721: SSまとめマン 2015/02/08(日) 18:25:35.02 ID:bk9H+4BW0





無事に琴葉を正気に戻した三人は、恵美と可奈と琴葉を合わせた六人で『シアター』へ向かうことになった。 


――駅前 




子豚「御車を用意しましたッ!」 


志保「ありがとうございます」 


子豚「では、私はこれでッ!!」 


昴「……ん?」 


恵美「これ誰が運転すんの?」 


可奈「あっ!琴葉さんって…」 


琴葉「ごめんね、まだ高校生だから…」 


志保「他に大人は…………」 


麗花「ほらほら、みんな乗って乗って♪劇場までドライブを楽しもっ♪」 


ゴゴゴ 


可奈「…………」 


ゴゴゴゴ 


昴「…………」 


ゴゴゴゴ 


恵美「や、やっぱり琴葉が…」 


琴葉「む、無免許だけどそっちの方が…」 


志保「何を言ってるんですか、早く行きましょう」 




引用元: ・【ミリマス】「横山奈緒と徳川まつり」【ジョジョ】

722: SSまとめマン 2015/02/08(日) 18:26:22.16 ID:bk9H+4BW0


麗花「大丈夫、ジェットコースターみたいで楽しいわよ」 


ゴゴゴゴ 


可奈「え、えっと…可奈は~♪車に~♪酔いやすい~♪だから…だから~」 


麗花「はい、『正露○』」 


昴「それは酔い止めじゃないッ!」 


志保「何を渋ってるのよ」 


グイッ 


可奈「あうっ…」 


志保「ほら、昴も」 


昴「お、オレは」 


グイッ 


ズリズリ 


昴「うわぁぁぁぁああ!」 


恵美「覚悟…決めようか」 


<ヤダヨーオロシテー 
<タスケテクレェェ! 
<ゴールドメンキョダカラ!! 


琴葉「あ、ほら、私は…スタンドで…定員オーバー…だし…」 


恵美「何言ってんの、乗るよ」 


ズリズリ 


琴葉「うううぅ…」 





723: SSまとめマン 2015/02/08(日) 18:27:38.30 ID:bk9H+4BW0


























ギュゥゥウウン! 


昴「と、止まってくれェェぇぇぇぇええ!」 


志保「ぶっ、ぶつかりますよッ!!!」 


麗花「大丈夫大丈夫」 


琴葉「制限速度…車道無視…すり抜け…」 


恵美「おろしてぇぇぇええ!」 


可奈「おかぁぁぁさぁぁぁぁん!」 



――――――――――――――――――――― 



724: SSまとめマン 2015/02/08(日) 18:28:39.55 ID:bk9H+4BW0





MP『テメエハ! テメエノ手デ! 仲間ヲ殺スンダヨ!』 


このみ「私の、夢を…あなたが…」 


『ワンダフルミラクル』が手に握られた剣を構える。 


未来「このみさん、逃げて!」 


未来の願いは決して叶わない。このみはもう動ける体ではないのだ。 


このみ「ごめんね…ごめんね…」 


悲哀に満ちた声は虚しく響く。 


MP『オシャベリハ、終ワリダ!』 


未来「いやぁぁぁぁぁああああああ!!」 


MP『死ネェェェェェェェ!』 





剣が降り下ろされる直前、建物全体を揺らすような轟音が鳴り響く。 


ドァォォオオン! 


MP『!』 


未来「と、止まった…?」 


このみ「…!」 


目の前の大きなシャッターがぶち壊れ、紅い物体が勢いよく中に侵入してくる。 


MP『チッ、逃ゲルカ』 


バッ 


MP(コノ傷ジャアモウ長クネェ、テキトーニ放置シテ遊撃スルゼ。ドウセ入ッテクルヨウナ奴ハ敵ダカラナ) 


未来「こっ、このみさん!」 


このみ「…………」 


MP『ケーッ!口ヲ動カスンジャアネエ!』 


未来「ムグムグ…」 



725: SSまとめマン 2015/02/08(日) 18:29:42.27 ID:bk9H+4BW0


MP(イヤ、コノママ上ノ階ニ行ッテ、亜利沙ノ手助ケヲ…) 


ザンッ 


琴葉『一体、何処に行くつもり?』 


未来「ん゛ー!」 


MP(ン?ナンダ、『田中琴葉』か…) 


MP『ナニィ!?『田中琴葉』ダトッ!?』 


志保「あなた達の企みもそろそろ終わりよ」 


MP『バ、馬鹿ナ…屈指ノ防御ガ破レルトハ…』 


麗花「痛いの痛いの飛んでけー!」 


このみ「あら…?体が軽く…ついに天国に…」 


麗花「治りましたよ?」 


MP『ナ、ナニィ――――――――ッ!?』 


恵美「観念しなよ!」 


可奈「私達の勝利です!」 


MP『ク、クソッタレェ――――――!!』 


未来「む゛ぐぐー!」 


MP『嘗メルナヨ! 『ワンダフルミラクル』ナラ『イーストレッドクレッシェンド』の装甲位斬レルワ!』 


ドドド 


琴葉『…試してみる?』 


志保「不用意に近づかないで下さいよ…」 


MP『粉微塵ニシテクレルッ!!』 


ズッ 


『ワンダフルミラクル』が姿を見せ、『ライアールージュ』と琴葉と対峙する。 



726: SSまとめマン 2015/02/08(日) 18:30:36.49 ID:bk9H+4BW0


志保「『ライアールージュ』…」 


スッ… 


MP『端カラ狙イハ『田中琴葉』ヨッ!先ズハ戦意ヲ削グッ!』 


琴葉『ふふっ…掛かったわね』 


琴葉「狙いは…」 


MP『!?』 


『ワンダフルミラクル』の真後ろから『もう一人』の琴葉が現れる。 


MP『シマッタ! 『前』ハ『別の人間』!』 


クルッ 


琴葉「後ろッ!」 


ドシュ――――ウッ! 


ドン! 


MP『グオッ…!』 


『後ろの琴葉』は『音速』で『ワンダフルミラクル』の頭部、『マスターピース』を殴りとばす。 


琴葉『最初から、私は私よ!』 


ガシィ! 


ブチャァ! 


MP『ゲピッ!』 


目を離し、怯んだ隙に『前の琴葉』が『マスターピース』を握りつぶす。 


琴葉『みんなを操って、脅すなんて絶対に許さないわ』 


恵美「おお~ッ」パチパチパチ 


スッ 


志保「やりましたね」 



727: SSまとめマン 2015/02/08(日) 18:32:01.86 ID:bk9H+4BW0


琴葉「うん!」 


恵美「そんじゃ、戻すよ」 


グニャァ~ 


『後ろの琴葉』は可奈になった。 


可奈「わっ、元に戻った!」 


琴葉『お疲れ様、未来ちゃんは…』 


未来「むぐぐー!…ってあれ? 頭のがいなくなってる…」 


このみ「未来ちゃん!」 


タタッ 


ギュウゥ~ 


未来「わわっ! このみさん?」 


このみ「よかったッ…無事でよかった…!」 


可奈「うううっ、よく分からないけどよかったよ~!」グス 


志保「なんであなたが泣いてるの?」 


未来「うう…このみさん、死んじゃうかと思ったけど、助かってよかった~!」 


恵美「あ、アタシまで貰い泣きしそうだよ…」 


琴葉『恵美? 泣くのは全部終わってからよ』 


恵美「う゛ん!」 


志保「ところで、麗花さんは…」 


麗花「見てみて~、これスッゴクおもしろい!」 


マツリ「フワフワ~」 


コノミ「ミニ!ミニ!」 


このみ「誰がミニサイズよ!」 


恵美「……もしかして、これってスタンド…?」 



728: SSまとめマン 2015/02/08(日) 18:33:47.01 ID:bk9H+4BW0


琴葉『それなら、同じ顔の人が触るとダメそうな気が…』 


可奈「え?何でですか?」 


琴葉『わざわざこんな『要塞』を作ったのに、中に入られたら『終わり』な筈は無いでしょう?』 


琴葉『防衛手段が無いとおかしいもの』 


麗花「一杯来てるわよ?」 


未来「えっ!?」 


コノミ「ミニ!ミニ~!」 
ナオ「デンガナ、マンガナー」 
マツリ「ウミウシッ」 


ゾロゾロ 


このみ「あら、まだ私と奈緒ちゃんとまつりちゃんのしかないみたいね」 


志保「まだ?」 


このみ「白い粒みたいなのにチクッとされると駄目よ、自分と同じ顔の奴が出てきちゃうから」 


琴葉『……それって、『免疫』みたいですね』 


このみ「え? そうそう、メンエキメンエキ」 


恵美「いや、知らない顔でしょ」 


麗花「…ん? ねぇ、昴ちゃんは?」 


志保「後から来ますよ、昴が琴葉さんを『打った』んですから」 


ギシギシ… 


可奈「あれ?シャッターが…」 


ガッシャァァァン!! 


未来「うわっ! 閉まった!」 


ゴゴゴ 


琴葉『閉じ込められたみたいね』 


このみ「昴ちゃんと分断された、とも言えるわね」 


志保「されたならされたで仕方ないですね、早く上に行きましょう」 



729: SSまとめマン 2015/02/08(日) 18:35:33.15 ID:bk9H+4BW0

恵美「えー、何だかうようよしてて気持ち悪い…」 


マツリ「ナノッ!」 
ナオ「パクリチャウノ?」 


未来「ふん!」 


ズバッ 


コノミ「ミ、ミニ…」 


サラサラサラ 


このみ「消えた…わね」 


このみ(わざわざ私のを斬るなんて…) 


未来「こんにゃくを斬る感じがする!」 


琴葉『こんにゃくって…斬れる?』 


志保「まぁ、多少は」 


麗花「じゃあ志保ちゃん達が道を作って、私たちはその後ろを歩くわね!」 


志保「何言ってるんですか、少なくとも麗花さんはこっちですよ」 


麗花「そう?」 


可奈「あの~」 


志保「なに?」 


可奈「階段が『枝分かれ』してるんだけど…」 


志保「は?」 


このみ「え?」 


クルッ 


このみ「あー…」 


蠢く『コネコネ』の先、階段の途中に壁がそびえ立ち、領域を二つに仕切る。 


恵美「何であんなとこに壁があるんだろうね?」 


志保「普通に考えればスタンド能力ですが…」 


このみ「目的の場所までに迷いそうよね」 


琴葉『目的の場所?』 


このみ「放送室よ」

730: SSまとめマン 2015/02/08(日) 18:45:57.73 ID:bk9H+4BW0


可奈「何で放送室なんですか?」 


このみ「亜利沙ちゃん達がいて、奈緒ちゃんとまつりちゃんが戦ってるわ」 


未来「奈緒ちゃんとまつり姫もいるの?」 


このみ「あら? あなたが戦ってたのよ?」 


未来「ええーっ!?」 


志保「取り憑かれている時の記憶は無くなるんですよ」 


恵美「よく知ってんね」 


志保「何回か襲われましたから」 


可奈「大丈夫なの?」 


志保「ええ、大丈夫よ」 


麗花「ねぇみんな、羽根をつけて飛び回るっていうのはどう?」 


志保「それで車が壊れたんですよ? この建物自体が『スタンド』、あるいはスタンド能力の影響を受けてると考えたほうが良さげです」 


このみ「車が壊れた?」 


可奈「えーっと、ここまで車で来たんです。 すり抜けながら」 


未来「すり抜けながら…?」 


恵美「んじゃあ、このままの勢いで劇場にゴー!…って思ってたらね、思いっきりぶつかってさ」 


琴葉『咄嗟に麗花さんが逃がしてくれたからよかったものの…もう懲り懲りです』 


麗花「ごめんね、琴葉ちゃん…」シュン 


琴葉『い、いえ! むしろ麗花さんが早く行こうとしてくれたのは分かってますし、誰もスタンドだなんて分からなかったんですから…』アセアセ 


麗花「本当に許してくれるの?」 


琴葉『許すもなにも、麗花さんのお陰で此処まで来れたんですから!』 



731: SSまとめマン 2015/02/08(日) 18:49:43.13 ID:bk9H+4BW0


可奈(あっ) 
恵美(これは…) 
未来(この流れは…) 
志保(ご愁傷さまです) 


麗花「じゃあ、今度の休みに、お詫びのドライブに行きましょう!」 


琴葉『はい! ……………………え?』 


このみ「…………早く行きましょうか」 


志保「そうですね、階段が二つに分かれても困りますし」 


恵美「これって、迷路のスタンドとかかなぁ…?」 


可奈「え~、紙の迷路なら大丈夫ですけど、立体の迷路はちょっと駄目かな…」 


未来「私が道を斬り開きますよ!」スパパ 


琴葉『あ、あれ?あの、れ、麗花さん!?』 


麗花「そうだ!沢山お弁当作って…美也ちゃんも誘いましょうか? そしたら…どこかの山にでも…」 


パァァァア! 


琴葉『う、すごい笑顔…』 


麗花「あ、もしもし美也ちゃん? 今大丈夫? うん、あのね…」 


志保「琴葉さん、案外楽しいかもしれませんよ?」 


琴葉『うう…』 


未来「えっと…二階に行くんだったよね?」 


可奈「うん、放送室だよ」 


恵美「さっさと行こっか」 


志保「ほら、行きますよ」 


ドカドカ 


マツリ「ノー!」 
ナオ「ギャー」 
コノミ「エー!」 


恵美「……びっくりするくらい弱いね」 


可奈「これなら、亜利沙ちゃんの洗脳?も簡単に解決できちゃうね!」 


志保「……うまくいくと良いけど」 




732: SSまとめマン 2015/02/08(日) 18:51:08.23 ID:bk9H+4BW0


―――――――――――――――――――― 


――――シアター二階 


このみ『亜利沙ちゃん逹は放送室…奥まで進んで右に曲がった所にある部屋にいるわ』 


奈緒「って言うてたけど…」 


まつり「…『どの』放送室でしょうか…」 


ズラァ 


廊下に並んだ『放送室』と書いてある板と扉。 


ドドド 


奈緒「『放送室』が増えてる…?」 


まつり「部屋を増やす…ですか?」 


まつりは半信半疑といった様子で、一番近くの扉(もちろん『放送室』)を開ける。 


ガチャ 


まつり「…………」 


奈緒「おる?」 


部屋の中は『いかにも』な放送室。 


しかし人影は無い。 


まつり「誰もいないのです」 


バタン 


奈緒「ふーん…」 


ガチャ 


奈緒「おらへん」 


バタン 



733: SSまとめマン 2015/02/08(日) 18:51:58.02 ID:bk9H+4BW0


まつり「一つ一つ見ていっては時間が掛かりずぎるのです」 


奈緒「そんなら、私の出番やろ」 


奈緒「『H・L・ジェットマシーン』!」 


ガチン! 


大きく口を空けた奈緒のスタンドが扉に噛み付くと、扉は綺麗さっぱり消えてなくなる。 


奈緒「これ、普通に壊してもええんちゃう?」 


まつり「なのです」 


合意して、扉に殴りかかる。 


まつり『ナノォ!』 


ガゴン! 


まつり「ッ…固いのです!」 


奈緒「そういえば、さっきもおんなじことしてたなぁ」 


やれやれ、といった感じで奈緒は『H・L・ジェットマシーン』で扉を消す。 


ガオン! 


奈緒「だーれもおらへん」 


奈緒「あと幾つある?いちにーさん…」 


まつり「8,5部屋なのです」 


奈緒「はいはい、8,5部屋…ん?」 



734: SSまとめマン 2015/02/08(日) 18:58:13.89 ID:bk9H+4BW0


ゴゴゴ 


奈緒「あのなぁ、8部屋とか9部屋なら分かるけど、8,5部屋ってなんやねん」 


まつり「『あの部屋』を見てください」 


奈緒「んー……なんやあれ!?」 


奈緒が素っ頓狂な声を上げる。 


まつりが指差した部屋は、まるで細胞のように分かれていた。 


ズモ… 


ズモモォ 


奈緒「ほ、『放送室』が分かれてる…まるで『分裂』してるみたいや!」 


まつり「らりほー!なのです」 


ゴゴ 


ゴゴゴゴ 


ブチィ 


奈緒「わ、分かれた…」 


まつり「! 奈緒さんこっちですッ!」 


グイ 


奈緒「ッ!」 


まつり「廊下が…廊下までも『分裂』しているのですッ!」 



735: SSまとめマン 2015/02/08(日) 18:59:07.62 ID:bk9H+4BW0


二人の立つ廊下が横に伸びていることを察したまつりは奈緒を引き寄せる。 


そして、二倍ほどになった廊下の天井と床から壁が生え、空間を二分する。 


奈緒「んな、アホな…」 


まつり「まるで『生き物』…外敵を追い払い、体を増やす…」 


モクモク… 


奈緒「!」 


奈緒「まつりッ! 気を付け!」 


奈緒「『霧』が出てきたで!」 


モワァ… 


まつり「『霧』…?」 


奈緒「多分スタンド攻撃や!本体は近くにいるッ!」 


キィ… 


??「あ、あのぉ…」 


一番奥の『放送室』から声が聞こえた。 


奈緒「!」 


まつり「この声は…可憐ちゃんなのです!」 


可憐「す、すみません…地味な『スタンド』で…」 



736: SSまとめマン 2015/02/08(日) 19:00:30.21 ID:bk9H+4BW0


放送室からひょこっと顔を出し、可憐は謝罪する。 


奈緒「問答無用ッ! 『H・L・ジェット…」 


可憐「ひっ、ひぃぃぃい!」 


可憐は迫ってきた奈緒に驚くと、頭を抱えてうずくまる。 


奈緒「へ?」 
まつり「ほ?」 


可憐「や、やっぱり…私のス、スタンドなんかじゃ…駄目です…勝て、ません…」 


???「何を言ってるんですか!可憐ちゃんのスタンドは『誰よりも強い』はずなんでしゅ!自信を持ってください!」 


可憐「て、敵の前で言われてもぉ~…」 


奈緒「この声…亜利沙!」 


姿は見えないものの、声は可憐の半身が入っている放送室から聞こえる。 


亜利沙「むふふ、そんなに情熱的に名前を呼ばれると照れちゃいます」 


ゴゴゴ 


まつり「…亜利沙ちゃんの能力は…『恒常性』を操る、もしくはそれに準ずる能力…」 


奈緒「こ、『恒常性』?」 


まつり「ヒトや鳥さんが体温を保ったり、風邪を引かないようにするわんだほー!な仕組みなのです」 


亜利沙「へぇー…おしいですね」 


まつり「む」 



737: SSまとめマン 2015/02/08(日) 19:01:10.59 ID:bk9H+4BW0


亜利沙「ま、もう亜利沙逹の勝ちなんですケド」 


まつり「ほ…?」 


可憐「あっ…奈緒さんには…『出てきた』みたいですね…」 


奈緒「えっ…?」 


ドドドド 


奈緒「い、言われてみれば…目がチカチカして…薄暗く…」 


まつり「ッ!早く可憐ちゃんを!」 


可憐「ひっ…ひぃぃぃい!」 


まつりが可憐に向かって拳を振り上げながら突撃すると、可憐は悲鳴を上げて放送室に入ってしまう。 


まつり「逃がさないのですッ!『高速移動』!」 


可憐「こ、来ないでぇぇえ!」 


バタン 


ガギン! 


まつり「ほっ…逃げられたのです」 



738: SSまとめマン 2015/02/08(日) 19:02:22.07 ID:bk9H+4BW0


まつり「奈緒さん!今すぐこの壁を…!」 


奈緒「み、見えな…い…暑いし…だるい…」 


まつり「ほ…?」 


奈緒「な、なにかの『症状』が出てる…『霧』を吸ったら…アカン」 


チカチカ 


まつり「!」 


まつりの視界が点滅する。 


まつり「な、何ですか…この『霧』は…!」 


ドドドド 


可憐『あ、あのぉ~…』 


スタンドで可憐が話し掛けてくる。 


まつり(…何処かに『スタンド』がいる…『遠距離型』なのは間違いない筈なのです…) 


可憐「す、少しでも…正々堂々と…しようって思ったので、言いますけど…最初は『匂いや味を与える』ものだったんです…」 



739: SSまとめマン 2015/02/08(日) 19:03:00.91 ID:bk9H+4BW0


可憐「でも、亜利沙ちゃんが…その…アドバイスをくれて…と、取り敢えず! 何ですけど…」 


可憐「『サリン』をさ、再現してみましたぁ…」 




説明しよう。 


サリンとは、かつてのナチスドイツが作り出した神経ガスの一種である! 


毒性が余りにも強すぎるため、実質、化学兵器にしか用いられない程の危険物質! 


神経に作用することで障害をもたらすが、サリンの侵入経路は呼吸器官のみならず皮膚からも侵入する! 


症状は多岐にわたり、わずかな量で人を死に至らしめる! 


(Wikiより一部抜粋) 



まつり「奈緒さんこっちですッ!!」 


正体を聞いた直後、まつりは奈緒を掴んで『高速移動』で離脱しようとする。 


可憐「も、もうちょっと効果を強めようかな…?」 


まつり「ッ!」 



740: SSまとめマン 2015/02/08(日) 19:04:02.83 ID:bk9H+4BW0


まつりの周りに『霧』が集まると、まつりの体に異常が直ぐ様起こった。 


『高速移動』でまっすぐ移動して離脱する筈が、何故か真横に反れて壁にぶつかる。 


まつり「ぐふっ…!」 


ドン! 


ドサ 


可憐『ひうっ! び、吃驚しました…成功…したんですね…』 


まつり「な、何故ですか…まつりは確かに『真横に』…いえ、『真っ直ぐ』行く筈でした…」 


奈緒「うっ…くっはぁ……まつ…り…先に…」 


まつり「行けません! それは奈緒さんが一番分かっている筈ですッ!」 


ドドドド 


可憐『も、もうちょっとだけ…もうちょっと、だけ…』 


まつりが奈緒を引っ張れどもその方向はバラバラ、歩みは遅々として進まなかった。 


そして『霧』が更に濃くなり、二人の体に及ぼす作用がより一層強くなる。 


まつり「はっ…はぁーっ…汗が…早く…『射程距離』から…」 


奈緒「う…も…だめ…………」ダラダラ 


まつり「…奈緒さん…しっかり、して…下さい…」 



741: SSまとめマン 2015/02/08(日) 19:05:16.07 ID:bk9H+4BW0


ドドドドド 


可憐『あ、亜利沙ちゃんから伝言です…「逃げられると、思わないで…」だそうです…わ、私がそう、お、思っている訳じゃありませんよ! 私の『スモールラブステップ』なんて、早く振り切ってもらっても、全然…全然、大丈夫ですから…』 


まつり「ぐ、ぐぬぬ…」 


ドドド 


まつり(症状が悪化する前に、なんとか離れなければ…能力で…) 


可憐『そ、それに…『なんとなーく』、『こんな感じかなぁ?』と思ってやってるだけなので…完全に、再現できてる訳じゃないんです…す、すみません私の『スモールラブステップ』じゃ役者不足ですよね…?』 


まつり(…………能力で……とば……ない……と……) 


ドドドド 


奈緒「…………」 


可憐『うぅ…あと数秒たったら、二人が私を、た、倒しに来るんですよね…』 


まつり「…………」 


ドドドドドド 


可憐『こ、怖いなぁ…』 


まつり「…………」 


奈緒「…………」 



742: SSまとめマン 2015/02/08(日) 19:06:43.65 ID:bk9H+4BW0


ドンッ 


ゴロゴロ… 


奈緒「………………ぁ…」 


まつり「…………ん……」 


まつりの能力がギリギリで発動し、二人は射程外へ出る。 


奈緒「っ……はぁぁーっ…」 


まつり「はぁ…はぁー…っ…」 


奈緒「危ない、ところ、やったな」ハァハァ 


まつり「はい、何とか、助かりました」ハァハァ 


奈緒「はぁーっ…………」 


まつり「ふぅ……」 


…………ン 


まつり「…今、何か聞こえましたか?」 


奈緒「え? 何にも聞こえてへんで」 


キョロキョロ 


まつり「あっ」 


奈緒「?」 


まつり「まつり達が来た廊下が無くなってるのです」 



743: SSまとめマン 2015/02/08(日) 19:08:23.52 ID:bk9H+4BW0


奈緒「どういうことなん?」 


クルッ 


奈緒「あー…壁になっとる」 


廊下を進めば可憐の『スモールラブステップ』が、後退すれば壁が立ちふさがる。 


奈緒「ま、可憐と亜利沙をとっちめん事には話が進まんし、どっかに行かれても困るから前に行くしかないやろ」 


まつり「それは姫が言おうとしたことなのです」 


奈緒「はいはい」 


奈緒「んで」 


奈緒「あの『霧』を越えて行かないけないんやけど…」チラ 


モクモク 


まつり「…………」 


ゴゴゴ 


まつり「…『霧状』のスタンドというものは存在するのです。もちろん、スタンドが出した『霧』というのもあるはずなのです」 


まつり「でも、まつり達は可憐ちゃんのスタンドを見ていない…つまりスタンドが出した『霧』で間違いないのです」 


奈緒「臆病やからなぁ…見せたくないんかな?」 


まつり「何とかして本体を叩くか、『霧』を払うしか勝つ方法はありません」 



744: SSまとめマン 2015/02/08(日) 19:09:09.30 ID:bk9H+4BW0


奈緒「そんなら私にまかせーや」ドン 


まつり「出来るのですか…?」 


奈緒「大丈夫やろ」 


奈緒は『H・L・ジェットマシーン』を『霧』に近付け、勢いよく吸い込んだ。 


奈緒「それッ!」 


スウゥッ!! 


ガオォ――ン! 


まつり「『霧』を吸い込んだ!」 


可憐『キャアァ――――――!』 


奈緒「!」 


まつり「ダメージがあるのです…?」 


奈緒「そうか…分かったで!このスタンドの正体が!」 


まつり「ほ?」 


奈緒「まとまった一つの『霧』ちゃう、『粒』の塊や!」 


まつり「まさか『群体型』ッ!」 


奈緒「そう! 小さくて数が多いからたまたま『霧』に見えただけ!」 


奈緒「『霧』が私らの体に直接なんかやったんや!」 


まつり「ふむむ…」 



745: SSまとめマン 2015/02/08(日) 19:10:48.41 ID:bk9H+4BW0


可憐『や、やっぱりぃ…』 


ズズズ… 


まつり「『霧』が引いていくのです…」 


奈緒「逃げる気や! 追うで!」 






To be continued… 

752: SSまとめマン 2015/02/16(月) 21:02:19.95 ID:ULFIlyoq0




扉の隙間から亜利沙と可憐のいる放送室へと逃げる『スモールラブステップ』、その動作は遅く、追い付くのは容易であった。 


奈緒「削れッ!」 


ガオン ガオン 


可憐『ひっ、ひぃぃぃぃいいい!!』 


『スモールラブステップ』の霧は容易く引き裂かれ、奈緒達が通る道を作る。 


まつり「やり過ぎは駄目なのですよ!」 


奈緒「分かってる!」 


霧の『隙間』を駆け抜け、奈緒はついに扉を削る。 


奈緒「その顔見せ―――――――ッ!」 


ガオン 


バッ 


可憐「えっ!? そそそ、そんなぁ!」 



753: SSまとめマン 2015/02/16(月) 21:03:07.73 ID:ULFIlyoq0


亜利沙「可憐ちゃん!こっちです!」グイー 


奈緒とまつりが突入すると、亜利沙は可憐を引っ張りながら『放送室』から別の部屋へと移動をしようとしていた。 


奈緒「逃がさへんで!」 


亜利沙「来てくださいッ!」 


ナオ「アカンデー」ドン 
マツリ「ナノッ!」ドン 


奈緒「!」 


亜利沙の呼び声に応じてナオとマツリがワラワラと顔を見せる。 


亜利沙「時間を稼ぐので、早く『スモールラブステップ』を引っ込めて下さい!」 


可憐「わ、私なんかがいても…足手まといにしか…」 


まつり「奈緒さん、『コネコネ』を急いで倒すのですよ!」 


奈緒「わ、分かってる…」 


ナオ「ワー!」 


まつり「ナノッ!」 


ボコン! 


まつりがナオを倒していくが、奈緒はマツリを倒すのを躊躇う。 



754: SSまとめマン 2015/02/16(月) 21:03:54.96 ID:ULFIlyoq0


まつり「何をやっているのですッ!」 


奈緒「ち、違う…手も、足も震えて…」 


まつり「!」 


まつり(まさか…腕を消し飛ばされたことがトラウマに…?) 


奈緒が躊躇う間にも時間は過ぎる。 


亜利沙「早く来て下さい!」 


可憐「あ、足手まとい、だから…」 


亜利沙「亜利沙は可憐ちゃんを『選んだ』んです! 私を信じて!」 


可憐「わ、私を…!?」 


亜利沙「亜利沙の為に! 今ここにいる可憐ちゃんに戦って欲しいんです!」 


可憐「亜利沙ちゃんの…ために…」 


ドドド 


可憐「……ごめんね、あ、亜利沙ちゃんの事、考えてなかった…」 


まつり「奈緒さん!」 


奈緒「っ……」 


可憐「わ、私、戦う…戦うよ!」 


ドドドドド 


亜利沙「そうこなくっちゃ」 



755: SSまとめマン 2015/02/16(月) 21:05:08.81 ID:ULFIlyoq0


まつり「!」 


まつり(空気が変わった…! 力強いパワーを『スモールラブステップ』から感じるのです) 


まつり(急いで倒したいのですが…接近するには奈緒さんの協力が必要不可欠、腕を削られたというトラウマを跳ね返す精神がないと…) 


まつり「いいのです、まつりがやります」 


奈緒「…………?」 


ドドドドド 


まつり(前五メートルに可憐ちゃんと亜利沙ちゃん) 


まつり(その真後ろには開いている扉、『高速移動』なら十分なのですッ!) 


