468: 名無しさん 2012/08/13(月) 21:21:55 ID:FykBVqAs


喚起士「後はこのまま西に向かい……」

蒼頭「村を二つ越えた先が谷の国になり申す」

剣士「………」

蒼頭「どうなされた?」

剣士「いやぁな?……それまでにこいつをどうにかしてえなってな」

蒼頭「……そうですな。お互い良き出逢いがあればよろしいが………」

剣士「だな」

姫宮「………」

召喚士「大丈夫かい?」えへっ

姫宮「それ気持ち悪いからやめて……」

召喚士「………」

引用元: ・召喚士「出でよ!!可愛い獣娘!!」

469: 名無しさん 2012/08/13(月) 22:43:15 ID:FykBVqAs


ネメア (本当に偶然だろうか……私がこいつの元に来たのは……)

召喚士「………」

姫宮「気持ち悪いって言ってごめん……」

ネメア (偶然では無く何かしらの意図みたいな物があるのだろうか……)

召喚士「……お姫様、お城に美人っている?」

姫宮「いるけど……何で?」

ネメア (もしあるのならそれは何なのか……それにこいつの魔力もそうだ……)

召喚士「紹介してよ」

姫宮「……嫌だけど」

ネメア (魔力の増減がここまでわからぬ事などありえるのか?)

召喚士「メイドさんでいいから!むしろメイドさんがいいから!」

姫宮「嫌!……喚起士に言うよ?」

ネメア (私がこの姿なら魔力の消費は押さえられるが……それでも限度がある筈……)

470: 名無しさん 2012/08/13(月) 22:54:58 ID:FykBVqAs
召喚士「かかか喚起士さんは関係無いだろ!」

姫宮「へぇぇぇぇ!」

ネメア (召喚術を使った時もそうだ……魔力の変調は無いみたいだった……)

召喚士「な、何だよ!」

姫宮「……いつもジロジロ見てるのに関係ないの?」

ネメア (わからぬ……召喚士よ貴様は何者だ……)

召喚士「………」

姫宮「喚起士ぃぃッ!」

召喚士「馬鹿!やめろよ!」

姫宮「ほう……私に馬鹿って言っちゃう?」

召喚士「………」

姫宮「ほら、こう言う時って何て言うの?ねえ?」

召喚士「馬鹿って言ってすいませんでした……」

姫宮「ふふふ……」

召喚士「ぐぬぬ……」

471: 名無しさん 2012/08/13(月) 23:17:44 ID:FykBVqAs


ジノ「まだ気にしてるの……」

喚起士「仕方無いじゃないですか……あのような事言われたの二回目なんですから……」

ジノ「二回目?……へぇ、過去にそう言う人いたんだ!」

喚起士「違いますよ……」

ジノ「じゃあ誰に言われたの?」

喚起士「……兄にですね」

ジノ「そうなんだ……」

喚起士「………」

ジノ「ごめんね……」

喚起士「いいですよ」

ジノ (召喚兄さん……高ポイントゲットしたみたいですぞ!)

472: 名無しさん 2012/08/13(月) 23:33:53 ID:FykBVqAs


剣士「ドラァアッ!」

ブオンッ!

盗賊「………」ヒョイ

剣士「当たんねえッ!」

蒼頭「こちらもお忘れ無くッ!」

シュビンッシュガッガスッ!

剣士「ぐうぅッ!軽い武器だと動きが違うな蒼頭よっ!」

蒼頭「これが枝では無く刀なら良いのだが」

盗賊「………」シュッ!

ドズッボグッ!

剣士「ぐがぁあ……」

蒼頭「ぐぁぁ……お子よ……」

盗賊「……よそ見は駄目」

剣士「ちったあ手加減しろよ……」

473: 名無しさん 2012/08/14(火) 00:10:56 ID:dpl7VU1g


ネメア「………」

召喚士「困るだろ!保険だよ保険!」

姫宮「うわ……」

召喚士「喚起士さんは好きだ。うん、これは揺るぎ無い。だがな!」

姫宮「………」

召喚士「振られたらどうするか、相手にされなかったらどうするか!」

姫宮「………」

召喚士「それで傷付いた俺を慰めてくれる優しくてオッパイの大きいちょっとエッチなメイドさんに側にいて欲しいだろ!」

姫宮「だろって言われても……」

召喚士「だから紹介してって言ってるの!お子様にはわからないか!」

姫宮「大人でもわからないと思うけど……」

ネメア「くだらぬ事をグダグダと……」

474: 名無しさん 2012/08/14(火) 00:32:51 ID:dpl7VU1g
召喚士「俺には大事な事なの!」

ネメア「貴様は……私がこんなに悩みぬいてるのに……」

召喚士「悩んでもわからない事はわからないんだから仕方無いんじゃないの?」

ネメア「そうだが……」

召喚士「それよりもさ……谷の国に着いたらどうするのか決まってるの?」

ネメア「……喚起士に聞けばよいだろ」

召喚士「そうなんだけどね……何か避けられてる雰囲気みたいなのが……」

姫宮 (だからしつこく紹介しろって言ってきたのか……)

ネメア「何かしたのか?」

召喚士「してないよ!……多分」

ネメア「ならば……お前が獣の小娘を召喚しようとしていた理由がバレたのだな」

召喚士「……ああ……やっぱりそうかぁぁぁ!そうかぁぁぁ……」

475: 名無しさん 2012/08/14(火) 16:39:45 ID:dpl7VU1g


剣士「………」バッ……

蒼頭「………」スゥ……

盗賊「………」ザッ!

剣士、盗賊、蒼頭「………」

蒼頭「ハァァァアッ!」

シュガッ!

盗賊「………」ヒョイッ

剣士「そっちに跳ぶとこれがあるぜッ!デアアアッ!」

ズゥドンッ!……

剣士「チッ!」

盗賊「………」シュッ!

バババッ!ガスガスッ!

蒼頭「ほ!は!」

グラ……

476: 名無しさん 2012/08/14(火) 16:57:40 ID:dpl7VU1g
剣士「やるな蒼頭!」

盗賊、蒼頭「………」ズサッ!

剣士「お?来いやッ!」

シュバッガガッ!

蒼頭「なんと!同時に受けるか!」

剣士「へっ!これだけ丸太の幅がありゃな!ダァァアアアッ!!!!」

盗賊「………」!

蒼頭「そんな大振りでは当たらん!」

ズゥゥゥンッ……

剣士「ああ!使いずれえな!」

グラグラッ………

蒼頭「な、なんだ?」

剣士「揺れてるぜ……?」

ガラガラガラッ!!!!

477: 名無しさん 2012/08/14(火) 21:07:11 ID:dpl7VU1g


ガラガラ……パラパラ……

剣士「盗賊ぅッ!蒼頭ぉッ!」

召喚士「……まさか二人落ちたのか?」

剣士「そうだぜ!うおぉぉおいッ!」

喚起士「今凄い音ッ……こ、この穴は……」

召喚士「パイアと蒼頭が落ちゃったみたいです……」

喚起士「ええ!……なら追い掛けなければ!」

剣士「……これを行くのか?」

召喚士「深そうだよね……」

喚起士「しかしですね……」

召喚士「ここはネメアに任せましょうか……」

ネメア「は?何を言っている?」

478: 名無しさん 2012/08/14(火) 21:14:32 ID:dpl7VU1g
召喚士「ロープ付けてさ……降ろすから!」

ネメア「待て待て待て!」

ジノ「兄ちゃん頑張って!」

喚起士「なら私が行ってきます!」

召喚士「駄目ですよ!危ないですから!」

ネメア「私は危なく無いとでも言うのか……」

召喚士「頼むよネメア!」

ネメア「………」

喚起士、剣士「………」ジトー

ネメア「わかった!わかったから……そのような目で見るな」

召喚士「じゃあ降ろすからな!見付けたらパイアか蒼頭にロープ引っ張って貰って!」

ネメア「ああ……何故このような事を……」ブツブツ……

479: 名無しさん 2012/08/14(火) 22:56:42 ID:dpl7VU1g


蒼頭「………」

盗賊「………」ユサユサ……

蒼頭「ぐぅ……お子か……ここは……」

盗賊「……あれ」

蒼頭「……なるほど。あそこから落ちたのか……ハッ!」

盗賊「………」?

蒼頭「お子よ怪我は無いか!」

盗賊「……平気」

蒼頭「そ、そうか……某は!……ん、何とも無い……」

盗賊「………」

蒼頭「何故……かなりの高さから落ちたようだが……」

盗賊「……私が支えたから」

蒼頭「そうか……お子よ助けて頂き感謝する……」

480: 名無しさん 2012/08/14(火) 23:04:44 ID:dpl7VU1g
蒼頭「しかしこれでは……戻れんな。お子は戻れそうか?」

盗賊「………」フルフル

蒼頭「そうか……」

盗賊「………」

蒼頭「こう暗くてはな……まずは灯りを……」カザカザ……

盗賊「………」?

蒼頭「待っておれ。今……」

カチッカチッ……ボッ……

蒼頭「……これなら少しはましか」

盗賊「……それは?」

蒼頭「提灯と言う。……この空洞……洞窟か?」

盗賊「………」

カツーン……カツーン……

481: 名無しさん 2012/08/14(火) 23:13:51 ID:dpl7VU1g


召喚士「ネメアぁぁ!まだぁぁあ!」

……「まだだッ!」

姫宮「大丈夫かな……」

喚起士「大丈夫ですよ……きっと……」

剣士「二人共人間じゃねえんだ。平気だって!」

姫宮「………」

剣士「盗賊は頑丈だしな!蒼頭だって身が軽りぃし」

姫宮「でも……」

喚起士「姫宮さん……」

召喚士「ネメアぁぁ!……ネメアぁぁ!?」

剣士「……どうしたんだ?」

召喚士「いや……返事が無くなったんだけど……」

剣士「ロープ……切れてねえよな?」

482: 名無しさん 2012/08/14(火) 23:48:45 ID:dpl7VU1g
召喚士「………」スルスル……

剣士「………」

召喚士「……うん、切れてる」

喚起士「ええ!」

剣士「どうするんだよ……」

召喚士「どうしよう……」

喚起士「と、取り合えずお湯を沸かして!」

姫宮「喚起士落ち着いて!」

召喚士「………」

剣士「………」

喚起士「………」

姫宮「………」

483: 名無しさん 2012/08/15(水) 15:16:16 ID:WZM9RTDA


ガランッガランッ!ドウンッ……

蒼頭「………」

ネメア「馬鹿がッ!私を粗末に扱いおってぇぇッ!」

蒼頭「ネメア殿……」

ネメア「おお!パイアと蒼頭無事だったか!」

蒼頭「まぁ何とかは。しかし……」

ネメア「上へは上がれないか?」

蒼頭「そのようで」

ネメア「ふむ……」

カツーン……カツーン……

ネメア「……この音は?」

蒼頭「わかりませぬ。この空洞、どうやら洞窟になっているようでして。音は奥から響いてきたものかと」

ネメア「……なるほど」

蒼頭「………」

484: 名無しさん 2012/08/15(水) 15:29:18 ID:WZM9RTDA
ネメア「進むしかあるまい。音の正体が何であれな」

蒼頭「そうですな……」

盗賊「……剣士は?」

ネメア「上にいるが?」

盗賊「そう……」

ネメア「……?」

蒼頭「この先が極楽か地獄か……地獄へ続く道で無い事を祈りましょうぞ」

ネメア「そうだな」

蒼頭「まだどちらとも行きたくは無いですがな」

ネメア「……ふふふ」

蒼頭「何か可笑しかったで御座ろうか?」

ネメア「考え方が人間と同じだと思ってな」

蒼頭「………」

485: 名無しさん 2012/08/15(水) 18:11:16 ID:WZM9RTDA


カツーン……カツーン……

蒼頭「何やら金属を叩いている音のようで御座いますな」

ネメア「そうだな。……それに奥は明るいみたいだが」

盗賊「………」

蒼頭「お子よ、大丈夫か?いつもと感じが違うように見えるが」

盗賊「……まだ大丈夫」

ネメア「まだ?何がまだなんだ?」

盗賊「………」

蒼頭、ネメア「………?」

カツーン……カツーン……

486: 名無しさん 2012/08/15(水) 18:50:59 ID:WZM9RTDA


カツーン……カツーン……

蒼頭「こ、これは……」

ネメア「乱雑に並べられた武器の数々か……」

蒼頭「………」

ダダダダッ!

ネメア「どうしたッ!」

盗賊「………」

ネメア「パイアよ、蒼頭を追ってくれ!」

盗賊「………」コクッ

ダダダダ……

ネメア「この奥に何があるかわかったのだな蒼頭は……」

盗賊「………」

カツーン……

487: 名無しさん 2012/08/15(水) 19:59:06 ID:WZM9RTDA


……「………」カツーンッ!

蒼頭「………」

……「………」カツーンッ!

蒼頭「……もし、そこの御仁よ」

……「………」

蒼頭「もしやナイトメアなる武器の数々を製作している鍛冶匠とお見受けするが如何か?」

……「………」カツーンッ!

蒼頭「………」

……「………」カツーンッ!

蒼頭「答えよッ!」

……「……そんな物は知らん。邪魔だ」

蒼頭「そうか……」

……「………」

488: 名無しさん 2012/08/15(水) 22:44:58 ID:WZM9RTDA
盗賊「………」

……「また人間か……出て行けぇえッ!お前らがわしの物を盗み邪魔ばかりするからぁッ!」

蒼頭「御仁よ……」

……「言い訳なんぞ聞かんッ!グゥゥ……わしにお前らを潰せる力があればぁぁ……」

蒼頭「………」

……「何故……わしの静寂の鍛冶場を荒らすんだ……」

蒼頭「……御仁……苦労しておるようだな」

……「誰のせいだと思っているッ!全部お前ら人間のせいだろうがッ!」

蒼頭「申し訳無いが……ここに人間はいない……」

……「はぁぁぁあ?人間だろッ!」

蒼頭「某とこのお子は人間では無い」

489: 名無しさん 2012/08/15(水) 22:57:14 ID:WZM9RTDA
……「………」

蒼頭「……証明は出来んが」

……「信じられん……」

蒼頭「………」

ネメア「聞きたい事がある。いいか?」

……「………ぁぁ」

ネメア「……何だ?」

……「ノオオオオッ!おいお前!今この手甲から声が聞こえたぞッ!」

ネメア「そうだが……」

カバッ!

……「貸せッ!おおおお……」

蒼頭「……御仁?」

……「初めて見たぞ……魔王の魂の破片が込められた武具を……」

ネメア「……??」

蒼頭「ネメア殿……魔王だったのですか?」

490: 名無しさん 2012/08/16(木) 02:57:41 ID:.63k26FU
ネメア「そんなものになった事は一度たりとも無いが……」

……「はぁぁぁぁあ凄………ん?」

蒼頭「どうした御仁よ?」

……「これもしかして……召喚器か?」

ネメア「そうだが?」

……「なんじゃ……つまらん」ポイッ

ネメア「投げるなッ!」

……「がっかりだわい……」

ネメア「………」

蒼頭「召喚器とはなんで御座ろうか?」

ネメア「それはな……召喚獣が宿る武具などを召喚器と言うのだ。召喚獣自体が召喚器になる事もあるがな」

蒼頭「……なるほど。ならばネメア殿はどちらで御座ろう?」

ネメア「私は後者だな」

蒼頭「ほう……」

491: 名無しさん 2012/08/16(木) 05:43:39 ID:.63k26FU
盗賊「……これ」

……「なんじゃ……その剣がどうかしたのか?」

盗賊「売って」

……「売り物じゃ無いわい。……それにそんな鈍らを手にしてるようじゃお前見る目が無いな」

盗賊「………」

蒼頭「某は中々の物だと思うのだが……」

……「……お前、その腰の物見せてみろ」

蒼頭「はぁ?どうぞ」カチャ

……「………」スゥ……

蒼頭「………」

……「なるほど。確かに人間じゃ無いみたいだな」

蒼頭「……何故、刀を見てわかるのですか!」

……「魂の色相って知ってるか?」

蒼頭「魂を持つ者にある色や形……と聞き申したが……それが何か?」

492: 名無しさん 2012/08/16(木) 17:27:35 ID:.63k26FU
……「武器ってのはな、使えば使っただけ持ち主の色相が染み付くもんなんだよ」

蒼頭「………」

……「……知らんのか?」

蒼頭「某は未熟者故……知りませぬ……」

……「そっか。こんな刀……だったか、使ってるようじゃわからんわな」

蒼頭「………」ムッ……

……「……ん」

蒼頭「何を……」

……「……えい」ガシッ!……パキィィンッ……

蒼頭「うわああああッ!某の刀をぉぉぉあッ!」

……「必要無いだろ。もう武器を解放してやれ」

蒼頭「かたかたかたかた……おおおら折られ……あばばば……」

……「………」

493: 名無しさん 2012/08/16(木) 23:13:48 ID:.63k26FU
蒼頭「な、何故ぇぁあッ!某の大切な刀をぉぉおッ!」

……「この刀……泣いていたぞ?」

蒼頭「ふうぅ……泣いてとはどう言う事で……グスッ御座ろうか……」

……「お前この刀を使いこなせ無いのに振り回してたろ」

蒼頭「如何にも……」

……「巧く扱われない武器の気持ち考えた事あるか?」

蒼頭「……ありませぬ」

……「所詮武器は物だと思っているんだろうが……違うんだぞ。これは使い続ければ使用した者の魂の残留物が蓄積されていくんだ」

蒼頭「………」

……「どんな武器でもな。そして心を持つ……」

蒼頭「まさか……」

……「お前はあの刀を手放す事は考えていなかっただろ?」

蒼頭「無論!某の大切な刀ですからな!」

494: 名無しさん 2012/08/17(金) 21:51:10 ID:3G/PKOBI
……「大切なら何故泣かせる?……ってわからなかったんだよな」

蒼頭「左様で……」

……「代弁してやるが……もう戦いたく無いだとさ」

蒼頭「………」

……「この刀が幾つの命を奪ったかは知らん。……お前の側にいたくも無かったみたいだ」

蒼頭「………」

……「お前が修羅の途へ堕ちないようにとな」

蒼頭「………」

……「だから……理解し解放してやれ」

蒼頭「ぐぅぅ刀よ……」

495: 名無しさん 2012/08/18(土) 13:51:15 ID:TxFnlgzk


蒼頭「………」

……「………」

蒼頭「……刀よ、今まで御苦労であったな。緩くりと休まれよ……」

……「……わしが言うのもなんだが、お前丸腰だと困るだろ?」

蒼頭「そうですな……」

……「どっこいせ!あぁ……どこ置いたかな」ズリズリ……

蒼頭「御仁、左足をどうにかしたのか?」

……「ちょっと太陽の光に当ててな灰にしちまった」

蒼頭「灰?」

ネメア「……お前ドヴェルグか?」

ドヴェルグ「そうだ。よくわかったな」

ネメア「それでか。このような場所で……よく生き残っていたものだな」

ドヴェルグ「………」

496: 名無しさん 2012/08/18(土) 14:03:07 ID:TxFnlgzk
ネメア「滅びたとばかり思っていたが」

蒼頭「ネメア殿……お知り合いなのですか?」

ネメア「いや、知らん。だが……こいつの一族は有名だからな」

ドヴェルグ「どうせ有名って言っても悪い方でだろ。嬉しく無いわい」

ネメア「……お前はまだ作り続けているのか?」

ドヴェルグ「………」

ネメア「もうそのような物が必要な時代では無いと思うが」

ドヴェルグ「仕方あるめえ……それがわしの存在意義だ。それにそれしか生き方を知らん」

ネメア「……そうか」

蒼頭「ネメア殿……どう言う事で御座ろうか?」

ネメア「こいつは神殺しの武器を造る一族なんだ」

蒼頭「なんと……」

497: 名無しさん 2012/08/18(土) 14:22:10 ID:TxFnlgzk


ドヴェルグ「こいつを持ってけ。刀じゃ無いが似てるだろ?」

蒼頭「こ、これは……なんと……」

ドヴェルグ「気に入らないか?」

蒼頭「いえ……なんと言う軽さと……」

ドヴェルグ「そいつは結構自信があるんだ。何てったってレヴィアタンの鱗より削り出した物だからな!」

蒼頭「よくわからんが凄いな……」

ネメア「待て。蒼頭よ……その武器を返せ」

蒼頭「何故で御座ろう?このような逸品……」

ネメア「レヴィアタンは女性を呪うぞ?」

蒼頭「……ッ!」カチャーンッ!

ドヴェルグ「こいつ女なのか!……すまねえわからんかったから……」

蒼頭「くれるのはいいのですが……呪いとか……そのような類いの武器はやめてくだされ……」

ドヴェルグ「わかった……」

498: 名無しさん 2012/08/19(日) 14:30:24 ID:kP7OjNLA
蒼頭「………」

ドヴェルグ「どれにすっかな……容姿がわかりゃ決めやすいんだが、晒したく無いからそんなもんつけてるんだろうし……」

蒼頭「………」

ドヴェルグ「ん……」

蒼頭「なら……これで宜しいか?」パサッ……

ドヴェルグ「………」

ネメア「………」

蒼頭「………」

ドヴェルグ「なるほど。じゃあ、こいつだな。持ってけ」カチャ

蒼頭「拝見致す……」スゥ……

ドヴェルグ「そいつも軽いだろ?……白く淡い月の石を使ってるんだわい」

蒼頭「……呪いとかは?」

ドヴェルグ「無いから安心しろ」

499: 名無しさん 2012/08/19(日) 15:51:26 ID:kP7OjNLA
蒼頭「………」カチンッ……

ドヴェルグ「………?」

蒼頭「ハァァッ!」バッ!

………ィィィイイン……

ドヴェルグ「こんな所で振り回すな!」

蒼頭「凄い……」

ドヴェルグ「だろ?」

蒼頭「軽いのにブレが無い……抜刀しても僅かな反響音しかしないなんて……」

ドヴェルグ「それに……お前にピッタリだ」

蒼頭「……そうで御座ろうか?」

ドヴェルグ「その白い刀身とお前は似てるだろ?」

蒼頭「や、やめてくだされ!」

ドヴェルグ「ガハハハッ!」

ネメア「……どうした?パイア」

盗賊「………」

500: 名無しさん 2012/08/19(日) 17:50:33 ID:kP7OjNLA
ネメア「……?」

盗賊「………」ググッ!

バギンッ!

ネメア「な、なにをしているのだ!」

バギンッ!バギィィンッ!

ドヴェルグ「やめてくれぇぇぇッ!わしの剣がぁぁッ!」

盗賊「………」

ドヴェルグ「どうして剣を割るんだッ!?」

盗賊「折れなければ鈍らじゃ無い……」

ドヴェルグ「……は?」

バギンッ!

ドヴェルグ「うわぁぁぁああッ!こいつを止めてくれッ!」

盗賊「………」ググッバッ!

ネメア「恐らく……見る目が無いと言われた事が気に入らなかったのだな……」

501: 名無しさん 2012/08/20(月) 00:02:41 ID:xlpfeFA6
蒼頭「なるほど……」

バギンッ!

ドヴェルグ「そんな事言って無いで止めろぉぉぉおッ!」

盗賊「………」バッ!

ガギッ!

盗賊「……ッ!」

ドヴェルグ「おおおお……」

盗賊「………」

ドヴェルグ「勘弁してくれぇ……」

盗賊「……この剣売って」カチャ

ドヴェルグ「……これだけしといて言う言葉がそれか!」

盗賊「………」バッ

ドヴェルグ「わかった!わかったから!売るから!」

盗賊「……はい」チャリ

504: 名無しさん 2012/08/20(月) 10:10:44 ID:xlpfeFA6


ドヴェルグ「うおおぉ……わしの剣達が……」

蒼頭「まぁ……解放してやったと思って……」

ドヴェルグ「思えるか!……しかもいいやつを持って行くし!」

盗賊「………」バッ!

ネメア「やめないかパイア……誉めていない……」

ドヴェルグ「こんな銅の小銭と交換なんて割に合わんわい……」

蒼頭「やはりあれも特殊な材料で制作されたのですか?」

ドヴェルグ「そうだな……この世界には存在してはいけない魔物の鱗で造ってある」

ネメア「天界か冥界の奴か?」

ドヴェルグ「どちらも違う。……人間の世界の魔物だ」

ネメア「どう言う事だ?」

505: 名無しさん 2012/08/20(月) 10:31:48 ID:xlpfeFA6
ドヴェルグ「昔、馬鹿な人間が魔物を混ぜまくって新しい魔物を造っちまったのさ。そいつの鱗だ」

ネメア「そんな事が……いや、人間だから出来るのか……」

ドヴェルグ「そうだ……」

蒼頭「人間だからですか?」

ネメア「そう、人間だから。奴らはあらゆる術を使いこなせるだろ?」

蒼頭「言われてみれば……確かに」

ネメア「その中で稀に……何種類もの術を扱える者が産まれるんだ。そう言う者が……その新しい魔物を造りだしたんだろうな」

蒼頭「……なるほど。なら某達のような人間で無い者だと出来ないと?」

ネメア「出来るには出来るが……」

蒼頭「出来るが?何で御座ろう?」

ネメア「まぁ……例えばだ、お前が私の子を産めば恐らく存在していない魔物が産まれる」

蒼頭「………」バッ!

ネメア「構えるな……例えばと言ってるだろ……」

506: 名無しさん 2012/08/20(月) 10:48:40 ID:xlpfeFA6
ドヴェルグ「その女は見た目は良いから側に置いとくなら目の保養になるな!ガハハハッ!」

蒼頭「………」

ネメア「そう言うつもりで言ったのでは無いッ!……で、その魔物の名はあったのか?」

ドヴェルグ「ああ有ったよ。ドラコベヒーモスって名だな。こいつは鱗は硬いわ魔法は効かないわで、倒すのは一苦労らしいが」

ネメア「聞いた事は無いな」

ドヴェルグ「そいつの鱗で造った剣がそれだ。……お前が使うのか?」

盗賊「………」フルフル

ドヴェルグ「なら誰が使うんだ?」

盗賊「剣士……」

ドヴェルグ「……人間か?」

盗賊「………」コクッ

ドヴェルグ「………」

507: 名無しさん 2012/08/20(月) 21:51:56 ID:xlpfeFA6
盗賊「………」

ドヴェルグ「何故お前は人間なんぞの為にそこまでしてやる?」

盗賊「………」

ドヴェルグ「いい事など無いだろ!残虐非道で物を盗むわ!それを売りさばき私腹を肥やすわ!」

盗賊「………」しゅん……

ドヴェルグ「それとな!」

ネメア「ドヴェルグよ……それ以上言わないでやってくれ……」

ドヴェルグ「ああ?何でだ!人間とはどう言うものか教えて!」

ネメア「パイア……こいつはそれをしていた時期があったのだ。だからな……」

ドヴェルグ「………」

盗賊「………」

ドヴェルグ「取り合えず……人間は信じるな。いいな!」

盗賊「……嫌」

ドヴェルグ「だぁぁあ!何でだ!」

508: 名無しさん 2012/08/22(水) 08:55:01 ID:IjDpwn1U
蒼頭「善き人間もいまする。今、御一緒している方々も……」

ドヴェルグ「どうせ裏切る!でなければ見捨てる!人間はそう言うもんだ!」

ネメア「………」

ドヴェルグ「……帰ってくれ。人間と馴れ合ってるお前らといたくないわい……」

ネメア「ドヴェルグよ、お前と人間の間に何があったのかは知らんが……」

ドヴェルグ「………」

ネメア「帰るにも今はその道が無くなってしまっているんだ」

ドヴェルグ「はぁ?道が無いのにどうやって来た?」

ネメア「それはだな……」

509: 名無しさん 2012/08/22(水) 09:03:23 ID:IjDpwn1U


召喚士、喚起士、剣士、姫宮「………」

ジノ「……嫌だけど」

召喚士「頼むよ……お前しかいないんだよ」

剣士「そうだぜ!今度はロープ切らないようにするからさ!」

ジノ「………」

喚起士「ジノ……」

ジノ「あのさ……わざわざ召喚器にロープ着けて降ろす事無いと思うんだけど……」

召喚士「どうすりゃいいんだよ?」

ジノ「あたしか兄ちゃん召喚しちゃえば良かったんじゃないの?」

召喚士、喚起士「ッ!!」

ジノ「なんでそんなに驚くの……」

召喚士「召喚なんてほとんどして無いから頭に無かったよ……」

喚起士「そうですね……」

510: 名無しさん 2012/08/22(水) 10:03:40 ID:IjDpwn1U
ジノ「………」

喚起士「なら……ジノ、お願いできますか?」

ジノ「はいはい……」

バシュンッ!

ジノ「じゃあ行ってくるから……」

召喚士「頼んだぞ!無駄にいいオッパイ!」

ジノ「黙れ!どう

召喚士「あああーッ!ああ!」

剣士 (どう?……ど……導師!召喚士……お前やっぱり……)

ジノ「………」

ダダダッ……

喚起士「………」

召喚士「普通に駆けて行きましたけど……」

喚起士「それがどうかしましたか?」

召喚士「いや……背中の羽使って飛んで行くじゃないのかと……」

511: 名無しさん 2012/08/22(水) 14:51:46 ID:IjDpwn1U


ドヴェルグ「なるほど……」

蒼頭「ここへ来たのも偶然なのです」

ドヴェルグ「……どうするんだ?わしは人間が簡単に入って来れなくなったか嬉しいが、お前ら帰れんぞ?」

蒼頭「他に出入り口は……」

ドヴェルグ「無い」

蒼頭「なんと……困り申したな……」

ネメア「せめて召喚士がいれば私が出たものの……」

ドヴェルグ「……お前もしかして人間に使役してるのか?」

ネメア「そうだ。……不本意だがな」

ドヴェルグ「そこの小娘で無く?」

ネメア「そうだ。パイアも人間に使役してる」

ドヴェルグ「ならネメアと言うのはあのネメアか!」

ネメア「どのネメアの事か知らんが多分そのネメアが私だろうな」

ドヴェルグ「ほほほうッ!」

512: 名無しさん 2012/08/22(水) 15:20:34 ID:IjDpwn1U
ネメア「……何だ?そんな目を輝かせて……」

ドヴェルグ「お前の毛皮くれ!」

ネメア「やれる訳無いだろ……」

ドヴェルグ「ちょっとでいいからッ!シッポのところをなッ!」

ネメア「ふざけるな。誰がやるか……」

ドヴェルグ「つまらんわい……」

ネメア「………」

蒼頭「……ネメア殿の毛皮はそれ程価値のあるものなのですか?」

ドヴェルグ「知らんのか?こいつの毛皮はな、わしらみたいな者にとっちゃ最高な物なんだぞ」

蒼頭「ほう……数々の素材を扱ってきた御仁が言うのですから相当な物なのですな」

ドヴェルグ「おうとも!だからくれッ!」

ネメア「やらんッ!」

513: 名無しさん 2012/08/22(水) 15:42:40 ID:IjDpwn1U
ドヴェルグ「つまらんッ!」

ネメア「知るかッ!」

蒼頭 (ネメア殿の毛皮でいったい何が出来るので御座ろうか……)

ネメア「……そうだ、お前に聴きたい事があったのだ」

ドヴェルグ「毛皮をくれたら答えてやるわい」

ネメア「しつこいッ!……先日、喋る斧と言う物の存在を知った。造ったのはお前か?」

ドヴェルグ「わしにはそんな物造れんわい。喋るって事はそれも召喚器じゃ無いのか?」

ネメア「………」

盗賊「違う」

ドヴェルグ「……本当か?」

盗賊「………」コクッ

ネメア「なら我々の仲間でも無いのか……」

ドヴェルグ「………」

ネメア「どうした?」

ドヴェルグ「それどこで知った?」

514: 名無しさん 2012/08/22(水) 16:22:11 ID:3AhrA7wk
ネメア「昔……パイアが売ってしまった物にそれがあったらしい」

ドヴェルグ「売ったッ!……そ、その斧は赤い宝石が付いてて!女の子供の声だったか!」

盗賊「そう……」

ドヴェルグ「……それ売ったのか……がああ勿体無い!勿体無いぃぃ!」

ネメア「そんなに価値のある物なのか?」

ドヴェルグ「あるあるあるッ!……それがあれば神を殺し放題だッ!」

ネメア「なッ!そんな危険な物なのか!」

ドヴェルグ「いや……言い方が悪かったな。それがあれば完全なる神殺しの武器を造るのに一歩近付く!」

ネメア「……全然違うではないか」

ドヴェルグ「がああ勿体無いぃぃい!」

蒼頭「喋る斧……それ程凄い物とは思えんのですが」

515: 名無しさん 2012/08/22(水) 21:25:06 ID:3AhrA7wk
ドヴェルグ「ただ喋るだけじゃ無いぞ?そいつらの力が凄いんだよ!」

蒼頭「ほう……そいつら?他にも同じような物があるのですか?」

ドヴェルグ「わしが知ってるだけで槍と剣があるな!一度でいいから見てみたいものだわい……」

ネメア「そいつらの力とは何だ?それ程凄いものなのか?」

ドヴェルグ「凄いな。神留、召喚、分身等だ」

ネメア「召喚か……」

ドヴェルグ「それとな、それがさっき言ってた魔王の魂の破片が込められた武器なんだが……欠点もある」

ネメア「欠点?」

ドヴェルグ「……人間にしか扱えない」

ネメア「魔王の魂と言うぐらいだから魔王が造ったのだろ?何故人間だけなのだ?」

ドヴェルグ「ん……なんと言うか魔王が魔王を倒す為に造ったらしい」

ネメア「なんだそれは……意味がわからんぞ……」

516: 名無しさん 2012/08/22(水) 21:38:34 ID:3AhrA7wk
ドヴェルグ「詳しくは知らんが……今、魔王と言われてる者は本当の魔王では無いらしいぞ」

ネメア「………」

ドヴェルグ「その今の魔王に身体を乗っ取られたらしい」

ネメア「それなら自身で倒したらよさそうなものだが……」

ドヴェルグ「偽魔王の根城に近寄れ無いんだと。それで魔王が造った武器を人間に託しと言う訳だ」

ネメア「……なるほど。だが……お前、やけに詳しく知っているな」

ドヴェルグ「そりゃ本人に聞いたからな。時々ここに来るんだわい」

ネメア「は?」

ドヴェルグ「わしが大事にしてる酒を飲みにな」

ネメア「………」

ドヴェルグ「迷惑な事だわい……武器を見せんのにただ酒飲みおって……」

517: 名無しさん 2012/08/22(水) 21:50:35 ID:3AhrA7wk


ネメア「人間だけにしか扱えない物を何故欲しがる?」

ドヴェルグ「もしだ……これが魔物にも扱えたら強大な力になると思わないか?」

ネメア「………」

ドヴェルグ「きっと神さえも凌ぐ力になるぞ!」

ニイチャーンッ!

ネメア「この声……」

蒼頭「………」パサッ……

ネメア「……蒼頭よ、その顔ならば隠す必要は無いと思うが」

蒼頭「いえ……これを見られたら……きっと皆の側にいられなくなる故……」

ネメア「私はそのような事は無いと思うがな」

蒼頭「………」

518: 名無しさん 2012/08/23(木) 00:41:08 ID:PDwtj0JU


ジノ「無事で良かったね!」

ネメア「まあな……」

ドヴェルグ「………」

ジノ「この子汚いおっさんは何?」

ドヴェルグ「いきなりそれか!」

ネメア「ジノ……やめなさい……」

ジノ「本当の事だし!」

ドヴェルグ「ぐぬぬ……」

ジノ「さ!帰ろうよ!」

ネメア「ああ。ドヴェルグよ、騒がせて悪かったな」

ドヴェルグ「いいわい。目の保養にもなったからなグハハ!」

蒼頭「………」

ジノ「兄ちゃん……何故おっさんは蒼頭見て言ったの?」

ネメア「さあ?何故だろうな」

519: 名無しさん 2012/08/23(木) 00:52:56 ID:PDwtj0JU
ジノ「………」

ドヴェルグ「女、それ大事に使えよ」

蒼頭「勿論。もう……使われて辛いと思わせないよう精進致す故」

ドヴェルグ「そうしてくれ」

蒼頭「御仁……その刀の供養お頼み申す……」

ドヴェルグ「ああ、任せとけ。……小娘、裏切られないよう気を付けろよ」

盗賊「………」

ドヴェルグ「………」

ジノ「ほらパイアと蒼頭!背中に乗って!」

蒼頭「わかり申した。では御仁……達者で!」

ドヴェルグ「気を付けて帰れよ!ネメアッ!気が向いたら毛皮くれッ!」

ネメア「やらんと言ったッ!」

ドヴェルグ「グハハ!またな!」

520: 名無しさん 2012/08/23(木) 08:04:08 ID:PDwtj0JU


ダダダッ……

ジノ「パイア!あんまり強く掴まないでイタタッ!」

盗賊「………」グッ!

ジノ「痛いって!せめて肉じゃなくて毛を掴んで!」

ネメア「パイア……乗せて貰っているのだから優しくしなさい……」

蒼頭「ネメア殿……」

ネメア「なんだ?」

蒼頭「御仁は……あのまま連れて来なくても良かったのでしょうか……」

ネメア「構わん。ドヴェルグの一族は太陽の光に当たると灰になってしまうんだ。私達とは同じように暮らしてはいけない」

蒼頭「なるほど……」

ネメア「………」

蒼頭「………」

521: 名無しさん 2012/08/23(木) 16:17:02 ID:PDwtj0JU
ネメア「それと完全なる神殺しの武器と言っていたが……完成はしないだろうな」

蒼頭「何故で御座ろうか?……あのように心血を注いでいると言うのに」

ネメア「そんな物がもし誕生したならば全ての世界を混乱させてしまう。魔王もそれがわかっていて見せんのだろう」

蒼頭「………」

ネメア「蒼頭よ、それがドヴェルグの生き方だ。お前が落ち込む事は無い」

蒼頭「……そうですな」

ジノ「……?」

盗賊「………」グリッ!

ジノ「ギャァァァアッ!な、何すんの!?」

盗賊「面白かったから……」

ジノ「バカッ!」

盗賊「………」グリッグリッ!

