453: 名無しさん 2018/07/02(月) 13:55:10.70 ID:nGUtm0Y5o
拓海「あー、なんつーか、今度博多で仕事があんだよ」 

武内P「はい」 

拓海「アタシの担当は、飛行機で行くっつってんだよな」 

武内P「はい」 

拓海「でもよォ……たまには、旅の情緒ってのも悪かないだろ? な?」 

武内P「そう……ですね」 

拓海「だろ!? いやー、話がわかるじゃねえか!」 

武内P「……」



引用元: ・武内P「今日はぁ、ハピハピするにぃ☆」

454: 名無しさん 2018/07/02(月) 13:58:10.80 ID:nGUtm0Y5o
拓海「だけどよ、そう言っても聞かねーんだ」

武内P「……なるほど」

拓海「って事でよ、アンタからも言ってやって欲しいんだよ」

武内P「今度の移動に、新幹線を使うように……ですか」

拓海「ああ。当然、全部とは言わねえ」


拓海「新大阪から、博多まで新幹線に乗れりゃ良いんだ」


武内P「……」

武内P「わかりました」

455: 名無しさん 2018/07/02(月) 14:03:57.75 ID:nGUtm0Y5o
武内P「それでは……早速、向井さんの担当に連絡を」

拓海「マジか、オイ! もう話通してくれんのか!?」

武内P「……もしもし」

拓海「やっぱりよぉ、こんだけ話が早いと助かるぜ!」

武内P「はい……今度の、向井さんの移動手段の話で……はい」


武内P「新大阪から、博多までの移動手段なのですが……ええ」

武内P「ハローキティの新幹線を利用s」


拓海「オラァァァ!」

パシッ!…ピッ!

武内P「あの……話の、途中だったのですが」

拓海「キティちゃんの新幹線ってお前、お前……オラァァァ!」

武内P「……」

456: 名無しさん 2018/07/02(月) 14:07:46.02 ID:nGUtm0Y5o
拓海「アタシが一言でも、キティちゃんの新幹線っつったか!? あぁ!?」

