234: 名無しさん 2013/05/28(火) 10:06:41.61 ID:d5klvOyh0


――キーホルダー募集〆切りのお知らせ 



引用元: ・佐天「佐天さんの学園都市七大不思議探訪っ!はっじっまっるっよーーー!」

236: 名無しさん 2013/05/28(火) 10:08:07.30 ID:d5klvOyh0
佐天『うーーいっはるーーーっ!愛してーーるぞーーーーーーっ!』 

上条『うん、前にも言ったけど、そのテンションの張り方は色々と間違ってると思うんだよ』 

佐天『――はい、と言う訳で未だに方向性が分からないローカル番組からのお知らせです』 

上条『終わったんだけどね、一回は』 

佐天『まぁそんなこんなでキーホルダー及び取材要請に、沢山のご応募頂きありがとうございました』 

上条『ありがとうございました。あ、受付は終了したんで』 

佐天『匿名希望のミサカさんとPN.ゲコ子らぶりーさん、あと鈴木エツァリさん一杯メールありがとうねーっ!』 

上条『アイツも応募しやがってたのか!?つーか全員本名が検討つくんだけど!』 

佐天『スタッフの人がサーバー置いてる会社の人から、「何やってんの?何でウチの会社ハッキングまでされてんの?」って怒られたそうですねっ!』 

上条『うん。お前らちょっとは反省しろよ。特に誰とは言わないがビリビリ!ハッキングはやり過ぎだからな!』 

佐天『そんなにそげぶキーホルダー欲しかったんですかねー。あ、んじゃ番組HPからwaveデータダウンロード出来るようにしますか?』 

上条『何でカメラマンの一発ギャグがネット拡散されてんだよっ!?』 

佐天『ま、それはご要望があったらすると言う事で。キーホルダーはこちらからメールで当選をお知らせしましたんで』 

上条『欲しい人は配達先の住所と名前を書いて返信宜しく。あ、二週間以内に返信がない場合には無効になるから気をつけて』 

佐天『番組からのお知らせは以上です――さて、時間が余ったのでちょっと怖い話を』 

上条『なに?マッ○フライドポテトホルダーがどうしたの?』 

佐天『あー、あれウチの弟のメル友が言ってたらしいんですけどね。五月の頭ぐらいに行ったんですよ、マ○ク』 

上条『佐天さん振ったネタ全てを拾うってどうなの?明らかに無茶振りだったよね、今の』 

佐天『その時にLサイズのセット頼めば貰えますよ、って店員さんに言われて、テイクアウトで頼んだそうです』 

佐天『車に戻ってから開けてみると、フライドポテトホルダーってドリンクホルダーの上へ差し込んで使うみたいなんですね』 

佐天『ちょっとガッカリしたんですけど、つけてみました!おおっ、凄いなってホルダーセットしてポテトを置いたんですって!』 

佐天『でもその後大変な事に気付いたんですよぉっ!』 

上条『ど、どんな?』 

佐天『――って違いますよっ!その話じゃありませんってば!』 

上条『マッ○のオチはっ!?ノリツッコミにしても溜めすぎだろうっ!』

237: 名無しさん 2013/05/28(火) 10:09:08.29 ID:d5klvOyh0
佐天『いや実はあの後、番組で神奈川県某所へ取材に行ったんですね』 

上条『うっわすっげーマッ○のオチ聞きたい!どうせくっだらない事なんだろうけども!』 

佐天『「後追い小僧」って民話の下調べに上条さんとあたし、あとスケジュールが合った御坂さんと一泊二日で』 

上条『え、流すの?本当にスルーするの?』 

佐天『まあいつものようにダラダラっとその場の勢いで、何となく撮って来たんですが――局のスタッフさんがマスターテープ紛失したそうです』 

上条『マジ?俺も初めて聞いたんだけど』 

佐天『はい。しかもバックアップ用にオンラインストレージに取ってあったデータも破損、音声データが跳んでしまっているとか』 

上条『……そうなんだ?あれ、何にも拙いモノって映ってなかった気がするけど?』 

佐天『確認しなかったんですか?』 

上条『見る時間があればそうしているけどさ。この間のはちょっと、あったじゃないか?』 

佐天『あー、一晩中寝かせてくれませんでしたよねっ』 

上条『君らがだよっ!?間違ったフリして三人部屋取って、油性ペン握って俺が寝るの待ってたの誰っ!?』 

佐天『いやーまさか男女三人で泊ったのに完徹するとはっ!』 

上条『別に普通じゃないか?友達同士で遊びに行く事だってあるだろ』 

佐天『くっくっく、既成事実を積み上げられているとは気づかずに……』 

上条『待って?ねぇ今中学生には相応しくない言葉聞いたけど、誰が入れ知恵したの?白井?』 

佐天『お母さんですっ』 

上条『親子仲良くて結構ですねっ!つーかどこまで話してんだよっ!?』 

佐天『「パパと出会った頃を思い出すわー」と』 

上条『遺伝なのっ!?どっかで突っ込んだ記憶があるけど、俺もっかい言うよ!ユルいのは遺伝なんだなっ!?』 

佐天『無くなっちゃったテープは仕方がないですしねー。まぁ展開次第ではもう一回行くって事で一つ』

238: 名無しさん 2013/05/28(火) 10:10:03.31 ID:d5klvOyh0
上条『いや、いいけどもだっ!』 

佐天『そんな訳で近い内に特番をしますんで、よろしくー』 

上条『……もう御坂妹と一緒に行くのは、色々と危険を感じるし』 

佐天『あたしと御坂さん連れて行ったのが間違いですね』 

上条『……』 

佐天『どーしたんですか?』 

上条『……あのさ、こないださ。その、三人で遊びに行きましょう、つったよね?』 

佐天『えぇ宣言しましたよね』 

上条『でもこないだ来たのって御坂妹じゃん?あれ、なんだったの?』 

佐天『あれ、御坂さんじゃないんですか?』 

上条『……あれ、もしかして御坂妹誘ったのって佐天さん?』 

佐天『えぇ、はい。御坂さんと連絡取ろうと思っていたら、道でばったり会ったので、直接伝えましたよ?』 

上条『あー……だからね。勘違いしちゃったのか』 

佐天『あれ御坂さんのコスプレじゃないんですかっ!?てっきり「御坂妹」ってキャラなのかと』 

上条『それで納得する方もどうかと思うけど。あーうん。妹らしいぜ』 

佐天『え、でも「下克上のチャンスだぜ!とミサカはお姉様に成り代わって返事をします」って言ってましたし』 

上条『その時点で気づけよっ!?つか何やってんのよ御坂妹!』 

佐天『やっだぁもう上条さんったら!そんなバレバレの嘘、冗談でもない限り言う訳無いじゃないですかっ!』 

上条『……うん、珍しく君の言う事が正しいんだけど、今回はちょっとね』 

上条『まぁ兎に角、あの子は美琴さんご本人じゃないから』 

佐天『おっかしいなー?でも常盤台の制服着てたから、双子なんですかねー?』 

上条『あんまり突っ込まないであげて!機密性ゼロとか隠す気ないよねとか言わないで!』 

佐天『そんな感じでよろしくです』 

佐天『あ、ちなみにさっきのオチは「普通クルマにドリンクホルダー一個しか着けないから、ポテトホルダーつけたらドリンク置く所ないよね?」って話でしたー』 

上条『今更かよっ!?そんなに面白くもない!』 

佐天『それではみんなっ、今度は特番か「木原一族の鬼神解体」で遭おうぜっ!立場的にゲストだけどなぁ!』 

上条『やらないよっ!?俺聞いてないものっ!?』 

佐天『それじゃ最後にこの言葉っ!さぁ皆さんご一緒に!』 

佐天『うっいっはっるーーーーーーっ!あいっしてっるっぞーーーーーーっ!』 プツンッ

239: 名無しさん 2013/05/28(火) 10:12:07.62 ID:d5klvOyh0
――常盤台女子寮 

御坂「……」 

御坂(つまり、あれ?妹に外泊一回分取られた、って事よね?) 

御坂「あんの子はホントっに!どうしてそうなるのよっ!?」 

御坂(気がついたら倍率1万倍弱って有り得ないでしょ?つーか譲るって展開じゃないの!?) 

御坂(あーもう、何かイライラする……そりゃまぁ、あたしだってあの娘達が幸せになれば良いと思うけどさ) 

御坂(率先してNTRに持ち込もうするのって、問題あるわよね?) 

御坂「……はぁ」 

御坂(……あれ、まだ続きがある。何々……?) 

御坂(『番組ディレクターの>>240が、既に投稿された書き込みの中から、好きなのをアンカーで指定する』?) 

御坂(つまり募集はもう終わってるから、>>240取った人が上から好きなのを一つ選ぶ、と) 

御坂「……」 

御坂(分かってるわよね?誰がメインヒロインって事をよ!) 

御坂(最後なのよ?特番なのよ?空気読むわよね?) 

御坂(今までは短くても8,000語、原稿用紙換算20枚の短編なのに、次は時間的にも16,000語の中編になるのよ?) 

御坂(超変化球はやめてよね?絶対よ、絶対だからね!?) 


――キーホルダー募集〆切りのお知らせ -終- 


※>>240さんお好きなのをどうぞ

277: 名無しさん 2013/06/04(火) 07:15:15.23 ID:YMdwMn1I0


――学園都市七大不思議探訪 特番前編 『つちのこ』 


278: 名無しさん 2013/06/04(火) 07:16:35.57 ID:YMdwMn1I0
――某駅前の喫茶店 16時 

佐天「――って言う訳でぇっ!やって来ました特番っ!いえーい全国の初春見てるーーーっ!?」 

上条「全国に初春さんは居ないな。多分学園都市と西葛西だけだと思うよ?」 

佐天「いやー、長かったですねー!苦節数ヶ月っ!あたしがっ、どんだけ溜めてきたんだとっ!」 

上条「の、割には神奈川で弾けてたよね?御坂妹と無双プレイしてたよね?」 

佐天「でもアレ真っ暗で使い物になりませんでしたしねー」 

上条「露出間違ったのかな?なんで月のない夜空みたいになっちまったんだか」 

上条「まるで『天使堕とし』の事件みたい――あれ?」 

佐天「どーしましたかっ?」テンション上げて下さいってば」 

上条「『後追い小僧』の話って、誰から聞いたんだっけ――いや、まぁ、いいか」 

佐天「んじゃ編集点ここで、ちょっきんです」 チョッキン(カニのポーズ) 

佐天「――ってな訳でやって参りました延長戦っ!今回は一時間スペシャルだから前後編の二回ですよーーーーーっ!参ったかっ!」 

上条「うん、もう色々な意味でギブアップしたいよな?多分逃げても二人で追い掛けてくるんだろうけど」 

佐天「あ、じゃそれにします?あたし達は構いませんよ?」 

上条「学園中のヤローどもに狙われるよっ!?あと君のファン兼御坂のストーカーに刺されるっ!」 

佐天「ってな訳で『学園探訪』の特番前編では『UMA』を取り上げたいと思います」 

佐天「UMAってご存じですかね?」 

上条「未確認動物、だっけ?生物?」 

佐天「動物、ですね。『Unidentified Mysterious Animal』って言う和製英語です」 

佐天「ちなみに日本での呼び名だから、海外のファン相手にはMystery animalかHidden animalって言わないと通じませんので」 

上条「へー、きちんと調べてるんだ。偉い偉い」 

佐天「やったね初春っ!初春の好感度が鰻登りだよっ!」 ギリギリッ 

上条「また人任せなのっ!?あと笑顔で奥歯を噛み締めないでっ!」

279: 名無しさん 2013/06/04(火) 07:17:32.80 ID:YMdwMn1I0
佐天「ちなみにUMAって聞くとどんなの思い浮かべますかー?」 

上条「ネッシーとか雪男とか。あ、モスマンってのも居たっけ?」 

佐天「あと『ダンディ坂○』とか『ゴー☆ジャ○』とかですねっ」 

上条「一発屋芸人だからっ!動物じゃないよっ!生きてる人だものっ!」 

佐天「でも一度隠れると、皆さんUMAよりも発見するのが困難ですよねっ」 

上条「笑顔で毒を吐くなっ!その人達だって精一杯生きて居るんだからっ!」 

佐天「あ、そういえばですね。弟のメル友の話なんですが」 

上条「おいその前振りロクな予感がしねぇんだけど。つーかメル友ロクな人間じゃないよね?」 

佐天「実家に帰った時、母親から『知り合いの息子さんが芸人さんやってるんだけど、知ってる?』って聞かれたんですね」 

上条「もう何か切ないモノっ!嫌な雰囲気がぷんぷんするしっ!」 

佐天「『ゴー☆ジ○スって言うんだけど』って言われたんですが、その時はもうUMA状態になっていたので――」 

佐天「『あ、ごめん。テレビ見ないからちょっと……』って言葉を濁すのが精一杯だったそうです」 

上条「……優しさだよね、うん」 

佐天「その後何が辛かったかって、『んじゃその子が出てるテレビ番組とか雑誌とか、見かけてたらでいいから教えてくれる?』って言われて――」 

佐天「あれから四年ぐらい経つのに、未だに教えてやれない事、だとか」 

上条「頑張れゴー☆○ャス!俺は応援して居るぞっ!パチンコの営業で来てくれてトモヒ○(本名)コールされたとか知ってるからっ!」 

佐天「んで、まぁ人間じゃない方のUMAへ話を戻しますね」 

上条「うん、人間の方はUMAのタグを外そう?UMAは人類を舐めているけど、その人達は人類から舐められているだけだからね?」 

佐天「それがですね――学園都市で見つかったそうです、UMA」 

上条「……マジで?」 

佐天「と言う訳で、今回の依頼者さん、いらっしゃーいっ!」 

食蜂「長い、話が長いわぁっ!」 

上条「うっわー……面倒臭そー」 

食蜂「ていうか30分前から待機力している意味があったのぉ?」 

佐天「まぁ仕様ですし?」 

上条「なにそのメーカーの言い訳。スクエ○か」 

食蜂「仕様力なら仕方がないわねぇ」 

上条「ヤバいぞっ!?この子佐天さんと気が合っちゃう人だっ!?」

280: 名無しさん 2013/06/04(火) 07:18:50.46 ID:YMdwMn1I0
食蜂「はっじめましてー!食蜂操折でっす☆」 キラッ(横ピース) 

上条「あー、うん。常盤台って事は絶対中二なんだよな?」 

佐天「御坂さんのお友達だそうです」 

食蜂「えぇ、御坂さんとはいつも楽しくケンカしてるわあ」 

上条「あいつ同年代の友達居たいんだ。良かったー」 

佐天「食蜂さんが今回ご依頼頂いた件なんですが」 

食蜂「『つちのこ』、見たのよお」 

上条「あー……」 

佐天「補足しますと『つちのこ』ってのは蛇のUMAですね。頭と尻尾は普通の蛇の大きさなんですけど、胴体が太いって言う」 

上条「UMAっていうか、妖怪のカテゴリじゃないの?」 

佐天「時代が変われば定義も変わる、でしたっけ?今一誰から教わったか覚えていませんが、そういう事ですよ」 

上条「まぁ良いけど。それで?食蜂さんは『つちのこ』見たからって?」 

食蜂「そお。これよお」 ピッ 

佐天「おおっと!?これは確かに」 

上条「ブレブレだから、よく分からないけど。胴体太くて頭短い蛇、に見える、か?」 

食蜂「ね?目撃力だわぁ」 

上条「食蜂さんが撮ったの?」 

食蜂「お友達が撮ったんだけどお、気になっちゃってぇ」 

佐天「それでまぁ暇人に任せてみる、って事ですね」 

上条「ふーん。あ、これもしかして学園内で撮ったんだ?」 

佐天「え、暇人のボケはスルーですか?」 

食蜂「そうだけどお?脅威力?」 

上条「いや、学園内だったら逆に珍しくないんじゃないかな、って」 

佐天「あー、聞いた事あります。学園の研究施設ではキメラ?的な研究をしているって」 

上条「でもこれ、どっかの路地裏?ビルの谷間?後ろにあるコーヒー缶からすると、えっと……デカいな。30cmはある感じ」 

食蜂「二人には調査力でどうにかして欲しいわぁ」 

佐天「はいっ、承りました」 

上条「また君はそうやって二つ返事で」 

食蜂「私も情報収集力で手伝うからっ☆」 キラッ 

上条「……えっと、もし俺がイヤだっつって放り出したりした場合には……?」 

佐天「とーぜんっ二人で行きますよねっ!」 

食蜂「UMAハンター出撃力っ☆」 キラキラッ 

上条「あーもう!この二人の組み合わせはトラブルしか起こさねぇよっ!」

281: 名無しさん 2013/06/04(火) 07:20:20.19 ID:YMdwMn1I0
――某学区 16時30分 

佐天「ってな訳でやって来ました××学区!」 

佐天「はてさて『怪奇ツチノコ男!』はあたし達の前に姿を現わすのでしょうかっ!?それともいつものようにグダグダで終わってしまうのかっ!」 

上条「80年代のような○○男は、今時ライダ○でも使わないからな?」 

佐天「今回は特別ゲストとして常盤台中学の『女帝』さん?」 

食蜂「『女王』で」 

佐天「んのっ、ぶっちゃけ巨乳の方をお迎えしていますっ!」 

上条「中学生に対する紹介の仕方じゃねぇっ」 

食蜂「えぇー、でもお御坂さんが『孤高の貧乳派』って呼ばれてるからぁ、私はどうしたってそう言われちゃってぇ」 

上条(この子本当に中学生なの?なにこのワガママな体。神裂ぐらいはある……?) 

佐天「あーこらこらカメラマンさん?明らかにレンズが食蜂さんのおっぱいに集中してますよー」 

上条「してないよっ!借り物のカメラで撮るかっ!」 

佐天「んじゃ私用だったら?」 

上条「……」 

佐天「……」 

上条「ここへ来たのは『ずいずい』以来だよな?」 

佐天「ですねー」 

食蜂「今の不自然な間はなぁにっ!?」 

佐天「あぁいや、『多分追求しても二人とも大怪我するから、なぁなぁで済ませとこうぜ』って言う政治的判断ですね」 

食蜂「さすがに二ヶ月以上コンビ結成力じゃないわねぇ」 

上条「あ、見てくれたんだ?」 

食蜂「って話を聞いただけだけどぉ」 

上条「でっすよねー?」 

佐天「ともあれ、食蜂さんのお友達が見たのは、っと……あー、あそこですかね」

282: 名無しさん 2013/06/04(火) 07:21:47.65 ID:YMdwMn1I0
上条「あー確かに。背景と同じだな。あ、ごめん、佐天さんカメラ宜しく」 

佐天「わっかりましたっ!」 ピシッ 

上条「写真と同じように、携帯カメラで構図を絞ってみると……あぁ、やっぱりだ」 

食蜂「何が分かったのぉ?」 

上条「よくある合成とかイタズラ写真みたいに、遠近法使って撮ったかも知れないだろ?」 

食蜂「失礼ねぇ。私のお友達はそんな事しないわぁ」 

上条「怒るなって。大体の大きさを測りたかっただけだから。食蜂さん、そこ立って貰えるか?あー、もうちょい前」 

上条「写真がこれで、食蜂さんの位置があれだから……デカいな。4、50cmはあるって」 

食蜂「蛇だったらそのぐらいあるんじゃないのぉ?」 

上条「普通だったらな。でも普通の蛇がウロウロしてたら大騒ぎになるだろ」 

食蜂「確かにねぇ……突進力だけの人じゃない、って事かぁ☆」 

上条「何?……って、あれ?」 

食蜂「どおしたのぉ?」 

上条「佐天さんは撮ってないのかよっ!?つーか何してんだっ」 

佐天「おー、ひっさしぶりだなーっ!元気していたかー」 

男の子「うっいはーる?」 

女の子「あいして、るーぞー?」 

佐天「お、なんだぁ?声が小さいなあ、さぁみんなでご一緒にっ!」 

三人「うっいっはるーーーっ!あいしてーるぞーーーーっ!」 

上条「……」 

食蜂「……あれ、何かの悪霊払い力?」 

上条「あぁ、見ていないんだっけ放送」 

上条「何話か忘れたんだけど、『ずいずい』って都市伝説扱ったんだけど、その時にあの言葉唱えれば助かる、みたいなネタを流したんだ」 

食蜂「『ずいずい』?」 

上条「うん。信号で子供達が待っていると、唄が聞こえてきて――」 

食蜂「あぁ聞いた事あるわぁ。終わったら後からドンって押される、って悪質な都市伝説よねぇ」 

上条「そうなの?初春さん――ネット得意な人に調べて貰ったけど、一年前の書き込みしか無かったけどな」 

食蜂「私はぁ、子供の頃にお兄ちゃんから教えて貰ったけどぉ」 

上条「もしかしてその人が発端かぁ?あぁ、再現VTR撮らないとな。ミニ三脚用意して、っと」 ゴソゴソ

283: 名無しさん 2013/06/04(火) 07:22:55.06 ID:YMdwMn1I0
食蜂「あ、カメラあるんじゃなぁい」 

上条「型落ち品のトイカメラだけどな。『学園探訪』のギャラで買ったんだよ」 

上条「セットして、と。食蜂さん、そのままで宜しく」 

食蜂「はぁい」 

上条「……よし。で、コーヒーの缶、でもって俺はこっちへ立ってっと」 

上条「んでカメラのリモコンで、セルフ撮影っと」 パシャッ 

食蜂「何をしたのぉ?」 

上条「君のお友達の撮ってくれた写真、ここにホラ、影が写ってるだろ?」 

食蜂「あー、伸びてるわねぇ」 

上条「見切れてて分からなかったけど、もしかしたら枠の外に誰か立ってたんじゃないかな、って」 

上条「でも見てみ?俺の影だと大きすぎる」 

食蜂「写真を撮影力したのは一週間前、時刻も大体同じって事はぁ」 

上条「この『つちのこ』の写真を撮った時、撮影者以外にも周囲に人が居た、って事だな」 

食蜂「……へぇ」 

食蜂(頭は意外と悪くないみたいねぇ。御坂さんのイイヒトって聞いたんだけどぉ) 

食蜂(わざわざ一人で乗り込んできた甲斐力があったわねぇ) 

上条「時間帯と場所を考えりゃ、ここの近くの小学校の子じゃねぇかな」 

食蜂「……あらぁ、そのリモコン素敵ねぇ?」 

上条「そ、そっかな?バーゲン品だけど、セルフフォトも出来るし結構気に入ってるんだよ」 

食蜂「お友達がいないのねぇ?」 

上条「うっさいよっ!」 

食蜂「実はねぇ、私もリモコン持っているのよぉ?」 スチャッ 

上条「へー、何のリモコン?」 

食蜂「改めて自己紹介、学園第五位にして『心理掌握』の食蜂操折ですっ☆」 ピッ 

上条「っ?」 

食蜂「あ、ゴメンナサイね?御坂さんがあなたに幻滅したら解放力するからぁ」 

上条「あー、ごめんな?よく分からないけど終わったら付き合うから、先に番組撮っちゃっていいかな?」 

食蜂「――えっ?」

284: 名無しさん 2013/06/04(火) 07:23:52.15 ID:YMdwMn1I0
佐天「やりましたよっ上条@イマジンブレイカーさんっ!手がかりを掴みましたっ」 

上条「俺の名前じゃねぇよそれっ!ってかアットマークっていつの流行りだっ」 

食蜂「……?」 ピッ 

上条「どうしたんだ?」 

食蜂「んー?不思議力?」 

佐天「聞いて下さいよっ!見つけましたよっ!」 

上条「マジでっ!?すっげーお手柄だよ!」 

佐天「見直しましたかっ!誉めても良いんだぜ?」 

上条「おー偉い偉い」 ナデナデ 

佐天「あ、見てますかー御坂さーん?ねぇ今どんな気持ちどんな気持ち?」 

上条「うん。で?」 

佐天「見つけました――カブトムシっ!」 

上条「捜してねぇよ!それじゃねぇし!カブトムシで喜ぶなんて子供かっ!?」 

上条「つーか確かに珍しいけどもだっ」 

佐天「いえ、でも似てません?あそこにいる、あれ」 ピシッ 

上条「……なにあれデカっ!?30cmはあるって!」 

佐天「ピンボケと角度から推測するに、この写真の『つちのこ』はアレで間違いないかと」 

上条「あー確かにずんぐりむっくりのフォルムは似てない事は、ない、か?」 

上条「ツノの所が蛇の首で、って見えなくもない」 

佐天「食蜂さんはどう思いま――食蜂さん?」 

食蜂「え、えぇ何かしらぁ?」 

佐天「あの白いカブトムシ、写真と似てませんかって」 

食蜂「えっと……まぁシルエットからすればぁ、同じかもねぇ?」 ピッ 

佐天「ですよねぇっ!んじゃツチノコ改めカブトムシの追加調査しましょうかっ!」 

佐天『んー、どうなんだろー?11月にカブトムシが居る訳ないし、新種の都市伝説かもっ!』 

食蜂「……聞こえる、わよねぇ。あれぇ?」

285: 名無しさん 2013/06/04(火) 07:25:15.76 ID:YMdwMn1I0
上条「つーかさっきの子供達も見てるんだよなぁ、あのカブトムシ」 

佐天「はい。少し前ぐらいから現われたんですが、捕まえようとするともの凄い勢いで逃げるそうです」 

上条「放っといていいもんかなぁ、これ?通学路の方じっと見ているけど」 

食蜂 ピッ 

上条『』 

食蜂(こっちは、聞こえないわぁ。じゃあもう一度) ピッ 

佐天「一応先生方が各種機関に問い合わせたんですが、ちくわ大明神」 

上条「え、今なんて?」 

佐天「危険な生物や兵器、工業製品の逃走は確認されていませんでした、って言ったんですけど?」 

上条「いや、ちくわがどうのって聞こえたような?」 

佐天「いやいやっ、どんな脈絡でちくわが出るんですかっ!」 

食蜂 ピッ 

上条「んー……まぁいいか。んでどうしよっか?」 

佐天「そりゃ勿論続けるに決まってますよねっ!ねっ!!!」 

上条「こらこら、迫るな迫るな。食蜂さん?」 

食蜂「……そうね。気になるんだったら、調査力が必要じゃない?」 

上条「よっし。んじゃちょっと捕まえてくる」 

佐天「逃がさないで下さいよっ!絶対ですからねっ!?」 

上条「フリっぽく聞こえるから自制しなよっ!?――っと」 

白いカブトムシ「……」 

上条(こっちを見てない?通学路の方をじっと眺めてる……つーか何やってんだろ?) 

