1: 名無しさん 2016/10/14(金) 21:04:52.88 ID:1SEK7l2+0
最終章だったり最終章じゃなかったり

女提督「甘えさせたり甘えたり」
http://ex14.vip2ch.com/i/responce.html?bbs=news4ssnip&dat=1422373331

女提督「甘えてもいいんだよ?」
http://ex14.vip2ch.com/i/responce.html?bbs=news4ssnip&dat=1429869385

女提督「甘い時間は溶けるように」
https://ex14.vip2ch.com/i/responce.html?bbs=news4ssnip&dat=1447160420

女提督「甘すぎる…」
https://ex14.vip2ch.com/i/responce.html?bbs=news4ssr&dat=1458901091

引用元: ・女提督「たとえ理想が甘くても」

2: 名無しさん 2016/10/14(金) 21:15:20.98 ID:1SEK7l2+0
提督「うはぁー、疲れたぁ~…」ボフッ

瑞鶴「…………」ジー

翔鶴「瑞鶴、どうしたの?」

瑞鶴「…胸が大きい人って、うつ伏せになると苦しいって聞いたけど…提督さん苦しくないのかなって」

提督「あー…布団だと柔らかいから多少は楽かなあ…硬い床とかだと潰れて苦しいんだけど」

瑞鶴「ふぅん……」

翔鶴「ああ…仰向けの方が楽ですよね」

飛龍「わかるわかる、それかクッション挟んだりとかね」

蒼龍「でもそれやると頭の高さが合わなくてつらいからなぁー…」

提督「寝転ぶのにも結構気を使うよね…」

瑞鶴「…………」ペタペタ

3: 名無しさん 2016/10/14(金) 21:34:41.52 ID:1SEK7l2+0
瑞鶴「…大きいってそんなにいい?」

提督「いやそうでもないよ…可愛い下着とかなかなかないし、ブラウスですら合ったの見つけるのに苦労するし」

赤城「そういえば提督、この前胸元のボタンが弾け飛んだらしいですね」

提督「あはは…あったね」

飛龍「あーあったあった!あれリアルタイムで見てたから超ビックリした!」

蒼龍「まさか現実に起こり得るとは思わなかったよね」

提督「外じゃなくてよかった…」

翔鶴「でも、不便なことばかりではないですよね?ほら、行儀は悪いですが飲み物とか置いたり」

蒼龍「ああ、やるやる。提督もよく本読んでる時胸に本置いてるでしょ?」

提督「…言われてみれば、確かにいつもそうしてるね」

瑞鶴(会話に混ざれない…)

4: 名無しさん 2016/10/14(金) 22:11:41.53 ID:1SEK7l2+0
瑞鶴「でも…大きい人は肩が凝るっていうじゃない?その辺どうなの?」

提督「えぇ?私はそうでもないけど…もう慣れてるし」

赤城「私は生まれた時からこうだったので、慣れも何もなくて…やっぱり、机に乗せたりすると楽になりますね」

加賀「私もそんなところね」

提督「じゃあ艦娘のみんなも同じ感じなのかな」

瑞鶴「…やっぱり重いの?」

提督「そりゃあまあ」

瑞鶴「提督さんの胸、触ってみてもいい?」

提督「え……」

加賀「……………」

瑞鶴「あ、や、やましい気持ちはないのよ!?ほんの好奇心でね、ほら!」

提督「それは分かってるけど…まあ、ちょっとだけなら」

9: 名無しさん 2016/10/15(土) 02:32:46.74 ID:t9Tc/DpX0
瑞鶴「では失礼して…」スッ

ズシッ

提督「…………」

瑞鶴「おぉ…ただの脂肪の塊なのに特別な重みを感じる…」ユサユサ

飛龍「なにあの提督の超微妙そうな表情…」

蒼龍「ねえねえ加賀さん、夜提督とする時っていつもあんな表情してるの?」

加賀「……答える必要はないわ」

提督「…………///」

飛龍「聞こえてるよね…あの反応を見るにやっぱり…」

ガッ

加賀「忘れなさい」ギリギリ

飛龍「ひぎぃ!?わっ、忘れました忘れました!」

提督「あの…も、もういい?」

瑞鶴「えー、もうちょっと…なんなら乳枕でもしてもらおっかなー♪」

加賀「…………」ビキ

瑞鶴「じょ、冗談です…」

12: 名無しさん 2016/10/15(土) 20:51:05.30 ID:t9Tc/DpX0
飛龍「でも羨ましいよね、提督のおっぱい枕」

提督「お、おっぱい枕って…」

蒼龍「ねー、駆逐艦の子達はよくあれで寝てるもんね」

提督「だ、抱っこしてたらいつの間にか寝ちゃって…」

赤城「たぶん、子供だから母性の象徴である胸で安心するんでしょう」

翔鶴「お母さんみたいなものですね」

加賀「…私もたまに遊んであげてた駆逐艦に顔を埋められたまま寝られることがあるわ」

赤城「あら、加賀さんもですか?」

飛龍「んー、私もあるなぁ」

瑞鶴「……ないわよ……そんな経験…」

提督「ま、まあまあ…女性の魅力は胸だけじゃないから…」

瑞鶴「さっすが提督さん、分かってるぅー!」ダキッ

加賀「どさくさに紛れて抱き着くのはやめなさい…」ズズ

提督「あはは…」

14: 名無しさん 2016/10/15(土) 22:19:15.62 ID:t9Tc/DpX0
提督「さてと…そろそろ寝た方がいいんじゃないかな」

加賀「そうね、明日も早いもの」

飛龍「じゃあ豆電にするよー?」

蒼龍「はーい」

パチッ

提督「……翔鶴も横向いて寝るんだね」

翔鶴「え?ええ、なんとなくこの方がよく眠れるので…」

加賀「そういえばあなたはいつも丸まって寝てるわね」

赤城「ええ、今も…なんだかお腹にいる赤ちゃんみたいです」

提督「なんだかこうしてると安心して…」

飛龍「そういう寝方する人って割と甘えたがりらしいよ」

提督「そうなの?」

蒼龍「どう?一緒に寝てみる?今ならいっぱい甘やかしてあげるよ?」

提督「ふふ、どうしようかなあ」

加賀「ちょっと」

蒼龍「あはは、冗談ですよ」

16: 名無しさん 2016/10/16(日) 20:58:16.02 ID:cEy5ABE10
「……………」

瑞鶴「……もう寝た?」

飛龍「寝たー」

蒼龍「寝たよー」

瑞鶴「起きてるじゃない…」

翔鶴「瑞鶴、眠れないの?」

瑞鶴「や、そういうわけじゃないんだけど…」

提督「zzz…」

瑞鶴「提督さん寝てるし…」

飛龍「うそ、はやっ」

加賀「……眼鏡…」カチャ スッ

赤城「寝顔、可愛いですね?」

加賀「………そうね」

瑞鶴「う~ん…なんか、こうして集まってると思い出すことがあるのよね…」

翔鶴「思い出すこと?」

17: 名無しさん 2016/10/17(月) 19:46:59.57 ID:SCBLm9Kd0
瑞鶴「なんていうの…変な夢を見たことがあって…」

翔鶴「…夜中に呻いてた時の?」

瑞鶴「そう、それ!」

飛龍「しーっ、提督寝てるんだから」

瑞鶴「あ、ご、ごめん…」

翔鶴「あれは結局どんな夢だったの?」

瑞鶴「……えっと、ちょっと怖い話なんだけど…」

加賀「…………」バサッ

赤城「あ、閉じこもった…」

~~~

瑞鶴「………ってことがあって…」

飛龍「はあ…そりゃなんとも気味の悪い…」

18: 名無しさん 2016/10/17(月) 20:33:00.60 ID:SCBLm9Kd0
翔鶴「でも、ただの夢だったんでしょう?」

瑞鶴「それがね、なんか…妙に現実感のある夢っていうか、夢にしては記憶が鮮明に残ってるっていうか…」

蒼龍「…でも、書斎には何もなかったんでしょ?」

瑞鶴「ええ、いつの間にか呻き声が聞こえるって噂もなくなったみたい」

飛龍「……なんか、夢にしてはあまりにタイミングが良すぎるというか」

蒼龍「怪しい、ね…」

瑞鶴「…………」チラッ

提督「すぅ……」zzz

翔鶴「でもこんな穏やかな人が怪しげな実験とかなんてするように見える?」

赤城「とてもそうは見えませんね…」

ズボッ

提督「んがっ……は、はふっ…」

翔鶴「こんなに優しそうな人なのに」

瑞鶴「翔鶴姉、遊んでない?」

翔鶴「うふふ、赤ちゃんみたい」ツン

提督「んにゃあ…」ゴロ

瑞鶴「翔鶴姉遊んでるよね?」

21: 名無しさん 2016/10/20(木) 03:37:13.25 ID:Kxtqj+YW0
加賀「こら、寝てるんだからやめなさい」

翔鶴「ふふ、ごめんなさい」

飛龍「でも、もしそれが事実だとしたら何のためにそんなことしてるんだろうね?」

蒼龍「もしかして…世界征服とか!?」

瑞鶴「まさか。そんな子供じゃあるまいし」

蒼龍「じゃあ何してると思うの?」

瑞鶴「…夢とはいえ、あれはどう見ても異常だったからなぁ…ほんとに何をしてるのか見当もつかないわ」

飛龍「目に注射されたんだっけ?それから特に何かあったわけじゃないの?」

瑞鶴「ええ、違和感もなにも」

翔鶴「なら本当にただの夢じゃないの?」

瑞鶴「………そうかも」

飛龍「えぇ…もう、はっきりしないなぁ」

加賀「あなた達…そろそろ寝た方がいいわよ」

蒼龍「それもそうですね…じゃあ、おやすみなさい」

「「「おやすみー…」」」

22: 名無しさん 2016/10/20(木) 03:43:48.23 ID:Kxtqj+YW0
瑞鶴「…………」

瑞鶴(みんな寝たかな…)

瑞鶴(もう二時…確か、あの時の夢もこんな風に…)

提督「…………」ムク ゴソゴソ

瑞鶴(……あ、あれ…?)

提督「ふあぁ…」

瑞鶴(あれあれ…な、なんか…デジャヴ…?)

提督「……ん?」

瑞鶴「」ビクッ

提督「…瑞鶴、起きてる?」

瑞鶴「……は、はい」

提督「眠れないの?」

瑞鶴「あ、いや…提督さんがごそごそしてたから、目が覚めちゃって…」

提督「あ…それは悪いことしちゃったね、ごめん」

瑞鶴「え、えぇ…ところで、今からどこかに行くの…?」

提督「え?うん、ちょっと催しちゃって…」

瑞鶴「…怪しげな実験とかじゃなくて?」

提督「じ、じっけん…?」

23: 名無しさん 2016/10/20(木) 22:38:31.78 ID:Kxtqj+YW0
提督「ええと…寝ぼけてる?」

瑞鶴「んなっ…ま、真面目に言ってるの!」

提督「真面目にそんなこと言うって…熱でもあるの?明石に診てもらう?」

瑞鶴「そ、そういうのじゃなくて!もう!」

提督「はあ…で?なんの話?」

瑞鶴「だから、前に提督さんが変なことしてる夢を見て…それとこの状況が同じだったから、もしかしてって思って…」

提督「ふぅん…」

瑞鶴「で…ど、どうなの…?」

提督「……どう思う?」

瑞鶴「え…」

提督「…………ふふ…」

瑞鶴「……じょ、冗談でしょ…?」

提督「知られたからには…生かしておく訳にはいかないね…」ガシ

瑞鶴「ひっ!?」

24: 名無しさん 2016/10/20(木) 23:07:59.50 ID:Kxtqj+YW0
提督「…………」

瑞鶴「…………」ガタガタ

提督「……ぷっ、あははは!」

瑞鶴「あ、ぇ…はっ…?」

提督「そこまで怯えるなんて、よっぽど怖い夢だったんだ?」

瑞鶴「ぁ…も、もう!本気でびっくりしたじゃない!」

提督「ふふふ、ごめんごめん。でも、あまりに気にしてるみたいだから…」

瑞鶴「だって…」

提督「大丈夫だよ、そんなことしてないから」

瑞鶴「そ、そうなの?」

提督「うん…まあ、証明はできないだろうけど…」

瑞鶴「い、いや…その言葉が聞けただけでも良かったわ…」

25: 名無しさん 2016/10/20(木) 23:14:21.60 ID:Kxtqj+YW0
提督「それにしても、実験か…艦娘にはまだまだ不可解なことも多いし、調べてみれば色んな利益があるかも…」ブツブツ

瑞鶴「あ、あのー提督さん…?」

提督「…ん?なに?」

瑞鶴「トイレ…行かなくていいの?」

提督「え?あ、ああ!やばっ!」

バタバタ

瑞鶴「…一応私も行っとこうっと」

ガチャ

バタン

28: 名無しさん 2016/10/22(土) 17:03:19.53 ID:ekBxbolP0
~~~

瑞鶴「ふー…」

提督「はーすっきり…」

瑞鶴「それにしても、普段騒がしいここが真っ暗でこんなに静かだと不気味ね…」

提督「そう?私は落ち着いた気分になるから好きだけど」

瑞鶴「提督さんは肝が据わりすぎなのよ…」

提督「でも幽霊なんて非現実的だし…見えないものよりも見えるものの方が怖くない?」

瑞鶴「例えば?」

提督「うーん…詐欺とか…通り魔とか…?」

瑞鶴「そういうのって普通暴漢とかヤクザとか言うもんじゃないの?」

提督「え?いや、私は別にどっちも平気だし」

瑞鶴「…そういやこの人めちゃくちゃ強いんだった…」

29: 名無しさん 2016/10/22(土) 17:09:18.71 ID:ekBxbolP0
カタッ…

瑞鶴「」ビクッ

提督「どうしたの?」

瑞鶴「い、今…何か物音がしたような…」

提督「ラップ音かなにかじゃないの?」

瑞鶴「ラップ…何?なんでもいいけど、早く戻らない?なんか寒気がしてきた…」

提督「…意外と怖がりなんだね」

瑞鶴「ふ、普通よ!提督さんがおかしいだけだから!」

提督「…………」クス

瑞鶴「なんで笑うの!!」

提督「はいはい、静かにしようね」

瑞鶴「もー…調子狂うわ…」

30: 名無しさん 2016/10/22(土) 17:20:41.35 ID:ekBxbolP0
瑞鶴「はー…布団あったか…」

提督「…なんでナチュラルに私の布団にいるの?」

瑞鶴「間違えた」

提督「先に私が入ったのに間違えるわけないでしょ…」

瑞鶴「固いこと言わないの、遠慮し合う仲でもないんだし」

提督「この場合遠慮するのは瑞鶴の方なんじゃないかな…」

瑞鶴「まあまあまあまあ」

提督「…怖くなったとかじゃないよね」

瑞鶴「そそそそんなわけないじゃないうふふふ」

提督(怖くなったんだ…)

提督「はぁ…もう寝るよ…」

瑞鶴「はーい」

31: 名無しさん 2016/10/22(土) 18:06:00.93 ID:ekBxbolP0
提督「…………」

瑞鶴「zzz……」

提督(実験…怪しげな、ね…)

提督(…やっぱり隠してるつもりでもなんとなく分かるんだろうなあ)

提督(瑞鶴の言ってた夢とはだいぶ違うけど…それでも人に言えないようなことなのは確か…)

提督「…………」チラ

提督(……みんな、幸せそうな顔して寝てる…)

提督「……………」

提督(もう…時間がない…)

提督(私は……どうすべきなんだろう…)

32: 名無しさん 2016/10/22(土) 18:11:12.79 ID:ekBxbolP0
~~~

飛龍「ふあぁ……朝だ~…」

蒼龍「あと5時間…」

加賀「冗談言えるくらいならもう目が覚めてるでしょう、早く起きなさい」

蒼龍「ふぁい…」

翔鶴「おはようございます…」ゴシゴシ

飛龍「…あれ?瑞鶴は?」

翔鶴「……あら?いない…?」

蒼龍「とりあえず提督起こす?」

加賀「そうね、布団をめくれば起きるでしょう」

蒼龍「てーとくー、朝ですよー」

バサッ

提督「……んぁ…?」

瑞鶴「ぐぅ……」

蒼龍「えっ」

飛龍「えっ」

加賀「は?」

翔鶴「あっ」

33: 名無しさん 2016/10/22(土) 18:23:32.79 ID:ekBxbolP0
ガッ

瑞鶴「ぎゃあ!?なになに敵襲!?はっ加賀さん!?」

加賀「どういう訳なのか聞かせてもらおうかしら…」ズアア

瑞鶴(あっやば死んだこれ)

蒼龍「はい提督、眼鏡」

提督「…あぁ、ありがと…」スチャ

飛龍「浮気?」

提督「んん…?違うよ、瑞鶴が布団に入ってきただけ」

瑞鶴「ひいいぃぃ!!助けて翔鶴姉えぇ!!」

加賀「大人しくしなさい、死にはしないわ」

翔鶴「瑞鶴…ご愁傷様」

提督(…みんな、楽しそう…)

提督(そうだ……私は、この平和を守りたい…みんなで安心して過ごせる世界のために…この先どうなろうとも、あれはもういらないんだ…)

瑞鶴「待って待って加賀さん待って!直下式はやばいって!!」

加賀「布団の上よ、もし失敗しても死ぬだけだから安心しなさい」

瑞鶴「死ぬの!?あっ」

ドゴォ

飛龍「おお、一撃で沈んだ」

蒼龍「なんか、首が変な方向に曲がってる気が…」

瑞鶴「」ビクンビクン

翔鶴「明石さーん!!」

提督(……へ、平和なのかな…)

38: 名無しさん 2016/10/22(土) 20:49:04.97 ID:ekBxbolP0
19「提督、イクのこと呼んでみるのね」

提督「……?イク?」

19「んふふ、もっかい」

提督「イク」

19「大きな声で!」

提督「イク!」

19「もっと!!」

提督「イク!!」

19「叫ぶの!!」

提督「イクうううううううっ!!」

19「イク、イクのー!」

提督「イクのおおおおおおおっ!!!」

19「~~~~~~~/////」ゾクゾク

168(録音完了…)

提督「え…け、結局なんだったの?おーい、イク?イムヤ?あ、あれ…?無視ですか…」

39: 名無しさん 2016/10/22(土) 20:49:46.88 ID:ekBxbolP0
以上、一発ネタでした
しょーもなさすぎたと自分でも

45: 名無しさん 2016/10/26(水) 11:21:10.07 ID:OLjvBky30
夕張「…前に、加賀さん達が提督の妹さんと会ったそうね」

明石「へー、提督って妹いたんだ」

大淀「てっきり一人っ子かと」

夕張「まあ、提督ってあんまり自分のこととか人間関係とか話そうとしないから仕方ないかもね」

明石「実際、出会って三年で初めて家族構成知ったしね…」

夕張「五つ下の妹と、そのもう一つ下に一人いるらしいわ」

明石「三姉妹か…」

大淀「…やっぱり、こう…そういう、姉妹での…的なエピソードはあるのかしら…」

夕張「さあ……金剛さんが言うには三女の方はガチだそうだけど」

明石「…ガチ?」

夕張「…つまりそういうこと。大井と同レベルに」

大淀「それは…大変ね…」

46: 名無しさん 2016/10/26(水) 11:23:02.72 ID:OLjvBky30
明石「しかし、提督が姉属性だったなんて…まああの家事スキルを見れば納得はできるけど」

夕張「………………」

大淀「…どうかしたの?」

夕張「いや……姉ということはやっぱり提督は妹萌えなんじゃないかって…」

明石「妹萌え?」

夕張「ほら、お姉ちゃんって呼ばれたら喜ぶみたいな…」

明石「姉だからってさすがにそれは…」

夕張「でも五月雨ちゃんにお姉ちゃんって呼ばれたくない?」

大淀「それはまた別の話でしょう…」

夕張「こほん…話が逸れたわね。でもあの提督ならあり得るわ」

明石「どうしてそこまで言い切れるの?」

47: 名無しさん 2016/10/26(水) 11:26:34.78 ID:OLjvBky30
夕張「だってほら、世の中の姉が妹を愛するのは当然のことでしょう?」

明石「…そうなの?」

大淀「さあ…」

夕張「……当然のことだと思うの」

大淀(修正した…)

夕張「実際、シスコンな姉はたくさんいるわ」

明石「例えば?」

夕張「某ウィッチのカールスラント軍人とか、西住流の後継者とか、某ごらく部の影の薄い子の姉の方とか…」

明石「全部アニメじゃない…」

夕張「ホントのこーとさー?」

大淀「あ、私サイレント・ヴォイスの方が…」

明石「ちっがーーーーーう!!!そーいう話じゃないでしょ!!」

夕張「あはは、ごめんごめん」

48: 名無しさん 2016/10/26(水) 11:31:42.30 ID:OLjvBky30
明石「じゃあ…調べてみる?それとなくだけど」

夕張「オッケー、データの収集なら任せて」

大淀「提督が姉だったら………」

明石「…朝起こしてくれそうよね」

大淀「ああ…ご飯ができる直前に?」

明石「そうそう、椅子に座ったらすぐお米よそってくれる感じで」

夕張「もうそれ姉っていうよりお母さんじゃない?」

大淀「二人暮らしの姉妹ならこうなるでしょう?」

夕張「あっそういう設定なんだ」

明石「学校行ったらわざわざ大学もあるのに忘れてた弁当持ってきてくれたりとか…」

大淀「良い……」

明石「他にも家では一緒にゲームしたりとか、耳かきしてくれたりとか、眠れない日は添い寝してくれたりとか…」

大淀「『いつまで経っても甘えんぼなんだから…♪』とか言って…」

明石「ああーめっちゃ良い…」

夕張(提督が姉というだけでここまで妄想できるこの二人が真のシスコンなのでは…)

50: 名無しさん 2016/10/26(水) 19:20:36.81 ID:OLjvBky30
~~~

夕張「ふー、疲れた…」

提督「あ、夕張。整備お疲れ様」

夕張「ええ、提督も」

提督「休憩?」

夕張「そうね、ひと段落ついたから」

提督「そっか…お腹とか空いてない?何か作ろうか?」

夕張(これはできるお姉ちゃん力…)

夕張「じゃあ…おにぎりでもお願いしようかしら」

提督「具は?」

夕張「うーん…梅」

提督「はいはい♪」

54: 名無しさん 2016/10/27(木) 14:03:44.22 ID:5sW8JnooO
夕張「提督におにぎり握ってもらってるなう、と…」ポチポチ

提督「はい、とりあえず二つでいいよね?」コト

夕張「あ、ありがと」

提督「食べるときに携帯弄るの、行儀悪いよ?」

夕張「気をつけるわ…いただきます」

提督「ふー…」

夕張「疲れてるの?」

提督「ん…まあ、ここ最近色々あって…」

夕張「そういえば大本営に呼び出されたりしてたわね」

提督「うん…」

夕張「……何か始まるの?」

提督「あ…」

夕張「…?」

提督「…ごめん、聞かなかったことにしてくれる?」

夕張「え?ええ…」

55: 名無しさん 2016/10/27(木) 14:10:36.69 ID:5sW8JnooO
夕張「あー…そうそう、そういえばさ」

提督「うん?」

夕張「フラッグがスローネアインのさ、ビームサーベル弾き飛ばしてキャッチしてから叩き斬るシーンあったじゃない」

提督「……ええと、ダブルオーだっけ」

夕張「そう。あれすごくカッコよかったわ」

提督「うんうん、分からなくもないかな」

夕張「ところで…提督って、どうしてそんな男の子みたいな趣味あるの?」

提督「え?あ、いや、私のじゃなくて…妹が見てたのを解説してもらいながらなんとなーく見てたっていうか…それでDVDももらったりして部屋に置いてあるんだけど」

夕張(妹の話を引き出せた…!)