ジノ「イタタダダダッ!やややめて……」

522: 名無しさん 2012/08/23(木) 17:38:33 ID:PDwtj0JU


姫宮「蒼頭ぉぉッ!」

蒼頭「姫様……御心配お掛けしました……」

姫宮「ふぁぁん無事で良かったよぉ……うぅ……」

蒼頭「……すみませぬ」

剣士「やっぱ無事だったか!凄えな盗賊よ!傷ひとつねえし!」

盗賊「……剣士これ」カチャ

剣士「この剣……どうしたんだ?」

盗賊「買った……」

剣士「買ったってお前……」

ネメア「剣士よ、本当だ。買ったかと言われると微妙だがパイアの持っていた金と交換したからな」

剣士「なんだその微妙って……まぁいいや。ありがとな盗賊!」

盗賊「………」バッ!

523: 名無しさん 2012/08/23(木) 20:15:50 ID:PDwtj0JU
剣士「どれどれ……中々いい重さだなおいッ!へぇ……」シャァ……

盗賊「……気に入った?」

剣士「………」

盗賊「………」?

剣士「………」

蒼頭「剣士、どうなされた?」

剣士「お前これ……ナイトメアだぜ……」

蒼頭「………」

剣士「ここ見ろよ、ほら柄の所に刻印打ってあるだろ?」

蒼頭「なるほど。御仁……やはりナイトメアの製作者であったか……」

剣士「凄えなぁ……この剣の名前ってなんだ?」

盗賊、蒼頭「………」

剣士「無いのか?」

524: 名無しさん 2012/08/23(木) 20:23:40 ID:PDwtj0JU
蒼頭「恐らく無銘かと……あの御仁だから名など付けんだろうし……」

剣士「そっか……でもナイトメアなんて初めて持ったぜッ!」

蒼頭「お子よ、喜んでいるようで良かったな」

盗賊「………」コクッ

剣士「……お前も買ったのか?」

蒼頭「某のは……まぁ……交換だ」

剣士「………」

蒼頭「………」

剣士「やっとくか?」ジャァッ!

蒼頭「……あの木が良さそうだな」スゥ……

剣士「じゃあ……行くぜぇぇッ!」

526: 名無しさん 2012/08/24(金) 07:43:23 ID:k5fnR5as


ジノ (クッソォ……羽むしって!もう絶対パイア背中に乗せない!)

喚起士「無事で何よりです……」

ネメア「心配をかけたな。蒼頭もパイアもあの通り無事だ」

喚起士「それにしても……あの武器は何でしょうか?この穴で何かあったんですか?」

ネメア「少しな……もう辺りは暗くなり初めているのか……」

喚起士「はい。結構な時間、あの穴にいましたからね」

ネメア「ならば野宿か?」

喚起士「いえ、もう少しで村に着きますのでこのまま進もうと思います」

ネメア「そうか。……あの馬鹿の姿が見えんが」

喚起士「彼方に……」

ズズゥゥゥゥゥゥン……

「あやつ下敷きになったぞ!」

「召喚士なら大丈夫だって!」

喚起士、ネメア「………」

527: 名無しさん 2012/08/24(金) 09:41:00 ID:k5fnR5as


剣士「悪りぃ悪りぃ!」

召喚士「こ、殺す気かッ!」

剣士「いやぁ予想以上にこの剣の切れ味が良くてよ!」

召喚士「ちゃんと周りを見てやれ!」

剣士「いいじゃねえか……下敷きになったの召喚士だけだったんだから……」

召喚士「いい訳無いだろッ!」

剣士「いざとなったらこんな木の一本や二本吹っ飛ばすなんざ訳無いだろ?」

召喚士「………」

剣士「……出来ないのか?」

召喚士「……………出来るよ」

剣士「だよなぁ!」

528: 名無しさん 2012/08/24(金) 17:04:32 ID:k5fnR5as
喚起士「召喚士さん大丈夫ですか!」

召喚士「ええ!大丈夫ですよ!」

喚起士「良かった……」

ネメア「………」

剣士「大丈夫に決まってるだろ。召喚士たぜ?」

喚起士「貴方って人は……でも、一子相伝の秘技を使える召喚士さんですから杞憂でしたね」

召喚士「まぁ……はは……」

剣士「召喚士ぃぃ!一子相伝の秘技って何だよぉぉ!」

召喚士 (なんだっけ……そんな事喚起士さんに言ったか……?)

剣士「俺にも教えてくれよッ!」

召喚士「教えんッ!」

喚起士「ごめんない……私余計な事を……」

召喚士「良いですよ……それ程凄い技じゃありませんから……?」

529: 名無しさん 2012/08/24(金) 22:50:44 ID:k5fnR5as
喚起士「あれが凄い技では無いとッ!召喚士さん……なんて人……」

召喚士「………」

剣士「どんな技なんだよッ!教えてくれよぉぉなあッ!」

召喚士「………」

喚起士「駄目です!あのような技……無闇矢鱈に!」

召喚士「か、喚起士さん……説明しても良いですよ?」

喚起士「……しかし」

召喚士「真似出来ませんから?大丈夫ですよ?」

喚起士「召喚士さんがそう言うなら……」

召喚士 (よし!これでどんな事言ったかわかるぞ!)

喚起士「なら……この技は召喚士さんの一族のみ伝わる一子相伝の秘技で……」

530: 名無しさん 2012/08/24(金) 23:08:21 ID:k5fnR5as


喚起士「……だそうです」

剣士「マジかよ……」

召喚士 (マジかよ……)

喚起士「………」

剣士「俺……一発喰らっちまったよ……」

蒼頭「なんと……」

剣士「お前聞いてたの?」

蒼頭「聴こえてしまったのでな。しかし……あのッ!秘技を使える者がいたとは……」

喚起士「知っているのですか?」

蒼頭「勿論……秘技中の秘技、もう使える者はいないと聞いたが……」

召喚士「………」

531: 名無しさん 2012/08/24(金) 23:31:43 ID:k5fnR5as
蒼頭「凄絶なる故……途絶えたらしい……」

喚起士「そんな技が使えるなんて……召喚士さん何者なんですか……」

召喚士 (こっちが聞きたいです……)

剣士「流石にこんな技……教えて貰う訳にはいかねえな……」

ジノ「ねえ!行かないと村に着かなくなっちゃうよ」

召喚士「い、行きましょう!ほら!この話は終わりにして!」

喚起士、剣士、蒼頭「………」

召喚士 (思い出した……喚起士さんと初めて会った時そんな事言ったっけ……マジで有ったなんて……)

喚起士 (召喚士さん……貴方は何を企んでいるのですか……)

剣士 (召喚士……お前が本気を出したらどんだけ強えんだよ……)

蒼頭 (本物か……恐ろしきものだな……)

ネメア (嘘が真になるとはな……)

532: 名無しさん 2012/08/25(土) 00:09:45 ID:rsscjXR.
ーー

剣士「着いたぜッ!盗賊!飯だッ!」

盗賊「剣士……」

剣士「何だ?」

盗賊「……こっち」

剣士「ああ?何にかあるのか?」

盗賊「………」

たたたっ……

剣士「おいって……あいつらまだ来てねえけどいいか。待ってくれ!」

ダダダッ……

蒼頭「姫様着きましたぞ!」

姫宮「うん、この村って有名だから来てみたかったんだよね」

召喚士「何が有名なんだ?」

姫宮「温泉!」

召喚士、喚起士「ッ!!!」

533: 名無しさん 2012/08/25(土) 00:21:39 ID:rsscjXR.
ジノ「……?」

召喚士「混浴か!お姫様!」コソコソ

姫宮「……初めて来るからわからないけど違うと思うよ」

召喚士「なんだよぉ……大事な事だろ!知っとけよ!」

姫宮「………」

喚起士「………」ジィ……

蒼頭「……何で御座ろうか?」

喚起士「いえ……」

姫宮 (そうかッ!)

喚起士 (来ましたね……遂に!)

姫宮「さあ!蒼頭、早く行こ!」

喚起士「そうです蒼頭さん!早く行きましょう!」

蒼頭「はあ?わかり申した」

ネメア「………」

534: 名無しさん 2012/08/25(土) 06:31:07 ID:rsscjXR.


剣士「どうしたんだ?こんな人が来なそうな所に来て」

盗賊「………」

剣士「おい?」

盗賊「剣士……」パサッ……

剣士「………」

盗賊「頂戴……」グゥ……

剣士「……飯か?」

盗賊「違う……それ」

剣士「何だぁ?お前溜まってんのか?」

盗賊「………」

剣士「まぁ溜まるよな!何だかんだで邪魔されてたもんな!」

盗賊「………」ジィ……

剣士「仕方ねえなッ!……俺も溜まってるから覚悟しろよ!」

535: 名無しさん 2012/08/25(土) 06:41:47 ID:rsscjXR.


召喚士「剣士とパイアいないんだけど……お前どこ行ったか知ってる?」

姫宮「さあ……知らない」

召喚士「二人揃ってどこ行き……」

ネメア「………」

姫宮「どうしたの?」

召喚士「……何でも無いで御座る」

蒼頭「何故、某の真似をするか……」

喚起士「……宿取れましたよ」

召喚士「良かった……?喚起士さん何かあったんですか?」

喚起士「はい……何か最近、ここら辺りに訪ねて来る人達が減っていると」

召喚士「それが?」

喚起士「……谷の国の影響みたいなんですよ」

姫宮、蒼頭「………」

536: 名無しさん 2012/08/25(土) 13:52:52 ID:yY21vQs6
喚起士「噂だと……他の国へ進軍しようとしていると聞きました……」

蒼頭「なんと……」

姫宮「そんな事したら戦争になっちゃうよ……」

喚起士「………」

召喚士「噂なんですよね?なら……本当かどうかは……」

喚起士「そうですね……」

姫宮「………」

蒼頭「姫様……」

ジノ「ほら!こんな所で固まってないで宿行こうよ!」

喚起士「はい……」

召喚士「………」

537: 名無しさん 2012/08/25(土) 16:07:13 ID:yY21vQs6


剣士「悪りぃな召喚士!」ツヤツヤ

召喚士「………」

剣士「いやぁ外だと開放的でいいなッ!」

召喚士「あっそ……」

剣士「あいつ軽いからさ!」

召喚士「もう言わなくていいから……」チラッ

ネメア「………」

剣士「ええ!聞けよ!」

ネメア「剣士よ……」

剣士「なんだ?」

ネメア「……程々にしておけよ」

剣士「あ、ああ……?」

召喚士 (えええ!ネメア……何だよその反応……)

ネメア「………」

538: 名無しさん 2012/08/25(土) 16:46:52 ID:yY21vQs6


喚起士「……蒼頭さん!お風呂行きましょうッ!」

姫宮「そうだね!それがいいよ!」

蒼頭「某……後程一人で……」

喚起士「駄目ですッ!温泉と言うものは多人数で入ってこそ意義があるんですから!」

蒼頭「………」

姫宮「そうだよ!意義があるの!」

蒼頭「そう言われましてもな……」

喚起士「それに!お互いに親睦を深めあうと言う意味もあるんです!今後、戦闘になった時に背中を預けられないような事になったらどうするんです!」

蒼頭「………」

姫宮「喚起士?そこまでは……」

喚起士「姫宮さんは口を挟まないでください!」

蒼頭「………」

ジノ (喚起士……ノリノリだね。そんなに蒼頭の顔見たかったんだ……)

539: 名無しさん 2012/08/25(土) 16:54:51 ID:yY21vQs6
蒼頭「困り申した……」

姫宮「蒼頭……そんなに私達とお風呂入るの嫌?」

蒼頭「姫様……」

姫宮「うぅ……ただお風呂に入るだけなのに……」

喚起士「姫宮さん……泣かないでください……」

蒼頭「………」

姫宮「ふぇぇん……グスッ……」

蒼頭「わ、わかり申した……然らば御一緒させていただきます……」

姫宮「……良かった……蒼頭ならそう言うと思ったよ」ニヤ……

蒼頭「なッ!」

喚起士「では行きましょう……フフフ……」

蒼頭「あああ……」

ジノ (悪どい……)

540: 名無しさん 2012/08/25(土) 19:20:31 ID:yY21vQs6


チャポーン……

喚起士「遂に!蒼頭さんの真の姿を見られる時が来ましたね!」たゆん

姫宮 (くっ!化け物め……)

喚起士「それにしても……蒼頭さん遅いですね」

姫宮「……そうだね」

ジノ「ふっ……ふふ……」

姫宮「………」

ジノ「お姫様悔しいの?ププッ」

喚起士「ジノ?何の事ですか?」

ジノ「何でも無いよ。ねぇお姫様ぁ!」

姫宮「ぐぎぎ……」

……「ほほう……中々に広く良い浴場ですな」

喚起士、姫宮「ッ!!!」

541: 名無しさん 2012/08/25(土) 21:39:22 ID:yY21vQs6
蒼頭「御待たせ致しました」

喚起士、姫宮「………」

蒼頭「………」

喚起士「あの……そ、それは……?」

蒼頭「やはり気になりますか……」

喚起士「………」

蒼頭「某の……この脚……」

喚起士「いえ……そうで

蒼頭「人間の脚では無く……獣のようなこの脚が……」

喚起士「………」

蒼頭「某の種族は皆このような脚なのですよ……ふふふ、これを見たら化け物と言われてしまいますかな?」

姫宮「そんな事は無いけど……」

蒼頭「………」

喚起士 (その顔に巻いている布はなんですかッ!)

542: 名無しさん 2012/08/25(土) 21:49:24 ID:yY21vQs6
姫宮「………」

蒼頭「失礼をば……」ちゃぷ……

喚起士「………」

蒼頭「はぁぁ……いい湯加減ですな……」

姫宮「蒼頭……顔いや……凄い肌が白いね……」

蒼頭「……あまり見ないでくだされ。恥ずかしいで御座る……」

姫宮「あ!ピンクになってきた!」

蒼頭「ほ、本当止めてくだされ……」

喚起士 (残念……完膚無き迄に残念ッ!……しかし顔の輪郭は人間ですね)

蒼頭「………」チラッチラッ

姫宮「なに?」

蒼頭「姫様……完敗で御座いますな!」

姫宮「蒼頭には勝ってるからいいのッ!」

543: 名無しさん 2012/08/25(土) 22:18:53 ID:yY21vQs6


剣士「おお!凄えなッ!」ぶらん

召喚士 (くっ!化け物め……)

剣士「行くぜぇッ!」

バチャーンッ!

召喚士「静かに入れッ!」

剣士「あああ……」

召喚士「……ったく」

ネメア「何故……私までここに連れて来るのだ……」

召喚士「……ネメアも入りたいかと思って」

ネメア「………」

召喚士「本当だよ……僕ウソ付かない……」

剣士「かぁー!召喚士は優しいな!」

544: 名無しさん 2012/08/26(日) 15:31:03 ID:qfCry4vY
ネメア (何がウソ付かないだ!嘘しかないではないか!)

剣士「そう言えば、蒼頭の奴あいつらに両脇抱えられて風呂場行ったぜ」

召喚士「へぇ……」

剣士「風呂入る時もあんなん付けてんのかな?」

召喚士「……どうだろね?」

剣士「今頃、女どもは蒼頭の顔見てたりしてな!」

召喚士「………」

ネメア「………」

キャーッ!アオトウピンクダヨッ!

召喚士「ッ!!」

剣士「どうしたんだ?」

召喚士 (な、何がピンクなんだッ!俺もそのピンクな部分を激しく見たいよぉぉッ!)

剣士「……?」

召喚士「……ネメア」

ネメア「断る!」

545: 名無しさん 2012/08/26(日) 18:30:00 ID:qfCry4vY
召喚士「察するなよ!……ちょっとだけでいいから!」

ネメア「ふざけるな!そんなくだらぬ事に己の存在を捧げられるかッ!」

召喚士「大丈夫だから!召喚術やろうよ!」

ネメア「絶対にやらんッ!」

ヒメサマカンパイデゴザイマスナッ!

召喚士「………」

ネメア「そこまでして何が見たいのだ貴様は……」

召喚士「色々あるだろッ!ピンクの所とか!お姫様が完敗してる所とか!喚起士さんの美曲線とか!蒼頭の顔とか!」

ネメア「………」

召喚士「頼むよネメアぁぁ!」

ネメア「その熱情をもっと他の方に活かせぬのか……」

剣士 (何か必死だな……)

546: 名無しさん 2012/08/26(日) 18:45:25 ID:qfCry4vY


喚起士「………」

蒼頭「姫様、しっかりと肩まで浸かりませんと湯冷めしますぞ」

姫宮「……しないよ」

喚起士 (何故なんでしょうか……人間のような顔の輪郭なら隠す必要は無いと思うんですが……)

姫宮「蒼頭って目が真っ赤なんだねぇ!」

蒼頭「……怖いでしょうか?」

姫宮「ううん、ちょっと格好いいよ!」

蒼頭「格好いいと……何か照れますな……」

姫宮「あ、またピンクになった!」

喚起士 (あの赤い目……それに白過ぎる肌……もしかして吸血鬼!?それならば口元を晒せないからと隠す理由にもなりますね……)

蒼頭「喚起士殿?」

喚起士「………」

547: 名無しさん 2012/08/26(日) 23:16:17 ID:qfCry4vY
蒼頭「……それにしても随分と自己主張の激しい胸で御座るな」

喚起士 (しかしそれでは……私達といる意味がわかりません……)

蒼頭「戦う時に邪魔になりませぬか?」

喚起士 (それに将軍と言う方に命されたと言ってましたが……何か従う理由なんてあったんでしょうか……)

蒼頭「………」す……

喚起士「………」

蒼頭「おおお……」モミモミ……

喚起士「キャァッ!……な、何をするんですかッ!」

蒼頭「いや……自分には無き物故どのようなものかと……」モミモミ……

喚起士「やめ……やめてくだ……ぁ……」

蒼頭「なるほど……」モミモミ……

姫宮「………」

549: 名無しさん 2012/08/26(日) 23:22:48 ID:qfCry4vY


召喚士「くそぉ……」

ネメア「………」

チャプ……

剣士「お?」

召喚士「ん?……他のお客……ぶはあ!」

盗賊「………」

召喚士「おおおおお前何入ってきてんだよ!向こうだろッ!」ジー

盗賊「剣士と一緒……」

召喚士「それでもだな……ん……」

剣士「………」

ネメア「パイアよ……向こうに入りなさい……」

盗賊「……嫌」

召喚士「やっぱり無いとつまらないな……」

盗賊「………」ジー

550: 名無しさん 2012/08/26(日) 23:34:55 ID:qfCry4vY
召喚士「な、なんだよ?」

盗賊「……負け」

召喚士「うるさいわッ!」

剣士「ぶっ……」

召喚士「笑うなッ!」

ネメア「気にする事は無い。それの大きさで器が決まるのでは無いからな」

召喚士「余計なお世話だッ!」

剣士「そうだぜ!本当!」

召喚士「……と言うか剣士さ」

剣士「おう!なんだ?」

召喚士「いや……やっぱいいや……」

剣士「なんだよぉ!ちゃんと聞くぜ?」

召喚士 (そんな物入れようしたのかって聞いても答えは決まってるからな……)

551: 名無しさん 2012/08/27(月) 01:09:36 ID:gxVZa/RM


ウルサイワッ!

蒼頭「何やら向こうは騒がしいですな」

喚起士「はぁ……んぅ……はぁぁ」

ジノ「喚起士……大丈夫?」

喚起士「え、ええ……」

姫宮「蒼頭……謝ろうよ……」

蒼頭「何を謝る事が御座ろうか?」

喚起士、姫宮「………」

蒼頭「先程も申しましたが……喚起士殿はそのような物が付いてて戦えるのですか?」

喚起士「勿論……戦えます」

蒼頭「失礼ですが得物は?」

喚起士「弓です」

蒼頭「……射る時、邪魔になりませぬか?」

喚起士「別にそんな事はありませんよ……」

552: 名無しさん 2012/08/27(月) 17:41:41 ID:gxVZa/RM
蒼頭「そうですか。……得物が弓となると手合わせ願えないですな」

喚起士「………」

蒼頭「あのような物では……」

喚起士「………」ムッ……

蒼頭「何か期待外れと言いましょうかな……」

喚起士「……何が期待外れなんでしょうか?」

蒼頭「いや、気にせんでくだされ。某が勝手に思ってた事故」

喚起士「弓では大した事が無いと言いたいのですか?」

蒼頭「まぁ……そうで御座ろうか。それにプルンプルンと振るえる物が付いていては動きも鈍重かと」

喚起士「そんな事はありません!」

蒼頭「……どうでしょうな」

喚起士「……グッ!」

蒼頭「ささっ!姫様、もう上がりませんと逆上せてしまいますぞ」

姫宮「うん……」

ジノ「………」

553: 名無しさん 2012/08/27(月) 18:46:10 ID:gxVZa/RM
喚起士「……待ってください。蒼頭さん、手合わせお受け致します」

蒼頭「無理をなさらなくても結構。某より下の輩と手合わせしても無意味ですからな」

喚起士「下……ですか……」

蒼頭「………」

ジノ「………」カタカタ……

姫宮「……ジノ?」

ジノ「な、なんでも無いよ……ふ」

喚起士「私の戦い方を見てもいないのによくそんな事が言えますね……」

蒼頭「見なくともわかりまする。某と戦っても手も脚も出ず……少女のように泣き喚く姿が浮かびます故」

喚起士「言わせておけば……」

蒼頭「ほう……来ますか?」

喚起士「表へ出なさい!その私に対して嘲弄とした態度許せません!」

蒼頭「ふふ……別に許して貰わなくても構いませんが」

554: 名無しさん 2012/08/27(月) 19:15:20 ID:gxVZa/RM


ジノ「ああぁ……行っちゃった……」

姫宮「ジノ!何で止めてくれなかったの!」

ジノ「お姫様だって止めなかったじゃん」

姫宮「それは……」

ジノ「ふふっ……でも大丈夫だって」

姫宮「……なんで?」

ジノ「二人供お芝居してたから」

姫宮「お芝居?」

ジノ「笑っちゃうよね。二人供、挑発するのはいいんだけど……お芝居下手過ぎププッ!」

姫宮「………」

ジノ「まぁ……あれでお互いの実力がわかるからいいのかな」

姫宮「……そう」

555: 名無しさん 2012/08/27(月) 19:26:54 ID:gxVZa/RM
ーー

召喚士「おい、なんか喚起士さん怖い顔して蒼頭と出てったけど何かあったのか?」

姫宮「ちょっと……」

召喚士「ちょっと?……まぁそれはいいとして」

姫宮「良くないよ!」

召喚士「蒼頭の顔……見れたのか?」

姫宮「見れなかった……布巻いて顔隠してたから……」

召喚士「なんだよそれ……」

姫宮「そう言われても……」

召喚士「後な……喚起士さんのオッパイはどんなんだったッ!?」

姫宮「………」

召喚士「ち、違うぞ?ほら!当り判定とか気になるじゃん!」

姫宮「……意味がわからない」

召喚士「いいから言えって!」

姫宮「……化け物だった」

556: 名無しさん 2012/08/27(月) 20:41:46 ID:gxVZa/RM
召喚士「やっぱり……」

姫宮「………」

召喚士「蒼頭のは?」

姫宮「あのさ……女の子にそう言う事聞くの最低だよ!」

召喚士「最低か……ふふ」

姫宮「………」

召喚士「男って言うのはな……女性の体の神秘を探求し、最低と罵られようがその求道を突き進むものなんだよッ!」

姫宮「うわ……」

召喚士「……ふっ」キリッ

姫宮「………」

召喚士「で、蒼頭のは?」

姫宮「……無かったよ」

召喚士「お姫様と同じか」

姫宮「同じじゃ無いしッ!……見たの?」

557: 名無しさん 2012/08/27(月) 21:11:16 ID:gxVZa/RM
召喚士「見てないよ」

姫宮「……じゃあ何でわかるの」

召喚士「パイアの見たから」

姫宮「は?」

召喚士「お姫様とパイアって同じだろ?だから」

姫宮「………」

召喚士「………」

姫宮「このロリコンがぁぁッ!盗賊を男湯に連れ込んでなにやってるかぁぁッ!!」

召喚士「お、お姫様口調が……」

姫宮「黙れ!このゲス野郎がッ!」

召喚士「ゲス野郎って……」

姫宮「恥を知れッ!……そして私の盗賊に手を出した事あの世で侘び続けろぉッ!」バババッ!

召喚士「ななななにするんだ!」

姫宮「ヘレ・アインエッシェルングッ! 」

グボボグアァァッ!

558: 名無しさん 2012/08/28(火) 03:31:01 ID:cMCip6xA


蒼頭「………」スゥ……

喚起士「その腰の物を使わなくてもいいんですか?」

蒼頭「構いませぬ。怪我をさせてはつまらないですからな」

喚起士「そうですか……私は自分の武器を使わせて貰いますよ」

蒼頭「どうぞどうぞ」

喚起士「……闇夜に架かる初月の如く眠れる射の牙よ……いざ我の元にッ!」

バシュゥン……

蒼頭 (なんと……背が光り、そこから武器を……)

喚起士「………」

蒼頭「随分と変わった武器をお持ちですな」

喚起士「……貴女の顔程ではありませんよ」

蒼頭「……ぬ」

喚起士「では……」

蒼頭「参ろうか……」

559: 名無しさん 2012/08/28(火) 17:20:20 ID:cMCip6xA
喚起士「………」ザッ……

蒼頭「………」

喚起士「………」

蒼頭 (弓ならば……射った後そこに隙がある筈。初撃をかわせば!)

喚起士「………」ググッ!シュバッ!

蒼頭「……これならッ!」ザッ!

喚起士「………」

蒼頭「貰いましたッ!」ヒュッ!

シュバンッ!……バキッ!

喚起士「………」

蒼頭「なんと……」

喚起士「私の矢がただの矢だとは……思わない方がいいですよ」

蒼頭 (一度放った矢が戻って来たのか?……某の使っていた枝が射抜かれるとは……)

喚起士「……まだやりますか?」

蒼頭「まだ始まったばかりで御座ろう。……それにこれを使っていませんからな」

560: 名無しさん 2012/08/28(火) 18:54:18 ID:cMCip6xA
喚起士「そうですか……」

蒼頭「然らば……」スゥ……

喚起士 (あれを使われて……どこまで耐えられるか……)

蒼頭「チェェリャァアッ!」ザッ!

喚起士「はッ!」

ヒュッ!……

蒼頭「……やはりこの刀は凄いな。某の思いどうりに動く」

喚起士「……あぅ」

蒼頭「そう……ぼんやりしていますと首が飛びますな」

喚起士 (剣先が見えなかった……)

シュヒィンッ!……

蒼頭「ぐぬッ!背後から……」ズサ……

喚起士「蒼頭さんもぼんやりしていますと……心臓を撃ち抜かれますよ」

蒼頭 (あの矢……勝手に動くのか……)

561: 名無しさん 2012/08/28(火) 20:23:21 ID:cMCip6xA


蒼頭「………」ザッ……

喚起士 (やはり近付かれるのは危険ですね……)

蒼頭「……?」

喚起士「不変の軌道を沿いし上弦の沈塊よ……いざ我の元にッ!」

シュバッバババッ!……ゥゥゥゥ

蒼頭「こ、これは……」

喚起士「私の周りを飛び交う四つの盾……これを抜けなければ私に傷を付ける事は出来ません!」

蒼頭 (なんと言う事か……喚起士殿の言う通りこれでは近寄れん……)

喚起士「……後ろッ!」

シュバッ!

蒼頭「くッ!」ヒョイ

喚起士「前ッ!」

シュバッガギンッ!

蒼頭「ぐぬぬ……何とかせねば疲弊するだけだな……」

564: 名無しさん 2012/08/31(金) 03:29:09 ID:9cKfIitc


召喚士「あがががが……か、壁が……」

プスプス……

姫宮「チッ……地獄の火葬……次は外さんぞぉぉッ!」バババッ!

召喚士「まままま待てッ!話を聞け!」

姫宮「なんだ……」

召喚士「剣士と一緒……って言ってあいつが勝手に入って来たんだ!」

姫宮「………」

召喚士「それで見えちゃったんだよ……不可抗力だったんだ!」

姫宮「………」

召喚士「………」

姫宮「……本当?」

召喚士「本当本当!俺は指一本触れてないし!」

姫宮「そっか……」

565: 名無しさん 2012/08/31(金) 18:15:59 ID:9cKfIitc
剣士「何か凄え音したけど?……なんだこりゃ!」

召喚士「………」

剣士「何かあったのか?……敵か!」

召喚士「嫌……違うよ……」

剣士「ッ!」

召喚士「お姫様がちょっと勘違いしてね……」

剣士「し、召喚士……かみかみかみ髪の毛が……」

召喚士「あ?」サワサワ

剣士、姫宮「………」

召喚士「………ん……俺の後頭部に髪の毛ある?」

剣士「無いな……」

召喚士「………」

姫宮「あ、あの……ごめ

召喚士「なんじゃこりゃぁぁぁあッ!!!」

566: 名無しさん 2012/08/31(金) 20:32:38 ID:9cKfIitc


蒼頭「とりゃうぁぁッ!」ダッ!ガガガッ!

ガッガギンッ!

喚起士「そんな物では!……横ッ!」

蒼頭「チイッ!」ガスッ!

喚起士「………」ゥゥゥ……

蒼頭「戦闘中ただ見ているだけとは……大層な身分ですな!」

喚起士「なら……その見ているだけの私の身分を打ち崩してみては?」

蒼頭「……仰る通りですな。これは一本取られました」

喚起士「………」……ゥゥゥ

蒼頭「では……行きまする。グゥゥアッ!」グググッ!

喚起士 (あんなに前屈みになって何を……)

蒼頭「ハァァァァアッ!」シュ……

568: 名無しさん 2012/09/02(日) 01:25:28 ID:KFFFwrgY
喚起士「消え……ッ!どこに!」

蒼頭「上ぇぇぇえッ!」

喚起士「はッ!」

蒼頭「………」ピタッ

喚起士「くっ……」

蒼頭「これで詰み……某の勝ちですな」

喚起士「それはどうでしょう……」

蒼頭「このまま斬って矢を一本かわす事など……」

喚起士「……なら後ろをご覧ください」

蒼頭「……ぬあッ!」

喚起士「この数の矢なら……蒼頭さんがいくら早く動けようとも当たらない事は無いと思いません?」

蒼頭 (一体何百の矢があるのだ……それにいつの間に……)

喚起士「………」

570: 名無しさん 2012/09/02(日) 19:00:21 ID:KFFFwrgY
蒼頭「……では引き分けですかな?」

喚起士「そうですね……」

蒼頭「………」

喚起士「………」

蒼頭「くくく……」

喚起士「ふふふ……」

蒼頭「いやぁ!喚起士殿お見事で御座った!」

喚起士「いえ、蒼頭さんの方こそ凄かったですよ」

蒼頭「このような試す事をして申し訳なかった……」

喚起士「構いません。私も同じでしたから……」

蒼頭「しかし……召喚と言うのは便利な物ですな。あのような事が出来るとは……」

喚起士「……それなりに代償は必要になりますけどね」

572: 名無しさん 2012/09/05(水) 05:07:24 ID:cp9KvbLA
蒼頭「代償ですか……」

喚起士「この背中に彫られている法陣……これが代償になってるんです」

蒼頭「………」

喚起士「召喚には魔力を消費する事はわかりますか?」

蒼頭「それくらいなら……」

喚起士「では、魔力には人それぞれに持てる量が決まっているのは?」

蒼頭「それも何となくは……」

喚起士「私は……その持てる魔力の量が少ないんです……」

蒼頭「………」

喚起士「それを補っているのが背中にある転遷魔法陣と言う物で……」

蒼頭「転遷……魔法陣?」

喚起士「………」

蒼頭「す、すいませぬ……某はそっちの方の知識は疎い故……」

喚起士「……いえ、そうでは無いんです。少し思い出してしまって……」

573: 名無しさん 2012/09/05(水) 08:51:08 ID:cp9KvbLA
蒼頭「………」

喚起士「続けますね。この魔法陣は……色々な法陣に変化するんです。召喚を行う召喚陣……」

蒼頭「………」

喚起士「魔力を自然回復してくれる魔法陣……」

蒼頭「凄いですな。いつでも万全な状態で……ん……」

喚起士「………」

蒼頭「魔力の量が少ないと言っていましたが、いくら回復出来たとしても足りなくなるのでは御座ろうか?」

喚起士「そうですね……そこは無理矢理増やしているので……」

蒼頭「なら代償と言うのは……」

喚起士「私の魂です」

蒼頭「なんと……」

574: 名無しさん 2012/09/06(木) 08:00:57 ID:6xNT6daM
喚起士「この力を得る為には仕方無かったんです……」

蒼頭「………」

喚起士「この法陣に込められたジノとの約束事なんです……」

蒼頭「それは全て仇を討つためで御座ろうか?」

喚起士「召喚士さん達に会うまでは……ですね……」

蒼頭「………」

喚起士「………」

蒼頭「なるほど。……ああ、月があのような位置に、そろそろ戻らねば心配させてしまいますな」

喚起士「そうですね……あの」

蒼頭「なんで御座ろうか?」

喚起士「最後の攻撃を決めたあの動き……あれは何ですか?早過ぎて消えたように……」

蒼頭「あれはただ脚に力を溜め解き放っただけ。それだけで御座ります」

喚起士「そうなんですか……」

577: 名無しさん 2012/09/11(火) 20:28:27 ID:yNIKTtVA


ジノ「何かさ……こう兄妹だけだとあれだよね……」

ネメア「何がだ?」

ジノ「妙に居心地が悪いって言うか……」

ネメア「それはジノに後ろめたい事が有るからではないのか?」

ジノ「そんな事無いって!」

盗賊「………」

ジノ「パイアもそう思わない?」

盗賊「……別に」

ジノ「………」

ネメア「ふふふ……」

ジノ「しっかし蒼頭って上手い事顔隠すよねぇ。あれだとこっちが絶対見てやるって気に

盗賊「見た……」

ジノ「……え?」

盗賊「見た」

578: 名無しさん 2012/09/11(火) 20:34:28 ID:yNIKTtVA
ジノ「……蒼頭の顔を?」

盗賊「………」コクッ

ジノ「どこで!?」

盗賊「洞窟」

ネメア「………」

ジノ「パイア!蒼頭どんな顔してた?兄ちゃんみたく怖かった?」

盗賊「普通……」

ジノ「普通じゃわからないよ!もっとこうさ特徴的な何かあったでしょ!」

盗賊「………」?

ネメア「やめないかジノ」

ジノ「兄ちゃんも見たんだよね?教えてよ!」

ネメア「普通だったな……な、パイアよ」

盗賊「………」コクッ

ジノ「………」

579: 名無しさん 2012/09/11(火) 20:43:35 ID:yNIKTtVA


蒼頭召喚士「………」

蒼頭「………」

剣士、姫宮「………」プルプル

蒼頭「何故……某の真似をするのか……」

蒼頭召喚士「……別に真似してるんじゃないよ」

剣士「そ、そうだぜ……ぐふ……別になぁグググッ……」

姫宮「本当だよ……蒼頭ぅププッ」

蒼頭召喚士「お前ら……」

蒼頭「ならば理由は?」

蒼頭召喚士「………」

剣士「……もももう駄目だぁぁ耐えらんねえギャハハハハひぃ」

姫宮「アハハハハッはぁっフフフッ笑っちゃヒッ駄目だよ!」

蒼頭召喚士「………」

580: 名無しさん 2012/09/15(土) 00:32:23 ID:qe71Unp.
蒼頭「クフフフフッ……」

蒼頭召喚士「お前わかってないのに笑うなよ!」

蒼頭「つい……釣られ……」

蒼頭召喚士「それと!お姫様は笑う権利なんて無いだろ!」

姫宮「……だから謝ったよ?」

蒼頭召喚士「謝って済むか!」

剣士「まぁまぁ。ぶはっ……腹痛え……」

蒼頭召喚士「いい加減にしろよ……怒るぞ」

剣士「悪かったよ……ぐふっ」

蒼頭召喚士「……。お姫様さ、攻撃魔術?っての使え無かったんじゃないのか?」

姫宮「それなんだけど……怒った時に頭の中に言葉が浮かんできて……」

蒼頭召喚士「魔術ってそんな事あるの?」

581: 名無しさん 2012/09/15(土) 09:47:24 ID:qe71Unp.
姫宮「さあ……」

蒼頭召喚士「自分の事なのにわからないの?」

姫宮「うん……」

蒼頭召喚士 (まぁ俺も魔力うんぬんわからないしな……)

蒼頭「………」スゥ……

パサッ

召喚士「うわッ!取るなよ!」

蒼頭「なッ……そ、それは……」

召喚士「………」

蒼頭「逆月代で御座ろうか……」

召喚士「……なにそれ?」

蒼頭「某の国では兜を被る時、そのように髪を剃るのだが……それの逆である故……」

召喚士「別に兜はかぶらないよ……お前んとこのお姫様にやられたの!」

蒼頭「………」

召喚士「………?」

582: 名無しさん 2012/09/15(土) 12:30:24 ID:qe71Unp.
蒼頭「貴様……姫様に手を出そうとしたのか!」

召喚士「違うわッ!お姫様が勘違いして俺に手を出したの!」

蒼頭「なんと……」

姫宮「謝ってるのに許してくれないの……」

召喚士「だから謝って済む問題かって!」

蒼頭「練達の士なのだからそう心の狭い事を……」

召喚士「………」

蒼頭「な、なんで御座ろうか?」

召喚士「俺の頭巾取ったんだからお前も取れ……」

蒼頭「御断り致す」

召喚士「ズルいで御座る!」

蒼頭「真似するな!」

剣士「まぁまぁ落ち着けで御座るぜ!」

蒼頭「お前もッ!」

583: 名無しさん 2012/09/15(土) 18:26:14 ID:qe71Unp.


