1:2012/11/13(火) 13:44:06 ID:
ルルーシュ「正攻法でいこう」C.C.「?」


の続きになります。

よろしければ、長いですが前から読んで下さい。



2: :2012/11/13(火) 13:47:20 ID:
~地下通路 防衛地点~

兵士「隊長、未確認機がこちらに向かってきています!」

兵士「走力が、サザーランドと比較にならないレベルです!」

兵士長「狼狽えるな」

兵士長「どんな機体を持ってきても、この兵器にかなうはずがない」

兵士長「発射準備だ!」

兵士「は、はい!」

兵士長「ブリタニアの奴らめ、目にもの見せてくれる!」

4: :2012/11/13(火) 14:03:41 ID:
兵士長「超電磁式榴散弾重砲、発射!」

兵士「発射!」

どおぉぉぉおん!!

スザク「あれはっ!?」

スザク「くっ!!」

セシル「早くブレイズルミナスで防御を!」

ロイド「いや、この距離なら回避に回った方がいい」

ロイド「ランスロットの機動力なら可能だ」

スザク「分かりました!」ギャルルルル


兵士長「ちいっ、躱したか!」

兵士長「直ぐに次弾を装填しろ!」


ラクシャータ「どうするぅ?」

ラクシャータ「あんな狭い所でぶっぱなされちゃ、近寄れないじゃなぁい?」

5: :2012/11/13(火) 14:05:27 ID:
スザク「…ヴァリスを使います」

セシル「で、でも、そこじゃ…」


スザク「爆風は覚悟の上です」

ロイド「君に、同じ国の人間が殺せるのかい?」

ロイド「あの兵器を破壊すれば、使ってる人間はただじゃ済まないと思うけど?」

スザク「装甲もありますし、被害を抑えるためにあの兵器の基部を狙います!」

ラクシャータ「なかなか無茶するのねぇ」

ロイド「ま、ランスロットのデヴァイサーはそのくらいじゃないとね~」

スザク「撃たれる前に、行きます!!」ガシャン

6
:2012/11/13(火) 14:14:54 ID:
ラクシャータ「あ、ちょおっと待って」

スザク「早くしないと、次が来ます!」

ラクシャータ「あ、ヴァリスの収束モード使いなさいよぉ」

スザク「収束モード?」

ラクシャータ「ハドロンのついでに作ってみたのよぉ」

ラクシャータ「エネルギー消費を抑えるものだけど」

ラクシャータ「今なら使えるでしょぉ?」

スザク「…分かりました、使ってみます!」

ロイド「…ラクシャータ?僕何も聞いてないんだけど」

ラクシャータ「あーら、言い忘れちゃったぃ」テヘペロ

ロイド「ぐぬぬ」

セシル「だれかこの二人に緊張感を!!」

ロイド「セシルくん、作戦中に叫ぶなんて、よくないよ~?」

ラクシャータ「もう少し真面目に仕事するんだねぇ」

セシル「ああっ、もうっ!!」

7:2012/11/13(火) 14:23:06 ID:
スザク「対象ロック」

スザク「収束ヴァリス、発射!」ビュウゥゥン


兵士「た、隊長!敵ナイトメアがこちらに攻撃を!」

兵士長「ええい、装填はまだか!?」

兵士「向こうの攻撃の弾速が速過ぎます!間に合いません!」

兵士長「く、くそおぉおおっ!!」

どかあぁぁあん

スザク「当たったか!?」キュウン

セシル「周辺サーチには、動く敵影はないわ!」

スザク「このまま制圧します!」ギャルルル

8:2012/11/13(火) 14:29:27 ID:
ロイド「しかし、いつの間に収束なんて…」

ラクシャータ「出力制御の賜物だねぇ」

ロイド「エネルギー問題は、僕も研究中なのにぃ」

ラクシャータ「はいはい、ハドロンの制御は一緒にやろうねぇ」

ロイド「抜け駆けは今後無しだよね?」

ラクシャータ「もともと、制御系はあたしの方が得意なんだから、少しくらいいいでしょお?」

ロイド「嫌だ!」

ラクシャータ「…あー、分かったよぉ…」

ロイド「…それならいいけどさ~」

セシル(新しい職探そうかしら…)

9:2012/11/13(火) 14:33:43 ID:
スザク「敵ナイトメアの無力化、終わりました」

スザク「このまま基底部を破壊します」

セシル「あっ、りょ、了解」

セシル「崩落に巻き込まれないように注意してね」

スザク「分かっています」

スザク「敵の拘束は済んでいますから、入口まで戻ります」


ギルフォード「今、特派から連絡が入りました」

ギルフォード「どうやら、地下通路の制圧が完了したようです」

コーネリア「ふむ、あのイレブン、なかなかやるな…」

コーネリア「まあ、達成したのならそれでよい」

コーネリア「早く次に進むぞ」

ギルフォード「はっ!!」

10:2012/11/13(火) 14:47:33 ID:
~元解放戦線拠点~

ゼロ「扇、用意は済んだか?」

扇「ああ、人質の方も大丈夫だ」

ゼロ「ふむ、ご苦労」

ゼロ「それでは、ここから脱出する!」バッ

ゼロ「そして、我々の存在を全世界に知らしめるのだ!」バババッ

井上(何か、今日のゼロはやる気満々よね…)

杉山(そうだな、無駄にオーバーリアクションで、熱いし…)

井上(あ、でもこんなもんだったかな?)

南(もしも、ゼロが女の子だったら…)

南(…ありだな)

ゼロ「そうと決まれば、即行動だ!」シュババッ

扇「よし、皆、行こう!」

11:2012/11/13(火) 14:49:20 ID:
杉山(あれ?一人増えてないか?)

井上(気のせいでしょ?制服着てるんだから、混ざれっこないじゃない)

杉山(そりゃそうか…)

南(ふむ、ゼロ×カレン…いや、リバもいけるか…)タッタッタッ

ゼロ「…っ!?」ゾワッ

ゼロ「何だ、今の嫌な感じは…」

12:2012/11/13(火) 14:52:25 ID:
~ホテル前~

ギルフォード「姫様、退路は全て塞ぎました」

ギルフォード「このまま基底部を壊してしまえば、奴らの逃げ道は完全に無くなります」

コーネリア「よし、早速破壊させろ」

ギルフォード「御意!」


セシル「スザクくん、やっちゃって!」

スザク「了解です!」バァンバァンバァン

ごごごごごご…

14:2012/11/13(火) 14:54:42 ID:
ぐらっ

扇「ゼロ、もう爆破したのか!?」

ゼロ「いや、我々のものでは無い」

ゼロ「恐らくブリタニアのものだ、急げ!」バッ

扇「あ、ああ…」

ゼロ(…よし、あとはコーネリア次第か…)

15:2012/11/13(火) 15:06:13 ID:
はい、バレルルーシュと申します(諦観)

どおん、どおん、どおん!!

スザク「あの爆発はっ!?」

セシル「私たちの攻撃では無いみたい!」

セシル「恐らく、テロリスト側のものだと…」

スザク「み、皆!!」ギャルルル

ロイド「…っ!?やめるんだ、枢木准尉!!」

ラクシャータ「いくら装甲があっても、瓦礫には押しつぶされちゃうわよぉ!」

スザク「うおおおおお!!」

セシル「スザクくん!!」


コーネリア「くっ、テロリスト共め、悪あがきを!!」

ギルフォード「爆発はホテル下層部分だけです!」

ギルフォード「恐らく、人質は無事でしょう!」

コーネリア「そんなこと、分からんだろう!?」

コーネリア「ユフィー!!」

25:2012/11/14(水) 12:08:21 ID:
ギルフォード「姫様!あれを…」

コーネリア「む、何だこんな時に!」

ギルフォード「いえ、此方に向かって…」

コーネリア「?何だ…」

ゼロ「おや、これは総督閣下」

ゼロ「ご機嫌いかがですかな?」

コーネリア「何者だ!?」

26:2012/11/14(水) 12:12:49 ID:
ゼロ「おや、自己紹介が遅れました」

ゼロ「私の名前はゼロ、力あるものへの反逆者だ!」バッ

コーネリア「なんだと?」

ゼロ「今回の一件、明らかに大義のない暴力」

ゼロ「よって、ここに粛清を下したのだ」

ゼロ「人質も、一人残らず無事だ、安心するといい」

コーネリア「そこに縛られているのが首謀者か」

ゼロ「いかにも」

ゼロ「この者たちの処分は、あなた方にお任せしよう」

コーネリア「目的は何だ!」

27:2012/11/14(水) 12:17:42 ID:
~テレビクルー詰所~

ディートハルト「こ、これは…」

クルー「どうかしましたか?」

ディートハルト「今すぐ、この映像を全国に配信するのだ!」

クルー「え!?いや、上の許可が無いと…」

ディートハルト「そんなことはどうでもいい!」

ディートハルト「責任なら私が取る!さぁ、早くするんだ!」バンッ

クルー「は、はいぃ」バタバタ

ディートハルト(これだ…私の求めていた…)

ディートハルト(ゼロ…これが私に与えられた使命…!)

28:2012/11/14(水) 12:22:01 ID:
ゼロ「目的ですか」

ゼロ「私は、この国の未来を憂いている」

ゼロ「各地のテロリストたちを指揮しているのも、その為だ」

コーネリア「貴様もテロリストの一味なのか!」

ゼロ「一味?違うな」

ゼロ「間違っているぞ、コーネリア」

ゼロ「私が為すのは正義、この阿呆どもと一緒にされてはな」

ギルフォード「何が正義か!世界を乱す悪党だろう!」

ゼロ「ふっ、お前たちにとってはな」

29:2012/11/14(水) 12:28:55 ID:
ゼロ「日本人よ、今ここに、私は宣言する!」ババッ

ゼロ「我々は黒の騎士団!そして、この者達が、我が同志!」

ズラッ

コーネリア「いつの間に…」

ゼロ「力あるものよ、我らを恐れよ!」

ゼロ「力なきものよ、我らに従え!」

ゼロ「我らは、この国を救う為に馳せ参じた!」

ゼロ「ブリタニアの支配に怯える日々は、もう終わりだ!」

コーネリア「貴様!勝手なことを言うな!」ガチャッ

ゼロ「…ほう?」

30:2012/11/14(水) 12:33:38 ID:
ゼロ「それで私を撃つつもりか?」

コーネリア「貴様のように、仮面で顔を隠す卑怯者が、正義を語るな!」

コーネリア「テロリストの首領を名乗ったのだ、死ぬ覚悟は出来ているのだろう?」

ゼロ「ふむ、ならばやるがいい」バッ

コーネリア「なっ!?」

ゼロ「どうした?私は丸腰だぞ?」

ゼロ「何なら、ここでダンスでもお相手しようか?」

コーネリア「ば、馬鹿にするなぁ!!」バァン

ゼロ「がっ…!!」

扇「ぜ、ゼロ!」

コーネリア「…はっ!!呆気ない!」

コーネリア「さぁ、旗頭は早々に死んだぞ!」

コーネリア「どうするつもりだ?黒の騎士団とやらは!」

31:2012/11/14(水) 12:41:08 ID:
ゼロ「…ふっ、ははははは!!」スクッ

コーネリア「ば、馬鹿な…っ!?」

ゼロ?(…ルルーシュ、回復が、まだ…すまない)

ゼロ?(お前が話せ、…動きは私が…)

ルルーシュ(ちぃっ!何故挑発などしたんだ!)

ルルーシュ(だが…仕方あるまい)

杉山(お、おい、お前どこに行くんだ?)

ルルーシュ(…)

杉山(なんだよ、感じ悪いな…)

ゼロ「っ私は死なぬ!」バッ

ゼロ「この世界を正すまでは、決してな!」

コーネリア「そんなはずは…」

ゼロ「さぁ!私は今、一つの奇跡を為した!」

ゼロ「私についてくるがいい!」

ゼロ「…さて、そろそろこの場を立ち去らせてもらおうか…」

32:2012/11/14(水) 12:48:25 ID:
ギルフォード「…っそんなことをさせると思うか!」

ゼロ「せざるを得んさ」

ゼロ「おい、例の子供たちを連れて来い」

扇「あ、ああ!」

コーネリア「…そんな…」

ゼロ「ふっ、流石は姉、と言った所か」

ユーフェミア「お姉さま!」

シャーリー「か、会長~どうなってるんですかぁ」

ミレイ「わ、私にも分からないわよぅ」

ニーナ「…」

33:2012/11/14(水) 12:50:14 ID:
ナナリー「咲世子さん?一体何が…」

咲世子「大丈夫です、問題ありません」

咲世子「そのまま、マスクを被っていて下さい」

ナナリー「は、はい…」

ナナリー「妙に息苦しいですが…」

リヴァル(会長、あのマスクって…)

ミレイ(…あの子もいろいろあるの!今は目の前に集中しなさい!)

カレン(ゼロ…)

ギルフォード「ひ、人質にするつもりか!?」

ゼロ「きちんと解放しますよ」

ゼロ「我々が脱出した後に、ですが」

コーネリア「き、貴様ぁ!!」

34:2012/11/14(水) 12:54:33 ID:
ゼロ「それでは、通していただけますね?」

コーネリア「…っ」

ギルフォード「姫様…」

コーネリア「…全軍に告ぐ、手を出さずに見逃せ…」

ゼロ「賢明な判断です」

ゼロ「さぁ、行くぞ」

井上「は、はいっ」

ゼロ「他の人質は、裏手の森です」

ゼロ「それと、そこのゴミは差し上げましょう」つ草薙

コーネリア「…覚えておけ、もしユフィに手を出せば…」

コーネリア「私の存在に賭けて、貴様を滅ぼしてやる」

ゼロ「…肝に命じましょう」

35:2012/11/14(水) 12:59:37 ID:
~騎士団拠点トレーラー~

玉城「いーなー、お前たちは」

玉城「俺なんか、ここでずっと待機だったんだぜ?」

扇「別に、いいものじゃなかったよ」

井上「ゼロが撃たれた時は、どうなるかと…」

杉山「本当だぜ、てか、何で生きてるんだろうな?」

井上「ゼロの不思議が、また増えたわね…」

扇「そういえば、ゼロは?」

玉城「後ろの運搬車だよ」

玉城「人質と一緒にな」

36:2012/11/14(水) 13:03:33 ID:
~運搬車~

ミレイ「…」

シャーリー「…」

ニーナ「…」

カレン「皆、そんな端に居なくても…」

カレン「せっかく椅子もついているんだから…」

シャーリー「む、無理無理無理!」

シャーリー「だって、あのゼロって不死身の怪人なんでしょぉ?」

シャーリー「私たち、このまま殺されちゃうのよ、きっと…」

カレン「それは…無いんじゃないかな…?」

シャーリー「どうしてそう言えるのよぅ」

カレン「え、えっと…」

37:2012/11/14(水) 13:07:08 ID:
ユーフェミア「皆さん、大丈夫です」

ユーフェミア「ゼロは、きちんとわたくしたちを殺したりしません」

シャーリー「ぐすっ、あなたは?」

ミレイ「…あっ、もしかして…」

ユーフェミア「わたくしは、ユーフェミア・リ・ブリタニアと申します」

シャーリー「ブリタニア?…ってことは…」

ユーフェミア「お察しの通りだと思います」

ユーフェミア「今は、このエリア…じゃなかった、日本の副総督をしています」

ニーナ「…っ日本…」

ミレイ「あらあら、大丈夫よ…」

38:2012/11/14(水) 13:13:30 ID:
カレン「ユフィ、ゼロの正体を知ってるの?」

シャーリー「ゆ、ゆゆゆユフィ!?」

ミレイ「し、親しいのね…」

ユーフェミア「あら、皆さんもそう呼んで下さいな」

ユーフェミア「それと、カレンさん、その質問の答えは秘密、です」

カレン「…秘密?」

ユーフェミア「はい、悪い人で無いことは知っています」

カレン「…そう」

39:2012/11/14(水) 13:17:21 ID:
ナナリー「あの、お兄様はどこに…?」

咲世子「ルルーシュ様でしたら、CC様と一緒です」

咲世子「ご無事ですよ」

ナナリー「そうですか…それなら良いのですが」

リヴァル「あー、何となくワクワクしちゃうのは、男の性なのかなぁ」

ナナリー「ワクワクしますか?」

リヴァル「あー、なんて言うかさ…」

咲世子(リヴァルさん、ぐっじょぶ、です)

リヴァル(余計な心配させたら、かわいそうだもんな…)

リヴァル(にしても、ルルーシュのやつ、羨ましい…)

40:2012/11/14(水) 13:21:43 ID:
半端だけど、ここまで。

またルルCCが戻ってくるよ!やったね!

そして、オレンジさんも登場します。いいポジション考えているので、ファンは期待するのだ。

ナナリーは、変装させられています。バレたら大変。

てか、状況を伝える力が欲しいです。

それでは、また夜にお会いしましょう。

ばいばいノシ

53:2012/11/16(金) 00:44:59 ID:
カシュン

ゼロ「…」

シャーリー「…あっ」

ミレイ「な、何か用かしら」

ゼロ「…いや」

ゼロ「君たちをどうこうするつもりはもとよりない」

ゼロ「そこの皇女殿下を含めてな」

ゼロ「どうか安心して欲しい」ペコリ

シャーリー(か、会長!やたら丁寧なんですけど!)

ミレイ(き、きっと、何か裏が…)

ゼロ「もうすぐ、君たちの学園だ」

ゼロ「荷物は、…残っていればブリタニアに問合わせるがいい」

カレン「…っ!!?」

シャーリー「え?私たちの学園?」

ミレイ「どうして知っているの?」

54:2012/11/16(金) 00:49:20 ID:
ゼロ「…っそれは」

カレン「あ、あー!!そういえば、私が話しちゃったのよ」

カレン「乗る前に、どこに向かえばいいのか聞かれたから…」

シャーリー「な、なぁんだ、そっかー」ホッ

ミレイ「ちょっとビックリしちゃったわよ…」

カレン(ふ、ふたりが信じてくれて助かった…)

カレン(ゼロったら、どうしたのかしら…)

カレン(仮面だからアレだけど…)

カレン(なんだか、動揺してる?)

