832: 名無しさん 2019/04/23(火) 21:54:26.62 ID:kQ6cl/f5o
ちひろ「はい、プロデューサーさんの分です」 

武内P「あの……何故、私に?」 

ちひろ「あれ? 聞いてなかったんですか?」 

武内P「えっ?」 


ちひろ「プロデューサーには、投票券が配られるようになったんです」 

ちひろ「ログインボーナスだけですけど、一日一枚ずつ♪」 


武内P「……」 

武内P「!?」








引用元: ・武内P「泥酔、ですか」

833: 名無しさん 2019/04/23(火) 21:58:28.69 ID:kQ6cl/f5o
武内P「それは、皆さんご存知なのでしょうか!?」 

ちひろ「えっ? 皆さん、って……」 

武内P「アイドルの方達です!」 

ちひろ「えっ?」 


ちひろ「当然、知ってますけど……」 

ちひろ「……それが、どうかしましたか?」 


武内P「……」 

武内P「!?」

834: 名無しさん 2019/04/23(火) 22:03:18.38 ID:kQ6cl/f5o
武内P「な……何枚、ですか!?」 

ちひろ「えっ?」 

武内P「投票券は、何枚頂けるのでしょうか!?」 

ちひろ「えっ? ええっ、と……」 


ちひろ「投票期間は、4月16日~5月14日だから……」 

ちひろ「――全部で、29枚も手に入りますよ♪」ニコッ! 


武内P「……に」 

武内P「29枚……ですか……!?」

835: 名無しさん 2019/04/23(火) 22:06:38.24 ID:kQ6cl/f5o
武内P「その……頂ける枚数は、増減しますか!?」 

ちひろ「えっ? 増えも減りもしませんけど……?」 

武内P「と、投票をしたかどうかは、確認出来ますか!?」 

ちひろ「えっ?」 


ちひろ「きちんと全ての投票券を使用したか――」 

ちひろ「――PCで入力し、確認するみたいですよ?」 


武内P「……!?」 

武内P「そんな……まさか……!?」

836: 名無しさん 2019/04/23(火) 22:09:43.44 ID:kQ6cl/f5o
武内P「わ……私は、どうしたら……!?」 

ちひろ「あの、プロデューサーさん?」 

武内P「29枚……!? か、考えなくては……!」 

ちひろ「あの、何かお困りですか?」 


武内P「最悪の場合になりますが……」 

武内P「――シンデレラガールが、決まる頃」 

武内P「私は――既に、この世に居ないかも知れません」 


ちひろ「……」 

ちひろ「えっ!?」

837: 名無しさん 2019/04/23(火) 22:12:34.85 ID:kQ6cl/f5o
ちひろ「ど、どういう事ですか!?」 

武内P「……今まで、ありがとうございました」 

ちひろ「一人で諦めてないで、訳を話して下さい!」 

武内P「……」 


武内P「……29枚の、投票券」 

武内P「この枚数は、どう投票しようと……角が立つからです」 


ちひろ「……あの」 

ちひろ「ぶつけたら死んじゃうほどの角、立ちますか?」

838: 名無しさん 2019/04/23(火) 22:15:52.72 ID:kQ6cl/f5o
武内P「……千川さんは、どう投票されますか?」 

ちひろ「私が、プロデューサーさんの立場だったら……って事ですよね?」 

武内P「はい」 

ちひろ「そうですね……」 


ちひろ「……プロデューサーさん♪」ニコッ! 

ちひろ「引き継ぎは、しっかりやってくださいね!」 


武内P「…………」 

武内P「……」 


武内P「はい」

839: 名無しさん 2019/04/23(火) 22:20:31.74 ID:kQ6cl/f5o
  ・  ・  ・ 

武内P「……」 


武内P「……」 

武内P(プロジェクトメンバーの方) 

武内P(そして、メンバーの方達と関わりのあったアイドルの方) 

武内P(その方達に……一人、一枚ずつ) 

武内P(……一見、角が立ちそうに無い投票方法) 


武内P「……プロジェクトメンバーの方から、不満が出るだろう」 

武内P「直接担当していた私達と差がないのか、と」 

武内P「……そう、思われるでしょうね」

840: 名無しさん 2019/04/23(火) 22:24:10.61 ID:kQ6cl/f5o
武内P「……」 


武内P「……そして」 

武内P(プロジェクトメンバーの方に、二枚ずつ) 

