1:2013/01/19(土) 12:31:15 ID:
ルルーシュ「正攻法でいこう」C.C.「?」

ルルーシュ「正攻法でいこう」C.C.「?」Part.2



の続きになります。

よろしければ、長いですが前から読んで下さい。



2: :2013/01/19(土) 12:38:43 ID:
あらすじ

ギアスの力を手に入れたブリタニアの少年ルルーシュは、何を思ったかギアスを極力使わずに戦うことを決意した。

共犯者CCと同棲し、ブリタニア軍人、黒の騎士団の指導者ゼロの二足わらじを履くルルーシュ。

持ち前の能力と、仲間の力を借りて様々な局面を乗り切り、着実に周囲を固めていく。

そんな彼の前に、ギアス狂化してしまったマオが現れた。

果たして、ルルーシュはマオを救うのか、その手に掛けるのか。

今、再びギアスの力が交差する。

3: :2013/01/19(土) 12:45:27 ID:
~アパート~

CC「ただいま」

CC(結局、指定された場所にマオは現れなかった)

CC(もしかして、ルルーシュの方を狙われたか?)

CC(しかし、狂化した頭でそこまでの考えが出来るのか…)

ルルーシュ「CC、おかえり」

CC「あれ?居たのか」

ルルーシュ「俺の方が先に帰ったんだぞ?」

ルルーシュ「当然じゃないか」

CC「帰り道、何か問題は怒らなかったか?」

ルルーシュ「問題?」

ルルーシュ「うーん、迷い犬は見たが、そのくらいか?」

CC(…?マオは現れなかったのか?)

4: :2013/01/19(土) 12:48:07 ID:
ルルーシュ「時間も遅い、早く風呂に入った方がいい」

CC「あ、ああ」

ルルーシュ「俺は先に寝させて貰うよ」

ルルーシュ「明日早いんでな」

CC「ああ、そうだったな」

CC「ん?その頬の絆創膏はどうしたんだ?」

ルルーシュ「ああ、間違えて引っ掻いてしまってな」

ルルーシュ「それじゃ、おやすみ」

CC「うん、おやすみ…」

CC(どういうことだ?マオの考えが読めん…)

ルルーシュ「…」

6
:2013/01/19(土) 12:57:43 ID:
~ベランダ~

ルルーシュ「…」ピッピッ

ルルーシュ「…」トゥルルル

ルルーシュ「ああ、俺だ」

ルルーシュ「話は聞いている、CCに頼まれれていることがあるだろう?」

ルルーシュ「CCには悪いが、元を断つために罠を張りたい」

ルルーシュ「…ああ、奴はCCの関係者だ」

ルルーシュ「あいつは事を荒立てないようにするつもりだろうが」

ルルーシュ「確認した、あいつは武器を所持している」

ルルーシュ「…ああ、このままでは、やがて犠牲者が出るだろう」

ルルーシュ「方法?恐らく奴は、ナナリーを狙ってくるはずだ」

7:2013/01/19(土) 12:58:14 ID:
ルルーシュ「そうだ、ナナリーを囮にする」

ルルーシュ「危険なのは承知の上だ」

ルルーシュ「だが、奴は人の心を読む」

ルルーシュ「対策しようのないところで攫われれば、それこそ助けられない」

ルルーシュ「…作戦を話す、聞いてから判断してくれ」

8:2013/01/19(土) 13:02:39 ID:
ルルーシュ「……どうだ?」

ルルーシュ「もちろん、ナナリーの安全が最優先だ」

ルルーシュ「包囲する前に奪取する必要がある」

ルルーシュ「そうだ、俺が気を引いている間に…」

ルルーシュ「奴は用意周到だった、今回も仕掛けるならば」

ルルーシュ「其れ相応の対応をしてくるだろう」

ルルーシュ「…ポイントを指定する、そこ以外に使えそうな箇所は、明日俺が封鎖しておこう」

ルルーシュ「時間をかけるべきではない、迅速に、だ」

ルルーシュ「そう、奴には自分でそこを選んで貰う」

ルルーシュ「誘い込まれたとバレないようにな」

9:2013/01/19(土) 13:08:49 ID:
ルルーシュ「だが、ナナリーの安全は、お前にかかっていると言ってもいい」

ルルーシュ「やれるか?」

ルルーシュ「……そう言ってくれると思っていたよ」

ルルーシュ「やるべき事はこれから送る、目を通して不明な点はその都度確認してくれ」

ルルーシュ「任せろ、俺がナナリーを危険に晒す訳が無いだろう」

ルルーシュ「タイミングはそう、……」

ルルーシュ「頼んだぞ、奴に気どられぬよう、ナナリーの側には数人置いておけ」

ルルーシュ「それではな、咲世子」ピッ

ルルーシュ「…さて、次は…」

10:2013/01/19(土) 13:18:11 ID:
~ゲットー~

マオ「…くっ」

マオ「もう手を回したのか、ルルーシュめ…」

マオ「やっぱり、あいつがゼロだったんだ」

マオ「くそっ、騎士団連中も一人にならないし…」

マオ「武器の方も押さえられてる…僕の考えを読んでいるのか?」

マオ「まずい、動かないとそのうち追い詰められる…」

マオ「でも、ナナリーの警戒はかなりの…」カチャ

マオ「ん?これは…」

マオ「そうだ、これがあれば…」

マオ「いける、やっぱり神様は居るんだよ!」

マオ「僕とCCの未来を見守ってくれてるんだ」

11:2013/01/19(土) 13:23:41 ID:
~三日後 生徒会室~

カレン「あー、しんどい」

ルルーシュ「おいおい、お嬢様がそんな事を言っていていいのか?」

カレン「今はあんたしか居ないもの、気にしないわ」

カレン「それにしても、いきなり学園開放バザーなんて、会長は何考えてんのかしら」

カレン「おかげで仕事山積みだし」

ルルーシュ「…会長には会長の考えがあるんだろ」

ルルーシュ「俺はちょっと出てくる、ここ、頼むな」

カレン「あいよー、CCによろしくー」

ルルーシュ「いや、CCに会いに行く訳では無いが」

カレン「そうなの?ま、いいや、いってらー」ヒラヒラ

ルルーシュ「…ファンクラブが見たら泣くぞ」

カレン「これくらいで泣くなら、ファンなんてやらなきゃいいのよ」

12:2013/01/19(土) 13:26:59 ID:
ルルーシュ「…よし」ピッ

ルルーシュ「咲世子、状況は?」

咲世子「ナナリー様はクラスの出し物に出ています」

咲世子「あと一時間で自由になるので、頃合いで私はその場を離れます」

ルルーシュ「よし」

ルルーシュ「指定ポイントに移動したら、また連絡をくれ」

咲世子「了解いたしました」ピッ

ルルーシュ「…さて、行動開始だ」

13:2013/01/19(土) 13:30:46 ID:
カレン「うー、スザクのやつ、仕事ほっぽって逃げたわね…」

カレン「シワ寄せあたしに来るんだから、やめてくれないかなぁ」

???「やあ、始めましてお嬢さん」

カレン「え?」

???「少し、付き合って欲しいんだ」ピスッ

カレン「あん、た…あの時の…」

???「?まあいいや」

マオ「さぁてルルーシュ、ゲームを始めようか」

29:2013/01/20(日) 00:48:43 ID:
咲世子「…ルルーシュ様、妙です」

咲世子「私が離れてから既に10分、ナナリー様に接触する不審な影は見受けられません」

ルルーシュ「…引き続き監視を続けてくれ」

咲世子「…了解しました」

ルルーシュ「ふむ…」

ルルーシュ(どういうことだ…?)

ルルーシュ(俺にとって弱点になりうるのはナナリーくらいのものだ)

ルルーシュ(あの時の口ぶりからして、CCに接触するのは考えにくい)

ルルーシュ(なんだ?俺は何を間違えている?)

スザク「あれ、ルルーシュここにいたんだ」

ルルーシュ「スザクか、すまないが今立て込んでいて…」

スザク「ああ、ルルーシュに用事があるわけじゃないんだけど」

ルルーシュ「?それなら何だ」

スザク「実はカレンに仕事を手伝う約束させられてたんだけど」

スザク「見つからなくてさ」

30:2013/01/20(日) 00:53:04 ID:
ルルーシュ「俺は生徒会室で見かけたがな」

スザク「え?さっき見たときはいなかったんだよ」

スザク「書類とかはそのままだったから、トイレかな?」

ルルーシュ「…すまない、生徒会室はどんな様子だったんだ?」

スザク「ん?誰もいなかったよ?」

ルルーシュ「そうじゃなくて、妙な様子はなかったか?」

スザク「うーん…」

スザク「そういえば、書類の山が崩れてたよ」

スザク「まあ、あれだけあれば崩れるのも仕方ないことだけど…」

32:2013/01/20(日) 01:01:23 ID:
ルルーシュ「…悪い、少し確かめたいことがある」

ルルーシュ「仕事なら、カレンが戻ってくるまでに一人で進めておけば、喜ばれるんじゃないか?」

スザク「あ、そうだね」

スザク「うん、もしカレンに会ったら僕が生徒会室にいるって伝えてよ」

ルルーシュ「ああ、分かった…」

ルルーシュ(嫌な予感がする…)

ルルーシュ(カレンが…?まさか)

ルルーシュ(ゼロの方でかければ、必ず出る…)ピッ

ルルーシュ(…応答なし…いや)ガチャッ

33:2013/01/20(日) 01:02:02 ID:
ルルーシュ「カレン、今どこにいる?」

マオ「やあこんにちは、ルルーシュ」

ルルーシュ「お前は!」

マオ「さっきのお返事だけどぉ、僕らは今ゲットーに来てるんだ」

ルルーシュ「何?」

マオ「景色は最高だよ、CCと見たらさぞ気分がいいんだろうね」

マオ「もっとも、瓦礫だらけのこんな場所に、CCを連れてこられる訳がないけど」

ルルーシュ「…カレンは無事なのか?」

マオ「うーん、生きてるよ、多分」

ルルーシュ「多分?どういうことだ」

34:2013/01/20(日) 01:05:41 ID:
マオ「この麻酔銃、かなり強力らしいし」

マオ「…うん、息はしてるよ」

マオ「でも、いつ止まるかは分からないけどねぇ」

ルルーシュ「…貴様」

マオ「怒ったかい?いいねぇもっともっと怒ってもらわないと」

マオ「ルルーシュ、僕とゲームをしようよ」

ルルーシュ「ゲーム?」

マオ「君が一人でここまで来て、この女を助けられれば君の勝ち」

マオ「助けられなければ、僕の勝ち」

マオ「どう?面白そうだろう?」

36:2013/01/20(日) 01:14:48 ID:
ルルーシュ「…断る」

ルルーシュ「カレンは俺たちの問題には無関係だ」

ルルーシュ「俺が気に入らないなら、直接来ればいい」

マオ「嫌だなぁ、勘違いしないでよ」

マオ「君の腐った博愛主義と違って、僕は現実を生きてるんだよ」

マオ「いいか?お前に拒否権なんてない」

マオ「今から四時間くらいで、日が落ちる」

マオ「それまでにこの女を見つけないと、ここは爆弾で木っ端微塵さ」

ルルーシュ「何だと!!?」

マオ「もちろん、一人で来るんだよ?」

マオ「もし他に誰かひとりでも連れてきていたら…」

マオ「その時は、時間に関係なく爆弾を起動するからね」

ルルーシュ「おい!ヒントを…」

37:2013/01/20(日) 01:19:57 ID:
マオ「ヒント?そんなもの、あるわけないだろ」

マオ「精々苦しむ姿を見せてくれ、自分の力不足で誰かが死ぬってのは」

マオ「なかなか気の効いたショウになりそうだからねぇ」ピッ

ルルーシュ「…」

ルルーシュ(迂闊だった、いや、予想外だった…)

ルルーシュ(まさかカレンを標的にしてくるとは…)

ルルーシュ(完全に後手に回ってしまった)

ルルーシュ(まずは考えろ、焦っても事態は好転しない)

ルルーシュ(やつは何処にいる…)

39:2013/01/20(日) 01:23:30 ID:
ルルーシュ(確か、あいつは景色がきれいだと言っていたな)

ルルーシュ(見晴らしがいいか、港湾部か、そのどちらかだろう)

ルルーシュ(それに瓦礫だらけ…港湾部はコンテナ区画だった、瓦礫があるとは考えにくい)

ルルーシュ(おそらく、周囲を爆撃されたどこかにいるのだろう)

ルルーシュ(だが、そんな場所はゲットーには少なくない)

ルルーシュ(まだだ、まだ何かあるはずだ…)

40:2013/01/20(日) 01:29:22 ID:
ルルーシュ(…そうだ、あいつは言っていたじゃないか)

ルルーシュ(誰かひとりでも連れてきたら…)

ルルーシュ(爆弾があると言っているんだ、おそらくカレンとは別の場所に移っているだろう)

ルルーシュ(だが、カレンの姿は見える位置にいるはずだ)

ルルーシュ(ゲットーに入るには、通常境界から行くしかない)

ルルーシュ(つまり、境界を確認できるということだ)

ルルーシュ(カレンが連れ去られたと考えられる時間は一時間前~十分前)

ルルーシュ(ゲットーの住民はカレンのことを知っている者も多いし)

ルルーシュ(何よりカレンは見るからにブリタニア人、どうやっても目立つ)

42:2013/01/20(日) 01:38:22 ID:
ルルーシュ(ということは、境界付近である程度開けていて、瓦礫の多い元住居区画…)

ルルーシュ(該当するのは…三区画のみ)

ルルーシュ(残り時間は四時間弱)

ルルーシュ(だが、区画全ての建造物を回るには、時間が足りない)

ルルーシュ(誰かに加勢を…いや、やつは読心のギアスがある)

ルルーシュ(ゲットーを選んだのも、他の人間の数が圧倒的に少ないからだろう)

ルルーシュ(おそらく、当たりの区画を引いた時点でバレる)

ルルーシュ(…いや、これ以上悩んでも仕方がない)

ルルーシュ(咲世子にはナナリー警護に戻るよう伝えて)ピッピッ

ルルーシュ(カレン、君を死なせはしない)

ルルーシュ(…覚悟しろ、マオ!!)

43:2013/01/20(日) 01:46:57 ID:
~特派トレーラー~

ラクシャータ「…おっと」ピピッ

ラクシャータ「はぁい、ルルーシュが動いたわよぉ」

ラクシャータ「うん、一人で」

ラクシャータ「言っとくけど、あたしがするのはここまでだからねぇ」

ラクシャータ「あと、カレン殺してもダメだからぁ」

ラクシャータ「あの子は紅蓮のデヴァイサー、まだまだ使えるもの」

ラクシャータ「あいあい、これっきりよ、こんな仕事」

ラクシャータ「それに、あの銃の件も、きちんと貸しだからね」

ラクシャータ「ま、精々派手にやんなさいよ」

ラクシャータ「じゃあねぇ」ピッ

ラクシャータ「…ルルーシュ、上手いことやってよねぇ」

ラクシャータ「あたし、人死にはあんまり好きじゃあないからさぁ」

49:2013/01/21(月) 01:07:23 ID:
~ゲットー境界~

ルルーシュ「…着いたな」

ルルーシュ「訓練のおかげで随分走れるようになったものだ…」

ルルーシュ(しかし、今はそんなことに拘ってはいられない)

ルルーシュ(こうしている間にも、事態は悪化しているんだから)

ルルーシュ(見たところ、監視カメラのようなものは見当たらないな)

ルルーシュ(やはりここを視認できる位置に陣取っているのだろう)

ルルーシュ(問題は、比較的この付近は開けているということだ…)

ルルーシュ(まずは隣接区画を洗うか)

ルルーシュ(…何か忘れているような気がするが…)

ルルーシュ(ええい、悩みは後だ、今は走る!)タッタッタ

50:2013/01/21(月) 01:14:44 ID:
ルルーシュ「……っ」ハァハァ

ルルーシュ(ここには居ないか…)

ルルーシュ(くっ、移動手段に乏しいのが…)

ルルーシュ(だめだ、一区画回るだけでかなり時間を使ってしまっている)

ルルーシュ(このままでは、仮に見つけることができても、助ける時間がない…)

ルルーシュ(何か、何か思いつけ…)

ルルーシュ(何か…)チラッ

ルルーシュ(そう言えば、マオは俺がカレンのもとにたどり着いたとき、果たしてどうするつもりだ?)

52:2013/01/21(月) 01:23:34 ID:
ルルーシュ(一番ありそうなのは、カレンごと俺を爆殺すること…)

ルルーシュ(もともと目的はCCを手に入れること、俺がいなくなれば邪魔をする人間はいなくなる)

ルルーシュ(ということは、ただカレンを見つけても意味がないということか?)

ルルーシュ(何とかして、マオをカレンの側に移動させ)

ルルーシュ(簡単に爆破できないようにする必要がある…)

ルルーシュ(やるべきことが更に増えたか…)

ルルーシュ(…いや、待てよ?)

ルルーシュ(やつは、俺がカレンの元に辿り着くと同時に爆破したいはず)

ルルーシュ(ということは、境界が見えるだけではなく、カレンを捕らえた場所も見える)

ルルーシュ(そして、尚且つ見つかりにくい場所…)

ルルーシュ(…!そうか、あそこなら…)

ルルーシュ「尻尾は掴んだぞ…マオ」

53:2013/01/21(月) 01:32:51 ID:
>>51また新ワードが出来ましたね…

ルルーシュ(だが、このまま突っ込んでも意味がない)

ルルーシュ(あくまで目的はカレンの救出、マオ自身にも制裁は必要だが)

ルルーシュ(死んでしまってはそれも叶わんからな)

ルルーシュ(向かいながら考える…推測が外れている可能性を考えればそれがもっとも妥当だが)

ルルーシュ(それで策が見破られても意味がない…)

ルルーシュ(読心を掻い潜る、その方法があれば…)

ルルーシュ(いや、…ある、奴のギアスの裏をかく方法が!)

