1: 名無しさん 2018/09/22(土) 22:07:43.373 ID:H8cI/2jc0
俺「実はおじさんもまだ知らないんだ」

幼女「そうなんだ」

引用元: ・幼女「おじさん、子供ってどうやって出来るの?」俺「知りたいかい…?」幼女「うん!」俺「それはねぇ…」

6: 名無しさん 2018/09/22(土) 22:09:32.306 ID:H8cI/2jc0
幼女「でもわたし、どうしても知りたいの!」

俺「そう。幼女ちゃんは好奇心旺盛なんだね」

幼女「うん!」

俺「よし、じゃあ幼女ちゃんのお母さんに聞いてみようか。幼女ちゃんのお母さんだから、子供がどうやって出来るか当然知ってるはずだよね」

幼女「おじさんかしこい!」

俺「ははは」

9: 名無しさん 2018/09/22(土) 22:11:35.310 ID:H8cI/2jc0
幼女「ママ、ただいま!」

母「あ、おかえりなさい、幼女。あら、その人は…?」

俺「こんにちは、お母さん」

幼女「この人はね、わたしのともだち!」

俺「どうも」

お母さん「友達…?」

俺「それでですね、お母さん。突然なんですけど、幼女ちゃんが聞きたいことがあるって言ってまして」

お母さん「はぁ」

俺「子供って、どうやって出来るんでしょうか?」

15: 名無しさん 2018/09/22(土) 22:14:28.698 ID:H8cI/2jc0
お母さん「は?」

俺「いえね、幼女ちゃんが興味があるみたいなんですよ。その、子供がどうやって生まれてくるのかね」

お母さん「あ、あ、あ、あなたね…」

俺「ご存じないです?」

お母さん「あなた!自分が何を言ってるか分かってるんですか!?」

俺「はい?」

19: 名無しさん 2018/09/22(土) 22:15:52.408 ID:H8cI/2jc0
お母さん「冗談のつもりなら今すぐ謝って下さい!」

俺「いやいや、そんなつもりはありませんよ。だからこうして質問しに来たわけでして」

お母さん「ふざけないで下さい!変態!不審者!ハゲ!今すぐ出て行って!」

俺「あっ、あの――」

ピシャン!

