590: 名無しさん 2019/09/11(水) 13:42:48.86 ID:FJdXbrQLo
志希「んっふふ! そう? 本当にそう思う?」 

武内P「はい、そういった印象があります」 

志希「成功成功♪ にゃはははは♪」 

武内P「えっ?」 


志希「って事で、まったね~♪」 


武内P「は、はあ……」 


奏・美嘉「……!」


引用元: ・武内P「キスします」

591: 名無しさん 2019/09/11(水) 13:45:45.59 ID:FJdXbrQLo
  ・  ・  ・ 

志希「どう? 凄いデショ!」 


奏・美嘉「凄い」 

奏「まさか……彼が、あんなに簡単に」 

美嘉「てか! どんな魔法を使ったの!?」 


志希「魔法じゃなくて、化学――ケミカルで~す♪」 

志希「あたしの専門分野の――に・お・い♪」ニコッ! 


奏・美嘉「……」 

奏・美嘉「匂いで……?」

592: 名無しさん 2019/09/11(水) 13:50:01.78 ID:FJdXbrQLo
志希「今日のあたしは、いつもと違う所があります」 

奏「匂いって言うからには……香水、よね」 

志希「ピンポンピンポーン♪ だーいせーいかーい♪」 

美嘉「でもさ、香水を変えただけで見た目の印象って変わる?」 


志希「見た目の印象って言うのは、視覚から取り込んだ情報を」 


奏・美嘉「簡単に」 


志希「……」 

志希「あ、はい」

593: 名無しさん 2019/09/11(水) 13:55:21.90 ID:FJdXbrQLo
志希「印象って、見えたものをどう思うか、でしょ?」 

奏「ええ、確かにそうね」 

志希「重要なのは……『どう思うか』の部分」 

美嘉「それを香水で変える……ってコト?」 


志希「その通り~♪」ペカー! 

志希「日本の製薬会社の研究で解明された、脳のメカニズム!」 

志希「デカラクトンとウンデカラクトンが与える影響g」 


奏・美嘉「簡単に」 


志希「……」 

志希「解説くらい、したいんだけどな~」

594: 名無しさん 2019/09/11(水) 14:03:20.91 ID:FJdXbrQLo
  ・  ・  ・ 

奏・美嘉「……」 


奏「――今日の私は、ピーチの香り」 

奏「いつものマリン系の香水じゃない」 

奏「……正直、驚いたわ」 

奏「事務所に来るまで、OLに間違われなかったもの」 


美嘉「――今日のアタシは、ココナッツの香り★」 

美嘉「いつもはオレンジとかの柑橘系なんだケドね」 

美嘉「……アタシも、ビックリしたよ」 

美嘉「莉嘉が、今日のお姉ちゃんなんかカワイイ、だってさ★」 


奏・美嘉「……!」グッ…!

595: 名無しさん 2019/09/11(水) 14:07:28.28 ID:FJdXbrQLo
奏「そして、後は……」 

美嘉「ジャーン★ ちゃんと持ってきたよー★」 

奏「……その、キンモクセイのアロマを焚けば」 

美嘉「……ンフッ★」 


奏・美嘉「可愛く見られる」 


奏・美嘉「……」 


奏「ま、まあ? ちょっとしたお遊びみたいなものよね?」 

美嘉「そ、そうだね! 今後のために、的な? みたいな!」

596: 名無しさん 2019/09/11(水) 14:13:33.05 ID:FJdXbrQLo
  ・  ・  ・ 

ガチャッ! 

美嘉「ヤッホー★ 顔出しに来たよー★」 

奏「今、大丈夫かな?」 


武内P「城ヶ崎さん、速水さん」 

周子「今日は暑いし、アイスの実の桃食べなー」 

フレデリカ「ささっ! ココナッツ餅、召し上がれ♪」 

武内P「おはようございます」 


奏・美嘉「遅かった……!」 


武内P「えっ?」

597: 名無しさん 2019/09/11(水) 14:17:18.72 ID:FJdXbrQLo
美嘉「ちょっと二人共! こっち来て!」 

奏「どういう事か、説明して貰える?」 

ぐいっ! 

フレデリカ・周子「にゃ~ん」 


武内P「あの……皆さん?」 

武内P「一体、何が……」 


奏・美嘉「ちょっと待ってて」 


武内P「は、はあ……」 


…バタンッ! 


