678: SSまとめマン 2018/11/19(月) 20:18:44.49 ID:t+7DveKTo
光の勇者(以下、勇者)「……頼むぞ、本当に」 

勇者「……」 

勇者「顔も見たくない、ってのは正直ある」 

勇者「……」 


勇者「地の四天王、本当に頼むぞ」 


勇者「……お前が戻って来たら――」 


勇者「――地獄が始まる」





引用元: ・地の四天王「光の勇者よ、助けてくれ!」

679: SSまとめマン 2018/11/19(月) 20:25:29.60 ID:t+7DveKTo
  ・  ・  ・

祝福の聖女(以下、聖女)「ふんふん~ん♪」

聖女「……ふふっ!」


聖女(突然居なくなっちゃって……悲しかったけど)

聖女(でも――帰って、来るんだよね)

聖女(大地の魔女の……お姉ちゃん)

聖女(戻って来るの……楽しみだなぁ)


聖女「お姉ちゃん……闇の魔王さんとは、もう知り合いだから――」

聖女「――水の四天王さんも紹介したいな!」


聖女「それで、光の勇者様と、剣の乙女さんと……」

聖女「……私達の赤ちゃんと、皆で……えへへ///」

681: SSまとめマン 2018/11/19(月) 20:40:32.81 ID:t+7DveKTo
  ・  ・  ・

闇の魔王(以下、魔王)「……ふふっ」

魔王「地の四天王よ……まさか、余をも欺くとは」


魔王(隠れ潜む間、余の側近として傍に置こうとしていたのだが)

魔王(計画が露見せぬ様、念には念を……という訳か)

魔王(ふっ……余は、きっと引き止めてしまっただろうな)

魔王(……地の四天王よ)


魔王「――其方は、今何処に居る?」

魔王「嗚呼、何故……余は、こんなにも苦しい思いをせねばならん」


魔王「……戻ったら、この苦しみの代償を支払って貰わねば」

魔王「ふふっ……地の四天王――其方自身で、な」

682: SSまとめマン 2018/11/19(月) 20:47:52.44 ID:t+7DveKTo
  ・  ・  ・

水の四天王(以下、水王)「……ふぅ」

水王「地の四天王は……貴方は、まだ戻らないのね」


水王(けれど――待っていてくれ、必ず戻る)

水王(貴方がそう言ったらしいと……魔王様にお聞きしましたわ)

水王(皆の前では、戻ってこなくても良いと……虚勢を張るのが精一杯)

水王(けれど……次に貴方の顔を見た途端、涙が溢れてしまうでしょうね)


水王「――早く、戻ってきてくださいな」

水王「地の領地の民も、妹君も……祝福してくれますわ」


水王「……戻ったら、皆に二人で言いましょうね」

水王「私達が――愛し合っている、と」

683: SSまとめマン 2018/11/19(月) 20:54:42.83 ID:t+7DveKTo
  ・  ・  ・

剣の乙女(以下、乙女)「――閃!」

乙女「……少し、休むか」


乙女(お姉様……あんまりよ)

乙女(恋人である私と、顔も合わせず行ってしまうなんて)

乙女(……けれど、もし面と向かって言われたら)

乙女(……私は、無理にでも貴女に着いて行ってしまったでしょうね)


乙女「……大地の魔女のお姉様」

乙女「貴女の思惑通り――戻るまで、私が聖女を守るわ」


乙女「その役目が終わったら……きっと」

乙女「私達にも――愛の奇跡が起きるわよね」

684: SSまとめマン 2018/11/19(月) 21:02:59.15 ID:t+7DveKTo
  ・  ・  ・

火の四天王(以下、火王)「……はぁ」

火王「地の四天王……私の、愛しい人」


火王(パパは……ママと二人で叱り倒しておいたぞ)

火王(――言ってみたかった)

火王(……なんて、そんな理由だったんだからな)

火王(そもそも……婚約の話も、パパが最初に言い出したのに!)


