1: 名無しさん 2011/06/08(水) 10:33:28.78 ID:otq41RQl0
~シェリルの田んぼ~

シェリル「お米を作り始めてから1年・・・・」

アルト「ようやく実ったな」

シェリル「田んぼ一面に金色に輝く稲・・・なんか感動しちゃうな・・・」

アルト「・・・・・」

シェリル「あ・・・・あれ?」ポロポロ

アルト「・・・?泣いてるのか?」

シェリル「な、泣いてなんかないわよ!バカ///」

シェリル「ただ、この1年の苦労を思い出しちゃって・・・ぐすっ・・・」ポロポロ

アルト「はいはい、よしよし・・・。ここまで良くやったよ・・・」ぎゅっ

シェリル「うん・・・・」ぎゅっ


シェリル「・・・ねぇ、明日稲刈りするの?」

アルト「あぁ、そろそろしないとな」

シェリル「うわぁ~、楽しみね!私がコンバイン乗るんだから、ちゃんと見ててよ!」

アルト「はいはい」

引用元: ・シェリル「私の米を食え!」 ランカ「U・ω・Uもぐもぐ」

13: 名無しさん 2011/06/08(水) 10:42:19.54 ID:otq41RQl0
~次の日 田んぼ~

コンバイン「・・・・」

シェリル「よーし、やるわよぉ~!!」

アルト「おう、頑張れよ」

シェリル「ねぇ、コンバインの使い方は?」

アルト「乗ればいいって、乗れば」

シェリル「ふぅ~ん・・・。とりあえず乗っちゃお」ヨジヨジ


シェリル「きゃー!アルト、アルトったら!」

アルト「ん?」

シェリル「凄く高い!ねぇ、どうやって動かすの!?早く動かしたい!」

アルト「あぁ、今動くから待ってろ」

コンバイン「ブイーン」

シェリル「きゃぁーー!!動いてる!!勝手に刈ってるわ!!何これ?何これ?」

アルト「(自動運転だから、動かすというか乗るだけだな)」

アルト「(まぁ楽しそうだし、いいか)」

16: 名無しさん 2011/06/08(水) 10:53:16.94 ID:otq41RQl0
~数時間後~

シェリル「ふぅ・・・、やっと刈り終わった・・・」

アルト「良く飽きもせず乗ってたな。自動操縦なのに」

シェリル「うるさいわね、アルトのくせに!面白かったのよ!」


アルト「さて、この後も色々やることあるんだよな~」

シェリル「もうこのお米食べられるの?」

アルト「いや・・・、乾燥させたりしないと駄目だろ。・・・たぶん」

シェリル「ふぅ~ん」

アルト「明日辺り、試食も兼ねてランカでも呼べば?」

シェリル「そうね、私たちのお米食べてもらわないと!」

アルト「さ~って、俺はやることを済ませないと・・・」

シェリル「・・・ねぇ、お昼にしない?私一仕事した後だからお腹空いたわ」

アルト「おまえ座ってただけだろ・・・」ジトー

シェリル「な、なによ!!///悪いの!?」

アルト「いや・・・・」

27: 名無しさん 2011/06/08(水) 11:06:16.34 ID:otq41RQl0
~次の日 シェリル・アルト家~

ランカ「こんにちは~」

アルト「おっ、来たな。久しぶり」

ランカ「久しぶりだね、アルトくん!随分変わったね」

アルト「まぁな。土いじってるから」

ランカ「初めて作ったお米なんでしょ?凄いね!」

アルト「俺もこんな風に出来るとは思わなかったよ」


シェリル「あら、ランカちゃん!いらっしゃ~い」

ランカ「お久しぶりです!シェリルさん!」クスッ

シェリル「久しぶり・・・って、今何で笑ったのよぉ」

ランカ「だって、シェリルさんも変わってたから」

シェリル「えっ!?ウソッ、そんなに変わった?土臭くなった?」

ランカ「だって、シェリルさん爪短く切ってるんだもん」

シェリル「あっ、そこかぁ・・・(老けたとか言われたら泣くところだった)」

アルト「(老けたって言うのかと思った)」

36: 名無しさん 2011/06/08(水) 11:18:31.24 ID:otq41RQl0
~シェリル・アルト家 リビング~

シェリル「ふふっ、いつもテレビでランカちゃん見てるわよ~?大活躍じゃない」

ランカ「えへへ・・・///そんなことありませんよぉ」