武内P「……?」

598: 名無しさん 2019/09/11(水) 14:21:31.35 ID:FJdXbrQLo
美嘉「……二人共、どういうコト!?」 

周子「日差しが強かったから?」 

奏「そうじゃなくて。あの差し入れ、何?」 

フレデリカ「ハワイのおみやげ! ママかパパの!」 


奏・美嘉「……偶然?」 


フレデリカ・周子「何が?」 


奏・美嘉「……」 

奏・美嘉「どういう偶然……!?」

599: 名無しさん 2019/09/11(水) 14:27:09.48 ID:FJdXbrQLo
周子「もう良い? アイスだから溶けちゃうし」 

奏「確かに、そうだけど……」 

フレデリカ「うんうん、ココナッツ餅が育って木になっちゃう!」 

美嘉「何の木になるの? もちもちの木?」 


フレデリカ・周子「そろそろアロマもきいてきただろうし」 


奏・美嘉「アロマ?」 


フレデリカ・周子「そう、キンモクセイの」 


奏・美嘉「……」 

奏「ちょっと待って。明らかに、偶然じゃないわよね?」 

美嘉「狙ってやってんじゃん! 全っ然グーゼンじゃないし!」

600: 名無しさん 2019/09/11(水) 14:33:02.92 ID:FJdXbrQLo
フレデリカ「まずいよシューコちゃん! バレそうだよ!」 

周子「多分まだ大丈夫だから、慌てない慌てない」 

フレデリカ「それもそっか♪ 凄く落ち着いた♪」 

周子「そうそう、気楽にいこー」 


美嘉「いやいやいやいや! バレてるからね!?」 


奏「美嘉はともかく、私は誤魔化せると思わないで」 


美嘉「ちょいちょーい!?」 


奏「……あら、美嘉も気づいてたのね」 


美嘉「皆の中のアタシって、何!?」

601: 名無しさん 2019/09/11(水) 14:39:54.39 ID:FJdXbrQLo
奏「……良いわ、協力しましょう」 

周子「んー? 何をー?」 

美嘉「トボけてもムダだからね?」 

フレデリカ「ここが年貢の収め時か! おヌシも悪よのう!」 


奏「良い? お互い、邪魔は無し」 


美嘉・フレデリカ・周子「……」 


奏「彼に狙いがバレた時……」 

奏「……恥ずかしい思いをするのは全員だから」 


美嘉・フレデリカ・周子「……」…コクリ

602: 名無しさん 2019/09/11(水) 14:43:15.62 ID:FJdXbrQLo
…ガチャッ! 

奏・美嘉・フレデリカ・周子「……」 


武内P「皆さん」 

武内P「先程は、一体何が……」 


奏・美嘉・フレデリカ・周子「……」 

スタスタスタスタ…ボスッ 


武内P「あの……皆さん?」 


奏・美嘉・フレデリカ・周子「……」ジーッ…! 


武内P「い、一体……何が……!?」

603: 名無しさん 2019/09/11(水) 14:49:08.99 ID:FJdXbrQLo
奏「とりあえず、アイスからかな」 

周子「そうだねー。全員、いっとく?」 

美嘉「マジ? 良いの?」 

フレデリカ「アタシのも良いよん♪ だから、しるぶぷれ~♪」 


武内P「皆さん、何の話をされて……」 


奏・美嘉・フレデリカ・周子「……」 

ごそごそっ! 

奏・美嘉・フレデリカ・周子「あーん」 

すっ… 


武内P「……待ってください」 

武内P「いえ、あの……同時に差し出されても」

604: 名無しさん 2019/09/11(水) 14:53:01.67 ID:FJdXbrQLo
奏・美嘉・フレデリカ・周子「あーん」 

武内P「自分で食べられm」 

奏・美嘉・フレデリカ・周子「あーん」 

武内P「せめて、一人ずつd」 

奏・美嘉・フレデリカ・周子「あーん」ニコッ! 

武内P「え、笑顔を向けられてm」 


奏・美嘉・フレデリカ・周子「あーん」ニコ~ッ! 

すっ… 


武内P「い……いただきます」 

ぱ…くっ! 

武内P「……」モグモグ… 

武内P「っ!?」キーンッ!