夕張「へえ、そうだったの」

提督「次女なんだけど…小さい頃からよくロボットアニメとか見てるみたいで」

夕張「なるほど…というか、妹居たのね」

提督「あれ、言ってなかったっけ?」

夕張「ええ、初耳」

夕張(嘘ついてごめんなさい…)

56: 名無しさん 2016/10/28(金) 22:57:46.10 ID:mNeOqs5V0
夕張「へぇ…なら提督はお姉ちゃんなのね」

提督「」ピクッ

夕張(今明らかな反応が…)

提督「…うん、一番上のね」

夕張「そっかぁ…ふんふん…」

提督「…どうかしたの?」

夕張「ん?いや、ほら…私って一人っ子じゃない」

提督「ああ…そういえば」

夕張「だから姉としての立場って割と羨ましくて…」

提督「そっちか…」ボソッ

夕張「え?」

提督「ううん、なんでもないよ」

夕張「…………」

提督「ここの一番艦たちを見てるとあんまり姉が良いものとは言えないと思うけどね…」

夕張「あはは…」

57: 名無しさん 2016/10/28(金) 23:10:20.26 ID:mNeOqs5V0
提督「ところで…妹の立場には?興味とかない?」

夕張「妹?私が?」

提督「うんうん、お姉ちゃんに甘えても許される特権があるよ」

夕張「うーん…あいにくだけど、私はもう甘えるような精神でもないし…もう少し幼かったらよかったかもね」

提督「そ、そっか…」

夕張「…なに?もしかしてシスコンだったりするの?」

提督「なんで?」

夕張「え…いや、まるで妹にならないかみたいな口ぶりだったから…」

提督「そんなことないよ、少しくらい妹が増えても私は大丈夫だし」

夕張(根本的に噛み合ってないような気が…)

夕張「もう少しデータを集めようかと思ったけど、すぐ実験に移っても問題なさそうね…」

提督「…?新しく開発でもするの?」

夕張「ええ、まあ…」

提督「そっか、頑張ってね」

夕張「ふふ、ありがとう」

夕張(さてと、誰に協力をお願いしようかしら…)

60: 名無しさん 2016/10/29(土) 00:23:55.88 ID:QCUq8oj30
~~~

夕張「……というわけで、提督をお姉ちゃん呼びしてほしいの」

敷波「は?」

夕張「提督を」

敷波「いや聞こえてるよ、なんでアタシがそんなことしなきゃいけないのさ」

夕張「提督が妹萌えか調べたいの」

敷波「そんなの他の誰かでもいいじゃん…」

夕張「提督との距離を縮めるチャンスよ?」

敷波「それはまあ、そうだけど……って別にどうでもいいよ、司令官のことは!」

夕張(ほんと分かりやすい子ね…)

夕張「でも提督、私にお姉ちゃんって言ってみただけで反応してたけど」

敷波「それがどうし…」

夕張「もし先に他の駆逐艦にお姉ちゃんって呼ばれたらハマっちゃって見向きもしてくれなくなるかも…」チラッ

敷波「!?」

63: 名無しさん 2016/10/29(土) 19:26:08.25 ID:QCUq8oj30
夕張「ほら、暁型の子とかさ…提督、あの子達溺愛してるからイチコロかもよ?」

敷波「え……い、いや、でも…」

夕張「電ちゃんにお姉ちゃんって呼ばれたらそりゃあもう、ああああ電かわいいよおおおお!!妹にするううううう!!ってなるわね」

敷波「そ、そんなのただのロリコンじゃん!」

夕張「ロリコンでしょ」

敷波「そうだった…」

夕張「しかもシスコンよ?先手を打たないとすぐに取られちゃうわ」

敷波「……う、うぅぅ~……」

夕張「まあほんとに提督のことがどうでもいいなら好きにすればいいけどね、ふふん」

バタン

敷波「…………」

敷波「…あぁーもぉー!!どーすりゃいいのさー!!」ゴロゴロ

64: 名無しさん 2016/10/29(土) 19:34:45.35 ID:QCUq8oj30
~~~

コンコン

「…司令官、今いい?」

提督「ん…いいよー」

ガチャ

敷波「失礼、します…」オズオズ

提督「どうしたの?」

敷波「えっと、その…暇ならでいいんだけどさ、時間があればでいいんだけどさ…あ、あの……」

提督「うん?」

敷波「…べ、勉強、見てほしくて…ダメ?」

提督「かわいい…」

敷波「へ?」

提督「あ、いや、勉強だっけ?うん、いいよ」

敷波「ほ、ホント!?」

提督「じゃあ、座学の教室に…」

敷波「あ…ま、待って!敷波の部屋、もう準備してるからそこでお願い!」

提督「そう?ならそこで」

敷波(よしっ…!)

70: 名無しさん 2016/10/31(月) 09:24:37.31 ID:64r3l3gJ0
バタン

敷波「か、鍵って閉めた方がいい?」

提督「え?」

敷波「あ!い、いや、なんでもない…よ、うん」

提督「う、うん…?」

敷波(ああもう!何言ってんのさあたし…)

提督「それで、見てもらいたい科目って?」

敷波「ええと…んーと、全体的に…」

提督「体育は?」

敷波「ん…それはいいや」

提督「はいはい。じゃあどれからやろっか?」

敷波「うーん…国語、かなぁ…」

提督「よし、なら始めようか」

敷波「うん」

71: 名無しさん 2016/10/31(月) 09:58:09.22 ID:64r3l3gJ0
敷波「んーーっ………はぁ…」ググ

提督「結構長いこと集中してたね…ちょっと休憩しよっか」

敷波「え、まだできるよ」

提督「人の集中力は1時間程度しか持続しないって言うし、根を詰めすぎると毒になるよ?」

敷波「…それ、いつもの司令官でしょ」

提督「あはは…ほら、私は大人だからいいの。敷波はまだ子供成長途中だし、ちゃんとした生活をしないとダメなんだよ」

敷波「……司令官って、いつもあたし達のこと人間扱いするよね」

提督「え?」

敷波「だって、艦娘なんてさ…そりゃ何もない時はこうやって人間らしく振る舞えてるけど、戦いになって艤装を背負えば敷波みたいな駆逐艦でも大人にだって勝てるくらいの力が発揮できるじゃん」

提督「うん」

敷波「でもそんなのって…普通の人から見たらとんでもない化け物でしょ…世の中に出ても怖がられるだけなんじゃないかって…」

提督「……私も少し前まではそう思ってたよ」

敷波「うん…」

72: 名無しさん 2016/10/31(月) 10:14:23.50 ID:64r3l3gJ0
提督「だからってさ」

敷波「…?」

提督「戦争が終われば、艦娘という兵器は必要なくなると思う?」

敷波「……それは…」

提督「…解体された艦娘はね、記憶を失ってどこにでもいるような普通の女の子に生まれ変わるんだって」

敷波「え…そ、そうなの…?」

提督「詳しい情報は公開されてないんだけどね。もしこのまま戦争が終わってしまえば艦娘はみんな解体されて、誰一人何も覚えてないまま色んなところに散らばっちゃうんだ」

敷波「…………」

提督「それでも敷波は兵器のままでありたい?」

敷波「…やだ…」

提督「うん…敷波はまだ子供だから。これからやりたいことをたくさん見つけて、色んなことを知って、恋をして…生きて行く一人の人間だよ」

敷波「うん…」

提督「…私も、敷波やみんなに忘れられるなんて嫌だから…絶対、なんとかしてみせるから。人であってほしいの」

敷波「……うん!」

提督「はぁ…なんか、休憩するって言ったのに難しい話になっちゃったね。喉渇いちゃった」

敷波「あ、冷蔵庫にオレンジジュース入ってるよ」

提督「そっか、じゃあ敷波の分も持ってくるね」ガタ

敷波「あ……敷波が行こうと思ったのに…」

76: 名無しさん 2016/10/31(月) 18:35:37.32 ID:64r3l3gJ0
提督「お待たせ」コト

敷波「あ、ありがと…」

提督「ふー…気付いたらもう3時かぁ…」

敷波「付き合わせてから言うのもなんだけど、お仕事…してなくてよかったの?」

提督「ん?うん、すぐ終わるから大丈夫だよ」

敷波「そっか…ならいいけど…」

提督「それにしても敷波、勉強できるのに見てもらいたいって珍しいね」

敷波「や…ほら、万が一補講になったら嫌だし追い込みかけとこうかなって」

提督「ふふ、いい心がけだね。深雪にも見習ってほしいな」

敷波「ていうか、司令官も勉強できるんじゃん…」

提督「ん?まあ、他の子のも見たりしてるからね」

敷波「…ふーん、そう…あたしだけじゃないんだ…」ボソ

提督「あはは、聞こえてるよ」

敷波「ッ……!///」ボッ

77: 名無しさん 2016/10/31(月) 18:57:45.09 ID:64r3l3gJ0
敷波「そ、それはいいとしてさ…司令官ってほんとよくできた人間だよね」

提督「そう?」

敷波「うん…勉強できるし、家事もできるし面倒見いいし…なんていうか、歳の離れたお姉ちゃんみたい、っていうか…」

提督「……………」

敷波(…あ、あれ…もしかしてハズレだった…?)チラッ

提督「…………」ポタポタ

敷波「っわああああぁぁ!!?は、鼻血!鼻血出てるよ!?」アセアセ

提督「……ん?出てない出てない」ドバドバ

敷波「いや出てるよ!!ちょ、じっとしてて!」

フキフキ

敷波「もう…興奮しすぎでしょ…」

提督「うわ!?なんでこんなに鼻血出てるの!?」

敷波「こっちの台詞だよ!!」

78: 名無しさん 2016/10/31(月) 19:12:17.84 ID:64r3l3gJ0
提督「いや…しかしあの破壊力はすごかった…まさか敷波からお姉ちゃん発言が出るとは…」

敷波「そ、そんなに…?」

提督「最近ちょっとお姉ちゃんって呼ばれてなくて…妹分が足りてなかったから危なかったよ」

敷波(妹分ってなんなの…)

提督「ふぅ…もういいよ、ありがとう」

敷波「うん、お姉ちゃん」

提督「ああああああああああぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーッッッ!!!!!」ブシャアア

敷波「うわあああああぁぁぁ!!??」

提督「ふっ…ぐ、ああぁ……これはっ…かなりの妹……」ピクピク

敷波「かなりの妹!?」

ガシッ ヒョイ

敷波「ひょわぁ!?」

提督「今すぐ市役所に行こう、血は繋がってなくても妹は妹だよ」

敷波「何を言ってるの!?っていうか下ろして!」バタバタ

提督「大丈夫だよ、妹は血縁や戸籍に捉われない概念的なものだから」

敷波「ホント何言ってるの!?」

87: 名無しさん 2016/11/01(火) 18:57:38.20 ID:UciAUXPy0
提督「怖がらなくていいよ、全ての妹はお姉ちゃんに愛でられる義務があるんだから」

敷波「いやそもそも司令官の妹じゃないでしょ!?」

提督「妹に『実』も『虚』もない」

敷波「真面目な顔で意味不明なこと言うな!!ってかどこ連れて行く気!?」

提督「一応お母さんや風音達に紹介しておこうかと思って、これから家族になるわけだし」

敷波「はっ!?」

提督「それじゃ挨拶に行こうか♪」

敷波「ちょ、ちょっと!?あたしまだそんなこと一度も言ってないって!だ、誰かー!!」

ガチャ

加賀「…………」

提督「あ」

敷波「あ」

94: 名無しさん 2016/11/02(水) 15:19:25.07 ID:xoidfLHm0
加賀「そこに座りなさい」

提督「あ、はい」ヒリヒリ

敷波(キレーな紅葉が付いてる…)

加賀「…で?何か言うことはある?」

提督「いや…あまりにも妹だったのでつい…」

加賀「は?」

提督「だって、こんなに可愛いんだよ?お姉ちゃんって呼んでくれたんだよ?それなら私の妹に違いなくない?」

加賀「今度はこっちに紅葉を付けてあげましょうか?」スッ

提督「あ、はい、ごめんなさい…」

加賀「はぁ…」

敷波(加賀さん、苦労してるなー…)

加賀「……そ、そんなに妹というものが好きなら…私が妹になってあげても…」

提督「え、それは別にいいや」

加賀「…………」

敷波(苦労してるなほんと…)

95: 名無しさん 2016/11/02(水) 15:31:17.24 ID:DkS9LYtxO
加賀「執務室にいないと思ったらこんなところで油を売って…早く仕事に戻りなさい」

提督「え、いや、私は敷波の勉強を…」

加賀「あれのどこが勉強と言うの?」

提督「うぐ……」

敷波「あー…あとは一人でもできるからさ、書類片付けてきなよ、うん」

提督「いいの?お姉ちゃんが見てなくて大丈夫?」

敷波「う、うん…ていうかお姉ちゃんじゃないでしょ…」

提督「もっかい呼んで」

敷波「えぇ…」

加賀「真面目に馬鹿をやるのはやめなさい、戻るわよ」グイ

提督「あー!わ、私の妹が…」

敷波「違うし…」

バタン

敷波「…妹じゃなくて恋人じゃダメかなー…」

96: 名無しさん 2016/11/02(水) 20:08:24.47 ID:xoidfLHm0
敷波「…って感じだった」

夕張「ふむふむ…これは完全なるシスコンね…」

大淀「それも筋金入りの」

明石「筋金入りっていうかもはや変態の域に入らない?」

夕張「うーん…変態かどうかはまだ調べてみないと分からないわね…」

大淀「じゃあ、次は誰に任せるの?」

夕張「…………」チラッ

敷波「え…あ、あたしはもうやったでしょ」

夕張「むう…じゃあどうしようかしら」

明石「五月雨ちゃんは?」

夕張「絶ッ対ダメ!」

明石「あー、そうね五月雨ちゃんは純粋なままであってほしいですねー」

夕張「なに、その呆れた言い方」

大淀「なら誰にするの?」

夕張「無邪気で純粋で、駆逐艦で…」

大淀(駆逐艦は固定なのね…)

明石「…皐月ちゃんはどう?」

夕張「オッケー、ならけしかけてみましょうか」

敷波(ああ、こうして生贄になるのか…)

104: 名無しさん 2016/11/03(木) 19:22:25.05 ID:c85CK3ed0
テレビ <明日は終日まで晴れが続き、良いお出かけ日和と……

提督「ん…洗濯物がよく乾くかな…」

コンコン

「しれーかん!」

提督「はーいー?」

ガチャ

皐月「お仕事終わった?」

提督「うん、ついさっき…ってまだ寝てなかったの?」

皐月「へへ、ちょっと夜ふかし」

提督「子供はもう寝る時間だよ?」

皐月「むー、まだフタヒトマルマルだって」

提督「私が小さい頃はその時間には寝てたけどなぁ…」

皐月「へー、司令官真面目だねー」

提督「あはは…」

105: 名無しさん 2016/11/03(木) 19:26:59.40 ID:c85CK3ed0
提督「で、何か用?」

皐月「ん?特に何かあるわけじゃないけど…なんか、司令官が何してるかなーって気になってさ」

提督「私?私は今からお風呂に入るところだけど…」

皐月「ああ、だから寝間着持ってるんだ」

提督「うん……って皐月、まだ着替えてないってことはお風呂もまだなの?」

皐月「あ、バレた?」

提督「…悪ガキめ!」クシャクシャ

皐月「ひゃっ、あははっ!か、髪が乱れる~!」

提督「しょうがない子だなぁ、もう…」

皐月「えへへ、ボクも一緒に入っていい?」

提督「いいよ」

皐月「よっし!じゃあパジャマ取ってくるから待ってて!」

提督「ふふ…」

106: 名無しさん 2016/11/03(木) 19:57:22.03 ID:c85CK3ed0
皐月「おー…誰もいない…」

提督「そうだね、だいたいみんな七時か八時くらいには済ませちゃうから…」

皐月「じゃあ司令官、いつも一人で入ってるの?」

提督「うん、そうなるね」

皐月「ふーん…なんか、寂しそう…」

提督「あー…確かに、あの浴場に一人はちょっと広すぎるかも…」

皐月「…ね、ボクで良ければいつでも一緒に入ってあげられるよ?」

提督「ふふ、気持ちは嬉しいけど…早く寝ないと大きくなれないよ?」

皐月「む、それは困る…」

提督「でしょ?同型の姉妹との時間も大切にしなきゃ、ね?」

皐月「そだね…寂しくなったらいつでも呼んでよ!」

提督「うん、ありがとう」ナデ

皐月「へへ~♪」

提督(ああ、可愛い…)

110: 名無しさん 2016/11/04(金) 19:48:20.27 ID:/Sba/nHk0
皐月「追いかけて逃げるフリをして~♪」シュル

提督「…………」ジー

皐月「そっと潜る……お?司令官、どしたの?」

提督「ん?ああ、普段の元気いっぱいの皐月もいいけど、こうして髪を下ろしてるのを見るとやっぱり女の子らしくて可愛いなって」

皐月「そ、そう?えへへ///」ポリポリ

提督(小さい子が自分を女の子だと認識する瞬間……ああ…良い…)モンモン

皐月「んふふ、ボクもそうかもしれないけど、司令官もかわいいよ!」

提督「そう?ふふ、ありがとう」

皐月「へへ…っくし!うー、風邪引いちゃう前に入ろっか!」タタタ

提督(…やっぱり若い子はタオル巻かないんだ…色々と丸見えで……うん、眼福…じゃない、健康的だなぁ…)

115: 名無しさん 2016/11/05(土) 19:31:30.75 ID:eH46Piau0
ガラッ

皐月「ひゃっほー!ひろーい!」パタパタ

提督「走ると危ないよー?」

バシャ-ン

皐月「ほらっ、司令官も早くおいでよ!」キャッキャ

提督「はいはい…」クス

チャプ…

提督「う……はあぁぁ~~~……染み渡る~……」

皐月「年寄りくさいね」

提督「ま、まだ若いから…」

皐月「へー、いくつ?」

提督「…危ない、機雷だ!!」バシャッ

皐月「おぷぁっ!?や、やったなー…!」

アハハハ バシャバシャ

116: 名無しさん 2016/11/05(土) 19:39:28.64 ID:eH46Piau0
バシャバシャ

皐月「どう?泳ぐの上手でしょ?」

提督「ふふ、速い速い」

皐月「へっへーん♪」

提督「皐月、ずいぶん元気だね」

皐月「だってこんなに広いお風呂滅多に体験できないよ!?泳がなきゃ損でしょ!」

提督「はは、そうだね」

皐月「司令官は泳がないの?」

提督「私はほら、あんまり見えないから…はしゃぐと危ないかなって」

皐月「ん、じゃあボクの顔も見えないの?」

提督「うーん…輪郭くらいしかわからないなー…」

皐月「ふーん、目が悪いって大変なんだね」

提督「うん…まあ、小さい頃からそうだし慣れたものだけどね…」

117: 名無しさん 2016/11/05(土) 19:47:26.27 ID:eH46Piau0
皐月「………むむむ…」ジー

提督「…どうしたの、そんなに唸って」

皐月「やー…ほんと、おっきいなって…」フニ

提督「結構邪魔になるんだけどね」

皐月「それにしたって羨ましいよ」プニプニ

提督「そうなんだ…」

提督(ボーイッシュというか、勝気な性格だと思ってたけど割と女の子らしいところもあるんだ…ギャップが可愛い…)

皐月「ボクもおっきくなるかなぁ…」

提督「なるなる、しっかりご飯食べてるとすぐだよ」

皐月「ほんと?」

提督「うん、ほんと」

皐月「ほんとにぃ…?」

提督「そこまで疑う…?」

皐月「だって…空母でも小さい人とかいるし…」

提督「あ、ああ…あれは、えーと…ふ、触れないであげて…」

皐月「う、うん…なんか、ごめん…」

118: 名無しさん 2016/11/05(土) 20:23:19.45 ID:eH46Piau0
皐月「へへ~♪」ポスン

提督「ん…もう泳がなくていいの?」

皐月「うん、司令官のそばが安心する」

提督「そっか、ふふ」ナデナデ

皐月「えへへ、なんかこうしてるとホントにお姉ちゃんができたみたい」

提督「おっ………」

皐月「ボク、姉妹はたくさんいるけど姉とか妹とかってよりも親友とか仲間の方が近いからさ…」

提督「うん……」

皐月「ね、司令官…ボクのお姉ちゃんになるのはイヤ?」

提督「いえ、喜んでお姉ちゃんにならせていただきます」

皐月「ホント?へへっ、ありがとう、お姉ちゃん!」

提督「うん」

皐月(……ん?なんか、お湯が赤くなってる…?)

