625: 名無しさん 2019/04/14(日) 20:09:58.94 ID:3eR6Ke4go
未央『えっ、そうなの?』 

凛「うん。なんか、そういう話になって」 

未央『どういう流れでそうなったのさ?』 

凛「ほら、ちょっと家の――花屋の人手が足りないから、って……」 

未央『休日だから、プロデューサーが手伝ってくれたんだよね?』 

凛「うん」 


凛「良いから、って言ったのに」 

凛「――いつも助けられていますから」 

凛「……って」 


未央『何々ー?』 

未央『しぶりん、なんか声が嬉しそうじゃーん!』


引用元: ・武内P「泥酔、ですか」

626: 名無しさん 2019/04/14(日) 20:14:17.54 ID:3eR6Ke4go
凛「別に、そんなんじゃないから」 

未央『はいはい! それで?』 

凛「せっかくだから、夕食も一緒にー、ってなって……」 

未央『しぶりんと、しぶりんパパママと……プロデューサーの?』 

凛「うん、四人で」 


凛「それで、プロデューサーとお父さんが盛り上がっちゃって……」 

凛「ねえ、男同士で話すのってそんなに楽しいの?」 

凛「途中から、私とお母さんが置いてきぼりだったんだけど」 


未央『そんなもんだよ? 多分』

627: 名無しさん 2019/04/14(日) 20:18:33.69 ID:3eR6Ke4go
凛「まあ、そんな感じで……かなりお酒飲んで」 

未央『パパリンはプロデューサーを気に入ったんだね!』 

凛「ぱ、パパリン?」 

未央『ままま、それは置いといて!』 

凛「……お母さんも、仕方ないわねぇって感じで笑っててさ」 


凛「お父さんが――良かったら泊まっていってください」 

凛「まだまだ話したりませんし、飲みたりませんから」 

凛「……って、今も下で飲んでる」 


未央『うわー……何の話してるんだろうねぇ』

628: 名無しさん 2019/04/14(日) 20:22:56.48 ID:3eR6Ke4go
凛「とりあえず、客間にお布団敷いて寝るみたい」 

未央『しぶりんのベッドで寝れば良いじゃん』 

凛「良い訳ないでしょ」 

未央『あっはは! そりゃそうか!』 

凛「……もう」 


凛「っと、もうこんな時間」 

凛「あんまり喋ってるとハナコが眠れないし、切るね」 

凛「――それじゃ、おやすみ」 


未央『はいはーい、おやすみん!』 

未央『ああっ、遂にしぶりんが大人の階段を登るのね!』 


凛「ちょっと、未央!」

629: 名無しさん 2019/04/14(日) 20:24:51.95 ID:3eR6Ke4go
  ・  ・  ・ 

凛「……」 

…ごろん 

凛「……」 

…ごろんっ 

凛「……」パチッ 


凛「……全然、眠れない」 


凛「……」 

凛「……何なの?」

630: 名無しさん 2019/04/14(日) 20:28:05.58 ID:3eR6Ke4go
凛「……」 

凛(プロデューサー……もう、寝てるかな) 

凛(……っていうか、何なの?) 

凛(私のプロデューサーでしょ?) 

凛(せっかくの機会なのに、お父さんとばっかり話して……) 


凛(……ちょっと待って) 


凛(‘せっかくの機会’って、何?) 


凛「……」 

…ごろんっ

631: 名無しさん 2019/04/14(日) 20:30:47.02 ID:3eR6Ke4go
凛「……」 

凛(今日のお礼も、ちゃんと言えなかったし……) 

凛(いや……それは良いのかな?) 

凛(――家での働きぶりも今後の参考になります) 

凛(……なんて言ってたから) 


凛「……」 

…むくっ 


凛(……一応) 

凛(一応、お礼だけは……言っておこうかな)

632: 名無しさん 2019/04/14(日) 20:35:48.73 ID:3eR6Ke4go
凛「……」 

凛(いや、でも……この格好はどうなんだろ) 

凛(シャツにハーパン……って、どうなの?) 

