111: 名無しさん 2019/05/12(日) 20:45:54.36 ID:nEhBX/jIo
まゆP「ほお、そりゃあ意外だな」 

武内P「そうでしょうか?」 

まゆP「お前のことだから、色々するのかと思ってたぜ」 

武内P「……あの」 


まゆP「だがな、俺達ももういい歳だ」 

まゆP「親孝行の一つや二つ、いや、三つや四つ!」 

まゆP「ええい、面倒くせえ! この際たっぷりとしてやろうじゃあねえか!」 

まゆP「……って思うのが当たり前だぞ、うん!」 


武内P「……」 

武内P「一体、何を企んでいるのでしょうか?」

                 
                             引用元: 
・武内P「援助交際、ですか」
112: 名無しさん 2019/05/12(日) 20:49:15.39 ID:nEhBX/jIo
まゆP「はぁ!? 企んでる!? 俺が!?」 

まゆP「あー、嫌だ嫌だ! これだから疑り深い奴ってのは!」 

まゆP「良いか? あんまり人を疑うもんじゃない!」 

まゆP「そんな風にカーチャンに教わっただろ?」 


武内P「では、一体どうして此処へ?」 


まゆP「そ、そりゃお前、アレだよ……アレ」 

まゆP「……俺達は、プロデューサーだ」 

まゆP「担当するアイドルをより輝かせるための……いわば、戦友」 

まゆP「その戦友のツラを急に拝みたくなっちまっただけさ」 


武内P「正直に話して下さい」

113: 名無しさん 2019/05/12(日) 20:53:59.44 ID:nEhBX/jIo
武内P「先程の、親孝行、という言葉に関係が?」 


まゆP「……ま、そうだな」 

まゆP「黙っててもいずれわかる事だ、仕方ねえ」 

まゆP「そうだよ、親孝行に関する話だよ」 

まゆP「えっ? まさかお前嫌いなの? 親孝行ー!」 


武内P「……当然、嫌いではありませんが」 

武内P「……」 

武内P「時間稼ぎ、ですか?」 


まゆP「えっ!? お前、まさか……!?」 

まゆP「今、何が起こってるか知ってんのか!?」 


武内P「…………」 

武内P「……」 


武内P「はい、勿論です」

114: 名無しさん 2019/05/12(日) 20:58:20.46 ID:nEhBX/jIo
まゆP「っかー! 知ってて平然としてるとか、マジかよお前!」 

武内P「……何故、貴方が時間稼ぎを?」 

まゆP「そりゃお前、俺は特に話す事もねえからな」 

武内P「……そう、ですね」 

まゆP「しっかし、いきなり母親が来るとは思わなかったぜ」 

武内P「……貴方の、ですか?」 


まゆP「あん? 今更なーに知らないフリしてんだよ!」 

まゆP「――お前のに決まってんだろ」 


武内P「えっ?」 


まゆP「来てるのは、お前のカーチャーン!」 


武内P「…………」 


武内P「えっ!!?」

115: 名無しさん 2019/05/12(日) 21:02:19.70 ID:nEhBX/jIo
武内P「どこへ……ですか……!?」 

まゆP「そりゃあ、346プロに決まってんだろ」 

武内P「今、事務所内に……!?」 

まゆP「下のカフェで優雅にお茶してるんじゃねえか?」 

武内P「誰と、ですか……?」 

まゆP「……」 


まゆP「テメエ! 何にも知らないんじゃねえか!」 

まゆP「俺をハメるたぁいい度胸だ! 表出ろ!」 

まゆP「……っていうのは無しで、此処で決着つけんぞコラァ!」 


武内P「待ってください! 誰とですか!?」

117: 名無しさん 2019/05/12(日) 21:10:36.01 ID:nEhBX/jIo
まゆP「ウチのカフェのサンドイッチって量が少ねえよな」 

まゆP「いや、わかるよ? ガールズだらけだもの」 

まゆP「だからって、量が少ないのが固定なのは頂けねえ」 

まゆP「こう、ガッツリしたカツサンドとか置くべきだよ、うん」 


武内P「……!」 

ガタッ! 


