36: 名無しさん 2019/05/09(木) 20:44:11.67 ID:Ze+g0/rEo
雪山 上空 


バラバババババッ! 


幸子「す……凄く綺麗な景色ですね……!」ブルブル! 


杏「なーんて言う割に、滅茶苦茶震えてるじゃんか」 

かな子「しょ、しょうがないよ……」 

智絵里「う、うん……」 


幸子「ふ、フフーン!」ブルブル! 

幸子「スカイダイビングは、もう慣れてますからね!」ブルブル! 

幸子「カワイイボクにかかれば――」 


武内P「そろそろ、目的のポイントに着きます」 


幸子「ひいっ!? もうですかぁ!?」ビクゥッ!


引用元: ・武内P「援助交際、ですか」

38: 名無しさん 2019/05/09(木) 20:51:05.93 ID:Ze+g0/rEo
杏「雪山の上空からスカイダイビングして――」 

かな子「――盆地にある特設ステージに着地」 

智絵里「そして歌い出すPV撮影だなんて……」 


幸子「まま、全く!」ブルブル! 

幸子「カワイイ子には旅をさせろと言いますけどね!」ブルブル! 

幸子「さすがに、道のりが険しすぎませんか!?」ブルブル! 


武内P「輿水さんが自分から提案された、と」 

武内P「……そう、聞いていましたが」 


幸子「ちょっとしたお茶目のつもりだったんですよ!」ブルブル! 

幸子「ボクがカワイイからって、言う通りになりすぎです!」ブルブル! 


武内P「……頑張って下さい」 

杏「ま、杏達は上空から応援してるよ~」 

かな子「ふぁ、ファイト! 幸子ちゃん!」 

智絵里「し、幸せのおまじない……!」ム~ン! 


幸子「……ええ、やりますよ!」ブルブル! 

幸子「カワイイボクの、カワイイPV撮影のためにね!」ブルブル!

39: 名無しさん 2019/05/09(木) 20:55:07.00 ID:Ze+g0/rEo
武内P「皆さん」 

武内P「輿水さんのスカイダイビングの――リアクション」 

武内P「今後のためにも、是非、学んでおきましょう」 

武内P「……活かされる機会は、無いと思いますが」 


かな子・智絵里「は、はいっ!」 

杏「良いリアクション期待してるよ~?」ニヤニヤ! 


幸子「そうですね! よーく見ててくださいよ!」ブルブル! 


武内P「……はい、了解です」 

武内P「輿水さん、ポイントに到着しました」 


幸子「ひいっ!?」ビクゥッ! 


杏「おおう、早速良いリアクションだね~」

40: 名無しさん 2019/05/09(木) 20:59:30.59 ID:Ze+g0/rEo
幸子「すぅ……はぁ……!」 

幸子「――カワイイ!」キャルンッ! 


武内P「……はい、オーケーです」 

武内P「今の表情は、素材として十分使えるかと」 


幸子「そっそそそそそ、それじゃあいきますよ!」ガタガタ! 


武内P「オーケーです」 

武内P「今の表情は、確実に使用されるかと」 


ガラッ! 


杏「うっわ、寒っ!」 

かな子「さ、幸子ちゃん! 早く~!」 

智絵里「が、頑張ってね……!」 


幸子「もう少し暖かく送り出してくれませんかねぇ!?」

41: 名無しさん 2019/05/09(木) 21:03:33.31 ID:Ze+g0/rEo
幸子「……10秒前からカウントお願いします!」 


杏・かな子・智絵里「5!」 


幸子「あっれぇ!? ボクの話聞いてました!?」 


杏・かな子・智絵里「3!」 


幸子「あっれぇ!? 4はどこにいったんですか!?」 


杏・かな子・智絵里「1!」 


幸子「嘘でしょう!? 3カウントで飛べって!?」 


杏・かな子・智絵里「0!」 


幸子「~~っ!? あ、あわっ、あわわっ!?」 

幸子「ま……ままよ!」 


ぴょ――んっ!!

