1: 名無しさん 2020/02/12(水) 20:05:57.584 ID:AnlPgWWt0
メイプル「あれ!?悪食の残り使用回数が0回になってる!!」

サリー「えっ!?」

俺「ククク…」

サリー「…アンタ、何をしたの?」

俺「おっと、俺のせいにするってのか?」

サリー「しらばっくれんじゃないわよ。ま、聞いておいてなんだけど心当たりはあるのよね」

メイプル「こ、心当たり?」

サリー「回数制限ありスキルの残り使用回数を1回分減らす課金アイテムよ」

メイプル「ええっ!?そんなのあるの!?」

俺「ふーん…ちゃんと課金アイテム調べているんだな」

サリー「ふん、当然ね」

引用元: ・メイプル「あー。悪食3回使っちゃったよー」 俺「ククク…よく見てみな…」 サリー「誰!?」

2: 名無しさん 2020/02/12(水) 20:07:20.867 ID:AnlPgWWt0
サリー「で?どうしてそんなものを使ったの…って、理由は聞くまでもないかしら?」

メイプル「PK…!」

俺「フッ…お察しの通りだよ」

サリー「二人相手にケンカ吹っ掛けるなんてよっぽど自信があるみたいね?」

俺「もちろん。勝算がなければこんなことしないさ」

サリー「ふーん…」

サリー(メイプルと同じ盾持ちか…さすがに防御極振りってことはないと思うけど…)

サリー(何にしても私の速さに敵うはずがない。となればこちらから仕掛けるのみ!)

3: 名無しさん 2020/02/12(水) 20:08:22.845 ID:AnlPgWWt0
サリー「…超加速!!」シュンッ

俺「【手痛い停滞(クリティカル・スタグネイション)】…」

サリー「なっ…!?」

俺「これでも喰らいな。フレイムポーション」ゴォォ

メイプル「カバームー…あれ!?」

サリー「ぐうっ!!」

メイプル「サリー!!」

4: 名無しさん 2020/02/12(水) 20:09:59.828 ID:AnlPgWWt0
サリー「どういうこと…?一瞬思うように動けなかった…」

メイプル「わ、私も…カバームーブ使おうとしたのに遅れちゃった…」

俺「ククク…」

サリー「それと今のも課金アイテムね…攻撃用の課金アイテムはさほど威力は高くないけど…」

メイプル「まさか、私にダメージを与えられるアイテムもあるの!?」

サリー「いや、それはない…課金アイテムは全部目を通してあるけど固定ダメージを与える攻撃アイテムはなかった」

俺「確かにそうだねぇ」

サリー「それに防御低下のような補助アイテムもなかったし…メイプルの防御は崩せないはず」

サリー(なのにこいつのこの自信はいったいどこから…?)

5: 名無しさん 2020/02/12(水) 20:11:29.346 ID:AnlPgWWt0
サリー「考えても無駄、か…それなら速さで翻弄するのみ!」

俺「その速さが通用しないんだって。【手痛い停滞(クリティカル・スタグネイション)】!」

サリー「!? また…!?」

サリー(厄介なスキル…でも!)

サリー「…メイプル!!」

メイプル「うん!…ヒドラ!!」グォォォ

俺「うお、ここで来たか!」

メイプル「よし、クリーンヒットしたよ!」

サリー「やったか!?」

6: 名無しさん 2020/02/12(水) 20:13:37.673 ID:AnlPgWWt0
俺「…はは、残念。ノーダメージさ」

メイプル「うそっ!?」

サリー「なんで…」

俺「いやいや、別に驚くことじゃないだろ?メイプルちゃんだってそのヒドラの攻撃を喰らわないんだし」

メイプル「まさか…」

サリー「そうか、毒無効…!」

俺「俺がなぜ盾を選んだか…それは毒無効を取得するためさ。盾持ちは他の武器と比べて半分の被毒ダメージで取得できるんだよ」

俺「一定時間内に一定割合の毒ダメージを受けることで毒耐性大から進化する…」

俺「調べるのに苦労したよ。さすがに俺もヒドラは取得できなかったんだけどね。どうやったんだいメイプルちゃん?」

メイプル「お、教えないもん!」

俺(かわいい)

7: 名無しさん 2020/02/12(水) 20:15:15.810 ID:AnlPgWWt0
俺「しかし取得方法が分かってもこれが厄介なんだよ」

俺「一定ダメージじゃなく一定『割合の』ダメージというのがミソでね…HPを上げてしまうと取得が困難になるんだ」

俺「さらに盾持ち以外は倍のダメージが必要となるが、一定時間内にそれほどの毒ダメージを与えられる敵は現状存在しない」

俺「つまり毒無効は実質盾持ち専用のスキルなんだよね。しかもHPを上げてしまうと取れなくなる…」

メイプル「そ、そうなの…?」

サリー「いや知らないわよ!」

サリー(でも、だとしたら…まさかこのゲームにそんな欠陥仕様が…?)