ユーフェミア「…わたくしも、そこで降ろしていただけますか?」

ゼロ「あ、ああ、分かった」

55:2012/11/16(金) 00:56:08 ID:
ゼロ「…邪魔をした」

ゼロ「巻き込んでしまってすまない」

ゼロ「それだけだ…」

ゼロ「それでは、失礼」カシュッ

シャーリー「何だったんだろう…」

ミレイ「思っていたテロリストとは、ちょっと違うわね…」

咲世子「…」

咲世子「すみません、私、少々前に行ってまいります」

ミレイ「咲世子さん?」

シャーリー「前って、あの人たちのいるところですか!?」

咲世子「はい、ナナリー様にお水をいただけないかと」

ナナリー「わ、私は別に…」

咲世子「無理をしてはいけません」

咲世子「顔色が優れないのは、わかっていますから」

ナナリー「咲世子さん…」

56:2012/11/16(金) 01:00:14 ID:
リヴァル「お、俺も行きましょうか?」

咲世子「大丈夫ですよ」

咲世子「ダメだったら、そのまま帰ってきます」

リヴァル「そ、そうですか…」

ミレイ「ま、断られちゃったけど、言いだしたのはかっこいいじゃない」

ミレイ「咲世子さん、気をつけて」

咲世子「ふふふ、はい」

カシュン

57:2012/11/16(金) 01:02:27 ID:
~運搬車前部~

ゼロ「…」

咲世子「失礼します」

ゼロ「…咲世子か」

ゼロ「…こっちへ来い、ここでは話を聞かれる可能性がある」

咲世子「はい、わかりました」

58:2012/11/16(金) 01:05:25 ID:
~待合室~

咲世子「広い車ですね」

ゼロ「先導しているトレーラー程ではないがな」

ゼロ「それで?どうした…?」

咲世子「…何か、気掛かりがあるのではないかと」

ゼロ「…ああ、あるな」

咲世子「思うに、CC様のことでしょうか」

ゼロ「そんなに、俺は見え透いているか?」

咲世子「いつもお隣にいらっしゃる方がいない」

咲世子「その程度の予測はつきますわ」

ゼロ「…そうか」

59:2012/11/16(金) 01:10:30 ID:
ゼロ「ふぅ…」カポッ

ルルーシュ「…CCはここだ」シャッ

咲世子「…眠っていらっしゃるのですか?」

ルルーシュ「ああ」

ルルーシュ「…眠っている、今はな」

咲世子「今は…?」

ルルーシュ「とりあえず、今お前が知る必要のあるものじゃない」

ルルーシュ「時が来れば、話すこともあるかもしれないが」

咲世子「…そうですか」

ルルーシュ「…すまないが、俺にはあいつらを降ろしたあとに、騎士団を纏めなければならない」

ルルーシュ「こいつを、家まで頼めるか」

ルルーシュ「…周りに見つからないように、だが」

60:2012/11/16(金) 01:14:18 ID:
咲世子「了解しました」

ルルーシュ「…済まないな、こき使ってしまって」

咲世子「…今はお疲れなのでしょう」

咲世子「そのような気遣いは無用です」

咲世子「私に出来ることなら、任せていただく方が…」

咲世子「こうして頼られる」

咲世子「私にとってこれほど光栄なことはありません」

ルルーシュ「…お前は、出来たメイドだな」

咲世子「当然です」

62:2012/11/16(金) 01:17:48 ID:
ルルーシュ「それでは、戻ったほうがいい」カポッ

ゼロ「そろそろ、着く頃だ」

ゼロ「CCは…」

咲世子「問題ありません」

咲世子「CC様には、少し窮屈な思いをしていただくことになりそうですが」

ゼロ「…なるほど」

ゼロ「パッケージは好きに使って構わない」

ゼロ「言い訳は任せよう」

咲世子「心得ました」

咲世子「あ…、あと一つ」

ゼロ「ん?なんだ?」

咲世子「…お水を、いただけますか?」

63:2012/11/16(金) 01:24:19 ID:
~特派トレーラー~

スザク「…」

セシル「スザクくん…」

ラクシャータ「…あんたぁ、まぁだ拗ねてるのぉ?」

ロイド「ふっふーん、ま、あんまり気にしなくてもいいんじゃなぁい?」

スザク「…あの男に連れて行かれたのは、生徒会メンバーとユフィなんです」

セシル「ユフィって、ユーフェミア様のこと?」

ラクシャータ「おお、やるぅ」

スザク「身分を知らないときに、街でお会いしたことがあります」

スザク「ゼロ…やつのやり方は間違っている」ギリッ

64:2012/11/16(金) 01:33:16 ID:
ラクシャータ「間違ってるぅ?」

スザク「はい」

スザク「不正な手段で手に入れた結果に、意味なんてありません」

スザク「自分は、内側から、この国を変えるつもりです」

スザク「ゼロのやり方では、ブリタニアを変えることなんて…」

ロイド「うーん、そもそも考え方が違うもんねぇ」

スザク「…どういうことですか?」

65:2012/11/16(金) 01:35:41 ID:
ロイド「…だってぇ、彼はブリタニアという枠組みそのものを壊そうとしているんだよぉ?」

ロイド「しかも、今の君と違って、結果も出してるしぃ」

ロイド「君の言う結果にブリタニアがあるのかないのか」

ロイド「それって、結構重要なことだと思うけどぉ」

スザク「…僕は!」

66:2012/11/16(金) 01:41:55 ID:
ロイド「考えてみればぁ?」

ロイド「あのゼロという存在がいることで、何が起こるのかさぁ」

スザク「何が起こるか、ですか」

ラクシャータ「…少なくとも、今不当な扱いを受けている奴らはさぁ」

ラクシャータ「心の支えになるんじゃなぁい?」

ロイド「しかも、銃で撃たれても生きている不死身の身体」

ロイド「研究してみたいところではあるけどぉ」

ロイド「とにかく、あんな風に自分たちの立場を守ってくれる人間がいるっていうのはァ」

ロイド「いいことになる人、多いんじゃない?」

67:2012/11/16(金) 01:45:31 ID:
スザク「…それは、一時的なものです」

スザク「結局、間違っていることには…」

ロイド「…少しは、頭を使ったらどうだ?枢木准尉」

スザク「…え?」

ロイド「その間違っていると思っているのは、君だけかもしれないんだぞ?」

ロイド「基準は、そのままブリタニアの立場に立ったものだ」

ロイド「いいかい、ゼロという人物は」

ロイド「あのホテルから、人質と実行犯たちをほぼ無傷で助け出したんだよ?」

ロイド「君の信じる正しいことは、果たしてそれができるのか?」

スザク「それは…っ!」

68:2012/11/16(金) 01:50:28 ID:
ロイド「ありきたりだけどね」

ロイド「正しいも間違っているも、立場で大きく違ってくる」

ロイド「君の信じるで意義は、今なお、君が助けたいと願うイレ…」

ロイド「んんっ、日本人を苦しめ続けているんだ」

ロイド「ゼロは、コーネリアに銃で撃たれても、武力を行使しなかった」

ロイド「あそこで、ゼロを撃ったコーネリアと、あくまで無抵抗だったゼロ」

ロイド「間違っているのは、一体どっちだろうね?」

スザク「それは…」

ロイド「…いいかい、僕が言いたいのは、ゼロが正しい云々じゃあない」

69:2012/11/16(金) 01:53:45 ID:
ロイド「君は、自分の考えを信じて疑っていない」

ロイド「そのくせ、自分の命を守ろうとはしていない」

ロイド「…瓦礫の崩れ落ちる中に飛び込んでいく人間のために、僕はナイトメアを開発しているつもりはないよ」

ロイド「だから、もっと頭を使って考えるんだ」

ロイド「君自身の覚悟がない限り、君の望みはかなわない」

ロイド「…自分を縛って甘えてもだめだ」

70:2012/11/16(金) 01:56:17 ID:
ロイド「君が自縄自縛していくのは勝手だけどさ」

ロイド「…思考停止で従うような甘さは」

ロイド「いつか、本当に君を殺すよ?」

スザク「…」

スザク「…少し、ランスロットを見てきます」ダッ

セシル「スザクくん!」

ラクシャータ「…ロイド、言い過ぎ」

ロイド「…やっぱりぃ?」

71:2012/11/16(金) 02:00:31 ID:
ラクシャータ「あの子が何抱えてんのかは知らないけどさ」

ラクシャータ「何も、追い詰めるような言い方しなくたっていいだろうに」

ロイド「…そういうの、僕には難しくってさぁ」

ラクシャータ「あのくらいの年ならさ」

ラクシャータ「自分の考えが、世界で一番正しくっていいんだよ」

ラクシャータ「もっと、時間をかけて解決するもんさ」

ロイド「でも…」

ラクシャータ「はいはい、そうすると、あの子は死んじゃうかもしれないもんねぇ」

ラクシャータ(ま、この話はルルーシュにも聞かせなきゃいけなさそうだと思ってたけど)

ラクシャータ(誰かさんが、上手に方向制御してるからねぇ…)

72:2012/11/16(金) 02:05:44 ID:
ラクシャータ「ま、言っちゃったものは仕方ないし」

ラクシャータ「謝るよりは、仕事で示してあげればいいんじゃない?」

ロイド「…そうだね」

ラクシャータ「…力を与えたのはあんたでしょ、もっとしっかりしなさいな」

ラクシャータ「あたしらに出来んのは、結局力の使い方を間違えないようにさせることくらいなんだから」

ロイド「分かってるよぉ」

ロイド「まあ、僕はうじうじされるのが嫌いなだけでねぇ」

ラクシャータ「…そうかい」

73:2012/11/16(金) 02:10:33 ID:
~格納スペース~

スザク「…」

セシル「スザクくん」

スザク「…セシルさん」

セシル「そんなに気にすることないわ」

セシル「ロイドさんって、ほら、気遣いとかできない人だから」

スザク「…違うんです」

セシル「な、何が?」

スザク「自分は、ブリタニアの軍人になって」

スザク「昇進していけば、きっと日本を救えると信じていました」

スザク「もちろん、自分の関わらないところで起こっている迫害が」

スザク「たくさんあることも、知っていました」

スザク「…でも、今は何もできないからと」

スザク「…見て見ぬふりをしてきたんです」

セシル「スザクくん…」

74:2012/11/16(金) 02:14:20 ID:
スザク「…あの場面」

スザク「僕は、…」

スザク「コーネリア様よりも、ゼロの方が正しいのではないか、と」

スザク「…少しだけ、考えてしまいました」

スザク「自分は、命令なしでは動くこともできない」

スザク「ゼロは、脅迫まがいの脱出をしましたが」

スザク「でも、あれだけの事件で、死者はなし」

スザク「…自分には、できません」

75:2012/11/16(金) 02:19:15 ID:
スザク「自分は、間違っているんでしょうか…」

セシル「…それは、誰にもわからないわ」

スザク「え?」

セシル「それはそうよ」

セシル「ロイドさんも言っていたでしょ?」

セシル「僕が言いたいのは、ゼロが正しい云々じゃあないって」

セシル「スザクくん、いくら死者がいなくても」

セシル「今までのテロで職を失ったり、信用を失った人はたくさんいるわ」

セシル「ゼロのしていることって、表面的には美しいかもしれないけど」

セシル「…とても独善的なこともあるわ」

76:2012/11/16(金) 02:21:52 ID:
セシル「この世に、絶対的に正しいことなんてないのよ」

セシル「あるいみ、正しいのは自分だけ、と言えるわ」

スザク「正しいのは、自分だけ…?」

セシル「ええ、そう」

セシル「結局、自分でどうにかして納得するしかないの」

セシル「自分の信じる道が正しくあって欲しいと、祈りながらね」

セシル「私だって、ロイドさんだって、ラクシャータさんだって」

セシル「そうやって、いろんな決断をしてきたから、今があるのよ」

77:2012/11/16(金) 02:26:12 ID:
セシル「スザクくん、あなたの今の思いは」

セシル「本当に、あなた自身が納得して得たもの?」

スザク「…どういうことですか?」

セシル「無理に、納得しようとしていない?」

スザク「…っ!?」

セシル「…ここに来るまで、わかりやすいくらいに張り詰めていたから」

セシル「ロイドさんも心配になったんだと思うわ」

セシル「…スザクくん、正しいことより、大切なものが」

セシル「この世界には、たくさんあるのよ」

スザク「…少し、一人にしていただけますか?」

セシル「…ええ、差し出がましく言って、ごめんなさいね」

スザク「…いえ、むしろ、ありがとうございました」

セシル「…また、到着する頃に、呼びに来るわね」

78:2012/11/16(金) 02:31:00 ID:
~ブリタニア本土 政庁~

ヴィレッタ「…この映像、ご覧になったのですか、ジェレミア卿」

ジェレミア「…ああ」

ジェレミア「どうやら、シュナイゼル殿下の意向で、我々もエリア11に向かうことになりそうだ」

ヴィレッタ「…この時期に出向とは、お互い運がありませんね」

ジェレミア「なんの、武勲を上げるには最適の土地ではないか」

ジェレミア「…もっとも、諸手を挙げて、とは行かぬようだがな」

ヴィレッタ「はい、コーネリア様の件、既に本土でも様々に騒がれているようです」

79:2012/11/16(金) 02:35:33 ID:
ヴィレッタ「疑わしいとは言え、問答無用での発砲ですから」

ヴィレッタ「ゼロの登場は、他のエリアにも大きな波紋を呼ぶと思われます」

ジェレミア「そうか」

ジェレミア「我々も、なにか助力ができれば良いのだがな…」

ヴィレッタ「…私は、別のことのほうが気になりますが」

ジェレミア「なんだ?」

80:2012/11/16(金) 02:39:19 ID:
ヴィレッタ「この時期の出向です」

ヴィレッタ「コーネリア様も、意味は分かるでしょう」

ジェレミア「…シュナイゼル殿下の命令ならば、尚更か」

ヴィレッタ「ええ」

ヴィレッタ「おそらく、我々が仕事をする前に、自らの手柄を立てることに躍起になられるかと」

ジェレミア「…」

ジェレミア「まあ、致し方あるまい」

ヴィレッタ「…できれば、まともな仕事ができると良いのですが」

89:2012/11/18(日) 01:50:24 ID:
~数時間後 アパート~

ルルーシュ(ふう、なんとか収めたか…)

ルルーシュ(人質のデータ改竄は、既にラクシャータに言ってある)

ルルーシュ(騎士団自体の運営には、まだしばらく慣らしが必要そうだが)

ルルーシュ(キョウト側はこのまま様子見のはず、問題はない)

ルルーシュ(コーネリアの方も、立場に揺らぎが出るかもしれんしな)

ルルーシュ(…あとは、あいつだけだ)

90:2012/11/18(日) 01:57:35 ID:
ルルーシュ「…ただいま」

CC「おっ、やっと帰ってきたか」

ルルーシュ「…CCか」

CC「どうした?不満か?」

ルルーシュ「…いや」

ルルーシュ「ちょっと、こっちに来い」

CC「ん?変な奴だな…」トテトテ

ルルーシュ「よし、とりあえず」ゴツンッ

CC「いてっ!!」

91:2012/11/18(日) 02:04:49 ID:
CC「おい!ルルーシュ!」

CC「いきなり人を殴るなんて、一体どういう…」

ルルーシュ「…」ギュウウッ

CC「…ふぇ!?」

CC「こ、今度はなぜ急に抱きつくんだ」

CC「情緒不安定なのか?おい」

ルルーシュ「…ちゃんと、生きているんだな」

CC「当たり前だ、私を誰だと思っている」

ルルーシュ「…そうだったな」

92:2012/11/18(日) 02:13:26 ID:
ルルーシュ「身体は、もう大丈夫か?」

CC「問題ない、元通りだ」

ルルーシュ「痛みは…」

CC「だから、大丈夫だと言っている」

ルルーシュ「…そうか」

ルルーシュ「…頼むから、あまり無茶をしないでくれ」

ルルーシュ「コーネリアを挑発なぞ、あの場面では完全に自殺行為だ」

CC「ま、私は死なないんだ、構わんだろう」

ルルーシュ「…バカが」ギュウ

CC「お、おい、ちょっと苦しいぞ…」

93:2012/11/18(日) 02:24:14 ID:
ルルーシュ「確かに今までは死ななかったようだが」

ルルーシュ「…次には死んでしまうかもしれん」

ルルーシュ「あまり、心配させるな」

CC「…心配したのか?」

ルルーシュ「当然だ」

ルルーシュ「…こんなところで死なれては、困る」

CC「…少なくとも、中途半端に消えるつもりはないさ」

ルルーシュ「いいか、絶対に自分から死ぬような真似はするな」

ルルーシュ「どうしても必要な時は、俺に言え」

CC「言ったらどうなるんだ?」

ルルーシュ「決まっているだろう」

ルルーシュ「お前が死ななくても済むような策を立ててやる」

CC「…分かった、約束するよ」

ルルーシュ「必ずだからな」

94:2012/11/18(日) 02:34:26 ID:
CC「それで?」

CC「そろそろ本当に苦しいんだが」

ルルーシュ「…我慢しろ」

ルルーシュ「そのくらい、罰だと思え」

CC「…どうせこうするなら、もう少しロマンチックにならんのか?」

CC「これだから童貞坊やは」

95:2012/11/18(日) 02:40:51 ID:
ルルーシュ「…それもそうか」

CC「え?」

ルルーシュ「…CC、無事でよかった」キュッ

CC「お、おい、急に雰囲気を出すな」

CC「私にも、こ、心の準備が…」

ルルーシュ「いいから、大人しくしていろ」

96:2012/11/18(日) 02:41:08 ID:
ルルーシュ「…温かい、生きている」

CC「…お前も温かいぞ」

ルルーシュ「…」

CC「…」

ルルーシュ「お前、結構小さいんだな」

CC「何がだ?」

ルルーシュ「身長だ」

CC「…そうか?」

ルルーシュ「ああ」

ルルーシュ「それに、こんなにも非力だ」

CC「…それは、お前もそう変わらんだろう」

ルルーシュ「一応男だぞ?」

CC「自分で一応とか言うんじゃない」

106:2012/11/19(月) 01:45:09 ID:
ルルーシュ「食事はとったのか?」

CC「いや、二人で食べようと思ってな」

ルルーシュ「そうか…」

ルルーシュ「ならば、今日は俺がつくろう」

CC「ん?今日は特に疲れているだろう、お前」

CC「私が作ってやるさ」

ルルーシュ「…いいから、任せろ」

ルルーシュ「お前は、そのへんで休んでいればいい」

CC「いや、だから…」

ルルーシュ「とにかく、今日は何もしなくていい」

ルルーシュ「どうしても何かしたいなら、扇の報告書でも纏めていてくれ!」

CC「なにも怒鳴ることはないだろう…」

ルルーシュ「…すまない」

CC「まあ、分かったよ」

ルルーシュ「…ああ」

107:2012/11/19(月) 01:54:30 ID:
CC(あいつ、今日はどうしたんだ?)

CC(不器用なりに気遣っているようだが…)

CC(何か引っかかる)

CC(そうだ、あの目だ…)

CC(同じ目を、どこかで…)

CC(まさか、もうギアスが…?)

CC(いや、そんなはずはない)

CC(うむ、わからん…)