42: 名無しさん 2019/05/09(木) 21:12:21.35 ID:Ze+g0/rEo
  ・  ・  ・ 

武内P「――と、勢いよく飛び出した直後」 

武内P「謎の突風が吹き、輿水さんの体がどんどん流されていき……」 


幸子「フフーン!」 

幸子「風が、ボクのカワイさに誘われてしまったようですね!」 


武内P「予想していた降下地点にはほぼ確実に行けない、と」 

武内P「……そう、判断しました」 


幸子「フフーン!」 

幸子「回り道をして、ボクのカワイさを振りまきますよ!」 


武内P「遭難の可能性が非常に高かったので……」 

武内P「……装備一式と共に、輿水さんを追って私も降下しました」 


幸子「結果的に、遭難者が二人になったんですよね!」 

幸子「あーららこらら! ボークはカワイイー!」 


幸子「……もおおおおおお! なんでええええええ!?」

43: 名無しさん 2019/05/09(木) 21:19:48.23 ID:Ze+g0/rEo
武内P「……良い、絶叫です」 

幸子「なんでカメラ回してるんですか!?」 

武内P「PVに使えると思いまして」 

幸子「あ、そうなんですね!」 


幸子「……って、ダジャレてる場合じゃありませんよ!」 

幸子「遭難ですよ!? そ・う・な・ん!」 

幸子「フフーン! 一面銀世界の、カワイイボクに相応しい景色ですね!」 

幸子「なんて言ってる場合じゃないですよね!? わかってますよ!」 


武内P「輿水さん、安心して下さい」 

武内P「装備の中には、発信機もあります」 

武内P「なので……すぐ、救助が来る筈です」 


幸子「……」 

幸子「なんでそれを早く言ってくれないんですか!?」 


武内P「お伝えしようと思っていたのですが……」 

武内P「……輿水さんの素晴らしい表情が見られて……はい」 


幸子「そうですね! ボクはカワイイですもんね! チクショウ!」

44: 名無しさん 2019/05/09(木) 21:26:08.50 ID:Ze+g0/rEo
武内P「……輿水さん」 

幸子「今度は何ですか!?」 

武内P「救助が来るのは、少し先になります」 

幸子「はいっ!?」 

武内P「……あの空を見て下さい」 

幸子「……」 


幸子「なんか……もの凄く大きな雲が」 


武内P「はい」 

武内P「本日は、雲ひとつ無い晴天だったのですが……」 

武内P「……これは、吹雪がくるかも知れません」 

武内P「なので、それを凌げる場所に移動する必要があります」 


幸子「……」 


武内P「そして、悪天候の中ではヘリは飛べません」 

武内P「なので……輿水さん?」 


幸子「帰りたああああああい! お家帰りたああああああい!」ピー!

45: 名無しさん 2019/05/09(木) 21:37:38.65 ID:Ze+g0/rEo
  ・  ・  ・ 

雪山道 


幸子「Call My Name! My Darling!」 

幸子「Please Tell Me You’re So Cute!」 

幸子「顔上げてさあ扉開いて♪」 


武内P「いえ、可能な限り下を見て歩いてください」 

武内P「私の足跡の上を歩けば、体力の消耗が防げます」 

武内P「それに――」 


幸子「歌ってるだけですよ!」 

幸子「っていうか、なんでカメラ回してるんですか!?」 

幸子「今のこの状況も、PVに使うんですか!?」 


武内P「……普段では、絶対に見られない」 

武内P「輿水さんの極限時の表情は、撮影しておくべきかと」 


幸子「フフーン! カワイイボクをなめないでください!」 

幸子「極限時の表情なんて、しょっちゅうしてますからね!」

47: 名無しさん 2019/05/09(木) 21:44:03.50 ID:Ze+g0/rEo
武内P「……先程の話の続きになります」 

武内P「私の足跡の上を歩くのは、体力の消耗を防ぐ以外にも――」 

幸子「あっ!」 

武内P「輿水さん?」 

幸子「あれ! あれを見て下さい!」 

武内P「あれは……」 


幸子「――洞窟ですよ!」 

幸子「あそこなら、吹雪だってへっちゃらです!」 

ボスッボスッボスッボスッ! 


武内P「!?」 

武内P「輿水さん、待ってください!」 


幸子「フフーン!」 

幸子「ボクは体が軽いから、雪道でも割と楽ですからね!」 

幸子「カワイイボクの歩みに、着いてこられま――」 


―ふわぁっ 


幸子「――す」 


―ジャボーンッ!

48: 名無しさん 2019/05/09(木) 21:54:13.79 ID:Ze+g0/rEo
幸子「が、ガボッ!? あっぷ、冷たっ……!?」 

バチャバチャ! 


武内P「すぐに助けます!」 

バッ! ババッ、バッ! 


幸子「ごぶふっ!?」 

幸子「なんで服を脱ぎだし……っぷふっぶ!?」 

バチャバチャ! 


武内P「濡れた服を着たままで居ると、低体温症が引き起こされる場合があります!」 

ババッ、バッ! 

武内P「濡れた服が風で冷やされ、体温がどんどん奪われていくからです」 

ババッ、スポーンッ! 

武内P「――輿水さん、今助けます!」 

ぷるぷるんっ! 


幸子「がーぼがぼがぼ!?」 

バチャバチャ!

49: 名無しさん 2019/05/09(木) 22:04:46.04 ID:Ze+g0/rEo
  ・  ・  ・ 

幸子「あばっぶ、ぶっ、寒いい……!」ガタガタ! 


武内P「輿水さん、服は自分で脱げますか!?」 

サッ! ゴシゴシ! サッ! ゴシゴシ! 

武内P「先程も言った通り、濡れた服を着たままでは危険です!」 

サッ! ゴシゴシ! サッ! ゴシゴシ! 

武内P「この様に、雪で体の表面についた水分を除去する必要が!」 

サッ! ゴシゴシ! 

武内P「輿水さん、服は自分で脱げますか!?」 


幸子「ふ、服を脱ぐって……で、出来ませんよ!?」ガタガタ! 

幸子「あばっ、さぶ、ぶぶっぶぶぶ!」ガタガタ! 