10: 名無しさん 2020/02/12(水) 20:17:45.998 ID:AnlPgWWt0
俺「…話はいったん終わりにしようか。フレイムポーションを喰らえ!」

サリー「そんなもの当たらな…!? うっ、またか…!」

俺「…ははは」

サリー「あれ?今一瞬…アイツがワープしたような…?」

俺「おっと…気付かれてしまったかな。実はこのスキルは時間を遅らせたり飛ばしたりする強力なものだが、俺自身制御できない部分も多いのさ」

サリー「ふん、べらべら喋るのね」

俺「まあ、キミたちと戦うのは一回こっきりにするつもりだからね。ネタばらしをしつつやっていこうかと思ってさ」

サリー「あっそ、余裕ってわけね…」

メイプル「あわわ…どうしよう」

11: 名無しさん 2020/02/12(水) 20:19:51.152 ID:AnlPgWWt0
サリー「しかしおかしい…確かフレイムポーションの威力は低めのはずなのにダメージがでかい…」

俺「あれ?課金アイテムに一通り目は通していても説明まではよく読んでなかったかな?」

サリー「いや確か…そうだ、INTによって威力が増加するアイテムだったはず!」

俺「正解。俺はINT特化の盾持ちだ。動きやすいようAGIにもいくらか振ってるけどね」

メイプル「ええっ!?盾なのに!?」

サリー「どうやら本格的に私たちを倒すためだけに作ったキャラのようね…」

俺「ははっ。いやあ、俺メイプルちゃんのファンなもので」

メイプル「ええー…」

サリー「きもっ…」

12: 名無しさん 2020/02/12(水) 20:21:51.614 ID:AnlPgWWt0
俺「はは、自分の楽しいことは他人からは気持ち悪く見えたりするものさ。ま、サリーちゃんはメイプルちゃんがやられる姿を見ていてくれよ」

俺「…バインドスクロール!」グォォ

サリー「なっ…!」

メイプル「カバームーブ!」シュンッ

サリー「駄目、メイプル!」

俺「おや?メイプルちゃんに当たっちゃった?」

メイプル「あ、あれ…?身動きが取れない…」

サリー「それは相手を一定時間行動不能にする課金アイテムよ…行動不能時間は相手とのINTの差に依存する…」

メイプル「そ、そんなぁ…」

16: 名無しさん 2020/02/12(水) 20:25:04.723 ID:AnlPgWWt0
俺「まあ却って都合がいいか。サリーちゃんにも止まっててもらうから。バインドスクロール!」

サリー「くっ…!避け……られない!!」

俺「無駄無駄、【手痛い停滞(クリティカル・スタグネイション)】の前ではね」

サリー「くそぅ…動けない…!」

メイプル「何なのーあのクリティカル何とかって…」

サリー「分からないわ…」

俺「それだけはネタばらしできないかな。サリーちゃんほどの強者なら知ってるかとも思ったけど」

サリー「ふん、お生憎さま。でも確かに二人とも身動きは取れないけど、どうやってメイプルを倒すつもり?」

俺「ハハハ。さすがにちゃんと方法は考えてあるよ」

メイプル「うう…怖いよー…」

俺(かわいすぎるだろ)

18: 名無しさん 2020/02/12(水) 20:26:48.891 ID:AnlPgWWt0
俺「フレイムポーション!」ゴォォ

メイプル「わあっ…ふ、ふふーん!そんなの効かないよ!」ダメージゼロー

俺「あざと…いやまあ、そうだろうね。でもこれならどうかな?」パーン!!