提督「おっと…皐月、そろそろ身体洗おうか」ザバッ

皐月「あ、うん!」

122: 名無しさん 2016/11/06(日) 19:58:49.47 ID:zJFzyABy0
皐月「~~♪」ワシャワシャ

提督「……………」

提督(幼女特有の起伏のない身体…)

提督(貧乳とはまた違う形の、これからの成長を期待させる胸…)

提督(慎ましくて可愛らしいお尻…)

提督(穢れを知らぬあどけない表情と純真…)

提督(そして……つやつやで、つるつる…)

提督「…やっぱり駆逐艦は最高だなぁ!」

皐月「ん?急にどうしたの?」

提督「え、あ、な、なに?」

皐月「なんか駆逐艦は最高だとか言ってたけど…」

提督「ああ…ほら、駆逐艦ってあまり力はないように思えるけど運用の仕方で活躍できるし、遠征でも燃費がいいからたくさん資材を手に入れられるからさ。可愛いし」

皐月「おぉー…お姉ちゃん、さすが!よくわかってる!」ギュッ

提督(ギュッてした!)

123: 名無しさん 2016/11/06(日) 20:07:14.53 ID:zJFzyABy0
提督「皐月、身体洗ってあげようか?」

皐月「へ?自分で洗えるよ?」

提督「そう遠慮しないで、姉妹のコミュニケーションも大事だよ」

皐月「む、なるほど…じゃあお願いしよっかな」

提督「うん、じゃあ背中向けて?」

皐月「はーい」

提督「…………ウフフ」

ペタ…

皐月「ひゃあっ!?」

提督「ふふ、どうしたの?」

皐月「え、て、手で洗うの?」

提督「こっちの方が隅々まで綺麗に洗えるでしょ?」

皐月「そ、それもそうか…」クル

ヌリュヌリュ…

提督(すべすべだぁ…)

131: 名無しさん 2016/11/07(月) 17:54:55.72 ID:lYorMJOhO
コシュコシュ…

提督「痛くない?」

皐月「う、うん…むしろくすぐったいかな」

提督「そう?ならもう少し強めにするね」ググ

皐月「あ、あぁ~……それ、結構気持ちいいかも…」

提督「ふふ、じゃあここはどうかな」グリグリ

皐月「うぎゃああっ!?いたっ、いたたた!痛いよ!」

提督「マッサージは痛いものだよ、それでも気持ちいいでしょ?」

皐月「え?う、う~ん…言われてみればそんな気もするけど…」

提督「まあ、マッサージなんて子供にするものじゃないからね…」

皐月「…そういうの、どこで覚えてくるの?」

提督「友達から盗んだ」

皐月(司令官の交友関係ってどんなのなんだろ…)

133: 名無しさん 2016/11/07(月) 18:06:52.95 ID:3+8vwHTM0
提督「んー…じゃあ、身体洗うついでに優しめのやつしてあげよっか?」

皐月「痛くないなら大歓迎だけど…」

提督「よーし、お姉ちゃんに任せなさい!」フンス

皐月(大丈夫かなぁ…)

提督「ほんとは寝転がってもらうのが一番なんだけどね」

皐月「? 寝転ぼうか?」

提督「あ、いや、それだとちょっと犯罪的…じゃなかった、簡単なものだから座ったままでいいよ」

皐月「う、うん」

提督「まずは…肩甲骨の間から…」グッ

皐月「おぉ…」

提督「肉体的な疲れはなかなか取れないからねー…寝るのとこうして刺激するくらいでしか…」

皐月「そう?ボクは一日寝たら次の日からまた元気になってるけど」

提督「あぁ…若いっていいなぁ…」

皐月「そう考えるとずいぶん歳の離れたお姉ちゃんになるね」

提督「だね…」

提督(お姉ちゃん呼び…やっぱり、良い…)ニヘラ

134: 名無しさん 2016/11/08(火) 19:30:40.66 ID:v1tlITz50
提督「どう?」ギュギュ

皐月「ん…なんかよくわかんないけど気持ちいいかも…」

提督「疲れてなくてもこうして身体を触られるのは結構気持ちいいよねー」

皐月「うん…」

提督「この人になら触られても嫌じゃない、っていうのは信頼の証らしいよ」

皐月「へー、じゃあそれは正しいことになるんだね」

提督「あはは、嬉しいこと言ってくれるね」ヌリュン

皐月「ひょあっ!?」ビクン

提督「どうしたの?」

皐月「え、な、なんだろ…あはは…」

皐月(変な感じになっちゃった…)

提督「…………」ポタポタ

136: 名無しさん 2016/11/08(火) 19:44:36.83 ID:v1tlITz50
提督「……………」サワサワ

皐月「ひっ…お、お姉ちゃん?」

提督「可愛い妹ちゃん、どうかしたの?」

皐月「へ、ヘンなところ触ってない…?」

提督「うん?そんなことないよ?」

皐月「でも…」

提督「大丈夫大丈夫、姉妹ならどこ触っても同じでしょ?」

皐月「え…そ、そうかな…」

提督「そうだよ」

皐月「う、うん…」

提督「だからほら、こ、こことか、大事なところとかちゃんと洗わないと…ふひひ」ヌルヌル

皐月「はわぁっ…!?」ビクビク

提督(YESロリータ、YESタッチ!)ワッショイワッショイ

138: 名無しさん 2016/11/08(火) 20:11:35.82 ID:v1tlITz50
提督(いやでも皐月は違法…手を出すのはいけない…)

提督(……と分かっていても私の中の悪魔が囁く!)

~~~

悪い提督「皐月は(チョコ越しとはいえ)キスまでした仲でしょ?Aまで進んだらB、Bまで進んだらC!やっちゃいなよ!」

良い提督「我慢はいけませんよ、欲望に素直になりなさい」

~~~

提督(ヤるしかないッ!)キリッ

皐月「お、お姉ちゃん…///」ハァハァ

提督「皐月…変な気分になっちゃった?」

皐月「う、うん…なに、これ…」

提督「怖がらなくていいよ、お姉ちゃんは全部知ってるから、ちゃんとしてあげるから」

皐月「……うん……」

提督(ここなら邪魔は入らない…いける…!)

145: 名無しさん 2016/11/09(水) 19:42:40.12 ID:A8T2my/30
提督「ーーう……」

「………かん!しれーかん!」

提督「ぁ……皐月…?」

皐月「司令官、大丈夫…?」

提督「あ、あれ…?私…」

皐月「司令官、急に倒れて…のぼせちゃったんだと思うよ」

提督「……そ、そうだったんだ…ごめん、わざわざ…」

皐月「うん、無事でよかった…」

提督(…さっきのは夢…?暴走しかけたような気がするけど…)

提督「えっと……ねえ、皐月…私が倒れちゃった時って何か…」

皐月「え…」

提督「…………?」

皐月「…………//////」ポッ

提督「えっ」

皐月「お…オトナって、あんなことするんだね…へへ…///」

提督「…………!!??」

皐月「……お姉ちゃん…♪」ピト

提督「えっ……」





提督「えっ………」



146: 名無しさん 2016/11/09(水) 19:51:53.27 ID:A8T2my/30
~~~

夕張「……これは……」

明石「ガチ犯罪じゃないの?」

大淀「でも、本人は嬉しがってるみたいだし…」

皐月「ふふっ…」

明石「なんか、ちょっと大人びて見えるのは気のせいよね…?」

夕張「き、きっとそうでしょ…さすがにナニまではしてないでしょ…ね?」

皐月「ん?ふふ、どうかなぁ…」

明石「…………」

大淀「…………」

夕張「ま、マッサージよね?」

皐月「司令官はマッサージだから何もいけないことはないって言ってたよ?」

夕張「……そ、そういうことにしておきましょう…」

明石「え、ええ…」

147: 名無しさん 2016/11/09(水) 20:08:04.90 ID:A8T2my/30
明石「………次…どうする…?」

大淀「どうって…ロリコンの毒牙にかかった犠牲者がすでに一人出てるけど…」

夕張「…やめる?」

明石「…続けたらまた提督の餌食になる子が出るだけだと思うけど…」

夕張「早霜ちゃんはなりたがってると思うけど…」

大淀「いや、提督を完全なるロリコンに目覚めさせてはいけないわ。ここで打ち止めにすべきよ」

明石「そうね、もう結論は出たし…提督は」

「「「変態メンヘラロリコン天然レズビッチシスコン」」」

夕張「はい、解散解散!お疲れ様でした!」

明石「お腹空いたし提督にたかりに行こうか…」

大淀「そうね…」

153: 名無しさん 2016/11/10(木) 19:29:54.44 ID:3mP90vfR0
電「…………」キョロキョロ

雷「…電、どうかしたの?」

電「あ…その、司令官さん、今日も来てないと思って…」

暁「…そういえば確かに、ここ最近全然見ないわね」

響「執務室にこもってるそうだけど…仕事が忙しいのかな」

電「でも食堂にも姿を見せないなんて…ちゃんと食べてるのか心配なのです…」

木曾「ああ、ちょうど俺もそう思っていたところだ」

暁「あ、木曾さん」

雷「みんなが寝てから食べてる、とかは?」

電「それは…分からないのです」

木曾「なら聞き込みでもしてみるか?気になることもあるしな」

電「は、はい!」

響「付き合うよ」

暁「響も心配なのね」

響「や、司令官っぱい欠乏症にかかって…」ワキワキ

雷(素直じゃないわね…)

154: 名無しさん 2016/11/10(木) 20:08:03.54 ID:3mP90vfR0
電「あの、ちょっといいですか?」

隼鷹「お、なんだいお嬢さん。お酒かい?」

飛鷹「あんたじゃないんだからそりゃないでしょ…」

電「あ、でもお酒のことは関係してるかもしれないのです」

隼鷹「えっマジで?」

飛鷹「だ、ダメよ電ちゃん!グレたら提督が悲しむわよ!?」

電「ち、違います!聞きたいことがあるだけなのです!」

隼鷹「アルコール度数とか?」

飛鷹「あんたちょっと黙ってなさい」

電「その、最近夜にお酒を飲んでる時とか…深夜に司令官さんを見ませんでしたか?」

隼鷹「提督ぅ?うーん…ここ一週間も喋ってないような…」

飛鷹「私もそれくらい喋ってないわね…」

電「あ…そ、そうですか…ありがとうございます…」

155: 名無しさん 2016/11/12(土) 19:27:52.07 ID:yfEgA9QZ0
瑞鳳「そうそう、彗星の整備とか…結構やることも多くて大変なのよ」

大鯨「へええ…空母も苦労してるんですね…」

電「あの、ちょっといいですか?」

瑞鳳「ん?うん、いいけど…どうしたのそんな大所帯で」

大鯨「あ…お腹が空いてるなら何か作りましょうか?」

木曾「いや、そうじゃなくてな…提督を見なかったか?」

瑞鳳「提督?……見てないなぁ」

雷「夜中とか、起きてきたりしなかった?」

大鯨「いえ…仕込みの時も会ってませんね」

木曾「そうか…」

瑞鳳「言われてみれば、最近出てこないみたいだけど…何してるんだろう…」

大鯨「確かに…心配ですね…」

電「今それについて調べてて…何かわかったら教えてほしいのです」

瑞鳳「うん、私の方でも聞いてみるね」

156: 名無しさん 2016/11/12(土) 19:37:07.89 ID:yfEgA9QZ0
木曾「…ろくな情報がないな」

雷「うーん…なにか秘密にしてることでもあるのかしら…」

響「今までの傾向からすれば、大規模作戦の直前はいつも執務室にこもりっきりだけど…」

暁「でも何も聞かされてなくない?」

木曾「ああ、それが気がかりだな」

電「…むぅ…」

木曾「電、どうした?」

電「…もうこうなったら直接聞きに行くのです!」

雷「おお…アグレッシブね」

電「このまま聞き込みを続けてもなんの成果もないのならそっちの方が早いのです」

響「うん、私もそう思う」

木曾「なら行くか、執務室」

電「はい!」

157: 名無しさん 2016/11/14(月) 13:43:41.87 ID:+UXwOv1DO
電「…………」

雷「…入らないの?」

電「い、いえ!行くのです…」

コンコン

電「…………」

雷「…………」

暁「…………」

響「…………」

木曾「…………」

シーン…

電「…あ、あれ…?」

木曾「誰も居ないのか…?」

雷「まあまあ、とりあえず入ってみればいいじゃない」

158: 名無しさん 2016/11/14(月) 19:46:33.92 ID:007UtN+K0
ガチャッ

雷「失礼しまー……あっ」バッ

加賀「しーっ…」

雷「」コクコク

提督「zzz……」

加賀「…今、寝付いたところだから」

木曾「…子供みたいだな」

加賀「最近ろくに寝ていなかったみたい…」

暁「あ…ほんとだ、目の下にクマが…」

電「司令官さん…」

響「司令官…」フニ

暁「やめなさい」スパァン

159: 名無しさん 2016/11/14(月) 19:53:04.31 ID:007UtN+K0
木曾「…しかし、ここまで働き詰めるなんてな…何かあったのか?」

加賀「…………」フルフル

木曾「何も聞かされてないのか?」

加賀「ええ…はぐらかされてばかりね」

暁「秘書艦にも言えないことってなんなのかしら…」

雷「うーん…深刻な悩みとかじゃないといいけど…」

電「……あ、あの」

加賀「…?どうかした?」

電「電が聞き出してみるのです」

加賀「え?ええ…それは構わないけれど…大丈夫?」

木曾「電の方が長く一緒に居るからな…少しは口を開いてもらえるかもしれない」

電「は、はい…そういうことなのです」

加賀「…なるほど。じゃあ後は任せてもいい?」

電「はい!」

加賀「しーっ…」

電「あ、ご、ごめんなさい…」

162: 名無しさん 2016/11/14(月) 20:33:11.60 ID:007UtN+K0
木曾「それじゃ…頼んだぞ」

電「はい」

ゾロゾロ

パタン

提督「………」

電「………毛布…」キョロキョロ

電「あ…」

パタパタ

電「よいしょ…」

バサッ

提督「ん……」ゴロ

電「…ふふ…」

電(丸まって寝てるの…可愛いのです…)

電「…………」

提督「zzz……」

163: 名無しさん 2016/11/14(月) 23:52:35.57 ID:007UtN+K0
~~~

提督「……んん…」ゴロ

コツン

提督「…ん……?」

提督(眼鏡眼鏡…)

カチャ

電「すぅ…すぅ…」

提督「電…?」

提督(あ…もしかしてこの毛布、電が…)

提督「…………」ナデ

電「んにゃ…」

提督(…久しぶりに顔を見たような気がする…)

提督(……風邪、引かないようにしてあげないと…)

バサ

提督(いつの間に寝ちゃってたんだろ…外ももう暗い…)

提督(…書類、片付けないと…電気は…いいや、スタンドライトにしておこう…)

パチッ

164: 名無しさん 2016/11/14(月) 23:58:25.92 ID:007UtN+K0
提督「…………」カリカリ

電「んっ…」ゴソ

電「…あれ…?電……」

提督「ん…起きた?」

電「あ……」

提督「その毛布、電がかけてくれたんだよね?ありがとう」

電「は、はい…」

提督「…………」ペラッ カリカリ

電「…………」

提督「………?」ピタ

電「…………」

提督「…電?」

電「え?な、なんですか?」

提督「その、目が覚めたなら暁達のところに戻った方がいいと思うんだけど…もうそろそろご飯の時間だし」

電「あっ!ご、ごめんなさい、お邪魔でしたか!?」

提督「え、そ、そういうわけじゃないんだけど…お腹空いてるかなと思って…」

電(あ…違う違う!ここで引き下がったらダメなのです…!)

165: 名無しさん 2016/11/15(火) 00:46:39.87 ID:TeMQxCA+0
電「あ、あの!」

提督「うん?」

電「その、司令官さん…何か隠してますよね…?」

提督「…どうして?」

電「だって…!ずっと執務室にこもったままで、ご飯も食べてるか分からなくて…それにクマもできてるなんて…」

提督「ああ、これ…?…大丈夫だよ、そのうち治るから」

電「……違うのです」フルフル

提督「………?」

電「司令官さんが忙しいのは知ってます…けど、大規模作戦が控えてる時でも栄養と睡眠はしっかり摂っていたのも知ってるのです!」

提督「……!」ドキ

電「なのに誰にも何も言わずにこんなことを続けてるなんて…きっと、眠れていないのはお仕事のせいだけじゃないのです」

提督「…………」

電「…悩んでるんですよね?それも大変なことで…」

166: 名無しさん 2016/11/15(火) 00:58:01.12 ID:TeMQxCA+0
電「……どうなのですか」

提督「…………」

電「…司令官さん!」

提督「……まだ電は知らなくていいことだよ」

電「っ!」

スタスタ

パンッ

提督「つっ…」

電「電が知らなくていいなら誰が知ってるのですか!?加賀さんですか!それとも大淀さん!?」

提督「…………」

電「それとも、電じゃダメですか!?」

提督「………!」

電「司令官さんがここに来た時からずっと一緒にここまで鎮守府を大きくして、みんなを頑張って引っ張ってきたのに…!それでもまだ…電は…まだ、司令官さんを支えられるような存在ではないのですか…?」ポロポロ

提督「電…」

167: 名無しさん 2016/11/15(火) 01:15:52.50 ID:TeMQxCA+0
電「電のわがままだって分かってるのです…司令官さんには申し訳ないとも思ってるのです…でも…でも、それよりもずっと司令官さんのことが心配で、怖くて…このまま一人で抱えて潰れちゃうんじゃないかって…」グスッ

提督「……ごめん…」

ギュッ

電「あ…」

提督「ごめんね…私、みんなに迷惑かけちゃダメだって…全部一人でやろうとしてた…」

電「…はい…」

提督「でも、無理して倒れたらそれこそ迷惑になっちゃうね…電も私を助けたいと思ってくれてたのに…電の気持ち、全然分かってあげられなかった…」

電「っ…バカ…司令官さんのバカ…!」ギュウウッ

提督「うん…バカだけど…もう一人で悩まないよ。ちゃんと電のことも頼るから…一緒に悩んでくれる?」

電「絶対ですよ…?や、約束…」

提督「うん、約束」スッ

電「えへへ…」スッ

キュ

電「よかった…ちゃんと、目を見て言ってくれた…」

提督「?」

電「もう…ほんとの約束は、目を見てするものだって…司令官さんがい、言って…う…ううう…」ジワ…

提督「ああ…よしよし」ギュ ナデナデ

電「わああぁぁん…!しれいかんさあぁぁぁん…!!」ポロポロ

提督「うんうん…今は好きなだけ泣いていいから…」ポンポン

168: 名無しさん 2016/11/15(火) 18:46:26.22 ID:TeMQxCA+0
提督「ふっ……ふっ……」

電「…………」

提督「ほっ……ふっ……」

電「あ、あの…」

提督「ふっ……なに?」

電「ど、どうして腕立て伏せを…?」

提督「最近、ずっと、体動かして、なかったから…久々に、ねっ…」

電「は、はあ…重くないですか?」

提督「うん…あと二人くらいなら、余裕…」

電「…………」

提督「はあ…今、何回目だっけ…」

電「ええと…83回目なのです」

提督「よし…じゃあ、100回まで…」

169: 名無しさん 2016/11/15(火) 18:52:39.70 ID:TeMQxCA+0
提督「ふーっ…ああ、やっぱり体動かすと気持ちいいね…」グルグル

電「それで…悩んでたことってなんなのです?」

提督「ああ…ちょっと待って」

ゴソゴソ

提督「……まずはこれを見てみて」ピラッ

電「……?はい…」

電「…………」

電「………!こ、これって…」

提督「うん…大規模作戦発令の通達」

電「で、でも…深海棲艦の動向が収まっているうちに総攻撃を仕掛けるなんてまるで…」

提督「…そう。これが最後の戦いになる」

電「そんな…!」

170: 名無しさん 2016/11/16(水) 21:37:30.01 ID:SsPda04l0
電「も、もしそうなったら深海棲艦との和解は…」

提督「…できないね。むしろ私たち人間が大きな被害を被る可能性もある…この艦隊の支障だって避けられない…」

電「そんな…」

提督「……暗くならないの、そうさせないために私がいるんだから!」パン

電「司令官さん…」

提督「私があの子達と約束したの、知ってるでしょ?それとも私が約束を破ったことなんてあったかな?」

電「……はい、司令官さんなら…きっと大丈夫なのです」ニコ

提督「うん…もうあまり時間はないけど、きっと実現してみせるから…電も応援してくれる?」

電「はい!電にできることならなんでもするのです!」

提督「ふふ…じゃあ、今度は私から約束」スッ

電「えへへ…」キュ

171: 名無しさん 2016/11/16(水) 21:48:17.37 ID:SsPda04l0
提督「さてと…今なら食堂にみんないるだろうし、ちょうどいいかな…」

電「このことをみなさんに伝えるのですか?」

提督「うん、これは私だけが抱え込む問題じゃないってはっきり分かったから…電のおかげでね」ガチャ

電「………!」

提督「あ、大淀?……うん…うん。そうそう、みんなを食堂に集めて。うん、ありがとう。それじゃまた後で」

ガチャン

提督「よし、行こうか」

電「あ、あの…食堂まで手を繋いでもいいですか?」

提督「ん?うん、いいよ」ギュ

電「えへへ…あったかいのです…」

提督「ん~、最近冷えてきたからねえ…」

電(なんだか、とっても久しぶりに感じるのです…この温もり…)

