542: 名無しさん 2018/08/02(木) 21:54:22.39 ID:lbLH9g9Eo
ちひろ「待ってください」 

蘭子「フフフ……煩わしい太陽ね」 

武内P「神崎さん、千川さん、おはようございます」 

ちひろ「おはようございます、待ってください」 


蘭子「我が友よ! しかと見るが良い!」 

ちひろ「見る前に、話を聞いてくださいプロデューサーさん!」 


武内P「……」 

武内P「ゴシックロリータ、ですか」


                              引用元: ・武内P「『次はお前だ』」
543: 名無しさん 2018/08/02(木) 21:58:32.49 ID:lbLH9g9Eo
ちひろ「違うんです」 

蘭子「ちひろさんは……堕天し、覚醒を果たした!」 

武内P「……その様です、ね」 

ちひろ「違うんです、待ってください」 


蘭子「微笑みの影に潜む闇! これぞ、真なる姿!」 

ちひろ「合わせて着てみただけなんです、プロデューサーさん!」 


武内P「……」 

武内P「そう、ですか」

544: 名無しさん 2018/08/02(木) 22:01:49.35 ID:lbLH9g9Eo
ちひろ「誤解なんです」 

蘭子「受けるが良い! 我らの、漆黒の魂の煌めきを!」 

武内P「はい、わかりました」 

ちひろ「誤解なんです……って、待って蘭子ちゃん!?」 


蘭子「闇に飲まれよ!」ビシッ! 

ちひろ「……まれよー」ヘニャリ 


武内P「……」 


蘭子「……ちひろさん?」 

ちひろ「待って。お願い蘭子ちゃん、待って」

545: 名無しさん 2018/08/02(木) 22:06:14.84 ID:lbLH9g9Eo
ちひろ「ねっ? お願い!」 

蘭子「恐れる事は無いわ! さあ! 我らの魔力を一つに!」 

武内P「……」 

ちひろ「えっ? えっ!?……ええっ!?」 


蘭子「闇に飲まれよ!」ビシッ! 

ちひろ「の……飲まれよー///」ヘニャリ 


武内P「……」 


蘭子「……ちひろさん?」 

ちひろ「お願い蘭子ちゃん! 少し、落ち着かせて!」

546: 名無しさん 2018/08/02(木) 22:13:59.57 ID:lbLH9g9Eo
ちひろ「ハードルが! ねっ!? 蘭子ちゃん!」 

蘭子「もしかして……恥ずかしい、ですか……?」ションボリ 

ちひろ「えっ!? ええと、その、ね……!?」チラッ 

武内P「……」 


武内P「……神崎さん、安心してください」 

武内P「私の魔力を送り、千川さんの本当の力を開放しました」 


蘭子「――我が友! 」 

ちひろ「っ!? プロデューサーさん!?」 


武内P「なので……千川さん、頑張ってください」 


ちひろ「……!?」

547: 名無しさん 2018/08/02(木) 22:22:46.90 ID:lbLH9g9Eo
蘭子「覚醒の時! ちひろさん、漆黒の翼を広げる時が来た!」 

ちひろ「もう……!/// もうっ……!///」プルプル! 

蘭子「おおっ! 其の身の震えこそ、溢れる魔力の現れ!」 

ちひろ「ううっ……!/// せっ……せーのっ――!」 


蘭子・ちひろ「闇に飲まれよ!」ビシッ! 


武内P「……良い、魔力です」 


蘭子「ククク! 我らの闇の魔力は、全てを飲み込む!」ムフー! 

ちひろ「……ううっ!///」

548: 名無しさん 2018/08/02(木) 22:26:28.45 ID:lbLH9g9Eo
  ・  ・  ・ 

武内P「……そうですね、猫ですね」 


ちひろ「待ってください」 

みく「Pチャン! おはようにゃ!」 

武内P「前川さん、千川さん、おはようございます」 

ちひろ「おはようございます、待ってください」 


みく「ちひろさん? もー! 語尾に『にゃ』を付ける約束でしょー!?」 

ちひろ「その前に、話を聞いてくださいプロデューサーにゃん!」 


武内P「……」 

武内P「ネコミミと尻尾、ですか」

549: 名無しさん 2018/08/02(木) 22:31:00.57 ID:lbLH9g9Eo
ちひろ「違うんです」 

みく「ちひろさんも、ネコミミと尻尾を私物で持ってたにゃ!」 

武内P「……その様です、ね」 

ちひろ「そうなんですけど、違うんです」 


みく「にゅふふ! みくとちひろさんの可愛さにタジタジにゃ!」 

ちひろ「タジタジかも知れないけど、ちょっと違うのよ、みくちゃん!」 


武内P「……」 


みく「……ちひろさん?」 

ちひろ「ちょっ……ちょっと違う、にゃ!///」

550: 名無しさん 2018/08/02(木) 22:36:16.17 ID:lbLH9g9Eo
みく「うむむ……ちひろさんは、ネコチャンの自覚が足りないにゃ」 

