383: SSまとめマン 2014/09/14(日) 10:10:17.35 ID:iIkyH/J10





ドドドドド 


Da『使えん…全くもって使えない』 


Da『誰一人として倒せぬとはな』 


Da『やはり「支え」を壊す必要がある』 


ドドドドドドド 


Da『精神的な崩壊はそのままスタンドのパワーに関わるッ!』 


Da『『虎の子』…いや、『龍』を出す!』 


Da『奴は絶対に持っている…強さ故に隠し続けるスタンド!その能力!』 


Da『大神環よ、プロデューサーを殺すのだ!』 









――――『悪意の視線』 



引用元: ・【ミリマス】「横山奈緒と徳川まつり」【ジョジョ】

384: SSまとめマン 2014/09/14(日) 10:12:33.07 ID:iIkyH/J10




――――――――――――――――――――― 

事務所 

二日後 

朝 







P「…………………………」カタカタカチベラベラ 


事務員「…………………………」カタカタカタカタカタカタカタ 


杏奈「すぅ…………むにゃ…………」 


志保「……………………」ペラ 


志保「『この勝負、退屈しのぎにはちょうどいいよ』…………」ペラ 


P「…………退屈しのぎと言っているが、女王は平和な学園に退屈していた。少し熱をいれてもいいかもしれん」カタカタ 


志保「…はい、やってみます。…『この勝負、退屈しのぎにはちょうどいいよ!』……どうですか?」 


P「………………志保、スタンドで俺を後ろから殴ってみろ」カタカタ 


志保「…は?」 



385: SSまとめマン 2014/09/14(日) 10:13:56.90 ID:iIkyH/J10


P「スタンドの稽古をつけてやろう、来い」カタカタ 


志保「…今『どうですか?』って感想を聞いたんですが」 


P「休憩だ。体を動かせば少しは女王の気持ちがわかるかもしれん」カタカタ 


志保「…………行きます!」 


P「駄目だ」カタカタ 


パシィ! 


クルリン 


ボサァ! 


志保「え…?」 


志保(気付いたらソファの上で横になっていた…! 一瞬腕が見えたけど、投げられたのかしら?) 


P「人を殴るときに『行きます』なんて言う奴がいるか」カタカタ 


志保「…………殴れって言ったのはアナタじゃないですか」 


P「そうだ、俺は『殴れ』と言った。なら一発でも当ててみろ」カタカタ 


志保「」カッチィーン 


志保『無駄ァ!』 


パシィ! 


P「俺に当てたら『何でも』してやろう」カタカタ 


志保「今、何でもって言いましたよね!後悔しても知りませんよ!」 



386: SSまとめマン 2014/09/14(日) 10:15:19.53 ID:iIkyH/J10


志保『無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァァ!』 


パシパシィ! 


P「グッド!『当てる意思』を強く持つ。「レッスンの初級編」だ」カタカタ 


ゾワァ! 


志保「ッ!」 


志保(後ろも見ないでいなされるなんて…!) 


志保「……能力を使っても?」 


P「手加減は無用」カタカタ 


志保「『ライアールージュ』」 


スゥゥ… 


P「…………」カタカタ 


ゴゴゴゴゴ 


志保(真後ろから殴ってもかわされそうね…真横からいきましょう)スッ 


P「…………」カタカタ 


志保「……」 


志保『無駄ァ!』パッ 


P「ふん」カタカタ 


ピシッ 


志保「なっ!?」 


P「スタンド使い同士の戦いでは頭を使え、見え見えの攻撃では勝てなくなるぞ」カタカタ 


P「『相手の一歩先を読む』まだまだ「初級編」だ」カタカタ 


志保「ッ!」 


スッ 


P「珈琲飲むか?」 


スタスタ 


志保(……私はまだこの人の足元にも及ばない…) 



387: SSまとめマン 2014/09/14(日) 10:16:51.72 ID:iIkyH/J10


志保『無駄ァ!』 


ブン 


サッ 


P「これは「上級編」だが…『気配を殺せ』だ」カチャ 


志保(気配を殺せ? 接近しても気付かれるのに…) 


志保「…………」 


P「…………」コポポ 


P「コーヒーに角砂糖と牛乳は入れるか?」コポポ 


志保「…………」 


P「どちらも入れるぞ。砂糖は少なめに6つだ」ボトボト 


志保「…砂糖6つは多いですよ」 


P「そうか?」ボトボト 


志保「…一体、何がしたいんですか? こんなことに意味があるとは思えません」 


P「…………聞きたいか?」 


志保「は?」 


ゴゴゴゴ 


P「何故演技の練習を中断してまでこんなことをするのか、をだ」 


志保「…何か、問題があるんですか?」 



388: SSまとめマン 2014/09/14(日) 10:19:00.52 ID:iIkyH/J10


ゴゴゴゴゴゴ 


P「なら、一言で言おう」 


P「志保は『弱い』、あらゆる意味でな」 


志保「えっ…」 


P「気配を完全に殺せる能力は強力、触れている物なら消せるという利点もある」 


P「しかし無意識の攻撃に弱い、想定外を想定した行動がとれていない。その脆弱性は自分の思っている以上だろう」 



志保「…………」 


P「『敵』は全てを乗り越えるぞ、思いもしない手段で追い詰めてくるぞ」 


志保「…ッ!」 


P「戦いは激しくなるだろう。だがそれを乗り越えるのは俺じゃあ無い、志保だ」 


志保「………………」 


P「悪いな、こんな話をして」 


志保「…いえ、ありがとうございます」 


志保「この賭け、退屈しのぎにはなりました」 



389: SSまとめマン 2014/09/14(日) 10:20:11.13 ID:iIkyH/J10


スゥゥ… 


P「…………………………」 


ガチッ 


志保『無駄ァ!』 


P「…!」 


ドグシャア 


P「…不意打ちか、見事だ」 


志保「『何でも』、叶えてもらいますよ」 


P「ああ、いいだろう」 


志保「…その前に、演技の練習、付き合ってください」 


P「分かった。…コーヒーでもどうだ」 


志保「その甘すぎるのをですか…」 





・・・・・・ 


・・・・・・・・・ 


・・・・・・・・・・・・ 


――昼 



志保「…今の台詞で最後です」 


P「…有意義な時間になったか?」カタカタ 


志保「はい、プロデューサーのお陰です」 


事務員「…………………………」カタカタカタカタカタカタカタ 


杏奈「…………、…………」ムニャ 


P「…ほら、起きなさい」 


杏奈「ぅん……?…………おはよう……ございます」 


志保「…………」 



390: SSまとめマン 2014/09/14(日) 10:21:38.69 ID:iIkyH/J10


P「昼御飯を食べようか、出前でもとるか?」 


志保「いえ、私はいいです」 


杏奈「出前……とるの?」 


P「ああ、何でもいいぞ」 


事務員「」スッ 


P「カツ丼か…」 


杏奈「じゃあ……お寿司、がいい……」 


P「志保はいいのか」 


志保「はい、自分で作ってきましたから…」 


P「そうか…」 


トントントン 


杏奈「誰か…来たみたい」 


ガチャ 


環「…………おやぶん」 



391: SSまとめマン 2014/09/14(日) 10:23:17.05 ID:iIkyH/J10


志保「環、おはよう」 


環「うん…おはよう…」 


杏奈「……どうしたの?」 


P「元気が無いみたいだな」 


事務員「…………………………」カタカタカタカタカタカタカタ 


環「あ、あのね…おやぶん!」 


P「どうしたんだ」 


環「た、たまきね、みんなが怖がってる人からね、い、言われたんだぞ…」 


P「……『みんなが怖がってる人』か」 


志保「『黒幕』のことですね」 


環「たまきにね、おやぶんをやっつけなさい、って」 


杏奈「……え?」 


志保「…スタンド使い?」 


環「でもね、たまきはおやぶんのことがすきだから、嫌だって言ったんだぞ」 


P「…………偉いぞ、環」 


環「そしたら、怖い人が『育とか桃子ちゃんが怖い目にあうぞ』って…」 


志保「環…」 



392: SSまとめマン 2014/09/14(日) 10:24:45.71 ID:iIkyH/J10


環「みんな喧嘩ばっかりするし、ばあちゃんがスタンドを使っちゃいけないって言ってるし、たまき、どうしたらいいのか分かんないぞ…」 


環「でもね、でもね、たまきは育も桃子もおやぶんもみんなも大好きだから、スタンドなんて使いたく無いんだぞ…」 


P「…環?」 


環「たまき、みんなと喧嘩なんてしたくないよ…!」 


志保「…プロデューサー!なんとか出来ませんか?」 


P「すまん、正体が分からない以上どうしようもない」 


環「たまき、戦いたくないよ…誰とも喧嘩なんてしたくない!」 


杏奈「……環ちゃん、落ち着いて……」 


???「でも戦わないなら、みんなが喧嘩しちゃいますよ?」 


ゴゴゴゴゴゴ 


志保「誰ッ!?」 


???「見えませんか? 目の前にいるじゃあないですか」 


P「よく目を凝らせッ!いるぞ、環の後ろだッ!」 




393: SSまとめマン 2014/09/14(日) 10:26:12.57 ID:iIkyH/J10



ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ 



???「流石、私のプロデューサーさんです」 


杏奈「この声……lily_knight!」オーン 


志保「百合子が…!?」 


百合子「そう、私は『風』のスタンド『クリアプロローグ』の使い手!」 


バァーン 


志保「そんなことより環をどうにかしないと!」 


百合子「ひどい!…と言ってももう遅いんですよ!」 


百合子「環ちゃん、あなたが戦わないと二人が酷い目にあっちゃいますよ?」 


環「いやだ!たまきは絶対に…絶対に!」 


P「…! 環を取り押さえる!」 


百合子「させません!」 


ブワッ 


パスパスゥ! 


ブシャァア 


P「風の刃か……っ!」 


環「たまきは絶対に戦わない!」 




シィーン 



P「糞!」 


百合子「ふふふ、やっと言ってくれました」 


ドドドドド 


志保「何か起きてるの…?」 



394: SSまとめマン 2014/09/14(日) 10:27:29.02 ID:iIkyH/J10


杏奈「とにかく、このままじゃ不味いって事だよね?」 


ウジュルゥ 


環「え…、な、なにこれ!? た、たまきのからだが…」 


百合子「これで環ちゃんの抑圧されたスタンドが――」 





ドワゥッ! 






百合子「ひっ!」 


杏奈「え…」 


志保「ッ!」 


P「………………」タラ… 


ドドドドドドドドドド 


395: SSまとめマン 2014/09/14(日) 10:29:14.87 ID:iIkyH/J10



百合子inMP(ヤベーゼ…コイツハ、トットト逃ゲル二限ルナ) 


ピョン 


百合子「あ…」フラ… 


P「『1st stepガチャ!』」トン 


ドォ――――――――ン 


P『か、体が少し麻痺してる…ヤバイ奴が来そうだ…』 


ドッ! 


スタ! 


P『まずは百合子を保護する、『マスターピース』はその次だ』 



ドォ――――――――――ン 


杏奈「なにこれ…なにこれ!?」 


志保「はぁー…はぁー…………」 


ウジュルウジュル… 


P「なっ…!」 





???『**#*@@¥*″((%♀◎●○★』 



396: SSまとめマン 2014/09/14(日) 10:31:18.80 ID:iIkyH/J10



凡そ人類には発音できない、聞くに耐えない不快な音が『環』から発せられる。 


いや、既に環は環では無くなっている。 


悪臭を放つ青黒い脳漿で覆われた表皮、狼を連想される巨躯は志保と杏奈、Pと百合子を隔てていた。 


輪廓は空間を蝕み、蝕まれ、膨張と収縮を繰り返し、デッサンの狂った様相を呈していた。 


そして鞭の様に垂れ下がった巨大な注射器に似た舌は、絶えず虚空を探り、獲物を探しているかのように彷徨う。 




不意に、舌がその動きを止めたと思うと、勢いよく伸びてPの後ろ――『マスターピース』へと突き刺さる。 


「グエッ!」 


情けない蛙のような呻き声を挙げ、『マスターピース』はジタバタと抵抗するが、『化物』から意地汚く咀嚼する音が聞こえると 


「ヒィ!ヤメロ!吸ワナイデクレ!アアアアァァァ…………」 


MPの全身が枯れ枝のように細くなり、ふやけた老人よりも皺が多くなる。やがて体は『舌』に吸い込まれ、MPはこの世から姿を消した。 


「◇¥>ゞ|‐>℃∋∪ゝ§/∞%▽♪‰Å↑」 


『化物』は歓喜にうち震えた声を上げるが、まだ足りないと言わんばかりに舌を蠢かせる。 


目覚めたのは最も恐ろしいもの―― 




397: SSまとめマン 2014/09/14(日) 10:32:39.22 ID:iIkyH/J10





ドドドドドドドドドド 


P「……ッ!」 


ギロリ 


「◎○○¥♀◇@§◆◇&##≧¥<)#%」 


ジュルリ 


ドシュッ! 


P「『ステップアップガチャ!』受け止めろ!」 


ガシィ! 


「〆々〆〆∞∞¥♂**@〒◎●◆〒」 


P「その『舌』、引きちぎってくれる!」 


ブチィ! 


「≠≠≠≠≠≠>≦≧″#°°″℃#℃″″′′′!???。」 


P「…予想外という顔だな…」 


ドシュン! 


P「…消えた?」 


志保「! プロデューサー!」 


杏奈「…………平気、だった?」 


P「ああ、百合子が元に戻った。二人も大丈夫か?」 


杏奈「うん、ちょっと吃驚したけど、大丈夫だよ!」 



398: SSまとめマン 2014/09/14(日) 10:34:48.67 ID:iIkyH/J10


志保「なんというか…環があんな姿になって…」 


P「…………、『化物』は環の意識とは無関係に動いていたはずだ。推測に過ぎないが、抑えられていた『スタンド自体』の反抗…、『スタンド』が意思を持って戦っているのではないかと思っている」 


杏奈「『スタンド』が?」 


P「環のスタンドにしては『悪意』が酷すぎる、スタンドが自律して動いているはずだ」 


志保「『自立型』ってことですか…」 


P「ああ、一応撃退は出来たが…」 


百合子「…………うーん………………」 


志保「起きてください、百合子さん」ユサユサ 


百合子「…………? ふぁ……あ…………ッ!?」 


杏奈「百合子…」 


百合子「えっ!?ここは何処ですか!」 


P「事務所だ、説明するとだな…」 



ゾワァッ!! 



百合子「ッ!?」 


P「…来るか!」 


志保「見られてる…そこらじゅうから『視線』を感じる!」 



399: SSまとめマン 2014/09/14(日) 10:36:14.57 ID:iIkyH/J10


杏奈「説明してる暇はないよ!『流れ』を理解して!」 


ドドドドドドドドドド 


P「スタンドを出せ…背中を合わせるんだ」 


杏奈「う、うん…」 


志保「いえ、私に掴まってください。『ライアールージュ』で存在感を消します」 


ギュッ 


志保「やります」 


スゥゥ… 





志保(どうやら、うまく隠れられたみた――) 




ドワゥッ! 




志保「え?」ゾゾォ! 





スゥゥ 


P「隠れ、られないみたいだ」 



400: SSまとめマン 2014/09/14(日) 10:37:50.74 ID:iIkyH/J10


百合子「…………みなさん、戦いましょう!」 


杏奈「百合子?」 


百合子「何となく察しました。私たちしかこの場にはいません、『スタンド』を持つのは私達だけなんです!」 


P「確かに、そうだ」 


志保「そうね、でも」 


ドワゥッ! 


百合子「…ッ!」 


杏奈「確実に、強くなってる…」 


P「見られているだけで気が狂いそうになる…猛烈な『悪意』と『飢え』と『渇き』の視線だ」 


ドドドドドドドドドドドドドドド 


百合子「ッ…!こんな…こんなのを相手に…!」 


ドッ!ドッ!ドッ!ドッ! 


P「来るぞ…」 


ドッ!ドッ!ドッ!ドッ!ドッ!ドッ!ドッ! 


杏奈「何処から…何処からなの!?」 


ドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッ 


志保「来る――ッ!」 


ドワゥッ! 


「●●*◎*♂@≦∞∞℃*◆≠〆(≧―…!」 



401: SSまとめマン 2014/09/14(日) 10:39:41.54 ID:iIkyH/J10


P「志保!危ないッ!」 


ダッ 


志保「『ライアールージュ』!」 


ドゴドゴォ! 


メリィ 


「〆〆〆〆〆〆〆〆〆〆」 


バッ! 


志保「効かない…!」 


P「させんッ!」 


ヌッ 


「◎●●●●●●●●●●*℃……¥¥&¥¥」 


ガブゥゥ! 


P「っ!」 


志保「プロデューサー!?」 


ガブチブチブチ 


プシャァァ 


百合子「は、離して下さいッ!」 


百合子『それっ!』 


ドツ 


グニィ 


「〆〆〆〆〆〆〆〆〆〆〆」ギロリ 


百合子「ひっ!」 


P「三人とも下がれッ!」 



402: SSまとめマン 2014/09/14(日) 10:41:13.68 ID:iIkyH/J10


P『無駄無駄無駄無駄ァ!』 


ドガドカドガドガン! 


「∞℃∞∞∞∞∞∞∞℃≠>@>≦」 


ドバッ! 


P「やっと離れたか…」 


杏奈「『ビビットイマジネーション』!」 


ギャルギャル 


杏奈「ソファを付箋にしたよ、これを包帯代わりにして!」 


P「助かる」ギュッ 


志保「また、消えましたね」 


百合子「あの『狼』の能力は空間転移でしょうか…?」 


杏奈「それなら、体の中から出てくればいいだけだよ、lily_knight」 


百合子「そうね、vivid_rabbit。なにか手がかりがあれば…」 


P「そんなものが………………ッ!?」 


P(今、一瞬、『見覚えがある』と思ったのか…?) 


P(…こんな強烈な化物を忘れる筈がないし、俺が忘れるはずもない…) 


志保「相手がテレポートしてくるなら、見晴らしのいい場所に行くべきよ」 


杏奈「いいね!隣のシアターなら広いよ!」 


百合子「うーん…他のアイドルの皆が来るかもしれませんよ?」 


P「……一刻も早く出るべきだ。留守は事務員の人に任せて外へいくぞ」 


百合子「えっ? 事務員さんいたんですか?」 


事務員「…………………………」カタカタカタカタカタカタカタ 


杏奈「…凄い」 



403: SSまとめマン 2014/09/14(日) 10:42:21.94 ID:iIkyH/J10


P「行くぞ!悠長に階段を降りる暇はない、窓ガラスをぶち割る!」 


百合子「また律子さんに怒られますよ…?」 


P「構うものか。…スタンドで外側から割れば道路には落ちない、覚えておくといい」 


パリーン 


志保「何処へ行くつもりなんですか?」 


P「まずは移動だ、車で話す」 


ガシッ 


百合子「きゃっ」 
杏奈「えっ」 
志保「ぶ、プロデューサー!」 


P「掴まれッ!」 


バッ! 


スタ 


P「近くのパーキングに車を停めてある」スタスタ 


百合子「ま、待ってください!」 


杏奈「気配が消えた…? 今の内だね!」 


志保「…………」 






404: SSまとめマン 2014/09/14(日) 10:43:47.83 ID:iIkyH/J10



ドン 


P「シートベルトはしたか?」 


ブロロロロロ 


P「出発だ!」 


ブロロロロロ 


志保「さっきも言いましたが、何処へ行くんですか?」 


百合子「確かに、どこか当てがあるんですか?」 


P「環は『ばあちゃんに言われた』からスタンドを使いたくない、という理由を挙げた」 


P「つまり環の祖母が、環のスタンドについて知っていると考えていいだろう」 


百合子「流石です! やはり影で大きな組織を動かしている凄腕の名探偵…いえ、もっと」 


志保「百合子さん」ピシ 


百合子「いたっ」 


杏奈「とにかく、お婆ちゃんの家に行って弱点を聞けば万事解決って事だね!」 


P「ああ、一筋縄じゃあいかないみたいだがな。外を見てみろ」 


志保「! 道路を走ってる!?」 


「≠≠♂≧≧°… @@ ――#/℃∞≧<)●」 


P「狼というより『猟犬』だな」 



405: SSまとめマン 2014/09/14(日) 10:45:15.11 ID:iIkyH/J10


杏奈「まだ遠いよ!このまま振りきって!」 


百合子「駄目です!赤信号!」 


P「掴まれ、飛ぶぞ!」 


P『無駄ァ!』 


ドァォォォン 


杏奈「車が飛んでるよ!」 


百合子「な、なんで喜んでるのー!」 


ドガン! 


志保「きゃっ」 


P「奴との距離は!?」 


杏奈「あれ…?いないよ?」 


志保「もしかして、この車に…!」 


ザザザザザ 


百合子「あれ…カーナビの画面が!?」 


P「故障か…?」 


志保「画面の半分が綺麗に真っ黒になってます」 


P(…いい加減、奴のテレポートの規則性を見抜かなくてはな) 



406: SSまとめマン 2014/09/14(日) 10:46:25.29 ID:iIkyH/J10


P「とりあえず、今から言う住所を入力してほしいが…大丈夫か?」 


志保「はい、やってみます」 


ピッ 


志保「あっ、画面が元に戻りました。 多分大丈夫だと思います」 


ピッピピ 


P「そうか、なら言うぞ」 


ピピピピ 


百合子「うわぁ…結構山奥ですね」 


杏奈「そうだね、長野県の諏訪ってところ――」 


ゾワァッ!! 


杏奈「…………ッ!」ゾクゾクゥ 


ドドドドドドドドドド 


志保「来る…!」 


P「なんだとッ!」 


百合子「何処から…何処から来るの…?」 


ドドドドドドドドドドドドドドド 


志保「!? カーナビの角から…!」 


モワァッ! 


P「この悪臭!間違いない!」 


ドワゥッ! 


「##°@―*∞∞)(##∞∞¥≠≠*;≧°*」 


P「押し返すッ!この車から離脱しろ!」 


P『無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!』 


ガガガガガガガガ! 


ググググ 


「◎◎≦―**(℃℃℃℃℃℃℃℃…¥…≧@!」 



407: SSまとめマン 2014/09/14(日) 10:47:35.37 ID:iIkyH/J10


杏奈「スイッチオーン!急いで出るよ!」 


グッ 


百合子「トランクから出ましょう!『クリアプロローグ』の風の加護があれば飛べます!」 


志保「でもプロデューサーがッ…!」 


P『無駄無駄無駄無駄無駄無駄!』 


「∞℃>♂¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨℃℃℃℃℃℃∵∵」 


グギギギギギ 


P「押し返すか!? この『1st step ガチャ』のパワーをもってしても抑え込められぬかッ!」 


志保「…………ッ!」 


百合子「早く!急がないと!」 


志保「わかった…!」 


ガパァ 


百合子「さん…に…いちッ!」 


ピョン 


カゴァォォォォオオオオ! 


百合子「『クリアプロローグ』!風よ!」 


フワッ 





408: SSまとめマン 2014/09/14(日) 10:48:37.55 ID:iIkyH/J10




P「逃げたか…」 


ドドドドドドドドドド 


「≦≦≦≧≧≧―*℃)●●●  )(@≧」 


P「奴のおそろしいパワー!能力!」 


P「倒すには『1st step ガチャ』の更なる境地…『2nd step ガチャ』へ至るしかない!」 


「####¥∵)(≦∞∞∞%<∞&――*」 


ドワゥッ! 


P「『ステップアップガチャ』は窮地に進化するッ!」 


P『無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!』 


ガガガガガ!! 


ググッ! 


「°°°°°°°∵●(∞∞∞∞∞∞∞∞∞」 


ドギャアォォォォォォオオオン! 








409: SSまとめマン 2014/09/14(日) 10:49:55.96 ID:iIkyH/J10







スタッ 


フワァァァァァ 


百合子「はぁっ……はぁっ……」 


杏奈「ありがとう……百合子さん……」 


志保「っ……ありがとう、助かったわ…」 


百合子「はぁーっ……はぁーっ……」 


杏奈「…………?大丈夫…?」 


百合子「ち……はぁっ……ちがう……!」 


志保「何が違うんですか?」 


百合子「気配は『いくつも』あった! まだ何か『来る』!プロデューサーさんが危ないッ!」 


杏奈「何匹も……?急いで、加勢しないと…………!」 


志保「待って下さい…プロデューサーが私達を逃がしたのは、足手まといだからじゃないんですか…?」 


百合子「う…私のスタンドはパワーもないし、『猟犬』に襲われたら何もできない…」 


杏奈「でも……心配だよ」 



「「「………………」」」 


百合子「や、やっぱり…」 


ズギャァアァァァァァアン!! 


志保「!」 



410: SSまとめマン 2014/09/14(日) 10:51:29.03 ID:iIkyH/J10


P「避けろォ!」 


杏奈「『ビビットイマジネーション!』」on 


ガシッ 


P「っ!…助かった」 


志保「何が起きてるんですか!?」 


P「車を事務所の方に『投げ』た、『猟犬』が『仲間』を呼んだからな」 


杏奈「!?」 


百合子「最悪ですね…」 


P「俺の手には負えん…頼む…力を貸してくれ!」 


志保「! 構いませんよ」 


杏奈「うん、いいよ!プロデューサーの力になっちゃう!」 


百合子「お役にたてるなら!」 


P「助かる…」 


ドシュッン! 


