725: 名無しさん 2018/03/10(土) 21:51:19.42 ID:KYkno0Ygo
倉庫内 

黒服ボス「――約束の金は持ってきたか?」 

白服ボス「――ああ。そちらこそ、例のブツは?」 

黒服ボス「このトランクの中にある」 

白服ボス「見せてみろ」 

黒服ボス「おいおい、疑ってるのか?」 

白服ボス「何度も取引してるとは言え、こういうのは大事だろう?」 

黒服ボス「確かにな……ほらよ」 

白服ボス「確認した。金は……この通り」 

黒服ボス「こっちも確認した」 

白服ボス「それじゃあ――」 

黒服ボス「ああ、取引成立――」 


…カシャッ 


黒服ボス・白服ボス「……シャッター音だと……?」

726: 名無しさん 2018/03/10(土) 21:55:42.70 ID:KYkno0Ygo
https://www.youtube.com/watch?v=NCivzJMbEJI



藍子「港でのロケなんて、いい機会だもんね」 

カシャッ! 

藍子「……う~ん、潮風が気持ちいい」 

藍子「お仕事の無い時に、また来ようかな」 

藍子「……あ、ウミネコ」 

カシャッ! 

藍子「ふふっ、鳥なら、あの人も平気よね」 


「藍子ちゃ~~~ん! 撮影始まるよ~~~っ!」 


藍子「あっ、はーい! 今行きまーす!」 




黒服ボス「……撮られたか?」 

白服ボス「可能性は低いが……万が一、という事もある」 

黒服ボス・白服ボス「……」

727: 名無しさん 2018/03/10(土) 21:58:30.51 ID:KYkno0Ygo


  危険な写真撮影! アイドルの笑顔を守れ!

729: 名無しさん 2018/03/10(土) 22:06:33.61 ID:KYkno0Ygo
冴羽「全く、冴子の奴……急に居酒屋に呼び出して、一体何だって言うんだ」 

冴羽「それも、こんな遅い時間に……」 

冴羽「……」 

冴羽「な~んて! 獠ちゃんわかっちゃってるもんね~!」 

冴羽「いつも澄ました顔をしてる癖にぃ!」 

冴羽「今日は香も置いてきたし……ぐふふふふ!」 

冴羽「朝までもっこりターイ」 


100t!! 


冴羽「……ム」 

香「誰が、誰を置いてきたって?」 

冴羽「か、香!? なんでここに!?」 

香「そんなの、私も呼ばれたからに決まってるでしょ」 

冴羽「……」 

冴羽「しょ、しょんな~」ヘナヘナ

730: 名無しさん 2018/03/10(土) 22:11:48.47 ID:KYkno0Ygo
冴羽「……全く、期待して損したぜ」 

香「勝手に期待したアンタが悪いんでしょうが」 

冴羽「へいへい、おれが悪かったよ!」 


店員「いらっしゃいませ~!」 


香「野上、の待ち合わせの者です」 

店員「ハイ! 野上様でしたら、奥の席でお待ちです!」 

香「ありがとうございます」 

冴羽「――お嬢さん、この後の予定は空いてますか?」 

店員「は、はい?」 

冴羽「ちょっと、予定が空いてしまいましてね。良ければ僕と――」 


1000t!! 


香「アンタも来るの! ホラ、もたもたしてないで行くわよ!」 

冴羽「……ハイ」ボロッ 


店員「あ、アハハ……ごゆっくり~」

731: 名無しさん 2018/03/10(土) 22:18:38.03 ID:KYkno0Ygo
香「本当、油断も隙もありゃしない!」 

ズルズル… 

冴羽「離せ、香! どうせロクな話じゃないんだ!」 

香「……何よ、さっきはあんなに楽しみにしてたくせに」 

冴羽「おいおい! まさか、妬いてるのか?」 

香「……違わい!」 

冴羽「ま、そういう事にしといてやるか」 

冴羽「――しょうがない! 今日は冴子の奢りで飲んで忘れよう!」 

冴羽「でなきゃ、盛り上がったもっこり気分が収まらないぜ!」 

香「ちょっと獠、そういう事を大声で言わないでくれる!?」 

冴羽「しょうがないだろうが! 男っていうのは、そういう生き物なんだから!」 


ガラッ! 


冴子「――あら、遅かったじゃない、二人共」 


冴羽「ふん! 期待させておいて、香も呼び出すお前に言われなくないぜ!」 


早苗「――こんばんはー」 


冴羽「……うわ~お! 獠ちゃんもっこり~!」 

もっこり!

732: 名無しさん 2018/03/10(土) 22:26:15.61 ID:KYkno0Ygo
冴羽「――素敵なお嬢さん」 

ガシッ! 

