1: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/22(土) 21:47:53.28 ID:4FOBsMdL0
――何が正義の味方だ! お前が何もしなければ、余計なことをしなければ、誰も死ななかった!
――お前が正義とやらを振りかざさなければ、少なくとも、俺の家族は誰も死ななかった!!
――どう責任をとってくれるんだ!!
――正義とやらの責任を、お前はとることが出来るのか!?
――俺は正義を憎む!! 俺は、正義なんて何も信じない!!
――何もかも全て、クソくらえだ!!!

引用元: ・ジンオウガ 「ほう……未来を見通せるお守りか……」

2: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/22(土) 21:49:51.04 ID:4FOBsMdL0
2.~轟竜迎撃戦~

5: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/22(土) 21:52:11.92 ID:4FOBsMdL0
ジンオウガ 「………………」

――お前の親父とやらが決めた制度のおかげで、俺達は何もすることが出来なかった!
――今日限り俺は組を抜けさせてもらう!!
――止められるモンなら止めてみやがれ!!!
――貴様の、お得意の『正義』とやらでなァ!!!!

ジンオウガ 「………………」
ジンオウガ (妻よ……我が子よ……)
ジンオウガ (すまない……)

6: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/22(土) 21:53:38.29 ID:4FOBsMdL0
ジンオウガ (俺は、俺の信じる正義のために行動した……)
ジンオウガ (結果、そのせいでお前達を危険にさらし、こんな状況になってしまった)
ジンオウガ (俺は……)
ジンオウガ (俺のしたことは、本当に間違っていなかったのか……)
ジンオウガ (『あいつ』の言うとおり、あの時のように、全て俺が悪いのか……)

10: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/22(土) 21:58:00.21 ID:4FOBsMdL0
ロアルドロス亜種 「パパ、まだ起きていたの?」
ジンオウガ 「……ああ」
ロアルドロス亜種 「ママ達なら、心配要らないわ。旧水没林からここに来た時も、いろいろあったけれど、結局大丈夫だったじゃない」
ジンオウガ 「そうだな……」
ロアルドロス亜種 「お兄様は怒っているけれど、わたくしまで怒る気にはなりませんわ」
ロアルドロス亜種 「パパは、パパの信じる正義のために行動したのでしょう?」
ロアルドロス亜種 「たまたま今回は、人間の方がうわてだっただけよ」
ロアルドロス亜種 「そのような偶然、いつ起きても仕方ありませんわ」

11: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/22(土) 21:59:45.46 ID:4FOBsMdL0
ジンオウガ 「…………」
ロアルドロス亜種 「それに、猫の撃ったバリスタでパパの右目は……」
ジンオウガ 「…………」
ロアルドロス亜種 「海の方の見張りを代わるわ。少しお休みになって」
ロアルドロス亜種 「お兄様が、もうじき海から帰ってくるはずよ。朗報を待ちましょう」
ジンオウガ 「……そうだな(ズシン、ズシン)」

14: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/22(土) 22:04:15.91 ID:4FOBsMdL0
ジンオウガ (妻よ……我が子よ……本当に海の藻屑となってしまったのか……?)
ジンオウガ (しかし、俺が見たあの未来の光景は……)
ジンオウガ (妙な真実味を帯びていた……)
ジンオウガ (何だったのだ、あの禍々しい竜は……)
ジンオウガ (イビルジョーや『あいつ』などとは似ても似つかない、ケタ違いの禍々しさだった……)
ジンオウガ (あの光景を信じるとすると……)
ジンオウガ (我が子は、生きていることになる……)
ジンオウガ (何故人間などといたのかは気になるが……)

15: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/22(土) 22:06:35.61 ID:4FOBsMdL0
ジンオウガ (妻よ……)
ジンオウガ (どうか、無事でいてくれ……)
ドスジャギィ 「…………」
ジンオウガ 「…………?」
ジンオウガ 「ドスジャギィ……?」
ドスフロギィ 「(ふらふら)」
ジンオウガ 「ドスフロギィまで……」

16: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/22(土) 22:09:08.24 ID:4FOBsMdL0
ドスフロギィ 「(バッ)」
ドスジャギィ 「…………チッ(バッ)」
ジンオウガ 「……?」
ジンオウガ 「何用だ」
ジンオウガ 「仮にもドスの者達が、他の組の者に頭を下げるなど、お前達の世界ではあってはならないことなのではないのか?」
ジンオウガ 「頭を上げろ」

17: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/22(土) 22:11:05.88 ID:4FOBsMdL0
ドスジャギィ 「ケッ。どこまでも気にくわねぇ野郎だ」
ドスフロギィ 「(ドリュッ)」
ドスジャギィ 「あ痛ァッ! キズを抉るなキズを!!」
ドスフロギィ 「……ドスジャギィが、お世話になりました……」
ジンオウガ 「世話などしておらぬ。俺は、渓流に現れた人間を追い払っただけだ」
ドスフロギィ 「それでも、あなた様には多大なる恩がありまする」
ドスフロギィ 「あなた様がいらっしゃらなければ、ドスジャギィは今頃、人間達の村に囚われていたことでしょう」
ドスジャギィ 「…………」

18: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/22(土) 22:13:41.09 ID:4FOBsMdL0
ジンオウガ 「…………」
ジンオウガ 「用が済んだなら、さっさと消えるが良い」
ジンオウガ 「今は、お前達に構っている暇がない」
ドスジャギィ 「ケッ」
ドスジャギィ 「そうさせてもらいてぇもんだが、てめぇに助けられたという義理が、俺にはあるもんでな」
ドスジャギィ 「残念なことにその事実は、煮ても焼いても消えやしねぇ」
ドスジャギィ 「その責任を、てめぇにとってもらわなきゃいけねぇんだ」

19: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/22(土) 22:17:42.76 ID:4FOBsMdL0
ジンオウガ 「ほう……責任か」
ジンオウガ 「例えば、どういうことだ?」
ドスジャギィ 「………………」
ドスジャギィ 「今日から、渓流のドス組一同は、ジンオウ組の傘下に入る」
ドスジャギィ 「オジキもそれは了承してる」
ドスジャギィ 「てめぇには、それを指揮してもらいてぇ」

20: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/22(土) 22:22:32.66 ID:4FOBsMdL0
ジンオウガ 「断る」
ドスジャギィ 「…………」
ジンオウガ 「何度も言うが、勘違いをするな。俺はお前などを助けたつもりは毛頭ない」
ジンオウガ 「結果的にそうなったにせよ、それは俺に縁なきこと」
ジンオウガ 「消えろ。俺の目が青いうちに」
ドスファンゴ 「…………まぁ、そう言わずに、我らの話を聞いてくだされ」
ジンオウガ 「……ドスファンゴ老!!」

22: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/22(土) 22:28:13.79 ID:4FOBsMdL0
ドスファンゴ 「先だっては、ウチの若い衆が無茶をやりまして、ご迷惑をおかけした」
ドスファンゴ 「この老体の顔に免じて、この馬鹿めらの話だけでも聞いてやってくれまいか」
ジンオウガ 「ぬう……」
ドスジャギィ 「(バリ……バリ……)」
ジンオウガ 「! 何をしている、やめろ!」
ドスジャギィ 「てめぇの傘下に入るなら、俺にはもう、この王者のエリマキは必要ねぇ」
ドスジャギィ 「(バリィッ!!!)」
ドスジャギィ 「(バシッ!)……グッ!!!」

23: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/22(土) 22:30:34.42 ID:4FOBsMdL0
ドスジャギィ 「持っていけ…………!!!」
ジンオウガ 「………………」
ドスフロギィ 「どうか……」
ドスファンゴ 「この馬鹿めらは、何の考えもなしに動いているわけではない」
ドスファンゴ 「無論、ワシもジンオウ組に、可能な限り協力をしよう」
ドスファンゴ 「ウチの衆の、魂を込めたエリマキ詰め、受けていただけんだろうか」
ジンオウガ 「………………」

24: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/22(土) 22:32:31.35 ID:4FOBsMdL0
ジンオウガ 「…………分かった。受けておこう」
ドスジャギィ 「…………ハァ……ハァ…………」
ドスフロギィ 「!! それでは…………」
ジンオウガ 「だが、俺はお前達の世話をするつもりも、尻を拭いてやるつもりもない」
ジンオウガ 「今は、それどころではないのだ」
ドスジャギィ 「…………ヘッ。知ってるぜ」
ドスジャギィ 「ヘマァやらかして、奥さんとガキが、海に飲まれちまったんだろ?」

26: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/22(土) 22:34:17.01 ID:4FOBsMdL0
ジンオウガ 「!! 何故それを……」
ドスジャギィ 「先生に頼まれて、ウチの組も総出で、探索をしていたんだ」
ドスフロギィ 「私も……協力をさせていただきました」
ドスファンゴ 「ファンゴ達も各地に走らせ申した」
ジンオウガ 「…………」
ドスファンゴ 「その結果、奇妙なことが分かりましてな」
ジンオウガ 「!!」

27: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/22(土) 22:37:06.33 ID:4FOBsMdL0
ドスファンゴ 「海沿いに住むファンゴが、夜、海の潮の流れに逆らって、何か巨大なモノが通過するのを、見たと言うのですじゃ」
ジンオウガ 「巨大なモノ……ですと?」
ドスファンゴ 「うむ。今まで見たこともないくらいに、巨大だったとか」
ドスファンゴ 「話を聞くに、おそらく、ジエン・モーラン様に匹敵する大きさのようじゃ」
ジンオウガ 「馬鹿な! そんな古龍様は存在していない!!」
ドスファンゴ 「若頭よ、ワシは昔、先代から聞いたことがあるのだ」

28: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/22(土) 22:38:36.16 ID:4FOBsMdL0
ドスファンゴ 「海には幾千幾万もの、魔物が潜んでいると」
ジンオウガ 「魔物……」
ドスファンゴ 「陸にいる蟲の種類を、ワシらは全部知らぬように、海に何がいるのかも、ワシらは知らぬ」
ドスファンゴ 「もしかしたら、海に棲む古龍が存在しているのやも知れぬ」
ジンオウガ 「しかし、それと妻子に何の関係が……」
ドスファンゴ 「もう知っているかもしれないが、お前さんの妻子が消えた場所は、ここから半刻ほど離れた岩場の近くじゃ」
ドスファンゴ 「その巨大な影が見られたのも、そのあたりなのだよ」

29: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/22(土) 22:40:59.37 ID:4FOBsMdL0
ジンオウガ 「………………」
ドスファンゴ 「もしかしたら……」
ジンオウガ 「(ググッ……)」
ドスファンゴ 「やめておくのだ(ガシッ)」
ジンオウガ 「離せ」
ドスファンゴ 「いいや離さぬ。付近の海は、ドス組によりくまなく調べている。それに、そちらにはロアル組もいると聞くではないか」
ドスファンゴ 「このような緊急事態の際には、頭はひとところに構えていなくてはならぬ」
ドスファンゴ 「その鉄則を、知らぬお主ではあるまい」

