709: 名無しさん 2018/07/09(月) 11:27:41.54 ID:+ORpw8Mmo
紗枝「そうなんどす。聞いて、くれはります?」 

武内P「いえ、しかし……何故、私に?」 

紗枝「実は、うちだけ他のお二人さんと比べて弾け方が足りん思てまして」 

武内P「……なるほど」 


武内P「輿水さん、姫川さんと相談するのが、一番かと」 


紗枝「勿論、うちもそれが一番とは思とりますけど」 

紗枝「急いては事を仕損じる、言いますさかい」ニコリ 


武内P「……」


                      引用元: ・武内P「今日はぁ、ハピハピするにぃ☆」 
710: 名無しさん 2018/07/09(月) 11:32:34.71 ID:+ORpw8Mmo
武内P「しかし、無理に弾ける必要は無いのでは?」 

紗枝「けれども、私はユニットの和を大切にしたいんどす」 

武内P「ユニットの和、ですか」 

紗枝「そうどす。あのお二人の様に、弾ける良い方法はありまへんか?」 

武内P「そう……ですね」 


武内P「まず、外で運動等をされてみるのは、どうでしょうか?」 


紗枝「運動、どすか」 

紗枝「せやけど、うち一人でやるのはどうなんやろなぁ」 

武内P「……」

711: 名無しさん 2018/07/09(月) 11:38:42.97 ID:+ORpw8Mmo
武内P「一人でも、ジョギング等は出来ます」 

紗枝「一人でジョギングしたら、ファンの皆さんとの距離も近づきますなぁ」 

武内P「違うルートを通るのも、気分転換になって良いかと」 

紗枝「弾けるための運動で気分転換も出来るなんて、お徳やねぇ」 

武内P「事務所内のルームランナーも、活用すると良いかと」 


紗枝「そうどすなぁ、きっと、弾けられる事間違いなしどすなぁ」 


武内P「……」

712: 名無しさん 2018/07/09(月) 11:45:04.75 ID:+ORpw8Mmo
紗枝「ほんに、ええあどばいすを貰えましたわ」 

武内P「いえ、そんな事はありません」 

紗枝「うちには勿体無い位の、あどばいすやったわぁ」 

武内P「いえ、そんな事はありません」 

紗枝「ありがたすぎて、神棚にでも飾っとくべきやと思いました」 

武内P「いえ、そんな事はありません」 


紗枝「そんなありがた~いあどばいす貰たら、手から溢れてしまいます」 


武内P「……」

713: 名無しさん 2018/07/09(月) 11:51:02.94 ID:+ORpw8Mmo
武内P「その慎ましさが、貴女の魅力だと……そう、思います」 

紗枝「いややわぁ、そんなに褒めんといてください!」コロコロ 

武内P「なので、無理に弾ける必要は、無いと思います」 

紗枝「そうまで言われるやなんて、天にも登る気持ちやわぁ」 

武内P「何か、きっかけが?」 

紗枝「な~んにもあらしまへん」 


紗枝「お空から飛び降りるのは、清水からよりもええ景色やろなぁ思ったんどす」 


武内P「……」 

武内P「スカイダイビング、ですか」

714: 名無しさん 2018/07/09(月) 12:00:24.06 ID:+ORpw8Mmo
紗枝「幸子はんも、友紀はんも、楽しみにしはってます」 

武内P「ユニットでの、罰ゲームでしょうか?」 

紗枝「ばんじーもやったけど、高い所が好きで羨ましいわぁ」 

武内P「小早川さんは、苦手なのですか?」 

紗枝「うちは、地に足を着けて、はんなりしてる方が好みやねぇ」 

武内P「……なるほど」 


武内P「笑顔で、頑張ってください」 


紗枝「あら~! 応援は、気持ちだけで十分どす」 

武内P「……」

715: 名無しさん 2018/07/09(月) 12:08:05.96 ID:+ORpw8Mmo
武内P「スカイダイビングの予定は、いつなのでしょうか?」 

紗枝「一週間後……あっ、らっきーせぶんやねぇ!」コロコロ 

武内P「そう、ですね」 

紗枝「それまでに、何とか弾けておこう思ってます」 

武内P「……開き直っておきたい、と?」 

紗枝「プロデューサーはん、わかってはるお人やわぁ!」コロコロ 


紗枝「せやから、何か、いい方法はありまへんやろか?」 


武内P「笑顔で、頑張ってください」 


紗枝「せやから、何か、いい方法はありまへんやろか?」 


武内P「……」