武内P「……輿水さん、失礼します!」 


幸子「し、失礼しますって……!?」ガタガタ! 

幸子「ボクはカワイイボクで……あっ、ちょっ、待っ――」ガタガタ! 


幸子「あ――――っ!?」ガタガタ!

50: 名無しさん 2019/05/09(木) 22:12:08.31 ID:Ze+g0/rEo
  ・  ・  ・ 

洞窟内 


パチパチ…パチッ…! 


武内P「……焚き火の炎も、安定しましたね」 

武内P「これならば……吹雪いても問題無いでしょう」 

武内P「幸い、三村さんが隠し持っていたお菓子が大量にあります」 

武内P「カロリーが不足する心配はしなくても良いかと」 


幸子「……」ジーッ 


武内P「……輿水さん」 

武内P「アクシデントはありましたが……もう、大丈夫です」 

武内P「後は、ここで救助が来るのを待ちましょう」 


幸子「……」ジーッ 


武内P「……輿水さん?」 

武内P「……」 

武内P「焚き火の炎は……神聖な気持ちになりますね」 


幸子「そういう理由で一点を見てるんじゃないですよ!」 

幸子「だって、はだっ、かっ、かかっ、か――っ!?///」

51: 名無しさん 2019/05/09(木) 22:19:52.28 ID:Ze+g0/rEo
武内P「輿水さん……安心して下さい」 

幸子「何がですか!?///」 

武内P「PVには使用出来ないとわかっていたので……」 

幸子「……カメラで撮ってたとかじゃなくてですねぇ!?」 

武内P「は……はあ……?」 

幸子「右手を首筋に当てないでください! ムカッとしますから!」 

武内P「……すみません」 


武内P「……ですが、今後この様な状況に陥った場合」 

武内P「雪道を迂闊に歩くのは、絶対にやめてください」 

武内P「先程の様に、氷の上に張った雪のせいで……」 

武内P「……水に落ちてしまう危険性がありますから」 

武内P「もしも、それが崖だったら……」 


幸子「それは……」 

幸子「……」 

幸子「……すみません、ボクが悪かったです」

52: 名無しさん 2019/05/09(木) 22:26:07.47 ID:Ze+g0/rEo
幸子「だけど……もうこんな経験はごめんですよ!」 

武内P「ええ、そうですね」 

幸子「だけど、貴方も変わった人ですねぇ!」 

武内P「そう……でしょうか?」 

幸子「そうですよ!」 


幸子「カワイイボクが、体温を上げるためとはいえ――」 

幸子「――すっぽんぽんで腕立て伏せしてるのに!」 

幸子「ぜーんぜん、気にした素振りを見せないんですから!」 


武内P「それは……」 

武内P「……急いで火を着けて温まらないと、ですね」 

武内P「最悪の場合……はい」 


幸子「……そですね」 

幸子「もうやめましょうか、この話は」

55: 名無しさん 2019/05/09(木) 22:38:02.41 ID:Ze+g0/rEo
武内P「……どうぞ、輿水さん」 

武内P「三村さんが隠し持っていて――」 

武内P「――緒方さんが教えてくれたマシュマロが、焼けました」 

スッ… 


幸子「あ……ありがとうございます」 


武内P「双葉さんが持っていた飴もあります」 

武内P「甘い物ばかりで申し訳ありませんが……」 


幸子「い、いえ! 十分ですよ!」フルフル! 

幸子「それじゃあ……いただきます」 

幸子「……はっ、はふっ、熱っ!」 


幸子「……美味しい」ニコッ! 


武内P「……良い、笑顔です」 


幸子「なんで撮って……はぁ……」 

幸子「もうっ! 撮るんだったら、ちゃーんと撮ってくださいよ!」 


幸子「カワイイボクの、一度っきりの遭難中の笑顔なんですから!」ニコッ!

56: 名無しさん 2019/05/09(木) 22:46:47.17 ID:Ze+g0/rEo
  ・  ・  ・ 

幸子「――なーんて言ってたのが、もう二ヶ月前ですかぁ」 

武内P「はい。つい先日の事の様に思い出せます」 

幸子「フフーン! あの映像、大好評でしたねぇ!」 

武内P「ええ、とても素晴らしいPVでした」 

幸子「割とすぐに救助も来ましたしね!」 

武内P「あの時の笑顔も……素晴らしいものでした」 


幸子「……その、カワイイボクへのご褒美~♪」ニコッ! 

幸子「フフーン! 南の島でのバカーンス!」ニコニコッ! 


武内P「……の予定が、変更になってしまいましたね」 

武内P「まさか、輿水さんが船から落ちてしまうとは……」 

武内P「……潮の流れが突然激しく、どんどん流された時は……はい」 

武内P「慌てて後を追うように飛び込んで、正解でした」 


幸子「それでも無事なのは、カワイイボクは神様に愛されてるからですね!」ドヤァ! 


武内P「それは……あの……すみません」 


幸子「……帰りたああああああい! お家帰りたああああああい!」ピー! 



武内P vs. WILD 「輿水幸子と無人島でサバイバル」 





おわり