早苗「は、はいっ!?」 

冴羽「貴女のそのダイナマイトおっぱ……美しさに、ここは不釣り合いすぎる」 

早苗「……ねえ、それ、全然止められてないわよ?」 

冴羽「それは失礼! おれは、美女を前にしたら止まれない性質なんですよ」 

もっこり! 

早苗「……」 

冴羽「是非、朝までコースで――」 


香「ちょっと獠! 会ったばっかりの人に、何言ってるの!」 

冴子「大丈夫よ、心配しなくても」 

香「えっ?」 

冴子「まあ、見てなさい」 


早苗「しばく!」 

キーンッ! 

冴羽「おごっ!? ジョ、ジョッキで殴るか普通!?」 

早苗「タイホ! タイホ! タイホ! タイホ!」 

キンッ! キンッ!キンッ! キンッ! 

冴羽「キャインキャインッ!」 


冴子「……ほらね?」

733: 名無しさん 2018/03/10(土) 22:35:21.78 ID:KYkno0Ygo
  ・  ・  ・ 

早苗「――と、言うわけで、ウチの子が被害に会ってるのよ」 

香「はー……ストーカーって、本当に居るんですね」 

早苗「出来るだけ一人にならない様に言ってるんだけど、ね」 

香「それは……確かに心配ですね」 

冴子「ちょっと獠? いつまで寝てるつもり?」 


冴羽「……好きで寝てるんじゃない!」 

冴羽「見ろ、コイツを!」 

ぼっこり! 

冴羽「自慢のもっこりが、腫れ上がっちまったじゃないか!」 


冴子「あら、立派になって良かったじゃない」 

早苗「それで済んだだけでもありがたいと思って欲しいわ!」 

香「あ、あはははは……」 


冴羽「――ソイツは違う」キリッ 


冴子・早苗・香「えっ?」 


冴羽「そんなおっぱいを向けられたら、男だったらもっこりするもんさ!」 


冴子・早苗・香「真面目な顔して何を言うか!」 

1000t×3 


冴羽「……じゅ、順応早いのね……」ボロッ

734: 名無しさん 2018/03/10(土) 22:42:45.66 ID:KYkno0Ygo
早苗「――とにかく! それで、冴子に相談してみたのよ」 

香「でも……どうして冴子さんに?」 

早苗「こういう時はね、警察は直接的な被害がないと動かないのよ」 

香「そんなっ! 危険があるかもしれないのに!」 

冴子「そう。そこで――」 


冴羽「さ、冴子? おい、何をする気だ?」 

冴子「ねえ、獠?」 

つつーっ 


『X』 


冴羽「あはぁん! その指使い、だめぇっ!」 

冴子「お願いがあるんだけど」 

つつーっ 


『Y』 


冴羽「獠ちゃん、駄目んなっちゃう~!」 

冴子「聞いてくれない?」 

つつーっ 


『Z』 


早苗「……噂の、シティーハンターにボディーガードをお願いしようと思ったの」 

香「成る程……お話はわかりました」 

早苗「だけど……」 


冴羽「……!」ピクピク 


早苗「本当に大丈夫なの!?」 

冴子「ええ、腕は確かよ」


737: 名無しさん 2018/03/10(土) 23:51:01.59 ID:KYkno0Ygo
  ・  ・  ・ 

冴羽「……おい、香」 

香「何よ」 

冴羽「仕事の依頼はボディガードのはずだよな」 

香「そうね」 

冴羽「アイドルのカワイコちゃん達に囲まれる、って言ってたよな」 

香「そ……そんな事も言ったかしらね? オホホホ……」 


冴羽「――それが! どうしてこんなに離れてなきゃならないんだ!」 


香「しょうがないでしょうが!」 

冴羽「こんなに離れてちゃ、守れるものも守れやしない!」 

香「……」 

冴羽「そうだろう?」 

香「ふーん、だったら獠、アイドルに近づいても、何もしない?」 


冴羽「当たり前だろう!」 

もっこり! 

冴羽「おれを信じられないのか!? それでもお前は、俺のパートナーなのか!」 

もっこり! 


香「……アンタのそれは、一回本当にヘシ折らなきゃ――」 

冴羽「――しっ! 大声を出すな」キリッ! 

香「またそうやって――」 

冴羽「違うぜ、香。あれを見てみろ」 


???「……」コソコソッ 


冴羽「……当たりだ」 

冴羽「すぐに捕まえてやるぜ、あの変態野郎」 

もっこり! 