猟犬◎「§§§¥≦ ≦≦∞>」 
猟犬ゞ「●&??≦″′°∞」 
猟犬※「◎◎○★°÷※◆∩∪」 


「##≧≧∞∞*°°∵¥∞∞∞∞∞∞∞∞」 


百合子「小さいのが三匹と大きいのが一匹!」 


P「『1st step ガチャ!』」 


ズオッ… 


志保「来ますッ!」 



411: SSまとめマン 2014/09/14(日) 10:52:33.71 ID:iIkyH/J10


◎「′′″″÷◎℃≧」 


P『無駄ァ!』 


百合子「二人とも、タイミングを合わせて!」 


ゞ「○○>″#)÷(」 


百合子『オラオララァ!』 
杏奈『ビビビィ!』 
志保『無駄ァ!』 


ドガン! 


ゞ「∩∩∞…′′∞∞」 


ベシャァ! 


ズオッ… 


杏奈「やった!」 


ドワゥッ! 


「(∪∪◆◆◆¥¥′″∞∞°&∞∞∞∞∞」 


※「¥¥*◇&#℃℃″″」 


P(まずいッ!三人に攻撃が当たるッ!) 


P「『1st step ガチャ!』」 


P「時間は減速するッ!」 






ドォ―――――――――z__________ 


P『…ッ!?』 


「…………#◇◇? °∩¥¥##!」 


※「∞∞@@℃′′!」 


P『この減速空間内でも動けるというのか…ッ!』 



412: SSまとめマン 2014/09/14(日) 10:53:54.00 ID:iIkyH/J10


ドワゥッ! 


◎「◆@@◇…◎?」 
ゞ「§§′<∴!∞§&#」 


P『こいつらは一体なんなのだ…!』 


ドォバッ! 


あんしほゆり「「「…………………………」」」 


P『! 危ないッ!』 


バッ! 


P『無駄無駄無駄ァ!』 


ドギャァオン 


「(℃#(<!」 


P『…こいつらから守る方法が見当たらないッ…』 


ドシュッン 


◎「∩∩∩<″◎※℃ゞ §<)」 


P『「無駄無駄無駄無駄無駄無駄!」』 


ガガガガガ!! 


バビュァン! 


ゞ「≦≦′≦&″((≧≦※″&)」 


P『「無駄無駄無駄ッ!」』 


ドワゥッ! 


℃「>>― ―◎#∴」 


P『新手か! 無駄ァ!』 


ドガァ!! 


P(まずい…かばいきれん…ッ! 『1st step ガチャ』を解除するしかない!) 



413: SSまとめマン 2014/09/14(日) 10:57:00.99 ID:iIkyH/J10


ドワゥッ! 


「<<∞&≧◎≦≦&′″″″―&≧≧∞∞&」 


ドシュッン! 


P『『注射針』…! 再生するのかっ!』 


∴「※※※∴∴※∴§<※∴″(§」 
仝「◎≧◎>ゞ≧ゞ≧<>><<」 
<「))仝∩∴)∩¥」 
*「◎◎>>0�§…∩℃― ∞ ◎…′」 
%「>∴>′′℃ゞ仝(≦ 」 
●「))≧¥―)℃」 
※「))ゞ…ゞ ゞ  」 


P『まだ来る…! 止められん…限界だ…!』 


「§§§§◎∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞」ニィ 


P『うおおおぉぉぉぉぉぉぉ!』 


ド―――――――――z________ン 




志保「何!? 何が起きてるの!?」 


百合子「『猟犬』が5…10!」 


杏奈「プロデューサーさん!」 


P「伏せろッ!」 


ガッ! 




414: SSまとめマン 2014/09/14(日) 10:58:15.09 ID:iIkyH/J10


百合子「きゃっ!」 


ザクザクザク 


ドシュドシュドシュ 


P「…………!」 


ドバァァァ 


ジュゥウルルルルルゥゥ!! 


百合子「プロデューサーさん!」 


P「うぬ…お…………」 


杏奈「そんな…そんな!」 


P「引き寄せたぞ…」ボソ 


志保「…え?」 


P「引きちぎれい!『1st step ガチャ』」 


ブチブタブチィ! 


「¥<※ゞ℃℃℃ §∴」 
「′′∩_∴))\ §」 
「≧≧≦(<(¥§∴∴」 
「>>__∴∴∴∴∴∴」 


P「弱小の個体は引っ込め!無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!」 


ドバァァーン 


百合子「やった!」 


杏奈「まだだよ!」 



415: SSまとめマン 2014/09/14(日) 10:59:34.58 ID:iIkyH/J10


杏奈「まだだよ!」 


ドワゥッ! 


「―(¥¥§§/℃◎」 
「―仝仝 ≧≧>℃」 
「&&#¥≧><∞∴*」 


P『無駄無駄無駄ァ!』 


ドガガガガッ!! 


「<∴∞∞∞∞∞´ゝ≦≧><><<″″℃%#」 


ドワゥッ! 


志保「危ないッ!」 


P「!」 


ガチィン 


P『う…ぐ…おお…………ッ!』 


ギリギリギリ 


杏奈「プロデューサーさん!」 


P「ポケットにスマホが入っている…日本全国のあらゆるルートが乗っている…個人用の…ッ!」 


「§§*</∴<<∞∞∞)(∴℃´―%℃<<」 


ゴウワシッ!! 


P「取れ…!説明…出来ん!」 


スッ 


志保「確かに、受けとりましたよ」 


百合子「プロデューサーさん?一体…」 



416: SSまとめマン 2014/09/14(日) 11:00:37.25 ID:iIkyH/J10


ドワゥドワゥドワゥッ! 


百合子「! まさか…『倒せ』ない!?」 


P「行け…環の祖母の…場所は…」 


「´∴´#%%%%%」 


ザシュゥッ! 


P「…………ッ、…………!」 


杏奈「プロデューサーさん!」 


P「行けぇ!援護するッ!」 


志保「っ…! 行くわよッ!」 


ダッ 


百合子「絶対…戻ってきます!」 


ダッ 


杏奈「『アイドル学園』の次……期待して待ってるからね!」 


ダッ 




ドドドドドドドドドド 


P「…行ったか」 



417: SSまとめマン 2014/09/14(日) 11:02:30.07 ID:iIkyH/J10


「&**§§§§§§§∴/´/∞***∴<∴」 


ザシュッ! 


ザシュッ! 


ザシュゥッ! 


P(腕、足、急所を外して切り裂く…) 


P(何を考えてるのか分からんが、『舐めて』いるな…) 


ドドドドドドドドドドドドド 


「≦≦…%%%%>」 


P「無駄」 


ドガン!! 


「″″″″∴%ゝゝ」 


サァァ 


P「小さい個体は一撃か…だが」 


ドワゥッ! 


P「再生する」 


P「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァ!」 


ドガドガドガシュゥッ! 


ドワゥッ! 


「>¥¥℃########∴##″∴″″″」 


P「でかい個体は強力、再生能力も高く平均的なステータスも高い」 


P「庇いながらは多少『無理』があったが…」 


P「『2nd step ガチャ』を目指し、アイドルの『成長』を目的とする『二つを』同時に行う…。縛り、過程、道のり。厳しければ厳しいほど良い」 


P「自分を追い詰めれば追い詰める程に『ステップアップガチャ』は強くなる…!」 


P「対抗策が見つかるまで。彼女達が『諏訪』にたどり着くまで、戦い続けようじゃあないか」 


「%%§§※§※§§§§§§§§§§∴>…※……∞」 



418: SSまとめマン 2014/09/14(日) 11:03:47.67 ID:iIkyH/J10












ドワゥドワゥドワゥドワゥドワゥドワゥドワゥドワゥドワゥッ! 










To be continued… 

426: SSまとめマン 2014/09/22(月) 22:42:40.80 ID:llh0wWvm0








志保「ここまで…はぁ…来れば…はぁはぁ…」 


走り続けた志保達は、人気の少ない住宅街の一角で立ち止まる。 


百合子「はぁー…もう追って来ないね」 


杏奈「でも……プロデューサーさん……来ないよ……」 


沈黙。 


お互いに掛け合うような言葉はなかった、慰めは無かった。それは皆が『同罪』であったからだ。 


百合子「…それは、置いときましょう…」 


杏奈「うん……地図を見て、『諏訪』まで行かないと……」 


志保「これね」 


志保はプロデューサーから、別れる直前に受け取ったスマートフォンを取り出す。 


ロックは掛かっておらず、画面を見れば『それらしい』アプリが入っているのが分かった。 


志保「あったわ」 


百合子「どんなアプリなの?」 


杏奈「すっごく……気になる」 


427: SSまとめマン 2014/09/22(月) 22:44:09.54 ID:llh0wWvm0


日本全国のあらゆるルートが乗っているとPが自称していたアプリ。それは彼女達の想像以上に『素晴らしい』ものであった。 


杏奈「現在地……出たよ?」 


志保「目的地を入力すればいいのね…………出来たわ」 


目的地を入力すると、『ルートの条件』と書かれた自由に入力出来る項目が出る。 


志保「これは……?」 


百合子「何でもいいから、打ってみようよ」 


杏奈「じゃあ……最短ルート、検索しよ?」 


志保が『最短ルート』と文字を入力すると、 


志保「ヘリコプターのチャーター? 一応連絡先とか、そこまでの道も出ました」 


杏奈「それは……いらない……でも確かに、空の方が早い……」 


百合子「それなら『陸路の』を付けましょう!」 


陸路の最短ルート、と入力すると、現在地から駅までの最短の地図と乗り換えの案内、無駄なものだけを省いた、理想的な経路が順番に示される。 


百合子「…凄い!」 


杏奈「杏奈も……欲しい」 



428: SSまとめマン 2014/09/22(月) 22:47:17.43 ID:llh0wWvm0


志保「ちょっと待って下さい」 


志保が喜ぶ二人に水を指す。 


志保「ここ、見てください」 


百合子「…何かあるの?」 


表示された駅までの地図、その地図上に赤いマークが表示されている。 


杏奈「これ……? 福田のり子……って、出てる」 


志保「それと、お金持ってますか?」 


百合子「…そういえば、持ってなかったような…」 


志保「私もありません。ここはのり子さんに頼りませんか?」 


杏奈「でも……長野まで……」 


志保「のり子さんもスタンド使い……」 


志保(そういえば、のり子さん達はまつりさんを『倒し』た…でもまつりさんはその後、海美さんと戦ってる…って言ってたわ。一体…) 


百合子「のり子さんもスタンド使いなんですか!?」 


杏奈「もしかして……味方?」 


志保「…多分」 






429: SSまとめマン 2014/09/22(月) 22:48:31.31 ID:llh0wWvm0



福田のり子はアイドルを辞める事を連絡し、バイクで765プロへ向かっていた。 


のり子(プロデューサーは『なんとかする』って言ってくれたけど、実際、どうにかなる話じゃ無いんだよね…) 


赤信号で止まる。何も無い未来に期待することを止めた彼女は、景色に関心を持つ事もなくただボーッと待っていたが、 


百合子「おーい!のり子さーん!」 


のり子(…百合子?) 


呼び掛けてくる百合子の声に気付き、視線を向けたのり子は気付く。 


のり子(はあ? なんでスタンドを百合子が…) 


百合子「こっちですよー!」 


のり子(…罠? いやいや、今更何で襲うのさ) 


結構迷ったのり子だが、青信号になった直後に百合子の方へ走り出す。 


ブロロロロ 


のり子(ま、もう失うものは無いしね) 









430: SSまとめマン 2014/09/22(月) 22:57:25.05 ID:llh0wWvm0




百合子「のり子さん!」 


のり子「ふぅ…」 


バイクを百合子の近く、小道に止めたのり子はヘルメットを脇に抱え、百合子を見つめる。 


志保「…わざわざすみません」スッ 


杏奈「…………」スッ 


突然現れた志保と杏奈を見て、 


のり子「…戦うの?」 


杏奈「そ、そうじゃなくて……」 


志保「説明すると長くなるんですが…」 


のり子(なーんか訳ありっぽいし、付き合ってあげよっか) 


のり子「スタンドに関係あるの?」 


百合子「はい! 訳あって、スタンドを倒すために長野まで行かないといけないんです!」 


のり子「…とりあえず、バイクはあと一人しか乗れないよ」 


杏奈「……誰が乗るの?」 


志保「車って運転出来ますか…?」 


のり子「多分…免許持ってないし、バイクと勝手が違うから…」 



431: SSまとめマン 2014/09/22(月) 23:01:19.93 ID:llh0wWvm0





四人が話し合う中 


ゾゾゾゾォッ! 


その感覚は唐突に訪れた。 


全員の背筋が凍る。息が一瞬止まり身動きが取れなくなる。感じるのだ、見つめてくる『悪意』を。 


のり子「…これと、戦う…?」 


『悪意の視線』をのり子も感じ、姿を見る前から戦慄している。 


百合子「来ますよ…」 


杏奈「……また……」 


自然と四人は背中を合わせる 


志保「…………ッ!」タラ 


のり子「…………!」ゴクッ 


緊張の糸が徐々に張り詰められ、限界まで達した瞬間! 


ドワゥッ! 


「ゝゝ∞ >>0�%」 


志保「来たッ!」 


意味不明理解不能発音不可の呪詛を囁き、歩道の段差から『猟犬』は出現する。 


のり子「なに…こ、これ…」 



432: SSまとめマン 2014/09/22(月) 23:03:16.54 ID:llh0wWvm0


百合子「倒す方法を探すんです!」 


志保「今は撃退しか出来ません!」 


杏奈「息を合わせてッ!みんな!」 


現れた『猟犬』に百合子と杏奈と志保はスタンドで同時攻撃を仕掛けるが、かわされる。 


それもそのはず、単純な知能も身体(?)能力も高い『猟犬』に向かって単調な攻撃を当てようとしたところで当たるはずがない。 


それどころか反撃の機会すら与えている。 


「>> ∞∞∞∞∞!」バッ 


百合子「ッ!?」 


『飢え』と『渇き』に満ちた『猟犬』はまず百合子に襲い掛かるが 


のり子「ッ!えいっ!」ブン 


のり子が手に持っていたヘルメットを振りかぶる。頭にヒットはするがダメージは全く無い。 


しかし、猟犬の動きが止まる。 


志保「!! のり子さん! ヘルメットを『猟犬』の頭に被せて下さい!」 


のり子「え、うん」カポ 


百合子「志保ちゃん!?」 


スタンドによる攻撃しか効かないはずの『猟犬』はどうかしたのか、宙をフラフラと彷徨う。 


そして、まるで匂いを嗅ぐかのように『鼻のように見える部位』をひくつかせる。 


百合子「物理攻撃が効く…?」 



433: SSまとめマン 2014/09/22(月) 23:05:08.55 ID:llh0wWvm0


ゴゴゴゴ 


杏奈「それに『匂い』で追ってるの? でも目の前に百合子が…」 


志保「『猟犬』が出現した場所を見てください」 


のり子「歩道…の段差?」 


志保「青黒い物がついてます、あれは『猟犬』の一部分で、『猟犬』があの段差から出現した証拠です」 


百合子「そ、それはいいけど、何か分かったの?」 


志保「『猟犬』の弱点です」 


百合子「えっ!?」 


杏奈「もう…?」 




志保「『猟犬』は『角』から現れます。カーナビの角、段差の角から現れたのを見ました。それにヘルメットの『カーブ』の先を認識出来なかった」 



志保「これが弱点です!」 


渾身のどや顔 


杏奈「気付かなかった……流石」off 


百合子「見事な洞察力と判断力、765プロ探偵助手2号の名はあなたにふさわしいわ…!」 


のり子「よく分かんないけど、弱点分かって良かったじゃん」 



434: SSまとめマン 2014/09/22(月) 23:06:53.86 ID:llh0wWvm0


志保「いえ、のり子さんがヘルメットで殴っていなかったら、今頃百合子は死んでいました。本当にありがとうございます」 


百合子「そ、そういえば命の危機だった…。ありがとうございます、のり子さん!」 


のり子「…うーん…素直に喜べない…」 


杏奈「肝心の、倒す方法……は?」 


志保「…………」 


のり子「『猟犬』はあのヘルメット持ってどっかいっちゃったし」 


志保「丸を認識できない…角から来る…………」 


百合子「あの…角の無いもので囲めばいいんじゃないんですか?」 


のり子「角の無いもの…タイヤとか?」 


志保「それじゃあ小さすぎます、もっと別の…」 


杏奈「『それ』が、諏訪に……あるんじゃ?」 


百合子「なるほど」 


のり子「結局行くことになるんだ…」 


弱点が分かり、喜ぶのも束の間。 


結局は諏訪に行くことになり落胆する。 



435: SSまとめマン 2014/09/22(月) 23:08:24.04 ID:llh0wWvm0


のり子「まぁまぁ、落ち込まないでよ。そうだ、いらない車とか機械ない?」 


志保「いらない車なんて、あるわけ…」 


その時、スマホが鳴る 


『自家用車または廃棄された車の場所を表示します』 


杏奈「……!?」 


百合子「ハイテク…本当に何かの組織の…」ブツブツ 


志保「…………」 


のり子「とりあえず、一番近いところで…」 


という、のり子の呟きも認識したようで 


『このまま約320メートル直進した駐車場に自家用車があります』 


のり子「だってさ。…どうしたの?」 


志保「いえ、色々…分からないことが…」 


杏奈「なんだか……もう、ね……」 


百合子「ご都合主義過ぎます! こんなの打ち切り間違いなしですよ!」 


のり子「…………」 


のり子「行こっか」 





436: SSまとめマン 2014/09/22(月) 23:10:31.47 ID:llh0wWvm0



――――駐車場 


志保「有料のパーキングみたいだけれど…どれですか?」 


空きの無い駐車場、少なくとも20台はあるであろう車を見て、志保がスマホに尋ねる。 


『全部です』 


志保「…………」 


杏奈「驚いたら……負け」 


百合子「それなら、なるべく角の無いものにしましょう。そうしましょう」 


のり子「その必要はないよ」 


杏奈「えっ……?」 


のり子「『マイペースマイウェイ』」 


のり子が『マイペースマイウェイ』を出し、一台に取り憑かせると車から銅線が飛び出す 


プスプスプス 


百合子「これは……銅線?」 


のり子「『マイペースマイウェイ』は一台にしか取り憑けない。それなら『繋げ』ればいいってワケ」 


銅線で『一つ』になった車がくっつき、塊となる。 


そして、機械を滅茶苦茶に打ちのめすような音が聞こえたと思うと、いらないパーツを吐き出し、丸みを帯びた車が出現する。 


のり子「はい、改造完了っと」 



437: SSまとめマン 2014/09/22(月) 23:12:30.95 ID:llh0wWvm0


百合子「凄い! 中に角は…?」 


のり子「無いよ!」 


杏奈「これで……安全に、行けるね」 


志保「そうだと、いいですけど」 





――――――――――――――――― 





P「『猟犬』か。我ながら嫌な名前をつけたものだ」 


『猟犬』を足止めするなどほぼ無理な事であったが、『猟犬』がまずPを殺さなければ他の『餌』にありつけない事に気付く。 


環が変化した『大型猟犬』も呼び出された『猟犬』も、この事実にひどく腹を立てる。 


「】】≧>″ゝ#℃℃ゝ」 


P(…………奴ら、何を『吸う』のかと思えば俺の『精神力』を吸っていたか…) 


P(ますます厄介だ) 


志保たちと別れた後、Pは新たに召喚された『猟犬』を尽く霧散させるが、『大型猟犬』に注射器のような舌で『精神』を吸われたのだ。 


そして今に至る。 


438: SSまとめマン 2014/09/22(月) 23:17:11.02 ID:llh0wWvm0


「●●%%∞∞>≧>∞>″″″″″―】―>∞」 


『大型猟犬』は雄叫びを上げ、『飢え』を満たす感覚に悦び、牙と爪を以て襲い掛かる! 


P「…二度目はないッ!」 


対するPも『ステップアップガチャ』で応戦する。 


差し出された爪を腕ごと吹き飛ばし、噛みついて来る『大型猟犬』の頭を蹴り飛ばして胴体と離す。 


P『無駄無駄無駄無駄無駄無駄!』 


それでもなお向かってくる体に隈無くラッシュを叩き込み、『大型猟犬』はバラバラになったかと思うと別の『角』から出現する。 


ドワゥッ! 


「§∴∴∴…ゝ≧≧∞∞∞∞●*<*≧%≧≧」 


P「後ろかッ!」 


登場を察知し、拳を打って距離を放すが、そことはまた別の角度から再び現れた『大型猟犬』に脚の肉を少し引き裂かれる。 


ザクゥッ! 


プシャ 


「∞●(<●∞∞≧§§§§∞∞∞∞∞∞%%%」 


抵抗する『餌』に苛立ちを隠せないが、Pも似たような苛立ちを感じていた。 


P「……そのテレポートはどうにかならんものか」 


このP、未だに法則に気付かない。いや、気付けない。 



439: SSまとめマン 2014/09/22(月) 23:18:43.29 ID:llh0wWvm0


それもそのはず、Pの下の地面に敷き詰められているのは『タイル』であり無数の『角』である。 


この場では『大型猟犬』が自由に『角』を通る限り、『大型猟犬』が『角』を通るという事実は明らかにはならないだろう。 


「※>>0� ℃§§≧% ※※※※∴∴∴∴∴…………」 


ヌウッ 


突如、『大型猟犬』は『角』を通り200メートルほど離れた『角』に出現する。 


P「何…? 逃げたか?」 


戸惑うPを他所にさらに別の『角』へと転移する。 


P「一体…いや、まさか!」 


ドドドドド 


P「志保達の所へ行くつもりかッ!」 


ダムッ! 


『大型猟犬』の目的に気付いたPは『一歩』を踏む。 


しかし、これは『1st step ガチャ』の能力ではなく、純粋なスタンドによる移動。『1st step ガチャ』の莫大なスタンドパワーによる『一歩』は三秒と掛からずに『大型猟犬』に追い付く。 


ドワゥッ! 


P「遅いッ!その程度で俺から逃げ延びようとでも言うのか!」 



440: SSまとめマン 2014/09/22(月) 23:20:32.25 ID:llh0wWvm0


「>>>>>ゝ###<℃*_??????」 


人間らしからぬ移動をする人間に追い付かれた『大型猟犬』は苛立ちと驚きの声を上げ(たように聞こえ)、再び『タイル』へと吸い込まるようにして消えようとすると 


P「そこか、無駄ァ!」 


Pが神速の拳を『タイル』に叩き込み、行く手を阻もうとするが、粉砕された『タイル』にもまた『角』はある。『大型猟犬』はその『角』から移動した。 


P「……くそ!」 


「】】%…………………℃℃**<<#%∴§§」 


嘲り、見下し、Pを餌として見つめるその視線。『大型猟犬』の、いや、環に反逆する『スタンド』の傲慢はPの琴線に触れた。 

        スタンド 
P「見下すか…『大型猟犬』の分際でッ!」 


P「貴様は『下』!おれが『上』だ――ッ!」 


ダムッ! 


P「無駄ァ――!」 


Pは再度、『大型猟犬』に飛びかかり拳を叩き込む。 


「∞∞∞″∞((%§§§】℃∞∞*>ゝ∞#∞#」 


今までと同じく、拳を喰らった『大型猟犬』は『角』から『角』へと跳躍しようとするも『出来ない』。 



441: SSまとめマン 2014/09/22(月) 23:23:05.92 ID:llh0wWvm0


「__●%?】))】】″】】″″】″】″″?」 


P「よぉぉぉおく見てみるとな、空中から現れては無いのが分かった。何かしらの物体からのみの出現、それが分かったのならやることは一つ!」 


『大型猟犬』は先程の攻撃で『打ち上げ』られていた。 


P「空中で打ちのめす!徹底的に!」 


「∴∴∴∴∴∴∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞」 

                  スタンド 
『強さ』に胡座をかいて座っていた『大型猟犬』は怒り狂い、咆哮を上げ、注射器のように太い舌で襲う。 


P「だから、どうしたのかッ!」 


ブスゥッ! 


Pは『舌』を避けようともせずに肩で受け止めながら、『大型猟犬』にラッシュをぶちかます。 


P『無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄駄ァ!』 


予想外の行動に面食らい、そしてラッシュをまともに浴びた『大型猟犬』は頭を、脚を、胴体を、舌を周囲に撒き散らしながら、Pの精神を貪り食う。 


ジュルジュラルゥ!! 


P「吸え吸え吸えェェッ! 好きなだけ吸うといい!」 


「>>≧%%≧%_″*】##※∞℃】…*【#●」 


『大型猟犬』はPを切り裂こうとするが、腕を吹き飛ばされる。 


P『無駄無駄! 『そいつ』は俺ではない!精神をいくら吸いとったところで無駄よ!今こそ『身体』を支配する時ッ!』 



442: SSまとめマン 2014/09/22(月) 23:24:43.17 ID:llh0wWvm0


P『無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!!!』 


P『無駄ァ――――――ッ!』 


ドギャァーン!! 


