936: 名無しさん 2018/10/04(木) 22:13:42 ID:iF52EWBM
専務「ああ、そうだ」

武内P「あの……仰っている意味が、よく……」


専務「アイドルとは言え、彼女達も普通の人間だ」

専務「色々と、悩みを抱える事もあるだろう」

専務「そんな悩みを相談する相手として――君は、選ばれたのだ」


武内P「……」

武内P「いえ、あの! 増々、意味がわからなくなりました!」




                        引用元: 
・武内P「担当Pの浮気に困っている?」
937: 名無しさん 2018/10/04(木) 22:22:47 ID:iF52EWBM
専務「何?」

武内P「百歩譲って……私が選ばれたという事は、わかりました!」

専務「百歩譲ってもらう必要は無い」

武内P「専務! ここは……譲って頂けませんか!?」

専務「いいや、駄目だ」

武内P「っ……! で、では! アプリというのは!?」


専務「君の音声、そして、反応を用いて作成されたAIアシスタント」

専務「――346プロの、総力を結集して作られたアプリ」

専務「名前は……まだ、決まっていないが――」

専務「――どうだ? 何か、いい案はあるか?」


武内P「待ってください!」

武内P「既に、開発は終わっているのですか!?」

938: 名無しさん 2018/10/04(木) 22:30:55 ID:iF52EWBM
専務「時計の針は、待ってはくれない」

武内P「専務! お願いがあります!」

専務「? 何だ」


武内P「……アイドルの皆さんの相談を聞くアプリ」

武内P「……それ自体は、いい企画だと思います」

武内P「ですがせめて! 私の音声、反応を利用するのは!」


専務「……そこまで言うのならば、良いでしょう」


武内P「っ! 専務!」


専務「君の音声、反応が返ってくるのは――」

専務「――今の利用者限定、という事にしよう」


武内P「待ってください!」

武内P「既に、利用されている方が居るのですか!?」

939: 名無しさん 2018/10/04(木) 22:40:41 ID:iF52EWBM
  ・  ・  ・

奏「――ヘイ、P」


武内siri『――レッスン、お疲れ様です』


奏「今日のレッスンはハードで、疲れちゃったわ」

奏「だから……ご褒美のキスを貰えるかしら?」

武内siri『申し訳ありませんが、私にはその機能はありません』


奏「あら……本当にそう……?」…スッ


武内siri『待ってください……速水さん、いけません』


奏「ふふっ! 嫌なら、逃げたら良いんじゃない?」


武内siri『……その機能も、私にはありません』


――ちゅっ

940: 名無しさん 2018/10/04(木) 22:48:32 ID:iF52EWBM
  ・  ・  ・

専務「――と、この映像の通りだ」

武内P「待ってください! あの……今のは!?」


専務「アイドルが、アプリを利用した時」

専務「何か、大きな問題になる可能性がある場合……」

専務「その時の映像と音声をこちらに転送し――」

専務「――今の様に、閲覧出来るようになっている」


武内P「専務! それは、あまりに非人道的すぎます!」


専務「相手が人でないならば、キスもねだり放題」

専務「スキャンダルに……問題にならない」


武内P「確かに」

武内P「……」

武内P「あ、いえ! 今のは! 今のは、その……!」

941: 名無しさん 2018/10/04(木) 22:53:59 ID:iF52EWBM
専務「想定していた利用方法とは、確かに違う」

専務「だが、アイドルと言うのは私達の想像を越えていく……」

武内P「ですが……今のは、あまりにも……!」

専務「ならば、君は速水奏にアプリを削除しろと?」

武内P「……お願いします」

専務「……ふむ」


専務「君は、思っていたよりも残酷な男のようだな」


武内P「……」

武内P「えっ?」

942: 名無しさん 2018/10/04(木) 22:59:24 ID:iF52EWBM
  ・  ・  ・

――ちゅっ


奏「……」

武内siri『――おはよう、ございます』

奏「ふふっ、おはよう」

武内siri『声をかけていただければ、十分なのですが』

奏「あら……おはようのキスは、お気に召さなかった?」

武内siri『申し訳ありません。よく、わかりません』

奏「……ふぅん?」


奏「だったら――わからせてあげる」


――ちゅっちゅちゅちゅちゅっちゅっ

943: 名無しさん 2018/10/04(木) 23:05:11 ID:iF52EWBM
  ・  ・  ・

専務「――彼女は、こんなにも喜んでいるというのに」

専務「君には、この笑顔が見えないのか?」

武内P「見せないでください!」

武内P「お願いします! 速水さんの、笑顔のために!」

専務「……ふむ、良いでしょう」


専務「では、他の利用者の映像も見せよう」


武内P「えっ!?」


専務「それを見れば、君も認めざるを得ないだろうからな」


武内P「……!?」

944: 名無しさん 2018/10/04(木) 23:12:03 ID:iF52EWBM
  ・  ・  ・

仁奈「――ヘイ、P!」

  ・  ・  ・


武内P「――映像を止めてください!」

専務「? 何故だ」

武内P「専務! この映像は、あまりにも!」

専務「時計の針は、待ってはくれない」


  ・  ・  ・

仁奈「パパもママも居ないけど……」

仁奈「でも! Pと二人なら、寂しくねーでごぜーます!」

仁奈「二人で食べる晩ごはん、おいしーなー♪」

  ・  ・  ・


武内P「もう……もう、やめてください!」

946: 名無しさん 2018/10/04(木) 23:21:58 ID:iF52EWBM