武内P(加えて、初期からお世話になった城ヶ崎さんに残りの一枚を) 

武内P(……これも、一見角が立ちそうに無い投票方法) 


武内P「……城ヶ崎さんには投票したのに、何故?」 


武内P「……」 

武内P「そう言われたら……何も、言えなくなってしまう」

841: 名無しさん 2019/04/23(火) 22:26:54.61 ID:kQ6cl/f5o
武内P「……」 


武内P「……あえて」 

武内P(誰か一人に、全ての投票券を使用する) 

武内P(……いや、この考えは捨てよう) 

武内P(……色々と、角が立つ上に) 


武内P「諦めたら、そこでログイン終了だ……」 


武内P「っ……!」 

武内P「もう……ストレスが、胃に……!」

842: 名無しさん 2019/04/23(火) 22:32:33.96 ID:kQ6cl/f5o
武内P「……なるべく」 

武内P(なるべく……公平に) 

武内P(不満が、一番少なくなる方法……) 

武内P(贔屓感を出さず、皆さんが幸せになれる方法……) 


武内P「……そんな投票方法は、あるのだろうか」 


武内P「だが……考えなくてはならない」 

武内P「皆さんの笑顔を……見続けていくために……!」

843: 名無しさん 2019/04/23(火) 22:35:33.63 ID:kQ6cl/f5o
  ・  ・  ・ 

武内P「――と、考え続けて一週間が経ちました」 

ちひろ「そ、そうですか……」 

武内P「はい」 

ちひろ「あの……今日のログインボーナスの、投票券です」 

武内P「ありがとうございます」 


武内P「今の所、誰にも投票せずに居るのですが……」 

武内P「……紛失してしまった場合は、どうなりますか?」 


ちひろ「……再発行されます」 


武内P「はい、そうだろうと思いました」

844: 名無しさん 2019/04/23(火) 22:39:49.27 ID:kQ6cl/f5o
ちひろ「投票に関して、何か皆に聞かれましたか?」 

武内P「いいえ、何も」 

ちひろ「えっ!? なんだか、意外ですね……」 

武内P「ええ、ただ……」 


武内P「皆さん――とても、優しくしてくださいます」 

武内P「キラキラした、良い笑顔で」 

武内P「そうですね……通常の三倍の輝き、ですね」 


ちひろ「……」 

ちひろ「それは……その、良かったですね……」

845: 名無しさん 2019/04/23(火) 22:44:57.92 ID:kQ6cl/f5o
ちひろ「優しく、って……」 

武内P「はい」 

ちひろ「……想像してなかったアプローチですね」 

武内P「そう、ですね……」 


武内P「皆さん、私がどう投票をするか迷っている、と」 

武内P「……そう、察してくれているのでしょう」 


ちひろ「だから、気遣ってくれてるって事ですか?」 


武内P「ええ、恐らく」 

武内P「ですが……これだけ優しくされたら、投票しないわけには、と」 

武内P「……そう、思ってしまいました」 


ちひろ「……」

846: 名無しさん 2019/04/23(火) 22:50:44.07 ID:kQ6cl/f5o
ちひろ「……プロデューサーさん!」 

武内P「千川さん?」 

ちひろ「大切なのは、貴方が誰に投票したいか、です!」 

武内P「っ!」 


ちひろ「プロデューサーさんが知ってる、うちの子達は――」 

ちひろ「――義務感や心遣いで投票されて、喜びますか?」 

ちひろ「それで、良い笑顔をする子達ですか?」 


武内P「……!」

847: 名無しさん 2019/04/23(火) 22:58:03.74 ID:kQ6cl/f5o
武内P「いえ……そんな事は、決して!」 

ちひろ「ふふっ♪ そうですよね!」 

武内P「はい……!」 

ちひろ「それじゃあ、プロデューサーさんは誰に投票するんですか?」 


武内P「――誰にも投票しません」 

武内P「専務に掛け合って、この制度を即刻中止して頂きます」 


ちひろ「……」 

ちひろ「ちょっと懐かしい言葉になりますけど……」 

ちひろ「……忖度、極まってますね」