172: 名無しさん 2016/11/17(木) 19:21:01.46 ID:zJT04bOP0
~~~

提督「……ということで、大規模作戦が発令されました」

ザワザワ…

「はいはーい!」

提督「はい、質問ですか?」

「はい!大規模作戦ならもう侵攻を始めてる艦隊もいるんじゃないですか?」

提督「えー…本作戦は深海棲艦の本拠地…つまり中枢部への総攻撃です」

大淀「要するに、包囲戦を用いた物量作戦というわけです」

提督「うん、説明ありがとう」

「じゃあみんな一斉に出撃して叩くってこと?」

提督「そういうことです」

173: 名無しさん 2016/11/17(木) 20:38:49.90 ID:zJT04bOP0
提督「作戦決行日は今から二ヶ月後…それまでに艦隊の練度向上や備蓄に努めてください」

提督「……と、ここまでが大本営からの伝令ですが…知っての通り、私が志しているのは深海棲艦との和解です」

提督「この作戦が決行されれば、それは叶わないことになるでしょう」

提督「でも、どちらかが滅びる…最悪の場合、共倒れになる可能性も考えられます」

提督「…私はあなた達艦娘も深海棲艦も、兵器だとは思っていません。悲しみ、怒り、そして友と笑い合うことのできる…みんな立派な人間の一人です」

提督「そんな人間が散っていくなんて絶対にあってはなりません…私は、この戦いを止めたい」

提督「皆さんが私と同じく平和を志す者なら、血の無き戦いに勝つためにどうか協力を!」

ワ- パチパチパチ

「いいぞー!」 「私も協力するよー!」 「地獄の果てまで付いていくぞー!!」

提督「…ありがとうございます」クス

174: 名無しさん 2016/11/19(土) 19:34:22.23 ID:SYStfL5h0
大淀「提督、お疲れ様です」

提督「うん、ありがとう」

スタスタ

提督「ふぅ…っうわ!?」

武蔵「よう相棒!なぜもっと早く言わなかったんだ、水くさいな!」グイグイ

提督「あはは…ちょっと迷ってて…」

木曾「なんだ、お前らしくもない。俺たちが付いているだろう」

提督「…うん。こうなったらもうやるしかないからね」

加賀「ええ、旅は道連れね」

電「何はともあれ、司令官さんが元に戻ってくれてよかったのです」

提督「ん…ごめんね、心配かけたみたいで…」

響「司令官!」ガバッ

ボフッ

提督「わっ、と…よしよし、響も寂しかった?」ナデナデ

響「うん…」モミモミ

提督「…………」ギュムムム

響「いふぁいいふぁい」

175: 名無しさん 2016/11/19(土) 19:50:08.06 ID:SYStfL5h0
ヲ級「テイトク…」

提督「あ、ヲ級ちゃん…」

ヲ級「…私ハ…コレカラモズットココニイル仲間タチト…貴方ト一緒ニ居タイ…」

提督「うん…私も」

電「えっ…!?し、司令官さん…」

提督「え?」

加賀「妻が見ている前でプロポーズを受けるなんて…いい度胸ね…」

提督「…!?あっ、ち、違うの!そういう意味じゃなくて!」

ヲ級「…?テイトク、私ト一緒ハ嫌…?」

提督「そ、それも違くて!い、一緒がいいよ、うん!」

ヲ級「本当?嬉シイ…♪」ギュ

提督「ちょ、ちょっとヲ級ちゃん…」

加賀「…………」ビキ

電「あぁ…」

木曾「これはもう近付かない方がいいな…」

武蔵「ああ、解散だな」

提督「あ、あれ…ちょっと、みんな?おーい?だ、誰か弁明を…」

加賀「さて…少し話をしましょうか…」ズアア

提督「ひいぃ!」

電(電は何も見ていないのです…)

184: 名無しさん 2016/11/21(月) 19:24:34.79 ID:46i1jrYI0
提督「最近は…仕事が忙しくてなかなか外出する暇が…」ピッ ピピピ

プツッ

提督「あ…」

飛龍「ん?どしたの?」

提督「また携帯が切れちゃった…メール打ってる途中だったのに」

蒼龍「もうバッテリーが寿命なんじゃない?それ結構古いでしょ?」

提督「そうかなぁ…」

蒼龍「そうだよ、今時ガラケーなんて使ってるの提督ぐらいだよ?」

飛龍「そろそろスマホに買い替えた方がいいよ」

提督「うーん…まあ、携帯使えないのも困るし…次の休みにでも契約しに行こうかな」

飛龍「うんうん、買ってきたら色々教えるから!」

提督「ん…その時はお願いね」

185: 名無しさん 2016/11/21(月) 19:32:15.75 ID:46i1jrYI0
後日………



ガチャ

早霜「司令官、私とナメクジのように濃厚なセッ……あら?」

加賀「あの子なら出掛けたわ」

早霜「そうですか…残念です…」

加賀「ところで、何を言おうとしたのかしら。変な言葉が聞こえたような気が」

早霜「ああ…司令官とナメクジのように濃厚なセックスをしたくて訪ねてみたのですが、不在のようなら仕方ありませんね……」

加賀「身もふたもないわね…」

早霜「ああ……伝言をお願いしてもいいですか?」

加賀「絶対に嫌」

早霜「いけず…」

187: 名無しさん 2016/11/22(火) 19:28:11.21 ID:tsVjyKD00
その頃………




提督「うぅん…やっぱり買い換えるしかないのかな…」

雪菜「その方がいいって!今時の携帯ってすごいんだから!」

提督「…だそうですけど、どうなんですか?」

店員「ええ、なんでもできますよ」

提督「なんでも……たとえば、料理とか?」

店員「はい、こちらのアプリを起動して炎が出ている画面にして…ここにフライパンなどを乗せていただくと加熱できますね」

提督「おおお…!!」

雪菜「いやいやいや…」

188: 名無しさん 2016/11/22(火) 19:37:20.18 ID:tsVjyKD00
雪菜「茶目っ気利かせすぎでしょ、面白かったけど」

店員「うふふ、すみません」

提督「なんだ、嘘だったんだ…」

雪菜「いやさすがに冗談って分かるでしょ…」

店員「でも簡単なチャットですぐに連絡を取ったり、インターネットや天気、地図も見られたりと便利なんですよ」

提督「へー…料理はできないんですか?」

店員「れ、レシピは見られますよ」

提督「…じゃあこれにしようかな」

店員「料理に食いつくんですか?」ヒソヒソ

雪菜「や、たぶんね」ヒソヒソ

提督「ちなみにいきなり爆発したりとかは…」

雪菜「中国産じゃあるまいしさすがにそれは…」

店員「あはは…」

189: 名無しさん 2016/11/22(火) 19:44:28.40 ID:tsVjyKD00
~~~

提督「はー、ついに買っちゃった」

雪菜「あぁ、なんか携帯買うだけなのにすんごい疲れた…」

提督「……?これ、ボタンはどこにあるの?」

雪菜「ん?ああ、横。側面のここ」

提督「横!?前衛的すぎるよ!!」

雪菜「いや今はそれが普通なんだけどね…」

ポチッ

提督「おっ…おお…」

雪菜「これね、スライドしてロック解除するの」

提督「へええ、なんか未来的…」キラキラ

雪菜「や、だから今は…まあいいや、携帯になんか見られて困るようなもの保存しておくならちゃんとパスワード付けなよ。設定ってアイコンからできるから」

提督「見られて困るものなんてないんだけどね」

雪菜「…そう」

雪菜(学生時代、友達によく携帯見られて修羅場ってたくせによく言うよ…)

194: 名無しさん 2016/11/24(木) 19:13:31.29 ID:f1P1VLBY0
カランカラン

「いらっしゃ……あら」

雪菜「おっすおっすー」

提督「お邪魔します」

店長「二人とも、久しぶりね~」ニコニコ

雪菜「いやー、店長さんも元気そうで何よりだよ」

店長「うふふ、実は私少し前まで風邪で大変だったのよ?動けないくらい辛かったんだから」

提督「え、そうなの?言ってくれたら看病しに行ったのに…」

店長「気持ちは嬉しいけど迷惑かけちゃうから…それに、風花ちゃんが一人で来たら私が何するか分かったものじゃないし」クス

雪菜「おおっと!この子を傷物にしたらあたしが悲しむぞ~?」

店長「うふふ、相変わらずゾッコンね」

雪菜「あっはっは、友達としてだよ」

提督「??」

雪菜「まあとりあえず座ろっか。奥の席でいい?」

店長「ええ、どうぞ」

195: 名無しさん 2016/11/24(木) 19:23:46.96 ID:f1P1VLBY0
提督「しかし相変わらずガラガラだね」

雪菜「ねー、こんなんでも続いてるってことは…なんか裏でやばいことでもやってんじゃない!?」

店長「おしぼりをどうぞ~」スパ-ン

雪菜「あっつぅ!?」

提督「あ、ありがとう」

雪菜「く…地獄耳め…」フキフキ

店長「ふふふ、雪ちゃんの声が大きいのよ?それで、ご注文は?」

提督「んーと…日替わりランチで」

店長「はーい。雪ちゃんは?水?」

雪菜「根に持ちすぎでしょ!同じのちょうだい同じの」

店長「はーい…茜ちゃん、日替わり二つねー」

<はーい!

提督「…ところでこの携帯、メールの設定とかは…?」

雪菜「んお、そういやそれもやんないとね」

196: 名無しさん 2016/11/26(土) 15:59:21.64 ID:HDNzys1J0
店長「はい、コーヒー」

雪菜「あれ?頼んでたっけ?」

店長「うふふ、サービスよ~」

提督「いいの?」

店長「ええ、せっかく友達が来てくれたんだもの…はい、風花ちゃんにはミルクと砂糖もね」

提督「ああ…うん、ありがとう」

雪菜「それで、メアドの設定だっけ」

店長「あら…風花ちゃん、携帯替えたの?」

提督「うん、前の携帯がさすがに寿命になっちゃって…」

店長「…もしかして、ここで働いてた時から替えてなかったの?」

提督「そうそう、別にいいかなって思って」

店長「ふっふふ、そこまで長生きした方がすごいわね」クスクス

雪菜「って何ナチュラルに同じ席座ってんのさ、店番してなくていいの?」

店長「私以外にも従業員はいるでしょう?」

雪菜「や、そうじゃなくて…店長がそんなことしてていいのかなってさ…」

店長「あら、ここは私の店よ?」

雪菜(すごいプレッシャーを感じる…)

197: 名無しさん 2016/11/26(土) 16:15:28.48 ID:HDNzys1J0
雪菜「というか今のご時世、メールってよりチャットの方が使いやすいんじゃない?」

店長「そうね、他の子達もそうしてるでしょうし」

提督「チャット?」

雪菜「そうそう。まずアプリをインストールして…」

提督「あ…お金かかったりしない?」

店長「大丈夫よ、基本的にこういうのは無料だから」

提督「でも勝手に変なサイトに飛んですごい請求が来たりとか…」

雪菜「一昔前のエロサイトじゃないんだから…」



ーーーーー



雪菜「……と、こんな感じでとりあえず設定は終わりかな?一回チャット送ってみるよ?」

提督「うん」ドキドキ

雪菜「なんでそんな緊張してんの…」

198: 名無しさん 2016/11/26(土) 23:00:39.78 ID:HDNzys1J0
ピロン

雪:てすてすー

提督「あっ!」

雪菜「届いた?…うんうん、ちゃんとできてるっぽいね」

提督「へー、これで連絡が取れるんだ…なるほど…」キラキラ

店長「もしかして知らなかったの?」ヒソヒソ

雪菜「ほら、この子流行りには疎いからさ…」ヒソヒソ

提督「ん…?あれ、電話はできないの?」

雪菜「や、電話ってアイコンあるでしょ?そこに書いてある電話番号見せて」

提督「これかな…?…あ、それっぽい」

雪菜「どれどれ…んじゃちょっと掛けてみる」

ティロリロリン

提督「ああ、受信したみたい」

雪菜「まあとりあえずこんなもんでしょ、あと分からないことがあれば…鎮守府?の子達に聞けばいいし」

提督「これ、着信音は変えられないの?」

店長「うーん、アプリで作ることはできるけど…それより先に曲をダウンロードしないと…」

提督「なんだ、残念…」

雪菜「ちなみになんて曲入れたいの?」

提督「水の星へ愛をこめて」

雪菜「おっさんかよ…」

199: 名無しさん 2016/11/26(土) 23:11:48.07 ID:HDNzys1J0
~~~

提督「…というわけで、携帯を買いました」

蒼龍「ひゅー!イカすー!」

飛龍「ふふふ…そんな提督にこれをプレゼントしよう!」サッ

提督「これは…イヤホン?」

飛龍「そうそう、音楽聞いたり動画見る時に集中できるでしょ?」

提督「いいの?」

飛龍「気にしないでよ、私と提督の仲じゃない!」

蒼龍「新しいの買ったからいらなくなっただけでしょ?」

飛龍「ちょ、こら!ほ、ほんとに善意であげたんだから!」

提督「あはは…まあ、なんにせよ嬉しいよ。ありがとう」

蒼龍「あ、そうそう。正規空母でチャットのグループを作ってて…」

提督「アプリの?」

蒼龍「もうインストールしてるなら話が早いかな。空母だけじゃなくて重巡や軽空母なんかもグループでチャットしてるから、もしよかったらどうかなって」

提督「えと、私提督だけど…混ざっても大丈夫なの?」

飛龍「いいよいいよ、そっちの方が色々教えてもらえるだろうし」

提督「ん…そういうことなら…」

203: 名無しさん 2016/11/28(月) 02:30:38.29 ID:6oVPGia90
【ひりゅーが提督を招待しました】

【提督が参加しました】

ひりゅー:やっほー

ずいずい:え、提督ってもしかして提督さん?

ひりゅー:そだよー、今隣にいる

天城:携帯、新しく替えられたんですね

提督:こんにちは

ずいずい:やっほー提督さん!

【そーりゅーが写真を送信しました】

天城:あら、本当に隣にいるんですね

ずいずい:いいなー 私も提督さんとツーショット撮りたい

提督:よろしくおねがいします

ひりゅー:タイプおそっ!

天城:まだ慣れていないみたいですし仕方ないのでは…

204: 名無しさん 2016/11/28(月) 02:37:52.97 ID:6oVPGia90
提督:かがやあかぎはいないのですか

ずいずい:いないよー スマホ持ってないみたいだし

シ:というか、なぜ敬語…?

・・・・・・

提督:へんですか

ずいずい:や、別に変じゃないけど…あれかな、顔が見えないと敬語になる人かな?というか変換したら?

天城:キーボードの上に候補が出てますよ

・・・・・・

提督:へんかん

提督:変換

ずいずい:おー、できてるできてる!

提督:ありがとうございませ

シ:あ、タイプミス…まだ慣れてないみたいですね

提督:し

提督:シ とは誰ですか

シ:あ、翔鶴です よろしくお願いします

ずいずい:言わなくても分かるだろうけど私は瑞鶴ね!

提督:把握しました

205: 名無しさん 2016/11/28(月) 02:44:41.37 ID:6oVPGia90
提督:葛城

ずいずい:?

天城:葛城がどうかしましたか?

提督:葛城や運流は

カツラ:呼んだ?

ずいずい:あ、居たんだ

カツラ:今見ました

提督:大鳳はいないのですか

シ:大鳳さんなら演習かと

天城:雲龍姉様は?

カツラ:まだ寝てる

天城:やっぱり…

提督:かつら

カツラ:あ、提督 携帯買ったのね

・・・・・・

カツラ:あれ?

ずいずい:反応がない

ひりゅー:葛城の名前見て笑い転げてるよ

そーりゅー:カツラが相当ツボだったみたい

カツラ:えー…

207: 名無しさん 2016/11/28(月) 10:14:36.59 ID:6oVPGia90
提督「あっはっはっはっは!ひっ、ひーーーっ……おっ、お腹痛いお腹痛い、ふっふふふふははは…!」ケラケラ

飛龍「笑いすぎでしょ…」

提督「だ、だって葛城がカツラって想像すると…」プルプル

~~~

葛城(ハゲ)「全力で行くわ!」キリッ

~~~

提督「………だーーーーーーっはっはっはwwwwwww」

蒼龍「うわあ、キャラ崩壊してる…」

飛龍「まあ、楽しそうだしいいんじゃない…?」

提督「ふぅ、ふぅ、ふぅ…あーくるしい、おなかいたい…」

飛龍「…………」

蒼龍「…………」

提督「……んふ」

提督「ふっ……あははははwwwww」

飛龍「ぶ、ふふひひひwwまだ笑うのwwww」

蒼龍「こんなしょーもないことで笑えて幸せそうね…」

飛龍「爆撃の勢いでカツラ飛んだりして」

蒼龍「ブハァッwwwwwww」

ギャーギャー ゲラゲラ…

209: 名無しさん 2016/11/28(月) 12:08:53.64 ID:p6FmBcKKO
数日後………

ピロン♪

提督「ん…」



サザビー:ぬわ疲

提督:遠征ですか

サザビー:Yes

提督:お疲れ様です

サザビー:ご主人SUMMER

提督:冬ですよ

サザビー:マジレス乙

提督:まじれす?

サザビー:てかブレウィ見ました?

提督:夕張が録画していました

サザビー:んじゃ後でお菓子でもつまみながら漣と見ましょうや

提督:わかりました

サザビー:ってかなんじゃこの名前!ぼのたそ許すまじ

提督:大佐 どいてください

サザビー:邪魔ですってやかましいわ

210: 名無しさん 2016/11/28(月) 12:13:34.20 ID:p6FmBcKKO
サザビー:ゆーびろんとぅみー

提督:詳しいですね

サザビー:メロンさんと一緒に見た

提督:ああ

提督:夕張ですか

サザビー:うむ んじゃまた後で お仕事がんば

提督:はい がんばります

サザビー:PS.ご主人様の名前νガンにしない?

提督:まだアクシズと一緒に消えたくないので結構です

サザビー:いけずぅ



提督「ふぅ…」

加賀「楽しそうね」ヌッ

提督「うわっ、びっくりした」

加賀「…それ、携帯?そんなに弄るようなものなの?」

提督「ああ、チャットの返信をしてて…」

211: 名無しさん 2016/11/30(水) 15:25:53.25 ID:WmEW2YlO0
加賀「ちゃっと?」

提督「そうそう、メールをもっと簡単にしたみたいなの」

加賀「へえ…前に使っていた携帯より使いやすそうね」

提督「うん、触る前はどうかなと思ってたけどいざ使ってみると快適だよ。加賀もどう?」

加賀「私?私、機械の類は…」

提督「大丈夫だよ、分からないことがあれば飛龍とかに聞けば教えてくれるし。それに市街の方に出かける時何もないと不便でしょ?」

加賀「まあ…それはそうだけど…」

提督「今度一緒に買いに行く?」

加賀「そ、そうね…ええ、分かったわ…」

加賀(デート、というののお誘いかしら…)ドキドキ

212: 名無しさん 2016/11/30(水) 15:27:34.25 ID:WmEW2YlO0
加賀「……ところで、このサザビーというのは何?」

提督「え?ああ、これは漣が名前を勝手に変えられたらしくて…ええと、サザビーっていうのはそもそも…」

加賀「…よく分からないわ」

提督「あー、だよね…あはは…」

加賀「でもこんな名前…やはり子供はみんなニュータイプなのね」

提督「いや絶対知ってるでしょ」

加賀「ふふ」

213: 名無しさん 2016/11/30(水) 23:38:19.20 ID:WmEW2YlO0
~~~

ピロン♪

提督「ん?」

スッ

う:おはよう

カツラ:またこんな時間に起きて

う:おなかすいた

提督:何か作りましょうか

う:提督?いつの間にこのグループに

ずいずい:いや数日前からいたでしょ…

う:ぼーっとしてたわ

ひりゅー:ほんと雲龍って掴み所がないというか…

そーりゅー:それこそ雲みたいだよねー

う:提督、おにぎり食べたい

提督:はい 食堂で待ってますね

う:愛してる

カツラ:うわっ!唐突な告白!

ずいずい:でも提督さんもう見てないみたいだけど

う:ならあとで個人で送ろうかしら

天城:姉様

う:ごめんなさい

218: 名無しさん 2016/12/02(金) 07:04:17.50 ID:RIWuHPuI0
それから数日後………


提督(とりあえず買う物は揃ったけど、ちゃんと待ってるかな…)

店員「…といった風に、現代人には欠かせない逸品なんですよ」

加賀「なるほど…それで、本当になんでもできるの?」

店員「ええ、できますよ」

加賀「野菜を切ったりも?」

店員「はい、もちろん!」

提督「あーっ!前と同じ人!」

店員「あら、眼鏡が素敵な人」

加賀「ちょうど良かったわ。最新の携帯電話は野菜も切れるの?」

提督「え?野菜…ああ、うんうん!そこらの包丁よりよっぽど切れるよ!」

加賀「へえ…」

店員(あっこの人意外とノってくるんだ…!)

