602: SSまとめマン 2014/12/04(木) 22:01:15.58 ID:EmmiVb9iO
世の中には二種類の人間がいるッ! 

前からやるのが好きな人と、後ろからやるのが好きな人。 

オレは断然後ろだぜ――ッ!! 



前回のあらすじ 


琴葉「黄金で出来た鉄の塊が皮装備のジョブに遅れをとるはずがにぃ」 


志保「勝ったとおもうなよ~!」 



投下(o・∇・o) 








引用元: ・【ミリマス】「横山奈緒と徳川まつり」【ジョジョ】

603: SSまとめマン 2014/12/04(木) 22:15:59.34 ID:EmmiVb9iO


――ファミレス 



昴「ふぃほほふへはひょはっはほひ」 


麗花「?」 


昴「」ゴックン 


昴「志保も来ればよかったのに」 


麗花「急いでたみたいだし、財布でも落としたのかな?」モグモグ 


昴「それ警察行けよ…ん?」 


プルルルルル 


ピッ 


志保『……もしもし』 


昴「もしもーし、どうしたんだよ?急に連絡なんかして」 


麗花「?」モグモグ 


志保『私はスタンド使い、です』 


昴「は?」 


昴(スタンド使い…?なんでそんなことをわざわざ…) 



604: SSまとめマン 2014/12/04(木) 22:20:15.46 ID:EmmiVb9iO


志保『恵美さん…というより、劇場の誰かの姿をした人には気を付けて下さい』 


昴「ちょ、ちょっと待てよ! いきなり言われても分かんないよ!」 


志保「時間が、ありません…理解してください…」 


昴(凄く『本気』だ…なんだか声も途切れ途切れだし、嫌な予感がする…) 


昴「わ、分かった…で、何か用なのか?』」 


志保『スタンド使いに、襲われていないのなら、助けに来てほしいです』 


昴「……スタンド使いかぁ」 


昴(スタンド使いに襲われる? なんでオレがスタンド使いなのを知ってるんだ? なんだかアヤシイぜ) 


志保『……都合がいいことは分かっています』 


麗花「昴ちゃんは誰と話してるの? 彼女?」 


昴「え? いや、志保がなんか…えーと…」 


昴(麗花さんは…多分『部外者』だから…) 


昴「道に迷って…」 


志保『…?』 


麗花「それならいい交番教えてあげる、ちょっと貸してね」 


昴「あっ、ちょっと麗花さん…」 



605: SSまとめマン 2014/12/04(木) 22:21:43.87 ID:EmmiVb9iO


麗花「迎えにいくから、志保ちゃんの『小学生メイド』が見てみたいな♪」 


昴「何てもの要求してんだよ…」 


昴(あれ? 志保は助けを求めていたハズ…) 


麗花「志保ちゃん…? どうしたの?」 


先程とはうって変わって低いトーンになる麗花。 


昴「…そりゃそんなこと言われたら怒るぜ」 


麗花「違うの…なんだかガチャって音がして…ぶつぶつ聞こえる…まだ…聞こえ…」 


「…………………………」 


麗花「志保ちゃん! 返事して!」 


昴「麗花…?」 


ドドドド 


昴(麗花の様子がおかしい…こんなに取り乱してるのは見たことない…まさか!) 


昴「代わって! おい志保! 何かあったの…か…」 


昴が何かが砕ける音を聞いた直後、通信は途絶えた。 


麗花「昴ちゃん…」 


昴「携帯がなんか、壊れた…のかな」 


昴(どうなってんだどうなってんだどうなってんだどうなってんだチクショウ!) 


昴(どうにかして何処かにいってどうにかして志保を助けてどうにかしてスタンド使いを倒してどうにかして…どうにかして…) 


ドドドドドドドド 


昴「どうすればっ…どうすればいい…オレはっ…」 


麗花「落ち着いて、昴ちゃん」 



606: SSまとめマン 2014/12/04(木) 22:22:45.65 ID:EmmiVb9iO


昴「ごめん…でも、なんだか…頭がこんがらがって…」 


麗花「まずはもちつきましょ? ね?」 


昴「うん…」 


麗花「ジュースいれてくるから、待ってて」 


昴「うん」 


昴(意外と…常識人なんだな…) 


ふと、昴が外に目をやると志保が歩いているのが見えた。 


昴(あれは…志保?) 


志保は真っ直ぐこちらにやって来る。 


昴は窓際の四人席に座っていた、もしも奥の方に座っていたのなら、『志保』は気付かなかっただろう。 


昴(さっきまで助けを求めていた志保が? じゃああの電話は? まさかッ!) 


昴「麗花さんッ!スタンド使いだッ!!」 


ジュースをもってきた麗花は訳がわからない、突然叫んだ昴が変なことを口走っているのだから。 


麗花「すたんどつかい…?」 



607: SSまとめマン 2014/12/04(木) 22:23:59.57 ID:EmmiVb9iO


昴「とにかくッ! あの『志保』は『志保』であって志保じゃあない!オレの後ろに隠れて!」 


麗花「昴ちゃん…もしかしてこれドッキリ? あっ、ドッキリでドッキリって言ったら駄目だよね! うん!」 


昴「いいから、早く!」 


麗花「はーい♪」 


それから昴はありったけのナイフとフォークとコップ、打てるようなものはなんでもかき集め、窓から遠いテーブルに陣取って並べた。 


麗花(いまから何が始まるのかな~?わくわく) 


昴「よし…準備出来た…オッケー…あとは…」 


ゴゴゴゴ 


志保?『…………』 


偽志保は昴達が居た席の窓の向こうに居た。 


昴(偽志保が入ってきたら総攻撃だ) 


『ビギナーズストライク』を出して『志保』を待つと 


麗花「わっ! すごーい!『私と同じ』手品!」 


昴「へ…? 今…私と同じって…」 


麗花「私も『羽根』をだせるの。でも何処かに飛んでいっちゃうから…」 


昴「まさか麗花さんもスタンド使い!?」 


昴(まさか! 『黒幕との戦い』の時に居なかったからてっきり普通の人かと思ってたけど…) 


麗花「?」 



608: SSまとめマン 2014/12/04(木) 22:25:08.58 ID:EmmiVb9iO


昴(仲間なら二人になる。敵なら…いや、麗花さんに限ってそれはないな) 


昴「いいか? この手品はスタンドって言って、一人一つだ。でもこのスタンドで悪さをする奴等がいる。あの志保は志保の皮を纏った偽物だ」 


麗花「つまり?」 


昴「765プロがヤバイ。オレらでなんとか…なんとかするんだ、絶対!」 


志保『…………』 


コンコン 


昴「なんだ?…なんで窓をノックしてるんだ…」 


志保『…………』 


コンコン 


昴「何か…来るッ! 構えて!」 


麗花「昴ちゃん、きっといい役者になれると思うな♪」 


麗花(街にも人がいないし、店員さんもいないし、凄く大掛かりなのね♪) 


コンコン 



609: SSまとめマン 2014/12/04(木) 22:27:31.44 ID:EmmiVb9iO


志保『ぁ……』 


昴「来いよ…来るなら来い…早く…」 


ゴゴゴゴゴ 


志保『昴さん』コンコン 


昴「名前…?」ピク 


ドスッ 


志保『来ちゃいました♪』 


昴「え…? うそ…だろ?」 


窓の外にいた偽志保が昴の目の前に現れ、ナイフを取って心臓を一突き。 


そして窓の外には可奈がいた。 


可奈『てきしゅー♪きしゅー♪大成功♪ご褒美はー甘いープチシュー♪』 


麗花「昴ちゃん!?」 


麗花が叫ぶと偽志保は可奈の真横に現れ、支えを失った昴は座席に倒れ込む。 


麗花「昴ちゃん! しっかり!」 


昴「た、た……」 


ドドドドドドドド 


麗花「温かい…血が…なんで…これってドッキリじゃ…」 



610: SSまとめマン 2014/12/04(木) 22:29:35.24 ID:EmmiVb9iO


昴「戦って…」 


麗花「!?」 


昴「スタンドで…たた、かって…コボッ」 


麗花「スタンド…」 


昴はある種のショックを受けたが、意識を保っていた。生の猶予は体内の酸素を使い切り、脳が死ぬまでの間。 


可奈『感動の死に別れ。でもそんな時間はあげませんよ!』 


再び偽志保――可奈のスタンド――が現れて麗花の背中にナイフを突き立てる。 





そこで麗花はスタンドに目覚めた。 


ナイフを受け止め、可奈の攻撃を防ぐ。 






そんなわけはない。 


しっかりとナイフは麗花の背中に刺さる。 


麗花「うっ…うううう!…い、痛い…!」 



611: SSまとめマン 2014/12/04(木) 22:31:39.41 ID:EmmiVb9iO


可奈『ふん!』 


一回、二回、三回。 


何回もその凶刃を振り上げては下ろし、麗花を滅多刺しにする。 


麗花「痛い…やめて…可奈ちゃん…」 


うめき声を上げても襲い来る痛みに耐え、昴を庇うように立つ。 


昴「……だめだ…………にげて……」 


可奈『ほらッ!ほらッ! なんとか言ったらどうですか!ほらッ!』 


麗花「駄目…駄目…」 


可奈『ほらァァァア!』 


麗花「!」 


今度は背中ではなく足にナイフを刺す。 


支える力を失った麗花は昴の上に落ちる。 


麗花「ごめんね…何も…出来ない…」 


昴「………………」 


麗花「…痛い?」 


昴「……ちょっと」 


可奈『それじゃあ後は勝手に野垂れ死んでください。さよ~なら~♪』 


可奈は陽気に帰っていくと、それを可奈のスタンドがとぼとぼと追いかけていく。 


二人に残された猶予は無かった。 





612: SSまとめマン 2014/12/04(木) 22:34:11.74 ID:EmmiVb9iO







可奈「終わりました!恵美さーん!」 


モフ 


可奈「おっぱい…」 


恵美「どうしたの…?」 


路地裏で可奈は待ってくれていた恵美に抱きつく。 


可奈「つかれたよ~」 


恵美「あー、はいはいお疲れ様」 


昴「やっぱり!協力者だよ!」 


麗花「可奈ちゃん!悪い子はプロデューサーさんに叱ってもらうからね!」 


恵美「はぁ!?」 


可奈「え?」クル 


突然現れた二人をまじまじと見つめ、状況を把握した可奈は絶叫する。 


可奈「どうしてぇぇぇぇぇえええええ!!?なんで二人がここにいるのぉぉぉぉぉ!!?」 


恵美「ちょっと可奈!? 取り敢えず…武器は?」 


可奈「麗花さんに刺して…そのままどっかに…」 



613: SSまとめマン 2014/12/04(木) 22:36:23.58 ID:EmmiVb9iO
昴「麗花さん、覚悟してくださいよ」 


麗花「大丈夫。メリハリはしっかりしてる方だから♪」 


昴(不安だ…) 


ゴゴゴゴゴ 


恵美(まずいね…ハッキリ言って戦力外な私と、どこで大ポカやらかすのか分からない可奈。私が可奈に刃物を持っていけば何とかなるけど…)チラ 


可奈「ど、どどどどうしましょう!?」 


恵美(戦えないよねェ~) 


昴「行くよ、麗花さん」 


麗花「はい!先輩!」 


恵美(仕掛けてくるッ!) 


ドドドド 


麗花「『ファインド・ユアウィング』」 


昴「おっとと…慣れないなぁ…」 


昴と麗花の足に、小さな白い羽が一対生える。 


恵美(『慣れない』、それに姿勢を崩した。大方『飛ぶ能力』ってカンジ?) 



614: SSまとめマン 2014/12/04(木) 22:38:08.70 ID:EmmiVb9iO


可奈「め、恵美さん!わたし何をしたら…?」 


恵美「しっ!静かに」 


恵美が可奈の耳に口を寄せる。 


恵美「こっちが仕掛けてこないのが分かってるのか、分かってないのか分からないけど」 


恵美「逃げるよ、『刃物』を取らなきゃ話にならない」 


恵美「でも、逆に『刃物』さえあれば『いつでも』倒せる。分かった?」 


可奈「は、はいぃ…」 


昴「逃げる算段は終わったか? 何でこんなことしてるのかわかんねーけど、取り敢えずボコボコにする。こっちは死にかけたんだ」 


麗花「悪い心もどっかに飛ばないかな?」 


恵美(ヤバそう…なんか『もうお前らは詰みの前』だって顔してる) 


ドドドド 


昴「麗花の能力、かなり強いぜ」 


そう言って昴はポケットからコップを取り出す。ファミレスから拝借したプラスチック製のものだ。 


昴「『仕込み』はもう終わった!『ビギナーズストライク』!」 


ブン! 


