1: 名無しさん 2018/08/19(日) 22:53:31.26 ID:iCk5Viz70

P「え?」

凛世「親睦を深めたいのです」

P「誰と」

凛世「放課後クライマックスガールズの皆様と、です」

P「俺が見る限りでは、もう充分に深まってるように見えるけど」

P「5人ともすごく仲がいいだろ?」

凛世「はい、私も仲良くさせていただいております。ですが……アイドルユニットで、遥か高みを志すためには」

凛世「『結束力』が一層必要になってくると、凛世は確信しているのです……」

P「なるほど。友達としてでなく、アイドル仲間としての絆も強めたいと」

凛世「左様でございます。そこで昨日、何か良い策はないかと、思考を巡らせました」

凛世「そして……閃きました」

P「ぜひ聞かせてくれ。プロデューサーとして力になりたい」

凛世「皆様と親睦を深める方法……それは……」

――――


果穂・智代子・樹里・夏葉「みんなでゲーム?」


P「そうだ。凛世がみんなと結束力を高めるため、ゲームをしたいそうだ」

果穂「結束力……! ヒーローにも必要なものですよねっ!」キラキラ

智代子「面白そうだね!」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1534686810

引用元: ・【シャニマス】凛世「親睦を深めたいのですが……」

2: 名無しさん 2018/08/19(日) 23:02:37.03 ID:iCk5Viz70
樹里「いや待てって。アタシらちょうどレッスン終わったとこだぞ」

樹里「疲れてるし早く帰りたいのに。今度のオフじゃダメなのか?」

凛世「思い立ったが吉日、という諺があります」

樹里「あるけどさ」

夏葉「樹里がそう言うなら、次の休みに決行でいいんじゃないかしら」

樹里「!」

夏葉「だって、ゲームもできないくらい疲れてヘトヘトなんでしょう?」

夏葉「体力的に厳しいなら仕方ないわ。凛世、ここは折れてあげて」

樹里「お、おいっ! 誰もヘトヘトなんて言ってないだろ!」

夏葉「私にはそういう風に聞こえたけど。無理しなくていいわよ」クスッ

樹里「はあ? 全っ然疲れてねえし!! ゲームの1つや2つ余裕でやれるっての!」

夏葉「本当に? 強がりなら…」

樹里「よーし凛世、どんなゲームだ!? 好きなだけ付き合うぜ!!」

P(本当に負けず嫌いだな)ハハ

凛世「ふふ……ありがとうございます」ニコッ

――――


凛世「では始めましょう。レッスンルームを借りて、まずは1つめ」

凛世「その名も……モッツァレラチーズゲーム」

果穂「初めて聞く名前です!」

3: 名無しさん 2018/08/19(日) 23:05:09.45 ID:iCk5Viz70
>>1
すみません、ミスです
上から七段目、

凛世「はい、凛世も仲良くさせていただいております。ですが……アイドルユニットで、遥か高みを志すためには」 です

4: 名無しさん 2018/08/19(日) 23:19:06.26 ID:iCk5Viz70
樹里「知ってるぜ。叫ぶやつだろ」

凛世「はい。まず順番を決め、その順番通りに『モッツァレラチーズ』と発声していく、シンプルなゲームです」

智代子「ただ言うんじゃなくて、前に言った人よりもテンションを上げて言わなきゃいけないんだよね」

果穂「ちょこ先輩も知ってるんですか!」

智代子「友達とやったことあるの。楽しいよ」

P(疲れるけどな)

夏葉「でも、そのゲームをやって結束力は高まるのかしら」

P「難しいこと考えず楽しめばいいよ。とりあえずやってみたらどうだ」

凛世「ジャンケンで順番を決めましょう」

智代子「よーし!」

樹里「どの順番が有利なんだ?」

P(さて。ここまで来れば、あとは5人任せだな)

P(俺は仕事に戻ろう)スタスタ


凛世「プロデューサーさま、どこへ行かれるのですか……」クイッ

P「え?」


P「どこって、仕事に戻ろうかと」

凛世「プロデューサーさまもご参加ください」

P「俺が? 何で?」

凛世「絆とは、アイドル間だけのものではありません」

凛世「凛世たちアイドルと、プロデューサーさまの間にも存在します」

5: 名無しさん 2018/08/19(日) 23:33:06.87 ID:iCk5Viz70
P「そうだな」

凛世「ですから、プロデューサーさまもぜひゲームに参加していただきたいのです……」

凛世「お願いいたします」ペコリ

P(うーん、いつもなら快くイエスと返事をするんだが)

P(この前はづきさんに、アイドルと触れ合うのは自重しろって怒られたばかりだしな……)

夏葉「いいじゃないプロデューサー。不都合でもあるの?」

P「不都合というか……色々あってさ」

樹里「凛世がこれだけ頼んでるんだぞ。ちょっとくらい付き合えよ」

果穂「一緒に遊びましょうプロデューサーさんっ!」ギュッ

智代子「遊ぶなら大人数の方が盛り上がるよ!」

P「……」

P(まあ、しっかり線引きすれば大丈夫だよな)

P「分かった。参加するよ」

果穂「やったー♪」

凛世「プロデューサーさま……感謝いたします」

――――

果穂「わー、あたしが1番ですね!」

凛世「果穂さんの次が、凛世です」

智代子「その次が私で、続いて樹里ちゃん、夏葉ちゃん、プロデューサーさんの順だね」

P「俺が最後かよ……」

樹里「へへっ、思いっきりテンション上げないとな」

夏葉「そうとも限らないわ。このゲームは駆け引きが大事……どこでテンションを上げるか考えないと」

夏葉「自分の首も絞めることになりそうね」

P(考えすぎじゃないか?)

6: 名無しさん 2018/08/19(日) 23:43:29.88 ID:iCk5Viz70
智代子「ねえ、まずは練習でやってみない?」

P「賛成だ」

凛世「それでは果穂さん。どうぞ」

果穂「練習なんですよね? 了解です! せーの……」


果穂「モッツァレラチーズ!」


「「「!?」」」


智代子「ちょちょちょっと果穂!?」

果穂「ふえ?」

夏葉「さ、最初から結構高めのテンションね」

樹里「後のことも考えてくれよ!」

果穂「はっ、しまった! うっかりしてました!」

P「ははは、いいんだよ果穂。これはこれで面白いし」

夏葉「他人事じゃないわよプロデューサー」

P「分かってるって」

P(さあ、こうなると次の凛世が……)

P(凛世。そうだ、この中でモッツァレラチーズゲームが苦手なのは凛世じゃないか)

P(いつも淑やかに話すけど、果たしてさっきの果穂よりテンションを上げられるのか?)

凛世「……」

7: 名無しさん 2018/08/19(日) 23:51:02.64 ID:iCk5Viz70
果穂・智代子・樹里・夏葉「……」ジー

P(みんな注目してる)

凛世「……すぅー……」


凛世「モッツァレラチーズ!!」


「「「!!」」」


凛世「ふぅ……」

「「「……」」」

凛世「……? 皆様、どうされたのですか」

智代子「いや……」

P「凛世って結構大きな声出せるんだな」

凛世「人並みには。ボイスレッスンで、鍛えられました」

樹里(ビックリした……)

夏葉「良い声量じゃない。次は智代子ね」

智代子「あ、そだね。こほん」


智代子「モッツァレラ!! チーーズ!!」


果穂「わあー! ちょこ先輩さすがです!」

智代子「ふふん、私これで負けたことないんだよね」

8: 名無しさん 2018/08/20(月) 00:03:07.55 ID:xkQotANH0
P「というかどうやったら負けになるんだ?」

智代子「前の人のテンションを越えられなかったら」

樹里「よっしゃ、越えてやろうじゃねえか!」

樹里「すー、はー……」


樹里「モッツァレラァァァ!! チィィィズゥゥゥ!!」


P「おお、やるな」

樹里「楽勝」ヘヘ

果穂「必殺技みたいでカッコよかったです!」キラキラ

夏葉「……」

樹里「あれ? どうしたんだ夏葉、怖気づいたか?」ニヤニヤ

夏葉「笑わせないで。その程度、軽く越せるわ」

樹里「なっ!?」

夏葉「発声の準備をしていたのよ。見てなさい」


夏葉「モッツァァァァ……!!」シュバッ

夏葉「レラッ!!」シュババッ

夏葉「チィィィィィィズッ!!」バンッ


夏葉「と、こんなものかしら」

智代子「す、すごい……! ハイテンションぶりを体でも表現してた!」

凛世「流石でございます」

9: 名無しさん 2018/08/20(月) 00:15:10.95 ID:xkQotANH0
樹里「や、やるじゃねえか。そうこなくっちゃな」

夏葉「2順目が楽しみね」

P「……」

P(とうとう俺の番か。あれ以上どうやれって言うんだ)

智代子「次、プロデューサーさんだよ」

P「あ、ああ」

P(こうなれば俺の持つ全てを解放するしかないな)

P(いくぞ!)