武内P「いえ、ですが……」

拓海「ナメてんのか!? アタシは、特攻隊長、向井拓海だぞ!」

武内P「……」

拓海「キティちゃんの新幹線っつったら、お前……可愛いだろうが!」

武内P「……はあ」


拓海「あぁ!? んだ、その薄い反応はよォ!?」

拓海「キティちゃんの新幹線だぞ!? わかってんのか!?」

拓海「可愛いに決まってんだろうが! えぇ!?」


武内P「……」

武内P「そう、ですね……はい」

457: 名無しさん 2018/07/02(月) 14:13:33.96 ID:nGUtm0Y5o
武内P「なので……それを利用したいのかと、そう、思いまして」

拓海「アタシの頭ん中、勝手に決めてんじゃねーぞ!」

武内P「も、申し訳ありません」

拓海「今度ナメた真似したら、どうなるかわかってんのか、コラ!」


武内P「――ちなみに、こちらが車内の写真になります」


拓海「うお……なんだよ、この可愛さ……やべえだろ、コレ」


武内P「……」

拓海「……」

拓海「オラァァァ!/// オラァァァ!///」

武内P「……」

458: 名無しさん 2018/07/02(月) 14:18:08.08 ID:nGUtm0Y5o
武内P「向井さん」

拓海「……んだよ、改まって」

武内P「……新幹線で、旅の情緒を味わいたいとの事でしたが」

拓海「お、おう……そうだ」

武内P「……」


武内P「ハローキティの新幹線があると、ご存知ですか?」


拓海「おい、テメエ! アタシをからかってんのか!?」

拓海「さっきまで、その話をしてたじゃねーか!」


武内P「ハローキティの! 新幹線があると!」

武内P「……ご存知ですか?」


拓海「……」

拓海「!」

拓海「いや……そんなモンがあるなんて、初めて聞いたぜ!」

460: 名無しさん 2018/07/02(月) 14:27:22.23 ID:nGUtm0Y5o
武内P「そうでしたか……ご存知、無かったと」

拓海「知らねえ知らねえ、これっぽっちも知らねえぜ、そんなのはよ!」

武内P「少し、説明させていただいても、よろしいですか?」

拓海「しょーがねーなー! 聞いてやるよ! ホラ、さっさと話せ!」


武内P「ハローキティ新幹線は、つい先日――」

武内P「2018年、6月30日に運行を開始しました」

拓海「ピカピカの新車って事だな! くうーっ、燃えるぜ!」


武内P「運行しているのは――」

武内P「こだま730号 博多駅(06時40分)発~新大阪駅(11時13分)着」

武内P「こだま741号 新大阪駅(11時29分)発~博多駅(15時38分)着」

武内P「……なので、新大阪から、昼前に乗る形になりますね」

拓海「それに間に合わなかったらヤベエ……ギリギリの勝負っつ―事だな!」


拓海「これで熱くならねえ奴はいねえよなぁ!?」キラキラッ!


武内P「……」

武内P「そうですね」

461: 名無しさん 2018/07/02(月) 14:33:36.60 ID:nGUtm0Y5o
武内P「そうですね……新大阪までは、バイクで移動するのも良いかと」

拓海「あぁ!? 愛車を乗り捨てろっつーのか!?」

武内P「いえ、そうではありません」

拓海「だったらどういう事だよ、オイ!?」


武内P「向井さんは、新大阪からは新幹線で移動し……」

武内P「バイクの方は、別ルートで博多まで搬送」

武内P「時間差はあると思いますが、現地で合流する形に」


拓海「バッ……バカ、お前そんなん……!」

拓海「最高じゃねえか! えぇ!? えっ、最高じゃねえか!?」


武内P「……」

462: 名無しさん 2018/07/02(月) 14:42:21.02 ID:nGUtm0Y5o
拓海「っつー事はよぉ……アレか?」

武内P「新大阪までは、ツーリングを楽しみつつ……」

拓海「キティちゃんの、新幹線でよぉ……」

武内P「旅の情緒を楽しみつつ、リラックスして頂き……」

拓海「それで、アレだろ? 向こうでも……な?」

武内P「そうですね……日程に余裕があれば、ツーリングを」

拓海「……帰りは、どうすんだよ?」

武内P「ご希望でしたら、同じ様に、新幹線で」

拓海「……キティちゃんのか? えぇ?」

武内P「はい」


拓海「ざけんじゃねえぞ! テメエ、この、オイィ!」

拓海「そんなんよぉ、そんなん……伝説が出来ちまうじゃねえか!」

拓海「どうすんだ!? あぁ!? 伝説だぞ、伝説!」


武内P「……」

武内P「その心配は、無いと思われます」

463: 名無しさん 2018/07/02(月) 14:55:31.46 ID:nGUtm0Y5o
拓海「あぁ!? 上等だ、コラ! 伝説、作ってやろうじゃねえか!」

武内P「一号車は、『HELLO!PLAZA』で買い物も出来ますが……」

拓海「……買い物だぁ?」

武内P「はい。サンリオのグッズが」

拓海「……そりゃあ、さすがによ……マズくねえか?」

武内P「? 何が、でしょうか?」

拓海「アタシがよ……そんな、か、可愛いグッズとか……なぁ?」

武内P「……」

拓海「ま、まあ別に!? いらねーんだけどな! 興味ねえし!」


武内P「手荷物が多くなってしまった時に備え――」

武内P「電車内に、スタッフを控えさせておきます」


拓海「至れり尽くせりかぁ!?」

464: 名無しさん 2018/07/02(月) 14:59:43.33 ID:nGUtm0Y5o
拓海「何なんだよ、テメエはよぉ!?」

武内P「シンデレラプロジェクトの、プロデューサーです」

拓海「それが……何で、関係ないアタシの世話を焼こうとすんだよ」

武内P「笑顔です」

拓海「……あぁ?」


武内P「向井さんの……貴女の、最高の笑顔をファンの方に届けたい」

武内P「そのために、必要なことだと……」

武内P「……そう、思いました」


拓海「……」

465: 名無しさん 2018/07/02(月) 15:04:37.37 ID:nGUtm0Y5o
拓海「……へっ、そこまで言われちゃしょうがねえな」

武内P「……」

拓海「見せてやんよ! アタシの、特攻隊長向井拓海の――」

拓海「――最高の笑顔ってやつをよぉ!」

拓海「っつーことで、アンタに任せたぜ!」


ガチャッ!