喚起士「……zzz」

盗賊「………」プニプニ

ジノ「あらら、ベットに倒れたと思ったらもう寝ちゃったよ」

盗賊「………」

ジノ「あたしが側にいないのに無茶したのかなぁ……」

ネメア「ジノ、それはどう言う事だ?」

ジノ「ん?ん……兄ちゃん怒らないで聞いてくれる?」

ネメア「……それは事と場合によるな」

ジノ「………」

ネメア「………」

ジノ「喚起士ってね、魔力が普通の人と同じかそれより少ない量しか持って無いんだよ……」

ネメア「………」

ジノ「それでね……あたしが力を貸してあげてるんだよ……貸してって言うとおかしいけど……」

ネメア「……呪縛か」

584: 名無しさん 2012/09/16(日) 15:39:12 ID:KxFVuyUM
ジノ「うん……」

ネメア「………」

ジノ「喚起士の魂と引き換えに……」

ネメア「それ以上はいい。恐らく喚起士の方から頼んだのだろ?」

ジノ「………」

ネメア「ならばそれは喚起士の覚悟なのだろう。何者にも止められぬな」

ジノ「………」

ネメア「………」

盗賊「………」プニプニ

ジノ「……パイアやめてあげて」

盗賊「………」コクッ

ネメア「こう言うのもあれだが……喚起士はカンヘルを操る者に対してどのような対策をしているのか……」

ジノ「喚起士……カンヘル自体を討つつもりみたいよ……」

ネメア「何ッ!?」

585: 名無しさん 2012/09/18(火) 09:24:14 ID:Ruxn2/I2
ジノ「その時はあたしも手伝ってあげるんだけどね」

ネメア「ジノよ……カンヘルを討つすべなど存在するのか?」

ジノ「レラジェの魔矢……」

ネメア「そうか!その手が……なるほど……。その為のジノ……か」

ジノ「………」

ネメア「確かにそれならば可能性もあるが……」

ジノ「………」

ネメア「………」

ジノ「ごめんね兄ちゃん……」

ネメア「それはジノが自身で決めた事なのだろ……ならば私からは何も言うまい……」

ジノ「………」

ネメア (代われるものなら代わってやりたいが……私では無理だな……)

586: 名無しさん 2012/09/18(火) 10:13:41 ID:Ruxn2/I2


剣士「………」

蒼頭「どうした?先程から剣を見つめいるが」

剣士「んあ?ん……これよ、人間嫌いの魔物のじいさんが作ってたんだよな?」

蒼頭「そうだが……それが?」

剣士「なんで嫌いな人間の間にいくつも剣が流れてるのかなってな」

蒼頭「それは……御仁の話からしたら人間が盗みに入ったみたいだったが」

剣士「なるほど……なら今人間が持ってるナイトメアは盗まれた物って訳か……」

蒼頭「………」

剣士「それで剣と名前が合って無い物が有ったり、作った奴の名前が明かされなかったのか……」

蒼頭「……剣士、詳しいな」

剣士「ちょっとな。あれだマニアってやつだよ」

蒼頭「………」

587: 名無しさん 2012/09/18(火) 10:32:21 ID:Ruxn2/I2
剣士「しっかしなぁ……まさか魔物が作ってたなんてな」

蒼頭「魔物が作った物は使えぬか?」

剣士「そうじゃねえよ。なんて言うかな……強えだけじゃ無い魔物もいるのかって」

蒼頭「………」

剣士「なんか人間でも魔物でもやってる事は変わんねえなって思っただけだよ」

蒼頭「………」

剣士「……ああ!お前魔物だったっけ。すっかり忘れてたぜ」

蒼頭「忘れるな……」

剣士「そうだ、お前の刀見せてくれよ」

蒼頭「……ん」カチャ

剣士「うを!なんだこれ軽ぅ!」

蒼頭「………」

剣士「これだと俺にゃあ使えねえな。軽過ぎだわ」カチャ

588: 名無しさん 2012/09/18(火) 15:35:24 ID:Ruxn2/I2
蒼頭「そう言うものか?軽ければ軽いだけ使いやすいと思っていたが」

剣士「そりゃ人によるだろうけどよ……」

蒼頭「ふむ……どれ、剣士の剣も持たせてくれ」

剣士「ほれ。落とすなよ」カチャ

蒼頭「この程度の物落と……ぬあ!」ズシッ

剣士「………」

蒼頭「お前これ……重過ぎでは……」ググッ

剣士「そっか?俺には丁度いいぞ?」

蒼頭「ほら……早く受け取れ……グッ」

剣士「なんだよだらしねえな。これぐらい片手で振れよ」カチャ

蒼頭「貴様化け物か……」

剣士「普通だって」

蒼頭 (そう言えばこやつ……丸太も軽々振り回していたな……)

589: 名無しさん 2012/09/18(火) 15:49:37 ID:Ruxn2/I2
ーー

喚起士「おはようご……召喚士さんそれは……」

召喚士「これですか!ちょっとイメージチェンジをと思いましてね!」

喚起士「……その帽子でですか」

召喚士「ええ!どうです?」

喚起士「い、いいと思いますよ……」

ネメア「……はっきり言ってやればいい」

喚起士「私には出来ません……」

姫宮 (妖精さんの帽子だよね……)

剣士「ああ……今日も脇腹痛えな……」

盗賊「………」

蒼頭「なんとも……変わらずいつもの朝で御座いますな」

ジノ「ウウウ……ウウ……」

蒼頭「ジノ様……如何なされた……」

590: 名無しさん 2012/09/18(火) 16:02:00 ID:Ruxn2/I2
ジノ「あの召喚兄さんの頭に付いてるポンポン見ると……パンチしたくなるんだよね……」

蒼頭「何故で御座ろう……」

ジノ「わかんないけど……ウウウ!」

姫宮「猫さん?」

ジノ「………」

蒼頭「なるほど。ならばネメア殿も……」

ネメア「なんだ?」

ジノ「兄ちゃんアレ見て平気なの?」

ネメア「別になんとも無いが」

ジノ「なんでぇ!こうパシパシしたくならないの!?」

ネメア「ならん」

ジノ「兄ちゃんの方が猫の割合多いのに!」

ネメア「猫と言うな!」

591: 名無しさん 2012/09/18(火) 21:12:44 ID:Ruxn2/I2


召喚士「後は村ひとつ過ぎたら谷の国ですねぇいッ!」ルン!

喚起士「そうですね……」

剣士「なんで召喚士あんなに御機嫌なんだ……」

姫宮「……あの帽子相当気に入ったみたいだよ」

剣士「あんなのをか……ダセェだろ……」

姫宮「あれで笛持ったらお伽噺に出てくる笛吹きだよ……」

剣士「ネズミ連れてくやつか。ところでよ、あんな帽子どっから持ってきたんだ?」

姫宮「さっきの村の宿屋のお姉さんに貰ったの。なんか優しくされてたけど……」

剣士「あの御機嫌の正体はそれだな。召喚士……お前の弱点女かよ……。俺は情けないぜぇ……」

姫宮「しかも胸が大きいのがいいみたいよ……」

剣士「………」

592: 名無しさん 2012/09/19(水) 06:42:04 ID:lvzjtXGM
ジノ「あああ……ああ……あああ!」

喚起士「……ジノ?」

ジノ「あああ!あのポンポンパシパシしたい!」

喚起士「駄目ですよ……召喚士さんに怒られますよ」

ジノ「あれどうにかしてよ!気が散るの!」

喚起士「そう言われても……」

召喚士「ふふん♪ ふふんん♪」

喚起士「召喚士さん……気に入っているみたいですし……」

ジノ「ウウウ……」

喚起士「困りましたね……」

剣士「なぁ……」

喚起士「……何でしょうか?」

剣士「お前……召喚士を何とかしてくれよ」

593: 名無しさん 2012/09/19(水) 16:43:35 ID:lvzjtXGM
喚起士「何とかとは?」

剣士「あの帽子だよ。ダセェから取ってもらってくれ」

喚起士「……何故私に言うんですか。ご自分でやったらいかがです?」

剣士「まぁ……そうなんだけどよ……」

喚起士「………」

剣士「召喚士……お前の事が好きみたいでよ」

喚起士「なッ!な、何を言っているんですか!」

剣士「俺らとかにダセェから取れって言われるより好きな奴に言われた方がダメージ少ないと思うんだわ。な?だから頼む」

喚起士「冗談はやめ

剣士「冗談じゃねえよ。本当だぜ?」

喚起士「………」

ジノ「喚起士?」

喚起士「あああ……」

594: 名無しさん 2012/09/19(水) 16:56:38 ID:lvzjtXGM


姫宮「………」

剣士「召喚士に言ってくれればいいけどなぁ……」

姫宮「……ねえ」

剣士「あ?」

姫宮「召喚士が喚起士の事好きだなんてよく知ってたね……」

剣士「さっきお前言ったじゃねえか」

姫宮「ええ?言って無いよ!」

剣士「召喚士は胸がデケェ女が好きだって」

姫宮「それは言ったけど……喚起士とは言って無いよ?」

剣士「この中の女でアイツが一番胸がデケェんだから好きなんだろ。多分」

姫宮「……それは肉体的にだよね」

剣士「それ以外で好きなのか?」

姫宮「………」

595: 名無しさん 2012/09/20(木) 09:47:06 ID:m6DCrYeY


召喚士 (むふふ、いやぁ困ったなぁ……格好良くて可愛いだなんて!)

召喚士 (あの娘さんは本当良い子だったなぁ……)

召喚士 (可愛くて……喚起士さんには敵わないけどオッパイ大きくて……それにローンちゃんに似てたんだよなぁ……)

召喚士 (声は幼い感じだったけどそれもまた良かった!)

召喚士 (何か変な斧持ってたけど……あれかな美声少女戦士ってやつかな)

召喚士 (お姫様にはこの帽子貰ったって言ったけど……あの子と仲良くなれたんだからヘソクリはたいて買ったかいがあったってもんだよな!)

召喚士 (ああ……斧子さん……)

喚起士「………」

召喚士 (だけど……後から来た夫婦みたいな人達って斧子さんとどう言う関係だろ……)

喚起士「あの……召喚士さん……」

召喚士 (エロい格好したお姉さんと冴えないオヤジ……)

596: 名無しさん 2012/09/20(木) 17:50:07 ID:m6DCrYeY
ネメア「おい、呼んでいるぞ」

召喚士 (兄弟にしては似てなかったし……まさか二人の子供?いやいやあり得ない)

喚起士「召喚士さん?」

ネメア「どうせくだらない事を考えているのだ。放っておけ」

喚起士「ですが……ジノとかあの方が召喚士さんのダサ……いえ、変わった帽子が気に入らないみたいで……」

召喚士 (旅にしてはそれらしく無いんだよなぁ……)

ネメア「ならば剣士にやらせればいいだろうに」

喚起士「それが……」

ネメア「……?」

喚起士「………」

ネメア「顔を赤くしてどうしたと言うのだ?」

喚起士「……す、すす」

ネメア「………」

597: 名無しさん 2012/09/20(木) 20:33:58 ID:m6DCrYeY
盗賊「………」

召喚士 (まあいいか。また会う約束もしたし!ククク……)

盗賊「………」グワシッ!

召喚士「がっ!なななな何するんだ離せってパイアッ!」バシッ

盗賊「忌むべき物を滅す……御座る」

召喚士「ハァ!?お前ッ!愛しの斧子さんがくれた物が忌むべき物な訳無いだろ!」

喚起士「………」

召喚士「か、喚起士さん助け……」

喚起士「………」ゴゴゴ……

召喚士「ええぇぇ……」

喚起士「パイア……手伝いましょうか?」

盗賊「……いい」

蒼頭 (何故お子まで真似を……)

598: 名無しさん 2012/09/21(金) 06:26:47 ID:ZhRvKFpA
喚起士「愛しの……斧子さんとはどなたです……?」

召喚士「……村の宿屋で知り合った男の子ですよ?」

喚起士「へぇ……」

召喚士「い、いや……女の子だったかな……はは……」

喚起士「ジノ……パシパシお願いしますッ!」

ジノ「待ってましたぁぁぁッ!」

バシュンッ!

召喚士「………」

ジノ「ウヘヘ……パシパシ……パシパシ……」

召喚士「パシパシって何だよ……」

ジノ「ちょっとその頭に付いてるポンポンをこうパシパシっとね!」シュッシュッ!

召喚士「やめろよ……」

ジノ「パイアどいて……あたしに獲物を譲って……」

盗賊「……わかった」

599: 名無しさん 2012/09/21(金) 10:24:41 ID:ZhRvKFpA
召喚士「……ネメア」

ネメア「くだらん事に巻き込むな」

召喚士「じゃあ命令だ!ジノからこの帽子守ってくれ!」

ネメア「嫌に決まってるだろ……」

召喚士「なぁ!お前ッ!」

ネメア「何故私がそんなふざけた帽子為にジノを止めねばならんのだ」

召喚士「……お願いしますよ」

ネメア「嫌だ」

ジノ「ウヘヘッ!」ガバッ!

召喚士「しまっ……」

バシーン……

ジノ「はぁぁぁ……幸せ!」パシパシ!

喚起士、ネメア「………」

召喚士「か、返せッ!」

ネメア「……お前……その頭はなんだ?」

600: 名無しさん 2012/09/21(金) 18:45:04 ID:ZhRvKFpA


ネメア「見事に後頭部だけ……」

召喚士「見るなッ!」

喚起士「こう言う理由もあったんですね……」

ネメア「何かの儀式か?」

召喚士「違う……」ジロ……

姫宮「……私がやったの」

ネメア「何の為に……お前お嬢に手をッ!」

召喚士「それは誰かにも言われたね。はいはい違いますよ」

喚起士「なら何故なんですか?」

姫宮「私が勘違いして……」

喚起士「そうですか……それとどうやってこのように?」

姫宮「魔術で……」

喚起士「攻撃系のものは使えなかったのでは?」

601: 名無しさん 2012/09/22(土) 20:44:43 ID:7JoOUQQg


姫宮「………」

ネメア「そんな事が有り得るのか?」

喚起士「わかりません……私もそちらの知識はあまり無いので……」

ネメア「ふむ……」

召喚士「返せぇーッ!」ダダダッ!

ジノ「やだぁーッ!」ダダダッ!

蒼頭「お二方鎮まりなされ!」

剣士「ほっとけよ」

蒼頭「しかしあれでは召喚士殿があまりにも惨め……もとい可哀想ではないか……」

剣士「そっか?帽子被ってた方が惨めだと思うぜ」

蒼頭「………」

……「ムアテェェェ……」

……「こっちまでおいでぇぇ……」

蒼頭「は!お、お二方どこへ!」

602: 名無しさん 2012/09/23(日) 16:58:07 ID:uFqXMJU.


召喚士「はぁはぁ……」

ジノ「頑張るねぇ!」

召喚士「返せっつーの!愛しの斧子さんから買っ……貰った大切な帽子なんだぞ!」

ジノ「………」

召喚士「な、なんだよ」

ジノ「何が愛しのだよ……その子の事好きになったの?」

召喚士「まぁ……」

ジノ「へぇ……じゃあ喚起士はどうするの?」

召喚士「……そっちも好きだ」

ジノ「なにそれ……」

召喚士「………」

ジノ「………」パシパシ……

召喚士「パシパシするな……」

603: 名無しさん 2012/09/23(日) 17:04:47 ID:uFqXMJU.
ジノ「喚起士はどうするの。喚起士はどうするの。喚起士はどうするの」

召喚士「………」

ジノ「か!ん!き!し!はどうするの!?」

召喚士「だからさ……」

ジノ「ああ!?なに!」

召喚士「……両方」

ジノ「バカッ!」

召喚士「なんだよ……」

ジノ「じゃあ……今から問題出すから……」

召喚士「は?」

ジノ「喚起士とこの帽子くれた子……どっちを取る?」

召喚士「………」

ジノ「間違えたらこの場で食ってやる!」

召喚士「ま、間違えって……」

ジノ「………」

604: 名無しさん 2012/09/23(日) 18:17:14 ID:uFqXMJU.
召喚士 (やべぇ……この状況逃れようが無い……)

ジノ「………」

召喚士「お……」

ジノ「………」パシパシ……

召喚士「か……」

ジノ「………」ピクッ

召喚士「……喚起士さんでお願いします」

ジノ「………」

召喚士「………」

ジノ「じゃあコレいらないね?」

召喚士「えあ!おまッ!」

ジノ「……なに?」

召喚士「何でも御座いません……」

ジノ「よし」

召喚士 (おおおおぉぉぁぁ……)

605: 名無しさん 2012/09/24(月) 18:09:50 ID:/bhXtUe2
ジノ (ん……中々に良いポンポンだからあたしが貰っておこう!)

召喚士 (くそぉ……高かったんだぞ……)

ジノ「まったく童貞のくせに二股掛けようなんてね……」

召喚士「………」

ジノ「夢見過ぎでしょ。絶対うまくいく訳無いじゃん」

召喚士「いや……」

ジノ「ん?」

召喚士「喚起士さん……意外と抜けてそうだから……」

ジノ (こいつ……ちょっと懲らしめないと同じ事やるな……)

召喚士「………」

ジノ「召喚兄さんさ……」

召喚士「なに?」

ジノ「あたし……今凄く爪磨ぎたいんだよね……」

召喚士「勝手にやればいいだろ……」

606: 名無しさん 2012/09/24(月) 19:57:51 ID:/bhXtUe2
ジノ「そう……」

召喚士「……?」

ジノ「じゃあ喚起兄さんの背中貸して」

召喚士「……は?」

ジノ「聞こえなかった?召喚兄さんの背中貸してって言ったの」

召喚士「そこら辺の木でガリガリやれば……」

ジノ「人間の背中が丁度いいんだよね……ふふ」

召喚士「………」

ジノ「こう人間の背中に爪が食い込むとことか結構いい感じなんだよ」

召喚士「……ネメア」

ジノ「………」

召喚士「ネメア?……しまった!お姫様が持ってたんだ……」

ジノ「あらら?じゃあ止められる事も無いね!フフフフ……」

召喚士「……ま、待て!」

ジノ「だぁーめ!」ガバッ!

607: 名無しさん 2012/09/25(火) 04:20:21 ID:jrJJ9PoM


召喚士「どどどど退いてくれぇえ!」

ジノ「やーだー。さっ!バリバリっといっとこっかッ!」グイッ

召喚士「イタタタッ!な、なんでそんなに喚起士さんとくっ付けたがるんだよ!」

ジノ「理由はこの前言ったじゃん」

召喚士「あのさ……相手にされなかったらどうするんだ?」

ジノ「ん……大丈夫だと思うよ。六割方だけど」

召喚士「残り四割は?」

ジノ「振られる」

召喚士「………」

ジノ「童貞で冴えなくて童貞でバカで童貞で弱っちい童貞召喚兄さんだと勝率六割なんだよ?」

召喚士「………」

ジノ「喚起士みたいな子とキャッキャウフフ出来るかもしれないんだから賭けるべきだと思うね!」

召喚士「……勝率六割か」

608: 名無しさん 2012/09/25(火) 04:28:28 ID:jrJJ9PoM
ジノ「いい感じだと思うよ!」

召喚士「フフフフ……」

ジノ「……?」

召喚士「六割なら振られたも同然!悲惨な未来が透けて見える!」

ジノ「………」

召喚士「保険も無しに賭けられるか!だから勝率十割の斧子さんとキャッキャウフフした方がいいと思わないかねジノよ!」

ジノ「………」グイッ

召喚士「イダダッ!」

ジノ「そんなにその子が良かったの?」

召喚士「………」

ジノ「聞き終わるまで爪立てないから」

召喚士「良かった……」

ジノ「へぇ……」

610: 名無しさん 2012/09/26(水) 21:40:09 ID:D/RyNMfQ
召喚士「その子な、俺が喚ぼうとしていた妖精にそっくりだったんだよ……」

ジノ「ローンって奴?」

召喚士「そう……」

ジノ「で、その子に優しくされちゃったんだ?」

召喚士「うん……初恋の相手にそっくりな上に優しく好きですなんて言われたらさ……」

ジノ「……その子と初めて会ったんだよね?」

召喚士「そうだけど?」

ジノ「初対面でいきなり好きですなんて言われたの?召喚兄さんが?」

召喚士「まぁね!いやぁ……俺って意外ともてるんだなって驚いたよ!」

ジノ (絶対騙されてるよ……)

召喚士「ああ……斧子さん……」

ジノ「召喚兄さんさ……何でローンが初恋なの……」

召喚士「それか……」

ジノ (どうせくだらない理由だろうけど……)

611: 名無しさん 2012/09/27(木) 17:56:12 ID:ql56qlIA
召喚士「子供の頃な、お爺ちゃんが召喚したんだよ。何で召喚したかは忘れちゃったけど」

ジノ「………」

召喚士「でさ……俺の方見て優しく笑ってくれたんだ。言葉は何言ってるかわからなかったけどな」

ジノ「………」

召喚士「手を繋いで散歩したり俺と遊んだり色々してな、子供心に好きになっちゃったんだな……」

ジノ「………」

召喚士「それと母親ってのがいたらこう言うものなのかなとも思ったね」

ジノ「………」

召喚士「それからだな……お爺ちゃんが残した文献漁ってもう一回ローンちゃん喚ぼうとして……」

ジノ「………」グイッ

召喚士「イタッ!ななな何するだよッ!」

ジノ「あ……ごめん。意外と真面目な話だったからムカついて……」

召喚士「………」

ジノ「召喚兄さん独りぼっちだったの?」

召喚士「お爺ちゃん死んでからな。両親は俺が生まれる前に死んじゃったんだってさ」

612: 名無しさん 2012/09/27(木) 18:16:38 ID:ql56qlIA
ジノ「へぇ」

召喚士「……それに似た子が俺の事を好きになってくれたんだ。だからそっちに……」

ジノ「へぇッ!」グイグイッ!

召喚士「ギャッ!痛いってッ!」

ジノ「話終わったね?じゃあバリバリいっとこっかッ!」

召喚士「……お前俺の話聞いてた?」

ジノ「聞いてたよ。でもそれはそれこれはこれ」

召喚士「………」

ジノ「大丈夫だって!喚起士以外に手を出そうとしたら……言葉よりも記憶よりもこの傷が覚えてるって程度にするだけだから!」

召喚士「アホかッ!そんな事されたらフラッシュバック祭りだわ!」

ジノ「いっくよーッ!」

召喚士「たたたた助けてーッ!」

シュバンッドカッ!……ズザザ……

614: 名無しさん 2012/09/27(木) 18:55:19 ID:ql56qlIA
召喚士「……??」

ジノ「イツツ……」

……「坊や大丈夫ぅ?」

召喚士「た、助けてください!」

ジノ「……!」

……「へぇ……最近のキマイラって固いのねぇ」

ジノ「キマイラじゃ無いしッ!」

……「………」チャキッ

召喚士 (おおおッ!天の助け!しかも美人!)

ジノ「……邪魔しないでくれるかな?」

……「うふふごめんなさいねぇ。あたしもちょっとこの坊やに用事があるのよぉ」

ジノ「………」

召喚士「……?」

…… (奇抜な髪型の青年って言ってたからこの子よねぇ……奇抜過ぎる気がするけど……)

召喚士「あ、あの……」

615: 名無しさん 2012/09/27(木) 19:05:25 ID:ql56qlIA
……「なぁに?」

召喚士「俺に用事って……何ですか?」

……「後で教えてあげるぅ。まずは目の前のキマイラ何とかしないとねぇ……」

ジノ「だからキマイラじゃ無いしッ!あたしはスフィンクスッ!」

……「………」

ジノ「……?」

……「そんな大層なもんがこんな所にいる訳無いでしょ……馬鹿なの?」

ジノ「こいつムカつくぅぅッ!」

……「さぁいらっしゃい。ぶっ飛ばしてあげるからぁ!」

召喚士「スフィンクスって言うのは本当ですよ……」

……「………」

ジノ「シッポが蛇じゃ無いしッ!」

召喚士「………」

……「………」

召喚士、ジノ「……?」

616: 名無しさん 2012/09/27(木) 19:18:11 ID:ql56qlIA
……「坊や……あんた何やったのぉスフィンクスに襲われるってぇ……」

召喚士「何って……別に何も……」

ジノ「………」

……「じゃあ何でこんな所にスフィンクスなんているのぉ……」

召喚士「それは……」

ジノ「……召喚兄さん」

召喚士「……なに?」

ジノ「そいつにあまり近付かない方がいいかもよ……」

……「………」

召喚士「お前を殴ったからか?」

ジノ「人間じゃ無いから」

召喚士「ッ!?」バッ!

……「あら……人間じゃ無いってわかっちゃう?」

ジノ「お前何者だあッ!そんな変な魂の色見た事無い!」

……「………」

617: 名無しさん 2012/09/27(木) 19:37:43 ID:ql56qlIA
召喚士「ジノ……」

ジノ「あたしの後ろに隠れないで……」

召喚士「えぇぇいいだろ!」

ジノ「よく無いし!」

……「なんだぁ……知り合いなのねぇ……」

ジノ「………」

……「それなら平気よねぇ。うふふ」

ジノ「何が平気なの……」

……「あんたが襲ってこないって」

ジノ「………」

……「さっきはぁ叩いてごめんなさいねぇ!ほら!襲われてる人間見たら助けないとね!」

ジノ「キマイラと間違えた事も謝って……」

……「ごめんねぇ……これでいい?」

ジノ「……オッケー」

召喚士 (ええぇぇ……)

618: 名無しさん 2012/09/27(木) 19:53:07 ID:ql56qlIA
ジノ「……本当に何者なの?敵意は無いみたいだけど」

……「ん……何て言ったらいいかしらねぇ……」

ジノ「それに男

……「女よぉッ!今は身も心も女ぁッ!」

召喚士「………」

……「いい!わかったぁ!?」

ジノ「う、うん……」

……「んもう!やんなっちゃう!」

召喚士、ジノ「………」

……「……そうだぁ坊やに話があるんだけどぉ!」ヨリ

召喚士「何ですか……近付かないでください……」ハナレ

……「なんでぇ?」ヨリ

召喚士「何ででも……」ハナレ

……「………」ヨリ

召喚士「………」ハナレ

619: 名無しさん 2012/09/27(木) 21:51:17 ID:ql56qlIA


召喚士「………」

ジノ「でね!蒼頭ってのが絶対顔見せないの!」

……「そうなのぉ!うちも変わってるのと一緒にいるのよぉ!」

ジノ「どんなの?」

……「女騎士って言うんだけど……騎士なのに馬に乗れないのぉ!」

ジノ「なにそれぇ!カッコ悪い!」

……「本当そうよぉ!笑っちゃうわよねぇ!」

召喚士「……盛り上がってるとこ悪いんだけどさ」

……、ジノ「なに?」

召喚士「お前はその人の正体聞かなくていいのかよ……貴方も俺に用事があるんじゃ?」

ジノ「だれ?」

剣騎士「剣騎士って言うのぉ」

ジノ「へえ。でさ!」

召喚士「待て待て待て!そこで終わらすなよ!」

620: 名無しさん 2012/09/28(金) 01:08:21 ID:1aPAA8E6
ジノ「今いいところなんだけど!」

剣騎士「そうよぉ!」

召喚士「もういいや……俺が聞くから。……俺に用事ってなんですか?」

剣騎士「………」

召喚士「………」

剣騎士「なんだったっけ……」

召喚士「………」

……「剣さん!剣さん!」

剣騎士「ああ!そうそう!あれよ!」

召喚士「あれ?……なッ!」

……「………」

剣騎士「ほらぁ!」

召喚士「おおおおおおおのおの斧子さんッ!」

斧子?「………」

ジノ (この子が件の……ってッ!)

621: 名無しさん 2012/09/28(金) 17:43:05 ID:1aPAA8E6
召喚士「ごごごご機嫌麗しゅう!」

斧子?「はは……そうだね……」

召喚士「いやぁ!あの方は斧子さんのお知り合いだったんですね!」

斧子?「まぁ……」

ジノ「召喚兄さん……」

召喚士「それにしても斧子さんはこの青空の如く晴れやかで美しいですね!」

斧子?「曇ってるけど……」

召喚士「何を仰います!斧子さんがいれば周りはいつでも春の陽射しを受け光輝いていますよ!」

ジノ「ねえ召喚兄さんたらッ!」

召喚士「なんだよ!今忙しいんだよ!」

ジノ「この子……おかしいよ……」

召喚士「おかしいなんて失礼だろッ!」

斧子?「………」

622: 名無しさん 2012/09/29(土) 17:48:55 ID:p0GJGWt2
ジノ「人間じゃ無いし……魂が二つもある……」

召喚士「………」

斧子?「………」

召喚士「で?」

ジノ「で?って……魂を二つ持ってるなんてあり得ないんだよ!?」

召喚士「そんな事……些細な事だ!」

ジノ「………」

召喚士「例え斧子さんが人間で有ろうが無かろうが!魂二つ持っていようが俺は一向に構わない!」

ジノ「………」

召喚士「流石に男だったら悩むがな!」

ジノ (うわ……そこは悩まないで拒否しようよ……)

召喚士「男なんて事はありませんよね斧子さん!」

斧子?「そうだね……」

召喚士「ほら!な!」

ジノ「………」

624: 名無しさん 2012/10/01(月) 07:47:11 ID:ZIZo7J/M
剣騎士「斧ぉ……早く言っちゃいなさいよぉ」

斧子?「………」

召喚士 (これは……)

斧子?「あのね……」

召喚士 (あれか……普通は伝説の木の下で行われる愛の告白ってやつかッ!)

斧子?「………」

召喚士 (来たな……来た……長い冬だった……)

斧子?「………」

召喚士「斧子さん……その長く暗い洞窟から抜けたらそこは雪国では無いんですよ……」

斧子?「?」

召喚士「夜の底が白くなる事も誰かに遮られ止まる事も無いんです……」

斧子?、ジノ「??」

召喚士「冬の冷気を感じながらも遠くへ叫ぶように言ってもいいんです……」

斧子?、ジノ、剣騎士「???」

625: 名無しさん 2012/10/01(月) 15:43:36 ID:ZIZo7J/M
召喚士「さぁ!召喚士さあん召喚士さあんってこの胸に飛び込んで来てくださいッ!!!」キラキラ……

斧子?「………」

ジノ、剣騎士 (うわ……キラキラって……)

召喚士「親譲りの無鉄砲

斧子?「ごめんなさい……」

召喚士「二階から飛び降りて……?」

斧子?「剣さん……私こんな事するのもうやだよ……」

召喚士「一週間程腰を……」

剣騎士「斧ぉ!」

斧子?「お兄さん……騙すような事してごめんなさい……」

召喚士「………」

斧子?「あのね……お金返せないけど……」

召喚士「何の事でしょう?」

剣騎士「………」

626: 名無しさん 2012/10/01(月) 15:57:48 ID:ZIZo7J/M
ジノ「……どう言う事なの?」

斧子?「………」

剣騎士「仕っ方無いわねぇ……坊やが斧を気に入ったみたいだからぁ斧の物をまた売ろうかなってぇ来たのよぉ」

ジノ「………」

召喚士「………」

ジノ「またって……召喚兄さんこれ買ったの?」

召喚士「みんなには内緒な……」

剣騎士「はぁ……お小遣い稼ごうと思ったのにぃ……」

召喚士「……因みに次なる品は何だったんですか?」

剣騎士「……下着」

召喚士「買ったッ!!!」

ジノ「バカッ!」グバシッ!

召喚士「ぎゃぁッ!」

斧子?「………」

剣騎士「後々面倒になりそうねぇ……あたし達の正体も言っておこうかぁ……」

627: 名無しさん 2012/10/02(火) 12:22:18 ID:n20s91UQ
斧子?「剣さん……それは……」

剣騎士「大丈夫だってぇ。あたし達の声聴こえてるしスフィンクスと一緒にいるくらいなのよぉ?」

斧子?「………」

召喚士「斧子さん?」

斧子?「お兄さんごめんなさい……私……この子が持ってる斧なの……」

召喚士「……?」

斧「……剣さん持って」

剣騎士「はいはい……」

召喚士「………」

斧「………」

召喚士「み、見事な腹話術ですね!」

剣騎士「違うわよぉ本当にこの斧が喋ってるのぉ」

斧「………」

召喚士「………」

斧「騙すような事してごめんなさい……」

628: 名無しさん 2012/10/02(火) 20:35:29 ID:n20s91UQ
召喚士「じ、じゃあ……こっちの人はッ!?」

ローン「………」

斧「この子は私の召喚獣だよ……」

召喚士「ッ!?!」

ジノ「……詳しく聞かせてよ」

剣騎士「まぁ……あたし達ちょっと宿代が足りなくなっちゃってぇ!それをどうするかぁ」

ジノ「うん」

剣騎士「で、お金稼がないといけないじゃない?」

ジノ「………」

剣騎士「そこでみんなで勝負したのぉ」

斧「………」

ジノ「この斧が見事に負けたんだね?」

剣騎士「そう……笑っちゃうくらいボロ負けぇ!」

629: 名無しさん 2012/10/03(水) 06:20:53 ID:/lXZaGS6
斧「私はやりたくないって言ったのに……」

剣騎士「あんたぁ……あんだけ熱くなってたのによく言うわねぇ……」

斧「だっておかしもん!私だけ全然勝てなかったんだよ!」

剣騎士 (まぁイカサマしてたからねぇ……)

ジノ「で?その斧と魔物の子を使って偶然居合わせた間抜け面召喚兄さんにこの帽子を売ったと?」

剣騎士「あたりぃ!」

ジノ「………」

剣騎士「それでぇあたしもそれにあやかりたいってぇ坊や追い掛けて来たって訳」

ジノ「……どっちともどうしょうも無いね」

召喚士「斧子さん……」

斧「……なぁに?」

召喚士「格好良くて可愛いって言ったのは嘘だったんですか……」

斧「うん……ごめんなさい……」

召喚士「優しくしてくれたのも……」

斧「………」

630: 名無しさん 2012/10/03(水) 07:36:54 ID:/lXZaGS6
召喚士「また逢った時にはその逞しい腕で私を抱いてくださいって言ったのも……」

斧「……え?」

召喚士「俺と夫婦となり一生を仲睦まじく寄り添って生きたいって言ったのも……」

斧「なななな何を言って

召喚士「日常的にセクハラしても笑って許してくれて!尚且つそのままエッチな事に雪崩れ込んでも不思議では無い生活をしようねって約束したのも全部嘘なんですかぁぁぁぁッ!」

剣騎士「斧ぉ……あんた……」

斧「いや!私そんな事一言も言って無いよ!」

召喚士「おおおぉぁぁぁ……」

斧「お兄さん!デタラメ言わないでよッ!」

剣騎士「あーあ……」

ジノ「かわいそうに……」

斧「………」

召喚士「それは置いといて、ローンちゃんは同じじゃ無いですよね!?」ビシッ!

ジノ、剣騎士、斧「………」

631: 名無しさん 2012/10/03(水) 08:08:51 ID:/lXZaGS6
召喚士「ローンちゃんが斧子さんみたいな性悪な事考えていないとハッキリ言えますが!」

斧「性悪……私だってそんな事考えて無いよ!言えって言われたから言っただけだよ!」

ローン「……!」

斧「え?ローンちゃん……このお兄さんの事知ってるの?」

召喚士「おおおおおおッ!」

ローン「……!!」

斧「そうなんだ……」

召喚士「なんて言ってるんですか!」

斧「昔会った事があるって……」

召喚士「覚えててくれたんだぁぁぁぁッ!」

斧「………」

剣騎士「どう言う事よぉ?」

ジノ「……初恋の人……じゃないな、初恋の魔物なんだってさ」

剣騎士「へぇ……だからあんなに簡単に引っ掛かったのねぇ……」

632: 名無しさん 2012/10/03(水) 08:13:59 ID:/lXZaGS6


召喚士「斧子さん、ローンちゃんをお嫁さんにくださいッ!」土下座ッ!

斧「お嫁さんって……」

召喚士「きっと幸せにしてみせますから!」

斧「………」

ローン「……!?」

斧「………」

ローン「……!!」

斧「………」

ローン「……??」

斧「………」

召喚士「なんて言ってるの!?」

斧「………」

剣騎士、ジノ「………」

召喚士「???」

633: 名無しさん 2012/10/03(水) 12:08:57 ID:/lXZaGS6
斧「うん……聞かない方がいいよ……」

召喚士「なんでッ!」

剣騎士「あたしもそう思うわぁ……」

ジノ「右に同じく……」

召喚士「ええぇ!ズルいだろ!教えてくれよ!」

剣騎士「斧ぉ言いなさいよぉ……」

斧「やだよ……」

ジノ「仕方無いなぁ……あたしが言うから……」

剣騎士「言うの……?」

ジノ「このままだとさ……召喚兄さん貴女達に付いてっちゃう勢いだし……」

剣騎士、斧「………」

召喚士「早く教えてくれ!」

634: 名無しさん 2012/10/03(水) 13:06:48 ID:/lXZaGS6
ジノ「はぁ……言うよ?」

召喚士「おう!来いや!」

ジノ「確かこいつ変態クソジジイの馬鹿孫だよな?俺、こいつ嫌いなんだよ」

召喚士「………」

ジノ「あん時は殺さないでいたが、随分と俺に悪い事してくれたな。ガキだと思ってこっちが手出さないでいたら好き勝手やってくれてよ」

召喚士「………」

ジノ「それにでっかくなってもそんなバカ面して恥ずかしくないのかねぇ……」

ローン「……!」

ジノ「……なんか俺を嫁にとか言ってたけど気持ち悪りい奴だなお前。召喚獣を嫁になんて童貞丸出しの発言だぞ」

ローン「……?!」

ジノ「今度……俺の前でそんな事一言でも言ってみろ、ぶっ殺してやるからな。あぁぁ!気分悪ぅ!」

召喚士「………」

ジノ「………」

635: 名無しさん 2012/10/03(水) 13:14:12 ID:/lXZaGS6
召喚士「嘘だ

ジノ「本当だよ……」

召喚士「嘘だ

剣騎士「本当よぉ……」

召喚士「嘘

斧「本当に言ってたの……」

召喚士「………」

剣騎士「坊や……元気出しなさいってぇ……」

斧「そうだよ……」

召喚士「」バタッ……

ジノ「まぁ……ショックだよね……」

剣騎士、斧「………」

ジノ「ほら、召喚兄さん起きて」ユサユサ……

……「パイア!あそこだ!」

ジノ「この声……」

636: 名無しさん 2012/10/03(水) 19:53:09 ID:/lXZaGS6


ジノ「パイア……他の面子は?」

盗賊「違うとこ探してる」

ジノ「そう……」

ネメア「ジノ無事か?」コソコソ

ジノ「無事だけど?」

ネメア「なら何故召喚士が倒れている?」コソコソ

剣騎士「なぁにこのチビッ子。それと何コソコソしてるのよぉ?」

ジノ「な、何でも無いよ。パイアはあたしのね……使役してる人間なの!」

剣騎士「へぇ……このチビッ子凄いのねぇ……」

ネメア「……こいつらはなんだ」コソコソ

ジノ「兄ちゃん黙ってて!」コソコソ

斧「あわわわわわ……」カタカタ

剣騎士「斧ぉ?」

637: 名無しさん 2012/10/04(木) 19:00:16 ID:Ob8bJi9Y
斧「な、なんで……」

剣騎士「?」

盗賊「………」

斧「ここここの人私を売った人だよ……」

剣騎士「あらま。……ん?おかしくないかしらぁ?あんた売られたのって百年くらい前じゃないのぉ?」

盗賊「あ……」

斧「ッ!!」

ネメア「どうしたパイア?」

盗賊「あれ……売った喋る斧」

ネメア「なんだと!?」

剣騎士「………」

ジノ「……兄ちゃん声聴こえちゃってるよ」

ネメア「………」

剣騎士「なぁにこの声ぇ……」

ジノ「………」

638: 名無しさん 2012/10/05(金) 08:52:29 ID:pLLgqC6Y
剣騎士「……随分と渋い良い声ねぇ素敵ぃ!」

ネメア「………」

剣騎士「ねぇあんた!この声の主どこ!」

ジノ「……ここ」

剣騎士「………」

斧「剣さん……逃げようよ!」

盗賊「………」ジー

斧「………」カタカタ……

盗賊「………」ガシッ!