P「モォォォォッ、げほごほげほっ!」

智代子・樹里(むせた!)


凛世「プロデューサーさま、敗北でございます」

P「え!? げほっ、ま、待ってくれ! むせただけだろ!」

凛世「いかなる理由であれ……モッツァレラチーズと、発するのを中断してしまうと」

凛世「即刻敗北なのです」

樹里「審査のしようがないからな」

P「そんなルール聞いてない……」

智代子「いやー危なかった。やり通されてたら超ハイテンションでやらなきゃいけないし」

果穂「あたしも、どうやろうかなってドキドキしてました」

樹里「ま、今のは練習だからな」

夏葉「そうね。またジャンケンして順番を変えましょう」

P(くっ、今度は失敗しないぞ!)

10: 名無しさん 2018/08/20(月) 00:26:13.33 ID:xkQotANH0

(10分後)

智代子「はいプロデューサーさんの負けー!」

P「はぁっ……はぁっ……!」

P(ヤバい、叫びすぎて頭が痛くなってきた)

夏葉「このくらいで息切れするの?」

P「しばらく運動してなかったせいだな……」

樹里「体力無いと仕事も踏ん張れないだろ。夏葉にトレーニングメニュー考えてもらえよ」

夏葉「それはいいアイデアね。明日までに作っておくわ」

P「はは……ありがとう……」

果穂「あの、凛世さん! とーっても楽しかったです!」

凛世「左様でございますか」

夏葉「ええ。それに、みんながこんなに大きな声を出せるなんて知らなかったし」

夏葉「結束力も深まったかもね」フフ

智代子「うんうん! 樹里ちゃんの藤原竜也っぽいモッツァレラチーズも聞けたしね!」

果穂「迫力満点でした!」

樹里「ばっ、掘り返すなよ!! いいか、あれは絶対に脳内に封印しとけよ! 誰にも喋るな!」カァァ

智代子「モノマネは?」

樹里「ダメに決まってるだろ!?」

凛世「ふふふ」クスクス

11: 名無しさん 2018/08/20(月) 00:36:27.75 ID:xkQotANH0

――――

凛世「皆様、次のゲームに移りましょう」

樹里「なあ凛世。ゲームっていくつやるんだ?」

凛世「5つ用意しております。これで2つめです」

凛世「お付き合いしていただけますか……?」

夏葉「もちろんよ」フフ

果穂「どんなゲームですかっ」ワクワク

凛世「ドラマチックしりとり、という名前です」

P(ドラマチックしりとり?)

智代子「あー知ってる。ドラマのセリフみたいな言葉でしりとりするんだよね」

智代子「『ん』がついたり、10秒以内に言葉が出てこなかったら負け」

凛世「智代子さんが説明してくださった通りです。ただ……ドラマと言いましても、様々なジャンルがあるので」

凛世「始める前にテーマを決めたいと考えております」

P「テーマ?」

凛世「例えば、『時代劇』というテーマであれば、時代劇のドラマにありそうなセリフで繋げていきます」

樹里「難しそうだな」

夏葉「そう? 面白そうじゃない」

果穂「あたし、ヒーローのドラマがやりたいです!」

智代子「ヒーローもいいけど、少女漫画みたいな世界観のドラマも……」ポワポワ

凛世「他にご希望はございますか?」

樹里「アタシは特に無いな」

P「俺もだ」

16: 名無しさん 2018/08/22(水) 01:48:01.82 ID:uxReX2wK0
夏葉「凛世は?」

凛世「智代子さんと同じ、少女漫画を希望します」

P「じゃあ『ヒーロー』と『少女漫画』でやろうか。まずどっちから始める?」

智代子「果穂の後でいいよ! ね、凛世ちゃん!」

凛世「はい」

果穂「いいんですか!? ありがとうございます!」

夏葉「しりとりの順番……は、決めるほどのことじゃないわね」

P「だな。モッツァレラチーズゲームの時と同じ巡りにしようか」

――――

果穂「えっと、しりとりは『あ』から始めるんですか?」

凛世「果穂さんのお好きな言葉でお願いいたします」

果穂「わかりました!」


果穂「凛世さん、大変です! 悪の秘密結社の幹部が、街で暴れてるそうです!」

P(そういう展開か)

樹里(『す』で始まるセリフ。難しいな)

凛世「……すみません。もう一度言っていただけますか?」

P(聞き返した!)

智代子(次は私!? ええっと……か……か……)

智代子「果穂の言うこと聞いてないとダメだよ、凛世ちゃん」

智代子「悪の幹部が街に現れたんだって! 急いで向かおう!」

樹里(『う』か)

17: 名無しさん 2018/08/22(水) 01:49:29.68 ID:uxReX2wK0
樹里「う……うおおおお! やる気が出てきたぜ! アタシは先に行く!」スタタタッ

夏葉(『く』ね)

夏葉「くっ! 待ちなさい、私が先よ!」スタタタッ

P(よ……よ……)

P「よーし! みんなダッシュだ!」スタタタッ

果穂「ダッシュだー!」スタタタッ

凛世「ダッシュです」スタタタッ

智代子(なんか青春映画みたいなノリになってない?)

智代子(『す』だよね。場面転換して……)


智代子「すっ飛ばしてきた! 幹部はどこ!?」キョロキョロ

樹里「このへんにいるはずだぜ」

夏葉「絶対に見つけ出して倒してやるわ」

P「……」

P(あれ? みんなヒーローだと話が繋がらなくないか?)

P(まあしりとりやってるんだし、相手を詰まらせるためなら……って俺が詰まりそうなんだけど)

夏葉(プロデューサー、あと5秒よ)

樹里(4)

智代子(3)

18: 名無しさん 2018/08/22(水) 01:51:36.71 ID:uxReX2wK0
P「わははははは!」

智代子・樹里・夏葉「!」

P「ヒーローどもめ、まんまと騙されるとはな」

果穂「なに!? あなたはプロデューサーさんじゃないんですか!?」

凛世「かなり邪悪な気配。ニセモノです」

智代子「す、するとこいつは……もしかして悪の幹部!?」

樹里「ぶっ飛ばしてやる!!」

夏葉「……る……」

樹里(7、6、5)

夏葉「る、る……」


夏葉「ルンルンルン♪」ステップステップ

「「「!?」」」


夏葉「ごめんなさい、急に踊りたくなったの!」

P「……」

夏葉「私の負けね」

智代子「自分で言った」

夏葉「だって意味が分からないもの。悪役と向かい合ってる時に踊り出すヒーローなんていないでしょう」

果穂「こ、今後出てくるかも……」

夏葉「いいのよ果穂、フォローありがとう」

19: 名無しさん 2018/08/22(水) 01:53:48.11 ID:uxReX2wK0
樹里「なあ、ちょっといいか? 智代子の『するとこいつは』って言い回しも違和感ないか?」

智代子「え」

樹里「なんか無理やり感があるんだよな」

智代子「正直に言うと、確かに自分でも苦しかったなと思う」

智代子「けど話は繋がってるし……ね?」

凛世「果穂さん、判定をお願いいたします」

果穂「あたしですか?」

凛世「果穂さんが提案されたテーマなので」

果穂「えっと……じゃあセーフです!」

智代子「ありがとう果穂! 次はこういうこと無いようにするから!」

――――

智代子「ということで、今度のテーマは私と凛世ちゃんが提案した『少女漫画』だよ!」

P「俺読んだことないから分からないんだけど」

夏葉「私もよ」

樹里「つーか、読んだことあるのって凛世と智代子だけだよな」

凛世「皆様が思う少女漫画の展開を、繰り広げていただければと思います」

果穂「あたしたちが思う展開……」

樹里「それが分かんないんだよ」

智代子「まあまあ、やってるうちにノリノリになるよ!」

P「そうかな」

凛世「順番は、智代子さん、凛世、果穂さん」

凛世「樹里さん、夏葉さん、プロデューサーさまの順でよろしいでしょうか」

20: 名無しさん 2018/08/22(水) 01:56:17.77 ID:uxReX2wK0
夏葉「ええ。分かる2人が世界観を説明してくれれば、自然に入れるかも」

P(また俺が最後か)

凛世「それでは、始めましょう」

智代子「私がトップバッターだね! んーと」


智代子「とある朝の出来事だった。私は朝寝坊してしまい、走って登校していた」

P(なるほど、分かりやすい設定だな)

智代子「そしてちょうど曲がり角を曲がった時、5人の男の人とぶつかったの」

P(どうやって!?)

