルタ電池の発明にもつながった「神経生理学の父」、ルイージ・ガルヴァーニ

「グリエルモッティ」は詳細がよく分からないが、神父「アルベルト・グリエルモッティ」

「アルキメーデ」は古代の学者「アルキメデス」

「トリチェリ」は数学・物理学者で、深い井戸からのくみ上げができないのは内圧・外圧の差である事などを証明し、気圧計の改良にも功績があった「エヴァンジェリスタ・トリチェリ」から


………

艦娘「ブリン」は中将の上着もきまっている大人の潜水艦。イタリア海軍的には足を向けて寝られないほどの偉人だが、鷹揚で優しい…ブリンのデザイン力のおかげか、見ただけでスペースに物が入るか入らないか分かるので、片づけや物をしまうのが上手い

「ガルヴァーニ」は実験好きで、時々白衣で実験用のカエルをぶるさげているのでマッドサイエンティストに見える…周りのイメージに応えて怪しい薬を作ったりしているが、実は電気実験の方が好き

「グリエルモッティ」は艦娘の身体なので紺と白の修道女の格好をしている、お祈りは欠かさないし修道女的に肉食は(ヴァチカンから免除を受けているとはいえ)ちょっと複雑な気分

「アルキメーデ」は錬金術士風のクリームと若草色のケープとティアラをしている。時々周囲の事を忘れて実験や錬金にのめり込み、ほかの事は気にしない…ギリシャ的な所もあるので女の子は好き

「トリチェリ」は紫のケープに同色の髪飾り。小手のように腕にはめた主砲の飾りと、格好いい態度がクール。浮上砲撃戦で駆逐艦を沈め、もう一隻にも損害を与えた「華々しい」最後から潜水艦隊で一、二を争う人気ぶり
679:2017/07/29(土) 10:12:55.99 ID:
…食堂…

提督「はい、着いたわ。ここが食堂よ…まずはお昼でも食べながらお互いの事を良く知りあいましょう♪」そう言いながら、隣に立ったアルキメーデ(Ⅱ)とさりげなく手をつないだ

アルキメーデ「♪」頬を紅潮させ、嬉しそうに指を絡めた…

ブリン「うむ、これはありがたい…実を言うとちと空腹でな」

トリチェリ(Ⅱ)「私も…お昼は何かしら」

カッペリーニ「久々のイタリア料理…楽しみ♪」


…食堂に入ると、満場の拍手喝采がカッペリーニたちを出迎えた。席に着くと早速アオスタが委員長気質で歓迎会の司会を始めた。今回はライカをかかえた中型潜コリドーニが脇に立ち、あきれるほど写真を撮りまくっている…


提督「さ、座って…今日は冷たいカッペリーニみたいね♪」乾杯を済ませて席に着く…今回は暑い昼にぴったりの、新鮮なトマトと茹でた海老を冷やして絡めた極細パスタ、カッペリーニがガラスの皿に盛られている

カッペリーニ「嬉しいわ♪」同名のパスタに顔をほころばせるカッペリーニ

ファー・ディ・ブルーノ「美味しそう…よかったね、お姉さま♪」

カッペリーニ「ふふ、ありがと…♪」

ブリン「おぉ…うまそうだ、これは司厨長をほめてやらんといかんな♪」

提督「うちの「司厨長」なら向こうにいるわ…金髪の彼女、ディアナよ」手を振ると貴族のような優雅さで振りかえしてきた

ブリン「ディアナ…高速スループのか……船のときでも綺麗な姿だと思っていたが。まるで空気が吸い出されるような美しさだ…機能的でありながら優雅で…」急に気づいたように辺りを見回すと、急に唾をのみ込んだ

ブリン「提督、提督…」

提督「はい、どうしたの?」冷たい白ワインで喉を湿していた提督は、小声で呼ばれて耳を寄せた…

ブリン「あそこの二人は誰だね?」そっとさし示したのは軽巡ガリバルディとエウジェニオで、お互いの手を重ねて仲良く会話している

提督「手前が軽巡ガリバルディ、奥がエウジェニオよ」

ブリン「素晴らしい…ほれぼれするような美しさだ……で、あっちはどなたかな?」

提督「戦艦デュイリオ…隣で話しかけているのが駆逐艦リベッチオ、マエストラーレ級ね」

ブリン「うぅむ…この名のもとになったブリン中将が初代をデザインしたとはいえ、何とも魅力的な姿を引き継いだことよ…///」優雅で色っぽいデュイリオの艶姿と、それと対照的に快活で健康的なマエストラーレ級駆逐艦の組み合わせにぼーっとなっている…

