580: 名無しさん 2019/03/01(金) 21:36:06.18 ID:cbkMAZbwo
武内P「確か、黒埼さんが仰っていた……」 

千夜「お嬢様から、私の話は聞いていましたか」 

武内P「はい」 

千夜「では、話は早いですね」 


武内P「その前に、一つ質問なのですが……」 

武内P「白雪さんと、僕(しもべ)さんは別の方、なのでしょうか?」 


千夜「……」 

千夜「お前……」


引用元: ・武内P「理由あって、飲み会」

581: 名無しさん 2019/03/01(金) 21:38:32.77 ID:cbkMAZbwo
武内P「……す、すみません」 

千夜「分かればいい」 

武内P「黒埼さんの仰っていた特徴と、似通っていたものですから」 

千夜「そうですか」 


武内P「申し訳、ありませんでした」 

武内P「白雪さんは、僕さんではない、と」 

武内P「……そういう事ですね」 


千夜「……」 

千夜「お前……!」

582: 名無しさん 2019/03/01(金) 21:42:54.65 ID:cbkMAZbwo
武内P「あの……どうか、されましたか?」 

千夜「私をその名前でもう一度呼んだら……」 

武内P「あ、あの!」 

千夜「……何だ」 


武内P「黒埼さんから、僕さんが訪ねてくる、と」 

武内P「……そう、言われていたのですが」 

武内P「貴女は……やはり、僕さんなのですね?」 

武内P「っ! す、すみません! 一応、確認だけお願いしたく!」 


千夜「……」 

千夜「……まあ、そうですね」

583: 名無しさん 2019/03/01(金) 21:46:56.05 ID:cbkMAZbwo
ガチャッ! 

ちとせ「――あはっ♪」 

ちとせ「千夜ちゃん、言いつけ通りちゃんと来たのね♪」 


千夜「お嬢様」 

千夜「……今は、ご自宅に居られる筈では?」 


ちとせ「来ちゃった♪ なんてね」 

ちとせ「どう? 千夜ちゃん、可愛いでしょう!」 

武内P「はい」 

武内P「黒埼さんの仰っていた通り、ですね」 


千夜「……」

584: 名無しさん 2019/03/01(金) 21:51:29.87 ID:cbkMAZbwo
千夜「お嬢さま、今日はもう帰りましょう」 

千夜「今後についての詳細は……」 


ちとせ「……ん」 


千夜「お嬢さま?」 

千夜「何か、まだここに用があったのですか?」 


武内P「――どうぞ、黒埼さん」 

武内P「ミネラルウォーターです」 

ちとせ「あら、ありがとう」 

ちとせ「……ふふっ、案外気が利くのね♪」ニコッ! 


千夜「……」 

千夜「なん……だと……!?」

585: 名無しさん 2019/03/01(金) 21:55:59.73 ID:cbkMAZbwo
千夜「……おい、お前」 

武内P「? どうかされましたか?」 

千夜「今……何故、お嬢さまが喉が渇いているとわかった?」 

武内P「そう、ですね……」 


武内P「――ここ数日は雨が降っているとは言え、乾燥しています」 

武内P「加えて、この建物内は全館に暖房が」 

武内P「そして――笑顔です」 

武内P「黒埼さんの笑顔が、貴女と会話をする喜びだけでなく――」 

武内P「――少し喉が渇いた、と」 

武内P「……そう、告げていました」 


千夜「何だお前!!?」

586: 名無しさん 2019/03/01(金) 22:00:52.09 ID:cbkMAZbwo
千夜「笑顔で、そこまで判別出来る訳がないだろう!」 

千夜「……偶然を必然としようとは、程度が知れますね」 


ちとせ「……ん」 


千夜「お嬢さま?」 

千夜「……やはり、この男に合わせてやったのですね」 


武内P「――どうぞ、黒埼さん」 

スッ… 

武内P「遠慮なく、チーンして頂いて構いません」 

ちとせ「……ん゙ーっ゙」チーン! 

武内P「……良い、遠慮のなさです」 


千夜「……お」 

千夜「お前ええええええっ!!」

587: 名無しさん 2019/03/01(金) 22:05:42.68 ID:cbkMAZbwo
千夜「お前! お嬢さまに、何ということを!」 

武内P「ま、待ってください!」 


ちとせ「……あー」 


千夜「お嬢さま!」 

千夜「こんな奴に、付き合う必要はありません!」 


武内P「――どうぞ、黒埼さん」 

スッ… 

武内P「二回目で、鼻のムズムズは解消されると思います」 

ちとせ「……ん゙ぶーっ゙」チーンッ! 

武内P「……良い、勢いです」 


千夜「……お、おお、お」 

千夜「お前はああああああっ!?」

588: 名無しさん 2019/03/01(金) 22:12:03.73 ID:cbkMAZbwo
武内P「鼻のムズムズは、解消しましたか?」 

ふきふき… 

ちとせ「……ありがとっ♪ おかげでスーッキリ」ニコッ! 

武内P「……良い、笑顔です」 


千夜「お嬢さまから離れろおおおっ!」 

ダダダダッ! 


