190: 名無しさん 2018/06/25(月) 20:11:20.70 ID:2ckwowIPo
亜希「そうなのであります! 何か、いい方法はありませんか!?」 

武内P「いえ、あの……何故、その様な事を?」 

亜希「プロデューサー殿は、炎陣をご存知でしょうか?」 

武内P「はい、勿論です」 

亜希「では、率直にお聞きします!」 


亜希「私は、炎陣で浮いているとは思いませんか!?」 


武内P「……」 

武内P「ん、んんっ……いえ、その……」



                                                                                  引用元: 
・武内P「今日はぁ、ハピハピするにぃ☆」
191: 名無しさん 2018/06/25(月) 20:14:11.70 ID:2ckwowIPo
武内P「み、皆さんは……とても、良いユニットだと思います」 

亜希「それは、わかっています! ですが!」 

武内P「あの……何か、きっかけはあったのでしょうか?」 

亜希「きっかけ、でありますか?」 

武内P「はい」 


武内P「今更、不良にまでなろうと思った、きっかけがあるはずです」 


亜希「きっかけ……ん? 今更?」 

武内P「空耳です」

192: 名無しさん 2018/06/25(月) 20:19:21.53 ID:2ckwowIPo
亜希「きっかけは……はい、あります」 

武内P「! それを教えて頂けますか?」 

亜希「プロデューサー殿は、自分が炎陣で唯一の成人だとご存知で?」 

武内P「……はい、そうですね」 

亜希「つまり、打ち上げで、私一人がお酒を飲めるのです」 

武内P「あの……それが、どう、きっかけになるのでしょうか?」 


亜希「不良になれば……」 

亜希「良いではありませんか、少し位飲んでもバレないであります!」 

亜希「……そう、言えると、考えた末に至りました!」 


武内P「待ってください! 絶対に、いけませんよ!?」

193: 名無しさん 2018/06/25(月) 20:23:56.12 ID:2ckwowIPo
亜希「しかし、よく考えてみてください!」 

武内P「何をですか!?」 

亜希「炎陣の打ち上げは、焼き肉なのであります!」 

武内P「それは……はい、聞いています」 

亜希「焼き肉と言ったら、ビールでありましょうが! ビールで!」 

武内P「……はあ」 


亜希「にも関わらず!」 

亜希「いや、アタシらは未成年だから、お酒は飲まない」 

亜希「……などと! そんな事を皆は言うのです!」 


武内P「大和さん、落ち着いてください!」 

武内P「とても、普通の事を言われているだけです!」

194: 名無しさん 2018/06/25(月) 20:28:22.50 ID:2ckwowIPo
亜希「私も、そう思います……思うのですが!」 

武内P「一人で飲むのが寂しい、と?」 

亜希「そう、それ! それなのであります!」 

武内P「確かに……一人で飲むのは、はい」 

亜希「しかし、相手は未成年! バトルフィールドには、入れない!」 

亜希「規律を守れない者は、兵士失格でありますからな!」 

武内P「規律の前に、法律で定められていますから、ね」 


亜希「しかし……不良兵士ならば、どうでありましょうなぁ?」ニヤリ 


武内P「……大和さん」 

武内P「それは……悪い、笑顔です」

195: 名無しさん 2018/06/25(月) 20:34:24.88 ID:2ckwowIPo
亜希「不良兵士ならば、待機中の飲酒も存分に行う事でしょう」 

亜希「未成年に飲酒を勧めるなど、引き金を引くより容易いかと」 

武内P「それで、不良になりたい……と」 

亜希「そうであります! 常識が、邪魔をするのです!」 

武内P「あの……大和さんが、お酒を飲まないという選択肢は?」 

亜希「……実は、一度試そうとしたのですが」 


亜希「あ、大和さんは、遠慮せずにビールで良いですよ」 

亜希「……と! こう、こんな感じで! 敬語を使われたんでありますもん!」 

亜希「おかしいとは思いませんか!? さっきまで、亜希、って呼んでいたのに!」 


武内P「……はあ」

196: 名無しさん 2018/06/25(月) 20:41:21.33 ID:2ckwowIPo
亜希「自分は! あんなにも、困難な状況に陥るとは想定しませんでした!」 