香「……とりあえず、ソレ、なんとかしなさいよ」

738: 名無しさん 2018/03/10(土) 23:58:49.50 ID:KYkno0Ygo
  ・  ・  ・ 

藍子「……ふぅ」 

藍子「今も……どこかで見てるのかな」 

藍子「お仕事だから仕方ないけど……」 

藍子「……」 


???「……」コソコソッ 


冴羽「――動くな」 

チャキッ! 


???「……」 

チャキッ! 


冴羽「……変態だとは思ってたが、ここまでとは思わなかったぞ」 

???「……抜かせ。それはこっちの台詞だ」 

冴羽「何故、あの子に付きまとっている。答えろ――」 


冴羽「――海坊主」 


海坊主「――ふん、それはこっちの台詞だと言っただろう」 


海坊主「女にだらしないとは思ってたが、まさかストーカーとはな」 

海坊主「まさか、お前をもっと見損なうことになるとは思ってなかったぜ」 


冴羽「……へっ?」 

冴羽「まっ、待て待て! 何の話だ!?」 


海坊主「とぼけるんじゃねえ!」 

チャキッ! 


冴羽「こりゃ一体、どういう事だ……!?」

739: 名無しさん 2018/03/11(日) 00:06:57.54 ID:SLoa7LKpo
  ・  ・  ・ 

喫茶キャッツアイ 


冴羽「……――こういう事ね」 


藍子「今日は、マドレーヌを作ってきたんです」 

海坊主「なあ、頼むからよしてくれ」 

藍子「えっ? ご迷惑、だったでしょうか?」 

海坊主「ち、違う! そうじゃない!」 

海坊主「喫茶店が、菓子の差し入れを貰ったら立つ瀬がない!」 

藍子「それじゃあ、個人的なお礼、では駄目ですか?」 

海坊主「そ、それは……」 

藍子「……」 

海坊主「……あ、ありがたく、いただこう」 

藍子「うふふ、どういたしまして♪」 


香「――なんでも、藍子ちゃんは最近ここの常連みたいよ」 

冴羽「らしいな」 

冴羽「……それにしても海坊主の野郎、デレデレしやがって」 


藍子「どうですか? 今回は、よく出来たんですよ」 

海坊主「う、うむ……これは美味いな」 

藍子「あっ、口の横、ついてますよ」 

海坊主「……///」 


冴羽「っか~~~! 見ろ、海坊主が、真っ赤な蛸坊主になってやがる!」 

冴羽「いくら可愛いアイドルが相手だからって、情けないにも程がある!」 

香「……あんたがそれを言う?」

740: 名無しさん 2018/03/11(日) 00:18:43.95 ID:SLoa7LKpo
海坊主「おい! さっきから黙って聞いてりゃ、好き勝手言いやがって!」 

