525: 名無しさん 2018/01/23(火) 21:52:45.59 ID:Zp4zptwqo

「……ふぅ」


 更衣室で着替えている最中、私はため息をついた。
 その姿を他の子に見られているとはわかっていたが、止められなかった。
 こんなため息なんてついたら、心配されるってわかってるのに。


「……これは、どうなのかしら」


 アニマルパークのお仕事がきっかけで、コスプレ……をするお仕事も増えた。
 そのおかげで、市原仁奈ちゃんとも一緒する機会が増え、仲良くもなれた。
 ……けれど。


「……」


 スマートフォンには、今度私が着る予定の衣装が表示されている。
 それは、くらげがモチーフになったキグルミだと聞いていたけど……。


「……スケスケじゃないですか」


 それは、キグルミと呼ぶには体のラインを強調するもので、
その上さすがモチーフがクラゲだけあってか大事な所意外は透明な素材で出来ていた。
 でも、これってちょっとエッチすぎませんか、プロデューサーさん?


「……」


 だけど、これもプロデューサーさんが取ってきてくれた大切なお仕事
 頑張らなくちゃと思う反面、あの人もこういった格好が好きなのかな、とも思う。
 だったら、普段からもっと大胆な格好をすれば……。


「……ふぅ」


 もう、何度目になるかわからない思考のループ。
 考えていても始まらないのは、もうわかった。
 せめて、プロデューサーさんにこの衣装を着た感想をじっくり語ってもらおう。
 そんな事を考えていたら、開きっぱなしになっていたスマートフォンの電池が切れたのか、
画面は真っ暗になっていて、電源が落ちていた。



おわり

引用元: ・武内P「起きたらひどい事になっていました」

526: 名無しさん 2018/01/23(火) 21:54:22.40 ID:Zp4zptwqo
姫川友紀は『め、音楽、風邪』を組み合わせてお話を書いてください。


書きます

527: 名無しさん 2018/01/23(火) 22:13:50.76 ID:Zp4zptwqo

「う~……」


 ベッドに横になり布団にくるまりながら、あたしは暇を謳歌していた。
 予報ではわかってたんだけど、あんなに雪が降るとは思ってなかったんだよね。
 ゆっきーが雪にやられて風邪を引くなんて、不覚だよ。
 ……やばい、一緒に飲みに行く事が増えたから、伝染ってる。


「ぅえっくしょん!」


 今、部屋にはあたし一人しかいない。
 だから、こんな豪快にクシャミをしても、アイドルなんだからと咎める人は誰も居ない。
 その事に自由を感じもするんだけど、


「……寂しいなぁ」


 なんて、口に出してみる。
 そう、今、あたしは風邪を引いて部屋に一人で、寂しいと感じてしまっている。
 普段だったらこんな事は無いのに、体の調子が狂うと、心の調子も狂う。
 ……これじゃあ二軍落ちだよ、トホホ。


「……なんて、こういう時こそ」


 そんなあたしを支えてくれるのは、今はキャッツしか居ない。
 本当は録画した試合を見たい所だけど、画面を見ると頭が痛くなりそうだから我慢。
 野球の試合を見ると頭が痛くなりそうだなんて、本当に不覚だよ!


「……」


 動くのが億劫なので、スマフォに入れてある音楽を流す。
 勿論、キャッツの応援歌だ。
 今のあたしを応援してくれるかのようなその歌声に、自然と勇気づけられる。
 ああ、早く元気になって、ビールを飲みながらキャッツの応援をしたいなぁ。


「……」


 応援歌に合わせて、あたしの体が勝手に動く。
 これも、ファンとしての……アイドルとしての習性? わかんないな。
 だけど、今は風邪を治すのが先決だ。
 こんな調子じゃ、三者凡退間違い無しだから、ね。
 だから、あたしは大人しくしない、風邪に負けてる体に喝を入れた。


「め!」



おわり

528: 名無しさん 2018/01/23(火) 22:16:48.34 ID:Zp4zptwqo
小日向美穂は『みち、はさみ、冷凍』を組み合わせてお話を書いてください。


書きます

529: 名無しさん 2018/01/23(火) 22:38:26.53 ID:Zp4zptwqo

「う、くくくっ……!」


 晩御飯は、冷凍食品のパスタ。
 今日のお仕事は帰りが遅くなってしまったため、食堂には私一人しかいない。
 なので、備え付けの電子レンジで温めようとしてるんだけど……。


「あ、開かない……!?」


 パッケージの表面についた水滴が、私の指をつるつると滑らせる。
 力が強いとは思ってなかったけど、こんな所で躓くだなんて。
 お腹が空いて力が出ない、とは言わないですよ?
 でも、せめてこれくらいはパッと手で開けたいじゃないですか!


「ふおおお……!」


 と、気合を入れてみても、開かない。


「ふううう……!」


 と、自然体でやっても、開かない。


「……」


 くう、と小さくお腹が鳴った。
 食堂で一人、冷凍食品の袋と格闘しながら、お腹を空かせる。
 それが、とても情けなくて、ははは、と渇いた笑いが零れた。
 そんな、下を向く私に、


「フヒヒ……使う、か?」


 と、声と共にハサミが差し出された。
 それに驚いて声をあげそうになったら、


「一人の食事は寂しいでしょうから、カワイイボクが居てあげましょう!」


 と、また反対側から声がかけられ、その声を飲み込む事となった。


「皆なら……美味しい、よね……」


 更に、また後ろからも。
 結局、その冷凍食品は袋ごと電子レンジに入れるタイプのもので、ハサミは必要なかった。
 けれど、私は、とても満ち満ちていた。


おわり