里奈「ちょりーす☆」


拓海「キティちゃんの、新幹線――」


里奈「おっ、たくみん居た居たー♪」


拓海「――なんて、乗りたくねえなぁ!」

拓海「これっぽっちも、キティちゃんなんか興味ねえぜ! 夜露士苦ゥ!」


武内P「……」

466: 名無しさん 2018/07/02(月) 15:11:16.56 ID:nGUtm0Y5o
里奈「えっ、何々? キティちゃん? 新幹線?」

拓海「今度の仕事は博多だろ? そんで、新幹線はどうかって話になってな」

里奈「おっ、たまには良いぢゃん! 旅のヂョーチョ、ってやつだね☆」

拓海「んでよぉ、キティちゃんの新幹線があるっつー話になってな?」

里奈「へー! そうなんだ!」

拓海「んでよぉ……里奈は、どう思うよ?」

里奈「ん? 何が?」

拓海「里奈が乗りてーっつーなら、キティちゃんの新幹線でもな?」

拓海「アタシは別に構わねえと思ってるんだがよ……どう思う?」

里奈「んー」


里奈「普通の新幹線でも、アタシは良いぽよ」


拓海「……!?」チラッ!

武内P「……」

467: 名無しさん 2018/07/02(月) 15:18:36.34 ID:nGUtm0Y5o
拓海「里奈、お前……キティちゃんだぞ? キティちゃん」

里奈「んー、キティちゃんは、確かにマヂ可愛いケドー」

拓海「だよな!? まあ、アタシは興味ねえがな!」


里奈「この前、りょーちゃとサンリオ行ってきたし~」


拓海「はあぁ!? 聞いてねえぞ!? いつ行ったんだよ!?」

里奈「へっ? 先週だよん♪ まぢサイコーだったし!」

拓海「アタシに声かけねえってのは、どういう事だ!? あぁ!?」

里奈「あれれ? たくみんも、行きたかった?」

拓海「そりゃあお前、そんなん……」


拓海「……い、行きたくなんかねえよ!」

拓海「ピューロランドに特攻なんて、全然したくねえっての!」


里奈「だと思って、声かけなかったんだー☆ どう? 気がきくでしょ♪」

拓海「お、おう……!」チラッチラッ

武内P「……」

468: 名無しさん 2018/07/02(月) 15:25:29.13 ID:nGUtm0Y5o
拓海「アタシには、可愛いもんとか似合わねえしな!」

里奈「えー? たくみん、ぷりちーなのも似合うと思うよー!」

拓海「アタシはヤンキーだぞ! カッコイイの方が合ってんだよ!」

里奈「そうかなぁ?」

拓海「そうだっつーの! なぁ、アンタもそう思うよな!?」

武内P「……」


武内P「つまり……逃げる、のでしょうか?」


拓海・里奈「……」

拓海・里奈「はい?」

469: 名無しさん 2018/07/02(月) 15:32:59.32 ID:nGUtm0Y5o
里奈「逃げるって……まぢトートツで、アタシわかんないよ~」

拓海「……おい。逃げるってなぁ、どういう意味だ? あぁ?」

武内P「もう一度だけ、お聞きします」


武内P「ハローキティ新幹線から……」

武内P「乗りたくない、興味がない、似合わない」

武内P「……そう言って、逃げてしまわれるのですか?」


拓海「……」

拓海「!」

拓海「ナメんじゃねえぞ、コラぁ! アタシを誰だと思ってんだ!?」

拓海「特攻隊長、向井拓海だぞ!」

拓海「キティちゃんの新幹線ぐらい、乗りこなせるに決まってンだろうが!」


里奈「た、たくみん……?」

武内P「……」

470: 名無しさん 2018/07/02(月) 15:41:15.95 ID:nGUtm0Y5o
里奈「キティちゃんの新幹線で良いの?」

拓海「アタシが、ああまで言われて逃げるわけねえだろ、里奈!」

里奈「おーっ! 燃えてるぢゃん、たくみん!」

拓海「全開バリバリ! キティちゃんなんか、モフリ倒してやんよ!」

里奈「ぢゃあ! 一緒に写真撮る、撮る? ピースピース☆」

拓海「あぁ!? 撮るに決まってんだろ? キティちゃんだぞ!」


武内P「あの……車内にキグルミを着た方は……はい」


里奈「あらら、そうなん? 残念ぷー」