まつり「スタンドは精神の力ッ! 逆境やトラウマを跳ね返す精神がないなら、『黒幕』に立ち向かおうだなんて思わないで下さい」 


奈緒「!!」 


まつり「ここはまつりがやるのです」 


亜利沙「お話は終わりですか。まぁ、亜利沙達は逃げさせてもらいますけど」 


可憐「ええっ!?」 


まつり「…『高速移動』」 



756: SSまとめマン 2015/02/16(月) 21:05:59.06 ID:ULFIlyoq0


フッ 


亜利沙「はっ、はやいッ!?」 


まつり「まずは可憐ちゃんッ!」 


可憐「ッ!」 


ブン! 


可憐「『スモールラブステップ』!!」 


グイ―ッ 


ギュッ 


まつり「!?」 


まつり(筋肉が勝手に収縮を!?) 


高速で接近したまつりは五メートルの間にいた『スモールラブステップ』の影響をほぼ受けずに可憐の目の前まで行くが、腕をスイングしている途中で腕が勝手に曲がり、拳は宙を切る。 



757: SSまとめマン 2015/02/16(月) 21:07:04.66 ID:ULFIlyoq0


可憐「あ、亜利沙ちゃんを…守れるのは私…私だけ…!」 


ドドドドドド 


可憐「スタンドの、き、筋肉を収縮させました…やろうと思えば、出来ることも、少しあるんですね…」 


まつり「なっ…!」 


奈緒(まずい…まつりがやられる!) 


奈緒(でも動かへん…まるで体が石にでもなったように…私はあの『コネコネ』に恐怖してるッ!) 


ゴゴゴゴ 


可憐「だから…やられて、くださいっ…!」 


可憐「『スモールラブステップ』!!」 


先程よりも速く『霧』がまつりの周りに集まる。 


まつり「うっ…まさ…か…」 


ドドドドドド 


まつり(さっきよりも『症状』の出が早い…スタンドが…精神が成長してるッ!) 


可憐「呼吸と…考えと…色々を、と、止めました…」 


可憐「ま、まつりさんでも…流石に、立てないはずです…」 



758: SSまとめマン 2015/02/16(月) 21:08:14.46 ID:ULFIlyoq0

ドドドド 


まつり「さ、最後に一発…」 


可憐「駄目ですっ…亜利沙ちゃんは、わ、私がッ!」 


ブワッ! 


まつり「あぅ…」フラッ 


奈緒「……まつり?」 


ドサ 


奈緒「ま、まつりィィィ――――――ッ!!」 


ドドドドドド 


可憐「わ、私でも倒せた…まつりちゃんを…ふふっ…」 


亜利沙「」チラ 


奈緒「あ…ああっ…!」 


亜利沙「後は離れながら戦いましょう、そうしましょう!」 


可憐「は、はい…!」 


奈緒「ああああああああ!!」 



759: SSまとめマン 2015/02/16(月) 21:09:30.99 ID:ULFIlyoq0


亜利沙「任せましたよ」 


ナオ「ホナ」 


マツリ「ナノデス」 


バタン 


可憐と亜利沙は扉をくぐって何処かに行ってしまう。 


ゴゴゴゴゴ 


奈緒「…まつりが、まつりが!」 


奈緒(死んでまう…! 私のせいで!) 


奈緒(『コネコネ』よりも何よりも、『それ』が一番恐ろしい…! あんな『些細な』事で悩むなんて!) 



760: SSまとめマン 2015/02/16(月) 21:10:13.47 ID:ULFIlyoq0


ドドドドド 


奈緒「……『H・L・ジェットマシーン』ッ!」 


ナオ「アー…」 
ナオ「ニゲルナー」 


ガオン 


奈緒は空中を削り、天井近くを飛びながらまつりを救い上げようとする。 


マツリ「ハヤク、ハヤク」 
マツリ「イタダクノデ…」 


奈緒「邪魔や!」 


ガオン 


まつりの周りに群がるマツリを削り、まつりに手を伸ばす。 


しかしそこは危険地帯、『スモールラブステップ』の密集地に飛び込むのは『自殺行為』である。 


奈緒「自殺行為なんかやない…削れッ!」 


ガォォ―ン! 


だが奈緒は『スモールラブステップ』を吸い込んで消し飛ばす。 



761: SSまとめマン 2015/02/16(月) 21:11:06.34 ID:ULFIlyoq0


可憐『あれ…なんでダメージが!?』 


奈緒「まつり!大丈夫かまつり!?」スタ 


まつり「………………」 


奈緒「まつり…?」 


奈緒はまつりの胸に耳をあて、その鼓動を聞く。 


シィィ――ン 


奈緒「う、動いてない…そんなん嘘や…」 


奈緒「頼む…生き返って!」 


ドクン! 


奈緒はまつりの心臓をスタンドの左腕で強く握りしめ、血液を全身に巡らせるために何度も何度もそれを繰り返す。 


奈緒「頼むっ、お願い、まつり!」 


ドクン ドクン ドクン! 



762: SSまとめマン 2015/02/16(月) 21:12:46.43 ID:ULFIlyoq0


可憐『…え? もしかして…奈緒さんが、立ち直った…?』 


奈緒「ふぅー!ふぅー!」 


奈緒はまつりの口に自身の口を当てて息を吹き込む。 


肺に供給された酸素は、肺動脈から流れてきた赤血球のヘモグロビンと結合し、肺から心臓に流れた血液は奈緒の心臓マッサージによって全身へと駆け巡る。 


ヘモグロビンと結合して酸素ヘモグロビンとなった酸素は、血液と共に脳を含む全ての組織に運搬され、エネルギーを生産するために利用される。 


奈緒「まつり、まつり!」 


ドクン ドクン! 


まつり「…………」ピク 


奈緒「動いた…! いけるッ!まつりは助かるッ!」 


可憐『…な、何をしてるのかと思ったら、心臓マッサージ…だったんですね』 


奈緒「へ…?」 


ピクピク 


まつりは徐々に息を吹き返す。 


だが時間を使えば使うほど『コネコネ』は迫っていた。 


ナオ「サセヘンデ~」 
ナオ「アメチャン…」 


奈緒「!」 



763: SSまとめマン 2015/02/16(月) 21:13:38.77 ID:ULFIlyoq0


奈緒(近い…!あと一メートルで呑まれるッ!) 


ゴゴゴ 


奈緒(まつりか、逃走か…二つに一つ…) 


奈緒(せや! また飛べば…) 


ヌルニュル 


ナオ「アトチョイ…」 


奈緒「て、天井からも!?」 


周りを奈緒の『コネコネ』に囲まれ、天井からも数体がうねうねと出てこようとするため、その『間』を通ろうとすれば動きの緩慢な『コネコネ』と言えども、部屋を出るまでには触肢で道を塞ぎきるだろう。 


奈緒「し、四面楚歌…前にも後ろにも行かれへん…」 


可憐『つ、ついに私達の、勝ち…なんですね…!』 


ドドドドド 


奈緒「そ、そんな…アホな…」 


まつり「」ピクピクッ 


奈緒「いや…ま、まつりは助かる…ここで蘇生をすれば…!」 


ゴゴゴゴゴ 


奈緒「わ、私は…多分死ぬ…十中八九死ぬ、でもまつりは…!」 


ピクッ 



可憐『お、お仕舞いですゥゥゥ――――!』 


ナオ「イタダキマース!」 
ナオ「アム…ン?」 



764: SSまとめマン 2015/02/16(月) 21:14:29.91 ID:ULFIlyoq0


ガオン 


ナオ「イナイ…?」 


ドドドド 


可憐『か、勝ちましたー!ついに、ついに勝った、んですよね…?』 


奈緒「はははは…盲点やったわ…」 


奈緒は床を削って下の階へと逃れ、天井に張り付きながらまつりの心臓マッサージを続ける。 


そして相変わらず階下では『コネコネ』がビッシリと蠢いていた。 


奈緒「真下…床を削れば良かったんや…」 


奈緒(それに可憐はスタンドと視覚を共有してへんみたいや、しばらくは『スモールラブステップ』から身を隠して…) 


可憐『あ、あれ…やっぱり『二つ』ある…』 


奈緒「…?」 


モクモク 


可憐『まだ生きてる…それもこの階じゃない…?』 


奈緒(気付かれた!? まつりはまだ息を吹き返してへ…………ん?) 


まつり「」ピク 


奈緒(……違う、まつりは息を吹き返してる訳ちゃう…) 



765: SSまとめマン 2015/02/16(月) 21:15:15.22 ID:ULFIlyoq0


奈緒(体の中にいる少量の『スモールラブステップ』が邪魔をしてるんや、私のマッサージはただの『現状維持』) 


ゴゴゴ 


奈緒(射程距離から逃れんことにはまつりは生き返らないッ!) 


可憐『下の、階…床を…削ったのかな?』 


奈緒(今すぐ逃れる!) 


奈緒「『H・L・ジェットマシーン』!」 


奈緒は天井から離れると、空間を削りながら急いで距離をとる。 


ガォォーン 


奈緒「へへーん、十メートルなんてちょちょいのちょいや!」 


可憐『あ、そこに…』 


ピン! 


奈緒が『スモールラブステップ』の射程十メートルから逃れると、奈緒の足が突然、『ビクン』と跳ねる。 


奈緒「え…?」 



766: SSまとめマン 2015/02/16(月) 21:16:36.53 ID:ULFIlyoq0


『ビクン』と跳ねた足の行き先、そこにはナオが大きく体を伸ばして待ち構えていた。 


ナオ「アムッ」 


ドプッ 


奈緒「あ…ああッ!」 


奈緒(つ、捕まった…足が『勝手に動いた』せいで捕まった…) 


可憐(な、奈緒ちゃんの体に…残ってた『スモールラブステップ』で足を刺激しましたが…上手くいった…みたいなのかな?) 


可憐『ふふ、ふ…け、計画…通り…』 


空中でナオに捕まった奈緒の右足首は完全に呑まれており、このまま空中で静止したのならば、そう遅くない内に膝も太股も何もかも呑まれて消えるだろう。 


奈緒(可憐の『射程距離』からは逃げたはずやッ! まつりは今にでも目を…) 


まつり「」ピクピクッ 


まつり「」ピク 


ドドド 


奈緒(う、動かへん…蘇生は出来た筈や…心臓も、酸素も、全部大丈夫なはずや…『スモールラブステップ』の『射程距離』からは離れたはず…!!) 


ドドドド 


奈緒(…いや、ちょいまち…まさか…) 



767: SSまとめマン 2015/02/16(月) 21:17:21.68 ID:ULFIlyoq0


奈緒(まさか…『射程距離』が伸びた! まつりが言ってた「スタンドのパワーは精神のパワー」ちゅうのはこういうことか!) 


ナオ「ウマ~」ニュルニュル 


奈緒(このままやと共倒れ…なら!) 


ゴゴゴゴ 


奈緒「覚悟を…」 


奈緒「本当の覚悟を…決める」 


奈緒「『やる』なら『やる』っちゅう覚悟を!」 


ガオン 


ナオ「…ン?」 


ブシャァア 


奈緒「う…ぐっ…足を削った…」 


奈緒「これなら…『射程距離からは』逃れられるッ!」 


可憐『逃がすと、思ったんですか…?』 


奈緒「!!」 


グニャア 


奈緒「視界が…回るッ! 何十回も回った後に止まったみたいや!」 



768: SSまとめマン 2015/02/16(月) 21:18:17.28 ID:ULFIlyoq0


可憐『耳の…平衡感覚を感じる場所を、刺激しました…』 


可憐『私でも、あ、亜利沙ちゃんの為なら…頑張れる、から…』 


可憐『…やられてください』 


グィィーン 


奈緒「うおッ!?」 


奈緒は真っ直ぐ逃げるはずだったが、突如真下へと方向転換してしまう。 


歪む視界、真下は『コネコネ』の海、呑まれれば即死亡である。 


ナオ「アームー…」 


奈緒「スタンドの…私の感覚を信じろッ!」 


ガォォーン!! 


可憐『だ、騙されない…!?』 



769: SSまとめマン 2015/02/16(月) 21:19:46.59 ID:ULFIlyoq0


グォオ 


奈緒「逃げ…切った!」 


ガオン!! 


フッ 


奈緒「おっ…!」 


ドシャア 


奈緒「うぐ…なんとか…外に出れた…」 


ガバッ 


奈緒「そうや!まつり、まつりは!」 


まつり「」ピク 


まつり「」ピクピクッ 


奈緒「じ、人工呼吸や!心臓マッサージも!」 


奈緒は急いでまつりの心臓を握る。 


ドクン ドクン ドクン!! 


奈緒「っ…ふぅー…すぅー…ふぅー…」 



770: SSまとめマン 2015/02/16(月) 21:21:08.28 ID:ULFIlyoq0


奈緒「っ…ふぅー…すぅー…ふぅー…」 


ドクン ドクン ドクン!! 


まつり「っ………………」 


奈緒「ま、まつり!」 


パチ 


まつり「んっ…」 


奈緒「生き返った…?」 


ドドド 


まつり「こ、ここは…」 


奈緒「生き返った――――ッ!!」 


ガバッ 


まつり「な、奈緒…?」 


ギュウウウウ 


まつり「つ、つよ…!」 


奈緒「ううっ……よかった…まつりが…まつ、りが…」ポロポロ 


まつり「…!」 



771: SSまとめマン 2015/02/16(月) 21:22:00.44 ID:ULFIlyoq0


奈緒「わたしのせいでっ…し、死ぬんちゃうかって…おもって…うううっ…!」ポロポロ 


まつり「…………」 


奈緒「だからっ…だか、ら…ひっく…っく…」ポロポロ 


まつり「ありがとう…」 


奈緒「うえぇぇぇぇえええん!」ポロポロ 


まつり「ほら、泣かないで…ね?」 


奈緒「う゛ん! でぼまづりが!」 


まつり「ハンカチなのです…涙を拭いて…」 


奈緒「うん…………ヂーン!」 


ベチャア 


まつり「…………」 


奈緒「ありがとう…」スッ 


まつり「い、いえいえ…」 


まつり(ハンカチから鼻水を離すのです)ピューン 


奈緒が出した透明な鼻水は、まつりのハンカチから勢いよく飛び出して地面にベチャリと張り付く。 



772: SSまとめマン 2015/02/16(月) 21:22:51.46 ID:ULFIlyoq0


まつり「そ、それよりも、奈緒ちゃんの足の治療を!」 


奈緒「え…?」 


ダラダラダラ 


奈緒「わ、忘れてた…今になって痛みが…!」 


まつり「波紋ッ!」 


ビリビリィ 


奈緒「お、おおっ…」 


まつり「とりあえず、止血はしたのです」 


奈緒「ありがとな」 



奈緒「……それにしてもな、またあの『アイドルキャッスル』に挑まなあかんのか…」 


ドドド 


まつり「なのです。ですが、奈緒ちゃんのスタンドは『軍隊型』や『遠隔自動操縦型』には滅法強いタイプの『近距離型』」 


まつり「相性もみらくる・わんだほー!なのですが…」 


奈緒「…?」 


まつり「精神的にも、成長したんだね」 


奈緒「……そらそうや、まつりが死んで何かせずにはいられへん」 


奈緒「自分で言うのもあれやけど、結果オーライ?ってやつやな」 



773: SSまとめマン 2015/02/16(月) 21:23:51.65 ID:ULFIlyoq0


まつり「死んだ…?まつりが?」 


奈緒「えっ、死んでたんやで?」 


まつり「蘇生…したのですか?」 


奈緒「うん」 


まつり「心臓マッサージを?」 


奈緒「片腕しかないから大変やったで」 


まつり「まさか人工呼吸も…!」 


奈緒「当たり前やん! 何を気にして…はッ!」 


まつり「…………ぽっ」カァッ 


奈緒「な、何の音や…あと顔を赤くすな!」 


まつり「いつの間にかまつりの王子様になっていたのですね…」 


奈緒「ち、ちがああああ! 恥ずかしくなってきたァァァ―――――ッ!」 


まつり「後で責任はとってもらうのです…」 


奈緒「ああああぁぁぁぁ…」 


まつり「まぁ、それはおいておくのです」 



774: SSまとめマン 2015/02/16(月) 21:24:42.75 ID:ULFIlyoq0


ドドド 


まつり「今こそ決戦の時ッ! 相手のふぃーるどごと『H・L・ジェットマシーン』で…」 


昴「おーい!」 


まつり「ほ?」 


タタタタ 


奈緒「あれ…昴や!」 


まつり「こんなところに…」 


タタッ 


昴「奈緒!まつり!」 


まつり「昴ちゃん!」 


「「丁度よかった!」」 


「「……え?」」 


奈緒「ど、どういうこっちゃ…」 


ゴゴゴ 



775: SSまとめマン 2015/02/16(月) 21:25:40.26 ID:ULFIlyoq0


昴「いや、オレ達はあの劇場に行かなきゃいけないんだけど…」 


まつり「オレ達? つまり複数人ここにいるのですね?」 


昴「おう、オレと麗花と志保琴葉恵美可奈…六人いたんだ」 


奈緒「…今は一人やん」 


昴「そうなんだよ! 劇場の壁がめちゃくちゃかてーからさ、オレが琴葉を飛ばして穴を開けたら…オレが入る前にしまっちゃってさ」 


奈緒「色々突っ込みたい事はあるけど…」 


まつり「なんとなーく、事情はわかったのです」 


昴「ならよかった。んで、二人とも何でここに?」 


奈緒「あのな、それがまた大変でな」 


奈緒「亜利沙に誘われて劇場入ったら、一緒に来た未来にズバーッてやられて、腕も変な『コネコネ』にパクッてされて、何とか上に行ったら行ったで未来と闘ってこのみさん仲間にして、可憐のモワーッとしたスタンドでグルグルーってなって、そしたらまつりが死んだからガオンってここまで戻って来てん」 


昴「んん…?」 


まつり「ほ? もっと詳しく説明した方が…」 


昴「分かったぜ!」 


まつり「………………」 



776: SSまとめマン 2015/02/16(月) 21:26:26.11 ID:ULFIlyoq0


昴「つまり亜利沙と可憐が中にいて、ボコボコにされたから出てきたんだな」 


奈緒「う、うぐっ」 


まつり「弁解のしようが無いのです」 


昴「んで、未来とこのみさんが今中にいる。このみさんは仲間」 


まつり「大体あってるのです」 


まつり(建物ごと『H・L・ジェットマシーン』で壊すか、『フェスタ・イルミネーション』で土台ごと吹っ飛ばそうと思ったのですが…) 


昴「よし! オレを中に連れてってくれよ!」 


奈緒「最初からそのつもりやで」 


まつり「………………」 


奈緒「まつり?」 


まつり「いえ…なんでもないのです」 


昴「んじゃあ、何処から入る?」 


奈緒「一階に可憐達はおらんと思うねん、せやから三階か二階に…」 


昴「ん?四階はどうなんだ?」 


奈緒「よ、四階? 劇場は『三階建て』やで…ってなんやあれ!?」 



777: SSまとめマン 2015/02/16(月) 21:28:50.93 ID:ULFIlyoq0




まつり「ほ…?」 


昴「おいおい…まさか生えてきたって言うつもりか…?」 


見た目には変化はない、だが高さに変化がある。 


先程よりも大きくなり、『アイドルキャッスル』と書かれた広告と比べても大きい。 


奈緒「生えてきたって…生えてきたって!」 


ドドド 


まつり「一体なんなのなのですか…?」 


昴「おい!何か横から生えてきたぞ!」 


ドドドド 


奈緒「な、なんや…幻覚何かやない…それは分かってる…」 


まつり「だからこそ、異常さがわかるのです…!」 


劇場の横の壁に四角い膨らみが見えたと思うと、それが段々と出っ張ってくると、一分も経たない内に直方体が出来る。 


昴「ありゃ…部屋か? 一体どんなスタンドだっつーの…」 



778: SSまとめマン 2015/02/16(月) 21:29:39.55 ID:ULFIlyoq0


ドドドド 


まつり「…さっき、五人居たと言いましたね…」 


昴「おう、志保達とここに来たんだ」 


まつり「亜利沙ちゃんのスタンドは一人では絶対に勝てません。さらに(部屋を区切って)分断する能力もあります…」 


奈緒「それは…まずいな!」 


昴「そ、そんなにか…?」 


奈緒「可憐の能力の凶悪さもあってますますや」 


昴「おい…それ…志保達がヤバイって事じゃ…」 


まつり「今すぐに行くのです!」 


奈緒「絶対に勝つで!」 






昴「いや、その足でどうすんだよ…」 


奈緒「そうやった…」 


まつり「肩を貸してください…ね?」 


To be continued… 

781: SSまとめマン 2015/02/16(月) 21:56:37.35 ID:ULFIlyoq0
ほい 

本体・人間・篠宮可憐 
スタンド『スモールラブステップ』 

群体型 

破壊力E  スピードD  射程距離C(20メートル 

精密動作性C  持続性D  成長性A 


能力射程20メートル 


能力『神経に刺激を与えたり、刺激の伝達を阻害する能力』 



霧状のスタンド、その正体は無数に浮かんだ『粒』が集まって見えたものであるが、視覚の共有は出来ない。 

余りにも小さすぎるために可憐も上手く操作が出来ないが、効果と汎用性は広く大きく、発想次第では大きく化ける。 

その反面パワーは低く、缶を拾ったり扉を軽く押すので精一杯。 

そして、可憐の精神に『特に』大きく左右されるスタンド。 




787: SSまとめマン 2015/02/26(木) 22:01:29.20 ID:Tp+7dJRt0



昴「よいしょっ…と」 


昴は右肩を奈緒に、左肩をまつりに貸した状態で立ち上がる。 


まつり「大丈夫なのです?」 


昴「大丈夫大丈夫、慣れたから」 


奈緒「どんな戦い方しとったんや…」 


まつりは右足、奈緒は右足首と右腕が使えなくなり、『スーパーナチュラルアクティブショウアイドルちゃん(SNASA)』の攻略はさらに難しくなった。 


まつり「…劇場に入る前に、ちょっといいのですか?」 


奈緒「なんや?」 


まつり「『フェスタ・イルミネーション』」 



788: SSまとめマン 2015/02/26(木) 22:02:21.70 ID:Tp+7dJRt0


フワッ 


昴「うおっ!?」 


奈緒「と、飛んどる!」 


三人は肩を組み合ったまま浮かび上がる。 


まつり「まつりの能力を使ったまま、劇場に入りたいのです。『コネコネ』の撃退に時間を割きたくないのです」 


まつり(まつりの考えが正しければ…) 


ゴゴゴゴ 


奈緒「ええんちゃう?」 


昴「いいと思うぜ」 


まつり「分かったのです」 


まつりは頷くと、奈緒が開けた穴に近づく。 



789: SSまとめマン 2015/02/26(木) 22:03:12.74 ID:Tp+7dJRt0


奈緒「……こっからは直ぐに可憐の射程距離内って事を忘れんときや、私を警戒して流石に引っ込めてるけどな」 


まつり「なのです」 


ドドドド 


まつり「行くのですよ」 


昴「おう」 


壁に開いた穴をくぐって中に侵入する。 


ヌッ 


アリサ『…………』 


昴「!!」 


その際、壁から顔を出したアリサが居るのを見て、昴は悲鳴をあげそうになる。 


アリサが無害であることを知っている二人は、そのまま放って置いたが。 


アリサ『……シンニュウシャ?』 


アリサ『ソウナノデシュ』 



790: SSまとめマン 2015/02/26(木) 22:03:54.48 ID:Tp+7dJRt0


まつり(……話し合っている? こちらに攻撃はしてきませんが…) 


奈緒(無視して先に進まな) 


まつり(そうなのですね) 


そして三人が壁を抜けて中に入った瞬間。 


 エーアールアイエスエー!   エーアールアイエスエー! 
『A・R・I・S・A! A・R・I・S・A!』 


『再侵入者ですっ!再侵入者ですっ!』 


まつり「なっ!?」 


奈緒「また来るんかいな…」 


昴「お、おい…二人ともどうしたんだよ…」 


ドドドド 


まつり「コネコネが来るのですよ!」 


奈緒「昴も『白い粒』には気を付けや!」 


昴「『白い粒』…? さっきのあれか?」 


奈緒「!?」 


まつり「も、もう触ったのですか!?」 



791: SSまとめマン 2015/02/26(木) 22:04:35.95 ID:Tp+7dJRt0


昴「え? 駄目だった? くっついてたからそのまま捨てちゃったけど…」 


奈緒「こ、このアホ!」 


昴「はあ!?何でだよ!」 


ドドドドド 


まつり(ま、まずいのです…ただでさえこっちは消耗しているというのに…) 


まつり「と、兎に角! 自分と同じ顔のコネコネを攻撃はしてはいけないのですよ!」 


奈緒「ああ…説明しとくんやった!」 


昴「わ、わかったぜ」 


ムニュ 


奈緒「出てきたで!」 


天井、廊下の奥、地面、『ありとあらゆる』場所から『一斉に』コネコネが顔を出した。 


昴「お、おい!足の踏み場も無いじゃないか!?」 



792: SSまとめマン 2015/02/26(木) 22:05:23.69 ID:Tp+7dJRt0


奈緒「な、なんやこの『数』はッ!私らの時とは全然ちゃうで!?」 


ドドドドド 


まつり「やっぱり…」 


まつり(生体内に侵入した異物は、二度目の侵入を強く拒まれる…) 


染み出したコネコネは天井からも降ってくる。 


身動きの取れない昴の代わりに、二人は『二人分』のコネコネを一々見分けてから攻撃しなければならない。 


ちょっとした油断が命取りである。 


奈緒「…やっぱりって…分かってたんなら言ってや!」 


まつり「悪いと思ってはいるのです、ただ…」 


昴「ただ?」 


ゴゴゴゴ 


まつり「覚悟してください…」 


まつり「疾風怒濤の嵐が来るのです!」 








793: SSまとめマン 2015/02/26(木) 22:06:15.96 ID:Tp+7dJRt0


・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 




志保たち『七人』は階段の踊り場で相談していた。 


琴葉『この広い劇場…しかも変化する劇場で敵本体を叩くのだけど…』 


恵美「うん、構造が全く違うからね…踊り場が四ツ又なんて初耳だよ…」 


麗花「格好いいと思うけどなぁ」 


踊り場から上方向に伸びたスロープのような道が二つ、そして普通の階段があり、行き先は三方向に限定される。 


そして今、スタンドパワーを消耗しているので分散して敵本体を叩かなければならない状況にある。 


このみ「やっぱり、三グループに分かれた方がいいわね」 


志保「戦力の分散は危険だと思いますが…」 


琴葉『仕方ないわ…不意打ちでの全滅と、消耗戦は避けないと』 


可奈「で、でも…」チラ 


未来「はぁ…」 


恵美「…うん、その気持ちは分かるよ」 



794: SSまとめマン 2015/02/26(木) 22:07:51.26 ID:Tp+7dJRt0


志保「あの奇妙な物体、いえ、スタンドに剣を持っていかれた…」 


麗花「白い粒々は危険って事ね!」フンス 


このみ「もうみんな刺されたけれど…」 


未来「あーあ、結構気に入ってたんだけどなぁ…あの剣」 


可奈「そっち!?」 


琴葉『こ、コホン…兎に角、同じ顔の……『コネコネ』には攻撃しないようにしましょう』 


恵美「まぁ、そのためにペア作ろうってなってるんだけどね」 


志保「あの『コネコネ』自体は可奈でも倒せますしね」 


つまり、敵本体を早く倒さなければならないが、うっかりみんな白い粒に刺されたため、自身のコネコネが出現。 


スタンドパワーの消耗も相まって短期決戦を仕掛けなければならなくなったため、多少のリスクを冒してでも分散しよう、という話である! 



795: SSまとめマン 2015/02/26(木) 22:08:27.47 ID:Tp+7dJRt0


琴葉『それで、ペアの話なんだけど…』 


このみ「何かいい案があるの?」 


琴葉『はい、まずは私と麗花さん』 


麗花「琴葉ちゃんといけばいいのね?」 


琴葉『次に、志保ちゃんと可奈ちゃん』 


可奈「志保ちゃんよろしくね!」 


志保「……そうね、気を付けましょう」 


琴葉『次に…』 


このみ「私と未来ちゃん?」 


琴葉『はい』 


このみ「……なんとなーく分かったわよ」 


恵美「あっ…」 



796: SSまとめマン 2015/02/26(木) 22:09:09.87 ID:Tp+7dJRt0


未来「……?どういうこと?」 


志保「未来は気にしなくていいわ」 


志保(天然ボケを分散したわね…) 


琴葉『戦力的に考えると、志保ちゃんはいざという時は…隠れられるよね?』 


志保「大丈夫です」 


このみ「私と未来ちゃんはいいとして、恵美ちゃんは?」 


琴葉『それは…』 


恵美「いや、琴葉が心配だし、琴葉と一緒にいるよ」 


このみ「じゃあ決まりね」 


麗花「誰を探せばいいんだっけ?」 


可奈「亜利沙ちゃんと…」 


未来「他にいるんですか?」 



797: SSまとめマン 2015/02/26(木) 22:09:52.39 ID:Tp+7dJRt0


このみ「ええ、可憐ちゃんと…静香ちゃんがいるわ」 


未来「ええっ!静香ちゃん!?」 


志保「静香も…」 


琴葉『見つけ次第撃破、ということで』 


恵美「んじゃ、行こっか」 


相談が終わり、琴葉と恵美と麗花は踊り場の分かれ道の右を、未来とこのみは踊り場の分かれ道の左を、志保と可奈は階段を昇って行った。 



可奈「志保ちゃん♪志保ちゃん♪」 


志保「何よ」 


可奈「ううん、折角一緒になったんだし、もっと仲良くなりたいなーって」 


志保「今は真剣にやらないといけない時よ、邪魔しないで」 


可奈「ご、ごめんね…」シュン 



798: SSまとめマン 2015/02/26(木) 22:10:34.67 ID:Tp+7dJRt0


コツコツ 


志保「…………」 


可奈「…………」 


二人は無言のまま階段を昇る。 


しかし、その気まずい空気に耐えられなくなった可奈が、また志保に話し掛ける。 


可奈「あのねっ、志保ちゃん!」 


志保「…黙ってって、さっき言わなかった?」 


可奈「あうぅ…」 


コツコツ 


志保(…長いわね、こんなに長いものかしら…) 


可奈「…………」 


ゴゴゴゴ 


志保(沈黙が気まずい訳じゃない、既に敵スタンドの術中…ということね) 



799: SSまとめマン 2015/02/26(木) 22:11:21.60 ID:Tp+7dJRt0


黙々と、不自然に『延び続ける』階段を昇る志保。 


既に目的のフロアは見えているが、いつまで経っても目的地に着かないのだ。 


志保(敵の目的は何? 私達をこの場に留める意味は?) 


