382: 名無しさん 2010/05/29(土) 15:28:47.29 ID:UyAHANk0
一方+垣根での戦闘を書いてみたんだが、どことなく微妙な気がする…

投下してもいい?

引用元: ・▽ 【禁書目録】「とあるシリーズSS総合スレ≪4冊目≫」【超電磁砲】

384: 名無しさん 2010/05/29(土) 15:31:51.58 ID:UyAHANk0
一方通行はロシアの寒空の下、物思いにふけっていた。
あのシスター……禁書目録の助力によって打ち止めは助けることができた。
だがしかし、番外個体、第三次製造計画。
問題は山積みだった。
だがしかし、今は『仲間』がいる。
そう考えたところで彼は自分を笑った。

(本格的にあのヒーローに毒されちまってるなァ…まあ、悪い気はしねェが)

自分でもおかしいとは思う。
だが、『彼』を見ていると自分も光の世界に居ていいのか、彼女を傍で守り続けていいのか―――
そんな錯覚に陥るのだ。
何にせよ、今やることは変わらない。
そう自分に言い聞かせ、彼らの元に踵を返す。

「ほう、『幻想殺し』と合流していたか」

「――――ッ」

一瞬、確実に呼吸と心臓が止まった。
バカな、なぜ、どうして『コイツ』がここに―――

「どォしてここにオマエがいやがる、エイワス!!!

一方通行が吼える。
エイワスはそれを歯牙にもかけず、淡々と述べる。

「なに、ただの興味本位さ」

その様子に一方通行は殺意が湧くが、なんとか抑える。

「だが、ここで彼らを消して、アレイスターの計画を歪めるのも一興かもしれないな」

今度は歯止めがきかなかった。
一方通行は、自分の中のどす黒いものが肥大化していくのを確かに感じた。

「おォォォおおおオおおおオオオおおおおおおオオオオオオッ!!」

一方通行の背中から生まれた『黒』が翼の形状に固定されていく。

「前回よりも力を制御できているな――――面白い」

黒い翼がエイワスに向けられる。
だがその対象は微かに笑みを浮かべただけだった。

「ならば示してみたまえ、汝の法を」

―――轟音が辺りに響き渡った。

385: 名無しさん 2010/05/29(土) 15:32:31.83 ID:UyAHANk0
(直撃はした。手ごたえもあった。……だが、これで終わりじゃねェよな)

黒翼はたしかにエイワスの居た場所を叩きつぶした。
だが、前回のこともある。
決して油断はできない。
そして彼らを守るために、負けるわけにはいかなかった。

「ふむ、中々の威力だな。―――だが、それだけだ」

ゴパァッ!!という音と共に、黒翼が弾け飛ぶ。
そこにエイワスは何事も起こらなかったかのように佇んでいた。

「クッ…オオオオオオオオ!!」

一方通行は絶え間なくエイワスに黒翼をぶつけ続ける。
だがしかし、エイワスは表情さえも変えない。
黒翼は彼に届く前に弾かれているのだから。
ならば、と一方通行は黒翼を停止させ、両手を真上に掲げる。

「風…?なるほど、プラズマか」

『あの時』よりもはるかに強い風が吹いており、さらに今の一方通行のベクトル操作は以前を軽々と凌駕している。
―――巨大な球体を形成するのに数秒と掛からなかった。
球体が一方通行の元からエイワスに向かっていく。

「なるほど、面白いな。だが―――」

轟音が再び辺りを包む。
一方通行はエイワスの次の一手に備え、目を凝らした。

瞬間、一方通行の体が吹き飛ばされた。

「が…グッ…!?」

対応しきれず、地面に叩きつけられ、仰向けに転がる。

「あの翼が効かなかったというのに、ただのプラズマで私をどうこうできるハズがないだろうに…」

やはりエイワスはそこから動いておらず、傷一つ無い。
そして左手を彼に向ける。

「終わりにしようか。これ以上やっても結果は変わらない」

その言葉に、一方通行が反応することは無かった。
エイワスの左手に青白い光が収束していく。
一方通行にはわかってしまった。
ベクトル変換も、翼もソレには通用しないのだろう、と。
体を動かそうともせず、一方通行は目を閉じた。