凛(確か、卯月が見せたのってパジャマで……) 

凛(……ピンクで、可愛いやつだったよね) 


凛「……」 


凛(それに比べて……って思われるのって、なんか癪) 

凛(だけど、着替えるのも何だし……とりあえず、保留)

633: 名無しさん 2019/04/14(日) 20:39:09.07 ID:3eR6Ke4go
凛「……」 

凛「っ……///」 

凛(……いや! いや、何考えてるの!?) 

凛(未央が変な事言うから! あり得ないから!) 

凛(そんなの、絶対に無い!) 


凛「……」 


凛(……っていうのも、何かモヤッとする) 

凛(なんだか……そう、プライドの問題っていうか)

634: 名無しさん 2019/04/14(日) 20:44:00.31 ID:3eR6Ke4go
凛「……」 

…ごそごそっ 

凛(うわっ……そうだった) 

凛(白やピンク、せめて青とかなら……) 

凛(……グレーって、ちょっと) 


凛「……」 


凛(全然! 全然、関係ないんだけど!) 

凛(万が一! そう! 万が一の場合を考えてだから!)

635: 名無しさん 2019/04/14(日) 20:47:49.89 ID:3eR6Ke4go
凛「……どうしよ」 

凛(着替える?) 

凛(いや、でも……) 

凛(気合を入れた格好をするのも……変だよね) 

凛(ダサいとか、子供っぽいと思われるのも……何か、イヤ) 


凛「……」 


凛(出来るだけ、自然で……) 

凛(それでいて、大人っぽい寝る前の格好って……)

636: 名無しさん 2019/04/14(日) 20:53:37.79 ID:3eR6Ke4go
  ・  ・  ・ 

客間・前 


凛「……」 

凛「――へくちっ!」 

凛「うぅ……寒っ……」 

凛(でも……これなら、大丈夫かな) 


凛「うん」 


凛(全裸だったら、自然だし大人っぽいと思う) 


凛「……」 


凛(…………ぜ) 

凛(全然大丈夫じゃない! 駄目でしょ!? あり得なくない!?)

637: 名無しさん 2019/04/14(日) 20:57:53.39 ID:3eR6Ke4go
凛「……!」 

凛(何で!? どうしてこうなったの!) 

凛(確かに、服装について触れられる事は無いけど!) 

凛(は……早く!) 

凛(早く、部屋に戻らないと――) 


トン、トン、トン、トン―― 


凛「!?」 


凛(誰か、下から上がってくる!?) 

凛(ちょっと待って! ねえ、嘘でしょ!?)

638: 名無しさん 2019/04/14(日) 21:00:51.24 ID:3eR6Ke4go
  ・  ・  ・ 

客間・中 


凛「……!……!」 


トタトタトタトタ… 


凛「……!」 

凛(気付かれなかった……よね!?) 

凛(全裸で部屋の間に居たの、バレなかったよね!?) 


凛「っ――!?」 


武内P「……zzz」スヤァ… 


凛「……!」ホッ…! 

凛(良かった……寝てた……良かった……!)

639: 名無しさん 2019/04/14(日) 21:05:59.62 ID:3eR6Ke4go
凛「……」 

凛(咄嗟に中に入る時、電気が点いてなかったから……) 

凛(だから、大丈夫だと思ったけど……本当に良かった……!) 

凛(バレたら、絶対大変な事になってから……!) 


武内P「……zzz」スヤァ… 


凛「……」 

凛(何だろ……この、何て言うか……) 

凛(私が、これだけ焦ったのに、ぐっすり寝てるなんて……) 

凛(……なんか、ちょっとモヤッとする)

640: 名無しさん 2019/04/14(日) 21:10:31.07 ID:3eR6Ke4go
武内P「……zzz」スヤァ… 


凛「……」 

凛(……でも、今日は疲れたんだろうな) 

凛(慣れない仕事を手伝ってくれて……それも、嫌な顔をせず) 

凛(――重たいものは、自分が) 

凛(なんて……私だって、時々やってる仕事なんだから) 


武内P「……zzz」スヤァ… 


凛「……」 

凛(――ありがとう、プロデューサー) 

凛(今日は、お疲れ様) 


凛「――へくちっ!」

641: 名無しさん 2019/04/14(日) 21:12:57.21 ID:3eR6Ke4go
凛「っ!?」 

凛(まず――) 


武内P「……zzz」スヤァ… 


凛「……」 

凛(――く、無かった) 

凛(なんか……全然起きそうにない) 


武内P「……zzz」スヤァ… 


凛「……」 

凛「…………」

642: 名無しさん 2019/04/14(日) 21:16:01.90 ID:3eR6Ke4go
  ・  ・  ・ 

武内P「……zzz」スヤァ… 

凛「……」 

武内P「……zzz」スヤァ… 

凛「……」 


凛(――いや! これはさすがにまずいでしょ!) 