108:2012/11/19(月) 02:03:13 ID:
ルルーシュ「CC、出来たぞ」

CC「これは?」

ルルーシュ「見て分からないか?」

ルルーシュ「鍋だ」

ルルーシュ「湯豆腐、という」

CC「いや、分かるが…」

ルルーシュ「消化もよく、鍋特有の身体を温める効果も高い」

ルルーシュ「簡単に作れる上に、材料費も安い優れものだ」

CC「…誰の受け売りだ?」

ルルーシュ「昔、咲世子に作ってもらったことがある」

CC「なるほど」

109:2012/11/19(月) 02:08:06 ID:
CC「なんで湯豆腐なんだ」

ルルーシュ「…健康に良さそうだろう」

CC「…そうか」

ルルーシュ「言っておくが、豆腐と思って見くびると、痛い目を見ることになるぞ?」

CC「まあ、私も食べたことはないから、いいんだが」

CC「お前、何をそう神経質になる?」

CC「私はこうして元気でいるだろう」

ルルーシュ「…」

110:2012/11/19(月) 02:14:31 ID:
ルルーシュ「…そうだな」

ルルーシュ「どうにも、調子が出ないんだ」

CC「まあ、それはわかるが」

ルルーシュ「とりあえず、食べないか?」

CC「おっと、それもそうだ」

ルルーシュ「態度は改めよう、もう心配はいらん」

CC「むしろ、お前の心配っぷりが気になっていたんだがな…」

ルルーシュ「…他意はない」

CC「…それならいいが」

111:2012/11/19(月) 02:24:53 ID:
CC「…湯豆腐、大したものだな」

ルルーシュ「そうだろう?」

CC「ああ、シンプルだが、その分豆腐自体の味が楽しめるな」

ルルーシュ「見た目のせいで、地味扱いだが」

ルルーシュ「きちんと中身を食べれば、その良さもわかる」

CC「…まあ、そう大層な物言いもどうかと思うがな」

CC「お前、湯豆腐好きなんだな」

ルルーシュ「違うな、間違っているぞ」

ルルーシュ「湯豆腐、も、好きだ」

CC「…あー、はいはい」

112:2012/11/19(月) 02:39:45 ID:
CC「だいぶ調子が出てきたんじゃないか?」

ルルーシュ「そのようだ」

ルルーシュ「これも豆腐の…」

CC「あー、それはもういい!」

ルルーシュ「そ、そうか…」

CC「で?これからどうするんだ」

CC「何か、今後のことについてあるなら…」

ルルーシュ「いや、ない」

CC「は?」

ルルーシュ「そんなことより、風呂に入ろう」

ルルーシュ「さあさあさあ」

CC「いや、ちょ、ちょっと待って…」

ルルーシュ「今日は俺が背中を流してやる」

CC「お、おい、調子出すぎじゃ…」ズルズル

118:2012/11/19(月) 13:57:09 ID:
~お馴染みのお風呂~

ルルーシュ「…」ゴシゴシ

CC「少し強い」

ルルーシュ「む、すまん」

ルルーシュ「こんなものか?」

CC「…ああ、ちょうどいいな」

ルルーシュ「そうか」

CC「って、違う!!」

ルルーシュ「ん?何がだ?」

119:2012/11/19(月) 14:06:23 ID:
CC「何故何事もなく一緒に風呂に入っているんだ!!」

ルルーシュ「もはや今更、だろう」

CC「それはそうかもしれないが…」

ルルーシュ「傷は残っていないようで安心した」

ルルーシュ「いつも通り、綺麗な背中のままだ」ナデ

CC「ひっ…!?」

ルルーシュ「おっと、すまない」

CC「…すまないで…すむかー!!」

ルルーシュ「ほらほら、狭いんだから暴れるな」

CC「どうしてお前は、そんなに余裕なんだ!!」

122:2012/11/19(月) 20:39:16 ID:
ルルーシュ「当然だ」

ルルーシュ「何のための水着着用だと思っている?」

CC「むしろ、私はこっちの方が恥ずかしいのだが」

ルルーシュ「何故だ?露出は減っているだろう?」

CC「状況が異質すぎるんだ!」

ルルーシュ「…お前、自分の想定外の事には弱いんだな」

CC「お前にだけは、言われたくない!!」

CC「…はぁ」

ルルーシュ「どうした?」

CC「何か、張り合いがないと虚しいな」

ルルーシュ「張り合うつもりがないからな」

CC「…もう、好きにしてくれ」

123:2012/11/19(月) 20:48:12 ID:
ルルーシュ「まあ、別に俺だって平静を保っているわけではないさ」

CC「どういうことだ?」

ルルーシュ「予備に買っておいた水着、似合っているじゃないか」

CC「ど、どうしたんだ、今日はいつになくおかしいぞ」

ルルーシュ「…まあ、いいだろう…たまには、な」

CC「なんなんだ、全く…」

124:2012/11/19(月) 21:01:56 ID:
ルルーシュ「ほら、終わった」

CC「…まだ背中しか洗ってないだろう」

ルルーシュ「…何だ?洗って欲しいのか?」

CC「ば、馬鹿め」

CC「私は中途半端が嫌いなだけだ」

125:2012/11/19(月) 21:02:30 ID:
ルルーシュ「ふむ」

ルルーシュ「まあいい、このまま洗ってやる」

CC「余計なところは触るなよ?」

ルルーシュ「往生際が悪いな、CC」

CC「往生の仕方など、とうの昔に忘れたからな」

ルルーシュ「…上手い事言ったな」

CC「ふふっ、もっと褒めろ」

ルルーシュ「だが、俺は誤魔化されない」

CC「ひゃうっ!?ちょ、わ、脇腹は…」

126:2012/11/19(月) 21:08:18 ID:
ルルーシュ「ふははははは!いい仕事をしてしまったな!」

ルルーシュ「牛乳が美味い!」

CC「もうお嫁に行けない…」

ルルーシュ「ふん、お前の貰い手など、俺以外にいるものか」

CC「どさくさ紛れに何を言い出すんだ」

ルルーシュ「ふはは、冗談だ、冗談」

CC「また熱でも出したか?」ピト

ルルーシュ「いや、そんな事はないはずだ」

CC「うん、平熱だろう」

127:2012/11/19(月) 21:17:09 ID:
CC「それなら、その異常なテンションは何なんだ」

ルルーシュ「異常ではない、失礼な…」タジ

CC「ん?」

CC「まさか、お前…」ギュッ

ルルーシュ「な、何をする!?」

CC「やっぱり」

CC「お前、ずっと照れていたのか…」

ルルーシュ「照れてない!」

CC「なるほど、無駄に威勢が良かったのは、無理をしていたからなのか」

CC「可愛いところもあるじゃないか」ニヤニヤ

ルルーシュ「そ、そんなことはない!」

CC「はいはい、分かってるよ、ツンデレーシュくん」

ルルーシュ「ゴロも悪い上に屈辱的な呼び名て俺を呼ぶな!」

128:2012/11/19(月) 21:25:01 ID:
CC「よし、ルルーシュ」

CC「とりあえず落ち着いたらどうだ」

ルルーシュ「別に、俺はいつも冷静沈着だが?」

CC「…全く」

CC「どれだけ行動を共にしてきたと思っているんだ」

CC「お前、帰ってきてからずっと、浮き足立っているだろう」

CC「ほら、ソファを開けてやる」

ルルーシュ「…」

CC「ほーら」ポンポン

ルルーシュ「はぁ、分かった」

129:2012/11/19(月) 21:33:12 ID:
CC「わざわざ端に座ることないだろ?」

ルルーシュ「…放っておいてくれ」

CC「…もう、仕方ないなぁ」ズイッ

ルルーシュ「な、なんだ、気持ち悪い口調になって…」

CC「お前の好みに合わせてみた」

ルルーシュ「いつものままでいい、そのままで」

CC「そうか?自分では結構いい感じだと思ったんだが」

ルルーシュ「心臓に悪い」

CC「…そうか」ショボン

131:2012/11/19(月) 21:44:00 ID:
ルルーシュ「あ、いや」

ルルーシュ「似合わないというわけでは…」

CC「…ふふっ」

ルルーシュ「む、お前…」

CC「いやぁ、やはり坊やは坊やだな」

ルルーシュ「くっ、相変わらず息を吐くように演技をしおって…」

CC「なかなかのものだろう?」

ルルーシュ「自分に使われなければな!」

CC「ははは、そうカッカするな」

CC「ほら、今だけ恋人気分を味あわせてやろう」トサッ

ルルーシュ「…肩が重い」

CC「何?憧れシチュエーションの一位だったのに…」

ルルーシュ「…一体どこの統計だ、それは…」

137:2012/11/20(火) 01:40:32 ID:
CC「どうだ?いい匂いがするか?」

ルルーシュ「そもそも、今日お前の髪を洗ったのは俺だ」

ルルーシュ「自分の仕事には責任を持つ、お前の髪は、きちんと良い香りになっている」

CC「…もっと色気のある言い方はないのか?」

ルルーシュ「…いい匂いがする」

CC「最初からそう言え」

CC「まったく、恋人とはどういうものか知らないのか?」

ルルーシュ「知ってはいるが」

ルルーシュ「今更意識して考えたくない」

CC「ん?」

138:2012/11/20(火) 01:48:38 ID:
CC「今までは意識していなかった、と」

ルルーシュ「極力な、支障を期待してはまずいだろう」

CC「朴念仁っぷりは演技だったと?」

ルルーシュ「演技ではない、心がけだ」

CC「…ふむ」

CC「…なぁ、ルルーシュ」スッ

ルルーシュ「いきなり擦り寄るな」

CC「たまには、ハメを外してもいいんじゃないか?」フゥ

ルルーシュ「耳に息を吹きかけるな」

CC「私たちも、一緒に暮らし始めて、結構経つだろう」ピトッ

ルルーシュ「太ももに手を当てるな」

CC「なぁ、ルルーシュ?」

ルルーシュ「…何だ?」

139:2012/11/20(火) 01:56:11 ID:
CC「…私たち、もう少し親睦を深めてもいいとは思わないか?」

ルルーシュ「…こんなに分かりやすくからかおうとするのは、俺を馬鹿にしているからか?」

CC「…正直な話、そこまで嵌めようとするつもりもないんだがな」

ルルーシュ「そうなのか?」

CC「私もお前も、こんな性質だろう?」

CC「私は、自分のことを洗いざらい話すわけにも行かん境遇でもある」

CC「だから、少しくらい」

CC「理解者が欲しくなる時も、ある」

ルルーシュ「CC…」

140:2012/11/20(火) 02:05:06 ID:
ルルーシュ「…それなら、こんな方法を取る必要はない」バッ

CC「あうっ」

ルルーシュ「俺ができるのは、このくらいだ」ナデナデ

ルルーシュ「CC、俺は、お前が何者でも構わない」

ルルーシュ「お前は、そうして憎まれ口を叩いていればいい」

ルルーシュ「お前の理解者など、俺以外には必要ない」

CC「…ふん、私を理解しているつもりなのか?」

ルルーシュ「ああ、そのつもりだ」

CC「…バカが」ボフッ

CC「…あまり、嬉しいことをさらりと言うものじゃない」

CC「いざという時までとっておくのが、得策だろう」

ルルーシュ「…その時は、また別な言葉で言ってやるさ」ナデナデ

CC「…全く、バカが」

141:2012/11/20(火) 02:12:49 ID:
ルルーシュ「しかし、体勢的にやりにくいな」

ルルーシュ「こっちに来い」グイッ

CC「ば、バカ、急に動かすなっ!?」ドサッ

ルルーシュ「むぐっ!?」

CC「ひゃうんっ!!?」

CC「…言いたいことはあるか?」

ルルーシュ「…いや、ない」

CC「そうか」

CC「とりあえず、これを喰らえ」ゴスッ

ルルーシュ「ぐうっ」

142:2012/11/20(火) 02:21:34 ID:
ルルーシュ「…そろそろどいてくれないか?」

CC「…本当にどいて欲しいか?」

ルルーシュ「当たり前だ」

CC「人の胸に顔を埋めた感想は?」

ルルーシュ「…結構あるな、と」

CC「そうか」

CC「…そうか」

ルルーシュ「お願いだから、覆いかぶさったままで言葉を噛み締めないでくれるか?」

CC「か、噛み締めてないっ!」

ルルーシュ「…あと、寝るときも付けたほうがいいらしいぞ?」

CC「ふん、どれだけものスタイルを維持してきたと思っている」

ルルーシュ「世の女性を敵に回す発言だな」

CC「永遠の美貌が役に立つものだと思うなら、それはさもしい考えだと正してやろう」

CC「…人生など、数十年と、共に生きる人間があれば十分だ」

ルルーシュ「…そういうものなのか」

143:2012/11/20(火) 02:29:09 ID:
ルルーシュ「ふう、危機は去った」

CC「何が危機だ、幸せ者め」

ルルーシュ「あえて反論はすまい」

CC「つまらんやつめ」

144:2012/11/20(火) 02:29:29 ID:
CC「だいたい、何なんだ?」

CC「二人で暮らしているんだぞ?風呂にも月に何度かは一緒に入ってる」

CC「なぜ何のアクションも起こさないんだ」

CC「…私に、魅力がないからか?」

ルルーシュ「…手を出して欲しかったのか?」

CC「言葉の綾だ」

CC「何事もないのは、それはそれでプライドが傷つく」

ルルーシュ「難儀だな」

CC「女は、矛盾を着飾って生きているんだよ」

ルルーシュ「…それは、男も変わらないがな」

CC「そうか?」

ルルーシュ「あのな、男が誰彼構わず欲情すると思っているのか?」

CC「…少なくとも、私が今まで見てきた男はな」

ルルーシュ「…それは、お前だからだ」

145:2012/11/20(火) 02:36:36 ID:
ルルーシュ「確かに、魅力的な女がいれば」

ルルーシュ「そういう行動にでるやつもいるだろう」

CC「だから、私に魅力がないのかと…」

ルルーシュ「話は最後まで聞け」

ルルーシュ「だがな、男にだって矜持がある」

ルルーシュ「一時の欲望に任せて、女を泣かせるようなことは、本来望んでいない」

ルルーシュ「…俺も、お前に嫌われたくはないからな」

CC「嫌わないぞ?」

ルルーシュ「…ああもう!お前は襲われたいのか!」

CC「いや、別に…」

ルルーシュ「…ならば、あまり気にするな」

ルルーシュ「断言してやる、お前は十分魅力があるさ」

CC「…何だか、あしらわれていうような」

ルルーシュ「…面倒なやつだ」

147:2012/11/20(火) 02:43:31 ID:
ルルーシュ「それなら、どうすれば機嫌を直してくれるんだ?」

CC「…分からん」

ルルーシュ「は?」

CC「だから、自分でもどうしたいのか、わからない」

ルルーシュ「…」

CC「し、仕方ないだろう?」

CC「こんな風に誰かと接するなんて、ここ百年確実に無かったんだから!」

ルルーシュ「ああ、そうだな」ホンワカ

CC「そんな目で私を見るな!」

148:2012/11/20(火) 02:45:22 ID:
ルルーシュ「…そろそろ寝るか」

CC「…はぁ」

CC「そうだな」

ルルーシュ「…構ってちゃんめ」

CC「何か言ったか?」

ルルーシュ「いや、何も?」

CC「?そうか?」

ルルーシュ(CCはわがままだと思っていたが…)

ルルーシュ(…ただ、人との距離の測り方を忘れてしまっただけなんだな)

ルルーシュ(…少しずつ、思い出させてやれているんだろうか)

149:2012/11/20(火) 02:47:36 ID:
~寝室~

CC「今日は、少し冷えるな」

ルルーシュ「…そうだな」

CC「どうする?」

ルルーシュ「布団を出す」

CC「誰が?」

ルルーシュ「…俺か?」

CC「それが、一番丸く収まらないか?」

ルルーシュ「…二人」

CC「…仕方ないな」

150:2012/11/20(火) 02:52:47 ID:
CC「温かいな」

ルルーシュ「ああ、買っておいてよかった」

CC「…なあ」

ルルーシュ「なんだ?」

CC「…いや、また今度でいい」

ルルーシュ「…そうか」

CC「…」

ルルーシュ「…」

ルルーシュ「…これくらいが、俺たちの今には、ちょうどいい」ギュッ

CC「…手を繋ぐだけか」

CC「今時小学生でも、もう少しましなことをするぞ?」

ルルーシュ「…ふん、今時の小学生など、知らないだろう」

CC「…まあ、そのとおりだ」

151:2012/11/20(火) 02:55:36 ID:
ルルーシュ「さ、そろそろ本当に寝よう」

CC「手はこのままか?」

ルルーシュ「…ああ」

ルルーシュ「…ダメか?」

CC「…」

CC「ふふっ、全く」

CC「仕方のない坊やだな」ギュッ

ルルーシュ「…好きに言え」

CC「…冗談さ」

CC「おやすみ、ルルーシュ」

ルルーシュ「…ああ、おやすみ」

156:2012/11/21(水) 13:04:19 ID:
~エリア11 政庁~

ギルフォード「姫様、本日の案件です」ドサッ

コーネリア「…また本国からか?」

ギルフォード「…はい」

ギルフォード「あまりお気になさらないで下さい」

ギルフォード「私は、姫様の行動が正しかったと思います」

コーネリア「…下がって良い」

ギルフォード「…はっ」スタスタ

ばたんっ

ギルフォード「…はぁ」

ジェレミア「これはこれは、如何なされました」

ギルフォード「貴方は…」

ジェレミア「ジェレミア・ゴットバルト、及びヴィレッタ・ヌゥ」

ジェレミア「着任の報告に参りました」

157:2012/11/21(水) 13:09:59 ID:
ギルフォード(純血派か…)

ギルフォード「了解した」

ギルフォード「姫様は現在ご多忙の為、私が代理として辞令を下すことになる」

ジェレミア「はっ!」

ヴィレッタ「了解しました」

ギルフォード「…ジェレミア卿、及びヴィレッタ卿」

ギルフォード「諸君らの所属は、特別派遣嚮導技術部となる」

ジェレミア「…は?」

ヴィレッタ「技術部、ですか?」

158:2012/11/21(水) 13:13:21 ID:
ギルフォード「今のエリア11の状況は理解しているだろう」

ギルフォード「残念ながら、姫様を指示する者は半分程だ」

ギルフォード「恥ずかしい話だが、軍の統括を出来ているとは言い難い」

ギルフォード「それに、各地で頻発するようになったテロ対策もある」

ギルフォード「ナイトメア整備には、そこしかないのだ」

ヴィレッタ「し、しかし…」

ジェレミア「…」

159:2012/11/21(水) 13:17:04 ID:
ジェレミア「分かりました」

ジェレミア「辞令は、謹んでお受けいたします」

ヴィレッタ「ジェレミア卿!」

ジェレミア「別に、我らが憎くての処遇、というわけではないのだ」

ジェレミア「ここで駄々を捏ねても、コーネリア様を困らせる事にしかならん」

ギルフォード「…すまない」

ジェレミア「いえ、すべき事は、どこでも変わりませんから」

ジェレミア「行くぞ、ヴィレッタ」

ヴィレッタ「は、はい…」

ギルフォード「…すべき事は変わらない、か」

160:2012/11/21(水) 13:25:53 ID:
~ナリタ連山付近 とある研究所~

???「クロヴィス様と連絡は取れないのか」

研究員「はい、今現在も…」

研究員「バトレー将軍、我らは見捨てられたのでしょうか…」

バトレー「馬鹿を言うな!」

バトレー「我らはCODE_Rの研究を任されたのだ!」

バトレー「なんとしても、アレを探し出さなくては…」

研究員「しかし、本国ではバトレー将軍を失脚させようという動きもあるようです」

研究員「この研究が明るみに出れば…」

バトレー「ええい!余計な事はいい!」

???「おや、随分と荒れているようだね」

バトレー「だ、誰だ!?」

研究員「通信回線がジャックされているようです!」

161:2012/11/21(水) 13:30:03 ID:
???「失礼、顔を見せないのは卑怯だね」ピッ

バトレー「あ、貴方は、シュナイゼル殿下!」

シュナイゼル「はじめまして、だね」

シュナイゼル「君の進める研究、その全権を私が引き継ぐことになったんだ」

バトレー「そ、それでは、クロヴィス様は…」

シュナイゼル「…残念ながら、彼は政治から身を引いたよ」

バトレー「そんな…」

シュナイゼル「心配せずとも、君の身分は保証しよう」

シュナイゼル「…そのうち、こちらで得た情報も送ることになる」

シュナイゼル「どうだい?私の為に働く気はあるかな?」

162:2012/11/21(水) 13:34:19 ID:
研究員「バトレー将軍…」

バトレー「…了解いたしました、我が君」

研究員「将軍!」

バトレー「黙れ!」

バトレー「…先刻、貴様の言った通りだ」

バトレー「我らは見限られたのだよ」

シュナイゼル「そう悲観しなくてもいい」

シュナイゼル「君達には、これからも存分に働いてもらう予定だからね」

シュナイゼル「気持ちの整理もあるだろうし、今日はここまでにしよう」

シュナイゼル「また連絡する、それでは失礼」ピッ

研究員「将軍…」

バトレー「…上が変わることなど、珍しい事ではない」

バトレー「…それより、研究に耐えるサンプルを手に入れなければ…」

163:2012/11/21(水) 13:37:17 ID:
~特派トレーラー前~

ジェレミア「…ここか」

ヴィレッタ「まさに閑職ですね」

ジェレミア「まあ、そう沈むな」

ジェレミア「武功をあげれば、コーネリア様も認めて下さる」

ヴィレッタ「…そうでしょうか」

ジェレミア「ともかく、まずは挨拶するのが基本だ」

ジェレミア「失礼する!」

ヴィレッタ「お、お待ちください」

164:2012/11/21(水) 13:42:01 ID:
~トレーラー内~

ジェレミア「こ、これは…」

ルルーシュ「CC!それは俺が狙っていたのに!」

CC「あら、分かりやすいカードから合わせるのは基本ですよ?」

スザク「ぜ、全然取れない…」

カレン「スザク、あんた弱過ぎよ、神経衰弱」

ロイド「ラクシャータ、このクロスワード解けないんだけど…」

ラクシャータ「えぇ?…いや、何で俳優パズルなんてやってんのさぁ」

セシル「しかも、かなりマイナーですよ、これ…」

ヴィレッタ「一体、ここは何なんでしょう…」

ジェレミア「…私にも、分からん」

165:2012/11/21(水) 13:46:34 ID:
セシル「あ、あらお客様ですよ、ロイドさん」

ロイド「んー?どちら様ぁ?」

ジェレミア「…久しぶりだな、ロイド」

ロイド「…げぇ、ジェレミア」

ジェレミア「まさかお前がいるとはな」

ロイド「…わざわざ何の用?」

ロイド「見ての通り、僕ら忙しいんだけどぉ」

ヴィレッタ「忙しい、だと?」

ジェレミア「抑えろヴィレッタ」

ジェレミア「昔からこういう奴だ」

ジェレミア「本日より、我らはこの特別派遣…」

セシル「あ、特派で結構ですよ?」

ジェレミア「うむ、特派つきになったのだ」

ロイド「ええー、嘘ぉ」

166:2012/11/21(水) 13:50:02 ID:
ラクシャータ「…うーん、どうやらマジみたいだねぇ」ピッピッ

ラクシャータ「ご連絡、たぁっくさん来てるわ」

スザク「どうかしたんですか、ロイドさん?」

ルルーシュ「CC、家で再戦だ」

CC「あら、私、手加減はしませんよ?」

カレン「あんた達、いつも楽しそうね…」

ジェレミア「…むっ!?」

ジェレミア「君、名前は何と…?」ガシッ

ルルーシュ「わ、私ですか?」

167:2012/11/21(水) 13:53:57 ID:
ルルーシュ「私は、ルルーシュ・ランペルージ」

ルルーシュ「階級は准尉です」

ジェレミア「…ルルーシュ…」

CC「あの、どうかなされましたか?」

ジェレミア「…いや、私の勘違いだろう」

ジェレミア「私たちも、ここの所属となる」

ジェレミア「以後、よろしく頼む」

スザク「は、はい!よろしくお願いします」

ラクシャータ「まぁた賑やかになりそうねぇ」

セシル「そうですね…」

ヴィレッタ(…私、道を間違ってはいないだろうか…)

174:2012/11/21(水) 23:21:41 ID:
~格納庫~

ジェレミア「…これは」

ヴィレッタ「壮観ですね」

ロイド「んっふふ~、でしょぉ?」

セシル「右から、ランスロット、プロト、そして紅蓮です」

ラクシャータ「一応ぜぇんぶ最新型よん」

ジェレミア「特派か、さすがにロイドが居るだけはある」

ジェレミア「本国の研究施設に勝るな」

ロイド「ジェレミアのも作ってあげようかぁ?」

ジェレミア「…ふむ」

175:2012/11/21(水) 23:32:13 ID:
ジェレミア「いや、遠慮しよう」

ジェレミア「近日中に、我らのナイトメアも送られてくるだろうからな」

ジェレミア「整備の方はよろしく頼む」

ロイド「はいはぁい」

ロイド「まぁ、造る気、あんまり無かったけどねぇ」

ジェレミア「…貴様」

セシル「ロイドさん!」

ロイド「ひゃあ!ごめんなさいぃ!」ダダダ

ジェレミア「…まぁいいか」

177:2012/11/22(木) 09:09:59 ID:
ジェレミア「ところで、このナイトメアのパイロットは誰なんだ?」

ラクシャータ「あぁ、一応ランスロットが枢木」

ラクシャータ「んでぇ、プロトがルルーシュ、紅蓮がカレンねぇ」

セシル「ラクシャータさん!敬語を使ってください!」

ラクシャータ「えぇん、面倒くさい」

ジェレミア「構わんさ、ロイドのやり方は、私も理解している」

ジェレミア「なるほど、そこの娘はオペレーターということか」

CC「いえ、別にそういう訳では…」

ジェレミア「む?それでは君は…」

ルルーシュ「ジェレミア卿、彼女はCC」

ルルーシュ「…その、私の婚約者です」

ジェレミア「おお、なんと!」

178:2012/11/22(木) 09:15:41 ID:
ヴィレッタ「つまり、部外者と?」

ラクシャータ「あー、そいつはちょっと違うんだぁ」

ヴィレッタ「むっ」

ラクシャータ「その子のナイトメアは、まだ完成してないのよぉ」

ジェレミア「この三機の他にも、ナイトメアがあるのか?」

ロイド「ざぁんねんでしたぁ」

ロイド「ここから先は、企業秘密でぇす!」

セシル「ロイドさん!」

ジェレミア「そうか、戦力としてはかなりのものなのだな」

ヴィレッタ「ジェレミア卿」ピッピッ

ヴィレッタ「調べましたところ、先の立て籠もりには枢木准尉が多大な貢献をしたと…」

スザク「そ、そんな、貢献だなんて…」

ジェレミア「…よし分かった!」

カレン「…勝手に話が進んでいくわね…」

179:2012/11/22(木) 09:25:32 ID:
ジェレミア「ロイド!シミュレーターを借りたい」

ロイド「んん?別にいいけどぉ」

セシル「何をされるんですか?」

ジェレミア「一応、これから行動を共にすることになる彼らの能力を見ておきたい」

カレン「彼らって…あたしたち?」

ルルーシュ「…のようだな」

スザク「こ、光栄であります!」

ジェレミア「…私は、純血派を率いる身ではあるが」

ジェレミア「ロイドの管轄に来てしまった以上、君にも期待するしかない」

ジェレミア「名誉ブリタニア人として、存分に力を発揮してもらいたい」

スザク「はっ!全力を尽くします!」

ジェレミア「うむ、精精励むがいい」

180:2012/11/22(木) 09:26:07 ID:
カレン(…なんか、ムカつく言い方ね)

CC(純血派といえば、かなり凝り固まった連中の集まりだ)

CC(むしろ、ここで宣言するあたり、意外と義理堅いやつなのかもしれん)

ルルーシュ(集団の長を務める者の矜恃というやつかもしれないな)

ルルーシュ(CC、カレン、気を付けておいた方がいい)

カレン(…そうね)

CC(ま、上手くやるさ)