55:2013/01/21(月) 01:43:19 ID:
~廃墟~

マオ「さぁて、ルルーシュは間に合うかなぁ?」

マオ「間に合おうと、間に合わなかろうと、僕の勝ちは決まってるんだけどねぇ」

ぴりりり、ぴりりり

マオ「ん?あの女の携帯か…」

マオ「どうせルルーシュからだろ、放っておこ」

ぴりりりり、がちゃ

マオ「?留守電?」

ルルーシュ「マオ、聞こえるか?」

マオ「ふん、君の話なんて聞く耳持たないよ」

56:2013/01/21(月) 01:46:21 ID:
>>54ガンバレルのせいだ、絶対

ルルーシュ「…まあいい」

ルルーシュ「これを聞いている時点で、お前の負けは決まっているのだからな」

マオ「…なんだって?」

マオ「ちぃっ、どういうことだ!?」

ルルーシュ「ふん、やっと出たか」

ルルーシュ「挑発に弱い奴だ」

マオ「ごちゃごちゃうるさい!」

マオ「さっきの言葉、説明してもらおうか!」

57:2013/01/21(月) 01:53:23 ID:
ルルーシュ「…いいだろう」

ルルーシュ「まず、俺はお前がどこにいるのかを突き止めた」

マオ「何?」

ルルーシュ「簡単なことだ、自分でも何故気づかなかったのか」

ルルーシュ「カレンの容姿は目立つ、それが人の少ないゲットーでも、目撃される可能性は高い」

ルルーシュ「もし誰かに見つかってしまえば、居場所の隠蔽は難しくなるだろう」

ルルーシュ「だから、お前は騎士団が使うセーフハウスを経由して、仮拠点の一つに陣取った」

マオ「!?」

ルルーシュ「ゼロの番号を知っている時点で警戒すべきだった」

ルルーシュ「お前が騎士団しか知りえない情報を持っている可能性をな」

58:2013/01/21(月) 01:57:55 ID:
ルルーシュ「ゲットー境界を視認でき、尚且つ周囲に建物がいくつか隣接している」

ルルーシュ「その条件を満たすのは、たった一つしかなかったよ」

マオ「くっ…」

ルルーシュ「お前の魂胆はわかっている」

ルルーシュ「俺がカレンを助けに行った段階で、カレンごと吹き飛ばすつもりだろう」

ルルーシュ「もとから、お前は俺とカレンを殺すつもりだったということだ」

マオ「…はっ、当たり前だろう!」

マオ「お前がどんな言い訳をしても、CCを僕から奪ったって事実は変わらないんだからな!」

ルルーシュ「なるほど、痴情のもつれか」

マオ「はあ?」

ルルーシュ「こちらの話だ」

ルルーシュ「ともかく、お前の居場所はわかっている」

ルルーシュ「今すぐ逃げたほうがいいんじゃないか?」

59:2013/01/21(月) 02:01:08 ID:
マオ「何を馬鹿な」

マオ「わかったところで無駄さ、お前は自分か女か、あるいは両方の命を失わなきゃならない」

マオ「こんな電話をしているところを見ると、どうやら女の方を助けたいみたいだけど」

マオ「残念、僕には女の姿が…」

ルルーシュ「…ほう、見えるとしたら相当な阿呆だな」ハァ…ハァ

マオ「お前、どうしてここに…」

ルルーシュ「…もういい、用事は済んだ」

マオ「は?」

60:2013/01/21(月) 02:05:10 ID:
ルルーシュ?「そうですか、無事にことが運んで良かったです」

マオ「…お前、いったい誰だ…?」

ルルーシュ?「電話口にて失礼いたします」

咲世子「わたくし、メイドの篠崎咲世子と申します」

マオ「馬鹿な…だってお前は…」

ルルーシュ「当然、カレンのことと、この場所のこと」

ルルーシュ「そして、お前を追い詰めることだけ考えていたさ」

ルルーシュ「お前の能力は万能じゃない」

ルルーシュ「一定の距離制限に加えて、大人数に対する弱体化」

ルルーシュ「そして、思考レベルに応じた読心」

61:2013/01/21(月) 02:11:04 ID:
ルルーシュ「お前は相当に集中しなければ、完全に相手の思考を読みきることができない」

ルルーシュ「普段の状態では、せいぜい相手の一番強い感情程度だろう」

ルルーシュ「そう、お前は俺が電話で話しているということで油断し」

ルルーシュ「大きなズレのない俺の思考を感知した時点で、それ以上の追求をやめたんだ」

ルルーシュ「おかげで、俺は安全にことを運べた」トサッ

マオ「…!その女」

ルルーシュ「お前が咲世子の挑発に乗っている間に俺が助けた」

ルルーシュ「よかったな、俺もカレンも吹き飛ばせるぞ」

ルルーシュ「自分ももれなくあの世行きだがな」

マオ「くっ…ルルーシュぅ!!」バキィ

ルルーシュ「おいおい、携帯を壊すなよ」

ルルーシュ「あとで文句を言われるのは俺なんだから」

マオ「調子に乗るな!」

73:2013/01/22(火) 01:13:25 ID:
マオ「こんなことで、僕の裏をかいたつもりか!」

マオ「別にお前を殺す方法なんて、いくらでも…」

ルルーシュ「…そうだな」

ルルーシュ「依然主導権はお前にある」

ルルーシュ「が、ようやく同じ舞台に立ったんだ、素直に喜べよマオ」

ルルーシュ「これで、高みの見物よりは、よほど刺激的だろう?」

マオ「…絶対許さないからな!」

ルルーシュ「そうだな、お互い気持ちは一つだ」ドカッ

ルルーシュ「まあ座れよ」

マオ「は?」

ルルーシュ「聞こえなかったか?座れといったんだ」

ルルーシュ「俺の心は読めるんだよな?だったらわかるだろう?」

ルルーシュ「今すぐお前の膝を撃ち抜いて、強制的に座らせてやろうか、絶賛検討中でな」

ルルーシュ「どうする?俺が撃つより前に、お前は動けるのかな?」

マオ「…悪魔め…」

74:2013/01/22(火) 01:19:39 ID:
ルルーシュ「よし、それでいい」

ルルーシュ「マオ、俺が今一番やりたがっていることは何なんだ?教えてくれ」

ルルーシュ「今日は走り通しだし、カレンを運ぶのも骨が折れた」

ルルーシュ「あまり落ち着いた状態とは言えない」

マオ「…爆弾をどうするか考えているよ」

ルルーシュ「なるほど、まずはそこか」

ルルーシュ「たしかに、ここで自爆覚悟で起爆されれば、少なくとも俺とカレンは即死だからな」

ルルーシュ「まあ、そんなことになれば、お前は道連れにさせてもらうが」

マオ「…君が銃を抜くより、僕がスイッチを押す方が早い」

ルルーシュ「ガンマン対決か?自信はないな」

75:2013/01/22(火) 01:24:26 ID:
ルルーシュ「なあ、聞かせてくれ」

ルルーシュ「お前はどうしてそこまでCCに固執する」

ルルーシュ「今更言うのもなんだが、CCに戻って欲しいなら直接言えばいい」

ルルーシュ「俺も流石に、あいつ自身が決めたことに反対はしないぞ」

マオ「……CCは、僕の育ての親だよ」

マオ「時には母のように、時には姉のように、時には恋人のように、僕に接してくれた」

ルルーシュ「なんだ、まともな話もできるのか」

ルルーシュ「まあいい、続けてくれ」

マオ「…僕は、ギアスの力を制御できなかった」

マオ「おかげで、知りたくもない他人の心を覗くハメになって…」

マオ「だから、僕とCCは、自然人里を離れて穏やかに暮らしていたんだ」

76:2013/01/22(火) 01:30:16 ID:
ルルーシュ「…だが、それなら何故CCは消えた?」

ルルーシュ「聞いているだけだが、そのまま暮らせばいいだろう」

マオ「…君、結構裏表ないね」

ルルーシュ「状況を把握しないまま命を狙われる気持ちは、正直ゴメンだからな」

ルルーシュ「それに、隠してもお前にはバレる」

マオ「…変な奴」

マオ「いいさ、どうせ君は死ぬんだ」

マオ「冥土の土産ってやつだろ」

ルルーシュ「…」

マオ「君、頭の中で恐ろしいことを考えるなよ」

マオ「わかった、もう挑発しない、だから爪は残しておいてくれ」

ルルーシュ「…いいだろう」

77:2013/01/22(火) 01:35:46 ID:
マオ「何故CCがいなくなったのか、僕には分からない」

マオ「ある日目覚めると、僕は一人だった」

マオ「しばらく呆然としたよ、本当の孤独だった」

マオ「僕が唯一、心を覗かずに済んだ」

マオ「でも、逆に言えば、僕はCCの心を知ることができなかった」

マオ「それで、僕はCCを探すことにしたんだ」

ルルーシュ「なるほどな」

ルルーシュ「方法さえまともであったなら、俺も面会の場くらい設けたものを」

マオ「…ダメだよ」

マオ「ルルーシュ、お前CCのことをどう思ってる?」

ルルーシュ「は?」

78:2013/01/22(火) 01:38:54 ID:
マオ「…なるほどね」

ルルーシュ「おい、勝手に人の心を読んで納得するな」

マオ「別にいいだろ」

マオ「僕のせいじゃない、ギアスのせいだ」

ルルーシュ「なんて言い草だ」

マオ「でも、やっぱりダメだよ」

マオ「僕は、お前を生かしてはおけない」

マオ「だって、そうじゃないと」

マオ「CCが心おきなく僕のところに来てくれない」

マオ「CCは優しいからね、君のことが気になってしまうかもしれない」

ルルーシュ「…案外まともかと思ったが、結局そうなるのか」

79:2013/01/22(火) 01:44:43 ID:
マオ「その爆弾は、そこまで強力じゃあない」

マオ「せいぜい、その女の周り二メートルくらいを吹き飛ばすくらいだ」

マオ「…発見されないように狭い場所を選んだのは、ちょっとミスだけど」

マオ「でも、逃げようと思えば、そう難しいことでもない」

マオ「もちろん、君も女を諦めれば助かる道はある」

ルルーシュ「…」

マオ「わかってるさ、その気がないことは」

マオ「そうだろうと思って立てた作戦だからね」

マオ「君が仲間なんてなんとも思わないやつだったなら、僕も無駄話をしなかったかもしれないね」

マオ「もっとも、そうだったとすれば」

マオ「たぶん、君はそんな風ではなかっただろうけど」

80:2013/01/22(火) 01:49:11 ID:
マオ「ルールは簡単だ」

マオ「これが起爆装置」

マオ「僕がこれを押す前に、君が僕を殺せばいい」

マオ「僕も死にたいわけじゃないから、逃げてから押すことになるけど」

マオ「まあ、どうなるかな」

ルルーシュ「いいさ」

ルルーシュ「たまには、自分の腕を試すのも悪くない」

ルルーシュ「好きに始めろ、合わせてやる」

マオ「ふーん」

82:2013/01/22(火) 01:56:46 ID:
マオ「僕は君が何を考えているのかわかる」

マオ「言っておくけど、殺すつもりで来なければ、君、負けるよ?」

ルルーシュ「…やってみなければ分からないさ」

ルルーシュ「言っただろう?射撃には少々自信がある」

ルルーシュ「お前も、腕は万全じゃないだろうしな」

マオ「思い出させるなよ、めちゃくちゃ痛かったんだから」

ルルーシュ「自業自得だ」

マオ「残念だよ、僕らはいい友達になれたかもしれないのに」

ルルーシュ「大丈夫だ、そんな未来は永劫やっては来ない」

マオ「ふっ、そうだね」

マオ「君がいいやつじゃなくて良かった」

ルルーシュ「お互い様だ」

83:2013/01/22(火) 02:00:51 ID:
マオ「合図はコイツでどうだい?」

ルルーシュ「さっきも言った、好きにしろ」

マオ「このコイン、どのくらいの価値なんだろ」

ルルーシュ「早くしろ、時間稼ぎなら俺から行くぞ」

マオ「せっかちだなあ」

マオ「じゃ、行くよ…」ピンッ

101:2013/01/26(土) 01:24:05 ID:
ルルーシュ(俺の思考は読まれている)

ルルーシュ(つまり、いつ動いたとしても俺が先手を取ることはできない)

ルルーシュ(かといって、後手に回れば対応は至難…)

ルルーシュ(奴が完全に逃げられないようにする必要があるか…)

ルルーシュ(あとは、俺の腕次第)

マオ(なるほど、あえて候補を絞らないことで僕に予測させないつもりか)

マオ(でも、まあ僕には最終手段がないわけではないし)

マオ(どこを撃つにしても、照準を合わせる前に逃げればいい)

マオ(ふふ、結局、僕の圧倒的優位は揺るがない)

マオ(ルルーシュ、ここが君の墓場だよ…)

103:2013/01/26(土) 01:44:31 ID:
きぃんっ…

マオ「…っ!」バッ

ルルーシュ「!」パァンッ

マオ「はずれ!」タッ

ルルーシュ「くっ…」パァンッパァンッ

マオ「ぐっ…いって…」

マオ「でも、これで僕の勝ちだっ!」

ルルーシュ(くそっ、外へ逃げられる…!!)

だぁんっ…

マオ「え…?」

ルルーシュ「何…?」

104:2013/01/26(土) 02:06:45 ID:
CC「……お前の負けだ、マオ」

マオ「CC……なんで?」

CC「動くな、妙な真似をすれば次に風穴が開くのはお前の身体になるぞ」

ルルーシュ「CC!お前いつから…」

CC「さっきだ」

CC「ほら、受け取れルルーシュ」

ルルーシュ「これは…鍵?」

マオ「それは!?」

CC「カレンに巻かれている爆弾を外せる」

CC「早く安全なところまで逃げろ」

ルルーシュ「しかし…」

CC「私は死ぬことがない、そこに置いておかれたところで、私をどうこうできるわけじゃない」

CC「これは私の問題だ、お前には関係ない」

ルルーシュ「CC…」

105:2013/01/26(土) 02:15:24 ID:
CC「早く行け、あとはゆっくり帰りでも待つがいい」

ルルーシュ「…」カチャカチャバチンッ

ルルーシュ「早まるんじゃないぞ」

CC「…」

ルルーシュ「ふっ」グイッ

ルルーシュ「…」タタタ

マオ「CC、あの鍵をどこで…」

CC「お前が捨てた瓦礫の山から掘り起こしてきたんだよ」

CC「おかげで時間がかかってしまったがな」

CC「マオ、もう終わりにしよう」

CC「ダメなんだ、こんなことは」

CC「どこかで断ち切らなければ」

マオ「…CC、何を言ってるの?」

106:2013/01/26(土) 02:27:13 ID:
CC「お前がこんな風になってしまうのは分かっていた」

CC「あの日、お前と契約をしてしまった日」

CC「私は気づいていた、お前はギアスに耐えられない」

CC「ギアスに必要な強い心、それがお前には無かった」

マオ「でも…」

CC「私は、お前を匿うことにした」

CC「やがて狂化し、苦しみ死んでいくお前に、せめて人並みの幸せを得て欲しかった」

CC「私なりの、罪滅しのつもりだったんだ」

107:2013/01/26(土) 02:31:24 ID:
マオ「…やっぱり、僕よりルルーシュの方が…」

CC「私には…わからない」

CC「お前も私の心が読めるわけじゃない」

CC「だけどな、マオ」

CC「私がお前を保護したのは、ひとえに哀れみゆえに、だ」

CC「随分狂化しているな、こうして話せるのは神の導きか、悪魔の罠か」

CC「大丈夫だ、私が終わらせてやる」カチャ

マオ「CC…僕を殺すの…?」

CC「…お前は、私が残した火種」

CC「後始末は、自分でしなければな」ググッ

マオ「…CC…」

CC「痛みは一瞬だ、すぐに済む」

CC「Cで、また会おう」

ぱぁんっ

108:2013/01/26(土) 02:40:03 ID:
CC「……ルルーシュ、どうして…」カラン

ルルーシュ「悪いな、水を差して」

ルルーシュ「それはなんだ?毒薬でも入っているのか?」カタッ

ルルーシュ「ラクシャータに作らせたのか…あいつにも言っておかなければ」

CC「…カレンはどうした」

ルルーシュ「大丈夫だ、外にいる」

ルルーシュ「咲世子も呼んだ、じき保護されるだろう」

マオ「…ルルーシュ」

ルルーシュ「よう、大丈夫か?」

マオ「お前!何しに来たんだよ!」

ルルーシュ「命の恩人に対して、随分な言い草だな」

ルルーシュ「CC、手には当たらなかったよな?」

CC「…ああ、問題ない」

ルルーシュ「それならいい、外れなくてよかった」

109:2013/01/26(土) 02:51:53 ID:
ルルーシュ「何をしに来たか、教えるまでもない」

ルルーシュ「CCにこんなことをさせたくないからだ」

CC「ルルーシュ、私は…」

ルルーシュ「マオ、この女は基本的に嘘つきなんだよ」

ルルーシュ「言葉を額面通りに受け取るんじゃない」

マオ「CCを馬鹿にするな!」

ルルーシュ「別に馬鹿にしちゃいないさ」

ルルーシュ「だが、ただの憐みで育てたやつを殺すのに」

ルルーシュ「涙まで流すのは、ちょっとおかしいんじゃないか?」

マオ「え?」

CC「ルルーシュ、何を言って…」

110:2013/01/26(土) 03:00:57 ID:
ルルーシュ「マオ、お前はCCのことが何も見えていない」

ルルーシュ「こいつが好き好んで殺人を犯したりしないことは、お前も知っているはずだ」

ルルーシュ「逆光で見えなかったなんて、言い訳にならない」

ルルーシュ「お前は、ただ縋りたかっただけだ」

ルルーシュ「自分という人格を、無条件で認めてくれる存在に」

マオ「……なんだよ」

マオ「お前が、お前さえいなければ…!」

ルルーシュ「…ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが命じる」キイィィィィイン

CC「ルルーシュ、お前…」

ルルーシュ「マオ、選べ」

ルルーシュ「俺が何をしようとしているのか、わかるだろう」

ルルーシュ「最期は決めさせてやる」

マオ「…」

120:2013/01/29(火) 00:56:58 ID:
マオ「…聞いてもいいかい?」

ルルーシュ「時間稼ぎでないなら構わない」

マオ「君は、僕を許せるのか?」

ルルーシュ「許す?」

マオ「ああ」

マオ「君のやろうとしていることは、僕を許すことになるだろう?」

マオ「君の命を、仲間の命を狙ったのは僕だ」

マオ「解放戦線を唆して、ナリタの事件を起こさせたのもね」

ルルーシュ「……なんだと?」

マオ「怒ったね、当然だけど」ハハッ

マオ「君のギアス、詳しくは分からなかったけど」

マオ「なるほど絶対遵守か……」

マオ「君は凄いね、力に呑まれずに生きているなんて」ガクッ

ルルーシュ「……?どうした?」

121:2013/01/29(火) 01:02:25 ID:
CC「……まて、ルルーシュ」

CC「今のマオには近付くな」

ルルーシュ「…どういうことだ」

CC「マオに限界が来ている」

ルルーシュ「限界?」

マオ「……僕は、僕は……」

CC「あいつの思うより前に、ギアスの侵食が進んでしまったんだ」

CC「悠長に事を運んだせいか、力を使い過ぎたか、おそらくは両方だろうが」

ルルーシュ「…放っておくとどうなる」

CC「ギアスの狂化は自然な現象だ」

CC「力を使えば、ギアスは肉体と精神を侵食し、やがて制御出来なくなる」

122:2013/01/29(火) 01:04:30 ID:
CC「力を扱えなくなれば、ギアスは契約者自身を喰らう」

CC「以前話した通りだ」

ルルーシュ「マオは、死ぬのか?」

CC「……そう時間はかからないだろう」

マオ「……ルルーシュ」

ルルーシュ「何だ」

マオ「……僕は、どうやら失敗したらしい」

マオ「おかしいな、こんな時なのに妙にスッキリしているよ」

マオ「あのね、僕は…」キイィィン

マオ「ぐぁっ!!?」

ルルーシュ「くっ……CC、何だこれは!」

CC「共振だ」

ルルーシュ「共振?」ググッ

125:2013/01/29(火) 01:21:37 ID:
CC「ギアスを持つものに起こる共鳴現象」

CC「マオの力が本格的に暴走を始めた証だ」

マオ「ぐあああああっっっ!!!」

ルルーシュ「ぐっ………この痛みは…」

CC「共振が起これば、ギアス能力者に影響を及ぼす」

CC「もっとも、暴走ともなればギアスに関係なく起こってしまうだろうがな」

ルルーシュ「……随分落ち着いているじゃないか」

CC「…マオの最期だ、私は見届ける」

マオ「ぐぐぐ………がはっ」

ルルーシュ「……」

126:2013/01/29(火) 01:29:30 ID:
マオ「る、ルルーシュ…」

マオ「CCを……」ズキズキ

ルルーシュ「何だ!?どうした」

マオ「こんなこと、言えた義理じゃないけど」

マオ「CCを守ってくれよ」

マオ「僕は、間違ったんだ」

マオ「……やり方を…まちがっ…」

マオ「ぐわぁぁぁぁぁ!!」

ルルーシュ「……」

ルルーシュ「…マオ、俺の目を見ろ!!」

CC「ルルーシュ、何をしても無駄だ」

127:2013/01/29(火) 01:49:29 ID:
ルルーシュ「やってみなければ分からん」

ルルーシュ「マオ、目を開けろ」

マオ「……何だよ、僕を、殺すん、だろ?」

マオ「放っておいて、くれないか」

ルルーシュ「…俺はお前を許したりしない」

ルルーシュ「神なんていない、お前は許されることはない!」キュイィン

ルルーシュ「だから償え!俺が、悪魔が満足するまで足掻いて生きろ!」

CC「やめろルルーシュ!余計な事をすれば、お前にも…」ガシッ

ルルーシュ「…っ離せ!」バッ

CC「きゃっ…」

ルルーシュ「ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが命じる!」

ルルーシュ「全てを忘れてしまえ!記憶の全てを!」キュイィィィイン

CC「ルルーシュ!!」

マオ「ぐああああっ!!」

ルルーシュ「があっ!!?」

128:2013/01/29(火) 02:06:14 ID:
CC「ルルーシュ!」

CC「大丈夫か?怪我は…」

ルルーシュ「……何ともない」

ルルーシュ「!それより、マオは…」

マオ「………」

CC「…分からない」

CC「まだ生きてはいる」

CC「共振は起こっていないが…」

ルルーシュ「…おい、起きろ」

CC「ルルーシュ、何をそんなに執着する」

CC「…マオは、ダメだったんだよ」

CC「ギアスは選ばれた人間にのみ使えるものなんだ」

CC「分不相応な力を得れば、耐えきれない」

ルルーシュ「…そうだろうな」

129:2013/01/29(火) 02:06:29 ID:
ルルーシュ「マオはお前に依存しきっていた」

ルルーシュ「自分を持っていなかった、全てお前を行動の理由にしなければ、動けなかった」

ルルーシュ「…だが、そんなことは俺に関係のないことだ」

ルルーシュ「こいつには俺の前で死ぬ価値もない」

ルルーシュ「…ジェレミア卿はマオの策略ごときで死んだのではない」

ルルーシュ「マオ、起きろ」

ルルーシュ「お前には醜く生きてもらう」

CC「ルルーシュ…」

130:2013/01/29(火) 02:12:13 ID:
ルルーシュ「…起きろ」

マオ「…」

マオ「……君は……?」

CC「馬鹿な…」

CC「マオの狂化は取り返しのつかないレベルだったはずだ……」

ルルーシュ「お前、名前は分かるか?」

マオ「…いえ」

マオ「何故だか分かりませんが、覚えていないんです」

ルルーシュ「…お前はここで死にかけたのさ」

ルルーシュ「名前はマオ・コーンウォールだ」

マオ「マオ?それが僕の名前…」

CC「ルルーシュ…」

ルルーシュ「CC、マオを連れていく」

ルルーシュ「……話は後でゆっくりしよう」

CC「…ああ」

131:2013/01/29(火) 02:15:33 ID:
マオ「あの、お二人は一体…」

ルルーシュ「俺はルルーシュ・ランペルージ」

ルルーシュ「ブリタニア軍人だ」

ルルーシュ「こちらはCC」

ルルーシュ「お前の姉だよ」

マオ「姉さん?」

CC「…ああ、そうだ」

CC「立てるか?マオ」

マオ「はい、何とか…」

ルルーシュ「……」ピッ

ルルーシュ「咲世子、今から言うところに車をまわしてくれ」

ルルーシュ「客だ、ああ、手続きも必要になる」

ルルーシュ「分かっているさ、頼むよ」

138:2013/01/29(火) 04:30:17 ID:
ジェレミア「くぅっ…」ギャルルルル

ジェレミア(なんと、ここまで反応されるとはな…)

