430: 名無しさん 2019/04/07(日) 21:33:40.48 ID:b9mUVecYo
専務「そうだ」 

武内P「確かに、一時的には仕事が入ると思いますが……」 

専務「その間に、注目度を高めておくのが狙いだ」 

武内P「……成る程」 


武内P「しかし……何故、その話を私に?」 


専務「キミに、そのユニットの担当をして貰いたい」 


武内P「……」 

武内P「私が、ですか?」


引用元: ・武内P「泥酔、ですか」

431: 名無しさん 2019/04/07(日) 21:37:43.98 ID:b9mUVecYo
専務「どうした、不服か?」 

武内P「い、いえ……そんな事は」 

専務「キミに担当を任せたい理由は、ある」 

武内P「……その理由とは、一体?」 


専務「キミは、キュートとクールの複合ユニット――」 

専務「――アスタリスクを成功に導いた実績がある」 

専務「……それを見込んでの事だ」 


武内P「……成る程」 

武内P「令和ユニットは――」 

武内P「――キュートとクールのユニットだ、と」

432: 名無しさん 2019/04/07(日) 21:41:07.26 ID:b9mUVecYo
専務「話が早くて助かる」 

武内P「いえ、そんな事は」 

専務「やはり、キミは優秀な人材だ」 

武内P「いえ……あの、専務?」 


専務「令和ユニットのメンバーは――」 

専務「キュート――兵藤レナ君」 

専務「クール――和久井留美君」 

専務「……以上だ」 

専務「キミには期待している」 


武内P「せ……専務!?」 

武内P「私は、彼女達と面識が……ほとんどありませんが!?」

433: 名無しさん 2019/04/07(日) 21:44:09.05 ID:b9mUVecYo
専務「まず、令の字」 

専務「兵藤レナ君の‘レ’が‘令’の字の可能性が、無くはない」 


武内P「待ってください、専務!」 


専務「そして、和の字」 

専務「これは、和久井留美の‘和’」 

専務「大和亜季君も候補に上がったが、私の独断で和久井君に決まった」 


武内P「お願いします! 話を聞いてください!」 


専務「その必要は無い」 

専務「これは、決定事項だ」 


武内P「……!?」

434: 名無しさん 2019/04/07(日) 21:48:57.36 ID:b9mUVecYo
専務「……時に、キミに尋ねたい事がある」 

武内P「すみません、今は私の方が……」 

専務「キミは、宮本フレデリカ君をどう思う?」 

武内P「えっ?」 


武内P「とても……素晴らしいアイドルだ、と」 

武内P「……そう、思います」 


専務「もっと具体的に言いなさい」 


武内P「その……とても、自由な方だと思います」 

武内P「そして、可愛らしさと美しさが同居している容姿」 

武内P「そのギャップが、彼女の笑顔を魅力的に見せている、と……」 


専務「今の話を録音させて貰った」 

専務「意味はわかるだろう?」 


武内P「!?」

435: 名無しさん 2019/04/07(日) 21:54:09.17 ID:b9mUVecYo
  ・  ・  ・ 

専務「……」 

専務(キミにこの仕事を頼んだのは、訳がある) 

専務(兵藤くん……そして、和久井くん) 

専務(彼女達は――担当と、親しすぎるのだ) 


専務「……スキャンダル」 


専務(平成も、もう終わりだと言うのに……) 

専務(……このままでは、我が社のイメージに傷がつく) 

専務(だが、キミにならば……安心して任せられる) 


専務「調査によれば……」 


専務「……キミは、彼女達のタイプからは外れているそうだからな」

436: 名無しさん 2019/04/07(日) 22:02:10.41 ID:b9mUVecYo
専務「……」 

専務(彼女達の担当も、もう限界が近かった) 

専務(引いている手は、お姫様のものなのだから) 

専務(魅力を引き出すのが仕事とはいえ……皮肉なものだな) 


専務「……冷却期間」 


専務(ユニットの仕事があれば、二人の時間も減る) 

専務(その間に、お互い冷静になれるだろう) 

専務(令和ユニット……色々と、期待している) 


専務「さて、キミは……」 


専務「……彼女達の、どんな輝きを見せてくれる?」

437: 名無しさん 2019/04/07(日) 22:08:44.34 ID:b9mUVecYo
  ・  ・  ・ 

武内P「……――コンセプトは、以上になります」 

武内P「何か、質問はありますか?」 


レナ「いいえ」 

留美「ないわ」 


武内P「では……私から、一点だけ」 

武内P「ユニットを担当するのが、貴女達の担当ではなく……」 

武内P「……申し訳、ありません」 


レナ「えっ!? い、いいのよ、そんな……謝らなくても……」 

留美「そ、そうよ? 確かに、担当が彼じゃないのかと思ったけど……」 


レナ・留美「……」 


武内P「……」

438: 名無しさん 2019/04/07(日) 22:12:35.93 ID:b9mUVecYo
武内P「お二人は……」 

武内P「担当プロデューサーをとても信頼されているのですね」 

武内P「……彼らは、とても優秀な方ですから」 


レナ「ま、まあ……///」 

留美「そう、ね……///」 


武内P「今回の活動は、彼らもあまり把握出来ていません」 

武内P「勿論、おおまかな計画は存じていると思いますが……」 

武内P「……詳細まで、ハッキリとは」 


レナ・留美「……」

439: 名無しさん 2019/04/07(日) 22:16:56.41 ID:b9mUVecYo
武内P「なので――これはチャンスだ、と」 

武内P「……そう、捉えて頂けると幸いです」 


レナ・留美「えっ?」 


武内P「直接会う機会は、どうしても減ってしまいます」 

武内P「ですが……ユニット活動を通じて」 

武内P「お二人が、互いの良い点を吸収し……成長出来れば」 

武内P「――彼らの、今後のプロデュースにも」 

武内P「幅が……広がるのでは無いでしょうか?」 


レナ・留美「…………」 

レナ・留美「……」 


レナ・留美「……!」コクコクコクコクコクコク! 