ランカ「シェリルさんが『私、お米作る!』とか言い出して引退した時は仕事増えてビックリしたけど・・・」

ランカ「もう慣れました!今ではこうやってスケジュール調整できるし・・・」

シェリル「売れてる証ね」

ランカ「そんなこと・・・」ぐぅ~

シェリル「あっ、ランカちゃんのお腹の音」

ランカ「あはは、鳴っちゃった・・・///」

シェリル「もう!アルトったら、まだ炊けないの!?」

アルト「待てって。今蒸らしてるんだから・・・」


シェリル「ったく・・・。ごめんね、無駄なこだわりがあるのよ」

ランカ「もしかして、『一緒に暮らすと見えてくる』ってヤツですか?」

シェリル「そうなのよ~。嫌なところばっかり見えちゃって」

アルト「・・・なんか言ったか?」

38: 名無しさん 2011/06/08(水) 11:27:56.70 ID:otq41RQl0
アルト「ほら、できたぞ」

[ご飯] [ご飯] [ご飯]

ランカ「わぁ!すご~い」

シェリル「(これが・・・私たちが作ったご飯・・・)」ウルウル

ランカ「あっ、シェリルさんからどうぞ」

シェリル「う、うん・・・・」

シェリル「ぱくっ・・・もぐもぐ・・・」

アルト・ランカ「・・・・」ドキドキ

シェリル「・・・うん!美味しい!美味しいわ!!」

アルト「そりゃ良かった。ほら、ランカも食べな」

ランカ「いただきまーす!」

ランカ「ぱくっ・・・、もぐもぐ・・・」

ランカ「もぐもぐ・・・・・」

ランカ「(あれ・・・?あんまり美味しくない・・・。気のせいかな・・・?)」

シェリル「お代わり!!」

42: 名無しさん 2011/06/08(水) 11:40:23.50 ID:otq41RQl0
アルト「おいおい、俺が食う暇ないじゃないか」

シェリル「うっさいわね!・・・どう?ランカちゃん、美味しい?」

ランカ「は、はい!とっても美味しいです!ぱくぱく」

シェリル「良かったわ~。いっぱいおかわりしてね」

ランカ「も、もちろんです!(きっと美味しく感じないのは、最近辛い物ばかり食べていたからだよね)」


アルト「ほら、シェリルのおかわり」スッ

シェリル「ありがと・・・うぅ・・・ぐすん」ウルウル

ランカ「!? どうしたんですか?シェリルさん」

シェリル「ご、ごめんね・・・。ちょっと感動しちゃって」ウルウル

シェリル「私たちが頑張って作ったお米が、人に食べてもらえるなんて・・・」ウルウル

アルト「シェリル・・・・」

ランカ「シェリルさん・・・(こんな顔されたら、口が裂けても『不味い』なんて言えないよ・・・)」

アルト「さて・・・、俺も食うか。ぱくっ」

ランカ「(もしこのお米を『不味い』なんて言う人がいたら、その人は悪魔に違いない!)」

アルト「もぐもぐ・・・(まぁ、こんなもんか・・・?シェリルも美味しいって言ってるし・・・)」

50: 名無しさん 2011/06/08(水) 11:51:16.35 ID:otq41RQl0
~夕方~

ランカ「じゃあ、そろそろ帰らないと・・・」

シェリル「もうそんな時間?久しぶりに話すと楽しくて、すぐ時間過ぎちゃうわね」

アルト「本当だな・・・」

ランカ「また休みが出来たらお話しよ?」

シェリル「うふふ、そうね!いつでも出来るし問題ないわ!」


シェリル「ほら、アルト。ランカちゃんを送る用意しなさいよ」

アルト「わかってるって」

ランカ「あっ、いいよ、アルトくん。私タクシーで帰るから・・・」

シェリル「いいから、いいから。こういう時は甘えなさい」

アルト「もうちょっと2人で話していていいぞ。ちょっと時間かかるから」

ランカ「そ、そう・・・?」

シェリル「それより、さっきの話の続きしましょ!どこまで話したかしら・・・?」

ランカ「確か、アルトくんが『米作りなんてやるわけないだろ!』って言った辺りです」

シェリル「そうそう、それから大変だったのよ~?色々揉めて・・・」

52: 名無しさん 2011/06/08(水) 12:02:15.65 ID:otq41RQl0
シェリル「そう!それでねぇ、アイガモの名前はアイモになったの!」