まゆP「待て待て待て待て! 落ち着けって!」 

まゆP「なっ? もうちょっとだけ! 先っぽだけだから!」 

まゆP「まだ此処に居て! お願い! 三百円あげるからァァァ!」 


武内P「……」 

スタスタスタスタ… 


まゆP「止まれって言ってんのがわかんねえのか! あぁん!?」 

まゆP「本当に頼むからァァァァァ!! お願いしますゥゥゥゥゥ!!」

118: 名無しさん 2019/05/12(日) 21:14:52.98 ID:nEhBX/jIo
まゆP「今行ったらマズいんだっての! わかれよ!」 

まゆP「同僚がこんなに必死に頼んでんだぞ!?」 

まゆP「理由くらい聞いても良いんじゃあねえのか!?」 


武内P「……正直に話すのでしたら、聞きます」 


まゆP「さすがだぜ! 伊達に人殺してそうな顔してねえな!」 

まゆP「オーケーオーケー! わかってるっての!」 

まゆP「そうだな……どこから話したもんか……」 

まゆP「……今朝起きたら、アラームが鳴る三十分前だったんだ」 

まゆP「こういう時ってどうするか迷わねえか? 起きるか、二度寝するk」 


武内P「失礼します」 

スタスタスタスタ… 


まゆP「冗談ですゥゥゥゥゥ!! 話すから待ってェェェェェ!!」

119: 名無しさん 2019/05/12(日) 21:21:00.63 ID:nEhBX/jIo
武内P「手短にお願いします」 

まゆP「まあ……キャバクラに行ったのがバレててな?」 

武内P「はい」 

まゆP「時間稼ぎをすれば、悪いようにはしないって言われたんだよ」 

武内P「成る程」 

まゆP「わかるだろ? 時間を稼がなきゃ、悪いようになるんだよ」 

武内P「……そう、でしょうね」 


まゆP「俺は……お前に重荷を背負わせたくねえんだ」 

まゆP「同僚――戦友が、大変な事になるってきっかけ」 

まゆP「そいつを作っちまった、って……苦しめたくねえんだよ」 

まゆP「……全部、お前のためなんだよ!」 


武内P「……」 

武内P「完全に貴方自身のためだ、と」 

武内P「……そう、理解しました」

120: 名無しさん 2019/05/12(日) 21:26:49.90 ID:nEhBX/jIo
武内P「……詳しく、聞かせて頂けますか?」 

…ストンッ 


まゆP「! おう! 何でも聞いてくれ!」 


武内P「母とカフェに居るのは……誰ですか?」 


まゆP「お前のよく知る人物……」 

まゆP「……ヒントは、‘み’、だ」 


武内P「……三村さん、ですか?」 


まゆP「はっはぁ! ひっかかりやがったな!」 

まゆP「かな子は関係ねえよ! 外れたから寄越せ!」 


武内P「……正解は?」 


まゆP「‘み’しろプロの関係者」 


武内P「あの……その答えは、ヒントの範囲では?」

121: 名無しさん 2019/05/12(日) 21:35:11.28 ID:nEhBX/jIo
武内P「しかし……何故、此処へ……」 

まゆP「来ちゃった、とか言ってたぞ?」 

武内P「……」 

まゆP「まあ、母の日だからってのは関係あるんじゃねえのか?」 

武内P「……ええ、恐らくは」 


まゆP「でもな、別にお前の顔を見に来た訳じゃねえんだとさ」 

まゆP「お前の顔を見る位なら、孫の顔を見せてくれた方が嬉しい」 

まゆP「……って言ってたぜ?」 

まゆP「まあ、息子としちゃあそれが親孝行なのかも知れねえな」 


武内P「……すみません」 

武内P「母と居る方は、その発言を聞いて……!?」 


まゆP「まあ……なんだ」 

まゆP「冗談っぽく言ってたから、セーフじゃねえの?」 


武内P「アウトです!」

122: 名無しさん 2019/05/12(日) 21:41:16.52 ID:nEhBX/jIo
武内P「携帯に連絡……いや、無駄だろう……!」 

まゆP「あ、お前のカーチャンって、もしかしてアレか?」 

まゆP「マナーモードにしたまま鞄に入れて、気付かないタイプ」 

武内P「ええ、そうです……!」 


武内P「……すみません」 

武内P「貴方の事は、忘れませんので」 


まゆP「……おいおい」 

まゆP「お前には、覚悟があるのか?」 