『大型猟犬』は吹き飛び、すぐさま再生してしまうが、Pは上機嫌そうに笑う。 


P「ンッンー、やはり自分よりも強い相手にラッシュを叩き込むのはスッキリする」 


『大型猟犬』は吹っ飛んだ際に『角』から逃走する。 



P「『支配者』を気取る下衆のスタンドを殺すよりいい」 



Pは『大型猟犬』を見失うことなく追うが、攻撃はしない。 



ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ 



P「我慢だ…そのうち『全て』が手に入る…全てが順調にいっている…」 



P「そして『支配者』はおれとなる…」 






443: SSまとめマン 2014/09/22(月) 23:31:26.53 ID:llh0wWvm0


――――――――――――――――――― 






車を手に入れた一行は、高速道路で諏訪を目指すことにした。 




百合子「のり子さんって、車も運転出来たんですね!」 



のり子「え? 出来ないよ?」 



志保「……? あの…もう一度言ってもらえますか?」 


のり子「いやー、運転してるのは私じゃなくて『マイペースマイウェイ』だから問題ないよ」 


百合子「じゃあどうやって高速道路に…」 


のり子「プロデューサーのETCがあったから…ね」 


杏奈「……今は……仕方ない、と思うよ?」 


百合子「それもそうですね!勇者は民家に堂々と入ってお宝を盗んでいきますもんね!」 


志保「…それは盗みをしていいことにはならないわ。今回は特殊ですが」 


のり子「ま、そーゆーこと。長野までしばらくあるから、ゆっくりするといいよ」 


ブォウゥゥゥゥゥン 



444: SSまとめマン 2014/09/22(月) 23:32:45.39 ID:llh0wWvm0


志保「あの、のり子さん」 


のり子「ん? 何? お腹すいた?」 


杏奈「そういえば……お寿司、食べてない……」 


志保「いえ。のり子さんはまつりさんを倒したんですか?」 


のり子「それかぁ…」 


ゴゴゴゴ 


のり子「アタシは負けたよ、昴もね」 


百合子「昴もスタンド使い…!」 


志保「それなら、このみさんと莉緒さんはどうなったんですか」 


のり子「え? あの二人はただ見てただけなんじゃない?」 


のり子「…って、なんで知ってるの?」 


志保「プロデューサーが言ってました」 


のり子「ええッ!?」 


志保「……?」 


のり子「プロデューサーもスタンド使いなの?」 


志保「はい、そうですが…」 


のり子「いやー全然知らなかったよ。それで、能力は?」 


志保「『一秒を一日にする能力』です」 


杏奈「正直……チート……だと思う」 


百合子「凄い能力…でも、それでも勝てない相手なんですね『猟犬』は」 


のり子「…………」 


445: SSまとめマン 2014/09/22(月) 23:34:11.18 ID:llh0wWvm0


百合子「? どうかしましたか?」 


のり子「後ろ」 


杏奈「あ……『猟犬』がたくさん」 


杏奈が後方を確認すると、数頭の『猟犬』が迫ってきているのが分かる。 


志保「いつの間に…」 


のり子「本気だすから、どこかに掴まってて」 


百合子「え?」 


のり子「『マイペースマイウェイッ!』 プロデューサーばっかりにいい格好させてらんないよ!」 


のり子が『マイペースマイウェイ』を発動した直後、車体が揺らぎ、鉄の軋む音と共に車が変体する。 


百合子「こ、これは!」 


杏奈「翼!」 


車は形を変え、羽の付いた車となる。 


志保「す、すごい…」 


のり子「まだまだ! 加速するよ!」 


のり子「『マイペースマイウェイ!』全速前進!」 


その言葉と共に速度メーターがぐんぐんと上昇していく。 


杏奈「100……110……120……どんどん伸びるよっ!」 



446: SSまとめマン 2014/09/22(月) 23:35:25.85 ID:llh0wWvm0


百合子「150……180……200……! だめ、測りきれないわ!」 


百合子のスイッチが入り、メーターが限界まで振り切れると 


百合子「のり子さん! 窓開けても大丈夫ですか?」 


のり子「大丈夫だけど、何するの?」 


ガコー 


百合子「助けになればと思って」 


百合子が窓を開け、『クリアプロローグ』が腕を出すと、腕に付いている小さな風車のようなものが回転し始め、暴風が噴出する。 


ゴァォォォォォォォオオオオオオオオオ!!!! 


のり子「…乗ってるよ!」 


メリメリメリ 


車の『両翼』から巨大なエンジンのようなものが生えてくる。 


のり子「ジェットエンジン準備完了!飛ぶよ!」 


ブァォォォォォォオオオオオオオ!!!! 


時速200キロを超えた車は、上昇気流と共に飛び上がる。 


志保「! 飛んだ!」 


のり子「!」グッ 



447: SSまとめマン 2014/09/22(月) 23:38:07.65 ID:llh0wWvm0


杏奈「高速道路が、滑走路に……!」 


百合子「車が殆ど無くてよかったぁ…」 


『猟犬』の姿は速度が上がっていくと共に小さくなる。 


志保「『猟犬』はもう見えませんね、安心して…」 


そう言ってのり子を見ると 


のり子「……はぁー……はぁー……」 


志保「! 大丈夫ですか!?」 


のり子「はは、はぁー……大丈夫、大丈夫」 


のり子の顔は少し青ざめ、貧血のように見えた。 


百合子「全然大丈夫じゃありません! レッスンが終わった後の私よりひどいです!」 


百合子は窓を閉めながら主張する。 


杏奈「その例えはよくわからないけど、とにかく緊急事態?」オーン 


志保「スタンドパワーを使い過ぎたのよ! 今すぐ降りましょう、そうすれば多少は…」 


のり子「駄目!それだけは絶対に嫌!」 


志保「何を言ってるんですか! あなたがいないと諏訪まで無事に行けないんですよ!?」 


百合子「そうです! 移動なら私が協力します!」 


のり子「そういう事をいってるんじゃあ無いよ…! 諏訪までは無事に行く、そんなの当たり前…」 



448: SSまとめマン 2014/09/22(月) 23:39:39.97 ID:llh0wWvm0


杏奈「そのためには休まないと!」 


のり子「そうじゃあない! これはアタシとの勝負ッ!」 


のり子「意識はある、まだやれる! 簡単に『諦め』ていいはずがないッ!」 


志保「……ッ!」 


百合子「…墜落したら、私に任せてください」 


のり子「そう簡単に落ちないよ」 


杏奈「何分かかるの?」 


のり子「あと…10分位で着くよ」 


百合子(飛行機は大体時速800キロから1000キロ…。そんなに速度を出して、なんでまだ意識が…) 


志保「今は…2分位経ったわね。車で走っていた分を合わせれば後7分か8分…」 


杏奈「杏奈にはこれしか言えないけど…のり子さん頑張って…!」 



のり子(いける…ッ!大丈夫! 皆がついてる! それだけでこんなに…こんなに頼もしい!) 




449: SSまとめマン 2014/09/22(月) 23:41:34.93 ID:llh0wWvm0



のり子「まかせ…てッ!?」 



ゾゾゾゾゾゾォ!! 



一瞬だけ走る悪寒。それは紛れもなく『猟犬』が出現する予兆。 


車を飛行機に組み換えてまで振り切ろうとした相手の出現する機会が一瞬でもあったのだ、既に『視線』は無くなっているが、雷に打たれたようなショックが一同に走る。 



のり子「な…なんで…どうしてッ…」 


百合子「『角』は無いはず…『角』以外の移動方法があるの…?」 


志保「いえ、何か…何か『角』があるはず!『角』を探すのよ!」 



獲物を狙ったら二度と諦めることはない、それが『猟犬』。 


杏奈「この車じゃ無いよ! 皆の持ち物!何か角が…!」 


百合子「えっ…」 


志保「百合子さん…?あなたが…」 


百合子「私…なんで『栞』なんて…」 


杏奈「早く捨てて!『猟犬』が『角』からやってくるッ!」 



450: SSまとめマン 2014/09/22(月) 23:45:25.76 ID:llh0wWvm0


百合子がポケットから取り出した『栞』からの『視線』は無くなっている。 


つまり『猟犬』の出現は考えられないが、『猟犬』に対する恐怖が志保と杏奈を殺気立てている。 


百合子「違うの…いつの間にか…」 


志保「早く捨ててッ――!『ライアールージュ!』」 


ポイッ 


『ライアールージュ』が百合子の持つ栞を窓から放り投げると、車内から外へ風が吹く。 


志保は急いで窓を閉めて一息ついたが 


志保「はぁー…ひとまずこれで…」 


杏奈「なんでッ!?どうしてそれが…!」 


突然、杏奈が後部座席で悲痛な声をあげる。 


志保「?」 


志保は確かに『一枚の栞』を捨てた、だが『山のように積まれた』別の栞が後部座席にはあった。 


ドドドドドドドド 


志保「何枚あるのッ!」 


志保の叫びに百合子が答える。 


百合子「違う!『猟犬』が仕込んでいたの!私たちの逃げ場が無い場所で出現するために!」 


ドドドドドドドド 


のり子「『猟犬』はいつでもどこでも出現出来るように準備してた…?」 


志保「それなら今のうちです!早くその『栞』を捨てないと!」 



451: SSまとめマン 2014/09/22(月) 23:47:11.39 ID:llh0wWvm0


杏奈「そうだよ!『猟犬』が来ない内に『角』があるものを捨てるよ!」 


百合子「待って…何か…何かがおかしい…」 


のり子「…まだ何かあるの…?」 


志保「一体『何』があるんですか!自殺するつもり!?」 


百合子「のり子さん、今の高度って分かりますか?」 


杏奈「高度が何なの!? 杏奈はこんなに『恐ろしい』栞が『山のよう』に積まれてるなんて耐えられないッ!」 


のり子「500メートル…ってところかな…。 志保も杏奈も、百合子の考えを…きいてあげようよ…!」 


迫り来る恐怖によるパニックは『スタンド使い』を惑わし、心を掻き乱されるような筆舌し難い不安感を与える。 


志保「のり子さんまで邪魔するんですか…」 


のり子「なんでッ…そうなるの…!」 


ゴゴゴゴゴゴゴゴ 


杏奈「『角』の無い場所に来たのに、『角』があったら本末転倒だよ!」 



452: SSまとめマン 2014/09/22(月) 23:49:10.90 ID:llh0wWvm0


百合子「二人とも落ち着いて!」 


杏奈「落ち着いてられないよ! 『猟犬』が一匹ならまだ撃退できるよ、でも何匹もいるの!プロデューサーが居ないのに何匹も来られたら一貫の終わりなんだよ!?」 


百合子「その勝てない相手をどうにかするために諏訪に向かってるんでしょ…! 『猟犬』を此処に呼ぶかもしれない可能性を考えて!」 


志保「その『可能性』が此処にあるのよ!邪魔をするなら無理矢理にでも…!」 


志保は『ライアールージュ』、杏奈は『ビビットイマジネーション』をだして百合子を脅すと 


百合子「もういいです!」 


のり子「えっ…?」 


百合子「そんなに『猟犬』を呼びたかったら呼べばいいじゃない!」 


意見の食い違いが対立を呼び、危機が危機を呼ぶ緊迫した状況に耐えきれなくなったのか、普段は温厚な百合子も雰囲気に『飲まれ』た。 


志保「やっと分かったのね」 


のり子「待って、それは駄目…冷静な判断を失っちゃいけない…!自棄にならないでッ!」 


百合子「『呼べれば』ね。『クリアプロローグッ!』」 


ドッ! 


杏奈「えっ?」 


志保「何を…」 


カラカラ、と『クリアプロローグ』の腕の風車が回り、車のなかに『風』が吹く。 



453: SSまとめマン 2014/09/22(月) 23:50:15.66 ID:llh0wWvm0


志保「一体何をしてるの! 止めなさいッ!」 


百合子「この狭い車内、止めたければ力ずくで掛かってくればいいと思いますよ?」 


ドドドドド 


杏奈「仲間割れしてる場合じゃあ無いよ! 一刻も早く『栞』を捨てないといけないの!」 


のり子「ちょっと…やめなよ!」 


のり子が制止の声を上げるも言い合いは止まらない。 


百合子「近距離パワータイプなら、私を止めるのは容易いことですよね?」 


志保「…仕方ないわ」 


杏奈「『猟犬』を入れない為だよ…」 


脅しは脅しではなくなる、武力をもってして意見を押し通す戦いが始まろうとしていた。 


が 


志保「『ライアールー…ッ!?」 


杏奈「い……くる……し……!」 


バタ 


百合子「私の能力は『風』、ちょっと応用すれば意識を奪うのくらい簡単」 


酸素の供給を断たれ、空気とは大きく異なる大気を吸い込んだ二人の意識は徐々に薄れていき、抵抗する暇もなく倒れた。 



454: SSまとめマン 2014/09/22(月) 23:52:00.93 ID:llh0wWvm0


のり子「え…? 何をしたの…?」 


百合子「だ、大丈夫です。少し眠ってるだけですから」 


のり子「だったらいいけど…。百合子はなんで『栞』を捨てるのを反対したの?」 


肝心の話題をのり子が切り出す。 


百合子「そもそも『猟犬』はスタンドの一部なんです(予測ですが)。つまり『角』を利用した移動には『射程距離』があります」 


のり子「ふむふむ」 


百合子「『猟犬』は何らかの方法で私達が車に乗ることを予測したはずです。なので私たちに『角』を仕込み、多少離れていても追い付けるようにしました」 


のり子「なるほどねぇ…でもそれなら、『山のような栞』は何なの?」 


百合子「それは…車に仕込んでいたと思うんですが…」 


のり子「…確かに、あり得るね。アタシは『機械』を操る、機械の『角』は取り除けても他の物は出来ない…」 


百合子「助手席に本とかって置いてありますか?」 


百合子の言葉を受け、のり子が調べてみると普通の四角い日本地図があった。 


のり子「あったよ」 


百合子「地図にも『角』がありますね…」 


のり子「それで、『角』を捨てることの何が問題なの?」 



455: SSまとめマン 2014/09/22(月) 23:53:20.67 ID:llh0wWvm0


百合子「…たとえば、ここから栞を撒くと、速く落下する物と遅く落下する物があるはずです」 


百合子「その二つの物の『差』は広がります。広がって、広がって。『猟犬』は『角』を伝ってこの地図から出現します。それで私たちは終わり…と成るはずでした!」 


のり子「見事に看破した…ってワケだね、それじゃ、一辺に捨てれば…」 


百合子「問題なし!」 


のり子「勝利!」 


のりゆり「「やった!!」」 


ガッツポーズをする二人。 


勝利を味わうのも束の間、百合子は志保と杏奈が『角』を持っていないか調べたあと、窓から『栞と地図』を捨てる。 


百合子「はぁー…これでひとまず安心ですね」 


のり子「あと3分位だよ…それまでゆっくりしてて」 


百合子「はい、そうさせてもらいます」 


百合子「あっ、でも一つ気掛かりなことが…」 


のり子「…ん、どしたの?」 


百合子「二人を無理矢理気絶させて…」 



456: SSまとめマン 2014/09/22(月) 23:55:33.99 ID:llh0wWvm0


百合子「そう言って頂けるとありがたいで―― 



ゾゾワゾワワッ! 



百合子「――ひっ!」 


のり子「待って…確かに『角』は捨てたはず!」 


再び走る悪寒、『悪意の視線』は容赦なく彼女らを射抜く。 


ドドドドド 


のり子「なんで…あと少しなのに…ッ!」 


『視線』は消えない。それどころか強くなっていき、『悪意』を肌で感じられる距離まで迫る。 


つまり、『猟犬』がどこかに出現したということ。 


百合子「間違ってた…? 私のせいで…私が…私が…ああ…」 


ドドドドドドドド 


「<<>∞【℃【∞∞※>>0�℃℃℃℃℃℃℃℃」 


その声は『外』から聞こえた。凄まじく風が吹き荒んでおり、まともに音も捉えられないような環境であるにもかかわらず。 


のり子「この車から振り飛ばすッ! 掴まって!」 


のり子はそう言うと、車、もとい飛行機を一回転させたり、急降下急上昇を繰り返して飛行機の外に張り付いているはずの『猟犬』を振りほどこうとするも 


のり子「…こいつは『大型猟犬』! 生半可なパワーじゃ振りほどけないよ!!」 


のり子の悲痛な叫びに百合子はハッとなり動く、と言っても志保と杏奈を起こすだけだが。 


百合子「起きて!志保杏奈!私のパワーだけじゃ足りない…!二人のパワーが必要なの…!」 



457: SSまとめマン 2014/09/22(月) 23:57:25.89 ID:fewZoUB3O


ミシミシミシ 


突如、飛行機の天井が軋み、『大型猟犬』が侵入しているのがのり子には分かった。『マイペースマイウェイ』で装甲の一部を廻すも無駄、順調に侵入する。 


のり子「嘘…この飛行機の装甲を破るの!? 『カーブ』は認識出来ないはずじゃあ…!」 


ミシミシミシ 


百合子「お願い起きて!志保!杏奈!」 


のり子「…飛び降りる準備してね」 


ミシミシミシミシミシミシ 


軋む音は大きくなり、天井から『大型猟犬』が降ってくるのも時間の問題だろう。 


百合子「…ああ…もうおしまい…? 七尾百合子の人生は終わり…?」 


のり子「諦めないで! 希望は見いだすもの、自らの手で切り開くもの! まずは生き残るよ!」 


二人のスタンドでは勝てないのは明白、ましてこの状況で逃げ切るなど愚の骨頂、到底不可能なことである。 


容赦の無い理不尽が心を苛み、百合子は平静を保てなくなるが、のり子は違った。 


理不尽に立ち向かうと決めた心は固く、あらゆる『困難』を乗り越えるパワーを、精神力を備えていたッ! 



458: SSまとめマン 2014/09/23(火) 00:00:19.90 ID:LFSCFMhYO


のり子「『大型猟犬』が来たら、飛行機の床を開くよ。着地は百合子がして、いい?」 


百合子「は、はいっ…!」 


冷静になったのり子に影響されたのか、会話が成立する。 


返事の声は裏返り、緊張で心臓が破裂しそうになっているものの、頼れる最後の人間の指示に大人しく従う百合子。 


のり子は精神を集中させ、『大型猟犬』の出現を辛抱強く待つ。 



ドッドッドッドッ 



のり子(心臓の音が聞こえる…これが生きてるってことかぁ…) 



ドッドッドッドッドッドッドッドッ 



のり子(この危機を乗り越えられたら、なんでも出来そうな気がする。何も怖くなくなるはず…! 立ち向かう、『勇気』で満ち溢れるはずッ!) 



ドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッ 



のり子(百合子も志保も杏奈も守れるのはアタシだけ、集中して…集中!) 



ドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッ

459: SSまとめマン 2014/09/23(火) 00:03:10.00 ID:LFSCFMhYO



――――――――――――――ドッ 



もう一度、鼓動の音が聞こえた瞬間。 


ゾワッ! 


のり子(来るッ!) 


ドワウッ! 


車内に侵入した『大型猟犬』 




ブチャァッ! 





のり子「えっ」 





何かを潰すような音と共に、のり子の決意は一瞬にして砕かれた… 


To be continued… 







466: SSまとめマン 2014/10/13(月) 22:06:34.48 ID:+kBJ08uq0






ドワウッ! 


のり子「えっ」 


『大型猟犬』は『角』から現れたのではない、その巨躯をもって天井をぶち破り、輪郭の揺れ動く『爪』でのり子の頭部を削ろうとする。 


メギョォ 


のり子「あ…」 


瞬間、押し潰された頭部から体液が窓にベットリと飛び散り、死体安置所のような臭いがたちこめる。 


『大型猟犬』はそれでも止まらず、全身を車内に入れる。 


勿論、抉られたのは頭部だけではない、胴体、腕、腰、脚、頭の先から脚の先に至るまで蹂躙される。 


百合子「え…なんで…ああ…」 


百合子は一瞬の出来事に戸惑い、放心するが、べちゃりという体液の飛び散る音が百合子を現実へと引き戻した。 


百合子「いや―― 








467: SSまとめマン 2014/10/13(月) 22:07:54.25 ID:+kBJ08uq0





百合子「――った!」 


ドガァッ! 


「_∞∞∞∴∴∴∴※※>>0�*≧…§……」 


『大型猟犬』のやられる姿を見て歓喜の声を上げる百合子。 


のり子「え? なんで?」 


突如、窓の外からとんできた拳が『大型猟犬』を殴り飛ばしたのだ。 


ドギャッ! 


「″″″>!  ≧≧ ∴%?%¥℃ ●#>!!」 


『拳』は『大型猟犬』を扉ごと外へ叩き出す。 


ドッガァォォォォオオオ! 


「<<§§…………§§§§§§§§℃§§」 


『大型猟犬』は激昂の雄叫びと共に遥か後方へと去っていった。 


百合子「プロデューサーさん!」 


飛行機にベッタリと張り付いている男に呼び掛ける百合子と呆然とするのり子、二人とも生きることの喜びを再確認し、その眼に涙を浮かべる。 


が 


のり子「えっちょっまっ…扉がなかったら!」 


内側と外側の気圧差により、中の空気ごと全員の身体が引っ張り出される…はずだった。 


百合子「『クリアプロローグ』…気圧の調整はちゃんとやってましたよ」 


P「いい判断だ」 


のり子「…ま、中に入ってよ」 



468: SSまとめマン 2014/10/13(月) 22:09:37.33 ID:+kBJ08uq0


Pが飛行機の中に入った後、『マイペースマイウェイ』で穴を埋め、一つだけ円形の穴を開ける。 


のり子「はい、オッケー…」 


百合子(やっぱり疲れてる…でもあと少しだから、申し訳ないけど頑張ってもらわないと…) 


P「のり子、お疲れ様」 


のり子「…プロデューサーがスタンド使いだなんてっ、全く思わなかったよ」 


P「隠していたからな。百合子、二人を起こしてやれ」 


百合子「は、はい」 


ペチペチ 





百合子「起きてー志保ー杏奈ー」 


ペチペチ 


のり子「百合子が眠らせたんだよ」 


P「打撲などではないのか、よかった」 


のり子「ねぇ、プロデューサー」 


P「なんだ」 


のり子「本当に、なんでも頼っていいの?」 


P「あれか。当たり前だ」 


のり子「それなら…」 


フラッ 


ポス 


のり子「ごめん…やっぱ…限界…」 


P「ゆっくり休んでくれ」 



469: SSまとめマン 2014/10/13(月) 22:10:49.79 ID:+kBJ08uq0


百合子「え? のり子さん? これって…」 


ガクン 


P「墜ちたな」 


ハヒュゥゥゥゥゥウウウ 


百合子「そんなぁぁぁぁあああああ!」 


エンジンの稼働が止まった飛行機は滑空する鉄屑へと早変わりする。時速900キロで飛ぶ飛行機から脱出しなければ、即死以外の道はないだろう。 


唯一の幸運は『猟犬』に食い殺されるよりはましという事だけだ。 


百合子「おきて!志保!杏奈!」 


志保「…?」ムクリ 


杏奈「あれ……?杏奈……たしか……」ムクリ 


百合子「墜落するよ!!」 


志保「は?……プロデューサー!?どうしてここに!」 


P「しっかり掴まってろ。俺は外に出て準備をしておく」 


杏奈「準備……?……『猟犬』は?」 


百合子「撃退はしたけど、のり子さんが…」 


志保「まさか…!」 


ぐったりと横たわるのり子を見て志保は「死んだのでは?」と思う。 


百合子「気絶してる」 


志保「……」ムギュ 


百合子「ひはひ!ほっへはふへははひへ!」 


P「こんな状況でアホなことをやってるんじゃあない!」 



470: SSまとめマン 2014/10/13(月) 22:13:11.93 ID:+kBJ08uq0


ガコー 


P「窓は閉めておいてくれ」 


杏奈「……え?」 


バッ 


開けた窓からプロデューサーは外に飛び出し、飛行機の真下に移動する。 


志保「のり子さんが気絶した…それなら墜落するわね」 


百合子「さっきから言ってるんだけどなぁ…」 


杏奈「まずは……どこに墜ちるか、見ないと……」 


志保「少なくとも高速道路ではないわね」 


いつの間にか飛行機は山の上を滑空しており、地上は見渡す限り森、申し訳程度に小さな道が一本通っているが着陸は難しいだろう。 


杏奈「不時着したら……きっと『破片』から『猟犬』が出てくる……」 


百合子「なんとか飛行しないとだめだね…」 


志保「『杏奈』をグライダーみたいには出来ないの?」 


杏奈「!」 


杏奈「出来るよ……!」 


百合子「それなら、それでいきましょう!」 


ガコー 


窓を開けて百合子が話し掛ける 


百合子『プロデューサーさん!』 


P『なんだ!』 


百合子『杏奈ちゃんと一緒にパラグライダーを作ります!こっちに来てください!』 


P『移動か? 心配ない』 



471: SSまとめマン 2014/10/13(月) 22:24:39.44 ID:+kBJ08uq0


P『1st step ガチャ!!』 


ドォ――――――――z___________ 


百合子が何かを言いかけたが、時間の流れは86400分の1へと減速する。物体は固定され、空気は淀み、正常に動けるのはPだけになる。 


Pはちぎった紙切れを足場にして飛行機を『押す』。一ミリたりとも動きはしないが、エネルギーは伝わり、能力を解除した瞬間に飛行機は勢いよく飛ぶだろう。 


P『これでいい、環の祖母の家に行くには充分だ』 


Pが飛行機に掴まって能力を解除しようとした瞬間 


P『ッ!?』ゾクゥ! 