ランカ「あははっ、アイガモだからアイモですかぁ!」

シェリル「そうなの!それでね・・・」

アルト「おーい、帰る準備できたぞ~」

シェリル「あっ、もう準備出来ちゃったの・・・」

ランカ「・・・・・(ちょっと寂しいな・・・)」

シェリル「・・・ご、ごめんね!帰り辛い空気にしちゃって・・・・。玄関まで送るわ」

ランカ「あっ、すみません・・・」


~玄関~

トラック「[大量のお米]」

ランカ「がーん!!(トラックにいっぱいお米が積んである・・・・)」

ランカ「こ、これって・・・・」

シェリル「もちろん、ランカちゃんの分よ!」

シェリル「アイドルはパワーが必要だから、いっぱい食べてね!」

ランカ「あ、ありがとうございます・・・(ど、どうしよう・・・・)」

56: 名無しさん 2011/06/08(水) 12:10:33.13 ID:otq41RQl0
~ランカ・オズマ家~

オズマ「ただいま~」

ランカ「あっ、お帰りお兄ちゃん。今日もお疲れ様!」

オズマ「とは言ってもバジュラの脅威は去ったし、パイロットは暇さ」

ランカ「暇なのが一番だよ~」

オズマ「うん?この匂い・・・、今日はカレーライスか?」

ランカ「うん。カレー粉が安かったから・・・」


ランカ「はい、どうぞ。お兄ちゃん」コトッ

オズマ「おっ!美味そうだな、いただきまーす!!ぱくぱくっ」

ランカ「・・・・・」ドキドキ

オズマ「もぐもぐ・・・うん、美味い美味い!流石ランカだなぁ!」

ランカ「(良かった・・・・)」

オズマ「ぱくぱく」

65: 名無しさん 2011/06/08(水) 12:21:56.49 ID:otq41RQl0
ランカ「いただきまーす」

ランカ「もぐもぐ・・・(う~ん、やっぱりイマイチだなぁ・・・)」

オズマ「ランカ・・・、訊いていいか?」

ランカ「ん?なぁに、お兄ちゃん」

オズマ「米・・・・変えた?」

ランカ「!?!?!?」


オズマ「いやな、俺もそんな拘る方じゃないが・・・なんか違和感があってなぁ」

オズマ「ランカが水加減間違えるわけないし・・・」

ランカ「ち、ちがっ、みjっゆみずかみじゅg(ど、どうしよう口が回らない・・・)」

オズマ「ははーん、どうせスーパーで安い米を買っちゃったんだろ?」

ランカ「えっ?」

オズマ「駄目だぞ、安いので妥協しちゃあ。あぁいうのは不味いから安いんだ」

オズマ「ま、ランカが炊いたなら、どんな不味い米でも俺は食うが・・・」キリッ

ランカ「こ・・・、この悪魔めぇーーーー!!」

オズマ「!?」

76: 名無しさん 2011/06/08(水) 12:32:08.61 ID:otq41RQl0
ランカ「・・・・」ピッピッ

ランカ「あっ、もしもし?ナナちゃん?ごめんね、こんな時間に」

ランカ「いきなりなんだけど、お米足りてる?」

ランカ「うん・・・、うん・・・。あっ、そうなんだ、アルトくんから貰ったんだ・・・」

ランカ「どれくらい貰ったの・・・?・・・ふぅ~ん、そうなんだぁ」

ランカ「まぁ、いいや!また明日仕事でね!」ピッ

ランカ「・・・・」ピッピッ

ランカ「あっ、もしもし?ルカくん?ごめんね、こんな時間に」

ランカ「いきなりなんだけど、お米足りてる?」

ランカ「うん・・・、うん・・・。あっ、そうなんだ、アルトくんから貰ったんだ・・・」

ランカ「どれくらい貰ったの・・・?・・・ふぅ~ん、そうなんだぁ」

ランカ「まぁ、いいや!じゃあまた今度ね!」ピッ


ランカ「私だけ皆より貰ったお米の量が多いよ・・・・」

ランカ「3倍はある・・・・・」

ランカ「わぁ~い!特別扱いされちゃったぁ!・・・・わーい・・・・」

85: 名無しさん 2011/06/08(水) 12:43:23.00 ID:otq41RQl0
ランカ「よいしょ、よいしょ」トコトコ

ランカ「(ミシェル君だって、アルトくんとシェリルさんが作ったお米食べたいはずだよ・・・)」トコトコ

ランカ「(待ってて、天国のミシェル君・・・。いま持っていくからね・・・)」トコトコ

ランカ「よいしょ、よいしょ」トコトコ


~ミシェルの墓前~

[墓] [大量の米]

