7: 名無しさん 2012/12/16(日) 01:54:57 ID:KgDBSTDY
マリ「でもどう切り出せばいいのかわかんないじゃん!」

シンジ「そ、そりゃそうだけどさ」

マリ「ぶー、わんこくんが嫌ならいいけどさ」

シンジ「いいよやろうよ! ちゅーするよ!」ガタッ

マリ「あ、でも歯磨きしてからね」

シンジ「それもそうだよ!」ストン

マリ「……」モグモグ

シンジ「……」モグモグ

マリ(……わんこくんのくちびるわんこくんのくちびる)ジー

シンジ(めっちゃガン見されてて食べづらいどころの話じゃないよ!)

引用元: ・シンジ「へー、ここが真希波のマンションかあ」

18: 名無しさん 2012/12/16(日) 02:09:44 ID:KgDBSTDY
洗面所

マリ(実は歯ブラシが二個並んでるのって憧れてたんだよねー)

シンジ「あ、真希波の歯磨き粉って外国のやつなんだ。へー、日本じゃぜんぜん見かけないや」

マリ「んー、あっちにいた頃に使ってたやつを歯ブラシと一緒にそのまま持ってきた」シャコシャコ

シンジ「歯ブラシと歯磨き粉ってワンセットみたいなところあるしね」シャコシャコ

マリ「…………」シャコシャコ

シンジ「…………」シャコシャコ

マリ(今更だけど夕食ににんにくとか唐辛子とか肉とかあんなにがっつり食べなきゃよかった……)ズーン

シンジ(そういえばなんか前にも似たようなことをした気がするなあ……)シャコシャコ

マリ(でもブレスケア食べたし大丈夫! 今の私のお口はばっちりミントの香りだよ! でも心配だからあとでもう一個食べておこう……わんこくんのファーストキスはミントの香りだ!)

シャコシャコシャコシャコ

ガラガラガラガラ、ペッ

マリ「うわー! わんこくん、人が変な顔してるところを覗かないの!」

シンジ「覗いてないよ!」

27: 名無しさん 2012/12/16(日) 02:18:10 ID:KgDBSTDY
寝室

シンジ「」

マリ「? わんこくん、どしたの。ぼーっとしちゃって」

シンジ「呆れてたんだよ! なんで洗面所から寝室直行なんだよ! おかしいよ!」

マリ「私も結構眠くなってきちゃったんだよねー。あとはベッドの上でごろごろイチャイチャしようよ」

シンジ「真希波と一緒の部屋でなんて寝れるわけないだろ! 僕はリビングに布団でも敷いて寝るよ!」

マリ「わんこくんさ、それ本気で言ってんの?」

シンジ「」

マリ「一人で寝かせるわけないじゃん。わんこくんがリビングにいくなら私もリビングで寝るよ」

シンジ「僕の理性がそんなに信じられるのかよ!」

マリ「シンジだけに?」ププーッ

シンジ「ギャグじゃないよ! ギャグじゃ! ないよ!」

マリ「いーからいーから。何されたって文句言わないからさ。ほら、出かける前に干してったから布団もフカフカだよ」

シンジ「干したのも取り込んだのも僕だけどね!」

35: 名無しさん 2012/12/16(日) 02:31:54 ID:KgDBSTDY
シンジ「とりあえずベッドの上に座るよ」ヨイショ

マリ「じゃあ私もおじゃましまーすってね」コロン

シンジ「僕が膝枕する形になったよ!」

マリ「あはは。さっきしてあげたじゃん。お返しお返し」スリスリ

シンジ「それにしてもベッドとクローゼットしかないんだね」

マリ「今はわんこくん二号があるよ」

シンジ「!?」

マリ「ほら、あれあれ」

シンジ「あ、あのサボテン……そっか、寝室に持ち込んだんだ。どうりで見当たらないと思ったよ」

マリ「人のいない寂しいところに一人で生えてるあたりわんこくんっぽいよねー」

シンジ「どうせ僕はぼっちだよ! 屋上で一人で時代遅れの音楽プレーヤーからクラシックを聴いてるようなやつさ!」

マリ「わんこくん、どうどう」

シンジ「なんだよ、おかげで知り合えたんじゃないか! むしろぼっちなところに感謝して欲しいくらいだよ!」

マリ「そうだねー」キュン

39: 名無しさん 2012/12/16(日) 02:46:06 ID:KgDBSTDY
マリ(んー、わんこくんの匂いがする…)クンクン

シンジ(冷静に考えたら真希波はノーブラTシャツにパンツ一枚だよ! 無防備ってレベルじゃないよ!)
シンジ(ちなみに僕は真希波のジャージだよ! いい匂いがするよ!)