見つめてくる視線。だが『猟犬』や『大型猟犬』とは別の種類、別格の『悪意』。 


P『…『悪意』が強い、それも『猟犬程度』では比べ物にならない…』 


『猟犬』の悪意も、スタンドも持たない様な一般人からしてみれば十分、恐怖して失禁してしまう程度にはおぞましい。 


P『『猟犬』は『大型猟犬』が作り出したものだと思っていたが…この気配は『大型猟犬』を上回っている…ッ!』 


ゴゴゴゴゴゴゴゴ 


P『急いで逃げなくては…!』 


P『『1st step ガチャ』を解除す――』 


ドワウッ! 


P『こいつはッ!』 


ゲシィッ 


現れた二メートル超えの物体。攻撃されるよりも先に、鋭角だけで構成された邪悪の塊を蹴飛ばす。 


P『何よりもまず解除ッ!』 


ドォ――――――z__________ン 


P『逃げるぞッ!』 


百合子「ありま…え?」 


運動エネルギーが伝わった飛行機は飛ぶ。 



472: SSまとめマン 2014/10/13(月) 22:27:51.36 ID:+kBJ08uq0
訂正>>470と 
>>471の間にこれを 




P『俺が運ぶ』 


百合子『え…?』 


P『『1st step ガチャ』ならば紙切れ一つで擬似的な飛行が可能だ』 


スッ 


百合子『メモ帳…!?』 


ビリッ 


P『こいつで…』 


百合子『ダメです!それには『角』が―― 



473: SSまとめマン 2014/10/13(月) 22:29:19.19 ID:+kBJ08uq0


P『中に入れ!来るぞ!』 


百合子「な、何が起こって…!」 


志保「ッ!なんです…!?」 


杏奈「吃驚し……!」 


三人の視線はPの手元のメモ帳へ集まる。 


P「どうした」 


志保「『ライアールージュ!』」 


バシィ! 


ヒュゥゥゥ… 


P「……? 代わりはあるが、物は大切にしなければ…」 


百合子「『猟犬』は『角』から来るんです!」 


志保「やってくれたわね!」 


P「……すまない」 


杏奈「じゃあ後ろから来て……」クル 


振り返った先の景色には『猟犬』達が蠢き、空を埋め尽くしていた。 


その中でも一際目立つのはとある『猟犬』、いや『猟犬の王』。 



姿は似ているが、邪悪な気配、空気を震わせるパワー、凍てつく視線、家よりも大きな体、ありとあらゆる要素で『猟犬』を凌駕し、圧倒的な存在感をもって君臨していた。 



杏奈「あ……え……?」 


百合子「杏奈ちゃんどうか…し…」クル 


志保「え………………」クル 


振り返った彼女達は知った。 



474: SSまとめマン 2014/10/13(月) 22:30:40.86 ID:+kBJ08uq0


飛行機は飛び続けるがいつかは墜落する、その前には脱出しなければならないのだ。 


つまり、目的地に着いた時、一匹でも手の余る怪物が大量に襲いかかってくるという事実を、今この場で知ってしまったのだ。 


頭に血が上り、的確な状況認識が出来無い戦闘中はなく、ある程度冷静な判断が出来るこの場で知ってしまったのだ。 


何よりも強い恐怖が、本能に刻まれた感情が、自らの命を脅かす悪意が、立ち向かう意思を脅かし、今置かれている自分達の状況を明確に正確に容赦なく脳に刻み込む! 



行くも戻るも地獄だというのに、どうして正気を保っていられるだろうか。 



杏奈「やだ……降りないと……死にたくないよ……!」ジタバタ 



杏奈はこの場所から逃げ出そうとする。 



P「やめろ…!外に出ても落下死するぞ!」 



百合子(きっと、これは夢よ…頼りになるカッコイイ騎士様が来てくれるはず。そうでないと死んじゃうもの。白銀の馬に乗って颯爽と現れて、剣で『猟犬』を切り裂いて、私を救ってくれ…) 



百合子「剣には…剣には『角』がッ!来ないで!いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああ!!」 



夢に逃げた百合子はありもしない『角』に怯える。 



志保「……………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………」ポカーン 



志保は考えることをやめた。 




475: SSまとめマン 2014/10/13(月) 22:32:10.46 ID:+kBJ08uq0



P「手の付けようが無い!やってしまった、彼女達の心に傷を…クソッ!」 


嘆いても何も変わりはしない、絶望が迫っているのだ。 


P「しかし」 


ドドドドドドドド 


P「目的地は『目の前』ッ! 『猟犬』との距離は十分離れている!」 


ヒュゥルルルルル 


P「急いで環を元に戻す! それが王道よッ!」 


ゴゴゴゴ 


P「だが、まだだ!」 


杏奈「ひぐっ……ひっく……」 


百合子「ブツブツブツブツブツ…………………………………………………………………………」 


志保「…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………」 


P「心の底からの『安心』が足りていない、絶対的な『信頼』、『安らぎ』、母に抱かれるような『暖かさ』が」 


落下を始めた飛行機からは森の中にある家が見える。 


P「まだ力不足だ…俺にはまだ、力が足りない」 


ドガッシャン!! 


ついに落下する。 


飛行機はバラバラに弾けとび、中の人間も肉袋になるのが当たり前だが、何一つとして形を変えたものはなかった。 


P「永遠のような安らぎを得る力がッ!」 


ドワドワドワドワウッ! 


飛行機が着地した瞬間、そこらじゅうの角から『猟犬』が飛び出す。 



476: SSまとめマン 2014/10/13(月) 22:35:02.70 ID:+kBJ08uq0


Pはその腕に四人を抱え、飛行機から脱出。『猟犬』を殴り飛ばしながら『目と鼻の先』にある環の祖母の家を目指す。 


P『無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!!』 


『猟犬』も『大型猟犬』も、群がるだけならばただの的にしか成り得ない。 


P『無駄ァ――!』 


メギョォ 


「)(∞∞∴ボ…」 


スゥゥ… 


拳が直撃すれば、たとえ再生出来るとしても再び追いかけてくる事は無い。しかし再起不能な傷を負うまでは嬉々として追い詰めてくるのだ。 


そして『猟犬』は学ぶ。 


「##_―っ§(」 
「_―ォ―*℃℃∴」 
「ゝ §§§§§℃」 


P「なんだ…?」 


スワッ 


「>))∞∞∞」 


ゴゴゴゴ 


うっすらと、『猟犬』の周りに青い膜の様なものが現れる。 


P「見たことの無い…別種の能力、テレポートとは違う能力を持つのか…?」 


『大型猟犬』も青い膜に包まれていた。 



477: SSまとめマン 2014/10/13(月) 22:37:05.72 ID:+kBJ08uq0


P「いや、そもそもスタンドだという保証もない」 


ゴゴゴゴゴゴゴゴ 


P「いずれにせよ、警戒すべきものだ」 


「*ヶ##*……」 


一匹の『猟犬』が這い寄ると、他の『猟犬』もそれに続き、徐々にその包囲網を狭めていた。 


P「…玄関まであと5メートル。一気に走れば一秒と掛からんが、まともに『猟犬』を相手にしていたら体が持たない。しかし、目的地は既に目の前」 


P「無理を押し通すッ!」 


駆け出すと同時に飛んできた『猟犬』、前方にいる『猟犬』だけにラッシュを浴びせる。 


ヌゥ 


パリン 


青い膜に拳がめり込み、そのまま『猟犬』にも当たる。その瞬間、膜が音を立てて砕ける。 


P「何の…!?」 


拳を食らった『猟犬』は何故か平然としており、その内の一匹がPを切り裂こうと爪を振るう。 


P「くっ…!」サッ 


辛うじて直撃は避けたが頬を掠め、爪に付着した青黒い脳漿のようなものが頬と反応し、皮膚を溶かして火傷を負わせる。 


P『無駄ァ!』 


「※℃●>…∴」 


ドゴォ 


すぐさま攻撃してきた『猟犬』を叩き落とし、別の『猟犬』には謎の膜に対応した攻撃で撃退する。 


さらに、後ろにいる『猟犬』をいままで全く無視(アイドルに攻撃を当てられない程度に)していたため、背中から十を越す『猟犬』の集団に注射器のような舌で突き刺され、精神力を吸い上げられる。 


ジュルゥゥゥゥ!! 


「)ゝ ∞…>>0�″<」 
「((%(―∞サ<<」 


『猟犬』は極上の精神に悦びの鳴き声を上げ、貪る。 



478: SSまとめマン 2014/10/13(月) 22:39:18.00 ID:+kBJ08uq0


P「精神は持つッ、あと二歩だ!」 


ダムッ 


一歩。昔ながらの玄関に近づき、『猟犬』を蹴散らしながらスタンドで扉をこじ開ける。 


P「乗り込めェ――ッ!」 


二歩。先に四人のアイドルを玄関に放り込み、Pも体を滑り込ませるが、全身が中に入る前に『猟犬』が両足首を捉え、骨ごと噛み千切る。 


ブチブチィッ 


メギッゴギョォ 


P「ぬッ!」 


バッ 


ピシャ 


思わず顔をしかめるが、勢いを止めずに飛び込み、扉を閉めて家をよく観察する。 


P「この家…『角』が無い」 


その証拠に、『角』からの絡み付くようなネットリとする視線は無く、家の所々が石膏で塗り固められていた。 


ドサァ 


百合子「きゃっ!」 
杏奈「痛い!」 
志保「っ!」 
のり子「zzz…」 


放り投げられ、百合子と杏奈と志保は正気を取り戻す。 


百合子「ああ…私、取り乱して…それから…」 


P「着いたぞ、環の祖母の家だ」 


杏奈「!! その怪我……!」 


志保「……ッ! 重傷じゃないですか!」 


Pヘッドには焼け爛れた跡、両足首から下の欠損、背中にいくつもある丸い穴、誰がどう見ようと軽い怪我ではない。 


P「いや、気にしなくていい。三人はこの家にあるはずの『対抗策』を探してくれ」スクッ 


Pは断面の痛みも気にせず立つ。 


杏奈「あ……立ち上がっちゃ……ダメ」 



479: SSまとめマン 2014/10/13(月) 22:40:57.98 ID:+kBJ08uq0


百合子「そんな傷で何をするつもりなんですか!」 


P「……………………」 


ドドドド 


P「よく、耳を澄ましてみなさい」 


志保「えっ?」 


…………ンガンガン 


外から響く、何かを叩くような音。 


……ガンガンガン…… 


杏奈「もしかして……!」 


耳を澄ませば澄ますほど、鮮明に聞こえてくる。上から下から右から左から前から後ろから、ありとあらゆる場所で音は響いていた。 


ガンガンガン    ガンガン    



     ガンガンガンガン          ガンガン  ガンガンガン       



                                                                   ガンガンガン                            ガンガン                        ガンガンガンガン                                                                       ガンガンガン 


ガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガンガン 



480: SSまとめマン 2014/10/13(月) 22:43:02.49 ID:+kBJ08uq0


それは紛れもなく、『猟犬』が外から叩く音。 


昔ながらの田舎の家で、一体どれ程立て籠ることが出来るだろうか? 


外は『猟犬』が蠢く世界、一つでも角があれば命はない。そして待ち続けることも延命措置でしかない。 


つまり誰かが『猟犬』の侵入を妨害、阻止しなければならなかった。 


P「時間は俺が作る。ゆっくり、落ち着いて、『対抗策』を探してくれ」 


志保「何を…!」 


百合子「待ってください、今外に出たら死んじゃいますよ!?」 


P「ここで待っていればいずれは死ぬ。それなら一人が外に出た方がいい」 


杏奈「……………………プロデューサーさん」 


P「大丈夫だ、なるようになる」 






四人を玄関に置き、扉を閉めて『猟犬』どもを迎え撃つ。 





尋常ならざる狩人は彼の両足首を、Pヘッドの一部を、その青黒い脳漿のもつ強酸で溶かして抉った。 


耐え難いような苦痛を与えられ、断面で立つPは顔色一つ変えずに前を見据えていた。 



481: SSまとめマン 2014/10/13(月) 22:45:18.51 ID:+kBJ08uq0


P「…………ふん」 


このような傷を負うということは、いかにスタンドが強かろうとも『猟犬』の足元にも及ばなかった、と言うとそれは間違いだ。 


『猟犬』や『大型猟犬』は問題ではない、状況が彼を追い込んでいただけだ。 



しかし、危惧すべきものはある。 



『新たに』現れた個体、『1st step ガチャ』を解除する際に左足で踏んだもの。 



その姿は山のようであり、醜悪な気配と宇宙のありとあらゆる邪悪を詰め込んだような鋭角で構成された『角の時間』から現れた不死身の狩人。 



論理ではなく、理性でもなく、直感でPは理解してしまった。 



それらがスタンドでないことを、 



人間では理解することも許されない概念からの侵略者が、吹けば飛ぶような塵芥にも満たない人間を喰らい尽くそうとしていることを、 



理解してしまった。 



P「環のスタンドはッ…『これ』を呼び寄せていた。そうとしか考えられない…だから使ってはいけないと言われていた…」 


頭のなかで切り替える、まず倒すべきは『コイツ』だと。 


「グァォォォォォォ…」 


先ほど現れた、家よりも大きい『王』が目の前に歩いてくる。 


P「『対抗策』は無いッ…。初期の段階で抑えなくてはならなかった…」 


「……………………………」 


ゴゴ… 


ゴゴゴゴゴ… 


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ 


他を凌駕する圧倒的な存在とパワーがぶつかり、空気が震え、大地が揺れる。 


P「なかなかに、強そうだ」 



482: SSまとめマン 2014/10/13(月) 22:46:58.04 ID:+kBJ08uq0


「………………」 


ドドドドドドドド 


P「『2nd step ガチャ』まではあと少し…、成れたのならば、勝てる」 


「にょぁなぇ」 


笑う『王』、目の前の存在は勝ちを確信していた。 


バッ 


「がぎゃぬまばさっぁやのわなふは」 


グニャァ 


意味不明の言葉を呟いた瞬間、空間が捻れる。 


右の景色は上に、上の景色は下に、前の景色は奥へ、後ろの景色は左右にそれぞれ捻れ、幾何学的な法則を無視した、それでいて狂気的な美しさを秘めたものへと変貌する。 


P「子供騙しで侮ったな!」ドン 


飛び上がり『王』の顔面へラッシュを叩き込む。 


P『無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!』 


ガガガガガ!! 


「!」 


思わぬ攻撃を受けた『王』は怯んだように見えた。 


P「大したことは無い! 肉体の防御力は同じ、このまま押しきるッ!」 


P『無駄ァ――――ッ!』 


ドガン! 


大きく振りかぶった一撃は顎を突き上げ、『王』の巨体を打ち上げた。 


バグゥッ!! 


しかし、『顎の下』から鋭利な牙を備えた『顎』が現れてPを噛み殺さんとする。 


P「ふんッ!」 


グググ 


Pは『口にあたる器官』の中でつっかえ棒の様に噛みつきを防ぐ。 


P「コイツ、上下に口があるのか!」 



483: SSまとめマン 2014/10/13(月) 22:52:44.17 ID:+kBJ08uq0


人間としての固定観念では計り知れない形態に一瞬戸惑い、形勢不利と見て口からの脱出を試みようとした瞬間。 


ドワウッ! 


「【§*≧≧【℃℃℃……【∞※※※※※∴≧」 


ガブゥ!! 


『大型猟犬』が現れ、Pの左足の膝下に食らい付く。 


P「なにッ!?」 


歯が食い込み、強酸が足を溶かしながら自由を奪っていく。 


もちろん、本体の傷はスタンドにも反映される。 


ガクン 


P「くっ…」 


「そぬっふょにい!」 


Pがバランスを崩したその刹那、『王』の歯は徐々に距離を縮め、圧倒的なパワーをもってPを擂り潰そうとする。 


グググ 


ブチュッブシュュュュウ!! 


P「まずい…このままでは潰される!」 


焦るPは手始めに足を千切らせ、半分になった足で『大型猟犬』を蹴り飛ばした後に、『王』の口から脱出する。 


そして第二の優先事項、家の周りに群がる『猟犬』を蹴散らそうとして気付く。 


P「ここはッ、まだ口の中だッ!」 


いつの間にか空間を犯す『王』の体。膨張し、破裂し、また膨らむ『角の体』は連なる山脈の様に険しく巨大。 


『家』ごと丸呑みにするには充分過ぎる位の大きさだった。 


P「させん!」 


P『無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄』 


そこで怯んではプロデューサーの名折れ、口の中でさえ果敢に立ち向かい、歯を避けてラッシュをぶちかます。 



484: SSまとめマン 2014/10/13(月) 22:53:58.49 ID:+kBJ08uq0


P『無駄無駄無駄無駄無駄無駄!』 


ドガドガドガガンッ! 


ジュウワァァァ… 


しかし体格の差と再生能力が『王』の体を潰す速度よりも上回っており、いくら攻めようとも気休めにしかならなかった。 


そして『王』に気をとられている間にも、『猟犬』は家を破壊し続ける。 

















――――――――――家の中 



百合子「あのー! 誰かいませんかー!」 



シィーン 



杏奈「いくら読んでも返事がないね」on 



485: SSまとめマン 2014/10/13(月) 22:55:39.06 ID:+kBJ08uq0


志保「今は緊急時よ、上がりましょう」 


スッ 


杏奈「仕方ないね」 


のり子「……zzz」 


百合子「ところで、一体何を探すの?」 


志保「…………」 
杏奈「…………」 


百合子「えっ…」 


志保「見当が全くつかない…」 


杏奈「うーん…それっぽい道具があればいいんだけどなー」 


百合子「それっぽい…そうだ!」ピコーン 


百合子「本棚を探しましょう! 何か日記的なものに書いてあるかも知れない!」 


杏奈「! かゆうまみたいな事が書いてあるかもね!」 


志保「かゆうま…? とにかく、手分けして探しましょう」 


二つに別れた廊下、その配置された部屋をしらみ潰しに調べる。 


タタタタタタタ 


…… 


………… 


約二分後。祖母の部屋にて 



百合子「見つけたよ!」 


テレテテー 



486: SSまとめマン 2014/10/13(月) 22:58:43.31 ID:+kBJ08uq0


ドタドタ 


杏奈「本当!?」 


百合子「うん、お婆さんの部屋に『環のスタンド』っていう本があったわ」 


志保「早く中を見ましょう」 


百合子「うん」 


百合子は手に持った本をめくる。 


百合子「ふむふむ………………」ペラペラ 


杏奈「どう? どう?」 


百合子「えーっと…………………………」ペラペラ 


志保「……」ドキドキ 


百合子「言うよ…」 


ゴゴ 


杏奈「うん」ドキドキ 


二人の視線が百合子に集まる。 


ゴゴゴゴ 


百合子「材料が分からない…」 


志保「……?」 
杏奈「んん…?」 


百合子「ええと、つまり、『対抗策』はあるにはあるけど、材料の書いてある場所が分からないってこと」 


杏奈「待って、そもそも、材料って何?」 


百合子「何かの液体みたい、『万能溶解液・改の製法を記した』って書いてある」 


志保「万能、溶解液…」 


杏奈「他の『対抗策』は無いの?」 


百合子「待って…今はサッと見ただけだから、もっとじっくり読まないと…」 



487: SSまとめマン 2014/10/13(月) 22:59:41.07 ID:+kBJ08uq0


杏奈「『ビビットイマジネーション!』百合子を増やすよッ!」 


ペラ… 


百合子「!」 


ペラペラッ 


百合子が付箋になり分裂する、そして分裂した百合子達は本を一頁ごとに分解して解読し始める。 


百合子「これならすぐに…」 


志保「あの…」 


百合子「?」 


志保「さっき、台所を見たんですが…」 


百合子「何を?」 


志保「変なものを見つけました」 


杏奈「?? 持ってきてもらってもいい?」 






志保「これです」 


志保が持ってきたもの、それは瓶の中に入った液体。 


百合子「それ、何?」 


志保「分かりません」 



488: SSまとめマン 2014/10/13(月) 23:01:38.74 ID:+kBJ08uq0


百合子8「あっ!」 


突然、百合子の内の一人が声を上げる。 


杏奈「どうかしたの?」 


百合子8「私の読んだページに書いてありました!」 


百合子8「改良する前の『万能溶解液』!」 


百合子「本当!?」 


百合子8「うん!『醤油の瓶には万能溶解液を入れておこう。『猟犬』を退治するには有用だ』って書いてある!」 


百合子9「待って!万能溶解液は猟犬を撃退するだけ、『改』を使わないと環ちゃんは戻せない!」 


杏奈「じゃあ『万能溶解液・改』は何処にあるの?」 


志保「台所にはもう何も無いわよ」 


百合子9「『万能溶解液・改』は作るんです」 


百合子「材料が書いてあったのね!」 


杏奈「早くしないと『猟犬』が来ちゃうよ」 


百合子9「言うよ…」 


志保「……」 

      スタンド 
百合子9「『大型猟犬』の青黒い膿、血、万能溶解液。それらを混ぜ合わせたものをかける」 


杏奈「手に入るの?」 


百合子「人手は多い方がいいね、のり子さん…起こす?」 



489: SSまとめマン 2014/10/13(月) 23:03:18.80 ID:+kBJ08uq0


杏奈「うん、起こそう!」 


スタンドパワーを殆ど使いきったとはいえ、遠慮して野垂れ死ぬ位なら叩き起こした方がいいと判断する。 


百合子が元に戻り、三人はのり子を起こしに行く。 


百合子「のり子さん…のり子さん…」ユサユサ 


杏奈「へんじがない、ただのしかばねのようだ」 


志保「バカなこと言わないで」 


のり子「んぅ…」 


百合子「起きて下さい!!」 


のり子「ギャッ!!」キィーン 


杏奈「ミミガー…」 


百合子が大声を出すと、のり子が飛び起きる。 


のり子「ふー…よく寝た」 


スッキリ 


志保「のり子さん、今対抗策を見つけました」 


のり子「ホント!?」 

          スタンド 
志保「はい、今から『大型猟犬』の膿を手に入れます」 


のり子「マジ…?」 



490: SSまとめマン 2014/10/13(月) 23:05:09.47 ID:+kBJ08uq0


杏奈「プロデューサーさんを呼ばないと」 


百合子「ねぇ…今ってこんなに暗かったっけ?」 


杏奈「…?」 


玄関扉を見た百合子は、ガラス越しに外が暗くなっている事を察する。 


のり子「今何時?」 


志保「まだ三時にもなってません」 


杏奈「え…」 


スッ 


突如としてガラスに人影が浮かぶ。 


ガラララ 


P「逃げるぞ」 


ドドドド 


志保「…はぁ?」 


百合子「一体何が…」 


P「時間はない、走れッ!」ダッ 


杏奈「待って!」ダッ 


杏奈が続くと、他の三人も走り出す。 


そこで四人は何故急いでいたのかを知る、 


百合子「な…何ですか!?」 


ドドドド 


志保「これは…この物質は!」 


家の周辺を見覚えのある青黒い物質が覆い尽くそうとしていた。 



491: SSまとめマン 2014/10/13(月) 23:06:39.44 ID:+kBJ08uq0


P「急げッ!呑み込まれるぞ!」 


ここは『王』の口の中、僅かに見える光を目指して走る。 


のり子「呑み込まれるって…まさか!?」 


百合子「あっ!閉じますよ!」 


スッ 


P「こじ開けるッ!」 


P『無駄無駄無駄無駄!』 


ドビシャッ 


P「今だッ!」 


バッ 


ゴロゴロゴロ 


百合子「はぁ…はぁ…危機一髪…」 


杏奈「危なかった…」 


五人が脱出した直後に隙間は無くなり、膨張した『王』の唇は段々と小さくなる。 


フシュゥルルルルゥ 


ズモォ 


「ガゥオォォォォォ…」 


家と『猟犬』を呑み込んだが、人間を呑み込めなかった『王』は不満げに声を漏らす。 


P「それ見たことか!」 


志保「プロデューサー、早速ですが『大型猟犬』の膿を…!?」 


のり子「その足どうしたの!?」 


足首の無い右足と膝から下の無い左足を見て、皆動揺する。 


P「今は問題じゃあないッ! 死ぬか生きるかの瀬戸際、それよりもまず話すことがあるだろうッ!」 


Pは一喝して、動揺を無理矢理丸め込む。 


百合子「は、はい…」 



492: SSまとめマン 2014/10/13(月) 23:08:07.03 ID:+kBJ08uq0


志保「…………『対抗策』には『万能溶解液・改』が必要です。それを作るには血と『大型猟犬』の膿が必要です」 


血と聞くなりPは傷口をほじくり、溢れ出た血を手に溜める。その生々しい光景に杏奈は軽めの貧血を起こす。 


杏奈「杏奈はちょっとダメ…」 


のり子「うわぁ…」 


P「どのくらい必要なんだ」 


百合子「200ミリリットル、です……うえっぷ」 


志保「……これに入れて下さい」スッ 


差し出された『万能溶解液』の瓶に血を注ぐ。 


ビチャビチャビチャ 


グチュ 


P「こんなものか」 

           スタンド 
百合子「はい、あとは『大型猟犬』の…」 


志保「それは大事に持ってて。プロデューサー、『猟犬』が来ますよ!」 


『猟犬』どもは血をいれている間に臨戦態勢を整えたようだ。 


自分の優位を信じて疑わず、目の前の餌に意気揚々としている。 


「″§∞∞∞グ∞∞」 
「#∴)……℃<<>」 


志保「きりがありませんね」 



493: SSまとめマン 2014/10/13(月) 23:09:44.72 ID:+kBJ08uq0


P「状況は思っているより深刻だ」 


P「逃げられるなら、今のうちに逃げてくれ。守り通す自信がない」 


百合子「…………っ」 


杏奈「で、でも…」 


百合子「…逃げるよ」 


のり子「それが、良さそうだね」 


志保「……」 


ドドドド 


「●≧●※※●ァァ●」 


餓えた『猟犬』が一匹、一匹と近寄る。 


「%**【∴【【メ∴・∞ <<_¥%」 


「ゲャァオォォォォウ」 


P「準備は、出来たか?」 


杏奈「『ビビットイマジネーション!』」 

百合子「『クリアプロローグ!』」 


ペラァ… 


ギャルギャルギャル 


付箋になり、体に巻き付いた百合子達が一斉に風を操る。 


ブァォウゥゥゥゥゥゥゥ 


のり子「体が…」 



494: SSまとめマン 2014/10/13(月) 23:11:15.10 ID:+kBJ08uq0


ドシュウッ!! 