219: 名無しさん 2016/12/02(金) 07:13:14.01 ID:RIWuHPuI0
~~~

提督「冗談とはいえあんなにほっぺたを好き放題されるとは…」

加賀「私の純情を弄んだ罪を知りなさい」

提督「………しかし、あれだね……」ジー

加賀「なに?」

提督「…こうして見ると、加賀も普通の人間と何ら変わりないね」

加賀「そう?自分ではよく分からないわ」

提督「艦娘は良いとして、やっぱり深海棲艦って怖い見た目してるし…こう、大衆の理解はもらえるのかなあ…」

加賀「…軍の情報は公にされているの?」

提督「いや、艦娘も深海棲艦も名前だけで写真とかが公開されたことはなかったんじゃないかな…」

加賀「それなら、敵意がないことをしっかりと証明できれば和解はすぐのはずよ」

提督「うん、私もそう思いたい…けど問題はやっぱり上の人間だよね…」

加賀「こればかりは私たち艦娘にはどうしようもない話ね」

提督「私が頑張るしかないよねぇ…ああ、気が重い…」

加賀「応援してるわ」

提督「うん………ところでそのパスタ何皿目だっけ?」

加賀「五皿目ね」

提督(……カードで支払おう……)

220: 名無しさん 2016/12/02(金) 07:21:30.10 ID:RIWuHPuI0
「にゃー」

提督「よしよし、おやつをあげよう…はい」

「…………」スンスン

モグモグ

提督「ふふ…」パシャ

ザッ

飛龍「あー、またご飯あげてる」

提督「うわっ!?」ビクッ

飛龍「野良に餌をあげちゃダメなんだよ?」

提督「むぅ…でも、この子は実質この鎮守府に住み着いてるようなものだし…」

飛龍「そうでもお刺身はダメ」

提督「違うもん…ちゃんと噛んで塩分吸ったもん…」

飛龍「子供の言い訳じゃないんだから…まあ、みんなで面倒見てるみたいだしいいけどさ…」

221: 名無しさん 2016/12/02(金) 07:28:27.98 ID:RIWuHPuI0
飛龍「ところで写真、撮ってたでしょ?見せてもらってもいい?」

提督「え、ば、バレてる…?」

飛龍「うん、シャッター音聞こえてたから」

提督「あぁ…これどうやったら消せるんだろう…」

飛龍「音無しカメラのアプリ、インストールしたら?」

提督「そんなのあるの?」

飛龍「無料のがね」

提督「そうなんだ…じゃあこれでバレずに撮影…ん?」

飛龍「?」

提督(バレずに、撮影…?)

飛龍(あ……一見真面目そうに見えて良からぬこと考えてる時の顔だ…)

222: 名無しさん 2016/12/02(金) 07:40:14.82 ID:RIWuHPuI0
~~~

提督:猫のかわいい写真がたくさん集まりました

ながもん:それは本当か?良ければ見せてくれ

むっちゃん:私も見たいわ

提督:少々お待ちを

師匠:瑞雲の写真はないのか

伊勢@インナーのおねえさん:そればっかりねほんと…

・・・・・・

提督が写真を送信しました

ながもん:どれどれ

伊勢@インナーのおねえさん:あっ…

むっちゃん:確かに可愛らしい子猫ちゃんね…

たけぞう:際どいな…

提督:まちがえ

師匠:大丈夫だ、君の趣味はもう知れ渡っている

提督:まってください

むっちゃん:あっ私ちょっと用事思い出したわ

伊勢@インナーのおねえさん:私も

提督:ちがうんです

223: 名無しさん 2016/12/02(金) 07:42:09.20 ID:RIWuHPuI0
提督「死にたい…今すぐ首を吊りたい…」ズーン

ピロン♪

提督「ん…?個人チャット…?」

ながもん:もっと

提督「………………」

230: 名無しさん 2016/12/02(金) 23:00:18.18 ID:RIWuHPuI0
~~~

かが:かがです

提督:というわけで参加しました

ひりゅー:わー!ようこそ加賀さん!

提督:まだ慣れていないそうなので色々と教えてあげてください

そーりゅー:なんでも聞いてね!

かが:よろしくおねがいします

ずいずい:あっはは、変換すらできてないし

・・・・・・

かが:五航戦の子ぶっ殺す

ずいずい:なんでいきなりレベルアップしたの!?

提督:打ってくれと頼まれました

ずいずい:そんなことしなくていいから…というか二人とも一緒にいるんだ

提督:はい 両手でスマホを持っているのが可愛いです

ひりゅー:ひゅー、お熱いねぇー!

231: 名無しさん 2016/12/02(金) 23:04:19.77 ID:RIWuHPuI0
う:提督

提督:はい?

う:今度あなたの部屋に脱ぎ忘れた靴下、取りに行くわ

そーりゅー:ん?

ずいずい:提督さんの部屋に靴下を…?

ひりゅー:脱ぎ忘れた…?

提督:誤解です

う:あ ごめんなさい、個人と間違えたわ

う:また今度会いましょう

ひりゅー:あちゃー…



加賀「…………」

提督「」ダラダラ

加賀「少し…話をしましょうか…」

提督「ひっ、ひいぃ!!」

233: 名無しさん 2016/12/04(日) 00:50:02.39 ID:WbUlBKMI0
提督「うう、ひどい目に遭った…まだ足ががくがくする…」

ピロン♪

提督「ん…なんだろ」

スッ



赤城:私も二航戦の子達と買ってきました



提督「あ!赤城も買ったんだ、よかったよかった…」



提督:それは良かったです あとで連絡先を交換しましょう

赤城:はい♪

赤城:あ、それと

提督:はい

赤城:昼間っからは控えた方がいいかと…



提督「…………」

提督「………!!///」ボッ



提督:かがにいいきかせておきます

赤城:あ、襲われたんですか…私からも言っておきますね

提督:おねがいします



提督「はぁ、恥ずかしい…」

236: 名無しさん 2016/12/04(日) 22:48:03.57 ID:WbUlBKMI0
提督:ぁさわはまこ、かまあゃあたさg307か

ずいずい:?

カツラ:日本語でおkってやつ?

提督:g@wd'&t.d5904ゃはさま、わは!らな

赤城:提督?

天城:何かあったのでは…

提督:あ

シ:あ?

提督:ごめんなさい

提督:目を離した隙にヲ級ちゃんがいじっていたみたいで

ずいずい:あー、あの子ね

赤城:子供みたいですね笑




提督「もう、ダメでしょ?勝手にいじったら」

ヲ級「…ダッテ、テイトク…最近ソレバッカリ…」

提督「それはそうだけど…でも、私にだってプライベートはあるんだからダメ」

ヲ級「……ヤダ」

提督「うぐぐ…」

提督(この子の前でスマホ触るのはやめた方がいいかな…)

提督(それにしても、最近はほんと人間らしくなってきたというか…子供を育ててるみたいな感覚になるというか…)

238: 名無しさん 2016/12/06(火) 00:13:53.78 ID:vuBJCdx80
AOB:司令官、今暇ですか?

提督:大丈夫ですよ

AOB:金剛さんいるじゃないですか

提督:はい

AOB:アイオワさんと同じでよく英語話してるじゃないですか

提督:そうですね

AOB:やっぱり喘ぎ声も洋モノみたいなんですかね

・・・・・・

AOB:司令官?

提督:言ってる意味が分かりません

AOB:だから、エッチなことしてる時はオゥイエースとか言うのかって話ですよ

提督:なぜそれを私に?

AOB:いやあ気になるんですよねぇ

提督:はあ

AOB:確かめてくれません?

・・・・・・

提督:は?

AOB:はい

241: 名無しさん 2016/12/06(火) 11:24:57.35 ID:vuBJCdx80
提督:一応聞きますが

AOB:はい

提督:金剛をその、抱けということですよね

AOB:まあそうなりますね

提督:嫌です

AOB:なんで?

提督:むやみやたらにそういった関係を作るのは良くないです

AOB:はあ

提督:それに私には愛する人もいます

AOB:浮気重ねた身で今さらそんなこと言われても

・・・・・・

提督:とにかくですね

AOB:はい

提督:私はもう加賀に釘を刺されたので金輪際こういったことはしないと誓っています

AOB:嫌って言ってもするんですよ、司令官の浮気を

提督:しません

AOB:電ちゃんの『お姉ちゃん』ボイスいらないんですか?

提督:考えさせてください

252: 名無しさん 2016/12/06(火) 19:20:11.83 ID:JQerq6SxO
提督「……………」

提督「……確かに電のお姉ちゃん呼びは聞いてみたい…けど…」

提督「そのためだけに金剛の純潔を汚すのはあまりにも人道に背いている…」

提督「自分自身の欲望のために他人を弄ぶのはダメ…!そうだ!ダメに決まってる!」グッ

提督「ここはきっぱりと断ろう…」



提督:すみません やっぱり私にはできそうにないです

AOB:そうですか、断るんですね

提督:はい

AOB:別に構いませんけど 司令官のあんな画像やこんな画像がばら撒かれてもいいのなら

提督:えっ

AOB:引き受けてくれますよね?




提督「……………」





「青葉あああああァァァァーーーーーーーーーッ!!!!!」

253: 名無しさん 2016/12/06(火) 19:28:56.01 ID:JQerq6SxO
~~~

提督「……………」



青葉『酔ったフリして甘えればイチコロですよ!あっ、録音は忘れないでくださいね!』



提督(とは言われたものの…気が重い…)

金剛「ンー…?テイトク、どうしマシター?」

提督「え?あ、ああ…ちょっと考え事を…」

金剛「むー、せっかく二人きりなんだからもっと楽しむネー」

提督「そ、そうだよね…うん」

金剛「良いwineも用意してマス!たまにはテイトクの飲みっぷりも見たいデース!」

提督(わ、ワイン…大丈夫かな…)

金剛「テイトクの!ちょっと良いとこ見てみたいー!」パチパチ

提督「どういうコールなのそれ…」

提督(…少しだけなら大丈夫だよね…)

グイッ

256: 名無しさん 2016/12/07(水) 07:30:56.57 ID:dRTueyF20
提督「はっ!!」ガバッ

チュンチュン…

提督「………あ、あれ…?」

提督(…夢……?)

提督(………な、なんだろう…すごく、青葉に変な要求を迫られたような……いやでも、夢…だよね…)

提督(…さ、さてと、せっかくいい天気みたいだしお布団干そうっと…)

バサッ

金剛「すぅ…すぅ…」

提督「」

提督(え?)

ゴシゴシ

提督「……………」パチクリ

金剛「ふぇへへ……テートク…」ムニャムニャ

提督(なぜ金剛が生まれたままの姿で私の布団に…???)

257: 名無しさん 2016/12/07(水) 07:35:57.19 ID:dRTueyF20
提督(…まさか、あのグラス…確か昨日は……)

提督「……………」

提督(夢…?青葉に唆されたのは夢じゃなかった…?)

提督(つまり私は、金剛を………)

金剛「ンー…」ゴロ

提督「」ビクッ

金剛「……あれ……テイトク…?」ムク ゴシゴシ

提督「こっ、金剛…」

金剛「………?? どうしてテイトクがワタシのroomに…?」

提督「え…い、いや、ここ私の部屋…」

金剛「………?」キョロキョロ

金剛「…………」ポクポクポク

金剛「…………!!」チ-ン

金剛「//////」カアアア

提督(あぁ、思い出したっぽい……)

258: 名無しさん 2016/12/07(水) 07:41:29.54 ID:dRTueyF20
提督「ええと…と、とりあえず前、隠した方が…」

金剛「え?…きゃあっ!!」バッ

提督(よく見たら首元に虫刺されのような痕が…あれ絶対私のだ…)

金剛「…………///」チラッ

提督「……あ、あー…」

>どことなく空気が重苦しい…

提督(何、今の字幕は…)

金剛「あ、あの…テイトク…」

提督「っはい!?」

金剛「その……これからは、darlingって…呼んでもいいデスカ?//////」

提督「……………」サ-ッ

264: 名無しさん 2016/12/07(水) 09:28:00.39 ID:kWL3oBhLO
カチッ

『……えへへ、こんごぉ~…』

『Oh、テイトクから甘えてくるなんて珍しいネー』

『ね~え、金剛…?』

『ハイ、どうしマシタ?』

『………可愛いね』

『そんな、お世辞なんて…テイトクらしくないデース』

『お世辞じゃないよ、本気』

『…what?』

『好きだよ…金剛…』

『!?』

『ドサッ』

『金剛……』

『わ…す、stop!だ、ダメです!』

『ダメ…?どうしてダメなの?』

『え?』

265: 名無しさん 2016/12/07(水) 09:47:31.50 ID:kWL3oBhLO
『私は金剛のこと、好きだよ?』

『え、あ、は、ハイ…』

『金剛は私のこと、嫌い…?』

『の、No!絶対にそんなことはありマセン!』

『なら大丈夫だよね…』

『え、ちょっ!?あ……』

『んん…ふぅ…』

『☆○%¥〒^♀∀$→~~!??!?』




『……ぷはっ…えへへ…』

『っは、はぁ、はぁ、はぁ…わ、ワタシの…first kiss…』

『そっか、私が初めてだったんだ……じゃあ…』

『へ……?』

『今からするのも初めて……だね』

『……!』

266: 名無しさん 2016/12/07(水) 10:07:40.50 ID:kWL3oBhLO
『あんっ!?だ、ダメ!だめぇ…』

『あはっ、すごいビクビクしてる…かわいー…♪』

『ひっ、ああっ…!んんんっ!?あ、あ、っ!そこっ……擦らないでぇ!ふああぁっ!?』

『ほら、舌出して』

『うぁ…むぅ!?んっ、んんー…!はむっ、ん、じゅる…』

『……ぷはぁ……はぁ…♪金剛のこんな乱れた表情知ってるの、私だけだね』

『て、テイトク…少し、やすませっ、て…』

『だーめ♪』

『あ、や、だ、だめっ、これ以上はああぁぁーーーーっ!!』

カチッ

青葉「あの、一言いいですか?」

提督「……………」

青葉「どこでこんな口説き文句覚えたんですか」

提督「青葉のせいでしょーが!!」

271: 名無しさん 2016/12/07(水) 21:33:24.45 ID:dRTueyF20
提督「人の弱みを盾にして!!人を駒のように使って!!どんどんネタを増やして!!そうやって自分だけ美味しい立場に立ってさあ!!」バンバン

青葉「……………」

提督「そりゃ簡単に話に乗った私だって悪いよ!?でも断れないような条件を引き合いに出して調査を強要するのはどう考えても卑怯でしょ!!」バンバン

青葉「……………」

提督「これでできた金剛との関係もお互いに他言しなくてもなぜか都合よくバレてどうせ加賀に怒られるんでしょ!!逆転裁判みたいにどんどん自分が追い詰められていく時間が大っ嫌いだばーか!!」バンバン

青葉「……………」

提督「どうせこのネタだってすぐ脅しに使われてまた新しいネタのために走り回らせられる無限ループが続くんでしょ!!だったらもう終身名誉青葉の小間使いとして生きてやるー!!」

バンッ

提督「ちくしょーめぇぇぇ!!!!!」

青葉「……………」

提督「はぁ…はぁ…」

青葉「……………」

提督「………あのさ……もうさ…」

青葉「……………」

提督「鎮守府のみんな、私のお嫁さんか妹にしてさ…終わりでいいんじゃない…?」

青葉「いや、さすがにそれは血迷いすぎだと思いますけど」

276: 名無しさん 2016/12/08(木) 03:46:14.19 ID:rCh4fNyq0
青葉「…いや、まあ。正直今回の件は青葉が悪かったです、すみませんでした」

提督「…いいよ、別に…ほら、金剛が抱きついたりしてきてもいつも通りって思われるからバレないでしょ…」

青葉「ダーリンと呼ばれる件は?」

提督「可愛いから良い…」

青葉「そ、そうですか…」

提督「……………」

青葉「…あー…その、金剛さんの…すごい日本人らしかったというか、可愛らしかったですね」

提督「うん…普段は攻めてくるけど受けに回るとダメダメ言いつつもされるがままで可愛いよ…」

青葉「それと……聞いてて思ったんですけど、なんていうか…とっても気持ち良さそう…」

提督「………したいの?」

青葉「えっ!?い、いやいやいや!!さすがにこれ以上司令官に罪を被せるわけには!!」ブンブン

提督「浮気の一つや二つも変わんないでしょ…ははは…」

青葉(うわっ、クズ化が深刻なレベルにまで達してる…)

278: 名無しさん 2016/12/08(木) 17:22:18.63 ID:rCh4fNyq0
提督「……あのさ、前々から思ってたんだけどさ」

青葉「はい?」

提督「どうして私こんなにモテるの?」

青葉「…嫌味ですか?」

提督「真面目な話だよ」

青葉「はあ…とは言いましても、青葉が知ったことじゃないですし…」

提督「じゃあ聞くけど、青葉は私のこと好き?」

青葉「ええ、もちろん」

提督「それはどのラインまで?」

青葉「どの、って…つまり?」

提督「恋愛感情は?」

青葉「………ありますよ、そりゃ……」

提督「それだよ」

青葉「なんですかこれ、罰ゲームかなにかですか」

282: 名無しさん 2016/12/09(金) 14:51:54.20 ID:p85zGHjN0
提督「この際、女が女に惚れるっていうのは良いとしよう。愛の形は人それぞれだし、私はそれを否定するつもりもないし」

青葉「はあ、まあ加賀さんとお付き合いしてる時点でそうですしね」

提督「そもそもここは女所帯だし、自然とそういった欲求が友情を超えて同性に向くのも仕方ないと思うの。女の人が提督を務めてる他の鎮守府でもそういったことはあるみたいだし」

青葉「あー、司令官の知り合いにもいますもんね」

提督「だからといってさ、それが私にばかり向いてくるのはおかしいと思わない?」

青葉「…司令官を好いている青葉にそれを言うのは間違ってるような気もしますが…まあ、確かに」

提督「同じ女所帯なら私だけじゃなくて同型艦もいるじゃない?私が知らないだけで隠れてお付き合いとかしてたりする?」

青葉「いえ、青葉が知ってる限りそういったことはないですね」

提督「だとすれば、この鎮守府のほとんどの子が私に好意を向けてることになる…」

青葉(ほとんどっていうか全員だと思うけど…まだ気付いてないのかな…)

283: 名無しさん 2016/12/09(金) 15:02:37.45 ID:p85zGHjN0
提督「…山城とかはどうなの?あれ、結構姉に特別な感情抱いてるように見えるんだけど…」

青葉「青葉的には単なる照れ隠しだと思いますけどねえ。異様に姉妹愛が深いってだけで」

提督「そうなの?」

青葉「はい、曙ちゃんや満潮ちゃんがキツく当たるのも照れ隠しだって姉妹の子が言ってましたし」

青葉(というか駆逐艦以外の人達を対象に行ったアンケート、司令官を恋愛対象として見ているが100%だったし…)

提督「あれ、じゃあ私が浮気するのも仕方ないことなんじゃ…」

青葉「さすがにそれを正当化するのはどうかと思いますけど」

提督「ごめんなさい調子に乗りました」

青葉「うーん…木曾ちゃんとか最上さんみたいなカッコいい感じの子も人気があるみたいですけど、さすがに恋愛対象となると話は違うみたいですね」

提督「えーっ、私からしたら絶対木曾みたいなカッコいい人の方がお付き合いしたいんだけどなぁ」

青葉「それ、問題発言ですよ?」

提督「…聞かなかったことにして」

284: 名無しさん 2016/12/09(金) 15:11:01.38 ID:p85zGHjN0
提督「私ってお世辞にも人に好かれるような性格じゃないと思うんだけど…青葉から見てどう?」

青葉「あー出た出た、私が好かれる訳がないそんなことあるはずがないみたいな天然たらし思考だよこれ」

提督「えっ」

青葉「ああすみません、心の声が出ちゃいました」

提督「えっと…」

青葉「ほんとに自覚してないんですか?」

提督「な、なにが?」

青葉「だめだこりゃ…」

提督「ちょっ、一人で完結してないで教えてよ」

青葉「あのですね、自分が本気で人に好かれないとか思ってるのなら今すぐその考えは捨て去った方がいいですよ」

提督「…うそ?」

青葉「マジです。あなたみたいないい女がこの日本に何人いると思ってるんですか」

提督「………またまたぁ、お世辞なんt

青葉「それをやめろと言っとるんじゃあああああ!!!」クワッ

提督「ひいぃぃ!!」

285: 名無しさん 2016/12/09(金) 15:26:25.30 ID:p85zGHjN0
青葉「過去に何があったかは知りませんがねえ、いい加減そのワタクシ人に好かれるような高尚な人間じゃないですゥ~みたいな精神をやめろっつってんですよこのスケコマレズビッチ!!!」

提督「ひどい!?」

青葉「………はぁ…すみません、取り乱しました…」

提督「う、うん…」

青葉「…少し聞いてくださいね」

提督「え?うん」

青葉「司令官、新しく入ってきた子にいつもご飯を振舞ってるじゃないですか」

提督「うん」

青葉「あれって相当クるんですよ」

提督「え、そうなの?」

青葉「青葉もそうでしたけど、あんなに美味しいものを食べて胃袋を掴まれたらまず司令官への第一印象がプラスになるじゃないですか」

提督「……確かに」

青葉「しかも司令官はここの指揮官ですし、何かと関わる場面が多いわけで。そんな人と一緒に過ごしたらどうなると思います?」

提督「…好きになっちゃう?」

青葉「エサクタ!」

286: 名無しさん 2016/12/09(金) 15:38:33.21 ID:p85zGHjN0
青葉「司令官って、今まで艦隊の誰も沈めたことがないじゃないですか」

提督「うん」

青葉「それでいて誰が使えないみたいなことをするんじゃなく、一人一人に役割を与えてくれるじゃないですか」

提督「うん、まあ、そこは上の人からも評価されてるみたい」

青葉「青葉達艦娘からしたらそれって生きる意味を与えられるに等しいことなんですよ、あなたがいるから生きていけると言っても過言ではないんです」

提督「…おっ、な、なんかそう言われるとすごい恥ずかしい…」

青葉「そんな自分を大切にしてくれる上司がご飯作ってくれたり悩み事にも自分のことのように真摯に受け止めてくれたりしてたらそりゃ好きにもなりますて」

提督「はあ、なるほど…」

青葉「あとやっぱりその受け気質が起因してるところもあると思うんですよ」

提督「…と言うと?」

青葉「艦娘って戦う存在じゃないですか。だから闘争本能が強くて、言い換えれば大人しい子にも少なからず攻めっ気があるということですよ」

提督「ふむふむ…」

青葉「そこにこのネコ顔で眼鏡でおっぱいで赤縄が似合いそうな黒軍服ですよ。格好の獲物と言えますよ」

提督「赤縄って青葉の趣味じゃないの…?」

青葉「ぶっちゃけそうです」

287: 名無しさん 2016/12/09(金) 15:57:39.53 ID:p85zGHjN0
青葉「ともかく、司令官は上に立つ人間なんですからその辺はしっかり弁えてください」