―――光が、一方通行の居る場所を跡形もなく消し飛ばした。

386: 名無しさん 2010/05/29(土) 15:33:02.80 ID:UyAHANk0
「……こんなものか」

エイワスは光によって消えた場所に目を向けて、そうつぶやいた。
一方通行でこの程度では、自分とまともに渡りあえるのは幻想殺しくらいか、と考え、その場を後にする。

「おいおい、なに無視してくれちゃってんだ?」

上空から声が聞こえる。
その声にエイワスは少しだけ表情を変えるが、すぐにそれは分からなくなる。

「『未元物質』、か。君は巨大な機械を付けなければ、生きていけないハズではなかったかな?」

「はっ…第一位が俺以外に殺されそうだってのに、何もしないワケが無えだろ」

一方通行に敗れた後垣根が目を覚ました時、垣根は全身を機械につながれていた。
―――いや、体の大部分を機械で補っていたと言う方が正しかった。
そこで垣根はその欠損部分を未元物質で補い、見事復活したのだった。

「目を覚ました所はちょうど良く情報が集まってる場所でなあ…第一位のロシア行きも、テメエが『ドラゴン』ってことも簡単にわかったぜ?」

「……おい、さっさと下ろしやがれ」

今まで黙っていた一方通行がようやく口を開く。
彼がそう言うのも無理はなかった。
垣根は飛行しながら一方通行を支えているのだ。
しかしおんぶなどは羽根が刺さるので不可能であり、横に抱えるのも不安定だった。
―――そこで垣根が選んだのはいわゆる『お姫さまだっこ』だった。

「ああ!?せっかく助けてやったのになんだその態度は!?」

「それでもこの抱え方は無ェだろォがァ!!……もォいい。離せ」

一方通行が地上に降りる。
それに習って、垣根も降りてくる。

「……ったく、とりあえずアイツをどうにかすりゃあいいんだな?」

「ハッ…わかってンじゃねェか……さァ、仕切り直しだぜェ?エイワス!!」

一方通行の黒翼が再び展開され、同時に垣根も翼を肥大化させていく。

387: 名無しさん 2010/05/29(土) 15:33:30.67 ID:UyAHANk0

そこで、おかしな現象が起こった。
わかりやすく言えば共鳴になるだろうか。
対極の黒と白であった二人の翼が、同じ黄金色へと変色していく。

「なるほど、そういうことか」

二人の翼がエイワスに向けられる。

「アレイスターめ、これも計算の内だったか」

だがエイワスの表情に焦りは無く、わずかに口角を上げただけだった。

「そうか、そういうことか」

翼が目前に迫る。

「彼らの役割は―――」

翼によって全てがなぎ払われていく。
それでもエイワスは、最後まで笑っていた。

388: 名無しさん 2010/05/29(土) 15:34:00.05 ID:UyAHANk0

「倒したか?」

「いや―――この程度じゃ倒せてねェな」

黄金の翼がふるわれた後に、エイワスは居なかった。
あれだけの力があるのに、瞬間移動はできないということは無いだろう。

「で、どォする?また俺に挑ンでみるか?」

「それもいいが…テメエの前に学園都市だ」

「あァ?」

「今のテメエの敵は学園都市なんだろうが……それを潰した後、最高の状態のお前を俺の手で潰す」

一方通行は垣根の言葉に固まっていたが、すぐに自嘲するように笑みを浮かべた。

「ハッ…面白ェな……ホラよ」

一方通行が差し出した手に垣根が困惑する。

「オイオイ、『握手』ってのも知らねェのか?」

「いや、お前がそんなことするのが意外でな…」

そう言って垣根がぎこちなく手を握る。

「まあ、俺も随分と毒されちまったからなァ…」

「……ほお、誰に?」

「あァ?決まってンだろ…」

一方通行が空を見上げながら続ける。

「―――お節介焼きな『仲間達』だよ」

389: 名無しさん 2010/05/29(土) 15:35:34.31 ID:UyAHANk0
終わり。
展開無理やりで戦闘も適当すぎる。
あ、タイトルは
垣根「俺がテメエを殺す」
かなあ