「グァ*…ァ<<!」 
「ガャァア!!」 


P『無駄無駄無駄!!』 


ゴシャァァ 


ガッギィイイイイイイイ! 


P「生きて会おう」 


志保「プロデューサー!?」 


ブワッ! 


風に運ばれた四人の姿はたちまち見えなくなる。 


P「…後は駆逐するのみ!」 


「ギィャォウ!」 


上下左右、ありとあらゆる方向からの攻撃を目にも留まらぬ速さでいなし、反撃の拳で撃退する。 


P『無駄ァ!』 


ドギャア 


「グュォン!」 


ドバッ!! 


P(『王』の動向を注意深く観察しながら、『猟犬』を確実に潰す単純な作業だ。彼女達の安全は保障された) 


「ジャォ∴ウ!」 
「ジヅァッォ!」 


P「雑魚が」 



495: SSまとめマン 2014/10/13(月) 23:12:56.85 ID:+kBJ08uq0


P『無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ッ!』 


ドガドガドガドガドガドガドガドガドガ 


襲い掛かる『猟犬』の勢いよりもラッシュの方が速い。猛毒の物質が弾け飛び、付着しようとも拳は止まる事を知らない。 


P『無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ッ!』 


ガリガリガリガリガリガリガリガリガリ 


百合子達を襲いに行こうとする『猟犬』はいなかった。守護者を倒せば目星をつけた餌にありつけるからだ。 


P『無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ッ!』 


P『無駄ァ――ッ!!』 


ドッガ! 


「イォォォウッ!」 


シュオゥゥ… 


P「大分数が減ったな」 


山の上は『王』が呑み込んだせいで荒れ地となっていた。見通しの良くなったそこは不浄の液体が散らばっていたが、逆に言えば『猟犬』が数を減らした証拠でもあった。 


「グルル%ォルル…」 


地獄の底にいる亡者のような呻き声を上げて『猟犬』はPに激昂する。 


P「ん?餌にありつけなくて悔しいかぁ~?悔しいだろうなぁ~」 


余裕の出てきたPは言葉が通じるはずもない相手を嘲笑う。 



496: SSまとめマン 2014/10/13(月) 23:14:39.38 ID:+kBJ08uq0


その直後、『王』が口を開く。 


「ワッ、オドドゲ」 


ゴゴゴゴ 


P「コイツ…話せるのか?」 


「ザザヤッロェ」 


意味不明、赤ん坊すら話さないような出鱈目な言葉の羅列を話す。 


P「思ったより知能は低そうだな」 


ドッ! 


「ギャォウ【ッ!」 


P「雑魚は引っ込めッ!」 


その罵倒に応じるかのように一匹の『猟犬』が飛び出す。その個体はPの射程距離内に入った瞬間に消し飛ぶだろう。 


しかし、射程距離に入る前に消える。 


P「後ろか」 


Pは動じもせずに対処するが、事の重大さを分かっていない。 


一匹だった筈の『猟犬』は二匹に増えていた。 


「℃ゲマィナ!」 
「ゝ∞)ィア?」 


P「増えても同じよッ!無駄ァ!」 


メギャア 


「ザザヤッロェ」 


『猟犬』が霧散すると、『王』が再び同じ言葉を囁く。 


すると再び『猟犬』が現れる。 


ゴゴゴゴ 


P「呪文…? まさか、ファンタジーやメルヘンじゃああるまい…」 



497: SSまとめマン 2014/10/13(月) 23:16:41.46 ID:+kBJ08uq0


「ザザヤッロェ」 


増える。 


ゾクウッ 


P「背筋が凍った…なんだ、この、プレッシャーは!?」 


ドドドドドド 


「ザザヤッロェ」 


増える。 


「ザザヤッロェザザヤッロェ」 


増える、増える。 


「ザザヤッロェザザヤッロェザザヤッロェザザヤッロェザザヤッロェザザ∞ヤッロェザザヤッロェザザヤッロェ¥ザザヤッロェザザヤッロェザザヤッロェザザヤッロェザザヤッロェザザヤッロェザザヤッロェザ#ザヤッロェザザヤッロェザザヤッロェザザヤッロェザザヤッ%ロェ」 


増える増える増える増える増える増える増える増える増える増える増える増える増える増える増える増える増える増える増える増える。 


P「奴は何をしているッ…『猟犬』を呼んでいるのか…。いや、もっと恐ろしいはずだ…もっと恐ろしいことをしているはずだ…」 


『猟犬』達は止めどなく溢れ、増殖し、付与された。 



ドドドドドド 



P「こ、これは…」 



「ザザヤッロェネッャゴカハサワンカッルタダッッダダネヨムァ≧クセツァャリォォスビリラリラッヨヨンンョグヌゥイサナャダアッレレュガッィィオサナダムメメョワゴケォオ!」 



ドドドドドドドド 



P「この、おれがッ! 恐怖してるッ!」 



「ガガガギタナヅハサラヅツナカハタッツマガァァアヤッネロバダザジセィヨワナタマネッォオオァリナィ」 


ドドドドドドドドドドドド 



P「止めなければッ、止めなければァァァァア!」 



「シベ」 



P「ッ!?」ゾゾゾ 


498: SSまとめマン 2014/10/13(月) 23:18:43.96 ID:+kBJ08uq0


ヒュッ 


「ギィャァァア!」 


『角』の無い虚空から『猟犬』が現れる。 


ブッシィャア! 


防御も反応も出来ないほど体が硬直し、棒立ちになったPの脇腹を容赦なく噛み千切る。 


P「なっ…」 


ブチブチブチ 


ピシャァァァァァァア! 


P「クソッタレ!」 


P『無駄ッ!』 


ドブッ! 


脇腹の肉を3分の1程持っていかれたが、対処は冷静。確実に屠る。 


ヒュッヒュッヒュッ 


「ガァァァイッ!」 


P「またかッ!」 


新たに3体、射程距離『内』に現れる。 


P『無駄無駄無駄!』 


ゴガジャア!! 


霧散、問題なく処理する。 


しかしその数が5体、10体、20体と増えていくうちに余裕は無くなる。 


P「はぁ…はぁ…」 


「シカガガ!」「ネィャッバ!」「ククァッゲ!」「ゾォィユン」「カビルビィ?」「ズィァァァア!」 


P『無駄無駄無駄ッ、無駄無駄無駄無駄!』 


ドガドガドガドガドガドカドガドガ 


息が切れぎれになりながらも、『猟犬』に拳を見舞う。 



499: SSまとめマン 2014/10/13(月) 23:21:40.32 ID:+kBJ08uq0


ブッ 


もっとも、その精度は落ちている。 


P(小指が食われたか) 


「ギャァァァァ!」 


P『無…駄ッ!』 


ドシュウ 


P(終わりがない…何体いる…) 


ヒュッヒュッヒュッヒュッヒュッヒュッヒュッ 


「ゴォォォッア!」 


P「この『射程距離内』に何体いるのか――ッ!」 


ドワウッ! 


P『無駄無駄無駄無…』 


フラッ 


P「!?」 


Pの体が揺らぐ。 


『王』は笑った。 


「バォォォォッォオ!」 


ガブゥゥゥッウ! 


P「っ…!」 


大量出血と酸素供給量低下による大きな隙、『猟犬』はたまらず飛び付いた。 


バクッ 


バグバグッ! 


ブチッ 


ブシャァァァァァァァアアア!! 


残っている腹の肉、付け根を残して腕と足、噴水の様に血を撒き散らしながら、Pは地面に叩き付けられた。 


四肢をもがれ、不格好なダンベルの様に食い荒らされた彼に成す術はない。 


500: SSまとめマン 2014/10/13(月) 23:23:08.76 ID:+kBJ08uq0


自らの愚かさ、目の前の敵の強大さ、Pはすべてを認めなければならなかった。 



ニュッ 


のり子「え…ここは…?」 


志保「あ…え、プろ、プロデュ…さ…」 


ここは膨らむ絶望の中心、生命の途絶える場所、狂気渦巻く混沌の最中。 


杏奈「なんで?町に出て角の無い、なんで……なんで…」 


「グォォォォォォォォォォォォォォォン!」 


「ウォオァォォォォヌ!」 
「¥#∞∞#######」 
「ツフサャャャヤアガ!」 
「イァァァアッッッッム!」 
「ゝユカビゥゥフ∞ンン%」 


『大型猟犬』の声に釣られて、『猟犬』達は騒ぎ出す。 


料理で例えるなら味付けの段階。 


悲しみに満ち溢れ、希望を僅かに抱き、救いを求める恐怖こそ最高のスパイス、彼等の求める精神の味! 


退廃的な合唱は大きくなり、山を越え、雲を抜け、宇宙の彼方まで響く。 


百合子「いやっ…いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぉぁぁ!!」 


泣き叫ぶ四人の足元で惨めに、浅はかに、芋虫の様に蠢いてでも助けになろうとするPは何よりも無様だった。 


P「    、   。こ  …」 


P(声が、出ない。今すぐ駆け寄って励まして、やらなければ…) 


「ヒオッ!」 


ズイッ 


杏奈「ひっ!」 


『猟犬』どもは近寄っては離れ、切り裂く振りをしては離れ、恐怖を煽っていた。 



501: SSまとめマン 2014/10/13(月) 23:24:26.58 ID:+kBJ08uq0


P(それいじょう、近寄ってみろ) 


P「  す」 


声は掠れて出なかった。いくら『猟犬』を睨んだところで何かが変わるわけではない。 


百合子「…あ、ああ…もう…」 


もう何も届かない、深淵の底に光は射し込まない。 


のり子「…神様…誰か…」 


『猟犬』は爪を大きく引いて…。 


P(殺す!ぶっ殺す!) 


志保「助けて…プロデューサー…」 


P「触れるんじゃあねェ――――!」  


降り下ろした。 



502: SSまとめマン 2014/10/13(月) 23:25:48.22 ID:+kBJ08uq0





『second…』 






トン 






――――小鳥「どうしてですか…?」 







トン 







――――P「消えて無くなれ」 








P『2nd step ガチャ!』 


ピカァァア! 


杏奈「え…?」 


「    」 


ブチャア! 



503: SSまとめマン 2014/10/13(月) 23:27:16.68 ID:+kBJ08uq0


ドドドド 


百合子「プ…プロデューサー!!」 


百合子は歓喜の声を上げる。 


最強のスタンド使いが立ち上がった。 


ドドドドドドドド 


P『2nd step ガチャ…』 


P「これが能力の片鱗…、傷も全て治っている…」 


志保「…プロ、デューサー…」 


ドドドドドドドドドド 


百合子「生きてる…私…生きてるッ!」 


のり子「ありがとう…ありがとうっ…」 


P「覚悟しろ」 


「ギィ」 


「℃℃」 


ドチャア! 


P「おお…!」 


P「パワーも、スピードも、射程距離すらもッ!」 


ドッ! 


P「乗り越えたぞォォォ!」 


半径五メートル、全ての『猟犬』が一斉に潰れる。 


『王』の呼ぶ速度より、『猟犬』がテレポートされるより早く、『猟犬』を駆逐し、蹂躙する。 



504: SSまとめマン 2014/10/13(月) 23:28:34.02 ID:+kBJ08uq0


「グガァァァァァァァァァァァァアアア!」 


とうとう『王』はその巨体を動かし、命を刈り取ろうとする。 


P『無駄だ』 


ガギィン! 


P『力の差は覆った』 


ドギャァァァァアアン! 


「グオォォォッ!」 


『王』はもう泣き叫ぶ赤子も同然、傲慢を砕き、敗北を叩き込まれる! 


P『無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ッッ!』 


ドガガガガガガガガガガ 


志保「行けぇぇぇぇぇぇ!」 


P『無駄ァ――――――ッ!』 


ドジャァァァァアアア! 


ブワァォォォォォォォオオオオッ! 



505: SSまとめマン 2014/10/13(月) 23:29:56.90 ID:+kBJ08uq0


P『怪我は…無いか?』 



ジャォォォォォォオン!! 



百合子「は…はい…」 


杏奈「もう……来ない?」 


P「いや」 


「グゥルルラル」 


P「『大型猟犬』と『猟犬』が一匹ずつ」 


のり子「なら、材料を回収して…」 


ドジャア! 


ドロリッチ 


P「これで」 


のり子「おっ……けー……」 


杏奈「じゃあ……入れるよ?」 


コボボボ 


志保「…………」 
百合子「…………」 
のり子「…………」 
杏奈「…………」 


P「変化が無いな」 


志保「……取り敢えずかけましょうか」 


「グオォォォバババババアッ!」 


そこで『大型猟犬』が都合よく突っ込んでくる。 


P「ふん!」 


ベシチャァ!! 



506: SSまとめマン 2014/10/13(月) 23:31:51.69 ID:+kBJ08uq0


Pが出来上がった『万能溶解液・改』をぶっかけると、『大型猟犬』の体表の色が赤へ黄色へ目まぐるしく変貌し、膨らみ萎み破裂し渦を巻き、地面にべチャリと落下する。 


そして体に纏った物は風化し、体を吹き飛ばしても姿すら確認できなかった環がついに出てくる。 


環「ん……」 


百合子「大丈夫?環ちゃん」 


環「たまきは…なんでここにいるの?」 


P「スタンドに呑まれたからだ」 


環「た、たまき、また…また『スタンド』で…呼んだ…」 


志保「環!」 


ギュッ 


志保「大丈夫…もう、大丈夫だから…」 


環「しほ…」 


P「環、君は向き合わなければならない」 


環「え…?」 


ドドドド 


P「『スタンド』と、自分の心と」 


環「た、たまきはスタンドを使わないよ…!」 


「グ%ゥィルルル」 


のり子「あっ…そういえば…」 


「ブォアァァァァ!」 


バッ 


ガシッ 


P「『呼んだ』のなら、自分で落とし前をつけるんだ。環のスタンドなら出来るはずだ」 



507: SSまとめマン 2014/10/13(月) 23:34:17.65 ID:+kBJ08uq0


志保「何を言っているんですか!こんなに『スタンド』を嫌がっているのに…」 


P「嫌がっていたら何だ、いずれは向き合わなければならない」 


P「包丁や鈍器は人に向ければ危険だが、使い方次第で二転三転する。スタンドだってそうだろう」 


環「た、たまきは…たまきは…」 


志保「無理は…しなくていいのよ」 


ドドドド 


杏奈「環ちゃん……」 


のり子「環ッ!」 


ドドドドドド 


環「たまきは変わるよっ!おやぶん!」 



「ジャォォ≧オォォウンッ!」 



環「『ホップ・ステップ・レインボウ!』」 



ボゴ… 


ボゴボゴボゴボゴ 


環の体から球体が湧き出る。 


大きさは拳ほどの物から、頭よりも大きなものまで様々であり、黒いダイヤの様に美しい光沢を放つ。 


キュポン 


そして湧き出た球体の一つが『猟犬』を『吸い込む』。 


環「バイバイ」 


別れの言葉と共に球体は小さくなり、段々と、塵よりも、原子よりも小さくなって消えた。 



508: SSまとめマン 2014/10/13(月) 23:35:56.81 ID:+kBJ08uq0




P「これで、いい」 


志保「環…」 


環「しほ!たまき、もうスタンドなんてへっちゃらだぞ!」 


のり子「これで、終わりだね」 


百合子「はい!私達の冒険はまだまだ始まったばかりです!」 


杏奈「先生の次回作にご期待下さい……」 


のり子「いやいや、まだ『黒幕』を倒してないよ!」 


環「そういえば、ここどこ…?」 


志保「環のお祖母さんの…あっ!」 


P(家が無くなった理由を、どう話せばいいのか…) 










To be continued… 



509: SSまとめマン 2014/10/13(月) 23:41:07.09 ID:+kBJ08uq0
終わりだよー(o・∇・o) 


元ネタはティンダロスの猟犬というバケモノです。 

知ってる人には違和感あって、知らない人には異物感があったと思いますが、そこは許してください。 

投稿する前から書きたかったんです。 


ユリユリのスタンドデータ 



本体・人間・七尾百合子 
スタンド『クリアプロローグ』 

近距離型 

破壊力C  スピードC  射程距離D 

精密動作性B  持続性C  成長性D 

能力射程B 


能力『風を操る能力』 


たった一つの冴えたやり方、それは自身が風の戦士になることだった! 

腕についた風車が特徴の緑色のスタンド。 

水蒸気を纏って姿を消すなんて柱の男じみたこともできちゃう。 







517: SSまとめマン 2014/10/27(月) 22:19:52.78 ID:HU3ZH/6vO




~~~~前回の二日前 




完成した直後、天井の破損により立入禁止となった劇場。 


誰もいない場所とは悪巧みをしやすい場所であり、スタンド使いならばなおさらだった。 


ゴゴゴゴ 


???「ここは『要塞』になります…その名も『アイドルキャッスル』…」 


???「…………」 


???「ななななんと!アイドルちゃんを侍らせているだけで勝てちゃいます!」 


??「は、侍らせる…?」 


??「そんなに上手くいくなんて思わないけど」 


???「ビッグなゲストを招待して、倒しちゃいますよ!」 


??「わ、私に、出来るかな…」 


???「むふふふふふ…………」 


???「………………」 


ゴゴゴゴ 


(今回の相手は…) 


このみ(一筋縄じゃいかないわよ、奈緒ちゃんまつりちゃん…) 


ゴゴゴゴゴゴゴ 


このみ(私達の知らなかったスタンド使いの魔の手も延びてるわ) 


このみ(気を付けるのよ…) 


519: SSまとめマン 2014/10/27(月) 22:24:44.40 ID:HU3ZH/6vO


奈緒「今日は二人だけ?」 


響「いや、未来もいるぞ」 


まつり「よしよしよし」 


ジュニオール「わんわんわん!」プイ 


響「あっ、聞いてよ!ジュニオールったらひどいんだぞ!」 


ジュニオール「わんわん!わうぅ!」 


まつり「ほ?ジュニオールちゃんがどうかしたのです?」 


星梨花「うーん、私はジュニオールの言ってる事が分からないので…」 


<熱いっ 


星梨花「!」 


奈緒「この声は未来か」 


響「未来ー、どうしたんだー?」 


ジャー 


<お湯が~ 


星梨花「未来さんがお茶を入れるって言ってくれたんです!」 


まつり「どうやら、やけどしたみたいなのですね」 


<あついよ~ 


ジャー 


奈緒「大丈夫そうやな」 



520: SSまとめマン 2014/10/27(月) 22:26:08.93 ID:HU3ZH/6vO


ピンポンパンポーン 


奈緒「ん?アナウンス?」 


ジュニオール「! わうっ!わううっ!」 


タタタ 


星梨花「あっ、ジュニオール!」 


ガチャ 


響「どこに行くんだ!? 外は危ないし…星梨花、一緒に追うぞ!」 


星梨花「は、はい! 待って、ジュニオール!」 


響「おーい!ジュニオールー!」 


タタタ 


まつり「この音に興奮したみたいなのです」 


奈緒「ジュニオールはわんぱくやからなぁ」 


???『テステス』 


何処からかマイクで話すような声がする。 


まつり「亜利沙ちゃんの声なのです」 


亜利沙『えー、事務所にいるアイドル諸君に注ぐ。主に二人ですが』 


亜利沙『どうして入ってくれないんですか!ひどいです!』 


奈緒「…なんやって?」 


まつり「…さぁ?」 


亜利沙『隣の劇場ですよ!げ・き・じょ・う!』 


亜利沙『せっかくおもてなしの準備をしてたのに…およよ…』 


まつり「それはわんだほー、なのです?」 


未来「どうしたの?」 



521: SSまとめマン 2014/10/27(月) 22:28:16.84 ID:HU3ZH/6vO


奈緒「なんや亜利沙が企んでるみたいやで」 


未来「わぁー!面白そう!」 


すると未来は窓に駆け寄ってベッタリと張り付く。 


未来「にゃにをやふんでふか?」 


奈緒「知らんけど、そんなに張り付かんでええやろ」 


亜利沙『というわけで、隣の劇場に来てください!難攻不落のアイドルキャッスルをご覧にいれますよ!』 


未来「あっ…そういうことかぁ…」 


奈緒「なんや未来、知っとったんか」 


未来「え?い、いやいや、知らないよ?こんなこと」 


まつり「バレバレなのです。兎に角いってみるのです!」 





~~~~~~ 



奈緒「なんにも変わり無さそうやけど」 


シアターにはおかしな広告があること以外に、変わった点は見られなかった。 



522: SSまとめマン 2014/10/27(月) 22:29:31.05 ID:HU3ZH/6vO


未来「まぁまぁ、入って入って!」グイグイ 


奈緒「ちょ、そんなに押さんでも…」 


ウィーン 


自動ドアを抜けて中に入る3人。 


まつり「何も変わってないのです」 


一階のエントランスホールには、これといった装飾はなされていないようだ。 


奈緒「そんなら、二階の私ら用の部屋の何処かちゃう?」 


グニィ 


奈緒「ん?グニィ?」 


まつり「ほ?」 


奈緒「なんやこの白いの?」 



523: SSまとめマン 2014/10/27(月) 22:30:22.27 ID:HU3ZH/6vO


二人の目線が足元に向けられた瞬間。 


ギラッ 


まつり「危ない!」 


ドンッ! 


スパッ 


未来「あれ?」 


奈緒「…っ、ありがとうまつり」 


間一髪、未来のスタンドによる奇襲を防ぐ。 


まつり(危なかったのです。一瞬遅ければ真っ二つだったのです) 


ドドドド 


未来「おかしいなぁ…いけると思ったんだけど…」 


まつり「『敵』のスタンド使いなのですかっ!?」 


奈緒「待ち!『敵』は『Da』にいるアイドルだけや、未来は『Vo』やで!?」 


ドドドドドド 


未来「知らなかったんだ、へぇ~。私は『敵』だよ」 


奈緒(目が笑ってへん…) 


未来「そしてこれが私のスタンド」 


スッ 


未来の出したスタンドは、木を連想させる長めの西洋剣と盾を持ち、ビキニのようなアーマーを着ていた。 



524: SSまとめマン 2014/10/27(月) 22:31:52.71 ID:HU3ZH/6vO


未来「『ワンダフルミラクル』には何の能力も無いけど、その代わりに有り余るパワーがある…」 


まつり「戦うしかないみたいなのです」 


奈緒(なんやろう…なんか、変な感じや。『未来』を感じへん…) 


ドドドド 


未来「白黒着けたいけど、そうもいかないかな」 


奈緒「なんやて!」 


ドドドドド 


未来「下を見てみなよ」 


まつり「こ、これは!」 


奈緒とまつりの足には白く小さな粒がびっしりと付着している。 


米粒の様に小さなそれは本当に僅だが、二人の足を『刺して』いた。 


チク 


奈緒「なんやこれはッ…!痛みは殆ど無いけど、嫌な予感がするで!」 


まつり「…伺うより先に払いますッ!ナノォ!」 


グシャッ 


パッパッパッ!! 


白い粒は簡単に足から離れ、床に散らばる。 



525: SSまとめマン 2014/10/27(月) 22:33:04.80 ID:HU3ZH/6vO


未来「私も見るのは初めてだな~」 


奈緒「何を呑気な…!」 


まつり(まずは未来ちゃんを外に引きずり出します)ヒソヒソ 


奈緒(…せやな。ここには敵スタンドが潜んでるし、いや~なパワーが伝わってくるで)ヒソヒソ 


未来「私を倒す相談? どんな作戦なの?」 


奈緒「…はぁ、教えられるかいな!」 


まつり「まずは未来ちゃんを引きずり出します」 


奈緒「ええっ!?」 


未来(コントみたい) 


未来「それはいいけどさぁ~」 


ドドドドド 


未来「本当に出来るの?」 


まつり「ほ?」 


ヴゥゥゥゥゥゥ!! 


ヴゥゥゥゥゥゥ!! 


けたたましい警報の音が鳴り響く。 


奈緒「うるさっ…!」キーン 



526: SSまとめマン 2014/10/27(月) 22:34:34.49 ID:HU3ZH/6vO


 エーアールアイエスエー!   エーアールアイエスエー! 
『A・R・I・S・A! A・R・I・S・A!』 


『侵入者ですっ!侵入者ですっ!』 


まつり「な、何ですかこれは…!」 


ガララララララ 


ガッシャァーン!! 