ランカ「がーん」

ランカ「そ、そんな・・・。もういっぱいお供えしてある・・・」

ランカ「・・・・」ウルウル

ランカ「(ごめんねミシェル君・・・。実はお米の置き場に困ってたの・・・)」ポロポロ

ランカ「(お供えとか言って、本当はお米減らせるから持ってきたの・・・・)」ポロポロ

ランカ「(本当に、ごめん・・・・)」ポロポロ

ランカ「ぐすっ・・・、持ってきたお米・・・、持って帰らなくちゃ・・・・」

ランカ「悪いこと考えたから、バチが当たったんだ・・・・」

ランカ「ごめんね・・・。ミシェル君・・・。また来るからね・・・」

91: 名無しさん 2011/06/08(水) 12:54:13.99 ID:otq41RQl0
~ブレラ家~

ランカ「・・・・」ピンポーン

ランカ「(お兄ちゃん(ブレラの方)はアルトくんと仲悪かったし、お米貰ったりしてないよね)」

ガチャッ

ブレラ「・・・?どうしたランカ・・・?急に・・・」

ランカ「えへへ///ちょっとね・・・」

ランカ「お兄ちゃんがちゃんとご飯食べてるか心配になっちゃって!ハイ!お米!!」ドサッ

ブレラ「・・・悪いが、米なら足りている」

ランカ「!? どうして!?」

ブレラ「アルトとシェリルが持ってきた。『劇場版ではお世話かけました』とか言ってたな」

ランカ「がーん!!(ここにまで手回しが・・・!!)」

ブレラ「フッ、まさか、あの2人が俺のことを気にかけてくれるなんてな・・・」

ブレラ「ちょっと嬉しかったり・・・、っと、今の発言は俺とランカの秘密だぞ?」

ランカ「う、うん・・・(人間味溢れてきたお兄ちゃんに驚く余裕もない・・・)」

ランカ「(詰んだ・・・・)」

99: 名無しさん 2011/06/08(水) 13:04:13.73 ID:otq41RQl0
~ランカ・オズマ家~

オズマ「ただいま~」

ランカ「おかえり・・・、お兄ちゃん」

オズマ「ん?どうした?なんか元気ないぞ?」

ランカ「な、なんでもないよ・・・」


ランカ「はい、今日の夕食・・・」コトッ コトッ コトッ

オズマ「おぉっ!今日の夕飯も美味そうだな!いただきます!!」

ランカ「・・・・・」コトッ

オズマ「ん・・・?」

ランカ「いただきます・・・。ぱくっ・・・もぐもぐ・・・・」

オズマ「どうした?ランカは白飯だけか?」

ランカ「だけじゃないよ。卵もあるし、納豆もあるし・・・」

オズマ「そういう問題じゃないだろ!栄養偏るぞ?炭水化物ばかり・・・」

ランカ「私ね、今日からお米ばっかり食べるって決めたの」

オズマ「?」

106: 名無しさん 2011/06/08(水) 13:14:38.61 ID:otq41RQl0
オズマ「まさか、この前の不味い米か?」

ランカ「不味くなんかないもん!」

オズマ「す、すまん・・・。だが、無理に食べなくてもいいじゃないか。ゆっくり食べれば・・・」

オズマ「それに、どうしてそこまでするのか・・・」

ランカ「アルトくんとシェリルさんがお米作りを始めたのは知ってるよね?」

オズマ「あぁ・・・、今日も『どうでした?お米』ってアルトからメールが来たぞ」

ランカ「なんて返信したの?」

オズマ「ん~?『まだ食べてない、今度食べるからな』って・・・・」

オズマ「・・・ま、まさか!?」

ランカ「このお米が・・・、アルトくんとシェリルさんが作ってくれたお米なの・・・」


オズマ「そ、そうだったのか・・・。言ってくれれば俺も手伝ったのに・・・」

ランカ「ごめんね、お兄ちゃん・・・」

オズマ「あと、どれくらいあるんだ?」

ランカ「・・・・・」

オズマ「・・・・・?」

113: 名無しさん 2011/06/08(水) 13:23:00.37 ID:otq41RQl0
ランカ「最近・・・、私の部屋入った?」

オズマ「入るわけないだろ。ランカも年頃なわけだし・・・」

ランカ「そっかぁ・・・」

オズマ「ま、まさか!!!」スクッ


オズマ「・・・・」タッタッタ

~ランカの部屋~

バァン!

オズマ「こ、これは・・・・」

[米][米][米][米][米][米][米][米][米][米][米][米][米]