カキン! 


恵美(『背番号』を着けないでのバッティング? いや、多分どこか『アタシの後ろ』にある) 


コップが恵美に向かって飛来する。 



615: SSまとめマン 2014/12/04(木) 22:39:35.50 ID:EmmiVb9iO



可奈「わあっ!」バッ 


恵美(ちょっと目を凝らせば躱せる速度。ヒモか何か付けて…無いね) 


ヒョイ 


恵美は軽々とコップを避ける。 


それもそのはず、恵美は昴のスタンド能力を知っていた。 


昴が打ったものは必ず最短距離を飛ぶ、つまり『直線的』な動きのみをするのだ。 


そんなことは昴だって知っている。 


昴「甘いぜ」ニヤ 


ググィィィーン 


恵美「曲がったッ!」 


そのままコップは恵美の腹にぶつかる。 


恵美「うぐっ」 


恵美(よし、ダメージは大したことない…) 


恵美に衝突した後、コップはコロリと地面に転がる。 



616: SSまとめマン 2014/12/04(木) 22:40:31.83 ID:EmmiVb9iO


昴「やっぱり大したことないな…」 


麗花「じゃあ昴ちゃん、私に『背番号』付けて?」 


恵美(麗花さんが突っ込んでくるのかな…? いや、取り敢えず状況を…) 


チラ 


布「」パタパタ 


恵美が振り替えると羽根の生えた布の切れ端がパタパタと飛び回っていた。 


恵美(…『背番号』を付けた物が移動するんだ) 


可奈「め、恵美さん…大丈夫ですか?」 


恵美「大丈夫。それより、先に『刃物』を手に入れて。足止めは…」 


昴「おいおい、逃がすと思ってんのか」 


麗花「はい、ぽわぁ~」 


麗花が両手を前に出すと、麗花の体から『番号の書かれたワッペン』が大量に飛び立つ。 


恵美「まさかッ!」 


昴「『背番号』そのものを飛ばす。な?強いだろ?」 



617: SSまとめマン 2014/12/04(木) 22:41:26.89 ID:EmmiVb9iO


恵美「可奈!走るよ!」 


可奈「う、うん!」 


恵美の言葉で二人は脱兎のごとく駆け出す。 


恵美「まともに相手をしてたら勝てないよ! いい?これから2手に別れるッ!」 


可奈「ええっ!?だ、駄目だよ!」 


恵美「…琴葉も『刃物』もないのにまともに戦えると思わないで」 


恵美「私が逃げて、引き付けるから。その隙に…ね?」 


可奈「うん…」 


恵美「次、角を曲がったらいきなよ」 


可奈「…絶対、戻ってくるからね」 


昴「待てー!」 


恵美「早っ…いくよ!」 


二人は同時に角を曲がり、昴の目を一時的に誤魔化す。そして可奈は少し行ったところの路地に入る。 



618: SSまとめマン 2014/12/04(木) 22:43:00.37 ID:EmmiVb9iO


恵美「さ、アタシも頑張ろうか」 


恵美「『アフタースクールパーリータイム』」 


2手に別れた後、恵美のスタンドが現れて『可奈』に変化する。 


ゴゴゴゴゴ 


ASPT『…………』 


ニャルルン 


可奈『…………』 


可奈『恵美さん!早く逃げましょう!』 


恵美「うん、バッチシ♪」 


昴「見つけた!」 


恵美「ほら、行くよ『可――」 


可奈「うわぁぁぁぁぁあああ!」 


恵美「え?」 


可奈「恵美さぁぁぁぁん!麗花さんに…あれ?」 


昴「あ、こんなところにも…」 


路地から出てきた可奈は昴の目の前に飛び出す。その可奈の後ろには麗花が佇んでいた。 



619: SSまとめマン 2014/12/04(木) 22:44:03.02 ID:EmmiVb9iO


可奈「あ、あ…」 


昴「そっちが本物か! 逃がさないで!」 


麗花「通さないよ~ブローック!」 


そのまま昴と麗花は距離を詰める。 


可奈「むむむ…わっ!」 


可奈が叫んだ直後、昴の前に可奈のスタンドが現れる。 


可奈のスタンドは等身大のマイクを二本背中に装備し、リボンを付けたオレンジ色をしていた。 


可奈「『オリジナルヴォイス』! それっ!」 


昴「くそッ!」 


昴の目の前に現れるのは一瞬だったが、攻撃そのものは遅い。未知からの不意打ちと既知からの攻撃ではその脅威に差がある。 


『オリジナルヴォイス』のパンチは軽々と『ビギナーズストライク!』で受け流される。 


昴「悪いけどなァ…オレ、メチャクチャ怒ってんだ」 


可奈「あちゃ~……」 


ドドドドドド 


昴「手加減はしねーぜ」 



620: SSまとめマン 2014/12/04(木) 22:45:02.01 ID:EmmiVb9iO


昴「オラァ!」 


『ビギナーズストライク』をフルスイングし、眼前の『オリジナルヴォイス』に振るう。 


『オリジナルヴォイス』は腕を差し出してガードするが、叩きつけられた『ビギナーズストライク』は易々と腕を砕く。 


『オリジナルヴォイス』のパワーは『ビギナーズストライク』を振るう昴よりも低い。 


可奈「い゛ッ!?」 


ブシャア! 


麗花「昴ちゃん!」 


昴「…………やり過ぎたよ、ごめん」 


麗花が叱咤すると昴は謝罪した。 


恵美から言わせてみれば殺しにかかっている相手に謝るなど言語道断、しかし、それだけ戦力差があるということでもある。 


恵美(可奈が…アタシ、やられるのを黙って…) 


その時だった。 


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ 


昴「!?」 


恵美「何の音!?」 


麗花「キャッ!」 


可奈「…?」 


琴葉が壊したビルが音を立てて崩れているのだが、この四人はその事を知らない。 



621: SSまとめマン 2014/12/04(木) 22:46:04.63 ID:EmmiVb9iO


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ 


ゴゴゴゴゴ… 


そして直ぐに地響きは収まる。 


昴「な、何なんだ…」 


麗花「地震…じゃなさそう?」 


恵美「動かないで!」 


ドドドド 


昴「!」 


可奈「あっ…!」 


恵美は『アフタースクールパーリータイム』の首を折るような素振りを見せる。 


恵美「動いたら、ポキン、だよ」 


麗花「志保ちゃん!?」 


昴「志保! 何でここに!?」 


恵美の腕の中には傷だらけの『志保』が居た。 


志保『だ、ダメです…私の事は気にせず…』 


恵美「話さないで、折るよ」 


志保『…………』 



622: SSまとめマン 2014/12/04(木) 22:47:52.21 ID:EmmiVb9iO


志保は恵美のスタンドが『擬態』したものであり、恵美の自作自演であるが、心理的な効果は抜群だ。 


昴「志保を放せ!」 


恵美「それなら可奈を、こっちに」 


昴「っ!」 


麗花「…………恵美ちゃん、それってスタンドじゃないの?」 


恵美「ッ!」 


恵美(ばれた…? いや、でもここで押し通さないと!) 


ゴゴゴゴ 


恵美「へぇ…言うね…別にさ、志保をこの場で殺ってもいいんだよ?」 


麗花「…………」 


昴「…さっき可奈は二人居た。その志保は偽物だろ!」 


恵美「…分からないの? 志保がニセモノか、本物か何て事は分からない。知ってるのはアタシだけ」 


昴「この…ッ!」 


麗花「…昴ちゃん、可奈ちゃんを向こうにやりましょう」 


昴「!? 何で!」 


恵美「いやいや、いい判断だよ」 


恵美(ほっ…) 



623: SSまとめマン 2014/12/04(木) 22:48:49.72 ID:EmmiVb9iO


可奈「うう…ごめんなさい…」 


志保『…………』 


可奈が涙ぐみながら恵美の方へ歩き、志保は何も言わずに昴たちの方へ向かう。 


恵美(あとは『志保』で昴を攻撃する、それから怯んだ隙に逃げて、琴葉を呼んで勝ち…) 


可奈「せっかく志保ちゃんを捕まえたのに…」 


恵美「いいのいいの、気にしない」 



昴「志保、無事だったか…?」 


志保『ええ、お陰さまで』 


恵美(油断したねッ!) 


志保『にゃはははッ!』 


ブン! 


昴「なっ…ぼふぁあ!?」 


無警戒に近寄ってきた昴に不意打ちの拳を振るうと昴は仰け反る。 


恵美「可奈!逃げ――」 


昴「分かってるよ…志保が偽者な事くらいな!」 


仰け反った、それは攻撃を喰らったからではなく『避ける』動作をしたからだ。 


恵美「はっ…?」 



624: SSまとめマン 2014/12/04(木) 22:49:42.21 ID:EmmiVb9iO


昴「そして『触れた』ぜ」 


ピト 


恵美「あ…ああ…!」 


恵美の背中に『背番号』が浮かび上がる。 


次に待つのは決して相手を逃さない地獄の千本ノック。 


麗花「うんうん、可奈ちゃん『も』やったことは償わないと…ね♪」 


ペタ 


可奈「え?」 


ドドドド 


可奈「ああああ! 私の背中にもあるぅぅぅぅうう!」 


麗花の動かす『背番号』が可奈の背中にも貼り付けられる。 


昴「ほら、志保…いや、恵美のスタンドも何処へでもやってもいいぜ」 


恵美(な…なんでバレたの…ううん、それよりも早く対策を…) 


恵美はあまりのショックに体が動かなくなっていたが、頭はフル回転していた。 


導き出した答えは一つ。 



625: SSまとめマン 2014/12/04(木) 22:51:46.90 ID:EmmiVb9iO


恵美(…………) 


恵美「可奈」 


可奈「……?」キョトン 


恵美「優先するのは『勝利』、どんなに惨めでも勝つことだよ」 


昴「何をゴチャゴチャと――『ノック』!」 


昴が「思いっきり」『ビギナーズストライク』を振るうと、コップはバラバラになりながら飛んで行く。 


恵美「恥も外聞もなくね――琴葉ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!!」 


可奈「! 琴葉さぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああん!!」 


たった一つのシンプルな解決法、それは叫ぶことだった。 


昴「無駄だぜ!『ノック』は『他人』に中断されなきゃ止まらないッ!」 


プラスチックの刃は一つ残らず恵美と可奈の左腕に吸い込まれていく。 


ビュゴォォォ! 


昴「洗いざらい吐いてもらうぜ」 



626: SSまとめマン 2014/12/04(木) 22:56:18.78 ID:EmmiVb9iO


恵美「ッ!」ギュッ 




















――――ドン!! 




















「恵美」 


琴葉「遅くなったわね」 


恵美「こ、琴葉ぁ…」 


可奈「琴葉さん!!」 



627: SSまとめマン 2014/12/04(木) 22:57:10.23 ID:EmmiVb9iO


昴「っ…!」 


麗花「わぁ…カッコいい♪」 


昴の『ノック』を遮るように上から現れたのは紅蓮の鎧、如何なる攻撃をも通さない金剛のスタンド! 