181:2012/11/22(木) 09:31:41 ID:
~シミュレーター 試験終了~

ジェレミア「ふむ」

ヴィレッタ「どうですか、ジェレミア卿」

ジェレミア「…あの少年、枢木スザクは凄まじいな」

ジェレミア「そもそも、ランスロット、あのナイトメアのスペックが常軌を逸している」

ジェレミア「しかし、それを乗りこなす奴の腕も相当なものだ」

ジェレミア「操縦技術は、恐らく私と同等か、それ以上だろう」

ヴィレッタ「まさか…」

ジェレミア「これから指揮をとることもあるだろう、嘘や誤魔化しはしないさ」

ジェレミア「シュタットフェルト家の娘も、そのレベルだな」

ジェレミア「あまり有力ではなくなったとはいえ、いい人間を輩出する」

ジェレミア「…まあ、ここまではいいのだがな」

182:2012/11/22(木) 09:34:48 ID:
ヴィレッタ「ランペルージですか?」

ジェレミア「ああ」

ジェレミア「この成績、これではまるで素人だな」

ジェレミア「二人に比べると、大きく見劣りする」

ジェレミア「…やはり、私の勘違いであったか」

ヴィレッタ「?何がですか」

ジェレミア「…いや、何でもないのだ、忘れてくれ」

ジェレミア「それより、ルルーシュくんと話をしてみよう」

ジェレミア「これでは、合同訓練もままなるまい」

ヴィレッタ「それでは、呼んでまいります」

ジェレミア「頼む」

183:2012/11/22(木) 09:39:52 ID:
~別室~

ジェレミア「…それで、何故君がいるんだね?」

CC「私はルルーシュさんの婚約者です」

CC「どんな所にも、一緒です!」

ジェレミア「…ルルーシュくん、悪いことは言わない」

ジェレミア「君もブリタニア人として、相応の者を娶るべきだ」

ジェレミア「何なら、本国の私のつてで、紹介してもいい」

ルルーシュ「…」

ルルーシュ「ジェレミア卿、失礼を承知で申し上げますが」

ジェレミア「うむ、聞こう」

ルルーシュ「…私は、CCを愛するが故に、婚約しています」

CC「…っ!?」

ルルーシュ「ですから、彼女を傷つけるような発言は、看過出来ません」

ルルーシュ「どうか、先の言葉を取り消していただきたい」

ジェレミア「…」

184:2012/11/22(木) 09:46:20 ID:
ジェレミア「…いや、すまなかった」

ジェレミア「あー、その」

CC「CCで構いません」

ジェレミア「CCさんには、失礼なことを言ってしまったな」

ジェレミア「私も大人として、時に若者を導かねばと思うのだが」

CC「いえ、慣れていますから」

ジェレミア「ルルーシュくんも、すまなかったな」

ルルーシュ「…いえ、私も出過ぎたことを申しましたから」

ジェレミア(細面で芯の弱い雰囲気だが)

ジェレミア(なるほど、熱い心も持っているか)

ジェレミア(それに、先程の気迫…)

ジェレミア(あれは相当の野心があると見て、間違いあるまい)

ジェレミア「それでは、早速本題に入ろう」

CC(率先して脇道にそれた癖に…)

185:2012/11/22(木) 09:50:16 ID:
ジェレミア「ルルーシュくん、君のシミュレーターの結果を見たのだが」

ジェレミア「…正直、芳しいとは言い難い」

ジェレミア「君はどんな訓練を受けて来たのかね?」

ルルーシュ「訓練、ですか?」

ジェレミア「ああ、最近の訓練行程には含まれているはずだ」

ジェレミア「他ならぬ私の提言によるものだ、忘れるはずもない」

ルルーシュ「いやそうではなくてですね…」

186:2012/11/22(木) 09:57:36 ID:
CC「ルルーシュさんは、特別な訓練は受けていません」

CC「そもそも、研究員の一人として軍に所属したのですから」

ジェレミア「なんだと!?」

ジェレミア「ルルーシュくん、ナイトメアの総稼働時間はどの程度なんだ?」

ルルーシュ「実戦ではゼロ、です」

ジェレミア「馬鹿な…」

187:2012/11/22(木) 10:02:59 ID:
ジェレミア(確かに、ナイトメアの操縦技術は素人レベル…)

ジェレミア(だが、それはあくまで新兵を基準としたものだ…)

ジェレミア(本当に素人ならば、そもそも動かすことすらままなるまい)

ジェレミア(シミュレーターは、月に一度程度しか使っていないとロイドが言っていた…)

ジェレミア(この少年は、その程度の練習でナイトメア操縦ができたということか…)

ジェレミア(なんというセンス、なんという素質だ!)

CC「それに、ルルーシュさんのナイトメアは、そもそも操縦機構が異なります」

ジェレミア「何?」

188:2012/11/22(木) 10:08:47 ID:
~ハンガー~

ジェレミア「これは、摩訶不思議な…」

ラクシャータ「ルルーシュは非力だからねぇ」

ラクシャータ「本人も、こっちの方が向いてるっぽいしぃ」

ジェレミア「ロイド!シミュレーターにこの機構を組み込めないか?」

ロイド「えぇ~、面倒くさい」

ジェレミア「頼む、重要なことなのだ!」

ロイド「…まぁ、ジェレミアがそこまで言うなら」

ロイド「ラクシャータ、予備のやつあったよねぇ?」

ラクシャータ「試作のやつならあるかも」

ロイド「ジェレミア、ちょっと時間かかるよぉ?」

ジェレミア「構わない」

189:2012/11/22(木) 10:09:47 ID:
ルルーシュ(…何の意味があるんだ?)

CC(ま、お前の力を正確に知りたいのだろう)

ルルーシュ(…別に、俺は何でもいいんだがな)

CC(ジェレミアにとっては、必要なんだろうさ)

ルルーシュ(…いよいよもって、嫌な感じだな)

CC(ああ、私もそう思う)

190:2012/11/22(木) 10:20:16 ID:
~シミュレーター終了~

ジェレミア「…」

ルルーシュ「如何でしょうか?」

ジェレミア「…素晴らしい」

ジェレミア「やはり、君はマ…」

ルルーシュ「…ま?」

ジェレミア「あ、ごほん、またと無い逸材だ!」

ルルーシュ「そうでしょうか?」

ジェレミア「ああ!」

ジェレミア「きちんとした訓練を受ければ、大成する器だと私は思う」

ジェレミア「…うむ」

ジェレミア「決めた、君は今日から私の部隊の一員としよう!」

ルルーシュ「…は?」

191:2012/11/22(木) 10:21:34 ID:
ジェレミア「すぐに訓練過程を組む必要がありそうだ」

ジェレミア「ルルーシュくん、明日から私とナイトメアの操縦技術を磨こう」

ルルーシュ「い、いえ、私は…」

ジェレミア「これは、面白くなって来た」

ジェレミア「私はこれで失礼する」タッタッ

ルルーシュ「…」

CC「…その、なんだ」

CC「良かったな、認められたようだぞ?」

ルルーシュ「…ちっとも良く無い」

CC「ご自慢の弁舌が使えなければ、さしものルルーシュも形無しだな」

ルルーシュ「…これだから、話の通じない人間は」

192:2012/11/22(木) 10:26:30 ID:
ジェレミア(やはり、思った通り)

ジェレミア(彼は、貴女様の…)

ジェレミア(…かつて果たせなかった責務を、ようやく果たせます)

ジェレミア(何故、彼が軍に所属しているのかは分かりませんが…)

ジェレミア(私の持てる全てで、必ず彼を一人前にして見せましょう)

ジェレミア(…どうか、ご加護を)

ジェレミア(…マリアンヌ様…)

193:2012/11/22(木) 10:34:01 ID:
~番外~

ヴィレッタ「…」

カレン「…」

二人(…気まずい)

ヴィレッタ「あー、なんだ、シュタットフェルト」

カレン「カレンでいいですよ」

ヴィレッタ「そうか、ならばカレン」

ヴィレッタ「その、学生との両立は大変そうだな?」

カレン「いえ、残りの二人も同じですから」

ヴィレッタ「そ、そうか…」

二人「…」

カレン(…話下手か!)

ヴィレッタ(何故話を広げる努力をしないんだ!)

二人「…」

194:2012/11/22(木) 10:34:51 ID:
カレン「あはは、ジェレミアさん帰って来ませんね…」

ヴィレッタ「ジェレミア卿とお呼びしろ!」

カレン「は、はい、すみません…」

二人「…」

セシル(…何なんだろう、この空気…)

セシル(部屋に入りたくないなぁ)

195:2012/11/22(木) 10:38:15 ID:
スザク「あれ、セシルさん」

スザク「そんな所で何してるんですか?」

セシル「す、スザクくん」

セシル(まずい、彼、全然空気とか読めないし)

セシル(下手に刺激したら、さらに気まずくなっちゃうわ…)

スザク「セシルさん?」

セシル「スザクくん、ちょっと倉庫の整理、手伝ってくれる?」

スザク「?…はい、了解しました!」

セシル「じゃあ、行きましょう」

セシル(カレンさん、頑張って…)

カレン(…早く誰か来ないかしら)

ヴィレッタ(…ジェレミア卿はまだだろうか…)

204:2012/11/24(土) 01:05:40 ID:
~一週間後~

ルルーシュ「…ぐっ」

ジェレミア「まだまだ訓練が足らんな」

ヴィレッタ「枢木やシュタットフェルトはもう終えたぞ」

ジェレミア「さあ、早くしたまえ」

ルルーシュ「…はい、分かりました…」

ヴィレッタ(なぜ、ジェレミア卿はこの少年にここまで入れ込むのだろう)

ジェレミア(ルルーシュくん、今は耐える時だ…)

ルルーシュ(くそっ、なぜ俺が…)

205:2012/11/24(土) 01:16:32 ID:
スザク「…カレン、気づいているかい?」

カレン「…ええ」

カレン「ルルーシュの操縦訓練」

カレン「地形と操作のパターン、徐々に厳しくなってるわね」

スザク「ああ」

スザク「ルルーシュも飲み込みが速いし」

スザク「僕らもうかうかしていられないかもしれないな」

カレン「…ま、ルルーシュ自身も頑張ってるみたいだから」

カレン「あいつのやる気に水はささないようにはしないと、かな」

206:2012/11/24(土) 01:21:24 ID:
~アパート~

ルルーシュ「…もう限界だ」

CC「まあまあ、そう言うな」

ルルーシュ「今後に役立つというお前の言葉を聞いて、ここまでやってきたが」

ルルーシュ「そもそも、俺はナイトメアに乗って戦うのが役目ではない」

CC「まあまあまあ」グイッ

ルルーシュ「おうふっ」

CC「これは、自分の身を守ることにもつながる」

CC「それに、ほら」ググイッ

ルルーシュ「うはっ」

CC「この一週間で、随分たくましくなったじゃないか」

CC「それでこそ男の子だ、ルルーシュ」

ルルーシュ「…ぐっ、子供扱い、するな…」

207:2012/11/24(土) 01:25:01 ID:
CC「…実際、私はこれを好機だと思っている」

CC「お前は、今のところは肩書きだけの軍人だが」

CC「求める先には、やはり力が必要になる」

CC「それを教示してくれる人間がいるんだ、素直に従っておけ」

ルルーシュ「しかし…」

CC「騎士団の方は、私と咲世子でどうにかするさ」

CC「…そういえば、そっちもきな臭い情報があったな」

208:2012/11/24(土) 01:29:36 ID:
ルルーシュ「何だ?」

CC「最近ゲットー付近で、怪しげな薬が密売されているらしい」

ルルーシュ「薬?」

CC「ああ」

CC「一種の麻薬のようなものだ」

CC「今のところ実物を掴んでいないから、なんとも言えんがな」

ルルーシュ「ふむ」

ルルーシュ「やはり俺が…」

CC「いや、もう少し待て」

CC「今騎士団に情報を集めさせているところだ」

CC「今お前が動いたところで、何が変わるわけでもあるまい」

209:2012/11/24(土) 01:33:22 ID:
CC「さあ、CC自慢のマッサージも終わりだ」

CC「どうだ?」

ルルーシュ「…いつもどおり、随分楽になった」

CC「ふふっ、そうだろうそうだろう」

CC「…いいか、ルルーシュ」

CC「これからは、さらに忙しくなってくる」

CC「コーネリアも、今のまま潰れるような人間とは思えん」

CC「ジェレミアには従っておくことだ」

ルルーシュ「…なんだ、いやに肩を持つな」

210:2012/11/24(土) 01:36:42 ID:
CC「なんだ、嫉妬したか?」

ルルーシュ「…そういうわけではないが」

CC「お前が思っているようなことは何もないよ」

CC「強いて言うなら」

CC「うちの自慢、ルル坊の素質を見極めたところは評価してやってもいい」ギュ

ルルーシュ「だから、子供扱いするな!」

CC「ははは、暴れると身体の痛みがぶり返すぞ?」

ルルーシュ「くっ、卑怯な…」

211:2012/11/24(土) 01:38:54 ID:
CC「…っ」

CC「ルルーシュ、食事の用意をしてこよう」

CC「お前は、風呂にでも入ってくるといい」

ルルーシュ「…?」

ルルーシュ「どうかしたか?」

CC「何が、だ?」

ルルーシュ「…いや、なんでもない」

ルルーシュ「それでは、先に入らせてもらうぞ」

CC「…ああ」

212:2012/11/24(土) 01:42:32 ID:
CC「…行った、か…」

CC「…がぁっ」ガクガクガク

CC(ここまで、ギアスの共振が…)

CC(…間違いない、これは…)

CC(…狂化が進みすぎている、危険だが)

CC(調べさせた結果たどり着かれるのもまずい)

CC(…とにかく、ルルーシュを守らなければ)

CC(ジェレミア、精々役に立って見せろ…)

215:2012/11/24(土) 01:48:03 ID:
ルルーシュ「ふう…」

ルルーシュ(先ほどのCCの反応)

ルルーシュ(今週に入って、もう三度目か…)

ルルーシュ(何か、隠したいことがあるようだが)

ルルーシュ(…こういう時、無理に聞き出そうとしても、CCは絶対に言わない)

ルルーシュ(おそらく、CCなりに何かしら気を遣っているのだろう)

ルルーシュ(それならば、俺はCCを信じるしかない)

ルルーシュ(訓練は、正直嫌だが…)

ルルーシュ(…どんなに愚痴をこぼそうとも、諦めたくなろうとも、やるしかあるまい)

ルルーシュ(…今度は、俺が守る)

ルルーシュ(…この日常を、な)

216:2012/11/24(土) 01:54:01 ID:
ついで?何かミスってる?

~軍訓練施設~

ジェレミア「ルルーシュくん、ペースが落ちているぞ!」

ルルーシュ「…はいっ!」タッタッタ

ジェレミア「軍人たるもの、まずは体力!」

ジェレミア「基本があれば、応用はいくらでもきくのだ!」

ジェレミア「さあ、あと一周!」

ルルーシュ「…うおおおおおお」



カレン「…何アレ、どこのスポ根よ…」

スザク「いいなあ、楽しそうで…」

ヴィレッタ「…お前たちは、学生とは思えん体力だな」

カレン「まあ、いろいろありまして」

スザク「これで、学園では病弱な設定だから、びっくりですよ」

カレン「設定とか言うな!」

218:2012/11/24(土) 02:02:59 ID:
ジェレミア「ルルーシュくん、これを」つスポーツドリンク

ルルーシュ「…あ、ありがとうございます」

ジェレミア「体力も、最初に比べてついてきたようだ」

ジェレミア「そのうち、肉弾戦闘についても教えてやらねばな」

ルルーシュ「いえ、私には…」

ジェレミア「自分の身は自分で守れるようにしておくんだ」

ジェレミア「何かを成すには、まず根本を押さえなければな」

ジェレミア「さすがに、こうまで訓練以外にすることがないとは、思わなかったが」

ジェレミア「これも何かの縁だ」

ジェレミア「君には、是非とも一人前の兵士になってもらいたい」

ルルーシュ「…」

220:2012/11/24(土) 02:07:22 ID:
ルルーシュ「ジェレミア卿」

ジェレミア「ん?なんだね?」

ルルーシュ「なぜ、私にここまでしてくださるのですか?」

ジェレミア「…そうだな」

ジェレミア「君には、何か大きな目的意識を感じた」

ジェレミア「概ねそんなところだ」

ルルーシュ「目的意識、ですか?」

ジェレミア「ああ」

ジェレミア「野心、とも言えるかもしれん」

ジェレミア「かくいう私も、宿願がある」

221:2012/11/24(土) 02:11:00 ID:
ジェレミア「先を生きるものとして、君の助けになれればとな」

ジェレミア「ははは、少々語ってしまったな」

ジェレミア「気にすることはない、これは私なりの考えがあることだ」

ルルーシュ「は、はい」

ジェレミア「…それに、な」

ルルーシュ「何ですか?」

ジェレミア「似ているのだよ、君は」

ジェレミア「…我が敬愛する、あのお方にな」

ルルーシュ「それは、一体…?」

222:2012/11/24(土) 02:17:25 ID:
ジェレミア「…さあ、休憩は終わりだ」

ジェレミア「次はまた操縦訓練に行くぞ!ルルーシュくん!」

ルルーシュ「ジェレミア卿!待ってください!」

ジェレミア「ふはははは、早く来ないと、訓練時間が伸びてしまうぞ?」

ルルーシュ「…くっ」

ジェレミア「その意気だ、着いてきたまえ」



カレン(…なんか、本当に楽しそうに見えてきた…)

スザク(いいなあ、ルルーシュ)

223:2012/11/24(土) 02:20:12 ID:
~トレーラー~

CC「失礼します」

ラクシャータ「あらぁん、CC」

CC「ラクシャータさん一人ですか?」

ラクシャータ「うん、そうだけどぉ」

CC「…ふぅ、話が早く済みそうだ」

ラクシャータ「…何かあったわけぇ?」

CC「ああ、こいつを調べてもらいたい」

ラクシャータ「何?これ」

CC「それを調べろと言っているんだ」

ラクシャータ「…はいはぁい」

224:2012/11/24(土) 02:22:33 ID:
CC「…終わったか」

ラクシャータ「うん、まぁね」

ラクシャータ「これ、なんなのよぉ」

CC「今密売されてる薬物だ」

CC「通称はリフレイン」

ラクシャータ「よくあんな危ないものを、軍に直接持ってきたわねぇ」

ラクシャータ「サンプル分以外は処分しちゃったわよ」

CC「ああ、助かる」

225:2012/11/24(土) 02:25:47 ID:
CC「人体への危険性はわかるか?」

ラクシャータ「そんなもの、成分見ただけでわかるわよぉ」

ラクシャータ「少なくとも、常用したら人間でいられなくなるわねぇ」

ラクシャータ「…これって、なんの前触れもなくあらわれたの?」

CC「ああ」

CC「騎士団側で調査したが、出処がつかめない」

CC「それに、先日からブリタニア軍の捜査員らしき人間も確認した」

226:2012/11/24(土) 02:28:12 ID:
ラクシャータ「ちょおっと待ってねぇ」ピピッ

ラクシャータ「…なぁるほど」

ラクシャータ「今ロイドとセシルがいない理由もこいつみたいねぇ」

CC「それでは…」

ラクシャータ「軍も本格的に動き出すみたい」

ラクシャータ「コーネリアも、ここらで手柄を立てたいだろうしぃ」

227:2012/11/24(土) 02:31:43 ID:
CC「…私の見立てでは…」ゴニョゴニョ

ラクシャータ「…ま、そんなところでしょうねぇ」

ラクシャータ「しっかし、標的を間違っている気もするけどぉ」

CC「…それだけ切羽詰っているんだろう」

CC「キョウトの報告もある、おそらくはリフレインをきっかけに大きく動き出すはずだ」

ラクシャータ「…これ、ルルーシュには?」

CC「これから教える」

CC「あいつの策が必要だ」

ラクシャータ「へぇへぇ、お熱ぅい」

228:2012/11/24(土) 02:35:29 ID:
ラクシャータ「でも、流通にはブリタニアの高官も絡んでるんじゃなぁい?」

CC「…そっちは、もう追えないだろう」

CC「そうでなければ、コーネリアの立案が通るはずがない」

ラクシャータ「そりゃあそっか」

CC「ブリタニアが動くなら、私は騎士団の方を動かすことになる」

CC「お前には、その橋渡しをしてもらうからな」

ラクシャータ「はいはい、わかってるよ」

ラクシャータ「リフレインの軍資料、持っていく?」

CC「ああ、そうしよう」

229:2012/11/24(土) 02:43:17 ID:
ラクシャータ「…でも、イレヴンってのは何考えてんのかしらね」

ラクシャータ「自分たちの仲間を薬漬けにしてまで、自分たちの活動資金を得ようなんてさ」

ラクシャータ「本末転倒でしょうに」

CC「別に日本人は関係ない」

CC「どこの国でも、権力を持ったものは、それに固執する」

CC「…ルルーシュが、また怒るだろうな」

ラクシャータ「そうなのぉ?」

CC「あいつは、そういうのが嫌いなんだよ」

CC「撃っていいのは、撃たれる覚悟のある人間だけ」

CC「のうのうと利権を貪ろうとする奴に搾取される人間がいる」

CC「…出来ることなら、あいつには知らずにいてもらいたいものだったんだがな」

ラクシャータ「…さすがに過保護よ、それ」

CC「…そうだな」

230:2012/11/24(土) 02:45:48 ID:
???「…どういうことだ」

???「おかしい、こんなはずじゃ…」

???「CC、一体どこにいるんだい…?」

???「絶対、絶対探し出すからね」

???「…ルルーシュ・ランペルージ、君を葬り去ったあとに…」

238:2012/11/27(火) 01:58:28 ID:
~特派トレーラー内~

ジェレミア「む、リフレイン?」

ロイド「どうやら、最近出回ってる薬みたいだねぇ」

ヴィレッタ「どういった種類のものなんだ?」

セシル「それが、未だにサンプルすら手に入っていないんです」

ロイド「今は軍部もアレだし、そもそも流行しているのは主にゲットーだから」

ロイド「今まであまり意識されていなかったみたいだねぇ」

ジェレミア「しかし、明るみに出た、ということは」

ロイド「お察しのとぉり、ブリタニア人も被害に遭ってるみたいなんだよねぇ」

ロイド「どうやら買った直後に使用するタイプの売買みたいだしぃ」

239:2012/11/27(火) 02:02:19 ID:
セシル「今回我々特派にもお呼びがかかった訳は」

セシル「大規模な掃滅作戦を行うためだそうです」

ジェレミア「…コーネリア様も、相当に焦っておられるようだな」

ラクシャータ「…まぁ、そろそろ手柄が立てたいんでしょ」

セシル「ラクシャータさん!」

ジェレミア「いや、発言は正しい」

ジェレミア「それに、仕事があるのはいいことだ」

ヴィレッタ「それはそうですが」

ジェレミア「…む?何か問題があるのか?」

ヴィレッタ「…いえ、特には」

ジェレミア「ならばよい」

240:2012/11/27(火) 02:06:50 ID:
セシル「皆さん、ディスプレイを見てください」

セシル「我々に割り当てられているのはこことここの2ブロック範囲です」

セシル「よって、ナイトメアを2チームに分けて作戦に望むべきかと」

ジェレミア「そのようだな」

ジェレミア「とりあえず、経験のある私とヴィレッタを隊長として」

ジェレミア「私はルルーシュくんとシュタットフェルト」

ジェレミア「ヴィレッタには枢木についてもらうことにしよう」

ロイド「いいのぉ?そんなにあっさり決めちゃって」

ジェレミア「あっさりなどではない」

241:2012/11/27(火) 02:13:08 ID:
ジェレミア「ルルーシュくんは、最近まともに訓練を受け始めたばかり」

ジェレミア「とてもじゃないが、前線にたたせるような人間ではない」

ジェレミア「せいぜいが、警察レベルのものだ」

ジェレミア「そのサポートを私がこなす」

ジェレミア「シュタットフェルトは訓練中でも命令に従わない傾向にある」

ジェレミア「ヴィレッタに付けるのは少々不安が残るからな」

ロイド「色々考えてるってわけねぇ」

ジェレミア「当然だ」

ジェレミア「ヴィレッタも、問題ないな?」

ヴィレッタ「…はい、最善かと思います」

ジェレミア「よろしい!」

242:2012/11/27(火) 02:19:57 ID:
ジェレミア「それで、彼らにはいつ伝えるんだ?」

ロイド「そろそろ学校も終わりだしぃ、ここに来たら、かなぁ」

セシル「私たちで伝えておくので、ジェレミア卿はナイトメアの調整をされてはいかがですか?」

ジェレミア「うむ、そうさせてもらおう」

ジェレミア「ロイド、頼むぞ」

ロイド「ご指名ありがとうございまぁす」

ロイド「ねぇねぇ、本当に改造してみないぃ?」

ジェレミア「いらん、普通にしろ、普通に」

ロイド「…はぁい」

ラクシャータ(…ま、サンプルくらいなくてもいいよねぇ)

ヴィレッタ(ジェレミア卿、明らかにルルーシュを意識した采配だ)

ヴィレッタ(操縦技術なら枢木に上回るカレンをつけて、さらにまもりを固めている)

ヴィレッタ(…ルルーシュ、やはりやつには何かがあるのか…?)

