667: 名無しさん 2019/03/04(月) 20:20:46.30 ID:ygpzqO+to
杏「うわっ!?」 

紗南「えへへ、隙ありぃ♪」 

杏「……あ~あ、やられちゃったじゃんかー」 

武内P「えっ? す、すみません……」 


紗南「じゃ、続きやろっか!」 

杏「そだねー、次は誰を使おうかなー」 


武内P「あ、あの……」 

武内P「何故、ここでゲームをしているのですか……?」


引用元: ・武内P「理由あって、飲み会」

668: 名無しさん 2019/03/04(月) 20:24:29.70 ID:ygpzqO+to
武内P「それに、もうすぐレッスンの筈ですが……」 

杏「さっきの勝負はケチがついたからさ、ノーカンノーカン」 

紗南「あたしはそれでも良いよ!」 

武内P「あの……」 


杏「ほほう? 随分と余裕じゃんか~」 

紗南「へっへっへ! 余裕じゃなくて自信だよ!」 


武内P「す、すみません!」 

武内P「私の話を聞いていただけますか……!?」

669: 名無しさん 2019/03/04(月) 20:27:41.68 ID:ygpzqO+to
杏「もー、ちょっとだけだってば」 

武内P「いえ、ですが……」 

紗南「あっ、良い事思いついた!」 

武内P「良い事、ですか?」 


紗南「あたし達に勝ったら、すぐレッスンに行くって事で!」 

杏「成る程ね~。うん、それなら納得出来るよ」 


武内P「……あの」 

武内P「それは、結局ゲームをしている事に……」

670: 名無しさん 2019/03/04(月) 20:33:46.77 ID:ygpzqO+to
  ・  ・  ・ 

武内P「……」 


紗南「あー……何か、悪いことしちゃったかな?」 

杏「気にする事無いって。弱肉強食、お気楽極楽、ってね」 

紗南「とりあえず、時間もまだあるし……やっとく?」 

杏「そだねー。思ったより早く勝てちゃったもんね」 


武内P「……」 


コンコン、ガチャッ! 

まゆP「――うい~っす……って、ん?」 

まゆP「おいおいお前ら、事務所で何ゲームしてんだ」 


杏・紗南「おっ!」

671: 名無しさん 2019/03/04(月) 20:40:51.48 ID:ygpzqO+to
杏「良い所に来たじゃ~ん」ニヤリ! 

紗南「うわぁ、悪い顔してるなぁ……」 


まゆP「しかも、やってるのは格ゲーかよ、ええ?」 

まゆP「子供はね、皆でスマブラやりなさい、スマブラを」 

まゆP「だけどコントローラー触る時は手を拭いてからだからね」 

まゆP「じゃないと、ポテチの油で汚れちゃうから」 

まゆP「お前あれだよ? 次の奴に代わる時に怒られちゃうよ?」 


杏「いやー、プロデューサーとやったけど歯ごたえが無くてさぁ」 

紗南「ねねね、ストリートファイターやった事ある?」 


まゆP「はっはっは! バカな事聞くんじゃねえよ!」 

まゆP「俺、学年で一番強かったから!」 

まゆP「友達の兄ちゃんもボッコボコにしたことあるから!」

672: 名無しさん 2019/03/04(月) 20:45:56.21 ID:ygpzqO+to
  ・  ・  ・ 

まゆP「……」 


杏「ん~っ! そろそろお昼寝の時間かな~!」 

紗南「レッスンの時間だって! ほら、行こうよっ!」 

杏「え~? めんどくさ~い」 

紗南「……何ていうか、そっとしといてあげた方が良いんじゃない?」 


武内P・まゆP「……」 


杏「……ま、それもそうだね」 

紗南「スカッとさせてくれたお礼! へへっ、なんてね!」 


武内P・まゆP「……」

673: 名無しさん 2019/03/04(月) 20:51:34.88 ID:ygpzqO+to
  ・  ・  ・ 

まゆP「……なあ」 

武内P「……はい」 

まゆP「……お前、プレステ4持ってる?」 

武内P「……いえ、持っていません」 


まゆP「……なあ」 

武内P「……はい」 

まゆP「……お前、俺の言いたいことわかる?」 

武内P「……はい、わかります」 


武内P・まゆP「……」 


まゆP「――残業すんじゃねえぞ」 


武内P「――ええ、勿論」

674: 名無しさん 2019/03/04(月) 20:57:23.84 ID:ygpzqO+to
https://www.youtube.com/watch?v=w5D3kIRCK2Q



  ・  ・  ・ 

まゆP「アケコン……どれにすっかな」 

武内P「……私は、これにします」 

まゆP「お前、それ……!」 

武内P「今は、仕事が恋人のようなものですから」 

まゆP「へっ! 良いじゃねえか、最高の恋人だぜ!」 

まゆP「それじゃあ、俺は安いのにしようかな」 

武内P「……」ジーッ! 