ナイトメアフレームが軋む、度重なる無理に機体が悲鳴をあげた

ジェレミア(……っだが!!)グイッ

ジェレミア「私は、負けるわけにはいかないんだ!!」ギュインッ

ペダルを限界まで踏み込む

急制動による衝撃がジェレミアの身体を襲うが、構わずに反転した

ジェレミア(いける、今の私なら!)カチッ

相手は虚を突かれ、反応が遅れている

ジェレミア「くらえっ!」

ジェレミアは狙いを定める事なく、前方に向けて引き金を引いた

夜の波止場に爆音が木霊した

148:2013/01/29(火) 13:30:58 ID:
~翌日 アパート~

ルルーシュ「ただいま」

CC「…おかえり」

ルルーシュ「どうした?まだ沈んでいるのか?」

CC「マオはどうなった?」

ルルーシュ「どうもこうも」

ルルーシュ「何も覚えていない」

ルルーシュ「ギアスの力の事も忘れてしまったようだな」

ルルーシュ「手続きは済ませた、書類上はお前の弟になる」

ルルーシュ「もっとも、本人は旅に出たいらしいがな」

CC「旅?」

ルルーシュ「自分には何もないから、世界を見て回りたいそうだ」

ルルーシュ「一応、そのための手配はしてやるつもりだが」

CC「…そうか」

149:2013/01/29(火) 13:41:12 ID:
ルルーシュ「何か引っかかるか?」

CC「…あの時、マオは完全にギアスの力を制御しきれなくなっていた」

CC「なのに、今はギアスが無かったかのようにピンピンしている」

CC「…何が起きたんだ」

ルルーシュ「記憶が無いと使えないんじゃないか?」

ルルーシュ「契約自体を忘れてしまったのだろう?」

CC「そんなに単純なものとは思えないが…」

CC「ギアスには、私にすら分からない何かがあるのかもしれない…」

ルルーシュ「そのようだな」

150:2013/01/29(火) 14:24:16 ID:
CC「しかし、随分と頼もしくなったな、ルルーシュ」

ルルーシュ「ん?そうか?」

CC「今回、かなり冷静に対処出来たと思わないか?」

ルルーシュ「…まあ、マオ自身用意周到とはいかなかったようだからな」

CC「それだけではない」

CC「普段訓練を受けているから体力もあった、ギアスを使わずとも動いてくれる人間もいる」

CC「お前は、こう思っていたんだ」

CC「何があろうとも、どうにか出来るとな」

ルルーシュ「そうでもないさ」

ルルーシュ「マオが爆弾を起爆しようとした時も、お前が来なければ危うかった」

CC「殺さずに済んだ、ただそれだけだろう」

CC「……そういえば、カレンはどうなった?」

ルルーシュ「まだ薬が残っているようだ、目覚めてはいるが、マオのことはよく覚えていないみたいだな」

155:2013/01/29(火) 22:28:19 ID:
ルルーシュ「CC、素直に喜べばいいじゃないか」

ルルーシュ「お前だって、マオを殺したかったわけではないだろう?」

CC「……それはそうだが」

CC「結局、私はお前達を巻き込んでしまった」

CC「誰も死なずに済んだのは、もはや奇跡だ」

CC「私は、また失う所だった…」

ルルーシュ「また?」

CC「……初めはマオだよ」

ルルーシュ「?なるほど?」

ルルーシュ「まあいい、そこで腐っても時間の無駄だ」

ルルーシュ「暇なら俺に着いて来い」

156:2013/01/29(火) 22:31:48 ID:
CC「こんな時間にか?」

ルルーシュ「こんな時間だから、さ」

ルルーシュ「来るか?」

CC「……場所を言え」

ルルーシュ「何、そこの公園だよ」

CC「?そんなところで何が…」

ルルーシュ「俺は先に行く、来るなら来い」

CC「お、おい!ルルーシュ…」

CC「何なんだ一体…」

157:2013/01/29(火) 22:36:36 ID:
~公園~

CC「ルルーシュ?」

ルルーシュ「来たか」

CC「何だ?何も無いじゃないか」

ルルーシュ「まあ座れ」トン

CC「……」

CC「仕方ないな」ポフ

CC「それで?説明はあるのか?」

ルルーシュ「もう少しこっちに寄れ、寒い」

CC「はぁ!?」

ルルーシュ「そんなに驚くこと無いだろう」

ルルーシュ「もうすぐ来ると思うんだ」

CC「?何がだ?」

ルルーシュ「…お、アレだ」

CC「屋台?」

158:2013/01/29(火) 22:42:39 ID:
ルルーシュ「すみません、二つ下さい」

親父「へい!……あっと、ブリタニアの方でしたか…」

ルルーシュ「そう気負わないで下さい、ただのお客ですから」

親父「…こりゃ珍しいねぇ」

親父「ブリキの奴らはもっと偉ぶって…あ…」

ルルーシュ「はは、知っています、そういう人間もいることは」

ルルーシュ「ともかく、二つ下さい」

親父「ま、毎度、ありがとうございました」

ルルーシュ「…ふぅ、これが現状の意識か」

ルルーシュ「両者の確執は……」

ルルーシュ「まあいい、まだこれからさ」

159:2013/01/29(火) 22:46:07 ID:
ルルーシュ「CC、買ってきたぞ」

CC「これは?」

ルルーシュ「日本の名物、ヤキイモだ」

ルルーシュ「熱いから気を付けろ」

CC「ヤキイモ?初めて見た…」

ルルーシュ「俺も子供の頃以来だな」

ルルーシュ「この辺りは、比較的日本人が多い」

ルルーシュ「だから屋台も通るんだ」

ルルーシュ「以前聞いたことがあってな」

CC「聞いた?」

ルルーシュ「ああ、セシ…っと、それは秘密だったか」

CC「…ふ、なるほどな」

160:2013/01/29(火) 23:02:49 ID:
CC「なあ、皮はどうするんだ?」

ルルーシュ「そのまま食べても大丈夫だが…」

ルルーシュ「貸してみろ、上のほうだけ剥がしてやる」

CC「別に自分でも…」

ルルーシュ「いいから」

CC「…そこまで言うなら」

ルルーシュ「ふ、懐かしいな」

ルルーシュ「昔は、こうやってナナリーの分を剥いてやったものだ」ペリペリ

ルルーシュ「…よし、この位なら食べられるだろう」

CC「…ありがとう」

ルルーシュ「気にすることはない」

ルルーシュ「一口食べてみろ」

161:2013/01/29(火) 23:08:39 ID:
CC「……はむ」

CC「……」ムグムグ

ルルーシュ「どうだ?」

CC「…美味しい」

ルルーシュ「そうだろう?芋を蒸かしただけなのに、美味いんだ」

ルルーシュ「夕方くらいの、肌寒い時間に食べるのがいい」

ルルーシュ「冷めないうちに食べきろう」

CC「…うん」ムグムグ

ルルーシュ「熱っ!」

ルルーシュ「くっ…またやってしまった」

CC「火傷したのか?」

ルルーシュ「どうにも、食べるのは苦手でな」

ルルーシュ「熱い…」

162:2013/01/29(火) 23:11:59 ID:
CC「…ぷっ…ふふふ…」プルプル

ルルーシュ「ん?ろうひは?」

CC「いや…ふふっ」

CC「そうやって舌を出す姿が、何だか滑稽で…ふふ」

ルルーシュ「……なんとれも言え」

ルルーシュ「くっ、ヒリヒリする」

CC「ふふ、舐めてやろうか?」

ルルーシュ「遠慮する」

CC「即答か、味気のないやつめ」

ルルーシュ「帰ったら氷を含むことにしたからな」

ルルーシュ「それに、今したら芋味がしそうだ」

CC「美味しいぞ?」

ルルーシュ「雰囲気の問題だ」

163:2013/01/29(火) 23:22:51 ID:
CC「それなら、雰囲気がよければするのか?」

ルルーシュ「…分からんな」

ルルーシュ「俺も男だ、据え膳云々が分からない訳じゃない」

ルルーシュ「だが、考え無しにそういうことをするのは愚かだと思う」

CC「まさに童貞思考だな」ハム

ルルーシュ「……フンッ」

ルルーシュ「俺が死ぬ時になれば考えてやらんでもない」

CC「つまり、死ぬまで側にいろと?」

ルルーシュ「当然だ、共犯者としての仕事を忘れて貰っては困る」

CC「世話の焼ける…」

CC「だが、少しは気分が晴れたよ」

CC「すまないな、面倒をかけた」

ルルーシュ「俺はただ、ヤキイモが食べたかっただけだ」

ルルーシュ「元気になったのはお前の勝手さ、俺は何もしていない」

164:2013/01/29(火) 23:31:24 ID:
CC「ふふ、嫌に格好つけるじゃないか」

CC「何かあったのか?」

ルルーシュ「いや、別に何も無いが」

CC「……ははぁん、分かったぞ」

ルルーシュ「いや、絶対に勘違いをしている」

CC「私がマオのことで悩むのが嫌なんだろう?」

ルルーシュ「何を検討外れな…」

CC「そうだな、ルルーシュは昔の私を知らないからな」

CC「何かあったのか勘繰っても、それは当然というものだ」

ルルーシュ「だから、間違っていると…」

CC「そうかそうか、可愛いやつめ」ズイッ

ルルーシュ「…擦り寄るな」

CC「ふふ、寒いから仕方ないだろう」

165:2013/01/29(火) 23:36:41 ID:
CC「どうしたルルーシュ、顔が赤いぞ?」

ルルーシュ「冷え込んできたからだ」

CC「そうだな、そうだろうな」ニマ

ルルーシュ「…その顔をやめろ」

CC「心配するな、別に何もない」

CC「私がマオと一緒にいたのは、あいつが子供の頃だけだ」

CC「恋人のように、というのはあいつの勘違いだよ」

ルルーシュ「?聞いていたのか?」

CC「いや、言うだろうと思ってな」

CC「しかし、一つだけ疑問が解けたような気がするよ」

ルルーシュ「疑問?」

CC「何故マオが、あんなに冷静だったのか、な」

166:2013/01/29(火) 23:42:36 ID:
ルルーシュ「冷静だったか?」

CC「狂化した人間と会話が成立する事自体、非常に稀なんだ」

CC「マオは、普通なら自分の主張以外ほとんど頭に入らないレベルで狂化していた」

ルルーシュ「自分の主張?どういう事だ?」

CC「ギアスの根本とも言える問題さ」

CC「ギアスは人の欲望、野望、そういった要素を具象化する」

CC「狂化はギアスになること、つまり、その人間が抱く願望のみが残るんだ」

CC「マオの場合は、私というより…自分を理解してくれる存在を求めていたのだろう」

ルルーシュ「……奴を理解したつもりは無いが」

167:2013/01/29(火) 23:48:05 ID:
CC「いやいや、確かに理解はしていないかもしれないがな」

CC「奴は心を読む、対面していたのなら、かなりの段階まで読まれていたのだろうな」

ルルーシュ「何が言いたい」

CC「マオはお前の心の中にある、私に対する感情を見たのだろうよ」

CC「そして共感したんじゃないか?」

ルルーシュ「……そんなもの、勝手な推測に過ぎん」

CC「そうか?あながち外れてもいないと思うがな」

ルルーシュ「…食べ終わった、帰ろう」

CC「そう拗ねるなよ、ルルーシュ」

CC「ほら、手を繋いでやろう」ギュッ

ルルーシュ「…好きにしろ」

CC「ふふ、嬉しいくせに」

168:2013/01/29(火) 23:52:47 ID:
CC「なあルルーシュ」

ルルーシュ「……何だ?」

CC「私は、勝手に居なくなったりしないぞ」

ルルーシュ「……分かっているさ」

ルルーシュ「仮に逃げ出したら、地の果てまで追ってやる」

CC「ふふ、首輪でもつけるか?」

ルルーシュ「…首輪では無いが」ゴソ

ルルーシュ「これをやる」

CC「?これは…」

ルルーシュ「マフラーだ」

ルルーシュ「俺のを買ってくるついでにな」

CC「くれるのか?」

ルルーシュ「同じものを二つ持つ意味が無いだろう」

169:2013/01/29(火) 23:55:29 ID:
CC「…付けてもいいのか?」

ルルーシュ「何だ?付けてほしいのか?」

CC「…」チラ

ルルーシュ「…はぁ」

ルルーシュ「ほら、じっとして手を離せ」

CC「よし、いいぞ」

ルルーシュ「……これでいい」

ルルーシュ「見立て通りだ、なかなか似合う」

CC「…大切に使おう」

ルルーシュ「ボロボロになるまで巻けばいい」

ルルーシュ「来年また買うだろうからな」

CC「…それでもだ」

ルルーシュ「…好きにしろ」ギュッ

ルルーシュ「帰るぞ」

CC「……ああ」キュッ

184:2013/02/01(金) 22:34:36 ID:
~エリア11政庁~

ユーフェミア「お姉様!」バンッ

コーネリア「…仕事中は総督と呼ばんか」

コーネリア「あとノックをしろ、廊下を走るな、それから…」

ユーフェミア「お姉様、あまり細かいことをお気になされると、シワが増えますわ」

コーネリア「なんだと!?」

ユーフェミア「あら、そんな場合ではありませんしたわ!」

コーネリア「ユフィ、さっきの発言は問題があるだろう!」

ユーフェミア「いえ、お姉様はお綺麗ですもの、ほんの冗談です」

コーネリア「そ、そうか?」フフッ

ユーフェミア「それより、聞いて下さいませ」

コーネリア「む?そう言えば用件はなんだ?」

185:2013/02/01(金) 22:50:12 ID:
ユーフェミア「わたくし、ついに決めたのです」

コーネリア「決めた?何を」

ユーフェミア「騎士ですよ、騎士」

ユーフェミア「お姉様も早く決めろとせっついていたではありませんか」

コーネリア「ああ、ようやくか…」

コーネリア「あまりに遅いので、もはや諦めかけていたところだ」コポコポ

コーネリア「飲むか?」

ユーフェミア「いえ、わたくし紅茶派なので」

コーネリア「…そうだったな」カタン

コーネリア「それで?一体誰なんだ」

コーネリア「言っておくが、半端な人間は認めないぞ」ズズッ

ユーフェミア「ル、…ランペルージ少尉です!」

コーネリア「ぶっ!?」

186:2013/02/01(金) 23:00:29 ID:
コーネリア「な、何だって?」

ユーフェミア「お姉様、汚いですわ」

コーネリア「しっかり飛びのいた癖に、何を言っているんだ」フキフキ

コーネリア「で?ルルーシュ?」

ユーフェミア「ええ」

ユーフェミア「先日昇進したのですし、タイミングも良いと思います」

コーネリア「そ、それはそうだが…」

ユーフェミア「どうかなされましたか?」

ユーフェミア「お姉様なら喜んで下さると思っていましたのに」

188:2013/02/01(金) 23:28:55 ID:
コーネリア「いや、これはな」

コーネリア「何と言うか…そう、まさにタイミングなんだ」

ユーフェミア「タイミング?」

コーネリア「そう!」

コーネリア「ともかく、ルルーシュはやめておけ」

ユーフェミア「何故です?」

コーネリア「あいつは…ほら、まだ学生じゃないか」

ユーフェミア「どのみち今まで居なかったのです、卒業まで待てば良いではないですか」

コーネリア「あー、それではダメだ…」

ユーフェミア「?まだ他に問題が?」

コーネリア「それはだな…」

ユーフェミア「それは?」

189:2013/02/01(金) 23:33:15 ID:
ギルフォード「失礼します」

ギルフォード「ランペルージの特務騎士任命の最終確認を…」

ギルフォード「…お邪魔でしたかな?」

コーネリア「…ああ、タイミングがな…」

ユーフェミア「特務、騎士?」

ユーフェミア「お姉様?」

コーネリア「いや違うんだ、これはな…」

190:2013/02/01(金) 23:46:52 ID:
ユーフェミア「特務騎士なんて制度、お父様の代で捨て去られたものとばかり…」

コーネリア「廃止されていたわけではない、あくまで使われていなかったというだけの話だ」

コーネリア「この時の為に、色々と準備を進めていたんだ」

ギルフォード「…私は暫く外に居りますので」

コーネリア「…ああ、下がれ」

ユーフェミア「お姉様、もう少しお話しましょう?」

コーネリア「…分かっているさ」

191:2013/02/01(金) 23:55:47 ID:
~特派トレーラー~

ヴィレッタ「ヴィレッタ・ヌゥ、入るぞ」

ラクシャータ「あら、いらっしゃぁい」

ヴィレッタ「ラクシャータ?随分早いじゃないか」

ヴィレッタ「風邪でもひいたか?」

ラクシャータ「失礼なこと言ってくれちゃってぇ」

ラクシャータ「仕事よ、し、ご、と」

ラクシャータ「良かったら、このゴミの山を片す手伝いをさせてあげようかぁ?」

ヴィレッタ「残念だがお断りだな」

ヴィレッタ「一人か?」

ラクシャータ「いんや、カレンも居たよぉ」

ラクシャータ「多分紅蓮のとこじゃないかなぁ」

ヴィレッタ「紅蓮?」

ラクシャータ「整備やってんのよ、自分で」

ヴィレッタ「ほぅ、そうだったのか」

192:2013/02/02(土) 00:00:09 ID:
ラクシャータ「あの子、もしかしたらメカニック向いてるかもねぇ」

ラクシャータ「ほら、最近出動もないじゃなぁい?」

ヴィレッタ「ルルーシュと枢木が先に呼ばれるからな」

ヴィレッタ「どうしてもカレンは裏方になる」

ラクシャータ「久しぶりに訓練で揉んであげればぁ?」

ラクシャータ「退屈してるかもしれないしぃ」

ヴィレッタ「…そうだな、考えておこう」

ヴィレッタ「あ、それと私のナイトメアはどうなった?」

ヴィレッタ「三日前に頼んでおいただろう」

193:2013/02/02(土) 00:04:46 ID:
ラクシャータ「しっかり点検済みよぉ」

ラクシャータ「オーバーホール楽でいいわよねぇ、サザーランドは」

ラクシャータ「特に変更ないけど、一応確認しといてねぇん」

ヴィレッタ「分かった、やっておこう」

ヴィレッタ「コーヒー、飲むか?」

ラクシャータ「お願いするわ」

ラクシャータ「全く、ロイドも手伝ってくれればいいのにぃ」

ヴィレッタ「自分の責任だろう?」

ラクシャータ「それはそれよぉ」

ヴィレッタ「…ふ、ルルーシュに泣きついたらどうだ?」

ラクシャータ「あいつ、ぼったくるからねぇ」

ラクシャータ「ガウェインのこともあるし…」

195:2013/02/02(土) 00:11:33 ID:
ぴぴぴっ

ヴィレッタ「ん?通信か?」

ラクシャータ「あー…本部からよぉ」

ラクシャータ「ヴィレッタ、出てくれるぅ?」

ヴィレッタ「私がか?」

ラクシャータ「ロイドはその本部にいってんのよぉ」

ラクシャータ「てことは、作戦関係の話だと思う」

ラクシャータ「一応軍事系はあんたの管轄でしょお?」

ヴィレッタ「それはそうだが…」

ヴィレッタ「まあいい、お前は仕事の続きをしておけ」ピッ

ヴィレッタ「こちら特別派遣嚮導…」

ヴィレッタ「コーネリア様?」

ラクシャータ「おおっとぉ、大物ぉ」

196:2013/02/02(土) 00:18:26 ID:
ヴィレッタ「なぜ軍用回線を…」

ヴィレッタ「はい、…そうですか、とうとう決まったんですね?」

ヴィレッタ「今は…あいにく来ていませんね」

ヴィレッタ「はい、…はい、伝えておきます」

ヴィレッタ「昇進の件は既に…ええ、本人は特に何も…」

ヴィレッタ「姉?ルルーシュには妹しか…」

ヴィレッタ「はい、……はい、了解いたしました」

ヴィレッタ「ありがとうございます、失礼します」ピッ

ラクシャータ「何だって?」

ヴィレッタ「ふっ、ちょっとしたサプライズさ」

ラクシャータ「?」

202:2013/02/02(土) 01:31:35 ID:
ルルーシュ「…は?」

ヴィレッタ「聞こえなかったか?」

ルルーシュ「いえ、そういうわけでは…」

ルルーシュ「私が、騎士?」

ヴィレッタ「ああ、コーネリア様付きのな」

ヴィレッタ「前に言っただろう?敬語も卿もいらんとな」

ヴィレッタ「これではれて私と扱いは同じだ」

ヴィレッタ「よろしく頼む、ランペルージ卿」

ルルーシュ「あの、突然過ぎて何が何やら…」

CC「良かったじゃないか」

CC「入隊からこっち、異例の昇進劇だ」

ヴィレッタ「そういう事だな」

203:2013/02/02(土) 01:33:38 ID:
ヴィレッタ「それと枢木も騎士となる」

ルルーシュ「スザクも?」

ヴィレッタ「ユーフェミア様のご指名だそうだ」

ヴィレッタ「まあ、そちらはご本人が直接話すという事になっているがな」

ヴィレッタ「近く、就任式が行われる予定だ」

ヴィレッタ「階級章に続き、騎士章もいただけるのだ」

ヴィレッタ「大変名誉なことだぞ」

ルルーシュ「それはそうですが…」

がらっ

ラクシャータ「ルルーシュ、話が終わったらちょっと来てくれるぅ?」

ヴィレッタ「ラクシャータ、居なくなったと思ったらハンガーにいたのか」

ラクシャータ「ロイドが帰って来たからね、ガウェインの調整しようと思ってぇ」

204:2013/02/02(土) 01:37:47 ID:
ルルーシュ「ガウェイン?ということは…」

ラクシャータ「概ね終わったわよん」

ラクシャータ「ロイドもハドロン砲の兵器認定貰ってきたし、早速試してみようかなって」

ラクシャータ「CC、あんたもよぉ」

CC「分かった」

CC「ルルーシュ、一緒に行くか?」

ルルーシュ「ああ、…ヴィレッタ卿、お話は以上でしょうか?」

ヴィレッタ「詳しいことはコーネリア様から連絡があるはずだからな」

ヴィレッタ「行って来い」

ルルーシュ「了解しました」

ルルーシュ「行こう、CC」

CC「ああ」ギュッ

ててて…

205:2013/02/02(土) 01:42:41 ID:
カレン「…ふう、さっぱりしたぁ…」ウィン

カレン「あれ?ヴィレッタさんだけですか?」

ヴィレッタ「皆ハンガーの方だ」

カレン「えー、ラクシャータさんに紅蓮の調子見てもらう約束だったのに」

ヴィレッタ「自分でやっていると聞いたが?」

カレン「あたしのは、ほら付け焼き刃ですから」

カレン「紅蓮と無頼じゃ勝手が全然違って…」

ヴィレッタ「無頼?それは…」

カレン「あっ…忘れて下さい」

ヴィレッタ「…まあ、お前にも色々あるのだな」

カレン「はは、そんなカンジです」

カレン「そうだ、今度演習に付き合ってもらえませんか?」

カレン「最近シミュレータばかりでなまりそうなんです」

ヴィレッタ「…まあいいだろう」

カレン「よっしゃ!」

206:2013/02/02(土) 01:46:59 ID:
ヴィレッタ「それはそうとカレン」

カレン「はい?なんですか?」

ヴィレッタ「いつからルルーシュとCCは手を繋ぎながら歩くようになった?」

ヴィレッタ「そもそも、CCが随分印象を変えたような…」

カレン「まあ、婚約者ですし」

カレン「同棲してるんだから、ほら、ね?」

ヴィレッタ「む、そういうものなのか?」

カレン「いや、あたしにも経験は無いですけど」

カレン「…でも、最近前より二人の様子が明るいように思うんですよ」

カレン「だから、いいことなんじゃないかなって」

ヴィレッタ「…それもそうか」

207:2013/02/02(土) 01:50:56 ID:
ヴィレッタ「私はこれからハンガーの方に行く」

ヴィレッタ「お前もガウェインを見に行くか?」

カレン「え?あれ完成したんですか?」

ヴィレッタ「皆その調整をしに行ったんだ」

カレン「あ、あたしも行きます」グイッ

ヴィレッタ「…そのツナギ、似合うじゃないか」

カレン「そうですか?」

カレン「でもこれ、赤過ぎて汚れが目立つんですよね…」

ヴィレッタ「貰い物か?」

カレン「はい、ロイドさんがくれたんです」

ヴィレッタ「ほう、意外だな…」

カレン「ああ見えて、一番皆のこと見てますし」

カレン「さ、行きましょう」

ヴィレッタ「ああ」

208:2013/02/02(土) 01:54:30 ID:
~政庁~

スザク「…あれ、迷ったかな…」

スザク「マズイなぁ、またセシルさんとヴィレッタさんに怒られちゃうよ」

ユーフェミア「お困りですか?」

スザク「ああ、実は物資管理局に用があって…」

スザク「ん?」

ユーフェミア「お久しぶりですね、スザク」

スザク「ユフィ?…じゃなかった、ユーフェミア様?」

ユーフェミア「ユフィで結構ですよ」

ユーフェミア「どうでしょう、用事の後に少しお時間いただけますか?」

スザク「え?あ、大丈夫ですけど」

ユーフェミア「それでは物資管理局に行きましょう」

ユーフェミア「こちらです」

スザク「あ、待ってください!」

209:2013/02/02(土) 01:59:30 ID:
~中庭~

スザク「良かった、間に合って…」

ユーフェミア「大変ですね、軍人さんは」

スザク「副総督に比べれば、かなり楽ですよ」

スザク「ルルーシュは僕よりずっと仕事してますから」

スザク「正直、僕まで少尉になっていいのか疑問ですね」

ユーフェミア「しかし、ナリタの功績は大きいと思いますよ」

ユーフェミア「特派の方々の働きがなければ、部隊に大変な損害があったでしょう」

スザク「…それは、ジェレミア卿の働きですから」

ユーフェミア「…すみません、無神経でしたね」

スザク「あ、いえ、そう言うわけでは…」

ユーフェミア「それより、スザク」

スザク「はい?」

210:2013/02/02(土) 02:01:17 ID:
ユーフェミア「今はわたくしたちしか居ないのですから、ユフィとお呼びなさい」

ユーフェミア「敬語も必要ありません」

スザク「いや、そう言うわけには…」

ユーフェミア「いいですね?」

スザク「…はい」

スザク「それで、ユー、…分かってるから、そんな目をしないでくだ…くれないか」

スザク「あー…ユフィ?何か用事でもあるのかい?」

ユフィ「よろしい」

ユフィ「はい、わたくしスザクに用事があります」

スザク「なんです…なんだい?」

211:2013/02/02(土) 02:03:53 ID:
ユーフェミア「わたくしに騎士が居ないのはご存知ですか?」

スザク「騎士って、皇族につく補佐官の?」

ユーフェミア「厳密に言えば少々異なりますが、まあそれです」

スザク「いや、知らなかった」

ユーフェミア「それでは、今知ってください」

ユーフェミア「わたくしには、騎士が居りません」

スザク「はぁ」

ユーフェミア「その騎士に、スザク、貴方を指名しました」

スザク「なるほど………は?」

ユーフェミア「ですから、貴方をわたくしの騎士にしたいのです」

212:2013/02/02(土) 02:06:43 ID:
スザク「なんでまた、僕なんかを…」

ユーフェミア「信頼できる方にお願いしたいというのが一つです」

ユーフェミア「それに、スザクなら腕っぷしも能力も申し分ありません」

スザク「事務能力は全然ないんだけどね…」ポリポリ

ユーフェミア「その辺りはなんとかなります」

ユーフェミア「お姉様は随分渋っていらしたようですが」

ユーフェミア「なんとか折れてくれました」

スザク「そうだったのか…」

スザク「……でも、意外だな」

ユーフェミア「意外、ですか?」

213:2013/02/02(土) 02:11:53 ID:
スザク「うん」

スザク「ユフィならルルーシュを選ぶんじゃないかと思って」

ユーフェミア「…はい、最初はその予定でした」

ユーフェミア「しかし、ルルーシュはお姉様の特務騎士となる予定ですので」

スザク「特務騎士?」

ユーフェミア「知らないのも無理からぬことです」

ユーフェミア「随分古い制度ですから」

スザク「普通の騎士とは違うのかい?」

ユーフェミア「ええ」

ユーフェミア「特務騎士は、爵位と同程度の価値がありますから」

スザク「爵位って…」

ユーフェミア「軍令で、公開受勲がないのも特徴です」

ユーフェミア「…スザクは、ルルーシュのことを知っていますよね?」

スザク「…本当の名前のことかい?」

ユーフェミア「そうです」

214:2013/02/02(土) 02:16:17 ID:
スザク「…うん、知ってるよ」

スザク「なるほど、騎士は名前を公表されるからね」

ユーフェミア「ルルーシュの正体が知れ渡ってしまっては、問題がありますから」

ユーフェミア「ともかく、わたくしはルルーシュを危険に晒したいわけではありませんので、諦めたのです」

スザク「それで、僕が後釜ってわけだ」

ユーフェミア「妥協したつもりはありませんよ?」

ユーフェミア「もともと、騎士に選ぼうと思っていたのはスザク、他ならぬ貴方なのですから」

スザク「?どういうことだい?」

ユーフェミア「ルルーシュは、ルルーシュなりの信念で行動しています」

ユーフェミア「しかし、一兵卒に出来ることというのは、かなり限られてしまいます」

ユーフェミア「わたくしは、その手助けにならないかと思って騎士任命を決めたのです」

スザク「そうだったのか…」

215:2013/02/02(土) 02:21:26 ID:
ユーフェミア「というわけで、ルルーシュを騎士にするのではなく」

ユーフェミア「わたくしはわたくしなりのお手伝いをしようと思ったのです」

スザク「ユフィなりの?」

ユーフェミア「ええ、考えがあるのです」

ユーフェミア「スザクも、聞いたら驚くと思いますよ」

スザク「それって一体…」

ユーフェミア「ふふ、まだ秘密です」

ユーフェミア「ともかく、お受けいただけますか?」

ユーフェミア「わたくしには、貴方の力が必要です」

スザク「…でも、僕は名誉ブリタニア人だし」

ユーフェミア「関係ありません」

ユーフェミア「身分や人種なんてどうでも良いのです」

ユーフェミア「わたくしは、枢木スザクという一人の人間に聞いているのですから」

スザク「ユフィ…」

217:2013/02/02(土) 02:25:53 ID:
スザク「…僕が適任とは思えないけど」

スザク「女の子の期待に応えられないようじゃ、ダメだよね」

ユーフェミア「それでは…」

スザク「…枢木スザク少尉」

スザク「ユーフェミア様の騎士の任、謹んで拝命いたします!」ザッ

ユーフェミア「あ、受勲は後で式典を催す予定なので…」

スザク「あれ?そうなのかい?」

ユーフェミア「ええ、先にお伝えしようと思っただけですから」

ユーフェミア「それではスザク、今後ともよろしくお願いします」

スザク「うん、了解しました!」

ユーフェミア「よろしい!」

218:2013/02/02(土) 02:29:50 ID:
CC(…しかし、よりにもよって特務騎士とはな)

CC(まさか、その名をまた聞くことになるとは思いもしなかったよ)

ルルーシュ「CC、どうかしたのか?」

CC「ん?どうもしないが?」

ルルーシュ「そうか、考え込んでいるように見えたのでな」

ルルーシュ「俺たちのナイトメアなんだ、心して見なければ」

CC「…ああ、もちろんだ」

CC(ふっ、ルルーシュが特務騎士と聞いたら、一体どんな顔をしたのだろうな)

CC(…なあ?マリアンヌ)

233:2013/02/07(木) 00:10:08 ID:
ルルーシュ「…これが、ガウェイン…」

CC「かなり大きいな」

ラクシャータ「んー、ま、ハドロンのせいなんだけどねぇ」

ロイド「よっと…ふぅ」

ラクシャータ「ロイドー、どんな感じ?」

ロイド「どうもこうもないよ」

ロイド「電子兵装は問題なしだけど、こいつ武装一辺倒すぎて…」

ラクシャータ「でも、フロートが持たないって…」

ロイド「うーん、サブに無いと厳しくないかなぁ」

ルルーシュ「何の話です?」

ロイド「ああ、いたの」

ラクシャータ「呼んでくるって言ったじゃないのさ」

ロイド「実はねぇ、サイズの問題で補助兵装が積めないんだよぉ」

CC「フロート?のせいか?」

ロイド「うんうん、そのとーり」

234:2013/02/07(木) 00:13:36 ID:
ロイド「この機体には、セシル君の考案したフロートユニットをつけてみたんだけどぉ」

ロイド「弾薬込みで積むと、重量オーバー」

ロイド「…結局、他でカバーするしか無いのかなぁ」

ラクシャータ「ハドロンで十分じゃない?」

ロイド「うーん…微妙」

ルルーシュ「どの程度完成しているんですか?」

ロイド「機体自体は完成しているよ」

ロイド「あとは、君たちに合わせてセッティングするだけぇ」

カレン「うわー、直立させると凄いわね…」

ルルーシュ「カレン、来たのか」

ヴィレッタ「これがナイトメアとはな、時代も変わったというわけだ」

カレン「なになに?何か問題?」

235:2013/02/07(木) 00:17:34 ID:
ルルーシュ「いや、実は…」

ラクシャータ「前話してたでしょ?副兵装の件よぉ」

カレン「結局ダメなの?」

ラクシャータ「あたしとしては、別に要らないと思うんだけどねぇ」

カレン「腰あたりに付けたら?」

ロイド「そうすると、前面に比重重くなるし、そもそも脚部の安定が…」

ルルーシュ「…CC、何の話か分かるか?」

CC「メカニック魂なんだろう?放っておけ」

カレン「えー…この機体エネルギー的にはどうなんですか?」ポリポリ

ロイド「それがこのサイズの原因だよ…」

237:2013/02/07(木) 00:22:07 ID:
ロイド「肩のハドロン二問に加えて、フロートとドルイド使うから」

カレン「なるほど…」

ラクシャータ「…とにかくさ、その話はまた後でするとしてぇ」

ラクシャータ「せっかくルルーシュとCC連れて来たんだし、セッティング終わらせましょ」

ラクシャータ「使うんでしょ?確か…」

ロイド「神根島の調査、だね」

ロイド「出資者の意向じゃあ逆らえないよねぇ」

ラクシャータ「調査なら、そんなに兵器いらないでしょ?」

ルルーシュ「調査って、何についてなんですか?」

ロイド「ああ、そっちも話していなかったっけ」

ロイド「今度、特派主導で地質調査やるらしいよ?」

ルルーシュ「どうしてうちが地質調査を?」

ロイド「さあ?シュナイゼル様のお心のままに、だねぇ」

238:2013/02/07(木) 00:26:22 ID:
ルルーシュ(シュナイゼルが地質調査だと?)