凛(一緒の布団に入るなんて……それも、私裸だから!) 

凛(無い! 有り得ない! この状況は何なの!?) 


武内P「……zzz」スヤァ… 

凛「……」 


凛(……あったかい)

643: 名無しさん 2019/04/14(日) 21:20:31.82 ID:3eR6Ke4go
武内P「……zzz」スヤァ… 

凛「……」 

…もぞもぞっ 

武内P「……zzz」スヤァ… 

凛「……」 


凛(――ちょっと! 何考えてるの!?) 

凛(どうせだったら腕枕……って、はあっ!?) 

凛(プロデューサーが起きなかったから助かったけど!) 


武内P「……zzz」スヤァ… 

凛「……」 


凛(……まあ、悪くないかな)

644: 名無しさん 2019/04/14(日) 21:26:33.56 ID:3eR6Ke4go
武内P「……zzz」スヤァ… 

凛「……」 

…ぎゅっ 

武内P「……zzz」スヤァ… 

凛「……」 


凛(――違うから! 別に、そんなんじゃないから!) 

凛(くっついてないと、寒いから! そう、あったかい抱き枕!) 

凛(しょうがないでしょ!? 私、何も着てないんだから!) 


武内P「……zzz」スヤァ… 

凛「……」 


凛(……ふーん)

645: 名無しさん 2019/04/14(日) 21:30:29.01 ID:3eR6Ke4go
武内P「……zzz」スヤァ… 

凛「……」 

ぎゅっ 

武内P「……zzz」スヤァ… 

凛「……」 

すりすり… 


武内P「……zzz」スヤァ… 


凛「……」 

凛(これは……朝まで起きそうになさそう) 


武内P「……zzz」スヤァ… 

凛「……」 


凛「……zzz」スヤァ…

646: 名無しさん 2019/04/14(日) 21:38:50.12 ID:3eR6Ke4go
  ・  ・  ・ 

翌日 


未央「……ん? あれは……」 

未央「ふっふっふ! 早速からかってあげますかー!」 

タッタッタッタッ! 


未央「おっはよー! しーぶりんっ!」 


凛「未央?」キラキラッ! 


未央「うおおおっ!? 何その輝き!?」 


凛「ふふっ、輝き?」キラキラッ! 

凛「どうしたの急にそんな事言いだして」キラキラッ! 


未央「……!?」

647: 名無しさん 2019/04/14(日) 21:44:54.74 ID:3eR6Ke4go
未央「えっ、しぶりん!? まさか……マジで!?」 

凛「何が?」キラキラッ! 

未央「大人の階段登る君はまだシンデレラさ!?」 

凛「ちょっと、何言ってるの」キラキラッ! 


未央「ねえ……昨日、何があったの!?」 

未央「正直に言ってよ! ここだけの話! ねっ!?」 

未央「プロデューサー、何してくれてんの!?」 


凛「プロデューサー、ずっと寝てたよ」キラキラッ! 


未央「……へっ? そうなの?」

648: 名無しさん 2019/04/14(日) 21:55:06.96 ID:3eR6Ke4go
  ・  ・  ・ 

武内P「――はい。特にこれと言って……何も無かったかと」 

未央「……本当に?」 

武内P「はい」 

未央「……どうやら、嘘はついてないみたいだけど」 


凛「ね? だから言ったでしょ?」キラキラッ! 


未央「……あれ、どうして?」 

武内P「さあ……私にも、わかりません」 


凛「ふふっ! アンタ、私のプロデューサーでしょ?」キラキラッ! 

凛「ちゃんと見ててよね」キラキラッ! 


武内P「……良い、笑顔です」 

武内P「ですが……そう、ですね」 

武内P「ハッキリと思い出せないのですが……今朝方――」 



武内P「心臓が止まるような思いをした気がします」 




おわり