冴羽「何度でも言ってやるさ。海坊主、蛸坊主、エロ坊主~」 

海坊主「……ようしわかった、表へ出ろ」 

冴羽「ふん! 腹が立ったから追い出そうってか?」 

海坊主「おれがそれだけで済ませると思うか?」 

冴羽・海坊主「……!」 


香「ちょっ、ちょっと二人共!」 


藍子「外に出る前に、眼の前の……飲んじゃいません?」 


冴羽・海坊主「……む」 

藍子「せっかくだから、熱い内に頂いた方が良いと思うんです」 

冴羽「……飲み終わったら、決着を着けるぞ」 

海坊主「……ああ、望む所だ」 

藍子「マスターのお友達も、マドレーヌ、いかがですか?」 

冴羽「いいのかい? こいつぁ悪いね」 

藍子「いえいえ~」 

海坊主「おいおい、こんな奴には勿体ないぞ」 

藍子「こういうのは、皆で食べた方が美味しいじゃないですか」 

海坊主「……まあ、それもそうか」 

冴羽「おおっ! こいつは美味い!」 

藍子「うふふ、良かったら、もう一つどうぞ」 

海坊主「こりゃあ、コーヒーのおかわりが必要になるな」 


香「凄い……なんだかわからない内に、ケンカが終わっちゃった」

741: 名無しさん 2018/03/11(日) 00:30:56.68 ID:SLoa7LKpo
  ・  ・  ・ 

冴羽『海坊主、お前があの子を付け回してるんじゃないのか?』 

海坊主『バカ野郎! そんなわけがあるか!』 

冴羽『だったら、どうしてあの子の回りをウロチョロしてるんだ』 

海坊主『……お前に言う必要はない』 

冴羽『何なら、藍子ちゃんを付け回してるのはお前だ、って差し出してもいいんだぜ?』 

海坊主『……何だと?』 

冴羽『おれは、依頼を受けてボディーガードをしてる身だからな』 

海坊主『そうか……お前がボディーガードを』 


冴羽『もっとも、正体を明かさないように、だけどな』 

冴羽『大事になるとマスコミがうるさいし、色々とアイドル活動に支障が出るんだと』 

冴羽『おかげで、変態とハチ合わせる事になっちまった』 


海坊主『ふん! お前は、腕だけは信用出来る』 

海坊主『俺も居れば、あの子に危険は無いだろう』 


冴羽『……どうしてそこまであの子に肩入れする?』 


海坊主『……お前に言う必要は無い』 


冴羽『かーっ! 強情なやつだな!』 


海坊主『……店を開ける準備をしなきゃならん』 

海坊主『あの子に何かあったら、まず真っ先にお前の股間をぶっとばしてやる』 


冴羽『おい、待て! 海坊主!』 


海坊主『言っておくが、おれの事をあの子には言うなよ』 

海坊主『喋っても、お前の股間をぶっとばす』 


冴羽『お前は俺のもっこりちゃんに恨みでもあるのか!』

742: 名無しさん 2018/03/11(日) 00:44:16.43 ID:SLoa7LKpo
  ・  ・  ・ 

海坊主「……」 

藍子「~♪」ニコニコ 

海坊主「? どうした、機嫌が良さそうじゃないか」 

藍子「はい♪ とっても、紅茶が美味しいから」ニコニコ 

海坊主「ふっ……そいつは良かった」ニヤリ 



冴羽「……確かに、あの笑顔を守るためなら納得だ」 

冴羽「落ち着いて、ゆっくり出来る場所……」 

冴羽「ボディーガードと一緒じゃ、休まるものも休まらない」 

香「だから、内緒で藍子ちゃんを守ってるのね」 

冴羽「あの野郎、格好つけやがって」 

冴羽「……しっかし、だらしないツラしちゃってまあ」 


香「でも、これで仕事が楽になるんじゃない?」 


冴羽「……そいつはどうかな」 


香「えっ?」 

冴羽「相手はただの変態野郎と思ってたが、どうやら違うみたいだ」 

香「どういう事?」 

冴羽「海坊主は、おれよりは劣るが――」 



海坊主「……」ギロリ 

藍子「?」 



冴羽「……――かなりの腕。それも、トラップの名手だ」 

冴羽「その海坊主が今まで手がかりを掴めてないなんて、明らかにおかしい」 

冴羽「相手は素人じゃない。恐らく、裏社会の人間だろう」 

香「そんな……!?」 

冴羽「全く……あの子は、一体どんな事に巻き込まれてるって言うんだ?」



752: 名無しさん 2018/03/11(日) 22:37:54.00 ID:SLoa7LKpo
  ・  ・  ・ 

黒服ボス「ええい! まだ高森藍子は捕まらんのか!」 


黒服A「も、申し訳ありません!」 

黒服ボス「あの取引が表に出れば、私達は終わりだ……!」 

黒服A「高森藍子の周辺で、‘あの’海坊主の姿が目撃されていて……」 

黒服ボス「言い訳はいい!」 

黒服ボス「なんとしてでも、高森藍子をここへ連れて来い!」 

黒服ボス「だが、絶対に殺しはするなよ!」 

黒服ボス「カメラの中身を確認するまで、生かしておく必要があるからな!」 

黒服ボス「……その後は、責任をとって貰うとしよう」 

黒服ボス「なあに、現役のアイドルだ……金を出す人間はいくらでもいる」 

黒服ボス「……ふふふ」 

黒服ボス「ふはははははっ!」 


  ・  ・  ・ 

白服A「しかし……確定では無いのですが……」 

白服ボス「シティーハンター……冴羽獠」 

白服ボス「冴羽獠、そして、海坊主が護衛についているとなると……」 

白服A「はい……迂闊に手出しは――」 


白服ボス「――3日後、高森藍子はラジオの公開収録がある」 


白服A「……は」 

白服ボス「その時を狙って、彼女をここへ必ず連れてくるのだ」 

白服A「ボス……詳しいですね」 

白服ボス「なあに、もともと彼女の事は知っていただけよ」 

白服ボス「良い機会だ……秘密を守るだけでなく……ぐふふ!」 

もっこり! 

白服A「ボス……」 

白服ボス「良いな! なんとしても、誰よりも早く彼女をここへ!」

753: 名無しさん 2018/03/11(日) 22:48:42.71 ID:SLoa7LKpo
  ・  ・  ・ 
喫茶キャッツアイ 

藍子「~♪」 

冴羽「う~ん、今日のお菓子もおいちい!」 

香「あっ、ちょっと! それ私の分!」 

冴羽「ケチケチするなよ、香。それに、食べ過ぎると太るぜ?」 

香「……ぬわんですってぇ~?」 

藍子「大丈夫ですよ~。香さん、スタイル良いですし♪」 

香「そ、そう? 現役アイドルの藍子ちゃんが言うなら……」 

冴羽「藍子ちゃん、あんまり甘やかすと、香はす~ぐ調子に乗っちまうんだ」 

藍子「でも、そこがお茶目で可愛らしいですよね」 

香「か、可愛らしいだなんて……///」 

冴羽「……真っ赤になっちゃってまあ」 


pipipipipi! 