琴葉「志保ちゃんはちゃんと始末したわよ」 


恵美「さっすが委員長!」 


可奈「うぅ~よかったよ~」 


昴「麗花さん、琴葉に付けられる?」 


麗花「うーん…琴葉ちゃんがじっとしててくれればいけるかな?」 


クルッ 


琴葉「麗花さん、恵美たちがお世話になりました」ペコ 


麗花「? そんなに大したことはしてないから、そんなに頭を下げなくてもいいよ?」 


昴「違う違う、皮肉を言ってるんだよ」 


琴葉「だから…」 


ドドドドドドドド 


琴葉「容赦しません」 



628: SSまとめマン 2014/12/04(木) 22:58:00.11 ID:EmmiVb9iO


昴「ッ!?」ゾゾゾゾ 


麗花「『ファインドユアウィング!』」 


麗花と昴に付いている小さな羽が羽ばたき、風船のように上へ上へと舞い上がる。 


昴「おわぁ!?」 


琴葉「遅いッ!」 


ガシッ 


麗花「残念♪」 


琴葉は飛び立つ二人の片足を掴んで、地面に 
叩き付けるように降り下ろすが、幽霊のように地面を通り抜けてしまう。 


琴葉「!?」 


恵美「透過したッ!」 


吃驚して手を離した琴葉の真下から二人は飛び立ち、そのまま空へと飛んでいく。 


昴「じゃあなっ!」 


麗花「…………」 


ゴゴゴゴ 


可奈「逃げちゃいましたね…」 



629: SSまとめマン 2014/12/04(木) 22:59:03.00 ID:EmmiVb9iO


琴葉「ううん、丁度いいから、むしろ助かっちゃった」 


恵美「あ、もしかして『無くなった』?」 


琴葉「そ、そうだけど…」モジモジ 


可奈「?」 


恵美「にゃはははは! こ、琴葉がヘンタイになっちゃった! にゃはははははは!」 


琴葉「もう! 笑わないでっ!」 


可奈「あの~、何が無くなったんですか?」 


恵美「それはね…むふふ」 


琴葉「あ!言っちゃダ――」 


恵美「服が無くなったんだよ」 


可奈「ええっ!? 服が!?」 


琴葉「…一応…ね、話しておくけど」 


琴葉「私の能力は『服を鎧にする能力』なの」 


琴葉「でも服そのものが強くなる訳じゃなくて…」 


恵美「服が鎧に変わっちゃうんだよね~」 


可奈「じゃ、じゃあ! 私の服を!」バッ 


琴葉「大丈夫よ、恵美がちゃんと持ってきててくれたから」 


恵美「それはそうだけど、いきなり脱ごうとするのはダメだよ?」 


可奈「はい、やっと役に立てると思ったのにな~…」 


恵美「大丈夫大丈夫、アタシに任せなさいって」 











恵美「カッコいい能力だけど全裸だからね~」 


琴葉「!!!」 



630: SSまとめマン 2014/12/04(木) 23:00:59.83 ID:EmmiVb9iO



――――――――――――――――――――― 



昴「はぁ…琴葉は追っかけて来ないみたいだな」フワフワ 


麗花「早く志保ちゃんを探しましょう」フワフワ 


麗花と昴が手を繋ぎながら飛ぶ。 


行き先はたまたま目に入ったビル、そこは志保が先程戦っていた場所だ。 


昴「おーい!志保ー!」 


麗花「『いない』なら『いない』って言ってー!」 



そうして何回も呼び掛けるが、志保の返事はない。 


昴「怪我してるかもしれないし、降りようぜ」 


麗花「それもそっか…」 


昴「いると良いけどな」 


麗花「でもあんなビル、どうやって折ったんだろう?巨大化かな~?」 


昴「おいおい、不安になってきちゃうじゃん! まだ奥の手があるとか勘弁してくれよ」 



631: SSまとめマン 2014/12/04(木) 23:05:10.25 ID:EmmiVb9iO



二人はまずビルに降り立った後、上層からしらみ潰しに調べる。上層からと言っても所詮は四階程度、直ぐに終わる。 


そして一階まで降りた時の事だった。 


麗花「見て!昴ちゃん!」 


昴「? どうしたんだよ、そんなに慌てて」 


麗花「ここ、血があるわ。きっと重傷なのよ」 


昴「…本当だ。結構な量だし、早く『治療』してやらないとな」 


麗花「でも、どこに向かったんだろう?」 


昴(志保は電話をしてオレに助けを求めた。でも何かがあってビルが崩れている) 


昴(安心していいのは、志保はまだ生きてるってことか…) 


昴「ま、そんなに遠くにはいけないはずだよ」 


麗花「それなら…え~い!」 


麗花がまたしても『羽根』だけを飛ばす。 


昴「何するんだ?」 


麗花「志保ちゃんを飛ばせば、きっと早く見つかるはずよ♪」 


昴「おいおい、重傷者(推定)だぞ?」 


麗花「それなら、怪我を『飛ばし』てから来てもらいましょうか」 


飛び立った『羽根』はフラフラと宛もなく旅立った。 



632: SSまとめマン 2014/12/04(木) 23:06:03.99 ID:EmmiVb9iO


昴「んじゃ、オレ達はオレ達で探そうぜ」 


麗花「あれ?」ピト 


昴「ん?」 


麗花「『羽根』が無くなった…? こっち!」ダッ 


昴「お、おい!」 


昴の制止の声を無視して外に飛び出した麗花。 


麗花「ここらへんかな?」 


昴「…志保がいるのか?」 


麗花「うーん…ちょっと分かんないかも…」 


昴「…琴葉と恵美、可奈は絶対に麗花さんの『羽根』には触らない。『背番号』がついてるかもしれないのにわざわざ触る訳ないぜ」 


麗花「それもそうかも。じゃあ、志保ちゃーん!出てきてー!」 


スゥゥ 


志保「私はここにいますよ」 


昴「わっ!?」 


志保は二人の足元に居り、台車に乗っていた。 



633: SSまとめマン 2014/12/04(木) 23:06:52.70 ID:EmmiVb9iO


麗花「志保ちゃん!無事…じゃないみたい」 


志保「ゲホッゴホッ…まともに歩けないんです。申し訳無いですが、戦力にはなりそうにありません」 


昴「なーんだ、その程度か」 


志保「…?」 


麗花「まかせて♪」 


志保「傷を治すスタンドですか」 


麗花「いたいの、いたいの、『飛んで』行け~♪」 


志保の体、主に傷のある箇所から白い粉が溢れ、空中で一つの形を作り上げる。 


志保「これは…『羽根』?」 


麗花「バイバイ」 


麗花が手を振ると一対の『羽根』ら何処かへと飛び立つ。 


昴「…なぁ、『アレ』はどこに行くんだ?」 


麗花「さぁ?」 


志保「なんていい加減な…」 


昴「体はどうだ、完治してるだろ?」 


グッグッ 


志保「はい、問題ありません」 


昴「なら良かった」 



634: SSまとめマン 2014/12/04(木) 23:08:00.56 ID:EmmiVb9iO


麗花「ところで志保ちゃん、どんな『スタンド』が使えるの?」 


志保「簡単に言えば、完全なステルスです。速く動いてはいけないという制約付きですが」 


昴「オレのも説明しとこうか?」 


志保「知ってるので大丈夫です。それより麗花さんのを教えてください」 


麗花「私のはね、なんでもかんでも飛ばしたり、浮かしたりする能力かな♪」 


志保(概念系の能力…しかも応用も効く強力なものね。ただ、それを使う人間が麗花さん…) 


昴「…てか、何で志保はオレの能力を知ってるんだよ!」 


志保「ああ、そんなことですか」 


志保「プロデューサーが教えてくれました」 


昴「なーんだプロデューサーか、はははははは!」 


昴「ってなるか! なんでプロデューサーが知ってるんだよ!」 




昴の中に『不安の種』が埋められる。 



635: SSまとめマン 2014/12/04(木) 23:09:00.75 ID:EmmiVb9iO


麗花「プロデューサーさんもスタンド使いなんだ…」 


志保「それについては後ででもいいですか? 今は現状の確認と、これからの行動の方針について話し合いましょう」 


麗花「あ、志保ちゃんお昼まだだったでしょ? お腹がすいてたら力は出ないよ♪」 


志保「…お昼を食べている場合じゃありません、一刻も早くあの恐るべき『イーストレッドクレッシェンド』の攻略法を探るべきです」 


昴「そんなこと言ってもよ…あ、メールだ」ブブブブ 


パカ 


麗花「あ、プロデューサーさんから」 


志保「貸してください!」 


パシ 


昴「お、おい!」 


志保「…………」 


麗花「何が書いてあるの?」 


志保「読みますね… 

  『東京へ直ぐに戻り、シアターへと帰還せ   よ。琴葉達は無視してもよい』だそうです」 


昴「シアターに…?」 


麗花「新幹線ね♪それなら駅弁があるから…」 



636: SSまとめマン 2014/12/04(木) 23:10:26.54 ID:EmmiVb9iO


志保(………………) 


ドドドド 


志保(プロデューサーは私達の同行を知ってる…こっちに来ないのには訳がありそうね) 


志保(しかも行き先が『シアター』…) 


昴「おいおい…『信用』出来るかよ、こんなの」 


ゴゴゴゴ 


志保「…どうしてですか?」 


昴「…まずさ、この状況を知ってるのがおかしいだろ」 


昴が暗に示すのは『疑い』、それも志保への。 




『不安の種』に『疑い』の水を蒔いて『疑心』が芽を出す。 




昴「行き先も指定されてるし、プロデューサーが何かを企んでるとしか思えない」 


志保「プロデューサーさんは信用に足る人です」 


昴「証拠はあるのか?」 


志保「ありません」 



637: SSまとめマン 2014/12/04(木) 23:13:32.48 ID:EmmiVb9iO


昴「…………志保がこっちに来たのもプロデューサーの差し金だよな」 


志保「…………だったら何か、問題でも?」 


志保は良くも、悪くも、プロデューサーを『盲信』していた。 


スタンドパワー、精神力、頭脳、知性、厳格な雰囲気、道を歩く人間などゴミクズも同然、そのくらい抜きん出ていた。 


そして彼は道を照らす『太陽』のような存在であり、アイドルに注がれる溢れんばかりの愛情は志保の中の『家族』、それも今だ見ぬ『父親』を感じさせていた。 


昴の感じた志保への『疑心』はプロデューサーへの侮辱、昴がそうとは思ってなくとも、志保はそう感じていた。 


『盲信』は人を狂わせ、その判断を誤らせる。 


『疑心』は人を惑わせ、その不信を暴かせる。 


二つの矛が今、顔を会わせた。 


昴「…念のため、『背番号』を付けとけば良かったぜ」スッ 


志保「口でわからないグズは、直接分からせた方が良いみたいですね」スッ 



638: SSまとめマン 2014/12/04(木) 23:17:35.37 ID:EmmiVb9iO


ゴゴゴゴゴゴゴゴ 


昴「『ビギナーズ―― 
志保「『ライアー―― 


麗花「ストーーーーーップ!!!」ビリビリ 


昴「!」キーン 
志保「ッ!」キーン 


麗花「喧嘩は駄目よ?」 


しほすば「「…………」」 


熱は冷めても、その疑いは晴れない。 


昴(…『何か』が志保にはあるはず、可奈や恵美に起きた変化が) 


志保(この協力すべき状況、不和を煽るのはおかしい…まさか『マスターピース』が…?) 


ドドドド 


麗花「二人とも握手握手!」 


昴「悪かった」スッ 


志保「私もすみませんでした」スッ 



639: SSまとめマン 2014/12/04(木) 23:18:31.94 ID:EmmiVb9iO


ギュゥゥゥゥゥゥゥウウウウウ 


しほすば「「………………」」 


麗花「はい、仲直り♪」 


昴(コイツ…) 


志保(やっぱり…) 


((隙を見てブッ飛ばすッ!!)) 



疑心暗鬼の霧が765プロに忍び寄る。 













To be continued… 


640: SSまとめマン 2014/12/04(木) 23:20:22.17 ID:EmmiVb9iO
ハイドン 


本体・人間・田中琴葉 
スタンド『イーストレッドクレッシェンド』 

装着型 

破壊力C  スピードA  射程距離E 

精密動作性C  持続性A  成長性D 

能力射程E 


『服を鎧にする能力』 


紅蓮の西洋甲冑。 

手の甲には『アンカー』が付いており、射出することで壁に張り付いたり、物に巻き付けたりすることが出来る。 

防御性能は凄まじく、並のパワーではその装甲を変形させることはおろか、内部に衝撃を伝えることも叶わない。 

全体的な身体能力は上昇し、脚部には高速移動を可能にするピストンが付く。 

ただし、鎧は着ている服の大部分を使うためかなりの厚着をしないと連続した使用が出来ない。 

一般人にも見えるので警察に逮捕される心配は無用だが、防御を上回る攻撃で鎧は無くなる。 

そして素材が布であるため火に滅法弱い。 



641: SSまとめマン 2014/12/04(木) 23:21:15.87 ID:EmmiVb9iO
ハイダゴン 


本体・人間・所恵美 
スタンド『アフタースクールパーリータイム』 

遠距離型・人型 

破壊力D  スピードC  射程距離A 

精密動作性B  持続性A  成長性E 

能力射程A 



能力『擬態する能力』 


スタンドであろうと人であろうと、その姿を変える事が出来る。 

声も擬態する人間と同じになり、滅多なことがない限り見破ることは出来ないだろう。 

しかし水に濡れると擬態の効果が薄れ、『歪んで』しまうため別人だとばれる。 



642: SSまとめマン 2014/12/04(木) 23:26:06.22 ID:EmmiVb9iO

本体・人間・矢吹可奈 
スタンド『オリジナルヴォイス』 

遠距離型・人型 

破壊力D  スピードD  射程距離A 

精密動作性C  持続性C  成長性B 

能力射程A 


能力『音に乗って移動する能力』 


あらゆる音に乗って移動する事が出来る。 

ただし、声の大きさがある程度無くてはいけない。 

音に乗るとき、物を運ぶことが出来るが、持てないものは持ち運べない。 


終わりだよ(o・∇・o) 


次は大晦日の時かな? 

