390: SSまとめマン 2018/05/02(水) 22:55:59.42 ID:xNYqHu2Eo
飛鳥「ああ、キミはシンデレラプロジェクトの」 

武内P「……二宮さん」 

飛鳥「ボクに、一体何の用があるのかな?」 

武内P「……」 


武内P「何故、女性用下着を頭からぶら下げているのでしょうか?」 


飛鳥「何故か、って? ふむ、キミはおかしな事を気にするね」 

武内P「それは私の台詞だと、そう、思います」


引用元: ・武内P「あだ名を考えてきました」

391: SSまとめマン 2018/05/02(水) 22:59:53.48 ID:xNYqHu2Eo
飛鳥「キミがおかしな質問をしたというのは、ボク自身の言葉さ」 

飛鳥「それは誰にも譲れはしないし、また、誰にでも言える事」 

武内P「何故、貴女のモミアゲは、ブラジャーなのでしょうか」 

飛鳥「ボクのエクステが、そう見えると?」 

武内P「はい」 

飛鳥「……ふぅ、セカイの選択は、ボクにもわからない事だらけさ」 


飛鳥「――さあ、行こうか」 


武内P「待ってください! その格好で歩き回らないでください!」

392: SSまとめマン 2018/05/02(水) 23:04:17.01 ID:xNYqHu2Eo
飛鳥「ボクの前に、こうも現実というのは立ちはだかるのか」 

飛鳥「……やれやれ、なんとも生きにくいね」 

武内P「その様な格好をしていては、当然の結果です」 

飛鳥「これは、ささやかな抵抗さ」 

武内P「……抵抗というより、テロに近いかと」 


飛鳥「蘭子……キミの存在が、ボクのチカラになる」 

ぎゅっ! 


武内P「……」 

武内P「待ってください! それは、神崎さんのものなのですか!?」

393: SSまとめマン 2018/05/02(水) 23:07:45.74 ID:xNYqHu2Eo
飛鳥「彼女の言う所の……そうだね、黒い魔力さ」 

武内P「……いえ、黒い下着です」 

飛鳥「とても美しい刺繍が施された、黒い羽だろう?」 

武内P「……いえ、黒いブラジャーです」 

飛鳥「キミも強情だね。あぁ、だからこそ、人を導こうと足掻くのか」 

武内P「……」 


飛鳥「――さぁ、行こうか」 


武内P「待ってください! 話は、まだ終わっていません!」

395: SSまとめマン 2018/05/02(水) 23:12:39.09 ID:xNYqHu2Eo
武内P「二宮さん……神崎さんは、この事をご存知で?」 

飛鳥「逆に聞こうじゃないか。蘭子が、それを許すとキミは思うのかい?」 

武内P「いえ、思いません」 

飛鳥「即答とは、驚いたね。キミは、彼女をよく知っているようだ」 

武内P「……」 


飛鳥「しかし、それについてはボクも同じ意見さ」 


武内P「……」 

武内P「……下着泥棒、ですか……!?」

396: SSまとめマン 2018/05/02(水) 23:18:00.17 ID:xNYqHu2Eo
飛鳥「盗まれたのは、むしろボクの方さ」 

武内P「……貴女が、盗まれた側だと?」 

飛鳥「それも、ボクがボクである上で、重要なモノをね」 

武内P「それは……一体、何でしょうか?」 

飛鳥「セカイには、様々な思惑が入り乱れている」 


飛鳥「その、思考の海を渡るのを躊躇う、そんな感情さ」 

飛鳥「言い換えれば、ボクは、踏み出す勇気を貰った」 


武内P「それは……理性や、常識とも、言えるのでは?」 


飛鳥「そうとも言う」 


武内P「……」

397: SSまとめマン 2018/05/02(水) 23:22:47.80 ID:xNYqHu2Eo
武内P「つまり貴女は……我慢が出来ずに」 

飛鳥「そう、ボクは、抑圧から開放された。解き放たれたんだ」 

武内P「……神崎さんの下着を盗み」 

飛鳥「このセカイと、真っ向から向き合う、その時が来た」 

武内P「……エクステとして、装着している、と」 

飛鳥「ふふ、彼女の存在を近くに感じるのは、心地いいと表現しても良い」 

武内P「……彼女に気づかれない内に、返却を」 


飛鳥「――さあ、行こうか」 


武内P「待ってください! 帰ろうとしないでください!」

398: SSまとめマン 2018/05/02(水) 23:29:02.75 ID:xNYqHu2Eo
飛鳥「……ふぅん、キミは、まだボクの前に立ちはだかる、と?」 