武内P「それは……はい、大変ですね」 

亜希「そうでありましょう!? そうでありましょう!?」 

武内P「しかし……未成年者に、飲酒を勧めるために、不良になると言うのは……」 

亜希「ならば! 他に方法はありませんか!?」 

武内P「打ち上げで、壁を感じなくなる方法……ですか」 


亜希「むむっ! もう、こんな時間に!」 

亜希「プロデューサー殿! 現時刻をもって、このフィールドを終了!」 

亜希「次の戦場へ、移動するであります!」 


武内P「えっ?」

197: 名無しさん 2018/06/25(月) 20:45:23.05 ID:2ckwowIPo
  ・  ・  ・ 

亜希「カンパーイ!」 

武内P「か、乾杯」 

亜希「んぐっんぐっ……プハーッ! やはり、一日の締めはビールでありますなぁ!」 

武内P「……良い、飲みっぷりです」 

亜希「カレーとビールは、戦士の栄養源です! 必須栄養素ですぞ!」 

武内P「は……はあ」 


亜希「んぐっんぐっ……プハーッ!」 

亜希「生一つ、追加で!」 


武内P「ペースが早くないですか……!?」

198: 名無しさん 2018/06/25(月) 20:49:34.82 ID:2ckwowIPo
亜希「何を言うでありますか! まだまだ、飲みますよ!」 

武内P「そ、そうですか」 

亜希「むっ、料理の気配が! いただきますであります!」 

武内P「ど、どうぞ」 

亜希「むぐむぐ……んぐっんぐっ……プハーッ!」 

武内P「……良い、飲みっぷりです」 

亜希「はっはっは! この程度、余裕でありますよ!」 


亜希「ささっ! プロデューサー殿も、飲みましょう!」 

亜希「いやー! 飲む人間が共に居るというのは、違いますなぁ!」 


武内P「……はい、いただきます」

199: 名無しさん 2018/06/25(月) 20:55:06.10 ID:2ckwowIPo
  ・  ・  ・ 

亜希「だからねぇ、私もねぇ、辛いんでありますもん」 

亜希「ヤンキーって言ってもねぇ、皆案外真面目なんですもん」 

亜希「炎陣なのにねぇ、アルコール燃料はねぇ、一人だけでありますもん」 

亜希「コーラとかねぇ、烏龍茶じゃねぇ、自分は動きませんもん」 

亜希「カレーとねぇ、ビールとねぇ、あとねぇ……」 


武内P「大和さん! 酔い過ぎです、大和さん!」 


亜希「酔い過ぎ? 誰がでありますか?」 

亜希「まさか、プロデューサー殿は、もう酔っているでありますか?」 

武内P「酔っているのは、貴女です!」

200: 名無しさん 2018/06/25(月) 21:00:54.35 ID:2ckwowIPo
亜希「私に酔うだなんて、何を言ってるでありますか~も~!」ケラケラ! 

武内P「物凄くお酒に弱いではないですか!」 

亜希「誰がですか? そんな人間、確認できませんが?」 

武内P「大和さん、貴女です!」 

亜希「はっはっは! 何をおっしゃいますか!」 

武内P「二杯目のビールも、ほとんど残っていますよ!?」 


武内P「まだ、飲み始めて10分しか経っていません!」 


亜希「いえいえ、飲み始めたのは、フタマル……」 

武内P「はい、二十時の」 

亜希「マルマルモリモリ♪」 

武内P「何を言っているんですか!?」

201: 名無しさん 2018/06/25(月) 21:07:26.88 ID:2ckwowIPo
武内P「あのっ、炎陣の打ち上げも、この様な感じなのですか!?」 

亜希「何がでありますか? 焼き肉でありますか?」 

武内P「貴女は、炎陣の打ち上げの時も、ここまで酔っているのでしょうか!」 

亜希「ふぁいっ! サバゲーとぉ、プラモ収集がぁ、趣味であります!」 

武内P「聞いていません、大和さん!」 

亜希「むむむっ! これはいけませんな!」 

武内P「! あの……どうか、されましたか!?」 


亜希「この餃子……ニンニクがきいていて、美味しい!」 

亜希「これは、是非ともLIVE時の兵站に加えて頂きたい!」 

亜希「この要望が通らない場合、切腹して果てる所存ですぞ!」 


武内P「兵士を通り越して、武士になっているじゃないですか!」

202: 名無しさん 2018/06/25(月) 21:14:38.29 ID:2ckwowIPo
亜希「いやー、しかし、楽しいでありますなぁ!」 

武内P「……大和さん?」 

亜希「炎陣の打ち上げも、この様に! 皆で飲みたいのでぇ、あります!」 

武内P「……大和さん」 

亜希「んぐっんぐっ……プハーッ!」 

武内P「や、大和さん……あの、もうやめておいた方が……」 


亜希「――にも関わらず! あのヒヨッコ共は、未成年だからと!」 

ダンッ! 

亜希「断じてっ! 断じて、飲もうとしないのです!」 

亜希「この私にも、グラス一杯でやめるようにと言う始末!」 

亜希「如何思いますか、プロデューサー殿!」 


武内P「皆さんの判断は、とても正しいものだと思います!」

203: 名無しさん 2018/06/25(月) 21:19:38.22 ID:2ckwowIPo
亜希「今、何と? まさかとは思いますが、私以外のメンバーの意見が、正しいと?」 

武内P「……今の貴女の姿を見れば、そう、判断せざるを得ません」 

亜希「なるほど……つまり、私の味方は出来ない、と」 

武内P「そう、なります」 

亜希「あーあー! 言いましたな! 言ってしまわれましたな!」 

武内P「……」 

亜希「んぐんぐっ……プハーッ!」 


亜希「……ションボリでありますよ」ションボリ 

亜希「まことに……ションボリする事態でありますよ」ションボリ 


武内P「んんん……! 厄介……!」

204: 名無しさん 2018/06/25(月) 21:27:14.59 ID:2ckwowIPo
亜希「私は、楽しく飲みたいだけでありますのに……」ションボリ 

武内P「その……こうやって、別の機会に飲むのでは、いけませんか?」 

亜希「んぐっんぐっ……プハーッ!」 


亜希「それは……また、お付き合い頂けるという事でありましょうか?」 

…きゅっ 


武内P「っ!? や、大和さん、あの……手を離してください……!」 

亜希「アイドルの……私の、色仕掛けであります」 

武内P「ま、待ってください! いけません、大和さん!」 


亜希「隙ありっ!」 

バチーンッ! 