243:2012/11/27(火) 02:27:53 ID:
スザク「こんにちはー!」

ルルーシュ「スザク、もう少し静かに入れないのか」

スザク「挨拶は元気に、が基本だよ!」

カレン「…相変わらず暑苦しいわね」

ルルーシュ「全くだ」

スザク「むっ、そういう二人には元気が足りないよ!」

スザク「そうだ、やっぱり僕らも特訓を…」

カレン「あー、あたしそういうのパスだから」

ルルーシュ「俺も、ジェレミア卿で間に合っている」

スザク「…そうかい?」

セシル「あらあら、みんな来たわね」

ラクシャータ「あんた達、早く上がってきなさいな」

ルルーシュ(…ん?)

スザク「」

244:2012/11/27(火) 02:30:28 ID:
ルルーシュ(これは…)

スザク「ルルーシュ?どうしたんだい?」

ルルーシュ「…何でもない、今行く」

カレン「一体なんなのかしら」

ルルーシュ(…もしかしたら、あいつ…)

245:2012/11/27(火) 02:36:29 ID:
~説明終了~

カレン「…リフレイン」

スザク「許せない!」ドンッ

スザク「やり口が卑劣だ」

ルルーシュ「…」

セシル「ルルーシュくん?何かあるの?」

ルルーシュ「…いえ」

ルルーシュ「ラクシャータ博士、少しお話があります」

ラクシャータ「は?あたし?」

ルルーシュ「ええ」

ルルーシュ「スザク、カレン、少し行ってくる」

カレン「え?あ、うん」

スザク「どうしたんだい?」

ルルーシュ「…ちょっとした確認だ」

246:2012/11/27(火) 02:38:42 ID:
ラクシャータ「…で?話って?」

ルルーシュ「決まっている、リフレインだ」

ルルーシュ「正直に言ってもらおう」

ラクシャータ「…何を?」

ルルーシュ「今日、ここにCCが来ただろう」

ラクシャータ「…あたしは会ってないけど」

ルルーシュ「嘘だな」

ラクシャータ「何を根拠に」

247:2012/11/27(火) 02:45:11 ID:
ルルーシュ「この髪だ」

ルルーシュ「このトレーラーの清掃は、俺とセシルでほとんど行っている」

ルルーシュ「昨日は俺の担当だ、このようなものが残っているはずがない」

ラクシャータ「…あんたから落ちたんじゃないの?」

ルルーシュ「いや、ただ落ちていただけなら、俺もお前を呼びつけたりはしない」

ルルーシュ「問題は、この髪が入口に脱ぎ捨てられたお前の靴に踏まれていた、ということだ」

ルルーシュ「つまり、CCに何かを頼まれたあと、普段トレーラーで履いている内履きを脱ぎ」

ルルーシュ「用事を終えて戻ってきた際にそのまま気づかず踏みつけたと推測できる」

ラクシャータ「…あんた、探偵にでもなれば?」

ルルーシュ「あいにく、その予定はない」

248:2012/11/27(火) 02:51:24 ID:
ルルーシュ「CCの髪は黒の長髪、間違えるはずもない」

ルルーシュ「今朝、CCは特派に行く予定はないと言っていた」

ルルーシュ「…何か隠したがっているな?」

ラクシャータ「…はいはい、あんたには負けたよ」

ラクシャータ「ちゃんと話しておかないCCが悪いんだしぃ」

ルルーシュ「やはり当たりか」

ラクシャータ「まぁね」

ラクシャータ「…てか、あんたらお互い気にしすぎな気もするわ」

ルルーシュ「そんなことないさ」

ラクシャータ「…そうかしらねぇ」

249:2012/11/27(火) 02:55:47 ID:
ルルーシュ「これがリフレイン…」

ラクシャータ「被害者は大抵支離滅裂な証言で、詳しいことはわかってないみたいだけどぉ」

ラクシャータ「かなり強力な催眠効果、幻覚効果があるわねぇ」

ラクシャータ「使ってみないことにはわからないけどぉ」

ラクシャータ「想像するに、過去に浸れるって感じじゃないかなぁ」

ルルーシュ「過去に…?」

ラクシャータ「成分的に、夢を強制するようなもんだからさぁ」

ラクシャータ「名前もリフレインだし」

ルルーシュ「…なるほど」

250:2012/11/27(火) 03:00:04 ID:
ラクシャータ「で?これを聞いてどうするわけぇ?」

ルルーシュ「…とりあえずは、CCと話し合いだ」

ルルーシュ「騎士団側でどう動いているのか確認しなければならない」

ラクシャータ「なぁるほどねぇ」

ルルーシュ「これからは隠し事は無しだ、いいな?」

ラクシャータ「はいはい、ちゃあんと言うよ」

ルルーシュ「それでいい」

ルルーシュ「作戦前にCCに連絡を…」

ジェレミア「ルルーシュくん、ここにいたのか!」

ルルーシュ「じぇ、ジェレミア卿!?」

ジェレミア「君のナイトメアも調整しておくべきだ」

ジェレミア「今夜の作戦、万全を期す必要がある!」

ルルーシュ「い、いえ、私は…」

251:2012/11/27(火) 03:03:00 ID:
ジェレミア「まあまあ、とにかくハンガーに行こう」ズルズル

ルルーシュ「ですから、私は…」

ジェレミア「話なら、調整が終わってからだ!」

ラクシャータ「ありゃ、行っちゃったぁ…」

ラクシャータ「…とりあえず、CCに連絡とっとこ」

ラクシャータ「内容は…旦那が危ないかもぉ、とか?」ピッ

ラクシャータ「まだ分かんないんだけどねぇ」

ラクシャータ「…あ、CC?実は…」

257:2012/11/27(火) 12:45:00 ID:
~ゲットー工業区画~

ジェレミア「この辺りだな」

ジェレミア「二人とも、注意しろ」

ジェレミア「相手側はナイトメアを保持しているという報告もある」

ジェレミア「警戒を怠らず、不審なものを発見したらすぐに私に知らせるように」

ルルーシュ「了解しました」

カレン「了解」

ジェレミア「よろしい」

ジェレミア「プロトのファクトスフィアの方が、私のサザーランドより性能が良い」

ジェレミア「期待しているぞ、ランペルージ准尉」

カレン(一応けじめはあるのね…)

ジェレミア「それでは、区画のクリアリング開始だ!」

258:2012/11/27(火) 12:51:59 ID:
ジェレミア「…怪しいものは無いな…」

ルルーシュ「あちらの倉庫側かもしれません」

ルルーシュ「工場よりも道幅が狭く、ナイトメアの進入が困難ですから」

カレン「建物内クリア」

カレン「もぬけの殻ってやつね、何にも無いわ」

ルルーシュ「…何も無い?」

カレン「え、ええ」

ジェレミア「妙だな」

ルルーシュ「はい」

カレン「どういうこと?」

259:2012/11/27(火) 13:02:50 ID:
ルルーシュ「ブリーフィング資料にあっただろう」

ルルーシュ「この辺りは、爆撃された後にずっと放置されていた」

ルルーシュ「無論、立ち入る人間も多くない」

ジェレミア「そんな場所で、工場から作業機を移動するのは不自然だ」

ジェレミア「何者かが、正規のルートで手に入らなかった分を運び出したに違いない」

ルルーシュ「…ここは、染料工場です」

カレン「…じゃあ、狙うとすれば抽出機かな?」

ジェレミア「ビンゴだ、シュタットフェルト!」

カレン「え?あの、カレンでいいです…」

ジェレミア「ならばカレン!よくぞここを見つけた」

ルルーシュ「機材を外の区画に移動したとは考えにくい」

ルルーシュ「恐らく、最終的な調整を倉庫内で行っているのではないでしょうか」

ジェレミア「そうと分かれば、早速行ってみよう」

カレン(…ここなら、歩いて来るのは難しいし)

カレン(…気のせい、だよね?)

260:2012/11/27(火) 13:09:16 ID:
~倉庫区画~

ジェレミア「なるほど、動きにくいな」

ルルーシュ「確かに、ここならば捜索されるまでには時間がかかる」

ルルーシュ「ある程度売り抜けば、リピーターはどこまでもついて来ると踏んだのでしょう」

ジェレミア「安定供給を狙うまでの隠れ蓑には丁度いいか」

ジェレミア「つくづく悪知恵の働くやつらだ」

ルルーシュ「ジェレミア卿、本部への報告は…」

ジェレミア「まだ何も発見していないのだ、必要ない」

ルルーシュ「しかし…」

ジェレミア「大丈夫だ、問題ない」

ルルーシュ「そうでしょうか…」

カレン「…」

ルルーシュ「カレン?どうかしたのか?」

カレン「え?あ、うん、平気平気…」

ルルーシュ「?」

261:2012/11/27(火) 13:16:49 ID:
ジェレミア「む、あれは…」

ルルーシュ「警察のナイトメアのようです」キュイイン

ルルーシュ「恐らく、隣の捜索区域と重なっているのでしょう」

ジェレミア「なるほど、話を聞いてみるか」

ジェレミア「そこのナイトメア、応答せよ」

警官「はっ、捜索ご苦労様です」

ジェレミア「そう畏まらなくていい」

ジェレミア「それより、ここに不審な様子はないか?」

警官「何者かが動いたように思い、自分もここに来たばかりなのです」

警官「仲間は別区域に散っていますし、どうしようかと」

ジェレミア「そうだったのか」

ジェレミア「ならば、私たちと共に来い」

警官「りょ、了解しました!」

262:2012/11/27(火) 13:18:36 ID:
ルルーシュ(今来たばかり…?)

ルルーシュ(サーチには動体反応は無かったが…)

ルルーシュ(まあ、器物が多いせいでラグも大きい、そのせいか…)

カレン「ルルーシュ、行くみたいよ」

ルルーシュ「…ああ」

263:2012/11/27(火) 18:54:35 ID:
ジェレミア「それでは、突入するぞ」

警官「いや、ここは自分が先陣を…」

ジェレミア「何を言っている」

ジェレミア「我々はプロだ、任せておきたまえ」

警官「しかし…」

ジェレミア「くどいぞ」

警官「は、はいっ!も、申し訳ありません!」

カレン「…」

ルルーシュ「…」

ジェレミア「私が入ってすぐに、周囲の制圧を頼む」

ジェレミア「ランペルージ准尉は右側面、警官と共に」

ジェレミア「カレンは左側だ」

カレン「…了解」

ルルーシュ「了解しました」

ジェレミア「行くぞ!」ギャルルルル

264:2012/11/27(火) 19:01:40 ID:
~倉庫内~

どかぁあん!

ジェレミア「今すぐ武装解除し、そこで大人しくするがいい!」

警官「う、うわぁぁぁぁ!」ダダダダッ

ルルーシュ「ば、馬鹿な!?」

ジェレミア「何をしている!犯人を殺してもどうにもならんだろう!」

警官「わぁぁぁ!」ダダダダッ

ルルーシュ「くっ!ジェレミア卿、私が止めます!」

ルルーシュ「ブレイズルミナスで…」キュインッ

ジェレミア「すまない!」

ジェレミア「カレン!今のうちに確保を!」

???「ああ、ナオト…」

カレン「あ、あれは…っ!?」

ジェレミア「カレン!どうした!?」

カレン「あ、あああ…」

265:2012/11/27(火) 20:17:12 ID:
ジェレミア「ちいっ、まともに動けんか!」

ジェレミア「ランペルージ准尉!カレンの様子がおかしい!」

ジェレミア「その警官ともども、ここから動かないように!」

ルルーシュ「了解しました!」

ジェレミア(内部はかなり片付いている)

ジェレミア(恐らくリフレイン使用者であろう人間が十数名残されているところをみるに)

ジェレミア(業者は既に逃走しているのだろう)

ジェレミア『ロイド!今すぐ検問に連絡しろ』

ジェレミア『それから、ここからの逃走予測経路もだ!』

ロイド『人使い荒いねぇ、ジェレミア』

セシル『分かりました、今すぐやらせます!』

ロイド『あいててて、わ、分かってるよぉ』

266:2012/11/27(火) 20:22:21 ID:
ルルーシュ(ジェレミア卿は外に行ってしまったか)

カレン「…」

ルルーシュ(紅蓮も反応はない)

ルルーシュ(まずはこいつをどうにかしなければ…)

警官「くそっ、くそっ、くそっ!!」ダダダダッカチン

ルルーシュ「もう弾切れだ、やめろ!」

警官「ひいっ」

ルルーシュ「何を考えているんだ、お前は」

ルルーシュ「何もかも吹き飛ばせばいいなら、こんな作戦は必要ない」

ルルーシュ「その程度も理解出来ないのか」

警官「いや、あの…気が動転してしまって…」

ルルーシュ「…とにかく、そこで大人しくしていろ」

ルルーシュ「次に何か起これば、その時はナイトメアごと貴様を吹き飛ばすぞ」

警官「は、はいっ」

ルルーシュ「全く…」

267:2012/11/27(火) 20:27:57 ID:
ルルーシュ「次はお前だ、カレン」

ルルーシュ「どうした、いつものお前らしくもない」

カレン「ルルーシュ…?」

ルルーシュ「ああ、落ち着いたか?」

カレン「あ、あの女が…!?」

ルルーシュ「女?」

カレン「そう、わ、わたし、の…」

ルルーシュ「何だ、はっきり言え」

カレン「…わたしの、おかあさん」

ルルーシュ「何だと!?」

ルルーシュ「どこにいる?」

カレン「今、そこの…」

268:2012/11/27(火) 20:30:27 ID:
警官「…」ギャルルルル

ルルーシュ「貴様!動くなと言ったはず…っ!」

カレン「!?」

カレン「やめろぉぉぉぉ!!」

ルルーシュ「カレン!」

ルルーシュ(この様子、どうしたんだ?)キュイイン

ルルーシュ(警官のナイトメアの足元に女性、彼女か!)

警官「がはぁっ!!!」どおぉん

カレン「お前!今!この女を殺そうとしたな!!」

警官「そ、そんなつもりは…」

カレン「やっぱり、ブリタニアなんて信じられない!」

カレン「どいつもこいつも、皆悪党なんだ!」

271:2012/11/28(水) 10:09:32 ID:
カレン「こいつで…吹き飛ばしてやる!」ガシィッ

ルルーシュ「輻射波動機構!?やり過ぎだ!カレン!」

カレン「弾けろぉ…っ!」ピピピピッ

警官「うわぁぁぁぁ!!!」

ルルーシュ「早く脱出を…」

警官「だ、ダメだ!反応が無い!!」ガチャガチャ

ルルーシュ(背後のコンテナが邪魔で作動しないのか…っ!)

ルルーシュ(どうする!?猶予がもう…)

カレン「はぁぁぁぁあっ!!」

ルルーシュ「くそぉっ!」

272:2012/11/28(水) 10:34:50 ID:
ルルーシュ(訓練を思い出せ…)スッ

ルルーシュ(ランスロットタイプの特徴は、三次元的な行動だ)

ルルーシュ(コンテナを避け、空中を行けば間に合うかもしれない!)

ルルーシュ(まずはハーケンを…)バシュッ

ルルーシュ(そしてこのまま、一気に距離を詰めるっ!)ギャアァァァァ

カレン「…ブリタニアァァ!!」カ

ルルーシュ「ロイド、ラクシャータ、カレン!」

ルルーシュ「すまない!」スラァッ

ルルーシュ「MVS!」ブォン

ルルーシュ「てりゃあっ!」ザンッドサッ

カレン「あ、あれ?どうして…」カチカチ

警官「た、助かった…のか…?」

ルルーシュ(…腕の切り落とし、どれほど文句を言われることか…)