デュイリオ「♪」…視線に気づいたデュイリオが振り向くといたずらっぽい投げキッスを送ってきて、真似したリベッチオも楽しげに投げキッスを送ってくる

提督「ふふっ…♪」お返しにウィンクを返した

ブリン「うむ…素晴らしいところだ、ここは……///」そう言って納得するとパスタに取りかかった

提督「そうね♪…ガルヴァーニ、パスタの味はいかが?」黙々とパスタを口に運んでいるガルヴァーニに声をかけた

ガルヴァーニ「うん…美味しい。お礼に面白いものを見せてあげるよ♪」白衣のポケットをごそごそやり始めた…

提督「…カエルはなしよ?」

ガルヴァーニ「おや…カエルがぴくぴくするところを見せてあげようと思ったのだけど」

提督「…食事時は止めてね♪」

ガルヴァーニ「仕方ない…それなら……」両方の手のひらをこすり合せて離すと、たちまち手の間に紫電が走った

提督「!?……綺麗だし、すごいじゃない♪」

ガルヴァーニ「ふふん…昼間だから見づらいけど、ちょっと生体電流をね♪」

カヴール「…どうしました、提督?そんなにすっとんきょうな声を出して…あら♪」

アッテンドーロ「どうしたの?…へぇ!」

ダルド「すごいわ!小さい雷みたい♪」…「雷」や「稲妻」といった艦名からか、わらわらと集まってくるフレッチア級とフォルゴーレ級

ガルヴァーニ「ふふ…でもおしまい、起こした電気が無くなったからね♪」パンっ…と手を叩くとまんざらでもない顔をした

提督「素直に感心したわ♪」

ガルヴァーニ「それは良かったわ♪…カエルもやりたかったけど」

提督「…」
680:2017/07/29(土) 11:09:39.57 ID:
アルキメーデ(Ⅱ)「んむ…んむ……美味しい…♪」

トリチェリ(Ⅱ)「ほんと……いいところに来たみたいね」あっさりした鯛のカルパッチョを味わいながら、フタをした試験管をペンのようにくるくると回している…と、近くの艦娘が声をかけた