まゆP「……あの輪の中に入っていく、覚悟ってやつがよ」 


武内P「……輪?」 

武内P「……」 

武内P「待ってください、複数の方が一緒に居るのですか……!?」

123: 名無しさん 2019/05/12(日) 21:50:22.07 ID:nEhBX/jIo
まゆP「そうだな……ろく、よん……で」 

武内P「じゅ、十人ですか!?」 

まゆP「64やったら、コントローラーの取り合いになる人数だ」 

武内P「五人以上!?」 

まゆP「……なあ、もう諦めろって」 


まゆP「お前が、母の日に何もしないって理由はわかるぜ」 

まゆP「さっきみてえな冗談をチクリチクリと言われるもんな」 

まゆP「……でもよ、もう良いんじゃねえか?」 

まゆP「楽になっちまえって、なっ? 良いじゃん、楽するの」 

まゆP「披露宴やるなら、俺が余興をやってやるから」 


武内P「優しく、気軽に言わないで頂けますか……!?」

124: 名無しさん 2019/05/12(日) 22:03:23.20 ID:nEhBX/jIo
まゆP「……ん、監視役からLINEが」 

武内P「監視役!?」 

まゆP「おう、俺に足止めをしろって言った奴な」 

武内P「な、何故その方はそんな事を……!」 

まゆP「……うお、お前のカーチャンすげえな」 

武内P「は、母が何か!?」 

まゆP「ホラ、お前……仕事が恋人、って言うだろ?」 

武内P「え、ええ……そ、それが何か?」 


まゆP「お仕事相手が、こんなに素敵な子達だなんて」 

まゆP「恋人って表現する位、夢中になっちゃうのもわかるわ」 

まゆP「……って、言ったらしい」 


武内P「……そ」 

武内P「そういう意味で言っているのでは無いのに……!」

127: 名無しさん 2019/05/12(日) 22:12:23.55 ID:nEhBX/jIo
まゆP「……逆に良かったじゃねえか」 

まゆP「此処に足止めされてなかったら、やばかったぞ?」 

まゆP「こーんな話してる所に突っ込んでみろ」 

まゆP「確実に――誰に一番夢中?――とか言われてただろ」 

まゆP「冗談で言ったとしても、冗談じゃねえよ」 

まゆP「鼻歌交じりに命もってかれる事になってたぞ、お前」 


武内P「……」 


まゆP「……おい? どうした?」 

まゆP「俯くなんて、‘らしく’ねえじゃねえか」 

まゆP「男らしく、上を向いて歩こうぜ」 

まゆP「……じゃねえと、涙がこぼれちまうからな」 


武内P「……」

128: 名無しさん 2019/05/12(日) 22:18:08.35 ID:nEhBX/jIo
武内P「……」 


まゆP「おい、どうした? さっきから黙ってるが……」 

まゆP「……死んだか?」 


武内P「……生きています」 

武内P「この状況を何とかしなければいけない、と」 

武内P「……助けを呼びました」 


まゆP「……はっはっは! 何を言ってんだ!」 

まゆP「この状況を? 何とかする?」 

まゆP「無理無理無理無理! 出来っこねえって!」 


武内P「いえ、大丈夫です」 


まゆP「……はぁ?」 

まゆP「一体全体、何処の誰がそんな真似が出来るってんだよ?」 


武内P「それは――」

129: 名無しさん 2019/05/12(日) 22:24:15.29 ID:nEhBX/jIo
  ・  ・  ・ 

まゆP「……まさか、本当に何とかなっちまうとはな」 

まゆP「いや! さすがに駄目だと思ったぞ、マジで!」 

まゆP「良かったなぁ! えぇ、オイ! ハハハ!」 

まゆP「年貢を収めるのが先になってよぉ!」 


武内P「……そうですね」 


まゆP「カーチャンを何とかするために――」 

まゆP「――トーチャンを呼ぶとは、だ!」 


武内P「……」 


まゆP「全く、情けねえ奴だなぁお前も!」 

まゆP「親離れが出来てねえにも程があるぜ!」 

まゆP「ブワッハッハッハッハ! アーッハッハッハ!」 


武内P「……」

131: 名無しさん 2019/05/12(日) 22:32:52.96 ID:nEhBX/jIo
武内P「……私が、母の日に何もしない理由」 

武内P「それは……父が理由ですから」 