オズマ「(なんてこった・・・、ランカの部屋が狭く見えるってレベルじゃない・・・)」

オズマ「(ランカの部屋が見えない・・・・)」

ランカ「・・・・アルトくんとシェリルさんのことだから、SMSの皆さんにもお米あげてるよね?」

オズマ「ランカ・・・、気づいてやれなくて・・・済まない・・・・」

ランカ「うぅん、アルトくんとシェリルさんが作ったお米だから・・・」

ランカ「頑張って食べるね・・・・」

128: 名無しさん 2011/06/08(水) 13:38:36.98 ID:otq41RQl0
~アルト・シェリル家~

シェリル「あぁ~、休みなんて何日ぶりかしら・・・」

シェリル「毎日水に入ったり、アイモと遊んだり・・・大変だったからなぁ・・・」


アルト「お~い、シェリル~」

シェリル「ん~?どうしたの?」

アルト「今度な、近くのスーパーで俺たちが作った米が販売されるんだってさ」

シェリル「えっ!?本当!?」

アルト「しかも今はまだ米作ってるヤツなんて少ないから、生産者ごとに名前付けていいんだって」

シェリル「す、すごい・・・・」

アルト「『銀河の妖精』で登録しちゃったけど、いいよな?」

シェリル「うん・・・・うん・・・・」

アルト「(興奮しすぎて聞いてない・・・・)」

シェリル「アルト!販売日には必ずスーパーに行くわよ!」

アルト「いや、販売日はまだ・・・」

シェリル「じゃあ、その日が来るまで毎日行きましょう!いいわよね?」

137: 名無しさん 2011/06/08(水) 13:47:00.77 ID:otq41RQl0
~スーパー~

シェリル「今日もまだ私のお米の販売はやってないみたいね・・・」

アルト「まぁ、米食わないってヤツもいるしな。そこまで注目はされないだろ」

シェリル「むぅ・・・、するなら早くしなさいよ・・・・」

アルト「なんなら、店の人に訊いてくるか?」

シェリル「そっ、それはダメよ!」

アルト「ん?何でだ?」

シェリル「だ・・・だって・・・///恥ずかしいじゃない・・・///」

アルト「別に訊くだけだろ・・・?」

シェリル「駄目!駄目ったら駄目よ!!アルトのくせに口答え!?」

アルト「わかった、わかった・・・」

シェリル「ふんっ・・・・」プイッ

アルト「(ったく・・・、可愛い奴・・・)」

146: 名無しさん 2011/06/08(水) 13:57:27.23 ID:otq41RQl0
~次の日 スーパー~

シェリル「(今日はやってるかしら・・・)」コソコソ

アルト「おっ?昨日あんなのあったか?」


[~お米 試食会~]

シェリル「ア、アルト!あれ見てっ!ほらっ!」

アルト「わかったから。見えてるって」

シェリル「しかもあれ見て!」

[~銀河の妖精~]

シェリル「旗まであるわ!凄い!私たちのお米が!」

アルト「まぁ、天然物の米なんて今の技術じゃ非効率的だからな・・・。その分注目されたのかも」

少女「いらっしゃいませ~。銀河の妖精の試食会やってまーす」

シェリル「まさかあれって・・・!」

アルト「売り出し中のアイドルってヤツか。ランカを思い出すな」

シェリル「す・・・凄い・・・こんなに盛り上がって・・・」

シェリル「(頑張ってお米作って良かった・・・・・)」ウルウル

153: 名無しさん 2011/06/08(水) 14:05:32.97 ID:otq41RQl0
少女「はい、銀河の妖精のご飯ですよ~。全部手作りなんです」

客「ふ~ん・・・ぱくっ」

少女「・・・どうですか?」

客「・・・・・」プイッ

少女「あ・・・、あはは・・・・」


アルト「(なんか・・・、売れ行き悪いみたいだな・・・)」

シェリル「・・・・・」


~お昼すぎ~

シェリル「・・・・・」

アルト「な・・・、なぁ。昼食べないか?朝からずっと立って見てるわけだし・・・」

シェリル「売れるまで見てるわ・・・」

アルト「そ、そうだよな・・・アハハ・・・・」

少女「ぎ、銀河の妖精・・・いかがですかぁ・・・」

シェリル「・・・・・」

161: 名無しさん 2011/06/08(水) 14:15:05.78 ID:otq41RQl0
~ランカ・オズマ家~

ランカ「はいっ!ランカ特製のチャーハンだよ!」コトッ

オズマ「いただきます!!ぱくぱくっ」

オズマ「・・・うん!美味い!これなら店も出せるぞ!」

ランカ「ふふっ、ありがと。お兄ちゃん」

ランカの携帯<TEL

ランカ「あっ、電話だ」

オズマ「男じゃないだろうな・・・・・」ジトー

ランカ「・・・アルトくんからだ・・・」

オズマ「アルトから!?(嫌な予感がする・・・)」


ランカ「も・・・もしもし?アルトくん?」

アルト「あぁ・・、俺だ」

ランカ「どうしたの?こんな時間に・・・」

アルト「いま・・・俺たちがあげた米食ってるか?」

ランカ「!?」

176: 名無しさん 2011/06/08(水) 14:25:51.60 ID:otq41RQl0
ランカ「うん!食べてるよ!本当助かってるよ~」

アルト「正直に言って欲しいんだ・・・」

アルト「美味いか?」

ランカ「も・・・、もちろん!今だってお兄ちゃんったら『美味しい』って、ぱくぱく食べちゃって・・・」

アルト「ランカ」

ランカ「!!」

アルト「本当の事を・・・言って欲しいんだ・・・」

ランカ「えっとぉ・・・、えっとぉ・・・」

アルト「ハッキリ言ってくれて構わない」

ランカ「うぅ・・・・」

(シェリル「どう?ランカちゃん、美味しい?」)