お母さん「いい!?あんな人ともう関わっちゃダメよ、幼女!」

幼女「でも――」

お母さん「でもじゃないの!あなたのためを思ってのことなのよ!」

俺「……」

27: 名無しさん 2018/09/22(土) 22:18:41.215 ID:H8cI/2jc0
幼女「おじさん、おこられちゃったね…」

俺「うーん、何故かは分からないけど、お母さんの気に障っちゃったみたいだね」

幼女「おじさんかわいそう…」

俺「全然気にしてないよ。それに、何かおじさんの態度が悪かったんだろう。反省してるよ」

幼女「そう?ならよかった」

俺「気を取り直して、今度は幼女ちゃんの学校の先生のところに行ってみよう」

幼女「先生?」

俺「先生はとっても物知りだからね。きっと子供がどうやって出来るかも知ってるはずさ」

幼女「おじさんかしこい!」

俺「はは、幼女ちゃんの担任の先生には負けるさ」

29: 名無しさん 2018/09/22(土) 22:20:27.471 ID:H8cI/2jc0
先生「あら、幼女ちゃん。職員室に何か用かしら?」

幼女「こんにちは!」

俺「こんにちは」

先生「…?そちらの方は…?ご父兄、それとも地域の方ですか?」

俺「えーっと、その、なんというか…」

幼女「あのね、先生!聞きたいことがあるの?」

先生「聞きたいこと?」

33: 名無しさん 2018/09/22(土) 22:22:51.388 ID:H8cI/2jc0
幼女「うん!」

俺「そのですね、先生。実は幼女ちゃん、子供の出来方について関心があるみたいでして」

先生「子供…?」

幼女「そうなの!」

先生「ええと…なんて言ったらいいのかしら」

俺「先生、ご存知ですか?」

先生「…いい?幼女ちゃん」

幼女「うん!」

36: 名無しさん 2018/09/22(土) 22:25:51.613 ID:H8cI/2jc0
先生「…その勉強は、幼女ちゃんにはまだ早いの」

幼女「はやい?どういうこと?」

先生「幼女ちゃんが成長して、そうね、中学校に入ったらお勉強出来るのよ」

幼女「でもわたし、いますぐ知りたいの!」

先生「じゃあ、そうね…幼女ちゃんのお父さんとお母さん、思い浮かべて。そうやって、男の子と女の子がお互い好きになっていくと、出来るものなのよ」

幼女「それ知ってるよ!ケッコンでしょ!わたし、それよりもっとくわしく知りたい!」

先生「…うーん、困ったわね…」

俺「……」ニコニコ

39: 名無しさん 2018/09/22(土) 22:30:32.032 ID:H8cI/2jc0
幼女「ね、おしえて、おしえて!」

先生「えっと、そうだね…」

俺「……」ニコニコ

先生「…というかあなた、どなたなんです?幼女ちゃんの叔父さんでしょうか?」

俺「叔父…ではないですね」

幼女「おじさんはおじさんだよ?」

俺「いや。幼女ちゃん、そのおじさんとこの叔父さんは違うんだ。なんて説明したらいいかな…」

先生「…じゃあ幼女ちゃんと、どういった関係なんです、あなた?」

幼女「おじさんはおじさん!子供のつくりかたをおしえてもらおうとしたんだけど…」

先生「は?」

41: 名無しさん 2018/09/22(土) 22:33:57.252 ID:H8cI/2jc0
先生「え?今なんて?あなた、幼女ちゃんに…?」

俺「ははは、面目ない」

先生「め、面目ない?あなた、自分が何をしようとしたか分かっているんですか…?」

俺「え?何って、幼女ちゃんのためになること、ですかね。勿論、私にとっても嬉しいことですよ」

先生「は、はぁ!?常識ってものがないんですか、あなた!?」

俺「えっ?いきなり大声出されて、どうしたんですか?」

先生「し、信じられません!警察に通報しますよ!出て行って下さい!」

俺「あの、話を――」

先生「この鬼畜!ロリコン!ハゲ!」

ピシャン!

俺「……」

43: 名無しさん 2018/09/22(土) 22:35:28.911 ID:H8cI/2jc0
幼女「またおこられちゃったね…」

俺「うーん、なんだか上手くいかないね」

幼女「おじさんかわいそう…」

俺「いいんだ、気にしないで。どっちかって言うと、迷惑かけっちゃったのはおじさんの方なんだから」

幼女「おじさん…」

俺「ところで、大事な話があるんだけど。いいかい?」

幼女「大事なおはなし?」

47: 名無しさん 2018/09/22(土) 22:38:28.084 ID:H8cI/2jc0
俺「おじさん、旅に出ようと思う」

幼女「たび…?」

俺「外国に行くんだ。飛行機で、びゅーんってね」

幼女「なんで?どうしてきゅうに?」

俺「幼女ちゃんのお母さんや、先生に聞いても分からなかったんだ。おじさんがちょっと、色んなところにいって調べてくるよ」

幼女「おじさん、そこまで…」

俺「それにね、どうやらおじさんはみんなの迷惑みたいだから」

55: 名無しさん 2018/09/22(土) 22:41:47.253 ID:H8cI/2jc0
幼女「めいわく?そんなことないよ!」

俺「これも全部、幼女ちゃんのためを思ってのことなんだ。おじさんみたいに人に迷惑かける奴がそばにいちゃ、幼女ちゃんだってこれから大変だよ」

幼女「でも――」

俺「大丈夫。幼女ちゃんには、おじさんがいなくてもパパやママ、先生、それにたくさんの友達がいるだろう?」

幼女「それは…そうだけど…」

俺「安心して。別に一生の別れってわけじゃないさ。必ず帰ってくるから」

幼女「ほんと?」

俺「本当さ」

幼女「やくそくする?」

俺「あぁ、約束するよ」

58: 名無しさん 2018/09/22(土) 22:45:04.337 ID:H8cI/2jc0
こうしておじさんは海の向こうへと旅立った。

アメリカの摩天楼、アマゾンの密林、荒涼とした砂漠

アジアの霊峰、アフリカの平原、氷河、鍾乳洞、無人島…

おじさんはあらゆるところを回った。それでも、望むものは見つからなかった

そうして長い年月が経ったある日…おじさんはヨーロッパのとある町で、遂に答えに辿り着いた

そしておじさんは、再び日本に帰ってきた…

61: 名無しさん 2018/09/22(土) 22:46:32.414 ID:H8cI/2jc0
俺「ふぅ、久々の日本だ。あれから一体どれほど経っただろうか…」