30: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/22(土) 22:42:34.03 ID:4FOBsMdL0
ジンオウガ 「…………」
ジンオウガ 「飲み込まれた可能性がある……と?」
ドスファンゴ 「あくまで推測の域を出ないがな……」
ドスジャギィ 「…………俺らの中で、泳ぎが得意な奴を潜らせて、海中で、何か巨大なモノが移動した痕を追わせてる」
ドスジャギィ 「だが、俺らでは限界がある」
ドスジャギィ 「ロアル組と連携してぇ」
ドスジャギィ 「だから、俺達はてめぇの傘下に入ることを決めたんだ」
ドスジャギィ 「文句は言わせねぇ……!!!」

33: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/22(土) 22:50:29.49 ID:4FOBsMdL0
ジンオウガ 「(ズイッ)」
ドスジャギィ 「…………な、何だよ…………?」
ジンオウガ 「(グイッ)」
ドスジャギィ 「(俺のエリマキを……)」
ジンオウガ 「…………………………」
ジンオウガ 「…………分かった。任せる」
ドスジャギィ 「………………」
ドスジャギィ 「ケッ……!!!」
ドスフロギィ 「ありがとうございます。これから、良しなにお願いいたします」
ジンオウガ 「………………(ズシン、ズシン)」

34: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/22(土) 22:54:31.76 ID:4FOBsMdL0
ドスファンゴ 「お前達は急ぎロアルドロス殿のところに行くのだ。ワシは若頭と話がある」
ドスジャギィ 「ちょ……まだ俺、エリマキ剥がしたから血ィ出てんだけど……」
ドスフロギィ 「つべこべ言わずにきなよ……(ドリュゥッ!)」
ドスジャギィ 「あ痛ァ!! キズをえぐるなキズを!!!」
ドスファンゴ 「待つのだ、若頭」
ドスファンゴ 「これからどうするつもりだ?」
ジンオウガ 「火山のウラガンキンの元に向かう」
ジンオウガ 「奇妙なお守りにより、息子の将来が見えたが、それをドサクサで無くしてしまった」
ジンオウガ 「類似するお守りがないか、聞きに行く」

35: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/22(土) 22:56:09.46 ID:4FOBsMdL0
ドスファンゴ 「ならば、ワシが共に行こう」
ジンオウガ 「ドスファンゴ老自ら?」
ドスファンゴ 「此度はウチの若い衆が世話になった。ワシは、全面的にお主に協力を惜しまぬ」
ジンオウガ 「…………」
ジンオウガ 「……かたじけない」
ドスファンゴ 「礼はいらぬ。行くぞ」
ジンオウガ 「…………ああ」

37: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/22(土) 22:58:44.41 ID:4FOBsMdL0
―火山<夜>―

ウラガンキン亜種 (ズシーン、ズシーン……)
ウラガンキン亜種 (ガンッ! ガンッ! ガンッ!!)
ウラガンキン亜種 (プシュー………………)
ウラガンキン亜種 「オラァ! チンタラ働いてるんじゃねぇ!!」
ウラガンキン亜種 「サボッた奴からこやしぶつけるぞ!!」
ウロコトル達 「ひぃぃぃ!」
ウロコトル達 「で……殿下!!!」

42: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/22(土) 23:05:36.35 ID:4FOBsMdL0
ウラガンキン亜種 「チィ……面白くもねぇ」
ウラガンキン亜種 「どいつもこいつも兄貴のことばっかり言いやがって(ガンッ! ガンッ!!)」
ウラガンキン亜種 「俺だってすげぇお守りさえ見つければ、火山の主の座に……」
ウロコトル達 「ふぅ……ふぅ……」
ウロコトル達 「きょ……今日はこれくらいで勘弁してくだせぇ……」
ウラガンキン亜種 「あァん!? どれも『なぞのお守り』ばっかじゃねぇかよ!!!」

44: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/22(土) 23:10:40.85 ID:4FOBsMdL0
ウラガンキン亜種 「どいつもこいつも、今日も肥やし漬けの刑になりてぇのか!!!」
ウロコトル達 「ひいいいい!!」
ウロコトル達 「(ビクビク)で……でもこの辺のお守りは全部取り尽くして……」
ウロコトル達 「大抵のお守りは王子様がお持ちになっていますし……」
ウラガンキン亜種 「(バシュ!)」
ウロコトル達 「ぎゃあああ!!」
ウラガンキン亜種 「俺は今ムシの居所が悪ィんだ! 兄貴の話をするな!!!」

45: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/22(土) 23:14:01.64 ID:4FOBsMdL0
ウラガンキン亜種 「くそ! くそ! どれもこれもクサレ守りばっかだ!!」
ウラガンキン亜種 「こいつらなんてこうしてやる!(ガンガンガンガン!!!!)」
ウロコトル達 「あ……ああ……」
ウロコトル達 「折角集めてきたお守りが…………」
ウラガンキン亜種 「ンン~~? 何か言ったか?」
ウロコトル達 「い、いえ何も!」
ウラガンキン亜種 「もっと溶岩の奥深くまで潜るんだ! 兄貴の護衛隊がいけなかった場所まで行って来い!」

46: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/22(土) 23:15:25.23 ID:4FOBsMdL0
ウロコトル達 「い、今からですか!?」
ウロコトル達 「弟殿下、それは……」
ウラガンキン亜種 「(バシュッ!!)」
ウロコトル達 「ぎゃあああ!!!」
ウラガンキン亜種 「チィ。次に肥やし漬けになりてぇのはどいつだ!!」
ウロコトル達 「ひいい!!(ダダダダダッ)」
ウラガンキン亜種 「ふん…………」

47: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/22(土) 23:16:42.29 ID:4FOBsMdL0
××××××××× (シュバッ!!)
ウラガンキン亜種 「(ビクッ)」
ティガレックス亜種 「(ズシン……ズシン……)荒れてンな…………」
ウラガンキン亜種 「!! 先輩!!!」
ティガレックス亜種 「邪魔するぜ…………」
ウラガンキン亜種 「ど……どうぞこちらに」
ティガレックス亜種 「(ズン、ズン……)」
ティガレックス亜種 「……で、だ……」
ティガレックス亜種 「見つかったか……?」

48: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/22(土) 23:17:50.82 ID:4FOBsMdL0
ウラガンキン亜種 「(ビクッ)」
ティガレックス亜種 「……………………(ギロリ)」
ウラガンキン亜種 「そ……それは、さっき役立たずのウロコトル共が拾ってきた、なぞのお守りの破片で……」
ティガレックス亜種 「ゴォォォォオオオオオ!!!!」
 >ビリビリビリビリビリビリビリ
ウラガンキン亜種 「うわああああああ!!!(バッ!!)」
ウラガンキン亜種 「ご……ごめんなさい! ごめんなさい先輩! 俺が悪かったッス!!!」
ティガレックス亜種 「……………………おいおい坊ちゃんよ………………何回言えば分かるんだ……?(ガシッ)」

49: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/22(土) 23:18:49.17 ID:4FOBsMdL0
ティガレックス亜種 「何ヶ月待たせる気だァ……? 俺は言ったよな……?」
ティガレックス亜種 「『あのお守り』を早く見つけるようにってなァ……」
ウラガンキン亜種 「ひ……ひぃぃぃ(ガクガクブルブル)」
ティガレックス亜種 「それをてめぇは……(ギリギリ)いつまで遊んでる気だ……?」
ティガレックス亜種 「遊びじゃァねぇんだよ…………」
ティガレックス亜種 「いつまでもお子様気分が抜けねぇ御曹司には、こうするしかねぇのか……ねッ……!!!(ブンッ!!)」
ウラガンキン亜種 「ぎゃあああ!!(ズゥゥゥゥンッ!!!!)」

50: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/22(土) 23:20:06.71 ID:4FOBsMdL0
ウラガンキン亜種 「痛ェェ!! 頭が痛ェェよぉぉぉぉお!!!!(ゴロゴロ)」
ティガレックス亜種 「(ゲシッ)」
ティガレックス亜種 「喚くな……不細工な面が、更に崩れてるぜ……」
ウラガンキン亜種 「ひぃ……ひぃ…………(ガクガクブルブル)」
ティガレックス亜種 「…………あのお守りは元々俺のモンだ…………」
ティガレックス亜種 「ここで無くした……ここで見つかるはずだ…………」
ウラガンキン亜種 「で…………でも先輩! 溶岩は流れるモンで…………」
ティガレックス亜種 「(ギロリ)」
ウラガンキン亜種 「(ビックゥッ!)」

51: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/22(土) 23:21:14.02 ID:4FOBsMdL0
ティガレックス亜種 「もう一回ヤキィ入れとくか……? 気合が足りねぇんだよ……気合がよ……」
ウラガンキン亜種 「あ……ああ……(ズリズリ)」
ティガレックス亜種 「おいおい……何逃げてんだ……? てめぇ…………」
ウラガンキン亜種 「に……逃げてなんて…………(ブルブル)」
ウラガンキン 「(ガシッ)」
ティガレックス亜種 「……?」
ウラガンキン 「弟に何をしてるんだ? ここは僕の縄張りのはずだが?」
ウラガンキン亜種 「あ……兄貴!!!」

53: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/22(土) 23:22:19.04 ID:4FOBsMdL0
ティガレックス亜種 「…………知らねぇなぁ。いつからここがお前の縄張りになったんだ?」
ウラガンキン 「君が知らないうちから、僕の縄張りなんだよ。何ならここで、それを証明しても構わないが(グググ)」
ティガレックス亜種 「へぇ。どうやって証明するってんだ……? 是非とも、公明な王子様にご教授いただきてぇもんだ…………」
ウラガンキン 「挑発的な物言いはやめてもらおうか。元々余所者だった君に、住処を提供したのは僕だ」
ウラガンキン 「現状に不満があるなら聞くが、それと、僕の弟を痛めつけることに関連性はないと思うが」
ウラガンキン 「どうかね?」
ティガレックス亜種 「………………」

55: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/22(土) 23:23:26.86 ID:4FOBsMdL0
ティガレックス亜種 「(ガンッ!!!)」
ウラガンキン 「(ギンッ!!!!)」
ウラガンキン亜種 (ふ……二人が頭をぶつけあった!!!)
ティガレックス亜種 「(ブハァァァ~~~ッ!!!)……………………聞こえなかったな……………………」
ウラガンキン 「(グググ……)耳が悪いようだな。何なら、良い医者を紹介するが」
ティガレックス亜種 「お前の優しさに乾杯だな(ガブッ!!!)」
ウラガンキン 「!!(サッ)」
ティガレックス亜種 「(ガチィン! ガチィン!!)」
ウラガンキン 「(サッ! サッ!)…………いい加減に……しろ!!!(グォォォォォォ!!!)」

56: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/22(土) 23:24:32.58 ID:4FOBsMdL0
ティガレックス亜種 「!!」
ウラガンキン 「(ドォォォォォォン!!!)」
ウラガンキン亜種 (あ……兄貴の顎を、先輩が受け止めた……!?)
ティガレックス亜種 「ケケ……何ィムキになってんだ……?」
ティガレックス亜種 「ちょっとしたコミュニケーション……そう、コミュニケーションじゃねぇか……」
ティかレックス亜種 「良い大人がムキになって、情けねぇぜ………………」