拓海「……おう」ションボリ

471: 名無しさん 2018/07/02(月) 15:53:46.32 ID:nGUtm0Y5o
  ・  ・  ・

武内P「――お疲れ様です、向井さん」

拓海「うっす! お疲れ様っす!」

武内P「ハローキティ新幹線は、如何でしたか?」

拓海「うっす! 半端無かったっす! 最高でした!」

武内P「喜んでいただけたようで、何よりです」

拓海「うっす! 感謝しても、しきれねえっす!」


拓海「神泥麗羅腐露慈獲苦斗のプロデューサー、感謝します!」


武内P「あの……お礼は、結構ですので」

武内P「その変換と、話し方は……やめて頂けますか?」

472: 名無しさん 2018/07/02(月) 16:04:05.70 ID:nGUtm0Y5o
拓海「まあ……アンタがそう言うなら、普通に話すけどよ」

武内P「はい、ありがとうございます」

拓海「あのよ……もし、何か困ったことがあったら、アタシに言ってくれ」

武内P「困ったこと、ですか?」

拓海「ああ。借りは返さねえと、アタシの気がすまねえからな」

武内P「そう、ですね……では……」

拓海「あぁ? おいおい、あんのかよ、困り事が」


武内P「この果たし状の……相手をしていただきたいのですが」


拓海「果たし状だぁ!? アンタ、そんなもん送られてくんのかよ!」

拓海「ったく! どこのどいつだ、ソイツは――」


拓海「――って……ピューロランドの、招待券じゃねえか……!?」


武内P「……」

474: 名無しさん 2018/07/02(月) 16:09:57.52 ID:nGUtm0Y5o
武内P「私は、仕事がありますので……」

拓海「オイ、アンタ……これは……?」

武内P「向井さん」


武内P「その果たし状、私の代わりに受けてくださいますか?」

武内P「相手は指定されていず……最大で五人」

武内P「人数を揃えるかどうかは、お任せしますので」


拓海「……へっ! 上等だ!」

拓海「サンリオピューロランドに、特攻キメてやんよ!」

拓海「どんだけモフったか写真送るから、覚悟しとけよ!」


武内P「はい」

武内P「ご武運をお祈りします」

475: 名無しさん 2018/07/02(月) 16:15:00.51 ID:nGUtm0Y5o
  ・  ・  ・

ちひろ「……それで、今度はチケットをあげたんですか?」

武内P「ええ、まあ」

ちひろ「今度は……どのくらい、もつでしょうね」

武内P「そうですね……一ヶ月程は、忘れていてくださるかと」

ちひろ「……困りましたね」

武内P「……はい」


武内P「何故……彼女は、私にタイマンを挑んでくるのでしょうか」


ちひろ「……」

476: 名無しさん 2018/07/02(月) 16:22:02.02 ID:nGUtm0Y5o
ちひろ「きっと……最初にやった、腕相撲が悪かったんですよ」

武内P「最初の腕相撲、ですか」

ちひろ「ホラ、右手で勝負してて……」

ちひろ「……プロデューサーさんが突然、少々お待ちください、って」

武内P「電話に……はい、反対の手で出ましたね」

ちひろ「あの時、隙だらけだぜー、って……」

ちひろ「……でも、ビクともしなくて」

武内P「……」

ちひろ「あれからですよ、定期的に来るようになったの」

武内P「……」

477: 名無しさん 2018/07/02(月) 16:38:25.14 ID:nGUtm0Y5o
ちひろ「問答無用で、殴りかかって来そうな所を……」

武内P「……はい、何とか誤魔化せています」

ちひろ「でも、いつか誤魔化せなくなりますよ?」

武内P「……頑張ります」

ちひろ「他の子から、不満が出ないようにしてくださいね」

武内P「……頑張ります」

ちひろ「ちなみに……私は、不満なんですけど」

武内P「……」


武内P「そうだ……京都、行こう」


ちひろ「JR、東海」

ちひろ「――じゃないですよ!」


ちひろ「新幹線に乗っても、逃げられませんからね!」



おわり