上条(まぁ、いいか。そーっと近寄って――) 

上条「捕まえたっ!」 

パキイインッ 

白いカブトムシ『ぐぬあああああああぁぁぁぁっ!?』 サラサラサラサラッ 

佐天・食蜂「」

286: 名無しさん 2013/06/04(火) 07:27:43.03 ID:YMdwMn1I0
上条「……」 

佐天「ナムアミダブツ……」 

上条「俺かっ!?つーか何今の断末魔の悲鳴はっ!?」 

食蜂「男の人の声よねぇ、うん」 

佐天「わっけ分からないですねー。上条さんがトドメを刺してしまったがために!」 

上条「……あー、はい。すいませんでした」 

食蜂「あなたってレベル0って聞いてるんだけどぉ?『昆虫破壊』とかそんな能力なのぉ?」 

上条「あー、よく分からないらしい、ってか俺もよく分かっていないんだけど。何でも異能ってヤツをキャンセルする力とかって」 

佐天「って事は白カブトも誰かの異能って事になりますか。でもなんだかなぁ、ですよねー」 

食蜂「産業スパイとかぁ?そう言うのはどう?」 

上条「意味が分からないよな。何で普通の路上に居るんだ?」 

佐天「確かにまぁアリっちゃアリだと思いますけど――悪目立ちしません?」 

食蜂「真っ白、よねぇ。大きいしぃ」 

上条「あー、取り敢えず場所移さないか?」 

佐天「え、だって聞き込みもしなくちゃですし、もしかしたら白カブト二号機も見つかるかも知れませんよ?」 

上条「もう日も落ちるし、目撃者だって子供達も通らなくなるだろうし」 

食蜂「今日は終了力?」 

上条「した方が良いかもな」 

佐天「えーっ、もうちょっとボケ倒したいですっ」 

上条「そう言う番組じゃないからなっ!?」 

佐天「違うんですか?」 

上条「……そんな、『今更何言ってんだろう?』的な、とてつもなく澄んだ瞳で聞かれても……」

287: 名無しさん 2013/06/04(火) 07:29:12.17 ID:YMdwMn1I0
食蜂「……」 

食蜂(異能の力をキャンセルする、ねぇ?それは珍獣力って話だけどぉ) 

食蜂(御坂さんに好かれるような人じゃない、わよねぇ) 

食蜂(……ま、今日だけじゃ終わらないだろうし、観察力だわぁ) 

『ずいずいずっころばし、ごっまみそっずいっ』 

食蜂「あれぇ、子供……?」 

食蜂「ねぇあなた達ぃ、ちょっとお話聞かせて――」 

『ちゃっつぼにおわれてとんぴんしゃんっ、ぬけたぁらどんどこしょっ』 

上条「――食蜂さんっ!」 

食蜂「っ!?」 

食蜂「ど、どうしたのよぉ。大声出してぇ」 

上条「いや、一人で横断歩道へ近寄って行ったみたいだから。心配になって、つい」 

食蜂「あのねぇ。私はあそこにいる子供に聞こうと思ってぇ」 

佐天「あそこってどこです?」 

食蜂「ほら――あ、あらぁ?」 

上条「居ないよな?」 

食蜂「あっるぇ?……いやぁ、失敗失敗?」 

佐天「んじゃ帰りましょうか。明日は半ドンですし。いつものあそこで」 

上条「あぁ。食蜂さんも駅まで一緒か?だったら送るけど」 

食蜂「ううん、友達に迎えに来て貰えるから、安心力よ?」 

上条「え、ここまで来るのか。凄いなぁ」 

佐天「さっすが常盤台のお嬢様ですねっ」 

食蜂「まぁねぇ?その代わり規則とかも厳正力なんだけど」 

上条「そっか。んじゃまた明日、あの喫茶店で」 

佐天「ですね、お疲れ様でしたっ」 

食蜂「はぁい――」 

食蜂「……」 

食蜂「……はぁ」 

派閥メンバー「女王、お車のご用意が出来ました」 スタッ

288: 名無しさん 2013/06/04(火) 07:30:01.10 ID:YMdwMn1I0
食蜂「疲れちゃったわぁ、ほんっと」 

派閥メンバー「当然でしょう。女王がわざわざ出向く理由はありませんし」 

食蜂「まぁ、好奇心力ってのもあったんだけどぉ」 

派閥メンバー「お探しであるのならば、私どもにお任せ下されば宜しいのに」 

食蜂「たまには気紛れも良いと思うわぁ……あ、そうそう。一つ聞きたいんだけどぉ」 

派閥メンバー「何なりと」 

食蜂「さっきから聞こえる、この『唄』。一体何なのぉ?」 

派閥メンバー「……私の耳には、何も聞こえませんが……?」 

食蜂「……?」 

派閥メンバー「ですから、今ここで聞こえるのは風の音ぐらいで――」 

ピッ 

派閥メンバー「いえ、聞こえますね。これは」 

食蜂「……」 

『いどっのまっわっりでっおっちゃわんかっいったの』 

派閥メンバー「ずいずいずっころばし……?」

289: 名無しさん 2013/06/04(火) 07:31:14.44 ID:YMdwMn1I0
――翌日 駅前の喫茶店 12時半 

食蜂「……」 

上条「おー、お疲れー」 

食蜂「ごきげんよう、って言うのがいいかしらぁ」 

上条「お嬢様っぽいよな」 

食蜂「あらあ、お嬢様だゾっ☆」 キラッ 

上条「明らかにアレだよね、芸人がウケ狙いでやっている匂いがするよね?」 

食蜂「あなたも随分とツッコミ慣れているようだけどぉ?」 

上条「俺の周囲が全員ボケだから仕方がなくだっ!」 

食蜂「って言うボケかしらぁ?」 

上条「割と切実なんだよっ!――って、あぁそうだ。昨日持ってたリモコンの話」 

食蜂「んー、イイのよぉべつに。効かないって分かったしぃ」 

上条「ふーん?まぁ良いけど。バッテリー、まだ大丈夫だよな」 ピッ 

食蜂「昨日のトイカメラねぇ?」 

上条「つっても外の最新式よりスペック高いからなー。安いからってバカには出来ねぇよ」 

食蜂「リモコンも付いてる――あらぁ?」 

上条「どしたん?」 

食蜂「昔持ってたリモコンと似てるわねぇ」 

上条「ふーん」 

食蜂「……聞かないのぉ?気を利かせて聞く所じゃないのかしらぁ?」 

上条「俺は君じゃない。だから、君が望んでいる事を理解するなんて出来る訳ねーって」 

食蜂「……随分な口の利き方じゃなぁい?」 

上条「でも誰だって、誰かに分かって欲しい、知って欲しい、って思うから。話したり聞いたり、語ったりするんだと思う」 

上条「食蜂さんが聞いて欲しいってんなら、俺は聞くし出来る限り協力もするよ?」 

上条「でも自分から踏み出さずに、手を伸ばして来いってのは無理じゃないかな」 

食蜂「私はぁ、あなたより繊細で気の付く人に囲まれてるしっ☆」 キラッ 

上条「そっか、んじゃ良かったな。親兄弟でも今時いねぇよ、そんな人達」 

上条「大事にしないと、罰が当たるぞ」 

食蜂「……えぇ、本当にねぇ」

290: 名無しさん 2013/06/04(火) 07:32:43.99 ID:YMdwMn1I0
佐天「おっはようございまーーーーーすっ!」 

上条「うっす」 

食蜂「おっつー☆」 (横ピース) 

佐天「ってか食蜂さんのそれ可愛いですよねっ。いいなー、あたしも真似して良いですかねー」 

食蜂「難しいわよぉ?」 

佐天「この佐天涙子っ、上っ面の可愛さだけには自信がありますっ!」 

上条「自分で言う事じゃないからね?あと食蜂さんも、この子はアレなんだから、あんまり焚きつけないであげて?」 


――昼食後 

佐天「で、あの後色々調べてきましたっ」 

上条「……普通、先に調べようね?どうしてまた行き当たりばったりなの?」 

佐天「テンションで乗り切った方が視聴者ウケ良いんですっ!」 

上条「おい、テレビの前のお前らっ!段々キャラが崩壊していくのはお前らの責任だからなっ!」 

食蜂「脱線力はいいんだけどぉ。調べてきたってのは何ぃ?」 

佐天「『つちのこ』と『白いカブトムシの出現マップ』ですね」 

食蜂「白カブだけでいいんじゃなぁい?だって『つちのこ』とは違うんでしょお?」 

佐天「イヤイヤそうじゃないんですってば。こう言うセオリーには変化ってのがあるらしくてですね」 

佐天「『ノヅチ』って知ってます?蛇、っていうか、蛇のオバケっていうか」 

上条「ゲームで見た事ある。茶色い太鼓っぽいの」 

食蜂「『野槌』よねぇ。仏教の説話集に出て来るわぁ」 

食蜂「徳の低いお坊様が死ぬと転生力するってぇ」 

上条「何でお坊さんが蛇になるんだ?」 

食蜂「口ばっかり達者でぇ、その他がダメダメだからぁ、口と胴体しかない蛇になるわよ」 

上条「あー」 

食蜂「あなたもなりそうよねぇ?」 

上条「ウルセェよっ!確かに大した力は無いけどなっ!」 

佐天「でも実は元々『野つ霊(ノヅチ)』って書いていたらしいんですね」 

佐天「つまりは『野の力』って意味なんですな、これが」 

上条「あー、言われてみれば確かに。昔は槌なんて一般的じゃなかったろうし」 

佐天「そこら辺は製鉄技術の伝播と関係あるそうなんですが、超長いので跳ばします」

291: 名無しさん 2013/06/04(火) 07:34:19.19 ID:YMdwMn1I0
佐天「そもそも『ノヅチ』は古事記や日本書紀に出て来る『カヤノヒメ』の異称の一つなんです」 

上条「カヤ?」 

食蜂「茅葺き屋根って聞いた事ないかしらぁ?白川郷とかとかにあるわねぇ」 

佐天「要は茅の神、つまり草全ての神様でもあるそうです」 

上条「んー……でもおかしくないかな?『ノヅチ』は神様、ってか女神様だったんだろ?」 

佐天「ですね」 

上条「どうしてそれが『野槌』なんて蛇になっちまうんだ?」 

食蜂「それは別の言葉が浸透したからよぉ」 

佐天「――って事を言おうとしていたのにっ!?」 

食蜂「ごめんさいねっ☆」 キラッ 

佐天「お、おおっ!キラキラ感半端ねぇぜ!」 

上条「脱線すんな。つーか俺をぼっちにしないで下さいお願いします」 

佐天「えっとまず『ノヅチ』って言葉があるじゃないですか。でも実際に見た者は居ません」 

佐天「でも、暫く時代が過ぎてから『槌(ツチ)』って単語が浸透しますね?すると――」 

食蜂「『野つ霊』だったのが『野槌』って理解されてしまう?」 

佐天「大正解ですっ!いつの間にかメル友になった円周ちゃんってアドレスをプレゼントしますねっ!」 

上条「オイ馬鹿止めろっ!その名前は不吉すぎる予感がするわっ!」 

上条「……いやいや待てって。じゃ何?『槌』を使い出したから、神様がずんぐりむっくりな蛇になったってのか?」 

食蜂「当時字を読める人はごく少数よねぇ。だから他の人は『つ霊(ち)』を『槌』って勘違いするのも当然だわぁ」 

上条「なんつーかいい加減つーかなぁ」 

佐天「それ以後、『ノヅチ』は『野槌』として姿を現わし、時代が下がって『つちのこ』って言われるようになった、って推測です」 

食蜂「確かに描かれた絵を見ているとぉ、おデブの蛇さんよねぇ」 ピッピッ 

佐天「他にもものっそい勢いでジャンプしたり、尺取り虫のように移動したり」 

佐天「中には自分のシッポを加えて丸まり、タイヤのように転がって移動するという目撃例がっ!」 

上条「なにそれ超見たい」

292: 名無しさん 2013/06/04(火) 07:35:52.25 ID:YMdwMn1I0
佐天「まぁそれが『つちのこ』に関しての情報です。続きまして『白カブト』ですかね」 ピッ 

上条「地図とバツ印が大量に」 

食蜂「あらぁ、これって随分一杯あるけどぉ」 

佐天「はい。とある筋から得た目撃例まとめです」 

上条「職権乱用、つーか初春さんに迷惑がかかるんじゃ?」 

佐天「いえ近隣の小学校とかにも配布して居るんで、秘密って訳じゃないらしいです。ただ」 

食蜂「取り締まる筈なのに、放置力って訳よねぇ」 

佐天「あぁっまた人の台詞をっ!」 

上条「……学園側は何かの実験をしていて、見て見ぬフリをしている、と?」 

食蜂「そこまで深い闇じゃないと思うわぁ」 

上条「と言うと?」 

食蜂「完全隠匿するんだったら、昨日の時点で私達、もしくは局に圧力がかかっている筈だもの」 

佐天「ですよねー。ディレクターさん、というか復帰したクラスメイトに聞いてみましたが、やっちゃえば?と」 

上条「んー……学園側が何かしてる、つーか黙認状態なのは」 

食蜂「確定力、よねぇ」 

佐天「でも全力で隠すような真似もしていない、と。んー?突っ込んでいいものかどうか、迷いますねぇ」 

上条「……あっれー?」 

佐天「どうしました?」 

上条「白カブトムシの出現パターン、分かったかもっ」 

佐天「ホントですかっ!?」 

上条「ほら、こことここ。後、ここも」 

食蜂「あー……納得力。だから『カブトムシ』なのねぇ」 

佐天「えー……そうなんですかぁ?」 

食蜂「『受け』は良いじゃない?」 

上条「でも、どうしようか?白カブトのパターンが分かっても、追い掛けられないんじゃ意味無いよな」 

食蜂「そこは学園第五位の私の出番力――」 

上条「あ、すいませーんっ!コーヒーおかわりお願いしまーすっ!」 

佐天「あたしはちょっとお花つみにっと」 

食蜂「……」 

上条「あ、ごめん。続けて?」 

食蜂「どぉしてあなた達はぁマイペースなのぉっ!?」

293: 名無しさん 2013/06/04(火) 07:37:41.31 ID:YMdwMn1I0
食蜂「第五位なのよぉっ!?もっと、こう、驚くとか敬うとかあるでしょおっ!?」 

上条「マジで?すっげーなぁ」 

食蜂「分かってないわぁっ!その『お父さんが子供の武勇伝を優しく聞く』みたいなの止めてくれるかしらぁ!?」 

食蜂「私はっ、やろうと思えばあなたの人生ぐらい、目茶苦茶に出来るんだからぁっ!」 

上条「でも、君はしないよ」 

食蜂「……ナメるのもいい加減にしてくれるかしらぁ?」 スチャッ 

食蜂「私の能力は『心理掌握』。確かにあなたには効かないけど、あなたのお友達全員をどうにか出来るのよぉ?」 

上条「待てよ。何で怒ってんだって」 

食蜂「それはっ!あなたが私の能力を認めないからっ!」 

上条「いやいや、そう言う事じゃないよ。凄いって言ってるだろ?」 

食蜂「だったらどうしてしないとか言えるのよぉっ!?」 

上条「だって君――お前、さっき自分で『繊細で気の付く友達が一杯居る』って言ってただろ?」 

上条「もしもお前が癇癪で能力使うとか、憂さ晴らしに人をどうにかしていたから――」 

上条「そんな『大事にしてくれるような友達が出来るわけ無い』だろ?」 

食蜂「……っ!」 

上条「つーか大切にしないとな?そう言う友達は」 

食蜂「……そう、ねぇ。そう言う友達はねぇ」 

佐天「お待たせしましたーっ!って対策は出来たんですかね」 

上条「なぁ食蜂さん」 

食蜂「……何よぉ」 

上条「ちょっと試して欲しいんだけど」 

食蜂「いいけどぉ。エッチなのは、後から、ねぇ?」 

佐天「あ、いーけないんだーっ」 ジーッ 

上条「しねぇよ!そうじゃなくって――」 

上条「――あれ、操れると思う?」

294: 名無しさん 2013/06/04(火) 07:39:36.44 ID:YMdwMn1I0
――日の届かない、暗い場所 

白カブトムシA「……諸君っ!我々の友が一人死んだっ!」 

白カブトムシB「おぉ、まさか……」 

白カブトムシC「泣くなよ、兄弟。ヤツは志に消えた男だ」 

白カブトムシD「俺達がすべき事は何だっ!?泣く事かっ!?」 

白カブトムシE「いや違うっ泣いている暇なんて無いんだっ!」 

白カブトムシA「我々にはすべき事がある!それを成し遂げる日まで――」 

パキインッ、コロコロコロコロッ 

白カブトムシB「敵襲かっ!?」 

白カブトムシC「慌てるなっ!グレネードぐらいでどうにかなる我らじゃねぇよ!」 

白カブトムシD「い、イヤ待て兄弟!この匂いは――」 

プシューーーーーーーーッ 

白カブトムシE「バルサ○じゃねーかああああああぁぁっ!?」 

白カブトムシ全員「うおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉっ!?」

295: 名無しさん 2013/06/04(火) 07:41:22.28 ID:YMdwMn1I0
――30分後 

上条「お、すげーなバルサ○。もう動かなくなった」 

佐天「良いんですかねぇ。取り敢えずで攻撃して」 

白カブトムシK「良い訳ねぇだろうがああぁぁぁっ!」 

食蜂「はいはい、そこで必殺ゴキジェッ○」 プシューッ 

白カブトムシK「ぐあぁぁぁぁぁぁっ!?」 

白カブトムシK「って死なないよっ!?俺らゴキブリじゃねぇもの!」 

上条「カブトムシも似てない?」 

白カブトムシK「おっとそれ以上のヘイトスピーチは止めて貰えるかなっ!場合によっちゃ法廷で再会する事になるぜ?」 

佐天「ヘイトって言う事は、一応自覚はあるんですね」 

食蜂「差別差別言い出す人がぁ、一番差別してるんだけどねぇ」 

上条「つーかお前ら何よ?」 

白カブトムシK「知らねぇよ!気がついたらこうなってたんだよ!つーかお前らこそなんだよっ!」 

佐天「あ、名刺どうぞー」 

白カブトムシK「あ、ご丁寧にすいません。何々、『不思議バスター佐天涙子』ちゃん?」 

上条「そんな名刺いつ作ったっ!?」 

佐天「局の経費でっ!ノリと勢いでポチったそうですっ」 

食蜂「本当にハンターしてたのねぇ」 

上条「しっちゃかめっちゃかにしている、ってのは合ってるけどなっ!」 

白カブトムシK「取材?俺らを?」 

佐天「はいっ。宜しければ、ですけど」 ジリジリ 

白カブトムシK「うん、取り合えず右手のゴキジェ○トは下ろそうや?話を聞く態度じゃねぇし」 

佐天「あ、これつまらないものですが」 

白カブトムシK「あーまぁまぁ、こんな立派なモノを。黒くて丸くておいしそう――ブラックキャッ○じゃねぇかっ!?」 

佐天「遠慮せずに、ささっ?」 

白カブトムシ「食べねぇよっ!?」 

食蜂「あー……」 

上条「どったの?」 

食蜂「番組、今度見てみるわぁ。グダグダ感がやみつきに」 

上条「まぁそれ以外何もないけどねっ」

296: 名無しさん 2013/06/04(火) 07:43:20.51 ID:YMdwMn1I0
――10分後 

上条「意思を持ったカブトムシぃ?」 

白カブトムシK「だと、思う」 

佐天「そりゃまた、すっごいの来ましたねー」 

食蜂「アジトまで案内させたのはいいんだけどぉ、意外と大きな話が出たわねぇ」 

上条「人間以外の知的生物ってアリなのか?」 

食蜂「んー、学園側が放置しているのはどうしてかしらぁ?」 

白カブトムシK「知らねぇよ。つーか俺達が接触した事ぁないし」 

白カブトムシK「ってかさぁ、お前らちょっと非常識じゃね?取り敢えずバルサ○投げ込んでくるなんざ、そりゃ宣戦布告と同じじゃねぇかなぁ?」 

上条「いや面倒だったし」 

佐天「あ、節足動物から説教される上条さんっ、素敵っ!」 

上条「この頭悪い襲撃を最初に企んだのは俺じゃねぇよっ!?」 

白カブトムシK「面倒て!?襲撃って!?お前ら俺達の事なんだと思ってんだよ!」 

食蜂「面白実験動物のなれの果てぇ?」 

白カブトムシK「まぁ俺達も何となくそんな感じはするんだけどなっ!あっはっはっはっーっ」 

佐天「あ、カブトムシも泣くんですね」 

上条「涙腺ってあるのか?と言うかカブトムシに悲しいって感情持ってんのかよ」 

白カブトムシK「いやいやでもマジな話。お前らから攻撃されるような、そんな後ろ暗い事はしてませんよ、俺達?」 

白カブトムシK「むしろアレじゃねぇかな?お前らが見てるのは鏡なんだよ」 

白カブトムシK「『相手がこうするに違いない』ってのは、『自分だったらこうする』って事だからね」 

白カブトムシK「少しは恥じろよ、なぁ霊長類さんよぉ?」 

上条「……だったら聞かせて貰うけど」 

白カブトムシK「おう!何でも答えてやんよっ」 

上条「お前ら小学生の通学路で、何やってんの?」 

白カブトムシK「……」

297: 名無しさん 2013/06/04(火) 07:44:45.68 ID:YMdwMn1I0
佐天「ですよねぇ。人を観察するんだったら繁華街とか行きますし」 

食蜂「目撃された時間は朝から夕方までだしぃ?明らかに子供目当てよねぇ」 

白カブトムシK「じ、自主的な警備行動?」 

上条「自宅警備員の最終形態じゃねぇかっ!?しかも一人捕まったら、他の数万人に迷惑かけるタイプのっ!」 

白カブトムシK「だって不安だろっ!?こんなご時世、白い変態とか杖ついた変態とかカキクケコ言う変態とかいるかも知れねぇだろうが!!!」 

食蜂「でもあなた達は幼虫から変態した変態よねぇ?」 

白カブトムシK「イエスッウィィィィアァッ!」 

白カブトムシK「――じゃねぇよっ!俺達はジェントルだよっ!」 

白カブトムシK「だって誘拐されたりえっちぃ目にあったりしたら可哀想だろっ!?俺達大人が守ってあげなくちゃっ!」 

佐天「成虫ですから大人って言えば、まぁ大人だと思いますが」 

食蜂「説得力は皆無力よねぇ」 

白カブトムシK「いいかっ!世界には変態と変態じゃねぇヤツしかいねぇんだよっ!」 

上条「お前今、人類へ対して宣戦布告しているからな?」 

佐天「出来ればさっきの鏡の話も思い出して欲しいです」 

食蜂「心理学力では『投影』って言うのよぉ」 

白カブトムシK「俺が居なかったらもう通学路は大変な事になってるって!」 

佐天「えっと……何の事か分かりませんが、ゴーストが囁いているので、呟きますね」 

佐天「原作でも裏切ったのは幼女守るためでしたよね、確か」 

佐天「つまり『学園都市第一位と二位は幼女のために正義側へ寝返った』で、ファイナルアンサー?」 

白カブトムシK「知らないなぁっ!言いがかりは止めて貰おうかっ!」 

食蜂「……アタマ痛いわぁ」 

上条「……誰か収集つけてくれよ、これ」

298: 名無しさん 2013/06/04(火) 07:46:01.38 ID:YMdwMn1I0
――数時間後 夕方 

佐天「はいっ、てな訳で妖怪クラッシャー条はまた勝利してしまいましたっ、いぇいっ!」 

上条「勝ってないものっ!?何か気持ち悪い生き物未満とコンタクト取っただけだからねっ!あと俺の名字を勝手に拝借しないで!」 

佐天「まぁ結論としては『UMAの謎を解き明かそうとして、開き直られた』ですかねっ」 

上条「……いいのかぁ?ここで終わっても?」 

佐天「白カブトムシさん達曰く、『Yesロリコ×!Noタッチ!』だそうです」 

上条「それもう完っ全にいかがわしい目で見てるよね?」 

佐天「まぁでも一応暇を持て余して警備っぽい事はやっているんで、無いよりはマシ程度に思っておいた方が良いかもです」 

佐天「そんな訳でっ、『学園探訪前編』は『つちのこ』でお送りしましたっ!まぁ全然違ったんですけどねー」 

上条「ってかシリーズ通しての話だけど、怖い体験なんて皆無だったんだが、それで良いの?見てる人怒らないかな?」 

佐天「別に良いんじゃないですかねー。妖魔夜○シリーズの戦慄のミレニア○に比べれば」 

上条「あー……確か最終刊で妖怪ぶっちぎって、当時作者がハマってた『X-me○』が登場してほぼ解決する、って言うヤツね」 

佐天「ってかギャラと印税放棄しますし、他人名義でいいですから、書かせてくれませんかね?」 

上条「止めよう?ラノベ界の大御所へケンカ売ると色々マズいと思うんだ」 

佐天「――とまぁ、お相手は『佐天さん巨乳説』でお馴染みの佐天涙子とぉっその他一人っ」 

上条「扱いが悪いし話の転換が急すぎるなっ!?」 

佐天「ゲストとしてリアルおっぱい大きいっ、あやかりたい食蜂操折さんでお送りしましたっ!あ、コメントあったらどうぞ?」 

食蜂「御坂さーん?見てるかしらぁ☆」 キラッ 

佐天「続きまして後半戦っ、チャンネルはそのままでついでに番組商品を買ってくれれば嬉しいなっ!」 

上条「佐天さんそれもうステマってレベルじゃないよね?視聴者からガンガン抗議来るレベルだよね?」 

佐天「うーーいっはるっーー愛しているぞーーーーーっ!」 (横ピース) ブツッ

299: 名無しさん 2013/06/04(火) 07:51:58.02 ID:YMdwMn1I0
――数分後 

佐天「ってまぁこんな感じだったんですけど、良いですかね?」 

食蜂「なんて言うかぁ、貴重な体験力だったわねぇ」 

上条「レアだけど有り難みゼロだと思うな。経験値の低いはぐれメタ○的な」 

佐天「食蜂さん、良かったらこの打ち上げしませんか?ってもお昼食べた所でダベるだけですけど」 

食蜂「打ち上げぇ?」 

佐天「えぇ費用は局が持ってくるそうなので、是非豪遊したいですっ!」 

上条「普通のお店のソフトドリンクと普通の食べ物だから、たかが知れてるんだけどね」 

食蜂「私は……いいわぁ。お友達と約束してるしぃ」 

佐天「えー、いいじゃないですか」 

上条「無理に誘わないっ。んじゃ次の機会は空けといてくれよ?」 

食蜂「私の予約はお高いわよぉ?」 

上条「常盤台のお嬢様が貧乏人に期待しないでくれっ!」 

佐天「それじゃまた。お疲れ様でした」 

食蜂「じゃあねぇ」 

上条「またなー」 

食蜂「……」 

食蜂(友達) 

食蜂(友達、ねぇ) 

食蜂(私には、出来そうもないわねぇ) 

食蜂(相手の心が何でも分かる。命令出来る) 

食蜂(そんな『女王』に対等な友達なんて、ね) 

食蜂「……」 

男の人?(回想)『出来るよ、絶対に。みさきちゃんが諦めなければ』 

食蜂「……そう言えば、居たわねぇ」 

食蜂「綺麗事言ってた、お兄ちゃん……」 

『ずいずいずっころばし、ごっまみそっずいっ』 

食蜂「……あらあ?」

300: 名無しさん 2013/06/04(火) 07:54:11.21 ID:YMdwMn1I0
『ちゃっつぼにおわれてとんぴんしゃんっ、ぬけたぁらどんどこしょっ』 

食蜂(誰かからの精神攻撃を受けてる訳でもないわねぇ。ってか実害力はゼロなんだけどぉ) 

食蜂(嫌がらせだとしたらぁ、気にした方が負けよねぇ――あれぇ?) 

食蜂(あそこの横断歩道に居るのは、昨日の小学生、達?) 

子供A「……ごめんね?僕、塾があるから帰らないと」 

子供B「あたしもー、ママと約束があるからー」 

女の子「そっかぁ。それじゃ仕方がないよねぇ」 

食蜂(あらぁ、また分かり易くハブられてるわねぇ) 

子供A「じゃあね」 

子供B「さようならー」 

女の子「……うん、さようならぁ」 

食蜂(……まぁ?能力が皆無力なら当然よねぇ。私も、そうだったからぁ) 

食蜂(アレは私も能力を制御出来ない頃) 

子供A(回想)「……ごめんね?僕、塾があるから帰らないと」 

子供A(回想『人の心を読むからキモチワルイ』 

子供B(回想)「あたしもー、ママと約束があるからー」 

子供B(回想)『遊んじゃ駄目だって、ママと約束したもん』 

食蜂「……」 

食蜂「……嫌な、話よねぇ」 

女の子「……ぐすっ」 

食蜂(この子はまるで、昔の私、みたいよねぇ) ピッ 

女の子『どうしてだろぉ。みんなわたしの事気持ち悪いって言う』 

女の子『こんな「能力」欲しくなかったなぁ』 

女の子『人の心なんて、知りたくないよぉ』 

食蜂「……」

301: 名無しさん 2013/06/04(火) 07:56:08.25 ID:YMdwMn1I0
女の子『「能力」なんていらないよぉ。そんなのよりも「友達」が欲しい……』 

食蜂「それはぁっ!」 

食蜂(要らないわよぉっ!友達なんてっ!) 

食蜂(この学園はねぇっ!『能力』さえあれば何だって手に入るのよ!) 

食蜂(お金や立場、そうっ!友達だって、幾らでも!) 

食蜂(友達、なんてぇ……) 

『たっわっらっのねっずっみが、こめくってちゅう。ちゅうちゅうちゅう』 

少女『わたしぃ、どうすればいいんだろぉ?病院に行ってお注射すれば治るのかなぁ』 

食蜂(認めないわっ!そんなのはぁ!) 

『おっとさんがよんでも、おっかさんがよんでも』 

女の子『パパとママはケンカばかりしてるしぃ……』 

食蜂(私は「女王」なのよぉ!欲しいものは全部持ってる!) 

『いきっこぉなぁしぃ――よおぉっ』 

女の子『相談出来る人なんて、いないし』 

食蜂(「能力」さえあれば何だって出来るわよぉっ!私に思い通りにならない事なんて――) 

『いどっのまっわっりでっおっちゃわんかっいったの』 

女の子『相談出来る友達、ほしいよぉ』 

食蜂(……こんな、こんな惨めな子なんて――) 

食蜂(要らないわぁっ!!!) 

『だぁ――』 

上条「おっ、見つけた見つけた」 ポンッ、パキィィンッ

302: 名無しさん 2013/06/04(火) 07:57:26.19 ID:YMdwMn1I0
食蜂「んんっ!?」 

上条「どったの?」 

食蜂「そ、それはこっちの台詞よぉっ!」 

食蜂(私いま――この子を後から押そうと……?) 