受験だってのに何やってんだ 

ぷっぷかPの方がいらっしゃいましたら口調や呼称等をご教授くださいまし。 





654: SSまとめマン 2014/12/31(水) 11:24:53.81 ID:KetTGI0y0

幕間的な 





――――事務所 




事務員「…………」カタカタカタカタ 


P「志保」 


志保「はい、なんですか?」 


夕方五時。 


三人しかいない事務所で、Pは志保に話し掛ける。 


P「『頼み』がある」 


志保「また……ですか」 


P「犯罪の片棒を担がせているようで悪いな」 


志保「いえ、『分かって』ますから」 


P「そうか…」 


チラ 


『……であるからして、我が党は…………』 


志保「…………今度はあの人ですか」 


P「そうだ」 


志保「また、盗聴器を?」 


P「この袋に入ってる」 


ドサ… 



655: SSまとめマン 2014/12/31(水) 11:26:07.13 ID:KetTGI0y0


志保「…………本当に、これが『正しい』んですか?」 


P「……………………」 


P「志保、世の中には『理不尽』が満ちている」 


P「父親がいなくなったのも…『理不尽』だとは思わないか?」 


志保「……」コクン 


P「この世から『理不尽』を無くす…一つ残らず、徹底的に、完全に!」 


P「ならば『理不尽』を行使者を! 

『搾取』する『支配者』を! 

『邪悪』の根源を! 

『道理』の無い暴力を!」 


P「この世から『排除』するのは『正しい』はずだ」 


Pの目が、志保を覗き込む。 


P「そう、だろ?」 


ドドドド 


志保「そう、です…」 


P「そう…『正しい』んだ、これが絶対的な『正義』」 


ドドドドドドドド 


P「そして『ステップアップガチャ』ならば、その終着点ならば『正しさ』は『現実』になる」 


Pは志保の頭に手を置き、撫でた。 


志保は目を瞑って、その温もりを享受する。 



656: SSまとめマン 2014/12/31(水) 11:27:18.04 ID:KetTGI0y0


P「志保」 


志保「…はい」 


P「やってくれるな」 


志保「分かり、ました…」 


Pは優しく志保を抱き締める。 


志保は黙って、その温もりを享受する。 


P「愛してる、我が子のように」 


志保「…はい」 


志保はPから離れると、盗聴器の入った袋を持った。 


P「いってらっしゃい」 


志保「いってきます」 



















↓ちょっとえぐいかも 
―――――――――――――――― 



657: SSまとめマン 2014/12/31(水) 11:28:14.67 ID:KetTGI0y0



















『穴』があった 


深く、暗く、人の訪れない谷底に 


『穴』は出来た 




















658: SSまとめマン 2014/12/31(水) 11:29:23.24 ID:KetTGI0y0



女の子「オーディション、また…ダメだった」 


男「そうか…」 


人気の無い路地に面した事務所、そこには一人の『アイドル』と『プロデューサー』がいた。 


男「……俺ももっと頑張って仕事を取ってくるからさ、一緒に頑張ろう!」 


女の子「また、ダメだったんだ」 


男「……二ヶ月経っても売れないのは俺のせいだ…だから…」 


女の子「…………」 


男「確実に仕事を取れる方法、やろうか」 


女の子「え…?」 


ガチャ 


ゾロゾロゾロ 


「今回はコイツっすかぁ?」 
「うひょー!『味見』はありなんですよね?」 
「へっへっへ、上玉だなぁ…」 


女の子「だ、誰…?」 


柄の悪そうな男が数人、狭い事務所に入ってくる。 


ガシッ 


女の子「!?」 


男「枕営業…って知ってるか」 


女の子「な、なんでッ!」 


ガシッ 


「へっへっへ、動くなよぉ…」 


女の子「いやッ!放してよ!」 



659: SSまとめマン 2014/12/31(水) 11:30:33.63 ID:KetTGI0y0


「叫んでも誰も来ねぇよ!」 


男「まずは俺から『味見』させてもらうぜ~」ニヤ 


「売れるための練習だよ、練習」 


女の子「やめてッ!」 


ジタバタ 


「活きがいいぜ…へっへっへ」 


男「おら!」 


ビリビリ 


女の子「あんたら、ただじゃ済まないよ!」 


「気付いたときには遅いんだよ!」 


「ヤク漬けになっちまってな、へっへっへ」 


P「楽しそうじゃないか」 


「あたりま…誰だ!」 


女の子「え…?」 


ドドドドド 


P「邪魔だ」 


ドン 


「ぐぴっ!?」 


P「まだ、何もされてないか」 


男「こ、コイツ765プロの…!」 


「な、765プロ!?」 


P「目を閉じて、耳を塞ぎなさい」 


女の子「は、はい…」 


ギュッ 


「て、テメェ無視してんじゃねえ!」 


P「こっちへ」 


女の子「…………」

660: SSまとめマン 2014/12/31(水) 11:32:40.03 ID:KetTGI0y0


男「お、おい!どうせ一人だ!取り押さえろ!」 


「三人に勝てるわけ無いだろ!」 


「おら、大人しくしろおら!」 


バギッ! 


「うお…あ、脚が…ああああああ!」 


「痛いぃぃぃぃぃぃいい!」 


男「う、うわぁぁぁぁぁああ!」 


P「…………」グイ 


女の子「…………」スタスタ 



バタン 




P「目を開けなさい」 


パチ 


女の子「え…あ、あの、ありがとう…」 


P「…服が破れているな、これを着なさい」バサッ 


女の子「え…?」 


P「それから、これは私の書いた『紹介状』だ。自分の入りたいプロダクションに持っていきなさい 


女の子「???」 


P「CGプロや876なんかは優良だな、とにかく、アイドルをつづけたいのなら持っていきなさい」 


女の子「は、はい…?」 


P「『正しさ』を求める限り、味方でいよう」 


女の子「…………?」 



この女の子には、何がなんだか分からなかった。 


しかし、間違いなく、この行為は『正しい』ものだった。 



661: SSまとめマン 2014/12/31(水) 11:34:49.84 ID:KetTGI0y0

























『穴』があった 


鳴き声と、呻き声と、蛆の音と、 


嘆きと、餓えと、乾きと、 


皮と、血と、肉と、骨と、 


希望と、狂気と、絶望と、虚無が、 


人知れず、そこにはあった。 


『正しさ』は最も『邪悪』であった。 











662: SSまとめマン 2014/12/31(水) 11:37:30.39 ID:KetTGI0y0

あらすじ 


志保、麗花、昴は崩壊したビル前で合流するも、思わぬ疑いを掛け合い疑心暗鬼に陥ってしまう。 



そんな中、麗花が東京へ行く手段として新幹線を上げた。 




――――静岡駅 




昴「人一人居やしないぜ」 


シィーン… 


麗花「でも、街の方には人が『来た』わよ?」 


志保(『いつものスタンド』ね。回りに迷惑を掛けないようにしてるのか、してないのか分からないけど) 


のり子やPが仄めかす正体の掴めないスタンドの事だ。 


志保「『このスタンド能力』は放っておきましょう。危害を加えられたことはありません」 


昴「…オレ達は待ち伏せされてたようなもんだぜ、その発言はおかしいんじゃあないのか」 


志保「…いつまでも、そうやって居もしない敵と戦ってなさい」 


昴「目の前の奴はカウントしてないのか?」 


ゴゴゴゴゴ 


志保「…………」 


昴「…………」 


志保は昴をぶっ飛ばしたいとは思ったが、別に『敵』だと思っている訳ではない。 


ただ『盲信』しているプロデューサーを馬鹿にされたのが許せないだけだ。 



663: SSまとめマン 2014/12/31(水) 11:39:32.38 ID:KetTGI0y0


麗花「ただいま♪ はいっ、これ」 


昴「…弁当?」 


昴は何処かへ行っていた麗花から美味しそうな蒲焼き弁当を受けとりながら考えていた。 


昴(志保は『ボロ』を出さない…志保の能力なら気付かれない内にオレを倒せるからすぐに『ボロ』を出すと思ってたけど…) 


昴(琴葉に来られたらもう終わりだ、志保が『敵』なら詰みだ。何とかして味方だっていう証明をしないと!) 


昴は歩み寄る方法を考えていた。 


ただ、殴られたら殴り返すマシーンに殴りかかって距離を縮めようとしているだけだ。 


距離が縮まるわけがない。 


麗花「はい、志保ちゃんにはひつまぶしね」 


志保「お湯が必要な物じゃないんですか…?」 


そんなギスギスした時間を過ごしていた時だった。 


??「失礼しますッ!!」 


突然の大声、三人は驚いて振り向く。 


志保「誰!」 
昴「誰だ!」 


??「はッ!私、『朋花様』より命を頂きやって参りました子豚に御座いますッ!」 


麗花「うわぁ…スッゴク濃い!」 


子豚「皆様を東京へとお連れしろとの事でありますッ! さささ、此方へ!!」 


志保「惑わされたらダメよ、こいつはスタンド使い! 今この場に居るということはそういうことよ!」 


ドドドドド 


子豚「はッ! 私は『時間を計る』しか能の無い者にてありますッ!! 如何様に疑われようと、無力な子豚に御座いますッ!」 


昴「信用…出来るか?」 


子豚「はッ! 朋花様のご意向に逆らうような行為は『魂』にかけて致しませんッ!」 



664: SSまとめマン 2014/12/31(水) 11:40:44.42 ID:KetTGI0y0


子豚「それでもと仰るのなら、私は新幹線を動かすために先頭車両へと向かいます。その背中を攻撃なさって下さいッ!」 


言うだけ言って子豚は去って行った。 


志保「何なんですか…?」 


昴「どうする?」 


麗花「うーん…」 


志保「…敵は私たちの動きを追っている筈です。罠にしろ、交通手段が無い今、行くしかないでしょう」 


昴「待ち伏せでもしてるのか?」 


志保「は? そんなに嫌なら来なければ良いんじゃないんですか」 


スタスタ 


麗花「あっ、私も行く!」 


昴「…………」 


昴「仕方ねえ…」 


スタスタ 


スタスタ 


志保「結局来るんですか」 


昴「うるせえ! 麗花が心配だから着いてきたんだよ!」 


麗花「ふ、二人とも!」アタワタ 


志保「あっちが突っ掛かってきただけです」 


昴「ふん、まだ信用できないだけだよ」 


麗花「困ったなぁ…」 



665: SSまとめマン 2014/12/31(水) 11:41:52.50 ID:KetTGI0y0


トラブルの絶えない一行に、先頭の客席から顔を出した子豚が呼び掛ける。 


子豚「皆様、お揃いでありますか!!」 


志保「はい、すぐにお願いします」 


子豚「かしこまりッ!!」 


志保「念のため、一番前に行きましょう」 


昴「…………」 









――――――――――――――――――― 


――――駅構内 


恵美「いやー、街に人が出てきたときは吃驚したけど」 


可奈「何とか間に合いましたね!」 


琴葉「服もちゃんとあるし、準備万端ね」 


可奈「今度はちゃんと活躍しますよ!」 


琴葉「ふふ、期待してるわね」 


会話をしながら、志保たちが乗り込んだあとの新幹線に乗り込む。 


大きめの荷物を持ち、さながら旅行帰りの女学生のようだ。 


そして新幹線が駅を出発するまで待つ。 



666: SSまとめマン 2014/12/31(水) 11:43:21.73 ID:KetTGI0y0


プシュー 


可奈「あ、そろそろですね」 


琴葉「それじゃあ…」 


琴葉「『イーストレッドクレッシェンド』!」 


バンッ! 