フェラリス「ねぇ二人とも…私たちのこと知ってるかしら?」赤と金の豪奢な錬金術士のケープをまとっている

ガリレイ「見れば分かるよね?」こちらは薄紫にピンクのレース飾りが付いた軽いワンピーススタイルで、テーブルにピサの斜塔の小さい石膏像を置いた

トリチェリ(Ⅱ)(以後トリチェリ)「ピサの斜塔…もしかしてガリレイ?」

ガリレイ「正解♪…もう、会いたかったのよ?」

トリチェリ「こっそりスペインに連れて行かれちゃった二人の分身だけどね」

フェラリス「そう言うこと言わないの、二人だって大事な妹よ♪」

ガリレイ「そう、万有引力が働いたの♪」

アルキメーデ(Ⅱ)(以後アルキメーデ)「万有引力…かどうかはさておき、会えてうれしい。よろしくね♪」

フィエラモスカ「先生も二人に会いたかったですよ…二人とも優秀なので言うことはありませんが、アルキメーデ」

アルキメーデ「はい、先生♪」

フィエラモスカ「ちゃんとお部屋のお掃除はできますね?…もしできないと」目の辺りに影がさし、背後にオーラが立った…

アルキメーデ「で、できますよ先生…天才アルキメーデに出来ない事なんてないですっ♪」

フィエラモスカ「はい、いい子ね♪…先生、それを聞いて安心しました」

ガリレイ「ちょっと、あんまり妹をおどかさないでくれる?」

ブリン「こほん…あー、盛り上がっているところすまんが…一応こっちの妹だぞ?」

フェラリス「…いやいや、うちのアルキメーデとトリチェリに代わってできた娘なんだから私たちの妹でいいでしょ?」

ガリレイ「賛成、物理的にもそれがセクシー…「ユリ、承認」だってしてもらえるはずよ」

グリエルモッティ「それがどういう意味なのか知りませんが…アルキメーデとトリチェリはマリア様から授かった私たちの妹です」

ガルヴァーニ「嫌なら…次の実験台が決まっちゃうね♪」

ガリレイ「へぇ…私の物理・天文学に挑むつもり?」

フェラリス「磁界の力で誰かと「くっつきぼし」にしちゃってもいいのよ?」

提督「…いっそ両方の妹ってことにしたら?」

ガリレイ「提督!?」

ブリン「…いま、何と?」

提督「仲間同士なんだもの…両方の妹にしてうんと甘えさせてあげればいいじゃない♪」

フォカ「それでいいじゃない…みんなで仲良くしなさいよ♪」

ミッカ「そうですよ…私だって一人っ子ですが、フォカ級の三人とは敷設潜同士、姉妹同然の付き合いをさせてもらっていますよ?」

エモ(マルチェロ級大型潜)「そうですとも…お互い、仲良くしましょう♪」由来になった名前がアンジェロ(天使)・エモというだけあって、優しくさとした…

グリエルモッティ「眩しい…天使がいます///」

エモ「あなたがグリエルモッティね…エモです、よろしく♪」

グリエルモッティ「は、はい///」

ガリレイ「…ふぅ。そうね、お互い仲良くしましょう」

ブリン「こちらこそ」

提督「…よかった。せっかくの歓迎会だもの、仲良くしないと」
681:2017/07/30(日) 22:22:09.68 ID:
ガリレイ「じゃあ、仲直りにワインでもいかが?」

ブリン「いいですな…いただきましょう」

提督「…ふー…危なかった……」ガリレイたちアルキメーデ級とブリン級の五人が仲良くワインを傾けるのを見て、冷や汗を拭った

フィエラモスカ「喧嘩はいけないですが…そこまで緊張しなくても」

提督「フィエラモスカにはちょっと分からなかったでしょうね…錬金術士がいて「小さいアクセサリーをいじくり回している」時の恐ろしさは……」

フィエラモスカ「?…よく分かりませんが…危機は去ったということですか?」

提督「キューバ危機そこのけの…ね。とにかく丸く収まってよかったわ」

カッペリーニ「提督…隣、よろしいですか?」食後のシャンパンを持ってやって来た

提督「もちろん…ファー・ディ・ブルーノも座ったら?」

ファー・ディ・ブルーノ「お姉さまの隣は…ちょっと緊張しますね」

カッペリーニ「ふふ、緊張することはないじゃない…お姉ちゃん、そんなに怖いかしら?」

ファー・ディ・ブルーノ「いえ、めっそうもない!……ただ、わたしなんかよりずっと活躍しているのでまぶしいというか…」

カッペリーニ「ふふ、何それ♪…何も自分の姉に気おくれすることはないじゃない」

提督「そうよね♪」さりげなく腰に手を回し、身体を近寄せた

ファー・ディ・ブルーノ「あの…どうしてそんな風に抱き寄せていらっしゃるのでしょうか///」

提督「んー…ちょっと固くなっているみたいだから、気分をほぐしてあげようかと思って。……もしかして触られたりとか、そういうの好きじゃない?」

ファー・ディ・ブルーノ「いえ、平気ですよ…それにそこまで気を使ってもらって…///」

カッペリーニ「妹に優しくしてくれてありがとうございます…ところで、この手は何でしょうか♪」カッペリーニのほど良く引き締まったふとももに白い手がさりげなく置かれている

提督「いや…カッペリーニのふともも、すらっとしててすべすべで……その、触り心地がよさそうって思ったの♪」

カッペリーニ「そうですか…で、いかがです?」

提督「大変よろしゅうございます……スカートから伸びるふとももの滑らかなこと……んー♪」

カッペリーニ「ふふ…提督は女性がお好きでいらっしゃる?」

提督「ええ♪」

カッペリーニ「それは素晴らしいですね。昔から軍艦は「女性」だと言いますし…私たちにも愛情を持って接してくださいね♪」

提督「そうね…その点だけは保証するわ♪」

足柄「あのねぇ…うちの提督とねんごろの仲でいるって言うのに、まだ足りないのっ?」浴衣姿で頬を赤くした足柄が近寄ってきた…胸元がはだけ、アルコールの熟柿くさい息を吹きかけてくる