58: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/22(土) 23:25:35.52 ID:4FOBsMdL0
ウラガンキン 「…………(スゥ)」
ウラガンキン 「確かに、君の言うとおりだ。僕も軽率だった。謝罪しよう」
ティガレックス亜種 「……………………」
ウラガンキン 「用が済んだなら、巣に戻ってくれないか? 僕は弟と少し話がある」
ティガレックス亜種 「………………」
ウラガンキン 「………………」
ティガレックス亜種 「…………また来るぜ(ニタァ)」
ウラガンキン亜種 「(ビクッ!)」
ティガレックス亜種 「………………(ズシン、ズシン……)」

59: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/22(土) 23:27:01.46 ID:4FOBsMdL0
ウラガンキン 「大丈夫か?」
ウラガンキン亜種 「う……うるせぇ! 何しにきやがった!!!」
ウラガンキン 「まだあんな男とつるんでいたのか。やめろと何回も忠告しただろう」
ウラガンキン 「あの男の目は、殺戮者の目だ。正常ではない。今すぐ付き合いをやめるんだ」
ウラガンキン亜種 「兄貴には関係ねぇだろうが!!!!」
ウラガンキン 「………………」
ウロコトル達 「弟殿下ー!!!!」
ウラガンキン 「……?」

60: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/22(土) 23:27:53.94 ID:4FOBsMdL0
ウラガンキン亜種 「どうした?」
ウロコトル達 「火山に来たジャギィ達から聞いたのですが……」
ウロコトル達 「渓流のジンオウガ様が、何でも、凄いお守りを持っているとか……」
ウラガンキン 「凄いお守り?」
ウラガンキン亜種 「あ……兄貴にゃ関係ねぇ!! どっか行け!! クソが!!」
ウラガンキン 「おい、一体何を探しているんだ?」
ウラガンキン亜種 「(コソコソ)そ、それで凄いお守りって何だ?」
ウロコトル達 「(コソコソ)詳しいことまでは……でも、人間から奪い取った、見たこともないお守りだそうで……」

61: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/22(土) 23:29:05.80 ID:4FOBsMdL0
ティガレックス亜種(岩陰) 「……………………」
ティガレックス亜種 (ジンオウガが……お守り……?)
ティガレックス亜種 (人間から奪い取った……?)
ティガレックス亜種 (ケケケケケケ…………ッ!!)
ティガレックス亜種 (あのクサレ外道と、俺にはどうやら…………奇妙な『縁』って奴があるらしい…………)
ティガレックス亜種 (そのお守りは、俺のモンだ…………)
ティガレックス亜種 (返してもらうぜ……)
ティガレックス亜種 (ジンオウガ……てめぇの命と引き換えにな………………)

62: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/22(土) 23:30:03.56 ID:4FOBsMdL0
―ユクモ村<夜>―

小鉄 「どういうことニャ!! ちゃんとした説明と謝罪と賠償を要求するニャ!!」
小鉄 「どうして邪魔をしたニャ!! もうちょっとでお守りを取り返せたのに!!!」
ハンマー 「あんなところで死ぬことは無いだろう。流石に、あの量の大樽爆弾Gを持って特攻したら、お前、バラバラになってたぞ」
小鉄 「特攻が怖くてオトモアイルーが出来るかニャ!!! 千載一遇のチャンスを分捕った罪は重いニャ!!!」
太刀 「小鉄! こっちの人にも真・回復笛をかけてあげて!(ガシッ)」
小鉄 「あ……頭を掴むなニャ…………」

63: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/22(土) 23:32:52.27 ID:4FOBsMdL0
ハンマー 「やれやれ……オトモアイルーにもあんな過激な奴がいたとは……」
太刀 「なんだかやけにジンオウガに執着してるわね。お守りとか何とか……」
ハンマー 「あれは野放しにするのは危険すぎる。飼い主が何をしているのかは分からないが、ひとまず保護しておこう」
太刀 「そうね……あの化け物みたいなジンオウガを前にして、逃げずに爆弾持って特攻するオトモなんて聞いたことないわ」
太刀 「ハンマー、あんたと気が合うんじゃないの?」
ハンマー 「いや……どうやら俺は嫌われてしまっているらしい」

64: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/22(土) 23:34:47.66 ID:4FOBsMdL0
村長 「ハンマーさん、太刀さん、お戻りになったのですか!」
番台猫 「ニャニャ! 凄い怪我人の数だニャ!!」
村長 「話は、先に戻ってきたモンニャン隊から聞きました。よくぞご無事で……」
村長 「それに、途中で太刀さんに避難の必要性を知らせていただき、とても助かりました」
村長 「本当にありがとうございます」
ハンマー 「いや、それよりも早く村の守りを固めた方が良いでしょう」

66: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/22(土) 23:35:56.25 ID:4FOBsMdL0
ハンマー 「村の近くで、あんなに大量のモンスターが見られるのはとても危険なことです」
ハンマー 「ひとまず撃退しましたが、いつまた報復にこられるか分からない」
ハンマー 「その時、俺一人でどこまでもつかというのも問題です」
太刀 「あたしもいるよ!」
小鉄 「オイラもいるニャ」
村長 「まぁ、小鉄ではないですか!」
小鉄 「村長さん、おばんだニャ」
村長 「誰がオバンですって?(ギリギリ)」

67: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/22(土) 23:37:21.35 ID:4FOBsMdL0
小鉄 「そ……そういう意味じゃないニャ…………」
村長 「……オ、オホホホホホ。わたくしとしたことが失礼しましたわ」
ハンマー 「村長殿、この猫は……」
村長 「先日ジンオウガに重症を負わされたハンターのオトモです。小鉄という、このユクモ村の猫の中では一、二を争う優秀な猫ですわ」
小鉄 「村長さんはお世辞が上手いニャ」
小鉄 「でも、もう少しでお守りを奪い返せたのに、こいつに邪魔をされたニャ」
小鉄 「とっとと謝罪と賠償をするニャ」
ハンマー 「その、さっきから言っているお守り? とは何なんだ?」
小鉄 「ニャニャ……そ、それは…………」

68: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/22(土) 23:38:29.81 ID:4FOBsMdL0
太刀 「…………アハハハ! じゃ、あんた、命乞いで渡したお守りを取り返そうとして、あんなにムキになってたわけ?」
太刀 「情けなーい」
小鉄 「う……うるさいニャ! 何とでも言うと良いニャ!」
小鉄 「最後に笑うヤツが一番偉いニャ! どんな卑怯な手段を使っても、あのお守りは取り返さなきゃいけないものだったニャ」
太刀 「そんな大事なものなら、あげなきゃよかったじゃない」
小鉄 「ぐっ……そ……それは……」
小鉄 「…………あの時は渡せるものがそれくらいしかなかったニャ…………」

69: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/22(土) 23:39:24.13 ID:4FOBsMdL0
太刀 「ふぅーん…………」
ハンマー 「それで、お前の飼い主は無事なのか?」
村長 「弓のことですか? 命に別状はありませんが、傷が深く……」
村長 「今、診療所の集中治療隊が治療を進めています」
小鉄 「旦那さん……(ポロポロ)」
小鉄 「オ……オイラがしっかりしてなかったために…………」
太刀 「別にあんたのせいじゃないんじゃない? ハンマーでさえもいい勝負だったんだしさ」
小鉄 「さっきからうるさいニャ! オトモにはオトモの誇りがあるんだニャ!!」

70: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/22(土) 23:40:26.01 ID:4FOBsMdL0
オトモアイルー達 「こてっちゃん!!!」
オトモアイルー達 「こてっちゃんだニャ!!(わらわら)」
オトモアイルー達 「お守りは取り返せたかニャ?」
オトモアイルー達 「オトモ一同の悲願、ジンオウガの撃退は出来たのかニャ!?」
小鉄 「もう少しだったニャ……」
小鉄 「でもこのハンターに邪魔されたニャ」

71: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/22(土) 23:41:19.94 ID:4FOBsMdL0
ハンマー 「…………」
オトモアイルー達 「(ひそひそ)何ニャあのハンター達……」
オトモアイルー達 「(ひそひそ)あいつらだけ無傷ニャ……」
オトモアイルー達 「(ひそひそ)どうせ逃げ回ってこてっちゃんの邪魔をしたんだニャ……」
オトモアイルー達 「(ひそひそ)とんでもないお邪魔余所者だニャ……」
太刀 「丸聞こえなんですけど」
ハンマー 「まぁ、言わせておけ。オトモにはオトモのプライドがあるんだろう」

72: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/22(土) 23:42:17.88 ID:4FOBsMdL0
ハンマー 「しかし、未来が見えるお守りとは。そんなモノも存在しているんだな」
太刀 「でもさ、未来が見えるんなら、自分がやられる姿も見えてたんじゃないかな」
太刀 「何で戦いに行ったんだろう?」
村長 「弓のお守りは、好きな未来を見れるわけではないのです」
村長 「彼女は、ジンオウガが『倒れる』未来を見たと言って、勇んで出撃していきました」
村長 「残念ながら、それは彼女の手によることではありませんでしたが……」

74: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/22(土) 23:43:17.09 ID:4FOBsMdL0
村長 「しかし、そのお守りの予知はほぼ確実に当たるのです」
村長 「近く、ジンオウガは倒れることでしょう」
村長 「ハンマーさんが倒してくださるのかもしれないとも思っておりましたが、違ったようですね……」
ハンマー 「残念ながら取り逃がしてしまいました……」
ハンマー 「申し訳ありません」
村長 「そんな、謝罪なんていりませんわ。村を守ってくださっただけで十分です」
小鉄 「オイラには謝罪と賠償を……(ガシッ)」
太刀 「はい、小鉄はあっちで回復笛ね」
小鉄 「頭を持つなニャ…………!!!」

75: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/22(土) 23:44:50.15 ID:4FOBsMdL0
ハンマー (あのジンオウガが……)
ハンマー (確かに、小鉄のバリスタで目をやられていたが……)
ハンマー (他にも、これから何者かにやられてしまうのか……)
ハンマー (それに、俺の起こした爆発で、あのつがいと子供と思われるジンオウガは流されていった……)
ハンマー (やむをえなかったといえ、大事になっていなければいいが……)
ハンマー 「うぅむ……」
太刀 「どしたの? ハンマー」

77: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/22(土) 23:45:51.97 ID:4FOBsMdL0
ハンマー 「少し、渓流沿いの様子を見てくるとしよう(ガシャガシャ)」
太刀 「何で? 今は村の守りを固めないと……」
ハンマー 「森も静かだし、しばらくは大丈夫だろう。すぐ戻ってくる」
小鉄 「! それならオイラも行くニャ」
ハンマー 「? お前が来たところで何も……」
小鉄 「抜け駆けして旦那さんのお守りをくすねるつもりだニャ!? その手は食わないニャ!!」
ハンマー 「(ふぅ)」
ハンマー 「いいだろう。ついてこい。しかし、勝手な行動はするんじゃない。お守りが見つかったらすぐくれてやるから」

78: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/22(土) 23:46:49.63 ID:4FOBsMdL0
小鉄 「村長さん、しっかり聞いてくれたかニャ!?」
村長 「オホホホホ。小鉄、この方は信用できるハンターさんですよ」
小鉄 「オイラは旦那さんしか信用しないニャ。さっさと行くニャ」
ハンマー 「俺の武器に巻き込まれないようにしろよ」
小鉄 「フン」
オトモアイルー達 「こてっちゃんが三度目の正直で出撃するニャ!!」
オトモアイルー達 「お守りを取り返して、ジンオウガの生肉剥いでくるニャ!!!」
小鉄 「任せるニャ!!」
ハンマー 「………………」

