1: 名無しさん 2018/07/19(木) 23:40:03.74 ID:7CbCg0TH0
 私は高森藍子、CGプロダクションに所属するアイドルです。

藍子「ふふっ、今日は雪乃さんからもらった紅茶を淹れてみたけど……上手に出来たかな?」

 実は私、担当してくださっているプロデューサーさんのことが……大好きなんです。
 いつも私の為に頑張ってくださって、お仕事が上手く出来たときは褒めてくれて、失敗しても一緒に悩んでくれて。

藍子「プロデューサーさん、そろそろ休憩時間みたいだから……レッスンに行く前に、少しお話しちゃおう♪」

 そんな優しくてあったかいPさんとは、お仕事が終わった後にこっそりと2人で晩ご飯を食べに行ったことや、オフの日にみんなには内緒でお出かけしたり……ちょっと、いい雰囲気になることもあったりします。

藍子「Pさん、お茶が――」

 もしかして……Pさんも、私のことが――。


愛海「ねーねー、Pさんってどんな女の人が好みなの?」

P「そりゃもちろん、おっぱい大きい女性が好みに決まってるだろう。男ならみんなそうだ」

愛海「やっぱり立派なお山が最高だよねぇー」


ガシャーンッ!!!!

藍子「」ダッ!!


――私は失恋した。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1532011203

引用元: ・藍子「私は高森藍子、Pさんのことが大好きな16歳です!」

2: 名無しさん 2018/07/19(木) 23:41:15.81 ID:7CbCg0TH0
藍子「うううう~!! うう、ひぐっ! ううええぇぇえええ」

夕美「ど、どうしたの藍子ちゃん!? そんな地鳴りみたいな声を上げながら泣いて……!?」

藍子「ゆ、夕美じゃああああん……」

夕美「よしよし、、泣かない泣かない、何か嫌なことでもあったの?」

藍子「うぉえああいあああううううああああいいぃー……」

夕美「えっ、なになに……Pさんのことが好きだけど、Pさんの好みの女の人はおっぱいが大きい人……う、うーん……そうなんだ」

藍子「ぐすっ……だから、私、一人で勝手に舞い上がって……ホントに、バカみたいで……」

夕美「ば、バカじゃないよ! 藍子ちゃん、Pさんのことが好きって、すっごくステキなことだと思うよ!」

夕美「そっ、それに……おっぱいだって、これから大きくなるかもしれないし……」

藍子「でもっ……私、も、もっ、う、16歳で……」

夕美「大丈夫! バストアップとか、エクササイズやマッサージだって色々あるんだよ! 私も一緒に手伝ってあげるから、これから頑張ろう?」

藍子「夕美ちゃん……は、はい! 私、頑張ります!」


――それから私の猛特訓が始まりました。

……
…………

3: 名無しさん 2018/07/19(木) 23:50:12.73 ID:7CbCg0TH0


夕美「こう、もうちょっと肩を引いて、ゆっくり……そうそう」

藍子「んっ、んっ! エクササイズも大変……」



夕美「えっと、ネットだと……このサプリメントがいいみたいだけど……」

藍子「副作用がないやつ……これがいいのかなぁ」



夕美「寝るだけでバストアップブラ! これも試してみよう!」

藍子「もう何でもいいから手当たり次第ですね……」



藍子「なんだか最近、胸がきつくなったような……?」

夕美「もしかして効果が出てきてるのかも!」


……
…………

4: 名無しさん 2018/07/19(木) 23:59:09.94 ID:7CbCg0TH0
――しばらくして


藍子「今日も帰ったら、ちゃんと時間通りにエクササイズをして……」ブツブツ

夕美「私も今日はもうオフだから一緒に手伝ってあげる!」

藍子「ありがとうございます。あ、あそこにPさんが――」



愛海「こうさ、やっぱりお山の形もそうだけど全体的なスタイルも重視するとね、もっとこう……」

P「そうだなぁ……文香くらいのスタイルであのおっぱいの大きさは良いもんだ……こう、大変満足できる」

愛海「そうだよねぇー! やっぱりトップとアンダーの差もそうだし、ウエストの細さも重要というか……」

愛海「より険しく見えて登り甲斐があるんだよねぇー」


ガシャーンッ!!

藍子「」ダッ!!

