75: 名無しさん 2018/08/18(土) 20:34:34.70 ID:IpOF9WVEo
ありす「はい。文香さんが本を読んでいる姿」 

ありす「あれこそ正に、素敵な女性のイメージです」 

武内P「なるほど。橘さんは、そう思う……と」 

ありす「プロデューサーさんも、素敵だと思いませんか?」 

武内P「……はい」 


武内P「素敵だと、そう、思います」 


アイドル達「!」

76: 名無しさん 2018/08/18(土) 20:40:33.98 ID:IpOF9WVEo
凛「――ねえ、プロデューサー」 

武内P「? どうかしましたか、渋谷さん」 


凛「卯月って、アスパラガスみたいだよね」 


武内P「えっ? あ、あの……どういう意味でしょうか?」 

凛「あっ、何か勘違いしてるでしょ」 

武内P「勘違い、ですか」 

凛「うん」 


凛「アスパラガスの花言葉は――平凡」 

凛「だけど――私は打ち勝つ」 

凛「……なんて、そんな花言葉もあるんだ」 


武内P「そう……なのですね」 


アイドル達「へええ!」

77: 名無しさん 2018/08/18(土) 20:45:55.57 ID:IpOF9WVEo
凛「どう? ピッタリだと思うんだけど」 

武内P「そう……かも知れませんね」 

凛「それでね、もう一つの花言葉があって、さ」 

武内P「はい」 


凛「――耐える恋」 


凛「卯月って、何となくそんな恋愛しそうじゃない?」 

凛「普通の自分に悩んで、でも、耐えて、耐えて……」 

凛「それで、最後には勝つ」 

凛「ね?」 


武内P「少し……わかる気がします」 


アイドル達「うんうん!」

78: 名無しさん 2018/08/18(土) 20:54:10.39 ID:IpOF9WVEo
凛「こんな風に、野菜にも花言葉ってあるんだよ」 

凛「知ってた?」 

武内P「いえ、知りませんでした」 

凛「だと思った。勿論、果物にもね」 

凛「ねえ、何か好きな野菜か果物、言ってみてよ」 

武内P「でしたら――レモン、でしょうか」 

凛「レモンの花言葉は――」 


凛「――熱意、誠実な愛」 


凛「……」 

凛「……何なの!?///」 


武内P「えっ!?」

79: 名無しさん 2018/08/18(土) 21:00:40.88 ID:IpOF9WVEo
奏「――見てられないわね」 

凛「……///」 

武内P「? どうかしましたか、速水さん」 


奏「ねえ、人はどうしてキスをするか、知ってる?」 


武内P「えっ? それは……深く、考えたことはありませんでした」 

奏「ふふっ、大体の人は、そうなんじゃないかな」 

武内P「そう、だと思います」 

奏「キスはね、ロマンチックなだけじゃないの」 


奏「人は、キスをする事でバクテリアを交換しているの」 

奏「相手が、自分にとって有害なバクテリアを持っていないか」 

奏「それと、必要なDNAを持っているかを判定しているのよ」 


武内P「そう……なのですね」 


アイドル達「へええ!」

80: 名無しさん 2018/08/18(土) 21:05:28.85 ID:IpOF9WVEo
奏「ねっ? キスをするのは、本能なの」 

武内P「そう……なのですね」 

奏「子孫を残すための、前準備」 

武内P「……」 


奏「――人間も、やっぱり動物なのよ」 


奏「キスで、相手を確かめるの」 

奏「自分と相手の、生物的な相性を」 

奏「だから、特別なようで、とても自然な行為なのよ」 

奏「そう思わない?」 


武内P「そういう意味でしたら……はい」 


アイドル達「うんうん!」

81: 名無しさん 2018/08/18(土) 21:11:56.60 ID:IpOF9WVEo
奏「愛を囁いて、本能に従ってキスをする」 

奏「唇って、本当に働き者よね」 

武内P「……ええ、そうですね」 

奏「ふふっ、勉強になったかな?」 

武内P「ええ、ありがとうございます」 

奏「それじゃあ……ご褒美を貰おうかな」 


奏「この流れなら……わかるでしょう?」 


武内P「えっ?」 


奏「……」 

奏「……じょ、冗談よ!///」 


武内P「はあ……?」

82: 名無しさん 2018/08/18(土) 21:23:47.26 ID:IpOF9WVEo
美波「――もう、しょうがないわね」 

凛・奏「……///」 

武内P「? どうかしましたか、新田さん」 

美波「二人の話をまとめちゃいますね」 

武内P「は、はあ」 