志保(次の階に可憐さんや静香がいるの?) 


ゴゴゴゴ 


志保(…いえ、ただ単に分断したいだけ?) 


志保(…未来が遭遇した『未来のコネコネ』は未来を飲み込もうとした、そして未来の攻撃は効かなかった。つまり…) 


志保「可奈!」 


クルッ 


シィィ――――ン 


志保「ま、まずい…『コネコネ』は一人では対処できない!」 



800: SSまとめマン 2015/02/26(木) 22:12:07.00 ID:Tp+7dJRt0


ドドドド 


志保「今のこの状況、一人に分断するつもりよッ!!」 


志保「何処にいるの!? 可奈!」 


志保の呼び掛けには誰も返事を返さない。 


志保「上か、下か…どちらかに可奈は…」 


志保は一瞬だけ悩み、上階へと視線を向ける。 


シホ「…………」 


志保「!!」 


そこには志保の『コネコネ』がいた。 


志保「…一体だけよ、『ライアールージュ』で気付かれないように横を…」 


スッ 


ガクン! 


志保「なっ!?」 


志保が一段上に上った瞬間、下りエスカレーターのように階段が『下りた』。 



801: SSまとめマン 2015/02/26(木) 22:12:48.62 ID:Tp+7dJRt0


志保「この…意地でも上にいかせないつもりね!」 


ダッ 


ドドドン 


志保が躍起になって階段を駆け上がると、その分だけ階段が下がる。 


シホ「…………」ススス 


志保「くっ…着々と近付いてきてるわね…」 


志保「なら下よ!」 


バッ 


シホ「…………」 


志保「うっ、下にも…」 


階下の踊り場にも志保のコネコネは居た、上下での挟み撃ちである。 



802: SSまとめマン 2015/02/26(木) 22:13:24.17 ID:Tp+7dJRt0


ドドドド 


志保「上か下か、急がないと可奈が…!」 


ニュ 


志保「後ろから…? 一体…」 


背後の物音に振り返る。 


クルッ 


シホ「イタワ」 


志保「!!」 


志保のいる段の真横の壁から、志保のコネコネが現れる。 


志保「こいつら、壁を通ってくるッ!!」 


シホ「ムダァァア!」 


スロー 


志保「お、遅い…」 


ヒョイ 


志保が後ろに下がると簡単に距離が離れる。 



803: SSまとめマン 2015/02/26(木) 22:14:18.62 ID:Tp+7dJRt0


志保「でも、いつまでもこうやってるわけにはいかないわ…いずれ距離を詰められる…」 


ドドドド 


志保「上か…」 


シホ「…………」 


志保「下か!」 


どちらにもコネコネは集まっている、完全に道を塞がれる前に移動しなければならない。 


志保「…………」 


ドドドド 


志保「決めたわ、上よ」 


ドンッ! 


志保は跳躍し、階段を飛び越えてコネコネも飛び越える。 


スト 


志保「最初から、飛んでればよかったわ」 


シホ「キタワヨー」 


シホ「イタワ」 


志保「…やれやれ、気の抜けるやつらね」 







804: SSまとめマン 2015/02/26(木) 22:15:11.31 ID:Tp+7dJRt0



・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 


可憐「ふふっ…三本の道のうち、私が…そう、私が倒す…ふふふ…」 


亜利沙(いや~可憐ちゃんもすっかり『自信』がついたみたいですね~) 


亜利沙(ビクビクオドオドしている可憐ちゃんもいいですケド、勇気を出している?可憐ちゃんもいいですね!)パシャパシャ 


亜利沙は珍しく自信満々な可憐の姿を次々と写真に納めていく。 


静香「…………」 


ゴゴゴゴ 


静香「亜利沙さん、私は…」 


亜利沙「静香ちゃんには、亜利沙達の場所を特定したアイドルちゃんを倒してもらいたかったんですが…」 


静香「この調子じゃ、要らなさそうね」 


亜利沙「そんなことないのでしゅ! 是非亜利沙の『最上静香ファイルその2』の一部に…」パシャ 


静香「何勝手に取ってるんですか!あともうそんなに撮ったの!?」 


亜利沙「むふふ、亜利沙のアイドルちゃんへの探求は終わらないのですよ!」 


静香「…コホン、それは後で話すとして…」 



805: SSまとめマン 2015/02/26(木) 22:16:11.96 ID:Tp+7dJRt0


ゴゴゴゴ 


静香「やっぱり、『プレシャス・グレイン』と『SNASA』は相性が悪いみたいです」 


亜利沙「やっぱりそうでしたか、致死コンボが出来ると思ったのですが…」 


静香「そうね、『スタンドは』私の能力の適応外…未来みたいに襲うことは出来ないし、帰らせてもらうわ」 


亜利沙「そうですね、そっちの方がいいでしょう」 


静香「それじゃあ」 


亜利沙「さようなら~」 


ギチギチ… 


静香が壁に向かって歩くと、壁に穴が開いて避難用の滑り台がしたに向かって投下される。 


静香はそのまま滑り台に乗って外に出る。 


ゴゴゴゴ 


可憐「ふふふ…来た、みたいです…」 


亜利沙「おっと、ナイスタイミングですね」 


可憐「相手は…」 


ゴゴゴゴゴゴ 


可憐「このみさんと、未来ちゃん…」 


亜利沙「ありゃりゃ、近距離タイプのお二人ですか」 


可憐「裏切り者には死を…ふふふ…」 


可憐「まつりさんも…奈緒ちゃんも、倒せたんだから…きっと、絶対、誰にも負けない…」 


亜利沙「…………」 


亜利沙(これはこれで、まずいですね…) 


可憐「ふふふ…」 




To be continued… 



818: SSまとめマン 2015/03/06(金) 18:00:27.02 ID:igncApNh0







このみ「ふっ!」 


ドゴ 


ミライ「ウワァァア…」サァァ 


未来「……大分片付きましたねー」キョロキョロ 


このみ「そうね」 


ドドド 


このみ(分かれ道を歩いてたらすぐに『コネコネ』が出てきたわ…何処にでも現れるのね) 


未来「このみさん、一本道…ですよね?」 


このみ「そうね、一本道よ」 


ドドドド 


未来「行き止まりって、劇場にありませんよね!?」 


このみ「その通りよ!未来ちゃん!」 


二人は行き止まりで立ち止まっていた。 


未来「…………」 


このみ「…………はぁ」 



819: SSまとめマン 2015/03/06(金) 18:01:22.41 ID:igncApNh0


このみ「…部屋もあるみたいだし、そこを探しましょう」 


劇場に出来た一本道、その行き止まりにたどり着いた二人はドアを手当たり次第に開けて探索しようとする。 


未来「…あれ? 『霧』かな…?」 


このみ「『霧』…?」 


モクモクモク 


このみ「一体どこから…!!」 


ドドドド 


このみ「未来ちゃん!この『霧』はスタンド攻撃の一部よ!」 


未来「今、出所を…………あそこです!」ビシ 


『スモールラブステップ』が充満しようとする中で、未来はドアと床の隙間から一際濃い『霧』が出ているのを見抜く。 


このみ「目がいいのね!」 


未来「ありがとうございますッ! 乗り込みますよ!」 



820: SSまとめマン 2015/03/06(金) 18:02:31.46 ID:igncApNh0


ダッ 


二人は『霧』の中に突っ込み、ドアの奥にいるはずのスタンド使いに攻撃を仕掛けるつもりであった。 


未来「ドアを叩き斬るッ!『ワンダフルミラクル』!」 


このみ「未来ちゃん!?」 


未来は突然、扉に向かって降り下ろす筈の剣をこのみに向ける。 


バッ 


ゴロゴロ 


このみ「一体どうしたの!?」 


未来「ち、違うんです!ビクッて勝手に動くんです!」 


このみ「何ですって!?」 


未来「て、敵スタンドの攻撃だッ!」 


このみ「…この『霧』はスタンドの『霧』よッ! スタンドで口と鼻を押さえて!」 


未来「両手が塞がってるのでお願いしまーす!」 


このみは自分の口と鼻をふさぎ、折れた剣と盾を持つ未来の分も塞ぐ。 



821: SSまとめマン 2015/03/06(金) 18:03:37.63 ID:igncApNh0


このみ『活動限界があるわ!扉を切って!』 


未来『任せてください!』 


スパッ 


ズパパパ 


『ワンダフルミラクル』は琴葉のような『激突』では壊せない壁を『斬撃』で切り刻む。 


ガードレールは乗用車の衝突ではひしゃげるだけだが、ウォーターカッターのような物でなら切断出来るのと同じである。 


ドンッ! 


未来『……開きました、よっ!』 


このみ『っ…突撃よ!』 


バッ 


このみ『さぁ、可憐ちゃんかしら? 静香ちゃんかしら?観念しなさ…!!』 


未来『誰も…いない?』 


ドドドド 


このみ『はぁ…はぁ…一体、どういう…』 


未来『はぁ…はぁ…このみさん…何だか…』 


このみ『息、 苦しいわね…はぁ…はぁ…』 



822: SSまとめマン 2015/03/06(金) 18:05:18.74 ID:igncApNh0


ドドドドド 


可憐『ふふふ…』 


このみ『!!』 


可憐『口を、塞いでるみたいですが…』 


ゴゴゴ 


未来『遠距離型…!?』 


可憐『この『霧』…『スモールラブステップ』はス、スタンドですよぉ…』 


このみ『ま、まさか皮膚からも…』 


未来『このみさん! 敵の位置を!』 


未来は手当たり次第に壁を切り裂いて、可憐の居場所を探る。 


スパパパ 


ズズズ… 


可憐『揺れが…そうですかぁ…察しが、いいですねぇ…』 


可憐『もっとも、気付いたところで…無意味…なんですけど…えへへ』 


未来「ぐっ…かっ…」 


このま『未来ちゃ…っは…!』 



823: SSまとめマン 2015/03/06(金) 18:06:20.11 ID:igncApNh0


ゴゴゴゴ 


可憐『そろそろ、呼吸が苦しく……なってますか?』 


未来『ほ、本体…は…』 


このみ『近い、はずよ…この能力は…強く作用してる…』 


未来『だ、駄目だ…くるし…』 


バタ 


このみ『ッ!!』 


可憐『…まずは…一人、ですね…』 


ドドドドド 


このみ(遠距離型の一方的な攻撃…早くしないと未来ちゃんが…!) 


可憐『うふふふ…ふふっ…』 


このみ(よし…試しに…!) 


このみ「吸い込みなさいッ!『ディアー』!」 


ゴォォオ! 


このみ「うっ…おっ…く、るし…」 


可憐『…一気に、流れ込んだ? まさか…吸い込んだ…んですね』 


可憐『も、もしかして『遠距離型』だと…思ってませんか? 実は…『群体型』なんですよ…ふふふ…』 


このみ『なっ!』 


このみ(自分から正体をバラした…油断してるわね、可憐ちゃんッ!) 


ドドドド 


可憐『……こんなことをしたのは、このみさんには…もう余力が無いのを、し、知っているからなんですよ…』 



824: SSまとめマン 2015/03/06(金) 18:07:12.77 ID:igncApNh0


このみ「うっ……カヒュ…ヒュー…」 


このみ(こ、呼吸がうまく出来ない!) 


可憐『み、未来ちゃんも…このみさんも…ここで『再起不能』…永遠に…』 


ドドドド 


このみ「あうっ…くっ……」 


未来「………………」 


このみ(ま、まだよ…まだチャンスは…考えるのよ! スタンド戦は『相性』よ、そこに『絶対』は…存在しないッ!) 


このみ(『心』の持ちようよ…それを二人が教えてくれたのよッ!) 


このみ「『ディアー』!!」 


ドドドド 


可憐『ふふふ…無駄な、抵抗ですよぉ…』 


未来「うっ…」ピク 


可憐『…ふふっ』 


ドドドドド 


可憐『『下に』逃げるなんて…』 



825: SSまとめマン 2015/03/06(金) 18:09:08.61 ID:igncApNh0


このみ「…………ふぅ」 


このみ「うまく騙せたみたいね」 


このみ「『距離感操作』…視覚も聴覚も認識していないみたいね、『感触』を下にやったわ」 


未来「こ、このみさん!」 


このみ「無事?未来ちゃん」 


未来「この『霧』…あの穴から流れ出てきてますッ!」 


ビシ 


未来は天井に目立たないように開けられた、拳程の穴を見つける。 


このみ「あの『穴』…? この霧は『スタンド』よ…物質を透過して…………ハッ!!」 


未来「そうです!この『壁』もスタンド、物質と融合してますけど…『スモールラブステップ』は通過できない!」 


このみ「…もしかして、『群体型』だけど目の届かないような場所での、物質をすり抜ける抜けないの調整はアバウトにしか出来ない?」 


未来「…つまり、物質を通過できないようにしないと『私達に触れない』のかな…?」 


このみ「それよ! いいかしら未来ちゃん、いまから『スモールラブステップ』の出所を探るわよ!」 



826: SSまとめマン 2015/03/06(金) 18:10:53.28 ID:igncApNh0


未来「まずは上に!」 


未来が折れた剣を天井に向けた時。 


ニュル… 


ミライ「ンンー…?」 


コノミ「イルワネ」 


未来「なんっ!?」 


このみ「『コネコネ』!? この最悪のタイミングで!?」 


可憐『ふふふ…おかしいと、思いました…』 


このみ「気付かれた!? いえ、完璧に騙せたはずよ!」 


未来「このみさん!『コネコネ』が来ますよ!」 


スパッ 


未来が叫びながら、降ってきたこのみのコネコネを斬る。 


このみ「わかって…るっ!」 


このみ『ほらぁ!』 


ドゴ 


ミライ「ウギャアー…」 


このみ「どうする!? 切り裂くタイミング次第ではコネコネに飲まれるわよ!」 


未来「そこは、タイミングで!」 


ドドドドド 


可憐『心臓が、止まらないから…亜利沙ちゃんに頼んでよ、良かったぁ…』 


コノミ「ムキー!」 


未来「邪魔!」ズパ 


このみ「くっ…キリがないわよ!」ドゴ 


倒しても倒しても現れるコネコネの『物量』にやや圧され始める。 



827: SSまとめマン 2015/03/06(金) 18:12:10.88 ID:igncApNh0


可憐『…普通に、飲み込む事も出来ますけど…『圧殺』するつもりで、送り込んでるみたいですから…』 


未来「ッ!」 


このま「大丈夫よ!『距離感操作』で可憐ちゃんは私たちの居場所を把握出来てはいないわ! 今がチャンスなのよ!」 


ゴゴゴゴ 


このみ(くっ…可憐ちゃんのミステリアスな雰囲気と抑揚の効いたしゃべり方を聞いてると、実は全てが向こうの思惑通りのように思えてしまうわ…) 


未来「このみさん!今…今道を拓きます!」 


可憐『逃げても、無駄ですよぉ…『スモールラブステップ』で『同じこと』をすればいい…』 


スパッ 


ピョン 


このみ「開いた…!」 


未来はコネコネの隙を付いて天井に大きな穴を開けて、三階に飛び移る。 


未来「このみさん!三階に飛び移っ――」 


可憐『圧倒的な、『物量』の波で…押し流すッ!』 


可憐『…『二階』の霧に伝令ッ!『スモールラブステップ』に神経伝達の妨害をッ!』 


未来「こ、このみさぁぁぁぁぁぁあん!!」 


このみ「…心配、しないで」ピッ 


可憐『『スモールラブステップ』ッ!!』 


ドォ――――――――ン! 





このみ「…………『ディアー』」 



828: SSまとめマン 2015/03/06(金) 18:13:36.35 ID:igncApNh0


未来「あ、あえ…?」 


このみ「可憐ちゃんがどんなスタンド能力を持つかは知らない…でも、スタンドが私の射程距離内にあるなら…」 


このみ「私には決して触れられない、それが『ディアー』」 


ドドド 


未来「え、えーっと、取りあえず無事なんですね?」 


このみ「そうよ、早く行きましょうか」 


未来「はーい、掴まってください」 


このみは未来から差し出された手を握って三階へと上がる。 


三階の部屋にはいくらか『コネコネ』が居たが、このみと未来はすぐに掃討する。 


このみ「…三階はちょっとしたステージだって聞いてたけれど…」 


未来「むしろ、二階と同じ感じですよねー」 


未来「楽屋って感じでも無さそうですし」 


本来、三階はステージと控え室があるのだが、未来とこのみのいる部屋はとても控え室とは似つかない。 


このみ「未来ちゃん、『スモールラブステップ』の出所をまた教えてくれるかしら?」 


未来「はい! ちょっと待っててくださいね」 


未来は目を凝らして部屋を見渡し始める。 


未来「うー…」 



829: SSまとめマン 2015/03/06(金) 18:14:41.38 ID:igncApNh0


このみ(最初は『接触している物体との距離感』を操って、私達があたかも下に移動したように見せかけた…) 


このみ(でもそのタネはバレた、だから今度は『その場を限りなく遠くした』…つまりスタンドをいじっても『動かしているつもりが全く動かしてない状態』になる…) 


このみ(…結果的には、可憐ちゃんの能力の作用は私達には干渉できない) 


このみ「触れていると言うことは、触れていないと言うことよ…うふふ…」 


未来「…このみさん?」 


このみ「へ? ああ、ええ、コホン、どうしたのかしら?」 


未来「『スモールラブステップ』の出所を探ったんですけど…」 


このみ「ですけど?」 


未来「ありませんでした。ついでに、剣を天井に刺したら無くなっちゃいました…でへへ」 


このみ「えーと、つまり盾だけ?」 


未来「そうです」 


このみ「上には上がれない…と」 


未来「私の予想だと、たぶん天井全部が…」 


「天井全部が私のコネコネで覆われていると思います」と、未来が言いかけた時にはカマキリの孵化の様に未来のコネコネが天井から染み出てくる。 


ミライ「ウ~ン~」 


このみ「うげッ! 上!?」 


未来「お、お願いしまーす!!」ピト 


未来がこのみにくっつき、このみは上から降ってくる未来のコネコネを片っ端から殴り飛ばす。 



830: SSまとめマン 2015/03/06(金) 18:17:38.42 ID:igncApNh0


このみ『ほらぁ!』ドコ 


ミライ「ウギャー!」サァァ 


未来「あ、今度は横!」 


このみ「ッ!」ブン 


ミライ「アアアア…」サァァ 


このみ「このっ…埒が明かないわよ!」 


未来「あっ! に、二階から『スモールラブステップ』が来た…しかも穴が塞がってるッ!」 


このみ「なんっ…ですって!」ドゴ 


ミライ「フイィィ…」サァァ 


ドドド 


可憐『…騙されましたよぉ……『ディアー』に『近接遠距離戦闘』は無意味…』 


このみ『『近接遠距離戦闘』なんて言葉無いわよっ!』 


未来(国語の先生じゃあないんですから…いやいや、むしろ生徒の方…) 


このみ『誰が小学生よッ!!』 


未来「いや、言ってませんよ?」 


ドドドド 


可憐『ずっと能力を…使いっぱなしにするのは、辛いんじゃあ…ないですか?』 


このみ「…………」 


未来(そ、そうだ…いくらこのみさんでも、ずっと能力を使っていたら…!) 


未来「こ、このみさん!」 


このみ「ふふふ…」 


未来「…?」 


未来(わ、笑ってる…可憐と負けず劣らず不気味…) 


このみ「未来ちゃん、上をぶち抜くわよ」 



831: SSまとめマン 2015/03/06(金) 18:20:40.91 ID:igncApNh0


未来「え? でも剣がない…!」 


このみ「琴葉ちゃんもぶち抜いてきたのよ? 一人ならともかく、今は二人…出来ない道理は無いわ!」 


可憐『…ふふふ…図星で言葉も出ないんですかぁ…?』 


未来「…勘違いしてる今がチャンスですね」 


ゴゴゴゴ 


このみ「やるわよ、厄介な可憐ちゃんは早目に倒しておきたいわ」 


未来「はい!」 


バッ 


二人は飛び上がり、天井に向けて拳を突きつける。 


だが、都合の悪いタイミングでこのみのコネコネが現れる。 


コノミ「ダメヨ」 


このみ「ッ!」 


未来『ほらぁぁぁぁああああ!』ブン 


コノミ「グフッ!」 


未来が盾でこのみのコネコネを殴り飛ばし、そのままの勢いで天井に強烈な打撃を食らわせる。 


ドン! 


このみ「助かったわ!」 


未来「今です!」 


このみ『ほらほらほらッ!』 


ドン ドガ ドン! 


ピシピシ… 


可憐『あえ? な、何を…何をして、いるんですか…?』 


このみ『今に分かるわよ』 



832: SSまとめマン 2015/03/06(金) 18:21:28.70 ID:igncApNh0


ひびの入った天井にだめ押しの一撃を食らわせると、亜利沙の『SNASA』で強化されたコンクリートがぶち抜かれる。 


ドン! 


ボゴン! 


このみ「こういうこと」スタ 


未来「こういうことです!」スタ 


可憐「ひっ…ひぃぃぃぃいいいい!!」 


亜利沙「可憐ちゃんこっちです!」グイ 


亜利沙は可憐を引っ張って出口である扉へと駆け出し、可憐は可憐でスタンドを素早く引っ込める。 


未来「そうは…」 


このみ「未来ちゃん何を!?」 


未来「いきませんよッ!」ブン 


未来はスタンドの持つ盾を勢いよく投擲し、二人の進路に突き立てる。 


ガッ 


亜利沙「ッ!」 


可憐「あ、ああ…」ガク 


未来「今ですッ!」 


このみ「観念しなさい!」 


このみと未来は止まってしまった二人に駆け寄る。 



833: SSまとめマン 2015/03/06(金) 18:22:19.13 ID:igncApNh0


亜利沙「…ッ!…『スーパー…」 


このみ「ほらァ!」ブン 


ドゴォ 


亜利沙「ぶほっ!」 


コネコネを呼び出そうとした亜利沙はこのみに殴り飛ばされ、地面を転がって気絶する。 


ズドン!! 


亜利沙「ブクブク…」 


可憐「あわわわ…」 


未来「逃がさないよ!」 


腰を抜かし、這ってでも逃げようとする可憐の背中に盾を叩き付ける。 


ドガッ 


可憐「ごふっ!」 


ドサッ… 


このみ「…えげつないわね」 


未来「でへへ…人を気絶させるなんて初めてですから」 


このみ「…まあ、それもそうね」 



834: SSまとめマン 2015/03/06(金) 18:23:21.87 ID:igncApNh0


MP(in可憐)『ケケケ…』 


このみ「出たわねッ!」 


未来「『マスターピース』ッ…よくもさっきは!」 


可憐MP『ヘッ…マダ理解シテネーヨウダナ』 


このみ「…何をよ」 


ドドドド 


可憐MP『『松田亜利沙』ハ気絶シタ、ソノママ倒シテイレバ楽ニナッタノダガナ』 


未来「はっ…?」 


このみ「一体…どういう事…」 


MP(in亜利沙)『コウ言ウコトダゼ!』 


吹っ飛んだ亜利沙の体からMPが飛び出すと、そのまま建物の中に溶けるようにして埋まっていく。 


ズブズブ 


このみ「なっ!?」 


可憐MP『スタンドト、本体ガ分カレルタイプ…弱点ヲ突カレナイ限リ無敵ヨ!』 


このみ「なんですって!?」 


可憐MP『ハーッハッハ! テメーラジャア、『SNASA』ニハ勝テネ――』 


未来「……」 


スパッ 


可憐MP『――エ』 


サァァ… 


可憐の頭に生えるMPの頭を、未来は盾で薙ぎ払い切断する。 


未来「…………」 



835: SSまとめマン 2015/03/06(金) 18:24:34.63 ID:igncApNh0


ドドドド 


このみ「み、未来ちゃん…?」ゾク 


未来「…このみさん」 


このみ「な、何かしら?」 


未来「…みんなをこんな風にするなんて、わたし…わたし許せません!」 


ドドドド 


このみ「…………それは私も同じ気持ちよ、でも冷静さを失わないで…逆上すれば大局を見失うわ。今は連絡して合流をしましょう」 


未来「…はい」 


このみ(大丈夫かしら…自分も友達も操られて、随分怒ってるみたい…珍しいわ) 


未来は可憐を、このみは亜利沙を担いで電話を掛ける。 


トゥルルルルル 


ガチャ 


このみ「もしも――」 


恵美『待って!用件を聞く余裕が無い!コネコネが沢山出てる!じゃあ!』 


ガチャン 


このみ「……駄目ね」 


未来「じゃあ志保と可奈に掛けましょう」 


トゥルルルルル 


ガチャ 


未来「もしもーし?」 



836: SSまとめマン 2015/03/06(金) 18:26:53.57 ID:igncApNh0



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 






志保「…やれやれ、気の抜けるやつらね」 


目の前に立ちふさがった数体のコネコネ、これもまた志保は飛び越えて接触を避ける。 


シホ「マチナサイ!」 


シホ「モウジカンガナインデス!」 


志保「妙にむかつくわね」イラッ 


無駄に遅いコネコネをスルーし、三階の探索を始める志保。 


L字になっている通路の角に階段があるため、志保は前に進むか右に進むか、選択を迫られる。 



837: SSまとめマン 2015/03/06(金) 18:28:31.58 ID:igncApNh0


志保「…コネコネは数を増やすわ、探索している間に私が飛び越えられなくなるかもしれない…」 


志保「二つに一つ、ねぇ…」 


志保「そもそも、可奈は何処に…?」 


トゥルルルルル 


志保「!」 


突如、着信音の鳴るスマホ。 


志保が連絡してきた人物を確認すると、その人は可奈であった。 


ピッ 


志保「……もしもし」 


可奈『し、志保ちゃ~ん…』 


志保「今、何処で何をしているの!?」 


可奈『それがね、『ちっちゃな亜利沙ちゃん』を見付けたから、ついつい追っちゃって…』 


志保「…このスタンド、幻覚も…」 


可奈『ち、違うよ! 本物だし、何故か『コネコネ』を食べるの!』 


志保「は?」 


可奈『だ、だから『コネコネ』を食べるの!』 


志保「自滅するスタンドが何処にいるのよ」 


可奈『ほ、本当だってばぁ~!』 



838: SSまとめマン 2015/03/06(金) 18:29:34.62 ID:igncApNh0


可奈『志保ちゃんからの~♪信用が~♪地の底…♪』 


志保「…どうでもいいから合流するわよ、何階にいるの?」 


可奈『に、二階~』 


志保「…分かったわ、今行くから待ってなさい」 


可奈『部屋は…分かんない』 


志保「廊下で待ってなさい」 


ガチャ 


志保「…二分の一をはずしたわね」 


志保「面倒臭いけど戻りましょ、う…か…」 


シホ「マッテクダサイ」 


シホ「ドコニイクノヨ」 


ドドドド 


志保「…………」 


志保「電話している間に、飛び越えられない群れが出来てるわね…」 


志保が振り返ると、先程居た場所は全て埋まってしまっていた。 


ジリ… 


志保「可奈には悪いけど…ここは進路を変えるしかないわね」 


志保「階段はたしかこっちよ」 


ダッ 



839: SSまとめマン 2015/03/06(金) 18:31:07.42 ID:igncApNh0


シホ「マチナサイー」 


志保は右に向かって駆け出して降りる為の階段探すが、待ち受けるものは全く別のものであった。 


志保は急に視界に入った白いモヤに気付く。 


志保「……『霧』?」 


ドドド 


志保「急に出てくるなんて…まさか!」 


可憐『スタンド攻撃…ですよぉ…』 


ドドドド 


志保「ッ…」 


可憐『…このみさんみたいにぃ…小細工で、逃れないで下さいね…』 


このみと未来はこの時、下の階へと『触覚』を送ったのがバレて焦っているが、そんなことを志保が知る余地もない。 


志保「うっ…く、るし…い…」 


志保(息が…それに吐き気も、目眩もするッ!) 