海坊主「――藍子、時間だぞ」 

藍子「あっ、もうそんな時間ですか?」 

海坊主「今日は、ラジオの公開収録だったか」 

藍子「はい。海坊主さんも、良かったら聞いてくださいね」 

海坊主「そうだな、考えておく」 

藍子「……それじゃあ、行ってきます」 

海坊主「ああ、気をつけて」 

藍子「……はい」 


…チリンチリーン♪ 


冴羽「……海坊主さぁん、なんて呼ばれるようになったのか!」 

香「それに、藍子って呼び捨てにしてたし……」 


海坊主「ええい、黙れ黙れ! そんな目で見るんじゃねえ!」

754: 名無しさん 2018/03/11(日) 23:02:26.17 ID:SLoa7LKpo
  ・  ・  ・ 

海坊主『良いか、おれが藍子の近くで護衛をする』 

海坊主『お前は、離れた場所で不審な奴が居ないか監視しろ』 

冴羽『そ~んなもっともらしい事言っちゃって!』 

冴羽『素直にあの子を近くで守りたいって言えば、考えてやらんでもないのに』 

海坊主『ふん! お前の事だ、どうせ考えるだけだろう』 

冴羽『ぎく!……そ、そんな訳ないじゃないのよ、もう!』 

香『ほら、獠! 観念して、周辺を警戒するわよ!』 

冴羽『やだいやだい! ゲストにもっこり美人が来るかもしれないじゃないか!』 

冴羽『おれは近くで護衛するんだい!』 


100t!! 


香『グズグズ言ってないで、さっさとしなさい! 時間が無いんだから!』 

冴羽『……』プシュ~ 

海坊主『……お見事、って所か』 


冴羽『……海坊主、わかってるとは思うが油断するなよ』 

海坊主『当たり前だ。おれは、お前のように女に気を取られたりせん』 

冴羽『何言ってやがる! 藍子ちゃんに気を取られっぱなしじゃないか!』 

海坊主『ば、バカ野郎! それとこれとは話が別だ!』 


香『ちょっと二人共! 今は、止めてくれる藍子ちゃんが居ないんだから!』 

香『最近、あの子が居るからってたるみすぎ!』 


冴羽・海坊主『……はい』 


  ・  ・  ・ 


冴羽「……本当、不思議な子だぜ、藍子ちゃんは」

755: 名無しさん 2018/03/11(日) 23:10:58.78 ID:SLoa7LKpo
冴羽「……こちら異常無し」 


海坊主『こっちもだ。近くに不審な人物は見当たらない』 


冴羽「居るぜ。お前が」 


香『獠~?』 


冴羽「かっ、香! そっちは異常無いか!」 


香『……ええ、異常無――』 

香『待って! 物凄いスピードで、スタジオに向かうトラックが!』 


海坊主『何っ!?』 


冴羽「どうやら、香の方が当たりだった――」 

冴羽「――……って、訳でも無さそうだな」 


海坊主『おい! そりゃ、一体どういう意味だ!?』 


トラック「――」 

ブロロロロロロロロッ! 


冴羽「こっちも、怪しさ満点のトラックがおいでなすった!」 

冴羽「海坊主! こっちはおれが何とかする!」 

冴羽「そっち行く一台は任せたぞ!」 


海坊主『――ふん! ヘマしやがったら、承知しねえぞ!』 


冴羽「――抜かせ!」

756: 名無しさん 2018/03/11(日) 23:23:59.86 ID:SLoa7LKpo
  ・  ・  ・ 

黒服A「――くそっ! ボスも無茶を言うぜ!」 

黒服B「‘あの’シティーハンター冴羽獠と海坊主が守る女を捕まえろなんて!」 

黒服A「……だが、可愛い子だったなぁ」 

もっこり! 

黒服B「ああ。捕まえた後、お楽しみの時間が――」 

もっこり! 

黒服A・B「ぐふふふふ!」 

ブロロロロロロロッ! 



冴羽「……」 



黒服A「っ!? さ、冴羽獠!?」 

黒服B「構うな! このまま轢き殺しちまえ!」 

ブロロロロロロロッ! 