提督「でも、せっかく向けられた好意を無下にするなんて…」

青葉「その気持ちは分からないでもないんですけどね…司令官が優しいのは知ってますし、加賀さんもそれは理解してるんだろうけどやっぱり倫理観とか…」

提督「…あれ?でも私、自分から手出ししたのは木曾だけだよ?」

青葉「誘い受けも同罪ですし、一回でも浮気は浮気です」

提督「うっ、手厳しい…」

青葉「しかも聞いた話によると駆逐艦にも手出ししたそうじゃないですか」

提督「いや、それはノーカンでしょ」

青葉「うわあ…」

提督「えっ?」

青葉「何心底不思議そうな顔してんですか…はぁ、まあいいです。とにかく、慎んで行動してくださいね」

提督「はーい…」

ピロン♪

提督「おっと、チャットが…」ゴソゴソ

青葉「誰からですか?」

提督「…祥鳳から。一緒にご飯食べませんか、だって。ちょっと行ってくるね」

青葉(ホントに分かってるのかなこの人…)

295: 名無しさん 2016/12/11(日) 18:21:34.10 ID:zINaJfgm0
響「司令官…」

提督「なに?」

響「私…最近になって気付いたんだ…」

提督「…?うん」

響「この前、司令官が寝てる時にしばらくおっぱいを触らせてもらっていたんだけど…」

提督「……うん」

響「やっぱり…おっぱいを揉むのは相手の反応があってこそなんだって…」

提督「…そう」

響「というわけで失礼して…」モミ

提督「………!」ハッ

提督「ねえ、響」

響「なんだい?」

提督「私の揉んでもいいけど、代わりに響の胸を触ってもいい?」ハァハァ

響「えぇ…」

300: 名無しさん 2016/12/12(月) 15:12:36.07 ID:XC6sZkd70
響「…司令官ってさ、最近ロリコンとしての側面がかなり滲み出て来てるよね」

提督「ロリコン?私が?なんで?」

響「自覚あるでしょ」

提督「違うよ、守備範囲が広いだけだよ」

響「それとんでもないクズ発言だね」

提督「ところで触らせてくれるって話は?」

響「却下。私にだって尊厳はある」

提督「え、私の尊厳は?」

響「司令官は大人だから」モミモミ

提督「仮にも上官なのになぁ…」

響「もう少し恥じらいを持ってくれないかな」

提督「じゃあお姉ちゃんって呼んでみて?」

響「……お姉ちゃん」

ガバッ

提督「やーーーんかーわーいーいー!」スリスリ

響(初めて司令官をうざったいと思ったかも…)

302: 名無しさん 2016/12/12(月) 15:29:44.64 ID:XC6sZkd70
響「上官といえば、だ」

提督「うん?」

響「この鎮守府では司令官と艦娘の関係はかなりフランクだね」

提督「あーそうだね、上司と部下っていうより親友の方が近いかな」

響(愛人の間違いじゃないのか)

響「他の鎮守府ではどうなの?」

提督「んー…ここみたいに相当近しい関係を築いた提督も居れば、それこそ軍隊みたいに厳しい上下関係がある提督も居るみたい」

響「へえ…司令官はまるで軍人らしくないけどね」

提督「それ、提督成り立ての頃に散々先輩にからかわれたよ…」

響「でも司令官、剣術も柔術も一通りすごいんじゃなかった?」

提督「さあ、どうなんだろ…披露する機会なんてほとんどないからわかんないや」

響「ところで、どこでそんなの習ったの?我流?」

提督「まさか。小さい頃おじいちゃんに教えてもらったの」

響「祖父が?…昔軍隊に入ってたりしたの?」

提督「…あれ、どうだったかな…ごめん、その辺のこと詳しく聞いたことないからわかんない」

響「そう…」

303: 名無しさん 2016/12/12(月) 15:50:51.80 ID:XC6sZkd70
響「……そういえば、提督成り立てって言ってたけど」

提督「うん」

響「その頃って海軍に入ったばかりなんだよね」

提督「そうだね」

響「だとしたら、階級は低いはずなのに提督はおかしくない?提督って将官を総じてそう呼ぶんでしょ?その辺はどうなってるの?」

提督「結構面倒な話になるんだけど…ほら、今って深海棲艦との戦いが続いてるじゃない?」

響「うん」

提督「だからいつでもどこでも人手が足りないみたいでさ、昔みたいに民間人を兵役に駆ることはないにしても常に募集はされてるわけ」

響「誰でもなれるの?」

提督「一応適性検査というか、試験みたいなのはあるんだけどね。それで、階級と提督という呼び方についてなんだけど」

響「うん」

提督「今は艦娘達を一人の司令官が指揮するっていう形を取ってるの。それで足りない人手っていうのはその司令官のことだから、階級が低かろうとみんな艦隊の総司令官に任命されるんだって」

響「はあ、なるほど。それで提督呼びされるんだ」

提督「私も詳しい話は忘れたんだけどね。緊急事態だから仕方ないんだって」

響「ふぅん…ところでその、艦娘と提督の風紀や上下関係は特に定められてないの?」

提督「戦いが始まった当初はそういうのもあったそうだけど、艦娘も感情を持ってるからね。より親しい関係になって守るべきものを抱いた方が戦果向上に繋がるから今は特に決まりはないよ」

響「ふむ。じゃあこんなことをしても怒られないのは上の人のおかげか」モミモミ

提督「……そうだね」

304: 名無しさん 2016/12/12(月) 16:19:09.26 ID:XC6sZkd70
響「…あれ?ちょっと待った…」

提督「?」

響「そういうことって、大将より上の人が決めてるんでしょ?」

提督「うん」

響「でも、当時大将だったりした人はもう亡くなってるんじゃないの?」

提督「ん?うん」

響「なら今その立場にいる人って、どうやってそこまで…」

提督「…………」

響「…………」

提督「……た、たぶん知らなくていいことだよ…うん…」

響「そ、そうだね…ごめん…」

提督「いや…気にしなくていいよ…」

響「…………」モミモミ

提督「なんで揉むの…」

響「なんとなく…」

307: 名無しさん 2016/12/12(月) 19:08:32.34 ID:wgZwUHsrO
提督「そういえば響、私と話す時は帽子取るようになったね」

響「今さら?」

提督「あれ…いつからだっけ?」

響「改装してからだね」

提督「あー、記念にロシアも行ったっけ」

響「懐かしいな…」

提督「なんで帽子、取るようになったの?」

響「司令官にはありのままの私を見てもらいたいからね」

提督「胸を触りにくるのもありのままってこと?」

響「そういうことかな」

提督「うーん、嬉しいようなそうでないような…」

響「そういう司令官はよく人に帽子をかぶせるね」

提督「こう?」スッ ポスン

響「ん…なにか理由でもあるの?」

提督「響と一緒だよ、信頼の証」

響「はは、嬉しいな」

提督「でもね、大井にはもうやらない」

響「どうして?」

提督「思いっきり帽子の匂い嗅ぎながら全力疾走し始めたから」

響「ああ……」

308: 名無しさん 2016/12/13(火) 17:33:24.38 ID:ck71GNmZ0
提督「どうして私の周りには変人ばかり集まるんだろう…」

響「司令官も大概だよ」

提督「えっ…」

ガチャ

雷「司令官、ご飯の時間よ」

提督「あ、うん」

雷「ほらほら、二人とも乳繰り合ってないで早く立ちなさい」

響「今日のご飯は何かな」

雷「加賀さんが作ってくれたみたいよ?」

提督「えっ、加賀が?」

響「嬉しいの?」

提督「まあ、嬉しいんだけど…加賀って料理経験あったっけ…」

雷「他の人の見てるから大丈夫でしょ?」

提督「それもそうか…じゃあ行こうか」

雷「ええ!」

309: 名無しさん 2016/12/13(火) 17:46:58.09 ID:ck71GNmZ0
食堂




加賀「…………」

提督「…………」

雷「…………」

電「…………」

暁「…………」

響「…………」

提督「………これ、なに?」

加賀「………卵焼き」

提督「ダークマターの間違いじゃなくて?」

加賀「…………」フッ

提督「こっち見なさい」

311: 名無しさん 2016/12/14(水) 14:10:59.65 ID:8PIwhmmJO
提督「一応聞くけど、こっちは?」

加賀「肉じゃが…」

提督「ゲル状になってるけど」

加賀「…………」

提督「一人で作ったの?」

加賀「……作りました…」

提督「どうして誰にも言わなかったの!」

加賀「…………///」

提督「いやそこ赤面するとこじゃないでしょ!?」

暁「…………」

パク

暁「ッ……!!?うぇ…」

雷「こ、こら暁!ごめんなさい加賀さん、ちゃんと食べるから!」

パクッ

雷「ふぐっ……!?げっは、ごふぅ…!!」

提督「ほら!」

加賀「ごめんなさい…」

312: 名無しさん 2016/12/14(水) 14:15:44.51 ID:8PIwhmmJO
提督「途中でまずいと思わなかったの?」

加賀「いえ、美味しくなると…」

提督「そういう意味じゃなくて!」

飛龍「なになに、痴話喧嘩?」

蒼龍「昼間っからお熱いですなぁ~」

提督「あ、二人とも…」

飛龍「うぇ、なにこれ?炭?」

蒼龍「こっちはスライム?」

提督「加賀が作ったんだって…」

飛龍「え、加賀さん錬金術師だったの?」

蒼龍「へぇー、これで工廠にも務められますね」

加賀「ええ、そうね」

提督「いやいやいや!!」

313: 名無しさん 2016/12/14(水) 14:20:30.16 ID:8PIwhmmJO
提督「そうじゃなくて、今日のお昼どうするの?何もないよ?」

飛龍「これ食べちゃダメなの?」

提督「ダメっていうか…」

蒼龍「見た目が悪いだけで意外と味は大丈夫なんじゃない?」ヒョイパク

提督「あっ!!」

蒼龍「……ぐぇ!?な、なにこれ…!!」

加賀「だ、大丈夫?」

蒼龍「…な、なんていうんだろ…ただただ苦いというか…苦味以外が存在してない…」

加賀「」

飛龍「こっちは?」ヒョイパク

提督「え、勇気あるね…すごい…」

飛龍「……………」

提督「……あれ?なんともないの?」

飛龍「…え、ああ…うん、ほんとになんともないっていうか…」

提督「?」

飛龍「なんの味もない…不毛な大地に舌を付けたみたいな…」

加賀「」

提督「えぇ…」

318: 名無しさん 2016/12/15(木) 15:27:07.07 ID:4Y3AvGGRO
提督「はぁ…もう、どうしよう…」

飛龍「え、ご飯ないの?飢え死に?」

赤城「話は聞きました。これは由々しき事態ですね」

蒼龍「赤城さん!」

加賀「赤城さん、私が作ったものが…」

赤城「無理です、私だってダイソンじゃありません」

加賀「」

蒼龍「ねえ提督、どうするの?」

鳳翔「今冷蔵庫を見てみましたが、食材が何もありませんね…」

提督「……仕方ない、出前でも取ろうか。せっかくだしお寿司にしよう」

「「「「やったーー!!!」」」」

319: 名無しさん 2016/12/15(木) 15:53:54.08 ID:4Y3AvGGRO
ワ-イ ワタシトロタベタ-イ

マダカナ-

提督「これだけの人数でしかも特上かぁ…」

加賀「…お金、大丈夫なの?」

提督「ん?まあね、たまには散財しないと。みんなにも良いもの食べさせてあげたいし」

加賀「あの…ごめんなさい、私のせいで…」

提督「気にしなくていいよ、元はと言えば善意でやってくれたことだし」

加賀「でも…」

提督「いいって言ってるからいいの、それともこのことで責められたい?」

加賀「…いえ。ありがとう」

提督「でも、これから料理する時は必ず隣に誰かがいる時にしてね?危なっかしいから」

加賀「ええ」

提督「…ところであの肉じゃが、どういう味付けしたの?」

加賀「塩を少し…」

提督「塩だけぇ!?」

320: 名無しさん 2016/12/16(金) 00:41:24.18 ID:OtUkkbB00
深雪「うおおぉぉ…!!すっげー、ネタが光ってるぜ!!」

叢雲「なにこれ!おいひい!」モグモグ

吹雪「司令官!これ!すっごく美味しいです!」キラキラ

提督「あはは、それは良かった」

提督(心なしかみんなキラキラしてるような…)

天龍「お?なんだ、トロ食わねえの?ならオレがもらってやろうか?」

提督「ん…ああ、うん。どうぞ」

天龍「マジ!?へへっ、サンキュー!」

龍田「あら、太っちゃうわよ~?」

天龍「へっ、食った分より動けばいいんだよ!」モグモグ

加賀「もういらないの?」

提督「うん、一通り食べたし私はいいかな。一応たくさん頼んでおいたけど加賀達なら食べられるでしょ?」

加賀「それはまあ…心配ないけれど」

提督「じゃあ私、まだ書類があるから執務室に戻るね。それじゃ、ごゆっくり」

スタスタ

加賀「…あの子、寿司は嫌いなのかしら」

飛龍「そんなことないと思いますよ、特に海老と貝が好きみたいでしたし」

加賀「それにしてはあまり食べていなかったような…」

蒼龍「太るのが嫌だったとか?」

加賀「…そうかしら」

赤城「提督のことですし、みなさんに優先して良いネタを食べさせてあげたかったというのもあるんじゃないでしょうか」

加賀「……そうね」

321: 名無しさん 2016/12/16(金) 00:50:05.38 ID:OtUkkbB00
コンコン

提督「はーい?」

「電です」

提督「入っていいよー」

ガチャ

電「失礼します、なのです」

提督「お寿司、もういいの?」

電「はい、あとは大人のみなさんが楽しんでるのです」

提督「そっか、喜んでもらえてるみたいでなによりだよ」

電「少し休憩してもいいですか?」

提督「ここで良ければ好きなだけ」

電「はい………ふぅ」ストン

提督「…………はぁ……」ギシッ

電「どうかしたのですか?」

提督「いやあ、財布から諭吉さんが二十人以上も一斉に飛び立ったらね…ははは…」プシュウ

電(司令官さんから魂が抜けていくのです……)

331: 名無しさん 2016/12/18(日) 19:48:58.18 ID:heDJ/sZD0
電「ええと…司令官さん、戻ってくるのです」パン

提督「はっ…危ない危ない…今度お金おろしてこなきゃ…」

電「司令官さん、普段お財布にいくらくらい入れてるのですか?」

提督「だいたい10万くらいが目安かなあ…ほら、空母とか戦艦の子と出かけると一回の食事量がね…」

電「ああ…」

提督「あと、何かあった時に困らないよう私の部屋の金庫に100万入ってる」

電「100万もですか…」

提督「子供からしたら想像しづらいかな、やっぱり」

電「はい、100万円あったら……ええと、特上のお寿司がここのみんなで…五回?食べられるのです?」

提督「そうだね、ふふ」

電「で、でも贅沢は良くないのです」

提督「あはは、電はしっかりしてるね」ポンポン

電「はわわ…」

332: 名無しさん 2016/12/18(日) 20:00:29.93 ID:heDJ/sZD0
提督「……そういえば明日は電が出撃するんだっけ…」

電「はい、北方海域の方に…」

提督「まだ残党部隊は残ってるみたいだからねえ…これくらいしか言えないけど、気を付けてね」

電「はい、一緒に出撃する皆さんと頑張るのです」

提督「思えば、こんな年端もいかない子供が…しかも女の子が戦場に出るなんて酷い話だよね」

電「そう…ですか?電にはよく分からないのです」

提督「世の中には兵隊を仕事にしてる人もいるからね、その自由は本人にあるのに艦娘は戦うことを余儀なくされるからさ」

電「司令官さんとしてはそういうのは嫌ですか?」

提督「そりゃあね。戦いがない以上に平和な世界なんてないよ、電もそう思うでしょ?」

電「はい…電もできれば戦いたくはないのです」

提督「はあ…できることなら私が出撃してあげたいんだけどなあ…」

電「それはそれで…電が嫌なのです」

提督「もしもの話だよ、そもそも人間が艦娘みたいに海に出るなんて前例が………ん?」

電「?」

提督「…あれ?というか、誰もやろうとしなかっただけで本当は人間も海に浮けるんじゃ…」

電「はい?」

333: 名無しさん 2016/12/18(日) 20:07:13.30 ID:heDJ/sZD0
提督「艦娘が浮けるのは、船だからでしょ?」

電「はい、艤装があれば」

提督「昔から船には女性の魂が宿るって言うでしょ?」

電「そう…なのですか」

提督「男の人の提督が海に出られないのは分かるし、前例がないのはただでさえ少ない女の人の提督がそういう実験をしたことがないからじゃ?」

電「はあ……可能性はありそうなのです…」

提督「そうと決まれば早速確かめに行こう!」ガタッ

電「えっ…あ、ま、待ってください~!」

パタパタ…

334: 名無しさん 2016/12/18(日) 20:33:50.38 ID:heDJ/sZD0
明石「提督が海に出るぅ!??」

提督「そう、私でも艤装は背負えるでしょ?」

明石「いや、まあ、できなくはないと思いますけど…ほんとにやるんですか?」

提督「みんなにばかり負担を掛けるのは申し訳ないから、もしできることなら私だって」

明石「……この人、ほんと時たまよく分かんなくなるね…」ヒソヒソ

電「はい…」ヒソヒソ

提督「えーと…まずはどうしよう?」

明石「とりあえず…砲撃の練習から始めてみましょうか、弾を当てられなければなんの意味もありませんし」

提督「うん!」

明石「…なんかテンション上がってない?」

電「そ、そうですね…」

335: 名無しさん 2016/12/19(月) 00:44:23.26 ID:aPmbgQKz0
工廠内・射撃演習場




明石「じゃあ、とりあえずは……そうですね、普段夕立ちゃんが使ってるやつで」スッ

提督「あ、ありが…うっ、意外と重い…駆逐艦でもこんなに重いの持ってるの…?」

電「艤装を背負ってる時はそうでもないのです」

提督「そっか、逞しいね…」

明石「何はともあれ、とりあえず撃ってみたらどうですか?」

提督「そうだね、よーし…」ガシャン

電「真ん中の赤い部分を狙うのです!」

提督「………そこだっ!」

ドォォン!!

提督「うわぁっ!?」

ドシャッ

電「司令官さん!?」

明石「だ、大丈夫ですか!?」パタパタ

339: 名無しさん 2016/12/19(月) 14:51:45.09 ID:aPmbgQKz0
提督「いたた…こ、これ、思ったより反動が…」

電「大丈夫ですか?怪我は…」

提督「あ、それなら平気…ありがとう」

明石「駆逐艦の子が使うものとはいえ、近代兵器が通用しない深海棲艦に打撃を与える砲ですからね。それなりに威力はありますしその分反動も大きいですよ」

提督「電って普段からこんなの撃ってたの?」

電「はい、まあ…」

明石「…あ、でも提督、しっかり真ん中撃ち抜いてますね。射撃の素養はあるのでは?」

提督「ほんとだ。でも、撃つ度に毎回ああなってたら戦場でなんて…」

明石「電ちゃんが生身で撃ってもたぶん同じようなことになると思いますよ?」

提督「そうなの?」

電「ええと…はい、たぶん…」

提督「じゃあちょっと撃ってみて?私が後ろで支えてるから」

電「はい」ガシャン

ドォォン!!