琴葉の服の一部が弾け飛び、紅蓮の鎧へと変貌する。 


可奈「うわ~…凄いなぁ…」 


恵美「ちょっとえっちいよねー」 


琴葉『き、気にしてるんだから言わないでっ!』 


恵美「にゃはははは!ごめんごめん」 


琴葉『もうっ!』 


恵美「んじゃ、いってらっしゃい」 


琴葉『うん、何かあったら任せたわよ』 


ダンッ! 


全身を強固なスタンドで覆われた琴葉は、脚部のピストンで地面を強く押しながら走り出す。 


ダムダムダムッ!! 


新幹線内の通路を駆け抜けるが、連絡口の扉が邪魔をする。 


琴葉『邪魔よ!』 


ドグジャァ! 


鉄の壁すら紙のように突き破り、破竹の勢いで先頭車両へと進撃する。 



667: SSまとめマン 2014/12/31(水) 11:44:36.28 ID:KetTGI0y0


そんな迫り来る強敵に真っ先に気付いたのは志保だった。 


志保「! 二人とも奥へッ!」 


琴葉(気づかれたかッ!) 


麗花「え?」 


待ちに待っていた弁当を置いて、志保は無理矢理二人を操縦席と客席の間の通路に押し込める。 


麗花「あ、琴葉ちゃんね!」 


昴「な、何すんだよ!」 


志保「いいから黙って入って!」 


琴葉『無駄無駄無駄!策を労しても受け止められないわよッ!』 


その時速、約60キロメートル。 


ちょっとした交通事故程の衝撃を受け止めるには『ライアールージュ』はパワー不足、『ビギナーズストライク』は論外、『ファインドユアウィンド』は不明というラインナップ。 


不確定な要素に賭けるのは余りにもリスキーで、避けるには遅すぎて狭すぎた。 


昴(志保の罠か!) 


昴「どけッ! やっぱり…」グイ 


志保「自爆する奴が何処にいるのッ!」 


琴葉『ブッ潰れろッッ!!!』 


志保「閉まれッ!」ピシャリ 



668: SSまとめマン 2014/12/31(水) 11:45:55.36 ID:KetTGI0y0


ドンッ! 


一際大きな踏み込み、琴葉は志保が閉めた扉に向かって砲弾のように突っ込む。 


バギィ! 


琴葉『ふん、頭に蛆でも沸いたのかしら』 


志保「それは私の台詞です」 


琴葉『なッ!』 


志保「あなたの居場所は『外』です」 


志保「『存在しない』壁に突っ込めるわけないでしょう?」 


琴葉『だ、騙したわねぇぇぇぇぇぇぇえ!』 


新幹線の壁を突き破り、琴葉の体は宙を舞って後方へと飛んでいく。 


バッ! 


琴葉『はぁぁぁぁぁああ!』 


バシュン! 


しかし、新幹線から飛び出たにも関わらず、空中で姿勢を立て直しながらアンカーを射出、見事に車両にへばりつく。 


琴葉『…危なかったわ』 


麗花「!」 



669: SSまとめマン 2014/12/31(水) 11:47:05.58 ID:KetTGI0y0


昴「うっ、まだ健在か…」 


志保「厄介ですね」 


麗花「それなら私が行ってくるわ!」 


志保「?」 


麗花「二人は恵美ちゃんと可奈ちゃんをお願いね!」 


昴「れ、麗花さん!?」 


バッ 


麗花は羽根を自身に生やすと、新幹線の外へと行ってしまった。 


昴「あー…」 


志保「…………」 


志保「仕方ありませんね、さっさと終わらせましょう」 


先に、この新幹線の何処かに居る筈の二人を探しにいこうとする志保。 


昴「…待てよ、その必要はないぜ」 


ドドドドド 


志保「どういうことですか?」 


昴「あいつらには『背番号』が付いてる、すぐに終わるぜ」 


志保「どうだか」 


昴「なんだと!」 


ドドドドド 


志保「その『穴だらけ』のスタンド、もう見破られてるんじゃないんですか?」 


昴「ッ!?」 



670: SSまとめマン 2014/12/31(水) 11:48:07.42 ID:KetTGI0y0


志保「その様子じゃ図星ですね。なら私が行ってきます」 


スタスタ 


昴「関係ないね、オレがやる!」 


スタスタ 


志保「付いてこないで下さい」 


昴「志保が勝手に先回りしてるんだろ」 


二人は走り出す。 


志保「昴さんは引っ込んでてください!」 


昴「いーや! まだ信用した訳じゃない、任せられるか!」 


タッタッタッ 


志保「バット一本で何をするんですか!」 


昴「うるせえ! バット馬鹿にすんなよ!」 


ダッダッダッ 


志保「私が倒します!」 
昴「オレが倒す!」 


可奈「ひゃっ!?」 


恵美「ちょ、ちょっと!」 


しほすば「「居た!」」 


志保と昴はそのまま恵美と可奈の居る場所に着いていた。 


ピト 


可奈「よーし、ここは早速わたしの…」 



671: SSまとめマン 2014/12/31(水) 11:49:10.62 ID:KetTGI0y0


恵美「待って」 


可奈「はい?」キョトン 


恵美「もう少し様子見しよう」 


恵美(すごーく嫌な雰囲気が伝わってくるよ…もしかしたら仲間割れくらい…) 


昴「志保より先に仕留めるッ!『ノック!』」 


ガギン! 


ドウッ! 


昴が『ビギナーズストライク』を『思い切り』振ると、コップは粉々になって飛んでいく。 


恵美(ダメみたいだね) 


可奈「き、来ましたよ!」 


恵美「慌てないの、よーく見ると…」 


ドウドウッ! 


恵美「可奈!」 


可奈「はい!」 


可奈が恵美の前に飛び出し、コップの破片を体で受け止める。 


バッ 


ポトポトッ… 


昴「ッ!」 


可奈に当たったコップの破片は、一つ残らず地面に落ちる。 


恵美(…バットで殴られさえしなければ、恐るるに足らない) 



672: SSまとめマン 2014/12/31(水) 11:50:18.82 ID:KetTGI0y0


恵美(そして志保は…) 


志保「駄目みたいですね、私がやります」 


昴「そんな…」 


昴はガックリと膝をついた。 


ドドドドド 


志保「さぁ、覚悟はいいですか?」 


恵美(完封できる) 


可奈「どうしましょう…?」 


恵美「ま、任せなって」 


志保「恵美さんからですか」 


恵美「たかくくってると、痛い目に会うよ」 


志保「へぇ…」 


バッ 


志保『無駄ッ!』 


ブゥン! 


恵美「そうそう…それでいいの…」 


恵美「『アフタースクールパーリータイム』」 


ピト 


志保の拳が恵美の眼前で止まる。 


志保「な、な…んで…」 


母親『志保!?』 


弟『お姉ちゃん止めて!』 


志保「う…あ…ああ…!」 


母親(恵美)『どう?』 


恵美は志保の母親に、『アフタースクールパーリータイム』は弟に『擬態』した。 



673: SSまとめマン 2014/12/31(水) 11:51:30.31 ID:KetTGI0y0



昴「…………志保?」 


てっきり、志保が既に終わらせていると思っていた昴は顔を上げて驚く。 


昴「一体どうしたんだよ!?」 


志保「な、殴れるわけ無いじゃない…! 中身は違っても、『家族』なのよ…!」 


母親『引っ込んでろスカタン!』 


ゲシッ! 


恵美の前蹴りが志保の腹に刺さる。 


志保「うぐっ…!」 


昴「な、何やってんだ! 反撃しろ!」 


流石の昴も、『志保の陰謀』説は頭から吹っ飛んでいたようだ。 


志保「こ、この!」バッ 


弟『うわぁぁぁぁあん!いたいよぉぉお!』 


志保「ッ!?」 


志保が拳を上げると、弟に化けた『アフタースクールパーリータイム』が悲痛な叫び声をあげる。 


志保「だ、だいじょ――」 


弟『ふん!』 


バン! 


志保「ぶふッ!」 


思わず駆け寄った志保の顔にパンチを入れ、思わず倒れた所へ、恵美自身とスタンドとが殴ったり蹴ったりとやりたい放題やってしまう。 


昴「な、にやってんだ…あんな自信満々でいたくせに…」 


昴は呆然とそれを見続ける。 


『志保ならば』と思うところがあるのだろう。 


志保「ううっ…うううぅぅぅぅぅぅ……」 


しかし、当の本人は耳を塞いで幼子のように踞ってしまった。 


昴「志保…嘘だろ…」 



674: SSまとめマン 2014/12/31(水) 11:52:41.82 ID:KetTGI0y0


可奈「あのー…そろそろ昴さんも…」 


恵美「あ、そうだったそうだった」 


志保の母親の姿をした恵美は、志保を足蹴にして通路の真ん中へとやると、可奈を自分の前に移動させた。 


恵美「頼んだよ」 


可奈「はーい」 


昴「な、何だ…?」 


昴はこんなことをしている場合じゃない、と立ち上がって可奈達に対峙する。 


可奈「よい…しょっと!」 


グイ 


昴「…拡声器?」 


気づけば、恵美はドアを閉めて一両後方の車両に居た。 


可奈「えー…これを…」 


昴「ッ!」 


昴「させるか!」 


昴は可奈に駆け寄りながら『ビギナーズストライク』を構えて殴ろうとする。 


可奈「出来た――――あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」 


ギィィィィン!! 


昴「ッ!?」 


拡声器を持った可奈が大声で叫ぶと、その音の大きさに昴は思わず耳を塞ぐ。 


昴(う、うるさ――) 


ドンッ! 


昴「――がはッ!?」 


可奈『やった!』 


昴の腹部に強烈な衝撃が走る。 


昴「な、なんで…だ…」 



675: SSまとめマン 2014/12/31(水) 11:53:40.76 ID:KetTGI0y0


可奈『オリジナルヴォイスの能力は、『音に乗る』んです!』 


可奈『ナイフが無くっても戦えるんですよ!』 


恵美(いやー、なんであの時に思い付かなかったのかねー…流石琴葉!) 


昴「そう、かい…自慢のスタンドは…後ろに行っちまった、みたいだな!」 


バッ 


昴「『ビギナーズ―― 


可奈『そのための『拡声器』ですッ!』 


ドンッ! 


昴「ぐはッ!」 


昴が飛びかかろうとしたところ、後ろから叩き付けられて地面に伏せてしまう。 


可奈『音は、響くんですよ!』 


昴(ま、まずいぜ…『ビギナーズストライク』じゃあまともにやりあえない…!) 


ドドドドド 


可奈『さて、あと何回で終わるでしょーか?』 


昴「今すぐ終わらせろッ!」 


バッ 


可奈『往生際が悪いですよッ!』 


可奈「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」 


ドンッ! 


ドカッ! 


昴「ぶほッ…がはッ…!」 



676: SSまとめマン 2014/12/31(水) 11:54:59.52 ID:KetTGI0y0


可奈『これが音速の攻撃ですッ!』 


ドンッ! 


昴「ごはッ!」 


可奈『うりゃりゃりゃりゃ!』 


ドンドンドンドンドンッ! 


可奈『うりゃぁぁぁぁぁぁあ!』 


ドガッ! 