可憐『ふふふ…これは…志保ちゃん?』 



840: SSまとめマン 2015/03/06(金) 18:32:24.60 ID:igncApNh0


志保「『ライアールージュ』!」 


スッ… 


志保「はぁ…ふぅ…」 


ドドドド 


志保「はぁ…はぁ…、成功よ…『能力適応外』になったわ」 


志保は『ライアールージュ』で自分の存在感を消し、意図的な能力の適応と攻撃を遮断する。 


志保「全く…とんでもないスタンドね」 


志保はそのままゆっくりと階段の方へと移動する。 


志保「この『霧』…静香か可憐さんの能力ということね」 


???「でしゅ!」 


志保「…………なんの声かしら」クル 


志保の振り向いた先には亜利沙を小さくしたような生物がいた。 


一言で表すなら『ぷち亜利沙』だろう。 



841: SSまとめマン 2015/03/06(金) 18:34:18.42 ID:igncApNh0


ありさ「むふー、むふー!」 


『ぷち亜利沙』は部屋から飛び出すと、志保のコネコネに気づいたのか、その上に乗ってビシッと指?を前方に向ける。 


ドドドド 


志保「何よあれ…奇妙な、亜利沙さんに似た…………!」 


志保「可奈の言っていた『小さい亜利沙さん』ね! あの子がいれば私のコネコネを倒すことが出来るわ!」 


志保(可奈の言うことを信じれば…だけど) 


ありさ「!?」 


しかし、『ぷち亜利沙』突然飛び上がって志保の方へ駆け出す。 


すると今度は、亜利沙のコネコネが地面から出て来て『ぷち亜利沙』を追いかけ始めるが、どちらも驚くべき遅さでノロノロと動く。 


志保「…助けた方がいいわね」 


幸運なことに『ぷち亜利沙』もコネコネも志保の方へと向かっており、志保はそれを迎える形となる。 


ありさ「やぁーん!」 


志保「ほら、もう大丈夫よ」 


志保が『ぷち亜利沙』を抱きかかえ、亜利沙のコネコネを蹴飛ばす。 


アリサ「キャー」 


ありさ「??」 


しかし、当の本人は何が起きているのかよく分かっていない。 


志保「…『ライアールージュ』を解除したいけれど、『霧』のスタンドがまだ出てるわ…もうちょっと我慢してね」 


ありさ「むふぅー…?」 



842: SSまとめマン 2015/03/06(金) 18:35:15.73 ID:igncApNh0


志保の声も姿も認識出来ないが、『ぷち亜利沙』は取り合えず身を委ねる。 


志保「はぁ…どのみちコミュニケーションがとれないなら意味無いじゃない…」 


ありさ「~♪」 


志保「……ま、取り合えず『霧』を抜けて可奈と合流しましょう」 



To be continued… 



849: SSまとめマン 2015/03/21(土) 00:16:08.30 ID:+UUJlmvS0





志保「さて、いい拾い物もしたし…」 


ありさ「??」 


志保「階段を降りましょう」 


ゴゴゴゴ 


志保はぷち亜利沙を抱えたまま階段を探す。 


後ろのコネコネは放っておいても追い付く事は無いため放置しているが、進路上のコネコネは避けて通らなければならない。 


注意深く前方を観察していると、『霧』が薄くなっている事が分かった。 


志保「…『霧』が引いていく? 何が…」 


『霧』の行く先は半開きになった扉の奥、一つの部屋の中であった。 


志保「ここに本体が…?」 


可憐は四階、志保の居る一つ上の階にいるが、それを知らない志保は警戒しながら中の様子を伺う。 


志保「…!」 


志保「階段…ね、部屋の中に何てもの作ってるのよ」 


部屋の中には上下階に移動できる階段があった。 


その上の階に向かって『霧』は続いていた。 



850: SSまとめマン 2015/03/21(土) 00:17:13.30 ID:+UUJlmvS0


志保「…本体を攻撃したいけれど、今は可奈と合流した方がいいわ」 


志保「コネコネにやられては本末転倒よ」 


志保は可奈を探すため、階段を下った。 


コネコネは相変わらず着いてきていたが、階段が邪魔をするようなことは無かったため、不自然なほどスムーズに二階に着く。 


志保「『霧』も無くなったし…」スッ 


ありさ「!?」ビクッ 


志保が能力を解除すると、ぷち亜利沙は驚いて飛び上がる。 


ありさ「や、やぁ~ん!」 


志保「大丈夫よ、なにもしないわ」 


志保が座り込んで視線を合わせようとすると、ぷち亜利沙は飛び退いて警戒する。 


ありさ「むふぅ…」 


怯えた表情で志保を見ていたぷち亜利沙だったが、志保の顔をまじまじと見つめると飛び上がって叫び声をあげる。 


ありさ「むふぅぅ!!むふ!むふふ!」 


パシャパシャと、何処かから取り出したカメラを持って写真を撮り始める。 


志保「興奮…してるのね?」 


ありさ「でしゅ!」 


志保「仕方ないわね…」 


ヒョイと志保がぷち亜利沙を持ち上げると、ぷち亜利沙は寂しそうな声でなく。 


ありさ「やぁーん…」 


志保「写真なら後で撮らせてあげるから、ちょっと付き合ってもらうわよ」 


ありさ「でしゅ!」 


志保「…大丈夫かしら?」 



851: SSまとめマン 2015/03/21(土) 00:18:12.46 ID:+UUJlmvS0


若干の不安を抱きながらも、志保は可奈を探すため二階を歩き回る。 


志保「可奈ー!どこなの!」 


ありさ「むふ?」 


志保「ああ、今は可奈を探しているのよ」 


ありさ「でしゅ!」 


志保の言葉に反応したのか、ぷち亜利沙の触角(ツインテール)がピコーン!と立つと、志保の腕から脱出して走り出す。 


…志保の歩みよりも、遅い速度で。 


志保「気持ちは嬉しいけど…」 


ありさ「むふぅー!」 


ヒョイ 


志保「指を指すだけでいいわよ?」 


ありさ「でしゅ」 


ぷち亜利沙の示す方向へ行くと、可奈がぷち亜利沙を抱えて体育座りをしていた。 


ありさ2「むふぅ!」 


可奈「え?志保ちゃんがいる?」 


志保「可奈」 


可奈「し、志保ちゃん!」 


ありさ「やぁ~ん」 


ありさ2「やぁ~ん」 


志保(挨拶…?) 


可奈「あ、あのね…」 


志保「勝手に歩き回らないで、余計な時間は無いのよ」 


可奈「ごめん、なさい…」シュン 



852: SSまとめマン 2015/03/21(土) 00:19:35.89 ID:+UUJlmvS0


志保「今から四階に行くわよ、着いて来て」 


可奈「ま、待ってー!」 


スタスタと歩いて行ってしまう志保の背中を可奈は追いかける。 


ぷち亜利沙は二人の頭に乗っかっていた。 


志保「今度ははぐれないで、何かあったら言いなさい」 


可奈「じゃ、じゃあ!」 


可奈は志保の手を取る。 


志保「!!」 


可奈「手、繋ご?」 


志保「…………」 


志保「し、仕方ないわね…四階で本体を見つけるまでよ!」 


可奈「やった!」 


ありさ「「むふふふふふ」」 











853: SSまとめマン 2015/03/21(土) 00:21:18.66 ID:+UUJlmvS0





このみ「消えた…わね」 


未来「何処に行っちゃったのかなー?」 


亜利沙から飛び出た『マスターピース』は、溶けるように『SNASA』の中へ入っていった。 


無事に可憐に取り憑いた『マスターピース』は倒せたものの、途方もない巨大なスタンドを前にして『かくれんぼ』などと言ってられるほど余裕はないのだ。 


このみ「取り合えずみんなにこの事を伝えないと、私たちは四階で…他のみんなは…」 


未来「わたし可奈に電話しますね」 


このみ「…じゃあ、恵美ちゃんにまた電話して…」 


ドンッ! 


このみらい「「!?」」 


突如、真上から響いた轟音に二人は目を剥く。 


このみ「な、なに…これは…」 


ドンッ! ドンッ! 


未来「何かが…来る?」 


ドンドンドン 


ドドドドドド 


激しくなる音に合わせるように天井はひび割れ、パラリパラリと欠片が落ちてくる。 


未来「と、とりあえず…」ジリジリ 


このみ「逃げるわよ!」バッ 


ドドァォ――――ン! 


二人がその場を飛び退くと、真っ赤な鎧と二人の人間が落ちてきた。 


このみ「こ、これは…」 



854: SSまとめマン 2015/03/21(土) 00:22:41.06 ID:+UUJlmvS0


琴葉『下の階はオッケー!』 


恵美「じきに来るよッ!備えて!」 


麗花「扉は~…………あ、こんにちわ」ペコリ 


未来「え…っと、こんにちわ」ペコリ 


このみ「ええ~っと、琴葉ちゃん?」 


琴葉『あれ?このみさん…』 


恵美「話してる暇は無いよ!走って!」 


その場で駆け足をする恵美はとても焦っており、琴葉も麗花もしきりに上を気にする。 


このみ「ねぇ、なにか居るの?」 


麗花「えっと、私たちはずぅぅぅぅぅぅぅうっとコネコネに襲われてたの」 


恵美「数がどうしようもないから逃げ回ってたの」 


未来「じゃあ上には沢山の…」 


琴葉『コネコネが…って、もう来たみたいね』 


ニュル… 


ニュルニュルニュルニュル… 


レイカ「ワハー」 


メグミ「ドリンクーバッ」 


夥しい数のコネコネが天井を埋め尽くし、五人の存在を丸のみにしようと迫る。 


恵美「行くよッ! 走って!」 


恵美が活を入れると、元々亜利沙が使おうとしていた扉に向かって全力疾走する。 


このみ「全く…落ち着く暇も無いのね」 


そう、亜利沙を担いで走るこのみはぼやく。 


琴葉『亜利沙と可憐さんはもう倒したんですか?』 



855: SSまとめマン 2015/03/21(土) 00:24:04.00 ID:+UUJlmvS0


このみ「いいえ、亜利沙ちゃんの『SNASA』はまだ発動したままよ」 


未来「でも、可憐はちゃんと元に戻しましたよ」 


ポンポンと可憐の尻を叩きながら未来は偉そうにする。 


琴葉『亜利沙の『マスターピース』は倒せなかったんですね』 


このみ「…そうなの、ごめんなさい」 


恵美「いや、このみさんが謝ることじゃないっしょ」 


麗花「そうそう、早く劇場を元に戻さないと美也ちゃんが来ちゃうから」 


琴葉『えっ!?』 


麗花「あれ、行ってなかったっけ?」 


恵美「はいはい、遊ぶ約束は後でにしてね」 


タタタタ 


可憐「んっ……んぅ……?」 


未来「あ、起きた!」 


可憐「はれ…あの、何がどうなって…」 


麗花「操られて、無理矢理戦わされてたのよ?」 


可憐「ひっ…なん、なんでそそ、そんな恐ろしい事を…」 


このみ「目的は知らないわ、でも、今は亜利砂ちゃんを止めないと!」 


可憐「は、はいぃぃ…」 


このみ(『マスターピース』に取り憑かれてた時の記憶とかは無いのね…) 


恵美「亜利沙は目を覚まさない…ってカンジだね」 


琴葉『…………』 


麗花「…? どうしたの?」 


琴葉『いえ、なんでもありません』 



856: SSまとめマン 2015/03/21(土) 00:25:07.05 ID:+UUJlmvS0


このみ「ねえ可憐ちゃん、『スモールラブステップ』で索敵出来ない?」 


可憐「ええっ!? わ、私のスタンド、なんかよりも…さ、探して回った方が…」 


未来「そうかな? 射程距離が広いのは可憐のスタンド位だよ?」 


可憐「で、でも…」 


麗花「「でも」も「だって」もポーイして、やってみよう! ね!」 


このみ「そうよ、実際可憐ちゃんのスタンドは手強かったんだから」 


可憐「……わ、分かりました…一応、やってみます…」 


可憐は『スモールラブステップ』を放つと、触覚を頼りに周囲を探索する。 


恵美「これで『マスターピース』を探すって訳だね」 


琴葉『…………そもそも』 


ドドドド 


琴葉『…何を以て『勝ち』なのかしら』 


恵美「ことは…?」 


このみ「…どういうこと?」 


琴葉『スタンドがダメージを受けると、本体にフィードバックがありますよね?』 


未来「そうだったの?」 


麗花「そうなの?」 


恵美「…………二人とも知らなかったの?」 


このみ「つ、続けて」 



857: SSまとめマン 2015/03/21(土) 00:26:40.00 ID:+UUJlmvS0


琴葉『はい。フィードバックがある、つまり、この建物がダメージを受ければ…』 


このみ「…ようやく分かってきたわ。亜利沙ちゃんに『ダメージが無い』って事ね」 


恵美「嘘ッ!?」バッ 


恵美はこのみの背中で眠る亜利沙をペタペタと触る。 


恵美「な、無い…ケガが、一つも…!」 


未来「よ、よく分からない…!」 


麗花「……じゃあ、スタンドの元気の源が、何処かにあるのね!」 


琴葉『……なるほど、特殊なスタンド…』 


このみ「何かが建物のエネルギー源…って事ね」 


ドドドド 


恵美「でも、そんなもの何処にあんのさ?」 


琴葉『それなのよね…』 


このみ「うー…」 


可憐「あ、あの…」 


未来「?」 


このみ「何か見つかったの?」 


可憐「人が…二人ほど、来てます…」 


琴葉『何処から?』 


可憐「え、えっと…横の部屋の、中から…」 


恵美「まさかッ新手!?」 


バン! 


このみ「先手必勝!『ディ――」 


志保「何やってるんですか?」 


可奈「あ、みんな!」 


このみ「…あ、あれ?」 



858: SSまとめマン 2015/03/21(土) 00:28:06.33 ID:+UUJlmvS0


恵美「外から敵なんて、簡単には入ってこれないって」 


志保「って、可憐さん!?」 


可憐「あ、どうも…」 


志保「倒したんですか?」 


琴葉『そうよ、でも、亜利沙はまだ…『マスターピース』に逃げられたみたい…』 


未来「あっ、可愛いー♪」 


可奈「だよね!」 


ありさ「でしゅ!」ビシ 


そして全員の注意は、二人の頭の上の『ぷち亜利沙』に向く。 


ありさ2「むふふふふ!!」 


麗花「アハッ、もちもちしてるー!」 


麗花の腕に抱かれたありさ2は、その豊満なバストに顔を埋めて喜ぶ。 


恵美「その、可愛いのは何?」 


琴葉『も、もふもふしたい…』 


恵美「えっ」 
志保「えっ」 


琴葉『何でも、ない!』 


恵美「にゃはは! 琴葉の超カワイイ一面がまた…」 


可奈「名前はありしゃで、特技は人探し!」 


未来「人探し?」 


志保「それで、ここまで来たのよ」 


ありしゃ「むふー!むふー!」パシャパシャ 


このみ「……なんだか、亜利沙ちゃんに似てるわね」ソーッ 


このみが触ろうとすると、ありしゃはこのみに飛び移り、このみの身体をよじ登って『亜利沙』に近づく。 


このみ「キャッ、もう、仕方ないわね…溢れ出るアダルティにつられたのね…」 


恵美「あはは、かわいー!」 


琴葉『これも何かの能力…?』 


859: SSまとめマン 2015/03/21(土) 00:29:29.54 ID:+UUJlmvS0


志保「こら、このみさんは亜利沙さんを担いでるのよ」 


ありしゃ「むむ~…」 


ヒョイと志保につまみ上げられた『ありしゃ』は不満げな声を漏らす。 


ありしゃ「でしゅ!」 


ピト 


恵美「ひゃん!」 


ボヨン 


ありしゃ「むふふぅ~」 


琴葉『む、胸に飛び込んだ…』スラ 


このみ「…変ね、負けた気がする…」ミニッ 


志保「こんなことしてる場合じゃありませんよ!」 


未来「そうだった! はやく『マスターピース』を探さないと!」 


可奈「おー!」 


可憐「お、おー…?」 


その時、天井のスピーカーから放送が流れる。 


『テメーラ、抵抗ハ無駄ダゼ』 


琴葉『この声!』 


未来「マスターピースッ!!」 


MP『イロイロ、弱点ヲ探ッテルラシイガ…無駄無駄無駄無駄! コノ中ニ弱点ハ無イ!』 


このみ「この…ッ!」 


MP『フハハハハハハ!』 



860: SSまとめマン 2015/03/21(土) 00:30:59.91 ID:+UUJlmvS0


麗花「…それって、弱点があるってこと?」 


MP『ナ、ナニ!』 


麗花「隠すなんて、フェアじゃないよ?」 


MP『グヌヌ…知ルモノカ! 勝テバイイノダ!』 


麗花「よーし!じゃあ、頑張って弱点を探そう!」 


可奈「志保ちゃん!頑張ろうね!」 


志保「そうね、こんなスタンドすぐに蹴散らしましょう」 


未来「絶対に負けないからね!」 


このみ「覚えてなさい!」 


MP(…馬鹿ナ奴ラダ、弱点ハ『建物内』ニハ無イゼ…) 


琴葉『といっても、何処を探したら…』 


恵美「それなんだよね…」 


ゴゴゴゴ… 


可奈「あれ、何の音だろう…?」 


麗花「お腹の音?」 


ゴゴゴゴゴゴ… 


恵美「ねぇ、揺れてない?」 


鳴り響く地響きのような音、志保はそれを何度か聞いた事があった。 


志保「まさかッ!」 


MP『ナ…ナニィィィイイイイイイ!!』 


志保「崩壊しますよッ!」 



―――――――――――――――――――― 


861: SSまとめマン 2015/03/21(土) 00:32:20.17 ID:+UUJlmvS0



一階 



マツリ「デスー」 


マツリ「ウミウシー」 


奈緒『オラァ!』 


奈緒は上から降ってきたコネコネを殴り飛ばす。 


まつり「はぁー…はぁー…」 


奈緒「き、キリがない…!」 


一階のエントランスで、宙を飛びながら戦う三人。 


まつりの能力を使いやすくするためにくっついた三人は、昴を中心に空に浮かぶ。 


まつりと奈緒が戦闘を行い、昴がその補佐をする形だ。 


昴「だ、大丈夫かよ!?」 


スバル「ロコー」 


ナオ「デヤー!」 


まつり「…ッ!」 


まつり『ナノッ!』 


奈緒「はぁーっ…あかん…ぜぇー…もたへん…」 


まつり「はぁ…はぁ…ぜぇ…はぁ…」 


昴「脱出しよう!このままだと何も出来ないッ!」 


奈緒「さ、賛成や…スタンドパワーも…尽きてきた」 


まつり「…ぜはーっ…そう、なのですね…」 


まつり「壁に穴を、お願いするの…です」 


奈緒「まかせとき…」 


ガオン 


まつりが壁に近寄ると、奈緒が壁に穴を空ける。 



862: SSまとめマン 2015/03/21(土) 00:34:32.29 ID:+UUJlmvS0


壁の穴から外に脱出すると、三人は地面の上に大の字になって寝転ぶ。 


奈緒「あぁ~…」 


昴「すっげぇ心臓に悪かった…」 


まつり「何も出来なかったのです…」 


ゴゴゴゴ 


まつり「志保ちゃん達やこのみさんは大丈夫なのです?」 


昴「ん?ああ、このみさんと未来はともかく、志保達は戦闘力があるから大丈夫だと思うぜ」 


奈緒「そんならエエんやけどな~」 


「おや~?」 


三人の頭の上から、ふわふわとした声が聞こえる。 


まつり「美也ちゃん…なのです?」 


美也「みなさん揃って、お昼寝ですか~?」 


奈緒「いや、お昼寝っていうか、疲れたから寝転がってんねん」 


昴「美也はどうしてここにいるんだ?」 


美也「はい~、麗花さんと琴葉さんと一緒に、ドライブの計画を立てるんですよ~♪」 


昴「ど、ドライブ…? 琴葉もとうとう気が狂ったか…」 


奈緒「いやな、いま劇場がヤバイことなってんねん」 


まつり「入らない方がいいのですよ?」 


美也「そうでしょうか~?アスレチックみたいで、面白そうです~」 


美也は奇妙に膨れ、上方向や周囲に出っ張りを幾つも持つ劇場の玄関に近付く。 


奈緒「美也!危ないで!」 


美也「あ、なんだか『上がって』ますね~」 


美也を引き戻そうと近寄ると、地面が隆起し始めて奈緒はバランスを崩す。 



863: SSまとめマン 2015/03/21(土) 00:35:51.53 ID:+UUJlmvS0


奈緒「!?」グラッ 


まつり「下ッ!」 


昴「こっちに来い!」 


奈緒「し、しゃーない…」 


奈緒は一旦、美也を諦めてまつり達の元へ戻る。 


その間にも美也はグングンと、玄関手前の地面の下から出てきた『部屋』に乗っかって上昇する。 


美也「おお~、ちょっと開放的ですね~」 


奈緒「…もう、あんましスタンドパワーが残っとらへん…今から行くのは…」 


まつり「まつりも、正直限界なのです」 


昴「まぁ、受け止める位は…出来るよな?」 


奈緒「多分な…」 


『人ノ心配ヲ、シテイル場合デスカ~?』 


後ろから、美也のしゃべり方に似た声が聞こえる。 


まつり「ッ!」 


昴「誰だ!」 


球『視界ノ上ニイル人間ノ、すたんど『ハッピ~エフェクト!』デスヨ~』 


球は芋虫の様にまるまるとした形をしており、黄色い体表と茶色い尾部を持っていた。 



864: SSまとめマン 2015/03/21(土) 00:38:10.12 ID:+UUJlmvS0


ドドドド 


HF『ミナサン、『幸セ』デスカ?』 


奈緒「『幸せ』やってぇ~?」 


昴「『マスターピース』ッ! お前らがぶち壊してるんだよ!」 


まつり「……『マスターピース』?」 


昴「オレ達を操る『もう一人』の黒幕だよ」 


奈緒「まだそんなんがおったんか…」 


ドドドド 


HF『…デハ、質問ヲ変エマショウ~』 


HF『アナタタチノ『幸せ』トハ何デショウ?』 


奈緒「…付き合ってる暇は無いで。美也は離れてるから遠距離型のスタンドやろ、時間を稼ごうったってそうはいかんで」 


HF『イエイエ、私ハ『自律型』ノすたんど…『マスターピース』には取り憑かれてマスガ』 


HF『時間ヲ稼イデ私ニイイコトハアリマセン~』 


ドドドド 


HF『サテ、デハ、私ノ質問ニモ答エテ下サイ~』 


まつり「今のは質問ではなく、疑問なのです。勝手に答えて、勝手に言えとは、何事なのです?」 


HF『イエ~、答エテ頂カナクテモ…』 


ブォォォォォオオオオオオ 



865: SSまとめマン 2015/03/21(土) 00:39:46.32 ID:+UUJlmvS0


まつり「ほ?」 


昴「な…トラックが突っ込んでくるぞ!!」 


奈緒「だ、誰も乗ってへんで!?」 


HF『全テハ偶然、『たまたま』無人ノトラックが『たまたま』動キ出シテ『たまたま』ミナサンノ方ニ走ッテキタ…』 


無人のトラックが三人に突っ込んでくるが、『H・L・ジェットマシーン』がトラックを一部削って衝突を回避する。 


奈緒「あぶなっ!」 


昴「助かったぜ!」 


トラックはそのまま三人の後ろの劇場に衝突し、『たまたま』爆発を起こす。 


奈緒「熱っ!」 


昴「うおっ!」 


まつり「ごふっ!」 


HF『フフフ…』 


奈緒「まつり!?」 


まつり「ぐっ…『包丁』が、いまの爆発で…刺さって…」 


昴「なっ!?」 


まつりの腹に、『たまたま』トラックに積んであった包丁が『たまたま』爆発で飛び出し、『たまたま』まつりの腹に刺さった。 


奈緒「何が起こってんねん!?」 


まつり「血を…流しすぎなのです…暫くは、動けません…」 



866: SSまとめマン 2015/03/21(土) 00:41:03.18 ID:+UUJlmvS0


ゴゴゴゴ 


HF『『たまたま』不幸ナ事故ガ起キテシマイマシタネ~』 


昴「な、何をしたんだ!」 


HF『フフフ…まつりさんハ、『質問』ニ答エナカッタダケデスヨ~』 


奈緒「なっ…」 


HF『サテ…質問ノ『答エ』ヲ~』 


昴「…いいぜ、答えてやるよ…自分の正しさを貫けるなら、オレは『幸せ』だぜ」 


HF『ンンッ~、イイ話デスネ~』 


昴「…………ほら、奈緒もなんか言えよ」 


奈緒「そんなん、ウマイもん食べてアイドル出来れば十分や」 


HF『ソウデスカ~、ナラ…』 


ヒュウルルルゥゥウ 


奈緒「ん?上から…」 


昴「ゲッ!鳥の糞!」 


HF『奈緒サン、口ヲ閉ジナケレバ、入ッテシマイマスヨ~』 


奈緒「こんなもん弾いて…」 


奈緒はその時、普段なら思いもしないような事を『たまたま』思った。 


スタンドであろうと、落ちてきた鳥の糞なんかには触りたくないと。 


そして避ける余裕は十分あると言うことに気付いた。 


奈緒「なんや、避けたらええやん」 



867: SSまとめマン 2015/03/21(土) 00:42:19.55 ID:+UUJlmvS0


ヒョイ 


昴「おい、足元ッ!」 


奈緒「へ?」 


ガスッ 


奈緒「うおっ、つまずいて…!!」 


奈緒は足元の石材に躓いて体勢を崩すと、穴の空いたマンホールへと飛び込もうとしてしまう。 


HF『不運デスネ~。『たまたま』ツマズイテ、『たまたま』穴ノ空イテイタまんほーるニ、『たまたま』飛ビコンデシマウナンテ』 


奈緒「落ちる…か!」 


ガシ 


辛うじて穴の縁を掴んだが、またもや奈緒の真上から『鳥の糞』が落ちてきた。 


昴「上だぁぁあああ! 鳥の糞が落ちてくるぞ!」 


奈緒「何ィィイイイ!?」 


『鳥の糞』は計算されたかのように、奈緒の後頭部に向かって放たれる。 


当たるわけにはいかない。 


自分達は『アイドル』なのだから。 


ドドドド 


HF『『たまたま』ナノデスヨ~。全テハ偶然、『鳥の糞』モ偶然ナノデス~』 


奈緒「うおおおおおおおお!」 


奈緒は縁から手を話すと、爪先だけで縁にぶら下がる。 


穴の中の壁に顔を向けた奈緒の後ろを、『鳥の糞』が通過していく。 



868: SSまとめマン 2015/03/21(土) 00:43:56.04 ID:+UUJlmvS0


昴「一体どんなスタンドだ!? 鳥を操る? 違う! さっきのトラックに説明がつかない!」 


昴(あいつの…能力は何だ!?) 


HF『フフフ…ドウシタンデスカ~? 今、掛カッテキタラ良カッタノデハ~?』 


昴「ぐ…」 


昴(オレがもしも『ハッピ~エフェクト』に殴りかかったら、まつりに何か起こる…奈緒がいないと駄目だ! 守りながらは戦えない!) 


奈緒「よっと」 


奈緒がマンホールから身体を出すと、二人はまつりを背にして『ハッピ~エフェクト!』に向き直る。 


奈緒「よくもやってくれたなァァ~!」 


HF『何ヲ…『たまたま』起コッタダケデスヨ~?』 


奈緒「あんたが起こしたんやろ!」 


昴「早めにケリを付けないとヤバイぜ!! 何をしてくるか分からない!」 


ドドドド 


HF『ウフフフ…勝負デスネ~受ケテ立チマスヨ~』 


奈緒(私が『削って』距離を縮める、そこを叩き) 


昴(分かったぜ、タイミングは任せる) 


HF『ウフフフフ~相談デスカ~?』 



869: SSまとめマン 2015/03/21(土) 00:45:50.66 ID:+UUJlmvS0


奈緒「油断してると…」 


奈緒が『H・L・ジェットマシーン』を出し、空間を素早く『吸って』削る。 


ガオン 


HF『!! ヤハリ、ソウキマシタカ…』 


奈緒はHFの手前に『瞬間移動』して現れると、パンチを見舞う。 


奈緒『オラァ!』 


HF『グハァ!』 


『ハッピ~エフェクト!』にパンチが直撃するが、ダメージは『たまたま』少なかった。 


HF『大シタコトハ…』 


奈緒「知らへんのかァ~? 私の能力は…」 


昴「『削る』ってな!」 


HF『!!』 


昴「オラァ!」 


昴がバット型のスタンド、『ビギナーズストライク』を『ハッピ~エフェクト!』の真横に叩き付けようとする。 


HF『仕方ナイ、デスネ』 


ドドドド 


奈緒(アイツ、何かする気や!) 


昴「かっ飛ばしてやる!」 


HF『ザンネン…』 


ズルッ 


スカッ 


昴は『ハッピ~エフェクト!』にバットを振っるたが、その攻撃は上方向に逸れてしまう 


昴「うおっ!?」 


奈緒「!?」 


昴に問題は無い、問題は昴の『足元』だ。 



870: SSまとめマン 2015/03/21(土) 00:47:28.32 ID:+UUJlmvS0


HF『アノとらっくハ、何ノとらっくダッタノデショウカ~? 『たまたま』包丁ヲ踏ンダミタイデスネ~』 


包丁で足を滑らせた昴はそのまま転倒し、地面に腹部を強打してしまう。 


昴「がっ…!」 


HF『昴ハ『たまたま』転倒シタ…ソシテ『たまたま』隙ガ出来タッ!』 


奈緒「不味いッ!」 


HF『バァァァアアア!』 


『ハッピ~エフェクト!』が昴に触れようとしたが、奈緒が『H・L・ジェットマシーン』で『ハッピ~エフェクト!』を引き寄せる。 


ガオン 


奈緒「うおおおおおおおお!」 


ボゴォ 


HF『ブッ!』 


ドバァァア!! 