273:2012/11/28(水) 10:42:42 ID:
ルルーシュ「…経験が生きたな」

ルルーシュ「…所詮はヴァーチャルだが」カシュッ

ルルーシュ「さて、この惨状をどうしてくれようか」

ルルーシュ「カレンは通信に反応が無い」

ルルーシュ「警官は…もダメか」

ルルーシュ「それに、リフレイン中毒者たちもいる…」

ルルーシュ「…とにかく、まずは民間人からだろう」

ルルーシュ「転がってしまったコンテナに適当に詰め込んで、外に運ぶか」

ルルーシュ「ほら、立て」

中毒者「あ、うあああ」

ルルーシュ「…気力も薬に囚われたか、愚かな」

274:2012/11/28(水) 10:47:09 ID:
ルルーシュ「…この人数を、一人で運ぶのか」

ルルーシュ「ふっ、以前の俺なら諦めていたかもしれん」

ルルーシュ「だが、今は筋力もついて来ている!」

ルルーシュ「この程度のこと、造作も…」ズッシリ

ルルーシュ「ぞ、造作も…」プルプル

ルルーシュ「…」

ルルーシュ「うおおぉぉぉおお!俺を、舐めるなぁ!」ズリズリ

???「…」

275:2012/11/28(水) 10:51:59 ID:
~倉庫外~

ルルーシュ「お、終わった…」フゥフゥ

ルルーシュ「とりあえず、コンテナの中の人間も、中毒以外は無事か…」

ルルーシュ「応援も要請したし、問題はない」

ルルーシュ「お前以外はな、カレン」ガシャン

カレン「…」

ルルーシュ「そろそろ降りて来たらどうだ?」

ルルーシュ「わざわざ引っ張ってきた意味が無くなるだろう」

カレン「…うん」

ルルーシュ「足元、気をつけろよ?」

カレン「そのくらい、分かって…」グラァッ

ルルーシュ「よっと…、ほら、だから気をつけろと言ったんだ」

カレン「…ごめん、あと、ありがとう」

ルルーシュ「気にするな、仲間だろ?」

カレン「…」

276:2012/11/28(水) 11:41:47 ID:
カレン「警官は?」

ルルーシュ「確認したよ、気絶していた」

ルルーシュ「位置的に、下手に動かすとコンテナが崩落するかもしれなかったから、あそこに置いてきた」

ルルーシュ「空コンテナばかりだし、死ぬこともないだろう」

カレン「…わたしのせいね」

ルルーシュ「…彼女が、君の母親なのか?」

ルルーシュ「眠っているようだったので、他の中毒者とは別に運んだんだが」

カレン「…ええ」

カレン「わたしは、ブリタニア人と日本人のハーフなの」

カレン「話したこと、あったっけ?」

ルルーシュ「…いや」

カレン「そっか」

カレン「わたし、…ううん、あたしは紅月カレン」

カレン「カレン・シュタットフェルトは、本当のあたしじゃない」

277:2012/11/28(水) 11:44:36 ID:
カレン「日本がエリア11になって、お兄ちゃんが死んじゃって」

カレン「お母さん、ずっと変な感じだった」

カレン「全部溜め込んで、無理して」

カレン「それで…」

ルルーシュ「…もういい」

ルルーシュ「何と無く察した」

ルルーシュ「すまないな、辛いことを話させた」

カレン「…」フルフル

278:2012/11/28(水) 11:52:31 ID:
ルルーシュ「大丈夫だ」

ルルーシュ「リフレインは出回り始めて、まだ日が浅い」

ルルーシュ「再起不能になる中毒者も出ないだろう」

ルルーシュ「…強力な薬だから、簡単に、ともいかないだろうが」

ルルーシュ「リフレインは、俺が撲滅してやる」

カレン「…ルルーシュが?」

ルルーシュ「ああ、必ずな」

ルルーシュ「幻想の過去にすがる必要のない、真実の世界を取り戻す」

ルルーシュ「疲れているだろう、少し休んでいるといい」プシュ

カレン「な、何を…」

ルルーシュ「鎮静剤だ、楽になる」

カレン「…る、ルルーシュ…」ガクッ

279:2012/11/28(水) 11:52:56 ID:
ルルーシュ「…」

ルルーシュ「…っ」ダンッ

ルルーシュ「俺は、弱い…」

ルルーシュ「…」

280:2012/11/28(水) 11:56:19 ID:
~倉庫内~

警官「…はっ!」

警官「お、俺は…」

警官「…生きている」

警官「ふう」

警官「外の様子は…?」カシュッ

警官「…全て片付いた後か…」

警官「くっ…」

警官「仕方ない、とにかく報告と…」

警官「…あとは、あの軍人…」

警官「カレン、とか言ったか、あいつの蛮行も軍本部に伝えて…」

???「それは、やめた方がいい」

警官「…っ!?誰だ!」

281:2012/11/28(水) 11:59:37 ID:
???「お初にお目にかかる」バサッ

警官「お、お前は…ゼロ!?」

ゼロ「いかにも」

ゼロ「忠告しておこう、その報告は、しない方がいい」

警官「どういうことだ!」

ゼロ「…ふむ、貴様は…」ピッ

ゼロ「なるほど、あたりと言えばあたりか」

警官「何の話だ?」

ゼロ「なに、君の正体について、さ」

警官「…っ!」

282:2012/11/28(水) 12:03:31 ID:
警官「な、何のことだ?」

ゼロ「何故、リフレインはなかなか表舞台に出なかったのか」

ゼロ「犯人も捕まらなかったのか」

ゼロ「簡単なことだ、捜索する側に内通者がいる」

ゼロ「貴様は、普段警邏を装い取引き現場近くを徘徊」

ゼロ「仮に応援がきた場合、犯人グループにそれを伝え」

ゼロ「逃走経路を指示することで、逃がしていたのだな?」

283:2012/11/28(水) 12:11:05 ID:
ゼロ「そして、もう一つの仕事は」

ゼロ「金払いの悪くなった顧客を、事故や犯人捕縛時の流れ弾扱いで消すこと」

ゼロ「被害者の殆どは日本人だ、特に問題視もされるまい」

警官「そ、そんなものは言いがかりだ!」

ゼロ「…やれやれ」

ゼロ「丁寧に証拠がないと自分の罪すら認められんか」

ゼロ「そもそも、こんな杜撰な隠蔽工作で逃げ仰せられると思っていることも」

ゼロ「貴様の無能に拍車をかけているのだがな」

警官「何だと!?」

284:2012/11/28(水) 12:16:20 ID:
ゼロ「勤務態度は不真面目なのに、報告書は率先して書きたがり」

ゼロ「さらにリフレイン取引きの現場では必ず、貴様の姿がある」

ゼロ「口座にも出処不明の金が毎月振り込まれ」

ゼロ「これではまだ足りんか?」

警官「そ、それは…」

ゼロ「誤算だったよなぁ、今回の作戦は」

ゼロ「今まで、軍と警察の連携が不十分だったことを利用していたのが、裏目に出たのだから」

287:2012/11/28(水) 18:46:54 ID:
ゼロ「作戦内容が警察に伝わったのは」

ゼロ「開始時刻のわずか30分前」

ゼロ「おかげで、お前はクライアントに警戒を促すことが出来なかった」

ゼロ「取引きは既に始まっていて、中毒者達は動けない」

ゼロ「仕方なく、お前は連中が引き上げるまで、見張るしかなかった」

ゼロ「そして運悪く、やる気満々の軍人さまがご登場」

ゼロ「普段以上に、さらに杜撰な工作しか出来なかった」

警官「うっ」

288:2012/11/28(水) 19:01:13 ID:
ゼロ「こいつをくれてやる」

警官「これは…?」

ゼロ「お前のところに流入している金銭のルートをたどったものだ」

ゼロ「時間はかかったがな」

ゼロ「とある貴族に繋がったよ」

ゼロ「今なら、まだ隠蔽出来るかもしれんぞ?」

警官「お、俺にどうしろって言うんだ!?」

ゼロ「そうだな」

ゼロ「全てを忘れて田舎に帰る、というのはどうだ?」

ゼロ「魅力的な提案だろう?」

警官「…お前は、一体何なんだよ!」

ゼロ「私か?」

ゼロ「正義の執行者だよ」

ゼロ「いや、その影とでも言うべきか」

289:2012/11/28(水) 19:06:54 ID:
警官「…」

ゼロ「いつものように、保身を考えるなら、早く動いた方がいいぞ?」

警官「…お、覚えてろ!」ダダッ

ゼロ「…その価値が、貴様にあれば、な」

扇「良かったのか?逃がしてしまって」

ゼロ「構わん」

ゼロ「とにかく、カレンの事を報告する余裕は、今の奴にはない」

ゼロ「軍とのパイプをきられる方が、大きな痛手となる」

扇「…しかし、よくもまぁあそこまで調べたものだな」

ゼロ「ん?勘違いしていないか?」

扇「え?」

ゼロ「私は、軍と警察、事件に関係していそうな人物を全て洗っただけだ」

ゼロ「奴以外にも、協力者は大勢いる」

ゼロ「当人達は知り様のない、組織活動なんだよ、この事件はな」

扇「…そんな」

290:2012/11/28(水) 19:12:09 ID:
ゼロ「調べている時、気付かなかったか?」

ゼロ「今回の被害者、いや、加害者でもあるか」

ゼロ「名誉ブリタニア人を換算すれば、全て日本人だ」

ゼロ「純粋なブリタニア人は、誰も被害を受けてはいない」

ゼロ「このエリアに限らず、警察は軍からあぶれた者が多い」

ゼロ「さぞ楽しかっただろうな」

ゼロ「下等民族をいたぶるだけで、金が入ってくるのだから」

扇「…」

291:2012/11/28(水) 19:17:17 ID:
ゼロ「扇、これが現実だ」

ゼロ「そして、さらに過酷な事実も孕んでいる」

扇「…ブリーフィングの話か」

扇「本当なのか!?俺は、まだ…」

ゼロ「キョウトにも確認をとった、間違いない」

ゼロ「このリフレイン事件、裏で糸を引いているのは、日本解放戦線リーダー」

ゼロ「片瀬少将だ」

扇「…同じ日本人なのに…どうして…」

ゼロ「そろそろ時間だな、感傷に浸るのは後にしろ」

ゼロ「軍の本隊とすれ違いに、ゲットーを離脱する」

ゼロ「各所に配置していた仲間にも連絡をとれ」

扇「…了解」

292:2012/11/28(水) 19:22:01 ID:
ゼロ「…さて、私も行くか…」

???「させるわけにはいかんな」ガチャ

???「大人しく両手をあげ、ゆっくりとこちらを向け」

ゼロ「何者だ?」

ジェレミア「私はジェレミア・ゴットバルト」

ジェレミア「誇り高き純血派を率いる者だ」

ゼロ「これはこれは、丁寧な挨拶をどうもありがとう」バサッ

ゼロ「私も自己紹介が必要かな?」

ジェレミア「その姿、私の知る限りでは」

ジェレミア「貴様がゼロだな?」

ゼロ「ふっ、いかにも」

293:2012/11/28(水) 19:34:04 ID:
ゼロ「君は犯人グループを追ったと思っていたが」

ジェレミア「ああ、もう捕まったよ」

ジェレミア「残念ながら、詳しくは知らされていない下っ端に過ぎなかったが」

ゼロ「なるほど、長居が過ぎたか」

ジェレミア「…戻ってみれば、まさに大将首」

ジェレミア「何か言い分はあるか?」

ゼロ「今回の件に、我ら黒の騎士団は関与していない」

ゼロ「とだけ言っておこう」

ジェレミア「…そうか」

ゼロ「…私を捕らえるか?」

ジェレミア「いや、やめておこう」

ジェレミア「私も、まだ死にたくは無いのでな」

294:2012/11/28(水) 19:40:32 ID:
???「気付いていましたか」スッ

ジェレミア「職業柄、こういうことには敏感でね」

ジェレミア「まあ、当てずっぽうだ」

???「なんと…」

ジェレミア「それに、こんな場所で捕らえても、ドラマ性がないだろう?」

ゼロ「…ほぅ、面白い奴だ」

ジェレミア「その首、次に会う時まで預けてやる」

ジェレミア「仮面の中身を白日の下に晒すのは、この私だということを忘れるな」

ゼロ「…よかろう、覚えておいてやる」

ジェレミア「分かったら、速やかに立ち去るといい」

ジェレミア「余り時間が経てば、私の気が変わるかもしれん」

295:2012/11/28(水) 19:47:22 ID:
ゼロ「それでは、お言葉に甘えるとしよう」

ゼロ「行くぞ」

???「はい」

ジェレミア「おっと、最後に聞かせてもらいたい」

ゼロ「何だ?」

ジェレミア「不死身の男よ、お前を殺すにはどうすればいい?」

ゼロ「…そうだな」

ゼロ「貴様はその鍵を既に得ている」

ゼロ「ルルーシュ・ランペルージ」

ゼロ「その者を失わぬことだ」

ジェレミア「何だと!?」

296:2012/11/28(水) 19:52:57 ID:
ジェレミア「貴様!それはどういう…」

ゼロ「見逃していただく分のサービスはここまでだ」

ゼロ「さらば」バサッ

???「…失礼」スッ

ジェレミア「なっ…」

ジェレミア「アサシンのような連中だ…」

ジェレミア「…ルルーシュくんが、鍵?」

ジェレミア(やはり、これは…)

ジェレミア(私の考えが正しいとすれば、ゼロが狙っているのは)

ジェレミア(ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアという存在…)

ジェレミア(彼は、本当にマリアンヌ様の…)

ジェレミア(これは、本格的に調査をする必要があるな)

ジェレミア(…仮に違ったとしても、彼は既に我が隊の一員)

ジェレミア(全力で守らねば!)

298:2012/11/28(水) 20:00:07 ID:
???「…よろしかったのですか?」

???「あそこまで言ってしまって」

ゼロ「問題ない、咲世子」

ゼロ「あの男、口は固いからな」

咲世子「しかし…」

ゼロ「少々私の想定とはズレたが」

ゼロ「ルルーシュは確実に成長している」

ゼロ「奴には、ルルーシュの指導役として、もっと働いて貰わなくてはならん」

咲世子「…ゼロ様」

咲世子「恐らく、ルルーシュ様はこのようには望みません」

ゼロ「…私には予感がある」

299:2012/11/28(水) 20:01:52 ID:
ゼロ「恐らく、我々では対処してやれない問題が、ルルーシュに襲いかかる」

ゼロ「私は」

ゼロ「ルルーシュに死んで欲しく無い」

咲世子「…」

咲世子「ゼロ様のお言葉のままに」

ゼロ「すまん」

咲世子「お気になさらず」

ゼロ「…分かった」

309:2012/11/30(金) 01:38:42 ID:
~特派トレーラー~

ラクシャータ「うわぁ…」

ロイド「…派手にやったねぇ…」

ルルーシュ「すみません」

ラクシャータ「これ、一応ワンオフだから、バランス調整から始めないとなんだけどぉ」

ルルーシュ「…すみません」

ラクシャータ「これ、ホントにあんたがミスしただけ?」

ラクシャータ「そういうタイプには見えないけどぉ」

ルルーシュ「…」

ロイド「…まぁ、直せるからいいんだけどさぁ」

ロイド「いちおう始末書、書いといてねぇ」

ルルーシュ「了解しました」

310:2012/11/30(金) 01:41:33 ID:
ルルーシュ「…ふぅ」

スザク「ルルーシュ、怒られなかった?」

ルルーシュ「スザク…」

ルルーシュ「少し小言を言われた程度だ」

ルルーシュ「カレンは?」

スザク「仮眠室で寝ているよ」

スザク「セシルさんがついているし、大丈夫だと思う」

ルルーシュ「そうか」

ルルーシュ「すまない、今日は疲れていてな」

ルルーシュ「このまま帰らせてもらっていいか?」

スザク「あ、うん、分かった」

311:2012/11/30(金) 01:45:22 ID:
ルルーシュ「…そういえば、ジェレミア卿はどうしたんだ?」

スザク「一度帰ってきたけど、すぐにどこかへ行っちゃったよ」

スザク「なにか、焦っているみたいだったなぁ」

ルルーシュ「…そうか」

ルルーシュ「それじゃ、俺も帰らせてもらうよ」

スザク「うん、おやすみ」

ルルーシュ「スザクは帰らないのか?」

スザク「僕は仕事もそうだけど、学校のほうも余裕はないから」

スザク「勉強していこうと思って」

ルルーシュ「…あとでノート、貸してやるよ」

スザク「本当かい?助かるよ」

312:2012/11/30(金) 01:50:00 ID:
~アパート~

ルルーシュ「ただいま…」

CC「おかえり、ルルーシュ」

ルルーシュ「CC、話が…」

CC「私も話がある」

CC「だが、まずは食事と身だしなみだ」

CC「何も食べていないのだろう?」

ルルーシュ「…そうだな、先に用事は済ませてしまおう」

CC「今温める、ちょっと待っていろ」トテトテ

ルルーシュ「…ありがとう」

CC「ふふっ、聞こえているぞ?」

ルルーシュ「…」

ルルーシュ「地獄耳め」

313:2012/11/30(金) 01:53:58 ID:
~一時間後~

ルルーシュ「さて、これで問題に集中できるな」

CC「そんなお前にホットミルクを差し入れてやろう」コトッ

ルルーシュ「いただこう」

CC「私はココア派だがな」

ルルーシュ「虫歯になっても知らんぞ?」

CC「…きちんと歯を磨けば大丈夫なはずだ」

ルルーシュ「気をつけろよ」

CC「…なあ、それと交換しないか?」

ルルーシュ「いくらなんでも気にしすぎだろう…」

314:2012/11/30(金) 01:58:55 ID:
CC「えー、こほん」

CC「まずは、リフレインについて、だ」

ルルーシュ「俺が得ている情報は、ほとんど価値がない」

CC「これに関して言えば、騎士団の力でかなり核心に迫っている」

CC「連絡しなかったことは、謝ろう」

ルルーシュ「…まあいいさ」

ルルーシュ「どのみち、知っていたところで特にやることは変わらなかった、そうだろう?」

CC「ああ」

CC「関係するのはこれからだ」

ルルーシュ「リフレインの出処と、首謀者は誰なんだ?」

315:2012/11/30(金) 02:02:15 ID:
CC「私はずっと、金の流れを追っていた」

CC「被害者に共通点があったからな」

ルルーシュ「日本人のみ、ということだろう?」

CC「知っていたのか」

ルルーシュ「少しだけ調べてみた」

ルルーシュ「犯人はブリタニア人ではないか、とな」

CC「間違ってはいないな」

CC「とりあえず、この報告書を見てくれ、咲世子にまとめさせたものだ…」

316:2012/11/30(金) 02:07:27 ID:
ルルーシュ「…これが、真実なのか?」

CC「…ああ、間違いない」

ルルーシュ「…権力に溺れる阿呆め…」

CC「騎士団参加を断ったときに、警戒を入れておけばよかったな」

ルルーシュ「ここまで腐っていたとは、想定外だ、仕方ない」

CC「ちなみに、得た金銭でサクラダイトを購入しているようだな…」

ルルーシュ「サクラダイトを?」

CC「ああ、購入にキョウトを介している、確かな情報だ」

ルルーシュ「…なるほど」

317:2012/11/30(金) 02:12:26 ID:
ルルーシュ「おそらく、どこかに亡命でも企てているな」

CC「…確かに、サクラダイトは重要資源だし、その方向でも考えたが」

CC「落ち目といえど、日本解放戦線の影響力は未だに強い」

CC「わざわざ亡命する理由がないんじゃないか…?」

ルルーシュ「そうだな、引っ掛かりはある」

ルルーシュ「だが逆に考えてみろ」

ルルーシュ「今の状況で、なぜ亡命を考えなければならない?」

CC「…なぜだ?」

ルルーシュ「簡単だよ、おそらく戦線をまとめきれていないのだろう」

ルルーシュ「草薙のような例もある」

318:2012/11/30(金) 02:18:35 ID:
CC「…そういえば」ペラペラッ

CC「最近、藤堂鏡志朗率いる四聖剣が頻繁に遠征しているという話があったな」

ルルーシュ「おそらく、それが答えだろう」

ルルーシュ「解放戦線の成り立ちは、俺もある程度把握している」

ルルーシュ「メンバーの中には、単純に藤堂を慕って集まったものも多いというしな」

CC「そうか、自分の立場が危うくなる前に、危険でも資金を集めておこうとしたのか」

ルルーシュ「大量のサクラダイトが手土産ならば、亡命先には困らないだろう」

ルルーシュ「…まあ、そんなことをさせるわけにはいかないが…」

CC「どうする?」

319:2012/11/30(金) 02:24:03 ID:
ルルーシュ「まずは、リフレインの流通と、生産を停止させなければ」

CC「騎士団でやるか?」

ルルーシュ「ああ」

ルルーシュ「先ほどの報告書によれば、それなりな数のブリタニア人貴族が関与している」

ルルーシュ「今のコーネリアでは、その根本まで叩くのは難しいだろう」

ルルーシュ「生産施設の破壊、そして金銭、物資両面の流れをまとめてくれ」

ルルーシュ「言い逃れが出来ないようにな」

CC「分かった、すぐに指示しておこう」ピッ

320:2012/11/30(金) 02:27:19 ID:
ルルーシュ「解放戦線の拠点は判明しているのか?」

CC「ああ、キョウトに協力を要請したら、あっさり承諾されてな」

CC「奴らは今、ナリタ連山を隠れ家にしているらしい」

ルルーシュ「ナリタか」

CC「こちらも、我々で落とすのか?」

ルルーシュ「…いや、それはやめたほうがいい」

ルルーシュ「日本人にとって解放戦線は、まだまだ自分たちの希望になっている」

ルルーシュ「それを、騎士団が潰すわけにはいかない」

321:2012/11/30(金) 02:32:46 ID:
ルルーシュ「それに、うまくいっていないにしろ」

ルルーシュ「解放戦線の本部が危険となれば、藤堂と四聖剣も動くだろう」

ルルーシュ「こちらの苦戦は容易に想像がつく」

ルルーシュ「…攻城戦のために、餌を用意するか…」

CC「えさ?」

ルルーシュ「ああ、俺の計画を話すとだな…」ゴニョゴニョ

CC「…ふむ、なるほど」

ルルーシュ「タイミングを測って、この情報を伝えれば」

ルルーシュ「必ず、自ら動こうとするだろう」

CC「となると、私は別行動か」

ルルーシュ「ああ、四聖剣の方を任せる」

ルルーシュ「餌は…」

CC「ああ、そっちは任せろ」

CC「あてがある」

ルルーシュ「あて?」

322:2012/11/30(金) 02:39:10 ID:
CC「ラクシャータが以前開発していた、新型の日本製ナイトメアがある」

CC「これを完成させれば、ほしがるとは思わんか?」

CC「これで、解放戦線の主力を分断する」

ルルーシュ「…よし、その案でいこう」

ルルーシュ「俺はリフレインの処理と、コーネリアをどうにかしなければ」

CC「この作戦の要でもある、慎重に動かないと…」

ルルーシュ「分かっているさ」

ルルーシュ「ナイトメアの都合がつき次第、計画を実行する」

331:2012/12/01(土) 02:16:42 ID:
~軍資料庫~

ジェレミア「…やはり、間違いない」

ジェレミア(確かに資料自体は何も残っていない)

ジェレミア(しかし、それこそが妙だ)

ジェレミア(公式には行方不明、暗殺で方が付いているようだが)

ジェレミア(皇族の事件にしては、捜査もなにも行われた形跡がない)

ジェレミア(やはり、このエリアで生きておられたのだ…)

ジェレミア「…さて、私のするべきことは、決まったな」

ヴィレッタ「なんですか?それは」

ジェレミア「ヴィレッタか」

332:2012/12/01(土) 02:19:41 ID:
ジェレミア(ルルーシュくんの様子からして、おそらく事実を知る人間は多くない)

ジェレミア(ここは黙っておくのが得策だろう)

ジェレミア「リフレインに関する資料だ」

ジェレミア「前回の作戦では、あまり情報が得られなかったしな」

ヴィレッタ「そうですか…」

ジェレミア「何かあったのか?」

ヴィレッタ「…我々は、このままでいいのでしょうか」

ジェレミア「どういうことだ?」

333:2012/12/01(土) 02:23:42 ID:
ヴィレッタ「作戦から一週間」

ヴィレッタ「本部も大きな動きがなく、日々訓練を繰り返す毎日」

ヴィレッタ「これでは、軍の訓練教官と変わりません」

ジェレミア「訓練は大切だ」

ジェレミア「事実、枢木やカレン、ルルーシュくんは特に腕を上げているだろう」

ヴィレッタ「我らのすべきことではないと言っているのです」

ヴィレッタ「大義のために、今の場がふさわしいとは思えません」

ジェレミア「…それは、我らが決めることではない」

ジェレミア「文句を言う暇があるなら、独自に調査をするべきだ」

ヴィレッタ「…」

334:2012/12/01(土) 02:29:00 ID:
ジェレミア「ヴィレッタ、疲れているのではないか?」

ジェレミア「気分転換に街に出てみるといい」

ヴィレッタ「…そうかもしれませんね」

ヴィレッタ「お言葉に従おうと思います」

ヴィレッタ「ジェレミア卿、あまりご無理をなされませんよう」

ジェレミア「それは私のセリフだ」

ヴィレッタ「…失礼します」スタスタ

ジェレミア「…ふむ」

335:2012/12/01(土) 02:30:54 ID:
ジェレミア(ヴィレッタは、よくやってくれている)

ジェレミア(だが、今回のような膠着する作戦の経験は乏しい)

ジェレミア(いい機会だ、慣れさせるとともに励ましてやらねば)

ジェレミア(さて、何をすれば良いのだろうか…)

346:2012/12/04(火) 13:55:18 ID:
~繁華街~

ヴィレッタ(…どうにも気乗りしない)

ヴィレッタ(目的がないと、繁華街もただやかましいだけだな)

ヴィレッタ(イレヴンも多い、気が滅入るな…)

ヴィレッタ(とりあえず、時間的に食事でもするか)