昴「――――ッ!」 


ドスン 


ピクピク… 


昴「ぁぐッ……はぁ…ふぅ…」 


昴は吹っ飛ばされ、待たしても地に伏す。 


可奈「一人じゃ何にも出来ないスタンドなんてゴミゴミゴミゴミゴミッ!」 


可奈「糞以下の役にもたたねーんだよッ!」 


昴「………………」 


昴(思えば…そうだったな…) 


昴(のり子がいなきゃ、戦いにならなかったし、立ち直れなかった) 


昴(麗花さんがいなかったら今ごろ死んでた…) 


昴(……志保がいなきゃ、琴葉に気付かずに轢かれてた) 


ドドドドド 


昴「なんにも…出来ない…」 


可奈「そうですッ! だから私でも引導を渡せるッ!」 


昴「ははは…」 



677: SSまとめマン 2014/12/31(水) 11:57:18.57 ID:KetTGI0y0


可奈「トドメですッ!」 


可奈「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」 


可奈がとどめの一撃を、大声を出して繰り出す。 


音速で迫る可奈のスタンドが、昴の顔面目掛けて拳を振るう。 


昴「ちっくしょぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」 


昴は己の弱さを恨み、悲しみのままに叫んだ。 


すると『オリジナルヴォイス』は止まった。 


可奈「あああああぁぁぁ、あ?…あれ?」 


『叫んだ』。 


昴「と、止まっ…た?」 


可奈「まずっ…!」 


昴「そうか…!『音に乗る』事は出来ても『速すぎて』操作できないのかッ!」 


可奈「ば、バレた~!!」 


昴「だから『刺す』とか、すれ違い様に『殴る』事しか出来ない。加えて大声を出されると『止まる』ッ!」 


可奈「こ、こうなったら!」 


可奈「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」 


昴「うるせぇぇぇぇええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!」 


ドンッ! 


バギッ! 


中途半端に、可奈と昴の間でうろちょろする『オリジナルヴォイス』を無視して、昴は『ビギナーズストライク』で拡声器を叩き壊す。 


可奈「こ、壊れ…た…」 



678: SSまとめマン 2014/12/31(水) 11:58:43.83 ID:KetTGI0y0


昴「ゲームセットだ」 


バッ 


恵美「そうはいかないよ!」 


昴「何ッ!?」 


恵美「『アフタースクールパーリータイム』」 


ドォォォォ――――ン!! 


昴の母親(可奈)『はぁ…助かった…』 


昴「か、かあさん!」 


恵美「親を、バットで殴れる?」 


昴「く、クソ!卑怯だぞ!」 


志保「ええ、全くです」 


恵美「にゃははははは! 完全しょう…ん?」 


昴「お、お前ッ!」 


志保「『存在』の分からないスタンドを、いくら自分のものとはいえ操れますか?」 


恵美の姿は『恵美』に戻っていた。 


恵美「ははは…マジ?」 


志保『無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ッ!』 


ドガドガバギドゴォ! 


恵美「グブォ!?」ピクピク 


可奈「そろ~り…」 


昴「逃がすか!」 


可奈「やっぱり!」 


昴「オラオラオラオラオラオラオラオラッ!」 


ガンドガゴバギッ! 


可奈「ぼへぇぇ――!」ピクピク 



679: SSまとめマン 2014/12/31(水) 12:00:08.62 ID:KetTGI0y0


昴「はぁ…」 


志保「…………」 


昴「助かったよ」 


志保「いえ、たまたまです」 


昴「その…オレ、言いたいことが…」 


志保「私もです」 


昴「そ、そうか? 先に言うぞ?」 


昴「すぅー…はぁー…」 


昴「う、疑って、ごめん…」 


志保「…………」 


昴「そ、それだけだ!うん…」 


志保「大丈夫です。その代わり…」 


昴「その代わり…?」 


志保「プロデューサーにも謝ってください。メールでも良いです」 


昴「はぁ!?」 


志保「謝ってください」 


昴「…………」 


昴「…志保、プロデューサーに『その気』があんのか?」 


志保「! そんなわけないでしょ!」 


昴「ッ!?」 


昴(な、なんだ…目がヤバイ…完全に『イッちまってる』…) 


昴「わ、分かったから怒るなって…」 



680: SSまとめマン 2014/12/31(水) 12:01:28.05 ID:KetTGI0y0



志保「…………」 


昴「はいはい、ご…め…ん…な…さ…い…っと」 


ピロリン 


昴「これでいいだろ」 


志保「…まぁ、良しとします」 


昴「まあ、それはそれで…恵美たちは…」 


志保「…来るわよ」 


昴「え?」 


すると、恵美と可奈のスタンドが現れ、その頭部から『マスターピース』が体の半身を出す。 


ニュルン 


昴「なッ、なんだコイツはッ!」 


ドドドドド 


志保「『マスターピース』…コイツが原因よ」 


MP『……ヘッヘッヘ、今マデ数体ノオレタチガ、世話ニ…』 


志保『無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ッ!』 


ドガドカドガンッ! 


MP『ブボォ――――ッ!』 


『アフタースクールパーリータイム』の頭から出ていた『マスターピース』は即座にぶっ飛ばされ、粉となって消えた。 


MP(in可奈)『ナ、ナニィ――――ッ!?』 


昴「だ、大丈夫なのか?」 


志保「聞くことは無いし、隙を与えるだけ無駄よ」 


MP『ナンテ滅茶苦茶ナ奴ダッ!』 


昴「オラァ!」 


ブン! 


ゴシャァ! 


MP『』ピクピク 

志保の言葉を聞いた昴は、振り返り様に『オリジナルヴォイス』の頭の『マスターピース』の頭を吹っ飛ばす。

681: SSまとめマン 2014/12/31(水) 12:02:14.77 ID:KetTGI0y0


サァァ… 


志保「昴も相当…」 


昴「言うな!たまたまだって!」 


志保「それにしても、麗花さんは…」 



























―――――――――――――――――――― 

682: SSまとめマン 2014/12/31(水) 12:03:28.74 ID:KetTGI0y0




麗花「それなら私が行ってくるわ!」 


志保「?」 


麗花「二人は恵美ちゃんと可奈ちゃんをお願いね!」 


昴「れ、麗花さん!?」 


バッ 


麗花は羽根を自身に生やすと、新幹線の外に飛び出した。 


ゴォォォォォォ 


ストッ 


麗花「おっとっと…」 


琴葉『なるほど、麗花さんが相手ですか』 


琴葉(麗花さんのスタンドのパワーやスピードは不明…) 


琴葉(恵美曰く、『飛ばす』能力…手強そうね) 


ゴゴゴゴゴ 


琴葉『ですが』 


バシュン 


琴葉『この身体を、打ち砕けますか?』 


麗花「!」 


麗花の足元にアンカーが射出され、リールが高速回転しながらワイヤーを巻き込む。 


そして打ち込まれたアンカーに吸い込まれるようにして、琴葉の体は前へと進む…はずだった。 


カチン 


琴葉『スピードは相当…』 



683: SSまとめマン 2014/12/31(水) 12:06:01.97 ID:KetTGI0y0


打ち込んだ瞬間に、アンカーは取り外されていたようだ。 


ドドドドド 


麗花「琴葉ちゃん、少し頭を冷やした方がいいんじゃないのかしら」 


琴葉『なら、掛かって来た方が身のためですよ』 


麗花「あんまり乱暴はしたくないんだけどなぁ…………あっ!」 


琴葉(……何か思い付いた?) 


ドドドドド 


琴葉(一先ず距離を…) 


琴葉の上に、影が落ちる。 


琴葉『上かッ……!?』 


麗花「ロードローラーよ♪」 


琴葉『なんッ!?』 


ドグォォォン! 


バッ 


琴葉『ッて滅茶苦茶な!』 


琴葉は自分の真上に落下したロードローラーを後ろに宙返りすることでかわし、空中で別の車両にアンカーを射出して移動する。 


ロードローラーは新幹線にぶつかると、一両分の壁と天井を丸々吹き飛ばした。 


麗花「あっ、使ったら返さないとね」 


フヨフヨフヨ 


琴葉『はぁ…志保ちゃん達の事は考えなかったんですか…』 


麗花「忘れてた…でもきっと大丈夫よ!」 


琴葉『はぁ…全く…』 


琴葉『アンカーがダメなら突撃しか無いわね』 


琴葉はバックステップで助走距離を確保し、麗花目掛けて突撃する。 


琴葉『はぁぁぁぁぁあああ!』 


麗花「うーん…ちょっと我慢してね」 



684: SSまとめマン 2014/12/31(水) 12:07:10.87 ID:KetTGI0y0


ガシッ 


自分の元へ突っ込んでくる琴葉を、麗花は難なく受け止めた。 


ググググ 


琴葉『な、何てパワーなのッ!?』 


身体を抱え込むようにして飛び込んだ琴葉の肩を抑え、逆に押し返す。 


麗花「嫌々やってる…の?」 


琴葉『放しなさいッ!』 


麗花の問い掛けを無視し、自由な腕を動かしてアンカーの矛先を麗花に向ける。 


麗花「!」 


琴葉『突き刺されッ!』 


パシバシッ! 


射出されたアンカーを、寸での所で受け止める。 


麗花「あぶないあぶない」 


琴葉『両腕を使いましたね』ニヤリ 


麗花「!」 


ドンッ! 


ガゴン! 


『イーストレッドクレッシェンド』の脚部のピストンが地面を押し、凄まじい速さの蹴りを麗花の顎に叩き込む。 


麗花「痛い~!」 


琴葉『は…』 


琴葉(全く効いてない!?…衝撃を『飛ば』したのね…) 


麗花「もうっ…仕方ないわね…」 


ブン! 


ガゴォォォン!! 


琴葉『ッ!?』 


琴葉の真横に道路標識が勢いよくぶつかる。 



685: SSまとめマン 2014/12/31(水) 12:08:00.52 ID:KetTGI0y0


琴葉『押し…出されるッ!』 


バッ!! 


バシュン! 


琴葉は再び新幹線から飛ばされ、またしてもアンカーで復帰する。 


琴葉(まだ『防御可能』よ…質量と硬度が足りない…) 


しかし、襲い来る標識は一本ではない、二本三本と琴葉の元へ降り注ぐ。 


ガンッ! 


ドンッ! 


ゴォン! 


琴葉『来ると分かったなら、避けるのは容易いッ!』 


ババッ 


麗花「どうやって…無理矢理は嫌だし…うーん…」 


琴葉『オラァァァァァア!』 


肉薄する琴葉、脅威的な衝撃を麗花は片手間で受け止めた。 


琴葉『ぐっ…』 


ググググ… 


麗花「そうだ♪」 



686: SSまとめマン 2014/12/31(水) 12:09:05.04 ID:KetTGI0y0


ドンッ! 


バンッ! 


琴葉『ッ!』 


琴葉は麗花によって地面に押し倒される。 


麗花「とりあえず、劇場までこうすればいいわね♪」 


琴葉『は、放してッ!』 


ググググ 


麗花「そう言われると、逆に放したくなくなっちゃうな~」 


琴葉『…『上』と『後ろ』に気を付けないといけませんよ』 


麗花「うーん…流石にそれには騙されないわよ?」 


琴葉『失策ね』 


――――ドンッ! 


突然、麗花は新幹線に置いていかれた。 


琴葉『だから言ったのに』 


琴葉『トンネルには気を付けないと…っていう趣旨の事を』 






692: SSまとめマン 2015/01/25(日) 19:11:51.39 ID:L8l+Ll5eO
琴葉『本当に、運が良かったわね…』 


新幹線の真上、琴葉は仰向けのまま慎重に穴の空いた車両へと向かう。体を引きずり、やっと中に入ったと思うとすぐに後部車両を確認する。 


スタッ 


琴葉『恵美…!』 


志保「!?」 


そして数両後ろの志保と目が合う。 


琴葉『……四人、ね』 


琴葉は鎧を纏ったまま志保達の方へ歩き出す。 


琴葉(…………『四人』?) 


ピタ 


琴葉(志保ちゃんに昴ちゃん、可奈ちゃんに……恵美?) 


琴葉(どうして『恵美』が…) 


ズキンッ! 


琴葉『痛ッ…何…? 頭痛…でも…ッ!?』 


『訳』を考えた途端、激しい痛みが頭の中で響く。 


ズキズキンッ! 