(シェリル「私たちが頑張って作ったお米が、人に食べてもらえるなんて・・・」ウルウル)

ランカ「(だめだぁ・・・シェリルさんの顔が浮かんできて・・・『不味い』なんて言えないよう・・・)」


アルト「・・・・不味いか?」

ランカ「ごめん・・・、ごめんねアルトくん・・・」ポロポロ

190: 名無しさん 2011/06/08(水) 14:41:36.15 ID:otq41RQl0
アルト「・・・いいんだ。俺たちも、気がついたから・・・」

ランカ「ぐすっ・・・ひぐっ・・・」ポロポロ


アルト「いやさぁ・・・、今日スーパーで米の試食会があったんだよ」

アルト「凄いんだ。俺たちの米のために新人アイドルまで付いちゃってさ・・・」

アルト「どれだけ売れるのかと思ったら・・・『全く』」

アルト「笑っちゃうよな・・・凄く期待してたのに・・・」

アルト「あまりに売れない様見てたらさ・・・、今までのことを思い出しちゃって・・・」

アルト「はじめはどうなるかと思った・・・。どうせシェリルもすぐ飽きると思ってた」

アルト「でも・・・やり始めたらハマっちゃってさ・・・。いつの間にか2人とも本業とはサヨナラ」

アルト「あの時のシェリルったら、ちょっと育ったくらいで大騒ぎしちゃってよ・・・」

アルト「出来たら・・・『みんなで食べようね』、って・・・・」

ランカ「もうやめて!!・・・もう・・・聞きたくないよ・・・・」ポロポロ

アルト「・・・・うぅ・・・・・」ポロポロ

ランカ「ごめん・・・」ポロポロ

アルト「俺こそ・・・、こんな事言うために電話したんじゃないのに・・・・」

202: 名無しさん 2011/06/08(水) 14:54:07.96 ID:otq41RQl0
オズマ「おい・・・、ランカ・・・。俺と代われ・・・」

ランカ「ぐすっ・・・うぅ・・・」


オズマ「俺だ・・・アルト・・・」

アルト「隊長・・・・」

オズマ「馬鹿が・・・。辞めた後まで迷惑かけやがって・・・」

オズマ「不味かったぞ!!おまえが作った米!!」

アルト「すみません・・・すみません・・・隊長・・・」

オズマ「安心しろ。ヒヨッコの面倒を見るのも、隊長の役目だ」

アルト「隊長・・・・!!」

オズマ「そんなことより、シェリルは大丈夫なのか?」

アルト「そ、それが・・・部屋に引きこもってしまって・・・」

オズマ「馬鹿もん!貴様それでも男か!!」

アルト「(反論の余地もない・・・)」

ランカ「うぅ・・・シェリルさん・・・・」ポロポロ

オズマ「ったく・・・、どいつもこいつも・・・世話ばかりかけやがる」

216: 名無しさん 2011/06/08(水) 15:05:06.64 ID:otq41RQl0
オズマ「・・・・」サッ サッ

ランカ「お兄ちゃん・・・?」

オズマ「アイツ等の家に行ってくる・・・」

オズマ「あの様子だと、今回の件はアルトもキツかったみたいだからな。乗り越えようにはまだ若すぎる」

ランカ「・・・・」


オズマ「じゃあ、留守番頼むぞ・・・」

ランカ「待って!お兄ちゃん・・・」

オズマ「・・・・?」

ランカ「私も・・・、私も行く!」

オズマ「気持ちはわかるが、シェリルは相当凹んでるらしい・・・」

オズマ「それをお前は直視できるのか?」

ランカ「・・・お兄ちゃん、私・・・もう子供じゃないから!」

ランカ「さっきは泣いちゃったけど・・・、シェリルさんを元気付けるくらいなら・・・」

オズマ「・・・・。わかった、一緒に来い」

ランカ「・・・うん!」

231: 名無しさん 2011/06/08(水) 15:15:05.34 ID:otq41RQl0
~アルト・シェリル家の一室~

シェリル「・・・・・」

アルト「シェリル・・・・」

シェリル「・・・・・」

アルト「今から・・・、隊長が来るって・・・」

シェリル「!?」

アルト「ランカも付いてくるらしい・・・」

シェリル「・・・来ても、帰ってもらって」

アルト「ま、待てよ。2人は俺たちを元気付けようと・・・」

シェリル「ウソよ!ウソに決まってる!!」

アルト「しぇ、シェリル・・・?」

シェリル「どうせ表では『元気出して』とか言うけど、裏では『面倒なヤツらだ』って思ってるのよ!」