79: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/22(土) 23:47:38.83 ID:4FOBsMdL0
ハンマー (古龍の大宝玉は…………西の方に反応を示している…………)
ハンマー (ン……? 北西にも強い反応があるな……)
ハンマー (ジンオウガに匹敵するモンスターがもう一体いるのか……)
ハンマー (小鉄が巻き込まれて怪我を負わなければ良いが……)
小鉄 「何してるニャ! グズグズしてるとビッグブーメランを突き刺すニャ!」
太刀 「調子に乗りすぎよ(ググ……)」
小鉄 「あ……頭を掴むなニャ…………(ギリギリ)」

80: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/22(土) 23:48:37.13 ID:4FOBsMdL0
ハンマー 「とりあえず行こう。村長殿、くれぐれも村の警備を頼みます」
村長 「分かりました。ハンマーさん、残りの支給用秘薬です。持って行ってくださいまし」
ハンマー 「ありがたく頂戴いたします(ゴソゴソ)」
番台猫 「地図などは小鉄が持っておりますニャ。使ってやってくださいニャ」
小鉄 「とりあえずピッケルグレートと虫あみグレートも持ってくニャ」
ハンマー 「よし、行くか」
太刀 「ハンマー、くれぐれも気をつけなよ」
ハンマー 「心配無用だ。すぐ戻ってくる!」

81: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/22(土) 23:49:36.81 ID:4FOBsMdL0
―渓流<夜>―

アオアシラ兄 「ブファァア~~~ハチミツうんめぇえぇぇええ!!」
アオシアラ弟 「うめぇ! パねぇ! めっちゃうめぇ!!(ズルズル)」
アオアシラ兄 「やっぱ夕食はハチミツに限るな!」
アオアシラ弟 「兄ちゃん、こんなところにロイヤルハニーがあったぜ!」
アオアシラ兄 「マジでか!?」
アオアシラ弟 「半分こして食おうぜ!!!」
アオアシラ兄 「(バッ)うんめぇぇぇええええ!!!」
アオアシラ弟 「!! 兄ちゃん!!!!!!」
アオアシラ兄 「ハッ!! すまねぇ弟! あまりの旨さに全部飲み込んじまった!!」

85: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/22(土) 23:51:49.68 ID:4FOBsMdL0
アオアシラ弟 「グ……グス……」
アオアシラ兄 「な……泣くな弟!! ほら、こっちにもハチミツがたっぷりあるぜ!!」
アオアシラ弟 「(バッ)ハチミツうんめェェェエエエ!!!」
アオアシラ兄 「あ、ロイヤルハニー!!」
アオアシラ弟 「!!!」
アオアシラ兄 「(バッ)うんめェぇえええええええぇぇぇえ!!!(ブバッ)」
アオアシラ弟 (プルプル)
アオアシラ兄 「ん? どうした弟?」

86: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/22(土) 23:52:49.24 ID:4FOBsMdL0
ドスファンゴ 「……………………何をしておるんじゃ、お前達」
アオアシラ弟 「ピィィィ! ヒギャアアアア!!」
アオアシラ兄 「弟! 弟、何があった!?」
ドスファンゴ 「………………」
ジンオウガ 「…………」
アオアシラ弟 「兄ちゃんが!! 兄ちゃんが!!!!」
アオアシラ兄 「どうした? 兄ちゃんはここにいるぞ!! 大丈夫だ、しっかりしろ!!!!」
ジンオウガ 「ぬ……?」
ジンオウガ 「これは……ロイヤルハニーか……」

87: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/22(土) 23:53:47.92 ID:4FOBsMdL0
アオアシラ弟 「!!!」
アオアシラ弟 「ロイヤルハニィィィィィィイ!!!(シュバッ!)」
ジンオウガ 「!!」
アオアシラ弟 「(ズルズル)し……し……し……」
アオアシラ弟 「しあわせぇぇぇええええええ!!!(ブバッ)」
ドスファンゴ 「ええいうるさい! お前達はもう少し静かに食事が出来んのか?」
アオアシラ兄 「お、ドスファンゴの爺ちゃんだ」
アオアシラ弟 「ジンオウガのおっさんもいるぜ」

88: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/22(土) 23:54:46.42 ID:4FOBsMdL0
ジンオウガ 「元気そうだな、二人とも」
アオアシラ兄 「聞いたぜ! おっちゃん、大変だったらしいな」
アオアシラ弟 「今からおっさんのところに行こうとしてたとこだったんだ」
アオアシラ兄 「その前にちょっと腹ごしらえをしてたってとこよ」
アオアシラ兄 「あ、ロイヤルハニー」
アオアシラ弟 「!!!!」
アオアシラ兄 「(シュバッ)うんめぇえええええぇぇえええぇえええ!!!!(ブバッ)」
アオアシラ弟 「…………………………(プルプル)」

90: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/22(土) 23:55:49.92 ID:4FOBsMdL0
ジンオウガ 「そうだったのか。心配には及ばん」
アオアシラ兄 「でもおっちゃん、目ン玉が……」
アオアシラ弟 「(ハッ)おっちゃん、それどうしたん?」
ジンオウガ 「人間の武器に少しな」
アオアシラ兄 「でもその方がカッケェ!」
アオアシラ弟 「前よりもワイルドになったぜ!!!」
ジンオウガ 「そうか」
ドスファンゴ 「ええいうるさい奴らよ! そこをどけ! ワシらは火山に用がある」

92: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/22(土) 23:57:00.45 ID:4FOBsMdL0
アオアシラ兄 「火山? 何しに行くん?」
アオアシラ弟 「お守りでも掘りに行くん?」
ジンオウガ 「まぁ、そのようなものだ」
アオアシラ兄 「お守り欲しいなァ。俺もウラガンキン様みてぇなすげぇお守り持ちてぇよ」
アオアシラ弟 「兄ちゃん、付いてこうぜ」
アオアシラ兄 「そうだな。おっちゃん、俺らもついてっていい? お守り欲しいんだよ」
アオアシラ弟 「お守り! お守り!」
ドスファンゴ 「ええいやかましい!!」

93: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/22(土) 23:57:54.53 ID:4FOBsMdL0
ジンオウガ 「……まぁいいだろう」
アオアシラ兄 「イィィヤッフゥ!」
アオアシラ弟 「あ、ロイヤルハニー」
アオアシラ兄 「(シュバッ)うんめぇえええぇぇえぇぇえ!!!!(ブバッ)」
アオアシラ弟 (プルプル)
ドスファンゴ 「あぁもう、ほれ、弟よ。こっちにもロイヤルハニーが沸いておるぞ」
アオアシラ弟 「(シュバッ、ズルズル)しあわせぇぇえええええええええ!!!!(ブバッ)」
ジンオウガ 「………………」

94: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/22(土) 23:59:57.14 ID:4FOBsMdL0
アオアシラ兄 「そうそう、おっちゃん。奥さんは大丈夫か?」
ジンオウガ 「…………」
アオアシラ弟 「おばちゃんの料理が食いてぇよ!!」
アオアシラ兄 「そうだな!! 食いてぇな!!」
ジンオウガ 「妻と子は心配ない。お前達が考えることでもない」
アオアシラ兄 「帰ったら家にお邪魔するぜ!」
アオアシラ弟 「ああ、行こうぜ!!!」
ドスファンゴ 「またうるさい奴らにつかまったわい……」

96: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 00:01:20.82 ID:dXQJBoHq0
アオアシラ兄 「…………ン? そういえば何か忘れてるような……」
アオアシラ弟 「今からどこに行くんやっけ?」
ドスファンゴ 「火山じゃ、火山!!」
アオアシラ兄 「あぁ、思い出した! おっちゃん、火山は気ィつけろって、この前ラングロトラの親分に言われたんだよ」
ドスファンゴ 「ラングロトラが?」
アオアシラ兄 「ああ。何でも、少し前に火山にやべぇ奴が住み着いたとかで」
アオアシラ弟 「旧砂原あたりから来たらしいぜ」
ジンオウガ 「……!」

97: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 00:02:13.70 ID:dXQJBoHq0
ジンオウガ 「『ヤバい奴』…………」
ジンオウガ (まさか、あいつのことではないだろうな……)
ジンオウガ 「ラングロトラは、他に何か言っていたか?」
アオアシラ兄 「ロイヤルハニーうんめぇええええぇえええ!!!(ブバッ)」
アオアシラ弟 「うめぇ! パねぇよぉぉぉぉおおおおお!!!(ブバッ)」
ドスファンゴ 「若頭、悪いことは言わん。こいつらは置いていこう」

98: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 00:04:29.51 ID:dXQJBoHq0
ジンオウガ 「…………いや、ラングロトラにも少し聞きたいことがある」
ジンオウガ 「舎弟のこいつらがいた方が、何かと話が通じやすいだろう」
ドスファンゴ 「ふぅむ……仕方がないか……」
ジンオウガ 「行くぞ、お前達」
アオアシラ兄 「んあ? どこにだっけ?」
アオアシラ弟 「(ズルズル)しあわせぇえぇえええ!!!(ブバッ)」
ジンオウガ 「火山だ。お前達が付いていきたいと言ったんだろう……」

99: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 00:05:49.14 ID:dXQJBoHq0
アオアシラ兄 「おお、そうだったそうだった。弟、おっちゃん達行くってさ」
アオアシラ弟 「どこに?」
ドスファンゴ 「ええい! さっさとしないとケツに牙を突き立てるぞ!!」
アオアシラ兄 「ひぃいい! 爺ちゃんが怒った!!(ガクガクブルブル)」
アオアシラ弟 「怖ぇよぉぉぉ!!(ガクガクブルブル)」
ジンオウガ 「……とにかく、火山に行くぞ。ラングロトラにも話をしたい。来てくれるか」
アオアシラ兄 「おっちゃんが行くんならどこだっていいぜ!」
アオアシラ弟 「いいぜ!」

100: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 00:06:38.93 ID:dXQJBoHq0
ドスファンゴ 「やれやれ……阿呆の相手をすると疲れる……」
アオアシラ兄 「アホ? アホって誰のことだ?」
アオアシラ弟 「しらねぇ。兄ちゃん知ってるか?」
アオアシラ兄 「しらねぇ」
ジンオウガ 「付いて来い(ズシン、ズシン)」
アオアシラ兄 「ヒャァ! 遠足だぁ!!」
アオアシラ弟 「ヒィィィッフゥ!!」
ドスファンゴ 「……………………」

101: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 00:08:26.16 ID:dXQJBoHq0
―火山<夜>―

ジンオウガ (さて、ウラガンキンに会う前に、ラングロトラを探すか……)
ジンオウガ (しかし、この広い火山のどこかに、もしかしたら『あいつ』が…………)
ジンオウガ (いや、考えないようにしよう)
ジンオウガ (『あいつ』には、俺自らがトドメを刺した筈だ)

102: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 00:09:27.88 ID:dXQJBoHq0
アオアシラ兄 「あちぃ! あちぃよ弟!」
アオアシラ弟 「腹が減ったぜ兄ちゃん!!」
ドスファンゴ (イライラ)
ジンオウガ 「おい、お前達」
アオアシラ兄 「んあ?」
アオアシラ弟 「?」
ジンオウガ 「ラングロトラのところまで案内してくれ。俺は、火山に来るのは初めてだ。地理が分からん」

