497: 名無しさん 2018/01/22(月) 12:28:02.44 ID:9WXhHvDVo
武内P「……」

専務「今日は、まずは王様にご挨拶しに行く予定の筈です」

専務「誕生日を迎えた貴方は、魔王を倒す旅に出るのでしょう」

武内P「あの……母親役、ですか?」

専務「早く行きなさい。私は、あまり気が長い方ではない」

武内P「……」

武内P「はい。行ってまいります」

引用元: ・武内P「起きたらひどい事になっていました」

498: 名無しさん 2018/01/22(月) 12:32:14.64 ID:9WXhHvDVo
  ・  ・  ・

武内P「すみません。王様と、会う約束があるのですが」

兵士A「なんだ貴様は! 怪しい奴め!」

武内P「勇者と、そう言えば良いと聞いています」

兵士B「勇者だと? ならば、何故黒のスーツ上下なのだ!」

武内P「クライアントが最初に会うのは私です」

武内P「身だしなみには気をつけろと、そう、言われました」

兵士A「ええい、何を言っている!」

兵士B「捕らえろ! 牢にぶち込んでやる!」

武内P「!? 待ってください! せめて、話を!」

499: 名無しさん 2018/01/22(月) 12:37:38.76 ID:9WXhHvDVo
  ・  ・  ・

部長「おお、勇者よ! 捕まってしまうとは情けない!」

武内P「……申し訳、ありません」

部長「さて、気を取り直して、キミには旅立ってもらう」

武内P「……」

部長「魔王、蘭子くんの影は世界中に広がっている」

部長「なんとかできるのは、勇者アカバネの息子のキミしかいない」

部長「やって、くれるね?」

武内P「それが……はい、必要な事でしたら」

部長「……ふっ、キミならそう言うと思っていたよ」

500: 名無しさん 2018/01/22(月) 12:42:00.75 ID:9WXhHvDVo
部長「キミには、これを贈ろう」

チャ~ラ~ラ~リ~ラッチャッラ~ン♪

武内P「……カバンと、名刺ですか」

部長「必要な書類はカバンに入れ、スカウトする時はその名刺を使い給え」

武内P「……モンスターにはどう対処すれば」

部長「行け、勇者よ! 世界を頼んだぞ!」

武内P「あの! モンスターには、どう対処すれば!?」

部長「行け、勇者よ! 世界を頼んだぞ!」

武内P「……」

武内P「行って、まいります」

501: 名無しさん 2018/01/22(月) 12:46:01.59 ID:9WXhHvDVo
部長「おっと、重要な事を忘れていた」

武内P「! まさか……やはり何か武器が!」

部長「旅に出る前に、事務所……ではなく、ちひろの酒場に寄りなさい」

武内P「……旅に出る前に、アルコールは」

部長「話は最後まで聞きなさい。そこで、仲間を探すのだ」

武内P「あの、仲間よりも先に武器を」

部長「行け、勇者よ! 世界を頼んだぞ!」

武内P「……」

部長「行け、勇者よ! 世界を頼んだぞ!」

502: 名無しさん 2018/01/22(月) 12:51:38.46 ID:9WXhHvDVo
  ・  ・  ・

武内P「……酒場、ですか」

武内P「……」

武内P「一人旅も悪くない。そう、思います」


武内P『上司の指示には、従わなければいけませんね』


武内P「!? 街を出ようとしたら、足が止まり、勝手に声が!?」

武内P「くっ……ですが、酒場は嫌な予感しかしない……!」


武内P『上司の指示には、従わなければいけませんね』


武内P「……!」

503: 名無しさん 2018/01/22(月) 12:57:11.34 ID:9WXhHvDVo
  ・  ・  ・

ちひろ「あら、遅かったじゃないですか」

武内P「……」

ちひろ「それじゃあ早速ですが、仲間は誰を連れていきますか?」

ちひろ「今は、この三人が在籍してますよ」


魔法使い

高垣




武内P「魔法使いさんで! 魔法使いさんで、お願いします!」

楓「うふふっ、とっても情熱的なお誘いですね」

武内P「待ってください! 実質一人しか居ないではないですか!?」

504: 名無しさん 2018/01/22(月) 13:03:28.42 ID:9WXhHvDVo
武内P「他に、他には誰が……!?」

ちひろ「すみません。スケジュールの関係上、高垣さんしか……」

楓「はーい♪ 輝く世界の魔法使いでーす♪」

武内P「……では、誰も連れていかないを選びます」

楓「うふふっ、めらめら燃えるから、メラ」

ボッ!