琴葉『いたい…頭が…イ、たいッ!』 


琴葉には分かった。頭痛が酷くなればなる程、自分の中の『何か』が失われている事に。 


『忘れろ』と言わんばかりの苦痛が頭を締め付け、徐々に徐々に、琴葉の『何か』を奪っていく。 


琴葉『ッ…! やッ…やめ…て…!』 


心の深くまで、『支配』は及ぶ。 


水を求める植物のように、ゆっくりとゆっくりと入り込んできた『根』が、精神から抵抗力を奪い尽くそうとする。 


琴葉『とらないでッ!! 私の…私の大事なッ!』 

マスターピース 
『支配者』は区別なく奪い去る。 


琴葉『私のッ…大事な…だいじ、な…』 


操り人形に心は要らない。 


琴葉『…なにを…持っていくノ?』 


693: SSまとめマン 2015/01/25(日) 19:12:36.60 ID:L8l+Ll5eO


――――――――――――――――――― 



志保「麗花さんは…!?」 


昴「おい、何を…って嘘だろ…」 


琴葉『………………』 


紅く煌めく鎧が二人の目に入る。 


スタスタ 


志保「向かってくるわよ…」 


ドドドドド 


昴「どうすんだよ…! 止める手段はあるか!?」 


志保「いえ、それよりも先に恵美さんと可奈を端に寄せましょう」ガシッ 


恵美「」 
可奈「」 


ポイッ 


昴「何か…琴葉と同じくらい『硬い』ものは…」 


志保「ある訳無いでしょ…それこそスタンドで産み出すしかないわ」 


昴「なら避け続けて、スタミナ切れを待つしか…」 


琴葉『――――でッ!――――――――ッ!』 


志保「……?」 


昴「今の…聞こえたか?」 


志保「いえ…」 



694: SSまとめマン 2015/01/25(日) 19:14:59.97 ID:L8l+Ll5eO


昴「錯乱してる…のか?」 


志保「まさか! 自分を見失わせる様なスタンドよ」 


志保「それに今の状況…最悪、琴葉さんを倒すのは諦めないと駄目そうね」 


昴「それって、飛び降りる、って事か?」 


志保「最悪よ、負けるつもりは無いわ」 


志保「それに…」チラ 


昴「考えてる暇は無いみたいだな」 


志保「来るッ!」 


琴葉『はぁぁぁぁあああああ!』 


ダッ 


ドンドンドンッ! 


脚部のピストンを稼働させ、眼前の障害物を薙ぎ倒しながら琴葉が迫る。 


琴葉『――潰れろ』 


昴「ちょっ、はや――」 


志保「避けなさいッ!」ドンッ 


予想以上のスピード。 


避けるタイミングを逃した昴を志保が突き飛ばし、志保自身も大きく飛んで避ける。 


琴葉「運がいいわね」 


通路のど真ん中を飛んでいった琴葉は、空中で体を反転させ、火花を散らしながら両手足の爪を立てて着地する。 


昴「は、速い…一瞬でも気を抜けば死ぬぞ…!」 



695: SSまとめマン 2015/01/25(日) 19:16:49.38 ID:L8l+Ll5eO


志保(…私が喰らったのは、まだましな方だったのね…) 


琴葉『次は外さないわ』 


ドドドドド 


志保「どちらかを狙ってくるわよ…!」 


昴「どっちかって…どっちだ!?」 


二人は通路に戻り、再び避ける為の準備をする。 


琴葉『はァッ!』 


ドンドンドンッ! 


志保(来た…!) 


昴(良く見る暇は無いッ…直感で回避しないと…駄目だ!) 


昴(直感で…外れたら…? 駄目だ!集中しないと…) 


志保「昴!?何やってるの!?」 


昴「え…」 


琴葉『そこよッ!』 


志保「無駄ッ!」 


ドン! 


昴「!?」 


琴葉が昴に衝突する寸前、志保はスタンドで昴を殴り飛ばす。 


しかし、志保の右腕は昴と引き換えに琴葉と衝突する。 


琴葉『』ニヤリ 


ボギ 


ゴギボギ 


志保「ッ!!」 


衝突の直後、右腕の骨は呆気なく折れて肉がグジュリと潰れる。 


それだけに留まらず、全身を強く引っ張る力を感じると同時に肩が外れ、志保の体が浮いた。 


志保「う…!」タラ 


昴「志保!」

696: SSまとめマン 2015/01/25(日) 19:18:44.10 ID:L8l+Ll5eO


グルン! 


ビターン! 


琴葉『チッ…体勢が悪いわね…』 


バッ 


ギギギギギギギ… 


志保は体ごと引きずられそうになったが、腕だけが当たったことが幸いし、地面に打ち付けられる程度で済んだ。 


そしてその琴葉は、空中での衝突など意に介さない様子で火花を散らして着地する。 


志保「はぁー…はぁー…」 


昴「大丈夫か!?」 


仰向けに倒れる志保に、昴が駆け寄る。 


志保「え、ええ…なんとか…」ハァー 


志保(く、比べ物にならない…私が街で喰らったものの威力を二倍しても足りないわ…)ハァハァ 


志保は動かなくなってしまった右腕を見る。 


志保(血が大分出てるわね…)ハァハァ 


昴「お、オレのせいで…オレがボーッとしてたせいだ…」 


志保「過ぎたことよ…今はどうやって凌ぐかだけを考えなさい!」 


志保(まともにやり合おうだなんて、考えるんじゃないわ…麗花さんの復帰を待つか、東京に到着するまで待つか…二つに一つね) 


ドドド 


琴葉『…………』 


ドドドド 


志保「動かないで、壁際に寄って」 


志保は昴に触れながら、痛みをこらえて移動する。 


昴「何を…」 


志保「『ライアールージュ』で存在感を消すわ、『何があっても』動かないで」 


ドォーン 


・・・・・・・・ 


昴「ッ!」

697: SSまとめマン 2015/01/25(日) 19:20:21.32 ID:L8l+Ll5eO


昴(志保が消えた…オレの姿も『消えて』る…はずだよな?) 


『ライアールージュ』は発動し、志保と昴の存在感を消す。乃ち、二人を見失う事になるが、琴葉は踏み出した。 


姿は見えずとも、手当たり次第に攻撃するつもりだ。 


琴葉『はぁ…どこに消えたのかしら…』 


ドンッ!! 


溜め息をつきながら駆け出し、志保逹とは反対の座席にダイブしてシートを薙ぎ倒す。 


昴(…本当に、見えないし気づかないみたいだな…) 


ドドド 


琴葉『いないわね…』 


シートに埋もれた琴葉は立ち上がり、昴たちが居た場所の近くに来る。 


昴「ッ…」ゴク 


ドドドド 


琴葉『…………『ライアールージュ』の弱点その1』 


志保「!」 


昴(……?) 


ドドドドド 


琴葉『無意識下の攻撃は当たる』 


そう言って琴葉は近くのシートを蹴飛ばした。 


ガン 


ボン 


飛んでいったシートは音を立てて外れ、壁にぶつかって転がる。 


志保(ま、まずいわ…昴に揺さぶりを掛けてる…不安を煽って、誘き出すつもりよ!) 



698: SSまとめマン 2015/01/25(日) 19:21:43.31 ID:L8l+Ll5eO


琴葉『『ライアールージュ』の弱点、その2』 


昴(……惑わされるな、志保を信じるんだ)ハァー 


琴葉『自然の攻撃は避けられない。つまり、落石とかには当たるのよ?』 


ギギギギギギギ 


ポト 


グワングワン… 


琴葉は爪で天井に円を描く。 


すると、鉄板の一部が落下して昴の足元に転がる。 


昴「…………」 


昴(大丈夫だ…ハッタリだ…信じないと…) 


ドドドド 


琴葉『例えば…』 


志保(耳を貸したらダメよ…!) 


琴葉『私がこの車両を、縦横無尽に飛び回ったとしたら?』 


昴(…………) 


ドドドドド 


琴葉『いきたい方向に行く。攻撃でなく、自由に…ね』 


志保「……!」タラー 


昴「はぁー…はぁーっ…」 


琴葉『行くわよ』 


ドンッ!! 


琴葉が車内で助走をとり、勢いよく天井を壊して飛び出したかと思うと、今度はアンカーを利用して車内へ。 





699: SSまとめマン 2015/01/25(日) 20:06:12.02 ID:L8l+Ll5eO


そして蛙のように壁を蹴って飛び回り、座席も床も何もかも、爪痕を残しながら跳ね回る。 


ズガァ 


ギギギ 


ガゴン! 


昴「はぁー…はぁー…!」 


昴(耐えろ、耐えるんだ…!攻撃は当たらない…) 


志保(…………当たらないわ…攻撃の意図を持って飛び回るなら、『ライアールージュ』には当たらない。無意識で避けるわ) 


ガン!! 


ドゴン! 


志保(問題は…当たるかもしれないという恐怖に打ち勝たなければならない…他人のスタンドを信頼しなくちゃあならないってことよ) 


志保「はぁ……はぁ……」 


ドドド 


昴「はぁーっ…はぁはぁーっ…」タラ 


昴(動いたら終わりだぞ…!言い聞かせろ!) 


琴葉の動きは止まることなく、穴を空け音を立て、視覚と聴覚に『イーストレッドクレッシェンド』のパワーを知らしめる。 


度重なる金属音と破壊音は、被害が無くとも恐怖を煽ってくる。 


そして突然、琴葉の姿と音が消えた。 


昴「…………?」 


昴(攻撃が…止んだ?)ハァハァ 


志保「はぁ…はぁ…」 


志保(…いい加減、東京に着かないかしら…こっちの精神が持つかどうか…)ハァ 



700: SSまとめマン 2015/01/25(日) 20:08:04.37 ID:L8l+Ll5eO


――1分経過 


昴(呼吸は大分落ち着いた…本当に、見失った…のか?) 


志保「はぁ…はぁ…」 


ドドドド 


昴(出てこない…別の車両に行ったのか?) 


昴(オレ逹が逃げたと思ってるのか…? もしかして…『チャンス』なんじゃ…) 


そう思った瞬間。 


ドゴン! 


昴「ッ!?」 


真横の壁が吹っ飛ばされ、紅蓮の鎧が姿を見せる。 


二人の心臓が一際大きく跳ね、緊張を高める。 


琴葉『すばるちゃぁ~ん…何処かしらぁ…』 


昴(く…そ…怖い…) 


昴「はぁはぁーっ…はぁはぁーっ…」 


さらに意思とは関係なく呼吸が乱れ、思わず逃げ出してしまいたい衝動に駆られる。 


昴(本当に、隠れられてるのか!? 実はバレてたりしないか…志保に聞きたい!でも…耐えないともっとヤバイ…!) 


ドドドドド 


琴葉『此処ね、此処に居るわ』 


ピキーン 


昴(な…当てた…オレ逹の居場所を…) 


志保「…ッ!」ギリ 


ドドドドド 


志保(…手当たり次第に壁をぶち破って、『此処に居る』と言って出てこさせる…) 


志保(『ライアールージュ』の持ち主だから分かる。これはハッタリよ!) 



701: SSまとめマン 2015/01/25(日) 20:09:00.39 ID:L8l+Ll5eO


昴「はぁはぁ、はぁはぁ、はぁはぁ…」 


ギギギ 


琴葉は更に穴を拡げて侵入する。 


そして左右をキョロキョロと見回す。 


琴葉『間違いないわ、ここだけ妙に破壊の痕が少ない』 


志保「!!!」 


ドドドドド 


志保「くっ…くそ…!」タラー 


志保(動揺してる!間違いない!) 


志保(『ライアールージュ』の持ち主たる私が!不安になってる!) 


昴(い、何時まで耐えるんだッ!もうこれ以上は限界だッ!) 


ドドドドド 


琴葉『………………』 


志保「はぁ…はぁっ…はぁーっ…」 


昴「はっ、はぁーっ…はぁっ…」 


ドドドドドドド 


琴葉『いないみたいね』スッ 


志保「はぁ…はぁっ…」 


昴「ふぅ…はぁ…」 



702: SSまとめマン 2015/01/25(日) 20:10:35.04 ID:L8l+Ll5eO


昴(乗りきった…か?) 


ズガン! 


昴「ヒッ!」 
志保「ッ!」 


ググググ 


今度は二人の間に穴が開き、鎧の腕が顔を見せる。 


琴葉『分かってるのよ…此処にいることは』 


昴(み、見つかってる!?) 


グギギギ 


壁の穴が徐々に徐々に拡げられ、琴葉がゆっくりと顔を出す。 


線路を走る新幹線の轟音が耳に障るが、琴葉の声はよく聞こえた。 


琴葉『さっき跳ね回ったでしょう?』 


志保「はぁー…はぁーっ…」 


琴葉『『意図的に』攻撃しなかった所が三ヶ所。でも何故だか四ヶ所あったのよ、傷の少なかったところが』 


ドドド 


昴「……ッ!」 


琴葉は二人の間より少し上に空けた穴から、上体だけを中に出す。 


志保(バレてるわ…此処にいるってことが) 


志保(そして今、非常にまずいってことが!) 