ちひろ「だっ、だって、その……!///」チラッ 

武内P「では……私は、仕事をしていますので」 

ちひろ「はっ、はい! そうしてください、プロデューサーさん!」 


みく「チャンスにゃ! そういう時に限って、構って貰おうとするのがネコチャンにゃ!」 

ちひろ「みくちゃん!? ねえ、まだ続けるの!?」 


武内P「……」 


みく「……ちひろさん」 

ちひろ「まっ……まだ続けるのかにゃ!?///」

551: 名無しさん 2018/08/02(木) 22:42:30.95 ID:lbLH9g9Eo
みく「行くにゃ、ちひろさん! Pチャンに構って貰うにゃ!」 

ちひろ「そんな事言われても!? ど、どうしろと!?」 

みく「? こう、体をスリスリ~ってこすりつけながら、ニャ~って鳴くにゃ」 

ちひろ「ええっ!?」チラッ 

武内P「……」 


武内P「……ああ、とても忙しい」 

武内P「猫の手も借りたい位ですね」 


みく「――Pチャン、あんな事言ってるにゃ!」 

ちひろ「にゃああ!?/// にゃああ!?///」

552: 名無しさん 2018/08/02(木) 22:47:00.69 ID:lbLH9g9Eo
みく「さあ、ちひろさん! ファイトにゃああ!」 


ちひろ「う……ううっ……!///」 

武内P「……」 

ちひろ「にゃ……にゃ~っ……///」 

スリスリッ 

武内P「……」 

ちひろ「にゃ~っ……ふにゃあ~んっ……///」 

スリスリッ 


武内P「……良い、猫です」 


みく「――はい、オッケー! バッチリ撮れたにゃ!」 

ちひろ「何で撮ってるにゃ!?」

553: 名無しさん 2018/08/02(木) 22:52:59.24 ID:lbLH9g9Eo
  ・  ・  ・ 

武内P「……」 


ちひろ「私物じゃありません! 私物じゃありません!」 

莉嘉「Pくん、ヤッホー☆」 

みりあ「プロデューサー、おはようございます!」 

武内P「城ヶ崎さん、赤城さん……おはようございます」 

ちひろ「見なかったフリをしようとしてます!?」 


莉嘉「どうどう!? ちひろさんの、スモック姿☆」 

みりあ「とときら学園の衣装だよ、プロデューサー!」 


武内P「……」 


武内P「すみません、一度、出直します」 


ちひろ「待ってください! 待ってください、プロデューサーさん!」

554: 名無しさん 2018/08/02(木) 22:57:42.02 ID:lbLH9g9Eo
武内P「……」 

バタンッ 


ダダダダダダッ! 


ガチャッ! 

ちひろ「――待ってくださいってば!」 

武内P「……おはよう、ございます」 

ちひろ「おはようございます!」 

武内P「あの……ですね」 

ちひろ「私物じゃありませんからね!? 聞いてましたよね!?」 

武内P「……」 


武内P「すみません……失礼します」 


ちひろ「あっ、ちょっと! 待ってくださいって!」

555: 名無しさん 2018/08/02(木) 23:03:35.93 ID:lbLH9g9Eo
武内P「申し訳ありません……仕事が、ありますので」 

ちひろ「ですよね! プロジェクトルームに行きましょう!」 

武内P「……はい、わかりました」 

ちひろ「お願いしますから、誤解しないでくださいね!?」 


ちひろ「確かに、私はコスプレが趣味ですけど!」 

ちひろ「この格好は、莉嘉ちゃんとみりあちゃんに強引に、ですね!?」 

ちひろ「ま、まあ! ちょっとノリノリではありましたけど!」 

ちひろ「でも! 私物じゃないからセーフです! セーフ!」 

ちひろ「そうですよね!? プロデューサーさん!」 

ちひろ「聞いてるんですか!? プロデューサーさん!」 


ちひろ「……」 


ちひろ「プロデューサーさん……?」 


ちひろ「……」 


ちひろ「っ!?」

556: 名無しさん 2018/08/02(木) 23:11:15.32 ID:lbLH9g9Eo
  ・  ・  ・ 

武内P「……!」 

武内P「何とか、逃げ切れ――」 


ダダダダダッ! 

ちひろ「プロデューサーさん!」 


武内P「――っ!?」 

ダッ! 


ちひろ「っ!? どうして逃げるんですか!?」 


武内P「どうして追うんですか!?」 


ちひろ「プロデューサーさんが逃げるからですよ!」

557: 名無しさん 2018/08/02(木) 23:17:02.97 ID:lbLH9g9Eo
武内P「誰か……誰か、助けてください!」 

ダダダダダッ! 

ちひろ「ちょっ!? 助けてくださいって何ですか!?」 

ダダダダダッ! 


ピピーッ! 


