817: SSまとめマン 2018/04/12(木) 17:12:53.78 ID:YK0IqRiyo
凛「エイプリルフール、もう過ぎたよ」 

武内P「いえ、本当の話です」 

アーニャ「プロデューサー? アー、嘘は良くない、です」 

武内P「あの、本当の話です」 

凛「あのさ、そんなのに騙されると思ってるの?」 

アーニャ「ダー。リンの言う通り、です」 

武内P「……」 

武内P「あの……本当に、本当の話なのですが」


引用元: ・武内P「クローネの皆さんに挨拶を」

818: SSまとめマン 2018/04/12(木) 17:16:26.43 ID:YK0IqRiyo
武内P「私を信じてください」 

武内P「本当に、休みを取ろうと思っているのです」 

凛「ねえ、どうしてそんな嘘つくの」 

アーニャ「何か、問題でもありましたか?」 

武内P「休みの申請をしろと、言われまして」 

凛・アーニャ「誰に」 


武内P「……社長です」 


凛・アーニャ「部長じゃなく!?」 

武内P「……はい、社長に」 

凛・アーニャ「……!?」

819: SSまとめマン 2018/04/12(木) 17:21:17.22 ID:YK0IqRiyo
凛「どうして、そんなに大事になってるの!?」 

武内P「社長と、専務が話す機会があったらしく……」 

アーニャ「それが、プロデューサーに、何の関係が?」 

武内P「何でも、私の話題が出たそうで……」 

凛「まあ、大きなプロジェクトを持ってるしね」 

武内P「そして、働き者だ、という評価だったらしいのですが……」 

アーニャ「ダー! プロデューサーは、頑張っています!」 


武内P「いつ、休んでいるんだろう、という話になり……」 


凛・アーニャ「……いつ、休んでる?」 

武内P「……」 

凛・アーニャ「いつ、休んでる!?」 


武内P「……」 


凛・アーニャ「……!?」

820: SSまとめマン 2018/04/12(木) 17:27:17.99 ID:YK0IqRiyo
凛「ちょっと待って。そういえば、いつも居るよね!?」 

武内P「……」 

アーニャ「お休みの日は、いつ、ですか!?」 

武内P「……週休、二日です」 

凛「答えになってない! ちゃんと説明して!」 

凛「ねえ、最後に、事務所に来なかった日って、いつ!?」 

武内P「……笑顔です」 

アーニャ「ニェート! 答えになってない、です!」 


武内P「なので、社長命令で、休みを取ります」 


凛「そうして! 休まないと、承知しないから!」 

アーニャ「ハラショー! 社長の命令は、絶対、です!」

821: SSまとめマン 2018/04/12(木) 17:35:56.34 ID:YK0IqRiyo
武内P「社長命令では、一週間は休めとの事でした」 

凛「一週間……長すぎても、確かに困るかも」 

アーニャ「ダー……プロデューサーが居ないと、大変、です」 

武内P「はい」 


武内P「なので、頭を下げて、三日に短縮して貰いました」 


凛「なんで縮めたの!? 半分以下でしょ、それじゃ!」 

アーニャ「ニェート! 言われた通り、一週間休んでください!」 


武内P「最初は、半日にして欲しいと、そう、言ったのですが……」 

武内P「交渉の結果、三日休む、という形になりました」 


凛・アーニャ「……!?」

822: SSまとめマン 2018/04/12(木) 17:46:31.55 ID:YK0IqRiyo
武内P「ですが、困っている事も、あります」 

凛「困る? 何が?」 

アーニャ「お休みは、良い事、です」 

武内P「……わからないのです」 

凛・アーニャ「?」 


武内P「私は、休みを取って、何をすれば良いのでしょうか?」 


アーニャ「シトー? 三日ありますから、色々、出来ます」 

凛「前に休みだった時は、どうしたの?」 


武内P「初めての経験なので、何も、思い浮かばなくて」 


凛・アーニャ「……初めて」 

武内P「……」 

武内P「……笑顔です」 

凛・アーニャ「……!?」

823: SSまとめマン 2018/04/12(木) 17:52:28.93 ID:YK0IqRiyo
凛「た、たまった家事とか!」 

武内P「……ためていません」 

アーニャ「どこかへ、お出かけ、です!」 

武内P「……どこへ、でしょうか」 

凛・アーニャ「……!?」 

武内P「……」 


武内P「やはり、私に休みは必要ないようですね」 

武内P「社長に、休みを取らなくて良いよう、直訴してきます」 


凛「待って!」アーニャ「ニェート!」 

凛「考えるから、ちょっと待って! そこを動かないでよね!」 