まゆP「……あーもー、うるせえ目だな本当によぉ!」 

まゆP「買えば良いんだろ、こっちのをよ!」 

まゆP「手にシックリきやがるぜクソッタレ!」

675: 名無しさん 2019/03/04(月) 21:05:48.61 ID:ygpzqO+to
  ・  ・  ・ 

武内P「……」 


まゆP「あーあー、相っ変わらず何もねえ部屋だなぁ!」 

まゆP「はーい、そこにデーン! プレステフォ~ンヌ」 

まゆP「いやー、良いですねー! 部屋がグッと引き締まった!」 


武内P「あの……その手の缶ビールは、一体?」 

武内P「それに、何故私の部屋に……」 


まゆP「良いじゃねえか、たまには」 

まゆP「ほれ、さっさと繋ごうぜ。んで、対戦すんぞ」 

まゆP「っていうか、まずはお前をボコってストレス解消させろや!」 

まゆP「P勝ちしといてアクビするとかふざけんじゃねえぞコラァァァァ!!」 


武内P「……私は、気の毒そうな目で見られました」

676: 名無しさん 2019/03/04(月) 21:09:33.31 ID:ygpzqO+to
  ・  ・  ・ 

prrrr!prrrr! 

武内P「……と、すみません」 

凛「うん」 

武内P「……はい……ええ、勿論」 

凛「……」 

武内P「……では、今夜も」 

凛「……」 


武内P「……すみません、お待たせしました」 


凛「ねえ、今の電話……誰からだったの?」 


武内P「いえ、お気になさらず……」 


凛「……ふーん、そう」

677: 名無しさん 2019/03/04(月) 21:14:28.18 ID:ygpzqO+to
  ・  ・  ・ 

武内P「……」 

タンッ…タンッ…タンッ…タンッ… 


リュウ『昇竜拳! 昇竜拳! 昇竜拳! 昇竜拳!』 


武内P「…………」 

タンッ…タンッ…タンッ…タンッ… 


リュウ『昇竜拳! 昇竜拳! 昇竜拳! 昇竜拳! 昇竜――』 


  ・  ・  ・ 

武内P「……」 

クイッ…クイッ…クイッ…クイッ… 


未央「ねえ……プロデューサーの左手の動き、何?」 

卯月「さ、さあ……?」 

凛「……」

678: 名無しさん 2019/03/04(月) 21:22:56.57 ID:ygpzqO+to
  ・  ・  ・ 

まゆP『――うし、やるか』 

武内P「ええ、そうですね」 

まゆP『っつーかよ、なんでリュウなんだよ』 

まゆP『道着キャラだったら、豪鬼使えば良いだろ』 

武内P「……それは、貴方にも言えることでは?」 

まゆP『そ、そりゃあお前アレだよ、アレ』 

まゆP『なんつーか、ガキの頃からの思い出っつーもんがよ?』 

武内P「……はい、そうですね」 


リュウ『――この道を進むのみ!』 


武内P・まゆP「『……」』 


ケン『――来いよ! 熱くさせてやるぜ!』 


武内P・まゆP「『……っくく!」』

679: 名無しさん 2019/03/04(月) 21:32:50.85 ID:ygpzqO+to
まゆP『ゲームは子供がするもんだ、って言葉があるよな』 

武内P「ええ、そうですね」 


『ROUND 1』 


まゆP『俺、この歳になってやっと意味がわかった気がするぜ』 

武内P「えっ?」 


『FIGHT』 


まゆP『なあ、聞いてくれるか?』 


リュウ『波動拳!』・ケン『波動拳!』 


まゆP『――聞けよ! サラッと波動拳うってんじゃねえぞ!』 

武内P「実は、私も意味がわかった気がしています」 

まゆP『あん? ってオイコラァァァ! ちょっ、待って!』 


武内P「ゲームをすると、大人でも子供になる、と」 

武内P「……そういう意味なのではと考えています」

680: 名無しさん 2019/03/04(月) 21:42:03.02 ID:ygpzqO+to
  ・  ・  ・ 

凛・まゆ「……!」 


武内P「あの……渋谷さん、佐久間さん?」 

まゆP「なんでぇなんでぇ、おっかねえツラしやがって」 

まゆP「お前らどうした、殺意の波動か? 目覚めちゃったのか?」 

武内P「それは……困りますね」 

まゆP「まあ、お前は常にそんな顔してるけどな」 

武内P「……」 

まゆP「っつーか、二人して何だよ」 

まゆP「俺ら、帰ってやる事あんだよ。なあ?」 

武内P「ええ、そうですね」 


凛・まゆ「……!」

681: 名無しさん 2019/03/04(月) 21:48:25.33 ID:ygpzqO+to