武内P・ちひろ「っ!?」 


早苗「コラーッ! 廊下を走るなんて、制限速度オーバーよ!」 


ちひろ「早苗さん! プロデューサーさんを捕まえてください!」 


早苗「はいっ!? 捕まえてって……えっ、スモック!?」 


武内P「片桐さん! 追われているのです、助けてください!」 


早苗「はいっ!? えっ、何!? どういう事!?」 

早苗「ま、待って待って! 難しい難しい!」

558: 名無しさん 2018/08/02(木) 23:26:24.50 ID:lbLH9g9Eo
武内P「っ……!」 


早苗「ねえ、何!? これ、どういう状況!?」 


ちひろ「もう……逃げられませんよ……!」 


早苗「とりあえず、ちひろさんが彼を追ってるのね!?」 


武内P「違います! 私が、追われているのです!」 


早苗「ええっと……つまり、どっちが悪いの!?」 


ちひろ「逃亡罪で、プロデューサーさんです!」 


早苗「そうなのね!?」 


武内P「待ってください! 千川さんに、騙されないでください!」 


早苗「とりあえず、あたしの周りを周りながら話さないでくれない!?」

559: 名無しさん 2018/08/02(木) 23:38:04.72 ID:lbLH9g9Eo
  ・  ・  ・ 

早苗「……なるほど、そういう事だったの」 


ちひろ「それにしても、逃げること無いですよね!?」 


早苗「そうね……確かに、その通りよね」 


武内P「兎に角あの場から離れるべきと、そう、考えました」 


早苗「そうね……そう考えるのも、しょうがないわよね」 


早苗「……」 

早苗「でもね、聞いて? そして、冷静になってみて?」 

早苗「あたし、今どんな状況だと思う?」 

早苗「厳つい顔の大男と、スモック姿の女性に挟まれてるの」 

早苗「……」 


早苗「とりあえず、一番の被害者、あたしじゃない?」

560: 名無しさん 2018/08/02(木) 23:44:32.47 ID:lbLH9g9Eo
早苗「このままじゃ、埒が明かないわよ」 

早苗「ちひろさん! とりあえず、戻るわよ!」 

ちひろ「そんなっ!? プロデューサーさんは!?」 

早苗「さすがに、抵抗する彼を捕まえるのは無理そうだもの」 

ちひろ「私が抵抗しても容赦しない感じですね!?」 

早苗「ほら、良い子はお家に帰るの!」 

ちひろ「あっ、うぐ!?/// この格好をイジらないでくれます!?///」 


早苗「とりあえず、着替えさせておくから!」 

早苗「ちょっと時間を潰して、その後ルームに来なさい!」 

早苗「良いわね! 逃げたら、タイホするから!」 


武内P「……片桐さん」 

武内P「助かりました……ありがとう、ございます」

561: 名無しさん 2018/08/02(木) 23:53:31.96 ID:lbLH9g9Eo
  ・  ・  ・ 

武内P「先程の、感謝の言葉は取り消します」 


早苗「――アイドル警察!」ビシッ! 

ちひろ「――アシスタント警察!」ビシッ! 


武内P「ノリノリ……ですね」 

武内P「……と、これが最悪のケースだと、そう、思っていました」 


瑞樹「――アイドル警察!」ビシッ! 

楓「――アイドル警察!」ビシッ! 


武内P「ノリノリですね!」

563: 名無しさん 2018/08/03(金) 00:02:41.50 ID:L3qrh5LKo
一同「タイホしちゃうわよ!」ビシッ! 


武内P「皆さんが……コスプレを楽しんでいるのは、伝わってきます」 

武内P「しかし、その、私を巻き込まないで、頂けますか?」 

武内P「そして……ですね」 

武内P「プロジェクトルームでは、ご遠慮して頂けませんか?」 


一同「……」ジトォッ 


武内P「……あの、何でしょうか」 

武内P「盛り下がる様な事を言うな、とでも言わんばかりの、その目は」

564: 名無しさん 2018/08/03(金) 00:10:32.14 ID:L3qrh5LKo
ちひろ「だって……スモック姿の時は、逃げたじゃないですか」 


武内P「……千川さん?」 


早苗「ゴスロリもネコミミの時も、付き合ってあげたんでしょ?」 

瑞樹「なら、スモックの時も付き合ってあげるべきだったわ」 

楓「だから……今の、私達の警察のコスプレには――」 


一同「――当然?」ニコッ! 


武内P「……皆さん」 

武内P「そうですね……確かに、その通りかも知れません」 


一同「ふふっ!」ニコニコッ! 


武内P「……良い、笑顔です」

566: 名無しさん 2018/08/03(金) 00:18:10.65 ID:L3qrh5LKo
武内P「千川さんのスモック姿の時は、逃げるべきではありませんでした」 

武内P「……申し訳ありません、千川さん」 

武内P「あの時は、気が動転してしまって……はい」 


ちひろ「……プロデューサーさん」 

ちひろ「も、もう、良いんです! あの時の事は!」 

ちひろ「だって……この、警官のコスプレには、付き合ってくれるんでしょう?」 

ちひろ「……ふふっ! でなきゃ――」 


一同「タイホしちゃうわよ!」ニコッ! 


武内P「……はい」 

ガチャッ… 

武内P「喜んで、お付き合いいたします」 

…バタンッ! 


一同「……」 


一同「っ!? 逃げた! 追え――っ!!」 



おわり