武内P「へぶっ!?」 


亜希「あっはっは! セクシーコマンド―ですよ、プロデューサー殿!」 

武内P「……」イラァッ

206: 名無しさん 2018/06/25(月) 21:33:50.97 ID:2ckwowIPo
武内P「……大和さん。そろそろ、解散しましょうか」 

亜希「お断りするでありまーす、ますまーす」 

武内P「では……私は先に、帰らせていただきます」 

亜希「おや、よろしいのですか?」 

武内P「……何がですか」 


亜希「私をこのまま放置して帰れば、どうなるかわかりませんよ?」 

亜希「この店の他の客のみならず、外にフィールドを移し……」 

亜希「通行人すらも、ちぎっては投げ、ちぎっては投げしますよ?」 

亜希「そうなった場合、私は思い処罰を受けますよ、んんー?」 


武内P「待ってください! あまりにも、非人道的すぎます!」 

武内P「と、言いますか……自分を人質にするような作戦は、やめてください!」

208: 名無しさん 2018/06/25(月) 21:47:35.39 ID:2ckwowIPo
武内P「あの、一つ……聞いても良いでしょうか」 

亜希「一つ? スリーサイズを聞く時は、三つでありましょう?」 

武内P「飲み仲間、というのは……いらっしゃらないのでしょうか?」 

亜希「勿論、居ますとも! 戦場を共に駆け抜ける、友人が!」 

武内P「では、その方と一緒に飲む機会を増やせば……満足なさるのでは?」 

亜希「ふむ……炎陣の打ち上げとは、別の機会を主戦場とする、と」 

武内P「はい。そうすれば、炎陣の打ち上げでアルコールを飲まなくても――」 


亜希「――確かに! それなら、補給は十分です!」 

亜希「成人している友人と、存分に飲み明かします!」ニコッ! 


武内P「……良い、笑顔です」 


亜希「しかし、高垣殿と飲んだ時は、翌日専務にこっぴどく叱られましてなぁ!」 


武内P「えっ」

209: 名無しさん 2018/06/25(月) 21:56:09.14 ID:2ckwowIPo
武内P「……待ってください……今、何と?」 

亜希「二人して、謝罪しか出来ない、辛い状況でありました!」 

武内P「誰と……そして、何をしたのですか!?」 

亜希「飲みながら、高垣殿と交互に、専務にイタ電をば!」 

武内P「叱られるには決まっているじゃないですか!」 

亜希「しかし、プロデューサー殿が止めてくれるならば、安心ですな!」 

武内P「待ってください! 私を巻き込ま」 


楓「ふふっ! ビールを……浴びーる程、飲めますね……うふふっ!」 


武内P「っ!?」 

亜希「任務、お疲れ様であります! ささっ、飲みましょう!」 

武内P「待ってください! あの、何故、彼女が此処に!?」 

亜希「増援でありますよ? そして、伏兵は、基本でありますからな!」 

武内P「来ることを伏せていただけじゃないですか!」

210: 名無しさん 2018/06/25(月) 22:04:32.84 ID:2ckwowIPo
武内P「あ、あのっ! 私はもう、ここで!」 

楓「その話、お受けできません」 

亜希「そうであります! 我々が、叱られても良いと!?」 

武内P「そういう問題ではなく!」 

亜希「しかし……作戦は、うまくいきましたな!」 

楓「ええ♪ これで、思う存分飲めるもの」 

武内P「……えっ?」 


亜希「プロデューサー殿を騙すのは気が引けましたが……」 

亜希「騙すのではなく、トラップにはめると思えば、存分に出来ました!」 

亜希「正に、見事な作戦でありました!」 


武内P「……待ってください」 

武内P「まさかとは思いますが……その……待ってください……!」

212: 名無しさん 2018/06/25(月) 22:21:35.53 ID:2ckwowIPo
武内P「あの……最初から、私を巻き込むつもりで……!?」 

楓「ここは、ライトが、く、らいと、思うわ」 

亜希「他の方達は、遅れていらっしゃるので?」 

武内P「待ってください! まだ、増えるのですか!?」 

楓「ええと……あと、三人?」 

亜希「今日は、多くて五人です。いやはや、楽しみでなりません!」 

武内P「お願いします! 話を聞いてください!」 

楓「……私達が誘っても警戒されているので……」 

武内P「……」 


楓「警戒されてない亜希ちゃんに、ふふっ、軽快に連れてきて貰いました♪」 

亜希「孤軍奮闘するプロデューサー殿に、敬礼ッ!」ビシッ! 


武内P「……良い、敬礼です」 

武内P「ですが、流石に――」 


武内P「……グレたくなりますね」 



おわり