斧「ひぃぃッ!」

ネメア「パイア……やめなさい……」

盗賊「………」

ネメア「喋る斧よ……」

斧「な、なに?」

ネメア「昔……パイアがお前に対して行った事……詫びよう」

639: 名無しさん 2012/10/05(金) 09:02:00 ID:pLLgqC6Y
斧「………」

ネメア「パイア……この喋る斧に謝りなさい」

盗賊「……ごめん」

ネメア「後な、パイアは人間では無い」

斧「………」

剣騎士「それでぇ……人間なら生きてる筈無いものねぇ」

ネメア「喋る斧よ、すまなかった……」

斧「………」

剣騎士「謝ってるんだから許してあげればぁ?」

斧「うん……」

ネメア「良かった……パイアもう一度謝りなさい」

盗賊「ごめん」

斧「もういいよ……」

640: 名無しさん 2012/10/05(金) 09:13:20 ID:pLLgqC6Y


剣騎士「なんで嘘ついたのぉ?」

ジノ「めんどくさい事になるかと思って……」

剣騎士「あたし達も人間じゃ無いからならないわよぉ」

ジノ「そお?……ところでさ剣騎士って何者?」

剣騎士「あたしは喋る剣なのよ」

ジノ「あの斧の子と同じ?」

剣騎士「そう」

ネメア「……そして魔王の

剣騎士「あああああッ!」

ネメア、ジノ「……?」

剣騎士「あたし達はね!精霊様ってのが造ったのよぉ!」

ネメア「なんだそれは……」

剣騎士「ちょっとその手甲貸して……」

ジノ「ほい」

641: 名無しさん 2012/10/05(金) 09:34:32 ID:pLLgqC6Y
ネメア「ジノ!物みたいに扱うな!」

剣騎士「渋い声の……聞いて」

ネメア「なんだ?……あまり近付かないでくれるか?」

剣騎士「どこまであたし達の事知ってるのぉ?」

ネメア「大体なら聞いた。お前達の力の事等な」

剣騎士「誰に?」

ネメア「お前達を造った者が親しくしている魔物だ。ドヴェルグと言う奴だな」

剣騎士「なるほどぉ……なら斧には魔王が造ったって事は内緒にしてちょうだい……」

ネメア「何故だ?知っているので無いのか?」

剣騎士「あの子は知らないのよぉ……知ってしまったら力が使えなくなってしまうかもぉ……」

ネメア「………」

642: 名無しさん 2012/10/05(金) 17:04:07 ID:pLLgqC6Y
剣騎士「何百年生きてるって言っても中身は子供なのよ……」

ネメア「………」

剣騎士「何で自分が生まれたか……誰に造られたか……」

ネメア「………」

剣騎士「本当の事を知ってしまったら自分のしようとしている事を放棄しちゃうかもしれないのよぉ……」

ネメア「そうか……」

剣騎士「ね?だから言わないで」

ネメア「わかった。私も無理に言うつもりは無い」

剣騎士「そう……良かった」

ジノ「………」

剣騎士「ところでぇ……この手甲の中身はいい男ぉ?ね?」

ネメア「………」

剣騎士「渋い声からして……そうねぇ筋肉が引き締まった感じで長身金髪切れ長ちょっとダンディなハンサムお兄さんと見たけど……どお!?」

643: 名無しさん 2012/10/06(土) 21:23:19 ID:vuNXHlRQ
ジノ「……ライオンだよ」

剣騎士「ええぇぇ……有り得ないし最悪ぅぅぅ……」

ネメア「………」

剣騎士「んもう……あたしそっちの趣味は無いのよねぇ……」

ネメア「……私を馬鹿にしているのか?」

剣騎士「いいえ!残念って思っただけですぅ」

ネメア「………」

剣騎士「どこかにいないかしらねぇ……筋肉ムキムキ絶倫剣士やってるみたいないい男ぉ……」

ネメア、ジノ (いるなんて言えないな……)

剣騎士「はぁ……ライオン?」

ネメア「私はな……」

644: 名無しさん 2012/10/07(日) 12:09:41 ID:UJQRHcKY


斧「あの……聞いていいかな……」

盗賊「………」コクッ

斧「何で私を売ったの?」

盗賊「………」

斧「………」

盗賊「……お腹減ってたから」

斧「………」

盗賊「………」

斧「それだけ……?」

盗賊「………」コクッ

斧「………」

盗賊「………」

……バシュンッ!

645: 名無しさん 2012/10/07(日) 12:20:25 ID:UJQRHcKY
ネメア「召喚士が側にいて良かった。見せた方が早いだろう」

剣騎士「ほへぇ……立派なライオンねぇ」

ネメア「……それだけか?」

剣騎士「それだけよぉ?何?あんた有名なの?」

ネメア「………」

ジノ (兄ちゃん……)

斧「あわわわわゎゎゎゎ……」カタカタ……

剣騎士「またなによぉどうかしたの斧ぉ?」

斧「ネネネネメネメネメアのラララライオン……」カタカタ

剣騎士「このライオン?」

斧「つ、剣さん逃げないとぉぉッ!!」

剣騎士「なんでぇ?」

ネメア「……?」

646: 名無しさん 2012/10/07(日) 12:34:52 ID:UJQRHcKY
斧「おじさんやられちゃうからッ!早く!」

剣騎士「あんた……あたし達の仲間狙ってんの?」

ネメア「何の事だ?」

斧「……おじさんやお姉さん達の世界を壊しに来たんじゃ無いの?」

ネメア「話が見えないな……その事を話して貰えるか?」

斧「………」

ネメア「………」

ジノ「兄ちゃん……昔の癖が再発したの……」

ネメア「癖とは何だ……人間と戦い渡っていただけだろうが……」

ジノ「へぇ……あんだけ暴れ廻って?」

ネメア「……昔の事だ。退治され大人しくしていただろう……」

斧「大人しくしていたのに……なんで襲って来たの……」

647: 名無しさん 2012/10/07(日) 12:45:43 ID:UJQRHcKY
ネメア「お前を襲ったと言うのか?」

斧「そう……」

ネメア「……そうか。なるほど、なんなくだがわかった」

斧「……?」

ネメア「喋る斧よ、お前の持っている力は……召喚だな?」

斧「そうだけど……何でわかるの?」

ネメア「それはある魔物に聞いた。後でそいつから説明して貰え。……それとセーレを召喚出来るな?」

斧「今は出来ないけど……セーレと契約はしてたよ……」

ネメア「そうか……これで話は繋がったな」

斧「私にはわからないんだけど……」

ネメア「説明するとだな……」

648: 名無しさん 2012/10/07(日) 13:07:50 ID:UJQRHcKY


ネメア「と言う訳だな。私を使って……思い出しただけでも腹立たしい……」

斧「………」

ネメア「理解したか?」

斧「うん……」

ネメア「………」

斧「なら何で……貴方はここにいるの?」

ネメア「わからぬ……この馬鹿に喚ばれ居るのだと思うのだが」

斧「なにそれ……」

ネメア「この世界に喚ばれたならしなければいけない事はわかっている」

斧「……それは?」

ネメア「お前に謝礼する事だ」

斧「………」

649: 名無しさん 2012/10/07(日) 14:18:00 ID:UJQRHcKY
ネメア「操られていたとは言え……お前に牙を向けるような事をして申し訳無かった……」

斧「………」

ネメア「それに……セーレに私を天界の門まで運ばせ仕返しの機会まで与えて貰った事も礼を言う」

斧「え……」

ネメア「恐らく私を操るのに関わったであろう天使を食らう事も出来た。……まぁそれに無関係な天使だったかも知れんがな」

斧 (セーレ……何やっちゃってくれてるの……)

ネメア「………」

斧「………」

ネメア「喋る斧よ……ありがとう」

斧「い、いいよ……ははは……」

ネメア「………」

650: 名無しさん 2012/10/07(日) 17:26:50 ID:UJQRHcKY
ジノ (兄ちゃん……何で喚ばれたかわからないって……)

剣騎士「斧ぉ……あんた色々と因縁持ってるのねぇ……」

斧「ごめん……今はちょっと話掛けないで……」

ジノ (召喚兄さんは両親は生まれる前に死んだって言ってるくらいだから自分の出生は興味無いみたいだし……)

ネメア「……お前達はこれからどうするのだ?」

剣騎士「待ってるのがいるのよぉ。だから戻るけど」

ジノ (つーか、両親先死んでたらお前はその両親の子じゃ無いだろって!)

ネメア「そうか……」

剣騎士「お小遣いは稼ぎ損なったけどねぇ……まぁいいでしょ。こんなんなっちゃったし」

ネメア「こんなん?」

651: 名無しさん 2012/10/07(日) 17:41:26 ID:UJQRHcKY
ジノ (何故自分がいるのかわからない、自分が何者なのかわからないでお互い一緒してたんだね……)

アルミラージ「………」ふん

斧「あ、あれ?アルミラージなんで出てるの?」

アルミラージ「………」ふんふん

斧「ローンちゃんと交代って……」

召喚士「ああ……ウサギさんこんにちは……うふふ」

アルミラージ「………」

召喚士「俺ね、さっき好きだった魔物に気持ち悪いって言われちゃったよアハハ」

アルミラージ「………」

召喚士「しかも殺すって言われたよ。可笑しいよねアハハハ」

アルミラージ「………」

召喚士「もう生きてるの辛いなぁ……」

ネメア「……これは酷いな」

剣騎士、斧「………」

652: 名無しさん 2012/10/08(月) 12:48:39 ID:j0W7q8xM
ジノ (まぁそのうちわかる事だから放っておいていいよね……)

ネメア「これはこちらで処理しておこう……」

剣騎士「お願いするわねぇ」

ネメア「………」

剣騎士「なに?」

ネメア「お前は神留の力を使うのか?」

剣騎士「あたしは違うわよぉ。あたしは分身ね」

ネメア「……どちらにしてもその体の持ち主は難儀してそうだな」

剣騎士「失礼ねッ!難儀してるのはこっちなのよぉ!……もっとガチガチのいい男が良かったのに!」

ネメア「………」

斧「……そろそろ行かないと置いてかれちゃうよ」

剣騎士「そうねぇ」

653: 名無しさん 2012/10/08(月) 12:57:57 ID:j0W7q8xM
ネメア「斧よ……ではな。お前と会えて良かった」

斧「うん……」

ネメア「………」

ジノ「じゃあね!」

剣騎士「またねぇスフィンクスとおかしなライオンさん」

ネメア「私におかしな所など無いだろ!」

剣騎士「うふふ……ンチュッ!」

ネメア「………」ゾゾゾ……

ジノ「………」

ネメア (な、なんだ!?この全身を駆け巡る悪寒は……)

タタタッ……

ジノ「ありゃ兄ちゃんに気があったね」

ネメア「……やめてくれ」

654: 名無しさん 2012/10/09(火) 17:55:44 ID:ik3c2fms
ーー

喚起士「召喚士さん……どうなされたんですか?」

ネメア「ジノに聞いてくれ。私は戻る」

ジノ「あたしも」

バシュンッ!

召喚士「」グデェ……

喚起士「ジノ……これは?」

ジノ「現実が理想をフルボッコしちゃっただけだよ」

喚起士「意味がわかりません……」

蒼頭「召喚士殿は見付かり……これは?」

喚起士「現実が理想を打ち砕いたみたいです?」

蒼頭「意味がわかりませぬ……」

剣士「召喚士見付かった……これは?」

蒼頭「何らや現実が理想を玄翁のごとき所業を行ったとか?」

655: 名無しさん 2012/10/09(火) 18:26:15 ID:ik3c2fms
剣士「はぁ?意味わかんねえぜ……」

姫宮「……召喚士どうしたの?」

剣士「現実と理想と情熱の狭間だってよ」

姫宮「ジノ……どう言う事?」

ジノ「………」

ネメア「どこぞの馬鹿のせいでもう辺りは暗くなっているがどうするのだ?」

喚起士「そうですね……」

蒼頭「この辺りだと村と村の中間辺りで御座ろうから進むにしても戻るにしても同じで御座いまする」

喚起士「なら野宿ですかね……」

ネメア「そうか。剣士よ」

剣士「なんだ?」

ネメア「こいつを運んでくれ」

剣士「ああ、わかった」

656: 名無しさん 2012/10/10(水) 17:21:33 ID:IZGsNwgg


パチッ……

剣士「………」

蒼頭「………」

剣士「……今日は召喚士見張りしねえから組み合わせがおかしいな」

蒼頭「某とは嫌だったか?」

剣士「そうじゃねえよ。思った事を口に出しただけだよ」

蒼頭「………」

剣士「ただじっと周り警戒しながら焚き火見てるだけじゃ暇だろ?」

蒼頭「……そうだな」

剣士「なんかねえかなぁ……」

蒼頭「……?」

剣士「お前、全部終わったらどうするんだ?刀見付かったしここいらに用はねえだろ?」

蒼頭「某は……帰ろうと思う。この地を離れるのは名残惜しいがな」

剣士「なんで名残惜しいんだ?」

657: 名無しさん 2012/10/11(木) 02:31:32 ID:UJYqFeW6
蒼頭「この刀を探す旅の途中、路銀が尽きてな……谷の国で雑用として登用して貰ったのだがな……」

剣士「お前雑用って……そんなに強えのにか?」

蒼頭「この身なりで兵士などになれる訳無いだろう……某のような身元も容姿も解らぬ輩を雇って貰っただけでも有り難いのに」

剣士「そりゃそうだな」

蒼頭「そこでだな某は人間で無いと隠し勤めていたのだが……周りの諸人は某を快く受け入れてくれたんだ」

剣士「………」

蒼頭「素性の解らぬ某をな。……嬉しかった」

剣士「………」

蒼頭「………」

剣士「それで姫さんの護衛なんてしてるのか?」

蒼頭「そうだ……いくら命されたとしてもこのような大役、義理が無ければ引き受けていない」

剣士「命されたってなんだい?」

658: 名無しさん 2012/10/11(木) 04:06:22 ID:UJYqFeW6
蒼頭「ネメア殿や喚起士殿から聞いていないか?」

剣士「何も聞いてないぜ」

蒼頭「谷の国を乗っ取り今国を動かしている将軍と言う輩に命されたのだ」

剣士「………」ピクッ

蒼頭「………」

剣士「………」

蒼頭「……どうした?」

剣士「何でもねえ……将軍……」

蒼頭「……?」

剣士「………」

蒼頭「某も聞いていいか?」

剣士「……なんだ?」

蒼頭「お前は何故強くなりたいんだ?」

659: 名無しさん 2012/10/11(木) 04:16:16 ID:UJYqFeW6
剣士「召喚士にも聞かれた事があったがよ……強くなれば何でも手に入るからだな」

蒼頭「……物欲の為か」

剣士「ん……それがな、自分でも何が欲しいかわからないんだわ。欲しい物が欲しいってやつ?」

蒼頭「………」

剣士「強くなれば……それが手に入るんじゃねえかなってな」

蒼頭「……もし、それが手に入らなければどうするのだ?」

剣士「そんときゃまた考えるさ」

蒼頭「手に入るといいな……」

剣士「ああ」

蒼頭「………」

剣士「………」

660: 名無しさん 2012/10/11(木) 04:26:24 ID:UJYqFeW6


喚起士「はぁ……」

ジノ「なに?溜め息なんかついちゃって」

喚起士「………」チラッ

召喚士「」

ジノ「召喚兄さんがどうかしたの?」

喚起士「私の事が……好きだと……」

ジノ「……あれ?」

喚起士「はい……あの方が言ったあれですね……」

ネメア「何の事だ?」

ジノ「兄ちゃんは興味無いだろうから黙ってて」

ネメア「………」

喚起士「………」チラッ

ジノ「そんなに意識しない方がいいよ?」

661: 名無しさん 2012/10/11(木) 22:01:53 ID:UJYqFeW6
喚起士「ですが……こんな事初めてで……」

ジノ「………」

喚起士「それに私以外の方も好きな人がいるんですよね……」

ジノ「そっちの方は終わったから気にしないでもいいよ……」

喚起士「終わったですか?」

ジノ「まぁ……あれだったんだよ。召喚兄さんの初恋の相手だったんだよね」

喚起士「そうだったんですか……」

ジノ「こっぴどく振られたけど」

喚起士「………」

ネメア「それで召喚士はこの状態なのか」

ジノ「そうだね……」

喚起士「……ジノ」

ジノ「ん?」

662: 名無しさん 2012/10/12(金) 17:26:04 ID:D6itry76
喚起士「男の人は……皆、何人も好きな人が出来るんでしょうか……」

ジノ「………」

喚起士「………」

ジノ「そうかもね……」

ネメア (ジノが私の方を見ている気がするのは気のせいだろうか……)

喚起士「なら私は……召喚士さんにお応えするのは無理かもしれません……」

ジノ「そんなに早く答えを出すのは早いんじゃない?」

喚起士「………」

ジノ「全部終わってからでも十分間に合うと思うよ。何年先でも間に合うかも」

喚起士「そうでしょうか……」

ジノ「気に食わなかったら召喚兄さんに死ねって言えばいいし!」

喚起士「………」

ジノ「なるようになるって」

喚起士「はい……」

663: 名無しさん 2012/10/13(土) 15:44:01 ID:rnQPbHmU
ーー

盗賊「だからこう……」カリカリ

姫宮「なるほど」

盗賊「………」カリカリ

姫宮「ふむふむ」

喚起士「おはようございます」

姫宮「おはよー」

盗賊「おは……」

喚起士「何をなさっているんですか?」

姫宮「盗賊に絵の書き方教えて貰ってたの」

喚起士「なら私が

姫宮「喚起士はいいよ……」

喚起士「……何故です?」

姫宮「………」

664: 名無しさん 2012/10/13(土) 15:51:57 ID:rnQPbHmU
盗賊「………」

姫宮「か、喚起士の絵って私だと真似出来ないから!」

喚起士「そうですか……」

姫宮「そう!」

喚起士「ですがそう言わずに真似てみるのもいいと思いますよ。模倣から始めると言うのもありますし」

姫宮「本当にいいよ……」

喚起士「遠慮はいりません。さぁ姫宮さん真似てください!」

姫宮 (どどどどうしよう……)

喚起士「………」カリカリ

姫宮「………」

喚起士「……はい!」バッ!

姫宮「……何を描いたの?」

喚起士「見ればわかるじゃないですか!」

姫宮「………」

666: 名無しさん 2012/10/14(日) 15:57:42 ID:TEJVUFiM
喚起士「どうしました?」

姫宮 (あああ……どうみてもウサギさんだけどウサギさんじゃないんだよなぁ……)

喚起士「……?」

姫宮 (困った……そのまま描いたら喚起士何て言うかな……)

蒼頭「お三方、おはようございまする」

姫宮「……蒼頭おはよう!」

蒼頭「姫様、何をなさっておいでで?」

姫宮「盗賊に絵の書き方教えて貰ってたの……」

蒼頭「ほう、どれどれ……」

盗賊「………」

蒼頭「お子よ、お主はこのような才があったのだな。見事な物だ」

盗賊「………」フフン

667: 名無しさん 2012/10/14(日) 16:46:10 ID:TEJVUFiM
喚起士「………」サッ……

蒼頭「喚起士殿……何か?」

喚起士「いえ……」

姫宮「喚起士にも描いて貰ったの……」

蒼頭「ほうそうで御座いますか。で、喚起士殿のは?」

喚起士「………」

姫宮 (喚起士には悪いけど……誰かがハッキリ言ってあげないとね……)

喚起士「………」ペラッ……

蒼頭「………」

姫宮 (蒼頭なら……きっと蒼頭ならハッキリ言ってくれる筈!)

蒼頭「………」

姫宮「……蒼頭?」

喚起士「いかがでしょう……」

668: 名無しさん 2012/10/14(日) 16:52:23 ID:TEJVUFiM
蒼頭「そうか……」

喚起士「はい?」

蒼頭「……すでに某の姿知り申していたか」

喚起士、姫宮「?」

蒼頭「ならば……隠す必用も無いで御座ろうな……」

姫宮「蒼頭何を言って……」

蒼頭「………」パサッ……

喚起士、姫宮「………」

蒼頭「………」

喚起士、姫宮「………」

蒼頭「………」

喚起士、姫宮「………」

蒼頭「声も出ませんか……」

喚起士、姫宮「………」

669: 名無しさん 2012/10/14(日) 23:21:19 ID:TEJVUFiM
蒼頭「このように……醜く……」

喚起士、姫宮「えええええええッ!」

蒼頭「………」

喚起士「かかわ……わわッ……」

姫宮「かかかかっ……かかっ……」

蒼頭「申しありませぬ……このような姿を晒してしまい……」

喚起士、姫宮「可愛いぃぃぃッ!」

蒼頭「これではもう御側に置かせては貰えませんか……は?」

姫宮「何この耳ッ!何この耳ぃぃッ!」

喚起士「蒼頭さんこんな武器を隠し持っていたなんてズルいですよッ!」

蒼頭「………」

670: 名無しさん 2012/10/15(月) 06:20:43 ID:v/oV.4IY
姫宮「蒼頭!屈んで!」

蒼頭「……何故で御座ろう?」

姫宮「いいから早くッ!」

蒼頭「………」

姫宮「はぁああッ!」グワシッ!

蒼頭「………」

姫宮「キャー!キャー!本当みたい!」

蒼頭「本当で御座りまする……」

喚起士「姫宮さんズルいですよッ!私も!」グワシッ!

蒼頭「………」

喚起士「キャー!モフモフですよ姫宮さんモフモフッ!」

蒼頭「あの……」

姫宮「私、剣士呼んでくる!」

喚起士「私もジノを!」

ダダダダッ!

671: 名無しさん 2012/10/15(月) 20:29:08 ID:v/oV.4IY
蒼頭「………」

盗賊「………」

蒼頭「お子よ……」

盗賊「………」

蒼頭「何故この姿を見て……姫様や喚起士殿は平気なのか……」

盗賊「………」

蒼頭「それに可愛いなどと意味がわからぬ……」

盗賊「………」

蒼頭「お子よ……某は醜いだろ?」

盗賊「……普通」

蒼頭「普通か……」

盗賊「………」

蒼頭「………」

672: 名無しさん 2012/10/15(月) 20:35:41 ID:v/oV.4IY


ジノ、剣士「………」

蒼頭「………」

ジノ「人間じゃん……」

剣士「何処が化物なんだよ……」

蒼頭「………」

喚起士「それに美人ですし」

姫宮「そうそう!」

剣士「なんだよ……どんなん出てくるかと思ったけどガッカリだぜ……」

ジノ「本当だよ……隠す必用無いんじゃん」

蒼頭「……この耳を見てもそのような事が言えるのですか?」

剣士「ウサギの耳がどうかしたのか?」

蒼頭「どうかしたのかって……」

673: 名無しさん 2012/10/16(火) 06:30:41 ID:JFKXASMs
剣士「そんなの高え酒場行けばいくらでもいるだろ」

蒼頭「なんと……」

姫宮「喚起士……高い酒場にはいるの?」

喚起士「私に聞かれても……」

蒼頭「………」

ジノ「何で顔隠してたの?理由がわからないよ」

蒼頭「理由は……この耳は忌むべき物故……」

喚起士「忌むべき物……ですか?」

蒼頭「負の証で御座りまする……」

喚起士「………」

蒼頭「同胞を……人間を……騙し裏切り陥れる証……」

喚起士「ウサギの耳を見てそんな事を思う人はいないと思いますが……」

蒼頭「………」

674: 名無しさん 2012/10/16(火) 09:49:55 ID:JFKXASMs
剣士「意味わかんねえ……」

蒼頭「……某の一族では幼少の頃より、この耳は醜く人前で晒せば蔑まれると教えられてたが」

剣士「へぇ……けどよそんな事するやついねえだろ……」

蒼頭「………」

喚起士「何故そのように蒼頭さんの一族では教えているんでしょうか?」

蒼頭「某の祖先が起こした罪からで御座ろうな……」

喚起士「………」

蒼頭「同胞の背中に火を付け泥の船に乗せ……かたや言葉巧みに騙し海を渡り……」

喚起士「………」

蒼頭「駆けては亀に負け、獅子に揶揄され……」

剣士、姫宮、喚起士「最後のはネメア?」

蒼頭「………」

675: 名無しさん 2012/10/16(火) 10:06:54 ID:JFKXASMs
剣士「まぁお前の好きなようにしろよ」

蒼頭「好きなようにとは?」

剣士「これから先、その耳を隠そうが隠すまいがお前の自由だって事だよ」

蒼頭「………」

姫宮「私はそのまま耳を出してた方が好きだよ」

蒼頭「姫様……」

剣士「そうだ……お前さ」

蒼頭「……何で御座ろう」

剣士「それで召喚士起こしてきてくれよ」

蒼頭「………」

姫宮「………」

蒼頭「わかり申した……」

676: 名無しさん 2012/10/16(火) 10:15:30 ID:JFKXASMs


姫宮「絶対ろくな事にならないよ……」

剣士「そう言うなら止めろよ。大丈夫だって!召喚士がどんな反応するか楽しみじゃねえか!」

喚起士「………」

ジノ「……喚起士どうしたの?」

喚起士「いえ……蒼頭さん、私の絵を見て既に姿を知っていたって言ってたんですよね……」

姫宮、ジノ「………」

喚起士「何故なんでしょう……」

姫宮「……蒼頭が見間違えたんだよ」

ジノ「きっとそうだよ……」

喚起士「そうでしょうか……ウサギ何て描いていないのに……」

姫宮 (やっぱりウサギじゃ無かったんだ……)

ジノ (それで蒼頭は姿がバレてると思って頭巾取ったんだ……)

喚起士「………」

677: 名無しさん 2012/10/16(火) 10:24:35 ID:JFKXASMs


召喚士「」

ネメア「いい加減起きないか!」

蒼頭「………」

ネメア「ったく……ん?……お前」

蒼頭「………」

ネメア「皆に見せたのだな?」

蒼頭「左様で御座ります……」

ネメア「そうか……」

蒼頭「………」

ネメア「……杞憂だったか?」

蒼頭「はい……」

ネメア「良かったな」

蒼頭「………」

ネメア「何か用か?」

678: 名無しさん 2012/10/16(火) 20:21:30 ID:JFKXASMs
蒼頭「ネメア殿……」

ネメア「なんだ?」

蒼頭「某は……皆に己の存在を否定されると思っておりました……」

ネメア「ふむ……」

蒼頭「それが……どうとも無く受け入れられ戸惑っておりまする……」

ネメア「………」

蒼頭「剣士には好きなようにすればよいと言われたのですが……某はどうすればいいのか……」

ネメア「蒼頭よ」

蒼頭「……はい」

ネメア「お前はその姿で生涯を過ごさなければならないのは当然の事だがわかるな?」

蒼頭「はい……」

ネメア「ならば自身が醜く思おうともお前がお前で生き続ければいい」

蒼頭「………」

ネメア「その姿の事を他の者に何を言われようが先へ進むのはお前自身なのだ」

679: 名無しさん 2012/10/16(火) 20:30:11 ID:JFKXASMs
蒼頭「………」

ネメア「私から言えるのはここまでだ。後は自分で考え進めばいい」

蒼頭「ネメア殿……」

ネメア「………」

召喚士 (……蒼頭とネメアか。なんだ?姿とかって)

ネメア「こう言うのもあれだが……蒼頭、お前は綺麗な顔をしているではないか」

召喚士 (なッ!か、顔!?)

蒼頭「そうような事は……」

ネメア「私はお前の姿、嫌いでは無い」

蒼頭「………」

ネメア「……?」

蒼頭「……う」カァァ……

召喚士「………」

680: 名無しさん 2012/10/17(水) 13:11:36 ID:ciVXXvWM
ネメア「どうかしたか?」

蒼頭「な、なんでもありませぬ!某、召喚士殿を起こさねばならんのでしたぁッ!召喚士殿!召喚士!」ユサユサ

ネメア「………」

蒼頭「召喚士殿ぉッ!」ズドンッ!

召喚士「ゲバラッ!げほ……な、何するんだよッ!」

蒼頭「あああ!起き申したか!」

ネメア「やっと起きたか……」

召喚士「………」

蒼頭、ネメア「……?」

召喚士「……誰?」

蒼頭「……蒼頭で御座りまする」

召喚士「嘘ぉ……」

ネメア「本当だ」

召喚士「………」

ネメア「お前意外と驚かないのだな」

681: 名無しさん 2012/10/17(水) 13:22:35 ID:ciVXXvWM
召喚士「ん……うん……まぁそうだね」

ネメア「何かあるのか?」

召喚士「何でも無いよ……」

ネメア「………」

召喚士 (なるほどなぁ。確かに蒼頭がバニーガールなのは少し驚いたが……ネメアが蒼頭をとはねぇ……そっちの方が驚きだよ!)

ネメア「蒼頭よ、他の者達は?」

蒼頭「皆、仕度しておりまする」

ネメア「そうか。召喚士よ早くせねば置いていかれるぞ」

召喚士「わかった……」

ネメア「………」

蒼頭「某は皆の所へ戻ります故」

ネメア「ああ」

682: 名無しさん 2012/10/19(金) 06:30:50 ID:hxIDPXzU


蒼頭「………」

姫宮「頭巾取った方が良いって!」

蒼頭「そう申されても……この耳を晒して御天道様の下を歩くのは抵抗があると申そうか……」

姫宮「勿体ないよ。綺麗な顔をしてるのに……」

蒼頭「しかし……」

喚起士「ならこうしたらいかがです?」

蒼頭「その布で何を……」

喚起士「はい後ろを向いてください」

蒼頭「はあ……」

喚起士「ん……これで……よし!」

蒼頭「………」

姫宮「おお!」

喚起士「手鏡を。どうです?」

683: 名無しさん 2012/10/19(金) 18:39:30 ID:hxIDPXzU
蒼頭「………」

喚起士「耳だけ隠すようにすればいいと思うんですよ!」

蒼頭「はあ……」

姫宮「何か三刀流とか出来ちゃいそうだよ!」

蒼頭「それは何で御座ろうか……」

喚起士「それなら蒼頭さんが仰っていた耳も見えなくていいと思うんですけど」

蒼頭「ですがこれでは……某の瞳が隠れず……」

姫宮、喚起士「………」

蒼頭「………」

喚起士「あ、あれです!それは疲れ目と言う事で誤魔化せますから!」

蒼頭「疲れ目……」

姫宮 (無理だと思うな……)

685: 名無しさん 2012/10/20(土) 18:44:42 ID:ioNwJhAw
喚起士「それにしても、東方の女性は髪を命のように大事にすると聞いた事がありますが蒼頭さんは肩までしか伸ばして無いんですね」

蒼頭「これで御座ろうか。これは尼削ぎと言われる物で御座ります」

喚起士「尼削ぎ?」

蒼頭「こちらでは修道女と言った方がわかりやいか。その方達が行っている髪型ですな」

喚起士「そうなんですか。……東方の僧は坊主にするのでは?」

蒼頭「何でもかんでも坊主にと言う訳では御座らん」

喚起士「はあ……」

姫宮「じゃあ蒼頭……僧侶なの?」

蒼頭「いや、これは真似ているだけなので関係は無いで御座ります」

姫宮「へぇ」

蒼頭「………」ソワソワ

姫宮「……落ち着きなよ。大丈夫だから」

686: 名無しさん 2012/10/20(土) 18:52:03 ID:ioNwJhAw


剣士「どうよ?」

召喚士「何が?」

剣士「蒼頭の顔だよ。ありゃ中々の上玉だと思うぜ!」

召喚士「そうだね」

剣士「………」

召喚士「……?」

剣士 (あれ?召喚士は女に弱いんじゃねえのか?)

召喚士「………」

剣士 (それに全然驚いてねえし……つまんねえなぁ)

召喚士「剣士、俺が驚かないのがつまらない?」

剣士「う……そ、そんな事思ってねえよ……」

召喚士「そう」

剣士 (やべえ……見透かされてるぜ……流石だな)

召喚士「………」

687: 名無しさん 2012/10/20(土) 19:02:22 ID:ioNwJhAw
剣士 (この程度で驚いてたらどうしょうもないって訳か……)

召喚士 (ネメアと蒼頭の関係の方が気になるんだよ!)

剣士「………」

召喚士「………」

剣士「し、召喚士よ蒼頭は……好きになったりしないのか?」

召喚士「……なる訳無いだろ。何言ってんだ」

剣士「そうかい……」

召喚士「………」

剣士 (じゃああの姉ちゃんだけが好きなのか……?)

召喚士 (いくら美人でもオッパイ無いとつまらないだろうが!何言ってんだ!)

剣士「………」

召喚士 (まったく何でもアリの人間はこれだから……。全てはオッパイだろうがッ!)

688: 名無しさん 2012/10/23(火) 16:24:03 ID:iSMkr6GA


蒼頭「この村より……谷の国になり申す」

喚起士「………」

姫宮「………」グッ……

剣士「大丈夫だぜ。俺が守るからな!」

姫宮「うん……」

蒼頭「………」ソワソワ……

ジノ「落ち着きなって……」

蒼頭「いやはや……こう顔が涼しいとなんとも……」

喚起士「蒼頭さんはそのままの方がいいんですから大丈夫ですよ」

姫宮「そうだね……顔を知ってるの国にいないんでしょ?」

蒼頭「そうで御座りますが……」

姫宮「じゃあ!行こう!」

689: 名無しさん 2012/10/23(火) 17:31:22 ID:iSMkr6GA
蒼頭「姫様は確りとお顔をお隠しに!」

姫宮「……わかってるよ」

喚起士「パイアもここからはお顔を隠していた方がいいかと思いますが」

盗賊「………」コクッ

剣士「で、これからどうすんだ?」

喚起士「……この村で少し情報を仕入れたいと思います」

剣士「じゃあ派手に稽古とか出来ねえなあ……わかったぜ」

喚起士「………」

剣士「ま、大人しく宿屋で待機してっか。行くぞ盗賊」

盗賊「………」コクッ

蒼頭「……某は野暮用を」

喚起士「野暮用ですか?」

蒼頭「大した事では無い故……」

喚起士「……?」

690: 名無しさん 2012/10/23(火) 20:04:38 ID:iSMkr6GA


召喚士「………」チョイチョイ

姫宮「……何?」

召喚士「蒼頭を付けよう……」

姫宮「何で……」

召喚士「いいから……」

姫宮「……じゃあ私じゃなくてもいいよね?」

召喚士「駄目だ!……この村は来た事あるよな?」

姫宮「あるけど……」

召喚士「決まりだな。案内よろしく」

姫宮「嫌!」

召喚士「……ほう?」

姫宮「………」

691: 名無しさん 2012/10/23(火) 20:09:04 ID:iSMkr6GA
召喚士「………」キョロキョロ

姫宮「……?」

召喚士「お姫様は知ってるかい?」

姫宮「……何を?」

召喚士「蒼頭の真なる秘密を!」

姫宮「………」

召喚士「……案内してくれたら教えよう」

姫宮「どうせろくでもない事でしょ?」

召喚士「……蒼頭が慕ってる相手なんだけどなぁ」

姫宮「なッ!?そんな人がッ!」

召喚士「声がデカイ!」

姫宮「……誰なの?」

692: 名無しさん 2012/10/23(火) 20:12:27 ID:iSMkr6GA
召喚士「………」

姫宮「………」

召喚士「来る?」

姫宮「行くッ!」

召喚士「オッケー……ふふっ」

姫宮「ねぇ……」

召喚士「慌てなさんなって!じゃ行くぞ!」

姫宮「……喚起士に

召喚士「言わないでいいから……」

姫宮「でも……」

召喚士「大丈夫!蒼頭の後追ってすぐに帰って来るから」

姫宮「………」

693: 名無しさん 2012/10/24(水) 22:24:10 ID:.HPVD.2o


姫宮 (ネメアまで置いてきて……何かあったらどうしよう……)

召喚士「付いてきたのはいいけど……蒼頭のやつ原っぱに座り込んでなにやってんだ?」

姫宮「そろそろ教えてよ……」

召喚士「……なにを?」

姫宮「蒼頭が慕ってる相手を!」

召喚士「ああ……秘密だからな?」

姫宮「うん……」

召喚士「ネメアだよ……」

姫宮「まさかぁ……」

召喚士「本当!聞いちゃったんだよ俺」

姫宮「………」

召喚士「……ネメアがな蒼頭に綺麗な顔だって」

姫宮「それだけ?」

694: 名無しさん 2012/10/24(水) 22:35:37 ID:.HPVD.2o
召喚士「後な……蒼頭よ、お前の事嫌いでは無いフフッって!」

姫宮「………」

召喚士「この旅が終り……召喚士との契約が切れたならお前と一緒に……ってぇッ!」

姫宮「へ、へぇ……そうなんだ……」

召喚士 (ちょっと違うけどネメアもこのくらい思ってるだろうからいいか)

姫宮「………」

召喚士「驚きだよね!いつの間にそんな関係になったんだか……」

姫宮「……あの穴に落ちた時かな」

召喚士「それだ!なるほどなぁ」

ガサッ……

……「お前ら……そんな所で何してる?」

召喚士、姫宮「ッ!」

695: 名無しさん 2012/10/24(水) 22:55:11 ID:.HPVD.2o


剣士「召喚士どこ行ったんだよ……」

ネメア「お嬢もいないとなると……あの馬鹿が連れ出したのだな……」

喚起士「こんな時に何を……」

剣士「まさか二人で情報でも探ってるのか……」

喚起士「……有り得ますね」

ネメア (一番有り得んだろ……)

喚起士「召喚士さん……髪型以外はあまり目立ちませんから」

剣士「ああ……地味だもんな」

ジノ (二人ともさらっと酷い事言ってるね……)

喚起士「それに、姫宮さんを連れ出したのは案内が必要だったからではと……」

剣士「なるほど。土地勘を持ったやつが必要だった訳かい」

喚起士「………」

剣士「なら召喚士に情報収集は全部任せていいな」

喚起士「そうですね……あまり多人数でと言うものよくありませんから」

696: 名無しさん 2012/10/24(水) 23:06:20 ID:.HPVD.2o
ネメア「………」

ジノ「なんだか二人、今日は一緒に喋るね」

喚起士「たまたま意見が一致しただけです……」

剣士「………」

ジノ「そう……」

剣士「ね……喚起士でいいか?」

喚起士「それで構いません……」

剣士「……ちっと話があるんだかよ。あの二人がいない間に話してくわ」

喚起士「……何でしょう?」

剣士「喚起士は仇を討つんだったよな?」

喚起士「そうですが?それが?」

剣士「悪いけど……俺だけ別行動になるかもしれねえから」

喚起士「それでも構いませんが……何故です?」

剣士「実はな……」

697: 名無しさん 2012/10/25(木) 15:11:01 ID:wJ1/6FXE


……「なーんてな!後ろ姿で違うかなって思ったけど、やっぱりあの時の奴だったか」

召喚士「………」

姫宮「し、知り合いなの?」コソコソ

召喚士「多分知らない人だと思う……」コソコソ

……「そっちの嬢ちゃんも久し振りだな」

召喚士「知り合いなの?」コソコソ

姫宮「知らないよ!」コソコソ

……「ん……思い出せないって顔してるな。ほれ、手で額を隠して……何も聞かずその娘を寄越せばいいんだ!」

召喚士「ああああッ!砂浜で会った兵士の人!」

……「ふふ、思い出したか?」

召喚士「思い出した思い出した!」

姫宮「………」

698: 名無しさん 2012/10/25(木) 23:44:51 ID:wJ1/6FXE
……「お前らこんな所でなにやっているんだ?」

召喚士「ちょっとね……」

姫宮「………」

……「ふーん……。その嬢ちゃん連れているなら、この辺いない方がいいそ?」

召喚士「なんでって……おおおお姫様にそっくりだったね!ああ!そうだった!」

……「……?」

召喚士 (これマズイよな……?)