104: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 00:11:12.19 ID:dXQJBoHq0
アオアシラ兄 「案内なんてするこたぁねぇぜ!」
アオアシラ弟 「ねぇぜ!」
ジンオウガ 「? どういうことだ?」
アオアシラ兄 「こうやって、口をすぼめて……行くぜ弟!」
アオアシラ弟 「いいぜ兄ちゃん!!」
アオアシラ兄&弟 「ブォォォォォォォォォオオオオオ!!!!!!」
ドスファンゴ 「うおお! うるさいわい!!!」

105: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 00:12:19.33 ID:dXQJBoHq0
アオアシラ兄 「………………」
アオアシラ弟 「………………」
ジンオウガ 「………………」
ドスファンゴ 「………………」
アオアシラ兄 「こねえな……親分……」
アオアシラ弟 「…………こねぇな…………」
ドスファンゴ 「ええい! 役立たず共め!!」

108: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 00:13:23.33 ID:dXQJBoHq0
ジンオウガ 「! 待て!!」
 >ゴロンッ! ゴロンッ!! ゴロンッ!!!
 >ズバァァァアンッ!!!
 >コキ……コキ……
ラングロトラ 「……あぁ~~~ぁ…………肩が凝る………………」
アオアシラ兄&弟 「親分!!」
ラングロトラ 「ウチの組のモンを苛めた奴は誰じゃい。面ァ出しな」

109: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 00:14:36.88 ID:dXQJBoHq0
ラングロトラ 「………………???」
アオアシラ兄 「親分~!!」
アオアシラ弟 「親分~~!!!(ダダッ)」
ラングロトラ 「フンッ! ヌッ! ハァ!!(ビダァァアンッ!!)」
アオアシラ兄 「ギャフゥ!」
アオアシラ弟 「ギョォ!?」
アオアシラ兄&弟 (ピクピク)
ラングロトラ 「…………ったく……またお前らかいな…………」
ラングロトラ 「非常警報はそういう目的で使うなって、何度言ったら理解できんだァ? あァ?」

110: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 00:15:42.07 ID:dXQJBoHq0
ラングロトラ 「……?」
ラングロトラ 「あんたは……」
ジンオウガ 「邪魔をする」
ドスファンゴ 「少し話をしたいのだが、いいだろうか?」
ラングロトラ 「(コキ……コキ……)」
ラングロトラ 「中に入りな……」
ジンオウガ 「かたじけない」
ドスファンゴ 「やれやれ。やっとうるさい奴らが黙ったわい」
アオアシラ兄&弟 (ピクピク)

111: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 00:16:58.93 ID:dXQJBoHq0
―火山、ラングロトラの巣<夜>―

ラングロトラ 「オカン、今帰ったで……」
ラングロトラ妻 「何かあったんかい?」
ラングロトラ 「あの莫迦兄弟がまた警報を鳴らしよってん……ほんましゃぁないやっちゃでぇ……」
ラングロトラ妻 「で? どちらさんやの?」
ジンオウガ 「お初にお目にかかる。ジンオウガと申します」
ラングロトラ妻 「あぁ渓流の。まぁ、なか入り」
ラングロトラ妻 「爺ちゃんまでそろって、どないしたんや?」
ドスファンゴ 「まぁ、話せば長い訳がある」

112: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 00:17:59.57 ID:dXQJBoHq0
ラングロトラ 「…………………………へぇ。渓流もえらい騒ぎやってんなぁ」
ラングロトラ妻 「流されてしもた嫁と子供は心配やねぇ」
ラングロトラ 「せやったら……ウチのモン使うか?」
ジンオウガ 「いや……既にドス組、ロアル組の力も借りている。これ以上騒ぎを大きくするつもりはない」
ラングロトラ 「何やいらんのんかいな……」
ラングロトラ妻 「ほな、この大変な時に、一体何しに来たんや?」

113: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 00:18:54.82 ID:dXQJBoHq0
ジンオウガ 「先ほどお話した、なくしたお守りに類似するお守りがないか、ウラガンキンに聞きに行きたいのだ」
ジンオウガ 「道中、アオアシラ兄弟に会った流れで、貴殿らに挨拶に伺ったという訳だ」
ラングロトラ妻 「そんな挨拶なんていらんのにから、さっさとお守り探しに行ったらええねん。嫁と子供がかわいそうやんか」
ラングロトラ 「せやな。ワシらがどうこうできる問題ちゃうしな」
ドスファンゴ 「その通りだ、若頭。早く火山の頂上に向かおう」
ジンオウガ 「…………」

114: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 00:19:59.62 ID:dXQJBoHq0
ジンオウガ 「その前にひとつお聞きしたい。アオアシラ兄弟から聞いたのだが……」
ジンオウガ 「何でも、火山が危険だとか貴殿が言ったと……」
ラングロトラ 「…………あァ、そのことかいな」
ジンオウガ 「もしかして、火山に住み着いた者とは、『黒褐色の竜』ではなかったか?」
ドスファンゴ 「!!」
ラングロトラ 「……自分それをなんで知っとんねん?」

116: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 00:20:49.99 ID:dXQJBoHq0
ジンオウガ (やはりか……)
ジンオウガ (嫌なことは嫌な時に連続するというが、こうも不運が続くとは……)
ジンオウガ (あのお守りの影響なのか……)
ジンオウガ 「…………」
ラングロトラ 「……ついこないだの話やねんけどな、ウラガンキンが旧砂原から来たちゅうデカブツを保護しよったんや」
ラングロトラ 「そのデカブツがなぁ、最初はおとなしかってんけど、最近チョロチョロしとるらしいわ」
ラングロトラ 「ウチのモンもそいつに会うてな、えらい怪我しよったんや」
ラングロトラ 「せやから今、ウラガンキンに直訴しとるとこやねん……」

117: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 00:22:12.01 ID:dXQJBoHq0
ジンオウガ 「…………その男の名は、『ティガレックス亜種』…………」
ジンオウガ 「俺が、旧砂原で殺したはずの男だ」
ラングロトラ 「なんやて……?」
ドスファンゴ 「しかし若頭、あ奴は…………」
ジンオウガ 「ここに流れ着いていたのか……」
ドスファンゴ 「まだ確証もない。それに、あ奴には確かにお主がトドメを……」
ジンオウガ 「俺は、あの時に一瞬だけ『躊躇』をした……」
ジンオウガ 「本当に奴が死んだのか、俺は確認せず、川に奴を蹴り落とした」

118: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 00:23:27.55 ID:dXQJBoHq0
ジンオウガ 「そうするしか、あの時はなかった……」
ラングロトラ 「なんや青いのぉ。ニーチャン頭沸いとる奴はしっかり仕留めとかな、あとが怖いで?」
ジンオウガ 「…………」
ラングロトラ 「最近じゃ大胆になりよってから、火山の頂上によぉおるらしいんや」
ラングロトラ 「ホンマ迷惑な話やで……ニーチャンがケジメつけてくれるんか?」
ドスファンゴ 「まさか……しかし、本当にあ奴だとすると最悪のタイミングじゃ…………」
ドスファンゴ 「若頭、引き返すのだ」
ラングロトラ 「なんやそれ、やらんのんかいな……」
ドスファンゴ 「お主は手負いじゃ。それに、今はあ奴と争うべきではない」

119: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 00:25:27.18 ID:dXQJBoHq0
ジンオウガ 「…………引き返しはせぬ」
ドスファンゴ 「…………! 若頭!!」
ジンオウガ 「もし本当にあ奴だとすると、時期が整えば必ず、あちらの方から俺を仕留めに強襲してくるだろう」
ジンオウガ 「その際の被害が恐ろしい」
ラングロトラ 「えらいこっちゃでぇ……」
ジンオウガ 「奴は、俺が近づいたと知れば必ず出てくるだろう。ここで迎撃する」
ドスファンゴ 「無茶じゃ……!! 完全な体勢ならともかく、お主は今、身も心も……」

120: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 00:26:37.86 ID:dXQJBoHq0
ラングロトラ 「なんや、ややこしいのは勘弁やけど、ウラガンキンのところまでやったら道案内したろか?」
ジンオウガ 「!」
ラングロトラ 「急いどるんやろ? ほな行くで」
ラングロトラ妻 「オトン待ちぃさ。ややこしいのはやめてや」
ラングロトラ妻 「それでなくても十分迷惑やねんから」
ラングロトラ妻 「組の後始末は、自分らでするんが鉄則ちゃうの?」
ラングロトラ 「せやけど困っとるモンほっとかれへんやろ?」
ラングロトラ 「案内したらすぐ帰ってくるさかい。心配せんでええ」
ラングロトラ妻 「せやけどオトン……」

121: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 00:28:09.18 ID:dXQJBoHq0
ラングロトラ 「ほないこか?」
ジンオウガ 「かたじけない(ズシン、ズシン)」
ジンオウガ 「奥様、ラングロトラ殿は必ず無傷でお返しいたすゆえ、ご心配なさらず」
ラングロトラ妻 「なんやのんもぅ………その代わり、アンタらも死んだらアカンで!」
ジンオウガ 「………………」
ジンオウガ 「分かっています」
ドスファンゴ 「こうなってしまっては時間が惜しい。あ奴に接近を感づかれる前に、ウラガンキン様のところに向かおう」

122: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 00:29:38.56 ID:dXQJBoHq0
―火山、頂上<夜>―

ウラガンキン (ジンオウガさんのお守り……?)
ウラガンキン (凄いお守りを、弟は探していると言っていた……)
ウラガンキン (気になる……)
ウラガンキン (さっきから妙な胸騒ぎがする……)
ウラガンキン (ああは反抗されたが、やはり心配だ)
ウラガンキン (弟の様子を見に行くか……)

124: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 00:30:47.71 ID:dXQJBoHq0
ウラガンキン (ズシーン、ズシーン……)
ウロコトル達(親衛隊) 「殿下、お出かけですか?」
ウラガンキン 「ああ、ちょっとね。弟の様子を見に行こうかと」
ウロコトル達(親衛隊) 「その前に、少しお話をいいでしょうか?」
ウラガンキン 「何だい?」
ウロコトル達(親衛隊) 「弟殿下のことです」
ウラガンキン 「………………」

125: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 00:31:49.26 ID:dXQJBoHq0
ウロコトル達(親衛隊) 「おつかえしているウロコトル達から聞いたのですが、何でも、無茶に火山の溶岩流を掘り返して、何かを探しているとか……」
ウロコトル達(親衛隊) 「その影響からか、火山の溶岩の流れが狂い、今、中腹はとても危険な状態となっております」
ウロコトル達(親衛隊) 「今偵察隊を出しているのですが、崩れる可能性があります」
ウロコトル達(親衛隊) 「それでも採掘をやめようとされない訳を、殿下はご存知でしょうか?」
ウラガンキン 「………………」
ウラガンキン 「君達はここに残っていてくれ。僕が様子を見てこよう」
ウロコトル達(親衛隊) 「殿下、しかし……」
ウラガンキン 「何、少し様子を見てくるだけだよ(ズシン、ズシン)」

126: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 00:32:50.62 ID:dXQJBoHq0
ウラガンキン (弟……どうしてしまったんだ……)
ウラガンキン (火山の地形を変えてはいけないと、あんなに言ったじゃないか!!)
ウラガンキン (まさか、あの男にそそのかされて……)
ウラガンキン (先ほども、何かを話しているようだった……)
ウラガンキン (あの男が何かを探しているなら、弟がそれをさせられている可能性もある)
ウラガンキン (いずれにせよ、様子を見てこなければならない……!!)

