784: 名無しさん 2018/03/12(月) 22:02:07.78 ID:JxnO1L0Go
夏樹「そうなんだよ、メンバーが足りなくて困っててさ」 

李衣菜「ギターは居るんですけど……」 

夏樹「だりー? お前、自分はカウントに入れてるか?」 

李衣菜「ヤ、ヤダナア、アタリマエジャン!?」 

夏樹「練習もままならないんだ。誰か心当たりはないかい?」 

武内P「そう……ですね」 

武内P「練習だけでしたら――私で良ければ」 


夏樹・李衣菜「えっ?」


引用元: ・武内P「結婚するなら、ですか」

785: 名無しさん 2018/03/12(月) 22:03:49.15 ID:JxnO1L0Go
李衣菜「私で良ければ、って……プロデューサーが?」 

武内P「はい」 

夏樹「アンタが叩くって?」 

武内P「はい」 

夏樹・李衣菜「……」 

武内P「あくまでも練習の時だけ、になりますが」 

夏樹・李衣菜「……まあ、それなら……?」

786: 名無しさん 2018/03/12(月) 22:08:12.26 ID:JxnO1L0Go
  ・  ・  ・ 

李衣菜「あの、無理しないでくださいね?」 

夏樹「そうだぜ。いざとなったら、どうにかするからさ」 

武内P「はい。では、軽く……」 


武内P「……」 

カッカッ…チーチャッ 


李衣菜「あっ、なんかそれっぽい」 


武内P「……」 

チチチチカカカカチチカカチチカカッチャッチャッチャッチャッ 


夏樹「おおっ! こりゃ、思ったよりやるみたいじゃん!」 


武内P「……では――」 



李衣菜・夏樹「――え」

787: 名無しさん 2018/03/12(月) 22:11:46.19 ID:JxnO1L0Go
  ・  ・  ・ 

ダンッ! 

武内P「……と、この様な感じで、どうでしょうか?」 


夏樹「……」 

武内P「あの、木村さん?」 

夏樹「えっ!? あっ、ああ、いや……正直、驚いた」 

夏樹「なあ、だりーも驚いただろ?」 


李衣菜「……♡」ポー 


夏樹「戻ってこいだりー! ロックの魂を思い出せ!」

788: 名無しさん 2018/03/12(月) 22:14:57.37 ID:JxnO1L0Go
武内P「……多田さん?」 

李衣菜「……♡」ポー 

夏樹「おい、だりー」 

李衣菜「……」ポー 

夏樹「……」 

ごんっ! 

李衣菜「――あいったぁ!? な、なんで急に殴るのさ!?」 

夏樹「ロックの魂を注いだだけだ。むしろ、感謝して欲しい位だぞ?」

789: 名無しさん 2018/03/12(月) 22:18:08.94 ID:JxnO1L0Go
武内P「どう、でしたでしょうか?」 

夏樹「さっきも言っただろ? 驚いた、って」 

武内P「練習のお供は務まりそうでしょうか?」 

夏樹「それ以上さ。本番も頼みたいくらいだ」 

李衣菜「ほっ、本番っ!? 本番って……///」 

夏樹「……」 

ごんっ! 

李衣菜「ったぁ!? もう! ポンポン殴んないでってば!」 

夏樹「いや、今のは殴る場面だろ」

790: 名無しさん 2018/03/12(月) 22:21:00.76 ID:JxnO1L0Go
武内P「多田さんは、どう思われましたか?」 

李衣菜「わっ、私ですか!?///」 

武内P「はい」 

李衣菜「え、えっと……力強く、安定感があって……///」 

武内P「……」 

李衣菜「ドラム……そう! ドラムになりたいと思いました!///」 

夏樹「何言ってんだ」 

武内P「多田さんが? それは……エアドラム、という事でしょうか?」 

夏樹「アンタも何言ってんだ」

791: 名無しさん 2018/03/12(月) 22:26:25.90 ID:JxnO1L0Go
ガチャッ! 