智代子「いったーい! どこ見て歩いてるのよ!?」プンスカ

凛世「よそ見してんじゃねえ」

果穂「え……えっと、大丈夫ですか?」

樹里「か、介抱してやるよ!」

夏葉「よう、久しぶり」

P「り、り……理科実験教室の鍵、閉めたっけ……?」

智代子(おお! 意図してやったのか分からないけど、みんなキャラが分かるセリフだ!)

智代子(凛世ちゃんはオレ様系かな? いや、クール系かも。果穂は大人しい小動物みたいな男の子)

智代子(樹里ちゃんもオレ様? ううん、優しさが見えるからツンデレ?)

智代子(夏葉ちゃんは言わずもがな幼馴染。そしてプロデューサーさんは科学の先生かな)

P「智代子」

智代子(ぶつかった時に言うセリフじゃないっぽいけど、そこは大目に見て……)

P「おーい、智代子」

21: 名無しさん 2018/08/22(水) 01:59:15.26 ID:uxReX2wK0
智代子「!!」

P「10秒経ったぞ」

智代子「え」

樹里「なにボーっとしてんだよ」

智代子「し、しまった! 妄想が膨らんでしりとり忘れてた!」

夏葉「妄想?」

智代子「5人がどんな男の子なのかなって、気になっちゃって」エヘヘ

智代子「ごめんね! もう1回やろ!」

果穂「はい、やりましょう!」

P「待ってくれ。ふと思ったんだけど」

P「これって、即興劇みたいな感じでやっても楽しそうじゃないか?」

夏葉「そうね。一対一の会話ができないから、話が広げにくいし」

凛世「申し訳ありません……」

P「いやいや、謝らなくていいよ! このしりとりも楽しいけど」

P「こうしたら別の盛り上がり方ができるんじゃないかって話だから」

P「さて、中途半端に終わったから、智代子の言うとおりもう1回やろうか」

智代子「うん! 私が中断しちゃったところからで!」

智代子「いくよ? よーいスタート!」


(10分後)


果穂「智代子さん!」ドンッ

智代子(壁ドンきた!)

果穂「あっ」

樹里「果穂、『ん』がついたな」ヘヘ

果穂「ううー、焦っちゃって……もっと考えるべきでした」

22: 名無しさん 2018/08/22(水) 02:03:23.27 ID:uxReX2wK0
夏葉「だけど、結構続いたわね」

P「本当だな。よく繋げられたよ」

果穂「このゲームもすごく楽しかったですっ!」

樹里「意外にハマるな。まだやるか?」

凛世「他のゲームもあるので、きりの良いところで終了いたしましょう」

樹里「そっか。じゃあまた機会のある時にやろうぜ」

智代子「うん! レッスン終わりとかにね!」

凛世「皆様……そう言っていただけて、何よりでございます」

――――

凛世「次のゲームを発表させていただきます」

果穂・智世子「いえーい!」

樹里「次も負けねえぞ!」

P(みんな、すっかり楽しんでるな)

凛世「発表いたします。その名も、絶対に照れてはいけないゲーム」

夏葉「年末のテレビ番組でやってそうな名前ね」

P「あれは笑ってはいけないだけどな」

凛世「説明いたしますと……このゲームは、まず参加人数で輪を作り、順に右隣の方を褒めていくというゲームです」

凛世「タイトルの通り、絶対に照れてはいけません……もし照れてしまったら」

P「しまったら?」

凛世「その方は罰ゲームとして、皆から褒め言葉を浴びせられます」

樹里「全然罰じゃねえな」

26: 名無しさん 2018/08/23(木) 00:59:17.12 ID:5Wpo+yeI0
智代子「考えようによっては罰かもね。嬉し恥ずかしいし」

樹里「嬉しいなら罰とは言えないだろ」

P「……」

P(絶対に照れてはいけないゲーム、か)

P(さっきのドラマチックしりとり。考えてみればモッツァレラチーズゲームもそうだけど)

P(もしかして)

凛世「では、順番を…」

P「凛世」

凛世「はい。いかがなさいましたか」

P「お前の用意したゲーム、どうやって知った?」

凛世「インターネットでございます」

P「もしかして、『合コンで盛り上がる』とか書いてなかったか?」

凛世「ありました」

P(やっぱり)

智代子「あー。言われてみれば、そんな感じのラインナップかも」

夏葉「私も薄々感じてはいたけど」

凛世「……もしかして、行ってはいけないゲームだったのでしょうか」

P「そういうわけじゃないよ。ただゲームなら他にも色々あるのに、何で合コンゲームを選んだのかなと」

凛世「『仲良くなれる』と書いてありましたので」

智代子「仲良くなれるには違いないけどさ……」

樹里「凛世、合コンの意味を知ってんのか?」

27: 名無しさん 2018/08/23(木) 01:01:20.90 ID:5Wpo+yeI0
凛世「申し訳ございません。そこまでは」

果穂「合コンってなんですか?」キョトン

智代子(はっ! 果穂が興味を持ってしまった!)

樹里「小学生はまだ知らなくていい」

果穂「どうしてですか?」

P「大人のすることだからだよ。果穂が智代子や樹里くらいの歳になれば、自然に意味が分かるさ」

果穂「そうなんですね! 分かりました!」

凛世「ということは……凛世も、1年後には理解できるということですね」

夏葉「貴方は今の内に覚えた方がいいかもね」

智代子「私があとで説明するよ」

――――

凛世「皆様、輪になりましたね」

P「ああ」

果穂「オッケーです!」

樹里「おい」

凛世「樹里さん、どうされました?」

樹里「なんで早い者勝ちで順番決めるんだよ! 今まではジャンケンで決めてただろ!?」

凛世「ジャンケンばかりでは皆様が退屈されると思い、趣向を変えてみました」

樹里「変える必要あるか!?」

28: 名無しさん 2018/08/23(木) 01:03:54.14 ID:5Wpo+yeI0
樹里「お前どうせあれだろ! プロデューサーの隣がいいから早い者勝ちにしたんだろ!」

夏葉(間違いないわね)

智代子(『早い者勝ちにしましょう』って言った瞬間、すごい速さでプロデューサーさんのところへ移動したもんね)

凛世「はて」

樹里「はて、じゃねえよ! しらを切るな!」

P「樹里、そんなに怒らなくてもいいだろ? 1回くらいいいじゃないか」

樹里「だ、だって……」チラッ

夏葉「?」

樹里(隣が夏葉なんだぞ。夏葉を褒めないといけないんだ)

樹里(褒めるとこはたくさんあるけど、ドヤ顔されそうで嫌なんだよ!)

夏葉「そんなに嫌なら、貴方の望む場所と変更してもらえば?」

樹里「へ?」

智代子「好きなとこ選んでいいよ」

果穂「交代しますよ!」

凛世「凛世とプロデューサーさまはセットでお願いいたします」ギュッ

智代子(やっぱり確信犯だ)

樹里「……」

樹里「ここでいい」

29: 名無しさん 2018/08/23(木) 01:05:20.53 ID:5Wpo+yeI0
夏葉「あら、いいの? せっかくみんなが…」

樹里「ワガママ言ってるみたいで嫌だからな。始めようぜ」

夏葉「そう」

樹里(くっ……こうなれば、思いっきり褒めまくって顔を真っ赤にさせてやる!)

凛世「それでは、プロデューサーさまから右回りでスタートです」

P「よし」

P(俺は凛世を褒めればいいんだな)

P「凛世は着物が似合う。大和撫子だよな」

凛世「……」ポッ

果穂(凛世さん赤くなった!)