提督「うわぁ!!」

電「きゃあ!!」

ドサッ

明石「仲良しですね…」

340: 名無しさん 2016/12/19(月) 15:01:53.91 ID:aPmbgQKz0
電「むぐぐ…」

提督「うう…電、大丈夫…?」

電「は、はい…あっ、ごめんなさい!」バッ

提督「はいはい。…よいしょっと」パンパン

明石「うーん…やはり艦娘といえど艤装がない状態だとまるで戦う力を持ってませんね」

提督「艤装を背負ってたら力が湧いてくるの?」

明石「そんな感じですね、普段は重い艤装がすーっと体の一部になってくるような感覚です」

提督「じゃあ電、ちょっと私を持ち上げようとしてみて」

電「は、はい……ふんっ!」グググ

提督「…………」

電「うぐ、ぐぬぬぬぅ…!」プルプル

提督(かわいい…)

明石「犯罪者の目をしてますよ?」シラー

提督「はっ…も、もういいよ、電」

電「は、はい…ふぅ、ふぅ…」

341: 名無しさん 2016/12/19(月) 15:10:26.75 ID:aPmbgQKz0
提督「じゃあ次は艤装を背負ってから持ち上げてみて?」

電「はい」ガシャン

グイッ

提督「おおっ」

電「えへへ、楽ちんなのです」

提督「軽い?」

電「はい、とっても」

提督「そっかそっか、ありがとう」

明石「…なんか絵面が不安定ですね」

電「こうしてるとなんだかお姫様みたいなのです」

提督「ふふ、ずいぶんと可愛らしい王子様だね」

明石「なにイチャついてるんですか…ほら、もういいでしょう」

提督「はーい…電、下ろしていいよ」

電「なのです」

ストン

343: 名無しさん 2016/12/19(月) 19:38:09.18 ID:aPmbgQKz0
提督「さて…どの艤装を背負ってみようか」

明石「重巡のとかでいいんじゃないですか?」

提督「いや、戦艦の子達は大人だし私も大人。ここは戦艦の艤装を背負うしかないね」スタスタ

電「大丈夫なんでしょうか…」

明石「さあ…」

提督「えーと、これは…扶桑のかな」グッ

提督「ふんっ…!」

明石「おぉ?」

提督「ぐぬぬぬぅ…!ぬりゃあああああ!!」グググ

電「全然持ち上がってないのです…」

提督「おおおおお!! あっ」グイーン

明石「あ」

電「あ」

ガシャーン

提督「あー!いっ、電!起こしてー!」パタパタ

電「はあ…」

明石「やれやれって感じね…」

344: 名無しさん 2016/12/19(月) 19:49:41.39 ID:aPmbgQKz0
提督「ふぅ、大変な目に遭った…」

明石「重巡のでいいんじゃないですかもう」

提督「うー…どうせならカッコいいのにしたかったけど、仕方ないか…」

ガシャン

提督「よい、しょっと……う、重い…」

明石「…あれ?」

提督「?」

電「電たちならもう今くらいには艤装が軽く感じ始めると思うのですが…」

提督「え?ずっと重いままだけど…」

明石「…やっぱり力が発揮されるのは艦娘だけなんじゃ…」

電「そうみたいなのです…」

提督「えー!?」

345: 名無しさん 2016/12/19(月) 20:00:21.19 ID:aPmbgQKz0
提督「なーんだ…やっぱり私には適性なんてなかったんだ…」

明石「まあ、根本的に艦娘とは違いますし…」

提督「………」ショボーン

電「あ、ええと…その、戦闘はできなくても遠征には出られるかもしれないのです!」

提督「……!そうだ、その手があった!」

明石「ええ、まだやるんですか?」

提督「もちろん!電、行こ!」

電「はい!」

パタパタ…

明石「はぁ…まあ、事故でもあったら良くないし一応付いていきますか…」

整備士「ん…明石さんどっか行くんすか」

明石「ああ、ちょっとだけ空けますね。あ…よかったらその主砲、片付けておいてもらえる?」

整備士「うっす」

明石「それじゃ、またあとで」

整備士「てら、っす」

346: 名無しさん 2016/12/19(月) 20:06:22.05 ID:aPmbgQKz0
整備士「……ふーん、これが普段艦娘が使ってるやつっすか…」

整備士「……あたしも一発ぐらいブチかましてもバチは当たらないっすよね」

ガシャン

整備士「砲雷撃戦、よーい…なんつって」カチッ

カチッ カチッ

整備士「……あれ?」

整備士「弾は………、入ってるっすね…」

整備士「……?」

整備士「あれ、これ人間には撃てないんすかね…」

整備士「……ま、いいや」

スタスタ

355: 名無しさん 2016/12/20(火) 19:52:20.72 ID:RQXQoUy40
明石「と、その前に。いくら遠征中とはいえ唐突な敵襲の可能性は当然ありますよね」

提督「はい」

明石「艤装に順応できなくても最低限身を守るために弓くらい引けるように練習しておきましょう」

提督「はい!」

瑞鳳「……はあ。そういうわけでここに来たのね」

提督「お世話になります」ペコリ

瑞鳳「あ、こちらこそ」ペコリ

電「あの、電もやってみたいのです」

瑞鳳「うん、一緒にやろう?」

提督「この和弓を使えばいいの?」

瑞鳳「そうそう、それが練習用だから」

357: 名無しさん 2016/12/20(火) 20:00:27.48 ID:RQXQoUy40
瑞鳳「じゃあ構えてみて?」

提督「うん。……ふー…」グッ

瑞鳳「……あれ?提督、綺麗にできてるじゃない」

提督「一応教えられてたから、基本くらいはね」

ガララ

飛龍「…お?提督?弓引いてる?」

蒼龍「え?あ、ホントだ。珍しい…」

瑞鳳「よし、と…それじゃ射ってみて」

提督「うん」

キリキリ…

飛龍「んん……なんか違和感が…」

蒼龍「………あ、胸当て。付けてない」

ビンッ

提督「ッ……!ッ……!!!」ゴロゴロ

瑞鳳「ああっ!?ご、ごめんなさい!忘れてたぁぁ!!」

飛龍「あちゃー…」

363: 名無しさん 2016/12/20(火) 22:08:11.85 ID:RQXQoUy40
提督「ふぅ…ふぅ…ち、ちぎれるかと思った…」

瑞鳳「ほ、ほんとごめんね…私が普段着けてないからその癖で…」サスサス

明石「でもまあ、弓は引けるみたいですしもし海に出ても自衛くらいはできるんじゃないですか?」

飛龍「うんうん、あれなら大丈夫そう」

蒼龍「提督、弓も引けたんだ。すごいね」

提督「おお、普段から使ってる人のお墨付きだなんて…」

瑞鳳「でも、ちゃんと狙いを定められるか見てないからもう一回やってもらっていい?」

電「あ…的に当たってないのです」

提督「うーん…でもこれじゃまた当たっちゃうし…」

蒼龍「ねー、着けてないと撃てないから不便よねー」

飛龍「わかるわかるー」

瑞鳳「……………」

364: 名無しさん 2016/12/21(水) 19:08:11.40 ID:gHjVosRz0
提督「えへへへへへ」

飛龍「よかったね、加賀さんが貸してくれて」

加賀「そういう話なら私も協力するわ」

提督「加賀の匂いがする…」クンクン

加賀「この軍服もあなたの匂いがするわ」スンスン

明石「って何イチャついてるんですか、早く射ってください」

提督「はいはーい」グッ キリキリ…

ビュン

スコッ

提督「やったぁ!ほら、見て見て!ちゃんと当たった!」パタパタ

電「司令官さん、上手なのです!」パチパチ

加賀「超かわいいさすが私の嫁(まあ、及第点ね)」

蒼龍「本音と建前が逆ですよ…」

366: 名無しさん 2016/12/21(水) 20:23:10.13 ID:gHjVosRz0
明石「これなら問題なさそうですし、桟橋の方に行きますか」

提督「うん!」

加賀「心配だから私も付いていくわ」

飛龍「私もやることないから行くー」

蒼龍「私もー」

電「瑞鳳さんもどうですか?」

瑞鳳「…え?ああ、私はこれから演習があるから…遠慮するね」

電「そうですか…頑張るのです」

瑞鳳「うん、ありがとう」

提督「さてじゃあ行こうか」

瑞鳳「あ、待って」グイッ

提督「うわっとと…な、なに?」

瑞鳳「胸、痛かった?」

提督「え?う、うん」

瑞鳳「…それが持つ者の痛みだから。噛み締めておいて」パッ

スタスタ…

提督「………??」

368: 名無しさん 2016/12/21(水) 22:13:08.88 ID:gHjVosRz0
桟橋



深雪「えっ!?司令官も遠征ついてくんの!?」

吹雪「だ、大丈夫なんですか?」

提督「ふふん、心配いらないよ」

叢雲「艤装付ければ浮けるなんてまた単純な理屈ね」

提督「でも艦娘はそうでしょ?」

叢雲「あんた人間でしょうが」

提督「やってみなきゃ分からない!」

叢雲「あっそ、じゃあご自由に」

天龍「…てか、なんで加賀さんの服着てんだ?」

提督「大人でしょ?空母でしょ?そういうこと」ドヤァ

天龍「ふ、ふーん…で、なんで加賀さんは提督の服を?」

加賀「似合う?」

天龍「え、あ、ああ…うっす…」

369: 名無しさん 2016/12/21(水) 22:17:49.92 ID:gHjVosRz0
提督「よいしょ、っと!」ガチャン

深雪「おー、結構様になってるんじゃない?」

提督「明石、これを着ければ海を歩けるんだよね?」

明石「はい、艦娘はみんなそうですよ」

提督「ふふん、私にもできる…はず!」

吹雪「ええと、それじゃ…行きますか?」

提督「…………」

天龍「ん?どうかしたのか?」

提督「いや、なんていうの…ほら、どうせならカッコよく出撃たいっていうか…そういう決め台詞とかあるじゃない?」

叢雲「えぇ…なんでもいいでしょそんなの…」

提督「よくない!」

叢雲「…あんたほんと変なところで頑固よね…」

370: 名無しさん 2016/12/21(水) 22:30:10.24 ID:gHjVosRz0
提督「例えば…航空母艦狭霧、抜錨します!とか」

吹雪「狭霧は駆逐艦にいます…」

提督「あ、そうだった…じゃあどうしよう?」

加賀「…と言われても」

深雪「航空母艦狭霧、未来を切り開く!」

提督「お、いいかも」

明石「RHYTHM EMOTION流しながら出ます?」

提督「それもいいね」

天龍「ゼロシステムのサウンド付きでか?」

提督「いっそのこと背中に月光蝶のシルエット背負って出るとか!」

明石「あっそれいいですね!今度作りましょうか!」パチン

叢雲「いいから早くしなさいよ!!」

371: 名無しさん 2016/12/21(水) 22:39:28.04 ID:gHjVosRz0
吹雪「いいんですか!?今下ろしたら、狙い撃ちされますよ!?」

明石「…………」

叢雲「…………」

深雪「かまわん、司令官の好きにさせろ…ですね?キャプテン」

叢雲「……ふんっ」

提督「キャプテン、ガランシェール隊のみなさん、お世話になりました」

提督「航空母艦、狭霧、行きます!」バッ

明石「パージ!」

提督「私は箱の鍵じゃない、人間だ」

提督「そしておまえは、人の力を増幅するマシーンなんd

ドボォーン

「あー!?」 「やべえ!司令官が轟沈した!」 「は、早く引き上げてー!」

叢雲「何よこの茶番…」

372: 名無しさん 2016/12/21(水) 22:57:18.07 ID:gHjVosRz0
提督「げっほ、ごほ…っうぇ、思いっきり水飲んだ…」ハァハァ

加賀「大丈夫?」サスサス

提督「うん…ごめんね、服びしょびしょにしちゃって…」

加賀「それくらい洗濯すればいいわ、それより早く体を温めてあげないと…」

提督「へっ、くしゅん!」

電「この時期はさすがに寒そうなのです…」

叢雲「ちょ、ちょっと…ほんとに大丈夫なの?」

天龍「心配なのは分かるけどよ、そろそろ行かないと…」

叢雲「わ、分かってるわよ!あんた、この前みたいに風邪引いたら承知しないからね!」

提督「はいはい…行ってらっしゃい」

叢雲「ふんだ!」

ザザザ…

加賀「…さて、早くお風呂に連れて行ってあげましょう」

明石「あの、少し思ったんですけど」

加賀「なに?」

明石「どうせ濡れるなら………」チラッ

提督「?」

373: 名無しさん 2016/12/22(木) 19:31:10.00 ID:1cSV2rPk0
チャプン…

明石「はーっ…昼間っから入るお風呂もまた乙なもんですねぇ」

飛龍「はぁーあったまるー!」ボイン

蒼龍「全然人いないねー」バイン

加賀「ふぅ………」ドーン

電「…………」ストーン

加賀「…どうかした?」

電「…あ、いえ…」

加賀「………?」

電「くっ……電だって将来は…」ペタペタ

飛龍「そろそろかなぁ?」

蒼龍「どうだろ、着替えるだけだからそんなにかからないと思うけど」

ガララ

明石「あ、来たみたいですよ」

電「司令官さ……うわ」

提督(スク水)「……………」

19「お揃いなのー!」キラキラ

飛龍&蒼龍「「うわぁ…」」

376: 名無しさん 2016/12/22(木) 19:54:29.44 ID:1cSV2rPk0
提督「……………」

19「提督?どうしたの?」ヒョイ

提督「いや………私、なんでこの歳になってスク水なんて着ることになったんだろうって…」

加賀「に、似合ってるわ」

提督「嬉しくない…」

加賀「そ、そう…ごめんなさい…」

明石「私が頼んでおいて言うのもなんだけど、みんな脱いでるのに一人だけスク水だとそういうお店みたいね」ケラケラ

提督「」ピシッ

飛龍「提督が凍った!」

蒼龍「ちょっと明石ちゃん!」

明石「す、すみません」

19「ほら、提督も一緒に入るの!」ズズズ

提督「あは…あはは…あはははははは…」

電「…………」ジー

提督「あ……電……」チラッ

電「…………」(目逸らし)

提督「」ピシピシ ピキーン

19「冷たっ!?」

飛龍「提督が氷になった!」

378: 名無しさん 2016/12/23(金) 19:20:12.65 ID:OaNqTCRi0
提督「」シュワアアアアア

飛龍「おお、解凍されていく…」

蒼龍「提督、生きてるー?」

提督「…ん?あれ、なんで私お風呂に…?しかもなんでスク水…?」

明石「電ちゃんに拒絶された現実があまりに辛すぎて記憶が消えてるわね…」

加賀「それより、早く確かめた方がいいんじゃないかしら」

明石「そうですね。提督が潜水艦の子達みたいにうんと長く息を止めることができれば潜水艦に適性があるということになります」

提督「ん?よく分からないけど…はあ」

19「それじゃイクと一緒にどぼーんするのー!」ガバッ

提督「わぁ!?」

バシャーン

ブクブク…

明石「さて、どうなるかな…」

380: 名無しさん 2016/12/23(金) 19:27:49.06 ID:OaNqTCRi0
ゴボゴボ…

提督「…………」

19「…………」

提督「…………」

19「…………」

提督(…あれ?なんだかあんまり息苦しくないような…)

19「…………」トントン

提督「…………?」

19『く、る、し、く、な、い?』パクパク

提督「…………」コクコク

19「………♪」ニコ

提督(イクの目、綺麗な桜模様だなぁ…)

19「…………」ニヤリ

提督「………?」

提督(なんだろ、今の不敵な笑み…)

モミモミ

提督「~~~~~!??!!?」ゴボゴボ

383: 名無しさん 2016/12/23(金) 19:36:33.79 ID:OaNqTCRi0
ザバァ

提督「げほっ、ごほぁ!!うぇっほ、げほげほ…!」ハァハァ

明石「うわ!?だ、大丈夫ですか!?」

提督「また水飲んだ…もう!イク!」

ザバッ

19「ちょーっとイタズラしただけなの」

提督「ちょっとどころじゃない!」ムニィー

19「ごめんなふぁい…」

飛龍「でも、浮上してきたってことはやっぱりダメだったんじゃない?」

蒼龍「顔も真っ赤だし…息が続かなかったってことかな」

提督「いや、それはまた別の…まあいいけど…」

明石「うーん、やっぱり提督は人間ですね…どの艦種にも適性がなかったということで」

提督「はぁ…私じゃダメかぁ…」

電「でも、司令官さんには司令官さんにしかできないことがあるのです」

提督「うぅ…電ぁ…」

電「その姿でこっちに来ないでください」

提督「」ガーン

384: 名無しさん 2016/12/23(金) 19:58:46.52 ID:OaNqTCRi0
提督「ふぅ、ようやく普段通りの服に戻った…」

電「やっぱり司令官さんはその軍服が似合ってるのです」

提督「ふふ、ありがとう」

加賀「私の服、まだ乾いていないからあなたの服を借りてるわ」

提督「ん?ああ、うん、パジャマも似合ってるね。可愛いよ」

加賀「かっ…」

加賀(可愛い…可愛い………可愛い………)

加賀「…………」キュンキュン

飛龍「おぉー、これが彼シャツってやつですかな」

蒼龍「彼っていうか、カノシャツ?」

明石(ほんと息をするようにたらし台詞吐くなぁこの人…)

19「スカートは恥ずかしいの…///」モジモジ

提督「いや、常に水着の方が恥ずかしいでしょ…」

386: 名無しさん 2016/12/26(月) 01:48:57.82 ID:AODs4S9m0
バサッ

ヲ級「…………」

提督「わっ、びっくりした…ヲ級ちゃんもお風呂?」

ヲ級「…………」フルフル

飛龍「なになに?」

蒼龍「どうかしたの?」

ヲ級「少シ、テイトクトオ話ガシタイ」

提督「私と?」

ヲ級「…………」コクコク

提督「……加賀?」

加賀「…ええ、構わないわ」

提督「うん…それじゃ、また後で。行こう?」

ヲ級「アア…」

スタスタ…

飛龍「よかったんですか?」

加賀「何が?」

飛龍「いえ、他の子と二人っきりにしてもいいのかなって」

加賀「……真面目な話みたいだから。そうでなきゃわざわざ匂いを追ってなんて来ないでしょう」

飛龍「ああ、そうなんですか…って、匂い?」

加賀「? あの子の匂い、辿れないの?」

飛龍(もしかして加賀さんも変態なんじゃ…)

388: 名無しさん 2016/12/27(火) 20:11:10.90 ID:FdXUfLus0
スタスタ…

ヲ級「…………」ピタ

提督「ん、っと…話ってなに?」

ヲ級「……テイトク…」クルッ

提督「?」

ヲ級「…私達、オ別レシヨウ」

提督「………えっ?」

ヲ級「ソレヲ伝エタカッタダケダカラ…サヨナラ…」ダッ

提督「! ま、待って!」

ヲ級「アッ」ズルッ

提督「あっ」

ベシャ

ヲ級「…ウゥ…」

提督「えぇ…」

ヲ級「来ナイデ…オ別レダカラ…」

提督「い、いきなりそんなこと言われても…ほら、ゆっくりでいいから理由を教えてくれる?」

ヲ級「…………」

389: 名無しさん 2016/12/28(水) 04:40:48.50 ID:UtFotpww0
提督「それで…どうして急に?」

ヲ級「……テイトクガ死ヌノハ嫌ダカラ…」

提督「へっ?私が?」

ヲ級「ダッテ…私達ヲ庇エバ、テイトクハ他ノ人タチニ裏切リ者ダト思ワレテ、ソレデ…」

提督「ああ、そういうことね…」

ヲ級「確カニ戦イガ終ワルノハ嬉シイ…デモ、モシテイトクガ殺サレル可能性ガアルナラ、私ハ…」

提督「…………」

ヲ級「……私ハ…敵トシテ、アナタノ指揮スル艦隊ニ沈メラレル方ガイイ…」グッ…

提督「……聞いて、ヲ級ちゃん」

ヲ級「………?」

提督「確かに私が逆賊扱いされて、殺される可能性はある。けど、だからってそれは私が交渉をやめる理由にはならない」

ヲ級「ドウシテ…?」

提督「私は…私が死ぬよりも、ヲ級ちゃんもみんなも失ってしまう可能性の方が怖いから。あなたと同じ理由だよ」

ヲ級「…………」

提督「…私、小さい頃にさ…妹たちと離れ離れになったの」

ヲ級「……妹……?」

提督「大好きだった人達が家から居なくなって、とても寂しくて、失う辛さを知って…でも、それでも助けてくれる人が居たから今の私があるの」

提督「それはこの鎮守府にいるみんなもヲ級ちゃんも同じことで、みんなが戦いを終わらせたいと望むのなら提督という立場である私がやらなければいけないと思うんだ。例えそれが命を賭けるようなことでも…たくさん愛情をくれた、精いっぱいの恩返しだから…」

ヲ級「…ソウ…カ…」

390: 名無しさん 2016/12/28(水) 04:50:46.24 ID:UtFotpww0
提督「だからってお別れを止めるつもりはないよ。ヲ級ちゃんと会えなくなっても、私は絶対に戦いを止めるつもりだから」

ヲ級「……テイトクハソレヲ選ブノ…?」

提督「選ぶんじゃなくて、選んだんだよ」

ヲ級「…………」

提督「…あなたはどうする?」

ヲ級「………私モ…」

提督「うん」

ヲ級「私も……アなたト共にありタい…やっと出会えた、もう一人のワタシだかラ…」

提督「うん…そっか、わかった。それじゃ、これからもよろしくね」

ヲ級「アア…」

提督「……ところでさ、ずっと前から考えてたけど…ヲ級ちゃんがたまに言う不思議なことってもしかして…」

「あー!いたいた、提督ー!」

提督「!」

白露「ちょっと工廠まで来て!大至急!」

提督「う、うん!ごめんね、この話はまた今度!」

ヲ級「…ウン、頑張ッテ…」

パタパタ…

ヲ級「……妹…」

391: 名無しさん 2016/12/29(木) 03:08:02.69 ID:Tf7Zoi7N0
工廠



白露「連れてきたよー!」

提督「緊急の用事って?」

明石「いえ、ちょっと困ったことが起こりまして…夕立ちゃん?」

夕立「提督さん、これ…」スッ

提督「ん?……これは…12.7cm砲のB型?」

明石「先ほど提督が使っていたものです」

提督「これがどうかしたの?」

整備士「や、それがどうにも撃てなくなったみたいなんすよ」

提督「撃てなくなった、って…弾詰まりとかではないの?」

整備士「それはさっき調べてみたっすけど、特に異常はないっすね」

提督「うーん…ちょっとよく見せてくれる?」

夕立「ぽい…」

提督「……見た目も特に何もなさそうだね。他のは撃てるの?」

夕立「撃てたけど…これがお気に入りだったのに…」シューン

白露「まあまあ…ほら、新しい方にもすぐ慣れるって」ポン

夕立「ぽい…」

392: 名無しさん 2016/12/29(木) 03:19:10.47 ID:Tf7Zoi7N0
提督「あの、これ、もしかして…さっき私が壊しちゃったとかじゃないよね…?」