百合姫提督「足柄…もう!……ごめんなさい、フランチェスカ。足柄、飲み過ぎちゃったみたいで」小走りで駆け寄ってきて足柄を支える百合姫提督…

カッペリーニ「こんばんは、日本の提督さん…それと……」綺麗な日本語で挨拶すると会釈した

足柄「一等巡洋艦、足柄よ!…あなた、日本語が上手ね……えーと…」

カッペリーニ「コマンダンテ・カッペリーニ…UIT.24…あるいは伊五○三です、よろしくお願いします」

足柄「えぇ?…こま…コマンダンテ……か…」

カッペリーニ「カッペリーニです」

足柄「か、か……あぁ、もういいわ、「かっぺい」ね!」とうとう言うのをあきらめ、日本のお家芸「空耳」であだ名を付けた…

カッペリーニ「ふふ…私も海のエトランゼとして色々な名前をもらいましたが……ここまで面白いのは初めてですよ…ふふふっ♪」それを聞いて怒るでもなく
微笑しているカッペリーニ

百合姫提督「あの…ごめんなさい、カッペリーニ……足柄も普段はこうじゃないんだけど」

カッペリーニ「お気になさらず…ところであの土鍋は?」向こうのテーブルに鍋敷きと茶碗、箸が置かれ、鍋敷きの上にはいかにも和風な土鍋が鎮座している
682:2017/07/30(日) 22:52:12.29 ID:
提督「言われてみればテーブルの上に土鍋がいるわね…あんなのあったかしら?」

百合姫提督「そちらのディアナに聞いて貸してもらったの…勝手に用事を言いつけてしまってごめんなさいね?」

提督「いいのよ。お礼ならむしろディアナにお願い……で、土鍋で何をしたの?」

百合姫提督「ご飯を炊いたの」

提督「お昼の量、足りなかった?」

百合姫提督「いいえ。足柄が「お茶漬けが食べたい」っていい出して……何しろ今日は暑いでしょう?勢いよくワインを飲んだからちょっと回っちゃったみたいで……」

カッペリーニ「最後の締めにお茶漬けですか…いいですね♪」

足柄「あら、それが分かるなんて「かっぺー」もなかなか通じゃない…うぃ……さぁ…てと、お茶漬けでさらりと流し込むわよ…ぉ!」ふらっ…とよろめき、慌てて百合姫提督が腕をとった

百合姫提督「んっ…足柄、しっかり立って……」

足柄「仕方ないじゃない…今日の海はだいぶうねりがあるんだもの……」

提督「…姫、足柄の左舷は支えてあげる」

百合姫提督「ありがとう…私も浴衣だから支えきれなくて……」

足柄「あのねぇ……私は一等巡洋艦よ?…出来の悪い戦標船じゃないんだから、一人で歩けますって…の!」(※戦標船…戦時標準船)

カッペリーニ「まぁまぁ…大戦艦や空母でも入港には曳船の力を借りますでしょう?……足柄さんも一等巡洋艦なのですし、港内のかじ取りは私たちに任せて、堂々と入港すればいいのですよ♪」

足柄「んー?…まぁ、それもそうね……」納得したのか大人しく支えられて席に着いた…

百合姫提督「ふぅ…助かったわ。お礼と言っては何だけど…お茶漬け、少し付き合う?」

提督「いいわね♪」

カッペリーニ「では、お言葉に甘えて♪」日本語の言い回しも流暢で、百合姫提督も感心した様子で微笑を浮かべた

百合姫提督「はい…じゃあ準備するわ」普段は食器室のどこかにしまわれているらしい、和風の茶碗と急須を並べた…

683:2017/08/01(火) 11:45:39.13 ID:
百合姫提督「開けるわね…よいしょ」ごと…土鍋の蓋が開き、湯気が立ち上る

足柄「あぁ…いいじゃない!しかも銀飯よ、銀飯!」(※銀飯…麦飯ではない白米のみの飯)