凛世「ありがとうございます。プロデューサーさまも…」

樹里「凛世はアタシを褒めるんだろ! 右隣だから!」

凛世「そうでした」

智代子「ねえ、今のって恥ずかしがったんじゃないの?」

夏葉「頬を赤く染めてたわね」

凛世「羞恥ではありません。プロデューサーさまのお言葉に、きゅんとしてしまったのです」

智代子「なら仕方ないねー」

果穂「きゅんとしちゃったなら仕方ないです!」

P(仕方ないのか)

30: 名無しさん 2018/08/23(木) 01:08:51.67 ID:5Wpo+yeI0
凛世「樹里さん」

樹里(来る。どんな言葉にも屈しねえぞ)

凛世「樹里さんは……とても愛らしい方です」

樹里「ありがと。よっしゃ、アタシの番だな」

凛世「お待ちください」ガシッ

樹里「え?」

凛世「樹里さんは、とても愛らしいのです」

凛世「ご理解されていますか。ご自分の愛らしさを」

樹里「なっ……」

凛世「殿方が、こんなに愛らしい女性を、放っておくはずがございません」

凛世「学び舎でも、熱い視線を向けられていることでしょう」

樹里「いや、べ、別に……」カァァ

果穂「あっ! 赤くなりました!」

P「樹里の負けだな」

樹里「ち、違うって! これは……!」

樹里「凛世、卑怯だぞ! 何度も言葉を浴びせやがって!」

凛世「回数の制限はしておりませんので」

樹里「そんなのありかよ!?」

P「樹里、それが恥ずかしさじゃないなら何なんだ」

樹里「これは……レッスンルームが暑いんだよ! あー暑いなぁ!」パタパタ

31: 名無しさん 2018/08/23(木) 01:11:15.13 ID:5Wpo+yeI0
夏葉「エアコン効いてるのに」

樹里「暑いものは暑いんだ!」

P「そうしておこう。でも、もうその言い訳は通用しないぞ」

樹里「い、言い訳じゃねーし……」

樹里(ふぅ、なんとか切り抜けた。油断は禁物だな)

夏葉「……」

樹里(さーて、覚悟しろ夏葉)フフフ

樹里「夏葉ってさ」

夏葉「ええ」

樹里「時間をすごく有効に使ってるよな。すごいと思う」

夏葉「私の中では当たり前のことだから、褒め言葉でも何でもないわ」

樹里「アタシから見たらすごいんだよ。トップを目指すために一生懸命頑張ってて」

樹里「レッスンの時も、普段じゃ見たことないくらい真剣な顔して。カッコいいって思うんだ」

樹里「アタシも見習いたいよ」

夏葉「……そう」

夏葉「嬉しいわ。ありがとう」ニコッ

樹里「……」

夏葉「……?」

32: 名無しさん 2018/08/23(木) 01:15:15.23 ID:5Wpo+yeI0
樹里(あれ、おかしいぞ。夏葉を恥ずかしがらせようとしたはずなのに)

樹里(なんかアタシが恥ずかしくなってきたっ……!)カァァ

樹里「うわああああ! 何言ってんだアタシぃぃぃ!」ジタバタ

智代子「言った側が恥ずかしさで悶え苦しんでる」

P「あの場合どうなる?」

凛世「相手の夏葉さんが恥ずかしがっていないため、セーフです」

夏葉「そう、残念ね」

樹里「くうううう……!」ジタバタ

智代子「まだ収まりそうにないね」

凛世「一旦度外視して、続けましょう」

夏葉「了解よ」

夏葉「智代子、貴方の笑顔は人を幸せにするわ」

智代子「おおう……ストレートだね」

夏葉「事実だもの。特に、チョコを食べてる時の顔は見てるこっちまで幸せになる」フフ

智代子「えへへ、ありがとう!」

夏葉「食べすぎは気になるけどね。最近一緒にトレーニングしてないけど」

夏葉「もちろん摂取した分、体を動かしてるわよね?」

智代子「あ、うん……してます……」

P(してないな)

夏葉「またダイエット用のメニューを考えてくるわ」

智代子(見抜かれた!?)ガーン

36: 名無しさん 2018/08/25(土) 01:20:46.82 ID:fU6L5w770
P「智代子もセーフだな」

夏葉「途中、照れくさそうにしてなかった?」

智代子「あれは嬉しくて笑顔になっただけだよ!」

智代子「ということで、次は私の番。いくよ果穂」

果穂「望むところです!」

智代子「果穂は人懐っこくて元気だよね。動物に例えるとワンコみたいで」

智代子「落ち込んでる時も『どうしたんですか?』って心配してくれるし、可愛くて癒されるよー」ナデナデ

果穂「へへ……」

果穂(あっ。今の危なかったぁ……照れないようにしないと)

果穂「……」キリッ

夏葉(持ち直したわね)

P(真剣な顔になった)

智代子「ホント可愛いよー」ナデナデ

果穂「……」

智代子「果穂可愛い。略してかほかわだよー」ナデナデ

果穂「……へへ」

P(顔がふにゃけた)

夏葉(耐えられなかったみたいね)

果穂「うあー! 負けちゃいました!」

凛世「いえ。今のは嬉し笑いの範囲かと」

夏葉「そうね、さっきの智代子がセーフなら、今のもセーフになるわ」

37: 名無しさん 2018/08/25(土) 01:22:53.99 ID:fU6L5w770
果穂「ホントですか? よかったー!」

智代子「くっ、あとちょっとだったのに」

果穂「ちょこ先輩は褒めるの上手ですね……危ないところでした」

果穂「いよいよあたしの番です! プロデューサーさん、いきますよ!」

P「俺は手ごわいぞ」フフフ

智代子「笑い方が悪役みたい! やっつけちゃえ果穂!」

果穂「はいっ! プロデューサーさんは、とっても優しいです!」

果穂「いつもヒーローごっこに付き合ってくれて、強大な悪を演じてくれます。ありがとうございます!」

P「いえいえ」

果穂「あと、いつも腕に捉まって回転するやつをやってくれます!」

果穂「すごく楽しいです! ありがとうございます!」

P「いえいえ」

P(あれは全力を振り絞ってやっとできるんだよな)

P(満足してくれた後は、影でこっそり息を切らしてるし……)

夏葉「腕に捉まって振り回すやつって何の事かしら」

智代子「そのままだと思うよ。果穂がプロデューサーさんの腕に捉まって、その場で回転して宙に浮かせるの」

夏葉「へえ、楽しそうね」

P「やらないからな? 果穂限定だ」

夏葉「1回くらいいいじゃない」

P「夏葉は身長があるから、尚のことキツそうなんだよ……」

39: 名無しさん 2018/08/25(土) 01:27:36.24 ID:fU6L5w770
夏葉「予約しておくわ。明日にお願い」

P「話聞いてた?」

智代子「ねえねえ! 私なら身長もちっちゃいし、楽にできそうじゃない?」

智代子「また今度でいいから体験してみたいなー」

凛世「凛世も、プロデューサーさまさえよろしければ、ぜひ……」

P「食いつきすぎだろお前ら! ゲームの最中だってことを忘れるな!」

智代子「おっとそうだった」

果穂「むぅー……残念です。恥ずかしがらせることができませんでした」

P「褒め言葉というかお礼を言ってたからな。けど嬉しいよ」

P「これで一巡したか、何週するんだ?」

凛世「どなたかが負けるまで、です」

P「……」


樹里「うぅぅぅ……! もっと言葉を選んどけばぁ……!」プルプル

P(樹里が負け候補の筆頭だな。ってかまだ悶えてたのか)


――――

P(予想が的中した)

樹里「は、恥ずかしがってねえよ!」

夏葉「今のは誰がどう見ても恥ずかしがってたわね」

果穂「恥ずかしがってました!」

智代子「樹里ちゃん可愛い♪」

樹里「ちくしょー……!」

40: 名無しさん 2018/08/25(土) 01:31:41.46 ID:fU6L5w770
凛世「それでは、以上で3つ目のゲームを終了いたします」

樹里「あのさ、もう1回やるってのはどうだ? 順番を変えて」

P「悔しさなら次のゲームで解消すればいい。あと1時間くらいで17時だし」

智代子「そういえば、夕方からアルストロメリアがここを使うんだよね」

樹里「わ、分かったよ……。凛世、次の説明を頼む」

凛世「承知しました。これより4つ目のゲームを紹介いたします」

凛世「名を、ドSワードしりとりと言います」

夏葉「ドSワードしりとり?」

樹里「またしりとりか」

凛世「先ほどのしりとりは、ドラマでありそうなセリフを繋げていくものでしたが」

凛世「今回のしりとりは、ドSなセリフを考え、繋げていきます」

果穂「ドS……?」

智代子「んーと、例えばね……『俺以外の男を見るな』とか」

智代子「『お前の口を塞いでやるよ、俺の唇でな』とか言いそうな人のことだよ」

智代子「平たく言うと、強気で強引な人だね」

P(さすが少女漫画愛読者)