俺「はやく幼女ちゃんに伝えてあげなきゃ。子供がどうやって出来るか、ようやく分かったんだから」

俺「…きっと喜んでくれるだろうな。楽しみだ…」タッタッタ

63: 名無しさん 2018/09/22(土) 22:49:35.754 ID:H8cI/2jc0
俺「この辺りも随分変わったなぁ。幼女ちゃんの家、本当にここら辺で会ってるかな…?」スタスタ

女の人「……」トコトコ

俺「あっ、人が。丁度良かった。ちょっといいですか?」

女の人「はい。どうかしました?あっ…?」

俺「幼女ちゃんって子、知ってます?その子の家を探しているんですけど…」

女の人「…それ、私です」

俺「えっ?」

67: 名無しさん 2018/09/22(土) 22:53:01.605 ID:H8cI/2jc0
俺「おやぁ、本当だ!確かによく見てみると、面影がある!」

女の人「…久し振りですね、おじさん」

俺「いやぁ、随分大きくなったね!それに、綺麗になった!いや、別に前がそうじゃなかったってわけじゃなくてね。勿論可愛かったよ」

女の人「懐かしいですね」

俺「はは。じゃあ、おじさんの旅行話聞くかい?」

女の人「…是非」

俺「そうだね、まずはバミューダトライアングルで――うっ!」

72: 名無しさん 2018/09/22(土) 22:56:02.346 ID:H8cI/2jc0
女の人「おじさん!?」

俺「う、ぐはっ!」グボッ

女の人「おじさん、血が…!」

俺「ふふふ、どうやら運動不足が祟ったみたいだ。ぐっ…おじさんの身体じゃ、海外旅行は無理だったってことか――」

女の人「喋らないで!おじさん、今救急車を…」

俺「…いや、いい」

女の人「でも!」

俺「おじさん、どうやら寿命みたいだ。自分のことは、自分が一番よく分かってるよ。なんたっておじさん、賢いからね――げほっ!」

女の人「そんな…!」

76: 名無しさん 2018/09/22(土) 22:58:44.306 ID:H8cI/2jc0
俺「そんなことより、聞いてほしいことがあるんだ…」

女の人「おじさん…」

俺「――聞いてくれるかい?」

女の人「…うん」

俺「おじさんね、ようやく子供がどうやって出来るか、分かったんだよ」

女の人「うん」

俺「子供はね…コウノトリが運んで来るんだ」

女の人「……」

俺「ドイツの町で、親切なお爺さんが教えてくれたんだ。旅が無駄じゃなくて、よかったよ」

84: 名無しさん 2018/09/22(土) 23:01:34.018 ID:H8cI/2jc0
女の人「……」

俺「よかった、君に伝える前に倒れなくて。だって伝えられなかったら、何のために旅に行ったか分からないもんね」

女の人「…おじさん――」

俺「なんだい?」

女の人「…私からも、伝えたいことがあるの」

俺「うん」

女の人「私も、どうしてもおじさんに伝えたかったことなの」

俺「うん。言ってごらん」

女の人「おじさん。ほら、私のお腹、見て」

俺「――こ、これは!」

92: 名無しさん 2018/09/22(土) 23:04:52.353 ID:H8cI/2jc0
俺「お腹が大きくなってる…あぁ、そうか」

女の人「そうなの。私、妊娠したんだ。これが初めての子なの。凄く幸せで――このこと、おじさんにも知って欲しくて」

俺「あぁ、そうか――それはおめでとう。はは、いつの間にやら君は随分と成長していたみたいだね。おじさんが旅に出るまでもなかったかな?」

女の人「…そんなことないよ」

俺「そうかな。ぐっ…」

女の人「おじさん、あまり動いちゃダメだよ」

俺「あぁ、ごめん…そうか、妊娠か――ん?」

94: 名無しさん 2018/09/22(土) 23:08:27.172 ID:H8cI/2jc0
俺「…ということはその中に、君の子供がいるってことなのかな?」