アーニャ「パジャールスタ、お願いします! スタラーニエ、アー! 努力、します!」 

武内P「いえ、ですが……」 


凛・アーニャ「プロデューサー!」 


武内P「……わかり、ました」

824: SSまとめマン 2018/04/12(木) 17:59:54.15 ID:YK0IqRiyo
  ・  ・  ・ 

武内P「……それでは、社長に直訴してきます」 

凛「諦めないでよ! アンタ、私のプロデューサーでしょ!?」 

武内P「はい、その通りです」 


武内P「渋谷さん。アイドルである、貴女の素晴らしい笑顔」 

武内P「私は、どんな休日よりも、それを見ていたいと思います」 

武内P「それを見なければ、心が休まりませんから」 


凛「……プロデューサー」 

凛「ふーん。まあ、悪くないかな」 

アーニャ「ニェート! リン、いけません!」

825: SSまとめマン 2018/04/12(木) 18:05:53.21 ID:YK0IqRiyo
武内P「……それでは、社長に直訴してきます」 

アーニャ「プロデューサー! 休まないと、駄目、です!」 

武内P「はい、その通りです」 


武内P「アナスタシアさん。私なりに、考えてみました」 

武内P「休日とは、一体、何のためにあるのか、と」 

武内P「疲れを癒やすためならば……私は、貴女の笑顔を見ていたいです」 


アーニャ「……プロデューサー」 

アーニャ「スパシーバ♪」ニコッ 

凛「本当、プロデューサーってそればっかりだよね」ニコッ 

武内P「そう……かもしれません」 


凛・アーニャ「ふふっ♪」ニコッ 


武内P「良い、笑顔です」

826: SSまとめマン 2018/04/12(木) 18:17:01.74 ID:YK0IqRiyo
武内P「……それでは、社長に直訴してきます」 

凛「うん、頑張ってね」 

アーニャ「応援、しています」 

武内P「やはり、お二人と話してみて、良かったです」 

武内P「渋谷さん、アナスタシアさん、お二人のおかげで、自信が持てました」 


武内P「やはり……私には、休みなど必要ないという事が!」 


ガチャッ! 


楓「――その話、お受けできません」 


武内P「っ!?」 

凛「楓さん? どうして、ここに……?」 

アーニャ「! 何か、本を持っていますね?」 


楓「働いただけ、休まるる分があると思います……ふふっ!」 


武内P・凛・アーニャ「……『るるぶ』!?」

827: SSまとめマン 2018/04/12(木) 18:23:06.27 ID:YK0IqRiyo
武内P「待ってください! あの、何故『るるぶ』を!?」 

凛「うわ……付箋がビッシリ」 

楓「ええ。どこに行こうか、迷っちゃって」 

アーニャ「アー、温泉は外せないのですね?」 

楓「温泉に入って、美味しいお酒を飲んで……ふふっ、楽しみだわ」 

武内P「待ってください! 高垣さん、その話を何故ここで!?」 

楓「にゃー」 

武内P「何の答えにもなっていません、高垣さん!」

828: SSまとめマン 2018/04/12(木) 18:33:54.91 ID:YK0IqRiyo
楓「私、気付いたらお休みを全然取ってなくて」 

楓「だから、そろそろお休みを取ろうと思ってたんです」 


武内P「あの、こちらを見て、お話を!」 

楓「にゃー」チラッ 

武内P「ですから! 何の答えにもなっていません!」 


楓「凛ちゃんも、アーニャちゃんも、お仕事頑張ってるものね」 

楓「二つのプロジェクトを掛け持ちだもの……お休み、取った方が良いと思うの」 

楓「ふふっ、三日ほど、他の子には、見っからないように、うふふっ」 


凛・アーニャ「……」 

凛「楓さん、私にも、るるぶ見せて」 

アーニャ「ハラショー! ここの温泉は、とっても広い、です!」 


武内P「……!?」

829: SSまとめマン 2018/04/12(木) 18:42:20.68 ID:YK0IqRiyo
武内P「み、皆さん! とにかく、お話を!」 


楓「ここは、施設が大きくて、エステがあるみたい」 

凛「エステ? そういうの、行ったことないな」 

アーニャ「私も、です。だけど、アー、気になってはいました」 

楓「瑞樹さんが言うには、ここのエステは、かなり良さそう」 

凛「だったら……挑戦してみようかな」 

アーニャ「ハラショー! 新しい事に挑戦は、良い事、です!」 


楓「――ですって」 


武内P「お話の結果だけを聞きたいのではなく!」

830: SSまとめマン 2018/04/12(木) 18:48:06.64 ID:YK0IqRiyo
武内P「アイドルとプロデューサーが一緒に旅行は、問題が!」 