ちとせ「あっ! こら、千夜ちゃん! 暴力は駄目よ!」 


武内P「っ!」 

スウッ― 

武内P・千夜「……!」 

ピシ、ガシ、グッ、グッ 


ちとせ「あら、仲良し」 


千夜「~~っ! 違いますお嬢さま!」

589: 名無しさん 2019/03/01(金) 22:15:20.48 ID:cbkMAZbwo
千夜「今のは、この男が!」 

武内P「……すみません、白雪さん」 

千夜「お前、今更謝った所で!」 

武内P「……はい」 


武内P「例え相手が担当プロデューサーとは言え……」 

武内P「――過度なスキンシップを嫌がるファンの方も居る、と」 

武内P「……そう、仰っしゃりたいのですね?」 


千夜「全然違う!!」

590: 名無しさん 2019/03/01(金) 22:20:46.48 ID:cbkMAZbwo
ちとせ「あら! でも、息ピッタリだったじゃなーい♪」 

千夜「い、今のは違います!」 

ちとせ「あぁん、妬けちゃうな~」 

千夜「……お嬢さま、お戯れも程々になさってください」 


武内P「……わかりました」 

武内P「では……黒埼さんも、先程の手遊びをやる、と」 

武内P「……それで、宜しいでしょうか?」 


ちとせ「あはっ♪ 良いわね、それ!」 

千夜「おっ、お嬢さま!?」

591: 名無しさん 2019/03/01(金) 22:24:38.09 ID:cbkMAZbwo
ちとせ「良いわよね、千夜ちゃん?」 

千夜「わ、私は……構いませんが……」 

ちとせ「ふふっ♪ それじゃあ、行くわよ――」 

千夜「!……はい!」 


武内P・ちとせ「……」 

ピシ、ガシ、グッ、グッ 


千夜「……!」 

スカ、スカ、スカ、スカッ 


ちとせ「イエーイ♪」ニコッ! 

パシ! 

武内P「……良い、笑顔です」 


千夜「お前ええええええっ!!」

592: 名無しさん 2019/03/01(金) 22:31:13.27 ID:cbkMAZbwo
千夜「何故、お前が、やった!?」 

武内P「えっ?」 

千夜「何故、お前が、やった!?」 

武内P「……そう、ですね」 


武内P「――笑顔です」 

武内P「黒埼さんの笑顔が見たい、と」 

武内P「……そう、思いました」 


ちとせ「んっふふ」ニコッ! 

ちとせ「今みたいなのも、案外悪くないわね♪」ニコニコ! 


千夜「お……お嬢さま……!」

593: 名無しさん 2019/03/01(金) 22:41:25.30 ID:cbkMAZbwo
武内P「……ですが、お二人はもうアイドルです」 

武内P「今後は、こういった事は控えていきましょう」 


ちとせ「……だって、千夜ちゃん?」 

千夜「私は、それで全く構いません!」 

ちとせ「そう? 本当に?」 

千夜「ええ、勿論! やる必要がありませんから!」 


武内P「黒埼さん……白雪さんの、言う通りです」 

武内P「――ファンの方を笑顔にする」 

武内P「そのために、ご協力をお願いします」 


千夜「おい、お前! 私と仲間な感じを出すな!」

594: 名無しさん 2019/03/01(金) 22:48:23.00 ID:cbkMAZbwo
千夜「……お嬢さま、もう行きましょう」 

ちとせ「そうねぇ」 


ちとせ「今ので、千夜ちゃんの魅力が少しは伝わった?」 


千夜「……お嬢さま?」 

ちとせ「ん、なぁに?」 

千夜「まさか、先程のやり取りは……」 


武内P「……そう、ですね」 

武内P「お二人の関係性や、白雪さんの魅力」 

武内P「それが……とても、伝わってきました」 


千夜「お前は黙っていろ!」

595: 名無しさん 2019/03/01(金) 22:56:20.73 ID:cbkMAZbwo
ちとせ「千夜ちゃん、無茶振りにも強いから♪」 

武内P「……そう、なのですか?」 

ちとせ「だって、私の僕ちゃんだもの」 

武内P「成る程」 


武内P「白雪さんは――」 

武内P「――バンジージャンプや、スカイダイビング等」 

武内P「体を張ったお仕事に、抵抗はありますか?」 


千夜「お前は、私に何をさせる気だ!?」

596: 名無しさん 2019/03/01(金) 23:11:23.62 ID:cbkMAZbwo
  ・  ・  ・ 

武内P「……ありがとうございます。質問は、以上になります」 


ちとせ「あはっ♪ 千夜ちゃん、疲れちゃった?」 

千夜「……いえ、それ程でもありません」 

ちとせ「それじゃ、そろそろ帰りましょうか♪」 

千夜「……はい、そうですね」 


武内P「お疲れ様でした」 

武内P「黒埼さん、白雪さん」 

武内P「これから……宜しく、お願いします」 


ちとせ「はいはーい♪」 

千夜「……では、行きましょう」

597: 名無しさん 2019/03/01(金) 23:16:59.07 ID:cbkMAZbwo
ちとせ「そうね、お腹が空いて来ちゃったし」 

千夜「何か、今晩のリクエストはありますか?」 


ちとせ「……んー」 


千夜「……おい、お前」 

武内P「? 何でしょうか?」 

千夜「お嬢さまが、何を食べたいか……当ててみろ」 

武内P「そう、ですね……」 

千夜「……まあ、絶対に当たらないと思いますが」フンッ! 


武内P「そう、ですね……――ハンバーグです」 


ちとせ「あっ! 良いわね、ハンバーグ♪」 

ちとせ「千夜ちゃん、今晩はハンバーグが良いな~」 


千夜「……かしこまりました」

598: 名無しさん 2019/03/01(金) 23:22:47.74 ID:cbkMAZbwo
千夜「……良いか? あまり調子に乗るな」 


ちとせ「でも、今日はさっぱりの気分なのよね~」 

武内P「では、和風ハンバーグはどうでしょうか?」 

ちとせ「うん、それなら!」 

武内P「大葉も添えられた和風ハンバーグは、絶品ですから」 


千夜「聞けや!!」 


ちとせ「どうしたの? 大声なんて出して」 

千夜「……忘れてください」 

ちとせ「それじゃ、お先に~♪」 


武内P「はい、お疲れ様でした」 


千夜「……覚えておけ」 




おわり