残り少ないスタンドエネルギーを振り絞り、『ハッピ~エフェクト!』を殴り飛ばすが奈緒は膝をつく。 


奈緒「はぁ…はぁ…はぁーっ…アカン、もう全然動かれへん…」 


昴「わ、悪い…助かったぜ!」 


奈緒が力を振り絞って放った攻撃が『ハッピ~エフェクト』に当たったが、まだピンピンしており、ダメージは殆ど無いように見えた。 


奈緒「ぜぇ…ダメージ、無いやん…はぁ…」 


昴「なんて耐久力してんだよ…!」 


HF『ウフフフフ~♪』 


ドドドド 


昴(こんな奴にオレは勝てるのか!? 決定力が無い『ビギナーズストライク』じゃ…) 


HF『ソロソロ教エテアゲマショウ~』 


HF『私ノ能力ハ…『幸・不幸のバランスを変える』能力…』 


昴「!!」 


奈緒「なん…やて…」 



871: SSまとめマン 2015/03/21(土) 00:48:57.24 ID:+UUJlmvS0


HF『私ニ『触レタ』奈緒ハ、今トテモ『不幸』二ナッテマス~』 


HF『ソシテ、美也ハ幸運ニモ、戦闘ニハ気付カズ、悲シイ思イヲシナクテ済ム』 


奈緒「あんたの…行動原理は『それ』か…!」 


昴「そうか…最初のあれで『幸運にも』オレ達に気付かれずに触る事が出来た! そして『たまたま』の連続でオレ達に攻撃していたッ!」 


HF『今頃気付イテモ、遅イデスヨ~!』 


ブチリと何かが千切れる音と、ヒュンヒュンと空を切る音が上から聞こえる。 


HF『『不幸』デスネ~』 


昴「上かッ!」 


二人は上を見上げる。 


奈緒「うッ! 丁度『何か』が太陽を背にしているッ!」 


昴「眩しくて見えないぞ――ッ! どこから来るんだ!?」 


ドドドド 


HF『コレデ終ワ…』 


昴「――甘いぜ『ビギナーズストライク』」 


奈緒と昴の身体が、『瞬間移動する前』の場所に引き寄せられる。 


昴「ヤバイ相手だ、避ける策はさっき用意しておいたぜ」 


奈緒「ナイス、プレーや…」 


HF『理解シテマセンネ~』 


昴「なんだと!」 


HF『『不幸』トイウ事ハ…』 


ビリビリという音が二人の耳に入り、二人は理解する。 


――――これはヤバイ音だ! 


HF『全テガ『上手くいかない』事ッ!』 


昴「電線からの高圧電流だぁぁあああ!」 


奈緒「なんやてぇぇぇえええええ!」 



872: SSまとめマン 2015/03/21(土) 00:50:51.58 ID:+UUJlmvS0


電流を流しながら二人にぶつかろうとする電線に対し、昴は奈緒を抱えてその場を飛び退こうとするが、奈緒の身体はなかなか動かない。 


昴「なんっ、で! こんなに重いんだよ!」 


奈緒「アホ! 女の子に言う台詞かいな!」 


HF『クラッテクタバレ『不幸ノ味』!』 


バァァァァアアアアア 


昴「か、かわせねぇ…かといって防御も難しい! どうすれば…」 


昴「どうすりゃいいってんだチクショォォォ――――ッ!」 


HF『バァァァアアア!』 


ガオン 


スカッ 


昴「お、オレの頭上を通過した…?」 


奈緒「さ、最後や…もう、サポートはできへん…」 


昴「奈緒! そんな…奈緒!」 


奈緒「たの…む、で…………」 


ガクリと首を落とし、奈緒は気絶した。 


HF『コレデ二人…』 


ドドドドド 


昴(どうする…!? まつりも奈緒も動けない! オレ一人でどうやって…) 


昴(……いや、弱気になったら駄目だ! 必ず隙がある筈…考えろ…) 


昴「…………」 


HF『負ケヲ早ク認メタ方ガ…』 


クルッ 


ダッ 


HF『!!』 


昴は『ハッピ~エフェクト!』に背を向け、劇場に向かって走り出した。 



873: SSまとめマン 2015/03/21(土) 00:54:07.91 ID:+UUJlmvS0


HF『ナルホド~、劇場ハすたんどデスカラ、『背番号』ヲ着ケテ私ヲ叩キ付ケル…』 


HF『作戦トシテハ上出来。私ハアマリすぴーどガ無イシ、一回ノ接触ナラ、吸イトレル『運』モ少ナイ…』 


昴「…………」 


昴は一抹の望みを掛けて走る! 


HF(…『不幸』ヲ元二戻ス方法ハ一つ、『不幸』ヲ経験スルコト…) 


HF(『永吉昴』ハ気付イテ無イ、『最初の接触』デ一番不幸二成ッタノハ『永吉昴』…) 


HF(包丁二足ヲ取ラレル程度ノ『不幸』デハ『釣り合わない』。トラックノ衝突ヨリモ危険ナ『不幸』ガ…) 


その時、大きな地響きが鳴り響く。 


HF『ソウソウ、コンナ…!!』 


HF『ドウイウ事…? 地震ガ起コル程ノ不幸ナンテ、無理矢理起コセナイ…!』 


ドドドド 


昴「…『賭け』はオレの勝ちだな」 


HF『ナ、ナニィィイイイ! 『不幸』ナ昴ガ『賭け』ダト!』 


地響きの正体、それは『劇場』の崩壊ッ! 


昴「…『賭け』に勝った、その代償にオレは…………死ぬ」 


HF『ア、アリエナイ…『不幸』ヲ利用シテ『SNASA』ヲ破ルナド…』 


昴「『不幸』だけじゃねえ、『幸運』も、だ」 


HF『ナ、何…?』 


昴「美也を幸運にしたんだろ? なら、美也が『たまたま』このスタンドの弱点を突いたんじゃないか?…美也の幸せは『みんなの幸せ』だからな」 


HF『ア、アリエ…ナイ…』 


昴「あり得るぜ、不幸と幸運の落差、簡単に言えば自滅したんだよ」 


昴「自分の能力でな」 


HF『バカナァァァ――――――――!!』 


昴「おいおい、美也の『フリ』を忘れちまったのか? お前を直接倒しては無いけど、オレの『勝ち』だ」 


バァ――――z____ン!! 


HF『グ…ググ…覚エテロ…』 


『ハッピ~エフェクト!』はその姿を消した。恐らく美也の元に帰ったのだろう。

874: SSまとめマン 2015/03/21(土) 00:56:09.75 ID:+UUJlmvS0


昴「何言ってんだ、オレの勝ち逃げだよ」 


昴(…劇場の崩壊に巻き込まれて死ぬからな) 


美也が何かしたのだろう、歪な建物が崩れ始め、巨大なコンクリートの塊が落下する。 


落下したコンクリートの衝撃でまつりと奈緒だけが吹っ飛び、建物から遠く離れた場所に転がる。 


もちろん昴も飛ばされ、まだ無事な劇場の壁にぶつかる。 


昴「ごふっ……もう、走れねぇな…」 


昴の周囲は電流を放つ電線や燃え盛るトラック、巨大なコンクリートで囲まれ、ほぼ生身の昴が通れる様な道は無かった。 


昴(…オレ一人でも、勝てた…のか? オレは誰かの役に立てたのか?) 


昴(のり子の時も、志保の時も、誰かに頼ってた…でも…最期は、オレ、一人で…) 


昴「一人で…一人、で…」 


昴の目からはひとりでに涙がこぼれ落ちる。 


昴「ちくしょぉぉぉおおおおお! まだ死にたくねぇよぉぉぉぉおおおおお!!」 


十五歳の心に死の現実は冷たかった。 


だが、冷たい事実よりも燃え盛る炎が勝った。 


昴「……でも…何も出来ない何てのは、もっと嫌だ…! 死ぬほど嫌だ!」 


昴「元に戻せよ! 765プロを!!」 


昴「頼んだからな! 奈緒!」 


昴が思いを叫ぶと、巨岩がその場に叩き付けられる。 


そこに『永吉昴』は立って居なかった。 







875: SSまとめマン 2015/03/21(土) 00:57:20.84 ID:+UUJlmvS0






ドドドドド 


P「『セカンドステップガチャ』」 


昴「…え?」 


昴はプロデューサーに抱きかかえられていた。 


そして降ってきた岩は砕かれていた。 


P「予知済みだ」 


昴「ちょ、一体…」 


P「脱出するぞ、掴まれ」 


昴「うおっ――」 


プロデューサーが大きく飛び上がり、昴を抱えたまままつりと奈緒の場所に着地する。 


まつり「……ほ?」 


奈緒「…………」 


P「行くぞ」 


プロデューサーは二人も掴み、抱えてその場から離れた、安全な場所に飛ぶ。 


昴「な…何してたんだよ!」 


P「証拠隠滅と賠償だ。新幹線がいくらすると思ってる」 


昴「あ、ああ…なるほど?」 


安全な場所から、劇場が崩壊するのを見守る。 


そして、いつの間にか美也が隣に居た。 


昴「み、美也!?」 


美也「あ~…崩れてしまってますね~…残念です…」シュン 


昴(『ハッピ~エフェクト!』は襲ってこないみたいだな…美也の目の前で戦う気は無いらしい…) 



876: SSまとめマン 2015/03/21(土) 00:59:06.97 ID:+UUJlmvS0


P「じきに志保達も来る」 


まつり「ほっ…」 


昴「そ、そうか…」 


昴は助かったが、その心は底無し沼に沈んでいた。 


昴の不幸は死ぬことではない、プロデューサーに『助けられる事』だ。 


死ぬほどの不幸よりも優先した、自分の『一人で誰かの役に立つ』という思いが叶わない事だ。 


たとえ生きていたとしても、昴は心にモヤを抱える。 


それが『不幸』なのだ。 


P(……昴、いつか、乗り越えられる日が来る…それまでの辛抱だ…) 




To be continued… 


881: SSまとめマン 2015/03/25(水) 08:59:28.96 ID:dJg9eR8X0





劇場の崩壊から辛くも逃げ出した九人は、昴達と同じ場所に合流していた。 





亜利沙「本っ当に!申し訳ないですッ!!」 


琴葉『い、いいのよ…謝らなくたって』 


未来「そうそう、私だって攻撃してたんだから」 


可奈「…あれ、琴葉さんはスタンドを解かないの?」 


琴葉『え? ええと…その、服がもう無いから…』 


亜利沙「興味があります!」キラーン 


恵美「こらこら」 


奈緒「おっしゃ!完全復活ッ!」 


まつり「手も足も元通りなのです」 


麗花「三本目とかいるかな? 背中に付けてババーッと…」 


奈緒「いらんいらん! 恐ろしいわ!」 


麗花「仏像みたいでカッコいいのに…」 


まつり「ほ…?」 



882: SSまとめマン 2015/03/25(水) 09:00:42.10 ID:dJg9eR8X0


志保「亜利沙さん、『マスターピース』はもう倒されたんですか?」 


亜利沙「え? ええと、亜利沙のスタンドは特殊で、亜利沙や『亜利沙の物』を守るんです!」 


志保「亜利沙さんの…物?」 


亜利沙「はい!具体的に言うと、亜利沙の名前が書いてあります」 


恵美「何ソレ…」 


亜利沙「この能力があれば、律子さんに亜利沙の机の引き出しを見られても! 『SNASA』はちゃーんと中身を守ってくれるんです!」 


可憐「な、中身…?」 


亜利沙「秘蔵のお宝写…おっとっと、これは秘密でした」 


志保「話題がずれてますよ」 


亜利沙「そうでしたそうでした。つまり、亜利沙のスタンドは分散して拠点を守る…と言ったカンジです!」 


亜利沙「劇場を守ったのはスタンドの一部なので、それが崩れたら劇場のスタンドは消滅します。だから亜利沙はもう取り憑かれてはいません」 


可憐「……?」 


恵美「分かりにくい…」 


このみ「えっと…まず、 
スタンドは本体とは分離してる。 
劇場のは分離したものの一つ 

『マスターピース』は亜利沙ちゃんの精神、つまり『SNASA』を統合する精神から『SNASA』の一部分へと移った 

『マスターピース』は亜利沙ちゃんの精神を全部操れなくなったけど、劇場にある『SNASA』は操れた 

でも劇場の『SNASA』は消滅したから『マスターピース』からは解放された…」 


亜利沙「そうです!流石最年長!」 


このみ「ふふん、やっと私がオトナであることを…やっと?」 



883: SSまとめマン 2015/03/25(水) 09:01:39.93 ID:dJg9eR8X0


恵美「なるほどね。でも、『マスターピース』は倒せてないってことじゃん」 


亜利沙「いえ、それはないと思いますよ?」 


可憐「え、な、何でですか…?」 


亜利沙「スタンドの建物に潰されたら、ひとたまりもありませんって」 


志保「…『MP』はスタンドに潜む事が出来るわ。強靭な精神力で攻撃するか、『MP』を弱気にさせるしか攻撃出来ない筈よ」 


志保「奴はまだ生きているわ!」 


このみ「というより、増殖したのはスタンドだったのね」 


琴葉『それって大問題じゃない!』 


可憐「ま、また…誰かが、操られる…?」 


P「話は聞かせてもらった」パッ 


可憐「ヒィィ!」 


P「おれが『マスターピース』を追う、全員、今日は帰りなさい」 










昴「なぁ美也」 


美也「はい、なんでしょうか~?」 


昴「劇場の上で何かやったか?」 


美也「ヒモがあったので、手繰り寄せてみると広告がありました~」 


昴「ん…? いや、アレか!」 


美也「『亜利沙のアイドルキャッスル』って、一体何なのでしょうか~? 謎は深まるばかりですね~」 


昴「弱点って…まじかよ…」 


亜利沙「サイズの関係で、小さく『亜利沙』と書いてあると思います」 


まつり「普通は読めないのです」 


奈緒「丸出しやったんやな…」 


――――――――――――――――――― 


884: SSまとめマン 2015/03/25(水) 09:03:10.73 ID:dJg9eR8X0





ドドドド 


P「…始末はした。本体は特定出来ないが…」 


P「『こっち』は特定したぞ」 


プロデューサーの現在地。 


『Da』テレビ局、本社。 


『代表取締役室』前。 


太陽は沈みかけ、明るい星は見え始めていた。 


今日は『巨星』の墜ちる日。 


多くの人間が待ち望んだ日。 


・・・・・・・・・・・・・・・・・ 

・・・・・・・・・・・・・・・・・ 


白いスーツを身に纏う男。 


男の目は赤く、肌は白い。 


所謂アルビノ、普通短命であるはずの個体は既に60を超す齢であった。 


Da「…………」 


ドドドド 


高級感溢れる室内で、異物のように似つかわしくない姿の『Da』はただただ、椅子に座っていた。 


そして室内の『もう一匹』は、扉越しに伝わる気配に気づいていた。 


犬「グル、グルルル…」 


Da「……ブラックファルシオン三世、下がっていろ」 


三世「クゥーン…」 


真っ黒な犬はDaに命令されると、窓を開けて『飛び降りて』いく。 


三世がいなくなると、入り口の扉が僅かに開いた。 


Da「ようこそ」 


ドォ――――――――z________ン 


P「…………」 


扉が開いた瞬間、プロデューサーが『Da』の目の前に現れる。 



885: SSまとめマン 2015/03/25(水) 09:05:06.37 ID:dJg9eR8X0


ドドドド 


P「死なない…か」 


人の認識出来ないスピードで動いていたプロデューサーは、既に攻撃を済ませていた。 


しかし、無傷。 


Daはまるで『白』の住人であるかのように、何も知らないボケ老人のように座っていた。 


Da「バレた…と言うことは、内通者がでたか」 


P「飼い犬に手を噛まれたとはな」 


Da「……フフフフ」 


P「何を笑っている」 


Da「…私はね、大体の犬は好きだが、白鳥は大嫌いだ…命令を理解できない、実行しないからな」 


Da「大好きな雛鳥を守りに来たのか? 勝てない相手を敵にしてまでとは、なんとも深い愛情よ」 


穏やかな口調で話しかける老人は、鬼気迫るプロデューサーに対して全く怯んでいなかった。 


P「…見た目は白、中身は真っ黒」 


P「『入れ換え』れば少しはまともになるか」 


Da「…………薄汚れた、下品な色をしたプロデューサーめ。貴様には脳味噌が足りていないらしいな」 


P「おれが鳥なら貴様はカマキリだ、わざわざ殺しに来てる事を感謝しろ」 


Da「……さては、自分を強いと思っているな?」 


P「支配者気取りのゴミが、蟷螂の斧という言葉をしらないのか」 


ドドドドド 


Da「…分からないか」 


P「虫の言葉はよく知らん」 


Da「…………下等な奴め、分からせてやろうッ!」 


P「分からせてみろ、虫けらが」 


Da「『フェイト・オブ・ザ・ワールド』!!」 


P「『ステップアップガチャ』!!」 



―――――――――――――――――――― 


886: SSまとめマン 2015/03/25(水) 09:05:58.51 ID:dJg9eR8X0





同日、夕方 


レッスン場 



大きな鏡のある部屋に翼、百合子、海美、朋花、そしてトレーナーの5人がいた。 



翼「う~ん…っ…はぁ…」 


海美「いや~今日もよくレッスンしたね」 


トレーナー「よくストレッチをして下さいね」 


朋花「はい~」 


百合子「も、もう無理…立てない…」 


海美「ほらほら、ちゃんとストレッチしないと!」 


海美が百合子の背後に回り込み、背中をゆっくりと押していく。 


百合子「うっ……ぐ、ぐえっ……む……無理……」 


海美「いーちにーいさーん…」 


朋花「翼ちゃん、私の背中を押してもらえますか~?」 


翼「はーい」 


翼は朋花の背後に素早く回り込み、背中を押した。 


朋花「力を入れすぎて、背骨を折らないで下さいね~」 


翼「?」 


海美(…笑えないよ、朋花様ただでさえアヤシイのに…) 


翼「まさか~、背骨を折るなんて無理だって~」 


翼(何もしなければだけどね~) 



887: SSまとめマン 2015/03/25(水) 09:07:29.59 ID:dJg9eR8X0


徐々に力を込める翼。 


朋花「あっ…そろそろ…」 


翼「いーちにーいさーん…」 


翼(…朋花ちゃんって、本当に敵なのかな? カッコいいし、モテそうだし、操られたりなんてしなさそうだけどな~) 


トレーナー「それじゃあ、あと二十分程で施錠するので、それまでに準備よろしくお願いします」 


海美「はーい」 


百合子「わかりました。…いきますよ!えい!」 


グニャ 


百合子「ひっ!」 


海美「ゆりりん?」 


翼(それに、三対一だよ?流石に勝てるわけ無いんじゃないかな?) 


朋花「翼ちゃん」 


翼(トレーナーさんも近くにいるし、『安心出来るよう、味方を多くしてレッスンする』だなんて、プロデューサーさんは心配しすぎだな~) 


朋花「翼ちゃん!」 


翼「ふぇ?」 


朋花「交代しましょう」 


翼「ん、そうだね」 


翼(び、びっくりしたぁ…)ドキドキ 


翼は足を伸ばし、朋花に背中を押してもらう。 


百合子「あ、ドリンク切れてる…水飲みに行ってきますね」 



888: SSまとめマン 2015/03/25(水) 09:08:25.97 ID:dJg9eR8X0


海美「余ってるけどいる?」 


百合子「いいんですか?」 


海美「気にしないでいいよ~」 


百合子「ありがとうございます」 


翼「…………」ホッ 


朋花「いち、に、さん…」 


ゴゴゴゴゴ 


朋花「……安心しましたね」ボソ 


朋花が耳元で囁く。 


翼「ッ!?」 


朋花「人が減らなくて安心した…『二対一』にならなくて安心した…」 


翼「う――」 


朋花「話せば」 


翼「…………」 


朋花「首が飛びますよ?」 


ドドドド 


翼(や、やられた…朋花ちゃんは襲えなかったんじゃあない、襲わなかったんだ!) 


翼(油断させてた? 違う…気を抜いたつもりはなかった…!) 


朋花「ふふっ…二人とも気付いていないみたいですね…」 


海美「あーあ、早くシャワー浴びたいな~」 


百合子「シャワー室なら劇場にありますよ」 


翼「…………」 



889: SSまとめマン 2015/03/25(水) 09:09:25.44 ID:dJg9eR8X0


朋花「『後ろ』、気になるんじゃあありませんか~?」 


ゴゴゴゴ 


翼(気になる…ッ! どんなスタンドなのか、どんな能力なのか、場合によったら全滅もありえる…!) 


翼は朋花に見えない様に、スタンドの指先を床の中に入れる。 


翼(ここは『波』を海美さんに…) 


朋花「『波』はダメですよ~♪」 


翼「ッ!?」 


翼(ウソ…バレた!? 心を読んだの…?) 


翼(心を読む能力? でも、それだけなら攻撃を一発食らっても、『波』で衝撃を消せるし…) 


朋花「……攻撃を喰らっても平気? 心を読んだ?」 


朋花「的外れです」 


翼「ッ!」 


ドドドド 


朋花「翼さん? 人の行動なんてものは、簡単にぃ…」 


朋花「分かってしまうんですよォォォ~?」 


翼(まずい助けを!) 


翼は勢いよく立ち上がり、叫び声を上げようとした。 


翼「――――――――!」パクパク 


翼(こ、声が出ないッ!) 



890: SSまとめマン 2015/03/25(水) 09:10:29.61 ID:dJg9eR8X0


ドドドド 


朋花「翼さん」ガシッ 


朋花が翼の肩を掴む。 


翼(や、やられるッ!) 


朋花「急に立ち上がると…」 


翼「!!」 


朋花は何もしなかったが、翼は背中を地面に叩きつけるようにして倒れた。 


海美「バサバサ!?」 


百合子「翼!」 


倒れた音を聞いて二人が視線を向ける。 


翼(き、気付いて!) 


朋花「貧血でしょうか~?」 


百合子「うっ…顔が真っ青だよ!」 


海美「た、大変だ!」 


翼(な、何を言ってるの…? 顔が真っ青? そんな筈無いよ! 私は――――) 


朋花「トレーナーさんを呼びに行きますね~」 


海美「頼んだよ!」 


バタンと扉が閉まり、朋花は部屋から居なくなった。 


海美「もー…心配させないでよ」 


百合子「朋花さんが怪しいんだから、びっくりさせないで下さい」 


翼(――――怖い) 


翼(違うよ…これは貧血じゃない…恐怖!そのもの) 


翼(『後ろ』に誰かがいるんじゃあないか?『後ろ』にわたしの命を脅かす何かがいるんじゃあないか? 居ないと分かっても、そう思っちゃう!) 


翼(逆らえない!抵抗できない!『後ろ』があるという恐怖に!) 


翼(背中を地面に付けても、安心出来ないッ!) 



891: SSまとめマン 2015/03/25(水) 09:11:40.63 ID:dJg9eR8X0


ドドドド 


海美「大丈夫?」 


百合子「あ、スタンドで風を送りますね。えい!」ソヨソヨ 


翼「ぁ…ぇ……だ……」 


海美「無理しちゃダメだって」 


百合子「トレーナーさんが来るまで、今は寝てないと」 


翼(気付いて…朋花ちゃんのスタンド攻撃だよッ!) 


ガチャ 


トレーナー「翼さん!」 


朋花「もう大丈夫ですよ」 


翼「!!」 


トレーナー「顔が真っ青ね…」 


海美「ちゃんと鉄分とらないと」 


百合子「美奈子さんにレバニラでも頼みますか?」 


翼(呑気な相談してる場合じゃないよ~!) 


ドドドド 


トレーナー「呼吸に問題は無いわね、急に立ち上がったりしてない?」 


朋花「立ち上がってましたね」 


トレーナー「なら立ち眩みね、しばらく安静にしていればいいと思うわ」 


翼(え…なんで…これはスタンド攻撃で間違いないのに!) 


翼「ぅ…こぇ…ぁ…」 


翼(声が出ない!体も動かない!どうして!?) 



892: SSまとめマン 2015/03/25(水) 09:12:39.67 ID:dJg9eR8X0


海美「ほーら、無理しない無理しない」 


朋花「横になればすぐに楽になりますよ~」 


ドドドド 


朋花「すぐに…ね」 


目を細めて翼をみる朋花、その表情には余裕が浮かんでいた。 


翼(うっ…) 


百合子「立ち眩みって怖いですね…」 


朋花「そうですね~急に立ち上がったりしないようにすれば、問題はありませんが」 


トレーナー(…おかしいわね、立ち眩みって『長時間座る』と起こるものだと思っていたけれど…私の認識不足ね) 


翼を囲む四人。 


その内の二人はスタンド使いで、翼の味方だが、何一つ気付いていない。 


しかし、朋花のスタンドは既に『追い詰めて』いた。 


朋花(まずは一人、動けなくしました…) 


朋花(次は海美さんですね、二人が行動不能になると気付かれます。先に厄介な方を…) 


ゴゴゴゴ 


朋花(仕留めるッ!) 




To be continued…

893: SSまとめマン 2015/03/25(水) 09:18:00.03 ID:dJg9eR8X0
待ってる人がいるかもしれないスタンドステータス 

こんなややこしいのはもう勘弁 



本体・人間・松田亜利沙 
スタンド『スーパーナチュラルアクティブショウアイドルちゃん』 

遠隔自動操縦型 

破壊力――  スピード――  射程距離―― 

精密動作性A  持続性A  成長性B 

能力射程『自分』 


能力『生体防御の能力』 


自分、または自分の物品や領域を守る能力。 

内部の保護や、侵入者の排除のみを行うため、能動的な攻撃を仕掛けることは出来ない。 

防御方法は免疫システムと似通っており、侵入者に対しては圧倒的に有利な攻撃を仕掛けることが出来るが、亜利沙本人の胸腺が攻撃されると止まってしまう。 

亜利沙に関してだけ言えば、傷の修復や病気の治療が可能である。 

守るものに名前を書けば能力を発動出来るが、名前を消されたり、名前を書いた部分が離れたりすると解除される。 


A:超スゴイ B:スゴイ C:人間並 D:ニガテ E:超ニガテ 

(o・∇・o) 

897: SSまとめマン 2015/03/30(月) 22:20:18.34 ID:wx0BnWv/0





ゴゴゴゴゴ 


翼(…助けを求めないと、完全に声が出ない訳じゃない!) 


翼「ぅ…み……」 


朋花「!」 


海美「え?今呼んだの?」 


翼(来た!) 


翼「ぅ……」 


朋花「どうしたんですか~?」 


翼「!?」 


朋花が翼の口元に耳を寄せる。 


翼(違う!呼んだのはうみみ!朋花ちゃんじゃないよ!) 


朋花にとってそんなことはどうでもいい、肝心なのは『何を』言っていたかだ。 


朋花「え? 髪が…?」 


百合子「ぷぷっ…倒れてるのに、髪なんて気にしてどうするの」 


海美「翼はオシャレさんだからね」 


翼(百合子ちゃぁぁぁぁああああん!) 



898: SSまとめマン 2015/03/30(月) 22:21:29.18 ID:wx0BnWv/0


朋花「ではタオルを敷きましょう~頭を少しあげますよ~」 


海美「使ってないタオルあるよ」 


朋花「どうも~」 


朋花が翼の頭を持ち上げ、タオルを敷こうとする。 


翼(頭を上げた……つまり、『後ろ』に隙間が?) 


翼(あれ、何考えてるんだろう…『後ろ』なんて今…………『後ろ』?) 


翼(『後ろ』…隙間…『後ろ』…わたしの…『後ろ』!!) 


朋花「では、下ろし…」 


翼「う、うわぁぁぁぁぁああああああああ!!」 


トレーナー「!?」 


海美「バサバサ!」 


朋花「ど、どうしたんですか?」 


翼「触るなぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああああああああああ!!」 


百合子「翼!?」 


翼は『G・F・W』を出し、立ち上がって朋花を思いっきり殴り飛ばす。 


ボゴッ 


朋花「ぐふっ!」 


翼「うわぁぁぁ――――――ッ!!」 


翼に殴り飛ばされた朋花は、海美にぶつかる。 


海美「よっと」ガシ 


トレーナー「翼さん! 一体…」 


翼「近寄るなぁぁぁあああああ!!」 



899: SSまとめマン 2015/03/30(月) 22:22:38.34 ID:wx0BnWv/0


ダッ 


翼はスタンドを出し、ピッタリと背中を 
鏡の壁にくっつける。 


翼「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」 


百合子「翼! 何やってるの!」 


翼「!!」 


翼(い、今…わたし…攻撃した? なんでだろう…『後ろ』が怖いと思ったら、急に…) 


朋花「きっと…何か虫でもいたんですよ…」タラ 


海美「あ、鼻血でてるよ!」 


朋花「では、ティッシュを…」 


海美「大丈夫、私に任せて」 


海美(波紋で治療出来るよね?) 


海美が波紋の呼吸をし、止血しようと手を鼻に当てた瞬間。 


ブシャァァァアアア 


海美「えっ!?」 


百合子「キャッ…凄い血…」 


朋花「うっ…」クラッ 


海美「だ、大丈夫!? ごめんね…わたし…」 


朋花「大丈夫です…ティッシュを…」 


海美「う、うん…」 


トレーナー「あ、あなたたち…とりあえず、氷とってくるわね」 


トレーナーは走ってレッスン部屋を出ていく。 



900: SSまとめマン 2015/03/30(月) 22:23:29.46 ID:wx0BnWv/0


ドドドドド 


翼(お、おかしい…何かがおかしい…! 本当にスタンド攻撃なのかな…本当は全員敵だったり…) 


百合子「ねぇ…海美!翼!」 


朋花「!」 


海美「!」 


翼「!」 


百合子「これって…スタンド攻撃だよ!」 


海美「ッ…朋花様!」 


海美はティッシュを探すのを止め、距離をとりながら百合子の側による。 


ドドドドド 


朋花「ふふっ…やっと気づいたようですね」 


百合子「…翼の様子がおかしいし、正体の知らないスタンド使いは一人だけ!」 


二人は朋花と翼の間に、立ち塞がる様にしてたつ。 


朋花「流石です~♪でも、少し遅かったようですね~」 


海美「なにー!」 


朋花「翼ちゃ~ん♪『私達』は敵ですよ~」 


翼「え…?」 


百合子「何をばかな事を…!」 


翼(敵…? 私の状態にも気付かなかった…あれだけアピールしても気付かなかった?) 