マリ(また切り出すタイミングを見失ってしまった……うん、電気が消えたあとだ。電気が消えたあとにちゅーしよう)クンクン
マリ(それにしてもくんかくんかで脳みそトロけそうだにゃー……はあ)トロー

シンジ「…………」ソー

マリ(!? な、なんだ。何をする気だわんこくん!)ドキドキ

シンジ「…………」ナデナデ

マリ(!?)ビクッ
マリ(ふ、ふああ。当味噌トロトロ……)ゾクゾク

シンジ(寝ちゃったのかな……どうしよう。どうすればいいんだよ! なんだよ、勝手に寝るなよ! どうすんだよこの体勢!)

48: 名無しさん 2012/12/16(日) 02:56:53 ID:KgDBSTDY
シンジ(まだ10時を回ったところだし暫くこのままでもいいかな……11時になっても目を覚まさなかったら何とかしよう)ナデナデ

マリ(う、うう。死ぬ。優しさに包まれて死ぬ)

シンジ(うーん、枕元の本……どれも英語だ。すごいなあ。やっぱり帰国子女なんだ)ペラ… ペラ…

マリ(にゃー。暇させてごめんね、わんこくん)

シンジ「……」ナデナデ ペラ…

マリ(でももうちょっと楽しませてもらうよ!)テヘペロ

シンジ(あ、これ翻訳版で読んだことあるやつだ。うん、なんとなく内容を覚えてるから読めるかもしれない)ペラ…

マリ(んー、あれは)チラ
マリ(わんこくん、英語いけるのかー。へー、日本人って英語はまるでだめって思ってたんだけどなあ)

54: 名無しさん 2012/12/16(日) 03:08:36 ID:KgDBSTDY
シンジ(トーマス・パーク・ダ……ダンなんとか? 人の名前だけはなんて読むのかわからないや)

マリ「……」ジー

シンジ「……」ペラ…

マリ「……」ジー

シンジ(……あ、っていうか、僕と真希波は読書の趣味が同じってことじゃないか! 翻訳版と原文とは言え同じ本を読んでたってことは!)ハッ

マリ「」ピクッ

シンジ(なんだかテンション上がるや。これはベストセラーだからあっちの人はみんな読んでるのかもしれないけど)

マリ(な、なんだろう。なんか一瞬わんこくんのテンションが上ったような。あの本にそんなテンションの上がる場面なんてあったかにゃ……?)

58: 名無しさん 2012/12/16(日) 03:15:49 ID:KgDBSTDY
シンジ「……」ペラ… ペラ…

マリ「……」ジー

シンジ「……」ペラ… ペラ…

マリ「……」ジー

シンジ「……」ペラ…

マリ「……」ジトー

シンジ「……ふふ」ペラ

マリ「わんこくんさあ」

シンジ「うわあ!」ビクッ

マリ「読書に熱中し過ぎじゃん? 放置プレイも飽きたよ。もっとかまって」

シンジ「勝手に寝たのはそっちじゃないか! めちゃくちゃびっくりしたよ! なんだよ、起きてるならなんか反応してよ!」

64: 名無しさん 2012/12/16(日) 03:25:44 ID:KgDBSTDY
マリ「そのうち起こしてくれるかと思ってさ。てゆーか困るなー。人の部屋のものを勝手に読まれたら」

シンジ「どう考えても勝手に膝の上で寝られる方が困るよ!」

マリ「うん、よし! 寝るぞー!」

シンジ「話を逸らさないでよ! うん、でも確かに寝る時間だ! 寝よう!」

マリ「んじゃ、わんこくんはそっちね。私はこっち」

シンジ「なるべく離れて寝かせてもらうよ」

マリ「いいよ。でも枕は一つだから」

シンジ「それで離れられるわけないよ!」

マリ「ぬかったねー。わんこくんは替えのパンツと一緒に枕を買うべきだったんだ」フフン

シンジ「でも別に腕枕とかでも」

マリ「聞こえないなあ」ムギュー

シンジ(はわわ、マリの胸部装甲板が)

マリ「電気オフ」ピッ

マリ(よ、よし! 暗くなった! 雰囲気もバッチリ……だよね! わかんないけどさ!)