果穂「強気で強引……難しいですけど、やってみます!」

P「無理はするなよ」

夏葉「一ついい? ドSな言葉って他にもあるわよね」

41: 名無しさん 2018/08/25(土) 01:33:30.25 ID:fU6L5w770
智代子「あるにはあるけど、果穂が変な影響受けちゃうからね」

夏葉「ああ……やめた方がいいわね」

P(女王様タイプか。跪きなさい、とかな)

樹里「それを言うならドSしりとり自体がマズイだろ」

智代子「樹里ちゃん。果穂が『このブタ! これが気持ちいいんでしょう!』とか覚えるより」ヒソヒソ

智代子「イケメンっぽいセリフを知ってた方が、プラスになると思わない? 今後のアイドル活動にも幅が出るかもだし」ヒソヒソ

樹里「な、なるほど」

果穂「内緒話ですか?」

智代子「ううん! 何でもないよ!」アセアセ

樹里「凛世、順番を決めようぜ」

凛世「はい……」

――――

凛世「公平にジャンケンをしました結果……樹里さん、果穂さん、夏葉さん」

凛世「プロデューサーさま、智代子さん、凛世、という並びになりました」

凛世「時間は無制限。口にした言葉がドSかどうかを皆で判断し、クリアすれば次の方、というルールです」

智代子「オッケー!」

樹里「『あ』から始まるのか?」

凛世「はい。今回のしりとりは、『あ』から始めていただきます」

樹里「よし、それじゃあ……」


樹里「ああ? 俺はこいつの彼氏だけど?」

「「「……」」」


42: 名無しさん 2018/08/25(土) 01:36:30.71 ID:fU6L5w770
樹里「静まり返るなよっ! なんか言え! 恥ずかしいだろ!」カァァ

智代子「いやー、樹里ちゃんハマってるなって思って」

果穂「カッコいいですっ」

夏葉「ちなみに今のはどういう状況?」

樹里「女の子が知らない男に絡まれてたんだよ。だから彼氏のフリして助けに入った」

凛世「素敵なしちゅえーしょんでございます」

樹里「も、もうアタシはいいだろ! 果穂の番だぞ」

果穂「はい! えっと、『ど』ですか?」

凛世「『と』に変換していただいても構いません」

果穂「ホントですか? 『と』……『ど』……うーん」

果穂「あっ、思いつきました!」


果穂「ドロップキックをお見舞いするぞっ!」


果穂「どうですか?」

P「果穂らしいよ」ハハ

智代子「可愛いからセーフ!」

果穂「可愛いじゃダメですよ!?」ガーン

夏葉「大丈夫、カッコよかったわ」クスッ

果穂「ならいいんですけど……」

47: 名無しさん 2018/08/27(月) 01:07:14.51 ID:Dou3Pi2W0
智代子「夏葉ちゃん、『ぞ』だよ」

夏葉「『そ』でもいいのよね」


夏葉「……そんなのこと言っていいの? お仕置きが必要だな」


智代子「わお、ちょっぴり過激っ」

凛世「心臓が、トクンと高鳴るセリフです……」

夏葉「……」

智代子(俯いちゃった。言ってから恥ずかしくなったんだね)

果穂「どういうことですか?」

樹里「深く考えるな」

夏葉「そ、そうよ果穂、深く考えないで。どんどんいきましょうプロデューサー!」

P(動揺する夏葉も珍しい)

P「『な』から始めればいいんだな。そうだな……」

凛世「プロデューサーさま」

P「ん?」

凛世「今お考えになっているセリフ……凛世に向けて、おっしゃってくださると……」

P「凛世に?」

凛世「はい……さらに、壁ドンもしていただけると、嬉しく思います」

P「壁ドンしながら? まあいいけど」

凛世「ありがとうございます」ペコリ

智代子(いいんだ)

樹里(欲丸出しだな凛世)

48: 名無しさん 2018/08/27(月) 01:08:46.37 ID:Dou3Pi2W0
P(凛世に言う前に、セリフを考えないと)

P「……浮かんだ。凛世、壁に移動してくれ」

凛世「はい」スッ

果穂「凛世さん、うきうきしてますねっ」

夏葉「よっぽど楽しみみたいね」

P「いくぞ」

凛世「……」ソワソワ


ドンッ


P「なあ、俺の女になれよ」

凛世「!」キュン


凛世「……はい……」ドキドキドキ

P(凛世の目にハートマークが)

P(というか、想像以上に恥ずかしいなこれ!!)カァァ

夏葉「なかなかいいじゃない。素敵よ、プロデューサー」フフ

果穂「カッコよかったですっ」

P「茶化さないでくれ……」

樹里「おい、凛世が固まったまま動かねーぞ」ヒラヒラ

夏葉「余韻に浸ってるのよ。もう少し放っておいてあげましょう」

凛世「プロデューサーさま……凛世は一生、貴方様のお傍に……」ドキドキ

49: 名無しさん 2018/08/27(月) 01:11:21.45 ID:Dou3Pi2W0
P「次にいこう、次! 智代子の番だ」

智代子「……」

P「智代子」

智代子「えっ? あ、ああ! 確か『よ』だっけ」

樹里「『よ』だな」

智代子「すぐに考えるね!」

智代子(はぁ……憧れの壁ドンを前にしてボーっとしてた)

智代子(果穂にもやってもらったけど、やっぱり男の人にして欲しいよね)

智代子(……あとでこっそりお願いしてみようかな……袖クルとか顎クイとかも……)ドキドキ

智代子(いやいや! 彼氏でもないのに、そこまでしてもらうのはさすがにー!)ブンブン

樹里(果穂のやつ、なに舞い上がってんだ)

夏葉(楽しそうね)

智代子(その前にまずはしりとりだよねっ。『よ』かぁ)

智代子「うん! 思いついたよ!」


智代子「よく聞け、お前は俺のもんだ」キリッ


智代子「どうかな?」

夏葉「セリフ自体はドSっぽくていいと思うわ」

樹里「ただ智代子の言い方がな」

智代子「言い方?」

50: 名無しさん 2018/08/27(月) 01:16:24.91 ID:Dou3Pi2W0
P「普段のイメージのせいか、可愛さが勝ってて可愛く見えるんだよな」ハハ

樹里「果穂みたいにな」

智代子・果穂「!?」

智代子「そんな! どうしようもないじゃん!」

果穂「あたし、やっぱりカッコよくなかったんですか!?」

樹里「落ち着けって。これはどうカッコよく見せるかのゲームじゃねーだろ?」

智代子「それはそうだけど、どうせならクールに決めたいじゃん!」

果穂「むむ……次こそはちゃんと……!」

P(カッコよさを意識しすぎてズレないといいけど)

夏葉「続きを始めましょう。凛世の番よ」

凛世「……」ポー

樹里「ダメだ、まだどこかに行ったままだ」

夏葉「凛世。順番が貴方に回ってきたわ」ポンポン

凛世「……!」ハッ

凛世「大変失礼いたしました……智代子さん、どうぞ」

夏葉「智代子はもう済んだわよ」

智代子「『よく聞け、お前は俺のものだ』って言ったの!」

凛世「そうなのですか。凛世は、『だ』から始めればよいのですね……」

凛世「……」


凛世「ダメだと言っても、お前の顔は喜んでるように見えるぜ」


凛世「いかがでしょうか」

智代子「お……おお……すごいね……」

夏葉「今までで一番過激ね」

51: 名無しさん 2018/08/27(月) 01:18:46.46 ID:Dou3Pi2W0
樹里(セリフ内容とは裏腹に、声に抑揚がないから、なんかシュールだけどな)

果穂「ダメって言ってるのに顔が喜んでる……? なぞなぞですか?」

智代子「か、果穂にはまだ早いかなっ!」アハハ

果穂「???」

P(こういうセリフが出てくるなら、女王様系と変わらないような……)

P(ってか凛世のあれは少女漫画の影響だよな? 智代子はどんな本を貸してるんだよ)