武内P「あの、そこまで頷かれなくても……」

440: 名無しさん 2019/04/07(日) 22:22:59.35 ID:b9mUVecYo
レナ「今後のプロデュースの……」 

留美「……幅が、広がる!」 


武内P「はい」 


レナ「そうね……レイズは、させられるのよ」 

レナ「だけど……ベットまでは、ね」 

レナ「でも、この活動を通じてワンペア、ツーペア……スリーカード!」 

レナ「そうなったら、もう……うふふっ、フルハウスね!」 


武内P「? は、はあ……そうですね……?」

441: 名無しさん 2019/04/07(日) 22:30:45.48 ID:b9mUVecYo
留美「お互いの良い点を……」 

レナ「……吸収して!」 


武内P「はい」 


留美「そうね……駆け引きが、学べそう」 

留美「逆に、私が教えられるのは――パートナーとしての役割、かしら?」 

留美「……傍に寄り添って、歩いていくための方法」 

留美「ふふっ、これは……夢が、叶いそうね!」 


武内P「? は、はあ……そうですね……?」 


レナ・留美「……うふふっ!」ニコッ! 


武内P「……良い、笑顔です」

442: 名無しさん 2019/04/07(日) 22:35:21.41 ID:b9mUVecYo
  ・  ・  ・ 

専務「キミは、彼女達に一体何をした?」 

武内P「えっ? 何を……とは?」 

専務「彼女達の担当の様子がおかしいと、知っているか?」 

武内P「そう……なのですか?」 


専務「兵藤くんの担当は……」 

専務「――分の悪い賭けは、嫌いじゃない」 


専務「和久井くんの担当は……」 

専務「――わくわくさーん!」 


専務「……と、時折独り言を言うようになったそうだ」 


武内P「……はあ、そうですか」

443: 名無しさん 2019/04/07(日) 22:41:50.27 ID:b9mUVecYo
武内P「私は……これと言って、何も」 

専務「何も、だと?」 

武内P「はい」 

専務「だが、この事態をどう説明するつもりだ」 

武内P「そう、ですね……」 


武内P「兵藤さんは、和久井さんに事務作業を学び……」 

武内P「――担当プロデューサーが仕事に追われている時」 

武内P「――笑いかけながら、その作業を手伝うと言ったら」 

武内P「――オールイン」 

武内P「……と、言われたとは聞きましたが」 


専務「待ちなさい」 

専務「彼は、既にチップを全て賭けてしまったのか?」

444: 名無しさん 2019/04/07(日) 22:47:26.13 ID:b9mUVecYo
武内P「すみません……意味が、よく」 

専務「和久井くんの方は、どうした」 

武内P「えっ?」 

専務「その様子だと、彼女からも何か聞いているのだろう」 

武内P「そう、ですね……」 


武内P「和久井さんは、兵藤さんに、駆け引き? を学んだそうで……」 

武内P「――担当プロデューサーと久しぶりに会った時」 

武内P「――少しだけそっけない態度をとった後に、笑いかけたら」 

武内P「――キュンときた」 

武内P「……と、言われたとは聞きましたが」 


専務「待ちなさい」 

専務「それは、駆け引きというには初歩の初歩すぎる」

445: 名無しさん 2019/04/07(日) 22:51:39.80 ID:b9mUVecYo
専務「君は、それを黙って聞いていたのか?」 

武内P「いえ……そんな事は、決して」 

専務「ならば、彼女達にどんな言葉をかけた」 

武内P「……」 


武内P「笑顔です」 


専務「……笑顔?」 


武内P「その話をしている時の、彼女達の笑顔」 

武内P「その笑顔の力――パワー・オブ・スマイルがあれば」 

武内P「夢は、必ず叶うだろう、と」 

武内P「……そう、言いました」 


専務「……」

446: 名無しさん 2019/04/07(日) 22:54:43.92 ID:b9mUVecYo
武内P「専務」 

専務「……」 

武内P「専務」 

専務「……ん、えっ? あ、うん、何?」 

武内P「専務?」 

専務「……ゴホンッ!……何だ?」 


武内P「……令和ユニット」 

武内P「お話を聞いた時は、どうなる事かと思いましたが……」 

武内P「……良い、ユニットです」 


専務「……」

447: 名無しさん 2019/04/07(日) 23:00:15.65 ID:b9mUVecYo
専務「そうだな……」 

専務「今回の件に関しては、特別に目をつぶろう」 

武内P「えっ? あの、とても順調……なのですが」 

専務「優秀過ぎるのも考えもの、という事だ」 

武内P「は、はあ……」 

専務「だが……目をつぶるには、条件がある」 

武内P「条件、ですか?」 


専務「……もしも」 

専務「もしも、私がユニットを組むとしたら……」 

専務「……キミは、ダンスパートナーに誰を選ぶ?」 


武内P「……」 

武内P「えっ?」

448: 名無しさん 2019/04/07(日) 23:11:11.98 ID:b9mUVecYo
武内P「すみません……どういう意味でしょうか?」 

専務「質問しているのは私だ」 

武内P「いえ、ですから……」 

専務「答えなさい」 

武内P「……」 


武内P「――ソロ・デビューです」 

武内P「専務は、一人の女性として……いえ、人間として」 

武内P「誰かとペアを組まずとも、輝ける方ですから」 


専務「成る程、そうか」 

専務「全てを白紙に戻す」 


武内P「!? 何故、そんな突然!?」 


武内P「平静を失わないでください!」 




おわり