翼(違う…三人とも敵だったんだ…わたしを油断させてたんだ!) 



901: SSまとめマン 2015/03/30(月) 22:24:36.18 ID:wx0BnWv/0


海美「ハッタリは効かないよ!」 


朋花「さぁ、どうでしょう~? 判断するのは翼ちゃんですから…」 


翼「やっぱり!!わたしを騙してたんだね!!」 


百合子「は…?」 


海美「何を…言ってるの!」 


朋花「ふふっ…どうやら『疑い深く』なったみたいですね~」 


翼「『G・F・W』!!」 


翼のスタンドが光を纏うと、光は『波』となって三人に襲い掛かる。 


翼「ぶっとべぇぇぇぇえええええ!」 


百合子「『クリアプロローグ』!」 


ゴッ 


百合子が強力な風を海美と自身に当て、飛ぶことで『波』を回避する。 


朋花は回避しなかったが、『波』が当たることはなかった。 


朋花「チャージが足りて無かったみたいですね~」 


翼「射程が足りないッ!」 


海美「ッ…何やってんの!バサバサ!」 


百合子「説得は無理です! 多分朋花さんのスタンド能力です!」 


海美「直接戦うタイプじゃないって事? なら!」ダッ 


百合子「駄目です! 近寄るのも危険ですよ!」 


海美は百合子の制止も聞かず、朋花に駆け寄もって攻撃しようとする。 



902: SSまとめマン 2015/03/30(月) 22:25:32.75 ID:wx0BnWv/0


海美「うりゃぁぁぁああああ!」 


朋花「ふふふ…」 


波紋を纏い、無防備な朋花に肉薄した海美は、ノックアウトを狙って頭に蹴りを放つ。 


朋花「そういえば、この『鼻血』は…」 


海美「!」ピク 


朋花「『あなたのせい』でしたよね?」 


海美「え、あ…ああ…!」 


海美はピタリと攻撃を止め、全身を脱力させて下を向く。 


朋花「お返し、してもいいですよね?」 


海美「ご、ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい…だから、同じ分だけ…許して…」 


百合子「何やってるんですか!?」 


朋花「良い返事です~♪ 」 


ついに、朋花のスタンドが姿を現す。 


十字架を背負い、右半身が修道服、左半身が真っ赤なドレスを着こんだスタンド。 


朋花「『マリア』…」 


『マリア』はそのまま、無防備な海美の身体にラッシュを叩き込む。 


朋花『あらあらあらあら~!』 


ボゴボゴドゴ 


海美「ぐぶっ、おふっ…ぐぇぇ――――ッ!」 


ドバァ――!! 


百合子「海美さん!」 


翼「ゆりゆりィ!」 


百合子「ハッ!」 


翼は壁にピッタリと背中を付けたまま、『波』をチャージして百合子を捕捉する。 



903: SSまとめマン 2015/03/30(月) 22:27:14.02 ID:wx0BnWv/0


翼「吹き飛べ!『G・F・W』!」 


百合子「風よ!」 


ドゴァォォォオオオ 


床板をベリベリと剥がしながら襲い来る『波』を、先程と同じように風で回避する。 


百合子「くっ…翼まで襲いかかってくるなんて!」 


朋花「もしかして、忘れていませんか~?」 


百合子「!?」 


百合子が風に飛ばされた先には朋花が立っていた。 


百合子「あ、あ…」 


朋花「既に、私に『恐怖』してますね?」 


百合子「う、そだ…そんな筈ない!『クリア…」 


朋花「『マリア』!」 


ドゴォ!! 


百合子「きゃぁぁああああ!」 


『クリアプロローグ』よりも早く、『マリア 
は相手を殴り飛ばす。 


そして、百合子が飛ばされた先には… 


翼「ッ覚悟!」 


百合子「なんで…なんで攻撃するの!」 


翼「それは、三人が敵だから!」 


百合子「違うよ! さっきまでの事を思い出して!」 


翼の思考の矛盾を、百合子は自覚せずに突く。 


二人が翼の様子に気付かない、だから三人とも敵であるという飛躍。 


翼はそれを『自覚』した。 


翼「え? あ、れ…?」 


朋花「…………抜けましたか、運のいい…」 



904: SSまとめマン 2015/03/30(月) 22:28:16.05 ID:wx0BnWv/0


翼「う、え、あ…………」 


百合子「大丈夫!?」 


翼「そ、そんな…こんなことして、ごめん!」 


百合子「いいよ!それよりも朋花さんを!」 


朋花「ふふふ…よく『マリア』の呪縛から抜け出しましたね…」 


朋花「タネが割れれば簡単ですが…解決できないものもありますし、この程度ならまだ許容範囲…」 


翼「も、もう『マリア』は解除したよ!」 


百合子「さあ、二対一ですよ!」 


朋花「ふふふ…」 


ドドドド 


百合子「…………っ」ゴク 


朋花「二対一…ですか、ふふふ…おかしいですね~♪」 


翼「負けないよ、もう二人は敵じゃないって、分かってるからね」 


朋花「どうやら、根本的な事には気づいてないみたいですね~」 


百合子「根本的な事?」 


朋花「はい、そうです」 


朋花「それは、二人が私に『恐怖』を抱いていると言うことですよ~」 


翼「…どういう事?」 


朋花「そのままですよ。私の声を聞き、姿を見、存在を感じ、私が敵対しているという事実に、二人は『恐怖』しているんですよ~♪」 


百合子「そんな、有り得ない!」 


朋花「……レッスンの間ずっと此方を警戒するのは、私を『恐れている』から…ですね?」 


翼「!!」 


百合子「そ、それは…」 


朋花「『認め』ましたね? 今、心のなかで少しでも『認め』ましたね?」 



905: SSまとめマン 2015/03/30(月) 22:29:19.31 ID:wx0BnWv/0


朋花「さぁ、あなた達のスタンドパワーはどんどん衰えて行きますよ~♪ そして、私にひざまずいて下さい~」 


翼「スタンドは精神の力!」 


百合子「決め付けで衰えたりは…」 


朋花「ふふふ…これだけ言っても『まだ』分からないようですね~。物分かりが悪すぎるのも良くありませんよ?」 


翼「ッ!」 


ドドドド 


朋花「『マリア』の能力は、不安や恐れ、罪悪の気持ちを増幅させ、強迫観念を植え付ける…」 


朋花「『恐怖』を知ったあなた達は私に負ける…そして新たな『恐怖』を抱き、負け、『恐怖』を植え付けられ続ける」 


朋花「それが『マリア』。既に『恐怖』のループに突き落とされているのですよ~♪」 


ドドドド 


翼「それでも…勝たないといけない!」 


朋花「その割には、『後ろ』が気になってしょうがないようですね~うふふ~♪」 


翼「うっ…」 


翼は未だに、鏡張りの壁にピッタリと背中をくっつけていた。 


百合子「なんて能力なの…!」 


朋花「うふふっ」 


朋花かジリジリと距離を縮めると、百合子は翼の真横へと下がっていく。 


朋花「既に抵抗する様な力はありませんよ~私が直々に手を下してあげましょう~♪」 


翼「どうするのッ! チャージには時間が掛かりすぎるよ!」 


百合子「チャージしてて! 手段を放棄したら駄目ッ!」 


朋花「さぁ、私に身を委ねて下さい」 


バッ 


百合子「うわぁぁぁああああ!」 


朋花「『マリア』!」 



906: SSまとめマン 2015/03/30(月) 22:31:15.22 ID:wx0BnWv/0


朋花『あらあらあ…』 


百合子「……」ニヤリ 


朋花「!」グラッ 


百合子は為す術を無くしたかのように思えたが、朋花の身体は揺らぎ、地面に倒れた。 


朋花「な、にを…」 


百合子「調子に乗って近寄り過ぎましたね」 


翼「…今の時間でチャージは終わったよ」 


朋花「ぐッ…身体に…力が…」 


百合子「『低酸素状態』を作り上げました…スタンドパワーが衰えても、近距離なら別です」 


翼「覚悟して、とびきりのをブッ込むよ!」 


ドドドド 


朋花「…………ふふっ…」 


百合子「…?」ピク 


翼「惑わされないで」 


朋花「ふふふ…ふふっ…ふふふふアハハハハハハハハハ、アッハハハハ!」 


百合子「気を付けて、何かしてくる!」 


翼「違う!また新しい不安を押し付けようとしてる!」 


朋花「使いたくはありませんでしたが…仕方ありませんね~」 



907: SSまとめマン 2015/03/30(月) 22:32:11.40 ID:wx0BnWv/0


百合子「『低酸素状態』で話してるッ!?」 


翼「もう駄目だッ!『G・F・W』!!」 


朋花「無駄ですよ~♪」 


放たれた衝撃の『波』を、スタンドで本体ごと移動して回避する。 


翼「躱したッ!?」 


朋花「覚えていませんか~? 『恐怖』のループに突き落とされていると!」 


翼「耳をかしちゃダメ!ゆりゆり!」 


百合子「あっ…ああ…ああああああああ!!」 


朋花「『後ろ』に『居ます』よ?」 


百合子「『クリアプロローグ』ッ!!」 


百合子は振り返り、鏡の壁に拳を叩き込んで後ろに飛ぶ。 


翼「何を…!!」 


朋花「うふふふっ♪」 


朋花は百合子を『待ち構えて』いた。 


翼「後ろォォォォ――――――ッ!!」 


朋花「これが本当の力…『マリア・トラップ』!」 



908: SSまとめマン 2015/03/30(月) 22:33:31.31 ID:wx0BnWv/0


百合子「!?」バッ 


朋花『あらあらあらあらあらあらあら!!』 


百合子「ガッ…ごぶっ…ぐぎゃッ!」 


翼「うおおおおおおお!!」 


翼は自身の『後ろ』への恐怖を振り払い、百合子を助けるためにチャージしながら朋花に突っ込む。 


翼(ヤバイよ!本当に!死んじゃう!) 


そう、翼が思ったのは、『朋花のパワーが上がっている』だけではない。 


百合子は体の『前と後』から殴られており、『見えない何か』が百合子を攻撃しているのが分かったからだ。 


朋花『あらあらあらあら!』 


翼「放してぇぇぇぇええええ!」 


ダッ 


朋花「邪魔をしないで下さい」 


百合子「う…ぶぐっ…ご…」 


翼がラッシュをかましても、朋花は片手でそれをあしらいながら百合子にラッシュを叩き込む。 


翼『オラオラオラオラオラッ!!』 


朋花「そんな貧弱なパワーでどうにかなると…あら?」スッ 



909: SSまとめマン 2015/03/30(月) 22:34:38.35 ID:wx0BnWv/0


朋花「身体が…思うように…」 


翼「オラァァ!」 


ブン 


ドゴッ 


朋花「…………やりましたね」ギロ 


翼は朋花の横っ面に拳を当てた。 


しかし、パワーの低さがここで仇となり、朋花にはダメージをたいして与えられなかった。 


朋花「その貧弱なスタンドで…!!」 


翼「動けないでしょ? 筋肉の疲労だよ。度重なる振動が疲労を与えた」 


朋花「ぐっ…立てないッ…!」 


朋花は膝をつき、百合子への攻撃を中断した。 


ドバ――!! 


ガシャァッン 


百合子は攻撃の余波で吹っ飛び、鏡の壁に叩き付けられて倒れる。 


百合子「…………」 


翼「気絶してるね」 


朋花「ぐっ…ぐ、ぐ…」 


朋花は体をモゾモゾと這わせ、何とか動こうと足掻くが、攻撃することはおろか、移動もままならない。 



910: SSまとめマン 2015/03/30(月) 22:35:33.98 ID:wx0BnWv/0


翼「今から『G・F・W』の『波』をぶち込むよ」ミュイン 


朋花「このっ…翼さんごときに…!」 


ドドドド 


翼「…ゆっくりチャージしても、大丈夫そうだね」 


朋花【はい、アウトです~♪】 


ドォォ――――――ン!! 


翼「朋花ちゃんから、『もう一人』の朋花ちゃんが出てきた!?」 


朋花「うまくいったみたいですね」 


翼「なっ、にが…」 


朋花「弱さを見せれば、『実はまだ余力があるのでは?』と思ったりしてしまうものです」 


朋花「『ゆっくりチャージしても大丈夫そう』? それは私に『不安を抱いている』と宣言しているようなものですよ~♪」 


朋花【残念でしたね~あと少しでしたのに】 


翼「『ゴールド…」 


朋花【射程距離内…近寄り過ぎましたね♪】 


朋花【あらあらあらあらあらあらあらあらッ!】 


ドガドゴドゴドガァッ! 


翼「ぐっ…ごがッ!」 


翼(百合子ちゃんはこれに!!) 


ドゴォォ――――ン!! 


翼は壁を突き抜け、ビルの外へと叩き出される。 



911: SSまとめマン 2015/03/30(月) 22:37:36.95 ID:wx0BnWv/0


翼(ま、ずい…体が思うように…) 


朋花【まさか、終わりだとは思っていませんよね?】 


ドドドド 


翼「!!」 


空中に投げ出された翼に、朋花の追い討ちが突き刺さる。 


朋花【あらァ!!】 


ドガ 


翼「うわぁぁぁぁああああ!」 


バガン!! 


空中から地面に叩き付けられ、翼は完全に動けなくなる。 


ボグォオ! 


翼「右足の骨が逝ってる…痛みも分からない位痛い…のかな?」 


翼「脇腹も、何だか熱い…右手も思うように…ゲホッ、ゴホッ」 


ビチャァ 


翼「血が…これってそうとうヤバイんじゃ…」 


ドドドド 


翼「はぁ…もう一人の朋花ちゃんは追ってこないけど、はぁ…戦えそうに、はぁ…はぁ…」 


翼(このままだと、確実に…みんな死んじゃう…) 


翼(そんなのヤダよ…怖いよ…) 


翼「誰か、いないの…?」 


翼「誰か!お願い!わたしの声を聞いて!」 


誰もいない路地の方に飛ばされた為か、他人の声は聞こえてこなかった。 


一人を除いて。 


朋花「ふふっ…呼ばれて飛び出て、ジャーン♪」 


翼「ッ!」 


裏口の扉を開けて、朋花が出てくる。 



912: SSまとめマン 2015/03/30(月) 22:39:03.75 ID:wx0BnWv/0


翼「…動けるようになったみたいだね」 


朋花「はい、翼さんのお陰ですよ~♪」 


朋花【私は動けますからね~】 


朋花は『もう一人の朋花』に連れられて出てきた。 


朋花「あなたの精神が作り出した『天空橋朋花』が、私の体を支えてくれていますよ~」 


翼「作り…出した?」 


朋花「ふふっ、そうですよ」 


朋花「他でもない、翼さんの『恐怖』が作り出した『精神』。他人の『精神』に出来る『スタンド』」 


朋花「『恐怖』から逃げ出したいと思えば思うほど、『恐怖』は翼さんの『精神』に更なる『恐怖』を与える…」 


朋花「それが『マリア・トラップ』」 


ドドドド 


朋花「あなたは何も出来ずに死ぬのですよ~♪」 


朋花【うふふ♪】 


翼「…あはは」 


朋花【では、トドメを…】 


翼「あははははははは!同じだ!同じだよ!」 


朋花「…………様子が…ハッタリでしょうか…」 


朋花【…翼さんは既に『勝てない』と思っている。つまり、私は何をされても負けないッ!】 


朋花を支えていた『もう一人の朋花』が、翼に向かって駆け出す。 



913: SSまとめマン 2015/03/30(月) 22:40:14.30 ID:wx0BnWv/0


翼「同じなんだ…杏奈ちゃんと戦った時、思わず逃げ出したくなったよ…」 


翼「ただただ怖かった…必死に助けを呼んで、志保とかプロデューサーさんが来てくれた…」 


翼「でもね、全然分かってなかった」 


翼「必ず誰かが助けてくれる訳じゃあない」 


朋花【懺悔は病院のベッドで聞かせて下さいッ!】 


翼「今思ったの。わたしは逃げてばっかりだから…だから!」ミュインミュイン 


翼のスタンドの左腕が輝きを放つ。 


朋花【うっ、いつの間にチャージを!】 


翼「わたしは立ち向かうッ!」 


ドドドァォォン!! 


朋花【ぐっ…!】 


『G・F・W』の衝撃波を真正面で受け止めた【朋花】は体をボロボロにするが、即座に再生して復活した。 


ドドドド 


朋花【…さぁ、いつまで持つでしょうかね~?】 


朋花「…押され始めたようですね」 


翼(朋花ちゃんは、【朋花】ちゃんの様子が分からないのかな…?) 


翼「どっちにしても、わたしは負けないよ!」 


朋花【虚勢を張るのは止めませんか? 見ていて痛々しいですよ】 


朋花【負けない、と自己暗示を掛けているつもりでしょう…しかし、横たわっているあなたの身体は何よりも敗北を形にしているのですよ?】 



914: SSまとめマン 2015/03/30(月) 22:42:02.87 ID:wx0BnWv/0


ドドドド 


翼「虚勢…? 違うよ、そうじゃない」 


翼「これは『覚悟』、わたしの『本気』」 


翼「『本気』じゃないと、みんなに顔向け出来ないから…!」 


朋花【…では、見せてもらいましょうか~。あなたの『程度』を!】 


朋花が素早く翼に肉薄する。 


翼「『ゴールド・フリル…!?」 


翼が構えた左腕は輝いていた。 


しかし、輝きは左腕だけではなく、スタンド全身を覆っていた。 


朋花【これは…『G・F・W』の光ではない!?】 


翼「な、何かが…何かが『変化』してる!」 


【朋花】は立ち止まり、事の様子を見守った。 


朋花「何が…起きてるのですかッ!」 


朋花は動揺するが、まだ身体は思うように動かないため、その場で翼を見ることしか出来ない。 


翼「スタンドが…わたしのスタンドが…」 


朋花「…【天空橋朋花】ッ! 早く翼さんを倒しなさいッ!」 


朋花【…無粋な『私』ですね、今は『私』ではありませんが…】 


朋花【見せて貰えますか? あなたの『本気』の精神を…そして、それを打ち破られる『本気』の顔を!】 


光輝く翼のスタンドは、姿こそ同じだが、確実に変わっていた。 


翼「新しい…スタンド、これがわたしの『本気』!」 


朋花【輝かしいスタンド…名前をつけてあげましょう。『ビリーブ・マイチェンジ』なんてどうでしょうか?】 


翼「『ビリーブ・マイチェンジ』…うん、いいね!」 


翼のスタンド、『ビリーブ・マイチェンジ』は常に輝いていた。 


しかし、右腕と右足の輝きは、他のそれと比べると暗かった。 



915: SSまとめマン 2015/03/30(月) 22:43:14.09 ID:wx0BnWv/0


翼「行くよ…【朋花】ちゃん!」 


朋花【『マリア・トラップ』!】 


『マリア・トラップ』が殴り掛かる。 


翼「あれ…でも『ビリーブ・マイチェンジ』は何が出来るんだろう?」 


翼「……ま、いっか…………放て!」 


翼は左腕を【朋花】の『マリア・トラップ』に向ける。 


ドッ… 


一つの光のリングが左腕から放たれ、拡がりながら【朋花】に向かう。 


左腕の『輝き』を代償にして。 


翼「出た…でも、腕が動かない!」 


朋花【避けるのは…容易い】 


スッ 


リングの拡大は翼には制御できず、そのまま朋花を無視して拡がる。 


翼「何で!? 戻ってきて!」 


朋花【所詮、この程度だったんですね】 


翼「!」 


朋花【あらあらッ!】 


ドゴッ! 


翼「ぐえっ!」 


寝転がったままの翼は殴り飛ばされ、自ら出した光のリングに触れる。 


ピッ 


キュゥウウ! 


翼「リングが!」 


朋花【小さくなっている!】 


拡がっていたリングは、翼の元へ戻るため、急速に小さくなる。 



916: SSまとめマン 2015/03/30(月) 22:44:26.05 ID:wx0BnWv/0


勿論、【朋花】はリングの中におり、『光のリング』は収縮する過程で【朋花】を通過した。 


ドッゴォォォン! 


朋花【ぐはっ…!】 


翼「爆発…した?」 


【朋花】を通過したリングは小さく衝撃波を撒き散らし、【朋花】を吹き飛ばす。 


翼「い、いけるかも…朋花ちゃんに勝てるかも!」 


ドドドド 


朋花「どうやら…幻影の私は、使い物に為らないようですね」 


翼「!!」 


筋肉の疲労が回復した朋花が立ち上がる。 


朋花【心外ですが、これからは手加減しませんよ~?】 


朋花「覚悟してくださいね~?」 


ゴゴゴゴ 


翼(十メートル位前にいる朋花ちゃんと、八メートル位右前にいる【朋花】ちゃん…多分、二人とも射程距離外だね) 


【朋花】は翼の精神にのみ存在すると言う性質上、ほぼ不死身であり、遠慮無しに突っ込んでくる。 


朋花【行きますよ!】 


朋花(おそらく、【私】は突っ込むでしょう…揺さぶるのが私の役割ですね) 


翼「くっ…」 


翼(せめて、足さえうごけ…ば?) 


ドドドド 


翼(わたしのスタンドは右手足だけ『輝き』が薄れてる…? まさか!) 



917: SSまとめマン 2015/03/30(月) 22:45:31.77 ID:wx0BnWv/0


朋花【あらあらあらあら!】 


翼「ていっ!」 


朋花が繰り出した拳を、翼は動かないはずの足を使って避けた。 


朋花【!】 


朋花「!」 


翼「やっぱり…『輝き』は体内なら動かせるんだ!」 


朋花「なるほど…両腕を犠牲に、胴体と足の調子を戻した…」 


『ビリーブ・マイチェンジ』の腕の『輝き』は消えかかっているが、足の『輝き』は先程よりも増していた。 


そして、翼の右足の怪我は消えていないが、出血や痣はなくなっていた。 


朋花【だからどうしたと言うのですか~?】ダッ 


翼「ん~…そっか!」 


再び距離を縮める【朋花】に向かって、翼は右手の指から『光のリング』を打ち出す。 


その数は五個。 


翼「威力は変わらないみたい」 


朋花【!】 


【朋花】がリングを注意深く観察しながらゆっくりと後退すると、リングは翼から五メートル離れたところで急速に収縮し、翼の元へと帰っていく。 


朋花「射程は五メートル…成る程」 


朋花「たったその程度ですか」 


翼「ッ!」 


ドドドド 


朋花【揺らぎましたね? 自分のスタンドを探る内に、翼さんは弱点をさらけ出した】 


朋花「翼さんの射程距離五メートルから離れた場所からの攻撃…」 


翼(惑わされちゃダメ! 考えれば考えるほど、わたしは窮地に追いやられる!) 



918: SSまとめマン 2015/03/30(月) 22:47:17.18 ID:wx0BnWv/0


翼「ッ…なら、こっちから近寄って…!」ダッ 


朋花「『思考を放棄しよう』とは、考えている事と同義ですよ?」 


朋花【『マリア』は『マリア・トラップ』のほんの一部…翼さんは僅かな疑念を抱くだけで…】 


翼が朋花に駆け寄ろうとした直後、翼は『不可視の攻撃』によってぶっ飛ばされる。 


翼「ぐえっ!」 


朋花【なるほど、不可視の遠距離攻撃ですか…ふふっ…】 


朋花「『可能性』は絶望を与えます~♪ 人間に勝ち目はありませんよ?」 


ドドドド 


翼「ち、違う…朋花ちゃんに勝つには、『恐怖』に打ち勝つ心がいるのッ…」 


翼「負けたくないっていう心だけがッ、唯一の攻略法!」 


翼「『ビリーブ・マイチェンジ』!」 


翼はリングを小指から真後ろに打ち出した。 


もっとも、リングは円形であるが…。 


朋花【…後ろには何もありませんよ?】 


翼「違うよ、後ろに『生み出し』た!」 


リングは『地面』と接触し、小規模の衝撃波を撒き散らす。 


翼はそれを推進力として、一気に朋花に近寄る! 


翼(うっ…やっぱり痛い!) 


朋花【させるとでもッ!】 


翼「!」 


朋花【あらァ!】 


翼『オラァ!』 


ガーン!! 


『マリア・トラップ』と『ビリーブ・マイチェンジ』の拳がぶつかり、翼の動きは空中で停止する。 


朋花【パワーが互角…!?】 



919: SSまとめマン 2015/03/30(月) 22:48:49.59 ID:wx0BnWv/0


翼「覚悟は上回った!」 


翼は既にリングを放ち、至近距離での自爆特攻を仕掛ける。 


朋花【ッ!】 


【朋花】はその不死身じみた身体ではあるが、翼の精神に存在する紛れもない『天空橋朋花』自身なのだ。 


いくら無敵の肉体を持とうと、咄嗟に防御や回避をしてしまうのは当然である。 


【朋花】が攻撃を後退して避けると、翼の後ろでまた爆発が起こる。 


翼「越えたッ!」 


朋花【ッ!】 


朋花「ふふ…やりますね」 


ダメージを覚悟しての突貫。 


【朋花】はその一点の違いで翼を通してしまう。 


【朋花】を飛び越えた翼は、朋花に向かって突っ込む。 


翼「おらぁぁぁぁああああ!」 


朋花「…私が『言え』ば、あなたは攻撃を外します」 


翼「関係ないッ! 今この瞬間の『本気』を!朋花ちゃんに叩き込むッ!!」 


朋花「では、翼さんの攻撃は外れてしまいますね」 


無防備な朋花の真横に、翼の拳は届いた。 


朋花はその隙を逃す程愚かではなかった。 


朋花「外れ♪」 


翼「いいや、当たり!」 


朋花「ッ!」 


朋花と翼の間を、既に無数のリングが進んでいた。 


翼「『ビリーブ・マイチェンジ』!」 


朋花「…今は、負けを認めましょう」 



920: SSまとめマン 2015/03/30(月) 22:54:06.91 ID:wx0BnWv/0


ドドドドン!! 