上条「ってアレ?その子、お前の親戚?」 

食蜂「ち、違うわよぉ?」 

上条「そか?目の中のキラキラがそっくりなんだが」 

女の子「おねぇちゃん達、だれぇ?」 

上条「似てるよなー?ってお前、泣いてん――この駄目な子に虐められたのかっ!?」 

食蜂「そんな事しないわよぉ!あと駄目な子って何よぉっ!」 

女の子「あのね、わたしぃ『声』が聞こえるのぉ」 

上条「声?どんなの」 

女の子「……他の子が思っていたりする事とかぁ」 

上条「あー……精神操作系、テレパスって奴か。それで虐められたと」 

上条「要は相手の心が読めなくなればいい、つーか制御出来なきゃいけないのか」 

女の子 グスッ 

上条「んー、何とかなると思うぞ?」 

女の子「本当にぃっ!?」 

上条「こっちのお姉ちゃん、スッゴイテレパスなんだよ」 

食蜂「わ、私ぃ?」 

上条「頼むよ、な?人助けだし」 

食蜂「い、いいけどぉ」 

食蜂(私はどうだったかしらぁ?制御、制御ねぇ) 

食蜂(……あぁ、そういえば『お姉ちゃん』はこう言ってたわねぇ)

303: 名無しさん 2013/06/04(火) 08:00:38.96 ID:YMdwMn1I0
食蜂「えっとねぇ、あなたは今自分の能力を調整力出来てないのよぉ」 

女の子「調整、って言われても、分かんない」 

食蜂「そおねぇ。プールで泳ぐじゃない?その時、何メートルって書いてないと、どのぐらい泳げるようになったか、分からないわよねぇ?」 

女の子「うん!わたしぃ、25メートル泳げるようになりたいもん」 

食蜂「それはまぁ、今も課題の一つだけどぉ。私はねぇ」 スチャッ 

女の子「あ、リモコン」 

食蜂「これを使ってイメージしているのよぉ。分かるぅ?」 

女の子「……何となくぅ」 

食蜂「このボタンを押せばぁ、人の心が読めるようになるとかぁ、こっちのボタンを押せば命令出来るとかぁ」 

食蜂「役割を持たせるのよぉ?」 

女の子「……聞きたくなかったらぁ、リモコンを使わなければいいのぉ?」 

食蜂「そぉよぉ。あなたは賢い子よねぇ」 

上条「あー、それでリモコン使ってんのか」 

食蜂「えぇ、そうして『能力を限定しない』と、振れ幅が広すぎて制御出来ないのよねぇ」 

上条「丁度良かった。んじゃ、さ」ゴソゴソ 

上条「良かったらこのリモコンあげるよ」 

食蜂「それってぇ――」 

女の子「いいのぉ?」 

上条「練習用にリモコンだけ買うのもアレだろ?だから丁度良いんじゃないかなって」 

女の子「ホントにぃ!ありがとうぉ!」 

食蜂「……」 

食蜂(まるで私が『お兄ちゃん』と出会った時みたいねぇ)

304: 名無しさん 2013/06/04(火) 08:03:56.49 ID:YMdwMn1I0
食蜂(ちょっと安っぽいリモコンも、よく似てるわぁ) 

食蜂「……同じぃ……?」 

女の子「オモチャのリモコン?」 

上条「みたいなもんかな。気に入らない?」」 

食蜂「んー……?」 

食蜂(ちょっと待ってぇ!?それじゃあの日私が会った相手ってぇ――) 

女の子「た、試してもいいかなぁ?」 

上条「うん、やってみ?あ、でも人を困らせるようなのはダメだぞ?」 

食蜂(だったらぁ、この子がこの後、言う言葉は――) 

女の子「うんっ!」 ピッ 

女の子・食蜂「「お兄ちゃんはみさきを好きになる」」 

上条「あーはいはい。好きになった好きになった」 ナデナデ 

女の子「わぁいっ!お兄ちゃんは今日からシモベだねぇっ!」 

上条「小学生なのにその言葉のチョイスはおかしいっ!」 

食蜂「お兄、ちゃん……」 

上条「もう大丈夫かな。あ、でもそのリモコンがあったからって、直ぐに全部上手く行く訳ないからな?」 

女の子「そうなの?」 

上条「水泳だってそうだろ?すぐに25m泳ぐなんて、普通の人は出来ない」 

上条「人との関係もそうじゃないかな?毎日お喋りしたり、ご飯食べたりしたりして、少しずつ仲良くなっていくんだ」 

女の子「……わたしでも、できるかなぁ?」 

上条「出来るよ、絶対に。みさきちゃんが諦めなければ」 

食蜂「――っ!」

305: 名無しさん 2013/06/04(火) 08:05:04.87 ID:YMdwMn1I0
女の子「……うん、頑張ってみるぅ」 

上条「あぁ、頑張れ」 

女の子「でもお兄ちゃん、これ貰ってもいいのぉ?まだ新しいみたいだけどぉ」 

上条「あー、お兄ちゃんドジだから本体の方無くしちゃったんだよ」 

女の子「くすくすっ、情けないなぁ」 

上条「ウルセェよっ!誰だって間違うし!」 

女の子「んじゃ、わたし、帰るからぁ」 

上条「あー、車と『ずいずい』に気をつけてな」 

女の子「何それぇ」 

上条「横断歩道の所に出るお化けで、後から押されるんだって。あれ?ここら辺じゃ有名になった筈だけど」 

女の子「お兄ちゃん、オバケなんて信じてるのぉ?」 

上条「あー、まぁ色々とあってな」 

女の子「オバケよりも人の方が怖いよぉ」 

上条「重い言葉だなっ!真理だけども!」 

女の子「それじゃあね、お兄ちゃんとお姉ちゃん。ありがとうぉっ!」 タッタッタッ 

上条「おー、またなー」 

食蜂「……」 

上条「んで、食蜂さん。さっきの話なんだけど、佐天さんが『連絡先知らなかったですっ』って言ってたんで、俺が聞きに来て――」 

食蜂「……嘘吐きぃっ!」 

上条「あー、いやこの場合は大目に見て貰えれば――」 

食蜂「嘘吐きっ!嘘吐きっ!嘘吐きぃっ!!!」 ペチペチペチペチ 

上条「痛っ!?く、はないけど、急にどうしたんだよっ」 

食蜂「どれ、だけっ!捜したってぇ、見つからなくってぇ!」 

食蜂「分かるわけ無いじゃない!こんなっ、存在しなかったリモコンなんてぇっ!」 

上条「食蜂、さん?」 

食蜂「『お兄ちゃん』に気づいて貰えるようっ、『女王』なんてっ!なりたくもないのにぃっ!」 

上条「……よく、分からないけど」 ナデナデ 

食蜂「あ……」 

上条「落ち着いて、な?」 ナデナデ 

食蜂「……うん」 

食蜂(この感じ、やっぱりお兄ちゃんだぁ……)

306: 名無しさん 2013/06/04(火) 08:07:33.38 ID:YMdwMn1I0
――10分後 合流前の雑談 

上条「いいのか?友達と約束あったんだろ?」 

食蜂「いいのよぉ。別にお友達じゃなかったんだしぃ」 

上条「……そっか」 

食蜂「聞かないのぉ?」 

上条「……興味は、まぁ、無いっつったら嘘になるけど」 

上条「聞いて欲しい、って言うんだったら、聞くよ?」 

食蜂「私にだって意地があるわよぉ。絶対にぃ『聞かせて下さい操折ちゃん』って言わせてやるんだからぁ」 

上条「……お前実は言いたくてしょうがないだろ?なぁ?」 

食蜂「あなたモテないでしょ?」 

上条「心を読まれたっ!?」 

食蜂「あと絶対一週間以内に超電磁砲を撃ち込まれるわぁ」 

上条「それはつまりお前が何か御坂に吹き込むって事なんだろっ!?そうなんだよなぁっ!?」 

食蜂「悪い男には因果力よねぇ」 

上条「……良く分からないけど、精神操作系同士、あの子とシンクロしちまったって事か?」 

食蜂「あー……じゃあその設定でぇ、うん。少しだけ評価力を上げておくわぁ」 

上条「いいけどな。あ、それよりケータイのメアド交換しようぜ」 

食蜂「どうしよっかなぁ?私、男の人に教えるのって初めてだしぃ?」 

食蜂「本当に好きな人としか、しないんだゾっ☆」 キラッ 

上条「あ、そっか。お嬢様だもんな。んじゃいいよ」 

食蜂「なんであっさり引くのよぉ!?普通もっと駆け引きするのが常識力でしょおっ」

307: 名無しさん 2013/06/04(火) 08:09:08.74 ID:YMdwMn1I0
上条「佐天さんか御坂から連絡取って貰えれば、別に良いかなって」 

食蜂「……あーもう、頭痛いわぁ。っていうか御坂さんの気苦労力理解しちゃったわねぇ」 カチャッ 

上条「最初から出せよ」 ピッ 

食蜂「……色々と大変だわぁ――あらぁ?」 

上条「どうした?操作方分からないとか?」 

食蜂「あなた、名前なんて言ったかしらぁ?」 

上条「そこからっ!?一番大切な事だよなぁっ!?」 

食蜂「もう一人の子もなんてったっけぇ?」 

上条「……お前は能力以前に、人として色々と問題がありすぎるからなっ!」 

食蜂「そりゃぁ、ねぇ?人捜しに特化力しててぇ、余裕も無かったしぃ」 

食蜂「まぁでもぉ。見つけちゃったからには、覚悟力が必要よねぇ」 

上条(回想)『でも自分から踏み出さずに、手を伸ばして来いってのは無理じゃないかな』 

食蜂「……」 

食蜂(来ないんだったら、こっちからぁ) 

上条「上条当麻だ……てか、初対面の時に言わなかったっけ?」 

食蜂「上条、当麻さん」 

上条「ん」 

上条(回想)『出来るよ、絶対に。みさきちゃんが諦めなければ』 

食蜂(俺は、諦めなかったわぁ。だから――) 

食蜂(――随分とぉ、居ない『お兄ちゃん』を捜して遠回りをしてきたけどぉ――) 

食蜂(――あと、少しだけ踏み込めば。あの日、言えなかった言葉を) 

食蜂「おにぃ――上条さん」 

上条「何?」 

食蜂「私のぉ、お友達になってくれませんかぁ?」

308: 名無しさん 2013/06/04(火) 08:10:32.77 ID:YMdwMn1I0
――駅前の喫茶店 

佐天(遅いなー、あの二人。どこで道草食ってんだろ) 

佐天(まっさかフラグを建設中とかっ!?) 

佐天(いやー、ないない。警戒しまくりでしたもんね、食蜂さん) 

佐天(……ない、よね?一応覚悟はしておくけど) 

佐天(しっかし今回のアレは何だったんだろーなー) 

男の声「――結論から言やぁ、そりゃ『ウロボロスの円環』だよ」 

佐天(後の席の人、携帯電話かなー?マナー違反だけど) 

男の声「語源は『尾を飲み込む蛇』だな、古代西洋から東洋、南アメリカ大陸にまで広がっている概念だ」 

男の声「蛇はそれ自体が『永遠』の象徴とされる。まぁ実際にはどちらかと言えば捕食される側なんだが、脱皮を繰り返し永遠に生きると思われた」 

男の声「そんな蛇がテメェのシッポを食えば、永久に飢える事ぁねぇ、って事だと思え」 

佐天(蛇ですか、ってか何の話してるんだろ?) 

男の声「カヤノヒメは『野つ霊(のつち)』から『野槌(のづち)』へ、そして『野槌』は『つちのこ』へと転化した」 

男の声「が、姿が変わって役割も代ったとしても、残る性質がある。それは『不死性』だ」 

男の声「ウロボロスがテメェのシッポを飲み込んだのも、『つちのこ』がテメェのシッポ咥えるのも同じ概念だなぁ」 

佐天(あれ?それってもしかして) 

男の声「現時点で原型と言われているカヤノヒメだが、『茅の輪(ちのわ)』ってぇ宗教儀式がある」 

男の声「旧暦の六月、または十二月に神域で行われる呪(まじな)いだ」 

男の声「人が屈んで潜れる程度の茅(ちがや)、もしくは藁を束ねた輪を作り、そこ通って厄払いをする」 

男の声「これも『カヤ』で『円環』だよなぁ?」 

佐天(輪っかを抜ければ、厄が落ちるってのもおかしな話ですよね?) 

男の声「それを理解するにはまず、『草木の神の不死性』を学べ」 

男の声「草木は春に芽吹き、夏に枝葉を張り、秋に実をつけ、冬に枯れる」 

男の声「一見、不死性など無縁みてぇだが、『毎年毎年、必ず同じサイクルを続ける』と言う概念で『在り続けて』いる」 

男の声「そのサイクルに『一度死んでも蘇る不死性を見いだした』と」 

男の声「同様に『茅の輪を潜る事で、通った人間へ対してある種の時間遡航を与えている』と推測出来る」 

佐天(カヤや草木が春に生まれ変わるように、人もまた、ですか?) 

男の声「ぶっちゃけ簡易タイムマシンで、春――つまり、生命が一番闊達な時へ戻そうって考えだ」

309: 名無しさん 2013/06/04(火) 08:13:13.25 ID:YMdwMn1I0
佐天(でもそれと『つちのこ』に何の関係が?) 

男の声「カヤノヒメが持ち合わせていた神性、『時間遡航による不死性』。そいつが『つちのこ』にまで波及して居るんじゃねぇかなって話だ」 

佐天(いやいやっ!そんなむしろあんな可愛らしい子が大げさなっ!) 

男の声「はっきり言うが『時間遡航』なんてぇのは珍しくもねぇよ。浦島太郎だったり、西洋にはそのものズバリの『フェアリーリング』がある」 

佐天(ミステリーサークルの昔の呼び名でしたっけ?) 

男の声「“だけ”じゃねぇ。『ソイツを踏んだり落ちたりしたら異界へ跳ばされる』って話が多い」 

男の声「大抵は戻って来ない場合が殆どだかよ。たまに戻ってくるんだ――『子供のままの姿』でな」 

佐天「それって――」 

男の声「悲惨な想像は幾らでも出来るが、それは置いておく。だが洋の東西を問わず、妙な『円環』に『時間』が関わっているのは確かだって話だ」 

男の声「……まぁ、確かに漠然とし過ぎてて、強引にも程がある結論だがな」 

男の声「西洋で円環を踏んで過去や未来、異世界へ跳ばされた連中が居るとして――」 

男の声「――東洋でも『ツチノコ』の円環を潜るなり、踏むなりして時間旅行した、って例もあるかもしれねぇよな?」 

佐天(どちらも原型(アーキタイプ)は『永遠』を表すウロボロスの蛇ですしねぇ) 

佐天(そのシッポを踏んだ……というか、概念として『乗った』とすれば、暴れて振り落とされるでしょうし) 

佐天(『過去・現在・未来全てに存在する』彼らの背中から弾き飛ばされれば、どこへ落ちるかなんて検討もつきませんしね) 

男の声「浦島太郎の話にしても南は沖縄から、北は東北南部まで数多く残されている」 

男の声「それは果たして『浦島太郎と言う一つの説話が広まった』のか?」 

男の声「それとも――『時間漂流した伝説があちこちに現存していて、浦島太郎の名で集約した』のか?」 

男の声「まぁ?当然この世界に魔術やバケモノがいない限り、机上の空論でしか過ぎねぇがな」 

男の声「ともあれ、どっかのバカどもがツチノコ探しに行って知らす知らずに尾を踏んで」 

男の声「タイムスリップしました、ってぇ話があったら面白いよなぁ」 

佐天「でっすねー?わー、会ってみたいな昔の自分っ!」 

男の声「ちなみに『つちのこ』も『ずいずい』も同じ『行き逢い神』だ」 

佐天「『後追い小僧』と同じですねー」 

男の声「都市伝説の一つに『わらべ歌を聴いていたら、数時間経過していた』と言う系統がある」 

男の声「まぁ『南斗星君と北斗星君の将棋』みたいに、『体験したら時間が過ぎている』系の話だ」 

男の声「テメェらは『つちのこ』が最新形態だと思っているみてぇだが、どうなんだろうなぁ?」 

佐天「って言いますと?」

310: 名無しさん 2013/06/04(火) 08:14:47.09 ID:YMdwMn1I0
男の声「『つちのこ』ってぇ出られる場所は限られているんだよ。それこそ山の中か里山か。都会のど真ん中には出て来られねぇだろ」 

男の声「だが逆に考えろ。そう言った『時間移動を可能とする怪異』が街中に出るとすれば、だ」 

男の声「『姿のないわらべ歌』みたいな形にならざるを得ないだろうよ」 

佐天「そう言えばvipやオカ板に『平行世界』や『パラレルワールド』とかの体験談が増えてきているような……?」 

男の声「確かに『つちのこ』は姿を見せなくなった。が、それは消えたのか?姿を変えて居るだけじゃねぇのか?」 

男の声「『ずいずい』だってそうだ。ありゃ今じゃただの殺人未遂になっちまってるが――」 

男の声「『元々は本来居るべき時空から、別の時間軸へと移動させる怪異』だったんじゃねぇか?」 

佐天「『つちのこ』は『ずいずい』だったと!?」 

男の声「尤も、なんで移動させる必要があったか、って疑問も残るがな」 

佐天「そりゃ簡単ですよ。変えたいからに決まってるじゃないですか」 

男の声「あ?」 

佐天「過去に行ってやり直したり、自分や誰かにアドバイスして現在を変えたい、って思いますもんね」 

佐天「学園都市、ドラ○○○作ってくれませんかねぇ」 

男の声「あー……成程なぁ、チンチクリンのお嬢ちゃん。物事の本質を突くのが上手いぜ」 

男の声「だぁな。望まれなきゃ現われない、だ」 

佐天「『ずいずい』は子供達を怖がらせる都市伝説じゃないですか?」 

男の声「あー、そいつぁ『戻りたかった』のかも知れねぇな」 

男の声「カーチャンに手を引かれて通った幼稚園、とかな?」 

佐天「現状に対する不安が――」 

男の声「――連中を呼ぶ、と」 

男の声「余談だが、北欧神話にも尻尾を咥えた蛇、ヨルムンガンドが登場する」 

男の声「そいつぁ中つ国ってぇ世界をぐるっと囲む程にデカい蛇なんだが――」 

男の声「人が少なくて、世界が狭い時はいいだろう。んなバケモンと出くわすわきゃねぇだろうし」 

男の声「だが人口が増えて未開の地が殆ど無くなった今」 

男の声「もしかして何人かは、下手すれば国一つがヨルムンガンドの尻尾の上へ、立っちまってるかもなぁ?」 

佐天「あー」 

男の声「そういやぁ船一つから客と船員全部が消えたり、絶対に居なくなる訳がねぇ所から人が消えるって話も増えてる」 

男の声「俺達が立っていると思うのは、本当に大地なのかねぇ?もしかしたらデカい蛇のせな――」 

佐天「……あのー、すいません?そのお話良かったら詳しく聞かせて貰っても、って」 ピッ 

佐天「誰も、居ない……?半分水の入った、コップ……」

311: 名無しさん 2013/06/04(火) 08:17:14.05 ID:YMdwMn1I0
食蜂「おつかれさまー☆」 キラッ 

上条「……おー」 

佐天「えぇお疲れ様です――って!何ですかそれっ!」 

佐天「何で二人で恋人繋ぎしているんですかっ!?」 

上条「俺に聞くなよっ!つーか俺も教えて欲しいぐらいだっ!」 

食蜂「まぁまぁいいじゃなぁい?佐天さんもぉ、繋いだらぁ?」 

佐天「よっしゃあっ!初めて名前呼んでくれましたっ」 

上条「君は変わり身が早すぎるっ!?ってか喫茶店で同じテーブルに三人掛けは辛いっ」 

佐天「ってか食蜂さん、何でデレたんですか?命でも助けられました?」 

食蜂「内緒よぉ。上条さんが『教えて下さいマイハニー☆』って言うまで、教えてあげないゾ☆」 キラッ 

上条「意味がっ!意味が分からなすぎるっ!?」 

佐天「あ、さては初恋ですねっ」 

食蜂「エスパー力っ!?」 

上条「意外に噛み合うなこの二人」 

佐天「ふっ、この佐天涙子のゴシップ力を侮って貰っちゃあ困ります☆」キラッ(横ピース) 

上条「残念な子に駄目な子のが感染った!?」 

佐天「ってかリアクション等々が御坂さんと丸かぶりで、本人以外気づいているよ、つーか気づけよバーカって感じてすかね?」 

上条「あれ?今俺もしかしてバカって遠回しに言われた?」 

食蜂「むしろストレートだと思うわよぉ」 

上条「あぁもうっ、どうしてこんなグダグダが続く――って、佐天さん?」 

佐天「はい?」 

上条「どうして、カメラ、回っているの?しかも俺を撮っているの?」

312: 名無しさん 2013/06/04(火) 08:18:35.44 ID:YMdwMn1I0
佐天「えぇ、ちょい前に電話で誰かと話していたオジサンが居ましてね。タイムリーな事に『つちのこ』のお話だったんですよぉ」 

食蜂「普段から『つちのこ』の話しているオジサマなんて、敬遠力したいわぁ」 

佐天「だもんでお話を聞こうとしている所に、お二人が帰ってきて」 

上条「……流さないよね、これ?今のシーン使わないよね?」 

食蜂「あらぁ、照れているのかしらぁ?」 

佐天「さぁ?編集するのはあたしじゃないですし、そりゃ局側の意向じゃないですかねー」 

上条「……特番の放送時間て何時?」 

佐天「土曜8時ですね」 

上条「昨日も言ったけど学園中のヤローどもに狙われる!?あと君のファン兼御坂のストーカーにもだ!」 

佐天「――はい、って言うわけで特番前半戦はどうでしたかぁっ!?え、あたしですか?あたしは殴ってやろうかな、って思ってますよー」 

上条「待て!締めをもう一度するのはどういう意図があるっ!?」 

食蜂「そりゃ『この人ってば酷い人なんですよー』とゴールデン放送力するのよぉ」 

上条「」 

佐天「よーしっ!次は後半で会おうなっ!もしかしたらカメラマンの人が居なくなってるかも知れないけどねっ!」 

佐天「それでは最後の言葉、勇気を持って言おうぜ!さぁみなさんご一緒にっ!」 

佐天「うーいっはるーーーーっ!愛してるーぞーーーーーっ☆」 キラッ 

食蜂「流石の学習力よねぇ。あ、まったねぇ☆」 キラッ 

上条「言ってる場合かっ!?俺の命がかかっ――」 プツンッ

313: 名無しさん 2013/06/04(火) 08:20:07.81 ID:YMdwMn1I0
――常盤台女子寮 8時28分 

御坂「……」 

御坂「……また、なの?」 

御坂(何回目?つーか何人目、なの?) 

御坂(そろそろ一万人の大台へ乗ったんじゃない?) 

御坂(……昨日、黒子から『食蜂派は解散した』って話を聞いたのよね) 

御坂(その時はあのド腐れ女の冗談かと思ったんだけど) 

御坂(あの自己顕示欲の塊が、自分達の『兵隊』やら『盾』を無くしたって事はよ?) 

御坂(つまり何らかの目的を達成したか、するために絞った訳ね。うん) 

御坂「……」 

御坂(……もしかして、あの『自己顕示欲』も『手段』だったの?) 

御坂(誰か、何かへ私はここに居ますよ、って事をアピールするのが目的だったんじゃ……?) 

御坂「……」 

御坂(取り敢えず、放送終わったらあのバカへ撃ち込みに行くしかないわねっ!) 


――学園都市七大不思議探訪 特番前編 『つちのこ』 -終- 



※特番後編は来週となります。つーか他のも合わせて一週間に原稿用紙100枚以上、疲れました (´;ω;`) 

ちなみに上司(添削頼んでいる人)の感想は 
「番外編でみさきちメインでラヴコメってどうなの?バカなの?」 
「ってか番外編じゃなくって上条×みさきちでスレ立てるべきだよね?」 

私には何一つ理解出来ませんでしたが

341: 名無しさん 2013/06/11(火) 10:32:36.32 ID:c9G3qwiU0


――学園都市七大不思議探訪 特番後編 『本当に出ると噂のお化け屋敷』 


342: 名無しさん 2013/06/11(火) 10:33:45.25 ID:c9G3qwiU0
――喫茶店 回想 

佐天「――で、一条さんは何人のフラグを立てたのかと、あたしは問い詰めたい!」 

上条「上条です、上条。一条さんって誰?」 

佐天「『一体上条さんはまったく、全くもう!』の略ですっ」 

上条「違うよね?多分キミ噛んだだけだよね?あとちょっとナ○お嬢様入ってるよね?」 

佐天「ぶっちゃけヒナギ○さんヒロインでいいですよね?」 

上条「人によるよっ!?西○さん好きな人だって中には居るんだからねっ!」 

佐天「あ、『穀潰しで主人公の足を引っ張るヒロイン』って、どこで聞いたような……デジャブかな?」 

上条「気のせいじゃないかな?三千○さんはニートじゃないし、一応夢に向かって努力しているんだし!」 

佐天「いやー、オチが『娘復活させるために孫を生け贄にしました』的な、花右京メイド○的な悲惨な話になるような?」 

佐天「ってか主人公が不幸不幸言いつつも、手を伸ばせば幾らでも幸せが待っている、って設定も」 

上条「ああああああああああああぁぁぁぁぁっ!!!聞こえないなぁぁぁぁぁぁっ!」 

佐天「で、あたし反省したんですよ」 

上条「やっと!?」 

佐天「……おかしくないですかね?そのリアクション」 

上条「佐天さんでも反省する事あるんだ……」 

佐天「何でちょっと落ち込むんですかっ?」 

上条「あぁまぁ、確かにちょっと落ち着いた方がいい歳ではあるし」 

佐天「初春に『愛してるよっ』って言うの忘れた日とか!」 

上条「許してあげよう?君ら只でさえ誤解されやすい人物が身内に居るんだからね?」 

佐天「白井さんの悪口言うなんてっ!?」 

上条「あれ、第一回も似たような流れになったよね?あと俺は『誤解されやすい』としか言ってないからなっ!」 

佐天「じゃ、なくってですよ。御坂さんです」 

上条「御坂……ケンカでもしたとか?」 

佐天「いや、ほら、あっちの話ですよ」 

上条「あっち?……あぁ、はいはい。うん」 

佐天「上条さんが女子中学生二人を弄んでいる件です」 

上条「過去最悪レベルに人聞きが悪い!?つーかそこまで言われる覚えはないよっ!?」 

佐天「こないだの特番前編最後の方、『妖怪クラッシャー条』って『クラッシャージョ○』とかけたのに、拾ってくれませんでしたっ」 

上条「根に持つ程の事じゃねぇだろっ!俺も名前でしか原作知らないし!」

344: 名無しさん 2013/06/11(火) 10:35:04.29 ID:c9G3qwiU0
佐天「なので今回はペナルティですっ!」 

上条「100%私怨だよな?絶対理由も違うだろうし」 

佐天「JC二人、あ、いや、三人騙してるの謝って!」 

上条「ごめんなさい御坂さん!あと佐天さんもっ!……三人?なんで一人水増ししてんの?」 

佐天「食蜂さんまで毒牙にかけて……」 

上条「してねぇよっ!漫画と小説で『記憶失う前に面識ありましたー』的な話になっただけじゃねぇかっ!」 

佐天「謝って!絶対本編には絡んで来ないと思ってたバードウェイさんに謝って!」 

上条「そいつは俺の意思じゃないっ!バードウェイはちょくちょく出てたし、そんな気はしてたっ!」 

佐天「まぁそんなこんなで行ってきて下さいなっ、遊園地!」 

上条「……遊園地ぃ?」 

佐天「わー、羨ましいなー。あたしも行きたいなー」 

上条「いや、行こうよ?カメラマンだけ行ったってしょうがないだろ」 

佐天「ですからそれも含めての罰ゲームだと」 

上条「はい?」 

佐天「言ったでしょう。反省したと」 

上条「君の反省と俺がぼっちで遊園地行くのとどう関係が?」 

佐天「上条さんには現実の厳しさを知って貰おうかと、はい」 

上条「……あっれー?それいつも、俺が佐天さんに思っている事なんだけど?」 

佐天「あ、気が合いますね。結婚しましょっか?」 

上条「あぁうん――ってしないよっ!?何言い出したっ」 

佐天「――はい、と言う訳で特番後編も終りますがっ!いやー、最後はリポーターとカメラマンが結ばれると言う、実に感動的なオチでしたねーっ」 

上条「終わらせねぇよっ!過去最速のスピードで締めようとすんなっ!」 

佐天「何とっ!番組HPから抽選で十名様を披露宴へご招待します!よっ、経費流用っ!」 

上条「待て待て待てっ確実に修羅場になるから!つかマジで?本当にこんなオチなの?」 

佐天「でわでわっ!最後にこの言葉っ、うっ――」プツンッ

345: 名無しさん 2013/06/11(火) 10:36:25.06 ID:c9G3qwiU0
――常盤台 20時35分 

~CM中~ 

御坂「……」 

御坂「……あ、あれ……?」 

御坂(終わらないわよね?まだ時間残ってるし) 

御坂「……」 

御坂(ってか凄い所で切られてたけど、いいの?) 