龍田「美味しそうにお米が立ってるわねぇ…なんだか嬉しくなるわぁ」

百合姫提督「料理用の日本酒を水と一緒に入れたから…ふふ、「カニの穴」も出来てる」しゃもじでまんべんなく返して、茶碗によそった

足柄「あのね、かっぺー…いい?米を炊くときはね……」

カッペリーニ「たしか…「はじめちょろちょろ中ぱっぱ…赤子泣いてもフタとるな」……でしたか?」

足柄「そうよ…分かってるじゃない……つまらないわね」

百合姫提督「はいはい…絡むのはそこまでにして、お茶漬けをどうぞ?」

足柄「具はあるの?」

百合姫提督「あるわ……じゃーん♪」何でも入っているらしい巾着から袋を取り出した

提督「それ、なぁに?…海苔、じゃなさそうだし……表面に粉が噴いているけど?」

百合姫提督「これ?大和屋の「えびすめ」…良く乾かしてある昆布の佃煮みたいなものよ」ビニールを開けて、パラパラとご飯の上にふりかけた

足柄「おぉ…いいわねぇ」とぽとぽ…とお茶をかけると、えびすめがほどよく柔らかくなり、味がしみ出す…

百合姫提督「ぬるくなる前にどうぞ?」

足柄「いただくわね……ずず……」

龍田「私も…いただきます♪…ず…ずずず……」

提督「じゃあ私も…熱っ……ん…」

カッペリーニ「いただきます…するっ……すす…」

足柄「あ゛ー…沁みる……これよ、これ…」

龍田「ふふ…美味しいわぁ…♪」

提督「ん…「うま味」の味がすごくするわ……この「えびすめ」のおかげなのね」

カッペリーニ「何とも…すす……素朴に楽しむ味わいですね……」さらさらっ…とお茶漬けをすすり、コトリと茶碗を置いた

百合姫提督「あ…美味し……ずず…」

足柄「美味しかったわね…あ、まだご飯残ってるじゃない」

百合姫提督「もう一膳食べる?」

足柄「龍田、そっちは?」

龍田「私はもういいわぁ」

足柄「イタリアの提督さんは?」

提督「ありがとう…でもお腹いっぱいだからどうぞ?」

カッペリーニ「私もごちそうさまです…残しては八十八の苦労が無駄になってしまいますから、どうぞ召し上がってください」

足柄「ならありがたくもらうわね……と、えびすめもおしまいになっちゃったみたいね」

百合姫提督「ごめんね…小さい袋だったから」

足柄「うーん…だからって何もなしって言うのはさみしすぎるし……」

フィンチ(カルヴィ級大型潜)「だったらこれを使ったらいかがだろう?」足柄が悩んでいるとフィンチが皿を持ってやって来た…

足柄「何かあるの?」

フィンチ「日本には「鯛茶漬け」というものがあると聞いているぞ…これを乗せてしまえばいいのではないか?」差しだしたのはガラス皿に盛られたカルパッチョの残りで、日本通を自称しているフィンチは自慢げに言った

足柄「まぁ…ないよりはいいわ……あんまりオリーブオイルのかかってない所をもらうわ」数切れの鯛を乗せ、出汁でもなく普通の緑茶をかけた

フィンチ「いかがだ?」

足柄「うん…まぁ……ちょっとオリーブオイルっぽいけど…食べかけでよかったら、味見する?」

フィンチ「これはかたじけない…据え膳食わぬはなんとやらで…頂戴しよう……ずずっ、ずずー…」

足柄「どう?」

フィンチ「美味いっ!…すこし風味が物足りない緑茶と白米に、ほのかなオリーブオイルと塩胡椒が効いて……サムライの食卓にふさわしい味だ!」
684:2017/08/01(火) 12:16:15.14 ID:
足柄「まぁ、よかったわね…食べちゃっていいわよ」

フィンチ「うむ…では残さず頂こう……ずず…」

龍田「…」

カッペリーニ「えーと…」

提督「…あんまり気にしないであげて?」

フィンチ「ごちそうさまでした……ふぅ…しかし日本食に比べるとドイツの食事は最低だった」

カッペリーニ「あー、同盟国を揶揄するのもどうかとは思いますが…それは……まぁ、分かります」

足柄「分かるわ…戦前にキール運河だか、ハンブルグだかを訪問したのよ……レーヴェンブロイと白ソーセージはよかったけど、あとは三食いつでも芋・いも・イモ!…ジャガイモばっかりで死にそうだったわ」