716: 名無しさん 2018/07/09(月) 12:17:02.71 ID:+ORpw8Mmo
武内P「……申し訳、ありません」 

紗枝「頭を下げれば、弾けられるいう事でしょか?」 

武内P「……小早川さん」 

紗枝「はい?」 

武内P「もう、あまり時間は残されていないようなのですが……」 

紗枝「せやけど、うちも出来る限りの努力はしよう思てます」 


武内P「私には、どうしようもありません」 

武内P「なので、帰っていただきますか?」 


紗枝「まぁ! はっきりと言わはりますなぁ!」 

紗枝「うちも、見習わなあきまへんねぇ!」 

ガシィッ! 

武内P「離してください! 帰ってください、小早川さん!」

717: 名無しさん 2018/07/09(月) 12:17:45.83 ID:+ORpw8Mmo
誤)>武内P「なので、帰っていただけますか?」 

正)>武内P「なので、帰っていただけますか?」

718: 名無しさん 2018/07/09(月) 12:25:02.43 ID:+ORpw8Mmo
武内P「私でなく、担当のプロデューサーに仰ってください!」 

紗枝「そんなん言うたかて、もう飛ぶと決まってるんどす!」 

武内P「頑張ってください!」 

紗枝「ほんに有り難い言葉やねぇ! 嬉しゅうて、涙が出そうになります!」 

武内P「私は、関係無いではありませんか!」 

紗枝「いけずなお人やわぁ! うちをほかすやなんて!」 

グイグイッ! 


武内P「ほかす!? 捨てるも何も、無関係です!」 


紗枝「こんちきちん! こんちきちん!」 

グイグイッ! 

武内P「なんですか、その掛け声は!?」

720: 名無しさん 2018/07/09(月) 12:36:57.88 ID:+ORpw8Mmo
紗枝「関係無い事、あらしまへん!」 

武内P「同じ会社なだけですよ!」 

紗枝「助け合いの心! うちはそれが大事や思てるんよ!」 

武内P「待ってください! あまりに、一方的すぎます!」 

紗枝「物事には、順序いうもんがあります! まずは、うちが!」 

武内P「何故、断らなかったのですか!?」 

紗枝「……」 


紗枝「すかいだいびんぐ、楽しみやねぇ」 

紗枝「アイドルやのに、芸人はんのようなお仕事もせなあきまへんとは」 

紗枝「ああ、この世界に入って、ほんまに良かったわぁ……と」 


武内P「……」 

武内P「断ると伝わっていなかったのだと、そう、思います」

721: 名無しさん 2018/07/09(月) 12:48:02.52 ID:+ORpw8Mmo
武内P「次からは……もっと、ハッキリ断りましょう」 

紗枝「嫌どす。そんなはしたない真似、出来まへん」 

武内P「あの……今、正に」 

紗枝「京女は、一歩引くのが作法やさかい、出来まへん」 

武内P「いえ、あの……ですから」 

紗枝「せやから、プロデューサーはんを頼るのが一番や思いましてな?」 


紗枝「大変な時も、笑うために」 

紗枝「笑顔の魔法、うちにもかけてくれはりますか?」 


武内P「……」

722: 名無しさん 2018/07/09(月) 12:56:11.98 ID:+ORpw8Mmo
武内P「笑顔で、スカイダイビングを楽しむ方法……ですか」 

紗枝「そうどす」 

紗枝「幸子はんや、友紀はんのように、楽しみに思えるように」 

紗枝「ゆにっとのめんばーとして、立派にお仕事をこなせるように」 

武内P「では……考え方を変えてみるのは、どうでしょうか?」 

紗枝「考え方を?」 

武内P「スカイダイビングをやってしまえば……」 


武内P「これ以上、高い所から飛び降りる事は無い、と」 


紗枝「!」

723: 名無しさん 2018/07/09(月) 12:59:42.17 ID:+ORpw8Mmo
武内P「スカイダイングは、あくまでも罰ゲームです」 

武内P「ここで、笑顔で楽しんでいる様子を見せれば……」 

紗枝「……せやねぇ、罰げーむになりまへんなぁ」 

武内P「はい、その通りです」 

紗枝「げーむが成立しないなると、今後やる必要も……」 

武内P「ありません」 

紗枝「……」 


武内P「この一回を笑顔で乗り切れば良いのです」 


紗枝「……」

724: 名無しさん 2018/07/09(月) 13:04:51.04 ID:+ORpw8Mmo
武内P「スカイダイビングは、確かにアイドル本来の仕事ではありません」 