女の人「…うん」

俺「じゃあ――」

女の人「……」

俺「コウノトリが運んで来るってのは…おかしな話じゃないのか?」

女の人「……」

俺「既にお腹に子供がいるなら、一体コウノトリは何処から子供を――ぐばっ!」ブァッ

女の人「お、おじさん!喀血が!」

俺「がっ…じゃ、じゃあコウノトリは…?あの話は、一体…?間違いだったのか?そんな…」

101: 名無しさん 2018/09/22(土) 23:13:06.902 ID:H8cI/2jc0
俺「うぐっ…ふっ、はは、ははは…」

女の人「おじさん…?」

俺「…どうやらおじさんの旅は、本当に無駄足だったみたいだね」

女の人「……」

俺「ごめんよ…どうやら、君に意味のない時間を味わわせてしまったみたいだ」

女の人「……」

俺「これだけ長い時間かけて、教えてあげられたことが嘘か間違いだったなんて…本当、不甲斐ないよ。ごめん」

女の人「……」

俺「まったく、情けないよ…本当にごめん。君はおじさんのことなんて忘れて、これから幸せに生きて欲しい…うぐっ!」

女の人「おじさん…おじさん!」

106: 名無しさん 2018/09/22(土) 23:16:00.141 ID:H8cI/2jc0
俺「もう…そろそろお別れみたいだ…」

女の人「おじさん!おじさん!」

俺「…なんだい」

女の人「ねぇ、おじさん、聞いて!」

俺「あぁ。いいよ。話してみて」

女の人「おじさんの言ってたこと、合ってたんだよ!」

俺「いや、間違いだったんだ。許してほしい」

女の人「本当!本当だよ!おじさんは正解に辿り着いたんだよ!」

俺「…なんだって?」

女の人「赤ちゃんはね、本当にコウノトリが運んで来るの!」

俺「そんな…でも…」

113: 名無しさん 2018/09/22(土) 23:18:25.222 ID:H8cI/2jc0
俺「だって、そうすると辻褄が合わないじゃないか。だから…」

女の人「そんなことないの!」

俺「…でも。それなら、どうしてだい?」

女の人「それはね――」

俺「……」

女の人「私に、子供が出来たから!」

114: 名無しさん 2018/09/22(土) 23:23:00.562 ID:H8cI/2jc0
女の人「私、実際に妊娠して、お腹の中に子供がいるんだよ。つまり――」

俺「……」

女の人「今の私、おじさんより賢いんだよ。その賢い私が言ってるんだから、本当に決まってるでしょ?だから、おじさんの言ってたことは正しいんだよ」

俺「…あぁ」

女の人「ね、分かった?」

俺「…あぁ。はは、ははは――」

女の人「おじさん、ありがとう。子供がどうやって出来るか、教えてくれてありがとう」

俺「――どういたしまして」

120: 名無しさん 2018/09/22(土) 23:27:13.205 ID:H8cI/2jc0
女の人「ね、おじさん。子供が出来るって、幸せなことなんだよ」

俺「あぁ」

女の人「まだ顔も見てないのに、お腹の中の子が愛しいの。今すぐにも抱き上げて、育ててあげたい気持ちでいっぱいなの」

俺「あぁ」

女の人「きっと、幸せな家庭になると思う」

俺「…あぁ」

女の人「この子のお父さんも、彼のお義父さんもお義母さんも、とっても優しいの」

俺「…あぁ」

女の人「…それでね、おじさん」

俺「……」

女の人「よかったら、この子の名前を――」

俺「……」

女の人「…おじさん?」

123: 名無しさん 2018/09/22(土) 23:30:14.945 ID:H8cI/2jc0
俺「……」

女の人「おじさん…?」

俺「……」

女の人「ねぇ、聞こえてる…?」

俺「……」

女の人「おじさん…!おじさぁん!」


こうして俺は息を引き取った
だが、俺の血筋が絶えようとも、人類の愛の系譜はこうして脈々と、力強く受け継がれていくだろう

END