フィンチ「うむ…そして出てくる酸っぱい黒パン」

カッペリーニ「固くてもそもそしていましたね……」

クリスピ「分かる!あれはひどかったねぇ…なんにつけてもザワークラウトだし…」ひょいと顔をのぞかせた小柄な駆逐艦「フランチェスコ・クリスピ」もしきりにうなずいている…

トゥルビーネ「ドイツのご飯は美味しくなかったよ…もっともイタリアだって大戦中は他人のこと言えなかったけどね」やはりドイツ艦として没した駆逐艦「トゥルビーネ」も肩をすくめてぼやいた

提督「ひどい言われよう…分かるけど」

トゥルビーネ「うん…私はここでよかったよ♪」

ディアナ「それは良かったです…毎日つくるかいがあります♪」片づけにきたディアナがにこにこしながらウィンクをした

提督「ふふ…だってディアナのご飯はとっても美味しいもの♪何か手伝いが必要なら言ってね?」

ディアナ「はい…あとで補給のトラックが来ますから、荷物を食料庫に入れるのだけ手伝ってもらえれば助かります」

提督「了解。よかったらみんなも手伝ってね?」

クリスピ「はーい」

カッペリーニ「はい♪」

トゥルビーネ「もちろん手伝うわ♪」

フィンチ「一宿一飯の恩義というやつだからな、当然手伝わせていただく」

提督「ふふ、えらいわ♪…そういうえらいみんなには…はい、ごほうび♪」…ちゅっ♪

クリスピ「わぁ♪」

トゥルビーネ「はぁぁ…///」

カッペリーニ「ふふ…提督の唇、柔らかいですね♪」

フィンチ「お…おぉ……♪」
688:2017/08/04(金) 01:30:13.09 ID:
…十数分後…

提督「うー…唇がべとべとする……♪」そう言いつつまんざらでもなさそうな提督……タラントからの補給トラックが来るまでの暇つぶしと、カヴールが居室から漫画を持ってきたので、左右にライモンとカヴール、膝の上に駆逐艦セラを乗せてパラパラとページをめくった…

セラ「このマンガ面白いわ…ゆるーい感じが好き♪」

提督「お礼は百合姫提督に言ってあげて?わざわざ日本から持ってきてくれたのだから」

セラ「ありがとうございます、百合野提督♪」

百合姫提督「いえいえ……ところでどの漫画?」

提督「これ?「ゆら式」だけど?」

百合姫提督「なるほど♪…確かに「ゆるーい感じ」がするわね」

提督「そうよね……せーのっ!」

百合姫提督「ゆら式!」

提督「ふふふっ、ありがと♪」

セラ「わぁ♪」

カヴール「あらあら…提督ったらまた可愛いことを♪」

ライモン「胸にきゅん…ときました♪」

提督「好評で嬉しいわね……あ、トラックが来たわ」ゲートの開閉を知らせるブザーが鳴り、補給の三トン積みトラックが入ってきた…提督は漫画をテーブルに置き、文書便の鞄を手に取った

カヴール「じゃあ、行きましょうか」

提督「そうね♪」


…鎮守府・食堂脇…


提督「お疲れ様です…まずは文書便を」意外と大きいイヴェコ・トラックの助手席から飛び降りてきた女性士官に文書便の鞄を渡す…

士官「はい、確かに」形ばかりとはいえ、アタッシュ・ケースの取っ手と手首を手錠でつないだ

下士官「よいしょ…司令官、物品リストです」今度は濃い緑色のつなぎを着た女性下士官が運転席から降りてくると敬礼して、厚板のボードに挟んである長い物品リストを渡した…