姫宮 (何かしまったって顔してるけど……)

……「まぁいいや。忠告はしたからな」

召喚士「……うん。あんたは今、見回りか何かか?」

……「俺かい?俺は国に帰るとこだよ」

召喚士「そう……え?兵士の仕事は?」

699: 名無しさん 2012/10/26(金) 13:50:15 ID:/mp0lskU
……「やめたよ」

召喚士「………」

……「何だか戦争になりそうな雰囲気だったからな。それだけじゃ無いけど」

召喚士「………」

……「それで国に帰るって訳さ」

召喚士「そうなのか……」

蒼頭「お二方……このような所で何をやっているのか……」

召喚士、姫宮「ッ!」

蒼頭「……しまったと言う顔をしている事は……某を付けて」

召喚士「ぐ、偶然だよ……な?」

姫宮「……うん!」

蒼頭「はぁ……」

……「………」グイッグイッ

召喚士「……何?」

……「お前さん……随分と美人の知り合いがいるな」

700: 名無しさん 2012/10/26(金) 13:59:34 ID:/mp0lskU
召喚士「まぁ……で?」

……「紹介してくれよ」

召喚士「嫌だけど」

……「……何で?」

蒼頭「やややッ!これは兵士殿では御座らんか!」

……「ななな何で俺の名前を知って……」

蒼頭「何を言って……ああ、こうすればおわかり頂けるかと」パサッ

……「………」

蒼頭「どうですかな?いやぁ久しぶりで御座いますな!」

……「ええええぇぇぇ……なんだとッ!?お前あの蒼頭かよッ!」

蒼頭「如何にも。其ほど驚かれる事など無いと思いますが」

……「………」

姫宮「……知り合い?」コソコソ

701: 名無しさん 2012/10/26(金) 21:50:16 ID:/mp0lskU
蒼頭「同じ釜の飯を食べた友で御座いますな」

姫宮「そうなんだ……」

……「………」

蒼頭「あれからインキンタムシやらマタズレやらは治ったで御座ろうか?」

……「………」

召喚士「………」

蒼頭「相も変わらず兵士殿は女子衆の尻を追い掛けておりますかな?」

……「ぉぅ……」

蒼頭「ふふふ、晩飯の愚痴やらを寝床で語り合ったり下劣な話に花を咲かせたり……」

……「それ以上は言うなよ……」

蒼頭「はて?何故で御座ろう?」

……「いいから……」

召喚士「あんた女相手になんて事を……」

……「野郎だと思ってたから……」

702: 名無しさん 2012/10/27(土) 01:57:48 ID:sWObE4hg


蒼頭「なんと……」

……「そう言う訳でさ、俺兵士やめたんだよ」

蒼頭「………」

……「国に帰ってまた一から傭兵でもやろうかなってな」

蒼頭「なるほど……」

傭兵「最後にお前さんに会えて良かったよ」

蒼頭「………」

傭兵「友にさらばってな挨拶したかったし……」

蒼頭「……兵士殿」

傭兵「じゃあな蒼頭」

召喚士、姫宮「………」

傭兵「お前さんもまた会えたらいいな……ほれ嬢ちゃんサヨナラだぞ?」

姫宮「……へ?」

703: 名無しさん 2012/10/27(土) 02:11:09 ID:sWObE4hg
傭兵「ほらほらウチューッ!」

姫宮「い、嫌ぁッ!」

傭兵「……?」

蒼頭「何をやっておるかッ!」

傭兵「へ?あ?……別れの挨拶だけど」

召喚士「………」

蒼頭「貴様……己がいた国の姫の顔を忘れたのかッ!」

傭兵「姫……え?」

蒼頭「………」スゥ……

傭兵「ままま待て!これ本物の女王なのかッ!?」

蒼頭「本物も偽物も無かろうがッ!」バッ!

傭兵「本当に

蒼頭「ハァァァァァッ!」ズガッ!

傭兵「」ズダン!

召喚士「………」

704: 名無しさん 2012/10/27(土) 02:20:41 ID:sWObE4hg
蒼頭「愚か者が……」

召喚士「うん……蒼頭さ」

蒼頭「……何で御座ろうか?」

召喚士「この人……一回なパイアをお姫様と間違えて捕まえようとした事があったんだよ……」

蒼頭「………」

召喚士「だからパイアとお姫様を間違えてただけだと思うんだ……」

蒼頭「………」

召喚士「………」

蒼頭「へへへ兵士殿!すみませぬ!」ユサユサ!

傭兵「」

蒼頭「あぁぁ……某なんて事を!兵士殿!兵士殿!」

召喚士「………」

姫宮 (盗賊と間違えてたんだ……でも何でキスしようとしたんだろ……)

705: 名無しさん 2012/10/27(土) 13:30:21 ID:5n6qS0gU


召喚士「重……」

蒼頭「あぁぁ……起きたらなんと言えば……」

召喚士「取り合えず宿屋連れてくけど……あのままに出来ないし」

蒼頭「そうですな……」

姫宮「……ねえ蒼頭?」

蒼頭「なんで御座ろうか?」

姫宮「あの場所で座って何してたの?」

蒼頭「あれですか……あの場所から見た風景が某の故郷に似てる故、ただ思いに耽っていただけで御座ります……」

姫宮「……そうなんだ」

蒼頭「かの山々、鮒を釣りし川などありまして某は忘れる事の出来ない故郷で御座いますな」

姫宮「………」

蒼頭「父上、母上はお変わり無く暮らしているだろうか。故郷の友はどうしているだろうか……」

姫宮「……蒼頭の家族」

706: 名無しさん 2012/10/27(土) 13:40:51 ID:5n6qS0gU
蒼頭「某の願い必ず叶えいつか帰ろうと……」

召喚士、姫宮「………」

蒼頭「青々とした山がある故郷へ……澄し清浄の川が流れる故郷へ……そのような事を考えておりました」

召喚士「……何かいいな故郷」

姫宮「うん……」

召喚士「俺のは町外れの一軒家だけど……」

姫宮「私のはデッカイお城だけど……」

蒼頭「………」

姫宮「……蒼頭は願い叶えちゃったんだよね?」

蒼頭「はい……」

姫宮「なら故郷に帰っちゃうの……?」

蒼頭「そのつもりでおりまする……」

姫宮「そっか……」

707: 名無しさん 2012/10/28(日) 00:59:47 ID:0rXnlClg


剣士「………」

喚起士「………」

ネメア「どうするのだ?」

剣士「どうすればいいかわかんねえんだよ……」

ネメア「そうか……そうだな……」

剣士「てめえの野心の為にこんな事するなんてよ……」

喚起士「貴方は魔喚士と言う方はご存じなんですか?」

剣士「知らねえ……俺が家を飛び出した後に親父の所に来たんじゃねえかな……」

喚起士「そうですか……」

ジノ (確かにこれは……お姫様と蒼頭いたら話せないよね。まさか将軍って言うのが剣士の親だなんて……)

剣士「………」

ネメア「……剣士よ」

剣士「ああ……?」

708: 名無しさん 2012/10/28(日) 12:15:01 ID:0rXnlClg
ネメア「迷うならば、お前は行かなくてもいい」

剣士「……でもよ!」

ネメア「お嬢を守るのだろ?そう約束をしたのだろ?」

剣士「………」

ネメア「恐いか?」

剣士「ああ……恐えよ。あの親父、自分の為なら何でもやりやがるからな……」

ネメア「……それでもお前が将軍を止めるべきだと私は思うがな」

剣士「………」

ネメア「………」

剣士「身内の始末はって訳かい……」

ドンドンドンッ!

喚起士「何方ですか?」

……「あ、開けてください!」

喚起士「召喚士さん何を急いで……」

カチャッ

709: 名無しさん 2012/10/28(日) 12:27:38 ID:0rXnlClg


召喚士「はぁはぁ……腰痛い……」

蒼頭「……あれしきの事でだらしがないですぞ!」

召喚士「じゃあお前が背負えばよかっただろ!お前がやったんだから!」

蒼頭「それはそれでは御座らんか……」

喚起士 (蒼頭さんを連れて来た時もこんな感じでしたね……)

剣士「誰だいそいつ?」

召喚士「この国の兵士だよ。もう元かな?」

喚起士、剣士「ッ!」

召喚士「……?」

剣士 (す、凄えな……いきなり城の内部者連れて来るなんて……)

喚起士 (なんて事ですか……)

召喚士「喚起士さんとパイアは会った事ありますよ」

710: 名無しさん 2012/10/31(水) 15:06:59 ID:1ft7deVA
喚起士「……え?」

召喚士「あのパイアとお姫様を間違えた兵士ですよ」

喚起士「あの方なんですか!」

召喚士「はい、それでなんか兵士やめて田舎に帰る途中だったみたいですけど……」

喚起士「……その兵士さんが何故こんな事に?」

召喚士「まぁ……誤解ですよ」

蒼頭「あああああ……」

剣士「お前また勘違いしたのかよ……」

蒼頭「……仕方あるまい。まさかお子と以前に会っていおうとは思わなかった故」

喚起士「こう言っては何ですが……丁度良かったかもしれませんね」

蒼頭「何故で御座ろう?」

喚起士「今の谷の国の城の内部がどうなっているか聴けるかもしれませんし」

蒼頭「なるほど……」

711: 名無しさん 2012/11/01(木) 14:29:47 ID:sCDzZ9NY


傭兵「……う」

蒼頭「……兵士殿」

傭兵「あ……お前さんか……イテテ」

蒼頭「申し訳無かった……誤解でその……」

傭兵「………」

蒼頭「………」

傭兵「……謝るならふざけるな」

蒼頭「ふざけてなどいませぬ!」

傭兵「ならその頭の物はなんだ」

蒼頭「これは……某が顔を隠していた理由で御座ります……」

傭兵「ああ?そんな玩具付けてる事がか!?」グイッ!

蒼頭「玩具などイタタタッ御座らん!」

傭兵「……あれ?」グイッグイッ……

蒼頭「引っ張らないでくれんか……」

713: 名無しさん 2012/11/03(土) 14:32:19 ID:s0yZEeB6
傭兵「………」

蒼頭「………」

傭兵「……本物か?」

蒼頭「本物で御座ります……」

傭兵「わかった……」

蒼頭「何がわかったので御座ろうか……」

傭兵「……謝らなくていいからピョンって言え」

蒼頭「………」

傭兵「………」

蒼頭「御断り致す」

傭兵「あああ?人殴っといて!」

蒼頭「だから謝ったでは御座らんか……」

傭兵「なら!ピョンって言ったら許す」

蒼頭「御断り致す……」

714: 名無しさん 2012/11/06(火) 18:14:17 ID:E0aGd6cE


傭兵「………」

姫宮、盗賊「………」

傭兵「お前……これは誰でも間違えるぞ……」

蒼頭「そのような事は無いで御座ろう!貴様は忠誠心が足りないんだ!」

召喚士「蒼頭さ……お前は人の事言えないだろ」

傭兵「しかしまぁ……何故女王といるのかは聞かないでおいてやるよ。もう俺には関係無い事だからな」

蒼頭「………」

傭兵「そんな顔するなよ。別にもう会えない訳じゃないだろ?」

蒼頭「それは……そうなればいいな……」

傭兵「あん?どう言う事だ?」

喚起士、剣士「………」

蒼頭「実はな……某達は……」

715: 名無しさん 2012/11/06(火) 20:33:21 ID:E0aGd6cE


傭兵「国を救うって……」

蒼頭「………」

傭兵「無理だろ……」

蒼頭「こちらにも色々事情がある」

傭兵「だからってよ……そうか、誰か強力な後ろ楯がいるんだな?」

喚起士「いえ……ここにいる者だけです」

傭兵「………」

喚起士「言いたい事はわかります……ですが……」

傭兵「それ以上言わなくていい。巻き込まれたく無いからな」

喚起士「………」

傭兵「ん……お前さんは俺と会った事あるか?」

剣士「俺か?ねえけど?」

傭兵「そっか?俺の勘違いか……」

718: 名無しさん 2012/11/09(金) 01:27:07 ID:4irOoTi.
喚起士「お話だけでも聞いて貰えませんか……聞きたい事があるんです」

傭兵「………」

蒼頭「兵士殿……」

傭兵「もう兵士は止めたんだ。傭兵でいい」

蒼頭「なら傭兵殿……この頼み某の顔を立て聞いて貰えんか?」

傭兵「はぁ……何が聞きたいんだ?」

蒼頭「……傭兵殿有難う」

傭兵「いいよ。お前さんの顔……いや、世話になったからな」

蒼頭「……?」

喚起士「……では、今、お城はどのような状態にあるのですか?」

傭兵「戦争しようとしているとしか言いようが無いな。あれは」

喚起士「噂は本当だったみたいですね……」

傭兵「……噂は?やっぱ周りの村にまでそれは広がってたかい?」

719: 名無しさん 2012/11/09(金) 01:38:32 ID:4irOoTi.
喚起士「はい……」

傭兵「そうかい……」

喚起士「進軍しようとしているのですよね?なら……かなりの兵力がお城にいるのですか?」

傭兵「ざっと千くらいかな」

剣士「少なくねえか?」

傭兵「今、城にいるのだけだ。大将自身の軍隊も後から合流するらしい」

剣士「なるほど……大将ってのは将軍か?」

傭兵「ああ。……そうか!お前大将に似てるな。それで見た事あると思ったのか」

剣士「………」

蒼頭「喚起士殿どう致す?」

喚起士「兵士もろとも強行突破……とはいきませんよね……」

蒼頭「城にいる兵士達を外へ誘き出せればよいが……」

剣士「その隙にってか?無理だろ……」

720: 名無しさん 2012/11/09(金) 01:47:50 ID:4irOoTi.
蒼頭「地下から行けば城の中に入り込めるがな」

喚起士、剣士「………」

蒼頭「何で御座ろうか?」

喚起士「……そんなものがあるんですか?」

蒼頭「姫と逃走を図る時に使いましたな」

姫宮「私は知らないけど……」

蒼頭「それは姫様は気を失っていた故」

姫宮「そうなんだ……」

剣士「お前そう言うのは早く言えよ……」

蒼頭「聞かれなかった故……」

喚起士「……そうなると色々作戦が立てやすくなりましたね」

剣士「例えば何だ?」

喚起士「例えば……」

721: 名無しさん 2012/11/09(金) 22:40:31 ID:8QVs1Jlw


召喚士 (暇だ……話に入れないよ……)

ネメア「………」

召喚士 (何か無いかな……)

盗賊「………」

召喚士「………」にや……

盗賊「………」

召喚士 (紙を丸めて……よし!)ポイッ

盗賊「………」

召喚士 (パイアの頭に命中!十点ゲット!)ポイッ

盗賊「………」

召喚士 (肩に当たったから……五点!五点ゲットだ!)ポイッ

盗賊「………」イラッ……

召喚士 (おほほッ!鼻に命中だから二十点!)

722: 名無しさん 2012/11/09(金) 22:48:34 ID:8QVs1Jlw
盗賊「………」

召喚士 (次はッ!)

盗賊「………」カバッ!

召喚士「なななな何だよパイア!」

盗賊「………」グバッ!

召喚士「は、離せ!服引っ張るな!」

カチャ!バタンッ!

……「ひぃぃぃや、やめろ!」

……「………」

……「たたた助けてくれぇぇッ!」

……「………」

……「髪の毛むしらないでくれぇぇッ!」

蒼頭、剣士「………」

727: 名無しさん 2012/11/10(土) 14:57:16 ID:aVa.6cVI


喚起士「何方かが陽動し城の兵士達を外へ誘き出す……とか」

蒼頭「なるほど」

傭兵「向こうは放っておいていいのか?」

剣士「大丈夫だろ。髪の毛何だかって言ってたがよ今さら生える訳じゃねえし」

喚起士「………」

蒼頭「ならばその役目、某が承ろう」

喚起士「まだこれと決まった訳では……」

傭兵「本当に城に乗り込むつもりなら早くした方がいいかもな」

喚起士「何故でしょう?」

傭兵「明日進軍するらしいからな」

喚起士「……明日だなんて」

剣士「進軍しちまったら手を出せなくなるぜ……」

喚起士「………」

728: 名無しさん 2012/11/10(土) 17:03:19 ID:aVa.6cVI
蒼頭「やはり某が承ろう」

喚起士「……いえ、蒼頭さんがいくら素早く動けるとしても1軍隊を相手になんて」

蒼頭「………」

剣士「じゃあ俺だな!」

喚起士「私が引き受けようかと思います」

剣士「お前は仇を伐つのに力を温存しておかねえとマジイだろうが」

喚起士「貴方も同じの筈です……」

剣士「……だがよ」

喚起士「………」

剣士「………」

蒼頭「………」

ネメア「ならばその役目、私がやろう」

傭兵「……?な、なんだ?他に誰がいるのか?」

730: 名無しさん 2012/11/10(土) 19:23:39 ID:aVa.6cVI
喚起士「ネメア……」

ネメア「構わぬ。この人間に聴かれても害は無いだろう」

傭兵「……なんだよこれ」

蒼頭「なんと説明すればよいか……」

剣士「気にすんなよ」

傭兵「気になるわ!」

喚起士「……私達は魔物に力を借りています。それがこの声の主なんです」

傭兵「………」

蒼頭「傭兵殿……某も魔物なのですぞ……」

傭兵「………」

ネメア「話を戻すが、私と召喚士とで城の兵士達を引き付けよう」

喚起士「ですが……」

剣士「確かに召喚士なら大丈夫そうだけどよ……」

731: 名無しさん 2012/11/10(土) 19:32:48 ID:aVa.6cVI
喚起士「もしもの事が召喚士さんにありましたら……」

ネメア「大丈夫だ。実はなお前に隠していた事がある」

喚起士「隠していた事……ですか?」

ネメア「私と召喚士はかなりの時間召喚術が使える」

喚起士「まさか……そんな事召喚士さんでも……」

ネメア「本当に出来たのだ。これならば大丈夫だと思わないか?」

喚起士「確かにそうですが……」

ネメア「なら決まりだ」

剣士「……そんなに凄えのか?その召喚術ってのは」

喚起士「私の知る限りネメア程の召喚獣を従えて召喚術が使える方はいません……」

剣士「召喚士……やっぱ凄えんだな……」

ネメア「一度見せた方がいいか?」

喚起士「そうですね……」

732: 名無しさん 2012/11/10(土) 19:38:40 ID:aVa.6cVI


召喚士「………」

盗賊「………」バッ!

召喚士「ひぃぃぃ……悪かったからもうやめてくれ……」

カチャ

剣士「召喚士……ッ!おおおおお前!」

召喚士「グスッ……」

剣士「………」

姫宮「髪の毛が……」

盗賊「………」

剣士「やり過ぎだぜ……盗賊よ……」

盗賊「………」バッ!

剣士「誉めてねえから……」

ネメア「何をしているんだ。早く外へ……」

喚起士「………」

733: 名無しさん 2012/11/11(日) 13:00:57 ID:cZl6A.Ms
ネメア、剣士「………」

召喚士「そんな哀れんだ目で見ないでくれよ……」

ネメア「……ま、まあそれは置いておき。やるぞ召喚士よ」

召喚士「……なにを?」

ネメア「召喚術をだ」

召喚士「お断り致すで御座る」

蒼頭「………」

ネメア「いいからやるんだ!」

召喚士「やる必要が無いじゃないか……」

ネメア「ある。これよりお前は千近い兵士達を相手にするのだから」

召喚士「……なにそれ」

ネメア「それとも私と別々で相手にしておくか?」

召喚士「喚起士さん……ネメアが何か訳のわからない事を……」

喚起士「………」フイッ……

734: 名無しさん 2012/11/11(日) 13:10:17 ID:cZl6A.Ms
召喚士「剣士、ネメアが……」

剣士「………」フイッ……

召喚士「蒼頭、お姫様……」

蒼頭、姫宮「………」フイッ……

召喚士 (な、なんで誰も目を合わせてくれないんだ……?)

喚起士「……もし召喚士さんが召喚術を使えるのら私に見せて頂きたいです」

召喚士「なら目を……」

喚起士「出来ませんッ!」

召喚士「な、何故です?」

喚起士「………」

召喚士「………」

喚起士「蒼頭さん……これから人気の無い場所へ案内して頂けますか?」

蒼頭「わかり申した」

召喚士 (何かあったのか?……何か俺を見られない程の重要な何かが……)

剣士 (流石に鳥の巣みたくなってる髪を直視出来ないよな……)

735: 名無しさん 2012/11/11(日) 16:31:26 ID:cZl6A.Ms


召喚士「マジでやるの……?何でやんなきゃいけないの?千近い兵士達ってなんの事?」

ネメア「成功したら話してやる」

召喚士「失敗したら聴けないじゃないか……」

ネメア「いいからやれ!生身の体で私の影に隠れ戦うよりいいだろう?」

召喚士「そうだけどさ……」

剣士「召喚術ってのはよ……どうなるんだ?」

喚起士「召喚士さんとネメアが融合します……」

剣士「へぇ……で?」

喚起士「……多分誰も召喚士さんに勝てなくなります」

剣士「そんなにかよ……」

喚起士「今から召喚士さんが行う召喚術と言うのはそれ程の事なんですよ」

736: 名無しさん 2012/11/11(日) 18:01:11 ID:cZl6A.Ms
蒼頭「………」

召喚士「やるけど……」

ネメア「うむ」

召喚士「……解放と同調織り成す時……うつし世の波声を聞きし幻想の者よ……」

ネメア「………」

召喚士「我が身中に降臨しせりッ!」

ネメア「………」

召喚士「………」

……ゥゥ

喚起士「なんて事……」

ズバァァァァァァアッ!

召喚士「……出来た?」

ネメア「異常無しだ」

喚起士「本当に……凄い……」

剣士、蒼頭、姫宮「ッ!?」

737: 名無しさん 2012/11/11(日) 22:48:42 ID:cZl6A.Ms
剣士「あ……ああ……」

蒼頭「なんと……」

召喚士「……なに?」

喚起士「この凄さ……蒼頭さん達にもわかりますか……」

姫宮「喚起士……そうじゃなくて……」

喚起士「そうじゃなくて?」

剣士「し、召喚士よ……ああ頭……」

召喚士「言うなよ……今は気にしたくもないんだから……」

剣士「違えってッ!髪の毛生えてんだよ!」

召喚士「……は?」バッ!

剣士「………」

召喚士「………」さわッ!さわッ!

剣士、蒼頭、姫宮「………」

召喚士「う……うおおぉぉぉぉおッ!俺の髪の毛が戻ったぁぁぁッ!」

740: 名無しさん 2012/11/12(月) 15:13:26 ID:cVAh6JYk


召喚士「ぐうぁ……ひぐっうぅ……」

ネメア「泣く程の事か……」

召喚士「だってぇぇ……だってぇぇさぁ……」

蒼頭「………」バッ……

剣士「ま、そうだよな……」バッ……

召喚士「……?」

喚起士「お二人とも恐らく無駄だと思いますが」

剣士「そう言われると余計に試したくなるよな蒼頭よ」

蒼頭「そうだな」

召喚士「なななな何!?棒なんか構えて!」

剣士「ん?手合わせをしようかなってな」

召喚士「………」

ネメア「お前は以前相手したのだからわかるだろ」

剣士「……それでも試したい。わかるだろ?」

741: 名無しさん 2012/11/12(月) 15:27:43 ID:cVAh6JYk
ネメア「そうか。ならば棒などではなくそれを使え」

剣士「……いいのか?」

ネメア「構わぬ」

召喚士「構えよ!」

ネメア「全力で来い。蒼頭も遠慮はいらんぞ?」

蒼頭「わかり申した」

ネメア「………」

召喚士「お、おいおい!ネメア!」

ネメア「心配をするな。大丈夫だ」

召喚士「するわ!どこら辺が大丈夫でどう言う風に大丈夫なのか細かく説明しろ!」

ネメア「面倒な奴だ……。いいか?お前は私を召喚すると言う真の意味を知るべきだと思うから申し出を受けたのだ」

召喚士「真の意味をって……ネメアを召喚したらネメアの力を使えるだけじゃないの?」

ネメア「お前はその力が何なのかわかっているのか?」

742: 名無しさん 2012/11/12(月) 17:12:48 ID:cVAh6JYk
召喚士「強くなったりとか?早く走れたりとか?」

ネメア「そんな物では無い。私はな何者にも負けぬ……」

蒼頭「ハアァァァァッ!」ザッ!

剣士「二人がかりだがハンデと思って相手してくれよッ!」ザッ!

召喚士「ひぇぇぇ!どどどど」

ネメア「落ち着け。このまま防がず攻撃を受けよ」

召喚士「はぁぁぁ!?い、いやあ!」

ズガァッドスゥッ!

剣士、蒼頭「………」

召喚士「痛い痛い痛い死ぬから!」

ネメア「だから落ち着け、本当に痛いのならもう死んでいる」

召喚士「……え?……あれ?」

蒼頭「顔面で某の刀を受けるとは……」

剣士「かぁー!やっぱ駄目か。俺もちっとは強くなってると思ったんだがよ」

召喚士「………」

743: 名無しさん 2012/11/13(火) 16:36:51 ID:WSA3pMNM


傭兵「なんだよこれ……」

盗賊「………」

傭兵「俺は夢でも見てるのか……なぁ嬢ちゃん……」

盗賊「………」

傭兵「………」

盗賊「……殴っとく?」

傭兵「それは遠慮しとくぜ……」

盗賊「そう……」

傭兵「嬢ちゃんは人間……だよな?」

盗賊「違う」

傭兵「……そっか」

盗賊「………」

傭兵「巷じゃ魔王とか騒いでるが……人間じゃあ無いのが普通に側にいるものなんだな……」

盗賊「………」

744: 名無しさん 2012/11/13(火) 16:41:47 ID:WSA3pMNM
傭兵「そう言うのは本当……他人事だと思ってたわ……」

盗賊「………」

傭兵「……ここにいるのみんな魔物じゃ無いよな?」

盗賊「3.5人は人間……」

傭兵「……?点5はなんだい……」

盗賊「………」

傭兵「………」

盗賊「………」

傭兵「言わなくていいよ。俺が知る必要も無いからな……」

盗賊「………」コクッ

傭兵「………」

745: 名無しさん 2012/11/13(火) 17:32:59 ID:WSA3pMNM


召喚士「……どう言う事?」

ネメア「これが私の力だ」

召喚士「痛くないのが?」

ネメア「違う……何者にも負けぬ防御力がだ」

召喚士「………」

ネメア「私を召喚すると言う事はそれを手にする事が出来る事だ」

召喚士「何か地味だな……」

ネメア「貴様!地味とは失礼なッ!」

召喚士「だってさぁ……手から光線とか出せた方がかっこいいじゃん……」

ネメア「お前はどれ程の事なのかわかって無いな……」

召喚士「なんか期待して損した気分だよ……」

ネメア (この馬鹿がぁぁ……今に見ておれ……)

748: 名無しさん 2012/11/14(水) 15:52:19 ID:G/pUTbDY


蒼頭「……剣士よ」

剣士「あ?なんだ?」

蒼頭「某は弱いだろうか……」

剣士「そんな事ねえだろ。ははぁ、さてはお前自信無くしちゃったの?」

蒼頭「某は本気で斬り込んだんだぞ……。それを意図も容易く……しかも顔面で……」

剣士「召喚士とネメアが異常なだけだぜ。気にすんなよ」

蒼頭「………」

剣士「多分あれで……半分も力使ってねえんじゃねえかな……」

蒼頭「………」

剣士「召喚士動いてねえし……」

喚起士「お二人の攻撃に対して何も防御反応を起こしてない……と言うのも凄いですね」

蒼頭「確かに……腕で防ぐなり何かしらの反応も無かった……」

749: 名無しさん 2012/11/14(水) 16:03:12 ID:G/pUTbDY
喚起士「余程ネメアを信頼していなければ出来ない事でしょう……」

蒼頭「なるほど……」

ジノ (それってただボーっとしてただけだと思うけど……事実を知ったらみんなどんな反応するかね……)

剣士「もういっちょ頼んでみるか?」

蒼頭「やめておこう……実力が違い過ぎて某の自信が砕けそうだからな……」

剣士「そうだな……」

ジノ (……言いたい。凄く言いたい!)

喚起士「ジノ……召喚士さんはあれで平気なんでしょうか……」

ジノ「んへ?……大丈夫だよ!」

喚起士「もしかして無理をして召喚術を……」

ジノ「それは無いから大丈夫だよ……」

喚起士「何故わかるんです?」

750: 名無しさん 2012/11/14(水) 17:36:45 ID:G/pUTbDY
ジノ「まぁ……ちょっとね」

喚起士「……?」

盗賊「………」

ジノ「パイア?」

盗賊「………」クイクイッ

剣士「お?」

蒼頭「……やるのか?」

盗賊「ネメア兄……」

ネメア「なんだ?」

盗賊「………」ババッ!

召喚士、ネメア「………」

盗賊「………」

ネメア「無駄だやめ

召喚士「こおぉぉい!パイアッ!貴様の拳受けてやるッ!」

ネメア「………」

751: 名無しさん 2012/11/14(水) 17:47:04 ID:G/pUTbDY
召喚士「ふふふッ!」クイッ

盗賊「………」バッ!

ズガッ!ググッ……

召喚士「ふはははっパイアよそんなものかぁッ!」

盗賊「………」

ネメア「………」

召喚士「貴様の拳ごときでは我に傷をおわす事など不可能なのだよッ!」

盗賊「………」ザッ!

召喚士「無駄ぁぁぁぁッ!」

ネメア「……解除する」

召喚士「あははははッ!……は?」

ズドムッ!!ヒュゥ……

盗賊「………」

剣士「凄え吹っ飛んでったけど……」

喚起士「あれでも無傷でしょう……」

752: 名無しさん 2012/11/14(水) 17:57:41 ID:G/pUTbDY


剣士「悪りけどよ、先帰っててくれや」

喚起士「それは構いませんが……何故です?」

剣士「あれだ、さっきのでちょっとな」

喚起士「……はぁ?」

姫宮「蒼頭?」

蒼頭「某も残ります故……」

姫宮「………」

喚起士「……無茶はしないでください」

剣士「おう」

喚起士「姫宮さん行きましょう」

姫宮「でも……」

喚起士「いいですから」

姫宮「うん……」

753: 名無しさん 2012/11/15(木) 19:01:22 ID:mZ5pzBcQ


剣士「あんなん見せられたら……静かになんかしてらんねえよな」

蒼頭「うむ……」

剣士「……ほれ棒」ポイッ

蒼頭「………」

剣士「どうした?受け取れよ」

蒼頭「………」カチャッ……

剣士「……そうだな。そっちの方がいいか」

蒼頭「行くぞ……」

剣士「ああ、来いよ」チャッ……

シャッ!ガギッギギッ……

剣士「………」

蒼頭「ぬあああッ!」ガッ!

剣士「おっと……そんな殺気立ってんだ?」

蒼頭「……悔しさを晴らす為」

754: 名無しさん 2012/11/15(木) 19:10:10 ID:mZ5pzBcQ


喚起士「ジノ……召喚士さんは本当に何者なのでしょうか……」

ジノ「………」

喚起士「先程の言いかけた事は……それですか?」

ジノ「そう。でも、喚起士は知らない方がいいかもね」

喚起士「………」

ジノ「そんな顔で見ないでよ……言わないといけないような感じになっちゃうじゃん……」

喚起士「……もしかして召喚士さんは人間では無いんですか?」

ジノ「ん……半分当たりかな」

喚起士「半分……?」

ジノ「はぁ……喚起士」

喚起士「はい……」

ジノ「教えてあげるけど……絶っっっっ対に召喚兄さんに言っちゃ駄目だよ?」

755: 名無しさん 2012/11/15(木) 19:18:41 ID:mZ5pzBcQ
喚起士「わかりました……」

ジノ「召喚兄さんね……ゴニョゴニョ……」

喚起士「………」

ジノ「………」

喚起士「ふ」

ジノ「……?」

喚起士「ふふふふ今のはジノの冗談の中で一番面白いですよ!」

ジノ「……本当だけど」

喚起士「………」

ジノ「別に信じなくていいよ。本当あり得ないもんね……」

喚起士「………」

ジノ「………」

喚起士「………」

ジノ「召喚兄さんと接する時は普通にしてね喚起士。例えアレでも!」

喚起士「はい……」

758: 名無しさん 2012/11/16(金) 17:24:36 ID:cH1mGcvM


召喚士「ねぇ……」

ネメア「なんだ?」

召喚士「何で木の上にいるの……?」

ネメア「どこぞの馬鹿が調子に乗ってパイアの一撃をモロに喰らったからだな」

召喚士「そっか……後さ、凄い体が痛いんだけど……」

ネメア「どこぞの馬鹿が調子に乗ってパイアの一撃をモロに喰らったからだな!後、召喚術の後遺症?か」

召喚士「そっか……」

ネメア「………」

召喚士「あのさ……どうやって降りよう……」

ネメア「知るか」

召喚士「………」

ネメア「日が暮れるな。ここからの景色は中々に良いものだ」

759: 名無しさん 2012/11/16(金) 17:36:06 ID:cH1mGcvM
召喚士「……んぐぐ」

ネメア「はぁ……出るぞ」

召喚士「はえ?」

バシュンッ!

召喚士「うおッ!おあああッ!」

バキバキバキッ!トスン……

ネメア「今日だけ特別だ」

召喚士「ナイスキャッチ……助かったよ……」

ネメア「………」

召喚士「ネメア……千近い兵士達って何の事だったの?」

ネメア「恐らく明日早く城に突入をする。それで私達は外で陽動し城の兵士達を外に誘き出す」

召喚士「………」

ネメア「その兵士達が千近くいるからそう言ったのだ。わかったか?」

召喚士「わかったけど……俺とネメアと後誰?」

760: 名無しさん 2012/11/16(金) 18:43:45 ID:cH1mGcvM
ネメア「私とお前だけだ」

召喚士「……は?千対二?」

ネメア「そうだ」

召喚士「いや……無理

ネメア「先程、私の力を見せただろうが……無理では無い」

召喚士「………」

ネメア「うまい事誘い出さねばな……」

召喚士「喚起士さん達は……?」

ネメア「何やら地下道があるらしい。そこから城へ潜り込む寸法だ」

召喚士「みんなでそこから……」

ネメア「もう決まった事だ。諦めろ」

召喚士「………」

762: 名無しさん 2012/11/17(土) 11:58:56 ID:kBtRqQ4U


蒼頭「ツアアアァァッ!」バッ!

シュッガギッ!

剣士「……早くてもよ……そう殺気だされたらな」

蒼頭「ぐうぅぁ!」

剣士「かわしやすいし……よっ!」バッ!

蒼頭「………」

剣士「なんなんだよ。そんなに召喚士斬れなかった事が嫌だったか?」

蒼頭「………」ザザッ!

ガギンッ!ギリギリ……

剣士「落ち着けって。そらよッ!」

ガッ……パシン……ヒュンヒュン……

蒼頭「しまったッ!」

剣士「止めだぜ!」ブワッ!

蒼頭「……ッ!」

763: 名無しさん 2012/11/17(土) 12:11:22 ID:kBtRqQ4U
ガサガサッ……

剣士「……やべっ蒼頭避け

蒼頭「………」バッ……

バシッ……シャッ!

剣士「………」

蒼頭「………」

剣士「な、なんだこれ……何で……」

蒼頭「………」

剣士「何でお前が俺の剣持ってんだ……」

蒼頭「………」

剣士「参った……首筋から剣退かしてくれよ……」

蒼頭「………」ザッ……

剣士「今のはなんだよ……お前の刀を払ってお前を斬る寸前で……」

蒼頭「……無刀取り」

剣士「今の技がそれか?」

764: 名無しさん 2012/11/17(土) 12:21:55 ID:kBtRqQ4U
蒼頭「………」

ネメア「お前達まだいたのか」

剣士「あ?ネメアか……お前のせいで蒼頭斬りそうになったぜ!」

ネメア「はぁ?」

蒼頭「……剣士、某は先に戻る」

たたた……

剣士「お、おい!待てって……なんだよ……」

ネメア「……何かあったのか?」

剣士「いや……ん、まぁな」

ネメア「……?」

剣士「よくわかんねえけどよ、あいつ召喚士相手してから殺気立ってよ……」

ネメア「ふむ……」

剣士「……そうだ!あいつ今凄え技やったんだぜッ!斬ったと思ったら剣取られてこっちの首筋に当てるのッ!」

765: 名無しさん 2012/11/17(土) 12:54:14 ID:kBtRqQ4U


蒼頭「ば、馬鹿かあいつはッ!」

蒼頭「普通稽古なのだから寸止めするものだろうにッ!」

蒼頭「あああああ……まだ膝が震えて……」

蒼頭「防ごうと腕を出したら偶然……」

蒼頭「出来て良かった……無刀取り……」

蒼頭「こんなものは作り話だとばかり思っておったが……本当に出来るものなのだな……」

蒼頭「………」

蒼頭「早く戻り……あがが……下着を変えねば……」

蒼頭「うぅぅ……某が漏ら……」

蒼頭「………」

770: 名無しさん 2012/11/19(月) 00:34:37 ID:Zy.eKKn.