武内P「神崎さんは、私の大切な担当アイドルですから」 

飛鳥「そうだね。そして、ボクの親しい友人でもある」 

武内P「……」 

飛鳥「友人が普段身につけているモノを所持していたい」 

飛鳥「そうする事すら罪ならば、間違っているのは、どちらだろうね」 


飛鳥「ボクか――それとも、このセカイの方か」 


武内P「今回は、貴女です」 


飛鳥「……」 

武内P「……」 


飛鳥「――さあ、行こうか」 


武内P「待ってください! あまりに強引すぎます!」

399: SSまとめマン 2018/05/02(水) 23:34:37.72 ID:xNYqHu2Eo
武内P「この事を知ったら、神崎さんが悲しみます!」 

飛鳥「その心配は無用さ」 

武内P「……はい?」 

飛鳥「ボクも、蘭子を悲しませたいとは思わない」 

武内P「ならば……何故、心配する必要が無い、と?」 


飛鳥「同じモノ、未使用だけれどすり替えておいたんだよ」 

飛鳥「フェイクには違いないが、限りなく、ホンモノに近い存在だ」 

飛鳥「ならば、ホンモノとの違いとは?」 

飛鳥「……そう、違わないのさ。彼女が、そうと気づかない限りはね」 


武内P「偽物とすり替えておいたのですか!?」 

武内P「二宮さん、あまりにも計画的な犯行過ぎます!」

400: SSまとめマン 2018/05/02(水) 23:40:16.43 ID:xNYqHu2Eo
飛鳥「キミは、フェイクがホンモノを超える事は無いと思うかい?」 