冴羽「――おたくらには悪いが……」 

チャキッ 


黒服A「そんな銃一丁で、どうにかなると思うな!」 

黒服B「死ねえっ! 冴羽獠っ!」 



冴羽「ここから先は、通行止めだ」 

ドォンッ! 



黒服A「う、うわああっ!? は、ハンドルが!?」 

黒服B「おい! 前! 前――」 

キキィィィィィッ―― 



冴羽「……」 



――ドオオオォォォンッ!

757: 名無しさん 2018/03/11(日) 23:46:27.94 ID:SLoa7LKpo
  ・  ・  ・ 

藍子「高森藍子の、ゆるふわタイムのお時間です」 

藍子「今日はなんと、いつものスタジオでなく、公開収録です」 

藍子「そしてゲストは、ポジティブパッションの同じメンバーのこの方っ」 

茜「元気ですかー! 元気があれば何でも出来る!! いくぞー!!!!」 

藍子「はーい茜ちゃん、もう少し声のボリューム落とそうねー」 

藍子「こんな事もあろうかと、茜ちゃんのマイク音量は小さくしてあります」 

茜「1! 2!! 3!!!」 



――ドオオオォォォンッ! 



藍子「っ!?」 

茜「おおっ!!? 私の気合が、遠くで爆発を!!?」 



「キャアアアアアッ!?」 

「おい、逃げろ! トラックが突っ込んでくる!」 



藍子「えっ!? えっ!?」 


…パリイイイインッ! 

???「っ!」 

…ゴロゴロゴロゴロッ 


茜「うおー!? 何か!! 何か飛び込んできましたよ!!?」 


海坊主「伏せろッ!」 

ガシイッ! 

藍子「うっ……海坊主さん!? どうしてここへ!?」 

茜「凄い!! 物凄いパワーを感じますよ!!」 

海坊主「話は後だ! 黙ってろ!」 

藍子・茜「っ!?」 



ドカアアアァァァンッ!

758: 名無しさん 2018/03/11(日) 23:59:53.93 ID:SLoa7LKpo

……パラパラッ… 


海坊主「……チクショウ……無茶苦茶しやがるぜ……!」 

藍子「う、海坊主さん……その……」 

海坊主「怪我はないか? 悪いな、荒っぽくなっちまった」 

ポタッ…ポタッ… 

茜「あ、貴方の方が怪我してるじゃないですか!!」 

海坊主「なんてこたねえ。かすり傷よ」 

ポタッ…ポタッ… 

藍子「でもっ、いっぱい血が出て……!」 

海坊主「そんなことよりも、だ」 


白服A~F「……」 


海坊主「よくもまあ、このおれを舐めてくれたもんだ」 


白服A~F「……」 


海坊主「その程度の人数で、どうにかなるとでも――」 


白服G「……」 

――キラッ! 


海坊主「!? もう一人隠れてやがったのか! チイッ――」 

ガバッ! 

茜「!? あ、あのっ!? 何を――」 


ドォンッ! 


海坊主「うぐおっ!?」 

茜「……えっ?」 

海坊主「……」 


藍子「!? 海坊主さん!――海坊主さんっ!」 

白服A「今の内に連れて行くぞ! モタモタしていたら、冴羽がここへ来る!」 


藍子「海坊主さんっ!」 

藍子「海坊主さ――~~んっ!」

759: 名無しさん 2018/03/12(月) 00:00:59.45 ID:JxnO1L0Go
休憩

760: 名無しさん 2018/03/12(月) 00:38:45.69 ID:JxnO1L0Go
  ・  ・  ・ 

ブロロロロロロッ! 


海坊主「――っ!?」 

ガバッ! 


冴羽「ようやく目を覚ましたか、このドジ」 


海坊主「おい! あれからどれ位経った!?」 

茜「まっ、まだ動かないでください!! 撃たれたんですよ!!?」 

海坊主「あの時の……どうしてここに!?」 


冴羽「その子が離れようとしなかったんだよ、仕方ないだろうが」 


冴羽「……しかし、海坊主ともあろう奴が情けないぜ!」 


茜「それはっ!! 私を庇ったから!!!!」 

海坊主「……いいや、お嬢ちゃん。今回ばかりは、奴の言う通りだ」 

茜「でもっ!!」 


冴羽「――それで? お前はどっちにする?」 


海坊主「――決まってるだろう。藍子の方だ」 


冴羽「今度ドジを踏んだら、お前の店を猫まみれにしてやるからな」 

海坊主「ふん! そんな機会は無い……二度とな」 


茜「あの……二人共、何を言ってるんですか?」 


海坊主「お嬢ちゃん、車を降りて、お家に帰って待ってな」 

冴羽「このタコの言う通り。こっからは、子供には刺激が強すぎる」 

海坊主「車は使わせて貰うぞ」 

冴羽「壊すなよ?」 

海坊主「……」 

冴羽「おい! 返事をしろ! 聞いてんのか!?」

761: 名無しさん 2018/03/12(月) 00:48:02.40 ID:JxnO1L0Go
キキイッ! 