凛世「プロデューサーさま」

P「?」

凛世「……また、お願いしてもよろしいでしょうか」

P「え」

凛世「凛世が今口にしたセリフを、ぜひ……」ポッ

P「言えるかっ!!」

凛世「どうか、耳元で……」

P「絶対に無理だ! 断る!」

夏葉「さっきのは言えて今回のは言えないの?」

樹里「範囲内だろ」

P「そこの2人は面白がるな」

――――


智代子「負けました」

樹里「は? 今のドSっぽかったろ」

智代子「ううん。『俺に従え』はドSというより王様系男子だよ」

P「何だそれ」

52: 名無しさん 2018/08/27(月) 01:21:59.73 ID:Dou3Pi2W0
智代子「とにかく今のは私の負け。悔しいなぁ」

凛世「一度きりなら、言い換えても……」

智代子「ううん、素直に認めるよ。もうすぐここ使えなくなるし」

樹里「うわ! あと30分かよ!」

夏葉「結構ギリギリね。残り1つだけど、間に合うかしら」

智代子「無理そうなら、また今度にしてもいいんじゃないかな」

凛世「いえ……大丈夫です。残り時間、ぴったりで終われると予想しております……」

樹里「ホントかよ」

果穂「プロデューサーさん、いいですか?」

P「ああ。アルストロメリアは夕方に集合して、レッスン開始は18時だから」

P「17時になったら強制的に出てもらうけど、それでいいなら」

智代子「そうなんだ! じゃあ時間の許す限りやらせてもらおう!」

果穂「凛世さん、最後のゲームは何ですか!?」

凛世「5つめのゲームの名前……発表いたします」

凛世「好きですゲーム、です」

「「「好きですゲーム?」」」

凛世「はい……これは、愛してるゲームというゲームから、着想を得たものです」

凛世「ルールを説明いたします……。参加人数で輪を作り、右隣の方に『好きです』と伝えていきます」

凛世「ただ伝えるだけでなく、真剣に。意中の方に、恋心をぶつけるかのごとく……」

樹里「要するに、愛の告白をしろってことか?」

凛世「はい。告白をされた方は、今度はご自分の右隣の方に、告白をします」

53: 名無しさん 2018/08/27(月) 01:26:10.01 ID:Dou3Pi2W0
凛世「その流れを継続していきます……」

智代子「どうやったら負けなの?」

凛世「告白をされ、照れてしまったらです」

凛世「ちなみに……途中で、『もう一度言って?』と聞き返しても構いません」

凛世「そうした場合、告白した方は、もう一度告白しなければいけません……」

P(凛世のオリジナル要素が入ってるとはいえ、さすが合コンゲームだな)

果穂「なんだかよく分からないです」

夏葉「習うより慣れろ、よ。実際にやってみて覚えましょう」

樹里「ま、待てよ。そんないかがわしいゲームやる気なのか?」

智代子「いかがわしい?」

樹里「ああ。合コンの匂いがしてなんか嫌だし」

夏葉「今更すぎない?」

智代子「私たち友達同士だし、重く考えずもっと気楽にやればいいんじゃないかな」

樹里「でも……」

夏葉「分かった。樹里は見ていて?」

樹里「!」

夏葉「嫌なら無理してやることないわ。5人でやるから」

夏葉「それに、弱そうだし」

樹里「は?」

夏葉「こういうの、貴方すごく弱そうだもの。相手にならないと思う」

P(樹里には申し訳ないけど完全に同意だ)

54: 名無しさん 2018/08/27(月) 01:28:06.28 ID:Dou3Pi2W0
樹里「なっ、何だと!? 決めつけんなよっ!」

夏葉「決めつけてしまえるほどの根拠があるもの。今までの貴方を見ていればね」

智代子(あー、この流れは)

樹里「そうかよ……なら、もしアタシがこのゲームに参加して」

樹里「何事にも動じない心を見せつければ、そのふざけた考えを撤回するんだな?」

夏葉「もちろんよ」

樹里「っしゃあ! やってやろうじゃねえか!」

P(知ってた)

智代子(ちょろいよ……ちょろすぎるよ樹里ちゃん)

智代子(まあ夏葉ちゃんも、参加させたくて言ったわけじゃないんだろうけど)

――――

凛世「皆様、輪になりましたね」

P「ああ」

果穂「オッケーです!」

樹里「おい」

凛世「樹里さん、どうされました?」

樹里「なんか既視感あるよな!? 3つめのゲームと全く同じ展開だよな!?」

樹里「また早い者勝ちで、凛世はプロデューサーの隣!」

樹里「テメーひょっとして、プロデューサーと触れあう目的でゲームを用意したんじゃねーか!?」

凛世「……」

智代子(おや?)

P(図星っぽいぞ)

55: 名無しさん 2018/08/27(月) 01:31:22.25 ID:Dou3Pi2W0
凛世「そんなことは……皆様と親睦を深めたいという、確固たる目的もございます……」

樹里「『も』っつったな!? やっぱイチャつきたかったんじゃねーか!」

智代子「まあまあ樹里ちゃん! ゲームをやってて、もっと仲が深まったのも事実でしょ?」

果穂「わいわい盛り上がれました!」

夏葉「そうね。やってよかったわ」ニコッ

樹里「……」

智代子「ね? 最後のゲームも何だかんだ楽しもうよ!」

樹里「……分かったよ」

樹里「ただし、プロデューサーの隣は嫌だ」

「「「……」」」

樹里「誰か場所を変わってくれよ」

「「「……」」」

樹里「揃いも揃ってそっぽ向くんじゃねー!!」

P(まあ、俺と告白し合うのはな)ハハ…

智代子「か、勘違いしないでねプロデューサーさん?」

智代子「プロデューサーさんが嫌いとかじゃないんだよ……ただ」

智代子「他のゲームよりも、恥ずかしいっていうか……」モジモジ

果穂「男の人に告白するのは、すごく緊張しちゃいます……」テレテレ

夏葉「そうね、ゲームと分かっていても。女の子相手の方が気が楽だし」

樹里「アタシも同じ気持ちなんだよ! ジャンケンしてくれ、頼む!」

58: 名無しさん 2018/08/28(火) 02:30:55.52 ID:/9bi8ghS0
凛世「樹里さん。よろしければ凛世と…」

樹里「結局プロデューサーと隣じゃねーか!」

樹里「あーもう、分かったよ! ここでいい! その方が鋼の心を実証しやすいしな!」

P「あのさ、よければ俺が抜けて…」

凛世「それでは始めましょう」

P(食い気味に被せられた!)

凛世「順番は、プロデューサーさま、凛世、智代子さん、夏葉さん、果穂さん、樹里さんです……」

凛世「プロデューサーさま、どうぞ」

P「あ、ああ」

P(好きな人に告白するみたいに、か)


P「凛世」

凛世「はい」

P「好きだ」

凛世「……プロデューサーさま……」ポッ


凛世「もう一度おっしゃってください……」モジモジ

P「す、好きだ」

凛世「もう一度……」

P「凛世! 好きだ!」

凛世「もう一…」

智代子「凛世ちゃん!? 進まないから!!」

樹里「無限ループする気か!」

凛世「申し訳ございません……高ぶる気持ちを抑えられず……」

59: 名無しさん 2018/08/28(火) 02:32:04.46 ID:/9bi8ghS0
夏葉「今のは照れていたのかしら」

凛世「いえ、プロデューサーさまの真剣なお顔に、見惚れていたのです……」

果穂「なら仕方ないです!」

智代子「仕方ないね!」

P(仕方ないのか?)

凛世「智代子さん……」

智代子「は、はいっ」


凛世「……凛世は……」モジモジ

凛世「凛世は……智代子さんを、お慕いしております……」

凛世「……好き、です……」カァァ


智代子「あ……えっと……!」アセアセ

P「何で焦る」

智代子「あ、あはは……凛世ちゃんがあまりにも健気で、戸惑っちゃった」

果穂「もじもじして可愛かったですねっ」

凛世「智代子さんを、意中の方だと意識しました」ジー

P(めっちゃ俺を見てくる)

智代子「私も本気でやるよ。生まれてきてから今まで、一度も告白なんてしたことないけど」

智代子「夏葉ちゃん、覚悟!」

夏葉「かかって来なさい」

智代子「すー……はー……」

60: 名無しさん 2018/08/28(火) 02:33:28.75 ID:/9bi8ghS0
智代子「な……夏葉ちゃんっ」

智代子「その、校舎裏なんかに呼び出してごめんね?」

智代子「生徒会の仕事で忙しいのに……」

P(設定がしっかりしてる)