――私の努力は無駄に終わった。


5: 名無しさん 2018/07/20(金) 00:07:04.52 ID:rLITqQy10
藍子「うううう~!! うう、ひぐっ! ううええぇぇえええ」

夕美「落ち着いて藍子ちゃん! さっきのは愛海ちゃんのお話だから、ね!?」

藍子「理想が文香さんなんて現実は酷すぎます! 私の16年は74で、文香さんの19年は84なんですよ!?」

藍子「あまりにも高い壁で、10年経っても文香さんみたいなおっぱいの大きさになることなんて無理ですよ!!」

夕美「いや高い壁っていえば藍子ちゃんのほうが……」

藍子「うわあああああああんっ!!」

夕美(しまった……)

文香「どうか……しましたか? 私の名前を……呼ばれたような……」

夕美「あ、文香さん、あのね。実は……」ライライライラック

文香「……Pさんの、好みの女性が……胸の大きな女性、ですか」ブラブラブライトブルー

藍子「うぉえああいあああううううああああいいぃー……」

文香「えっと……それで……女性の例えとして、私の名前を出していた、ということですか……」

文香(勝った……)フッ

6: 名無しさん 2018/07/20(金) 00:08:18.77 ID:rLITqQy10
藍子「うううううう~! ひぐっ! ううううう~!!」

文香「……藍子さん、その、私がこのようなお話をするのも、説得力がないと思いますが」

文香「Pさんの……お話は、あくまで、外見的な好みのお話です……」

文香「それ以外にも……Pさんの、女性を好きになる要素が……あるかもしれません」

文香「それを確認して……そちらを目指してみては、如何でしょうか……?」

夕美「そ、そうだよね! 人間中身が大事、結婚する夫婦だって、お互いに気の合う人がいいって言うもんね!」

文香「まあ、外見も好みであるほうが良いに決まっていますが」ボソッ

夕美「ん、何か言った文香さん?」

文香「いえ……それでは、Pさんに……お話を聞いてみましょうか……」

藍子「文香さん、夕美ちゃん……は、はい! さっそく聞いてみましょう……!」


……
…………

7: 名無しさん 2018/07/20(金) 00:09:41.53 ID:rLITqQy10

ちひろ「んー……! もうそろそろで定時ですねぇ」

P「今日は残業無しで帰れそうですね」



夕美「……大丈夫かな?」コソコソ

文香「ちひろさんに……事情はお話しました。こういったお話であれば、Pさんも……ちひろさんとなら、お話しやすいかと」

藍子「お願いします、ちひろさん……!」



ちひろ「おっ、Pさん、いま読んでる雑誌にカップルの話が載ってるんですけど」

P「漫画読むなら定時になってからにしてくださいよ」

ちひろ「残念、私のお仕事はもう終わりましたー。理想のカップルの条件とか色々書かれてて思ったんですけど、Pさんの好みの女性ってどんな人ですか?」

P「俺ですか? うーん、やっぱりおっぱいが大きい女性がいいですね」


藍子「」ガッ! ガッ!

夕美「お、落ち着いて藍子ちゃん、まだだから!」


ちひろ「そうじゃなくて、外見以外に何かないんですか? 外見良くても性悪女だったら嫌じゃないですか?」

P「んー、そうですねぇ……」


P「雰囲気的にエッチな人がいいですね」


ガシャーンッ!! バキバキッ!!!!

藍子「」ダッ!!


――私に突き付けられたのは、絶望の二文字だった。

8: 名無しさん 2018/07/20(金) 00:12:11.10 ID:rLITqQy10
藍子「うううう~!! うう、ひぐっ! ううええぇぇえええ」

夕美「落ち着いて藍子ちゃん! エッチな雰囲気なら頑張れば出せるはずだよ!」

藍子「無理です! アインフェリアには存在自体がエッチな人がいるじゃないですか!!」

夕美「あ」

文香「あ」

藍子「うおおおおおぉぉぉん! ひっく、ああああああ~……!!」

美波「どうしたのみんな? 何か今、呼ばれたような気がしたけど……」

夕美「呼んでないよ!」

藍子「うぉえああいあああううううああああいいぃー……」

美波「えっ!? Pさんが私みたいな女性が好み……!?」

藍子「わっ、私……ぐすっ、私じゃ、美波さんみたいに……なれないんですぅ……」

美波(勝った……)フッ

美波「大丈夫よ、藍子ちゃん」

藍子「美波さん……」

美波「藍子ちゃんなら、もっと素敵な人が見つかるわ」

藍子「うわあああああああんっ!!!!」

夕美「追い打ちやめて!!」

9: 名無しさん 2018/07/20(金) 00:13:29.73 ID:rLITqQy10
藍子「ううううう……」

夕美「そ、そうだ! 藍子ちゃん、いっそのことPさんに告白しちゃおう!」

文香「え」

美波「え」

藍子「で、でも……」

夕美「もう何かなんでもいいけど、最後に勝つのは愛の力だから、藍子ちゃんの愛をPさんにぶつけてみようよ!」

文香「い、いえ……夕美さん、それは……」

美波「そっ、そうね、考えも無しに動くのは危険というか……」

夕美「……」

文香「……」

美波「……」

夕美「まさか2人共――」

美波「いきましょう藍子ちゃん! Pさんならまだ事務所に残ってるはずよ!」

文香「善は……急げと、いいます」

夕美(怪しい……)


……
…………

10: 名無しさん 2018/07/20(金) 00:14:36.14 ID:rLITqQy10
夕美「Pさん!」バンッ!