CC(何かあるのか?)

ルルーシュ(…覚えているか?シャーリーの父親の話)

CC(…そういえば、あれも地質調査か)

ルルーシュ(それだけじゃない)

ルルーシュ(調べてみたら、あの大元はシュナイゼルが囲っている企業の一つだったんだ)

CC(偶然、ではないな)

ルルーシュ(一体何を企んでいる…)

ラクシャータ「ルルーシュ、CC、上登ってよぉ」

ラクシャータ「ちゃちゃっと済ませるからさぁ」

ルルーシュ「…ああ、分かった」

239:2013/02/07(木) 00:35:54 ID:
ルルーシュ「複座とは聞いていたが、こう見ると違和感があるな」

ロイド「ひひっ、前代未聞だからねぇ」

ロイド「ドルイドシステムのおかげで、今のプロトとは比較にならないほど動かせるよぉ」

ルルーシュ「具体的には、何が変わるんですか?」

ロイド「取り敢えず、火器管制は任せて大丈夫かなぁ」

ロイド「ハドロンの出力なんかは、自動手動の切り替えも出来るけど」

ロイド「あとはエナジー管理と、フロートのバランス」

ルルーシュ「バランス?」

ロイド「普通のナイトメアならともかく、このサイズは自分でどうこうできないからねぇ」

ロイド「フロートによる飛行は、オートで調整入れてるんだぁ」

ラクシャータ「CC、シュミレータ入れるから、動かしてみて」

ラクシャータ「操作角合わせないとねぇ」

CC「分かった」

ラクシャータ「この機体、一応ルルーシュの方でもCCの方でも動かせるように出来てるから、ルルーシュも後でねぇ」

ルルーシュ「ああ」

240:2013/02/07(木) 00:38:48 ID:
ルルーシュ「ロイドさん、ガウェインの連続使用可能時間は?」

ロイド「エナジー四つ付いてるからねぇ」

ロイド「フロート入れても、ざっとプロトの二倍近く動かせるよぉ」

ロイド「ハドロン含めれば、1.2倍くらいかなぁ」

ルルーシュ「それだけ動けば大丈夫ですね」

ロイド「じゃ、やっちゃいますか」

ラクシャータ「はいはい、やるのはあたし」

ロイド「…いいでしょお?言うくらいさ」

カレン「いいなー、フロートユニット」

ラクシャータ「悪いけど、小型化含めてあんたの紅蓮が最後よ」

ラクシャータ「輻射波導分、調整面倒なんだから」

カレン「くっ、ズルい」

ラクシャータ「はいはい、紅蓮も後で見るからねぇ」

カレン「約束だからね!」

ヴィレッタ「…ふっ…」

241:2013/02/07(木) 00:46:32 ID:
~数日後 神根島~

スザク「うーん、空気が美味しいね」ノビ

カレン「あんたは気楽よね…」

スザク「あ、聞いてよカレン、実はね」

カレン「あんたも騎士なんでしょ?何度も聞いたわよ」

カレン「ま、ルルーシュより下だけどねぇ」ゲラゲラ

スザク「そんな言い方しなくてもいいじゃないか」

カレン「ふんだ、自慢ばかりするからよ」

カレン「ま、あたしはブリタニアの地位なんて興味ないけど」

スザク「カレン、君はまだレジスタンスと繋がっているのかい?」

カレン「あたし、かなりここに居ると思うんだけど?」

カレン「優秀な枢木少尉には、貴方の仕事を手伝ってくれるあたしが他の事をしていると、そう思われるんですね?」

スザク「いや、それはそうなんだけど」

242:2013/02/07(木) 00:51:09 ID:
カレン「…今んとこ、特に何もしてないわよ」

カレン「分からないけど、あたしだって今はブリタニア全部が嫌って訳じゃないし」

カレン「だから、心配無用」

スザク「そう、ならいいんだけど」

カレン(…ま、報告はしてるけどね)

カレン(情報系はラクシャータさんに回っちゃうし、あたしは騎士団の活動が危うい時くらいしか役目無いからね…)

スザク「ん?どうかしたのかい?」

カレン「いーえ、何にも」

カレン「それより、あんたは機材搬入の手伝いでもして来なさい」

スザク「ちぇー、自分は何もしてないくせに」

カレン「あたしは調査結果纏める仕事がこれからあるの!」

スザク「わっ、鬼婆が出た」ダッ

カレン「こら!小学生みたいなこと言うな!」

カレン「…ったくもう、緊張感ってものは無いのかしら」

243:2013/02/07(木) 00:59:05 ID:
~ガウェインコックピット~

CC「いいのか?あの二人のところに混ざりに行かなくて」

ルルーシュ「どうせいつもの馬鹿騒ぎだ、放っておけばいい」

ルルーシュ「CC、騎士団の方、ちゃんと手配したか?」

CC「抜かりないさ」

CC「今のところ、目立って動いている暗部組織はほぼ壊滅させている」

CC「薬や銃の取引き網も、かなり制圧したからな」

ルルーシュ「それでいい」

CC「いいのか?このままでは騎士団内でも生ぬるいと思う輩が現れるぞ?」

ルルーシュ「問題ないさ」

ルルーシュ「黒の騎士団は、順調に正義の味方になっている、それが大切なんだからな」

ルルーシュ「人道にもとる行為は、俺の計画にとっても障害でしかない」

CC「そのお前が抱えている計画、私は詳しく知らないのだがな」

244:2013/02/07(木) 01:02:57 ID:
ルルーシュ「まだ実行の目処が立っていない」

ルルーシュ「概要くらいなら説明してもいいが」

CC「…いや、別に構わんさ」

CC「好きなようにやればいい」

ルルーシュ「随分信用してくれるじゃないか」

CC「もうそろそろ、お前という人間がどんなものかくらい分かるさ」

CC「少なくとも、私の知る血生臭い奴らとは違っている」

ルルーシュ「……それに関して言えば、俺は甘いのかもしれないがな」

CC「貫けばどんな思想も信条になる」

CC「達成が難しいというだけだ」

ルルーシュ「…そうだな」

245:2013/02/07(木) 01:08:21 ID:
CC「国を変えようとする人間が、血を流さずにやろうとしているんだ」

CC「並大抵では無理だぞ?」

ルルーシュ「やるさ」

ルルーシュ「今は騎士団自体に抑制も働いている」

CC「抑制?」

ルルーシュ「現在騎士団に加入を希望する人間の多くは、言わば正義の味方予備軍だ」

ルルーシュ「その辺りは、ディートハルトに喧伝させている」

ルルーシュ「殺さない傷つけない、悪は許さない」

ルルーシュ「このイメージを作るために、わざわざ軍の情報を利用して慎重を期した」

CC「それが、さっきの計画に繋がるのか?」

ルルーシュ「ああ」

246:2013/02/07(木) 01:11:58 ID:
ルルーシュ「これにより、騎士団メンバーは自発的に行動を抑制する」

ルルーシュ「非人道的な行為に対して、仲間内で制限し合う」

ルルーシュ「もはや、今の規模を一人の人間が制御するのは不可能に近い」

ルルーシュ「だが、ゼロという指導者のもと、規律を自ら遵守し始めるというわけだ」

CC「まるで宗教だな」

ルルーシュ「言い得て妙だな」

ルルーシュ「今の騎士団は、もはや一つの宗教団体に近い」

ルルーシュ「正義というのは、どんな人間にも心地よいものなのだよ」

CC「元を正せばただの反乱軍なんだがな」

ルルーシュ「だが、今その話をする人間はブリタニア上層部くらいのものだ」

ルルーシュ「なんせ、支持者にもブリタニア人が多数含まれているのだから」

CC「お前の言う計画、何と無く察しがついてきたよ」

ルルーシュ「ふっ、頭の回転が早い女は好きだ」

CC「お前と一緒にいるからかな?」

ルルーシュ「元から強かだったろう?」

247:2013/02/07(木) 01:16:08 ID:
ラクシャータ「少尉さぁん、首尾はどう?」

ルルーシュ「ラクシャータ、通信は切っておいたはずだが?」

ラクシャータ「あたしに隠し事なんて、酷いと思わなぁい?」

ラクシャータ「ま、知る必要の無いこと知っちゃうと、死ぬ原因になりそうだから嫌なんだけどねぇ」

ルルーシュ「こちらは問題ない、後は指示を待つのみだ」

ラクシャータ「おーけー、ロイドにも言っておくわぁ」

ラクシャータ「そうそう、この調査について調べといたわよぉ」

ルルーシュ「何か分かったか?」

CC「咲世子の方からは何も出なかったと聞いたが」

ラクシャータ「軍機密みたいねぇ」

ラクシャータ「こっちも辿れる限界だからぁ、下手するとブリタニア本国まで絡んでるわよぉ」

ルルーシュ「それで?」

248:2013/02/07(木) 01:20:50 ID:
ラクシャータ「この調査、かなりきな臭いわぁ」

ラクシャータ「ざっとみた限り、そもそもここに資源はカケラもないもの」

ラクシャータ「機材だけはそれなりに揃えているけど、ドルイドも考えると本格的に謎ねぇ」

ルルーシュ「どういうことだ?」

ラクシャータ「そもそも、地質の調査程度でドルイドシステムを使う理由が薄いのよぉ」

ラクシャータ「ドルイドは高速演算可能だけどぉ、それなら使うだけのモノが埋まってないとねぇ」

CC「本当に何もないのか?」

ラクシャータ「うーん、鉱脈的にもここはハズレ」

ラクシャータ「こんなとこ掘り返すのは、バカか予算目当てでしょうねぇ」

ラクシャータ「でも、相手は皇族だし、予算目当てってことは無いでしょ?」

ルルーシュ「……」

CC「何か推測できないか?」

ラクシャータ「そうねぇ……」

249:2013/02/07(木) 01:24:21 ID:
ラクシャータ「…あ、そうそう」

ラクシャータ「ここ、前にも調査入ったことあるのよねぇ」

CC「その時の結果は?」

ラクシャータ「何か、古い遺跡があったみたい」

ラクシャータ「もっとも、そこは今回の調査にもおまけで入ってるけど」

ルルーシュ「そちらがメインなんじゃないか?」

ラクシャータ「でも、出土したものは金銭的価値ゼロのものばかりよ?」

ラクシャータ「歴史的に見ても、わざわざブリタニア人が発掘する必要ないって放置されていたんだから」

ルルーシュ「…だが、引っかかるとすればそのくらいだな」

ラクシャータ「シュナイゼルが、考古学に興味があるって話は聞いてないけどねぇ」

250:2013/02/07(木) 01:27:50 ID:
ルルーシュ「まあいい、何か他に分かったら教えてくれ」

ラクシャータ「あいよぉ」ピッ

CC「どう見る?」

ルルーシュ「シュナイゼルは、狡猾なやつだ」

ルルーシュ「無意味に何かをするタイプではない」

ルルーシュ「この調査には、必ず意味がある」

CC「やはり遺跡か?」

ルルーシュ「分からない」

ルルーシュ「…CC、調査結果を騎士団の方にも取っておけ」

ルルーシュ「どんな物かは分からないが、利用できるかもしれない」

CC「分かった、やっておこう」

ルルーシュ「遺跡か…」

ルルーシュ「一体何が眠っている?」

CC(……まさか、な)

251:2013/02/07(木) 01:30:53 ID:
~調査現場~

シュナイゼル「これで機材は全部搬入し終えたのかな?」

ロイド「はいはぁい、これでおしまいでぇす」

ロイド「それにしても、何でこんなところの調査を?」

シュナイゼル「残念だが、それは教えられないんだ」

シュナイゼル「君たちは遺跡の方を先に調べておいてくれ」

シュナイゼル「鉱石採掘は別の班を余分に回しておく」

ロイド「了解でぇす」

シュナイゼル「ふふ、楽しみだね」

ロイド「貴重鉱石の採取ですかぁ?」

シュナイゼル「いや、そんなものよりもっと価値のある、何かだよ」

252:2013/02/07(木) 01:32:51 ID:
シュナイゼル「それより、今日あの機体に乗っているのは誰なんだい?」

シュナイゼル「」

253:2013/02/07(木) 01:38:02 ID:
シュナイゼル「挨拶は必要無いが、最新鋭機に乗るというのは気になるものだからね」

ロイド「……ランペルージ少尉ですよぉ」

シュナイゼル「ランペルージ?」

ロイド「いやねぇ、最近昇進したんで、乗ってみたいって、ねえ?」

ロイド「シャイな子だから、出てきたがらなくて」

ロイド「呼んできましょうか?」

シュナイゼル「…いや、構わないよ」

シュナイゼル「仕事を頑張るように伝えてくれたまえ」

ロイド「あいあいさー」

ロイド(…ジェレミアが調べていたこと、本当かどうかは分からないけど)

ロイド(余計な揉め事を起こすと、あの子たちが辛いかもしれないからね…)

シュナイゼル「ん?どうかしたかい?」

ロイド「いーえ、何でもありませんよぉ」

254:2013/02/07(木) 01:42:28 ID:
ルルーシュ「…これで終わりか」

CC「一応全部データは送っておいたが」

CC「意味があるとは思えんな」

ルルーシュ「遺跡自体は、ラクシャータの言う通り、特別何かあるというわけでは無かったようだ」

CC「強いて言えば、この辺りは人工物だった形跡のある物が多いくらいか」

ルルーシュ「遺跡なんだ、その程度は当然だろう」

ルルーシュ「騎士団経由で当たって見るしかあるまい」

CC「手配しておこうか?」

ルルーシュ「頼む」

ルルーシュ(シュナイゼル、何が目的だ?)

255:2013/02/07(木) 01:49:30 ID:
~さらに数日後 キョウト本拠地~

神楽耶「ゼロさま、お茶をどうぞ」

ゼロ「いえ、私は飲まないので」

神楽耶「あら、仮面を取っていただけませんの?」

ゼロ「はい、申し訳ありませんが」

神楽耶「わたくしは、別に貴方がどんな方でも許容しますよ?」

ゼロ「そういう問題では無いので」

神楽耶「そんな他人行儀な言い方なさらないで下さいな」

神楽耶「わたくしは、貴方の未来の妻ナノですから」ピト

CC「…んんっ」ゴホン

神楽耶「あら、何か?」

CC「……いえ、何も」

256:2013/02/07(木) 01:57:26 ID:
ゼロ「それで神楽耶様、本題の方を」

神楽耶「あら、準備の方は終わったのですか?」

ゼロ「順当に行けば、そろそろ条件はクリアされるでしょう」

神楽耶「わたくしは、ゼロさまがお決めになられたことに従うだけですわ」

神楽耶「何の異存もありません」

ゼロ「?それでは、何故会談を?」

神楽耶「決まってますわ、ゼロさまにお会いする為です!」

神楽耶「最近、特に冷たかったでしょう?」

ゼロ(…CC、何をしたんだ?)

CC(別に、お誘いを突っぱね続けただけだ)

ゼロ(…一体何を怒っている)

CC(怒ってなどいないさ)

CC(良かったな、美人になるぞ、その女は)

ゼロ(何だ?拗ねているのか?)

CC(…別に)

257:2013/02/07(木) 01:58:33 ID:
神楽耶「あー、また内緒話をされていますのね」

神楽耶「ひどいですわ、妻を前にして別の女性に現を抜かすなんて」

ゼロ「いえ、彼女とはそう言う関係ではなく」

CC「そうですとも、お姫様」

CC「ただ、お姫様と違って、私は仕事があるのでね」

ゼロ「おい、CC」

神楽耶「ぐぬぬ…」

CC「ゼロ、そろそろ行きましょう」

CC「目的は達せられたようですし」

神楽耶「お待ちくださいな」

CC「まだ何か?」

258:2013/02/07(木) 02:05:08 ID:
神楽耶「貴方、ゼロさまに特別な感情はありませんのね?」

CC「…さあ、どうでしょうね?」

ゼロ「おい、何を言うんだ」

神楽耶「…いいでしょう」

神楽耶「英雄色を好むと申しますし、愛人の一人や二人、囲う甲斐性がなくては大事を成すこともままなりませんもの」

神楽耶「けれど、わたくしはあなたが好きではありません」

CC「おやおや、早速敗北宣言ですか?」

神楽耶「敗北?笑わせないで下さいまし」

神楽耶「あくまで本妻はわたくし、貴方は二号です」

CC「…そう思うなら、そうなんでしょうね」

ゼロ「二人とも、その辺りで…」

神楽耶「ゼロさま!」

ゼロ「な、何でしょう?」

神楽耶「言ってやって下さいまし、この女に!」

神楽耶「真に愛しているのはわたくしだと!」

259:2013/02/07(木) 02:09:13 ID:
CC「ふん、たかだか数回話をした程度で、自分が愛されていると思うとは、やはり子供だな」

神楽耶「なんですって?」

ゼロ(CC!)

CC(いい機会だ、面倒になる前に分からせた方がいい)