武内P「熱い!」

ちひろ「こんな感じで仕事にならないので、連れて行ってください」

武内P「いえ、しかし……!?」

ちひろ「お願いします、プロデュー……勇者様、助けてください」

武内P「……」

505: 名無しさん 2018/01/22(月) 13:09:24.14 ID:9WXhHvDVo
  ・  ・  ・

楓「世界を救うのが、正解です」

武内P「……出発は、酔いを覚ましてからの方が良さそうですね」

楓「大丈夫ですよ。酔ってなんかいません」

武内P「宿屋に……」

楓「二人で、ですか?」

武内P「実家に……」

楓「ご挨拶、ですか?」

武内P「旅の支度を整えようと、そう、思います」

楓「素敵なステッキがあると良いのだけど……」

武内P「……」

506: 名無しさん 2018/01/22(月) 13:14:25.38 ID:9WXhHvDVo
  ・  ・  ・

武内P「……こんぼうを購入したら、職務質問を受けるように」

楓「うふふっ、とっても強そうですよ」

武内P「……ありがとう、ございます」

楓「けれど、薬草はあまり買えませんでしたね」

武内P「そうですね。日本酒を買わなければ、もっと買えたのですが」

楓「ええ……ですけど、日本酒も大事ですから」

武内P「……」

武内P「兎に角、酔いも覚めたようですし、出発しましょう」

507: 名無しさん 2018/01/22(月) 13:17:49.45 ID:9WXhHvDVo
  ・  ・  ・

凛「……」


武内P「……」

楓「街から出るのを、待ち構えていますね」


凛「ふーん。アンタが私のプロデューサー?」


楓「どう、なさるつもりですか?」

武内P「街の、反対から出ようと思います」


凛「逃げないでよ! アンタ、私のプロデューサーでしょ!?」


武内P「反対から出れば、時間がかかって回り込めないと思います」

508: 名無しさん 2018/01/22(月) 13:23:16.54 ID:9WXhHvDVo
凛「ふーん! 私、悪いアイドルじゃないよ!」


楓「それは……少し、可哀想な気がします」

武内P「ですが……」


凛「しぶりんが、仲間になりたそうに見ている!」


武内P「あの、ご自分で言うのは、流石にどうかと……」


凛「しぶりんが、仲間になりたそうに見ている!」

凛「ちゃんと見ててよね! でないと、許さないから!」


武内P「……」

509: 名無しさん 2018/01/22(月) 13:29:51.73 ID:9WXhHvDVo
  ・  ・  ・

凛「私は戦士? まあ、悪くないかな」

楓「旅は道連れ、世は情け、ですね♪」

武内P「……バランスは、整ってきましたね」

凛「それで、これからどうするの?」

武内P「はい。ユニットも組んだことですし、街を出ようと思います」

楓「マーチに合わせて、街を出ましょう」

凛「モタモタしてると、置いてっちゃうから」

武内P「……」

510: 名無しさん 2018/01/22(月) 13:36:47.16 ID:9WXhHvDVo
  ・  ・  ・

美嘉「ヤッホー★」


武内P「……」

楓「街から出るのを、待ち構えていますね」

凛「あの格好、僧侶みたいだね」


美嘉「どう? アタシ流にアレンジしてみたんだ★」


武内P「……よく、似合っていると思います」

楓「けれど、どうして美嘉ちゃんが僧侶なのかしら?」

凛「ああ見えて、もの凄く奥手だからだと思う」


美嘉「は、はあっ!? そ、そんな事ないケド!?」