――某日 某遊園地 

上条「……」 

上条(……あれ?) 

上条(俺何で遊園地に来てるの?)

346: 名無しさん 2013/06/11(火) 10:37:49.20 ID:c9G3qwiU0
――前日 喫茶店収録 回想 

佐天「えー、いいじゃないですかー。しましょうよー?」 

佐天「一回だけですからっ!一回!ダメならやめればいいんですってば、ね?」 

上条「押し強っ!?ってか場面変わったからその話は終わったんじゃなかったの!?」 

佐天「いやー良い機会なので、つい?」 

上条「そんな機会は無いっ!つーかカメラ回しながら言う事じゃねぇよっ!」 

佐天「ちぇー」 

上条「いやだから御坂がどったの?またトラブルでも抱えてんの?」 

佐天「って訳じゃないんですけど。なんか、こう最近ちょっと可愛くありませんか?」 

上条「あー……まあ、うん。良いんじゃないかな?」 

佐天「……何か勘違いをしてませんか?割と致命的なの」 

上条「まさか佐天さんが御坂Loveになるとはちょっと予想外――でも、ないな。薄い本ではよくあるし」 

上条「うん、百合厨にはご褒美じゃないかな?」 

佐天「誤解です!ってかもしかして上条さんの性癖って!?」 

上条「性癖言うなっ!あー納得、じゃねぇよっ!」 

佐天「あぁそう言うんじゃ無くってですね。一回ぐらいはさせて上げたいなって」 

上条「あ、ごめん。流石に今のは編集しないと」 

佐天「だからそう言う意味じゃないですって!何ちょっと嬉しそうなんですか!?」 

佐天「『学園探訪』ですよっ。あたしばっかりレポーターだと公平じゃないですよねって」 

上条「……君が友達の代わりに番組作る、って主旨じゃなかったっけ?」 

佐天「あー、ありましたねーそんな設定。うんうん」 

上条「なんで忘れるっ!?」

347: 名無しさん 2013/06/11(火) 10:40:07.65 ID:c9G3qwiU0
佐天「いやでも真面目な話、御坂さんと行ってみたいと思いませんか?相方あたしだけ、ってのもアレですし」 

上条「いや別に」 

佐天「それってやっぱりパートナーはあたししか居ないって事ですね!」 

上条「『メリーさん』ん時、初春さんと組んだじゃん?」 

佐天「……」 

上条「後ホラ、えっと……フレ……フレンド?だかって金髪さんにMC手伝って貰った事もあるし」 

上条「まぁそもそも別にカメラマンは俺じゃ無くっても良いんだし――」 

佐天「――上条、さん?」 

上条「はい?って、どったの?無表情ですっげー怖いんだけど」 

佐天「御坂さんと行かないと――キスしますよ?」 

上条「どっからその発想湧いて出たっ!?おかしいモノ考え方がっ!」 

佐天「仕方がないですねぇ、いやぁ仕方がないなぁ……んー?」 

上条「ごめんなさいっ!行くっ!行くから落ち着けってぇっ!?」 

佐天「ちっ」 

上条「大切にしようぜ?まだ君らは早いんだからっ、色々となっ!」 

佐天「いやでももしかしたら中一の女の子から罠に嵌められて、つい?」 

上条「しないよ!する訳がねぇものっ!」 

佐天「と、まぁ二つ返事で了解も得られた事ですし、詳しい日程は追って説明しますね」 

上条「日程つってもなぁ。編集の手間考えると明日か明後日か、って話になると思うけど」 

佐天「いーじゃないですか。丁度週末ですし、デート日和ですよぉ」 

上条「デートて。あ、そだ。俺はどんな取材すりゃいいの?」 

佐天「おっと忘れていましたっ。この佐天涙子ともある者が!」 

上条「いや、割と珍しくはないけどな?うっかりも失敗も暴走も恒例行事だからね」 

佐天「今度のお題は――『本当に出ると噂のお化け屋敷』ですよーっ」 

上条「厳しかないかな?」 

佐天「どうして?苦手ですかね?」 

上条「俺も得意ではないけどさ。御坂も苦手そうじゃね?」 

佐天「むー、理解しているんですね」

348: 名無しさん 2013/06/11(火) 10:41:14.09 ID:c9G3qwiU0
上条「って訳じゃないけども。嫌なの無理矢理やらせる、ってのも」 

佐天「あ、すいません。ちょっとこっちへ身を乗り出して貰えませんかね?」 

上条「こう?」 ググッ 

佐天「あ、はいおっけです」 

上条「つか何?」 

佐天「んっ」 チュッ 

上条「」 

佐天「へっ、今日はほっぺで我慢しといてやるぜ!」 

上条「何やってんだあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」 

上条「脈絡ねぇだろっ!?必要性すらねぇし!?」 

佐天「……」 

上条「ネタだとっ!視聴者の皆さんは『どうせ口だけだろ?』って思ってるのに!」 

佐天「ですから、口ですよねっ!」 

上条「ウルセェよっ!大して上手くもねぇよっ!」 

佐天「えぇまぁ、ある意味ごちそうさまでしたですが!」 

上条「……あー、もう、どうせ流すな、つったって使うんだろうなぁ、これ」 

佐天「……」 

上条「……なに?どうしたの?」 

佐天「い、今頃になって名状しがたい恥ずかしさがっ!?うっわぁっ、ヤバいって!尋常じゃないプルプル感がっ!」 

上条「当たり前だよっ!?普通する前に考えるモノっ!恥ずかしさで腕プルプルするぐらいなら自制しなって!」」 

佐天「いやいやムリムリムリっ!?するとか今日は無理ですってば!」 

上条「要求してねぇさっ!つーか段階踏まずに勢いだけで行動するなと!」 

佐天「ですので西葛西出身の初春で我慢してくださいっ!」 

上条「ねぇ佐天さん俺たまに思うんだけど、初春さんの事本当は嫌いじゃないの?」 

佐天「――と、言う事なので後からメールでお知らせしますねっ!」 ダッ 

上条「あ、おい――って、行っちゃったか」 

上条「……」 

上条(嬉しい、けどさ。そりゃ) 

上条(でも勢いとか、その場のノリでってのは、なんか違うよな。うん) 

上条「……」 

上条(――なんて考えるのも、俺が佐天さんを大事に思っているからなんだよなぁ)

350: 名無しさん 2013/06/11(火) 10:42:28.04 ID:c9G3qwiU0
――常盤台 20時40分 

~CM中~ 

御坂「」 

御坂(裏切るの早っ!?速攻で抜け駆けしてるし!) 

御坂(……あぁでもおかしいわよね?収録になんて呼ばれてない、し?) 

御坂(まさかそんな嘘を吐くような子じゃないから――まさかっ!) 

御坂 ピッ 

From佐天――『おめでとうございます、貴方は栄えある100人目のデート候補者に選ばれました』 五日前 

From佐天――『あのー見てます、よね?ネタじゃないですから』 四日前 

From佐天――『良かったら何か返信欲しいなー、って』 三日前 

御坂「嘘おおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!?」 

白井「ど、どうされましたかお姉様?急に大声を出されて」 

御坂「ねぇ黒子っ」 スチャ(ヘッドフォン外す) 

白井「はい?」 

御坂「あたし10日って何してたっけ!?」 

白井「10日、3日前ですか。そうですわね……これと言って、何も?」 

御坂「そんな訳ないじゃないっ!なんであたしに来てたメール見落として――」 

白井「あぁそう言えばお姉様、ゲコ太モデルの携帯電話がどう、と仰っていませんでしたか?」 

白井「うろ覚えですが、初期ロットには特典が付くとかで、販売店を回ってらした記憶が」 

御坂「ああぁぁぁぁっ!?それよ、それっ!あーもうっ!」 

御坂(って事は何?あたしデートほっぽり出したって話なの?うっわー……) 

白井「佐天さんからですの?……あぁ、初春もわたくしも、白カブトムシの駆除でこの数日忙しかったですし」 

白井「事情を話せば分かってくれますわよ、えぇ」 

御坂(放送終わったら謝りに行かないと!――って、アレ?) 

御坂「」 

白井「あ、テレビから類人猿の声が聞こえますわね」 

御坂「いやいやいやいやっ!?誰とっ!?誰と行ったのよっ!」 

白井「おや、この方は――」

352: 名無しさん 2013/06/11(火) 10:44:09.50 ID:c9G3qwiU0
――某遊園地 14時 

上条「……」 

上条(……罰ゲーム、だよなぁ) 

上条(御坂は来ないし、佐天さんに電話しても繋がらないし。一人で行ってこい、ってのか?) 

上条(……まぁ?悪いのはハッキリしない俺なんだけども) 

上条「……はぁ」 

上条(こうなったらお化け屋敷に一人で入るしかないかー) 

上条(カメラ持ってりゃ取材だと……いやいや、ナレーターっつーか、リアクションしながら?) 

上条(無理、だよなぁ。今更ながら佐天さんがどんだけ気合い入れてやってたか理解出来る) 

フレンダ「……あっるぇー?」 

上条(素でやっていたらとしたら、実は佐天さんって“そういう”才能あるのかも?) 

フレンダ「……もっしー?」 

上条(アイドルとか、そっちの方で『特別』になれると思うんだけど……言ったら調子に乗るの目に見えてるから、言わないけど) 

フレンダ「あ、やっぱこないだの学園ナントカの人っ!」 

上条(いやでも中学生は……うん、ない、よね?俺の判断間違ってないよね?) 

フレンダ「すいませーん、中学生を騙しているひとー?」 

上条「俺じゃねぇよっ!?なんでその結論出やがった!?」 

フレンダ「お、はろはろー」 

上条「ってフレンドさん」 

フレンダ「フレンダね?」 

上条「どうしてここに?」 

フレンダ「遊園地に遊び以外で来るって訳?」 

上条「助けてくれっ!なっ!?」 

……

354: 名無しさん 2013/06/11(火) 10:45:15.16 ID:c9G3qwiU0
フレンダ「あー、はいはい。あのグダグダな深夜番組の特番ね」 

上条「良かったー。身内以外にも視聴者居たんだ」 

フレンダ「安心するポイント間違えてると思う訳だけど、まぁいいや」 

上条「お願いしますっ!メシ一回分ぐらいは奢るからっ!」 

フレンダ「そうねー……うん、ウチの友達が番組特製、ってか遊園地のお土産キーホルダーコンプしたいって言ってたけど」 

上条「ちょい待ち。ってごめん、俺の方しかないわ」 ゴソゴソ 

フレンダ「え、ゴミはちょっと……」 

上条「人の声をゴミ呼ばわりっ!?」 

フレンダ「んー、まぁそれプラス今日の晩ご飯で手を打つって訳」 

上条「あ、佐天さんから貰った名刺もあるや」 

フレンダ「どれどれ『妖怪バスター佐天涙子』。どんだけ悪ふざけしたって、このレベルにはまず行かないわよね」 

上条「あー、リポーターの子のクラスメイト兼友達がディレクターやってる局だから、察してね?」 

フレンダ「あんたの名刺は無いの?」 

上条「……ない、よ?」 

フレンダ「よっし、んじゃこの話は結局ご縁が無かったって訳で!」 

上条「あった!そうだ俺忘れてたっ!この前貰ったんだった!」 

フレンダ「最初っから素直に出す訳。どうせ局の番号なんでしょ」 

上条「俺のは何故か私用のケータイなんだよっ!意味の分からない嫌がらせだよなっ!」 

フレンダ「ふーん?なになに……『妖怪クラッシャー条当麻』?」 

上条「どうして本名とイタイ二つ名が一緒になってんだよ!おかしいよなあっ」 

フレンダ「へー、『クラッシャー・ジョー・当麻』って言う訳ね」 

上条「あれ?もしかしてこの子もアタマ残念な子なの?俺一回自己紹介した筈なんだけど」 

フレメア「にゃあ?お姉ちゃんがナンパされてるのだ」 

上条「ちっこいのが増えたっ!?」 

フレンダ「幼女にビデオカメラ向けて――まさかっ!?」 

上条「んな分かり易い業者はいねぇし、そもそもああいうのは全部仕込みだっ!」 

フレメア「あーゆーの、って何?」 

上条「……」 

フレンダ「……」 

フレンダ「にゃあ?」 

上条「よっし行こうか!お化け屋敷!」 

フレンダ「そうねっ!時間の無駄だしねっ!」

355: 名無しさん 2013/06/11(火) 10:46:37.17 ID:c9G3qwiU0
フレメア「……オバケ?」 ブルッ 

上条「妹さん?には厳しいかなー」 

フレンダ「年齢制限とか無い訳?」 

上条「えっとな。あー……12歳未満入場不可ってパンフに」 

上条「君――お前も大丈夫?」 

フレンダ「なんで今お前って言い直したの?一応そっちが下手に出る場面じゃない訳?」 

フレメア「にゃあ!大体ーオバケなんて怖くないのだ!」 

フレンダ「あんたもお泊まりに来た時には、人のベッドへ潜り込んで来る訳よね?豆球つけろっで目で訴えてるわよね?」 

上条「申告制つっても、無理矢理連れて行くのは可哀想だしなぁ」 

フレンダ「見せて?あーでも入り口の所に『スタッフ常駐型の保育所』ってある訳か」 

フレメア「ね、年齢制限があるなら仕方がないのだぬっ!」 

フレンダ「いやもう絶対噛まないような噛み方してるんだけども。だぬって」 

上条「ごめんなー、妹さん。少しだけお姉さん借りるからな」 

フレンダ「返してくれるなら、にゃあ」 

フレンダ「……あたしの頭越しに話が進められてるのが、なんか納得いかない訳だけど」 

上条「むしろ要らないから」 

フレンダ「ねぇどういう立場か分かってる訳?だってのにどうして要らないとか言うの?」 

上条「じゃあ、こほんっ……『俺にはお前しか居ないんだ!』」 

フレンダ「なんのスイッチ入れた訳よっ!?」 

上条「『世界がお前を敵に回したとしても、俺はお前の味方で居たい!』」 

フレンダ「何?つーか結局遊園地のど真ん中でどんだけ目立つとか考える訳?ねぇ?」 

上条「じゃ、『お前が大切だ!』」 

フレンダ「『じゃ』って何よっ!?方向転換する意味がっ、どっちに行こうとしているのか分からないしっ!?」 

上条「『お前が助けて欲しい時には、俺を呼んで欲しい。世界にどこに居たって俺はかけつけるから』」 

フレンダ「上条……」 

上条「『な、フレンド?』」 

フレンダ「フレン『ダ』ね?名前ネタで弄られるけど、イン何とかさんと同じカテゴリは嫌だからね?」

356: 名無しさん 2013/06/11(火) 10:48:08.41 ID:c9G3qwiU0
――真・最恐戦慄のミレニア○迷宮 『エントランス』 

上条「名前おかしくないかな?なんで一部伏せ字になっているの?」 

フレンダ「え、伏せ字じゃなくってマルって読むみたいだけど」 

上条「あっれー?俺が聞いていたのと違うなぁ」 

フレンダ「どんな感じ、つーかなんの取材に来た訳?」 

上条「『本物が出るお化け屋敷』」 

フレンダ「一人で?あのリポーターの子は?」 

上条「……色々あったんだよ、うん」 

フレンダ「……キス迫ったから、とか?」 

上条「むしろ逆だなっ!……ってオイオイ引くな引くなっ、距離取らないでくださいっ、カメラに映り難くなるからっ!」 

フレンダ「どんな状況?彼女居るのにほっぽり出して何やってる訳よ?」 

上条「違うし。そもそも相手、中一だぜ?」 

フレンダ「だから?つーかあんた幾つよ、高校生ぐらいなら15、6よね?」 

フレンダ「10年経てば25と21、別に気にする事っちゃないと思う訳」 

上条「いや、そりゃそうかも知れないけど」 

フレンダ「ってか結局『逃げ』よね?」 

上条「……すいません。本当に謝りますから、今は取材お願いします」 

フレンダ「ちっ、あたしの友達が居たらボッコボコにされてる訳よ?えー、っと『真・最恐戦慄のミレニア○迷宮』の話よね」 

上条「みれにあまる、って読むのか」 

フレンダ「元々ジオン病院ってのがあった訳、でもそこではもう30年前以上前に閉鎖されちゃったんだけど」 

フレンダ「最近、そこからビデオテープが見つかった、と。その内容は――」 

フレンダ「人体実践を繰り返すっ!悪魔の実験が行われていた訳っ!」 

上条「学園都市も変わらなくないか?」 

フレンダ「……」 

上条「……」 

フレンダ「――そのぉっ!犠牲者達が生者への恨みで廃病院を彷徨っているのよっ!」 

上条「……うんごめん。今は確かに俺が空気読まなかったのが悪い」 

フレンダ「ってのがメインストーリーになってて、ペンライト一つ持ってあたしらは回るって設定よ」 

上条「設定言うな。一応これ運営さんから撮影許可貰ってんだから」 

フレンダ「番組見てて思ったんだけど、どうしていっつも最低限の編集すらしてない訳?」 

上条「知らねぇよっ!?俺は公私ともに被害食らいまくってる方だものっ!」 

フレンダ「いいけどね」

358: 名無しさん 2013/06/11(火) 10:50:33.01 ID:c9G3qwiU0
上条「まぁ主旨は分かった。けどどうして『戦慄のミレニア○』?病院だろ?」 

フレンダ「超キチガ×を集めた病棟がミレニア○って呼ぶって訳」 

上条「へー。なんか納得出来ないけど、しといた方が良いんだろなぁ」 

フレンダ「決してバ×の暴走でシェアード・ワールド一つ台無しにしたとか、そう言う事じゃない訳ね?」 

上条「俺は大好きだなっ!『サーラの冒○』とかワクワクしながら読んでたし!」 

係員「あ、ペンライトどうぞー」 

フレンダ「ありがとー」 

上条「ございます」 

係員「途中でギブアップしたい場合には『非常口』から外に出られますからねー」 

係員「では気をつけて下さいね――中には、ホンモノもいるかも知れませんが?」 

フレンダ「あー……これ実は、運営側がステマで流してる噂じゃ?」 

上条「しっ!佐天さんもアレだけど、お前も黙れ、な?」

359: 名無しさん 2013/06/11(火) 10:52:19.99 ID:c9G3qwiU0
――――真・最恐戦慄のミレニア○ 『第一病棟』 

フレンダ「うっわー、本格的ねー」 

上条「真っ暗な中、ペンライト二つと暗視モードのカメラで進むのって、キツいなぁ……」 

フレンダ「ってかどうしてあたしが先行する訳よ?結局こういうのは男の見せ場じゃないの?」 

上条「か、代わる?後ってのも、結構キツいんだけど」 

フレンダ「あー、後から誰かついてきそうよね」 

上条「お前っ思ってんの全部口に出すのやめろよっ!?」 

フレンダ「やーい、キチンキチンーっ!」 

上条「あぁ怖いさっ!それが何かっ!?」 

フレンダ「うっわーダサっ!情けなっ!ニッポン男児はどこ行ったって訳よ?」 

上条「余裕っすね、フレンダさん」 

フレンダ「まっかせて?つーかね、あたしに言わせれば作り物の修羅場なんて、別にどうって事ぁ無い訳よね?」 

上条「へー、そうなんだー?」 

フレンダ「まぁプロってね。慌てず騒がず、冷静沈着に、只々冷酷に――」 

上条 フッ(フレンダの首筋に息) 

フレンダ「んぎゃああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?ごめんさない!ごめんさない!ごめんさない!ごめんさない!」 

上条「……」 

フレンダ「もう麦野を弄りませんっ!絹旗のとっといたパン食べたのもあたしですっ!滝壺にジャージ以外を着せようともしませんっ!」 

上条「あー……」 

フレンダ「だから助けて下さ――」 

上条「……うん――ごめん?」 

フレンダ「――って、騒ぐのが素人よね?」 

上条「無理だよっ!?あっからリカバリなんてどんなプロだって無理だからなっ!?」 

上条「立て直しようがないものっ!どう考えても超ビビってたし!」 

上条「つーかお前よくよく聞けばさっき、チキンじゃなく『キチン』つってたよなぁっ!?」

360: 名無しさん 2013/06/11(火) 10:53:50.33 ID:c9G3qwiU0
フレンダ「えぇ、そうよっ!?テンパってるけどそれが何って訳!?」 

上条「開き直りやがった!あー、つか偉そうに語ったのはどこのだれだっつー話だよ!」 

フレンダ「怖いものは怖いじゃないっ!?てかね、言わせて貰うけどもこんなのに慣れてるなんて、アタマおかしい人でしょおぉっ!?」 

上条「まぁそうだけどもだっ!俺の知人で慣れている人はアレな人ばかりだけども!」 

フレンダ「あんたがうじうじオドオドしているからっ!あたしがテンション上げなきゃいけなくなっただけでしょうが!違うっ!?」 

上条「俺っ!?俺のせいにすんのかっ!?それって卑怯じゃねぇかなぁっ!?」 

フレンダ「ちょっ!?あたし?あたしが悪いって言う訳っ!」 

上条「言ってねぇよっ!つーかなんでン話になったっ!?」 

オバケA「うおおおぉぉぉぉぉぉっ!」 

フレンダ「あーあー、言う訳ね?男のクセに言っちゃう訳ね?いいのかなー、自尊心的なものがボロッボロじゃないワケー?」 

上条「言ってませんー、そんな事は言ってませんー」 

フレンダ「言いましたー、あたしの耳でガッツリ聞きましたー。つーかカメラ回ってんのよ、そっち見りゃいいじゃない」 

オバケA「……あれ?」 

上条「んな真っ暗な中で巻き戻して見られる訳ねぇだろっ!常識考えろ、常識っ!」 

フレンダ「常識云々考えるんだったら、遊園地にぼっちってどうなのよっ?つーかあたしはねぇ、あんたに頼まれたんであって――」 

オバケA「うおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉっ!!!」 

上条・フレンダ「うるさいっ!!!」 ゲシッ 

オバケA「痛ぁぁっ!?」 

上条「……あ」 

フレンダ「あっちゃー」 

オバケA「……」 

上条「……事故、だよなぁ?」 

フレンダ「そう、よね。事故よね、かんっぺきに」 

上条・フレンダ「よし、逃げよう」 

フレンダ「おっけ。こう見えて逃げ足には定評があるワ――」 

係員「――ってぇ、お客様ー?ちょっとこっち来やがれ?」 

上条・フレンダ「……はい」

361: 名無しさん 2013/06/11(火) 10:55:54.79 ID:c9G3qwiU0
――真・最恐戦慄のミレニア○ 『第二病棟』 

フレンダ「……いやー、この歳になって本気で怒られるとは思わなかった訳よねー」 

上条「俺確実にスタッフの人に怒られると思うんだ」 

フレンダ「でもアクターさんもさ、『す、すいませんテレビ局の取材が入ると思ったら気合い入って!』って言ってくれたし」 

上条「いやもう庇ってくれなかったら放り出されてた。オンエア見てるかどうか分からないけど、本当に有り難う御座います。中の人さん」 

フレンダ「外見怖い人ほど、中身は優しいって訳よね。うんうん」 

上条「お仕事だからね?ボロボロの入院服着て顔の半分崩れてたけど、あれはそう言う仕様だからな?」 

フレンダ「あっるぇ?そう考えると麦野って外見は良いわよね」 

上条「良く分からないけど、多分その人がキレるから、深くは考えない方が良いと思うんだ」 

上条「まぁいいか。んで?ここはどういうアトラクションなんだ?」 

フレンダ「こっちの病棟はミュータントが収容されてるって訳よ」 

上条「……ミュータント?嫌な響きだな」 

フレンダ「ジオン公国で秘密裏に作られた生物、でも出来損ないの烙印を押された生き物未満が、毎晩毎晩うめき声を開けている……」 

上条「ジオン公国じゃねぇからな?病院だからな?実用性皆無の肩パッド装着したドズ○中将を連想して、怖くなくなってるからね?」 

フレンダ「リアルでいたら怖い訳よねっ」 

上条「ウルセェよっ!なんか、既視感があるやりとりだけども!」 

フレンダ「病室の一つ一つは塞がれてるけど、中が監視出来るように小窓がついてるんだって。あ、ほらほら」 

上条「あー、小窓ってより、軽自動車のフロントガラスって大きさだな。鉄格子が嵌ってる……」 

フレンダ「その中を見ながら進んでいく訳よ」 

上条「……うっわー、室内ドロッドロだな。血?鉄錆?」 

フレンダ「SilentHil○の裏世界見てるみたい……」 

上条「あれ、人、か?」 

フレンダ「お腹からツタが生えてる人は、ちょっとのーさんきゅーよね」 

上条「こっちの病室は……」 

フレンダ「く、首がない……?」 

首無し「オォォォォォオオオォォゥッ!!!」 バンバンバンッ 

上条・フレンダ「ひぃっ!?」 ギュッ 

首無し「……オオ、ォォォォォォォォォゥ……」 ガチヤガチャ 

フレンダ「出て来ないわよねぇっ!?つーか人形だけじゃなかったのっ!?」 ギュッ 

上条「……すげーな。俺絶対作りもんだと思ってた……」 ギュッ 

フレンダ「そ、そうよねっ!?作り物よねっ!?」 

上条「だ、だよなぁっ!?作り物だよなぁっ!?」 

上条・フレンダ「あは、あはははははっ……」 

首無し「……ぉぉぉぉおおおぉぉっ……」 ギシギシギシッ 

上条・フレンダ「……」

362: 名無しさん 2013/06/11(火) 10:57:43.33 ID:c9G3qwiU0
フレンダ「で、でも、ほら、フレメア待たせちゃってるし?急いで回りたいなー、なんて?」 ギュッ 

上条「そ、そうだよなぁ?待たせるのは悪いよなぁっ、巻きで行こう!巻きでっ!」 ギュッ 

フレンダ「……あれ?」 

上条「どうしたんだ?」 

フレンダ「あたしら、手繋いで、たっけ?」 

上条「あー……暗いし?」 

フレンダ「危ないし、ね?うん」 

……

363: 名無しさん 2013/06/11(火) 10:59:22.61 ID:c9G3qwiU0
上条「――って次の扉見えてきた」 

フレンダ「えっと……『このドアのカギは病室の何処かにある』……?」 

フレンダ「嘘おおおおおぉぉっ!?戻るのっ?今からっ!?」 

上条「落ち着け!いくらアクターさんつっても、物理的に襲っては来ねぇよ、なっ!?」 

フレンダ「疑問系っ!?……あぁうんそうよね。所詮遊園地のアトラクションって訳よね」 

上条「マニュアルとかもあるだろうし、客の体に触れたら大問題だろ」 

フレンダ「おけおけ。だよねっ?いやー、びっくりしちゃった訳よ、うん」 

上条「だからまぁ心配はしてない。つーかする必要はないんだが」 

フレンダ「あー、でもさ。ふと思ったんだけど」 

上条「何?まだなんかあんの?」 

フレンダ「『本物』が混ざってたら、それはこっちの都合お構いなしって訳よね?」 

上条「あー……」 

フレンダ「……うん?」 

上条「やっだなぁフレンダさん、オバケなんて居ませんって」 

フレンダ「番組の企画はっ!?主旨は全否定って訳っ!?」 

上条「うん、じゃ行こうか?」 

フレンダ「ちょっと待って!?恐怖のあまりにSAN値下がってるっ!?」 

上条「あ、ほら、容貌を『名状しがたい』にしちゃったから」 

フレンダ「ガープ○の方っ!?遥かなるクトゥルフの呼び○じゃなくって、妖魔夜○の方なのっ!?」 

上条「ってか、ちゃっちゃと行くぞ」 ググッ 

フレンダ「くっ!?手を繋いでフラグを立てやがったと思ったら、まさかの逃がさないフラグって訳よね!?」 

上条「……本気でアレだってなら、リタイヤしてもいいけど?」 

フレンダ「……」 

上条「嫌がってるのを引っ張って行く訳にも行かないからな」 

フレンダ「……ふっ、アマチュアが粋がるんじゃない訳よ」 

上条「はい?」 

フレンダ「報酬は貰ったのに仕事はリタイアします、なんつったらオバケより怖い人に消し炭にされるって訳!」 

上条「オバケより怖い、ねぇ」 

フレンダ「……いやもうホント勘弁してっ!?オシオキはっ!?オシオキだけはっ!?」 

上条「トラウマが蘇ってるっ!?しっかりしろっ!」 

フレンダ「――見たか、あたしらの団結力をっ!!!」 

上条「ぶっちゃければ『ここにいない誰かさんがオバケよりも怖いから開き直った』でおーけ?」 

フレンダ「大体合ってるわね、うん」 

上条「いや、まぁ良いけども」

365: 名無しさん 2013/06/11(火) 11:01:30.47 ID:c9G3qwiU0
フレンダ「ま、その程度って訳よ。あたしにとっちゃもっと怖いモノはある訳だし」 

上条「自慢にならないからな?お前がどんだけ過酷な日常送ってるか知らないけど」 

フレンダ「でもまぁ?」 ギュッ 

上条「ん?」 

フレンダ「あんたが守りたい、ってなら、まぁ?守らせても良い訳?」 

上条「……なんつーかなぁ」 

フレンダ「返事は?」 

上条「……まぁ、出来る限りは頑張ってみるよ」 

フレンダ「えー、『命の限り』って言う所じゃないのー?」 

上条「フレンダ如きにはちょっと……」 

フレンダ「『ゴトキ』って何っ!?今そう言う場面じゃないでしょっ!?」 

フレンダ「『ま、フレンダでいっか』的な流れになるんじゃない訳っ!?」 

上条「よーし、行くぞー」 

フレンダ「早速信頼関係にヒビが入ろうとしてるんだけどっ!」

366: 名無しさん 2013/06/11(火) 11:03:26.16 ID:c9G3qwiU0
――――真・最恐戦慄のミレニア○ 『第二病棟』 ???分後 

上条「……無かったなぁ」 

フレンダ「どういう訳?出さないつもりとか?」 

上条「まっさか。調べてない病室があるにはあるんだけども」 

フレンダ「よっしリタイアする訳よね。時間も結構経っちゃったし――って冗談よっ。そんなに引っ張らなくてもっ」 

上条「俺だって帰りたいけどなっ!一人で帰る訳には行かねぇだろっ!」 

フレンダ「そりゃまぁそうなんだけども。ってか残ってるのって、結局アレよね?『首無し』の病室」 

上条「しか無ぇよなぁ」 

フレンダ「アクターさん叩きのめすとか」 

上条「それ前やって叱られたし!」 

フレンダ「そうよねー。じゃんけんでも勝ったらー、とかそういうのだったら分かり易いんだけど」 

上条「他のお化け屋敷だとペンライトの光当てると怯む所もあんだぞ」 

フレンダ「そうなの?」 

上条「ってかバイトでやったんだ。昼の部はそうなんだけど、夜の部は――って、あれ?」 

フレンダ「……変、よね?」 

上条「あぁ、居ない、よなぁ」 

フレンダ「あ、でもチャンスって訳じゃない?居ないんだったら、今のウチに」 

上条「だなっ!」 

フレンダ「……」 

上条「……」 

フレンダ「ど、どうぞ?」 

上条「うん、多分そうなるとは思ったんだけど。良いのか?」 

フレンダ「良いって、何がよ」 

上条「廊下に一人取り残されるのと――」 

フレンダ「どっちも嫌!……なんつってる訳にもいかない訳よね、うん」 

上条「……おー……って臭っ!?」 

フレンダ「魚の腐ったような、後、血のニオイって訳?随分と手の凝った作りって訳」 

首無し『……おおおおおおおお……おおおおおおぉぉぉんっ!!!』 

上条・フレンダ「っ!?」 

フレンダ「廊下からっ!?」 

上条「拙いっ!隠れよう!」 

フレンダ「え、いや別にそこまでする必要はないんじゃない?」 

上条「いいからっ!」 ガバッ 

フレンダ「んぐっ!?」 

首無し『……おおぉ……お……おぉぉぉぉぉ』 ズル、ズル

367: 名無しさん 2013/06/11(火) 11:04:57.40 ID:c9G3qwiU0
上条「……」 

フレンダ(ベッドの下に隠れなくっても良いのに。つーか向こう、顔無いんだから分からないわよね?) 