凛「……最近、様子がおかしい」 

武内P「そう、でしょうか?」 

凛「全然、サービス残業してない!」 

武内P「それは……良い事なのでは?」 


まゆ「二人して、何をしてるんですか?」 

まゆP「あぁん? 別に、大した事はしてねえよ」 

まゆ「うふ、それにしては……最近、楽しそうですねぇ」 

まゆP「そうか? まあ、滾ってきてはいるけれども」 


凛「……ねえ、何してるの!?」 

凛「納得のいく説明を聞かせて!」 

まゆ「まゆも、ご一緒して良いですか?」 

まゆ「言えないような事じゃないなら、良いですよねぇ」 


武内P・まゆP「……」

682: 名無しさん 2019/03/04(月) 21:52:54.08 ID:ygpzqO+to
武内P「渋谷さん……安心してください」 

凛「でも……!」 

武内P「……誰にも、言わないで頂けますか?」 

凛「! うん、言わないから!」 


武内P「――バレないよう、早出をしているので大丈夫です」ニコリ 


凛「……ふーん、そうなんだ」 

凛「なら、安心だね」ニコッ! 


武内P「……良い、笑顔です」 


凛「……」 

凛「ふざけないでよ!! 答えになってない!!」

683: 名無しさん 2019/03/04(月) 22:01:43.17 ID:ygpzqO+to
まゆP「……良いか、まゆ」 

まゆP「男には、誰にも言わずにやり遂げなきゃいけない時がある」 

まゆP「誰かに言った時点で、手の中からこぼれちまうんだ」 

まゆP「思いとか、握りしめた100円玉とか……色々な」 


まゆ「シンデレラプロジェクトのプロデューサーさんは?」 


まゆP「……まゆ」 

まゆP「お前はアイドルで、ファンの人達に笑顔を向けなきゃならねえ」 

まゆP「でもな、そんなお前に……背中を見守ってもらえたら」 

まゆP「男ってのは単純でな、気合が入るもんなんだよ」 


まゆ「まゆには、教えてくれないんですかぁ?」 


まゆP「ねえ、俺の話聞いてる!?」

684: 名無しさん 2019/03/04(月) 22:07:32.48 ID:ygpzqO+to
凛「プロデューサー!」 

まゆ「プロデューサーさん?」 


まゆP「ああもう、うるせえうるせえ! ゲームだよ、ゲーム!」 

武内P「……ええ、実は二人で同じゲームを」 


凛「誤魔化さないでよ! 馬鹿にしてるの!?」 

まゆ「二人みたいな大人が、真剣になるはずないですよねぇ?」 


武内P・まゆP「……」 

まゆP「本当の事は言ったから、俺らはもう行くからな」 

武内P「すみません……ネット対戦もし、かなり仕上がってきたので」 


凛「ちょっと! 逃げないでよ!」 

まゆ「二人共、どこへ行くんですか?」 


武内P・まゆP「……」 


武内P・まゆP「――俺より強い奴に、会いに行く」 


凛・まゆ「……」 

凛・まゆ「……はっ?」

685: 名無しさん 2019/03/04(月) 22:17:17.87 ID:ygpzqO+to
  ・  ・  ・ 

武内P・まゆP「……!」 


武内P「……少し、緊張しますね」 

まゆP「おいおい、だらしねえな……ビビってんのか?」ブルブル! 

武内P「……」ジーッ! 

まゆP「ば、バッカお前これは違うから! 武者的な震えだからね!」ブルブル! 

まゆP「あっ、トイレ! トイレ我慢してたからかも!」 


武内P「コンボは?」 

まゆP「――完璧にきまってんだろ」 


まゆP「対空は?」 

武内P「――笑顔です」 


武内P「……では、行きましょう」 


まゆP「見てろや、ピコピコガールズ共がぁ!」 

まゆP「大人の立ち回りってのを見せてやんよォォォォォ!!」

686: 名無しさん 2019/03/04(月) 22:23:52.67 ID:ygpzqO+to
  ・  ・  ・ 

武内P・まゆP「……」 


杏「ま、こんなもんかな~」 

紗南「二人共、すっごい気合入ってたね!」 

杏「いやー、気合で勝てれば苦労はしないっしょ」 

紗南「……だねー、やりこみの差ってやつかなっ」 


杏「んじゃ、気が向いたらまた四人で対戦しよっか」 

紗南「あっ、良いね! アイテムとか色々有りにしてさ!」 

ガチャッ、バタンッ! 


武内P・まゆP「……」 

武内P「……若い方は、色々なゲームをしますね」 

まゆP「……す……す……!」 


まゆP「スマブラかよオオオォォォォォ!!」 



おわり