848: 名無しさん 2019/04/23(火) 23:06:07.56 ID:kQ6cl/f5o
  ・  ・  ・ 

武内P「――と、言う訳ですので……即刻、中止してください」 

専務「ふむ……君も、そう言うのか」 

武内P「えっ?」 

専務「なに、同じ意見を――」 


専務「――君以外の、全ての者からもされてな」 

専務「今後、投票券の配布はしない」 

専務「……君は、それで満足か?」 


武内P「……!」 

武内P「専務……私は、貴女を憎いと思ったことは一度もありません……!」 


専務「何故、それを今言う?」

849: 名無しさん 2019/04/23(火) 23:12:53.53 ID:kQ6cl/f5o
専務「明日、正式に通達されるだろう」 

武内P「……ありがとうございます!」ペコリ! 

専務「だが……残念がっている者も、中には居た」 

武内P「えっ!?」 


専務「担当外のアイドルに――」 

専務「――君の担当するアイドルの、三村かな子君」 

専務「彼女に全て投票していたのが、担当したアイドルに知られた者が居る」 

専務「確か、さく」 


武内P「専務」 

武内P「明けない夜は、ありません」 

武内P「例え夜だとしても、きっと紅く輝く星が彼を照らすことでしょう」 


専務「……ふむ」

850: 名無しさん 2019/04/23(火) 23:17:08.88 ID:kQ6cl/f5o
  ・  ・  ・ 

ちひろ「……今日のログインボーナスの――」 

武内P「……!」…ゴクリ! 

ちひろ「――スタミナドリンクです♪」 

武内P「!」 


武内P「……千川さん」 

…ガクッ! 

武内P「ありがとう……ございます……!」 

スッ… 


ちひろ「ぷ、プロデューサーさん!?」 

ちひろ「どうして跪いてるんですか!?」

851: 名無しさん 2019/04/23(火) 23:20:22.71 ID:kQ6cl/f5o
武内P「す、すみません……あまりの喜びに、つい」 

ちひろ「……ふふっ! 投票券は、ありませんよ?」 

武内P「ええ、大丈夫です」 

ちひろ「……ふふっ♪」ニコッ! 


武内P「……ん?」 

武内P「この、社内メールは……」 

武内P「……」 

武内P「っ!?」 


ちひろ「……プロデューサーさん?」

852: 名無しさん 2019/04/23(火) 23:25:58.92 ID:kQ6cl/f5o
ちひろ「あの……何が、書いてあったんですか?」 

武内P「……ご覧になりますか?」 

ちひろ「良いんですか?」 

武内P「ええ……大丈夫です」 


ちひろ「――本日より、投票券の配布は中止」 

ちひろ「――既に投票したものに関してはリセットされ……」 


ちひろ「……再配布?」 


ちひろ「第八回目、という事もあり――」 


ちひろ「――配布済みの投票券は、有効なものとする……!?」 


武内P「……」

853: 名無しさん 2019/04/23(火) 23:32:19.17 ID:kQ6cl/f5o
武内P「今、手元にある投票券は――8枚です」 

ちひろ「……!?」 

武内P「貴女ならば、この意味がわかるかと思います」 

ちひろ「……はい」 


武内P「――立つ予定の角が、鋭くなりました」 

武内P「千川さん」 

武内P「私は、どうしたら良いのでしょうか?」 


ちひろ「……すみません」 

ちひろ「私には……何も、言えません」

854: 名無しさん 2019/04/23(火) 23:39:15.47 ID:kQ6cl/f5o
武内P「忖度などと……言っている場合では、ありませんね」 

ちひろ「……プロデューサーさん」 

武内P「今回の件は、良かれと思ってやった事なのでしょう」 

ちひろ「あの……ぷっ、プロデューサーさん!?」 

武内P「ですが――」 


武内P「――私達に投票権を与えないでくれ、と」 

…ガタッ! 


武内P「――どうしても角が立ってしまうだろう、と」 

ゆらり… 


武内P「……そう、専務に言ってこようと思います」 

ずんっ…ずんっ…! 



ちひろ「っ!?」ビクッ! 



武内P「心を鬼にして」 





おわり