74: 名無しさん 2012/12/16(日) 03:32:36 ID:KgDBSTDY
マリ「ね……ね、わんこくん」ドキドキ

シンジ「言いたいことはわかるよ」
シンジ(これだけドキドキ言ってればそりゃわかるってもんだよ)

マリ「ん……よし! よし、じゃ、お、お姉さんがわんこくんの初めてをもらうから……」

シンジ「ん?」

マリ「えっ」

シンジ「あ」

マリ「ちょっと待って」ガシッ

シンジ「あ、ちょ、待っ」

マリ「ねえ、わんこくん、今の間はおかしいよ。ちょっとシャレになってない。わんこくん、私の目を見て」グググ

シンジ「あ、ああ、あああああ」ブルブル

マリ「わんこくん、姫だね? 答えようによってはパンツ一枚でここから叩きだすから」

79: 名無しさん 2012/12/16(日) 03:42:53 ID:KgDBSTDY
マリ「姫とちゅーしたんだ」

シンジ「」コクコク

マリ「へー。ふーん。へえええ!」ギリギリ

シンジ「」ガタガタ

マリ「で、姫を捨てて私に走ったんだ?」

シンジ「捨てるも何も僕だってよくわかんないよ!」

マリ「詳しく話を聞くよ。一応ね」

かくかくしかじかかくかくしかじか

マリ「」

シンジ「なんで絶句してんだよ! なんとか言ってよ!」

マリ「……えー」

シンジ「その反応は地味ながら深く傷つくよ……」

81: 名無しさん 2012/12/16(日) 03:55:11 ID:KgDBSTDY
マリ「わんこくんってさあ、結構その場の雰囲気に流されやすいタイプだよね」

シンジ「そんなの! 見れば……見ればわかるじゃないか」ズーン

マリ「その場の雰囲気に流されて女の子とちゅーしちゃうんだ。一緒にお風呂にも入っちゃうし。一緒のベッドにも入るし」チクチク

シンジ「完全に否定はできないよ……」

マリ「否定しなよ。それこそ私が傷つくじゃんか」

シンジ「」

マリ「んー、なら私も誰かとちゅーしてこよっかなあ」

シンジ「!?」

マリ「お、傷ついたね」

シンジ「はい」ズーン

マリ「わんこくんさあ、その時はどんな感じでしたわけ」

シンジ「どんな感じって……息するなって言われたからただひたすら苦しかったよ! 正直それしか覚えてないよ!」

マリ「ふーん」モゾモゾ
マリ「じゃ、えっちな方のちゅーは初めてだよね。そっちで我慢してあげよっかな」

88: 名無しさん 2012/12/16(日) 04:06:28 ID:KgDBSTDY
シンジ「!?」

マリ「なに?」

シンジ「……っていうか、僕は許されたの?」

マリ「んなわけないじゃん。次に姫と会ったらビンタ合戦だよ。この怒りをぶつけるよ」

シンジ「やめてよ! 今から胃が痛んできたよ!」

マリ「うっさいなあ。わんこくんは黙って私にちゅーされとけばいいの。って、あー、これは姫とおんなじあれだ」ムー

ムムム

マリ「わんこくんにちゅーしてもらおう」

シンジ「!?」

マリ「うん。それでもう言い逃れ不可能だ。じゃ、わんこくん、私がベッドに仰向けに寝るから上から覆いかぶさってちゅーしてくれたまえ」

シンジ「」

マリ「情熱的にね」

98: 名無しさん 2012/12/16(日) 04:17:12 ID:KgDBSTDY
ギシッ

マリ「…………」ジー

シンジ「……め、目を閉じてよ。やりにくいよ」

マリ「……閉じてると緊張するし」ドキドキ

シンジ「開けてる方が緊張するだろ! 緊張感がこっちまで伝わってくるよ! いいから閉じて!」

マリ「むりむりむり! あ、あれだ。わんこくんが近づいてくるのにしたがって徐々に閉じる感じだよ!」

シンジ「わ、わかったよ。じゃあやるよ!」

マリ「…………」ジー

シンジ「ガン見かよ!」

マリ「だ、だってさ」

シンジ「これ以上ないくらい目がガッツリ開いてるよ! 来いと言われてもむりだよ! いいから閉じろよもう!」

106: 名無しさん 2012/12/16(日) 04:24:22 ID:KgDBSTDY
マリ「ん、んー」パチッ

シンジ「うん。それでいいんだ。よし……」

スーッ…

マリ「…………」チラッ

シンジ「!?」

マリ「!」ドキッ

シンジ「……め」

マリ「め?」

シンジ「眼鏡が邪魔だよ! そういえば外してなかったよ! 寝るなら外すよ普通!」

マリ「あ、あー、私結構したまま寝ちゃうんだよね」

シンジ「あとチラ見はなしで頼むよ!」

マリ「えー」

112: 名無しさん 2012/12/16(日) 04:32:25 ID:KgDBSTDY
Take2

シンジ(よし、眼鏡は外した。あとはちゅーするだけだ。逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ)

マリ(ま、まだかな……まだかな!? わんこくん、焦らしすぎだよ! またチラ見しちゃうよ!)