入口、窓、ガラスの壁。外部と視覚的、又は聴覚的に関わりのある場所は全てシャッターで閉鎖される。 


まつり(不味いのですッ…完全に後手に回ってしまいました…!) 


 エーアールアイエスエー!   エーアールアイエスエー! 
『A・R・I・S・A! A・R・I・S・A!』 


『鎮圧部隊を派遣します!鎮圧部隊を派遣します!』 


奈緒「まつり…何だか不味いことになってきたで!いつの間にか未来もおらんし…」 


ドドドドド 


まつり「シャッターをぶっ壊しますッ! 状況の打開に受け身は有り得ないのです!」 


まつり『ナノナノナノナノォ!』 


ガンガンガンガン 


まつり『び、びくともしないのです…恐るべきスタンドパワー…』 



527: SSまとめマン 2014/10/27(月) 22:35:53.81 ID:HU3ZH/6vO


奈緒「まつり、まさか忘れてるわけちゃうな?」 


奈緒「『H・L・ジェットマシーン』」 


ガオン! 


見事、穴が開く。 


奈緒「よっしゃ!どんなもん…や?」 


しかし、『ソレ』は待ち構えていた。 


ゴゴゴゴ 


???「デマシュカ?」 


奈緒「なっ…」 


ゴゴゴゴゴゴゴゴ 


???「ソトニ、デマシュカ?」 


まつり「亜利沙…ちゃん?」 


削った『壁の断面』からは『何人もの亜利沙』が『顔だけ』をこちらに見せて言う。 


ゴゴゴゴ 


アリサ『ありさ、ハ、ホンタイ』 


アリサ『アリサ、コロスカ』 


アリサ『ナオマツリ、コロスカ』 


ドドドドド 


まつり「このスタンドはッ、この『シアター』全体を覆っていますッ…今のを見て確信しました…」 


奈緒「ど、どうする…?軍隊型か自動操縦やと思うから、削ってもええと思うけど…」 


アリサ『アリサ、アリサ』 



528: SSまとめマン 2014/10/27(月) 22:37:23.39 ID:HU3ZH/6vO


奈緒「亜利沙は友達やけど…これはキモいな…」 


ナオ『なお、イタ』 


まつり「奈緒さん? 一体何を言っ…!?」クルッ 


ドドドドドドドド 


まつり「な、な、な…何ィ――――――ッ!…なのです」 


後ろを振り返ったまつりの視界には、奈緒の顔を粘土細工のスライムに乗っけたような物が3体。 


奈緒「私の声……! って気持ち悪ッ!」 


ジリジリ 


ナオ『ニガサナイ』 


奈緒「な…なんで私が…」 


まつり「一刻も早く倒すのです! 後続が来ては困ります!」 


まつり『ナノナノナノナノナノナノォ!』 


ドガドガドガ 


ドバァッー!! 


ナオ『オ…オオ…』 


サァ… 


一体のナオは白い粉となって消える。 


奈緒「なんか複雑やなぁ…」 


まつり「パワーもスピードも全くありません。分かりやすく言えば雑魚なのです」 


奈緒「ほんなら後のヤツラも…」 


奈緒「ぶっ削るッ!」 


ガオ… 


ガキィ! 


奈緒「はが!?」 


『H・L・ジェットマシーン』はナオを削れ 
ず、そのまま歯だけを突き立てる。 


ナオ『ツカマエタ』 


529: SSまとめマン 2014/10/27(月) 22:38:41.71 ID:HU3ZH/6vO


奈緒「ッ!?」バッ 


ガシイッ! 


白い粘土のようなナオの体が、奈緒の片腕を掴んで取り込む。 


ナオは非常にゆっくりとした動きだったが、能力が全く効かなかった事に戸惑っていた奈緒は少し身を引くことで精一杯だった。 


奈緒「…!」 


まつり「奈緒さん!?」 


ドドドドド 


奈緒「こ、攻撃が全く効かへんなんて…!」 


ナオ『ボォーットシテ、ドナイスンネン』 


ナオ『セヤナ』 


ドドドドド 


まつり「何かを仕掛けてくるのですッ! 急いで離れてくださいッ!」 


グイッ 


奈緒「ち、違う! 離れられへんねん、まるでコンクリートで固めてるみたいや!」 


ナオ『ホナ』 


ジュワァァァァァァァァァ!! 


奈緒「え?」 


まつり「ほ?」 



530: SSまとめマン 2014/10/27(月) 22:40:15.63 ID:HU3ZH/6vO





スッ 



奈緒「あ、抜けた抜けた。ほら」 



まつり「!?」 



ドドドド 



奈緒「あれ? 私の腕…無い」 



まつり「は…?」タラ 



ナオ『アレ?』 


ドドドドドドド 


ナオ『ゼンシン、ノマナ、アカンッテ』 


ナオ『ワスレテタワ』 


奈緒「あぁぁぁ…あぁぁぁぁぁぁぁ…」 


ドドドドドドドドドド 



まつり「な…お、ちゃ」 



奈緒「痛い痛いいたいいたいぃぃぃぃぃ!!」 



ブシャァァァァァァ 



531: SSまとめマン 2014/10/27(月) 22:42:51.06 ID:HU3ZH/6vO


奈緒は二の腕から血を吹き出し、痛みの余り床に倒れてのけぞる。 


奈緒「いィっ、うっ、うぅぅぅぅ…」ダラダラ 


まつり(ま、まつりの不用意な発言が、こんなことに…) 


奈緒「ひっ…ぇあ………」 


まつり(しかし、今は責任を考えてはいけません。早急に奈緒さんを治療をしなければならないのですっ!) 


まつり『ナノナノォ!』 


ドガドカンッ! 


サァァ… 


まつり「邪魔物は倒したのです。はやく治療を…!」コォォ 




バッ! 




未来「『ワンダフルミ―― 


まつり「邪魔です。『フェスタ・イルミネーション』」 


まつり「窒素から未来さんを離します」 


未来「うぇ!?」 


ドギャァァーーン!! 


不意打ちを狙った未来だが、空中で吹っ飛ばされ、ホールの端から端まで飛んでいく。 


まつり「波紋ッ!」 


ビリビリビリ 


奈緒「うぅ…はぁ…はぁ…まつり…」 


まつり「痛みを抑えてます。止血しないと…!」 


奈緒「うし、うし…ろ…」 


まつり「!?」バッ 


マツリ『ナノデス、ナノデス』 


ゴゴゴゴ 


まつり「今度はまつりの『コネコネ』なのですね」 


532: SSまとめマン 2014/10/27(月) 22:44:43.81 ID:HU3ZH/6vO


まつり「『フェスタ…」ズッ 


奈緒「待ち…!」 


スク 


まつり「…余り動いてはいけないのです、安静にしないと」 


奈緒「…『ここ』の何処が、安静に出来るような場所やねん」 


まつり「ほッ…!」 


マツリ『ナノデス』 
ナオ『オッタデ』 
マツリ『ハイジョ、スルノデス』 


ゾロゾロゾロ 


まつり「まだこんなに…ッ!」 


奈緒「それとな、『自分』を攻撃したらあかん。自分に勝つように作られた『自分』や、さっき攻撃されて、なんなくやけど…そう思ってん」 


まつり「なるほど…」 


奈緒「つまり、他人が殴れば…」 


マツリ『トラエマス』 


奈緒「オラァ!」 


ボゴ 


マツリ『ニ゛ャノ!?』 


サァァ… 


奈緒「ただの雑魚や」 


まつり「…………」 


まつり(『ニ゛ャノ!?』はないのですよ、マツリ) 


奈緒「…あとは持ちこたえて、本体…たぶん亜利沙を倒せば終わりや!」 


ボトボト 


まつり「…………」 


まつり「出血がひどいのです、痛いですが我慢してください」 



533: SSまとめマン 2014/10/27(月) 22:46:06.89 ID:HU3ZH/6vO


ビリッ 


まつりは自分の服をスタンドで千切る。 


奈緒「…ありがとな」 


ギュッ 


奈緒「いつつ…」 


まつり「さぁ、行くのですよ」 


ゾロゾロゾロ 


奈緒「行くってどこに?」 


まつり「まずは二階に行きましょう」 


バッ 


ナオ『ウボァー!』 


まつり「ナノォ!」 


ボゴォ 


ゾロゾロゾロ 


奈緒「この中を行くつもりなんか?」 


出口は得体の知れないアリサが、そして奥からは蟻のように湧くナオとマツリ。 


まつり「はい、なのです」 


奈緒「無理矢理行くにしても危険すぎるやろ。そんなら天井削った方がええやん」 


まつり「アリサちゃんは『壁の中』を移動してます。言いたいことが分かりますか?」 


奈緒「十分。で、策は?」 


まつり「あまり晒したくはなかったのですが」 


ゴゴゴゴ 


まつり「床から、『スタンド』を離します」 


奈緒「…なんでもアリっちゅうわけやな」 


ドンッ! 


ピカピカに磨かれたタイルからナオ達『だけ』が宙に舞う。 



534: SSまとめマン 2014/10/27(月) 22:47:50.84 ID:HU3ZH/6vO


ナオ『ウ、トバサレル』 


ナオ『アカン、アカン、アカ―― 


グシャッ 


サァァ… 


壁や床に叩きつけられ、粉となって消えるナオ達。 


残ったのはマツリ達だけ。 


まつり「この『コネコネ』は『本人』のスタンド能力も無効するのですか…」 


奈緒「相手するスタンド使いの数、なんかメッチャ多そうやと思わへん? 能力持ちすぎやろ!」 


まつり「まつりもそう思うのです。少なくとも4~5人はこの『コネコネ』に関わっているはすです」 


奈緒「ま、ただ考えててもしゃーない。行くで」 


まつり「ぱわほー、に行きますよ!」 


ガオンガオンガオンガオン 


ガオン!!! 


奈緒が進路上に立つマツリを削り、まつりが出てきたナオをぶっ飛ばし、大した労力を割かずに階段へ。 


そしてそのまま二階へと上がる。 



535: SSまとめマン 2014/10/27(月) 22:48:58.48 ID:HU3ZH/6vO


もはや『コネコネ』(命名:徳川まつり)は敵ではなくなった。パワーはほぼゼロ、ナメクジの様に這いずり回るためスピードも凄まじく遅い。 


『本人』であればその危険度は計り知れず、初見で死ななかったのはまさに幸運。『コネコネ』はこの時点では攻略されたも同然だった。 


奈緒「それにしても、私がドジでよかったわ」 


まつり「ほ?そんなにドジでしたか?」 


奈緒「いやな、踊ってるときにマイクがポーンって飛ぶこととかあんねん。なんちゅーか、二つの事にあんまし集中できへんねん」 


まつり「でもそのお陰で助かったのです」 


奈緒「それは、それでええねんけどな…」 


ザッ 


ドドドドド 


まつり「今度は顔がありませんね」 


コネコネ「オオ、イタゾ」 


奈緒「の、のっぺらぼうやね…」 


カチカチ… 


まつり「奈緒さん?」 


カチカチカチカチカチ 


まつり「奈緒さん!」 


ビクッ 


奈緒「な、なに…?」 



536: SSまとめマン 2014/10/27(月) 22:50:55.13 ID:HU3ZH/6vO


まつり「…大丈夫なのですか?」 


奈緒「…………」 


奈緒(怖い…さっきは奮い立ってたけど、今は心の中で、『コネコネ』を恐れてる…) 


カチカチ 


奈緒(体の震えが止まらん…なんかチカチカするし、まつりが居っても『安心』できへん…) 


唐突に腕を千切られた奈緒。彼女は今までのお遊戯の様に生ぬるい戦いに慣れてしまっていた。 


そのため、迫り来る異形からの『殺意』に若い思春期の心は『恐怖』を抱かずにはいられなかった。 


そして前触れもなく、奈緒の視界がグニャリと歪み、廊下という空間が果てしなく広がり始める。 


奈緒「!?」 


まつり「奈緒さん…大丈夫な……すか?」 


奈緒「まつり…?」 


まつり「………り……く……い」 


隣から呼び掛けてくれていたまつりの声すらも聞こえなくなった。 


気が付くと奈緒は広大な空間になった廊下に『一人』でいた。 




537: SSまとめマン 2014/10/27(月) 22:52:01.45 ID:HU3ZH/6vO



奈緒「まつり…何処や…私は…?」 


まつり「奈緒さん!? しっかりしてください!」 


実際に広くなった訳ではない、二人とも普通の廊下にいるが、奈緒が『距離感』を失っているのだ。 


奈緒「まつり…どこ? 一人にせんといてぇ…」 


まつり「…ほ?」 


ドドドドド 


まつり「まつりは此処にいます…よ?」 


奈緒「…………」 


まつり「奈緒さん!」 


異常に気付くも、奈緒に声は届かない。 


キョロキョロ 


まつり「とにかく」 


まつり(今は目の前の敵に対処しなくては…) 


コネコネ『イブツハ、ハイジョ』 


ドドドドド 


まつり(さて、どうやって倒しましょうか…。先程、マツリに能力は効きませんでしたが…) 


まつり「『フェスタ・イルミネーション』」 


ドンッ! 


グシャッ 


コネコネ『ゲェ』 


まつり「一応効くようなのです」 



538: SSまとめマン 2014/10/27(月) 22:54:45.14 ID:HU3ZH/6vO


奈緒「いつ、襲われるか分からん…」 


まつり「…………」 


まつり(奈緒さんは何故、まつりの声が聴こえないのですか…?) 


まつり(やはり、スタンド攻撃なのでしょうか?) 


奈緒「なんでこんなに『広い』んや…」 


ドドドドド 


まつり「スタンド攻撃で間違い無いのです」 


まつり「本体が必ず何処かに…」 


周囲を注意深く観察するも、それらしい物は無い。 


ドンッ! 


真上からの物音、奈緒は気づかない。 


奈緒「…………人の気配がせぇへんなぁ」 



539: SSまとめマン 2014/10/27(月) 23:05:38.80 ID:HU3ZH/6vO


まつり(上…?) 


ズシャ 


次の瞬間、まつりの『右足の裏』から太ももを茶色の剣が貫いていた。 


まつり(し、下から…!) 


ズッ 


プシャァァァァァ 


剣が引き抜かれ、血が吹き出ると共に、まつりの体は傾く。 


まつり「ッ!」 


まつり(このまま倒れたら、もう一度刺されるはず…何とかして体勢を…) 


ドガァ! 


まつりの思考は天井と共に吹っ飛んだ。 


ドドドドド 


このみ「まつりちゃん!」 


まつり「なっ…!」 


上下からの奇襲、まつりは動揺を隠しきれない。 


このみ「あなたの声は本当に届いてるの?」 


まつり「…ほ?」 


このみ「奈緒ちゃんとの『距離感』を見誤ったわね」 


このみ『ほらッ!』 


ドンッ! 


まつり「うぐッ!」 



540: SSまとめマン 2014/10/27(月) 23:06:59.53 ID:HU3ZH/6vO


まつりは倒れる前に吹っ飛ばされ、奈緒とぶつかる。 


ズシャァオオ 


ゴン 


奈緒「痛ッ!…ってまつり!?」 


ドシャァ 


二人はそのまま縺れながら倒れる。 


このみ「…………射程距離外ね」 


ストッ 


ズン 


このみが着地した直後、真横から剣が飛び出る。 


まつり(あ、あのまま倒れていたら…頭を…) 


奈緒「まつり!一体何がどうなって…」 


このみ「奈緒ちゃん、今のは私が……!?」 


このみ(腕が無い…それにまつりちゃんもひどい怪我よ…) 


奈緒「今の…? あれ幻覚やったんか!」 


まつり「どうやら、手強い相手が増えたようなのです」 


スタスタスタ 


未来「このみさーん、一人は殺れましたか?」 


ゴゴゴゴ 


このみ「…未来ちゃん」 



541: SSまとめマン 2014/10/27(月) 23:09:13.41 ID:HU3ZH/6vO


未来「あれ?一人も死んでないじゃないですか~」 


このみ「何をいってるの…!」 


ゴゴゴゴゴゴ 


このみ「あなたは何をしたのッ!」 


未来「あれ?このみさんって味方ですよね?」 


ドドドドド 


奈緒「な、なんやこれ…仲間割れか?」 


未来「『立場』を分かって下さいよ~」 


このみ「…………ッ!」ギリ 


未来「ね?」 


そこで、すかさずまつりが話に割り込む。 


まつり「ほ? このみさん、あなたは『脅されて』いるはずなのです。何故未来ちゃんと意見の相違が起こるのですか?」 


未来「ん? やだなーまつりさんには、全然関係ないじゃないですかァ~」 


まつり「関係がないなら襲ったりはしない筈です。今なら『間に合い』ますよ、このみさん」 


このみ「えっ…」 


未来「いやいや、だから、裏切らないように『脅して』るんですよ? 引き込もうって言うなら無駄無駄」 


まつり「未来ちゃんの意思こそ関係ないのです。これはこのみさんの選択であってあなたが決めるべきことではありません」 


このみ「私は…」 



542: SSまとめマン 2014/10/27(月) 23:11:13.44 ID:HU3ZH/6vO


未来「裏切るつもりですか?『黒幕』から『家族』がどうなってもいいのか聞かれてるんですよね?」 


このみ「私は、未来ちゃんを…」 


まつり「このみさん」 


未来「わかってますよね?」 


ゴゴゴゴ 


このみ「未来ちゃんを裏切らないわ」 


未来「ほら」 


まつり「…………それは」 


このみ「未来ちゃんの味方。だから」 


ゴゴゴゴゴゴゴゴ 


このみ「未来ちゃんを正気に戻すッ! 大人として、今更だけどやらなくちゃあならないわッ!」 


まつり「Good!」 


未来「じゃあ死んじゃえ」 


スパッ 


このみ「なっ…!」 


未来「あれ?」 


奈緒「『H・L・ジェットマシーン』」 


奈緒「三人とも私を無視して話すなんてひどいわ~」 


未来「剣が…剣が削れたッ!?」 


ガオン! 


このみ「ありがとう…」 



543: SSまとめマン 2014/10/27(月) 23:12:46.94 ID:HU3ZH/6vO


奈緒「これからは仲間ってことでよろしく♪」 


未来「私とは十分に距離があった…奈緒さんのスタンドで私のスタンドは削れない距離のはずッ! 一体何を…」 


まつり「このみさんが距離感を操った…」 


奈緒「ちゃうで」 


まつり「!?」 


未来「…『H・L・ジェットマシーン』にはまだ何かが…ある」 


奈緒「簡単な話や。コップに入った水をストローで吸えます。でも流石に氷はストローじゃあ吸われへんな」 


奈緒「そんなら、ストローの大きさを変えたらええねん。タピオカ用のとか広いやん」 


奈緒「な、簡単やろ?」 


未来「…………」 


ドドドドド 


未来「いいよ…掛かってきなよ…全員纏めて返り討ちにするから…」 







未来「この場でぶっ殺すッ!」 






To be continued… 


544: SSまとめマン 2014/10/27(月) 23:16:20.14 ID:HU3ZH/6vO
終わりだよー(o・∇・o) 


未来ちゃん本当はいいこなんです 




本体・人間・馬場このみ 
スタンド『ディアー』 

近距離パワー型・人型 

破壊力A  スピードE  射程距離E 

精密動作性B  持続性C  成長性無し 

能力射程D(3メートル) 


能力『距離感を狂わせる能力』 



赤いランドセルを背負ってそうな子供、っぽい赤いスタンド 

色々な意味で破壊力は抜ギュんだが、動きは遅い。 




545: SSまとめマン 2014/10/27(月) 23:17:44.24 ID:w3fvWwz80
乙でした 

>>520 
松田亜利沙(16) Vo 
no title

no title


551: SSまとめマン 2014/11/23(日) 12:45:55.94 ID:Q13OVNctO
前回のあらすじ 


未来「かかったね!」 


奈緒「汚いな流石未来汚い」 


亜利沙「そんなことよりお祭りでしゅ!」 


奈緒「持っていかれたぁぁぁぁあ!」 


まつり「持っていかれたのですぅぅぅうう!」 


このみ「グラットンすごいですね^^」 


未来「それほどでもない」 



おわり(o・∇・o) 

投下します

552: SSまとめマン 2014/11/23(日) 12:48:15.36 ID:sY8fbXZa0


未来「この場でぶっ殺すッ!」 






奈緒「なんやて!」 


このみ「そう…」 


このみ「少し痛いけど我慢して…」 


スタスタ 


まつり「迂闊に近寄っては行けませんッ! 窮地にこそスタンドは力を発揮します!」 


このみ「『ディアー』」 


このみ「能力射程は三メートル。未来ちゃんの『距離感』はもう崩れ去ったわ。まともに動くことは出来ない」 


未来「」ピトォ 


奈緒「! 未来が全然動いてへん、呼吸と瞬きくらいしかもうしてへん…」 


まつり「…心配は無用だったようなのですね」 


このみ「一体どうやったら『治る』のかしら?」 


まつり「漫画では大抵、殴って解決するのが多いのです」 


奈緒「気絶するくらい?」 



553: SSまとめマン 2014/11/23(日) 12:49:38.02 ID:sY8fbXZa0


このみ「それじゃあ、いくわよ?」 


このみ『ほらァ!』 


ブン 




未来「ところがどっこい」 





奈緒「何ッ!?」 


未来「どんな能力にも『対処法』はあるんだなぁ~これが」 


ガキィィィン 


このみ「まずいッ!」 


『ワンダフルミラクル』は『ディアー』のパンチを盾で受け止めると、そのまま盾で殴り返す。 


未来『ほら!』 


『ディアー』の動きはとても遅く、このみは防御が不十分のまま飛ばされた。 


ガッ 


その小さな体はあっけなく宙を舞い、このみの能力射程から未来はいなくなる。 


このみ「くっ…未来ちゃんのパワーは強力よ!」 


未来(このみさんの射程距離からはなんとか逃れられたけど、これは長続きしない『対処法』) 


未来(じり貧になる前に逃げて、適当に遊撃した方がいいかな?) 


未来「残念だけど、私…そろそろ帰りますね」 


まつり「させません!」 
奈緒「させるか!」 


まつりは壁を伝い、奈緒はまつりの逆サイドを走り、未来を挟撃する。 



554: SSまとめマン 2014/11/23(日) 12:54:43.09 ID:sY8fbXZa0


未来「遅い遅い!体のバランスが取れてないんじゃあないの!」 


まつりと奈緒はそれぞれ、片足と片腕が使用不可な状態であるため上手く未来を追えない。 


奈緒「遅くてもな…引き寄せるッ!」 


ガオン! 


未来「ッ!」 


奈緒「オラァ!」 


走っている体勢のまま引き寄せられた未来の背中にパンチをお見舞いする。 


ブン 


ガッ 


未来「ふふふ…」クル 


ゴゴゴゴ 


未来「パワーが足りないよ…?」 


奈緒「!?」 


奈緒の一撃が盾によって防がれただけでは終わらない。 


未来「まずはひとぉぉぉり…」 


剣は半分ほどになったが殺傷能力は十分に機能している。未来はそれを躊躇なく降り下ろす。 


ブン 


まつり「離れてくださいッ!」 


ドンッ! 


まつりは壁を押し、未来の元へ飛び込んで刃を手に挟む。 


未来「真剣白羽取り…実際に出来るんだ!」 


奈緒「ま、まつり!」 


まつり「二酸化炭素から未来ちゃんを離しますッ!」 


ゴッ 


未来「!」 


未来の体を天井へと打ち上げ、スタンドの射程距離から無理矢理離れる。 



555: SSまとめマン 2014/11/23(日) 12:55:50.08 ID:sY8fbXZa0


未来「がふっ…」 


天井でバウンドした未来はそのまま地面に強く打ち付けられる。 


まつり「少し離れましょう…」 


奈緒「うん…肩貸すで」 


このみ「二人とも大丈夫!?」 


奈緒「なんとか…」 


未来「ふ、二人ともよくも…!」 


ゴゴゴゴ 


このみ「奈緒ちゃんまつりちゃん」 


奈緒「?」 
まつり「?」 


このみ「ここは私が決着を着けるわ。責任の一端は私にあるから…」 


奈緒「でもこのみさん一人で…」 


スッ 


まつり「行くのです。ここで立ち往生しても『コネコネ』に囲まれる危険があります」 


奈緒「!」 


このみ「たぶんそういうことよ。亜利沙ちゃんたちは放送室…奥まで進んで右に曲がった所にある部屋にいるわ」 


未来(暴露されちゃったか…剣の再生には時間が掛かりそうだし…三人はキツいなぁ) 


このみ「みんなを正気に戻してあげて…頼んだわよ…」 


奈緒「…任せて!」 


まつり「心配無用なのです」 


二人はそれだけを言うと奥へと走っていった。 


このみ「さて」 


ゴゴゴゴ 


このみ「けりをつけましょう」 


未来「あんまり嘗めない方がいいですよ」 



556: SSまとめマン 2014/11/23(日) 12:56:48.77 ID:sY8fbXZa0


スパッ 


未来「『切り取って』るんですから」 


このみと未来のいる範囲は丸々切り取られており、未来が足踏みをすると一階へ落下する。 


ドォォォォン!! 


このみ「なっ…!」 


グラッ 


未来(揺らいだッ!) 


未来「隙あり♪」 


落下直後に体勢が崩れるのを見越していた未来の行動は迅速、このみにタックルを噛ます。 


このみ「『ディアー』」 


キィィィィィン 


このみ「実はまだ落下中なのよ」 


足が少し浮いており、まともに力を入れて歩くことは出来ない。 


未来「!」 


ドンッ! 