喚起士「あの……召喚士さんは?」

ネメア「剣士が寝かせに行った」

喚起士「大丈夫でしょうか……」

ネメア「平気だ。そうでも無くとも無理矢理召喚術を行うから心配するな」

喚起士「そうですか……」

カチャ

剣士「待たせたな」

姫宮「あれ?蒼頭は?」

剣士「んあ?先に帰ってきてないのか?」

姫宮「見てないけど……」

剣士「………」

ネメア「蒼頭にも思う所があるのだろう。そっとしておけ」

剣士「そうだな……」

771: 名無しさん 2012/11/19(月) 00:48:02 ID:Zy.eKKn.
ネメア「……喚起士よ、いつ城に忍び込む?」

喚起士「明朝と思っています」

剣士「夜のうちのがいいんじゃねえのか?」

喚起士「それも考えましたが……明朝ならば進軍の準備も進んで場内にいる兵士の数も少しは減っているのではと」

剣士「なるほど……けどよ明るいと見付かるもの早くなるよな?」

喚起士「……覚悟してください」

剣士「そう言う事か。わかったぜ」

喚起士「あと、私達の目標は魔喚士と将軍ですからそれ以外の戦闘は出来るだけ避けるのもお忘れなく」

剣士「そううまくいけばいいな……」

喚起士「はい……」

ネメア「………」

772: 名無しさん 2012/11/19(月) 00:56:54 ID:Zy.eKKn.


召喚士「痛いよぉ……ポンポン痛いよぉ……」

カチャ……

蒼頭「………」ソゥ……

召喚士「……?」

蒼頭「うぅぅ……死の瀬戸際に立たされると生ける者の行動が如実に出ると言うが……」

召喚士「……?」

蒼頭「……驚愕しチビってしまうとは……ああああああ」

召喚士「………」

蒼頭「不覚……このような姿」ピタッ

召喚士「………」

蒼頭「………」

召喚士「………」

蒼頭「いつからいた……」

召喚士「蒼頭が部屋に入って来る前から……」

773: 名無しさん 2012/11/19(月) 07:24:37 ID:Zy.eKKn.
蒼頭「そうで御座りますか……」

召喚士「………」

蒼頭「………」

召喚士「お前漏ら

蒼頭「ぎゃらはなたぁかざなかじゃッ!!」

召喚士「………」

蒼頭「………」

召喚士「漏ら

蒼頭「ぐぁばぎぁがならッ!!」

召喚士「………」にや……

蒼頭 (そ、そんな悪代官のような顔を……)

召喚士「………」

蒼頭「………」ガタガタ……

774: 名無しさん 2012/11/19(月) 12:05:14 ID:Zy.eKKn.
召喚士「……蒼頭さ」

蒼頭「どどどどどうかッ!それだけは御勘弁を!」

召喚士「へ?」

蒼頭「某はまだ経験が無い故ぇッ!では無くそう言うものは愛を通じた殿方とッ!」

召喚士「………」

蒼頭「無理矢理にでもと申すなら!この場で舌を噛み切って自害する事もぉぉぉッ!」

召喚士「……あのさ」

蒼頭「………」グッ……

召喚士「今夜ネメアを預かってくれよ」

蒼頭「父上母上!先立つ……は?」

召喚士「黙っててやるからネメアを預かってくれって」

蒼頭「……そのような事で良いのですか?」

召喚士「うん」

775: 名無しさん 2012/11/19(月) 12:18:37 ID:Zy.eKKn.
蒼頭「何故に?」

召喚士「ちょっとね……」にや……

蒼頭 (また悪代官のような顔を……)

召喚士「………」

蒼頭「わかり申した……」

召喚士「頼んだよ」

蒼頭「………」

召喚士 (これは面白い事になりそうだなぁ……。ネメアも喜ぶ、寝る時は煩いネメアがいない……一石二鳥!流石俺!うふふふ……)

蒼頭 (てっきり手込めにされるものかと思ったが……流石練達の士と言う訳で御座りますか……)

召喚士 (あぁ、後ネメアをからかえるなぁ……)

蒼頭 (あーれー……とか!お止めくださいお代官様……とか!言う羽目にならず本当に良かった……)

777: 名無しさん 2012/11/20(火) 23:15:28 ID:i9WeL7qQ


召喚士「……zzz」

剣士「凄えな召喚士……明日死ぬかもしれねえのによく寝れるわ……」

盗賊「………」

剣士「……なあ盗賊よ」

盗賊「なに?」

剣士「人間ってよ……死んだらどうなるんだ?」

盗賊「………」

剣士「恐えんだよ……死ぬ事もそうだけどよ……」

盗賊「………」

剣士「死んだらそこで終りって言うのもな……頑張って生きてきて何もかも終りじゃ……」

盗賊「……大丈夫」

剣士「………」

盗賊「死の先にも道はあるから……」

剣士「そっか……」

778: 名無しさん 2012/11/20(火) 23:22:59 ID:i9WeL7qQ


姫宮「………」ゴソ……

喚起士「眠れませんか?」

姫宮「うん……」

喚起士「明日は……長い日になりますので少しでも寝ておいた方が……」

姫宮「喚起士……」

喚起士「はい?」

姫宮「ごめんね……」

喚起士「………」

姫宮「こんな事に……」

喚起士「いえ、謝らないでください。……正直なところ私は感謝してるんです」

姫宮「……感謝?」

喚起士「………」

姫宮「………」

喚起士「もし今のような事になっていなかったら……何も出来ないまま無駄に時間を過ごさねばいけなかったかもしれないんです……」

779: 名無しさん 2012/11/21(水) 22:43:32 ID:H2f/ap7Q
ジノ「……そうだよね。本当……」

姫宮「………」

傭兵「………」

喚起士「さあ眠らないと!明日は頑張らないといけませんし!」

姫宮「うん……」

喚起士「ところで、蒼頭さんは?」

姫宮「ちょっと……」

喚起士、ジノ「……?」

姫宮「………」

ジノ「……何か隠してるね?」

姫宮「……うぅ。内緒だからね?秘密だよ?」

ジノ「オッケー……で、何?」

姫宮「蒼頭とネメアが……お互い好き同士なんだって……」

ジノ「うそぉ?……いや、思い当たる節があるかも……」

姫宮「やっぱりあるんだ……」

780: 名無しさん 2012/11/21(水) 23:00:39 ID:H2f/ap7Q


ネメア「召喚士はどう言うつもりで私をお前に預けたのだ……」

蒼頭「さ、さあ……何故で御座ろうな」

ネメア「まあいい。馬鹿の側で眠るよりいいだろ」

蒼頭「………」

ネメア「なんだ?悩みか?」

蒼頭「ネメア殿……某は弱いで御座ろうか?」

ネメア「………」

蒼頭「あの時、召喚士殿に傷ひとつ付けられず……」

ネメア「蒼頭よ、それは当たり前の事なのだ」

蒼頭「当たり前……?」

ネメア「トヴェルグが私の毛皮を欲しがったのを覚えているか?」

蒼頭「はい……」

781: 名無しさん 2012/11/22(木) 21:08:35 ID:zU/CxfFM
ネメア「何故欲しがったのか……それはな神殺しの武器と対極にある物を造りたかったからだ」

蒼頭「………」

ネメア「神の攻撃をも退ける防具をな」

蒼頭「……それがネメア殿の毛皮をで出来ると?」

ネメア「そうだ。私を召喚する事で召喚士はそれを手に入れた」

蒼頭「………」

ネメア「ここまで言えば……お前ならわかるな?」

蒼頭「はい……」

ネメア「だから気を落とす事は無い。恐らくだが……この世で私に傷を付けられる者などいないのだから」

蒼頭「わかり申した……」

ネメア「ふむ」

蒼頭「……ならばネメア殿は無敵なので御座ろうか?」

783: 名無しさん 2012/11/23(金) 21:06:45 ID:./V6N1fQ
ネメア「……そうでも無い。一度人間に倒されている」

蒼頭「なんと……」

ネメア「ふふ……弱点を突かれてな」

蒼頭「………」

ネメア「わかるか?私の弱点が何なのか」

蒼頭「いいえ……神の攻撃も効かない毛皮で覆われて弱点などあるのですか?」

ネメア「ある。首を絞められ倒された。その後私は今のお前のように……」

蒼頭「………」

ネメア「……蒼頭よ、だからな」

蒼頭「ネメア殿それ以上は結構で御座ります」

ネメア「そうか……」

蒼頭「わざわざ御自分の弱点を某に……ネメア殿に気を使わせてしまいました……」

ネメア「………」

784: 名無しさん 2012/11/23(金) 22:59:43 ID:./V6N1fQ
ーー

蒼頭「……ここからなら城の周りが見渡せるかと」

剣士「おうおう居るなぁおい。あの数じゃ見廻り……なんて事は無いよな」

喚起士「それにあの装備やらですからね……」

姫宮「………」

ジノ「お姫様大丈夫だって!」

姫宮「うん……」

召喚士「……マジでやるの?」

ネメア「そうだ」

召喚士「……イタタタッお腹痛い!だからッ!」

ネメア「やめるか?私は構わんが……お前は喚起士や剣士、蒼頭、お嬢を見てそんな事を言えるのか?」

召喚士「………」

ネメア「覚悟を決めろ。もうここまで来たら止まる事は無いのだからな」

785: 名無しさん 2012/11/23(金) 23:06:34 ID:./V6N1fQ
召喚士「あああ……」

剣士「召喚士よ……」

召喚士「何?」

剣士「………」

召喚士「……?」

剣士「手を見せてくれよ」

召喚士「良いけど……」パッ

剣士「………」パシッ

召喚士「………」

剣士「こんな人を殴った事も無いような手で……俺より強えんだもんな……」

召喚士「………」

剣士「見てくれよ俺の手を。こんなゴツゴツしてよ……まだ弱えんだぜ?」

蒼頭「剣士よ……」サッ

剣士「………」

786: 名無しさん 2012/11/23(金) 23:17:41 ID:./V6N1fQ
蒼頭「某はお前の手……好きだぞ」

剣士「………」

蒼頭「努力を積み重ねた綺麗な手だ。某はそう思う」

剣士「………」

蒼頭「某の手は……」

喚起士「蒼頭さん……」サッ

蒼頭「………」

喚起士「蒼頭さんの手……白くて細長くて綺麗な手ですね」

蒼頭「………」

喚起士「この手から素早い刀撃を繰り出すのですから……本当凄いです……」

蒼頭「………」

喚起士「………」

ジノ「ほら!お姫様も手を乗っけて!」

姫宮「え?あ、うん!」サッ

剣士、蒼頭、喚起士、姫宮「………」

787: 名無しさん 2012/11/24(土) 01:19:08 ID:H6wLQv6g
召喚士「おお……あえうぅ?」

ネメア「皆、お前の言葉を待っている。気のきいた言葉をかけてやれ」

召喚士「………」

剣士、蒼頭「………」

喚起士、姫宮「………」

召喚士「あ、あのさ……頑張ろう……」

ネメア「なんだそれは。他に言いようが

召喚士「ごめん……ちゃんとやるから」

ネメア「………」

召喚士「はぁ……よし」

ネメア「………」

召喚士「みんなさ……俺と約束してくれるかな……死なないって……」

召喚士「もしかしたら……これから痛い思いをするかもしれないけど……」

召喚士「………」

788: 名無しさん 2012/11/24(土) 13:40:46 ID:H6wLQv6g
召喚士「その時は俺が絶対助けに行くから……」

召喚士「ごめん……俺じゃこれくらいしか言葉が出てこないや……」

剣士、喚起士、蒼頭、姫宮、傭兵「………」

召喚士「本当ならもっと格好いい事言った方がいいと思うんだけどさ……」

剣士「いいぜ召喚士!」

蒼頭「その約束……守らねばな」

喚起士「………」

剣士「行くか……なぁッ!」

喚起士「そうですね……召喚士さん」

召喚士「……はい?」

喚起士「………」ジッ……

召喚士「ああの……?」

喚起士「行って来ます。そちらもお気をつけて」

召喚士「は、はい!」

789: 名無しさん 2012/11/24(土) 13:48:40 ID:H6wLQv6g


召喚士、ネメア「………」

召喚士「はぁぁぁぁぁ帰りたい……」

ネメア「うるさいッ!いい加減にしろ!」

召喚士「だってさ……この数どうすんの?ひい……ふう……かなりの人数が城の広場にいるけど……」

ネメア「そうだな……取り合えず騒ぎを起こし、こちらへ意識を移さねばな」

召喚士「………」

ネメア「あれで全ての兵では無いだろうが……出来るだけ城門の外へ誘き出したい」

召喚士「どうすんの?」

ネメア「あの門番を殴れ。それからだな」

召喚士「はぁぁぁぁぁ……」

ネメア「………」

790: 名無しさん 2012/11/24(土) 23:14:52 ID:H6wLQv6g


たたた……

門番右「……ん?」

門番左「なんだ貴様」

召喚士「おはようございます!門番さん達お勤めご苦労様であります!」えへっ!

門番右、門番左「………」イラッ!

召喚士「ではッ!」シュタッ!

門番右「待て待て!普通に通り過ぎようとするな!」

門番左「なんだこいつは……」

召喚士「ちょっと用事があるんですよぉ」

門番左「で?」

召喚士「だから通りますね。ではッ!」

門番右「ふざけるな!通せる訳無いだろ!」

召喚士「ケチだなぁ……」

791: 名無しさん 2012/11/24(土) 23:24:43 ID:H6wLQv6g
門番右 (なんだろう……こいつ激しくムカつくな……)

召喚士「どうしても駄目?」

門番左「駄目だ!帰れ!」

召喚士「可愛い笑顔見せてあげるからぁ!」えへっえへっ!

門番右「それのどこに可愛いさがあるんだ……」

門番左「………」

門番右「今日はお前みたいな奴を相手にしてる暇は無いんだ。早くこの場から離れろ」

門番左「そうだぞ。……門番右、こいつは多分アレだ」

召喚士「……?」

門番右「ああアレか。なら仕方無い」

召喚士「アレって何?」

門番左「頭の可哀想な奴なんだろ?ここから逆に行けば保護してくれる人がいるから」

792: 名無しさん 2012/11/24(土) 23:28:39 ID:H6wLQv6g
門番右「気を付けて帰れよ」

召喚士「………」

門番左「………」

門番右「………」

召喚士「ふは……」

門番右、門番左「?」

召喚士「ふははははッ!我を誰だと思っているッ!」

門番左「もうそう言うのいいから」

門番右「ほれ、行った行った」

召喚士「え?ちょっ」

門番左「あんまここら辺いるなよぉ!」

門番右「危ないからなぁ!」

召喚士「………」

793: 名無しさん 2012/11/25(日) 03:11:58 ID:9OWiBAEE


召喚士「クッ……この国の門番達……中々やりおるわ……」

ネメア「馬鹿か……」

召喚士「どうしよう……」

ネメア「問答無用で殴ればいいだろうが!」

召喚士「ん……あのさ……」

ネメア「なんだ?」

召喚士「あの人達……いい人そうだよね……」

ネメア「………」

召喚士「操られてるとか敵意剥き出しとかならさ……良かったんだけど……」

ネメア「ならばどうするのだ?」

召喚士「………」

795: 名無しさん 2012/11/25(日) 12:52:58 ID:9OWiBAEE
ネメア「仕方が無いな……召喚士、私がやり過ぎたら止めろ。いいな?」

召喚士「な、何するの?」

ネメア「いいから……」

召喚士「……殺したりしないよね?」

ネメア「そうならぬよう止めろ」

召喚士「………」

ネメア「お前がやらぬのなら私がやらねばならんだろ」

召喚士「………」

ネメア「わかったな?」

召喚士「……でもさいい人そうだし」

ネメア「それでも今は敵だ。行くぞ」

召喚士「うん……」

796: 名無しさん 2012/11/25(日) 13:05:27 ID:9OWiBAEE


ネメア「………」

門番右「また来たのか……」

門番左「困ったな。いい加減にしてくれないとオジサン達怒られちゃうよ?」

門番右「取り合えずここにいると危ないからな」

ネメア「………」裏拳ッ!

ズキャァァッ!ズザザザ……

門番左「………」

ネメア「お前もこうなりたいか?」

門番左「………」

ネメア「命を刈られたく無いのならば……兵を集め私を止めよ……」

門番左「………」

ネメア「………」バッ!

門番左「ひぃぃッ!敵襲!敵襲だぁッ!」

召喚士 (凄い回転して吹っ飛んでったけど……あの門番さん死んで無いよな……)

797: 名無しさん 2012/11/25(日) 23:48:05 ID:9OWiBAEE


ワアァァァァ………

剣士「始まったか……くぅ見てえなぁ……」

蒼頭「姫様足元に気を付けなされ」

姫宮「うん。こんな所があったなんて……」

喚起士「………」

ジノ「喚起士……大丈夫?」

喚起士「大丈夫です……」

ジノ「………」

剣士「暫くここで待機か」

傭兵「そうだな。まだ城の中にわんさか兵がいるだろうからな」

剣士、蒼頭、喚起士、姫宮、ジノ「ッ!?」

傭兵「……なんだ?」

蒼頭「何故いる……」

傭兵「最初からいただろ。何を言ってるんだ」

798: 名無しさん 2012/11/26(月) 00:04:41 ID:2CYtvUWM
剣士「……い、いたか?」

喚起士「全然気付きませんでした……」

傭兵「………」

蒼頭「本当に某達の後を付けて来たのではなく……?」

傭兵「いた……」

姫宮「一体いつからいたの……?」

傭兵「最初からだって言ってるだろ!相手が女王でも怒るぞ!」

喚起士「ジノは気付かなかったんですか?」

ジノ「全く……」

傭兵「おいおい……いい加減にしてくれよ……」

剣士、蒼頭「………」

傭兵「喚起士って言ったっけ?と女王は一緒に寝たじゃないか」

喚起士、姫宮「は?」

傭兵「可愛い寝顔で

シュパンッ!

799: 名無しさん 2012/11/26(月) 06:35:13 ID:2CYtvUWM
傭兵「」ドサッ……

蒼頭「峰打ちだ……」

剣士「のびた後に言っても意味ねえだろ……」

喚起士「……蒼頭さん」

蒼頭「礼はいりませぬ故」

喚起士「駄目ですよ気絶させては……」

蒼頭「……え」

喚起士「ちゃんと意識を保たせたままいたぶらないと私達に何かしたのか聞き出せないじゃ無いですか……」

蒼頭「そ、そうですな……某うっかり……」

喚起士「まだ城に突入するまで時間はありそうですから、起きたらしっかり聞き出しましょうッ!」

蒼頭「………」

剣士 (おっかねぇ……)

800: 名無しさん 2012/11/27(火) 07:11:46 ID:Ij1t68U6


召喚士「グハハハハッ!愚かなり人間どもッ!」

ネメア「………」

囲めェーッ!ワアァァァァ……

召喚士「浅はかな行動は死ぬものと思えぇぇぇッ!」

ネメア「おい……」

召喚士「何やってんだよネメアッ!休んで無いで一緒にやれよッ!」

ネメア「あ、ああ……」

相手は一人だぁ怯むなッ!

召喚士「ヌハハハハハァッ!緩い!緩いぞぉッ!」

ネメア「ぐははは……」

召喚士「ゆっくりはスムーズ!スムーズは早いんだァァァッ!」

ネメア「………」

801: 名無しさん 2012/11/27(火) 13:29:45 ID:Ij1t68U6


ワアァァァァギャァァァァ……

蒼頭「頑張ってるみたいだな」

剣士「そうだな……あ?」

姫宮「盗賊止めなよ……」

盗賊「………」ツンツン

傭兵「」

剣士「姫さんよ……盗賊と並んでくんねえか?」

姫宮「え?いいけど?」

剣士「………」

姫宮、盗賊「……?」

剣士「盗賊デカくなってねえか……?」

姫宮「え!?」バッ……ポスッ

盗賊「………」

姫宮「本当だ……」

802: 名無しさん 2012/11/28(水) 08:12:52 ID:O5cHx5/Q
剣士「お前、化物なんだからそのままじゃねえのか?」

ジノ「あれだよ。質のいい魔力の素を摂取したから?かな」

剣士「へぇ……よくわかんねえけど」

ジノ「………」

剣士「お前そんなの食ってたんだな」

盗賊「………」

姫宮「ジノ、魔力の素って何?」

ジノ「お姫さまにはまだ早いよ……」

姫宮「何で?」

ジノ「……耳貸して」

姫宮「……?」

ジノ「ゴニョゴニョ……」

姫宮「………」カァ……

803: 名無しさん 2012/11/28(水) 08:40:39 ID:O5cHx5/Q


召喚士、ネメア「………」

殺せぇぇッ!何としてでも奴の首を取るんだァァッ!オオォォォォッ!

召喚士「ごめん……」

ネメア「………」

我ら人間の世界の為にィィッ!平和の為にィィィィッ!

召喚士「………」

ネメア「これを言うのは何度目かな……」

召喚士「本当……ごめん……」

ネメア「馬鹿か貴様はッ!魔王などと名乗ったらこうなる事ぐらいわかるだろうがッ!」

召喚士「………」

ネメア「もうこいつは……」

召喚士「自分でも信じられないくらい調子に乗ってたと思うよ……」

ネメア「………」

召喚士「………」

805: 名無しさん 2012/11/28(水) 13:49:46 ID:O5cHx5/Q


剣士「そろそろか……」

蒼頭「剣士、某から出るぞ!」

剣士「ああ。姫さん、蒼頭よ……お前らの仲間かもしれねえ奴等を斬るぜ」

姫宮「………」

蒼頭「……姫様」

剣士「蒼頭行ってくれ」

蒼頭「わかった……」

剣士「姫さんよ……恨んでくれてもいいからな」

姫宮「………」

剣士「………」

タタタ……

喚起士「こんな時に……」

姫宮「喚起士いいの……こうなるかもしれないって思ってたし……」

喚起士「………」

806: 名無しさん 2012/11/28(水) 19:44:02 ID:O5cHx5/Q


蒼頭「………」

剣士「なんだこりゃ……誰もいねえぜ」

蒼頭「それに静か過ぎる……」

剣士「召喚士、そんなに上手く誘きだしたのか?」

喚起士「もしそうだとしても……おかしいと思います……」

蒼頭「何故で御座ろう?」

喚起士「戦闘に加わらない兵達もいる筈です……」

剣士「そうだな。いくら戦争するからって城を空っぽにするなんて事はねえだろうし」

蒼頭「なるほど……」

喚起士「それに城に従事する方達の姿も無いみたいですね……」

蒼頭「………」

剣士「蒼頭よ、ここは城のどこら辺になるんだ?」

807: 名無しさん 2012/11/29(木) 20:12:59 ID:v77t6wCI
蒼頭「城の一階の広場の隅になる。あの門より中庭へ、こちらの階段から上へと言う感じだな」

……「ようこそ。お待ちしておりました」

喚起士「ッ!」

剣士「………」

蒼頭「誰だ貴様はッ!」

……「御嬢さん方、お初に御目にかかります。坊っちゃんはお久し振りで御座いますね」

蒼頭「坊っちゃんは……?」

剣士「……俺の事だ」

……「お懐かしゅう御座います……」

剣士「……そうだな」

……「ささ!どうぞお通りください。上で坊っちゃんと女王様を御待ちになっていますよ」

姫宮「………」

剣士「行くぞ……」

808: 名無しさん 2012/11/29(木) 20:20:26 ID:v77t6wCI
……「………」

剣士「何故行かせる?……お前が俺らを始末

……「滅相も御座いません。それに……必要だそうで御座いますから」

剣士「何が必要だと?」

……「ふふふ……」

剣士「答えろッ!」

……「………」

剣士「………」

……「坊っちゃん……コソ……」

剣士「………」

……「お願い致します……」

剣士「それはアイツの願いか?」

……「私めも望んでおります……どうか……」

剣士「………」

809: 名無しさん 2012/11/30(金) 06:18:10 ID:iPQx.AVA
姫宮「………」

剣士「チッ……」

……「………」

喚起士、盗賊「………」

蒼頭「………」

……「おっと……貴女様はここまでで」

蒼頭「……御老人、何故だ?」

……「貴女様の役目はここまでで御座いますから」

蒼頭「役目?」

……「はい。女王様を監視し、またここへ連れてくる事で御座います」

蒼頭「ふざけるなッ!某はそのような!」

……「現にこうしてここにいらっしゃいます」

蒼頭「それは姫様が国を取り戻す為にッ!」

剣士「やめろよ爺……」

……「………」

810: 名無しさん 2012/11/30(金) 14:12:12 ID:.Va2qF72
剣士「蒼頭、悪りいけどよ……ここで待っててくれや」

蒼頭「それでは某は姫様を御守り出来ぬ!」

剣士「……頼む。俺も盗賊もいるから大丈夫だって」

蒼頭「………」

剣士「………」

蒼頭「わかった。なら某は後から追う。それでいいな?」

剣士「……無理だ」

蒼頭「あ??そんな事は!」

剣士「いいから大人しく待っててくれッ!」

蒼頭「………」

剣士「……悪りい。爺、こいつ以外は通るぜ」

……「どうぞ」

剣士「………」

タタタ……

811: 名無しさん 2012/11/30(金) 23:00:07 ID:.Va2qF72


剣士「………」

喚起士「何故蒼頭さんを置いて来なければいけなかったか……お聞かせ願いますか?」

剣士「………」

姫宮「そうだよ……それにあの人見た事が無いし何者なの……」

剣士「あれは俺んちの執事だ……」

姫宮「……俺んち?……え」

剣士「まさかいるとは思わなかった……アイツが通さないって言ったら絶対なんだ。だから蒼頭を置いてきた」

喚起士「絶対って……そんなに危険な人には思えませんでしたが……」

剣士「あれはヤバイんだ……」

喚起士「………」

剣士「召喚士でも勝てねえかもしれねえんだよ……」

812: 名無しさん 2012/12/01(土) 11:06:39 ID:BVQVXVh2


執事「………」

蒼頭「………」

執事「……お茶でもお入れしましょうか?」

蒼頭「茶などいらぬ!某を通さない理由を言え!」

執事「先程申したでは御座いませんか。貴女様の役目はここまでと」

蒼頭「それの意味がわからぬ故言っている!」

執事「……困りました。あまり語りたくは無いのですが……」

蒼頭「それに剣士を知っているかのような感じだったな……それについても言って貰おうか!」

執事「………」

蒼頭「言わぬのなら……力付くでも言わせる!」

執事「……わかりました。少しだけお話しましょう」

蒼頭「………」

813: 名無しさん 2012/12/01(土) 16:42:12 ID:BVQVXVh2
執事「女王様をここまでお連れした御礼にですよ?」

蒼頭「………」

執事「では、私めの主人……将軍様より女王様を御守りするよう仰せつかっていたと思いますが……どうでしょう?」

蒼頭「その通りだ」

執事「その理由は?」

蒼頭「………」

執事「なるほど。何故旦那様は貴女様を御選びになられたかもわかりませんね?」

蒼頭「如何にも……」

執事「何も御存知無いのによくもまあ引き受けたものです……」

蒼頭「………」

執事「最初から説明した方が宜しいようですね」

蒼頭「………」

執事「おほんッ……何故貴女様が選ばれたか。それは貴女様が人間では無かったからで御座います」

蒼頭「ん……将軍は某が人間で無いと初めから知っていたのか?」

814: 名無しさん 2012/12/02(日) 14:11:55 ID:Lvv6ds/A
執事「はい。何故知っていたのか……それはお教え出来ませんが」

蒼頭「………」

執事「貴女様が人間に対して友好的な魔物である事……これを利用したと言うわけです」

蒼頭「意味がわからぬ……確かに某は魔物で人間に対して敵対している訳では無いがそれがなんだと言うんだ?」

執事「常時、魔物であるから貴女様の居場所がこちらに伝わっていた……としたらどうします?」

蒼頭「な……」

執事「女王様を遠ざけておきたいがそれを任せられる人間がいない。だが魔物の中にはいたという訳です」

蒼頭「……そんな事をお前は出来るのか?」

執事「いいえ、私めでは御座いません。旦那様が出来るので御座います」

蒼頭「もし……某がここへ戻って来なくても探し出せると言う事か……」

執事「はい。女王様を見捨てるなり殺すなりすれば別ですが」

蒼頭「………」

815: 名無しさん 2012/12/02(日) 21:48:40 ID:re6xmRV2
執事「次に……もう御察しだとは思いますが、貴女様方といた坊っちゃんもとい剣士様は……」

蒼頭「……将軍の親類か何かか」

執事「はい……旦那様の御子息で御座います」

蒼頭「………」

執事「………」

蒼頭「そうか……」

執事「では、褒美はここまでにさせて頂きます」

蒼頭「申し訳無いが……ひとつだけ聞きたい事がある。よいか?」

執事「……何で御座いましょう?」

蒼頭「剣士と……将軍はこの国の事について繋がっていたのか……?」

執事「いいえ……」

蒼頭「わかった……褒美は終わっているのに答えて頂き感謝する……」

執事「いえ」

蒼頭「………」

816: 名無しさん 2012/12/03(月) 21:09:35 ID:YbFkfJR2
執事「………」

蒼頭「まだ色々と聴きたい事があるのだが……もう話さないので御座ろう?」

執事「左様で御座います」

蒼頭「……ならばもう用は無い。御老人、申し訳無いがそこを通らせて頂く」

執事「………」

蒼頭「この先に将軍が待ち構えているのだろ?剣士達を待たせるのも悪いからな……」チャッ……

執事「……やめておかれた方が宜しいと思いますが」

蒼頭「………」

執事「仕方ありませんね……今はティースプーンくらいしか持ち合わせていないので御勘弁ください」

蒼頭「某をあまり嘗めるなよ……」

執事「いえいえ、嘗めてなど……端から相手になりませんので」

蒼頭「………」バッ!

執事「………」

817: 名無しさん 2012/12/09(日) 16:01:19 ID:qybLtnUc


ワアアアアァァァァァ……

召喚士「ぐはははぁかかってこいー」

ネメア (こいつあきて来たんだな……)

召喚士「はぁ……ネメアこれいつまでやるの……」

ネメア「………」

召喚士「ネメア?」

ネメア「何かおかしい……」

召喚士「何が?」

ネメア「先程から城門より人が出てきていないんだ……」

召喚士「じゃあ終わり!?」

ネメア「そう簡単に終わるか……だが何か変だ」

召喚士「………」

ネメア「召喚士よ……」

818: 名無しさん 2012/12/09(日) 16:59:28 ID:qybLtnUc
召喚士「んぅ?」

ネメア「今から城門を突破し突入するぞ」

召喚士「………」

ウオォォォォォォオ………

召喚士「凄いいっぱい人がいるんだけど……」

ネメア「突っ切って行け!突撃だぁッ!」

召喚士「………」

ダダダダッ!

召喚士 (……あれ?気が付かなかったけど……兵士の中にも女の人はいるんだなぁ……)

召喚士「………」

召喚士「突撃だぁぁぁぁッ!」

召喚士 (うん!今からオッパイを偶然にも触れてしまうかもしれないけど故意!じゃ無いからな!うんッ!)

ネメア「………」

召喚士「うおおおおッ!」

821: 名無しさん 2012/12/10(月) 09:44:05 ID:GsE1S7Q6


来たぞぉぉぉッ!

召喚士「ぐはははははッ!」

ズダダダダッ!

召喚士 (あの子は筋肉付き過ぎパス!あの子は貧乳パス!)

ネメア「おい!城門から反れてるぞ!」

召喚士 (あの子はキープ!……いた!いたぞ……クククッ)

ネメア「召喚士聞いてるのか!?」

召喚士「………」ピタッ

ネメア「止まるな!」

召喚士「止まれ……人間どもよぉぉッ!」

ネメア「……?」

召喚士「………」

ザワ……ザワ……

ダダダダッ!ガシッ!

822: 名無しさん 2012/12/10(月) 10:00:40 ID:GsE1S7Q6
女兵士「ひぁッ!?」

召喚士「動くなよぉぉぉッ!この女の血肉を浴びたく無ければなッ!」

ネメア「な、何をやってるんだ貴様!」

卑怯なッ!魔王が本性を現した!

召喚士「………」

女兵士「………」ガタガタ……

召喚士 (鎧邪魔だな……うん、俺は今魔王だからな!無理矢理取らないとそれらしくない!仕方無いもんな魔王だし!うひょょ!)

ネメア (こいつ……そうか、この女を盾にして進めば兵達を傷付けず行けると言う訳か。なるほど……)

召喚士「……クククッ」ガシッ!

女兵士「い、嫌……」

召喚士「アハハハハッ!」バリッ!

ネメア「………」

召喚士「さあ!この女が四散するところを見たくないのならば道を開けよッ!」

823: 名無しさん 2012/12/10(月) 18:06:24 ID:GsE1S7Q6


姫宮「………」

剣士「何故執事をやってるかは知らねえがな……」

喚起士「生身の人間が素手でドラゴンと渡り合うなんて信じられません……」

ジノ「あの爺ちゃんはあたしの見る限り普通の人間だったよ……」

喚起士「………」

剣士「……だからあいつはヤバイんだって。蒼頭を置いてきた理由……わかって貰えたか?」

喚起士「……はい」

剣士「………」

姫宮「剣士……」

剣士「ん?なんだ?」

姫宮「将軍と……剣士は知り合いなの……?」

剣士「俺の親父だ」

姫宮「………」

824: 名無しさん 2012/12/10(月) 18:14:20 ID:GsE1S7Q6
剣士「姫さんよ……いいか」

姫宮「………」

剣士「これから先、お前にとってつれえ事があるかもしれねえ……」

姫宮「………」

剣士「言いたくねえが王とかその周りが殺されてるかも

姫宮「やめてッ!」

剣士「聞け!……お前がそれで怒ったり恨んだりしてもよ……その矛先は全部俺に向けてくれ」

姫宮「………」

剣士「………」

喚起士「……姫宮さん」

剣士「さぁ……着いたぜ。行くぞ」

バターンッ!

825: 名無しさん 2012/12/13(木) 06:43:10 ID:rHXHOVwY


蒼頭「ぐはぁっ……はぁはぁ……」

執事「………」

蒼頭 (こ、こいつ……強いなんてもんじゃない……)

執事「そろそろお止めになられたら如何でしょう」

蒼頭「まだだッ!」バッ!

執事「……言ったではありませんか、相手にならないと」

蒼頭「アァァァァッ!」ヒュバッ!

執事「これではとてもとても……」

蒼頭「チィッ!ダアァァァッ!」シュバッ!

執事「………」スゥ……バッ

蒼頭「あがが……」

執事「後一歩……踏み込んでいたらこの蹴りで貴女様のお顔を潰した事になりますね」

蒼頭「………」

827: 名無しさん 2012/12/14(金) 17:12:34 ID:q8BDpEmQ
執事「ふむ……」

蒼頭「……?」

傭兵「………」ソゥ……

執事「如何なさいましたか?」

蒼頭「あ……いや……」

執事「……?」

傭兵「喰らえやッ!」バッ!

バカンッ!

執事「ふぐぁ!?」

傭兵「ははッ!蒼頭、こんなじい様に手こずってるようじゃお前もまだまだ

執事「ハァッ!」

傭兵「」ドサ……

蒼頭「………」

828: 名無しさん 2012/12/14(金) 18:09:22 ID:q8BDpEmQ
執事 (な、なんと……)

蒼頭 (弱すぎるだろ……)

執事 (これ程己の気配を消せる輩がこの国にいたとは……)

蒼頭 (助太刀するならもっと確りと助けんか!)

執事「いやはや……驚きました……」

蒼頭「邪魔が入ってしまったな……」

執事「はい……私めが思うにこの方は国に遣える暗殺者ではないかと」

蒼頭「………」

執事「ですが、悟られず近付ける技術は卓越していても肝心の攻撃がこれでは……」

蒼頭「………」

執事「勿体無い……」

蒼頭 (誤解だと言った方がいいので御座ろうか……)

執事「………」

830: 名無しさん 2012/12/15(土) 15:02:38 ID:jBlTRcGY
蒼頭「……はあ」

執事 (まだこの城に人が残っていたのですね……私めとしたことが旦那様に叱られてしまいます)

蒼頭「………」

執事 (……ならばこの者、居なかった事にすれば!)

蒼頭「おい」

執事「な、なんで御座いましょう?」

蒼頭「後、一撃……某の攻撃を受けて貰えないだろか」

執事「一撃で御座いますか……」

蒼頭「某の全身全霊を賭けた一撃……これが通らなければ某を好きにしていい」

執事「………」

蒼頭「………」

執事「わかりました。来なさい」

蒼頭「然らば……」ザッ!

執事「………」

蒼頭「グオォォォォッ!!!」ギリギリッ……

831: 名無しさん 2012/12/15(土) 15:39:36 ID:jBlTRcGY


バターンッ!