夏葉「気にしないで。要件は?」

智代子「え、えっと……」モジモジ

智代子「わ……私……夏葉ちゃんのことが……」

智代子「好きですっ!」カァァ

智代子「もしよければ付き合ってください!」


智代子「……」チラッ

夏葉「……」

智代子「あれ!? 顔色一つ変えてない! 我ながら渾身の演技だと思ったのに!」

夏葉「とても可愛かったわよ」フフ

凛世「瞳を潤ませ、可憐な乙女を演出されていました」

智代子「照れさせないと意味ないよ!」

夏葉「照れるよりも、智代子が可愛いっていう気持ちが強くて」

夏葉「きっと告白された男の人は、その気が無くても一撃で仕留められるでしょうね」

智代子「え、本当?」

夏葉「ええ」

61: 名無しさん 2018/08/28(火) 02:36:09.70 ID:/9bi8ghS0
智代子「プロデューサーさんもそう思う?」

P「俺に意見を求めなくても……」

智代子「男の人の目から見てどうだったかも聞きたいんだ」

P「可愛かったよ」

智代子「プロデューサーさんならオッケーする?」

P「もし俺が智代子と同学年の男子高生だったら、するだろうな」

智代子「そっか……えへへ。女の子としての自信がついたよ!」グッ

凛世「……」ゴゴゴゴ

P(背後から威圧感が。振り向かないようにしよう)

夏葉「私の番ね」

果穂「……!」ササッ

夏葉「どうして身構えるの?」

果穂「照れないように集中してるんです」

夏葉「そう……」


夏葉「果穂」

果穂「は、はいっ」

夏葉「私は貴方のことが好き」

果穂「……」

智代子(真剣な眼差しだ)

P(冷静に見ると、同性とはいえ小学生に告白する20歳ってヤバい絵面だな)

62: 名無しさん 2018/08/28(火) 02:37:40.36 ID:/9bi8ghS0
夏葉「果穂、好きよ」ジリジリ

果穂「あ……う……」ススッ

智代子(詰め寄られてるせいで果穂が後ずさりしてる!)

P「そこまでだ」

夏葉「えっ? まだ途中よ?」

凛世「果穂さんをご覧ください」

夏葉「!」

夏葉「ご、ごめんなさい! 怖がらせてしまったわね」

果穂「ち……ちょっとびっくりしただけですよ……」アハハ

夏葉「心から謝罪する。どうかしてたわ」

智代子「好きな人に告白するイメージでってルールだし、仕方ないよ」

果穂「夏葉さんの気持ち、伝わってきました!」

夏葉「優しいのね……」

果穂「ホントのことですっ!」ニコッ

智代子「っていうか、夏葉ちゃんってああいう感じで告白するんだね」

智代子「誰よりも真剣だったよ」

夏葉「告白されたことはあっても、告白したことはないのだけど」

夏葉「自分の気持ちはストレートに伝えるのが一番だと思うから」

夏葉「とはいえ、さっきみたいにやり過ぎてしまうのもね……。どうすればよかったのかしら」

P「小学生の立場で考えると、20歳の大人が告白してきたら、どうあがいても怖いだろうな」

63: 名無しさん 2018/08/28(火) 02:41:42.25 ID:/9bi8ghS0
夏葉「そういうことじゃなくて」

夏葉「相手が大人の男性でも、さっきみたいにやれば怖がられると思わない?」

夏葉「よければ、何かアドバイスを貰えないかしら」

凛世「ひとまず……詰め寄るのは、おやめになった方がよろしいかと……」

夏葉「そうね」

P「あと真剣過ぎて眉間にしわが寄るのも」

夏葉「しわ!? 眉間にしわが……き、気をつけるわ」

P(まあ何だかんだ心配はなさそうだな。自分でも言ってたけど、夏葉は告白される側だし)

凛世「夏葉さんが終了いたしまして……お次は、果穂さんです。樹里さんに告白を」

果穂「はいっ!」

智代子「あれ? そういえば、樹里ちゃんってずっと黙ったままだよね」

樹里「……」

果穂「頭を抱えてます」

智代子「樹里ちゃん?」

樹里「!!」

樹里「な、何だよ……?」

凛世「果穂さんに、順番が回ってきました……」

樹里「そういうことか」

P「他にどういうことがあるんだよ」

果穂「いきますよ!」

樹里「ああ、いつでもいいぜ」


果穂「樹里ちゃん……だいだい、」

果穂「だーーーい好きですっ!!」ニコッ

(((可愛い)))

64: 名無しさん 2018/08/28(火) 02:43:33.76 ID:/9bi8ghS0
樹里「……」

果穂「何ともない!?」ガーン

樹里「いや、可愛いには可愛いけど、照れるまではいかねーよ」

果穂「か、可愛い……ですか?」

P「もちろん」

智代子「とびきりね」グッ

夏葉「果穂らしい告白の仕方ね」フフ

凛世「まるで、天使のような笑みでした……」

果穂「そんな……えへへ……」

智代子「今もなお可愛い果穂は充分撫でまくるとして」ナデナデ

智代子「次はいよいよ樹里ちゃんだねっ」

樹里「……」

凛世「樹里さん、順番が…」

樹里「わ、分かってるって!」

樹里(大丈夫だ、何度もシミュレーションした。あとは平常心で演技するだけだ)

樹里(いけるぞアタシ! やってやれ!)


樹里「プロデューサー」

P「……」

樹里「……アタシは……」

樹里「ぷ、プロデューサーの……ことが……!」

樹里「す……すっ……!」カァァ

65: 名無しさん 2018/08/28(火) 02:45:09.64 ID:/9bi8ghS0


樹里「好きだっ!」

P「……」


樹里「はぁ……はぁ……」

樹里(言ったぞ。言ってやった)

樹里(言ってやったぞ!!)

P「樹里、もう一度言ってくれ」

樹里「へ?」

P「だから、もう一度言ってくれないか?」

樹里「なっ……! んなこと、できるわけ……!」

凛世「そうした場合、樹里さんは敗北となります」

樹里「はあ!? そんなルール知らねーぞ!」

凛世「言い忘れてしまいました……申し訳ございません」

樹里「くぅっ……!」

樹里(だ、大丈夫だ。あと一回言うだけだ)

樹里「プロデューサー! アタシは……」

樹里「アタシは……プロデューサーが……!」


樹里「うわあああ! 無理だ! もう言えねー!」バッ

果穂「しゃがんじゃいました」

夏葉「いいの? 貴方の負けになるわよ」

66: 名無しさん 2018/08/28(火) 02:46:47.36 ID:/9bi8ghS0
樹里「負けでいい! これ以上やったら死ぬ!」

智代子「そんな大げさな」

P「ごめんな樹里、意地が悪かったよ」ハハ…

樹里「全くだぜっ! あとで覚えとけ」

P「な、何をする気だ?」

樹里「アイス奢れ」

P「どんなことされるかと思えば……そのくらいならいいよ」

樹里「約束だぞ!」

果穂「いいなー」

智代子「私も食べたい……」

P「どうせなら、みんなの分も買うよ。コンビニに行こうか」

果穂「いいんですかっ!?」キラキラ

凛世「ありがとうございます……」

夏葉「お言葉に甘えるわ」フフ

智代子「今は……16時40分か。結構時間余ったね」

果穂「最後のゲーム、10分しか経ってません」

樹里「……そうなのか?」

樹里「じゃあ、あと一回くらいはやれそうだな」

夏葉「は?」

67: 名無しさん 2018/08/28(火) 02:49:10.55 ID:/9bi8ghS0
樹里「もう一度やろうぜ。さっきのゲーム」スッ

P「樹里……」

樹里「このままじゃなんかモヤモヤするんだよ! 頼むっ!」

智代子「私はいいよ?」

果穂「あたしもです!」

夏葉「貴方ね……悪あがきはよしなさい。潔く負けを認めるのも…」

樹里「夏葉。照れずにプロデューサーに告白できるか?」

夏葉「え」

樹里「さっきはお前らが嫌だって言うから、アタシが仕方なく隣になったんだ」

樹里「同じ立場に立った時、照れずに言えるのかよ」

夏葉「……い、言えるわ」

樹里「あれだけ拒否してたのに、急に言えるようになるのか?」ニヤリ

夏葉「言えるって言ってるでしょ!」

樹里「なら見せてもらおうじゃねーか」ヘヘ

P(今度は夏葉が挑発に……)

夏葉「分かったわ。すぐに済ませてコンビニに行きましょう」

凛世「順番は、どうしますか……?」

樹里「最初が夏葉、次にプロデューサー。この2人は固定で自由に決めてくれ」

樹里(プロデューサーに告白するより、されるなら何とか耐えられるしな)

智代子「じゃあジャンケンしよっか。最初はグー……」

68: 名無しさん 2018/08/28(火) 02:50:56.68 ID:/9bi8ghS0

――――

樹里「決まったな。夏葉、プロデューサー、果穂、アタシ、凛世、チョコの順だ」

夏葉「……」

樹里「どうした夏葉? 俯いてるけど」

夏葉「どのアイスを選ぶか、今の内に決めておこうと思っただけよ」

樹里「へー」ニヤニヤ

智代子(形勢逆転というか何とかいうか)

凛世「時間も時間ですので、始めましょう……。夏葉さん、お願いいたします」

夏葉「ええ……」

夏葉「……」

P(どうしたんだ夏葉。さっきみたいにやればいいのに)

P(あ。もしかして、怖くならないように気をつけてやろうと……)

夏葉「プロデューサー」

P「……!」


夏葉「好きよ」

夏葉「あ、貴方の事が……好き……」カァァ

P「!!」


智代子(か……可愛い……!!)