提督「はい、じゃあこれから確認します…よかったらその間にコーヒーでも?エスプレッソがいいかしら?」

士官「…ええ、ありがとうございます」

提督「伍長、あなたは何がいい?」

下士官「は、私も同じもので」

提督「分かったわ、じゃあちょっと待っててもらえる?」庭の席に案内すると手早くエスプレッソを淹れた…

提督「お二人とも…どうぞ?」

士官「ごちそうさまです」

下士官「…その、恐縮です」

提督「いいの、気にしないで」そう言うとリストを持って荷台の方に回った…

カヴール「はい、そーれ♪」荷台から軽々と荷物を降ろしていくカヴールと、こちらも軽々と受けとるドリア

提督「リストを持って来たわ…いい?」スーパーマーケットの宅配サービスを大げさにしたような箱の山を眺め、毎回のように感心する提督…

トレント「はい、どうぞ」

提督「えーと、卵のグロス入りケースが二つ…割れてない?」

トレント「大丈夫です」

提督「いつだったか割れてて困ったことになったから……鶏もも肉、二十キロ」

トレント「あります」

カヴール「鶏のピカタが食べたくなりますね♪」

提督「まぁ、運び入れてから考えましょうね…牛のあばら肉、同じく二十キロ」

トレント「ええ、あります」
689:2017/08/04(金) 02:18:11.96 ID:
提督「それから…地元の猟師さんたちが害獣駆除で仕留めたイノシシ肉、二頭分…寄付だそうよ」

トレント「確認しました…煮込み料理でしょうか?」

提督「キノコと一緒にこっくりした味のワイン煮とか…まぁ、後でじっくり考えましょう……スズキ、二十尾」…次々と読み上げ、チェックを入れるとエウジェニオやカッペリーニ、セラたちが次々と食料庫に運び込んでいく

トレント「はい…大きいですね」

提督「これはレモンか何かでさっぱりといただきたいわね……カレイ、十五尾」

トレント「カレイ……カレイ…ありました」

提督「それ…カレイ?……「おひょう」じゃないの?」発泡スチロールの箱に収まっている魚を見て眉をひそめた

トレント「違うものなんですか?」

提督「大きいけど安いのがおひょう。よく「大カレイ」とか「大ヒラメ」って言って素人を驚かせているあれよ」

トレント「味はどうなんでしょう?」

提督「まぁ、大味だっていう意見もあるけど調理しだいね…気にしないでおきましょう……冷凍マグロ」肩をすくめた

トレント「はい」

提督「冷凍海老…二箱」

トレント「あります」

ムレーナ(フルット級)「うまそうなエビだ…いいねぇ」

フォカ(フォカ級)「私も♪…海老大好き♪」…中型潜フルット級の「ムレーナ」(ウツボ)と敷設潜フォカ級の「フォカ」(アザラシ)……海鮮好きの二人が箱を運びつつ舌なめずりをしている…

提督「凍ったまま食べちゃだめよ?…次に蟹が二箱、魚市場からの提供品だそうよ」時おり市場から脚の折れた「不良品」や、急なキャンセルで在庫になったものが寄付され、タラントで分配されると届けられていた

トリケーコ(スクアロ級)「カニですか…ふふふっ、嬉しい♪」こちらもエビ・カニ類が好物のスクアロ級中型潜「トリケーコ」(セイウチ)が、箱を開けて中を眺め、にこにこしている…

提督「ほら、早く持っていかないと痛むから……次は野菜ね」

カヴール「…ちょっと重いですよ?」

ドリア「ええ、大丈夫です♪」

提督「えーと…ズッキーニが一箱」

トレント「はいっ」

提督「トマト…一箱」こちらも大きい木箱いっぱいに入っている…地物の野菜だけあって形こそ不ぞろいだがみずみずしい……

提督「レモンとライム、それぞれ一箱」海軍内にまだ壊血病への警戒感があるのか、小箱とはいえ欲しくない時でもやって来るレモンとライム

提督「カリフラワーとブロッコリーが一箱ずつ」

トレント「ありますね…はい」

提督「ナス一箱」大箱に白いナス、紅いナス、紫のナスが区分けされて入っている…煮ればとろりと柔らかく、ディアナの夏料理には欠かせない

提督「ピーマンと紅パプリカ」

トレント「はい…っと」箱の割に意外と軽いので、持ち上げようとしてよろめいた

提督「大丈夫?」ぎゅっ…倒れないように後ろから抱きかかえた

トレント「あっ…だ、大丈夫です///」

提督「よかった♪…キャベツ一箱」

トレント「はい///」

提督「ニンニク一箱」

トレント「ええと…はい///」

カヴール「むぅ…私が数える役になればよかったですね…」

提督「カヴール、妬かないの…玉ねぎ」大きさこそバラバラだが、使う分には大して困らない…

トレント「ありました」