衝撃が下から上へ突き上げ、未来の体を揺さぶる。 


未来(まずい…ッ!) 


このみ「今のは『落下距離』を短く感じさせたわ」 


このみ『ほらァ!』 


ブン!! 


ドガァ! 


未来「ぶふっ!」 


ドサッ 


未来(や、やっぱりパワーが強い…。なんとか対抗できる位だけど、『距離感操作』を動作の合間に挟まれると辛いなぁ…) 



557: SSまとめマン 2014/11/23(日) 12:58:19.29 ID:sY8fbXZa0


未来「なかなかやるね!」 


このみ「まだ戻ってないのね」 


未来「それよりも、『周り』が見えていますか?」 


このみ「えっ…!」 


一階。 


奈緒とまつりはここで『コネコネ』に遭遇した。 


要はナオとマツリがまだいたのだ。 


ナオ「ケンカ?」 


マツリ「フワフワー」 


このみ「…………それで?」 


このみ「その二つじゃあ私には攻撃できないわよ?」 


未来「はい、そうですね。でも…」 


未来「『コネコネ』を作らせる…というか、このみさんを『敵』として認識させることは出来ますよぉ…」 


未来「『自己』に攻撃する『自己』は要らないんですよ?」 


このみ「!」 


モゾモゾ 


アリサ『ダメデシュ』 


アリサ『ダメデシュネ』 


未来が切り取った部分の断面からアリサが顔を覗かせる。 


このみ「なっ…」 


このみ(まずいわッ…援護されたら勝てない…未来ちゃんが…) 


未来「何をボーッとしてるんですかッ!」 


このみが上を見上げた隙に後ろへ移動した未来だったが、『距離感操作』で動きを止められてしまう。 


未来「」ピトォ 



558: SSまとめマン 2014/11/23(日) 12:59:37.59 ID:sY8fbXZa0


このみ「後ろ!」 


ブン 


拳が当たるまでの間、未来の思考は加速していた。 


未来(…これは『動かしたい距離』と『実際に動いている距離』を誤認させられているね…体が全く動いてない) 


未来(『対処法』は片目を瞑ること。このみさんの能力は両目に作用するから、脳に伝わる情報を減らせば少しはましになる…) 


未来(ただ、これは本当に一時しのぎ。なんとか攻撃する策を考えないと…) 



パチ 



未来「遅いですよ」 


ガシィッ 


このみ「!」 


『ワンダフルミラクル』で『ディアー』の片腕を拘束する。 


ギギギギギギ 


このみ(やっぱり動く…!) 


このみ「なるほど、『対処法』ね…」 


ドドドドド 


未来「!」 


このみ「見破ったわよ」 


未来(離れないと!) 


バッ 


このみ(よくわからないけど…) 


このみ「上書きするッ!」 


キィィィィィン 


未来(しまった…『片目』で十分な量の『情報』を送り込まれた…。『実際に動いている距離』が違う…) 


ピタ 


このみ「ん?」 



559: SSまとめマン 2014/11/23(日) 13:01:03.79 ID:sY8fbXZa0


このみがジッと未来を見つめる。 


ゴゴゴゴ 


未来(まずい…このままだとタコ殴りだよ…) 


このみ「ああ! 目を瞑ってたのね!」 


未来(さっきのはブラフ…ッ!) 


このみ「未来ちゃん、次起きたときはちゃんともとに戻ってね」 


未来「………………」キッ 


その時、このみの後ろから何か『白い小さな粒』が迫る。 


この一階にはナオとマツリが残っているが、今度やって来たのは奈緒とまつりの足にくっついた物と同じもの。 


「」ススススス 


ゴゴゴゴゴゴゴゴ 


未来(来たッ…『触角状細胞』!『馬場このみ』の情報を『ヘルパーデータベース』に渡す仲介役ッ!) 


未来(『スーパーナチュラルアクティブショウアイドルちゃん』が味方で良かった…) 


このみ「元に戻って…!」 


このみ『ほらほらほらッ!』 


ドガドガァ! 


未来「ぐふっ!」 


ドバァァァァ! 


このみ『セクシーダイナマイッ!』 


ドサッ 


未来「う…う…」ピクピク 


このみ「はぁ…疲れたわ…」 



560: SSまとめマン 2014/11/23(日) 13:05:46.34 ID:sY8fbXZa0


未来「」ガク 


このみ「未来ちゃんは…気絶したかしら?」 


様子を見に行こうとした時。 


チク 


このみ「!?」 


バッ 


「」チウチウ 


このみ「なっ…なによこれはッ!」 


このみ『ほらァ!』 


スタンドで足に付いた白い粒を払う。 


バッ 


このみ「白い…お米? いえ、それよりも未来ちゃん…」 


ピト 


このみ「ちゃんと生きているみた―― 


 エーアールアイエスエー!   エーアールアイエスエー! 
『A・R・I・S・A! A・R・I・S・A!』 


警報が鳴り響く。奈緒達と同じだ。 


『侵入者ですっ!侵入者ですっ!』 


このみ「なるほど…そういうことね…」 


ドドドドド 


このみ「この白い粒が侵入者を認識するのね」 


ブチッ 


アリサ『シンニュウシャサンデシュ』 


アリサ『アリサコロシ、イナーイ』 


このみ「そういえば、亜利沙ちゃんに顔だけそっくりのがいたわね…」 



561: SSまとめマン 2014/11/23(日) 13:07:25.55 ID:sY8fbXZa0


――――亜利沙『亜利沙のスタンドは、亜利沙の意思と関係なく侵入者を退治しちゃいます!』 


このみ「自立型……これを倒しても意味は無さそうね」 


うねうねとどこかへ向かうナオとマツリを見ながら言う。 


未来「ぅ……んう……」 


このみ「! 未来ちゃん!大丈夫!?」 


未来「あ…れ? このみさん? 私…どうしてここに…?」 


このみ「あぁ…良かった…無事で良かった…」 


未来「???」 


胸を撫で下ろすこのみだが、未来は辺りを見回して不安げにしている。 


このみ「どこも痛まない? あっ、今何が起きているのか説明しないと…」 


このみに聞かれ、体が痛いことに気づいたようだ。 


未来「えーっと……全身痛いです」ズキズキ 


このみ「ごめんなさいね…それも含めて説明を…」 


未来「! 後ろに!」 


このみ「!」サッ 


コノミ『ウフフ、ウフフ』 


このみ「わ、私の顔!?」 


ドドドドド 


未来「わっ!このみさんだ!」 


このみ「近寄っちゃダメよ、私の後ろにいて!」 


ドドドドドドドド 


このみ(一体、どんなスタンドなのかは私も知らない。だから、慎重に探りを入れないと…) 


このみ「あまり近づかずに判別した方がいいわね…何かあったら対処できないわ」 


コノミ『イタ、イタ』 


ジリジリ 

このみ(動きはとてもゆっくり。アリサちゃんみたいに数も…) 

このみの考えとは裏腹に、後から続々と出てくる『コネコネ』。 


562: SSまとめマン 2014/11/23(日) 13:08:31.99 ID:sY8fbXZa0


ゾロゾロゾロ 


未来「ひえっ、いいいいっぱい来た!」 


このみ「あれはスタンドよ。でも今のうちは守ってあげるから」 


このみ(かなり多いわ、10…15…むむむ) 


このみ「未来ちゃん。まだ『偽物』が出てきてない右側の階段から二階に―― 


グサ 


このみ「……え?」 


未来「守ってもらう必要はありませんよ?」 


後ろを向けたこのみは完全に油断していた。 


『気絶すれば治る』なんて言うのは真っ赤な嘘…とまでは言わないが、未来が気絶したとは誰もいっていないし、その方法で元に戻る保証はなかった。 


未来「このみさんが『次起きたとき』なーんて言ってたんで、気絶して何も知らないフリをしてました」 


このみ「あっ…あっ…」 


グググ 


未来は短くなった剣を背中に突き立て、傷口をグリグリと抉りながら引き抜く。 


ブシュッ 


ブシュッ 


このみ「そ、んっ…みらいちゃ…」 


未来を助け、ほんの僅かでも自分の『罪』を清算しようとしたこのみだが、結果は無駄に終わった。 


あとに残ったのは致命傷と、何も出来なかったという無念と後悔。 



563: SSまとめマン 2014/11/23(日) 13:10:18.59 ID:sY8fbXZa0


立ち向かう心は音を立てて崩れ始め、楽しかったアイドルの日々が、今までの人生が頭に流れる。 


特に親しい間柄にあった莉緒。 


毎日おおはしゃぎして、とても楽しい時を過ごした仲間たち。 


無愛想だが仕事はできる事務員とプロデューサー。 


今まで健やかに育て上げてくれた両親、共に成長した妹。 


別れの言葉すら言えずに会えなくなると考えると、えもいわれぬ寂寥感を覚え、大粒の涙が流れ出る。 


このみ「どう…し、て…ど…して…」 


このみでは『救え』なかったのだ、だから未来が牙を剥いた。 


このみはそんな未来を『かわいそうだ』と思う。 


未来「大人ぶってますけど、スタンドならまだまだ、まだまだまだ、まだまだまだまだまだまだまァーーーだ子供ですよッ!」 


ズッ 


ドガッ! 


未来は再びこのみに躊躇なく剣を突き立て、盾で思いっきり殴り飛ばす。 


ぶっ飛ばされたこのみは、コノミの上ではなく、マツリの上に着地。幸いにも呑まれることはなかった。 


このみ「……ッ!?」 


未来「あれ? 手元が『狂う』なんて…ああ、景色が歪んで…」 


このみ「…………!」 


小さい小さい水の一滴をこのみは見逃さなかった。 


視界は薄暗く、涙でぐちゃぐちゃだというのに、決して見逃さなかった。 



564: SSまとめマン 2014/11/23(日) 13:13:06.97 ID:sY8fbXZa0


未来「涙…? なんで…」 


ズキッ 


未来「ッ! 痛い…痛いよ…どうして…頭が…胸がいたい…」 


このみ(ないてる…かわい、そう…) 


――『私、トップアイドルになって、みーんなを笑顔にしちゃいます!』 


このみ(そういう…娘だった…ね…) 


――『歌もダンスも、頑張っちゃいますよ!』 


このみ(あんなに…いっしょう、けんめいで…) 


未来「うううぅぅぅ…」 


このみ「あんなにッ…あんなにッ…!」 


このみのその小さな体からは大量に血が流れ、脊髄の一部分は切り裂かれまともに動けない。 


このみ「あんなに苦しんでいる娘がいるのにッ…」 


手も足も正常に動かすことは叶わない、それでもこのみは立ち上がろうとする。 


このみ「黙って見てられるかッ!!」 


壊れかけた心に火が灯り、『何か』への激しい怒りと、命を賭けた闘志が燃え盛る! 


このみ「私のスタンドッ、『ディアー!』」 


未来「はぁ…はぁ…、まだ…来るかッ!」 


このみ「最後よ…力を貸してッ!」 


このみは全身を無理矢理駆動させ、体を飛び上がらせて跳ぶ! 


未来「はぁ…はぁ…、ここで…たお…す!」 


まっすぐに向かってくるこのみに、未来は背を向けずに立ち向かう。 


未来「ワンダフル…『ワンダフルミラクルッ!』」 


未来「ここで終わりだよッ!」 


このみ「私がやらずに、誰がやるのッ!」 


盾を構える未来のスタンド、このみのスタンドは真正面から拳をぶつける。 



565: SSまとめマン 2014/11/23(日) 13:15:24.07 ID:sY8fbXZa0


未来「無駄なんですよ! 無駄無駄!」 


このみ「っしゃおらぁぁぁぁぁぁぁあああ!!」 


ドン! 


ビキビキ… 


未来「砕ける…盾が…!」 


このみ「このまま…」ギリ 


ピシッ 


このみ「殴り抜くッ!」 


ドガァ! 


未来「うわぁぁぁぁぁぁぁあああああ!」 


このみ『ほらほらほらほらッ!』 


ドゴドゴドコ 


このみ「未来ちゃん…さようなら…」 


ドバァ――! 


未来「ぐぶっ!」 


ドサ 


再びぶっ飛ばされる。 


このみ「」フッ 


ドスン 


このみ(未来ちゃんは…これで…本当に…)プルプル 


未来「ぁ…」 












未来「危なかった…!」 


このみ「……そ……んな」

566: SSまとめマン 2014/11/23(日) 13:17:31.92 ID:sY8fbXZa0


未来「盾で、衝撃を和らげてなかったら…」 


MP『アブネートコロダッタゼ』 


未来の頭の上にスタンド『マスターピース』が現れる。 


ゴゴゴゴ 


このみ「ゆる…さない…!」ギリ 


『Da』のアイドル達を『操って』いたのとは別のスタンド。元々、ただならぬ気配を感じ取っていたこのみは『全く別』のスタンド使いがいると予想していた。 


それはよくも悪くも当たっており、目の前に現れたスタンドは、他人に取り憑いて操るような極悪非道のスタンドで、今未来に取り憑いていたとこのみは確信した。 


しかしこのみに立ち上がる力は無い。先程全てを出しきったのだ。 


MP『ザマァ、ネーナ』 


このみ「…………わたしがっ、しんでも! 
」 


このみ「あなたはッ! ぜったいに、やるさない!」 


MP『ヘッ! 死人ガ生者ヲ恨メルカヨ!』 


未来「あ、あれ…いたい…体が……」 


MP『チッ、「支配」ガ緩ンダカ』 


このみ「みらい…ちゃん…」 


未来「このみさん? なんで…え? 私が…?」 


MP『パンパカパーン! 大・正・解!』 


このみ「未来ちゃん! 上の…スタンドをッ!」 


未来は全てを察した。 


未来「いやだ…いやだよ!」 


意に反して未来の体は動く、『ワンダフルミラクル』は剣を取る。 



567: SSまとめマン 2014/11/23(日) 13:18:27.79 ID:sY8fbXZa0



精神の呪縛が緩んで意識が解放されても、未来を操る『支配の根』は途切れていないのだ。 


MP『テメエハ! テメエノ手デ! 仲間ヲ殺スンダヨ!』 


このみ「私の、夢を…あなたが…」 


『ワンダフルミラクル』が手に握られた剣を構える。 


未来「このみさん、逃げて!」 


未来の願いは決して叶わない。このみはもう動ける体ではないのだ。 


このみ「ごめんね…ごめんね…」 


悲哀に満ちた声は虚しく響く。 


MP『オシャベリハ、終ワリダ!』 


未来「いやぁぁぁぁぁああああああ!!」 


MP『死ネェェェェェェェ!』 












馬場このみ――死亡 



568: SSまとめマン 2014/11/23(日) 13:19:46.05 ID:sY8fbXZa0


――事務所 

ガタッ 


P「はっ!?」 


勢いよく椅子から立ち上がるプロデューサー。 


P「…『ステップアップガチャ』第二の能力は『未来予知』…」 


P「今見たものは…『未来』だ。起こる可能性のもっとも高い『未来』を見た…」 


冷や汗をべっちょりとかくプロデューサー。 


時計は午前四時を指し示していた。 


P「今ならば間に合う…ッ! 対策を取る…!」 


P「うまくいけば彼女達の大きな成長となるが、選択を誤ってはいけない…」 


P「全てが通じているのだからな」 



569: SSまとめマン 2014/11/23(日) 22:56:15.32 ID:sY8fbXZa0



午前6時 


志保の家にて 




志保「zzz…zzz…」 


プルルルルルル 


志保「…ぅん?」 


寝起きに携帯が鳴り、少し苛立つ。 


ピッ 


志保「はい…もしもし?」 


P『私だ』 


志保「どうしたんですか…こんな朝早くに…」 



570: SSまとめマン 2014/11/23(日) 22:57:29.09 ID:sY8fbXZa0


P『今日、学校は無いな?』 


志保「は? ありませんけど…」 


P『頼みたいことがある』 


志保「…………」 


P『『過去に戻る』スタンドの件だ』 


志保「…何をやればいいんですか」 


P『今から静岡に行ってもらう。新幹線に乗ってくれ、チケットはポストにはいっている』 


志保「突然ですね…。わかりました」 


P『頼むぞ。……それと』 


志保「?」 


P『立ち塞がるものは如何なる手段を使ってでも排除しろ』 


志保「…………」 


志保「朝から物騒ですね」 


P『今日そういう日だ』 


ツーツーツー 


志保「はぁ…弟の朝ごはんを作って、支度して…急がないといけないわね」 


時計『朝です!朝です!6時です!』 


志保「うるさ…」 


ポチ 


スタンドで目覚ましのボタンを押す。 


志保「すっかり慣れたものね」 



571: SSまとめマン 2014/11/23(日) 22:59:06.73 ID:sY8fbXZa0


それから志保は着替えを済ませ、弟を起こして朝ごはんを作る。 



志保「お姉ちゃん今日はお仕事があるから、知らない人が来ても開けないでね。 お母さんは疲れてるから起こさないであげて」 


弟「はーい」 


志保「それじゃあ、行ってきます」 


志保は財布と携帯、小さなポーチのみを持って家を出る。 


志保「たしかポストに…」 


カポ 


志保「あった」 


カサ… 


志保「? チケットと…メモね」 


茶色い封筒に入っていたのは上野駅発の新幹線のチケットと一枚のメモ帳。 


『タクシーに乗って移動せよ』 


志保「経費で落ちるかな…」 


キキッ 


そこに一台のタクシーが止まり、運転手が話しかけてくる。 


運転手「あんたが…」 


ゴゴゴゴ 


運転手「あんたが『北沢志保』か?」 


志保「ッ!」 


志保(な、なに…コイツ…。急に現れた…まるで突然、虚空からパッと…) 


ゴゴゴゴゴゴ 


運転手「あんたが、『北沢志保』か?」 



572: SSまとめマン 2014/11/23(日) 23:00:12.32 ID:sY8fbXZa0


志保「そうよ…。 で、何?」 


運転手「『プロデューサー』に雇われた『ただの』運転手だ…」 


運転手「目的地までの『安全』を保証しよう」 


志保「…………」 


志保(これは…『罠』?) 


その時、再び携帯が鳴る。 


運転手「出な」 


志保「…………」ピッ 


P『私だ』 


志保「タクシーに、乗るんですか」 


P『他のスタンド使いに見られたくない。『可能性』を少しでも減らす』 


志保「…支払いは?」 


P『こちらでやっておく。手さえ出さなければなにもされん。そこは信用していい、彼もプロだ』 


プッ 


志保「切れた…」 


運転手「それで、何だって?」 


ゴゴゴゴ 


志保「乗ります」 


志保がタクシーに乗り込むと、車が沈み始める。 


志保「!?」 



573: SSまとめマン 2014/11/23(日) 23:02:02.38 ID:sY8fbXZa0


即座にスタンド使いだと理解する。 


志保「『ライアー…」 


運転手「待ちな。自己紹介がまだだったな。『死体の隠蔽から麻薬の運搬』言われればなんでも運ぶ『運び屋のサトウ』」 


志保「…………」 


よくよく言われてみればこの男の顔は見えない。マスクで顔を覆っている。 


運転手「あんたの『プロデューサー』からの報復が怖ェ~しよォ、3億も貰えるんだぜ。やましいことはしねぇよ」 


志保「…………」 


運転手「おっと、座布団を渡しておくぜぇ」 


志保「別に、いりません」 


運転手「へっ、あんたそんな血だらけの場所が好きなのか」 


志保「は?」 


志保が座席を見てみると、赤黒い跡が幾つも付いていた。 


志保「!?」バッ 


運転手「ひゃははははは! テメーおもしれーな!」 


志保「…………」イラッ 


それからは何事もなく、上野駅に到着する。 


運転手「ついたぜ」 


志保「…………」 


志保は地面に穿たれた扉から出る。 


運転手「じゃあな」 


バタン 


扉がしまると車は影も形も無くなり、形の崩れた床も元通りになっていた。 


志保「スタンドでなら、どんな悪事でも出来る…」 


志保「…いえ、気にしないことにしましょう…」 


そのまま志保は地面に新幹線に乗り込み、上野を発つ。 




574: SSまとめマン 2014/11/23(日) 23:05:09.63 ID:sY8fbXZa0

―――――――――――――――――――― 

運転手「仕事は終わった、約束の金は公園のベンチにでも置いてくれ」 


ピッ 


運転手「ケッ、たった十数キロで3億だぁ~!? 笑わせるくらい簡単なお仕事だなぁ」 


運転手「前金の1億は受け取ってるし、逃げるに限るぜ。いくらなんでも怪しすぎる」 


運転手「このまま成田で…」 


「まもなく、目的地に着きます」 


運転手「どっかに高跳びよォ~」 


運転手「うへへへへ、はへへへへ」 


ガチャ 


運転手「新しい人生の…」 


P「何処へ行く」 


バタン 


ドドドドドド 


運転手「ま、まずい…殺される…先回りされて…」 


P「何を慌てている」 


運転手「ひっ、ひぇええええええ!?」 


運転手「な、なんでもします! 口でも喉でも潰すから命だけは!命だけはァ~」 


ドン 


P「約束の金を、持ってきた」 


運転手「へ…? あ、いえいえ、な、成田土産のまんじゅうをちょいと…買おうと思いまして…へへ…」 


P「仕事は終わりだ」 


運転手「あはははははははは! お、お疲れ様です!」 



575: SSまとめマン 2014/11/23(日) 23:06:18.33 ID:sY8fbXZa0


ガチャ 


P「また頼む」 


バタン 


運転手「はぁ…はぁ…冗談じゃねえ…死ぬかと…」 


P「仕事は、終わりだ」 


運転手「へ?」 


P「私用だ」 


運転手「ど、どのような…」 


P「貴様のような下衆を生かす訳が無い」 


運転手「はひ?」 


グチャ 


P「金は返してもらう。彼女たちが稼いだものだからな」 


――運び屋のサトウ:死亡 

――――――――――――――――――――― 






576: SSまとめマン 2014/11/23(日) 23:08:29.08 ID:sY8fbXZa0


――静岡  午前10時 


志保「たかが移動でお金を使いすぎです」 


P『すまない』 


志保「次は何をすればいいんですか?」 


P『迎えが来る。まずは仕事をして、終わり次第連絡をくれ』 


プッ 


ツーツーツー 


志保「……はぁ」 


志保「用事ってただの仕事…」 


??「やっほー!志保ちゃーん!」 


志保「この声は…」 


麗花「おはよう♪」 


志保「れ、麗花さん!?」 


?「おーい!まってくれよー!」 


麗花「昴ちゃん、志保ちゃんはっけーん♪」 


昴「勝手に走ったら駄目だって言われただろ~」 


カメラマン「」タッタッタッ 
AD「」タッタッタッ 
スタッフ「」タッタッタッ 


麗花「ほらほら頑張って~。イチ、ニ♪ イチ、ニ♪」 


志保「あの…これは?」 


昴「いや…ロケしてたらな、プロデューサーからのメールで『志保が来る』って来て」 


昴「駅の近くにいたから、麗花さんが探しに出てさー」 


志保「もういいです…なんだか頭が痛くなってきた」 


スタッフ「『街をぶらぶらするだけだから適当に!』」トントン 


志保「はい、わかりました」 


志保(随分と自由ね…) 


スタッフ(俺たちの台本は時代に追い付いていなかった…) 

577: SSまとめマン 2014/11/23(日) 23:13:17.05 ID:sY8fbXZa0


麗花「走ったらお腹すいちゃった、ご飯食べない?」 


昴「え? まだ十時だけど…えーと…ここら辺のうまいもんは…」 


ペラペラ 


志保「それ、台本ですか?」 


昴「そうそう、あってないようなモンだけどな。あ、マイク」 


志保「ありがとうございます」 


麗花「…でも、まだお昼時じゃないよね…」 


昴「そうそう!だから、この『何もできない公園』に行ってみようぜ!」ペラペラ 


麗花「えー…なんだかつまらなさそう…私はあそこの猫カフェに行きたいな。全然癒されなさそうで、面白そう♪」 


昴「ええ!? 猫カフェって…廃墟の間違いじゃないか…?」ペラペラ 


麗花「志保ちゃんは何処に行きたいの?」 


志保「えっと…」 


志保(カメラがまわってるし、何かウケる様なことを言うべきかしら?) 


志保「それなら…」 


麗花「じゃあ、台本にあるぬいぐるみ屋さんに行きましょ♪」 


志保「ちょっ…勝手に決めないでください!」 


昴(!) 


昴「あ! 志保って、いっつも熊のぬいぐるみつけてるよな?」 


志保「熊じゃなくてネコです! あ…」 


昴「」ニヤニヤ 


麗花「ほらほら、恥ずかしがらずに♪ ふふふ♪」 


グイグイ 


志保「押さないでっ…もう…!」 



578: SSまとめマン 2014/11/23(日) 23:14:47.57 ID:sY8fbXZa0


・・・・・・・・・・ 


・・・・・・・・ 


・・・・・・ 


12時――仕事終了 


志保「お疲れ様です」 


スタッフ(お疲れ様です) 


麗花「うーん、今日も楽しかった♪」 


昴「新幹線まで時間あるし、適当に打ち上げしようぜ」 


仕事が終わると、志保は素早くメールを確認する。 


志保(メールが来てるわね) 


志保(…………) 


『「徳川まつり」に気を付けろ』 


志保(……一体どういうことかしら?) 