美波「19世紀のフランス、アスパラガスは――」 

美波「――新婚初夜に、花婿が食べる習慣があったんです」 

美波「その理由は……あっ、美波、イキます♡」 


武内P「っ!?」 


凛「ちょっと! 変なまとめ方しないでくれる!?」 

奏「本能を重視過ぎよ、美波! やめて!」 


アイドル達「……へ、へええ///」

83: 名無しさん 2018/08/18(土) 21:31:42.97 ID:IpOF9WVEo
美波「他にも、2世紀に書かれたインドのえっちな本」 

美波「『カーマ・スートラ』にも、アスパラガスの事が載ってるんです」 

武内P「そ、そうですか」 

美波「はい。だから、アスパラガスは昔から――」 


美波「――男の人を元気にさせるって言われてたんですよ♪」 

美波「んっ、ちょっとイキます♡」 

美波「……それが言いたかったのよね?」 

美波「凛ちゃん、奏さん♪」 


凛・奏「全然!?」 


武内P「……」 


凛「違うから! そうじゃないから!」 

奏「わかるでしょう!? 違うわよ!?」 


アイドル達「……///」

84: 名無しさん 2018/08/18(土) 21:40:13.09 ID:IpOF9WVEo
アーニャ「――プロデューサー」 

武内P「? どうかしましたか、アナスタシアさん」 


美波「ええっ!? アスパラガスとキスの話をまとめたら……」 

凛「だから、どうしてまとめたの!? おかしいでしょ!」 

奏「おかげで、私まで変に思われちゃったじゃないの!」 


アーニャ「私は、日本語と、ロシア語と、英語が、話せますね?」 

武内P「ええ、そう……ですね」 

アーニャ「褒めてくれますか? アーニャは、アー、お利口さん?」 

武内P「? はい、そう、思います」 

アーニャ「お利口さん、ですね?」 


武内P「はい。アナスタシアさんは……その、お利口さん、です」 


アーニャ「ウラ――ッ!」グッ! 


アイドル達「……」

85: 名無しさん 2018/08/18(土) 21:46:42.74 ID:IpOF9WVEo
アーニャ「お利口さんは、頭がいい、ですね?」 

武内P「え、ええ、そうですね」 

アーニャ「頭がいいは、ンー、知的、ですね?」 

武内P「そう、なりますね」 

アーニャ「アーニャは……素敵……?」 

武内P「? はい」 


武内P「アナスタシアさんは、素敵な方だと、そう、思います」 


アーニャ「ウラー! ハラショー、素敵、ですか!」 

武内P「はい」 

アーニャ「う~っ、ウラー♪ 嬉しい、です♪」ニコニコッ! 


アイドル達「……」 


凛・奏・美波「……」

86: 名無しさん 2018/08/18(土) 21:53:30.43 ID:IpOF9WVEo
凛「ねえ、ちょっと! 私も花言葉を披露したんだけど!?」 

奏「私も、キスに関しての知識を教えてあげた筈なんだけどな?」 

美波「私なんか、その二つをセックスさせましたよ!?」 

凛・奏「それは良いから!」 

アーニャ「シトー? リンは、褒めて欲しいのですか?」 

凛「べ……別に!? そういうんじゃない、そう……ふーん!」 

アーニャ「キトー? カナデは、どうなのですか?」 

奏「アーニャ? ねえ、今何て? ねえ、ちょっと?」 


武内P「あ、あの……落ち着いてください!」 


アイドル達「……」

89: 名無しさん 2018/08/18(土) 22:02:49.96 ID:IpOF9WVEo
アーニャ「イズヴィニーチェ、間違え、ました」ジッ 

奏「ねえ、どうして私の髪を見てるの? アーニャ?」 

美波「大丈夫よ、奏さん! 自信をもって!」 

奏「何に!? これ、怒っていい場面よね!?」 

凛「やめてよ、奏。怒ったりなんかしたら……ぷ、ふふっ!」 

奏「……」 


奏「ねえ……そんなに変、かな……?」 


武内P「えっ? いえ――」 

武内P「――素敵だと、思いますが」 


奏「……」 

奏「……!」ドヤァァ! 


凛・美波「……」 


アイドル達「……」

90: 名無しさん 2018/08/18(土) 22:08:42.76 ID:IpOF9WVEo
凛「……あのさ」 

武内P「はい?」 

凛「……私は?」 

武内P「えっ?」 

美波「プロデューサーさん!」 

美波「私は、素敵だと思いますか!?」 

武内P「ん……んん、はい、そう……ですね」 


武内P「新田さんは、素敵だと思います」 


美波「こんなの初めてっ!♡」ビクンビクーンッ! 