ネメア「何とか兵達を追い出し城門を閉められたが……」

召喚士「ネメアさ……」

ネメア「なんだ?」

召喚士「もう隠すとか隠れる気無いよな……」

女兵士「………」

ネメア「知られてもたかが知れてる。もう構わなくてもいい」

召喚士「そう……で?おかしくない?」

ネメア「確かにおかしいな……何故誰もいないのか……」

召喚士「………」

ネメア「ここが戦場になる訳でもあるまいし……城内の者達を逃がしたとも考えられんし」

召喚士「ねぇ君さ、いいかな?」

女兵士「そう言う事ね……」

召喚士、ネメア「……?」

832: 名無しさん 2012/12/15(土) 22:21:07 ID:jBlTRcGY
女兵士「さっきからの変な声……それが魔王なんでしょッ!?」

ネメア「………」

女兵士「おかしいと思った……こんな間抜けな顔した人が魔王だなんて有り得ない!」

召喚士「………」

ネメア「この女……実に良くわかっているな」

召喚士「………」

女兵士「それに!これも魔王の仕業何でしょ!」

ネメア「女、いいか。これは我々の仕業では無い。後、私は魔王では無い」

女兵士「………」

ネメア「わかったか」

女兵士「あの強さ……魔王以外有り得ないでしょってッ!」

ネメア「ぐぬぅ……めんどくさい!お前のせいだぞ!」

召喚士「………」

833: 名無しさん 2012/12/15(土) 22:29:20 ID:jBlTRcGY
女兵士「この人間を操っておいて認めないなんて……」

ネメア「操って無い!」

召喚士「……操られてたよぉ」

ネメア「貴様ッ!」

女兵士「やっぱり……」

召喚士「兵士さん怖かったよぉぉ!助けてくださいぃぃ」

女兵士「………」

ネメア「違う!こいつが力を手に入れ調子図いて!」

女兵士「魔王め……なんと卑怯な……」

ネメア「………」

召喚士 (チャンスだッ!このまま怖かったふりをしてオッパイヘダイブッ!)

ネメア「もういい……魔王でよい……」

女兵士「そんな事認めなくてもわかってる!」

836: 名無しさん 2012/12/17(月) 23:49:34 ID:R39RSvY2
召喚士 (いや待てよ……あれ?魔王のせいにしちゃえば何でもしていい……?)ニヤ……

女兵士「おのれ……城の人達を何処へやった!?」

ネメア「知るか!」

女兵士「そのにやけた面をして知らないって言うの!?」

ネメア「は?」

召喚士「ぐああぁッ!……へ、兵士さん……助け……」

女兵士「だ、大丈夫か!」

召喚士「グハハハッ!再びこの身体は乗っ取ったぁあ!」

女兵士「ぐっ!おのれ……」

召喚士「クククッ……この人間を解放して欲しいのならば!」バッ!

女兵士「な、何をするつもりだ!」

召喚士「わかるだろ……ふふふ」

837: 名無しさん 2012/12/18(火) 00:13:43 ID:EBjJr2Ik
女兵士「………」

召喚士 (今だッ!オッパイタッチッ!)カチン!

女兵士「くッ……私一人では無かったらお前なんて……」

召喚士「………」カチン!

女兵士「私に力があったらこんな屈辱を味わう事もぉ!」

召喚士「……固いんだけど」カチン!

女兵士「あぁ?インナーアーマーばかり触って……」

召喚士「インナー……アーマー……?」

女兵士「……?」

召喚士「………」

女兵士「………」

召喚士「おのれ人間んんッ!謀ったなあッ!!!」

ネメア「………」

839: 名無しさん 2012/12/19(水) 17:48:27 ID:PyBldEFs


剣士「………」

将軍「女王、やっとお戻りになりましたか」

姫宮「………」

将軍「ふふふ……そう睨まないで頂きたい。何分こちらにも事情と言うものがありましてな」

姫宮「こんな事やめて……」

将軍「こんな事?」

姫宮「戦争しようとしている事を!」

将軍「戦争しようなどとは……ふっ」

姫宮「………」

将軍「女王は少し勘違いをされていますな。戦争など私はしませんよ」

姫宮「ならなんで進軍しようとしているの……」

将軍「ああ、あれは足りない分の贄で御座います。女王」

姫宮「贄……?」

840: 名無しさん 2012/12/20(木) 03:55:43 ID:nW6FwvZk
喚起士「贄とは何ですか!」

将軍「………」

喚起士「………」

将軍「女……女王のお供ご苦労だった」

喚起士「質問に答えなさい!」

剣士「………」バッ……

喚起士「………」

剣士「おい……魔喚士って奴はどこにいる?」

将軍「………」

剣士「言えよ……お前の相手は俺がする」

将軍「誰かと思えば使えぬ屑か。お前も女王の元にいたとはな」

剣士「………」

将軍「どう言う出会いがあったのか知らんが……お前には関係無い。出て行け」

842: 名無しさん 2012/12/21(金) 08:10:41 ID:iYlUDVCg
剣士「はっ、悪りいな。俺はこいつを死んでも守るって約束しちまってるんだよ」

将軍「………」

剣士「だから出て行かねえし……おめえが悪さしようとしているのも止めなきゃならねえんだ」

将軍「くだらん理由だな。それに……少しはまともになっているかと思えば出来ぬ約束をする辺り屑は変わらんものだ」

剣士「………」

将軍「兄弟揃ってどうしようもない……」

剣士「てめえの子供だろうが……何言ってやがる……」

将軍「私の子なら私に従うべきだ。それが出来ぬのなら私の子では無い!」

剣士「ふん……それこそくだらねえ」

将軍「己の生きる道を受け入れられなかったお前にはわかるまい」

剣士「わかって堪るかよ」

843: 名無しさん 2012/12/21(金) 19:27:05 ID:iYlUDVCg
将軍「だがもういい。親族だろうが何だろうが関係無くなるのだからな」

剣士「それはどう言うこった……?てめえの自慢の馬鹿兄貴もどうでもいいのか?」

将軍「奴は死んだ」

剣士「死んだのか……」

将軍「親の権威だけで勇者に仕立てあげられた癖にそれを自分の力と過信した愚か者だ。どうでもいい」

剣士「………」

喚起士 (勇者?……魔物との戦闘で亡くなった勇者の事でしょうか……)

剣士「てめえが殺ったのか……」

将軍「魔物の討伐に失敗……馬鹿な輩には相応しい末路だ。ふはははっ」

剣士「………」

将軍「……だがな、奴は素晴らしい土産を置いていってくれたぞ」

剣士「………」

844: 名無しさん 2012/12/21(金) 21:41:00 ID:iYlUDVCg
将軍「血と言うものはこれ程素晴らしい物とは思っていなかった……」

剣士「……?」

将軍「ある血族が残した遺産……これをあの愚か者は私に教えてくれた」

剣士「………」

将軍「そして私は知った。その遺産の使い方と血族の生き残りがいる場所を」

喚起士「まさか……」

姫宮「……え」

将軍「中々察しがいい。女王こそその血族の生き残り……」

姫宮「………」

将軍「遠い昔に魔導の理を得た天才……その血を女王は継いでいる」

喚起士「……この国の王達はその血脈を受け継いでいると?」

将軍「国など関係無い。もちろん王も……ただ女王だけが受け継いだ」

喚起士「そんな事が有り得るんですか……姫宮さんだけが……」

845: 名無しさん 2012/12/22(土) 13:40:22 ID:PboNy.Ik
将軍「この国の王と……女王とでは血が繋がっていないとしたらどうだ?」

姫宮「うそ……」

喚起士「………」

姫宮「そんな事無い!私はこの国で生まれて御父様の子で!」

将軍「……その自分の生い立ちが正しいと思っているのか?」

姫宮「正しいに決まってる!それじゃなきゃ……私は……私……」

将軍「ふふ……」

姫宮「………」

剣士「クソが……小娘苛めて何が楽しい」

将軍「事実を述べただけだ」

剣士「………」

846: 名無しさん 2012/12/22(土) 13:47:16 ID:HH494/MI


………ィィィィイイン……パキンッ……

蒼頭「………」

執事「ふむ……ティースプーンが斬られてしまいました」

蒼頭「……駄目か」

執事「今一歩お踏み込みなされたら私めの首がこうなっていたで御座いましょう」

蒼頭「………」

執事「素晴らしい斬撃で御座いました」

蒼頭「………」カチンッ……スゥ……

執事「……?」

蒼頭「受け取れ……」

執事「………」

蒼頭「せめて……最期は某の刀で逝きたい……」

執事「………」

847: 名無しさん 2012/12/22(土) 14:05:10 ID:mFn5sLmQ
蒼頭「………」

執事「それはお受け出来ません」

蒼頭「何故だ……」

執事「私めが受けた命令に含まれていませんので」

蒼頭「………」

執事「お茶にいたしましょう。ただ待つと言うのも退屈で御座いましょう」

蒼頭「………」

執事「あちらに御用意出来ていますので」

蒼頭「わかった……頂こう……」

執事「では」

蒼頭「………」

執事「……貴女様は今」

蒼頭「某は蒼頭と言う名だ。蒼頭でいい……」

執事「左様で御座いますか」

848: 名無しさん 2012/12/22(土) 16:41:56 ID:mFn5sLmQ
蒼頭「………」

執事「では、蒼頭様は今……自由でおられますか?」

蒼頭「……自由?どう言う事で御座ろう?」

執事「………」

蒼頭「自由と言われれば自由で御座るが……」

執事「私めがこうしてここにいる……これを疑問に思いませんか?」

蒼頭「そうだな……御老人程の強さならば人の下に付かなくとも……」

執事「………」

蒼頭「……?」

執事「私めは……お相手して頂いた方々にはこうして説明をしているので御座います……」

蒼頭「………」

執事「何故、私めはこのようにしているのか。それは……」

851: 名無しさん 2012/12/24(月) 17:50:26 ID:5WgTCHGY
蒼頭「………」

執事「命令されなければ生きていけない……そんな人間がいたらどうお思いでしょうか」

蒼頭「なんだそれは……」

執事「………」

蒼頭「それが御老人だと言うのか?」

執事「はい……」

蒼頭「………」

執事「若き頃よりそう過ごして参り……気が付いた時にはそれ以外の生き方が出来なくなっていました……」

蒼頭「………」

執事「そんな事は……とお思いでしょうが……事実で御座います……」

蒼頭「………」

執事「これで私めが今の居場所にいる事を後納得して頂けたでしょうか……」

852: 名無しさん 2012/12/25(火) 05:33:20 ID:CdD8Ij5Q
蒼頭「にわかに信じがたいが……それが本当の事で御座ろう?」

執事「はい……」

蒼頭「ならば信じよう」

執事「………」

蒼頭「………」

執事「……ささ!お茶が冷めてしまいます。どうぞ御召し上がりください」

蒼頭「うぬ。頂こう」グイッ

執事「………」

蒼頭「……え?」

執事「いかがなさいました?」

蒼頭「あ……いや……」グイッ

執事「……?」

蒼頭 (なななななんだこれはッ!?この世の物とは思えん不味さだ……)

蒼頭 (何かの間違いかと二口目を飲んでみたが……飲み込めん……)

853: 名無しさん 2012/12/25(火) 07:58:00 ID:CdD8Ij5Q


召喚士、女兵士「………」

ネメア「だから貴様はッ!」クドクド……

召喚士「あのネメアさん……今、こんな事してる場合じゃ無いと思うんですよぉ……」

ネメア「………」

召喚士「………」

ネメア「お前はぁッ!私がこう声を荒げているのは誰のせいだと思っているんだッ!ああッ!?」

召喚士「………」

女兵士「魔王……なんで私まで正座させられてるの……」

ネメア「女、先程から魔王魔王と……魔王が単身、こんな所へ踏み込んで来る訳が無いだろ!」

召喚士「そうだそうだ!偽乳女!」

ネメア「貴様は黙っていろッ!これも全部お前のせいだろうがッ!」

召喚士「へぇい……」

855: 名無しさん 2012/12/26(水) 10:28:15 ID:X02SzPmI
女兵士「……東の方に魔王の軍勢を展開させてるんじゃないの?だから
……」

ネメア「なんだそれは……」

女兵士「そう聞いてるけど……」

ネメア「………」

召喚士「俺達はそっちから来たんだよ。でもそんなのいなかったよ?偽乳女」

女兵士「偽乳って言うなってッ!」

召喚士「言うわ!人の期待を裏切ったんだぞッ!」

女兵士「……期待?」

召喚士「………」

女兵士「もしかして……一辺たりとも操られて無かったの……?」

召喚士「そんな事無いよぉ……もう凄い操られてたし……」

女兵士「………」

856: 名無しさん 2012/12/26(水) 19:15:02 ID:X02SzPmI
召喚士「本当だって!自分でも信じられないくらい操られてた!」

女兵士「………」

ネメア「女よ……本当なのか?」

女兵士「嘘なんて言ってもしょうがないでしょ」

ネメア「そうだな……だが、魔王の軍勢と言うのはいない」

女兵士「なんでわかるの?」

ネメア「こいつも言っていたが私達はその方角が来たんだ。それにその軍勢がいる気配も無かった」

女兵士「それ信用しろって言うの……」

ネメア「お前と同じで私が嘘を言ってもしょうがない」

女兵士「もし貴方が魔王じゃ無いならなんなの……」

ネメア「私は……」

857: 名無しさん 2012/12/26(水) 21:30:32 ID:X02SzPmI
女兵士「………」

ネメア (また知らぬとこの人間にも言われるであろうな……)

女兵士「………」

ネメア (それほど私の名は人間の世界に浸透していないのだろうか……)

女兵士「……?」

ネメア (はぁぁぁぁ……なにやら嫌になるな……)

召喚士「……ネメアどうしたの?」

女兵士「ネメア?」

ネメア「それが私の名だな」

女兵士「………」

ネメア「………」

女兵士「あの黄道十二星座のひとつ、獅子座の魂の元となった獅子がネメアのライオンで!」

召喚士、ネメア「………」

858: 名無しさん 2012/12/26(水) 21:41:50 ID:X02SzPmI
女兵士「神話の勇者ヘラクレスの最初の敵として現れて!古代バビロニアや古代エジプトでは王権の象徴として崇められて!」

召喚士、ネメア「………」

女兵士「古来からある星座のひとつにネメアのライオンと称えられて!」

召喚士、ネメア「………」

女兵士「現在では行き遅れた婚活中の女性の間で話題になっている恋愛運を上げる為にネメアのライオンの刺繍を施した物が人気で!」

召喚士、ネメア「………」

女兵士「その本人が貴方だって言うのッ!?」

ネメア「……げ、現在ではと言うのはわからんがそれが私だ」

女兵士「本当に?」

ネメア「ああ……」

女兵士「おおおおおッ!!!!」

召喚士 (やべぇ……ネメアマニアだ……)

862: 名無しさん 2012/12/29(土) 20:30:22 ID:6ly0PXJU


将軍「………」

姫宮「嘘ッ!御父様に会わせて!」

将軍「会って何になる?事実は何も変わらないぞ?」

姫宮「そんな事……無い……」

喚起士「………」

将軍「まあ……直に会える。あの世でな」

姫宮「………」

剣士「チッ……」

将軍「女王、こちらへ

盗賊「………」バッ!

ズバキッ!ガシッ……

将軍「グゥッ!なんだお前は……」

盗賊「………」

喚起士「姫宮さん……」

863: 名無しさん 2012/12/29(土) 20:39:52 ID:6ly0PXJU
剣士「喚起士、ちょっと姫さん頼むわ……盗賊の奴キレちまってやがる」

喚起士「え?……パイア……」

将軍「小賢しいッ!」ブオッ!

シュッ……ガキッ!

盗賊「………」

将軍「耐えるか。体が小さいわりにはやるな」

盗賊「………」ググッ……

剣士「盗賊!落ち着けッ!」

盗賊「……止めないで」

剣士「気持ちはわかるがまだ待て!」

盗賊「………」グ……

剣士「………」

将軍「止める事など無いだろ。こちらの方がお前より強いかもしれんな。ふふっ」

864: 名無しさん 2012/12/30(日) 15:48:57 ID:0zgvoggI
剣士「てめえにはまだ聞かなきゃなんねえ事があるからな。それにお前が盗賊の相手するなんざ荷が重すぎら!」

将軍「それはどうかな……クククッ」

盗賊「………」

剣士「……もう一度聞くが、魔喚師って奴はどこにいる?」

将軍「さてな。あの空者の事など聞いてどうする?お前達には関係無いだろ」

剣士「てめえの知らねえ因縁ってものあるんだよ」

将軍「………」

剣士「………」

将軍「なるほど……」

喚起士「………」

将軍「魔喚師ならこの上にいる。誰がそれなのか知らないが行くなら私は止めはしない」

865: 名無しさん 2012/12/31(月) 00:32:02 ID:xh92bULk
剣士「……喚起士、行けよ」

喚起士「ですが……」

剣士「ここは俺と盗賊でやっとくからよ」

喚起士「………」

剣士「大丈夫。俺と盗賊が危なくなっても召喚士が必ず駆け付けてくれるさ」

喚起士「………」

剣士「……もちろんお前がピンチになった時もな」

喚起士「わかりました……」

剣士「それに召喚士との約束守らにゃならんし。ふふ」

喚起士「……そうですね。ならこの場はお願いします」

剣士「ああ。仇取ってこいよ」

喚起士「………」コクッ

タタタ……

867: 名無しさん 2012/12/31(月) 13:00:17 ID:vYy.mWiA


タタタ……

喚起士「………」

ジノ「驚いたね……お姫さまが……」

喚起士「………」

ジノ「あの将軍って言うのも気になるね」

喚起士「そうですね……姫宮さんで何をしようとしているのか……」

ジノ「それもなんだけどさ……あれ人間やめてる感じだったよ」

喚起士「……将軍はもう人間では無いと?」

ジノ「どうやったか知らないけど魂が魔物に近い感じになってたね……」

喚起士「………」

ジノ「本当……何しようとしてるんだか」

喚起士「………」

868: 名無しさん 2012/12/31(月) 23:12:48 ID:V//QdqKI


女兵士「ははぁ……何卒何卒ぉぉッ!」

ネメア「拝むな……」

女兵士「……どうか私にいい出会いがぁぁぁぁ」

ネメア「………」

召喚士「ネメア……これからどうするの?」

ネメア「城へ入るしかあるまいな。訳がわからぬ事ばかりだ……」

召喚士「……また正面から?」

ネメア「……蒼頭達がどのような状況下にいるかわからぬ。そうした方がいいだろ」

召喚士 (ほう……蒼頭の名前から出しますかネメアさん!)

ネメア「無事ならいいが……」

女兵士「………」ナムナム……

869: 名無しさん 2012/12/31(月) 23:21:02 ID:2xu.xX.c
召喚士「この人はどうするの……」

ネメア「このまま……と言う訳にはいくまいな……」

召喚士「じゃあ帰す?」

ネメア「それだと城門を開けねばならんだろ。もうこれ以上の面倒は御免だ」

召喚士「連れてくの……?」

ネメア「仕方あるまい……」

召喚士「………」

ネメア「はぁ……女、私達はこれから城へ入る。付いてこい」

女兵士「いい男いる?」

ネメア「………」

女兵士「何で黙るの……いるのね!?じゃあ行くッ!」

870: 名無しさん 2012/12/31(月) 23:35:03 ID:2xu.xX.c


蒼頭「いや……もう結構……」

執事「そう言わず!……ああ!なるほど、私め気付きませんで失礼しました」

蒼頭「………」

執事「蒼頭様は東方の出身で御座いましたね。なら、緑のお茶の方が宜しかったですね!」

蒼頭「本当……もう結構で御座りますので……」

執事「少々お待ちを……ふふん!」

蒼頭 (この戦闘時との違いはなんで御座ろう……)

執事「御待たせ致しました。どうぞ」スッ!

蒼頭「………」

執事「私めはこうして茶を入れ差し上げる事に喜びを感じているので御座います。ですから遠慮は要りませんので」

蒼頭「左様か……」

873: 名無しさん 2013/01/01(火) 01:44:27 ID:tDj/QByU
執事「ささ!熱いうちに御召し上がりを!」

蒼頭 (……淹れ方は普通だった。茶葉も恐らく緑茶で間違いないで御座ろうが……)

執事「………」ニコニコ

蒼頭 (それにこれを不味く淹れる事は不可能……だと思うが……)

執事「……?」

蒼頭「……頂こう」

執事「はい」

蒼頭 (南無三ッ!)グイッ

執事「………」

蒼頭「………」

執事「………」

蒼頭 (ぇぇぇぇ……?ぇぇぇぇ……?茶葉に湯を注ぐだけで何故このように不味く淹れられるのか……)

874: 名無しさん 2013/01/01(火) 01:55:16 ID:tDj/QByU
執事「どうでしょう?」ニコニコ

蒼頭 (……有り得ん。もしや……某は試されているのか?)

執事「……?」

蒼頭 (そうか……真の戦いはこれからと言う訳か……)

バターンッ!

ネメア「ここも人はいない……蒼頭ッ!」

蒼頭「………」

ネメア「無事か?」

蒼頭「………」

執事「これはこれは……どこから侵入して来たのかはわかりませんが、新しいお客様で御座いますか……」

ネメア「………」

召喚士「この人誰?」

女兵士「知らない……」

876: 名無しさん 2013/01/01(火) 17:21:23 ID:nh8si1s2
ネメア (蒼頭に外傷は無いようだな……)

執事「私めの知る限り……地下からと正面の城門から城へ入る事は出来ないと思っておりましたが……」

ネメア「……誰だか知らんが答える必要は無い」

召喚士「その正面の城門から入って来たんだけど」

ネメア「お前は!余計な事を……」

召喚士「ええ?だって本当の事だろ」

執事「………」

召喚士、ネメア「……?」

執事「ふふふふ面白いご冗談を」

ネメア「冗談など言わん。本当の事だ」

執事「兵達が貴方様方を通したと?」

ネメア「……答える必要は無い」

召喚士「突っ切って来たんだよ」

ネメア「一々言うなッ!」

877: 名無しさん 2013/01/02(水) 01:14:18 ID:cL94NAVc
召喚士「ほら、蒼頭が座ってお茶飲んでるんだよ?戦ってる訳じゃ無いんだから危ない人じゃ無いって」

ネメア「だがな……」

執事「………」

召喚士「ネメアの声聞いても……あれ?」

ネメア「私の事を知っていた……これはどう説明する?」

召喚士「………」

執事「………」

召喚士「何で知ってんの?」

執事「お答えしかねます」

召喚士「教えてよ。なんでさ?」

執事「……お答えしかねますと申しましたが」

878: 名無しさん 2013/01/02(水) 15:40:01 ID:MKzx0cuo
召喚士「いいじゃん!教えて!」

執事「嫌で御座います……」

召喚士「おーしーえーてーよーッ!」

執事、ネメア (鬱陶しいッ!)

召喚士「まあいいや……蒼頭、剣士達は?」

蒼頭「………」フルフル

召喚士「?」

蒼頭「………」フルフル

召喚士「喋れよ……パイアじゃ無いんだから」

蒼頭「………」バッ!フルフル

ネメア「……喋られんのか?」

蒼頭「………」コクコク

ネメア「貴様……蒼頭に何をした……」

882: 名無しさん 2013/01/06(日) 00:17:50 ID:L/1TiQtU
執事「……蒼頭様とこうしてお茶を楽しんでいるだけで御座います」

ネメア「本当か?蒼頭……」

蒼頭 (どう説明したらいいものか……口の中の物を吐き出せば……)

執事「………」

蒼頭 (御老人に失礼……しかもあの強さを見せられた後にそんな事をしたら……)

ネメア「………」

蒼頭 (ぐああ……先程の茶が原因なのか……気持ち悪く……)

召喚士「蒼頭、一口貰うよ」

蒼頭「ッ!?」フルフルッ!

召喚士「ケチケチするなよ。へぇ変わった色のお茶だね」グイッ

蒼頭「………」


883: 名無しさん 2013/01/06(日) 00:32:03 ID:fZCl1dyI
ネメア「グアァッ!な、なんだこれはッ!」

召喚士「ふむ、中々いけるね!」

ネメア「は!?お前これが平気なのか!」

召喚士「ええ?普通に美味しいけど」

ネメア「………」

執事「なるほど……」

召喚士「……?」

執事「召喚士様……で宜しいですね?」

召喚士「うん……何で知っ

執事「それはお答え出来ませんが、魔物と一体になっていたとは……」

召喚士「………」

884: 名無しさん 2013/01/06(日) 00:51:00 ID:fZCl1dyI


将軍「あの女……魔喚士を屠るつもりか?」

剣士「………」

将軍「ふふはっ黙すると言う事は正鵠を射っているのだな」

剣士「だからどうした」

将軍「いや……クククッ」

剣士「チッ……敵わねえとでも思ってんか!」

将軍「そうれは違うぞ。是非とも魔喚士を討って貰いたいものだ」

剣士「あ?……てめえ仲間が殺られても良いって言うのか?」

将軍「仲間?仲間か……そう言う視線でしか人間を見れんお前ではわからんかもしれんな」

剣士「………」

将軍「ククク……ふはははッ!」

885: 名無しさん 2013/01/06(日) 01:01:22 ID:fZCl1dyI
剣士「何がおかしい……」

将軍「こうも私の思い通りに事が運べばな笑いたくもなる……クク」

剣士「………」

盗賊「………」

姫宮「盗賊……私……私……」

盗賊「………」

姫宮「うぅ……私は何なの……」

盗賊「………」

姫宮「私は誰で……私は私じゃ無いの……」

盗賊「大丈夫」

姫宮「………」

盗賊「………」

886: 名無しさん 2013/01/07(月) 17:51:35 ID:fpAxZY/2


喚起士「ジノ……お願いします」

バシュンッ!

ジノ「……ついに来たね」

喚起士「はい……」

ジノ「………」

喚起士「………」グッ……

ジノ「喚起士……」

喚起士「なんでしょう?」

ジノ「ん……やっぱいいや。頑張ろうね!」

喚起士「……はい」

ジノ「………」

喚起士 (ジノは……何か私に隠しているんでしょうか……)

ジノ「喚起士、扉開けるよ!」

887: 名無しさん 2013/01/07(月) 18:24:34 ID:zCZYD9vM
喚起士「………」

ギィ……バタン……

喚起士「……ッ!」

ジノ「………」

……「誰……かしら?」

喚起士 (女性……?それにカンヘルッ!)

……「スフィンクスね……綺麗な髪……」

喚起士「……貴女が魔喚士ですか?」

魔喚士「そう……将軍が寄越した人って訳では無いみたいね」

喚起士「はい。私は喚起士と言います……カンヘルを討ちに参りました……」

魔喚士「そう……フフフ」

喚起士「………」

888: 名無しさん 2013/01/08(火) 14:47:58 ID:AFTZyVGs
魔喚士「カンヘル……この女、貴方を討つんだって。こんなに美しくて素敵な貴方を……」

カンヘル「………」

喚起士「……魔喚士さん、喚起士兄と言う名はご存知でしょうか?」

魔喚士「さあ……私って人間に興味無いから……フフ」

喚起士「そこの……カンヘルに殺された人間の名前です……」

魔喚士「………」

喚起士「………」

魔喚士「へぇ、そうなの……なるほどね仇討ちって訳」

喚起士「貴女がカンヘルに……命令したのでは無いんですか……」

魔喚士「どうだったかしら。人の命なんてカンヘルのエサにしかならないから覚えて無いわ」

喚起士「エサ……」

ジノ「………」

889: 名無しさん 2013/01/08(火) 18:40:51 ID:mPOqAU6w
喚起士「………」

魔喚士「そんなに睨まないで。貴女だってスフィンクスと一緒にいるって事は同じなんじゃない?」

喚起士「私はそんな事していません!ジノは……」

魔喚士「……なるほど。まぁそれもアリよね」

喚起士「………」

魔喚士「自分の魂と引き換えに召喚した者といられるんだから」

喚起士「………」

魔喚士「でもね私の見立てだと釣り合わないんじゃないかしら?フフフ……」

喚起士「何が釣り合わないと……?」

魔喚士「貴女の魂でスフィンクスをこの世に留まらせておく事……かしら」

喚起士「………」

890: 名無しさん 2013/01/09(水) 14:58:05 ID:GvNT6X42
ジノ (不味いな……こいつに見透かされてる……)

魔喚士「お釣が来ちゃいそうよね……スフィンクスだけじゃ」

喚起士「………」

魔喚士「……自分が少しでも助かるなら等価にする必要は無い。なんて事は無いんじゃない?」

喚起士「どうでしょうね……案外そうかもしれませんよ」

魔喚士「フフフ……カンヘルを相手にするのにスフィンクスでは役不足なのは貴女もわかってるんでしょ?」

喚起士「………」

魔喚士「あら?その顔……フフフ当たりかしら」

喚起士「………」

魔喚士「スフィンクスの他にも何か隠してるわねぇ?」

喚起士「……それがどうかしましたか?」

魔喚士「いいえ……中途半端な覚悟でここに居るんじゃなくて良かったと思って」

891: 名無しさん 2013/01/09(水) 17:35:19 ID:0YuMCAOE


執事 (魔物と一体化……それがそれ程の力を与えるものなのでしょうか……)

ネメア「……蒼頭無事か?」

蒼頭「なんとか……」

執事 (兵達を掻い潜りここまで来た……しかも掠り傷ひとつも無く……)

蒼頭「ぐぅ……胃が……」

ネメア「………」

執事 (もし本当ならば……私めの攻撃にも対処出来る筈)

女兵士「いい男は?」

召喚士「……いるなんて言ってないよ?」

執事 (確かめさせて頂きましょう……)

女兵士「はあ!?騙したのねッ!」

召喚士「………」

892: 名無しさん 2013/01/09(水) 17:38:41 ID:fiG21LCk
カンヘル(Canhel)とは中米土着信仰とキリスト教信仰が融合した、天使的性格を持つ龍人である。
蝙蝠の羽、鉤爪を持つ持つ姿で描写される。アステカ創世神話と深く関連づけられている。
元々は蛇を象った杖を指す言葉が「カンヘル」であり、権力の象徴でもあった。
中米においてキリスト教を布教する際、原住民向けにキリスト教創世神話が作られた。
それによると、主はセルピヌスというカンヘルを作り出し、さらに後世に生まれた四方を象徴する4匹のカンヘルを支配させたという。

893: 名無しさん 2013/01/09(水) 17:44:39 ID:lvQgLDLw
執事「………」

蒼頭「……?」

執事「………」ダッ!バッ!

女兵士「いい男いるって言ったじゃないのぉぉ!」グッ!

召喚士「服掴まないで!言ってないからぁぁ!」スカッ!

執事「ッ!?……ッ!」スパンッ!

女兵士「これで婚期逃したらアンタのせいよッ!」グイッ!

召喚士「知らないよ!そんなの偽乳だから悪いんだろッ!」スカッ!

執事「ッ!?」

女兵士「何ですってッ!」

召喚士「離してくれってぇ!」

ネメア、蒼頭「………」

894: 名無しさん 2013/01/09(水) 18:04:21 ID:lvQgLDLw
執事 (驚きました……私めの攻撃を見てもいないのに御婦人と戯れながら華麗にかわすとは……)

蒼頭 (あれをかわすとは……流石で御座いますな……)

ネメア (運のいい奴め……)

女兵士「ああああ……私の人生設計が脆く儚く崩れ去るよってぇぇ……」

召喚士「………」

女兵士「……何とかしなさいよ」

召喚士「……後でネメア触らせるから」

女兵士「……で?」

召喚士「ほらあれ……直接触ったら縁結びの効果倍増するよぉ……」

女兵士「マジで!?」

召喚士「マジで!!もう撫でたら撫でただけッ!」

ネメア「変な約束と変な噂を広めるなッ!」

895: 名無しさん 2013/01/09(水) 20:06:36 ID:fiG21LCk
 【縁結び】ネメアのライオン【婚活】
ネメアのたてがみ 1本 金貨5枚
ネメアの肉球なでなで  金貨1枚
ネメアの祝福       銅貨10枚

召喚士「これで勝つる!! ネメア協力してよ、お・願・い・っ・♪」

ネメア「ふざけるなッ!」

896: 名無しさん 2013/01/09(水) 21:28:50 ID:PZq1x17s
執事「……召喚士様」

召喚士「全身の毛が抜け落ちるくらい撫で回していいから!」

ネメア「やめろ!」

執事「召喚士様ッ!」

召喚士「は、はい?」

執事「……剣士様、女王、喚起士様はこの先においでになります」

召喚士「………」

執事「どうぞお通りください……」

召喚士「うん……」

ネメア「………」

蒼頭「ネメア殿……某はここでお待ちしております故……」

ネメア「……何故だ?」

蒼頭「………」

898: 名無しさん 2013/01/10(木) 01:49:13 ID:ADw0/vtk
ネメア「……わかった。行くぞ召喚士」

召喚士「蒼頭置いてって良いのかよ……」

ネメア「いいんだ。早くしろ」

召喚士「………」

タタタ……

蒼頭「………」

女兵士「待ってよ!」

執事「………」スゥ……

女兵士「……何か?私の婚活請け負いさんが行っちゃうんだけど!」

執事「誰かは知りませんが、ここから先はお通し出来ません」

女兵士「ええ!困るって!」

執事「………」

蒼頭「……ここで待つしかない。悪い事は言わぬ従った方がいい」

899: 名無しさん 2013/01/10(木) 02:27:43 ID:FL/PDDyo
女兵士「………」

蒼頭「………」

女兵士 (後ろ姿しか見てなかったけど……やだ……この人超美形ッ!)

蒼頭「……?」

女兵士「はい……わかりました」

執事「……?では、蒼頭様とお茶でも飲まれながらお待ちください」

蒼頭「……某はもう結構」

執事「そう言わずに!」

蒼頭「本当……結構で御座ります……」

執事「……どうぞ」スゥ!

蒼頭 (早い……これでは拒否出来ん……)

女兵士「私……頂きます」

蒼頭「待たれよ!」

900: 名無しさん 2013/01/10(木) 04:39:12 ID:oEuxZ3j2
執事、女兵士「何か?」

蒼頭「いや……その……」

女兵士「……?」グイッ

蒼頭「………」

女兵士「ブハァァッ!なにこれマズッ!」

執事「え……」

蒼頭 (あわわ……)

女兵士「何よこれ!人に変なもん飲ませんじゃ無いわよってッ!」

執事「変な……そそそれはお茶で御座いますが……」

女兵士「はあぁ?こんな苔みたいな色のお茶がありますかって!」

執事「東方で好まれている……」

女兵士「チッ……紅茶入れて」

執事「……かしこまりました……ぁぁ」

901: 名無しさん 2013/01/10(木) 04:46:12 ID:oEuxZ3j2
蒼頭「………」

女兵士「早くしてよ。変なもん飲まされて頭きてんだから!」

執事「ど、どうぞ……」スゥ

女兵士「………」グイッ

執事「………」

女兵士「………」

執事「………」

女兵士「……ペッ!」

執事「ッ!?」

女兵士「あんたふざけてんの……?ねえ?なにこれ?」

執事「ふざけなどは……」

女兵士「……チッ」

執事「………」

蒼頭 (知らぬと言うのは恐ろしきかな……)

904: 名無しさん 2013/01/10(木) 21:09:36 ID:uaK9Ri22


タタタ……

ネメア「………」

召喚士「蒼頭……置いてきて良かったの?」

ネメア「………」

召喚士「ねえ……」

ネメア「お前はあれを見ておかしいと思わなかったのか?」

召喚士「何が……蒼頭が執事っぽい人とお茶飲んでただけじゃん」

ネメア「それがおかしいと言っているんだ。剣士達はこの先にいるのに何故蒼頭だけが残っている?」

召喚士「そう言えばそうだな……何で?」

ネメア「少しは自分で考えてみろ」

召喚士「ん……蒼頭が行きたく無かったから?」

ネメア「違う。蒼頭が剣士達と行きたく無いと思う理由など無いだろ」

905: 名無しさん 2013/01/13(日) 00:32:28 ID:sKh8Wfi6
召喚士「じゃあ魔物は通れない何かがあった?」

ネメア「それだとジノやパイアが残っているだろうに……」

召喚士「そっか……ええ……」

ネメア「わからんのか……まあいい。恐らくあの老人が行かせなかったんだ」

召喚士「なんで?」

ネメア「そこまでは知らん」

召喚士「自分だって理由わかって無いんじゃないか……」

ネメア「理由がわからずともあの場で何があったか検討が付くだろ」

召喚士「何があったの?」

ネメア「あの二人……戦闘を行ったんだろうな」

召喚士「まさかぁ……怪我とかして無かったよ?」

ネメア「二人の間に力の差が有りすぎたんだろ」

907: 名無しさん 2013/01/13(日) 02:23:47 ID:sKh8Wfi6
召喚士「蒼頭が勝って執事っぽい人にお茶を入れさせてたって事か」

ネメア「逆だ」

召喚士「……は?」

ネメア「蒼頭は負けたんだ……」

召喚士「………」

ネメア「……急ごう。剣士達が心配だ」

召喚士「うん……」

ネメア「………」

召喚士「………」

タタタ……

909: 名無しさん 2013/01/13(日) 11:04:44 ID:sKh8Wfi6


将軍「さあ女王こちらへ」

姫宮「………」

剣士、盗賊「………」バッ……

将軍「退け。貴様達には関係の無い事だ」

剣士「何やるか知らねえが……はいそうですかで退けるかよ。なぁ盗賊!」

盗賊「………」コクッ

将軍「………」

剣士「国を乗っ取って……姫さん使って何しようってんだ!」

将軍「……もう一度言うぞ。退け」

剣士「………」

将軍「そうか……」チャ……

剣士「………」チャキ……

915: 名無しさん 2013/01/15(火) 06:38:41 ID:FKVIM4wg
将軍「………」

剣士「てめえは自分の為ならなんだってやりやがる……これからやるのも自分の為かッ!」

将軍「そうだ。それに私にしか出来ぬ事……」

剣士「………」

将軍「人は何の為に戦っているのだと思う?」

剣士「………」

将軍「答えろ」

剣士「失ったりしたくねえ守りたい物の為だろう……」

将軍「なるほど。お前にしてはいい答えだ」

剣士「………」

将軍「ならばそれを止める術はどうだ」

916: 名無しさん 2013/01/15(火) 07:05:42 ID:FKVIM4wg
剣士「………」

将軍「わからぬと言った顔をしているな。だがそれが正しい」

剣士「あ?」

将軍「人は何かと戦わなければ生きていけぬ者だからだ」

剣士「……それがなんだ?てめえがやろうとしてる事と関係あるのか」

将軍「ふふ……あるな。もし私がそれを止める術を見付けたとしたらどうする」

剣士「………」

将軍「これから先、多少の犠牲を代償に人は争いの無い世界で生きられるとしたらどうだ」

剣士「………」

将軍「くだらぬ国同士の争い……魔王や魔物と人間の争い……」

剣士「………」

将軍「人が生きて歩む道筋にこんな物は必要無い」

917: 名無しさん 2013/01/16(水) 22:05:31 ID:EugoYZF.
剣士「………」

将軍「平穏で豊かな日々を暮らし、何者にも怯える事の無い理想の世界……それを私は創れる!」

剣士「頭でもおかしいんじゃねえか……」

将軍「ふふ……常人に理解してもらおうとは思わん」

剣士「………」

将軍「人が進む未来を私が造り上げ……そして人が歩む道筋を言葉を紡ぐ如くひとつにしてみせよう」

剣士「そんな事本当に出来んのかよ……」

将軍「本当だ」

剣士「………」

盗賊「……剣士」

剣士「………」

盗賊「………」

918: 名無しさん 2013/01/16(水) 22:24:36 ID:EugoYZF.
剣士「お前もそんな顔出来るんだな……」

盗賊「………」

剣士「心配すんな。俺はこいつの言葉なんかじゃ揺れたりしねえ」

将軍「………」

剣士「ようは……てめえに楯突く奴がいないてめえの理想の世界を造りたいだけだろ」

将軍「………」

剣士「何が争いが必要無いだ。人はな争そっていてもな一生懸命生きてんだ!魔物も同じようにな」

将軍「………」

剣士「それがあるから泣いたり喜んだり信頼しあえるんじゃねえのか!」

将軍「………」

剣士「ふざけんなよ……てめえの思い通りになんかさせるかよ……」

将軍「……愚か者め。ならば死ね」

921: 名無しさん 2013/01/19(土) 17:28:13 ID:5ZmHdZlw
剣士「………」ザッ!