スーッ

シンジ「…………」プルプル

マリ「…………?」

シンジ(この姿勢、地味に腕が辛いよ!)プルプル

マリ(薄目でちょっとだけ……)チラ

シンジ「…………」

マリ(近っ!)ビクン

シンジ「……だからチラ見はなしだってば」

マリ「あ、ごめ……にゃっ!」ギュ

チュー

119: 名無しさん 2012/12/16(日) 04:38:36 ID:KgDBSTDY
シンジ(……うん! うん、筆舌に尽くしがたいよ! あとミント!)

マリ(にゃ……柔らかい……うん、そしてミントだ!)

チュー

シンジ(……えっと、これどうすれば!?)

マリ「んー」ギュー

シンジ(背中に腕を回されたよ! 逃亡不可能だよ! えーと、たしかあの時はこう……)

チュー…

マリ「ん」ビクン
マリ(うわわ、なんか入ってきた。うわわわわ、なんかぬるぬるしてる。うわわ、うわわわわ……ん? あれ)

バッ

マリ「わんこくんさ」

シンジ「えっ」

マリ「……したことあるよね?」

シンジ「あ」

マリ「そこに正座して。場合によっては生きては帰れないよ。時と場合によっては生かして帰さないよ」

シンジ「」ガタガタガタガタ

124: 名無しさん 2012/12/16(日) 04:45:53 ID:KgDBSTDY
マリ「……で?」

シンジ「はい」

マリ「はいじゃないが」

シンジ(眼鏡して腕組みして足まで組んでるよ。完全に戦闘モードだよ。一方僕はフローリングに正座だよ!)

マリ「…………」

シンジ「かくかくしかじか」

まるまるうまうま

マリ「…………」ホッ

シンジ(あ、眼鏡外した。そして腕組みと脚組みもとけた。そりゃそうだ! あの状況でミサトさんとチューして怒られたんじゃ理不尽すぎるよ!)

パーン!

シンジ「えええ! なんでぶつのさ!」

マリ「やつあたりだけど」

シンジ「なんだよ! 僕だってあれがカウントに入るなんて思わないじゃないか! 哀別のちゅーだよあれは!」

130: 名無しさん 2012/12/16(日) 04:58:47 ID:KgDBSTDY
マリ「なんか……なんかイメージと違う。わんこくんはもっと子犬みたいに震えながら私にすりよってくるべきじゃんか」ボソボソ

シンジ「僕は捨て犬か何かかよ! ……よく考えたらその通りだったよ」ズーン

マリ「うん。や、ううん。ご、ごめん。なんかトラウマを掘り返すみたいな真似しちゃったじゃんか! ほら、わんこくん、こっち! 私の隣においでおいで!」パンパンポフポフ

シンジ「……」ゴロン

マリ「よしよし」ナデナデ
マリ「で、他にはもう誰とも何もしてないだろうね。今の二連続は結構きいたよ。次も同じことされたらだいぶ参るよ」

シンジ「さすがにそこまで節操なしじゃないよ!」

…………

シンジ「次ってなんだよ!?」

135: 名無しさん 2012/12/16(日) 05:14:16 ID:KgDBSTDY
マリ「次は次だよ」

シンジ「そ……そうかとしか言えないよ!」

マリ「うん。ね、わんこくん、もっかいちゅーしたい?」ギュ

シンジ「う、うん。望むところだよ!」

マリ「んー、でもなー、なんかなあなあな感じになっちゃってるしなー」

シンジ(顔が近いよ!)

マリ「わんこくん、私のことはどう思ってんの? ちゃんと聞かせてくれたらもっかいちゅーしていいよ」ツンツン

シンジ「ま、真希波のことは……」

マリ「マリでいいよ、わんこくん」

シンジ「じゃあ僕もシンジでいいよ!」

マリ「うん、シンジくん」

シンジ「シンジでいいって言ってるでしょ!?」

マリ「……し、シ……恥ずい!」

シンジ「じゃあ僕も言わないよ! 実はホームセンターで一回言ってるけどそれはノーカンだよ!」

136: 名無しさん 2012/12/16(日) 05:19:38 ID:KgDBSTDY
マリ「シン……シンジ……くん」

シンジ「もっと大きな声で」

マリ「ンジ……」

シンジ「もう一息!」

マリ「シンジ!」

シンジ「マリ! 好きだ!」

マリ「」キュン

シンジ「好きだー!」ガバー

マリ(うわわ)ガバー

チュー

マリ(いくらなんでも直球すぎるよ……も、むり)キュン

138: 名無しさん 2012/12/16(日) 05:22:18 ID:KgDBSTDY
その夜は結局ずーっとチュッチュしてましたとさ

オワリ