小規模であるが、高い威力を誇る衝撃波は、朋花と翼の全身を駆け巡った。 


二人の身体はボロ雑巾のようになりながら宙を舞い、瓦礫にまみれた地面の上に叩き付けられた。 


翼「ぐッ…えぐっ…」 


朋花「うっ…ふ…はっ…」 


ゴゴゴゴ 


翼「やっ、た…かな?」 


朋花「『マ、リ…ッはぁ…はぁ…」 


翼「あの、朋花ちゃんが…あの朋花ちゃんが!」 


朋花「はぁーっ…うっ…はぁ…」 


翼「満身創痍のわたしに…負けた!」 


翼「はぁ…はぁ…勝った! 思いもしなかった…あの、あの朋花ちゃんに勝てるなんて!」 


うつ伏せに倒れる翼の目には、満身創痍の朋花が目に入った。 


翼は自分の勝利を信じて疑わなかった。 



921: SSまとめマン 2015/03/30(月) 22:56:35.44 ID:wx0BnWv/0


「うふふ♪」 


翼「!?」 


その声は紛れもなく朋花の声だが、翼の真正面にいる朋花の声ではない。 


翼の爪先のあたりから聞こえる声だ。 


朋花「『マリア・トラップ』を相手にして、よく戦いましたね~」 


翼「あ…ま、まさか…」 


朋花「そうですよ~♪ 今戦っていた『天空橋朋花』は」 


朋花「『あなたの精神』にしか存在していないのですよ~」 


翼「じゃ、じゃあ…わたしは!」 


朋花「無駄な事をしていただけなんですよ♪」 


翼「う、うわぁぁぁぁああああ」 


翼は怖れ、慄いた。 


何が本物なのか、自分の『本気』はどこまで通用するのか、ひょっとすると、全ては朋花の作り出した幻覚なのではないか…。 


朋花「では、とどめは…」 


ドドドド 


朋花「プロデューサーにお願いしましょう♪」 


翼「え」 


P【…………】 


意表を突かれた翼の眼には、紛れもない、プロデューサーが写っていた。 



922: SSまとめマン 2015/03/30(月) 22:57:36.01 ID:wx0BnWv/0


ドドドドド 


翼はもう腑抜けていた。 


翼の『覚悟』が偽物であった訳ではない、『恐怖』がそれを悠々と上回ったのだ。 


翼「勝てないッ…勝てるわけがないぃ…」 


朋花「覚えている筈です、記憶の中に眠る『ステップアップガチャ』をッ!」 


翼「ああああああああ!!」 


朋花「『恐怖』を呼び起こせッ!」 


ドッ 


プロデューサーがぶれた瞬間、翼の腹部に拳がめり込む。 


翼「いぎぃっ!? あ゛ッ、ぐえっ…!」 


P【…………】 


ドドドドド 


捻るようにして腹部にめり込んだ拳は、容赦なく内臓を破壊し、痛みをもって翼を無力化した。 


呻き声をあげた翼の意識は、たった一発の攻撃で刈り取られた。 


朋花「…即死しない? よっぽど運が…いえ、お腹に『輝き』を集めましたね…なるほど…」 


翼「…………」 


朋花「…では、トドメを」 


朋花がゆらりと近寄ると、真上でガラスが砕ける音がする。 



923: SSまとめマン 2015/03/30(月) 22:58:45.34 ID:wx0BnWv/0


パリン 


朋花「!」 


海美「バサバサから離れろッ!『波紋カッター・スポドリ』!」 


パパウパウ 


百合子を担いぎながら飛び降りた海美は、波紋カッターで朋花を牽制する。 


朋花「チッ!」 


飛び退いた朋花の代わりに、海美が翼に寄り添う。 


海美「バサバサ、だいじょう…ぶじゃない! 早く病院に…!!」 


朋花「行かせるとでも、思っているのですか~?」 


海美「逃げるだけな――」 


朋花「手負いの人間を二人抱えて、果たして逃げおおせる事が出来るんですか~?」 


海美「うっ…」 


ドドドドド 


朋花「思いましたね?『逃げられない』とちょっとでも思いましたね?」 


海美「まずいッ!」 


海美は翼を抱えて逃げ出そうとする。 


朋花「無駄ですよ~♪」 


朋花は翼が砕いて出来たコンクリートの礫を、海美の足に投げつける。 



924: SSまとめマン 2015/03/30(月) 22:59:48.84 ID:wx0BnWv/0


ガスッ 


海美「いたっ!」 


海美は体勢を崩すが、こけることはなかった。 


朋花「素晴らしい平衡感覚ですね~」 


海美「誉められても、嬉しく――――ッ!!」 


ゴゴゴゴ 


朋花「回り込みましたよ~♪」 


海美「ウソ…速い…」 


朋花「もう逃げられないと思っている、だから足が思うように進まない…たとえ、スタンド能力であったとしても…」 


海美「!!」 


朋花「海美さんはまだ知りませんが、私の真のスタンド能力で始末して差し上げましょう~」 


海美(逃げられない…もう『ココロエクササイズ』じゃあ、打つ手が…無い) 


ゴゴゴゴゴゴ 


朋花「さぁ…」 


海美(…一人も助けられない…私も、終わりかぁ) 


朋花「『マリア・トラッ――――あ゛あ゛ッ!?」 


海美「!?」 


朋花「あ、頭がぁ…頭が割れるッ! うっ…おぇぇえ…」 


突然、朋花は頭を抱えながら嘔吐する。 



925: SSまとめマン 2015/03/30(月) 23:05:00.17 ID:wx0BnWv/0


海美「な、何が起こってるのッ!?」 


朋花「い、たい…ガッ…う、ああああ!」 


海美「よくわからないけど…攻撃の」 


朋花「逃げて下さい!」 


海美「…え?」 


朋花が叫んだのは苦痛の叫びではない、凛々しく張りのある『正常な』声。 


朋花「早くっ…屈辱ですが、このスタンドに抵抗出来るのは僅かな時間だけ…」 


海美「なら早く倒さないと!」 


朋花「『マリア・トラップ』はもう、使わないでしょう…が、『恐怖』を覚えた海美さんでは…今は勝てません!」 


朋花「それに、はやく…翼さんを病院に!」 


海美「う、うん…絶対、絶対絶対ぜーったい!助けるからね!」 


朋花「た、のみ…ますよ…!」 


ダッ 


海美は二人を担いだまま、車と同じくらいのスピードで去っていった。 


朋花(スタンドは精神の力…『マリア・トラップ』は普通の人なら大きく精神を磨耗するスタンドです…) 


朋花(『マリア・トラップ』を多用すれば精神に隙が出来、取り憑いているスタンド(『マスターピース』)は叩き出されそうになる…) 


朋花(その隙を突きましたが、もう…それは出来なくなりそうですね…) 


朋花「…………逃げられましたね」 


朋花(『マリア・トラップ』に勝つには、あらゆる恐怖を克服しなければなりません…) 


朋花(私を倒せるのはまつりさん…あなただけです…) 












―――――――――――――――――――― 


926: SSまとめマン 2015/03/30(月) 23:07:12.87 ID:wx0BnWv/0

莉緒「茜ちゃん!もっと車飛ばして!」 


茜「分かってるよ!でも無免許だから!」 


町の中を猛スピードで駆け抜ける車が一台あった。 


莉緒「早く!早くしないと死んじゃうわ!」 


茜「だったら治療してて!」 


莉緒「それをするためにアクセル踏んでるんでしょ!」 


エレナ「二人とも!ケンカしてる場合じゃないヨ!」 


語気を荒げる二人を、エレナは何とかして宥めようとする。 


茜「見えた!お肉屋さん!」 


しかし、茜の一言で険悪なムードは吹き飛んだ。 


莉緒「エレナちゃん! これで買えるだけの生肉でも何でもいいから骨付きの奴を買ってきて!」 


エレナ「ウン!」 


急停車した車から、莉緒の財布を握りしめたエレナが飛び出し、目の前の肉屋に駆け込む。 


莉緒「しっかり…しっかりして!」 


茜「やばっ…パトカーに見つかった!」 


莉緒「スタンド能力で誤魔化して!」 


茜「もうやったよ!」 


ガラッ 


エレナ「持ってきたヨ!」 


茜「車だすよ!掴まって!」 


エレナは袋も持たず、解体される前の冷凍豚を一匹抱えて車に飛び込む。 


莉緒「上出来よ!そこそこの応急処置は出来るわ!」 


莉緒の横、後部座席の部分には下半身と右腕を失ったプロデューサーが横たわっていた。 


それはプロデューサーの敗北を物語っていた。 


それは『黒幕』の勝利を物語っていた。 


今日は『巨星』の墜ちた日。 


多くの『邪悪』な者が待ち望んだ日。 




To be continued…

927: SSまとめマン 2015/03/30(月) 23:11:46.69 ID:wx0BnWv/0
おわりー(o・∇・o) 


つけ忘れたけど、>>925は『マリア・トラップ』/終わり だよ 


プロちゃんVS『Da』は書かないよ 

頭の中にはあるけど、書きたくないからね 



本体・人間・天空橋朋花 
スタンド『マリア』 

近距離パワー型・人型 

破壊力B  スピードC  射程距離D 

精密動作性C  持続性A  成長性? 

能力射程A 


能力『不安や恐れ、罪悪の気持ちを増幅させ、強迫観念を植え付ける』 


朋花の抑圧されたスタンド。 

その力の本領の一部の能力であり、他人の精神を利用するため能力の射程は長い。 


スタンド『マリア・トラップ』 

近距離パワー型・人型 

破壊力A  スピードC  射程距離E 

精密動作性A  持続性A  成長性E 

能力射程C 


能力『不安や恐怖など、ちょっとした負の感情を精神に現す』 

朋花の射程内に入った者は、あらゆる負の感情を自分の精神に作り上げてしまう。 

作り上げられた精神は、その『思考過程』と同調し、能力や変化を伴って現れる。 

朋花が二人いると思えば精神にはもう一人の朋花が現れ、朋花が別の能力を持っていると思えば別の能力を持った朋花が現れる。 

他人の精神を利用してはいるが、『精神』を作るのにスタンドパワーを用いるため、能力射程は『マリア』よりも短い。 


928: SSまとめマン 2015/03/30(月) 23:13:07.23 ID:wx0BnWv/0


本体・人間・伊吹翼 
スタンド『ビリーブ・マイチェンジ』 

近距離パワー型・人型 

破壊力A  スピードC  射程距離D (5m) 

精密動作性B  持続性D  成長性E 

能力射程D(5m) 


能力『全力を出す能力』 


『ビリーブ・マイチェンジ』は常に輝いており、この輝きは翼の身体の状態を表す。『輝き』を移動させて、本来なら動かせないような部分を動かすことが出来る。 

『輝き』は身体の外にリングを作り出す事で放つ事が出来るが、『輝き』を失った部位は動かすことが出来なくなる。 

『光のリング』はパワーの塊であり、障害物の在る無しに関わらず、翼から『五メートル』離れた場所まで拡がる。 

『五メートル』地点にまで拡がった『光のリング』は、翼を中心にして素早く収縮し、翼に触れた『光のリング』は『輝き』を失った部位に戻る。 

『光のリング』はパワーの塊、つまり、触れれば強烈な衝撃波を撒き散らす。 

しかし、衝撃波は半径50cmの範囲にしか届かない。 

また、力の解放に関しては遠隔操作が可能で、『光のリング』が消える代わりに、『リング』の好きな場所に衝撃波を発生させることが出来る。 


933: SSまとめマン 2015/04/18(土) 21:55:19.03 ID:IFNECjMT0








奈緒「帰れって言われてもなぁ」 


まつり「お休みなのです」 


志保(今日は無駄に疲れたわ…) 


恵美「なーんか、打ち上げっていう雰囲気でも無いしなー」 


琴葉『帰って宿題でもやったら?』 


恵美「……琴葉は鎧を脱ぎなよ」 


琴葉『服がないの!』 


「……い…………」 


可奈「ん…あれは…?」 


「……おー……おーい!」 


可奈「海美さん? 海美さんだ!」 


海美「おーい!みんなー!」タッタッタ 


昴「海美? なんで海美がこんなところに…」 


奈緒「一応、ここ劇場やで?」 


海美「みんな!大変だー!」 


未来「あ、誰か担いでる!」 


美也「…?」ニコニコ 


麗花「――でね、それから自然公園に行って、湖の夕焼けを見てから――」ピクッ 


海美「大変なの!」 



934: SSまとめマン 2015/04/18(土) 21:57:23.98 ID:IFNECjMT0
奈緒「なんや! 何がや!」 


海美「二人が…!」 


奈緒「なんやこれ! なんなん?」 


海美「朋花様に襲われたの!」 


奈緒「なんやて!」 


海美「治療するために、莉緒ねぇを探してるんだけど…」 


奈緒「なんや…おーい、麗花ー!」 


麗花「……なんや?」 


奈緒「なんやそれ」 


麗花「なんや、なんか用か?」 


奈緒「なんやねん急に…」 


麗花「なんやってなんや、なんや大変やと思って来たんや」 


奈緒「なんやねんそのエセ関西弁は!棒読みやないか!」 


未来「……?」 


可奈「と、取りあえず麗花さんが治療すれば…!」 


海美「え? あ、うん…麗花が治療出来るの?」 


麗花「キャッ! 痛そう…」 


奈緒「はよ治したって」 


麗花「もう終わってるよ?」 


奈緒「はやっ!」 


ワーギャー 


恵美「ねぇ、どうする…?」 


琴葉『落ち着いて話したいけど…』 


まつり「まつりに良いアイデアがあるのです!」 


めぐこと「「?」」 


まつり「みんな帰りましょう」 


恵美「……だね」 


琴葉『今度、集まりましょ』 


――――――――――――――――――

935: SSまとめマン 2015/04/18(土) 21:58:30.68 ID:IFNECjMT0


奈緒の家 



奈緒「そんなこんなで帰ってきたけどな」 


まつり「はい」 


奈緒「なんでおんねん」 


まつり「姫の家は遠いのです」 


奈緒「…………ま、ええけどな」 


まつり「かなり良いマンションなのです!」 


劇場まで歩いて10分。4LDKのオートロック付き、風呂トイレエアコン完備、日当たり良好の五階建てのマンションの最上階。 


アル〇〇クとセコ〇にも守られた、当に至れり尽くせりの家だ。 


奈緒「それはそうと、手ー洗ってきー」 


まつり「ほ? まつりも作るのですか?」 


奈緒「当たり前や!『たこ焼パーティー』でなんで一人だけ焼かなあかんねん!」 


まつり「それもそうなのですね」 







ジュー 


奈緒「はい、棒」 


まつり「こ、これでひっくり返すのですね…」 


まつりが半面だけが焼かれたたこ焼の端に竹串を突っ込み、ひっくり返そうとすると、たこ焼はひっくり返らずに中身だけが『グシュリ』となる。 


奈緒「ちゃうちゃう、こーな、端の方にクッと入れて、シュッとして回せば…ほら」 


奈緒が回したたこ焼は見事にひっくり返った。 


奈緒「な、簡単やろ?」 


まつり「むむむ…」 



936: SSまとめマン 2015/04/18(土) 21:59:33.79 ID:IFNECjMT0


奈緒「はっはっは!まつりにも出来へん事が…」 


まつり「『フェスタ・イルミネーション』!」 


まつりが『鉄板』から『たこ焼』を離すと、たこ焼は宙に浮かんで『ひっくり返った』。 


奈緒「な…まつり!?」 


まつり「まつりに出来ないことは…無いのです」 


更に『たこ焼』は勢いよく鉄板の穴に落下した。 


まつり「竹串が無くても…………」 


奈緒「…………」 


ゴゴゴゴ 


まつり「怒って…ます?」 


奈緒「そらそうやろ」 


奈緒「ひっくり返されへんかったら、この先生きていかれへんで!」 


まつり「…はい?」 


奈緒「特訓じゃぁぁぁぁああああ!」 


まつり(余計な意地を張らなければよかったのです…ほほほのほ…) 




・・・・・・・・・・・・・・・ 


・・・・・・・・・・・・ 


・・・・・・・・・ 


・・・・・・ 


・・・ 


夜 




病院 






ロコ「え?プロデューサーは居ない?」 



937: SSまとめマン 2015/04/18(土) 22:00:52.86 ID:IFNECjMT0


受付の人「はい、そのような人は来ておりません」 


ロコ(わざわざチェイスしたのに…) 


静香「…………」 


ロコ「そんな…」 


受付の人「…何か、あったのですか?」 


ドドド 


ロコ「え、えーっと…ロコ達は…」 


静香「…プロデューサーが階段から落ちたんです、病院に行くと言っていたので、心配で訪ねました」 


ロコ「そ、そうです! ロコ達はプロデューサーがホスピタルにゴーイングすると聞いたんです!」 


受付の人「はぁ…」 


静香「…ハズレね、行きましょ」 


ロコ「で、では、ロコ達はこれで…」 


受付の人「………………」 


スタスタ… 


受付の人「………………」 


ドドドド 


受付の人「行ったわよ、莉緒」 


莉緒「フゥー…ありがとね、匿ってくれて」 


茜「ありがとうございます」ペコリ 


受付の人「…莉緒、何やってんのか知らないけどさぁ…私が友人でよかったね」 


莉緒「助かっちゃった、今度何か奢るわよ」 


エレナ「リオの友達が居て、助かったネ」 


受付の人(…手の込んだドッキリね、種明かしが楽しみ~!) 


茜(残念ッ…これはドッキリじゃありません! 現実…圧倒的現実ッ!) 







938: SSまとめマン 2015/04/18(土) 22:01:47.12 ID:IFNECjMT0


病院の外 






ロコ「シズカ…クルーがもうナッシングですよ…今日はもうカムバックしましょう」 


静香「そうね、別に焦らなくても…」 


ターノーシーイーヲ♪ 


ロコ「あ、ロコの携帯です」 


ピッ 


ロコ「もしもし?」 


千鶴『私ですわ、コロちゃん』 


ロコ「ロコはロコです!」 


千鶴『あらそう、今から大事なことを言いたいのだけれど』 


ロコ「…次はロコ怒りますよ」 


千鶴『はいはいコロちゃんコロコロ』 


ロコ「ですから!」 


千鶴『今、風花と一緒にエレナの家にいますの』 



939: SSまとめマン 2015/04/18(土) 22:03:27.03 ID:IFNECjMT0


ロコ「…?」 


千鶴『待ち伏せですわ』 


ロコ「ああ! アンダスタンドしました!それで、ロコに何をリクエストするんですか?」 


千鶴『茜と莉緒はプロデューサーの見張りをしてると思いますわ、しかも誰にも言わずに』 


ロコ「えっ、どうしてですか?」 


千鶴『大方、士気を下げないためでしょう…しかし!』 


千鶴『『志保』は別ですわ。プロデューサーがやられたと聞いたら手段を選ばず、私たちを奇襲するでしょう』 


ロコ「ええっ!?」 


千鶴『そこで、逆に志保を『再起不能』させてくださいな』 


ロコ「ロコアローンではなんとも…」 


静香「私がいるでしょう?」 


ロコ「そうでした!」 


千鶴『大丈夫ですの?』 


ロコ「ノープログラムです!シズカに任せます!」 


千鶴『…一人で戦わない方がいいですわよ?』 



940: SSまとめマン 2015/04/18(土) 22:04:23.08 ID:IFNECjMT0


静香「代わって」 


ロコ「はい」スッ 


静香「大丈夫ですよ、千鶴さん」 


静香「『プレシャス・グレイン』なら、志保くらい一捻りしてやりますよ」 


千鶴『…慢心してはいけませんわ、仮にも何人ものスタンド使いを倒してきた猛者、くれぐれも慎重に…』 


静香「……うるさい」ボソ 


千鶴『…え?』 


静香「いえ、何でもないです」 


千鶴『…兎に角、意図したスタンド攻撃は効きませんわ、注意しなさい』 


静香「はい、では…また」 


ツーツーッー 


ロコ(どうにもトラブルのスメルが…) 


静香「今から志保の所に行ってくるから…ロコさん」 


ロコ「はい?」 


静香「ちょっと頼んでもいいですか?」 


ロコ「ああ、じゃあロコもフォローしますよ」 








千鶴「う、うるさいって言われましたわ…」ガーン 


風花「ま、まあまあ…年頃だから…」 


風花「それより、ほら、今から来るエレナちゃんを…」 


千鶴「…確実に、倒しましょうか」 


風花「『危険』は取り除かないといけませんからね」 







To be continued… 


945: SSまとめマン 2015/04/29(水) 23:15:40.25 ID:iSwJA6Lz0



夜 



病院 



プロデューサーが運び込まれた病院の上層階、その個室に莉緒と茜とプロデューサーがいた。 


エレナは既に病院を後にしてしまった為、二人でプロデューサーの『護衛』をしている。 


本来ならば『護衛』なんてプロデューサーには必要ない、しかし、プロデューサーは怪我が治っても意識を取り戻さなかった。 


医者曰く『脳の働きは正常、しばらくすれば目が覚める、多分』と。 


だが、ベットの側の椅子に座る茜はそうは思わなかった。 


茜「プロちゃんは…」 


莉緒「?」 


茜「…プロちゃんが目を覚まさないのは、『負けた』から…?」 


莉緒「…………」 


茜「『絶対の自信』が崩れ去ったから…目を覚まそうと思わない…」 



947: SSまとめマン 2015/04/29(水) 23:16:50.65 ID:iSwJA6Lz0


三人の息づかいしか聞こえなかった病室に、茜の声が響く。 


そしてそれから無言の時間が数分続くと、莉緒が重い口を開いた。 


莉緒「プロデューサー君は、目を覚ますわ…多分…」 


茜「…………」 


莉緒「根拠は無いけど、今にも飛び起きるんじゃないかって…思っちゃうわね…」 


茜「茜ちゃんも、そう思うよ」 


P「…………」 


ドドド 


茜「プロちゃんはきっと目を覚ます、だから、茜ちゃん達が…ここを死守しなきゃならない」 


莉緒「…そうよ、プロデューサー君は傷ひとつ付かなかった『黒幕』に傷を付けたのよ…ただの掠り傷だけど、それは『希望』よ」 


茜「『黒幕』の能力の秘密を…『無敵』の種を、明かさなきゃならない…!」 



948: SSまとめマン 2015/04/29(水) 23:19:02.53 ID:iSwJA6Lz0


ドドドド 


莉緒「気付いている筈よ! プロデューサー君は倒される直前に『何か』をしていた!」 


茜「その『何か』に気づかないと、本当に765プロが危ない!」 


P「…………」 


莉緒「お願いよ…目を覚まして…」 


茜「…茜ちゃん達の『希望』はプロちゃんだけなんだから…」 


二人はそのまま顔を伏せ、何も言わずにジッとしていた。 


襲撃に備えて常に気を配り続けようと、精神的な負担から吐きそうになろうと、眠気が限界に達しようと、二人はプロデューサーの側で起き続ける。 


茜「プロちゃん…」 


莉緒「お願い…」 


P「…………」 


しかし、眠気が限界を越えると二人はうつらうつらとし始め、朝日が登る前に二人は眠ってしまっていた。 


茜「zzz…zzz…」 


莉緒「んんっ…んっ…」 


P「…………」

949: SSまとめマン 2015/04/29(水) 23:20:09.79 ID:iSwJA6Lz0


ドドドド 


P「…………」 







ドォ――――z____ン!! 








茜「ハッ!茜ちゃんとしたことが眠ってしまっていた!」キョロキョロ 


時計は4:00を示していた。 


P「…………」 


莉緒「zzz…zzz…」 


茜「はぁ…まだ目を覚まさない…」 


茜(莉緒さん起こしてジュース買いに行こっかな~…)チラ 


莉緒「むむぅん…」 


P「…………」 


茜「ん?」 


P「…………」 


ドドドド 


茜「んんん~?」 


茜「もしかして……………………いやいや、そんなわけ無いよねー!」 


茜「有り得ないって!」 


950: SSまとめマン 2015/04/29(水) 23:21:19.55 ID:iSwJA6Lz0




志保の家 




志保「…………」 


志保「おかしいわ…プロデューサーに連絡がつかない…」 


ドドド 


志保「送ったメールも、電話も帰ってこない…」 


志保「…………まぁ、そんな日もあるわよね」 


志保「あっ、お風呂沸かさないと…」 


・・・・・・・・・ 

・・・・・・ 

・・・ 



951: SSまとめマン 2015/04/29(水) 23:22:27.21 ID:iSwJA6Lz0


志保「お風呂沸いたから、入っちゃいなさい」 


「はーい」 


トトト 


志保「…………」 


志保「ふぅ…やっと一段落着いたわ…」 


弟の世話を終えた志保は、自分の部屋に戻った。 


扉を開けて中にはいると、カーテンがバサバサと揺れ、風が吹き込んでいた。 


チラリと見えたカーテンの奥には、閉まっているはずの窓は無かった。 


ドドド 


志保「窓が…開いてる!?」 


志保は慌てて部屋を見回し、目立った異常が無いことを確認すると、慎重に窓に近付いて行った。 


志保「窓は割れてない…? 破片もない…それどころか、『窓枠』自体が存在しないッ!」 


ドドドド 


志保「スタンド攻撃ッ! 音もなくやって来たわね!」 



952: SSまとめマン 2015/04/29(水) 23:23:48.70 ID:iSwJA6Lz0


志保「『ライアールージュ』!」 


スッ… 


志保の存在は完全に隠匿される。 


志保「敵スタンドは既にこの部屋にいる…? いえ、狙いが分からない…一体…」 


ササ 


志保「!」バッ 


何かの音に振り返った志保は、机の上にメモを見つける。 


志保「紙…さっきまでは無かった…何故突然…」スッ 


ドドドド 


志保「…『戦いましょう』ですって?」 


志保は机の上に現れた紙を手に取る。 


志保「『ライアールージュ』を相手に、随分余裕ね」クシャ 


志保は紙を握り潰し、ゴミ箱に投げ入れようとした。 


志保「…『ゴミ箱』が無い?」 



953: SSまとめマン 2015/04/29(水) 23:25:11.85 ID:iSwJA6Lz0


ゴゴゴ 


志保「よく見れば部屋が寂しいわ…『何か』が消えてる? まるで『ライアールージュ』のように…何処かへ…」 


志保の部屋のいくつかの物は、いつの間にか消えていた。 


ゴゴゴゴ 


志保「思ったより不味い相手ね…『存在しない私』を相手に立ち回っている…」 


その時、一際強い風が部屋の中に吹く。 


志保「あぐッ! 何かが目にッ…!」 


目を擦り、異物を取り除いた指には小さなつぶが付いていた。 


志保「これは…『砂』よッ! 敵は砂のスタンド使いッ!」 


静香「馬鹿ね、気を取られるなんて」 


志保「!!」 


窓のあった場所の向こう側、小さなベランダに静香は居た。 


静香「風が吹いて『ライアールージュ』は既に『解除』されている…そして、志保の部屋は『砂漠』になっているのよッ!」 


志保が目に入った『砂』を全て取り除くと、何もない、『砂』が地面に敷き詰められた部屋が視界に入る。 


志保「し、しまった!『ライアー…」 


静香「遅いッ! 既に私の術中よ!」 


ブシャァァアアア! 


志保「うっ…あ、足が! 足の裏が!」 



954: SSまとめマン 2015/04/29(水) 23:30:01.73 ID:iSwJA6Lz0


静香「今、『砂』の一部を『カーペット』に変えたのよ。あなたの部屋にあった『カーペット』にね…フフフ…」 


地面の『砂』の一部が、元々そこにあった志保の足の裏を『押し退け』てカーペットになった。 


志保「ッ…射程距離外へ…!」クルッ 


静香「忘れたのかしら、弟がそこの扉の向こうにいるのよ?」 


志保「ッ!!」 


静香「機動力を削いだわ…ジワジワと嬲り殺してやるッ!」 


志保「『ライアールージュ』!」 


スッ 


志保は自分の存在を消す。 


静香「馬鹿ね! この部屋には『風』が吹いているのよ、あなたの弱点は速く動けない事ッ!隠れられても一瞬だけ!」 


志保「一瞬あれば十分よッ!」 


ほんの一瞬だけ姿を消した志保は、無理矢理静香の方に前進しながら『何か』を投げる。 


静香「ッ!」 


咄嗟にガードした静香のスタンドの腕に当たった物体は丸められた紙屑、そして志保は静香の注意が逸れた一瞬に姿を消した。 


静香「…………消えた、こんな紙切れ一枚にやられるなんて…」 


志保「経験の差よ…………この声も聞こえないのだろうけど」 



955: SSまとめマン 2015/04/29(水) 23:31:11.31 ID:iSwJA6Lz0


『砂』だけになった部屋に隠れる場所はない、しかし、風を凌ぐだけならば問題はない。 


風の出入口の真横に居ればいいのだ。 


志保「問題はここからよ。接近して殴るの事は出来る、でもここから飛び出して殴りかかるにはリスクがあるわ」 


ゴゴゴ 


志保「得体の知れない『砂』の能力…恐らく『窓』も『砂』に変えられているわ」 


志保「中から外に行くには『窓』を経由しなくちゃあならない、きっと『窓』は『カーペット』の様に私を切断するに違いないわ…」 


志保「静香は中に入ってくるほど馬鹿じゃあ無いはずよ、様子を見ない事には私は動けない…」 


静香(…風を防いだ、つまり…) 


静香「『そこ』にいるのね」 


志保「!!」 


志保(気付いてる…静香の能力は分からないけど『仕掛けて』くるッ!) 


静香「気付いてるでしょうね、でももう遅いわ! 攻撃は完了しているッ!」 


志保(何ですって!?) 


志保が髪の毛を抑えながら外を伺うと、静香がベランダから飛び降りていた。 


志保「飛び降りた…何故? 攻撃のチャンスをみすみす逃すなんて…!!」バッ 


サァァ… 


部屋の奥の『砂』が消え去る代わりに、壁にあったポスターや机が出現し、志保の部屋は元々の姿に変化していく。 


その『変化』は部屋の奥から窓側へと迫り、志保の近くにも変化の兆候が現れ始めていた。 


志保「机が、本が、ベットが、出現する!」 


志保「脱出しなくてはッ!」 



956: SSまとめマン 2015/04/29(水) 23:32:29.50 ID:iSwJA6Lz0


志保が地面を蹴って部屋の外に逃げ出そうとする時には、窓はあるべき場所にあった。 


志保「あ…」 


つまり、この部屋は既に静香の『射程距離外』であり、志保への攻撃は既に完了していた。 


ブシュ 


グジャァア! 


志保の全身を何かが押し退ける。 


ベットの脚は志保の背中をギリギリで削り、ベットから溢れ出ている綿は足と腕の肉を少し抉った。 


志保「や、ヤバかったわ…ハァハァ…逃げるのが遅れてたら体が弾け飛んでいたわ…」 


志保の居た『風を避けられる場所』には本来無い筈のベットが出現し、反対側には志保の絵本が積み上げられていた。 


『砂』の無くなった部屋を、元に戻った自分の部屋を見て志保は青筋を立てる。 


志保「よくも滅茶苦茶してくれたわね…!」 


志保は窓を開けてベランダから外の様子を伺う。 



957: SSまとめマン 2015/04/29(水) 23:33:41.52 ID:iSwJA6Lz0


静香「あら、生きてたのね」 


志保「静香ッ!!」 


歩道から見上げる静香を思いっきり睨む志保。 


怒りは既に頂点に達していた。 


しかし、すぐに飛び掛かるような事はなく、冷静に様子を伺っていた。 


静香「付いて来なさいよ、バラバラに引き裂いてやるわ」 


ゴゴゴ 


志保「…………」 


志保はその場を動かない。 


静香「…ふぅん…来たくないのね」 


志保「…………」 


静香「怪我してまともに戦えないのね、可哀想に」 


ドドドド 


志保「…試してみる?」 


静香「…いいわ、一度あなたをこの手でぶちのめしてみたかったの」 


ドドドドド 


志保「ふっ!」ドシュ 


静香「はっ!」バッ 


二人は地を蹴って飛び上がり、空中で拳を交わす。 



958: SSまとめマン 2015/04/29(水) 23:35:11.41 ID:iSwJA6Lz0


志保『無駄ァ!』 


静香『オラァ!』 


ガシィィン! 


付き合わせた拳は二人のど真ん中から動かず、腕を痺れさせただけであった。 


静香「パワーは互角…なら!」ビリビリ 

   ラッシュ 
志保「突きの速さ比べか!」ビリビリ 


二人は着地した後、飛び上がって再びスタンドを交える。 


志保『無駄無駄無駄無駄!』 


静香『オラオラオラオラ!』 


ドゴドゴドゴドゴ!! 


速さも互角、しかし、軍配は静香の方に上がった。 


ブシュッ 


志保「あぐっ…」 


志保の腕から血が吹き出す。その血は先程の怪我が広がって出てきたものだ。 


静香「さっきの傷口が開いたわねぇ~…?」 


志保「…ッ!」 


静香「それなら断然私の方が有利! スピードも同じならば!」 


ドシュツ! 


静香はスタンドを構え、志保にラッシュを叩き込む! 


静香『オラオラオラオラ!』 


ガンガンガンガン! 


志保「ぐえっ…ッがァ!」 



959: SSまとめマン 2015/04/29(水) 23:36:20.03 ID:iSwJA6Lz0


静香「所詮、この程度ね」 


志保「ッ!」 


静香『オラァ!』 


志保『無駄ァ!』 


ゲシィ! 