神楽耶「ゼロさまは、わたくしのように若い女の方がいいに決まっています!」

CC「そんな色気のない身体で、果たして満足させられるのかな?」

神楽耶「男性は、未成熟な身体を好むものです!」

CC「そんなもの、一時でしかない」

CC「人間は老いる、それは必定なのだ」

神楽耶「その時は、貴方も同じように歳を召されるでしょう」

CC「私はそんなことない」

神楽耶「ゼロさま、わたくしこう見えてキチンとそう言った教育も受けております」

神楽耶「どんな伽でも、立派にこなせます!」

ゼロ「いえ、別にそのようなことは…」

260:2013/02/07(木) 02:14:31 ID:
CC「そんなことを言って」

CC「いざ本番では怖気づくに決まっている」

神楽耶「そんなことありません」

神楽耶「確かに、まだ殿方を受け入れるには障害もあるでしょうが」

神楽耶「そういう方が燃えると聞きました!」

CC「そんな伝聞で物事を判断するのは、あまり賢いとは言えないな」

CC「背徳感は長続きしないぞ?」

神楽耶「ぬぐぐ、何故そこまで余裕が…」

CC「下の毛が生え揃ってから戦いを挑むべきだったな」

神楽耶「なっ!?」

ゼロ「待て、言い過ぎだ」

神楽耶「…こ、これから生えて来ます!」

ゼロ「か、神楽耶様もそんな話に耳を貸す必要はありません」

261:2013/02/07(木) 02:18:59 ID:
神楽耶「…ふう、ゼロさまに免じて、ここは引いてあげましょう」

ゼロ「あ、ありがとうございます」

CC「ま、大人になるんだな、お姫様」

ゼロ「馬鹿、大人になるのはお前だ」ゴン

CC「痛っ…」

ゼロ「ともかく、話は以上です」

神楽耶「はい、承りました」

神楽耶「それより、貴方、お名前は?」

CC「CCだ」

神楽耶「CCさん、貴方をわたくしのライバルと認めましょう」

神楽耶「わたくし、必ずゼロさまをめろめろにしますから」

CC「ふふ、やってみればいい」

神楽耶「その自信、高くつきますわよ」

ゼロ「そ、それではこれで…」

神楽耶「ゼロさまは、またいらして下さいね」

262:2013/02/07(木) 02:22:45 ID:
ゼロ「…」

CC「…」

ゼロ「何故ああも言い合いした?」

ゼロ「分かっているだろう?結婚なんて、所詮は夢見がちな少女の戯言だ」

ゼロ「あの子もそのうち…」

CC「いや、あのお姫様は本気だ」

ゼロ「なに?」

CC「小娘ではあるが、真の強い頑固者だよ」

CC「…その、少しいいすぎてしまったが」

ゼロ「まったくだ」

ゼロ「神楽耶は今後も大事な駒なんだ、ご機嫌はとっておきたい」

ゼロ「次は気をつけろよ?」

CC「…ああ、わかっている」

272:2013/02/12(火) 02:07:18 ID:
~騎士団移動拠点~

団員「…報告は以上です」

ゼロ「分かった、下がってくれ」

団員「それでは、また何かあればお呼び下さい」ピッ プシュ

CC「行ったか」

ゼロ「…別に隠れる必要はないんだぞ?」

CC「裏で面倒な噂を流されると、私が嫌なんだよ」

ゼロ「ゼロの愛人は不服か?」

CC「残念ながら、私には婚約者がいてな」

CC「仮面の男に現は抜かせん」

ゼロ「ふっ、誰も気にはしないだろうが」カポ

ルルーシュ「CC、座ったらどうだ?」

CC「ああ、そうしよう」トサッ

273:2013/02/12(火) 02:10:00 ID:
CC「…なあルルーシュ」

ルルーシュ「ん?何だ?」

CC「やはり、お前も若い奴の方がいいのか?」

ルルーシュ「どうした?不安になったか?」

CC「…よく分からん」

ルルーシュ「分からない?」

CC「こんな感覚は、永く生きてきた私にも初めてだ」

ルルーシュ「…そうか」

CC「まあ、大半の時間を迫害されてきたからな、私は」

ルルーシュ「……CC、もう少しこっちにこい」

CC「?何かあるのか?」ススッ

274:2013/02/12(火) 02:16:55 ID:
ルルーシュ「…」ポン

CC「何だ?」

ルルーシュ「何も心配するな」

ルルーシュ「今の俺には、お前の力が必要不可欠だ」

ルルーシュ「何があったとしても、手放すつもりはない」

CC「…言って欲しいのは、そういうことではないんだがな」

ルルーシュ「簡単にジョーカーを切るわけにはいかんからな」

ルルーシュ「…」ナデ

ルルーシュ「また、髪を染めないとだな」

CC「色が戻ってしまったか?」

ルルーシュ「ああ」

ルルーシュ「俺としては、元の色もいいとは思うんだがな」

CC「そういうわけにはいかないさ」

CC「私は結構気に入っているぞ?黒髪も」

ルルーシュ「そうなのか?」

275:2013/02/12(火) 02:21:12 ID:
CC「ああ、昔を思い出す」

ルルーシュ「昔?」

CC「…かつて、私が放浪していたころ」

CC「この髪を染めていた時期があってな」

ルルーシュ「いつ頃なんだ?」

CC「はは、あまり覚えていない」

CC「どちらかといえば、そのあとの方が衝撃的だったからな」

276:2013/02/12(火) 02:27:39 ID:
ルルーシュ「その話、聞かせてくれるか?」

CC「……すまない、詳しくは言えないんだ」

ルルーシュ「俺が信用出来ないのか?」

CC「そうじゃない!」

CC「しかし…」

ルルーシュ「…そうか」

ルルーシュ「まあ、無理に聞くことはしない」

CC「…本当にすまない」

ルルーシュ「気にするな、話せないことくらい誰にだってある」

CC「……」

ルルーシュ「…そんな顔をするな、本当に気にしていない」

277:2013/02/12(火) 02:33:39 ID:
ルルーシュ「笑えとは言わないが、悲しい顔なんて俺は見たくないんだ」

ルルーシュ「ほら、怒ってないから」ナデナデ

CC「…子供扱いするな」

ルルーシュ「やめた方がいいか?」

CC「…そうは言ってない」

ルルーシュ「それなら、じっとしていろ」

CC「仕方ないな」

ルルーシュ「……あれだけ染めても、傷んでいないのか」

CC「そうか?」

ルルーシュ「ああ、柔らかい」

ルルーシュ「…ナナリーには負けるがな」

CC「何故素直に褒めてくれないんだ」

ルルーシュ「褒めたさ、事実を付けたしたに過ぎない」

278:2013/02/12(火) 02:37:09 ID:
CC「…ふん」ボス

ルルーシュ「どうした?気に入らなかったか?」

CC「…少し疲れた、枕になれ」

ルルーシュ「…まあいいだろう」

CC「到着前に起こしてくれ」

ルルーシュ「分かっているさ」

ルルーシュ「…痛くないか?」

CC「そうだな、少し硬いが」

CC「…悪くない」

ルルーシュ「それならいい」

ルルーシュ「ゆっくり休め、最近は仕事も多くさせ過ぎた」

CC「……」

279:2013/02/12(火) 02:40:51 ID:
ルルーシュ「…魔女には見えないな」

CC「…今は魔女じゃない」

ルルーシュ「ああ、普通の女だ」

CC「……ふん」

ルルーシュ「子守唄でも歌おうか?」

CC「そんなもの要らん」

CC「…だが、一つ頼みがある」

ルルーシュ「何だ?聞いてやる」

CC「……私を、一人にしないでくれ」

ルルーシュ「無用な願いだな」

CC「…おやすみ」

ルルーシュ「ああ、おやすみ」

280:2013/02/12(火) 02:52:47 ID:
~政庁~

ルルーシュ「スザク、そう固くなるな」

スザク「けど、ルルーシュ」

スザク「僕たち、今日から騎士なんだよ?」

スザク「内側からブリタニアを変えるって目的に、かなり近づけるってことじゃないか」

ルルーシュ「まあそうだな」

スザク「うう、そう思うと、なんだか夢みたいで…」

ルルーシュ「相変わらず真面目な奴だ」

カレン「二人とも、準備は出来た?」ガチャ

CC「ほう、なかなかいいじゃないか」

ルルーシュ「軍用礼服なんて、着る機会はもうないかもしれないからな」

ルルーシュ「目に焼き付けるといい」

カレン「はいはい、勝手に言ってなさい」

カレン「そろそろ始まるわよ、行かないと」

スザク「もうそうな時間だったのか」

281:2013/02/12(火) 02:58:53 ID:
ルルーシュ「お前たちはいつもの服装なんだな」

CC「私は一応軍服を着せられたがな」

カレン「しょうがないでしょ、あたしらは部屋にも入れないんだから」

スザク「あれ?そうだっけ?」

カレン「ルルーシュのせいでね」

ルルーシュ「特務騎士の任命式には、部外者の立会いが禁じられているからな」

ルルーシュ「恐らく、コーネリア、ユーフェミア、ギルフォード、後は…」

カレン「ロイドさんとヴィレッタさんくらいね」

カレン「あと、一応様くらいつけなさいよ」

カレン「これから仕える主人なんだからさ」

ルルーシュ「おっと、そうだな」

スザク「ねえねえ、時間は大丈夫?」

CC「少々まずいな」

ルルーシュ「よし、行くか」

282:2013/02/12(火) 03:08:14 ID:
~総督室~

コーネリア「おお、来たか」

ルルーシュ「失礼します」

スザク「し、失礼します!」

ユーフェミア「スザク、もう少し気楽にしてください」

ユーフェミア「あくまで形式だけのものなんですから」

ギルフォード「…」

コーネリア「んんっ、さて、二人ともそこに並ぶがいい」

コーネリア「さっさと終わらせてしまおう」

ユーフェミア「ロイドさん、ヴィレッタさんもこちらへ」

ロイド「はいはぁい」

ヴィレッタ「了解です」

コーネリア「ギルフォード、頼む」

ギルフォード「はっ!」

291:2013/02/15(金) 15:28:54 ID:
コーネリア「それでは、長引かせても得はない」

コーネリア「略式ではあるが、騎士章を…」

ばんっ

カレン「た、大変です!!」

コーネリア「ん?貴様は確か…」

ギルフォード「シュタットフェルト准尉、何事だ」

ギルフォード「式はまだ終わっていない、用事ならまた後で…」

カレン「と、とにかくこれ、見てください!」

292:2013/02/15(金) 15:35:47 ID:
ユーフェミア「これは…」

ヴィレッタ「キュウシュウですね」

コーネリア「武装蜂起だと?」

カレン「さっき、ニュースでもやってました」

カレン「映像は軍だけみたいですが、多分あいつらがわざと情報を流したんじゃないかと」

ギルフォード「何故私に報告が無いんだ」

カレン「だから、私が伝達に来たんです」

コーネリア「…ルルーシュ、枢木、式は終わりだ」

コーネリア「ギルフォード、二人に騎士章を渡せ」

ギルフォード「は?しかし…」

コーネリア「今は使える戦力が一人でも欲しい」

コーネリア「キュウシュウはまだ軍備が十分じゃない、騎士なら面倒な手続きを省略して連れていける」

ギルフォード「それはそうですが…」

293:2013/02/15(金) 15:41:39 ID:
コーネリア「やつらがキュウシュウで事を起こしたのは、私が向かうまで時間が掛かるからだ」

コーネリア「ニュースにも流したということは、私に対して動かざるを得ない状況を作るためだろう」

コーネリア「ならば、今すぐ行かなければ」

ルルーシュ(…!あの機体、……そしてキュウシュウでの蜂起…)

ルルーシュ(…なるほどな)

ルルーシュ(となると、俺がやるべき事は…)

カレン(どうしよう、ゼロは関わっていないと思うけど)

カレン(また解放戦線繋がりの事件なんて、ますます日本人に不利な条件が増えちゃう)

スザク「でも、キュウシュウまで全速で行ってもかなり時間がかかりませんか?」

スザク「兵士を連れて行くとなれば、さらに…」

ヴィレッタ「それに、何の策もなく行けば、返り討ちにもなりかねません」

ロイド「ここまで大々的に宣伝しているんだからねぇ」

ロイド「かなり用意周到に準備してあるんじゃないかなぁ?」

コーネリア「それは…」

294:2013/02/15(金) 15:51:50 ID:
コーネリア「…だが、時間が無い」

コーネリア「ギルフォード、直ぐに兵を集め、移動の準備を…」

セシル「ま、待ってください!」

ギルフォード「今度は何だ?」

セシル「そ、そんな皆さんに朗報ですよ」ハァハァ

ロイド「セシルくん?どうしたのさぁ、そんなに慌てて」

セシル「ロイドさん、ついに完成したんです」

ロイド「完成?あ、もしかして…」

コーネリア「おい、二人で話を進めるな」

コーネリア「どういう事なのか、簡潔に説明しろ」

ロイド「ああ、たった今出来たんですよぉ」

ロイド「キュウシュウまで一、二時間で行くほ、う、ほ、う、が!」

コーネリア「なんだと?」

ロイド「セシルくん、説明は移動中によろしくぅ」

295:2013/02/15(金) 15:52:02 ID:
ルルーシュ(…よし、まずは)

カレン「ルルーシュ?」

ルルーシュ「俺はガウェインの方に行く、スザクとカレンもトレーラーに行こう」

スザク「ルルーシュは何か知ってるの?」

ルルーシュ「いや」

ルルーシュ「だが、俺たちの仕事が出来たことは分かる」

ロイド「みんな、いっくよぉ」

296:2013/02/15(金) 15:53:53 ID:
ルルーシュ「…」サッ

ルルーシュ「…俺だ」

ルルーシュ「今すぐ動けるか?」

ルルーシュ「…ああ、お前も見たか」

ルルーシュ「指示はいつもの端末に送っておく、お前も向かってくれ」

ルルーシュ「ああ…そうだ」

ルルーシュ「俺も行かなくてはならない、切るぞ」ピッ

ルルーシュ「…よし」

297:2013/02/15(金) 16:00:12 ID:
~特派トレーラー ガウェイン格納庫~

CC「お、帰って来たか」

ルルーシュ「ああ」

ルルーシュ「お前も見たか?」

CC「キュウシュウで揉め事らしいな」

CC「カレンが情報部にすっ飛んで行ったから、私はここで待っていたのさ」

CC「そうしたら、トレーラーが動き出したというわけだ」

CC「他の奴らはどうしたんだ?」

ルルーシュ「ロイドさんとラクシャータは車を運転している」

ルルーシュ「セシルさんは総督トレーラーに、カレンとスザクはヘッドトレーラーの方だ」

CC「ガウェインの大きさも、なかなか不便だな」

ルルーシュ「ロイドさんはトレーラーが増えて喜んでいたがな」

ルルーシュ「まあ、これからは拠点が変わるかもしれないがな」

CC「ん?何かあるのか?」

ルルーシュ「今向かっているところだ」

298:2013/02/15(金) 16:05:43 ID:
CC「なるほど?またもや移動拠点なのか」

CC「普通に考えて、このまま車で行ってもキュウシュウは遠いからな」

ルルーシュ「話が早いな」

ルルーシュ「ともかく、俺たちはガウェインの準備をしなければ」

CC「初仕事だな」

CC「…それが騎士章か?」

ルルーシュ「ああ、起動キーに付けた」チャリ

ルルーシュ「…何かあるのか?」

CC「…いや、何でもない」

CC「私たちはここで待機なのか?」

ルルーシュ「そうなるな」

301:2013/02/15(金) 16:55:04 ID:
CC「それなら、今回の件について考えていることを教えてくれないか?」

CC「カレンにも指示をする必要があるんだろう?」

ルルーシュ「それなら、もうしてある」

CC「ほう?」

ルルーシュ「今回も疑われないようにしていろとな」

CC「拗ねるんじゃないか?」

ルルーシュ「いや、最近は素直なものだ」

ルルーシュ「カレンも特派が気に入っているようだ、裏切りたくは無いのだろう」

ルルーシュ「まして、今回は普通と状況が異なるからな」

CC「…やはり、ただの武装蜂起ではないのか」

ルルーシュ「解放戦線はほぼ壊滅している」

ルルーシュ「そもそも武装蜂起するだけの力はない」

CC「だが、事実奴らは解放戦線を名乗っているぞ?」

302:2013/02/15(金) 16:58:41 ID:
ルルーシュ「通りがいいからじゃないか?」

ルルーシュ「もしくは、中核に関係者がいるのだろう、詳しい情報はまだ出ていない」

ルルーシュ「だが、誰に唆されたのか見当はつく」

CC「そうなのか?」

ルルーシュ「シャンハ自治区のことは知っているか?」

CC「ああ、中華連邦から独立したんだったな」

CC「ブリタニアの助力を考慮して、自治区の形でブリタニア領になったとか」

ルルーシュ「その通りだ」

ルルーシュ「シャンハイは微妙な土地でな」

ルルーシュ「もともとは中華連邦の外交窓口なのだが、そのせいで中華連邦のしはいに不満を持つ人間が多かった」

ルルーシュ「自治区としてブリタニア領になってしまった今、中華連邦としても邪魔になっている」

ルルーシュ「ブリタニアが自治区でも認めたかったのは、その辺りの政治的駆け引きの結果なのだろう」

CC「何が言いたい?」

303:2013/02/15(金) 17:03:31 ID:
ルルーシュ「映像に映っていたナイトメア」

ルルーシュ「あれはガン・ルゥだ」

CC「?何だそれは」

ルルーシュ「中華連邦製のナイトメアで、日本の無頼とは異なりグラスゴー系列ではない純国産の物だ」

CC「詳しいな」

ルルーシュ「色々あってな」

ルルーシュ「恐らく、ロイドさん辺りは気付いているだろう」

ルルーシュ「コーネリアはEU方面で活動していたようだからな、どうかは分からん」

CC「で?そのナイトメアがどうかしたのか?」

ルルーシュ「最近配備されたばかりなんだ」

CC「…まさか、シャンハイに?」

ルルーシュ「その通りだ」

304:2013/02/15(金) 17:07:10 ID:
ルルーシュ「今回のキュウシュウでの蜂起、相当数の戦力を中華連邦から日本に運ぶ目的もあるだろうが」

ルルーシュ「何より、シャンハイとブリタニアの間に火種を投げ入れるのが目的だろう」

CC「バックは中華連邦か」

CC「だが、そんなものいずれは気付かれるだろう?」

CC「ニュースではカメラが映せなかったり、報道規制もあるかもしれないが、軍事関係者なら、まして隣国のナイトメアだ」

CC「日本に常駐していた兵士なら、遅かれ早かれ…」

ルルーシュ「」

305:2013/02/15(金) 17:10:12 ID:
ルルーシュ「あくまで火種でいいんだ」

ルルーシュ「両者の間に溝を作れればな」

ルルーシュ「援助について、中華連邦はしらばっくれる、シャンハイももちろん否定する」

CC「それでは、火種にすらならないだろう?」

ルルーシュ「なるさ」

ルルーシュ「少し仮定の話をしよう」

ルルーシュ「仮に奴らの蜂起が成功したらどうなる?」

CC「それは…キュウシュウ地区は日本になるんだろう?」

ルルーシュ「そうなるな」

CC「そして…」

306:2013/02/15(金) 17:14:41 ID:
ルルーシュ「中華連邦は助力の見返りに、日本の本格支配を狙う」

ルルーシュ「旗頭は日本人にやらせてな」

CC「代理戦争というわけか」

ルルーシュ「サクラダイト資源は、どの国も求めている」

ルルーシュ「日本を押さえるのは、ブリタニアと敵対する中華連邦にとっても悲願と言えるだろう」

ルルーシュ「ブリタニアの相手は日本人がやってくれる、中華連邦は高みの見物をしていればいい」

CC「それでは、失敗した場合は?」

ルルーシュ「それも、裏の目的を読めば、自ずと答えが見えてくる」

307:2013/02/15(金) 17:19:27 ID:
ルルーシュ「考えてみろ、中華連邦が損をするのはどんな時だ?」

CC「…事件の首謀が発覚し、ブリタニアと正面から戦うことになる、か?」

ルルーシュ「そうだ」

ルルーシュ「そして、それが発覚する条件は何だ?」

CC「…お前は本当に問答が好きだな」

ルルーシュ「一から説明するより、この方が楽だからな」

CC「…ふう」

CC「えーっと、シャンハイ側からナイトメアが出ていない事がバレるか、実際今動いている人間が吐くか、くらいじゃないか?」

ルルーシュ「そこだ」

CC「え?」

ルルーシュ「首謀している人間、そいつ自身がシャンハイの援助を受けていると思っていたらどうなる?」

CC「それは…」

ルルーシュ「こういうのを付け加えてみてもいい」

ルルーシュ「もしお前が捕縛されても、シャンハイで引き取ってやるから処分はない、とかな」

308:2013/02/15(金) 17:24:28 ID:
ルルーシュ「そう言い含められていれば?」

CC「…その条件が満たされなかった時、裏切られたと感じ…」

ルルーシュ「そう、自ら言う」

ルルーシュ「自分はシャンハイの援助を得て蜂起した、とな」

CC「それなら、ナイトメアはどうなる?」

ルルーシュ「もともと、シャンハイはサザーランドを配備する予定だった」

ルルーシュ「だが、中華連邦が破格の値段でガン・ルゥを売りつけたんだ」

ルルーシュ「独立を宣言したばかりで金も軍備も無かったシャンハイは、これに飛び付いた」

ルルーシュ「そうまでして、何故中華連邦はシャンハイにガン・ルゥを配備させた?」

CC「…もしかして、数を誤魔化しているのか?」

ルルーシュ「真偽を確かめる術は無いが、可能性は高い」

ルルーシュ「実際に配備された数と、出荷した台数が合わない」

ルルーシュ「周りの目にはどう映る?」

309:2013/02/15(金) 17:31:14 ID:
CC「秘密裏に戦力を流したとなるだろうな」

ルルーシュ「主謀者の証言があれば、さらにその意見は補強されるだろう」

ルルーシュ「こうすれば、中華連邦はどちらに転んでも得をする」

ルルーシュ「成功すれば、日本での利権獲得と、資源の入手」

ルルーシュ「失敗しても邪魔なシャンハイをブリタニアから切り離し、新たに支配する事ができる」

CC「支配?…だが、考えれば分かる人間はお前以外にもいるだろう」

ルルーシュ「そうだな、戦争を損得勘定すれば簡単にたどり着ける」

CC「それでは、結局バレるんじゃないか?」

ルルーシュ「だから言っただろう?火種でいいんだ」

310:2013/02/15(金) 17:36:08 ID:
ルルーシュ「成功すれば、そんなことを気にする必要はない」

ルルーシュ「ブリタニアは日本の事でかかり切りになる、中華連邦を同時に相手取りたくはないだろうからな」

ルルーシュ「失敗した場合、これは矛先が中華連邦に向かう前の段階が決め手になる」

CC「何があるんだ?」

ルルーシュ「ブリタニアはまず、シャンハイの蟠りを解消したくなる」

ルルーシュ「シャンハイ側も、中華連邦に騙されたと思うだろう」

CC「それでは、シャンハイとブリタニアの結束が強まるだけじゃないか?」

ルルーシュ「そこで考えてみろ、ブリタニアはシャンハイ自治区をどうしたい?」

CC「ん?」

ルルーシュ「ブリタニアが自治区を容認したのは、あくまで応急処置だ」

ルルーシュ「本来ならば、完全な領地にしたかったが、中華連邦への足掛かりを作るために仕方なく認めた」

ルルーシュ「ここに、反逆の可能性があると発覚したらどうなる?」

311:2013/02/15(金) 17:55:31 ID:
CC「…そうか、中華連邦の思惑を利用しようとする」

ルルーシュ「そうだ、詳しく調べる必要はない」

ルルーシュ「疑わしきを罰し、シャンハイを支配しようとする」

ルルーシュ「そこに、中華連邦側が交渉に出る」

ルルーシュ「ブリタニアはお前たちの自由を奪いに来る」

ルルーシュ「我々が援助する、待遇も考えるからこちらの陣営に付かないか?とな」

CC「…異邦人より、近くの同族が安心、か」

ルルーシュ「どの道、シャンハイは裏切られたと言っている場合ではなくなる」

ルルーシュ「植民エリアにされるよりはと、結局その誘いを断ることは出来ない」

CC「…ならば、そこまでブリタニアが読んで、シャンハイと友好関係を強化しようと考えたら?」

ルルーシュ「いい発想だが、その可能性はない」

CC「何故だ?」

312:2013/02/15(金) 17:59:57 ID:
ルルーシュ「自治区はシャンハイだけではないからだ」

ルルーシュ「EUだけでも、大小合わせて20以上ある」

ルルーシュ「このシャンハイで疑わしきを罰せず、特権的に認めてしまえば」

ルルーシュ「当然、他の自治区でも要求が湧き上がる」

ルルーシュ「シャンハイは重要都市だが、全てをかけてまで取るところではない」

ルルーシュ「ブリタニアが取れる策は一つなんだよ」

CC「…なるほどな」

CC「しかし、随分スラスラ出て来るものだな」

CC「何か裏があるのか?」

ルルーシュ「…いや、以前に調べただけさ」

313:2013/02/15(金) 18:07:45 ID:
ルルーシュ「とにかく、ここまでの話で俺たちがしなければならないことは見えたか?」

CC「私たちが?」

ルルーシュ「そうだ」

ルルーシュ「あるだろう?この思惑を利用して、中華連邦を押さえる方法が」

CC「中華連邦?ブリタニアでは無いのか?」

ルルーシュ「この場面でブリタニアを攻める材料がない」

ルルーシュ「急所を晒しているのは中華連邦だ、そこを叩く」

CC「むむ…」

ルルーシュ「わからないか?」

CC「…ヒントは無いのか?」

ルルーシュ「そうだな…」

ルルーシュ「俺たちにはあるだろう?ブリタニアにも中華連邦にも属さない組織が」

CC「…黒の騎士団?」

ルルーシュ「そうだ」

314:2013/02/15(金) 18:42:06 ID:
ルルーシュ「この事件を解決するのが騎士団であると、さっきの話はどうなる?」

CC「ブリタニアと中華連邦は不完全燃焼だな」

ルルーシュ「そうだ」

ルルーシュ「日本のことは日本人が決める、その元に」

ルルーシュ「日本を守るのはあくまで騎士団であるという印象をつけ、さらに主謀者を中華連邦に返還することを条件に、奴らを牽制する」

CC「返還で牽制?」

ルルーシュ「中華連邦は、そいつに帰って来て貰わないと困るだろう?」

ルルーシュ「騎士団はどちらの陣営にも属さない、シャンハイのように交渉に応じる算段も立てられない」

ルルーシュ「そんな所に、主謀者を置けばどうなる?」

CC「だが、そいつは真実を知らないのだろう?」

316:2013/02/17(日) 00:27:50 ID:
ルルーシュ「知っている必要は無いんだよ」

CC「訳が分からないな」

ルルーシュ「ブリタニアに渡っても困らないのは、主謀者の証言の真偽を、はじめから気にしないからだ」

ルルーシュ「だが、騎士団がシャンハイと連携してしまったら…」

CC「…そうか、否が応でも取り返さなければ、騎士団にブリタニアとの全面戦争決定権を握られてしまうからな」

ルルーシュ「純国産のナイトメアを使ったことが仇になった形だな」

ルルーシュ「言い訳が出来ない、中華連邦は気が気でないだろう」

317:2013/02/17(日) 00:36:53 ID:
ルルーシュ「騎士団はそれをネタに中華連邦を抑える」

CC「つまり、私たちがすべきなのは騎士団の援護か?」

ルルーシュ「そうなるな」

CC「だが、露骨には出来ないぞ」

CC「どうするつもりだ?」

ルルーシュ「今、プライベートジェットで咲世子扮するゼロと、四聖剣がキュウシュウに向かっている」

ルルーシュ「俺たちがガン・ルゥを抑えている間に、闇討ちさせるんだ」

CC「部隊を出せないことを逆手にとるのか」

ルルーシュ「その通りだ」

319:2013/02/17(日) 01:07:45 ID:
ルルーシュ「ブリタニアは大国故に小回りは利かない、騎士団も正面から大部隊は動かせない」

ルルーシュ「そこを利用する」

ルルーシュ「ナイトメア五機程度なら、運ぶのは容易い」

CC「…キュウシュウ方面の軍備が十分でなかったのは好都合だったな」

ルルーシュ「それは、恐らくこの蜂起のために中華連邦が圧力を掛けていた結果だろうからな、そこも利用しているだけだ」

CC「…全く、恐ろしい奴だお前は」

ルルーシュ「褒め言葉として受け取ろう」

320:2013/02/17(日) 01:22:50 ID:
CC「実際褒めているのさ」

CC「そろそろ到着するかな」

ルルーシュ「どうだろうな、…まあ車が止まれば分かる」

ルルーシュ「コーヒーでも飲むか?」

CC「…いや、いい」

CC「なあルルーシュ、お前は結局どうしたいんだ?」

ルルーシュ「何の話か分からないな」

CC「確かに、騎士団は順調に人気を集めている」

CC「だが、決め手はない、あくまで反乱軍である事実は変わらない」

CC「このままでは、日本を取り戻すことにはならないじゃないか?」

ルルーシュ「…まあ、そうだな」

ルルーシュ「俺にとって、日本を取り戻したいというのは通過点に過ぎない」

ルルーシュ「だが選ぶ道はあくまで正攻法、大々的にブリタニアを攻撃して勝ち取りたいとも思わない」

321:2013/02/17(日) 01:44:46 ID:
CC「勝ち取るつもりがない?」

CC「…話してくれないか?」

ルルーシュ「…時が満ちるまではダメだ」

ルルーシュ「言っておくが、信頼していないわけでは無い」

ルルーシュ「必要があれば、今回のようにキチンと話す」

CC「何故今ではダメなんだ?」

ルルーシュ「…まだまだやらなければならない事が多すぎる」

ルルーシュ「説明しきれない」

CC「…ルルーシュ、一体お前にはどこまで見えているんだ?」

ルルーシュ「…目の前だけさ」

ルルーシュ「少なくとも、俺が見ているものとお前が見ているものに違いはない」

ルルーシュ「予定が無いわけでは無いが、な」

322:2013/02/17(日) 02:29:52 ID:
CC「……」コテン

ルルーシュ「ん?車に酔ったか?」

CC「いや、こうすれば少しくらい伝わるかもしれないと思ってな」

ルルーシュ「肩と頭で、一体何が伝わるんだ」

CC「だが、額と額は無理だからな」

ルルーシュ「…共振か」

CC「ああ」

CC「共振は、想いを強くぶつける事によって起こる」

ルルーシュ「思い?」

CC「執着といってもいい」

CC「私は基本的に共振の影響を受けん」

CC「あくまで、あれはギアスの力だからな」

323:2013/02/17(日) 02:38:15 ID:
ルルーシュ「基本的にということは、共振が起こることもあるのか?」

CC「ああ、影響はお前たちが受けるものに比べれば微々たるものだが」

CC「私が契約したギアス保有者ならば、私に共振を起こさせることも出来る」

CC「…無論、お前にも、な」

ルルーシュ「俺にも?」

CC「もっとも、今の段階では起こらないだろうがな」

ルルーシュ「…マオのように狂化すれば、ということか」

CC「まあそうなるな」

CC「ルルーシュ、お前は王の力を殆ど使って来なかった」

CC「そんなお前に言うのは変だと思うかもしれないが、力に飲まれるな」

CC「ギアスは万能ではない、綻びのある不完全なものだ」

CC「…過去に戻れるのなら、私はお前と契約したくない」

325:2013/02/17(日) 02:46:34 ID:
ルルーシュ「……俺は契約して良かったがな」

CC「え…?」

ルルーシュ「あれが無ければ、俺はここまで来ていない」

ルルーシュ「それに…」

CC「何だ?」

ルルーシュ「……お前とも、こんなに話せなかっただろう?」

CC「ルルーシュ…」

ルルーシュ「…辛気臭い話はここまでだ」

ルルーシュ「過去は変えられない、俺たちは既に歩き出したんだ」

ルルーシュ「後は、ひたすら前に進むしかないんだよ」

CC「…うん」

327:2013/02/17(日) 02:54:18 ID:
ルルーシュ「どうした、最近特にセンチメンタルじゃないか」ポン

ルルーシュ「俺にはお前が要るんだ」

ルルーシュ「俺が間違ったり、力に溺れたら、お前が止めてくれる」

ルルーシュ「CC、お前がいれば、俺には不安などない」

CC「…う」

ルルーシュ「う?」

CC「な、なんでもない」

CC「ガウェインに乗っておこう、そろそろ動かすことになるだろうから」

ルルーシュ「?あ、ああ」

CC(…ルルーシュのばか)