火王「お前は……私を奪いに、単身乗り込んできてくれた」

火王「あの時の喜びが、今でも私に力を与えてくれる」


火王「……戻ったら皆に……剣の乙女に二人で言おう」

火王「地の四天王――大地の魔女は……火の四天王と結婚する、と」

685: SSまとめマン 2018/11/19(月) 21:18:15.00 ID:t+7DveKTo
  ・  ・  ・

風の四天王(以下、風王)「どれ、少し味見……」

風王「……少し薄いけど、その方が良いかな」


風王(――お前は、良い嫁になりそうだな!)

風王(地の四天王……君は、恐ろしい男だよ)

風王(まさか、この僕が……料理の練習をするだなんて、ね)

風王(それもこれも……全部、君が悪いんだ)


風王「君を逃さないための風の結界に気づいていながら……」

風王「僕にあんな言葉をかけた意味が……わからない筈、ないだろ?」


風王「ははっ! エプロン姿は……気に入ってくれるかな?」

風王「君が戻ったら……誰を犠牲にしてでも、二人で居ようね」

686: SSまとめマン 2018/11/19(月) 21:22:20.43 ID:t+7DveKTo
  ・  ・  ・

勇者「……お前がきっかけで、結ばれた友情もあった」

勇者「……」

勇者「それが無ければ、俺と聖女も……ただの仲間のままだった」

勇者「……ああ、驚いたよ」


勇者「――勇者様が浮気しても、私は怒りませんよ」

勇者「――全身の毛穴から血が吹き出し、激痛で発狂しますから」


勇者「……感謝はしてるさ!  ああ、凄くしてる!」

勇者「だけど……何か……! 何かなぁ!?」

687: SSまとめマン 2018/11/19(月) 21:26:22.54 ID:t+7DveKTo
勇者「……だけど、地の四天王」

勇者「……」

勇者「お前が戻ってきたら……全部、終わるんだ」

勇者「……」


勇者「地の四天王よ」

勇者「頼むから……帰って来ないでくれ……!」


勇者「それが……俺の望みだ……!」

688: SSまとめマン 2018/11/19(月) 21:31:51.41 ID:t+7DveKTo
  ・  ・  ・

地の四天王(以下、地王)「帰りたい! 今すぐにでも、帰りたい!」

地王「ええい、何なのだこの島は!」

地王「何故、溢れんばかりの聖なる力に包まれている!」

地王「おかげで、思念波も全く使えん!」


地王「伝説の、妖精達の楽園でもあるまいに!」


地王「泳いで離れようとしても、島の反対側についてしまう!」

地王「これでは、島から離れることすら出来ぬではないか!!」

689: SSまとめマン 2018/11/19(月) 21:38:09.67 ID:t+7DveKTo
地王「何が楽園だ、図に乗るな!」

地王「まあ、確かに? 素晴らしい場所ではあるが?」

地王「俺は――」


地王「――肉が食いたい!」


地王「それに何より――酒が飲みたい!」


地王「どちらも無い島でなど、バカンスにならんわ!」

地王「……ええい!」


地王「魔法で、島を海の底に沈めてやろうか!」

690: SSまとめマン 2018/11/19(月) 21:45:10.91 ID:t+7DveKTo
地王「そのためには……島の中央に行く必要があるな」

地王「あのでかい樹が……恐らく、島の中央か」

地王「……何とも見事な」

地王「もしもこの島が妖精達の楽園ならば……あれは世界樹か」


地王「まあ、だからどうしたという事も無いな!」

地王「俺は、一刻も早く酒が飲みたいのだ!」


地王「酒よ、待っていろ!」


地王「この地の四天王、すぐにでも舞い戻るぞ!」



第一部 おわり

693: SSまとめマン 2018/11/19(月) 22:01:30.48 ID:t+7DveKTo
暇つぶしに蛇足書いてましたが、第二部の予定は一切ありません
全員の死亡フラグ立てての島流しENDです
続き書きたい人が居たら、書いちゃっておkです