127: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 00:33:58.72 ID:dXQJBoHq0
―火山、頂上、岩陰<夜>―

ティガレックス亜種 (ケケッ……奴が動き出した……)
ティガレックス亜種 (ジンオウガの野郎をおびき出すダシに使わせてもらうぜ……)
ティガレックス亜種 (締め上げたジャギィ達からの情報によると…………ここにジンオウガが来ているらしい…………)
ティガレックス亜種 (『あのお守り』と命、置いてってもらうぜ…………)

129: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 00:35:03.42 ID:dXQJBoHq0
―火山、中腹<夜>―

ジンオウガ (暑い……溶岩がここまで流れてきている……)
ドスファンゴ 「ぬ……大分地形が変わっているようだが……」
ラングロトラ 「ほんまかなわんでぇ」
ラングロトラ 「原因はウラガンキン亜種やねんけどな」
ドスファンゴ 「弟殿下が?」
ラングロトラ 「手当たり次第にあちこち掘り返しよるから、下流の溶岩流の流れまで変えてしもたんや……」
ラングロトラ 「今じゃワシでも、どこに何があるんかさっぱりわからんようになってもうたわ」

130: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 00:36:05.10 ID:dXQJBoHq0
ジンオウガ 「ウラガンキンのところへは、ここから遠いのか?」
ラングロトラ 「いや、もう着くで」
ジンオウガ (お守り……未来を見通せるものを、彼は持っているだろうか……)
ジンオウガ (もしくは、妻と子の現状を探知できるようなものでもいい)
ジンオウガ (協力を頼まなければ……!!)
ラングロトラ 「……お?」
ラングロトラ 「丁度向こうから来よったがな」

131: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 00:37:00.28 ID:dXQJBoHq0
 >ゴロンッ! ゴロンッ! ゴロンッ! ゴロンッ!!
ジンオウガ (ぬ……大きい)
ジンオウガ (体中にお守りをつけている……アレが火山の王、ウラガンキンか……!)
 >ズッシィィィィンッ!!
ウラガンキン 「(フゥゥゥゥ……)」
ウラガンキン 「誰かと思えば、ラングロトラの親分ではないですか」
ラングロトラ 「よう」
ウラガンキン 「ここは危険だ。崩れる可能性があるゆえ、退避を」

134: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 00:37:55.31 ID:dXQJBoHq0
ウラガンキン 「……?」
ウラガンキン 「そちらのお方は、もしかして、渓流のジンオウガ殿でしょうか?」
ジンオウガ 「火山の王、失礼する。いかにも俺がジンオウガだ」
ジンオウガ 「話は手短に済ますゆえ、少々時間をいただけないだろうか?」
ウラガンキン 「………………」
ウラガンキン 「並ならない事情があるようですね。分かりました。お聞きしましょう」
ウラガンキン 「少し溶岩の流れが薄い場所があります。そこへ……」

135: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 00:38:58.57 ID:dXQJBoHq0
ウラガンキン 「……………………………………ふぅむ……そんなことが渓流で…………」
ウラガンキン 「大変なことだったと思います。心中、お察しいたします」
ジンオウガ 「頭を下げることはない。全て、俺が至らなかったせいなのだ」
ウラガンキン 「あまりご自分を責めない方が良いと思われます」
ウラガンキン 「僕も、あなたの悩みを引き受けましょう」
ウラガンキン 「可能な限りお手伝いをさせていただきます」

137: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 00:39:45.72 ID:dXQJBoHq0
ジンオウガ 「有難い」
ジンオウガ 「早速なのだが、お話したお守りに類似するものを、お持ちではないか?」
ジンオウガ 「妻と子の様子を、どうしても知りたいのだ」
ウラガンキン 「未来予知のお守りですか……」
ウラガンキン 「残念ながら、そのような古代のお守りは、僕は持っていません」
ジンオウガ 「そうか……」

138: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 00:40:37.44 ID:dXQJBoHq0
ウラガンキン 「そもそも古代のお守り自体、存在しているのか、していないのか定かではないものなのです」
ウラガンキン 「僕もそれらしきものをひとつしか所有していません」
ジンオウガ 「どのようなお守りか?」
ウラガンキン 「これです(キラッ)」
ウラガンキン 「このお守りには、持つ者の『痛み』を消し去る力があります」
ジンオウガ 「ほう、痛みを……」
ウラガンキン 「ただ、キズを治すわけでもなく、単に痛みを消しさるものなので、使い方を誤れば、恐ろしい事態を引き起こしてしまいます」

139: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 00:41:42.22 ID:dXQJBoHq0
ドスファンゴ 「痛みとは体の危険を知らせる信号じゃ……それをなくすとは、また恐ろしいお守りもあったものだ……」
ウラガンキン 「ですから僕は、大抵の攻撃にはビクともしない力があります。危険なので僕が所有しています」
ウラガンキン亜種(岩陰) (コソコソ)
ジンオウガ 「…………」
ウラガンキン 「他にもお守りはありますが、あなたの求めているモノとは違うようだ……」
ジンオウガ 「いや、お話を聞けてよかった。ご協力に感謝する」
ウラガンキン 「待ってください」
ジンオウガ 「?」

140: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 00:42:34.04 ID:dXQJBoHq0
ウラガンキン 「見れば、あなたは怪我をしている様子。人間の兵器にやられたというその右目が膿んでいます」
ウラガンキン 「気休めにしかならないかもしれませんが、このお守りをお貸ししましょう(キラッ)」
ジンオウガ 「それは、危険なものなのではないのか?」
ウラガンキン 「僕の持つ数多のお守りのせいかもしれませんが、妙な胸騒ぎがするのです」
ウラガンキン 「このお守りは、今のあなたが持つべきものだと、心のどこかで何かが言っております」
ジンオウガ 「………………」
ジンオウガ 「分かった。預かっておこう」

141: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 00:43:26.12 ID:dXQJBoHq0
ジンオウガ 「……!!」
ジンオウガ (嘘のように痛みが消えた!!!)
ジンオウガ (気分も晴れていく……右目は見えないままだが、視界がはっきりしてきたぞ)
ジンオウガ (それに、暑さも全く感じない。これは……)
ウラガンキン 「多少は楽になったでしょうか?」
ジンオウガ 「ああ……手間をかける」
ウラガンキン 「早く下山した方がいい。そのお守りはお貸ししておきますので、適切な治療を受けた方が良いと思われます」
ウラガンキン 「アグナコトルさんを、あなたのところに向かわせましょう」

142: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 00:44:37.93 ID:dXQJBoHq0
ジンオウガ 「そこまでしてもらうわけには……」
ウラガンキン 「僕が好きでやっていることです。気にしないでください」
ジンオウガ 「……ならば、その言葉に甘えさせてもらうとしよう」
ウラガンキン 「はい(ニコリ)」
ウラガンキン 「…………」
ジンオウガ 「……?」
ウラガンキン (やはり、この方の顔には死相が出ている……)
ウラガンキン (不幸を呼ぶ未来予知のお守りのせいだろうか……)
ウラガンキン (僕が渓流までお送りするべきだ……)

143: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 00:45:30.86 ID:dXQJBoHq0
ウラガンキン 「僕も山を降りましょう。近い道を知っています」
ジンオウガ 「そうか……助かる」
ラングロトラ 「ほな、ワシは帰るで、オカンも待っとるしな」
ジンオウガ 「ラングロトラ、世話になった。この礼は必ず後ほど」
ラングロトラ 「そんなもんいらんわ。早いこと嫁さんと子供を見つけたりや(ゴロゴロゴロゴロ)」
ドスファンゴ 「行ってしまった。しかしウラガンキン様が一緒に降りてくださるとは、頼もしい」
ウラガンキン 「……早く降りた方……が……」

145: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 00:46:26.21 ID:dXQJBoHq0
 >グラグラグラグラ
ウラガンキン 「地震!?」
ドスファンゴ 「大きいぞ!!! 若頭、こっちにつかまるんじゃ!!!」
ウラガンキン (くっ……ウロコトル達が言っていたのはこういうことか……!!)
ウラガンキン (ここの地盤がゆるくなっている……崩れる……!!)
 >バシュゥゥゥゥゥゥゥ!!!!
ドスファンゴ 「後ろから溶岩が……!!!!」

146: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 00:47:29.21 ID:dXQJBoHq0
ジンオウガ (熱さを全く感じない……)
ジンオウガ (そのせいか、危機感が欠如したようだ……この二人を逃がさねば……!!)
ジンオウガ 「…………!!!!」
 >ギラッ
ウラガンキン 「二人とも、僕につかまってください!」
ジンオウガ 「いや、ウラガンキン殿はドスファンゴ老を連れて、可能な限りここを離れるんだ」
ウラガンキン 「何故です!? いくら痛みを感じなくなっているといえ、あなたは手負いなんですよ」
ウラガンキン 「僕の指示に従ってください!!」

147: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 00:48:28.96 ID:dXQJBoHq0
ウラガンキン亜種 (こそこそ)
ウラガンキン亜種 (悪く思うなよ、兄貴……)
 >ガンッ!!!! ガンッ!!! ガンッ!!!!
 >グラグラグラグラグラグラグラ
 >バシュゥゥゥウウウウウウウウウウウ!!!!!!!
ジンオウガ 「溶岩が滝のように流れ落ちてきたぞ!!!」
ウラガンキン 「くっ……!!(バッ!)」
ジンオウガ 「自らが盾になって……!!」

148: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 00:49:21.00 ID:dXQJBoHq0
ウラガンキン 「僕の体は、ある程度の溶岩には耐えられます。お二人とも早く避難を!!」
 >ズシャアアアアアアアッ!!!
ティガレックス亜種 「ヒャアアァアハハハハハハハハハハ!!!!!!」
ウラガンキン 「!! ティガレックス亜種か!! 溶岩に乗って…………」
 >キラッ!
ジンオウガ 「!!!」
ティガレックス亜種 「見つけた!! クサレ外道とお守りィィィィィィ!!!!!」

149: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 00:50:13.88 ID:dXQJBoHq0
 >ガアァァアアンッ!!!
ジンオウガ 「………………」
ティガレックス亜種 「流石だなァジンオウガ! 流石だよジンオウガ!!! 俺の攻撃を受け止めるなんてな!!!」
ティガレックス亜種 「そうじゃなきゃ面白くねぇ!!!」
ティガレックス亜種 「俺を殺し、家族を殺したクサレ外道は、そうじゃなくちゃ面白かねぇよなァァアアア!?」
ティガレックス亜種 「ヒャハ!!! 感動の再会だ!!」
ジンオウガ 「…………ティガレックス……亜種!!!」
ティガレックス亜種 「ずっと狙ってたんだぜェェ!? お前をこうして!(ガブッ!!!)」

150: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 00:51:05.68 ID:dXQJBoHq0
ジンオウガ 「!!」
ティガレックス亜種 「こうして!!!!!(ガビュッ!!!!)」
ジンオウガ 「………………」
ティガレックス亜種 「ボロキレのように噛み千切ってやる瞬間をナァァアア!!!!!(ビキビキビキ!!!)」
ドスファンゴ 「若頭――ッ!!!!」
ドスファンゴ (若頭の……左腕が!!!!! 千切られた!!!!!)
ティガレックス亜種 「頭は最後だ!!!!!!!!!!」
ティガレックス亜種 「次は右腕! 右足、左足!!!! 尻尾!!!!! だるまにしてから溶岩の中を転がしてやる!!!」

151: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 00:52:14.33 ID:dXQJBoHq0
ティガレックス亜種 「それでも殺さねぇ!!! 死なせねぇ!!!!!!!!!!!」
ティガレックス亜種 「溶岩の熱さで動けねぇお前を俺は――――――」
ジンオウガ 「煩い野郎だ…………(バリ……バリ……)」
 >ブシュゥゥゥゥゥゥゥゥ――ッ!!!!!
ティガレックス亜種 (な……ッ!!)
ティガレックス亜種 (千切れた腕…………で………………)
 >ドゴォォッ!!!!
ティガレックス亜種 「ギャンッ!!!!」
 >ゴロゴロゴロッ!!!