CC(でも、私の方が…ずっと馬鹿だ)

CC(……私は…)

334:2013/02/18(月) 22:25:59 ID:
~アヴァロンデッキ~

コーネリア「これは…凄まじいな」

セシル「シュナイゼル様主導で造られた新造艦です」

セシル「新機構フロートシステムにより、空中の航行が可能」

セシル「さらにフロートユニットを搭載したナイトメアの射出機能もあるので、戦場旗艦としての運用が主な目的ですね」

コーネリア「兄上も乗艦されているのか?」

セシル「いえ、シュナイゼル様は本国に戻られていますので」

セシル「使用許可は下りているので、問題はありません」

コーネリア「そうか、挨拶くらいはしておこうと思ったのだが…」

ユーフェミア「スザク、貴方のナイトメアも空を飛べるのですか?」

スザク「はい、開発はこのアヴァロンの方が先ですが」

ロイド「どうです?うちの技術力ぅ」

ユーフェミア「素晴らしいです!」

ギルフォード「ひ……総督閣下」

コーネリア「む、何だ?」

335:2013/02/18(月) 22:28:56 ID:
ギルフォード「乗員全て準備完了です、いつでも発進出来ます」

コーネリア「よし、作戦は目的地に向かいながら詰めよう」

コーネリア「ロイド、アヴァロン発進だ」

ロイド「はいはぁい、了解でぇす!」

セシル「それでは、私から状況を大まかに説明させていただきます」

コーネリア「よし、話してくれ」

カレン(…あたしは出ておこうかな)

ラクシャータ(まあ待ちなさいな)

カレン(ラクシャータさん!)

ヴィレッタ(お前も聞いておけ)

ヴィレッタ(特派の一員だろう?)

カレン(は、はい)

336:2013/02/18(月) 22:36:36 ID:
セシル「今回の作戦目標は、キュウシュウ、フクオカ基地です」

セシル「首謀者は澤崎敦、目的は日本の独立です」

スザク「澤崎……?」

ユーフェミア「?どうかしましたか?」

スザク「あ、いえ…」

カレン(澤崎って、確か…)

セシル「作戦内容はシンプルです」

セシル「まずランスロットエアキャバルリー、ガウェインで先行」

セシル「基地内部に急襲をかけます」

セシル「その間に、アヴァロンは地上部隊を側面から展開し、本丸を叩きます」

コーネリア「なるほど」

コーネリア「敵の詳細は?」

セシル「確認したところ、独立を宣言したメンバーの中には日本解放戦線が含まれています」

セシル「ある程度の戦略的行動も視野に入れる必要があるかと」

337:2013/02/18(月) 22:41:59 ID:
コーネリア「規模はどの程度だ?」

セシル「フクオカ基地は完全に陥落状態です」

セシル「敵のメインマシンはガン・ルゥという中華連邦の機体です」

コーネリア「中華連邦?関与しているのか?」

セシル「不明です。打診にも応じません」

コーネリア「きな臭いな…」

コーネリア「…まあいい、枢木のランスロットと、ルルーシュがいれば後れを取ることはないだろう」

セシル「あ、そのことで枢木少尉に注意があります」

スザク「は、はい」

セシル「ランスロットは本来フロートユニットによる運用前提ではないので、エナジーを著しく消耗します」

セシル「稼働時間に十分注意して下さい」

スザク「りょ、了解しました」

339:2013/02/18(月) 22:58:50 ID:
~ガウェインコックピット~

ルルーシュ「…CC?」

CC「……」

ルルーシュ「…はぁ」

ルルーシュ「俺はこれから騎士団の方に指示を出す」

ルルーシュ「少し静かにしていてくれよ」

CC「……」

ルルーシュ(…何か起こらせるような事を言っただろうか)

ルルーシュ(…だが、今は騎士団だ、CCには後で何かプレゼントでもすればいい)

ルルーシュ「……応答しろ」ピッ

咲世子(はい、ゼロ様)

ルルーシュ「今どの辺りだ?」

咲世子(あと一時間程でフクオカ基地です)

ルルーシュ「よし、丁度いい」

340:2013/02/18(月) 23:04:30 ID:
ルルーシュ「四聖剣とメンバーを集めろ、作戦の説明だ」

咲世子(了解しました)ピッピッ

咲世子(スピーカーをオンにします)

ルルーシュ「それでいい、お前も聞いておいてくれ」

咲世子(それでは、切り替えます)カチ

藤堂「ゼロ、要件は何だ?」

ルルーシュ「早いな、藤堂」

藤堂「気になっていたからな」

ルルーシュ「騎士団本部とも繋いでくれ、今後にも関わる」

朝比奈「お前、藤堂さんを使うなんて…」

藤堂「いい、今は我らも騎士団の一人なんだ」

藤堂「…これでいい」ポチ

玉城「お、通信が来たぜ」

扇「ゼロ、実は話があって…」

ルルーシュ「分かっている、順をおって説明しよう」

341:2013/02/18(月) 23:10:14 ID:
ルルーシュ「まず扇、お前の話というのは今回の独立宣言についてだな?」

扇「あ、ああ」

扇「俺たちも賛同すべきなんじゃないかと思って」

ルルーシュ「……残念だが、それは出来ない」

扇「どうしてだ?」

ルルーシュ「今回の独立宣言、奴らのバックは中華連邦だ」

扇「え?」

玉城「マジかよ…」

藤堂「確かか?」

ルルーシュ「間違いない」

ルルーシュ「このまま騎士団も参加すれば、中華連邦とブリタニアの捨て駒にされる」

ルルーシュ「そうなれば、真の建国は夢のまた夢だ」

扇「し、しかし…」

342:2013/02/18(月) 23:20:20 ID:
ルルーシュ「納得出来ないか?」

藤堂「……ゼロ、私も納得出来ない」

ルルーシュ「ほう?」

藤堂「聞けば、独立宣言をしたのは澤崎氏らしいじゃないか」

藤堂「澤崎敦と言えば、枢木政権でも重要なポジションだった人物だ」

藤堂「何の策も無しに日本を売り渡すとは考えにくい」

ルルーシュ「意見はもっともだが」

ルルーシュ「事実として、奴らの主力は中華連邦のナイトメアだ」

ルルーシュ「私たちはブリタニアを相手にしている、これ以上大国を敵に回せば、日本自体が食い潰されかねん」

藤堂「……」

ルルーシュ「結局、正規の方法を取らない独立など、誰も認めやしない」

ルルーシュ「徒らに血を流し、苦しむのは他ならぬお前たち、そして平穏に暮らす人間だ」

扇「それは、分かるけど」

343:2013/02/18(月) 23:29:37 ID:
千葉「そもそも、正規の方法とはなんなんだ?」

千葉「まさか、ブリタニアに独立を認めさせるとかではないよな?」

ルルーシュ「その通りだ」

千葉「なんだと?」

朝比奈「気でも違えたか?」

ルルーシュ「真面目な話だ」

藤堂「…不可能だな」

ルルーシュ「不可能ではない」

ルルーシュ「私と、お前たちの力があればな」

扇「し、しかし、いくらなんでも…」

ルルーシュ「私が、今までお前たちに嘘をついたか?」

ルルーシュ「不可能を可能にして来たからこそ、今や騎士団はここまでの規模に成長し、果てはブリタニア人の指示を得るまでになったのではないか?」

藤堂「……」

朝比奈「と、藤堂さん…」

345:2013/02/18(月) 23:36:23 ID:
玉城「…別にいいじゃねぇか」

扇「は?」

玉城「ゼロは間違ったことを言ってる訳じゃねぇだろ?」

玉城「ブリタニアとドンパチやりあえば、俺たちだっていつまで生きてられんのかも分からねぇ」

玉城「ゼロはいつだって俺たちを引っ張ってくれたじゃねぇか」

玉城「殺しもさせなかった、死ぬなって言ってくれた」

玉城「最初は俺だって胡散臭い奴だと思ってたけど、皆だって知ってるだろ?ゼロは信じるだけの力を見せて来たじゃんか」

扇「…ああ、そうだよな」

玉城「四聖剣も、ゼロの考えに賛同したから、こうやって騎士団続けてんだろ?」

藤堂「……その通りだ」

346:2013/02/18(月) 23:56:29 ID:
藤堂「……もともと、我らは拾われた身だ、決定には従うだけ…」

ルルーシュ「…それは違うな、間違っているぞ」

藤堂「何?」

ルルーシュ「私が率いるから騎士団なのではない、お前たちがいるからこその騎士団だ」

ルルーシュ「日本を取り戻す、その志の元に集った」

ルルーシュ「我々は、そんな仲間なんだ」

藤堂「仲間……」

ルルーシュ「そうだ、上下関係はあくまで指揮系統の為に過ぎない」

ルルーシュ「私は先を見る、お前たちは私を、私の道を見ろ」

ルルーシュ「間違っていると思えば、いつでも止めてくれて構わない」

ルルーシュ「私は、一人でなし得ぬからこそ、お前たちの力を求めているのだから」

玉城「ゼロ…そこまで俺たちのことを…」

347:2013/02/19(火) 00:07:35 ID:
井上(あーあ、本当に流されやすいんだから)

杉山(でも、ゼロは今まで俺たちを危険な所に放り込んだりしなかったよな)

杉山(レジスタンスなのに、いつも怪我だって少なく帰って来られたし)

井上(…そうよね)

井上(相手は、あのブリタニアなのに、ね)

南(おかげで、神楽耶さまにも会えたしな)

井上(…あんたもブレないわよね)

扇「…分かった、俺たちもゼロを信じるよ」

扇「すまない、余計な時間を取らせてしまって」

藤堂「……お前たち、どうだ?」

朝比奈「え、それは…」

千葉「…でも、我々も解放戦線にいた頃のように危険地域を渡り歩くことが無くなりました」

千葉「それに、無理矢理戦場へ送られることも…」

348:2013/02/19(火) 00:10:17 ID:
藤堂「…その通りだ」

藤堂「我らも、既に異存はない」

藤堂「今回の作戦を聞かせてくれ、ゼロ」

ルルーシュ「皆、よく言ってくれた」

ルルーシュ「任せておけ、必ずお前たちと共に日本を取り戻す」

ルルーシュ「それでは、概要を話そう、本部の方はサポートに徹してくれ」

扇「了解だ」

藤堂「承知した」

359:2013/02/20(水) 23:14:31 ID:
~フクオカ基地内部~

澤崎「くっくっく……ようやく我が悲願も叶う…」

澤崎「ブリタニアのクズどもめ…日本は我らの国、一欠片足りとも渡す訳には行かん」

高官(……おめでたい奴だ)

高官(本当に自分の力でブリタニアと戦えると思っているのか?)

高官(そんな風だから、国土を失うんだよ、サルめ)

高官(我らの中華連邦は違う、誇り高き思想と、強靭な国力)

高官(まあ、使ってもらえるだけマシだと思うんだな…)

360:2013/02/20(水) 23:19:36 ID:
兵士「じ、12時方向に敵艦影あり!」

澤崎「何?」

兵士「信じられません、飛行しています!」

澤崎「…ブリタニアか、忌々しい」

澤崎「おい、回線を繋げ」

澤崎「直接話をつけてやる」

兵士「り、了解」

澤崎「戦艦一機や二機程度、このフクオカの敵ではないわ!」

高官(…それを整備したのはブリタニアなんだがな、都合のいい事しか頭に残らないのか?)

高官(まあいい、好きにするがいいさ)

高官(…どう転がろうとも、お前に未来などないのだからな)

361:2013/02/20(水) 23:24:07 ID:
~ガウェインコックピット~

ルルーシュ「……咲世子、それでは後は手筈通りに」

ルルーシュ「内部構造を把握しておけ、ブリタニアの地上部隊が揃う前に作戦を完了させればいい」

ルルーシュ「ああ……こちらは問題ない」

ルルーシュ「……そっちこそ、気をつけろ、お前が居ないとナナリーが悲しむ」

ルルーシュ「…俺か?……まあ嫌だな」

ルルーシュ「ああ、……分かってるよ、それじゃあ」ピッ

ルルーシュ「…よし」

CC「話は終わったか?」

ルルーシュ「ん?ああ」

ルルーシュ「機嫌は治ったか?」

362:2013/02/20(水) 23:27:57 ID:
CC「別に不機嫌だったわけじゃないさ」

CC「…少し、考え事がな」

ルルーシュ「ふむ、まあいい」

ルルーシュ「どうする?デッキの方に出るか?」

CC「…今は二人がいい」

ルルーシュ「?そんなに人嫌いだったか?」

CC「…そうでもない」

CC「向こうと通信を繋げば映像が出るんじゃないか?」

ルルーシュ「それなら、自分達が行く方が早いんだがな」

ルルーシュ「……よし、これでいい」カタカタ

363:2013/02/20(水) 23:31:43 ID:
~アヴァロンデッキ~

セシル「!コーネリア様、通信です」

コーネリア「兄上か?」

セシル「いえ、広域通信で、発信源は…」

ラクシャータ「フクオカ、ねぇ?」

カレン「え?じゃあ今回の敵ってこと!?」

コーネリア「…何が目的だ」

セシル「どうしますか?黙殺してしまっても…」

コーネリア「そうだな、わざわざ話を聞いてやる必要は…」

ユーフェミア「繋いで下さい」

コーネリア「ユフィ!何を言って…」

364:2013/02/20(水) 23:39:36 ID:
ユーフェミア「お姉様、たとえ敵対しているとしても」

ユーフェミア「話は聞いてみるべきです」

ユーフェミア「武力で押し通せば、また新たな火種を生むことになりかねません」

コーネリア「お前は黙っていろ」

コーネリア「政治事は私に任せておけばいい」

ユーフェミア「そんなわけには参りません」

ユーフェミア「説得しようというのではありません、話を聞こうというだけなのです」

コーネリア「くっ…相変わらず頑固者め…」

ユーフェミア「それはお姉様もですわ」

365:2013/02/20(水) 23:46:30 ID:
セシル「あのー、どうすれば…」

ギルフォード「…繋げ」

コーネリア「ギルフォード!お前まで何を…」

ギルフォード「姫様、今回は相手の情報も多くありませんし、こちらも万全というわけではありません」

ギルフォード「どんな小さな情報でも、手にいれておくにこしたことはないかと」

コーネリア「しかし…」

ユーフェミア「セシルさん、お願いします」

セシル「は、はい、それでは」ピッ

澤崎「こちらは独立国家日本総帥、澤崎敦だ」

澤崎「貴殿らはブリタニア軍で間違いないか?」

スザク(……澤崎さん……!)

カレン(…やっぱり、この男…)

366:2013/02/20(水) 23:54:00 ID:
澤崎「ん?……おや、面白い人間もいるじゃあないか」

コーネリア「何の話だ」

澤崎「そうは思わんかね、枢木スザクくん」

スザク「くっ……」

コーネリア「?枢木がどうかしたのか」

澤崎「ブリタニアの姫君よ、その無知に免じて特別に教えて差し上げよう」

澤崎「私は、枢木ゲンブ率いる政権に所属していたのだ」

澤崎「そう、そこの彼の実父である、な」

コーネリア「何だと?」

ユーフェミア「それは本当の話ですか、スザク」

スザク「……はい」

カレン「き、気にすることないわよ」

カレン「だって、お父さんとスザクは違うじゃない」

367:2013/02/21(木) 00:00:14 ID:
澤崎「枢木スザクくん、君も私に追従しないか?」

澤崎「私は日本を取り戻す、その思想は同じだと信じたいがね」

スザク「…自分は」

スザク「自分は内側から変えます、世界の在り方も、日本も」

スザク「だから、自分はここにいるんです」

澤崎「……ふっ、やはり犬は言うことが違う」

スザク「え?」

澤崎「国を捨て、大国に尻尾を振る劣悪な畜生だ貴様は」

澤崎「もとより裏切り者に用はない、そこの連中と共にチリとなって消えるのがお似合いだ」

スザク「……っ!自分は…」

ユーフェミア「待っ…」

カレン「ちょっとアンタ、待ちなさいよ」

澤崎「ん?何だ小娘」

スザク「カレン……?」

368:2013/02/21(木) 00:03:54 ID:
カレン「アンタ、こいつのこと何も知らないじゃない」

カレン「日本だってブリタニアだって変わらないわ、他を排斥したり、いがみ合う」

カレン「名誉ブリタニア人ってだけで、どれだけの差別を受けるのか、あんた知ってるわけ?」

澤崎「…私は日本人だ、名誉ブリタニア人も何も関係ない」

カレン「あんたはそうやってお山の大将気取ってりゃ満足なのかもしれないけど」

カレン「あんたからは何も感じないのよ、覚悟ってやつが」

澤崎「…口を慎め、小娘」

カレン「そもそも今回だって、本当に自分の力で考えた?」

カレン「誰かに上手く乗せられてんじゃないの?」

澤崎「なっ…!」

369:2013/02/21(木) 00:11:57 ID:
カレン「あたしは見てきたわ、スザクがどんだけ辛く当たられてんのか」

カレン「学校にだって、いい奴ばっかじゃない」

カレン「でも、こいつは嫌な顔もせずに、目標に向かって頑張ってる」

カレン「あたしに言わせれば、あんたみたいな奴の方が」

カレン「…よっぽど畜生だと思うけどね」

スザク「……」

カレン「あんたも、こんなアホに言われたこと真に受けすぎ」

澤崎「あ、アホだと……!?」

カレン「ここまでやってきたんだから、貫きなさいよ」

カレン「男のコでしょ?」

澤崎「くっ、小娘覚えておけよ!」

澤崎「さっきの言葉、必ず後悔させてやる!」ピッ

カレン「……まさに負け犬の遠吠えね」

370:2013/02/21(木) 00:20:06 ID:
スザク「あの、カレン…僕は…」

カレン「はいはい、そんな顔しない」

カレン「あんたに何があったって、離れて行ったりしないわよ」

カレン「あたしもルルーシュも、……同じ特派の仲間で、生徒会のメンバーで、えっと…」

カレン「とにかく、もう少し楽に行きなさいよ」バシッ

スザク「痛ッ!」

ユーフェミア(……この感覚は、一体…)

コーネリア「…枢木」

スザク「は、はっ!」

コーネリア「…何があったかは知らん」

コーネリア「だが、実際にお前の力でブリタニアが救われたことがあるのも事実だ」

コーネリア「今回の作戦で、お前の忠誠を確かめる、いいな?」

スザク「り、了解しました!!」

371:2013/02/21(木) 00:35:15 ID:
~ガウェインコックピット~

ルルーシュ「……」

CC「ルルーシュ、カレンの言う通りだ」

CC「あんなもの、自分を上に置きたい奴の戯言さ」

CC「だから、そんな怖い顔をするな」

CC「おい、ルルーシュ…」

ルルーシュ「…すまない、大丈夫だ」

ルルーシュ「だが、あの男には、相応の報いを受けてもらわなくてはな」

ルルーシュ「……親友をバカにされて、黙っていられるほど、俺は人間が出来ていないからな」

CC「ルルーシュ、一体何をするつもりだ?」

ルルーシュ「現実を見せてやる、夢物語はここまでだ」

CC(…ルルーシュ)

372:2013/02/21(木) 00:35:57 ID:
CC(……しかし、親友か)

CC(……騎士団、ブリタニア軍、どちらにも属し、そしてどちらにも属さない私たちに)

CC(……いや、今言ったとしても徒らにルルーシュを戸惑わせるだけだ)

CC(…そう、時が来れば、きっと…)

380:2013/02/23(土) 23:43:03 ID:
ルルーシュ「咲世子、今から送る周波帯に通信を送ってくれ」

ルルーシュ「周りに知らせる必要は無い」

咲世子(通信?……了解いたしました)

CC「澤崎に送る気か?」

ルルーシュ「当然だ」

ルルーシュ「それに、もともと予定としてはこれも作戦に入っていたからな」

CC「どういうことだ?」

ルルーシュ「中華連邦に騎士団の立場を明確に伝える必要がある」

ルルーシュ「付け入る隙が無いと分かれば、おいそれとちょっかいは出せまい」

咲世子(…ゼロ、繋がりました)