首無し『……おおぉぉ……』 ズル、ズル 

フレンダ(むー……密着、してる訳だし?もしかしてあたしピンチ?性的な意味で?) 

首無し『おおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉっ……』 ズル、ズル 

フレンダ(ナイナイ、ってか流石に監視カメラがあるって訳よ) 

フレンダ(つーか『首無し』、なんか引き摺ってるわねー) 

首無し『……おおぉぉぉぉぅ……』 ズル、ズル 

フレンダ(人、の屍体……?ちっちゃいわよね、あたしと同年代ぐらい……?) 

首無し『…………おぉ……ぅ…………』 

フレンダ「……」 

上条「……」 

フレンダ「もぐもが?」 

上条「あぁごめん」 パッ 

フレンダ「行ったみたい?」 

上条「だな。今のウチにカギを捜そう」 

フレンダ「――って、あれっ!」 

上条「ベッドの足の下……あった!」 

フレンダ「またいやーな所にあった訳ね」 

上条「……つーか疲れたよ。さっさと出よう。ここ抜けたら終りだし」 

フレンダ「そうよねー。って、もうっ!手汚れちゃったし」 

上条「俺のせいかよ」 

フレンダ「血糊だから直ぐに落ち――んー?」 クンクン 

フレンダ「……ね、上条。悪いお知らせがあるんだけど」 

上条「漏らしたのかっ!?どうして俺に知らせなかったっ!?」 

フレンダ「いや、全力で食いつかれても困るんだけども。そうじゃない訳よ」 

上条「腰抜けた?」 

フレンダ「んー、そんなには怖くなかった。そうじゃなくって、これよ、これ」 

上条「血糊がどうかしたって?」 

フレンダ「じゃくって、これ結局、本物の血って訳よ」

369: 名無しさん 2013/06/11(火) 11:07:18.45 ID:c9G3qwiU0
――真・最恐戦慄のミレニア○ 『第二病棟出口付近』 ???分後 

上条「……マジで?」 

フレンダ「信用しないの?」 

上条「いやでもなぁ。信用するしないじゃなくって、仮に本物だとしてもギミックって可能性もあるし」 

フレンダ「そりゃあたしも考えた訳。でも人の血液って高い訳よ?」 

上条「んじゃ本物だったとして、問題は?」 

フレンダ「あっちも本物だったんじゃないの、『首無し』」 

上条「……」 

フレンダ「あたしは信じてないけど、そうでもないとテーマパークのど真ん中、監視カメラでギッチギチに監視している中で」 

フレンダ「人間の血液が無造作に飛び散ってる訳がないのよ」 

上条「あー、折衷案」 

フレンダ「どんなの?」 

上条「さっき拭いたハンカチに着いていると思うから、係員の人に相談してみる」 

フレンダ「んー……分かった訳。納得はしてないけど」 

上条「良かった。んじゃさっさと帰ろうぜ」 

ギギギィッ 

フレンダ「開いた開いたー、フレメア待ってるわよねー」 

フレンダ?「あなたはっ!?」 

フレンダ「――へっ!?」 

フレンダ(あ、あたしぃっ?どうしてあたしがもう一人居る訳?) 

上条「おいっ!なんで君がここに居るんだっ!?」 

フレンダ「……かみ、じょう?」 

フレンダ?「私だけ待ってる訳にはいかないでしょうっ!?」 

フレンダ「……よいしょっと!」 ガッ 

上条「ぐっ!?」 

フレンダ?「上条さん!」 

フレンダ「あー、うん。良く分からないけど、分かった訳。あんたらは敵って訳ね?」 

上条「違うっ!俺達はお前を助けたくって来たんだよっ!」 

フレンダ「あー、なんかテンション下がるなー。折角『友達になれるかも?』って期待しちゃった訳よね」 

フレンダ「ウチの情報が欲しいとか、結局そういう話って訳かー。いやー失敗失敗」

371: 名無しさん 2013/06/11(火) 11:09:46.58 ID:c9G3qwiU0
上条「『アイテム』は関係無いっ!」 

フレンダ「んじゃその組織名はどっか聞いた訳?そっちのあたしモドキさんから?」 

フレンダ「ってな訳、さようなら――って、あれ?」 

フレンダ(仕込んであった爆弾が無いっ!?) 

上条「待ってくれフレンダ!俺達の話を聞い――」 

フレンダ「――なーんて、ね?」 

ガゴォッ 

上条「うぐっ……!?」 

フレンダ「小石ぐらい拾っておくのがマナーじゃない?」 

上条「……待て、行くな……」 

フレンダ「よいしょっ、っと」 

ガッ 

上条「……」 

フレンダ「ありゃりゃー、あっぶない角度で倒れた訳ね。そっちのあたしー?介抱しなくていいのー?」 

フレンダ(外見操作系の能力って訳だから、まぁ銃でもない限り不意打ちは喰らわないけど) 

フレンダ(に、してもどうしたもんかしらねー。フレメアは多分捕まってるし、あたし一人じゃ逃げるのが精一杯だし) 

フレンダ「……」 

フレンダ(フレメアを助けるために『アイテム』を裏切る……?いやー、結局麦野に粛正ENDって訳で) 

フレンダ(こいつらを人質にとっても意味は無い、つーか大事な人間だったら前へ出て来る訳が無いわよね) 

フレンダ(なら一旦逃げてみんなに連絡を――) 

フレンダ?「もうやめてよ――お姉ちゃん!」 

フレンダ「……はぃい?」 

フレンダ?「もう良いじゃないっ!もういい加減気づいたって!」 

フレンダ「よっこいせっと」 ガッ 

フレンダ?「くっ!?」 

フレンダ「んー、銃もナイフも持ってない訳かー。二人とも丸腰で何やってんの、って訳よね」 ガソゴソ 

フレンダ「まぁ、暫く隠れるけど。ゆっくり置いてかけて、き・て・ね?」 ダッ 

フレンダ?「待っ――」 

ギギイッ、バタン

373: 名無しさん 2013/06/11(火) 11:11:16.22 ID:c9G3qwiU0
――真・最恐戦慄のミレニア○ 『閉ざされた病棟』 ???分後 

フレンダ(ってまぁ戻って来たけど) 

ツーッ、ツーッ、ツーッ 

フレンダ(二人から奪ったケータイからは通じない、と) 

フレンダ(麦野達だけじゃなくって、『アイテム』用の伝言サービスもダメって訳) 

フレンダ(結局その程度には、上条達の組織は有能って事かぁ) 

フレンダ「……」 

フレンダ「あーぁ、ケガ大丈夫かなー」 

フレンダ(って何言ってんのよっ!?人の心配している場合じゃない訳よ!) 

フレンダ(てか敵よ、敵?あたしを嵌めてフレメア攫った連中だってのに、なんで心配する必要があるのよ) 

フレンダ「……」 

フレンダ(本当、に?) 

フレンダ「始まりは――『学園探訪』よね」 

フレンダ(あんなふざけた深夜番組のレポーターが来なくて、一人で困ってた上条をあたしが助けた、と) 

フレンダ(目的はあたしとフレメアを引き離すため。あたしのそっくりさんがいれば、難しくは無い訳だし) 

フレンダ「……」 

フレンダ(……でも、意味は、無いか) 

フレンダ(別に穏便に誘拐する必要性すらない訳。それこそ下校途中のフレメアを狙った方が確実) 

フレンダ(ならあたしを味方に引き込む、って線はどうだろう?) 

フレンダ「……」 

フレンダ(薄い、わね。動機としては。確実性にも欠けるし) 

フレンダ「……分からない。何をしたいのかが、分からない」 

フレンダ(廃墟みたいなお化け屋敷に、アイツらやアイツらの仲間が乗り込んでこないのも、分からない訳) 

フレンダ(じゃあ逆に、分かっている事は――) 

フレンダ「……上条の手、温かかったなぁ……」 

フレンダ ハッ 

フレンダ「違う違う違うっ!そう言う事じゃない訳よ!」 

フレンダ「決して甘やかされるのが暫くぶりだとか、結構ドキドキしてたとか、そーゆーこっちゃない訳!そうじゃなくって!」 

フレンダ「……あれ?」 

フレンダ(上条もあたしも、ペンライトを持っていた訳よね?入り口で説教されたときまでは、絶対に) 

フレンダ(でも上条は右手にハンディカムを持っていた――) 

フレンダ(なら『絶対にペンライトを持ったまま、あたしと手は繋げない』わよね?) 

フレンダ「……って事は?」 

フレンダ「一体上条はいつからカメラを持ってなかった訳……?」

375: 名無しさん 2013/06/11(火) 11:12:08.86 ID:c9G3qwiU0
――真・最恐戦慄のミレニア○ 『閉ざされた病棟』 ???日後 

フレンダ「……」 

フレンダ(……分からない訳。辻褄の合わない話も、上条のカメラも) 

フレンダ(結局意味はある筈。何かの、意味が) 

フレンダ(けどそれが分からない。納得出来るだけの仮説すら思い浮かばない……) 

フレンダ「……はぁ。お腹空いたなぁ……」 

フレンダ(食べ物、とは言わないけど飲み物ぐらいあったっていい訳だし) 

フレンダ(つーか上条達、あたしを捜してるの?その割にはもう何時間、何日も、ここに居るような気がする……) 

フレンダ(真っ暗闇だし?ペンライトも切れるから、まぁ精々数時間って所でしょうけど) 

フレンダ(……あー、でも長期戦は覚悟しといた方がいいのかしらねー) 

フレンダ(あ、よく、こういうのって『正』って文字を書いて日数を数えるじゃない?) 

フレンダ(だったらあたしも――『一』と) カリカリ 

フレンダ(なーんか意味無いような気がする訳だけど、まぁいい訳よね――ん?) 

フレンダ「……ん?こっちの壁にも、何か書いてあ――」

376: 名無しさん 2013/06/11(火) 11:13:39.06 ID:c9G3qwiU0
正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正 
正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正 
正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正 
正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正 
正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正 
正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正 
正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正 
正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正正

378: 名無しさん 2013/06/11(火) 11:14:55.64 ID:c9G3qwiU0
フレンダ「ちょっ!?これって――」 

フレンダ(お化け屋敷、だから……よね?) 

『……おおぉ……』 ズル、ズル 

フレンダ「『首無し』っ!?」 

フレンダ(そうだコイツも不確定要因だった訳よ!オバケなんて居ないんだから、結局あいつらの仕込みって話か!) 

首無し『……おおぉぉぉぉぉぉぉっ!!!』 

フレンダ「しつこいの、よ……?」 

フレンダ(ありゃ?おかしいわね?) 

フレンダ(『首無し』の持ってる、つーか引き摺ってるのって――) 

フレンダ(――あたしの『体』じゃないかな?) 

フレンダ「って事は、つまり――」 

フレンダ「――あぁ、なんだ。あたし死んじゃってた訳よね、うん」

380: 名無しさん 2013/06/11(火) 11:16:21.60 ID:c9G3qwiU0
――病院廃墟 『閉ざされた病棟』 

フレンダ「そっかー、そう言えば。何となくしか覚えてないけど」 

首無し『……おおおぉぉっ!おおおおぉぉぉっ!』 

フレンダ「上条達はあたしに知らせてくれようとした、って訳?まぁそんな所かしらねー」 

フレンダ「あー、殴っちゃって悪かったなー。許してくれるかなー?」 

首無し『おおお……おおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!』 

フレンダ「まぁでも?あんたに捕まれば、きっと死ぬとかするんでしょ?」 

フレンダ「なら、いっその事やっちゃってくれる訳。そうした方がモヤモヤしないって――」 

PiPiPi…… 

フレンダ「ありゃケータイが?……神、裂ける、さん?なんて読むの?」 ピッ 

フレンダ「あ、もっしー?ごめんねー、今上条は忙しいから――」 

上条『フレンダっ!聞こえるかっ!?』 

フレンダ「かみ、じょう?」 

上条『俺を呼べ!呼んでくれっ!じゃないと、行けないんだっ!』 

フレンダ「ごめんね、殴っちゃって?あたしにそっくりの女の子にも、ごめんって言っておいて?」 

上条『ダメだっ!ソイツは「違う」んだ!ソレに融けたら戻れなくなるだけだ!』 

フレンダ「んー、何となく分かってる訳。『これ』は『よくないモノ』でしょ?」 

首無し『おおおぅおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!』 

フレンダ「でももう無理っぽいし、あんた一人が来たってどうしようも無いみたいだし、だから」 

上条『俺にっ!俺に約束を守らせてくれっ!』 

フレンダ「約束?そんなんしたっけ――」 

上条『あの日、フレンダを守るって言ったんだよっ!』 

フレンダ「あー、あれは生きてるあたしとの約束だった訳か」 

上条『俺は守れなかったんだ!フレンダが助けて欲しい時、駆けつける事が出来なかった!』 

上条『だからっ!だから今度こそは――』 

上条『――俺に約束を守らせてくれよっ!』 

フレンダ「……はぁ。バーカ、知らないわよ、どうなっても」 

上条『ウルセェよっ!さっさと呼べよっ!』 

フレンダ「あー、なにその言い方?普通はもうちょっと、ムードってモノが必要って訳」 

上条『文句なら後から幾らでも聞くからっ!早く!』 

フレンダ「まぁ、来たいなら来てもいいって訳よ――上条」 

首無し『うおおおぉ――』 

上条「――ってさっきから、ウルセェんだよおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉっ!!!」 

パキイイィンッ!!!

383: 名無しさん 2013/06/11(火) 11:17:54.04 ID:c9G3qwiU0
――病院廃墟 『閉ざされた病棟出口』 

フレンダ「んで?最後のアレなんだった訳?」 

上条「神裂――って俺の知り合いからはルイカン何とかって言ってたな」 

上条「ほら、噂をすると近寄ってくるとか、本人が来るとか、そう言った話」 

フレンダ「ふーん?」 

上条「この『場』自体が魔力の塊みたいなもんだから、そうでもしないと永遠に迷い続けるんだって」 

フレンダ「怖っ!?つーか、あたし死んでから何年経って――」 

ギギイッ 

フレンダ?「……」 

フレンダ「……結構経つみたい、よね」 

フレンダ「おいで、フレメア」 

フレメア(フレンダ?)「お姉ちゃんっ!」 ガシッ 

フレンダ「あー、もうあんたって子はいつまで経っても泣き虫なんだから」 

フレメア「だって、お姉ちゃんだもんっ!」 

フレンダ「殴ってごめんね」 

フレメア「いいよっ」 

フレンダ「……あと、先に死んじゃってごめん」 

フレメア「許さないっ!……けど、いいよ」 

フレンダ「……良い子ね、うん」 

フレンダ「――結局、あたしはどうしてたの?」 

上条「死んでから、ずっとここに居たらしい」 

フレンダ「うっわー、それ周りの人ドン引きしなかった訳?」 

上条「してたから、俺達が駆けつけられた。結果としちゃまぁまぁだけど」 

フレンダ「……そのポジティブシンキングもおかしいと思う訳よ」 

上条「でもその、こう言った場所には『溜まりやすい』んだそうだ。フレンダがそうだったみたいに、他のも」 

上条「だから俺やフレメアが説得しようにも、フレンダと出会えたのは今日が初めてでさ

384: 名無しさん 2013/06/11(火) 11:19:36.29 ID:c9G3qwiU0
フレンダ「あぁんじゃ『首無し』ってのは」 

上条「死んでも死にきれなかったとか、気づいていない人間の集まりだそうだ」 

上条「レギオンとかコープスとか、『軍団』って言われてる……まぁ、集まりってか集団」 

上条「フレンダを無理矢理どうにかしないためには、『自覚した上で出口まで来なきゃ』いけなかったんだよ」 

上条(ただ、『無へ還す』んだったら、右手で触れれば終りだったんだけど) 

フレンダ「そっか、大変だったわねー、あっはっはー」 

上条「ノリが軽すぎだろっ!?」 

フレンダ「んー、まぁ色々あったんだろうけど、結果オーライじゃない?」 

フレンダ「フレメアの育った姿も見れたし、あたしとしちゃラッキーって訳よね」 

上条「……お前ホンットにぶん殴るぞ?フレメアがどんだけ心配したのかって――」 

フレメア「上条さん。もう、いいですから」 

上条「でもさっ」 

フレメア「お姉ちゃんを虐めちゃダメです」 

フレンダ「へっへー、フレメアはあたしの味方って訳よね?」 

上条「卑怯だぞぉっ!?」 

フレンダ「――と、まぁなんか名残惜しいけど、あたし、行くわね?」 

フレメア「……お姉ちゃん」 

フレンダ「色々ありがとう。おっきくなったあんたに会えて心配はなくなった訳よ」 

フレンダ「寂しくっても、あたしはフレメアの事を愛している訳だから、ね?」 

フレメア「……うん、私も」 

上条「……」 

フレンダ「上条……」 

上条「あぁ」 

フレンダ「――は、まぁいいか」 

上条「最後なのにっ!?」 

フレンダ「ってかね、あんた。あたしを守るつった約束破った訳よね?」 

上条「不可抗力だろ、殆どが!一応最終的には助けに来たし!」 

フレンダ「色々してくれたのは、感謝してるけど……ってそうよ!」 

フレンダ「ねね、ちょっと屈んで?」 

上条「……それ一回やったから、嫌だ」 

フレンダ「酷っ!?」 

上条(下手に触ったら成仏させちまいそうだし) 

フレンダ「しないわよっ絶対!もう怒った!あんたなんて一生童×なんだからね!」 

上条「関係ねぇだろっ!?つーか変な呪いかけるんじゃねぇよ!」 

フレンダ「呪ってやる訳、上条は一生童×、一生×貞……」 

上条「お前もう最後の最後で嫌がらせってなんだよっ!?悪霊かっ!」 

フレメア「……お姉ちゃんも上条さんも、もうちょっと大人になろ?」 

フレンダ「いやいやっ、このバカがケンカ売ってきたのか先って訳だし?」 

上条「フザケンな!俺はなんつーか、んなオチは嫌だって――」 

フレメア「……そろそろ泣くもん、にゃあ」

386: 名無しさん 2013/06/11(火) 11:21:21.46 ID:c9G3qwiU0
フレンダ「――って、お芝居はね?ヤメにしましょう?」 

上条「だよなー?俺らもつい調子に乗っちゃったけど、仲良しだもんなっ、なっ!」 

フレメア ジーッ 

上条「(おい、超疑われてんぞ?)」 ヒソヒソ 

フレンダ「(そりゃあんたに人望がないだけって訳)」 ヒソヒソ 

上条「(いや、死んでからも迷惑をかけまくった実の姉も相当なもんだと思うが)」 

フレンダ「……」 

上条「(……フレンダ?)」 ヒソヒソ 

フレンダ「……ん」 チュッ 

上条「んんっ!?」 

フレンダ「バーカバーカバーーーカっ!油断してるからそうなる訳よ!」 

上条「お前っ!」 

フレンダ「んじゃまぁそんな訳で――ばーいっ!おつかれー――」 

ギギィィィィィィンッ……

387: 名無しさん 2013/06/11(火) 11:22:31.15 ID:c9G3qwiU0
――常盤台女子寮 8時54分 

御坂 グスッ 

御坂「……えぐっ……良かったー、フレンダさんきちんとあの世に行けたのねー」 

白井「……いえあの、お姉様?」 

御坂「何よ?まさか結末が良くなかったとでも言うのっ!?」 

白井「いえ、確かに切ないお話ではありますけれど、その」 

佐天(TV)『よーしっ!それじゃNG特集でお別れだー』 

御坂「……へ?」 

白井「ですからフィクションと言う言葉がありまして」 

上条(TV)『俺が約束を守らせてくれよっ!』 

フレンダ(TV)『あ、ダメー。もう一回って訳』 

上条(TV)『どこがだよっ!?完璧だったじゃねぇか!』 

フレメア(TV)『お兄ちゃん台本、「俺に」ってなってる』 

上条(TV)『あーごめん』 

フレンダ(TV)『ラストなんだから気を抜いちゃダメって訳よ!もう少し反省!』 

首無し(TV)『いやぁあんまり責めるのも逆効果ですしねぇ』 

御坂「普通に喋ったっ!?オバケがカンペ持ってるっ!?」 

白井「そのですね。つまりは『本物が出るお化け屋敷があったら、こんな感じじゃないかな?』と言う再現ドラマですわね」 

御坂「」 

白井「まぁでも最初は普通の撮影っぽくしてらしたようですし」 

白井「急遽園側の許可を得て、即興劇をしたというのが真相ですわね、えぇ」

389: 名無しさん 2013/06/11(火) 11:24:21.98 ID:c9G3qwiU0
白井「――ってお姉様?聞いてらっしゃいますか?」 

御坂「うがーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!」 

御坂「嘘でしょっ!?オチってこれなのっ!?最後なのよ、最後だってのにあたしの出番これだけぇっ!?」 

白井「まぁ、企画自体がオマケですしねぇ。構想では全七話で終わる筈だったようですし」 

白井「とは言え流石にこれ以上ズルズル引き延ばすのも、世界観がガタガタになってしまいますので」 

御坂「……有り得ないでしょっ!?最後の最後で佐天さんやあたし完全無視って!?しかも誰よ金髪姉妹っ!」 

白井「佐天さんは最初の方、不必要に出まくってた気も致しますの」 

御坂「足細くて綺麗じゃないのよ、ねぇっ!?」 

白井「……完全に私怨ですのね」 

佐天(TV)『ってまぁ色々ありましたけど、まぁたまにはこんなグダグダなお話もいいんじゃないかなっ、つーかいいよね?』 

御坂「リベンジを!リベンジを要求するわっ!もう一回だけ、ねっ!?」 

白井「それは局側の都合ですし、おそらくは次の番組改変期までは無理かと思いますわ」 

佐天(TV)『サヨナラは言わないけれど、それじゃ最後にこの言葉っ!ボクとキミのまた会おうって合言葉さっ!』 

御坂「えっと、取り敢えず佐天さんに謝って、あのバカに超電磁砲撃ち込んで」 

白井「死にますからっ!?あ、いえ、黒子としては願ったりですけど」 

佐天(TV)『うーーーーーいーーーーーーはーーーーーーるっ!愛してーーーーーーる、ぞーーーーーーーっ!!!』 プツンッ 


――学園都市七大不思議探訪 特番後編 『本当に出ると噂のお化け屋敷』 -終-

392: 名無しさん 2013/06/11(火) 12:07:14.17 ID:c9G3qwiU0


――『夢幻泡影』 


※上司(添削屋)から「これはない」とNG出されたver。泣いたら負け

393: 名無しさん 2013/06/11(火) 12:08:21.91 ID:c9G3qwiU0
――学園都市 安いアパートの前 8月中頃 

カナカナカナカナカナカナ…… 

上条 カチッ、カチッ…… 

上条「んー?」 

上条 シュッポッ……ジジジジジ……モクモクモク 

上条「……けほっ」 

フレンダ「慣れない事するもんじゃない、って訳よね」 

上条「……お前さ、久しぶりだってのにその挨拶はどうなの?」 

フレンダ「おっはろー?」 

上条「夕方だよっ」 

フレンダ「おっつかれー?」 

上条「確かに疲れたよ!誰かさんのお陰でなっ!」 

フレンダ「まぁまぁイイって訳よ。あ、中入っても良いの?」 

上条「あ、ちょい待ち。鍵はかかってないけど」 

トントントン、ガチャッ 

上条「どうぞ……お帰り」 

フレンダ「……うん、ただいま」

394: 名無しさん 2013/06/11(火) 12:09:34.31 ID:c9G3qwiU0
――アパート内 夜 

フレンダ「いやーもうつっかれたー訳よ。結局死ぬかと」 

上条「死なない死なない」 

フレンダ「帰省ラッシュって話よねー。みんな一遍に帰ってくるから、もう大混雑でさぁ」 

上条「大変だったなぁ。あ、お茶のお代わりどう?」 

フレンダ「ありがとー。そっちはどうだったの?」 

上条「フレメアから聞いてないの?」 

フレンダ「あー、うん。まぁ色々と大人の事情があるって訳よ」 

上条「……大人になれば、そりゃあんま話さなくなるよなぁ」 

フレンダ「おねーちゃんとしてはもう、心配で心配でさぁ……」 

上条「大変だな。俺もたまには連絡取ってるけど」 

フレンダ「そっちはそっちで別の心配がある訳よねっ!」 

上条「いや、流石に手は出さないよ?つーか俺別に出した事一回も無いからね?」 

フレンダ「童×の呪い、かかっちゃった訳?」 

上条「かけたのは誰だよっ!?」 

フレンダ「もしかしてあたしの能力って呪いのデー○的なのだったのかな?」 

上条「把握しとけ!……いやいや、フレメアとは打ち止めと付き合いがあるから、一方通行経由で話聞いてるだけだし!」 

フレンダ「第一位だっけ?結局面識無かったのよねー。すっごい美白だって聞いた気がするけど」 

上条「まぁ大分日焼けしたけど、白いっちゃ白いか」 

フレンダ「あのセロリってセロリなの?」 

上条「言葉選ぼうぜ?一応俺の友達なんだからな?」 

フレンダ「『Yesロリコ×!Goタッチ!』?」 

上条「選んでその程度か!?ってか俺の知ってる言葉と一文字違うだけで、内容が真逆っ!」 

フレンダ「でも結局更正した訳よね?」 

上条「この言い方もどうかと思うけど、少なくともセロリ呼ばわりはされてない」 

フレンダ「へー?じゃなんて呼ばれてんの?」 

上条「ひ、光源氏……?」 

フレンダ「……突っ込んで良いのかな?出来ればなんでそう呼ばれたのか、追求したくないんだけど」 

上条「――あぁそうだサバ缶の新作あるんだけど。『カレー風味』?」 

フレンダ「食べるっ!!!」 

上条「おはぎもあるけど」 

フレンダ「その食い合わせはノーサンキューって訳で!」

396: 名無しさん 2013/06/11(火) 12:11:00.19 ID:c9G3qwiU0
――アパート内 深夜 

レポーター(TV)『――はいっ!っな感じでやってきましたが!そろそろお別れのお時間と相成ります!』 

レポーター(TV)『お相手はワタクシっ!ビッグ・ザ・ブド○ことぉっ、ネプチューンキン○の異名を持つ――』 

上条 ピッ 

フレンダ「あーーーっ!見てたのに!」 ピッ 

上条「色々と教育に良くないっ。特にネタバレを堂々と放送する所がな!」 

フレンダ「いやぁ誰だって知ってるネタじゃ……?」 

上条「つーか寝なさい。子供が起きてて良い時間じゃありません」 

フレンダ「えーっ?……あ、上条ってば待ちきれなかった?もうっ!エッチなんだからっ!」 

上条「おやすみー。先寝るけど、見終わったら電気消しといてー」 

フレンダ「全く興味無しかっ!?分かってたけどもう少し引っ張ったっていい訳よねっ!」 

上条「ベッドは使って良いから」 ゴロッ 

フレンダ「え、なに?ネタじゃない訳?マジ寝に入るの?」 

上条「……」 

フレンダ「……?」 

上条「……」 スースー 

フレンダ「ねつ――(寝付きはいい訳よね、うん)」 

フレンダ ピッ(テレビを消す) 

フレンダ カチッ(電気を消す) 

フレンダ「……」 ソーッ 

フレンダ ツンツン 

上条「ダメだ一方通行!浜面は幼女じゃないぞ!?」 

フレンダ(どんな夢っ!?なんか犯罪臭の寝言っ!?) 