153: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 00:53:50.77 ID:dXQJBoHq0
 >ブシュゥゥゥゥーッ!!!
ジンオウガ 「………………」
ドスファンゴ 「若頭! 止血をするんだ、死んでしまう!!!」
ウラガンキン 「くっ…………溶岩流が邪魔で近づけない!!!!」
ジンオウガ 「ウォォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ――――――――ンッ!!!!!!!」
 >ピカッ!!
 >バリバリバリバリバリバリバリバリ
 >バヂィィィィィイイイイッ!!!!
ジンオウガ(超帯電) 「(ズシン、ズシン…………)」
ジンオウガ(超帯電) 「かかって来い……」
ジンオウガ(超帯電) 「二度目の引導を渡してやろう…………」

154: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 00:54:48.01 ID:dXQJBoHq0
ティガレックス亜種 「ヒャハッ!(ガバッ)」
ティガレックス亜種 「そうだよな!! そうこなきゃ面白くねぇ!!!!!!!」
ティガレックス亜種 「ギャォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!」
 >ビリビリビリビリビリビリビリビリビリビリ
ウラガンキン 「み……耳が…………」
ドスファンゴ 「だ…………大咆哮…………!!!!」
ウラガンキン 「まずい! 今の叫び声で、二人がいる場所が崩れて、溶岩の方に…………!!!!」

155: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 00:55:44.97 ID:dXQJBoHq0
ティガレックス亜種 「ウヒャヒャヒャヒャヒャ!!!! 楽しいな! 楽しいなァ!!!!」
ティガレックス亜種 「ずっとこの機会を待ってたんだぜ!? ずっと俺は、お前に恋焦がれていたんだぜ!!!!」
ティガレックス亜種 「ジンオウガ! あの日、俺にトドメを刺した時の感想を聞きたくてナァ!!!!」
ティガレックス亜種 「地獄から這い上がってきたんだよォォォォォォォ!!!!!」
ジンオウガ(超帯電) 「……………………」
ジンオウガ(超帯電) 「下衆が……!!!」
ティガレックス亜種 「……(ニタニタ)」
ティガレックス亜種 「聞こえねぇなあああ!!(バッ!!!)」

156: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 00:56:48.67 ID:dXQJBoHq0
 >ギィィィィンッ!!
ジンオウガ(超帯電) 「………………」
ティガレックス亜種 「キズをえぐってやる!!! (ザシュッ!!!)」
ティガレックス亜種 「(ザシュ! ザシュ!!!) ヒャハハハ! どうだ! 痛ェだろ!!?」
ティガレックス亜種 「(ドッゴォォォォッ!!)ヒャハハハハハハハハ!!!」
ティガレックス亜種 「泣き喚け! 命乞いをしろ!!! 俺に膝まづけ!!!!」
ティガレックス亜種 「俺に――――」
ジンオウガ(超帯電) 「よくしゃべる野郎だ…………(グググググ)」

157: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 00:57:41.28 ID:dXQJBoHq0
ティガレックス亜種 「……!!?」
ティガレックス亜種 (何だ、こいつ……まるで痛みを感じていないように…………)
ジンオウガ(超帯電) 「死ね」
 >ガァァッァアアアアアアッンッッ!!!!!
ドスファンゴ 「ま……また『ない』腕で、あ奴の頭を殴りつけた……!!!!」
ティガレックス亜種 「ギャアアアア!!!!」
ウラガンキン 「いけない! 今のジンオウガさんは全く痛みを感じていないんですよ!」
ウラガンキン 「このまま戦い続ければ、間違いなく死んでしまう!!!!」

159: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 00:59:02.75 ID:dXQJBoHq0
ティガレックス亜種 「ヒャハ! ヒャハハ! 痛ェ! 痛ぇよぉぉぉぉぉヒャハハハハハハハ!!!!」
ティガレックス亜種 「ケケケ……ケ……ケ………………」
ティガレックス亜種(怒り) 「ブッチッ殺ッしてやるッ!!!」
 >ギンッ!!!!
ジンオウガ(超帯電) 「(バリ……バリ…………)」
ジンオウガ(超帯電) (妻よ……我が子よ……)
ジンオウガ(超帯電) (すまない、俺はここまでのようだ)
ジンオウガ(超帯電) (だが、お前達に必ず災厄をもたらすであろう、この男は、始末して……)
ジンオウガ(超帯電) (道連れにしてゆく!!!!!!)

160: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 00:59:55.91 ID:dXQJBoHq0
―火山、中腹<夜>―

ハンマー 「な……何だ!? 凄まじい地震だぞ!!!!」
小鉄 「ニャアア!! すんげぇ揺れてるニャ!!! 熱ッ! 熱いニャ!!!!」
ハンマー (大宝玉の光を頼りに、ここまで来たが……)
ハンマー (この先にジンオウガが……!!!)
小鉄 「本当に火山なんかにジンオウガがいるのかニャ!?」
小鉄 「あんたの話はアテに出来ないニャ!!!!」
ハンマー 「なら一人で帰れ! 俺はこの先まで進む!!」
 >ギャォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!

161: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 01:00:52.46 ID:dXQJBoHq0
小鉄 「!!!!!!!???」
小鉄 「み……耳がおかしくなった……ニャ…………」
ハンマー (今の叫びは轟竜の声……しかし、大きさがケタ違いだ!!!!)
ハンマー (ジンオウガと轟竜が戦っているのか!?)
ハンマー 「小鉄、急ぐぞ。この先にジンオウガがいる!!」
小鉄 「マジかニャ!? 崩れてるニャー!!!! 進むのかニャ!!!!?」
ハンマー 「お守りを取り返したいんだろう!? 勇気を出せ!!」

163: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 01:02:54.02 ID:dXQJBoHq0
小鉄 「だ……旦那さんのお守り…………(ガクガク)」
小鉄 「(キッ!)行くニャ!!!」
ハンマー 「その意気だ!! 俺につかまれ!! 跳ぶぞ!!!!」
ハンマー 「とぉりゃあああああ!!(バッ!!!)」
小鉄 (ほ……本当に崖から飛び降りやがったニャ!!!!)
小鉄 (こいつ……本物の……)
小鉄 「アホだニャァアアアアアア!!!!!」

164: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 01:03:48.60 ID:dXQJBoHq0
ハンマー (ザッシュゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!!!)
ハンマー 「小鉄、無事か!?」
小鉄 「し……信じられないニャ………………なんで生きてるニャ………………?」
ハンマー 「命知らずはお互い様だ! それより、見ろ!!!」
 >グルルルルルルルルル
 >ギャォォォォォォォ!!!!!
小鉄 「ジ……ジンオウガと…………黒いティガレックス!!!!! で……で……でかいニャー!!!!!」

165: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 01:04:44.11 ID:dXQJBoHq0
ハンマー 「ジンオウガの左腕がない!? あのままでは轟竜にやられてしまうぞ!!」
小鉄 「そ、そんなことになったら旦那さんのお守りを取り戻せないニャ!!!」
ハンマー 「任せろ! 小鉄、支援を頼む!」
小鉄 「が……合点だニャ!!!!」
 >バッ
小鉄 「黒いティガレックス! こっちを向くニャ!!!!」
小鉄 「ビッグブーメランを喰らうニャ!!!」

166: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 01:05:40.98 ID:dXQJBoHq0
 >ヒュンヒュンヒュンヒュン
 >ガチィィィィンッ!!
小鉄 「ニャ!? 跳ね返されたニャ!!!!」
ティガレックス亜種(怒り) 「(ギロリ)」
小鉄 「ひ……」
ティガレックス亜種(怒り) 「……………………」
小鉄 「ガン無視かニャ!?」

168: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 01:06:33.78 ID:dXQJBoHq0
ハンマー 「いや、小鉄、よくやった!」
ハンマー 「一瞬奴の注意をひきつけられれば…………!!!」
ハンマー 「うおおおおおおお!!!(グルングルングルン)」
ハンマー 「ジンオウガから離れろ! 轟竜!!!(ブゥゥゥゥゥンッ!!!)」
ティガレックス亜種(怒り) 「!」
 >シュバッ
ハンマー 「(ブンッ!)……何!? あの距離で避けられた!?」

170: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 01:07:30.10 ID:dXQJBoHq0
ティガレックス亜種(怒り) 「ゴォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!」
 >ビリビリビリビリビリビリ
ハンマー 「ガッ! 耳が…………!!!!」
小鉄 「ヒニャギャァァアア!!!」
ティガレックス亜種(怒り) 「(ヒュンッ!!)」
ハンマー (まずい……!!)
ジンオウガ(超帯電) 「(ガッ!!!)」
ハンマー 「何……!? ジンオウガが俺達を……助けた!!!?」

171: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 01:08:24.12 ID:dXQJBoHq0
ジンオウガ(超帯電) 「あの時の人間と猫か……何をしにここまでしゃしゃり出てきた……?」
小鉄 「ひぃぃぃ……(ブルブル)」
小鉄 「(キッ!)」
小鉄 「だ……旦那さんのお守りを返すニャ!!!」
小鉄 「このブーメランの餌食になりたくなかったら、とっとと出すニャ! そして死ぬニャ!!(ブンブン!)」
ジンオウガ(超帯電) 「………………」
ジンオウガ(超帯電) 「俺の後ろに隠れていろ……」

172: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 01:09:15.90 ID:dXQJBoHq0
小鉄 「ヒニャ!?」
ジンオウガ(超帯電) 「来るぞ」
ティガレックス亜種(怒り) 「ヒャアアアアアハハハハハハハハ!! ヒ……ヒ……ヒャァア!!」
ティガレックス亜種(怒り) 「成る程クサレ外道っぽいぜジンオウガァァ!!」
ティガレックス亜種(怒り) 「人間を助っ人に呼んだか!? 人間と手を組んだか!!! お前の親父を殺した人間となァ!!!!」
ティガレックス亜種(怒り) 「ケケケケケケケケケケケケケケ!!!! 最ッ高のゲスッぷりだぜ!!!」
ティガレックス亜種(怒り) 「てめぇそれでも………………」
ティガレックス亜種(怒り) 「モンスターかァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!」