静香の放った拳を蹴りで薙ぐ。 


静香「チッ…頭を使ったわね…」 


志保「あなたは自分が『この程度』だと思う相手に苦戦してるのよ!」 


静香「なッ!?」 


ドッ! 


静香は近くの建物に掴まり、そのまま何処かへと跳んでいく。 


志保「待ちなさい!」 


志保が後を追うと、静香は小さな公園の中央に居た。 


志保は公園には入らず、スタンドで近くの電柱に掴まる。 



960: SSまとめマン 2015/04/29(水) 23:37:35.72 ID:iSwJA6Lz0


静香「…………侮っていたのは確かよ、正直、スタンドの性能も勝っていると思っていたわ」 


志保「…………それで?」 


ゴゴゴゴ 


静香「慎重に戦えと、千鶴さんに言われたわ…志保の事を猛者とも言っていたわね」 


静香「もう油断も慢心もしないわ、持てる力を全て出し切る…志保、あなたの言葉が私に気付かせた」 


静香「知らず知らずの内に、あなたは自分を追い詰めて――――ッ!?」ガクッ 


静香は突如として地面にベッタリと体を付ける。 


静香「『落ちて』いる…地面の上で『落ちて』いる!?」 


志保「…『ライアールージュ』…あなたが本気になるのなら、私も容赦しないわ」 


志保「不意打ちだろうが何だろうが、お互い様よ」 


志保「…麗花さんが治してくれるから、骨の五・六本は覚悟しなさい」 


静香「まずい…まずい!すぐ側に志保はいるッ!」 


志保「風はない…今が絶好のチャンス!」 


静香「防御しないと――――」 


志保『無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!!』 


志保が能力を解除すると共に殴りかかると、静香は目を大きく開いて驚く。 


静香「!」 


志保「あなたはここで終わりよ!」 


静香「策に嵌まったのはそっちよ!」 


ゴシュッ! 



961: SSまとめマン 2015/04/29(水) 23:38:55.18 ID:iSwJA6Lz0


志保「がッ…!」 


志保は手を止め、喉を抑えようとする。 


静香「運がいいわね、頸動脈まであと数ミリってとこかしら?」 


ドドドド 


志保の喉にはボールペンが突き刺さっていた。 


延髄を傷つけることは無かったが、無視できるような傷ではない。 


志保「ぐっ…がッ…!」 


静香「追い詰めたつもりが、逆に追い詰められていたのよ!」 


静香は立ち上がり、喉を抑えて背中を丸める志保を見下ろす。 


ドドドド 


静香「既に『罠』は設置してあったの。たとえ能力を解除されようとも、不意打ちを受けようと、貴方を貫く『罠』を…」 


志保「ま…ずい…呼吸が…上手く出来ないッ!」 


静香「さぁ、チェックメイトよ!『プレシャス・グレイン』!」 


ドォ――――――z______ン!! 











To be continued… 


966: SSまとめマン 2015/05/07(木) 00:48:19.74 ID:yOOg9p9f0

本体・人間・最上静香 
スタンド『プレシャスグレイン』 

近距離型・人型 

破壊力B  スピードC  射程距離D(5m) 

精密動作性A  持続性B  成長性E 

能力射程D(5m) 


能力??? 



本体・人間・北沢志保 
スタンド『ライアールージュ』 
無駄無駄 


近距離パワー型・人間型 

破壊力B スピードC 射程距離E(2メートル) 

精密動作性A  持続性B  成長性D 

能力射程E(タッチ・自己) 


能力『存在感を消す能力』 



一人で我が道を行こうとする志保の精神、本心を隠して、悟られないようにするある種の覚悟が具現化したスタンド。 

志保は能力発動中に素早く動くと、能力が解除されてしまう。 

無意識に潜み、存在感を消す。 

『消えた』と気づくのにはラグがある為しばらく茫然とする。 

志保に攻撃する場合、無意識的に志保への攻撃は中断され、全く別の方向へと攻撃してしまう。 

しかし、意図しない攻撃や遠隔自動操縦型スタンドの攻撃、避けようがない範囲攻撃などは当たってしまう。 

ただし、遠隔自動操縦型スタンドの攻撃は、能力を発動する瞬間に志保が能力を使っていれば成立しない。 

存在しない者に何をされようと気付くことは出来ない。 

疑問に思うことは、何故志保のスタンドがこんなにも精密動作性高いのか、何やってんだおらぁ… 
(o・∇・o)

968: SSまとめマン 2015/05/13(水) 22:47:01.62 ID:vgzCI6Cc0





静香「『プレシャス・グレイン』!」 


静香の出したスタンドは志保の背中を叩き折ろうと、手を伸ばす。 


志保「危機は…」 


静香「オラァァァア!」 


志保「最大のチャンスッ!」ギン 


志保は最後の力を振り絞って『プレシャス・グレイン』の腕を『ライアールージュ』で掴む。 


ガシ 


静香「ッ…離しなさい!」 


静香は『ライアールージュ』を振り払おうとするが、抵抗することはおろかスタンドを動かすことさえ出来なかった。 


静香「…え?」 


ドドドド 


志保「『プレシャス・グレイン』の存在感を消したわ…たったの一瞬だけれどね」 



969: SSまとめマン 2015/05/13(水) 22:48:13.81 ID:vgzCI6Cc0


静香は抵抗する術を、対抗する術を完全に失った。 


静香「やめっ」 


志保『無駄ァ!』 


ドゴォ! 


静香「がふっ…!」 


殴られて、地面に叩き付けられた静香のマウントポジションを志保がとる。 


静香の手足を抑えて、身動きを取れないようにする。 


志保「私の、勝ちよ!」 


静香「あ、ああ…!」 


スタンドはスタンドでしか倒せない。 


静香はもう為す術もなく、一方的にやられるのだ。 


ドドドド 


静香「や…」 


志保『無駄ッ!』 


ブン! 


静香「ぶげぇ!」 


志保「無…」 


静香「ま、まって頂戴…私の負けよ、負けを認めるから!」 


静香(冗談じゃない! このままなぶり殺しにされてたまるもんですか!) 


静香「だから…!!」 


志保「それで?」 


志保は拳を握る。 



970: SSまとめマン 2015/05/13(水) 22:49:47.75 ID:vgzCI6Cc0


静香「待って…待って! タンマよ!」 


志保「あなたの都合なんて知るもんですか」 


??「シホ、今はタイムの時間です」 


カチャ 


志保の頭に銃口が突きつけられる。 


志保「…!」 


ロコ「アシストしますよ、シズカ!」 


静香「…悔しいけど、助かったわ」 


志保が反撃のために振り返ろうとすると、ロコは銃口をグイグイ押し付ける。 


ロコ「動くとヘッドショットがエクスプロージョンしますよ」 


志保「…………」 


静香「退きなさい!」 


ドゴッ 


志保「うッ!」 


志保は静香に押し飛ばされ、砂の上をゴロゴロと転がる。 


静香「はぁ~…まったく、プロデューサー達は逃すし、ピンチにはなるし、今日は厄日ね」 


ロコ「ノープロブレムです!残りのスタンド使いがプロデューサーを必ずマーダーするでしょう!」 


志保「…プロデューサーを倒そうとしてるの?」 


志保の言い方は、『私は神だ!』と主張するアホを馬鹿にするような言い方だった。 



971: SSまとめマン 2015/05/13(水) 22:50:51.09 ID:vgzCI6Cc0


静香「教えてあげるけど…プロデューサーはやられたのよ?」 


志保「馬鹿を言わないで」 


ロコ「ロコが動きを止めて、静香がカットしました」 


静香「そう言うこと」 


ドドド 


志保「…あなた達の貧弱なスタンドで、プロデューサーが倒せる訳無いでしょう?」 


静香「そうね、『私達の』スタンドならね」 


志保「まさか!」 


ロコ「そうです!シホ達の言う『マスターマインド』がプロデューサーをビートしたんです!」 


志保「『黒幕』が出てくるなんて…でも、プロデューサーが負けるはず無いわッ!」 


静香「私達の話聞いてた? 私がプロデューサーの体と腕をぶった切ったのよ!」 


志保「有り得ないッ!!」 


静香「有り得るッ!!」 


志保「ッ…」 


静香「それからエレナさん達に連れられて、無様に逃げおおせたのよ!」 


志保「…………」 


ロコ「し、シズカ…その辺にしといた方が…」 


静香「所詮はその程度なのよ! あなたもプロデューサーも!」 


志保「静香ッ!」 



972: SSまとめマン 2015/05/13(水) 22:52:17.69 ID:vgzCI6Cc0


志保は飛び上がって、二人に肉薄する。 


静香「上等ッ!」 


ロコ「…シズカ、アシストします!」 


静香はスタンドを出して志保の前に飛び出し、ロコは拳銃を構えて距離をとる。 


志保「邪魔よッ!」 


静香「ロコから倒す気ね、そうはいかないッ!」 


全く同じタイプのスタンドがぶつかりあったのなら、結果はただ一つ! 


精神の強い方が勝つ! 


静香『オラオラ!』 


志保『無駄ァ!』 


ガスッ 


静香が志保の拳に一瞬打ち勝ち、腕に小さくヒビを入れる。 


志保「ッ…!」 


静香「ほらほらッ! 動きが遅いわよ!」 


志保『無駄!』 


静香『オラ!』 


グイーン 


今度はお互いに右拳をボディに突きだし、出された手を左手で受け止める。 


しかし、志保は攻撃を受け止められる前に拳を少し開いた。 


パッ 


サァァ… 


静香「あ゙あ゙ッ…目が!」 


志保「砂の目潰しよッ!」 



973: SSまとめマン 2015/05/13(水) 22:53:45.25 ID:vgzCI6Cc0


静香が目の痛みに気を取られている間に、志保はここぞとばかりにラッシュをぶちこむ。 


志保『無駄無駄無駄…』 


ロコ「させませんッ!」 


志保がきっちり三発ぶち込んだ所で、ロコが援護射撃を行う。 


ドンドンドンッ 


志保「スタンドにそんなものは効かないわよッ!」 


ロコ「イグザクトリーですね、これがもし…『ユージャルな拳銃』だったのなら」 


志保「!!」 


志保『無駄無駄!』 


ロコ「急にガードしてもユーズレスですよ!」 


志保が弾丸を防御すると、弾から眩い光が放たれて目に強い刺激を与える。 


志保「ぐあっ…!」 


志保(ブラフ! あれはただの拳銃!) 


静香「さっきはやってくれたわねぇぇえええ! きっちり三発返してやるわ!」 


志保「防げ!『ライアールージュ』!」 


ドンドンドン!! 


志保「くっ…」 


ゴロゴロ 


ある程度視力の回復した静香と、今まさに目を潰されたばかりの志保とでは雲泥の差があった。 


静香はガードの隙間を攻撃し、志保は再び地面に転がる。 



974: SSまとめマン 2015/05/13(水) 22:55:42.42 ID:vgzCI6Cc0


静香「あなたには地面がお似合いよ!」 


志保「お陰で足元を救いやすくなったわッ!」 


志保「『ライアールージュ』!!」 


ドォォォ――――――――ン!! 


静香「…姿を眩ましたわね」 


ドドド 


志保(…………相手は二人、こっちは一人…しかも怪我をしてるし、出血も馬鹿に出来ない…) 


志保(ここは大人しく引きましょう…視力の完全な回復を待ってから…) 


ブォッ 


公園内に風が吹き、砂を巻き上げて髪の毛を揺らす。 


志保「!」パッ 


静香「出たわね」ニィ 


ロコ「今日は風がよくブロウイングしますからね」 


志保「まずい!」 


静香「お返しよッ!」 


ガッ 


志保「!?」 


静香は砂を蹴りあげて志保の顔に浴びせかけ、思わずのけ反った志保にロコが弾丸を放つ。 


ロコ「そのビューティフルな顔をバーストしてやります!」 


ドンドン! 


志保「ッ!」 


ロコの放った弾丸は志保の頬と右肩をかする。 


静香「もっとよく狙いなさいよ!」 


ロコ「え、えっと…ロコのスタンドはバトル向きじゃないんです! 頑張って下さい!」ピュー 


ロコは拳銃をしまって、二人から離れた所に座り込む。 


静香「まったく…」 


志保(サポート系のスタンド…?『銃』がスタンドでは無いって事…?) 


志保(何にせよ、注意していないと…) 


975: SSまとめマン 2015/05/13(水) 22:57:19.73 ID:vgzCI6Cc0


志保は転がりながら静香と距離をとり、立ち上がる。 


中々攻勢に出れない志保にとっては、静香の仕掛けていたであろう罠が全て解除された今が絶好のチャンス。 


不安要素のロコも物理的に離れていき、この瞬間が正に攻め時、勝利を掴むまたとない機会なのだ。 


ドドドド 


静香「…………」 


志保「…………」 


静香「…もしかして、一対一なら勝てると思ってる?」 


志保「もうあなたの攻撃は見切ったわ」 


静香「ロコのスタンド能力は見破れてないのね」 


志保「自分の心配をした方がいいわよ」 


静香「…お喋りで時間を稼いで、視力を回復しようとしてるわね?」スッ 


志保「…………」 


黙る志保の前で、静香は右手を上げる。 


静香「目を開けているけど、見えていないのね? 私の挙動を見ようともしない…もちろん、完全な回復を待つわけないでしょうッ!」 


ダッ 


静香は志保の右側から回り込む様にして接近する。 


志保「来なさいッ!」 


志保(静香の来る方向が…分からないッ!) 


志保『無駄無駄無駄無駄!!』 


ブンブン 


静香「…………」 


志保(風が止まない…これじゃあ能力を発動できないッ) 



976: SSまとめマン 2015/05/13(水) 22:58:27.10 ID:vgzCI6Cc0


志保「ど、どうしたのよ…早く掛かって来なさいよ…」 


静香『…人間の腕は真後ろを攻撃できない…』 


志保(スタンドで話し掛けて来てる…これじゃあ方向が分からない…静香の場所を特定しないと袋叩きにあうわ) 


ドドドド 


静香『なら、攻撃は真後ろから?』 


ジャリ 


志保(今、後ろから砂を踏む音が聞こえた…なら静香は後ろに? いえ、そんなに単純に仕掛けては…) 


静香「後ろッ!」ブン 


志保「!!」 


ドゴォ! 


志保「がはっ!」 


ドサァァ 


志保は後ろから静香に殴られ、砂の上を転がる。 


志保「はぁ…はぁ…」 


志保(次をくらえば…意識はぶっ飛ぶかもしれない…今が正念場ね) 


ゴゴゴ 


志保「はぁ…………」 


静香「…………」 


ジャリ… 


志保(今度は真横から!? 一体…どうしろって…!!) 


志保(…今の音は少し『遠かった』気がするわ…静香のスタンドの『射程外』から聞こえた) 


志保(静香だって歩くときの音くらいは気付いてるはず…それを逆手にとるか、そのまま来るか…) 


ゴゴゴ 



977: SSまとめマン 2015/05/13(水) 23:00:40.14 ID:vgzCI6Cc0


静香『ほーぅら志保、早く目を開けないと大変なことになるわよ?』 


志保「ッ」 


志保は地面の砂や土を掴んで回りに向かって投げ、砂埃を作る。 


静香(考えたわね。今は夜で視界も悪い、隠れるには最適な状況を作り出した…でも) 

         アンド 
静香『アホアホアホ&アホォ~! 今は風が吹いてるのよ? 目隠しにも時間稼ぎにもならないッての!』 


志保「ッ!」 


静香(それに、志保は目隠しなんかで誤魔化せるような所に私が居ると思ってるみたいね) 


静香(何をしても志保の『再起不能』は確定! 私は既に志保の『真上』にいるッ!) 


静香『オラァァァァァ!』 


志保「…………」ブン 


ピシピシッ 


殴りかかろうとする静香に小さな土の塊が当たる。 


静香(フン、鬱陶しい小細工ね。こんなものでまだ…!?) 


静香「ま、まさか!」 


志保「今頃気付いたの? これは目隠しなんかじゃあないわ、『音』であなたを探り当てたの」 


志保「土がぶつかる僅かな『音』で」 


静香「それが今さら分かったところでッ…」 


志保「…『2メートル』は私の射程距離よ」 


静香も、静香の『プレシャス・グレイン』も『ライアールージュ』の射程距離に入っていた。 


志保「方向は…『真上』!」 


静香『ッオラ…』 


志保『無駄無駄無駄無駄!!』 


ドクボゴォ 


静香「ぐげぇーッ!」 


再び飛び上がった静香は鮮やかな放物線を描いて落下、見事に気絶した。 


静香「う、うそ…ヨ…」ガク 



978: SSまとめマン 2015/05/13(水) 23:01:49.37 ID:vgzCI6Cc0


志保「…さて、最後はあなた一人ですよ…ロコさん」 


ドドド 


ロコ「えー、間に合いませんでしたか…」 


ロコは志保に背を向けたまま座り込んで、熱心に『何か』をしていた。 


志保(静香の中身の『マスターピース』を早くぶっとばしたいのだけれど、それより早くロコさんのスタンド能力をある程度見極めておかないと…) 


ロコ「ちょっと、待ってて、くださいね…」 


ドドドド 


志保「…こっちを向いたらどうですか?」 


志保(何をしてくるか分からない…距離を取って不意打ちを避けましょう) 


ロコ「はーい、はい…すぐに向きますよ…」 


志保「このまま後ろからドカンとやっても、いいんですよ?」 


ロコ「んー…はい、そうですね」 


志保の問い掛けを受け流して軽い返事で済ますロコ。 


志保「こっちを向けって、言って――」 


ロコ「出来ました!」 


志保「ッ!」ビク 


ドドドド 


ロコ「これが…」 


志保「……ッ!」ゴク 


ロコ「ロコの『アート』です」 



979: SSまとめマン 2015/05/13(水) 23:02:59.23 ID:vgzCI6Cc0


志保「それは…『穴』?」 


ロコがその場を立つと、足元にぽっかりと『穴』が空いていた。 


志保「何も見えない…一体何処まで…」 


ロコ「どのくらいのデプスかは知りません、が」 


ロコ「人一人は…」 


ゴゴゴゴ 


志保「…………っ」タラ 


ロコ「入れます!」 


バッ! 


ロコが『穴』に手を突っ込んで、『取り出し』た。 


志保「!!」 


ロコ「ふっふっふ」ニヤリ 


志保「あ、あなたは…お前はッ!! 何て事をッ!」 


ロコは『志保の弟』を『取り出し』た。 


ロコ「ノイズキャンセルの為に、目隠しと猿轡をしてますけど…ね?」 


「…………」 


弟に抵抗する素振りは見えず、意識を失っている事が分かる。 



980: SSまとめマン 2015/05/13(水) 23:04:43.86 ID:vgzCI6Cc0


志保「このおおおおおおおお!!」 


ロコ「ウィークなビッグシスターを持つと、苦労しますねェ~」 


志保「何をするつもりッ!?」 


ロコ「ワッツ?って、人質ですよ? ほら」 


ロコはポケットから銃を取り出して弟の頭に突き付ける。 


しかし、ただの銃ではない。 


引き金は一つだが銃口が『二つ』、志保とその弟に向いている。 


ロコ「動けばボス、オアワンです」 


志保「う、あ…」 


ロコ「手を頭の後ろでホールドさせて、膝をついて下さい!」 


志保は従うしかなかった。 


志保(距離は…『不意打ちを回避できる』程度に、体力は僅か…) 


志保「なに、が…何が、条件なの…?」 


ロコ「じょうけ…えーと、コンディションはナッシングです」 


ロコ「あえて言うなら、死んでください」 


志保「…………」 


ドドドド 


志保(もし…もしも私が死んだあと、弟が生きてる保証はない…むしろ殺される方の確率が高い) 


志保(かといって、飛び出せば弟は…………) 


志保「はぁ…はぁ…っ…」 


ロコ「万全を期しましょう」 


ロコ「シホ、ロコの作った『穴』に入ってください」 


ロコが『穴』の近くから退き、志保に促す。 



981: SSまとめマン 2015/05/13(水) 23:06:16.90 ID:vgzCI6Cc0


志保「はぁーっ…はぁー…」 


ロコ「聞いてるんですかッ! さっさと『穴』に入ってて下さい!」 


志保「わ、分かった! 分かったから…弟は!」 


ドドドド 


ロコ「ハリーアップ! ロコのムードが変わらないうちに…」 


志保「はっ…入るわ…ほら、今から足を…」 


ロコ「ハリィィィアァァァッッッップ!」 


ドンドンドン! 


様子を見るように、ゆっくりと『穴』に入る志保に向かって、ロコは発砲する。 


志保には掠りもしなかったが、弟は別だ。 


志保に向かって撃つと言うことは、弟にも… 


志保「そ、そんなッ」 


ロコ「当たったのはアーム! 早く『穴』に入らないと…」 


志保「はっ…はっ…はっ…」 


次は無い、と言わんばかりに、ロコは弟の頭に銃口を押し付ける。 


志保(も、もうこれまで…弟は、弟も私も…助からない…) 


志保が、『穴』に入る。 


ロコは志保が『穴』に入ったのを確認して、近寄る。 

志保からロコまで、僅か『三メートル』。 


ロコ「後ろを向いてください」 


志保は後ろを向く。 


志保「弟が、助かる手段は…」 


ロコ「デッドエンドです、シホ」 


志保「いやよッ…家族をもう、失いたくない…!」 


ロコ「万策尽きたッ! ベストショットを撃つ!」 


志保「絶対に!」 


ピタリと、風が止む。 



982: SSまとめマン 2015/05/13(水) 23:07:27.93 ID:vgzCI6Cc0


ロコ「!」 


志保「『ライアールージュ』ッ!」 


ドォォォォ――――――――z________ン!! 


志保(消えるのは一瞬、でも、ロコさんの『腕前』ならかなり接近しないと撃てない!) 


志保「一瞬あれば!」 


ドドド 


志保「『三メートル』は近いッ!」 


ロコ「風がロスト…なら」 


志保「――え?」 


ロコ「『ガス弾』は外れない」 


ロコはガスマスクを、弾丸は毒ガスを備えていた。 


たとえ『ライアールージュ』の能力であろうと、『ガス』を避けることは出来ない。 


銃口は二人を完全に捉えていた。 


志保「そんな…嘘よォォォォオオオオ!」 


ロコ「ショット!」 


ドンドンドン!! 


ロコ「あ…」 


志保「!?」 


ドドドドド 


ロコ「『穴』にいたのは…………ロコだったァ――――」 


志保「何が…何が起きたのッ!?」 


ロコは『穴』に顔だけを出して埋まり、志保は弟の真横に居た。 



983: SSまとめマン 2015/05/13(水) 23:11:15.78 ID:vgzCI6Cc0


ロコ「ろ、ロコのアビリティーでも、シホのアビリティーでも無い筈ッ…」 


ドドド 


志保「一体、何が…誰がッ!」 


ロコ「あ、有り得ない…こんな、一瞬の内に…」 


ドドドド 


志保「はっ…そんなことよりも…ッ!!」 


志保は辺りを見て、弟を見つける。 


『バラバラ』の弟を。 


志保「そ、そんな…嘘よ…」 


志保「あは、あはは…」 


ゴゴゴ 


ロコ「…………」 


志保「…『紙』の、人形…だったのね…」 


地面に横たわる『バラバラ』の弟、それは空気の抜けた風船のように、ペシャンコになって切り裂かれていた。 


志保「偽物…なら、本物は…本物の弟はッ!」 


ロコと静香をおいて、志保は大きく跳躍した。 


志保「お願いッ…無事でいて!」 



984: SSまとめマン 2015/05/13(水) 23:12:21.87 ID:vgzCI6Cc0


志保(『穴』から出てきたのは偽物だった…もしかしたら、家に居るはずの弟は…弟は!) 


志保は全身の痛みをグッとこらえ、自室のベランダに着地する。 


窓の鍵をスタンドで開け、弟の名前を叫びながら、荒れた自分の部屋に入る。 


志保「大丈夫!? お願い、返事をしてッ!」 


「どうしたのー?」 


志保の心配とは裏腹な、呑気な弟の返事が、部屋の向こうから聞こえてくる。 


志保が、声のした部屋に突入すると、弟は無事に、そこに居た。 

志保「あ、ああ…!」 


「?」 


志保「無事だった…のね…」 


「なんで?」 


志保は涙をこぼして、弟を抱き締めた。 


志保「私がっ…お姉ちゃんが守るからね、絶対に守るからッ…!」 


「く、苦しいよ…お姉ちゃん…」 


志保「絶対に…絶対に!」 







985: SSまとめマン 2015/05/13(水) 23:13:55.56 ID:vgzCI6Cc0




静香「ちょっと、どうして引きずるのよ!」ズルズル 


ロコ「シズカがヘビーなんです!」 


静香「車とか作りなさいよ!」 


ロコ「自分で歩いてください!」 


静香「こっちは怪我人よ!」 


ロコ「シズカがロストしなければ、ロコ達はウィナーなんです!」 


静香「そっちこそ!」 


ロコ「やるきですか~!」 


静香「ゴミ製造機!」 


ロコ「蕎麦の方がおいしい!」 


静香「な、な、な…なんですってェ~!!」 





最上静香――再起可能 

判田路子――再起可能 





To be continued…? 


986: SSまとめマン 2015/05/13(水) 23:16:16.06 ID:vgzCI6Cc0
エレナ家 


エレナ「パパン、ママン、ただいまー!」 


エレナが家に飛び込んで帰宅の宣言をすると、何時ものように両親の愛のこもった返事が返ってくる…はずだった。 


シィ――――ン 


エレナ「アレ? もう寝ちゃったのカナ?」 


その時、壁越しにベットのスプリングが軋む音が聞こえてくる。 


ギシ…ギシ… 


エレナ「寝る部屋で音が聞こえる…? 聞こえないノー?」 


エレナは廊下の電気を付け、いつもより音の無い廊下を歩いて、寝室へ向かう。 


エレナ「ママーン、帰ったヨー!」 


エレナが寝室の扉を開けると、中は真っ黒で、様子を窺い知る事は出来ない。 


エレナ「電気電気…」 


エレナが電気のスイッチをオンにすると、LEDの光が部屋を明るくする。 


エレナ「パパン!ママン!」 


寝室のベッドの上には、縛られて目隠しをされたエレナの両親が横たわっていた。 


エレナ「…チヅル、フウカ、これはどういう…?」 


両親の横には、二階堂千鶴と豊川風花がいた。 


千鶴「あら、居場所の分かる裏切り者を、捕まえに来ただけですわ」 


風花「エレナちゃん達に色々されると、私達も危ないのよ、ね?」 


ゴゴゴゴ 


エレナ「二人とも、操られてる…んだったネ?」 


千鶴「手加減をすれば、死にますわよ?」 


エレナ「ワタシの事分からないノ…?」 


風花「島原エレナちゃん、でしょ? サンバが好きで、とっても明るい女の子」 


千鶴「積もる話は『後で』にしませんこと?」 


エレナ「…ッ」ゴク 


風花「そうですね、『後で』なら、分かってもらえる…」 


エレナ「戦うしか無いんだネ…仕方ないヨ…」 



To be continued…

987: SSまとめマン 2015/05/13(水) 23:17:20.77 ID:vgzCI6Cc0
終わりー(o・∇・o) 


次スレは出来次第誘導するよ 


989: SSまとめマン 2015/05/14(木) 00:29:39.59 ID:HQIO5cTO0
追いついた 
乙です 

>>735 
篠宮可憐(16) Vi 
no title

no title


>>862 
宮尾美也(17) Vi 
no title

no title


>>886 
天空橋朋花(15) Vo 
no title

no title


>>926 
野々原茜(16) Da 
no title

no title


>>926 
島原エレナ(17) Da 
no title

no title


>>936 
ロコ(15) Vi 
no title

no title


>>938 
二階堂千鶴(21) Vi 
no title

no title


>>986 
豊川風花(22) Vi 
no title

no title

811: SSまとめマン 2015/02/28(土) 13:15:59.05 ID:gVL9hstc0
クッソ適当やったんで訂正 


本体・人間・七尾百合子 
スタンド『クリアプロローグ』 
ほらほら 



近距離型 ・人型 

破壊力C  スピードC  射程距離D 

精密動作性B  持続性C  成長性D 

能力射程B 


能力『風を操る能力』 




腕についた風車が特徴の緑色のスタンド、腕の風車を回転させてスタンドの風を巻き起こす。 

巻き起こせる風は風速50mとかなり強力ではあるが、百合子は集中しなければならないため身動きがとれなくなる。 

集中力が高い(一部の方面で)ので、集中すれば水を水蒸気にして体に纏わせ、光の屈折率を変えて姿を消すことも出来る。 



本体・人間・馬場このみ 
スタンド『ディアー』 
ほらほら 



近距離パワー型・人型 

破壊力A  スピードE  射程距離E 

精密動作性B  持続性C  成長性― 

能力射程D(3メートル) 


能力『距離感を狂わせる能力』 



赤いランドセルを背負ってそうな子供、っぽい赤いスタンド 。身長はこのみとほぼ一緒。 

身長の代わりに成熟した精神を手に入れたこのみのスタンドはパワーが高い反面、スピードは遅い。 

距離感を狂わせるということは、対象者の感じる距離を実際の距離とは違うものにすることと、実際に動いている距離と対象者が動かしていると思っている距離を違うものにすることである。 

『目』をトリガーにしているのはあくまで『視覚』の距離感を操っているからである。 


例えば『接触』をトリガーにした後に殴るとすると、殴られた者は遥か後方などの『自分』ではない部分で痛みを感じたりする。 


このみPや風の戦士さんには深く謝罪させて頂きます 

(o・∇・o)