琴葉『『ライアールージュ』の弱点、その3』 


昴「あ…ああ…!」 


ドドドド 


琴葉『次の攻撃は、避けられない…♪』 





To be continued… 


706: SSまとめマン 2015/02/01(日) 16:18:36.04 ID:mk+ZCOzb0





琴葉『次の攻撃は、避けられない…♪』 


度重なる心理的脅迫、『ライアールージュ』を信用できなくなった訳ではないが、一発食らえば即終了の環境では心がもたない。 


低くドスの効いた声で言われては尚更、とうとう昴は耐えきれなくなった。 


昴「うわぁぁぁぁぁあああああ!!」バッ 


志保(昴ッ!?) 


琴葉『怖じ気付いて逃げ出したわね、敗因はソレよ』 


バシュウッ 


ドスッ! 


昴「うっ!」 


ドサ 


たまらず逃げ出した昴の左足首を、アンカーで確実に射抜く。 



707: SSまとめマン 2015/02/01(日) 16:19:53.61 ID:mk+ZCOzb0


志保「無駄ァ!」 


ブン! 


琴葉『つられて出たわねッ!このド阿呆がッ!』 


ガシィッ 


志保「ッ!」 


昴に注意が向いた一瞬を突き、左拳を叩き込もうとするが不発。 


逆に手首を掴まれてしまった。 


琴葉『フフフフフ……今、どういう気分かしら?』 


グギギギ 


志保「ッ…!」 


琴葉『手首を折るほどのパワーは無いわ、でも…』 


ブシャアッ 


志保「うっ…うあっ!?」 


琴葉『こんなことが出来るのよ』 


鎧の爪で志保の手首を貫き、輪を作るようにして固定する。 


志保のスタンドのパワーならば簡単に抜け出すことが出来たはずだが、右腕は使用不可能な上に、左手首の筋肉は切断されてしまい、脱出は事実上出来なくなってしまった。 


琴葉『フフフフフ、これが将棋やチェスで言う所の『詰み』よ』 


昴「く、クソォ!」 



708: SSまとめマン 2015/02/01(日) 16:21:09.11 ID:mk+ZCOzb0


志保「いいえ、『詰んだ』のはあなたよ!」 


志保「『ライアールージュ』!」 


ドォーン 


ス! 


琴葉『!』 


昴「よ、鎧が…消えた!?」 


ドドド 


志保「これで、自慢の鎧は無くなったわね」 


琴葉『…………』 


昴「刺さってたアンカーも消えてる…凄いぜ!志保!」 


ゴゴゴゴ 


志保「…………」 


昴「志保…?」 


志保「『ライアールージュ』は触れてないと効力が無いわ、『背番号』でもなんでも、早く付けなさい」 


志保は手首に空いた穴を気にしながら、腕で軽く琴葉の体に触れる。 


昴「わ、分かった…」 


ソロー 


昴は琴葉に警戒心を抱いてるのか、ゆっくりと近づく。 


琴葉『…………』 


昴「……ゴクッ」 


昴が琴葉に触れようとした瞬間。 


琴葉『『イーストレッドクレッシェンド』、腕部限定』 


昴「何ッ!?」 



709: SSまとめマン 2015/02/01(日) 16:22:04.87 ID:mk+ZCOzb0


志保「避けなさいッ!!」 


バッ 


昴「うぐおっ…!?」 


琴葉『私のスタンドは『鎧』、使い捨ての『鎧』よ。フィードバックはあっても砕けはしない』 


ドシュウ!! 


昴「いてぇぇぇぇええ!」 


腕部だけに『イーストレッドクレッシェンド』を出現させ、アンカーを射出。 


飛び出したアンカーは僅かに身を躱した昴の左肩に突き刺さる。 


志保「くっ…この!」 


琴葉『残念』 


バッ 


琴葉は上半身を外に引っこ抜き、新幹線の外に出る。 


志保「昴! 急いで離れるわよ!」 


昴「だ、駄目だ…左足が動かない…」 


志保「!」 



710: SSまとめマン 2015/02/01(日) 16:23:20.76 ID:mk+ZCOzb0


昴「志保も右腕がダメになってる…オレはいいから、先に…」 


志保「あなたの右腕は無事でしょう、それに私の左肩がまだ機能してるわ。掴まりなさい」 


昴「…………悪いな」 


フラ 


志保「はやく、『この場所』から離れないと…」 


昴「何でだ…よ?」 


志保「上を見なさい。気付かなかったけど、少し『切れ込み』が…」 


琴葉『もう遅いッ!脱出不可能よ!』 


志保「ッ!?」 


ガチン 


ドンッ!! 


アンカーが突き刺さる音がすると、天井の『半分』が志保逹の真上から迫ってくる。 


昴「飛び込めぇぇぇぇええ!!」 


バッ 


ドァォォォン!! 


琴葉は車両の外へ逃げることを考慮し、二人の居場所から扉まで切れ込みを入れていたが、偶々それに気が付いた二人は車両の『奥』へ逃げる。 


琴葉『目敏いわね、でもあなたたちは『通路』に誘い込まれたッ!』 


昴「マジかよ!?」 



711: SSまとめマン 2015/02/01(日) 16:24:36.45 ID:mk+ZCOzb0


降ってきた天井と共に鎧を纏った琴葉か現れ、ピストンの力だけで二人に突っ込む。 


ドンッ!! 


琴葉『チェックメイトよ!』 


志保「『ライアールージュ』!!」 


ガン!! 


志保は唯一残された足で琴葉を蹴り飛ばし、軌道を少し変える。 


琴葉『無駄なあがきよ!』 


バシバシュッ 


昴「乗りきるぞッ、この『一瞬』!」 


ガチン!! 


琴葉『弾いた!?』 


空中で発射されたアンカーを『ビギナーズストライク』で防ぐと、琴葉はこれ以上の攻めをせずに二人の前を飛んでいく。 


志保「ナイスよ!」 


昴「もう『付いた』! シートをぶつけるぞ!」 


琴葉『何ッ!?』 


琴葉のアンカーには昴の『背番号』がしっかりと貼られていた。 



712: SSまとめマン 2015/02/01(日) 16:26:06.49 ID:mk+ZCOzb0


志保「やりなさい、決着よ!」 


ポイ 


志保が壊れて地面に転がっているシートを、スタンドの足を器用に使って昴に投げる。 


昴「いくぜ!『ノォォォォォック!!』」 


ボン! 


琴葉『!』 


ドウッ 


ドン! 


ユラ 


約15キロのシートをぶつけられ、さらに腕先に固定された琴葉はついに揺らぐ。 


琴葉『ま、まだよ…まだ動け――』 


昴「『ノック!』『ノック!』『ノック!』『ノック!』『ノォォ――ック!』」 


ガギンガギン 


ドウドウッ!! 


琴葉『なッ…』 


ドンドンッ! 


琴葉『ぐ…おぉ…!』 


ドンドンドンッ! 


琴葉『お……う……』 


重量に押され、琴葉は身動きが取れなくなる。 


昴「へっ、『逆転コールド』だぜ…」 


琴葉『う…………ご……』 



713: SSまとめマン 2015/02/01(日) 16:27:04.60 ID:mk+ZCOzb0


志保「パワーが無いなら、重りをつければ動けなくなる…簡単なようで難しいわね」 


昴「も、もう動けねぇ…」 


ヘナヘナ 


昴「あとは任せたぜ…」 


志保「はぁ…少し休んでも、いいかしら…ね」 


二人とも満身創痍、対して琴葉は無傷である。 


だがしかし、これは勝利である。 


行動の封じられた琴葉に成す術は無い。 


琴葉『…………』 


その時、車内アナウンスが鳴る。 


子豚『まもなくッ、上野ッ!!上野ッ!!』 


キィィィーン 


志保「うるさっ…」 


昴「んじゃ、ちゃっちゃと琴葉をさっきみたいに元に…」 


琴葉『それで』 


志保「!?」 



714: SSまとめマン 2015/02/01(日) 16:28:26.86 ID:mk+ZCOzb0


ドドド 


琴葉『私はまだ…』 


シートの山が『揺らぐ』。 


『ビギナーズストライク』の能力で固定されたはずのシートがゴロリと一つ、転がり落ちた。 


志保「や…ヤバイ…」 


ドドドド 


琴葉『降参なんて、言ってないわよ?』 


昴「せ、『背番号』は付けたはずだ…」 


この『イーストレッドクレッシェンド』を攻略するのに一体どれ程の対価を支払っただろうか。 


依然、無傷のまま立ち上がる。 


琴葉『『鎧』は使い捨て、服が有る限りね』 


ドドドド 


琴葉『さぁ、覚悟は――』 


志保「掴まりなさいッ!!」 
昴「掴まらせてくれッ!!」 


琴葉『なっ!』 


考えの一致した二人は、琴葉がさんざん暴れまわって空けた穴から飛び降りた。 


琴葉『む、無茶苦茶よ!』 


志保(あなたがソレを言いますか…) 



715: SSまとめマン 2015/02/01(日) 16:29:27.20 ID:mk+ZCOzb0


実際、新幹線から飛び降りることは無謀でもなんでもなかった。 


到着駅が近いため速度は半分以下になっており、着地も志保がいるため無事に降りられるのだ。 


スタッ 


志保「さぁ、どうしましょうか…」 


昴「あー…あれって…」 


バッ 


琴葉『逃がさないわよ!』 


麗花「あぶなぁぁぁぁぁぁあああい!」 


琴葉『え?』 


フッ 


ドガン!! 


ドン!! 


二人を追ってきた琴葉は、同じく新幹線を追ってきた麗花とぶつかる。 


ただ一つ違うのは速さであり、摩擦や空気抵抗を全く無視した超スピードで麗花は飛んできた。 


その破壊力は並大抵のものではなく、琴葉をいとも簡単に弾き飛ばす。 


琴葉「ぐぼぉッ!」 


ブシュゥゥウ 


『イーストレッドクレッシェンド』の至るところにヒビが入り、『鎧』が飛び散って消えて琴葉の体に血が滲む。 



716: SSまとめマン 2015/02/01(日) 16:35:45.32 ID:mk+ZCOzb0


落下する間に琴葉は再び『イーストレッドクレッシェンド』を纏うが、地面に叩き付けられるとごく小さなクレーターを作り、鎧は弾けて琴葉の体からは血が吹き出した。 


琴葉『ぐっ…がはぁ!』 


ブシャァァア! 


琴葉『お、終わら…な…い…』ガク 


琴葉はピクピクと体を動かすと気絶した。 


麗花「あー!琴葉ちゃん大丈夫!?」 


琴葉「………………」 


志保「」 
昴「」 


絶句する二人を他所に、気絶した琴葉の頭から『マスターピース』が現れる。 


ニュルン 


MP『満ヲ持シテ…現レタゼ』 



717: SSまとめマン 2015/02/01(日) 16:36:37.83 ID:mk+ZCOzb0



ガシ 


MP『ヒョ?』 


麗花「…………」 


麗花は無言で『マスターピース』を掴むと、羽根を付けて何処かへ投げ飛ばす。 


ブン! 


MP『オゴォォォォオオ!バカナァァァァアア!』 


麗花「琴葉ちゃん大丈夫!?」 


そして何事も無かったかのように琴葉の心配をし始める。 


志保「なんと言うか…これは…」 


昴「呆気ないな…」 


麗花「琴葉ちゃぁぁぁん!」 











To be continued… 


718: SSまとめマン 2015/02/01(日) 16:42:39.29 ID:mk+ZCOzb0
終わりだよー(o・∇・o) 


麗花さんのは張ってなかったよね 

本体・人間・北上麗花 
スタンド『ファインドユアウィンド 』 
ふわふわ、ふー 



近距離型・人型 

破壊力A  スピードA  射程距離D 

精密動作性C  持続性D  成長性E 

能力射程:不明 


能力『自由にする能力』 


人の手に当たる部分に翼の生えた、『ハーピー』のような白いスタンド。 

自身の『羽根』を飛ばすことで、『羽根』が付着した物を自由自在に『飛ばす』ことができる。 

と言っても、拒否する者に強制することは出来ないが、無理矢理やろうと思えば出来る。 

戦闘や回復、日常生活においても便利であるが、問題は本人がどのような気分であり、どのようなことをしたいかに左右される。