上条「……いや、いいさ。お前達に愛があるなら、俺にだってその幻想はぶっ殺せない!」 

フレンダ(まだこの歳で幻想うんちゃら言ってる訳!?てかどういう展開なのっ!?) 

上条「浜面、幸せにな?」 

フレンダ(いっやー、無理じゃないかな?台詞から察するに、第一位が浜面をアッー!しようとしている絵面しか浮かばない訳だし) 

上条「……」 スースー 

フレンダ(本当に、寝てる、訳よね……?) 

フレンダ チュッ 

フレンダ「(……おやすみ)」

398: 名無しさん 2013/06/11(火) 12:12:04.49 ID:c9G3qwiU0
――縁日の夜 

フレンダ「……」 

上条「いやー、混んでるなー」 

フレンダ「……」 

上条「お、かき氷だって。ちょっと食べないか?」 

フレンダ「……」 

上条「どした?食欲無いのか?」 

フレンダ「……いやぁ、そう言うんじゃないけど。人混みは、うん。苦手な訳よ」 

上条「そか。だったら、何か買って静かな所行こうぜ」 

フレンダ「……ん」 

上条「すいませーん。かき氷二つ下さーい」 

浜面「うーす、って大将?」 

上条「おー、しばらくー」 

浜面「いや、こないだの飲み会であったばっかじゃねぇか」 

上条「だっけか?」 

浜面「いや、いーんだけどさ。何にする?」 

上条「イチゴとブルーハワイで」 

女の子「ありがとうございまーす」 

上条「お、偉いなー。親父さんの手伝いか?」 

女の子「うん、お母さんが『見てないとすぐサボるから』って」 

上条「そっか。浜面んとこは嫁さんと娘さんがしっかりしてんのな」 

浜面「……肩身が狭いのなんのって、大将、こいつ貰ってくんねぇかな?」 

女の子「ちょっ、おとーさんっ!?やめてよねっ!」 

上条「だな。年頃の娘さんなんだから、あんま変な冗談は言うもんじゃないって」 

浜面「いや、満更でも無いとは思うんだがな……出来たっと、おまちー」 

上条「二つで600円なー。うい、千円札」 

浜面「あぁ別にいらねぇって」 

上条「んじゃ娘さんにお小遣いだな。お手伝いしてるんだし」 

女の子「いいのっ!?」 

浜面「ダメだって」 

女の子「うるさい浜面」 

浜面「おまっ!?俺の扱い軽すぎじゃねぇかなっ!?」 

上条「んじゃ、またなー」 

女の子「はーいっ、ありがとうございましたーっ」 

浜面「……何だろうな、こう。屈辱感がハンパねえんだけどさ」 

女の子「……あれ?」 

浜面「ん、あぁ?」 

女の子「二つって、当麻さん彼女と一緒なの?」 

浜面「あー……違う、けどまぁ、似たようなもんか」 

女「?」

399: 名無しさん 2013/06/11(火) 12:13:33.06 ID:c9G3qwiU0
――神社裏手の誰も居ない広場 

上条「お待たせー。イチゴとブルーハワイどっちがいい?」 

フレンダ「サバっぽい方!」 

上条「……ブルーハワイって言えよ。何か生臭そうだな」 

フレンダ「浜面、相変わらずバカ面だったわねー。滝壺も元気なの?」 

上条「あぁ、最近じゃパートにも出てるらしい。ちょっと疲れやすいみたいだけど」 

フレンダ「そっかー、って、娘さんも食べちゃった訳?」 

上条「冤罪だっ!つーか友達の娘さんに手を出せるかっ!」 

フレンダ「そう?割と懐いてるような感じだったけど」 

上条「年上に懐くようなもんだろ?俺だって分かってるって」 

フレンダ「……」 

上条「つーかあの歳の子に手ェ出したら犯罪だからね?一方通×って呼ばれちゃうんだよ?」 

フレンダ「……あの、さ?」 

上条「ん?」 

フレンダ「結局、あたしが言うようなこっちゃないと思うんだけど、さ?」 

フレンダ「彼女とか作ったらいいのに、って」 

上条「それは」 

フレンダ「あー、うん。わかってる、つーかスッゴイ感謝はしてる訳よ、うん!」 

フレンダ「あたしなんかに毎年毎年付き合って貰っちゃって、あたしは全然有り難いんだけどさ」 

フレンダ「でも多分――じゃなく、この先には『何もない』じゃない?」 

フレンダ「何をどうしたって、あたしは上条にどうして上げる事も出来ない訳だし」 

フレンダ「だから、どんだけあたし達がアレであっても、誰も、何も得しないって訳」 

上条「……」

402: 名無しさん 2013/06/11(火) 12:14:45.75 ID:c9G3qwiU0
フレンダ「だからホラ?超電磁砲とか、インザクローゼット?とか、居る訳だし?」 

フレンダ「あたしは別に一人でもやってけるから、ね?」 

上条「……なぁ、フレンダ」 

フレンダ「……うん」 

上条「二度と言わないから……いや、何度だって言うから、聞いてくれないか?」 

フレンダ(え、もしかしてこれって――) 

フレンダ(告白っ!?告白よねっ!?この流れだとっ!?) 

上条「お前――バカだろ?」 

フレンダ「……うん、あたしも前からずっと――って台詞違っ!?間違って無い訳っ!?」 

上条「お前、俺が恋人居ないとでも思ってんのか?」 

フレンダ「居るのっ!?聞いてないんだけどっ!?」 

上条「あぁ、とっかえひっかえでな!」 

フレンダ「むぎのーっ!女の敵がここにいるわよーーっ!?」 

上条「いやでも流石に疲れるじゃん?だからお盆だけはお前に付き合ってやってんだよ」 

フレンダ「何その超上から目線はっ!?」 

上条「――でも、まぁ、これは一般論だけど」 

上条「過去を大切にして何が悪い?過去に囚われて生きるのが、そんなに悪い事なのか?」 

フレンダ「それは……良くない訳よ。誰だって生きてるんだから、前へ進まないとね」 

上条「んー、まぁ俺は別にいいやって」 

フレンダ「生きる意思薄っぺらっ!」 

上条「生き方なんてのは色々あるだろうし、俺が好きでやってんだから、別にいいんじゃねえかな、って」 

上条「それよりも俺はさっさと振り切ったり、割り切る方がどうかしてると思うけど?」 

上条「『お前の思いってのはそんなに簡単に忘れられるモンだったの?』って」 

フレンダ「でも、さ?あたしは何もしてやれない訳――」 

上条「でもねぇよ」 

フレンダ「……えっ?」 

上条「生きてれば辛い事の一つや二つ、当然あるに決まってる」 

上条「でも、だからっつって逃げたりはしない、何故なら知ってるから」 

上条「楽しい思い出があれば、幾らだって戦えるんだよ」 

フレンダ「……逃避、じゃないの?」 

上条「そうだよ」 

フレンダ「そうだ、って。上条」

404: 名無しさん 2013/06/11(火) 12:15:59.80 ID:c9G3qwiU0
上条「でも逃避をしてない人間なんて居ないんじゃないか?小さかった頃の思い出、両親と過ごした時間、友達と遊んだ一時」 

上条「しんどい時にはそう言うのを思い出すんじゃないのか?」 

フレンダ「……」 

上条「俺は昔さ、不幸だ不幸だって口癖になってたけど」 

上条「でも、不幸か幸せかを決めるのは誰でもない、自分自身だろ?」 

上条「不幸だって言われても、俺が幸せなら他の連中が口出すような事じゃねぇんだよ」 

フレンダ「……バーカ」 

ヒューーーーーーーーーーゥ、ドォンッ、パチパチパチパチッ 

上条「お、花火始まった。見ようぜ」 

フレンダ「……はぁ、ホンットにバカなんだから」 

上条「バカバカ言うなっ!俺だって気にしてんだからな」 

フレンダ「いっぺん刺されればいい訳よ」 

上条「だからお前っ!?ホスト役に言う言葉じゃねぇしな!」 

フレンダ「あー、あとね?」 

上条「なんだよ。またなんかあんのか?」 

フレンダ「いやあの、あたしってば最近ずっと上条と一緒に居るみたいなのよ」 

上条「……え?」 

フレンダ「あんたがどんだけ寂しい人生送ってるか、ってマルっとお見通しなのよ!」 

上条「……」 

フレンダ「……」 ワクワク 

上条「俺のプライバシーはどこ行ったっ!?」 

フレンダ「違うでしょぉぉぉっ!?そこは『ずっと一緒で嬉しいな』(キリッ)ってする所な訳だしぃっ!?」 

上条「おまわりさーーんっ、ここに悪質なストーカーがっ!」 

フレンダ「何でよおぉっ!こんな永遠の美少女捕まえて言う事はそれ――」 

ヒューーーーーーーーーーゥ、ドドォンッ 

上条「……」 

フレンダ「……」 

上条「……おいで?」 

フレンダ「……んっ」

405: 名無しさん 2013/06/11(火) 12:17:41.60 ID:c9G3qwiU0
――学園都市 安いアパートの前 夕方 

カナカナカナカナカナカナ…… 

上条 カチッ、カチッ…… 

上条 シュッポッ……ジジジジジ……モクモクモク 

上条「……着いた」 

フレンダ「あー、なんかもう終わっちゃう訳ね。もっと遊びたかったなー」 

上条「残る、って訳にはいかないんだよな」 

フレンダ「どうだろ?試した事は無いけど。碌な事にはならないと思う」 

上条「……だよなぁ」 

フレンダ「あー……んじゃ、さ。あんたも来る?」 

上条「俺も?」 

フレンダ「多分、なんだけど連れて行ってあげられそうな感じな訳よ」 

上条「んー、俺はいいよ。まだこっちでしなくちゃいけない事があるし」 

フレンダ「……そか。ごめんね、変な事言っちゃって」 

上条「フレンダがおかしいのはいつのも事だし?」 

フレンダ「だっよねー?あたしがおかしいのは――って、本当に呪い殺すわよ!」 

上条「おっと、俺の『幻想殺し』には通用しないぜ!」 

フレンダ「イタタタタっ!おかーさーんっ、ここにいい歳して中二病の人が居る訳よー」 

上条「ウルセェなっ!さっさと行ってこい!」 

フレンダ「……あーもう。結局最後までシリアスになれない訳よね」 

上条「最後じゃない」 

フレンダ「えっ?」 

上条「また、来年だ」 

フレンダ「……うん。また、お盆に帰って来――」 

フッ 

上条「……」 

上条「……送り火、もう消えちまったな……」 

カナカナカナカナカナカナ…… 

上条「帰った――いや、一緒に居るんだっけか?」 

カナカナ―― 

シーン…… 

上条「……帰ろっか、家へ」 


――『夢幻泡影』 -終- 


434: 名無しさん 2013/06/18(火) 09:53:40.50 ID:53SUkl7P0



――『夢幻泡影 ~泡沫の夢~』 


※「アレ(>>392)は余韻を持たせたんじゃなくて、オチて無いだけ。書き直し」と叱られました 
>>418・>>429・>>432のために。正直蛇足っぽい気もしますけど

435: 名無しさん 2013/06/18(火) 09:55:22.76 ID:53SUkl7P0
――学園都市 安いアパートの前 夕暮れ 

カナカナカナカナカナカナ…… 

上条(っと、そういやタバコ買うの忘れてたっけか) 

上条(フレンダが帰省してた時は、うるさいから止めてたんだけど) 

上条「……」 

上条(一人分のご飯作るのも物足りないし、コンビニで買って来よっと) 

…… 

店員「ありぁっしたー」 

上条(ショートホープとサンドイッチ……食欲無いわなぁ) 

チッカッチッカッ 

上条(信号機……あー間に合わなかったか。不幸だ) 

男「チッ、ついてねぇな」 

上条(隣のオジサンもそう思いますよね?) 

ブルゥゥゥンッ、ブゥゥゥンッ 

上条(お盆最終日だから結構車多いよなー。俺も明日から仕事だけど) 

上条(帰っても一人なんだよなぁ……いや、一応二人なんだっけ?俺には分からないけど) 

上条「……」 

上条(何が、悪かったんだろうな。あの時、『暗部』抗争の時、俺は何もしてやれなかった) 

上条(……麦野さんは今でも充分すぎる程に悔やんでる、って浜面は言ってたけど) 

上条「もしも、あの時。あの場所に俺が居たら――」 

上条「『俺は、やり直したい』」 

『――ずいずいずっころばし、ごっまみそっずいっ』 

上条(コレって確か――!) 

男「例えばの話だ。過去と現在の連続性について」

436: 名無しさん 2013/06/18(火) 09:56:08.05 ID:53SUkl7P0
『ちゃっつぼにおわれてとんぴんしゃんっ、ぬけたぁらどんどこしょっ』 

上条(佐天さんや食蜂さんと一緒に捜した『つちのこ――ウロボロスの蛇』か!) 

男「ド○と一緒にタイムスリップする話が有名だが、果たして過去を変えていいもんかよ?」 

『たっわっらっのねっずっみが、こめくってちゅう』 

上条(確か、その尻尾を踏めば……いや、関われば過去へ飛べる『かも』しれない) 

男「だが、生憎と歴史には『未来から来ました』ってぇ話は滅多にない。何故だか知っているか?」 

『ちゅうちゅうちゅう』 

上条「……どういう意味だよ……?」 

男「未来の改竄に成功すれば、改竄した当人は消えっちまうからだろ」 

『おっとさんがよんでも、おっかさんがよんでも』 

上条「……」 

男「テメェは昨日へ戻って宝クジを買ったとする。それが当たるかどうか以前に、『過去へ戻ったお前は確実に消える』んだ」 

『いきっこぉなぁしぃ――よおぉっ』 

上条「……」 

男「物事には因果律がある。原因があってこそ結果がある。逆に言えば原因がなけりゃ結果はない」 

男「過去を弄るんだから――要は『今のテメェへと繋がる出来事をぶった切る』訳だな」 

男「宝クジを買わせた時点で、『過去の買わなかったお前』が消失し、結果として『現在の買わなかったお前』が消える」 

『いどっのまっわっりでっおっちゃわんかっいったの』 

男「それでも、まだ行くかい?」 

上条「――当然っ!」 

『だぁれっ?』 

ドンッ!!!

437: 名無しさん 2013/06/18(火) 09:57:48.31 ID:53SUkl7P0
――暗い、暗い場所 

ドゥンッ! 

フレンダ「ま、待ってよっ!?あたしは別に裏切ったって訳じゃないし!」 

麦野「……へぇ?こっちのアジトの情報漏らして、五体満足で動いているアンタがねぇ?」 

麦野「ンなわきゃねぇだろクソビ××がよおおおぉぉっ!」 ゴゥンッ! 

フレンダ「んきゃっ!?」 

麦野「それともあれかぁ?アンタが第二位の×××、×えこんで来たってのかよ、あぁっ!?」 

フレンダ「だからっそれは相手の能力なんだってば!」 

麦野「……あぁもう面倒臭ぇ。あのク×ホストぶっ殺すってのに、どうしてフレンダ如き相手にしなきゃいけないのよ」 

フレンダ「ゴトキ、って。どっかで聞いたような話な訳」 

フレンダ(ダメ。麦野がハイになりすぎてる……こうなったら、攻撃してでも動きを止めないとっ!) 

麦野「さっさと滝壺引きずり回さなっきゃいけないんだから、余計な手間取らせんじゃねぇぞっ!」 

グォンッ! 

フレンダ「くぅっ!?」 

フレンダ「ちょ、ちょっと待ってよ麦野!?滝壺はもう、限界って訳だし!」 

麦野「あー、後一回ぐらいは使えんだろ?」 

フレンダ「……仲間を使い潰すのっ!?」 

麦野「アタシもアンタも、ンなヌルい関係じゃないでしょうよ。ただ、群れてた方が都合がいいってだけのチームよね?」 

麦野「つーか、さっさと裏切ったアンタが仲間とか言ってんじゃねぇぞクラァっ!」 

フレンダ(……話が通じない訳。でもどうしたら……) 

フレンダ(あたしが、戦う?麦野と?冗談じゃない、瞬殺されるって訳!) 

フレンダ(ここは一旦引いて、麦野が正気になるか、挽回するチャンスを待つのが一番よね!) 

フレンダ(学園都市から逃げ出すのも……) 

フレンダ「……」 

フレンダ(……でも、そうしたら滝壺はどうなるの?)

439: 名無しさん 2013/06/18(火) 09:59:10.81 ID:53SUkl7P0
フレンダ「……はぁ」 

麦野「お、観念してくれたかぁ?よっしそこ動くなよ、外れたら痛いからね?」 

フレンダ「なーんか貧乏クジ引いたっぽいけど、まぁ――」 

フレンダ「――あたしだってやる時はやる訳よ!」 

麦野「へぇ?」 

フレンダ「……あ、あれ?」 ガサゴソ 

フレンダ「ご、こめんっ。ちょ、ちょっとタイム、ね?」 

フレンダ「……?」 ガサガサ 

フレンダ(あ、そう言えば、武装解除されたんだっけ) 

フレンダ「うそでしょおおおおぉぉぉぉっ!?」 

麦野「よっし、もういいわよね?」 

フレンダ「待って!今奥の手出すからっ!?」 

麦野「おいまだ何にもしてねぇだろ。アンタ、アタシを舐めるのもいい加減に――」 

フレンダ(あ、何かあった。よっし!) 

フレンダ「動くなっ!」 スチャッ 

麦野「……あん?」 

フレンダ「動くとここら辺に仕掛けた爆弾がどっかーんよ!」 

麦野「また古い擬音を。ってかそれ、ただのキーホルダーよね?」 

フレンダ(あ、これこないだの深夜番組手伝って貰ったやつだっけ?絹旗にあげるの忘れてた) 

麦野「つーかなぁ?アンタはアタシの能力を見てきた訳だし、通じるか通じないか分かるわよね?」 

フレンダ「っ!」 

麦野「どーぞどーぞ?出来るならやってみれば?」 

麦野「抵抗らしい抵抗もしてくれないと、弱いものイジメしているみたいで気分悪いのよね」 

フレンダ「お、押すわよ!?本当に!」 

麦野「さっさと押せよハッタリ野郎。つーかここまでひっぱったんだから、むしろ押さないその体にぶち込むわよ」 

フレンダ「……」 

麦野「押せっ!」 

フレンダ カチッ 

上条(キーホルダー)『俺が、その幻想をぶっ殺すっ!!!』 

麦野「……」 

麦野「……ぷっ!」 

麦野「ぶははははははははははははっ!いいわー!最っ高よぉぉフレンダ!」

440: 名無しさん 2013/06/18(火) 10:01:08.32 ID:53SUkl7P0
麦野「ね、もう一回聞かせて?ねぇ?」 

上条(キーホルダー)『俺が、その幻想をぶっ殺すっ!!!』 

麦野「くくっ、つ、ツボに入った……!ってか最後の最後でどんなオチよ!?もっと他に武器はあったでしょ!?」 

フレンダ カチッカチッ 

上条(キーホルダー)『俺が、その幻想をぶっ殺すっ!!!』 

麦野「あんたもそうよ?あー、何か笑ったけど、それ何?アンタの男からのプレゼントか何か?」 

麦野「無様よね、アンタ。超電磁砲相手には結構頑張ったってのに」 

フレンダ カチッ、カチッ 

上条(キーホルダー)『俺が、その幻想をぶっ殺すっ!!!』 

麦野「そうやって来もしない助けを求めるのって――最高にダサいわね?」 

上条「……そうか、なら――俺が、その幻想をぶっ殺すっ!!!」 

麦野「いい加減に――って、今のは」 

上条「こっちだ、よっ!」 ガッ 

麦野「くっ!?」 

フレンダ「上条!?なんで、ここに!」 

上条「やっと、間に合った……!」 

麦野「……そう、時間稼ぎね?また古典的な方法だったわね」 

上条「なぁ麦野さん。これはアンタが言ってた事だ」 

麦野「あぁ?」 

上条「『もしもフレンダが本気で裏切っていたんだったら、どこか遠くへ逃げた筈。私達の近くまで戻って来る訳がない』」 

麦野「」 

フレンダ「そ、そうよっ麦野!あたしは結局、みんなが心配になって戻ってきた訳!」 

麦野「……はっ!そんなのはアタシ達を攻撃するために決まって――」 

上条「言っちゃあ何だが、武装しててもあんたに一蹴されるフレンダが?しかも丸腰なんだぜ?」 

上条「第二位に手も足も出なかった麦野さんを倒すのに、相手がフレンダを懐柔する訳がない」 

麦野「うるさい!アンタに『アイテム』の何が分かるっ!『暗部』すら分からないガキが吠えてんじぇねぇぞ!」 

ドォォォンッ!!! 

上条「……っ!」

441: 名無しさん 2013/06/18(火) 10:04:18.85 ID:53SUkl7P0
フレンダ「麦野っ、そいつは無関係よ!」 

麦野「黙れ!」 

ズゥゥゥンッ! 

麦野(しまった!崩れたアスファルトの破片で視界が見えない!) 

麦野(……いや、『原子崩し』で周囲を覆っていれば攻撃を喰らわないっ) 

麦野「……」 

麦野(次に声を上げた時が最期よ、フレンダ。あとカミ何とか?) 

上条?「俺が、その幻想を――」 

麦野「そこだぁぁぁっ!」 

ドゥンッ! 

麦野「ハッハァッ!ふっれっんっだっちゃーん?アンタの男はぶち殺し――」 

上条「残念、ハズレ」 

麦野「んなっ!?」 

上条(キーホルダー)『おれ、が、おれが、おれが、おれが』 

麦野「フレンダぁぁぁぁぁぁぁっ!?」 

上条「ちったぁ頭を冷やしやがれええええぇぇぇぇっ!!!」 

パキィィンッ……!!!

443: 名無しさん 2013/06/18(火) 10:05:54.27 ID:53SUkl7P0
――数分後 

上条「ナイスフレンダ」 ハイタッチ? 

フレンダ「いえーいっ!」 ハイタッチ! 

上条「これで、約束は守れた、のか?」 

上条(でも俺は消えてない。って事はまだ過去は変えられてない?) 

フレンダ「てかあんた!何でここにいる訳よっ!?」 

上条「あ、ごめん、今ちょっと考え事してるから」 

フレンダ「大事じゃないっ!すっごい大事な話って訳だし!」 

上条「あー……浜面の知り合いみたいな感じ?」 

フレンダ「あのバカ面作戦漏らしやがった訳!?……両手の爪剥がさないと」 

上条「違う違う!お前らが騒いでりゃ目立ちまくりだろうが!だからひぐらすのはヤメテあげてください!」 

フレンダ「ふーん?だからっつって首突っ込んでくるバカも珍しいと思う訳」 

上条「そりゃまぁ色々あるんだよ――で、だ。これからお前は浜面達と合流して、暫く隠れてろ」 

フレンダ「でも第二位に襲撃されるんじゃ?麦野も言ってたけど、内容はそんなに的外れでもない訳だし」 

上条「第二位は一方通行――第一位に負ける」 

フレンダ「第一位も参加してんだっ!?あっちゃー、それじゃ厳しいってモンじゃないわよね」 

上条「垣根の『スクール』もそれで崩壊するだろうし、お前ら『アイテム』がこれ以上外から攻撃される事はない」 

上条「依頼自体は失敗だけど仕方がない。相手が悪すぎる」 

フレンダ「……そうって訳ね。第二位をどうにかしたって、第一位と連戦じゃあね……」 

フレンダ「麦野はどうする訳?ガチガチに縛ったって、結局『原子崩し』を連射されたらどうしようもないし」 

上条「取り敢えず起きるまで俺が看てるよ。女の子一人、こんな所に放置するの訳にもいかないしな」 

フレンダ「『お前のおっぱいは俺のためにあるんだぜ?』」 

上条「するかっ!?100%消されるじゃねぇか!」 

フレンダ「って言う割には麦野の倒れて横になったおっぱいに視線が釘付けだし?」 

上条「言い訳はしない!大好きだっ!」 

フレンダ「開き直りやがった!?」

444: 名無しさん 2013/06/18(火) 10:07:07.01 ID:53SUkl7P0
上条「つーかさっさと行け。麦野さん起きてお前が居たら、また暴走すっから」 

フレンダ「――真面目な話、あんた、麦野に何かしたら許さないからね?」 

上条「うん?」 

フレンダ「麦野は『アイテム』の仲間な訳。どこの誰とも分からない、あんたよりか信頼してるのよ」 

上条「殺されそうになっても?」 

フレンダ「例え死んでも、よ!」 

上条「……そか。フレンダが怖いし、イタズラするのは止めとくよ」 

フレンダ「やっぱりするつもりだったのね!?乳かっ!?そんなにオパーイは正義な訳か!」 

上条「当たり前だっ!!!」 

フレンダ「あ、あれ?どうして逆ギレされてるの?」 

上条「フレンダさんは……あー、今回ご縁は無かったと言う事で」 

フレンダ「待ってよ!仕方が無いじゃないっ、まだ中二なんだし!?」 

上条「またのご来店をお待ちしております」 

フレンダ「あーもう頭に来たっ!折角お礼言おうと思ってたのに、もう知らないし!」 

フレンダ「あんたなんか、あんたなんか麦野に反撃されて死んじゃえ!バーカバーカバーーーッカっ!!!」 

上条「ウルセェっ!一応恩人へ向かって死ねって何だよ!」 

フレンダ「……バカは否定しない訳?」 

上条「心当たりが、うん。しないわけでもないって言うのか」 

フレンダ「……はぁ、あんたと話してると緊張感削がれるわ」 

上条「奇遇だな。俺も全く同じ事考えてた」 

フレンダ「それじゃあたし行くけど、麦野にエロい事したらぶっ殺すからね?」 

上条「剣呑すぎる台詞だと思うが……まぁ、しないよ」 

フレンダ「んじゃ――上条!」 

上条「ん?」 

フレンダ「助けてくれて、ありがとうって訳!」 

上条「……おう」 

……

445: 名無しさん 2013/06/18(火) 10:08:03.15 ID:53SUkl7P0
ジジジッ、ボウ…… 

上条(……右手の先から消えてきてる、って事は) 

上条(良かった……『フレンダが死ぬ過去』は回避出来た、って事か) 

上条(その代わりに『フレンダが死んだ未来』の俺は消えちまう、と) 

上条「……」 

上条(って言う事は、だ。これからフレンダはどうなるんだろうな?) 