P「どうした? アインフェリアが揃いも揃って……ありすは今日は学校だったか」

文香「ええと……」

美波「あ、藍子ちゃんが、お話したいことがあるみたいで……」

藍子「……」

P「ん、どうした? 来週収録予定のSAS○KEについての話か? コースの説明なら――」

藍子「Pさん!」

P「……」

藍子「あの……わ、私……Pさんのことが、す、好き……なんです……!!」

文香(あああああ……)

美波(言っちゃったぁ……)

P「……そう、だったのか」

P「……藍子には、話したことがなかったな」

藍子「……」ピクッ!

P「正直に言ってしまうが、俺の好みの女性は……おっぱいが大きくてエッチな女性なんだ」

藍子「知ってます……」

P「えっ」

11: 名無しさん 2018/07/20(金) 00:16:20.71 ID:rLITqQy10
P「……ただ、そんなことは関係なく、俺も藍子のことは好きだぞ」

美波「えっ!?」

文香「えっ!?」

夕美「驚かないでよ!」

藍子「Pさん、じゃあ……!」

P「ただし! 俺も大人だ。そして藍子はまだ高校生だ。まだまだ色んなことを覚える時期だし、たくさん考えることもあるだろう」

P「そうだな……藍子はまだアイドルもやってるし、10年後くらいかな。まだ俺のことが好きだったら……もう1回、この話をしようか」

藍子「Pさん……はい!」

夕美(よかった……何とか上手くまとまってくれて……10年って絶対適当な数字で誤魔化したんだろうけど)

美波「……」

文香「……」


……
…………

12: 名無しさん 2018/07/20(金) 00:16:50.73 ID:rLITqQy10
――数日後

藍子「はいPさん、お茶ですよ」

P「おお、すまんな藍子。ちょっと休憩でもするか……」

藍子「あ、それなら納戸にお菓子が入ってたはず……」

夕美(はぁ……何とか落ち着いたみたいだし、よかったよかった)


ガチャッ


文香「おはよう……ございます」

夕美「文香ちゃ……!?」

P「おは……って文香、なんだその格好は!?」

文香「今日は……暑いので、この服なら、涼しいかと……思いまして……」

P「いやいや、そんな背中が思いっきり空いたセーターなんか着て……てか背中が空いてるとはいえ夏にセーターは自殺行為だろ」

文香「はい……暑いです……なので、脱いでも、よろしいでしょうか……」グッ!

P「……!」

夕美「だ、ダメだよ文香さん! ちょっと、Pさんも見てないで!」

P「お、おお、悪い悪い……」

13: 名無しさん 2018/07/20(金) 00:18:07.16 ID:rLITqQy10
ガチャッ!

美波「おはようございます……なんだか、今日は賑やかね」

P「お、美波か。おはよう」

美波「おはようございます。あ、そうですPさん、ちょっといいですか?」

P「どうした?」

美波「実は……この前のライブで着た衣装なんですけど、何だか少し苦しい感じがして……」

P「そうか? 採寸があってなかったんだろうか」

美波「それがですね、ここから……この胸の部分のところまで……」ツツツ……

美波「……この部分まで、ずっと苦しかったんです」モミッ

P「……!」

美波「だから……サイズの測り直ししてもらってもいいですか?」

夕美「それは衣装屋さんの仕事!!」

美波「チッ……」

文香「Pさん……やはり、暑いので……脱いでも……」

美波「サイズ測るの、手伝ってほしいんですけど……?」

P「ちょ、ちょっと待て2人とも、落ち着け……」


夕美「はあああああ……やっぱり、藍子ちゃんには10年かけてナイスバディでエッチになってもらわないとダメなのかな……」


ガシャーンッ!!

藍子「」ダッ!!

夕美「ああっ!? この惨状を見てまた……藍子ちゃん、待ってー!!」

14: 名無しさん 2018/07/20(金) 00:18:36.19 ID:rLITqQy10