凛「……!」 


アイドル達「……」

91: 名無しさん 2018/08/18(土) 22:14:02.95 ID:IpOF9WVEo
凛「もう、なんなn」 

ありす「――もうっ! プロデューサーさん、困ってるじゃないですか!」 

凛「ちょっ、台詞が被っ」 

ありす「褒められたいからって、良くないと思います!」 

凛「ねえ、あり「橘です!」 

ありす「見てください、文香さんの様子を!」 


文香「……」 

ペラッ…ペラッ… 


ありす「この騒ぎでも、知的に本を読み続ける!」 

ありす「とってもクールで、素敵です!」 


アイドル達「……確かに」

92: 名無しさん 2018/08/18(土) 22:19:37.69 ID:IpOF9WVEo
ありす「知的なのと、知識があるのは違います」 

ありす「大切なのは、振る舞いです」 

ありす「――ですよね、文香さん!」 

文香「……えっ?」 

ありす「文香さんは、変にアピールをしません!」 

ありす「それは、大人の女性らしい、慎ましさがあるからです!」 

文香「……えっ? その……」 


文香「話に……入っていったら」 

文香「その……損をするだけだと、思って……」 


ありす「……」 

ありす「ほら、知的!」 


一同「……」

93: 名無しさん 2018/08/18(土) 22:28:34.20 ID:IpOF9WVEo
ありす「褒められたいなら、我先にじゃなく――」 

ありす「――ちゃんと、順番を決めるべきだと思います」 


武内P「えっ?」 


ありす「私達は、理性のある人間です」 

ありす「本能のままに行動するのではなく」 

ありす「理性でそれを抑える事が、知的さに繋がるんじゃないでしょうか」 

ありす「少なくとも、私はそう思います」 


武内P「じゅ、順番と言いましても……」 


ありす「年齢順でも、何でも良いと――」 



楓「――温泉」 



一同「!?」

94: 名無しさん 2018/08/18(土) 22:33:10.24 ID:IpOF9WVEo
武内P「たっ、高垣さん!?」 

楓「温泉の『♨』マークの意味は、ご存知ですか?」 

武内P「えっ? 湯気と……浴槽、ですよね?」 

楓「はい。そして――」 


楓「湯気を表す、三本の線はそれぞれ――」 

楓「夕飯前、夕飯後、翌日の朝と……三回入る事を示してるんです」 

楓「だから、温泉に行ったら、三回は入るものなんですよ♪」 


武内P「……はあ」 


楓「……」 

楓「……?……?」オロオロオロオロ! 


アイドル達「褒めて! 早く、褒めて!」 


武内P「えっ!?」

95: 名無しさん 2018/08/18(土) 22:40:24.79 ID:IpOF9WVEo
武内P「よ……よく、ご存知ですね」 

楓「……」 

楓「……?……?」オロオロオロオロ! 


アイドル達「もっと! もっと、褒めて!」 


武内P「今ので、ですか!?」 

武内P「待ってください! それは、あまりに厳しすぎます!」 

楓「お……温泉饅頭」 


楓「――温泉地で売っていれば……」 

楓「温泉で蒸していなくても、温泉饅頭と呼ぶんですよ♪」 


アイドル達「……」 

アイドル達「…………へえ」 


武内P「皆さんも反応に困っているではありませんか!?」

96: 名無しさん 2018/08/18(土) 22:49:06.20 ID:IpOF9WVEo
  ・  ・  ・ 

ちひろ「――成る程、それで」 

武内P「……はい」 

ちひろ「皆の、知的な所を見つけて、素敵って褒めるなんて事に……」 

武内P「……ええ」 

ちひろ「スタドリ、いります?」 

武内P「……ありがとう、ございます」 

ちひろ「ちなみに、次の予定の子は、誰なんですか?」 

武内P「それは――」 


ガチャッ! 

茜「おはようございます!! ボンバ――ッ!!」 


武内P「……おはようございます」 

ちひろ「お、おはよう、茜ちゃん」

97: 名無しさん 2018/08/18(土) 23:00:10.24 ID:IpOF9WVEo
茜「早速ですが、私の知的な所ってどこでしょうか!?」 

武内P「そ、そう……ですね」 

茜「くーっ! 私にも知的な所があるなんて、楽しみです!!」 

武内P「え……ええ」 

茜「知りたくて知りたくて、ダッシュで来ました!! ファイヤーッ!!」 

武内P「……」 


武内P「い……良い、知的好奇心です」 


茜「おおっ!! 好奇心が、知的で、良いって事ですか!?」 

茜「なるほどー! 私にも、好奇心が知的っていう、素敵があったんですね!!」 


武内P「……せっ」 

武内P「千川さんは、どう思いますか?」 


ちひろ「えっ!? ええと、ええっと……」 

ちひろ「知的……うん、その……」 


ちひろ「素敵だと思います!」 



おわり