まゆP「っくく……ま、そうらしいな!」 


武内P「私も、親元を離れて随分経ちました」 

武内P「昔は、私も贈り物等をしていましたが……」 

武内P「今は、父が母へと日頃の感謝をする日になっています」 


まゆP「それで、二人っきりでデートするんだろ?」 

まゆP「若い頃みてえに、待ち合わせをしてよ」 

まゆP「それで小洒落たレストランで食事をするなんて、良い夫婦じゃねえか」 


武内P「……ええ、そうですね」 

武内P「今日、此処に来たのは――待ち合わせ場所が近かったから」 

武内P「……だ、そうです」 


まゆP「……道草を食うって言うか、森林破壊だな」

132: 名無しさん 2019/05/12(日) 22:39:44.36 ID:nEhBX/jIo
まゆP「っつーか、不思議に思ったんだけどよ」 

まゆP「お前のカーチャン、どうしてトーチャンの電話は気付いたんだ?」 

まゆP「むしろ、電話が鳴る前に――そろそろ電話がきそう」 

まゆP「……って言ってたらしいぜ?」 


武内P「それは……私にも、わかりません」 

武内P「以前から‘そう’だったのですが……」 


まゆP「あえて理由をつけるとするなら――」 

まゆP「――夫婦だから、」 

まゆP「って事なのかねぇ……」 


武内P「……ええ、そうですね」

133: 名無しさん 2019/05/12(日) 22:48:22.94 ID:nEhBX/jIo
まゆP「それにしても、本当にカーチャンはすげえな」 


まゆP「――私が来たことは内緒にしてね」 


まゆP「……って言ってくなんてよ」 

まゆP「少なくとも、表面上は何もなかった事に出来るんだからな」 

まゆP「……そりゃ、腹の底で何考えてるかは知らねえけどもだ」 

まゆP「最悪の事態ってのは免れたんじゃねえのか?」 


武内P「ええ……しかし……」 


まゆP「……まあ、気にすんな」 

まゆP「結婚って良いなぁ感」 

まゆP「……そんなもん、歌って踊ってる内に忘れてくれるさ」 


武内P「……本当に、そう思いますか?」 


まゆP「馬鹿野郎、聞くんじゃねえよ」

134: 名無しさん 2019/05/12(日) 22:56:19.50 ID:nEhBX/jIo
まゆP「――うし! 今日は飲みに行くか!」 

武内P「……キャバクラですか?」 

まゆP「そんな気分じゃねえよ。普通の飲み屋だよ、普通の」 

武内P「……意外ですね」 

まゆP「たまには男同士のサシ飲みも悪かねえさ。だろ?」 

武内P「……はい、そうですね」 


武内P「母の日に何もしない――」 


まゆP「――親不孝の馬鹿息子同士で、な」 


武内P・まゆP「……」 

武内P・まゆP「……っくく!」

135: 名無しさん 2019/05/12(日) 23:03:10.39 ID:nEhBX/jIo
prrrr!prrrr! 


まゆP「……」 

武内P「ん、電話が……」 


prrrr!prrrr! 


まゆP「鳴ってねえよ」 

武内P「いえ、明らかに鳴って……」 


prrrr!prrrr! 


まゆP「鳴ってねえっつってんだろ!?」 

まゆP「俺はホラ、アレだから!」 

まゆP「マナーが悪いから、マナーモードじゃなくても気付かないから!」 

まゆP「ポケットの中の振動も気のせいだからァァァァァ!」 


武内P「……」

136: 名無しさん 2019/05/12(日) 23:15:08.46 ID:nEhBX/jIo
武内P「悪いようにはしない、という事は……」 

武内P「……良いようにもしない、という意味で言われたのでは?」 


prrrr!prrrr! 


まゆP「本当、なんでそんな怖い事言うのお前!?」 

まゆP「あーあー! お前のせいでおしっこチビっちゃったー!」 

まゆP「……助けてェェェェェ!! イヤァァァ!! イヤァァァァァ!!」 


武内P「……頑張って下さい」 


prrrr!prrrr! 


まゆP「そんくらい良いじゃねえかよォォォォォ!!」 

まゆP「お願いだからァァァァァ!! 三百円あげるからァァァァァ!!」 


武内P「……申し訳ありませんが」 


武内P「私は、貴方の母親ではありません」 




おわり