アルト「そんなこと・・・!」

シェリル「じゃあどうして!?私たちが作ったお米を『とっても美味しい』って言ってたのに!!」

シェリル「私・・・・、本当に嬉しかったのに・・・。どうして嘘ついたのよ・・・」ウルウル

245: 名無しさん 2011/06/08(水) 15:22:46.46 ID:otq41RQl0
~シェリル・アルト家前~

オズマ「・・・・・」

ランカ「・・・・・」

オズマ「・・・覚悟は出来ているな?」

ランカ「大丈夫。私だって、シェリルさんだって、スターになるための下積みしてるもん」

ランカ「シェリルさんなら・・・わかってくれる・・・」

オズマ「・・・・そうか」


ピンポーン

アルト「・・・・来たみたいだな」

シェリル「・・・・・」

アルト「入れるからな?」

シェリル「・・・・・」


アルト「・・・・・」ガチャ

オズマ「おう、アルト。久しぶりだな・・・」

265: 名無しさん 2011/06/08(水) 15:34:31.89 ID:otq41RQl0
アルト「お久しぶりです、隊長」

オズマ「ふん!久しぶりなのに辛気臭い顔しやがって・・・」

アルト「悪いな、ランカ」

ランカ「・・・・・」

オズマ「で?これからどうするか、決めたのか?」

アルト「これから・・・・?」

オズマ「そうだ。不味い米を作って・・・それで終わりか?」

アルト「それについても・・・考えました」

アルト「正直言って、人の手で米を作る必要はなかったんだ」

アルト「機械でいじれば何でも出来る・・・。それどころか、出来る米の味だって決められる」

アルト「俺たちが・・・1年頑張って作っても、技術力の前には勝てないんだ」

アルト「成長促進剤を使って、1か月そこらで作ったコメの方が美味いんだ・・・」

アルト「だから・・・もう米作りは辞めることにしました・・・」

オズマ「甘ったれがぁ!!!」 

バキッ!!
アルト「ぐあっ!」

284: 名無しさん 2011/06/08(水) 15:48:25.79 ID:otq41RQl0
オズマ「機械に勝てないから・・・?技術に勝てないから・・・・?」

オズマ「少なくとも、SMSにいたお前は、そんな弱音を吐かなかったぞ!」

アルト「!!」

オズマ「例え、どれだけ技術が進歩しようとも、人の手は要る」

オズマ「それはパイロットのお前が一番良くわかってるはずだが・・・・?」

アルト「(そうだ・・・何もかも機械で制御出来るってんなら、パイロットも要らない・・・)」

アルト「俺は・・・・」

オズマ「・・・・フン」


~シェリルがいる部屋~

ガチャ・・・

シェリル「・・・!?」

ランカ「ここかなぁ・・・?」

シェリル「来ないで!!」

ランカ「・・・・!!・・・シェリルさん・・・?」

シェリル「嫌よ・・・もう・・・。嘘をつかれるのは・・・」

301: 名無しさん 2011/06/08(水) 16:04:31.56 ID:otq41RQl0
ランカ「・・・・」

シェリル「ふふっ、知ってるのよ?本当は私のお米の事『不味い』って思ってたって」

ランカ「はい・・・。正直、『何だコレ』って思いました」

シェリル「嘘つき!!『美味しい』なんて言ったくせに!!」

ランカ「ごめんなさい・・・」

シェリル「調子乗って・・・、色んな人に配っちゃったわ・・・」

シェリル「みんな『こんな不味いもん寄越しやがって』って思ったのね・・・」

ランカ「・・・・・」

シェリル「あーあ・・・、お米作りなんてやらなきゃ良かった・・・。こんなに悲しいなら」

ランカ「・・・・・」

シェリル「ねぇ・・・?いつまでそこにいるの?誰とも話したくないの」

ランカ「嘘つき・・・・、シェリルさんも嘘つきだよ!」

シェリル「!?」

ランカ「お米作りだって、『楽しかった』って言ってたじゃないですか!いっぱいお話してくれたじゃないですか!!」

ランカ「評価されなかったなら、評価されるまでやればいいじゃないですか!私たち、そうしてきたじゃないですかぁ!!」

324: 名無しさん 2011/06/08(水) 16:15:04.80 ID:otq41RQl0
ランカ「『話したくない』とか言って、本当は聞いてほしいくせに!」