…ガチャッ 

茜「……」 

冴羽「……」 

…バタンッ 


――ブロロロロロロロロオオオンッ! 


冴羽「ああっ!? あの野郎! 人の話を聞いてたのか!?」 

茜「あっ、あの!!」 

冴羽「はあいっ!?……おお~、ビックリした!」 

茜「あの人は……藍子ちゃんを助けに行ったんですか!?」 

冴羽「ああ、その通り」 

茜「だけどっ!! 撃たれてたし!! 血も、いっぱい出て!!」 

冴羽「な~に! ちょっと位血が抜けてた方が、丁度良いのさ!」 

茜「どっ、どうして!?」 

冴羽「でないと、あのハゲ頭に血が上って――」 

冴羽「パンッ!」 

冴羽「――とはじけちまってただろうからね!」 


冴羽「……大丈夫。藍子ちゃんは無事に戻ってくるさ」 


冴羽「今のアイツは……おれでも相手したくない程キレちまってるからな」 


茜「あの……貴方は、どこへ行くんですか!?」 


冴羽「大したことじゃないさ」 


冴羽「――お掃除だよ、お掃除」 


  ・  ・  ・ 


香「――フンッ!」 

黒服A「……あへ……あへ」ボロッ! 

黒服B「もう……全部喋ったから……許してぇ」ボロッ! 

香「それじゃあ――これでオシマイにしといてあげる!」 


1000t!!!

762: 名無しさん 2018/03/12(月) 01:07:36.32 ID:JxnO1L0Go
  ・  ・  ・ 

白服ボス「ようこそ、高森藍子ちゃん!」 

藍子「私に……何の用ですか……!」 

白服ボス「ああっとぉ! そんな怖い顔をしないで貰いたい!」 

藍子「……!」 

白服ボス「ふうむ……案外と気の強い所もある、か」 

白服ボス「でなければ、我々の取引の写真など撮らない、か」 

藍子「写真!? 貴方は、一体何を言ってるんですか!?」 


白服ボス「――このカメラは、君の物だね?」 


藍子「まさか……それだけが目的で!?」 

白服ボス「少し、中身を確認させてもらう……ふむ……ふむ」 


白服ボス「申し訳ない! どうやら、君は何も見ていなかったらしい!」 


藍子「だから……何を――!」 


白服ボス「それは勿論、違法薬物の取引現場だよ」 


藍子「!?」 

白服ボス「取引現場の写真を撮られたと勘違いしてしまっていた」 

藍子「だ、だったらもう――」 


白服ボス「ああ! だがしかし、君は我々の重大な秘密を知ってしまった!」 


藍子「それは、貴方が勝手に――」 

白服ボス「君を帰す訳にはいかなくなった」 


白服ボス「残念だが、アイドル、高森藍子は今日で引退……」 

もっこり! 


藍子「っ~~~!?」 


白服ボス「今日からは、私が可愛がって……ぐふ、ぐふふふふ!」 


藍子「こ、来ないでっ……!」 

藍子(――助けて、誰か!) 

藍子(誰か――!)

763: 名無しさん 2018/03/12(月) 01:20:03.57 ID:JxnO1L0Go

――ドオオオォォォンッ!! 


藍子「っ!?」 

白服ボス「なっ、なんだ!? 今の爆発音は!?」 

pi! 

白服ボス「――おい! 何が起こっている!?」 

白服ボス「……ええい! 何故誰も応答しない!」 


―ガチャッ! 


白服ボス「おい! 何が――」 



海坊主「――いよう、ラジオの公開収録を聞きに来たぜ」 



藍子「海坊主さんっ!」 

白服ボス「海坊主だと!? どうしてここがわかった!?」 



海坊主「お前さんらのトラックに、ちょいと発信機をしかけたまでよ」 



白服ボス「くっ……!」 



海坊主「助けを呼ぼうとしても無駄だ。残るは――テメエだけだ」 



白服ボス「ひいっ!? ば、化物め!」 

ガシッ! 

藍子「あうっ!?」 

白服ボス「くっ、来るな! 近寄るんじゃない!」 

チャキッ 



海坊主「……おい、その汚い手を離しやがれ」

764: 名無しさん 2018/03/12(月) 01:29:39.77 ID:JxnO1L0Go
白服ボス「は、ははははっ! お前は、この女を助けに来たんだろう!?」 

グイッ! 