紗枝「あいどるのお仕事は、笑顔を見せる事どすなぁ」 

武内P「はい、その通りです」 

紗枝「……プロデューサーはん、ありがとうございます」 

武内P「いえ、私は何も」 

紗枝「そんな事、あらしまへん」 


紗枝「笑顔の魔法……確かに、かけて貰いましたわ」ニコッ! 


武内P「……」 

武内P「良い、笑顔です」

725: 名無しさん 2018/07/09(月) 13:08:22.40 ID:+ORpw8Mmo
  ・  ・  ・ 

幸子「意味がわかりませんよ! 何なんですか!?」 

武内P「……はあ」 

幸子「どうしてあの二人は、スカイダイビングしてもニコニコしてるんですか!」 

武内P「……そう、ですね」 

幸子「ボクはもう嫌ですよ! 最悪……最悪です!」 


幸子「罰ゲーム関係なく……」 


幸子「色々な国でスカイダイビングを楽しもう、だなんて!」 


武内P「……」

726: 名無しさん 2018/07/09(月) 13:13:12.23 ID:+ORpw8Mmo
幸子「番組内で、新たなコーナーがスタートですよ!?」 

武内P「……はあ」 

幸子「カワイイボクに、旅をさせよじゃないですよ!」 

武内P「……」 

幸子「そりゃボクはカワイイですけど、外国の空なんか興味ないです!」 

武内P「……なるほど」 


幸子「怖がるボクがおかしいんですか!?」 

幸子「普通は、あの二人みたいに平然としてるものなんですか!?」 


武内P「……」

727: 名無しさん 2018/07/09(月) 13:21:02.82 ID:+ORpw8Mmo
幸子「紗枝さんなんか――」 

幸子「楽しゅうて楽しゅうて、またやりたい位やわぁ、とか言うし!」 

幸子「友紀さんだって――」 

幸子「二本目、飛んでおくぅ~? ってあっけらかんとしてるし!」 

幸子「そんな事言われたら、ボクだって――」 

幸子「良いですねぇ! ボクはカワイイので行けますよ! としか言えないですよ!」 

幸子「罰ゲームだったのに、結局三回も飛んだんですよ!?」 


幸子「本当……どうしてこんな事に……!」 


武内P「……」

728: 名無しさん 2018/07/09(月) 13:27:09.13 ID:+ORpw8Mmo
  ・  ・  ・ 

武内P「……はい、もしもし」 

武内P「……ええ」 


武内P「貴方の言った通りの結果になりましたね」 


武内P「はい……はい、そうですね」 

武内P「ですが……その、ですね」 


武内P「私を使って、搦め手でプロデュースするのは……」 


武内P「そうしないと断られるとは思います……はい」 

武内P「……いえ、新しい企画は楽しみですが」 

武内P「はあ……はい」

729: 名無しさん 2018/07/09(月) 13:38:39.56 ID:+ORpw8Mmo
  ・  ・  ・ 

友紀「カンパーイ!」 

友紀「んぐっんぐっ……プハーッ!」 

武内P「……良い、飲みっぷりです」 

友紀「いやー、ちょっとの間日本を離れるしね!」 

友紀「飲み溜め飲み溜め!」 

武内P「今度はドバイでダイビング……ですか」 

友紀「そうそう! 最初に相談した時は、こうなると思ってなかったよ!」 

武内P「……」 


友紀「……本当、あの二人は凄いよ、半端じゃないよ」 

友紀「どうして……こうなっちゃったんだろう」 


武内P「私に……プロデューサーにではなく」 

武内P「小早川さん、輿水さんと相談するのが、一番かと」 



おわり