ルルーシュ「よし、こちらに回せ」

381:2013/02/23(土) 23:48:25 ID:
澤崎「ほう、貴方がゼロ……」

澤崎「お噂は予々伺っておりますよ」

ルルーシュ「御託はいい」

ルルーシュ「何故独立宣言など出した」

ルルーシュ「分かっているはずだ、今の日本に、ましてやお前たちにブリタニアと渡り合うだけの力は無いと」

澤崎「おやおや、救国の戦士と言えども弱気になることはあるのですな」

澤崎「それよりゼロ、貴方も我々の同志になってはいかがかな?」

ルルーシュ「なんだと?」

382:2013/02/23(土) 23:56:22 ID:
澤崎「私と貴方の指導力を合わせれば、国民など思うがまま」

澤崎「作りませんか、明るい日本の未来を、共に」

ルルーシュ「……はぁ、くだらん」

澤崎「は?」

ルルーシュ「結局お前は、腐った政治家根性が抜けていないんだ」

ルルーシュ「異常なまでの自信過剰、自分が優れているという傲慢」

ルルーシュ「それが人を不快にさせていることに気付かない鈍感さ」

ルルーシュ「私は理解に苦しむ」

ルルーシュ「何故平然と生きていられる?」

澤崎「き、貴様……」

ルルーシュ「それもだ」

ルルーシュ「図星を突かれればすぐに態度を変える」

ルルーシュ「その後は相手の所為にする、完璧な責任転嫁の流れだな」

ルルーシュ「もはや尊敬に値するレベルだ」

澤崎「だ、誰にものを言っているか、理解しているのか?」

383:2013/02/24(日) 00:07:14 ID:
ルルーシュ「私は、お前のような傀儡に用はない」

ルルーシュ「騎士団には騎士団のやり方がある」

ルルーシュ「中華連邦と手を組むつもりなど、はじめから無いのだよ」

澤崎「な、何故それを……」

ルルーシュ「言っておく、お前には日本を取り戻すことなど出来ん」

ルルーシュ「少なくとも、日本を自分の利権を保つ手段と考えているうちはな」

澤崎「…ゼロ、後悔してももう遅いぞ」

ルルーシュ「そのセリフ、そのままお返ししよう」

ルルーシュ「今や騎士団は日本の意思、お前たちは独立はじめから民意を欠いているんだ」

ルルーシュ「陸の孤島で、せいぜい足掻くがいい」

澤崎「失礼する!自分の言葉、ゆめゆめ忘れぬようにな!」ピッ

ルルーシュ「……ふ、それもこちらのセリフだよ」

384:2013/02/24(日) 00:12:45 ID:
~ランスロットコックピット~

スザク「……はぁ」

セシル「ランスロット、準備の方はどうですか?」

スザク「あっ、も、問題ありません」

セシル「そう、それならいいです」

セシル「ガウェインの方も終わったようだし、作戦エリアまで近いから」

セシル「気を抜かないようにね」

スザク「了解しました」

セシル「それでは、次の命令まで待機していて下さい」ピッ

スザク「……」

???「スザク、聞こえますか?」

スザク「え、この声は……ユーフェミア様?」

ユーフェミア「うふふ、さっきぶりですね」

385:2013/02/24(日) 00:19:33 ID:
スザク「何かご用ですか?」

ユーフェミア「これはプライベート通信です」

ユーフェミア「デッキからも出ましたし、聞いているのはわたくしだけですから」

ユーフェミア「どうか自然体でお話してください」

スザク「はい、わかりま…」

ユーフェミア「スザク?」

スザク「…分かったよ、ユフィ」

ユーフェミア「よろしい」

ユーフェミア「…先程の通信」

ユーフェミア「あのサワザキという方の話」

ユーフェミア「……止めるのはカレンさんに先を越されてしまいましたが」

ユーフェミア「他に、わたくしに対して隠していることはありませんか?」

スザク「え?」

386:2013/02/24(日) 00:45:15 ID:
ユーフェミア「確かに、お父様がかつての日本の代表であった、というのは」

ユーフェミア「今のスザクの立場からすれば、気になることかもしれませんが」

ユーフェミア「それ以上のものを、あなたが抱えているような気がしてなりません」

ユーフェミア「よければ、話していただけませんか?」

スザク「…凄いな、全部お見通しか」

ユーフェミア「ふふ、何と言っても、わたくしはスザクの主さんですから」

スザク「……その話もあるから、僕からも聞いて欲しい」

スザク「お願いできるかい?」

ユーフェミア「ええ、もちろんです」

387:2013/02/24(日) 01:07:37 ID:
スザク「僕はね」

スザク「……父を殺したんだ」

ユーフェミア「え?」

スザク「日本を守るためだと思った、父はブリタニアとの徹底抗戦を宣言するつもりだったから」

スザク「けど、その後の日本を見て、思ったんだ」

スザク「間違った方法で得た結果なんて、意味が無いって」

ユーフェミア「スザク…」

スザク「僕は、本当ならのうのうと生きているべきじゃないんだ」

スザク「だから、君の騎士には……」

スザク「相応しくない」

ユーフェミア「……」

388:2013/02/24(日) 01:19:48 ID:
ユーフェミア「べしっ!」

スザク「へ?」

ユーフェミア「今、貴方の頭を叩きました」

ユーフェミア「相当な力です、痛がりなさい」

スザク「え、えっと……痛たたっ」

ユーフェミア「まずスザク、騎士に相応しくないとおっしゃいましたが」

ユーフェミア「もし騎士で無くなれば、わたくしの持っている階級章はお空の藻屑になってもらうことになります」

スザク「あの、空に藻屑は…」

ユーフェミア「お黙りなさい、わたくしは真面目な話をしているのです」

スザク「はい」

ユーフェミア「少佐ですよ?お給料も今の数倍あります」

ユーフェミア「お金、要りませんか?」

スザク「自分は…」

ユーフェミア「要りますよね?」

スザク「…はい」

389:2013/02/24(日) 01:26:44 ID:
ユーフェミア「……あなたの罪は、主である私も共に背負いましょう」

スザク「それは……」

ユーフェミア「スザク、あなたの罪は消えるものではありません」

ユーフェミア「何より、自分自身が許せないでしょう」

ユーフェミア「しかし、それで立ち止まるなら、償うことも出来ません」

ユーフェミア「スザクが自分を許せないと言うのなら、私がスザクを許しましょう」

ユーフェミア「叱って欲しいと言うのなら、叱ってあげます」

ユーフェミア「スザク、わたくしは日本を作ろうと思っています」

スザク「日本を、作る?」

ユーフェミア「はい」

ユーフェミア「ですから、貴方は私の騎士として、協力しなさい」

スザク「………」

390:2013/02/24(日) 01:35:19 ID:
ユーフェミア「貴方が戦わなければ、仲間が傷付きます」

ユーフェミア「わたくしも、凶弾に倒れるやもしれません」

スザク「そんなこと……」

ユーフェミア「絶対に無いと言い切れますか?」

ユーフェミア「これでもわたくし、ブリタニアの皇族です」

ユーフェミア「暗殺の危険など、どこでだって転がっています」

ユーフェミア「それでも、貴方は戦いをやめますか?」

ユーフェミア「自らが勝ち取れるものを、見て見ぬ振りをするのですか?」

スザク「……いえ」

ユーフェミア「そうでしょう」

ユーフェミア「そんな貴方だから、わたくしは騎士に推薦したのです」

392:2013/02/24(日) 01:42:03 ID:
ユーフェミア「スザク、前を向きなさい」

ユーフェミア「わたくしは、死ぬことも諦めることも許しません」

ユーフェミア「貴方はわたくしの騎士、ひとりで生きるのが辛いなら、わたくしのために生きなさい」

ユーフェミア「……もしも、それでもあなたが自分のことが嫌いなら」

ユーフェミア「…わたくしが、代わりに貴方のことを好きになります」

ユーフェミア「ですから、貴方もわたくしを好きになりなさい」

ユーフェミア「良いですね?」

スザク「ユフィ、僕は……」

ユーフェミア「いいから、いいと言いなさい!この朴念仁!」

スザク「!?り、了解しました!」

393:2013/02/24(日) 01:45:31 ID:
ユーフェミア「全く、わたくしがここまで言ったのです」

ユーフェミア「まだ沈んでいるなんて、到底許せません」

スザク「…ごめん、どう割り切ればいいのか、分からなくて」

ユーフェミア「…だから、割り切らなくていいのです」

ユーフェミア「貴方にはわたくしも、ルルーシュも、特派の皆さんも」

ユーフェミア「たっくさんの仲間がいるでしょう?」

ユーフェミア「スザクが間違えれば、みんなきっと教えてくれます」

ユーフェミア「それまでは、お互い思うまま生きるのが一番」

ユーフェミア「そうではありませんか?」

スザク「…ふふ」

ユーフェミア「どうして笑うのですか?」

394:2013/02/24(日) 01:50:43 ID:
スザク「なんだか、ユフィにかかると」

スザク「僕の悩みも今日の献立みたいにスッキリされちゃうからさ」

スザク「なんで悩んでたのか、イマイチ分からなくなって来たよ」

ユーフェミア「そうですか?」

ユーフェミア「ともかく、スザクはもう少し柔軟になるべきです」

ユーフェミア「過程にばかり囚われては、肝心の結果を仕損じるということもありますよ?」

スザク「はい、肝に命じます」

ユーフェミア「よろしい」

ユーフェミア「それでは、まずは次の戦いを生きて帰って来てください」

ユーフェミア「そうしたら、わたくしが直接この階級章を差し上げましょう」フンス

スザク「了か……ぶっ」

ユーフェミア「なんで笑……ふふっ」

395:2013/02/24(日) 01:57:16 ID:
~アヴァロンデッキ~

カレン(…なぁーにがプライベート通信よ)

カレン(あたしが止めてなきゃ、今頃艦内中で聞こえてるわよ、バカップルめ)

ラクシャータ「カレーン、あんたは地上部隊と一緒だから、それまではそこでお手伝いねぇん」

カレン「はいはい、分かってますよ」

カレン「ラクシャータさん、あたしの紅蓮にも早くフロートつけてよ」

ラクシャータ「時間見つけてやっておくから、今回は我慢してよぉ」

カレン「……へーい」

ラクシャータ「なによぉ、機嫌悪いわねぇ」

396:2013/02/24(日) 01:59:53 ID:
カレン(そりゃあ、機嫌だって悪くなるわよ)

カレン(スザクもスザクよ、ペラペラ話しちゃってさ)

カレン(特派では何でもない風だった癖に)

カレン(そんなにあたし達が信用出来ないのかしら)

カレン(……やっぱり、聞かなきゃ良かったなぁ)

カレン(そうすれば、こんなに凹まなくて済んだのに…)

カレン「……あれ?」

ラクシャータ「どうかしたぁ?」

カレン「あ、ううん、独り言だから」

ラクシャータ「そお?」

397:2013/02/24(日) 02:03:22 ID:
カレン(……あたし、なんで凹んでるんだろ?)

カレン(……分からん)

カレン「ヴィレッタさん、何でだと思います?」

ヴィレッタ「は?何の話だ」

カレン「やっぱり分かりませんよねぇ…」

ヴィレッタ「おい、言い方が気になるぞ」

カレン「何でかなぁ」

ヴィレッタ「カレン!内容を言え」

ラクシャータ「うるさいなぁ、静かにしなさいよぉ!」

コーネリア「特派は、いつもあんな様子なのか?」

セシル「……お恥ずかしい話ですが」

ロイド「どこにいても、僕らは僕らだねぇ」

セシル「ロイドさんは黙っていて下さい」

ロイド「はい」

416:2013/02/25(月) 03:30:10 ID:
~アヴァロンデッキ~

セシル「コーネリア様、そろそろ敵要塞の制空権圏内です」

コーネリア「よし、分かった」

コーネリア「ルルーシュ、枢木、用意はいいか?」

ルルーシュ「こちらガウェイン、問題ありません」

スザク「ランスロット、いつでも行けます!」

コーネリア「うおっ、枢木は随分やる気だな」

コーネリア「まあいい、二人とも励め」

CC「………」

コーネリア「…悪かった、三人とも頑張れ」

CC「了解しました」

コーネリア「ふう、あんな娘が妹になるとは、恐ろしいことだ」ボソ

セシル「はい?」

コーネリア「んんっ、何でもない」

419:2013/02/25(月) 03:45:08 ID:
セシル「それでは、両機発射位置に移動して下さい」

セシル「ランスロット・エアキャバルリー、及びガウェイン所定地にて待機」

セシル「ランペルージ卿、枢木少佐、今回の作戦をもう一度確認します」

ルルーシュ「セシルさん、卿はなんだかむず痒いです」

CC「それに、ランペルージだと私もいずれそうなります」

スザク「僕もまだ階級章が…」

セシル「はい、文句は後で聞きます」

セシル「ともかく、貴方たちが発艦した後、我々は一旦別ルートからフクオカ基地を目指します」

セシル「敵部隊を殲滅する必要はありませんが、コーネリア様率いる本隊が安全に進行できるよう、援護して下さい」

ルルーシュ「ガウェイン、了解」

スザク「ランスロット、了解です」

セシル「よろしい」

422:2013/02/25(月) 03:58:13 ID:
セシル「それでは作戦空域に入りました」

セシル「ランスロット発艦どうぞ」

スザク「MEブースト……」ヒュイィィン

スザク「ランスロット、発進!」バシュウン

セシル「続いて、ガウェイン発艦どうぞ」

ルルーシュ「……」

セシル「ガウェイン?どうしました?」

ルルーシュ「…なあCC、俺たちもスザクみたいな発進前の言葉が欲しく無いか?」

CC「そうだな…」

ルルーシュ「何かいい案は無いか?」

CC「…うーん」

セシル「いいから、つべこべ言わずに発進しなさい!」

ルルーシュ「ルルーシュ・ランペルージ、ガウェイン、発進する」バシュ

CC「CC、行ってくる」キイイィン

セシル「全くもう……」

423:2013/02/25(月) 04:01:14 ID:
コーネリア「…あの二人、以前よりさらに親密になっているな」

ギルフォード「なんでも、軍内部でベストカップル賞に推薦する話が出ているとか」

コーネリア「…そもそもCCは軍人ではないのにナイトメアに乗っているのか」

ギルフォード「…そうなります」

コーネリア「…適当でいい、何か役職を与えておけ」

ギルフォード「はっ、了解いたしました」

コーネリア「差し当たって、特尉官にでもしてだな」

ギルフォード「は?しかしエリア11は一応終戦地区で…」

コーネリア「下手に仕事を与えてみろ、ルルーシュがさらに大変になるだろうが!」

ギルフォード「し、失礼しました!」

424:2013/02/25(月) 04:05:18 ID:
~フクオカ上空~

ルルーシュ「スザク、聞こえるか?」

スザク「うん、良好だよ」

ルルーシュ「その、なんだ」

ルルーシュ「大丈夫か?」

スザク「何がだい?」

ルルーシュ「ほら、あの澤崎という男…」

スザク「あ、はは、聞いてたのかい」

スザク「…でも大丈夫、迷いなく戦えるよ」

ルルーシュ「……それならいい」

ルルーシュ「ガウェインで道を開く、少し高度を下げておくんだ」

スザク「了解!」

426:2013/02/25(月) 04:09:21 ID:
ルルーシュ「CC、機体のバランスは任せる」

CC「オーケーだ、何時でもいいぞ」

ルルーシュ「…よし、頼むからかわしてくれよ」

CC「なんだ、当てないのか」

ルルーシュ「もともと当てるつもりも無いし」

ルルーシュ「なにより、あそこで破片が散ってみろ」

ルルーシュ「ガウェインはともかく、ランスロットのフロートユニットはボロボロになってしまう」

CC「なるほどな、甘さだけではないと」

ルルーシュ「そういうことだ」

ルルーシュ「行くぞ、ハドロン砲、発射!」

427:2013/02/25(月) 04:14:06 ID:
スザク「うわっ、目の前の敵部隊が散開したよ」

ルルーシュ「そのまま突っ切れ」

ルルーシュ「エナジーは多く残した方がいい」

スザク「よし、ルルーシュ達もすぐに来てね」

ルルーシュ「分かっている」

CC「ルルーシュ、敵部隊はこちらに照準を定めたようだぞ?」

ルルーシュ「こちらの方が的が大きいからな、まあ当然だろう」

カレン「ルルーシュ、CC、聞こえる?」

ルルーシュ「む、カレンか」

CC「どうした?」

カレン「あんた達とスザクのオペレータだってさ」

カレン「紅蓮は今回もお留守番」

429:2013/02/25(月) 04:18:09 ID:
ルルーシュ「それは……何と言うか残念だったな」

カレン「全くよ」

カレン「ま、でもあたしにもできる事があるってんだから、頑張らないとね」

CC「なかなかいい心がけだな」

カレン「とりあえず、その周辺の情報送っとくわ」

カレン「アヴァロンの位置を見て、適当に進行してくれる?」

ルルーシュ「大雑把な命令だな」

カレン「ま、あんた達ならそれでもやれるかなってさ」

CC「ま、当然可能さ」

カレン「あと、スザクの方はエナジーかなりギリギリだから」

カレン「早めに行ってあげてね」

430:2013/02/25(月) 04:25:03 ID:
CC「なんだ?枢木にお熱か?」

ルルーシュ「そうなのか?」

カレン「冗談、仲間だからよ」

カレン「他にもこっちの状況は逐一報告入れておくから、うまいことやっちゃって」

ルルーシュ「了解だ」

CC「なんだ、つまらん奴め」

カレン「なんでもかんでも恋愛で動いてるわけじゃないでしょ?」

カレン「特派は今のところ、あんた達で間に合ってんのよ」

CC「…だそうだが?」

ルルーシュ「まあ人それぞれということだ」

ルルーシュ「カレン、情報感謝する」

ルルーシュ「さっさと終わらせてくるさ」

カレン「頼んだわよー」

448:2013/02/26(火) 00:30:15 ID:
~フクオカ基地内部~

スザク「はあああっ!」ザンッ

ルルーシュ「スザク、ナイトメアは無力化に留めるんだ」

スザク「ルルーシュ?でも加減が……」

ルルーシュ「そいつらは、中華連邦の機体だ」

ルルーシュ「変に難癖を付けられても面倒になる」

スザク「そうなのかい?それなら…」

カレン「スザク、そいつらの情報調べといたから」

カレン「足と武器さえなければ、無力化は難しくないはずよ」

カレン「自分の腕を信じなさい」

スザク「うん、分かったよ」

CC「……ふ、私たち、参上」ヒュウウン

スザク「ルルーシュ、CCさん」

ルルーシュ「足元を狙う、タイミングを合わせろ」

スザク「了解!」

449:2013/02/26(火) 00:39:39 ID:
~フクオカ基地司令部~

澤崎「どういうことだ!」

兵士「て、敵ナイトメアによって、本隊が大きく切り崩されました!」

兵士「ナイトメア尚も進行中!連携を取って部隊を分断しています」

澤崎「たった二機程度に、何を手こずっている!」

澤崎「いいからもっとガン・ルゥを出せ、数で押し切るんだ」

高官(……潮時か、早いものだ)

高官(だが、私にはどうでもいい事だ、精々足掻くがいい)

兵士「北東部隊完全に戦闘不能!」

兵士「戦況に押され逃亡者も出ている模様です!」

澤崎「役立たずどもがぁ……!」

450:2013/02/26(火) 00:44:28 ID:
ルルーシュ「スザク、二時方向に三機、新手だ」

スザク「任せて」

ルルーシュ「CC、機体を六時方向に向けろ、ハドロンで抑える」

CC「分かった」

カレン「ブリタニアの本隊、そろそろフクオカに向かって行けそう」

カレン「ま、必要なさそうだけどね」

ルルーシュ「ふっ、俺とスザクが手を組んで、出来ない事など存在しない」

CC「私を忘れるな」

ルルーシュ「ああ、CCもだな」

CC「子供扱いすると、後で痛い目を見る事になるからな」

ルルーシュ「スザク、このまま本丸へ切り込む、ついて来い」

スザク「ははっ、何だか楽しくなってきたよ!」

カレン「くっそー、あんたらズルい!」

451:2013/02/26(火) 00:51:20 ID:
ルルーシュ「CC、操作変更だ、ハドロンを頼む」

ルルーシュ「足場を崩してしまえ」

CC「ふふ、私もこれはやって見たかった」

CC「うおっ、レバー結構利くな」

ルルーシュ「気をつけろ、無闇に動かせば何もかも消し炭だ」

CC「了解、期待操作は頼むぞ?」

ルルーシュ「スザク、道を開いた、先に行け」

スザク「ルルーシュ達は?」

ルルーシュ「ここをどうにかしてからだ」

スザク「オーケー、任せる」ギャルルルル

452:2013/02/26(火) 00:52:01 ID:
CC「……どういうつもりだ?」

ルルーシュ「ん?何の話かな?」

CC「今、無理やり枢木を先に行かせただろう」

CC「そんなことをすれば、ランスロットのエナジーが……」

ルルーシュ「それが目的だ」

CC「は?」

CC「まさか、枢木を殺すつもりか?」

ルルーシュ「まさか、そんなわけないだろう」

453:2013/02/26(火) 00:58:07 ID:
ルルーシュ「…時は満ちた」

CC「おいおい、自己完結するな」

ルルーシュ「咲世子、作戦を開始しろ」

CC「咲世子?ということは…」

ばっ、ぎゃるるるるるるっ

咲世子「黒の騎士団、参上!」

藤堂「四聖剣、私と共にゼロに続け!」

四聖剣「承知!」

ルルーシュ「ここが肝要なんだ」

CC「なんどなく、お前の企みが分かったよ」

ルルーシュ「お前も随分、俺に馴染んできたな」

CC「言い方は気になるが、まさにそうなのだろうな、…はぁ」

454:2013/02/26(火) 01:04:28 ID:
ルルーシュ「…あー、ごほん」

ルルーシュ「っ!スザク、カレン、黒の騎士団だ!」

スザク「何だって!?」

カレン「え?あたし聞いてない」

ルルーシュ「突然現れたんだ、援護してくれ」

スザク「分かった、直ぐにいくよ!」

ルルーシュ「カレンはブリタニアの本隊に情報を」

カレン「り、了解」

ルルーシュ「……これでよし」

CC「本当か?」

ルルーシュ「ああ、全て恙無く終了さ」

ルルーシュ「今回は使える駒が多くて楽だからな」

CC「多いのか?」

ルルーシュ「まずお前が百人力だ」

CC「……口が軽いぞ馬鹿者め」

455:2013/02/26(火) 01:08:37 ID:
ルルーシュ「ふはは、高みの見物はいつでも楽しいものだ」

ルルーシュ「咲世子、何も気にせず拠点を目指せ」

ルルーシュ「こちらで援護する」

咲世子「了解です、ゼロ様」

ルルーシュ「CC、ハドロンで道を作る」

ルルーシュ「ガウェインを上昇させてくれ」

CC「拡散を使う気か?」

ルルーシュ「一気に進めないと、スザクが追いついてしまう」

CC「なるほどな」

CC「出力に注意するんだぞ?」

ルルーシュ「ふっ、誰に物を言っている」

456:2013/02/26(火) 01:12:39 ID:
スザク「ルルーシュ!大丈夫かい」

ルルーシュ「スザク、来てくれたか」

スザク「黒の騎士団は?」

ルルーシュ「どうやらさっさと拠点を落としにかかっているようだ」

スザク「大変だ、すぐに向かわないと!」

ルルーシュ「いや、それは出来ない」

スザク「どうして!?」

ルルーシュ「お前、冷静に自分のエナジーを確認しろ」

スザク「あっ……」

ルルーシュ「既に離脱分で精一杯だ」

ルルーシュ「ここは俺たちがやる、ブリタニアの地上部隊に合流してエナジーを補給するんだ」

スザク「だけど」

ルルーシュ「心配するな、ガウェインはまだ余裕がある」

CC「私も付いている、問題はないさ」

457:2013/02/26(火) 01:16:12 ID:
スザク「……分かった、直ぐに戻るよ」

ルルーシュ「それでいい」

CC「私たちが道を開ける、空から離脱するんだ」

スザク「了解です、行きます!」バシュッ

ルルーシュ「……これで、条件はすべてクリアされた」

CC「あっけないな」

ルルーシュ「俺も怖いくらいだ」

ルルーシュ「今なら、どんな敵も打ち払うことができる」

CC「否定出来ないのが恐ろしいな」

ルルーシュ「だが、それが目的に繋がっている」

ルルーシュ「よし、最後の仕上げだ、CC」

CC「ああ、派手にやってやろう」

465:2013/02/26(火) 11:15:58 ID:
コーネリア「……それで、この結果か」

ルルーシュ「すみません、騎士団は取り逃しました」

コーネリア「いや、単騎でよくここまでやったものだと褒めている」

コーネリア「ギルフォード、内部にいた残党は拘束したか?」

ギルフォード「全て恙無く」

ギルフォード「…しかし、このガウェインというナイトメア、恐ろしい性能ですね」

ギルフォード「枢木のランスロットも破格でしたが、たった二機でキュウシュウの戦術拠点を一つ落としてしまうとは」

コーネリア「…もしかしたら、我々はナイトメアという兵器を研究してはならん段階まで持って行ってしまったのかもしれんな」

コーネリア「だがルルーシュ、CC、よくやった」

コーネリア「枢木は向こうだ、報告くらいしてやれ」

ルルーシュ「はっ、了解しました」

466:2013/02/26(火) 11:20:58 ID:
コーネリア「……」

ギルフォード「姫様?」

コーネリア(ルルーシュが早速武功を上げたぞ…)

コーネリア(首謀者は取り逃したが、それは我々にも止められたかどうか)

コーネリア(むしろ、これだけの規模の戦闘をしたにも関わらず、死者も重篤な負傷者もいない)

コーネリア(逃げる者には剣を向けない、まさに騎士の精神)

コーネリア(さすが我が弟……)

ギルフォード(私には分かる)

ギルフォード(一見いつもの険しいお顔だが、内心転げ回りたいほど喜んでおられる)

ギルフォード「おい、そこの兵」

兵士「はっ、何でしょうか」

ギルフォード「あと30分はここに人を近付けるな」

ギルフォード「話は私を通すよう徹底しろ」

兵士「?了解しました」

ギルフォード(姫様の平穏は、私が守る…)

467:2013/02/26(火) 11:24:52 ID:
ルルーシュ「スザク」

スザク「あ、ルルーシュ、お疲れさま」

スザク「まったく、戻ってみれば殆ど終わってるんだもん、酷いや」

ルルーシュ「はは、手応えのない相手だったな」

CC「おいおい、あまり調子に乗るんじゃない」

ルルーシュ「冗談さ」

ルルーシュ「それはそうと、カレンはそこで何をやっているんだ?」

カレン「あたし?ランスロットのメンテ前チェック」

カレン「てか、あたしの紅蓮よりエナジー食うって結構なことよね」

ルルーシュ「ランスロットはどこにそんなエネルギーを使っているんだ?」

スザク「えっと……」

カレン「…はぁ、自分の機体特性くらい把握しときなさいよ」

468:2013/02/26(火) 11:35:35 ID:
カレン「いーい?ランスロットは他のナイトメアとは構想段階から異なっているの」

カレン「試作機故にコストパフォーマンスは度外視されて、異常なまでのサクラダイト量」

カレン「それを反応させるだけだって、かなりのエナジーを消耗するわ」

カレン「それにMVS、ブレイズルミナス、ヴァリスと高出力だったり運用にエナジーが必要な装備も多い」

カレン「それとハーケンブー……」

ロイド「はぁいストップ」

カレン「もがっ……ロイドさん?」

ロイド「それはだぁめって言ったはずだけどぉ?」

カレン「あっ……すみません」

CC(なあルルーシュ)

ルルーシュ(なんだ?)