ヴィレッタ(静かな所…あの寂れた酒場でいいだろう)

ヴィレッタ(あまり強いわけでは無いが、気晴らしにくらいはなる…)スタスタ

347:2012/12/04(火) 14:01:59 ID:
~酒場~

ヴィレッタ「…」トサッ

マスター「…注文は?」

ヴィレッタ「金はある、美味い酒をくれ」

マスター「…あいよ」

ヴィレッタ(…何を食べるか…)

女「きゃははっ、それありえなーい」

男「いや、マジなんだって、俺もさぁ…」

ヴィレッタ(…鬱陶しい)

348:2012/12/04(火) 14:02:47 ID:
男「あっ」ばしゃっ

ヴィレッタ「…っ」

ヴィレッタ「…貴様、何をする!」ポタポタ

男「わ、悪い、ぶつかっちまって…」

女「ちょ、ちょっと…ヤバイって…」

ヴィレッタ「…どうやら、この服の意味すら分からん輩のようだな…」

男「服…?って、軍人!?」

ヴィレッタ「覚悟は出来ているんだろうな?」

349:2012/12/04(火) 14:05:53 ID:
男「あ、あの…すみません」

ヴィレッタ「謝って済むか」

ヴィレッタ「貴様、見た所イレヴンだな?」

男「いや、あの、名誉ブリタニア人で…」

ヴィレッタ「関係ない、純血以外はみなブリタニア人ではない」

男「そんな…!?」

ヴィレッタ「さあ、どうしてくれようか」

女「あ、あたしは関係ないから!」ダッ

男「お、おいっ!」

353:2012/12/06(木) 11:18:54 ID:
ヴィレッタ「随分と仲のいいことだな」

男「あ、あの、許して…」

ヴィレッタ「ただ許しては、私の気が済まないな」

男「じゃあ、どうすれば…」

ヴィレッタ「ふむ」

ヴィレッタ「そうだな、ここで死んでみるというのはどうだ?」

男「ひいっ!?」

???「やめてください」

ヴィレッタ「…誰だ、貴様は?」

354:2012/12/06(木) 11:23:39 ID:
???「ここで働いている者です」

???「他のお客様が怯えています、どうか」

ヴィレッタ「名前は?」

???「…玉城です」

ヴィレッタ「玉城、私に意見するとはどういうことか分かっているのか?」

ヴィレッタ「イレヴンをどうするも、ブリタニア人の自由なのだぞ?」

玉城?「分かっています」

玉城?「私からも謝罪しますから」

ヴィレッタ「話にならんな」

玉城?「…どうか」

ヴィレッタ(…なんだ、この強硬さは)

355:2012/12/06(木) 11:26:17 ID:
ヴィレッタ「ふん、興が削がれた」

ヴィレッタ「ならば貴様がそれなりの態度で謝罪するのだろうな?」

玉城?「と、いいますと?」

ヴィレッタ「イレヴンには土下座という文化があるのだろう?」

ヴィレッタ「ここでやってみろ」

玉城?「…っ」

ヴィレッタ「どうだ?出来ないのか?」

玉城?「…いえ」グッ

玉城?「申し訳ありませんでした」

ヴィレッタ「…ふん」

356:2012/12/06(木) 11:31:29 ID:
ヴィレッタ「情けない姿だな」

ヴィレッタ「イレヴンは誇り高い民族だと聞いていたが」

ヴィレッタ「どうやら貴様には受け継がれなかったらしい」

玉城?「…これが、俺の誇りです」

ヴィレッタ「どういうことだ」

玉城?「無駄な争いはしない」

玉城?「惨めだろうと、自らの信念は曲げない」

玉城?「これが、日本人としての、俺の誇りです」

ヴィレッタ「…馬鹿な奴だ」

玉城?「これで許していただけますか?」ジッ

ヴィレッタ「…どうせ、私が納得するまでやる気なのだろう」

玉城?「それでこの場が収まるならば」

357:2012/12/06(木) 11:37:48 ID:
ヴィレッタ「…ああもう、鬱陶しい!」

ヴィレッタ「そこのイレヴン!次はないと思え!」

男「は、はひぃ!」ダダッ

ヴィレッタ「これで満足か?」

玉城?「はい」

ヴィレッタ「全く気が滅入る」

ヴィレッタ「私は帰るぞ」

玉城?「お待ち下さい」

ヴィレッタ「まだ何かあるのか!」

玉城?「お詫びとして、食事を振舞わせて下さい」

玉城?「お代はいただきません」

358:2012/12/06(木) 11:42:15 ID:
ヴィレッタ「中途半端な味なら、承知せんぞ?」

玉城?「…少々お待ちを」

ヴィレッタ(…なんなんだ、あの男は)

ヴィレッタ(イレヴンの癖に、怯えた顔一つしないとは)

ヴィレッタ(調子が狂う…)

玉城?「どうぞ」

ヴィレッタ「…早いな」

玉城?「カレーですから」

ヴィレッタ「カレーだと?」

ヴィレッタ「そんな単純な料理で…」

玉城?「とにかく一口、食べてみて下さい」

ヴィレッタ「…いいだろう」

359:2012/12/06(木) 11:46:11 ID:
ヴィレッタ(適当に難癖つければいいだけだ)パクッ

ヴィレッタ「むっ!」

玉城?「いかがですか?」

ヴィレッタ「…美味い」

玉城?「何よりです」

ヴィレッタ「貴様が作ったのか?」

玉城?「はい、得意料理なので」

ヴィレッタ「…何から何まで気に食わない奴だ」パクパク

玉城?「それでは、失礼します」クルッ

ヴィレッタ(…美味い)

360:2012/12/06(木) 11:50:19 ID:
玉城?「…ふぅ」

マスター「何やってんだ、お前は」

玉城?「マスター」

マスター「勝手にごちゃごちゃやりやがって」

マスター「後で面倒な事になるだろうが」

玉城?「人が死ぬよりいいでしょう?」

マスター「…カレーの代金、お前の給料から引いとくからな」

マスター「扇、あんまり無茶するもんじゃねぇ」

扇「…肝に銘じます」

マスター「…片付け、やっとけよ」

361:2012/12/06(木) 11:54:27 ID:
~エリア11 総督府~

コーネリア「リフレインに関する情報はないのか?」

ギルフォード「残念ながら、成果は芳しくありません」

コーネリア「…なんとかせねば」

ギルフォード「姫様、ここまで見つからないとなると…」

コーネリア「…分かっている、貴族連中が関わっているのは明らかだ」

コーネリア「だからこそ、全てを隠蔽される前に決定的な証拠を手に入れなければ」

コーネリア「捕縛した販売員は?」

ギルフォード「ただの雇われですね、雇用主については、何も…」

362:2012/12/06(木) 12:00:57 ID:
コーネリア「遭遇したのは特派だけか」

ギルフォード「ええ、報告書はこれです」つ

コーネリア「…」

コーネリア「発見者は、ジェレミア・ゴットバルト、カレン・シュタットフェルト」

コーネリア「…ん?ルルーシュ?」

コーネリア「ギルフォード、ルルーシュ・ランペルージの情報はあるか?」

ギルフォード「?はい」ピッピッ

ギルフォード「階級は准尉ですね、ナイトメア操縦技能は検定でBランク」

ギルフォード「もともと技師見習いとして特派に所属したようですね」

ギルフォード「特に不審な点はありませんが…」

コーネリア「家族構成は分かるか?」

364:2012/12/06(木) 12:09:03 ID:
ギルフォード「家族構成は妹が一人と…おや、若いのに婚約者がいるようですね」

ギルフォード「キャロライン・コーンウォール、ブリタニア人とイレヴンのハーフのようです」

コーネリア「妹の名前は!?」

ギルフォード「はっ、ナナリー・ランペルージと」

コーネリア「ルルーシュにナナリー?偶然にしては…」ブツブツ

ギルフォード「どうかなされましたか?」

コーネリア「…明日一番に、ルルーシュ・ランペルージを呼び出すのだ」

ギルフォード「はい?」

コーネリア「理由を知る必要はない、とにかく呼び出せ」

ギルフォード「?了解しました…?」

コーネリア(…ルルーシュ、お前なのか?)

365:2012/12/06(木) 12:17:10 ID:
~アパート~

CC「ルルーシュ、今回の件、報告書はジェレミアに出させて良かったのか?」

ルルーシュ「構わない、見るのはコーネリアくらいだ」

CC「お前の名前も書かれてしまったぞ?」

CC「いつものような誤魔化しがないのは、問題だと思うのだが…」

ルルーシュ「きっかけを作らなければ、コーネリアに会うのは難しい」

ルルーシュ「下手に事を荒立てれば、余計な火種を作りかねんからな」

CC「だから向こうを動かす、と」

ルルーシュ「ああ、コーネリアに意見できる人間は限られているからな」

CC「どうなっても知らんぞ?」

ルルーシュ「その時は、お前に力を借りるさ」

CC「知らんと言っているのに」

ルルーシュ「とにかく、あまり気にするな」

ルルーシュ「それより、リフレインの方を頼む」

380:2012/12/08(土) 13:22:09 ID:
~特派トレーラー~

ルルーシュ「コーネリア様から呼び出しですか」

ロイド「うんうん」

ロイド「一体何をしたのぉ?呼び出しなんて相当だけど」

ルルーシュ(思っていたより早く動いたな)

ルルーシュ「…いえ、心当たりはありません」

ロイド「ま、呼ばれちゃったなら行かないとねぇ」

ルルーシュ「はい、すぐに行ってきます」

ロイド「はぁい、お土産もらってきてねぇ」

ルルーシュ「…それでは」

ロイド「あはは、冗談なのにぃ」

381:2012/12/08(土) 13:22:42 ID:
ラクシャータ「ロイド、あたしは知らないからねぇ」

ロイド「え?」

セシル「…」ニコッ

ロイド「あ、あははー、僕も仕事仕事…」

セシル「ロイドさん?」

ロイド「うひゃあ、ごめんなさぁい」

382:2012/12/08(土) 13:23:58 ID:
ルルーシュ「…」テクテク

CC「…思いの外早かったな」

ルルーシュ「ついて来たのか」

CC「何があるか分からんからな」

383:2012/12/08(土) 16:07:56 ID:
ルルーシュ「ならば行くぞ」

CC「おや?てっきり帰されるかと思っていたが」

ルルーシュ「どうせ来たのなら、共犯者らしく同行するのがいいだろう」

CC「何だ?言い訳か?」

ルルーシュ「状況次第では、殺されるかもしれないしな」

ルルーシュ「咲世子も呼んである」

CC「何だと?」

ルルーシュ「罠をしかけたのはこちらなのだ、準備は万全にな」

ルルーシュ「さあ、姉上を待たせてもいかん」

CC「私は手助けせんからな」

ルルーシュ「…ああ、居てくれればそれでいい」

CC「な!?」

ルルーシュ「ん?どうした?」

CC「い、いや、何でもない…」

ルルーシュ「?変な奴だ」

384:2012/12/08(土) 16:12:08 ID:
ルルーシュ「…」コンコン

コーネリア「誰だ?」

ルルーシュ「…、ルルーシュ・ランペルージです」

ルルーシュ「入っても、よろしいでしょうか?」

コーネリア「よい、入れ」

ルルーシュ「失礼します」ギイ

コーネリア「お前が、ルルーシュ…」

ユーフェミア「ルルーシュ!?」

ルルーシュ「ゆ、ユーフェミア様…」

CC(何と、早速予定外の人物がいるではないか)

コーネリア「ん?その女は何だ?」

387:2012/12/09(日) 22:08:14 ID:
ルルーシュ「…私の婚約者です」

コーネリア「私が呼んだのはお前一人のはずだが?」

ルルーシュ「すみません、呼び出しを受けたことを話したら」

ルルーシュ「ついてくると言って聞かなくて」

コーネリア「下がらせろ」

ユーフェミア「まあまあ、良いではありませんかお姉さま」

コーネリア「ユフィ…」

ユーフェミア「CCさんでしたよね?河口湖ではお世話になりました」

CC「あ、いえ、そんな…」

コーネリア「…」

388:2012/12/09(日) 22:26:49 ID:
コーネリア「…まあ良い、それでは単刀直入に聞こう」

コーネリア「お前の本当の名前は、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアではないか?」

ルルーシュ「…何を仰られているのですか?」

CC(ん?とぼけるのか?)

ルルーシュ「私はルルーシュ・ランペルージです」

ルルーシュ「コーネリア様の知っているルルーシュ様は皇族の方のようですが」

ルルーシュ「私はアッシュフォード家のご好意に預かる一市民です」

コーネリア「あくまで、知らぬ、と?」

ルルーシュ「仮にそのような身分にあるのであれば、こうして軍務にはつかなかったでしょう」

コーネリア「…そうかもしれん」

ユーフェミア(CCさん、どうしてルルーシュは嘘をつくのでしょう?)

CC(あいつなりに考えがあるのだろう、今はおとなしくしておけ)

ユーフェミア(ふふふ、何だか秘密を共有するのって、楽しいですね)

CC(…マイペースなお姫様だな)

390:2012/12/09(日) 23:27:10 ID:
コーネリア「いや、やはり納得できんな」

コーネリア「貴様、確か妹がいたな?」

ルルーシュ「はい、それがどうかしましたか?」

コーネリア「む…」

コーネリア(よく考えれば、仮にただの空似だった場合)

コーネリア(皇族の秘密を話してしまうことになるではないか)

ルルーシュ(まさかユーフェミアがいるとはな)

ルルーシュ(こういう話には巻き込まないと思ったのだが)

ルルーシュ(早々にギアスで聞き出すわけにはいかなくなったな)

ルルーシュ(ここですぐに正体を認めては、これからの軍の活動にも、騎士団の管理にも支障をきたす)

ルルーシュ(今ははぐらかすのが得策だろう)

391:2012/12/10(月) 00:04:19 ID:
コーネリア「…ランペルージ、貴様は何も知らない、と?」

ルルーシュ「はい」

コーネリア「…すまなかった、私の勘違いだったようだな」

ルルーシュ「いえ…」

コーネリア「とでも言うと思ったか」

ルルーシュ「は?」

ユーフェミア「あら?」

コーネリア「どこからどう見たってルルーシュだろうが」

コーネリア「いい加減、素直に話してしまえ」

ルルーシュ(む、どうするか…)

ルルーシュ(こうなる可能性も考えてはいたが、ごまかし過ぎれば後に響く)

ルルーシュ(どう切り抜けるか…)

CC(こういう時、ルルーシュは考えすぎる傾向にある)

CC(助け舟を出すべきだろうか…)

ユーフェミア(あらあら、皆さん難しい顔です)

398:2012/12/10(月) 13:32:32 ID:
コーネリア「…その女のこともだ」

CC「私、ですか?」

コーネリア「確か、資料があったな…」

コーネリア「ふむ、なるほど」

コーネリア「女、貴様ルルーシュの婚約者だそうだが」

コーネリア「イレヴンの、それもゲットー出身者など、ルルーシュに相応しくない」

コーネリア「ルルーシュも考え直せ」

コーネリア「大方、名誉ブリタニア人の資格が欲しいというだけで寄ってきたのだろう?」

コーネリア「その程度、私が特別に取り計らってやる」

コーネリア「同情で弱みを見せれば、こういう輩はつけあがるからな」

コーネリア「婚約など、解消してしまえ」

399:2012/12/10(月) 13:36:00 ID:
CC「…私は」

コーネリア「黙れ、お前の話など、聞くつもりはない」

コーネリア「ルルーシュ、お前にはもっと身分の確かな、相応しいブリタニア人が…」

ルルーシュ「…そこまでにしていただきたい」

コーネリア「何?」

ルルーシュ「…コーネリア様、それ以上言われると」

ルルーシュ「私も、おとなしく聞いている訳にはいかなくなります」

CC「ルルーシュ…」

コーネリア「何だ?文句があるのか?」

ルルーシュ「はい、文句しかありません」

コーネリア「何だと?」

400:2012/12/10(月) 13:38:49 ID:
ルルーシュ「貴女は間違っている」

ルルーシュ「貴女は、その紙切れにある情報と、偏見でしか物事を見ていない」

ルルーシュ「人の本質は、生まれに左右されるものではありません」

ルルーシュ「私は、自分の意思でCCと婚約したのです」

ルルーシュ「無論、彼女は貴女の言うような人間ではありませんし」

ルルーシュ「そもそも、同情などで彼女と付き合っている訳でもありません」

401:2012/12/10(月) 13:40:22 ID:
コーネリア「だから、それは騙されて…」

ぶちっ

コーネリア「ん?」

ルルーシュ「…黙れ」

コーネリア「何?」

ルルーシュ「黙れと言っているんだ」

402:2012/12/10(月) 13:43:19 ID:
ルルーシュ「…何がブリタニア人だ、何が身分だ」

ルルーシュ「くだらない、実にくだらない」

コーネリア「…言葉が過ぎるぞ」

ルルーシュ「知るか!」

ルルーシュ「ここで保身の為にCCの名誉を傷付けさせるくらいなら」

ルルーシュ「俺は今すぐお前を殴り倒して、牢獄にでも繋がれてやる!」

CC「…私のことはいい、もうやめてくれ」

ルルーシュ「やめるものか!」

403:2012/12/10(月) 13:46:20 ID:
ルルーシュ「いいか、コーネリア」

ルルーシュ「もし俺が、お前の言うルルーシュ・ヴィ・ブリタニアなら」

ルルーシュ「こんな偏見に凝り固まった姉を持った事を、心底恥じるだろう」

ルルーシュ「お前は分かっていない、自分の恵まれた環境が」

ルルーシュ「それを得られない人間が、今どのような環境に置かれているのか!」

ユーフェミア(ルルーシュ…)

404:2012/12/10(月) 13:48:50 ID:
コーネリア「不敬罪で死刑にしても構わんのだぞ?」

ルルーシュ「…勝手にしろ、俺の過去はとうの昔に死んでいる」

ルルーシュ「そうやって君臨し、ふんぞり変えるだけの俗物に屈する性根なぞ」

ルルーシュ「俺は持っていないんだよ!」

CC「…もうやめてくれ」ギュッ

ルルーシュ「CC…」

405:2012/12/10(月) 13:52:32 ID:
CC「もういい、分かったから」

CC「…すみません、コーネリア様」

CC「ルルーシュさんは、事故で子供の頃の記憶が曖昧なんです」

コーネリア「…っ!?何だと!?」

CC「ですから、コーネリア様の仰ることが正しいのか、分からないだけなのです」

CC「非礼はお詫びいたします」

CC「罰を与えると言うのなら、私が受けます」

CC「ですから、どうか、許して下さい」

ルルーシュ「…」

406:2012/12/10(月) 13:55:32 ID:
コーネリア「…」

コーネリア「そうか、記憶が…」

ユーフェミア「お姉様、わたくしからも言わせて下さい」

コーネリア「ユフィ…」

ユーフェミア「わたくしも、さっきのお姉様の言い分はおかしいと思います」

ユーフェミア「人は、生まれを選ぶことは出来ません」

ユーフェミア「イレヴン、いえ、日本人にも優れた人格の持ち主は居ます」

ユーフェミア「…ブリタニア人だから何事にも優れるというのは」

ユーフェミア「あまりに乱暴な話です」

407:2012/12/10(月) 13:57:27 ID:
ユーフェミア「ル、いえ、ランペルージさんがお怒りになるのも、無理のない話」

ユーフェミア「見て下さいお姉様」

ユーフェミア「お二人は、こんなにも互いを思い合っています」

ユーフェミア「そこに、部外者が立ち入るべきではありません」

コーネリア「…」

408:2012/12/10(月) 14:00:05 ID:
ユーフェミア「今は、お互い突然のことですし」

ユーフェミア「リフレイン事件で、皆疲れています」

ユーフェミア「冷静な判断をするには、少々難しい時期でしょう」

ユーフェミア「どうですか?また改めて話し合いの場を設けられては」

ユーフェミア「お二人の話をしっかり聞いてから判断なされても、遅くはないと思います」

コーネリア「…」

コーネリア「…そうかもしれん」

409:2012/12/10(月) 14:03:53 ID:
コーネリア「すまない、死んだと思っていた弟に会えると、私は思っていた以上に動転していたようだ」

コーネリア「先程のやり取りは、全て水に流してもらえるとありがたい」

ルルーシュ「…いえ、私も感情的になりすぎました」

コーネリア「ユフィの言うとおり、改めて食事でもしながら話すとしよう」

コーネリア「…そこの婚約者も一緒にな」

ユーフェミア「お姉様!」

コーネリア「ユフィ、その時は私だけで話させてもらってもいいか?」

コーネリア「どうにも、お前の仲裁に頼ってしまいそうなのでな」

ユーフェミア「…はい!構いません」

410:2012/12/10(月) 14:05:36 ID:
コーネリア「そうか…」

コーネリア「それでは、また連絡しよう」

コーネリア「下がっていい」

CC「…ルルーシュ」

ルルーシュ「…ああ」

ルルーシュ「失礼しました」ギイッバタン

コーネリア「…」

411:2012/12/10(月) 14:07:43 ID:
コーネリア「…そうだ、何をイライラしているのだ、私は」

コーネリア「ユフィ、ギルフォードを呼んでくれ」

コーネリア「早く、懸案事項を片付けなければ」

ユーフェミア「はい!わかりました」タッタッタッ

コーネリア(…ルルーシュ、私は必ず、お前を取り戻してやるぞ)