果穂(夏葉さんのあんな顔、見たことない!)

69: 名無しさん 2018/08/28(火) 02:53:51.40 ID:/9bi8ghS0
樹里「あれ? 顔が赤いな夏葉」

夏葉「これは……レッスンルームが暑いだけよ!」

樹里「そうか。そういうことにしといてやるよ」

夏葉「この……!」

P「夏葉、すごいな」

夏葉「え……?」

P「果穂に告白した時のアドバイス、実践したんだろ?」

P「こんなに早くものにするとは流石だよ。心にグッときた」

夏葉「あ、ありがとう」

智代子(今のはそういうのじゃないと思うけど。まあいっか)

凛世「プロデューサーさま」

P「ああ、俺だな」

P(果穂に告白か。どうやって……)

P(ん? 果穂に告白?)

果穂「……」ドキドキ

P「……」

P(もしかして、夏葉の時よりヤバい絵面が誕生するかこれ)

P(大人の男が小学生に告白って……)

樹里「プロデューサー、どうした?」

P「……」ダラダラ

智代子(汗がすごい)

70: 名無しさん 2018/08/28(火) 02:56:44.31 ID:/9bi8ghS0
P(ゲームでもマズイだろ。小学生に告白ってのは)

P(いや、考えすぎか? たかがゲームなんだし、楽に済ませて……)

果穂「……?」

P(そうだ、楽に済ませよう。幸い今日ははづきさんもいないし、ドアを開かれて誤解されることもない)

P(よし)

P「果穂」

果穂「は、はいっ」ドキドキ


ガチャ


はづき「ふ~、暑いですね~今日も――」

P「俺は果穂のことが好きだ」

果穂「……っ」カァァ


果穂「あぅ……」プシュー

P「……」

P(何だこのやってしまった感は)

P(今思えば、たかがゲーム、されどゲームだよな……)


ゾクゾクッ


P「!?」

P(せ、背筋が……?)

71: 名無しさん 2018/08/28(火) 02:58:28.40 ID:/9bi8ghS0
P(変だな、エアコンにしては寒すぎるし)

P(というか……この感覚は以前にも……)

智代子「ぷ、プロデューサーさん……後ろ……!」プルプル

P「え……」


はづき「……」


P「は……はづき、さん……?」

P「な、何で……今日は外に用事があるって……!」ガタガタ

はづき「最低ですね」

P「え」

はづき「プロデューサーがアイドルに告白って……」

はづき「しかも小学生って……何を考えてるんですか……?」

P(怒りだけじゃない!! 軽蔑の色も入ってる!!)

P「ど、どの展開から見てたんですか? すみません今回も誤解を生んでしまったようで…」

はづき「近寄らないでください」ササッ

P「うっ……」

智代子「はづきさん! プロデューサーさんの言うとおり、誤解なんです!」アタフタ

夏葉「ゲームをしてたんです。凛世が用意したゲームを。そうよね?」

凛世「はい……放課後クライマックスガールズの皆様と」

凛世「そしてプロデューサーさまと、親睦を深めたいと思いまして……」

72: 名無しさん 2018/08/28(火) 03:03:57.80 ID:/9bi8ghS0
樹里「さ、さっきのもその内の1つなんだ! ちょっと変なルールだけど楽しくてさ!」アセアセ

果穂「そ、そうです! 楽しかったです!」エヘヘ

はづき「……」

P「いいんだよ、みんな。今回は自業自得だ」

果穂「え?」

P「お金を渡すから、それぞれ好きなアイスを買ってくれ」

智代子「その前に誤解を…」

P「俺は大丈夫だよ。これで足りるかな?」スッ

夏葉「充分よ。ありがとう」スッ

P「はづきさん」

はづき「……」

P「どうかこの私めに、一連の流れの説明をさせてはもらえないでしょうか」

はづき「……いいですよ。事務所に行きましょうか」スタスタ

P「それじゃあ、気をつけて帰るんだぞ。あとで無事に帰ったか連絡を入れるから」スタスタ

パタン

「「「……」」」

樹里「こ……怖えー……」

夏葉「噂には聞いていたけど本当だったのね」

智代子「はづきさんは怒るとエグい、ってやつだね」

73: 名無しさん 2018/08/28(火) 03:06:24.03 ID:/9bi8ghS0
果穂「プロデューサーさん、あたしのせいで……」

樹里「果穂は何にも悪くねーぞ。アタシがもう一回やろうなんて言わなけりゃよかったんだ」

凛世「いえ……凛世が企画をしなければ……」

智代子「それは違うよ? みんなでゲームを楽しんで、しっかり仲良くなれたし」

夏葉「そうね。結果的にこうなってしまったけど」

樹里「というか凛世。すげーなお前」

凛世「?」

樹里「あのはづきさん見て顔色一つ変えなかっただろ?」

智代子「そういえば」

凛世「確かに、顔色は変わりませんでした……」

凛世「ですが……震えが……」プルプル

果穂「あっ、ホントですね」

夏葉「よく見ると小刻みに震えてるわね」


「「「……」」」


樹里「どうする? プロデューサー待つか?」

果穂「でも、プロデューサーさんは『気をつけて帰って』って言ってました」

智代子「うん。暗くなっちゃうし、コンビニでアイス買って食べながら帰ろう?」

樹里「そうだな……明日、謝らねーとな」

凛世「はい……」

74: 名無しさん 2018/08/28(火) 03:07:43.30 ID:/9bi8ghS0

――――

はづき「……」

P「……あの」

P「もう30分も正座をしっぱなしで……」

はづき「ですね~。そろそろ訳を聞きましょう」

はづき「今回は何故ああなったんですか?」

(5分後)

はづき「凛世ちゃんのゲームで、ですか」

P「はい……プロデューサーの俺も参加して、絆を深めて欲しいって」

P「はづきさんとの約束は覚えていたんですけど、線引きすれば大丈夫かなと」

はづき「で、線引きに失敗したと」

P「俺自身ゲームを楽しんで、ラインがどんどん広がり……」

P「ダメプロデューサーで本当にすみません……」ペコリ

はづき「はぁ……全く。もうこれで3度目ですよ?」

はづき「ご自分の立場、ちゃんと理解してるんですか」

P「してるつもりです」

はづき「なら、もうこんなことはないようにしないといけませんね?」

P「おっしゃる通りです」

はづき「3度目の正直は破っちゃいましたから、4度目の正直といきましょう」

はづき「アイドルと仲良くなるのはいいですけど、限度を考えて行動してくださいね」

P「はい」

75: 名無しさん 2018/08/28(火) 03:10:32.25 ID:/9bi8ghS0
はづき「絶対にですよ? フリじゃないですからね?」

P「はい」

はづき「お願いしますね。あの娘たちのためでもあるんですから」

はづき「それに私のためでも……」ボソッ

P「え?」

はづき「何でもないです。それより」

はづき「凛世ちゃんが考案したゲーム、ちょっと興味あるんですよね」

P「凛世のゲームですか。2人でやっても楽しいかどうか分かりませんけど」

はづき「やってみましょうよ! 特に好きですゲームをやってみたいです」

P「いいですけど……じゃあ仕事しながら」

はづき「はい♪」ニコッ


おわり

76: 名無しさん 2018/08/28(火) 03:12:54.82 ID:/9bi8ghS0
ゲームを3つくらいにすればよかったかもしれない…
放クラは活気のあるユニットで見ていて元気が出ますね、特に樹里と夏葉のコンビが好きです

途中、キャラの喋り方などのミスがありました、すみません
読んでくださってありがとうございました