ランカ「慰めて欲しいくせに!」

ランカ「どうして・・・素直にならないんですか・・・!」

シェリル「・・・・・」

ランカ「(・・・・・)」


シェリル「・・・負けたわ。爪の時も思ったけど、ランカちゃんは良く人を見てるのね」

シェリル「そうよ。本当は自分の弱さにイライラしてたの」

シェリル「以前、ランカちゃんが大人気になって、私が落ち目になった時もこんな感じだった・・・」

シェリル「一度堕ちたことがあるのに・・・、また同じようなことで凹むんだもん」

シェリル「それなのに、慰めて欲しいなんて言ったら・・・、プライド捨て放題じゃない」

ランカ「そんなこと・・・思いませんよ・・・」

シェリル「えっ?」

ランカ「むしろ、頼ってもらえた方が嬉しいです!」

ランカ「これからも・・・・」

シェリル「ランカちゃん・・・・」

338: 名無しさん 2011/06/08(水) 16:24:07.17 ID:otq41RQl0
シェリル「・・・・・」

アルト「シェリル・・・」

シェリル「・・・2人は?」

アルト「帰ったよ。『米食わせろ』って言ってた」

シェリル「『あんな米で満足してるんじゃねぇ』ってことね・・・」

アルト「・・・なぁ、シェリル・・・」

シェリル「・・・・・?」

アルト「また・・・、2人で米を作らないか?」

シェリル「えっ・・・///」

アルト「次はきっと・・・、美味く出来る・・・。いや、作ってみせるから・・・!」


シェリル「ふふ・・・」

アルト「なんだよ?」

シェリル「アルトのくせにカッコつけすぎ!」

アルト「そ、そういうつもりじゃ/// それより・・・、やるのか、やらないのか!」

シェリル「私を誰だと思ってるの?・・・美味しい米作り、やってやろうじゃない!」

356: 名無しさん 2011/06/08(水) 16:33:46.81 ID:otq41RQl0
~1年後 シェリル・アルト家~

ランカ「こんにちは~」

アルト「おっ、来たな。久しぶり!」

ランカ「久しぶりだねアルトくん!ふふっ、1年前と全然変わってないねぇ」

アルト「見た目は、な。やってることを聞いたら驚くぞ~?」

ランカ「楽しみ~!」


シェリル「あら、ランカちゃん!いらっしゃ~い」

ランカ「お久しぶりです!シェリルさん!」クスッ

シェリル「久しぶり・・・って、今なんで笑ったのよぉ!」

ランカ「だって、シェリルさんも変わってなかったから」

シェリル「そ、そうかしら?以前会った時より、身嗜みに気を付けたつもりなんだけど・・・」

ランカ「あ~っ、でもちょっと老けたかも?」

シェリル「こ、こらっ!ランカちゃん!」

アルト「あ~あ、遂に言われたか~」

370: 名無しさん 2011/06/08(水) 16:44:06.55 ID:otq41RQl0
シェリル「~♪」

ランカ「あれ・・・?シェリルさんが炊いてるんですか?お米」

アルト「最近は急に家事とかやり出すようになってさ・・・」

ランカ「へぇ~」

シェリル「な、何よ!別に珍しくないでしょ・・・///」

ランカ「『一緒に暮らしてると』ってヤツかぁ~。エプロンシェリルさん可愛い~」ニヤニヤ

アルト「ま、俺は楽できるから構わないけど・・・」


シェリル「まったく・・・。ほら、出来たわよ」

[ご飯] [ご飯] [ご飯]

ランカ「うわぁ~!いい匂い!」

アルト「自信作だからな」

ランカ「食べてもいいんですか!?」

シェリル「当然よ!私達の米を食えーーっ!」

アルト「懐かしいな!」

ランカ「いっただっきまーす!」

376: 名無しさん 2011/06/08(水) 16:52:43.67 ID:otq41RQl0
ランカ「ぱくっ・・・もぐもぐ」

シェリル「・・・・・」ドキドキ

アルト「・・・・・」ドキドキ

ランカ「うん!美味しい!ぱくぱく」

シェリル「本当・・・?本当に?」

ランカ「本当ですよ!本当に美味しいです!」


シェリル「わ、私も・・・ぱくっ」

シェリル「お、美味しい・・・・!!」

アルト「やったな、シェリル!」

シェリル「うぅ・・・アルト・・・・。・・・アルトぉ・・・」ぎゅっ

アルト「はいはい、よしよし」ナデナデ

ランカ「まったくもぅ・・・///ごちそうさま!」

シェリル「・・・えっ!?おかわりいらないの?」

ランカ「そういう意味じゃありませんよ!」

~おわり~