上条(順当に考えりゃ浜面が好きになる、んだよな。きっと) 

上条(俺達にはもう接点はないだろうし、それが妥当だろうし) 

上条「……」 

上条(俺がフレンダを独占していた『フレンダが死んだ未来』……) 

上条(アレはアレで悪くない――なんて、考えるのは良くないんだろうけど) 

上条(フレンダが生きていてくれさえすれば、俺は充分だ) 

上条「……本当に?」 

麦野「さぁ?」 

ドゥンッ!!! 

上条「か、は……つ!?」 バタッ 

麦野「アタシに聞かれてもなぁ?おっと動くなよ。致命傷じゃないけど、して欲しいんだったら直ぐにぶち込むし」 

上条「……麦野、さんっ!」 

麦野「心配すんなっつーの。正直に答えればトドメは刺さないから」 

麦野「ただし、嘘だって分かったら全身バラバラになるけどね?」 

上条(右手がないから、『幻想殺し』が使えない……!?) 

麦野「白モヤシと第二位の能力は?」 

上条「一方通行は、ベクトル操作……垣根は、『未元物質』って、白い羽根から……」 

麦野「……随分詳しく知ってるみたいだし、あのバカにそれっぽい事も言ってたわね」 

麦野「浜面みたいに下っ端が持ってる情報としちゃ、逸脱しすぎてるわよね?」 

上条「……」 

麦野「ま、詮索はしないであげる。アンタがどこの誰だろうと、アタシやフレンダを直接どうにかしようってハラはないみたいだし」 

麦野「さっき第一位と第二位がぶつかる、みたいな話をしてたけど、場所は?」 

上条「……ダメだ!」 

麦野 グチャッ 

上条「ぐっ!?」 

麦野「次は内蔵引き出すわよ?どこ?」 

上条「……死んでも、言わねぇよ……!」

446: 名無しさん 2013/06/18(火) 10:08:56.41 ID:53SUkl7P0
麦野「はぁ?ほんっとにアンタ、ワケ分からないわよね」 

麦野「ざっと聞いた感じだとアタシらを引き離したい、って話よね。でもそれで誰が得するか、って話よ」 

麦野「んー?あのバカ助けたって、どっこの組織にも有益じゃないしなー」 

上条「……したからだよ……」 

麦野「あぁ?」 

上条「約束、したからだよっ!!!」 

麦野「ふぅん?」 

上条「友達相手に!『困った時が来たら助ける』って約束したからに決まってんだろうが!」 

麦野「……下らないわね。そんなチャチな約束守ろうとして、アンタは年上の綺麗なおねーさんに、ハラワタ引きずり出されてんのよ?」 

麦野「テメェの命かかってるのに、ンなちっぽけな理由な訳ねぇだろうがよぉぉっ!」 

上条「……麦野、さん。あんたにはどうして分からないんだ!?」 ググッ 

麦野(こいつ、立ち上がろうと……?) 

上条「フレンダは戻ってきたぞ!?あんたに粛正されるかも知れないのに、逃げ出さず!」 

上条「フレンダは倒れたあんたに何もしなかったぞ!自分が殺されそうになったってのにだ!」 

上条「それは、仲間だからだっ!あんたは知らないが、フレンダはあんたの事を仲間だと思っているからだろっ!?」 

上条「世界には友達のために、約束のために命賭けるバカだって居るんだよ!」 

麦野「……」 

上条「今なら、今なら戻れるんだ!あんたはまだ何もぶち壊してな――」 

バタッ 

麦野「……あん?」 

上条「……あ、れ……?」 

麦野「あっちゃー。動脈やってたみたいね、うん」 

上条(これ……死ぬのか?それとも消えるのか?) 

麦野「どうしたもんかしらね。トドメを刺すべきか、バラして持ち運びやすいようにするべきか」 

上条(……どっちにしろ、殺す気マンマン……じゃねーか。つーか、浜面、麦野さんが……こんな性格だなんて、聞いてねぇぞ……) 

麦野「ありがたくって、涙が出そうな説教分はお返ししないとね?」 

フレンダ「待ちなさいよ!」 

麦野「フレンダ?」 

上条「だ、めだ……来る……な」 

フレンダ「――ちを」 

フレンダ「――友達を見捨てる訳にはいかないって訳よ!」 

ジジッ 

上条(……クソ!消え――) 

ザザーーーーーーーーーー……

447: 名無しさん 2013/06/18(火) 10:10:27.73 ID:53SUkl7P0
――現在 路上 

ミーンミーンミーンミーンミーン…… 

浜面「――おーい、何やってんだー?」 

上条「……あ……?」 

浜面「どったん?立ちくらみ?熱中症?」 

上条「浜面っ!?」 

浜面「そうだけど……マジで調子悪いのか?家に連絡すっかい?」 

上条(……『今』の浜面だ。俺も消えてない、って事は――) 

上条(夢?) 

上条「……いや、大丈夫だよ、悪いな」 

浜面「いいって別に。今更どうこういう付き合いじゃねぇだろ」 

上条「そうだっけ?」 

浜面「ヒデぇな!?ロシアで戦った仲じゃない!」 

上条「冗談だって。んじゃまた」 

浜面「おー。あ、そうそう」 

上条「んー?」 

浜面「今晩の夏祭りで露店頼まれたから、暇だったら来てくれよ」 

上条「おー……おぉ?」 

上条(夏祭りって終わった筈じゃ?) 

浜面「んじゃなー」 

上条「あ、あぁ」 

上条 カチャッ 

上条(日付が巻き戻ってる?さっきは夕方だったのに、今は日中だし) 

上条「……いや」 

上条(全部――俺の妄想、なのか?) 

上条(寂しい独身男の妄想、そう考えれば全部辻褄が合う、よな) 

上条「……」 

上条「……帰るか」

448: 名無しさん 2013/06/18(火) 10:12:21.32 ID:53SUkl7P0
――学園都市 安いアパート 自宅前 

上条「カギカギ、って開けたまんまか」 ガチャッ 

上条「まぁ盗まれるようなもんは別に――」 

フレンダ「おーそーいーわーけーっ!どこほっつき歩いてたのよっ!?」 

上条「あぁごめんごめん。何か倒れたみたいでさ」 

フレンダ「そんな事より、どうっ?新しい浴衣っ?しまむ○で買った訳よ!」 

上条「そんな事言うな!大体フレンダは――フレンダっ!?」 

フレンダ「な、なに?どったの?」 

上条「お前俺の妄想じゃなかったのかっ!?」 

フレンダ「バカじゃないの?ねぇバカじゃないの?帰ってきた第一声がそれなの?」 

上条「そんなあなたに『幻想殺し』」 パシッ 

フレンダ「ぐぎゃあぁぁぁぁぁぁぁっ!?」 

フレンダ「――ってならないわよっ!生身だしねっ、つーかあんたいい加減その中二スピリット卒業しなさいよ!」 

上条「え、あれ?どういう事?何でこうなったの?」 

フレンダ「いいから――脱げぇぇぇぇぇっ!」 

上条「何で脱衣!?」 

フレンダ「人が折角お揃いの浴衣用意して待ってたのに、結局コンビニ行ったまま中々帰って来ないし!」 

上条「落ち着けよっ!そもそも夏祭りは夕方からだっ!」 

フレンダ「江戸っ子の血が騒ぐのよっ!」 

上条「嘘吐けっ!1ミリたりとも入ってねぇだろうが!」 

フレンダ「『江戸っ子』って、昨今の擬人化ブームにありそうよね?ほら、『○○っ子』みたいな?」 

上条「謝って!日本人に謝って!」 

フレンダ「残ぁ念!あたしもジャパニーズでした!つーかなった訳だし!」 ピシィッ 

上条「原付の免許証……?『上条フレンダ・セイヴェルン』……?」 

上条「あれ、お前俺の嫁だったっけ?」 

フレンダ「そっからっ!?それ同棲する前まで話戻るんだけど――ってか、ボケはいいから脱げっ!」 ヌガセヌガセ 

上条「待てって!なんか頭がぼうっとしてんだよ!」 

フレンダ「……あ、ここの傷残っちゃった訳ね」 

上条「傷?」 

フレンダ「麦野にハラワタ引きずり出された時の」 

上条「……あぁ、だっけ?つーかあの後どうなったんだっけ?」

449: 名無しさん 2013/06/18(火) 10:14:47.33 ID:53SUkl7P0
フレンダ「あんたのピンチに颯爽と現われるあたし!あたしが居なければあんたは盲腸全部摘出されて死んでた訳よ?」 

上条「盲腸は別に要らないんだけど……」 

上条(……そうか。あれは『フレンダの代わりに俺が死ぬ過去』だったのか) 

フレンダ「でもっ!あたし最強最終奥義で麦野を撃退したのよ!」 

上条「……具体的には?」 

フレンダ「ドゲザ?」 

上条「卑屈だなぁオォィっ!?」 

フレンダ「流石の麦野も『はぁ、馬鹿馬鹿しくてやってられないわ』って敗北宣言よ!」 

上条「負けてるのは俺達だからね?手も足も出なかったからね?」 

フレンダ「つーかさっさと着替えていくわよ、縁日」 

上条「……何でそんなに固執するのか分からない」 

上条(いや、生きてるのは嬉しいけど。なんか、違和感があるよな?)

450: 名無しさん 2013/06/18(火) 10:15:54.82 ID:53SUkl7P0
――神社裏手の誰も居ない広場 

上条「お待たせー。イチゴとブルーハワイどっちがいい?」 

フレンダ「サバっぽい方!」 

上条「……ブルーハワイって言えよ。何か生臭そうだな」 

フレンダ「一年振りよねー」 

上条「だなー……」 

上条(記憶が段々と入れ替わってきてる。去年も来た記憶が、生きてるフレンダと『帰って来た』フレンダの二つ……) 

上条「もしかして、『過去に戻って改竄した伝承が殆どない』ってのは『改竄した本人の記憶も改竄されるから、残りようがない』のか……?」 

フレンダ「何の話?」 

上条「……夢の話、かな?」 

フレンダ「あーーーーっ!そうそう、あたし変な夢を見た訳よ!」 

上条「幽霊になって俺に取り憑いた話?」 

フレンダ「それそれっ――ってなんであんた知ってんのよ?あれ、話したっけ?」 

上条「……いや、俺も似たような夢を見た気がするから」 

フレンダ「へー、ある訳ねーそう言う偶然って。だったら結局もう一つの夢も一緒?」 

上条「もう一つ?」 

フレンダ「逆。今度はあんたがあたしの守護霊?か何かになるって話」 

上条「俺が死ぬんだ?」 

上条(あのまま麦野に放置されてれば、そうなっただろうけど) 

フレンダ「んで、あたしはそれに気にくわないって、過去を変えに行くお話」 

上条「お前もかよっ!?」 

フレンダ「なーんだやっぱり同じ夢見てたんじゃない、ねぇ?」 

上条(え、何?つーか事は俺もフレンダも過去を変えたって話か?) 

フレンダ「や、やっぱりあれかな?結局お互いが好きすぎて、みたいな話な訳よね?」 

上条「いや、それはない」 

フレンダ「一蹴されたっ!?嫁に向かってその態度は何よっ!?」 

上条「俺の方がフレンダを好きに決まってる」 

フレンダ「あ、あれ?何でスイッチ入っちゃった訳?もしかして地雷踏んだの?」 

上条「……良かった、本当に……!」 ギュッ 

フレンダ「あー、もう、なんで今日は泣き虫な訳よ……もうっ」 ナデナデ 

上条「……」 

フレンダ「あの、さ?」 

フレンダ「人には幸せの形って色々ある訳よ。それが幽霊みたいに、ただ相手の事を見つめるしか出来なくっても、幸せって」 

フレンダ「それを否定するつもりはないし、やっぱり死んだ後も付き合ってくれるのは、凄く、すっっっっっっごく嬉しい訳だけど」 

フレンダ「――結局、同じぐらい悲しいのよね」 

上条「……フレンダ?」

452: 名無しさん 2013/06/18(火) 10:17:20.21 ID:53SUkl7P0
フレンダ「確かにあんたは幸せかも知れない。あたしもそれなりに幸せだったと思う――でも、でもね?残された方はどうなの?」 

フレンダ「突然ちゃぶ台ひっくり返されたら、さ?」 

上条「お前、まさか」 

フレンダ「『冗談じゃない!』って思った訳。『あんたの身代わりになって生きろって、どんな罰ゲームよ!』って」 

フレンダ「……ホント、反省しなさいよね?」 

上条「……ごめん」 

フレンダ「次やったら……そうね、別れるのを真剣に検討する方向で調整するのも視野に入れるんだからね?」 

上条「別れる気ねぇなっ!?つーか日本語の使い方が巧みだっ!」 

フレンダ「……バーカ。お互いにどんだけ付き合ったと思ってんのよ」 

上条「えっと俺の方で13年、そっちで?」 

フレンダ「あたしの方は9年、かな?もう、殆ど思い出せなくなってきてる訳」 

上条「ここじゃ何年だろ」 

フレンダ「あたしの原付免許が先月取得、つまり16になって直ぐ取ったみたい?」 

上条「って事は俺まだ学生かよ!?……あー、何か通ってるイメージが?」 

フレンダ「あたしもガッコで『学生結婚しました!』ってカミングアウトして、大騒ぎになった記憶が」 

ヒューーーーーーーーーーゥ、ドォンッ、パチパチパチパチッ 

上条「お、花火始まった。見ようぜ」 

フレンダ「……はぁ、ホンットにバカなんだから」 

上条「バカバカ言うなっ!俺だって気にしてんだからな」 

フレンダ「あれ?」 

上条「なに?」 

フレンダ「どうしてあんた、泣いてる訳?」 

上条「泣いて……?あ、あれ?」 

フレンダ「うっわー、この歳で暗くて怖くて泣くとか子供かっ!」 

上条「そう言うお前だって、ほら」 

フレンダ「んー……ホントだ。あっるぇー?」 

上条「何か大事な話をしてたような……?」 

フレンダ「忘れるぐらいなら大事じゃなくない?」 

上条「まぁ確かに」 

フレンダ「あたし達がここに居る、って事よりも、大事な話なんて無い訳だし」 

上条「だな」 

ヒューーーーーーーーーーゥ、ドドォンッ 

上条「……」 

フレンダ「……」 

上条「……おいで?」 

フレンダ「……んっ」

453: 名無しさん 2013/06/18(火) 10:18:53.41 ID:53SUkl7P0
――安いアパート 自宅にて 

フレンダ「たっだいまーっ!」 

上条「元気だなお前は」 

フレンダ「そりゃ滝壺が元気な所を見れればね?あー、でも浜面とくっついたのは未だに納得いかない訳ー」 

上条「良い奴じゃん。調子に乗りやすくて女癖が悪いぐらいだし」 

フレンダ「あんたもちょっとは自覚しなさいよ?」 

上条「あれあれ?どうして俺が責められているの?」 

フレンダ「全くもうこれだから……って、これコンビニの袋?あ、さっき買い物に行ったっけ?」 

上条「しまった……!サンドイッチ入れっぱなしだった」 

フレンダ「ううん。これ」 

上条「あれこれ……もしかしてあん時のキーホルダーかっ!?」 

フレンダ「懐かしー。捜しても見つからなかった訳」 

上条「でもなんで今頃になってこんなのが出て来たんだ?」 

フレンダ「あ、これあたしのよね?貰っちゃってもいい訳よね」 

上条「壊れているけど、いいの?」 

フレンダ「お守りだしねー?これがなかったら、あたしフレ/ンダされてただろうし」 

上条「いいけど……でもなんで今頃になって?」 

フレンダ「拘るとハゲる訳よ」 

上条「ハゲませんし!フサフサですー」 

フレンダ「いやぁ、うん。あたしは見捨てない訳よ」 

上条「素に戻るのやめてっ!?」 

フレンダ「まぁいいじゃないなんだって。どんな道を通ってきたとしても、結果良ければ」 

上条「またアバウトな」

454: 名無しさん 2013/06/18(火) 10:19:56.98 ID:53SUkl7P0
フレンダ「で、なんだけどね?」 

上条「うん?」 

フレンダ「浴衣、着替えた方が良いかなー、なんて思ったりする訳?」 

上条「いや、着替えればいいんじゃ?」 

フレンダ「そうじゃなくって、ほらっ!金髪美脚少女の浴衣姿って、超レアじゃないかな、って」 

上条「あー……うん。だったら、そのままでお願いします。あと自分で美脚言うな」 

フレンダ「ん、それじゃ」 グッ 

上条「……なんか、照れるな」 

フレンダ「ね?あたしも初めってぽいのよね。服のせいかな?」 

上条「まぁ色々あったし、これからもあるだろうけど、さ」 

フレンダ「……死が二人を分かつまで、的な?」 

上条「いや、多分浮かんで消える泡みたいな、もしかしたら夢かも知れないけど」 

上条「それでも、手の中の重さは」 

フレンダ「首に掛かる吐息は」 

上条「俺達が過ごした日々は」 

フレンダ「あたし達には夢なんかじゃない、訳よね。それは、絶対に」 

上条「例えばそれが泡になって弾けてしまっても、それでも」 

フレンダ「また泡になる所から始めればいい?」 

上条「諦めなければ、きっと」 

フレンダ「飽きなければ、ずっと、ね」 チュッ 


――『夢幻泡影 ~泡沫の夢~』 -終- 


※「バカじゃねぇの?冗談抜きで別スレ立てないと、このスレタイじゃフレンダ好きは見つけられないよ?」と上司(添削屋)に言われましたが、気にしない方向で 
『学園探訪』ベースの話なので、前提知らないと(話として)無責任なんですよね 

――と、言うような事を懇切丁寧にバカ(上司)へ説明した所、 
「あーんじゃ原作も終わったし、リクオ×ゆらだったらいいんじゃね?何か知らないけど、メインヒロインのゆらの出番少なかったし?」 
「繰り返すけどメインヒロインのゆらの尺短かったよね?メインヒロインなのに、おかしいよねっ!」 
お前私の話聞いてねぇだろう、と。あとぬらりひょんの○のヒロインはカナちゃんだったんだよ……いつの間にか鴆兄さんが総取りしたけど

468: 名無しさん 2013/06/25(火) 10:55:06.77 ID:91/mvLFM0


――学園都市七大不思議探訪 最終話 『縁結び』 


469: 名無しさん 2013/06/25(火) 10:56:56.73 ID:91/mvLFM0
――喫茶店 

佐天「かんぱーーーーいっ!」 

上条「乾杯ーっ」 カチャッ 

佐天「いやぁ終わりましたねー、漸く、どうにか、何となくっ!」 

上条「何となく、ってのは……まぁツッコむのも疲れてきたからいいや」 

佐天「スタッフの皆さんにはホンッッットにお疲れ様でしたねー」 

上条「『学園探訪』のスタッフは二人だからね?ぶっちゃけこのテーブルには二名しか居ないからな?」 

佐天「そんな事無いですよねー?、ねー、トモちゃん?」 

上条「誰も居ないからなっ!?虚空に向かって話しかけるのは怖いっ!」 

上条「……つーか佐天さん言おうと思ってたんだけど」 

佐天「はい?なんでしょうか」 

上条「どうしてこないだから俺と視線を合わせようとしないの?」 

佐天「やっだなー自意識過剰じゃないですかねー?あいたたーっ、ですよ」 

上条「うん、だから明らかに今も目線が別の方向いてるんだけど」 

佐天「……」 

上条「……」 

佐天「こ、こないだのアレが未だに恥ずかしすぎてっ!」 

上条「だからその場のノリで行動するの止めなさい。あぁホラまだ腕プルプルするぐらい恥ずかしいんだからっ」 

佐天「でもですね、あの時はああしろってあたしのゴーストが囁いて」 

上条「空耳だよ?学園都市でも電脳化はまだしてないからね?多分研究はしていると思うけど」 

佐天「義体ってなんであんなにエロいんですかね?ってか全員ガト○さんの方が効率良いですし」 

上条「神様の趣味だよっ!あと○トーさんはア・バオ・アク○に居たんだからね?電脳化はしてないよ?」 

佐天「ビームライフ○量産出来てなくて、初期生産型ゲルグ○はキャノン背負ってたってのに、大出力ビームライ○ル()て」 

上条「……ねぇ、佐天さんはガンヲタを敵に回して何がしたいの?出来れば俺もそっちの方なんだけど」 

佐天「まぁ色々ありましたねー」 

上条「え、なんで回想の話になってるの?基本今大塚明○さんの話ししかしてないよね?」 

佐天「上条さんはどのお話が印象に残ってますかー?」 

上条「そうなー……楽で言えば『一人多い』と『メリーさん』かな?」 

佐天「喫茶店でダベってただけですか」 

上条「いや、心労が少なかったって言うのか。つーか『一人多い』に関してはあんなしょーもないオチで良かったのかと。未だに夢に出るし」 

佐天「まぁ基本ノリと勢いで突っ走ってますからなぁ、いぇいっ!」 

上条「直そう?危なっかしいにも程があるから、いい加減改善する方向で検討しようぜ?」 

佐天「直感力って必要じゃないですかね?時としては考えるより、わーって行った方が」 

上条「……世の中にはね、もう絶対に取り返しがつかない事だってあるんだよ?」 

佐天「例えば?」 

上条「そうだなぁ……風評とか?地方ケーブルとはいえ、電波に乗って『俺が酷いヤツ』って何度も何度も流された事とかなっ!」 

佐天「ないすじょーく!」 

上条「笑えないよ?こないだどっからか見た親から、『一度リポーターの娘さん連れてきなさいよ』って電話来たんだからね?」 

470: 名無しさん 2013/06/25(火) 10:57:53.57 ID:91/mvLFM0
佐天「(まぁあたしとしては願ったり叶ったりですけど)」 ボソッ 

店員「ご注文のフルーツタルトとガトーショコラお持ちしましたー」 

上条「あ、ども」 

佐天「『わたしは帰ってきた!』」 

上条「うん、なんでさっきからアナベル・ガト○ネタが続くの?ガトー・ショコラも見越して注文してたの?」 

佐天「デンドロビウ○()」 

上条「いいじゃねぇかっ!あれは男のロマンなんだよおぉっ!」 

佐天「だったらGメ○を無かった事にしなくたって良いと思うんですよね」 

上条「何?今日の主旨はガンダ○ファン凹まそうって企画か?」 

店員「ごゆっくりどうぞー」 チッ 

上条「……頭痛い会話ですいません」 

佐天「まぁまぁいいじゃないですか、ってか普段からこんな感じですよね?」 

上条「そうだけども――って、そういや番組の方はどうなったの?」 

佐天「あ、聞いて下さいよっ!それがですね、『匿名希望のミサカさん』と『ゲコ太らぶりー』さん、あと『鈴木エツァリ』さん以外にも投稿が!」 

上条「マジでっ!?良かったー、一般の人も見てくれてんだな」 

佐天「確か『黒瓜アレイスター』さんだっけかな……?」 

上条「隠せよっ!?もうちょっと頑張ろうぜ色々となっ!俺には誰だか分からないけど!」 

佐天「その他にも結構ご感想を頂きましたけど……まぁ、アレでしてね」 

上条「え、ちょっと凹むような内容だったの?」 

佐天「ちょっと待ってて下さい」 ピッ 

上条「あー、メールの内容ダウンロードしてんのな」 

佐天「『上条×みさきちで撮るべきだと思う』」 

上条「食蜂さんってそんなに人気だったの?」 

佐天「『美琴派だったオレが動く喋る表情がコロコロ変わるフレンダをみて一撃でkoされフレンダ派になった』」 

上条「あー……」 

佐天「……あたしは?あたしって要らない娘ですかね?」 

上条「うん」 

佐天「うんって!?どういう意味ですかっ!?」 

上条「あぁいやごめんっ今は相づちだからなっ!いや佐天さんも頑張ってたよ!つーか佐天さんがいなかったら番組成立しないものっ!」 

佐天「……ですかねー?」

471: 名無しさん 2013/06/25(火) 10:59:32.76 ID:91/mvLFM0
上条「だって始まりは友達を助けるんだろ?だって普通は番組撮ろうだなんて思わないし、なっ?」 

佐天「まぁ……そこら辺はそれなりの打算もあったんですけど、はい」 

上条「あぁほらっ、佐天さんとしてはどの話が印象に残ってる?」 

佐天「そりゃあ勿論全部、って答えた方かいいんでしょうけど、そうですねー……」 

佐天「遊園地っ、遊園地で遊んだの楽しかったです!」 

上条「取材な?確かに遊び回っていた記憶が結構あるけども」 

佐天「いやーまさかあんな結末になるとは……」 

上条「どんな結末?それっぽく言う意味ってあるの?」 

佐天「初春ファンがある時を境にガッツリ減っちゃって」 

上条「初春さんには何一つ責任はないよね?あと多分、君ら、つーか仲良しグループ四人組が仲良すぎるのにも問題あると思うんだよ」 

佐天「薄い本が一杯出そうな予感が――あたし、予知能力覚醒したかもっ!?」 

上条「ごめん。俺も何となくそんな気はしてる。君らに加えて、金髪自称美脚が酷い目に遭う話が大人気だと思うよ」 

佐天「やっぱり『みんな大好き中学生』ってのは真理だった、と」 

上条「例外だよ!?特定の時期、特定の地域に集まる人達が特別なだけだから!」 

佐天「いやでもただ単に自分の欲望に正直なだけかも?」 

上条「否定は出来ない、よなぁ」 

佐天「後は……そうですねぇ、やっぱり『両想いになれる自販機』でしょうか」 

上条「あのダラッダラとした話が?」 

佐天「ヒドっ!?告白したのにっ!」 

上条「ネタじゃねぇか!?あんな勢いで来られたらマジ告白でも断るわっ」 

佐天「ですかねー。よっし反省反省――あぁでもあの回は、鈴木エツァリさんから『神回』と」 

佐天「JKに告白されてるみたいで、と一部で大人気らしいですよ」 

上条「……いやぁ、うん。その人達も何だかんだで、碌な事には使ってない気がするなぁ」 

佐天「アイドルのイメージビデオみたいな感じです?」 

上条「ノーコメントで」 

佐天「そう言えば局の方から『水着で接客するお仕事をすればタレントになれる』ってお誘いが!」 

上条「明らかにヤバい系の話じゃねぇかっ!?絶対真に受けるなよっ!」

472: 名無しさん 2013/06/25(火) 11:01:19.69 ID:91/mvLFM0
佐天「実はレポーターする際、ちょっと『アイドルとしてデビューしてみないくわっ!?』的な展開を期待してたんですが」 

上条「あぁ、アイマ○的な?」 

佐天「現実はそんな感じですよねー、はい」 

上条(いやぁ多分過保護な第三位さんと、凄腕のスーパーハカーさんが何かしてるんじゃないかなー?) 