メイプル「えっ、何!?」

サリー「クラッカー!?」

メイプル「あ、あれ…2ダメージ喰らってる!」

サリー「そんな…!」

俺「確かにこのゲーム固定ダメージを与える『攻撃アイテム』はない…しかし…」

サリー「…なるほどね。私も完全に頭から抜け落ちていたわ」

メイプル「えっ、なに、なに???」

19: 名無しさん 2020/02/12(水) 20:28:46.326 ID:AnlPgWWt0
サリー「『歓迎クラッカー』…」

俺「あはは…さすがだね、サリーちゃんは」

メイプル「な、何それ?」

サリー「初心者応援用課金パックに入ってるユニークアイテムよ。3000円、5000円、10000円のセットにそれぞれ1つずつ入ってる…」

俺「そう…本来ならただ演出を楽しむためのアイテムだが、運営のおふざけなのか範囲内の相手に固定ダメージ1を与える効果が付与されている」

俺「そしてカバームーブの影響でダメージ2倍だね」

サリー「ふん…でもそれは1キャラにつき1セットずつしか購入できないはずよ」

メイプル「…ってことは?」

サリー「最大でも3つしか手に入らないからメイプルを倒すには至らない…」

サリー「…もしくはアイテムを不正に増やしているチート野郎ってことよ!」

メイプル「ええっ!!チート!?」

俺「はは、はははは…」

20: 名無しさん 2020/02/12(水) 20:30:43.472 ID:AnlPgWWt0
俺「やだなぁサリーちゃん、そんな言いがかりはやめてよ」

サリー「なに、違うっての?」

俺「人を不正野郎みたいに言うのはひどくないかな。単にキミは大事なことを見落としていたんだよ…」

サリー「大事なこと…?」

俺「このアイテム、実は『トレード可能』なんだよ」

サリー「はあっ!?だってそういうユニークアイテムは…」

俺「そう。普通こういったアイテムはトレード不能のはず…」

俺「しかし歓迎クラッカーに関してはたぶん運営の設定ミスでトレード不能の表示がない」

サリー「そんな…!」

俺「俺は今回この歓迎クラッカーを500個集めた。メイプルちゃんってHPはさほど高くないだろ?」

サリー「500!?」

メイプル「あわわ、どうしよう…」

21: 名無しさん 2020/02/12(水) 20:33:54.509 ID:AnlPgWWt0
俺「いろんなところで声かけてね…こんなの要らないプレイヤーばかりだからゴールド積むだけでたくさん集まったよ」

俺「そしてさらにこのアイテムにはクールタイムも設定されていない!」

俺「つまり、連射できるからメイプルちゃんのHPを溶かしきるのは容易!!」

俺「HP1で耐える不屈の守護者も意味がないのさ!」

俺「俺の勝ちだメイプルちゃん!!!あははははは!!!!」


『チャットが送信できませんでした』
『ネットワークが切断されました。タイトルに戻ります』


俺「……は?」

22: 名無しさん 2020/02/12(水) 20:35:44.206 ID:AnlPgWWt0
俺「くそっ…これはまさか…!」ガバッ


俺「…かーちゃん!!9時までは動画見ないでって言ったでしょ!」

母「は?いつ見ようがアタシの勝手じゃないの」

俺「俺ん家クソ回線だからそれやるとこっちの回線切れちゃうの!大事な用があるって言ったでしょ!!!」

母「知らんがな」


メイプル「あ、あれ?あの人消えちゃったよ?」

サリー「……察したわ」

メイプル「えっ?えっ?」

24: 名無しさん 2020/02/12(水) 20:38:09.279 ID:AnlPgWWt0
サリー「アイツ、自分は不正をしていないみたいに言ってたけど…」

メイプル「違うの?」

サリー「あのクリティカルなんたらとかいうスキル…いや、スキルに見せかけた現象は…単なるラグね」

メイプル「ラグ…通信がうまく行かなくて発生する遅延のこと?」

サリー「まあ、そうね。たぶんアイツはあえて貧弱な回線を使用することでラグを発生させていた」

サリー「しかも単に発生させるだけじゃなくてある程度コントロールしていたわ…多分そういう実験を積み重ねてたんだと思う」

メイプル「ほえー」

サリー「不安定な回線を使用していたから、何らかの負荷がかかった際に通信が完全に切れたのね」

サリー「ま、次にあれに会ったら全力で逃げましょ」

メイプル「う、うん…倒されなくて良かったー」


俺「とほほ…もうクソ回線はこりごりだよぉ…」


-完-