173: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 01:10:21.75 ID:dXQJBoHq0
小鉄 「ひぃぃぃぃぃぃいいいいいいいいい!!!!!!」
ジンオウガ(超帯電) (ポタ……ポタ…………)
小鉄 「!!! ジ……ジンオウガ!!」
ジンオウガ(超帯電) 「…………」
小鉄 「早く血を止めないと本当に死ぬニャ!! あ、あんた重症ニャ!!!!!!!」
ジンオウガ(超帯電) 「猫よ……」
ジンオウガ(超帯電) 「これほど大量の血を見るのは初めてか?」
小鉄 「………………ニャ………………」
ジンオウガ(超帯電) 「覚えておけ。これが『戦い』というモノだ!!!(ヒュバッ!!)」

174: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 01:11:15.67 ID:dXQJBoHq0
ハンマー 「小鉄、ジンオウガに加勢する、手を貸せ!!!」
小鉄 「ジンオウガ!! あんたに死なれちゃめっちゃ困るニャ!!!!!(バッ!!)」
小鉄 「ビッグブーメランで無理なら、貫通ブーメランで行くニャ!!!」
小鉄 「頑張れオイラ! 負けるニャァァアア!!!(ブゥゥゥゥンッ!!!)」
 >ザシュ!!!
ティガレックス亜種(怒り) 「!!!」
ティガレックス亜種(怒り) 「…………?」

175: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 01:12:16.43 ID:dXQJBoHq0
小鉄 「ぜ……全然効いてニャい…………」
ハンマー 「小鉄、シビレ罠だ!!」
小鉄 「ニャ……ニャッァ!!!(サササッ!)」
小鉄 「セット完了ニャ!!!」
ハンマー 「こぉぉぉい!!!」
ティガレックス亜種(怒り) 「ゴォォアアアアア!!!!(ズシンズシンズシンズシンズシン)」

176: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 01:13:09.10 ID:dXQJBoHq0
ティガレックス亜種(怒り) (バリッ!!!)
ティガレックス亜種(怒り) 「!!!!!」
ティガレックス亜種(怒り) 「罠だと!? 人間めがああああああああああああああ!!!!」
ジンオウガ 「もう一度地獄に堕ちろ…………!!!!!(グググ)」
ハンマー 「うおらあああああああ!(グルングルングルングルン)」
ジンオウガ (チュッドォォォォオオオオオオンッ!!!)
ハンマー (ゴォォォッガッッッ!!!!)
ティガレックス亜種(怒り) 「ッ……………………ガ…………………………!!!(グラリ)」

177: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 01:14:02.94 ID:dXQJBoHq0
小鉄 (ジンオウガの雷と、ハンマーの一撃が同時にティガレックスの頭に入ったニャ!!!)
小鉄 「トドメの一撃ニャァァ――ッ!!!!(ダダダッ!!!)」
ハンマー 「あ、バカ野郎!!!!!!!!!!」
ティガレックス亜種 (ギラッ)
ティガレックス亜種 「ゴォァ!!!(ガブッ!!!!!)」
小鉄 「ヒギャァアアアア!!!!」
ハンマー (小鉄が、轟竜にくわえられた!!!!!!)

178: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 01:14:56.82 ID:dXQJBoHq0
ティガレックス亜種 「ヘッヘ………………ヘヘ………………ヘヘヘヘ……………………」
ジンオウガ(超帯電) 「その猫を放せ。俺とお前の戦いには関係がないはずだ」
小鉄 「ま……まだオイラは死にたくないニャ!! 死にたくないニャ!!!!!」
ティガレックス亜種 「どぉぉぉぉしよっかなぁああああ!!!(グリグリ)」
小鉄 「ギニャアアアアアア!!!」
ジンオウガ(超帯電) 「……………………」
ジンオウガ (スゥ)

179: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 01:15:51.58 ID:dXQJBoHq0
ジンオウガ 「これで良いだろう。猫を放せ」
小鉄 「ジ……ジンオウガ…………!? 超帯電状態じゃないと駄目だニャアアア!!」
ティガレックス亜種 「ヘヘヘヘヘ!!! ウキャキャキャキャ!!!!!」
ティガレックス亜種 「死ねェェエアアア!!!」
 >ドスッ!!
小鉄 (ティ……ッ! ティガレックスの腕が、半ばまでジンオウガの胸に突き刺さったニャ!!!!!)
ジンオウガ (ゴブッ)
ジンオウガ 「……………………(ガッ)」

180: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 01:16:43.86 ID:dXQJBoHq0
小鉄 「ジンオウガ!!! 死んじゃうニャ!!!!!」
ジンオウガ 「猫よ……お前にこのお守りを託す(キラッ)」
ジンオウガ 「借り物だが………………それを使い、我が家族の力になってはくれないか……」
小鉄 「だ……旦那さんのお守りじゃニャい!? これは何ニャ!!!!」
ティガレックス亜種 「それは俺のモンだああああああああああああ!!!!!(ギリッ)」
小鉄 「グニャアアアアアア!!!!」

181: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 01:17:37.35 ID:dXQJBoHq0
ジンオウガ 「(ググググ……)猫を…………放せ!!!!(ガッ!!!)」
ティガレックス亜種 「なッ…………この死にぞこないが!! 離れろ!!(ドスッ! ドスッ!!!!!)」
ジンオウガ 「行け、猫よ…………!!」
ジンオウガ 「お前のお守りは…………時期が来れば必ずお前の元に還る………………!!!!」
小鉄 「はぁ……はぁ……(ボテリ)」
ハンマー 「小鉄!!!!」
小鉄 (ニャ!? あのお守りをもらったら、ティガレックスに噛まれたのに、全然痛くないニャ!!!!)
小鉄 (何でニャ!?)

182: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 01:18:53.68 ID:dXQJBoHq0
ハンマー 「小鉄から離れろォォォォオオ!!!(グゥゥゥゥゥンッ!!!)」
 >ドガァアアアア!!!
ティガレックス亜種 「ガアアアアアアアア!!!!」
ジンオウガ 「今だ!!!!(グイッ!!!)」
ティガレックス亜種 「うおおおおお!?」
小鉄 (ジ……ジンオウガとティガレックスが、溶岩の方に滑り落ちて…………)

183: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 01:19:58.82 ID:dXQJBoHq0
ジンオウガ 「貴様と心中する気はなかったが、致し方あるまい!!」
ジンオウガ 「地獄の果てまで共に逝こうぞ!!!」
ティガレックス亜種 「ガアアアアア!!! 離せえええええええ!!!!」
 >ギリギリ
ジンオウガ 「オオオオオオオオ――――ッン!!!!!」
 >ピカッ!!!
 >バリバリバリバリバリ
ティガレックス亜種 「ギャアアアアアアアアアアア!!!!!」

184: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 01:20:55.46 ID:dXQJBoHq0
ジンオウガ 「流石の貴様も、溶岩の奥底まで沈められては生きてはいられまい!!!」
ティガレックス亜種 「クサレが…………この外道がああああ!!!」
ティガレックス亜種 「俺から全てを奪い、俺の全てを壊し、俺の命までもを奪って、また俺を殺すのか!?」
ティガレックス亜種 「許せねぇ!! 絶対に許せねぇ!!!」
ティガレックス亜種 「俺は!! 貴様を!!!!!! 許さねぇ!!!!!!!」
ジンオウガ 「結構だ!! 貴様に許されずとも、俺には守るべき大事なものがある!!!!」
ジンオウガ 「全てを守るために、俺は死ぬ!!!!」

185: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 01:21:56.61 ID:dXQJBoHq0
 >バッシャアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!!!
ティガレックス亜種 「ギィィィィヤアアアアアアアアアア!!!!!!」
ジンオウガ (妻よ……我が子よ…………すまない………………)
ジンオウガ (やはり、俺はここまでのようだ……)
ジンオウガ (強く生きろ……!! 誰よりも強く、誰にも負けないように強く生きるんだ!!!!!)
ジンオウガ (俺はいつでも、お前達を見ている!!!!)

187: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 01:23:00.76 ID:dXQJBoHq0
小鉄 「ジンオウガ――ッ!!!!!!!」
ハンマー 「小鉄! お前凄い怪我だぞ!! 早く秘薬をぬらなければ!!」
小鉄 「ハンマー! そんなことよりも、ジ、ジンオウガが……!!!」
小鉄 「ティガレックスと溶岩に沈んだニャアアアア!!!!!」
小鉄 「オ……オイラの…………オイラの目の前で!! 沢山血が出てたニャ!!!」
小鉄 「あのジンオウガは、オイラを守ってくれたのに…………!!!!」
小鉄 「オイラは……オイラは!! オイラは何も出来なかったニャ!!!!!!!」

188: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 01:23:56.65 ID:dXQJBoHq0
 >グラグラグラグラ
ハンマー 「!! ここも崩れる! 小鉄、しっかりつかまっていろ!!!(ガシッ!!)」
小鉄 「やめるニャ! 放すニャ!!! ジンオウガを助けに行かなきゃいけないニャ!!!」
ハンマー 「この溶岩では無理だ! 諦めろ!!!」
小鉄 「嫌だニャ――ッ!!!! ジンオウガ――!!!!!」
小鉄 「ジンオウガアアアアアアアア!!!!!!」
ハンマー (シュバッ!!!)

191: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 01:26:45.22 ID:dXQJBoHq0
―海岸<朝>―

金リオレイア 「はあ~~ぁ、いいぃぃ~い朝日だっべなぁああ!!」
銀リオレウス 「んだあ。わぁるどつぁあに出ていがっだなあ」
金リオレイア 「森は少女ちゃんにまがせどげばいぃんだし、楽になったっべがらなぁ」
銀リオレウス 「んだあ。おいららはおいららでのーんびりずっぺぇえ」
金リオレイア 「さぁて、わぁるどつぁあ二日目に出発ずっかぁ」

193: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 01:27:58.50 ID:dXQJBoHq0
金リオレイア 「?」
銀リオレウス 「どじた? かぁぢゃん?」
金リオレイア 「いんやぁ。何ががひがった気がしてなぁ」
銀リオレウス 「どこでだぁ?」
金リオレイア 「あっぢの方だァ」

194: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 01:29:26.67 ID:dXQJBoHq0
金リオレイア 「何かが砂にうまっでるでぇ」
銀リオレウス 「掘れ、掘れェ」
 >ゴッシュ、ゴッシュ
金リオレイア 「!!」
銀リオレウス 「!!」
金リオレイア 「ンだァ? こっだらけっだいなもんすだぁは?」
ジンオウガ妻 「……………………」
仔ジンオウガ 「……………………」

197: 三毛猫 ◆58jPV91aG. 2011/01/23(日) 01:33:25.67 ID:dXQJBoHq0
お疲れ様でした。次回へ続かせていただきます

no title


次回は、金~土曜日の20:00~21:00頃に同じ

ジンオウガ 「ほう……未来を見通せるお守りか……」

で立てさせていただきます
立っていなかったら、次週へ持ち越しと思ってください

このスレはこの後、皆様のお好きなようにご使用ください
落としていただいても、雑談用に使用していただいても、どちらでも大丈夫です

それでは、失礼いたしますm(_ _)m