佐天「でも何か番組を通して色々と勉強出来た、って感じがします」 

上条「ふーん?」 

佐天「あ、その顔は信じてませんね。『またなんか変なボケ挟むんだろー』って顔ですし」 

上条「大体合ってるけどさ。どんなの?」 

佐天「いやもう初春達遊ぶ時間が減っちゃいまして、えぇ」 

上条「俺の期待を裏切ってないよね?」 

佐天「あーいえいえ、多分上条さんの思ってるのとは意味が違うと思います」 

上条「違う、ってどんな風に。友達と遊ぶのに代わりはないよな?」 

佐天「そですねー……子供の時の優先度ってどんな感じでしたか?」 

上条「うん?」 

上条(いや、覚えてないけども) 

佐天「小学生のあたしだと、『お父さん、お母さん、弟、友達、学校』ぐらいの世界だったんですよね」 

佐天「それが中学に上がって『学園都市、初春、御坂さん』って具合に広がりまして」 

上条「白井さんは?」 

佐天「あたしの『世界』はそのぐらいの広さであって、当然一つ一つの比率も高いです」 

上条「あー……つまり、佐天さんにとっては、『友達との時間』ってのは大事だと?」 

佐天「むしろ大事じゃない人が居るのかとっ」 

上条「だよなぁ」 

佐天「あ、すいません……!」 

上条「居るからね?流石に俺でも同性の友達ぐらいはな!」 

佐天「んで、局で編集のお手伝いとかさせて貰ってる時、本物のタレントさん?なんかの仕事を見ました」 

佐天「いやもう、ほんっとに凄かったですよ。あたしと同じぐらいだってのに」 

佐天「多分、色々なものを支払って『その場所』に居るんじゃないかなー、と」 

上条「……確かになー。売れれば売れる程、私生活だって減っていくだろうし。歌やお芝居とかの練習もするんだろうし」 

佐天「まぁ実力だけでのし上がっていく裏では、出来なかった人達で死屍累々かなって」 

上条「華やかな世界だけどね、外から見る分には」 

佐天「ってな事を再実感しただけ、あたしは成長したと思います」 

上条「まぁなー」 

上条(死にそうな目に遭ってまで、こっちの大事な世界に帰ってきたいと思うのは理解出来る――いや、共感出来るし)

473: 名無しさん 2013/06/25(火) 11:03:07.46 ID:91/mvLFM0
佐天「前は、って言ったら矛盾するかもですけど、あたし異能とか超能力に憧れている、って言いましたよね?」 

上条「聞いた聞いた。それの延長で都市伝説とかのオカルトに興味が、って所までは」 

佐天「はい、それの続きです」 

佐天「御坂さんスッゲ!って思ってた時期もありますし、今も尊敬してますよ?勿論、白井さんのような熱すぎる親愛の情ではないですけど」 

上条「白井のアレは……うん、まぁいいや」 

佐天「でも近くに居て一緒に遊んでたりしてるとですね、やっぱり『何かを犠牲』にしてるんですよね」 

上条「能力開発、か」 

佐天「勿論それもありますけど、他にも何かやってるような気がします。ちょい前まで酷かったですけど」 

上条(うっわー。やっぱこの子直感で動いている分、そういう所は勘が鋭いか) 

佐天「まぁ片っっっ端から見つけ次第、首を突っ込むつもりですが!」 グッ 

上条「ヤメテあげような?確実に嫌がるから」 

佐天「でもまぁ結局の所、あたしも御坂さんも、同じ高校生に騙される程度の人間じゃないですか?」 

上条「人聞き悪っ!?つーかそのネタノルマのようにぶち込むの止めてくれるかなっ!?」 

佐天「友達大事だし、力の有る無し関係なくでも突っ込んじゃう、って所も一緒ですし。まぁアレですね、つまり」 

佐天「根っこは一緒なんだな、って」 

上条「そりゃそうだろうな。人はいっぱい居るけど、行動原理自体はそんなに変わりようがないよ」 

佐天「都市伝説も――と言うか神話やら伝承の部分も結構、根っこの部分は似てません?」 

上条「ねっこ?」 

佐天「蝋で出来た翼で空を飛んだり、ケンカで勝ちたいとか、長生きしたいとか。昔っから人類は中二病を罹患していますよね?」 

上条「中二じゃねぇよ!ばっさり切るにも程がある上、当時の人は大真面目だっ!」 

佐天「えぇ、はいそれはその通りだと思います。でもやっぱり、突き詰めていくと同じ所へ行きません?」 

上条「動機がって話か」 

佐天「はいです。自分に無いものを欲しがるのって、誰かに認められたいとか、助けになりたいとか」 

上条「例外もあるだろうけど、昔から人の思いなんて変わらないだろうしな」 

佐天「この間読んだ本、ゲーテの『ファウスト』ってご存じですか?」 

上条「悪魔が出て来てファウスト博士を連れ回す話だっけ?」 

佐天「あれは元々ドイツの民間伝承だったそうですね。『ドクトル・ファウスト』だかって言う」 

上条「そう、なのか?オペラかなんかの創作だとばっかり」 

佐天「んー、歌舞伎とか能でも、伝説から時事の事件を取り上げていますし?洋の東西に関わらず似たようなものじゃないかと」 

佐天「スウィフトの『ガリバー旅行記』も政治的な揶揄や皮肉たっぷりのお話らしいですね」 

上条(きちんと勉強してるんだな。ジャンルは偏っているけど) 

佐天「日本でも……か、かごつるべ?なんかは、当時の事件を取り扱ったものですしねー」 

上条「あぁ村雨の話だっけ?」 

佐天「知ってるんですか?」 

上条「刀身に水が溜まらないぐらいよく斬れる、まるで籠で釣瓶を掬っているみたいだ、とか」 

佐天「へー」 

上条「建宮――知り合いから吉原100人斬りの怪談を聞かされたんだよ」

474: 名無しさん 2013/06/25(火) 11:04:54.89 ID:91/mvLFM0
佐天「まぁその事件も突き詰めれば片思いですしね?『ファウスト』でも博士は若返って女の子を口説いたりします」 

上条「……そう考えると小説や映画も恋愛要素は鉄板だしなぁ」 

佐天「むしろ今じゃ、選ばれなかった子が他の子とくっつくだけで猛抗議を受ける時代です」 

上条「うん、それは一部だからね?例外を全体の例として挙げるのは不適切だと思うんだ」 

佐天「え、白井さんのバスケが大変な事に、って話を聞きましたけど?」 

上条「黒子違いだ!脅迫はまごう事なき犯罪だしね!」 

佐天「それは――タダの絵だっ!」 

上条「やめよう?存在意義の全否定になるから、うん」 

佐天「何の話でしたっけ?……あ、最後の最後でヒナ○ちゃんがヒロイン昇格したって」 

上条「ネ○にぃさああぁぁぁぁぁんっ!?あそこはサス○ェ君の出番じゃないのっ!?」 

佐天「ってか第七班にサク○シュトラッセときどきエロ春野お天気雨ビッ×ちゃんじゃなく、ヒ○タちゃんが配属されれば分裂しませんでしたよね?」 

上条「君がサ○ラちゃん嫌いなのは分かったけど、許してあげよう?海外のファンサイト覗いたら、未だにwo×とかビッ×って書き込みで溢れていたけど」 

佐天「ごめんなさい、あたしその人知らないです」 

上条「うん……まぁ確かにあの子はナル○に斬りつけた後、同じ言葉の刃物でサ○ケ君もザクザクいってたからね」 

佐天「っていうか、皆さん誤解しているんですけど。最初にナ○ト君がぶち切れたのって、○ナタちゃんがネ○にいさんにボコられた時なんですよねー」 

佐天「つまりメインヒロインはヒナ○ちゃんだったんですよ!」 

上条「少年時代のナ○トには、イル○先生ぐらいしか理解者は居なかったし。あそこで優しい言葉の一つでもかけてあげてたのか、分かれ道っていうか」 

佐天「でもなんだかんだでオビ○さんは片思いだけど、それなりに優しくしてくれた女の子も居ましたし?全周囲敵ばかりの○ルト君に比べたらまだまだヌルゲーかと」 

上条「うん、そろそろ収拾がつかなくなるから話戻そう?」 

佐天「じゃリク○君のカップリングについて」 

上条「もっと荒れるよっ!?てか原作ではつら○が下克上かましたじゃないっ」 

佐天「んー、あたし的にはリ○オ×馬頭○ですよねっ」 

上条「ウルセェよっ!そういう需要が一定数あるのは認めるけどもっ!」 

上条「あと言わせて貰えるならヒロイン下克上の件に関しては、夜○さんをぶっちぎった肉々しい星○さんは言っちゃダメだからな?」 

佐天「何の話でしたっけ……そうですそうです!」 

上条「よかったー、分かってくれたかっ」 

佐天「デビルサバイバー○の主人公がダイ○・ヤマ○・憂う○の四角関係のド修羅場に!」 

上条「俺のオト○さんはぁぁぁぁっ!?フ○さんとアイ○もリタイアしちゃってるし!」 

佐天「――と言う訳で、人間の行動原理って変わってないぜ、って話なんですが」 

上条「あ、あれ?こっから立て直すの?パワープレイもいい加減にしないと」 

佐天「でも結局、そういったしょーもない、もしくは夢物語から人は進んでいくもんだな、って思いますよ」 

佐天「ライト兄弟が『夢のつば○』に憧れて空を飛んだように」 キリッ 

上条「時系列が狂ってるよね?なんで日本製のギャルゲーに憧れて空飛ぼうとしてんの?兄弟で変態こじらせてるから」 

佐天「オカルトだって『何が出来るか』んじゃなくって、『何がしたいか』がスタートですし、そこを辿っていけば結構ありがちな動機だったり」 

上条「まぁ、人間の精神性はそんなに変わらないしな。だから数百年前の古典文学でも、現代語訳して共感とかされてんだし」 

佐天「オカルトだから、科学では解明出来ないからってさじを投げるより、あたしは『じゃ、なんでそれが出来たんだろ?』ってしたいかなー、なんて」 

佐天「噂が出来たとして、出来るだけの訳や理由があるかも知れませんし?」 

上条「民俗学とか、文化人類学?の方面かな?」 

佐天「まぁ取り敢えずは日々の勉強と初春を愛でるのに集中したいかとぉっ!」

475: 名無しさん 2013/06/25(火) 11:06:36.50 ID:91/mvLFM0
上条「そろそろ初春さんは解放してあげても良いと思うんだけど……まぁ、目標が見つかったんなら何よりだ」 

佐天「漠然と過ごすよりかは、まだいいかなーと」 

上条「友達と過ごす時間も大切だと思うけどな」 

佐天「ですねー、はい」 

佐天「あー、そうだ上条さん、ちょっといいですかね?」 

上条「ん、何?」 

佐天「あたしと結婚を前提にお付き合いしてくれませんか?」 

上条「あぁうん、いいよ」 

佐天「じゃ取り敢えず、次の長いお休みに実家の両親へ挨拶に来て貰う方向で」 

上条「丁度良かった。俺も佐天さんのご両親には言いたい事か山ほどあるっ!主に子供の教育方針でな!」 

佐天「えっと……?」 

上条「うん……?」 

佐天「……いいんですか?あたしはフツーですけど?」 

上条「嘘吐くなっ!?悪い意味でアクティブ過ぎる面白人材がそこら辺に落ちてる訳ねぇだろっ!?」 

佐天「イヤイヤイヤイヤっ!ここは『嫌です!』って断る流れじゃないですかっ!っていうか『イヤ』と『嫌』って被っているよって言いますか!」 

上条「落ち着け?」 

佐天「でも他にも居ますしっ!?イギリスとロシアに現地妻がっ!」 

上条「いな――いよっ!」 

佐天「今ちょっと『あれ?どうだったっけ?』みたいな顔しませんでした?」 

上条「日本にも本妻は居ないし!……いや、あのマジ話な?」 

佐天「かかってこぉいっ!」 

上条「告白の返事待ちでそのリアクションもどうかと思うけど……まぁ、その、三ヶ月ちょい付き合ってだな、妙にしっくり来るって言うか」 

佐天「あー、ありますあります。打てば響くって言うのか」 

上条「こうやってダベってても、ダラダラしてて楽しいって言うのかな」 

佐天「でもっ!」 

上条「佐天さんが前言ってくれたように、別に人が人を好きになる理由は、そんなに要らないって」 

上条「今なら、俺もそう思うよ」 

佐天「……はい」 

上条「だからその、結婚を前提とかってのはまだ早いと思うけど、俺は佐天さんと付き合いたい」 

上条「一緒に遊んだり、思い出を作ったりしていきたい――好きな子と、一緒に」 

佐天「はいっ!」 

上条「……まぁ?正直『目を離したらこの子大丈夫?』的な思惑がない訳でもない」 

佐天「よっしゃっ!」 

上条「リアクション違っ!?そこは抗議する所じゃないのっ!?」

476: 名無しさん 2013/06/25(火) 11:08:13.72 ID:91/mvLFM0
佐天「いいじゃないですかー、勝ったもん勝ちですし?」 

佐天「ま、それはさておきですねっ。実は問題がありまして」 

上条「早速?つーか出来ればもっと早く言って欲しかった……」 

佐天「まぁ、そこはそれ大人の事情的なものがありますが――『学園探訪』の続編っ、決定しましたーーーーーーーーっ!いえーーーーーーいっ!」 

上条「おめ、でとう?」 

佐天「思ったよりもリアクション悪いっ!?もっと喜ぶ場面ですし!」 

上条「いや、あの地獄のスケジュールと突っ込みすぎて喉を枯らす日が帰ってくるかと思うと……」 

佐天「でも楽しかったですよね?ねっ?」 

上条「あぁまぁ否定はしないよ」 

佐天「エロ可愛い彼女もゲット出来ましたし?」 

上条「いや可愛くはあるんだけど、エロは全然?」 

佐天「まー、それは追々。時間はたっぷりあります、よね?」 

上条「まぁそうだけども。でも問題ってそれだけ?」 

佐天「いえいえ今の話に繋がるんですが、よっと」 ガサゴソ 

佐天「はいっ」 

看板『ドッキリ大成功!!!』 

上条「……看板?立て札?これがなに?」 

佐天「シムラうしろ、うしろー」 

上条「はい?」 クルッ 

カメラマン ジジーッ 

上条「」 

佐天「って訳で夏から始まる新番組っ、『新・学園都市七大不思議探訪』の番宣は以上でーすっ!」 

上条「またっ!?またこっそり中継しやがってたのかっ!?」 

佐天「おおっと!テレビの前のみんな、ボクは大切な事を忘れていたぜっ!君に届ける合言葉っ!」 

上条「何っ!?じゃ今の告白とかアナベル・ガ○―さんの話とか学園内に中継されてんのっ!?完全に公開処刑じゃねぇかっ!?」 

佐天「辛い時っ!悲しい時っ!困った時にはこの言葉っ!大声で叫んでみようぜ何となくっ!」 

上条「待てよ!?流していい話じゃねぇからなっ!絶対にこれは誰も得しないってば!」 

佐天「すっきりすれば儲けもんだしっ、しなくったってボクは知らないけれど!それでも言うさっ君に届くまで!」 

上条「おぉいっ!佐天さん実はさっきから耳真っ赤だよねっ!?実はテンパってて自分がなにしてるか分かってないだけじゃないのっ!?」 

佐天「うーーーーーーいーーーーーーーっはるーーーーーーっ!愛してるぞおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぅいっ!!!」 プツンッ 


――学園都市七大不思議探訪 最終話 『縁結び』 -終- 

――佐天「佐天さんの学園都市七大不思議探訪っ!はっじっまっるっよーーー!」 -完-

477: 名無しさん 2013/06/25(火) 11:09:27.57 ID:91/mvLFM0
※最後までお付き合い下さいまして、心からお礼申し上げます 
総量は本編80851語、それ以外は86333語、トータルで167184語(400字詰め原稿用紙で約417枚) 
軽い気持ち(「短編連作なら簡単だよね?」的な)で書き始めましたが、まぁ終わってみれば結構な量でした 
しかし怖さの欠片も無いグッダグダのSSになってしまいました。超ハイテンション且つボケ倒すリポーターの人選を誤った感が今更ながらに、えぇ 
……加えてフレンダ編、読み返してみれば浮いてますねー……本当にちゃんと設定揃えて別スレ立てた方が良かったです。上司がボツにした判断は正解でした 

ちなみに佐天さんと上条さんの戦い(ロケ風コント)は終りではなく、>>1は↓の企画へお二人の短編新作で参加したいと思っております 

■ コミケにSS速報で何か作って出してみない? 2 
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1368282039/ 
(10月のサンシャインクリエイション61に出展される予定なので、行かれる方は是非お買い求め頂ければ幸いです) 

更に余談ですが、このスレのお客様の中に「フレンダ好きすぎて生きるのが辛い」方いらっしゃいましたら、>>1は『上条×アイテム』で長編書いてますので、宜しければそちらもご覧下さいませ(宣伝) 
「もしも『アイテム』に浜面さんじゃなく、上条さんが入ってたらフレンダ死ななくね?」と言うIFで続いていくハーレムSSです 

上条「今日からアイテムの一員になった上条です!」 
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1364862586/ 

ともあれ最後まで書き上げる事が出来たのも、応援して下さった方のお陰です。本当に有り難う御座いました 

では、またいつか

510: 名無しさん 2013/07/04(木) 06:38:13.81 ID:9fGwA9mv0


――どこにでもあるようなありふれた朝の風景、そんな話 


511: 名無しさん 2013/07/04(木) 06:40:39.93 ID:9fGwA9mv0
――自宅 6時 寝室 

ピピピッ、ピピピッ、ピピピッ…… 

沈麻「……」 ムクッ、カチッ 

沈麻「……うん?」 バサッ 

妃后「……ぐーすかぴー」 

沈麻「タヌキ寝入り止めなさい。って言うか口でそれを言ったヤツを俺は知らない」 

妃后「……りこうかあさん?」 

沈麻「あー……言うな、うん」 

妃后「ごはんできたら起こして……」 モゾモゾ 

沈麻「いや、お前も手伝えよ。つーか人のベッドで二度寝すんな潜り込むくんかくんか止めなさい」 

妃后「……低血圧、うん」 

沈麻「だっけ?お前の場合、人の能力受信してるだけじゃなかったっけ……まぁいいか」

512: 名無しさん 2013/07/04(木) 06:42:44.00 ID:9fGwA9mv0
――キッチン 

沈麻「おはよー」 

絶愛「超おはようです、沈麻」 

沈麻「お前また呼び捨てで」 

絶愛「超いいじゃないですか。今更兄妹って呼んだらどんなプレイかと思われますね」 

沈麻「いいけどなー。当利姉さんは?」 

絶愛「昨日遅くまでフレイアと何か超話してましたよ?週末がどうの、って」 

沈麻「嫌な予感しかしねぇなぁっ!あの二人の組み合わせってヤバいだろ」 

絶愛「まぁ能力関係で色々とあるんでしょうねー。危なくなったら超守ってあげますってば」 

沈麻「……見返りは?」 

絶愛「そうですねー……あぁ新しい映画が封切りになるので、超付き合ってくれれば」 

沈麻「またB級映画?」 

絶愛「『バイオハザー○Ⅹ ~アリスvs巨乳ドラゴ○~』」 

沈麻「世界的にも有名なゾンビ映画と、日本ですら三家○先生のファンしか知らないVシネ未満がコラボするのかっ!?」 

絶愛「ジョボヴィッ○と蒼井そ○が殴り合うシーンは超圧巻かと」 

沈麻「うっわそれすっげー見たい……か?つーかどう考えても洋物パロAVになる予感がする」 

沈麻「B級つっても限度があるよね?普通見ないよね?」 

絶愛「最愛お母さんに超似たんでしょうかね。ってな訳で週末超宜しくです」 

沈麻「あー、はいはい。んじゃフレイア起こしてきてくれ」 

絶愛「超りょーかいです」

513: 名無しさん 2013/07/04(木) 06:44:48.32 ID:9fGwA9mv0
――当利の部屋 

当利「……」 

沈麻「おっはよー姉さん。起き――」 ガバッ 

当利 ギュッ 

沈麻「……」 

当利「……」 

沈麻「……なに?」 

当利「……つまんないわねー」 

沈麻「実の姉に抱きつかれてもなぁ」 

当利「フレイアだったら肋骨何本か持っていくところだけど」 

沈利「許してあげてっ!?」 

当利「ん……」 

沈麻「沈利母さんの真似すんなっ!」 

当利「あれは父さんが悪いわよねー、うん」 

沈麻「親父は絞め殺したいと思う時があるけど」 

当利「まぁまぁ姉妹フェチにはたまらないでしょ?」 

沈麻「俺にそんな属性はないわっ!」

514: 名無しさん 2013/07/04(木) 06:47:00.12 ID:9fGwA9mv0
――リビング 

妃后「おっはー、とうりー」 

絶愛「ですです」 

フレイア「……」 

当利「おはよう。ってなんでレア、朝から魂抜けてんのよ?」 

絶愛「起き抜けに沈麻と勘違いして超抱きつきやがって来たので、超腹パンを」 

当利「じゃ、仕方がないわよね」 

沈麻「うーし、んじゃ全員揃った所で」 

フレイア「待ってよ!?あたしスルーって大体おかしくないっ!?」 

沈麻「いただきます」 

当利・絶愛・妃后「いただきます」 

フレイア「沈麻までスルーっ!?」 

沈麻「早く食え。俺も待ち合わせがあんだっつーの」 

絶愛「余所に女を超囲うだなんてっ」 

妃后「わたし達だけじゃ、たりない?」 ヌギヌギ 

沈麻「囲ってない足りなくない必要性すらない、つーかメシ時に脱ぎ出すな妃后。御坂先生と通行止めだよ」 

当利「あのア×××ども、懲りずにちょっかいかけてんのかよ」 バチバチッ 

沈麻「暴走させんな!?友達とその叔母だろっ!」 

フレイア「いやでも結局アレじゃないの?超電磁砲の方はちょっと怖い訳」 

絶愛「まぁ親の因果が子に、と言う超パターンですがね」 

妃后「もう一枠、あったって良かったのに」 

沈麻「いやぁ流石に親父そこまで人でなしじゃないと思うけど?」 

当利「ダメよ、沈麻。義父さんの悪口言っちゃ」 

沈麻「今なんかおかしな表現無かったか?あと別に俺達が結婚しても、親父は親父だし、そもそも結婚出来ないからね?」 

絶愛「そこはそれ『アイテム』の超介入でなんとかしそうな気がしますし?」 

沈麻「俺も流石にお前らの面倒を一生見る気は無ぇよ!」 

妃后「……でも、なんだかんだで助けに来てくれる」 

フレイア「沈麻はツンデレって訳よねー」 

当利「っていうか父さんの場合、母さん達にハメられて逃げ場を失ったのが正解よね」 

絶愛「歴史は超繰り返しますかねー、はい」 

沈麻「違うっての!あぁもういいからさっさと食え!」 

当利・絶愛・フレイア・妃后「はーい」 


――どこにでもあるようなありふれた朝の風景、そんな話 -終- 


520: 名無しさん 2013/07/04(木) 13:06:12.33 ID:9fGwA9mv0


――とある魔術の禁書目録SS 幻想魔笛 『帰らず村』(予告編) 


※こっそり告知をしてみたり 
>>519、上から○・ぜつあい・○・○・○・○……多分使う事はないでしょうが

521: 名無しさん 2013/07/04(木) 13:07:37.88 ID:9fGwA9mv0
――学園都市『外』の某駅のホーム 

アナウンス『4番線に列車が入りまぁす。お客様は白線の内側にまでお下がりくだぁさい』 

上条「……」 

五和「うっわー人多いですねー。あ、見て下さい上条さん、ゴスロリ着てる人が」 

上条「学園都市のメイド中学を見慣れてると有り難みが……いやいやっ、そう言う事じゃなくってだ」 

上条「つーか俺はどうして巻き込まれているの?ナチュラルに関係無いよね?」 

五和「それがですねぇ。学園都市の生徒さんが“外”で失踪したらしくって、我々はその調査に行くんですから!」 

上条「気合い入りすぎ……ってか、学園都市の話なのにどうして五和、つーか天草式の出番になるんだ?」 

五和「あるぇ?説明しませんでしたっけ?」 

上条「朝一で襲撃された上、事情も聞かされずに荷物ごと連行されたからなっ!」 

五和「はい、インデックスさんもこちらでお預かりしてますし」 

上条「いやまぁ学園都市側の都合に付き合わせないのは理解出来るけど、何で俺!?俺も学生だよなぁっ!?」 

五和「今回の失踪事件、どうやらオカルトが関わっている可能性がありまして」 

五和「学園側が学外で動くのは……憶測だけでは問題があるそうで。ですからオカルトにはオカルトのプロである私達の出番です!」 

上条「下請けの下請けなんだろ?つーか駅のホームでオカルト連呼するのはどうかと思う」 

五和「仕方が無いじゃないですか!イギリス清教の方々が日本で隠密行動なんて出来ないでしょうっ!?」 

上条「シスター服の集団がウロウロと。そう言う映画あったよね」 

五和「とにかくっ!そんな訳で付き合って下さいお願いしますっ!」 

上条「やめろって!ホームで付き合うとか言うなっ!」 

五和「え、ダメなんですか?」 

上条「待てよっ!?周りの皆さんが『あのウニ頭、あんな可愛い子をフりやがって何様?』的な目で見てるからねっ!?」 

上条「違うから!そーゆー話じゃないでしょおっ!」 

五和「一生面倒見ます!」 

上条「そーゆー話になってた!?あれ、おかしいのは俺の方なのかな?」

522: 名無しさん 2013/07/04(木) 13:09:16.26 ID:9fGwA9mv0
五和「話が失踪ですからねぇ。意外とどこかで遊び回っている可能性もありますし、勘違いでしたー、で済む話ならそれに越した事はありませんけど」 

上条「まぁ、分かったよ。俺も付き合う――けど、オカルトってどんな話?三沢塾みたいなカルトじゃないんだよな?」 

五和「あ、それは電車の中でお話しします」 

上条「あぁ――っと?」 ピピッ 

五和「メールですか?あぁインデックスさんから」 

上条「いや、インデックスは使えない。一応携帯も持たせてんだけどなぁ」 ピッ 

上条「……スパムみたい。何か変な質問か書かれている」 

五和「質問ですか?こういうのって『貴方は100人に一人の幸運を手にしました!』って感じじゃ?」 

上条「えっとなー……『母狼、兄狼、弟狼がいます。ある時、兄弟狼は川に流されてしまいました』」 

五和「のっけからヘビーな展開ですね」 

上条「『母狼はどちらを助けるでしょうか?』だって」 

五和「スパムというよりは心理学テストっぽいですかね。私だったらどっちも、って答えますけど、それは多分ハズレかもです」 

上条「心情的に考えれば弟の方なんだろうけど、だったら俺は兄狼の方かな?」 

ジジッ 

円周「うん、うんっ。科学的な見解からすれば正しい結論だよね、当麻お兄ちゃん」 

円周「例えば兄狼は泳げたとしたって、助かる確率が高い方を選ぶのは当然なんだよ」 

上条「……はい?」 

円周「どうしたの当麻お兄ちゃん?……あ、エッチなのは後で、ね?」 

上条「思ってもねぇよっ!?つーか小学生相手にどうこうする趣味はねぇしな!そうじゃなくって、今五和と話を――」 

円周「逸話?だぁれ?」 

上条「え、いやだって俺と話してたのは」 

円周「失踪した学園生を探しに行く、って説明したよね?」 

上条「した、けど。それは」 

円周「うん、なーに?」 

上条「……いや、なんでもない」

523: 名無しさん 2013/07/04(木) 13:12:09.07 ID:9fGwA9mv0
円周「これは独り言だけど、世界には色々な選択肢があるんだよっ」 

円周「当麻お兄ちゃんがシスターさんを拾わなかったセカイ、第一位に負けたセカイとかね?」 

円周「そういった『様々なセカイがごちゃ混ぜになって世界を構成している』んだ」 

上条「明らかに俺に話しかけてると思うけど……それが?」 

円周「能力開発でも教わったよね――自分だけの現実(パーソナルリアリティ)」 

上条「俺には出来なかったけどな」 

円周「超能力者が力を発現するためには、『重なり合っている現実を認識し、そこから自分だけの現実を構築する』」 

円周「つまり、学生都市の能力者は様々なセカイから、『自分に都合の良いセカイ』を引き寄せてるんだね、ふっしぎーっ!」 

上条「……良く分からないんだが」 

円周「そうだねぇ――あ、お兄ちゃん。やっぱり正義ヒーロー側としては、弟狼を選ぶのがベターだと思うよ。好感度的にも」 

上条「そんなもんは考慮してねぇ!……いや、まぁ確かに弟の方を助けたくなるけどさ」 

ジジジッ 

五和「やっぱり若い方が好みなんですかっ!?」 

上条「やっぱりって言うなよ!俺は別に年下好きをこじらせて、る訳じゃ……」 

五和「で、ですよねっ。年上系姉さん女房が至高だと思います!」 

上条(俺は今、誰と喋ってたんだっけ……?) 

上条「……あのさぁ五和さん?」 

五和「どうしました、改まって」 

上条「えっと、なんで学園都市を離れているのか、って話はしたよね?」 

五和「はい、させて頂きました」 

上条「狼の家族の話は……どっちを選んだんだ?」 

五和「私が『どっちも助けられたいいのに』って言ったら、上条さんが『兄の方を……いや弟の方を助けたくなるよな』って」 

上条(『自分だけの現実』の話が無くなってる……?) 

上条「……あっれー……?」 

五和「無理矢理連れ出しといて言うのも何なんですけど、体調良くないんでしたら、戻りましょうか?」 

上条「いや、大丈夫。何も問題はないよ」 

アナウンス『3番線に列車が入りまぁす。お客様は白線の内側にまでお下がりくだぁさい』 

五和「って来ましたねー。じゃあ行きましょうかっ」 

上条「……テンション上げられてもなー」 



――とある魔術の禁書目録SS 幻想魔笛 『帰らず村』(予告編)-終- 


※ちなみに最初の構想では上条さん×ねーちん・美琴さんのダブルヒロインのつもりでしたが、上司の要望により五和さん・円周さんへと変更致しました