飛鳥「ボクはね、抗い続ければ、それは叶うと思っている」 

飛鳥「その方法の一つとして、ボクの下着も一緒に置いてきたんだ」 

武内P「……はい?」 

飛鳥「双翼と呼ぶには、ボクのそれは彼女に及ばない」 

飛鳥「ならば、羽ばたきを増やさなければ、上手く翔べやしないんだ」 

武内P「その……複数、置いてきた、と?」 


飛鳥「ギッシリ、パンパンになる程ね」 


武内P「……!?」

401: SSまとめマン 2018/05/02(水) 23:44:20.21 ID:xNYqHu2Eo
飛鳥「わかっただろう? セカイは、何も変わらないのさ」 

武内P「……二宮さん。貴女が、新たな世界の扉を開いているのでは」 

飛鳥「ははっ、そうきたか! 確かに、キミの言う通りだ!」 

武内P「反省するつもりは……無い、と?」 

飛鳥「ボクは、後ろを向いて飛ぶなんて、器用な真似は出来ない」 

武内P「……わかりました」 


飛鳥「――さあ、行こうか」 


武内P「片桐さんに連絡し、しかるべき処置をお願いします」 


飛鳥「!?」

402: SSまとめマン 2018/05/02(水) 23:49:26.07 ID:xNYqHu2Eo
飛鳥「そこは……蘭子にじゃなく、かい……!?」 

武内P「私は、彼女を悲しませたくありません」 

飛鳥「ら、蘭子だったら……許すという事も、有り得ると思わないかい?」 

武内P「はい。なので、片桐さんにお願いします」 

飛鳥「まぁ、待ってくれ。落ち着いて話をしようじゃないか」 

武内P「その時間は、十分にとったかと」 

飛鳥「……キミの考えは、よくわかったよ」 


飛鳥「――ならば、ボクもそれ相応の決意を見せようじゃないか」 

スッ… 


武内P「まだ、パンツを隠し持っていたのですか!?」 

武内P「やめてください! 差し出さないでください!」

403: SSまとめマン 2018/05/02(水) 23:55:07.37 ID:xNYqHu2Eo
飛鳥「さあ、ボクの手を取り、共に歩もうじゃないか」 

武内P「お願いします! この様な場面を見られては……!」 

飛鳥「その時は、ボクは涙を流し、こう言おう」 


飛鳥「――この人の指示でやりました、とね」 


武内P「っ……!?」 


飛鳥「その時、人々は――セカイは、どんな決断を下すだろう」 

武内P「それ、は……!」 


飛鳥「さあ、選ぶと良い」 

飛鳥「蘭子の黒いセクシーなパンツを受け取るか……否か」 

飛鳥「願わくば、キミがボクの手を取ってくれると、信じているよ」ニヤリ 


武内P「……腹の立つ、笑顔です……!」

404: SSまとめマン 2018/05/03(木) 00:02:22.05 ID:xviVpdK+o
飛鳥「どうしたんだい? 何を躊躇っているんだ」 

武内P「……!」 

飛鳥「……残念だよ。どうやら、時が満ちてしまったようだ」 

武内P「何を……言って……!?」 


??「プロデューサーさん……?」 

??「それに、蘭子ちゃんのお友達の……二宮、飛鳥ちゃんよね……?」 

??「えっと……下着を……えっ、えっ?」 


飛鳥「チェックメイト、という事さ。ああ、本当に残念だ」 

武内P「っ!? この声は――」 


美波「あの……どういう事ですか?」 


武内P「新田さん……!?」 

飛鳥「……まあ、またチャンスは訪れるか」ボソッ

405: SSまとめマン 2018/05/03(木) 00:08:38.67 ID:xviVpdK+o
飛鳥「――彼が、どうしても下着が欲しいと言ってね」 

武内P「待ってください! 誤解です!」 


美波「そんな……どうして……!?」 


飛鳥「ボクとしても不本意だけど、意思を変える気は無いみたいなんだ」 

武内P「待ってください、新田さん!」 


美波「どうして……プロデューサーさんっ!」 


飛鳥「それが、彼の選択だからさ」 

武内P「それは違います、新田さん!」 


美波「下着くらい、私がいくらでもあげます!」 

美波「色の指定や、好みの形、何でも言ってください!」 


武内P「そういう話ではなく!」 

飛鳥「……」 

飛鳥「はい?」

406: SSまとめマン 2018/05/03(木) 00:15:42.73 ID:xviVpdK+o
飛鳥「待って欲しい……今、何て?」 


武内P「落ち着いてください、新田さん!」 

美波「私は、シンデレラプロジェクトのリーダーです!」 

美波「だから、もっと私を頼ってください!」 

美波「美波、精一杯頑張りますから!」 

美波「出来るだけ、好みの下着にします、プロデューサーさんっ!」 


飛鳥「……!?」 


武内P「そういった面で頼るつもりは、全くありません!」 

美波「どうしてですか!?」 

美波「私は、そんなに頼りないリーダーですか!?」 

武内P「切なくなるので、リーダーを連呼しないでください! お願いします!」 


飛鳥「……これは、驚いたね」 

飛鳥「ボクの知らないセカイが、こんなにも身近に存在していたなんて」

407: SSまとめマン 2018/05/03(木) 00:22:07.03 ID:xviVpdK+o
飛鳥「成る程……彼女が、統べる存在か」 


美波「待っててください、すぐに!」 

武内P「何をする気ですか、新田さん!?」 

美波「下着をあげるに決まってるじゃないですか!」 

武内P「その決定は取り下げてください!」 


飛鳥「……やれやれ、ボクは、ちっぽけなヤツだったようだね」 


美波「すぐ……すぐですから!」 

武内P「待ってください! 本当にやめてください!」 

美波「美波、いきます!」 

武内P「新田さん、話を――」 


美波「キャスト・オフ!!」 

ズバァァァンッ!!