605: 名無しさん 2019/09/11(水) 14:56:46.70 ID:FJdXbrQLo
奏「どう? どんな感じ?」 

武内P「お、美味しいです……」 

美嘉「そうじゃなくて、他には?」 

武内P「ほ、他に?」 

周子「何か違わなーい?」 

武内P「……昔より、美味しくなった気がします」 

フレデリカ「わお! 美味しいって、良い事だよね!」 


奏・美嘉・フレデリカ・周子「まだ、足りないみたい♪」ニコ~ッ! 

すっ… 


武内P「えっ!?」 

武内P「足りない、とは!?」

606: 名無しさん 2019/09/11(水) 14:59:48.68 ID:FJdXbrQLo
  ・  ・  ・ 

奏・美嘉・フレデリカ・周子「どう?」 


武内P「っ……!」キーン…! 

武内P「き、キーンとします」キーン…! 


奏「……変ね、おかしいわ」 

美嘉「キュンじゃなくて、キーン?」 

周子「んー……もう、全部食べさせちゃったし」 

フレデリカ「でも、桃の香りはたっぷり♪ イェイ♪」 


武内P「ど、どういう事でしょうか……!?」キーン…!

607: 名無しさん 2019/09/11(水) 15:02:30.69 ID:FJdXbrQLo
武内P「お願いします、説明を……!」 


奏・美嘉・フレデリカ・周子「……」 

ごそごそっ! 

奏・美嘉・フレデリカ・周子「あーん」 

すっ… 


武内P「!? 待ってください!」 

武内P「ココナッツ餅を同時に四つは、あまりにも!」 


奏・美嘉・フレデリカ・周子「あーん」ニッコニコ~ッ! 


武内P「何故……良い笑顔で……!?」

608: 名無しさん 2019/09/11(水) 15:08:32.63 ID:FJdXbrQLo
  ・  ・  ・ 

武内P「……」モニュモニュ…! 


奏「……ふふっ! 口の中がいっぱいね!」 

美嘉「アハッ★ リスみたいで、カワイイじゃん★」 

周子「どうする? 写真とか撮っとく?」 

フレデリカ「わお、ナイスアイディア!」 


奏・美嘉・フレデリカ・周子「……一旦噛むのやめてー」 


武内P「……」 


奏・美嘉・フレデリカ・周子「はい、チーズ」 

パシャッ! 


武内P「……」 

武内P「……」モニュモニュ…!

609: 名無しさん 2019/09/11(水) 15:14:33.35 ID:FJdXbrQLo
武内P「……」モニュモニュ… 

武内P「……」…ゴ、クンッ! 


奏「それで……どうかな?」 

美嘉「もう、ピーチとココナッツが凄いワケだケド……」 

周子「部屋の中も、キンモクセイの良い匂いだよねー」 

フレデリカ「正直な感想、しるぶぷれ♪」 


武内P「……お腹がいっぱいです」 


奏・美嘉・フレデリカ・周子「そうじゃなくて」 


武内P「いえ、あの……」 

武内P「……す、すみません」

610: 名無しさん 2019/09/11(水) 15:22:22.55 ID:FJdXbrQLo
  ・  ・  ・ 

武内P「――と、言うような事がありまして」 

ちひろ「皆、不機嫌になっちゃったんですか?」 

武内P「はい……」 

ちひろ「私、あの子達がどうして欲しかったかわかりますよ」 

武内P「えっ?」 

ちひろ「少し前に、話題になりましたから」 


武内P「千川さん、教えて下さい」 

武内P「私は、何故彼女達を怒らせてしまったのでしょうか?」 


ちひろ「……」 

ちひろ「はぁ……もう、本当に……」

611: 名無しさん 2019/09/11(水) 15:27:35.43 ID:FJdXbrQLo
ちひろ「こういうのは、自分で気づかないと!」 

武内P「いえ、しかし……」 

ちひろ「ヒントは匂い、です」 

武内P「匂い……?」 


ちひろ「答えがわかったら……ふふっ!」 

ちひろ「きっと、あの子達が可愛く見える筈ですよ」 


武内P「……あの、千川さん」 

武内P「もう少しだけ、ヒントを……」 


ちひろ「駄目です。これ以上言うと――」 


ちひろ「鼻つまみ者になっちゃいます」 




おわり