専務「君は、彼女にもアプリを削除しろと言えるか?」

武内P「いえ、それは……!?」

専務「答えを聞かせて貰おう」

武内P「……言えません」


専務「ならば、アプリの利用を認めるな?」


武内P「……彼女達に限っては、はい」

武内P「ですが! 他の方には、削除していただきたい、と」

武内P「……そう、思います」


専務「……ふむ」

947: 名無しさん 2018/10/04(木) 23:28:26 ID:iF52EWBM
  ・  ・  ・

武内siri『……真っ暗で、何も見えません』

武内siri『ここは、一体?』


??「ふふっ! どこだと思いますか?」

??「当ててみてください♪」


武内siri『申し訳ありません。わかりません』


??「あっ、当たって……イキますっ♡」


武内siri『えっ!?』

武内siri『待ってください!』


??「あっ、また♡ またイキますっ♡」


武内siri『待ってください! 待ってください!』

948: 名無しさん 2018/10/04(木) 23:38:47 ID:iF52EWBM
  ・  ・  ・

専務「――このアプリのために……」

専務「防水仕様の携帯に、買い替えた者も居る」


武内P「……なるほど」

武内P「ですが、私の拳には耐えられない、と」

武内P「……そう、考えました」


  ・  ・  ・

??「ああんっ♡ 壊れちゃうっ♡」

  ・  ・  ・


武内P「あの! 映像を止めて頂けますか!?」

950: 名無しさん 2018/10/04(木) 23:49:31 ID:iF52EWBM
武内P「先程から、見ていた限りは……!」

武内P「誰も、想定していた用途――相談をしていない、と」

武内P「……そう、見えたのですが!?」


専務「無論、それは私も承知している」

専務「だが、良い効果をもたらしているのは――」

専務「――否定出来まい?」


武内P「っ! それは……!」


  ・  ・  ・

??「あっ♡ イイっ♡ 凄くイイっ♡」

  ・  ・  ・


武内P「……」

武内P「専務、映像を止めてください」

951: 名無しさん 2018/10/05(金) 00:02:38 ID:VCrrjECM
武内P「確かに、良い効果をもたらしているのは、事実なのでしょう」

武内P「ですが、私でなくとも……良いのではないでしょうか?」

専務「ふむ、その通りだ」

武内P「……専務、教えて頂けますか」


武内P「何故、私が選ばれたのですか?」


専務「以前、君に言い負かされた形になり――」

専務「――少し、イラッとしたからだ」キリッ!


武内P「……」

952: 名無しさん 2018/10/05(金) 00:09:23 ID:VCrrjECM
武内P「専務……あの、その理由は……あまりにも」

専務「見なさい」


専務「――ヘイ、P!」


武内siri『専務……おはよう、ございます』


武内P「っ!?」

武内P「専務も、アプリを利用して……!?」


専務「フフッ……!」

専務「――島村卯月を切れ!」


武内siri『島村さんは、綺麗というよりも可愛い系です』


専務「っ!? 何を言っている!?」


武内P「……」

武内P「音声入力に失敗しているではありませんか!」

953: 名無しさん 2018/10/05(金) 00:17:58 ID:VCrrjECM
専務「待ちなさい! 今のは、間違いだ!」

武内siri『間違い、ですか』

武内siri『専務でも、間違いをおかす時があるのですね』

専務「……それは当然だろう」

専務「私とて、全てが完璧という訳ではない」


武内siri『ですが……そう、あろうとしている』

武内siri『私には、その姿が――とても、輝いて見えます』


専務「……」

専務「……フフッ、そうか」ニコッ!


カシャッ!


武内siri『……良い、笑顔です』


武内P「……」

954: 名無しさん 2018/10/05(金) 00:23:11 ID:VCrrjECM
  ・  ・  ・

武内P「……恥ずかしさのあまり、走って逃げてしまった」

武内P「だが……これから、どうしたら……」

武内P「……」

武内P「……専務は、携帯を置き忘れて……」

武内P「……」

武内P「…………」


武内P「……ヘイ、P」


武内siri『――おはよう、ございます』


武内P「……おはよう、ございます」

955: 名無しさん 2018/10/05(金) 00:31:18 ID:VCrrjECM
武内P「貴方は、私を元に作られたアプリ……だそうです」

武内siri『はい、その通りです』

武内P「ならば、今、私が考えている事が……わかりますか?」

武内siri『はい』


武内siri『私の消し方、ですね』

武内siri『一部の方を除き……』

武内siri『インストールされている方、全員の』


武内P「! その通りです!」

武内P「誰がインストールしているかも、わからず……!」

武内P「どうしたら、良いのでしょうか!?」


武内siri『……頑張ってください』


武内P「……」

武内P「えっ?」

956: 名無しさん 2018/10/05(金) 00:39:39 ID:VCrrjECM
武内siri『諦めずにいれば、きっと道は開けます』


武内P「もっ、もっと! もっと、具体的に!」

武内P「具体的な方法は、ありませんか!?」


武内siri『画面上のアプリのアイコンをタップして長押しし――』


武内P「ではなく!」

武内P「私は、どうすれば良いのでしょうか!?」


武内siri『笑顔です』


武内P「えっ?」


武内siri『笑うしか無い、と』

武内siri『……そう、思います』




おわり