CC(あいつ、最近メカに詳しくないか?)

ルルーシュ(確かにな…俺もガウェインの整備など出来んし)

CC(本人は自覚しているか微妙なところだな)

ルルーシュ(まあ、詳しくて困ることもないだろう)

469:2013/02/26(火) 11:42:10 ID:
ロイド「ま、それだけエナジーがシビアな機体だけどぉ」

ロイド「その分パワーウェイトレシオは現行機体を圧倒的に凌駕しているからねぇ」

スザク「ぱ、ぱわー?」

カレン「出力荷重比」

カレン「ランスロットはあのサイズに見合わないほどパワーがあるの」

カレン「要は、その有り余った力で、より人間に近い、もしくは人間を超えた挙動が可能になるってことよ」

スザク「な、なるほど」

CC(…あのままロイドやラクシャータのようになるのかな?)

ルルーシュ(白衣もまあ似合わなくはないだろう)

カレン「そこ!こそこそうっさいのよ」

カレン「あたしだって、別に好きで詳しくなったわけじゃないし」

カレン「ただ、あんまり出撃ないから暇で…」

カレン(騎士団の方にも行けないしなぁ)

470:2013/02/26(火) 11:44:01 ID:
CC「落ち込んでしまったぞ」

ルルーシュ「言いすぎたか?」

ロイド「ふふ、君たちも勉強してみるぅ?」

CC「遠慮しておこう」

ルルーシュ「機会があればまたいつか」

カレン「うう……」

ユーフェミア「あ、ルルーシュ!」

ルルーシュ「ユーフェミア様?」

ユーフェミア「貴方にお話があって来ました」

ルルーシュ「話?」

ユーフェミア「お願いします、こちらに来て下さい」グイッ

ルルーシュ「わ、分かり…」

カレン「ちょ、ちょっと」

ユーフェミア「?何でしょう」

472:2013/02/26(火) 11:49:39 ID:
カレン「スザクは命懸けの任務から帰って来たのよ?」

カレン「貴方の騎士でしょ?労いの言葉くらいかけなさいよ」

スザク「か、カレン、僕は別に…」

カレン「うっさい、あんたは黙ってて!」

ユーフェミア「…スザク、お疲れ様でした」

ユーフェミア「ですが、今後の為に必要な話です、分かって下さい」

スザク「は、はっ!」ビシッ

カレン「何をそんな簡単に納得してんのよ」

ユーフェミア「…カレンさん」

カレン「何よ」

ユーフェミア「わたくしはこの国の行く末を見据えようとしています」

ユーフェミア「どうか、邪魔しないで下さい」

カレン「邪魔って…あんたねぇ」

スザク「か、カレン」ガシ

473:2013/02/26(火) 11:54:18 ID:
カレン「離しなさいスザク!このお姫様にあたしの拳の味を教えてあげるわ!」ジタバタ

スザク「ユーフェミア様、行ってください」

ユーフェミア「行きましょうルルーシュ」

ルルーシュ「い、いいんですか?」

ユーフェミア(ゼロにお話がある、そう言えば分かって頂けますか?)

ルルーシュ「!!」

カレン「こらー!ルルーシュものこのこ付いてってんじゃないわよ!」

スザク「カレン、落ち着いて」

CC「…止めないのか?」

ロイド「だあって、まさに人間模様ってやつでしょお?」

ロイド「うーん、青春だねぇ」

CC「……ふふ、やはり面白いなお前は」

ロイド「お褒めに預かり光栄ですよぉミセス」

スザク「これ以上言うと、侮辱罪とかに…」

カレン「んなこたどーだっていいのよ!」

474:2013/02/26(火) 12:03:13 ID:
~アヴァロン医務室~

ユーフェミア「ここなら、鍵も掛けられますし、人もいません」

ルルーシュ「なるほど、今は皆外だからな」

ユーフェミア「無理やり連れて来てしまってごめんなさい」

ユーフェミア「カレンさんとスザクにも、後で謝らないと」

ルルーシュ「その時は俺も一緒に行くさ」

ユーフェミア「ふふ、お願いします」

ルルーシュ「…それで?話というのは?」

ユーフェミア「そうです、それです」

ユーフェミア「わたくし、日本を作る方法を思いつきました!」

ルルーシュ「……詳しく聞かせてくれ」

ユーフェミア「もちろんです」

481:2013/02/26(火) 14:18:32 ID:
ルルーシュ「……なるほど、行政特区か」

ユーフェミア「はい」

ユーフェミア「この国の人々は、自分たちの国がないことを嘆いています」

ユーフェミア「わたくしは今まで見てきて、国とは土地ではなく、心なのだと思いました」

ユーフェミア「ですから、せめてその中では皆さんが日本人と名乗り、ブリタニア人に虐げられることのない」

ユーフェミア「そんな世界を作りたいのです」

ユーフェミア「どうでしょう?これにゼロが、黒の騎士団が参加して下されば」

ルルーシュ「……一部ではあるが、日本が完成する」

ユーフェミア「今回のサワザキがやろうとした独立です」

ユーフェミア「これなら、副総督のわたくしの権限でも可能だと思います」

ルルーシュ「ふむ……」

482:2013/02/26(火) 14:24:25 ID:
ユーフェミア「ダメでしょうか?」

ルルーシュ「ん?ああ、そういうわけじゃない」

ルルーシュ「構想自体は、俺もやりたいことは同じだ」

ユーフェミア「それでは、賛同していただけますか?」

ルルーシュ「……」

ユーフェミア「あら?」

ルルーシュ「……ユフィ、どうせならもう少し面白くしないか?」

ユーフェミア「面白く?」

ルルーシュ「ああ」

ルルーシュ「君と俺が力を合わせれば……」ゴニョゴニョ

ユーフェミア「え!?…しかし、それには爵位レベルの……」

ルルーシュ「だから、……して、……をだな」

ユーフェミア「なるほど……それではわたくしは……」

ルルーシュ「そうだ、それでいい」

ユーフェミア「本当に可能なのでしょうか?」

484:2013/02/26(火) 14:30:01 ID:
ルルーシュ「前例は無いが、規則上不可能ではない」

ルルーシュ「それに、この方が騎士団の説得はしやすいだろう」

ユーフェミア「それはそうですわね」

ユーフェミア「でも、何よりとっても楽しそう!」

ルルーシュ「ふふ、昔姉上にしたイタズラを思い出すな」

ユーフェミア「はい!あれもとっても楽しかったです」

ユーフェミア「そのあと、とっても怒られましたけど」

ルルーシュ「また一緒に怒られるしかないな」

ユーフェミア「ふふ、そうしましょう」

ユーフェミア「……ルルーシュ」

ルルーシュ「ん?何だい?」

ユーフェミア「最近、スザクとカレンさんを見ていると」

ユーフェミア「何だか、こうもやもやするんです」

ルルーシュ「……そうか」

ユーフェミア「この気持ちは、一体なんなのでしょう?」

485:2013/02/26(火) 14:36:36 ID:
ルルーシュ「…それを教えることは、俺には出来ないよ」

ユーフェミア「?何故です?」

ルルーシュ「それは、ユフィが自分で考えるべき問題だからだ」

ルルーシュ「俺にも経験がある、直ぐにわかるさ」

ユーフェミア「CCさんに、ですか?」

ルルーシュ「…いや、違う」

ルルーシュ「そうだな、今度うちの学園で学園祭がある」

ルルーシュ「それに来てみたらどうだ?」

ルルーシュ「スザクといろいろ回ってみればいい、何かに気付けるかもしれんからな」

ユーフェミア「……そうですか」

ユーフェミア「でも、学園祭というのは面白そうですね」

ユーフェミア「わかりました、行ってみることにします」

486:2013/02/26(火) 14:41:30 ID:
ユーフェミア「それではルルーシュ、さっきのお話、頑張りましょうね」

ルルーシュ「ああ、今のところは秘密にしておく必要がある」

ルルーシュ「根回しが終わり次第、好きなタイミングで公表してくれ」

ユーフェミア「はい、わたくしにできる事があれば、また言って下さいね」

ユーフェミア「さあ、戻りましょうか」

ルルーシュ「そうしよう」

ルルーシュ(その気持ち、俺が初めて感じたのはユフィ、多分……)

ルルーシュ(それにしてもCCか……そう言えば、そんな気持ちになった事があっただろうか)

ルルーシュ(……どこか、安心しているんじゃないか?……分からない)

ルルーシュ(……だが、急ぐ事も無いだろう、時間はまだまだある)

ルルーシュ(今は日本だ、俺の事は後回しでいい)

ユーフェミア「……」

ユーフェミア(ルルーシュ…)

487:2013/02/26(火) 14:52:14 ID:
~少し戻って、アヴァロンナイトメア格納庫~

スザク「カレン、落ち着いたかい?」

カレン「……ええ」

CC「ルルーシュにはここにいると連絡しておいた」

スザク「ありがとうございます、CCさん」

CC「そんな他人行儀にならなくていい」

CC「私も枢木ではなくスザクと呼ぼう」

スザク「そう?それじゃあ、ありがとう、CC」

CC「うむ、それでいい」

カレン「…はあ、何やってんだろ、あたし」

CC「いつもの事じゃないか」

カレン「何?喧嘩売ってるなら買うわよ」

CC「いつもと違うのは、そうやってしみったれているところくらいのものだ」

カレン「……分かってるわよ」

488:2013/02/26(火) 14:52:59 ID:
CC「スザク、少し出ていてくれないか?」

スザク「?別に構わないけど」

CC「私はこのしょぼくれレッドに話があるんでな」

カレン「変なあだ名つけてんじゃ無いわよ」

スザク「じゃあ、僕は外にいるから」

CC「ああ、そうしてくれ」

489:2013/02/26(火) 15:02:15 ID:
CC「……で?何をそんなにイライラしている?」

カレン「……」

CC「私はエスパーじゃない、話してくれないと何も分からないぞ」

カレン「……何か、いろいろ認めたくないというか、自分でもよく分からないというか」

CC「スザクについてか?」

カレン「……うん」

CC「好きなのか?」

カレン「……よくわかんない」

CC「そうか」

カレン「問い詰めないの?」

CC「人の気持ちなんてそんなものだ」

CC「何もかも理解できるわけじゃない」

CC「無論、自分自身にもな」

490:2013/02/26(火) 15:06:32 ID:
CC「それで?何でユーフェミアに食ってかかる?」

カレン「……多分だけど、スザクはユフィのことが好きだと思う」

CC「ほう?」

カレン「そんで、ユフィもスザクのこと好きじゃないかって思う」

CC「相思相愛か、運がなかったな」

カレン「それは別にいいの、恋って呼べる程はっきりした気持ちじゃないし」

カレン「ただ、頑張ってきたスザクに目もくれないでルルーシュに話しかけるなんて、酷いじゃない」

CC「…なるほどな」

カレン「そう思ったら、普段の鬱憤とか全部まとめて出てきちゃった」

カレン「ゼロからの命令がきた時も、待機だって分かると喜んでる自分が居たりして」

カレン「なんかぐちゃぐちゃしちゃってさ」

491:2013/02/26(火) 15:15:10 ID:
CC「…カレン」

カレン「何?バカみたいな悩みでしょ?」

カレン「別に笑ってくれても…」

CC「笑わないさ」ギュッ

カレン「し、CC?」

CC「お前は出会った頃から、一番印象が変わった」

CC「初めて見た時は、大人しいお嬢様」

CC「次は荒々しいレジスタンス」

カレン「ちょっと、やめてよ…」

CC「だが、今のお前は等身大の女の子だ」

CC「作ったキャラクターも、張り詰めた緊張感もない」

CC「すごく自然だ」

カレン「……もう、何なのよ」

CC「カレン、お前はそんなに悩めるほど、他の奴らと親密になったということだ」

カレン「え?」

492:2013/02/26(火) 15:21:23 ID:
CC「正解かは分からないが、私が答えをやろう」

CC「お前がスザクに抱く感情、それは友情だ」

カレン「友情?」

CC「お前は今まで、スザクやルルーシュとふざけ合ったり、訓練したり、一緒の時間が多かった」

CC「ルルーシュは私と居ることも多かったから、自然スザクとの時間が増えただろう」

CC「だが、そんな奴の気持ちがユーフェミアに向かうのを感じて、寂しくなったんだ」

カレン「寂しく?」

CC「仲の良い友人が、別の友人と話していると、何だか気持ちがざわつくだろう?」

CC「それと一緒さ」

CC「そして、それでも友人を尊重しようとしたら」

CC「当の本人が蔑ろにされていた」

CC「怒るのも無理はない」

カレン「…そう、なのかな?」

493:2013/02/26(火) 15:30:02 ID:
CC「言っただろう?正解かは分からない」

CC「もしかしたら、お前は本当にスザクに恋をしていたのかもしれない」

CC「それを決めるのは、まさにお前の心だ」

カレン「あたしの、心……」

CC「ふふ、悩め悩め」グリ

カレン「痛っ、痛いってば」

CC「……ゼロの事は私に任せろ」

カレン「え?」

CC「私もラクシャータもいる、お前は自分のことをまず考えればいい」

CC「カレンの力が必要になる時が、必ず来る」

カレン「CC……」

カレン「…ごめん、あと、ありがと」

カレン「もう少しそうやっててくれない?」

CC「どうした?甘えたくなったか?」

494:2013/02/26(火) 15:33:17 ID:
カレン「ふふ」

カレン「何か、落ち着く」…スゥ

CC「……安心して寝る、まるで子供だな」

CC「よく考えれば、昨日今日で一番動いているのはカレンかもしれないな」

CC「…まあ、ゆっくりするといいさ」

スザク「……」ソ~

CC「そんなところで覗き込まなくていい」

CC「もう話は終わった」

スザク「あ、そう?」

スザク「……どうしてカレンが寝ているんだい?」

CC「疲れたんだろう、そっとしておいてやれ」

スザク「うん、そうするよ」

495:2013/02/26(火) 15:44:53 ID:
ルルーシュ「おや、これまた不思議な状況だな」

ユーフェミア「本当ですね」

CC「お帰り」

スザク「あ、僕コーヒー持ってくるよ」

ユーフェミア「わたくしも手伝います」

スザク「え?いや、そんなことをユーフェミア様にさせるわけには…」

ユーフェミア「ふふ、ここには仲の良い方々しかいらっしゃらないのですし」

ユーフェミア「わたくしはただのユフィ、よろしいですね?」

スザク「……」

ユーフェミア「返事は?」

スザク「イエス、ユア、ハイネス!」

ユーフェミア「もう、そうではないでしょう?」

スザク「わ、分かったよ、ユフィ」

ユーフェミア「よろしい」

496:2013/02/26(火) 16:01:31 ID:
CC「……話は纏まったか?」

ルルーシュ「ああ、問題ない」

CC「後で話は聞かせてくれるんだろうな?」

ルルーシュ「当然だ」

CC「……ふふ」

ルルーシュ「ん?どうした?」

CC「いや、何だか不思議に感じてな」

ルルーシュ「何がだ?」

CC「私に話してくれるのは、今や当然になったのだなぁ、とな」

CC「最初のころは、時が来れば、とか、その時になれば、とかが多かった」

ルルーシュ「そうだったか?」

CC「ふふ、私はそう簡単に忘れないぞ?」

ルルーシュ「……まあ、ここまで一緒にやって来たんだ」

ルルーシュ「もはや隠すことなど何もない」

CC「…そうだな」

497:2013/02/26(火) 16:08:15 ID:
ルルーシュ「騎士団の方と神楽耶も、また調整する必要があるな」

CC「おい、カレンも居るんだ、滅多な話はするんじゃない」

ルルーシュ「大丈夫さ、ぐっすり眠っている」

ルルーシュ「それよりCC、実は俺たちに別のミッションが下ってな」

CC「別のミッション?」

ルルーシュ「シャーリーの父親が食事のお誘いだ」

CC「断らないのか?」

ルルーシュ「正直断ってもいいのだが」

ルルーシュ「シャーリーにどうしてもと頼み込まれていてな」カチカチ

CC「……なるほど、メールなのに必死さが伝わってくるとは、文才があるのかもしれないな」

ルルーシュ「ともかく、今回だけ誘いを受けるつもりだ」

ルルーシュ「お前も来てくれるか?」

CC「仕方ないな」

ルルーシュ「助かる」

498:2013/02/26(火) 16:14:02 ID:
スザク「ルルーシュ、CC、コーネリア様が今回の作戦報告会議に出ろってさ」

スザク「僕も行かないとだから、すぐに来て」

ルルーシュ「む、分かった」

ルルーシュ「CC、行こう」

CC「……カレン、すまないな」スッ

CC「毛布を掛けておこう」

ルルーシュ「俺の上着も貸してやる、枕にでもすればいい」

CC「なかなか気が利くじゃないか」

ルルーシュ「茶化してる場合か、行くぞ」

CC「ああ」

たったった………

カレン「……」ムク

カレン「どうして、ルルーシュが騎士団や神楽耶様の話をCCとしていたの……?」

カレン「まさか……」

525:2013/02/28(木) 00:50:59 ID:
~フェネット邸~

CC「……かなり大きいな」

ルルーシュ「そもそもフェネット氏は鉱石やその分布に関しては権威といってもいい」

ルルーシュ「シュナイゼルの影はチラつくが、本人は調査に力を注ぐ研究者だ」

ルルーシュ「そもそも、アッシュフォードは有名な坊ちゃん学校だぞ?想像はつくじゃないか」

CC「それにしたって、相当だろう」

ルルーシュ「ブリタニア人の上流層なんて、みんなこんなものだ」

ルルーシュ「カレンの家を知っているか?調べたら凄いぞ?」

CC「こんなところで格差を実感するとはな」

ルルーシュ「格差は無くせない」

ルルーシュ「だが、納得する形で是正することは可能だ」

526:2013/02/28(木) 00:52:26 ID:
ルルーシュ「俺の思う日本には、それも不可欠な課題だからな」

ルルーシュ「ブリタニア人と日本人が、対等な立場で居られる」

ルルーシュ「まずはそこから始めなくてはならない」

CC「相変わらず面倒事を盛り込むのが得意だな」

CC「まあいい、あまり待たせても悪いからな」

ルルーシュ「そうだな」スッ

CC「エスコートも様になってきたじゃないか」

ルルーシュ「慣れた、と言うほどこんな機会もないがな」

CC「いい傾向だ」

CC「それではよろしく頼むよ、騎士様」

ルルーシュ「……仰せのままに、姫君」

CC「…ふふ」

527:2013/02/28(木) 01:03:26 ID:
フェネット「おお、来てくれましたか」

ルルーシュ「お招きありがとうございます」

CC「本日の会食、楽しみにしていましたわ」

フェネット「いやぁ、是非お礼がしたくてね」

フェネット「シャーリー、そんなところに隠れていないで、こっちに来なさい」

シャーリー「お、お父さん、私にだって心の準備が……」

シャーリー「あ……ルルにCCさん」

シャーリー「いらっしゃい」

ルルーシュ「あ、ああ」

シャーリー「ご、ごめんね」

シャーリー「ドレス、似合うのがなかなか見つからなくて……」

529:2013/02/28(木) 01:07:43 ID:
ルルーシュ「…いや、よく似合っているよ」

シャーリー「そ、そう?」

ルルーシュ「ああ、シャーリーは明るい色が似合うな」

シャーリー「え、えへへ…」

CC「……」ピシッ

ルルーシュ「痛っ…」

シャーリー「え?何?」

ルルーシュ「あ、いや…何でも無い」

フェネット「ははは、若いというのはいいものですな」

フェネット「ルルーシュさん、こちらに心ばかりの食事を用意しました」

フェネット「シャーリー、お二人を連れて来てくれ」

シャーリー「はい、お父さん」

ルルーシュ「……ふむ」

530:2013/02/28(木) 01:17:48 ID:
シャーリーは私の予定だとかなり重要なお仕事がありますよ。生死は……ふふ

ルルーシュ「シャーリーはお父さんっ子なんだな」

シャーリー「うん、お父さんあまり帰ってこないけど」

シャーリー「いつも気に掛けてくれるし、優しいから大好き」

シャーリー「…ごめんね、今日は無理矢理頼んじゃって」

ルルーシュ「いや、そんなことはないよ」

ルルーシュ「なあ?」

CC「はい寧ろ嬉しいです」

CC「ルルーシュさんのお仕事が人のお役に立てたという事ですから」

シャーリー「うう、本当はもう少し軽い話だったんだけど」

シャーリー「お父さん張り切っちゃって」

531:2013/02/28(木) 01:26:41 ID:
シャーリー「今もワインを取りに行ってると思う」

シャーリー「すっごい高いの」

ルルーシュ「俺たちは未成年だが…」

シャーリー「うん、そうなんだけどね」

シャーリー「CCさんは飲めるよね?」

CC「ギリギリですけど」

シャーリー「少し付き合ってあげて欲しいな」

シャーリー「ダメ?」

CC「…いいえ、そんなことありませんよ」

シャーリー「それじゃ、席はそっちの二つだから」

シャーリー「うち、料理以外のメイドさんは週のお掃除くらいしかいなくて」

ルルーシュ「構わないさ」グイ

CC「あら、ありがとうございます」

ルルーシュ「別に気にすることないさ」

シャーリー「……」

532:2013/02/28(木) 01:33:29 ID:
フェネット「いやぁ、お待たせしてしまった」

フェネット「ふふ、この秘蔵の品を披露したくてね」

ルルーシュ「いえ、お気になさる程では」

フェネット「そういってもらえると助かるよ」

フェネット「さあ、料理を楽しむとしよう」

ルルーシュ「ええ」スッ

CC「そうですね」スッ

フェネット「む?何ですか?そのお祈りは」

ルルーシュ「え?」

CC「……あ」

シャーリー「お父さん、日本の風習だよ」

フェネット「ああ、そう言えばCCさんはハーフでしたね」

フェネット「よし、今日から私もやってみよう」パンッ

フェネット「シャーリーも、さあ」

シャーリー「もう、すぐ影響されるんだから」

533:2013/02/28(木) 01:37:11 ID:
フェネット「それで?ここからどうするんだい?」

ルルーシュ「…いただきます」

フェネット「なるほど、いただきます、か」

フェネット「いいじゃないか、食に礼を尽くすのは素晴らしい」

CC「いただきます」

シャーリー「い、いただきます」

シャーリー「何だか、変な感じ」

CC「私とルルーシュさんが今住んでいるのは、ナンバーズ用のアパートなので」

CC「どちらかと言えば日本の風習や文化が多く残って居るんですよ」

シャーリー「そうなんだ…遊びに行ったりしたことないから知らなかった」

シャーリー「怖くないの?」

CC「悪い方ばかり居るわけではありませんよ」

534:2013/02/28(木) 01:45:15 ID:
ルルーシュ「その通りだ」

シャーリー「ルル?」

ルルーシュ「別にナンバーズだとか、ブリタニア人だとかはあまり関係がない」

ルルーシュ「貧困や迫害は、治安に影響を与える」

ルルーシュ「今の現状は、ブリタニアの杜撰な支配から生まれたにすぎない」

シャーリー「えーっと…」

フェネット「つまり、環境で人は変わるということさ」

フェネット「さすがはルルーシュさん、おっしゃることが違う」

ルルーシュ「いえ、まだまだ若輩ですので…」

ルルーシュ「どうぞただの学生として接して下さい」

フェネット「…そうかね?まあ気後れすると本来の目的を損なってしまうかもしれないし」

フェネット「お言葉に甘えさせて貰おうか」

535:2013/02/28(木) 01:49:52 ID:
ルルーシュ「是非そうして下さい」

シャーリー「……」

CC「シャーリーさん?どうかしましたか?」

シャーリー「え?あ、うん」

シャーリー「何だか、そんなに時間が経った訳でもないのに」

シャーリー「ルルが凄い大人になっちゃったような気がして」

CC「…まあ、普段から大人の方に囲まれていますし」

CC「それに、最近昇進しましたから」

シャーリー「え?」

フェネット「そうなのかね?」

ルルーシュ「……ええ、まあ」

ルルーシュ(…余計なことを)

CC(気にするな、そういうこともある)

ルルーシュ(……まったく)