408: SSまとめマン 2018/05/03(木) 00:28:56.70 ID:xviVpdK+o
  ・  ・  ・ 

飛鳥「彼女がそう言った途端、服が全て弾け飛んだんだよ」 

飛鳥「服に、意思があるかの様にね」 

飛鳥「物質にも意思が宿ると聞くけど、アレは、彼女の意思だ」 

飛鳥「彼女は、自らの意思で、セカイの法則に割り込んだのさ」 


ちひろ「……はぁ」 


飛鳥「その姿を見て、ボクは考えを改めたよ」 

飛鳥「どんなに強い想いでも、叶えられない願いがあると」 

飛鳥「……悔しいけれど、そう、思わされてしまった」 


ちひろ「……どうしてですか?」 


飛鳥「元々つけていない下着は、渡しようが無いだろう?」 


ちひろ「……」

409: SSまとめマン 2018/05/03(木) 00:36:24.05 ID:xviVpdK+o
  ・  ・  ・ 

美波「――はい! これで、下着を渡せます!」 

美波「脱ぎますか? それとも、脱がせますか?」 

美波「指示を下さい、プロデューサーさんっ!」 


武内P「……」 


美波「……?」 

美波「あの……あんまり、焦らさないでください」 

美波「いくら私でも、下着姿は、その……照れちゃいますから///」 


武内P「……」 


美波「プロデューサーさん?」 

美波「――あっ!? や、ヤダ……!///」 

美波「すみませんっ! 今日は、ノー下着デーだって、忘れてました!///」 

美波「どうしよう……これじゃ、パンツもブラもあげられないわ……!」

410: SSまとめマン 2018/05/03(木) 00:43:11.41 ID:xviVpdK+o
  ・  ・  ・ 

飛鳥「――そして、時は動き出した」 

ちひろ「……はあ」 

飛鳥「ボクが気付いた時には、彼女は倒れていたんだ」 

ちひろ「……」 

飛鳥「彼のスーツの上着を着せられ、ふふっ、尻を抑えて悶絶していたよ」 

ちひろ「……悶絶?」 

飛鳥「……とても、痛そうだった」 

ちひろ「……」 

飛鳥……

411: SSまとめマン 2018/05/03(木) 00:50:45.75 ID:xviVpdK+o
  ・  ・  ・ 

美波「取れた! お尻が! お尻が取れた!」ジタバタ! 

武内P「いえ、ついています」 

美波「気休めはよし――あああ、痛い痛い!」ジタバタ! 

武内P「……しばらく、そうして反省してください」 


武内P「――二宮さん」 


飛鳥「な……何だい?」ビクッ! 

武内P「神崎さんの下着を返却して、いただけますか?」 

飛鳥「……ふふっ、ボクを脅そうと言うのかい?」 

武内P「……もしもの時のために、私も同行しますので」 


美波「あっ、でもなんだか……あっ♡ 美波、いきますっ♡」モゾモゾッ! 


飛鳥「……」 

飛鳥「――さあ、返しに行こうか」

412: SSまとめマン 2018/05/03(木) 01:15:08.17 ID:xviVpdK+o
  ・  ・  ・ 

飛鳥「――そして、セカイは何も変わらなかった」 

飛鳥「ただ、それだけの話だよ」 

ちひろ「なるほど、だから、飛鳥ちゃんが呼び出されたのね」 

飛鳥「彼が、日を改めてボクと話したいと言ったからね」 

ちひろ「……それじゃ、私はもう行くわね」 

ちひろ「もうそろそろ、プロデューサーさんも来るでしょうし」 

飛鳥「おっと、その必要は無いよ」 

飛鳥「ボクは、キミにも居て欲しいと思っている」 

飛鳥「ふぅ……キミはまさか、ボクに一人で怒られろと?」 

飛鳥「あんな光景を見せられて? 本当に行くのかい?」 



ちひろ「新しいセカイに目覚めないよう、気をつけてね」 



おわり