藍子「痛っ!?」 

白服ボス「大人しく武器を捨てろ! さもなくば、コイツの命はないぞ!」 

チャキッ 



海坊主「……」 

ポイッ――ガチャンッ 

海坊主「……もう一度言う、その汚い手を離せ」 



白服ボス「く……くははははっ!」 

白服ボス「‘あの’海坊主が、こんな女一人のために命を捨てるとは!」 

藍子「駄目……! 海坊主さん、逃げて下さい……!」 

白服ボス「お前は黙ってろ!」 

白服ボス「なんだ? そんなナリをして、アイドルの尻を追いかけてたのか?」 



海坊主「……」 



白服ボス「……答える気はない、か」 

白服ボス「まあいい!」 

白服ボス「――死ねえっ! 海坊主!」 

チャキッ! 



海坊主「――!」 



藍子「海坊主さん――!」 



――ドオンッ! 


白服ボス「……うぐあっ!?」 

…ドサッ! 



海坊主「……ふん! 銃が一丁だけなんて、誰が言った」

765: 名無しさん 2018/03/12(月) 01:44:05.48 ID:JxnO1L0Go
  ・  ・  ・ 

喫茶キャッツアイ 


冴羽「――おい、冴子! 報酬が半分ってのはどういう事だ!」 

冴子「当たり前でしょう。藍子ちゃんは一回さらわれたんだから」 

冴羽「それは、このタコがヘマをしたからだろう!」 

海坊主「ふん、おれは正式に依頼を受けていたわけじゃない」チラッ 

冴羽「なんだと~!?」 

香「まあまあ! 半分でもかなりの額だから!」 

冴羽「い~や、納得出来ん!」 

冴子「何よ、だったらどうするつもり?」 

冴羽「決まってるだろう! 残り半分は、お前の体で――」 

もっこり! 


100t!!×2 


香・冴子「……」 

冴羽「……アハ」 

ガクッ! 


冴子「――だけど、まさか違法薬物事件に巻き込まれてたなんて」 

香「あたしも驚いた……てっきり、ただの変態野郎相手だと思ったのに」 

冴子「ずっと追っていた組織二つが一気に潰せて万々歳よ」 

香「あ~あ、結局、一番得をしたのは冴子さんだったか~」 


冴羽「……良いや、そうでもないさ」 


香・冴子「えっ?」 

冴羽「見ろよ、あの海坊主のソワソワした様子を」 


海坊主「……」チラッ 


香「そういえば、さっきからずっと時計を気にして……」 


チリンチリ~ン♪

766: 名無しさん 2018/03/12(月) 01:55:25.62 ID:JxnO1L0Go
  ・  ・  ・ 
http://www.nicovideo.jp/watch/sm2037550
 

海坊主「……」 

藍子「……」 



香「二人共……」 

冴子「さっきから、ずっと喋らないわね……」 

茜「藍子ちゃん、何から話したらいいかわからないんだと思います!!」 

冴羽「そ、そうなの?」 

茜「はい!!!!」 

冴羽・香・冴子「あ、あはは……」 



藍子「あのっ……」 

海坊主「……何だ」 

藍子「どうして……助けに来てくれたんですか?」 

海坊主「言っただろう。ラジオの公開収録を聞きに、だ」 

藍子「……」 

海坊主「……あー、マドレーヌが、気に入ってな」 

藍子「えっ?」 

海坊主「また、作ってきてくれると、その……有り難い」 

藍子「……」 


藍子「――はいっ♪」ニコッ 


海坊主「……///」 



冴羽「――自分の店の常連で、ファンなんだ」 

冴羽「そりゃ、どこへだって駆け付けるさ」 

冴羽「なあ?」 




おわり




780: 名無しさん 2018/03/12(月) 21:03:04.21 ID:JxnO1L0Go
>>779 
こうなるかと 

http://www.nicovideo.jp/watch/sm2037550
 


菜々「やりましたね! 冴羽さんっ!」 

ぎゅっ! 

冴羽「おいおい、浮かれすぎだぜ菜々ちゃ――」 

もっこり! 

菜々「ぐえっ!?」 

どてーん! 

香「ちょっと! 何してるのよ獠!?」 


冴羽「すっ、すまん! わざとじゃないんだ!」 

冴羽(おいおい、どうしたんだ俺のもっこりちゃん!) 

冴羽(17歳に反応するなんてロリコンじゃないか!) 


菜々「もー、元気なのは良いですけど、気をつけて下さい!」 

菜々「アイタタタ、腰が……」 


香「腰がって……菜々ちゃん、まだそんな歳じゃないでしょ」 


菜々「……アハハ、実はナナ――」 


冴羽・香「ええ~~~っ!!?」 


おわり 

ゲームしてきます