楓「親御さんの許可は、取れそうかしら?」 

凛「大丈夫。二人が一緒なら、問題ないと思う」 

アーニャ「ダー。パーパとマーマへの、アー、お土産が困ります」 

楓「車を出してくれるでしょうから、イクラをいくらでも♪」 

凛「イクラ限定? それに、北海道の人にイクラを送るって……」 

アーニャ「でも、それだったら、とっても頼もしい、です♪」 


楓「――ですって」 


武内P「発言の最後の方しか頭に入っていないじゃないですか!」


835: SSまとめマン 2018/04/12(木) 19:25:48.30 ID:YK0IqRiyo
凛「というわけでさ、休み、合わせるよ」 

武内P「待ってください、渋谷さん!」 

アーニャ「ふふっ♪ 温泉、楽しみ、です♪」 

武内P「待ってください、アナスタシアさん!」 

武内P「高垣さん、お話、よろしいですか!?」 

楓「にゃーん」フイッ 

武内P「何故!? あの、どうして目すら合わせてくれないのでしょうか!?」 

楓「……」 


楓「――」ヒソヒソ 

凛・アーニャ「……あー」 

凛・アーニャ「駄目って言われるからだ、って」 


武内P「……!?」

836: SSまとめマン 2018/04/12(木) 19:33:17.46 ID:YK0IqRiyo
武内P「わかってらっしゃるのに……どうして……!」 

凛「でもさ、休みの予定が決まって、良かったんじゃない?」 

武内P「……あの、決まっていません」 

アーニャ「プロデューサー、温泉、アビシシャーニエ、約束、ですよ?」 

武内P「……あの、していません」 


楓「私、思ったんです」 

楓「アイドルが……女の子だけで旅行というのも、問題があるって」 

楓「だから、貴方が一緒に来てくれたら、心強いな、って」 


武内P「それ……は」 


楓「ちょっとお酒を飲みすぎても、何とかしてくれそうだな、って」 


武内P「……あの、それはちょっと」 


楓「……」 


武内P「……すみません、続きをどうぞ」

837: SSまとめマン 2018/04/12(木) 19:39:55.12 ID:YK0IqRiyo
楓「貴方は、旅行先での私達が、心配では無いんですか?」 

凛「プロデューサー、どうなの?」 

アーニャ「アーニャは、プロデューサーを信じています」 


武内P「ですが……!」 


楓「貴方にやましい思いが無ければ、問題無いはずです」 

楓「それとも、えっちな事を考えたんですか?」 

凛「プロデューサー、どうなの?」 

アーニャ「アーニャは、プロデューサーを信じています」 


武内P「! そんな事は、決して!」 

武内P「誓って! 貴女達にそんな想いを抱いた事は、一度もありません!」 


楓・凛・アーニャ「……」ムスッ 


武内P「待ってください!」 

武内P「あの……何と言えば良かったんですか!?」

838: SSまとめマン 2018/04/12(木) 19:48:59.03 ID:YK0IqRiyo
凛「今のってさ、本当だとしても言っちゃいけないと思う」 

武内P「待ってください」 

アーニャ「ヴァスパミナーニエ、アー、旅の思い出が必要、です」 

武内P「待ってください!」 

楓「問題発言に、大きいも小さいもありません」 

武内P「お願いですから、待ってください!」 


楓「一緒に、温泉に行きたいんです」 

楓「一緒に――」 


楓・凛・アーニャ「――笑顔で!」 


武内P「…………わかり、ました」 


楓・凛・アーニャ「ふふっ♪」ニコッ 


武内P「…………良い、笑顔です」

839: SSまとめマン 2018/04/12(木) 20:01:09.59 ID:YK0IqRiyo
  ・  ・  ・ 

ちひろ「なるほど、最初は、四人で旅行する予定だったんですね」 

武内P「はい」 

ちひろ「それが、情報がどこかから漏れて……」 

武内P「346プロダクションのほとんどが参加する、集団旅行になりました」 


ちひろ「……残念でしたね、せっかくのお休みだったのに」 

ちひろ「人が珍しいことをすると、変わったものが降る、って言いますけど……」 

ちひろ「プロデューサーさんが休むと、仕事が降って湧くんですね」 


武内P「ですが、おかげで助かりました」 

武内P「さすがに大勢居れば、問題にはならないでしょうし」 

武内P「それに、四人のままでしたら、休まる暇が無さそうだったので」 


武内P「今回の件は、社長に報告しておきました」 

武内P「そして、思ったことをそのまま伝えました」 


ちひろ「……何て、ですか?」 


武内P「私は、休むわけにはいきません」 

武内P「仕事を取らないでください」 



おわり