みく「李衣菜ちゃんに夏樹チャン、ここに居たにゃ!」 

菜々「おー、皆さんお揃いですね!」 


李衣菜「二人共! 良い所に!」 


みく・菜々「?」 

李衣菜「ドラム、見つかったよ!」 

みく「見つかったって……もしかして、Pチャン?」 


武内P「はい。練習の間だけ、ですが」 


菜々「ええっ、ドラムも叩けたんですか?」 

李衣菜「二人共、まずはプロデューサーの演奏を聞いてみて!」 

みく・菜々「はぁ……」 


夏樹「いやいや、待て待て! この流れは――」

792: 名無しさん 2018/03/12(月) 22:29:16.56 ID:JxnO1L0Go
  ・  ・  ・ 

ダンッ! 

武内P「……どう、でしょうか?」 


李衣菜・みく・菜々「……♡」ポー 


夏樹「ほらな! こうなると思ったんだよ!」 

李衣菜・みく・菜々「ドラムになりたい♡」ポー 

夏樹「何言ってんだ!」 

武内P「あの……皆さん?」 

李衣菜・みく・菜々「はい♡」ポー 

武内P「あの……?」 

夏樹「……」

794: 名無しさん 2018/03/12(月) 22:35:04.43 ID:JxnO1L0Go
  ・  ・  ・ 

夏樹「だりーとみくはともかく……菜々さん?」 

菜々「どっ、どうして‘さん’付けを!?」 

夏樹「理由は、言わなくてもわかるよな?」 

菜々「それは……はい」 

夏樹「しっかし……」 


みく「Pチャン!/// ネコミミとロックを繋ぐ、ドラムが必要にゃ///」 

李衣菜「その通りです!/// 私達には、プロデューサーが必要です///」 

武内P「いえ、それは……」 


夏樹「落ち着けって、頼むから」

795: 名無しさん 2018/03/12(月) 22:41:57.89 ID:JxnO1L0Go
夏樹「お前ら、そんなんじゃ練習にもならないぞ?」 

李衣菜・みく「そ、それは……」 

菜々「だけど、ドラムになりたくなっちゃうんですもん!」 

李衣菜・みく「そう!」 

李衣菜・みく・菜々「……!」フンスー! 