武内P「……」

511: 名無しさん 2018/01/22(月) 13:45:25.09 ID:9WXhHvDVo
美嘉「カリスマJK僧侶が奥手って、あり得ないっしょ!★」


凛「Vジャンプの攻略本にすら書いてあるよ」

楓「どうなさるつもりですか?」

武内P「今日は一旦出直し、明日出発しましょう」


美嘉「アタシめっちゃ役に立つと思うなー!?」

美嘉「勇者、戦士、魔法使いと来たら!?」

美嘉「アンタもわかるでしょ? ほらほら、正直に言いなって!★」


武内P「武闘家は、可能な限り中野さんをスカウトしたいですね」

武内P「片桐さんの場合ですと、酒場から移動出来なくなりそうです」

楓「?」キョトン


美嘉「ちょいちょーい!?」

512: 名無しさん 2018/01/22(月) 13:54:21.29 ID:9WXhHvDVo
  ・  ・  ・

美嘉「ホント、素直じゃないんだから★」

凛「美嘉、まだちょっと涙の痕が残ってるよ」

楓「涙の数だけ、レベルアップね」

凛「経験は無いだろうけど」

美嘉「は、はぁ!? チョーあるし!」

武内P「……」

武内P「メンバーも揃ったことですし、出発しましょう」

513: 名無しさん 2018/01/22(月) 13:58:43.49 ID:9WXhHvDVo
武内P「今から出発すれば、明日には次の町に到着出来ます」

凛「明日には、って……野宿?」

武内P「そう、なりますね」

美嘉「キャンプかー、えへへっ、ちょっと楽しみじゃん★」

楓「焚き火を囲みながらのお酒……これは、避けられませんね」

武内P「街の外は危険なので、飲酒は控えてください」

楓「めらめら燃えるから、メラ」

ボッ!

武内P「熱い!」

武内P「……お猪口で、ちょこっとだけですよ」

514: 名無しさん 2018/01/22(月) 14:03:56.03 ID:9WXhHvDVo
武内P「……お二人に、質問があるのですが」

凛「何?」

美嘉「エロい質問だったら、怒るかんねー?」

凛「そんな訳ないでしょ」

武内P「……親御さんの許可は、取っていますか?」

凛・美嘉「は?」

武内P「18歳未満の22時以降の外出は、親御さんの許可が無いと……」

凛・美嘉「……」

武内P「すみません。規則、ですので」

凛・美嘉「……」

515: 名無しさん 2018/01/22(月) 14:08:39.86 ID:9WXhHvDVo
  ・  ・  ・

専務「どうした。もう戻ってきたのか?」

武内P「仲間は集まったのですが、今日は遅いので一旦解散しました」

専務「ほう、もう仲間を集め終えたのか」

武内P「集まってしまった、という方が正しいですね」

専務「やはり、キミは優秀なようだ」

武内P「……そんな事はありません」

専務「それでは、明日に備えて今日はもう休みなさい」

武内P「……」

武内P「いえ、それは出来ません」

516: 名無しさん 2018/01/22(月) 14:14:29.17 ID:9WXhHvDVo
専務「? 何故だ」

武内P「自宅に帰らせるフリをし、パーティーを解散しました」

武内P「なので、気付かれる前に一人で旅立とうと思います」

専務「何を言っている? 解散した、だと?」

武内P「いえ、ですから……」


専務『勇者は逃げ出した!』


武内P「専務? あの、急に何を――」


楓『しかし! 後ろに回り込まれてしまった!』


武内P「高垣さん!? いつの間に後ろに!?」


楓『アイドルからは、逃げられない!』



おわり