将軍「ハアァァアッ!」フォオッ!

剣士「オオオオッ!」

シュバッ!ガギ……ッ!

将軍「ほう……」

剣士「グギギギッ……」

将軍「………」

剣士 (こいつ片手でこんな重てえ斬撃出来んのかよ!)

盗賊「………」ダッ!

シュ!……ズガガッ!

将軍「小さき者よ無駄だッ!」

盗賊「………」

剣士「ウオオオオッ!」

ギャリリ……ザッ!

剣士、盗賊「………」

923: 名無しさん 2013/01/20(日) 02:02:41 ID:/JxmuWA2
将軍「………」グッグッ……

剣士 (暫く見ねえうちに何故こんな強くなってやがる……)

将軍「まだ……完全とはいかぬか……」

剣士「ああ?」

盗賊「……剣士」

剣士「なんだ?」

盗賊「人を相手にしてるとは……思わない方がいい……」

剣士「どういうこった?」

盗賊「………」

将軍「そっちの小さき者はわかってしまったようだな」

剣士「何をだ!?」

将軍「私が……人間の先にいる存在になっている事をだ」

924: 名無しさん 2013/01/20(日) 12:46:36 ID:/JxmuWA2
剣士「先にだぁ?……盗賊よなんだそりゃ」

盗賊「魔物……」

剣士「ッ!?」

将軍「そのような賤陋の存在では無い。私はな神に等しい者に近付いているのだ」

剣士「盗賊よ……」

盗賊「………」

剣士「こいつは化物になっちまったって思っていいのか……?」

盗賊「………」コクッ……

剣士「………」

将軍「神に等しい……いや、神を越えた存在に私はなるのだアハハハハッ!」

剣士「チッ……イカれてやがる……」

盗賊「………」

925: 名無しさん 2013/01/20(日) 12:56:49 ID:/JxmuWA2


喚起士「……将軍は何をしようとしているのですか……それに」

魔喚士「それに……女王を何故遠ざけたのか……かしら?」

喚起士「………」

魔喚士「答えてあげると思う?」

喚起士「いいえ……ですから

魔喚士「カンヘルを討ち取った後、私を捉え聞き出す……?」

喚起士「………」

魔喚士「それもいいかもしれないわね……出来るならだけど」

喚起士「………」

魔喚士「フフフ……教えてあげるわ。私には興味無い事だし……」

喚起士「………」

928: 名無しさん 2013/01/21(月) 20:27:05 ID:otTc4X7o
魔喚士「それにそこのスフィンクスと貴女にはカンヘルのエサになって貰うし」

喚起士「………」

魔喚士「ただで魂貰うなんて悪いじゃない?だから教えてあげる」

ジノ「喚起士……こいつムカつくね……」

喚起士「それほど自信があるんでしょう……」

ジノ「………」

喚起士「魔喚士さん……そう簡単にはいかないと思いますが」

魔喚士「そうかしら?……簡単にいかなくても結果は決まっているから。カンヘルを相手にするんだからね」

喚起士「………」

魔喚士「さて、カンヘルがお腹を空かせちゃうと可哀想だしフフフ」

カンヘル「……ゥゥ」

魔喚士「将軍は何をしようとしているのか……」

929: 名無しさん 2013/01/21(月) 20:54:57 ID:otTc4X7o
喚起士「………」

魔喚士「この国の兵隊さん達を生け贄に捧げるみたいよ。ここら辺りの人間を巻き込んでね」

喚起士「………」

魔喚士「そして纏まった魂を将軍が取り込む……」

喚起士「そんな事可能なんですか……」

魔喚士「さあ?でも可能なんでしょう。自分自身を魔物に変えちゃうくらいだもの」

喚起士「なら姫宮さんは……」

魔喚士「それを発動させる鍵って言った方がいいのかしらね」

喚起士「………」

魔喚士「なにやら女王は特別な生まれみたいね。錬金術師……って人の血を引いてるらしいわ」

喚起士「………」

魔喚士「女王の事……聞いても驚かないのね」

喚起士「……将軍が言っていましたから」

930: 名無しさん 2013/01/22(火) 05:41:35 ID:/U1fFHxA
魔喚士「そう、つまらない。でも中々の悲劇よね。女王だと思っていたのに女王では無かったなんて」

喚起士「………」

魔喚士「この国の人達も何も知らずに女王では無い者に従っていたんだから」

喚起士「………」

魔喚士「そう睨まないで。本当の事言っただけだし」

喚起士「……将軍が姫宮さんを遠ざけたのは何故ですか?」

魔喚士「それは私に女王の血を横取りされない為じゃないかしら。私って余程将軍から信用されて無かったのね……ちょっとショック」

喚起士「将軍と貴女は仲間では無かったんですか……?」

魔喚士「それは違うわ。あれよ、利害が一致しただけ。もう不一致だけれども」

喚起士「………」

魔喚士「カンヘルって結構食べるのよ。で、将軍が協力するならエサをくれるってね」

931: 名無しさん 2013/01/22(火) 05:52:05 ID:/U1fFHxA
喚起士「………」

魔喚士「こんなとこかしら」

喚起士「……こんな事を貴女に言うのは無駄なのかもしれませんが」

魔喚士「うん?」

喚起士「将軍を止めようとは思わなかったんですか……カンヘルを還そうとは思わなかったんですか……」

魔喚士「全然!将軍の事は興味無いし、カンヘルを還そうなんて思った事も無いわ」

喚起士「……その行いで消えなくても良かった命があったとしてもですか?」

魔喚士「いずれは皆消える命だもの。少しぐらい早く消えてもね構わないでしょ。フフフ」

喚起士「………」

魔喚士「……思い出した!その目あれに似てるわね!」

喚起士「………」

魔喚士「カンヘルを還そうとしたお馬鹿さんに。そっか、あれが貴女のお兄さんだったのね」

934: 名無しさん 2013/01/23(水) 20:16:17 ID:0ZWz.Pt6


将軍「ハアアアッ!」

ガガガガギャッ!ギリリッ……

剣士「グアアッ!ぐぅ……」

盗賊「………」バッ!

将軍「ふんッ!」

ズドッ!ガシッ……

盗賊「………」グググ……

剣士 (やべぇ……まともに反撃出来ねえッ!)

将軍「受けるしか出来ぬか?」

剣士「………」

将軍「ふはははッ!そうだろうな。只の人では私に敵う筈がない」

剣士「デアアアアッ!」ズアッ!

将軍「………」スゥ……

ガギィンッ!……

935: 名無しさん 2013/01/24(木) 06:15:47 ID:LJPwfQvY
ヒュン……

剣士「しまっ」

盗賊「ッ!」

将軍「終わりだ。私の糧となり死ねる事を喜べッ!」ブワッ!

ザバンッ!……ギギッ……

剣士「………?」

将軍「……ぬぅ」

ギギギギッ……

召喚士「………」

剣士「召喚……士……」

ネメア「何をしている!早く剣を取れ!」

剣士「ぁぁ……」バッ!

将軍「……いい目をしているな」

召喚士「………」

剣士「すまねえ……」

936: 名無しさん 2013/01/25(金) 17:43:35 ID:tNswx696
召喚士「………」

ネメア「これが将軍か?」

剣士「ああ……」

ネメア「お嬢は……何かあったのか?」

剣士「………」

ネメア「………」

召喚士「剣士……」

剣士「………」

召喚士「俺は今約束を守ったよ」

剣士「………」

召喚士「今度はお前が約束を守れよ」

剣士「………」

召喚士「喚起士さんはこの先か?」

剣士「ああ……この上に行ったぜ……」

937: 名無しさん 2013/01/25(金) 17:50:39 ID:tNswx696
召喚士「そっか……行こうネメア」

ネメア「は?この状況で行けるか!」

召喚士「剣士……俺達は必要か?」

剣士「……いや、必要ねえぜッ!」

召喚士「………」

ネメア「………」

召喚士「行くから。お姫様も守れよ」

剣士「ああッ!任せとけッ!」

召喚士「………」

タタタッ……

将軍「何故行かせた?」

剣士「てめえこそ……」

将軍「………」

剣士「盗賊よ……こっちは俺だけでいいから姫さんを守ってくれ」

盗賊「………」

942: 名無しさん 2013/01/27(日) 09:37:29 ID:WW7Gp7D.


タタタ……

召喚士「………」

ネメア (剣士を信頼し……か。中々やるではないか)

召喚士「………」

ネメア (少ぉ…………しだけ見直したぞ、召喚士よ)

召喚士「あああ……」

ネメア「どうした?」

召喚士「恐かったね……」

ネメア「……は?」

召喚士「あの人何か超睨らんできたよ……あんなんと戦うんじゃなくて良かったよね」

ネメア「………」

召喚士「喚起士さんの仇もあんな感じなのかな……」

ネメア「………」

召喚士「やる気無くなるよね」

943: 名無しさん 2013/01/27(日) 09:50:35 ID:WW7Gp7D.
ネメア「………」

召喚士「もっとこうさ……なんて言うの、色気みたいな物欲しいよね」

ネメア (こいつ……自分が今置かれている状況を理解してるのか……?)

召喚士「あはははは!」

ネメア「……???」

召喚士「そこに何か妖精が見えるよぉ」」

ネメア「………」

召喚士「………」ブツブツ……

ネメア (ああ……そう言う事か……)

召喚士「オッパイ……オッパイ……」

ネメア (先程の……剣を受けた時の恐怖で錯乱してるのか……)

召喚士「………」

ネメア「行くか……」

タタタッ……

944: 名無しさん 2013/01/27(日) 12:14:59 ID:WW7Gp7D.


傭兵「ぉぉ……」

召喚士、ネメア「………」

傭兵「魔物を従えた女同士の戦いなんて滅多に御目にかかれないぜえ……」

召喚士「あんたこんな所で何やってんの……?」

傭兵「はべだがばばきゃあわッ!」ビクゥッ!

召喚士「………」

傭兵「ななななんだ……お前さんか。ビビらすなよ……」

召喚士「何でいるの……?」

傭兵「何でってそりゃ……俺とお前達は仲間だからさ!」

ネメア「仲間にしたのか……」

召喚士「俺はしたつもりは一切無いけど……」

傭兵「………」

ネメア「……まあいい。そこをどけ」

945: 名無しさん 2013/01/28(月) 00:06:08 ID:pSDUD3bE
傭兵「まあ待ちなよ。クククッ」

ネメア「ああ?」

傭兵「少し様子を伺ってからのがいいだろうがよ。な?」

ネメア「………」

傭兵「それに、扉の隙間見てみ」

召喚士、ネメア「……?」ソゥ……

傭兵「な?」

ネメア「何が、な?なのだ……」

召喚士「なるほど……」

傭兵「わかるか……」

召喚士「わかる……」

ネメア「?」

傭兵「これは世紀の対決だ。水を指しちゃいけねえぜ」

召喚士「……そうだね」

ネメア「………」

946: 名無しさん 2013/01/28(月) 23:23:25 ID:pSDUD3bE
傭兵「いいな……」

召喚士「いいね……」

ネメア「何がだ?」

傭兵「こう……な」

召喚士「そう……ね」

ネメア「………」

傭兵「神乳対……」

召喚士「魔乳の戦い……」

ネメア「………」

傭兵「おいおい……あの白い魔物に押し付けてるぜ……」

召喚士「喚起士さんも負けずに頑張って貰いたいな……」

ネメア「………」

949: 名無しさん 2013/01/29(火) 22:49:53 ID:o4X74bgM


喚起士「………」

魔喚士「神の側に居る者を人間の都合で好きにしてはならないって。知らないわよそんな事」

喚起士「………」

魔喚士「例え神の側に居る者でも私はカンヘルを心から愛してしまったんだもの……」

喚起士「………」

魔喚士「貴女のお兄さんもそれを止めようだなんて馬鹿げてると思わない?」

喚起士「………」

魔喚士「……だから言ってあげたの。無駄な努力ご苦労様……死ねって」

喚起士「………」ギリ……

魔喚士「そうその目!そっくりだわ。……でもその目好きよ」

喚起士「………」

950: 名無しさん 2013/01/30(水) 06:50:40 ID:Y.GX3B0c
魔喚士「悔しさ……無念さ……その類いの感情が籠った視線……」

喚起士「………」

魔喚士「そんな目で見詰められたら……ふふ、濡れてきちゃう」

喚起士「兄は……さぞ悔しかったでしょう……」

魔喚士「そうかも。カンヘルを還せなかった……」

喚起士「いえ、そうではありません……」

魔喚士「……?」

喚起士「貴女のような人間を相手にしなければいけなかった事……貴女のような人間を止められなかった事です……」

魔喚士「………」

喚起士「……これから私はカンヘルを討ちます。そして貴女には……」

魔喚士「殺す?」

喚起士「いいえ。貴女が興味が無いと言っていた人間に裁いて貰います」

魔喚士「そう……」

951: 名無しさん 2013/01/30(水) 09:52:05 ID:Y.GX3B0c
喚起士「………」

魔喚士「それで……お兄さんのようにならなければ良いわね……ねえカンヘルふふ」

カンヘル「……ゥゥ」

ジノ (このカンヘル……何かおかしい……)

魔喚士「さあ……始めましょう。貴女の悲鳴聞かせて頂戴……それが私の糧になり……カンヘルの糧になる……」

喚起士「………」

魔喚士「お兄さんのように……すぐに死なないでね」

喚起士「……闇夜に架かる初月の如く眠れる射の牙よ……いざ我の元にッ!」

スバシュウッ!

魔喚士「へぇ……武具召喚ね。珍しい」

喚起士「ジノ……行きます。お願いしますね」

ジノ「任せといてッ!」

953: 名無しさん 2013/02/03(日) 01:43:35 ID:CypyY4k2


将軍「ヌアアアッ!」ゴスッ!

ガギッ!……ギチ……

剣士「……グゥゥゥッ!」

将軍「もう力の差は歴然だ。諦めろ」

剣士「………」

将軍「己が生き歩むべき道から逃げたお前が死ぬ事からは逃げぬとは狡猾だな」

剣士「………」

将軍「……楽にしてやる。疲れただろう?逃げ生きる事に。死ぬ事に怯える事に」

剣士「………」カチャ……

将軍「………」

盗賊「………」

将軍「そうか……剣を下げたと言う事は……」

剣士「俺はよ……」

954: 名無しさん 2013/02/03(日) 01:53:37 ID:CypyY4k2
将軍「……?」

剣士「お前から逃げた時から……強くなろってな頑張ってきたんだぜ……」

将軍「………」

剣士「お前ら……権力を持ってる奴等が弱い人に……魔物にしてる事……全部ぶっ壊してやろってな……」

将軍「………」

剣士「だがよ……全然強くなんねえんだよ……弱いままだ……」

将軍「………」

剣士「嫌だよな弱いって……何にも助けらんねえし……欲しいもん何にも手に入らねえしよ……」

将軍「………」

剣士「今な……自分が弱過ぎて泣くほどぉぐやしいんだぜええ!」

将軍「………」

剣士「はあ……怖えよぉ……悔しいよぉ……ぐうぅ……」

955: 名無しさん 2013/02/03(日) 02:03:35 ID:CypyY4k2
将軍「………」

剣士「………」カチャ……ドッ!

将軍「剣を床へ突き刺し何をするつもりだ?」

剣士「……先へ行くんだよ」

将軍「………」

剣士「盗賊よ……」

盗賊「……剣士」

剣士「俺が死んじまったら……姫さんに名前貰ってくれよ」

盗賊「………」

剣士「………」

盗賊「嫌……」

剣士「そっか……なら死ねねえな……」

盗賊「………」

剣士「……親父これで終わりだ。来いやッ!」

将軍「終わりか……出来るだけ苦しませずに逝かせてやる。行くぞッ!」バッ!

958: 名無しさん 2013/02/08(金) 17:51:24 ID:LaAmcW5s


将軍「……ッ!!」

剣士 (悪い盗賊……俺死んだわ……)

将軍「………ッ!」

剣士 (人間死ぬ前には……周りの音が聴こえなくなるんだな……)

……死と向き合った先に真の強さがあるのではないのか?

剣士 (ああ?……ネメアよ、本当にそんなもんあんのかよ……)

……私を守って!……私……弱いから……

剣士 (すまねえ姫さん……その約束守れそうもねえわ……俺も弱えから……)

……戦う相手を倒したいの?

剣士 (盗賊よ……何でそう思うんだろうな。負けたくねえ……から?どうなんだろうな……)

……剣士さ、何で旅をしてるの?

剣士 (………)

……強くなりたいんだろ?……何も言わないで付いて来ればいい

剣士 (………)

960: 名無しさん 2013/02/08(金) 23:41:34 ID:LaAmcW5s
……今度はお前が約束守れよ

剣士 (召喚士……)

剣士 (どうすれば召喚士に追い付けるんだろな……)

剣士 (……一度でいいから……)

将軍「………ッ!」

剣士 (早く斬れよ……?……剣が……)

将軍「……ッ!」

剣士 (遅せえ……これが先ってやつなのか……)

……無刀取り

剣士「………」バッ……

バシッ……シャァッ!……

961: 名無しさん 2013/02/08(金) 23:52:47 ID:LaAmcW5s


傭兵「あの白い魔物に服引っ掛かって胸元捲れねえかな……」

召喚士「………」

ネメア (なんだあれは……カンヘルの様子がおかしい……)

傭兵「上下に動けって!」

召喚士「ネメア……」

ネメア (くだらん事を言うのだろ……無視だ)

召喚士「喚起士さん……本当にカンヘル倒せるんだよね?」

ネメア「………」

召喚士「もし……」

ネメア「心配はいらない。一撃で終わる」

召喚士「え……一撃?」

ネメア「………」

召喚士「喚起士さんはそんな凄い攻撃出来るの……?」

ネメア「そうだ」

962: 名無しさん 2013/02/09(土) 00:05:07 ID:JeZWtkNE
召喚士「でも……かわされたり……」

ネメア「それも無い。ジノがいるからな」

召喚士「ジノ?ジノがどうするの?」

ネメア「………」

召喚士「………」

ネメア「私は……本来、止めるべき立場だ……」

召喚士「……何を?」

ネメア「ジノの死を……」

召喚士「……は?」

ネメア「ジノが選んだ選択だ。私は黙って見ている事しか出来ない……」

召喚士「………」

ネメア「………」

傭兵「左右でもいいぜってぇぇッ!」

963: 名無しさん 2013/02/09(土) 06:47:54 ID:JeZWtkNE
召喚士「ジノが何するかわからないけど死ぬって……ネメア本当にそれでいいの……」

ネメア「いいわけ無いだろ!……だが」

召喚士「だが何?……お前自分の妹だろ!助けてやれよ!」

ネメア「私だってそうしたい!だが私ではどうする事も出来ないんだ!」

召喚士「なんだよどうする事も出来ないって!ふざけんなよッ!」

ネメア「お前にわかるか!助ける事も身代りになる事も出来ず、ただその死を見ている事しか出来ない者の気持ちが!」

召喚士「そんなのわかってたまるかッ!お前がジノを助けてやらなくて誰が助けるんだよ!」

ネメア「………」

召喚士「喚起士さんも何で平気でいられるんだ!仇を討つ為ならジノがどうなってもいいって言うのかよ!」

ネメア「喚起士は……ジノの事は知らない……」

964: 名無しさん 2013/02/12(火) 06:35:02 ID:FnPWxzw.
召喚士「なんだよそれ!ジノは喚起士さんの為に死んでも良いって事なのかよ!」

ネメア「そうだ……それがジノの覚悟だ」

召喚士「………」

ネメア「後……もしジノを救えば喚起士が死ぬ」

召喚士「………」

ネメア「……これでも私の勝手でジノを助けられると思うか?あの二人が……相手を想うが故の行動を……」

召喚士「なんなんだよ……そんなの……」

ネメア「………」

召喚士「本当になんなんだよ……」

ネメア「………」

召喚士「………」

ネメア「召喚士よ」

召喚士「………」

965: 名無しさん 2013/02/12(火) 07:27:04 ID:FnPWxzw.
ネメア「きっと私が言った事が正しく無く……お前が思っている事が正しいのだろう……」

召喚士「………」

ネメア「………」

召喚士「何か手は無いの……?二人供助けるさ……」

ネメア「………」

召喚士「俺は……喚起士さんとジノを死ぬのを見るのにここまで付いて来たなんて嫌だよ……」

ネメア「………」

召喚士「………」

ネメア「私はな、ジノの話をして……お前があんなに真剣に怒るとは思わなかった……」

召喚士「……?」

ネメア「お前の言った言葉で今心が揺らがなければ……私は兄失格だ……」

召喚士「………」

ネメア「召喚士……力を貸せ。二人を助けるならばお前の力がどうしても必要だ」

召喚士「……俺の力?」

967: 名無しさん 2013/02/13(水) 05:45:42 ID:UJMZJiKI
ネメア「……そうだ」

召喚士 (お、俺の力……って。まさかここに来て何か開花しちゃったのか……?)

ネメア「………」

召喚士 (ネメアにしかわからない何かを……)

ネメア「貸すのか貸さないのか……どうする?」

召喚士「そ、その力ってなに?」

ネメア「………」

召喚士「………」

ネメア「まだ知る必要は無い。いいから貸すのか貸さないのか答えろ!」

召喚士「……それで本当に助けられるんだよね?」

ネメア「ああ、間違いなく」

召喚士「なら……貸すよ。俺。力を存分に使ってよ!」

968: 名無しさん 2013/02/13(水) 05:54:47 ID:UJMZJiKI
ネメア「ありがとう召喚士……」

召喚士「いいよ。あ、あのさネメア……?」

ネメア「なんだ?」

召喚士「その力を使うのに……蒼頭みたいな刀無くて良いのかな?」

ネメア「?」

召喚士「ほら、格好良く構えて……卍

ネメア「いらん……何も必要無い……」

召喚士「そっか……」

ネメア「………」

召喚士「何かポーズ決めなくて

ネメア「必要無い!」

召喚士「そっか……」

ネメア「………」

召喚士「やっぱりこう格好いい

ネメア「しつこいッ!いらんと
言ったらいらんッ!」

971: 名無しさん 2013/02/14(木) 06:39:08 ID:taapZjHo


喚起士「………」グッ……

シュパッ……グバッ!キンッ……

カンヘル「……ゥゥ」

魔喚士「まあ当然よねフフ。その矢で私を倒せればそれで終わりなんだから」

喚起士「………」

魔喚士「でも無駄。私を狙ってもカンヘルが守ってくれるし」

喚起士「確認しただけですから」

魔喚士「そう。……さあ見せて、貴女の最高の攻撃を!」

喚起士「ジノ……」

ジノ「………」コクッ

喚起士「闇夜に輝きし地獄の狩人よ……師の意志を受け継ぎし清浄と破浄の力を!いざ我の元にッ!」

……ォォォオオオッ………

魔喚士「………」

喚起士「………」

972: 名無しさん 2013/02/14(木) 13:33:26 ID:taapZjHo
魔喚士「……ん?まさか……その矢だけかしら?」

喚起士「そうです……この一本の矢だけです」

魔喚士「………」

喚起士「………」

魔喚士「そんなみすぼらしい矢で……一体何が出来ると言うの?もしかして馬鹿にしているのかしら」

喚起士「いいえ、馬鹿になどしていません。……これで終わります」

魔喚士「ふぅん……」

ジノ「行くよ喚起士!」

喚起士「お願いします!」

ジノ「……たああ!」ダッ!

ダダダッ!……ガシッ!

カンヘル「……ゥゥ」

魔喚士「……?カンヘルを捕まえて何を……」

973: 名無しさん 2013/02/17(日) 02:01:47 ID:sJm1aWKg
ジノ (なんで張り付いても何もしないの?)ググッ……

魔喚士 (……何するかわからないけど、このままやらせてあげるって言うのはシャクよねフフフ……)

喚起士「………」グッ!

魔喚士「カンヘル……」

カンヘル「……ゥゥゥ」……ガブッ

ジノ「え……ギャアアァァ……ァァ……」

ズガァッ!ズザザザァァ……

喚起士「ジノッ!」

ジノ「アア……アアァァ……グア……」

魔喚士「フフッ駄目じゃないカンヘル。つまみ食いしちゃ」

喚起士「ジノ!ジノッ!」

ジノ「喚起……士……ァァ……」

魔喚士「ごめんなさいね。邪魔しちゃって」

974: 名無しさん 2013/02/17(日) 23:39:43 ID:sJm1aWKg


執事「………」

女兵士「………」

執事「……これならば如何でしょうか」スゥ

女兵士「………」クイッ

執事「………」

女兵士「……マズッ」

執事「………」

女兵士「何でお湯を淹れるだけなのに不味いのって!」

蒼頭「御婦人……あまり言わぬ方が……」

女兵士「はい……貴方かそう仰るならって」ウフッ

蒼頭「………」

執事「……?……蒼頭様」

蒼頭「……は、はい?」

975: 名無しさん 2013/02/17(日) 23:47:56 ID:sJm1aWKg
執事「上へ参りましょう……終わりの時が来たようで御座いますので」

蒼頭「終わりの時?……誰がの戦闘が終ったと言う意味で御座ろうか?」

執事「………」

蒼頭「………」

女兵士「……?」

執事「……本来なら私めはここを通さぬ役目で御座いました。それももうお仕舞いのようです……」

蒼頭「そうか……剣士やったな……」

執事「旦那様……」

蒼頭「………」

女兵士「私は?どうするって?」

執事「貴女様はここへお残りになられた方が……」

女兵士「いーやッ!女ひとり残してどうすんのよ!」

976: 名無しさん 2013/02/18(月) 00:04:05 ID:ZMS7SnIc
執事「しかし……」

蒼頭 (御老人もハッキリ言ってやればいいものの……)

女兵士「男二人で勝手に決めるなって!」

蒼頭「男二人で?」

女兵士「はい……私のナイト様……」

蒼頭「某……女ですぞ……?」

女兵士「……男でしょ?」

蒼頭「女で御座ります……」

女兵士「嘘ぉ……」

執事「蒼頭様は女性で在られますよ。人間と同じ……いえ、これは余計な事で御座りますね……」

女兵士「………」

蒼頭、執事「………」

977: 名無しさん 2013/02/18(月) 00:21:37 ID:ZMS7SnIc


将軍「こ、これは……」

剣士「無刀取り……ってんだ……」

将軍「………」

剣士「……てめえの負けだ」

将軍「………」

剣士「………」

盗賊「……剣士」

剣士 (やべっ……膝が笑ってやがる……。蒼頭はこんなんを涼しい顔してやりやがったのか……なんて野郎だ……)

将軍「………」

剣士「どうする?まだ続けるか?あ?」

将軍「………」

バタンッ……

978: 名無しさん 2013/02/19(火) 00:13:34 ID:KU2pF0SQ
蒼頭「剣士!……姫様!姫様如何なされたッ!」ダッ

執事「旦那様……坊っちゃん……」

剣士「………」

将軍「爺……お前が来たと言う事は……終わりか」

執事「はい……旦那様……いえ、将軍様……」

剣士「……?」

将軍「………」

執事「坊っちゃん……もう剣を下ろしてください……」

剣士「………」カチャン……

将軍「そうか……そう……か……」

剣士「爺よ……てめえの願い、これで叶ったな?こいつの……」

執事「はい……」

979: 名無しさん 2013/02/21(木) 00:29:30 ID:CrihNsXw


蒼頭「姫様!確りとしてくだされ!」

姫宮「………」

蒼頭「お子!何があった!?」

盗賊「………」

姫宮「蒼頭……」

蒼頭「姫様……」

姫宮「私……女王じゃ無いんだって……」

蒼頭「……どう言う事で御座ろうか」

姫宮「私……あたじ……ふうぁああっ私は誰なのぉぉ!」

蒼頭「………」

姫宮「蒼頭……うぅ私は何なのぉ……何なの……」

蒼頭「………」

980: 名無しさん 2013/02/21(木) 00:38:24 ID:CrihNsXw
剣士「蒼頭……来い」

蒼頭「何があった……姫様が……」

剣士「あいつよ……ここの王の子じゃ無いんだとさ……」

蒼頭「………」

剣士「何て言ってやれば……あいつを守るって言ったのによ……」

蒼頭「………」

剣士「あいつを救える言葉……俺にはねえんだよ……」

蒼頭「………」

剣士「どうしたらいいんだろうな……」

蒼頭「……某に任せろ」

剣士「………」

蒼頭「………」

982: 名無しさん 2013/02/22(金) 17:55:50 ID:6G0JB8vY


姫宮「………」

蒼頭「姫様……姫様の事、剣士に伺いました」

姫宮「蒼頭……私……」

蒼頭「……誰であろうと姫様は姫様では御座らんか」

姫宮「でも……」

蒼頭「ご自分で……自分が自分では無いと申されるか」

姫宮「………」

蒼頭「姫様お聴きください……今、姫様はご自分が否定され……そして己自身も否定しようとしておられます」

姫宮「………」

蒼頭「それでは……あの頭巾を取った一件までの某のような者になってしまいますぞ?」

姫宮「………」

983: 名無しさん 2013/02/24(日) 23:27:06 ID:hx8P20vo
蒼頭「姫様は生涯、自分として生きていかねばならないのです」

姫宮「………」

蒼頭「……これは某がネメア殿に言われた言葉ですがな。姫様の心情痛いほどわかりますが……」

姫宮「………」

蒼頭「………」

姫宮「………」

蒼頭「………」ソゥ……ダキ……

姫宮「………」

蒼頭「某……幼少の頃は甘えん坊でしてな。何かあればこうして母上の胸元に……」

姫宮「………」

蒼頭「辛いで御座いましょう……悲しいで御座いましょう……」

姫宮「うぅぅ……」

蒼頭「姫様、今は……泣かれる事が姫様に必要で御座います……」

984: 名無しさん 2013/02/25(月) 00:13:30 ID:IkHoAVp2


執事「………」

将軍「私が目指した物はなんだったのだ……答えてくれないか執事よ……」

執事「儚き白日夢……触れてしまえば脆くも崩れ去る夢幻……で御座います……」

将軍「………」

執事「どうかこの行いで生じた罪を償い……以前、共に過ごした時間を取り戻しに……」

将軍「そのような事が許されると思っているのか……?」

執事「いいえ……」

将軍「そうか……」

執事「本来であれば将軍様を止める役目……私めが勤めるべきでありました……」

将軍「………」

985: 名無しさん 2013/02/25(月) 00:25:07 ID:IkHoAVp2
執事「偶然とは言え……坊っちゃんに……」

将軍「言うな。……これはこうなるべくしてなった事なのだろう……」

執事「………」

将軍「また……お前の淹れた不味い茶を飲みたいものだ」

執事「………」

将軍「ふふ……その様な顔をするな」

執事「将軍様……」

将軍「世話になった。……次にお前と会うのは地獄か」

執事「はい……」

将軍「ではな……」ダッ……

執事「………」

執事「うぅくぁ……私めは……私めは……」

986: 名無しさん 2013/02/25(月) 15:26:19 ID:IkHoAVp2


将軍「………」カチャ……

剣士「……また剣持って何するつもりだ」

将軍「聴け。……ここより三里離れた場所に私の軍が展開している」

剣士「………」

将軍「この国の兵が私の贄になる事から逃れられぬようにな」

剣士「チッ……」グッ……

将軍「……それは貴様が止めろ。我が子ならば出来るだろう」

剣士「……どう言うつもりだ?」

将軍「………」

剣士「………」

将軍「人は完全を求め……完璧な世界を造ろうと……」

剣士「………」

将軍「そこに辿り着くまでに如何なる事も無謬しなければならない……」

987: 名無しさん 2013/02/25(月) 18:03:49 ID:IkHoAVp2
剣士「………」

将軍「白き布に一点の染みが無いようにな。……だが私はそれを成せなかった……」

剣士「………」

将軍「今の私ならば……いや、止めておこう。もしは無いのだからな」

剣士「……さっきから何を言ってやがる」

将軍「事を成せぬ者がどうなるか……その末路を見せてやろうと思ってな」

剣士「………」

将軍「………」スゥ……カチャ……

剣士「………」グッ……

ヒュッ……ドスッ!

剣士「なッ!?」

988: 名無しさん 2013/02/27(水) 06:44:52 ID:duYrLUns
将軍「グアァァ……グゥ……」

剣士「てめえ何してやがるッ!自分を……」

将軍「確りと……見ておけ……」

剣士「………」

将軍「貴様が否定した者の最後を……ッ!」

剣士「………」

将軍「……お前……いい剣を手に入れたな……」

剣士「………」

将軍「………」

剣士「……とっとと逝け」

将軍「フフ……気を……使わせたな……。お前の前で……父親……面……」

剣士「………」

将軍「……せねば……」

剣士「………」

989: 名無しさん 2013/02/27(水) 13:31:55 ID:duYrLUns
将軍「………」

剣士「………」

剣士「ふざけんなよ……」

剣士「何が貴様が止めろだ……てめえの尻拭い押し付けやがって……」

剣士「こんな事になるなら……最初っからすんなよ……」

剣士「………」

剣士「……てめえはこの世界を……」

剣士「………」

剣士「馬鹿だぜ……親父よ……」

剣士「………」

990: 名無しさん 2013/02/27(水) 13:41:40 ID:duYrLUns


ネメア「………」

召喚士 (俺の力ってなんだよぉぉもうぅぅぅッ!)

ネメア「………」

召喚士 (もったいつけるなよぉぉぉ!)

ネメア「………」

召喚士 (……そうか!まだ知らなくていいって事は、まだやっちゃ駄目だからだな。と言う事は……)

ネメア「………」

召喚士 (変身系か!なるほど……変身してから出てっても俺だってわからないもんな……)

ネメア「……ついにか」

召喚士 (それならそうって言ってくれよネメアぁ。……あれ?じゃあ必要だよな……)

ネメア「ジノ……」

召喚士 (決め台詞みたいなの!)

ネメア「………」

991: 名無しさん 2013/02/27(水) 14:17:03 ID:duYrLUns
召喚士 (こう……格好いいのがいいよな……)

ネメア「あれが……レラジェの魔矢か……」

召喚士 (んん……チェイングッ!……ちょっと違うな……)

ネメア「………」

召喚士 (正義……友情……勝利……愛……愛ッ!そうこれ!愛ってフレーズは入れたいな!)

ネメア「……恐ろしい力だ」

召喚士 (愛ある限り戦いましょう……この命燃え尽きるまでッ!……どっかで聞いた事あるな……)

ネメア「ッ!」

召喚士 (愛……愛……愛故に!……ちょっとな……)

ネメア「行くぞ召喚士ッ!」

召喚士「え?ま、まだ決まって無いんだよ!」

バターンッ!

996: 名無しさん 2013/02/28(木) 09:55:52 ID:Vyl2H42k


喚起士「ジノ!」

ジノ「喚起士……来ちゃ……駄目だよ!」

喚起士「ですが……」

ジノ「……いいから!ゴホッ……はぁ……」

魔喚士「お腹食べられても自分の所に来ないでって……健気なスフィンクスねぇフフッ」

喚起士「………」

魔喚士「スフィンクスもああ言う風に言ってるんだから、その矢で攻撃してきたら?」

喚起士 (ジノがいなければ……この矢は射てない……)

魔喚士「どうしたの?ほらほら早くしないとスフィンクス死んじゃうわよ」

喚起士「クッ……」

バターンッ!

ネメア「ジノォッ!」

997: 名無しさん 2013/02/28(木) 15:18:20 ID:Vyl2H42k
喚起士「ッ!召喚士さん!」

魔喚士「またお客さんね……はぁ」

ジノ「兄……ちゃん……ハァハァ……」

ネメア「ジノ……」

魔喚士「……どなた?」

ネメア「貴様に名乗る名など無い!行くぞ召喚士ッ!」バッ!

召喚士「俺にも格好い

ダダッ!……ガシッ!

魔喚士「………」

ネメア「喚起士よッ!その矢を射るのだッ!」

喚起士「安易に射てません!」

ネメア「全てジノから聞いているッ!大丈夫だ!」

喚起士「………」

998: 名無しさん 2013/02/28(木) 15:56:49 ID:Vyl2H42k
召喚士「ひいぃぃ……」

ネメア「召喚士よ恐れるな!お前は私に力を貸すのだろ!?」

召喚士「そ、そうだ……俺には力がる怖くない怖くない……」

ネメア「喚起士ッ!早くしろッ!」

喚起士「しかし……ッ!」

ネメア「私を信じろッ!」

喚起士「……わかりました」

召喚士 (目の前に化け物いるとやっぱり怖えぇぇぇぇッ!)

魔喚士「またなの……ふぅ。カンヘル……」

カンヘル「……ゥゥ」ガッ

ネメア「噛み付いても無駄だッ!」

魔喚士「な……カンヘル振り払いなさい!」

999: 名無しさん 2013/02/28(木) 16:09:33 ID:Vyl2H42k
カンヘル「……ゥゥガァッ」ガスッ!

ネメア「離すかッ!」

魔喚士「あら凄いのねぇ……カンヘルでも振り払えない、噛み付かれても平気なんて」

ネメア「ジノにした事……カンヘルを葬った後、償わせるからなッ!」

魔喚士「やってご覧なさい。無駄だしね……」

ネメア「ウオォォォオオッ!」グググッ

召喚士 (怖くない怖い怖くない怖い怖くない怖い……)

喚起士「………」グッ!

ネメア「まだかッ!?」

喚起士「射ちますッ!!」

シュパッ!……