昴「志保? どうかしたのか?」 


志保「な、なんでも…!」 


まつり「」スタスタ 


ドドドド 


志保(ま、まつりさんッ…二人とも気付いてないけど、間違いないわ…) 



579: SSまとめマン 2014/11/23(日) 23:16:28.05 ID:sY8fbXZa0


麗花「それじゃあさっそく…」 


志保「私は用事があるので、お先に失礼します」 


昴「えぇ~」 


志保は昴が不満げな声をあげるも無視、そのまま急いでまつりの跡を追う。 


志保(『気を付けろ』ね…つまり、襲われるか強いか、ということで間違いないわ) 


志保(問題は何処で、誰が襲われるのか) 


志保(昴さんと麗花さんかもしれない。ただ、待ち構えていていい相手でもなさそう。だから…) 


志保(だからこっちから仕掛ける! 勝負を一瞬で決めるわ) 


『まつり』は何処か目的地があるわけでもなく、ただ彷徨う。 


同じ場所を二回通ったり、人通りの多い場所を歩いたり、意味もなくUターンしたりと支離滅裂な行動を取る。 


志保(動きが読めない…それに、尾行に感づかれているかもしれないわ) 


志保(待ち伏せての攻撃がしづらい以上、地面の存在感を消して不意を打つしかないわ) 


志保(まつりさんの能力は『離す』能力、離すものは空気しか無いけど、地面を消したら迅速に、確実に仕留める) 


まつり「…………」スッ 


志保「………………」 


スゥ 


道を歩くまつりが曲がり角を曲がったのを確認し、『ライアールージュ』を出す。 


そして志保は静かに走り出す。 



580: SSまとめマン 2014/11/23(日) 23:19:09.72 ID:sY8fbXZa0


志保(まずは地面、それから攻撃!) 


しかし、曲がり角を曲がろうとした瞬間。 


P「志保」 


何の脈絡もなく、唐突に現れたプロデューサーは背後から志保を呼び止める。 


志保「え…」 


ドドドド 


思わず志保は振り返り、頭の中で考えていた事が吹っ飛ぶ。 


『1st step ガチャ』の能力ならば、東京―静岡間など一秒も掛からずに行き来できるだろうが、タイミングが悪すぎた。 


集中の切れた志保は不機嫌な声色で尋ねる。 


志保「何の用ですか」 


P「そう、怒るな。重要な事だ」 


志保「はぁ」 



さて、曲がり角を挟んでいる志保と『まつり』。 


志保が不意打ちを仕掛けることが出来るのならば、 


『まつり』もまた同じことが出来る筈だ。 


見えない領域の出来事を把握出来るのならば。 


P「いいか、大事な事だ。心して聞け」 


ドドドドド 


P「『まつり』はな…」 


志保「…………」 



581: SSまとめマン 2014/11/23(日) 23:20:35.97 ID:sY8fbXZa0


P「『まつり』は…」 


ドドドドドドドド 


まつり?「『敵』よ」 


志保「!」 


いつのまにか、志保の背後に回り込んだまつりは容赦の無い蹴りを叩き込む。 


志保「そんなことだろうと思いました。『ライアールージュ!』」 


しかし、志保の能力によって志保の存在を認識できなくなったまつり?の蹴りは空振り、近くのコンクリート製の壁にひびをいれる。 


志保(なんてスピードと『硬さ』…!) 


P?「見失った…みたいだね」 


まつり?「そうね、恵美」 


恵美「琴葉、近くにいるかもよ」 


琴葉「大丈夫、ちゃんと分かってるから」 


ドドドドド 


志保(なるほど、プロデューサーが恵美さんで、まつりさんが琴葉さんですか) 


プロデューサーの声で恵美の言葉遣い。 


志保(気持ち悪い…) 


琴葉「手当たり次第に蹴ってれば当たるかも…」 


恵美「え? それじゃああたし、先に麗花さんのとこ行ってくるね。巻き込まれるのいやだし」 


志保「!!」 



582: SSまとめマン 2014/11/23(日) 23:22:09.68 ID:sY8fbXZa0


志保(麗花さんが味方かどうかは分からない、でも、昴さんだけは『まだ』味方よ) 


志保(先に恵美さんを叩く、琴葉さんは後回しでも大丈夫) 


スッ 


志保は自分の間近に居た恵美が歩き出す前に、琴葉を蹴ってから恵美に向かって拳を振りかぶる。 


ドン 


琴葉「ッ! 現れたッ!」 


恵美「えっちょっ」 


志保「先ずは一人ッ!」 


志保『無駄無駄ァ!』 


ガギィン… 


志保「なっ…!」 


弾かれる拳。ラッシュは恵美に命中せず、間に入った『琴葉の』腕によって阻まれた。 


琴葉「志保ちゃんの能力って、出現から攻撃までの間がほとんど無いけど…」 


ドドドドド 


志保「早い…スタンドすら出してないのにッ!」 


琴葉「現れる場所が分かっていれば、速さがあれば、絶対に負けない」 


バッ 


志保は距離を取る。何か策がパッと思い付いた訳ではないが、不利にはならないと読んでの判断。 


琴葉「ふふっ♪ それじゃあ恵美、先に行って『予定通り』頼むわね」 


恵美「いや~さっすが琴葉。委員長の頼みなら何なりと~」 


琴葉「もうっ!」 


志保(この二人の役割…恵美さんが『擬態』させて、琴葉さんが『襲う』。恵美さんの能力は 
『化かす』能力ね) 


ドドドドド 


志保(でも、それだけじゃあ意味がない。琴葉さんが今最大の壁) 



583: SSまとめマン 2014/11/23(日) 23:23:39.12 ID:sY8fbXZa0


志保(『生身』でスタンドを受け止めるなんて、海美さん位よ) 


琴葉「さて、志保ちゃん」 


恵美が去ると、琴葉は志保に向き直る。 


琴葉「覚悟はいい?」 


志保「『マスターピースッ!』やれるものならやってみなさい!」 


琴葉「ふふふふふ」 


琴葉「『イーストレッドクレッシェンド』」 


琴葉「あなたじゃあ絶対に勝てない、その貧弱なスタンドではッ!」 


志保「ゴタゴタとご託を並べるなら…」 


スゥ 


ガクッ 


琴葉「!?」 


志保「とっとと降参でもしておけば良かったんですよ」 


地面の『存在感』が消え失せ、『落下状態』へと陥る琴葉。志保は半ば勝利を確信していた。 


志保(急いで離れて、昴さんと合流しましょう。まずは琴葉さんを振り切って――) 


ヒュッ 


ガッ 


志保「ッ!」 



584: SSまとめマン 2014/11/23(日) 23:25:13.10 ID:sY8fbXZa0


地面に横たわる琴葉の『腕から』アンカーが射出され、志保の真横を通過して後ろのビルに刺さる。 


琴葉「私がここに来たのは、『対策』がちゃんとあるから。ね?」 


ドドドドド 


志保「まさか装着型…でもまつりさんの姿をしている。つまり、恵美さんの『擬態』の効果をスタンドの上から適用させているのね」 


琴葉「恵美のスタンド能力も分かったの…そう。これ結構時間掛かったのよ?」 


ギャルギャルギャル 


琴葉「でもわかったところで何の意味もない、もう『擬態』は必要ないのだから」 


アンカーに取り付けられたワイヤーが腕の中へと巻き込まれ、琴葉を連れてビルへと飛び出す。 


バッ 


琴葉「志保ちゃんも来るのよ」 


志保「無駄ッ!」 


ドゴドコッ! 


ガギィンガギィ 


琴葉「ふふっ、可愛い♪」 


ガッ 


志保「かはッ…!」 


『ライアールージュ』のラッシュをものともせず、ラリアットの要領で志保の腹を抱えて飛び立つ。 


そして勢いが付いたところで志保を投げ飛ばす。 


志保(ま…ずい!空中じゃあまともに能力も使えない…琴葉さんを覆う装甲をぶち抜けないのにッ…) 


ビル壁に張り付いた琴葉は反対の手からもアンカーを射出、アンカーはまたしても志保の横を通って別のビルに刺さる。 


琴葉「地面に立てると思わないで」 


バビュ 


志保(来るッ…ワイヤーを伝って!) 


ドドドドドド 


585: SSまとめマン 2014/11/23(日) 23:26:55.54 ID:sY8fbXZa0


ギャルギャルギャル 


琴葉「遅いわ」 


ガッ 


志保「ッ…!」 


ギャルギャルギャル 


琴葉「今度はビルに叩きつける。言い残すことは?」 


琴葉は志保を抱えながら空中を駆けるが、やられっぱなしではない。 


志保「どうやら…パワーは低かったみたいですね」 


琴葉「何…?」 


ググググッ 


琴葉「!」 


志保は自分を掴む腕を強引に引き離し、そのまま琴葉の背中に回り込む。 


志保「最初の一撃、パワーが無ければ出来ないと思ってましたが、これだけのスピードと質量、硬さがあれば可能です」 


琴葉「そう…後ろを取って勝った気なの?」 


志保「もちろん、ありったけのラッシュをぶちかまさせてもらいますよッ!」 


『ライアールージュ』は足を琴葉に絡ませ、姿勢を維持したままラッシュを頭に喰らわす。 


志保『無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ッッ!』 


ドガドガドガドガドガドガッ!! 


志保『無駄ッ!』 


ドガン! 


志保(いくら防御性能に優れているといっても、これだけ頭に衝撃が伝われば軽い脳震盪くらいは…) 


琴葉「ふふふ」 



586: SSまとめマン 2014/11/23(日) 23:30:10.72 ID:sY8fbXZa0


ギャルギャルギャル 


琴葉「遅いわ」 


ガッ 


志保「ッ…!」 


ギャルギャルギャル 


琴葉「今度はビルに叩きつける。言い残すことは?」 


琴葉は志保を抱えながら空中を駆けるが、やられっぱなしではない。 


志保「どうやら…パワーは低かったみたいですね」 


琴葉「何…?」 


ググググッ 


琴葉「!」 


志保は自分を掴む腕を強引に引き離し、そのまま琴葉の背中に回り込む。 


志保「最初の一撃、パワーが無ければ出来ないと思ってましたが、これだけのスピードと質量、硬さがあれば可能です」 


琴葉「そう…後ろを取って勝った気なの?」 


志保「もちろん、ありったけのラッシュをぶちかまさせてもらいますよッ!」 


『ライアールージュ』は足を琴葉に絡ませ、姿勢を維持したままラッシュを頭に喰らわす。 


志保『無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ッッ!』 


ドガドガドガドガドガドガッ!! 


志保『無駄ッ!』 


ドガン! 


志保(いくら防御性能に優れているといっても、これだけ頭に衝撃が伝われば軽い脳震盪くらいは…) 


琴葉「ふふふ」 


志保「!?」 


ドドドドド 


琴葉「ふふふ、ふふふふふふ」 


琴葉「安っぽい魂胆が見え見えよ。脳震盪でも起こればいいとでも思っていたんでしょう?」 


琴葉「そんな貧弱なパワーで、ダメージを与えられる訳無いでしょ? 何のための装着型なの」

587: SSまとめマン 2014/11/23(日) 23:31:43.98 ID:sY8fbXZa0


クルッ 


琴葉は精一杯の抵抗を嘲笑うと、ビル壁に刺さったアンカーを回収し、その矛先を志保に向ける。 


琴葉「刺さりたくなかったら離れなさい」 


志保「ッ!」 


志保は絡み付けた足を即座にほどき、琴葉を踏み台にして跳ぶ。 


それに続いて琴葉はアンカーを打ち出すが、志保の真後ろで×の字を描いてしまい当たることは無かった。 


志保(なんとか窮地は乗りきったみたいね)ホッ 


志保が安心するのも束の間、伸び続けるアンカーはピタリと止まる。 


琴葉「詰めが甘いッ! あなたは今『輪』の中に居るッ!」 


動きを止めたアンカーには勢いだけが残り、志保を中心に回転、ワイヤー部分が巻き付く。 


ギチッ 


志保「なっ!?」 


それから琴葉は前に向き直り、ワイヤーを少し回収する。 


アンカーは腕から出るため、琴葉が志保を抱き上げるような格好になる。 


ギャルギャル 


琴葉「捕まえた…志保ちゃん」 


志保「離し…なさいッ!」 


志保『無駄無駄無駄!』 


ドガドガドガ 


琴葉「無駄無駄無駄、この『鎧』は攻撃を遮断する。弱点は無いッ!」 


ギィィィィィイン 


志保「!」 



588: SSまとめマン 2014/11/23(日) 23:33:02.64 ID:sY8fbXZa0


志保の腹部にびっしりと巻き付けられたワイヤー。その延長線上には拳があり、今拳と腹部の距離は離れていた。 


琴葉「何をするか分かる?」 


志保(ほ、本当にヤバイ…存在感を消しても脱出は出来ないし、受け止めようにも私のパワーじゃああの衝撃を抑えられない…) 


切羽詰まる志保が何を思おうと現状の打開は不可能。 


ワイヤーと繋がれた拳は勢いよく紐を吸い込んで志保の腹にささる。 


琴葉「こうやって…」 


ズドン!! 


志保「ぃがッ!?」 


琴葉「ワイヤーを出して、戻して」 


ズドン!! 


志保(やば…息が…) 


琴葉「ピストンの、ように!」 


ズドン!! 


志保「……ぐッ!」 


琴葉「ぶち込むッ!」 


ズドン!!!! 


グッ 


志保「あ……あ………」 


志保(…………? …………) 


志保の頭の中は痛みのあまりまっさらになり、体もぐったりとし始める。 



589: SSまとめマン 2014/11/23(日) 23:34:33.76 ID:sY8fbXZa0


琴葉「志保ちゃぁあん…ビルに向かって突っ込んでる事を忘れないでね」 


志保「う…」 


ダメージを与えることはおろか、抜け出すことも出来なかった志保は琴葉と共にビルに突っ込んでしまう。 



ヒュウルルゥゥゥゥウウ 


ズドァォォォォンン!! 


パラ… 


志保の意識は衝撃によって強制的に戻され、琴葉はアンカーを巻き付けたまま志保の上に馬乗りになっていた。 


志保(…………何か……手段は……) 


琴葉「決して手は抜かない、息の根が止まるまで殴り続ける」 


ワイヤーを飲み込む機械音は一瞬で迫り、肉を打つ音と共に帰還する。 


ズドン!! 


志保「………………!」 


志保の肺から吐き出された空気は乾いた音を立て、地面に横たわる体は大きく跳ね、口の端からは血が零れる。 


琴葉「志保ちゃぁぁぁあん、血が出てるわよ?」 



590: SSまとめマン 2014/11/23(日) 23:35:46.26 ID:sY8fbXZa0


琴葉「それにぐったりしてる…体温も下がってるんじゃあない?」 


志保「ヒュー…コヒュー…」 


志保の目から闘志は消えていなかった、あるかもしれない『過去に戻る』スタンドを求める心は簡単には折れない。 


ゴゴゴゴ 


琴葉「…………生意気な目。この状況をどうにか出来ると思っているの?」 


志保「…やらなきゃ…やられ、る……どうにか、するのよッ」 


琴葉「ふざけた精神論で勝てると思わないで!」 


志保「私は、やるのよッ!『ライアールージュ!』」 


最期の力を振り絞り、志保は琴葉に殴りかかる。 


琴葉「効かないって何度いったら…っ!」 


ここで気付く、『鎧』は琴葉を覆ってはいなかった。 


琴葉「鎧が…無いッ! 『擬態』も…まさかスタンドの存在感をッ!」 


志保「うおぉぉぉぉぉぉぉおお!!」 


志保『無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ッ!』 


ドゴドゴドゴドゴドゴドゴッ 


ドバァ――ッ! 


琴葉「くはっ…!」 


ガクッ 


琴葉はラッシュをまともに受け、壁にぶつかってぐったりとする。 


志保「やったわ…」 



591: SSまとめマン 2014/11/23(日) 23:36:41.83 ID:sY8fbXZa0


辛勝の代償は大きかったが、志保は迅速に次の行動へ移ろうとする。 


志保「急いで昴さんに連絡を…ゴホッゴフッ!」 


ベチャア 


志保「血が…内臓を、痛めたわね…」 


ドサァ 


志保「あ、足も震えてる…今はまともに歩けなさそうね…」 


壁にもたれ掛かって座り込む志保はスマホを取り出して昴に連絡をとる。 


数回のコール音の後、昴が電話に出る。 


志保「……もしもし」 


昴『もしもーし、どうしたんだよ?急に連絡なんかして』 


志保「私はスタンド使い、です」 


昴『は?』 


志保「恵美さん…というより、劇場の誰かの姿をした人には気を付けて下さい」 



592: SSまとめマン 2014/11/23(日) 23:38:21.30 ID:sY8fbXZa0


昴『ちょ、ちょっと待てよ! いきなり言われても分かんないよ!』 


志保「時間が、ありません…理解してください…」 


昴『わ、分かった…で、何か用なのか?』 


電話越しでさえ伝わる程の迫力に押され、昴は思わず返事をしてしまう。 


志保「スタンド使いに、襲われていないのなら、助けに来てほしいです」 


昴『……スタンド使いかぁ』 


志保「……都合がいいことは分かっています」 


昴『え? いや、志保がなんか…えーと…道に迷って…』 


志保「…?」 


昴『あっ、ちょっと麗花さ』 


麗花『迎えにいくから、志保ちゃんの『小学生メイド』が見てみたいな♪』 


志保「遊びじゃ無いんですよ…まったく…」 


志保(麗花さんは色々と不確定な要素が多すぎる…でも、逆に言えば味方に引き込むのも簡単かもしれない…) 


志保「…分かりました。なるべく急いで欲しいです、場所は――」 


ガチャ… 


志保「ッ!?」 



593: SSまとめマン 2014/11/23(日) 23:39:32.85 ID:sY8fbXZa0



誰もいないビルの中、金属が僅かに震える音が響く。それは聞き覚えのある『鎧』を動かす音。 


志保「そ、そんな…」 


麗花『志保ちゃん…? どうしたの?』 


ガチャリ、と思わずスマホを手から落として麗花から心配されるが、他人の心配に付き合う心の余裕は無いし、もう気遣いの言葉は耳に入っていない。 


出来たばかりの打撲痕が酷く疼く、心臓が高鳴る度に呼吸は荒く、頭の中では警報が鳴り響いていた。 


志保「あれを…どうやって倒すのよ…」 


咄嗟に思い付いた苦肉の策で何とか『田中琴葉』は倒した。 


しかし、自分に問い掛けて、自分で気付く。 


志保「『マスターピース』を、倒さないと駄目なの…? 引きずり出す方法も分からないのに…」 


琴葉「志保ちゃぁぁぁああん」 


嬉しそうに志保の事を呼ぶ『鎧』をまとった女、田中琴葉が立ち上がる。 


炎を連想させる紅蓮の西洋甲冑は琴葉の全身を覆い、わざとらしく、追い立てるように、威圧するように音を立てて迫る。 


麗花『志保ちゃん! 返事をして!』 


昴『おい志保! 何か――』 


琴葉「少し黙っててもらえる?」 


バシュッと打ち出されたアンカーが志保のスマホを砕く。 


志保「あ…」 


自らの場所を伝える唯一の連絡手段、最悪の逆境に示された光明が消える。 


琴葉「二人きりで楽しみましょ?」 


その無機的な声は暖かみのある『琴葉』の声とは違う、剣のように研ぎ澄まされた眼光は志保をその場に縫い付ける。 



594: SSまとめマン 2014/11/23(日) 23:40:41.29 ID:sY8fbXZa0


志保(くっ…まずはどうやってダメージを…『マスターピース』にダメージを与えられるのかを考えて…) 


ガチン、と背後の壁にアンカーが突き立てられる音が鳴る。 


琴葉「このままミンチにするわね」 


志保「ッ!」 


志保が僅かに反応した直後、爆発的な加速と共に鋼鉄の鎧が壁をぶち抜き廊下へ飛び出る。 


ドァォォォォォン!! 


琴葉「…消えたわ」 


スピードと質量を兼ね備えた鎧が産み出す破壊力は莫大であり、『ライアールージュ』で存在感を消すのが遅れていたのならば、砕かれた壁と同様にバラバラになっていたはずだ。 


志保(危なかったッ…でも今ので確信した) 


志保(『イーストレッドクレッシェンド』には『ライアールージュ』で無ければ勝てないわ。むしろ昴さんが来る前に倒さないとッ…!) 


琴葉「厄介ね…」 


志保(私に『攻め』は通用しない、このままゆっくりと地上に…) 


痛む足を押さえながら体を引きずり、ゆっくりとその場を離れる志保。 


琴葉「消えた志保ちゃんに対する反撃は必ず無意識的でないと当たらない、少しでも意識すれば『偶然に』避けられてしまう」 


ぶつぶつと不穏な内容を話す琴葉に、志保は嫌な予感がしてたまらなかった。 



595: SSまとめマン 2014/11/23(日) 23:42:20.16 ID:sY8fbXZa0


琴葉「つまり、私の意思で行っても、私の意思ではどうしようもない攻撃を…そうよ…そうすればいいのよ…」 


ドドドドド 


志保(まさか…まさかッ…!) 


琴葉「ビルの支柱をぶっ壊す。下敷きにならない方がおかしいわ」 


志保(早く階段で…) 


琴葉「行動は迅速に、逃走の暇を与えてはいけないわ」 


そう言うなり琴葉は壁を砕いて破片を撒き散らし、志保が通るであろう道を塞ぐ。 


志保(ッ!) 


琴葉「芋虫みたいに這い回ることしか出来ない…障害物は重要ね。そう思うでしょ、志保ちゃん?」 


ゴゴゴゴゴゴ 


志保(ぬ、抜け目がない…早く、ゆっくりと行かないと…) 


再びガチリと音がすると、琴葉は狭い廊下を、部屋を、壁をぶち壊しながら飛び回る。 


ドンッ! ドンッ! ドンッ! ドンッ! ドンッ! ドンッ! 


志保「なんで…早すぎる…ッ!」 


志保のいるフロア――四階――は見晴らしのよい瓦礫の山へと早変わりし、壁に空いた無数の穴からの景色を遮る様なものは殆ど無かった。 


所要時間約三分、志保から階段まで残り十五メートル、進んだ距離五メートル。 



596: SSまとめマン 2014/11/23(日) 23:43:53.72 ID:sY8fbXZa0


志保(急がないと…急がないとッ!)  


すると、外から壁を吹っ飛ばして琴葉が飛び込んでくる。琴葉は地面に爪を突き立ててブレーキをかけ、辺りを見渡す。 


琴葉「うん、これで大体終わったかな。後は…」 


志保「!」 


琴葉の視線の先には一際太い柱が何本か残っていた。 


琴葉「三、四本折ればいいかな?」 


ガチリ 


ドンッ! 


パラパラ… 


琴葉「うーん…あと三回はやらないと折れそうにないわね」 


ドンッ! ドンッ! ドンッ! 


志保(足が痛いとかなりふり構ってられないッ…出来るだけ…はやく…!) 


志保「ゴホッゴホッ…ペッ」 


べチャリと血を吐く、内部へのダメージは深く響いていた。 


志保「あと…もう少しよッ、もう少しで…着くから…!」 


ドンッッ! 


琴葉「ふぅ…これで大丈夫ね」 


志保「え…?」 


ドドドドド 


琴葉「この一本で終わり。さようなら志保ちゃん」 



597: SSまとめマン 2014/11/23(日) 23:44:55.27 ID:sY8fbXZa0


志保「あと…一歩ッ!」 


ガシッ 


ゴゴゴゴゴゴゴゴ 


ズゾゾゾゾゾゾ 


志保が階段を降りることはなかった。支柱を砕かれたビルの上層階は傾き、崩れ去る。 


周囲に散らばった大小様々な破片は衝撃の激しさを物語り、たとえ外に脱出しようとも階段に辿り着こうとも、命は助かり得ないだろう。 


琴葉は崩落の直前に別のビルへと飛び移っていた。いくら頑丈な鎧と言えどもビルの崩落を支える事は厳しいらしい。 


琴葉「やったわね」 


ポッキリと半分に折れたビルを見てほくそ笑み、飛び立つ。 




598: SSまとめマン 2014/11/23(日) 23:47:29.67 ID:sY8fbXZa0


しかし、このような危機的、絶望的状況において志保は生きていた。 


『ライアールージュ』の能力ではない。そして断言しよう、『ライアールージュ』の能力では生存は不可能だった。 


志保は『入ってきた穴』から飛び下り、スタンドで衝撃を和らげながら着地、すぐさま『裏口』から一階へと侵入したのだ。 


志保「はぁ…はぁ…」 


階段に行くよりも外に出た方が早い。至極当然だ。 


それに建物へ飛び込む前、志保は既に『裏口』を見つけていたのだ。 


志保「死ぬよりましね…ぺっ」 


口内の血を吐いて休む。 


『今は』どう足掻こうとも琴葉には勝てない。 


少なくとも昴と合流する必要がある。 


志保「あれは…台車ね」 


志保は立ち向かう事を止めない。 










To be continued…

600: SSまとめマン 2014/11/24(月) 00:09:30.38 ID:nvLsM3EJ0
乙でした 

>>576 
北上麗花(20) Da 
no title

no title


>>581 
田中琴葉(18) Vo 
no title

no title


>>581 
所恵美(16) Vi 
no title

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