明石「まさか。人の手で触れただけで艤装がお釈迦になるなら葵ちゃんはとっくにお払い箱ですよ」

整備士「珍しく容赦ない言い草っすね…」

提督「だ、だよね…でも、どうして急に…」

明石「こんなこと今まで一度もありませんね…駆逐艦の主砲なら開発も簡単ですが、さすがに戦艦の主砲なんかがこうなるとまずいので調査しておきましょうか」

提督「うん、お願いするね」

整備士「ところでこれ、あたしも一度撃ってみたいんすけど」

提督「えー、危ないからやめた方がいいよ?」

整備士「ん?先輩、撃てるんすか?」

提督「え?うん」

整備士「あたしは撃てないんすけど…」

提督「えっ?」

明石「ど、どういうことですか?」

提督「わ、私に聞かれても…え、私、艦娘なの?」

明石「私に聞かないでくださいよ…そんなの知りませんし、さっき適性もないって分かったじゃないですか」

提督「そ、そうだよね…うん、ごめん…」

整備士「……よく分かんないことだらけっすね。とりあえずあたしはもう戻っていいすか、もっちーとFF15やるんで」

提督「あ、うん。お疲れ様」

整備士「先輩もどうすか」

提督「あとでお邪魔するね、それじゃ」

整備士「うっす」

393: 名無しさん 2016/12/29(木) 03:24:09.53 ID:Tf7Zoi7N0
提督「それにしても変な事件だね…」

明石「ええ…とにかく、調べたことはまた後日報告しますので。急に呼び出してすみません」

提督「いやいや、気にしないで。あんまり根を詰めないようにしてね」

明石「提督こそ。お疲れ様でした」

提督「うん…あ、これどこに置けばいい?」

明石「あー、分かりやすいところでいいですよ」

提督「はーい」

ピシッ

提督「…ん……?」

提督「……?こんなところにヒビなんて入ってたっけ…」

提督「…まあいいか、後は明石に任せよう」

~~~

394: 名無しさん 2016/12/30(金) 06:05:34.95 ID:Vcx6Ukoy0
加賀「うぐ……///」ボー

鳳翔「加賀さん、飲み過ぎですよ?今日のところはお開きにしましょう?」

加賀「……そんなことより聞いてください、鳳翔さん…」

鳳翔「いえ、ですから…」

加賀「やっぱり私なんてあの子のお嫁さんには相応しくないんですよ…」

鳳翔「は、はあ…あの、お開きに…」

加賀「私、こんなにも不器用で…恋人だというのに素直に想いを伝えることすら難しくて…」

鳳翔「……はあ…」

加賀「こんな意気地無しなら浮気されても仕方ないですよね…」ズーン

鳳翔(どうして加賀さんはお酒を飲むとネガティブになるのかしら…)

395: 名無しさん 2016/12/31(土) 00:50:11.84 ID:BUdp8Gyd0
加賀「今日だって、あの子を喜ばせたくて料理をしたのに……あんなことになって…」

鳳翔「まあまあ…は、初めてなら誰だってあんなものですよ」

加賀「卵焼きすらろくに作れないなんて…とんだポンコツですよ……」ズーン

鳳翔「いいじゃないですか、加賀さんができなくても提督は料理上手ですし。昔の亭主はみんなそうでしたよ?」

加賀「でも、私がお嫁さんという立場ですから…」

鳳翔「そこにこだわるのは…どうなんでしょう、私はケッコンしていないので分かりませんが…まあ、加賀さんがよろしければ料理のことを教えてさしあげましょうか?」

加賀「いいんですか!?」ガタッ

鳳翔「ええ、構いません」

加賀「ありがとうございます…ありがとうございます…」

鳳翔「そこまで感謝されましても…ほら、しっかりしてください」サスサス

加賀「ううぐぅ……」

396: 名無しさん 2016/12/31(土) 00:59:39.78 ID:BUdp8Gyd0
加賀「…でも…あの子、本当に私のことを愛してくれているのか不安になるんですよ…」

鳳翔「はい」

加賀「あの子の立場は分かっているつもりだけど、それでもやっぱり…他に本命がいるんじゃないかって…」

鳳翔「はあ…気持ちは分からなくもないですけど…」

加賀「……浮気三昧ですよ浮気三昧」

鳳翔「加賀さんは提督のことが好きなんですよね?」

加賀「…好きです、でなきゃこんな相談なんてしてません…」

鳳翔「で、ですよね…」

鳳翔(ああ、二航戦の子達がいてくれればもっと楽に話せるのに…)

399: 名無しさん 2017/01/01(日) 19:37:30.08 ID:nGn7qCs70
鳳翔「でも、提督も加賀さんのことは好きだと思いますよ?」

加賀「…どうしてそう言い切れるんですか?」

鳳翔「その指輪、加賀さんにしか渡してないじゃないですか」

加賀「……これは、私の練度が一番高かったからで…」

鳳翔「でも最大練度の子は他にもいますよ?」

加賀「…きっと指輪がないんですよ、私じゃなくて他の誰かに渡してもよかったんです…」

鳳翔「先日の大規模作戦発令で、練度向上のためにと全ての鎮守府に大本営から指輪が届いているそうですが」

加賀「……え?」

鳳翔「それでも加賀さんにだけ渡しているということは、つまりそういうことなのではないでしょうか」

加賀「…………」

鳳翔「…………」

加賀「…………い、いえ。まだ確証に至るには早いです」

鳳翔(どうしてそこまで疑心暗鬼に…いえ、無理もないでしょうけど…)

401: 名無しさん 2017/01/01(日) 21:06:57.29 ID:nGn7qCs70
鳳翔「では、たとえば……普段提督とはどんなスキンシップをしてますか?」

加賀「……?ええと………頭を撫でてみたり…」

鳳翔「提督の反応は?」

加賀「…くすぐったがります」

鳳翔「嫌がりませんか?」

加賀「ええ」

鳳翔「なら完全に加賀さんに心を許している証拠ですよ、私が撫でようとしても警戒しますから」

加賀「…そうなんですか?」

鳳翔「はい、よく武蔵ちゃんが撫でようとして手を払いのけられているじゃないですか」

加賀「…言われてみれば確かに…」

鳳翔「無条件で受け入れてくれるのは信頼の証ですよ」

加賀「…………」

402: 名無しさん 2017/01/01(日) 21:26:23.36 ID:nGn7qCs70
鳳翔「提督の方から甘えてくることはありますか?」

加賀「そう、ですね…二人きりになると寄りかかってきたり、膝の上に乗ったきたり…」

鳳翔「あの、すごく申し上げにくいのですが、ラブラブです」

加賀「そうなんですか?」

鳳翔「少なくとも私は提督にそんなことをされた経験はないです…」

加賀「……え?じゃああの子は本当に私のことが好きなのでは…」

鳳翔「最初からそう言ってるじゃないですか、恋人なら信じてあげてください」

加賀「………結婚したい…」

鳳翔「してますよね?」

加賀「正式にしたいんです…」

鳳翔「ああ…法が変わるのを待ちましょう」

403: 名無しさん 2017/01/01(日) 21:43:22.00 ID:nGn7qCs70
鳳翔「さあさあ、愚痴はこの辺にしてそろそろお開きにしましょう。飲み過ぎは毒ですからね」

加賀「はい……すみません…」

鳳翔「あ、言い忘れてましたが…今日加賀さんが作っていた料理、全部食べたのは提督だけでしたよ?」

加賀「え…?」

鳳翔「『お嫁さんが作ってくれたものだもん、美味しくなくても美味しいよ』ですって」

加賀「……………」

鳳翔「ふふ、いい人じゃないですか?」

加賀「……はい……」

ガララ

提督「加賀ー、いるー?」

鳳翔「はーい、こちらに」

加賀「……風花ぁ…」フラフラ

提督「あー、すっかり出来上がっちゃって…ごめんね鳳翔さん、迎えにくるの遅くなって」

鳳翔「いえいえ、気になさらないでください」

ボフッ

加賀「うぅ…」

提督「ほら、ちゃんと立って…ってなんで泣いてるの?」

鳳翔「さあ?ふふっ」クスクス

加賀「風花…好きよ…好きぃ…」グスッ

提督「は、はあ…」

411: 名無しさん 2017/01/02(月) 19:57:40.34 ID:1+kxVPUo0
吹雪「えー、新年!」

白雪「明けまして!」

深雪「おめでたい奴らだあああぁぁ!!!」

提督「ぶるぁああああああ!!!」

叢雲「新年の挨拶くらい真面目にやりなさい!」スパスパーン

深雪「いってぇ!どっから出したんだよそのハリセン!」

叢雲「あんたもさっきまで寝てた割に元気ね?」

提督「いやあ、大晦日まで書類が舞い込んできて…ちょっとはしゃいじゃった」

初月「大人だろう?」

提督「うっ」グサッ

吹雪「司令官、初詣行きましょう!初詣!」

初月「むっ、僕達と餅つきをする約束をしてたはずだろう」

飛龍「提督ー、お雑煮作ろお雑煮!」

叢雲「何よ、元旦から引っ張りだこじゃない」

提督「あはは…叢雲、分身できない?」

叢雲「いやするとしたらあんたでしょ…」

412: 名無しさん 2017/01/03(火) 20:05:46.17 ID:45U49bJ2O
アイオワ「Admiral!見て見て!」

提督「ん?あ、おおー。綺麗だね」

アイオワ「ホーショーに着付けてもらったわ!どう?meのハレーギ!」クルッ

提督「うん、似合ってるよ」

アイオワ「ふふん♪」

提督「………アイオワ、ちょっとこっち来てもらってもいい?」

アイオワ「? yes」スタスタ

提督「失礼」バッ

アイオワ「Oh!?」

提督「やっぱり何も着けてなかった…なんでなの鳳翔さん…女の子としてダメだよそれは…」シクシク

鳳翔「ぶ、文化の違いというものでしょうか…」

アイオワ「Admiralったら…思ったよりboldなのね…///」ポッ

吹雪(普段露出狂みたいな格好してるのに何言ってるんだろう…)

413: 名無しさん 2017/01/03(火) 20:21:22.15 ID:45U49bJ2O
提督「ええと、じゃあとりあえず…初詣は後にして餅つきから始めようか」

初月「ああ!みんなを集めてくる!」ダッ

アイオワ「モチヅキ?destroyerの?」

提督「ああいや、そうじゃなくて…もちつきね、もちつき」

アイオワ「…ムツキ型のnew face?」

提督「そ、そうでもなくて…お餅っていう食べ物があって、それを作るの。お正月に食べる物なんだよ」

アイオワ「ナルホド…でも、オモチを作るならモチツキじゃなくてモチツクリじゃないの?」

提督「あーーー……なんだろうこの語弊に語弊が重なる感じ…」

鳳翔「ま、まあまあ…百聞は一見に如かずと言いますし、やって見せた方が分かりやすいと思いますよ」

提督「そうだね…お雑煮の分も作らないといけないしアイオワもやってみる?」

アイオワ「よく分からないけど楽しいことなら大歓迎よ!」ワクワク

提督「うん、いいノリだね!」ワクワク

吹雪「司令官も大概お祭り好きですね…」

鳳翔「まあ昨日までお仕事があったそうですから…ストレス発散をしたいんでしょう」

414: 名無しさん 2017/01/04(水) 20:01:37.72 ID:0jMCPk8p0
初月「さあ、もち米を持ってきたぞ」ジャッ

アイオワ「rice?」

提督「そう、これを突けばお餅になるの」

アイオワ「突く…。………!」ピコーン

アイオワ「Oh!ホクトノケンね!」

提督「アイオワ、変な知識ばっかり覚えてるね…」

アイオワ「違った?」

提督「あー…まあ少し準備があるし、その間に簡単な説明しちゃおっか」

ポーラ「おー…?これがオモチー、ですか?」

提督「お、珍しくポーラが素面だ…ポーラも見ていく?」

ポーラ「ザラ姉様から聞きまして、興味もありますね~」

アクィラ「あら、なんですかなんですか?何かのイベント?」

提督「うわお、海外艦がぞろぞろと…」

415: 名無しさん 2017/01/05(木) 20:56:06.83 ID:mQdmyMeA0
提督「えー、まずは餅つきという行事の由来から教えましょう」

アイオワ「ヒュー!todayはadmiralじゃなくてteacherね!」

リベ「うわーい、オベンキョーだー!」

ウォースパイト「これがテトリ・アシトリというものなの?」

提督「いぇーす」

スパ「OK、学ばせてもらうわ」

ローマ「いいから早く始めなさいよ」

提督「はいはい…えー、まず、日本人は古来よりの農耕民族でした。稲を育て、野菜を収穫し、命を食べることにいただきますと感謝を述べて暮らしてきました」

サラトガ「meatは食べなかったのですか?」

提督「肉食はあったんだけど、時代によっては貴族だけが食べてたり平民も食べてたり割とややこしいみたい。…で、話を戻すと、その稲作で作られるのも、このもち米です」

ポーラ「普通のオコメとは違うんですか?」

初月「僕達が普段食べているのはうるち米というもので、それに比べて粘り気が強いのがもち米だ。もち米を突くと餅に、うるち米を突くとみんながよく食べているせんべいができあがる」

プリンツ「あー!あのショーユーが聞いたお菓子!」

初月「そうだ。ちなみにせんべいを漢字にすると煎餅、餅という字が入る」キュッキュッ

レーベ「へー…ヤーパンに来てからはそれなりに長いけど初めて知ったよ」

提督「解説ありがとう、初月」

初月「ああ」ニコ

416: 名無しさん 2017/01/12(木) 18:16:13.93 ID:KHbI+vyG0
提督「そしてこのお餅は長く伸びて切れないところから寿命も長くなる、という発想でハレの日…つまり特別な日やお祭りの日に食べられるようになりました」

グラーフ「ふむ、そういった風習はどこの国も似たようなものだな」

提督「三月にはひし餅、五月には柏餅、十月には亥の子餅。そして最も大事な年中行事である正月にもお餅を食べます」

ビスマルク「何よ、モチばかりじゃない」

アイオワ「そういうyouのところだってpotatoばかりじゃない」

ビスマルク「う、うるさいわね!」

ろー「ビスマルク姉さん、ちゃんと座って聞いてなきゃダメですって」

ビスマルク「う…ご、ごめんなさい」

リベ「提督さんのお話聞いてあげよう?」

アイオワ「Oh、sorry」

提督(なんていい子達なの……)ジュワアアア

初月「提督、浄化される前に説明を進めてくれないか」

提督「はっ…ごめんごめん」

初月(……同じ駆逐艦だというのになぜこうも)ムゥ

417: 名無しさん 2017/01/12(木) 18:31:53.13 ID:KHbI+vyG0
提督「えーそして餅つきですが、年末と年始に行うものがあります。年末のは秋月型がやってくれました」

初月「ふふん」ドヤ

提督「そしてこの年末の餅つきは、主に鏡餅を作るために行うものです」

リベ「はいはいはい!リベ、カガミモチ知ってるよ!ミカン乗せたやつだよね!」

提督「おぉ、よく知ってるね。勉強したの?」

リベ「えっとね、昨日ジュンヨーさんが胸にミカン乗せてカガミモチー!ってしてた!」

提督「……そっか。あとで隼鷹に私のところに来るように言っておいてね」

リベ「? うん」

提督「おほん…鏡餅というのは、歳神という正月に訪れる神様に捧げるお供え物です」

ローマ「ふぅん…無宗教の割に熱心なものね」

提督「日本には色んな神様がいるから信仰の対象を選ぶのも難しいのかもね」

アイオワ「聞いたことがあるわ、ヤオイの神よね!」

提督「えっ…」

アイオワ「ン?ヤマンバ?ヤンヤンマ?」

提督「や、やおよろず、ね?やおいはー……ええと、知らなくていいかな…」

アイオワ「そう言われると気になるわ。ヤオイis何?」ワクワク

スパ「私も知りたいわ」キラキラ

提督「あ、えー…は、初月…」チラッ

初月「やおいとはなんだ?」

提督「誰か助けて…」

421: 名無しさん 2017/01/13(金) 17:12:28.60 ID:ZVPUWBKl0
提督「やおいの説明は……ま、またの機会にということで…」

初月(あとで調べておこうか…)

提督「それで、ですね。お正月に突く餅はそのまま食べたりお雑煮に入れて食べたりするもので、神様と同じものを食べることで神様の力を分けてもらおうという意味があります」

ローマ「ふーん、だから機械じゃダメなのね」

提督「そう、ちゃんと人の手で作ることに意味があるの。これでお餅についての説明は終わり」

ポーラ「なるほど~…ためになりますねぇ」

提督「最後まで聞いてくれたポーラにこれをあげよう」スッ

ポーラ「? これは…お酒ですか?」

提督「うん、お屠蘇っていう正月に長寿を祈って飲むお酒」

ポーラ「えーと…」

ザラ「いいんですか?」

提督「ふふ、正月くらいはね…まあ普段から呑んでるけど」

ポーラ「おぉー…ありがとうございます」キラキラ

吹雪「司令官、餅つきの準備ができたみたいですよ」

提督「ん、それじゃあまずはお手本を見せようか」

422: 名無しさん 2017/01/15(日) 00:50:56.20 ID:EpQSLwDd0
提督「じゃあ私が突いてみせるね。吹雪、上着持ってて」ヌギヌギ バサッ

吹雪「あ、はい!」

アイオワ「このhammerで作るの?」

初月「ああ、ここに蒸したもち米がある。とりあえず見ていてくれ」

提督「それじゃ行くよー?」

初月「ああ。せーのっ」

提督「ッッ……!!あ、危な!せーのじゃ同じタイミングになっちゃうでしょ!」

初月「あ、間違えた…」

サラトガ「そんなにdangerousなの?」

提督「下手すれば手の骨が砕けるね」

グラーフ「そ、そこまで危険なものなのか…」

提督「外国のお祭りも大概危険でしょ?」

ローマ「返す言葉もないわね」

提督「それじゃ、気を取り直して…いくよー」

初月「よし、来い!」

423: 名無しさん 2017/01/15(日) 01:53:25.30 ID:EpQSLwDd0
提督「よいしょっ!」ズンッ

初月「はっ!」ピチャ

提督「せいっ!」ズンッ

初月「ふっ!」ピチャ

提督「我が信念燃え果てるまでー!」ズンッ

初月「この正義貫き通すー!」ピチャ

ザラ「おおー、思ったよりも派手なんですね」

リベ「わー!リベもやりたーい!」

提督「ふぅ、ふぅ……とまあ、こんな風にこれをお餅になるまで突いて、初月がしてたみたいに適度に水分を混ぜていくの。誰か持ってみる?」

リベ「はいはいはいはい!やってみたい!」バッ

アイオワ「Meも!」バッ

アクィラ「やりたいです!」バッ

提督「じゃあまずはリベからということで」

リベ「わーい!」

吹雪(迷いなく駆逐艦を選んだ…)

429: 名無しさん 2017/01/17(火) 19:03:05.85 ID:dK7nI9bLO
リベ「意外と重い…」ググ

提督「こうして、ここを持ってちゃんと支えて…はいっ」ギュ

リベ「よいしょっ!」ペタン

ザラ「セイヤァーッ!!」ペチャ

リベ「てーい!」ペタン

提督(ああ、小さい手で一生懸命突いてて可愛い…天使だ…褐色ロリ万歳…)ポロポロ

アクィラ「提督、泣いてない…?」

グラーフ「ああ……まあ、気にしてやるな…いつものことだ…」

吹雪(司令官の上着……)クンクン

431: 名無しさん 2017/01/18(水) 11:28:38.50 ID:dm+HqCw9O
アイオワ「はいはいはいはい!nextはmeがやるわ!」

リベ「ふー、楽しかったー」

提督「リベ、お疲れ様」

アイオワ「見ていたからやり方は分かるわ…さあ、いくわよ!」

ビスマルク「来なさい!」

アイオワ「Fireeeeeeee!!!」

ドゴオオオオオ

提督「うわあぁぁ!!?」

初月「爆発ッ!?」

ビスマルク「げほっ…何本気でやってんのよカロリー女ァ!!」ボロッ

初月「あ、ああ…僕達の餅が…」フルフル

アイオワ「やりすぎちゃった☆」

提督「臼が…砕けた…」

ローマ「これはひどい…」

432: 名無しさん 2017/01/18(水) 11:38:08.19 ID:dm+HqCw9O
初月「う、うう…お餅…」グスッ

提督「ほ、ほら、初月!奇跡的に餅は無事だから!他の子達の臼を借りれば大丈夫だから、ね!」

初月「うん…」

アイオワ「Ah…ソーリー」

提督「さ、さすがに戦艦パワーで加減しなかったらああなるよね…うん、今のは忠告しなかった私が悪いよ…」

ビスマルク「死ぬかと思ったわ…」

提督「ま、まあああいう感じで餅を突く行事で…やり方は分かっただろうから、臼を借りてやってみよう?」

グラーフ「なら今度は私が突く側になっていいか?」

提督「あ、うん。じゃあ私は相手になるね」

レーベ(提督が突かれる側……)

434: 名無しさん 2017/01/18(水) 18:47:47.24 ID:tzoCNKUo0
そんなこんなで餅ができて……




提督「ふぅ、やっと食べられる……」

初月「まずは一般的な焼き餅からだな」

リベ「あ、それ知ってる!できる女はヤキモチを焼かせて振り向かせるんだよね!」

提督「どこでそんなことを…」

アイオワ「ねえ、これはsoy sauceに漬けて食べるの?」

提督「あ、醤油でもいいし…ほら、きな粉でもいいよ」

スパ「Wow、golden powder…」

提督「そうそう、お餅を食べる時は気を付けてね」

アクィラ「? どういうことですか?」

提督「下手をすれば死んじゃうからね」

一同「「「!!!!??!?」」」

439: 名無しさん 2017/01/18(水) 19:49:56.61 ID:/xci6gMqO
提督「毎年人が死んでるからね、危険だよ」

グラーフ「な、なんだそれは…毒が入っているのか!?」

提督「ああいや、そういうわけじゃなくてね」

アクィラ「食あたりというやつですか?」

提督「それも違くて…まあ見てもらえれば分かるんだけど、お餅ってこう…」パクッ

アイオワ「?」

提督「んー…」

ニョーン

スパ「What!?」

マックス「の、伸びた…!?」

提督「こんな風に粘性が高くて伸びるから…それを喉に詰まらせて亡くなる人が多いの」モグモグ

サラトガ「な、なるほど。でも気を付けて食べれば大丈夫ということよね」

提督「うん、大抵は老人や一人暮らしの人が亡くなってるからね。もし喉に詰まってもみんながいるから大丈夫だよ」

リベ「それで、このオモチーは美味しいの?」

提督「そりゃあもう、数多くの人々が正月太りに悩まされるほどに…はい、あーん」

リベ「あーん…」パクッ

リベ「……ん!美味しい!」

提督「でしょ?みんなも食べてみて」

グラーフ「あ、ああ。いただきます」

441: 名無しさん 2017/01/18(水) 20:02:00.93 ID:/xci6gMqO
アクィラ「………んん、美味しい!」

ローマ「ふーん…これは、なかなか…」

提督「きな粉に付けても美味しいよ、お菓子みたいな感覚で」

スパ「……delicious。これなら、たくさん食べてしまうのも頷けるわ」

アイオワ「Wow…止まらないわ!」モグモグ

提督「あはは、お気に召したようで何よりだよ」

ビスマルク「こんなに美味しいモノがあるなんて知らなかったわ…ヤーパンの食にかける情熱は計り知れないわね…」

レーベ「提督、そのオモチ、どこに持っていくの?」

提督「ん、ちょっと食堂の方にね。そっちでお雑煮を作ってるだろうからそれにもお餅を入れるの」

マックス「そのオゾーニというのも美味しいの?」

提督「もちろん!一緒に来る?」

ビスマルク「行くわ!!」ズイッ

提督「はいはい、ちゃんと飲み込んでからね」