武内P「あの……ドラムになるとは……?」 

夏樹「お前らなぁ……」 


夏樹「ドラムになるのはアタシに決まってるだろ?」 


武内P「……」 

武内P「えっ?」

796: 名無しさん 2018/03/12(月) 22:47:07.81 ID:JxnO1L0Go
武内P「あのっ!? 木村さんまで、何を!?」 


李衣菜「なつきちズルい! 私がドラムになる!」 

夏樹「いいや、アタシががなる。だりーはギターだろ」 

李衣菜「どうせエアだから、ドラムになったって問題ないよ!」 

みく「待つにゃ! そもそも、みくは演奏してないよ!」 

菜々「ナナもです! ドラムになる資格は十分にあります!」 

李衣菜「二人はネコミミとウサミミ担当してて!」 

みく「ネコミミとドラムになる事は同時に可能にゃ!」 

夏樹「菜々さん、そんなに無理すると腰を悪くするぜ?」 

菜々「何を言ってるんですか! 刺激が欲しい年頃ですよ!」 


武内P「っ……!?」

797: 名無しさん 2018/03/12(月) 22:51:15.11 ID:JxnO1L0Go
夏樹「なあ、アンタは、アタシがドラムになるのが良いよな?」 

武内P「いえ、思いませんが……」 

李衣菜「自分がドラムと信じるものが、ドラムですよね!」 

武内P「いえ、信じないで下さい……」 

みく「やっぱり、Pチャンのドラムはみくしかいないにゃ!」 

武内P「いえ、そんな事は……」 

菜々「キャハッ! ここは、ナナがドラムになるしか無いですね!」 

武内P「いえ、ドラムは既にあります……」 


夏樹・李衣菜・みく・菜々「……」ギロッ 


武内P「待ってください! 何故、睨むのですか!?」

798: 名無しさん 2018/03/12(月) 22:57:07.37 ID:JxnO1L0Go
  ・  ・  ・ 

夏樹「――良いか、恨みっこ無しだぜ」 

李衣菜「――望む所だよ!」 

みく「――誰がドラムに相応しいか……」 

菜々「――四人同時に叩かれる……」 


夏樹・李衣菜・みく・菜々「――勝負ッ!!」 

ぷりんっ 


武内P「良い、お尻です」 

武内P「……」 

武内P「いや、今のは違います! 待ってください!」 

武内P「おかしな勝負を始めないで下さい、皆さん!」

799: 名無しさん 2018/03/12(月) 23:03:10.16 ID:JxnO1L0Go
夏樹「アタシ達全員、平等に叩いてくれよな!」 

菜々「はい! でなきゃ、誰が一番かわかりませんから!」 

みく「みくは自分を曲げないよ! ドラムになるのは、みくにゃ!」 

李衣菜「そうはいかないよ! 私が、絶対ドラムになる!」 

ぷりんっ 


武内P「あのっ!? ドラムにならないという選択肢は!?」 


夏樹・菜々・李衣菜・みく「ないッ!!」 


武内P「無いのですか!?」 

武内P「そもそも、これは何の練習になるのですか!?」 


夏樹・菜々・李衣菜・みく「……///」モジモジ 


武内P「意味が、わかりません……!」

800: 名無しさん 2018/03/12(月) 23:08:14.94 ID:JxnO1L0Go
武内P「あの、もし……叩かずにここを去ったら?」 


夏樹・菜々・李衣菜・みく「さあ!」 


武内P「……わからない、と?」 


夏樹・菜々・李衣菜・みく「さあ、さあ、さあ、さあっ!」 


武内P「……さあ来い、の『さあ』だったのですね」 

武内P「……」 

武内P「……わかりました」 

武内P「では……本当に、少しだけなら」 


夏樹・菜々・李衣菜・みく「……!」ワクワク 


武内P「……」

801: 名無しさん 2018/03/12(月) 23:12:58.77 ID:JxnO1L0Go
武内P「……」 

カッカッ 


武内P「……」 

夏樹「んぁっ!♡」 

菜々「ああっ、ズルいひぅっ!♡」 

みく「菜々ちゃん、変な声出さにゃうんっ!♡」 

李衣菜「みくちゃんこそぉんっ!♡」 


武内P「……はい! もう、これで――」 


夏樹・菜々・みく・李衣菜「……プロデューサー」 


武内P「?」 


夏樹・菜々・みく・李衣菜「――ソロ」 


武内P「――!」 

ヒュッ――

805: 名無しさん 2018/03/12(月) 23:19:25.40 ID:JxnO1L0Go
  ・  ・  ・ 

ちひろ「……だから、四人ともお尻を抑えてたんですね」 

武内P「はい……キューを出されたとは言え、申し訳ない事を……」 

ちひろ「でも、プロデューサーさんってドラム出来たんですね」 

武内P「はい。プロデューサーですから」 

ちひろ「あの、他の人も?」 

武内P「そうですね。プロデューサーならば、全員」 

ちひろ「……凄いですね」 

武内P「アイドルの皆さんの、笑顔のためですから」

807: 名無しさん 2018/03/12(月) 23:26:55.76 ID:JxnO1L0Go
ガチャッ! 

美波「あっ、ここに居たんですね、プロデューサーさん!」 


武内P「新田さん? あの、何か?」 

美波「とぼけないでください! 四人に聞いたんですよ!」 

美波「私も、練習に付き合ってもらいます!」 

武内P「あの……ドラムは、もう」 

美波「ドラムは駄目……なら、他のなら?」 

武内P「他、ですか?」 

美波「はいっ♪ アルトで、ゆっくりした大人な感じの――」 

武内P「アルト……サックス、ですか」 


美波「セックス、です」 



おわり 


美波「アルトは喘ぎ声のトーンです」