412:2012/12/10(月) 14:11:04 ID:
CC「…どうしたんだ、お前らしくもない」

ルルーシュ「…ああ、どうかしていたな」

ルルーシュ「俺も疲れているのかもしれない」

CC「あの場はユーフェミアが収めてくれたからよいものの」

CC「下手をすれば、本当に殺されていたかもしれないんだぞ?」

ルルーシュ「…次は気をつける」

CC「大いにそうしろ」

CC「お前が死んでは、今までの行動は水泡に帰してしまうのだからな」

ルルーシュ「…そうだな」

413:2012/12/10(月) 14:13:49 ID:
CC「…だが、正直嬉しかった」

ルルーシュ「ん?」

CC「まさか、私の為にああまで怒ってくれるとはな」

ルルーシュ「…別に、お前の為だけじゃない」

ルルーシュ「俺は、ああいう態度の人間が嫌いなんだ」

CC「だが、私の為という部分もあったのだろう?」

ルルーシュ「…ノーコメントだ」

CC「ふふ、今はそれで許してやろう」

414:2012/12/10(月) 14:17:24 ID:
CC「お前は、出会った頃とは随分変わった」

CC「…今のお前は、そうだな」

CC「うん、いい」

ルルーシュ「いい?」

ルルーシュ「どう言うことだ?」

CC「…さぁ、トレーラーに戻るぞ」

ルルーシュ「おい、CC!中途半端に話を切るな」

CC「ふはははははは」タッタッ

ルルーシュ「笑って誤魔化すな!」

CC「女は、秘密でいっぱいなんだよ、童貞坊や」

ルルーシュ「くっ、魔女め…」

CC「ふふふ、…ははははは!」

ルルーシュ「笑いすぎだ!」

420:2012/12/12(水) 00:23:22 ID:
~数時間後 アパート~

ラクシャータ「…ふぅん、そんなことがあったのねぇ」

ラクシャータ「あ、ルルーシュ、あたしおかわりぃ」

ルルーシュ「構わんが、太るぞ?」

ラクシャータ「全部胸にいくからだいじょおぶよぅ」モグモグ

CC「こら、食べながら話すんじゃない」

ラクシャータ「…あんたたち、あたしの両親?」

ルルーシュ「マナーは大切だ」

CC「それを注意するのは当然だな」

ラクシャータ「…はいはぁい、これからは気をつけまぁす」

421:2012/12/12(水) 00:35:39 ID:
ラクシャータ「で?なんであたしが呼ばれたの?」

ルルーシュ「ああ、これを軍の情報部に、匿名で送りつけてくれ」

ラクシャータ「データメモリ?中身は?」

ルルーシュ「リフレイン事件の事実関係に関する報告をまとめたものだ」

ラクシャータ「あれ?それは騎士団の方でって」

CC「少しだけ変更する」

CC「根本はこれから駆除に行くのだからな」

ラクシャータ「あたしが?」

ルルーシュ「いや、俺が行く」

ルルーシュ「CC、留守は任せた」

CC「ああ、行ってこい」

ルルーシュ「…なるべく早く帰ってくる」パタン

ラクシャータ「ひゅー、アツアツねぇ」

CC「そうでもないさ」

CC「それより、ここから先の説明が私の仕事なんだ」

422:2012/12/12(水) 00:43:36 ID:
CC「騎士団側で、軍部では対応できないと予測される貴族連中を叩く」

ラクシャータ「実力行使で?」

CC「リフレイン生産のルートはな」

CC「貴族の方は、二度とそんな悪事を働けないようにする」

CC「幸い、と言ってはなんだが、ほかにも大小様々出てきたのでな」

CC「差し押さえてブリタニアに送り返してやる」

ラクシャータ「うわぁ、容赦ないわねぇ…」

CC「当然だ」

423:2012/12/12(水) 00:56:35 ID:
CC「まあ、そっちはルルーシュがうまくやってくれる」

CC「大切なのは、そのメモリに関してだ」

ラクシャータ「これねぇ」

CC「お前に設計させたナイトメア、今週中に完成するそうだ」

ラクシャータ「ああ、月下ね」

ラクシャータ「イメージは紅蓮の量産型なんだけどぉ」

CC「その講釈ならあとにしてくれ」

ラクシャータ「なによぅ、聞いてくれてもいいんじゃなぁい?」

CC「話が進まないだろうが」

ラクシャータ「…はいはい、黙ってまぁす」

425:2012/12/12(水) 01:07:44 ID:
CC「その月下を受け取るために、今週末、四聖剣がこぞって戦線拠点から離れる」

ラクシャータ「フィッティングがあるからねぇ」

CC「そうだ」

CC「この期を狙い、解放戦線を落とす」

ラクシャータ「懐柔とかじゃなくてぇ?」

CC「もともと騎士団に同調しなかったんだ、説得の効果は薄い」

CC「それに、現在片瀬はリフレインで得た金銭を元手に、多量のサクラダイトを保持している」

CC「高圧的な態度に出るであろうことは、容易に想像がつく」

ラクシャータ「ふぅん、そういうこと」

426:2012/12/12(水) 01:16:15 ID:
CC「だが、騎士団を動かせば…」

ラクシャータ「裏事情を知らない奴には、言う事を聞かないレジスタンス同士の小競り合いにしか見えないわよねぇ」

CC「そういうことだ」

ラクシャータ「この中に、解放戦線の情報もあるってわけね?」

CC「それを見れば、必ずコーネリアは動く」

CC「コーネリアが戦線を抑えている間に、私が四聖剣を仲間に引き入れる」

ラクシャータ「うまくいけば、戦力も増えて、統制の一本化もできるってことかぁ」

ラクシャータ「二つの勢力を動かすなんて、おもしろそぉねぇ」クルクル

427:2012/12/12(水) 01:21:31 ID:
CC「だから、お前の仕事はそのデータを送りつけることだ」

ラクシャータ「…うーん、まあそれは簡単なんだけどねぇ」

CC「何か問題があるか?」

ラクシャータ「仮にだけどぉ」

ラクシャータ「コーネリアが逃げ腰で、すぐに行動に移さなかったらどぉするの?」

ラクシャータ「これって、四聖剣?がいないうちにしなきゃ意味ないわよねぇ」

ラクシャータ「どうなの?」

CC「それは…」

428:2012/12/12(水) 01:47:30 ID:
ラクシャータ「今回さぁ」

ラクシャータ「あんたらにしては計画急だよねぇ」

ラクシャータ「いつもなら、もっと早く作戦の説明とかあるじゃない?」

CC「少々、問題があってな」

ラクシャータ「コーネリア?」

CC「いや、それだけではない」

ラクシャータ「その言い方、あんたが計画早めたんだ」

ラクシャータ「そういや、月下の設計もせっつかれたものねぇ」

429:2012/12/12(水) 01:53:15 ID:
ラクシャータ「ルルーシュは何も言わないわけ?」

CC「…ああ」

ラクシャータ「あの坊やのことだから、気付いても黙ってるのかしらねぇ」

ラクシャータ「あらあら、麗しい信頼関係だこと」

CC「何が言いたい」

ラクシャータ「何もかも、よぉ?」

ラクシャータ「何をそんなに焦ってるわけぇ?」

ラクシャータ「これ、ルルーシュのメッセージでしょう?」ピラッ

CC「…これは?」

ラクシャータ「メモリと一緒に渡されたのよ、さっき」

ラクシャータ「CCの悩み事を聞いてやってくれ、なんて、いじらしいじゃない」

431:2012/12/12(水) 02:00:57 ID:
ラクシャータ「で?話してくれんの?」

CC「…いや、そんなたいそうなことじゃないんだ」

CC「そもそも、焦っているなんて、私も…」

ラクシャータ「…自覚無しってことぉ?」

CC「そうか、私は焦っていたのか…」

ラクシャータ「坊やが、あんたをよく見てることは分かったわねぇ」

ラクシャータ「ま、自覚のない人間に何を言っても無駄よねぇ…」

ラクシャータ「自分の中でどんな理由つけてるのかはしらないけどさ」

ラクシャータ「たまにはルルーシュのこと以外にも目を向けなさいな」

ラクシャータ「ルルーシュは強い、いや、強くなってる」

ラクシャータ「自分のこともわからなくなったら、おしまいよぉ?」

432:2012/12/12(水) 02:04:39 ID:
CC「…ふっ、まさかお前に説教をされる日がくるとはな」

ラクシャータ「ほんとよぉ、慣れないことさせてぇ」

ラクシャータ「ああ、つっかれたぁ」

ラクシャータ「ま、仲良し夫婦にツッコミくらいは入れてやるのがともだちでしょぉ?」

CC「友達?」

ラクシャータ「違うの?」

ラクシャータ「あたしは、ルルーシュともあんたとも友達のつもりだけどねぇ」

CC「…いや、そうだな」

CC「友人か、久しいな」

ラクシャータ「たまぁに、あんたがすんごい大人に見えるんだけどねぇ」

CC「ふふ、気のせいさ」

433:2012/12/12(水) 02:10:03 ID:
CC「しかし、確実にコーネリアを動かす策を考えなければ…」

ラクシャータ「ああ、それねぇ」

ラクシャータ「正直、簡単よぉ」

CC「なに?」

ラクシャータ「いつものあんたなら気づいたかもしれないけどぉ」

ラクシャータ「とにかく、週末に合わせてやっとくから」

CC「あ、おい」

ラクシャータ「とりあえず、あたしが知ってればいいのはこのくらいでしょ?」

ラクシャータ「余計なことを知れば、それだけ危ないことも増えるからさぁ」

ラクシャータ「ま、あんたは帰ってくる旦那のために、ココアでも用意しときなさいな」

CC「…もう少しいたらどうだ?」

ラクシャータ「いいわよぉ、あたしも準備とかあるしぃ」

ラクシャータ「ま、データは任せて」

ラクシャータ「次の作戦について練り直すなりすればいいんじゃなぁい?」

434:2012/12/12(水) 02:15:09 ID:
CC「…そうだな」

CC「すまない、大きなミスを冒す前に対処できる」

ラクシャータ「お礼ならルルーシュに言いなさいよぉ」

ラクシャータ「夜のサービス、してあげればぁ?」

CC「…それじゃあな」

ラクシャータ「はいはぁい、またねぇ」パタン

CC「まさか、年下に説教をされるとはな…」

CC「私も歳か?嫌になるな、まったく…」

CC(やはり、あいつのことがひっかかっているのか…)

CC「マオ…」

CC(…ルルーシュは、私が守らなければ)

CC(…あとは、ナナリーに、ルルーシュについての嘘を徹底させないとだな)

CC(記憶は楽だ、知らない、覚えていないですべてが事足りる)

CC(…記憶に残るものは、そうたやすく消えてはくれないが、な)

441:2012/12/13(木) 01:49:57 ID:
~数日後 早朝 アッシュフォード学園前~

シャーリー「お父さん、今日は送ってくれてありがとう」

シャーリー父「いやいや、最近は忙しさにかまけて、父親らしいことができていなかったからね」

シャーリー父「そうだ、このチケットもあげよう」

シャーリー「これは?」

シャーリー父「最近始まったオペラの鑑賞券だ」

シャーリー父「ボーイフレンドでも誘ってみたらどうだい?」

シャーリー「もう、お父さんったら…」////

シャーリー父「ははは、年頃の娘にはいいプレゼントになると思ってね」

442:2012/12/13(木) 01:58:31 ID:
シャーリー父「今度の仕事が終わったら、しばらくはこっちにいるつもりだよ」

シャーリー「本当!?」

シャーリー父「ああ」

シャーリー父「また、手料理をご馳走しておくれ」

シャーリー「うん!私頑張っちゃう!」

シャーリー「そういえば、今度はどこに行くの?」

シャーリー父「ああ、ナリタ連山というところでね」

シャーリー「ふぅん…」

シャーリー父「場所がわからないなら、調べておくんだぞ?」

シャーリー「わ、わかるもん!」

シャーリー父「ははは、それではな、シャーリー」

シャーリー「うん!お仕事頑張ってね」

445:2012/12/13(木) 02:05:08 ID:
~生徒会室~

ルルーシュ「それで?どうしてその券を俺に?」

ルルーシュ「ほかにも誘える人間はいると思うが…」

シャーリー「い、いないよ!」

ルルーシュ「そうか?」

ルルーシュ「ともかく、俺には一応婚約者がいるわけだが」

シャーリー「ぐっ…」グサッ

ルルーシュ「CCに確認をとることになる、それでもいいか?」

シャーリー「う、うん、いいよ…」

ルルーシュ「そうか、それなら聞いてみよう」ピッピッ

446:2012/12/13(木) 02:09:42 ID:
ルルーシュ「…CCか、俺だ」

ルルーシュ「…ああ、先日のことは謝っただろう」

ルルーシュ「別に、何もかも見透かしているつもりはない」

ルルーシュ「何?プリン?」

ルルーシュ「…分かった、特製してやる」

ルルーシュ「用事?ああ、そうだった…」

シャーリー(なんだか、すごく自然な感じだなぁ)

シャーリー(新婚さんみたい…)

ルルーシュ「シャーリーとオペラの鑑賞にな…」

ルルーシュ「ああ、…いや、確認をしようと…」

447:2012/12/13(木) 02:19:26 ID:
ルルーシュ「…いいのか?ん?約束?」

ルルーシュ「なるほど、以前そんな話をな…」

ルルーシュ「…俺はそういう詮索が嫌いだぞ」

ルルーシュ「決めるのは俺だ、いくらお前といえども、意見は聞けんな」

シャーリー(あれ?なんだかルルが怒ってる…)

ルルーシュ「…ああ、ああ」

ルルーシュ「とにかく、いいんだな?」

ルルーシュ「それだけだ、もう切るぞ」

ルルーシュ「…何だ」

448:2012/12/13(木) 02:23:26 ID:
ルルーシュ「…は?今日?シチューでも作ろうかと…」

ルルーシュ「何?いや、人参は必須だ」

ルルーシュ「彩が悪いだろう…」

ルルーシュ「言い訳は不要だ、抜くことは許さん」

ルルーシュ「…別に憎くて言っているんじゃない、バランスがだな…」

ルルーシュ「なんでお前はそう極端なんだ」

ルルーシュ「大丈夫だ、分からないくらいに刻めばいい」

ルルーシュ「大きめなものは食べてやる、問題ない」

シャーリー(…やっぱり気のせいみたい)

ルルーシュ「ああ、約束だ」

ルルーシュ「じゃあな、おとなしくしているんだぞ?」ピッ

ルルーシュ「確認したぞ、いいと言っていた」

シャーリー「…へぇ」

ルルーシュ「?何か悪いことを言ったか?」

シャーリー「別にぃ」

449:2012/12/13(木) 02:31:26 ID:
ルルーシュ「だが、いつ仕事が入るかわからない」

ルルーシュ「努力はするが、もしものときは…」

シャーリー「うん、それは分かってるから」

ルルーシュ「すまないな」

シャーリー「いいの、チケットはしばらく使えそうだし」

シャーリー「今週末とかは…?」

ルルーシュ「週末か…」

450:2012/12/13(木) 02:37:03 ID:
ルルーシュ(おそらく、作戦は短期決戦になるだろう…)

ルルーシュ(そもそも、立場上まだ作戦自体を知らない設定だ)

ルルーシュ(余計な嘘をつくより、ここは乗っておいたほうが無難か)

ルルーシュ(最悪、連絡を入れて埋め合わせをする方が誠実だろう…)

シャーリー「ルル?」

ルルーシュ「…ああ、おそらく大丈夫だ」

ルルーシュ「たしか、レイトショウなんだろう?」

シャーリー「うん」

ルルーシュ「それなら、公園に20時でどうだ?」

シャーリー「うん、了解…」メモメモ

シャーリー「それじゃ、約束したからね」

ルルーシュ「分かっている、楽しみにしておくよ」

シャーリー「うん!私も!」

451:2012/12/13(木) 02:40:40 ID:
シャーリー「あーあ、どうせならルルのこと紹介してあげればよかったなぁ」

ルルーシュ「父親にか?勘違いされるぞ?」

シャーリー「…別に私は…」ボソボソ

ルルーシュ「…よくないだろ?」ポンッ

シャーリー「きゃっ、聞こえてたの?」

ルルーシュ「耳はいい方でな」

シャーリー「うぬぬ」

シャーリー「でも、ほかのみんなもそう」

シャーリー「私の友達なんだよって、紹介してあげたいの」

ルルーシュ「父親のことが好きなんだな」

シャーリー「うん、大好き!」

452:2012/12/13(木) 02:44:30 ID:
ルルーシュ「父親の職業は何なんだ?」

シャーリー「学者さん、山の地質とか、調査してるんだって」

ルルーシュ「学者か、かっこいいじゃないか」

シャーリー「今は、フジ以外のサクラダイト鉱脈を探しているんだって」

シャーリー「たしか、今度は…」

シャーリー「えっと、どこに行くって言ってたかなぁ」

ルルーシュ「忘れたのか?」

シャーリー「あ、あはは、私地理は苦手で…」

ルルーシュ「全く、そんなことでどうする」

453:2012/12/13(木) 02:47:16 ID:
シャーリー「たしか、ナルトとか、ナマコとか…」

ルルーシュ「…!?」

ルルーシュ「もしかして、ナリタか?」

シャーリー「そう、それ!」

シャーリー「ナリタ連山だって言ってた!」

ルルーシュ「…」

シャーリー「ルル?」

ルルーシュ「…すまない、少し席を外していいか?」

ルルーシュ「すこし用事が出来てしまった」

シャーリー「?うん、いいけど…」

ルルーシュ「それじゃ、週末に」タッタッタ

シャーリー「…突然どうしたんだろう、ルル」

454:2012/12/13(木) 02:56:06 ID:
ルルーシュ(なんてことだ、よりにもよってナリタとは…)

ルルーシュ(シャーリーの父親は、解放戦線のことなど知らないだろう)

ルルーシュ(場所しだいでは、巻き込まれる危険がある)

ルルーシュ(周辺は住民の少ない僻地だ、完全に油断していた…)

ルルーシュ(サクラダイトか、それならば調査範囲をいじれるか…?)

ルルーシュ(とにかく、間に合わせるしかないか)ピッ

ルルーシュ「ラクシャータか、至急調べてもらいたい事が…」

ルルーシュ(民間人を巻き込むわけにはいかん)

ルルーシュ(どうにかしないとだな…)

462:2012/12/14(金) 00:51:43 ID:
~数日後 ナリタ連山~

ロイド「ん~、いい天気だねぇ」

セシル「ロイドさん、行楽に来たわけじゃないんですよ!」

ラクシャータ「こんなとこで戦争起こすことないとは思うけどねぇ」

カレン「本当よね…」

カレン(ゼロが言っていたこと、本当になってしまったのね)

カレン(やっぱり、解放戦線は…)

カレン(日本のために戦う同志だと思っていたのに)

カレン(…お母さんを…)

463:2012/12/14(金) 01:03:43 ID:
ジェレミア「ロイド、ロイドはいるか!」ズカズカ

ロイド「あれぇ?どうかしたぁ?」

ジェレミア「お前、私のナイトメアを勝手に改造したな!?」

ロイド「ああ、気づいたぁ?」

ジェレミア「当たり前だ!」

ロイド「作戦前に、変更点の解説してあげるのを忘れちゃってたよ」

ロイド「はいはい、こっちこっちぃ」グイグイ

ジェレミア「お、おい、私は怒って…」

464:2012/12/14(金) 01:11:32 ID:
ロイド「はいはぁい、注目ぅ!」

ジェレミア「…はぁ」

セシル「すみません、またロイドさんが…」

ジェレミア「いや、あいつの性格はよく知っている」

ジェレミア「普通に説教しようとした私のミスだ」

ロイド「注目って言ってるでしょお!」ブンッ

ジェレミア「分かった、分かったからそのスパナを置け」

ロイド「…それではぁ、まず追加武装のせつめぇい」ビシッ

セシル「…本当にすみません」

ジェレミア「君も苦労しているな…」

466:2012/12/14(金) 01:40:47 ID:
いやいや、まだまだ…

ロイド「まずはこれ、ブレイズルミナス!」

ロイド「両腕に付いているから、どこから攻撃されても安心!」

ロイド「腰にはMVSを二本付けてみたよ」

ロイド「そして、最大の目玉は…」ピピッ

AI「了解しました」

ロイド「じゃじゃぁん、音声認識システムでぇす」

ジェレミア「…」

ロイド「あれ?お気に召さない?」

467:2012/12/14(金) 02:15:27 ID:
ジェレミア「いや、まあすごい技術だとは思うが」

ジェレミア「これは果たして必要な技術か?」

ロイド「便利だと思うよ?全部」

ロイド「サザーランド改ってところだねぇ」

ジェレミア「だが、余計な機能をつける必要はないだろう」

ジェレミア「音声認識システムなど、使い道がわからん」

ロイド「まぁ、機体の状態報告くらいはできるよぉ?」

ジェレミア「その程度、自分でもできる」

ロイド「はははぁ、うちは研究開発もお仕事だしぃ」

475:2012/12/19(水) 13:45:30 ID:
ロイド「それにぃ、このシステム案はうちのデヴァイサーが出したものだよぉ?」

ジェレミア「枢木か?そんな風には見えないが…」

ロイド「ノンノン」

ロイド「あ、噂をすればやって来たねぇ」

ジェレミア「む?ルルーシュ君が、か?」

ロイド「だぁいせいかぁい」

ロイド「ラクシャータと操作系いじってる時に考えたらしいよぉ」

ロイド「ま、作ったのは僕だけどぉ!」ドャァ

ジェレミア「…その顔をやめろ、思わず殴ってしまいそうだ」

ロイド「んっふっふ~、ま、使ってみて感想を聞かせてくれると嬉しいかなぁ」

ロイド「開発段階だしぃ、ナイトメアは壊さないでよねぇ」

ジェレミア「…ふっ、誰に言っている」

ロイド「まあ、心配ないとは思うけどねぇ」

476:2012/12/19(水) 13:53:48 ID:
ルルーシュ(ふむ…)ピッピッ

ルルーシュ(フェネット氏の調査範囲はかなり麓部分だな)

ルルーシュ(戦闘区域になる可能性は皆無だろう)

ルルーシュ(しかし、何故この作戦が発動したにもかかわらず、調査は中止されないんだ…?)

ルルーシュ(各方面から当たって見たが、そもそも依頼自体が不明瞭だ)

ルルーシュ(何か裏があるのかもしれん、帰ってから本格的に探りを入れてみる必要があるな)

ルルーシュ(CCはまあ上手くやるだろう)

ルルーシュ(どうやら、シャーリーとの約束は反故にせずに済みそうだ)

ジェレミア「ルルーシュくん、おはよう!」

ルルーシュ「おや、ジェレミア卿、何故ハンガーに?」